JP2011507544A - 勃起不全を処置するための組成物および方法 - Google Patents

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Abstract

本発明は、勃起不全の処置のための組成物および方法を特徴とする。組成物には、α-ラトロトキシンに由来する実質的に純粋なポリペプチドが含まれ、薬学的に許容される担体または希釈剤、リポソーム、ハイドロゲルおよび勃起不全を処置するための追加の活性成分などの他の物質が含まれうる。同様に、勃起不全の処置のためにおよび医薬の調製において組成物を用いるための方法などの方法を提供する。

Description

関連出願の相互参照
本出願は、Department of Industrial Property of Chileと共に、2007年12月31日に提出された出願番号3884/2007に対する優先権を主張する。
技術分野
本発明は、チリのクモであるクロゴケグモ(Latrodectus mactans)から最初に得られた治療的に活性のあるポリペプチド、その精製法、および勃起不全(ED)の処置における使用に関するものである。
背景
勃起不全(ED)では、性交の際に勃起を起こすことおよび維持することができない。この状態は、患者の勃起反応を変化させる心因性または器質性原因で生じる場合がある。度合いのばらつきが、勃起不全およびその集団における発生を定義することを難しくする。用いられる定義に応じて、世界中で罹患男性の見積もりは1500万人〜3000万人まで変化する。1985年のNational Ambulatory Medical Care Survey(NAMCS)によれば、医師の診察を受けた米国における男性の1000人に約8人が勃起不全について相談した。1999年では、おそらく処置が発表され始めて勃起不全について話すことがより受け入れられるようになったことから、その数はほぼ3倍(男性1000人あたり約22人)となった。最もよく知られている処置は、経口薬であるクエン酸シルデナフィル(Viagra(登録商標))である(たとえば、米国特許第6,204,383号(特許文献1)を参照されたい)。NAMCSデータは、1999年に診察の際にViagra(登録商標)が約260万回言及されたこと、その診察の3分の1がEDとは無関係な診断的理由のためであったことを示している。
勃起のプロセスは一連の事象を必要とし、これらのいずれかが中断されるとEDが起こりうる。必要な事象には、脳、脊髄、および陰茎周囲領域における神経インパルス、ならびに海綿体およびその近傍における筋、線維様組織、静脈、および動脈の様々な反応が含まれる。勃起不全は時に、糖尿病、腎疾患、慢性アルコール依存症、多発性硬化症、アテローム性動脈硬化症、血管疾患、または神経疾患などの疾患に関連するが、同様に薬剤の副作用(たとえば、抗高血圧剤、抗ヒスタミン剤、抗うつ剤、精神安定剤、食欲抑制剤、またはシメチジンの副作用)でもありうる。他の原因には、それによって神経損傷が起こる手術または陰茎に対する血流を制限する手術(特に、前立腺の手術)が含まれる外傷が含まれる。いかなる器質性の原因も存在しない場合、EDは、うつ、不安、ストレス、緊張、または罪悪感による心因性起源(PED)のEDであると決定される可能性がある。EDは加齢の通常の結果ではないが、その発生率は年齢と共に増加する。40歳男性の約5%および65歳男性の15〜25%がEDを経験する。処置の成功はいずれの年齢でも起こりうる。
EDの標準的な薬物処置には、ホスホジエステラーゼ5(PDE-5)阻害剤として知られるクラスの薬剤(たとえば、クエン酸シルデナフィル(Viagra(登録商標)))が含まれる。これらの薬物は非常に有効であるが、処置した全患者の約30%がその効果に対して不応性(refractile)である。PDE5阻害剤は、頭痛、潮紅、胃の不調、鼻づまり、尿路感染症、青/緑色の軽微で一時的な変化などの視力の変化、または光に対する感受性の増加、および下痢が含まれる副作用に関連する。その上、これらの薬物は、ニトログリセリン(Nitro-Bid(商標)およびその他)、一硝酸イソソルビド(Imdur(商標))および二硝酸イソソルビド(Isordil(商標))などのアンギナのための硝酸薬;抗凝固剤、ならびに前立腺肥大(良性前立腺過形成)または高血圧症のために一定のタイプのα遮断剤を服用している患者には禁忌である。PDE5阻害剤は、重度の心疾患、心不全、低血圧症、高血圧症、制御されていない糖尿病、もしくは卒中の既往を有する患者にとって、またはプリアピスムに関連する可能性がある血液障害を有する患者(たとえば、鎌状赤血球貧血、多発性骨髄腫、または白血病)にとっては適さない場合がある。したがって、EDの処置のために安全かつ有効な治療が常に必要である。
米国特許第6,204,383号
概要
本発明は、特に勃起不全を処置するために用いることができる組成物および方法を特徴とする。組成物には、クロゴケグモであるラトロデクタス・マクタンスの毒から単離されたポリペプチド、およびその生物活性断片または他の変種が含まれる。このように、本発明のポリペプチドは、たとえばラトロトキシン前駆体タンパク質、成熟ラトロトキシン、ラトロトキシン関連タンパク質、またはその生物活性断片、他の変種、もしくは相同体であってもよい、ラトロトキシン(たとえば、α-ラトロトキシン)に由来しうる。ラトロトキシン前駆体タンパク質には、成熟ラトロトキシン配列が含まれ、本発明のポリペプチドの1つまたは複数は、成熟ラトロトキシン(たとえば、α-ラトロトキシン)配列内に部分的または完全に存在してもよい。本発明に包含される生物活性断片および他のポリペプチド変種は、一定の限定的程度まで、天然に存在するラトロトキシンまたは参照配列(たとえば、SEQ ID NO:1)とは異なる配列を有するが、機能する能力を保持する(たとえば、本明細書において記述される目的の1つまたは複数のために用いられる十分な活性を保持する)と考えられる。
本明細書において記述されるポリペプチド、核酸、および宿主細胞は、様々な方法で調合されることができ、かつ薬学的に許容される担体を含みうる。したがって、本発明は、投与の準備が整った生理的に許容される組成物のみならず、本発明のポリペプチドの濃縮保存液または凍結乾燥粉末を特徴とする。使用の準備が整った調合物およびさらなる操作(たとえば、希釈または懸濁)を必要とする調合物は、用いるための説明書、および任意で投与を容易にする可能性がある任意の装置または器具と共にキットとして包装されうる。本発明のポリペプチドの配列は多様でありうるが、有用なポリペプチドには、
Figure 2011507544
と少なくとも80%同一であるポリペプチドが含まれる。いくつかの態様において、本発明のポリペプチドは具体的には、α-ラトロトキシン関連タンパク質2(Genbank番号AAY33774;GI63109347)としても知られ、かつアミノ酸配列:
Figure 2011507544
(SEQ ID NO:2;本明細書において近接配列はアミノ酸10個のブロックで示される)を有するSEQ ID NO:2によって表される配列からなるポリペプチド、または該SEQ ID NO:2によって表される配列を含むポリペプチドを除外する。
本発明のポリペプチドのアミノ酸配列は、1つまたは複数のアミノ酸置換、挿入、または欠失を含有することから(またはそれらのみを含有することから)、SEQ ID NO:1とは異なりうる。置換は、以下の群内の置換などの保存的置換であってもよい:グリシンおよびアラニン;バリン、イソロイシン、およびロイシン;アスパラギン酸およびグルタミン酸;アスパラギン、グルタミン、セリン、およびトレオニン;リジン、ヒスチジン、およびアルギニン;ならびにフェニルアラニンおよびチロシン。非保存的置換も同様に行われてもよく、天然に存在しないアミノ酸も同様に組み入れることができる。またはもしくは加えて、アミノ酸配列は、1つまたは複数のアミノ酸残基の挿入および/または欠失を含有することからSEQ ID NO:1(「参照」配列と見なされてもよい)とは異なりうる。
より具体的には、本発明のポリペプチドは、SEQ ID NO:1によって表されるアミノ酸配列を含みうるかまたはSEQ ID NO:1によって表されるアミノ酸配列からなりうる。同様に、SEQ ID NO:1と少なくとも70%同一である(たとえば、少なくとも80、85、87、90、95、97、または98%同一である)ポリペプチドも本発明の範囲に含まれる。いくつかの態様において、本発明のポリペプチドは、SEQ ID NO:2のアミノ酸配列を含むポリペプチドまたはSEQ ID NO:2のアミノ酸配列からなるポリペプチドを除外する。
本発明のポリペプチドをコードする核酸分子も同様に、本発明の範囲内である。核酸は、たとえば、本発明のポリペプチドの作製におよび治療物質として有用である。それらは、培養において細胞に、またはインビボで投与されてもよく、それらには調節配列(たとえば、組織特異的であってもよいプロモーター)および細胞からのポリペプチドの分泌を指示するまたは容易にする分泌シグナルをコードする配列が含まれてもよい。本発明者らが核酸分子を「単離された」と呼ぶ場合、本発明者らは、本発明の核酸に、天然に存在しない配列が含まれてもよく、そのためにその天然の状態で存在する核酸とは区別されることを述べている。同様に、本発明者らがポリペプチドを「精製された」(または「実質的に精製された」)と呼ぶが、ポリペプチドが天然に存在するポリペプチドとは異なる場合、それらはそのことに基づいて天然に存在するポリペプチドとは区別される(したがって特許権のために何らかの程度の純度は必要ではない)。
述べたように、組換え型ベクター(または「構築物」)および宿主細胞も同様に提供される。組換え型ベクターには、本明細書において記述された任意のポリペプチドをコードするヌクレオチド配列が含まれて、それらの配列は、原核生物または真核生物発現のシステムのいずれかにおいて用いるために適したベクター内で1つまたは複数の調節領域に機能的に連結されうる(その多くは当技術分野において公知である)。調節領域は、たとえばプロモーターでありうる。有用なプロモーターには、細胞タイプ特異的プロモーター、組織特異的プロモーター、構成的に活性なプロモーター、および広範に発現するプロモーターが含まれる。宿主細胞は、そのような核酸構築物が含まれる細菌、真菌、昆虫、植物、または哺乳動物細胞でありうる。
ポリペプチドは、任意の薬学的に許容される媒体における薬学的組成物として調合されうる。薬物の送達を容易にするため、および貯蔵寿命を確実にするために担体および安定化剤を添加してもよい。調合物を投与経路に合わせることができ、かつ調合物には、たとえば経口投与、非経口投与、肺内投与、局所もしくは経皮投与、または経粘膜投与に適した成分が含まれうる。たとえば、適した送達媒体にポリペプチドを封入(たとえば、ポリマー微粒子または埋め込み可能な装置)すると、送達効率を増加させる可能性がある。
組成物(たとえば、薬学的組成物)には、第二の薬学的活性成分が含まれうる。第二の薬学的活性成分は、EDの処置に有用であるもう1つの物質でありうる(たとえば、PDE5阻害剤(たとえば、クエン酸シルデナフィル))。しかし本発明の組成物はそのように限定されず、プロスタグランジン、ホルモン(たとえば、テストステロン)、アポモルフィン、メラノコルチン活性化剤、および/またはヨヒンビンなどの他の物質も同様に包含する。
本発明の方法には、平滑筋機能障害に関連する状態(たとえば、勃起不全)を有する被験者(たとえば、ヒト患者)を処置するための方法が含まれる。これらの方法には、
a)勃起不全を経験しているかまたは経験する可能性がある被験者を同定する段階;および
b)ラトロトキシンポリペプチドまたはラトロトキシンポリペプチドの生物活性変種(たとえば、SEQ ID NO:1と少なくとも80%同一であるアミノ酸配列を含む実質的に純粋なポリペプチド)が含まれる組成物を被験者に提供する段階
が含まれうる。
組成物は、多様な方法で被験者に投与されうる。たとえば、組成物は、静脈内投与、筋肉内投与、皮下投与、経皮投与もしくは経粘膜投与、口腔内投与、非経口投与、皮下投与、腹腔内投与、または肺内投与されうる。必要な用量は、医師によって典型的に検討される様々な要因に依存すると考えられる。これらの要因には、投与経路、調合物の性質、患者の基礎疾患の性質、もしあれば、被験者の体格、体重、表面積、年齢、性別、患者に投与される他の薬物、および主治医の判断が含まれる。適した用量は、0.01〜100.0μg/kgの範囲内である。組成物は、勃起不全のための他の処置(たとえば、医学的装置、手術または心理療法)と共に、またはそれに加えて投与されうる。
ラトロトキシンポリペプチドはまた、医薬の調製において用いられることができ、医薬は、勃起不全の処置のために用いられうる。そのような用途に適しているポリペプチドには、SEQ ID NO:1と少なくとも80%同一であるアミノ酸配列を含む実質的に純粋なポリペプチドが含まれる。いくつかの態様において、ポリペプチドのアミノ酸配列はSEQ ID NO:2ではない。他の有用なポリペプチドには、アミノ酸配列が、保存的アミノ酸置換が含まれてもまたは含まれなくてもよい1つまたは複数のアミノ酸置換、および/または1つまたは複数のアミノ酸欠失または挿入を含有することからSEQ ID NO:1とは異なる、ポリペプチドが含まれる。医薬の調製において用いられるポリペプチドは、SEQ ID NO:1と少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、または少なくとも98%同一である(たとえば、SEQ ID NO:1と100%同一である)アミノ酸配列を含みうるかまたは該アミノ酸配列からなりうる。
ラトロトキシンポリペプチドを作製する方法も同様に、本発明の範囲内である。たとえば、方法には、本発明の任意のポリペプチドの発現に適切な時間および条件下で宿主細胞を培養する段階の後に、宿主細胞または宿主細胞を培養した培地からポリペプチドを単離する段階が含まれる。
本発明の1つまたは複数の態様の詳細は、以下の添付の図面および説明に記載される。本発明の他の特徴、目的、および長所は説明および図面、ならびに特許請求の範囲から明らかとなるであろう。
濃度2μg/mlのF40/7481(SEQ ID NO:1)の存在下(■)および非存在下(▲)での海綿体弛緩に及ぼすクエン酸シルデナフィルの効果を比較するグラフを図示する。 クロゴケグモからのα-ラトロトキシンmRNAを増幅するために有用なプライマー対を同定するためのRT-PCRアッセイの結果を図示する。 クロゴケグモ毒腺4500個からの粗抽出物のクロマトグラフィープロファイルを図示する。 図3において示されたf40/7841画分のHPLCクロマトグラフィープロファイルを図示する。 f40/7841ポリペプチドの分子量を図示する。 海綿体弛緩アッセイに用いられる臓器チャンバーを示す。 臓器チャンバーにおける1つの海綿体試料の拡大図を示す。 海綿体弛緩アッセイに及ぼすf40/7841ポリペプチドの効果を示す実験の結果を図示する。 0.1μg/mlでの精製画分f40/7841の存在下での海綿体弛緩アッセイに及ぼすf40/7841ポリペプチドの効果を示す実験の結果を図示する。 海綿体収縮性に及ぼすフェニレフリンの効果を示すアナログ軌跡を図示する。 海綿体弛緩アッセイに及ぼすポリペプチドf40/7841の効果を示すアナログ軌跡を図示する。 NO産生を遮断する物質であるL-NAMEの存在下での海綿体弛緩アッセイに及ぼすf40/7841の効果を分析する実験からのアナログ軌跡を図示する。 NO産生を遮断する物質であるL-NAMEの存在下での海綿体弛緩アッセイに及ぼすf40/7841の効果を分析する実験からのアナログ軌跡を図示する。 α-アドレナリン作動性アゴニスト、アトロピンの存在下での海綿体弛緩アッセイに及ぼすf40/7841の効果を分析する実験からのアナログ軌跡を図示する。 α-アドレナリン作動性アゴニスト、アトロピンの存在下での海綿体弛緩アッセイに及ぼすf40/7841の効果を分析する実験からのアナログ軌跡を図示する。 α7-ニコチン作動性アセチルコリン受容体を発現するように操作されたPC12細胞におけるカリウムチャンネル活性化に及ぼすα7-ニコチン作動性アセチルコリン受容体アゴニストであるカルバコールの効果を分析する全細胞パッチクランプ実験の結果を図示する。 α7-ニコチン作動性アセチルコリン受容体を発現するように操作されたPC12細胞におけるカリウムチャンネル活性化に及ぼすα7-ニコチン作動性アセチルコリン受容体アゴニストであるカルバコールの存在下でのポリペプチドf40/7481の効果を分析する全細胞パッチクランプ実験の結果を図示する。 蛍光体fluo-3AMを負荷されているC2C12細胞の光学顕微鏡写真(左右のパネル)、ならびにカルシウム流入に及ぼすf40/7841ポリペプチド、カルシウムイオノフォア4-Br-A23187、およびカルシウムキレート剤EGTAの効果を図示するグラフ(中央のパネル)を示す。
詳細な説明
本発明は、チリのクモであるクロゴケグモから単離されたポリペプチドの本発明者らの発見に部分的に基づいている。該ポリペプチドおよびその生物活性断片および他の変種は、勃起不全などの状態の処置において有用である。以下に記述される実験において「f40/7481」として明示される該ポリペプチドは、分子量約7.5 kDa、内部ジスルフィド結合3個を形成する可能性があるシステイン残基6個、およびアミノ酸配列:
Figure 2011507544
(SEQ ID NO:1;本明細書において近接配列をアミノ酸10個のブロックで示す)を有する。
前記ポリペプチドおよびそれが含まれる薬学的に許容される組成物は、平滑筋、たとえば海綿体に対して筋弛緩作用を有し、そのため、平滑筋の弛緩が問題である状態を処置するために有用である。たとえば、本発明のポリペプチドは、勃起不全の処置において用いられうる。本発明の組成物は、任意の特定の細胞メカニズムによってその効果を発揮する組成物に限定されないが、本発明者らの作業仮説は、勃起不全に関して、ポリペプチドの効果がコリン作動性経路によるNOによって媒介されるという点である。その上、経路は、カルシウム動員を伴わないようである。
ポリペプチド:
いくつかの毒または毒素が勃起を誘発しうることは、当技術分野において公知である。たとえば、サソリのタイタス・セルラツス(Tytus serrulatus)(Teixeira et al., 2003)から単離されたアルファトキシン(分子量7,427 Da)は、ウサギの海綿体に対するNOの放出に関与するようであり、陰茎の弛緩および勃起を誘導する。加えて、ラトロデクタス・マクタンス・トレデシムグッタタス(Latrodectus mactans tredecimguttatus)(Grasso A., 1976;Krasnoperov VG. et al., 1990;Kovalevskaia Gl. et al., 1990, WO9529235)から、脊椎動物に対して特異的な高分子量α-ラトロトキシン(α-LTX)の3つの画分(Knipper M. et al., 1986;同様にMeldolesi J. et al., 1983;Magazanik LG. et al., 1992(昆虫)、Henkel et al., 1999;Ichtchenko et al., 1998, Krasnoperov et al., 1999;Dulubova et al., 1996も参照されたい);昆虫に対して特異的なα-205昆虫毒素(α-LIT)(Kiyatkin, N. et al., 1993)および甲殻類に対して特異的なα-125ラトロクルストトキシン(α-LCTX)(Krasnoperov VG. et al., 1990)が、同定され、シークエンシングされて、クローニングされた。哺乳動物組織に対して特異的活性を有する毒素がクモ試料から単離されている(Rach et al. 2002)。
本発明者らによってチリのクロゴケグモから得られたアミノ酸69個のポリペプチドの配列は、もう1つのゴケグモ(Latrodectus)種であるL. マクタンス・トレデシムグッタタスからのポリペプチドと比較的高い程度の配列保存性(78.41%)を示した。しかし、構造の差は、WO95/29235におけるポリペプチドに関して記述された特性と比較して、ポリペプチドが異なるおよび新規の薬理学的特性を有する可能性があることを示唆している。
他のクモからのポリペプチドは、特有の薬理学的特性を有することが示されている。分子量4973、4993、および5159 Daの3つのポリペプチドが、中部アジアのクロエンマグモ(Segestria florentina)から得られた。第一のものは、グルタメート受容体の作用に対してシナプス伝達性の神経遮断効果を有し、第二のものは、シナプス前終末またはシナプス後終末に対する調節を誘導し、および第三のものは、シナプス前終末に作用した。これらのペプチドはクモの餌食となった昆虫において麻痺を引き起こすことから、それらは潜在的殺虫剤として提唱されている。
他のイオンチャンネルを全般的に遮断する細胞毒が他のクモ種から得られているが、これらの毒素は、平滑筋弛緩に対して効果を有さず、勃起特性を有しない。たとえば、Cardoso et al., 2003は、クロドクシボグモ(Phoneutria nigriventer)からポリペプチド画分を単離したが、それによって彼らは異なるファミリーのイオンチャンネルの分子構成を同定および特徴付けし、その進化的関係を定義することができた。Filipov et al, 1994は、アフリカツメガエル(Xenopus laevis)卵母細胞におけるα-LTX受容体の異所発現によって、Ca2+ が10 pSを超えて流れるイオンチャンネルが形成されたことを示した。N-アトラコトキシン(N-ACTXs)は、オーストラリアのクモ種であるブルーマウンテン・ジョウゴグモ(Hadronyche versuta)から単離されたポリペプチド毒素であり、サソリのレイルス・キンケストリアツス・ヘブラエウス(Leirus quinquestriatus hebraeus)およびアンドロクトヌス・エウアトラリス・ヘクター(Androctonus euatralis hector)サソリ(Szeto et al., 2000)から得られた毒素の作用と類似のように、遅いNa+イオンチャンネルに作用する。アゲレノプシス・アペルタ(Agelenopsis aperta)クモの毒素(Mintz et al., 1992;Cestele et al., 2000;Tedford et al., 2004)から、昆虫のニューロンにおけるシナプス前終末およびラット脳におけるプルキンエニューロンの樹状終末に対してCa2+チャンネル遮断活性を有するポリペプチドが単離された。活性なポリペプチドを、ω-Aga-IVAと呼び、これは分子量6051 Daで48塩基対であった。他の研究者らも同様にこのクモ種からT/QタイプのCa2+チャンネル遮断剤を同定したが、グラマストラ・スパチュラータ(Grammastola spatulata)種からは、電位依存的K+チャンネルを遮断するポリペプチドが同定されている(Swartz et al., 1995およびFletcher et al., 1997)。2004年にUniversity of BuffaloのSuchynaは、チリのタランチュラであるフィクソトリクス・ロセア(Phyxotrichus Rosea)の毒に含有されるタンパク質を同定したが、これは細胞が虚脱すると開閉するか、またはより狭くなるイオンチャンネルの作用を遮断することができる。その作用は、触覚、聴覚、血圧、ならびに筋の協調および収縮などの多様な機能に関連して、抗不整脈剤の治療特性を証明している。
チリのクモであるクロゴケグモは、ゴケグモ属に属する。その毒は、ラトロトキシンと犠牲者の神経系に影響を及ぼす他の生物学的活性物質との濃縮カクテルを含有する。咬まれると、ヒトは重度の腹痛、震え、発熱、嘔吐、頻拍、動脈高血圧症、およびプリアピスムを経験する。小児および成人の双方において死亡が報告されている。今日まで、毒は、5つの昆虫毒素(α、β、γ、δ、およびε-LIT)、1つのラトロクルスタトキシン、α-LCT(120 kDa)および1つの脊椎動物毒素、α-LTX(130 kDa)が含まれる、神経毒活性を有する7つのタンパク質を含有することが見いだされている。加えて、通常α-LTXと同時精製する2つの低分子量タンパク質(LMWPとして知られる)が同定されてクローニングされている。LMWPは、甲殻類の高血糖ホルモンに構造的に関連して、分子量8および9.5 kDaを有する。ラトロトキシンは、部分的に細胞の脂質膜の中に挿入してカルシウム透過性の孔として作用する四量体複合体を形成して、それによって神経終末からの神経伝達物質の大量の放出が起こることによって、その毒性作用を発揮する。
「ポリペプチド」および「ペプチド」という用語は、翻訳後修飾(たとえば、アミド化、リン酸化、またはグリコシル化)にかかわらず、本明細書において、2つまたはそれより多いサブユニットのアミノ酸、アミノ酸類似体、または他のペプチド模倣体の化合物を指すために用いられる。サブユニットは、たとえばエステルまたはエーテル結合などのペプチド結合または他の結合によって連結されうる。「アミノ酸」という用語は、D-型またはL-型光学異性体であってもよい天然および/または非天然または合成アミノ酸を指す。
本発明のポリペプチド、その生物活性断片、およびその他の変種は、化学合成されうるか、天然供給源から精製されうるか、またはポリペプチドもしくはその生物活性変種が組換えによって産生される細胞から精製されうる。ペプチド合成、発現、および精製に必要な方法は、当技術分野において周知である。たとえば、ペプチドを、標準的なf-moc化学を用いて化学合成することができ、高速液体クロマトグラフィー(HPLC)を用いて精製することができる。ポリペプチドは、分画、遠心分離、およびクロマトグラフィー(たとえば、ゲル濾過、イオン交換クロマトグラフィー、逆相HPLC、および免疫アフィニティ精製)が含まれるがこれらに限定されるわけではない、当技術分野において公知の任意の方法によって精製されうる。
本発明のポリペプチドは、実質的に精製されてもよいが、必ずしもその必要はない。本発明のポリペプチドは、それらが含有される組成物が、関心対象のポリペプチドの少なくともまたは約60重量%(たとえば、少なくともまたは約70%、80%、90%、95%、または99%)であるように、それらがこれまで会合している成分(たとえば、細胞成分)から分離されている場合に、実質的に純粋であると考えられる。一般的には、実質的に純粋なポリペプチドは、非還元型ポリアクリルアミドゲルにおいて1つの主要なバンドを生じると考えられる。
組換え型f40/7481ポリペプチドまたはその生物活性断片もしくは変種を産生するために、ペプチドをコードする核酸を発現ベクターにライゲーションして、これを用いて原核生物(たとえば、細菌)または真核生物(たとえば、昆虫、酵母、植物、または哺乳動物)宿主細胞を形質転換することができる。一般的には、核酸構築物には、f40/7841ポリペプチドをコードする核酸に機能的に連結した調節配列が含まれうる。調節配列(たとえば、プロモーター、エンハンサー、ポリアデニル化シグナル、またはターミネーター)は典型的に、遺伝子産物をコードしないが、かわりに核酸配列の発現に影響を及ぼす。そのような形質転換またはトランスフェクト細胞を次に、たとえば当技術分野において公知の方法によるポリペプチドの大規模または小規模産生のために用いることができる。本質的に、そのような方法は、ポリペプチドを産生するために適した条件下で細胞を培養する段階および細胞または培養培地からポリペプチドを単離する段階を伴う。
構築物には、発現された核酸配列のその後の操作(たとえば、精製または局在化)を容易にするように設計されたタグ配列が含まれうる。緑色蛍光タンパク質(GFP)、グルタチオンS-トランスフェラーゼ(GST)、c-myc、血液凝集素、β-ガラクトシダーゼ、またはFlag(商標)タグ(Kodak)配列などのタグ配列は典型的に、核酸配列によってコードされるポリペプチドとの融合体として発現される。そのようなタグは、それらが、たとえばカルボキシルまたはアミノ末端のいずれかを含むコードされるポリペプチドに従って任意の場所で発現されるように、核酸配列に挿入されうる。調節およびタグ配列のタイプおよび組み合わせは、各々の特定の宿主、クローニングまたは発現システム、および所望の転帰に応じて多様となりうる。調節およびタグ配列の組み合わせを含有する多様なクローニングおよび発現ベクターが市販されている。適したクローニングベクターには、pUC 18、pUC19、およびpBR322、ならびにその誘導体(New England Biolabs、Beverly、MA)、ならびにpGEN(Promega、Madison、WI)が含まれるが、これらに限定されるわけではない。加えて、代表的な原核生物発現ベクターには、pBAD (Invitrogen、Carlsbad、CA)、pTYBファミリーベクター(New England Biolabs)、およびpGEMEXベクター(Promega)が含まれるがこれらに限定されるわけではない。代表的な哺乳動物発現ベクターには、pTet-On/pTet-Off (Clontech、Palo Alto、CA)、pIND、pVAX1、pCR3.1、pcDNA3.1、pcDNA4、またはpUni(Invitrogen)、およびpCIまたはpSI(Promega)が含まれるが、これらに限定されるわけではない。代表的な昆虫発現ベクターには、pBacPAK8またはpBacPAK9(Clontech)、およびp2Bac(Invitrogen)が含まれるが、これらに限定されるわけではない。かつ代表的な酵母発現ベクターには、MATCHMAKER(Clontech)ならびにpPICZ A、B、およびC(Invitrogen)が含まれるが、これらに限定されるわけではない。
細菌システムにおいて、大腸菌(Escherichia coli)を用いてf40/7481ポリペプチドの断片またはその生物活性変種を発現させることができる。たとえば、大腸菌株DH10B(Invitrogen)を、f40/7481ポリペプチドをコードする核酸配列を含有する、グラム陰性の広い宿主範囲のベクターpCM66によって形質転換することができる。もう1つの例において、BL-21細胞をf40/7481ポリペプチドをコードする核酸配列を含有するpGEXベクターによって形質転換することができる。形質転換された細菌を指数的に生育させた後、イソプロピルチオガラクトピラノシド(IPTG)によって刺激した後採収することができる。一般的には、pGEX発現ベクターから産生されたGST融合ポリペプチドは、グルタチオン-アガロースビーズに吸着させた後に遊離のグルタチオンの存在下で溶出させることによって、溶解細胞から精製することができる。pGEXベクターは、発現されたポリペプチド(たとえば、f40/7481ポリペプチド)がGST部分から放出されうるように、トロンビンまたは第Xa因子プロテアーゼ切断部位を含むように設計されうる。
本発明は、天然の親ペプチド(本明細書において、f40/7481ポリペプチド)の生物作用を模倣または拮抗できる非ペプチド構造エレメントを含有する低分子のタンパク質様ポリマーである本発明のポリペプチドのペプチド模倣体またはその断片をさらに包含する。合成の非ペプチド化合物であることに加えて、ペプチド模倣体は、選択されたペプチドの三次元コンフォメーションと実質的に同じである三次元コンフォメーション(すなわち「ペプチドモチーフ」)を有する。ペプチドモチーフは、ペプチド模倣体が由来する親ペプチドと定性的に同一であるような受容体の結合能をペプチド模倣体化合物に提供する。ペプチド模倣体化合物は、増加した生物学的半減期などのその治療的有用性を増強する追加の特徴を有しうる。
ペプチド模倣体は典型的に、部分的または完全に非ペプチドである骨格を有するが、それにペプチド模倣体が基づくペプチドにおいて起こるアミノ酸残基の側鎖と同一である側鎖を有する。いくつかのタイプの化学結合(たとえば、エステル、チオエステル、チオアミド、レトロアミド、還元されたカルボニル、ジメチレン、およびケトメチレン結合)が当技術分野において、プロテアーゼ抵抗性のペプチド模倣体の構築におけるペプチド結合の一般的に有用な代用物であるとして知られており、本発明のポリペプチドの状況において用いることができる。
十分量(f40/7481ポリペプチドの代わりにペプチドを実験的または臨床的に有用にする量)の生物活性を有する任意のペプチド模倣体を本発明の方法において用いることができる。
本発明のポリペプチドの生物活性変種には、構造の修飾が含まれうる。たとえば、ペプチド骨格および/または1つまたは複数の側鎖を化学修飾することができる。化学修飾は、ポリペプチドをコードするmRNAの翻訳後インビボでなされた天然で生じる修飾(たとえば、細菌宿主におけるグリコシル化)、またはインビボでなされた合成修飾でありうる。f40/7481ポリペプチドの断片の生物活性変種には、天然に存在する(すなわち、インビボで天然で行われた)修飾および合成修飾(すなわち、インビトロで行われた天然で生じるまたは天然で生じない修飾)の任意の組み合わせに起因する1つまたは複数の構造修飾が含まれうる。修飾の例には、アミド化(たとえば、アミノ基によるC-末端での遊離のカルボキシル基の交換);ビオチニル化(たとえば、ビオチン分子によるリジンまたは他の反応性アミノ酸残基のアシル化);グリコシル化(たとえば、糖タンパク質または糖ペプチドを生成するための、アスパラギン、ヒドロキシリジン、セリン、またはトレオニン残基のいずれかに対するグリコシル基の付加);アセチル化(たとえば、典型的にポリペプチドのN-末端でのアセチル基の付加);アルキル化(たとえば、アルキル基の付加);イソプレニル化(たとえば、イソプレノイド基の付加);リポイル化(たとえば、リポ酸部分の付着);およびリン酸化(たとえば、セリン、チロシン、トレオニン、またはヒスチジンに対するリン酸基の付加)が含まれるが、これらに限定されるわけではない。
本明細書において記述されるポリペプチドは、化学合成されうる、天然供給源から精製されうる(それらがその供給源に存在する限り、または天然に存在するタンパク質から得ることができる限り(たとえば、消化によって))、またはf40/7481ポリペプチドもしくはその生物活性変種が組換えによって産生される細胞から精製されうる。ペプチド合成、発現、および精製に必要な方法は、当技術分野において周知である。たとえば、Kimmerlin and Seebach(J. Pept. Res. 65:229-260, 2005)を参照されたい。たとえば、ペプチドは、標準的なf moc化学を用いて化学合成することができ、高速液体クロマトグラフィー(HPLC)を用いて精製することができる。断片の縮合およびライゲーション法と組み合わせた洗練された固相化学合成技術によって、長さがアミノ酸150個を超えるペプチドを正確に合成することができるようになった。固相ペプチド合成は3つの別個の組の操作からなる:1)樹脂上での鎖のアセンブリ;2)樹脂に結合した完全に保護された鎖の同時または連続的切断および脱保護;ならびに3)標的ペプチドの精製および特徴付け。鎖アセンブリおよび切断/脱保護操作に関して様々な化学戦略が存在するが、精製および特徴付け法は、粗ペプチド産物を生成するために用いられる方法に対して多かれ少なかれ不変である。固相ペプチド合成に関する2つの主な化学は、Fmoc(塩基不安定保護基)およびt-Boc(酸不安定a-アミノ保護基)である。各々の方法は、根本的に異なるアミノ酸側鎖保護およびその後の切断/脱保護法および樹脂を伴う。t-Boc法は、アニソール単独またはアニソールに加えて他のスキャベンジャーを含有するより強いHFを用いることを必要とし、Fmoc化学によって組み立てられたペプチド樹脂は、通常、刺激が強くない試薬KまたはRによって切断される。Fmoc化学は、t-Boc化学より高い品質でより収率の大きいペプチド合成のために知られている。t-Boc合成ペプチドにおける不純物は、ほとんどが切断の問題、脱水、およびt-ブチル化によるものであった。ペプチドアセンブリHBTU/HOBtに関して、カルボジイミド媒介カップリングおよびPyBOP/HOBtは、一般的に用いられる方法である。合成ペプチドは典型的に、C-18、C-8、およびC-4などのカラムを用いる逆相HPLC(高速液体クロマトグラフィー)によって精製される。
核酸:
「核酸」および「ポリヌクレオチド」という用語は、cDNA、ゲノムDNA、合成DNAおよび核酸類似体を含有するDNA(またはRNA)が含まれるRNAまたはDNAのいずれかを指すために互換的に用いられる。ポリヌクレオチドは、任意の三次元構造を有しうる。核酸は二本鎖または一本鎖(すなわち、センス鎖またはアンチセンス鎖)でありうる。ポリヌクレオチドの非制限的な例には、遺伝子、遺伝子断片、エキソン、イントロン、メッセンジャーRNA(mRNA)およびその一部、トランスファーRNA、リボソームRNA、siRNA、マイクロ-RNA、リボザイム、cDNA、組換え型ポリヌクレオチド、分枝ポリヌクレオチド、プラスミド、ベクター、任意の配列の単離されたDNA、任意の配列の単離されたRNA、核酸プローブ、およびプライマーのみならず、核酸類似体が含まれる。本発明の状況において、核酸はf40/7481ポリペプチドの断片をコードしうる。
「単離された」核酸は、たとえば天然に存在するゲノムにおいてそのDNA分子に直に隣接していることが通常見いだされる核酸配列の少なくとも1つが除去されるかまたは存在しないことを条件とした、天然に存在するDNA分子またはその断片でありうる。このように、単離された核酸には、他の配列とは無関係に異なる分子として存在するDNA分子が含まれる(たとえば、化学合成された核酸、またはポリメラーゼ連鎖反応(PCR)もしくは制限エンドヌクレアーゼ処理によって産生されたcDNAもしくはゲノムDNA断片)。単離された核酸はまた、ベクター、自立複製プラスミド、ウイルス、または原核細胞もしくは真核細胞のゲノムDNAに組み入れられるDNA分子を指す。加えて、単離された核酸には、ハイブリッド核酸または融合核酸の一部であるDNA分子などの操作された核酸が含まれうる。たとえばcDNAライブラリーもしくはゲノムライブラリー、またはゲノムDNA制限消化物を含有するゲルスライス内の他の多くの(たとえば、何ダースもの、または何百から何百万もの)核酸の中に存在する核酸は、単離された核酸ではない。
単離された核酸分子は、標準的な技術によって産生されうる。たとえば、ポリメラーゼ連鎖反応(PCR)技術を用いて、本明細書において記述されるポリペプチド(すなわち、f40/7481ポリペプチド)をコードするヌクレオチド配列が含まれる、本明細書において記述されるヌクレオチド配列を含有する単離された核酸を得ることができる。PCRを用いて、総ゲノムDNAまたは総細胞RNAからの配列が含まれる、DNAのみならずRNAから特異的配列を増幅することができる。様々なPCR法が、たとえばPCR Primer: A Laboratory Manual, Dieffenbach and Dveksler, eds., Cold Spring Harbor Laboratory Press, 1995において記述される。一般的には、関心対象領域の末端のまたはそれ以上の配列情報を使用して、配列において増幅される鋳型の反対鎖と同一または類似であるオリゴヌクレオチドプライマーを設計する。それによって部位特異的ヌクレオチド配列改変を鋳型核酸に導入することができる様々なPCR戦略も同様に利用可能である(たとえば、f40/7481ポリペプチドの断片の生物活性変種を作製する場合に、利用することを希望するように)。
単離された核酸はまた、1つの核酸分子として(たとえば、ホスホラミダイト技術を用いて3'から5'方向への自動DNA合成を用いて)、または一連のオリゴヌクレオチドとして化学合成されうる。たとえば、オリゴヌクレオチド対がアニールした場合に二重鎖が形成されるように各々の対が短い相補性セグメント(たとえば、約15ヌクレオチド)を含有する、所望の配列を含有する長いオリゴヌクレオチド(たとえば>50〜100ヌクレオチド)の1つまたは複数の対を合成することができる。DNAポリメラーゼを用いてオリゴヌクレオチドを伸長させて、それによってオリゴヌクレオチド対あたり1つの二本鎖核酸分子が得られ、次にこれをベクターにライゲーションすることができる。本発明の単離された核酸はまた、f40/7481ポリペプチドの天然に存在する部分などの変異誘発によっても得ることができる。
2つの核酸またはそれらがコードするポリペプチドは、互いに一定の程度の同一性を有するとして記述される場合がある。たとえば、f40/7481ポリペプチドおよびその生物活性変種は、一定の程度の同一性を示すとして記述される可能性がある。アラインメントは、Protein Information Research(PIR)ウェブサイトにおいて短いf40/7481ポリペプチドを配置した後に、NCBIウェブサイト上での「短いほぼ同一の配列」 Basic Local Alignment Search Tool(BLAST)による分析によってアセンブルされてもよい。
任意の所定の問い合わせ配列と被験または参照配列との間の同一性の程度を決定することによって、「%配列同一性」を決定することができる。たとえば、SEQ ID NO:1によって表されるアミノ酸配列においていくつかの変異を作製した後に、配列を整列させて、問い合わせ配列が参照配列と異なる位置の数を計数することによって、変異体(問い合わせ配列)とSEQ ID NO:1(被験または参照配列)との間の%配列同一性を決定することができる。たとえば、各々の末端で1つの残基を除去して配列内の2つのアミノ酸を置換することによってSEQ ID NO:1を変異させる場合、問い合わせ配列は4つの位置で参照配列とは異なり、ゆえに、参照配列と少なくとも94%(65/69)同一であると考えられる。
より複雑なシナリオにおける配列同一性を決定するために、問い合わせ核酸またはアミノ酸配列をそれぞれ、コンピュータープログラムClustalW(バージョン1.83、デフォルトパラメータ)を用いて1つまたは複数の被験核酸またはアミノ酸配列に対して整列させることができ、それによってその全長に対する核酸またはタンパク質配列のアラインメントを実行することができる(グローバルアラインメント)。Chenna et al., Nucleic Acids Res. 31:3497-3500, 2003を参照されたい。
本明細書において記述される核酸およびポリペプチドにはそれぞれ、異種ヌクレオチドまたはアミノ酸が含まれてもよい。たとえば、配列には、もう1つの種からの配列が含まれるクモの配列に通常近接していないヌクレオチドまたはアミノ酸が含まれうる。
組換え型構築物も同様に本明細書において提供され、これを用いて本発明のポリペプチドを発現させるために細胞を形質転換することができる。組換え型核酸構築物は、細胞におけるf40/7481ポリペプチドの断片を発現させるために適した調節領域に機能的に連結した、本明細書において記述されるポリペプチドをコードする核酸を含む。いくつかの場合において、組換え型核酸構築物には、コード配列を含む核酸、遺伝子、またはRNAのアンチセンス鎖が転写されるようにアンチセンス方向のコード配列もしくは遺伝子の断片が含まれうる。多くの核酸が特定のアミノ酸配列を有するポリペプチドをコードしうると認識されていると考えられる。遺伝子コードの縮重性は当技術分野において周知である。多くのアミノ酸に関して、アミノ酸のためのコドンとして働く1つより多いヌクレオチドトリプレットが存在する。たとえば、f40/7481ポリペプチドのコード配列におけるコドンを、特定の生物に関する適切なコドンバイアス表を用いて、その生物における最適な発現が得られるように改変することができる。
本明細書において記述される核酸などの核酸を含有するベクターも同様に提供される。「ベクター」は、挿入されたセグメントの複製をもたらすようにその中にもう1つのDNAセグメントが挿入されてもよいプラスミド、ファージ、またはコスミドなどのレプリコンである。一般的には、ベクターは、適当な制御エレメントに会合する場合に複製することができる。適したベクター骨格には、たとえば、プラスミド、ウイルス、人工染色体、BAC、YAC、またはPACなどの当技術分野において日常的に用いられる骨格が含まれる。「ベクター」という用語には、クローニングおよび発現ベクターが含まれるのみならず、ウイルスベクターおよび組み込みベクターが含まれる。「発現ベクター」は、調節領域が含まれるベクターである。適した発現ベクターには、たとえばバクテリオファージ、バキュロウイルス、およびレトロウイルスに由来するプラスミドおよびウイルスベクターが含まれるが、これらに限定されるわけではない。多数のベクターおよび発現システムが、Novagen(Madison, WI)、Clontech(Palo Alto, CA)、Stratagene(La Jolla, CA)、およびInvitrogen/Life Technologies(Carlsbad, CA)などの会社から市販されている。
本明細書において提供されるベクターには、たとえば複製開始点、足場付着領域(SAR)、および/またはマーカーが含まれうる。マーカー遺伝子は、宿主細胞に選択可能な表現型を付与することができる。たとえば、マーカーは、抗生物質(たとえば、カナマイシン、G418、ブレオマイシン、またはヒグロマイシン)に対する抵抗性などの殺生物剤抵抗性を付与することができる。前記のように、発現ベクターには、発現されたポリペプチドの操作または検出(たとえば、精製または局在化)を容易にするように設計されたタグ配列が含まれうる。緑色蛍光タンパク質(GFP)、グルタチオンS-トランスフェラーゼ(GST)、ポリヒスチジン、c-myc、血液凝集素、またはFlag(商標)タグ(Kodak, New Haven, CT)配列などのタグ配列は、典型的にコードされるポリペプチドとの融合体として発現される。そのようなタグは、カルボキシルまたはアミノ末端のいずれかが含まれる、ポリペプチド内の任意の場所に挿入されうる。
ベクターにはまた、調節領域が含まれうる。「調節領域」という用語は、転写または翻訳の開始および速度、および転写または翻訳産物の安定性および/または移動性に影響を及ぼすヌクレオチド配列を指す。調節領域には、プロモーター配列、エンハンサー配列、応答エレメント、タンパク質認識部位、誘導可能なエレメント、タンパク質結合配列、5'および3'非翻訳領域(UTR)、転写開始部位、終止配列、ポリアデニル化配列、およびイントロンが含まれるが、これらに限定されるわけではない。
本明細書において用いられるように、「機能的に連結した」という用語は、そのような配列の転写または翻訳に影響を及ぼすために、核酸における調節領域および転写される配列の配置を指す。たとえば、コード配列をプロモーターの制御下にするために、ポリペプチドの翻訳読み取り枠の翻訳開始部位を典型的に、プロモーターの下流の1ヌクレオチド〜約50ヌクレオチドの間に配置する。しかし、プロモーターは、翻訳開始部位の約5,000ヌクレオチドもの上流に、または転写開始部位の約2,000ヌクレオチドもの上流に配置されうる。プロモーターは典型的に、少なくとも1つのコア(基礎)プロモーターを含む。プロモーターにはまた、エンハンサー配列、上流のエレメント、または上流の活性化領域(UAR)などの少なくとも1つの制御エレメントが含まれてもよい。含まれるプロモーターの選び方は、効率、選択性、誘導可能性、所望の発現レベル、および細胞または組織選択的発現が含まれるがこれらに限定されるわけではないいくつかの要因に依存する。プロモーターおよび他の調節領域をコード配列に対して適切に選択して配置することによってコード配列の発現を調節することは、当業者にとって日常的なことである。
処置法:
本明細書において開示されるポリペプチドは一般的には、有害事象が過剰な平滑筋収縮によって引き起こされる状態の予防および処置において有用である。これらには、胃の運動性が高すぎる状態;過活動膀胱または骨盤床機能障害などの泌尿器科学的または婦人科学的状態;および勃起不全が含まれる。「予防」は、症状が問題となる前に状態の症状が改善されることを意味する。このように、予防的処置は、状態の症状の発症を遅らせてもよく、またはその後発症した症状の重症度を弱めてもよい。「処置」または「処置する」は、より通常、症状が顕著なまたは問題となった後に介入が起こることを示すために適用される。本明細書において用いられるように、「治療」は、状態の症状の消失、またはその発症後の状態の症状の頻度もしくは重症度の減少を意味しうる。
本発明の方法には、被験者が処置を受けるか否かを医師または他の医療提供者が決定する段階が含まれてもよい。したがって、EDの症例において、方法には、機能的勃起、射精、またはその双方を行うことができない患者を同定する段階が含まれてもよい。EDは典型的に臨床診断後少なくとも6ヶ月間確認される(NIH Consensus on Impotence, J. Am. Med. Assoc. 270:83-90, 1993を参照されたい)。
本発明の方法は、ヒトの処置を明らかに意図しているが、それらはいくつかの場合において動物を処置するために用いられてもよい。たとえば、それらは絶滅危惧動物における性的不能を処置するために、またはその子孫が特に貴重である場合(たとえば、競走馬の子孫)に用いられてもよい。投与および調合:本明細書において記述されるポリペプチドは、哺乳動物に投与されうる。一般的には、ポリペプチドを、その送達を容易にするために薬学的に許容される担体(たとえば、生理食塩液、または緩衝生理食塩液)に懸濁させることができる。適した送達媒体(たとえば、ポリマー微粒子または埋め込み可能な装置)におけるポリペプチドの封入は送達効率を増加させる可能性がある。他のタンパク質またはタンパク質に基づく治療物質と同様に、本明細書において記述されるポリペプチドを、ハイドロゲルまたは脂質に基づく調合物内で投与してもよい。これらのようにしてポリペプチドを投与する方法は当技術分野において公知である。
本発明のポリペプチドは、生体分解性および非分解性のミクロスフェア、リポソーム、ゲル球体、ナノスフェア、ニオソーム(niosome)、マイクロカプセル、ナノカプセル、注射可能なインプラント、拡散制御ハイドロゲル、および他の親水性システム、マイクロエマルジョン、およびマルチエマルジョン、ならびにイオン導入法または電気穿孔、macroflux 経皮パッチの使用が含まれるがこれらに限定されるわけではない、ペプチド薬を送達するために設計されたシステムにおいて調合されうる。
結腸への薬物送達は、結腸に関連する局所疾患の処置のために薬物を送達するためではなくて、タンパク質および治療ペプチドの送達に関するその潜在性のためにますます重要性が増加している。結腸送達を最大限にするためには、薬物は、上部消化管(GIT)の吸収および/または環境から保護される必要があり、その後近位結腸に突然に放出される必要がある。
本発明の組成物は、本明細書において提供される任意のポリペプチド(またはその組み合わせ)を1つまたは複数の薬学的に許容される担体と組み合わせることによって作製されうる。そのような担体には、滅菌水溶液または非水溶液、懸濁液、およびエマルジョンが含まれうるが、これらに限定されるわけではない。非水性溶媒の例には、鉱油、プロピレングリコール、ポリエチレングリコール、植物油、および注射可能な有機エステルが含まれる。水性担体には、水、アルコール、生理食塩液、および緩衝溶液が含まれるが、これらに限定されるわけではない。保存剤、着香料、およびたとえば抗菌剤、抗酸化剤(たとえば、没食子酸プロピル)、キレート剤、不活性ガス等などの他の添加剤も同様に存在してもよい。
それらが得られるそれらの元の供給源または様式にかかわらず、本発明のポリペプチドは、その用途に従って調合されうる。たとえば、ポリペプチドは、組織培養における細胞に適用するために、または患者に投与するために組成物内で調合されうる。薬剤として使用される場合、本発明の組成物は、薬学技術分野において公知の任意の様式で調製され、局所または全身処置が望ましいか否かおよび処置される領域に応じて、多様な経路によって投与されうる。投与は、局所適用(鼻腔内および直腸内送達のみならず、陰茎を覆う皮膚への送達が含まれる粘膜への投与が含まれる)、肺内(たとえば、ネブライザーが含まれる粉末またはエアロゾルの吸入または吸い込み;気管内、鼻腔内、表皮および経皮によって)、眼内、経口、または非経口であってもよい。薬学的組成物および局所適用投与のための調合物には、経皮パッチ、軟膏、ローション、クリーム、ゲル、液滴、坐剤、スプレー、液体、粉末等が含まれてもよい。従来の薬学的担体、水性基剤、粉末または油性基剤、濃化剤等は必要であるかまたは望ましい可能性がある。経口または局所適用調合物が好ましい可能性があるが、非経口投与は実現可能であり、これには静脈内、皮下、腹腔内、または筋肉内注射または注入が含まれる。
本発明の組成物を作製する場合、活性成分は典型的に、賦形剤と混合され、賦形剤によって希釈されるか、またはたとえば、カプセル、小袋、カシェ、紙、もしくは他の容器の形の担体内に封入される。賦形剤が希釈剤として働く場合、これは活性成分の媒体、担体、または培地として作用する固体、半固体、または液体材料(たとえば、生理食塩液)でありうる。このように、組成物は、錠剤、丸剤、粉剤、ロゼンジ、小袋、カシェ剤、エリキシル剤、懸濁剤、エマルジョン、溶液、シロップ剤、エアロゾル(固体としてまたは液体培地において)、たとえば活性ポリペプチドの10重量%までを含有する軟膏、軟および硬ゼラチンカプセル、坐剤、滅菌注射可能溶液、および滅菌包装粉末の形態でありうる。当技術分野において公知であるように、希釈剤のタイプは意図される投与経路に応じて多様となりうる。得られた組成物には、保存剤などの追加の物質が含まれうる。ポリペプチドはまた、ポンプ、小片、または他の薬物送達装置内に含有されてもよい。適した薬学的担体のみならず薬学的調合において用いるための薬学的必要条件は、当技術分野において周知の参考テキストであるRemington's Pharmaceutical Sciences(E. W. Martin)およびUSP/NF(米国薬局方および国民医薬品集)において記述されている。
適した賦形剤のいくつかの例には、乳糖、デキストロース、蔗糖、ソルビトール、マンニトール、デンプン、アカシアゴム、リン酸カルシウム、アルギナート、トラガカント、ゼラチン、ケイ酸カルシウム、微結晶セルロース、ポリビニルピロリドン、セルロース、水、シロップ、およびメチルセルロースが含まれる。調合物には追加で、タルク、ステアリン酸マグネシウム、および鉱油などの潤滑剤;湿潤剤;乳化剤および懸濁剤;メチルおよびプロピルヒドロキシ安息香酸などの保存剤;甘味料;ならびに着香料が含まれうる。薬学的組成物は、当技術分野において公知の手順を利用することによって、患者に投与後、活性成分の急速な、持続的、または遅延放出を提供するために調合されうる。
製薬産業における合成または組換え発現治療タンパク質の使用の増加により、長期貯蔵の際の安定性、および有害な免疫原性副作用を回避する有効な送達手段などの問題が強調された(Frakjaer and Otzen, Nat. Rev. Drug Discov. 4:298-306, 2005)。これらの問題に取り組むために、置換、アシル化およびPEG化などの制御された化学修飾が使用されており、本明細書において記述されるポリペプチドの状況において使用されうる。
組成物は、各用量がたとえば、活性成分約0.01 mg〜約10 mg、0.05 mg〜約20 mg、0.1 mg〜約50 mg、約 0.1 mg〜約40 mg、約 0.1 mg〜約20 mg、約 0.1 mg〜約10 mg、約 0.2 mg〜約20 mg、約 0.3 mg〜約15 mg、約 0.4 mg〜約10 mg、約 0.5 mg〜約1 mg、約0.5 mg〜約100 mg、約 0.5 mg〜約50 mg、約 0.5 mg〜約30 mg、約 0.5 mg〜約20 mg、約 0.5 mg〜約10 mg、約 0.5 mg〜約5 mg、約1 mg〜約50 mg、約 1 mg〜約30 mg、約 1 mg〜約20 mg、約 1 mg〜約10 mg、約 1 mg〜約5 mg、約5 mg〜約50 mg、約 5 mg〜約20 mg、約 5 mg〜約10 mg、約10 mg〜約100 mg、約 20 mg〜約200 mg、約 30 mg〜約150 mg、約 40 mg〜約100 mg、約 50 mg〜約100 mgを含有する単位投与剤形に調合されうる。「単位投与剤形」という用語は、各単位が適した薬学的賦形剤に関連して、所望の治療効果を生じるように計算された活性材料の規定量を含有する、ヒト被験者および他の哺乳動物にとって単位用量として適した物理的に個別の単位を指す。錠剤などの固体組成物を調製するために、基本の活性成分を薬学的賦形剤と混合して、本発明の化合物の均一な混合物を含有する固体の予備調合組成物を形成する。これらの予備調合組成物を均一であると呼ぶ場合、活性成分は典型的に、錠剤、丸剤、およびカプセル剤などの等しく有効な単位投与剤形に容易に細分割されうるように、組成物全体を通して均一に分散される。次に、この固体予備調合物を、たとえば本発明の活性成分0.1〜約500 mgを含有する上記のタイプの単位投与剤形に細分割する。
本発明の錠剤または丸剤は、持続作用という長所を与える投与剤形を提供するために、コーティングされうるかまたはそうでなければ配合されうる。たとえば、錠剤または丸剤は、内部投与成分と外部投与成分とを含みえて、後者は前者の上に膜の形で存在する。2つの成分は、胃での崩壊に耐え、内部成分を十二指腸に無傷で入らせるようにまたは内部成分を遅れて放出させるように働く腸溶層で隔てられうる。そのような腸溶層またはコーティングのために多様な材料を用いることができ、そのような材料には、多数のポリマー酸、ならびにシェラック、セチルアルコールおよび酢酸セルロースのような材料とポリマー酸との混合物が含まれる。
本発明の化合物および組成物を経口投与または注射による投与のために組み入れることができる液体形態には、水溶液、適切に着香料を添加されたシロップ、水性または油性懸濁液、および綿実油、ゴマ油、ココナツ油、または落花生油などの食用油との着香料を添加されたエマルジョンのみならず、エリキシル剤および類似の薬学的媒体が含まれる。
吸入または吸い込みのための組成物には、薬学的に許容される水性または有機溶媒における溶液および懸濁液、またはその混合物、および粉末が含まれる。液体または固体組成物は、本明細書において記述される、および/または当技術分野において公知である適した薬学的に許容される賦形剤を含有してもよい。いくつかの態様において、組成物は、局所または全身効果のために口腔内または鼻腔内呼吸経路によって投与される。組成物は、不活性ガスを用いることによって霧状にされうる。霧状の溶液を噴霧装置から直接呼吸してもよく、または噴霧装置を顔マスクテントに、もしくは間欠的陽圧呼吸機器に取り付けることができる。溶液、懸濁液、または粉末組成物は、調合物を適当な様式で送達する装置から経口または鼻腔内に投与されうる。
本発明の組成物は、従来の滅菌技術によって滅菌されうるか、または濾過滅菌されてもよい。水溶液は、そのまま用いるために、または凍結乾燥して用いるために包装されることができ、凍結乾燥調製物は、投与前に滅菌水性担体と混ぜ合わされる。化合物調製物のpHは典型的に約3〜11の間、たとえば約5〜9、6〜7、7〜8の間であると考えられる。薬学的組成物における本発明の化合物の比率または濃度は、用量、化学的特徴(たとえば、疎水性)、および投与経路が含まれる多数の要因に応じて多様となりうる。たとえば、本発明の化合物は、非経口投与のために約0.1〜約10%w/vの化合物を含有する水性生理緩衝溶液で提供されうる。
必要な用量は、投与経路、調合物の性質、患者の病気の性質、患者の体格、体重、表面積、年齢、および性別、投与される他の薬物、ならびに主治医の判断に依存すると考えられる。適した用量は0.01〜1,000μg/kgの範囲であり得る。多様な細胞標的および様々な投与経路の異なる効率を考慮すると、必要な用量の広い変動が予測される。これらの用量レベルにおける変動は、当技術分野において周知であるように、最適化のために標準的な経験上のいつもの手順を用いることによって調節されうる。投与は、1回または複数回(たとえば、2または3回、4、6、8、10、20、50、100、150回、またはそれより多く)でありうる。適した送達媒体(たとえば、ポリマー微粒子または埋め込み可能な装置)にポリペプチドを封入すると、送達効率を増加させる可能性がある。
本明細書において提供される任意の組成物による処置の期間は、1日という短さから宿主の寿命までの長さまでの任意の期間でありうる(たとえば、何年もの間に及ぶ間欠的処置)。たとえば、ポリペプチドは、1週間に1回(たとえば、4週間から何ヶ月または何年もの間);1ヶ月に1回(たとえば、3〜12ヶ月間、または何年もの間);または1年に1回を5年間、10年間、もしくはそれより長く投与されうる。同様に、処置の頻度も変化しうると記される。たとえば、本発明のポリペプチドは、1日1回、または1日1回、2回、3回、毎週、毎月、もしくは毎年投与されうる。
本明細書において提供される任意の組成物の有効量を、処置を必要とする個体に投与することができる。本明細書において用いられるように、「有効である」という用語は、所望の反応を誘導するが、患者において有意な毒性を誘導しない任意の量を指す。そのような量は、特定の組成物の公知の量の投与後の患者の反応を評価することによって決定されうる。加えて、もしあれば、特定の組成物の公知の量の投与前後の患者の臨床症状を評価することによって、毒性レベルを決定することができる。患者に投与される特定の組成物の有効量は、所望の転帰のみならず患者の反応および毒性レベルに従って調節されうることが記される。有意な毒性は、各々の特定の患者に関して多様でありえて、患者の疾患状態、年齢、および副作用に対する認容性が含まれるがこれらに限定されるわけではない多数の要因に依存する。
または、ポリペプチドをコードする核酸配列を含有するポリヌクレオチドを動物の適切な細胞に送達することができる。これは、たとえばマクロファージなどの貪食細胞による貪食を最適にするような大きさの、ポリマーの生体分解性の微粒子またはマイクロカプセル送達媒体を用いることによって達成されうる。たとえば直径約1〜10μmのPLGA(ポリ-ラクチド-コ-グリコリド)微粒子を用いることができる。ポリヌクレオチドは、これらの微粒子に封入され、これは、マクロファージによって取り込まれて細胞内で徐々に生体分解されて、それによってポリヌクレオチドを放出する。放出された後、DNAは細胞内で発現される。第二のタイプの微粒子は、細胞に直接取り込まれずに、むしろ生体分解を通しての微粒子からの放出時に限って細胞によって取り込まれる核酸の徐放性リザーバーとして主に働くように意図される。ゆえに、これらのポリマー粒子は、貪食を除外するために十分に大きくあるべきである(すなわち、5μmより大きく、好ましくは20μmより大きい)。
核酸の取り込みを達成するためのもう1つの方法は、標準的な方法によって調製されたリポソームを用いることである。ベクターは、これらの送達媒体に単独で組み入れられうるか、または組織特異的抗体と共に同時に取り込まれうる。または、静電気力または共有結合力によってポリ-L-リジンに付着したプラスミドまたは他のベクターで構成される分子結合体を調製することができる。ポリ-L-リジンは、標的細胞上の受容体に結合することができるリガンドに結合する。「裸のDNA」(すなわち、送達媒体を伴わない)の筋肉内、皮内、または皮下部位への送達は、インビボ発現を達成するためのもう1つの手段である。
関連するポリヌクレオチド(たとえば、発現ベクター)において、操作されたタンパク質を開始メチオニンおよび任意でターゲティング配列と共にコードする核酸配列を、プロモーターまたはエンハンサー-プロモーターの組み合わせに機能的に連結させる。プロモーターおよびエンハンサーは、先に記述されたとおりであり、多くが当技術分野において周知である。ポリヌクレオチドは薬学的に許容される担体において投与されうる。薬学的に許容される担体には、ヒトまたは他の哺乳動物被験者に対する投与に適した生物学的に適合性の媒体(たとえば、生理食塩液)である。治療的有効量は、処置した哺乳動物において医学的に望ましい結果を生じる(たとえば、臨床での運動症状の減少)ことができるポリヌクレオチドの量である。医学の技術分野において周知であるように、任意の1人の患者に関する用量は、患者の体格、体表面積、年齢、投与される特定の化合物、性別、投与時間および投与経路、全般的健康、ならびに同時投与される他の薬物が含まれる多くの要因に依存する。用量は多様であるが、ポリヌクレオチドを投与するための好ましい用量は、ポリヌクレオチド分子およそ106〜1012コピーである。この用量は、必要に応じて反復投与されうる。投与経路は、先に記載した任意の経路でありうる。
当技術分野において公知である任意の方法を用いて、特定の反応が誘導されるか否かを決定することができる。EDに関して、患者の報告は、反応が誘導されるか否かを決定するために特定の疾患状態の程度を評価することができる臨床的方法と共に有用である。反応を評価するために用いられる特定の方法は、患者の基礎となる障害の性質、患者の年齢、および性別、投与される他の薬物、ならびに主治医の判断に依存すると考えられる。糖尿病、性腺機能低下症、およびプロラクチノーマなどの基礎疾患を除外するために、何らかの血液検査が一般的に行われる。性的不能はまた、一般的には身体的健康の不良、食習慣の不良、肥満、ならびに最も具体的には冠動脈疾患および末梢血管疾患などの心血管疾患に関連する。生理的性的不能と心理的性的不能とを区別する有用で単純な方法は、患者がかつて勃起を有したか否かを決定することである。今までになければ、問題はおそらく生理的であるが;時に(しかしまれであるが)生理的または心理的でありうる。EDの有用な臨床検査の例には、血流、静脈漏出、アテローム性動脈硬化症の徴候、および勃起組織の瘢痕または石灰化を評価することができる二重超音波;陰茎神経機能;夜間陰茎勃起現象(NPT);陰茎バイオセシオメトリー(penile biothesiometry);陰茎血管造影;動的注入海綿体測定;海綿体測定;デジタル差引血管造影(digital subtraction angiography);および磁気共鳴血管造影(MRA)が含まれる。
併用療法:
本発明のポリペプチドは、単剤療法としてまたは他の物質(たとえば、他のEDの処置)と共に、薬学的組成物において投与した場合に有用である。本発明者らは、PDE5阻害剤であるクエン酸シルデナフィル(Viagra(登録商標))に対する本発明のポリペプチドの相乗効果を見いだした。したがって、本発明の組成物には、PDE5阻害剤が含まれ得て、本発明の組成物によって相乗効果が得られる場合がある。すなわち、2つの物質を併用すると、単剤療法として与えられたいずれかの物質の1回用量によって達成された効果に等しいまたはそれより大きい治療効果、および/または単剤療法として与えられた単一の物質によって達成されるであろう効果より大きい治療効果が1つまたは複数の物質のより低用量で得られる可能性がある。
より具体的には、本発明のポリペプチドは、標準的な低分子タイプの薬剤、生物薬剤(たとえば、抗体または抗体関連免疫療法、siRNA、shRNA、アンチセンスオリゴヌクレオチドおよび他のRNA阻害分子、マイクロRNA、ならびにペプチド治療物質)、手術などの勃起不全を処置するための他の治療と併用して、または患者を補助するために用いられてもよい任意の医学装置と共に投与されうる。本文がそうでないことを示している場合を除き、本発明者らは、標的分子(たとえば、リガンドまたはそれが結合する受容体)または体の標的領域に臨床的に有用な方法で(たとえば、被験者が勃起を達成して維持する能力を改善するために)影響を及ぼす任意の物質を広範に指すために「物質」という用語を用いる。たとえば、本発明者らは、クエン酸シルデナフィルなどの化学化合物を「物質」と呼ぶことがある。本発明者らはまた、従来の化学化合物(たとえば、低分子有機または無機分子)を指すために「化合物」という用語を用いることがある。「物質」はまた、変異体リガンドまたは抗体などのタンパク質またはタンパク質に基づく分子であってもよい。他の有用な物質には、アンチセンスオリゴヌクレオチドまたはRNAiを媒介するRNA分子などの核酸または核酸に基づく実体、およびその送達のために用いられるベクターが含まれる。
より具体的には、本発明のポリペプチドは、海綿体においてcGMPの高い局所濃度を増加および維持するように作用する薬理学的物質と共に投与されうる。EDの広く用いられる治療は、cGMPの分解に関与する酵素であるcGMPホスホジエステラーゼ5型(PDE5)の阻害によってこれを成就する。PDE5の強力かつ選択的阻害剤には、たとえば、Viagra(商標)(シルデナフィル)、Cialis(商標)(タダラフィル)、およびLevitra(商標)(バルデナフィル)が含まれる。本発明のポリペプチドは、PDE5阻害剤、たとえば1-[4-エトキシ-3-(6,7-ジヒドロ-1-メチル-7-オキソ-3-プロピル-1H-ピラゾロ[4,3-d]ピリミジン-5-イル)フェニルスルホニル]-4-メチルピペラジン(シルデナフィル);(6R-トランス)-6-(1,3-ベンゾジオキソル-5-イル)-2,3,6,7,12,12a-ヘキサヒドロ-2-メチル-ピラジノ[1',2':1,6]ピリド[3,4-b]インドル-1,4-ジオン(タダラフィル);または4-[2-エトキシ-5-(4-エチルピペラジン-1-イル)スルホニル-フェニル]-9-メチル-7-プロピル-3,5,6,8-テトラビシクロ[4.3.0]ノナ-3,7,9-トリエン-2-オン(バルデナフィル)と共に投与されうる。ポリペプチドとたとえばPDE5阻害剤との併用によって、相乗効果が得られる可能性がある。すなわち、2つの物質の併用によって、単剤療法として与えられたいずれかの物質の1回用量によって達成された効果に等しいまたはそれより大きい治療効果、および/または単剤療法として与えられた単一の物質によって達成されるであろう効果より大きい治療効果が1つまたは複数の物質のより低用量で得られる可能性がある。ポリペプチドと他の物質、たとえばPDE5阻害剤は、同時または連続的に投与されうる。同時投与の場合、ポリペプチドとPDE5阻害剤とは、単一の薬学的組成物に調合されうる。連続投与の場合、ポリペプチドはPDE5阻害剤の前または後に投与され、投与は数分、数時間、数日、または数週間の間隔で隔てられうる。
ポリペプチドはまた、EDに関する他の処置を受けているまたは受けたことがある患者にも投与されうる。これらには:針の注射によるかまたは尿道内坐剤としてのいずれかによって投与されるプロスタグランジン(アルプロスタジル)、ホルモン(たとえば、テストステロン)補充療法;真空膨張装置;陰茎ポンプ、血管手術、陰茎インプラント、ケーゲル練習法、心理学カウンセリング、およびセックス治療が含まれる。
本発明の多くの態様を記述してきた。それにもかかわらず、様々な改変を行ってもよく、それらも本発明の趣旨および範囲に含まれると理解されるであろう。したがって、他の態様も以下の特許請求の範囲の範囲に含まれる。
実施例1:ポリペプチドf40/7841の精製
f40/7481ポリペプチドを、チリのクロゴケグモ種の雌性成体クモから得られた生毒から精製した。毒腺における毒素濃度を増加させるためにクモを20日間絶食させた後、低温環境(-20℃)に曝露した後採収した。鋏角(すなわち、毒腺を含有する口の部分)を鉗子で採取して、生理食塩液(PBS)(PBS:0.1 mM NaH2PO4、0.01 mM NaHPO4、1.35 mM NaCl、pH 7.4)を含有するエッペンドルフチューブに移して、温度-4℃で維持した。各組の腺は毒約2μlを含有した。試料を-80℃で保存した。粗抽出物を超音波撹拌によって得て、破片を-20℃で2000 rpmでの遠心分離によって除去した。この方法は、クモから生毒の粗抽出物を得る方法を例示するが、それらは本発明の範囲内である。
粗抽出物をHPLCクロマトグラフィーによって分画した。HPLCプロセスにおいて、Vydac C18カラム(22×250)、300Å、15 mを、溶媒A:0.1%TFA/H2Oおよび溶媒B:60 ACN/A溶媒からなる溶媒系と共に用い、1〜100%Bにおいて99分間の勾配で流速10 ml/分で室温で溶出した。溶出を、UV/可視光検出基において波長220 nmでモニターした。
凍結乾燥した場合に0.2 mg/mlより大きいタンパク質濃縮物を有する全ての画分を、LC/MSにおいて分析した。以下に記述されるように、関心対象画分は、インビトロ(ラット海綿体断片)およびインビボアッセイ(マウス)において同定された。
インビトロで活性を示す画分を、分離モジュールAlliance model 2690、fotodyodic検出器モデル996、試料容量120個の自動注入器、およびMicromass分光測定モデル2 MDに適合させた質量スペクトルLC/ESI-MS Watersシステムを通して分析した。システムは、CompaqモデルAP200によって制御された。同じ保持時間を有するまたは類似の染色プロファイルを有する画分に関して、計算ユニットによって制御される質量検出(生理的スクリーニングに用いられた)システムによって同じ分子量が決定された。ポリペプチド(またはHPLCの選択された画分)を20%AcOH/H2Oにおいて3 mg/ml濃度に希釈した。試料をC18 Waters Nova-Pakカラム(2.1×150)60Å、3.5 mにおいて、溶媒A:0.1%TFA/H2Oおよび溶媒B:60%または75%ACN/H2O中の0.1 TFAの溶媒の組み合わせによって、Bの勾配5%〜95%を20または30分間で用いて、流速0.4 ml/分で波長190〜300 nmで質量間隔500〜3930ダルトン(Da)でクロマトグラフィーを行った。
HPLC/mass Watersクロマトグラフィープロファイルを図4に示す。具体的実験条件は、カラム:Waters Nova-Pak Cl 8(2.1×150 mm)、60Å、3.5 m;溶媒A:0.1%TFA/H2O B:60または75%ACN/H2O中の0.1%TFA、勾配:Bの5〜95%、20または30分間において、855;流速0.4 ml/分;波長:190〜300 nm;注入容積:50μL;質量間隔:500〜3930 Da;モード「エレクトロスプレー」ポジティブ860;窒素流:4.1 L/h;ソース温度:150℃;エバポレーション温度:400℃;コーン電圧:36 V;毛細管のエネルギー:4 kV 865;抽出器エネルギー:5 kV;マルチプライヤエネルギー:700 V;低分子量分解能:15.6;高分子量分解能:8.7であった。図4は、精製抽出物のプロファイルを示す。HPLC-MS戦略によってf40/7841産物に対応する高純度の独自の化合物が得られた。ポリペプチドは、17.25秒で溶出し、これまでのグラフでは30秒間の標本分析時間の1:1 秒スケールの拡大に対応したことが明らかに観察されうる。
画分f40/7841の分子量は、HPLCによって得られた値と一貫した。図5において示されるように、溶出したポリペプチドは、7841 Daのクロマトグラフィープロファイルを有した。ポリペプチドの配列は、エドマン分解後の、ブロックされたN-末端のピログルタル酸アミノペプチダーゼによる脱保護によって決定された。配列をトリプシン消化ペプチドのHPLCおよびMALDI-MSによって確認した。
画分を凍結乾燥して、タンパク質濃度をBradford法を用いて決定した。活性は、画分あたりのタンパク質のmg/100 mg粗抽出物で表された。さらなる分析のために選択した活性画分をf40/7841と呼んだ。画分を冷所で保存した。
実施例2:インビトロでの海綿体の平滑筋弛緩アッセイ
インビトロでポリペプチドの海綿体収縮活性に及ぼす効果を、Wistar成体雄性ラットから採収した海綿体組織において分析した。組織を単離臓器チャンバーの中で、下記の条件下で垂直に配置した。1.5〜2ヶ月齢で体重250〜350 gの成体雄性Wistarラットを断頭によって屠殺して、陰茎を基部から摘出して、単離された組織約2 cmを得た。陰茎組織をZeiss STEMI DV4立体顕微鏡拡大鏡下で解剖した。海綿体および海綿様体を保護する陰茎海綿体白膜をゆっくりと除去した。海綿体を中心位置から除去して等しい長さおよび直径の2つの断片を得て、次にこれを適切に酸素添加したタイロード液(95%O2と5%CO2の混合物)に37℃でpH 7.4で移した。タイロード溶液の組成を表1に示す。
(表1)タイロード保存液
Figure 2011507544
塩NaCl、CaCl2×2H2O、MgCl2×6H2OおよびNaHCO3は、Winkler-USAから購入した。KClはFluka Chemika-Switzerlandから;NaH2PO4×H2O、グルコース×1 H2OはMerck-Germanyから購入した。
アッセイを、図6aにおいて示され、図6bにおいて拡大図を有する4/5 ml LSI LETICA単離臓器チャンバーにおいて行った。海綿体セグメントをその遠位および近位の極端で絹糸で結び、チャンバー内でタイロード液に浸した。遠位部分を接続棒に結び、近位部分を、アナログ/デジタルインターフェースPower Lab/4SP Ad機器に接続したイソメリック収縮変換器(TRI 201/0〜25 g)に接続し、これによってChart 5ソフトウェアを用いることによって、登録されたシグナルを保存および分析することが可能になった。本質的に、断片をアナログ張力変換器に接続し、該変換器はそのシグナルをPower Lab-Leticaインターフェースに伝達し、インターフェースは生理的調製物によって生成された情報を力/時間(g/分の尺度)で記録、作図、および保存する。
ポリペプチドをアッセイする前に、単離された海綿体試料を以下のように安定化させた。単離臓器チャンバーに海綿体を載せた後、通常の速度(1:1の比率)で0.5 gの張力を1時間適用した。この期間の間、基礎張力および酸素飽和(10 ml/分)は一定のままであった。最初の20分後、調製物をタイロード液を用いて洗浄して、張力を固定して、手順を20分毎に全体で4回繰り返した。最後の洗浄プロセスにおいて、Chart5制御システムにおいて、記録速度を10×から1×に変更した。
実施例3:海綿体収縮活性に及ぼすf40/7841の効果
f40/7841が平滑筋弛緩を誘導する能力を、平滑筋収縮を誘導するα-アドレナリン作動受容体の薬理学的アゴニストである50μMフェニレフリンの存在下で実施例2において記述される海綿体アッセイにおいてアッセイした。図7において示されるように、海綿体のフェニレフリンによる処置によって、1相性の収縮反応が起こり、その後、最初の20分間の間に徐々に維持された強直性反応が起こり、これは後の時点でわずかに減損した(○)。クロゴケグモ毒の総抽出物を、フェニレフリン(50μM)の存在下でチャンバーにおいて2μg/mlで添加すると、収縮力は添加後40分で約10%減少した。グラフは56回の測定結果を示す。
図8は、精製画分f40/7841の0.1μg/mlの存在下で、海綿体断片を上記のようにフェニレフリンによって処置した類似の実験を示す。弛緩能を決定するために、最初に、α-アドレナリン作動受容体を活性化する薬物、すなわちフェニレフリン(50μM)の存在下で最大収縮反応(対照)を誘導することが必要であった。得られた実験シリーズの結果を統計学的有意水準P<0.05で統計学的に分析して、GraphPad Prim. V.3.02ソフトウェアによって作図した。
実施例4:f40/7841弛緩活性のアナログ記録
50μMフェニレフリンによって収縮させた海綿体断片の反応の典型的なアナログ記録を図9に示す。組織断片を実施例2において記述されるように収集して臓器チャンバーに入れて1時間安定化させた。pH 7.4の生理的環境で適用された開始張力0.5 gならびに95%O2および5%CO2のガス混合物によって、基礎の軌跡を1時間後に得た。フェニレフリンを最終濃度50μMで添加後、急速な相性の収縮が起こり、この後に強直性成分が起こり、これは一定時間維持された。機器の較正は0.5 gであった。
図10は、フェニレフリンによって収縮して、f40/7481ポリペプチドによって処置した海綿体断片の反応のアナログ記録を示す。海綿体の単離された断片を上記のようにフェニレフリンによって20分間処置後、f40/7841を最終濃度2μg/mlで添加した。f40/7841ポリペプチドの添加によって、強直性収縮の急激な減少が起こった。機器の較正は0.5 gであった。
実施例5:f40/7841活性に及ぼす酸化窒素合成阻害の効果
f40/7841弛緩活性における酸化窒素の役割を、酸化窒素シンターゼ阻害剤N-ニトロ-L-アルギニンメチルエステル(L-NAME)によって海綿体試料を処置することによって調べた。海綿体断片の収縮を、実施例4におけるようにフェニレフリンによって10分間誘導した後、L-NAMEを最終濃度10 mMで添加することによって誘導した。さらに10分後、f40/7481ポリペプチドを添加した。アナログ軌跡を図11に示す。CH-1=フェニレフリン5 μM+L-NAME 10 mM+F40/7841 0.2 μg/ml;CH-2=フェニレフリン5 μM+L-NAME 10 mM+F40/7841 0.02 μg/ml;およびCH-3=フェニレフリン5 μM+L-NAME 10 mM+F40/7841 2 μg/ml。実施例4の場合と同様に、フェニレフリンを添加すると、海綿体組織の急速な収縮が起こった。酸化窒素阻害剤の存在下では、f40/7481ポリペプチドは、収縮の減少を誘導しなかった、すなわちL-NAMEは、f40/7481の収縮組織弛緩能を遮断した。機器の較正は0.5 gである。
図12は、海綿体断片を、L-NAMEの存在下(上の軌跡)および非存在下(下の軌跡)においてフェニレフリンの後にf40/7481ポリペプチドの添加によって処置した類似の実験を示す。図11において示される実験と同様に、酸化窒素シンターゼの阻害は、f40/7481ポリペプチドの海綿体弛緩の誘導能を消失させた。
実施例6:f40/7841弛緩活性に及ぼすアトロピンの効果
f40/7841弛緩活性におけるアセチルコリン受容体の役割を、海綿体試料をムスカリン作動性アセチルコリン受容体アンタゴニストであるアトロピンによって処置することによって調べた。この実験の結果を図13に示す。CH-1=フェニレフリン5μM+アトロピン1μM+f40/7841 1μg/ml;CH-2=フェニレフリン5μM+f40/7841 1μg/ml+アトロピン1μM。海綿体断片の収縮を実施例4において記述されるようにフェニレフリンによって40分間誘導した後、アトロピンを最終濃度1μMで添加することによって誘導した(上の軌跡)。強直性反応はアトロピンの存在下で経時的に徐々に低減した。下の軌跡における試料にも同様にf40/7481ポリペプチドを添加した。f40/7481ポリペプチドの弛緩誘導能は、アトロピンの存在下で減弱された。
アトロピンをフェニレフリンの前に添加しても類似の結果が得られた。図14において示される実験において、海綿体試料を実施例4に従って調製して、1時間安定化させた後、1μMアトロピンの後にフェニレフリンを最終濃度50μMで添加してインキュベートした。フェニレフリン添加後に典型的な急速な収縮反応が観察された。フェニレフリン添加後20分に、f40/7481ポリペプチドを最終濃度2μg/mlとなるように添加した。図13において示される実験の場合のように、f40/7481ポリペプチドの弛緩誘導能は、アトロピンの存在下で減弱した。機器の較正は0.5 gであった。
実施例7:f40/7841によるトランスフェクトPC12細胞におけるニコチン作動性アセチルコリン受容体(nAChR)の活性化
f40/7841ポリペプチドのニコチン性アセチルコリン受容体(nAChR)の活性化能を、α7ニコチン作動性アセチルコリン受容体(α7nAch)を発現するように操作されたPC12細胞の全細胞パッチクランプ分析によってアッセイした。PC12細胞を、以下を含有する80%MEM溶液においてトランスフェクトして、37℃で48時間培養した:150 mM NaCl、5.4 mM KCl、2.0 mM CaCl2、1.0 mM MgCl2、10 mMグルコースおよび10 mM Hepes(7.4)、2 mMおよび10%ウシ胎児血清(Trifaro et al. In vitro Cell Dev. Biol. 1990)。細胞を22℃で1時間インキュベートした後、実験を開始した。Warner PC-501a増幅器および倒立Olympus 9°70顕微鏡を通して全細胞パッチクランプシステムを通して、電流の変化を検出した。膜電位を-60 mVに調節した。電流を5μsの間隔で記録して、取得カードDigidata 9.0(Axon Instrument, Inc)を通して記録システムに接続されたコンピューターおよびソフトウェアPC 9(Axon Instrument, Inc)を用いて2 Khで濾過した。ペプチドを有するアッセイに関する保存溶液を4℃で冷蔵保存して、マイクロピペットは、以下の内部溶液を含有した:140 mM NaCl、5 mM KCl、2 mM CaCl2、1.5 mM MgCl2、および10 mM HEPES、pH 7.4。
精製f40/7841ポリペプチドを実施例1における方法に従って精製した。ポリペプチド0.1 mgをpH 7.4の滅菌PBS 100μlに希釈した。希釈したポリペプチドをエッペンドルフチューブにおいて25μlアリコートで分散させ、-20℃で冷蔵保存した。ペプチドの操作は全て、層流フードにおいて行った。
BF 150-117-15フィラメントを有するホウケイ酸キャピラリーを用いた。キャピラリーを当初の容器において処理して、陰圧に対する最大の膜接着を提供するために末端をBF 150-117-15機器によって研磨した。先端の直径はおよそ1μmであり、抵抗は5〜8 MΩであった。キャピラリーを使用前に肉眼での検分に供した。
全細胞パッチクランプ分析に関して、負の吸引または陰圧を通してマイクロマニピュレータを用いて細胞に注意深く触れた。シール形成は、電気抵抗の増加として注目された。機器が0 Vである場合、10 mMが生成され、コンピューターのスクリーンにおいて機器のプログラムに組み入れられた仮想顕微鏡においてパルスまたは変異する振幅の電流を観察した。この方形パルスは、環境と電極との間の抵抗の反映であった。細胞に触れた場合、電流は、減少して方形パルスの振幅は有意に低減された。オシロスコープのこの変化は、先端が膜に触れたこと、および電気的条件が抵抗の発生の結果として変化したことを示した。
陽性対照化合物の、コリン作動性アゴニストである10μMカルバコールの存在下でニコチンチャンネル活性化によって誘導された電気生理的反応を図15に示す。上の軌跡において示されるように、αn7AchRトランスフェクトPC12細胞のカルバコール処置によって、10 pAのカリウム電流の急速な誘導が起こり、その後テーリング電流が起こった。グラフはまた、容量性電流が実験の際に改変されなかったことを示しており、調製物が抵抗性を失わなかったこと、および細胞膜のシールが記録期間の間維持されたことを示している。
ポリペプチドf40/7841の存在下でニコチン性チャンネル活性化によって誘導された電気生理的反応を図16に示す。f40/7841ポリペプチドは0.1μg/mlの濃度で調製物に対して相乗的薬理学的アゴニストとして作用して、急速な500 pAのカリウム電流を産生した後、テーリング電流が起こった。下のグラフは、容量性電流が実験の間改変されなかったことを示し、調製物が抵抗を失わなかったこと、および細胞膜のシールが記録期間の間維持されたことを示している。図16におけるデータは、f40/7841ポリペプチドが、特異的コリン作動性活性(α7Ach)、すなわち細胞内環境へのカルシウム電流を遮断するカリウム電流を誘導したことを示した。
実施例8:細胞内カルシウム濃度の決定
f40/7841ポリペプチドがカルシウム流入に対して効果を有しないことを確認するために、C2C12筋芽細胞をf40/7841ポリペプチドによって処置して、細胞内カルシウムレベルをカルシウム感受性蛍光体であるFluo-3AMを用いてアッセイした。細胞内Ca2+測定に関して、488 nmのレージングライン励起を有するConfocal LSM 510 Meta Confocal(Zeiss, Jena, Alemania)顕微鏡を用いた。C2C12細胞を60 mm培養皿(Nalge Nunc International, Rochester, NY)に播種して、48時間培養し、その時点で各プレートは細胞約250,000個を含有した。細胞に蛍光体を、0.5%Me2SOおよび0.1%プルロン酸F-127において4μM fluo-3AM(Sigma)の濃度で37℃で30分間負荷して、10%ウシ胎児血清を有する改変ダルベッコ溶液によって3回洗浄して、インキュベータに戻した。
Fluo-3AMの蛍光を488 nmで刺激して、帯域フィルターを用いて515 nmで測定した。細胞内Ca2+を10秒間測定した後、1μM f40/7841ポリペプチドおよび1.5 mMカルバコールを添加した。Ca2+の変化を2分間モニターして、画像を1.5秒ごとに得た。カルシウムイオノフォア4-Br-A23187(5μM)の後に10 mM EGTAを添加して、最大カルシウム励起(Fmax)および最小蛍光(Fmin)をそれぞれ得た。用いたf40/7841によって得られた蛍光(F)の細胞内[Ca2+]は、fluo-3AMの*Kd*濃度450 nMを仮定して、以下のように計算して:細胞内[Ca2+]=Kd*(*F−F*min)/(*F*max−*F*)、細胞少なくとも10個を含有する細胞集団において濃度を計算した。
f40/7841ポリペプチドによって活性化されたC2C12細胞の光学顕微鏡写真を図17の左側に示す。連続画像を10ミリ秒毎に撮影した。図17の中心におけるグラフにおいて示されるように、f40/7841ポリペプチドは、C2C12細胞においてカルシウム流入を誘導しなかった。陽性対照化合物であるカルシウムイオノフォア4-Br-A23187を添加すると、蛍光の鋭いスパイクが起こったが、これはカルシウムキレート剤EGTAの添加によって消失した。
実施例9:クエン酸シルデナフィルおよびf40/7481の相乗効果
海綿体断片の収縮を、実施例2において記述される方法に従って50μMフェニレフリンによって誘導した。図1において示されるように、続いてクエン酸シルデナフィル(▲)を最終濃度1μMとなるように加えると、25〜30分間にわたって収縮反応の遅い減少が起こった。f40/7841(■)を最終濃度2μg/mlで同時に添加すると、クエン酸シルデナフィル単独と比較して収縮反応の有意な減少が起こった。その上、典型的に、f40/7841ポリペプチドおよびわずか1μMクエン酸シルデナフィルについて認められた弛緩速度と同等の弛緩速度を観察するためにはクエン酸シルデナフィル単独の100μM濃度が必要であり、f40/7841ポリペプチドがシルデナフィルの作用を有意に増強しうることを示唆している。
実施例10:クロゴケグモRNAの分析のためのRT-PCRプライマーの設計
チリのクロゴケグモ種からf40/7481ポリペプチドをコードする核酸を単離するために、ヨーロッパアジア亜種であるジュウサンボシゴケグモ(Latrodectus tredecimguttatus)のラトロトキシンの配列に基づいて、プライマーを設計した。DNAプライマーはLOCUS DQ011856における保存領域に基づいて選ばれた。プライマー配列は以下に示されるとおりであった。
Figure 2011507544
これらのプライマーを、チリのクロゴケグモから抽出されたmRNAに関するRT-PCRのために用いた。図2において示されるように、1つを除く全てのプライマーの組み合わせが1つの断片を生じ、最も強いシグナルは、aTX1FおよびaTX2Rプライマーを用いて得られた。
実施例11:インビボアッセイの机上の実験例
EDのインビボアッセイ:
齧歯類および実験的研究において典型的に用いられる他の哺乳動物を用いて本発明の組成物を評価することができる。たとえば、SEQ ID NO:1の配列を有するまたはSEQ ID NO:1の配列が含まれるポリペプチドが含まれる薬学的に許容される組成物を調製して、雄性Fisher 344ラットに投与(たとえば、皮下または腹腔内注射)することができる。望ましければ、Musicki et al.(J. Urology 174: 1493-1496, 2003)において記述されるように若い(〜4ヶ月齢)および高齢(〜19ヶ月齢)のラットについて平行な試験を行うことができる。生理食塩液または「ビヒクル単独」の対照実験を平行して行うことができる。勃起は肉眼的に評価することができ、不応性をさらに評価するように試験を適応させることができる。たとえば、組成物を一定期間(たとえば、2〜4週間)日常的に投与して(たとえば、1〜3回/日)、海綿体神経の電気刺激を行って、洗浄期間後の陰茎勃起を評価することができる。
実施例12:SEQ ID NO:1をコードするmRNAの机上のcDNAクローニング
クロゴケグモからのα-ラトロトキシンcDNAクローンを、標準的な分子生物学法を用いて得る(たとえば、Molecular Cloning: A Laboratory Manual (Third Edition) J. Sambrook, P. MacCallum, D. Russell, CSHL Press, Cold Spring Harbor, NYを参照されたい)。簡単に説明すると、実施例10において記述された実験において得られたPCR産物をクローニングしてシークエンシングし、DNA配列をヨーロッパアジア亜種であるジュウサンボシゴケグモのα-ラトロトキシンのみならず、他のα-ラトロトキシンのDNA配列と整列させて、プライマーがα-ラトロトキシンmRNAにアニールしたことを確認する。配列がジュウサンボシゴケグモと相同または同一であれば、完全長のcDNAクローンが2つの方法のいずれかで得られる。重なり合うプライマーの追加の組を、たとえば逆PCR、RACEが含まれる多様なPCRに基づく方法を用いてより長いPCR産物を生成するために設計した後、PCR断片を単離して、たとえばQIAgen PCRクローニングキットなどの市販のシステムを用いて直接クローニングする。または、クロゴケグモcDNAライブラリーを構築して、クローニングされた配列を用いてライブラリーをプロービングする。同定されたクローンをシークエンシングして、その同一性を確認する。用いられる方法によらず、クローンをシークエンシングして、完全長のcDNA配列が単離されていることを確認する。
次に、得られたcDNA配列を、タンパク質発現に有用な任意のベクターシステム、たとえばT7 RNAポリメラーゼプロモーターを有するpET28(Stratagene)に挿入する。得られたプラスミドを用いてBIORAD電気穿孔器を用いてBL21細菌(Strategene)を形質転換する。形質転換体を2×YTにおいて吸光度2.0となるまで培養した後、タンパク質合成を1 nM IPTGによって37℃で3時間誘導する。細菌発現タンパク質を、実施例1におけるHPLC法に従って精製する。

Claims (29)

  1. SEQ ID NO:1と少なくとも80%同一であるアミノ酸配列を含む、実質的に純粋なポリペプチドであって、
    該ポリペプチドの該アミノ酸配列がSEQ ID NO:2ではないことを条件とする、ポリペプチド。
  2. 前記アミノ酸配列が、1つまたは複数のアミノ酸置換を含有することからSEQ ID NO:1とは異なる、請求項1に記載のポリペプチド。
  3. 前記1つまたは複数のアミノ酸置換が、1つまたは複数の保存的アミノ酸置換を含む、請求項2に記載のポリペプチド。
  4. 前記ポリペプチドの前記アミノ酸配列が、1つまたは複数のアミノ酸欠失または挿入を含有することからSEQ ID NO:1とは異なる、請求項1に記載のポリペプチド。
  5. 前記アミノ酸配列が、SEQ ID NO:1と少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、または少なくとも98%同一である、請求項1に記載のポリペプチド。
  6. 前記アミノ酸配列がSEQ ID NO:1からなる、請求項1に記載のポリペプチド。
  7. 請求項1〜6のいずれか一項に記載のポリペプチドをコードする、単離された核酸。
  8. 請求項7に記載の核酸を含む、発現ベクター。
  9. 請求項8に記載の発現ベクターを含む、宿主細胞。
  10. 請求項1〜6のいずれか一項に記載のポリペプチドを含む、薬学的に許容される組成物。
  11. SEQ ID NO:1と少なくとも80%同一であるアミノ酸配列を含むポリペプチドを含む、薬学的に許容される組成物。
  12. 前記ポリペプチドの前記アミノ酸配列が、1つまたは複数のアミノ酸置換を含有することからSEQ ID NO:1とは異なる、請求項11に記載の薬学的に許容される組成物。
  13. 前記1つまたは複数のアミノ酸置換が1つまたは複数の保存的アミノ酸置換を含む、請求項12に記載の薬学的に許容される組成物。
  14. 前記ポリペプチドの前記アミノ酸配列が、1つまたは複数のアミノ酸欠失または挿入を含有することからSEQ ID NO:1とは異なる、請求項11に記載の薬学的に許容される組成物。
  15. 前記ポリペプチドの前記アミノ酸配列が、SEQ ID NO:1と少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、または少なくとも98%同一である、請求項11に記載の薬学的に許容される組成物。
  16. 前記アミノ酸配列が異種配列を含む、請求項11に記載の薬学的に許容される組成物。
  17. 第二の薬学的活性成分をさらに含む、請求項10または11〜16のいずれか一項に記載の薬学的に許容される組成物。
  18. 経口投与のために調合される、請求項10または11〜16のいずれか一項に記載の薬学的に許容される組成物。
  19. 非経口投与のために調合される、請求項10または11〜16のいずれか一項に記載の薬学的に許容される組成物。
  20. 前記第二の薬学的活性成分がクエン酸シルデナフィルである、請求項17に記載の薬学的に許容される組成物。
  21. 前記非経口投与が静脈内投与、筋肉内投与、皮下投与、経皮投与、または経粘膜投与である、請求項19に記載の薬学的に許容される組成物。
  22. 請求項10〜21のいずれか一項に記載の薬学的組成物の治療的有効量を被験者に投与する段階を含む、勃起不全を有する被験者を処置する方法。
  23. 勃起不全を有する被験者を同定する段階をさらに含む、請求項22に記載の方法。
  24. 医薬の調製における、請求項1〜6のいずれか一項に記載の単離されたポリペプチドの使用。
  25. 勃起機能障害の処置のための医薬の調製における、請求項1〜6のいずれか一項に記載の単離されたポリペプチドの使用。
  26. 医薬の調製における、SEQ ID NO:1と少なくとも80%同一であるアミノ酸配列を含む単離されたポリペプチドの使用。
  27. 勃起機能障害の処置のための医薬の調製における、SEQ ID NO:1と少なくとも80%同一であるアミノ酸配列を含む単離されたポリペプチドの使用。
  28. 請求項1〜6のいずれかのポリペプチドの発現に適切な時間および条件下で、請求項9に記載の宿主細胞を培養する段階を含む、請求項1〜6のいずれか一項に記載のポリペプチドを作製する方法。
  29. 前記宿主細胞または該宿主細胞を培養した培地から前記ポリペプチドを単離する段階をさらに含む、請求項28に記載の方法。
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