JP2011513368A - 鏡像異性的に純粋なインドロピリジンの調製方法 - Google Patents

鏡像異性的に純粋なインドロピリジンの調製方法 Download PDF

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Abstract

本発明は、Eg5抑制剤として使用することができる、基本側鎖に結合した四環系テトラヒドロ−β−カルボリン−ヒダントインを含む、薬理学的に興味深いインドロピリジン誘導体及びその対応する塩の新規の調製方法であって、非常に高い全体としての化学収率かつ鏡像異性的純度での調製方法に関する。
【選択図】なし

Description

発明の応用分野
本発明は、Eg5抑制剤として使用することができる、基本側鎖に結合した四環系テトラヒドロ−β−カルボリン−ヒダントインを含む、薬理学的に興味深いインドロピリジン誘導体及びその対応する塩の新規の調製方法であって、非常に高い全体としての化学収率かつ鏡像異性的純度での調製方法に関する。
公知の技術背景
国際特許出願公開第WO2007/096393A1号明細書(出願人:Nycomed)は(とりわけ)ハロエチルイソシアネートを用いて、ピクテスペングラー(Pictet-Spengler)β−カルボリンをヒダントイン環化させ、次いで、ハロエチル−側鎖をアミノ化反応させることによる、基本側鎖に結合したラセミ体テトラヒドロ−β−カルボリン−ヒダントインの調製を記載している。ハロエチル−イソシアネート(Hal=Br、Cl、I)を二官能試薬として適用し、ヒダントイン部分を導く複素環化工程においてビルディングブロックとして、かつ、テトラヒドロ−インドロピリジン−コア構造に付加された広範な異なる残基への結合剤として作用させる。この概念により、広く多様性をもった化合物ライブラリーを有効に構築することが可能である。
米国特許第6,143,757A号明細書(出願人:ICOS Corp.)は、新規のクラスの高度に効力がありかつ選択的なPDE5抑制剤としてのシス−及びトランス−縮合テトラヒドロ−1H−イミダゾ[1’,5’:1,6]ピリド[3,4−b]インドール−1,3(2H)−ジオン類似体の調製を記載している。ヒダントイン単位への複素環化は、N,N−ジメチルエタン−1,2−ジアミンを含む第一級アミンのカルボニルジイミダゾール−活性化によって達成される。
A. DauganらのJ. Med. Chem., 2003, Vol. 46, 4525-32は、また、トランス−置換ラセミ体β−カルボリンの反応のための米国特許第6,143,757A号明細書の方法を記載しており、結晶化後に64.5%で2−(ジメチルアミノ)エチル−誘導体を得ている。
M.F. BranaらのLieb. Ann. Chemie, 1992, 867-869は、「2−ジアルキルアミノアルキル−置換テトラヒドロ−β−カルボリン−ヒダントイン系のワンポット合成」("one-pot synthesis of a 2- dialkylaminoalkyl-substituted tetrahydro-β-carboline-hydantoine system")を、基本鎖に結合したテトラヒドロ−β−カルボリン−ヒダントイン部分を含む薬理学的に興味深い化合物の新規かつ便利な合成方法として記載している。N,N−ジメチル−1,2−ジアミノ−エタンを含む、様々なジアミノ置換アルキルスペーサーを環化工程の前にカルボニルジイミダゾールで処理した。ラセミ混合物として、中程度の収率(38〜50%)で環化生成物を得た。
Sunder-PlassmannらのBioorg. Med. Chem. 13(22), 2005, 6094-6111は、1−(3−ヒドロキシフェニル)−カルボリン−3−カルボン酸及び種々のアルキル−イソシアネート−ビルディングブロックから出発した「新規のテトラヒドロ−β−カルボリンの有糸分裂キネシンEg5の抑制剤としての合成及び生物学的評価」("Synthesis and Biological evaluation of new tetrahydro-β-carbolines as inhibitors of the mitotic kinesin Eg5")を記載している。
上記の方法のいずれも、要求される全体としての効率でもって、基本鎖に結合した、鏡像異性的に純粋な(立体異性的に純粋な)四環系テトラヒドロ−β−カルボリン−ヒダントインを工業規模で調製するには適切ではないようである。
上記のとおり、基本側鎖を有するヒダントイン環を形成する複素環化反応のための従来技術の方法は3−位にアルキル置換を有しないラセミ体β−カルボリン化合物についてのみ利用可能であり(すなわち、β−カルボリンフレームワークで立体障害が低められている)、不十分な化学収率である。WO2007/096393に記載されているハロエチル−イソシアネート−カップリング、次いで、ハロゲン−アミン−置換を用いた2工程アプローチは、その2工程法についての追加の操作要求とともに、ハロエチルイソシアネート、すなわち、ブロモ−もしくはクロロエチルイソシアネートの重大な毒性のために、代替方法を探求することが必要である。それ以外に、環化反応を約50%を超える十分な収率とすることが困難であり、生成されるハロエチルヒダントインが非常に低い溶解度であること、ならびに、加圧反応器中で低い沸点のジメチルアミンを用いる方法を実施する安全及び環境上の問題により妨げられる、アミノ化工程の間の追加の問題を無視することができない。
今般、基本側鎖に結合した四環系テトラヒドロ−β−カルボリン−ヒダントインが下記の方法において、高い収率をもって、高い鏡像異性的純度をもって調製されうることが判った。
本発明の方法は、鏡像異性的に純粋な(立体異性的に純粋な)トリプトファン誘導体から出発し、そしてカルボニルイミダゾール誘導化アミノ化合物を用いることによってアミノ化工程を回避する(下記の本発明の利点を参照されたい)。
このように、本発明は、第一の態様において、式I
Figure 2011513368
(上式中、R1は−N(R111)R112によって置換された2−7C−アルキルであり、ここで、
R111は1−4C−アルキル、2−4C−アルケニル、2−4C―アルキニル、3−7C−シクロアルキル、3−7C−シクロアルキル−1−4C−アルキル、ヒドロキシ−2−4C−アルキル、1−4C−アルコキシ−2−4C−アルキル、1N−(1−4C−アルキル)−ピラゾリル、1N−(H)−ピラゾリル、イソキサゾリル、又は、完全にもしくは部分的にフッ素置換された1−4C−アルキルであり、
R112は水素、1−4C−アルキル、3−7C−シクロアルキル又は3−7C−シクロアルキル−1−4C−アルキルであり、
又は、R111及びR112は、一緒に、そしてそれらが結合している窒素原子を含めて、環Hetを形成し、ここで、
Hetはピペリジン−1−イル、モルホリン−4−イル、チオモルホリン−4−イル、S−オキソ−チオモルホリン−4−イル、S,S−ジオキソ−チオモルホリン−4−イル、ピロリジン−1−イル、アゼチジン−1−イル、ホモピペリジン−1−イル、4N−(R113)−ピペラジン−1−イル、4N−(R113)−ホモピペラジン−1−イル、2,5−ジヒドロ−ピロール−1−イル、1,2,3,6−テトラヒドロピリジン−1−イル、ピロール−1−イル、ピラゾール−1−イル、イミダゾール−1−イル、トリアゾール−1−イル又はテトラアゾ−ル−1−イルであり、ここで、
R113は水素、1−4C−アルキル、3−7C−シクロアルキル、3−7C−シクロアルキル−1−4C−アルキル、1−4C−アルキルカルボニル、アミジノ、又は、完全にもしくは部分的にフッ素置換された1−4C−アルキルであり、
前記Hetはフッ素及び1−4C−アルキルから独立に選ばれる1個又は2個の置換基によって場合により置換されていてよく、
R2は水素、1−4C−アルキル、ハロゲン、トリフルオロメチル、1−4C−アルコキシ又はヒドロキシルであり、
R3は水素、1−4C−アルキル、ハロゲン、トリフルオロメチル又は1−4C−アルコキシであり、
R4は1−4C−アルキル、3−7C−シクロアルキル又は3−7C−シクロアルキル−1−4C−アルキルであり、
R5は1−4C−アルキル、ハロゲン、1−4C−アルコキシ、トリフルオロメチル、シアノ、ヒドロキシル、フェニル−1−4C−アルコキシ、1−4C−アルコキシ−2−4C−アルコキシ、ヒドロキシル−2−4C−アルコキシ、3−7C−シクロアルコキシ、3−7C−シクロアルキル−1−4C−アルコキシ、又は、完全にもしくは支配的にフッ素置換された1−4C−アルコキシであり、
R6は水素、1−4C−アルキル又はハロゲンである)の化合物及びその化合物の塩の調製方法に関し、その方法は、
a)式IVa
Figure 2011513368
(上式中、Rはメチル又はエチルであり、R4、R5、R6は上記に規定されるとおりである)の鏡像異性的に純粋な(立体異性的に純粋な)トリプトファン誘導体を提供すること、
b)式III
Figure 2011513368
(上式中、R2、R3は上記に規定されるとおりである)の3−ヒドロキシベンズアルデヒドによる式IVaの化合物のピクテスペングラー反応を行い、式IIa及びIIb
Figure 2011513368
(上式中、R、R2、R3、R4、R5、R6は上記に規定されるとおりである)の化合物の混合物を得て、式IIa及びIIbの化合物を分離して、式IIaの化合物を得ること、
c)場合により、式IIaの化合物を3−ヒドロキシフェニル部分で保護し、式IIa
Figure 2011513368
(上式中、R、R2、R3、R4、R5、R6は上記に規定されるとおりであり、Zは保護基である)の化合物を得ること、
d)カルボニルジイミダゾール及びアミンR1NHの反応混合物を溶剤に添加することにより、現場で調製されたイソシアネートR1−N=C=Oによって、式IIaの化合物又は式IIaの化合物を複素環化して、式Ia
Figure 2011513368
(上式中、R1〜R6及びZは上記に規定されるとおりである)の化合物を得るか、又は、式Iの化合物を得ること、
e)式IIaの化合物が工程c)において3−ヒドロキシフェニル部分で保護されている場合には、式Iaの化合物の3−ヒドロキシフェニル部分で脱保護を行い、式Iの化合物を得ること、
f)場合により、式Iの化合物を塩に転化させること、
の工程を含む。
その方法を以下のとおりに詳細に説明する。
出発材料化合物IVa(工程a)
鏡像異性的に純粋な(立体異性的に純粋な)出発化合物IVaは、たとえば、対応するラセミ体(下記の反応スキーム1に示すとおりの式IVの化合物)から、たとえば、光学活性酸、好ましくは、カルボン酸(この関係で挙げることができる光学活性酸の例はマンデル酸、酒石酸、O,O’−ジベンゾイル酒石酸、ショウノウ酸、キナ酸、グルタミン酸、ピログルタミン酸、リンゴ酸、カンファースルホン酸、3−ブロモカンファースルホン酸、α−メトキシフェニル酢酸、α−メトキシ−α−トリフルオロメチルフェニル酢酸及び2−フェニルプロピオン酸の鏡像異性形態である)を含むラセミ化合物の塩の生成、続いて行う塩の分離[たとえば、適切な溶剤からの(画分)結晶化]、及び、所望の化合物の塩からの開放;たとえば、適切なリパーゼを用いた、対応するラセミアミノ酸エステルの酵素ケン化の間の酵素ラセミ化合物分離(たとえば、HoungらのChirality 1996, 8, 418-422による手順と類似して)などのラセミ化合物の速度論的分離;又は、たとえば、適切なキラル助剤を用いた立体選択的アミノ酸合成、又は、キラル分離カラム上でのラセミ化合物のクロマトグラフィー分離などによる技術的に知られた方法によって得ることができる。このように、鏡像異性的に純粋なトリプトファンは、たとえば、Tetrahedron Letters 39 (1998), 9589-9592において記載されるとおりに、又は、それと類似的に又は同様に得ることができ、たとえば、鏡像異性的に純粋なα−メチル−トリプトファン、α−エチル−トリプトファン又はα−イソプロピル−トリプトファンは、それぞれ、その中に記載されるとおりに、N−Boc−(3−ブロモメチル)−インドール及び鏡像異性的に純粋なアラニン、2−アミノ−酪酸又はバリンから出発して得ることができる。
鏡像異性的に純粋な5−メトキシ−α−メチル−トリプトファンメチルエステルは、キラル分離カラム、たとえば、Daicel CHIRALPAK AD-RH又はDaicel CHIRALPAK AD-H上での対応するラセミ化合物のクロマトグラフィー分離によって得ることができ、又は、光学活性酸、たとえば、マンデル酸、ピログルタミン酸、又は、特に、(S,S)−ジ−p−アニソイル酒石酸を含む、対応するラセミ化合物の塩の生成、続いて行う塩の分離[たとえば、適切な溶剤、たとえば、酢酸エチル又はアセトンからの(画分)結晶化]、及び、所望の化合物の塩からの開放によって得ることができる。
Rがメチル又はエチルであり、そしてR4、R5及びR6が上記の意味である式IVの化合物は反応スキーム1に示すとおりにそしてWO2007/096393に記載されるとおりに得ることができる。
反応スキーム1
Figure 2011513368
R5及びR6が上記のとおりである式Xの化合物から出発して、式VIIIの対応する化合物は当業者に本質的に一般に知られているアミノメチル化反応(マンニッヒ反応)によって得ることができる。
求核置換反応において、式VIIIの化合物を、Rがメチル又はエチルであり、そしてR4が上記の意味である式IXの化合物と反応させ、式VIIの対応する化合物を提供する。上記の置換反応は、当業者に知られているとおりに又は下記の実施例に記載されているとおりに又はそれと類似に又は同様に行うことができる。
式VIIの化合物をニトロ基の還元反応に付し、式VIの対応するアミン化合物を得る。上記の還元反応を当業者に本質的に慣用されるとおりに、たとえば、活性炭素上のパラジウムなどの貴金属触媒、又は、特に、ラネーニッケルの存在下における接触水素化によって行われることができる。場合により、触媒量の塩酸などの酸を溶剤に添加することができる。又は、還元は、水素生成性混合物、たとえば、亜鉛、亜鉛−銅カップル又は鉄などの金属と酢酸などの有機酸又は塩酸などの鉱酸との混合物を用いて行うことができる。
VIIの水素化は下記の光学分離工程と連結することができる。
場合により、式VIのエステル化合物を技術的に知られたケン化反応によって、対応する遊離酸に転化されうる。場合により、式VIの化合物の遊離酸は、また、技術的に知られたエステル化反応によって、たとえば、チオニルクロリド/メタノールを用いて、対応するエステル、特に、メチルエステルに再転化されることができる。
式IXの化合物は既知であり、市販されており(たとえば、エチル2−ニトロプロピオネート又はエチル2−ニトロ−ブチレート)、又は、既知の手順によって得ることができる。
メチル2−ニトロ−プロピオネートは既知であり、たとえば、H. L Finkbeiner, G. W. Wagner J. Org. Chem. 1963, 28, 215-217から知られている。
より詳細には、Rがメチル又はエチルであり、R4が上記の意味を有する式IXの化合物は反応スキーム2に示されるとおりに得ることができる。
反応スキーム2
Figure 2011513368
式IXの化合物は、RamらのSynthesis 1986, 133-135に記載されるとおりに、又は、それと類似的に又は同様にして、R4が上記の意味であり、たとえば、シクロプロピルであるR4−CH−NOの化合物をクロロギ酸エステルと反応させることにより調製することができる。
又は、式IXの化合物は、J. Am. Chem. Soc. 77, 6654 (1955)に記載されるとおりに、又は類似的に又は同様にして、Lが適切な脱離基、たとえば、ヨウ素であり、そしてR4が上記の意味であり、たとえば、イソプロピルであるR4−C(H)L−CORの化合物を、適切な亜硝酸塩試薬、たとえば、亜硝酸ナトリウム又は亜硝酸銀と反応させることにより調製されうる。
式R4−CH−NO及びR4−C(H)L−CORの化合物は既知であるか、又は、既知の手順と類似的に又は同様にして得ることができ(たとえば、R4−C(H)L−CORの化合物はフィンケルスタイン(Finkelstein)反応によって得ることができる)、たとえば、ニトロメチル−シクロプロパンはHelv. Chim. Acta 1982, 65, 137-161において記載されるとおりに得ることができ、そして、2−ヨード−3−メチル−酪酸エチルエステルはOrg. Lett. 1999, 1, 1419-1422に記載されるとおりに、又は、類似的に又は同様にして得ることができる。
式Xの化合物は既知であるか、又は、既知の手順に従って、又は、下記の実施例に記載されるとおりに、又は、類似的に又は同様にして得ることができる。
このように、たとえば、5−メトキシ−1H−インドール、5−クロロ−1H−インドール、5−ブロモ−1H−インドール、5−フルオロ−1H−インドール及び5−トリフルオロメチル−1H−インドールは市販されている。
エーテル化合物である式Xの化合物は、技術的に既知のエーテル化反応によって、対応するアルコール化合物から得られる。このため、たとえば、R5がヒドロキシルである式Xの化合物は下記の実施例に記載されるとおり、又は、類似的に又は同様にして、対応するエーテル化合物に転化されうる。
このように、たとえば、R5がヒドロキシルである式Xの化合物は、適切なアルキル化試薬を用いたアルキル化反応によって、R5がエトキシ、プロポキシ、イソプロポキシ、シクロプロピルメトキシ、ジフルオロメトキシ又はトリフルオロメトキシである、対応する式Xの化合物へと転化されうる。
好ましくは、式IVaの鏡像異性的に純粋な(立体異性的に純粋な)トリプトファン誘導体は式IV
Figure 2011513368
(上式中、Rはメチル又はエチルであり、R4、R5及びR6は上記に規定されるとおりである)のラセミ体トリプトファンエステルの光学分離により提供され、光学活性酸を含む塩を生成し、次いで、溶剤系からの結晶化により、その塩を分離し、式IVa
Figure 2011513368
(上式中、R、R4、R5及びR6は上記のとおりであり、Aは光学活性酸に由来するアニオンである)の鏡像異性的に純粋な(立体異性的に純粋な)トリプトファン誘導体塩を得て、次いで、式IVa
Figure 2011513368
の化合物を開放することによって提供される。
このように、式Iの化合物の調製のための本発明の特に好ましい方法は、
a)式IV
Figure 2011513368
(上式中、Rはメチル又はエチルであり、R4、R5及びR6は上記に規定されるとおりである)のラセミ体トリプトファンエステルを光学分離することであって、光学活性酸を含む塩を生成し、次いで、溶剤系からの結晶化により、その塩を分離し、式IVa
Figure 2011513368
(上式中、R、R4、R5及びR6は上記のとおりであり、Aは光学活性酸に由来するアニオンである)の鏡像異性的に純粋な(立体異性的に純粋な)トリプトファン誘導体塩を得て、次いで、式IVa
Figure 2011513368
の化合物を開放することによる、ラセミ体トリプトファンエステルを光学分離すること、
b)式III
Figure 2011513368
(上式中、R2、R3は上記に規定されるとおりである)の3−ヒドロキシベンズアルデヒドによる式IVaの化合物のピクテスペングラー反応を行い、式IIa及びIIb
Figure 2011513368
(上式中、R、R2、R3、R4、R5、R6は上記に規定されるとおりである)の化合物の混合物を得て、式IIa及びIIbの化合物を分離して、式IIaの化合物を得ること、
c)場合により、式IIaの化合物を3−ヒドロキシフェニル部分で保護し、式IIa
Figure 2011513368
(上式中、R、R2、R3、R4、R5、R6は上記に規定されるとおりであり、Zは保護基である)の化合物を得ること、
d)カルボニルジイミダゾール及びアミンR1NHの反応混合物を溶剤に添加することにより、現場で調製されたイソシアネートR1−N=C=Oによって、式IIaの化合物又は式IIaの化合物を複素環化して、式Ia
Figure 2011513368
(上式中、R1〜R6及びZは上記に規定されるとおりである)の化合物を得るか、又は、式Iの化合物を得ること、
e)式IIaの化合物が工程c)において3−ヒドロキシフェニル部分で保護されている場合には、式Iaの化合物の3−ヒドロキシフェニル部分で脱保護を行い、式Iの化合物を得ること、
f)場合により、式Iの化合物を塩に転化させること、
の工程を含む。
光学活性酸としては、好ましくは、マンデル酸、酒石酸、O,O’−ジベンゾイル酒石酸、ジ(p−アニソイル)酒石酸、ショウノウ酸、キナ酸、グルタミン酸、ピログルタミン酸、リンゴ酸、カンファースルホン酸、3−ブロモカンファースルホン酸、α−メトキシフェニル酢酸、α−メトキシ−α−トリフルオロメチルフェニル酢酸及び2−フェニルプロピオン酸の鏡像異性形態から選ばれるカルボン酸を用いることができる。より好ましくは、鏡像異性形態の酒石酸、O,O’−ジベンゾイル酒石酸又はジ(p−アニソイル)酒石酸、たとえば、(2S,3S)−(+)−ジ(p−アニソイル)酒石酸が用いられ、最も好ましくは、(2S,3S)−(+)−ジ(p−アニソイル)酒石酸(同義語:(S,S)−ジ−p−アニソイル酒石酸又はD−DATA)が用いられる。
ラセミ化合物IVの特に有効な分離
最も好ましくは、鏡像異性的に純粋な(立体異性的に純粋な)式IVaのトリプトファン誘導体は、式IVのラセミ混合物から鏡像異性的に純粋な式IVaの化合物を分離する方法によって提供され、その方法は、(2S,3S)−(+)−ジ(p−アニソイル)酒石酸によって化合物IVのラセミ混合物を処理して、そのラセミ混合物から所望の鏡像異性体を分離することを含む。(2S,3S)−(+)−ジ(p−アニソイル)酒石酸を用いることにより、非常に良好な光学純度の鏡像異性体を非常に良好な収率をもって得ることができる。化合物IVaを調製するために、ラセミ化合物IVを、溶剤中で室温又は室温から70℃までの範囲の若干温められた温度でD−DATAによって処理し、得られたジアステレオマー塩を室温でゆっくりと結晶化させる。適切な溶剤はアルコール、たとえば、メタノール、エタノール、プロパノール、2−プロパノール、エステル、たとえば、酢酸エチル、酢酸2−プロピル及びそれらの混合物である。好ましい溶剤はエタノール/トルエン又はエタノール/酢酸2−プロピルなどの混合物であり、特に好ましいのは、エタノール/酢酸2−プロピルの混合物である。
純粋な結晶化塩を、その後、通常、室温で、塩基溶液で処理し、遊離の所望の鏡像異性体を生成する。適切な塩基溶液は塩基水溶液、たとえば、アンモニア水溶液又はNaOH水溶液である。好ましい塩基溶液はアンモニア水溶液である。
この方法により得られる化合物IVaの光学純度はキラルHPLCにより96%eeを超える。
光学分離は、このように、最も好ましくは、反応スキーム3によって行われる。
反応スキーム3
Figure 2011513368
上記のとおり、反応スキーム3aによる光学分離工程にスキーム1の化合物VIIの水素化を連結することも可能である。
反応スキーム3a
Figure 2011513368
工程b)鏡像異性的に純粋なトリプトファン誘導体又はその塩から出発したピクテスペングラー環化
下記のスキーム4に記載される合成ルートに示すとおり、R、R4、R5及びR6が上記の意味である式IVaの鏡像異性的に純粋なエステル化合物(特に、式IVaのエチルエステル、又は、特に、メチルエステル)を、R2及びR3が上記の意味である式IIIのベンズアルデヒドを用いてピクテスペングラー反応において縮合しそして環化し、対応する式IIa及び/又はIIbの化合物を、概ね混合物として提供する。
単純に溶剤を変更することにより、続いて行うピクテスペングラー反応に、塩(IVa又はIVa)からの鏡像異性的に純粋なトリプトファン誘導体の開放を連結することも可能である。
上記のピクテスペングラー反応は当業者に知られているとおりに又は下記の実施例に記載されるとおりに、有利には、触媒又はプロモータとして適切な酸(たとえば、トリフルオロ酢酸)の存在下に、室温又は高温で、適切な溶剤、たとえば、ジクロロメタン、又は、特に、トルエン中で行うことができる。
式IIIの化合物は既知であり、又は、既知の様式で得ることができ、たとえば、適切な芳香族化合物のホルミル化、たとえば、ヒドロキシメチル化及び次いで行うアルデヒドへの酸化によって、又は、適切な安息香酸誘導体のアルデヒドへの還元によって得ることができる。
反応スキーム4
Figure 2011513368
式IIaの化合物を高収率及び純度で得るために、式IIa及びIIbのジアステレオマーを相分離などの当業者に知られた方法によって分離することができ、相分離は好ましい方法である。相分離は、通常、得られたピクテスペングラー生成物にさらなる溶剤を添加することで行われ、ここで、上記溶剤中に所望のジアステレオマーは不溶性であり、そして所望しないジアステレオマーは可溶性である。適切な溶剤は、酢酸エチルなどのエステル、トルエン、キシレン及びジクロロメタンである。好ましい溶剤はトルエンである。
所望のジアステレオマーの収率は、高温で、触媒としてトリフルオロ酢酸の存在下に、トルエンなどの溶剤中で所望されないジアステレオマーを加熱することなどによって、所望されないジアステレオマーの繰り返しの異性化によって増加されうる。
工程c)遊離ヒドロキシ基を保護するための3−ヒドロキシフェニル部分での化合物IIaの場合により行う保護
化合物IIa
Figure 2011513368
を得るための3−ヒドロキシフェニル部分における化合物IIaの保護は、様々な一般的なシリル化剤などの当業者に知られている保護基を用いてヒドロキシル基を保護することにより、又は、ヒドロキシ基にアセチル、トリフルオロアセチル、ベンジル又はトリチル基に付加することにより行うことができる。好ましくは、限定するわけではないが、トリ(アルキル)シリルハロゲン化物を含む様々な一般的なシリル化剤のいずれかが用いられる。より好ましくはトリ(アルキル)シリルハロゲン化物、最も好ましくはトリメチルシリルクロリドが用いられる。選択的シリル化反応のための適切な溶剤はエーテル系溶剤、たとえば、テトラヒドロフラン(THF)、2−メチル−THF、又は、トルエン、アセトニトリル、プロピオニトリル、又は、それらの混合物である。好ましくは、トルエン、又は、その混合物、たとえば、トルエン/アセトニトリル、又は、トルエン/THFが用いられる。通常、反応は40〜70℃の範囲の高温で行われる。
3−ヒドロキシフェニル部分における化合物IIaの保護はヒダントイン環の形成の前に行われると、全体の収率が有意に増加し、そして下記のとおり、脱保護工程e)とともに行うのは、それゆえ、好ましい。
工程d)カルボニルジイミダゾール(CDI)及びアミンR1NHの反応混合物を溶剤中に添加することにより現場で調製したイソシアネートR1−N=C=Oによる、式IIaの化合物又は式IIaの化合物の複素環化
式IIaの化合物を複素環化する場合には、イソシアネートをスキーム5において記載しているとおりに現場で調製し、そしてそのイソシアネートを式IIaの保護された化合物に付加させて、式Iaの化合物を得る。式Iaの化合物の3−ヒドロキシフェニル部分での脱保護の後に、化合物Iを得る。任意工程c)を行わずに式IIaの化合物を複素環化する場合には、イソシアネートを現場で調製しそしてそのイソシアネートを式IIaの化合物に付加させて、式Iの化合物を得る。
反応スキーム5
Figure 2011513368
カルボニルジイミダゾール(CDI)として、カルボニルジイミダゾールもしくは置換イミダゾール部分を含むカルボニルジイミダゾール誘導体は使用されてよく、好ましくはカルボニルジイミダゾールが使用される。ヒダントイン環化のための適切な溶剤は、たとえば、トルエン又はキシレンであり、あるいは、トルエン/アセトニトリル又はトルエン/ベンゾニトリルなどの混合物である。反応は約60℃〜約130℃の温度範囲で行われ、好ましくは約90℃〜約120℃の温度範囲、より好ましくは約100℃〜約105℃の温度範囲で行われる。通常、投与温度はイソシアネート前駆体の最適活性化温度に調整され、それは約90℃〜約120℃の範囲にあり、そしてイミダゾリドの投与速度は環化工程の反応速度に調整される。
上記の方法は、好ましくは2つの択一的方法で行われる。約90〜約95%の純度の技術等級のカルボニルジイミダゾールを用いる場合には、好ましい反応溶剤はアセトニトリル/トルエンの混合物であり、一方、イミダゾリドを式IIaの化合物又は式IIaの化合物に約1〜約4時間以内に添加し、そして反応温度を、たとえば、アセトニトリルを留去することにより約55℃〜約105℃に、連続的に上昇させる。
純度が>97%のプルム(purum)等級のカルボニルジイミダゾールを用いる場合には、好ましい反応溶剤は純粋なトルエンであり、一方、イミダゾリドを式IIaの化合物又は式IIaの化合物に約5〜約20時間以内、そして好ましくは約8〜約12時間以内に、最適活性化温度、すなわち、約100℃〜約105℃で等温条件に添加する。
驚くべきことに、上記のとおりに行う工程d)によって、副生成物の有意な減少及び全体の収率の明確な増加が可能になることが判った。
工程e)脱保護
工程c)において式IIaの化合物を3−ヒドロキシフェニル部分で保護していたならば、脱保護工程を行い、ここで、保護されたOH基の脱保護は酸/塩基触媒される加水分解を用いて行われる。より好ましくは、加水分解はpHが約6〜7となるように水性HClを用いて行われる。通常、脱保護工程は工程d)の水性ワークアップの間に行い、それにより、別離の脱保護工程を避けることができる。
上記の好ましい複素環化プロセス(工程d)及びe))のためのこの新規のワンポットプロトコールは下記の3つの逐次的な化学転化を組み合わせている。すなわち:1.a)高温環化工程に最適な溶剤中の溶解度を増加させ、b)遊離ヒドロキシ基を保護するために、3−ヒドロキシフェニル部分で鏡像異性的に純粋なβ−カルボリンを保護すること。2.アミノ化工程を回避して、イソシアネート−前駆体の活性化のために適切な反応温度でカルボニルジイミダゾール−誘導化ビルディングブロックによってβ−カルボリンを複素環化すること。初期クエンチ条件は毒性イソシアネートの危険な取り扱いを避けそして反応性中間体の望ましくない副反応、たとえば、自己縮合を低減する。3.ワークアップの間の3−ヒドロキシフェニル部分での穏やかな脱保護、次いで、高純度の環化生成物の分離で、別離の脱保護工程を回避する。4.キラルHPLCによる光学純度99.0%eeを有する、約90%までの高収率の化合物I。
本発明の方法の工程d)で使用されるアミンR1NHの−N(R111)R112基中のR111が上記のとおりであり、R112が水素である場合には、R111は、通常、立体障害基であり、好ましくは立体障害アルキル基、たとえば、イソプロピル−、sec-ブチル、tert-ブチル又はネオペンチルである。この場合にアミンR1NHの−N(R111)H基の窒素原子において、嵩高保護基を場合により導入してよく、又は、より適切には、スキーム5に示すとおり、カルボニルジイミダゾールとアミンR1NHの反応の後に、最初の生成物として形成されたカルボニルジイミダゾール誘導化イミダゾリド部分上に嵩高保護黄を現場で導入する。対応する保護基は記載の条件下で熱的化学的安定性を示さなければならず、そしてたとえば、アセチル又はトリフルオロアセチルから選択される。
工程f)塩への転化
場合により、式Iの化合物はその塩に転化されてよく、又は、場合により、式Iの化合物の塩は遊離化合物に転化されてよい。対応する方法は当業者に慣用されている。
最終工程又は精製の1つが無機酸又は有機酸(たとえば、塩酸、トリフルオロ酢酸又はギ酸など)の存在下に行われる場合、式Iの化合物は、個々の化学的性質及び使用する酸の個々の性質によって、遊離塩基として又は化学量論的な又は非化学量論的な量で上記の酸を含むものとして得ることができる。含まれる酸の量は技術的に既知の手順、たとえば、滴定又はNMRによって決定されうる。
遊離化合物を適切な溶剤(たとえば、アセトン、メチルエチルケトン又はメチルイソブチルケトンなどのケトン、ジエチルエーテル、ジイソプロピルエーテル、テトラヒドロフラン又はジオキサンなどのエーテル、塩化メチレン又はクロロホルムなどの塩素化炭化水素、メタノール、エタノール又はイソプロパノールなどの低分子量脂肪族アルコール、又は、酢酸エチルなどのエステル)であって、所望の酸又は塩基を含むもの、又は、所望の酸又は塩基をその後に添加するものに溶解させることで、塩を得ることができる。塩は、ろ過させ、再沈殿させ、付加塩のための非溶剤により沈殿させ、又は、溶剤を蒸発させることにより得ることができる。アルカリ性化又は酸性化によって、得られた塩は遊離化合物に転化されてよく、それは、また、塩に転化されてよい。このようにして、薬理学的に許容されない塩は薬理学的に許容される塩に転化されうる。
本発明による式Iの化合物のための適切な塩は、置換基によって、すべての酸付加塩又はすべての塩基との塩である。薬剤に慣用されている薬理学的に許容される無機酸及び有機酸及び無機塩基及び有機塩基を特に挙げることができる。適切なものは、一方で、水不溶性、及び、特に、水溶性の酸を含む酸付加塩であり、その酸は、たとえば、塩酸、臭化水素酸、リン酸、硝酸、硫酸、酢酸、クエン酸、D−グルコン酸、安息香酸、2−(4−ヒドロキシベンゾイル)安息香酸、酪酸、スルホサリチル酸、マレイン酸、ラウリン酸、リンゴ酸、たとえば、(−)−L−リンゴ酸又は(+)−D−リンゴ酸、フマル酸、コハク酸、シュウ酸、酒石酸、たとえば、(+)−L−酒石酸又は(−)−D−酒石酸又はメソ酒石酸、エンボン酸(embonic acid)、ステアリン酸、トルエンスルホン酸、メタンスルホン酸又は3−ヒドロキシ−2−ナフトエ酸であり、酸は一塩基酸又は多塩基酸のいずれが関係しているかにより、また、どの塩を所望しているかによって、等モル量比又は一方が異なる量で塩調製に使用される。
他方、塩基を含む塩も置換基によっては適切である。塩基を含む塩の例として挙げられるのは、リチウム、ナトリウム、カリウム、カルシウム、アルミニウム、マグネシウム、チタン、アンモニウム、メグルミン又はグアニジニウム塩であり、ここでも、塩基は、等モル量比又は一方が異なる量で塩調製に使用される。
医薬上の使用に不適切であるが、式Iの化合物の分離又は精製のために使用されうる塩又はその医薬上許容される塩も含まれる。
たとえば、工業規模での本発明による化合物の調製の間のプロセス生成物として含まれる可能性がある薬理学的に許容されない塩は、当業者に既知の方法によって薬理学的に許容される塩に転化される。
当業者の知識によれば、本発明による式Iの化合物及びその塩は、たとえば、結晶形態で分離される際に、様々な量の溶剤を含むことができる。それゆえ、本発明による式Iの化合物のすべての溶媒和物、特に、すべての水和物、ならびに、本発明による式Iの化合物の塩のすべての溶媒和物、特に、すべての水和物も本発明の範囲に含まれる。
本発明の好ましい実施形態において、式Iの化合物の塩は塩酸を含む式Iの化合物の塩(塩酸塩)も含む。本発明の別の好ましい実施形態において、式Iの化合物の塩はメタンスルホン酸と式Iの化合物の塩を含む。最も好ましくは、式Iの化合物の塩は塩酸を含む式Iの化合物の塩(塩酸塩)を含む。
好ましい方法
式IVaの鏡像異性的に純粋な(立体異性的に純粋な)トリプトファン誘導体(工程a))が式IV
Figure 2011513368
(上式中、Rはメチル又はエチルであり、R4、R5及びR6は上記の規定のとおりである)のラセミ体トリプトファンエステルの光学分離により提供され、
光学活性酸を含む塩を形成し、次いで、溶剤系からの結晶化により塩を分離して、式IVa
Figure 2011513368
(上式中、R、R4、R5及びR6は上記のとおりであり、そしてAは光学活性酸に由来するアニオンである)の鏡像異性的に純粋な(立体異性的に純粋な)トリプトファン誘導体塩を得て、次いで、式IVa
Figure 2011513368
の化合物を開放することにより行われる方法は好ましい。
式IVのラセミ体トリプトファンエステルの光学分離(工程a))はD−(2S,3S)−(+)−ジ−(4−メトキシベンゾイル)酒石酸の塩形成により行われる方法がさらにより好ましい。
保護工程c)を保護基Zとしてトリ(アルキル)シリルハロゲン化物を用いて行う方法が好ましい。
式IIaの化合物を工程c)で保護しそして式Iaの化合物を工程e)で脱保護する方法が好ましい。
工程d)において、溶剤がアセトニトリル/トルエンの混合物であり、カルボニルジイミダゾール及びアミンR1NHの反応混合物が約1〜約4時間以内に式IIaの化合物又は式IIaの化合物に添加され、そして反応温度がアセトニトリルを留去することにより約55℃〜約105℃へと連続的に上昇されるか、又は、工程d)において、溶剤は純粋なトルエンであり、カルボニルジイミダゾール及びアミンR1NHの反応混合物が約5〜約20時間以内に、好ましくは約8〜約12時間以内に、約100℃〜約105℃の最適活性化温度での等温条件下に式IIaの化合物又は式IIaの化合物に添加される方法が好ましい。
置換基の定義
本明細書中に使用する際に、単独での又は別の基の一部としての「アルキル」は特定の数の炭素原子を有する枝分かれ鎖及び直鎖の両方の飽和脂肪族炭化水素基を指し、たとえば、1−4C−アルキルは1〜4個の炭素原子を有する直鎖もしくは枝分かれ鎖アルキル基である。その例はブチル、イソブチル、sec-ブチル、tert-ブチル、プロピル、イソプロピル、エチル及びメチル基であり、そのうち、より言及に値するのはプロピル、イソプロピル、そして特に、エチル及びメチルである。
2−7C−アルキルは2〜7個の炭素原子を有する直鎖もしくは枝分かれ鎖アルキル基である。その例はヘプチル、イソヘプチル(5−メチルヘキシル)、ヘキシル、イソヘキシル(4−メチルペンチル)、ネオヘキシル(3,3−ジメチルブチル)、ペンチル、イソペンチル(3−メチルブチル)、ネオペンチル(2,2−ジメチルプロピル)、ブチル、イソブチル、sec-ブチル、tert-ブチル、イソプロピル、そして特に、プロピル及びエチル基である。
2−4C−アルキルは2〜4個の炭素原子を有する直鎖もしくは枝分かれ鎖アルキル基である。その例はブチル、イソブチル、sec-ブチル、tert-ブチル、イソプロピル、そして特に、プロピル及びエチル基である。
本発明の意味に入るハロゲンはヨウ素、又は、特に、臭素、塩素又はフッ素である。
1−4C−アルコキシは、酸素原子に加えて、1〜4個の炭素原子を有する直鎖もしくは枝分かれ鎖アルキル基を含む基である。挙げることができる例はブトキシ、イソブトキシ、sec-ブトキシ、tert-ブトキシ、プロポキシ、イソプロポキシ、エトキシ及びメトキシ基であり、そのうち、より言及に値するのはプロポキシ、イソプロポキシ、そして特に、エトキシ及びメトキシである。
単独での又は別の基の一部としての用語「シクロアルキル」は特定の数の環炭素原子を有する単環の飽和脂肪族炭化水素基を指し、たとえば、3−7C−シクロアルキルはシクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル及びシクロヘプチルであり、そのうち、特に言及されるべきものはシクロプロピル、シクロブチル及びシクロペンチルである。
3−7C−シクロアルキル−1−4C−アルキルは上記の3−7C−シクロアルキル基の1つによって置換された上記の1−4C−アルキル基の1つを表す。挙げることができる例は3−7C−シクロアルキルメチル、たとえば、シクロプロピルメチル、シクロブチルメチル又はシクロペンチルメチルであり、そのうち、特に言及されるべきものはシクロプロピルメチルである。
2−4C−アルケニルは2〜4個の炭素原子を有する直鎖もしくは枝分かれ鎖アルケニル基である。その例は2−ブテニル、3−ブテニル(ホモアリル)、1−プロペニル、2−プロペニル(アリル)及びエテニル(ビニル)基である。
2−4C−アルキ二ルは2〜4個の炭素原子を有する直鎖もしくは枝分かれ鎖アルキニル基である。その例は2−ブチニル、3−ブチニル(ホモプロパルギル)、1−プロピニル、2−プロピニル(プロパルギル)、1−メチル−2−プロピニル(1−メチル−プロパルギル)及びエチニル基である。
2−4C−アルコキシは、酸素原子に加えて、2〜4個の炭素原子を有する直鎖もしくは枝分かれ鎖アルキル基を含む基である。挙げることができる例はブトキシ、イソブトキシ、sec-ブトキシ、tert-ブトキシ、プロポキシ、イソプロポキシ、そして特に、エトキシである。
1−4C−アルコキシ−2−4C−アルコキシは、上記の1−4C−アルコキシ基の1つによって置換された上記の2−4C−アルコキシ基の1つを表す。挙げることができる例は2−メトキシエトキシ、2−エトキシエトキシ及び2−イソプロポキシエトキシ基である。
ヒドロキシ−2−4C−アルコキシはヒドロキシル基によって置換された上記の2−4C−アルコキシ基の1つを表す。挙げることができる例は2−ヒドロキシエトキシ及び3−ヒドロキシプロポキシ基である。
3−7C−シクロアルコキシはシクロプロピルオキシ、シクロブチルオキシ、シクロペンチルオキシ、シクロヘキシルオキシ又はシクロヘプチルオキシであり、そのうち、特に言及されるべきものはシクロプロピルオキシ、シクロブチルオキシ及びシクロペンチルオキシである。
3−7C−シクロアルキル−1−4C−アルコキシは上記の3−7C−シクロアルキル基の1つによって置換された上記の1−4C−アルコキシ基の1つを表す。挙げることができる例は3−7C−シクロアルキルメトキシ基、たとえば、シクロプロピルメトキシ、シクロブチルメトキシ又はシクロペンチルメトキシであり、そのうち、特に言及されるべきものはシクロプロピルメトキシである。
完全に又は支配的にフッ素置換された1−4C−アルコキシは、たとえば、2,2,3,3,3−ペンタフルオロプロポキシ、ペルフルオロエトキシ、1,2,2−トリフルオロエトキシ、そして特に、1,1,2,2−テトラフルオロエトキシ、2,2,2−トリフルオロエトキシ、トリフルオロメトキシ及びジフルオロメトキシ基であり、そのうち、トリフルオロメトキシ及びジフルオロメトキシ基が好ましい。この関係で、「支配的に」とは、1−4C−アルコキシ基の水素原子のうちの半分を超える水素原子がフッ素原子によって置換されていることを意味する。
フェニル−1−4C−アルコキシは、フェニル基によって置換された上記の1−4C−アルコキシの1つを表す。挙げることができる例はフェネトキシ及びベンジルオキシ基である。
1−4C−アルキルカルボニルは上記の1−4C−アルキル基の1つが結合しているカルボニル基である。その例はアセチル基(CHCO−)である。
1N−(1−4C−アルキル)−ピラゾリル又は1N−(H)−ピラゾリルは、それぞれ、1−位の環窒素原子上で1−4C−アルキル又は水素によって置換されたピラゾリル基を表し、たとえば、特に、1−メチル−ピラゾリル−5−イル又は1−メチル−ピラゾリル−3−イル基である。
完全に又は部分的にフッ素置換された1−4C−アルキルとして、2,2,3,3,3−ペンタフルオロプロピル、ペルフルオロエチル、1,2,2−トリフルオロエチル、1,1,2,2−テトラフルオロエチル、2,2,2−トリフルオロエチル、トリフルオロメチル、ジフルオロメチル、モノフルオロメチル、2−フルオロエチル及び2,2−ジフルオロエチル基を挙げることができ、特に、2,2,2−トリフルオロエチル、2,2−ジフルオロエチル及び2−フルオロエチル基を挙げることができる。
Hetは1−4C−アルキル及びフッ素から独立に選ばれる1つ又は2つの置換基によって場合により置換されていてよく、そしてピペリジン−1−イル、モルホリン−4−イル、チオモルホリン−4−イル、S−オキソチオモルホリン−4−イル、S,S−ジオキソチオモルホリン−4−イル、ピロリジン−1−イル、アゼチジン−1−イル、ホモピペリジン−1−イル、4N−(R113)−ピペラジン−1−イル、4N−(R113)−ホモピペラジン−1−イル、2,5−ジヒドロ−ピロール−1−イル、1,2,3,6−テトラヒドロピリジン−1−イル、ピロール−1−イル、ピラゾール−1−イル、イミダゾール−1−イル、トリアゾール−1−イル又はテトラゾール−1−イルであり、ここで、
R113は水素、1−4C−アルキル、3−7C−シクロアルキル、3−7C−シクロアルキル−1−4C−アルキル、1−4C−アルキルカルボニル、アミジノ、又は、完全にもしくは部分的にフッ素置換された1−4C−アルキルであり、特に、
R113は水素、1−3C−アルキル、シクロプロピル、シクロプロピルメチル、1−2C−アルキルカルボニル又は部分的にフッ素置換された1−3C−アルキル(たとえば、2−フルオロエチル、2,2,2−トリフルオロエチル又は、特に、2,2−ジフルオロエチル)である。
第一の実施形態において、Hetはピペリジン−1−イル、モルホリン−4−イル、ピロリジン−1−イル又はアゼチジン−1−イルである。
第二の実施形態において、Hetは4N−(R113)−ピペラジン−1−イルであり、ここで、R113はH、メチル、エチル、イソプロピル、シクロプロピル、シクロプロピルメチル、1−2C−アルキルカルボニル、2−フルオロエチル、2,2,2−トリフルオロエチル又は2,2−ジフルオロエチルであり、たとえば、4−メチル−ピペラジン−1−イル又は4−アセチル−ピペラジン−1−イルである。
第三の実施形態において、Hetはメチル及びフッ素から独立に選ばれる1つ又は2つの置換基によって場合により置換されていてよく、そしてピペリジン−1−イル、ピロリジン−1−イル、アゼチジン−1−イル又はホモピペリジン−1−イルであり、たとえば、ピペリジン−1−イル、ピロリジン−1−イル又はアゼチジン−1−イル、又は、4−メチル−ピペリジン−1−イル、4−フルオロ−ピペリジン−1−イル、4,4−ジフルオロ−ピペリジン−1−イル、(S)−3−フルオロ−ピロリジン−1−イル、(R)−3−フルオロ−ピロリジン−1−イル、3,3−ジフルオロ−ピロリジン−1−イル、3−フルオロ−アゼチジン−1−イル又は3,3−ジフルオロ−アゼチジン−1−イルである。
第四の実施形態において、Hetはピラゾール−1−イル、イミダゾール−1−イル又はトリアゾール−1−イルであり、特に、イミダゾール−1−イルである。
第五の実施形態において、Hetは2,5−ジヒドロ−ピロール−1−イル又は1,2,3,6−テトラヒドロピリジン−1−イルである。
アミノ−1−4C−アルキルはアミノ基によって置換された上記の1−4C−アルキル基である。挙げることができる例はアミノメチル、2−アミノエチル及び3−アミノプロピル基である。
ヒドロキシ−2−4C−アルキルはヒドロキシル基によって置換された上記の2−4Cアルキル基である。挙げることができる例は2−ヒドロキシエチル及び3−ヒドロキシプロピル基である。
1−4C−アルコキシ−2−4C−アルキルは、上記の1−4C−アルコキシの1つによって置換された上記の2−4C−アルキル基である。挙げることができる例は2−メトキシエチル又は3−メトキシプロピル基である。
モノ−もしくはジ−1−4C−アルキルアミノ基は、窒素原子に加えて、上記の1−4C−アルキル基を1つ又は2つ含む。挙げることができる例はモノ−1−4C−アルキルアミノ基、たとえば、メチルアミノ、エチルアミノ又はイソプロピルアミノ、及び、ジ−1−4C−アルキルアミノ基、たとえば、ジメチルアミノ、ジエチルアミノ又はジイソプロピルアミノである。
モノ−もしくはジ−1−4C−アルキルアミノ−1−4C−アルキルは、上記のモノ−もしくはジ−1−4C−アルキルアミノ基の1つによって置換された上記の1−4C−アルキル基の1つを表す。挙げることができる例は、メチルアミノ−メチル、ジメチルアミノ−メチル、2−メチルアミノ−エチル、2−ジメチルアミノ−エチル、3−メチルアミノ−プロピル又は3−ジメチルアミノ−プロピル基である。
4(N)−(R113)−ピペラジン−1−イル又は4−(N)−(R113)−ホモピペラジン−1−イルは、それぞれ、4−位の環窒素原子上でR113によって置換されたピペラジン−1−イル又はホモピペラジン−1−イル基である。
用語2−(R11)−エチルはR11によって2−位において置換されたエチルである。用語3−(R11)−プロピルはR11によって3−位において置換されたプロピルである。用語4−(R11)−ブチルはR11によって4−位において置換されたブチルである。
一般に、そして特に指示がないかぎり、複素環式基はそのすべての可能な異性体形態を包含し、たとえば、その位置異性体を包含する。このため、たとえば、用語トリアゾール−1−イルは[1,2,3]トリアゾール−1−イル、[1,3,4]トリアゾール−1−イル及び[1,2,4]トリアゾール−1−イルを含み、そして用語イソキサゾリルはイソキサゾール−3−イル、イソキサゾール−4−イル及びイソオキサゾール−5−イルを含む。
本明細書中に記載されるとおりに場合により置換されてよい構成成分は、特に指示がないかぎり、あらゆる可能な位置で置換されていてよい。
特に記載がないかぎり、本明細書中で記載される炭素同素環基はあらゆる可能な位置でその置換基又は親分子基によって置換されていてよい。特に記載がないかぎり、本明細書中に記載される複素環式基はあらゆる可能な位置、たとえば、あらゆる置換可能な環炭素又は環窒素原子でその所与の置換基又は親分子基によって置換されていてよい。特に記載がないかぎり、環含有第四級化可能なアミノ−もしくはイミノ−タイプの環窒素原子(−N=)は好ましくは、これらのアミノ−もしくはイミノ−タイプの環窒素原子上で上記の置換基又は親分子基によって置換されていない。
あらゆる構成要素において1以上の変化が起こる場合に、各定義は独立である。
式Iの化合物Iの置換基R2及びR3は、フェニル環が骨格に結合している結合位置に対してオルト、メタ又はパラ−位に結合していることができる。1つの実施形態において、R3は水素である。特定の実施形態において、R2及びR3は両方とも水素である。
置換基R5及びR6は、特に記載がないかぎり、骨格のベンゼン部分のあらゆる位置に結合してよく、好ましくは、R5及びR6のいずれもが骨格の8−位に結合していないことが好ましい。1つの実施形態において、R5は骨格の5−位に結合しており、別の実施形態において、R5は骨格の7−位に結合しており、さらに別の実施形態において、R5は骨格の6−位に結合しており、特に、R6はそれぞれ水素であり、又はR6はそれぞれフッ素である。特定の実施形態において、R5は骨格の6−位に結合している。より特定の実施形態において、R5は骨格の6−位に結合しており、R6は水素である。別の実施形態において、R5は骨格の6−位に結合しており、R6は骨格の7−位に結合しておりかつフッ素である。さらに別の実施形態において、R5は骨格の6−位に結合しており、R6は骨格の5−位に結合しておりかつフッ素である。
番号付け
Figure 2011513368
式Iの化合物はキラル中心が少なくとも3a及び10にあるキラル化合物である。
好ましい化合物
言及に値する本発明による好ましい化合物は、
R1はN(R111)R112により置換された2−4C−アルキルであり、ここで、
R111は1−4C−アルキル、2−4C−アルケニル、2−4C−アルキニル、シクロプロピル、シクロブチル、シクロプロピルメチル、ヒドロキシ−2−4C−アルキル、1−2C−アルコキシ−2−4C−アルキル、イソオキサゾリル、1N−(1−3C−アルキル)−ピラゾリル又は一フッ素、二フッ素もしくは三フッ素置換1−4C−アルキルであり、
R112は水素、1−4C−アルキル、シクロプロピル又はシクロプロピルメチルであり、
又は、R111及びR112は一緒に、そしてそれらが結合している窒素原子を含んで、環Hetを形成し、ここで、
Hetはピペリジン−1−イル、モルホリン−4−イル、チオモルホリン−4−イル、S−オキソチオモルホリン−4−イル、S,S−ジオキソ−チオモルホリン−4−イル、ピロリジン−1−イル、アゼチジン−1−イル、ホモピペリジン−1−イル、4N−(R113)−ピペラジン−1−イル、4N−(R113)−ホモピペラジン−1−イル、2,5−ジヒドロ−ピロール−1−イル、1,2,3,6−テトラヒドロピリジン−1−イル、ピロール−1−イル、ピラゾール−1−イル、イミダゾール−1−イル、トリアゾール−1−イル又はテトラゾール−1−イルであり、ここで、
R113は水素、1−3C−アルキル、シクロプロピル、シクロプロピルメチル、1−3C−アルキルカルボニル、2−フルオロエチル、2,2−ジフルオロエチル又は2,2,2−トリフルオロエチルであり、
上記のHetはフッ素及びメチルから独立に選ばれる1つ又は2つの置換基によって場合により置換されていてよく、
R2は水素であり、
R3は水素であり、
R4はメチル又はエチルであり、
特に、R4はメチルであり、
R5はメチル、エチル、プロピル、イソプロピル、フッ素、塩素、臭素、メトキシ、エトキシ、プロポキシ、イソプロポキシ、トリフルオロメチル、2−メトキシ−エトキシ、シクロプロピルオキシ、シクロプロピルメトキシ、又は、完全にもしくは支配的にフッ素置換された1−2C−アルコキシであり、
特に、R5は塩素、臭素、フッ素、メトキシ、エトキシ、ジフルオロメトキシ又はトリフルオロメトキシであり、
R6は水素又はフッ素であり、
R5は骨格の5−、7−又は、特に、6−位に結合しており、
R6は骨格の5−又は7−位に結合している、式Iの化合物及びこれらの化合物の塩である。
特に言及に値する本発明による化合物は、
R1は2−(R11)−エチル又は3−(R11)−プロピルであり、ここで、
R11は−N(R111)R112であり、ここで、
R111はメチル、エチル、プロピル、イソプロピル、イソブチル、tert-ブチル、アリル、プロパルギル、1−メチル−プロパルギル、シクロプロピル、シクロブチル、シクロプロピルメチル、2−ヒドロキシエチル、2−メトキシエチル、2−フルオロエチル、2,2−ジフルオロエチル又は2,2,2−トリフルオロエチルであり、そして
R112は水素であるか、又は、
R111はメチル、エチル、プロピル、イソプロピル、イソブチル、tert-ブチル、アリル、プロパルギル、1−メチル−プロパルギル、シクロプロピル、シクロブチル、シクロプロピルメチル、2−ヒドロキシエチル、2−メトキシエチル、2−フルオロエチル、2,2−ジフルオロエチル又は2,2,2−トリフルオロエチルであり、そして
R112はメチルであるか、又は、
R111はエチル、プロピル、イソプロピル、アリル、プロパルギル、1−メチル−プロパルギル、シクロプロピル、シクロブチル、シクロプロピルメチル、2−ヒドロキシエチル、2−メトキシエチル、2−フルオロエチル、2,2−ジフルオロエチル又は2,2,2−トリフルオロエチルであり、そして
R112はエチルであるか、又は、
R111及びR112は一緒になって、それらが結合している窒素原子を含んで、環Hetを形成し、ここで、
Hetはピペリジン−1−イル、モルホリン−4−イル、ピロリジン−1−イル、アゼチジン−1−イル、ホモピペリジン−1−イル、4N−(R113)−ピペラジン−1−イル、4N−(R113)−ホモピペラジン−1−イル、2,5−ジヒドロ−ピロール−1−イル、1,2,3,6−テトラヒドロピリジン−1−イル、4−メチル−ピペリジン−1−イル、4−フルオロ−ピペリジン−1−イル、4,4−ジフルオロピペリジン−1−イル、(S)−3−フルオロ−ピロリジン−1−イル、(R)−3−フルオロ−ピロリジン−1−イル又は3,3−ジフルオロ−ピロリジン−1−イルであり、ここで、
R113はメチル又はアセチルであり、
又はHetはピラゾール−1−イル又はイミダゾール−1−イルであり、
R2は水素であり、
R3は水素であり、
R4はメチルであり、
R5は塩素、臭素、フッ素、エトキシ、メトキシ、ジフルオロメトキシ又はトリフルオロメトキシであり、より特定的には、
R5は塩素、臭素、エトキシ、メトキシ又はジフルオロメトキシであり、
R6は水素又はフッ素であり、
R5は骨格の6−位に結合しており、そして
R6は骨格の5−位又は、特に、7−位に結合している、式Iの化合物及びこれらの化合物の塩である。
より特に言及に値する本発明に係る化合物は、
R1は2−(R11)−エチル又は3−(R11)−プロピルであり、ここで、
R11は−N(R111)R112であり、ここで、
R111はメチル、エチル、イソプロピル、イソブチル、tert-ブチル、アリル、シクロプロピル、シクロブチル、シクロプロピルメチル、2−ヒドロキシエチル又は2−メトキシエチルであり、そして
R112は水素であるか、又は、
R111はメチル、エチル、イソプロピル、アリル、シクロプロピル、シクロブチル、シクロプロピルメチル、2−ヒドロキシエチル又は2−メトキシエチルであり、そして
R112はメチルであるか、又は、
R111はエチル、2−ヒドロキシエチル又は2−メトキシエチルであり、そして
R112はエチルであるか、又は、
R111及びR112は一緒になって、それらが結合している窒素原子を含んで、環Hetを形成し、ここで、
Hetはピペリジン−1−イル、ピロリジン−1−イル、アゼチジン−1−イル、2,5−ジヒドロ−ピロール−1−イル又は1,2,3,6−テトラヒドロピリジン−1−イルであり、
R2は水素であり、
R3は水素であり、
R4はメチルであり、
R5は塩素、臭素、エトキシ、メトキシ又はジフルオロメトキシであり、
R6は水素又はフッ素であり、
R5は骨格の6−位に結合しており、そして
R6は骨格の7−位に結合している、式Iの化合物及びこれらの化合物の塩である。
R1及びR5が表1に示され、
R2及びR3及びR6が水素であり、そして
R4がメチルである、式Iの化合物及びその塩は最も好ましい。
Figure 2011513368
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Figure 2011513368
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本発明のさらなる実施形態
本発明は、また、本明細書中に開示されそして本発明の化合物を合成するのに有用である、中間体(その塩、立体異性体及びこれらの立体異性体の塩を含む)、方法(methods and processes)にも関する。このため、本発明は、また、本発明に係る化合物を調製するための本明細書中に開示された方法にも関し、その方法は、本明細書中に開示されるとおりの条件下に、記載の中間体を転化させ及び/又はその中間体と適切な反応パートナーとを反応させる1つ以上の工程を含む。
本発明は、さらに、工程a)及びb)及びc)を含む、式IIaの鏡像異性的に純粋な(立体異性的に純粋な)中間体化合物の調製方法に関する。
本発明は、さらに、工程a)及びb)及びc)及びd)を含む、式Iaの鏡像異性的に純粋な(立体異性的に純粋な)中間体化合物の調製方法に関する。
本発明は、さらに、工程c)及びd)を含む、式Iaの鏡像異性的に純粋な(立体異性的に純粋な)中間体化合物の調製方法に関する。
本発明は、さらに、工程c)及びd)及びe)を含む、式Iの鏡像異性的に純粋な(立体異性的に純粋な)化合物の調製方法に関する。
本発明は、さらに、工程c)及びd)及びe)及びf)を含む、式Iの鏡像異性的に純粋な(立体異性的に純粋な)化合物の調製方法に関する。
さらなる実施形態において、本発明は、式I
Figure 2011513368
(上式中、R1は−N(R111)R112によって置換された2−7C−アルキルであり、
R111は1−4C−アルキル、2−4C−アルケニル、2−4Cアルキニル、3−7C−シクロアルキル、3−7C−シクロアルキル−1−4C−アルキル、ヒドロキシ−2−4C−アルキル、1−4C−アルコキシ−2−4C−アルキル、1N−(1−4C−アルキル)−ピラゾリル、1N−(H)−ピラゾリル、イソキサゾリル、又は、完全にもしくは部分的にフッ素置換された1−4C−アルキルであり、
R112は水素、1−4C−アルキル、3−7C−シクロアルキル又は3−7C−シクロアルキル−1−4C−アルキルであり、
又は、R111及びR112は、一緒に、そしてそれらが結合している窒素原子を含めて、環Hetを形成し、ここで、
Hetはピペリジン−1−イル、モルホリン−4−イル、チオモルホリン−4−イル、S−オキソ−チオモルホリン−4−イル、S,S−ジオキソ−チオモルホリン−4−イル、ピロリジン−1−イル、アゼチジン−1−イル、ホモピペリジン−1−イル、4N−(R113)−ピペラジン−1−イル、4N−(R113)−ホモピペラジン−1−イル、2,5−ジヒドロ−ピロール−1−イル、1,2,3,6−テトラヒドロピリジン−1−イル、ピロール−1−イル、ピラゾール−1−イル、イミダゾール−1−イル、トリアゾール−1−イル又はテトラアゾ−ル−1−イルであり、ここで、
R113は水素、1−4C−アルキル、3−7C−シクロアルキル、3−7C−シクロアルキル−1−4C−アルキル、1−4C−アルキルカルボニル、アミジノ又は完全にもしくは部分的にフッ素置換された1−4C−アルキルであり、
前記Hetはフッ素及び1−4C−アルキルから独立に選ばれる1個又は2個の置換基によって場合により置換されていてよく、
R2は水素、1−4C−アルキル、ハロゲン、トリフルオロメチル、1−4C−アルコキシ又はヒドロキシルであり、
R3は水素、1−4C−アルキル、ハロゲン、トリフルオロメチル又は1−4C−アルコキシであり、
R4は1−4C−アルキル、3−7C−シクロアルキル又は3−7C−シクロアルキル−1−4C−アルキルであり、
R5は1−4C−アルキル、ハロゲン、1−4C−アルコキシ、トリフルオロメチル、シアノ、ヒドロキシル、フェニル−1−4C−アルコキシ、1−4C−アルコキシ−2−4C−アルコキシ、ヒドロキシ−2−4C−アルコキシ、3−7C−シクロアルコキシ、3−7C−シクロアルキル−1−4C−アルコキシ、又は、完全にもしくは支配的にフッ素置換された1−4C−アルコキシであり、
R6は水素、1−4C−アルキル又はハロゲンである)の化合物及びそれらの化合物の塩の調製方法をも含み、その方法は、
b)式IV
Figure 2011513368
(上式中、Rはメチル又はエチルであり、R4、R5、R6は上記に規定されるとおりである)のトリプトファン誘導体を提供すること、
b)式III
Figure 2011513368
(上式中、R2、R3は上記に規定されるとおりである)の3−ヒドロキシベンズアルデヒドによる式IVの化合物のピクテスペングラー反応を行い、式IIa’及びIIb’
Figure 2011513368
(上式中、R、R2、R3、R4、R5、R6は上記に規定されるとおりである)の化合物の混合物を得て、式IIa’及びIIb’の化合物を分離して、式IIa’の化合物を得ること、
c)場合により、式IIa’の化合物を3−ヒドロキシフェニル部分で保護し、式IIa*
Figure 2011513368
(上式中、R、R2、R3、R4、R5、R6は上記に規定されるとおりであり、Zは保護基である)の化合物を得ること、
d)カルボニルジイミダゾール及びアミンR1NHの反応混合物を溶剤に添加することにより、現場で調製されたイソシアネートR1−N=C=Oによって、式IIa’の化合物又は式IIa’の化合物を複素環化して、式Ia’
Figure 2011513368
(上式中、R1〜R6及びZは上記に規定されるとおりである)の化合物を得るか、又は、式I’
Figure 2011513368
の化合物を得ること、
e)式IIa’の化合物が工程c)において3−ヒドロキシフェニル部分で保護されている場合には、式Ia’の化合物の3−ヒドロキシフェニル部分で脱保護を行い、式I’の化合物を得ること、
f)式Iの化合物を式I’の化合物から分離すること、
g)場合により、式Iの化合物を塩に転化させること、
の工程を含む。
中間体
本発明は、さらに、式IIa
Figure 2011513368
(上式中、R及びR2〜R6は上記のとおりである)の主要な中間体化合物に関する。
本発明は、さらに、式IIb
Figure 2011513368
(上式中、R及びR2〜R6は上記のとおりである)の主要な中間体化合物に関する。
本発明は、さらに、式IIa
Figure 2011513368
(上式中、R、R2〜R6及びZは上記のとおりである)の中間体化合物に関する。
本発明は、さらに、式Ia
Figure 2011513368
(上式中、R1〜R6及びZは上記のとおりである)の中間体化合物に関する。
商業使用
本発明に係る化合物は有価な薬理学的特性を有し、それにより、その化合物が商業的に応用可能となることができる。このため、たとえば、本発明に係る化合物は有糸分裂キネシンEg5の抑制剤として作用することができ、そしてこれらの化合物はこのキネシンの抑制に応答性である疾病、たとえば、WO2007/096393の第235頁に記載されている疾病の治療において商業的に応用可能であることが期待される。また、たとえば、本発明に係る化合物は細胞周期依存性で、抗増殖性で、及び/又は、アポトーシス誘導活性であることができる。
商業使用はWO2007/096393に詳細に記載されている。
実施例
例1
反応工程a):鏡像異性的に純粋な誘導体IVaの調製
例1a
α−メチル−α−ニトロ−3−(5−メトキシ−1H−インドリル)−プロピオン酸メチルエステルのニトロ還元
不活性化された反応器に、5.00kgのα−メチル−α−ニトロ−3−(5−メトキシ−1H−インドリル)−プロピオン酸メチルエステル、40Lのメタノール及び0.500kgの、チャコール上の白金(10%Pd:Degussa E101NM)を装填し、そして反応混合物を攪拌しながら55〜65℃に加熱する。この反応器を激しく攪拌しながら水素ガスで3.5〜5.0バールに加圧する。水素の取り込みがもはや検知されなくまで、所与の温度及び圧力で水素化を行う。その懸濁液は55〜65℃で一晩攪拌することができる。転化を完了するために、反応混合物を4.0〜5.0バールの水素圧で1.5〜3.0時間攪拌する。熱い懸濁液(40〜60℃)をろ過し、そして残留物を15lの予め温めた(40〜60℃)エタノールで洗浄する。34〜36リットルの合わせたろ液を真空下に40〜55℃で留去する。その後、60lのエタノールを、予め温めた(40〜55℃)溶液に添加する。真空下に、19〜21Lの溶剤を40〜55℃留去する。残留混合物を攪拌している反応器A中で60〜67℃に加熱し、下記の分離プロセスにすぐに使用できるものとする。
Figure 2011513368
例1b
D−(+)−(S,S)−ジ−p−アニソイル−酒石酸を含むジアステレオマー塩形成を介した(R,S)−2−アミノ−3−(5−メトキシ−1H−インドリル)−2−メチル−プロピオン酸メチルエステルのエナンチオマーの分離
窒素でパージした第二の反応器Bにおいて、5.4kg(0.75当量)のD−(+)−(S,S)−ジ−p−アニソイル−酒石酸(D−DATA)を、9lのエタノール及び44lの酢酸2−プロピルの混合物中に溶解させる。もし必要ならば、溶解を完了させるために、攪拌された混合物を30〜40℃まで温める。反応器Aの温度を60〜67℃の範囲に維持しながら、この予熱された溶液の第一の半分を、40〜80分間にわたって攪拌しながら反応器Bに添加する。反応器の温度を60〜67℃に維持しながら、予熱されたD−DATA溶液の第二の半分を2.5〜4.0時間、攪拌下に添加する。結晶化は、通常、DATA溶液の第二の半分の添加の間に始まる。反応混合物を15〜25℃に2〜20時間で冷却する。単離されるジアエラストマー塩の純度が変化することなく、得られた懸濁液を5日間まで攪拌されうる。懸濁液をさらに7〜15℃に0.5〜2.0時間で冷却し、攪拌を1〜3時間続け、固相を遠心分離によって分離し、10〜13lのエタノール及び酢酸2−プロピルの混合物(3:2)で洗浄し、そして真空下に50℃で乾燥する。収量:4.9+/−1.2kg。
単離された乾燥生成物の特性:乾燥による損失<1.0%、NMR及びHPLCによる正確な同定、Mp:191℃(分解)、光学純度>96%ee(キラルHPLCによる)、光学旋光度:[α]20D+120°+/−2°。
例2
光学的に純粋なα−メチル−α−アミノ−3−(5−メトキシ−1H−インドリル)−プロピオン酸メチルエステルのD−DATA塩からの開放及び光学的に活性な主要中間体IIaを調製するためのピクテスペングラー環化
光学的に純粋なα−メチル−α−アミノ−3−(5−メトキシ−1H−インドリル)−プロピオン酸メチルエステルの、そのD−DATA塩からの開放を、次のピクテスペングラー反応と連結させる。このことは、鏡像異性的に純粋なトリプトファン誘導体は結晶性でなく(ラセミ体混合物とは対照的)、ワックス状であり、このため、純粋形態で取り扱うのが容易でないという事実に基づく。それゆえ、遊離アミノエステルはトルエン中の溶液として取り扱われる。
Figure 2011513368
不活性化された反応器に、5.00kgのα−メチル−α−アミノ−3−(5−メトキシ−1H−インドリル)−プロピオン酸メチルエステル、12Lの精製水及び22Lの酢酸エチルを装填する。1.9kg(3.8当量)のアンモニア水溶液(25%)を攪拌しながら15〜25℃において10〜30分で添加する。透明な2相の溶液を15〜25℃で20〜40分間攪拌する。攪拌を15℃〜25℃で、>15分続け、相分離させる。下(水性)相を0.35kg(0.7当量)のアンモニア水溶液(25%)で再び、塩基性化しそして攪拌しながら10lの酢酸エチルで5〜15分間抽出する。攪拌を止めて相分離を行う。合わせた有機相を攪拌しながら真空下に50〜65℃に加熱し、23〜25lの酢酸エチルを留去する。25lのトルエンを50〜65℃で反応器に添加し、そして55〜75℃で真空中で14〜16l留去することにより溶剤交換を行う。10lのトルエンの添加及び55〜75℃での真空中での9〜10lの蒸留によって、この共蒸留を2回繰り返し、溶液を下記の工程において直接的に使用する。
反応工程b):ピクテスペングラー環化
3−ヒドロキシベンズアルデヒドによる(+)−(1R,3S)−1−(3−ヒドロキシフェニル)−6−メトキシ−3−メチル−2,3,4,9−テトラヒドロ−1H−β−カルボリン−3カルボン酸メチルエステルへのピクテスペングラー環化
0.880kg(0.98当量)の3−ヒドロキシベンズアルデヒド及び0.034kg(0.04当量)のトリフルオロ酢酸を、上記のトルエン中に溶解された光学的に純粋な(S)−2−アミノ−3−(5−メトキシ−1H−インドリル)−2−メチル−プロピオン酸メチルエステルを含み、53〜61℃で攪拌している反応器に装填する。反応混合物を53〜61℃でさらに15〜24時間攪拌し、その間、ピクテスペングラー生成物を反応混合物から結晶化させる。
TLCによるプロセス制御において:<2%の出発化合物(S)−2−アミノ−3−(5−メトキシ−1H−インドリル)−2−メチル−プロピオン酸メチルエステル。17lの酢酸エチルを反応混合物に30〜55℃の温度で添加し、その後、それを20〜35℃に冷却する。トリフルオロ酢酸のクエンチを、5lの精製水中に溶解された0.48kgの炭酸水素ナトリウムを添加し、そして二相混合物を20〜35℃で5〜20分間攪拌することにより行う。攪拌を中断し、そして相分離を>15分間、15〜25℃で行う。生成物を含む上相を分離し、攪拌しながら55〜75℃に加熱する。真空下に16〜18lの溶剤を留去する。20lのトルエンを添加し、そして70〜90℃で11〜12lの溶剤を留去することにより溶剤交換を行う。反応混合物を100℃〜110℃で15〜60分間攪拌下に加熱還流する。ピクテスペングラー生成物を完全に結晶化させるために、反応混合物を8〜24時間で7〜15℃に冷却し、7〜15℃でさらに>1時間攪拌し、その後、その冷たい懸濁液を遠心分離する。生成物を4〜7lのトルエンで洗浄しそして50℃で真空下に12〜24時間乾燥する。収量:2.0+/−0.3kg(75+/−10%)。NMRにより生成物の品質試験を行う。キラルHPLC>99.2%、光学旋回:53+/−2°、乾燥損失。
所望されないジアステレオマーの繰り返しの異性化によって、遠心分離工程の母液から第二の回収物を得ることができる。触媒としてのトリフルオロ酢酸の存在下でのトルエン中の溶液を4〜5時間攪拌しながら100℃〜110℃に加熱して、そして第一の回収物について記載したとおりの抽出ワークアップ及び結晶化によって、さらに0.3kg+/−0.1kg(11+/−5%)を生じる。
例3
反応工程1c)及び1d):ピクテスペングラー生成物のシリル化及びヒダントイン環化
N,N−DMEDA−イミダゾリドの調製に使用される入手可能なカルボニルジイミダゾールの純度によって、上記のプロセスを2つの択一的方法で行うことができる。
1.純度が90〜95%の技術等級のカルボニルジイミダゾール
反応−溶剤:純粋なトルエンに完全には可溶性でないN,N−DMEDA−イミダゾリドにはアセトニトリル/トルエンの混合物。N,N−DMEDA−イミダゾリドのより速い添加。
アセトニトリルを留去することで反応温度を55〜105℃に連続的に上昇させる。
2.純度が>97%であるプルム等級のカルボニルジイミダゾリド
反応−溶剤:純粋なトルエンに完全に可溶性であるN,N−DMEDA−イミダゾリドには純粋なトルエン。最適活性化温度、すなわち、100℃〜約105℃の等温でのゆっくりとしたN,N−DMEDA−イミダゾリド投与。
鏡像異性的に純粋な(3aS,10R)−2−(2−ジメチルアミノエチル)−10−(3−ヒドロキシフェニル)−6−メトキシ−3a−メチル−3a,4,9,10−テトラヒドロ−2,9,10a−トリアザ−シクロペンタ−[b]フルオレン−1,3−ジオンの調製
例3.1
トルエン/MeCN溶剤混合物中のプロセス、バッチ処理
1.シリル化:不活性化された反応器A中での懸濁
5.00kgの(+)−(1R,3S)−1−(3−ヒドロキシ−フェニル)−6−メトキシ−3−メチル−2,3,4,9−テトラヒドロ−1H−β−カルボリン−3−カルボン酸メチルエステルを14lのアセトニトリル中に懸濁させる。この混合物を45〜55℃に加熱し、白色スラリーとする。この温度において、1.70kg(1.23当量)のトリエチルアミンを攪拌しながら30〜60分で添加する。投与ラインを2〜3lのさらなるアセトニトリルで濯ぎ、そして反応混合物を45〜55℃で20〜40分間攪拌し、その間に、透明な溶液を得る。その後、1.80g(1.21当量)のクロロ−トリメチルシランを反応混合物に45〜55℃で30〜120分間で添加し、投与ラインを2〜3lのアセトニトリルで濯ぐ。反応混合物は、再び、白色液へと変化する。この反応物質を30〜60分間、55〜65℃で攪拌し、橙黄色液を形成する。15〜25℃で攪拌しながら、一晩、この液を貯蔵することができる。
2.N,N−DMEDA−イミダゾリドの調製:不活性化された反応器B中での懸濁
13lのアセトニトリル及び5lのトルエン中の4.50kg(ピクテスペングラーに対して2.03当量)のN,N−カルボニルジイミダゾール。冷却後に、ベージュの懸濁液を5〜15℃とする。5lのトルエン中で希釈した2.45kg(2.04当量)のN,N−ジメチルエチレンジアミンを反応スラリーに5〜25℃で30〜90分で添加し、それは投与の最後に透明な溶液へと変化する。
3.ヒダントイン環化:反応器B中で調製したトルエン/アセトニトリル中のN,N−DMEDA−イミダゾリドの溶液を、反応器A中の反応混合物に、1.5〜4時間、55〜80℃の反応温度で投与する。この反応混合物は攪拌しながら20〜50℃の温度で加熱することなく、一晩、貯蔵することができる。反応を開始するために、反応温度を約80℃に上昇させ、22〜25lのアセトニトリルを留去し、その間に、沸騰温度が連続的に上昇する。14lのトルエンを80〜100℃の反応混合物に添加し、そして反応器の温度が100℃に到達するまでさらに溶剤を留去する。反応混合物を攪拌しながら8〜12時間、100℃でさらに加熱する。プロセス制御において、サンプリングのために反応混合物を80℃に冷却する。HPLC:もし出発材料が<8%であるならば、ワークアップとともに処理を続ける。もし出発材料の含有分が>8%であるならば、混合物を100℃でさらに8〜12時間攪拌し、次いで、ワークアップを行う。
4.ワークアップ:反応混合物を45〜55℃に冷却し、次いで、13lのメチルエチルケトン及び5lの精製水を添加し、そして二相溶液を45〜55℃で1〜2時間攪拌する。攪拌を中断し、45〜55℃で相分離させる。水性相(下層)を容器中に入れ、有機相(上層)を、10分間、45〜55℃で攪拌しながら、5lの精製水中の0.5kgの塩化ナトリウムの溶液で洗浄し、その後、水性洗浄物を容器に入れる。有機相を攪拌しながら45〜60℃に加熱し、そして18〜23lの溶剤を留去する。10lのメタノールを55〜65℃で45〜120分間添加する。もし、薄い懸濁液が得られないならば、種晶を添加して、結晶化を誘導する。結晶化が開始したら、スラリーを50〜60℃で30〜90分間さらに攪拌する。攪拌されている懸濁液をゆっくりと8〜15℃に4〜8時間で冷却し、さらに、この温度に12時間〜3日間維持して結晶化を完全に行う。懸濁液を8〜15℃で遠心分離し、そして生成物を2〜3lの予備冷却されたメタノールで洗浄する。溶剤で濡れた生成物を真空中で40℃で乾燥する。
プロセス制御において、乾燥損失<2%、TLC及びHPLCによる同定。収量:3.98kg+/−0.25kg、65%+/−5%。
例3.2
トルエン中の等温処理の方法
1.シリル化:不活性化された反応器A中での懸濁
1.00kgの(+)−(1R,3S)−1−(3−ヒドロキシ−フェニル)−6−メトキシ−3−メチル−2,3,4,9−テトラヒドロ−1H−β−カルボリン−3−カルボン酸メチルエステルを6lのTHF中に懸濁させる。この混合物を50〜52℃に加熱し、白色スラリーとする。この温度において、0.30kg(1.20当量)のトリエチルアミンを攪拌しながら30〜40分で添加する。反応混合物を50〜52℃で20〜40分間攪拌し、その間に、白色懸濁液を形成する。その後、0.35kg(1.20当量)のクロロ−トリメチルシランを反応混合物に50〜52℃で90分間で添加する。反応混合物を60〜62℃でさらに2.5〜3時間攪拌する。(この液は、必要ならば、15〜25℃で攪拌しながら、一晩、貯蔵することができる。)
12lのトルエンを添加し、そして反応器温度を3.5〜4.0時間で60〜62℃から100℃〜約105℃に連続的に上昇させ、低沸点のTHFを完全に留去する。
2.N,N−DMEDA−イミダゾリドの調製:不活性化された反応器B中での懸濁
2.64lのトルエン中の0.882kg(2.00当量)のN,N−カルボニルジイミダゾール。冷却後に、ベージュの懸濁液を5〜10℃とする。0.69lのトルエン中で希釈した0.480kg(2.00当量)のN,N−ジメチルエチレンジアミンを反応スラリーに5〜10℃で45〜60分で添加する。10〜15℃でさらに3〜3.5時間、そして20〜25℃で3〜4時間攪拌することにより、透明でほとんど無色の溶液を生じる。
3.ヒダントイン環化:反応器B中で調製したトルエン中のN,N−DMEDA−イミダゾリドの溶液を、反応器A中の反応混合物に、9.0〜9.5時間、100〜105℃の反応温度で重量制御しながら投与ポンプによって投与する。この反応混合物を攪拌しながら100℃の温度でさらに加熱する。プロセス制御において、サンプリングのために反応混合物を80℃に冷却する。TLC又はHPLC:もし出発材料>2%であるならば、ワークアップとともに処理を続ける。もし出発材料の含有分が>2%であるならば、混合物を100℃でさらに8〜12時間攪拌し、次いで、ワークアップを行う。
4.ワークアップ:反応混合物を50〜55℃に冷却し、次いで、2lのメチルエチルケトン及び2lの精製水を添加し、そして二相溶液を45〜50℃で0.5〜1時間攪拌する。攪拌を中断し、45〜50℃で相分離させる。水性相(下層)を容器中に入れ、有機相(上層)を、1時間、45〜55℃で攪拌しながら、2lの精製水中の0.2kgの塩化ナトリウムの溶液で洗浄し、その後、水性洗浄物を容器に分離する。5.0lのメチルエチルケトンを有機相に添加し、生成物を完全に溶解させ、その後、ろ紙上でろ過してあらゆる固形分残留物を除去する。真空中でろ液を60℃にて蒸発させ、そして4lのトルエンで2回、そして次いで、4lのメタノールで2回、共蒸留する。メタノールへの溶剤交換の間に結晶化が開始し、1〜2時間攪拌しながら懸濁液を0〜5℃に冷却することによって完了する。懸濁液を5〜15℃でろ過し、そして生成物を0.3〜0.5lの予備冷却されたメタノールで洗浄する。溶剤で濡れた生成物を真空中で60℃で24時間乾燥する。
プロセス制御において、乾燥損失<3%、TLC及び(キラル)−HPLC、NMRによる同定。収量:1.025kg、84%。
上記の統合された方法によって、副生成物を有意に低減し、そして全体収率を明らかに増加させることができるようになることが今回判った。その理由は、特に以下のとおり:1.投与温度はイソシアネート前駆体の最適活性化温度に適合される。
2.イミダゾリドの投与速度は環化工程の反応速度に適合される。
それゆえ、特に、上記の純粋なトルエン中の合成プロトコールは環化反応の間の不純物の累積をさらに低減し、そのため、より高い全体生成物収率及び純度を可能にする。
トルエン/MeCN中の化学収率:60〜70%、結晶cpdの純度>98.5%(HPLC)
トルエン中の化学収率:75〜85%、結晶cpdの純度>99.0%(HPLC)
ヒダントイン環化をスキーム6に示す。
Figure 2011513368
工程f)塩酸塩への転化
(3aS,10R)−2−(2−ジメチルアミノエチル)−10−(3−ヒドロキシフェニル)−6−メトキシ−3a−メチル−3a,4,9,10−テトラヒドロ−2,9−、10a−トリアザ−シクロペンタ[b]フルオレン−1,3−ジオンの遊離塩基を、そのHCl塩に転化させるために、遊離塩基を熱メタノール中に懸濁させ、次いで、クロロトリメチルシランを添加すること(それにより、乾燥HCl及びメチルトリメチルシリルエーテルに加溶媒分解する)又は塩酸を用いることにより、HCl塩を生じ、そのHCl塩は狭い温度範囲で可溶性でありそして冷却時に明確な結晶形で結晶化する。
Figure 2011513368
例4.1
鏡像異性的に純粋な(3aS,10R)−2−(2−ジメチルアンモニオエチル)−10−(3−ヒドロキシフェニル)−6−メトキシ−3a−メチル−3a,4,9,10−テトラヒドロ−2,9,10a−トリアザ−シクロペンタ−[b]フルオレン−1,3−ジオンクロリドの調製
2.0kgの(3aS,10R)−2−(2−ジメチルアミノエチル)−10−(3−ヒドロキシフェニル)−6−メトキシ−3a−メチル−3a,4,9,10−テトラヒドロ−2,9,10a−トリアザ−シクロペンタ[b]フルオレン−1,3−ジオンを8lのアセトン中に溶解させ、そしてろ過して、あらゆる固形分残留物を除去する。粘性スラリーが得られるまで溶剤を55℃で蒸発させ、そして3lのメタノールで2回、共蒸発させる。スラリーを10lのメタノールで希釈し、そして攪拌しながら、1〜2時間、60〜65℃に加熱する。この温度で、0.722kg(1.5当量)のクロロトリメチルシランを30〜60分で連続的に添加する。クロロトリメチルシランのほぼ半分の投与の後に、この生成物はメタノール中に溶解し、投与の最後に、HCl塩が熱溶液から少量で結晶化し始める。反応混合物は、プログラム化された冷却勾配で10時間かけて20℃に冷却し、そしてさらに1〜2時間かけて5℃に冷却する。冷たい懸濁液をろ過し、0.5lの事前に冷却したメタノールで洗浄し、そして真空下に60℃で4〜6日間乾燥させる。
収量:2.0kg(92%)
QC−エンドコントロール:NMRによる同定、キラルHPLCによる純度、Cl、残留溶剤。

Claims (17)

  1. 式I
    Figure 2011513368
    (上式中、R1は−N(R111)R112によって置換された2−7C−アルキルであり、ここで、
    R111は1−4C−アルキル、2−4C−アルケニル、2−4C−アルキニル、3−7C−シクロアルキル、3−7C−シクロアルキル−1−4C−アルキル、ヒドロキシ−2−4C−アルキル、1−4C−アルコキシ−2−4C−アルキル、1N−(1−4C−アルキル)−ピラゾリル、1N−(H)−ピラゾリル、イソキサゾリル、又は、完全にもしくは部分的にフッ素置換された1−4C−アルキルであり、
    R112は水素、1−4C−アルキル、3−7C−シクロアルキル又は3−7C−シクロアルキル−1−4C−アルキルであり、
    又は、R111及びR112は、一緒に、そしてそれらが結合している窒素原子を含めて、環Hetを形成し、ここで、
    Hetはピペリジン−1−イル、モルホリン−4−イル、チオモルホリン−4−イル、S−オキソ−チオモルホリン−4−イル、S,S−ジオキソ−チオモルホリン−4−イル、ピロリジン−1−イル、アゼチジン−1−イル、ホモピペリジン−1−イル、4N−(R113)−ピペラジン−1−イル、4N−(R113)−ホモピペラジン−1−イル、2,5−ジヒドロ−ピロール−1−イル、1,2,3,6−テトラヒドロピリジン−1−イル、ピロール−1−イル、ピラゾール−1−イル、イミダゾール−1−イル、トリアゾール−1−イル又はテトラアゾ−ル−1−イルであり、ここで、
    R113は水素、1−4C−アルキル、3−7C−シクロアルキル、3−7C−シクロアルキル−1−4C−アルキル、1−4C−アルキルカルボニル、アミジノ又は完全にもしくは部分的にフッ素置換された1−4C−アルキルであり、
    前記Hetはフッ素及び1−4C−アルキルから独立に選ばれる1個又は2個の置換基によって場合により置換されていてよく、
    R2は水素、1−4C−アルキル、ハロゲン、トリフルオロメチル、1−4C−アルコキシ又はヒドロキシルであり、
    R3は水素、1−4C−アルキル、ハロゲン、トリフルオロメチル又は1−4C−アルコキシであり、
    R4は1−4C−アルキル、3−7C−シクロアルキル又は3−7C−シクロアルキル−1−4C−アルキルであり、
    R5は1−4C−アルキル、ハロゲン、1−4C−アルコキシ、トリフルオロメチル、シアノ、ヒドロキシル、フェニル−1−4C−アルコキシ、1−4C−アルコキシ−2−4C−アルコキシ、ヒドロキシル−2−4C−アルコキシ、3−7C−シクロアルコキシ、3−7C−シクロアルキル−1−4C−アルコキシ、又は、完全にもしくは支配的にフッ素置換された1−4C−アルコキシであり、
    R6は水素、1−4C−アルキル又はハロゲンである)の化合物及びその化合物の塩の調製方法であって、
    a)式IVa
    Figure 2011513368
    (上式中、Rはメチル又はエチルであり、R4、R5、R6は上記に規定されるとおりである)の鏡像異性的に純粋な(立体異性的に純粋な)トリプトファン誘導体を提供すること、
    b)式III
    Figure 2011513368
    (上式中、R2、R3は上記に規定されるとおりである)の3−ヒドロキシベンズアルデヒドによる式IVaの化合物のピクテスペングラー反応を行い、式IIa及びIIb
    Figure 2011513368
    (上式中、R、R2、R3、R4、R5、R6は上記に規定されるとおりである)の化合物の混合物を得て、式IIa及びIIbの化合物を分離して、式IIaの化合物を得ること、
    c)場合により、式IIaの化合物を3−ヒドロキシフェニル部分で保護し、式IIa
    Figure 2011513368
    (上式中、R、R2、R3、R4、R5、R6は上記に規定されるとおりであり、Zは保護基である)の化合物を得ること、
    d)カルボニルジイミダゾール及びアミンR1NHの反応混合物を溶剤に添加することにより、現場で調製されたイソシアネートR1−N=C=Oによって、式IIaの化合物又は式IIaの化合物を複素環化して、式Ia
    Figure 2011513368
    (上式中、R1〜R6及びZは上記に規定されるとおりである)の化合物を得るか、又は、式Iの化合物を得ること、
    e)式IIaの化合物が工程c)において3−ヒドロキシフェニル部分で保護されている場合には、式Iaの化合物の3−ヒドロキシフェニル部分で脱保護を行い、式Iの化合物を得ること、
    f)場合により、式Iの化合物を塩に転化させること、
    の工程を含む、方法。
  2. 工程a)の式IVaの鏡像異性的に純粋な(立体異性的に純粋な)トリプトファン誘導体は、式IV
    Figure 2011513368
    (上式中、Rはメチル又はエチルであり、そしてR4、R5及びR6は上記のとおりである)のラセミ体トリプトファンエステルの光学分離により提供され、その光学分離は光学活性酸の塩を形成し、次いで、溶剤系からの結晶化により塩の分離を行い、式IVa
    Figure 2011513368
    (上式中、R、R4、R5及びR6は上記のとおりであり、Aは光学活性酸に由来するアニオンである)の鏡像異性的に純粋な(立体異性的に純粋な)トリプトファン誘導体を得ること、及び、
    次いで、式IVa
    Figure 2011513368
    の化合物を開放させること、
    により供される、請求項1記載の方法。
  3. 前記式IVのラセミ体トリプトファンエステルの光学分離は(2S,3S)−(+)−ジ(p−アニソイル)酒石酸を含む塩の形成により行われる、請求項2記載の方法。
  4. 前記保護工程c)は保護基Zとしてトリ(アルキル)シリルハロゲン化物を用いて行われる、請求項1〜3のいずれか1項記載の方法。
  5. 前記式IIaの化合物は工程c)において保護され、そして式Iaの化合物は工程e)において脱保護される、請求項1〜4のいずれか1項記載の方法。
  6. 工程d)において、前記溶剤はアセトニトリル/トルエンの混合物であり、一方、カルボニルジイミダゾール及びアミンR1NHの反応混合物を式IIaの化合物又は式IIaの化合物に約1〜約4時間以内に添加し、そして反応温度をアセトニトリルの留去によって約55℃〜約105℃まで連続的に上昇させる、請求項1〜5のいずれか1項記載の方法。
  7. 工程d)において、前記溶剤は純粋なトルエンであり、一方、カルボニルジイミダゾール及びアミンR1NHの反応混合物を式IIaの化合物又は式IIaの化合物に、約100〜105℃の最適活性化温度で等温条件下に約5〜約20時間以内に、好ましくは約8〜約12時間以内に添加する、請求項1〜5のいずれか1項記載の方法。
  8. R1は2−(R11)−エチル又は3−(R11)−プロピルであり、ここで、
    R11は−N(R111)R112であり、ここで、
    R111はメチル、エチル、プロピル、イソプロピル、イソブチル、tert-ブチル、アリル、プロパルギル、1−メチル−プロパルギル、シクロプロピル、シクロブチル、シクロプロピルメチル、2−ヒドロキシエチル、2−メトキシエチル、2−フルオロエチル、2,2−ジフルオロエチル又は2,2,2−トリフルオロエチルであり、そして
    R112は水素であるか、又は、
    R111はメチル、エチル、プロピル、イソプロピル、イソブチル、tert-ブチル、アリル、プロパルギル、1−メチル−プロパルギル、シクロプロピル、シクロブチル、シクロプロピルメチル、2−ヒドロキシエチル、2−メトキシエチル、2−フルオロエチル、2,2−ジフルオロエチル又は2,2,2−トリフルオロエチルであり、そして
    R112はメチルであるか、又は、
    R111はエチル、プロピル、イソプロピル、アリル、プロパルギル、1−メチル−プロパルギル、シクロプロピル、シクロブチル、シクロプロピルメチル、2−ヒドロキシエチル、2−メトキシエチル、2−フルオロエチル、2,2−ジフルオロエチル又は2,2,2−トリフルオロエチルであり、そして
    R112はエチルであるか、又は、
    R111及びR112は一緒になって、それらが結合している窒素原子を含んで、環Hetを形成し、ここで、
    Hetはピペリジン−1−イル、モルホリン−4−イル、ピロリジン−1−イル、アゼチジン−1−イル、ホモピペリジン−1−イル、4N−(R113)−ピペラジン−1−イル、4N−(R113)−ホモピペラジン−1−イル、2,5−ジヒドロ−ピロール−1−イル、1,2,3,6−テトラヒドロピリジン−1−イル、4−メチル−ピペリジン−1−イル、4−フルオロ−ピペリジン−1−イル、4,4−ジフルオロピペリジン−1−イル、(S)−3−フルオロ−ピロリジン−1−イル、(R)−3−フルオロ−ピロリジン−1−イル又は3,3−ジフルオロ−ピロリジン−1−イルであり、ここで、
    R113はメチル又はアセチルであり、
    又はHetはピラゾール−1−イル又はイミダゾール−1−イルであり、
    R2は水素であり、
    R3は水素であり、
    R4はメチルであり、
    R5は塩素、臭素、フッ素、エトキシ、メトキシ、ジフルオロメトキシ又はトリフルオロメトキシであり、より特定的には、
    R5は塩素、臭素、エトキシ、メトキシ又はジフルオロメトキシであり、
    R6は水素又はフッ素であり、
    R5は骨格の6−位に結合しており、そして
    R6は骨格の5−位又は、特に、7−位に結合している、請求項1〜7のいずれか1項記載の方法。
  9. 工程a)及びb)及びc)を含む、式IIaの鏡像異性的に純粋な(立体異性的に純粋な)中間体化合物の調製方法。
  10. 工程a)及びb)及びc)及びd)を含む、式Iaの鏡像異性的に純粋な(立体異性的に純粋な)中間体化合物の調製方法。
  11. 工程c)及びd)を含む、式Iaの鏡像異性的に純粋な(立体異性的に純粋な)中間体化合物の調製方法。
  12. 工程c)及びd)及びe)を含む、式Iの鏡像異性的に純粋な(立体異性的に純粋な)化合物の調製方法。
  13. 工程c)及びd)及びe)及びf)を含む、式Iの鏡像異性的に純粋な(立体異性的に純粋な)化合物の調製方法。
  14. 式IIa
    Figure 2011513368
    (上式中、R2〜R6は請求項1に規定されるとおりであり、Rはメチル又はエチルである)の中間体化合物。
  15. 式IIb
    Figure 2011513368
    (上式中、R2〜R6は請求項1に規定されるとおりであり、Rはメチル又はエチルである)の中間体化合物。
  16. 式IIa
    Figure 2011513368
    (上式中、R2〜R6は請求項1に規定されるとおりであり、Rはメチル又はエチルであり、そしてZは保護基である)の中間体化合物。
  17. 式Ia
    Figure 2011513368
    (上式中、R1〜R6は請求項1に規定されるとおりであり、Zは保護基である)の中間体化合物。
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