JP2011510642A - ジピコリネートの産生方法 - Google Patents

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Abstract

本発明は、ジピコリン酸シンテターゼ活性を有する酵素を発現する組換え微生物を培養することによる、ジピコリネートの新規な発酵産生方法に関する。本発明はまた、対応する組換え宿主、そのような宿主を作製するのに好適な組換えベクター、発現カセット、および核酸、並びに発酵産生により得られたジピコリネートを利用するポリエステルコポリマーまたはポリアミドコポリマーの調製方法に関する。

Description

本発明は、ジピコリン酸シンテターゼ活性を有する酵素を発現する組換え微生物を培養することによる、ジピコリネートの新規な発酵産生方法に関する。本発明はまた、対応する組換え宿主、そのような宿主を作製するのに好適な組換えベクター、発現カセット、および核酸、並びに発酵産生により得られたジピコリネートを利用するポリエステルコポリマーまたはポリアミドコポリマーの調製方法に関する。
ピリジン-2,6-ジカルボン酸またはDPAとしても知られるジピコリン酸(CAS番号499-83-2)は、例えば、ポリエステル型コポリマーまたはポリアミド型コポリマーの合成におけるモノマーとして、ピリジン合成の前駆体として、t-ブチルペルオキシド、ジメチル-シクロヘキサノンペルオキシド、ペルオキシ酢酸、およびペルオキシ-一硫酸のような過酸化物および過酸の安定化剤として、金属表面の研磨溶液の成分として、痕跡量の金属イオンの存在に起因して劣化しやすい有機物質の安定化剤として(金属イオン封鎖効果)、エポキシ樹脂の安定化剤として、ならびに写真用溶液または写真用乳剤の安定化剤として(カルシウム塩の沈殿防止)、さまざまな技術分野で使用される。
DPAが細菌の内生胞子中で生合成されることは周知である。ジヒドロジピコリネート(dehydrodipicolinate)からのDPAの生合成を触媒する酵素は、ジピコリン酸シンテターゼである。該酵素は、枯草菌(Bacillus subtilis)から単離され、さらに特性解析されている。それは、spoVFオペロン(BG10781、BG10782)によりコードされる。
商業的に興味深い該化学化合物の発酵産生については、現在までのところ報告されていない。
したがって、本発明の目的は、ジピコリン酸または対応するその塩の発酵産生に好適な方法を提供することである。
上記の問題は、ジピコリン酸シンテターゼ酵素を発現する組換え微生物を培養することによるジピコリネート(ジピコリン酸またはその塩)の発酵産生を教示する本発明により解決された。この酵素は、リシン生合成経路中の中間体として該微生物中で生成するジヒドロジピコリネートを変換する。
pClik5aMCSクローニングベクターのプラスミド地図を示す。 枯草菌(B. subtilis)由来のspoVF遺伝子のDNA配列を、αサブユニットに下線、βサブユニットに二重下線を付して示す。 合成spoVF遺伝子のDNA配列を、N末端sodプロモーターをイタリック体、αサブユニットを下線、βサブユニットを二重下線、groELターミネーターをボールド文字で示す。
1. 好ましい実施形態
本発明は、DPAの発酵産生方法に関する。この方法は、少なくとも1種の組換え微生物の培養を含み、この微生物は、好ましくは、中間産物としてジヒドロジピコリネート、特にL-2,3-ジヒドロジピコリネートを含むジアミノピメレート(DAP)経路を介してリシンを産生する能力を有する親微生物に由来し、しかもこの組換え微生物は、該親微生物の該能力を定性的または定量的に保持し、かつ異種ジピコリン酸シンテターゼを発現する能力を追加的に有し、その結果として、ジヒドロジピコリネート、特にL-2,3-ジヒドロジピコリネートは、DPAに変換される。該改変微生物はまた、リシンを産生するその能力を保持していても、保持していなくてもよい。
特定的には、上記親微生物は、リシン産生細菌、好ましくはコリネ型細菌である。特定的には、上記親微生物は、例えばコリネバクテリウム・グルタミカム(Corynebacterium glutamicum)のようなコリネバクテリウム属の細菌である。
上記異種ジピコリン酸シンテターゼは、原核生物または真核生物に由来する。例えば、該異種ジピコリン酸シンテターゼは、バシラス(Bacillus)属の細菌、特に枯草菌に由来しうる。該バシラス属酵素は、少なくとも1つのαサブユニットと少なくとも1つのβサブユニットとで構成される。
ジピコリン酸シンテターゼα鎖のタンパク質配列は、以下のとおりである。
Figure 2011510642
ジピコリン酸シンテターゼβ鎖のタンパク質配列は、以下のとおりである。
Figure 2011510642
ジピコリン酸シンテターゼのαサブユニットは、31,947Daの計算分子量を有し、そのβサブユニットは、21,869Daの計算分子量を有する。
本発明に係る方法の更なる実施形態では、異種ジピコリン酸シンテターゼは、配列番号2に示されるアミノ酸配列、またはそれに対して少なくとも80%の同一性、例えば少なくとも85、90、92、95、96、97、98、もしくは99%の配列同一性を有する配列を有する少なくとも1つのαサブユニットと、配列番号3に示されるアミノ酸配列、またはそれに対して少なくとも80%の同一性、例えば少なくとも85、90、92、95、96、97、98、もしくは99%の配列同一性を有する配列を有する少なくとも1つのβサブユニットと、を含む。
ジピコリン酸シンテターゼ活性を有する酵素は、リシンを産生する能力を有する上記親微生物のコドン使用頻度に適合化された核酸配列によりコード可能である。
例えば、ジピコリン酸シンテターゼ活性を有する酵素は、
a)配列番号1に示されるspoVF遺伝子配列、または
b)配列番号4に示される残基193〜残基1691のコード配列を本質的に含む合成spoVF遺伝子配列、または
c)以上に規定されるジピコリン酸シンテターゼまたはそのαおよび/もしくはβサブユニットをコードする任意のヌクレオチド配列、
を含む核酸配列によりコード可能である。
本明細書に記載の方法の他の実施形態では、上記組換え微生物におけるリシン生合成経路の少なくとも1つの遺伝子、例えば1、2、3、もしくは4つの遺伝子は、例えばDPAの形成をさらに支援するために、好適な方式でデレギュレートされる(deregulated)。
上記少なくとも1つのデレギュレートされる遺伝子は、アスパルトキナーゼ、アスパラギン酸セミアルデヒドデヒドロゲナーゼ、ジヒドロジピコリン酸シンターゼ、ジヒドロジピコリン酸レダクターゼ、ピルビン酸カルボキシラーゼ、ホスホエノールピルビン酸カルボキシラーゼ、グルコース-6-リン酸デヒドロゲナーゼ、トランスケトラーゼ、トランスアルドラーゼ、6-ホスホグルコノラクトナーゼ、フルクトース1,6-ビスホスファターゼ(biphosphatase)、ホモセリンデヒドロゲナーゼ、ホスホエノールピルビン酸カルボキシキナーゼ(phophoenolpyruvate carboxykinase)、スクシニル-CoAシンテターゼ、メチルマロニル-CoAムターゼ、テトラヒドロジピコリン酸スクシニラーゼ、スクシニル-アミノ-ケトピメリン酸トランスアミナーゼ、スクシニル-ジアミノ-ピメリン酸デスクシニラーゼ、ジアミノピメリン酸エピメラーゼ、ジアミノピメリン酸デヒドロゲナーゼ、およびジアミノピメリン酸デカルボキシラーゼから選択可能である。
他の実施形態によれば、こうして産生されたジピコリネートは、周知の方法により発酵ブロスから単離される。
本発明はまた、下記のものに関する:
・上記のジピコリン酸シンテターゼに対するコード配列を含む核酸配列、
・少なくとも1つの調節核酸配列に作動的に(operatively)連結された、上記の少なくとも1つの核酸配列を含む発現カセット、
・上記の少なくとも1つの発現カセットを含む組換えベクター、および
・上記の少なくとも1つのベクターで形質転換された原核宿主または真核宿主。
好ましくは、宿主は、組換えコリネ型細菌、特に組換えコリネバクテリウム属細菌、とりわけ組換えコリネバクテリウム・グルタミカムから選択可能である。
他の実施形態によれば、本発明は、例えばポリエステルコポリマーやポリアミドコポリマーのようなポリマーの調製方法に関する。この方法は、
a)以上に規定される方法によりジピコリネートを調製すること、
b)ジピコリネートを単離すること、および
c)該ジピコリネートを、例えばポリオール、ポリアミン、またはそれらの混合物から選択される少なくとも1つの更なる多価共重合性コモノマーと重合すること、
を含む。
最後に、本発明は、本発明に従って産生されるジピコリネートの、ポリエステル型コポリマーまたはポリアミド型コポリマーの合成におけるモノマーとしての;ピリジン合成の前駆体としての;t-ブチルペルオキシド、ジメチル-シクロヘキサノンペルオキシド、ペルオキシ酢酸、ペルオキシ-一硫酸などのような過酸化物および過酸の安定化剤としての;金属表面の研磨溶液の成分としての;痕跡量の金属イオンの存在に起因して劣化しやすい有機物質の安定化剤としての(金属イオン封鎖効果);エポキシ樹脂の安定化剤としての;ならびに写真用溶液または写真用乳剤の安定化剤としての(特にカルシウム塩の沈殿防止)、使用に関する。
2. 特定の用語の説明
特に明記されていないかぎり、「ジピコリネート」、「ジピコリン酸」、「ジピコリン酸塩」、および「DPA」という表現は、同義であるとみなされる。本発明に従って得られるジピコリネート産物は、遊離酸の形態、該酸の部分もしくは完全な塩の形態、または酸とその塩との混合物形態でありうる。
ジピコリン酸「塩」は、例えば、ジピコリン酸亜鉛などのような金属塩、モノ-ナトリウム塩、ジ-ナトリウム塩、モノ-カリウム塩、およびジ-カリウム塩のようなジピコリン酸のモノ-もしくはジ-アルカリ金属塩、さらにはカルシウム塩やマグネシウム塩などのようなアルカリ土類金属塩を包含する。
「ジヒドロジピコリネート」という用語は、単独すなわち立体異性的に純粋な形態で、または立体異性体の組合わせとして、その任意の立体異性体を包含する。特定的には、該用語は、単独、すなわち立体異性的に純粋な形態で、または他の立体異性体との組合せとして、L-2,3-ジヒドロジピコリネートを意味する。「ジヒドロジピコリネート」という用語はまた、遊離酸、該酸の部分もしくは完全な塩、または酸とその塩との混合物を意味する。「塩」は、ジピコリン酸に関連して上記したとおりである。
「デレギュレーション」は、その最広義の意味で理解しなければならず、当業者に周知のさまざまな手段による酵素(標的酵素)活性の増大または減少または完全消失を包含する。好適な方法は、例えば、生物における遺伝子のコピー数および/もしくは酵素分子の増大もしくは減少、またはその酵素活性に影響を及ぼす酵素の他の特性の改変を包含し、結果的に対象の代謝経路、特にリシン生合成経路またはそれと共役した任意の経路もしくは酵素反応に対して所望の効果をもたらすものである。また、好適な遺伝子操作としては、限定するものではないが、特定の遺伝子の発現に関連する調節配列または調節部位の変更または改変(例えば、強力プロモーター、誘導性プロモーター、または多重プロモーターの除去による)、特定の遺伝子の染色体上の位置の改変、特定の遺伝子に隣接する核酸配列、例えばリボソーム結合部位または転写ターミネーターの変更、特定の遺伝子のコピー数の減少、特定の遺伝子の転写および/または特定の遺伝子産物の翻訳に関与するタンパク質(例えば、調節タンパク質、サプレッサー、エンハンサー、転写アクチベーターなど)の改変、あるいは当技術分野で常用される、特定の遺伝子の発現をデレギュレートする任意の他の従来手段(例えば、アンチセンス核酸分子の使用、または標的タンパク質の発現をノックアウトもしくは阻害する他の方法が挙げられるが、これらに限定されるものではない)が挙げられうる。
「異種」または「外因性」という用語は、本明細書中に規定される遺伝子操作された微生物中に導入されるか、またはこの微生物により産生(転写もしくは翻訳)される本明細書中に記載のタンパク質、核酸、および対応する配列であって、該操作前のこの微生物が、該配列を含有も産生もしなかったものをいう。特定的には、該操作前の該微生物は、該異種酵素活性を含有も発現もしないものであってもよく、あるいは、異なるコード配列により、もしくは異なるアミノ酸配列の酵素によりコードされる同等の活性もしくは特異性の内因性酵素を含有または発現するものであってもよい。ただし、該内因性酵素は、該外因性酵素と同一の1つもしくは複数の基質を変換しうるものである。
本発明に係る「親」微生物は、中間産物としてジヒドロジピコリネート、特にL-2,3-ジヒドロジピコリネートを含む経路、特にジアミノピメリン酸デヒドロゲナーゼ(DAP)経路を介してリシンを産生する能力を有する任意の微生物である。
「親微生物に由来する」微生物とは、化学的技術、生化学的技術、または微生物的技術、特に遺伝子工学技術から選択される任意のタイプの操作により改変された微生物を意味する。該操作の結果として、該親微生物の生物学的特性の少なくとも1つの変化を生じる。一例として、異種酵素のコード配列を該生物中に導入することが可能である。該変化により、該親微生物に対して少なくとも1つの特性が付加、置換、または欠失されうる。該変化の結果として、例えば、該微生物の代謝特性が変更し、例えば、該微生物により発現される酵素の(親微生物によりまったく利用されなかったか、もしくは異なる効率で利用された基質が特徴的に(例えば、親微生物と比較した場合、異なる量、割合で、もしくは異なる効率で)代謝されたり、かつ/または該改変微生物により代謝の最終産物もしくは中間産物が特徴的に(例えば、親微生物と比較した場合、異なる量、割合で、もしくは異なる効率で)形成したりすることがありうる。
「中間産物」とは、必ずしも分析的に直接検出可能な濃度というわけではなく、化学工程または生化学工程で一過的または連続的に形成される産物として理解されるものである。該「中間産物」は、第2の化学反応または生化学反応により、特に本明細書中に規定される「ジピコリン酸シンテターゼ」酵素により触媒される反応により、該生化学工程から除去可能である。
「ジピコリン酸シンテターゼ」という用語は、リシン産生経路の代謝物をジピコリネートに変換する能力を有する任意の起源の任意の酵素をいう。特定的には、該用語は、ジヒドロジピコリネート化合物、特にL-2,3-ジヒドロジピコリネートをDPAに変換する酵素をいう。
「組換え宿主」は、クローニングベクターまたは発現ベクターのいずれかを含む任意の原核細胞または真核細胞でありうる。この用語はまた、宿主細胞の染色体中またはゲノム中にクローン化遺伝子を含有するように遺伝子工学操作された原核細胞または真核細胞を包含するとみなされる。好適な宿主の例については、Sambrookら, 「分子クローニング:実験室マニュアル(MOLECULAR CLONING: A LABORATORY MANUAL)」, 第2版, Cold Spring Harbor Laboratory, Cold Spring Harbor, N.Y. (1989)を参照されたい。
「組換え微生物」という用語は、その由来源の天然に存在する微生物または「親」微生物と比較して、変更された、改変された、または異なった遺伝子型および/または表現型を呈するように(例えば、遺伝子改変が微生物のコード核酸配列に影響を及ぼす場合)、遺伝子的に変更、改変、または操作(例えば、遺伝子工学操作)が行われた微生物(例えば、細菌、酵母、菌類など)または微生物株を包含する。
本明細書中で用いられる場合、「実質的に純粋な」タンパク質または酵素とは、所望の精製タンパク質が、ポリアクリルアミド-ドデシル硫酸ナトリウムゲル電気泳動(SDS-PAGE)後の単一バンドにより実証されるように、汚染細胞成分を本質的に含まないことを意味する。「実質的に純粋な」という用語はさらに、当業者により使用される1つ以上の純度特性または均一度特性により均一である分子を記述するものとする。例えば、実質的に純粋なジピコリン酸シンテターゼは、次のようなパラメーター、すなわち、分子量、クロマトグラフィー移動、アミノ酸組成、アミノ酸配列、ブロック化または非ブロック化N末端、HPLC溶出プロファイル、生物活性、および他のそのようなパラメーターに関して、標準実験偏差内にある一定したかつ再現性のある特性を示すであろう。しかしながら、この用語は、ジピコリン酸シンテターゼと他の化合物との人工または合成の混合物を除外するものではない。それに加えて、この用語は、組換え宿主から場合により単離されていてもよいジピコリン酸シンテターゼ融合タンパク質を除外するものではない。
3. 本発明の他の実施形態
3.1 更なる遺伝子のデレギュレーション
枯草菌spoVFオペロンを発現する組換えコリネバクテリウム・グルタミカムのリシン産生株によるジピコリネートの発酵産生は、以下に列挙される少なくとも1つの更なる遺伝子のデレギュレーションと組み合わせた場合、さらに改善される可能性がある。
Figure 2011510642
Figure 2011510642
上記表に挙げられた遺伝子および遺伝子産物は、当技術分野で公知である。
EP1108790号には、リシンの産生における組換えコリネバクテリウム属細菌の産生性に有益な効果を及ぼす、ホモセリンデヒドロゲナーゼおよびピルビン酸カルボキシラーゼの遺伝子の突然変異が開示されている。WO00/63388号には、リシンの産生における組換えコリネバクテリウム属細菌の産生性に有益な効果を及ぼす、アスパルトキナーゼの遺伝子の突然変異が開示されている。EP1108790号およびWO00/63388号は、上記のこれらの遺伝子の突然変異に関して参照により組み入れられるものとする。
上記の表には、すべての遺伝子/遺伝子産物に関して、それぞれの遺伝子の可能なデレギュレーション方法が挙げられている。表の「デレギュレーション」の列に引用された文献および文書は、遺伝子デレギュレーションに関して参照により本明細書に組み入れられるものとする。表に挙げられた方法は、それぞれの遺伝子のデレギュレーションの好ましい実施形態である。
好ましい「増幅」方式は、強い発現シグナルおよび/または酵素活性を増強する点突然変異を用いる遺伝子増幅などにより遺伝子活性を増大させる「アップ」突然変異である。
好ましい「減衰」方式は、弱い発現シグナルおよび/または酵素活性を破壊または低減する点突然変異を用いる遺伝子欠失や遺伝子破壊などにより遺伝子活性を減少させる「ダウン」突然変異である。
3.2 本発明に係るタンパク質
本発明は、具体的に挙げられたタンパク質に限定されるものではなく、その機能的等価体にも拡張される。
具体的に開示された酵素の「機能的等価体」または「類似体」または「機能的突然変異体」とは、本発明の範囲内で、所望の生物学的機能または活性、例えば酵素活性をさらに有するその種々のポリペプチドのことである。
例えば、「機能的等価体」とは、用いられる酵素活性試験で、本明細書中に規定される酵素の少なくとも1〜10%、または少なくとも20%、または少なくとも50%、または少なくとも75%、または少なくとも90%高いか、または低い活性を呈する酵素を意味する。
また、本発明によれば、「機能的等価体」とは、特に、上記のアミノ酸配列の少なくとも1つの配列位置に、具体的に明記されたものと異なるアミノ酸を有するが、それにもかかわらず上記の生物活性の1つを有する突然変異体を意味する。したがって、「機能的等価体」は、1つ以上のアミノ酸付加、置換、欠失、および/または逆位により取得可能な突然変異体を包含する。この場合、本発明に係る特性プロファイルを有する突然変異体が得られるのであれば、上記の変化は、任意の配列位置で起こりうる。また、特定的には、突然変異体と未変化のポリペプチドとの間で反応性パターンが質的に一致する場合、すなわち、例えば、同一の基質が異なる速度で変換される場合に、機能的等価性が提供される。好適なアミノ酸置換の例を以下の表に示す。
Figure 2011510642
上記の意味での「機能的等価体」はまた、記載のポリペプチドの「前駆体」、並びにポリペプチドの「機能的誘導体」および「塩」である。
その場合、「前駆体」とは、所望の生物活性を有するか、または有していないポリペプチドの天然または合成の前駆体である。
「塩」という表現は、本発明に係るタンパク質分子のカルボキシル基の塩、並びにアミノ基の酸付加塩を意味する。カルボキシル基の塩は、公知の方法で生成可能であり、無機塩、例えばナトリウム塩、カルシウム塩、アンモニウム塩、鉄塩、および亜鉛塩、ならびに有機塩基との塩、例えばトリエタノールアミン、アルギニン、リシン、ピペリジンなどのようなアミンとの塩を包含しうる。酸付加塩、例えば、塩酸や硫酸のような無機酸との塩、および酢酸やシュウ酸のような有機酸との塩もまた、本発明に包含される。
本発明に係るポリペプチドの「機能的誘導体」はまた、公知の技術を用い、官能性アミノ酸側基上でまたはそのN末端もしくはC末端で生成可能である。そのような誘導体として、例えば、カルボン酸基の脂肪族エステル、アンモニアまたは第一級もしくは第二級アミンとの反応により取得可能なカルボン酸基のアミド、アシル基との反応により生成される遊離アミノ基のN-アシル誘導体、あるいはアシル基との反応により生成される遊離ヒドロキシ基のO-アシル誘導体が包含される。
「機能的等価体」はまた、当然ながら、他の生物から取得可能なポリペプチド、並びに天然に存在する変異体を包含する。例えば、相同配列領域の部分は、配列比較により確認可能であり、等価な酵素は、本発明の具体的なパラメーターに基づいて決定可能である。
「機能的等価体」はまた、本発明に係るポリペプチドの例えば所望の生物学的機能を呈する断片、好ましくはそれぞれのドメインまたは配列モチーフを包含する。
「機能的等価体」はさらに、上記ポリペプチド配列またはそれに由来する機能的等価体のうちの1つと、少なくとも1つの更なる機能的に異なる異種配列とを、機能的にN末端またはC末端に結合した状態で(すなわち、融合タンパク質部分の実質的な相互機能障害を伴うことなく)有する融合タンパク質である。これらの異種配列の例は、例えば、シグナルペプチド、ヒスチジンアンカー、または酵素であるが、これらに限定されるものではない。
同様に本発明に包含される「機能的等価体」は、具体的に開示されたタンパク質の相同体である。これらは、上記の同一性パーセント値を有する。この値は、具体的に開示されたアミノ酸配列との同一性を表し、PearsonおよびLipman, Proc. Natl. Acad, Sci. (USA) 85(8), 1988, 2444-2448のアルゴリズムに従って計算可能である。
同一性%値はまた、BLASTアライメントのアルゴリズムblastp(タンパク質-タンパク質BLAST)から、または以下に示すClustal設定を適用することにより、計算可能である。
本発明に係る相同ポリペプチドの同一性パーセントは、特定的には、本明細書中に具体的に記載されたアミノ酸配列のうちの1つの全長に対するアミノ酸残基の同一性パーセントを意味する。
タンパク質グリコシル化の可能性がある場合、本発明に係る「機能的等価体」は、脱グリコシル化形態またはグリコシル化形態、並びにグリコシル化パターンに変更を加えることにより取得可能な改変形態の、以上に記載の型のタンパク質を包含する。
本発明に係るタンパク質またはポリペプチドのこのような機能的等価体または相同体は、突然変異誘発により、例えば、点突然変異、タンパク質の延長、または短縮により、生成可能である。
本発明に係るタンパク質のこのような機能的等価体または相同体は、突然変異体、例えば短縮突然変異体のコンビナトリアルデータベースをスクリーニングすることにより同定可能である。例えば、タンパク質変異体の多様化データベースは、核酸レベルでのコンビナトリアル突然変異誘発により、例えば、合成オリゴヌクレオチドの混合物の酵素的ライゲーションにより、作製可能である。縮重オリゴヌクレオチド配列から潜在的相同体のデータベースを作製するために使用可能な方法は、かなり多く存在する。縮重遺伝子配列の化学合成は、自動DNA合成機により行なうことが可能であり、次いで、合成遺伝子を、好適な発現ベクター中にライゲート可能である。縮重ゲノムの使用により、所望の一群の可能性のあるタンパク質配列をコードするすべての配列を混合物の形態で供給することが可能である。縮重オリゴヌクレオチドの合成方法は、当業者に公知である(例えば、Narang, S.A. (1983) Tetrahedron 39:3; Itakuraら, (1984) Annu. Rev. Biochem. 53:323; Itakuraら, (1984) Science 198:1056; Ikeら, (1983) Nucleic Acids Res. 11:477)。
先行技術において、点突然変異または短縮により作製されたコンビナトリアルデータベースの遺伝子産物をスクリーニングするための技術、および選択された性質を備えた遺伝子産物に関してcDNAライブラリーをスクリーニングするための技術は、いくつか知られている。これらの技術は、本発明に係る相同体のコンビナトリアル突然変異誘発により作製された遺伝子バンクの迅速スクリーニングに適合化可能である。大きい遺伝子バンクのスクリーニングに最も頻繁に用いられるハイスループット分析に基づく技術は、複製可能な発現ベクター中への遺伝子バンクのクローニングと、得られたベクターデータベースによる好適な細胞の形質転換と、所望の活性の検出を行って検出された産物の遺伝子をコードするベクターを容易に単離しうる条件でのコンビナトリアル遺伝子の発現と、を含む。データベース中の機能的突然変異体の頻度を増大させる技術である再帰的アンサンブル突然変異誘発(Recursive Ensemble Mutagenesis: REM)は、相同体を同定するためにスクリーニング試験と組み合わせて使用可能である(ArkinおよびYourvan (1992) PNAS 89:7811-7815; Delgraveら, (1993) Protein Engineering 6(3):327-331)。
3.3 コード核酸配列
本発明はまた、本明細書中に規定された酵素をコードする核酸配列に関する。
本発明はまた、本明細書中に具体的に開示された配列に対して特定の度合いの「同一性」を有する核酸に関する。2つの核酸間の「同一性」とは、いずれの場合も核酸の全長にわたるヌクレオチドの同一性を意味する。
例えば、同一性は、Clustal法(Higgins DG, Sharp PM. 「マイクロコンピューターでの高速・高感度の多重配列アライメント(Fast and sensitive multiple sequence alignments on a microcomputer.)」 Comput Appl. Biosci. 1989 Apr; 5(2):151-1)を利用するInformax社(USA)のVector NTI Suite 7.1プログラムにより、以下の設定値を用いて計算可能である。
多重アライメントパラメーター:
ギャップ開始ペナルティー 10
ギャップ伸長ペナルティー 10
ギャップ分離ペナルティー範囲 8
ギャップ分離ペナルティー off
アライメント遅延の同一性% 40
残基特異的ギャップ off
親水性残基ギャップ off
トランジション加重 0
ペアワイズアライメントパラメーター:
FASTアルゴリズム on
K-タプルサイズ 1
ギャップペナルティー 3
ウィンドウサイズ 5
最良対角成分の数 5
あるいはまた、同一性は、Chenna, Ramu, Sugawara, Hideaki, Koike,Tadashi, Lopez, Rodrigo, Gibson, Toby J, Higgins, Desmond G, Thompson, Julie D. 「Clustalプログラムシリーズを用いた多重配列アライメント(Multiple sequence alignment with the Clustal series of programs.)」 (2003) Nucleic Acids Res 31 (13):3497-500、ウェブページ:http://www.ebi.ac.uk/Tools/clustalw/index.html#、および以下の設定値に従って決定可能である。
DNAギャップ開始ペナルティー 15.0
DNAギャップ伸長ペナルティー 6.66
DNAマトリックス Identity
タンパク質ギャップ生成ペナルティー 10.0
タンパク質ギャップ伸長ペナルティー 0.2
タンパク質マトリックス Gonnet
タンパク質/DNA ENDGAP -1
タンパク質/DNA GAPDIST 4
本明細書中に挙げられたすべての核酸配列(一本鎖および二本鎖のDNA配列およびRNA配列、例えばcDNAおよびmRNA)は、公知の方法でヌクレオチドビルディングブロックからの化学合成により、例えば、二重螺旋のそれぞれのオーバーラップ相補的核酸ビルディングブロックの断片縮合により、生成可能である。オリゴヌクレオチドの化学合成は、例えば、公知の方法でホスホアミダイト法により実施可能である(Voet, Voet, 第2版, Wiley Press, New York, 第896-897頁)。DNAポリメラーゼのKlenow断片およびライゲーション反応を利用した合成オリゴヌクレオチドの蓄積およびギャップの充填並びに一般的クローニング技術については、Sambrookら, (1989)に記載されている。以下を参照されたい。
本発明はまた、以上のポリペプチドの1つをコードする核酸配列(一本鎖および二本鎖のDNA配列およびRNA配列、例えばcDNAおよびmRNA)ならびにそれらの機能的等価体(例えば人工ヌクレオチド類似体を用いて取得可能なもの)に関する。
本発明は、本発明に係るポリペプチドもしくはタンパク質またはそれらの生物活性セグメントをコードする単離された核酸分子と、本発明に係るコード核酸を同定もしくは増幅するためのハイブリダイゼーションプローブまたはプライマーなどとして使用可能な核酸断片と、の両方に関する。
本発明に係る核酸分子は、コード遺伝子領域の3'末端および/または5'末端に非翻訳配列を追加的に含むことができる。
本発明はさらに、具体的に記載されたヌクレオチド配列に相補的な核酸分子またはそのセグメントに関する。
本発明に係るヌクレオチド配列を用いることにより、他の細胞型および生物の相同配列の同定および/またはクローニングに使用可能なプローブおよびプライマーを作製することが可能である。そのようなプローブおよびプライマーは、一般的には、本発明に係る核酸配列のセンス鎖または対応するアンチセンス鎖の少なくとも約12、好ましくは少なくとも約25、例えば約40、50、もしくは75個の連続ヌクレオチドに「ストリンジェントな」条件下(以下を参照されたい)でハイブリダイズするヌクレオチド配列領域を含む。
「単離された」核酸分子は、天然の核酸源に存在する他の核酸分子から分離されたものであり、更に組換え技術により産生された場合、他の細胞物質や培養培地を実質的に含まないもの、または化学合成された場合、化学前駆体や他の化学物質を含まないものでありうる。
本発明に係る核酸分子は、標準的な分子生物学技術および本発明に基づいて提供される配列情報を利用して単離可能である。例えば、cDNAは、具体的に開示された完全配列の1つまたはそのセグメントをハイブリダイゼーションプローブとして用い、かつ標準的なハイブリダイゼーション技術(例えば、Sambrook, J., Fritsch, E.F.およびManiatis, T. 「分子クローニング:実験マニュアル(Molecular Cloning: A Laboratory Manual.)」第2版, Cold Spring Harbor Laboratory, Cold Spring Harbor Laboratory Press, Cold Spring Harbor, NY, 1989に記載されるような技術)を用いることにより、好適なcDNAライブラリーから単離可能である。更に、開示された配列の1つまたはそのセグメントを含む核酸分子は、この配列に基づいて構築されたオリゴヌクレオチドプライマーを用いてポリメラーゼ連鎖反応により単離可能である。このようにして増幅された核酸は、好適なベクター中へのクローニングおよびDNA配列決定による特性付けが可能である。本発明に係るオリゴヌクレオチドはまた、標準的合成方法により、例えば自動DNA合成機を用いて生成可能である。
本発明に係る核酸配列もしくはその誘導体、これらの配列の相同体または一部分は、例えば、ゲノムライブラリーやcDNAライブラリーなどを介して、通常のハイブリダイゼーション技術またはPCR技術により他の細菌から単離可能である。これらのDNA配列は、標準的条件で本発明に係る配列とハイブリダイズする。
「ハイブリダイズする」とは、ポリヌクレオチドまたはオリゴヌクレオチドがほぼ相補的な配列に標準的条件で結合する能力を意味し、これらの条件では非相補的パートナー間で非特異的結合が起こらないものとする。この場合、配列は、90〜100%の相補性でありうる。相補的配列が互いに特異的に結合しうる性質は、例えば、ノーザンブロッティングもしくはサザンブロッティングで、またはPCRもしくはRT-PCRにおけるプライマー結合で利用される。
保存領域の短いオリゴヌクレオチドは、ハイブリダイゼーションに有利に使用される。しかしながら、本発明に係る核酸のより長い断片または完全配列をハイブリダイゼーションに使用することも可能である。これらの標準的条件は、使用される核酸(オリゴヌクレオチド、より長い断片、もしくは完全配列)に依存して、またはDNAもしくはRNAのいずれの型の核酸をハイブリダイゼーションに使用するかに依存して、異なる。例えば、DNA:DNAハイブリッドの融解温度は、同一長さのDNA:RNAハイブリッドのものよりも約10℃低い。
例えば、特定の核酸に依存して、標準的条件は、42〜58℃の温度、0.1〜5×SSC(1×SSC=0.15M NaCl、15mMクエン酸ナトリウム、pH7.2)の濃度を有する水性緩衝溶液中、または追加的に50%ホルムアミドの存在下、例えば、42℃、5×SSC中、50%ホルムアミドを意味する。有利には、DNA:DNAハイブリッドのハイブリダイゼーション条件は、0.1×SSCおよび約20℃〜45℃、好ましくは約30℃〜45℃の温度である。DNA:RNAハイブリッドでは、ハイブリダイゼーション条件は、有利には、0.1×SSCおよび約30℃〜55℃、好ましくは約45℃〜55℃の温度である。これらの明記されたハイブリダイゼーション温度は、ホルムアミドの不在下における約100ヌクレオチドの長さおよび50%のG+C含量を有する核酸に対して計算された融解温度値の例である。DNAハイブリダイゼーションの実験条件は、関連する遺伝学の教科書、例えば、Sambrookら, 1989に記載されており、例えば、核酸の長さ、ハイブリッドのタイプ、またはG+C含量に依存して、当業者に公知の式を用いて計算可能である。当業者であれば、次の教科書、すなわち、Ausubelら(編), 1985, 「分子生物学の最新プロトコル(Current Protocols in Molecular Biology)」, John Wiley & Sons, New York;HamesおよびHiggins (編), 1985, 「核酸ハイブリダイゼーション:実践的アプローチ(Nucleic Acids Hybridization: A Practical Approach)」, IRL Press at Oxford University Press, Oxford;Brown (編), 1991, 「基本分子生物学:実践的アプローチ(Essential Molecular Biology: A Practical Approach)」, IRL Press at Oxford University Press, Oxfordからハイブリダイゼーションに関する更なる情報を取得することが可能である。
「ハイブリダイゼーション」は、特定的には、ストリンジェントな条件下で実施可能である。そのようなハイブリダイゼーション条件は、例えば、Sambrook, J., Fritsch, E.F., Maniatis, T., 「分子クローニング(実験マニュアル)(Molecular Cloning (A Laboratory Manual))」, 第2版, Cold Spring Harbor Laboratory Press, 1989, 第9.31-9.57頁、または「分子生物学の最新プロトコル(Current Protocols in Molecular Biology)」, John Wiley & Sons, N.Y. (1989), 6.3.1-6.3.6に記載されている。
「ストリンジェントな」ハイブリダイゼーション条件とは、特定的には、50%ホルムアミド、5×SSC(750mM NaCl、75mMクエン酸三ナトリウム)、50mMリン酸ナトリウム(pH7.6)、5×Denhardt溶液、10%デキストラン硫酸、および20g/ml変性剪断サケ精子DNAよりなる溶液中における一晩にわたる42℃でのインキュベーション、それに続く65℃での0.1×SSCによるフィルターの洗浄を意味する。
本発明はまた、具体的に開示されたまたは導き出せる核酸配列の誘導体に関する。
従って、本発明に係る更なる核酸配列は、本明細書中に具体的に開示された配列から誘導可能であり、かつ個々のまたはいくつかのヌクレオチドの付加、置換、挿入、または欠失によりそれと異なり、さらに、所望の性質プロファイルを有するポリペプチドをコードすることが可能である。
本発明はまた、具体的に記された配列と比較して、いわゆるサイレント突然変異を含んでいるか、または特定の本来の生物もしくは宿主生物のコドン使用頻度に従って、変更が加えられている核酸配列、並びにその天然に存在する変異体、例えばスプライシング変異体または対立遺伝子変異体を包含する。
本発明はまた、保存的ヌクレオチド置換(すなわち、対象となるアミノ酸が、同一の電荷、サイズ、極性、および/または溶解性のアミノ酸で置き換えられる)により取得可能な配列に関する。
本発明はまた、具体的に開示された核酸から配列多型により誘導される分子に関する。こうした遺伝子多型は、自然変異に起因して集団内の個体間に存在しうる。こうした自然変異により、通常、遺伝子のヌクレオチド配列に1〜5%の変化を生じる。
本発明に係る核酸配列の誘導体は、例えば、全配列範囲にわたり誘導アミノ酸レベルで少なくとも60%の相同性、好ましくは少なくとも80%の相同性、なかでも特に好ましくは少なくとも90%の相同性を有する対立遺伝子変異体を意味する(アミノ酸レベルでの相同性に関しては、ポリペプチドに関連した上記の詳細な内容を参照されたい)。有利には、相同性は、配列の部分領域にわたりさらに高くなりうる。
さらに、誘導体はまた、本発明に係る核酸配列の相同体、例えば、コードおよび非コードDNA配列の動物性、植物性、菌類性、または細菌性の相同体、短縮配列、一本鎖DNAまたはRNAであると解釈されうる。例えば、相同体は、本明細書中に具体的に開示された配列で与えられる全DNA領域にわたり、DNAレベルで少なくとも40%の相同性、好ましくは少なくとも60%の相同性、特に好ましくは少なくとも70%の相同性、なかでも特に好ましくは少なくとも80%の相同性を有する。
さらに、誘導体は、例えば、プロモーターとの融合体であると解釈されうる。明記されたヌクレオチド配列に付加されるプロモーターは、少なくとも1つのヌクレオチド交換、少なくとも1つの挿入、逆位、および/または欠失により改変可能であるが、プロモーターの機能や有効性を損なわないものとする。さらに、プロモーターの有効性は、その配列に変更を加えることにより増大可能であるか、または異なる属の生物のより有効なプロモーターと完全に交換することさえも可能である。
3.4 本発明に係る構築物
本発明はまた、本発明に係るポリペプチドまたは融合タンパク質をコードする核酸配列を調節核酸配列の遺伝子制御下に含む発現構築物、並びにこうした発現構築物の少なくとも1つを含むベクターと、に関する。
「発現ユニット」とは、本発明によれば、本明細書中に規定されるプロモーターを含み、かつ発現対象の核酸または遺伝子との機能的結合の後、この核酸またはこの遺伝子の発現、すなわち、転写および翻訳を調節する、発現活性を有する核酸を意味する。したがって、この文脈において、それはまた、「調節核酸配列」とも呼ばれる。プロモーターに加えて、他の調節エレメント、例えばエンハンサーが存在していてもよい。
「発現カセット」または「発現構築物」とは、本発明によれば、発現対象の核酸または発現対象の遺伝子に機能的に結合された発現ユニットを意味する。したがって、発現ユニットとは対照的に、発現カセットは、転写および翻訳をレギュレートする核酸配列だけでなく、転写および翻訳の結果としてタンパク質として発現されるべき核酸配列をも含む。
「発現」または「過剰発現」という用語は、本発明の文脈において、対応するDNAによりコードされる、微生物中の1つ以上の酵素の産生または細胞内活性の増大を記述する。この場合、例えば、生物中に遺伝子を挿入したり、既存の遺伝子を他の遺伝子で置き換えたり、1つもしくは複数の遺伝子のコピー数を増大させたり、強力プロモーターを使用したり、または高い活性を有する対応する酵素をコードする遺伝子を使用したりすることが可能であり、場合により、これらの手段を組み合わせることが可能である。
好ましくは、本発明に係るそのような構築物は、それぞれのコード配列から5'上流にプロモーター、3'下流にターミネーター配列、場合により更なる通常の調節エレメントを、いずれの場合もコード配列に機能的に結合された状態で含む。
「プロモーター」、「プロモーター活性を有する核酸」、または「プロモーター配列」とは、本発明によれば、転写対象の核酸に機能的に結合された状態でこの核酸の転写を調節する核酸を意味する。
この文脈において、「機能的」または「作動的」な結合とは、例えばプロモーター活性を有する核酸の1つと、転写対象の核酸配列と、場合により、更なる調節エレメント、例えば、核酸の転写を可能にする核酸配列、および例えばターミネーターの、調節エレメントのそれぞれが核酸配列の転写時にその機能を発揮しうる方式での逐次的配置を意味する。これは、必ずしも化学的意味での直接結合を必要とするものではない。エンハンサー配列のような遺伝子制御配列はまた、より離れた位置から、さらには他のDNA分子から、標的配列に対してその機能を発揮することが可能である。転写対象の核酸配列がプロモーター配列の後方(すなわち3'末端)に位置して2つの配列が互いに共有結合されている配置が好ましい。プロモーター配列とトランスジェニック発現の対象となる核酸配列との間の距離は、200bp(塩基対)未満、または100bp未満、または50bp未満でありうる。
プロモーターおよびターミネーターのほかに、他の調節エレメントの例として挙げられうるのは、ターゲッティング配列、エンハンサー、ポリアデニル化シグナル、選択マーカー、増幅シグナル、複製起点などである。好適な調節配列については、例えば、Goeddel, 遺伝子発現技術(Gene Expression Technology): Methods in Enzymology 185, Academic Press, San Diego, CA (1990)に記載されている。
本発明に係る核酸構築物は、特に、本明細書中に具体的に挙げられた配列またはその誘導体および相同体、並びに本明細書中に具体的に挙げられたアミノ酸配列から導き出される核酸配列、から選択される配列を、遺伝子発現の制御、例えば増大のための1つ以上の調節シグナルに、有利には作動的または機能的に結合した状態で含む。
これらの調節配列に加えて、実際の構造遺伝子の前方にこれらの配列の自然調節が依然として存在する可能性があり、場合により、自然調節が停止し、遺伝子の発現が増大するように、遺伝子的に変更を加えることが可能である。核酸構築物はまた、より単純なデザインでありうる。すなわち、コード配列の前方にいかなる追加の調節シグナルも挿入されず、かつその調節を行う天然プロモーターが除去されていなくてもよい。その代わりに、天然調節配列は、調節がもはや起こらず、遺伝子発現が増大するようにサイレンシングされる。
好ましい核酸構築物はまた、有利には、核酸配列の発現の増大を可能にする上記のエンハンサー配列のうちの1つ以上を、プロモーターに機能的に結合された状態で含む。他の調節エレメントまたはターミネーターのような更なる有利な配列をDNA配列の3'末端に挿入することも可能である。本発明に係る核酸の1つ以上のコピーを構築物中に含めうる。構築物はまた、場合により構築物の選択のために、抗生物質耐性遺伝子または栄養要求性相補遺伝子のような他のマーカーを含みうる。
好適な調節配列の例は、例えばcos-、tac-、trp-、tet-、trp-tet-、lpp-、lac-、lpp-lac-、lacIq-、T7-、T5-、T3-、gal-、trc-、ara-、rhaP (rhaPBAD)SP6-、λ-PR-、またはλ-PL-プロモーター等のプロモーターに含まれ、グラム陰性細菌で有利に利用される。他の有利な調節配列は、例えばグラム陽性細菌のプロモーターace、amy、およびSPO2に、酵母または菌類のプロモーターADC1、MFalpha 、AC、P-60、CYC1、GAPDH、TEF、rp28、ADHに含まれる。人工プロモーターもまた、調節に使用可能である。
発現のために、核酸構築物は、有利には、宿主中での遺伝子の最適な発現を可能にするベクター、例えば、プラスミドまたはファージに組み入れて、宿主生物中に挿入される。プラスミドおよびファージに加えて、ベクターはまた、当業者に公知のすべての他のベクター、例えば、SV40、CMV、バキュロウイルスおよびアデノウイルス等のウイルス、トランスポゾン、ISエレメント、ファスミド、コスミド、ならびに線状もしくは環状のDNAを意味するものと解釈されうる。これらのベクターは、宿主生物中で自律的に複製されうるか、または染色体により複製されうる。これらのベクターは、本発明の更なる実施形態を構成する。
好適なプラスミドは、例えば、大腸菌(E. coli)のpLG338、pACYC184、pBR322、pUC18、pUC19、pKC30、pRep4、pHS1、pKK223-3、pDHE19.2、pHS2、pPLc236、pMBL24、pLG200、pUR290、pIN-III113-B1、λgt11、もしくはpBdCI;ノカルディオフォルム放線菌のpJAM2;ストレプトミセス(Streptomyces)属のpIJ101、pIJ364、pIJ702、もしくはpIJ361;桿菌のpUB110、pC194、もしくはpBD214;コリネバクテリウム属のpSA77もしくはpAJ667;菌類のpALS1、pIL2、もしくはpBB116;酵母の2alphaM、pAG-1、YEp6、YEp13、もしくはpEMBLYe23;または植物のpLGV23、pGHlac+、pBIN19、pAK2004、もしくはpDH51に存在する。以上に挙げたプラスミドは、可能性のあるプラスミドの中から少数を選択して示したものである。他のプラスミドは、当業者に周知であり、例えば、クローニングベクター(Cloning Vectors) (Pouwels P.H.ら編, Elsevier, Amsterdam-New York-Oxford, 1985, ISBN 0 444 904018)という書籍中に見いだされるであろう。
ベクターの更なる実施形態では、本発明に係る核酸構築物または本発明に係る核酸を含有するベクターは、有利には、線状DNAの形態で微生物中に挿入され、非相同的または相同的な組換えを介して宿主生物のゲノム中に組み込まれうる。この線状DNAは、プラスミドのような線状化ベクターまたは本発明に係る核酸構築物もしくは核酸のみを含みうる。
生物中での異種遺伝子の最適な発現のために、その生物中で利用される特定のコドン使用頻度に従って核酸配列に変更を加えることが有利である。コドン使用頻度は、対象の生物の他の既知の遺伝子のコンピューター評価に基づいて容易に決定可能である。
本発明に係る発現カセットの産生は、好適なプロモーターと、好適なコードヌクレオチド配列と、ターミネーターシグナルまたはポリアデニル化シグナルと、の融合に基づく。例えば、T. Maniatis, E.F. FritschおよびJ. Sambrook, 「分子クローニング:実験室マニュアル(Molecular Cloning: A Laboratory Manual)」, Cold Spring Harbor Laboratory, Cold Spring Harbor, NY (1989)、さらにはT.J. Silhavy, M.L. BermanおよびL.W. Enquist, 「遺伝子融合物を用いた実験(Experiments with Gene Fusions)」, Cold Spring Harbor Laboratory, Cold Spring Harbor, NY (1984)、およびAusubel, F.M.ら, 「分子生物学の最新プロトコル(Current Protocols in Molecular Biology)」, Greene Publishing Assoc. and Wiley Interscience (1987)に記載されているような通常の組換え技術およびクローニング技術が、このために用いられる。
組換え核酸構築物または組換え遺伝子構築物は、宿主中での遺伝子の最適な発現を可能にすべく、有利には、好適な宿主生物中で発現させるための宿主特異的ベクター中に挿入される。ベクターは、当業者に周知であり、例えば、「クローニングベクター(Cloning Vectors)」 (Pouwels P.H.ら, Publ. Elsevier, Amsterdam-New York-Oxford, 1985)中に見いだされるであろう。
3.5 本発明に従って使用可能な宿主
文脈に応じて、「微生物」という用語は、出発微生物(野生型)もしくは本発明に係る遺伝子改変微生物、またはその両方を意味する。
「野生型」という用語は、本発明によれば、対応する出発微生物を意味し、必ずしも天然に存在する生物に対応する必要はない。
本発明に係るベクターを利用して、例えば、少なくとも1つの本発明に係るベクターで形質転換された組換え微生物を産生することが可能であり、これを本発明に係る発酵産生に使用することが可能である。
有利には、上記の本発明に係る組換え構築物は、好適な宿主系に挿入され、発現される。それぞれの発現系における所定の核酸の発現を確保するために、好ましくは、例えば、共沈、プロトプラスト融合、エレクトロポレーション、レトロウイルストランスフェクションなどの当業者が熟知する通常のクローニング法およびトランスフェクション法が使用される。好適な系については、例えば、「分子生物学の最新プロトコル(Current Protocols in Molecular Biology)」, F. Ausubelら, Publ. Wiley Interscience, New York 1997、またはSambrookら, 「分子クローニング:実験室マニュアル(Molecular Cloning: A Laboratory Manual)」 第2版, Cold Spring Harbor Laboratory, Cold Spring Harbor Laboratory Press, Cold Spring Harbor, NY, 1989に記載されている。
親微生物は、典型的には、グルコース、サッカロース、ラクトース、フルクトース、マルトース、モラセス、デンプン、セルロースもしくはグリセロール、脂肪酸、植物油、またはエタノールから、リシン、特にL-リシンを産生する能力を有するものである。好ましくは、それらは、コリネ型細菌、特にコリネバクテリウム属またはブレビバクテリウム(Brevibacterium)属の細菌である。特定的には、コリネバクテリウム・グルタミカム種を挙げなければならない。
好適な菌株の例は、限定されるものではないが、コリネバクテリウム属およびコリネバクテリウム・グルタミカム(C.グルタミカム)種では、
コリネバクテリウム・グルタミカム ATCC 13032、
コリネバクテリウム・アセトグルタミカム(Corynebacterium acetoglutamicum) ATCC 15806、
コリネバクテリウム・アセトアシドフィラム(Corynebacterium acetoacidophilum) ATCC 13870、
コリネバクテリウム・サーモアミノゲネス(Corynebacterium thermoaminogenes) FERM BP-1539、
コリネバクテリウム・メラセコラ(Corynebacterium melassecola) ATCC 17965
であり、ブレビバクテリウム属では、
ブレビバクテリウム・フラバム(Brevibacterium flavum) ATCC 14067
ブレビバクテリウム・ラクトファーメンタム(Brevibacterium lactofermentum) ATCC 13869
ブレビバクテリウム・ディバリカタム(Brevibacterium divaricatum) ATCC 14020
であり、またそれらに由来する菌株、例えば、
コリネバクテリウム・グルタミカム KFCC10065
コリネバクテリウム・グルタミカム ATCC21608
である。
KFCCは、Korean Federation of Culture Collectionを表し、ATCCは、American type strain culture collectionを表し、そしてFERM BPは、the collection of National institute of Bioscience and Human-Technology, Agency of Industrial Science and Technology, Japanを表す。
本発明に係る1種または複数種の宿主生物は、好ましくは、上記の規定に従って酵素活性をコードする本発明に記載の核酸配列、核酸構築物、またはベクターの少なくとも1つを含む。
3.6 ジピコリネートの発酵産生
本発明はまた、ジピコリネートの発酵産生方法に関する。
本発明に従って使用される組換え微生物は、連続的にまたはバッチプロセスもしくはフェドバッチプロセスもしくは反復フェドバッチプロセスで非連続的に培養可能である。公知の培養方法のレビューは、Chmielの教科書(Bioprocesstechnik 1. Einfuhrung in die Bioverfahrenstechnik (Gustav Fischer Verlag, Stuttgart, 1991))中、またはStorhasの教科書(Bioreaktoren und periphere Einrichtungen (Vieweg Verlag, Braunschweig/Wiesbaden, 1994))中に見いだされるであろう。
使用される培養培地は、特定の菌株の要求を適切な形で満たさなければならない。種々の微生物用の培養培地についての説明は、the American Society for Bacteriology (Washington D. C., USA, 1981)のハンドブック「一般細菌学のための方法のマニュアル(Manual of Methods for General Bacteriology)」に記載されている。
本発明に従って使用可能なこれらの培地は、一般的には、1つ以上の炭素源、窒素源、無機塩、ビタミン、および/または微量元素を含む。
好ましい炭素源は、単糖類、二糖類、または多糖類などの糖類である。非常に良好な炭素源は、例えばグルコース、フルクトース、マンノース、ガラクトース、リボース、ソルボース、リブロース、ラクトース、マルトース、スクロース、ラフィノース、デンプン、またはセルロースである。糖はまた、糖蜜のような複合化合物、または精糖からの他の副生成物を介して培地に添加することも可能である。種々の炭素源の混合物を添加することが有利なこともある。他の利用可能な炭素源は、油および脂肪(例えばダイズ油、ヒマワリ油、ラッカセイ油、およびヤシ油)、脂肪酸(例えばパルミチン酸、ステアリン酸、またはリノール酸)、アルコール(例えばグリセロール、メタノール、またはエタノール)、ならびに有機酸(例えば酢酸または乳酸)である。
窒素源は、通常、有機もしくは無機の窒素化合物またはこれらの化合物を含有する材料である。窒素源の例としては、アンモニアガスもしくはアンモニウム塩、例えば硫酸アンモニウム、塩化アンモニウム、リン酸アンモニウム、炭酸アンモニウム、もしくは硝酸アンモニウム、硝酸塩、尿素、アミノ酸、または複合窒素源、例えばコーンスティープリカー、ダイズ粉、ダイズタンパク質、酵母抽出物、肉抽出物などが挙げられる。窒素源は、個別にまたは混合物として使用可能である。
培地中に存在しうる無機塩化合物としては、カルシウム、マグネシウム、ナトリウム、コバルト、モリブデン、カリウム、マンガン、亜鉛、銅、および鉄の、塩化物、リン酸塩、または硫酸塩が挙げられる。
無機硫黄含有化合物、例えば硫酸塩、亜硫酸塩、亜ジチオン酸塩、テトラチオン酸塩、チオ硫酸塩、硫化物、さらには有機硫黄化合物、例えばメルカプタンおよびチオールは、硫黄源として使用可能である。
リン酸、リン酸二水素カリウム、もしくはリン酸水素二カリウム、または対応するナトリウム含有塩は、リン源として使用可能である。
キレート剤は、金属イオンを溶解状態で保持するために培地に添加可能である。特に好適なキレート剤としては、カテコールやプロトカテク酸塩(protocatechuate)のようなジヒドロキシフェノールまたはクエン酸のような有機酸が挙げられる。
本発明に従って使用される発酵培地はまた、ビタミンや増殖促進剤のような他の増殖因子をも含有可能であり、その例としては、ビオチン、リボフラビン、チアミン、葉酸、ニコチン酸、パントテン酸塩、およびピリドキシンが挙げられる。増殖因子および塩は、多くの場合、酵母抽出物、糖蜜、コーンスティープリカーなどのような培地の複合成分に由来する。それに加えて、好適な前駆物質を培養培地に添加することが可能である。培地中の化合物の精密な組成は、特定の実験に強く依存するので、それぞれの特定の場合に合わせて個別に決定しなければならない。培地の最適化に関する情報は、「応用微生物生理学 実践的アプローチ(Applied Microbiol. Physiology, A Practical Approach)」(Publ. P.M. Rhodes, P.F. Stanbury, IRL Press (1997) p. 53-73, ISBN 0 19 963577 3)の教科書中に見いだしうる。増殖培地はまた、Standard 1(Merck)またはBHI(Brain heart infusion、DIFCO)などのように、供給業者から取得可能である。
培地の成分はすべて、加熱(1.5barかつ121℃で20分間)または滅菌濾過のいずれかにより滅菌される。成分は、一緒に、または必要であれば個別に滅菌可能である。培地の成分はすべて、増殖の開始時に存在可能であるか、または場合により、連続的にもしくはバッチ供給により添加可能である。
培養物の温度は、通常15℃〜45℃、好ましくは25℃〜40℃であり、実験中、一定に保持しうるか、または変化させうる。培地のpH値は、5〜8.5の範囲内、好ましくは約7.0でなければならない。増殖用のpH値は、増殖中、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、アンモニア、もしくはアンモニア水のような塩基性化合物、またはリン酸もしくは硫酸のような酸性化合物を添加することにより、制御可能である。起泡を抑制するために、脂肪酸ポリグリコールエステルなどの消泡剤を使用することが可能である。プラスミドの安定性を保持するために、選択的作用を有する好適な物質、例えば抗生物質を培地に添加することが可能である。好気的条件を保持するために、酸素または酸素含有ガス混合物、例えば周囲空気を培養物に供給する。培養物の温度は、通常20℃〜45℃である。培養は、最大量の所望の産物が形成されるまで継続する。これは、通常10時間〜160時間以内で達成される。
場合により、高周波超音波により、高圧(例えばフレンチ圧力セル)により、浸透圧溶解により、界面活性剤、溶菌酵素、もしくは有機溶媒の作用により、ホモジナイザーを利用することにより、または列挙した方法の組合せにより、細胞を破壊することが可能である。
3.7 ジピコリネートの単離
本発明に係る方法はさらに、ジピコリネートの回収工程を含みうる。「回収」という用語は、培養培地からの化合物の抽出、採取、単離、または精製を包含する。化合物の回収は、当技術分野で公知の任意の従来の単離方法または精製方法、例えば、限定されるものではないが、従来の樹脂(例えば、陰イオン交換樹脂または陽イオン交換樹脂、非イオン性吸着樹脂など)による処理、従来の吸着剤(例えば、活性炭、ケイ酸、シリカゲル、セルロース、アルミナなど)による処理、pHの変化、溶媒抽出(例えば、アルコール、酢酸エチル、ヘキサンなどのような従来の溶媒による)、蒸留、透析、濾過、濃縮、結晶化、再結晶、pH調整、凍結乾燥などに従って実施可能である。例えば、最初に微生物を除去することにより、ジピコリネートを培養培地から回収することが可能である。次に、残りのブロスを陽イオン交換樹脂の中、または上を通過させて望ましくない陽イオンを除去し、次に、陰イオン交換樹脂の中、または上を通過させて望ましくない無機アニオンおよび有機酸を除去する。
3.8 ポリエステルポリマーおよびポリアミンポリマー
他の態様において、本発明は、ジピコリネートの産生のための上記の工程を含む、ポリエステルやポリアミド(例えばナイロン(登録商標))のようなポリマーの製造方法を提供する。ジピコリネートを、好適なコモノマーと、例えば、ポリアミドを得るためにはジアミン、トリアミン、もしくはポリアミンと、またはポリエステルを得るためにはジオール、トリオール、もしくはポリオールと、公知の方法で反応させる。例えば、ジピコリネートを、4〜10個の炭素を含むポリアミンまたはポリオールと反応させる。
上記の重合反応を行うのに好適なコモノマーの例としては、以下のものが挙げられるが、これらに限定されるものではない:
ポリオール、例えばエチレングリコール、プロピレングリコール、グリセロール、2〜8個のグリセロールユニットを有するポリグリセロール、エリトリトール、ペンタエリトリトール、およびソルビトール。
ポリアミン、例えばジアミン、トリアミン、およびテトラアミン、例えばエチレンジアミン、プロピレンジアミン、ブチレンジアミン、ネオペンチルジアミン、ヘキサメチレンジアミン、オクタメチレンジアミン、ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラアミン、テトラエチレンペンタアミン、ジプロピレントリアミン、トリプロピレンテトラアミン、ジヘキサメチレントリアミン、アミノプロピルエチレンジアミン、およびビスアミノプロピルエチレンジアミン。また、好適なポリアミンは、ポリアルキレンポリアミンである。高級ポリアミンは、ジアミンとの混合物の状態で存在可能である。有用なジアミンとしては、例えば、1,2-ジアミノエタン、1,3-ジアミノプロパン、1,4-ジアミノブタン、1,5-ジアミノペンタン、1,6-ジアミノヘキサン、1,8-ジアミノオクタンが挙げられる。
以下の実施例は、本発明を例示する役割を果たすにすぎない。当業者に自明である多数の可能な変形形態もまた、本発明の範囲内に包含される。
実験の部
特に明記されていないかぎり、以下の実験は、遺伝子工学、微生物の培養による化学化合物の発酵産生、ならびに産物の分析および単離で使用される、標準的な装置、方法、化学物質、および生化学物質を適用することにより実施された。先に引用したSambrookら、およびChmielらをも参照されたい。
実施例1: ジピコリン酸シンテターゼ遺伝子のクローニング
C.グルタミカム中でのジピコリン酸シンテターゼの発現を増強するために、公表された枯草菌配列(配列番号1)に基づいて、C.グルタミカムのコドン使用頻度に適合化され、かつ遺伝子の上流および下流にそれぞれC.グルタミカムsodAプロモーターおよびgroELターミネーターを含む枯草菌の新規spoVF遺伝子を合成した(配列番号4)。この合成spoVF遺伝子は、元のバシラス属遺伝子と比較して、ヌクレオチド配列に関して75%の類似性を示した。
合成spoVF遺伝子を制限酵素Spe Iで消化し、アガロースゲル上で分離し、そしてQiagenゲル抽出キットを用いてゲルから精製した。この断片を同一の制限酵素ですでに消化されたpClik5aMCSベクター(配列番号7、図1)中にライゲートして、pClik5aMCS Psod syn_spoVFを得た。
実施例2: ジピコリネート産生株の構築
ジピコリネート産生株を構築するために、C.グルタミカム野生型株ATCC13032から、アスパルトキナーゼ遺伝子(NCgl0247)中への点突然変異T311Iの組込み、ジアミノピメリン酸デヒドロゲナーゼ遺伝子(NCgl2528)の複製、およびホスホエノールピルビン酸カルボキシキナーゼ遺伝子(NCgl2765)の破壊により誘導されたリシン産生株を使用した。ATCC 13032に対する上記改変のそれぞれは、組換えDNA技術の一般に知られた方法を適用することにより実施された。
該リシン産生株を、独国特許出願公開第10 046 870号に記載のエレクトロポレーションにより、実施例2の組換えプラスミドpClik5aMCS Psod syn_spoVFで形質転換した。
以下の実施例は、この特別に改変したリシン産生株を用いて実施するが、当技術分野で周知の他のリシン産生株を親株として使用し、組換えDNA技術の一般に知られた方法を適用して該ジピコリン酸シンターゼ遺伝子を導入することにより改変することも可能である。
ジピコリン酸シンテターゼコード配列を導入することにより本発明に従って改変される好適な更なる株は、上記第3.5節に列挙されているか、または上記第3.1節の表で相互参照した特許出願のいずれか(これらはすべて、参照により組み入れられるものとする)で記載または使用されている株であるが、これらに限定されるものではない。
実施例3: 振盪フラスコ培養によるジピコリネート産生
ジピコリネート産生を調べるために、組換え株を用いて振盪フラスコ実験を行った。CMプレート(10g/l グルコース、2.5g/l NaCl、2g/l 尿素、10g/l バクトペプトン、10g/l 酵母抽出物、22g/l 寒天)上で株を1日間30℃で前培養した。培養細胞を1.5mlの0.9% NaClを含むマイクロチューブ中に採取し、ボルテックス後、610nmにおける吸光度により細胞密度を決定した。本培養のために、0.5gのCaCO3を含有するオートクレーブ処理した100mlのErlenmeyerフラスコに入っている10mlの産生用培地(40g/l スクロース、60g/l 糖蜜(100%の糖含有率に基づいて計算)、10g/l (NH4)2SO4、0.6g/l KH2PO4、0.4g/l MgSO4・7H2O、2mg/l FeSO4・7H2O、2mg/l MnSO4・H2O、0.3mg/l チアミン・HCl、1mg/l ビオチン)中に懸濁細胞を接種した(1.5の初期OD)。本培養は、回転振盪機(Infors AJ118, Bottmingen, Switzerland)を用い、30℃および220rpmで48時間行った。
ジピコリネート濃度の決定は、Agilent 1100 Series LC Systemを用いてAgilentに従って高圧液体クロマトグラフィーにより行った。ジピコリネートの分離は、Aqua C18カラム(Phenomenex)により、溶出液として10mM KH2PO4(pH2.5)およびアセトニトリルを用いて行う。UV検出により210nmの波長でジピコリネートを検出した。
以下の表に示されるように、ジピコリネートは、spoVF遺伝子を含む組換え株を用いて培養したブロス中に蓄積した。
Figure 2011510642
本明細書中で引用された文献はすべて、参照により組み入れられるものとする。

Claims (21)

  1. 組換え微生物の培養を含むジピコリネートの発酵産生方法であって、該微生物が、中間産物としてL-2,3-ジヒドロジピコリネートを含むジアミノピメレート(DAP)経路を介してリシンを産生する能力を有する親微生物に由来し、かつ異種ジピコリン酸シンテターゼを発現する能力を追加的に有し、その結果、L-2,3-ジヒドロジピコリネートがジピコリン酸またはその塩に変換される、上記方法。
  2. 前記微生物がリシン産生細菌である、請求項1に記載の方法。
  3. 前記リシン産生細菌がコリネ型細菌である、請求項2に記載の方法。
  4. 前記細菌がコリネバクテリウム(Corynebacterium)属細菌である、請求項3に記載の方法。
  5. 前記細菌がコリネバクテリウム・グルタミカム(Corynebacterium glutamicum)である、請求項4に記載の方法。
  6. 前記異種ジピコリン酸シンテターゼが原核生物または真核生物に由来する、請求項1〜5のいずれか1項に記載の方法。
  7. 前記異種ジピコリン酸シンテターゼがバシラス(Bacillus)属の細菌、特に枯草菌(Bacillus subtilis)に由来する、請求項6に記載の方法。
  8. 前記異種ジピコリン酸シンテターゼが、配列番号2に示されるアミノ酸配列、またはそれに対して少なくとも80%の同一性を有する配列を有する少なくとも1つのαサブユニットと、配列番号3に示されるアミノ酸配列、またはそれに対して少なくとも80%の同一性を有する配列を有する少なくとも1つのβサブユニットと、を含む、請求項7に記載の方法。
  9. ジピコリン酸シンテターゼ活性を有する酵素が、リシンを産生する能力を有する前記親微生物のコドン使用頻度(codon usage)に適合化された核酸配列によりコードされる、請求項1〜8のいずれか1項に記載の方法。
  10. ジピコリン酸シンテターゼ活性を有する前記酵素が、
    a)配列番号1に示されるspoVF遺伝子配列、または
    b)配列番号4に示される残基193〜残基1691のコード配列を本質的に含む合成spoVF遺伝子配列、または
    c)請求項7および8のいずれか1項に規定されるジピコリン酸シンテターゼをコードする任意のヌクレオチド配列、
    を含む核酸配列によりコードされている、請求項1〜9のいずれか1項に記載の方法。
  11. 前記組換え微生物中で、リシン生合成経路の少なくとも1つの遺伝子がデレギュレートされている(deregulated)、請求項1〜10のいずれか1項に記載の方法。
  12. 少なくとも1つのデレギュレートされている前記遺伝子が、アスパルトキナーゼ、アスパラギン酸セミアルデヒドデヒドロゲナーゼ、ジヒドロジピコリン酸シンターゼ、ジヒドロジピコリン酸レダクターゼ、ピルビン酸カルボキシラーゼ、ホスホエノールピルビン酸カルボキシラーゼ、グルコース-6-リン酸デヒドロゲナーゼ、トランスケトラーゼ、トランスアルドラーゼ、6-ホスホグルコノラクトナーゼ、フルクトース1,6-ビスホスファターゼ、ホモセリンデヒドロゲナーゼ、ホスホエノールピルビン酸カルボキシキナーゼ(phophoenolpyruvate carboxykinase)、スクシニル-CoAシンテターゼ、メチルマロニル-CoAムターゼ、テトラヒドロジピコリン酸スクシニラーゼ、スクシニル-アミノケトピメリン酸トランスアミナーゼ、スクシニル-ジアミノピメリン酸デスクシニラーゼ、ジアミノピメリン酸エピメラーゼ、ジアミノピメリン酸デヒドロゲナーゼ、およびジアミノピメリン酸デカルボキシラーゼから選択される、請求項11に記載の方法。
  13. こうして産生されたジピコリネートが発酵ブロスから単離される、請求項1〜12のいずれか1項に記載の方法。
  14. 請求項10に規定されるジピコリン酸シンテターゼのコード配列を含む核酸配列。
  15. 請求項14に記載の少なくとも1つの核酸配列を含む発現カセットであって、該配列が少なくとも1つの調節核酸配列に作動的に(operatively)連結されている、上記発現カセット。
  16. 請求項15に記載の少なくとも1つの発現カセットを含む組換えベクター。
  17. 請求項16に記載の少なくとも1つのベクターで形質転換された原核宿主または真核宿主。
  18. 組換えコリネ型細菌、特に組換えコリネバクテリウム属細菌から選択される、請求項17に記載の宿主。
  19. 組換えコリネバクテリウム・グルタミカムである、請求項18に記載の宿主。
  20. ポリマーの調製方法であって、
    a)請求項1〜12のいずれか1項に記載の方法によりジピコリネートを調製すること、
    b)ジピコリネートを単離すること、および
    c)該ジピコリネートを少なくとも1つの更なる多価共重合性コモノマーと重合すること、
    を含む、上記方法。
  21. 前記共重合性コモノマーがポリオールおよびポリアミンならびにそれらの混合物から選択される、請求項20に記載の方法。
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