次に本発明のいくつかの実施形態について詳細に言及される。その例は、添付の構造および式に例示される。本発明は列挙された実施形態に関連して説明されるが、それらは本発明をそれら実施形態に限定するよう意図されているわけではないことが理解されるであろう。それどころか本発明は、特許請求の範囲により定められたような本発明の範囲に含まれうる全ての代替形態、変形形態および同等形態を含むように意図されている。当業者であれば、本明細書に説明されたものと同様または同等の多くの方法および材料を認識するであろうし、それらは、本発明の実施において使用されうる。本発明は、説明された方法および材料に決して限定されるものではない。組み込まれた文献および同様の資料のうち1つまたはそれ以上が本願と異なるまたは矛盾する場合には(限定するものではないが、定義された用語、用語使用、説明された技術などを含む)、本願が優先する。
定義
用語「アルキル(alkyl)」は、炭素原子の直鎖基または分枝鎖基を含む。いくつかのアルキル部分は、例えばメチル(「Me」)、エチル(「Et」)、プロピル(「Pr」)およびブチル(「Bu」)などと略書きされている。さらに略記は、化合物の特定の異性体を意味するように使用され、例えば1−プロピルすなわちn−プロピル(「n−Pr」)、2−プロピルすなわちイソプロピル(「i−Pr」)、1−ブチルすなわちn−ブチル(「n−Bu」)、2−メチル−1−プロピルすなわちイソブチル(「i−Bu」)、1−メチルプロピルすなわちs−ブチル(「s−Bu」)、1,1−ジメチルエチルすなわちt−ブチル(「t−Bu」)、およびその他同類のものが挙げられる。略記は時折、元素の略記および化学構造に関連して使用される、例えばメタノール(「MeOH」)またはエタノール(「EtOH」)である。
本願を通して使用されるさらなる略記には、例えばベンジル(「Bz」)およびフェニル(「Ph」)が含まれる。
用語「治療する(treat)」または「治療(treatment)」は、治療的、予防的、緩和的、または防止的処置に言及するものである。本発明の目的にとって、有益な、または望ましい臨床結果には、限定するものではなく、症状の軽減、疾患範囲の縮小、疾患状態の安定化(すなわち悪化させない)、疾患の進行の遅延または緩徐、疾患状態の改善または緩和、および、検出可能・検出不可能に関わらない寛解(部分的・完全に関わらず)が含まれる。「治療」は、治療を受けなかった場合に予想される生存時間と比べて生存時間を延ばすことも意味することができる。治療を必要としている人々には、すでにその状態または障害になっている人々も、その状態または障害になる傾向がある人々あるいはその状態または障害が防止されるべき人々も含まれる。
フレーズ「治療上有効な量」または「有効量」は、このような治療を必要としている哺乳類に対して投与する場合に、(i)特定の疾患、状態または障害を治療または防止するため、(ii)特定の疾患、状態または障害のうちの1つ以上の症状を和らげる、改善するあるいは除くため、あるいは(iii)本明細書に記載される特定の疾患、状態または障害のうちの1つ以上の症状の発症を防止または遅延するために十分な、本発明の化合物の量を意味する。そのような量に相当するであろう化合物の量は、特定の化合物、疾患状態およびその重症度、治療を必要としている哺乳類の独自性(例えば体重)などの要因により様々であろうが、それにも関わらず当業者によって常套的に決定されうる。
用語「がん」および「がん性の」は、無秩序な細胞成長により典型的に特徴付けられる、哺乳類における生理的状態に言及する、あるいはその生理的状態を説明するものである。「腫瘍」には、1つ以上のがん性細胞が含まれる。がんの例には、限定するものではないが、がん腫、リンパ腫、芽細胞腫、肉腫、および白血病またはリンパ系悪性腫瘍が含まれる。このようながんのさらなる特定例には、扁平細胞がん(例えば扁平上皮細胞がん)、小細胞肺がん、非小細胞肺がん(「NSCLC」)、肺の腺がんおよび肺の扁平上皮がんを含む肺がん、腹膜のがん、肝細胞がん、胃腸がんを含む胃または胃部のがん、すい臓がん、神経膠芽腫、子宮頸がん、卵巣がん、肝臓がん、膀胱がん、肝細胞腫、乳がん、結腸がん、直腸がん、結腸直腸がん、子宮内膜または子宮がん、唾液腺がん、腎臓または腎がん、前立腺がん、外陰がん、甲状腺がん、肝がん、肛門がん、陰茎がん、黒色腫を含む皮膚がん、ならびに頭頸部がんが含まれる。
フレーズ「医薬的に許容可能な(pharmaceutically acceptable)」は、その物質または組成物が、製剤を構成する他の成分と、および/または、それにより治療されている哺乳類と、化学的および/または毒物学的に適合性があるべきであることを示している。
本明細書に使用されている、フレーズ「医薬的に許容可能な塩」は、本発明の化合物の医薬的に許容可能な有機塩または無機塩に言及する。
本発明の化合物はまた、必ずしも医薬的に許容可能な塩とは限らないが、本発明の化合物を調製および/または精製するため、ならびに/あるいは、本発明の化合物の鏡像異性体を分離するための中間体として有用でありうる、そのような化合物の他の塩も含む。
用語「哺乳類」は、本明細書に記載された疾患にかかる危険性を有するか、またはその危険にさらされている温血動物を意味する。その温血動物には、限定するものではないが、テンジクネズミ、イヌ、ネコ、ラット、マウス、ハムスター、および、ヒトを含めた霊長類が含まれる。
AKT阻害剤
本発明は、AKTにより調節される疾患、状態および/または障害の治療において有用である可能性のある、化合物およびその医薬製剤を提供するものである。
本発明の一実施形態は、式I:
の化合物ならびにその立体異性体および医薬的に許容可能な塩を提供するものであり、
式中、
R1およびR1aは、水素、メチル、エチル、−CH=CH2、−CH2OH、CF3、CHF2、またはCH2Fから独立して選択され;
R2は、水素、OH、OCH3またはFから選択され;
R2aは、水素、メチルまたはFから選択され、あるいは、
R2およびR2aは、オキソであり;
Lは、
から選択され、
式中、一重の波線は、LがAに結合している部分であり、二重の波線は、Lがピリミジンに結合している部分であり;
Aは:
であり、
Xは、LからYへの直接結合か、CH2、O、C=O、NH、またはC(=O)NHであり;
Yは、CHまたはNであり;
Zは、存在しないか、CH2またはOであり、式中、L、X、Y、Zおよびbは、いずれの窒素も別の窒素と直接結合しないように選択され;
Gは、1〜4のRa基で任意に置換されたフェニルであるか、またはハロゲンにより任意に置換された5〜6員ヘテロアリールであり;
R3およびR4は、水素またはメチルから独立して選択され;
R5およびR6は、水素またはC1−C4アルキルから独立して選択され;
aは、0または1であり;
bは、0、1または2であり;かつ、
各Raは独立して、ハロゲン、C1−C6−アルキル、C3−C6−シクロアルキル、−O−(C1−C6−アルキル)、CF3、−OCF3、S(C1−C6−アルキル)、CN、−OCH2−フェニル、NH2、−NO2、−NH−(C1−C6−アルキル)、−N−(C1−C6−アルキル)2、ピペリジン、ピロリジン、CH2F、CHF2、−OCH2F、−OCHF2、−OH、−SO2(C1−C6−アルキル)、C(O)NH2、C(O)NH(C1−C6−アルキル)、および、C(O)N(C1−C6−アルキル)2であるか;あるいは、
bは1であり、R3は水素であり、R4およびR5はそれらに結合している原子と共に、1つの環窒素原子を有する任意に置換された5〜6員複素環を形成し、R6は、水素、または、OHもしくはO(C1−C3アルキル)で任意に置換されたC1−C4アルキルからなる群から選択され、それによりAは、構造:
を有し、
RcおよびRdは、水素およびメチルから独立して選択され;かつ、
cは1または2であるか;あるいは、
bは1であり、ZはCH2であり、R5およびYはそれらに結合している原子と共に、1つの環窒素原子を有する任意に置換された6員複素環を形成し、R6は、水素、または、OHもしくはO(C1−C3アルキル)で任意に置換されたC1−C4アルキルからなる群から選択され、それによりAは、構造:
を有する。
いくつかの実施形態では、R1は、メチルである。
いくつかの実施形態では、R1aは、水素である。
いくつかの実施形態では、R2は、水素である。
いくつかの実施形態では、R2は、OHである。
いくつかの実施形態では、R2aは、水素である。
いくつかの実施形態では、式Iは:
から選択される。
いくつかの実施形態では、式Iは:
から選択される。
いくつかの実施形態では、Lは:
から選択される。
いくつかの実施形態では、Lは:
であり、
式中、一重の波線は、LがAに結合している部分であり、二重の波線は、Lがピリミジンに結合している部分あって、
構造:
を有する式Iaの化合物を提供する。
いくつかの実施形態では、Lは:
であり、
式中、一重の波線は、LがAに結合している部分であり、二重の波線は、Lがピリミジンに結合している部分であり、
構造:
を有する式Ibの化合物を提供する。
いくつかの実施形態では、Lは:
であり、
式中、一重の波線は、LがAに結合している部分であり、二重の波線は、Lがピリミジンに結合している部分であって、
構造:
を有する式Icの化合物を提供する。
いくつかの実施形態では、Lは:
であり、
式中、一重の波線は、LがAに結合している部分であり、二重の波線は、Lがピリミジンに結合している部分であって、
構造:
を有する式Idの化合物を提供する
いくつかの実施形態では、Lは:
であり、
式中、一重の波線は、LがAに結合している部分であり、二重の波線は、Lがピリミジンに結合している部分であって、
構造:
を有する式Ieの化合物を提供する。
いくつかの実施形態では、Lは:
であり、
式中、一重の波線は、LがAに結合している部分であり、二重の波線は、Lがピリミジンに結合している部分であって、
構造:
を有する式Ifの化合物を提供する。
いくつかの実施形態では、Lは:
であり、
式中、一重の波線は、LがAに結合している部分であり、二重の波線は、Lがピリミジンに結合している部分であって、
構造:
を有する式Igの化合物を提供する。
いくつかの実施形態では、Lは:
であり、
式中、一重の波線は、LがAに結合している部分であり、二重の波線は、Lがピリミジンに結合している部分であって、
構造:
を有する式Ihの化合物を提供する
いくつかの実施形態では、Lは:
であり、
式中、一重の波線は、LがAに結合している部分であり、二重の波線は、Lがピリミジンに結合している部分であり、
構造:
を有する式Iiの化合物を提供する
いくつかの実施形態では、Aは:
である。
いくつかの実施形態では、Xは、LからYへの直接結合か、CH2、O、C=O、NH、またはC(=O)NHである。
いくつかの実施形態では、Xは、LからYへの直接結合である。
いくつかの実施形態では、Xは、CH2である。
いくつかの実施形態では、Xは、Oである。
いくつかの実施形態では、Xは、C=Oである。
いくつかの実施形態では、Xは、NHである。
いくつかの実施形態では、Xは、C(=O)NHである。
いくつかの実施形態では、Yは、CHまたはNである。
いくつかの実施形態では、Yは、Nである。
いくつかの実施形態では、Yは、CHである。
いくつかの実施形態では、Zは、存在しないか、CH2、またはOである。
いくつかの実施形態では、Zは、存在しないか、Oである。
いくつかの実施形態では、Zは、存在しない。
いくつかの実施形態では、Zは、CH2である。
いくつかの実施形態では、Zは、Oである。
式Iの化合物は、L、X、Y、Z、およびbが、いずれの窒素も別の窒素と直接結合しないように選択されるものである。
いくつかの実施形態では、Xは、LからYへの直接結合であり、Yは、CH2であり、Zは、Oであり、それによりAは、構造A1:
を有する。
A1のいくつかの実施形態では、aは、0である。
A1のいくつかの実施形態では、bは、2である。
A1のいくつかの実施形態では、R3は、水素である。
A1のいくつかの実施形態では、R4は、水素である。
A1のいくつかの実施形態では、R5は、C1−C4アルキルである。A1のいくつかの実施形態では、R5は、メチルである。
A1のいくつかの実施形態では、R6は、C1−C4アルキルである。A1のいくつかの実施形態では、R6は、メチルである。
いくつかの実施形態では、Xは、C(=O)NHであり、Yは、CHであり、Zは存在せず、それによりAは、構造A2:
を有する。
A2のいくつかの実施形態では、aは、1である。
A2のいくつかの実施形態では、bは、1である。
A2のいくつかの実施形態では、R3は、水素である。
A2のいくつかの実施形態では、R4は、水素である。
A2のいくつかの実施形態では、R5は、水素である。
A2のいくつかの実施形態では、R6は、水素である。
いくつかの実施形態では、Xは、LからYへの直接結合であり、Yは、CHであり、かつZは、存在せず、それによりAは、構造A3:
を有する。
A3のいくつかの実施形態では、aは、0である。
A3のいくつかの実施形態では、bは、1である。
A3のいくつかの実施形態では、R3は、水素である。
A3のいくつかの実施形態では、R4は、水素である。
A3のいくつかの実施形態では、R5は、C1−C4アルキルである。A3のいくつかの実施形態では、R5は、イソプロピルである。
A3のいくつかの実施形態では、R6は、水素である。
いくつかの実施形態では、Xは、LからYへの直接結合であり、Yは、CHであり、かつZは、存在せず、それによりAは、構造A4:
を有する。
A4のいくつかの実施形態では、aは、0である。
A4のいくつかの実施形態では、aは、1である。
A4のいくつかの実施形態では、bは、0である。
A4のいくつかの実施形態では、bは、1である。
A4のいくつかの実施形態では、R3は、水素である。
A4のいくつかの実施形態では、R4は、水素である。
A4のいくつかの実施形態では、R5は、水素である。
A4のいくつかの実施形態では、R5は、C1−C4アルキルである。A4のいくつかの実施形態では、R5は、イソプロピルである。
A4のいくつかの実施形態では、R6は、水素である。
いくつかの実施形態では、Xは、NHであり、Yは、CHであり、かつZは、存在せず、それによりAは、構造A5:
を有する。
A5のいくつかの実施形態では、aは、0である。
A5のいくつかの実施形態では、bは、1である。
A5のいくつかの実施形態では、R3は、水素である。
A5のいくつかの実施形態では、R4は、水素である。
A5のいくつかの実施形態では、R5は、C1−C4アルキルである。A5のいくつかの実施形態では、R5は、イソプロピルである。
A5のいくつかの実施形態では、R6は、水素である。
いくつかの実施形態では、Xは、C=Oであり、Yは、Nであり、かつZは、存在せず、それによりAは、構造A6:
を有する。
A6のいくつかの実施形態では、bは、1または2でなければならない。
A6のいくつかの実施形態では、aは、1である。
A6のいくつかの実施形態では、bは、2である。
A6のいくつかの実施形態では、R3は、水素である。
A6のいくつかの実施形態では、R4は、水素である。
A6のいくつかの実施形態では、R5は、水素である。
A6のいくつかの実施形態では、R6は、水素である。
いくつかの実施形態では、Xは、C=Oであり、Yは、CHであり、かつZは、存在せず、それによりAは、構造A7:
を有する。
A7のいくつかの実施形態では、aは、0である。
A7のいくつかの実施形態では、bは、1である。
A7のいくつかの実施形態では、R3は、水素である。
A7のいくつかの実施形態では、R4は、水素である。
A7のいくつかの実施形態では、R5は、C1−C4アルキルである。A7のいくつかの実施形態では、R5は、tert−ブチルである。A7のいくつかの実施形態では、R5は、イソプロピルである。
A7のいくつかの実施形態では、R6は、水素である。
いくつかの実施形態では、R3は、水素である。
いくつかの実施形態では、R3は、メチルである。
いくつかの実施形態では、R4は、水素である。
いくつかの実施形態では、R4は、メチルである。
いくつかの実施形態では、R5は、水素である。
いくつかの実施形態では、R5は、C1−C4アルキルである。
いくつかの実施形態では、R5は、メチルである。
いくつかの実施形態では、R5は、イソプロピルである。
いくつかの実施形態では、R5は、tert−ブチルである。
いくつかの実施形態では、R6は、水素である。
いくつかの実施形態では、R6は、メチルである。
いくつかの実施形態では、aは、1である。
いくつかの実施形態では、aは、0である。
いくつかの実施形態では、bは、0である。
いくつかの実施形態では、bは、1である。
いくつかの実施形態では、bは、2である。
いくつかの実施形態では、Zは、Oであり、bは、2である。
いくつかの実施形態では、bは、1であり、R3は、水素であり、R4およびR5はそれらに結合している原子と共に、1つの環窒素原子を有する任意に置換された5〜6員複素環を形成し、それによりAは、構造A8:
を有し、
式中、
cは、1または2であり、RcおよびRdは、水素およびメチルから独立して選択され、R6は、H、あるいはOHまたはO(C1−C3アルキル)で任意に置換されたC1−C4アルキルからなる群から選択される。
いくつかの実施形態では、cは、1であり、それによりAは、構造A8a:
を有する。
A8aのいくつかの実施形態では、Xは、C=Oである。
A8aのいくつかの実施形態では、Yは、CHである。
A8aのいくつかの実施形態では、Zは、存在しない。
A8aのいくつかの実施形態では、aは、0である。
A8aのいくつかの実施形態では、Rcは、メチルである。
A8aのいくつかの実施形態では、Rdは、メチルである。
A8aのいくつかの実施形態では、R6は、水素である。
いくつかの実施形態では、cは、2であり、それによりAは、構造A8b:
を有する。
いくつかの実施形態では、bは、1であり、Zは、CH2であり、R5およびYはそれらに結合している原子と共に、1つの環窒素原子を有する任意に置換された6員複素環を形成し、R6は、水素、あるいはOHまたはO(C1−C3アルキル)で任意に置換されたC1−C4アルキルからなる群から選択され、それによりAは、構造A9:
を有する。
式A9のいくつかの実施形態では、Xは、LからYへの直接結合である。
式A9のいくつかの実施形態では、aは、0である。
式A9のいくつかの実施形態では、R6は、水素である。
いくつかの実施形態では、Gは、1〜4のRa基で任意に置換されたフェニルか、またはハロゲンにより任意に置換された5〜6員ヘテロアリールである。
いくつかの実施形態では、各Raは独立して、ハロゲン、C1−C6−アルキル、C3−C6−シクロアルキル、−O−(C1−C6−アルキル)、CF3、−OCF3、S(C1−C6−アルキル)、CN、−OCH2−フェニル、NH2、−NO2、−NH−(C1−C6−アルキル)、−N−(C1−C6−アルキル)2、ピペリジン、ピロリジン、CH2F、CHF2、−OCH2F、−OCHF2、−OH、−SO2(C1−C6−アルキル)、C(O)NH2、C(O)NH(C1−C6−アルキル)、および、C(O)N(C1−C6−アルキル)2である。
式IのG基に関して、例には、F、Cl、Br、I、メチル、エチル、イソプロピル、tert−ブチル、シクロプロピル、CN、CF3、−OMe、−OEt、−OCF3、−NO2、−SMe、および−OCH2Phから独立して選択される1以上のRa基で任意に置換されたフェニルが含まれる。Gの例示的実施形態には、フェニル、2−クロロフェニル、3−クロロフェニル、4−クロロフェニル、4−フルオロフェニル、4−ブロモフェニル、4−メチルフェニル、4−エチルフェニル、4−イソプロピルフェニル、4−トリフルオロメチルフェニル、4−シアノフェニル、4−メトキシフェニル、4−エトキシフェニル、4−チオメチルフェニル、4−トリフルオロメトキシフェニル、4−シクロプロピルフェニル、4−クロロ−3−フルオロフェニル、3,4−ジフルオロフェニル、4−ブロモ−3−フルオロフェニル、3−フルオロ−4−メチルフェニル、3−フルオロ−4−メトキシフェニル、3−フルオロ−4−トリフルオロメチルフェニル、4−シアノ−3−フルオロフェニル、3,4−ジクロロフェニル、2,4−ジクロロフェニル、2,4−ジフルオロフェニル、2−クロロ−4−フルオロフェニル、2−フルオロ−4−クロロフェニル、3,5−ジクロロフェニル、3,5−ジフルオロフェニル、3−クロロ−5−フルオロフェニル、3−クロロ−4−フルオロフェニル、3−ブロモ−4−フルオロフェニル、3,5−ジフルオロ−4−クロロフェニル、2,3−ジフルオロ−4−クロロフェニル、2,5−ジフルオロ−4−クロロフェニル、3,5−ジフルオロ−4−ブロモフェニル、2,3−ジフルオロ−4−ブロモフェニル、2,5−ジフルオロ−4−ブロモフェニル、4−(OCH2Ph)−フェニル、4−クロロフェニル、2,4−ジクロロフェニル、3,4−ジクロロフェニル、4−クロロ−3−フルオロフェニル、3−クロロ−4−フルオロフェニル、3−フルオロ−4−ブロモフェニル、4−フルオロフェニル、3,4−ジフルオロフェニル、2,4−ジフルオロフェニル 4−ブロモフェニル、4−クロロ−2−フルオロフェニル、4−メトキシフェニル、4−メチルフェニル、4−シアノフェニル、4−トリフルオロメチルフェニル、4−ヨードフェニル、4−ニトロフェニル、4−tert−ブチルフェニル、2−フルオロフェニル、3−トリフルオロメチルフェニル、2−フルオロ−4−トリフルオロメチルフェニル、3−フルオロ−4−トリフルオロメトキシフェニル、3−フルオロ−4−トリフルオロメチルフェニル、および、4−トリフルオロメトキシフェニルが含まれる。
いくつかの実施形態では、Gは、4−クロロフェニル、4−ブロモフェニル、4−トリフルオロメチルフェニル、または2,4−ジクロロフェニルである。
式IのG基に関して、フレーズ「ハロゲンにより任意に置換された5〜6員ヘテロアリール」には、ハロゲンにより任意に置換された、チオフェンおよびピリジンが含まれる。特定例には、限定するものではないが、構造:
が含まれる。
本発明のある化合物は、不斉中心すなわちキラル中心を含んでもよく、したがって異なる立体異性体で存在していてもよいことは認識されるであろう。限定するものではないが、ジアステレオマー、鏡像異性体、およびアトロプ異性体、ならびに、ラセミ混合物などのそれらの混合物が含まれる、本発明の化合物の全ての立体異性体が、本発明の一部を形成すると意図されている。
本明細書に示されている構造において、いかなる特定のキラル原子の立体化学も特定されない場合には、全ての立体異性体が、本発明の化合物として予想され含まれる。立体化学が、塗り潰されたくさび印(a solid wedge)または点線によって特定されて特定の立体配置を表す場合、その立体異性体は、そのようにして特定され定義される。
本発明の化合物は、非溶媒和の形態、ならびに水、エタノールなどの医薬的に許容可能な溶媒により溶媒和された形態で、存在していてもよいことがさらに認識されるであろうし、本発明は、溶媒和の形態および非溶媒和の形態の双方を包含することが意図されている。
化合物の合成
本発明の化合物は、特に本明細書に含まれる記載を考慮すると、化学分野において周知のプロセスと類似するプロセスを含む合成経路により合成されうる。出発材料は、シグマ−アルドリッチ(Sigma-Aldrich)(ミズーリー州セントルイス)、アルファ・エイサー(Alfa Aesar)(マサチューセッツ州ウォード・ヒル)、またはティシーアイ(TCI)(オレゴン州ポートランド)などの商業的供給源から一般的に入手可能であり、あるいは、当業者に周知の方法を用いて容易に調製される(例えば、ルイス・エフ・フィーザー(Louis F. Fieser)およびメアリー・フィーザ(Mary Fieser)著、「有機合成のための試薬(Reagents for Organic Synthesis)」、1〜19巻、ウィリー(Wiley)、ニューヨーク(N.Y.)、(1967年〜1999年版)、または、付録も含めBeilsteins Handbuch der organischen Chemie, 4, Aufl. ed. Springer-Verlag, Berlin(バイルシュタイン・オンライン・データベース(the Beilstein online database)からも入手可能)に概して記載されている方法により調製される)。
例示的目的のために、スキーム1〜20を、本発明の化合物を調製する一般的方法、ならびに重要な中間体を示している。個々の反応ステップのより詳細な説明は、以下の実施例セクションを参照されたい。当業者であれば、他の合成経路も本発明の化合物を合成するために使用されうることを認識するであろう。特定の出発材料および試薬がスキームに描写され以下で説明されているが、他の出発材料および試薬を容易に置き換えて種々の誘導体および/または反応状態を提供することができる。加えて、以下に記載される方法により調製される化合物の多くは、本開示を考慮すると、当業者に周知の従来化学を用いてさらに修飾されうる。
スキーム1は、化合物7を調製する方法を示しており、ここでHalは、Br、ClまたはIである。スキーム1によれば、中間体3は、(+)−プレゴン1を臭素処理して、ジブロミド2を提供することにより調製されうる。ジブロミド2はその後、ナトリウムエトキシドなどの塩基で処理される。RfがC1−C3アルキルである、プレゴン酸塩(pulegenate)3の酸化的開裂(例えば−80℃〜−50℃でのオゾン分解)が、ケトエステル4を生成する。ピリミジン環5は、KOHなどの塩基の存在のもと、ケトエステル4をチオ尿素と反応させることによって構築する。化合物5の2位のメルカプト基が、還元(例えばアンモニア中のラネーニッケル)により脱離して、化合物6を生成する。代替的に、ケトエステル4は、例えば、NH4OAcなどのアンモニアシントンで処理し、続いてホルムアミドの存在下50℃〜250℃でおよび/または高圧下で、NH4CO2Hを用いて処理することにより、同じヒドロキシピリミジン6へ変換することができる。ヒドロキシピリミジン6の活性化(例えばPOCl3)が、4−ハロピリミジン7を提供する。
スキーム2は、化合物11を調製する方法を示しており、ここでHalは、Br、Cl、またはIであり、R1およびR1aは、本明細書で定義される。スキーム2によれば、RgがC1−C3アルキルの、化合物8のアミノ化が、アンモニアシントンを用いて(例えばNH4OAc)、化合物9を生成する。例えば、ホルムアミドの存在下50℃〜250℃でおよび/または高圧下でギ酸アンモニウムを用いたピリミジンの形成が、二環式単位10を生成する。例えばPOCl3またはSOCl2を用いた化合物10の活性化が、活性ピリミジン11を生成する。
スキーム3は、化合物11を調製する代替方法を示しており、ここでHalは、Br、Cl、またはIであり、R1およびR1a基は、本明細書で定義される。スキーム3によれば、ピリミジン環は、KOHなどの塩基の存在下、RgがC1−C3アルキルである、ケトエステル8をチオ尿素と反応させることによって構築する。化合物12の2位のメルカプト基が、還元(例えばアンモニア中のラネーニッケル)により脱離して、10を生成する。例えばPOCl3またはSOCl2を用いた化合物10の活性化が、活性ピリミジン11を生成する。
スキーム4は、化合物16、17、18、および19を調製する方法を示しており、ここでHalは、Br、Cl、またはIであり、R1およびR1aは、本明細書で定義される。スキーム4によれば、m−クロロ過安息香酸(「m−CPBA」)、オキソン、または過酸化水素などの酸化剤を用いた4−ハロピリミジン11の酸化が、N−オキシド13を提供する。無水酢酸によるN−オキシド13の転位が、中間体14をもたらし、ここで、無水酢酸が使用される場合、Rjはメチルである。化合物14はその後、穏和な条件下で加水分解され(例えば0℃から室温における水性/有機溶媒混合物中のLiOH)、アルコール15を生成する。化合物15はその後:1)分離を受けるか(例えば、キラルまたは非キラル固定相によるクロマトグラフィー);2)分離を促進するために機能化されて(例えば4−ニトロベンゾイルクロリド、NEt3)、分離され(例えば、クロマトグラフィーまたは再結晶)、そしてその後、水性/有機溶媒混合物中の、水酸化リチウムなどの塩基を用いて0℃〜室温で処理されて加水分解されるか;あるいは3)酸化され(例えばスワーン酸化)続いて不斉還元されるか(例えば、水素の存在下での触媒作用のキラル触媒、コーリー・バクシ・柴田触媒(「CBS触媒」)、またはキラル配位子存在下のホウ化水素還元剤)、のいずれかである。全ての代替物が、別個のジアステレオマー16および17への経路を提供する。
任意で、化合物16および17の7−ヒドロキシ基は、NaHまたはKOHなどの塩基の存在下、ハロゲン化アルキル(例えばMeI)などのアルキル化試薬でアルキル化され、化合物18および19を提供することもできる。
スキーム5は、化合物20および21を調製する方法を示しており、ここでRkは、ハロゲンまたはNO2であり、Halは、Br、ClまたはIであり、R1およびR1aは、本明細書で定義される。スキーム5によれば、m−CPBA、オキソン、または過酸化水素などの酸化剤を用いた4−ハロピリミジン11の酸化が、N−オキシド13を提供する。無水酢酸によるN−オキシド13の転位が、中間体14をもたらし、ここで、無水酢酸が使用される場合、Rjはメチルである。化合物14はその後、穏和な条件下で加水分解され(例えば0℃から室温における水性/有機溶媒混合物中のLiOH)、アルコール15を生成する。化合物15はその後、官能化され(例えば、−20℃〜50℃でNEt3の存在下の4−ニトロベンゾイルクロリドまたは4−ブロモベンゾイルクロリド)分離されて(例えばクロマトグラフィーまたは再結晶)、別個の保護ジアステレオマー20および21への経路を提供する。
スキーム6は、化合物26および27の形成のための方法を示しており、ここでR1、R1a、R2およびR2aは、本明細書で定義される。例えばNa2CO3の存在下でPd(PPh3)4またはPd(dppf)Cl2を用いた、ハロピリミジン22と、適切に置換されたボロン酸またはエステル23との間のPd−媒介カップリング、続くベンゾアート保護基(例えば0℃〜50℃で水性/有機溶媒混合物中のLiOH)の除去により、化合物24を生成する。ここで、ハロピリミジン22において、Halは、Br、ClまたはIであり、RkはハロゲンまたはNO2であり、適切に置換されたボロン酸またはエステル23において、PGは、アミン保護基であり、Rmは、水素、またはOHで任意に置換されたアルキルであるか、あるいは2つのRm基はそれらに結合している原子と共に、1つのB原子および2つのO原子を有する5または6員環を残りの炭素原子と共に形成し、その環は、アルキル基で任意に置換されてもよい。アミン保護基の除去(例えばBoc基、HCl/ジオキサンまたはTFA対して)、および続くアシル化(例えばHBTU、ヒューニッヒ塩基)が、25を生成する。
代替的に、任意のオレフィン24(例えばH2−Pd/C)の還元、続くアミン保護基の除去(例えばBoc基、HCl/ジオキサンまたはTFAに対して)、それに続くアシル化(例えばHBTU、ヒューニッヒ塩基)が、27を生成する。
化合物25または27のヒドロキシル基の任意の官能化は、代替R2基への移行を提供することもできる。例えば、アルコールは、フルオロ基に変換することができ、ここで化合物26または28は、例えばDASTで処理することにより、R2をFとして、およびR2aをHとして有する。代替的に、25または27のアルコールは、アルキル化され(例えばMeI、NaH)メトキシ類似体を生成することができ、ここで化合物26または28はR2をOMeとして、およびR2aをHとして有する。代替的に、化合物25または27は、酸化されて(例えばスワーンのような条件)ケトンを提供することができ、ここで化合物26または28は、R2およびR2aをオキソとして有し、そして次に、ジクロロメタン(「DCM」)またはクロロホルムなどの適切な溶媒中、DASTまたはデオキソ−フルオルなどフッ素化剤により処理されて、gem−ジフッ化物類似体を生成することもでき、ここで化合物26または28は、R2をFとして、およびR2aをFとして有する。
スキーム7は、化合物26および27を調製するための代替方法を示しており、ここでR1、R1a、R2およびR2aは、本明細書で定義されるとおりである。このスキームでは、ピリミジン部分は、初期段階で官能化される。例えばNa2CO3の存在下でPd(PPh3)4またはPd(dppf)Cl2を用いた、ハロピリミジン29と、適切に置換されたボロン酸またはエステル23との間のPd−媒介カップリング、続くベンゾアート保護基(例えば0℃〜50℃で水性/有機溶媒混合物中のLiOH)の除去により、化合物30を生成する。ここで、ハロピリミジン29において、Halは、Br、ClまたはIであり、適切に置換されたボロン酸またはエステル23において、PGは、アミン保護基であり、Rmは、水素、またはOHで任意に置換されたアルキルであるか、あるいは2つのRm基はそれらに結合している原子と共に、1つのB原子および2つのO原子を有する5または6員環を残りの炭素原子と共に形成し、その環は、アルキル基で任意に置換されてもよい。アミン保護基の除去(例えばBoc基、HCl/ジオキサンまたはTFAに対して)、および続くアシル化(例えばHBTU、ヒューニッヒ塩基)が、26を生成する。
代替的に、任意のオレフィン30の還元(例えばH2−Pd/C)、それに続くアミン保護基の除去(例えばBoc基、HCl/ジオキサンまたはTFAに対して)、そして続くアシル化(例えばHBTU、ヒューニッヒ塩基)が、化合物28を生成する。
スキーム8は、化合物39および40を生成する方法を示しており、ここでR1、R1a、R2、R2a、R5、およびGは、本明細書で定義されるとおりである。Halが、Br、ClまたはIである、適切に置換されたハロベンゼン34が、BuLi、t−BuLi、Mgなどの強塩基で処理され、また、Pgがアミン保護基である化合物33のケトンへ新たに形成されたアニオンを−100℃〜50℃で追加することにより、化合物35を生成する。化合物35は、Halが、Br、ClまたはIであるハロベンゼン36で、ルイス酸の存在下(例えば−20℃〜100℃のAlCl3)処理され、また、必要ならばアミンの再保護(例えばBoc−基に対してBoc2O))をすることにより化合物37を生成する。化合物37を適切な有機金属へ変換し(例えば、Sn2Me6、Pd(PPh3)4;ビスピナコール・エステル・ボロナート(bispinacol ester boronate)、Pd(dppf)Cl2;またはMgにより処理)、続いて例えば、室温から還流のジオキサン中のPdCl2(PPh3)2および水性Na2CO3を用いて、RkがハロゲンまたはNO2である化合物38とPd−媒介カップリングさせて、アミン(例えばBoc−基に対してHCl/ジオキサン)およびアルコール保護基(例えば0℃〜50℃のTHF/H2O中のLiOH)の最終除去をすることにより、化合物39を生成する。
代替的に、特異的に官能化されたピリミジン部分(例えば、HalがBr、ClまたはIである化合物29)が、化合物40を生成するために同一のPd−カップリングおよび脱保護ステップで使用されうる。
スキーム9は、化合物43を調製する方法を示している。例えば、室温から還流のジオキサン中のPdCl2(dppf)および水性Na2CO3を用いて、RkがハロゲンまたはNO2である化合物38と化合物41とをパラジウム媒介でカップリングさせ、続いてエステルを鹸化して(例えば、0℃〜還流のTHF/水中のLiOHまたはNaOH)、化合物42を生成する。新たに形成された酸は、標準的カップリング条件下で(例えばHBTU/DIPEA/DMF)適切に置換された第一級または第二級アミンで処理され、化合物43を生成する。
スキーム10は、別様に置換されたピリミジン部分を用いて化合物45を調製する手段を示しており、ここでR1、R1a、R2、およびR2aは、本明細書で定義されるとおりである。例えば、室温から還流のジオキサン中のPdCl2(dppf)および水性Na2CO3を用いて、HalがBr、Cl、またはIである化合物29と化合物41とをパラジウム媒介でカップリングさせ、続いてエステルを鹸化して(例えば、0℃〜還流のTHF/水中のLiOHまたはNaOH)、化合物44を生成する。新たに形成された酸を、標準的カップリング条件下で(例えばHBTU/DIPEA/DMF)適切に置換された第一級または第二級アミンで処理することにより、化合物45を生成する。
スキーム11は、化合物48および50を生成する手段を示しており、ここでR1、R1a、R2、およびR2aは、本明細書で定義されるとおりである。PGがアミン保護基である、適切に一置換されたジアゼピン46を、HalがBr、ClまたはIである化合物29、および室温〜還流の適切な溶媒(例えばイソプロパノール)中の第三級アミン塩基(例えばヒューニッヒ塩基)で処理し、続いて例えば、Boc基の場合、0℃〜室温のTFAまたはHCl/ジオキサンを用いてアミン保護基を除去して、化合物47を生成する。標準的アミド形成条件(例えば0℃〜還流のHBTU/DIPEA/DCM)を用いて、適切に置換された酸で化合物47を処理することにより、化合物48を生成する。
代替的に、適切に一置換されたジアゼピン46を、RkがハロゲンまたはNO2である化合物38、および室温〜還流の適切な溶媒(例えばイソプロパノール)中の第三級アミン塩基(例えばヒューニッヒ塩基)で処理し、続いて例えば、Boc基の場合、0℃〜室温のTFAまたはHCl/ジオキサンを用いてアミン保護基を除去して、化合物49を生成する。標準的アミド形成条件(例えば0℃〜還流のHBTU/DIPEA/DCM)を用いて適切に置換された酸で化合物49を処理し、続いてエステルを鹸化して(例えば、0℃〜還流のTHF/水中のLiOHまたはNaOH)、化合物50を生成する。
スキーム12は、化合物53および54の形成のための方法を示しており、ここでR1、R1a、R2、R2a、R3、R4、R5、R6、G、a、およびbは、本明細書で定義されるとおりである。PGがアミン保護基である化合物51は、例えば0℃〜50℃のEtOH中のNaBH4を用いて還元される。結果として得たアルコールはその後、例えば室温〜100℃のDMF中のNaHなどの塩基を用いて、適切なアミン含有側鎖(例えばN(CH3)2CH2CH2Cl)でアルキル化される。これに続いて例えば、Bocの場合、0℃〜室温のHCl/ジオキサン、またはTFAを用いてピペリジンアミンを脱保護することにより、化合物52を生成する。化合物52はその後、HalがBr、Cl、またはIであるハロピリミジン29、および例えば室温〜140℃のDMF中の第三級アミン塩基(例えばヒューニッヒ塩基)で処理して、化合物53を生成してもよい。
代替的に、化合物52は、HalがBr、Cl、またはIであり、RkがハロゲンまたはNO2である化合物38で、同様の条件下で処理され、続いて例えば0℃〜還流のTHF/水中のLiOHを用いてベンゾイル基を鹸化して、化合物54を生成してもよい。
スキーム13は、化合物61を調製するための経路を説明しており、Gおよびaは、本明細書で定義されるとおりである。アミノ酸55は、例えば0℃〜室温のTHF中のLiBH4およびClSi(CH3)3を用いて還元され、続いて例えば、PgがBocの場合、Boc2Oを用いてアミンを保護して、PGがアミン保護基である化合物56を生成する。例えば、−20℃〜室温のDCM中の塩化メタンスルホニルおよびトリエチルアミンを用いてアルコール56を活性化し、続いて(例えば室温〜120℃のDMF中のアジ化ナトリウムを用いて)アジドなどの保護アミンで置換し、(例えばBoc基に対してHCl/ジオキサンまたはTFAを用いて)アミンの脱保護をすることにより、アミノアジド57を生成することができる。化合物60は、例えば室温〜還流のTHF中のPd(PPh3)4を用いて、有機亜鉛59とクロロピリミジン58との間でパラジウム媒介カップリングさせ、続いてエステルを鹸化することにより調整して、酸60を生成することができる。標準的条件下で(例えば、HBTU/ヒューニッヒ塩基)、酸60およびアミン57をカップリングし、アジドを還元する(例えば、H2−Pd/CまたはPPh3)ことにより、化合物61を生成することができる。
代替的に、クロロピリミジン58の代わりに、Halが、Br、ClまたはIであり、R1、R1a、R2、およびR2aが本明細書で定義されるとおりである、代替的に置換されたピリミジン29を、上記と同様の手順を用いて使用して、続いて鹸化して、化合物62を生成してもよい。アミン57との同様のカップリング、およびアジド還元により化合物63を生成する。
スキーム14は、化合物67および68の形成のための方法を説明しており、ここでGおよびaは、本明細書で定義されるとおりである。この例では、化合物58および59は、スキーム13で説明されたようなPdによる媒介条件を用いて結合する。これに続いて、例えばm−CPBAまたはオキソンを使用して、ピリミジン−1−オキシドが形成され、続いてアシル化し、より高温(例えば50度〜還流)で無水酢酸により転位させて、続いて例えば0℃〜50℃のTHF/水中のLiOHを使用して、アセテートおよびエステルを鹸化して、酸64を生成する。メチルエステルとして、酸を保護(例えば、−20℃〜室温のMeOH、トリメチルシリルジアゾメタン)し、続いてアルコールをアシル化して(例えばp−ニトロベンゾイルクロリド、−20℃〜還流のDCM中のNEt3)、分離、分離(例えばクロマトグラフィーまたは再結晶)、および(例えば0℃〜50℃のTHF/水中のLiOHを使用して)ベンゾアートおよびメチルエステルの鹸化を促進し、それにより化合物65および66の双方を生成する。これらは、標準的なアミド形成条件(例えば−20℃〜還流のHBTU、ヒューニッヒ塩基、DCM)を用いて、アミノアジド57と結合して、続いてアジドを還元して(例えばH2−Pd/CまたはPPh3)、化合物67および68を生成することもできる。
化合物67および68の任意に置換された形態が、スキーム14のクロロピリミジン58を、任意に置換されたハロピリミジン11で置き換えることによって、または、スキーム17で説明される変換を行うことによって、調製されうる。
スキーム15は、化合物73の調製を説明しており、ここでR1、R1a、R2、R2a、R5、R6、G、およびaは、本明細書で定義されるとおりである。例えば室温〜還流のイソプロパノール中のPdCl2(PPh3)2および水性Na2CO3を使用して、HalがBr、ClまたはIであるハロピリミジン29およびボロン酸69を、Pd媒介で反応させることにより、フェノール70を生成する。化合物72は、エポキシド71をアミン媒介で開裂させ、続いて、結果として得るアミンが第一級または第二級の場合、アミン保護(例えばBoc2O)することにより、調製される。例えば光延条件下で(例えば−40℃〜5℃のアゾジカルボン酸ジエチルおよびPPh3、続いて温度を50℃まで温める)化合物72を化合物70にカップリングし、必要な場合は任意で脱保護し(例えばBoc−基に対してHCl/ジオキサンまたはTFA)、それにより化合物73を生成する。
スキーム16は、化合物77の調製を説明しており、ここでR1、R1a、R2、R2a、R5、R6、およびGは、本明細書で定義されるとおりである。アニリン74は、スルファミン酸などの酸の存在下、MeOHなどのプロトン性溶媒中、0℃〜50度で、TMS−CNおよびアルデヒドで処理され、続いて、例えば−78℃〜室温でTHF中のLiAlH4を使用して、結果として得るニトリルを還元することにより、化合物75を生成する。アミンのアルキル化(例えば、ハロゲン化アルキルおよびNaHなどの塩基)、あるいは、ナトリウムトリアセトキシボロヒドリドなどの還元剤の存在下、0℃〜50℃で適切なアルデヒドまたはケトンを使用する還元的アミノ化により、化合物76を生成する。化合物76はその後、例えば、DMSO、Sn2(CH3)6およびPd(PPh3)4中の、ボラン、PdCl2(dppf)およびKOAcにより、あるいは代替的にMgまたはZnの活性型により処理されることにより、適切な有機金属反応剤へ変換されうる。この有機金属反応剤はその後、パラジウム媒介反応(例えば、室温〜還流の例えばイソプロパノール中のPd(PPh3)4)および水性Na2CO3)を使用して、HalがBr、Cl、またはIであるハロピリミジン29に結合することができ、それにより化合物77を生成する。
スキーム17は、代替R2およびR2a基である場合、A、L、R1およびR1aは本明細書で定義されるとおりである化合物79のヒドロキシル基の機能化のための一般的な方法を示している。アルコール79は、例えばDASTなどのフッ素化剤で処理することによりフルオロ基78に変換されうる。代替的に、アルコール79は、アルキル化(例えば、MeIなどのメチル化剤およびNaIなどの強塩基)されて、メトキシ類似体80(この場合にはR2aは水素である)を生成することができる。代替的に、化合物79を、酸化して(例えばスワーンのような条件)、ケトン82を提供し、次にDCMまたはクロロホルムなどの適切な溶媒中の、DASTまたはデオキソ−フルオルなどのフッ素化剤で処理して、gem−ジフッ化物類似体81を生成することもできる。ケトン82はまた、MeMgBrまたはMeLiなどの適切な有機金属求核試薬で処理して、第三級アルコール83を生成することもできる。この第三級アルコール83は、さらに、それぞれ、前述したようにフッ素化またはメチル化されて、(この場合、R2aはメチルである)化合物84および80を生成することができる。スキーム17が、式Iの化合物およびその中間体に概して適用されるであろう。ここでR2は、OHであり、R2aは水素である。
スキーム18は、化合物88を調製するためのプロセスを説明しており、R1、R1a、R2、R2a、R3、R4、R5、R6、G、Z、aおよびbは、本明細書で定義されるとおりである。酸85は、例えば標準的なアミドカップリング条件下(例えば1,1−カルボニルジイミダゾール)、ヒドラジンで処理することによりヒドラジドに変換し、続いて室温〜150℃で、PGがアミン保護基である化合物86と縮合し、そして保護基を除去することにより(例えばPgがBocである場合、HCl/ジオキサンまたはTFAを使用)、化合物87を生成する。化合物87は、塩基(例えばNEt3、ヒューニッヒ塩基など)の存在下、室温〜200℃で、マイクロ波補助により、またはマイクロ波補助なしで、任意で密閉容器中で、HalがBr、Cl、またはIである化合物29により処理され、それにより化合物88を生成することができる。
スキーム19は、化合物94および95の合成のための一般的なスキームを示しており、R1、R1a、R2、R2a、R5、R6、Gおよびaは、本明細書で定義されるとおりである。酸の存在下(例えば触媒作用の濃縮H2SO4などのプロトン酸)、HalがBr、Cl、またはIである化合物89および90の間のマイケル反応により、化合物91を生成する。このハロインドール91は、有機金属へ変換され(例えば、Sn2(CH3)6、Pd(PPh3)4;ビスピナコール・エステル・ボロナート(bispinacol ester boronate)、Pd(dppf)Cl2;または活性化Mgにより処理)、続いて例えば、鈴木カップリングでは室温から還流のジオキサン中のPdCl2(PPh3)2および水性Na2CO3を使用して、あるいは、スティルカップリングでは室温から還流のトルエン中のPh(PPh3)4を使用して、化合物29とPd媒介でカップリングすることにより、化合物92を生成する。例えばFe/AcOHを使用して92内のニトロ基を還元するか、あるいはPtO2触媒下で水素化することにより、第一級アミン93を生成する。このアミンを任意で官能化し(例えば還元的アミノ化、アルキル化など)、続いて2種類のジアステレオマーを分離することにより、化合物94および95を生成する。
スキーム20は、化合物108の調製を説明しており、ここでR1、R1a、R2、R2a、R5、R6、およびGは、本明細書で定義されるとおりである。HalがBr、ClまたはIである96をオキサリルクロリドでアシル化し、続いて結果として得た酸塩化物をAlCl3などのルイス酸で処理することにより化合物97を生成し、その化合物97をその後水性水酸化アンモニウム、および過酸化水素などの酸化剤で処理して第一級アミド98をもたらすことができる。アミド98を例えばNaOHである塩基で加水分解するとカルボン酸99が生じる(手順は、ジャーナル・オブ・メディスナル・ケミストリー(J. Med. Chem.)、37版、p.2308〜2314、1994年、に記載されている)。化合物99は、標準的カップリング条件下(例えばHBTU、DIEA)でN,O−ジメチルヒドロキシルアミンと結合してアミド101を生ずる。化合物101は、グリニャール試薬、亜鉛、またはリチウムアニオンである化合物102と反応して、ケトン103を生ずることができる。(例えば塩基(例えばNaH、KOBut、またはNaN(Si(CH3)3)2)の存在下でメチルトリフェニルホスホニウム・ブロミドにより)化合物103のオレフィン化反応は、オレフィン104をもたらし、このオレフィン104は、例えばDMFである有機溶媒中のアリルアミンと反応して化合物105を生成する。例えば、Pd(PPh3)4の存在中に1,3−ジメチルピリミジン−2,46(1H,3H,5H)−トリオンで処理することによりアリル基を除去し、続いて例えば、Boc2Oを使用して適切なアミン保護基、Bocで遊離アミンを再保護することにより、PGがアミン保護基である化合物106を生成する。化合物106はその後、例えばDMF、Sn2(CH3)6およびPd(PPh3)4中のボラン、PdCl2(dppf)およびKOAcで、あるいは代替的にMgまたはZnの活性型で処理することにより、適切な有機金属反応剤へ変換されうる。この有機金属反応剤はその後、パラジウム媒介反応(例えば室温〜還流のDMF中のPdCl2(dppf)および水性Na2CO3)を使用して、HalがBr、Cl、またはIであるハロピリミジン29に結合して化合物107を生成することもできる。保護基の除去、続く未保護の遊離アミンの最終官能化(例えば新しい置換基の導入のためのアルキル化または還元的アミノ化)により、最終化合物108が作り出される。これらの類似体はその後、単一ジアステレオマーを得るための分離技術を受けることもできる。
式Iの化合物を調製する際に、中間体の遠隔官能基の保護が(例えば第一級または第二級アミンなど)、必要な場合もある。そのような保護の必要性は、遠隔官能基および調製方法の条件の性質によって様々であろう。適切なアミノ保護基(NH−Pg)には、アセチル、トリフルオロアセチル、Boc、ベンジルオキシカルボニル(CBz)、および9−フルオレニルオキシメチレンカルボニル(9-fluorenylmethyleneoxycarbonyl)(Fmoc)が含まれる。そのような保護の必要性は当業者により容易に決定される。保護基およびそれらの使用の一般的な説明については、ティー・ダブリュ・グリーン(T. W. Greene)著、「有機合成における保護基(Protective Groups in Organic Synthesis)」、ニューヨーク、ジョン・ウィリー・アンド・サンズ(John Wiley & Sons)、1991年、を参照されたい。
分離方法
反応生成物を互いからおよび/または出発材料から分離することは有益でありうる。各ステップまたは一連のステップの所望生成物は、当業界で一般的な技術により所望の均質度まで分離および/または精製される。典型的には、そのような分離には、多相抽出、溶媒または溶媒混合物からの結晶化、蒸留、昇華、またはクロマトグラフィーが含まれる。クロマトグラフィーは、例えば:逆相および順相;サイズ排除;イオン交換;高、中、および低圧液体クロマトグラフィー方法および装置;小規模分析(small scale analytical);疑似移動床(SMB)、および分取薄層または厚層クロマトグラフィー(preparative thin or thick layer chromatography)、ならびに小規模薄層およびフラッシュ・クロマトグラフィー技術を含むあらゆる方法を含むことができる。当業者であれば、所望の分離を達成する可能性が最も高い技術を利用するであろう。
ジアステレオマー混合物は、クロマトグラフィーおよび/または分別結晶によるなど、当業界で周知の方法により、個々のジアステレオマーの物理的化学的相違に基づいてそれら個々のジアステレオマーに分離することができる。鏡像異性体は、適切な選択的活性化合物(例えばキラルアルコールなどのキラル補助基またはモッシャー酸塩化物)との反応により鏡像異性体混合物をジアステレオマー混合物に変換し、ジアステレオマーを分離し、そして個々のジアステレオ異性体を対応する純粋な鏡像異性体へ変換(例えば加水分解)することにより、分離することができる。また鏡像異性体は、キラルHPLCカラムの使用により分離することもできる。
単一の立体異性体、例えばその立体異性体を実質的に含まない鏡像異性体は、選択的活性分割剤を使用してジアステレオマー形成などの方法を用いてラセミ混合物を分割することにより得ることができる(エリール・イー(Eliel, E.)およびウィレン・エス(Wilen, S.)著、「有機化合物の立体化学(Stereochemistry of Organic Compounds)」、ジョン・ウィリー・アンド・サンズ・インコーポレイテッド(John Wiley & Sons, Inc.)、ニューヨーク、1994年;Lochmuller, C. H.著、「ジャーナル・オブ・クロマトグラフィー(J. Chromatogr.)」、113(3)、p.283〜302、1975年)。本発明のキラル化合物のラセミ混合物は、(1)キラル化合物によるイオン性ジアステレオマー塩の形成、および分別結晶または他の方法による分離、(2)キラル誘導体化試薬によるジアステレオマー化合物の形成、ジアステレオマーの分離、および純粋な立体異性体への変換、ならびに(3)キラル条件下での実質的に純粋な、すなわち濃縮された立体異性体の直接的分離、を含む任意の適切な方法により分離および単離することができる。「薬物立体化学、分析方法および薬理学(Drug Stereochemistry, Analytical Methods and Pharmacology)」、アービング・ダブリュ・ワイナー(Irving W. Wainer)編、マーセル・デッカー・インコーポレイテッド(Marcel Dekker, Inc.)、ニューヨーク、1993年、を参照されたい。
方法(1)のもとで、ジアステレオマー塩は、ブルシン、キニン、エフェドリン、ストリキニーネ、α−メチル−β−フェニルエチルアミン(アンフェタミン)などの鏡像異性的に純粋なキラル塩基を、カルボン酸およびスルホン酸などの酸性官能性を有する不斉化合物と、反応させることにより形成することができる。ジアステレオマー塩は、分別結晶またはイオンクロマトグラフィーによって分離するように誘導してもよい。アミノ化合物の選択的異性体の分離のために、カンファースルホン酸、酒石酸、マンデル酸または乳酸などのキラルカルボン酸またはスルホン酸を加えると、その結果としてジアステレオマー塩を形成することができる。
代替的に、方法(2)によって、分割されるべき基質は、キラル化合物の1種類の鏡像異性体と反応してジアステレオマー対を形成する(イーおよびウィレン・エス(E. and Wilen, S.)、「有機化合物の立体化学(Stereochemistry of Organic Compounds)」、p.322、ジョン・ウィリー・アンド・サンズ・インコーポレイテッド(John Wiley & Sons, Inc.)、1994年)。ジアステレオマー化合物は、メンチル誘導体などの鏡像異性的に純粋なキラル誘導体化試薬と不斉化合物を反応させ、続いてジアステレオマーを分離し加水分解することにより形成して、純粋な、すなわち濃縮された鏡像異性体をもたらすことができる。選択的純粋性を決定する方法には、例えば塩基存在下のクロロギ酸(−)メンチルであるメチルエステル、または、モッシャーエステルであるα−メトキシ−α−(トリフルオロメチル)フェニル酢酸(ジェイコブ・ザ・サード(Jacob III.)著、「ジャーナル・オブ・オーガニック・ケミストリー(J. Org. Chem.)」、47:4165、1982年)などの、ラセミ混合物のキラルエステルを作成すること、ならびに、2種類のアトロプ異性の鏡像異性体またはジアステレオマーの存在に対して1H NMRスペクトルを分析することを含む。アトロプ異性化合物の安定ジアステレオマーは、アトロプ異性のナフチル−イソキノリンの分離方法に続いて、順相および逆相クロマトグラフィーにより分離および単離することができる(国際公開第96/15111号)。
方法(3)によって、2種類の鏡像異性体のラセミ混合物は、キラル固定相を使用したクロマトグラフィーによって分離することができる(「キラル液体クロマトグラフィー(Chiral Liquid Chromatography)」、1989年、ダブリュ・ジェイ・ロフ(W. J. Lough)編、チャップマン・アンド・ホール(Chapman and Hall)、ニューヨーク;オカモト(Okamoto)著、「ジャーナル・オブ・クロマトグラフィー(J. of Chromatogr.)」、1990年、513:375〜378)。高濃度すなわち精製された鏡像異性体は、旋光度および円偏光二色性など、不斉炭素原子を持つ他のキラル分子を識別するために使用される方法によって識別することができる。
投与および医薬製剤
本発明の化合物は、治療されるべき症状に適する任意の従来経路により投与することができる。適切な経路には、経口、非経口(皮下、筋肉内、静脈内、動脈内、皮内、くも膜下腔内、および硬膜外を含む)、経皮、直腸内、経鼻、局所的(頬側および舌下を含む)、膣内、腹腔内、肺内、ならびに鼻腔内が含まれる。
化合物は、任意従来の投与形態、例えば錠剤、散剤、カプセル、溶液、分散液(dispersions)、懸濁液、シロップ、スプレー、坐剤、ゲル、エマルジョン、パッチなどで、投与してもよい。このような粗製物は、医薬品における従来の成分を含有していてもよく、例えば希釈剤、キャリアー、pH調整剤(pH modifiers)、甘味料、増量剤(bulking agents)、およびさらなる活性剤である。非経口投与が望ましい場合、組成物は、無菌で、かつ注射または点滴に適する溶液または懸濁液であろう。
典型的な製剤は、本発明の化合物とキャリアーまたは賦形剤とを混合することにより調製する。適するキャリアーおよび賦形剤は当業者に周知であり、詳細には例えば、ハワード・シー・アンセル(Howard C. Ansel)ら著、「医薬投与形態および薬剤送達システム(Pharmaceutical Dosage Forms and Drug Delivery Systems)」、(第8版、2004年); アルフォンソ・アール・ゲナーロ(Alfonso R. Gennaro)ら著、「レミントン:調剤の科学および実務(Remington: The Science and Practice of Pharmacy)」、(第20版、2000年);およびレイモンド・シー・ロウ(Raymond C. Rowe)著、「医薬賦形剤便覧(Handbook of Pharmaceutical Excipients)」、(第5版、2005年)に記載されている。薬剤(すなわち本発明の化合物またはその医薬組成物)の洗練された体裁、あるいは医薬製品(すなわち薬物)の製造において補助を提供するために、製剤は、1種類以上の緩衝剤、安定化剤、界面活性剤、湿潤剤、潤滑剤、乳化剤、懸濁化剤、保存剤、酸化防止剤、不透明化剤、流動促進剤、加工助剤、着色剤、甘味料、芳香剤(perfuming agent)、香味料(flavoring agent)、希釈剤、および他の既知の添加剤を含むことができる。
本発明の一実施形態は、式Iの化合物、あるいはその立体異性体または医薬的に許容可能な塩を含む医薬組成物を含む。さらなる実施形態では、本発明は、式Iの化合物、あるいはその立体異性体または医薬的に許容可能な塩と共に、医薬的に許容可能なキャリアーまたは賦形剤を含む医薬組成物を提供する。
本発明の化合物による治療方法
本発明は、本発明の1以上の化合物またはその立体異性体もしくは医薬的に許容可能な塩を投与することにより、疾患または状態を治療または防止する方法を含む。一実施形態では、ヒト患者を、検出可能な程度にAKT活性を阻害するような量の、式Iの化合物またはその立体異性体もしくは医薬的に許容可能な塩、および医薬的に許容可能なキャリアー、佐剤、またはビヒクルにより治療する。
本発明の別の実施形態では、哺乳類における過剰増殖疾患を治療する方法であって、治療上有効な量の、式Iの化合物またはその立体異性体もしくは医薬的に許容可能な塩を哺乳類に投与することを含む方法が提供される。
別の実施形態では、がん治療を必要としている哺乳類のがんを治療または防止する方法であり、この方法は、治療上有効な量の式Iの化合物またはその立体異性体もしくは医薬的に許容可能な塩を前記哺乳類に投与することを含む。がんは、乳がん、卵巣がん、子宮頸がん、前立腺がん、精巣がん、尿生殖路がん、食道がん、喉頭がん、神経膠芽腫、神経芽細胞腫、胃がん、皮膚がん、角化棘細胞腫、肺がん、類表皮がん、大細胞がん、非小細胞肺がん(NSCLC)、小細胞がん、肺腺がん、骨がん、結腸がん、腺腫、膵臓がん、腺がん、甲状腺がん、濾胞腺癌、未分化がん、乳頭がん、セミノーマ、メラノーマ、肉腫、膀胱がん、肝がんおよび胆汁道がん、腎がん、骨髄疾患、リンパ系疾患、毛様細胞、頬側口腔および咽頭(口腔)、口唇がん、舌がん、口腔がん、咽頭がん、小腸がん、結腸−直腸がん、大腸がん、直腸がん、脳および中枢神経系がん、ホジキン病、ならびに白血病から選択される。本発明の別の実施形態は、がん治療用薬物の製造において、式Iの化合物またはその立体異性体もしくは医薬的に許容可能な塩の使用を提供する。
別の実施形態では、AKTにより調節される疾患または障害の治療または防止の方法であり、この方法は、有効量の式Iの化合物またはその立体異性体もしくは医薬的に許容可能な塩を、そのような治療を必要としている哺乳類に投与することを含む。そのような疾患および障害の例には、限定するものでなく、(1)心臓:肉腫(血管肉腫、線維肉腫、横紋筋肉腫、脂肪肉腫)、粘液腫、横紋筋腫、線維腫、脂肪腫および奇形腫;(2)肺:気管支原性肺癌(扁平細胞、未分化小細胞、未分化大細胞、腺がん)、肺胞(細気管支)がん、気管支腺種、肉腫、リンパ腫、軟骨性過誤腫、中皮腫、非小細胞肺がん、小細胞肺がん;(3)胃腸:食道(扁平上皮癌、腺がん、平滑筋肉腫、リンパ腫)、胃(細胞がん、リンパ腫、平滑筋肉腫)、膵臓(膵管腺癌、インスリノーマ、グルカゴノーマ、ガストリノーマ、カルチノイド腫瘍、ビポーマ)、小腸(腺がん、リンパ腫、カルチノイド腫瘍、カポジ肉腫(Karposi's sarcoma)、平滑筋腫、血管腫、脂肪腫、神経線維腫、線維腫)、大腸(腺がん、管状腺腫、繊毛腺腫、過誤腫、平滑筋腫);(4)尿生殖路:腎臓(腺がん、ウィルムス腫瘍(腎芽細胞腫)、リンパ腫、白血病)、膀胱および尿道(扁平上皮がん、移行上皮がん、腺がん)、前立腺(腺がん、肉腫)、精巣(セミノーマ、奇形腫、胎児性癌、テラトカルシノーマ、繊毛がん、肉腫、間質細胞がん、線維腫、線維腺種、腺腫様腫瘍、脂肪腫);(5)肝臓:肝がん(肝細胞がん)、胆管癌、肝芽腫、血管肉腫、肝細胞腺腫、血管腫;(6)骨:骨原性肉腫(骨肉腫)、線維肉腫、悪性線維性組織球腫、軟骨肉腫、ユーイング肉腫、悪性リンパ腫(細網肉腫)、多発性骨髄腫、悪性巨細胞腫脊索腫(malignant giant cell tumor chordoma)、オステオクロンフロマ(osteochronfroma)(骨軟骨性外骨腫症(osteocartilaginous exostoses))、両性軟骨腫、軟骨芽細胞腫、軟骨粘液線維腫、類骨骨腫および巨細胞腫瘍;(7)神経系:頭蓋(骨腫、血管腫、肉芽腫、黄色腫、変形性骨炎)、髄膜(髄膜腫、髄膜肉腫(meningiosarcoma)、神経膠腫症)、脳(星状細胞腫、髄芽細胞腫、グリオーマ、上衣腫、胚腫(松果体腫)、多形性神経膠芽細胞腫(glioblastoma multifonn.)、乏突起神経膠腫、シュワン細胞腫、網膜芽腫、先天性腫瘍)、脊髄神経線維腫、髄膜腫、神経膠腫、肉腫);(8)婦人科:子宮(子宮内膜がん)、子宮頸部(子宮頸がん、前癌子宮頸部異形成(pre-tumor cervical dysplasia))、卵巣(卵巣がん[漿液性嚢胞腺癌、粘液性嚢胞腺癌、未分類がん腫]、顆粒膜−莢膜細胞腫、セルトリ-ライディッヒ細胞腫、未分化胚細胞腫、悪性奇形腫)、外陰(扁平上皮がん、上皮内癌、腺がん、線維肉腫、黒色腫)、膣(明細胞癌、扁平上皮がん、ブドウ状肉腫(胎児型横紋筋肉腫)、ファロピウス管(細胞腫);(9)血液系:血液(骨髄性白血病[急性および慢性]、急性リンパ性白血病、慢性リンパ性白血病、骨髄増殖性疾患、多発性骨髄腫、骨髄異形成症候群)、ホジキン病、非ホジキンリンパ腫[悪性リンパ腫];(10)皮膚:進行性黒色腫、悪性黒色腫、基底細胞がん、扁平上皮がん、カポジ肉腫、モル異形成母斑(moles dysplastic nevi)、脂肪腫、血管腫、皮膚線維腫、ケロイド、乾癬;(11)副腎:神経芽細胞腫;(12)乳房:転移性乳癌;乳腺がん;(13)結腸;(14)口腔;(15)ヘアリー細胞白血病;(16)頭部および頸部;(17)ならびに難治性転移性疾患を含む他がん;カポジ肉腫;バナヤン-ゾナナ症候群;およびその他の過剰増殖障害の中でも特に、カウデン病またはレールミット−デュクロ病が含まれる。
本発明の化合物および方法は、関節リウマチ、変形関節炎、クローン病、血管線維腫、眼疾患(例えば、網膜血管化、糖尿病性網膜症、加齢性黄斑変性症、黄斑変性症など)、多発性硬化症、肥満症、再狭窄、自己免疫疾患、アレルギー、喘息、子宮内膜症、アテローム性動脈硬化症、静脈グラフト狭窄、吻合部周囲人工器官グラフト狭窄(peri-anastomatic prothetic graft stenosis)、前立腺肥大症、慢性閉塞性肺疾患、乾癬、組織修復による神経損傷の阻害、瘢痕組織形成(および創傷治癒の補助ができる)、多発性硬化症、炎症性腸疾患、感染症、特に細菌性、ウィルス性、レトロウイルス性または寄生性の感染症(アポトーシス増加による)、肺疾患、新生物、パーキンソン病、移植片拒絶(免疫抑制剤(immunosupressant)として)、敗血症性ショックなどの、疾患および状態を治療するために使用することもできる。
本発明の別の実施形態は、過剰増殖疾患の治療用薬物の製造において、式Iの化合物、あるいはその立体異性体または医薬的に許容可能な塩の使用を提供する。さらなる実施形態では、本発明は、がんの治療用薬物の製造において、式Iの化合物、あるいはその立体異性体または医薬的に許容可能な塩の使用を提供する。さらなる実施形態では、がんは、細胞腫、リンパ腫、芽細胞腫、肉腫および白血病またはリンパ性腫瘍から選択される。そのようながんのさらに詳細な例には、扁平細胞がん(例えば扁平上皮細胞がん)、小細胞肺がん、非小細胞肺がん(「NSCLC」)、肺の腺がんおよび肺の扁平上皮がんを含む肺がん、腹膜のがん、肝細胞がん、胃腸がんを含む胃部すなわち胃がん、膵臓がん、神経膠芽腫、子宮頸がん、卵巣がん、肝臓がん、膀胱がん、肝細胞がん、乳がん、結腸がん、直腸がん、結腸直腸がん、子宮内膜がんまたは子宮がん、唾液腺がん、腎臓すなわち腎がん、前立腺がん、外陰がん、甲状腺がん、肝細胞がん、肛門がん、陰茎がん、黒色腫を含む皮膚がん、ならびに頭部および頸部のがんが含まれる。
組み合わせ療法
本発明の化合物ならびにその立体異性体および医薬的に許容可能な塩は、それ単独か、または治療のために他の治療薬剤組み合わせて利用することもできる。本発明の化合物は、例えば異なる作用機序によって働く抗炎症性化合物などの1種類以上の追加薬物と組み合わせて使用することができる。医薬組み合わせ製剤の第2化合物または投薬計画は好ましくは、本発明の化合物に対する補足的活性を有し、それらは互いに悪影響を与えないものである。そのような分子は適切には、意図される目的に有効な量の配合で存在する。この化合物は、単一の医薬組成物として共に投与しても、あるいは別々に投与してもよく、別々に投与する場合、この投与は、同時かまたは任意の順番で逐次的に行うこともできる。このような逐次投与は、次々にあるいは時間をおきながら行ってもよい。
本発明を例示するために、以下の実施例を含める。しかしながらこれらの実施例は本発明を限定するものではなく、本発明の実施方法を提案することのみを意味することは理解されるべきである。当業者であれば、記載される化学反応は本発明の他の多くの化合物を調製するように容易に適応することができ、また本発明の化合物を調製するための代替方法は本発明の範囲内であるとみなされることを認識するであろう。例えば、例証されていない本発明による化合物の合成が、当業者にとって明白な改良により、例えば、妨害基を適切に保護することにより、記載されたもの以外の当業界で既知である他の適切な試薬を利用することにより、および/または反応条件の経路改良をすることにより、成功裏に行うこともできる。代替的に、本明細書に開示されるかまたは当業界で既知である他の反応は、本発明の他の化合物を調製するための適応性を有すると認識されるであろう。
以下に記載される実施例では、特に指示のないかぎり、全ての温度は摂氏温度で述べられている。試薬は、シグマ−アルドリッチ、アルファ・エイサー、またはティシーアイなどの商業的供給源から購入し、特に指示のないかぎり、さらなる精製をせずに使用した。
以下で述べられる反応は概して、窒素またはアルゴンの陽圧下で、あるいは無水溶媒中の乾燥管(特に記載がいない場合)を用いて行い、反応フラスコには典型的に、基質および試薬を注射器で導入するためにゴム製隔壁を取り付けた。ガラス器具はオーブン乾燥および/または加熱乾燥した。
カラムクロマトグラフィーは(特に記載がない場合は)、シリガゲル・カラムを有するBiotageシステム(製造会社:Dyaxコーポレーション)上、または、シリカSepPakカートリッジ(Waters)上で行った。1H NMRスペクトルは、400MHzで作動するVarian機器上に記録した。CDCl3(標準品としてクロロホルム(7.25ppm)を使用した)溶液、d6−DMSO(標準品としてDMSO(2.50ppm)を使用した)溶液、CH3OD(標準品としてメタノール(3.31ppm)を使用した)溶液、または、d6−アセトン(標準品としてアセトン(2.05ppm)を使用した)溶液として、1H−NMRスペクトルを得た(ppmで報告した)。代替的に、テトラメチルシランを内部標準品として使用することができる(0.00ppm)。ピーク多重度が報告される場合、以下の略語が使用される:s(一重線)、d(二重線)、t(三重線)、q(四重線)、m(多重線)、br(幅広い(broadened))、dd(二重の二重線)、dt(二重の三重線)。結合定数は、与えられている場合、ヘルツ(Hz)で報告される。
〔実施例A〕
AKT−1キナーゼアッセイ
本発明で説明される化合物の活性は、以下のキナーゼアッセイによって決定することができ、これは市販のIMAPキットを使用して蛍光偏光により、完全長ヒト組み換え活性AKT−1により蛍光標識されたペプチドのリン酸化を測定する。
アッセイ材料は、カリフォルニア州サニーベールのモレキュラー・デバイシス(Molecular Devices)による製品番号R8059のIMAP AKTアッセイ・バルク・キット(IMAP AKT Assay Bulk Kit)から得る。このキット材料はIMAP反応バッファ(5×)を含む。希釈された1×IMAP反応バッファは、10mM Tris−HCl、pH7.2、10mM MgCl2、0.1%BSA、0.05%NaN3を含有していた。常套的に、DTTを最終濃度1mMまで使用直前に追加する。またIMAP結合バッファ(5×)、およびIMAP結合試薬も含む。結合溶液は、IMAP結合試薬を1×IMAP結合バッファに希釈して1:400希釈溶液として調製する。
フルオレセイン標識されたAKT基質(クロスタイド(Crosstide))は、配列(Fl)-GRPRTSSFAEGを有する。20μMの貯蔵溶液が1×IMAP反応バッファ中に作成される。
使用されるプレートは、化合物希釈用、および化合物−ATP混合物調製用に使用されるCostar3657(ポリプロピレン製で白色V字底部を有する382ウェル)を含む。アッセイプレートは、Packard ProxyPlate(商標)−384 Fである。
使用されるAKT−1は、PDK1およびMAPキナーゼ2で活性化された完全長ヒト組み換えAKT−1から作成される。
アッセイを実行するために、ジメチルスルホキシド(「DMSO」)中に化合物が10mMの貯蔵溶液を調製する。貯蔵溶液および対照化合物は、DMSO(10μLの化合物+10μLのDMSO)中に1:2で9回連続希釈し、所望の用量範囲にわたる50×希釈系列を作成する。次に、DMSO中の化合物の2.1μLアリコートを、1mMのDTTを含有する1×IMAP反応バッファ中、10.4μMのATPの50μLを含むCostar3657プレートへ移す。徹底した混合の後、2.5μLのアリコートをProxyPlate(商標)−384Fプレートへ移す。
アッセイは、200nMの蛍光標識されたペプチド基質および4nMのAKT−1を含有する溶液の2.5μLのアリコートの添加により開始する。プレートは、1分間1000gで遠心分離し、60分間周囲温度でインキュベートする。その後、15μLの結合溶液の添加により反応を止め、再び遠心分離し、蛍光偏光を測定するように構成されたVictor 1420Multilabel HTS Counterの読み取り前に、さらに30分間周囲温度でインキュベートする。
代表的化合物が上記アッセイで試験され、10μM未満のIC50値を有することが見出された。
実施例1:
(5R,7R)−4−(4−((S)−(4−クロロフェニル)(2−(ジメチルアミノ)エトキシ)メチル)ピペリジン−1−イル)−5−メチル−6,7−ジヒドロ−5H−シクロペンタ[d]ピリミジン−7−オール
ステップ1:tert−ブチル 4−(4−クロロベンゾイル)ピペリジン−1−カルボキシラート(3.63g、11.2mmol)をエタノール(100mL)中に溶解し、その後この溶液にテトラヒドロ・ホウ酸ナトリウム(424mg、112mmol)を加えた。この反応混合物を室温で3時間攪拌した。この反応混合物のLC−MS分析では出発材料はもはや示されなかった。粗反応混合物を濃縮して残留物をEtOAc(100mL)で希釈し、水(2×50mL)およびブライン(50mL)で洗浄した。有機層をNa2CO4上で乾燥させ、濾過、濃縮してtert−ブチル 4−((4−クロロフェニル)(ヒドロキシ)メチル)ピペリジン−1−カルボキシラート(3.46g、94%)をもたらし、これは次のステップで直接使用した。m/z:326(MH+)
ステップ2:DMF(50mL)中のtert−ブチル 4−((4−クロロフェニル)(ヒドロキシ)メチル)ピペリジン−1−カルボキシラート(1.25g、3.84mmol)の溶液に、鉱油中、水素化ナトリウム60重量/重量%の分散系(384mg、9.59mmol)を加えた。反応混合物は、10分間室温で攪拌し、その後2−クロロ−N,N−ジメチルエタンアミン ヒドロクロリド(608mg、4.22mmol)を加えた。反応混合物は、70℃で12時間攪拌した。反応混合物のLC−MSでは、もはや出発材料は示されなかった。反応混合物を室温まで冷却し、EtOAc(50mL)で希釈し、水中10%のLiCl(2×50mL)で洗浄し、続いて水(50mL)およびブライン(50mL)で洗浄した。有機層はNa2CO4上で乾燥させ、濾過し濃縮して、tert−ブチル 4−((4−クロロフェニル)(2−(ジメチルアミノ)エトキシ)メチル)ピペリジン−1−カルボキシラートをもたらし、これは逆相HPLCにより精製し、続いてSFCにより鏡像異性体を分離した。(253mgおよび246mg、33%) m/z:397(MH+)
ステップ3:メタノール(1mL)中のtert−ブチル 4−((4−クロロフェニル)(2−(ジメチルアミノ)エトキシ)メチル)ピペリジン−1−カルボキシラート(156mg、0.39mmol)の溶液に、ジオキサン中4NのHClの溶液(1mL、4.0mmol)を加えた。反応混合物は、室温で2時間攪拌した。反応混合物のLC−MSでは、出発材料はもはや示されなかった。溶媒を除去し、(S)−2−((4−クロロフェニル)(ピペリジン−4−イル)メトキシ)−N,N−ジメチルエタンアミンを、さらに精製することなく次のステップにおいて使用した。m/z:297(MH+)
ステップ4:0℃でTHF(1mL)および水(1mL)中の(5R,7R)−4−クロロ−5−メチル−6,7−ジヒドロ−5H−シクロペンタ[d]ピリミジン−7−イル 4−ニトロベンゾアート(65mg、0.196mmol)の溶液に、水酸化リチウム(19mg、0.39mmol)を加えた。反応混合物は、0℃で30分間攪拌し、その後室温まで温め、2時間攪拌した。反応混合物のLC−MS分析では、出発材料はもはや示されなかった。THFを除去し、水を加えた(5mL)。残留物をEtOAc(3×10mL)で抽出した。合わせた有機層をNaHCO3(10mL)、ブライン(10mL)で洗浄し、Na2CO4上で乾燥させ、濾過し濃縮した。粗生成物は1−ブタノール(2mL)で希釈し、粗(S)−2−((4−クロロフェニル)(ピペリジン−4−イル)メトキシ)−N,N−ジメチルエタンアミンを加え、続いてDIPEA(0.39mL、2.2mmol)を加えた。反応混合物を135℃まで加熱し4時間攪拌した。反応混合物のLC−MSでは、出発材料はもはや示されなかった。溶媒は蒸発させ、残留物をシリガゲル(MeOH/DCM中、0%〜6%の2N NH3)勾配溶離で精製して、(5R,7R)−4−(4((S)−(4−クロロフェニル)(2−(ジメチルアミノ)エトキシ)メチル)ピペリジン−1−イル)−5−メチル−6,7−ジヒドロ−5H−シクロペンタ[d]ピリミジン−7−オールを泡(foam)(78mg、98%)としてもたらした。m/z:445(M+);1H NMR(DMSO d6):9.33(br s,1H)、8.61(S,1H)、7.48(d,2H,J=8.2Hz)、7.34(d,2H,J=8.2Hz)、5.14〜5.11(m,1H)、4.69〜4.66(m,1H)、4.41〜4.39(m,1H)、4.16〜4.14(m,1H)、3.45〜3.04(m,7H)、2.81〜2.75(m,6H)、2.13〜2.00(m,4H)、1.39〜1.70(m,3H)、1.11(d,3H,J=6.8Hz)。
実施例2:
(5R,7R)−4−(4−((R)−(4−クロロフェニル)(2−(ジメチルアミノ)エトキシ)メチル)ピペリジン−1−イル)−5−メチル−6,7−ジヒドロ−5H−シクロペンタ[d]ピリミジン−7−オール
0℃でTHF(1mL)および水(1mL)中の(5R,7R)−4−クロロ−5−メチル−6,7−ジヒドロ−5H−シクロペンタ[d]ピリミジン−7−イル 4−ニトロベンゾアート(65mg、0.196mmol)の溶液に、水酸化リチウム(19mg、0.39mmol)を加えた。反応混合物は0℃で30分間攪拌し、その後室温まで温め、2時間攪拌した。反応混合物のLC−MS分析では、出発物質はもはや示されなかった。THFを除去し、水を加えた(5mL)。残留物をEtOAc(3×10mL)で抽出した。合わせた有機層をNaHCO3(10mL)、ブライン(10mL)で洗浄し、Na2CO4上で乾燥させ、濾過し濃縮した。粗生成物は、1−ブタノール(2mL)で希釈し、粗(R)−2−((4−クロロフェニル)(ピペリジン−4−イル)メトキシ)−N,N−ジメチルエタンアミンを加え、続いてDIPEA(0.39mL、2.2mmol)を加えた。反応混合物は、135℃まで加熱し4時間攪拌した。反応混合物のLC−MSでは、出発材料はもはや示されなかった。溶媒を蒸発させ残留物はシリカゲル(MeOH/DCM中、0%〜6%の2N NH3)勾配溶離で精製して(5R,7R)−4−(4−((R)−(4−クロロフェニル)(2−(ジメチルアミノ)エトキシ)メチル)ピペリジン−1−イル)−5−メチル−6,7−ジヒドロ−5H−シクロペンタ[d]ピリミジン−7−オールを白色泡(78mg、98%)としてもたらした。m/z:445(M+);1H NMR(DMSO d6) δ(ppm)9.46(br s,1H)、8.63(s,1H)、7.48(d,2H,J=8.0Hz)、7.35(d,2H,J=8.1Hz)、5.18〜5.15(m,1H)、4.59〜4.55(m 2H)、4.20〜4.16(m,1H)、3.58〜3.24(m,6H)、3.03〜2.98(m,1H)、2.81〜2.75(m,6H)、2.14〜2.01(m,4H)、1.36〜1.21(m,3H)、1.13(d,3H,J=6.9Hz)。
実施例3:
N−((S)−1−アミノ−3−(2,4−ジクロロフェニル)プロパン−2−イル)−5−((R)−5−メチル−6,7−ジヒドロ−5H−シクロペンタ[d]ピリミジン−4−イル)チオフェン−2−カルボキサミド
ステップ1:(R)−(+)−プレゴン(76.12g、0.5mmol)、無水NaHCO3(12.5g)および無水エーテル(500mL)を1Lの丸底フラスコに加えた。反応混合物を窒素下、氷浴で冷却した。臭素(25.62mL、0.5mmol)を30分にわたって液滴で加えた。混合物を濾過し、注意深く氷冷却槽の中のNaOEt(21%、412mL、1.11mmol)に加えた。混合物は、室温で一晩攪拌し、その後5%HCl(1L)およびエーテル(300mL)を加えた。水性相はエーテル(2×300mL)で抽出した。合わせた有機相は、水で洗浄し、乾燥させ濃縮した。残留物は、水(300mL)中のセミカルバジド塩酸塩(37.5g)およびNaOAc(37.5g)の温められた溶液に加えた。その後、沸騰エタノール(300mL)を加えて透明溶液を生成した。混合物は、2.5時間還流し、その後室温で一晩攪拌した。混合物を、水(1L)およびエーテル(300mL)で処理した。水性相は、エーテル(2×300mL)で抽出した。合わせた有機相を水で洗浄し、乾燥させて濃縮した。残留物は、真空蒸留(0.8mmHgで73〜76℃)により精製し、(2R)−エチル 2−メチル−5−(プロパン−2−イリデン)シクロペンタンカルボキシラート(63g、64%)を生成した。1H NMR(CDCl3,400MHz) δ4.13(m,2H)、3.38(d,J=16Hz,0.5H)、2.93(m,0.5H)、2.50〜2.17(m,2H)、1.98(m,1H)、1.76(m,1H)、1.23(m,6H)、1.05(m,6H)。
ステップ2:酢酸エチル(100mL)中の(2R)−エチル 2−メチル−5−(プロパン−2−イリデン)シクロペンタンカルボキシラート(24g、0.122mol)を、ドライアイス/イソプロパノールで−68℃まで冷却した。オゾン化酸素(5〜7ft3h−1のO2)を溶液中で3.5時間泡立たせた。反応混合物は色がなくなるまで室温で、窒素を用いて洗い流した。酢酸エチルを真空下で除去し、残留物を酢酸(150mL)中に溶解し、氷水で冷却した。その後、亜鉛粉末(45g)を加えた。溶液を30分間攪拌し、その後濾過した。濾液を2N NaOH(1.3L)およびNaHCO3で中和した。水相をエーテル(3×200mL)で抽出した。有機相を合わせ、水で洗浄し、乾燥させ、濃縮し、(2R)−エチル 2−メチル−5−オキソシクロペンタンカルボキシラート(20g,96%)を得た。1H NMR(CDCl3,400MHz) δ4.21(m,2H)、2.77(d,J=11.2Hz,1H)、2.60(m,1H)、2.50〜2.10(m,3H)、1.42(m,1H)、1.33(m,3H)、1.23(m,3H)。
ステップ3:水(60mL)中のKOH(8.3g,147.9mmol)を、エタノール(100mL)中の(2R)−エチル 2−メチル−5−オキソシクロペンタンカルボキシラート(20g,117.5mmol)およびチオ尿素(9.2g,120.9mmol)の混合物溶液に加えた。混合物は、10時間還流した。冷却後、溶媒を除去し、残留物を0℃で濃縮HCl(12mL)を用いて中和した。その後混合物をDCM(3×150mL)で抽出した。溶媒を除去し、残留物をヘキサン/酢酸エチル(2:1)で溶離するシリカゲルクロマトグラフィーで精製し、(R)−2−メルカプト−5−メチル−6,7−ジヒドロ−5H−シクロペンタ[d]ピリミジン−4−オール(12g,56%)を生成した。MS(APCI+)[M+H]+183。
ステップ4:ラネーニッケル(15g)およびNH4OH(20mL)を 、蒸留水(100mL)中の(R)−2−メルカプト−5−メチル−6,7−ジヒドロ−5H−シクロペンタ[d]ピリミジン−4−オール(12g,65.8mmol)の懸濁液に加えた。混合物を3時間還流して、その後濾過した。濾液を濃縮して(R)−5−メチル−6,7−ジヒドロ−5H−シクロペンタ[d]ピリミジン−4−オール(9.89g,99%)を得た。MS (APCI+)[M+H]+151。
ステップ5および6は、(R)−エチル 2−メチル−5−オキソシクロペンタンカルボキシラートから出発する、(R)−5−メチル−6,7−ジヒドロ−5H−シクロペンタ[d]ピリミジン−4−オールの代替合成法を説明する。
ステップ5:酢酸アンモニウム(240g,3110mmol)を、MeOH(1.2L)中の(R)−エチル 2−メチル−5−オキソシクロペンタンカルボキシラート(106g,623mmol)の溶液に加えた。反応混合物を室温で20時間、窒素下で攪拌し、その後TLCおよびHPLCの測定によると完了していた。反応混合物を濃縮してMeOHを除去した。結果として得た残留物をDCM中に溶解し、H2Oで2回、ブラインで1回洗浄し、乾燥させ(Na2CO4)、濾過し濃縮して、(R)−エチル 2−アミノ−5−メチルシクロペンタ−1−エンカルボキシラートをオイルとして(102g,97%収率)得た。LC/MS (APCI+) m/z 170[M+H]+。
ステップ6:ホルムアミド(303.5mL,7640mmol)中、((R)−エチル 2−アミノ−5−メチルシクロペンタ−1−エンカルボキシラート(161.6g,955mmol)およびギ酸アンモニウム(90.3g,1433mmol)を含有する溶液を内部温度150℃まで加熱し、17時間攪拌した。反応混合物を冷却し2Lの一ツ口フラスコ(single nextracted flask)に移した。その後、過剰のホルムアミジンを高真空蒸留により除去した。ホルムアミジンが出てこなくなったら、蒸留容器(the still pot)内に残っているオイルをDCM中に溶解しブライン(3×200mL)で洗浄した。合わせた水性洗浄液はDCMを用いて抽出した。合わせた有機抽出物を乾燥させ(Na2SO4)、濾過し、濃縮した。結果として得たオイルを最少量のDCM中に溶解し、分液漏斗を使用して、この溶液を、攪拌したエーテル溶液(DCM溶液に対して約5容量のエーテル)に加え、いくらかの沈殿物を形成させた。この沈殿物は、濾過用フリット漏斗(a medium frit funnel)を介して濾過することにより除去し、エーテルですすぎ洗いしてから処分した。濾液を濃縮し、エーテルによる粉砕(trituration)をさらに2回繰り返し、その後高真空ライン上で乾燥させて、(R)−5−メチル−6,7−ジヒドロ−5H−シクロペンタ[d]ピリミジン−4−オール(93.2g,65.0%収量)をペースト状固体として生成した。LC/MS(APCI−) m/z 149.2。
ステップ7:POCl3(20mL)中の(R)−5−メチル−6,7−ジヒドロ−5H−シクロペンタ[d]ピリミジン−4−オール(5.8g,38.6mmol)の混合物を、5分間還流した。過剰POCl3を、真空下で除去し、残留物をDCM(50mL)中に溶解した。その後混合物を、飽和NaHCO3溶液(200mL)に加えた。水性相をDCM(3×100mL)で抽出し、合わせた有機相を乾燥させ濃縮した。結果として得た残留物を、酢酸エチルで溶離するシリカゲルクロマトグラフィーで精製し、(R)−4−クロロ−5−メチル−6,7−ジヒドロ−5H−シクロペンタ[d]ピリミジン(3.18g,49%)を生成した。1H NMR(CDCl3,400MHz) δ8.81(s,1H)、3.47(m,1H)、3.20(m,1H)、3.05(m,1H)、2.41(m,1H)、1.86(m,3H)、1.47(m,3H)。
ステップ8:Pd(PPh3)4(10mg,0.09mmol)を、THF(3.6mL,1.78mmol)中の(R)−4−クロロ−5−メチル−6,7−ジヒドロ−5H−シクロペンタ−[d]−ピリミジン(300mg,1.78mmol)および5−エトキシカルボニル−2−チエニル亜鉛ブロミド0.5M溶液の脱気溶液に加えた。反応混合物を70℃で16時間攪拌し、その後室温まで冷却し、ジエチルエーテル(10mL)で希釈した。水(5mL)を加え、沈殿物を形成させ濾過した。その固体をさらなるジエチルエーテルで洗浄し、濾液を濃縮した。結果として得たオイルをシリカゲル(0%〜75%EtOAc/ヘキサン)上で精製し、(R)−エチル 5−(5−メチル−6,7−ジヒドロ−5H−シクロペンタ[d]ピリミジン−4−イル)チオフェン−2−カルボキシラートをオイルとして(400mg,78%)もたらした。m/z:289(MH+)、1H NMR(CDCl3):δ(ppm)8.95(s,1H)、7.84〜7.82(m,1H)、7.70〜7.69(m 1H)、4.39(dq,2H,J1=7.2Hz,J2=1.2Hz)、3.77(5重線,1H,J=7.2Hz)、3.23〜1.14(m,1H)、3.001〜2.95(m,1H)、2.42〜2.31(m,1H)、1.98〜1.92(m,1H)、1.40(dt,3H,J1=7.2Hz,J2=1.2Hz)、1.29(d,3H,J=7.2Hz)。
ステップ9:水中(2.4mL)の水酸化ナトリウム1N溶液を、エタノール(2.5mL)中の(R)−エチル 5−(5−メチル−6,7−ジヒドロ−5H−シクロペンタ[d]ピリミジン−4−イル)チオフェン−2−カルボキシラート(236mg,0.818mmol)の溶液に加えた。反応混合物を室温で16時間攪拌した。反応混合物のLC−MS分析では、出発材料はもはや示されなかった。水(5mL)を加え、溶液を1NのHCL(1mL)で酸性化し、EtOAc(3×5mL)で抽出した。合わせた有機層をブラインで洗浄し、Na2SO4上で乾燥させ、濾過し濃縮した。結果として得た(R)−5−(5−メチル−6,7−ジヒドロ−5H−シクロペンタ[d]ピリミジン−4−イル)チオフェン−2−カルボン酸を、さらに精製することなく使用した。m/z:261(MH+)。
ステップ10:THF(4mL)中のテトラヒドロ・ホウ酸リチウム(190mg,8.50mmol)の溶液を0℃まで冷却した。クロロトリメチルシラン(2.2mL,17mmol)を液滴で加えた。混合物を20分間室温で攪拌し、その後0℃に戻した。その後、(S)−2−アミノ−3−(2,4−ジクロロフェニル)プロピオン酸(1.00g,4.27mmol)を加えた。一晩攪拌しながらゆっくりと室温まで温めて反応させた。混合物を0℃に冷却して、メタノール(1mL)そして続いて2Nの水酸化ナトリウム水溶液(4.2mL,8.54mmol)をゆっくりと加えることによって反応を停止した。減圧下で揮発性物質を除去した。スラリーを水(5mL)で希釈し、DCM(3×15mL)で抽出した。合わせた有機層をブラインで洗浄し、Na2SO4上で乾燥させ、濾過し濃縮して、さらなる精製なしで次のステップで使用された固体として(S)−2−アミノ−3−(2,4−ジクロロフェニル)プロパン−1−オールを得た。MS m/z 220(M+)。
ステップ11:二炭酸ジ−tert−ブチル(850mg,3.90mmol)をCHCl3(10mL)中の(S)−2−アミノ−3−(2,4−ジクロロフェニル)プロパン−1−オール(859mg,3.90mmol)の溶液に加えた。反応混合物を室温で18時間攪拌した。反応混合物のLC−MS分析では、出発材料はもはや示されなかった。溶媒を減圧下で除去し、結果として得た残留物をシリカゲル(49:49:2 DCM:EtOAc:MeOH)上で精製して、(S)−tert−ブチル 1−(2,4−ジクロロフェニル)−3−ヒドロキシプロパン−2−イルカルバマートを固体としてもたらした(1.17g,94%)。MS m/z 320(M+);1H NMR(CDCl3):δ(ppm) 7.38(s,1H)、7.23〜7.17(m,2H)、4.84〜4.82(m,1H)、3.95〜3.87(m,1H)、3.74〜3.68(m,1H)、3.63〜3.55(m,1H)、3.02〜2.98(m,2H)、2.31(br s,1H)、1.39(s,9H)。
ステップ12:DCM(1mL)中の(S)−tert−ブチル 1−(2,4−ジクロロフェニル)−3−ヒドロキシプロパン−2−イルカルバマート(50mg,0.156mmol)の溶液を0℃まで冷却した。トリエチルアミン(24μL,0.172mmol)そして続いて塩化メタンスルホニル(24μL,0.312mmol)を加えた。反応混合物をゆっくりと室温まで上昇させ、4時間撹拌した。反応混合物のTLC分析では、出発材料はもはや示されなかった。ジエチルエーテルを加え、沈殿物を濾過した。濾液を濃縮して、結果として得た残留物をDMF(0.5mL)で希釈し、アジ化ナトリウム(51mg,0.781mmol)を加えた。反応混合物を16時間100℃まで加熱した。混合物のLC−MSでは、出発材料はもはや示されなかった。水(5mL)を加え、反応混合物をジエチルエーテル(3×5mL)で抽出した。合わせた有機層をブラインで洗浄し、Na2SO4上で乾燥させ、濾過し濃縮した。粗生成物をシリカゲル(0%〜70% EtOAc/ヘキサン勾配溶離で精製し、(S)−tert−ブチル 1−アジド−3−(2,4−ジクロロフェニル)プロパン−2−イルカルバマートをオイルとしてもたらした(32mg,59%)。m/z 345(M+);1H NMR(CDCl3) δ(ppm)7.39(s,1H)、7.21〜7.17(m,2H)、4.71〜4.68(m,1H)、4.07〜4.02(m,1H)、3.52〜3.38(m,2H)、2.95〜2.86(m,2H)、1.38(s,9H)。
ステップ13:TFA(0.56mL,7.24mmol)を、DCM(2mL)中の(S)−tert−ブチル 1−アジド−3−(2,4−ジクロロフェニル)プロパン−2−イルカルバマート(100mg,0.290mmol)の溶液に加えた。反応混合物を室温で1時間攪拌した。反応混合物のLC−MSでは、出発材料はもはや示されなかった。溶媒を除去し、残留物をトルエン(3×10mL)で共蒸発(co-evaporated)させた。この(S)−1−アジド−3−(2,4−ジクロロフェニル)プロパン−2−アミンはさらなる精製なしで次のステップに進められた。m/z 246(MH+)。
ステップ14:(S)−1−アジド−3−(2,4−ジクロロフェニル)プロパン−2−アミン(33mg,0.134mmol)を、DCM(0.7mL)中の(R)−5−(5−メチル−6,7−ジヒドロ−5H−シクロペンタ[d]ピリミジン−4−イル)チオフェン−2−カルボン酸(35mg,0.134mmol)の溶液に加えた。HBTU(56mg,0.148mmol)、続いてDIPEA(0.23mL,1.34mmol)を加えた。反応混合物を室温で1時間攪拌した。反応混合物のLC−MSでは、出発材料はもはや示されなかった。溶媒を除去し、結果として得た残留物をシリカゲル(0%〜50% EtOAc/ヘキサン)勾配溶離で精製し、N−((S)−1−アジド−3−(2,4−ジクロロフェニル)プロパン−2−イル)−5−((R)−5−メチル−6,7−ジヒドロ−5H−シクロペンタ[d]ピリミジン−4−イル)チオフェン−2−カルボキサミドをオイルとしてもたらした(59mg,90%)。m/z 486(MH+)。
ステップ15:10%Pd/C(6mg)を、メタノール(2.5mL)中のN−((S)−1−アジド−3−(2,4−ジクロロフェニル)プロパン−2−イル)−5−((R)−5−メチル−6,7−ジヒドロ−5H−シクロペンタ[d]ピリミジン−4−イル)チオフェン−2−カルボキサミド(59mg,0.121mmol)の溶液に加えた。その溶液を真空下に置き、H2でパージし(3×)、そしてその後反応混合物を水素雰囲気下で2時間撹拌した。反応混合物のLC−MS分析では、出発材料はもはや示されなかった。反応混合物を濾過し濃縮して、N−((S)−1−アミノ−3−(2,4−ジクロロフェニル)プロパン−2−イル)−5−((R)−5−メチル−6,7−ジヒドロ−5H−シクロペンタ[d]ピリミジン−4−イル)チオフェン−2−カルボキサミドを泡としてもたらした(53mg,95%)。m/z 461(M+);1H NMR(DMSO d6) δ(ppm)8.91(s,1H)、8.58〜8.56(m,1H)、7.90(br s,2H)、7.84(d,1H,J=4.3Hz)、7.78(d,1H,J=4.1Hz)、7.60(m,1H)、7.39〜7.33(m,2H)、4.55〜4.42(m,1H)、3.87〜3.77(m,1H)、3.19〜2.84(m,6H)、2.33〜2.26(m,1H)、1.88〜1.82(m,1H)、1.18(d,3H,J=6.9Hz)。
実施例4:
N−((S)−1−アミノ−3−(2,4−ジクロロフェニル)プロパン−2−イル)−5−((5R,7R)−7−ヒドロキシ−5−メチル−6,7−ジヒドロ−5H−シクロペンタ[d]ピリミジン−4−イル)チオフェン−2−カルボキサミド
ステップ1:m−CPBA(1.06g,6.12mmol)を0℃でCHCl3(20mL)中、(R)−メチル 5−(5−メチル−6,7−ジヒドロ−5H−シクロペンタ[d]ピリミジン−4−イル)チオフェン−2−カルボキシラート(883mg,3.06mmol)の溶液に少量ずつ(portionwise)加えた。反応混合物を0℃で10分間攪拌し、その後室温まで温めて18時間攪拌した。反応混合物のLC−MS分析では、出発材料はもはや示されなかった。反応混合物を0℃に冷却し、水(5mL)中のNa2S2O3(968mg,6.12mmol)溶液、続いて、水(10mL)中のNa2CO3(649mg,6.12mmol)溶液を、液滴で加えた。反応混合物を30分間0℃で攪拌し、その後室温まで温めて、CHCl3(3×25mL)で抽出した。合わせた有機層は、ブラインで洗浄し、Na2SO4上で乾燥させ、濾過し濃縮してオイルとしてN−オキシドを生成した。粗生成物を無水酢酸(5.8mL,61.2mmol)中に溶解し、そして溶液を90℃まで2時間加熱した。その後、過剰な無水酢酸を減圧下で除去し、残留物をDCM(20mL)中に溶解し、0℃に冷却されたNa2CO3の撹拌した水性飽和溶液にゆっくりと注いだ。混合物をDCM(3×10mL)で抽出した。合わせた有機層をブラインで洗浄し、Na2SO4上で乾燥させ、濾過し濃縮してオイルをもたらした。オイルをTHF(15mL)中に溶解し、そして水(2.2mL)中のLiOH(366mg,7.65mmol)溶液を加えた。反応混合物を室温でN2下、16時間撹拌した。反応混合物のLC−MS分析では、出発材料はもはや示されなかった。水を(10mL)加え、そして反応混合物をEtOAc(3×10mL)で抽出した。合わせた有機層をブラインで洗浄し、Na2SO4上で乾燥させ、濾過し濃縮して、逆相HPLCにより精製する固体をもたらし、ジアステレオマーの混合物として(R)−5−(7−ヒドロキシ−5−メチル−6,7−ジヒドロ−5H−シクロペンタ[d]ピリミジン−4−イル)チオフェン−2−カルボン酸(336mg,40%)を生成した。m/z 277(MH+)。
ステップ2:トリメチルシリルジアゾメタン(1.10mmol)を、MeOH(5mL)およびEt2O(5mL)中の(R)−5−(7−ヒドロキシ−5−メチル−6,7−ジヒドロ−5H−シクロペンタ[d]ピリミジン−4−イル)チオフェン−2−カルボン酸(200mg,0.723mmol)の懸濁液に液滴で加えた。反応混合物を1時間室温で攪拌し、その後、溶媒を減圧下で除去した。残留物をDCM(10mL)で希釈し、その後0℃まで冷却した。トリエチルアミン(131μL,0.94mmol)を加え、続いてp−ニトロベンゾイルクロリド(148mg,0.792mmol)を加えた。反応混合物をゆっくり室温まで温めて4時間攪拌した。反応混合物のTLC分析では、出発材料はもはや示されなかった。反応混合物をNaHCO3の飽和水溶液(5mL)を加えることにより反応を止め、そして反応混合物をDCM(3×10mL)で抽出した。合わせた有機層をブラインで洗浄し、Na2SO4上で乾燥させ、濾過し濃縮した。粗生成物をシリカゲル(10%〜45% EtOAc/ヘキサン)勾配溶離で精製し、5−((5R,7R)−5−メチル−7−(4−ニトロベンゾイルオキシ)−6,7−ジヒドロ−5H−シクロペンタ[d]ピリミジン−4−イル)チオフェン−2−カルボキシラートを固体として(32mg,10%)をもたらした。m/z 440(MH+);1H NMR(CDCl3) δ(ppm)9.12(s,1H)、8.31〜8.26(m,4H)、7.87(d,1H,J=4.0Hz)、7.76(d,1H,J=4.0Hz)、6.63(dd,1H,J1=7.7Hz,J2=7.8Hz)、3.95(s,3H)、2.71〜2.65(m,1H)、2.51〜2.43(m,1H)、1.43(d,3H,J=7.1Hz)。
ステップ3:水酸化リチウム(6mg,0.146mmol)を、THF(0.5mL)および水(0.5mL)中の5−((5R,7R)−5−メチル−7−(4−ニトロベンゾイルオキシ)−6,7−ジヒドロ−5H−シクロペンタ[d]ピリミジン−4−イル)チオフェン−2−カルボキシラート(32mg,0.073mmol)の溶液に加えた。反応混合物を室温で1時間攪拌した。反応混合物のLC−MSでは、出発材料はもはや示されなかった。THFを減圧下で除去し、そして1NのHCl(5mL)を加えた。反応混合物をEtOAc(3×5mL)で抽出した。合わせた有機層をブラインで洗浄し、Na2SO4上で乾燥させ、濾過し濃縮して、5−((5R,7R)−7−ヒドロキシ−5−メチル−6,7−ジヒドロ−5H−シクロペンタ[d]ピリミジン−4−イル)チオフェン−2−カルボン酸を生成した。粗混合物はさらなる精製なしで次のステップにおいて直接使用した。
ステップ4:(S)−1−アジド−3−(2,4−ジクロロフェニル)プロパン−2−アミン(20mg,0.0724mmol)を、DCM(0.5mL)中の5−((5R,7R)−7−ヒドロキシ−5−メチル−6,7−ジヒドロ−5H−シクロペンタ[d]ピリミジン−4−イル)チオフェン−2−カルボン酸(35mg,0.145mmol)溶液に加えた。DMF(125μL)を加えて出発材料を完全に溶解した。DIPEA(126μL,0.724mmol)を加え、続いてHBTU(30mg,0.079mmol)を加えた。反応混合物を室温で1時間攪拌した。反応混合物のLC−MSでは、出発材料はもはや示されなかった。溶媒を除去し、そして結果として得た残留物を逆相HPLCで精製し、N−((S)−1−アジド−3−(2,4−ジクロロフェニル)プロパン−2−イル)−5−((5r,7r)−7−ヒドロキシ−5−メチル−6,7−ジヒドロ−5H−シクロペンタ[d]ピリミジン−4−イル)チオフェン−2−カルボキサミド生成物を固体として(4mg,10%)もたらした。m/z 504(MH+)。
ステップ5:10重量/重量%のPd/C(1mg)を、MeOH(0.5mL)中のN−((S)−1−アジド−3−(2,4−ジクロロフェニル)プロパン−2−イル)−5−((5R,7R)−7−ヒドロキシ−5−メチル−6,7−ジヒドロ−5H−シクロペンタ[d]ピリミジン−4−イル)チオフェン−2−カルボキサミド(4.0mg,0.008mmol)溶液に加えた。溶液を真空下に置きH2でパージした(3×)。その後、反応混合物を水素雰囲気下で2時間撹拌した。反応混合物のLC−MS分析では、出発材料はもはや示されなかった。反応混合物を濾過し、その後濃縮し、N−((S)−1−アミノ−3−(2,4−ジクロロフェニル)プロパン−2−イル)−5−((5R,7R)−7−ヒドロキシ−5−メチル−6,7−ジヒドロ−5H−シクロペンタ[d]ピリミジン−4−イル)チオフェン−2−カルボキサミドを固体として(3.7mg,98%)もたらした。m/z 477(M+)。1H NMR(DMSO d6) δ(ppm)8.91(s,1H),8.58〜8.56(m,1H)、7.90(br s,2H)、7.84(d,1H,J=4.3Hz)、7.78(d,1H,J=4.1Hz)、7.60(m,1H)、7.39〜7.33(M,2H)、5.22〜5.17(m,1H)、4.59〜4.50(m,1H)、3.87〜3.77(m,1H)、3.19〜2.84(m,5H)、2.33〜2.26(m,1H)、1.88〜1.82(m,1H)、1.13(d,3H,J=6.9Hz)。
実施例5:
(5R,7R)−4−(4−(4−(4−クロロフェニル)ピペリジン−4−イル)フェニル)−5−メチル−6,7−ジヒドロ−5H−シクロペンタ[d]ピリミジン−7−オール
ステップ1:酢酸アンモニウム(240g,3110mmol)を、MeOH(1.2L)中の(R)−エチル 2−メチル−5−オキソシクロペンタンカルボキシラート(106.0g,622.8mmol)溶液に加えた。反応混合物を室温、窒素下で20時間撹拌した。TLCおよびHPLCの測定によると、反応は完了していた。反応混合物を濃縮してMeOHを除去した。結果として得た残留物をDCM中に溶解し、H2Oで2回、ブラインで1回洗浄し、乾燥させ(Na2SO4)、濾過し濃縮して、(R)−エチル 2−アミノ−5−メチルシクロペンタ−1−エンカルボキシラート(102g,97%収率)をオイルとして生成した。LC/MS(APCI+) m/z 170[M+H]+。
ステップ2:ホルムアミド(303.5mL,7640mmol)中に(R)−エチル 2−アミノ−5−メチルシクロペンタ−1−エンカルボキシラート(161.6g,955.0mmol)およびギ酸アンモニウム(90.3g,1430mmol)を含有する溶液を、内部温度150℃まで加熱し17時間撹拌した。反応混合物を冷却して、2Lの一ツ口フラスコに移した。その後、過剰なホルムアミジンを高真空蒸留により除去した。ホルムアミジンが出てこなくなったら、蒸留容器中に残っているオイルをDCM中に溶解し、ブラインで(3×200mL)洗浄した。合わせた水性洗浄物をDCMで抽出した。合わせた有機抽出物を乾燥させ(Na2SO4)、濾過し濃縮した。結果として得たオイルを最少量のDCM中に溶解し、分液漏斗を使用して、この溶液を撹拌したエーテル溶液(約5分量エーテル対DCM溶液)に加え、いくらかの沈殿物を形成させた。この沈殿物は、濾過用フリット漏斗を介して濾過することにより除去し、エーテルですすぎ洗いしてから処分した。濾液を濃縮し、エーテルによる粉砕をさらに2回繰り返し、その後高真空ライン上で乾燥させて、(R)−5−メチル−6,7−ジヒドロ−5H−シクロペンタ[d]ピリミジン−4−オール(93.23g,65.00%収率)をペースト状固体として生成した。LC/MS(APCI−)m/z149.2。
ステップ3:希釈していない(Neat)POCl3(463.9mL,5067mmol)を、付加的漏斗により、DCE(1.2L)中の(R)−5−メチル−6,7−ジヒドロ−5H−シクロペンタ[d]ピリミジン−4−オール(152.2g,1013mmol)の0℃溶液にゆっくり加えた。この添加が完了した後、反応混合物を室温まで温めた。その後、反応混合物を加熱して還流させ、70分間撹拌した。HPLCの測定によると、反応は完了していた。反応混合物を室温まで冷却し、過剰POCl3を4つの分量に分けて以下のように反応を停止した。反応混合物を分液漏斗に移して、氷と氷浴内で冷却した飽和NaHCO3溶液とを含むビーカー内に滴下した。各分量の反応混合物の添加が完了したら、反応停止された混合物を30分間攪拌して分液漏斗へ移す前にPOCl3の完全な破壊(destruction)を確実にする。混合物を分液漏斗に移し、DCMで2回抽出した。合わせた抽出物を乾燥させ(Na2SO4)、濾過し濃縮した。粗生成物を以下のようにシリカゲル上で精製した。シリカゲル(1kg)を9:1のヘキサン:酢酸エチル中でスラリー状にして3Lのフリット漏斗上に設け、シリカを真空下で安定させ砂で覆った。粗生成物をDCM/ヘキサン混合物と共に装填し、1L枝付きフラスコを使用して、真空下で化合物を溶離させて、(R)−4−クロロ−5−メチル−6,7−ジヒドロ−5H−シクロペンタ[d]ピリミジン(104.4g,61.09%収率)をオイルとして生成した。
ステップ4:固形最大77%のm−CPBA(12g,53mmol)を、CHCl3(80mL)中の(R)−4−クロロ−5−メチル−6,7−ジヒドロ−5H−シクロペンタ[d]ピリミジン(5g,30mmol)の0℃溶液に少量ずつ加えた。反応混合物を室温で一晩攪拌した。反応混合物を0℃まで冷却し、その後、水(100mL)中Na2CO3(25g,196mmol)のスラリーを加えることにより処理した。これに続いて水(100mL)中のNa2CO3(14g,128mmol)を液滴で加えた。反応混合物を30分間撹拌した。水性相をCHCl3で抽出した。有機相は、MgSO4で乾燥させ、減圧下、低温(<25℃)で濃縮して、粗(R)−4−クロロ−5−メチル−6,7−ジヒドロ−5H−シクロペンタ[d]ピリミジン 1−オキシド(5.5g,100%)を得、これはさらなる精製なしで次のステップにおいて使用された。
ステップ5:Ac2O(40.5mL,429mmol)中の(R)−4−クロロ−5−メチル−6,7−ジヒドロ−5H−シクロペンタ[d]ピリミジン 1−オキシ(5.5g,29.8mmol)溶液を110℃まで3時間加熱した。冷却後、無水酢酸を蒸発させて、結果として得た残留物をDCM中に溶かした。この溶液を飽和NaHCO3の撹拌冷却溶液に加えた。この層をDCMで抽出し、MgSO4で乾燥させ、濾過し濃縮した。粗オイルを20% EtOAc/ヘキサンで溶離するクロマトグラフィー(Biotage)にかけて、(5R)−4−クロロ−5−メチル−6,7−ジヒドロ−5H−シクロペンタ[d]ピリミジン−7−イル アセテート(3.0g,44.4%)を提供した。
ステップ6:2:1のTHF:H2O(270mL)中の(5R)−4−クロロ−5−メチル−6,7−ジヒドロ−5H−シクロペンタ[d]ピリミジン−7−イル アセテート(11.86g,52.33mmol)の溶液を0℃まで冷却し、水酸化リチウム水和物(3.95g,94.2mmol)で処理した。反応混合物を室温で4時間攪拌した。反応物を濃縮し水で希釈して、6N HClでpH6まで酸性化した。水性層をEtOAcで抽出した。合わせた有機質をブラインで洗浄し、MgSO4で乾燥させ、濾過し濃縮した。粗残留物を30〜50% EtOAc/ヘキサンで溶離するクロマトグラフィー(Biotage 65)にかけて、(5R)−4−クロロ−5−メチル−6,7−ジヒドロ−5H−シクロペンタ[d]ピリミジン−7−オール(6.09g,63%)を生成した。
ステップ7:固体4−ニトロベンゾイルクロリド(6.73g,36.3mmol)を、0℃でDCM(165mL)中の(5R)−4−クロロ−5−メチル−6,7−ジヒドロ−5H−シクロペンタ[d]ピリミジン−7−オール(6.09g,33.0mmol)およびNEt3(5.98mL,42.9mmol)の撹拌溶液に加えた。反応物を室温まで温め、その後室温で3時間撹拌した。反応物をDCMおよび飽和水性NaHCO3で希釈した。合わせた抽出物をブラインで洗浄し、MgSO4で乾燥させ、濾過し濃縮した。粗残留物を10〜14% EtOAc/ヘキサンで溶離するクロマトグラフィーに数回かけ、(5R,7S)−4−クロロ−5−メチル−6,7−ジヒドロ−5H−シクロペンタ[d]ピリミジン−7−イル 4−ニトロベンゾアート(3.96g,36%)および(5R,7R)−4−クロロ−5−メチル−6,7−ジヒドロ−5H−シクロペンタ[d]ピリミジン−7−イル 4−ニトロベンゾアート(5.92g,54%)を生成した。
ステップ8:n−ブチルリチウム(16mL,ヘキサン中の2.5M溶液,39.9mmol)を、−78℃、窒素下で、無水THF(100mL)中の1−ブロモ−4−クロロベンゼン(8.62g,45.0mmol)の溶液に加えた。−78℃で30分後、1−Boc−ピペリドン(6.62g,33.2mmol)を、無水THF(5mL)中の溶液として液滴で加えた。−78℃で30分後、反応物を飽和NH4Cl溶液(100mL)で反応停止し、EtOAc(2×100mL)で抽出した。合わせた有機質を乾燥させ(Na2SO4)、濾過し濃縮した。粗生成物をEtOAc/ヘキサン(0〜40%)で溶離するシリカゲルクロマトグラフィーにより精製し、tert−ブチル 4−(4−クロロフェニル)−4−ヒドロキシピペリジン−1−カルボキシラート(7.64g,74%収率)を生成した。1H NMR(CDCl3,400MHz) δ7.38(d,J=7.2Hz,2H)、7.15(d,J=7.3Hz,2H)、3.94(br s,2H)、3.18(br s,2H)、1.89(br s,2H)、1.46(s,11H)。LCMS:M+1 312.2。
ステップ9:固体三塩化アルミニウム(0.68mL,5.1mmol)を、0℃、窒素下でブロモベンゼン(5.4mL,51.3mmol)中のtert−ブチル 4−(4−クロロフェニル)−4−ヒドロキシピペリジン−1−カルボキシラート(0.40g,1.3mmol)の溶液に加えた。0℃で4時間攪拌した後、混合物を氷で反応停止し、減圧下で濃縮した。混合物を1NのLiOH(30mL)中に溶解し、EtOAc(2×30mL)で抽出した。合わせた有機質をNa2SO4で乾燥させ、濾過し濃縮した。粗生成物をEtOAc(4mL)および水性Na2CO3溶液(2M,4mL)中に直接溶かした。二炭酸ジ−tert−ブチル(0.851g,3.9mmol)を一度に加えた。混合物を23℃で一晩攪拌した。次の日、2つの層を分離し、水性層をEtOAc(2×10mL)でさらに抽出した。合わせた有機質をNa2SO4上で乾燥させ、濃縮して、カラムクロマトグラフィー(0〜40% EtOAc/ヘキサン)により精製し、tert−ブチル 4−(4−ブロモフェニル)−4−(4−クロロフェニル)ピペリジン−1−カルボキシラート(0.302g,51%収率)を生成した。1H NMR(CDCl3,400MHz) δ7.46(d,J=7.2Hz,2H)、7.32(d,J=6.9Hz,2H)、7.19(d,J=7.0Hz,2H)、7.12(d,J=7.3Hz,2H)、3.54(br s,2H)、2.35(br s,2H)、1.54(br s,2H)、1.43(s,11H)。LCMS:M+1 452.2。
ステップ10:ビスピナコール・エステル・ボロナート(93mg,0.37mmol)を、23℃で1,4−ジオキサン(5mL)中のtert−ブチル 4−(4−ブロモフェニル)−4−(4−クロロフェニル)ピペリジン−1−カルボキシラート(150mg,0.33mmol)溶液に窒素下で加えた。その後、酢酸カリウム(98mg,1.0mmol)を加え、最終的に1,1’−ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセンパラジウム(II)クロリド(10mg,0.02mmol)を加えた。混合物を窒素下100℃まで加熱した。3時間後、反応物を室温まで冷却し、H2O(10mL)で希釈し、EtOAc(2×10mL)で抽出した。合わせた有機質を乾燥させ(Na2SO4)、濾過し濃縮した。粗材料をカラムクロマトグラフィー(100%ヘキサン〜4:6 EtOAc:ヘキサンの勾配)により精製し、ボロナート(120mg,72%収率)を生成した。このボロナート(120mg,0.24mmol)に(5R,7R)−4−クロロ−5−メチル−6,7−ジヒドロ−5H−シクロペンタ[d]ピリミジン−7−イル 4−ニトロベンゾアート(82mg,0.246mmol)を加え、続いて1,4−ジオキサン(3mL)および水性Na2CO3溶液(1M,0.3mL)を加えた。混合物を窒素で洗い流し、ビス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(II)クロリド(8.6mg,0.123mmol)を一度に加えた。混合物を100℃、窒素下で12時間加熱した。その後、反応混合物を0.1N LiOH溶液(10mL)で希釈し、EtOAc(2×10mL)内に抽出した。合わせた有機抽出物をNa2SO4上で乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮して、カラムクロマトグラフィー(0〜100% EtOAc/ヘキサン)により精製し、tert−ブチル 4−(4−クロロフェニル)−4−(4−((5R,7R)−5−メチル−7−(4−ニトロベンゾイルオキシ)−6,7−ジヒドロ−5H−シクロペンタ[d]ピリミジン−4−イル)フェニル)ピペリジン−1−カルボキシラート(36mg,29%収率)をオイルとして生成した。
ステップ11:tert−ブチル 4−(4−クロロフェニル)−4−(4−((5R,7R)−5−メチル−7−(4−ニトロベンゾイルオキシ)−6,7−ジヒドロ−5H−シクロペンタ[d]ピリミジン−4−イル)フェニル)ピペリジン−1−カルボキシラート(36mg,0.069mmol)をDCM(3mL)中に溶解し、0℃まで冷却した。その後、TFA(1.5mL)を液滴で加えた。結果として得た溶液を0℃で1時間攪拌し、減圧下で濃縮し、DMF(1mL)中に溶解して、逆相HPLC(0〜100% AcCN/H2O)により精製し、(5R,7R)−4−(4−(4−(4−クロロフェニル)ピペリジン−4−イル)フェニル)−5−メチル−6,7−ジヒドロ−5H−シクロペンタ[d]ピリミジン−7−オール ジ−TFA塩(9mg,31%収率)を生成した。1H NMR(DMSO−d6,400MHz) δ9.09(s,1 H)、7.88(d,J=8.8Hz,2 H)、7.52(d,J=8.4Hz,2 H)、7.42(q,J=4.8Hz,4 H)、5.64(d,J=6.0Hz,1H)、5.06(q,J=6.8Hz,1H)、3.85(br s,1H)、3.05(br s,3H)、2.89(m,2H)、2.61(br s,3H)、2.11(m,2H)、1.16(t,J=6.4Hz,3 H)、1.04(d,J=6.6Hz,3H)。LCMS:M+1 420.4。
実施例6:
N−((R)−2−(4−クロロフェニル)−2−(6−((R)−5−メチル−6,7−ジヒドロ−5H−シクロペンタ[d]ピリミジン−4−イル)−1H−インドール−3−イル)エチル)プロパン−2−アミン
ステップ1:1−((1E)−2−ニトロビニル)−4−クロロベンゼン(0.206g,1.12mmol)を、メタノール(5mL)中の6−ブロモインドール(0.200g,1.02mmol)溶液に加え、続いてスルファミン酸(39.6mg,0.40mmol)を加えた。混合物を80℃で16時間撹拌した。混合物を濃縮し、その後EtOAc(15mL)で希釈し、H2O(15mL)で洗浄した。有機層を乾燥させ(Na2SO4)、濾過し濃縮した。粗生成物をEtOAc/ヘキサン(0〜50%)で溶離するシリカゲルクロマトグラフィーにより精製し、6−ブロモ−3−(1−(4−クロロフェニル)−2−ニトロエチル)−1H−インドール(0.175g,45.2%)を生成した。1H NMR(CDCl3,400MHz) δ8.12(s,1H)、7.51(s,1H)、7.28(d,J=8.5Hz,2H)、7.25〜7.20(m,3H)、7.17(d,J=8.5Hz,1H)、7.15(s,1H)、5.12(t,1H)、5.01(q,1H)、4.88(q,1H)。
ステップ2:1,4−ジオキサン(5.00mL)中の6−ブロモ−3−(1−(4−クロロフェニル)−2−ニトロエチル)−1H−インドール(0.210g,0.553mmol)、ビスピナコール・エステル・ボロナート(168mg,0.664mmol)および酢酸カリウム(0.163g,1.66mmol)を含有する溶液を、脱酸素化し、その後ジクロロメタンと(22.6mg,0.0276mmol,1:1)複合した[1,1’−ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン]ジクロロパラジウム(II)を加えた。混合物を80℃で15時間加熱した。混合物を周囲温度まで冷却し、H2O(10mL)で希釈し、EtOAc(2×10mL)で抽出した。合わせた有機質を乾燥させ(Na2SO4)、濾過し濃縮した。粗生成物をEtOAc/ヘキサン(0〜50%)で溶離するシリカゲルクロマトグラフィーにより精製し、純粋なボロナート(0.146g,74.5%)を生成する。(R)−4−クロロ−5−メチル−6,7−ジヒドロ−5H−シクロペンタ[d]ピリミジン(52.4mg,0.311mmol)、ビス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(II)クロリド(17.5mg,0.0249mmol)をボロナート(0.146g,0.342mmol)に加え、続いてアセトニトリル(0.933mL)および水性KOAc溶液(0.933mL,1M)を加えた。混合物を周囲温度まで冷却し、H2O(10mL)で希釈し、EtOAc(2×10mL)で抽出した。合わせた有機質を乾燥させ(Na2SO4)、濾過し濃縮した。粗生成物をEtOAc/ヘキサン(0〜100%)で溶離するシリカゲルクロマトグラフィーにより精製し、(5R)−4−(3−(1−(4−クロロフェニル)−2−ニトロエチル)−1H−インドール−6−イル)−5−メチル−6,7−ジヒドロ−5H−シクロペンタ[d]ピリミジン(0.115g,85.4%)を生成した。LCMS:M+1 433.4。
ステップ3:メタノール(10mL,200mmol)中の塩化ニッケル六水和物(31.6mg,0.133mmol)の懸濁液を完全に溶解するまで超音波処理した。テトラヒドロ・ホウ酸ナトリウム(15.1mg,0.398mmol)を少量この撹拌溶液に室温で加えた。NaBH4を加えれば加えるほど、沈殿物が形成された。NaBH4の添加が完了すると、懸濁液を室温で30分間撹拌した。MeOH(2mL)中の(5R)−4−(3−(1−(4−クロロフェニル)−2−ニトロエチル)−1H−インドール−6−イル)−5−メチル−6,7−ジヒドロ−5H−シクロペンタ[d]ピリミジン(115mg,0.266mmol)溶液をこの撹拌懸濁液に加えた。テトラヒドロ・ホウ酸ナトリウム(35.2mg,0.930mmol)を少量ずつ注意深くこの撹拌懸濁液に加えた。反応混合物を1時間室温で撹拌した。反応混合物をセリットを通して濾過し、濾液を水性NH4OH(10mL,20%溶液NH4OH)で処理した。その後、濾液をCHCl3(4×10mL)で抽出した。合わせた有機質を乾燥させ(Na2SO4)、濾過し濃縮した。粗2−(4−クロロフェニル)−2−(6−((R)−5−メチル−6,7−ジヒドロ−5H−シクロペンタ[d]ピリミジン−4−イル)−1H−インドール−3−イル)エタンアミンを次のステップへ進めた。LCMS:M+1 403.5。
ステップ4:アセトン(0.0195mL,0.266mmol)を、塩化メチレン(2.0mL)中の2−(4−クロロフェニル)−2−(6−((R)−5−メチル−6,7−ジヒドロ−5H−シクロペンタ[d]ピリミジン−4−イル)−1H−インドール−3−イル)エタンアミン(107mg,0.266mmol)およびN,N−ジイソプロピルエチルアミン(0.139mL,0.797mmol)の溶液に加えた。反応混合物を10分間攪拌し、その後ナトリウムトリアセトキシボロヒドリド(0.0188g,0.0885mmol)を加えた。2.5時間撹拌した後、飽和NaHCO3を加え、混合物を10分間激しく撹拌した。混合物をDCM(3×10mL)で抽出した。合わせた有機質を乾燥させ(Na2SO4)、濾過し濃縮した。粗生成物をSFCキラルクロマトグラフィー(キラルOJH(21.2×250mm)25%メタノール+0.1%TEA)により精製し、N−((R)−2−(4−クロロフェニル)−2−(6−((R)−5−メチル−6,7−ジヒドロ−5H−シクロペンタ[d]ピリミジン−4−イル)−1H−インドール−3−イル)エチル)プロパン−2−アミン(19.8mg,16.8%)を第一ピークとして得た。LCMS:M+1 445.3。1H NMR(CDCl3,400MHz) δ11.16(s,1H)、8.93(s,1H)、7.93(s,1H)、7.49〜7.46(m,3H)、7.38(d,J=8.4Hz,2H)、7.31(d,J=8.5Hz,2H)、4.36(t,1H)、3.89(m,1H)、3.23(m,1H)、3.14〜2.99(m,2H)、2.94〜2.86(m,1H)、2.77(m,1H)、2.34(m,1H)、1.68(m,1H)、0.96(d,6H)、0.92(d,3H)。
実施例7:
(R)−N−(2−(4−クロロフェニル)−2−(4−(5−メチル−6,7−ジヒドロ−5H−シクロペンタ[d]ピリミジン−4−イル)フェノキシ)エチル)プロパン−2−アミン
ステップ1:2−プロパンアミン(1.71mL,20.0mmol)を、2−(4−クロロフェニル)オキシラン(2.69g,16.7mmol)と水(6.67mL)との混合物に加えた。混合物を室温で撹拌した。24時間後、さらなる2−プロパンアミン(1.13mL,13.3mmol)を加えた。合計40時間後、水(15mL)を加えた。内容物をエーテル(4×50mL)で抽出した。合わせたエーテル溶液を乾燥させた(Na2SO4)。濾過と溶媒蒸発の後、材料を塩化メチレン(100mL)中に溶解した。二炭酸ジ−tert−ブチル(4.01g,18.4mmol)、続いてトリエチルアミン(2.56mL,18.4mmol)を加えた。混合物を室温で20時間撹拌した。追加のBoc2O(2g)を加えた。4時間後、イミダゾール(1.136g,16.68mmol)を加えた。20分後、内容物をDCM(50mL)で希釈し、1.0MのNaH2PO4(2×50mL)で洗浄し、乾燥させた(Na2SO4)。粗生成物をフラッシュ・クロマトグラフィーで精製し、tert−ブチル 2−(4−クロロフェニル)−2−ヒドロキシエチル(イソプロピル)カルバマート(3.32g,63%)を生成した。
ステップ2:(R)−4−クロロ−5−メチル−6,7−ジヒドロ−5H−シクロペンタ[d]ピリミジン(137mg,0.812mmol)および4−ヒドロキシベンゼンボロン酸(123mg,0.894mmol)をイソプロピルアルコール(1.6mL)中に溶解した。水中の炭酸ナトリウム(0.97mL,1.0M)をゆっくりと加え、続いてビス(トリフェニルホスフィン)パラジウム クロリド(26.5mg,0.0378mmol)を加えた。混合物を100℃(溶液槽)で16時間撹拌した。内容物を水(5mL)およびEtOAc(10mL)で希釈した。水性層を分離し、EtOAc(2×5mL)で抽出した。合わせたEtOAc溶液をブライン(5mL)で洗浄し、乾燥させた(Na2SO4)。粗生成物をフラッシュ・クロマトグラフィーで精製し、(R)−4−(5−メチル−6,7−ジヒドロ−5H−シクロペンタ[d]ピリミジン−4−イル)フェノール(160mg,87%)を、粘性オイルとして生成し、放置すると凝固した。
ステップ3:アゾジカルボン酸ジエチル(0.166mL,1.05mmol)を、−30℃(溶液槽)でテトラヒドロフラン(7.0mL)中のtert−ブチル 2−(4−クロロフェニル)−2−ヒドロキシエチル(イソプロピル)カルバマート(265mg,0.843mmol)、(R)−4−(5−メチル−6,7−ジヒドロ−5H−シクロペンタ[d]ピリミジン−4−イル)フェノール(159mg,0.703mmol)およびトリフェニルホスフィン(276mg,1.05mmol)の溶液にゆっくりと加えた。混合物を室温まで温めて一晩攪拌した。大部分の出発材料が残留していた。トリフェニルホスフィン(276mg,1.05mmol)を加えた。内容物を−30℃で冷却した。アゾジカルボン酸ジエチル(0.166mL,1.05mmol)を加えた。混合物を室温で4時間撹拌した。tert−ブチル 2−(4−クロロフェニル)−2−ヒドロキシエチル(イソプロピル)カルバマート(265mg,0.843mmol)を加えた。混合物を室温で一晩攪拌した。EtOAc(10mL)および水(10mL)を加えた。有機層を分離した。水性層をEtOAc(2×10mL)で抽出した。合わせた有機溶液を乾燥させた(Na2SO4)。粗生成物をフラッシュ・クロマトグラフィーにより精製し、(R)−tert−ブチル 2−(4−クロロフェニル)−2−(4−(5−メチル−6,7−ジヒドロ−5H−シクロペンタ[d]ピリミジン−4−イル)フェノキシ)エチル(イソプロピル)カルバマート(26mg,7%)を生成した。
ステップ4:トリフルオロ酢酸(0.5mL)を、0℃で塩化メチレン(1.0mL)中の(R)−tert−ブチル 2−(4−クロロフェニル)−2−(4−(5−メチル−6,7−ジヒドロ−5H−シクロペンタ[d]ピリミジン−4−イル)フェノキシ)エチル(イソプロピル)カルバマート(26mg,0.0498mmol)の溶液に液滴で加えた。混合物を0℃で10分間攪拌し、その後室温で2時間撹拌した。内容物を濃縮した。結果として得た残留物を逆相HPLCにより精製し、(R)−N−(2−(4−クロロフェニル)−2−(4−(5−メチル−6,7−ジヒドロ−5H−シクロペンタ[d]ピリミジン−4−イル)フェノキシ)エチル)プロパン−2−アミンをTFA塩(7.5mg,23%)として生成した。1H NMR(d6−DMSO,500MHz) δ(ppm):8.9(s,1H)、8.7(s,br,2H)、7.8(t,2H)、7.5(m,4H)、7.1(d,2H)、5.7(d,1H)、3.8(m,1H)、3.4〜3.5(m,2H)、3.3〜3.4(m,1H)、3.0〜3.1(m,1H)、2.9(m,1H)、2.3(m,1H)、1.7(m,1H)、1.3(dd,6H)、0.9(dd,3H)。MS(422.3,M+1)。
実施例8:
(5R,7R)−4−(3−(アミノ(4−クロロフェニル)メチル)−5,6−ジヒドロ−[1,2,4]トリアゾロ[4,3−a]ピラジン−7(8H)−イル)−5−メチル−6,7−ジヒドロ−5H−シクロペンタ[d]ピリミジン−7−オール
ステップ1:1,1−カルボニルジイミダゾール(1.60g,9.89mmol)を、CH2Cl2(22.5mL,9.00mmol)中の2−(tert−ブトキシカルボニルアミノ)−2−(4−クロロフェニル)酢酸(2.57g,9.00mmol)溶液に加え、混合物をガス発生がやむまで30分間撹拌した。その後、ヒドラジン(0.367mL,11.7mmol)をこの溶液に加え、混合物を室温で12時間撹拌した。反応混合物をCH2Cl2で希釈し、NaHCO3(10%)で洗浄した。有機層を乾燥させ(Na2SO4)、濃縮した。残留物を逆相クロマトグラフィー(Biotage SP4,40+M,C18,25%〜100% MeCN/H2O)により精製した。生成物含有分画を分液漏斗内に注ぎ、酢酸エチルで(3×)抽出した。合わせた有機層を乾燥させ濃縮し、tert−ブチル 1−(4−クロロフェニル)−2−ヒドラジニル−2−オキソエチルカルバマート(tert-butyl 1-(4-chlorophenyl)-2-hydrazinyl-2-oxoethylcarbamate)を固体として(1.95g,72%)生成した。LCMS(APCI+) M+H+:299(5%);M+H+−Boc:199(100%);rt=2.78分。1H NMR(400MHz,CDCl3) δ7.73(s,1H)、7.30(s,4H)、5.85(d,J=6.6Hz,1H)、5.21(s,1H)、3.87(s,2H)、1.42(s,9H)。
ステップ2:トリエチルオキソニウムヘキサフルオロホスファート(3.20g,28.0mmol)を、0℃でCH2CL2(31.7mL)中のtert−ブチル 3−オキソピペラジン−1−カルボキシラート(2.54g,12.7mmol)溶液に加え、結果として得た溶液を室温で18時間撹拌した。反応混合物を飽和NaHCO3で洗浄し、乾燥させ(Na2SO4)、濃縮し、tert−ブチル 3−エトキシ−5,6−ジヒドロピラジン−1(2H)−カルボキシラートをオイルとして生成した。LCMS (APCI+) M+H−t−Bu:173(40%);rt=3.14分。
ステップ3:トルエン(6.67mL,3.34mmol)中のtert−ブチル 3−エトキシ−5,6−ジヒドロピラジン−1(2H)−カルボキシラート(0.762g,3.34mmol)およびtert−ブチル 1−(4−クロロフェニル)−2−ヒドラジニル−2−オキソエチルカルバマート(1.00g,3.34mmol)の溶液を加熱して還流し、この温度で1時間攪拌した。反応混合物を室温まで冷却し、酢酸エチルで希釈し、水で洗浄した。有機層を乾燥させ濃縮し、逆相クロマトグラフィー(Biotage SP4,40+M,C18,10%〜100% ACN/H2O)により精製した残留物を生成し、tert−ブチル 3−((tert−ブトキシカルボニルアミノ)(4−クロロフェニル)メチル)−5,6−ジヒドロ−[1,2,4]トリアゾロ[4,3−a]ピラジン−7(8H)−カルボキシラート(0.92g,60%)を得た。LCMS(APCI+)M+H+:463(25%)、464(90%)、466(25%)、467(5%);rt=3.56分。1H NMR(400MHz,CDCl3) δ・7.33(d,J=8.6Hz,1H)、7.29(d,J=8.6Hz,1H)、6.12(d,J=7.8Hz,1H)、5.87(d,J=7.8Hz,1H)、4.84(d,J=17.6Hz,1H)、4.75(d,J=17.6Hz,1H)、3.93(m,1H)、3.80(m,1H)、3.73(m,1H)、3.49(m,1H)、1.47(s,9H)、1.41(s,9H)。
ステップ4:MeOH(7.03mL,1.41mmol)中のtert−ブチル 3−((tert−ブトキシカルボニルアミノ)(4−クロロフェニル)メチル)−5,6−ジヒドロ−[1,2,4]トリアゾロ[4,3−a]ピラジン−7(8H)−カルボキシラート(0.652g,1.41mmol)溶液をHCl(g)で飽和させた。反応混合物を室温で30分間撹拌し、その後真空内で濃縮し(4−クロロフェニル)(5,6,7,8−テトラヒドロ−[1,2,4]トリアゾロ[4,3−a]ピラジン−3−イル)メタンアミン ビスヒドロクロリドを泡として(0.47g,99%)得た。LCMS(APCI+)M+H+:264(50%)、266(10%) 、267(3%);rt=1.76分。1H NMR(400MHz,d6−DMSO) δ・10.62(s,1H)、10.18(s,1H)、9.43(s,3H)、7.57(d,J=8.6Hz,2H)、7.53(d,J=8.6Hz,2H)、6.13(m,1H)、4.51(m,2H)、4.44(m,1H)、3.56(m,3H)。
ステップ5:NMP(0.30mL,0.149mmol)中の(4−クロロフェニル)(5,6,7,8−テトラヒドロ−[1,2,4]トリアゾロ[4,3−a]ピラジン−3−イル)メタンアミン ビスヒドロクロリド(50mg,0.149mmol)、(5R,7R)−4−クロロ−5−メチル−6,7−ジヒドロ−5H−シクロペンタ[d]ピリミジン−7−イル 4−ニトロベンゾアート(49.8mg,0.149mmol)およびDIEA(0.130mL,0.745mmol)の溶液を、100℃で1日間加熱した。粗反応混合物をメタノールで希釈し濾過した。濾液を精製した(C18,5〜95% MeCN/H2O+1%TFA)。生成物含有分画を25%NaOHで塩基性化してCH2Cl2/イソプロパノール(3:1)中に抽出することにより単離した。有機層を濃縮して、残留物をメタノールで希釈した。溶液をHCl(g)で飽和させた。溶液を蒸発させて(5R,7R)−4−(3−(アミノ(4−クロロフェニル)メチル)−5,6−ジヒドロ−[1,2,4]トリアゾロ[4,3−a]ピラジン−7(8H)−イル)−5−メチル−6,7−ジヒドロ−5H−シクロペンタ[d]ピリミジン−7−オール ビスヒドロクロリド(15.3mg,25%)を生成した。LCMS(APCI+)rt=2.28分。1H NMR(400MHz,d6−DMSO+3滴D2O) δ8.83(d,J=7.8Hz,1H)、7.55(s,4H)、6.02(d,J=8.6Hz,1H)、5.30(m,1H)、4.54(m,1H)、4.36(m,1H)、4.24(m,1H)、4.09(m,1H)、3.48(m,1H)、2.21(m,1H)、2.08(m,1H)、1.26(m,1H)、1.19(m,3H)。
実施例9:
(5R,7R)−4−(3−(1−(4−クロロフェニル)−2−(イソプロピルアミノ)エチル)−5,6−ジヒドロ−[1,2,4]トリアゾロ[4,3−a]ピラジン−7(8H)−イル)−5−メチル−6,7−ジヒドロ−5H−シクロペンタ[d]ピリミジン−7−オール
ステップ1:実施例8のステップ1の手順を使用して、3−(tert−ブトキシカルボニル(イソプロピル)アミノ)−2−(4−クロロフェニル)プロパン酸(2.00g,5.85mmol)を用い、tert−ブチル 2−(4−クロロフェニル)−3−ヒドラジニル−3−オキソプロピル(イソプロピル)カルバマート(1.90g,5.34mmol,91%)を得た。LCMS(APCI+)M+H+:356(100%)、358(50%)、rt 3.50分。
ステップ2:実施例8のステップ3の手順を使用して、tert−ブチル 2−(4−クロロフェニル)−3−ヒドラジニル−3−オキソプロピル(イソプロピル)カルバマート(1.90g,5.34mmol)を用い、tert−ブチル 3−(2−(tert−ブトキシカルボニル(イソプロピル)アミノ)−1−(4−クロロフェニル)エチル)−5,6−ジヒドロ−[1,2,4]トリアゾロ[4,3−a]ピラジン−7(8H)−カルボキシラート(1.66g,3.18mmol,60%)を得た。LCMS(APCI+)M+H+:519(66%)、520(95%)、rt 4.09分。
ステップ3:実施例8のステップ4を使用して、tert−ブチル 3−(2−(tert−ブトキシカルボニル(イソプロピル)アミノ)−1−(4−クロロフェニル)エチル)−5,6−ジヒドロ−[1,2,4]トリアゾロ[4,3−a]ピラジン−7(8H)−カルボキシラート(1.66g,3.18mmol)を用い、N−(2−(4−クロロフェニル)−2−(5,6,7,8−テトラヒドロ−[1,2,4]トリアゾロ[4,3−a]ピラジン−3−イル)エチル)プロパン−2−アミン ビスヒドロクロリド(0.65g,1.66mmol,52%)を得た。LCMS(APCI+)M+H+:320(100%)、322(25%)、rt 1.89分。
実施例8のステップ5の手順を使用して、N−(2−(4−クロロフェニル)−2−(5,6,7,8−テトラヒドロ−[1,2,4]トリアゾロ[4,3−a]ピラジン−3−イル)エチル)プロパン−2−アミン ビスヒドロクロリド(95mg,0.15mmol)を用い、(5R,7R)−4−(3−(1−(4−クロロフェニル−2−(イソプロピルアミノ)エチル)−5,6−ジヒドロ−[1,2,4]トリアゾロ[4,3−a]ピラジン−7(8H)−イル)−5−メチル−6,7−ジヒドロ−5H−シクロペンタ[d]ピリミジン−7−オール ビスヒドロクロリド(20mg,0.042mmol,28%)を得た。LCMS APCI+(M+H+):rt 2.20分。254nmでHPLC純度98%、rt=1.82分。1H NMR(400MHz,d6−DMSO+2滴D2O) δ8.81(d,J=6.6Hz,1H)、7.47(d,J=8.2Hz,2H)、7.40(dd,J=8.6Hz,3.5Hz,2H)、5.48(dd,J=29,16Hz,1H)、5.32(td,J=8.2,2.0Hz,1H)、5.21(dd,J=32,17Hz,1H)、4.84(q,J=7Hz,1H)、4.31(m,2H)、3.84(m,1H)、3.71(m,1H)、3.43(m,4H)、2.23(dd,J=12,8.2Hz,1H)、2.12(m,1H)、1.26(d,J=6.6Hz,6H)、1.16(t,J=7.5Hz,3H)。
実施例10:
(4−クロロフェニル)(7−((R)−5−メチル−6,7−ジヒドロ−5H−シクロペンタ[d]ピリミジン−4−イル)−5,6,7,8−テトラヒドロ−[1,2,4]トリアゾロ[4,3−a]ピラジン−3−イル)メタンアミン
実施例8のステップ5の手順を使用し、(R)−4−クロロ−5−メチル−6,7−ジヒドロ−5H−シクロペンタ[d]ピリミジンおよび(4−クロロフェニル)(5,6,7,8−テトラヒドロ−[1,2,4]トリアゾロ[4,3−a]ピラジン−3−イル)メタンアミン ビスヒドロクロリド(100mg,0.30mmol)を用い、(4−クロロフェニル)(7−((R)−5−メチル−6,7−ジヒドロ−5H−シクロペンタ[d]ピリミジン−4−イル)−5,6,7,8−テトラヒドロ−[1,2,4]トリアゾロ[4,3−a]ピラジン−3−イル)メタンアミン ビスヒドロクロリド(75mg,0.19mmol,64%)を得た:LCMS APCI+(M+H+):396(60%),398(20%)、rt 2.48分。254nmでのHPLC純度>99%、rt=1.68分。1H NMR(400MHz,d6−DMSO) δ9.51(s,3H),8.85(d,J=9.4Hz,1H)、7.61(d,J=7.0Hz,2H)、7.55(d,J=7.8Hz,2H)、6.08(brd,J=9.0Hz,1H)、5.42(dd,J=26Hz,16Hz,1H)、5.19(dd,J=21Hz,18Hz,1H)、4.55(m,1H)、4.29(m,1H)、3.79(m,1H)、3.14(m,1H)、2.96(m,1H)、2.32(m,1H)、1.82(m,1H)、1.15(t,J=6.8Hz,2H)、1.04(d,J=6.2Hz,3H)。
実施例11:
(5R,7R)−4−(3−((R)−1−アミノ−2−(4−クロロフェニル)エチル)−5,6−ジヒドロ−[1,2,4]トリアゾロ[4,3−a]ピラジン−7(8H)−イル)−5−メチル−6,7−ジヒドロ−5H−シクロペンタ[d]ピリミジン−7−オール
ステップ1:実施例8のステップ1の手順を使用して、(R)−2−(tert−ブトキシカルボニルアミノ)−3−(4−クロロフェニル)プロパン酸(3.02g,10.0mmol)を用い、(R)−tert−ブチル 3−(4−クロロフェニル)−1−ヒドラジニル−1−オキソプロパン−2−イルカルバマート(3.16g,10.0mmol,>99%)を得た。LCMS APCI+(M+H+):314(95%),316(40%),rt 2.92分。
ステップ2:実施例8のステップ2および3の手順を使用して、(R)−tert−ブチル 3−(4−クロロフェニル)−1−ヒドラジニル−1−オキソプロパン−2−イルカルバマート(3.16g,10.0mmol)を用い、(R)−tert−ブチル 3−(1−(tert−ブトキシカルボニルアミノ)−2−(4−クロロフェニル)エチル)−5,6−ジヒドロ−[1,2,4]トリアゾロ[4,3−a]ピラジン−7(8H)−カルボキシラート(4.03g,8.43mmol,84%)を得た。LCMS APCI+(M+H+):477(20%)、478(80%)、479(20%)、rt 3.63分。
ステップ3:実施例8のステップ4の手順を使用して、(R)−tert−ブチル 3−(1−(tert−ブトキシカルボニルアミノ)−2−(4−クロロフェニル)エチル)−5,6−ジヒドロ−[1,2,4]トリアゾロ[4,3−a]ピラジン−7(8H)−カルボキシラート(4.03g,8.43mmol)を用い、(R)−2−(4−クロロフェニル)−1−(5,6,7,8−テトラヒドロ−[1,2,4]トリアゾロ[4,3−a]ピラジン−3−イル)エタンアミン ビスヒドロクロリド(2.47g,7.06mmol,84%)を得た。LCMS APCI+(M+H+):278(100%)、rt 1.91分。1H NMR(400MHz,d6−DMSO) δ10.57(br s,1H)、10.43(br s,1H)、9.05(br s,3H)、7.33(d,J=8.6Hz,2H)、7.20(d,J=8.6Hz,2H)、4.95(br s,1H)、4.52(m,3H)、3.92(m,1H)、3.51(m,2H)、3.38(m,2H)。
ステップ4:実施例8のステップ5の手順を使用して、(R)−2−(4−クロロフェニル)−1−(5,6,7,8−テトラヒドロ−[1,2,4]トリアゾロ[4,3−a]ピラジン−3−イル)エタンアミン ビスヒドロクロリド(66mg,0.114mmol)を用い、(5R,7R)−4−(3−((R)−1−アミノ−2−(4−クロロフェニル)エチル)−5,6−ジヒドロ−[1,2,4]トリアゾロ[4,3−a]ピラジン−7(8H)−イル)−5−メチル−6,7−ジヒドロ−5H−シクロペンタ[d]ピリミジン−7−オール ヒドロクロリド(49mg,0.046mmol,40%)を得た。LCMS APCI+(M+H+):426(100%)、428(20%)、rt 2.17分。254nmでのHPLC純度>99%、rt=1.73分。1H NMR(400MHz,d6−DMSO) δ8.98(s,3H)、8.85(s,1H)、7.30(d,J=7.8Hz,2H)、7.15(d,J=8.2Hz,2h)、5.30(m,1H)、5.23(s,2H)、4.85(br s,1H)、4.35(m,1H)、4.00(m,1H)、3.76(m,1H)、3.70(s,1H)、3.61(s,1H)、3.51(m,1H)、3.40(m,1H)、3.27(m,1H)、2.16(m,2H)、1.15(d,J=7.0Hz,3H)。
実施例12:
(5R,7R)−4−(4−(1−(4−クロロフェニル)−2−(イソプロピルアミノ)エチルアミノ)フェニル)−5−メチル−6,7−ジヒドロ−5H−シクロペンタ[d]ピリミジン−7−オール ヒドロクロリド
ステップ1:TMSCN(19.9mL,149mmol)を、MeOH(56.9mL)中の4−クロロベンズアルデヒド(20.0g,142mmol)、4−ブロモアニリン(25.1g,146mmol)およびスルファミン酸(0.691g,7.11mmol)の溶液に加え、反応混合物を室温で6時間撹拌した。反応混合物を濾過し、濾過ケーキをエタノールで洗浄し、2−(4−ブロモフェニルアミノ)−2−(4−クロロフェニル)アセトニトリルを固体として(38.0g,83%)得た。1H NMR(400MHz,d6−DMSO) δ・7.53(d,J=8.2Hz,2H)、7.44(d,J=8.6Hz,2H)、7.37(d,J=9.0Hz,2H)、6.64(d,J=9.0Hz,2H)、5.38(d,J=9.0Hz,1H)、4.06(d,J=9.0Hz,1H)。
ステップ2:THF(1.0M)中の水素化リチウムアルミニウム(52.9mL,52.9mmol)を、−78℃でTHF(311mL,62.2mmol)中の2−(4−ブロモフェニルアミノ)−2−(4−クロロフェニル)アセトニトリル(20.0g,62.2mmol)の溶液に加えた。反応物を−78℃で攪拌し、4時間掛けて徐々に室温まで温めた。反応混合物を1NのHCl内へ注いだ。その後、溶液を塩基性化し、酢酸エチルで(3×)抽出した。合わせた有機層をブラインで洗浄し、乾燥させ濃縮して、オイルを生成した。この残留物を、まず酢酸エチル/ヘキサン(2:1)で、その後5%MeOH/CH2Cl2、それから10%MeOH/CH2Cl2+1%NH4OHで溶離するカラムクロマトグラフィーにより精製し、N1−(4−ブロモフェニル)−1−(4−クロロフェニル)エタン−1,2−ジアミンをオイルとして(9.60g,49%)得た。1H NMR(400MHz,CD3OD) δ・7.38(d,2h)、7.34(d,2H)、7.15(d,2H)、6.53(d,2H)、4.59(dd,J=9.8,4.7Hz,1H)、3.14(dd,J=12.9,4.7Hz,1H)、3.05(dd,J=12.9,9.4Hz,1H)。
ステップ3:NaBH(OAc)3(4.88g,23.0mmol)を、1,2−ジクロロエタン(51.2mL,15.4mmol)中のN1−(4−ブロモフェニル)−1−(4−クロロフェニル)エタン-1,2-ジアミン(5.00g,15.4mmol)およびプロパン−2−オン(1.24mL,16.9mmol)の溶液に加え、結果として得た溶液を室温で12時間攪拌した。続いて反応物をLCMSにかけた。反応混合物を飽和NaHCO3で反応停止し、酢酸エチルで(3×)抽出した。合わせた有機層を乾燥させ、濃縮し、所望の生成物をオイルとして生成し、これにはさらなる精製をしなかった(5.40g,95%)。1H NMR(400MHz,CDCl3) δ7.38(d,J=9.0Hz,2H)、7.34(d,J=9.0Hz,2H)、7.15(d,J=9.0Hz,2H)、6.53(d,J=9.0Hz,2H)、4.59(m,1H)、3.10(m,2H)。
ステップ4:N1−(4−ブロモフェニル)−1−(4−クロロフェニル)−N2−イソプロピルエタン−1,2−ジアミン(0.556g,1.51mmol)、4,4,4’,4’,5,5,5’,5’−オクタメチル−2,2’−ビ(1,3,2−ジオキサボロラン)(0.576g,2.27mmol)、KOAc(0.594g,6.05mmol)およびDMSO(7.56mL,1.51mmol)の混合物を窒素で5分間脱気した。その後、PdCl2(dppf)*CH2Cl2(0.062g,0.076mmol)をこの溶液に加え、反応物を80℃で一晩、窒素下で加熱した。1日後、追加の4,4,4’,4’,5,5,5’,5’−オクタメチル−2,2’−ビ(1,3,2−ジオキサボロラン)(1.15g,4.54mmol)、KOAc(1.19g,12.1mmol)およびPdCl2(dppf)*CH2Cl2(0.124g,0.152mmol)を加え、反応物を80℃でさらに24時間加熱した。反応混合物を酢酸エチルで希釈し無機塩類を沈殿させた。スラリーを濾過し塩類を除去し、濾液を濃縮してC18サンプレット(40+M)上に直接装填し、Biotage Horizon(10%〜100% ACN/H2O+1%iPA,1mM NH4OAc)上で溶離した。生成物含有カラム分画を分液漏斗内に注ぎ、1N NaOHで塩基性化し、酢酸エチルで抽出した。合わせた有機層を硫酸ナトリウムで乾燥させ、濃縮し、泡として(0.220g,35%)生成物を得た。LCMS APCI+(M+H+):415(25%),417(10%),rt 3.76分。
ステップ5:1−(4−クロロフェニル)−N2−イソプロピル−N1−(4−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)フェニル)エタン−1,2−ジアミン(0.075g,0.181mmol)、Pd(PPh3)4(0.017g,0.015mmol)および2N Na2CO3(0.226mL,0.452mmol)を、n−プロパノール(0.464mL,0.151mmol)中の(5R,7R)−4−クロロ−5−メチル−6,7−ジヒドロ−5H−シクロペンタ[d]ピリミジン−7−イル 4−ニトロベンゾアート(0.050g,0.151mmol)溶液に加えた。溶液中に窒素を泡立たせることによって懸濁液を脱気した。黒ずんだ懸濁液を90℃で14時間加熱した。混合物を室温まで冷却し、その後濃縮した。結果として得た残留物を酢酸エチルで希釈し、濾過した。濾液を飽和NaHCO3およびブラインで洗浄した。有機層は、乾燥させ濃縮した。結果として得た残留物をBiotage SP4(C18,25+ 0〜100%ACN)で精製した。生成物含有分画を収集してGilson C18(5〜95 ACN/H2O+1%TFA)で再精製した。生成物を含有している管(Tubes)をLCMSによって識別し、収集し、蒸発させた。材料をCH2Cl2中に部分的に溶解し、HCl(g)を混合物中で泡立たせて、固形(5R,7R)−4−(4−(1−(4−クロロフェニル)−2−(イソプロピルアミノ)エチルアミノ)フェニル)−5−メチル−6,7−ジヒドロ−5H−シクロペンタ[d]ピリミジン−7−オール ヒドロクロリド(8.10mg,12%)を沈殿させた。LCMS APCI+(M+H+):437(100%)、439(30%)、rt 2.55分。254nmでのHPLC純度>99%、rt=2.17分。1H NMR(400MHz,d6−アセトン) δ8.88(s,1H),7.81(d,J=8.2Hz,1H)、7.78(d,J=8.6Hz,1H)、7.59(d,J=3.5Hz,1H)、7.58(d,J=3.1Hz,1H)、7.40(d,J=8.2Hz,2H)、6.65(t,J=9.0Hz,2H)、5.26(m,1H)、5.15(td,J=7.4,4.3Hz,1H)、3.88(m,2H)、3.62(br s,2H)、3.50(br s,1H)、2.17(m,2H)、1.45(m,2H)、1.41(d,J=6.6Hz,6H)、1.10(t,J=7.0Hz,3H)、0.88(m,1H)。
実施例13:
(R)−N−(2−アミノエチル)−N−(4−クロロベンジル)−4−(5−メチル−6,7−ジヒドロ−5H−シクロペンタ[d]ピリミジン−4−イル)ベンズアミド
ステップ1:Na2CO3(1.65mL,1M)溶液を1,4−ジオキサン(4.5mL)中の(R)−4−クロロ−5−メチル−6,7−ジヒドロ−5H−シクロペンタ[d]ピリミジン(253mg,1.50mmol)および4−メトキシカルボニルフェニルボロン酸(297mg,1.65mmol)の溶液に加えた。混合物を2分間N2でスパージした。触媒Pd(dppf)Cl2(98mg,0.12mmol)を一度にに加えた。反応バイアルを密閉し、110℃まで30分間マイクロ波で加熱した。水(20mL)を混合物に加え、DCM(3×15mL)で抽出した。合わせた有機質を乾燥させ(Na2SO4)、濾過し濃縮した。粗生成物をフラッシュ・クロマトグラフィー(0〜50% EtOAc/ヘキサンの勾配溶離)により精製し、(R)−メチル 4−(5−メチル−6,7−ジヒドロ−5H−シクロペンタ[d]ピリミジン−4−イル)ベンゾアートをオイルとして(300mg,70%)生成した。1H NMR(CDCl3,500MHz) δ9.07(s,1H)、8.16(d, =8.5Hz,2H)、7.88(d,J=8.5Hz,2H)、3.96(s,3H)、3.81〜3.76(m,1H)、3.15〜3.00(m,2H)、2.44〜2.40(m,1H)、1.78〜1.74(m,1H)、1.01(d,J=6.5Hz,3H)。
ステップ2:H2O(10mL)中のLiOH(64mg,2.68mmol)溶液を、0℃でTHF(6mL)中の(R)−メチル 4−(5−メチル−6,7−ジヒドロ−5H−シクロペンタ[d]ピリミジン−4−イル)ベンゾアート(359mg,1.34mmol)溶液に加えた。混合物を室温まで温め、一晩撹拌した。真空内で揮発性溶媒を除去した。水性層を1N HClでpH3まで酸性化した。固形物を沈殿させ、濾過で収集し、エーテルで洗浄し、真空内で乾燥させて、(R)−4−(5−メチル−6,7−ジヒドロ−5H−シクロペンタ[d]ピリミジン−4−イル)安息香酸を固体として(306mg,90%)生成した。
ステップ3:DIPEA(37μL,0.21mmol)およびO−(ベンゾトリアゾール−1イル)−N,N,N’,N’−テトラメチルウロニウム ヘキサフルオロホスファート(80mg,0.21mmol)を、DMF(1mL)中の(R)−4−(5−メチル−6,7−ジヒドロ−5H−シクロペンタ[d]ピリミジン−4−イル)安息香酸(51mg,0.2mmol)溶液に加えた。混合物を70℃まで18時間加熱した。混合物をDCM(10mL)で希釈した。飽和NH4Cl(10mL)を加えた。層を分離した。水性層をDCM(2×10mL)で抽出した。合わせた有機質を乾燥させ(Na2SO4)、濾過し濃縮した。粗生成物をフラッシュクロマトグラフィー(0〜100% EtOAc/ヘキサンの勾配溶離)により精製し、(R)−tert−ブチル 2−(N−(4−クロロベンジル)−4−(5−メチル−6,7−ジヒドロ−5H−シクロペンタ[d]ピリミジン−4−イル)ベンズアミド)エチルカルバマートをオイルとして(49mg,31%)を生成した。
ステップ4:TFA(182μL,2.36mmol)を、DCM(1mL)中の(R)−tert−ブチル 2−(N−(4−クロロベンジル)−4−(5−メチル−6,7−ジヒドロ−5H−シクロペンタ[d]ピリミジン−4−イル)ベンズアミド)エチルカルバマート(49mg,0.094mmol)溶液に加えた。混合物を室温で1.5時間撹拌した。混合物を真空内で濃縮した。粗生成物を逆相HPLCにより精製し、(R)−N−(2−アミノエチル)−N−(4−クロロベンジル)−4−(5−メチル−6,7−ジヒドロ−5H−シクロペンタ[d]ピリミジン−4−イル)ベンズアミドをオイルとして(9mg,22%)生成した。MS(APCI+)[M+H]+421.2。1H NMR(D2O,500MHz) δ9.09(s,1H)、7.81(d,J=8.5Hz,2H)、7.63(d,J=8.0Hz,2H)、7.35(d,J=8.5Hz,2H)、7.15(D,J=8.0Hz,2H)、4.63(s,2H)、3.87(t,J=6.5Hz,2H)、3.82〜3.79(m,1H)、3.26〜3.11(m,4H)、2.63(s,2H)、2.50〜2.42(m,1H)、1.86〜1.81(m,1H)、0.86(s,J=7.00Hz,3H)。
実施例14:
(R)−N−(2−アミノエチル)−N−(4−トリフルオロメチルベンジル)−4−(5−メチル−6,7−ジヒドロ−5H−シクロペンタ[d]ピリミジン−4−イル)ベンズアミド
(R)−N−(2−アミノエチル)−N−(4−トリフルオロメチルベンジル)−4−(5−メチル−6,7−ジヒドロ−5H−シクロペンタ[d]ピリミジン−4−イル)ベンズアミドを、(R)−N−(2−アミノエチル)−N−(4−クロロベンジル)−4−(5−メチル−6,7−ジヒドロ−5H−シクロペンタ[d]ピリミジン−4−イル)ベンズアミドと同様の方法で調製した。MS(APCI+)[M+H]+455.2。1H NMR(D2O,500MHz) δ8.86(s,1H)、7.77〜7.96(m,4H)、7.56(d,J=8.0Hz,2H0、7.35(d,J=8.0Hz,2H)、4.75(s,2H)、3.84(t,J=6.0Hz,2H)、3.70〜3.67(m,1H)、3.84(t,J=6.0Hz,2H)、3.24〜2.87(m,2H)、2.41〜2.35(m,1H)、1.76〜1.71(m,1H)、1.27〜1.19(m,1H)、0.81(d,J=7.0Hz,3H)。
実施例15:
(R)−N−(2−アミノエチル)−N−(4−ブロモベンジル)−4−(5−メチル−6,7−ジヒドロ−5H−シクロペンタ[d]ピリミジン−4−イル)ベンズアミド
(R)−N−(2−アミノエチル)−N−(4−ブロモベンジル)−4−(5−メチル−6,7−ジヒドロ−5H−シクロペンタ[d]ピリミジン−4−イル)ベンズアミドを、(R)−N−(2−アミノエチル)−N−(4−クロロベンジル)−4−(5−メチル−6,7−ジヒドロ−5H−シクロペンタ[d]ピリミジン−4−イル)ベンズアミドと同様の方法で調製した。MS(APCI+)[M+H]+465.2。1H NMR(D2O,500MHz) δ8.82(s,1H)、7.68(d,J=8.5Hz,2H)、7.52(d,J=8.5Hz,2H)、7.48(d,J=8.0Hz,7.06(d,J=8.0Hz,2H)、4.58(s,2H)、3.75(t,J=6.5Hz,2H)、3.69〜3.66(m1H)、、3.22〜2.78(m,4H)、2.37〜2.29(m,1H)、1.71〜1.67(m,1H)、1.22〜1.37(m,2H)、0.75(d,J=6.0Hz,3H)。
実施例16:
(S)−2−(4−ブロモフェニル)−3−(tert−ブチルアミノ)−1−(4−((5R,7R)−7−ヒドロキシ−5−メチル−6,7−ジヒドロ−5H−シクロペンタ[d]ピリミジン−4−イル)−5,6−ジヒドロピペリジン−1(2H)−イル)プロパン−1−オン
ステップ1:Na2CO3(2mL,2M)溶液を、1,4−ジオキサン(6mL)中の(5R,7R)−4−クロロ−5−メチル−6,7−ジヒドロ−5H−シクロペンタ[d]ピリミジン−7−イル 4−ニトロベンゾアート(334mg,1.00mmol)、3,6−ジヒドロ−2H−ピリジン−1−tert−ブトキシカルボニル−4−ボロン酸、ピナコール・エステル(340mg,1.10mmol)の溶液に加えた。混合物を2分間N2でスパージした。触媒Pd(dppf)Cl2(65mg,0.08mmol)を一度に加えた。反応バイアルを密閉し、120℃まで20分間、マイクロ波で加熱した。LiOH(0.7mL,3M)溶液を加えた。混合物を室温で18時間撹拌した。水(30mL)を混合物に加え、DCM(3×20mL)で抽出した。合わせた有機質を乾燥させ(Na2SO4)、濾過し濃縮した。粗生成物をフラッシュ・クロマトグラフィー(0〜5%MeOH/DCMの勾配溶離)により精製し、tert−ブチル 4−((5R,7R)−7−ヒドロキシ−5−メチル−6,7−ジヒドロ−5H−シクロペンタ[d]ピリミジン−4−イル)−5,6−ジヒドロピリジン−1(2H)−カルボキシラートをオイルとして(221mg,67%)生成した。1H NMR(CDCl3,400MHz) δ・9.01(s,1H)、6.44(s,1H)、5.30(m,1H)、4.16〜4.11(m,2H)、3.71〜3.55(m,3H)、2.83〜2.78(m,1H)、2.50〜2.30(m,1H)、2.28〜2.24(m,2h)、1.50(s,9H)、1.28〜1.22(m,3H)。
ステップ2:TFA(193μL,2.5mmol)をDCM(1mL)中のtert−ブチル 4−((5R,7R)−7−ヒドロキシ−5−メチル−6,7−ジヒドロ−5H−シクロペンタ[d]ピリミジン−4−イル)−5,6−ジヒドロピリジン−1(2H)−カルボキシラート(33mg,0.10mmol)溶液に加えた。混合物を室温で1時間攪拌し、濃縮し、(5R,7R)−5−メチル−4−(1,2,3,6−テトラヒドロピリジン−4−イル)−6,7−ジヒドロ−5H−シクロペンタ[d]ピリミジン−7−オールをオイルとして生成し、これをさらに精製せずに使用した。
ステップ3:DIPEA(174μL,1.0mmol)およびO−(ベンゾトリアゾール−1イル)−N,N,N’,N’−テトラメチルウロニウム ヘキサフルオロホスファート(42mg,0.11mmol)を、DCM(1mL)中の(5R,7R)−5−メチル−4−(1,2,3,6−テトラヒドロピリジン−4−イル)−6,7−ジヒドロ−5H−シクロペンタ[d]ピリミジン−7−オール(23mg,0.10mmol)および(S)−2−(4−ブロモフェニル)−3−(tert−ブチルアミノ)プロパン酸(33mg,0.11mmol)の溶液に加えた。混合物を室温で1時間撹拌した。反応物を飽和NH4Clで反応停止し、DCM(2×10mL)で抽出した。合わせた有機質を乾燥させ(Na2SO4)、濾過し濃縮した。粗生成物を逆相HPLCで精製し、(S)−2−(4−ブロモフェニル)−3−(tert−ブチルアミノ)−1−(4−((5R,7R)−7−ヒドロキシ−5−メチル−6,7−ジヒドロ−5H−シクロペンタ[d]ピリミジン−4−イル)−5,6−ジヒドロピペリジン−1(2H)−イル)プロパン−1−オン ジトリフルオロ酢酸を固体として(13mg,24%)生成した。MS(APCI+)[M+H]+514.2。1H NMR(D2O,400MHz)8.66(s,1H)、7.46(d,J=8.4Hz,2h)、7.10(J=8.4Hz,2h)、6.18〜6.15(m,1H)、5.06〜5.00(m,1H)、4.44〜4.40(m,1H)、4.25〜4.22(m,1H)、4.01〜3.65(m,5H)、3.52〜3.45(m,2h)、3.38〜3.05(m,3H)、2.05〜1.82(m,3H)、1.17(S,9H)、0.77(d,J=7.2Hz,3H)。
実施例17:
(S)−2−(4−ブロモフェニル)−3−(tert−ブチルアミノ)−1−(4−((5R,7R)−7−ヒドロキシ−5−メチル−6,7−ジヒドロ−5H−シクロペンタ[d]ピリミジン−4−イル)ピペリジン−1−イル)プロパン−1−オン
ステップ1:5% Pd/C(10mg)をEtOAc(1mL)中のtert−ブチル 4−((5R,7R)−7−ヒドロキシ−5−メチル−6,7−ジヒドロ−5H−シクロペンタ[d]ピリミジン−4−イル)−5,6−ジヒドロピリジン−1(2H)−カルボキシラート(17mg,0.05mmol)溶液に加えた。混合物を室温で水素雰囲気下、一晩攪拌した。混合物をセリットを通して濾過し濃縮して、tert−ブチル 4−((5R,7R)−7−ヒドロキシ−5−メチル−6,7−ジヒドロ−5H−シクロペンタ[d]ピリミジン−4−イル)ピペリジン−1−カルボキシラートをオイルとして(13mg,78%)生成し、これをさらに精製することなく使用した。
ステップ2:TFA(77μL,1.0mmol)を、DCM(1mL)中のtert−ブチル 4−((5R,7R)−7−ヒドロキシ−5−メチル−6,7−ジヒドロ−5H−シクロペンタ[d]ピリミジン−4−イル)ピペリジン−1−カルボキシラート(13mg、0.04mmol)溶液に加えた。混合物を室温で1時間攪拌し、濃縮して(5R,7R)−5−メチル−4−(ピペリジン−4−イル)−6,7−ジヒドロ−5H−シクロペンタ[d]ピリミジン−7−オールをオイルとして生成し、これをさらに精製することなく使用した。
ステップ3:DIPEA(70μL,0.40mmol)およびO−(ベンゾトリアゾール−1イル)−N,N,N’,N’−テトラメチルウロニウム ヘキサフルオロホスファート(16mg,0.042mmol)を、DCM(1mL)中の(5R,7R)−5−メチル−4−(ピペリジン−4−イル)−6,7−ジヒドロ−5H−シクロペンタ[d]ピリミジン−7−オール(9.3mg,0.04mmol)および(S)−2−(4−ブロモフェニル)−3−(tert−ブチルアミノ)プロパン酸(12mg,0.4mmol)の溶液に加えた。混合物を室温で1時間攪拌した。反応物を飽和NH4Clで反応停止し、DCM(2×10mL)で抽出した。合わせた有機質を乾燥させ(Na2SO4)、濾過し濃縮した。粗生成物を逆相HPLCにより精製し、(S)−2−(4−ブロモフェニル)−3−(tert−ブチルアミノ)−1−(4−((5R,7R)−7−ヒドロキシ−5−メチル−6,7−ジヒドロ−5H−シクロペンタ[d]ピリミジン−4−イル)ピペリジン−1−イル)プロパン−1−オン ジトリフルオロ酢酸を固体として(4.6mg,22%)生成した。MS(APCI+)[M+H]+516.2。1H NMR(D2O,500MHz) δ8.85(S,1H)、7.68(d,J=7.5Hz,2h)、7.34(d,J=7.5Hz,2h)、5.33(t,J=4.5Hz,1H)、4.64〜4.59(m,1H)、4.38〜4.34(m,1H)、3.97〜3.89(m,1H)、3.70〜3.47(m,2h)、3.38〜3.13(m,3H)、2.91〜2.82(m,2H)、2.35〜2.29(m,1H)、2.14〜2.07(m,1H)、1.94〜1.77(m,2H)、1.58〜1.47(m,1H)、1.40(S,9H),1.18(d,J=7.0Hz,3H)。
実施例18:
(S)−2−(4−クロロフェニル)−2−((S)−5,5−ジメチルピロリジン−2−イル)−1−(4−((R)−5−メチル−6,7−ジヒドロ−5H−シクロペンタ[d]ピリミジン−4−イル)ピペリジン−1−イル)エタノン
ステップ1:Na2CO3(0.36mL,2M)溶液を、1,4−ジオキサン(1.8mL)中の(R)−4−クロロ−5−メチル−6,7−ジヒドロ−5H−シクロペンタ[d]ピリミジン(101mg,0.60mmol)、3,6−ジヒドロ−2H−ピリジン−1−tert−ブトキシカルボニル−4−ボロン酸、ピナコール・エステル(204mg,0.66mmol)の溶液に加えた。混合物を2分間N2でスパージした。触媒Pd(PPh3)2Cl2(21mg,0.03mmol)を一度に加えた。混合物を110℃でN2下、8時間加熱した。水(20mL)を混合物に加えDCM(3×15mL)で抽出した。合わせた有機質を乾燥させ(Na2SO4)、濾過し、濃縮した。粗生成物をフラッシュ・クロマトグラフィーにより精製し(まず0〜50% EtOAc/ヘキサン、その後0〜4%MeOH/DCMの勾配溶離)、(R)−tert−ブチル 4−(5−メチル−6,7−ジヒドロ−5H−シクロペンタ[d]ピリミジン−4−イル)−5,6−ジヒドロピリジン−1(2H)−カルボキシラートをオイルとして(127mg,67%)生成した。1H NMR(CDCl3,500MHz) δ8.91(s,1H)、6.31(s,1H)、3.64〜3.55(m,1H)、3.10〜3.03(m,2h)、2.98〜2.90(m,2h)、2.83〜2.78(m,1H)、2.42〜2.34(m,2h)、1.77〜1.69(m,2H)。1.49(S,9H)、1.19(d,J=7.0Hz,3H)。
ステップ2:5% Pd/C(40mg)を、EtOAc(4mL)中の(R)−tert−ブチル 4−(5−メチル−6,7−ジヒドロ−5H−シクロペンタ[d]ピリミジン−4−イル)−5,6−ジヒドロピリジン−1(2H)−カルボキシラート(63mg、0.20mmol)溶液に加えた。混合物を室温、水素雰囲気下で一晩攪拌した。混合物をセリットを通して濾過し濃縮し、(R)−tert−ブチル 4−(5−メチル−6,7−ジヒドロ−5H−シクロペンタ[d]ピリミジン−4−イル)ピペリジン−1−カルボキシラートをオイルとして(58mg,91%)を生成し、これをさらに精製することなく使用した。
ステップ3:TFA(193μL,2.50mmol)を、DCM(1mL)中の(R)−tert−ブチル 4−(5−メチル−6,7−ジヒドロ−5H−シクロペンタ[d]ピリミジン−4−イル)ピペリジン−1−カルボキシラート(32mg,0.10mmol)の溶液に加えた。混合物を室温で1時間攪拌し、濃縮して(R)−5−メチル−4−(ピペリジン−4−イル)−6,7−ジヒドロ−5H−シクロペンタ[d]ピリミジンをオイルとして精製し、これをさらに精製することなく使用した。
ステップ4:DIPEA(174μL,1.00mmol)およびO−(ベンゾトリアゾール−1イル)−N,N,N’,N’−テトラメチルウロニウム ヘキサフルオロホスファート(25mg,0.065mmol)を、DCM(2mL)中の(R)−5−メチル−4−(ピペリジン−4−イル)−6,7−ジヒドロ−5H−シクロペンタ[d]ピリミジン(22mg,0.10mmol)および(S)−2−((S)−1−(tert−ブトキシカルボニル)−5,5−ジメチルピロリジン−2−イル)−2−(4−クロロフェニル)酢酸(20mg,0.054mmol)の溶液に加えた。混合物を室温で2時間撹拌した。反応物を飽和NH4Clで反応停止し、DCM(2×10mL)で抽出した。合わせた有機質を乾燥させ(Na2SO4)、濾過し濃縮した。粗生成物をフラッシュ・クロマトグラフィー(0〜5% MeOH/DCMの勾配溶離)により精製し、(S)−tert−ブチル 5−((S)−1−(4−クロロフェニル)−2−(4−((R)−5−メチル−6,7−ジヒドロ−5H−シクロペンタ[d]ピリミジン−4−イル)ピペリジン−1−イル)−2−オキソエチル)−2,2−ジメチルピロリジン−1−カルボキシラートを固体として(26mg,84%)生成した。1H NMR(CD3OD,500MHz) δ8.73(S,3H),7.42(d,J=8.5Hz,2h)、7.25(d,J=8.5Hz,2h)、4.73〜4.70(m,2h)、4.40〜4.35(m,1H)、3.89〜3.86(m,1H)、3.76〜3.70(m,2h)、3.49〜3.43(m,1H)、3.25〜3.20(m,2h)、3.18〜2.97(m,2h)、2.86〜2.70(m,3H)、2.34〜2.25(m,1H)、2.16〜2.13(m,1H)、1.83〜1.67(m,2h)、1.54(S,9H)、1.38(S,3H)、1.36(S,3H)、1.25〜1.20(m,3H)。
ステップ5:1,4−ジオキサン(0.344mL)中の4M HCl溶液を、0℃で1,4−ジオキサン(1mL)中の(S)−tert−ブチル 5−((S)−1−(4−クロロフェニル)−2−(4−((R)−5−メチル−6,7−ジヒドロ−5H−シクロペンタ[d]ピリミジン−4−イル)ピペリジン−1−イル)−2−オキソエチル)−2,2−ジメチルピロリジン−1−カルボキシラート(26mg,0.046mmol)溶液に加えた。混合物を温め室温で4時間撹拌した。混合物を真空内で濃縮した。結果として得た残留物を最少量のDCM中に溶解し、0℃のエーテル(5mL)に加えた。固体が沈殿した。混合物の上澄みを静かに注ぎ、真空内で乾燥させ、(S)−2−(4−クロロフェニル)−2−((S)−5,5−ジメチルピロリジン−2−イル)−1−(4−((R)−5−メチル−6,7−ジヒドロ−5H−シクロペンタ[d]ピリミジン−4−イル)ピペリジン−1−イル)エタノン二塩酸塩を固体として(26mg,100%)生成した。MS(APCI+)[M+H]+467.3。1H NMR(D2O,500MHz) δ8.96(s,1H)、7.48(d,J=8.5Hz,2h)、7.38(d,J=8.5Hz,2h)、4.60〜4.20(m,3H)、4.01〜3.52(m,6H)、3.48〜3.05(m,4H)、2.85〜2.82(m,1H)、2.43〜2.36(m,1H)、1.96〜1.86(m,5H)、1.32(S,3H)、1.1.31(s,3H)、1.19(d,J=7.5Hz,3H)。
実施例19:
(S)−2−(4−クロロフェニル)−1−(4−((5R,7R)−7−ヒドロキシ−5−メチル−6,7−ジヒドロ−5H−シクロペンタ[d]ピリミジン−4−イル)−1,4−ジアゼパン−1−イル)−3−(イソプロピルアミノ)プロパン−1−オン
ステップ1:(5R,7R)−4−クロロ−5−メチル−6,7−ジヒドロ−5H−シクロペンタ[d]ピリミジン−7−イル 4−ニトロベンゾアート(65mg,0.195mmol)をi−PrOH(5mL)中に溶解し、その後、tert−ブチル 1,4−ジアゼパン−1−カルボキシラート(51mg,0.253mmol)を加えた。N,N−ジイソプロピルエチルアミン(49mg,0.350mmol)を加え、反応混合物を12時間80℃まで加熱し、その後、溶媒を減圧下で除去した。結果として得た残留物をEtOAc中に溶かし、水で2回、ブラインで1回洗浄した。有機部分を硫酸マグネシウム上で乾燥させ、濾過し、その後濃縮した。結果として得た残留物をシリカゲルクロマトグラフィーにより精製し、tert−ブチル 4−((5R,7R)−5−メチル−7−(4−ニトロベンゾイルオキシ)−6,7−ジヒドロ−5H−シクロペンタ[d]ピリミジン−4−イル)アゼパン−1−カルボキシラート(78mg,81%)を生成した。LCMS(APCI+)M+=498.1,Rt=3.81分。
ステップ2:tert−ブチル 4−((5R,7R)−5−メチル−7−(4−ニトロベンゾイルオキシ)−6,7−ジヒドロ−5H−シクロペンタ[d]ピリミジン−4−イル)アゼパン−1−カルボキシラート(78mg,0.160mmol)を、ジクロロメタン(2mL)中に溶解し、その後、HCl(ジオキサン中4M,0.58mL)を加えた。結果として得た混合物を周囲温度で4時間攪拌し、その時、回転蒸発により濃縮した。結果として得た(5R,7R)−4−(1,4−ジアゼパン−1−イル)−5−メチル−6,7−ジヒドロ−5H−シクロペンタ[d]ピリミジン−7−イル 4−ニトロベンゾアート ヒドロクロリド(64mg,94%)をさらに精製することなく使用した。LCMS(APCI+)M+H+=398.1、Rt=2.32分。
ステップ3:(5R,7R)−4−(1,4−ジアゼパン−1−イル)−5−メチル−6,7−ジヒドロ−5H−シクロペンタ[d]ピリミジン−7−イル 4−ニトロベンゾアート ヒドロクロリド(61mg,0.140mmol)および3−(tert−ブトキシカルボニル(イソプロピル)アミノ)−2−(4−クロロフェニル)プロパン酸(48mg,0.140mmol)をジクロロメタン(5mL)中に懸濁した。その後N,N−ジイソプロピルエチルアミン(54mg,0.420mmol)を加えた。HBTU(53mg,0.140mmol)を加え、結果として生じた溶液を周囲温度で16時間撹拌した。この後、反応混合物を飽和炭酸ナトリウム溶液を追加することにより反応停止し、その後ジクロロメタンで2回抽出した。合わせた有機部分を硫酸ナトリウム上で乾燥させ、濾過し濃縮した。このようにして得た残留物をシリカゲルクロマトグラフィーにより精製し、(5R,7R)−4−(4−((S)−3−(tert−ブトキシカルボニル(イソプロピル)アミノ)−2−(4−クロロフェニル)プロパノイル)−1,4−ジアゼパン−1−イル)−5−メチル−6,7−ジヒドロ−5H−シクロペンタ[d]ピリミジン−7−イル 4−ニトロベンゾアート(50mg,50%)を生成した。LCMS(APCI+)M+=721.1、Rt=4.51分。
ステップ4:(5R,7R)−4−(4−((S)−3−(tert−ブトキシカルボニル(イソプロピル)アミノ)−2−(4−クロロフェニル)プロパノイル)−1,4−ジアゼパン−1−イル)−5−メチル−6,7−ジヒドロ−5H−シクロペンタ[d]ピリミジン−7−イル 4−ニトロベンゾアート(50mg,0.069mmol)をTHF/水混合物(1:1,2mL)中に溶解し、その後、固体水酸化リチウム(6mg,0.139mmol)を加えた。結果として生じた混合物を周囲温度で16時間攪拌し、その時点でEtOAcで希釈し、その後、飽和重炭酸ナトリウム溶液で2回洗浄した。有機層を硫酸マグネシウム上で乾燥させ、濾過し濃縮した。結果として得た残留物をジクロロメタン(5mL)中に溶かし、その後、HCl(ジオキサン中4M,0.25mL)を加えた。混合物を16時間撹拌して、その時点で溶媒を回転蒸発により除去した。結果として得た残留物をジクロロメタン(1mL)中に溶解し、その後、ジエチルエーテル(50mL)に加えた。結果として得た沈殿物を濾過によって収集し、乾燥させ、(S)−2−(4−クロロフェニル)−1−(4−((5R,7R)−7−ヒドロキシ−5−メチル−6,7−ジヒドロ−5H−シクロペンタ[d]ピリミジン−4−イル)−1,4−ジアゼパン−1−イル)−3−(イソプロピルアミノ)プロパン−1−オン ジヒドロクロリド(29mg,78%)を生成した。LCMS(APCI+)M+=472.2、Rt=2.05分。
実施例20:
(5R,7R)−4−(3−(1−(4−クロロフェニル)−2−(イソプロピルアミノ)エチル)ベンゾ[d]イソチアゾール−6−イル)−5−メチル−6,7−ジヒドロ−5H−シクロペンタ[d]ピリミジン−7−オール
ステップ1:オキサリルクロリド(3.7mL,42mmol)を、エーテル(20mL)中の3−ブロモチオフェノール(5.00g,26.4mmol)溶液に液滴で加えた。混合物を還流で1.5時間加熱し、室温まで冷却し、真空内で濃縮した。結果として得た残留物をDCM(50mL)中に溶かし、0℃まで冷却した。塩化アルミニウム(4.23g,31.7mmol)を少量ずつ加えた。結果として生じた混合物を還流で30分間攪拌し、室温まで冷却し、攪拌しながら氷水中に注いだ。有機層を分離し、飽和水性NaHCO3、水、およびブラインで順次洗浄した。有機層を乾燥させ真空内で濃縮し固体を生成し、これをヘキサン(50mL)中の20%EtOAc内に懸濁させ、還流で10分間加熱した。冷却後、沈殿した固体を濾過によって収集し、粗6−ブロモベンゾ[b]チオフェン−2,3−ジオン(3.22g,50%)を得た。6−ブロモベンゾ[b]チオフェン−2,3−ジオンを5〜10℃で水酸化アンモニウム(35%水溶液、40mL)に加え、続いて過酸化水素(35%水溶液,5.5mL,66mmol)を液滴で加えた。結果として得た混合物を室温で30分間攪拌し、その後濾過して、6−ブロモベンゾ[b]チオフェン−3−カルボキサミド(1.30g,38%)を固体として生成した。1H NMR(DMSO−d6,400MHz) δ・8.66(d,J=8.8Hz,1H)、8.62(s,1H)、8.23(s,1H)、7.81(s,1H)、7.73(d,J=8.8Hz,1H)。
ステップ2:10N NaOH溶液(10mL,100mmol)を、MeOH(80mL)中の6−ブロモベンゾ[b]チオフェン−3−カルボキサミド(1.20g,4.67mmol)溶液に加えた。混合物を還流で一晩加熱した。冷却後、混合物を2N HClで酸性化した。結果として得た沈殿物を濾過し、乾燥させて、6−ブロモベンゾ[d]イソチアゾール−3−カルボン酸(1.10g,91%)を固体として生成した。1H NMR(DMSO−d6,400MHz) δ・8.65(s,1H)、8.55(d,J=8.8Hz,1H)、7.77(d,J=8.8Hz,1H)。
ステップ3:DIEA(11.7mL,67.4mmol)およびHBTU(7.03g,18.5mmol)を、DMF(100mL)中の6−ブロモベンゾ[d]イソチアゾール−3−カルボン酸(4.35g,16.9mmol)およびN,O−ジメチルヒドロキシルアミン ヒドロクロリド(2.14g,21.9mmol)の溶液に加えた。反応物を室温で2時間撹拌した。反応物を水とEtOAcとの間で分割した。有機層を水性NaHCO3溶液およびブラインで洗浄し、乾燥させ濃縮した。残留物をカラムクロマトグラフィー(ヘキサン:EtOAc,3:1)により精製し、6−ブロモ−N−メトキシ−N−メチルベンゾ[d]イソチアゾール−3−カルボキサミド(4.60g,91%)を固体として生成した。1H NMR(CDCl3,400MHz) δ・8.12(m,2H),8.59(d,J=8.8Hz,1H),3.83(s,3H),3.49(s,3H)。
ステップ4:4−クロロフェニル マグネシウムブロミド(THF中1.0N,16mL,16mmol)を、THF(100mL)中の6−ブロモ−N−メトキシ−N−メチルベンゾ[d]イソチアゾール−3−カルボキサミド(3.5g,12mmol)の撹拌溶液に加えた。反応混合物を0℃で1時間撹拌した。反応物を1N HCl中に注ぎ、エーテル中に抽出した。合わせた有機層をブラインで洗浄し、乾燥させ濃縮した。粗生成物をエーテル中に懸濁し、15分間撹拌した。その固体を濾過によって収集し、(6−ブロモベンゾ[d]イソチアゾール−3−イル)(4−クロロフェニル)メタノン(3.3g,81%)を生成した。1H NMR(CDCl3,400MHz) δ・8.60(d,J=8.8Hz,1H)、8.23(d,J=8.4Hz,2H)、8.19(s,1H)、7.68(d,J=8.8Hz,1H)、7.51(d,J=8.4Hz,2H)。
ステップ5:NaH(60%鉱油分散系,0.060g,1.5mmol)およびDMSO(3mL)の混合物を70℃で45分間撹拌した。その後、溶液を冷水で冷却し、DMSO(3mL)中のメチルトリフェニルホスホニウム・ブロミド(0.58g,1.6mmol)を液滴で加えた。15分間撹拌を続けた。その後、6-ブロモベンゾ[d]イソチアゾール−3−イル)(4−クロロフェニル)メタノン(0.300g,0.850mmol)を1度に加えた。混合物を室温で1.5時間攪拌し、その後氷水中に注いだ。混合物をEtOAcで抽出した。合わせた有機層をブラインで洗浄し、乾燥させ濃縮した。結果として得た残留物をカラムクロマトグラフィー(ヘキサン:DCM,10:1〜6:1)により精製し、6−ブロモ−3−(1−(4−クロロフェニル)ビニル)ベンゾ[d]イソチアゾール(0.26g,87%)を固体として生成した。1H NMR(CDCl3,400MHz) δ・8.22(d,J=8.8Hz,1H)、8.12(s,1H)、7.51(d,J=8.8Hz,1H)、7.30(m,4H)、5.97(s,1H)、5.81(s,1H)。
ステップ6:6−ブロモ−3−(1−(4−クロロフェニル)ビニル)ベンゾ[d]イソチアゾール(600mg,1.71mmol)、DMF(3mL)およびアリルアミン(3mL)の混合物を室温で3日間撹拌した。反応物をEtOAcと水との間で分割した。有機相をブラインで洗浄し、乾燥させ濃縮した。残留物をカラムクロマトグラフィー(DCM:MeOH,20:1)により精製し、N−(2−(6−ブロモベンゾ[d]イソチアゾール−3−イル)−2−(4−クロロフェニル)エチル)プロパ−2−エン−1−アミノ(464mg,66%)を生成した。1H NMR(CDCl3,400MHz) δ・8.06(d,J=1.6Hz,1H)、7.59(d,J=8.8Hz,1H)、7.41(dd,J=8.8Hz,J=1.6Hz,1H)、7.25(m,4H)、5.86(m,1H)、5.16(dd,J=17.2Hz,J=1.6Hz,1H)、5.08(d,J=10.4Hz,1H)、4.72(t,J=7.2Hz,1H)、3.62(dd,J=12.0Hz,J=8.0Hz,1H)、3.31(m,2H)、3.20(dd,J=12.0Hz,,J=6.8Hz,1H)。
ステップ7:N−(2−(6−ブロモベンゾ[d]イソチアゾール−3−イル)−2−(4−クロロフェニル)エチル)プロパ−2−エン−1−アミノ(0.441g,1.08mmol)、1,3−ジメチルピリミジン−2,4,6(1H,3H,5H)−トリオン(0.507g,3.24mmol)、Pd(PPh3)4(0.013g,0.011mmol)およびDCM(4mL)の混合物を、35℃、N2下で4時間加熱した。冷却後、DCMを蒸発させた。結果として得た残留物をエーテル中に溶かし、飽和NaHCO3およびブラインで洗浄し、乾燥させ濃縮した。粗生成物をTHF(8mL)中に溶解した。Boc2O(0.28g,1.3mmol)およびEt3N(0.23mL,1.6mmol)を加えた。混合物を室温で1時間撹拌した。溶媒を蒸発させ、残留物をEtOAcと水との間で分割した。有機相を分離し、ブラインで洗浄し、乾燥させ濃縮した。結果として得た残留物をカラムクロマトグラフィー(ヘキサン:EtOAc,6:1)により精製し、tert−ブチル 2−(6−ブロモベンゾ[d]イソチアゾール−3−イル)−2−(4−クロロフェニル)エチルカルバマート(0.39g,77%)を固体として生成した。LCMS(APCI+)m/z467,469[M+H]+;Rt=3.71分。
ステップ8:ビス(ピナコラト)ジボロン(0.25g,1.0mmol)、tert−ブチル 2−(6−ブロモベンゾ[d]イソチアゾール−3−イル)−2−(4−クロロフェニル)エチルカルバマート(0.39g,0.83mmol)、および酢酸カリウム(0.25g,2.5mmol)を、DMF(4mL)に加えた。反応溶液を脱酸素化し、その後、ジクロロ[1,1’−ビス(ジフェニルホスフィノ)−フェロセン]パラジウム(II)ジクロロメタン付加物(34mg,0.042mmol)を加えた。混合物を80℃まで4時間加熱した。混合物を室温まで冷却し、EtOAcと水との間で分割した。水性相をEtOAcで抽出した。合わせた有機層をブラインで洗浄し、乾燥させ濃縮した。結果として得た残留物をカラムクロマトグラフィー(ヘキサン:EtOAc,8:1)により精製し、tert−ブチル 2−(4−クロロフェニル)−2−(6−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)ベンゾ[d]イソチアゾール−3−イル)エチルカルバマート(0.36g,84%)を固体として生成した。LCMS(APCI+)m/z515,517[M+H]+;Rt=4.96分。
ステップ9:DMF(3mL)および2M 水性Na2CO3(0.38mL,0.76mmol)を、tert−ブチル 2−(4−クロロフェニル)−2−(6−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)ベンゾ[d]イソチアゾール−3−イル)エチルカルバマート(150mg,0.291mmol)、(5R,7R)−4−クロロ−5−メチル−6,7−ジヒドロ−5H−シクロペンタ[d]ピリミジン−7−イル 4−ニトロベンゾアート(117mg,0.350mmol)およびジクロロ[1,1’−ビス(ジフェニルホスフィノ)−フェロセン]パラジウム(II)ジクロロメタ付加物(12mg,0.015mmol)を含む、窒素洗浄したフラスコに加えた。混合物を80℃で1時間加熱した。混合物を室温まで冷却し、EtOAcと水との間で分割した。合わせた有機層を、飽和水性NaHCO3およびブラインで洗浄し、乾燥させ濃縮した。残留物を、ヘキサン:EtOAc(4:1〜1:1)で溶離する、シリカゲル上でのフラッシュ・クロマトグラフィーにより精製し、(5R,7R)−4−(3−(2−(tert−ブトキシカルボニルアミノ)−1−(4−クロロフェニル)エチル)ベンゾ[d]イソチアゾール−6−イル)−5−メチル−6,7−ジヒドロ−5H−シクロペンタ[d]ピリミジン−7−イル 4−ニトロベンゾアート(102mg,51%)をオイルとして生成した。LCMS(APCI+)m/z630,632[M+H]+;Rt=4.68分。
ステップ10:1N LiOH水溶液(0.30mL,0.30mmol)を、THF(3mL)中の(5R,7R)−4−(3−(2−(tert−ブトキシカルボニルアミノ)−1−(4−クロロフェニル)エチル)ベンゾ[d]イソチアゾール−6−イル)−5−メチル−6,7−ジヒドロ−5H−シクロペンタ[d]ピリミジン−7−イル 4−ニトロベンゾアート(102mg,0.149mmol)の撹拌溶液に加えた。反応混合物を室温で一晩攪拌した。溶媒を蒸発させた。結果として得た残留物をEtOAcと水との間で分割した。水性層をEtOAcで抽出した。合わせた有機層をブラインで洗浄し、乾燥させ濃縮した。結果として得た残留物をカラムクロマトグラフィー(DCM:MeOH,60:1)により精製し、tert−ブチル 2−(4−クロロフェニル)−2−(6−((5R,7R)−7−ヒドロキシ−5−メチル−6,7−ジヒドロ−5H−シクロペンタ[d]ピリミジン−4−イル)ベンゾ[d]イソチアゾール−3−イル)エチルカルバマート(62mg,78%)をオイルとして生成した。LCMS(APCI+)m/z537,539[M+H]+;Rt=3.99分。
ステップ11:DCM中のtert−ブチル 2−(4−クロロフェニル)−2−(6−((5R,7R)−7−ヒドロキシ−5−メチル−6,7−ジヒドロ−5H−シクロペンタ[d]ピリミジン−4−イル)ベンゾ[d]イソチアゾール−3−イル)エチルカルバマート(41mg,0.076mmol)溶液を、ジオキサン中の4N HCl(0.5mL)で処理した。反応物を室温で一晩攪拌した。反応物を濃縮しエーテルで(2回)粉砕して、(5R,7R)−4−(3−(2−アミノ−1−(4−クロロフェニル)エチル)ベンゾ[d]イソチアゾール−6−イル)−5−メチル−6,7−ジヒドロ−5H−シクロペンタ[d]ピリミジン−7−オール トリヒドロクロリド(32mg,77%)をもたらした。LCMS(APCI+)m/z437,439[M+H]+;Rt=2.48分。
ステップ12:DIEA(0.035mL,0.20mmmol)を、DCE(1.5mL)中の(5R,7R)−4−(3−(2−アミノ−1−(4−クロロフェニル)エチル)ベンゾ[d]イソチアゾール−6−イル)−5−メチル−6,7−ジヒドロ−5H−シクロペンタ[d]ピリミジン−7−オール トリヒドロクロリド(22mg,0.050mmol)の撹拌懸濁液に加えた。懸濁液を溶解するまで振り動かした。THF(0.3mL)中のアセトン(0.022mL,0.30mmol)溶液を加えた。反応物を室温で15分間攪拌し、その時点でNa(OAc)3BH(27mg,0.13mmol)を加えた。反応物を室温で1時間攪拌した。反応混合物をDCMで希釈し、飽和水性NaHCO3溶液およびブラインで洗浄し、乾燥させ濃縮した。結果として得た残留物をカラムクロマトグラフィー(DCM:MeOH中の7Nアンモニア,30:1)により精製し、遊離塩基を生成し、これをDCM中に溶かし、エーテル中の2NHClで酸性化した。減圧下で溶媒を除去することにより、(5R,7R)−4−(3−(1−(4−クロロフェニル)−2−(イソプロピルアミノ)エチル)ベンゾ[d]イソチアゾール−6−イル)−5−メチル−6,7−ジヒドロ−5H−シクロペンタ[d]ピリミジン−7−オール トリヒドロクロリドを生成した。LCMS(APCI+)m/z479,481[M+H]+;Rt=2.69分。
本発明は列挙した実施形態に関連して説明されたが、それらが発明をこれら実施形態に限定するように意図されないと理解されるであろう。それどころか本発明は、特許請求の範囲により定義されるような本発明の範囲内に含まれうる全ての代替形態、改良体および同等物を含むと意図される。したがって、前述の説明は、本発明の原理のみの例示としてみなされる。
用語「含む(comprise、comprising、include、including、およびincludes)」は、本明細書および特許請求の範囲で使用される際、述べられた特徴、完全体、成分、またはステップの存在を特定することを意図されるが、1以上の他の特徴、完全体、成分、ステップ、またはそれらの群の存在または追加を排除するものではない。