JP2011507653A - クリップを用いて環状体すなわちプロテーゼを挿入および固定するための自動補助装置 - Google Patents

クリップを用いて環状体すなわちプロテーゼを挿入および固定するための自動補助装置 Download PDF

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Abstract

本発明は、環状の弾性の塊(23)上に、環状体(200)すなわちプロテーゼを、クリップを用いて挿入および固定するための自動補助装置(100)に関するものであり、該補助装置は、長手方向軸(D)を中心に同軸に、その軸に同軸の、前記環状体(200)を受けて支えるための手段(8)、クリップ(21)を支えることのできる連結式の支持体(4)を前記長手方向軸(D)を中心に半径方向に開くための手段(500)を含み、該クリップは、そのような塊(23)に属する物質の厚みと前記環状体(200)に属する物質の厚みの両方を、前記受けて支えるための手段(8)に対して前記支持体(4)を長手方向に押す手段(600)の作用の下で、通ることのできるものである。該補助装置は、前記物質を半径方向に引っ込めることができる、塊(23)の物質を把持するための手段(300)を含む。半径方向に開く手段(500)は、前記軸(D)に平行に前記クリップ(21)を動かすことができる。
【選択図】図1

Description

本発明は、人工心臓弁を挿入および固定するための自動補助装置に関するものである。
本発明は、外科用器具の分野に関するものである。
本発明は、さらに詳しくは、人工心臓弁を挿入および固定するための自動補助装置に関するものである。人工心臓弁は、円形または環状形のプロテーゼであって、患者の心臓弁、とりわけ大動脈弁または僧帽弁の代わりに埋め込まれるものである。
施術者が、患者の弁輪、すなわち人工弁が固定されることになる心臓に属する環状の表面だけが残るように一つまたは複数の生来の弁を切除し、すなわち切って取り除き、それから人工心臓弁を埋め込んで固定する外科手術は、時間がかかり細心の注意を要するものである。実際には、人工弁による生来の弁との差し替えを行うためには、患者の血液の体外循環を行う必要がある。患者にとって望ましくないこの体外循環の持続時間を最小限まで減らすことは、興味深いことである。実際に、持続時間が延長されると、特定の臨床的合併症を引き起こす可能性がある。
したがって、本発明は補助装置を心臓外科手術の施術者の自由に任せることを提案するものであり、これにより、施術者に手術の持続時間を大幅に減らすことを可能せしめ、合併症のリスクを減らすものである。
既知の方法において、人工心臓弁は、縫合によって固定される。人工弁は、人工弁と弁輪との間の分離したステッチによって縫合される。
執刀医は、したがって、多くの場合、少なくとも約20個の分離したステッチで縫合して、人工心臓弁を固定する。この縫合を実行するために、執刀医は、患者の心臓の位置に残る弁輪に対する弁の固定をパラシュート法で行い、すなわち、患者の弁輪とプロテーゼとの間にかなり長い二重のワイヤを引く。執刀医は、これらの全ての縫合点、例えば約20個の縫合点にワイヤを通した時点で、すべてのワイヤを一緒に引っ張り、このことにより執刀医は人工弁を患者の弁輪の近くに持ってくることが可能となり、このようにして、弁輪に対してプロテーゼを押し当てることができる。執刀医は、それから、結び目を作ることによってワイヤを固定し、そして全てのワイヤを切る。この手術は長く、通常45分から60分の時間がかかり、また細心の注意を要するものである。
以下の二つの通例の縫合方法が既知である。
−単純な分離した点での挿入:ワイヤに取り付けられた針を、一定の間隔で、考慮される心臓弁に応じて心室から大動脈の方向または心室から心房の方向で弁輪内に通す。ワイヤのもう一方の端部にもまた針が取り付けられ、該針を、一般に「ダクロン」製のプロテーゼの環状部に通す。全てのワイヤが患者の弁輪とプロテーゼの環状部を通った時点で、プロテーゼをパラシュート法で下げて弁輪と接触させ、そしてワイヤを結ぶ。
−綿撒糸上のU字型の分離した点での挿入:ワイヤには二本の針と3mmの長さおよび1mmの幅のサポーティングフェルトがついている。二本の針を、考慮される心臓弁に応じて心室から大動脈の方向または心室から心房の方向で通し、それからプロテーゼの環状部に通し、プロテーゼをパラシュート法で下げて弁輪と接触させ、そしてワイヤを結ぶ。
これらの作業は、時間が重要であるタイプの外科手術にしては、時間のかかるものである。実際に、これらの動作が行われる間、心臓は停止しており、血液循環ならびにその酸素化は体外循環(ECC)に頼っている。
手術の時間を早めるための様々な試みが成されてきた。患者の弁輪に人工弁を縫合するための従来の装置に対する代替手段は、人工弁を組み込んでいるステントである。ステントは、直径約8mmの円筒の形状でそれ自体閉じており、このステントは、大腿動脈を通して挿入されて、心臓に向かって上方に移動される。不都合なことは、このステントが必ず患者の生来の弁に固定されなければならないこと、そして患者の弁の適切な切断がなされ得ないということである。生来の弁は、カルシウムの蓄積のため一般に非常に硬く、またその壁は多孔質で、もはや伸縮しない。ステントを患者の生来の弁に設置することは、この硬さの問題にとっては不適当な解決法である。この解決法は、手術することのできない患者に限定される。加えて、そのようなステントに挿入されるプロテーゼは新しく、それらの寿命についての情報がない。他方、本発明による補助装置は、長らく存在してきてその寿命が証明されているプロテーゼを非常に確実に使用することを可能にする。
実際のところ、本発明は、多くの場合75歳以上の、そして手術時間が先行技術に対して大幅に減少すれば手術可能になり得る、いわゆる手術不可能な患者を施術者が手術することを可能にする手段を提供することに関するものである。
縫合方法を改善する一方で、さらなる試みがなされてきた。米国特許第6413274号明細書は、患者の弁輪の位置にクリップの冠を配置するための装置を記載しており、該クリップの冠は、人工弁に挿入されたワイヤの端部がつながれる患者の弁輪の軸に対して半径方向に埋め込まれる。この方法は、手術時間の短縮を可能にするが、しかし施術者は、縫合作業の全ての仕上げを依然として行わなければならない。加えて、クリップは、患者の弁輪の周囲に埋め込まれ、よって組織の裂傷のリスクは排除できない。米国特許第6464707号明細書では、類似のシステムが記載されている。
次に、米国特許出願公開第2001/0031972号明細書では、人工弁をクリップで締めて配置するための器具が記載されており、該器具は、患者の弁輪の軸に対して半径方向にクリップが開くように設計されている。これらのクリップは、それぞれが、二つの打込み端部を含む。第一の打込み端部はまっすぐで、クリップ支持体の半径方向の伸張の後、人工弁に含まれる環状部に穴を開けることができるように設計されている。もう一つの打込み端部は曲がっており、クリップ支持体の半径方向の伸張の間に組織を分離させて、その後、組織内に挿入されているチューブの移動の作用の下で、前記環状部の近くの組織を取り囲む閉鎖位置へのクリップ支持体の変形の間に環状部に穴を開けることを可能にするように設計されている。このような装置の利用が、曲がった端部を閉じるためにチューブを挿入する間に組織を傷つけてしまうこと、そして、まっすぐな端部が患者の弁輪の表面から非常に近い距離で挿入されることは明らかである。このように、これらの二つの領域には裂傷のリスクが存在し、このリスクは絶対に避けなければならないものである。この解決法は、プロテーゼおよび患者の弁輪の周囲でのクリップの完全な閉鎖を確保するものではなく、組織の位置で、クリップが曲がっているときにクリップの二つの先端の近くにもろい領域がある。実際のところ、問題は、クリップが完全に閉じないこの領域が血液の圧力によってもっとも負担を受ける場所でもあるということである。要するに、この米国特許出願公開第2001/0031972号明細書による装置を利用する方法は、患者の弁輪を固定することを可能にするものではなく、ただ単純なフック留めを行うことを可能にするのみであり、組織を傷つける高いリスクを伴う。
別の文献である米国特許出願公開第2006/217744号明細書では、動脈などにステントを埋め込むための折り畳み式のアームが記載されている。
別の文献である国際公開第2005/048883号では、人工弁をクリップで締めて配置するための器具が記載されている。これらのクリップは、第一の打込み端部を人工弁内に有し、そして第二の打込み端部を患者の弁輪内に有する。これらの第二の打込み端部は、部分的に開かれるフックのように患者の輪に固定され、ここにもまた組織の裂傷のリスクがある。
別の文献である米国特許出願公開第2006/212114号明細書、米国特許出願公開第2001/044656号明細書、国際公開第97/30659号では、最小限に侵襲的な様式で心臓弁を取り換える手段および方法が記載されている。
本発明の目的は、先行技術の不都合に対処すること、そして、執刀医に補助装置を提供することによって施術時間を非常に大幅に減らすことであって、該補助装置は、人工心臓弁を挿入および固定するための自動補助装置を利用することで、患者が完全に信頼できる様式でかつ組織を裂傷するリスクを伴わず、およそ10分から15分以内で人工心臓弁の設置を行うことを執刀医に可能せしめるものである。
本発明は、人工心臓弁の挿入および設置をより簡単にするため、および施術者に時間節約を可能せしめるために、人工心臓弁の挿入と設置の自動化を可能にしようとするものである。期待される目的もまた、自動埋込み、またはまずこれらの手術が長く苦しくなる小さな経路を介した自動埋込みを容易にすることである。
もちろん、人工心臓弁の開発は極めて細心の注意を要し非常に時間がかかる。したがって、本目的は、市場に存在する人工心臓弁の代わりに新しいモデルを使うことではなく、信頼できることが証明されており、これまでにほとんど全ての患者に受け入れられている弁を利用することである。
この目的のために、本発明は、実質的に環状の弾性の塊の上に、環状体すなわち人工心臓弁をクリップを用いて挿入および固定するための自動補助装置に関するものであり、前記補助装置は、長手方向軸を中心に同軸上に取り付けられる、前記環状体を自らの回転軸と同軸上に受けることができるように設計された、前記環状体を受けて支えるための手段と、クリップを支えることのできるように設計された連結式のクリップ支持体を前記長手方向軸を中心に半径方向に開くための手段であって、該クリップがそのような環状塊に属する物質の厚みと前記環状体に属する物質の厚みの両方を、前記受けて支えるための手段に対して前記クリップ支持体を長手方向に押す手段の作用の下で貫通できるように設計されている手段とを備え、該補助装置はまた、環状塊の物質を半径方向に引っ込めることができるように設計された、前記環状の塊の物質を把持するための手段もまた備え、また前記長手方向軸を中心に前記連結式のクリップ支持体を半径方向に開く前記手段は、前記長手方向軸と平行に前記クリップを動かすことができるように設計されている。
本発明の特徴によると、前記連結式のクリップ支持体を前記長手方向軸を中心に半径方向に開くための前記手段は、前記クリップを前記長手方向軸に平行に動かすことができるように設計されており、またこの端部にパンタグラフの集合体を備え、該パンタグラフの集合体はそれぞれ二つのロッドから形成されており、該ロッドはそれぞれ、一方の端部で前記クリップ支持体の一つに連結され、そしてもう一方の端部で、それぞれが、一方では、外側のチューブ内にガイドされ、そのチューブでの回転が割り出されているナットに、他方では口金に連結されており、なお、ナットと口金は、両方とも内部でねじ切りされて反対方向のねじ切りと協働することができるように設計され、該ねじ切りは軸を有する回転式リングによって動かすことができる設計の、軸を有するねじに含まれる。
本発明の特徴によると、前記把持手段は、前記長手方向軸と同軸上に組み立てられる。
本発明の主要な利点は、補助装置の実現を介して、クリップによって一緒に締められる要素のうちの一つに、いかなる連続する裂傷からも保護するために引く力をかけたあと、クリップによって一緒に締められる様々な要素を耐久性のある方法で取り囲むことによって、それぞれのクリップがそれ自体で完全に閉じることを可能にすることである。心臓の弁輪のような弾性環状塊にプロテーゼを固定する好ましいケースにおいて、本発明による補助装置は、それぞれのクリップが完全にプロテーゼを通りそしてこの環状塊も完全に通ることを確保することを可能にする。
本発明のさらなる特徴および利点は、付属の図面を参照して、本発明の非制限的な実施態様の以下の詳細な説明から明らかになるであろう。
概略的かつ部分的に、本発明による補助装置の長手方向軸に沿った断面図を示し、ベルの形状の、環状体を受けて支えるための手段を備えていることが示されている。 概略的に、かつ斜視図で、図1のベルの形状の、環状体を受けて支えるための手段を示す。 図2のベルを、概略的に、かつ端から示す。 概略的に、部分的に、かつ断面図で、作動が止まった物質を把持するための手段を備えている、本発明による補助装置の第一の位置を示す。 前図に類似した図であって、図4の補助装置の第二の位置を示しているが、ここでは、これらの把持手段は押し下げる作用の下で作動する。 前図に類似した図であって、図4の補助装置の第三の位置を示しているが、ここでは、クリップを半径方向に位置付けするための手段が、長手方向軸から離れている。 前図に類似した図であって、図4の補助装置の第四の位置を示しているが、ここでは、クリップ支持体は、クリップを弾性環状塊に挿入するために、押す手段の作用の下で弾性環状塊の近くに持っていかれる。 前図に類似した図であって、図4の補助装置の第五の位置を示しているが、ここでは、前記クリップ支持体は、環状体の近くに持っていかれて、クリップを用いて環状体が環状塊と一体になるようにする。 概略的かつ斜視図で、第一の温度で「ニチノール」で作られるクリップを示す。 概略的に、かつ斜視図で、第二の温度での図9のクリップを示す。 概略的に、かつ長手方向の断面図で、図AからEの物質を把持するための手段を示す。 概略的に、さまざまな温度で示される別のクリップを示す。
本発明は、環状体200、すなわち好ましい応用例においては人工心臓弁を、実質的に環状の弾性塊23およびその開口部に挿入および固定するための自動補助装置100に関するものである。実際に、自然な状態では、この弾性塊は、それが患者の弁輪によって形成されるとき、一般的に丸い角の三角形の断面を有する。この塊23は、非常に硬い領域を取り除くための執刀医による準備の後に成形され、そしてファントムと呼ばれる円筒形器具がそこに通され、これによりプロテーゼの直径を定義することが可能となるが、ここでプロテーゼは一般的に円形である。
本発明の好ましい実施態様は、図中に示される。
環状体200は、回転軸を中心に回転する回転部分を少なくとも一つ含む。環状体は、好ましくは人工弁または生体弁から成る。このようなプロテーゼまたは弁は、次のようなものである:19mmから33mmの直径であり、最も小さなものに関しては、好ましくは13mm以下の直径を有する補助装置の中心を通る挿入を可能にし、該補助装置は、手順の終りには同じ様式で引き抜くことができる。生体プロテーゼは、現在のところ埋め込まれている人工弁の60%を占めている。本発明による補助装置100は、実績のあるタイプのプロテーゼを設置するために設計され、15年の期間にわたり約90%という、再インターベンションを伴わない割合が高いことを特徴とする。
本発明による補助装置100は、環状体200の設置方法を、もはや先行技術におけるような縫合によってではなく、クリップ21を用いて締めることによって可能にするものであり、該方法は、使用が完全に安全でまた高い精度で行うことができるものである。自動補助装置100は、環状体200、すなわちとりわけ心臓弁である人工弁を、実質的に環状の弾性塊23、すなわち執刀医によって準備される患者の弁輪に締めるための装置を構成する。
補助装置100は、シャフト24を有する。このシャフト24の軸において、装置25は傘の要領で格納式であり、先端に尖頭状の挿入口金1がついているものであるが、閉じた状態で、実質的に環状の塊23の中に挿入され得るように設計されている。
この格納式装置25は、患者の心室内、実質的に環状の塊23、すなわち患者の弁輪によって形成される隔壁の下に、装置が挿入される元である上側に対して開くことができるように設計されている。
格納式装置25の、補助装置100が含む長手方向軸Dに対する直径サイズは、好ましくは13mm以下である。通常のプロテーゼの直径サイズは、僧帽弁については25mmから33mm、大動脈弁については19mmから27mmの範囲である。
補助装置100は、長手方向軸Dを中心に同軸上に組み立てられるように設計される以下のものを含む:
−環状体200を受けて支えるための手段8であって、該手段は、環状体を自らの回転軸と同軸上に受けて、塊23に対して押し当てる状態にすることができるように設計されている、
−この長手方向軸Dを中心に、連結式クリップ支持体4を半径方向に開くための手段500。連結式クリップ支持体は、クリップ21を支えることができるように設計されている。これらのクリップ21は、長手方向に押す手段600の作用の下で、複数の厚みを貫通することができるように設計されているが、複数の厚みとはすなわち、組織によって形成される実質的に環状の塊23の壁と、プロテーゼである環状体200との両方である。これらの長手方向に押す手段600は、グリッパー17を備えたコントロールハンドル16の位置でかけられる力の作用の下で、クリップ支持体4を前記受けて支えるための手段8の近くに、または補助装置100のコントロールハンドルの近くにも持って行くようにする。
補助装置100は、このように、患者の弁輪を形成する実質的に環状の塊23と環状体200とを、結びつけるように設計されるが、この結びつきは、この実質的に環状の塊23とこの環状体200とを中心に閉じることができるように設計されるクリップ21のネットワークによって、一方では一つまたは複数のクリップ支持体4にかかる力の作用の下で、および/もしくはこれらの受けて支えるための手段8にかかる力の作用の下で、または物理的な状態の変化の間にクリップ21それ自体によってかけられる力の作用の下でなされる。
これらの受けて支えるための手段8は、図1または図2で見ることができるように、好ましくは、人工心臓弁によって形成される環状体200を受けることができる形状とサイズで設計される。該手段はすなわち、図1で示されるバージョンにおいて、アンビルとして役割を果たすことができるベル8によって形成され、また該ベルは特定のバージョンでは、図3で見ることができるように、クリップをクリップの閉鎖に導くための手段800を含む。
好ましい様式において、クリップ21のネットワークは環状で、長手方向軸Dを中心に回転している。ネットワークはまた、この同じ軸を中心とした、星形であることもできる。
クリップによる締めの質は、クリップ支持体4によって支えらえるクリップ21の、実質的に環状の塊23に対する適切な位置決めに直接関係する。実際、クリップ21が置かれる直径がこの実質的に環状の塊23の開口部に近すぎると、実質的に環状の塊の壁を裂傷するリスクがある。この実質的に環状の塊23は弾性で、すなわちいくらかの弾力性を有する。本発明によると、この弾力性が利用されるのは、クリップを用いた締めを行う前に、補助装置100が、実質的に環状の塊23、すなわち患者の弁輪に対して半径方向に引く力をかけることができるように設計される場合である。
この目的のために、本発明による補助装置100は、実質的に環状の塊23に付属する、壁の位置にある物質を把持するための手段300を備え、該手段は、開口部の近くの実質的に環状の塊23の物質を、軸の方へ、半径方向に引っ込めることができるように設計されている。
好ましくは、これらの把持手段300は、長手方向軸Dと同軸上に取り付けられる。
図1で見ることができるように、把持手段300は、好ましい実施態様ではリング10によって形成され、また吸引手段を含んでおり、該吸引手段は、塊23の物質の位置のその開口部の近くでの半径方向および/または軸方向の押し下げを行うことができるように設計される。
これらの吸引手段は、好ましくは一つまたは複数の溝または穴13から成り、該溝あるいは穴は、回転凹所15の底に備えられ、該回転凹所は、塊23をその全厚みで受けることができるように設計されており、それぞれの穴13は、少なくとも一つの管を通って吸引群につながっており、該吸引群は、前記一つまたは複数の穴13において半径方向および/または軸方向の部品を用いて押し下げを行うのに適した大きさである。半径方向の押し下げは、塊23を半径方向に引っ込ませて塊の自由端部が凹所15に静止するようにできるので、半径方向の押し下げが好ましい。好ましくは、図11で見ることができるように、この凹所15は一つまたは複数の弾性の密封物14を含み、該弾性の密封物は、塊23が凹所15の底に押し下げられたままでいる間、気密性を確保するために設計されるものである。特定の変形実施態様においては、リング10それ自体が、弾性物質で作られて、塊23の周りのこの気密性を確保することができる。好ましい応用例において、押し下げは、塊23の半径の、数ミリメートル好ましくは2から3ミリメートルの半径方向の引っ込みを可能にするように計算される。凹所15の幅は、好ましくは、4ミリメートルを超える。
穴13が、溝の形に作られることも、それらの実行の単純さゆえに可能であることは明らかであり、該穴はまた、複数の押し下げ点などからなり、すなわち星型の配置で半径方向に配置されているものとすることもできる。
この実質的に環状の塊23の引っ込みの可能性は、本発明による補助装置100が提供するものであるが、心臓外科のために好ましい応用例においてとりわけ重要である。これは、患者の弁輪がその開口部付近のわずかな厚みにわたってクリップで穴を開けられること、したがって患者の弁輪が血流の力を受けるときに患者の弁輪が引き裂かれることを防ぐことを可能にする。
そして、クリップ21は、利用者によって決定されるクリップによる締め点で、実質的に環状の塊23に対して正確に位置決めされなければならない。
この目的のために、長手方向軸Dを中心に連結クリップ支持体4を半径方向に開くための手段500は、格納式装置25の位置に配置される。これらの手段500は、パンタグラフの集合体30を含み、該パンタグラフの集合体は、それぞれが二つのロッド3A、3Bから成り、該二つのロッドのそれぞれは、それらの一方の端部でクリップ支持体4の一つに連結されており、もう一方の端部で、それぞれが、一方では外側チューブ6内にガイドされ外側チューブ上での回転が割り出されているナット5に、そして他方では口金1に連結されており、ナット5と口金1は、両方とも内部がねじ切りされており、反対方向のねじと協働することができるように設計され、前記反対方向のねじは、軸Dを有する回転リング12によって動かすことができるように設計された、軸Dを有するねじ2に含まれる。
連結したクリップ支持体4は、好ましくは、それぞれがロッド3A、3Bに連結され、連結したパンタグラフ30を共に形成するものであり、該連結したパンタグラフは、長手方向軸Dを通る平面にしたがって半径方向に延長するものである。
好ましくは、図1で見ることができるように、補助装置100のシャフト24は、長手方向軸Dを有する外側チューブ6を含む。このチューブ6は、第一の端部に、ねじ切りをされたナット5をガイドする手段を構成する。このナット5は、チューブ6の中で円運動をすることができるように設計されており、そして第一の回転割り出し手段により、このナット5は、方向Dに沿った長手方向にしか円運動することができない。好ましくは、これらの第一の回転割り出し手段は、Dに平行な長手方向のスリットの連結によって形成され、該スリットは外側チューブ6が含むものであり、そのスリットは半径方向のピンと協働することができるように設計されており、該半径方向のピンはナット5に含まれる。
ナット5は、半径方向の凹所と、ヒンジ手段41、すなわちピンとを備えており、これらは第一のロッド3Aの自由なヒンジ運動を可能にするためのものであって、該ロッドは、同様に、それぞれが、ヒンジ手段40Aの位置でクリップ支持体4が自由にヒンジ運動することを目的として、ピンを用いて固定される。このナット5は、その内側のねじ切りの位置で、ねじ切りされた心棒2の第一のねじと協働するものであり、該心棒は、この第一の端部の反対側の端部で、回転式リング12、すなわち刻みつきリングによって、ピン11を介して回転して動かすことができる設計であって、回転式リング12は、外側のチューブ6によってガイドされるものであり、回転式リングは該チューブ上に取り付けられてそこに担持される。
ねじ切りされた心棒2はまた、第二のねじ切りされた部分も含み、該第二のねじ切りされた部分のピッチは、第一のねじ切りされた部分のピッチと反対方向であり、また該第二のねじ切りされた部分は内側のねじ切りと協働することができるように設計されており、該内側のねじ切りは挿入口金1が備えるもので、その口金には、ナット5のように、ヒンジ手段42、すなわちピンの位置で連結するロッド3Bのために凹所が備えられ、ロッド3Bはそれぞれがヒンジ手段40Bの位置でクリップ支持体4にヒンジ運動するようになっている。ヒンジ手段40Aおよび40Bは、それぞれ離れている。好ましくは、一方ではヒンジ手段41と40Aとの間の長さ、他方では42と40Bの間の長さは同じで、またヒンジ手段40Aと40Bの軸は、軸Dから等距離である。このように、ねじ切りされた心棒2に回転式リング12によって付与されるいかなる回転動作も、方向Dにしたがった、しかし逆方向の、ナット5と口金1の並進をもたらすことは明らかである。実際、ナットと口金は、ロッドによってヒンジの様式でつながっていて、お互いに対しても、外側チューブ6に対しても、Dを中心に回転動作をすることができない。ロッド3Aおよび3Bは、開いたり折り畳まったりすることができ、また図6で見ることができるように、常に軸Dに平行に、半径方向の動きにしたがってクリップ支持体4を動かす。加えて、この構造のために、半径方向の動きは、常に、軸Dに垂直な同じ平面に発生する。
好ましい実施態様において、連結パンタグラフ30を開くことを介した、長手方向軸Dを中心に半径方向に開くための手段500の作用は、このように、クリップ支持体4、またしたがってそれらが支えるクリップ21を、長手方向軸Dに平行にのみ動かすことを可能にする。半径方向に開くための手段500は、選択される環状の直径上に、クリップ21を正確に位置決めすることもまた可能にする。もちろん、この半径方向に開くための手段500を制御するための手段は、とりわけ刻みつき回転式リング12の位置で、有利には段階的にすることができる。
このように、クリップ支持体4に、等しく長いクリップ21を備えることによって、クリップが含む打込み端部の正確な半径方向の位置を制御することが可能である。クリップ21は、好ましくは対になったクリップで、すなわち、クリップ支持体4と協働することができるように設計される根元部につながって、この根元部に直角な二つの平行な打ち込み脚部を含んでいる。それらは好ましくはチタン合金で作られる。有利な変形例において、クリップ21は、形状記憶の「ニチノール」合金で作られて、実質的に環状の塊23と環状体200とを通った後に自然に閉じるようになる。そのとき、クリップは、形状記憶誘因の作用の下で閉じることができるが、該形状記憶誘因は熱、電気、または機械的なものであることができる。機械的な場合において、ベル8は、もはやクリップ21の閉鎖の間ずっと補助装置に絶対に必要であるということはなく、環状体200を、塊23の近くの、クリップによる締め位置にもっていくためのみに必要となる。
クリップ21の適切な保持が、とりわけ補助装置100が心臓外科手術で利用されるときに必要不可欠であることは明らかである。補助装置100は、クリップ21を、実質的に環状の塊23の軸に完全に平行に位置付けることを可能にし、それに従って、補助装置の軸Dが一直線に合わせられる。クリップ21の閉鎖時の完全な保持のために、広い根元部を有する特別なクリップを作ることが考案されてきており、すなわち、好ましい実施態様において、全長が9mmのクリップについて約2mmの高さのクリップである。
環状のビームの形状に配置されるクリップ21は、このように、実質的に環状の塊23の前の挿入位置に非常に正確に持って行かれることができ、そしてそれから、把持手段300の先行する作用によって、実質的に環状の塊23に対してチューブ6の方向Dに相対的な動きにしたがって、該塊を通って挿入され得るが、これは、軸Dの方向の、各クリップ21と実質的に環状の塊23の半径方向の縁部との間のいかなる裂傷も防ぐために、十分な物質断面を確保するものである。
補助装置100は、軸Dを中心に同軸上に組み立てることができるように設計される、環状体200を受けて支えるための手段8を含み、該手段は、環状体をその回転軸と同軸上に受けることができるように設計されている。これらの受けて支えるための手段は、好ましくは、また図1で見ることができるように、軸Dに同軸の硬いベル8によって形成され、また軸Dを有する押しチューブ9によって、このチューブ9の第一の端部で、長手方向に動かすことができるように設計される。
このベル8は、クリップ21が塑性変形の間に衝撃によって折り畳まれる特定の応用例において、外側チューブ6に対して回転を割り出すための第二の手段900を含むが、該手段は、押しチューブ9への作用の下で、外側チューブ上をスライドできるように設計される。これらの回転割り出し手段は、好ましくは、図3で見ることができるように、ベル8が含む歯止めと、外側チューブ6が含む長手方向の溝との組み合わせによって形成されることができる。このように回転が割り出されるが、これはチューブ6に対してだけではなく、またナット5に対しても、クリップ支持体4とクリップ21自体の位置で割り出される。
補助装置100は、塑性的に変形可能なクリップ21を実現するバージョンにおいて、これらの受けて支えるための手段8に対してクリップ支持体4を長手方向に押すための手段600を含む。押すための手段600は、可動のハンドル16に連結するグリッパー17を含み、該ハンドルは、外側チューブ6に対して一体となりかつ割り出された様式で取り付けられ得るように設計されるものであり、このグリッパー17は、方向Dにしたがって、押しチューブ9に力を与えることができるように設計され、該押しチューブは、この力を、クリップ支持体4に対向して、受けて支えるための手段8に伝えることができるように設計されており、該クリップ支持体は、ナット5を介して、外側チューブ6に対して、適切な位置に固定されるものである。
押しチューブ9は、その第一の端部とは反対の端部で、ハンドル16の位置で連結されるグリッパー17によって作動することができるように設計される。このハンドル16は、外側チューブ6と一体とすることができるように、すなわちばねのような復元手段19および保持心棒20が備わる割り出しボタン18を用いて、一体とするように設計される。押しチューブ9はまた、外側チューブ6が含む凹所すなわち穴と協働することができるようにも設計される。
グリッパー17に与えられる、方向Dにおける力は、ねじ切りされた心棒2に対して、そしてしたがってクリップ支持体4に対して、押しチューブ9の相対的な動きを付与することは明らかである。この力は、押しチューブ9によって、環状体200を支えるベル8に伝わる。
長手方向に押す手段600は、塑性変形を介してクリップ21を閉じるバージョンにおいて、クリップ21を閉じるためのガイド手段800と協働し得るように設計される。これらのガイド手段800は、受けて支えるための手段8に組み込まれている。受けて支えるための手段は、割り出し手段900によってクリップ支持体4に対して角度による割り出しがなされる。
ベル8は、このように、これらの長手方向に押す手段600の衝撃の作用の下で、塑性変形を介してクリップ21を閉じるためのガイド手段800を含み、該手段は、クリップ支持体4と向かい合う側にあり、クリップ支持体のそれぞれと、所定の直径、すなわちクリップによって締める直径だけ離れて向かい合っている。これらのガイド手段800は、ベル8の正面の位置で、軸Dに平行な平面Pにおいて同一平面上の左側の機械加工によって形成され、該機械加工は、それぞれが向かい合っていて、また各クリップ21の二つの先端を互いに向かって変形させることができるように設計されるものであり、これらの機械加工は、事務用ステープラーのアンビルに存在するものに類似しており、またクリップによる締めの直径にしたがって、ベル8の正面環状部分にわたって分配される。長手方向に押す手段の長手方向の移動距離は、各クリップ21の先端とベル8との間の距離より長く計算されるが、これは、ここでは環状体200であるクリップによって一緒に締められる部品に一番近い面に置かれている間に、押す力の下で、各クリップの先端が曲がるようにするためである。図3で見ることができるようなクリップのガイド手段800について、各クリップ21が、相当するガイド手段800によって定義される平面Pにおいて、クリップ自身の上に折り重なることは明らかである。
このように、クリップ21の集合体は、衝撃によって一度に挿入され、これにより、ベル8はクリップ支持体4に近づく。クリップ21は、実質的に環状の塊23と環状体200を完全にそして連続して通り、そのときそれらの先端はガイド手段800で曲がり、そして各クリップ21が実質的に環状の塊を完全に通った後、実質的に環状の塊23から離れた環状体200の面に接触してしっかりと折り畳まれる。根元部は、各クリップが含むものであるが、そのクリップ支持体4に保持されて、実質的に環状の塊23に接触して置かれたままでいる。
各ベル8が、クリップ21を閉じる方向にガイドするための手段800の半径方向の位置に応じて、クリップによる締めの特定の直径について設計されることは明白である。同じ補助装置100が、したがって、複数の応用例のために利用されることができるが、ベル8を換えて、要求される直径に適合するベルを選ぶだけで十分である。これは、各図で見ることができるように、補助装置100が、互いの上に挿入され、かつ分解、掃除、そして維持するのが非常に容易な、同軸のサブセットを用いて設計されることから、なおさら簡単である。
実際、図1において見ることができるように、補助装置は、軸Dに対して配置される、ナット5と協働する、ねじ切りされた心棒2を含む。ナット5は、軸Dから半径方向に離れて動きながら、外側チューブ6の中にガイドされ、該外側チューブの上では押しチューブ9がガイドされて、クリップ支持体4の側に位置付けられるその端部で、リング10のために、それ自体がガイド手段としての役割を果たしている。
ベル8の交換は、このようにリング10の交換と同じようにとりわけ簡単だが、リング10もまた、応用例に応じたサイズから選ぶことができる。
一連のクリップが、図4から図8に示されるが、該一連のクリップは、ベル8のない補助装置100による挿入の場合、図4で見ることができるような針13による実質的に環状の塊23への進入の場合、図5で見ることができるような軸Dに向かった塊23の引っ込みの場合、そして、図6で見ることができるようなクリップ支持体4の開きの後では、図7で見ることができるような実質的に環状の塊23へのクリップ21の挿入の場合に相当する。施術者は、それから、図8で見ることができるように、環状体200を備えたベル8を挿入する。
施術者が塑性変形可能なクリップ21を利用したい場合、押しチューブ9の端部に取り外し可能なハンドル16とグリッパー17を設置する。施術者は、最後に、押し手段600の作用の下で、クリップ21をベル8に衝突させる。
施術者が形状記憶クリップ21を利用したい場合、環状体200がクリップ21によって塊23と一体になって保持されている段階で、クリップの状態の変化を可能にする修正の作用の下で、すなわち温度の上昇の作用の下で、クリップを閉じることができる。
もちろん、押し手段600は、ここでは単純化されて示されるが、加える力を低減するもの、すなわち偏心機構あるいはナックル機構を、事務用ステープラーの様式で備えることができる。
クリップ21は、好ましくは、約2mmの長手方向の移動距離にわたって変形する。塑性変形可能なクリップ21の場合において、外側チューブ6にかかる長手方向の衝撃は、クリップによる締めの後、クリップ21の根元部を、クリップ支持体4のためのそれらの凹所から外すことを可能にする。
生体適合性が証明されている「ニチノール」でとりわけ作られる、形状記憶クリップを利用する推奨の場合において、ベル8は、環状体200を保持することに、そして実質的に環状の塊23と環状体200とのためのクリップの底で支えとして役立つだけであって、クリップ21を閉じることには必要ではなく、その閉鎖は、熱もしくは電気もしくは機械によるトリガなどによって引き起こされ、該トリガは、ベル8を覆うためにまたはベルの代わりに挿入されるであろう。
本発明によると、「ニチノール」で作られるこれらのクリップ21は、第一の温度での第一の開き位置から、第一の温度より高い第二の温度での第二の折り畳み位置に移行し得るように設計される。
これらのクリップは、可逆運動において、第二の温度から第一の温度に変わることによって、第二の位置から第一の位置に移行することができ、したがって、システムの簡単な切断を可能にするものが必要となる。
したがって、「ニチノール」の形状記憶特性は、クリップ21の、二つの温度間でのその状態と形状の変化のための準備の際に利用される。図9で見ることができるように、第一の低い温度、すなわち8℃の範囲において、クリップ21は、環状塊23と環状体200とに挿入されることになる、二つの実質的に平行な脚を有するU字型形状である。図10で見ることができるように、クリップ21の環状塊と環状体への完全な挿入の後に適用される、第一の温度より高い第二の温度、例えば30℃に近い温度では、U字型の脚は、互いに向かって曲がり、それにより環状塊23および環状体200を取り囲む。
クリップ21は、有利には、第一の温度での第一の折り畳まれた位置から、第一の温度より高い第二の温度での第二の開いた位置に移行し得るように設計される根元部を含む。
別の実施例において、この根元部は、第一の温度での第一の開いた位置から、第一の温度より高い第二の温度での第二の折り畳まれた位置に移行し得るように設計される。
全ての場合において、クリップ21およびクリップ支持体4は、根元部の形状の変化の間に、クリップ21のそのクリップ支持体4の外への正常な抜き取りを可能にするように設計される。
好ましい実施例において、根元部は、図9において見ることができるような、第一の温度での「Z」や「S」のようなまたは内側に湾曲した形の第一の位置から、図10において見ることができるような、第一の温度より高い第二の温度での第二のまっすぐな位置に移行し得るように設計される。
根元部に第一の温度で波形の形状を付与して、図9において見ることができるように、クリップ支持体4が含む面上にこの根元部を下支えし、それによりクリップ支持体におけるその完璧な保持を確保すること、および、図10において見ることができるように、第二の温度で、クリップ支持体から摩擦なくその取り外しを可能にするまっすぐな形状を付与することによって、これらの形状記憶特性を利用することもまた可能であって、前記根元部は、それを介してクリップ1がクリップ支持体4と協働するものである。
「ニチノール」で作られるそのようなクリップの利用により、ベル8は必ずしも必要ではないが、対向支持部として機能を果たすために維持されることができることは明らかである。実際、形状記憶特性はそれだけで既に、環状塊23と環状体200の両方へのクリップ21の適切な閉鎖を確保する。そのとき体温を37℃に近い温度に維持することによって、クリップ21の形状のいかなる可逆性も阻まれ、そしてそれらの永続的な固定が確保される。
クリップを用いて締めた後、中身のないクリップ支持体4を半径方向に位置決めするための手段500の逆の操作により、そのとき、ねじ切りされた心棒2に沿ってクリップ支持体を折り畳んで、同時にパンタグラフ30を平らにすることが可能となる。
そのとき、補助装置100を実質的に環状の塊23の開口部を通して引き抜くことが可能であり、該実質的に環状の塊は、そのとき、環状体200と一体である。
自動補助および挿入装置100を心臓弁試験のために二つの形態で実行することが考慮できるが、該二つの形態は、プラスチックで作られる部品を内部に含む実施態様における使い捨て使用のための形態か、または完全に再利用できる形態であって、例えばチタン合金および/またはステンレススチールなどで作られ、したがって滅菌可能なものである。
そのような自動補助装置100はまた、施術者がリモートコントロールで簡単に操作することもでき、というのも、この補助装置のさまざまな制御、調節、および押し手段の位置で、基本の回転および並進運動の動きが実行されるだけだからである。補助装置100は、そのとき、光ファイバー内視鏡検査などを介した、視覚手段もまた備えることができる。
補助装置100は、クリップ21を補給するための装置もまた備えることができる。
本発明による補助装置100は、実験的外科手術の結果によって変化しやすく、また該装置が設計された目的である心臓外科手術以外の応用例に利用され得る。ここで与えられる例が主に大動脈および肺の移植に関わるものであるにもかかわらず、この補助装置は、他の弁輪、すなわち僧帽弁、三尖弁の弁輪への移植にも適応でき、そのときプロテーゼ200のクリアランスの方向による修正を伴う。実際、大動脈弁あるいは肺弁の位置において、プロテーゼのクリアランスはそれぞれ、心室の上に位置する大動脈または肺動脈におけるものである。僧帽弁あるいは三尖弁の位置において、プロテーゼのクリアランスはそれぞれ、左と右の心室に位置する。これらの修正は、クリップ支持体4の反転に関連しており、該クリップ支持体はそのとき、図1を参照すると、リング10、受けて支えるための手段8、および環状体200に対して左に位置付けされるようになり、これらのものに対して右にはもはや位置付けされない。リング10、受けて支えるための手段8、および環状体200は、そのとき、図1において示される方向、すなわち左から右と比べて、反対の方向、すなわち右から左におけるものとなるであろう。同様に、クリップ支持体4は、そのとき反対の方向に方向付けされるであろう。
上記および図面において、クリップが、クリップの第一および第二の端部で、互いに向かい合う方向において閉じられる方法が記載されている。しかし、本発明による補助装置100の別の利用方法において、クリップ21はクリップの第一と第二の端部を互いに反対側に、それぞれクリップの主要部分の外側の方向に変形させて利用され得る。この別の方法は、クリップ間の隙間をよりよくカバーすること、そして湾曲の優れた適応を可能にする。
この場合、「ニチノール」で作られるこれらのクリップ21は、第一の温度での第一の折り畳み位置から、第一の温度より高い第二の温度での第二の開き位置に移行し得るように設計される。
この別の方法で利用可能なクリップ21は図12に示されており、直径0.5mmの「ニチノール」のワイヤのクリップは、低い温度で「U字型」のような形状を有し、「U字型」の頭部で1.65mmの半径、11mmの長さの「U字型」の二本の脚の間に2.5mmの距離を伴う。脚は、35℃の温度で位置21Aに曲がるが、該位置は「U字型」の外側に半円形で、5mmの半径と126°の開きの角度である。人間の体温である、より高い温度である37℃以上で、位置21Bへの最終の曲がりは、半径4mmおよび開きの角度157.5°であり、そしてプロテーゼの優れた支えを確保するように設計されている。
本発明の最良の態様が、本明細書に記載されている。チューブ6と同軸方向の延長可能なリングに取り付けられる針を用いた、クリップを備えさせる前に患者の弁輪を変形させるための別の方法は、同じ発明者の仏国特許出願公開第0760444号明細書および仏国特許出願公開第0851346号明細書に記載されている。
10 リング
13 穴
15 回転凹所
100 自動補助装置
200 環状体
21 クリップ
23 実質的に環状の弾性塊
24 シャフト
25 格納式装置
300 把持手段
4 クリップ支持体
40 ヒンジ手段
41 ヒンジ手段
8 受けて支えるための手段、ベル
800 ガイド手段
900 割り出し手段
米国特許第6413274号明細書 米国特許第6464707号明細書 米国特許出願公開第2001/0031972号明細書

Claims (11)

  1. 開口部を含む実質的に環状の弾性の塊(23)上に、環状体(200)すなわち人工心臓弁(200)を、クリップを用いて挿入および固定するための自動補助装置(100)であって、前記補助装置(100)が、長手方向軸(D)を中心に同軸上に取り付けられる、環状体を自らの回転軸と同軸上に受けることができるように設計された、前記環状体(200)を受けて支えるための手段(8)と、クリップ(21)を支えることのできるように設計された連結式のクリップ支持体(4)を前記長手方向軸(D)を中心に半径方向に開くための手段(500)であって、該クリップがそのような環状塊に属する物質の厚みと前記環状体(200)に属する物質の厚みの両方を、前記受けて支えるための手段(8)に対して前記クリップ支持体(4)を長手方向に押す手段(600)の作用の下で貫通できるように設計されている手段とを備え、前記押す手段(600)が前記補助装置(100)に備えられ、該補助装置はまた、前記環状の塊(23)の物質を半径方向に引っ込めることを可能にする設計の、環状塊の物質を把持するための手段(300)もまた備え、また前記長手方向軸(D)を中心に前記連結式のクリップ支持体(4)を半径方向に開く前記手段(500)が、前記長手方向軸(D)と平行かつ半径方向に前記クリップ(21)を動かすことができる設計である、自動補助装置。
  2. 前記連結式のクリップ支持体(4)を前記長手方向軸(D)を中心に半径方向に開くための前記手段(500)が、前記クリップ(21)を前記長手方向軸(D)に平行に動かすことができるように設計され、またこの端部にパンタグラフの集合体(30)を含む、請求項1に記載の補助装置(100)。
  3. 前記パンタグラフ(30)が、それぞれ二つのロッド(3A、3B)から形成されて、該ロッドがそれぞれ、ロッドの端部の一方で前記クリップ支持体(4)の一つに連結され、そしてロッドのもう一方の端部で、それぞれが、一方では外側のチューブ(6)内にガイドされ外側のチューブでの回転が割り出されているナット(5)に、他方では口金(1)に連結され、そのナット(5)と口金(1)が、両方とも内部でねじ切りされ、かつ反対方向のねじ切りと協働することができる設計であり、該ねじ切りが、軸(D)を有する回転式リング(12)によって動かすことができる設計の、軸(D)を有するねじ(2)に含まれる、請求項1に記載の補助装置(100)。
  4. 前記把持手段(300)が、前記長手方向軸(D)を中心に同軸上に取り付けられ、また軸(D)を有するリング(10)によって形成され、該リングが吸引手段を含み、該吸引手段が、前記塊(23)の物質の位置でその開口部の近くでの半径方向および/または軸方向の押し下げを行うことができるように設計される、請求項1から3のいずれか一つに記載の補助装置(100)。
  5. 前記長手方向軸(D)を中心に前記連結式クリップ支持体(4)を半径方向に開くための前記手段(500)が、前記クリップ(21)を半径方向に位置付けするための手段を構成することができるように設計される、請求項1から4のいずれか一つに記載の補助装置(100)。
  6. 前記長手方向に押すための手段(600)が、ハンドル(16)に連結するグリッパー(17)を含み、該ハンドルが、前記外側チューブ(6)に対して割り出されてまた一体となって取り付けられることができるように設計されるものであり、前記グリッパー(17)が、前記方向Dにしたがって、押しチューブ(9)に力をかけることができるように設計され、該押しチューブが、前記外側チューブ(6)に対して適切な位置に固定される前記クリップ支持体(4)に反して、前記力を前記受けて支えるための手段(8)に伝えることができるように設計される、請求項1から5のいずれか一つに記載の補助装置(100)。
  7. 前記長手方向に押すための手段(600)が、前記クリップ(21)を閉めるためのガイド手段(800)と協働することができるように設計され、該ガイド手段が、前記受けて支えるための手段(8)に含まれ、該受けて支えるための手段が、割り出し手段(900)によって前記クリップ支持体(4)に対して角度による割り出しがなされる、請求項1から6のいずれか一つに記載の補助装置(100)。
  8. 前記クリップ(21)が、形状記憶合金で作られる対になったクリップで、また第一の温度での第一の開き位置から、第一の温度より高い第二の温度での第二の折り畳み位置に変わることができるように設計される、請求項1から7のいずれか一つに記載の補助装置(100)。
  9. 前記クリップ(21)が、第一の温度での第一の折り畳み位置から、第一の温度より高い第二の温度での第二の開き位置に変わることができるように設計される根元部を含む、請求項8に記載の補助装置(100)。
  10. 前記クリップ(21)が、形状記憶合金で作られる対になったクリップで、また第一の温度での第一の折り畳み位置から、第一の温度より高い第二の温度での第二の開き位置に変わることができるように設計される、請求項1から7のいずれか一つに記載の補助装置(100)。
  11. 前記受けて支えるための手段(8)が、人工心臓弁によって形成される環状体(200)を受けることができる形状および大きさで設計される、請求項1から10のいずれか一つに記載の補助装置(100)。
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