JP2011516561A - 抗葉酸化合物の結晶塩形およびその製造方法 - Google Patents

抗葉酸化合物の結晶塩形およびその製造方法 Download PDF

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Abstract

本発明は、以下に示す式による抗葉酸化合物を調製する方法を提供する。本発明の方法は、とりわけ化合物を特に有用にする改良されたバイオアベイラビリティを示す化合物を調製するための使用であってよい。本発明によって調製された化合物は、異常な細胞増殖、炎症性疾患、喘息および関節炎を含む多数の状態の治療において有用である。

Description

本出願は、医薬上活性な化合物の結晶塩形および当該化合物を製造する方法に関する。より詳細には、本方法は、抗葉酸化合物、とりわけ鏡像異性的に純粋な化合物を製造するために有用である。
葉酸は、系統名N−[4(2−アミノ−4−ヒドロキシ−プテリジン−6−イルメチルアミノ)−ベンゾイル]−L(+)−グルタミン酸によって公知であり、以下の式(1)に提供する構造を有する水溶性ビタミンBである。
Figure 2011516561
式(1)から明らかなように、葉酸の構造は、一般にはプテリジン環、パラ−アミノ安息香酸部位、およびグルタミン酸塩部位から構成されると説明できる。葉酸およびその誘導体は、代謝および成長のために不可欠であり、とりわけチミジル酸塩、アミノ酸、およびプリンの身体内での合成に関与している。例えば天然型葉酸塩などの葉酸の誘導体は、葉酸に匹敵する生化学的作用を有することが公知である。葉酸は、例えば1,4−ジアジン環などでの水素化によって誘導体化されるか、またはメチル化、ホルムアルデヒド化、もしくは架橋されることが公知であるが、置換は、一般にはNもしくはN10位置で行われる。葉酸塩は、出生時欠損、心臓疾患、脳卒中、記憶喪失、および加齢性認知症の重症度または発生率の減少を含む様々な使用における有効性について試験されてきた。
葉酸塩などの抗葉酸化合物は、構造的には葉酸に類似する。しかし抗葉酸化合物は、葉酸代謝を崩壊させるように機能する。抗葉酸剤に関する論評は、参照によって本明細書に組み入れられるTakamoto(1996)The Oncologist,1:68−81によって提供される。1つの特異的群の抗葉酸剤、いわゆる「古典的抗葉酸剤」は、葉酸p−アミノベンゾイルグルタミン酸側鎖、またはその側鎖の誘導体の存在を特徴とする。また別の群の抗葉酸剤、いわゆる「非古典的抗葉酸剤」は、p−アミノベンゾイルグルタミン酸基の特異的非存在を特徴とする。抗葉酸剤は葉酸の作用とは反対である生理学的作用を有するので、抗葉酸剤は、例えばアポトーシスを誘発することによって癌細胞を破壊する能力などの有用な生理学的機能を示すことが証明されている。
葉酸モノグルタミン酸塩および抗葉酸モノグルタミン酸塩は、それらの各形態に特異的な担体によって還元型または非還元型のいずれかで細胞膜を通って輸送される。これらの輸送系の発現は、細胞タイプおよび細胞増殖条件に伴って変動する。細胞内に進入した後、大多数の葉酸塩、および多数の抗葉酸剤はポリグルタミル化によって修飾されるが、このとき1つのグルタミン酸塩残基はペプチド結合によってαカルボキシ基で第2グルタミン酸塩残基に結合させられる。これはポリ−L−γ−グルタミン酸塩の形成を、通常は3〜6個のグルタミン酸塩残基の添加によってもたらす。葉酸塩に作用する酵素は、ポリグルタミル化形に対して高度の親和性を有する。このため、ポリグルタミル化葉酸塩は、一般に細胞内で長期の滞留時間を示す。
無傷葉酸塩酵素経路は、DNAの構築ブロックのデノボ(de novo)合成、ならびに多数の重要なアミノ酸を維持するために重要である。抗葉酸剤の標的には、(i)ジヒドロ葉酸還元酵素(DHFR)、(ii)チミジル酸シンターゼ(TS)、(iii)ホリルポリグルタミルシンターゼ、ならびに、(iv)グリシンアミドリボヌクレオチドトランスホルミラーゼ(GARFT)およびアミノイミダゾールカルボキサミドリボヌクレオチドトランスホルミラーゼ(AICART)を含む葉酸塩代謝に関係する様々な酵素が含まれる。
膜貫通糖タンパク質である還元葉酸塩担体(RFC)は、(受容体媒介性機序とは対照的に)担体媒介性機序によって葉酸塩を哺乳動物細胞内に輸送する葉酸塩経路内において積極的な役割を果たす。RFCは、さらにメトトレキサートなどの抗葉酸剤もまた輸送する。そこで、RFCが機能する能力を媒介する工程は、細胞が還元葉酸塩を取り込む能力に影響を及ぼすことができる。
ポリグルタミル化葉酸塩は酵素補因子として機能できるが、ポリグルタミル化抗葉酸剤は、一般には酵素阻害剤として機能する。さらに、葉酸塩代謝の干渉は、DNAおよび一部のアミノ酸のデノボ合成を妨害し、それにより抗葉酸剤の選択的細胞毒性を可能にする。その構造は式(2)に提供されているメトトレキサートは、癌治療、とりわけ急性白血病、非ホジキン(Hodgkin)リンパ腫、乳癌、頭頸部癌、絨毛腫、骨肉腫、および膀胱癌の治療において有用であることが証明されている1つの抗葉酸剤である。
Figure 2011516561
参照により本明細書に組み入れられるNair et al.(J.Med.Chem.(1991)34:222−227)は、古典的抗葉酸剤のポリグルタミル化は抗腫瘍活性のためには不可欠ではないこと、そして薬物の薬理学的活性および標的特異性の消失を引き起こすという点で望ましくない場合さえあることを証明した。この後に、極めて多数の非ポリグルタミル化性の古典的抗葉酸剤の発見が続いた。例えば、本明細書に参照によって組み入れられるNair et al.(1998)Proc.Amer.Assoc.Cancer Research 39:431を参照されたい。非ポリグルタミル化性の抗葉酸剤の1つの特異的群は、グルタミン酸塩部位の4−位置でのメチリデン基(すなわち、a=CH置換基)を特徴とする。この化学基の存在は、抗葉酸化合物の生物学的活性に影響を及ぼすことが証明されている。例えば、本明細書に参照によって組み入れられるNair et al.(1996)Cellular Pharmacology 3:29を参照されたい。
また別の葉酸誘導体も、より少ない用量およびより低頻度の患者投与を可能にする増加した代謝安定性を備える抗葉酸剤の探索において試験されてきた。例えば、ジデアザ(すなわち、キナゾリンをベースとする)アナログは、プテリジン環系上での生理学的ヒドロキシル化を回避することが証明されている。さらに、第2級アミン窒素原子の任意で置換された炭素原子との置換もまた、生理学的開裂から隣接結合を保護することが証明されている。
第2級アミン窒素の炭素置換を有する抗葉酸剤の1つの実施例は、より一般的にはMDAMと呼ばれる4−アミノ−4−デオキシ−10−デアザプテロイル−γ−メチレングルタミン酸であり、その構造は式(3)で提供されている。
Figure 2011516561
MDAMのL−エナンチオマーは、増加した生理学的活性を示すことが証明されている。本明細書に参照によって組み入れられる米国特許第5,550,128号明細書を参照されたい。代謝安定性のために設計された古典的抗葉酸剤のまた別の実施例は、ZD1694であり、それは式(4)に示されている。
Figure 2011516561
式(5)に示した構造による1群の抗葉酸化合物は、上述した分子的特徴の数種を結合していて、この群の化合物は、MobileTrexate、Mobile Trex、Mobiltrex、またはM−Trexの名称によって公知である。
Figure 2011516561
式(5)(式中、Xは、CH、CHCH、CH(CHCH)、NH、またはNCHであってよい)に示したように、M−Trexは1群の化合物を含んでいる。
医薬化合物としての抗葉酸剤の有効性は、上述したように、代謝不活性に加えて他の因子から生じる。身体内の葉酸代謝に関係する複数の酵素は、抗葉酸剤に対する優れた阻害標的を表している。これを言い換えると、それらが阻害する酵素に関して抗葉酸剤を変化させることが可能である。例えば、一部の抗葉酸剤は主としてジヒドロ葉酸還元酵素(DHFR)を阻害するが、他の抗葉酸剤は主としてチミジル酸塩シンターゼ(TS)、グリシンアミドリボヌクレオチドホルミルトランスフェラーゼ(GARFT)、またはアミノイミダゾールカルボキサミドリボヌクレオチドトランスホルミラーゼを阻害し、さらに他の抗葉酸剤はこれらの酵素の組み合わせを阻害する。
様々な状態の治療における抗葉酸剤の有用性を考えると、当分野においては、抗葉酸化合物、とりわけ治療を必要とする患者に抗葉酸剤を安全および効果的に送達できる医薬組成物中へ効果的に組み込むことのできる抗葉酸化合物を調製する方法に対する必要が依然として存在する。
本発明は、改良された、および/または、さもなければ望ましい特性を示す形態にある抗葉酸化合物、ならびに、抗葉酸化合物を調製する方法を提供する。本発明によって調製された抗葉酸化合物は、好ましくは素晴らしいバイオアベイラビリティ(生体内利用率)を示す形態にあり、そこで医薬組成物中で特に有用である。特定の実施形態では、本発明の方法によって調製された抗葉酸化合物は、例えば(S)エナンチオマーなどの特に所望のエナンチオマーの形態にある。別の実施形態では、本発明の方法によって調製された抗葉酸化合物は、塩の形態にある。そのような塩は、とりわけ低pH範囲内で改良された溶解度を提供する。抗葉酸化合物の塩形は、さらにまた経口投与された場合に生物学的活性のために利用可能にされる抗葉酸化合物の量を増加させるためにも有益である。本発明の方法によって調製された抗葉酸化合物は、異常な細胞増殖、喘息およびその他の炎症性疾患、ならびに関節リウマチおよびその他の自己免疫疾患を含むがそれらに限定されない様々な状態の治療において有用である。
1つの態様では、本発明は、特に所望の形態および特性を有する抗葉酸化合物を提供する。所定の実施形態では、本発明は、式(8)
Figure 2011516561
(式中、
Xは、CHRもしくはNRであり、
、Y、およびYは独立して、OもしくはSであり、
およびVは独立して、O、SもしくはNZであり、
Zは、H、任意で置換されたアルキル、任意で置換されたアルケニル、任意で置換されたアルキニル、もしくは、アルカリルであり、
およびRは独立して、H、任意で置換されたアルキル、任意で置換されたアルケニル、任意で置換されたアルキニル、もしくは、アルカリルであり、
は、H、任意で置換されたアルキル、任意で置換されたアルケニル、任意で置換されたアルキニル、任意で置換されたアルコキシ、ヒドロキシル、もしくは、ハロであり、
は、H、任意で置換されたアルキル、任意で置換されたアルケニル、任意で置換されたアルキニル、アシル、−C(O)−アルキル、−C(O)−アルケニル、もしくは−C(O)−アルキニルならびにそれらの医薬上許容されるエステル、アミド、塩、溶媒和物、エナンチオマーおよびプロドラッグである)による化合物を提供する。
他の実施形態では、本発明は、以下の式
Figure 2011516561
(式中、
Xは、CHRもしくはNRであり、
、YおよびYは独立して、OもしくはSであり、
およびVは独立して、O、SもしくはNZであり、
Zは、H、任意で置換されたアルキル、任意で置換されたアルケニル、任意で置換されたアルキニル、もしくは、アルカリルであり、
およびRは独立して、H、任意で置換されたアルキル、任意で置換されたアルケニル、任意で置換されたアルキニル、もしくは、アルカリルであり、
は、H、任意で置換されたアルキル、任意で置換されたアルケニル、任意で置換されたアルキニル、任意で置換されたアルコキシ、ヒドロキシルもしくはハロであり、
、R、R、RおよびRは独立して、H、任意で置換されたアルキル、任意で置換されたアルケニル、任意で置換されたアルキニル、アシル、−C(O)−アルキル、−C(O)−アルケニルもしくは−C(O)−アルキニル、または、それらの医薬上許容されるエステル、アミド、塩、溶媒和物、エナンチオマーもしくはプロドラッグである)による抗葉酸化合物であって、
上記化合物が、(S)エナンチオマーに対して鏡像異性的に純粋である抗葉酸化合物に関する。
別の実施形態では、本発明は、以下の式:
Figure 2011516561
(式中、
Xは、CHRもしくはNRであり、
は、H、任意で置換されたアルキル、任意で置換されたアルケニル、任意で置換されたアルキニル、任意で置換されたアルコキシ、ヒドロキシル、もしくはハロであり、
、R、R、R、およびRは独立して、H、任意で置換されたアルキル、任意で置換されたアルケニル、任意で置換されたアルキニル、アシル、−C(O)−アルキル、−C(O)−アルケニル、もしくは−C(O)−アルキニル、または、それらの医薬上許容されるエステル、アミド、塩、溶媒和物、エナンチオマーもしくはプロドラッグである)による抗葉酸化合物であって、
上記化合物が、(S)エナンチオマーに対して鏡像異性的に純粋である抗葉酸化合物に関する。
さらに他の実施形態では、本発明は、以下の式
Figure 2011516561
(式中、
Xは、CHRもしくはNRであり、
は、H、任意で置換されたアルキル、任意で置換されたアルケニル、任意で置換されたアルキニル、任意で置換されたアルコキシ、ヒドロキシル、もしくはハロであり、
、R、R、RおよびRは独立して、H、任意で置換されたアルキル、任意で置換されたアルケニル、任意で置換されたアルキニル、アシル、−C(O)−アルキル、−C(O)−アルケニル、もしくは−C(O)−アルキニル、または、それらの医薬上許容されるエステル、アミド、塩、溶媒和物、エナンチオマーもしくはプロドラッグである)による抗葉酸化合物であって、
上記化合物が、(S)エナンチオマーに対して鏡像異性的に純粋である結晶塩の形態にあり、Xは対イオンである抗葉酸化合物に関する。
特定の実施形態では、本発明は、以下の式(11)による葉酸化合物に関する。
Figure 2011516561
好ましい実施形態では、抗葉酸化合物は、結晶塩の形態にある。例えば、Xは、アルカリ金属カチオン、とりわけナトリウムもしくはカリウムを表すことができる。他の好ましい実施形態では、抗葉酸化合物は、(S)エナンチオマーに対して鏡像異性的に純粋である。
特定の実施形態では、本発明は、(S)−2−{4−[2−(2,4−ジアミノ−キナゾリン−6−イル)−エチル]−ベンゾイルアミノ}−4−メチレン−ペンタン二酸の結晶性アルカリ金属塩である抗葉酸化合物を提供するが、このとき本化合物は(S)エナンチオマーに対して少なくとも約95%の鏡像異性的純度を示す。アルカリ金属は、とりわけナトリウム、カリウムおよびそれらの組み合わせからなる群から選択できる。
本発明は、化合物(S)−2−{4−[2−(3,4−ジアミノ−キナゾリン−6−イル)−エチル]ベンゾイルアミノ}−4−メチレン−ペンタン二酸二ナトリウム塩もまた提供するが、このとき本化合物は結晶である。好ましくは、本化合物は、(S)エナンチオマーに対して少なくとも約95%の鏡像異性的純度を示す。
さらにまた、本発明は、化合物(S)−2−{4−[2−(3,4−ジアミノ−キナゾリン−6−イル)−エチル]ベンゾイルアミノ}−4−メチレン−ペンタン二酸二カリウム塩もまた提供するが、このとき本化合物は結晶である。好ましくは、本化合物は、(S)エナンチオマーに対して少なくとも約95%の鏡像異性的純度を示す。
また別の態様では、本発明は、例えば上述した抗葉酸化合物などの抗葉酸化合物を調製するための方法を提供する。所定の実施形態では、本方法は一般に、本明細書に提供した反応スキームIに例示した方法を含んでいる。とりわけ本方法は、以下の
1)2,4−二置換融合芳香族窒素含有複素環へ環化することのできる1つ以上の置換基およびカップリング反応のための付加部位を備えるベンジル部位を含む出発試薬を提供する工程と、
2)上記出発試薬を二置換ベンジル部位と反応させる工程であって、1つの置換基は上記出発試薬の遊離メチル基および後の反応のための部位としての任意で保護された反応基と反応することができる工程と、
3)工程2)の化合物を環化させp−置換ベンジル部位に結合した2,4−二置換融合芳香族窒素含有複素環を形成する工程であって、上記p−置換基は任意で置換されたグルタミン酸塩残基上の基と反応性である工程と、
4)工程3)の化合物を、さらに任意で置換されるメチレン置換グルタミン酸塩残基と反応させる工程と、
5)工程4)の化合物を、例えば酸もしくは塩を形成するためなどの、グルタミン酸塩残基の状態を変化させるために適切な反応物質と任意で反応させる工程とを含むことができる。
所定の実施形態では、本発明の方法は、所望のエナンチオマー形を有する中間化合物を形成するための工程を含むことができる。例えば、1つの実施形態では、本方法は、4−[2−(2,4−ジアミノ−キナゾリン−6−イル)−エチル]−安息香酸を(S)−2−アミノ−4−メチレン−ペンタン二酸ジメチルエステル塩酸塩と反応させ、(S)−2−{4−[2−(2,4−ジアミノ−キナゾリン−6−イル)−エチル]−ベンゾイルアミノ}−4−メチレン−ペンタン二酸ジメチルエステルを形成する工程を含んでいる。
別の実施形態では、本方法は、追加の工程を含むことができる。例えば、本方法は、中間体(S)−2−{4−[2−(2,4−ジアミノ−キナゾリン−6−イル)−エチル]−ベンゾイルアミノ}−4−メチレン−ペンタン二酸ジメチルエステルを塩基と反応させ、(S)−2−{4−[2−(2,4−ジアミノ−キナゾリン−6−イル)−エチル]−ベンゾイルアミノ}−4−メチレン−ペンタン二酸を形成する工程をさらに含むことができる。さらにまた、本方法は、(S)−2−{4−[2−(2,4−ジアミノ−キナゾリン−6−イル)−エチル]−ベンゾイルアミノ}−4−メチレン−ペンタン二酸をアルカリ金属塩基と反応させ、(S)−2−{4−[2−(3,4−ジアミノ−キナゾリン−6−イル)−エチル]ベンゾイルアミノ}−4−メチレン−ペンタン二酸アルカリ金属塩を形成する工程をさらに含むことができる。抗葉酸化合物は、(S)エナンチオマーに対して鏡像異性的に純粋である結晶塩である。
特定の実施形態では、本発明は、抗葉酸化合物を調製するためのさらにまた別の方法を提供する。とりわけ本化合物は、(S)エナンチオマーに対して鏡像異性的に純粋である結晶塩の形態にある。この実施形態によると、本発明は、a)6−ニトロ−mトルイル酸をトリエチルアミンおよびイソ−ブチルクロロホルメートと反応させ反応生成物を形成する工程と、b)工程a)からの生成物をPOClと反応させ、第2反応生成物を形成する工程と、c)工程b)からの生成物を4−メトキシカルボニルベンズアルデヒドと反応させ、第3反応生成物を形成する工程と、d)工程c)からの生成物を触媒の存在下で水素と反応させ、第4反応生成物を形成する工程と、e)工程d)からの生成物をクロロホルムアミジン塩酸塩と反応させ、第5反応生成物を形成する工程と、f)工程e)からの生成物を塩酸と反応させ、第6反応生成物を形成する工程と、g)工程f)からの生成物を(S)−2−アミノ−4−メチレン−ペンタン二酸ジメチルエステル塩酸塩と反応させ、(S)エナンチオマーに対して鏡像異性的に純粋である第7反応生成物を形成する工程と、h)工程g)からの生成物を水酸化ナトリウムと反応させ、第8反応生成物を形成する工程と、i)工程h)からの生成物をアルカリ金属塩基と反応させ、以下の式
Figure 2011516561
(式中、Xは、アルカリ金属カチオンである)による抗葉酸化合物であって、本化合物は(S)エナンチオマーに対して鏡像異性的に純粋である結晶塩の形態にある化合物を形成する工程とを含んでいる。
他の実施形態では、本発明による抗葉酸化合物を調製する方法は、所定の中間化合物の調製を含んでいる。当該中間体の調製は、複数の利点を提供することができる。例えば、中間体の形成は、反応生成物を単離し、反応生成物とともに単離されないすべての不純物を除去するための精製工程として有用な可能性がある。これは特に、中間化合物が結晶化合物である場合に考えられる。例えば、当該結晶化合物は、生成物を精製するための適切な再結晶化方法にかけることができよう。
中間化合物の形成は、反応生成物を長期間保存するため、そして抗葉酸化合物への容易な変換のために準備が整った形態で化合物を維持するためにも有用である。例えば、所定の実施形態では、本発明の方法は、安定性の結晶化合物の形態にある中間化合物の調製を提供する。当該結晶形態は、特に長期間にわたる安定性の保管寿命を示すことができる。
1つの実施形態では、本発明の方法は、(S)−2−{4−[2−(2,4−ジアミノ−キナゾリン−6−イル)−エチル]−ベンゾイルアミノ}−4−メチレン−ペンタン二酸を例えば、(R)−(+)−1−(2−ナフチル)エチルアミンもしくはグルタミン酸部位などの適切な有機対イオンと反応させることによって安定性の結晶性中間化合物を形成する工程を含んでいる。
他の実施形態では、本発明は、医薬組成物に関する。1つの実施形態では、本発明は、以下の式
Figure 2011516561
(式中、
Xは、CHRもしくはNRであり、
、Y、およびYは独立して、OもしくはSであり、
およびVは独立して、O、SもしくはNZであり、
Zは、H、任意で置換されたアルキル、任意で置換されたアルケニル、任意で置換されたアルキニル、もしくは、アルカリルであり、
およびRは独立して、H、任意で置換されたアルキル、任意で置換されたアルケニル、任意で置換されたアルキニル、もしくは、アルカリルであり、
は、H、任意で置換されたアルキル、任意で置換されたアルケニル、任意で置換されたアルキニル、任意で置換されたアルコキシ、ヒドロキシルもしくはハロであり、
、R、R、RおよびRは独立して、H、任意で置換されたアルキル、任意で置換されたアルケニル、任意で置換されたアルキニル、アシル、−C(O)−アルキル、−C(O)−アルケニルもしくは−C(O)−アルキニル、または、それらの医薬上許容されるエステル、アミド、塩、溶媒和物、エナンチオマーもしくはプロドラッグである)による抗葉酸化合物を含む医薬組成物を提供する。好ましくは、本化合物は、(S)エナンチオマーに対して鏡像異性的に純粋である。本組成物は、好ましくは医薬上許容される担体をさらに含んでいる。
さらに他の実施形態では、本発明は、治療方法を提供する。とりわけ、本発明は、異常な細胞増殖、炎症、喘息、および関節炎からなる群から選択される状態を治療するための方法に向けることができる。本方法は、治療を必要とする被験者に以下の式
Figure 2011516561
(式中、
Xは、CHRもしくはNRであり、
、Y、およびYは独立して、OもしくはSであり、
およびVは独立して、O、SもしくはNZであり、
Zは、H、任意で置換されたアルキル、任意で置換されたアルケニル、任意で置換されたアルキニル、もしくは、アルカリルであり、
およびRは独立して、H、任意で置換されたアルキル、任意で置換されたアルケニル、任意で置換されたアルキニル、もしくは、アルカリルであり、
は、H、任意で置換されたアルキル、任意で置換されたアルケニル、任意で置換されたアルキニル、任意で置換されたアルコキシ、ヒドロキシルもしくはハロであり、
、R、R、RおよびRは独立して、H、任意で置換されたアルキル、任意で置換されたアルケニル、任意で置換されたアルキニル、アシル、−C(O)−アルキル、−C(O)−アルケニルもしくは−C(O)−アルキニル、または、それらの医薬上許容されるエステル、アミド、塩、溶媒和物、エナンチオマーもしくはプロドラッグである)による化合物を投与する工程を含むことができる。好ましくは、本化合物は、(S)エナンチオマーに対して鏡像異性的に純粋である。本方法は、本発明によって提供される極めて多数の化合物を用いて実施することができる。
ここまで本発明を大まかに説明してきたが、以下では、必ずしも一定の縮尺では描出されていない添付の図面を参照する。
本発明の1つの実施形態による塩化合物のX線粉末回折パターンのグラフである。
以下では、様々の実施形態を参照しながらより十分に説明する。これらの実施形態は、本開示が完璧および完全であるように、そして当業者へ本発明の範囲を十分に伝えるように提供される。実際に、本発明は、多数の相違する形態で実施することができ、本明細書に記載した実施形態に限定されると解釈すべきではない。むしろ、これらの実施形態は、この開示が適切な法的必要条件を満たすように提供される。本明細書、および添付の特許請求の範囲において使用するように、単数形の「1つ(a)」、「1つの(an)」、「その(the)」には、状況が明白に他のことを指示しない限り複数指示対象が含まれる。
本発明は、抗葉酸化合物を調製する方法を提供する。抗葉酸化合物は、医薬組成物において特に有用である。好ましい実施形態では、抗葉酸化合物は、塩、とりわけアルカリ金属塩の形態にある。本発明の方法は、増加した活性およびバイオアベイラビリティを示し、多数の状態および疾患の治療において、とりわけ異常な細胞増殖、炎症、関節炎、もしくは喘息の治療のために有用な形態にある抗葉酸化合物を提供する。
I.用語の定義
本明細書で使用する用語「代謝的に不活性な抗葉酸剤」は、(i)葉酸塩代謝を崩壊させることのできる葉酸アナログおよび(ii)非ポリグルタミル化性である化合物を意味する。所定の実施形態では、この用語は、(iii)非加水分解性でもある化合物を意味することができる。
本明細書で使用する用語「アルカリ金属」は、IA族元素を意味していて、とりわけナトリウム、リチウムおよびカリウムを含んでいる。本明細書で使用する用語「アルカリ金属塩」はイオン化合物を意味していて、このとき本化合物のカチオン部位は、アルカリ金属、とりわけナトリウム、リチウムまたはカリウムを含んでいる。
本明細書で使用する用語「アルキル」は、飽和直鎖状、分枝状または環状炭化水素基を意味する。特定の実施形態では、アルキルは、1〜10個の炭素原子を含む基(「C1−10アルキル」)を意味する。また別の実施形態では、アルキルは、1〜8個の炭素原子(「C1−8アルキル」)、1〜6個の炭素原子(「C1−6アルキル」)または1〜4個の炭素原子(「C1−4アルキル」)を含む基を意味する。特定の実施形態では、アルキルは、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、シクロプロピル、ブチル、イソブチル、t−ブチル、ペンチル、シクロペンチル、イソペンチル、ネオペンチル、ヘキシル、イソヘキシル、シクロヘキシル、シクロヘキシルメチル、3−メチルペンチル、2,2−ジメチルブチルおよび2,3−ジメチルブチルを意味する。置換アルキルは、ハロ(例えば、Cl、F、BrおよびI)、水素化アルキル(例えば、CF、2−Br−エチル、CHF、CHCl、CHCFもしくはCFCF、ヒドロキシル、アミノ、カルボキシレート、カルボキサミド、アルキルアミノ、アリールアミノ、アルコキシ、アリールオキシ、ニトロ、アジド、シアノ、チオ、スルホン酸、硫酸塩、ホスホン酸、リン酸塩、ならびに、ホスホン酸塩からなる群から選択される1つ以上の部位で置換されたアルキルを意味する。
本明細書で使用する用語「アルケニル」は、少なくとも1つの飽和C−C結合が二重結合によって置換されるアルキル部位を意味する。特定の実施形態では、アルケニルは、1〜10個の炭素原子を含む基(「C1−10アルケニル」)を意味する。また別の実施形態では、アルケニルは、1〜8個の炭素原子(「C1−8アルケニル」)、1〜6個の炭素原子(「C1−6アルケニル」)または1〜4個の炭素原子(「C1−4アルケニル」)を含む基を意味する。特定の実施形態では、アルケニルは、ビニル、アリル、1−プロペニル、2−プロペニル、1−ブテニル、2−ブテニル、3−ブテニル、1−ペンテニル、2−ペンテニル、3−ペンテニル、4−ペンテニル、1−ヘキセニル、2−ヘキセニル、3−ヘキセニル、4−ヘキセニルまたは5−ヘキセニルであってよい。置換アルケニルは、ハロ(例、Cl、F、Br、およびI)、水素化アルキル(例、CF、2−Br−エチル、CHF、CHCl、CHCFもしくはCFCF、ヒドロキシル、アミノ、カルボキシレート、カルボキサミド、アルキルアミノ、アリールアミノ、アルコキシ、アリールオキシ、ニトロ、アジド、シアノ、チオ、スルホン酸、硫酸塩、ホスホン酸、リン酸塩ならびにホスホン酸塩からなる群から選択される1つ以上の部位で置換されたアルケニルを意味する。
本明細書で使用する用語「アルキニル」は、少なくとも1つの飽和C−C結合が三重結合によって置換されるアルキニル部位を意味する。特定の実施形態では、アルキニルは、1〜10個の炭素原子を含む基(「C1−10アルキニル」)を意味する。また別の実施形態では、アルキニルは、1〜8個の炭素原子(「C1−8アルキニル」)、1〜6個の炭素原子(「C1−6アルキニル」)、もしくは1〜4個の炭素原子(「C1−4アルキニル」)を含む基を意味する。特定の実施形態では、アルキニルは、エチニル、1−プロピニル、2−プロピニル、1−ブチニル、2−ブチニル、3−ブチニル、1−ペンチニル、2−ペンチニル、3−ペンチニル、4−ペンチニル、1−ヘキシニル、2−ヘキシニル、3−ヘキシニル、4−ヘキシニル、もしくは5−ヘキシニルであってよい。置換アルキニルは、ハロ(例、Cl、F、Br、およびI)、水素化アルキル(例、CF、2−Br−エチル、CHF、CHCl、CHCFもしくはCFCF、ヒドロキシル、アミノ、カルボキシレート、カルボキサミド、アルキルアミノ、アリールアミノ、アルコキシ、アリールオキシ、ニトロ、アジド、シアノ、チオ、スルホン酸、硫酸塩、ホスホン酸、リン酸塩、ならびに、ホスホン酸塩からなる群から選択される1つ以上の部位で置換されたアルキニルを意味する。
本明細書で使用する用語「アルコキシ」は、1個の酸素原子によって結合された直鎖状もしくは分枝状アルキル基(すなわち、−O−アルキル)を意味するが、このときアルキルは上述したとおりである。特定の実施形態では、アルコキシは、1〜10個の炭素原子を含む酸素連結基(「C1−10アルコキシ」)を意味する。また別の実施形態では、アルコキシは、1〜8個の炭素原子(「C1−8アルコキシ」)、1〜6個の炭素原子(「C1−6アルコキシ」)、もしくは、1〜4個の炭素原子(「C1−4アルコキシ」)を含む酸素連結基を意味する。置換アルコキシは、ハロ(例、Cl、F、Br、およびI);水素化アルキル(例、CF、2−Br−エチル、CHF、CHCl、CHCFもしくはCFCF、ヒドロキシル、アミノ、カルボキシレート、カルボキサミド、アルキルアミノ、アリールアミノ、アルコキシ、アリールオキシ、ニトロ、アジド、シアノ、チオ、スルホン酸、硫酸塩、ホスホン酸、リン酸塩、ならびに、ホスホン酸塩からなる群から選択される1つ以上の部位で置換されたアルコキシを意味する。
本明細書で使用する用語「ハロ」もしくは「ハロゲン」は、フッ素、塩素、臭素またはヨウ素を意味する。
本明細書で使用する用語「アリール」は、各環内に8員までの安定性単環式、二環式、もしくは三環式炭素環を意味するが、このとき少なくとも1つの環はHueckel 4n+2規則によって規定される芳香族である。本発明による典型的なアリール基には、フェニル、ナフチル、テトラヒドロナフチル、およびビフェニルが含まれる。アリール基は、ヒドロキシル、アミノ、アルキルアミノ、アリールアミノ、アルコキシ、アリールオキシ、ニトロ、シアノ、スルホン酸、硫酸塩、ホスホン酸、リン酸塩、もしくはホスホン酸塩からなる群から選択される1つ以上の部位で置換することができる。
本明細書で使用する用語「アラルキル」および「アリールアルキル」は、上記に規定したアルキル基を通して上記分子に連結した上記に規定したアリール基を意味する。
本明細書で使用する用語「アルカリル」および「アルキルアリール」は、上記に規定したアリール基を通して上記分子に連結した上記に規定したアルキル基を意味する。
本明細書で使用する用語「アシル」はカルボン酸エステルを意味するが、このとき上記エステル基の非カルボニル部位は、直鎖状、分枝状、もしくは環状アルキルもしくは低級アルキル;メトキシメチルを含むアルコキシアルキル;ベンジルを含むアラルキル;フェノキシメチルなどのアリールオキシアルキル;ハロゲン、C−CアルキルもしくはC−Cアルコキシと任意に置換されたフェニルを含むアリール;例えばアルキルもしくはメタンスルホニルを含むアラルキルスルホニルなどのスルホン酸エステル;モノ−、ジ−、もしくはトリリン酸エステル;トリチルもしくはモノメトキシトリチル;置換ベンジル;例えばジメチル−t−ブチルシリルもしくはジフェニルメチルシリルなどのトリアルキルシリルより選択される。エステル内のアリール基は、任意でフェニル基を含んでいる。
本明細書で使用する用語「アミノ」は、構造NRによって表される部位を意味し、第1級アミン、ならびにアルキルによって置換された第2級および第3級アミン(すなわち、アルキルアミノ)を含んでいる。そこで、Rは、2個の水素原子、2つのアルキル部位、または1個の水素原子および1つのアルキル部位を表すことができる。
本明細書で使用する用語「アルキルアミノ」および「アリールアミノ」は、各々1つまたは2つのアルキルもしくはアリール置換基を有するアミノ基を意味する。
本明細書で使用する用語「アナログ」は、1つ以上の個別原子もしくは官能基が、一般には類似の特性を備える化合物を生じさせる、相違する原子または相違する官能基のいずれかと置換されている化合物を意味する。
本明細書で使用する用語「誘導体」は、類似の開始化合物から、上記開始化合物にまた別の分子もしくは原子を付着させることによって形成される化合物を意味する。さらに、本発明による誘導体は、1つ以上の原子もしくは分子の付加を通して、または2つ以上の前駆体化合物を結合することを通して前駆体化合物から形成された1つ以上の化合物を含んでいる。
本明細書で使用する用語「プロドラッグ」は、哺乳動物に投与されると、全体として、または部分的に本発明の化合物に変換される任意の化合物を意味する。
本明細書で使用する用語「活性代謝産物」は、本発明の化合物もしくはそのプロドラッグが哺乳動物に投与された場合に、上記化合物もしくはそのプロドラッグの代謝の結果として生じる生理学的に活性な化合物を意味する。
本明細書で使用する用語「治療有効量」もしくは「治療有効用量」は互換可能であり、本発明による化合物、またはその生物学的に活性な変種の、本明細書に記載した治療方法による所望の治療作用を引き出すために十分な濃度を意味する。
本明細書で使用する用語「医薬上許容される担体」は、生物学的活性剤の貯蔵、投与および/または治癒作用を促進するために当分野において慣習的に使用されている担体を意味する。
本明細書で使用する用語「間欠的投与」は、治療有効用量の本発明による組成物の投与、その後に中止期間が続き、さらにその後に治療有効用量のもう1回の投与が続くなどを意味する。
本明細書で使用する用語「抗増殖剤」は、細胞の過剰増殖を減少させる化合物を意味する。
本明細書で使用する用語「異常な細胞増殖」は、当該疾患もしくは状態に苦しんでいない個人における1つ以上の細胞タイプの増殖に比較して上記細胞タイプの不適切な増殖もしくは増大を特徴とする疾患もしくは状態を意味する。
本明細書で使用する用語「癌」は、局所的に、または身体の他の部分へ血流系およびリンパ系を通して広がる可能性がある、細胞の制御されない異常な増殖を特徴とする疾患または状態を意味する。この用語は腫瘍形成癌もしくは非腫瘍形成癌を含んでおり、さらに例えば原発腫瘍および腫瘍転移などの様々なタイプの癌を含んでいる。
本明細書で使用する用語「腫瘍」は、新生物とも呼ばれる制御されずに進行性である過剰な細胞分裂の結果として生じる多細胞生物内の異常な細胞塊を意味する。腫瘍は、良性または悪性のいずれであってもよい。
本明細書で使用する用語「線維性障害」は、全体として、または部分的に線維芽細胞の増殖の結果として生じる線維症およびその他の線維症の内科的合併症を意味する。
記号「D」および「L」もしくは「R」および「S」を用いる化学命名法は、中心、通常は原子、中心線、または平面であってよいキラル元素の周囲の原子または基の絶対配置、または三次元的配列に関係すると理解されている。本明細書で使用する用語「D/L」系および「R/S」系は、前者の系内の「D」は後者の系内の「R」に対応し、前者の系内の「L」は後者の系内の「S」に対応するように互換的に使用できることを意味する。
II.化合物
本発明の方法は、1つ以上の抗葉酸化合物の調製のために有用である。特定の実施形態では、本発明によって調製された抗葉酸化合物は、代謝的に不活性な抗葉酸剤である。当分野において認識されるように、抗葉酸剤は、葉酸塩代謝の様々な段階を妨害する化合物である。そこで、本発明の方法によって調製された化合物は、とりわけ葉酸代謝の崩壊に関連する、もしくは葉酸代謝の崩壊によって治療することのできるか、または葉酸代謝に関連する他の生物学的機序に関連する疾患および状態を治療するために有用な医薬組成物中で使用できる。本発明の化合物は、以下でより特別に記載する多数の特定の式によって記載することができる。
1つの実施形態では、本発明は、本明細書に記載した1つ以上の合成方法によって調製できる抗葉酸化合物を含んでいる。とりわけ、本化合物は、以下の式(6)
Figure 2011516561
(式中、
Xは、CHRもしくはNRであり、
、Y、およびYは独立して、OもしくはSであり、
およびVは独立して、O、S、もしくはNZであり、
Zは、H、任意で置換されたアルキル、任意で置換されたアルケニル、任意で置換されたアルキニル、もしくはアルカリルであり、
およびRは独立して、H、任意で置換されたアルキル、任意で置換されたアルケニル、任意で置換されたアルキニル、または、アルカリルであり、
は、H、任意で置換されたアルキル、任意で置換されたアルケニル、任意で置換されたアルキニル、任意で置換されたアルコキシ、ヒドロキシルまたはハロであり、
、R、R、RおよびRは独立して、H、任意で置換されたアルキル、任意で置換されたアルケニル、任意で置換されたアルキニル、アシル、−C(O)−アルキル、−C(O)−アルケニルもしくは−C(O)−アルキニル、ならびに、それらの医薬上許容されるエステル、アミド、塩、溶媒和物、エナンチオマーおよびプロドラッグである)に提供した構造を有する化合物を含むことができる。
また別の実施形態では、本発明は、本明細書に記載した方法によって調製でき、式(7)
Figure 2011516561
(式中、
Xは、CHRもしくはNRであり、
は、H、任意で置換されたアルキル、任意で置換されたアルケニル、任意で置換されたアルキニル、任意で置換されたアルコキシ、ヒドロキシルもしくはハロであり、
、R、R、RおよびRは独立して、H、任意で置換されたアルキル、任意で置換されたアルケニル、任意で置換されたアルキニル、アシル、−C(O)−アルキル、−C(O)−アルケニルもしくは−C(O)−アルキニル、ならびに、それらの医薬上許容されるエステル、アミド、塩、溶媒和物、エナンチオマーおよびプロドラッグである)に提供した構造を有する化合物を含んでいる。
さらにまた別の実施形態では、本発明は、本明細書に記載した方法によって調製でき、式(8)
Figure 2011516561
(式中、
Xは、CHRもしくはNRであり、
、Y、およびYは独立して、OもしくはSであり、
およびVは独立して、O、S、もしくはNZであり、
Zは、H、任意で置換されたアルキル、任意で置換されたアルケニル、任意で置換されたアルキニル、または、アルカリルであり、
およびRは独立して、H、任意で置換されたアルキル、任意で置換されたアルケニル、任意で置換されたアルキニル、または、アルカリルであり、
は、H、任意で置換されたアルキル、任意で置換されたアルケニル、任意で置換されたアルキニル、任意で置換されたアルコキシ、ヒドロキシルまたはハロであり、
は、H、任意で置換されたアルキル、任意で置換されたアルケニル、任意で置換されたアルキニル、アシル、−C(O)−アルキル、−C(O)−アルケニルもしくは−C(O)−アルキニル、ならびに、それらの医薬上許容されるエステル、アミド、塩、溶媒和物、エナンチオマーおよびプロドラッグである)に提供した構造を有する化合物を含んでいる。
以下では、読者が容易に理解できるように、本発明をとりわけ所定の特定実施形態、所定の特定結晶化合物、塩形、および/または例えば以下に提供する式(9)の化合物などの特定化合物のエナンチオマーを参照して記載する。式(9)の化合物、またはその特定の結晶形、塩形、および/またはエナンチオマーに関連した本発明の説明は、本発明の範囲を限定すると解釈すべきではない。むしろ、本発明はさらに、上記の包括的構造のいずれかによって含まれる様々な他の特定化合物(すなわち、式(6)〜(8)によって含まれる化合物)の結晶形、塩形、および/またはエナンチオマーをさらに含んでいる。
1つの特定の実施形態では、本発明は、本明細書に記載した方法によって調製でき、式(9)に提供した構造を有する化合物を含んでいる。
Figure 2011516561
式(9)の化合物は、異常な細胞増殖、炎症障害および自己免疫疾患を治療するために活性を有することが証明されている。本化合物は、とりわけ2−{4−[2−(2,4−ジアミノ−キナゾリン−6−イル)−エチル]−ベンゾイルアミノ}−4−メチレン−ペンタン二酸という名称で知られている可能性がある。本化合物は、γメチレングルタミン酸塩5,8,10−トリデアザアミノプテリンもしくは5,8−ジデアザMDAMとしても知られている可能性がある。式(9)の抗葉酸化合物は、非ポリグルタミル化性、非加水分解性であり、そして葉酸代謝を崩壊させることができる。本化合物は、治療上適切な濃度で培養中での極めて多数のヒト白血球細胞およびヒト充実性腫瘍細胞を殺滅することにおける有用性をもまた示され、さらに喘息の動物モデルにおける抗炎症薬としての活性もまた示されている。残念なことに、本化合物は低いバイオアベイラビリティを備えていて、酸形は、以下で詳細に記載するように低溶解度を示す。
上記に規定した本化合物の生物学的に活性な変種は、とりわけ本発明によってさらに含まれる。当該変種は、オリジナル化合物の一般的生物学的活性を保持するはずである。しかし、追加の活性の存在は、本発明におけるその使用を必ずしも制限しない。当該活性は、当業者であれば当該活性を同定するために一般に有用であると認識できる標準試験方法およびバイオアッセイを用いて評価することができる。
本発明の1つの実施形態によると、適切な生物学的活性な変種は、上述した化合物の1つ以上のアナログまたは誘導体を含んでいる。実際に、例えば上述したような単独化合物は、類似の活性を有する、このために本発明による有用性を有する1ファミリー全部のアナログもしくは誘導体を生じさせることができる。同様に、例えば上述したような単独化合物は、本発明によって有用なより大きなクラスの単一ファミリーメンバーを表すことができる。したがって、本発明は、上述した化合物だけではなく、当該化合物のアナログおよび誘導体、とりわけ当分野において一般に公知であり、当業者であれば認識できる方法によって同定可能な化合物もまた完全に含んでいる。
本発明の方法によって調製された化合物は、(R)もしくは(S)立体配置のいずれかであってよいキラル中心を含有することができるか、または、それらの混合物を含んでいてよい。したがって、本発明は、エナンチオマー、ジアステレオマー、ラセミ混合物、および、それらの組み合わせを含むことのできる、様々な立体異性体の形成をさらに含んでいる。当該立体異性体は、エナンチオマー出発材料を反応させる工程、または、本発明の化合物の異性体を分離する工程のいずれかによって、従来型技術を用いて調製して分離することができる。異性体は、幾何異性体を含むことができる。幾何異性体の例には、二重結合を横断するシス異性体またはトランス異性体が含まれるがそれらに限定されない。その他の異性体は、本発明によって調製される化合物の中で企図される。
式(9)の化合物は、とりわけキラル化合物であり、そのキラル中心は星印で示されている。したがって、式(9)の抗葉酸化合物は、(R)エナンチオマーまたは(S)エナンチオマーのいずれかである2つの別個のエナンチオマーとして存在することができる。典型的には、式(9)の抗葉酸化合物は、2つのエナンチオマーのラセミ混合物として存在する。
当分野においては、光学活性形を調製し、活性を決定するための様々な方法は公知である。当該方法には、本明細書に記載した標準試験および当分野において周知である他の類似試験が含まれる。本発明の方法による有用な本化合物の光学異性体を入手するために使用できる方法の例には、以下の方法が含まれる。
i)個別エナンチオマーの巨視的結晶が手動により分離される結晶の物理的分離。この技術はとりわけ、別個のエナンチオマーの結晶が存在し(すなわち、本材料が集合体である)、かつ結晶が視覚的に区別できる場合に使用することができる。
ii)個別エナンチオマーがラセミ化合物の溶液から結晶化されるが後者が固体状態にある集合体である場合にのみ可能である同時結晶化。
iii)エナンチオマーと酵素との相違する反応速度によってラセミ化合物が部分的または完全分離される酵素的分割。
iv)合成の少なくとも1つの工程が所望のエナンチオマーの鏡像異性的に純粋もしくは高められた合成前駆体を入手するために酵素反応を使用する合成技術である、酵素的不斉合成。
v)所望のエナンチオマーが、キラル触媒もしくはキラル補助剤を使用して達成することのできる、生成物中の不斉性(すなわち、キラリティ)を生成する条件下でアキラル前駆体から合成される化学不斉合成。
vi)ラセミ化合物は、個別エナンチオマーをジアステレオマーへ変換させる鏡像異性的に純粋な試薬(キラル補助基)と反応させられるジアステレオマー分離。結果として生じるジアステレオマーは、次にそれらの現在より明確な構造的相違および所望のエナンチオマーを入手するために後に除去されたキラル補助基によって、クロマトグラフィもしくは結晶化によって分離される。
vii)最終的には原則として全材料が所望のエナンチオマーから結晶性ジアステレオマーに変換させられるように、それにより所望のエナンチオマーからのジアステレオマー溶液中で優勢を得るためにラセミ化合物平衡からのジアステレオマーまたは所望のエナンチオマーからのジアステレオマーの優先的結晶化が平衡を混乱させる一次および二次不斉転換。所望のエナンチオマーは、次にジアステレオマーから遊離させられる。
viii)エナンチオマーとキラル、非ラセミ試薬もしくは触媒との動的条件下で不等反応速度によって、ラセミ化合物(または部分的に溶解した化合物のまた別の分解)のラセミ化合物の部分的または完全分解を含む動的分解。
ix)所望のエナンチオマーが非キラル出発材料から入手され、立体化学的完全性が合成の全経過にわたって危険に曝されない、またはほんのわずかしか危険に曝されない場合の非ラセミ前駆体からのエナンチオ選択的合成。
x)ラセミ化合物のエナンチオマーが固定相とのそれらの様々な相互作用によって液体移動相中において分離されるキラル液体クロマトグラフィ。相違する相互作用を誘発するために、固定相はキラル材料から作られてよく、または移動相は追加のキラル材料を含有していてよい。
xi)ラセミ化合物が揮発化され、エナンチオマーが固定された非ラセミ材料吸着層を含有するカラムを用いて気体移動相内でのそれらの様々な相互作用によって分離されるキラルガスクロマトグラフィ。
xii)エナンチオマーが1つのエナンチオマーの特定キラル溶媒内への優先的溶解によって分離されるキラル溶媒を用いた抽出。
xiii)ラセミ化合物が薄膜障壁と接触させて配置される、キラル膜を越える輸送。障壁は、典型的には1つがラセミ化合物を含有する2つの混和性流体を分離し、および例えば濃度差もしくは圧差などの駆動力が膜障壁を越える優先的輸送を誘発する。分離は、ラセミ化合物の1つのエナンチオマーだけが通過するのを許容する膜の非ラセミ性キラル性の結果として発生する。
特定の実施形態では、本発明の方法が、1つのエナンチオマー(モル分画または重量分画として与えられる)が過剰に存在するエナンチオマーの混合物などの鏡像異性的に強化された形態にある抗葉酸化合物の形成を提供することが好ましい。エナンチオマーの過剰は、化学物質が同一化合物の2つのエナンチオマーを含む場合に存在し、1つのエナンチオマーが他方のエナンチオマーより多量で存在する場合に存在すると理解されている。ラセミ混合物とは相違して、これらの混合物は正味旋光度を示す。混合物の比旋光度および純粋エナンチオマーの比旋光度に関する知識を用いると、エナンチオマーの過剰(「ee」と省略する)は、公知の方法によって決定することができる。混合物中に存在する各エナンチオマーの量(例、重量%として)の直接的決定は、NMR分光法およびキラルカラムクロマトグラフィを用いると可能である。
キラル化合物は、典型的には(R)および(S)エナンチオマーのラセミ混合物として調製される。1つの実施形態では、本発明は、式(10)に示されている化合物(S)−2−{4−[2−(2,4−ジアミノ−キナゾリン−6−イル)−エチル]−ベンゾイルアミノ}−4−メチレン−ペンタン二酸を調製するための方法を含んでいる。式(10)の化合物は、式(9)に示した化合物の(S)エナンチオマーである。(S)エナンチオマーを選択的に調製するための方法を有するのは有益であるが、それは(R)エナンチオマーと比較して増加した活性を考慮に入れると医薬組成物において特に有用な可能性があるからである。
Figure 2011516561
本発明の化合物は、特定エナンチオマーの鏡像異性的過剰を意味する、化合物の鏡像異性的純度に関して記載することができる。1つの実施形態では、化合物は、存在する化合物の50%超が規定エナンチオマーの形態にある場合には規定エナンチオマーに対して鏡像異性的に純粋であると見なすことができる。好ましい実施形態では、本発明の方法は、(S)エナンチオマーに対して少なくとも約75%の鏡像異性的純度を有する抗葉酸化合物を提供する。これを言い換えると、本方法によって形成された少なくとも約75%の抗葉酸化合物は、(S)形にある。さらに別の実施形態では、本発明の方法は、(S)エナンチオマーに対して少なくとも約80%、少なくとも約85%、少なくとも約90%、少なくとも約95%、少なくとも約96%、少なくとも約97%、少なくとも約98%、少なくとも約99%、少なくとも約99.5%、少なくとも約99.6%、少なくとも約99.7%、または、少なくとも約99.8%の鏡像異性的純度を有する抗葉酸化合物を提供する。
本発明の医薬組成物において使用するために本明細書に記載した化合物は、所定の実施形態では、それらが本発明による薬理学的活性を維持することを前提に、エステル、アミド、塩、溶媒和物、プロドラッグ、または代謝産物の形態にある可能性がある。本発明の化合物のエステル、アミド、塩、溶媒和物、プロドラッグおよびその他の誘導体は、例えば、本明細書に参照によって組み入れられるJ.March,Advanced Organic Chemistry:Reactions,Mechanisms and Structure,4th Ed.(New York:Wiley−Interscience,1992)によって記載された方法などの当分野において一般に公知の方法によって調製することができる。
本発明によって有用な化合物の医薬上許容される塩の例には、酸付加塩が含まれる。しかし、医薬上許容されない酸の塩は、例えば、本化合物の調製および精製において有用な可能性がある。本発明による適切な酸付加塩には、有機および無機酸が含まれる。好ましい塩には、塩酸、臭化水素酸、硫酸、リン酸、クエン酸、酒石酸、乳酸、ピルビン酸、酢酸、コハク酸、フマル酸、マレイン酸、オキサロ酢酸、メタンスルホン酸、エタンスルホン酸、p−トルエンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸、およびイセチオン酸から形成される塩が含まれる。その他の有用な酸付加塩には、プロピオン酸、グリコール酸、シュウ酸、リンゴ酸、マロン酸、安息香酸、桂皮酸、マンデル酸、サリチル酸などが含まれる。医薬上許容される塩の特定の例には、硫酸塩、ピロ硫酸塩、重硫酸塩、亜硫酸塩、亜硫酸水素塩、リン酸塩、一水素リン酸塩、二水素リン酸塩、メタリン酸塩、ピロリン酸塩、塩化物、臭化物、ヨウ化物、酢酸塩、プロピオン酸塩、デカン酸塩、カプリル酸塩、アクリル酸塩、ギ酸塩、イソ酪酸塩、カプロン酸塩、ヘプタン酸塩、プロピオル酸塩、シュウ酸塩、マロン酸塩、コハク酸塩、スベン酸塩、セバシン酸塩、フマル酸塩、マレイン酸塩、ブチン−l,4−ジオエート、ヘキシン−1,6−ジオエート、安息香酸塩、クロロ安息香酸塩、メチル安息香酸塩、ジニトロ安息香酸塩、ヒドロキシ安息香酸塩、メトキシ安息香酸塩、フタル酸塩、スルホン酸塩、キシレンスルホン酸塩、フェニルプロピオン酸塩、フェニル酪酸塩、クエン酸塩、乳酸塩、γ−ヒドロキシ酪酸塩、グリコール酸塩、酒石酸塩、メタンスルホン酸塩、プロパンスルホン酸塩、ナフタレン−1−スルホン酸塩、ナフタレン−2−スルホン酸塩、および、マンデル酸塩が含まれるがそれらに限定されない。酸付加塩は、適切な塩基を用いた処理によって遊離塩基に再変換させることができる。
本発明の化合物が酸である場合は、所望の塩は、例えばアミン(第1級、第2級または第3級)、アルカリ金属もしくはアルカリ土類金属水酸化物などの無機もしくは有機塩基を用いた遊離酸の処理を含む、当分野には公知の任意の適切な方法によって調製することができる。適切な塩の具体的な例には、例えばグリシンおよびアルギニン、アンモニア、第1級、第2級および第3級アミンなどのアミノ酸由来の有機塩、および例えばピペリジン、モルホリンおよびピペラジンなどの環状アミン、ならびにナトリウム、カルシウム、カリウム、マグネシウム、マンガン、鉄、銅、亜鉛、アルミニウムおよびリチウムに由来する無機塩が含まれる。
本発明により有用な化合物が塩基である場合は、所望の塩は、遊離塩基の無機酸、例えば塩酸、臭化水素酸、硫酸、硝酸、リン酸などの無機酸を用いた、または例えば酢酸、マレイン酸、コハク酸、マンデル酸、フマル酸、マロン酸、ピルビン酸、シュウ酸、グリコール酸、サリチル酸、グルクロン酸およびガラクツロン酸などのピラノシジル酸、クエン酸および酒石酸などのα−ヒドロキシ酸、アスパラギン酸およびグルタミン酸などのアミノ酸、安息香酸および桂皮酸などの芳香族酸、p−トルエンスルホン酸もしくはエタンスルホン酸などのp−トルエンスルホン酸などの有機酸を用いた処理を含む、当分野で公知の任意の適切な方法によって調製することができる。
本発明による化合物のエステルは、本化合物の分子構造内に存在する可能性があるヒドロキシルおよび/またはカルボキシル基の官能化を通して調製することができる。アミドおよびプロドラッグは、当業者に公知である技術を使用して調製することもできる。例えば、アミドはエステルから、適切なアミン反応物質を用いて調製することができるか、またはそれらはアンモニアもしくは低級アルキルアミンとの反応によって無水物もしくは酸塩化物から調製することができる。さらに、本発明の化合物のエステルおよびアミドは、適切な有機溶媒(例、テトラヒドロフラン、アセトン、メタノール、ピリジン、N,N−ジメチルホルムアミド)中の0℃〜60℃の温度でのカルボニル化剤(例、ギ酸エチル、酢酸無水物、メトキシアセチル塩化物、ベンゾイル塩化物、イソシアン酸メチル、クロロギ酸エチル、メタンスルホニル塩化物)および適切な塩基(例、4−ジメチルアミノピリジン、ピリジン、トリエチルアミン、炭酸カリウム)との反応によって作製することができる。プロドラッグは、典型的には、個人の代謝系によって修飾されるまで治療的に不活性である化合物を生じさせる部位の共有結合によって調製される。医薬上許容される溶媒和物の例には、水、イソプロパノール、エタノール、メタノール、DMSO、酢酸エチル、酢酸またはエタノールアミンと組み合わせた本発明による化合物が含まれるが、それらに限定されない。
1つの特定の実施形態では、本発明は、上述した抗葉酸化合物の塩を調製するための方法を提供する。1つの好ましい実施形態では、本発明は、式(9)による化合物の塩を調製するための方法を提供する。したがって、本塩は、本化合物のラセミ形として、本化合物の鏡像異性的に精製された(S)形として、または本化合物の鏡像異性的に精製された(R)形として調製することができる。そこで、式(11)は、本発明の様々な実施形態による特に好ましい化合物を提供する。
Figure 2011516561
式(11)では、星印はキラル原子を同定し、Xは任意の適切な塩形成対イオンであってよく、各Xは同一であっても相違していてもよい。特定の実施形態では、Xは、アルカリ金属である。1つの好ましい実施形態では、Xは、ナトリウムカチオンである。また別の好ましい実施形態では、Xは、カリウムカチオンである。特定の実施形態では、本発明の方法は、式(11)による二ナトリウム塩の調製を含んでいる。さらに別の特定の実施形態では、本発明の方法は、式(11)による二カリウム塩の調製を含んでいる。当然ながら、他のカチオン部位は、式(11)の化合物中でXとして使用できると理解されている。例えば本明細書に記載した二ナトリウム塩もしくは二カリウム塩などの抗葉酸化合物の塩は、とりわけそれらの好ましい物理化学的特性を考慮に入れると医薬組成物中で特に有用な可能性がある。
塩形にある、とりわけ二ナトリウム塩もしくは二カリウム塩であり、かつ(S)エナンチオマーに対して鏡像異性的に精製されている抗葉酸化合物は、医薬組成物中で特に有用な可能性がある。したがって、鏡像異性的に精製された塩形にある抗葉酸化合物を調製するための方法を有することは同様に有用である。例えば、1つの実施形態では、本発明は、(S)エナンチオマーに対して鏡像異性的に精製されている2−{4−[2−(2,4−ジアミノ−キナゾリン−6−イル)−エチル]−ベンゾイルアミノ}−4−メチレン−ペンタン二酸の二ナトリウム塩もしくは二カリウム塩に関する。本発明は、式(12)(式中、Xは、ナトリウムもしくはカリウムである)による化合物を調製する方法をさらに含んでいる。1つの実施形態では、本発明は、(S)−2−{4−[2−(2,4−ジアミノ−キナゾリン−6−イル)−エチル]−ベンゾイルアミノ}−4−メチレン−ペンタン二酸の二ナトリウム塩を含んでいる。別の実施形態では、本発明は、(S)−2−{4−[2−(2,4−ジアミノ−キナゾリン−6−イル)−エチル]−ベンゾイルアミノ}−4−メチレン−ペンタン二酸の二カリウム塩を含んでいる。好ましくは、本明細書に記載した方法によって調製された方法は、(S)エナンチオマーに対して少なくとも95%純粋であり、より好ましくは少なくとも97%純粋であり、さらにより好ましくは少なくとも98%純粋であり、一層より好ましくは少なくとも99%純粋であり、および最も好ましくは(S)エナンチオマーに対して少なくとも99.5%純粋である式(12)による二ナトリウム塩もしくは二カリウム塩を生じさせる。
Figure 2011516561
医薬組成物中で使用される医薬的に活性な化合物は、様々な形態で存在することができる。例えば、本化合物は、安定性および準安定性結晶形ならびに等方性および非晶質形で存在することができる。本発明は、全ての当該形態の調製を含む方法を提供する。
本発明の化合物の結晶性および非晶質形態は、材料の固有のX線粉末回折パターン(すなわち、A(オングストローム)で表される格子面間隔ピーク)によって特徴付けることができる。当該データを測定するために有用な装置は、例えばShimadzu XRD−6000 X線回折計のように当分野において公知であり、本発明による化合物を測定するためには任意の当該装置を使用できる。
特定の実施形態では、本発明は、中間化合物もしくは所望の最終化合物であってよい、安定性結晶形にある抗葉酸化合物を調製する方法を含んでいる。特定の実施形態では、本方法は、安定性結晶形にある式(11)による化合物の調製を含んでいる。好ましい実施形態では、本方法は、安定性結晶形にある式(12)による化合物であって、上記化合物は本明細書に記載した(S)エナンチオマーに対する鏡像異性的純度を有する化合物の調製を含んでいる。
本発明の1つの実施形態では、抗葉酸化合物は、以下の近似X線粉末回折「d−間隔」ピーク(すなわち、2°θでの格子面間隔ピーク):4.8750、7.3490、8.1221、10.5019、11.8701、12.4449、14.5270、16.0326、17.1551、20.6738、21.1909、21.7468、22.5306、23.2841、23.9665、24.4918、28.3375、29.1428、30.8958、32.2118、33.5960、34.5226、および35.4153によって特徴付けられる二ナトリウム塩であってよい。二ナトリウム塩のこの形態についてのX線粉末回折パターンは、図1に例示した(以下の実施例1ではより詳細に考察する)。
本発明の医薬組成物には、本発明の抗葉酸化合物のプロドラッグおよび活性代謝産物がさらに含まれる。本明細書に記載した化合物はいずれも本化合物の活性、バイオアベイラビリティもしくは安定性を増加させるため、または、さもなければ本化合物の特性を変化させるためにプロドラッグとして投与することができる。プロドラッグの典型的な例には、活性化合物の官能部位上の生物学的に不安定な保護基を有する化合物が含まれる。プロドラッグには、活性化合物を精製するために酸化する、還元する、アミド化する、脱アミド化する、ヒドロキシル化する、脱ヒドロキシル化する、加水分解する、脱加水分解する、アルキル化する、脱アルキル化する、アシル化する、脱アシル化する、リン酸化する、および/または脱リン酸化することのできる化合物が含まれる。好ましい実施形態では、本発明の化合物は異常に増殖する細胞に対する抗増殖活性を有するかまたは当該活性を示す化合物に代謝される。
多数のプロドラッグリガンドが公知である。一般に、例えば遊離アミンもしくはカルボン酸残基などの本化合物の1つ以上のヘテロ原子の脂肪親和性修飾は、極性を減少させ、細胞内への通過を許容する。遊離アミンおよび/またはカルボン酸部位上の1つ以上の水素原子と置換できる置換基の例には、以下のもの、すなわち、アリール、ステロイド、炭水化物(糖類を含む)、1,2−ジアシルグリセロール、アルコール、アシル(低級アシルを含む)、アルキル(低級アルキルを含む)、スルホン酸エステル(アルキルまたは例えばメタンスルホニルおよびベンジルなどのアリールアルキルスルホニルを含むが、このときフェニル基は本明細書に記載したアリールの定義の中で提供された1つ以上の置換基と任意で置換される)、任意で置換されたアリールスルホニル、脂質(リン脂質を含む)、ホスホチジルコリン、ホスホコリン、アミノ酸残基もしくは誘導体、アミノ酸アシル残基もしくは誘導体、ペプチド、コレステロール、または、インビボで投与された場合に遊離アミンおよび/もしくはカルボン酸部位を提供するその他の医薬上許容される離脱基が含まれるがそれらに限定されない。これらはいずれも、所望の作用を達成するために本明細書に開示した化合物と組み合わせて使用できる。
III.合成方法
抗葉酸化合物を合成するための様々なプロセスは、それらの全部が参照によって本明細書に組み入れられる米国特許第4,996,207号明細書、米国特許第5,550,128号明細書、Abraham et al.(199I)J.Med.Chem.34:222−227、およびRosowsky et al.(1991)J.Med.Chem.34:203−208に開示されている。本発明は、医薬上有用な塩形にある、および/または鏡像異性的精製形にある、および/または、医薬上安定性の結晶形にある抗葉酸剤を調製するために特に有用である合成方法を提供する。所定の実施形態では、本発明の方法は、以下の工程を含んでいる。
1)2,4−二置換融合芳香族窒素含有複素環へ環化することのできる1つ以上の置換基およびカップリング反応のための付加部位を備えるベンジル部位を含む出発試薬を提供する工程。
2)上記出発試薬を二置換ベンジル部位と反応させる工程であって、1つの置換基は上記出発試薬の遊離メチル基および後の反応のための部位としての任意で保護された反応基と反応することができる工程。
3)工程2)の化合物を環化させ、p−置換ベンジル部位に結合した2,4−二置換融合芳香族窒素含有複素環を形成する工程であって、上記p−置換基は任意で置換されたグルタミン酸塩残基上の基と反応性である工程。
4)工程3)の化合物を、さらに任意で置換されるメチレン置換グルタミン酸塩残基と反応させる工程。
5)工程4)の化合物を、例えば酸もしくは塩を形成するためなどの、グルタミン酸塩残基の状態を変化させるために適切な反応物質と任意で反応させる工程。
上述した実施形態による合成方法は、一般には以下に提供する反応スキームIによって記載することができる。
Figure 2011516561
反応スキームIでは、RGおよびCGは、反応基もしくは一時的に保護された反応基を示していて、X、Y、Y、Y、V、V、R、RおよびRは上記に規定されている。特定の実施形態では、CGは、−O−CHであり、RGは、−OH、−CN、−NOまたは−NHであり、環化工程は、例えば塩酸クロロホルムアミジンなどのアミン含有反応物質を用いて実施される。
特定の実施形態では、反応スキームIの一般的性質は、上述した特定抗葉酸化合物に到達するために特定化することができる。例えば、反応スキームIでは、工程4)は所望の立体化学を有する抗葉酸化合物に到達するために変更することができる。所定の実施形態では、メチレン置換グルタミン酸塩残基は、鏡像異性的に精製形で提供することができる。そこで反応スキームIでは、メチレン置換グルタミン酸塩残基の添加によって形成される式(8)の化合物は、メチレン置換グルタミン酸塩残基の鏡像異性的に精製されている立体化学を組み入れる可能性がある。1つの特定実施形態によると、当該反応は、以下に提供される。
Figure 2011516561
上記の反応において明らかなように、メチレン置換グルタミン酸塩部位のキラル炭素は、光学的に精製された(S)形にある。同様に、形成された化合物はこの立体化学を保持していて、さらに鏡像異性的に精製された(S)形にある。有益には、この立体化学は、任意の他の反応を通して保存することができる。
上記に示した反応は、所望の立体化学を有する化合物を調製するために特に有用である。したがって、本発明の方法は、鏡像異性的に精製された抗葉酸化合物を調製するための独立プロセスであってよい。所定の実施形態では、そこで本発明は、p−置換ベンジル部位に結合された2,4−二置換融合芳香族窒素含有複素環を提供する工程と、この化合物を任意にさらに置換されている鏡像異性的に精製されたメチレン置換グルタミン酸塩部位と反応させる工程を含むことができる。1つの特定実施形態では、反応工程は、以下の反応を含むことができる。
Figure 2011516561
上記の反応では、4−[2−(2,4−ジアミノ−キナゾリン−6−イル)−エチル]−安息香酸が(S)−2−アミノ−4−メチレン−ペンタン二酸ジメチルエステル塩酸塩と反応させ(S)−2−{4−[2−(2,4−ジアミノ−キナゾリン−6−イル)−エチル]−ベンゾイルアミノ}−4−メチレン−ペンタン二酸ジメチルエステルを形成する。この化合物は、例えば(例えば、アセトニトリルなどの適切な溶媒中の塩基との反応を通して)対応する二酸を形成できるようにまた別の反応を受けることができる。これはとりわけ、式(10)の化合物を形成することになる。
反応スキームIは、さらにまた抗葉酸化合物の様々な塩の形成のために特定化することができる。例えば、反応スキームIは、2−{4−[2−(2,4−ジアミノ−キナゾリン−6−イル)−エチル]−ベンゾイルアミノ}−4−メチレン−ペンタン二酸である式(9)による化合物の形成を生じさせるために実施することができよう。この二酸構造は次に、上述したような対応する塩に変換させることができよう。例えば、特定の実施形態では、式(9)の化合物は、例えば、メタノールなどの適切な溶媒を用いて可溶化することができ、所望のカチオンを提供するために適切な塩基が加えられる。1つの実施形態では、二ナトリウム塩を形成するために、水酸化ナトリウムを加えることができよう。別の実施形態では、二カリウム塩を形成するために、水酸化カリウムを加えることができよう。本塩化合物は、次に従来型手段によって沈降させることができる。二塩の当該形成を以下に例示するが、このときXは、上述したとおりである。
Figure 2011516561
当該反応は、さらにまた二酸の鏡像異性的に精製された形である式(10)による化合物上で実施することができよう。当該反応は、式(12)による塩の形成を生じさせるであろう。
そこで、また別の実施形態では、反応スキームIの上記の特定実施形態は、さらにまた鏡像異性的に精製されている抗葉酸化合物の塩を形成するために結合することができる。そこで、所定の実施形態では、本発明は、塩、とりわけアルカリ塩の形態にある鏡像異性的に精製されている抗葉酸化合物を調製する方法に関する。当該合成の1つの実施形態は、以下の実施例2において特別に例示した。
本発明の方法は、所定の中間化合物の形成もまた提供する。当該中間化合物は、抗葉酸化合物への後の変換のために貯蔵することのできる安定性結晶化合物である。とりわけ、本中間化合物の形成は、蒸留プロセス工程に導入された任意の反応不純物から所望の化合物を単離することによって生成物の純度を増加させるために有用である。
したがって、所定の実施形態では、本発明の方法は、抗葉酸化合物の製造において有用な中間化合物を調製する方法に関する。本方法は、とりわけ、(任意でさらに置換されている)メチレン置換グルタミン酸塩部位でp−置換されているベンジル部位に結合された2,4−二置換融合芳香族窒素含有複素環を提供する工程と、上記化合物を適切な有機対イオンと反応させる工程を含むことができる。中間化合物を形成することにおける反応工程は、以下に例示するが、このときX、Y、Y、Y、V、V、R、RおよびRは上記に規定されている。
Figure 2011516561
上記に示した反応によって形成される中間化合物は、有益にも任意の特異的立体化学構造を保存することができる。例えば、出発化合物は、例えば(S)形などの鏡像異性的に精製された形であり、当該立体化学は、中間化合物の形成中に、ならびに中間化合物から抗葉酸化合物へ変換させる際に維持することができよう。
特定の実施形態では、中間化合物を調製する際に使用される有機対イオンは、直鎖状、分枝状または環状で、任意に置換された4〜20個の炭素原子を有する有機部位であってよい。1つの特定実施形態では、有機対イオンは、1−(2−ナフチル)エチルアミンである。また別の実施形態では、有機対イオンは、グルタミン酸塩部位である。さらに、有機対イオンは、特異的立体化学構造を示すことができる。例えば、特定の実施形態では、有機対イオンは、(R)−(+)−1−(2−ナフチル)エチルアミンであってよい。例示のために、(S)−2−{4−[2−(2,4−ジアミノ−キナゾリン−6−イル)−エチル]−ベンゾイルアミノ}−4−メチレン−ペンタン二酸(R)−(+)−1−(2−ナフチル)エチルアミンを形成するために(R)−(+)−1−(2−ナフチル)エチルアミンを用いる特定反応を以下に示す。当然ながら、以下に示した反応は、例えばグルタミン酸部位などの様々な有機対イオンを使用することによって変化させることができよう。さらに、以下の反応内の出発化合物は、上述したように、様々に置換することができよう。
Figure 2011516561
以前に指摘したように、式(13)による中間化合物、または、概して上述したように反応によって形成された代替中間化合物は、後に使用するために任意で貯蔵することができる、および/または、1つ以上の精製工程にかけることができる。引き続いて、本中間化合物は、出発化合物に逆変換することができる。例えば、式(13)による化合物は、例えば本化合物の溶液を形成して、pHを(例えば、適切な酸の付加によって)適切に調整することなどによって、式(10)の化合物に逆変換することができる。これを以下の実施例3においてより詳細に説明する。
本発明の合成方法は、医薬調製物において使用するための抗葉酸化合物を調製するために特に有用である。本発明の方法によって調製した化合物は、増加した活性およびバイオアベイラビリティを示すので、そこで減少した総用量で治療有益性を提供することができる。
本発明の方法によって形成された化合物は、例えばエステル、アミド、塩、溶媒和物、エナンチオマー、プロドラッグ、または代謝産物などの所定の医薬上望ましい形態で調製することができる。例えば、本明細書に記載した反応スキームは、塩の調製について特に例示しているが、他の医薬形態もまた本発明によって含まれる。エステル、アミド、塩、溶媒和物、プロドラッグおよびその他の誘導体は、例えば、本明細書に参照によって組み入れられるJ.March,Advanced Organic Chemistry:Reactions,Mechanisms and Structure,4th Ed.(New York:Wiley−Interscience,1992)によって記載された方法などの、当分野において一般に公知の方法によって調製することができる。
IV.医薬組成物
本発明は、本明細書に記載した1つ以上の抗葉酸化合物またはそれらの医薬上許容されるエステル、アミド、塩、溶媒和物、アナログ、誘導体もしくはプロドラッグを含む医薬組成物を特に提供する。さらに本発明の組成物は、様々な組み合わせで調製して送達することができる。例えば本組成物は、有効成分の全部を含有する単一組成物を含むことができる。別の態様では本組成物は、別個の有効成分を含むが、同時に、連続して、さもなければ極めて接近した間隔をあけて投与することが意図されている複数の組成物を含むことができる。
本医薬組成物は、1つ以上の医薬上許容される担体および任意で他の治療用成分と一緒に1つ以上の抗葉酸化合物を送達するために調製することができる。担体は、それらが本組成物の任意の他の成分と適合性であり、そのレシピエントにとって有害ではないという点で許容可能でなければならない。担体は、本薬剤の任意の望ましくない副作用もまた減少させることができる。本発明によって使用できる担体の非限定的な例は、本明細書に全体として参照によって組み入れられるWang et al.(1980)J.Parent.Drug Assn.34(6):452−462によって記載されている。
本発明の医薬組成物は、好ましくは、以下でより詳細に記載するように、治療有効量で抗葉酸化合物を含んでいる。所定の実施形態では、本組成物中の抗葉酸化合物の量は、本組成物の総重量に基づいている。例えば、所定の実施形態では、本医薬組成物は、約0.01mg/g〜約100mg/gの量で抗葉酸化合物を含んでいる。また別の実施形態では、本医薬組成物は、約0.02mg/g〜約80mg/g、約0.05mg/g〜約75mg/g、約0.08mg/g〜約50mg/g、約0.1mg/g〜約30mg/g、約0.25mg/g〜約25mg/g、または約0.5mg/g〜約20mg/gの量で抗葉酸化合物を含んでいる。本薬剤の量は、さらにまた単位用量(例、単一カプセル剤もしくは錠剤中の薬物の量)と言うことができる。本抗葉酸化合物の含量は、塩の含量と言うことができる。他の実施形態では、塩形が使用される場合でさえ、本抗葉酸化合物の量は、存在する遊離酸の含量と言うことができる。
本発明の組成物は、本組成物が本明細書に記載した化合物の投与を達成することを前提に、短期間、急速発現(onset)、急速消失(offset)、制御放出、持続放出、遅延放出、および周期的放出組成物を含むことができる。例えば、全体として参照によって組み入れられるRemington’s Pharmaceutical Sciences(18thed.;Mack Publishing Company,Eaton,Pennsylvania,1990)を参照されたい。本発明による医薬組成物は、経口、非経口(静脈内、筋肉内、皮下、皮内、関節内、滑液嚢内、クモ膜下、動脈内、心臓内、皮下、眼窩内、関節包内、髄腔内、胸骨内、および経皮的を含む)、局所(皮膚、口腔、および舌下を含む)、肺、膣、尿道、および直腸投与を含む様々な送達様式のために適合する。投与は、さらにまた鼻スプレー、手術による移植、体内外科用塗料、注入ポンプによって、もしくはカテーテル、ステント、バルーンまたはその他の送達器具によってでよい。最も有用および/または有益な投与様式は、とりわけレシピエントの状態および治療中の障害に依存して変動してよい。好ましい実施形態では、本発明の組成物は、以下でより十分に記載するように、経口剤形で提供される。
本医薬組成物は、便宜的には単位剤形で利用可能にすることができ、それにより当該組成物は製薬分野において一般に公知であるいずれかの方法によって調製することができる。一般的に言って、当該調製方法は、(様々な方法によって)本発明の活性化合物を、1つ以上の成分から構成されてよい適切な担体もしくは他のアジュバントと結合する工程を含んでいる。有効成分と1つ以上のアジュバントとの組み合わせは、次に送達のために適切な形態で本組成物を提示するために物理的に処理される(例、錠剤に成形するか、または、水性懸濁液に形成する)。
経口剤形のために適合する本発明による医薬組成物は、例えば、各々が規定量の活性薬を含有する錠剤、カプセル剤、カプレット剤、およびウエハー剤(急速に溶解もしくは発泡するものを含む)などの様々な形態を取ることができる。本組成物は、さらにまた水性もしくは非水性液体中の粉末もしくは顆粒、溶液もしくは懸濁液の形態にあってもよく、かつ液体エマルジョン(水中油型および油中水型)としてでもよい。本活性薬剤は、さらにまたボーラス、舐剤、もしくはペースト剤として送達することもできる。一般には、上記の剤形の調製方法は概して当分野において公知であると理解されていて、任意の当該方法は、本発明による組成物の送達において使用するための各剤形の調製のために適合する。
本活性化合物は、重篤な毒性作用の非存在下で治療量の本発明の化合物をインビボで患者に送達するために十分な量で医薬組成物に含まれている。医薬組成物中の活性化合物の濃度は、薬物の吸収、不活性化、および排泄速度ならびに当業者には公知の他の因子に依存する。用量の数値は、緩和すべき状態の重症度に伴って変動することに留意されたい。さらにまた、任意の特定の被験者のためには、当該個人に必要および本組成物を投与するか、もしくは投与を監視する担当者の職業的判定に応じて経時的に特定用量レジメンを調整すべきであること、そして本明細書に規定した用量範囲は単なる例示であり、本明細書で請求する組成物の範囲もしくは実践を限定することは意図していないこともまた理解されたい。有効成分は、一度に投与することができるか、または様々な時間間隔をあけて投与すべき多数のより少ない量に分割することができる。
本発明による治療有効量は、レシピエントの体重に基づいて決定することができる。例えば、1つの実施形態では、本発明の1つ以上の化合物の治療有効量は、約0.1μg/kg(体重)〜約5mg/kg(体重)/日の範囲内にある。または、治療有効量は、固定用量によって説明することができる。このため、また別の実施形態では、本発明の1つ以上の化合物の治療有効量は、約0.01μg/kg〜約500mg/kg/日の範囲内にある。当然ながら、当該の量は、1日を通して投与される多数の小用量に分割することができる。医薬上許容される塩およびプロドラッグの有効用量範囲は、送達すべき親抗葉酸剤の重量に基づいて計算することができる。塩もしくはプロドラッグ自体が活性を示す場合は、有効用量は、上記のように塩もしくはプロドラッグの重量を用いて、または当業者には公知の他の手段によって、推定することができる。
本明細書に記載した1つ以上の化合物を含む本発明の組成物は、治療有効量で哺乳動物、好ましくはヒトへ投与されることが企図されている。本明細書に記載した状態もしくは疾患のいずれかを治療するための化合物もしくは組成物の有効量は、従来型技術の使用によって、および類似の状況下で得られた結果を観察することによって容易に決定することができる。本組成物の有効量は、被験者の体重、性別、年齢、および病歴によって変動すると予測される。当然ながら、関係する特定疾患、疾患の関与度もしくは重症度、個別患者の応答、投与される特定化合物、投与様式、投与される製剤のバイオアベイラビリティ特性、選択された用量レジメン、および併用投薬の使用を含むがそれらに限定されない他の因子もまた、送達すべき組成物の有効量に影響を及ぼす可能性がある。本化合物は、選択的に、望ましくない症状および治療される状態に関連する臨床徴候を軽減するために十分な期間にわたって投与される。有効性および用量を決定する方法は、当業者には公知である。例えば、参照により本明細書に組み入れられるIsselbacher et al.(1996)Harrison’s Principles of Internal Medicine 13 ed.,1814−1882を参照されたい。
V.活性薬剤の組み合わせ
様々な疾患もしくは状態を治療する際に使用するために、本発明の医薬組成物は、様々な組み合わせで上述した抗葉酸化合物を含むことができる。例えば、1つの実施形態では、本発明による医薬組成物は、例えば式(12)による化合物などの、本明細書に記載した単一抗葉酸化合物を含むことができる。また別の実施形態では、本発明による医薬組成物は、本明細書に開示した2つ以上の抗葉酸化合物を含むことができる。さらにまた別の実施形態では、本発明による医薬組成物は、治療特性を有することが公知である1つ以上のまた別の化合物と一緒に本明細書に記載した1つ以上の抗葉酸化合物を含むことができる。例えば、本明細書に記載した医薬組成物は、1つ以上の毒性減少性化合物(例、葉酸またはロイコボリン)とともに投与することができる。さらに別の実施形態では、本発明の医薬組成物は、抗炎症薬、抗関節炎薬、抗生物質、抗真菌薬、または抗ウイルス薬であることが公知の1つ以上の化合物とともに投与することができる。当該のまた別の化合物は、本医薬組成物の成分として提供することができるか、または本発明の組成物と交代して提供することができる。言い換えると、本発明の医薬組成物は、本明細書に開示した抗葉酸化合物とともに同一組成物中で追加の活性薬剤とともに投与することができるか、または追加の活性薬剤は、本発明の医薬組成物とは別個の送達形で投与することができる。
VI.製造品目
本発明は、本明細書に開示した1つ以上の葉酸化合物を含む医薬組成物を、任意で1つ以上のまた別の活性薬剤と組み合わせて提供する製造品目をさらに含んでいる。本製造品目は、乾燥もしくは液体形のいずれかにある任意の担体と一緒に本発明による使用のために適合する組成物を含有するバイアルもしくは他の容器を含むことができる。とりわけ、本製造品目は、本発明による組成物を備える容器を含むキットを含むことができる。当該キットでは、本組成物は、様々な組み合わせで送達することができる。例えば、本組成物は、有効成分の全部を含む単一用量を含むことができる。または、2つ以上の有効成分が提供される場合は、本組成物は、各々が1つ以上の有効成分を含む複数回用量を含むことができ、上記用量は、組み合わせて、連続して、または他の極めて接近した間隔で投与するために企図されている。例えば、用量は、固体形(例えば、錠剤、カプレット剤、カプセル剤など)または液体形(例えば、バイアル)であってよいが、各々は単一有効成分を含んでいるが、併用投与のためにはブリスターパック、バッグなどに入れて提供されてよい。
本製造品目は、本発明の方法を実施するために、容器上のラベルの形態および/またはその中に容器が包装される箱の中に含まれる挿入文書の形態にある取扱説明書をさらに含んでいる。取扱説明書は、さらにまたバイアルがその中に包装される箱の上に印刷することもできる。取扱説明書は、被験者もしくは当分野の労働者が医薬組成物を投与することを可能にできるように例えば十分な用量および投与に関する情報を含有している。当分野における労働者には、本組成物を投与できる医師、看護師、技師、配偶者またはその他の介護者が含まれると予想されている。本医薬組成物は、さらにまた被験者が自己投与することもできる。
VII.治療方法
本発明の抗葉酸化合物は、様々な状態の治療において特に有用であるが、このとき葉酸代謝の崩壊は上記状態の症状または上記状態を治療するために概して有益である。したがって、また別の実施形態では、本発明は、様々な疾患もしくは状態を治療する方法に関する。特定の実施形態では、本発明は、葉酸代謝の崩壊によって治療可能であることが公知または見出されている疾患もしくは状態を治療する方法を提供する。特定の実施形態では、本発明は、例えば異常な細胞増殖、炎症(炎症性腸疾患を含む)、関節炎(とりわけ関節リウマチ)、乾癬、および喘息などの状態を治療する方法を提供する。
実験
以下では様々な実施例を特に参照しながら本発明について説明する。以下の実施例は、本発明を限定するものとは意図されておらず、むしろ典型的な実施形態として提供される。以下の1つ以上の実施例において使用するように、「CH−1504」は式(9)の化合物を意味していて、当該の言及は、本化合物をラセミ形もしくは「DL」として、または精製エナンチオマー(すなわち、L−形またはD−形)として規定することができる。「MTX」は、メトトレキサートを意味する。
塩のスクリーニング
式(9)の葉酸化合物の遊離酸形は、結晶構造を有するが、難溶性を示す。この化合物の塩のスクリーニングは、形成された塩の水溶解度を分析するために様々な医薬上許容される対イオンを用いて実施した。使用した対イオンは、表1に提供した。塩を形成すると考えられる形成された固体は、X線粉末回折法(XRPD)によって分析した。
Figure 2011516561
試験した様々な鉱酸、およびカルボン酸の内で、結晶塩は、HCl、ベンゼンスルホン酸、メタンスルホン酸、2−ナフタレンスルホン酸、およびエタンスルホン酸を用いて生成した。塩の形成は、H NMR分析によって確証した。ほとんどが非晶質の、または広域、低強度のピークを備えるXRPDパターンを示す固体は、1,2−エタンジスルホン酸、1,5−ナフタレンジスルホン酸、硫酸、およびトルエンスルホン酸を用いて入手した。安息香酸、クエン酸、グリコール酸、マレイン酸、DL−リンゴ酸、シュウ酸、フマル酸、リン酸、コハク酸、またはDL−酒石酸を用いた場合に反応は観察されなかった。これらの酸を用いて得られた固体のXRPDパターンは、式(9)の結晶性酸化合物のXRPDパターンに類似していた。
試験した様々な塩基のうち、結晶塩はカルシウムメトキシドを用いて生成した。ほとんどが非晶質材料の、または広域、低強度のピークを備えるXRPDパターンを示す固体は、水酸化アンモニウムおよび水酸化カリウムを用いて入手した。ナトリウム塩から得られた固体のXRPDパターンは、約5.0の2°θで1つのピークを示した。L−アルギニンおよびL−リシンを用いた塩の試みは、ほとんどが非晶質材料または広域ピークのXRPDパターンを示す固体を生じさせた。
アンモニウム、ベシル酸塩、カルシウム、エシル酸塩、硫酸塩、HCl、メシル酸塩、ナプシル酸塩、カリウム、二ナトリウム、およびトシル酸塩の水溶液および緩衝液中での吸湿度および近似溶解度を比較した。吸湿度試験では、塩は、5日間にわたって75%相対湿度に曝された。新規な形態をカルシウム塩から入手した。アンモニウム、ベシル酸塩、エシル酸塩、HCl、メシル酸塩、およびナプシル酸塩は変化しないままであったが、アンモニウムおよびナプシル酸塩を用いた場合はピークの移動が観察された。粘着性もしくは複屈折および消光を示さないゴム状固体は、非晶質硫酸塩、カリウム、二ナトリウム、およびトシル酸塩から入手した。
塩を水溶解度ならびにpH5、6および7の緩衝溶液中での溶解度についてスクリーニングした。溶解度は、視覚的観察に基づいて推定したが、必ずしも平衡溶解度を反映していない。一部の実施例では、固体が残留している場合は、分解を決定するために1および2日後にスラリーを検査した。二ナトリウム塩は116mg/mL超の適切な水溶解度を示し、カリウム塩は98mg/mL超の近似溶解度を示した。残留塩は、0.4mg/mL以下の近似水溶解度を示した。
pH7(20mMリン酸塩)緩衝溶液中で試験すると、溶解度は水中で観察される溶解度に類似していた。二ナトリウムおよび二カリウム塩は、最高溶解度(各々、32mg/mL以上および16mg/mL以上)を示した。ナプシル酸塩の溶解度は1.1mg/mL以上であり、ベシル酸塩の溶解度は2.0mg/mL以上であった。調査した全てその他の塩は、0.2mg/mL未満の溶解度を示した。
上記のデータに基づくと、ベシル酸塩、ナプシル酸塩、カリウム、およびナトリウム塩をまた別の溶解度試験において試験した。pH5および6の溶液中の近似溶解度を決定した。溶解度は、増加した緩衝能力を備えるpH7緩衝液中でも決定した。ベシル酸塩およびナプシル酸塩のどちらも全pH範囲で0.4mg/mLの溶解度を示した。二ナトリウム塩溶解度はpH7であり37mg/mL以上であったが、pH5および6では40mg/mL以上であった。pH7で測定した二カリウム塩の溶解度は、16mg/mL以上であった。
二ナトリウムおよび二カリウム塩は、大規模で調製し、水/IPAおよび水/アセトン中で結晶化させた。式A(Na)として設計される式(11)の化合物の結晶性二ナトリウム塩は、両方の溶媒系から得た。式A(K)として設計される式(11)の化合物の低結晶性二カリウム塩は、水/IPAから得た。水/アセトンから得られた固体は、わずかに改善された結晶性を示したが、固体は依然として低結晶性であった。
式(9)の化合物の二ナトリウム塩の簡潔多形スクリーニングを実施し、2つの結晶形を単離して特性解析した(指定の形態AおよびB)。非晶質形もまた生成された。二ナトリウム塩形態Aは、式(11)の化合物の二ナトリウム塩1モル当たりおよそ4.5モルの水を含有する結晶性の非吸湿性固体であった。上述したように、二カリウム塩形態Aは、水/IPA系または水/アセトン系を用いて得られた結晶性固体であった。カール・フィッシャー(Karl Fischer)分析は、14.8%の含水量(二ナトリウム塩1モル当たり約4.75モルの水と等価である)を確証した。吸湿性試験は、この材料が、14日間にわたり58%および75%の相対湿度(RH)で保存した場合に視覚的評価により決定して非吸湿性であったが、XRPDパターンは75% RHで保存した後には結晶性の減少を示した。VT−XRPDは、窒素パージ下で70℃へ加熱するとこの材料が結晶性を消失することを示した。加熱は、90℃の温度に達するまで継続した。結晶性は、周囲温度へ冷却しても回復しなかった。
二ナトリウム塩形態Bは、メタノールおよびトリフルオロエタノールを用いた高速蒸発から得られた結晶性六水和物であった。カール・フィッシャー分析は、17.5%の水(約6モル)を示した。
上述した形態Aの二ナトリウム塩である式(11)の化合物のラセミ形二ナトリウム塩のX線粉末回折パターンのグラフ(Cu Kα放射線)は、2°θでシグナル強度を示している図1に例示した。特異的2°θ角度、絶対ピーク高さ、D−間隔、および図1に例示した様々なピークのピーク相対強度は、以下の表2に詳細に提供した。
Figure 2011516561
(S)−2−{4−[2−(2,4−ジアミノ−キナゾリン−6−イル)−エチル]−ベンゾイルアミノ}−4−メチレン−ペンタン二酸、二ナトリウム塩の合成
工程1
6−ニトロ−トルイル酸(173g、0.96モル)をジクロロメタン(2.3L)中に溶解させ、5℃へ冷却した。トリエチルアミン(146mL、1.05モル)を5分間かけて装填すると、透明な黄色溶液が生じた。添加中の内部反応温度は、10℃以下であった。この溶液を5℃へ冷却し、イソ−ブチルクロロホルメート(102mL、1.05モル)を5分間かけて装填したが、添加中の内部反応温度は10℃未満であった。この溶液を2.5時間にわたり周囲温度で攪拌した。この溶液を−1℃へ冷却し、約pH11を達成するまで液体NH(90g)を少しずつ加え、この混合液を周囲温度で一晩攪拌した。ジクロロメタンを蒸発させた。水(500mL)、水性飽和KCO(180mL)、および石油エーテル(沸点範囲40〜60℃、1.2L)を粗生成物に加え、5℃で3時間にわたり攪拌した。固体を濾過して取り除き、石油エーテル(500mL)を用いて洗浄し、乾燥させるとベージュ色の固体として94.3gの生成物(収率:55%)が得られた。全反応を以下に示した。
Figure 2011516561
工程2
ジメチルホルムアミド(1L)中の工程1において調製した反応生成物(168g、0.93モル)の溶液を0℃へ冷却した。POCl(96mL、1.03モル)は、添加中の内部温度を12℃以下に維持しながら20分間かけて添加し、この混合液を全変換が達成されるまで15℃で2時間にわたり攪拌した。この反応混合液を1℃へ冷却し、水(1.4L)を30分間かけて装填すると黄色がかった白色のスラリーが産生するが、添加終了時の内部温度は18℃であった。この溶液を5℃へ冷却し、約pH10を達成するまでNH水溶液(1.1L、25%)を加え、この混合液を−5℃で1.5時間にわたり攪拌した。固体を濾過して取り除き、水(1L)で洗浄し、乾燥させるとベージュ色の固体生成物(152g、粗)が作製された。この固体をジクロロメタン(1L)中に懸濁させ、濾過した。濾液を濃縮すると、白色固体として純粋生成物が産生した(114.8g、収率:76%)。全反応を以下に示した。
Figure 2011516561
工程3
工程2において調製した反応生成物(84g、0.52モル)をテトラヒドロフラン中の4−メトキシカルボニルベンズアルデヒド(77.4g、0.47モル)の溶液に加え、この混合液を周囲温度で30分間にわたり攪拌した。1,1,3,3−テトラメチルグアニジン(60.8mL、0.48モル)をTHF(600mL)中に溶解させ、装填した。生じた混合液は、4.5日間にわたり還流させながら加熱して攪拌した。この反応溶液を25℃へ冷却し、AcOH(84mL)および水(600mL)の混合液を攪拌しながら滴下した。沈降物を濾過して取り除き、アセトン(500mL)と混合した。生じた固体を濾過して取り除き、アセトンを用いて洗浄し、乾燥させると黄色固体生成物が得られた(77.1g、収率:53%)。全反応を以下に示した。
Figure 2011516561
工程4
工程3において調製された反応生成物(220.8g、0.72モル)は、テトラヒドロフラン(3.7L)中に溶解させ、10%パラジウム炭素(Pd on carbon)を含む触媒(2.29g、0.02モル)を加えた。大気を水素に変更し、反応混合液を40時間にわたり攪拌した。この混合液をCELITE(登録商標)フィルターに通して濾過し、テトラヒドロフラン(1L)およびジクロロメタン(1L)を用いて洗浄して濃縮すると、粗生成物(200g)が産生した。粗生成物は、ジクロロメタンおよび0.1%トリエチルアミンを用いてシリカ上のフラッシュクロマトグラフィによって精製すると、83.9gの精製生成物が産生した。全反応を以下に示した。図示したように、この水素化工程は、中心二重結合の除去およびニトロ基からアミンへの変換を生じさせる。
Figure 2011516561
工程5
スルホラン(635mL)中の工程4において調製した反応生成物(84g、0.4モル)の溶液を120℃へ加熱し、塩酸クロロホルムアミジン(141g、1.23モル)を加えた。この反応混合液を1時間にわたり140℃で攪拌した。この混合液を次に40℃へ冷却し、約pH9を達成するために水(1.3L)および25%水性アンモニア(280mL)を加えた。形成された黄色固体を濾過によって取り除き、水で洗浄すると、粗生成物(120g)が作製された。全結晶化反応を以下に示したが、これはアミノ置換キナゾリン環の作製を生じさせる。
Figure 2011516561
工程6
水(250mL)およびNaOH(190mL、4M)をテトラヒドロフラン(1.3L)および工程5において調製した反応生成物(120g)に加えた。この混合液を還流させながら4時間にわたり攪拌し、濾過し、蒸発によってテトラヒドロフランを除去した。塩酸(550mL、2M)を加え、次に水(500mL)を加えると約pH4が達成された。形成された黄色固体を濾過によって取り除き、水(200mL)で洗浄した。この固体をアセトン(500mL)と混合し、濾過し、40℃の真空下で乾燥させると、80gの組成物である4−[2−(2,4−ジアミノ−キナゾリン−6−イル)−エチル]−安息香酸(収率:86%)が得られた。全反応を以下に示した。カルボン酸を得るためにアルキル保護基を除去するためには他の酸を使用できる可能性があることに留意されたい。
Figure 2011516561
工程7
工程6からの4−[2−(2,4−ジアミノ−キナゾリン−6−イル)−エチル]−安息香酸(67g、0.22モル)、(S)−2−アミノ−4−メチレン−ペンタン二酸ジメチルエステル塩酸塩(74g、0.33モル)、1−(3−ジメチルアミノプロピル)−3−エチルカルボジイミド塩酸塩(140g、0.73モル)、1−ヒドロキシベンゾトリアゾール(3g、0.02モル)、4−ジメチルアミノピリジン(1g、0.01モル)、ジ−イソ−プロピルエチルアミン(100mL)、およびジメチルホルムアミド(700mL)をまとめて混合し、4時間にわたり55℃で加熱した。この混合液を室温へ冷却し、水(2L)を少しずつ加えた。水の添加中に沈降が始まり、スラリーを1時間にわたり平衡化させた。この生成物を濾過し、濾紙上で一晩乾燥させた。(S)−2−{4−[2−(2,4−ジアミノ−キナゾリン−6−イル)−エチル]−ベンゾイルアミノ}−4−メチレン−ペンタン二酸ジメチルエステルの沈降生成物(91g、収率:86%)は不均質であった。全反応を以下に示した。
Figure 2011516561
工程8
(S)−2−{4−[2−(2,4−ジアミノ−キナゾリン−6−イル)−エチル]−ベンゾイルアミノ}−4−メチレン−ペンタン二酸ジメチルエステル(90g、0.19モル)を水(600mL)およびアセトニトリル(600mL)と混合した。水(200mL)中の水酸化ナトリウム(25g)の溶液を10℃の温度で混合物に加えた。反応混合液は、5時間にわたり室温で攪拌した。この生成物は、pH5.5へ塩酸を添加することによって沈降させた。スラリーは、1時間にわたり平衡化させ、濾過した。この生成物は水(200mL)で洗浄し、フィルター上で乾燥させると8.25g(収率:95%)の(S)2−{4−[2−(2,4−ジアミノ−キナゾリン−6−イル)−エチル]−ベンゾイルアミノ}−4−メチレン−ペンタン二酸が産生した。全反応を以下に示した。加水分解反応では、水酸化ナトリウムをその他の塩基と置換することができよう。
Figure 2011516561
工程9
(S)−2−{4−[2−(2,4−ジアミノ−キナゾリン−6−イル)−エチル]−ベンゾイルアミノ}−4−メチレン−ペンタン二酸(およそ33.5g)をメタノール(300mL)と混合し、この混合物を浴(T=50℃)中で加温した。pHは、4M水酸化ナトリウム水溶液(40mL)の添加によって少なくとも約10へ調整した。アセトン(150mL)を反応混合液に加えると、透明溶液が得られた。より多くのアセトンを1時間の間に2つの部分(150mLおよび300mL)に分けて反応混合液に加えると、生成物が沈降した。この反応混合液を室温へ冷却した。生成物は、非晶質の半固体材料として沈降した。上清を沈降生成物からデカンテーションし、残留物にアセトン(200mL)を加えた。生成物が固化したので、濾過した。得られた生成物である(S)−2−{4−[2−(3,4−ジアミノ−キナゾリン−6−イル)−エチル]ベンゾイルアミノ}−4−メチレン−ペンタン二酸二ナトリウム塩(48g)を乾燥させて濾過した。全反応を以下に示した。本明細書で説明したように、この実施例に示したナトリウム塩は、例えば二カリウム塩などの他の塩形と置換することができよう。
Figure 2011516561
安定性結晶性中間体の合成
(S)−2−{4−[2−(2,4−ジアミノ−キナゾリン−6−イル)−エチル]−ベンゾイルアミノ}−4−メチレン−ペンタン二酸(82g、0.18モル)を水(250mL)と混合した。この混合物にテトラヒドロフラン(200mL)中の(R)−(+)−1−(2−ナフチル)エチルアミン(37g、0.21モル)の溶液を加えた。反応混合液は、CELITE(登録商標)フィルターに通して濾過すると透明であった。生成物である(S)−2−{4−[2−(2,4−ジアミノ−キナゾリン−6−イル)−エチル]−ベンゾイルアミノ}−4−メチレン−ペンタン二酸(R)−(+)−1−(2−ナフチル)エチルアミン(140g)をテトラヒドロフラン(3L)により沈降させ、濾過し、フィルター上で2時間にわたり乾燥させた。(R)−(+)−1−(2−ナフチル)エチルアミン化合物は、安定性の結晶塩であった。全反応を以下に示した。
Figure 2011516561
安定性の結晶性(R)−(+)−1−(2−ナフチル)エチルアミン化合物は、水(300mL)と混合し、4M水性水酸化ナトリウムの添加によって約13へpHを調整することによって二酸から逆変換させた。反応混合液は、ジクロロメタン(200mL)を用いて抽出した。有機相を廃棄し、水相のpHは塩酸の添加によって約5へ低下させた。沈降した生成物を濾過し、水(200mL)を用いて洗浄し、乾燥させた。全反応を以下に示した。
Figure 2011516561
H]MTX輸送の阻害
無傷CCRF−CEMヒトT細胞白血病による37℃での2μMの[H]MTX(メトトレキサート)の輸送は、細胞外薬物を除去するために繰返しの氷冷食塩液を利用するマイクロ法によってアッセイした。当該方法は、どちらも全体として参照によって本明細書に組み入れられるMcGuire JJ,et al.,Cancer Res 1989;49:4517−25およびMcGuire JJ,et al.,Cancer Res 2006;66:3836−44の中に開示されている。洗浄した細胞ペレットは、シンチレーションバイアルへ移す前に37℃で1時間にわたり1mLの0.3% Triton X−100中で可溶化させた;10mLのEcoscint液体シンチレーション液(ナショナルダイアグノスティス社(National Diagnostics)、ジョージア州アトランタ(Atlanta,GA))を加え、Beckman LS6500シンチレーション計数管で放射能を定量した。細胞内放射標識はHPLCによって分析し、少なくとも79%、および典型的には90%超のMTXであることが証明された。アナログの阻害効力は、細胞を用いて250μLへ希釈した場合に[H]MTXの最終濃度が2μM(2μCi/mL)となり、化合物濃度が必要に応じるように、[H]MTXを50μL中の5段階の濃度のアナログと事前混合することによって評価した。取込みは、200μLの細胞を約2.5×10cells/mLの添加によって開始し、2つのアリコート(100μL)を氷冷食塩液へ除去し、5分間でプロセッシングした。偶発的[H]MTX結合は、200μLの細胞をチューブ内の25μLのPBSへ加え、氷中で5分間以上にわたり冷却することによって0℃で決定した;2μMの最終濃度を達成するために25μLの[H]MTXを添加した後、2つのアリコート(100μL)を直ちに氷冷食塩液へ除去し、プロセッシングした。各実験内のコントロールは、アナログの非存在下での[H]MTX取込みがこれらの条件下で5分間にわたり線形であることを証明した。コントロールの取込みは、典型的には12pmol/10細胞/5分間であった。IC50値を決定し、以下の表3に例示した。
分析的HPLCは、Dynamax制御装置を用いてレイニンインストルメンツ(Rainin Instruments)社製HPLCシステム上で実施し、データ捕捉モジュールは例えば全体として本明細書に参照によって組み入れられるMcGuire JJ,et al.,J Biol Chem 1990;265:14073−9に記載されたようにマッキントッシュ(Macintosh)社製コンピュータ上でランした。C18逆相(0.4×25cm;Rainin Microsorb、5μ)HPLCは、25℃で実施した。検出は、280および/または254nmの吸光度によって実施した。MTX(tr、約31.6分間)および7−OH−MTX(tr、約35.2分間)について、勾配は、1mL/分での41分間にわたって0.1M Na−酢酸塩(pH5.5)中での4〜13% ACNであった。化合物は、これらの条件下では溶出しなかった;勾配は41分間にわたって0.1M Na−酢酸塩(pH5.5)中の4〜20% ACNに調整した。
Figure 2011516561
表3に例示したように、CH−1504(L−CH−1504)の鏡像異性的に純粋な形は、試験した他の化合物に比較して減少した葉酸塩担体(RFC)を発現する細胞内へより効率的に輸送されることが証明された。
細胞培養および増殖の阻害
ヒトT−リンパ芽細胞腫性白血病細胞系CCRF−CEM(Foley GF,et al.,Cancer 1965;18:522−9の中に記載されている)は、McCloskey DE,et al.,J Biol Chem 1991;266:6181−7(どちらも参照によって本明細書に組み入れられる)に記載されたように培養し、マイコプラズマ(Mycoplasma)汚染については陰性であることが検証された(マイコプラズマ+PCRプライマー、Stratagene社、カリフォルニア州ラ・ホーヤ)。連続的(120時間)薬物曝露によるCCRF−CEM細胞の増殖の阻害は、Foley and in McGuire JJ,et al.,Oncology Res 1997;9:139−47に記載されたようにアッセイした。EC50値(細胞増殖を50%阻害することに有効な薬物濃度)は、50%相対増殖の片側での2つのデータポイントの線形回帰を実施し、50%相対増殖に対応する阻害剤濃度を計算することによって、薬物濃度の対数に対する溶媒処理コントロール培養に比較した増殖率のプロットから内挿した。結果は、表4に提供した。
Figure 2011516561
表4に例示したように、CH−1504のL形は、D−形またはラセミ形に比較して大きな増殖の阻害を示す。
血漿濃度
ラセミ形CH−1504は、絶食させた雌性Lewisラットへ10mg/kgの用量で経口により1回投与した(ビヒクル:0.11%カルボキシメチルセルロース/0.45%のTWEEN 80、調製物:懸濁液)。約750μLの血液を、投与1および3時間後に頸静脈から採取した。次に、投与6時間後にジエチルエーテル麻酔下の大腿静脈から全血を採取した。採取した血液は、血漿サンプルを得るために直ちに遠心分離した。L−およびD−CH−1504は血漿から固相抽出によって抽出し、次にLC/MS/MSを用いて決定した。各サンプルでのL−およびD−CH−1504の血漿濃度は、表8に示した。L−およびD−CH−1504の血漿濃度は等価ではなく、各エナンチオマーの薬物動態パラメータにおける差を示していた。詳細には、表5に例示したように、L−形のCH−1504は、D−形に比較して各採取間隔で有意に高い血漿濃度を示し、より高いバイオアベイラビリティを明白に示した。
Figure 2011516561
血漿濃度
L−もしくはD−CH−1504は、10mg/kgの用量で非絶食雌性Lewisラットへ経口により1回投与した(ビヒクル:0.11%カルボキシメチルセルロース/0.45%のTWEEN 80、調製物:懸濁液)。約750μLの血液を、投与1および3時間後に頸静脈から採取した。次に、投与6時間後にジエチルエーテル麻酔下の大腿静脈から全血を採取した。採取した血液は、血漿サンプルを得るために直ちに遠心分離した。L−およびD−CH−1504は血漿から固相抽出によって抽出し、次にLC/MS/MSを用いて決定した。各サンプルでのL−およびD−CH−1504の血漿濃度は、表6に示した。全サンプル中で、CH−1504の異性体化は、各エナンチオマーの投与6時間後までには確認できなかった。これらの結果は、薬物のL−形について有意に高い血漿濃度を再び例示している。
Figure 2011516561
本明細書に規定した多数の修飾およびその他の実施形態は、上記の説明に提示した教示の利点を有する本発明が関係する分野の当業者であればすぐ思い付くことである。このため、本発明は、本明細書に開示した特定実施形態には限定されないこと、修飾およびその他の実施形態は添付の特許請求の範囲内に含まれることが意図されることを理解されたい。本明細書では特定の用語を使用しているが、それらは一般的かつ記述的意味でのみ使用されていて、本明細書を限定するためではない。

Claims (30)

  1. 以下の式:
    Figure 2011516561
    (式中、
    Xは、CHRもしくはNRである;
    、Y、およびYは独立して、OもしくはSである;
    およびVは独立して、O、S、もしくはNZである;
    Zは、H、任意で置換されたアルキル、任意で置換されたアルケニル、任意で置換されたアルキニル、もしくはアルカリルである;
    およびRは独立して、H、任意で置換されたアルキル、任意で置換されたアルケニル、任意で置換されたアルキニル、もしくはアルカリルである;
    は、H、任意で置換されたアルキル、任意で置換されたアルケニル、任意で置換されたアルキニル、任意で置換されたアルコキシ、ヒドロキシル、もしくはハロである;および
    、R、R、R、およびRは独立して、H、任意で置換されたアルキル、任意で置換されたアルケニル、任意で置換されたアルキニル、アシル、−C(O)−アルキル、−C(O)−アルケニル、もしくは−C(O)−アルキニル;またはそれらの医薬上許容されるエステル、アミド、塩、溶媒和物、エナンチオマー、もしくはプロドラッグである)による抗葉酸化合物であって、
    前記化合物は、(S)エナンチオマーに対して鏡像異性的に純粋である抗葉酸化合物。
  2. 以下の式:
    Figure 2011516561
    (式中、
    Xは、CHRもしくはNRである;
    は、H、任意で置換されたアルキル、任意で置換されたアルケニル、任意で置換されたアルキニル、任意で置換されたアルコキシ、ヒドロキシル、もしくはハロである;および
    、R、R、R、およびRは独立して、H、任意で置換されたアルキル、任意で置換されたアルケニル、任意で置換されたアルキニル、アシル、−C(O)−アルキル、−C(O)−アルケニル、もしくは−C(O)−アルキニル;またはそれらの医薬上許容されるエステル、アミド、塩、溶媒和物、エナンチオマー、もしくはプロドラッグである)による化合物であって、前記(S)エナンチオマーに対して鏡像異性的に純粋である請求項1に記載の抗葉酸化合物。
  3. 以下の式:
    Figure 2011516561
    (式中、
    Xは、CHRもしくはNRであり、
    は、H、任意で置換されたアルキル、任意で置換されたアルケニル、任意で置換されたアルキニル、任意で置換されたアルコキシ、ヒドロキシル、もしくはハロであり、
    、R、R、RおよびRは独立して、H、任意で置換されたアルキル、任意で置換されたアルケニル、任意で置換されたアルキニル、アシル、−C(O)−アルキル、−C(O)−アルケニルもしくは−C(O)−アルキニル、または、それらの医薬上許容されるエステル、アミド、塩、溶媒和物、エナンチオマーもしくはプロドラッグである)による化合物であって、前記(S)エナンチオマーに対して鏡像異性的に純粋である結晶塩の形態にあり、かつXは、対イオンである請求項2に記載の抗葉酸化合物。
  4. が、アルカリ金属カチオンである請求項3に記載の抗葉酸化合物。
  5. 二ナトリウム塩または二カリウム塩の形態にある請求項3に記載の抗葉酸化合物。
  6. 前記(S)エナンチオマーに対して少なくとも約90%の鏡像異性的純度を示す請求項3に記載の抗葉酸化合物。
  7. 以下の式
    Figure 2011516561
    による化合物であって、前記(S)エナンチオマーに対して鏡像異性的に純粋である結晶塩の形態にあり、かつXは、対イオンである請求項1に記載の抗葉酸化合物。
  8. が、アルカリ金属カチオンである請求項3に記載の抗葉酸化合物。
  9. 二ナトリウム塩の形態にある請求項3に記載の抗葉酸化合物。
  10. 二カリウム塩の形態にある請求項3に記載の抗葉酸化合物。
  11. 前記(S)エナンチオマーに対して少なくとも約75%の鏡像異性的純度を示す請求項3に記載の抗葉酸化合物。
  12. 前記(S)エナンチオマーに対して少なくとも約90%の鏡像異性的純度を示す請求項11に記載の抗葉酸化合物。
  13. 前記(S)エナンチオマーに対して少なくとも約99%の鏡像異性的純度を示す請求項11に記載の抗葉酸化合物。
  14. 前記(S)−2−{4−[2−(2,4−ジアミノ−キナゾリン−6−イル)−エチル]−ベンゾイルアミノ}−4−メチレン−ペンタン二酸の結晶性アルカリ金属塩であり、前記化合物は(S)エナンチオマーに対して少なくとも約95%の鏡像異性的純度を示す請求項3に記載の抗葉酸化合物。
  15. 前記アルカリ金属が、ナトリウム、カリウムおよびそれらの組み合わせからなる群から選択される請求項14に記載の抗葉酸化合物。
  16. 化合物(S)−2−{4−[2−(3,4−ジアミノ−キナゾリン−6−イル)−エチル]ベンゾイルアミノ}−4−メチレン−ペンタン二酸二ナトリウム塩であって、前記化合物は結晶である化合物。
  17. 前記(S)エナンチオマーに対して少なくとも約95%の鏡像異性的純度を示す請求項16に記載の化合物。
  18. 前記化合物(S)−2−{4−[2−(3,4−ジアミノ−キナゾリン−6−イル)−エチル]ベンゾイルアミノ}−4−メチレン−ペンタン二酸二カリウム塩であって、前記化合物は結晶である化合物。
  19. 前記(S)エナンチオマーに対して少なくとも約95%の鏡像異性的純度を示す請求項18に記載の化合物。
  20. 前記(S)エナンチオマーに対して鏡像異性的に純粋である結晶塩の形態にある抗葉酸化合物を調製する方法であって、
    a)6−ニトロ−mトルイル酸を、トリエチルアミンおよびイソ−ブチルクロロホルメートと反応させ、以下の式
    Figure 2011516561
    による生成物を形成する工程と、
    b)工程a)からの前記生成物をPOClと反応させ、以下の式
    Figure 2011516561
    による生成物を形成する工程と、
    b)工程b)からの前記生成物を、4−メトキシカルボニルベンズアルデヒドと反応させ、以下の式
    Figure 2011516561
    による前記生成物を形成する工程と、
    d)工程c)からの前記生成物を触媒の存在下で水素と反応させ、以下の式
    Figure 2011516561
    による前記生成物を形成する工程と、
    e)工程d)からの前記生成物を環化させ、以下の式
    Figure 2011516561
    による前記生成物を形成する工程と、
    f)工程e)からの前記生成物を1つの酸と反応させ、以下の式
    Figure 2011516561
    による前記生成物を形成する工程と、
    g)工程f)からの前記生成物を好ましくは塩酸塩の形態にある(S)−2−アミノ−4−メチレン−ペンタン二酸ジメチルエステルと反応させ、(S)エナンチオマーに対して鏡像異性的に純粋である以下の式
    Figure 2011516561
    による前記生成物を形成する工程と、
    h)工程g)からの前記生成物を1つの塩基と反応させ、以下の式
    Figure 2011516561
    による前記生成物を形成する工程と、
    i)工程h)からの前記生成物をアルカリ金属塩基と反応させ、以下の式
    Figure 2011516561
    (式中、Xは、アルカリ金属カチオンである)による抗葉酸化合物を形成する工程とを含み、(S)エナンチオマーに対して鏡像異性的に純粋である結晶塩の形態にある抗葉酸化合物を形成するための方法。
  21. 以下の式
    Figure 2011516561
    (式中、Xは、アルカリ金属カチオンである)による抗葉酸化合物を調製する方法であって、4−[2−(2,4−ジアミノ−キナゾリン−6−イル)−エチル]−安息香酸を、好ましくは塩酸塩の形態にある(S)−2−アミノ−4−メチレン−ペンタン二酸ジメチルエステル塩酸塩と反応させ、(S)−2−{4−[2−(2,4−ジアミノ−キナゾリン−6−イル)−エチル]−ベンゾイルアミノ}−4−メチレン−ペンタン二酸ジメチルエステルの中間体を形成する工程を含み、
    前記抗葉酸化合物は、(S)エナンチオマーに対して鏡像異性的に純粋である結晶塩の形態にある方法。
  22. 中間体(S)−2−{4−[2−(2,4−ジアミノ−キナゾリン−6−イル)−エチル]−ベンゾイルアミノ}−4−メチレン−ペンタン二酸ジメチルエステルを塩基と反応させ、(S)−2−{4−[2−(2,4−ジアミノ−キナゾリン−6−イル)−エチル]−ベンゾイルアミノ}−4−メチレン−ペンタン二酸を形成する工程をさらに含む請求項21に記載の方法。
  23. (S)−2−{4−[2−(2,4−ジアミノ−キナゾリン−6−イル)−エチル]−ベンゾイルアミノ}−4−メチレン−ペンタン二酸をアルカリ金属塩基と反応させ、(S)−2−{4−[2−(3,4−ジアミノ−キナゾリン−6−イル)−エチル]−ベンゾイルアミノ}−4−メチレン−ペンタン二酸アルカリ金属塩を形成する工程をさらに含む請求項22に記載の方法。
  24. 前記塩基が、少なくとも約10のpHを達成するまで加えられる請求項23に記載の方法。
  25. 有機溶媒の添加によって前記塩を沈降させる工程をさらに含む請求項23に記載の方法。
  26. 前記調製された抗葉酸化合物が、(S)エナンチオマーに対して少なくとも約75%の鏡像異性的純度を示す請求項22に記載の方法。
  27. 前記調製された抗葉酸化合物が、(S)エナンチオマーに対して少なくとも約90%の鏡像異性的純度を示す請求項26に記載の方法。
  28. 前記調製された抗葉酸化合物が、(S)エナンチオマーに対して少なくとも約99%の鏡像異性的純度を示す請求項26に記載の方法。
  29. 請求項1に記載の抗葉酸化合物および医薬上許容される担体を含む医薬組成物。
  30. 異常な細胞増殖、炎症、喘息、関節炎からなる群から選択される状態を治療する方法であって、前記方法は、治療を必要とする被験者に請求項1に記載の化合物を投与する工程を含む方法。
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