JP2011509422A - 再帰反射安全物品 - Google Patents

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Abstract

安全積層体及び物品であって、安全積層体は、第1の主表面と第2の主表面とを有する、第1の基材と、基材の第1の主表面に沿って貼り付けられる、複数の再帰反射素子とを含み、再帰反射素子は、外側コア表面を備える、固体球形コアであって、外側コア表面は、第1の界面を提供し、芯表面を被覆する内側表面と、外側表面とを有する、第1の完全同心光学干渉層であって、第1の完全同心光学干渉層の外側表面は、第2の界面を提供し、第1の完全同心光学干渉層と、第1の完全同心光学干渉層の外側表面を被覆する内側表面と、外側表面とを有する、第2の完全同心光学干渉層であって、第2の完全同心光学干渉層の外側表面は、第3の界面を提供する、第2の完全同心光学干渉層と、を含み、安全積層体は再帰反射性である。安全物品は、第2の基材の主表面に貼り付けられる、上記の安全積層体を含む。

Description

本発明は、基材に貼り付けられる再帰反射素子を伴って製造される、安全積層体及び物品に関し、再帰反射素子は、固体球形コアを被覆する、少なくとも2つの完全同心光学干渉層を伴う、固体球形コアを備える。
パスポート、身分証明書、エントリーパス、所有権証明書、金融商品等の身分証明及び認証を必要とする価値のある文書は、オバート及びコバート安全機能を含有する場合が多い個人化データによって、特定の人に割り当てられる場合が多い。オバート安全機能が、素早く(例えば、1秒未満で)検出することができる安全機能である一方で、コバート安全機能は、ある程度時間がかかり、安全文書の操作を必要とする、かつ/又は道具の使用を必要とする、安全機能である。パスポート及び身分証明書等のいくつかの価値のある文書はまた、偽造からデータを保護するために、個人化データの上にオバート及び/又はコバート安全機能を含有する、積層体を含む。再帰反射性は、利用可能な最も完全なコバート機能のうちの1つであることが示されてきた。
「再帰反射性」は、光線が関与する場合、光源の方向において、実質的に後方にその光を反射する物品の能力を指す。再帰反射構造は、当該技術分野において既知であり、概して、その少なくとも1つの主表面に沿って基材に貼り付けられる、複数の透明球状再帰反射素子を含む。代表的な再帰反射物品は、価値のある文書等のために使用される、安全積層体を含む。ビーズ付き再帰反射構造において、実質的にコリメートされた光(例えば、自動車ヘッドライトからの光線)は、再帰反射素子の前面に入り、屈折し、素子の背面における、又は近接した反射体に作用する。再帰反射素子及び反射体の光学特性は、拡散又は環境光下でそうでなければ顕著ではない再帰反射パターンを明らかにするために、相当な量の光が入射光線に対して逆平行又はほぼ逆平行に戻されるように調整することができる。
再帰反射パターンは、安全用途において、特に再帰反射パターンがコバート安全機能を提供する場合に、特に有用であり得る。多くの再帰反射安全積層体は、積層体の残部よりも、再帰反射照明において著しく明るい画像(即ち、再帰反射パターン)を提供する(背景再帰反射性)。コリメート光道具を使用すると、そのような画像の識別が、積層体の即時認証を可能にする一方で、画像の非存在及び修正画像の存在は、積層体の改ざん又は偽造を示す。隠蔽力及びコントラストは、再帰反射安全物品における顕著な機能と見なされる場合が多い。隠蔽力は、再帰反射照明下でデータを隠蔽する能力であり、再帰反射材の固有白色度に関連する。不十分な隠蔽力は、データが再帰反射パターンに干渉するとき、認証を困難にする。コントラストは、再帰反射パターンと背景との間の強度/色差である。不十分なコントラスト(背景に対して低い再帰反射強度/色差)は、再帰反射パターンがあまり識別可能ではないことを意味し、したがって認証を困難にする。
コバート再帰反射色及びレトロクロミックパターンを生成するために、単一の完全同心光学干渉層を支持する、球状固体ビーズコアが既知である。「レトロクロミック」という用語は、再帰反射モードで表示されるとき、物体又は領域が拡散又は環境照明において表示されるときに示される色とは異なる再帰反射色を示す、物品又はその領域の能力を指す。当該技術はまた、レトロクロミック色の彩度及び強度に対する単一の完全同心光学干渉層の屈折率の影響にも注目してきた。光学干渉層の後方の媒体(例えば、再帰反射素子と基材又は裏材との間)が、コーティングと媒体との間に、高屈折率コントラスト界面を提供することができることが示唆されてきた。
再帰反射素子、そのような素子を備える安全積層体及びそのような積層体を備える安全物品における改善が望まれる。
本発明の一態様では、再帰反射素子を伴う安全積層体が提供され、
第1の主表面と第2の主表面とを有する、第1の基材と、
基材の第1の主表面に沿って貼り付けられる、複数の再帰反射素子とを備え、再帰反射素子は、
外側コア表面を備える、固体球形コアであって、外側コア表面は、第1の界面を提供する、固体球形コアと、
コア表面を被覆する内側表面と、外側表面とを有する、第1の完全同心光学干渉層であって、第1の完全同心光学干渉層の外側表面は、第2の界面を提供する、第1の完全同心光学干渉層と、
第1の完全同心光学干渉層の外側表面を被覆する内側表面と、外側表面とを有する、第2の完全同心光学干渉層であって、第2の完全同心光学干渉層の外側表面は、第3の界面を提供する、第2の完全同心光学干渉層と、を備え、
安全物品は、再帰反射性である。
他の態様では、安全積層体は、第2の完全同心光学干渉層の第2の表面を被覆する、第3の完全同心光学干渉層を更に備える、上記の再帰反射素子を備え、第3の完全同心光学干渉層は、第2の完全同心光学干渉層の外側表面を被覆する内側表面と、外側表面とを有し、第3の完全同心光学干渉層の外側表面は、第4の界面を提供する。
別の態様では、上記のような安全積層体を備える、安全物品が提供され、再帰反射素子の第1の部分は、第1の領域において第1の基材の第1の主表面に沿って貼り付けられ、再帰反射素子の第2の部分は、第2の領域において第1の基材の第1の主表面に沿って貼り付けられ、再帰反射素子の第1の部分は、第1の再帰反射色を提供し、再帰反射素子の第2の部分は、第2の再帰反射色を提供し、安全積層体は、拡散照明において透明である。
他に指定のない限り、本明細書に使用する用語は、当業者の理解と一致する方法で解釈されるものとする。明確にする目的で、以下の用語は、本明細書で与えられる意味を有すると理解されるものとする。
「オバート安全機能」は、道具を使用することなく認証することができる機能を指す。
「コバート安全機能」は、道具を必要とする、又は安全材料の操作を必要とする機能を指す。
「改ざん防止」は、材料を偽造品に改変する能力を低減する安全機能を指す。
「改ざん明示」は、安全機能の除去、又は別の安全機能の始動によって、改ざんへの試みを明らかにする安全機能を指す。
「安全積層体」は、価値のある文書上のデータの一部が、積層体によって保護されるように、安全文書に結合される材料を指す。
「ビーズ結合」は、再帰反射素子を保持する材料の層を指す。
「光」は、可視領域において1つ以上の波長を有する電磁放射線(即ち、約380nm〜約780nm)、紫外線(即ち、約200nm〜約380nm)、及び/又は電磁スペクトルの赤外領域(即ち、約780nm〜約100マイクロメートル)を指す。
「屈折率」は、他に指定のない限り、ナトリウム黄色d線に対応する、589.3nmの波長、及び20℃の温度における、屈折率を指す。「屈折率」という用語及びその略語「RI」は、本明細書において交換可能に用いられる。
「再帰反射モード」は、照射の特定の形状、並びに物品を光線と関与させる工程、及び実質的に同一方向、例えば、照射方向の5度、4度、3度、2度、又は1度内から照射された物品を表示する工程を含む、表示を指す。再帰反射モードは、人が物品を見る形状、又は器具が物品の反射率を測定する形状を示し得る。
「再帰反射白色度」は、物体若しくは物体の集合体、例えば、再帰反射素子若しくは再帰反射素子の集合体、又は例えば1つ以上の再帰反射素子を備える物品が、入ってきた方向(又はほぼその方向)において後方に入射光線を戻す有効性を指す。再帰反射白色度は、物体に入射する光強度に対する、物体から再帰反射される光強度に関する。
「再帰反射係数」(Ra)は、物体の再帰反射白色度の標準測定値であり、カンデラ毎平方メートル毎ルクス、若しくはCd/lux/m、又はCplの単位で表すことができる。これらの単位及びそのような単位で再帰反射係数を記録する測定器具は、光度関数で再帰反射白色度を加重する。光度関数は、人間の目の感度の光波長への依存度を示し、約380nm〜780nmの波長に対して非ゼロであり、したがって、電磁スペクトルの可視領域を画定する。
「完全同心光学干渉層」又は「光学干渉層」は、ビーズコアの本質的に全表面(即ち、例えば背面のみ等、表面の選択された部分だけではない)の周囲、及びそこに直接隣接した、又は別の内部完全同心光学干渉層の外側表面の周囲、及びそこに直接隣接した、半透明又は透明なコーティングを指し、完全同心光学干渉層は、本質的に均一の厚さを有する。
「反射体」は、再帰反射物品内の再帰反射素子の後方の焦点位置において、又はそこに近接して、再帰反射物品内に配置される、鏡面反射又は拡散反射材料を指す。反射材料は、拡散光散乱若しくは金属材料、又は1つ以上の反射界面を生成する透明材料構成要素の1つ以上の層であってよい。
「領域」は、物体の連続的部分を指す。領域は、典型的には、ビューアに認識可能である境界又は概略的な範囲を有する。
明確にする目的で、2つ以上の反射体が、ビーズ付き再帰反射物品内の再帰反射素子の後方の焦点位置に、又はそこに近接して存在する実施形態では、ビーズの外側表面に接触している、又はそこに最も近接している材料は、「一次反射体」に指定される。ビーズコア又は再帰反射素子の背面からより離れた、更なる反射体は、「補助反射体」として指定される。直接隣接した誘電体層の積み重ねは、一次及び補助反射体を指定する目的で、単一の「反射体」であると見なされる。例えば、背面が着色結合剤に埋め込まれた、2つ以上の完全同心光学干渉層を有する、再帰反射素子を備える物品は、完全同心光学干渉層を一次反射体として、及び着色結合剤を補助反射体として有する。
当業者は、「発明を実施するための形態」、「図面」、及び添付された「特許請求の範囲」を包含する本開示の残りの部分を考慮して、本発明の範囲をより完全に理解するであろう。
本明細書における種々の図面は、縮尺は一定ではなく、実施形態の説明の補助として提供される。本発明の説明的な実施形態において、図面への参照が行われ、実施形態の特徴は、参照番号を用いて示され、同様の参照番号は、同様の特徴を示す。
本発明に従った、再帰反射素子の一実施形態の断面図。 本発明に従った、再帰反射素子の別の実施形態の断面図。 本発明に従った、再帰反射物品の代表的な実施形態の断面等角図。 本発明に従った、再帰反射物品の別の代表的な実施形態の断面等角図。 本発明に従った、再帰反射物品の更に別の代表的な実施形態の断面等角図。 本発明に従った、再帰反射素子を製造するためのプロセスの概略図。 本発明の一実施形態に従った、ベースシート及びそこに貼り付けられた複数の再帰反射素子を有する、安全積層体の断面図。 本発明の別の実施形態に従った、再帰反射モードで表示されるような、その上に再帰反射パターンを示す、安全積層体の頂面図。 図8に示す円部9の拡大図。 本発明の別の実施形態に従った、再帰反射モードで表示されるような、そこに貼り付けられた図8の安全積層体を示す、安全物品の斜視図。
本発明は、被覆されたビーズの形態での再帰反射素子、及びそのような再帰反射素子を備える安全積層体及び物品を提供する。本発明に従った再帰反射素子、及びそのような再帰反射素子を備える安全積層体及び物品は、固体球状ビーズコア上に堆積される、2つ以上の完全同心光学干渉層からなる、再帰反射素子から生じる干渉現象により、増強された再帰反射白色を示す。干渉により増強された再帰反射性は、再帰反射色なしの増強された再帰反射白色度の達成、並びに固体球形コア上の2つ以上の完全同心光学干渉層のデザイン及び堆積を通して増強された再帰反射白色度及び再帰反射色の組み合わせの達成を含む。球状ビーズコアを有するが、2つ以上の完全同心光学干渉層を有さない(例えば、1つの層又は層なし)他の再帰反射素子を備える同様の物品に対する再帰反射白色度と比較して、本発明の再帰反射素子及び物品に対して、より高い再帰反射白色度が達成される。
再帰反射白色度は、入射光と反射光との間の種々の角度(観測角)に対して測定することができるが、特定の角度範囲に限定されない。安全積層体等のいくつかの用途に対して、有効な再帰反射性が、0度の戻り角度において望ましい(入射光線に対して逆平行)。
本願において、可視光線は、再帰反射係数(Ra)によって示される再帰反射白色度の評価のために使用される。固体球形コア上に堆積される2つの完全同心光学干渉層を有する再帰反射素子を備える、本発明に従った物品は、2つ以上の同心光学干渉層を有さない再帰反射素子を有する同様の物品(例えば、同心光学干渉層を有さない、又は1つのみ有する固体球形コア)よりも大きい再帰反射係数(Ra)値を示す。本発明に従って構成された物品は、その一部として補助反射体を含んでも含まなくてもよく、再帰反射係数における上記の改善は、補助反射体を含む物品、及び補助反射体を有さない物品に対して観察される。補助反射体を含まない物品に対して、再帰反射係数は、補助反射体を有さないが、同心光学干渉層を支持しない、又は1つを支持する固体球形コアの形態の再帰反射素子を含む、他の物品と比較して、いくつかの実施形態では2.5倍超、いくつかの実施形態では3倍超、いくつかの実施形態では4倍超、いくつかの実施形態では5倍超、いくつかの実施形態では6倍超、及びいくつかの実施形態では7倍超増加する。補助反射体を含む物品に対して、再帰反射係数は、補助反射体及び同心光学干渉層を支持しない、又は1つを支持する固体球形コアからなる再帰反射素子を含む、他の物品と比較して、いくつかの実施形態では2.5倍超、いくつかの実施形態では3倍超、及びいくつかの実施形態では3.5倍超増加する。
固体球形コア上に堆積される3つの完全同心光学干渉層を有する、再帰反射素子を備える、本発明の物品は、同一の固体球形コアを有するが、光学干渉層を支持しない、又は1つのみを支持する同一の物品よりも大きい再帰反射係数(Ra)値を示す。再帰反射係数における改善は、補助反射体を含む物品、及び補助反射体を含まない物品に対して観察される。補助反射体を含まない物品は、いくつかの実施形態では3倍超、いくつかの実施形態では4倍超、いくつかの実施形態では6倍超、いくつかの実施形態では8倍超、いくつかの実施形態では10倍超、いくつかの実施形態では12倍超、及びいくつかの実施形態では14倍超、再帰反射係数の増加を示す。補助反射体を有する物品は更に、いくつかの実施形態では3倍超、いくつかの実施形態では4倍超、いくつかの実施形態では5倍超、及びいくつかの実施形態では6倍超、再帰反射係数の増加を示す。
本発明において有用な再帰反射素子は、コアに塗布された2つ以上の被覆された層を有する、固体球形コアを含み、2つ以上の被覆された層は、コアを包囲する完全同心光学干渉層を形成する。第1又は最内部の光学干渉層は、固体球状ビーズコアの外側表面を被覆し、かつそこに隣接する。第2の完全同心光学干渉層は、第1又は最内部の同心光学干渉層の外側表面を被覆し、かつそこに隣接する。完全同心光学干渉層が、典型的には、固体球形コアの全表面を被覆する一方で、光学干渉層は、再帰反射素子の光学特性を損なうことなく層を貫通する小ピンホール欠陥又は小チップ欠陥を含んでよい。任意に、本発明によって提供される再帰反射素子は、すでに堆積された層を被覆するそれぞれの連続的光学層を伴う、更なる完全同心光学干渉層を備えてよい(例えば、第3の同心光学干渉層は、第2の同心光学干渉層を被覆し、第4の層は、第3の層を被覆する等)。同心とは、所与のコア上のそれぞれのそのような光学干渉層が、上述のようにいくつかの欠陥を可能にする一方で、固体コア全体の周囲で球状に形成され、実質的に厚さが均一であることを意味する。広くは、それぞれの同心光学干渉層は、固体コアの中心とその中心を共有する。
種々の安全積層体及び物品のいずれかの構成要素として、種々の再帰反射素子を含むことは、本発明の範囲内である。いくつかの実施形態では、物品が本発明に従った再帰反射素子を備えるが、他の再帰反射素子は、本発明の範囲外である場合がある。例えば、再帰反射素子のいくつかは同心光学干渉層を有さない場合がある。いくつかの実施形態では、再帰反射素子は、本発明の範囲内であり得るが、異なる厚さを有する光学干渉層を備える場合がある。換言すれば、再帰反射素子は、同心光学干渉層が再帰反射素子によって異なる材料及び/又は異なる厚さを有する、異なる構造を備え得る。そのような実施形態では、第1又は最内部の光学干渉層は、再帰反射素子によって、25%を超えて厚さが異なり得る。いくつかの実施形態では、1つ以上の更なる被覆された層は、同心円状に被覆されてなくてよい。更に他の実施形態では、安全積層体及び物品は、再帰反射素子、2つの完全同心光学干渉層を備える再帰反射素子の少なくとも一部、3つの完全同心光学干渉層を備える再帰反射素子の少なくとも別の一部、及び完全同心光学干渉層を備えない、若しくは1つ備える再帰反射素子の更に別の一部の組み合わせを備えてよい。
いくつかの実施形態では、コーティングデザインは、前面に低反射又は反射防止のような特性を提供する一方で、後面において所望の反射率を提供し、改善された白色度又は層を通して読み取る能力をもたらす。
完全同心光学干渉層は、再帰反射素子に増強された再帰反射白色度特徴を提供するために、球状コアに塗布される。換言すれば、物品内に配置される場合、再帰反射素子は、他の形態の再帰反射素子等を備える同一の物品の再帰反射白色度よりも大きい再帰反射白色度を提供する。いくつかの実施形態では、再帰反射光の色は、入射光線の色と同一又は同様である。例えば、再帰反射光は、白色入射光線に対して色をほとんど又は全く示さない。更に他の実施形態では、物品内に配置される場合、再帰反射素子が再帰反射色を提供するように、光学干渉層がコアに塗布される。いくつかの実施形態では、物品又は基材の表面上の識別可能パターンは、再帰反射モードでは表示可能であるが、拡散照明下では表示可能ではない。いくつかの実施形態では、物品の既存の色を増強するために、再帰反射素子のレトロクロミック特徴も使用することができ、即ち、再帰反射素子の再帰反射された色は、拡散照明内で表示される場合、物品の色に一致する。いくつかの実施形態では、物品は、再帰反射モードにおいて、物品が1つの再帰反射された色及び別の再帰反射色の背景のパターン又はデザインを表示するように、再帰反射素子の再帰反射領域を備える。いくつかの実施形態では、再帰反射パターン又はデザインは、2つ以上の色を備える。
ビーズコア上の可視光線に対する完全同心光学干渉層は、再帰反射素子の後部に2つの反射界面を生成する。光学干渉層の厚さは、光学的厚さが、可視光線に対応する波長範囲内に入る1つ以上の波長に対して、建設的又は破壊的干渉条件をもたらすような厚さである。「光学的厚さ」は、その屈折率が乗じられるコーティングの物理的厚さを指す。そのような建設的又は破壊的干渉条件は、光学干渉コーティングに対する光学的厚さの最大で照射のコヒーレンス長までの増加に伴って、周期的である。コーティング厚さの増加に伴って、所与の波長に対する建設的干渉は、コーティングを通り再び戻る光路が、界面のいずれか又は両方における屈折率変化の表れによって引き起こされる任意の位相反転と組み合わされて、2つの界面から反射する2つの構成要素に対して2πラジアンの位相差をもたらすときに、最初に生じる。厚さの更なる増加に伴って、位相差が4πラジアンに等しいときに、同一の建設的干渉条件が再び達成される。厚さの更なる増加に対して、同様の挙動が生じる。建設的干渉条件の連続的発生を分離する厚さ周期(即ち、コーティングの2つの表面から反射される光の減圧下での所与の波長に対して、名目上同一の干渉条件の反復をもたらすコーティングに対する厚さの増加)が、コーティングの屈折率によって割られる減圧下での波長の半分によって与えられる。0nmからのコーティング厚さの増加を伴う所与の干渉条件のそれぞれの発生は、周期数(例えば、n=1、2、3...)を割り当てることができる。光学干渉層を備える再帰反射素子が、広帯域光(多くの波長を備える光、例えば白色光)で照射される場合、干渉効果範囲は、異なる波長に対する再帰反射挙動を特徴付ける。これらの光学現象は、2つ以上の光学干渉層がビーズコアに塗布される場合、実質的により複雑になる。更に、白色光照射に関して、再帰反射された色の測定又は観察、及び再帰反射係数(Ra)の決定(光度関数に対してその固有の関係を有する)は、より複雑になる。
2つ以上の完全同心光学干渉層を有する再帰反射素子を備える再帰反射物品に対する、再帰反射された色及び再帰反射白色度は、光学干渉層の厚さに依存した周期的な挙動を示す。複数の完全同心光学干渉層を伴って製造された再帰反射素子、又はそのような再帰反射素子を備える物品は、干渉層のうちの1つ以上が厚さを増すにつれて、再帰反射係数(Ra)における振幅振動(例えば、ピーク及び谷)を示す。いくつかの実施形態では、再帰反射光に対する色の生成のない白色光照射に対して、高い再帰反射係数が達成される。他の実施形態では、色の再帰反射光の生成を伴う白色光照射に対して、高い再帰反射係数が生成される。いくつかの実施形態では、物品は、拡散照明下で独特の外観及び/又は色を、並びに再帰反射表示モードで表示される場合、白色光照射下で高い再帰反射係数を有する再帰反射された色を有する、又は再帰反射された色を欠く、種々のディスプレイ又はデザインのいずれをも提供する、再帰反射素子の領域を含むことができる。
非レーザー光線(例えば、白熱電球、ガス放電ランプ、又は発光ダイオードによって発生される光)に対するコヒーレンス長は、強い干渉効果が観察されるnの値(したがって全コーティング厚さ)を制限する。干渉効果は、n=10以上に対応する厚さに対して消滅する傾向があり、その厚さの約半分で大幅に減少する。約1.55の屈折率を伴う接着剤に部分的に埋め込まれ、それらの空気に露出された側において照射され、約2.4の屈折率を伴う単一の完全同心光学干渉コーティングを備える、再帰反射素子に対して、再帰反射白色度における5つのピークは、0nm〜最大で約600nmの範囲の厚さの干渉コーティングによって確立される。これらの物理的な厚さの値は、最大で約1500nmの光学的厚さに対応する。約1.4の屈折率を有する、単一の完全同心光学干渉コーティングを伴う、再帰反射素子を備える物品に対して、再帰反射白色度における5つのピークは、0nm〜最大で約1200nmの範囲の厚さの干渉コーティングによって確立され、1700nm未満の光学的厚さに対応する。いくつかの実施形態では、可視光線干渉層は、約1500nm未満の光学的厚さを伴うコーティングを備える。
本発明に従った再帰反射安全積層体及び物品は、任意に1つ以上の補助反射体を含んでよく、再帰反射素子及び補助反射体は集合的に作用して、光源の方向において後方に入射光線の一部を戻す。いくつかの実施形態では、好適な補助反射体は、再帰反射素子が部分的に埋め込まれる、拡散光散乱着色結合剤である。着色結合剤は、顔料及び搭載の選択が単にビーズ結合剤に対して行われる場合とは対照的に、顔料タイプ及び搭載が、拡散散乱材料(例えば、75%を超える拡散反射)を生成するために選択される場合に、補助反射体である。拡散散乱をもたらす顔料の例には、二酸化チタン粒子及び炭酸カルシウム粒子が挙げられる。
他の実施形態では、好適な補助反射体は、再帰反射素子が部分的に埋め込まれる鏡面反射着色結合剤を備える。鏡面反射顔料の例には、雲母フレーク、雲母チタンフレーク、真珠光沢顔料、及び真珠層顔料が挙げられる。
更に他の実施形態では、好適な補助反射体は、再帰反射物品内の再帰反射素子の後方に選択的に配置される、金属薄膜である。
更に別の実施形態では、好適な補助反射体は、再帰反射物品内の再帰反射素子の後方に選択的に配置される、薄膜の誘電体スタックである。
再帰反射素子のコアの屈折率が1.5〜2.1であり、再帰反射素子の前面が空気に露出された、再帰反射物品の場合、補助反射体は、再帰反射素子の裏側に隣接して配置することができる。再帰反射素子が、その前面と接触する透明材料でその前面が包囲される、又は使用中にその前面が水で覆われる、再帰反射物品の場合、補助反射体は、有利に使用することができ、再帰反射素子の背面の後方に離間させることができる。
いくつかの実施形態では、本発明は、補助反射体の必要性が最小限に抑えられた再帰反射物品を提供する。したがって、本発明の再帰反射素子の使用は、増強された再帰反射白色度、並びに補助反射体又は代替の一次反射体を必要とする同様の物品を製造する費用と比較して、軽減された製造費用を提供できる。更に、代替反射体又は補助反射体の排除は、本発明に従った再帰反射素子で製造された再帰反射物品の環境光に照らされた外観及び耐久性を改善できる。
補助反射体なしで製造された再帰反射物品は、典型的には、透明な(色付き又は色なし)、非光散乱、非反射結合剤(例えばクリアで無色のポリマー結合剤)に部分的に埋め込まれる、複数の再帰反射素子を含み、再帰反射素子に入射する光に対する焦点位置は、結合剤中であるか、又は再帰反射素子と結合剤との界面にある。いくつかの構造において、再帰反射素子は、約1.9の屈折率を有する微小球の形態で球状コアを含む。再帰反射素子は、透明で無色の結合剤に部分的に埋め込まれ、それらの前面は、空気に露出され、再帰反射素子の裏側と結合剤との界面に近接した焦点位置を提供する。微小球に適用される複数の完全同心光学干渉層が、再帰反射係数(Ra)を増加し得ることが指摘されてきた。
透明なアクリレート接着剤に埋め込まれた、1.9の屈折率の微小球を備えるが、同心光学干渉層を有さない物品は、−4度の入口角及び0.2度の観測角において、約8Cd/lux/mのRa値を示した。低屈折率(例えば1.4)又は高屈折率(例えば、2.2)の単一の完全同心光学干渉層の微小球への塗布は、18Cd/lux/m又は30Cd/lux/mにまでそれぞれのRaを増加させた。本発明において、上記のように物品内に配置される場合、微小球コア上の2つの完全同心光学干渉層の使用は、59Cd/lux/mほどのRaの増加を提供した。3つの完全同心光学干渉層を有する微小球を備える物品が製造された場合、Raは、113Cd/lux/mにまで増加した。したがって、本発明の再帰反射素子及びそのような再帰反射素子で製造される物品は、補助反射体の非存在下で有用な再帰反射レベルを示す。
ここで図面を参照すると、図1は、本発明に従った再帰反射素子100の一実施形態を断面図において図示する。再帰反射素子100は、その上に第1の同心光学干渉層112を有する、透明な実質的に球状のコア110を含む。コア110は、第1の界面116において光学干渉層112と接触する。第2の同心光学干渉層122は、第1の同心光学干渉層112を被覆する。層122は、第1の層112の外面又は最も外側の表面と接触する内面を有し、第2の界面126と、素子100の最も外側の表面を形成し、第3の界面124を提供する、外面とを形成する。第1及び第2の同心光学干渉層112、122は、球状コア110の表面にわたって実質的に均一である。
光は、異なる屈折率を有する(例えば、少なくとも約0.1の屈折率差を有する)材料の界面において反射される。コア110及び第1の光学干渉層112の十分な屈折率差は、第1の界面116において第1の反射を生じさせる。同様に、第1の光学干渉層112及び第2の光学干渉層122の十分な屈折率差は、第2の界面126において第2の反射を生じさせる。第2の光学干渉層122及び第2の光学干渉層122と接触する任意の背景媒体(例えば、真空、ガス、液体、固体)の十分な屈折率差は、再帰反射素子100の第3の界面124において、第3の反射を生じさせる。
入射光線130が、再帰反射素子100に向けられているものとして図1に示される。光130は、概して、第2の光学干渉層122及び第1の光学干渉層112の両方に透過され、コア110に入る。入射光線130の一部は、第3の界面124において、又は第2の界面126若しくは第1の界面116において反射され得る。再帰反射は、コア110に入り、コア110の反対側上での屈折によって集束される、光130の一部によって生じる。屈折光135は、コア110の後部において第1の界面116と接触し、屈折光135の一部は、反射光140として、再帰反射素子100の前側に向かって後方に反射され、最終的に、入射光線130に対して実質的に逆平行である方向において、再帰反射光150として再帰反射素子から出てくる。同様に、集束光の別の一部は、光学干渉層112を通過し、第2の界面126において反射光142として後方に反射される。反射光142は、最終的に、入射光線130に対して実質的に逆平行である方向において、再帰反射光152として再帰反射素子から出てくる。集束光の更に別の一部は、光学干渉層112及び122の両方を通過し、反射光144として第3の界面124において後方に反射される。光学干渉層122の外面は、再帰反射素子100が配置される媒体(例えば、ガス、液体、固体、又は真空)との第3の界面124を形成する。反射光144は、最終的に、入射光線130に対して実質的に逆平行である方向において、再帰反射光154として再帰反射素子から出てくる。入射光線の一部は、記載する方法で反射されず、同心円状に被覆されたビーズを完全に通過する。入射光線の別の一部は、再帰反射素子の前面から反射され、ビーズコアに入ることはない。
反射光140、142、144と続く再帰反射光150、152、154との間の干渉は、再帰反射光の強度又は色に変化を生じさせ得る。素子100等の複数の再帰反射素子は、高い再帰反射係数を含む明るい再帰反射、及び/又はコバート色、デザイン、メッセージ等を提供することによって、物品の外観を強化する、レトロクロミック特性を提供できる。異なる材料の光学干渉層112及び122を有する再帰反射素子100を製造することによって、かつ上記の再帰反射光150、152、154が相互に望ましくは干渉するように、それらの材料の厚さ及び屈折率を選択することによって、所望の干渉効果を得ることができる。
いくつかの実施形態では、光学干渉層112及び122、再帰反射素子100に対する材料、厚さ、及び屈折率の適切な選択は、例えば、被覆されていないビーズからの再帰反射光(例えば、より高い再帰反射係数の形態で)よりも明るい再帰反射光150、152、154を提供できる。物品に組み込まれる場合、複数の再帰反射素子100は、物品の可視性を強化する再帰反射特性を提供する。反射光140、142、144と続く再帰反射光150、152、154のと間の建設的干渉は、例えば可視再帰反射光等の再帰反射光の白色度又は強度の予想外の増加を生じさせる。いくつかの実施形態では、2つの光学干渉層に対するコーティング厚さは、層がシリカ及びチタニアの交代層である場合、及びコアが約30μm〜約90μmの直径を有するガラスビーズを備える場合、最大の再帰反射性を提供するように最適化することができる。そのような実施形態では、約85〜115nm、典型的には、約110nmの厚さを有するシリカの第1の光学干渉層112、及び約45nm〜125nm、典型的には、約60nmの厚さを有するチタニアの第2の光学干渉層122は、再帰反射素子がアクリレート接着剤に単層として部分的に埋め込まれる場合、有意に増強された再帰反射係数(Ra)を提供した。
材料の界面における光の反射は、2つの材料の屈折率差によって決まる。コア及び光学干渉層のための材料は、本明細書に記載するように、種々の材料のいずれかから選択されてよい。選択された材料は、十分な屈折率差が、コア110と第1の光学干渉層112との材料間、第1の光学干渉層112と第2の光学干渉層122との材料間、及び第2の光学干渉層122と再帰反射素子100が配置されるように意図される背景媒体との材料間で維持される限り、かつコアが所望の屈折を提供する限り、高あるいは低屈折率材料を備えてよい。これらの差のそれぞれは、少なくとも約0.1でなければならない。いくつかの実施形態では、隣接した層間の差のそれぞれは、少なくとも約0.2でなければならない。他の実施形態では、差は、少なくとも約0.3であり、更に他の実施形態では、差は、少なくとも約0.5である。光学干渉層112の屈折率は、コア110の屈折率よりも大きくても、あるいは小さくてもよい。いくつかの実施形態では、屈折率の選択、及び使用する材料の対応する選択は、再帰反射素子100の外面と接触し、第3の界面124を形成する媒体の選択によって決定される。
コア110、第1の光学干渉層112、第2の光学干渉層122、再帰反射素子100の裏側が配置されるように意図される媒体、及び再帰反射素子の前側と接触する媒体の屈折率は、再帰反射素子の焦点力、並びに界面116、126、及び124からの反射の強度を制御するように望ましくは選択される。
空気に囲まれた前面、及び約1.55の屈折率を有する媒体(ポリマー結合剤等)に囲まれた後面を有し、白色光で照射される、完全同心円状に被覆された再帰反射素子に対して、再帰反射光の逆平行光線が再帰反射素子に出入りする際に、それらに対する一連の透過及び反射事象によって決定される範囲で、明所視的に加重された反射光純強度は、コーティング厚さによって異なり得る。「明所視的に加重された反射光純強度」という用語は、再帰反射素子上の入射光線が再帰反射素子に部分的に透過され、再帰反射素子の後部において部分的に反射され、かつ入射光線方向に対して逆平行に、再帰反射素子を出る際に部分的に透過された後に残る、界面反射及び干渉効果に起因する強度の損失のみを占める、光度関数によって加重された、白色光強度の相対的部分を指す。所与の材料の薄い単一の干渉層が選択され、2つの反射界面のそれぞれにおけるある特定の屈折率差(例えば、1.93RIのビーズコア上のシリカ)をもたらす場合、反射光の明所視的に加重された純強度は、コーティングの厚さに応じて、少なくとも約6倍異なり得る。2つのコーティング層(例えば、1.93の屈折率のビーズコア上の非晶質シリカ及びチタニアの層)によって確立される、3つの界面によって生成される、明所視的に加重された反射光純強度は、2つの同心コーティングの正確な厚さに応じて、少なくとも12倍異なり得る。コーティング及び厚さのいくつかの選択のために、明所視的に加重された反射光純強度は、被覆されていない再帰反射素子と対比して、減少させることができる。
いくつかの実施形態では、コア110は、入口媒体(つまり、再帰反射素子の前面に隣接した媒体)が空気である場合の使用に好適な屈折率を有するように選択されてよい。いくつかの実施形態では、入口媒体が空気である場合、コア110の屈折率は、約1.5〜2.1である。他の実施形態では、コアの屈折率は、約1.7〜約2.0である。他の実施形態では、コアの屈折率は、1.8〜1.95である。更に他の実施形態では、コアの屈折率は、1.9〜1.94である。好適なコア110の選択後に、コアは、最初に、第1の光学干渉層112を形成するために、低屈折率材料(例えば、1.4〜1.7)で被覆され、続いて、第2の光学干渉層122を形成するために、高屈折率材料(例えば、2.0〜2.6)で被覆されてよい。再帰反射素子100は、再帰反射素子を基材又は裏材に貼り付けることによって、反射物品内の一構成要素として使用されてよい。そのような構造において、第2の光学干渉層122の一部は、例えば、接着剤によって、又は再帰反射素子をポリマー基材の主表面に直接組み込むことによって、基材に貼り付けられる。いくつかの実施形態では、補助反射体は、物品の構造に含まれてよい。
いくつかの実施形態では、再帰反射素子100は、湿潤条件下で、露出レンズ型構造において高い再帰反射性を有する物品で使用される。そのような実施形態では、再帰反射素子100のコア110は、典型的には約2.0〜約2.6の屈折率を有する。他の実施形態では、コアの屈折率は、2.3〜2.6である。更に他の実施形態では、コアの屈折率は、2.4〜2.55である。コア110は、最初に、第1の光学干渉層112を形成するために、低屈折率材料(例えば、1.4〜1.9)で被覆され、次いで、第2の光学干渉層122を提供するために、高屈折率材料(例えば、2.0〜2.6)で被覆される。得られた再帰反射素子100は、反射物品の一構成要素として使用されてもよく、再帰反射素子100は、基材又は裏材に貼り付けられる。そのような構造において、再帰反射素子は、例えば、ポリマー結合剤、又は接着剤に埋め込まれる、第2の光学干渉層122によって基材に貼り付けられる。いくつかの実施形態では、補助反射体は、物品の構造に含まれてよい。
他の実施形態では、3つ以上の完全同心光学干渉層を支持するビーズを備える再帰反射素子が提供される。図2を参照すると、再帰反射素子の別の実施形態が示され、ここで説明される。再帰反射素子200は、その上に第1の光学干渉層212を有する、透明な実質的に球状のコア210を含む。コア210は、第1の界面216において、第1の光学干渉層212と接触する。第2の同心光学干渉層222は、第1の同心光学干渉層212を被覆する。層222は、第1の層212の外面又は最も外側の表面と接触する内面を有し、第2の界面226を形成する。再帰反射素子200はまた、第3の界面224において、第2の光学干渉層222の最も外側の表面と接触する、第3の光学干渉層227も含む。第3の光学干渉層は、再帰反射素子200の最も外側の表面を形成し、かつ第4の界面228を形成する、外面を含む。第1、第2、及び第3の光学干渉層212、222及び227は、厚さが実質的に均一であり、球状コア210と同心である。
光は、異なる材料が十分に異なる屈折率を有する(例えば、少なくとも約0.1の屈折率差を有する)という条件で、再帰反射素子200に使用される材料の界面において反射される。コア210及び第1の光学干渉層212の十分な屈折率差は、第1の界面216において第1の反射を生じさせる。同様に、第1の光学干渉層212及び第2の光学干渉層222の十分な屈折率差は、第2の界面226において第2の反射を生じさせる。第2の光学干渉層222及び第3の光学干渉層227の十分な屈折率差は、第3の界面224において第3の反射を生じさせる。第3の光学干渉層227及び第3の光学干渉層227と接触する任意の背景媒体(例えば、真空、ガス、液体、固体)の十分な屈折率差は、再帰反射素子200の第4の界面228において、第4の反射を生じさせる。光学干渉層212、222及び227の厚さ及び屈折率の選択は、再帰反射素子200をその一部として含む物品の可視性を強化する再帰反射光を提供する、反射及び干渉効果をもたらす。いくつかの実施形態では、白色光照射下で、4つの反射が、ある特定の波長に対して相互に破壊的に干渉し、再帰反射光が、そうでなければそのような干渉の非存在下で観察され得る色とは異なる色を有する、レトロクロミズムをもたらし得る。
再び図2を参照すると、入射光線230が、再帰反射素子200に向けられているものとして示される。光230は、概して、コア210に入る前に、第3の光学干渉層227、第2の光学干渉層222、及び第1の光学干渉層212に透過されるものとして示される。しかしながら、入射光線230の複数の部分が、第4の界面228において、第3の界面224において、第2の界面226において又は第1の界面216において反射され得る。コア210に入る光230の一部は、コア210の反対側での屈折によって集束される。屈折光235は、コア210の後部において第1の界面216と接触し、屈折光235の一部は、反射光240として、再帰反射素子200の前側に向かって後方に反射され、最終的に入射光線230に対して実質的に逆平行である方向において、再帰反射光250として素子から出てくる。集束光の別の一部は、光学干渉層212を通過し、第2の界面226において反射光242として後方に反射される。反射光242は、入射光線230に対して実質的に逆平行である方向に移動する、再帰反射光252として再帰反射素子から出てくる。集束光の更に別の一部は、第1及び第2の光学干渉層212及び222を通過し、反射光244として第3の界面224において後方に反射され、最終的に、再帰反射光254として再帰反射素子200から出てくる。集束光の更に別の一部は、第1、第2及び第3の光学干渉層212、222及び227を通過し、反射光246として第4の界面228において後方に反射され、最終的に、再帰反射光256として再帰反射素子200から出てくる。光学干渉層227の外面は、再帰反射素子200が配置される媒体(例えば、ガス、液体、固体、又は真空)との第4の界面228を形成する。入射光線の一部は反射されず、再帰反射素子200を完全に通過する。
反射光240、242、244、246と続く再帰反射光250、252、254、256との間の干渉は、入射光線(例えば入射する白色光)に対して、再帰反射光の色の変化を生じさせ得る。例えば、入射する白色光のスペクトルの中心からの波長の差分は、赤紫色相を有する再帰反射光をもたらす(即ち、レトロクロミズム)。わずかにより厚い光学干渉層は、より長い波長を差し引き、例えば、緑又は青緑色相をもたらす。物品に組み込まれる場合、複数の再帰反射素子200は、コバート色、デザイン、メッセージ等を提供することによって、物品の外観を強化する、レトロクロミック特性を提供することができる。異なる材料の光学干渉層212、222及び227を有する再帰反射素子200を製造することによって、かつ上記の再帰反射光250、252、254、256が相互に破壊的に干渉するように、それらの材料の厚さ及び屈折率を選択することによって、レトロクロミック効果を得ることができる。結果として、再帰反射モードで表示される場合の再帰反射素子200は、そうでなければ破壊的干渉の非存在下で観察され得る色とは異なる色の再帰反射光を提供する。
他の実施形態では、光学干渉層212、222、227、再帰反射素子200に対する材料、厚さ及び屈折率の適切な選択は、例えば、被覆されていないビーズからの再帰反射光よりも明るい(例えば、高い再帰反射係数(Ra)を有する)再帰反射光250、252、254、256を提供することができる。物品に組み込まれる場合、複数の再帰反射素子200は、物品の可視性を強化する再帰反射特性を提供する。反射光240、242、244、246と続く再帰反射光250、252、254、256との間の建設的干渉は、再帰反射光の白色度又は強度の予想外の増加を生じさせる。いくつかの実施形態では、3つの光学干渉層コーティングに対するコーティング厚さは、層がシリカ/チタニア/シリカの交互層である場合、並びにコアが、約30μm〜約90μmの直径及び約1.93の屈折率を有するガラスビーズを備える場合、最大の再帰反射性を提供するように最適化することができる。そのような実施形態では、約95nm〜120nm、典型的には、約110nmの厚さを有するシリカの第1の光学干渉層212、約45nm〜80nm、典型的には、約60nmの厚さを有するチタニアの第2の光学干渉層222、及び約70nm〜115nm、典型的には、約100nmの厚さを有するシリカの第3の光学干渉層227は、再帰反射素子がアクリレート接着剤に単層として部分的に埋め込まれる場合、有意に増強された再帰反射係数(Ra)を提供した。
材料の界面における反射は、2つの材料の屈折率差によって決まる。コア及び光学干渉層のための材料は、本明細書に記載するように、種々の材料のいずれかから選択されてもよい。選択された材料は、十分な屈折率差が、隣接した材料間(例えば、コア/層212、層212/層222、層222/層227)で維持される限り、かつコアが所望の屈折を提供する限り、高あるいは低屈折率材料を備えてよい。コア210と第1の光学干渉層212との屈折率差、第1の光学干渉層212と第2の光学干渉層222との屈折率差、第2の光学干渉層222と第3の光学干渉層227との屈折率差、並びに第3の光学干渉層227と再帰反射素子200の裏側が配置されるように意図される媒体との屈折率差は、それぞれ、少なくとも約0.1であるべきである。いくつかの実施形態では、隣接した層間の差のそれぞれは、少なくとも約0.2である。他の実施形態では、差は、少なくとも約0.3であり、更に他の実施形態では、差は、少なくとも約0.5である。光学干渉層212の屈折率は、コア210の屈折率よりも大きくても、あるいは小さくてもよい。いくつかの実施形態では、屈折率の選択、及び使用する材料の対応する選択は、再帰反射素子200の外面と接触し、反射が生じるように意図される第3の界面224を形成する媒体の選択によって決定される。
上記のように、空気に囲まれる前面、及びポリマー結合剤等の、約1.55の屈折率を有する媒体に囲まれる(例えば、埋め込まれる)後面を有し、白色光で照射される、完全同心円状に被覆された再帰反射素子に対して、再帰反射光の全く逆平行の光線が再帰反射素子に出入りする際に、それらに対する一連の透過及び反射事象によって決定される範囲で、明所視的に加重された反射光純強度は、コーティング材料及び屈折率値の所与の所望の組に対して、コーティング厚さによって劇的に異なり得る。3つのコーティング層(例えば、1.93の屈折率のビーズコア上の非晶質シリカ、続いて非晶質チタニア、続いて非晶質シリカ)によって確立される、4つの界面によって生成される、明所視的に加重された反射光純強度は、少なくとも4倍異なり得る。コーティング及び厚さのいくつかの選択のために、明所視的に加重された反射光純強度は、被覆されていないビーズと対比して、有意に減少させることができる。
上記の光学干渉層に対する好適な材料及びコーティングは、入射する可視光線に部分的に反射すると同時に、入射光線の少なくとも一部が材料に透過されることも可能にし、本明細書に記載するような再帰反射性の現象が生じ得るようにする材料及び構造を含む。いくつかの実施形態では、明るい高い再帰反射物品を製造する傾向がある、透明なコーティングを提供するために、無機材料が使用される。TiO(2.2〜2.7の屈折率)及びSiO(1.4〜1.5の屈折率)等の無機酸化物、並びにZnS(2.2の屈折率)等の無機硫化物が、上記の無機材料に含まれる。上記の材料は、種々の技術のいずれかを使用して適用することができる。比較的高い屈折率を有する他の好適な材料としては、CdS、CeO、ZrO、Bi、ZnSe、WO、PbO、ZnO、Ta、及び当業者に既知の他の材料が挙げられる。本発明での使用に好適な他の低屈折率材料としては、Al、B、AlF、MgO、CaF、CeF、LiF、MgF及びNaAlFが挙げられる。
本発明の再帰反射素子が、非水溶性が必要とされない環境で使用される場合、例えば、塩化ナトリウム(NaCl)等の他の材料が使用されてよい。加えて、層のうちの少なくとも1つが有機コーティングである複数の層で、再帰反射素子のビーズコアを同心円状に被覆することは、本発明の範囲内である。
所望のレベルの再帰反射性を得るために、コア210は、比較的高い屈折率を有するように選択されてよい。実施形態では、コアの屈折率は、約1.5よりも大きい。他の実施形態では、コアの屈折率は、約1.55〜約2.0である。いくつかの実施形態では、コア210は、最初に、第1の光学干渉層212を形成するために、低屈折率材料(例えば、1.4〜1.7)で被覆され、続いて、第2の光学干渉層222を形成するために、高屈折率材料(例えば、2.0〜2.6)で被覆されてよい。その後、低屈折率材料(例えば、1.4〜1.7)を使用して、第3の光学干渉層227が、第2の光学干渉層上に被覆されてよい。再帰反射素子200は、再帰反射素子を基材又は裏材に貼り付けることによって、反射物品内の一構成要素として使用されてよい。そのような構造では、第3の光学干渉層227は、例えば、ポリマー接着剤又は結合剤によって基材に貼り付けられる。上記の物品のいくつかの実施形態では、結合剤自体は、物品の反射特性及び再帰反射性を強化する、拡散散乱又は鏡面反射顔料で着色されてよい。
いくつかの実施形態では、再帰反射素子200は、乾燥条件下で、露出レンズ型構造において高い再帰反射性を有する物品で使用される。そのような実施形態では、再帰反射素子200のコア210は、典型的には約1.5〜約2.1の屈折率を有する。典型的には、入口媒体が空気である場合、コア210の屈折率は、約1.5〜2.1である。他の実施形態では、コア210の屈折率は、約1.7〜約2.0である。他の実施形態では、コア210の屈折率は、1.8〜1.95である。他の実施形態では、コア210の屈折率は、1.9〜1.94である。コア210は、最初に、第1の光学干渉層212を形成するために、高屈折率材料(例えば、2.0〜2.6)で被覆され、次いで、第2の光学干渉層222を提供するために、低屈折率材料(例えば、1.4〜1.7)で被覆される。その後、高屈折率材料(例えば、2.0〜2.6)を使用して、第3の光学干渉層227が、第2の光学干渉層上に被覆されてよい。得られた再帰反射素子200は、反射物品の一構成要素として使用されてよく、再帰反射素子200は、基材又は裏材に貼り付けられる。そのような構造では、再帰反射素子は、例えば、接着剤に部分的に埋め込まれる第3の光学干渉層227によって、又は再帰反射素子をポリマー基材の主表面に直接部分的に組み込むことによって、基材に貼り付けられる。いくつかの実施形態では、接着剤又は基材自体は、物品の再帰反射性を強化する、拡散散乱又は鏡面反射顔料で着色されてよい。
本明細書に記載する再帰反射素子を備える安全積層体及び物品は、再帰反射モードで表示されるときに、再帰反射パターンを提供するように製造することができる。ここで使用する「パターン」は、複数の領域によって定義され、それらからなる。本発明のいくつかの実施形態では、被覆された再帰反射素子は、再帰反射モード及び他のモードの両方で表示される場合、それぞれが認識可能である領域内に配設される。本発明の他の実施形態では、被覆された再帰反射素子は、主に再帰反射モードでのみ表示されるときに、それぞれが認識可能である領域内に配設される。「再帰反射パターン」は、異なる再帰反射白色度若しくは異なる再帰反射色、又は両方の2つ以上の領域を備えるパターンである。例えば、再帰反射パターンの2つの領域は、両方とも再帰反射であるが、2つの異なるレベルの再帰反射白色度を示す場合があり、2つの領域の再帰反射色は、同一であるか、又は異なり、いずれか又は両方が任意に白であることを含む。別の実施例として、再帰反射パターンの2つ以上の領域のうちの1つは、もう一方が再帰反射性でない一方で、再帰反射性であってもよい。再帰反射パターンが環境照明下で容易に識別可能ではないとき、再帰反射パターンは、「コバート」再帰反射パターンである。再帰反射パターンの領域が、再帰反射モードで表示されるときと、環境照明モード(例えば、無指向性照明)で表示されるときとを対比して、異なる色を示す場合、領域は、レトロクロミックである。再帰反射パターンが2つ以上の再帰反射領域を含み、かつそれらのうちの少なくとも1つがレトロクロミックである場合、再帰反射パターンは、レトロクロミックパターンである。
レトロクロミックパターンは、再帰反射モードで表示される場合のみ認識可能である、1つ以上の領域を備えることができる。そのようなレトロクロミックパターンは、「コバート」パターンと称される。安全積層体及び物品において、コバート機能又はパターンの包含は、種々の理由のいずれかにより有用である。いくつかの実施形態では、コバートパターンは、物品の信頼性を検証するために、再帰反射モードで表示可能である。そのような実施形態の態様では、例えば、コバート画像に対する1つの再帰反射色、及び画像の背景に対する第2の対比色の選択による等、画像又はデザインと、その背景との間の高レベルのコントラストによって、再帰反射モードで容易に識別可能である画像又はデザインを示すために、コバートパターンが提供される。
レトロクロミックであるものを含む再帰反射パターンは、任意の寸法及び/又は形状であってもよく(例えば、実質的に1次元、2次元、若しくは3次元)、例えば、円、線(例えば、波線、直線、若しくは曲線)、多角形(例えば、三角形、正方形、矩形、多面体(例えば、立方体、四面体、ピラミッド、球体)、若しくは英数字等の他のしるし(例えば、文字、数字、商標、ロゴ、公印))、及び/又はグラフィック等の幾何学的形状で提供されてよい。いくつかの実施形態では、パターンがそれらを識別するための拡大又は他の表示補助器を必要とする、微視的な寸法の再帰反射パターンが提供される。より大きい再帰反射パターンもまた有用であり、より大きい再帰反射パターン内で微視的な再帰反射パターンを提供することは、本発明の範囲内である。
再帰反射パターンは、本明細書に記載する再帰反射素子を用いて形成され、任意に例えば米国特許第7,036,944号(Budd et al.)に記載される再帰反射素子、並びに/又は米国特許第2,326,634号(Gebhard et al.)及び同第5,620,775号(LaPerre)に記載されるような再帰反射素子等、他の再帰反射素子を含み、それらの開示は、それらを参照することによって本明細書に組み込まれる。
本発明の再帰反射素子が物品に組み込まれる場合、再帰反射素子の構造は、物品が高度に再帰反射性であるかどうか、及び再帰反射モードで表示される場合の物品がコバート色も示すかどうかに影響を及ぼし得る。シリカ及び/又はチタニアで被覆された再帰反射素子に対して、金属酸化物層のコーティング厚さは、完成した物品の再帰反射特徴に影響を及ぼし得る。例えば、約110nmの厚さのシリカである第1の光学干渉層、及びチタニアである第2の光学干渉層で、1.9RIのガラスコア上で被覆された2つの完全同心光学干渉層を備える再帰反射素子は、チタニアの第2の光学干渉層が100nm〜215nmの範囲内のコーティング厚さである場合、顕著なコバート色を生成し得る。チタニア層が100nm未満である場合、コバート色はほとんど又は全く観察されない。これらの観察は、再帰反射素子がポリマー裏材に接着されているかどうか、又はそれらが、再帰反射素子の外側表面全体に隣接した「空気」を有する、ガラスバイアル内で観察されるかどうかに応用される。約110nmの厚さのシリカである第1の光学干渉層、及び約60nmの厚さのチタニアである第2の光学干渉層、及びシリカである第3の光学干渉層で、1.9RIのガラスコア上で被覆された3つの完全同心光学干渉層を備える再帰反射素子は、再帰反射素子がガラスバイアル内で観察される場合、シリカの第3の光学干渉層が50nm〜75nm並びに95nm〜120nmの範囲内の厚さを有するように被覆された場合、顕著なコバート色を生成し得る。0〜50又は75〜95nmの範囲内のコーティング厚さに対して、コバート色はほとんど又は全く観察されない。再帰反射素子がポリマー裏材に接着される場合、30nm〜120nmの範囲内の厚さを有するシリカの第3の光学干渉層を有する再帰反射素子に対して、コバート色が観察される。再帰反射素子及びそのような再帰反射素子を備える物品の他の材料及び構造もまた、上記の構造に加えて、色又は増強された再帰反射白色度を提供することが理解されるであろう。全てのそのような実施形態は、本発明の範囲内にあると見なされる。
本発明のいくつかの実施形態では、少なくとも1つの表示可能な領域が、基材の1つ以上の内部空洞に含有されてよい。図3を参照すると、物品300は、2つの表示可能な内部領域340及び342を有する、基材310を備える。内部領域340は、再帰反射素子330を含有する。いくつかの実施形態では、再帰反射素子330は、第1の再帰反射白色度又は色を示す。内部領域342いくつかの実施形態では、第2の再帰反射白色度又は色を示す、他の再帰反射素子332を含有する。いくつかの実施形態では、一方の領域(例えば、領域340)が、本明細書に記載するように、レトロクロミック効果で第1の色を示してもよい一方で、もう一方の領域(例えば、領域342)は、増強された再帰反射白色度を示す。他の実施形態では、領域340及び342の両方が、増強された再帰反射白色度を示す。更に他の実施形態では、再帰反射素子330及び再帰反射素子332は、領域340及び342のそれぞれにおける再帰反射素子の一部が、増強された再帰反射白色度を示す一方で、それぞれの領域にける再帰反射素子の一部が再帰反射色を提供するように、再帰反射素子と異なる構造との混合物である。その他の変形は当業者に明らかであろう。更に、2つの領域340及び342が例示目的であり、本発明が、物品内の再帰反射又はレトロクロミック領域の数によって、いかなる方法によっても限定されないことが理解されるであろう。
本発明のいくつかの実施形態では、1つ以上の表示可能な再帰反射領域が、再帰反射層を形成するために物品に組み込まれる。再帰反射層は、例えば、基材の表面に部分的に埋め込まれた(例えば、熱及び/又は圧力によって)再帰反射素子の層として、あるいは例えば、再帰反射素子及び結合剤材料を備えるコーティングとして、基材の表面に貼り付けられてもよい。代表的な実施形態が図4に示され、図中、物品400は、基材410、並びに表示可能な領域440及び442を有する、再帰反射層415を含む。再帰反射層415は、表示可能な領域440及び442と結合剤420で貼り付けられる、再帰反射素子430及び432を備える。いくつかの実施形態では、領域440及び442は、レトロクロミックであり、第1及び第2の再帰反射色をそれぞれ示す。いくつかの実施形態では、一方の領域(例えば、領域440)が、本明細書に記載するように、レトロクロミック効果で第1の色を示してよい一方で、もう一方の領域(例えば、領域442)は、増強された再帰反射白色度を示す。他の実施形態では、領域440及び442の両方が、増強された再帰反射白色度を示す。更に他の実施形態では、再帰反射素子430及び432は、領域440及び442のそれぞれにおける再帰反射素子の一部が、増強された再帰反射白色度を示す一方で、それぞれの領域にける再帰反射素子の一部が再帰反射色を提供するように、再帰反射素子と異なる構造との混合物である。
図5を参照すると、物品500は、2つの表示可能な領域540及び542を有するトポグラフィー表面515を有し、一連のウェル520を有する、基材510を含む。ウェル520のいくつかは、再帰反射素子530及び532を含有する。ウェル520は、任意に液体560を含有してよい。任意のカバー層570は、ウェルの縁部に貼り付けられる。カバー層570は、気密シールを提供するように構成されてよい。
本発明のいくつかの実施形態では、本発明の再帰反射素子は、少なくとも1つの識別マークを有する、再帰反射パターンを提供する。代表的な識別マークとしては、商標、ブランド名、製造者名、公印等が挙げられる。
図7を参照すると、本発明の一実施形態に従った、再帰反射安全積層体700の断面図が示され、ここで説明される。積層体700は、第1の主表面722及び第2の主表面724を有するビーズ結合層として、ベースシート又は第1の基材720を含む。複数の再帰反射素子710は、第1の主表面722に沿って、第1の基材720に貼り付けられ、かつ埋め込まれる。再帰反射素子710は、図1及び2を参照して示され説明される素子を代表するものである。加えて、積層体700は、例えば、1つの光学干渉層のみを有するか、又は光学干渉層を全く有さない、代替の再帰反射素子を含んでよい。いくつかの実施形態では、第1の基材720は、ポリマーを含む。任意の反射コーティング726は、補助反射体として物品700の構造に含まれる。
いくつかの実施形態では、第1の基材720のポリマーは、例えば、熱硬化性ポリマー、又は部分的に架橋されたポリマーであってもよく、ポリマーは、第2の主表面724にではなく、第1の主表面722に沿って架橋されるか、又はある勾配で架橋され、第1の基材720は、第2の主表面724によりも、第1の主表面722に沿って、より広範囲に架橋される。他の実施形態では、第1の基材720は、架橋接着剤を備え、それぞれの再帰反射素子710の一部は、接着剤に埋め込まれる。接着剤は、水分活性化接着剤、光活性化接着剤、放射線活性化接着剤、又は上記のうちの2つ以上の組み合わせからなる群から選択される接着剤を含む、熱硬化性接着剤であってよい。いくつかの実施形態では、熱硬化性接着剤は、のり、ウレタン、エポキシ、アミノプラスト及び上記のうちの2つ以上の組み合わせからなる群から選択されるホットメルト接着剤から得られてよい。
再帰反射素子710と第1の基材720の第1の主表面722との間の結合を促進又は強化するために、シランカップリング剤又は同様の表面改質技術が使用されてよい。いくつかの実施形態では、複数の再帰反射素子710の少なくとも一部は、増強された再帰反射白色度を示す。再帰反射素子710の少なくとも一部は、増強された再帰反射白色度を有する再帰反射色を示す。
第1の基材720の第2の主表面724は、例えば、権利文書、株券、クレジットカード、及び/又はデビットカード等の安全物品を提供するために、第2の基材への物品700の積層を容易にするために、接着剤(図示せず)で被覆されてよい。いくつかの実施形態では、第1の基材700は、少なくとも第2の主表面724に沿って熱可塑性材料を備え、加熱及び第2の基材に積層することができる。第2の主表面724は、画像又は名前、数字等の印刷されたしるし(図示せず)の形態で、データを有してよい。あるいは、データは、第2の基材の表面上に含まれてよい。第1の基材720が第2の基材に積層される場合、印刷されたしるしは、第1の基材720によって被覆されるが、それを通して見ることができる(例えば、積層体700は透明である)。このように、印刷されたしるしは、例えば、物品の所有者を識別する、安全情報を提供することができる。更に、しるしは、改ざんへの試みが行われ、積層体700が第2の基材から除去される場合、容易に変形する形態で提供することができる。
いくつかの実施形態では、第2の主表面724と、積層体700を価値のある文書に結合するために使用される接着剤との間に、追加の安全層を配置することができる。追加の安全層は、安全印刷物(例えば、マイクロテキスト、紫外線可視印刷、カラーシフティングインク等)、ホログラム又はKinegramホイル等の透明な安全フィルム、改ざん表示層、カラーシフティングフィルム、又は当業者に既知の他の安全機能からなってよい。追加の安全層は、第2の主表面724の全体を被覆してよく、又は表面724の一部のみを被覆してもよい。例えば、いくつかの実施形態では、追加の機能は、追加の安全機能が表面の特定の領域のみにあるように、積層体700の側面部分に登録されてよい。
更に、積層体700等の再帰反射安全積層体は、種々の安全物品(例えば、法的、行政的、及び/又は金融的に重要な品物)のいずれも提供するために、別の基材に貼り付けることができる。代表的な安全積層体としては、自動車のナンバープレートのための検証ステッカー、運転免許証のための安全フィルム等が挙げられる。安全物品としては、権利文書(例えば、家屋又は車に対する)、株券、金融商品(例えば、貸付契約)、ある特定の種類のチケット(例えば、航空券又は宝くじ券)、小切手、報告書、金融カード(例えば、クレジットカード又はデビットカード)、身分証明書、貨幣、パスポート等の品物が挙げられる。本発明の安全積層体はまた、再密閉可能な容器(例えば、酒瓶、薬瓶)のための改ざん表示シール等の他の品物に貼り付けられてもよい。
いくつかの実施形態では、安全機能として対照的なコバート色を有する積層体を提供するために、ビーズ結合に埋め込まれるパターンで、同様であるが対照的な再帰反射素子を配設することができる。図8及び9を参照すると、安全積層体800の表面は、再帰反射モードで積層体800を見ている観察者によって見られるように描写される。図8の積層体800は、矩形状であるが、任意の他の寸法又は形状で提供されてよい。再帰反射パターン810は、再帰反射表示モードで可視的であり、ブランド名及びロゴの形態で提供される。パターン810は、積層体800の主表面802に貼り付けられる、複数の「画像再帰反射素子」812からなる。画像再帰反射素子812の少なくとも一部は、図1及び2を参照して示され説明される素子を代表するものである。画像再帰反射素子812は、再帰反射モードで表示される場合に、第1の再帰反射色を提供するように製造される。パターン810は、より小さいパターン又はデザインの集合体又はアセンブリを備えることができることが理解されるであろう。パターン810は、第2の均一な再帰反射色を提供するために、「マトリックス再帰反射素子」814からなる背景フィールド820内で、積層体800の表面上に位置付けられる。パターン810は、図8の背景フィールド820内で中心に位置するが、パターンが表面802の側面又は縁部と整合する他の実施形態も考えられることが理解されるであろう。マトリックス再帰反射素子814の少なくとも一部は、図1及び2を参照して示され説明される素子を代表するものであってよい。いくつかの実施形態では、背景フィールド820は、他の反射材料及び/又は再帰反射素子を備えてよく、2つ以上の再帰反射色を提供することができる。パターン810はロゴとして描写されているが、種々のパターンのいずれもが同様の構造の安全積層体のために選択されてよいことが理解されるであろう。いくつかの実施形態では、パターン810及び背景820の再帰反射色は、別様に、通常又は拡散照明条件下で観察者には見えない。換言すれば、積層体800の表面802は、拡散照明下で表示される場合、均一な有色又は無色、及び典型的には透明のように見える。
積層体800は、図10の物品900によって表されるように、安全物品を提供するために、図9に示すような第2の基材に貼り付けられてよい。積層体800は、すでに説明されているが、物品900の主表面910に積層され、その上に印刷されたしるし、及び/又は例えば、ホログラフィックホイルの層を含んでよい。いくつかの実施形態では、表面910は、米国特許出願第09/846,632号(公開第2002/0163179 A1号)に記載されるような、脆弱層及び/又は個人化データ(図示せず)を含んでよく、その開示は、それを参照することによって本明細書に組み込まれる。いくつかの実施形態では、個人化データは、脆弱層上に印刷される。個人化データは、画像(例えば、ロゴ又は写真)、印刷されたしるし(例えば、名前又は識別番号)等を備えてよい。描写された実施形態では、物品800は、個人化データ上で表面910に積層されてよい。積層体800のビーズ結合層が拡散照明下で透明である場合、表面910上の物品800の下に位置付けられる個人化データは、物品900を認証するために、又は物品を所有している人が本人であることを確認するために、可視的である。例えば、再帰反射素子が、カード又はパスポートの個人化データの一部又は全てを被覆する領域のみにおいて印刷され、積層体の残部は、回折性光学的可変画像デバイス(DOVID)、ホログラム、カラーシフトフィルム等の他の安全機能からなる、積層体800を提供することができる。いくつかの実施形態では、種々の安全機能は、層状安全を提供するために、何らかの方法で一体化することができる。
個人化データを改変しようとする試みを伴った改ざんの事象において、積層体800は、表面910から少なくとも部分的に除去されなければならず、個人化データの損傷をもたらす。データの損傷は明らかであり、改ざんを示す。追加の安全機能は、上記の再帰反射画像810及び再帰反射背景820によって提供される。再帰反射モードで表示される場合、物品900の信頼性を検証するために、画像810を使用することができる。
本明細書に記載する再帰反射素子からなるデザイン、パターン等は、種々のプロセスのいずれかに従って製造されてよい。いくつかの実施形態では、再帰反射素子が透明なインクに混合され、かつ再帰反射素子/インクの混合物が画像又はパターンとして置かれる(例えば、印刷される)、印刷プロセスが使用されてよい。そのような実施形態では、再帰反射素子/インクの混合物は、基材の特定の領域に印刷されてよく、1つ以上のそのような混合物が、単一の安全積層体内の包含のために、単一の基材に印刷されてもよい。それぞれの再帰反射素子/インクの混合物は、領域を画定するために基材に印刷されてよく、1つ以上の領域が、安全積層体のための再帰反射パターン又はデザインを形成するために、同一の基材上に存在してもよい。好適な印刷技術としては、スクリーン印刷、オフセット印刷、又はカスタマイズされたマスク上のコーティングが挙げられるが、これらに限定されない。
他の実施形態では、最初に、特定の位置において粘着性表面を生成するために、インクが印刷され、続いてビーズが配置される、印刷プロセスが使用されてよい。インクは、溶媒、熱可塑性ポリマーを含有する溶液、プレポリマー、又は紫外線硬化性インク、ラテックス溶液、インクジェットベースのインク等であり得る。インクは、X−Y印刷、インクジェット印刷、スタンピング、スクリーン印刷、オフセット印刷、凹版印刷、リソグラフィ、又は当該技術分野において既知のような同様の印刷プロセスを使用して配置することができる。次いで、ビーズが、基材表面全体に露出され、インク付けされた領域にのみ優先的に粘着し、印刷が実行された場合のみ再帰反射パターンを提供する。
いくつかの実施形態では、表面の領域が加熱により粘着性になるように、熱可塑性基材の特定の領域上で加熱印刷プロセスが使用され得る。赤外線(IR)ランプ、加熱表面と基材との直接接触、又は熱源下のマスクの使用を含む、多くの加熱技術のいずれも好適であり得る。熱の使用は、特定の再帰反射パターンを生成するための、特定の領域(例えば、熱に露出される領域)におけるビーズ配置を可能にする。
いくつかの実施形態では、マスク及びフラッドコーティング工程を使用することによって、感圧接着剤等の本質的に粘着性の基材を印刷することができる。
本発明のいくつかの実施形態では、複数の色を有する再帰反射パターンを提供するために、異なる構造(及び異なる再帰反射色)の再帰反射素子を用いる複数の印刷工程が採用される。
これらの印刷技術のいずれに対しても、適切な方法でビーズを基材に固定するために、放射線処理、加熱、又は紫外線硬化等の印刷後処理技術が、ビーズ配置の後に続くことができる。例えば、ビーズが熱可塑性基材に結合される場合、熱サイクル(例えば、ホットロールラミネーター又は加熱対流式オーブン)に物品を通すことによって、ビーズを基材に浸透させ、よりよいビーズ/ビーズ結合接着を生成することができる。
別の方法では、基材の印刷されていない表面が粘着性にされる場合、異なる再帰反射色のレトロクロミック素子によって、全表面をフラッドコーティングすることができる。この粘着性は、熱可塑性基材を加熱すること、又は別の印刷された接着剤を塗布することによって生成され得る。ビーズは、粘着性の印刷されていない領域に接着し得る。これは、再帰反射パターンの周囲で再帰反射マトリックスの生成を可能にし、コバート安全機能を提供し得る。全表面をコーティングする代わりに、特定の領域上に再帰反射素子を堆積させるために、マスクを使用することができる。異なるレトロクロミックビーズを有する複数のマスクが使用される場合、マトリックス再帰反射素子を有するパターンを生成するために、本プロセスが使用され得る。
いくつかの実施形態では、環境照明表示モードと再帰反射表示モードとを交代するときに、独特の外観を達成するために、再帰反射素子によって提供される色とは異なる色で、インクが提供される。他の実施形態では、物品が再帰反射モードで表示されるときに、インク背景の色が有意に増強される文書を生成するために、本発明の再帰反射素子によって提供される色と同様又は同一の色を有すように、有色インクを選択することができる。他の実施形態では、異なる再帰反射白色度の領域を有するパターンを生成するために、異なるレベルの増強された再帰反射白色度を提供する再帰反射素子を含有するインクが使用されてよい。
安全積層体の製造において、再帰反射素子が、基材の第1の主表面に沿って被覆されてよい一方で、基材の反対側又は第2の主表面(例えば、文書側)は、再帰反射素子を有さない状態に保持される。基材への再帰反射素子の適切な接着は、再帰反射素子が、再帰反射素子の直径の約20%〜70%の深さまで、接着剤又は基材自体に少なくとも部分的に沈んでいる必要があり得る。いくつかの実施形態では、再帰反射素子は、再帰反射素子の直径の約30%〜60%の深さまで沈んでいる。被覆された再帰反射素子は、高温において一対のローラー間で再帰反射素子/基材の複合体を圧縮することによって、接着剤又は基材に沈められてよい。
基材として好適な高分子フィルムとしては、エチレンビニルアセテート(EVA)又はエチレンアクリル酸(EAA)共重合体、又は無水マレイン酸グラフトポリマー等の変性ポリエチレン(PE)材料が挙げられるが、これらに限定されない。E.I.du Pont de Nemours and Companyから商品名「Fusabond」の下で入手可能な材料、特にFusabond MC190Dに指定される材料等、好適なEVA材料が市販されている。Dow Chemical Companyから商品名「Primacor」の下で入手可能な共重合体、特にPrimacor 3340の指定の下で入手可能な共重合体等、好適なEAA共重合体が市販されている。いくつかの実施形態では、例えば、キャストフィルム押出プロセスを使用して製造される押出フィルムとして、ポリマー基材(例えば、EVA又はEAA共重合体)が提供されてよい。
種々のポリマーのいずれも、本発明における基材として使用されてよいことが理解されるであろう。好適なポリマーとしては、熱可塑性ポリマー及び熱硬化性ポリマーが挙げられる。好適な熱可塑性プラスチックの更なる例としては、例えば、ポリメチルメタクリレート(PMMA)、ポリスチレン(PS)及びポリカーボネート(PC)等の非晶質熱可塑性プラスチックが挙げられる。ポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)、ポリブチルテレフタレート(PBT)及びポリエチレンテレフタレート(PET)等の半結晶性熱可塑性もまた、使用されてもよい。
追加の熱可塑性プラスチックとしては、アクリロニトリルブタジエンスチレン(ABS)、アクリルポリマー、セルロイド、酢酸セルロース、エチレンビニルアセテート、エチレンビニルアルコール、フッ素樹脂、アイオノマー、液晶ポリマー、ポリアセタール、ポリアクリレート、ポリアクリロニトリル、ポリアミド、ポリアミドイミド、ポリアリールエーテルケトン、ポリブタジエン、ポリブチレン、ポリブチレンテレフタレート、ポリエーテルイミド、ポリエーテルスルホン、ポリスルホン、ポリエチレンクロリネート、ポリイミド、ポリ乳酸、ポリメチルペンテン、ポリフェニレンオキサイド、ポリフェニレンサルファイド、ポリフタルアミド、ポリプロピレン、ポリスチレン、ポリスルホン、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、及び上記のうちの2つ以上の組み合わせからなる群から選択される熱可塑性樹脂が挙げられる。
熱硬化性ポリマーの実施例としては、加硫ゴム、ベークライト、フェノールホルムアルデヒド樹脂、ユリアホルムアルデヒドメラミン樹脂、ポリエステル樹脂、エポキシ樹脂、ポリイミド及び上記のうちの2つ以上の組み合わせからなる群から選択される熱硬化性ポリマーが挙げられる。
いくつかの実施形態では、ビーズ結合と再帰反射素子との界面は、例えば、シランカップリング剤等のカップリング剤で、再帰反射素子又は基材を処理することによって、改質されてよい。そのような実施形態では、シラン部分が、本明細書に記載するポリマー基材及び/又は再帰反射素子と結合する。シラン部分は、商品名「Bynel 3126」としてDuPontから市販されているような酸変性ポリエチレン等の、ある特定の基材と結合する可能性が高い。好適なシランカップリング剤は、「Silquest(登録商標)A1100」としてOSi Specialtiesから市販されている、γ−アミノプロピルトリエトキシシランである。シランカップリング剤の使用は、印刷及びフラッドコーティング工程中の再帰反射素子間の摩擦を増加させ得る。したがって、再帰反射素子に対する流動補助剤を含むことが必要であり得る。好適な粒子流動補助剤の例としては、Cabosil TS530、HiSili 233、及びFlo−gard FF L−26−0が挙げられる。再帰反射素子への接着は、例えばコロナ処理又はプラズマ処理等の当業者に既知の他の処理方法の使用によって、改善され得る。
図7の基材720に関連して考察したように、いくつかの実施形態は、化学分解、機械的分解、又は熱分解に対して改善された耐性を有する架橋ポリマーである基材を含むことができる。ポリマー基材は、再帰反射素子が配置される「ビーズ側」、及び文書に接着されるか、又は別様に貼り付けられる「文書側」を含む。文書側は、例えば、基材の文書側に沿って被覆される好適な接着剤を使用して、安全文書に接着積層することができる。基材の架橋は、放射線硬化によって等、既知の方法で達成され得る。いくつかの実施形態では、再帰反射素子側が、文書側よりも強く架橋されるように、基材の再帰反射素子が被覆された側に硬化反応を限定することができる。他の技術は、再帰反射素子側が非再帰反射素子側よりもより多くの架橋剤を含有するように、ある勾配で基材の再帰反射素子側に添加される、架橋剤の使用を含む。硬化技術の後続の適用は、再帰反射素子側上でのより広範な架橋によって、基材の架橋を促進する。他の実施形態では、薄いビーズ結合層(例えば、接着剤層に結合される、被覆された再帰反射素子)は、全体として架橋され、続いて、実質的により少ない架橋を伴う基材に積層される。いくつかの実施形態では、再帰反射素子を備える安全積層体又は安全物品は、米国特許第6,288,842号(Florczak et al.)に記載されるような「浮動画像」が備わっていてよく、その全体の開示は、参照することによって本明細書に組み込まれる。その開示によると、基材に貼り付けられる再帰反射素子の層の後方に配置される放射線感受性材料層を画像化することによって、浮動画像(例えば、シートよりも上又は下に「浮動する」ように見える画像)を提供することができる。層を改質し、かつ基材よりも上又は下で浮動するように見える画像を生成するために、再帰反射素子に作用する光は、放射線感受性層に集束される。ビーズ及びビーズ結合層は、この浮動画像を増強するための添加剤又は化学物質を含有してよい。添加剤は、例えば、所望の波長におけるレーザー照射を吸収するように設計される染料を含んでよい。
汚れ、塵、及び風化から基材及び再帰反射素子を保護するために、基材の表面上の再帰反射素子にわたって、保護コーティングが塗布されてよい。3M Company(St.Paul,Minnesota)から商品名「Scotchgard」の下で入手可能な保護材料等、好適な保護材料が市販されている。
本発明の再帰反射素子を使用した再帰反射パターンの構造は、以下の段落に記載され、本明細書に記載する再帰反射素子を組み込む安全積層体及び物品の製造に適用できる。再帰反射パターンは、種々の方法で形成されてよい。1つの代表的な方法では、例えば、米国特許第4,367,920号(Tung et al.)に記載される方法によって、部分的に露出された再帰反射素子の単層を有するキャリアシート(例えば、ポリエチレンフィルム)が製造され、その開示は、参照することによって本明細書に組み込まれる。例えば、米国特許第5,612,119号(Olsen et al.)、又は同第5,916,399号(Olsen)に記載されるように、画像通りに(例えば、スクリーン印刷、インクジェット印刷、又は熱転写印刷によって)、接着結合剤材料(例えば、のり、感圧接着剤、又はホットメルト接着剤)が、露出された再帰反射素子に塗布され、それらの開示は、参照することによって本明細書に組み込まれる。画像化された接着結合剤は、基材と接触させられ、それによって結合剤は、基材に貼り付けられる。次いで、キャリアシートは剥離され、結合剤に貼り付けられたままの再帰反射素子を露出する。この転写印刷プロセスは、異なる再帰反射素子で繰り返されてもよく、再帰反射モードで表示される場合に独特の外観を有する、例えば、3つ、4つ、5つ以上の領域を有する、再帰反射パターンをもたらすことができる。いくつかの実施形態では、領域のうちの1つ以上は、再帰反射モードで表示される場合に再帰反射色を示し得る。
別の方法では、接着結合剤が基材に塗布されてよい(例えば、図7中の基材720のような)。接着剤は、軟化又は溶解条件で、基材(例えば、熱積層、圧力積層、溶射)の主表面(例えば、第1の主表面722)に、画像通りに直接塗布される。その後、再帰反射素子が接着剤に接着するように、接着剤は、再帰反射素子でフラッドコーティングされてよい。本プロセスでは、再帰反射素子は、基材の表面にわたって大まかに塗布され、基材は、接着剤を乾燥させる、及び/又は硬化するために加熱されてよい。冷却後に、基剤の頂部に結合される再帰反射素子の単層を提供するために、過剰な再帰反射素子を除去するために、被覆された基材はブラッシングされてよい。
再帰反射素子の塗布されたコーティングが、再帰反射色(例えば、それらはレトロクロミックである)を示す実施形態では、画像通りの接着結合剤の第2の塗布、続いて基材にすでに接着された再帰反射素子とは異なる、他の再帰反射色素子でのフラッドコーティングは、基材の表面上に2つの表示可能な再帰反射領域を有するパターンをもたらす。本プロセスの反復は、再帰反射モードで表示される場合に独特の外観を有する、例えば、3つ、4つ、5つ以上の領域を有する、再帰反射色パターンをもたらすことができる。任意の保護層(例えば、透明な熱可塑性フィルム)は、露出された再帰反射素子に結合されてよい(例えば、熱積層又は接着結合される)。種々の領域は、異なる再帰反射色を示す場合があり、いくつかの実施形態では、それらの再帰反射白色度等が異なり得る。当業者は、再帰反射素子の配置後に、接着剤又は基材が、凝固及び/又は乾燥のために更に処理されてよいことを理解するであろう。接着剤の性質に応じて、接着剤組成物中に存在するモノマー及びオリゴマーを重合する、及び/又はポリマーを架橋するために、接着剤は、例えば、熱又は紫外線に露出されてよい。
別の方法では、液体溶媒中の再帰反射素子の分散液が、一連のウェルを備えるトポグラフィー表面上に印刷されてよい。分散液は、結合剤材料を更に含んでよい。液体、再帰反射素子、及び任意に結合剤は、印刷されるウェルに貯留する。液体は、必要に応じて蒸発してもしなくてもよい。印刷プロセスは、再帰反射色を示す、又は所望の再帰反射白色度を示す、再帰反射素子を使用して、必要に応じて何度も繰り返されてよく、再帰反射素子のそれぞれの塗布は、すでに印刷された再帰反射素子とは異なる構造を有する。任意のカバー層がトポグラフィー表面に積層されてよく、それによってウェルの頂部を密閉し、かつ再帰反射素子を含有する一連の完全に包囲された空洞を生成する。
いくつかの実施形態に対して、次いで、被覆された基材は、再帰反射素子を基材に浸透させるために、ビーズシンキングプロセスを受けてよい。そのようなビーズシンキングプロセスは、中圧を使用した高温でのラミネーターの使用を含み得る。あるいは、再帰反射素子で被覆された表面は、加熱対流式オーブンに通されてよく、表面のエネルギー力は、再帰反射素子をビーズ結合に更に沈ませる。安全積層体の基材は、少なくとも部分的に透明、半透明、及び/又は不透明であってよい。いくつかの実施形態では、基材は、全体にわたって透明である。基材は、組成物中で均質であっても不均質であってもよく、典型的には、第1及び第2の対向する主表面を含む。好適な基材は、熱可塑性フィルム(例えば、ポリウレタンフィルム)、金属ホイル、及び/又は紙を備える。
本発明のいくつかの実施形態では、任意の接着剤層が、積層体の基材に貼り付けられる(例えば、接着結合される)。接着剤層はまた、任意に、剥離ライナー(例えば、ポリエチレン又はシリコーン被覆された紙又はフィルム)と接触してもよい。接着剤層は、典型的には、ホットメルト接着剤、熱硬化性接着剤、又は感圧接着剤のうちの少なくとも1つを備える。代表的なホットメルト接着剤としては、熱可塑性ホットメルト接着剤(例えば、ポリエステル、ポリウレタン、酢酸ビニル共重合体、又はポリオレフィン)、及び熱硬化性ホットメルト接着剤(例えば、水分活性化接着剤、光活性化接着剤、放射線活性化接着剤、又はそれらの組み合わせ)が挙げられる。代表的な熱硬化性接着剤としては、のり、ウレタン、エポキシ、及びアミノプラストが挙げられる。代表的な感圧接着剤としては、例えば、米国特許第4,630,891号(Li)に記載されるようなラテックスとして基材に望ましくは塗布される、アクリレート共重合体(例えば、アクリル酸イソオクチル及びアクリル酸の共重合体)が挙げられ、その開示は、参照することによって本明細書に組み込まれる。
再帰反射素子は、透明なビーズの流動床及び堆積技術を使用して製造されてよい。蒸気相材料をビーズコアの流動(即ち、撹拌)床に堆積させるプロセスは、同心層が蒸気の状態からそれぞれの透明なビーズの表面上に堆積させる、「堆積プロセス」と集合的に称される。いくつかの実施形態では、透明なビーズのそれぞれの表面上に材料の層を堆積させるために、蒸気相前駆体材料が、透明なビーズに近接して混合され、その場で化学反応する。他の実施形態では、材料は、蒸気の状態で提供され、本質的に化学反応を伴わない透明なビーズのそれぞれの表面上に層として堆積させる。使用する堆積プロセスに応じて、典型的には蒸気相の前駆体材料(反応による堆積プロセスの場合)、又は層材料(反応によらないプロセスの場合)は、透明なビーズコアを有する反応器内に配置される。蒸気相加水分解反応は、同心光学干渉層(例えば、金属酸化物の層)をそれぞれのコアの表面上に堆積させる。そのようなプロセスは、時に化学堆積(「CVD」)反応と称される。
いくつかの実施形態では、低温大気圧化学堆積(「APCVD」)プロセスが使用される。そのようなプロセスは、真空システムを必要とせず、高いコーティング速度を提供することができる。加水分解によるAPCVD(即ち、水が反応性前駆体と反応するAPCVD)は、低温、例えば、典型的には300℃をはるかに下回る温度で非常に均一な層を得る能力から、最も望ましい。
以下は、例示的な蒸気相の加水分解による反応である。
TiCl+2HO→TiO+4HCl
例示的な反応において、水蒸気及び四塩化チタンは合わせて、金属酸化物前駆体材料と見なされる。
有用な流動床堆積技術は、例えば、米国特許第5,673,148号(Morris et al.)に記載され、その開示は、参照することによって本明細書に組み込まれる。
十分に流動化された床は、均一の層が、所与の粒子及び粒子集団全体の両方に対して形成されることを確実にし得る。透明なビーズの本質的に全表面を被覆する、実質的に連続的な層を形成するために、透明なビーズが、流動床反応器内で浮遊させられる。流動化は、典型的には、透明なビーズのアグロメレーションを効果的に防止し、透明なビーズ及び反応前駆体材料の均一の混合を達成し、かつより均一の反応条件を提供する傾向があり、それにより非常に均一な同心光学干渉層をもたらす。透明なビーズを撹拌することによって、それぞれのアセンブリの本質的に全表面が、堆積中に露出され、アセンブリ及び反応前駆体又は層材料は、それぞれのビーズの実質的に均一かつ完全なコーティングが達成されるように、十分に混合され得る。
凝集する傾向がある透明なビーズを使用する場合、例えば、少量のヒュームドシリカ、沈殿シリカ、「VOLAN」という商品名を有するメタクリラトクロム塩化物(Zaclon,Inc.,Cleveland,Ohioから入手可能)等の流動化補助剤で、透明なビーズを被覆することが望ましい。そのような補助剤及びその有用な量の選択は、当業者によって容易に決定され得る。
前駆体材料を蒸気相に入れ、それらを反応器に添加するための1つの技術は、ガス流、望ましくは、本明細書においてキャリアガスと称される非反応性ガスを、前駆体材料の溶液又は原液を通し、次いでは反応器内で泡立てることである。代表的なキャリアガスとしては、アルゴン、窒素、酸素、及び/又は乾燥空気が挙げられる。
特定の用途に対するキャリアガスの最適な流速は、典型的には、少なくとも部分的に、反応器内の温度、前駆体流の温度、反応器内のアセンブリ撹拌の程度、及び使用する特定の前駆体によって決まるが、有用な流速は、通常の最適化技術によって容易に決定され得る。望ましくは、前駆体材料を反応器に移送するために使用されるキャリアガスの流速は、透明なビーズを撹拌し、かつ最適な量の前駆体材料を反応器に移送するのに十分な速度である。
図6を参照すると、再帰反射素子を製造するためのプロセスが示される。キャリアガス602は、水蒸気含有前駆体流608を生成するために、水バブラー604を通して泡立てられる。キャリアガス602はまた、四塩化チタン含有前駆体流630を生成するために、四塩化チタンバブラー606を通して泡立てられる。次いで、前駆体流608及び630は、加熱反応器620に移送される。被覆されていないビーズ又はコアは、反応器620に導入され、コアは、酸化チタンのコーティングを得る。コーティングの厚さは、反応器620内の再帰反射素子の再帰反射色を監視することによって制御されてよい。例えば、明るい紫のレトロクロミック色は、約80nmのコーティング厚さを示す。層堆積の進行状況は、例えば、ガラス張り反応器を使用してその場で、あるいは反応器からの再帰反射素子の除去によって、レトロビューア(例えば、米国特許第3,767,291号(Johnson)及び同第3,832,038号(Johnson)に記載されるような(それらの開示は、参照することによって本明細書に組み込まれる))を使用することによって、再帰反射モードで発生している再帰反射素子を表示することによって監視されてよい。再帰反射色を有する再帰反射素子及びそれらを含有する物品を表示するために有用なレトロビューアはまた、例えば、3M Company,St.Paul,Minnesotaから商品名「3M VIEWER」の下で市販されている。
上記のプロセスは、コア上に追加の被覆された層を堆積させるために繰り返されてよく、典型的には、それぞれの層に対して使用される反応物質は変えられる。例えば、酸化チタンで被覆された再帰反射素子は、続いて、コーティング前駆体として四塩化ケイ素を使用し、その後に酸化することによって、酸化ケイ素のコーティングを受けてよい。コーティングのそれぞれに対するプロセスパラメーターの調整が望ましい場合があり、当業者によって実施される範囲内である。典型的には、前駆体流速は、適切な堆積速度を提供するように、かつ所望の品質及び特徴の金属酸化物層を提供するように調整される。望ましくは、流速は、反応器チャンバ内に存在する前駆体材料の比が、チャンバ内の別の場所における分離性、即ち、浮動性の金属酸化物粒子の形成を最小限に抑えて、再帰反射素子の表面における金属酸化物堆積を促進するように調整される。例えば、四塩化チタン及び水からのチタニアの層を堆積させる場合、1つの四塩化チタン分子当たり約8つの水分子の比から、2つの四塩化チタン分子当たり1つの水分子の比が、概して好適であり、1つの四塩化チタン分子当たり約2つの水分子の水が好ましい。これらの条件下で、四塩化チタンの大部分と反応する水は十分にあり、水の大部分は、再帰反射素子の表面上に吸収される。はるかに高い比は、所望のオキシド層よりもむしろオキシド粒子をもたらし得る、相当な量の吸収されない水を生じさせる傾向がある。
望ましくは、前駆体材料は、加水分解反応及び層堆積プロセスが都合良く速い速度で進むように、十分な量の前駆体材料が反応器に移送されるくらい十分に高い蒸気圧を有する。例えば、比較的高い蒸気圧を有する前駆体材料は、典型的には、比較的低い蒸気圧を有する前駆体材料よりも速い堆積速度を提供し、それによってより短い堆積時間の使用を可能にする。前駆体源は、蒸気圧を低下させるために冷却されるか、又は材料の蒸気圧を増加させるために加熱されてもよい。後者は、源と反応器との間の凝結を防止するために、前駆体材料を反応器に移送するために使用する管又は他の手段の加熱を必要とし得る。多くの場合、前駆体材料は、室温で原液の形態である。場合によっては、前駆体材料は、昇華性固体として利用可能であってよい。
ある特定の所望の前駆体材料は、ビーズを被覆するために、約300℃以下、ほとんどの場合は約200℃以下の温度での加水分解反応を介して、緻密な金属酸化物コーティングを形成することができる。いくつかの実施形態では、四塩化チタン及び/又は四塩化ケイ素、並びに水が前駆体材料として使用される。水及び揮発性金属塩化物に加えて、他の前駆体材料は、例えば、水、及び金属アルコキシド(例えば、チタンイソプロポキシド、シリコンエトキシド、ジルコニウムn−プロポキシド)、金属アルキル(例えば、トリメチルアルミニウム、ジエチル亜鉛)のうちの少なくとも1つの混合物を含む。コーティングプロセスにおいて、いくつかの前駆体を同時に使用することが望ましい場合がある。しかしながら、例えば、TiCl及びHO等の相互に反応性の前駆体材料は、移送システム内の早期反応を防止するために、反応器に添加される前に混合されない。反応チャンバ内への複数のガス流が、典型的には提供される。
堆積プロセスは、加水分解によるCVD及び/又は他のプロセスを含む。そのようなプロセスにおいて、ビーズは、典型的には、ビーズ上での所望の特性を有する同心光学干渉層の有効な堆積及び形成を促進するのに好適な温度で維持される。堆積プロセスが実行される温度の増加は、典型的には、より緻密であり、かつより少ない不安定な未反応前駆体を保持する、結果として得られる同心層を生じさせる。スパッタリング又はプラズマによる化学堆積プロセスが使用される場合、被覆される物品の加熱の必要性は最小限である場合が多いが、典型的には、真空システムを必要とし、小ガラスビーズ等の粒子材料を被覆する場合、使用が困難であり得る。
典型的には、透明なビーズを望ましくなく分解しないように十分低温で動作する堆積プロセスが選択されるべきである。光学干渉層の堆積は、約300℃以下、典型的には約200℃以下の温度での加水分解によるAPCVDプロセスを使用して達成される。四塩化物からの堆積されるチタニア及びチタニア−シリカ層は、約120℃〜約160℃の低温で、APCVDによって容易に堆積される。シリカ層は、約20℃〜約100℃の温度で堆積される場合が多い。
寸法安定性の実質的に球状の透明なビーズが、本発明の再帰反射素子内のコアとして使用されてよい。コアは、可視光線のうちの少なくとも1つの波長に対して実質的に透明であることを条件に、無機、ポリマー又は他のコアであってよい。典型的には、コアは、約20〜約500マイクロメートルの直径を有する。いくつかの実施形態では、直径は、約50〜約100マイクロメートルに及ぶが、他の直径も可能である。
いくつかの実施形態では、被覆された再帰反射素子のコアは、約1.5〜約2.5、又はそれ以上の屈折率を有する、無機ガラスからなる。いくつかの実施形態では、屈折率は、約1.7〜約1.9に及ぶ。コアはまた、特定の意図された用途、及び同心光学干渉層の組成物に応じて、低屈折率値を有してもよい。例えば、ソーダライムシリカ(即ち、窓ガラス)の低費用及び高可用性の理由から、約1.50ほど低い屈折率を有するシリカガラスビーズが、コアとして使用されてよい。任意に、コアは、着色剤を更に含んでよい。コアとして使用され得る代表的な材料としては、ガラス(例えば、SiO、B、TiO、ZrO、Al、BaO、SrO、CaO、MgO、KO、NaO等の金属酸化物の混合物)、並びに例えば、米国特許第4,564,556号(Lange)及び同第4,758,469号(Lange)に記載されるような固体、透明、非ガラス質、セラミック粒子が挙げられ、それらの開示は、参照することによって本明細書に組み込まれる。着色剤は、コアの化学組成物とのそれらの適合性、及び使用する製造条件に応じて選択される、遷移金属、染料、及び/又は顔料を含む。
再帰反射の規模は、例えば、米国特許第2,963,378号(Palmquist et al.)に記載されるような一体半球形反射体を再帰反射素子上に被覆することによって増加してよく、その開示は、参照することによって本明細書に組み込まれる。
以下の非限定的実施例は、本発明の特定の実施形態を図示する。
以下の標準的な手順を採用した。
手順A:再帰反射素子の製造
米国特許第5,673,148号(Morris et al.)に記載されるプロセスと同様の大気圧化学堆積プロセス(APCVD)を使用して、透明なビーズコア上に金属酸化物(チタニア又はシリカ)コーティングを堆積させることによって、複数の完全同心光学干渉層を有する再帰反射素子を形成した(その開示は、それを参照することによって本明細書に組み込まれる)。反応器の内径は、30mmであった。透明なビーズコアの初充填は、60gの重さであった。シリカコーティングに対して、反応温度を40℃に設定した一方で、チタニアコーティングは、140℃の反応温度を使用して堆積した。一定温度で維持された加熱油槽内に反応器を浸漬することによって、所望の反応温度を制御した。ガラスフリットの反応器の底面を通して反応器内に導入される窒素ガス流によって、ビーズ床を流動化した。一旦十分な流動化が達成されると、水バブラーを通過した窒素キャリアガス流を使用して、底面のガラスフリットを通して反応器内に水蒸気を導入した。原液前駆体を含有するバブラーに窒素キャリアガスを通し、流動ビーズ床へと下向きに延在するガラス管を通して、反応器内に蒸発化合物を導入することによって、金属酸化物前駆体化合物(SiClあるいはTiCl)を蒸発させた。
すでに堆積されたコーティングを有する再帰反射素子のサンプルに対して手順を繰り返すことによって、複数のコーティングを堆積した。
反応物質を含んだキャリアガスの流速、並びにシリカ及びチタニアコーティングに対する反応温度を表1に記録する。
Figure 2011509422
場合によっては、コーティング時間を変化させることによって、異なるコーティング厚さのサンプルを製造した。異なる時間において反応器から少量の再帰反射素子を除去することによって、これを達成した。コーティング厚を直接測定するために、既知のコーティング堆積時間において反応器から採取された、ある特定の同心円状の再帰反射素子を破壊し、走査型電子顕微鏡によって破壊片を検査することによって、コーティング速度を決定した。その後、既知のコーティング時間及びコーティング速度から、同心コーティングの厚さを計算した。シリカコーティングに対して、〜2nm/分のコーティング速度が典型的であり、チタニアコーティングに対しては、〜5nm/分のコーティング速度が典型的であった。
手順B:パッチ白色度
再帰反射された白色度の測定は、再帰反射素子の層の再帰反射係数(Ra)の「パッチ白色度」測定を含む。クリアパッチ白色度、並びに白色パッチ白色度の測定を行った。クリアパッチ白色度の結果は、本明細書において「Ra(CP)」と表し、白色パッチ白色度の結果は、「Ra(WP)」と表す。いずれの場合においても、再帰反射素子の層を接着テープ上に散布し、レトロルミノメーターの下に構造を配置することによって、再帰反射素子の層を製造した。クリアパッチ白色度に対して、透明なテープ(3M Scotch 375 Clear Tape)の接着剤に再帰反射素子を部分的に埋め込み、暗色(黒色)背景を有する1枚の紙の上にテープを配置することによって、サンプル構造を製造した。接着剤を白色を付与するように二酸化チタンで着色したテープの接着剤に、再帰反射素子を部分的に埋め込むことによって、白色パッチ白色度サンプル構造を製造した。典型的には、再帰反射素子をその直径の<50%まで接着剤に埋め込んだ。パッチ白色度構造のそれぞれに対して、ASTM Standard E 809−94aの手順Bで確立された手順に従って、−4.0度の入口角及び0.2度の観測角において測定し、Cd/m/luxでのRaを決定した。それらの測定に使用した光度計は、米国防衛公開第T987,003号に記載される。再帰反射素子又は素子の層を支持する上記の構造の主表面に入射する光によって、パッチ白色度を測定した。
手順C:色測定
光学分光計(Tec5 AG,Oberursol,Germanyから市販されている、MCS UV−NIR分光計及び50ワットのハロゲン光源及び二股光ファイバープローブを有する、MultiSpec Series System)を使用して、色座標を測定することによって、再帰反射色又はレトロクロミック効果を定量化した。同心円状に被覆された再帰反射素子を、市販されているテープ(3M Scotch 375 Clear Tape)の接着剤に部分的に埋め込んだ。〜5mmの距離において、光ファイバープローブの下に埋め込まれた再帰反射素子を配置し、黒色背景を使用して、300nm〜1050nmの波長範囲において、スペクトル測定を行った。前面鏡を基準として使用し、全ての測定値を正規化した。Tec5 AG,Oberursol,Germanから市販されている、色モジュールを有するMultiSpec(登録商標)Proソフトウェアを使用して、反射率スペクトルから色度座標を計算した。本明細書に定めるような、ある特定の比較実施例及びある特定の実施例に従って製造される再帰反射素子に対して、色座標を測定した。CIE色度ダイアグラム(1931バージョン)及び標準的な黒体曲線を参照した。黒体曲線は、約4800K〜7500Kの白色を通過する。これらの温度における対応する色座標は、(0.353、0.363)及び(0.299、0.317)である。再帰反射において可視的な色をほとんど又は全く示さない再帰反射素子から行われた測定は、4800K及び7500Kの黒体放射曲線の0.01内に位置する。(x、y)座標は、元の1931座標への1964の10度の視界の修正に対応することに留意されたい。CIEチャート及び黒体放射曲線は、Zukauskas et al.,Introduction to Solid State Lighting,John Wiley and Sons(2002);Chapter 2(Vision,Photometry,and Colorimetry),pp.7〜15に記載される。
比較実施例1〜44
比較実施例1〜44の製造に使用したビーズコアは、本明細書においてI型ビーズコアと称され、約1.93の屈折率、約60μmの平均直径、並びに44.2重量%のTiO、29.2重量%のBaO、12.6重量%のSiO、9重量%のNaO、3重量%のB、及び2重量%のKOの近似組成物を有する、透明なガラスビーズであった。比較実施例1は、被覆されていないI型ビーズコアであった。比較実施例2〜44は、上記の手順Aに従って製造し、単一の完全同心干渉層を備えた。比較実施例2〜25に対して、単一の完全同心干渉層が、シリカであった一方で、比較実施例26〜44は、チタニアの単一の完全同心干渉層を有した。再帰反射素子で製造されたクリアパッチ構造のコーティング時間、計算されたコーティング厚さ、及び再帰反射された白色度(Ra)を表2に記録する。
Figure 2011509422
手順Cに従って、比較実施例1、6、9、11及び13に対して、再帰反射色を評価した。表2Aは、色座標、観察された色、4800K〜7500Kの黒体放射曲線からの距離、及び4800K〜7500Kの黒体放射曲線上の最も近い点に対する座標を記載する。「L/N」という表示は、色がほとんど又は全く観察されなかったことを示す。
Figure 2011509422
実施例45〜69
実施例45〜69は、I型ビーズコアを採用する。再帰反射素子が2つの同心光学干渉層を含むように、手順Aに従って、再帰反射素子を製造した。シリカの内側又は第1の光学干渉層、及びチタニアの外側又は第2の光学干渉層で被覆された、I型ビーズコアを使用して、実施例45〜60を製造した。I型ビーズコアを使用して、実施例61〜69を製造し、チタニアの内側又は第1の光学干渉層、及びシリカの外側又は第2の光学干渉層で被覆した。クリアパッチ構造のコーティング材料、厚さ、及び再帰反射された白色度(Ra)を表3に記録する。
Figure 2011509422
手順Cに従って、実施例45、47、49、50、52、54及び55に対して、再帰反射色を評価した。実施例61〜69の再帰反射素子に対して、空気中の再帰反射色(即ち、基材への浸漬前)は、素子が1.4〜1.5RIの範囲の屈折率(即ち、SiO2の屈折率と同様)を有する基材に浸漬された後に観察された色とは異なることに留意されたい。表3Aは、色座標、観察された色、4800K〜7500Kの黒体放射曲線からの距離、及び4800K〜7500Kの黒体放射曲線上の最も近い点に対する座標を記載する。「L/N」という表示は、色がほとんど又は全く観察されなかったことを示す。
Figure 2011509422
実施例70〜80
実施例70〜80は、I型ビーズコア、及び実施例1〜44の製造に使用したものと同一のコーティング材料を採用した。手順Aに従って再帰反射素子を製造し、3つの完全同心干渉層を含むように、実施例70〜80を製造した。クリアパッチ構造のコーティング材料、厚さ、及び再帰反射された白色度(Ra)を表4に記録する。
Figure 2011509422
実施例70及び72〜75に対して、手順Cに従って、再帰反射色を評価した。表4Aは、色座標、観察された色、4800K〜7500Kの黒体放射曲線からの距離、及び4800K〜7500Kの黒体放射曲線上の最も近い点の座標を記載する。「L/N」という表示は、色がほとんど又は全く観察されなかったことを示す。空気中の色(即ち、基材への浸漬前)は、再帰反射素子が1.4〜1.5RIの範囲の屈折率(即ち、SiO2の屈折率と同様)を有する基材に浸漬された後に観察された色とは非常に異なることに留意されたい。
Figure 2011509422
比較実施例81〜95及び実施例96〜104
比較実施例1〜15及び実施例45〜53と同一の方法で、比較実施例81〜95及び実施例96〜104をそれぞれ製造した。これらの再帰反射素子からの再帰反射色を観察及び記録した。再帰反射ビューア(3M Company,St.Paul,Minnesotaから商品名「3M VIEWER」の下で入手可能)を通して表示することによって、観察された再帰反射色を決定した。クリアパッチ白色度を決定するために、再帰反射素子の層をポリマー接着剤(3M Scotch 375 Clear Tape)に部分的に埋め込んだ。表5は、サンプルに対する構造、観察された再帰反射色及びクリアパッチ白色度を要約する。
Figure 2011509422
比較実施例105〜107及び実施例108〜110
すでに記載された再帰反射素子のいくつかに対して、白色パッチ白色度測定を行った。表6は、これらのサンプルに対する再帰反射素子の構造並びに白色パッチ白色度を要約する。
Figure 2011509422
比較実施例111〜123
米国特許第6,245,700号に記載される方法に従って、ガラスセラミックビーズコアを製造した。II型ビーズコアは、12.0重量%のZrO、29.5重量%のAl、16.2重量%のSiO、28.0重量%のTiO、4.8重量%のMgO、9.5重量%のCaOの組成物を有し、屈折率は〜1.89であり、平均直径は約60μmであった。手順Aに従って、SiO又はTiOの単層でビーズコアを被覆した。再帰反射素子の構造、並びにクリアパッチ白色度及び白色パッチ白色度の両方の決定を表7に記録する。
Figure 2011509422
比較実施例124〜145
米国特許第6,245,700号に記載される方法に従って、III型に指定されるビーズコアを製造した。III型ビーズコアは、61.3重量%のTiO、7.6重量%のZrO、29.1重量%のLa、2重量%のZnOの組成物を有するガラスセラミック材料から製造され、RIは〜2.4であり、平均直径は、約60μmであった。手順Aに従って、SiO又はTiOの単層でビーズコアを被覆した。パッチ表面を水で被覆することによって、クリアパッチ白色度及び白色パッチ白色度測定値を記録した。コーティング材料、コーティング厚さ、並びに湿潤白色パッチ及び湿潤クリアパッチ白色度測定値を表8に要約する。
Figure 2011509422
実施例146
手順Aに従って、3つの完全同心光学干渉層をIII型ビーズコア上に堆積した。表9は、コーティング材料、コーティング厚さ、並びに白色パッチ及びクリアパッチ白色度測定値を要約する。実施例124〜145にあるような湿潤条件下で、白色パッチ及びクリアパッチ白色度測定を行った。
Figure 2011509422
比較実施例147、148及び実施例149〜152のための手順
手順D:単層再帰反射素子:手順Aに記載するように、屈折率が〜1.9である、直径60マイクロメートルのビーズコアを、TiOの単一の薄層で被覆し、比較実施例として使用した。(1)黄橙色(「黄橙色再帰反射素子」)及び(2)青色(「青色再帰反射素子」)の、2つの異なる再帰反射色の再帰反射素子を製造した。これらの再帰反射素子を接着剤基材に貼り付けた後でさえ、環境光において、それらの間の色差は観察されなかった。
手順E:三層再帰反射素子:手順Aに従って再帰反射素子を製造し、本明細書の実施例として使用した。TiOの第1の完全同心光学干渉層、SiOの第2の完全同心光学干渉層、及びTiOの第3の完全同心光学干渉層を提供するために、屈折率が〜1.9である、直径60マイクロメートルのビーズコアを被覆した。得られた再帰反射素子は、(1)黄色、(2)青緑色、及び(3)紫色の、3つの異なる再帰反射色を有した。これらの三層再帰反射素子及び単層再帰反射素子を接着剤基材に貼り付けた後でさえ、環境光において、それらの間の色差は観察されなかった。
手順F:基材の押出プロセス
キャストフィルム押出プロセスを使用して、Fusabond MC190Dエチレンビニルアセテート(EVA)(DuPont)及びPrimacor 3340エチレンアクリル酸共重合体(Dow)のフィルムを製造した。約200℃(392°F)の融解温度をもたらす、185℃(365°F)〜200℃(392°F)の温度プロファイルを有する、Brabender Instruments Inc.,South Hackensack,New Jerseyによって製造された1.9cm(3/4in)の単軸押出機に、樹脂ペレットを送り込んだ。フィルムを、約3m/分(10ft/分)で移動する、幅約15cm(6in)及び厚さ0.05mm(0.002in)のポリエチレンテレフタレート(PET)ベースのフィルムに成型するために、水平ダイを使用した。約0.1mm(0.004in)の厚さを有する層の状態に溶融樹脂を凝固させるために、スチール冷却ロールとゴムバックアップロールとの間に、得られたフィルム構造を通し、ロールを巻いて形成した。押出されたフィルムは「基材」と称される。
手順G:「画像化再帰反射素子」のための印刷プロセス
「画像再帰反射素子」を基材の特定の領域上に印刷した。基材の残部を被覆する「マトリックス再帰反射素子」とのコントラストの目的で、画像再帰反射素子を使用する。基材上に画像再帰反射素子を印刷するために、スタンプ印刷を使用し、着色剤が樹脂に添加されていない紫外線硬化性結合樹脂の極薄層(3M Companyから「CG 9720」の名称下で入手可能)を移動させるために、ゴムスタンプを使用した。印刷の直後に、画像再帰反射素子を印刷された領域上に散布した(2つ以上の色を使用した場合、異なる色の画像再帰反射素子を所望の領域上に注意深く散布した)。次いで、0.51m/s(100fpm)の強い紫外線光源下に印刷されたサンプルを通し、サンプルを0.25J/cmまで露出させた。次いで、過剰な再帰反射素子を除去するために、軟らかいペンキブラシを使用して、サンプルを優しくブラッシングした。
手順H:「マトリックス再帰反射素子」のためのフラッドコーティングプロセス
基材の表面上にマトリックスのための再帰反射素子を被覆するために、本プロセスを使用した。画像再帰反射素子がパターン内に存在した場合、再帰反射照明条件において画像再帰反射素子を表示するためのコントラストとして、マトリックス再帰反射素子を追加した。レトロクロミック画像再帰反射素子を基材の表面上に大まかに散布し、150℃の温度に設定した対流式オーブン内で、3分間、基材を加熱した。基材をオーブンから除去し、30秒間冷却し、次いで、過剰な再帰反射素子を除去するために、剛毛ブラシを使用して強くブラッシングし、基材の頂部に結合した再帰反射素子の単層を得た。次いで、再帰反射素子をそれらの直径の20%を超える深さまで、基材に浸漬するために、0.008m/s(1.5fpm)の速度で、中圧で、163℃(325°F)(最前部)〜177℃(350°F)(最後部)に設定されたラミネーター(SDISによるモデル6060P)に基材を通した。
手順I:再帰反射コントラスト測定
これらの材料の再帰反射性及び再帰反射コントラストを測定するために、3つの異なる技術を使用した。
I(1)隠蔽力:照明された部屋(例えば、通常のオフィス照明)において、住所が書かれた1枚の標準コピー用紙上にサンプルを配置した。ビューアを使用した場合に住所がどの程度見えるかに基づいて、サンプルを不可、可、良好、又は優秀と評価した。例えば、3M Viewer等の再帰反射源で照射されたときに、住所が明確に見えた場合、サンプルは「不可」と評価される。住所が基材の再帰反射性質によって完全に隠蔽された場合、サンプルは「優秀」と評価される。
I(2)3M Viewerコントラスト:照明された部屋(例えば、通常のオフィス照明)において、住所が書かれた1枚の標準コピー用紙上にサンプルを配置した。3Mレトロビューアを使用して、再帰反射ロゴが明確に見えた場合、サンプルは、3M Viewerコントラストテストに合格した。再帰反射画像がどの程度明らかであるかに基づいて、サンプルを「不可」、「可」、「良好」、又は「優秀」と評価した。3M Viewer等の再帰反射源で照射されたときに、画像がすぐに明らかな場合、サンプルは「優秀」と評価される。画像が見えなかった、又は画像を見えるようにサンプルが操作されなければならなかった場合、サンプルは「不可」と評価される。
I(3)懐中電灯コントラスト:照明された部屋(例えば、通常のオフィス照明)において、住所が書かれた1枚の標準コピー用紙上にサンプルを配置した。懐中電灯の光線が、再帰反射品に集束されるように、明るい懐中電灯をビューアのヘッドに平行して配置した。再帰反射ロゴが明確に見えた場合、サンプルは、懐中電灯コントラストテストに合格した。再帰反射画像がどの程度明らかであるかに基づいて、サンプルを「不可」、「可」、「良好」、又は「優秀」と評価した。3M Viewer等の再帰反射源で照射されたときに、画像がすぐに明らかな場合、サンプルは「優秀」と評価される。画像が見えなかった、又は画像を見えるようにサンプルが操作されなければならなかった場合、サンプルは「不可」と評価される。
比較実施例147
手順Dに従って、黄橙色再帰反射素子を製造した。アカエイの形状のスタンプを使用した手順Gのスタンプ印刷プロセスを使用して、手順Fに従って製造されたFusabond MC190D EVA基材上に、素子を印刷した。基材の残部に黄橙色素子を配置するために、フラッドコーティングプロセス(手順H)を使用した。手順I(1)〜(3)に従って、隠蔽力、3M Viewerコントラスト、及び懐中電灯コントラストを評価した。本材料の隠蔽力は可であり、3M Viewerコントラストは不可であり、懐中電灯コントラストは非常に不可であった。
比較実施例148
手順Dに従って、青色再帰反射素子を製造した。アカエイの形状のスタンプを使用した手順Gのスタンプ印刷プロセスを使用して、手順Fに従って製造されたFusabond MC190D EVA基材上に、素子を印刷した。基材の残部上に黄橙色素子を配置するために、フラッドコーティングプロセス(手順H)を使用した。手順I(1)〜(3)に従って、隠蔽力、3M Viewerコントラスト、及び懐中電灯コントラストを評価した。本材料の隠蔽力は可であり、3M Viewerコントラストは可であり、懐中電灯コントラストは可であった。
実施例149
手順Eに従って、三層黄色再帰反射素子を製造した。アカエイの形状のスタンプを使用した手順Gのスタンプ印刷プロセスを使用して、手順Fに従って製造されたFusabond MC190D EVA基材上に、素子を印刷した。基材の残部上に黄色再帰反射素子を配置するために、フラッドコーティングプロセス(手順H)を使用した。手順I(1)〜(3)に従って、隠蔽力、3M Viewerコントラスト、及び懐中電灯コントラストを評価した。本材料の隠蔽力は可であり、3M Viewerコントラストは優秀であり、懐中電灯コントラストは非常に良好であった。
実施例150
手順Eに従って、三層青緑色再帰反射素子を製造した。アカエイの形状のスタンプを使用した手順Gのスタンプ印刷プロセスを使用して、手順Fに従って製造されたFusabond MC190D EVA基材上に、素子を印刷した。基材の残部上に黄色再帰反射素子を配置するために、フラッドコーティングプロセス(手順H)を使用した。手順I(1)〜(3)に従って、隠蔽力、3M Viewerコントラスト、及び懐中電灯コントラストを評価した。本材料の隠蔽力は可であり、3M Viewerコントラストは優秀であり、懐中電灯コントラストは優秀であった。
実施例151
手順Eに従って、三層青緑色再帰反射素子を製造した。アカエイの形状のスタンプを使用した手順Gのスタンプ印刷プロセスを使用して、手順Fに従って製造されたFusabond MC190D EVA基材上に、素子を印刷した。基材の残部上に三層黄色素子を配置するために、フラッドコーティングプロセス(手順H)を使用した。手順I(1)〜(3)に従って、隠蔽力、3M Viewerコントラスト、及び懐中電灯コントラストを評価した。本材料の隠蔽力は優秀であり、3M Viewerコントラストは優秀であり、懐中電灯コントラストは優秀であった。
実施例152
手順Eに従って、三層青緑色再帰反射素子及び三層紫色再帰反射素子を製造し、アカエイの異なる部分が異なる色を有するように、アカエイの形状のスタンプを使用した手順Gのスタンプ印刷プロセスを使用して、手順Fに従って製造されたFusabond MC190D EVA基材上に印刷した。基材の残部上に三層黄色素子を配置するために、フラッドコーティングプロセス(手順H)を使用した。手順I(1)〜(3)に従って、隠蔽力、3M Viewerコントラスト、及び懐中電灯コントラストを評価した。本材料の隠蔽力は優秀であり、3M Viewerコントラストは優秀であり、懐中電灯コントラストは優秀であった。加えて、3M Viewer又は懐中電灯のいずれを使用しても、アカエイの二色は、すぐに明らかであり、顕著であった。
実施例153
実施例152にあるように基材上に再帰反射素子を堆積させるために、スクリーン印刷動作を使用した。スクリーンは、印刷されたアカエイのしるしを提供した。着色剤が樹脂に添加されていない紫外線硬化性結合樹脂の極薄層(3M CompanyからCG 9720」の名称下で入手可能)を移動させるために、スクリーンスタンプを使用した。印刷の直後、実施例152からの画像再帰反射素子を印刷された領域上に散布した。次いで、0.51m/s(100fpm)の強い紫外線光源下に印刷されたサンプルを通し、サンプルを0.25J/cmまで露出した。次いで、過剰な再帰反射素子を除去するために、軟らかいペンキブラシを使用して、サンプルを優しくブラッシングした。基材の残部上に三層黄色マトリックス再帰反射素子を配置するために、フラッドコーティングプロセス(手順H)を使用した。隠蔽力、3Mビューアコントラスト、及び懐中電灯コントラストは、実施例151のものと同一であった。アカエイの印刷解像度は、実施例151のものよりも良好であると観察された。
実施例154
実施例73に記載する再帰反射素子をマトリックス再帰反射素子として使用し、30〜50%のレベルまで浸漬したことを除いて、実施例153に記載するプロセス及び材料を反復した。素子は、基材への浸漬前に青色を再帰反射し、浸漬後に、基材に対して垂直の角度で表示された場合に黄色を再帰反射した。加えて、浸漬後、垂直から傾斜されると、マトリックス再帰反射素子は、明確な黄色から青色への再帰反射色の変化を示した。この追加のコバート安全機能は、通常表示される機能と同一の隠蔽力をなおも有し、実施例153の隠蔽力と同じくらい良好であった。
本発明の実施形態をかなり詳しく説明してきた。本発明が記載した実施形態に限定されず、本発明の趣旨及び範囲から逸脱することなく、種々の変更及び修正が行われ得ることを、当業者は理解するであろう。

Claims (37)

  1. 安全積層体であって、
    第1の主表面と第2の主表面とを有する、第1の基材と、
    該基材の前記第1の主表面に沿って貼り付けられる、複数の再帰反射素子とを備え、該再帰反射素子は、
    外側コア表面を備える、固体球形コアであって、前記外側コア表面は、第1の界面を提供する、固体球形コアと、
    前記コア表面を被覆する内側表面と、外側表面とを有する、第1の完全同心光学干渉層であって、該第1の完全同心光学干渉層の前記外側表面は、第2の界面を提供する、前記第1の完全同心光学干渉層と、
    該第1の完全同心光学干渉層の前記外側表面を被覆する内側表面と、外側表面とを有する、第2の完全同心光学干渉層であって、該第2の完全同心光学干渉層の前記外側表面は、第3の界面を提供する、前記第2の完全同心光学干渉層と、を備え、
    前記安全物品は、再帰反射性である、安全積層体。
  2. 前記第1の基材が、ポリマーを備える、請求項1に記載の安全積層体。
  3. 前記物品が、補助反射体を備えず、−4度の入口角及び0.2度の観測角で測定される、50Cd/lux/mを超える再帰反射係数と、4800K〜7500Kの黒体発光を表す0.01の線内にある、CIE色度ダイアグラム(1931バージョン)上の点を画定する色度座標を有する、再帰反射色を有する、請求項1に記載の安全積層体。
  4. 前記ポリマーが、前記第1の基材の前記第1の主表面に沿って架橋される、請求項2に記載の安全積層体。
  5. 前記ポリマーが、ある勾配で架橋され、該ポリマーは、前記第2の主表面によりも、前記第1の基材の前記第1の主表面に沿って、より広範囲に架橋される、請求項4に記載の安全積層体。
  6. 前記再帰反射素子が、前記第1の基材の前記第1の主表面に組み込まれる、請求項2に記載の安全積層体。
  7. 前記再帰反射素子と前記第1の基材の前記第1の主表面とに結合される、シランカップリング剤を更に備える、請求項6に記載の安全積層体。
  8. 前記第1の基材の前記第1の主表面と再帰反射素子との間に配置される、補助反射体を更に備える、請求項6に記載の安全積層体。
  9. 前記補助反射体が、薄膜の誘電体スタックを備える、請求項8に記載の安全積層体。
  10. 前記第1の基材の前記第1の主表面と前記再帰反射素子との間に配置される、放射線感受性材料層を更に備え、該放射線感受性材料は、再帰反射モードで表示されるとき、前記積層体よりも上又は下に浮動画像が現れるように画像化される、請求項6に記載の安全積層体。
  11. 前記再帰反射素子が、前記第1の主表面の第1の部分を被覆する、請求項1に記載の安全積層体。
  12. 前記主表面の前記第1の部分が、−4度の入口角及び0.2度の観測角で測定される、少なくとも50Cd/lux/mの再帰反射係数を有し、前記再帰反射素子の後方に存在する補助反射体は存在しない、請求項11に記載の安全積層体。
  13. 前記第1の主表面の第2の部分が、再帰反射素子によって被覆され、前記第2の部分は、−4度の入口角及び0.2度の観測角で測定され、前記第1の部分の前記値の少なくとも10%前記第1の部分の再帰反射係数と異なる、再帰反射係数を有する、請求項12に記載の安全積層体。
  14. 前記積層体が、完全同心光学干渉層を有さない固体球形コアからなる再帰反射素子を備える、別様に同一の積層体の再帰反射係数の値よりも少なくとも4倍大きい再帰反射係数の値を示す、請求項1に記載の安全積層体。
  15. 前記再帰反射素子が、前記第1の主表面の第1の部分を被覆し、前記積層体の残部が、更なる安全機能を含む、請求項11に記載の安全積層体。
  16. 前記再帰反射素子が、前記第1の主表面の第1の部分を被覆し、前記第1の主表面の残部が、他の安全機能を備える、請求項15に記載の安全積層体。
  17. 前記他の安全機能が、回折性光学的可変画像デバイス(DOVID)、ホログラム、カラーシフトフィルム、又はこれらの両方から選択される、請求項16に記載の安全積層体。
  18. 前記再帰反射素子が、前記再帰反射モードで表示されるとき、再帰反射色を提供する、請求項1に記載の安全積層体。
  19. 前記主表面の一領域が、前記第1の主表面に垂直に表示されるとき、第1の再帰反射色を示し、前記垂直から十分に大きい角度で表示されるとき、第2の再帰反射色を示し、前記第1の再帰反射色及び第2の再帰反射色は異なる、請求項1に記載の安全積層体。
  20. 前記再帰反射素子が、前記第2の完全同心光学干渉層の前記第2の表面を被覆する、第3の完全同心光学干渉層を更に備え、該第3の完全同心光学干渉層は、前記第2の完全同心光学干渉層の前記外側表面を被覆する内側表面と、外側表面とを有し、前記第3の完全同心光学干渉層の前記外側表面は、第4の界面を提供し、該第4の界面は、入射光線に少なくとも部分的に反射する、請求項1に記載の安全積層体。
  21. 前記再帰反射素子が、再帰反射色による増強された再帰反射白色度を示す、請求項20に記載の安全積層体。
  22. 前記再帰反射素子が、再帰反射色を提供する、請求項20に記載の安全積層体。
  23. 前記第1の光学干渉層、前記第2の光学干渉層及び前記第3の光学干渉層が、それぞれ、TiO、SiO、ZnS、CdS、CeO、ZrO、Bi、ZnSe、WO、PbO、ZnO、Ta、Al、B、MgO、AlF、CaF、CeF、LiF、MgF、NaAlF、及び上記のうちの2つ以上の組み合わせからなる群から選択される材料を含む、請求項20に記載の安全積層体。
  24. 前記第1の光学干渉層が、シリカであり、前記第2の光学干渉層が、チタニアであり、前記第3の光学干渉層が、シリカである、請求項20に記載の安全積層体。
  25. 前記第1の光学干渉層が、チタニアであり、前記第2の光学干渉層が、シリカであり、前記第3の光学干渉層が、チタニアである、請求項20に記載の安全積層体。
  26. 前記再帰反射素子が、前記第1の主表面の第1の部分を被覆し、前記主表面の前記第1の部分は、−4度の入口角及び0.2度の観測角で測定される、少なくとも100Cd/lux/mの再帰反射係数を有し、前記再帰反射素子の後方に存在する補助反射体は存在しない、請求項20に記載の安全積層体。(実施例72〜76により支持される通り)。
  27. 接着剤が、前記第1の基材の前記第2の主表面に塗布される、請求項1に記載の安全積層体。
  28. 前記接着剤が、ホットメルト接着剤である、請求項27に記載の安全積層体。
  29. 前記接着剤が、感圧接着剤である、請求項27に記載の安全積層体。
  30. 前記第1の基材の前記第2の主表面が、第2の基材の主表面に貼り付けられる、請求項1に記載の安全積層体を備える、安全物品。
  31. 前記安全積層体が、前記第1の基材の前記第2の主表面に塗布される、改ざん表示層を更に備える、請求項30に記載の安全物品。
  32. 前記再帰反射素子の第1の部分が、第1の領域において前記第1の基材の前記第1の主表面に沿って貼り付けられ、前記再帰反射素子の第2の部分は、第2の領域において前記第1の基材の前記第1の主表面に沿って貼り付けられ、再帰反射素子の前記第1の部分は、あるレベルの再帰反射白色度を提供し、再帰反射素子の前記第2の部分は、第2のレベルの再帰反射白色度を提供し、前記安全積層体は、拡散照明において透明である、請求項31に記載の安全物品。
  33. 前記再帰反射素子の第1の部分が、第1の領域において前記第1の基材の前記第1の主表面に沿って貼り付けられ、前記再帰反射素子の第2の部分は、第2の領域において前記第1の基材の前記第1の主表面に沿って貼り付けられ、再帰反射素子の前記第1の部分は、第1の再帰反射色を提供し、再帰反射素子の前記第2の部分は、第2の再帰反射色を提供し、前記安全積層体は、拡散照明において透明である、請求項30に記載の安全物品。
  34. 前記第2の基材の前記主表面に関連するデータを更に含み、前記第1の基材の前記第2の主表面は、データを備え、前記積層体は、前記データが拡散照明において前記積層体を通して表示可能であるように、前記データ上で前記第2の基材の前記主表面に貼り付けられる、請求項33に記載の安全物品。
  35. 前記データが、個人化データを備える、請求項34に記載の安全物品。
  36. 前記第2の基材の前記主表面が、脆弱層を備え、前記データが、前記脆弱層に貼り付けられる、請求項34に記載の安全物品。
  37. 前記安全物品が、貨幣、権利文書、株券、クレジットカード、デビットカード、身分証明書又はパスポートからなる群から選択される、請求項30に記載の安全物品。
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