JP2011510016A - アクチニディアおよびステロイドによって構成されている組合せ療法、ならびにこれらの使用 - Google Patents
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Abstract
(1)アレルギー性および非アレルギー性の炎症性の障害もしくは疾患の予防および/または処置、(2)そのような障害もしくは疾患の少なくとも1つの症状の軽減、および/または(3)哺乳類における免疫応答の調節のための、アクチニディア調製物および1つ以上のステロイドの組合せ、ならびに当該組合せの使用が開示されている。
Description
〔関連出願に対する相互参照〕
本願は、35 U.S.C. §119 (e)に基づいて米国仮出願第60/885,210号(出願日:2007年1月16日)からの優先権の利益を主張する。また、本願は、米国特許出願第11/817,216号(出願日:2007年8月27日)の一部継続出願である。米国特許出願第11/817,216号は、PCT出願第PCT/US2006/006437号の、35 U.S.C. § 371に基づく国内段階出願であり、米国仮出願第60/656,838号(出願日:2005年2月25日)および米国仮出願第60/656,839号(出願日:2005年2月25日)のそれぞれに対する優先権の利益を主張する。米国仮出願第60/885,210号、PCT出願第PCT/US2006/006437号、米国仮出願第60/656,838号、および米国仮出願第60/656,839号のそれぞれは、参照によってその全体が本明細書に援用される。
本願は、35 U.S.C. §119 (e)に基づいて米国仮出願第60/885,210号(出願日:2007年1月16日)からの優先権の利益を主張する。また、本願は、米国特許出願第11/817,216号(出願日:2007年8月27日)の一部継続出願である。米国特許出願第11/817,216号は、PCT出願第PCT/US2006/006437号の、35 U.S.C. § 371に基づく国内段階出願であり、米国仮出願第60/656,838号(出願日:2005年2月25日)および米国仮出願第60/656,839号(出願日:2005年2月25日)のそれぞれに対する優先権の利益を主張する。米国仮出願第60/885,210号、PCT出願第PCT/US2006/006437号、米国仮出願第60/656,838号、および米国仮出願第60/656,839号のそれぞれは、参照によってその全体が本明細書に援用される。
〔技術分野〕
本発明は、(1)アレルギー性および非アレルギー性の炎症性の障害または疾患の予防および/または処置、(2)そのような障害または疾患の少なくとも1つの症状の軽減、および/または(3)動物における免疫応答の調節のための、アクチニディアおよび1つ以上のステロイド(ステロイドに基づく化合物または組成物が挙げられる)の組合せに関する。
本発明は、(1)アレルギー性および非アレルギー性の炎症性の障害または疾患の予防および/または処置、(2)そのような障害または疾患の少なくとも1つの症状の軽減、および/または(3)動物における免疫応答の調節のための、アクチニディアおよび1つ以上のステロイド(ステロイドに基づく化合物または組成物が挙げられる)の組合せに関する。
〔背景技術〕
炎症に関する疾患は、その存在によって組織の損傷、ときには組織死を誘導し得る特定の細胞種および媒介物の流入によって特徴づけられている。炎症に関する疾患は、それらが特定の組織および系(例えば、呼吸器系、皮膚、関節、心臓血管系、または中枢神経系)を冒す場合に特に有害である。上記疾患は、呼吸器系において呼吸障害、低酸素症、高炭酸血症および肺組織の損傷を起こし得る。また、上記疾患は、皮膚においてかゆみ(掻痒)、皮膚損傷、腫脹、および鱗屑を起こし得る。また、上記疾患は、関節において軟骨、膠原質および骨の侵食および破損を起こし得る。また、上記疾患は、心臓血管系において心筋梗塞を起こし得る。また、上記疾患は、中枢神経系において認知力の低下およびアルツハイマー病を起こし得る。
炎症に関する疾患は、その存在によって組織の損傷、ときには組織死を誘導し得る特定の細胞種および媒介物の流入によって特徴づけられている。炎症に関する疾患は、それらが特定の組織および系(例えば、呼吸器系、皮膚、関節、心臓血管系、または中枢神経系)を冒す場合に特に有害である。上記疾患は、呼吸器系において呼吸障害、低酸素症、高炭酸血症および肺組織の損傷を起こし得る。また、上記疾患は、皮膚においてかゆみ(掻痒)、皮膚損傷、腫脹、および鱗屑を起こし得る。また、上記疾患は、関節において軟骨、膠原質および骨の侵食および破損を起こし得る。また、上記疾患は、心臓血管系において心筋梗塞を起こし得る。また、上記疾患は、中枢神経系において認知力の低下およびアルツハイマー病を起こし得る。
アレルギー性(アトピー性)疾患は、免疫グロブリンE(IgE)によって部分的に媒介されると同時に、2型のT細胞(Th2)、肥満細胞および好酸球がまた、疾患の過程において重要な役割を果たすことが示されている(Maggi E., Immunotechnology, 3:233-244, 1998; Pawankar R., Curr. Opin. Allergy Clin. Immunol., 1:3-6, 2001; Vercelli D., Clin. Allergy Immunol., 16:179-196, 2002)。“Th2”として知られているTリンパ球の一部によって産生されるサイトカインとしては、IL−4、IL−5、IL−10、およびIL−13が挙げられる。“Th1”として知られているTリンパ球によって産生されるサイトカインとしては、IFNγ、IL−12が挙げられ、これらは、Th2経路を負に制御することが報告されている。
アトピー性皮膚炎(AD)は、IgEレベルの上昇をともなう掻痒性および湿疹性の皮膚損傷によって特徴付けられる、慢性および再発性の炎症性皮膚疾患である。ADの発生率は、世界的に幼児および小児において増大すると考えられている。AD患者の皮膚損傷は、炎症性細胞(Tリンパ球、単核球/マクロファージ、好酸球および肥満細胞が挙げられる)の浸潤によって特徴付けられる。これらの細胞は、種々のサイトカインおよびケモカイン(例えば、IL−4、IL−5、IL−10、IL−13、エオタキシンおよびTARC)の放出を介して、ADの病原性および進行に関与している。多くの細胞種の中でも、IL−4、IL−5、IL−10およびIL−13を産生するTh2細胞は、上記疾患の経過における初期段階において重要な役割を果たしている(Leung, 1997, Clin Exp Immunol 107(suppl. 1):25-30)。
また、ADは、イヌにおける2番目に主要な(イヌ科の動物の個体群の10%)アレルギーである(Scott et al., Small Animal Dermatology 5th Ed, WB Saunders, 1995: 500-18)。イヌ科の動物において、ADは、典型的に顔、脚、耳を冒す掻痒および皮膚損傷を示し、容易に全身性になり得る。典型的にイヌにおけるADは、加齢とともに悪化する傾向がある。ADに冒されている動物は、これらの患者の生活の質を著しく低下させる、再発性の皮膚感染および耳感染に苦しむ。
ADが発症率の高い疾患である事実にもかかわらず、この疾患の病原性の理解が乏しく、この疾患に冒されている患者にとって有効な治療の選択肢が限られている。グルココルチコイドおよびシクロスポリンのような全身性の処置は、イヌおよびヒトにとって非常に有効であり得る(Olivry et al., Vet. Dermatol 2000; 11: 47)が、副作用の可能性がある(Ryffel et al., 1983, Arch. Toxicol 1983; 53: 107-41)。グルココルチコイドは、妥当な価格であるが、慢性的に使用すると有効性が小さくなる傾向がある(上述のScott et al)。経口のシクロスポリンは、大型のコンパニオンアニマル(例えば、大型の血統犬)において非常に高価であり得る。抗ヒスタミンが使用され得るが、成功率はしばしば不十分である(上述のScott et al)。脱感作は、活動期(season)が長い場合に行われるが、臨床的な改善は、通常には治療の開始から6〜9ヶ月間にわたってしか認められない。最後に、現在、利用可能な局所性の薬剤はすべて、局部的な軽減および一時的な軽減しか提供しない。したがって、ADの徴候および症状(特にヒトおよびイヌ科の動物における)を軽減するための、安全性が高い有効な処置の同定は、非常に役立つものであろう。
喘息は、呼吸器系に悪影響を及ぼす他の重要なアトピー性疾患であり、世界中で数百万の人々が罹患している疾患である。喘息は、周期的に呼吸量が制限されること、および/または過剰な気道の狭窄を生じる種々の刺激に対する応答性亢進によって特徴付けられる。他の特徴としては、気道の炎症、好酸球増加症および気道繊維症が挙げられ得る。増大した気道の反応性亢進は、いくつかの細胞種(Tリンパ球および好酸球が挙げられる)に関連する複合的な炎症性カスケードから生じると考えられる。アレルギー性の喘息において、Th2サイトカインは、Th1サイトカインよりも優勢である。
低下した血清中のIgEレベルがアレルギー性の症状を改善し得るという仮説が、キメラ抗IgE抗体(CGP−51901)および組換えヒト化モノクロナル抗体(rhiMAB−E25)を用いた臨床試験によって証明されている(Fahy et al., Am. J. Respir. Crit. Care. Med., 155:1828-1834, 1997)。IgEの合成および分泌を阻害するジアシルベンズイミダゾール類似物および細菌性の多糖類について、米国特許第6,369,091号および米国特許出願公開第20020041885号にそれぞれ記載されている。
また、炎症は、骨関節炎において中心的な役割を果たす。関節炎において、骨および軟骨の再構成の代謝過程は、組織破壊と組織修復との間に不均衡が生じるような変化を受ける。有力な原因をなす1つが食事脂肪(特にアラキドン酸)の変化した物質代謝であるという、医学的な評価が確立している。正常な軟骨と異なって、OA軟骨は、大量のPGE217、および一連のサイトカイン(IL−1β、IL−8およびIL−6が挙げられる)だけでなく、他の炎症性の媒介因子(例えば、LTB4およびリポキシン)を突発的に産生する。関節炎において、アラキドン酸(AA)の代謝によって過剰のロイコトリエンが産生され、軟骨のタンパク質基質を分解する酵素であるマトリックスメタロプロテアーゼ(MMP)の発現および/または活性を次々に増大させる(Martel-Pelletier et al., 2004)。さらに、完全には理解されていない様式において、変化した脂肪酸の代謝が、関節痛および炎症を誘発する炎症性サイトカインであるIL−1βおよびTNFαの過剰産生の原因となっている。
また、炎症は心臓血管系疾患における中心的な役割を果たしており、炎症および免疫の活性化がアテローム性動脈硬化症に対する危険性の増大と関連付けられている。通常のアレルギー性疾患(例えば、アレルギー性の鼻炎および喘息)と、頚動脈のアテローム性動脈硬化症ならびに頚動脈および大腿動脈における強い内膜中膜複合体肥厚の5年間にわたる発達および進行との間に相関関係がある。アレルギー性の障害を有している患者は、強い内膜中膜複合体肥厚およびアテローム性動脈硬化症の発達および進行の危険性が非常に高い。通常のアレルギー性疾患およびアレルギーの主要な構成要素(例えば、ヒトのアテローム発生において活動的なロイコトリエンまたは肥満細胞)を有している患者に共通して、アテローム性動脈硬化症の増大が観察された。したがって、免疫系媒介性の慢性炎症性疾患は、アテローム性動脈硬化症の増大した危険性と関連付けられている。
韓国特許出願第92−11752号には、ビフラボノイド(例えば、ロニセラ ジャポニカから単離された4’−O−メチルオクナフラボン)を含んでいる抗炎症性、抗アレルギー性および抗リューマチ性の薬剤について開示されている。当該特許文献には、アレルギーまたは炎症と関連付けられている種々の症状の処置における有効性が示されている。韓国特許第100744号には、ギンコ ビローバの葉から単離された種々のビフラボノイド化合物を含んでいる抗炎症性、抗アレルギー性および抗リューマチ性の薬剤について開示されている。シーゲスベッキア グラブレシェンス(Siegesbeckia glabrescens)を含んでいる種々の漢方薬の処方物が、IgEを低減させる活性を有していることについて報告されている(Kim et al., Phytother. Res., 15:572-576, 2001)。さらに、多くの薬草が、ヒスタミン放出阻害剤または抗炎症性化合物の豊富な原料であることが見出されている。
Kim et al.,による米国特許出願公開第2004/0037909号には、耐寒性の(hardy)キウィフルーツ(アクチニディア アルグタ(Actinidia arguta)、アクチニディア ポリガマ(Actinidia polygama)、アクチニディア コロミクタ(Actinidia kolomikta))の水溶性抽出物および酢酸エチル抽出物の全体を含んでいる抽出物が、Th1サイトカインおよびIgG2aの血清中濃度を上昇させ、肥満細胞からのヒスタミンの放出を阻害し、アレルギー性の炎症性反応を抑制することについて開示されている。アレルギー性の上記炎症性反応としては、アレルギー性の炎症および気道の反応性亢進のアレルゲン感作マウスモデル、およびラットの足水腫アッセイ(上述の米国特許出願公開第2004/0037909号を参照のこと)における炎症性反応が挙げられる。
アレルギー性障害の処置用の他の従来の薬剤としては、抗ヒスタミン、ステロイド性もしくは非ステロイド性の抗炎症性の薬剤およびロイコトリエンアンタゴニストが挙げられる。しかし、これらの薬剤は、重大な副作用(感染に対する感受性の増大、肝臓毒性、薬剤誘導肺疾患および骨髄の機能低下が挙げられるが、これらに限定されない)の可能性を有している。したがって、このような薬剤は、炎症および特にアレルギー性の炎症の処置に対する臨床用途に制限される。抗炎症剤および症状軽減剤の使用には、それらの副作用または炎症性応答の根本的な原因に作用できないことから、深刻な問題がある。
害が少なく有効性の高い、炎症を処置する薬剤が、求められ続けている。したがって、より少なく副作用、より少ない毒性および炎症の根本的な原因に対するより高い特異性を有している新たな生成物に対する必要性が依然として残っている。
〔発明の概要〕
本発明の一実施形態は、哺乳類における免疫応答を制御するための方法に関する。当該方法は、少なくとも1つの耐寒性キウィフルーツ調製物および少なくとも1つのステロイドの哺乳類における免疫応答を制御するために十分な量を、哺乳類に投与する工程を包含している。
本発明の一実施形態は、哺乳類における免疫応答を制御するための方法に関する。当該方法は、少なくとも1つの耐寒性キウィフルーツ調製物および少なくとも1つのステロイドの哺乳類における免疫応答を制御するために十分な量を、哺乳類に投与する工程を包含している。
本発明の他の実施形態は、哺乳類における炎症性の症状の少なくとも1つを軽減する方法に関する。当該方法は、少なくとも1つの耐寒性キウィフルーツ調製物および少なくとも1つのステロイドの哺乳類における炎症性の上記症状を軽減するために十分な量を、哺乳類に投与する工程を包含している。炎症性の上記症状としては、掻痒、発赤、滲出および外被形成、肥厚、脱毛症、ならびに皮膚の腫脹が挙げられるが、これらに限定されない。
本発明の上述した実施形態のいずれかの一態様において、耐寒性キウィフルーツとしては、アクチニディア アルグタ、アクチニディア コロミクタ、およびアクチニディア ポリガマが挙げられ、好ましい実施形態において、アクチニディア アルグタが挙げられる。
本発明の上述したいずれかの実施形態の一態様において、上記耐寒性キウィフルーツ調製物は、耐寒性キウィフルーツの抽出物である。例えば、耐寒性キウィフルーツ調製物は、蒸留水における抽出または非極性溶媒における抽出によって生成される。一態様において、そのような調製物は、水抽出物のクロマトグラフィー精製によって生成される。上記調製物のいずれかにおいて、クロマトグラフィー精製は、逆相クロマトグラフィー溶媒、または順相クロマトグラフィー溶媒の使用を含み得る。
本発明のいずれかの実施形態の一態様において、ステロイドは、天然に生じるステロイドを包含している。他の態様において、ステロイドは合成ステロイドを包含している。他の態様において、ステロイドは、動物性のステロイド、植物性のステロイドおよび真菌性のステロイドから選択される。一態様において、ステロイドは、コルチコステロイドを包含している。
本発明のいずれかの実施形態の一態様において、哺乳類は、Th1応答の増強および/またはTh2応答の抑制が所望される状態になっているか、または当該状態になる危険性がある。一態様において、哺乳類は、アレルギー性疾患または非アレルギー性の炎症性疾患にかかっているか、または当該疾患になる危険性がある。アレルギー性疾患の一例は、ロイコトリエンによって制御される疾患である。一態様において、アレルギー性疾患は、アトピー性皮膚炎、喘息、食品アレルギー、アレルギー性鼻炎、および慢性の蕁麻疹から選択される。
本発明のいずれかの実施形態の一態様において、投与する工程は、担体、免疫賦活剤、または賦形剤とともに、耐寒性キウィフルーツ調製物およびステロイドの一方または両方を、哺乳類に投与することを包含している。
本発明のいずれかの実施形態の一態様において、投与する工程は、耐寒性キウィフルーツ調製物およびステロイドの一方または両方を、錠剤、粉剤、発泡錠剤、発泡粉剤、カプセル剤、液体剤、懸濁剤、顆粒剤またはシロップ剤として、哺乳類に投与することを包含している。
本発明のいずれかの実施形態の一態様において、投与する工程は、上記耐寒性キウィフルーツ調製物を1つ以上の健康食品に含めて、上記哺乳類に与えることを包含している。
本発明のいずれかの実施形態の一態様において、投与する工程は、局所用の組成物として上記耐寒性キウィフルーツ調製物を投与することを包含している。
本発明のいずれかの実施形態の一態様において、投与する工程は、上記耐寒性キウィフルーツ調製物を飼料または飼料の成分に含めて上記哺乳類に与えることを包含している。
本発明のいずれかの実施形態の一態様において、耐寒性キウィフルーツ調製物は、ステロイドとともに同じ組成物に調合されている。
本発明のいずれかの実施形態の一態様において、耐寒性キウィフルーツ調製物は、ステロイドとは別個の組成物として調合されるが、ステロイドと同時に投与される。
本発明のいずれかの実施形態の一態様において、耐寒性キウィフルーツ調製物およびステロイドの投与期間に続いて、哺乳類が、ステロイドをともなわずに耐寒性キウィフルーツ調製物の投与を受ける。例えば、耐寒性キウィフルーツ調製物単独の投与に先立つ、耐寒性キウィフルーツ調製物およびステロイドの、哺乳類に対する投与期間は、1日間〜数年間までの任意の時間の区切りであり得る。耐寒性キウィフルーツ調製物単独の、哺乳類に対する投与の期間は、1日間〜数年間までの任意の時間の区切りであり得る。
本発明のさらに他の実施形態は、哺乳類における免疫応答を調節するためか、または哺乳類における炎症の症状の少なくとも1つを軽減するための組成物に関する。当該組成物は、少なくとも1つの耐寒性キウィフルーツ調製物および少なくとも1つのステロイドを含んでいる。一態様において、組成物は、薬学的組成物、健康食品、食品の成分、動物の飼料および美容組成物から選択される。
この実施形態の一態様において、耐寒性キウィフルーツは、アクチニディア アルグタ、アクチニディア コロミクタおよびアクチニディア ポリガマから選択される。
この実施形態の一態様において、耐寒性キウィフルーツ調製物は、耐寒性のキウィフルーツの抽出物である。一態様において、耐寒性キウィフルーツ調製物は、蒸留水における抽出、または非極性溶媒における抽出によって生成される。一態様において、耐寒性キウィフルーツ調製物は、水性抽出物のクロマトグラフィー精製によって生成される。一態様において、クロマトグラフィー精製は、逆相クロマトグラフィー溶媒の使用を含んでいる。一態様において、クロマトグラフィー精製は、順相クロマトグラフィー溶媒の使用を含んでいる。
この実施形態の一態様において、ステロイドは、天然に生じるステロイドを包含している。一態様において、ステロイドは、合成ステロイドを包含している。他の態様において、ステロイドは、動物性のステロイド、植物性のステロイドおよび真菌性のステロイドからなる群から選択される。一態様において、ステロイドはコルチコステロイドである。
この実施形態の一態様において、組成物は、経口投与用として調合されている。一態様において、組成物は、局所投与用として調合されている。
本発明の他の実施形態は、上述の組成物および本明細書に記載の他の組成物を含んでいる動物の飼料製品に関する。これらの組成物は、耐寒性キウィフルーツ調製物およびステロイドを含んでいる。一態様において、動物の飼料製品は、ペットフード、家畜用飼料、ペットトリート(pet treat)、ペットチュー(pet chew)および栄養補助食品から選択される。
〔図面の簡単な説明〕
図1は、大量のPG102T(この凍結されたか、または乾燥されたキウィフルーツの濃縮物はまた、FD001と呼ばれる(FGは食品等級の基材を指す))を生成するために使用されるプロセスの概略図である。
図1は、大量のPG102T(この凍結されたか、または乾燥されたキウィフルーツの濃縮物はまた、FD001と呼ばれる(FGは食品等級の基材を指す))を生成するために使用されるプロセスの概略図である。
図2は、インビトロにおいて3日間にわたってばくろした後のOVA刺激マウスの膵細胞によるサイトカイン(IL−4、IL−5、IL−10、IL−13およびIFNγ)の産生の相対度に対する、FD001の3つの投与量(0.25、1.0および10mg/mL)の影響を示している。サイトカインのレベルは、ELISAによって測定された。各点は、10個体のマウスからのデータの平均値を表している。
図3は、インビトロにおいて3日間にわたってばくろした後のOVA刺激マウスの膵細胞によるサイトカイン(IL−4、IL−5、IL−10、IL−13およびIFNγ)の産生の相対度に対する、FD01(PG102T)の酢酸エチル(EtOAc)抽出物の3つの投与量(0.25、1.0および10mg/mL)の影響を示している。サイトカインのレベルは、ELISAによって測定された。各点は、10個体のマウスからのデータの平均値を表している。
図4は、インビトロにおいて3日間にわたってばくろした後のOVA刺激マウスの膵細胞によるサイトカイン(IL−4、IL−5、IL−10、IL−13およびIFNγ)の産生の相対度に対する、A.アルグタの果汁の濃縮物の3つの投与量(0.25、1.0および10mg/mL)の影響を示している。サイトカインのレベルは、ELISAによって測定された。各点は、10個体のマウスからのデータの平均値を表している。
図5Aおよび5Bは、インビトロにおいて3日間にわたってばくろした後のOVA刺激マウスの膵細胞によるIL−13およびIFNγの産生の相対度に対する、公知の免疫抑制剤化合物の3つの投与量の活性を示している。シクロスポリンは、0.0083、0.083および4.15μMにおいて試験され、デキサメタゾンは0.01、0.1および1μMにおいて試験された(図5A)。各点は、10個体のマウスの膵細胞からのデータの平均値を示している。ケルセチンは、1.0、10および25μMにおいて試験され、各点は2個体のマウスの膵細胞からのデータの平均値を表している(図5B)。サイトカインレベルは、ELISAによって測定された。
図6Aおよび6Bは、インビトロにおいて3日間にわたってばくろした後のOVA刺激マウスの膵細胞によるIL−13(図6A)およびIFNγ(図6B)の産生の相対度に対する、FD001、FD001の酢酸エチル(EtOAc)の抽出物およびこのプロセスから得られる水性の残余物の3つの投与量(0.25、1.0および10mg/mL)の影響を示している。サイトカインのレベルは、ELISAによって測定された。各点は、8個体のマウスからのデータの平均値を表している。
図7Aおよび7Bは、インビトロにおいて3日間にわたってばくろした後のOVA刺激マウスの膵細胞によるIL−13(図7A)およびIFNγ(図7B)の産生の相対度に対する、FD001およびFD001の粉末の形態(カプセル剤に使用するために調製された)の3つの投与量(0.25、1.0および10mg/mL)の影響を示している。サイトカインのレベルは、ELISAによって測定された。各点は、8個体のマウスからのデータの平均値を表している。
図8Aおよび8Bは、インビトロにおいて3日間にわたってばくろした後のOVA刺激マウスの膵細胞によるIL−13(図8A)およびIFNγ(図8B)の産生の相対度に対する、A.アルグタの種々の調製物の影響を示している。FD001、果汁の濃縮物、未乾燥の果実を水煮することによって調製された抽出物、および室温にいて果実を水抽出した抽出物のそれぞれは、3つの投与量に関して試験された。サイトカインのレベルは、ELISAによって測定された。各点は、8個体のマウスからのデータの平均値を表している。
図9Aおよび9Bは、インビトロにおいて3日間にわたってばくろした後のOVA刺激マウスの膵細胞によるIL−13(図9A)およびIFNγ(図9B)の産生の相対度に対する、A.アルグタの植物体の種々の部位の調製物の影響を示している。FD001、果汁の濃縮物、H2Oにおいて外皮、根もしくは茎を煮沸することによって調製された個々の抽出物およびFD001のそれぞれは、3つの投与量に関して試験された。サイトカインのレベルは、ELISAによって測定された。各点は、8個体のマウスからのデータの平均値を表している。
図10A〜10Cは、ヒトの臨床試験の1日目〜14日目の間に生じた分布の推移を強調表示している。当該臨床試験において、被験者は、アトピー性皮膚炎(AD)に関する医師による全体的な評価(PGA)によって評価されるときに、ADのための処置に正に応答した(採点の基準は図10Cに示されている)。被験者は、プラシーボまたは600mgのFD001(PG102T)を毎日、投与され(図10Aおよび10Bのそれぞれ)、同時に局所に対するステロイド処置を用いた。
図11は、インビトロにおいて3日間にわたってばくろした後のOVA刺激マウスの膵細胞によるIL−13(図9A)およびIFNγ(図9B)の産生の相対度に対する、C−18逆相媒体から得られた、濃縮された種々のクロマトグラフィー画分(区切りF1、F2、F3およびF6)の影響を示している。
〔本発明の詳細な説明〕
本発明は、耐寒性キウィフルーツ調製物(後ほど定義づけられる)およびステロイドの組合せが、驚くほどの相乗作用を与えて、アトピー性皮膚炎の症状を大きく緩和し得るという本発明の発見に関する。さらに、ステロイドの使用が中止された後に、アトピー性皮膚炎の症状の緩和がステロイドなしで維持され得、したがってキウィフルーツ調製物は、組合せ療法に続く単独療法として機能したことを観察した。これらの結果は、アトピー性皮膚炎にかかっているイヌ科の動物において観察され、理論に縛られずに、アトピー性皮膚炎および他の炎症媒介性の障害もしくは疾患、特にアトピー性(アレルギー性)の障害もしくは疾患にかかっている他の哺乳類の患者(例えば、ヒト)に拡張可能であると考えられる。
本発明は、耐寒性キウィフルーツ調製物(後ほど定義づけられる)およびステロイドの組合せが、驚くほどの相乗作用を与えて、アトピー性皮膚炎の症状を大きく緩和し得るという本発明の発見に関する。さらに、ステロイドの使用が中止された後に、アトピー性皮膚炎の症状の緩和がステロイドなしで維持され得、したがってキウィフルーツ調製物は、組合せ療法に続く単独療法として機能したことを観察した。これらの結果は、アトピー性皮膚炎にかかっているイヌ科の動物において観察され、理論に縛られずに、アトピー性皮膚炎および他の炎症媒介性の障害もしくは疾患、特にアトピー性(アレルギー性)の障害もしくは疾患にかかっている他の哺乳類の患者(例えば、ヒト)に拡張可能であると考えられる。
さらに、本発明は、中程度のアトピー性皮膚炎にかかっている成人のヒト患者に対する、本明細書に記載のA.アルグタの水溶性抽出物の粉末形態の投与が、臨床徴候の医師による全体的な等級を有為に低下させたことを示している。意外にも、患者自身によって評価された特定の臨床症状(発赤)において有為な低下が達せられ、ステロイドを使用したが、耐寒性キウィフルーツの抽出物を受けなかった患者と比べて、局所的にステロイドを同時に使用したこれらの患者における他の臨床症状において、重篤度の低下傾向が認められた。この改善は、患者の生活の質を向上させた。
同時に、これらの結果は、ステロイドに基づく療法と、本明細書に記載の耐寒性キウィフルーツとの調製物の組合せが、耐寒性キウィフルーツまたはステロイド療法のいずれかを使用した場合と比べて、アトピー性疾患の処置において高い有効性を提供することを示している。本発明者らのデータは、耐寒性キウィフルーツ調製物が、アトピー性疾患または他免疫調節不全と関連するの疾患を処置するための、他の治療剤を用いた補助的療法として使用され得ること、ならびにキウィフルーツ調製物が、ステロイドの使用中止後に単独療法として使用され得ることを示している。本発明のこのような組合せの組成物および組合せの逐次投与手順は、特にアトピー性の障害を有している患者および炎症媒介性の障害を有している患者において、他の薬理療法および栄養療法の有効性を向上させるために使用され得る。そして、重要なことに、組合せの組成物および組合せの逐次投与手順は、重大な副作用を有し得る従来の療法(例えば、ステロイド)のみに患者が頼る必要性を少なくさせ得る。実際に、ステロイドを使用する量、期間の長さ、および/または頻度を減少させる能力と同時に、アトピー性障害の(複数の)症状における改善の維持または増大は、そのような障害を有している任意の患者にとって大きな利益をもたらす。
したがって、一実施形態において、本発明は、同時使用のための単一の組成物、または同時使用もしくは逐次使用のための独立した組成物(1つの組成物の逐次使用は他の組成物と同時であり得る)として、ともに提供されるキウィフルーツ調製物とステロイドとの組合せ、または逐次使用の後または前における併用に関する。組成物としては、薬学的組成物;栄養補助組成物;健康食品製品、健康食品もしくは健康飲料(治療食が挙げられる)、または食品成分(ヒトおよび動物(家庭内のペット)の食品成分が挙げられる)として有用な組成物、またはこれらとともに有用な組成物;または美容組成物が挙げられ得るが、これらに限定されない。組成物のさらなる詳細について、後述されている。
本発明は、免疫調節活性を有するキウィフルーツの組成物を提供するための、マタタビ科の任意の種、および特にアクチニディア属の任意の種(A.チネンシス(chinesis)もしくはA.デリシオサ(deliciosa)として知られる通常のキウィ、およびA.アルグタ、A.ポリガマもしくはA.コロミクタとして知られる耐寒性のキウィ)の使用を包含する。好ましくは、キウィは耐寒性キウィフルーツである。用語“キウィフルーツ”は、アクチニディア属の任意の種を一般的に指すために使用され得、上述のような耐寒性キウィフルーツのメンバーおよび上述のような通常のキウィフルーツを包含する。
マタタビ科に属している種として、30種以上が報告されている。なかでも、A.チネンシスまたはA.デリシオサは、“キウィ”と呼ばれており、よく知られている食用の果実である。本明細書において“通常のキウィ”または“通常のキウィフルーツ”という言及は、A.チネンシスまたはA.デリシオサを指すことが意図される。本発明によれば、“耐寒性キウィフルーツ”または“耐寒性のキウィ”との言及は、A.アルグタ、A.ポリガマおよびA.コロミクタ、またはA.アルグタ、A.ポリガマおよびA.コロミクタの生物活性を有している、これらと関連するマタタビ科の他の種のうちのいずれかを指す。マタタビ科の他の種は、米国特許出願公開第2004/0037909号、国際公開第2006/093793号、または特にフルーツまたはそれらの調製物の抗アレルギー特性および免疫応答/サイトカイン/ロイコトリエン−調節特性に関して、本明細書に記載されている。“キウィフルーツ”または“キウィフルーツ調製物”に対する通常の言及は、アクチニディア(通常および耐寒性キウィフルーツが挙げられる)の任意の種を指すことを意図される。
マタタビ科に属しているアクチニディア アルグタ、アクチニディア ポリガマおよびアクチニディア コロミクタは、シベリア、中国の北部、日本、北朝鮮および韓国に天然に分布している。A.アルグタおよび他の同属種(例えば、A.ポリガマおよびA.コロミクタ)は、肝疾患、胃腸疾患、および泌尿器結石を処置するための“ミフド(mihudo)”と呼ばれる毒性のない内漢方薬の材料として使用されている(Seoul National University Natural Products Science, Tradi-Medi Data Base, dongbang media Co. Ltd. 1999)。上述のように、米国特許出願公開第2004/0037909号には、アクチニディアの耐寒性キウィフルーツ種の種々の抽出物を用いたアレルギー疾患および非アレルギー性の炎症性疾患の処置および予防について開示されている。
しかし、本発明者らの研究以前には、哺乳類の免疫系の調節不全と関連付けられるアトピー性疾患または他の障害に対する確立された処置(例えば、ステロイド療法)の有効性に対する、耐寒性キウィフルーツ組成物の影響について何ら報告がなかった。本発明者らは、キウィフルーツ調製物およびステロイドの組合せが、アトピー性皮膚炎といった炎症性の障害の処置において付加的な効果、特に相乗効果を提供することの認識が重要であると考えている。さらに、本発明者らは、ステロイドとの組合せの使用後における、キウィフルーツ組成物単独の(単独療法としての)使用がアトピー性皮膚炎といったアトピー性または炎症性の障害の処置にとって有効な単独療法であり得ることの発見が重要であると考えている。この驚くべき発見が本発明の基礎を成している。
(本発明の調製物、調合物、活性成分および組成物)
本発明の目的は、キウィフルーツ調製物および1つ以上のステロイド(ステロイドに基づく化合物または組成物が挙げられる)を含んでいるか、それらから実質的になるか、またはそれらからなる組成物を提供することである。代替可能に、キウィフルーツ調製物は、ステロイド(ステロイドに基づく化合物または組成物(後述する)が挙げられる)を含んでいるか、それらから実質的になるか、またはそれらからなる第2の組成物とともにか、またはそれに続いて使用される。好ましくは、ステロイドおよび耐寒性キウィフルーツ組成物が、同じ組成物において使用されるか、または同時に使用される。一実施形態において、組合せ使用の期間は、キウィフルーツを単独に用いた単独療法の期間の後または前であり得る。本発明の組成物は、薬学的組成物;栄養補助組成物;栄養免疫賦活剤もしくは栄養補助食品;食品添加物、食品成分もしくは飼料(任意のペットフードが挙げられる);健康食品(飲料または食品原料、および治療食が挙げられる);または美容組成物として提供され得る。
本発明の目的は、キウィフルーツ調製物および1つ以上のステロイド(ステロイドに基づく化合物または組成物が挙げられる)を含んでいるか、それらから実質的になるか、またはそれらからなる組成物を提供することである。代替可能に、キウィフルーツ調製物は、ステロイド(ステロイドに基づく化合物または組成物(後述する)が挙げられる)を含んでいるか、それらから実質的になるか、またはそれらからなる第2の組成物とともにか、またはそれに続いて使用される。好ましくは、ステロイドおよび耐寒性キウィフルーツ組成物が、同じ組成物において使用されるか、または同時に使用される。一実施形態において、組合せ使用の期間は、キウィフルーツを単独に用いた単独療法の期間の後または前であり得る。本発明の組成物は、薬学的組成物;栄養補助組成物;栄養免疫賦活剤もしくは栄養補助食品;食品添加物、食品成分もしくは飼料(任意のペットフードが挙げられる);健康食品(飲料または食品原料、および治療食が挙げられる);または美容組成物として提供され得る。
一態様において、組成物は、耐寒性キウィフルーツもしくは本明細書に記載の通常のキウィ(すなわち果実、果実の全体、茎、葉、外皮、もしくは根の任意の部分が挙げられ、任意の調製物、濃縮物もしくは抽出物(任意の粗製抽出物、水溶性の総抽出物または酢酸エチル抽出物が挙げられる))またはこれらの濃縮物(乾燥調製物、非抽出の加工済調製物、生の果実、果汁またはこれらの任意の抽出物、濃縮物もしくはクロマトグラフィー画分が挙げられる)の、ステロイド(ステロイドに基づく化合物または組成物が挙げられる)との混合物を含んでいるか、から実質的になるか、またはからなるか、または組成物(ステロイドに基づく化合物または組成物が挙げられる)と同時もしくは逐次に使用される組成物として提供される。
本発明の任意の組成物もしくは調製物、または本発明に使用される組成物もしくは調製物(本明細書に記載の抽出物が挙げられる)において、耐寒性キウィフルーツまたはアクチニディアの他の種の1つ以上の部分(果実(“液果”、または“キウィ液果”とも呼ばれる)、これらの葉、茎、外皮および根が挙げられるが、これらに限定されない)を使用し得る。
耐寒性キウィフルーツの水溶性の総抽出物および酢酸エチル抽出物を作製するために使用される抽出処理の1つが、米国特許出願公開第第2004/0037909号に記載されている。また、抽出、濃縮または処理の代替的な方法によって作製される耐寒性キウィフルーツ調製物は、免疫調節活性、および特に抗原(すなわちアレルゲン)に対するサイトカイン産生を抑制する能力を有している組成物をもたらす。そのような代替的な調製物としては、果汁濃縮物、未乾燥の果実の濃縮物、未乾燥の果実の煮沸した濃縮物およびクロマトグラフィー技術によって濃縮された調製物が挙げられるが、これらに限定されない。米国特許出願公開第第2004/0037909号に記載されているものに加えて、そのような調製物は、本発明において有用である。
耐寒性キウィフルーツの植物体の果実以外の部分の抽出物または調製物は、果実の水溶性抽出物または酢酸エチル抽出物と比べて、等価な免疫調節活性または優れた免疫調節活性を有している。例えば、耐寒性キウィフルーツの植物体の茎、根および外皮の抽出物は、アレルゲンに感作されたマウスに由来する抗原刺激脾細胞によるサイトカイン産生を抑制するために有効である。
本発明に使用される耐寒性キウィフルーツ調製物のいずれかにおいて、耐寒性キウィフルーツを乾燥させる処理工程は、耐寒性キウィフルーツの生物活性を増強させる重要な要素である。したがって、未抽出の乾燥させた耐寒性キウィフルーツ(例えば、耐寒性キウィフルーツの乾燥させた薄片)は、耐寒性キウィフルーツの抽出物に以前からある生物活性を有し得る。したがって、本発明は、乾燥させた耐寒性キウィフルーツの任意の形態(前もって乾燥させた耐寒性キウィフルーツのから作製された抽出物が挙げられる)の、本発明の方法のいずれか(哺乳類における免疫応答の調節、または炎症、特にアレルギー性の炎症と関連している疾患もしくは障害の少なくとも1つの症状の改善)において使用するための薬剤としての、または組成物を調製するための使用を包含している。
他の実施形態において、通常のキウィフルーツ(例えば、A.チネンシスまたはA.デリシオサ)の調製物は、本発明に有用である。当該調製物としては、本明細書に記載の耐寒性キウィフルーツに関して認識されている生物学的な特性の少なくともいくつかを有し得る果実の一部、果実の全体、茎、葉、外皮または根の任意の調製物(これらの任意の調製物もしくは抽出物(乾燥させた調製物、未抽出の加工済の調製物、未乾燥の果実、果汁が挙げられる)、またはこれらの任意の抽出物、濃縮物もしくは画分が挙げられる)が挙げられるがこれらに限定されない。
本明細書における抽出物に対する一般的な言及は、好適な溶媒を用いて所望の活性成分を取り出し、それから溶媒のいくらか、すべてまたはほぼすべてを蒸発させ、規定の基準に残余量または粉末を調整することによって典型的に得られる物質(例えば、耐寒性キウィフルーツ)の濃縮された調製物を指す。したがって、いくつかの実施形態において、本明細書に公開されるように、用語“抽出物”は、用語“濃縮物”と交換可能に使用され得る。いくつかの実施形態において、本明細書における粗製抽出物に対する言及は、水、低級アルコール(例えば、メタノールおよびエタノールなど)、好ましくは蒸留水または50〜90%のエタノール、より好ましくは70%エタノールを用いて、耐寒性キウィフルーツ調製物を抽出することによって得られる耐寒性キウィフルーツの抽出物を指す。それらから得られる非極性溶媒に可溶性の抽出物は、非極性溶媒(例えば、ヘキサン、酢酸エチルまたはジクロロメタンの溶媒)を用いて溶媒抽出物をさらに抽出することによって入手され得る。粗製抽出物の作製および評価のための特定の手法について、上述の米国特許出願公開第2004/0037909号に記載されており、そのような手法のすべては、参照によって本明細書に援用される。本発明に係る耐寒性キウィフルーツの好ましい生物活性を追跡するか、評価するかまたは確認する付加的な生物アッセイは、本明細書における実施例に説明されており、インビトロアッセイおよびインビボアッセイの両方が挙げられる。
本発明によれば、“FD001”に対する言及は、本明細書に記載の耐寒性キウィフルーツ(例えば、A.アルグタ)から、上述の米国特許出願公開第2004/0037909号に本質的に記載の通りに調製された(文献の実施例1を参照すればよい)水溶性の全抽出物(本明細書において濃縮物とも呼ばれ得る)を一般的に指す。しかし、FD001は、そのような抽出物の大規模生成物を指す(水溶性抽出物の処理工程は実質的に類似であるが、大規模生成に適合されている)。そのような水溶性の全抽出物は、A.アルグタから典型的に調製されるが、等価な水溶性の全抽出物が他の耐寒性キウィフルーツ(A.ポリガマおよびA.コロミクタが挙げられるが、これらに限定されない)から調製され得ることは当業者に明らかである。他の抽出物(酢酸エチル抽出物が挙げられる)が耐寒性キウィフルーツから調製され得る。酢酸エチル画分について、上述の米国特許出願公開第2004/0037909号に開示されており、当業者に公知の従来の方法を用いたクロロホルム(必要に応じて)、酢酸エチルおよびn−ブタノール用いる、上述の水溶性抽出物の連続的な溶媒分離によって生成され得る。
本発明のいくつかの実施形態において、抽出物もしくは濃縮物または他の調製物の処理または調製における工程として、特に果汁が乾燥される場合に、本発明の抽出物もしくは濃縮物または他の調製物は、アクチニディアの任意の種から生成され得る。したがって、耐寒性キウィフルーツまたは必要に応じて他のアクチニディアの種のそのような抽出物を含んでいる組成物を提供することが、本発明の目的である。組成物の他の添加物、材料および成分、ならびに本明細書に記載の投薬および投与の計画は、同様に本発明の目的に適用される。
本明細書に記載の任意の組成物の調製において、本明細書に記載の抽出物(上述のような抽出物または濃縮物が特に挙げられる)に加えて、本発明の範囲には、耐寒性キウィフルーツの果実の全体、または未抽出の加工済の果実調製物(未乾燥の果実、(乾燥または生の)みじん切りにした果実、(乾燥または生の)煮沸した果実、熱処理した果実、乾燥果実、圧搾した果実、凍結させた果実、濃縮した果実が挙げられるが、これらに限定されない)の使用が包含される。したがって、耐寒性キウィフルーツの果実の全体、または必ずしも抽出されていない同じ手法において加工(例えば、乾燥、煮沸など)され得る果実調製物を含んでいる組成物を提供することは、本発明の目的である。したがって、一実施形態において、本発明は、未抽出の耐寒性キウィフルーツおよび/または通常のキウィフルーツ調製物に関する。本明細書に記載のそのような組成物のいずれかは、本発明の任意の方法における使用のために意図される。組成物の他の添加物、材料および成分、ならびに本明細書に記載の投薬および投与の計画は、同様に本発明の目的に適用される。
さらに、本明細書に記載の任意の組成物の調製において、本明細書に記載の抽出物に加えて、本発明には、耐寒性キウィフルーツの任意の部分から任意の好適な処理によって生成される耐寒性キウィフルーツまたは通常のキウィフルーツの果汁の使用が含まれる。果汁は、果実から直接的に生成されて(すなわち希釈または濃縮されずに)使用され得るか、果汁は希釈され得るか、または果汁濃縮物を生成するために濃縮され得る。そのような濃縮は、溶出溶媒の使用には関連し得ない。例えば、実施例に記載のように、未乾燥のキウィフルーツは、従来のジューサーにかけられ得る。ジューサーは、果実から外被を取り除いて、種子、果肉および果汁の混合物を生じ得る。それから、この混合物は、(例えば、遠心分離または圧搾によって)処理されて、固体から果汁を取り出し得る。そして必要に応じて、この果汁が(例えば、蒸発、蒸留、限外ろ過などによって)濃縮されて、濃縮された果汁(すなわち果汁濃縮物)を提供する。そのような組成物は、本発明の任意の方法における使用のために意図される。組成物の他の添加物、材料および成分、ならびに本明細書に記載の投薬および投与の計画は、同様に本発明の目的に適用される。
本明細書に記載の任意の組成物において、米国特許出願公開第2004/0037909号に記載の抽出物に対する代替物として、本発明には、耐寒性キウィフルーツを処理した他の生成物(果実(乾燥果実が挙げられる)の室温における水抽出物;室温より低い温度の水において実施された耐寒性キウィフルーツの水抽出物;根、葉、茎もしくは外皮の水抽出物もしくは他の抽出物;または抽出前に乾燥されていない(すなわち未抽出の未乾燥の果実)果実、葉、茎、外被のいずれかの水抽出物もしくは濃縮物または他の抽出物が挙げられるが、これらに限定されない)の使用が包含される。耐寒性キウィフルーツは、0℃〜80℃の範囲の任意の水温(室温およびそれより低い温度(例えば、約0℃〜約25℃))において抽出され得る。
本発明によれば、“乾燥した耐寒性キウィフルーツ”または“乾燥したキウィフルーツ”という一般的な記載は、任意の処理によって乾燥されている耐寒性キウィフルーツまたは他のキウィフルーツ(例えば、通常のキウィ)の任意の形態を包含している。したがって、乾燥したキウィフルーツは、キウィフルーツの乾燥した任意の部分(果実、葉、根など)を包含しており、乾燥した果実の全体、乾燥した果実の薄片、みじん切りにした乾燥した果実、および乾燥し、濃縮された果実、ならびに抽出されている物質が抽出前にまず乾燥されているキウィフルーツの任意の抽出物を包含している。抽出物自身は、乾燥されるか、またはさらに処理される必要はないが、一般的に、組成物への調合および保存のためには抽出物にとって最も好ましい形態である。さらなる使用のために抽出物をさらに濃縮する好ましい方法としては、蒸発、蒸留、限外ろ過、逆相浸透、沈降、固相への吸着および固相からの溶出、クロマトグラフィー精製、ならびに他の溶媒への抽出が挙げられるが、これらに限定されない。さらなる使用のために溶出物または濃縮物を乾燥させる好ましい方法としては、乾燥免疫賦活剤または賦形剤(例えば、マルトデキストリン、微小結晶セルロースおよびスターチ)を用いるか、または用いないトレイ乾燥、噴霧乾燥、および凍結乾燥が挙げられるが、これらに限定されない。一実施形態において、本発明の使用にとって好ましい乾燥したキウィフルーツは、後に抽出されない乾燥したキウィフルーツ調製物(抽出されることなく本発明の組成物または方法に使用されるキウィフルーツ)である。一態様において、耐寒性キウィフルーツは、室温〜80℃において風乾されるか、−170℃〜室温において真空乾燥される。
したがって、本明細書に記載の組成物および方法は、任意の耐寒性キウィフルーツ(または通常のキウィフルーツ)の使用(耐寒性キウィフルーツ(または通常のキウィフルーツ)の果実の任意の部分、茎、葉、外皮、根もしくは他の部分、これらの任意の抽出物、濃縮物もしくは画分、果実の全体もしくは未抽出の加工済の果実、果汁の任意の形態、またはこれらの任意の抽出物、濃縮物もしくは画分、ならびに耐寒性キウィフルーツ(または通常のキウィフルーツ)の植物体の一部(植物体の一部としては、果実、茎、葉、外皮および/または根が挙げられる)および乾燥工程を含む処理を用いて調製されている植物体の一部の使用が挙げられる)に適用される。
本発明によれば、本発明の組成物における活性成分に相当する1つ以上のステロイド(ステロイドに基づく化合物または組成物が挙げられる)を含んでいる組成物が提供される。用語“ステロイド”は、本明細書に記載されているか、および/または当該分野において公知の多くの任意のステロイド、またはステロイドに基づく化合物もしくは組成物を一般的に指す。そのようなステロイド組成物は、上述の耐寒性キウィフルーツまたは通常のキウィフルーツ調製物を含んでいるような同じ組成物であり得るか、耐寒性キウィフルーツまたは通常のキウィフルーツ調製物と同時にか、および/またはその後に使用することを意図されている別の組成物であり得る。
本発明によれば、ステロイドは、4つの縮合環を有する炭素骨格によって特徴付けられている液体のテルペノイドと定義づけされる。異なるステロイドは、これらの環に結合されている官能基が異なっている。数百の異なるステロイドが植物、動物および真菌において同定されている。ステロイドは、ステロールラノステロール(動物または真菌)またはステロールシクロアルテノール(植物)のいずれかから誘導される。2つのステロールは、トリテルペンスクアレンの環化によって誘導される。ステロイドとしては、任意の天然に存在するステロイドまたは合成ステロイド(動物ステロイド、植物ステロイドおよび真菌ステロイド、ならびにこれらの官能基の誘導体が挙げられる)が挙げられるが、これらに限定されない。動物ステロイドとしては、昆虫ステロイド(例えばエクジステロンといったエクジステロイド)、および脊椎動物のステロイドが挙げられるが、これらに限定されない。脊椎動物のステロイドとしては、性ステロイド(例えば、アンドロゲン、エストロゲン、黄体ホルモン)、コルチコステロイド(例えば、グルココルチコイドおよびミネラロコルチコイド)、および同化ステロイドが挙げられるが、これらに限定されない。植物ステロイドとしては、フィトステロールおよびバルシノステロイド(barssinosteroids)が挙げられるが、これらに限定されない。真菌のステロイドとしては、エルゴステロンが挙げられるが、これに限定されない。本発明の好ましい実施形態において、本発明の組成物において有用なステロイドは、抗炎症性活性を有している任意のステロイドである。
コルチコステロイドは、本発明における使用にとって特に好ましいステロイドである。本発明における使用にとって好ましいいくつかのステロイドおよびそれらの誘導体としては、アムシノニド、ベータメタゾン、ベータメタゾンジプロピオネート、ベータメタゾンバレレート、ブデソニド、クロベタゾール、クロベタゾールアセテート、クロベタゾールブチレート、クロベタゾール 17−プロピオネート、コルチゾン、デフラザコルト、デソキシメタゾン、ジフルコルトロンバレレート、デキサメタゾン、リン酸デキサメタゾンナトリウム、デソニド、フロエート、フルオシノニド、フルオシノロンアセトニド、ハルシノニド、ヒドロコルチゾン、ヒドロコルチゾンブチレート、コハク酸ヒドロコルチゾンナトリウム、ヒドロコルチゾンバレレート、メチルプレドニゾロン、モメタゾン、プレドニカルベート、プレドニゾロン、トリアムシノロン、トリアムシノロンアセトニド、およびハロベタゾールプロピオネートが挙げられるが、これらに限定されない。
当業者は、哺乳類、特にヒト、コンパニオンアニマルまたは食用の家畜に使用される任意のステロイドが本発明に好適であり得ることを正しく理解する。
ステロイドは、任意の種類の投与(最もしばしば経口投与または局所投与)のために調合され得る。ステロイド、およびステロイドに基づく化合物もしくは組成物は、天然および/または合成的に、誘導体化され得るか、入手され得るか、または生成され得る。
本明細書に記載の任意の化合物、調製物もしくは薬剤(本発明における使用のための耐寒性キウィフルーツ調製物またはステロイドが挙げられる)の生物活性または生物学的作用は、当該化合物、調製物または薬剤によって示されるか、または果たされる任意の(複数の)機能を指し、当該機能は、インビボ(すなわち、当該化合物、調製物または薬剤が使用される天然の生理学的環境)またはインビトロ(すなわち、実験条件)において測定されるか、または観察されるように、当該化合物、調製物または薬剤の天然に生じる形態に起因する。例えば化合物、調製物もしくは薬剤の処理、調製もしくは精製の変更による、化合物、調製物もしくは薬剤の修飾は、天然に生じる化合物、調製物もしくは薬剤と同じ生物活性を有している化合物、調製物もしくは薬剤、または天然に生じる化合物、調製物もしくは薬剤と比べて低下した生物活性もしくは増加した生物活性を有している化合物、調製物もしくは薬剤を生じさせ得る。
上述のように、キウィフルーツ調製物、好ましくは耐寒性キウィフルーツ調製物は、患者(すなわち哺乳類)におけるTh1免疫応答およびTh2免疫応答を選択的に調節するための使用に関して、本発明の活性成分の1つである。そのような組成物は、以下の(a)〜(n)の活性の少なくとも1つから選択される生物活性を有している。(a)患者におけるIgE産生B細胞の数を低下させる活性;(b)患者において(例えば、血清または血漿において)産生されるIgE量を低下させる活性;(c)少なくとも1つのTh2サイトカイン(例えば、IL−4、IL−5、IL−10)の産生および/または濃度を低下させる活性;(d)少なくとも1つのTh1サイトカイン(例えば、IL−12、IFNγ)の濃度を低下させる活性;(e)転写調節因子GATA−3の発現レベルを低下させる活性;(f)転写調節因子T−betの発現レベルを低下させる活性;(g)転写調節因子NFATc2の発現レベルを低下させる活性;(h)患者におけるIgG2a産生B細胞の数を増加させる活性;(i)患者において産生されるIgG2aの量を増加させる活性;(j)特に炎症部位において、Th1 Tリンパ球(例えば、CD4+、IFNγ+)の産生または活性を増強させる活性;(k)特に炎症部位において、Th2 Tリンパ球(例えば、CD4+、IL−4+)の産生または活性を低下させる活性;(l)患者におけるIgG1産生B細胞の数を低下させる活性;(m)患者において産生されるIgG1の量を低下させる活性;(n)患者における少なくとも1つのロイコトリエンの産生量を低下させる活性。
本発明の組成物または組成物の組合せの生物活性は、哺乳類における免疫応答の調節、詳細には哺乳類におけるTh2免疫応答および/またはTh1免疫応答の調節、より詳細には哺乳類におけるTh1応答の増強および/またはTh2応答の抑制を含み得る。本発明の組成物または組成物の組合せに使用される活性成分は、種々の障害および疾患の少なくとも1つの症状の処置、予防、改善および/または軽減に有用である。当該障害および疾患としては、アレルギー性疾患、非アレルギー性の炎症性疾患、ウイルス感染およびがんが挙げられるが、これらに限定されない。このような症状、疾患および障害について、以下に詳述する。
本発明によれば、栄養学的(栄養補助的)な用途(すなわち栄養学的組成物)としては、個体の健康または生物の成長過程を維持、安定化、促進、増強または改善する栄養物および栄養学的薬剤の補給に関する本発明の任意の用途が挙げられる。治療用途(すなわち治療組成物または薬学的組成物)としては、個体の健康な状態から逸脱している疾患または障害の予防、処置、管理、治療、軽減または治癒に関する本発明の任意の用途が挙げられる。そして、治療用途は薬学的用途と交換可能に使用され得る。本発明の他の用途としては、例えば、本質的に治療的/薬学的、または栄養学的であると見做され得るか、見做され得ない美容用途が挙げられる。
したがって、本発明の1つの目的は、本明細書に記載の(複数の)耐寒性キウィフルーツ調製物を含んでおり、1つ以上のステロイド(ステロイドに基づく化合物または組成物が挙げられる)とともに調合されているか、および/または1つ以上のステロイドを用いて逐次的に与えられる、栄養学的組成物、治療組成物(もしくは薬学的組成物)、または美容組成物を提供することである。そのような組成物は、哺乳類における免疫応答を調節するために、詳細には哺乳類におけるTh2免疫応答および/またはTh1免疫応答を調節するために、より詳細には哺乳類におけるTh1応答を増強させるためにか、および/または哺乳類におけるTh2を抑制するために使用され得る。また、そのような組成物は、種々の障害および疾患(アレルギー性疾患、非アレルギー性の炎症性疾患、ウイルス感染およびがん)の少なくとも1つの症状の処置、予防、改善および/または軽減に有用である。
本発明の他の目的は、本明細書に記載の(複数の)耐寒性キウィフルーツ調製物を含んでおり、1つ以上のステロイド(ステロイドに基づく化合物または組成物が挙げられる)とともに調合されているか、および/または1つ以上のステロイドを用いて逐次的に与えられる、健康食品または食品成分(また、食品添加物と記載される場合もある)を提供することである。そのような健康食品または食品成分は、哺乳類における免疫応答を調節するために、詳細には哺乳類におけるTh2免疫応答および/またはTh1免疫応答を調節するために、より詳細には哺乳類におけるTh1応答を増強させるためにか、および/または哺乳類におけるTh2を抑制するために使用され得る。また、そのような健康食品または食品成分は、種々の障害および疾患(アレルギー性疾患、非アレルギー性の炎症性疾患、ウイルス感染およびがん)の少なくとも1つの症状の処置、予防、改善および/または軽減に有用である。
本発明の他の目的は、本明細書に記載の(複数の)耐寒性キウィフルーツ調製物を含んでおり、1つ以上のステロイド(ステロイドに基づく化合物または組成物が挙げられる)とともに調合されているか、および/または1つ以上のステロイドを用いて逐次的に与えられる、治療食を提供することである。そのような治療食は、哺乳類における免疫応答を調節するために、詳細には哺乳類におけるTh2免疫応答および/またはTh1免疫応答を調節するために、より詳細には哺乳類におけるTh1応答を増強させるためにか、および/または哺乳類におけるTh2を抑制するために使用され得る。また、そのような治療食は、種々の障害および疾患(アレルギー性疾患、非アレルギー性の炎症性疾患、ウイルス感染およびがん)の少なくとも1つの症状の処置、予防、改善および/または軽減に有用である。本発明およびFDAによれば、治療食は、医師の管理下において消費されるか、または投与されるために、明確な栄養要求が立証されている疾患の特定の食餌管理が意図されて、調合されている食品である。したがって、本明細書において使用されるとき、用語“治療食”および“健康食品”は、ある状況において交換可能に使用され得る。特に、治療食は、健康食品の分類の一部であり、ここで、治療食は、上述のように、医師の管理下において消費されるか、または投与されるために、明確な栄養要求が立証されている疾患の特定の食餌管理が意図されて、調合されている。
本発明のさらに他の目的は、本明細書に記載の(複数の)耐寒性キウィフルーツ調製物を含んでおり、1つ以上のステロイド(ステロイドに基づく化合物または組成物が挙げられる)とともに調合されているか、および/または1つ以上のステロイドを用いて逐次的に与えられる、動物の飼料または飼料の成分(また、飼料または食品添加物と記載される場合もある)を提供することである。そのような動物の飼料または飼料の成分は、哺乳類における免疫応答を調節するために、詳細には哺乳類におけるTh2免疫応答および/またはTh1免疫応答を調節するために、より詳細には哺乳類におけるTh1応答を増強させるためにか、および/または哺乳類におけるTh2を抑制するために使用され得る。また、そのような動物の飼料または飼料の成分は、種々の障害および疾患(アレルギー性疾患、非アレルギー性の炎症性疾患、ウイルス感染およびがん)の少なくとも1つの症状の処置、予防、改善および/または軽減に有用である。
本発明のさらなる他の目的は、本明細書に記載の(複数の)耐寒性キウィフルーツ調製物を含んでおり、1つ以上のステロイド(ステロイドに基づく化合物または組成物が挙げられる)とともに調合されているか、および/または1つ以上のステロイドを用いて逐次的に与えられる、局所的な組成物または美容組成物を提供することである。そのような局所的な組成物または美容組成物は、哺乳類における免疫応答を調節するために、詳細には哺乳類におけるTh2免疫応答および/またはTh1免疫応答を調節するために、より詳細には哺乳類におけるTh1応答を増強させるためにか、および/または哺乳類におけるTh2を抑制するために使用され得る。また、そのような局所的な組成物または美容組成物は、種々の障害および疾患(アレルギー性疾患、非アレルギー性の炎症性疾患、ウイルス感染およびがん)の少なくとも1つの症状の処置、予防、改善および/または軽減に有用である。
本明細書に記載の任意の組成物、成分、添加物または薬剤は、少なくとも1つの従来の担体、免疫賦活剤または希釈剤を付加的に含み得る。例えば、本発明に係る組成物は、薬学的に受容可能な担体、免疫賦活剤または希釈剤を含み得る。調合物は、充填剤、抗凝固剤、潤滑剤、湿潤剤、香料添加剤、乳化剤および保存剤などを付加的に含み得る。本発明の組成物は、患者に投与された後に、(複数の)活性成分の迅速な放出、徐放または遅延した放出を提供するように調合され得る。
例えば、本発明の組成物は、注入剤を製造するために一般的に使用される油、プロピレングリコールまたは他の溶媒に溶解され得る。担体の好適な例としては、生理食塩水、ポリエチレングリコール、エタノール、植物油、ミリスチン酸イソプロピルなどが挙げられるが、これらの担体に限定されない。局所投与のために、本発明の化合物は、軟膏またはクリーム剤の形態に調合され得る。
典型的に、免疫賦活剤は、特異的な抗原に対する動物の免疫応答を一般的に増強する物質である。好適な免疫賦活剤としては、フロインドアジュバント;他の細菌の細胞壁成分;アルミニウム塩;カルシウム塩;シリカ;ポリヌクレオチド;変性毒素;血清タンパク質;ウイルス被覆タンパク質;他の最近由来調製物;γインターフェロン;ブロック共重合体の免疫賦活剤(例えば、Hunter’s Titermaxアジュバント(CytRx(登録商標)、inc. Norcross, GAから入手可能));Ribiアジュバント(Ribi ImmunoChem Research, Inc、Hamilton、MT);ならびにサポニンおよびそれらの誘導体(例えば、Quil A(Sugerfos Biosector A/S、デンマークから入手可能))が挙げられる。
典型的に、担体は、動物における治療組成物の半減期を延ばす化合物である。好適な担体としては、重合制御された放出調合物、生分解性のインプラント、リポソーム、油、エステル、およびグリコールが挙げられるが、これらに限定されない。
本発明の好適な賦形剤としては、薬剤または化合物を輸送するか、またはその輸送を助けるが、動物における細胞、組織または部位を特に標的としない賦形剤または調合物(また、非標的化担体とも呼ばれる)が挙げられる。その多くが希釈剤でもある薬学的に受容可能な賦形剤の例としては、水、リン酸緩衝化食塩水、リンガー溶液、デキストロース溶液、血清含有溶液、ハンクス溶液、生理学的に緩衝化された他の水性の溶液、油、エステルおよびグリコールが挙げられるが、これらに限定されない。水性の担体は、例えば化学的な安定性および等張性を向上させることによって、受容物の生理学的条件に近づけるために要求される好適な補助物質を含有し得る。本発明の組成物は、従来の方法によって滅菌され得るか、および/または凍結乾燥され得る。
本発明の組成物または調合物は、薬学的な用途、または栄養補助的(nutraceutical)/栄養学的/栄養補助的(supplement)用途における使用にとって好適な任意の形態に調製され得る。当該形態は、例えば、経口投与形態(発泡性の錠剤、発泡性の粉剤、粉剤、錠剤、カプセル剤、軟カプセル剤、水性の薬剤、シロップ剤、エリキシル丸剤、粉剤、サチェット(sachet)、顆粒剤)、局所調製物(クリーム剤、軟膏、ローション剤、ゲル剤、香膏(balm)、膏薬、ペースト剤、噴霧溶液剤およびエアロゾルなど)、または注入用調製物(溶液剤、懸濁剤、乳剤)である。薬学的組成物、および栄養補助的(nutraceutical)/栄養学的/栄養補助的(supplement)組成物は、任意の動物(ヒト、コンパニオンアニマル/家畜(例えば、イヌ、ネコ)、食用の家畜および他の動物が挙げられるが、これらに限定されない)に対する使用のために調合され得る。
また、一実施形態において、本発明の組成物は、耐寒性キウィフルーツ調製物および/またはステロイド(本発明のステロイドに基づく組成物が挙げられる)を含んでいる健康食品(治療食が挙げられる)として、提供され得る。健康食品は、食品、粉末、顆粒、錠剤、チューイングタブレット(chewing tablet)、カプセルまたは飲料などとして提供され得る。また、小児用の食品または乳児食は、本発明の組成物に包含され、例えば、調整された粉ミルク、乳児用の調合物、および調整された乳児食もしくは小児用の食品である。
本発明の調製物、組成物または薬剤が健康食製品に導入され得る好適な食料製品としては、ファインベーカリー製品、ブレッドおよびロール、朝食用のシリアル、加工済および未加工のチーズ、調味料(ケチャップ、マヨネーズなど)、乳製品(牛乳、ヨーグルト)、プディングおよび寒天のデザート、炭酸飲料、茶、飲料の粉末混合物、加工済の魚介製品、果実から作られた飲料(フルーツジュースが挙げられる)、野菜から作られた飲料(野菜ジュースが挙げられる)、チューイングガム、堅い菓子類、冷凍した乳製品、加工済の肉製品、ナッツスプレッドおよびナッツから作られたスプレッド、パスタ、加工済の鶏食肉製品、グレイビーソースおよびソース、ポテトチップスおよび他のチップスもしくはクリスプ、チョコレートおよび他の菓子類(クッキー、キャンディー、リコリス菓子)、アイスクリーム、乾燥食品、カット済および加工済の食料品(例えば、果実および野菜)、香辛料、アルコール飲料、ヌードル、発酵食品、スープおよびスープ混合物、大豆から作られた製品(ミルク、飲料、クリーム、ホワイトナー)、植物油から作られたスプレッド、ならびに野菜から作られた飲料が挙げられるが、これらに限定されない。また、本発明の組成物は、食品とともに使用され得る(例えば、食品の盛り付け時、または食品を調製するときに、食品の上に乗せられ得るか、食品に注がれ得るか、または食品に混合され得る)。
組成物、特に上述のように特定される組成物を含んでいる美容調合物は、任意の形態(例えば、美容液、ローション剤、クリーム剤、精油、化粧液、乳剤、パック、石鹸、シャンプー、リンス、洗顔剤、身体の洗浄溶液、洗浄溶液、トリートメント、ゲル、バーム、および噴霧溶液)に調製され得る。
本発明のさらなる他の目的は、動物の飼料または飼料の成分(ときには飼料の添加物とも呼ばれる)を提供することである。当該動物の飼料または飼料の成分は、本明細書に記載の(複数の)耐寒性キウィフルーツ調製物、および/または本発明の1つ以上のステロイド(ステロイドに基づく化合物または組成物が挙げられる)を含んでいる。飼料の成分は、必要に応じて、動物の飼料製品に調合され得るか、または動物の飼料ととも使用され得るか、もしくは混合され得る食料の製品、粉末、顆粒、錠剤、液体、乳剤、ペーストなど(例えば、動物の飼料に降りかけられるか、もしくは混合される粉末、または動物の飼料に加えられる液滴)として提供され得る。動物の飼料としては、動物(家庭内のペット(コンパニオンアニマル)および食用の家畜)に使用される任意の飼料製品または飼料の添加物が挙げられ、動物の食品もしくは固形飼料(例えば、ドッグフード、キャットフード、ウシの飼料など)、ビスケット、トリート、骨、チュー、ペースト、錠剤、粉末、水への添加物などが挙げられるが、これらに限定されない。
本発明の組成物または調製物のうちのいずれかは、上述の障害または疾患のうちのいずれかの少なくとも1つの症状の予防、処置、改善および/または軽減のための付加的な治療剤または栄養免疫賦活剤/栄養剤(付加的な活性成分)とともにさらに構成され得るか、または使用され得る。当該障害または疾患としては、アレルギー性疾患、非アレルギー性の炎症性疾患、ウイルス感染およびがんが挙げられるが、これらに限定されない。耐寒性キウィフルーツ調製物およびステロイド/ステロイドに基づく化合物を除いた活性成分としては、薬学的に活性な薬剤および/または栄養学的に活性な薬剤が挙げられ得る。活性な薬剤は、所望される付加的な栄養学的特性、および/または治療学的特性および/または薬学的特性の少なくとも1つを、本明細書に記載のキウィフルーツ調製物および/またはステロイド組成物に加えて、組成物に対して典型的に提供する。好ましい付加的な活性剤としては、抗炎症性化合物、抗アレルギー性化合物、または患者に利益をもたらすために免疫応答を調節し得る任意の他の化合物もしくは組成物が挙げられるが、これらに限定されない。当該利益は、疾患または障害(例えば、アレルギー性疾患、非アレルギー性の炎症性疾患、ウイルス感染およびがん)の少なくとも1つの症状を軽減(緩和、減退、抑制)することによってもたらされる。付加的な薬剤(付加的な活性薬剤が挙げられる)は、任意の有効量において、組成物、調製物、成分、添加物または本発明の他の調合物に含められ得る。有効量は、上記薬剤によって与えられる所望の影響(例えば、対象の健康および栄養状態に対する影響(例えば、治療効果または栄養学的効果)、食味に対する影響、芳香に対する影響、視覚的な影響)を達成するために十分な量である。当業者であれば、付加的な薬剤の好適な量を決定して本発明の組成物に加えることができる。
例えば、本発明の組成物は、1つ以上の治療剤(例えば、医薬品)(本明細書において活性薬剤とも呼ばれ得る)を含み得る。当該治療剤は、免疫応答の調節によって処置され得るか、もしくは改善され得る障害もしくは疾患を処置するためにか、またはそれらの症状を軽減するために使用される。そのような付加的な治療剤としては、抗ヒスタミン(任意の種類(全身性、局所性、吸入用)のH1ブロッカーおよびH2ブロッカーが挙げられる)、抗体(例えば、抗IgE、抗IL−10)、抗生物質、シクロスポリン、抗真菌剤、呼吸機能制御剤、鎮痛剤、β−アゴニスト(長期間または短期間にわたって作用する)、ロイコトリエン修飾因子(阻害剤または受容体アンタゴニスト)、サイトカインもしくはサイトカイン受容体のアンタゴニスト、ホスホジエステラーゼ阻害剤、クロモグリク酸ナトリウム、ネドクリミル、テオフィリン、カフェイン、カルボベンジロキシ−β−アラニルタウリン、T細胞機能の阻害剤および他の抗炎症剤が挙げられるが、これらに限定されない。
また、本発明によって提供されるか、または本発明に使用される組成物のうちのいずれかは、活性薬剤として1つ以上の天然物を含み得る。当該天然物としては、脂肪酸およびポリケチド;有機酸および種々の小さな有機化合物;芳香族アミノ酸およびフェニルプロパノイド;直鎖および環状のペプチド、デプシペプチド、および他のアミノ酸誘導体;ヌクレオシドおよびヌクレオチド;炭水化物;タンパク質、細胞および細胞断片;漢方薬および香辛料;鉱物;滅菌剤;調味剤;ビタミン;電解質;ならびに他の天然の作用物質が挙げられるが、これらに限定されない。
本発明の組成物に加えられ得る他の成分(化合物または薬剤)としては、合成香味料、着色剤、加工剤、アルギニン酸もしくはそれらの塩、有機酸、保護コロイド粘着剤、pH調節剤、安定化剤、保存剤、グリセリン、アルコール、炭酸化剤、または調合物(任意の投与方法による栄養学的使用または治療的使用のための)、食品、飼料もしくは飼料添加物または飲料の任意の必須な他の薬剤が挙げられる。
本発明の組成物と組み合わせるか、または本発明の組成物に加えるための特に好ましい成分(活性な作用物)としては、プロバイオティクス;細菌の細胞壁および断片;乳漿;タウリン;アラニン;カルボベンジロキシ−β−アラニルタウリン;脂肪酸(例えば、共役リノール酸、エイコサペンタエン酸、ドコサヘキサエン酸、γ−リノレン酸、α−リノレン酸、ジホモ−γ−リノレン酸、ステアリドン酸);イノシトール;ウコン;クルクミン;ロスマリン酸;メチルスルホニルメタン(MSM);チョウセンニンジン;ショウガ;プロアントシアニジン;β−カロテン;および主要な生物活性成分として使用されるもの以外のキウィフルーツの異なる種(マタタビ科の任意のメンバー、および特にアクチニディア属の任意のメンバーが挙げられる)の任意の他の調製物が挙げられるが、これらに限定されない。アクチニディア属の任意のメンバーとしては、通常のキウィ種(例えば、A.チネンシスまたはA.デリシオサ)、および耐寒性キウィフルーツ種(例えば、A.アルグタ、A.ポリガマおよびA.コロミクタ)が挙げられる。
脂肪酸およびポリケチドとしては、飽和脂肪酸(例えば、α−リポ酸(R、SおよびR,S));不飽和脂肪酸(例えば、共役リノレン酸、エイコサペンタエン酸、ドコサヘキサエン酸、γ−リノレン酸、α−リノレン酸、ジホモ−γ−リノレン酸、ステアリドン酸);脂肪酸エステル;モノグリセリド、ジグリセリドおよびトリグリセリド(上述の脂肪酸の任意の組合せから構成される);アセチレン型脂肪酸;分枝鎖脂肪酸;プロスタグランジン;トロンボキサン;ロイコトリエン;芳香族ポリケチド;マクロライドおよびポリエーテル;脂質抽出物(例えば、魚油、エキウム油、ボリジ油、オリーブオイル);ならびにレチシンが挙げられるが、これらに限定されない。
有機酸および種々の小さな有機化合物としては、クエン酸;フマル酸;グアヤコール;メチルスルホニルメタン(MSM);およびアスコルビン酸が挙げられるが、これらに限定されない。
芳香族アミノ酸およびフェニルプロパノイドとしては、芳香族アミノ酸および安息香酸(例えば、安息香酸、没食子酸、ゲンチシン酸、p−ヒドロキシ安息香酸、プロトカテク酸、バニリン酸、サリチル酸、シリング酸);桂皮酸(例えば、ヒドロキシチロゾール、クルクミン、ロスマリン酸、ar−ツルメロン、カフェー酸;オイゲノール;クロロゲン酸、ネオクロロゲン酸、桂皮酸、フェルラ酸、o−クマル酸、p−クマル酸);リグナンおよびリグニン;フェニルプロペン;クマリン;スチリルピロン;フラボノイド(例えば、アントシアニジン(例えば、デルフィニジン);プロアントシアニジン;カテキン(例えば、カテキン、エピカテキンおよびテアフラビン);フラボノール(例えば、ナリンゲニン);カルコン(例えば、フロレチン);イソフラボン(例えば、ビテキシン));スチルベン;フラボノリグナン;イソフラボノイド;ならびにテルペノイドキニン(例えば、Kビタミン、およびトコトリエノールといったトコフェノール(ビタミンE))が挙げられるが、これらに限定されない。
テルペノイドとしては、モノテルペン(例えば、β−ピネン、ボルネオール、カルバクロール、ゲラニオール、チモール、1,8−シネオール、テルピネオール);イリドイド(例えば、モノトロペイン);β−イオノン(例えば、Aビタミンに対する炭素13の前駆体);セスキテルペン(例えば、カリオフィレン、ファルネソール);ジテルペン(例えば、Aビタミン);セステルテルペン;トリテルペン(例えば、α−アミリン、ルペオール、ウルソル酸);テトラテルペン;ならびにカロテノイド(例えば、リコペン、β−カロテン、ルテイン、アスタキサンチン、カンタキサンチン)が挙げられるが、これらに限定されない。
アルカロイドとしては、ピロリジンアルカロイド、ピペリジンアルカロイド、キノリジジンアルカロイド、インドリジジンアルカロイド、ピリジンアルカロイド、フェニルエチルアミン、テトラヒドロイソキノリンアルカロイド、ガランタミン、インドールアルカロイド、β−カルボリンアルカロイド、テルペノイドインドールアルカロイド、キノリンアルカロイド、ピロロインドールアルカロイド、アーガットアルカロイド、キナゾリンアルカロイド、キノリンおよびアクリジンアルカロイド、イミダゾールアルカロイド、ピペリジンアルカロイド、エフェドリン、カプサイシン、ピリジンモノテルペンアルカロイド、アコニチン、プリンアルカロイド、(例えば、アラントイン、カフェイン、テオフィリン)が挙げられるが、これらに限定されない。
コリンおよびポリフィリンとしては、Bビタミンが挙げられるが、これらに限定されない。
直鎖および環状のペプチド、デプシペプチドならびに他のアミノ酸誘導体としては、単純なアミノ酸およびそれらの誘導体(例えば、L−アセチルカルニチン、コリン、タウリン、アラニン、カルボベンジロキシ−β−アラニルタウリン)、環状のデプシペプチド、β−ラクタム、青酸グリコシド、グルコシノレート、システインスルホキシドが挙げられるが、これらに限定されない。
炭水化物としては、単糖(例えば、イノシトール)、多糖(例えば、フルクト−オリゴ糖(例えば、任意の鎖長のインスリン);ガラクト−オリゴ糖;キチンおよびキトサン)が挙げられるが、これらに限定されない。
本発明の組成物において有用な天然物質の例としては、タンパク質(例えば、乳漿タンパク質および超酸化物不均化酵素);細胞および細胞断片(例えば、生物にとって意義のあるプロバイオティクス、未処置の微生物(例えば、ラクトバチルス spp.)、細菌の細胞および細胞壁断片、真菌/酵母の細胞および細胞壁断片);漢方薬および香辛料(例えば、チョウセンニンジン、ファン(huang)、ウコン、ローズマリー、ショウガ);鉱物(例えば、K、Mg、Ca、Mn、Fe、Cu、Zn、B、Si、Se)が挙げられるが、これらに限定されない。また、任意のこれらの化合物の代謝物および誘導体が、本発明によって包含される。
多くの付加的な化合物、薬剤および成分が、本発明の組成物の調合に使用され得る。そのような化合物、薬剤および成分としては、種々の有機酸、リン酸塩、抗酸化剤、水溶性ビタミン、脂溶性ビタミン、ペプチドポリマー、多糖のポリマー、スフィンゴ脂質、海草の抽出物、藻類の抽出物、オイル成分(エステルオイル、炭化水素油オイル、シリコンオイル、フッ化物油、動物油、植物油)、湿潤剤、界面活性剤、有機もしくは無機の染料、有機物の粉末、紫外線吸収剤、保存剤、防腐剤、植物の抽出物、pH調節剤、アルコール、顔料、香料、解熱剤、汗止め、および蒸留水が挙げられるが、これらに限定されない。そのような成分は、上述の組成物のうちのいずれかに対して加えられ得る。一実施形態において、他の成分の量は、組成物の総量において0.01%〜5%、より好ましくは0.01%〜3%の範囲である。そのような成分は、従来の文献に記載の方法によって取得され得る。
一実施形態において、本発明の耐寒性キウィフルーツ調製物の好適な量および用量としては、患者の体重1kgにつき約0.1g〜約10gの量、好ましくは体重1kg、1日につき約1g〜約3gの耐寒性キウィフルーツの量が挙げられる。上記用量が、1日に1回、1日に2回、または必要に応じてより長い期間(例えば、数日、1週間、1ヶ月など)に投与され得る。本明細書に記載の組成物に関して、本発明の組成物に使用される耐寒性キウィフルーツ調製物は、当該組成物の総重量に対して、約0.01重量%〜100重量%の間、好ましくは約0.01重量%〜約95重量%の間、より好ましくは0.5重量%〜80重量%の間(0.01重量%〜100重量%の間の、0.01重量%区切りの任意の値が挙げられる)の量であるべきである。一実施形態において、本発明の薬学的組成物は、上記組成物の総重量に対して、約0.01〜50%の耐寒性キウィフルーツを含有し得る。好適な量または用量は、投与の目的、または処置される障害もしくは疾患、ならびに対象の体重、重篤度、薬剤の形態、投与経路および投与期間に依存して変わり得、当業者によって選択され得る。
一実施形態において、本発明に使用される耐寒性キウィフルーツ調製物は、約20%〜90%(20%〜90%の間の、1%区切りの任意の値が挙げられる)の高濃縮された液体、粉末または顆粒として任意の組成物に含有され得る。
上記組成物における付加的な成分の比率は、一般的に、上記組成物の100重量%のうちの約0〜20重量%(0%〜100%の間の、1%区切りの任意の値が挙げられる)の範囲である。
一実施形態において、美容組成物は、当該組成物の総重量に対して約0.01〜30%、より好ましくは0.01〜5%(0.01%〜30%の間の、1%区切りの任意の値が挙げられる)の量の耐寒性キウィフルーツ調製物を含んでいる。
食品、食品成分または飲料に加えられている、耐寒性キウィフルーツを含んでいる組成物は、食品、食品成分または飲料の総重量の約0.1〜95重量%、好ましくは1〜80重量%(0.1〜95重量%の間の、0.1重量%区切りの任意の値が挙げられる)、または飲料組成物の100mlにつき約1〜30g、好ましくは3〜10g(1g〜30gの間の、1g区切りの任意の値が挙げられる)の範囲の量が含まれ得る。
一実施形態において、本発明の健康食品は、組成物の総重量に対して0.01〜80%、好ましくは1〜50%(0.01%〜80%の間の、0.1重量%区切りの任意の値が挙げられる)の耐寒性キウィフルーツ調製物を含んでいる。
一実施形態において、本発明の健康飲料は、組成物の総重量に対して約0.01〜約20%(0.01%〜20%の間の、0.1重量%区切りの任意の値が挙げられる)の耐寒性キウィフルーツ組成物を含んでいる。本発明の健康飲料組成物は、飲料における他の成分を特に限定することなく、上述の耐寒性キウィフルーツ組成物を必須の成分として含有している。ここで、他の成分は、従来の飲料に添加され得るような種々の甘味料および/または調味料であり得る。
食品成分は、付着、噴霧または混合によって食品に加えられ得る。添加される成分の組成物の総量に対する量は、一般的に、本組成物の100重量%につき、約0.01〜20重量%(20重量%〜100重量%の間の、1重量%区切りの任意の値が挙げられる)の範囲であり得る。また、食品成分または食品添加物は、飼料(例えば、動物の飼料)とともに、当該飼料の総乾燥重量の1kgにつき約5〜100g(5g〜100gの間の、1g区切りの任意の値が挙げられる)の量が混合され得る。
ステロイド(ステロイドから作られた本発明の化合物または組成物が挙げられる)の好適な用量としては、患者の体重の1kgにつき0.001μg〜10mg、および0.0001μg〜10mgの間の、0.001μg区切りの任意の用量(すなわち0.001μg、0.002μg、0.003μg...1.100μg、1.101μgなど)が挙げられ得る。種々の対象(種々の動物が挙げられる)の処置にとって好適なステロイドの用量は、当該分野において公知である。好適な用量は、実施例においてヒトおよびイヌに関して説明されている。本発明が個体に投与されるストロイドの量を低下させること、および/またはステロイド組成物を用いた処置の期間および/または頻度を低下させることについて認識されるだろう。
(本発明の方法)
したがって、本発明の目的は、患者(個体)における免疫応答を選択的に調節する方法、詳細には哺乳類におけるTh2免疫応答および/またはTh1免疫応答を調節する方法、より詳細には、哺乳類におけるTh1応答を増強し、および/または哺乳類におけるTh2免疫応答を抑制する方法を提供することである。そのような方法は、種々の障害および疾患(アレルギー性疾患、非アレルギー性の炎症性疾患、ウイルス感染およびがんが挙げられるが、これらに限定されない)の少なくとも1つの症状の処置、予防、改善および/または軽減にとって有用である。そのような方法は、本発明の単一または複数の組成物の投与または提供によって利益をこうむる個体(患者、対象、動物)に対する、本明細書に記載の本発明の単一または複数の組成物の投与または提供を包含している。詳細には、本発明の方法は、キウィフルーツ調製物、および1つ以上のステロイド(ステロイドに基づく化合物または組成物が挙げられる)を含んでいるか、実質的にそれらからなる、またはこれらからなる組成物の投与または提供を包含している。代替可能に、キウィフルーツ調製物は、1つ以上のステロイド(ステロイドに基づく化合物または組成物が挙げられる)を含んでいるか、実質的にそれらからなる、またはこれらからなる第2の組成物とともにか、および/または当該第2の組成物を用いて逐次的に、投与されるか、または提供される。逐次的な投与は、所望の結果を得るために必要に応じて、同時期に(同じ投与期間内に)行われ得るか、または数日間、数週間もしくは数ヶ月間を空けて行われ得る。好ましくは、ステロイドおよび耐寒性キウィフルーツの組成物は、同じ組成物にともに含めて使用されるか、または同時に使用される。一実施形態において、組合せ(耐寒性キウィフルーツおよびステロイド)の使用の期間は、キウィフルーツ調製物を用いた単独療法の期間の前または後であり得る。本発明の組成物の詳細については上述の通りである。
したがって、本発明の目的は、患者(個体)における免疫応答を選択的に調節する方法、詳細には哺乳類におけるTh2免疫応答および/またはTh1免疫応答を調節する方法、より詳細には、哺乳類におけるTh1応答を増強し、および/または哺乳類におけるTh2免疫応答を抑制する方法を提供することである。そのような方法は、種々の障害および疾患(アレルギー性疾患、非アレルギー性の炎症性疾患、ウイルス感染およびがんが挙げられるが、これらに限定されない)の少なくとも1つの症状の処置、予防、改善および/または軽減にとって有用である。そのような方法は、本発明の単一または複数の組成物の投与または提供によって利益をこうむる個体(患者、対象、動物)に対する、本明細書に記載の本発明の単一または複数の組成物の投与または提供を包含している。詳細には、本発明の方法は、キウィフルーツ調製物、および1つ以上のステロイド(ステロイドに基づく化合物または組成物が挙げられる)を含んでいるか、実質的にそれらからなる、またはこれらからなる組成物の投与または提供を包含している。代替可能に、キウィフルーツ調製物は、1つ以上のステロイド(ステロイドに基づく化合物または組成物が挙げられる)を含んでいるか、実質的にそれらからなる、またはこれらからなる第2の組成物とともにか、および/または当該第2の組成物を用いて逐次的に、投与されるか、または提供される。逐次的な投与は、所望の結果を得るために必要に応じて、同時期に(同じ投与期間内に)行われ得るか、または数日間、数週間もしくは数ヶ月間を空けて行われ得る。好ましくは、ステロイドおよび耐寒性キウィフルーツの組成物は、同じ組成物にともに含めて使用されるか、または同時に使用される。一実施形態において、組合せ(耐寒性キウィフルーツおよびステロイド)の使用の期間は、キウィフルーツ調製物を用いた単独療法の期間の前または後であり得る。本発明の組成物の詳細については上述の通りである。
本発明の特定の実施形態において、キウィフルーツ調製物およびステロイド調製物の組合せの投与によって、炎症、特にアレルギー性の炎症と関連する疾患または障害の症状の少なくとも1つ、好ましくは1つ以上が、軽減(緩和、減退、除去、抑制など)される。そのような症状としては、哺乳類における、かゆみ(掻痒)、発赤(紅斑)、滲出および外被形成(皮膚剥離)、肥厚(苔癬化)、抜け毛(脱毛症)、および/または皮膚の腫脹が挙げられるが、これらに限定されない。また、炎症の他の任意の症状が本発明を用いて軽減され得る。従来のステロイド療法と耐寒性キウィフルーツ調製物の組合せの使用が、アレルギー疾患(例えば、アレルギー性皮膚炎)の症状の軽減に対して相乗効果を有していること、および本発明の耐寒性キウィフルーツ調製物の使用が、アレルギー性疾患(例えば、アレルギー性皮膚炎)の処置において、従来のステロイド療法に対する補助的な療法として少なくとも役立つことを、本発明者らは見出している。
また、上記組成物の投与または提供、特に本明細書に記載の組合せ療法(耐寒性キウィフルーツ調製物およびステロイドに基づく療法)は、本明細書において生物活性と表現されている以下の(a)〜(m)の検出可能または測定可能な結果の少なくとも1つを生じる。(a)患者におけるIgEを産生するB細胞の数を低下させる活性;(b)患者において(例えば、血清または血漿において)産生されるIgEの量を低下させる活性;(c)少なくとも1つのTh2サイトカイン(例えば、IL−4、IL−5、IL−10)の産生および/またはレベルを低下させる活性;(d)少なくとも1つのTh1サイトカイン(例えば、IL−12、IFNγ)の産生および/またはレベルを増加させる活性;(e)転写調節因子GATA−3の発現レベルを低下させる活性;(f)転写調節因子T−betの発現レベルを増加させる活性;(g)転写調節因子NFATc2の発現レベルを増加させる活性;(h)患者におけるIgG2aを産生するB細胞の数を増加させる活性;(i)患者において産生されるIgG2aの量を増加させる活性;(j)特に炎症性部位における、Th1 Tリンパ球(例えば、CD4+、IFNγ+)の産生を増加させるか、活性を増強させる活性;(k)特に炎症性部位における、Th2 Tリンパ球(例えば、CD4+、IL−4+)の産生または活性を低下させる活性;(l)患者におけるIgG1を産生するB細胞の数を低下させる活性;(m)患者において産生されるIgG12の量を低下させる活性;および/または(n)患者における少なくとも1つのロイコトリエンのレベルまたは産生を低下させる活性。本発明の(複数の)組成物の投与または提供の結果としての、個体の健康状態の改善、または個体に対する利益が、本発明によって包含され、本発明の組成物および方法の有用な結果である。当該改善または利益は、特にアレルギーまたは炎症の任意の症状の軽減、個体の免疫応答における好ましい任意の変化、および/または本明細書に記載されている好ましい任意の他の生物活性の検出よって評価される。
本発明の一態様において、本発明の(複数の)組成物の投与または提供、特に本明細書に記載の組合せ療法(耐寒性キウィフルーツ調製物、およびステロイドに基づく療法)によって、患者におけるロイコトリエンの産生が低下し、これによって、患者におけるロイコトリエンと関連する障害または疾患の少なくとも1つの症状が処置または軽減される。ロイコトリエンと関連する障害または疾患としては、喘息、食物アレルギー、アレルギー性鼻炎、慢性の蕁麻疹、およびアレルギー性皮膚炎が挙げられるが、これらに限定されない。この実施形態において、好ましい投与経路としては、全身性の投与経路に加えて、経口投与、吸入投与、局所性投与が挙げられる。
したがって、上述の方法は、本明細書に記載のような免疫応答の調節が患者にとって利益をもたらすか、そのように予測される、任意の疾患もしくは障害の予防および/または処置、および/またはこれらの任意の症状の軽減のために使用され得る。また、本発明は、ステロイド療法のおよび/または任意の他の療法、特に従来の療法の、患者における使用の量および頻度を低下させるための、本発明の組成物の投与または提供を包含する。
したがって、本発明の目的は、哺乳類におけるアレルギー性疾患および非アレルギー性の炎症性疾患を処置および/または予防する方法を提供することである。当該方法は、本明細書に記載の任意のキウィフルーツ調製物の有効量を上記哺乳類に投与する工程を包含している。上記工程において、1つ以上のステロイド(ステロイドに基づく化合物または組成物が挙げられる)がともに(同時および/または逐次的に)投与される。そのような組成物は、典型的に薬学的に受容可能な担体を含んでいる。
本明細書に使用されるとき、“疾患から保護される”という表現は、疾患の症状を緩和(軽減)すること;疾患の発症を減らすこと;および/または疾患の重篤度を下げることを指す。患者の保護は、本発明の(複数の)組成物の能力(患者に投与された場合における、疾患の発症を予防する能力、および/または疾患の症状、徴候もしくは原因の少なくとも1つ、好ましくは1つ以上を軽減する能力)を指し得る。好ましくは、症状の軽減の結果として、患者は、生活の質が改善された状態になり、健康状態が改善され、潜在的に害のある療法、不快な療法または他の点おいて有害な療法の使用(量および頻度)を減らすことができるか、および/または本発明の組成物および方法を使用する前ほどの疾患または障害に見舞われることがなくなる(治療の完全な治療が含まれ得る)。したがって、疾患から患者を保護することは、疾患の発生を予防すること(予防的な処置)、および最も典型的に、疾患の治癒よりむしろ、疾患の症状を和らげるための、疾患にかかっている患者の処置(治療上の処置)の両方を包含している。疾患から患者を保護すること、または他の療法の効果を高めることは、好ましい効果が得られるように所定の活性を制御することによって実現される。好ましい効果は、当業者および/または患者を処置する熟練した臨床医によって容易に評価され得る。“疾患”という用語は、哺乳類の正常な健康状態からの任意の異常を指し、疾患には、疾患の症状が存在する状態、および異常(例えば、感染、遺伝子の変異、遺伝的な欠失など)が存在しているが、症状がまだ顕在化していない状態が含まれる。
本発明によれば、アレルギー性疾患としては、喘息、アレルギー性の気管支肺アスペルギルス症、アレルギー性の気管支炎、気管支拡張症、過敏性肺炎、アレルギー性の副鼻腔炎、過敏症、アレルギー性鼻炎、アレルギー性の結膜炎、アトピー性の皮膚炎、伝染性の皮膚炎、慢性の蕁麻疹、昆虫アレルギー、食物アレルギー、および薬物アレルギーが挙げられるが、これらに限定されない。
一実施形態において、アレルギー性疾患はアトピー性の皮膚炎である。この実施形態において、本発明の耐寒性キウィフルーツ調製物を含んでいるか、実質的にそれらからなる、それからなる組成物の投与に加えて、患者は、アトピー性の皮膚炎に対する従来のステロイド療法を用いて(同時または逐次的な投与によって)、付随して処置される。本発明のこの実施形態において、耐寒性キウィフルーツ調製物、および/またはステロイド組成物は、最も好ましくは経口投与または局所投与によって投与されるが、本発明は、このような投与経路に限定されない。
一実施形態において、アレルギー性疾患は喘息である。この実施形態において、本発明の耐寒性キウィフルーツ調製物を含んでいるか、実質的にそれらからなる、それからなる組成物の投与に加えて、患者は、喘息に対する従来のステロイド療法(吸入ステロイドの投薬が挙げられるが、これに限定されない)を用いて(同時または逐次的な投与によって)、付随して処置される。また、他の喘息制御剤が使用され得る。本発明のこの実施形態において、耐寒性キウィフルーツ調製物、および/またはステロイド組成物は、最も好ましくは経口投与または吸入投与によって投与されるが、本発明は、このような投与経路に限定されない。ステロイド療法は、任意の好適な方法、最も好ましくは経口投与または吸入投与によって投与される。
本発明によれば、非アレルギー性の皮膚炎の疾患としては、炎症によって起こる皮膚の種々の異常(例えば、丘疹および座瘡など)が挙げられるが、これらに限定されない。上述の組成物は、例えば従来のステロイドに基づく療法と併用して投与される場合に、患者における皮膚炎予防、処置および/または改善に有用である。
本明細書に記載の組成物および方法を用いて予防され得るか、または処置され得る他の非アレルギー性の炎症性疾患としては、種々の皮膚炎の障害、全身性エリテマトーデス(SLE)、網膜炎、胃炎、網膜症、肝炎、腸炎、膵炎、腎炎、およびTh2型の免疫応答の低下および/またはTh1型の免疫応答の亢進が有効である類似の障害が挙げられるが、これらに限定されない。上述のように、上記組成物は、特に従来のステロイド療法を用いて同時または逐次的に投与される場合に、当該疾患、障害またはこれらの症状の予防、処置および/または改善にとって有効ある。
ステロイド(ステロイドに基づく化合物または組成物が挙げられる)の投与に加えて、疾患または障害を処置または予防するための上述の方法のうちのいずれかにおいて、耐寒性キウィフルーツ調製物は、特定の障害の処置に有効な他の療法または組成物と併せて(同時および/または逐次的に)、投与され得る。これらの実施形態において、付加的な組成物または療法を用いた耐寒性キウィフルーツ調製物およびステロイド療法の組合せは、患者における症状の改善、回復または軽減を促進するための従来の療法に対する免疫賦活剤として役立ち得る。しかし、耐寒性キウィフルーツ調製物およびステロイド療法の組合せに関して見出されているように、付加的な組成物または療法を用いた耐寒性キウィフルーツ調製物およびステロイド療法の組合せが、単独の治療方法のうちのいずれかの使用を超えて相乗効果を提供し得ることについて、本発明によって認識される。この他に、本明細書に記載の(複数の)耐寒性キウィフルーツ調製物の使用の、ステロイド療法との組合せは、単回ごとのステロイドの投与量および/またはステロイド投与の頻度を低下できるという利点を提供し、本発明の耐寒性キウィフルーツ/ステロイド療法と同時に使用される他の療法の投与量および投与頻度を付加的に低下できる。ステロイドおよび他の療法が所望されない副作用としばしば関連しているので、そのような成分の使用を減らす能力は、患者にとって大きな利益を提供する。
本発明の耐寒性キウィフルーツ調製物とともに使用され得る付加的な従来の薬剤または療法の特に好ましい典型としては、脂肪酸(より長鎖の脂肪酸(18以上の炭素鎖を有している脂肪酸が挙げられる))、抗ヒスタミン(全身性、局所性、吸入性の任意の型が挙げられる)、抗体(例えば、抗IgE、抗IL−10)、抗生物質、シクロスポリン、抗真菌剤、呼吸機能制御剤、鎮痛剤、β−アゴニスト(長期間または短期間にわたって作用する)、ロイコトリエン修飾因子(阻害剤または受容体アンタゴニスト)、サイトカインもしくはサイトカイン受容体のアンタゴニスト、ホスホジエステラーゼ阻害剤、クロモグリク酸ナトリウム、ネドクリミル、テオフィリン、カフェイン、カルボベンジロキシ−β−アラニルタウリン、ショウガ、クルクミン、カテキン、フラボノール、フラボノイド、ポリフェノール、T細胞機能の阻害剤および他の抗炎症剤が挙げられるが、これらに限定されない。
本発明の方法において、組成物は、脊椎動物門、哺乳類網に属する任意の動物(霊長類目、げっ歯類目、食用の家畜、ウマおよび家庭内のペットが挙げられるが、これらに限定されない)に、投与され得るか、または提供され得る。保護するための好ましい患者は、家庭内のペット(例えば、コンパニオンアニマル(イヌおよびネコが挙げられるが、これらに限定されない))およびヒトであり、ヒトであることが特に好ましい。すべての投与形態が意図されている。本発明によれば、“患者”、“対象”および“個体”という用語は、交換可能に使用され得る。
本発明によれば、効果的な投与手順(すなわち効果的な様式において組成物を投与すること)は、炎症の制御、または患者における疾患もしくは障害の症状に関して所望の結果をもたらす好適な用量のパラメータおよび投与の形態を含んでいる。効果的な用量のパラメータは、特定の疾患または障害について、当該技術において標準的な方法を用いて決定され得る。当該方法としては、例えば、生存率、副作用(すなわち毒性)、および疾患の進行もしくは退行の測定が挙げられる。
本発明の組成物は、1日に2、3、4回またはそれ以上;一日に1回(毎日);1週間に2、3、4、5または6回;毎週;隔週;毎月;有効であると判断される他の任意の間隔において投与され得る。投与は、必要に応じた基準に基づいて、一定の期間(通常は数日間、数週間または数ヶ月間と見積もられる)、または患者の生涯にわたって行われ得る。
本発明の一態様において、上記方法は、同じ組成物(同時に投与される)または個々の組成物(逐次的に投与される)のいずれかとして、ステロイド(ステロイドに基づく化合物または組成物が挙げられる)と耐寒性キウィフルーツ調製物との組合せの投与期間を包含している。当該投与期間は、耐寒性キウィフルーツ調製物の単独投与の期間の後および/または前にある。同時投与の期間中に、耐寒性キウィフルーツ調製物は、ステロイド(ステロイドに基づく化合物または組成物が挙げられる)と実質的に同時に(例えば、それぞれの日の同じ時点またはほぼ同じ時点に)か、または同じ投与日程の異なる時点に(例えば、単回投与日程が毎日であれば、同じ日のうちの異なる時点に)に投与され得る。単独療法に対する組合せ療法の投与期間は、患者の反応性に基づいて決定され得るが、臨床医によって決定される通りに、1週間(例えば、必要に応じて繰り返される、1週間にわたる組合せ療法の毎日の投与に続いて、1週間にわたる単独療法の毎日の実施)、2週間、3週間、4週間、5週間、6週間、7週間、8週間、1ヶ月間、2ヶ月間、3ヶ月間、4ヶ月間、5ヶ月間、6ヶ月間、およびそれ以上の期間の交代間隔を包含し得る。交代の投与期間は、同じ時間の長さである必要はない。例えば、組合せ療法は、1つの投与期間(例えば、4週間)にわたって実施され得、それから単独療法は、症状の継続的な改善または改善の維持が認められなくなるまで(数週間または数ヶ月間であり得る)投与され得る。続いて、組み合わせ療法が必要に応じて投与され得る。さらに、キウィフルーツ調製物に関して必要な用量は、ステロイドに基づく療法に必要な用量と異なり得るが、これは、臨床医が決定し得る範囲内の事項である。
投与経路としては、インビボ経路およびエクスビボ経路が挙げられるが、最も一般的にインビボ投与が挙げられる。エクスビボは、制御工程の一部を患者の体外において実施することを指す。インビボ経路としては、静脈内投与、腹腔内投与、筋肉内投与、結節内(intranodal)投与、歯冠内投与、動脈内投与(例えば、頚動脈内)、皮下投与、経皮送達、気管内投与、関節内投与、心室内投与、吸入(例えば、エアロゾル)、頭蓋内投与、脊髄内投与、眼球内投与、耳投与、鼻腔内投与、経口投与、肺投与、カテーテルによる注入、皮内注入、くも膜下腔内注入、硬膜外注入、脳室内注入、および組織への直接注入が挙げられるが、これらに限定されない。本発明の一実施形態において、組成物は、非経口経路(例えば、皮下、皮内、静脈内、筋肉内および腹腔内の経路)によって投与される。静脈内、腹腔内、皮下および筋肉内の投与は、当該分野において標準的な方法を用いて実施され得る。耳からの送達としては、点耳薬が挙げられ得、鼻腔内送達としては、点鼻薬または鼻腔内注入が挙げられ得、眼球内送達としては、点眼薬が挙げられ得る。また、エアロゾル(吸入)送達は、当該分野において標準的な方法を用いて実施され得る(例えば、その全体が参照によって本明細書に援用されるStribling et al., Proc. Natl. Acad. Sci. USA 189:11277-11281, 1992を参照すればよい)。例えば、一実施形態において、本発明の組成物またはワクチンは、好適な吸入装置または噴霧器を用いて噴霧送達に好適な組成物に調合され得る。経口送達は、動物の消化管における消化酵素による消化に耐性を有している担体に対して、本発明の組成物を、例えば錠剤またはカプセル剤として複合化すること、および食品、飼料および飲料製品に調合されることによって実施され得る。そのような担体の例としては、合成樹脂のカプセルもしくは錠剤、または当業者に公知のような食品の原料が挙げられる。直接的な注入技術は、化合物の部位特異的な投与にとって特に有効である。経口送達または局所的な送達は、本発明に係る送達または投与の特に好ましい経路である。粘膜の免疫性を調節する投与経路は、ウイルス感染およびいくつかのアレルギー性の障害の処置に有用である。そのような経路としては、気管支、皮内、筋肉内、鼻腔内、他の吸入性、直腸、皮下、局所性、経皮、膣および尿道口の経路が挙げられる。
本発明は、以下の実施例によってより詳細に説明される。しかし、どのようにしても、本発明がこれらの実施例に限定されないことが理解されるべきである。
〔実施例〕
(実施例1)
以下の実施例において、後述の実施例において使用されるA.アルグタを含んでいる種々の調製物の調製について示している。
(実施例1)
以下の実施例において、後述の実施例において使用されるA.アルグタを含んでいる種々の調製物の調製について示している。
植物材料
アクチニディア アルグタ(サルナシ((Sieb. Et Zucc.) Planch. ex Miq.)(マタタビ科)の栽培変種“アナナスナヤ(Ananasnaya)”)の茎(stems)(ケイン(canes)およびスパー(spurs)からなる)、根および外皮が、ハースト食用小果実の農場(シェリダン、OR)において採取された。証拠標本(#518640)が、コロラド大学(ボールダー、CO)のUniversity of Colorado Herbarium、収集管理者のティム ホーガン氏によって認証され、同じ施設に寄託された。植物材料は、48時間にわたって風乾され、抽出または他の処理まで室温において保存された。
アクチニディア アルグタ(サルナシ((Sieb. Et Zucc.) Planch. ex Miq.)(マタタビ科)の栽培変種“アナナスナヤ(Ananasnaya)”)の茎(stems)(ケイン(canes)およびスパー(spurs)からなる)、根および外皮が、ハースト食用小果実の農場(シェリダン、OR)において採取された。証拠標本(#518640)が、コロラド大学(ボールダー、CO)のUniversity of Colorado Herbarium、収集管理者のティム ホーガン氏によって認証され、同じ施設に寄託された。植物材料は、48時間にわたって風乾され、抽出または他の処理まで室温において保存された。
熟してすぐに食用に供せられるA.アルグタの果実が、ハースト食用小果実の農場において採取され、直ちに凍結され、出荷され、抽出または他の処理の前まで凍結させて(−20℃)保存された。
抽出物および他の調製物
茎の粉末(126.6g)、根の粉末(79.0g)、および細かく切った外皮(126.2g)のそれぞれは、蒸留水(1L)を用いて、94℃において4時間にわたって抽出された。それから、混合物がろ過され、ろ液がロータリーエバポレータによって乾燥するまで濃縮されて、茎の抽出物(9.9g)、根の抽出物(8.6g)および外被の抽出物(2.4g)を生じた。
茎の粉末(126.6g)、根の粉末(79.0g)、および細かく切った外皮(126.2g)のそれぞれは、蒸留水(1L)を用いて、94℃において4時間にわたって抽出された。それから、混合物がろ過され、ろ液がロータリーエバポレータによって乾燥するまで濃縮されて、茎の抽出物(9.9g)、根の抽出物(8.6g)および外被の抽出物(2.4g)を生じた。
20の凍結したA.アルグタの果実(154.4g)が室温において解凍され、圧搾され、蒸留水(1L)を用いて、91℃において5時間にわたって抽出された。混合物がろ過され、ろ液が濃縮されて“煮沸した”新鮮果実の抽出物(12.8g)を生じた。
さらなる凍結した未乾燥のキウィフルーツ(341.6g)が解凍され、ジューサーにかけられた。ジューサーによって果実から表皮が取り除かれて、種子、果肉および果汁の混合物を生じた。混合物は遠心分離されて(30分間、〜3500rpm)、150mLの果汁を生じた。この果汁がロータリーエバポレータによって乾燥するまで濃縮されて、果汁の濃縮物(24.2g)を生じた。
上述の米国特許出願公開第2004/0037909号に記載されている大量の抽出物の等価物を生成するために、キウィフルーツの生産規模での抽出が実施された(Sungil Bioex Co., Ltd., Bibomg, Korea)。凍結したキウィフルーツ(1242kg)がスライスされ(1/4から3/8の厚さ)、対流乾燥器(65〜80℃)において5〜20%の含水率まで乾燥された。乾燥した果実(239kg)のバッチ抽出(図1)が、抽出装填物を支持するための内部ろ過フィルタを有しているジャケットつきのステンレス鋼の反応器において実施された。外部の濃縮器は、抽出中における水の損失を防ぐために使用された。抽出溶媒(水)の量は、抽出される乾燥した果実の重量の5〜10倍を基準にした。抽出容器の内容物は、反応器のジャケットに蒸気を導入することによって、2時間にわたって0〜90℃まで加熱された。それから、水(90℃)は、4〜12時間にわたって外部の循環ループを用いたバイオマスを通して再循環された。続いて、消耗したバイオマスは、処分するために取り除かれ、水性の抽出物が10μmのフィルタに通してろ過された。それから、ろ液は、外部の濃縮器および抽出物の受液器を備えている、攪拌されたステンレス鋼の反応器において、55〜65℃の真空中(〜600mmHg)において濃縮された。ひとたび材料が濃縮されると、抽出物を滅菌するためにさらに30分間にわたって80℃に維持された。PG102Tの等価物である生成された物質(101kg)は、FD001と命名された。3kgのこの物質は、さらなる試験のために取りおかれた。優良医薬品製造基準が加工を通して使用された。
カプセル充填に適し、本明細書に記載の臨床用途に有用な粉末の物質を作るために、上述のように製造されたFD001の濃縮物(98kg)が、水平パドル攪拌器にポンプを用いて注入され、算出された固形分に基づいて等しい重量の微小結晶セルロース(MCC)と混合された。これに続いて、固形の混合物は、ステンレス鋼のトレイに移され、24時間にわたって強制熱風乾燥器(70〜80℃)におかれた。それから、乾燥したかたまりの固形物は、フィッツミル型のハンマーミルにおいて挽かれて、40メッシュ(mesh)の粉末(118kg)を生じた。この物質は、300mgサイズまたは600mgサイズのカプセル剤として封入された(米国のGMP研究所、アナハイム、CA)。カプセル剤のそれぞれは、イヌおよびヒトの臨床試験における使用のために、FD001およびMCCの1:1の混合物を含んでいる。
上述した最初の工程においてスライスされ、乾燥された(しかし、バッチ抽出されていない)、生産規模での物質から得られた乾燥したA.アルグタ果実(7.0g)は、粉末にされ、この物質は、水(250mL)を用いて、25℃において4時間にわたって抽出された。混合物はろ過され、ろ液はロータリーエバポレータによって乾燥するまで濃縮されて、乾燥した果実の室温における水抽出物(4.2g)を生じた。
FD001(79.9g)は、1.5Lの蒸留したH2Oと混合され、この溶液は、1回につき500mLの酢酸エチル(EtOAc)を用いて4回にわたって連続的に抽出された。混合性の有機層および水性層は、真空条件において乾燥するまで濃縮されて、EtOAc濃縮物(7.4g)および水性の残余物(41.5g)を生じた。
FD001(21.45g)は、DI水に溶解され、ろ過された。ろ液は、約4.5cm(内径)×10cmの重力カラムにおけるC−18の逆相充填剤に装填された。カラムは、500mlの水を用いて溶出され(Cut F1)、続いて500mlの25%のメタノール水溶液を用いて溶出され(Cut F2)、500mlの50%のメタノール水溶液を用いて溶出され(Cut F3)、5000mlの75%のメタノール水溶液を用いて溶出され(Cut F4)、500mlの100%のメタノールを用いて溶出され(Cut F5)、500mlの100%のDCMを用いて溶出された(Cut F6)。溶出物が回収され、乾燥するまで真空中において蒸発させられて、14.16mgのCut F1、690mgのCut F2、230mgのCut F3、30mgのCut F4、83mgのCut F5および350mgのCut F6を生じた。全体の回収率は72.4重量%であった。
(実施例2)
以下の実施例において、A.アルグタ調製物における免疫調節活性のインビトロ試験について説明する。
以下の実施例において、A.アルグタ調製物における免疫調節活性のインビトロ試験について説明する。
この研究の目的は、オボアルブミン(OVA、グレードV、Sigma)に感作させたマウスに由来する脾細胞培養株における、A.アルグタから生成された種々の抽出物および調製物の相対的なサイトカイン(IL−4、IL−5、IL−10、IL−13、IFNγ)産生能を、ELISA分析(Quantikineキット、R&Dシステム)を用いて比較することである。以下の試料(上述の実施例1に説明した通りに調製された):FD001(PG102T)、果汁濃縮物およびEtOAc抽出物が試験された。
脾細胞の単離および培養
メスのBalb/cマウス(Harlan、インディアナポリス、IN)が、0日目および14日目における20μgのOVAのIP注射によって感作された。24日目に頚部脱臼によって安楽死させた後に、脾臓が個々のマウスから無菌的に摘出され、無菌技術を用いて脾細胞培養株を作るために直ちに処理された。脾臓は、10mMのHEPES緩衝化のRPMI−1640の存在下において、3ccのシリンジからプランジャーを用いて70ミクロンのナイロンのメッシュの格子に通して組織をゆっくりと押し出すことによって、分離された。大きな細胞の凝集物は、FCS勾配を用いて生成した懸濁液から除去された。それから、脾細胞は遠心分離され(1500rpm、15分間)、生じた細胞のペレットがRBC溶解緩衝液を用いて処理(10分間、室温)されて、混入している赤血球を除去した。それから、RBC溶解緩衝液の大部分が遠心分離(1500rpm、5分間)によって除去され、それからペレット化した脾細胞が10mMのHEPES緩衝化のRPMI−1640を用いて3回にわたって洗浄された。最後の洗浄の後に、ペレット化した脾細胞は、5×106細胞/mlの最終的な細胞密度を実現するように設計された10%のFCSおよびPenn/Strepを含有している大量のRPMI−1640(完全培地)に懸濁された。各分析のために5×106の脾細胞が24ウェルプレートの個々のウェルに入れられた。3日目にこれらのウェルから上清が回収され、実験結果の測定に備えて凍結された。
メスのBalb/cマウス(Harlan、インディアナポリス、IN)が、0日目および14日目における20μgのOVAのIP注射によって感作された。24日目に頚部脱臼によって安楽死させた後に、脾臓が個々のマウスから無菌的に摘出され、無菌技術を用いて脾細胞培養株を作るために直ちに処理された。脾臓は、10mMのHEPES緩衝化のRPMI−1640の存在下において、3ccのシリンジからプランジャーを用いて70ミクロンのナイロンのメッシュの格子に通して組織をゆっくりと押し出すことによって、分離された。大きな細胞の凝集物は、FCS勾配を用いて生成した懸濁液から除去された。それから、脾細胞は遠心分離され(1500rpm、15分間)、生じた細胞のペレットがRBC溶解緩衝液を用いて処理(10分間、室温)されて、混入している赤血球を除去した。それから、RBC溶解緩衝液の大部分が遠心分離(1500rpm、5分間)によって除去され、それからペレット化した脾細胞が10mMのHEPES緩衝化のRPMI−1640を用いて3回にわたって洗浄された。最後の洗浄の後に、ペレット化した脾細胞は、5×106細胞/mlの最終的な細胞密度を実現するように設計された10%のFCSおよびPenn/Strepを含有している大量のRPMI−1640(完全培地)に懸濁された。各分析のために5×106の脾細胞が24ウェルプレートの個々のウェルに入れられた。3日目にこれらのウェルから上清が回収され、実験結果の測定に備えて凍結された。
また、対照の脾細胞培養株が、未処置の(感作されていない)マウスから、上述のようにして確立され、24ウェルプレートの各ウェルに入れられて5×106細胞/mlの最終的な細胞密度にされた。これらの脾細胞は、10%のウシ胎児血清およびPenn/Strepを含有しているRPMI−1640において確立され、さらなる処理を受けなかった。3日目にこれらのウェルから上清が回収され、凍結されて陰性実験対照になった。
A.アルグタ調製物を用いた脾細胞培養物の刺激
10匹のOVA感作マウスが試験された各調製物のために使用された。各マウスから得られた脾細胞は、24ウェルプレートの別々の8つのウェルに入れられた(5×106細胞/mL)。各ウェルには100μg/mLのOVAおよび0.5%のDMSOを含有しているRPMI−1640完全培地が入っており、当該培地には、試験中の特定の試験調製物のぞれぞれが、含まれていないか、または選択された濃度だけ含まれている。3組のウェルのぞれぞれは、0.25、1.0または10mg/mLのいずれかの濃度のA.アルグタ調製物を用いて処理された。陽性対照として供するために、7番目のウェルは、強力なグルココルチコイド抗炎症薬であるデキサメタゾン(DEX)の2μMを用いて処理された。8番目のウェルにはさらなる処理をせずに、これをOVAのみの実験の対照にした。3日間にわたって培養した後に、OVA感作マウスごとの個々の8つのウェルのそれぞれから得られた上清が回収され、凍結された。これらの上清は、培養培地に存在するIL−4、IL−5、IL−10、IL−13、IFNγのレベルを測定するために使用された。
10匹のOVA感作マウスが試験された各調製物のために使用された。各マウスから得られた脾細胞は、24ウェルプレートの別々の8つのウェルに入れられた(5×106細胞/mL)。各ウェルには100μg/mLのOVAおよび0.5%のDMSOを含有しているRPMI−1640完全培地が入っており、当該培地には、試験中の特定の試験調製物のぞれぞれが、含まれていないか、または選択された濃度だけ含まれている。3組のウェルのぞれぞれは、0.25、1.0または10mg/mLのいずれかの濃度のA.アルグタ調製物を用いて処理された。陽性対照として供するために、7番目のウェルは、強力なグルココルチコイド抗炎症薬であるデキサメタゾン(DEX)の2μMを用いて処理された。8番目のウェルにはさらなる処理をせずに、これをOVAのみの実験の対照にした。3日間にわたって培養した後に、OVA感作マウスごとの個々の8つのウェルのそれぞれから得られた上清が回収され、凍結された。これらの上清は、培養培地に存在するIL−4、IL−5、IL−10、IL−13、IFNγのレベルを測定するために使用された。
培養上清におけるサイトカインレベルの測定
A.アルグタ調製物処理の脾細胞、DEX処理の脾細胞、OVA処理のみの脾細胞および感作なしの対照マウスから得られた未処理の脾細胞に由来する培養上清は、ELISAアッセイによって測定された。2つのELISAプレートウェルが各サイトカインレベルの測定に利用された。
A.アルグタ調製物処理の脾細胞、DEX処理の脾細胞、OVA処理のみの脾細胞および感作なしの対照マウスから得られた未処理の脾細胞に由来する培養上清は、ELISAアッセイによって測定された。2つのELISAプレートウェルが各サイトカインレベルの測定に利用された。
結果
このインビトロの実験から、FD001における活性(図2)、A.アルグタのEtOAc抽出物における活性(図3)、およびA.アルグタの果汁濃縮物における活性(図4)が、上述の米国特許出願公開第2004/0037909号に記載の耐寒性キウィフルーツ調製物の活性と実質的に同様であることを確認した。3つの調製物(10mg/mL)のすべてが、サイトカインIL−4、IL−5、IL−10、IL−13、およびIFNγの抑制を、種々な程度において引き起こした。最も顕著な効果は、試験された試料のすべてについてIL−13およびIFNγにみられ、上述の米国特許出願公開第2004/0037909号に記載の以前のインビトロ試験と一致していた。活性がEtOAc抽出物において観察されたので、FD001に存在する活性成分は有機溶媒に溶出され、従来のクロマトグラフィー法によってさらに精製され得る。また、注目に値するのは、果汁濃縮物が脾細胞によるサイトカイン産生を抑制したことであり、上述の米国特許出公開第2004/0037909号に示されているキウィフルーツの抽出物が耐寒性キウィフルーツの活性な調製物を生成するための唯一の条件ではないことを示している。なお、果汁濃縮物においてサイトカインの抑制が相対的に低いことが明らかであり、FD001の調製に使用された乾燥または加熱処理が活性の増強に重要であり得ることを示唆している。
このインビトロの実験から、FD001における活性(図2)、A.アルグタのEtOAc抽出物における活性(図3)、およびA.アルグタの果汁濃縮物における活性(図4)が、上述の米国特許出願公開第2004/0037909号に記載の耐寒性キウィフルーツ調製物の活性と実質的に同様であることを確認した。3つの調製物(10mg/mL)のすべてが、サイトカインIL−4、IL−5、IL−10、IL−13、およびIFNγの抑制を、種々な程度において引き起こした。最も顕著な効果は、試験された試料のすべてについてIL−13およびIFNγにみられ、上述の米国特許出願公開第2004/0037909号に記載の以前のインビトロ試験と一致していた。活性がEtOAc抽出物において観察されたので、FD001に存在する活性成分は有機溶媒に溶出され、従来のクロマトグラフィー法によってさらに精製され得る。また、注目に値するのは、果汁濃縮物が脾細胞によるサイトカイン産生を抑制したことであり、上述の米国特許出公開第2004/0037909号に示されているキウィフルーツの抽出物が耐寒性キウィフルーツの活性な調製物を生成するための唯一の条件ではないことを示している。なお、果汁濃縮物においてサイトカインの抑制が相対的に低いことが明らかであり、FD001の調製に使用された乾燥または加熱処理が活性の増強に重要であり得ることを示唆している。
(実施例3)
以下の実施例において、A.アルグタの果実以外の部分の抽出物およびA/アルグタの他の果実調製物のインビトロ活性の比較について説明する。
以下の実施例において、A.アルグタの果実以外の部分の抽出物およびA/アルグタの他の果実調製物のインビトロ活性の比較について説明する。
この実験の目的は、果実以外の植物の部分または果実の他の調製物(すなわち上述の米国特許出公開第2004/0037909号に記載の抽出物以外)から生成されているA.アルグタ抽出物の、オボアルブミン感作マウスに由来する脾細胞培養株におけるサイトカイン(IL−13およびIFNγ)産生を調節する能力を、ELISA分析を用いて評価することである。以下の試料(上述した通りに調製された):実施例1に記載の通りに調製されたA.アルグタの茎、根および外皮の水抽出物;“煮沸した”未乾燥の果実の調製物;実施例1に記載の通りに調製された果汁濃縮物;実施例1に記載の通りに調製されたFD001粉末(後述する臨床試験に使用された);乾燥したA.アルグタの室温における水抽出物;実施例1に記載の通りに調製されたEtOAc抽出物;および実施例1に記載の水性残余物が試験された。さらに、公知の3つの免疫抑制化合物、シクロスポリン、デキサメタゾンおよびケルセチンの活性が対照として評価された。
脾細胞の単離および培養
脾細胞の調製は、実施例2において上述した方法と同様に実施された。
脾細胞の調製は、実施例2において上述した方法と同様に実施された。
A.アルグタ調製物を用いた脾細胞培養物の刺激
8匹のOVA感作マウス(8つの複製)から得られた脾細胞は、試験される抽出物または調製物の分析に利用された。各マウスから得られた5×106の脾細胞は、24ウェルプレートの別々のウェルに入れられた。ウェルごとに、100μg/mLのOVAおよび25mMのHEPES(pH7.3)を含有している1mlのRPMI−1640完全培地が入っている。キウィフルーツ調製物は、1.0、3.0および10mg/mLの濃度において試験された。
8匹のOVA感作マウス(8つの複製)から得られた脾細胞は、試験される抽出物または調製物の分析に利用された。各マウスから得られた5×106の脾細胞は、24ウェルプレートの別々のウェルに入れられた。ウェルごとに、100μg/mLのOVAおよび25mMのHEPES(pH7.3)を含有している1mlのRPMI−1640完全培地が入っている。キウィフルーツ調製物は、1.0、3.0および10mg/mLの濃度において試験された。
シクロスポリン、ケルセチンおよびデキサメタゾン分析
8匹のOVA感作マウス(8つの複製)から得られた脾細胞は、ケルセチンを除く各化合物の分析に利用された。ケルセチンの分析において、2匹のOVA感作マウスのみから得られた脾細胞が試験された。各マウスから得られた5×106の脾細胞は、24ウェルプレートの別々のウェルに入れられた。ウェルごとに、100μg/mLのOVAおよび25mMのHEPES(pH7.3)を含有している1mlのRPMI−1640完全培地が入っている。シクロスポリンは、0.0083、0.083および4.15μMの濃度において試験された。デキサメタゾンは、0.01、0.1および1μMの濃度において試験された。ケルセチンは、1、10および25μMの濃度において試験された。強力なグルココルチコイド抗炎症薬である1μMのデキサメタゾンを用いて処理されたウェルを、試験の陽性対照にした。100μg/mLのOVAおよび25mMのHEPES(pH7.3)を含有している1mlのRPMI−1640完全培地のみを受けているウェルを試験のOVAのみの対照にした。3日間にわたる培養の後に、上清が回収され、凍結された。これらの上清は、試験された実験条件下における、種々の培養培地に存在するIL−13およびIFNγのレベルを測定するために使用された。
8匹のOVA感作マウス(8つの複製)から得られた脾細胞は、ケルセチンを除く各化合物の分析に利用された。ケルセチンの分析において、2匹のOVA感作マウスのみから得られた脾細胞が試験された。各マウスから得られた5×106の脾細胞は、24ウェルプレートの別々のウェルに入れられた。ウェルごとに、100μg/mLのOVAおよび25mMのHEPES(pH7.3)を含有している1mlのRPMI−1640完全培地が入っている。シクロスポリンは、0.0083、0.083および4.15μMの濃度において試験された。デキサメタゾンは、0.01、0.1および1μMの濃度において試験された。ケルセチンは、1、10および25μMの濃度において試験された。強力なグルココルチコイド抗炎症薬である1μMのデキサメタゾンを用いて処理されたウェルを、試験の陽性対照にした。100μg/mLのOVAおよび25mMのHEPES(pH7.3)を含有している1mlのRPMI−1640完全培地のみを受けているウェルを試験のOVAのみの対照にした。3日間にわたる培養の後に、上清が回収され、凍結された。これらの上清は、試験された実験条件下における、種々の培養培地に存在するIL−13およびIFNγのレベルを測定するために使用された。
培養上清におけるサイトカインレベルの測定
すべての処理に関するウェルおよび対照のウェルから得られた培養上清におけるサイトカインレベルは、ELISAアッセイによって測定された。2つのELISAプレートウェルが各サイトカインレベルの測定に利用された。
すべての処理に関するウェルおよび対照のウェルから得られた培養上清におけるサイトカインレベルは、ELISAアッセイによって測定された。2つのELISAプレートウェルが各サイトカインレベルの測定に利用された。
実施例2に記載のインビトロ試験の結果に基づいて、IL−13およびIFNγの発現のみが、試験物質が有している活性のレベルを評価するため分析された。
結果
上述のように、A.アルグタ試験物質の濃度が上昇するにつれて、試験されたサイトカインの抑制が強くなった。抑制は、IFNγに対して全体的に顕著であった。所定の免疫抑制化合物の活性は、このアッセイにおいてA.アルグタ調製物と同様であった。ペプチドのクロスポリン、およびグルココルチコイドステロイドのデキサメタゾンは。図5Aに示すように強い活性(<1μM)を示した。フラボノイドのケルセチンは、やや高めの濃度範囲(1〜25μM、図5B)において強い活性を示した。FD001から活性成分を抽出する、EtOAcの能力について、さらに確認し、それを図6Aおよび6Bに示した。興味深いことに、活性が水性残余物にも存在することが観察され、極性成分および非極性成分の両方がインビボにおける免疫抑制効果を担っていることを示している。イヌおよびヒトの臨床試験(後述する)において使用される物質であるFD001の粉末は、図7Aおよび7Bに示されるように、このアッセイにおいて活性であることが確認された。
上述のように、A.アルグタ試験物質の濃度が上昇するにつれて、試験されたサイトカインの抑制が強くなった。抑制は、IFNγに対して全体的に顕著であった。所定の免疫抑制化合物の活性は、このアッセイにおいてA.アルグタ調製物と同様であった。ペプチドのクロスポリン、およびグルココルチコイドステロイドのデキサメタゾンは。図5Aに示すように強い活性(<1μM)を示した。フラボノイドのケルセチンは、やや高めの濃度範囲(1〜25μM、図5B)において強い活性を示した。FD001から活性成分を抽出する、EtOAcの能力について、さらに確認し、それを図6Aおよび6Bに示した。興味深いことに、活性が水性残余物にも存在することが観察され、極性成分および非極性成分の両方がインビボにおける免疫抑制効果を担っていることを示している。イヌおよびヒトの臨床試験(後述する)において使用される物質であるFD001の粉末は、図7Aおよび7Bに示されるように、このアッセイにおいて活性であることが確認された。
実施例2に記載のように、上述の米国特許出公開第2004/0037909号に記載の手法以外の、キウィフルーツ抽出物の他の調製方法が検討された。果実から得られた抽出物(乾燥されているか、もしくは未乾燥であるか、または熱水もしくは室温の水において抽出された)のすべては、図8Aおよび8Bから分かるように、このアッセイにおいて同様の活性を示した。この分析に基づいて、本発明者らは、治療を目的とする耐寒性キウィフルーツを調製するための種々の実行可能な代替方法があると考えている。
興味深いことに、A.アルグタの外皮、根および茎から調製された熱水の抽出物は、このアッセイにおいて、FD001および果汁の濃縮物と比べて、同等の活性または優れた活性を示した(図9Aおよび9B)。これらの結果は、これらの他の植物の部分が、免疫マーカーの調節または炎症誘発性のサイトカインの抑制に関して、治療学的に興味深い化合物の他の原料であり得ることを示している。
(実施例4)
以下の実施例は、FD001のC−18クロマトグラフィー精製から回収された画分のインビトロ活性の比較について説明する。
以下の実施例は、FD001のC−18クロマトグラフィー精製から回収された画分のインビトロ活性の比較について説明する。
この実験の目的は、オボアルブミン感作マウスに由来する脾細胞培養株におけるサイトカイン(IL−13およびIFNγ)産生を調節するFD001の画分の生物活性を、ELISA分析を用いて評価することであった。FD001の画分は、溶媒の極性の低下にしたがって溶出するC−18クロマトグラフィーカラムによる精製後の画分である。以下の試料(上述のように調製された):画分cut F1、F2、F3、F4、F5およびF6が試験された。さらに、公知の3つの免疫抑制化合物、シクロスポリン、デキサメタゾンおよびケルセチンの活性が、FD001の等価物であるSG05−0217Aの基準対照飼料とともに、対照として評価された。
脾細胞の単離および培養
脾細胞の調製は、実施例3において上述した同じ方法において実施された。
脾細胞の調製は、実施例3において上述した同じ方法において実施された。
A.アルグタ調製物を用いた脾細胞培養物の刺激
8匹のOVA感作マウス(8つの複製)から得られた脾細胞は、試験される抽出物または調製物の分析に利用された。各マウスから得られた5×106の脾細胞は、24ウェルプレートの別々のウェルに入れられた。ウェルごとに、100μg/mLのOVAおよび25mMのHEPES(pH7.3)を含有している1mlのRPMI−1640完全培地が入っている。キウィフルーツ調製物は、1.0、3.0および10mg/mLの濃度において試験された。
8匹のOVA感作マウス(8つの複製)から得られた脾細胞は、試験される抽出物または調製物の分析に利用された。各マウスから得られた5×106の脾細胞は、24ウェルプレートの別々のウェルに入れられた。ウェルごとに、100μg/mLのOVAおよび25mMのHEPES(pH7.3)を含有している1mlのRPMI−1640完全培地が入っている。キウィフルーツ調製物は、1.0、3.0および10mg/mLの濃度において試験された。
シクロスポリン、ケルセチンおよびデキサメタゾン分析
8匹のOVA感作マウス(8つの複製)から得られた脾細胞は、ケルセチンを除く各化合物の分析に利用された。ケルセチンの分析において、2匹のOVA感作マウスのみから得られた脾細胞が試験された。各マウスから得られた5×106の脾細胞は、24ウェルプレートの別々のウェルに入れられた。ウェルごとに、100μg/mLのOVAおよび25mMのHEPES(pH7.3)を含有している1mlのRPMI−1640完全培地が入っている。シクロスポリンは、0.0083、0.083および4.15μMの濃度において試験された。デキサメタゾンは、0.01、0.1および1μMの濃度において試験された。ケルセチンは、1、10および25μMの濃度において試験された。強力なグルココルチコイド抗炎症薬である1μMのデキサメタゾンを用いて処理されたウェルを、試験の陽性対照にした。100μg/mLのOVAおよび25mMのHEPES(pH7.3)を含有している1mlのRPMI−1640完全培地のみを受けているウェルを試験のOVAのみの対照にした。3日間にわたる培養の後に、上清が回収され、凍結された。これらの上清は、試験された実験条件下における、種々の培養培地に存在するIL−13およびIFNγのレベルを測定するために使用された。
8匹のOVA感作マウス(8つの複製)から得られた脾細胞は、ケルセチンを除く各化合物の分析に利用された。ケルセチンの分析において、2匹のOVA感作マウスのみから得られた脾細胞が試験された。各マウスから得られた5×106の脾細胞は、24ウェルプレートの別々のウェルに入れられた。ウェルごとに、100μg/mLのOVAおよび25mMのHEPES(pH7.3)を含有している1mlのRPMI−1640完全培地が入っている。シクロスポリンは、0.0083、0.083および4.15μMの濃度において試験された。デキサメタゾンは、0.01、0.1および1μMの濃度において試験された。ケルセチンは、1、10および25μMの濃度において試験された。強力なグルココルチコイド抗炎症薬である1μMのデキサメタゾンを用いて処理されたウェルを、試験の陽性対照にした。100μg/mLのOVAおよび25mMのHEPES(pH7.3)を含有している1mlのRPMI−1640完全培地のみを受けているウェルを試験のOVAのみの対照にした。3日間にわたる培養の後に、上清が回収され、凍結された。これらの上清は、試験された実験条件下における、種々の培養培地に存在するIL−13およびIFNγのレベルを測定するために使用された。
培養上清におけるサイトカインレベルの測定
すべての処理に関するウェルおよび対照のウェルから得られた培養上清におけるサイトカインレベルは、ELISAアッセイによって測定された。2つのELISAプレートウェルが各サイトカインレベルの測定に利用された。上述の実施例3に示されているように、IL−13およびIFNγの発現のみが、試験物質が有している活性のレベルを評価するため分析された。
すべての処理に関するウェルおよび対照のウェルから得られた培養上清におけるサイトカインレベルは、ELISAアッセイによって測定された。2つのELISAプレートウェルが各サイトカインレベルの測定に利用された。上述の実施例3に示されているように、IL−13およびIFNγの発現のみが、試験物質が有している活性のレベルを評価するため分析された。
結果
この実験によって、IL−13およびIFNγのより強い抑制がこのアッセイにおけるA.アルグタ調製物から観察されたことが示された。このクロマトグラフィー精製技術がFD001から活性成分を抽出する能力について、図11に示されるように、さらに確認された。FD001に対する基準物質であるSG05−0217Aと比べて、4/5のCutは、実質的にサイトカイン(IL−13およびIFNγ)のより強い抑制剤である。
この実験によって、IL−13およびIFNγのより強い抑制がこのアッセイにおけるA.アルグタ調製物から観察されたことが示された。このクロマトグラフィー精製技術がFD001から活性成分を抽出する能力について、図11に示されるように、さらに確認された。FD001に対する基準物質であるSG05−0217Aと比べて、4/5のCutは、実質的にサイトカイン(IL−13およびIFNγ)のより強い抑制剤である。
これらのデータは、治療を目的とする耐寒性キウィフルーツを調製するための種々の実行可能な代替方法があることを示している。
(実施例5)
以下の実施例において、中程度の重篤度のアトピー性にかかっている成人の患者におけるFD001の有効性の二重盲検、プラシーボ対照、外来患者の試験の結果について説明する。
以下の実施例において、中程度の重篤度のアトピー性にかかっている成人の患者におけるFD001の有効性の二重盲検、プラシーボ対照、外来患者の試験の結果について説明する。
この試験の目的は、中程度の重篤度のアトピー性(AD)にかかっている少数の成人の有志者における、42日間にわたって経口的に投与されたFD001(PG102T)の有効性の証拠を得ることであった。この試験の第2の目的は、FD001に対する応答の許容度および変動性を評価することであった。
試験計画
被験者は、2つの600mgのカプセルに入っている(実施例1に記載の通りに調製された)FD001の粉末(総用量が600mgのFD001)、またはMCCからなるプラシーボの2つのカプセルを、試験の1日目から始めて42日間にわたって、朝に摂取した。1人を除いてすべての試験参加者は、試験の開始時に、ステロイド療法(経口または局所性の種々の形態)を併用していた。被験者には、14日後にステロイド薬の使用を中止するように指示した。4つの時点(適格性の検査のための来診時;試験の1、14および42日目)において、日常の生化学検査および血液学のために採血された。尿は日常の尿検査のために4日おきに採取された。有効性の評価は。各来診後の検査時に行われた。被験者は、全体的に健康な19〜65歳の男性または女性であった。被験者は、医師による全体的な評価(Feldman and Krueger, Annals of the Rheumatic Diseases, 64:ii65-ii68, 2005)のスコアが、0〜4の度合いに対して3と定義づけられている中程度の重篤度の進行中のアトピー性皮膚炎にかかっている。被験者は、最小でも体表面積(BSA)の10%においてADを有している。被験者は、ADの処置のために局所性のステロイドを使用中であり、育児中または妊娠中ではない。安全性および許容度が、有害反応の報告、ならびに標準的な血液化学、血液学および尿検査を用いて評価された。
被験者は、2つの600mgのカプセルに入っている(実施例1に記載の通りに調製された)FD001の粉末(総用量が600mgのFD001)、またはMCCからなるプラシーボの2つのカプセルを、試験の1日目から始めて42日間にわたって、朝に摂取した。1人を除いてすべての試験参加者は、試験の開始時に、ステロイド療法(経口または局所性の種々の形態)を併用していた。被験者には、14日後にステロイド薬の使用を中止するように指示した。4つの時点(適格性の検査のための来診時;試験の1、14および42日目)において、日常の生化学検査および血液学のために採血された。尿は日常の尿検査のために4日おきに採取された。有効性の評価は。各来診後の検査時に行われた。被験者は、全体的に健康な19〜65歳の男性または女性であった。被験者は、医師による全体的な評価(Feldman and Krueger, Annals of the Rheumatic Diseases, 64:ii65-ii68, 2005)のスコアが、0〜4の度合いに対して3と定義づけられている中程度の重篤度の進行中のアトピー性皮膚炎にかかっている。被験者は、最小でも体表面積(BSA)の10%においてADを有している。被験者は、ADの処置のために局所性のステロイドを使用中であり、育児中または妊娠中ではない。安全性および許容度が、有害反応の報告、ならびに標準的な血液化学、血液学および尿検査を用いて評価された。
統計学的方法
コクラン マンテル−ヘンツェル検定(Armitage et al., Statistical Methods in Medical Research, 4th Ed., Blackwell, Oxford, 2002)を用いた解析にともなう一次的な有効性の変量は、医師による全体的な評価にある基準からの、42日目における変化である。第2の変量は、ADの徴候(紅斑、硬化、滲出/外皮形成、および掻痒)の基準、および2標本t−検定を用いて解析される総BSAの基準からの、42日目における変化である。記述統計量が、基準のすべて、ならびに1、14、28および42日目における処置群ごとの基準より後の試験データについて表されている。これらの統計量は、標本の大きさ、平均値、標準偏差、頻度、割合および必要に応じて信頼区間を含んでいる。被験者の自己評価調査票からの結果は、処置群ごとに総計されて表されている。試験期間中に生じた有害事象はいずれも記録された。有害事象の記述は、発生日、事象の終了日または継続した日、事象の重篤度、要因、取られた対応、取られた療法、および結果を含んでいる。これらのデータは、有害事象を報告している患者の番号、生体の器官系(body system)、重症度(severity)、重大さ(seriousness)、試験物質との関係によって分類された。処置群間の比較は、試験期間中にMedRA項目(Medical Dictionary for Regulatory Activities. http://www.meddramsso.com)に分類されている1つ以上の有害事象を有している被験者の頻度を一覧にすることによって成された。
コクラン マンテル−ヘンツェル検定(Armitage et al., Statistical Methods in Medical Research, 4th Ed., Blackwell, Oxford, 2002)を用いた解析にともなう一次的な有効性の変量は、医師による全体的な評価にある基準からの、42日目における変化である。第2の変量は、ADの徴候(紅斑、硬化、滲出/外皮形成、および掻痒)の基準、および2標本t−検定を用いて解析される総BSAの基準からの、42日目における変化である。記述統計量が、基準のすべて、ならびに1、14、28および42日目における処置群ごとの基準より後の試験データについて表されている。これらの統計量は、標本の大きさ、平均値、標準偏差、頻度、割合および必要に応じて信頼区間を含んでいる。被験者の自己評価調査票からの結果は、処置群ごとに総計されて表されている。試験期間中に生じた有害事象はいずれも記録された。有害事象の記述は、発生日、事象の終了日または継続した日、事象の重篤度、要因、取られた対応、取られた療法、および結果を含んでいる。これらのデータは、有害事象を報告している患者の番号、生体の器官系(body system)、重症度(severity)、重大さ(seriousness)、試験物質との関係によって分類された。処置群間の比較は、試験期間中にMedRA項目(Medical Dictionary for Regulatory Activities. http://www.meddramsso.com)に分類されている1つ以上の有害事象を有している被験者の頻度を一覧にすることによって成された。
検査値に関する要約した記述統計値およびそれらに関連する基準(1日目)からの変化は、臨床検査評価のすべてについて決定された。さらに、“推移の表”が作成された。推移の表は、試験の進行中に検査パラメータの変化(例えば、検査基準範囲に基づいて、正常から高くなる変化)を起こした被験者の数および割合を示している。以下の局所性のステロイドは、アトピー性皮膚炎の症状の処置に一般的に使用される。**の印のあるものは、この臨床試験において何人かの個体によって使用された。
++ベタメタゾンジプロピオネート(ジプロレン)、**0.05%のクロベタゾル 17−プロピオネート(デルモベート)、**ハロベタゾルプロピオネート(ウルトラベート)、0.1%のハルシノニド(ハログ)、0.1%のアムシノニド(シクロコルト)、0.5mgのベタメタゾンジプロピオネート(ジプロレン、ジェネリクス)、0.05%のベタメタゾンバレレート(ベタデルム、セレストデルム、プレベックス)、0.25%のデソキシメタゾン(デソキシ、トピコルト)、0.1%のジフルオロコルトロンバレレート(ネリゾン)、0.25%のフルオシノンロンアセトニド(デルマ、フルオデルム、シナラー)、**0.05%のフルオシノニド(リデモル、リデックス、タイデルム、チアモル、トプシン)、ハルシノニド(ハログ)、**0.1%のモメタゾンフロエート(エロコン)、**0.5%のトリアムシノロン,デソニド(デソウェン)、**0.2%のヒドロコルチゾンバレレート(ウェストコルト)、0.1%のプレドニカルベート(デルマトップ)および1.0%のヒドロコルチゾン(コルタイド)。
表1は、試験において試験物質(FD001またはプラシーボ)と組み合わせて、最も高頻度に使用されたステロイドに基づいて臨床試験から亜集団を抜き出したものである。
有効性の結果
試験を完了させるために最初の17人の被験者に対して実施された中間解析の結果、2つの二次的な有効性の指標:紅斑(p=0.13、ITT 17)および硬化(p=0.09、ITT 17)に強い統計学的な傾向を生じた。中間解析の時点において、統計的な差異は、この小さな標本の大きさにおいて一次的な有効性の指標において検出されなかった。
試験を完了させるために最初の17人の被験者に対して実施された中間解析の結果、2つの二次的な有効性の指標:紅斑(p=0.13、ITT 17)および硬化(p=0.09、ITT 17)に強い統計学的な傾向を生じた。中間解析の時点において、統計的な差異は、この小さな標本の大きさにおいて一次的な有効性の指標において検出されなかった。
42日目の最終的な解析において、一次的な有効性の変量(医師による全体的な評価)または二次的な有効性の変量(ADの徴候における基準線からの変化およびBSAに関する変化の割合)に関して処置した群の間に統計的な有意差は認められなかった。しかし、14日目に有意な分布の変移が一次的な有効性の指標において観察された。1日目から14日目の間に生じているこの変移は、プラシーボの受容者および試験物質の受容者のそれぞれの応答について、図10Aおよび10Bにおいて認められ得る(PGAの採点化の基準が示されている)。被験者が分析の14日目に関して応答群および非応答群に分類された場合(表1、群A)、応答者はFD001処置群において高い割合を有して認められ、非応答者はプラシーボ処置群において高い割合を有して認められた。これらの結果は、より強いステロイドを使用している被験者(群B)が除外された場合、および中程度から穏やかなステロイド処置を続けている被験者(原C)について、比較的に一貫して維持されていた。補足的なこの後の分析によって、一次的なPGAの指標(p=0.02)、および14日目における発赤に対する被験者の自己評価(p=0.03)について統計的な有意性が明らかになった。さらに、強い統計的な傾向が、14日目における疥癬についての自己評価および滲出/外皮形成についての臨床徴候評価において検出された(それぞれp=0.08およびp=0.07)。処置群に認められた有効性は、42日目までに消失したPGA指標を介して、プラシーボ群と比較された。
これらの結果は、局所性のステロイド療法に対する免疫賦活剤としてのFD001の使用が、ADの処置に利益をもたらすことを示している。1、14および42日目における検査の試験結果は、実施された試験(臨床化学、差異を有する全血球計算値、凝固、間接ビリルビン、および尿の顕微鏡観察が挙げられる)のいずれに関しても安全性がないことと関連する傾向を示した。IgE、C反応性タンパク質、または好酸球計算値について処置群の間に差は認められなかった。
安全性の結果
重大な有害事象は、FD001処理またはプラシーボのいずれに関しても報告されなかった。FD001において12の重大ではない事象があり、プラシーボにおいて13の重大ではない事象があった。これらの内訳は、FD001において10の軽度の事象、および2の重度の事象であり、プラシーボにおいての13の軽度の事象であった。試験物質またはプラシーボに対して問題があると見做される事象またはこれらに関連する事象は、なかった。
重大な有害事象は、FD001処理またはプラシーボのいずれに関しても報告されなかった。FD001において12の重大ではない事象があり、プラシーボにおいて13の重大ではない事象があった。これらの内訳は、FD001において10の軽度の事象、および2の重度の事象であり、プラシーボにおいての13の軽度の事象であった。試験物質またはプラシーボに対して問題があると見做される事象またはこれらに関連する事象は、なかった。
結論
分布の大きな推移が、14日目における一次指標(PGA)に認められた。この理由に関して、後の解析が、14日目の時点における処置した群に統計的な有意差を示したこの時点について実施された。さらに、いくつかの二次指標は、統計的に有意な傾向(自己評価における紅斑、p=0.03)または統計的に大きな傾向(自己評価における掻痒の改善、p=0.03およびAD評価の徴候における滲出/外皮形成、p=0.07)を示した。試験において報告された深刻な有害事象はなかった。試験物質群およびプラシーボ群の両方において報告された有害事象の数は同程度であり、試験物質に起因していなかった。臨床検査値において検出された安全性に関わる懸念はなかった。これらのデータは、A.アルグタの果実抽出物が受容者にとって安全であり、十分に許容され、ステロイド療法に対する免疫賦活剤として有益であるという前臨床の哺乳類の試験およびヒトの事例調査を再確認している。
分布の大きな推移が、14日目における一次指標(PGA)に認められた。この理由に関して、後の解析が、14日目の時点における処置した群に統計的な有意差を示したこの時点について実施された。さらに、いくつかの二次指標は、統計的に有意な傾向(自己評価における紅斑、p=0.03)または統計的に大きな傾向(自己評価における掻痒の改善、p=0.03およびAD評価の徴候における滲出/外皮形成、p=0.07)を示した。試験において報告された深刻な有害事象はなかった。試験物質群およびプラシーボ群の両方において報告された有害事象の数は同程度であり、試験物質に起因していなかった。臨床検査値において検出された安全性に関わる懸念はなかった。これらのデータは、A.アルグタの果実抽出物が受容者にとって安全であり、十分に許容され、ステロイド療法に対する免疫賦活剤として有益であるという前臨床の哺乳類の試験およびヒトの事例調査を再確認している。
(実施例6)
以下の実施例において、アトピーのイヌのCADESIスコア(Olivry et al., Vet. Dermatol., 13:77-87, 2002; Hanifin et al., Exp. Dermatol., 10:11-18, 2001; Kunz et al., Dermatology, 1997, 195, 10-19)を低下させるための耐寒性キウィフルーツ抽出物の使用を評価する、無作為化した二重盲検のプラシーボ対照試験について説明する。
以下の実施例において、アトピーのイヌのCADESIスコア(Olivry et al., Vet. Dermatol., 13:77-87, 2002; Hanifin et al., Exp. Dermatol., 10:11-18, 2001; Kunz et al., Dermatology, 1997, 195, 10-19)を低下させるための耐寒性キウィフルーツ抽出物の使用を評価する、無作為化した二重盲検のプラシーボ対照試験について説明する。
この試験の第1の目的は、イヌにおけるアトピー性皮膚炎(AD)にとって標準的なステロイド処置に対する補助療法として、A.アルグタの果実抽出物(濃縮物)であるFD001の有効性を評価することであった。処置に対する応答は、CADESIの等級および罹患者の掻痒の評価を組み込んでいる臨床治験担当医の全体的な評価を用いて評価された。
試験の付加的な目的は、ADの臨床徴候の管理におけるステロイド使用の必要性を低下させる単独療法として、キウィフルーツ抽出物の有効性を評価することであった。
試験の第3の目的は、この処置の起こり得る副作用を評価することであった。
実験計画および方法
仮説を確かめるために、無作為化した二重盲検のプラシーボ対照臨床試験が行われた。
仮説を確かめるために、無作為化した二重盲検のプラシーボ対照臨床試験が行われた。
A.動物
自然発生的な疾患を有している約60匹のイヌが選ばれた。
試験対象患者基準:
1.すべてのイヌは、AD皮膚疾患を除いて、身体検査において健康であると判定された。
2.軽度から中程度の重症度の非季節性のAD(1〜6年の病歴)の診断は、病歴、矛盾のない臨床徴候、他の疾患の排除、最も一般的な皮膚の57のアレルゲンを用いた皮内の皮膚試験における少なくとも3つの陽性反応に基づいて行われた。
3.ノミの制御処理(1ヶ月間の効果×最小1ヶ月)。
4.食品成分の可能性を除外するための食品試験*または十分な食品試験の履歴(過去2年以内)。
5.必要に応じて、何匹かのイヌが疥癬に対する処置を受けた。
6.すべての適格なイヌは、以下の期間にわたって併用する薬物療法を受けた:
・すべての抗ヒスタミンを2週間
・持続型の注入可能なステロイド(例えば、デポメドロール)を2ヶ月間
・局所性のステロイドを2週間
・経口のステロイド(掻痒が再度、悪化したときに必要とされる)を5〜14日間
・経口のCsAを1ヶ月間
・必須の脂肪酸補助物のすべてを1ヶ月間**
・洗髪剤または抗生物質を使用し続ける(試験期間には使用されない)。
7.動物は、試験に登録される前に、任意の二次的感染のおそれが除去された。
8.基準線の最小のCADESIスコアが25である。
9.イヌは、試験期間中に同じ食餌を継続させる必要があった。
10.飼い主は、試験の開始前にクライアントの同意に署名する必要があった。
試験除外患者基準:
1.MRSA/MRSIの病歴。
2.事前に全身性疾患にかかっている動物(抑制された甲状腺機能低下症を除く)。
3.特別に重篤なADにかかっている動物。
4.最初の2週間のステロイド療法に対する非応答が続くか、または完全寛解する。
5.薬用の洗髪剤を必要とする動物。
6.処置が疾患を安定化しており、少なくとも1年にわたって進行中ではない限り、同時のアレルゲン特異的な免疫療法を必要とする動物。
*食品試験は、イヌの特定の食事性の病歴に基づいているが、タンパク質および炭水化物の新たな供給源を取り入れた。イヌは、8週間にわたって食品試験食(例えば、Innovative Veterinary Dietsによって製造されている鹿肉およびジャガイモの食餌)を受け取れる状態におかれた。掻痒および感染の再発を試験中に監視した。試験中に掻痒および感染の再発が認められると、食物アレルギーが除外される。掻痒および感染の再発が消失または減少した場合、動物は以前の食餌を用いてふたたび試験され、7日間まで感染の再発または掻痒に関して監視された。したがって、潜在的に臨床的に見てADと思われ得る他の掻痒性の皮膚疾患は、登録の前に除外されるか、または制御される(例えば、ノミアレルギー)。
**シクロスポリンおよび脂肪酸に関して、4週間の治療の中止期間をおいた。
自然発生的な疾患を有している約60匹のイヌが選ばれた。
試験対象患者基準:
1.すべてのイヌは、AD皮膚疾患を除いて、身体検査において健康であると判定された。
2.軽度から中程度の重症度の非季節性のAD(1〜6年の病歴)の診断は、病歴、矛盾のない臨床徴候、他の疾患の排除、最も一般的な皮膚の57のアレルゲンを用いた皮内の皮膚試験における少なくとも3つの陽性反応に基づいて行われた。
3.ノミの制御処理(1ヶ月間の効果×最小1ヶ月)。
4.食品成分の可能性を除外するための食品試験*または十分な食品試験の履歴(過去2年以内)。
5.必要に応じて、何匹かのイヌが疥癬に対する処置を受けた。
6.すべての適格なイヌは、以下の期間にわたって併用する薬物療法を受けた:
・すべての抗ヒスタミンを2週間
・持続型の注入可能なステロイド(例えば、デポメドロール)を2ヶ月間
・局所性のステロイドを2週間
・経口のステロイド(掻痒が再度、悪化したときに必要とされる)を5〜14日間
・経口のCsAを1ヶ月間
・必須の脂肪酸補助物のすべてを1ヶ月間**
・洗髪剤または抗生物質を使用し続ける(試験期間には使用されない)。
7.動物は、試験に登録される前に、任意の二次的感染のおそれが除去された。
8.基準線の最小のCADESIスコアが25である。
9.イヌは、試験期間中に同じ食餌を継続させる必要があった。
10.飼い主は、試験の開始前にクライアントの同意に署名する必要があった。
試験除外患者基準:
1.MRSA/MRSIの病歴。
2.事前に全身性疾患にかかっている動物(抑制された甲状腺機能低下症を除く)。
3.特別に重篤なADにかかっている動物。
4.最初の2週間のステロイド療法に対する非応答が続くか、または完全寛解する。
5.薬用の洗髪剤を必要とする動物。
6.処置が疾患を安定化しており、少なくとも1年にわたって進行中ではない限り、同時のアレルゲン特異的な免疫療法を必要とする動物。
*食品試験は、イヌの特定の食事性の病歴に基づいているが、タンパク質および炭水化物の新たな供給源を取り入れた。イヌは、8週間にわたって食品試験食(例えば、Innovative Veterinary Dietsによって製造されている鹿肉およびジャガイモの食餌)を受け取れる状態におかれた。掻痒および感染の再発を試験中に監視した。試験中に掻痒および感染の再発が認められると、食物アレルギーが除外される。掻痒および感染の再発が消失または減少した場合、動物は以前の食餌を用いてふたたび試験され、7日間まで感染の再発または掻痒に関して監視された。したがって、潜在的に臨床的に見てADと思われ得る他の掻痒性の皮膚疾患は、登録の前に除外されるか、または制御される(例えば、ノミアレルギー)。
**シクロスポリンおよび脂肪酸に関して、4週間の治療の中止期間をおいた。
B.実験計画
選択されたイヌは、1:1の割合において試験物質またはプラシーボの2群に、無作為に分けられた。したがって、約30匹のイヌが試験物質を受け、約30匹のイヌがプラシーボを受けた。グループ化は、無作為化され、飼い主および治験担当医師には伏せられた。
選択されたイヌは、1:1の割合において試験物質またはプラシーボの2群に、無作為に分けられた。したがって、約30匹のイヌが試験物質を受け、約30匹のイヌがプラシーボを受けた。グループ化は、無作為化され、飼い主および治験担当医師には伏せられた。
1.試験物質
一方の処理群は、1日に1回、30mg/kgの用量のキウィフルーツ抽出物/濃縮物(実施例1に記載のアクチニディア アルグタのFD001調製物)を受け、他方の処理群は、プラシーボを受けた。試験物質およびプラシーボの両方は、飼い主によってイヌに投与されるカプセル剤に調合された。カプセル剤は、カプセルとして与えるか、または食品の上に乗せられ得る。
一方の処理群は、1日に1回、30mg/kgの用量のキウィフルーツ抽出物/濃縮物(実施例1に記載のアクチニディア アルグタのFD001調製物)を受け、他方の処理群は、プラシーボを受けた。試験物質およびプラシーボの両方は、飼い主によってイヌに投与されるカプセル剤に調合された。カプセル剤は、カプセルとして与えるか、または食品の上に乗せられ得る。
2.ステロイド処理
両方の試験群は、試験1日目に開始して試験14日目まで、標準的な低用量の経口ステロイド(プレドニゾロン)を単独に用いて安定化され、試験14日目に、イヌが適格のままであるか否かを再評価した。ステロイド投与は以下のように実施された:
・1〜3日目:2mg/kgのBID
・4〜14日目:1日おきに2mg/kg
(14日目にイヌが継続して基準を満たしていれば)
・15〜42日目:1日おきに2mg/kg+指定の試験物質
ステロイド処置に関する最初の2週間の終わりに、ステロイド応答性、残余のADの徴候および症状について評価された(CADESIは、0を超えていて、初期のCADESIより小さい必要がある)。
両方の試験群は、試験1日目に開始して試験14日目まで、標準的な低用量の経口ステロイド(プレドニゾロン)を単独に用いて安定化され、試験14日目に、イヌが適格のままであるか否かを再評価した。ステロイド投与は以下のように実施された:
・1〜3日目:2mg/kgのBID
・4〜14日目:1日おきに2mg/kg
(14日目にイヌが継続して基準を満たしていれば)
・15〜42日目:1日おきに2mg/kg+指定の試験物質
ステロイド処置に関する最初の2週間の終わりに、ステロイド応答性、残余のADの徴候および症状について評価された(CADESIは、0を超えていて、初期のCADESIより小さい必要がある)。
3.第1段階の試験手法
最初の2週間の終わりに、治験担当医師は、CADESIスコアを介してADの徴候および症状、ならびに飼い主の掻痒に関する日誌を評価する。イヌに4週間の補助療法の期間を継続させるためには、治験担当医師の全体的な評価は、以下のように:
・CADESIスコアは、イヌがいまだに損傷を有していることを反映している
・掻痒に関する日誌が1日目完全には回復していないことを示している
ADの徴候および症状の改善を示しているが、完全に回復を示していないことが求められた。
最初の2週間の終わりに、治験担当医師は、CADESIスコアを介してADの徴候および症状、ならびに飼い主の掻痒に関する日誌を評価する。イヌに4週間の補助療法の期間を継続させるためには、治験担当医師の全体的な評価は、以下のように:
・CADESIスコアは、イヌがいまだに損傷を有していることを反映している
・掻痒に関する日誌が1日目完全には回復していないことを示している
ADの徴候および症状の改善を示しているが、完全に回復を示していないことが求められた。
上述の基準に適合していれば、イヌは、組合せ療法に組み込まれ、指定の試験物質を毎日受けるとともに、1日おきに0.2mg/kgの用量のプレドニゾロンを受けた。イヌの飼い主は、第1段階における残りの試験期間(4週間)にわたって経口ステロイドの支給を受けた。
イヌが標準的なステロイド処置に反応しなかった場合、試験への参加が解除され、目的の登録数に達するまで他のイヌが選ばれた。
6週間にわたる処置(最初の2週間のステロイド療法および4週間の組合せ療法)の期間中に、イヌは、事象の予定に記載されている間隔をおいて、CADESIの等級および掻痒に関する日誌を用いて評価された。6週間の処置期間の終わりに、各群におけるイヌは、CADESIスコア、臨床症状および飼い主によってつけられた掻痒の日誌に関して比較された。CADESIスコアに改善が認められ、治験担当医師に良好な候補と判断されたイヌは、この手順の第2段階(キウィ果実の単独療法)にとって適格とされた。
血液試料が、採取されて安全性および二次指標が評価された。全血球計算値、化学物質レベル、合計のアレルゲン特異的IgEレベル、およびTARCに関する検査が事象の予定に特定されている時点に実施された。CBC、化学検査は直ちに実施された(コロラド州立大学において)。合計のアレルゲン特異的IgEレベルおよびTARCのサンプルは−70℃に凍結された。
4.第2段階の試験手法
第2段階に進んだイヌは、4週間の非盲検の単独療法を開始した。グループ化に関して第2段階の終了まで伏せられたままなので、第1段階からプラシーボおよび試験物質のイヌは、そのまま登録された。4週間の経過前にイヌがADの徴候の再発したか、または医療の助けを必要とした場合、第2段階の処置が失敗したとみなし、それらのイヌには試験を中止させた。第2段階においてその改善を維持したイヌは、第2段階の処置の応答者と見做された。
第2段階に進んだイヌは、4週間の非盲検の単独療法を開始した。グループ化に関して第2段階の終了まで伏せられたままなので、第1段階からプラシーボおよび試験物質のイヌは、そのまま登録された。4週間の経過前にイヌがADの徴候の再発したか、または医療の助けを必要とした場合、第2段階の処置が失敗したとみなし、それらのイヌには試験を中止させた。第2段階においてその改善を維持したイヌは、第2段階の処置の応答者と見做された。
血液試料が採取されて、安全性および二次指標を評価した。全血球計算値、化学物質レベル、合計のアレルゲン特異的IgEレベル、およびTARCに関する検査が事象の予定に特定されている時点に実施された。
5.罹患者による有効性の評価
掻痒に関するスコア(高い数値ほどより重篤な掻痒であることを意味する0〜5の等級)は、飼い主によって毎週、割り当てられた(表2)。
掻痒に関するスコア(高い数値ほどより重篤な掻痒であることを意味する0〜5の等級)は、飼い主によって毎週、割り当てられた(表2)。
6.治験担当医師による有効性の臨床評価
紅斑、苔蘚化および表面剥離は、イヌのアトピー性皮膚炎の重症度指数(CADESI、表3)を用いて、各処理期間の1、14、28、35および42日目に治験担当医師によって評価され、採点された。この点数化システムは、イヌにおけるADの重篤度を評価するために、以前に使用され(Olivry et al. Vet. Dermatol 2000; 11: 47)、ヒトのADに使用された採点法から採用された(Hanifin et al., Exp Dermatol 2001; 10 (1): 11-8; Kunz et al., Dermatology 1997; 195 (1): 10-9)。0〜3の等級が各パラメータについて使用された(0=なし、1=軽度、2=中程度、3=重度)。したがって、評価される領域に関して、3つの点数の合計は0〜9の範囲である。合計のスコアは0〜360の範囲であった。この試験における一次指標は、CADESIスコアおよび掻痒に関する日誌を用いた、治験担当医師による全体的な評価であった。処置の不成功は、CADESIスコアが基準(1日目)に戻るか、またはADの悪化もしくは二次感染の発生に関連してより高くなる、と定義づけられた。損傷領域の細胞診断が、各CADESI評価のとき(毎週)実施された。CADESIスコアに改善を示さなかった被験体は、処置の不成功と見做された。
紅斑、苔蘚化および表面剥離は、イヌのアトピー性皮膚炎の重症度指数(CADESI、表3)を用いて、各処理期間の1、14、28、35および42日目に治験担当医師によって評価され、採点された。この点数化システムは、イヌにおけるADの重篤度を評価するために、以前に使用され(Olivry et al. Vet. Dermatol 2000; 11: 47)、ヒトのADに使用された採点法から採用された(Hanifin et al., Exp Dermatol 2001; 10 (1): 11-8; Kunz et al., Dermatology 1997; 195 (1): 10-9)。0〜3の等級が各パラメータについて使用された(0=なし、1=軽度、2=中程度、3=重度)。したがって、評価される領域に関して、3つの点数の合計は0〜9の範囲である。合計のスコアは0〜360の範囲であった。この試験における一次指標は、CADESIスコアおよび掻痒に関する日誌を用いた、治験担当医師による全体的な評価であった。処置の不成功は、CADESIスコアが基準(1日目)に戻るか、またはADの悪化もしくは二次感染の発生に関連してより高くなる、と定義づけられた。損傷領域の細胞診断が、各CADESI評価のとき(毎週)実施された。CADESIスコアに改善を示さなかった被験体は、処置の不成功と見做された。
イヌは、以下のいずれかに該当した場合に試験を中止させられた:
・飼い主がこの手順に同意しなかった
・被験体が処置を必要とする二次感染を起こした
・掻痒が、局所的な領域において、自己多発化(self-mutilation)が生じるほどに重篤化した。
・飼い主がこの手順に同意しなかった
・被験体が処置を必要とする二次感染を起こした
・掻痒が、局所的な領域において、自己多発化(self-mutilation)が生じるほどに重篤化した。
二次指標は、掻痒の割合および安全性の検査を含んでいる。
CADESIスコアが改善し、2〜6週間の処置期間(補助療法の期間)に医療の助けを必要としなかったイヌは、応答者と判断され、この手順の第2段階に適格であった。医療の助けを必要としたイヌは試験から外され、処置の不成功または非応答者と評価された。治験担当医師によって支給された試験物質および標準的なステロイドの他に、抗ヒスタミンなどのさらなる薬物は、イヌが処置の不成功に分類されない限り、処置期間中に割り当てられなかった。
7.血液試料
処置期間の1、14および42日目に、全血球計算値、化学物質レベル、合計のアレルゲン特異的IgEレベル、およびTARCのために採血された。
処置期間の1、14および42日目に、全血球計算値、化学物質レベル、合計のアレルゲン特異的IgEレベル、およびTARCのために採血された。
8.安全性の計量値
安全性は、副作用の発生および検査プロファイル基づいて評価された。全血球計算値(CBC w/差異)aPTT、および化学検査プロファイルのための試料は、1、14および42日目に採血された。
安全性は、副作用の発生および検査プロファイル基づいて評価された。全血球計算値(CBC w/差異)aPTT、および化学検査プロファイルのための試料は、1、14および42日目に採血された。
9.統計値
データは、一次指標に関してχ二乗検定によって解析され、二次指標(例えば、CADESI、掻痒の割合)について分散分析によって解析された。解析計画に関するさらなる詳細は、この手順における統計解析計画書に見られ得る。中間分析は、目標の登録数の半数が試験を終えたときに実施された。p<0.05は、有意であるとみなされた。
データは、一次指標に関してχ二乗検定によって解析され、二次指標(例えば、CADESI、掻痒の割合)について分散分析によって解析された。解析計画に関するさらなる詳細は、この手順における統計解析計画書に見られ得る。中間分析は、目標の登録数の半数が試験を終えたときに実施された。p<0.05は、有意であるとみなされた。
要約および結果:概要
この試験は、観察された集団におけるEFF1001の試験物質活性の証拠を提供し、EFF1001が、イヌのADの徴候および症状の維持および管理の他に、ステロイドの使用を控えさせるために、見込みのある有用な補助的な単独療法の製品であることを示唆している。この試験において、ステロイドなしの状態のまま、第2段階においてADの状態を維持または改善したイヌの大部分が、第1段階における組合せ処置(すなわち低用量のステロイドおよびEFF1001)の受容者であった。
この試験は、観察された集団におけるEFF1001の試験物質活性の証拠を提供し、EFF1001が、イヌのADの徴候および症状の維持および管理の他に、ステロイドの使用を控えさせるために、見込みのある有用な補助的な単独療法の製品であることを示唆している。この試験において、ステロイドなしの状態のまま、第2段階においてADの状態を維持または改善したイヌの大部分が、第1段階における組合せ処置(すなわち低用量のステロイドおよびEFF1001)の受容者であった。
第1段階のイヌの試験の要約
試験には、米国内の4つの動物病院から77匹のイヌが登録された。この試験に登録されたイヌは、1〜6年間にわたる軽度から中程度の重篤度の非季節性のアトピー性皮膚炎と診断された。第1段階は、アトピー性皮膚炎を安定化させるために低用量(0.2mg/kg)のステロイドのみを導入した2週間を含む、6週間の処置期間であった。14日目に、試験において、第1段階の残りの4週間にわたって低用量のステロイド(qEODステロイドの投与)とともに、30mg/kgのEFF1001またはプラシーボが導入された。頻繁な来診(すなわち、およそ毎週)によって、CADESIおよび掻痒の測定を試験の全体を通して一貫して継続することが保証された。
試験には、米国内の4つの動物病院から77匹のイヌが登録された。この試験に登録されたイヌは、1〜6年間にわたる軽度から中程度の重篤度の非季節性のアトピー性皮膚炎と診断された。第1段階は、アトピー性皮膚炎を安定化させるために低用量(0.2mg/kg)のステロイドのみを導入した2週間を含む、6週間の処置期間であった。14日目に、試験において、第1段階の残りの4週間にわたって低用量のステロイド(qEODステロイドの投与)とともに、30mg/kgのEFF1001またはプラシーボが導入された。頻繁な来診(すなわち、およそ毎週)によって、CADESIおよび掻痒の測定を試験の全体を通して一貫して継続することが保証された。
登録されたイヌの71%(55/77)が第1段階を終了した。掻痒における改善(部分的な一次指標)がEFF1001を受けたイヌに認められた(p=0.0594)。第1段階の42日目に、EFF1009群におけるCADESIスコアがプラシーボ群よりも改善したが(−6.9対−4.0)、群の間の差には統計的に有意ではなかった(p=0.4371)。
第1段階を終えているイヌの64%(35/55)が第2段階;4週間にわたってEFF1001単独(単独療法)の処置相に進められた。第1段階から第2段階に進んだイヌのプラシーボおよび試験物質のおおよそ等しい集団は、それらの処置の割り当てが伏せられたままの治験担当医師によって決定されているので、その適合性のみに基づいていた。治験担当医師は、イヌのCADESIスコア、掻痒のスコア、全体的な状態および飼い主の評価に強く依存していた。
安全性の結果
サイト#2におけるイヌに関して試験中に1つの重大な有害事象が報告されたが、試験物質には関連がなかった。#140のイヌは、2匹の他のイヌとの乱闘において受けた傷のために入院し、死亡した。他の重大な有害事象または重大ではない有害事象は報告されなかった。
サイト#2におけるイヌに関して試験中に1つの重大な有害事象が報告されたが、試験物質には関連がなかった。#140のイヌは、2匹の他のイヌとの乱闘において受けた傷のために入院し、死亡した。他の重大な有害事象または重大ではない有害事象は報告されなかった。
第2段階のイヌの試験の要約
35匹のイヌ(第1段階から、18匹のEFF1001受容者 対 17匹のプラシーボ受容者)が、第2段階(すべてのイヌがEFF1001のみを受ける単独処置期間)に入った。第1段階からのEFF1001受容者にとっての有意な効果として、第2段階において第1段階におけるプラシーボの受容者よりも、3.5倍の利益を受けている(RR=3.54;OR=16.26、p=0.0006、フィッシャーの直接確率検定)ようだと認められた。第2段階に入った35匹のイヌのうち、19匹が、CADESIスコアおよび掻痒スコアに関連する状態を維持できたか、または改善でき、さらにこれらのうちの15匹(79%)は、第1段階においてEFF1001受容者であった。これに対し、第1段階においてプラシーボ受容者であったイヌのほとんどは、第2段階においてAD徴候が再発し、医療の助けを必要とした(EFF1001群における19%に対して、81%)。これは、0.0002のp値を有して、第2段階における受容者の数において、統計的に優位な差を生じた(第1段階のプラシーボ受容者において5.9%に対して、第1段階のEFF1001受容者において66.7%)。この結果は、EFF1001を用いた付加的な処置および低容量のステロイドの4週間の後(第1段階)、ステロイドおよびプラシーボを用いて最初に処理された(第1段階)イヌと比べて、被験体が、疾患の安定化をより長期にわたって受け、ステロイドの使用が控えられることを示している。
35匹のイヌ(第1段階から、18匹のEFF1001受容者 対 17匹のプラシーボ受容者)が、第2段階(すべてのイヌがEFF1001のみを受ける単独処置期間)に入った。第1段階からのEFF1001受容者にとっての有意な効果として、第2段階において第1段階におけるプラシーボの受容者よりも、3.5倍の利益を受けている(RR=3.54;OR=16.26、p=0.0006、フィッシャーの直接確率検定)ようだと認められた。第2段階に入った35匹のイヌのうち、19匹が、CADESIスコアおよび掻痒スコアに関連する状態を維持できたか、または改善でき、さらにこれらのうちの15匹(79%)は、第1段階においてEFF1001受容者であった。これに対し、第1段階においてプラシーボ受容者であったイヌのほとんどは、第2段階においてAD徴候が再発し、医療の助けを必要とした(EFF1001群における19%に対して、81%)。これは、0.0002のp値を有して、第2段階における受容者の数において、統計的に優位な差を生じた(第1段階のプラシーボ受容者において5.9%に対して、第1段階のEFF1001受容者において66.7%)。この結果は、EFF1001を用いた付加的な処置および低容量のステロイドの4週間の後(第1段階)、ステロイドおよびプラシーボを用いて最初に処理された(第1段階)イヌと比べて、被験体が、疾患の安定化をより長期にわたって受け、ステロイドの使用が控えられることを示している。
第1段階において状態が悪化していたイヌが第2段階に進まなかったので、プラシーボ受容者の群の第1段階におけるCADESIスコアの平均値は、第2段階の開始時に下がった。第2段階の7日目まで、これらの第1段階のプラシーボのイヌのほとんどが、増大したCADESIに基づいて発赤の症状を示したことが明らかであった。これに対して、第1段階のEFF1001群のイヌのほとんどは、第2段階のうちに再発しなかった。基準線として第2段階の開始時を用いた場合、プラシーボ群の再発現象は、処置群と比べて、第2段階の21日目(プラシーボにおける11.7対EFF1001における1.8、p=0.046)および28日目(それぞれ14.4対0.8、p=0.02)(欠測値の補完を用いた)において、統計的に有意である(表13.2)。
EFF1001群におけるイヌは、第1段階におけるプラシーボを超えて、掻痒スコアにおける有意な改善を受け(−0.4に対してプラシーボにおける+0.1、p=0.06)、第2段階を通して利益を受け続けた(表12.1)。第2段階の開始時を基準線として用いた場合に、プラシーボ群の掻痒スコアは、21日目(プラシーボにおける0.4対EFF1001受容者における−0.1)および28日目(それぞれ0.5対−0.2)(欠測値の補完を用いた)の両方において、処置群と比べて悪化した(表13.2)。
人道的使用に基づく処置の継続
第2段階を終えた19匹のイヌのうち13匹(または64%)の飼い主は、試験期間の終了後に、繰返しの単独療法の処置を依頼した。これらのイヌの77%は第1段階におけるEFF1001受容者であった。人道的使用の試験物質は6週間の間隔を空けて支給され、掻痒に関する日誌の作成が依頼された。これまで、試験イヌ(#127、サイト#2)に関して記録されている、EFF1001の使用が最も長く継続しているのは、1年を超えており、このイヌのAD症状の管理に有望と思われる状態が継続している。このデータは、ばくろおよび初期の補助的な処置の持続が、ADの徴候および症状の管理におけるEFF1001の継続的な有効性の重要な要素であり、ステロイドの使用を控える助けになることを、強く示唆している。
第2段階を終えた19匹のイヌのうち13匹(または64%)の飼い主は、試験期間の終了後に、繰返しの単独療法の処置を依頼した。これらのイヌの77%は第1段階におけるEFF1001受容者であった。人道的使用の試験物質は6週間の間隔を空けて支給され、掻痒に関する日誌の作成が依頼された。これまで、試験イヌ(#127、サイト#2)に関して記録されている、EFF1001の使用が最も長く継続しているのは、1年を超えており、このイヌのAD症状の管理に有望と思われる状態が継続している。このデータは、ばくろおよび初期の補助的な処置の持続が、ADの徴候および症状の管理におけるEFF1001の継続的な有効性の重要な要素であり、ステロイドの使用を控える助けになることを、強く示唆している。
結論
ステロイド療法および本発明の耐寒性キウィフルーツ調製物の組合せの有効性は、いずれか単独の療法を用いて観察された結果と比べて、ADにかかっているイヌの処置における上記組合せの療法の非常に優れた有益な効果を示すことによって証明されている。さらに、キウィフルーツ調製物は、キウィフルーツ調製物およびステロイドの組合せの使用の後に用いられた場合、有効な単独療法になる。理論に縛られることなく、本発明者らは、キウィフルーツ調製物が、ステロイドと共同作用して、ADの処置において優れた治療結果を提供すると考える。したがって、FD001および本明細書に記載の他のキウィフルーツ調製物は、ステロイドに基づく療法と併用して投与される場合、またはステロイドに基づく療法との併用使用に続く単独療法として使用される場合に、ADにかかっているイヌに対する治療上の利益を増強させ、付加的な利益として、イヌにおけるADの管理に使用されるステロイドの使用量を低減させる。より少量および/またはより低頻度のステロイドを使用させる能力は、ステロイドの使用に伴って生じる副作用を低減させるという顕著な利点を有している。抽出物は、カプセル剤、食品と混合された粉末として、または食品の成分として投与され得る。キウィフルーツ調製物を有している栄養補助食品は、単独に用いた場合、または低用量のステロイドと組み合わせて用いた場合に、アトピーのイヌの健康な皮膚の維持に効果的である。
ステロイド療法および本発明の耐寒性キウィフルーツ調製物の組合せの有効性は、いずれか単独の療法を用いて観察された結果と比べて、ADにかかっているイヌの処置における上記組合せの療法の非常に優れた有益な効果を示すことによって証明されている。さらに、キウィフルーツ調製物は、キウィフルーツ調製物およびステロイドの組合せの使用の後に用いられた場合、有効な単独療法になる。理論に縛られることなく、本発明者らは、キウィフルーツ調製物が、ステロイドと共同作用して、ADの処置において優れた治療結果を提供すると考える。したがって、FD001および本明細書に記載の他のキウィフルーツ調製物は、ステロイドに基づく療法と併用して投与される場合、またはステロイドに基づく療法との併用使用に続く単独療法として使用される場合に、ADにかかっているイヌに対する治療上の利益を増強させ、付加的な利益として、イヌにおけるADの管理に使用されるステロイドの使用量を低減させる。より少量および/またはより低頻度のステロイドを使用させる能力は、ステロイドの使用に伴って生じる副作用を低減させるという顕著な利点を有している。抽出物は、カプセル剤、食品と混合された粉末として、または食品の成分として投与され得る。キウィフルーツ調製物を有している栄養補助食品は、単独に用いた場合、または低用量のステロイドと組み合わせて用いた場合に、アトピーのイヌの健康な皮膚の維持に効果的である。
アレルギー、アトピー性皮膚炎の症状の1つは、子供における通常の皮膚疾患であり、出生から6ヶ月間に認められることが多い(Spergel and Paller, J. Allergy Clin. Immunol., 112:S128-S139, 2003)。ADの有病率は、他のアトピー性疾患(喘息が挙げられる)世界的に増加傾向にある(Larsen and Hanikin, Immunology and Allergy Clinics of North America, 22:1-25, 2002; Wollenberg et al., Clin. Exp. Dermatol., 25:530-534, 2000; Mannino et al., Mor Mortal Wkly Rep CDC Surveill Summ., 47:1-27, 1998; Linneberg et al., Allergy, 55:767-772, 2000)。AD患者は、生活の質に対して深刻な負の影響を受け、現在使用可能な処置は、有害な副作用の原因、ならびに家族および社会の両方にとって経済的な負担であり得る。アトピーの皮膚を冒す症状は、アトピーの進行の開始を示していることが多い。種々の長期的な研究に基づいて、AD患者のおよそ半数が、特に重度のADを伴って喘息になり、2/3がアレルギー性鼻炎になる(Leung et al., J. Clin. Invest., 113:651-657, 2004; Spergel et al., J. Clin. Invest., 101:1614-1622, 1998)。ADに対する安全かつ有効な処置の同定は、非常に歓迎される。また、FD001の有効性は、ステロイド、またはAD、喘息もしくはアレルギー性鼻炎の管理に使用される他の薬剤量または力価を低減させ得る。
後の試験の被験体のように、本発明は、ステロイド療法をともなう補助的な処置のための、本明細書に記載の耐寒性キウィフルーツ調製物の使用が意図される。当該処置に続いて、AD、喘息、アレルギー性鼻炎、または他のロイコトリエン媒介障害(例えば、食物アレルギーおよび慢性の蕁麻疹)にとっての耐寒性キウィフルーツの単独療法が行われ得る。本発明を論理的に拡大すれば、任意の小哺乳類(例えばイヌ、実施例7を参照すればよい)におけるアレルギー性の障害に対する処置としての、ステロイド療法と組み合わせた耐寒性キウィフルーツの使用は、さらに検討され得る。
本明細書に記載の各文献または公開物は、その全体が参照によって本明細書に援用される。
本発明の種々の実施形態が詳細に説明されている。これらの実施形態の変更および適合が当業者に思い浮かべられることは明らかである。しかし、そのような変更および適合が後述する特許請求の範囲に記載のように本発明の範囲内にあることは、明白に理解される。
Claims (64)
- 哺乳類における免疫応答を調節するために十分な量の、少なくとも1つの耐寒性キウィフルーツ調製物を哺乳類に投与することを包含しており、
上記耐寒性キウィフルーツ調製物が、(a)耐寒性キウィフルーツの水性の抽出物をクロマトグラフィーカラムに入れる工程;(b)1つ以上の溶媒を用いてカラムから溶出させる工程;および(c)溶出物を回収する工程を包含している製法によって製造されている、哺乳類における免疫応答を制御する、方法。 - 上記クロマトグラフィーカラムが逆相カラムであり、上記溶媒が、低級アルキルアルコール、水およびジクロロメタン(DCM)からなる群から選択される、請求項1に記載の方法。
- 上記クロマトグラフィーカラムが逆相カラムであり、工程(b)が、当該逆相カラムから1つ以上の溶媒を用いて溶出させることを包含しており、当該溶媒が、水、約15%〜約35%のメタノール、約40%〜約60%のメタノール、約65%〜約85%のメタノール、約90%〜約100%のメタノール、および約90%〜約100%のジクロロメタン(DCM)からなる群から選択され、(c)溶出物を回収する工程を包含している、請求項1に記載の方法。
- 哺乳類における免疫応答を調節するために十分な量の、少なくとも1つの耐寒性キウィフルーツ調製物を哺乳類に投与することを包含しており、
上記耐寒性キウィフルーツ調製物が、(a)耐寒性キウィフルーツの水抽出物を逆相カラムに入れる工程;(b)水を用いてカラムから溶出させる工程;および(c)溶出物を回収する工程を包含している製法によって製造されている、哺乳類における免疫応答を制御する、請求項1に記載の方法。 - 約15%〜約35%のメタノールの水溶液を用いて溶出する工程および溶出物を回収する工程をさらに包含している、請求項4に記載の方法。
- 約40%〜約60%のメタノールの水溶液を用いて溶出する工程および溶出物を回収する工程をさらに包含している、請求項5に記載の方法。
- 約65%〜約85%のメタノールの水溶液を用いて溶出する工程および溶出物を回収する工程をさらに包含している、請求項6に記載の方法。
- 約90%〜約100%のメタノールの水溶液を用いて溶出する工程および溶出物を回収する工程をさらに包含している、請求項7に記載の方法。
- 約90%〜約100%のDCMを用いて溶出する工程および溶出物を回収する工程をさらに包含している、請求項8に記載の方法。
- 上記耐寒性キウィフルーツが、アクチニディア アルグタ、アクチニディア コロミクタ、およびアクチニディア ポリガマからなる群から選択される、請求項1〜9のいずれか1項に記載の方法。
- 上記耐寒性キウィフルーツが、アクチニディア アルグタである、請求項1〜9のいずれか1項に記載の方法。
- 上記哺乳類は、Th1応答の増強および/またはTh2応答の抑制が望まれる状態を有しているか、または当該状態になる危険性がある、請求項1〜9のいずれか1項に記載の方法。
- 上記哺乳類は、アレルギー性疾患もしくは非アレルギー性の炎症性疾患にかかっているか、またはアレルギー性疾患もしくは非アレルギー性の炎症性疾患にかかる危険にさらされている、請求項1〜9のいずれか1項に記載の方法。
- 上記アレルギー性疾患がロイコトリエンによって制御される、請求項11に記載の方法。
- 上記アレルギー性疾患が、アトピー性皮膚炎、喘息、食物アレルギー、アレルギー性鼻炎、および慢性の蕁麻疹からなる群から選択される、請求項11に記載の方法。
- 上記アレルギー性疾患がアトピー性皮膚炎である、請求項11に記載の方法。
- 上記投与することが、担体、免疫賦活剤または賦形剤とともに上記耐寒性キウィフルーツ調製物を上記哺乳類に投与することを包含している、請求項1〜7のいずれか1項に記載の方法。
- 上記投与することが、上記耐寒性キウィフルーツ調製物を錠剤、粉剤、発泡錠剤、発泡粉剤、カプセル剤、液体剤、懸濁剤、顆粒剤またはシロップ剤として、上記哺乳類に与えることを包含している、請求項1〜9のいずれか1項に記載の方法。
- 上記投与することが、上記耐寒性キウィフルーツ調製物を1つ以上の健康食品に含めて、上記哺乳類に与えることを包含している、請求項1〜9のいずれか1項に記載の方法。
- 上記投与することが、局所用の組成物として上記耐寒性キウィフルーツ調製物を投与することを包含している、請求項1〜9のいずれか1項に記載の方法。
- 上記投与することが、上記耐寒性キウィフルーツ調製物を飼料または飼料の成分に含めて上記哺乳類に与えることを包含している、請求項1〜9のいずれか1項に記載の方法。
- ステロイド、抗ヒスタミン、抗体、シクロスポリン、抗真菌剤、呼吸機能制御剤、鎮痛剤、ロイコトリエン修飾因子、サイトカインもしくはサイトカイン受容体アンタゴニスト、ホスホジエステラーゼ阻害剤、クロモグリク酸ナトリウム、ネドクロミル、カフェイン、テオフィリン、カルボベンゾキシ β−アラニルタウリン、およびT細胞機能の阻害剤からなる群から選択される付加的な成分を上記哺乳類に投与することをさらに包含している、請求項1〜9のいずれか1項に記載の方法。
- 上記耐寒性キウィフルーツ調製物が、上記付加的な成分とともに同じ組成物として調合されている、請求項20に記載の方法。
- 上記耐寒性キウィフルーツ調製物は、上記付加的な成分とは別個の組成物として調合されるが、上記付加的な成分と同時に投与される、請求項20に記載の方法。
- 上記耐寒性キウィフルーツ調製物および上記付加的な成分の投与の期間に続いて、上記哺乳類が、上記付加的な成分をともなわずに上記耐寒性キウィフルーツ調製物の投与を受ける、請求項20に記載の方法。
- 上記耐寒性キウィフルーツ調製物の単独投与の前の、上記耐寒性キウィフルーツ調製物および上記付加的な成分の哺乳類に対する投与の期間が、1日間〜数年間である、請求項23に記載の方法。
- 上記耐寒性キウィフルーツ調製物および上記付加的な成分の投与に続く、上記耐寒性キウィフルーツ調製物単独の哺乳類に対する投与の期間が、1日間〜数年間である、請求項23に記載の方法。
- 炎症性の症状を軽減するために十分な量の耐寒性キウィフルーツ調製物を投与することを包含しており、
上記耐寒性キウィフルーツ調製物が、(a)耐寒性キウィフルーツの水抽出物をクロマトグラフィーカラムに入れる工程;(b)1つ以上の溶媒を用いてカラムから溶出させる工程および;(c)溶出物を回収する工程を包含している製法によって製造されている、哺乳類における炎症性の症状の少なくとも1つを軽減する、方法。 - 上記クロマトグラフィーカラムが逆相カラムであり、上記溶媒が、低級アルキルアルコール、水およびジクロロメタン(DCM)からなる群から選択される、請求項26に記載の方法。
- 上記耐寒性キウィフルーツ調製物が、(a)耐寒性キウィフルーツの水抽出物を逆相カラムに入れる工程;(b)水、約15%〜約35%のメタノール、約40%〜約60%のメタノール、約65%〜約85%のメタノール、約90%〜約100%のメタノール、および約90%〜約100%のジクロロメタン(DCM)からなる群から選択される1つ以上の溶媒を用いて、上記逆相カラムから溶出させる工程;および(c)溶出物を回収する工程を包含している製法によって製造されている、請求項26に記載の方法。
- 炎症性の症状を軽減するために十分な量の耐寒性キウィフルーツ調製物を投与することを包含しており、
上記耐寒性キウィフルーツ調製物が、(a)耐寒性キウィフルーツの水抽出物を逆相カラムに入れる工程;(b)水を用いてカラムから溶出させる工程および;(c)溶出物を回収する工程を包含している製法によって製造されている、哺乳類における炎症性の症状の少なくとも1つを軽減する、請求項26に記載の方法。 - 約15%〜約35%のメタノールの水溶液を用いて溶出する工程、および溶出物を回収する工程をさらに包含している、請求項29に記載の方法。
- 約40%〜約60%のメタノールの水溶液を用いて溶出する工程、および溶出物を回収する工程をさらに包含している、請求項30に記載の方法。
- 約65%〜約85%のメタノールの水溶液を用いて溶出する工程、および溶出物を回収する工程をさらに包含している、請求項31に記載の方法。
- 約90%〜約100%のメタノールの水溶液を用いて溶出する工程、および溶出物を回収する工程をさらに包含している、請求項32に記載の方法。
- 約90%〜約100%のDCMを用いて溶出する工程、および溶出物を回収する工程をさらに包含している、請求項33に記載の方法。
- 炎症性の上記症状が、掻痒、発赤、滲出および外被形成、肥厚、脱毛症、ならびに皮膚の腫脹からなる群から選択される、請求項26〜34のいずれか1項に記載の方法。
- 少なくとも1つの耐寒性キウィフルーツ調製物を含んでおり、
上記耐寒性キウィフルーツ調製物が、(a)耐寒性キウィフルーツの水抽出物をクロマトグラフィーカラムに入れる工程;(b)1つ以上の溶媒を用いてカラムから溶出させる工程;および(c)溶出物を回収する工程を包含している製法によって製造されている、哺乳類における免疫応答を調節するか、または哺乳類における炎症性の症状の少なくとも1つを軽減させる、組成物。 - 上記クロマトグラフィーカラムが逆相カラムであり、上記溶媒が、水、低級アルキルアルコールおよびジクロロメタン(DCM)からなる群から選択される、請求項36に記載の組成物。
- 上記耐寒性キウィフルーツ調製物が、(a)耐寒性キウィフルーツの水抽出物を逆相カラムに入れる工程;(b)水、約15%〜約35%のメタノール、約40%〜約60%のメタノール、約65%〜約85%のメタノール、約90%〜約100%のメタノール、および約90%〜約100%のジクロロメタン(DCM)からなる群から選択される1つ以上の溶媒を用いて、上記逆相カラムから溶出させる工程;および(c)溶出物を回収する工程を包含している製法によって製造されている、請求項36に記載の組成物。
- 上記耐寒性キウィフルーツ調製物が、(a)耐寒性キウィフルーツの水性抽出物を逆相カラムに入れる工程;(b)水を用いて、上記逆相カラムから溶出させる工程;および(c)溶出物を回収する工程を包含している製法によって製造されている、請求項36に記載の組成物。
- 約15%〜約35%のメタノールの水溶液を用いて溶出する工程、および溶出物を回収する工程をさらに包含している、請求項39に記載の組成物。
- 約40%〜約60%のメタノールの水溶液を用いて溶出する工程、および溶出物を回収する工程をさらに包含している、請求項40に記載の組成物。
- 約65%〜約85%のメタノールの水溶液を用いて溶出する工程、および溶出物を回収する工程をさらに包含している、請求項41に記載の方法。
- 約90%〜約100%のメタノールの水溶液を用いて溶出する工程、および溶出物を回収する工程をさらに包含している、請求項42に記載の方法。
- 約90%〜約100%のDCMを用いて溶出する工程、および溶出物を回収する工程をさらに包含している、請求項43に記載の方法。
- 薬学的組成物、健康食品、食品成分、動物の飼料、および美容組成物からなる群から選択される、請求項36〜44のいずれか1項に記載の組成物。
- 耐寒性キウィフルーツが、アクチニディア アルグタ、アクチニディア コロミクタ、およびアクチニディア ポリガマからなる群から選択される、請求項36〜44のいずれか1項に記載の組成物。
- 耐寒性キウィフルーツが、アクチニディア アルグタである、請求項36〜44のいずれか1項に記載の組成物。
- 経口投与用として調合されている、請求項36に記載の組成物。
- 局所投与用として調合されている、請求項36〜44のいずれか1項に記載の組成物。
- 請求項36〜44のいずれか1項に記載の組成物を含んでいる、動物の飼料製品。
- ペットフード、家畜用飼料、ペットトリート、ペットチューおよび栄養補助食品からなる群から選択される、請求項36〜44に記載の動物の飼料製品。
- ステロイド、抗ヒスタミン、抗体、シクロスポリン、抗真菌剤、呼吸機能制御剤、鎮痛剤、ロイコトリエン修飾因子、サイトカインもしくはサイトカイン受容体アンタゴニスト、ホスホジエステラーゼ阻害剤、クロモグリク酸ナトリウム、ネドクロミル、カフェイン、テオフィリン、カルボベンゾキシ β−アラニルタウリン、およびT細胞機能の阻害剤からなる群から選択される付加的な成分をさらに含んでいる、請求項36〜44のいずれか1項に記載の組成物。
- (a)耐寒性キウィフルーツ調製物の水抽出物をクロマトグラフィーカラムに入れる工程;(b)1つ以上の溶媒を用いてカラムから溶出させる工程;および(c)溶出物を回収する工程を包含している、耐寒性キウィフルーツ調製物を製造する、方法。
- 上記クロマトグラフィーカラムが逆相カラムであり、上記溶媒が、低級アルキルアルコール、水およびジクロロメタン(DCM)からなる群から選択される、請求項53に記載の方法。
- (a)耐寒性キウィフルーツ調製物の水抽出物を逆相カラムに入れる工程;(b)水、約15%〜約35%のメタノール、約40%〜約60%のメタノール、約65%〜約85%のメタノール、約90%〜約100%のメタノール、および約90%〜約100%のジクロロメタン(DCM)からなる群から選択される1つ以上の溶媒を用いて、上記逆相カラムから溶出させる工程;および(c)溶出物を回収する工程を包含している、請求項53に記載の方法。
- (a)耐寒性キウィフルーツ調製物の水抽出物を逆相カラムに入れる工程;(b)水を用いてカラムから溶出させる工程;および(c)溶出物を回収する工程を包含している、請求項53に記載の方法
- 約15%〜約35%のメタノールの水溶液を用いて溶出する工程、および溶出物を回収する工程をさらに包含している、請求項56に記載の方法。
- 約40%〜約60%のメタノールの水溶液を用いて溶出する工程、および溶出物を回収する工程をさらに包含している、請求項57に記載の方法。
- 約65%〜約85%のメタノールの水溶液を用いて溶出する工程、および溶出物を回収する工程をさらに包含している、請求項58に記載の方法。
- 約90%〜約100%のメタノールの水溶液を用いて溶出する工程、および溶出物を回収する工程をさらに包含している、請求項59に記載の方法。
- 約90%〜約100%のDCMを用いて溶出する工程、および溶出物を回収する工程をさらに包含している、請求項60に記載の方法。
- 耐寒性キウィフルーツが、アクチニディア アルグタ、アクチニディア コロミクタ、およびアクチニディア ポリガマからなる群から選択される、請求項53〜61のいずれか1項に記載の方法。
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