次に、図面を参照して実施形態を説明する。図中、同様の図中符号は同様の要素を示すために使用される。図面は必ずしも縮尺通りではないことは理解されよう。
本明細書では、主に移動電話に関して実施形態を説明する。しかし、説明する技術は、移動電話以外の動作環境においても実行可能であることは理解されよう。従って、本明細書で使用される電子装置という用語は、任意の種類の適切な電子機器と関連しているものとする。一例として、携帯無線通信装置(移動無線端末とも呼ばれる)、ページャ、通信機、電子オーガナイザ、パーソナルデジタルアシスタント(PDA)、スマートフォン、メディアプレーヤ(例えば、MP3プレーヤ及び/又はビデオプレーヤ)、ゲーム機、アクセサリ及びコンピュータが挙げられる。また、ディスプレイは、ディスプレイを駆動するビデオ信号を生成する装置とは別個の装置の一部であってもよい。例えば、ビデオ信号を生成する装置はゲーム機であってもよく、ディスプレイはテレビの一部であってもよい。
最初に図1及び図2について説明する。図1及び図2には、電子装置10が示されている。電子装置10は、ユーザと電子装置10との間の距離に依存してディスプレイ14上に表示されるコンテンツのサイズ及び/又は種類を調整するように構成された表示管理機能12を備える。表示管理機能12の追加の詳細及び動作については、以下に更に詳細に説明する。表示管理機能12は、電子装置10内に常駐され且つ電子装置10により実行される実行可能コードとして具体化されてもよい。一実施形態において、表示管理機能12は、コンピュータ又は機械可読媒体に格納されたプログラムであってもよい。表示管理機能12は、スタンドアロンソフトウェアアプリケーションであってもよく、あるいは電子装置10に関連する追加のタスクを実行するソフトウェアアプリケーションの一部として形成されてもよい。
電子装置10は、撮像装置16を含む。図示される実施形態の撮像装置16は、ユーザがディスプレイ14を閲覧する間にユーザに向けられるカメラである。この種のカメラは、テレビ電話通話(テレビ電話とも呼ばれる)を容易にするために一部の移動電話において利用可能である。撮像装置16は、撮像装置16の視野にある物体の表示を含むビデオ信号を生成する。ビデオ信号は、顔検出アルゴリズムを使用して顔の特徴を識別するために表示管理機能12により解析される。顔の識別は、ユーザがディスプレイ14を閲覧していることを示す。
識別された段階の特徴は、ユーザとディスプレイ14との間の距離を判定するために解析される。図示する実施形態において、撮像装置16は、ディスプレイ14の近傍に配置されており、ユーザとディスプレイ14又は撮像装置16との間の距離の差は殆どない。他の実施形態において、これらの距離の間にはより実質的な差があってもよい。この場合、距離の差は、ユーザとディスプレイ14との間の距離を判定するための任意の計算に含まれることとなる。
更に図3に示すように、ユーザとディスプレイ14との間の距離の判定の一部として任意の適切な顔検出及び/又は顔認識技術が使用される。例えば顔検出は、撮像装置16の出力が特徴に変換され且つ画像が顔、あるいは胴体又は手等の他の体の部分を含むかが分類器によって決定される2値パターン分類を用いて実行される。
顔18を識別する1つの例示的な技術は、撮像装置16により生成されるビデオストリームの画像データを解析し、鼻柱22に関して対称に配置される一対の眼20の存在を検出することである。図3は、それらの特徴の存在により検出されたユーザの顔18を概略的に示す。一実施形態において、三角形24は、眼20の場所及び鼻22の先端を結び付けることにより形成される。撮像装置16に対する周知の焦点距離を使用することにより、三角形24のサイズは、ユーザが配置されるディスプレイ14からの距離を示すこととなる。例えば、相対的に大きな三角形24は、ユーザがディスプレイ14に近接していることを示し、小さな三角形24は、ユーザがディスプレイ14から遠く離れていることを示す。一実施形態において、推定距離が計算されてもよい。別の実施形態において、三角形24のサイズは閾値と比較されてもよい。三角形24のサイズが閾値より大きい場合、表示管理機能12は近接ユーザにコンテンツを提示してもよく、三角形24のサイズが閾値より小さい場合は、表示管理機能12は遠隔ユーザにコンテンツを提示してもよい。ユーザのディスプレイまでの距離についての許容範囲に基づいて複数の対応するコンテンツ表示技術を提供するために、複数の閾値が使用されてもよい。この方法において、ユーザのディスプレイまでの距離に基づく表示の変更は、距離が閾値を超えるか又は閾値以下に短くなるにつれて段階的に行われてもよい。
ユーザによって顔の特徴の間隔には固有のばらつきがあるが、非常に多くの割合のユーザに対して適切であるように慎重に選択された閾値に基づいてディスプレイまでのユーザの距離が推定される。例示的な一実施形態において、閾値は、ディスプレイから約18インチ(例えば、約45cm)〜ディスプレイから約24インチ(例えば、約60cm)のユーザの距離に対応するように選択される。一実施形態において、距離の解析は、電子装置10を最も頻繁に使用するユーザに対して校正されてもよい。
あるいは、閾値との比較の代わりに、ユーザとディスプレイとの間の推定距離を示す値が生成されてもよい。その後、コンテンツの表示がその値に基づいて調整されてもよい。この方法において、ディスプレイまでのユーザの距離に基づく表示の変更は、段階的に又はより平滑に徐々に行われてもよい。
ユーザとディスプレイ14との間の距離を判定するにあたっては、識別された顔に基づく他の技術が採用されてもよいことは理解されよう。例えば、顔の特徴のサイズ(例えば、眼20のサイズ又は顔全体のサイズ)が使用されてもよく、顔の特徴の間の距離(例えば、眼20の間の距離)が使用されてもよく、あるいは眼20及び鼻柱22以外の顔の特徴を結び付けることにより作成される形状が使用されてもよい。ユーザ及びユーザとディスプレイ14との間の距離を検出するために、シルエット検出が使用されてもよい。
顔が検出されない場合、ディスプレイ14を閲覧している任意のユーザがディスプレイ14から相対的に離れた距離にいると仮定される。部分的な顔の特徴が検出される場合(例えば、ユーザが振り向くか又は撮像装置16の視野の光軸に対してある角度で顔を向ける場合)、デフォルト値に基づいて又は部分的な顔の特徴(例えば、単一の眼及び鼻)を解析することにより距離が仮定される。更に、複数の顔が検出される場合、ディスプレイ14までの1つの顔の距離が、判定される距離として使用されてもよい。例えば最近接する顔のディスプレイ14までの距離が使用されてもよい。
撮像装置16からのビデオ信号は、ユーザとディスプレイ14との間の距離を推定するための他の方法で使用されてもよい。例えば、視線追跡又は顔認識(例えば、ユーザの一致を確認する)が使用されてもよい。採用可能な例示的な顔認識技術は、固有顔、fisherface、隠れマルコフモデル、ニューロン動機づけによるダイナミックリンク照合及び3次元顔認識を含む。
顔検出及び/又は顔認識の代わりに又はそれに加えて、他の物体又はユーザの手等の体の部分が使用可能である。例えば顔が撮像装置16の視野に入ることがない位置に電子装置10がある場合、手が使用されてもよい。例えば電子装置10がナビゲーション支援装置(例えば、GPSナビゲータ)として乗り物において使用される場合、ユーザは、表示コンテンツの所望の縮尺又は表示情報(例えば、地図又はテキストを使用するナビゲーション合図)の所望の量に対応する距離において撮像装置16の前方で手を振ってもよい。
一実施形態において、顔検出及び距離判定は、アプリケーションの開始及びユーザが電子装置に対して開始した他の動作の後に実行される。顔検出及び距離判定は、表示管理機能が距離判定を行うまで又は顔が画像フィールドに存在しないという判定が行われるまで、所定期間の間継続する。距離判定に対する周期的な更新が行われてよい。例えば、顔検出及び距離判定が毎分又は1分おきに行われ、距離判定を訂正するようにしてもよい。
距離判定が行われると、表示管理機能12は、ユーザがコンテンツを鮮明に見ることができる距離に対して適切な方法でディスプレイ上に表示されるコンテンツのサイズを制御する。一実施形態において、種々の距離に対するコンテンツサイズ情報を含むデータベース(例えば、ルックアップテーブル)が構成されていてもよい。サイズ情報は、距離毎にその距離に適切なフォント及び/又はポイントサイズ、その距離に適切な縮尺値又は倍率値、その距離に適切なレイアウト及び/又は視覚物体間隔データ、並びにその距離に適切なアイコンサイズ等を含む。コンテンツをサイズ変更することに加えて、あるいはコンテンツをサイズ変更する代わりに、表示管理機能は、距離判定に基づいて表示されるコンテンツを制御してもよい。例えばユーザがディスプレイに近接するという判定の下で音楽を再生している間、アルバムカバーアートはアーティスト情報、曲情報及び再生データと共に表示されてもよい。しかし、距離判定が、ユーザがディスプレイから相対的に離れていることを示す場合、アルバムカバーアートのみが表示されてもよい。
組み合わされた距離及びサイズ変更情報を使用することにより、表示管理機能12はコンテンツの表示を制御してもよい。ディスプレイ上のコンテンツのレイアウトは、任意の適切な技術を使用して動的に制御されてもよい。例示的な技術として、表示テキストのフォント及び/又はポイントサイズの変更、拡張マークアップ言語/拡張ハイパーテキストマークアップ言語(XML/xhtml)に基づくレイアウトの変更、スケーラブルベクターグラフィックス(SVG)に基づくレイアウトの変更等が挙げられる。
判定されたディスプレイ14からのユーザの距離に基づいて表示コンテンツのサイズ及び/又はコンテンツ自体を変更する構成は、画面をナビゲートするための他のユーザインタフェースの特徴と共に使用されてもよい。例えば、コンテンツが距離判定に基づいて異なるサイズで表示され且つ/又は変更される場合でも、スクロールバー、タブ及び他の従来の機能は依然としてユーザにとって利用可能であってもよい。
ディスプレイ14のコンテンツ及び/又は可視レイアウトがユーザとディスプレイとの間の距離に依存して管理される方法は多く存在する。コンテンツの表示を管理するいくつかの方法は、装置の種類、ディスプレイのサイズ及び/又は装置の動作モード(例えば、実行しているアプリケーション及び/又はユーザが実行しているタスク)に基づいていてもよい。ユーザとディスプレイとの間の距離に基づいてコンテンツを制御するいくつかの例示的な方法を以下に説明する。図示し且つ説明するコンテンツ管理技術は、網羅的なリストではなく、任意の動作状況(例えば、図示する例示的なコンピュータ及び移動電話の状況だけではない)において適用可能であることは理解されよう。
図4及び図5は、例示的な電子装置10をディスプレイ14及び撮像装置16を含むラップトップコンピュータの形態で示したものである。撮像装置16は、電子装置10に組み込まれていてもよく、あるいは電子装置10に動作可能に接続されていてもよい。図4及び図5の実施形態において、例えば撮像装置16は「ウェブ」カメラであってもよい。
本実施形態において、ユーザとディスプレイ14との間の距離は、上記で詳細に説明したように判定される。この判定に基づいて、ディスプレイ14上に表示されるテキストは、判定された距離に従ってサイズ変更される。例えば図4に示すように、ユーザの位置がディスプレイ14に相対的に近接していると特定された場合、テキストはディスプレイ14上において相対的に小さく表現され、図5に示すように、ユーザの位置がディスプレイ14から相対的に遠く離れていると特定された場合、テキストはディスプレイ上に相対的に大きく表現される。一実施形態において、テキストはディスプレイまでのユーザの距離に基づいて動的に変倍されるか又はポイントサイズが変更される。別の実施形態において、フォントはディスプレイまでのユーザの距離に基づいて選択される。
テキストサイズを動的に変更すること及び/又はフォントを変更することに加えて、テキスト及び/又は画像のレイアウトに対する他の変更が行われてもよい。一実施形態において、表示コンテンツの可視要素間の間隔が変更されてもよい。別の実施形態において、テキストが提示される列数が変更されてもよい。別の実施形態において、テキスト及び/又はグラフィックスの透明度が変更されてもよい(例えば、ユーザが相対的に遠くにいる場合、可読性及び/又は視覚鮮明度を向上するために透明度が低減されてもよい)。別の実施形態において、グラフィックスに関連するぼけの量が変更されてもよい。
更に、ディスプレイの可視レイアウトが、ユーザとディスプレイ14との間の距離に依存して変更されてもよい。例えば可視要素は、距離に基づいて再配置されてもよい。また、ユーザが「遠くにいる」場合、可視要素は除去されてもよく且つ残りの可視要素はサイズが増加されてもよい。一方、ユーザが「至近距離にいる」場合、相対的に更に多くの可視要素が表示されてもよい。別の実施形態において、前景及び/又は背景は、判定された距離に依存して調整されてもよい。例えばユーザが近接している場合に並行しているか又は互いに交互に配置されているウィンドウは、ユーザが遠くにいる場合には、重ね合わされて配置され且つ/又は階層的に配置される。
更に、図6及び図7は、図1及び図2の移動電話が電気コネクタ28を介してデスクトップミュージックスタンド26に取り付けられた例示的な一実施形態を示したものである。デスクトップミュージックスタンド26は、電子装置10を使用して再生される音楽ファイル又は他のオーディオコンテンツに対応する音を出力する1つ以上のスピーカ30を含む。図示する実施形態において、電子装置10はオーディオファイルを能動的に再生する。オーディオファイルは、関連するタイトル(図6において「SongTitle」で示される)を有しており且つ関連するアーティスト(図6において「ArtistName」で示される)が記録され又は含まれていてもよい。オーディオファイルは、カバーアート32等の関連する画像を更に有していてもよい。カバーアート32は、曲が最初に発売された時のアルバム又はCDと関連付けられるアートワーク(例えば、例示又はシミュレートされた内容及び/又は写真の内容)である。
ユーザとディスプレイ14との間の距離は、先に詳細に説明したように判定される。この判定に基づいて、ディスプレイ14上に表示されるコンテンツが選択されてもよい。例えば閲覧者がディスプレイ14に相対的に近接している場合、例えばディスプレイ14から2フィート又は3フィートの距離より近接している場合、表示管理機能12はオーディオファイルと関連付けられる複数の可視項目を表示するように電子装置10を制御する。図6の例示される実施形態において、表示コンテンツは、アーティスト名(例えば、「ArtistName」)、曲のタイトル(例えば、「SongTitle」)、カバーアート32及びオーディオファイルの残りの再生時間の形式での再生情報を含む。本実施形態において、カバーアート32は、ディスプレイ全体ではなくディスプレイ14領域の一部を使用するようにサイズ変更される。他の可視項目がそれらの項目の代わりに又はそれらの項目に加えて表示されてもよいことは理解されよう。
ユーザがディスプレイ14から相対的に遠くにいると判定された場合に、表示コンテンツは変更される。例えば図7に例示する実施形態のように、テキストを使用する可視要素はディスプレイから除去され、カバーアート32は、ユーザがディスプレイ14により近接した場合よりもディスプレイ14の多くの部分を使用するように拡大される。
例示する実施形態は、表示コンテンツがユーザと電子装置10のディスプレイ14との間の距離に基づいて変更される方法のうちのほんの一部であることは理解されよう。別の実施形態において、表示される写真の一部分及び表示部分のサイズは、ディスプレイ14からのユーザの距離に基づいている。例えばユーザがディスプレイ14に相対的に近接している場合、写真全体が表示され、ユーザがディスプレイ14から相対的に遠く離れている場合、表示管理機能12は写真の一部分が「ズームイン」される。この写真の拡大部分は、写真の同一部分が拡大されずに表示された場合と比較してディスプレイ14のより大きな部分を使用するように表示される。残りの写真の部分は、ディスプレイ上から削除されるが、表示される写真の部分を変更するためにスクロールバー又は別のナビゲーション方法を使用することにより閲覧されうる。拡大されて表示される部分は、中央部分等の写真の所定部分であってもよい。あるいは、光のバランス、色パターン、写真と関連付けられる画像データを解析することにより検出される顔の特徴等の写真の特徴に基づく部分であってもよい。
ユーザがディスプレイ14から相対的に遠く離れていた場合に、表示されるコンテンツを拡大する技術は、地図、インターネットページ、連絡先リスト及びメッセージ等の写真以外のコンテンツに適用されてもよい。更に、コンテンツの拡大は、コンテンツが表示される方法に対応する他の変更と組み合わされてもよい。
ディスプレイ14までのユーザの距離に基づいてコンテンツの表示を管理する別の技術は、グラフィカルユーザインタフェース(GUI)の縮尺及び/又はレイアウトを変更することである。変更は、ユーザが関与する動作に基づいて適用されてもよい。例えばアクティブウィンドウがディスプレイの全て又はほぼ全てを専有するように最大化されておらず且つユーザが相対的に遠く離れていると判定された場合、アクティブウィンドウは閲覧を向上するために自動的に最大化されてもよい。更にメニューバー、システムトレイ及びGUIの他の非アクティブ構成要素は、アクティブ領域の構成要素に、より多くの空間を提供することで閲覧性を向上させるために除去されてもよい。この種の変更は、例えばユーザがディスプレイ14からある距離のところに位置し且つインターネットをブラウズするか又は映画を観る場合に有用である。
一実施形態において、電子装置10は、地図を表示するためにパーソナルナビゲータとして使用されてもよい。1つの動作モードにおいて、ユーザが指定した目的地までの指示が提供され、電子装置10が移動するのに伴って地図が動的に更新される。電子装置10は、専用ナビゲーション装置(全地球測位システム(GPS)装置とも呼ばれる)であってもよく、あるいは適切に装備された移動電話、パーソナルデジタルアシスタンス又はコンピュータ等のナビゲーション機能を有する別の装置であってもよい。この種類のナビゲーションモードで機能する場合、コンテンツの表示はディスプレイ14までのユーザの距離に基づいて管理される。例えば、ユーザがディスプレイ14に相対的に近接している場合、ナビゲーション画面のレイアウトは、二次的な道路及び/又は指定された目的地までの計算されたルートの一部ではない道路、宿、燃料、食料及び他の地点情報のアイコン、並びにテキスト及び/又はアイコンによる指示合図等の相対的に高いレベルの詳細内容を含む。ユーザがディスプレイ14から相対的に遠く離れている場合、ナビゲーション画面のレイアウトは、指定された目的地までのルートの一部である道路のみ、最小限の画面上の指示合図及び距離を閲覧するためのディスプレイ14に散乱する他のアイコン等の相対的に低いレベルの詳細内容を含む。
一実施形態において、顔検出及び距離判定は、ディスプレイ14の中央に対するユーザの顔のオフセットを判定することを含む。ユーザがディスプレイ14のすぐ前にいる場合、ディスプレイ14に対する撮像装置16の相対位置に依存して、ユーザの検出された顔は、撮像装置16により出力されるビデオストリームの中央領域に現れる。この状況において、表示コンテンツは、上述したようにユーザとディスプレイ14との間の距離に基づいて表示される。しかし、ユーザの検出された顔がビデオストリームの中央部分からオフセットされているか又はある角度でディスプレイ14を閲覧していると計算される場合、表示コンテンツは、ディスプレイ14に対して計算された視野角に基づいて調整される。一実施形態において、ユーザがディスプレイ14に対してある角度で向いている場合、表示コンテンツは、ディスプレイ14全体にわたって、不均一にサイズ変更されるように「スキュー」される。例えばユーザが右側からディスプレイ14を閲覧していると判定された場合、ディスプレイ14の左側のコンテンツはディスプレイ14の右側のコンテンツよりも大きなサイズで表示される。同様に、ユーザが左側からディスプレイ14を閲覧していると判定された場合、ディスプレイ14の右側のコンテンツはディスプレイ14の左側のコンテンツより大きなサイズで表示される。更に、ユーザが上からディスプレイ14を閲覧していると判定された場合、ディスプレイ14の下部のコンテンツはディスプレイ14の上部のコンテンツより大きなサイズで表示される。同様に、ユーザが下からディスプレイ14を閲覧していると判定された場合、ディスプレイ14の上部のコンテンツはディスプレイ14の下部のコンテンツより大きなサイズで表示される。
このように、コンテンツの角度及び/又は傾きは、擬似3次元空間において操作され、これにより、ユーザが種々の方向からコンテンツを読み取ること又は閲覧することが容易になる。コンテンツの見え方を最適化するために、グラフィックスに対する調整は、周知の視野角パラメータ(例えば、ディスプレイが鮮明に閲覧される中央からの最大角度及び閲覧品質が劣化し始める角度より小さい角度)等の表示品質を考慮してもよい。更に、ユーザがその角度から閲覧不可能であるディスプレイの部分は、淡色表示されてもよく又は表示されなくてもよい。
一実施形態において、電子装置10の向きに対するユーザの向きが判定されてもよい。例えば、図1の電子装置10は垂直の向きで示され、ディスプレイ14の前方に位置付けられた垂直方向を向くユーザの眼は互いに横方向にオフセットされていてもよい。しかし、ユーザが電子装置10を水平になるように回転する場合、あるいはユーザが電子装置10に対して自身の位置を変更する場合、眼は互いに垂直にオフセットされて検出される。そのように判定されると、ディスプレイ上に表示されるコンテンツは、電子装置14及びユーザの相対的な向きに一致するように回転される。
表示管理機能12が表示コンテンツを変更する方法は、電子装置10のデフォルト設定に基づいていてもよい。あるいは、表示管理機能12がディスプレイ14までのユーザの距離の関数として表示コンテンツを変更する方法及びその時期を設定することにユーザが関与してもよい。一実施形態において、顔認識が使用される場合、ユーザの同一性が確認されるように構成してもよく、表示コンテンツは、可視レイアウト及び/又はフォントサイズに対するユーザの基本設定に基づいて調整されてもよい。
上述したように、図1及び図2に例示される電子装置10は移動電話である。次に、移動電話として実現される場合の電子装置10の特徴について説明する。電子装置10は、「ストレート」型筺体を有するものとして示されるが、「フリップ型」(例えば、「折りたたみ型」筺体)又はスライド型(例えば、「スライダ型」筺体)等の他の型の筺体が利用されてもよいことは理解されよう。
ディスプレイ14は、動作状態、時間、電話番号、連絡先情報、種々のメニュー等の情報をユーザに表示し、ユーザが電子装置10の種々の特徴を利用できるように構成されている。更にディスプレイ14は、電子装置10により受信され且つ/又は電子装置10のメモリ34(図2)から検索されるコンテンツを視覚的に表示するために使用されてもよい。ディスプレイ14は、写真、モバイルテレビコンテンツ及びゲームに関連するビデオ等の画像、ビデオ及び他のグラフィックスをユーザに提示するために使用されてもよい。
キーパッド36は、種々のユーザ入力動作を提供する。例えばキーパッド36は、電話番号、電話リスト、連絡先情報、メモ、テキスト等の英数字情報の入力を可能にする英数字キーを含む。更にキーパッド36は、発呼又は着呼するための「通話送出」キー及び終話又は通話を「切る」ための「終話」キー等の特殊機能キーを含む。特殊機能キーは、ディスプレイ14上に表示されたメニュー内をナビゲートし易くするためのメニューナビゲーション及び選択キーを更に含む。例えば、ポインティングデバイス及び/又はナビゲーションキーはユーザからの指示入力を受け付けるために存在してもよい。キー又はキー状の機能は、ディスプレイ14と関連付けられるタッチスクリーンとして更に具体化されてもよい。また、ディスプレイ14及びキーパッド36は、ソフトキー機能を実現するために互いに組み合わされて使用されてもよい。
電子装置10は通話回路網を含み、これにより電子装置10は、通話を確立し且つ/又は一般に別の移動電話又は固定電話である着呼側/発呼側装置と信号をやり取りすることができる。しかし、着呼側/発呼側装置は別の電話である必要はなく、インターネットウェブサーバ、コンテンツ提供サーバ等の他の装置であってもよい。通話は、任意の適切な形態をとってもよい。例えば、通話は携帯回線交換網を介して確立される従来の通話であってもよく、あるいはセルラネットワークのパケット交換機能を介して又はWiFi(例えば、IEEE802.11規格に基づくネットワーク)、WiMax(例えば、IEEE802,16規格に基づくネットワーク)等の別のパケット交換網を介して確立されるVoIP(Voice Over IP(インターネットプロトコル))通話であってもよい。別の例として、セルラネットワーク又は別のネットワークを介して確立されるテレビ電話が含まれる。
電子装置10は、テキストメッセージ、インスタントメッセージ、電子メールメッセージ、マルチメディアメッセージ、画像ファイル、ビデオファイル、オーディオファイル、着信音、ストリーミングオーディオ、ストリーミングビデオ及びデータフィード(ポッドキャスト及びRSS(Really Simple Syndication)データフィードを含む)等のデータを送信、受信及び/又は処理するように構成されている。尚、一般にテキストメッセージは、シンプルメッセージサービスを意味する「SMS」と呼ばれることがある。SMSは、テキストメッセージをやり取りするための一般的な規格である。同様に、一般にマルチメディアメッセージは、マルチメディアメッセージサービスを意味する「MMS」と呼ばれることがある。MMSは、マルチメディアメッセージをやり取りするための一般的な規格である。データを処理する工程は、メモリ34にデータを格納する工程、データとのユーザ対話を可能にするためにアプリケーションを実行する工程、データと関連付けられるビデオ及び/又は画像コンテンツを表示する工程、並びにデータと関連付けられるオーディオサウンドを出力する工程等を含んでいてもよい。
図2は、電子装置10を示す機能ブロック図である。簡潔にするために、電子装置10の多くの特徴についての詳細な説明は省略する。電子装置10は、電子装置10の機能及び動作の全体の制御を実行するように構成される主制御回路38を含む。制御回路20は、中央処理装置(CPU)、マイクロコントローラ又はマイクロプロセッサ等の処理装置40を含む。処理装置40は、電子装置10の動作を実行するために主制御回路38内のメモリ(不図示)及び/又はメモリ34等の別個のメモリに格納されたコードを実行する。メモリ34は、例えばバッファ、フラッシュメモリ、ハードドライブ、取り外し可能媒体、揮発性メモリ、不揮発性メモリ、ランダムアクセスメモリ(RAM)又は他の適切な装置のうちの1つ以上であってもよい。一般的な構成において、メモリ34は、長期間のデータ記憶のための不揮発性メモリ(例えば、フラッシュメモリ)及び主制御回路38に対するシステムメモリとして機能する揮発性メモリ(例えば、RAM)を含む。メモリ34は、データバスを介して主制御回路38とデータをやり取りする。メモリ34と主制御回路38との間に付属する制御線及びアドレスバスが更に存在してもよい。
他のアプリケーションに加えて、処理装置40は表示管理機能12を実現するコードを実行する。表示管理機能12が一実施形態に従って処理装置40により実行されるが、そのような機能は専用のハードウェア又はファームウェア、あるいはハードウェア、ファームウェア及び/又はソフトウェアの組合せを介しても実行可能である。
更に図1及び図2に示すように、電子装置10は無線回路44に結合されるアンテナ42を含む。無線回路44は、アンテナ42を介して信号を送信するための高周波送信機及び受信するための高周波受信機を含む。例示されるアンテナ42及び無線回路44は、1つ以上の無線アクセストランシーバであってもよいことは理解されよう。無線回路44は、移動通信システムにおいて動作するように構成されていてもよく、データ及び/又は音声映像コンテンツを送受信するために使用されてもよい。移動無線ネットワーク及び/又は放送網と対話する受信機の種類には、汎ヨーロッパデジタル移動通信システム(GSM)、符号分割多元接続(CDMA)、広帯域CDMA(WCDMA)、汎用パケット無線サービス(GPRS)、WiFi、WiMax、デジタルビデオ放送−ハンドヘルド(DVB−H)、統合デジタル放送(ISDB)等、並びにそれらの規格の拡張バージョンが含まれるがそれらに限定されるものではない。
電子装置10は、無線回路44により送信され且つ無線回路44にて受信されるオーディオ信号を処理する音響信号処理回路46を更に含む。ユーザが従来のように電子装置10を介して聞くことを可能にするスピーカ48及び話すことを可能にするマイク50は、音響信号処理回路46に結合される。無線回路44及び音響信号処理回路46は、動作全体を実行する主制御回路38に結合される。オーディオデータは、ユーザに向けて再生するために主制御回路38から音響信号処理回路46に渡される。オーディオデータは、例えばメモリ34に格納され且つ主制御回路38により検索されるオーディオファイルのオーディオデータ、あるいは移動無線サービスからのストリーミングオーディオデータの形式等の受信オーディオデータを含んでいてもよい。音響信号処理回路46は、任意の適切なバッファ、復号器及び増幅器等を含んでいてもよい。
ディスプレイ14は、ビデオデータを、ディスプレイ14を駆動するために使用されるビデオ信号に変換するビデオ処理回路52を介して主制御回路38に結合される。ビデオ処理回路52は、任意の適切なバッファ、復号器及びビデオデータプロセッサ等を含んでいてもよい。ビデオデータは、主制御回路38により生成されても、メモリ34に格納されるビデオファイルから検索されても、あるいは無線回路44により受信される入力ビデオデータストリームから導出されても、あるいは任意の他の適切な方法により取得されてもよい。
電子装置10は、1つ以上のI/Oインタフェース54を更に含む。I/Oインタフェース54は、一般的な移動電話I/Oインタフェースの形態であってもよく、1つ以上の電気コネクタを含んでいてもよい。通常のように、I/Oインタフェース54は、電子装置10をバッテリ充電器に結合して電子装置10内の電源ユニット(PSU)56のバッテリを充電するために使用されてもよい。更に又はあるいは、I/Oインタフェース54は、電子装置10に対する有線インタフェースを有するヘッドセットアセンブリ(例えば、パーソナルハンズフリー(PHF)装置)が電子装置10に接続されるために使用されてもよい。また、I/Oインタフェース54は、データをやり取りするためのデータケーブルを介して電子装置10をパーソナルコンピュータ又は他の装置に接続するために使用されてもよい。電子装置10は、車両電源アダプタ又はAC電源アダプタに接続される場合にI/Oインタフェース54を介して動作電力を受け取る。PSU56は、外部電源がない場合に電子装置10を動作させるために電力を供給する。
電子装置10は、主制御回路38及びメモリ34等の電子装置10の種々の構成要素をクロック制御するためのシステムクロック58を更に含む。
電子装置10は、撮像装置16に加えて、デジタルピクチャ及び/又は動画を撮るためのカメラ60を含む。通常、カメラ60の視野は一般に撮像装置16の視野とは逆方向を有する。カメラ60により取り込まれたピクチャ及び/又は動画に対応する画像ファイル及び/又はビデオファイルは、メモリ34を使用して格納される。
電子装置10は、全地球測位システム(GPS)受信機又はGalileo衛星システム受信機等の位置データ受信機62を更に含む。位置データ受信機62は、電子装置10の場所を判定することに利用してもよく、且つ/あるいはナビゲーション及び/又はマッピングアプリケーションに場所情報を提供してもよい。
電子装置10は、アクセサリ、他の移動無線端末、コンピュータ又は他の装置との通信を確立するために赤外線トランシーバ及び/又はRFインタフェース(例えば、Bluetoothインタフェース)等のローカル無線インタフェース64を更に含む。例えば、ローカル無線インタフェース64は、ヘッドセットアセンブリが対応する無線インタフェースを有する一実施形態において、電子装置10をヘッドセットアセンブリ(例えば、PHF装置)に動作可能に結合する。
更に図8に示すように、電子装置10は、通信システム66の一部として動作するように構成されていてもよい。通信システム66は、電子装置10による発呼及び電子装置10に対する着呼を管理し、電子装置10にデータを送信し且つ任意の他のサポート機能を実行するサーバ70(又は複数のサーバ)を有する通信ネットワーク68を含んでいてもよい。サーバ70は、伝送媒体を介して電子装置10と通信する。伝送媒体は、例えば通信タワー(例えば、セルタワー)、別の移動電話、無線アクセスポイント、衛星等を含む任意の適切な装置又はアセンブリであってもよい。ネットワーク内には、無線送信経路が含まれていてもよい。通信ネットワーク68は、複数の移動電話10及び他の種類のエンドユーザ装置の通信動作をサポートしてもよい。理解されるように、サーバ70は、サーバ機能を実行するために使用される一般的なコンピュータシステムとして構成されていてもよく、サーバ70の機能を具体化する論理命令を含むソフトウェアを実行するように構成されたプロセッサ及びそのようなソフトウェアを格納するためのメモリが含まれる。
特定の実施形態を図示し且つ説明したが、本明細書を読み且つ理解することにより、他の当業者が添付の特許請求の範囲により規定される範囲内の等価物及び変形を着想することは自明である。