JP2006051033A - 電位依存性カルシウムチャンネルアンタゴニストおよび方法 - Google Patents

電位依存性カルシウムチャンネルアンタゴニストおよび方法 Download PDF

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Abstract

【課題】 クラスE電位依存性カルシウムチャンネルを選択的にブロックする新規のクラスのペプチドおよびこのようなチャンネルをブロックするための方法の提供。
【解決手段】 HG−1、HG−8、R9、R11、およびSNX−629からなる群より選択されるアミノ酸配列を有する特定ペプチドの提供。あるいは、単離されたポリヌクレオチドであって、上記ペプチドを含む特定のペプチドをコードするヌクレオチドの配列を含む、ポリヌクレオチドの提供。
【選択図】 なし

Description

発明の分野
本発明は、クラスE電位依存性カルシウムチャンネルを特異的にブロックするペプチド化合物の新規のクラスおよびこのようなチャンネルをブロックするための方法に関する。本発明はまた、この化合物を用いた治療処置(例えば、痙攣性障害の処置)に関する。
参考文献
Figure 2006051033
Figure 2006051033
発明の背景
電位依存性カルシウムチャンネルは、ニューロンにおいて、ならびに心筋、平滑筋、および骨格筋ならびに他の興奮性細胞において存在する。これらのチャンネルは、膜興奮性、筋収縮、および細胞分泌(例えば、エキソサイトーシス性シナプス伝達)に関与することが知られている。ニューロン細胞において、電位依存性カルシウムチャンネルは、それらの電気生理学的特性ならびにそれらの生化学的および薬理学的特性により分類されている。より最近では、さらなる分類がこのチャンネルの分子生物学に基づいてなされた。
カルシウムチャンネルは、一般的に、低閾値(LVA)チャンネルまたは高閾値(HVA)チャンネルのようなそれらの電気生理学的特性に従って分類されている。HVAチャンネルは、現在、少なくとも3グループのチャンネル(L型、N型、およびP/Q型チャンネルとして知られる)を含むことが知られている。これらのチャンネルは、それらの薬理学およびリガンド結合特性に基づいて、電気生理学的ならびに生化学的にあるものを別のものと区別されている。従って、ジヒドロピリジン、ジフェニルアルキルアミン、およびピペリジンは、L型カルシウムチャンネルのαサブユニットに結合し、そしてニューロン組織におけるHVAカルシウム電流(L型カルシウム電流と呼ばれる)の一部をブロックする。N型カルシウムチャンネルは、ωコノペプチドに感受性であるが、ジヒドロピリジン化合物(例えば、ニモジピンおよびニフェジピン)に比較的非感受性である。一方、P/Q型チャンネルは、ジヒドロピリジンに非感受性であるが、ジョウゴグモ(funnelweb spider)毒素Aga IIIAに感受性である。
L型、N型、P型、およびQ型チャンネルと同様に、R型カルシウムチャンネルは、大きな膜脱分極により活性化され、従って高閾値(HVA)チャンネルとして分類されている。R型チャンネルは、ジヒドロピリジンおよびωコノペプチドに非感受性であるが、P/Q、L、およびNチャンネルと同様に、ジョウゴグモ毒素AgaIVAに感受性である。免疫細胞化学的染色研究は、これらのチャンネルが脳のいたるところに、特に深部正中構造(deep midline structure)(尾状核-被殻、視床、視床下部、扁桃、小脳)ならびに腹側中脳および脳幹の核に位置することを示す。このチャンネルは、ニューロン細胞体および樹状突起に主に存在することが考えられ、ここで細胞電気的活性の一因となる。現在、R型チャンネルがシナプス前神経末端に局在化し得るという証拠も存在する。
ニューロン電位感受性カルシウムチャンネルを含む分子複合体は、中心のα1サブユニット、α2/δサブユニット、βサブユニット、および95kDサブユニットからなる。分子遺伝学的研究は、A、B、C、D、およびEと呼ばれる、α1サブユニットをコードする少なくとも5つのmRNAクラスを明らかにしている。これらは、電気生理学的研究により定義されるように、P/Q型(α1A)、N型(α1B)、L型(α1c、α1D)、およびR型(α1E)電位依存性チャンネルに対応する。(Snutchら,1990、Soongら,1993、Tsienら,1991;Bielら,1990、Mikamiら,1989、Perez-Reyesら,1989、Tanabeら、Williamsら,1992;Fujitaら,1993;Moriら,1991、Satherら,1993、Steaら,1994、Fortiら,1994、RandallおよびTsien,1994)。クラスE電位依存性カルシウムチャンネルは、R型およびG2電流として電気生理学的に特徴付けられる電流を含む。
クラスEまたはR型ニューロンカルシウムチャンネルに特異的または選択的なリガンドは知られていない。クモペプチドω-Aga IIIAはこのチャンネルに拮抗するが(Palmaら,1995)、これはまたN、P/Q、およびL型カルシウム電流を強くブロックし(Cohenら,1993、Ertelら,1994)、それゆえ特異性を欠く。このチャンネルに特異的なリガンドの欠如は、これまでニューロン機能におけるその役割(単数または複数)の解明を妨げていた。表1は、本明細書中に参照された電位依存性カルシウムチャンネルの種々のサブタイプのアンタゴニストを要約する。
Figure 2006051033
Figure 2006051033
ニューロン機能における特異的カルシウムチャンネルの重要性を考慮すると、クラスEカルシウムチャンネルを特異的にブロックする薬理学的薬剤を同定することは有用である。本発明は、このチャンネルを選択的にブロックする新規のクラスのペプチドの発見に基づく。このクラスの化合物は、H.gigasから最初に単離されたペプチドに由来する本明細書中に記載される新規のHGペプチドにより本明細書中で例示される。
(項目1) クラスE電位依存性カルシウムチャンネルをブロックするのに必要とされるHG-1ペプチド(配列番号1)の濃度のよくて10〜50倍の濃度で該チャンネルをブロックし得るHGペプチド。
(項目2) 項目1に記載のペプチドであって、前記クラスE電位依存性カルシウムチャンネルを最大半分ブロックするのに必要とされる濃度のよくて約10倍の濃度で、少なくとも50%でL型、T型、P/Q型、またはN型カルシウムチャンネルをブロックし得ないことによりさらに特徴付けられる、ペプチド。
(項目3) 項目2に記載のペプチドであって、V1-配列番号19-X2X3X4-配列番号20-X5-LGC-X6X7X8X9-S-X10-配列番号10-X11X12-T-X13X14X15により定義される配列を有し、ここでV1はGVDKX1Gまたは欠失であり、X1はAまたはPであり;配列番号19はCRYMFGGCであり;X2はSまたはEであり、X3はVまたはKであり、X4はDまたはNであり、配列番号20はDDCCPであり、X5はRまたはKであり、X6はHまたはKであり、X7はSまたはDであり、X8はIまたはLであり、X9はFまたはLであり、X10はYまたは欠失であり、配列番号10はYCAWであり、X11はDまたはEであり、X12はLまたはVであり、X13はFまたはGであり、X14はSまたはEまたは欠失であり、そしてX15はFまたはDまたは欠失である、ペプチド。
(項目4) 項目2に記載のペプチドであって、配列番号16-X1-FGGC-X2X3X4-配列番号17-X5X6X7X8X9X10-配列番号18-X11-TFSDにより定義される配列を有し、ここでX1はクラスVから選択され;X2はクラスIIから選択され;X3はクラスIVまたはVから選択され;X4はクラスIIIから選択され;X5はクラスIIIまたはクラスIVまたは欠失から選択され;X6はクラスIVまたはVから選択され;X7はクラスIIまたはIVから選択され;X8はクラスIIまたはVから選択され;X9はクラスVIから選択され;X10はクラスIIまたはIIIから選択され;そしてX11はクラスII、V、またはVIから選択される、ペプチド。
(項目5) 項目4に記載のペプチドであって、ここでX1=MまたはL;X2=SまたはT;X3=V、K、またはR;X4=NまたはD;X5=K、Q、または欠失;X6=H、R、またはL;X7=SまたはK;X8=LまたはG;X9=FまたはY;X10=SまたはN;そしてX11=L、F、またはG;そして配列番号16はGVDKAGCRYであり、配列番号17はDDCCPRLGCであり、そして配列番号18はYCAWDである、ペプチド。
(項目6) 配列番号1(HG-1)、配列番号8(HG-8)、配列番号13(R9)、配列番号14(R11)、および配列番号15(SNX-629)からなる群より選択される配列を有するペプチド。
(項目7) 配列:配列番号1を有するペプチド。
(項目8) 配列:配列番号15を有するペプチド。
(項目9) 単離されたポリヌクレオチドであって、配列番号1、配列番号2、配列番号3、配列番号4、配列番号5、配列番号6、配列番号7、配列番号8、配列番号9、配列番号11、配列番号12、配列番号13、配列番号14、および配列番号15により定義される配列を有するペプチドから選択されるペプチドをコードするヌクレオチドの配列を含む、ポリヌクレオチド。
(項目10) 項目9に記載の単離されたポリヌクレオチドであって、配列番号23から配列番号43により定義される配列を有するヌクレオチドから選択される、ポリヌクレオチド。
(項目11) 単離されたポリヌクレオチドであって、配列V1-配列番号19-X2X3X4-配列番号20-X5-LGC-X6X7X8X9-S-X10-配列番号10-X11X12-T-X13X14X15を有し、ここでV1はGVDKX1Gまたは欠失であり、X1はAまたはPであり;配列番号19はCRYMFGGCであり;X2はSまたはEであり、X3はVまたはKであり、X4はDまたはNであり、配列番号20はDDCCPであり、X5はRまたはKであり、X6はHまたはKであり、X7はSまたはDであり、X8はIまたはLであり、X9はFまたはLであり、X10はYまたは欠失であり、配列番号10はYCAWであり、X11はDまたはEであり、X12はLまたはVであり、X13はFまたはGであり、X14はSまたはEまたは欠失であり、そしてX15はFまたはDまたは欠失である、ペプチドをコードするヌクレオチドの配列を含む、ポリヌクレオチド。
(項目12) 単離されたポリヌクレオチドであって、配列、配列番号16-X1-FGGC-X2X3X4-配列番号17-X5X6X7X8X9X10-配列番号18-X11-TFSDを有し、ここでX1はクラスVから選択され;X2はクラスIIから選択され;X3はクラスIVまたはVから選択され;X4はクラスIIIから選択され;X5はクラスIIIまたはクラスIVまたは欠失から選択され;X6はクラスIVまたはVから選択され;X7はクラスIIまたはIVから選択され;X8はクラスIIまたはVから選択され;X9はクラスVIから選択され;X10はクラスIIまたはIIIから選択され;そしてX11はクラスII、V、またはVIから選択される、ペプチドをコードするヌクレオチドの配列を含む、ポリヌクレオチド。
(項目13) 被験体において発作を阻害する方法であって、クラスE電位依存性カルシウムチャンネルをブロックするのに必要とされるHG-1ペプチド(配列番号1)の濃度のよくて約10〜50倍の濃度で、該チャンネルをブロックし得る薬学的に有効な用量のHGペプチドを該被験体に投与する工程を包含する、方法。
(項目14) 項目13に記載の方法であって、前記ペプチドが、前記クラスE電位依存性カルシウムチャンネルを最大半分ブロックするのに必要とされる濃度のよくて約10倍の濃度で、少なくとも50%でL型、T型、クラスA(P/Q型)、またはクラスB(N型)カルシウムチャンネルをブロックし得ないことによりさらに特徴付けられる、方法。
(項目15) 項目13に記載の方法であって、前記ペプチドが、配列:V1-配列番号19-X2X3X4-配列番号20-X5-LGC-X6X7X8X9-S-X10-配列番号10-X11X12-T-X13X14X15を有し、ここでV1はGVDKX1Gまたは欠失であり、X1はAまたはPであり;配列番号19はCRYMFGGCであり;X2はSまたはEであり、X3はVまたはKであり、X4はDまたはNであり、配列番号20はDDCCPであり、X5はRまたはKであり、X6はHまたはKであり、X7はSまたはDであり、X8はIまたはLであり、X9はFまたはLであり、X10はYまたは欠失であり、配列番号10はYCAWであり、X11はDまたはEであり、X12はLまたはVであり、X13はFまたはGであり、X14はSまたはEまたは欠失であり、そしてX15はFまたはDまたは欠失である、方法。
(項目16) 項目13に記載の方法であって、前記ペプチドが配列番号1および配列番号15から選択される配列を有する、方法。
(項目17) 被験体におけるオキシトシン放出を阻害する方法であって、クラスE電位依存性カルシウムチャンネルをブロックするのに必要とされるHG-1ペプチド(配列番号1)の濃度のよくて約10〜50倍の濃度で、該チャンネルをブロックし得る薬学的に有効な用量のHGペプチドを該被験体に投与する工程を包含する、方法。
(項目18) 項目17に記載の方法であって、L型カルシウムチャンネルブロッカー、N型カルシウムチャンネルブロッカー、およびP/Q型カルシウムチャンネルブロッカーからなる群より選択される化合物を前記被験体にを投与する工程をさらに包含する、方法。
(項目19) 項目17に記載の方法であって、前記オキシトシン放出阻害が、妊娠ヒト被験体における早産を取り除くのに有効である、方法。
(項目20) 項目17に記載の方法であって、前記オキシトシン放出阻害が、ヒト被験体における泌乳失速応答を阻害するのに有効である、方法。
(項目21) 下垂体後葉からのオキシトシンの放出をブロックするための化合物を選択する方法であって、
ニューロン組織におけるクラスEカルシウムチャンネルを選択的にブロックする能力について該化合物を試験する工程、および
カルシウム電流をブロックするのに効果的なHG-1ペプチドの濃度のわずか約10〜50倍の濃度で該クラスEカルシウムチャンネルを介した該電流をブロックする該化合物を選択する工程、
を包含する、方法。
発明の要旨
本発明は、クラスEカルシウムチャンネルを選択的にブロックする新規のクラスのペプチドに関する。より詳細には、このようなペプチドは、一般的に、本明細書中でクラスE電位依存性カルシウムチャンネルブロッキングペプチドと呼ばれ、このようなチャンネルをブロックするために必要とされるHG-1ペプチド(配列番号1)濃度の約10〜50倍、より好ましくはわずか10〜20倍である濃度で、クラスE電位感受性カルシウムチャンネルをブロックし得る。別の実施態様において、このペプチドは、クラスE電位依存性カルシウムチャンネルを最大半分ブロックするのに必要とされるモル濃度の約10倍のモル濃度で、本明細書中に記載されるように、特定のペプチドが少なくとも50%でL型、T型、P/Q型、またはN型カルシウムチャンネルをブロックし得ないことによりさらに特徴付けられ得る。
好ましい実施態様において、ペプチドは、以下の形態:V1-配列番号19-X2X3X4-配列番号20-X5-LGC-X6X7X8X9-S-X10-配列番号10-X11X12-T-X13X14X15をとり、ここでV1はGVDKX1Gまたは欠失であり、X1はAまたはPであり;配列番号19はCRYMFGGCであり;X2はSまたはEであり、X3はVまたはKであり、X4はDまたはNであり、配列番号20はDDCCPであり、X5はRまたはKであり、X6はHまたはKであり、X7はSまたはDであり、X8はIまたはLであり、X9はFまたはLであり、X10はYまたは欠失であり、配列番号10はYCAWであり、X11はDまたはEであり、X12はLまたはVであり、X13はFまたはGであり、X14はSまたはEまたは欠失であり、そしてX15はFまたはDまたは欠失である。
別の好ましい実施態様において、ペプチドは、以下の形態:配列番号16-X1-FGGC-X2X3X4-配列番号17-X5X6X7X8X9X10-配列番号18-X11-TFSDをとり、ここでX1はクラスVから選択され;X2はクラスIIから選択され;X3はクラスIVまたはVから選択され;X4はクラスIIIから選択され;X5はクラスIIIまたはクラスIVまたは欠失から選択され;X6はクラスIVまたはVから選択され;X7はクラスIIまたはIVから選択され;X8はクラスIIまたはVから選択され;X9はクラスVIから選択され;X10はクラスIIまたはIIIから選択され;そしてX11はクラスII、V、またはVIから選択される。さらに好ましい実施態様において、上記の混成ペプチドにおける可変性位置は以下の置換を仮定する:X1=MまたはL;X2=SまたはT;X3=V、K、またはR;X4=NまたはD;X5=K、Q、または欠失;X6=H、R、またはL;X7=SまたはK;X8=LまたはG;X9=FまたはY;X10=SまたはN;そしてX11=L、F、またはG;そして配列番号16はGVDKAGCRYであり、配列番号17はDDCCPRLGCであり、そして配列番号18はYCAWDである。なお別の好ましい実施態様において、ペプチドは、配列番号1(HG-1)、配列番号8(HG-8)、配列番号13(R9)、配列番号14(R11)、および配列番号15(SNX-629)のうちのいずれかである。
別の実施態様において、本発明は単離されたポリヌクレオチドを含み、これは、配列番号1、配列番号2、配列番号3、配列番号4、配列番号5、配列番号6、配列番号7、配列番号8、配列番号9、配列番号11、配列番号12、配列番号13、配列番号14、および配列番号15により定義される配列を有するペプチドから選択されるペプチドをコードするヌクレオチドの配列を含む。別の実施態様において、ポリヌクレオチドは、配列番号23から配列番号43により定義される配列を有するヌクレオチドから選択される。
なおさらに別の実施態様において、単離されたポリヌクレオチドは、配列V1-配列番号19-X2X3X4-配列番号20-X5-LGC-X6X7X8X9-S-X10-配列番号10-X11X12-T-X13X14X15を有し、ここでV1はGVDKX1Gまたは欠失であり、X1はAまたはPであり;配列番号19はCRYMFGGCであり;X2はSまたはEであり、X3はVまたはKであり、X4はDまたはNであり、配列番号20はDDCCPであり、X5はRまたはKであり、X6はHまたはKであり、X7はSまたはDであり、X8はIまたはLであり、X9はFまたはLであり、X10はYまたは欠失であり、配列番号10はYCAWであり、X11はDまたはEであり、X12はLまたはVであり、X13はFまたはGであり、X14はSまたはEまたは欠失であり、そしてX15はFまたはDまたは欠失である、ペプチドをコードするヌクレオチドの配列を含む。
別の実施態様において、単離されたポリヌクレオチドは、配列番号16-X1-FGGC-X2X3X4-配列番号17-X5X6X7X8X9X10-配列番号18-X11-TFSDの配列を有し、ここでX1はクラスVから選択され;X2はクラスIIから選択され;X3はクラスIVまたはVから選択され;X4はクラスIIIから選択され;X5はクラスIIIまたはクラスIVまたは欠失から選択され;X6はクラスIVまたはVから選択され;X7はクラスIIまたはIVから選択され;X8はクラスIIまたはVから選択され;X9はクラスVIから選択され;X10はクラスIIまたはIIIから選択され;そしてX11はクラスII、V、またはVIから選択される、ペプチドをコードする。
関連した局面において、本発明は、被験体において発作を阻害する方法を含む。この方法は、このチャンネルをブロックするのに必要とされるHG-1ペプチド(配列番号1)の濃度のよくて約10〜50倍の濃度で、クラスE電位依存性カルシウムチャンネルをブロックし得る薬学的に有効な用量のHGペプチドを被験体に投与する工程を含む。
関連した実施態様において、抗痙攣処置方法において使用されるペプチドは、このクラスE電位依存性カルシウムチャンネルを最大半分ブロックするのに必要とされる濃度のよくて約10倍の濃度で、少なくとも50%のL型、T型、クラスA(P/Q型)、またはクラスB(N型)カルシウムチャンネルをブロックし得ないことによりさらに特徴付けられる。この方法における使用に好ましいペプチドは、以下の配列:V1-配列番号19-X2X3X4-配列番号20-X5-LGC-X6X7X8X9-S-X10-配列番号10-X11X12-T-X13X14X15を有し、ここでV1はGVDKX1Gまたは欠失であり、X1はAまたはPであり;配列番号19はCRYMFGGCであり;X2はSまたはEであり、X3はVまたはKであり、X4はDまたはNであり、配列番号20はDDCCPであり、X5はRまたはKであり、X6はHまたはKであり、X7はSまたはDであり、X8はIまたはLであり、X9はFまたはLであり、X10はYまたは欠失であり、配列番号10はYCAWであり、X11はDまたはEであり、X12はLまたはVであり、X13はFまたはGであり、X14はSまたはEまたは欠失であり、そしてX15はFまたはDまたは欠失である。
さらに関連した局面において、本発明は、神経下垂体ホルモン(例えば、オキシトシン)の血液循環への放出を阻害する方法を含む。このような方法は、例えば、早産を予防するか、または泌乳の失速応答を阻害するために使用され得る。この方法は、適切な薬学的賦形剤中のクラスEチャンネルブロッキングHGペプチドの投与を含む。本明細書中で議論されるようなクラスEチャンネルをブロックするHGペプチドに加えて、この処置概念は、L型カルシウムチャンネルブロッカー、N型カルシウムチャンネルブロッカー、またはP/Q型カルシウムチャンネルブロッキング剤を投与する工程を含み得る。この状況において、有効な治療レジメは、早産が取り除かれるものの1つである。このようなレジメはまた、授乳女性において泌乳失速応答を阻害するために使用され得る。
本発明はまた、前述の処置方法(プロラクチン放出の阻害、抗痙攣活性)における使用のための化合物を選択する方法を含む。この方法は、ニューロン組織においてクラスEカルシウムチャンネルを選択的にブロックする能力について化合物を試験する工程、およびこの電流をブロックするのに有効なHG-1ペプチドの濃度のわずか約10〜50倍の濃度で、このクラスEカルシウムチャンネルを通したカルシウム電流をブロックする化合物を選択する工程を含む。
関連する実施態様において、本発明は、障害(例えば、癲癇またはオキシシトシンの過剰分泌)(ここで、クラスEカルシウムチャンネルの遮断が示される)の処置における使用のための化合物を選択する方法を含む。この選択方法は、クラスEチャンネル活性を測定するアッセイ系において化合物を試験する工程、およびこのようなチャンネルをブロックするのに有効なHG-1ペプチドの濃度のわずか約50倍の濃度で、このようなチャンネルを通したカルシウム電流をブロックするか否かでこの化合物を選択する工程を含む。例示的なスクリーニングアッセイは、本明細書中に記載される神経下垂体末端のホールセルパッチクランプである。さらに、この選択方法は、選択された化合物がクラスEチャンネルに選択的であることを確実にするために、さらなるスクリーニング(例えば、N、L、またはP/Q型カルシウムチャンネルアッセイ)を利用し得る。
別の局面において、本発明は、クラスE電位依存性カルシウムチャンネルブロッキングペプチドを生成するための組換え法を含む。特に、このような方法における使用のために、本発明は、配列:配列番号23〜配列番号43を有するヌクレオチドフラグメントを含む。
本発明のこれらおよび他の目的ならびに特色は、以下の詳細な本発明の説明が添付の図面と共に読まれる場合に、より十分に明らかになる。
発明の詳細な説明
定義
本明細書中で使用される用語「ポリヌクレオチド」は、代表的なポリヌクレオチドに水素結合し得る塩基を支持する骨格を有するポリマー分子をいい、ここでポリマー骨格は、ポリマー分子と代表的なポリヌクレオチド(例えば、一本鎖DNA)との間で配列特異的様式でこのような水素結合を可能にする方法における塩基を示す。このような塩基は、代表的に、イノシン、アデノシン、グアノシン、シトシン、ウラシル、およびチミジンである。ポリマー分子は、2本鎖および1本鎖のRNAおよびDNA、ならびにその骨格改変体(例えば、メチルホスホネート結合)を含む。
用語「ベクター」は、新たな核酸を同化し得、そして適切な宿主においてその新たな配列を増殖させ得るヌクレオチド配列をいう。ベクターは、組み換えプラスミドおよび組み換えウイルスを含むが、それらに限定されない。本発明の核酸を含むベクター(例えば、プラスミドまたは組換えウイルス)は、キャリア(例えば、タンパク質と複合体化されたプラスミド、脂質ベースの核酸伝達系と複合体化されたプラスミド、または他の非ウイルスキャリア系)中であり得る。本明細書中で使用される用語「ポリペプチド」は、ペプチド結合で連結されたアミノ酸残基の単一鎖から構成される化合物をいう。用語「タンパク質」は、用語「ポリペプチド」と同義であり得るか、または2つ以上のポリペプチドのさらなる複合体をいい得る。
本明細書中で使用される用語「実質的な相同性」または「実質的な同一性」およびその屈折は、配列が最も良い適合アラインメントに配置された場合に、少なくとも70%、および好ましくは少なくとも約80%以上の、アミノ酸配列と別のアミノ酸配列との一致またはポリヌクレオチド配列と別のポリヌクレオチド配列の一致をいう。ヌクレオチド配列の場合、この用語はまた、問題のヌクレオチド配列が、特定のポリヌクレオチド配列に由来するハイブリダイゼーションプローブによるスクリーニングアッセイにおいて検出され得ることを含む。
I.クラスE電位依存性カルシウムチャンネルブロッキングペプチド
このセクションは、それらの構造的特徴に焦点を合わせて、本発明の主題である新規のクラスのペプチドを記載する。クラスE電位依存性カルシウムチャンネルブロッキングペプチド(HGペプチドと本明細書中で多様にいわれる)またはHG-1誘導体もしくはアナログは、それらの構造に基づいて、さらに以下のセクションIIに記載されるように、それらのインビトロカルシウムチャンネルブロッキング特異性に基づいて定義される。
A.クラスE電位依存性カルシウムチャンネルブロッキングペプチドの単離
HGペプチドは、標準的な技術を使用する多数の方法に従って同定および単離され得る。主に、このような方法は、天然供給源からの生化学的精製、ヌクレオチドコード配列の単離および/または同定、ならびに特徴付けられた分子の合成的または組換え的製造を含む。以下の実施例において、「天然供給源」はタランチュラの特定種の毒液腺であるが、本明細書中に記載される単離および/または同定技術は、より一般的にタランチュラならびに他のクモおよび生物に適用され得ることが認識される。これらの方法は、以下の実施例により例示される。
1.Hysterocrates gigas毒液からのHG-1の精製。クラスEカルシウムチャンネルに選択的なペプチドが旧世界および新世界のタランチュラ(例えば、H.gigas)の毒液内に同定および毒液から単離され得ることは、本発明の発見である。これらのペプチドは、中性pHで比較的酸性であり、そして比較的疎水性でもある。従って、それらは、これらの特性を利用する技術によって都合良く単離される。これらの技術は、一般的にNewcombら,(1989)により記載される。
実施例1は、H.gigas毒液からHG-1を精製するために使用され得る例示的な方法を提供する。簡単には、クモ毒液は、標準的な「ミルキング(milking)」技術に従って収集され、そして使用まで瞬間凍結される。実施例1に詳述されるように、解凍されたサンプルがHPLCカラムに適用される。溶出は、標準的な技術に従って220nmでの吸光度および内因性蛍光によりモニターされる。1mL/分で125分にわたる12mMリン酸ナトリウム(pH6.2)中のメタノールの0〜100%直線勾配は、毒液成分の良好な分離を提供する。
図1Aは、実施例1に詳述されるように、これにH.gigasの粗毒液がロードされたHPLCカラムの溶出により生じた吸光度(A220;上部のトレース)および蛍光(下部のトレース)パターンを示す。矢印は、実施例6に記載されるように、192C細胞(クラスEチャンネルで安定にトランスフェクトされたHEK細胞)に対してなされた電気生理学的測定により評価されたHG-1活性のピークを示す。図1Bは、パネルAからのピークが、0.1%TFAの水性緩衝液を用いて再クロマトグラフィーが行われた場合に得られた溶出プロフィールを示し、そして図1Cは、0.05%HFBAの水性緩衝液で溶出されたパネルBからのピークの再クロマトグラフィー後に得られたパターンを示す。
エドマン分解、ならびに活性なHG-1含有画分に存在しないそれらのアミノ酸(gluおよびile)のアミノ酸分析は、TFA精製物質(パネルBにおける活性ピーク)が95〜99%純粋であることを示した(このピークの初期溶出部分はより大きな純度であった)。この分離からの活性物質は、0.05%のヘプタフルオロ酪酸(HFBA)の水性緩衝液を用いて再クロマトグラフィーが行われた(5分間にわたって0〜65%メタノール、続いて50分間にわたって65〜85%;図1C)。この物質は、エドマン分解およびアミノ酸分析によって99%以上純粋であった。
上記の方法を用いて、H.gigasの毒液は、70〜80%の間のメタノールで溶出し、そしてクラスEカルシウム電流に拮抗する物質を再現性よく生じた。さらなる精製は、0.1%TFA続いて0.05%HFBAの水性緩衝液を用いた酸性pHでの逆相クロマトグラフィーによって得られた。1mL画分のバイオアッセイは、クラスEカルシウムアンタゴニストがこれらの溶媒系の両方において優勢な物質で同時クロマトグラフィーを行ったことを示し(矢印、図1Bおよび1C);ホールセルパッチクランプならびに脱分極の両方により測定されたように、内在カルシウム濃度の変化を引き起こした。精製された天然産物はHG-1と示された。このペプチドのアミノ酸内容および配列は、以下のサブセクション2において議論される。
2.HG-1の構造の決定。精製HG-1ペプチドは、マトリクス補助レーザー脱離質量分析法に供された。この手順から、4500のおおよその分子量がHG-1について測定されたが、一方内因性蛍光の存在はトリプトファンの存在を示した。これらの結果およびアミノ酸分析の結果(実施例3)に基づいて、アミノ酸組成は、表2に示されるように決定された。この表において、アミノ酸は、従来の3文字識別名により示され、そして2つの鏡像異性体がこの分析により解明されないか(his)、またはそれらがアミノ酸分析において検出されない(proおよびcys)場合にDLとして列挙される。
Figure 2006051033
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0.5nmol全長アルキル化ペプチドのエドマン分解は、35位までの配列情報を提供し、これは6つのシステイン残基および単一のプロリン残基の存在を示した。トリプシンを使用して、2nmolのアルキル化ペプチドを23位で切断し、そしてカルボキシル末端フラグメントの配列は、39位までのHG-1配列を与えたが、一方低収率のSerおよびAsp(約1pmol)は、40および41位で得られた。配列のアミノ末端部分は、トリプシンで生じるフラグメントの残りの配列決定によって確認され、これはHG-1のアミノ酸41後にさらなる配列はないことを示した。カルボキシル末端Ser-Asp配列は、カルボキシペプチダーゼAでの消化によって確認された。カルボキシペプチダーゼAおよびYの両方は、Aspの遊離カルボキシル形態を遊離させた。キラリティーが決定されたこれらのアミノ酸のうち(すなわち、gly、pro、cys、およびhisを除く全て)、L鏡像異性体のみが検出された。HG-1配列は、分子量4495.10ダルトンのペプチドと推定する。この質量は、エレクトロスプレー質量分析法を用いて決定された質量(4494.86±0.11ダルトン)と一致する。
HG-1のアミノ酸配列は図2に示され、そして配列番号1と指定した。
3.HGペプチドのヌクレオチドコーディング配列の単離。図2に示されるHGペプチド配列から、オリゴヌクレオチドプライマーは、例示されたHGペプチドならびに他のHGペプチドをコードするヌクレオチドのコード配列を単離および決定するために、設計および合成され得る。このような配列を単離するための1つの有用な方法は、実施例10に詳述されるcDNA末端PCR迅速増幅(PCR-RACE)反応(Frohmanら,1988、Frohman,1990)である。
例としてHG-1を用いて、3’オリゴヌクレオチドプライマーは、HG-1のN末端配列(例えば、GVDKAGC)に基づいて、そして縮重を低減するために昆虫コドン優先度を用いて、設計および作製された。ポリA mRNAは、3〜5匹のクモの毒液産生細胞から単離され、そしてcDNAは、実施例10に記載される方法を用いて生成された。cDNAはTdTテール化され、そして3’プライマーとしてHG-1のN末端配列に基づく縮重オリゴヌクレオチドプライマーを用いるPCRの基質として使用された。増副産物は、アガロースゲル電気泳動によって分析され;この分析に基づいて、5’縮重プライマーが作製され、そしてこれを使用してコーディング領域の5’末端での非コード領域(例えば、ペプチドのN末端部分をコードするコーディング領域の上流)を得た。この方法は、少量の出発物質から完全なコーディング領域を得るために有利である。単離されたフラグメントの配列は、当該分野で公知の標準的な方法に従って決定された。例示的なヌクレオチド配列は、図4A〜4Gに示される。示されるように、リーダー配列、続いて成熟ペプチドコーディング領域が図に示される。
得られたDNAコーディングセグメントは、当該分野で公知の方法に従って合成され、適切なベクターに挿入され、そしてこれを使用してペプチド産生細胞(酵母細胞、昆虫細胞、哺乳動物細胞、植物細胞、または細菌細胞を含むが、それらに限定されない)を構築し得る。
4.クラスE電位依存性カルシウムチャンネルブロッキングペプチドの合成。HGペプチドおよびHG-1誘導体は、以下に記載されるように、化学合成手段により作製され得るか、または当該分野で公知の方法を用いて組換え的に発現され得る。
a.固相合成。本発明に基づくペプチドは、当該分野で公知の方法に従って、自動ペプチド合成機を用いた固相合成法により合成され得る。N-α保護(F-moc)アミノ酸無水物は結晶形態で調製され、そして側鎖保護基を利用するN末端での連続的アミノ酸付加に使用される。この合成法は、HG-1ペプチドが酸に不安定であることを考慮して、一般的な技術方法に基づく。ペプチドは樹脂から切断され、次いで、適切な配置で鎖内ジスルフィド結合の形成を引き起こすために、酸化型および還元型グルタチオン(1:2比)の存在下でpH9.5でさらに処理される(酸化される)。酸化工程の進行は、C18カラムでの分析HPLCによりモニターされ得る。ペプチドの調製的精製は、調製HPLC系(Septech環状拡大カラム(Septech,Wakefield,RI))を用いて達成される。
ペプチドは、ペプチドダイマーおよびより大きなポリマーを除去するために、そしてまた酸化反応で使用される所望でない塩(例えば、塩酸グアニジン)を除去するために、ゲル濾過による最初の分離により単離され得る。部分的に精製されたペプチドは、調製HPLCクロマトグラフィーによりさらに精製され、そしてペプチドの純度は、アミノ酸組成分析により確認される。
HG-1に対応する合成ペプチドは、SNX-482(配列番号1)と命名される。HG-1(8-41)に対応する合成ペプチドは、SNX-629(配列番号15)と命名される。
b.クラスE電位依存性カルシウムチャンネルブロッキングペプチドの組換え発現。ペプチドは、細菌細胞、酵母細胞、または好ましくは昆虫細胞において当該分野で周知の組換え手段に従って調製され得る。1つの一般的な概念に従って、細胞DNAは、供給源クモ(例えば、H.gigas)の毒液産生細胞から得られ、そしてHG-1のコーディング領域またはHG-1アナログ改変体は、上記のサブセクション2に記載されるように単離される。
あるいは、HG-1のアミノ酸コーディング配列を用いて、選択した細胞(例えば、細菌細胞、哺乳動物細胞、酵母細胞、または昆虫細胞)における発現に最適化されたコドン使用を有する対応するDNAコーディング配列を生成し得る。DNAコーディング配列は、当該分野で公知の方法に従って、オリゴヌクレオチドの連続的付加により合成的に構築される。クローニングされたオリゴヌクレオチドは、通常の制限消化および連結を用いて単一のポリヌクレオチド中へ融合される。
組換えHG-1の発現のために、この合成コーディング配列は、多数の細菌発現ベクター:例えば、λgt11(Promega,Madison WI);pGEX(Smithら,1985);pGEMEX(Promega);およびpBS(Stratagene, La Jolla CA)ベクターのうちのいずれかに配置され得る。適切なプロモーター(例えば、T7RNAポリメラーゼプロモーターまたはtacプロモーター)を含む他の細菌発現ベクターもまた使用され得る。昆虫細胞(Spodoptera frugiperda)における発現のために、コーディング配列は、適切なバキュロウイルスベクター(例えば、Invitrogen(SanDiego, CA)から利用可能)に挿入される。他の適切な発現系は、哺乳動物細胞(Clontech, Palo Alto CA; Gibco-BRL,Gaithersburg MD)および植物細胞を含むが、それらに限定されない。
組換えポリペプチドは、融合タンパク質または天然タンパク質として発現され得る。多数の特色(例えば、発現配列の培養培地への分泌を促進するリーダー配列)が発現ベクターに操作され得る。組換え的に産生されたポリペプチドは、代表的に、溶解細胞または培養培地から単離される。精製は、当該分野で公知の方法(塩分画、イオン交換クロマトグラフィー、およびアフィニティクロマトグラフィーを含むが、それらに限定されない)により行われ得る。免疫親和性クロマトグラフィーは、以下のセクションBに議論されるように、HG-1ペプチド、特にペプチドの保存領域に基づいて生成された抗体を用いて使用され得る。
B.クラスE電位依存性カルシウムチャンネルブロッキングペプチドの構造的特色
HGペプチドが、クラスE電位依存性カルシウムチャンネルの選択的アンタゴニスト(「ブロッカー」)としてそれらを特に有用にする薬理学的プロフィールを共有することが、本発明の発見である。このセクションは、用語「クラスE電位依存性カルシウムチャンネルブロッキングペプチド」、「HGペプチド」、および「HG-1誘導体またはアナログ」により含まれるものを記載する。本発明の状況において使用される、用語「選択的アンタゴニスト」は、以下のセクションIIにおいて記載および例示される。
クラスE電位依存性カルシウムチャンネルブロッキングペプチドは、図2Aに示されるようにHG-1(配列番号1)により例示される。以下に議論されるように、混成HGペプチドは、所望の薬理学的プロフィールを示さず、HGペプチドの構造的制約の基礎を形成する関連構造に対する比較と共に、図2A〜2Fに例示される種々の構造(配列番号1〜配列番号15と呼ばれる)を比較することにより形成され得る。
図3は、HG-1の配列と同一または類似パターンのシステイン残基(C-C-CC-C-C)を有する他のクモのカルシウムおよびカリウムアンタゴニストのペプチドの配列との比較を示す。示されるように、HG-1の一次配列は、ペプチドグラマトキシンS1A(Lampeら,1993)およびハナトキシン(SwartzおよびMacKinnon,1995)(両方は、タランチュラGrammostolaspatulataの毒液から単離された)に対していくらか相同性を示す。グラマトキシンS1Aは、NおよびP/Qのかなり非選択的なブロッカーであるが、Lカルシウムチャンネルサブタイプの非選択的ブロッカーではない(Lampeら,1993;Piserら,1995)。ハナトキシンは、カリウムチャンネルアンタゴニストである(SwartzおよびMacKinnon,1995)。これらのペプチドのいずれもがクラスEカルシウムチャンネルアンタゴニスト活性を示さないことは、本発明の状況において注目に値する。
前述から、HG-1および関連ペプチドのシステイン残基パターンは、HGペプチドの顕著な特徴であるクラスEカルシウムチャンネル選択性を提供するのに必要であるが、十分でないことが推定され得る。従って、これらのペプチドの構造は、本明細書中に定義される「HGペプチド」の定義内に含まれないペプチド配列を示し、それゆえ、本発明の状況で「負の選択」のためのガイダンスを提供する。
例の目的で、図2Eは、HG-1(配列番号1)のアミノ酸配列とHG-2(配列番号2)およびHG-3(配列番号3)の推定アミノ酸配列との比較を示す。それらのシステイン残基が重ねられるようにHG-1およびHG-2を整列させることにより、6つのシステインは、7、14、20、21、26、および34位に見出される。このアラインメントを作製することにより、ギャップは、この図において破線として示される位置に導入された。以下の分析において、これらのギャップは、活性HG-1ペプチドの各グループにおけるアミノ酸欠失を示しても、2Eに示される指定された数字を保持する。「活性な」は、ペプチド化合物が、HG-1よりクラスE電位依存性カルシウムチャンネルのブロッキングにおいてよくて1.5対数単位(約30倍)、好ましくはよくて1対数単位(10倍)ほど強くないことを意味する。
ガイドとして整列された配列を用いて、HG-1ペプチドアナログまたは誘導体は、以下の制約を用いて形成され得る:
1.ペプチドは、図2EのHG-1、HG-2、およびHG-3に関して示されるような7、14、20、21、26、および34位に対応するcys残基を含む。
2.ペプチドは中性pHで酸性であり、そして一般的に性質は疎水性である。制約1および2は、このクラスの化合物に特徴的な物理化学的特徴およびジスルフィド結合パターンによって課せられる、クラスE電位依存性カルシウムチャンネルブロッキングペプチドの基本的なコンホメーションを保存する。これらの規則1および2と共に、図2A〜2Dに示される例示されたペプチドの保存的誘導体は、以下の規則3および4を考慮して形成され、そしてより一般的なHGペプチドは、以下の規則3および5と共に上記の規則1および2を考慮して形成される。
3.ペプチドHG-1、HG-2、およびHG-3の間で同一のアミノ酸位置(図2E)またはペプチドHG-1、R9、R11、HG-8、およびSNX-629の間で同一のアミノ酸位置(図2F)が保存される。従って、例えば、上記のCys残基に加えて、HG-1/HG-2/HG-3混成ペプチドについて、1〜9位に対応するアミノ酸(配列番号16)が保存される。
4.さらに、HG-1/HG-2/HG-3混成ペプチドに関して、保存的HG-1ペプチド誘導体の形成において、親ペプチドHG-1、HG-2、およびHG-3に存在するアミノ酸置換間で変化させた、11の非保存残基(10、15〜17、27〜32、および38位)で生じるアミノ酸変異が認められる。すなわち、上記で列挙された保存位置に印しX1〜X11を整列させると、このグループの化合物は、図2Bに示されるように、以下の形態:配列番号16-X1-FGGC-X2X3X4-配列番号17-X5X6X7X8X9X10-配列番号18-X11-TFSDを有するペプチド構造を含み、ここでX1=MまたはL;X2=SまたはT;X3=V、K、またはR;X4=NまたはD;X5=K、Q、または欠失;X6=H、R、またはL;X7=SまたはK;X8=LまたはG;X9=FまたはY;X10=SまたはN;そしてX11=L、F、またはG;そして配列番号16はGVDKAGCRYであり、配列番号17はDDCCPRLGCであり、そして配列番号18はYCAWDである。
5.さらなる誘導体は、標準的な置換クラス(すなわち、例えば、標準的なDayhoff頻度交換マトリクス(Dayhoff)により決定されるような、通常の側鎖特性に基づく6つのクラスおよび本質的に相同タンパク質における最高頻度の置換)に基づいて利用可能な置換を考慮して形成される。これらのクラスは以下の通りである:クラスI:Cys;クラスII:Ser、Thr、Pro、4Hyp、Ala、およびGly(小さな脂肪族側鎖およびOH基側鎖を示す);クラスIII:Asn、Asp、Glu、およびGln(水素結合を形成し得る中性および負電荷側鎖を示す);クラスIV:His、Arg、およびLys(塩基性極性側鎖を示す);クラスV:Ile、Val、およびLeu(分枝脂肪族側鎖を示す)、ならびにMet;ならびにクラスVI;Phe、Tyr、およびTrp(芳香族側鎖を示す)。さらに、各グループは、関連したアミノ酸アナログ(例えば、クラスIVにおいてオルニチン、ホモアルギニン、N-メチルリジン、ジメチルリジン、またはトリメチルリジン、およびグループVIにおいてシクロヘキシルアラニンまたはハロゲン化チロシン)を含み得る。さらに、クラスはLおよびDの立体異性体の両方を含み得るが、L-アミノ酸が置換に好ましい。上記で引用されたクラスに基づいて、上記の配列番号16-X1-FGGC-X2X3X4-配列番号17-X5X6X7X8X9X10-配列番号18-X11-TFSDの配列における可変位置での置換は、以下のクラス:X1=クラスV;X2=クラスII;X3=クラスIVまたはV;X4=クラスIII;X5=クラスIIIもしくはクラスIVまたは欠失;X6=クラスIVまたはV;X7=クラスIIまたはIV;X8=クラスIIまたはV;X9=クラスVI;X10=クラスIIまたはIII;そしてX11=クラスII、V、またはVI中から選択され得る。
さらなる例およびまた本発明の一部を形成するために、図2Fは、選択された配列HG-1、R9、R11、HG-8、HG-10、およびSNX-629のアラインメントを示す。これらの配列は、上記のように、以下の形態:V1-配列番号19-X2X3X4-配列番号20-X5-LGC-X6X7X8X9-S-X10-配列番号10-X11X12-T-X13X14X15、ここでV1はGVDKX1Gまたは欠失であり、X1はAまたはPであり;配列番号19はCRYMFGGCであり;X2はSまたはEであり、X3はVまたはKであり、X4はDまたはNであり、配列番号20はDDCCPであり、X5はRまたはKであり、X6はHまたはKであり、X7はSまたはDであり、X8はIまたはLであり、X9はFまたはLであり、X10はYまたは欠失であり、配列番号10はYCAWであり、X11はDまたはEであり、X12はLまたはVであり、X13はFまたはGであり、X14はSまたはEまたは欠失であり、そしてX15はFまたはDまたは欠失である、を有する混成配列を形成するように組み合わされ得る。この配列は、X1〜X15位に上記のDayhoffクラス置換を含むようにさらに一般化され得る。
より一般的な意味で、クラスEブロッキングペプチドは、上記で言及された適切な置換クラスからアミノ酸置換を作製することにより形成され得ることがさらに認識される。さらに、ペプチドのC末端伸長および/またはN末端伸長は、前記のシステイン残基間の空間的関係がインタクトなままである限り、受容可能であり得ることが認識される。上記のアミノ酸置換規則は、クラスE電位感受性カルシウムチャンネルブロッキングペプチド内の可能なアミノ酸置換のためのガイドとして意図される。一旦アミノ酸置換または修飾がなされると、ペプチドは、本明細書中でセクションIIに記載されるように、クラスEカルシウムチャンネルを選択的にブロックするその能力についてさらにスクリーニングされる。
セクションIIで議論される化合物試験方法は、クラスEチャンネルブロッキング活性を有するカルシウムチャンネルアンタゴニスト化合物を同定するために、本発明にまた従って使用され得る。このスクリーニング方法において、試験ペプチドは、クラスEカルシウムチャンネルを選択的に阻害するその能力についてスクリーニングされる。試験化合物は、その化合物が:(i)等価な程度までこのようなチャンネルをブロックするのに必要とされるHG-1濃度のわずか約10〜50倍の濃度で、クラスE電位依存性カルシウムチャンネルによるカルシウムコンダクタンスをブロックするのに効果的である場合、および(ii)クラスE電位依存性カルシウムチャンネルを最大半分ブロックするのに必要とされるモル濃度の約10倍のモル濃度で、少なくとも50%までL型、T型、P/Q型、またはN型カルシウムチャンネルをブロックし得ない場合、本発明に従ったクラスEチャンネルのブロッキングにおける使用のために選択される。
好ましいスクリーニング方法は、以下のセクションIIに記載され、そして実施例5〜9に詳述される。
II.クラスE電位依存性カルシウムチャンネルの薬理学的プロフィール
このセクションは、クラスE電位依存性カルシウムチャンネルブロッキングペプチドの薬理学的特性を記載する。この薬理学的プロフィールは、本発明に従ってペプチドを選択するため、より詳細には、以下のセクションIIIで議論される処置指示における使用のためのペプチドを選択するためのガイダンスを提供する。
セクションIにおいて、HGペプチドおよびHG-1誘導体ペプチドは、特定の構造基準に従うように定義された。さらに、本発明は、以下で議論されるように、組換え細胞において構築されたか、または天然供給源から単離されたような、有用なペプチドが、クラスE電位依存性カルシウムチャンネルをブロックするそれらの能力において選択的であることを認める。
A.クラスE電位依存性カルシウムチャンネルの遮断
クラスEカルシウム電流は、興奮性膜を横切るカルシウムの動きを評価する当該分野で公知の多数の方法において(例えば、細胞への脱分極誘導カルシウム流入またはホールセルもしくは末端パッチクランプ(電気生理学的技術、実施例6を参照のこと)により)測定され得る。一般的に、クラスEアンタゴニストHGペプチドは、好ましくは、HG-1が他の電流に対してその効果を示すモル濃度よりも高くても10〜50倍高い1モル濃度でこれらの電流に拮抗する。
特定の試験化合物がクラスEチャンネルに選択的であるか否かを測定するために、カルシウムチャンネル活性はいくつかの細胞型において測定され得、各々が電位感受性イオンチャンネルのその相対的均一性について選択された。下垂体前葉細胞株GH3は、L型およびT型両方のカルシウム電流を有する;IMR-32神経芽腫細胞株は、有意な割合のN型カルシウムチャンネルを含むことが報告されている(Carboneら,1990);192C細胞株は、本明細書中で議論されたように、クラスEチャンネルを発現するように安定にトランスフェクトされた;さらに、下垂体後葉からの神経下垂体末端調製物は、予め「薬物耐性の」カルシウム電流を発現し、本発明を支持して行われた実験によれば、これは現在クラスEチャンネルであると考えられる。さらに、ナトリウムチャンネル活性およびカリウムチャンネル活性はIMR-32細胞において測定され、そして選択されたチャンネル(クラスAカルシウムチャンネルおよびカリウムチャンネル)は、以下で議論されるように、さらなるチャンネル活性測定のためにXenopus卵母細胞において一過的に発現された。
1.電気生理学的測定。カルシウムチャンネル活性は、カルシウム電流のホールセルパッチクランプ記録を用いて従来通りに測定される。クラスEチャンネルを有することが示された1つ以上の調製物がこの目的のために使用され得る。1つの調製物において、実施例6Bに詳述され、そして以下で議論される神経下垂体末端調製物に、薬理学的カクテルを使用して、調製物に存在する他の型のカルシウムチャンネル(例えば、P/Q型およびL型チャンネル)ならびにナトリウムチャンネルをブロックする。残余高閾値電流はHG-1に感受性であり、従ってクラスEチャンネルと定義される。この調製物は、実施例6Bに記載されるような、標準的なパッチクランプ方法で分析できる。
あるいは、このチャンネルの種々のサブユニットのコーディング配列を細胞に添加することにより、クラスEチャンネルを安定に同時発現するように哺乳動物細胞が作製され得る。例として、ヒトα1E(WO 95/04144)、ラットα2(米国特許5,407,820)、およびβカルシウムチャンネルサブユニットは、これらのサブユニットのコーディング配列が細胞に同時トランスフェクトされた場合に、クラスEチャンネル内で形成し得る。あるいは、ヒトα1Eサブユニットは、当該分野で公知の方法に従って、試験のための電気生理学的に機能するチャンネルを形成するために、他の供給源由来のα2およびβサブユニットと組み合せられ得る。
a.ホールセル実験。図4は、192C細胞(α-1Eサブユニットで安定にトランスフェクトされたHEK細胞(Horneら,1995))のホールセルパッチクランプにより33nMHG-1の存在下および非存在下で測定されたカルシウム電流の波形を示す。電流は、実施例6Aに記載される方法に従って、-90mVの静止電位(holding potential)から0mVまでのパルスにより引き起こされた。電流減少の分析は、33nM HG-1の存在下および非存在下で192C細胞において誘発されたカルシウム電流の単一の指数関数的減少(速度定数=12.5秒-1)を示した(400ミリ秒で測定された推定定常状態電流値の引き算後の速度論的分析)。
濃度-効果パラメーターを決定するために、異なる濃度のHG-1での記録が得られ、ここでペプチド効果は、上記で決定されたように内部電流のピークで評価された。図6は、192C細胞におけるピーク内部カルシウム電流に対するHG-1およびAgaIIIAの変化する濃度の効果を示す。クラスB型α-1サブユニット(S-3)を安定に発現するS-3細胞におけるHG-1の変化する濃度の効果もまた図6に示され、ここで各データの点は、各濃度での3〜5の独立した測定からの平均および標準偏差を示し、1つの細胞が1または2つの濃度で使用された。
示されるように、クラスB電流についてのIC50は約800nMであると評価される場合、HG-1は、25nMのIC50で192C細胞において発現されるクラスE電流をブロックする。これらの値の両方は、以下で議論される、INDO-1を用いた脱分極誘発チャンネル実験において得られる見かけのIC50値とかなり一致する。Aga-IIIAは、4nMのIC50で192C細胞におけるクラスEカルシウム電流をブロックした。この値はまた、以下に記載されるINDO-1実験の結果と一致する。
クラスE電流に対するHG-1の選択性は、Xenopus卵母細胞系においてさらに証明され、ここで卵母細胞はクラスAα-1サブユニットを発現するように作製された。AgaIIIAおよびカドミウムが、P/Qカルシウムチャンネルに対する効果について測定された。これらの実験において、カルシウムチャンネルを介したバリウム電流(培地中で、4mMバリウム、カルシウム添加なし)は、当該分野で公知の方法に従って技術的根拠について測定された。280nMほどの高さの濃度で、HG-1は電流に対する効果を有さなかった。対照的に、60nMのAga-IIIAは部分的にブロックし、そしてカドミウムは、この電流を完全にブロックした。
b.神経下垂体末端実験。本発明の支持において行われたさらなる実験において、他の既知のカルシウムチャンネルブロッカーのカクテルに耐性であることが以前に見出されたクラスEブロッキングHGペプチドは、神経内分泌組織に存在する電位依存性カルシウムチャンネルの集団をブロックすることが見出された。実施例6Bは、神経下垂体末端における化合物の調製および電気生理学的試験の詳細を提供する。これらの末端は、ニューロンにおいて同定された種々のカルシウムチャンネルにより差次的に調節される様式で特定のペプチドホルモン(オキシトシン、バソプレッシン)を放出することが最近示されている(Wang)。従って、電気生理学的パラメーターとペプチド放出とを相関させることを試みる研究は、バソプレッシン(AVP)放出が、L型、N型、およびP/Q型カルシウムチャンネルの組み合わせによる調節と一致した様式で阻害され得ることを明らかにした;対照的に、前述のチャンネル型の薬理学的ブロッカーの存在下で、残余刺激オキシトシン放出がなお持続する(Wang)。
同じ神経下垂体末端調製物において、図7に示されるように、ニカルジピンは、2.5μMの濃度で神経終末におけるL型電流をブロックするために使用された。高濃度のNおよびP/Q型ブロッカーSNX-111(3μM)およびSNX-230(144nM)の組み合わせの添加は、残余電流の全てではないが一部をブロックした。40nMの濃度でのHG-1ペプチド(SNX-482)のさらなる添加は、残余電流の完全な遮断をもたらした。
同様の方法を使用して、本発明の方法に従って、さらなるクラスEブロッキングペプチド候補物の効能を試験し得る。
2.脱分極誘発カルシウム流入。電位感受性カルシウムチャンネル活性はまた、脱分極事象(例えば、電気的刺激、刺激性神経伝達物質、または高濃度の細胞外カリウム)に応答したカルシウム流入を測定することにより興奮性細胞において測定され得る。従って、脱分極刺激カルシウム流入をブロックする化合物の能力は、そのチャンネルブロッキング活性の指標である。
この技術は、特に、使用される調製物が単一のチャンネル型または優勢に単一のチャンネル型を有する場合、チャンネル特異性の決定に効果的である。以下で議論されるように、いくつかの場合において、二次チャンネルを介したイオンの流入は、そのチャンネルの既知のアンタゴニストでブロックされ得、その結果測定は目的の一次チャンネルを介する。
IMR-32細胞におけるN型カルシウムチャンネル活性をモニターするために、飽和濃度のニトレンジピン(ジヒドロピリジン)はまた、細胞中のL型カルシウムチャンネルをブロックするために添加された。同様に、GH-3細胞は、T型カルシウムチャンネル活性のみを測定するために、飽和濃度のニトレンジピンに暴露された。
3つの細胞株におけるカルシウム電流を測定するための詳細な方法が、実施例5に記載される。簡単には、細胞は、従来の方法に従って、カルシウム指標色素INDO-1アセトキシメチルエステル(Molecular Probes)でロードされる。試験化合物は、上記で議論されるように、任意の二次チャンネルブロッカーの存在下で細胞に添加される。次いで、細胞は、脱分極濃度のカリウムイオンに暴露される。カルシウムの流入は、細胞に存在するINDO-1色素の蛍光における変化により測定される。カリウムでの刺激の際に、細胞における細胞内カルシウムは、代表的に、100〜150nMのベースラインから1μMに近い刺激値まで増加する。濃度効果曲線は、実施例5に記載されるように、これらのデータから計算され得る。L型電流(ニトレンジピン)、N型電流(SNX-111=合成ωコノペプチドMVIIA)に特異的なカルシウムアンタゴニスト、ならびにあまり選択的でないカルシウムアンタゴニスト(SNX-230=合成ωコノペプチドMVIICおよびω-Aga-IIIAおよびフェロジピン)を用いた独立した実験を使用して、異なるアッセイシグナルの薬理学的特異性を確認した。
蛍光研究は、カルシウムチャンネルα1Eサブユニットを発現するように遺伝子操作された全細胞(例えば、上記の192C細胞)に対して行われた;あるいは、このような研究は、当該分野で公知の方法に従って、神経下垂体末端調製物に対して行われ得る。遺伝子的に変えられた細胞における内在カルシウムの脱分極誘発増加は、ωコノペプチドMVIICおよびMVIIA(これらは、それぞれP/QチャンネルおよびN型カルシウムチャンネルをブロックする)、ならびにジヒドロピリジン(Lチャンネルブロッカー)ニトレンジピンに耐性である。このような実験において、400nmでのINDO-1蛍光対490nmでのINDO-1蛍光の比における誘発変化の時間経過は、Grynkiewiczら(1985)により記載されるようにカルシウム濃度に関連する。
図8Aは、上記のINDO実験の型からの濃度効果曲線を示す。データはパーセント蛍光比として表され、これはコントロール条件下で細胞に存在するカルシウムの評価を提供する(例えば、チャンネルブロッカーの非存在下でカリウムにより刺激された細胞のパーセントカルシウム含有量)。示されるように。HG-1は、15nMの見かけのIC50でこれらの細胞へのカリウム刺激カルシウム流入をブロックした(図8A、黒三角)。
Aga-IIIAはまた、細胞への脱分極誘発カルシウム流入をブロックする(見かけのIC505nM、図8A、黒丸)。これらの結果は、クラスECa++チャンネルの薬理学と一致する(Palmaら,1994)。対照的に、HG-1は、以下で議論されるように、GH-3細胞またはIMR-32細胞へのカルシウム流入をブロックしなかった。下垂体前葉細胞株GH3は、バリウム電流のホールセルパッチクランプ記録によりL型およびT型の両方のカルシウム電流を示すことが報告されている(Lievanoら,1994)。これに一致して、ジヒドロピリジンニトレンジピンは、60秒にわたって不活化しなかった内在カルシウムにおける脱分極誘発増加の持続成分のみをブロックし(見かけのIC50400nM)、そして5μM以上の濃度でさえ、内在カルシウムの一過的増加を完全にブロックしなかった(図8Bおよび挿入図)。内在カルシウムの残余一過的増加は、ジヒドロピリジンフェロジピンにより完全にブロックされた(見かけのIC50600nM)。このジヒドロピリジンは、4μM以下の濃度で心筋細胞におけるT型カルシウムチャンネルを完全にブロックする(Cohenら,1994)。500〜600nMの濃度のHG-1は、脱分極後40秒で評価された総内在カルシウム増加に対して効果を有さず、そして5μMニトレンジピンの存在下での(脱分極後10秒で)内在カルシウムにおけるピークに対しても効果を有さなかった(図8B、挿入図)。これはHG-1がL型電流もT型電流も阻害しないことを示す。対照的に、Aga-IIIAは、これらの細胞において脱分極誘発シグナルの強力であるが部分的なブロックを生じ(図8B、見かけのIC50=1.5nM、脱分極後60秒で評価)、これは筋細胞におけるL型電流のその報告された強力なブロックと一致した(Cohenら,1994)。
また上記で議論されたように、IMR-32神経芽腫細胞株は、Nチャンネル選択的ω-コノペプチドGVIAに選択的なカルシウム(バリウム)電流を有する(Carboneら,1990)。この観察と一致して、Lチャンネル活性をブロックするニトレンジピンを含んだこれらの細胞の調製において、SNX-194(ωコノペプチドMVIIAのmet-12〜nle-12誘導体であるNチャンネルブロッキングωコノペプチド)は、1nMの見かけのIC50で内在カルシウムの残余一過的脱分極誘発増加をほぼ完全に阻害した(図8C)。Aga-IIIAは、IMR-32細胞における内在カルシウム濃度の誘発増加に対して同様の効果を有した(見かけのIC50=0.1nM)。HG-1は、比較的高い濃度でのみこの電流に対して小さな効果を有した(IC50>400nM)。
140nMで灌流した場合、HG-1は、実施例7に詳述された方法に従って測定され、IMR-32神経芽腫細胞におけるナトリウムおよびカリウム電流に対して効果を有さなかった。HG-1はまた、実施例9に詳述されるように測定され、Xenopus卵母細胞発現系において個々のクローニングされたカリウムチャンネルKv1.1、Kv1.2、およびKv1.4に対して効果を有さなかった。
B.クラスEカルシウムチャンネルに対する選択性
上記のA部において議論された研究はまた、HGペプチドの第2の重要な特色、すなわち、他の型のカルシウム電流と比較したクラスEカルシウム電流のブロックに対するそれらの選択性を指摘する。例えば、クモペプチドω-AgaIIIAはクラスEカルシウムチャンネルに拮抗するが(Palmaら,1995)、選択的なリガンドとはみなされない。なぜなら、NおよびL型カルシウム電流をも強力にブロックするからである(Cohenら,1993、Ertelら,1994)。対照的に、上記の研究により証明されるように、例示的なHGペプチドHG-1は、クラスE電位依存性カルシウムチャンネルを最大半分ブロックする濃度の少なくとも10倍の濃度でN型、L型、P/Q型、もしくはT型カルシウム電流、またはカリウムもしくはナトリウムチャンネルに対して試験した場合、このようなチャンネルに対して実質的に効果を有さない。
C.クラスEカルシウムチャンネルアンタゴニストの選択
本発明の支持において行われた前述の実験から、HGペプチド(例えば、セクションIBに記載の構造的な特色およびセクションIIに記載の薬理学的特色を示すペプチド)は、クラスEカルシウムチャンネルを特異的にブロックすることが見出され得る。これは、化合物が他の既知のクラスのカルシウムチャンネル(例えば、N型(IC50約800nM)、P/Q型、T型、およびL型カルシウムチャンネル)を通した電流をブロックする比較的高い濃度とは対照的に、HGペプチドがこのようなチャンネル(IC5015〜25nM)を通した電流をブロックする、比較的低い濃度により証明された。
本発明によれば、カルシウムチャンネルに対して選択的なペプチドは、上記のセクションIに記載の構造的制約および上記の活性プロフィールの両方に従う。従って、クラスEチャンネル選択的ブロッキングペプチドは、上記のセクション
Iに記載の基本的な構造的制約:それが図2Eに示される7、14、20、21、26、および34位に対応する位置にCys残基を含み、好ましくは3つの鎖内ジスルフィド結合を有する、に従うものである。1つの一般的な実施態様において、HGペプチドは、例示されたHG-1/HG-2/HG-3またはHG-1/HG-8/R9/R11/SNX-629ペプチドの複合物の一般的な形態に従うが、鎖内のさらなる位置の各々について記載されるDayhoff置換グループ内からの置換を含み得る。別の実施態様において、クラスEカルシウムチャンネルブロッキングHGペプチドは、本明細書中に記載される1つ以上の混成ペプチドについて記載される保存領域を保持し、そして可変領域は、可変位置の各々により定義されるクラスからの置換を含む。例えば、HG-1/HG-2/HG-3ペプチドの場合、ペプチドは、以下の形態:配列番号16-X1-FGGC-X2X3X4-配列番号17-X5X6X7X8X9X10-配列番号18-X11-TFSDをとり、ここで可変位置X1〜X11は、以下の通りにDayhoff置換クラスから選択される:X1=クラスV;X2=クラスII;X3=クラスIVまたはV;X4=クラスIII;X5=クラスIIIまたはクラスIVまたは欠失;X6=クラスIVまたはV;X7=クラスIIまたはIV;X8=クラスIIまたはV;X9=クラスVI;X10=クラスIIまたはIII;そしてX11=クラスII、V、またはVI。
さらに別の実施態様において、11の非保存残基(10、15〜17、27〜32、および38位)で生じるアミノ酸変化は、親ペプチドに存在するアミノ酸置換間で変化さされることが可能である。例としてHG-1/HG-2/HG-3ペプチドを用いた、この後者のより限定された意味で、図2Eに示されるように、ペプチドは、以下の形態:配列番号16-X1-FGGC-X2X3X4-配列番号17-X5X6X7X8X9X10-配列番号18-X11-TFSDをとり、ここで:X1=MまたはL;X2=SまたはT;X3=V、K、またはR;X4=NまたはD;X5=K、Q、または欠失;X6=H、R、またはL;X7=SまたはK;X8=LまたはG;X9=FまたはY;X10=SまたはN;そしてX11=L、F、またはG;そして配列番号16はGVDKAGCRYであり、配列番号17はDDCCPRLGCであり、そして配列番号18はYCAWDである。前述の置換ペプチドは、本明細書中で「HG-1/HG-2/HG-3混成ペプチド」と呼ばれる。
上記の基準に従って選択されたペプチドは、クラスEカルシウムチャンネルに対して選択的である場合、本発明の状況において有用である。このセクションのB部は、このような選択性を測定するために使用され得る一団のアッセイを記載する。特に、化合物は、それが他の既知のカルシウムチャンネル(例えば、N型、L型、T型、およびP/Q型チャンネル)または電気的に興奮性の細胞において重要である他のイオンチャンネル(例えば、ナトリウムまたはカリウムチャンネル)をブロックする濃度より非常に低い濃度でクラスEチャンネルをブロックする能力を示す場合、クラスEチャンネルに対して選択的であると考えられる。「非常に低い濃度」は、他のイオンチャンネル(特に、L型、N型、およびT型電位依存性カルシウムチャンネル)の阻害とは対照的に、クラスE型カルシウムチャンネルの阻害について有効なモル濃度(IC50、またはより好ましくはKiとして測定される)において少なくとも10〜50倍の差があることを意味する。
従って、例としてペプチドHG-1(配列番号1)を用いて:HG-1は、上記のセクションIに定義される構造的制約(例えば、規則1〜4)に最も保存的に従う。クラスEカルシウムチャンネル選択性について試験した場合、ペプチドは、チャンネルブロッキング活性の2つの別々の測定により、クラスEチャンネルをブロックする際に15〜25nMの範囲でIC50を示した。HG-1は、L型、T型、またはP/Q型チャンネルをブロックするという証拠を示さず、そして>400〜800nMの範囲のIC50でN型チャンネルをブロックした。化合物はまた、比較的高い濃度でカリウムチャンネルまたはナトリウムチャンネルのいずれかをブロックするという証拠を示さなかった。従って、HG-1は、クラスEカルシウムチャンネル遮断に対する選択性を示す。
同様に、本発明の支持において行われた実験において、クラスEカルシウムチャンネルの短縮HG-1ペプチドSNX-629(配列番号15)阻害が同じアッセイ(カルシウム取り込みの阻害)においてHG-1により示された濃度の約20倍より少ない濃度であり;従って、SNX-629は、本発明に従って、クラスEチャンネルをブロックするのに有効であるHG-1誘導体ペプチドの候補物であることが示された。
反例として、ペプチドAga IIIAはまた、チャンネルをブロックする際の0.1nM(電気生理学的測定)〜15nM(カルシウム流入)のIC50により証明されるように、クラスEチャンネルブロッカーとしての活性を示す。しかし、AgaIIIAは、上記で議論され、そして図2および3において例示されるように、クラスEカルシウムチャンネルブロッキングペプチドについて定義された構造内に含まれない。さらに、ペプチドはまた約0.1nMのIC50内でN型カルシウムチャンネルをブロックするので、ペプチドはRチャンネル選択的ではない。
III.有用性
クラスEカルシウムチャンネルの選択的アンタゴニストであるHGペプチドおよびHGペプチド誘導体は、以下に例示されるように、神経系の多数の障害(特に、脳正中領域(尾状核-被殻、視床、視床下部、扁桃、小脳)を介した、ならびに腹側中脳および脳幹(特に、視床下部から下垂体への突出を含む)の核におけるシグナルの異常な伝達を含む障害)の処置において有用であり得る。クラスEカルシウムチャンネルを介したカルシウムの侵入はまた、他のイオンチャンネルおよび細胞タンパク質の調節に関与する細胞内メッセンジャーとして作用し得る。従って、ペプチドは、細胞レベルおよびネットワークレベルの両方でのシグナリングに影響し得る。クラスEチャンネルの遮断から利益を得ることができる神経障害は、虚血および外傷性脳損傷、癲癇、急性および慢性疼痛、ならびに精神医学的障害を含み得るが、それらに必ずしも限定されない。本発明の観察の2つの例示的な適用は以下に議論される。
A.抗痙攣活性
本発明の支持において行われた実験において、HGペプチドは、癲癇および他の脳発作障害における潜在的な使用のために、抗痙攣活性について化合物を評価するために使用される標準的な実験動物発作モデルDBA/2聴性発作モデルにおいて試験された。このモデルにおける試験手順は、実施例11に詳述される。簡単には、遺伝的に発作しやすいマウス系統であるDBA/2マウス(JacksonLaboratories,Bar Harbor,Maine)は、特定の頻度および強度の音に曝露された場合に再現可能なパターンの発作行動を示す。広範な種々の構造を有する化合物は、このモデルにおいて活性であることが見出され、これはまた温度から独立している。この後者の点は、特に、カルシウムチャンネルブロッカーの状況において重要であり、これは低体温症を誘導し、これはまた多くの動物において抗痙攣性である。
図9Aおよび9Bは、マウス(18〜21日;約7〜10g)が、音刺激の30分前に脳室内(i.c.v.)経路を介して0.5〜5μgHG-1(SNX-482)範囲の用量を与えられた試験の結果を示す。図9Aにおいて、以下の音刺激間に示された4つの主な行動の各々:激しい走行、間代性発作、強直性発作、および呼吸停止を示す試験したマウス(N=10/用量)のパーセントが示される。図9Bは、種々の動物についての全発作スコアを示し、ここで発作は、0〜4の尺度(0=発作活性なし;1、激しい走行のみ;2、激しい走行+間代性発作;3、激しい走行、間代性発作、および強直性発作;4、激しい走行、間代性発作、強直性発作、および呼吸停止)における強さで分類された。DBA/2モデルにおける抗痙攣効果についてのED50は、約0.8μg/マウスi.c.v.である。図10は、SNX-482の非存在下または存在下での漸増電気的刺激に応答してマウスにおいて生じた痙攣についての累積用量-応答曲線を示す。
同様に、図11Aおよび11Bは、DBA/2マウスが音刺激に曝露される前にSNX-629をi.c.v.で与えられた研究の結果を示す。ここで約5μg/マウスのおよそのED50が見出された。上記の研究において、値は、一般的に本明細書中に示されるグラフに由来し、そして10匹のマウス各々の2〜3回の実行に基づく。図12は、電気的刺激痙攣に対してSNX-629(1または5μg)でマウスを処置した効果を示す。
B.神経内分泌治療
本発明の支持において行われ、そして上記で議論された実験において、R型カルシウムチャンネルはオキシトシン分泌に関与することが示されている。オキシトシンは、妊娠したヒトの分娩誘発および泌乳母の乳汁失速応答に関与する。HGペプチドは、(i)早産の予防、および/または(ii) 泌乳女性が授乳を望まないか、または泌乳を止めたいかいずれかの場合での乳汁失速応答の阻害のために、下垂体からのオキシトシン放出を阻害するために使用され得る。
上記の方法のいずれかについて、ペプチドは、目的の部位でカルシウムチャンネルをブロックするに十分な血液濃度をもたらす任意の経路により与えられ得る。例えば、下垂体後葉は、豊富な毛細血管床(門脈毛細血管血叢)(下垂体後葉は、これにホルモンを放出する)に隣接するため、この毛細血管床に薬物を標的化する投与方法は、神経下垂体からのオキシトシン放出を阻害するのに特に有利である。同様に、脳にペプチドを送達する投与形式は、抗痙攣活性の提供に有利である。適切な投薬量は、適切な動物モデル(例えば、本明細書中に記載されるモデル)から推定され得る。
例示的な投与形式は、静脈内投与、肺送達(鼻吸入)、経皮パッチなどを含むが、それらに限定されない。これらの方法によるペプチド送達に適切な受容可能な賦形剤は、当該分野で公知である(Banga)。経口(胃または好ましくは頬)ならびに直腸送達方法もまたペプチドに受容可能であり(Banga)、そして本発明と共に使用され得る。
ペプチドの鼻投与は、それがその最初の通過における肝臓循環を避ける利点を有し、従って最小に減少した濃度のペプチドの比較的早い攻撃を提供する。ペプチドは、等張性および安定なpHを提供する適切な塩および緩衝液の存在下でスプレー中に処方され得る。この方法は一般的により小さなペプチドに最も適切であるが、特定の浸透増強剤(例えば、リソホファチジルコリンまたは非イオン性界面活性剤)の使用は、鼻粘膜を横切るHGペプチドの輸送をもたらすのを助け得る。
同様に、肺投与は、肝臓の最初の通過影響を避ける。この投与形式ならびにそれを利用する際に厳守されるべき予防基準は、当該分野で周知である。一般に、ペプチドは、デバイス(例えば、用量調節吸入器、噴霧器、または粉末乾燥吸入器)により生成されるエアロゾル調製物中に処方される。エアロゾルは、肺管における沈着のため、粒子サイズ、形状、および密度の関数である選択された質量メジアン空気力学的直径(mass median aerodynamic diameter)(MMAD)を有するように生成される。一般に、約1〜6μmのMMADを有する粒子が肺への送達のために最適である。浸透増強剤および/またはプロテアーゼインヒビターの処方物への添加もまた所望であり得る。
標準的な腸(胃)経路を通したペプチドの経口送達は可能であるが;特に、ペプチド作用の推定部位が下垂体である場合、薬物の頬または舌下送達が所望され得る。頬粘膜は、頬の内部を覆う口粘膜の一部である。ペプチドについて、口粘膜接着性投薬形態(例えば、接着表面(ヒドロキシプロピルセルロース、カルボポール)を有する錠剤)の使用は、延長した接触にわたって薬物吸収を容易にし得る。ペプチダーゼインヒビターに加えて、浸透増強剤(例えば、非イオン性およびイオン性界面活性剤)もまた、この経路を介したペプチドの吸収を容易にし得る。(Banga)
投与方法の選択において、臨床医は、患者の応答により必要とされるインヒビターの量を滴定し得;例えば、早産の処置において、臨床医は萎縮をモニターして、黙るべく薬物の量を変え得る。この使用のために、静脈内送達が受容可能である;しかし、上記で議論された方法のいずれもまた有用である。好ましくは、投与されるHGペプチドの量は、約1〜200nM HG-1ペプチド(または生物学的に等価な量の関連HGペプチド)の濃度を生じるに有効である;しかし、上記のように、与えられる実際の量は、患者の体重、循環状態などに関連した他の標準的な考慮と共に、患者応答の臨床医の評価に依存する。このような決定は、当業者の知識内である。
一般に、このような神経障害を処置する際に、化合物は、作用部位に約10〜100nM以上の濃度を生じる用量で与えられる場合に有効である。このような濃度を生じるために必要とされる投薬量および投薬の経路は、処置される被験体の大きさ、作用部位、および化合物の薬物動力学のような考慮に基づいて、当業者により日常的に決定される。
以下の実施例は本発明を例示するが、本発明を限定することは決して意図されない。
材料および方法
A.Hysterocrates gigas毒液
雄試料からの毒液を、電場刺激により収集し、そして瞬間凍結した(Invertebrate Biologics,Los Gatos,CA)。
B.Agelenopsis aperta毒液
凍結乾燥毒液を、Spider Pharm(Feasterville,PA)から得た。凍結乾燥毒液(0.5mLの初期毒液容量と等価)を、0.5mLの0.1N HCl中の懸濁後にSephadex G-50(Pharmacia,Piscataway,NJ)サイズ排除カラムに直接適用した。
C.細胞株
ヒト神経芽腫細胞株IMR-32、ラット下垂体株GH-3、およびヒト胚腎臓細胞株293(HEK)を、American Type Culture Collection(ATCC受託番号CRL1573;Rockville,MD)から得、そして2mMグルタミンおよび10%ウシ胎児血清を補充したRPMI1640培地(Gibco-BRL)中で維持した。S3および192C細胞は、それぞれ、以下に記載されるように、クラスBおよびクラスEカルシウムチャンネルを安定に発現するHEK細胞である。
D.HEK293細胞のトランスフェクション
ヒトα-1E(hα-1E)カルシウムチャンネルサブユニットのコーディング領域を保持するベクターを、PCT公報WO95/04144に記載されるようなpcDNAIIIにおいて構築した(この両方は、本明細書中に参考として援用される)。HEK細胞を、当該分野で周知の標準的な方法(リン酸カルシウムまたはリポフェクタミン媒介トランスフェクション)によりトランスフェクトして、クラスE電位感受性カルシウムチャンネルを発現する192C細胞を形成した。
同様に、S3細胞を、Ellinorら,(1994)により記載されるように、HEK細胞をヒトα-1Bカルシウムチャンネルサブユニットでトランスフェクトすることにより形成した。
E.細胞培養方法
S3および192C細胞を、10%ウシ胎児血清(FBS)、0.4mg/mlハイグロマイシンB、および0.6mg/mLジェネティシン(geneticin)G418(両方Boeringer Mannheim,Indianapolis,INに由来する)を補充したDMEM中に維持し、そしてガラスカバーガラス上にプレーティングした2日後に使用した。
電気生理学的研究のために、IMR-32細胞を、10%FBSを補充したダルベッコ最小必須培地(DMEM,Gibco-BRL)中で増殖させ、そして分化させずに使用した。内在カルシウム濃度のアッセイのために、細胞を、10%FBS、2mMグルタミン、および抗生物質/細胞分裂阻止剤混合物(Gibco-BRL)を補充した、Earle塩を含むイーグル最小必須培地中で増殖させた。これらの細胞を、1mMジブチリルcAMPおよび2.5μMブロモデオキシウリジン(両方Sigma,St.Louis,MOに由来する)の添加により分化させ、そして分化した7〜15日後に使用した。
GH-3細胞を、15%ウマ血清、2.5%FBS、および抗生物質/細胞分裂阻止剤混合物を含むHamF-10培地中で培養した。
実施例1
HG-1の精製
Hysterocrates gigasからのHG-1の単離を、Newcombら(1989)に記載される一般的な方法を用いてGilson HPLCにおいて行った。毒液(20〜150μL)を解凍し、そしてその後直ぐに、5μm粒子で充填された4.5×250mm「広孔(widepore)」オクタデシルシリカカラム(Vydac)に適用した。溶出物を、Gilson Holochrome検出器で220nmの吸光度により、ならびにHewlett-Packard Model 1046A蛍光検出器(励起260nm、発光340nm、280nm発光カットオフフィルター)で内因性蛍光によりモニターした。溶出は、1mL/分で125分にわたって12mMリン酸ナトリウム(pH6.2)中の0〜100%メタノールの直線勾配を用いた。(再使用前に、カラムを0.1%TFAからメタノールの勾配で洗浄して、pH 6.2緩衝液で溶出しなかった成分を除去した)。
クラスEカルシウムチャンネルに拮抗する成分を、以下の実施例8に記載されるパッチクランプ電気生理学的方法により1mL画分に局在化させ、そしてメタノールを、真空遠心分離機において活性画分(HG-1を含む)から除去した。さらなる画分は、5分にわたる0.1%トリフルオロ酢酸(TFA)中の0〜25%メタノールの直線勾配、続いて50分にわたる25〜80%メタノールの勾配を使用した。
エドマン分解ならびにHG-1に存在しないそれらのアミノ酸(gluおよびile)のアミノ酸分析は、TFA精製物質が95〜99%純粋であることを示した(ピークの初期溶出部分はより純粋であった)。HG-1活性の確認のために、この分離物からの活性物質を、0.05%ヘプタフルオロ酪酸(HFBA)の水性緩衝液を用いて再クロマトグラフィーを行った(5分にわたる0〜65%メタノール、続いて50分にわたる65〜85%)。この物質は、エドマン分解およびアミノ酸分析により評価した場合、99%以上純粋であった。
実施例2
ω-Aga-IIIAの精製
ω-Aga-IIIA(Venemaら,1992)を、Sephadex G-50におけるA.aperta毒液のサイズ排除クロマトグラフィー、続いて2工程の逆相クロマトグラフィー(実施例1に記載されるのと同じVydacカラムを用いる);20mMリン酸カリウム(pH2.8)からアセトニトリルの勾配を用いる1番目、および0.1%TFAからアセトニトリルの勾配を用いる2番目(両方の勾配は1分あたり0.75%アセトニトリルである)により単離した。特徴付けられたω-Aga-IIIAは、MikeAdams博士(University of California, Riverside)により親切にも提供され、そしてこれをペプチドの溶出位置をモニターするための標準として使用した。20〜30サイクルを介する天然ペプチドのエドマン分解を使用して、画分がAga-IIIA配列を優勢的に含むことを確認し(代表的に>95%)、そしてエレクトロスプレー法を用いた質量スペクトル分析を使用して、サンプルが(Ertelら,1993により記載される改変体とは対照的に)Aga-IIIAからなることを示した。これが事実ではなかった場合、Aga-IIIAを、0.05%HFBAからメタノール(1分あたり1.675%メタノール)の勾配を用いてさらに精製して、99%以上の純度のペプチド調製物を生じた。
実施例3
構造決定および配列決定
A.アミノ酸分析
精製ペプチドサンプルを、アミノ酸分析前に酸加水分解または酵素分解に供した。酸加水分解を、110℃で20および48時間、TEFLONストッパーオートサンプラーバイアルにおいて6N HCl中のサンプル(バイアルあたり50〜70pmolの精製HG-1)に対して行った。酸加水分解物のアミノ酸含有量を、標準(100pmolの各Lアミノ酸)(これも加水分解手順を経た)との比較により決定した。
組成分析およびC末端分析を、N-アセチル-L-システインおよびo-フタルジアルデヒド(OPA)での酸加水分解物または酵素加水分解物の誘導体化後に、逆相クロマトグラフィーおよび蛍光測定検出により行った(Brucknerら,1989)。希釈した加水分解物を、40μLのジメチルホルムアミド:水1:9を含むオートサンプラーバイアルに入れ、そしてGilson 231-401オートサンプラーを、25μLの1mg/mL OPA、続いて50μLの1mg/mLチオール(両方0.5Mホウ酸カリウム(pH10)中)を添加するようにプログラム化した。混合した後(約1分)、誘導体を、15mMリン酸ナトリウム(pH 6.2)で平衡化した4.5×250mm Phenomonex Primesphere「HC」オクタデシルシリカカラム(5μM粒子;Torrance、CA)上に注入し、そして87分にわたる65%メタノールまでの勾配で溶出した。検出は、340nmでの励起および408nmでの発光(408nm発光カットオフフィルター)に設定したHewlett-Packard1046A蛍光検出器を用いた。この系は、ヒスチジンを除く(プロリンおよびシステインは検出されない)、一次タンパク質アミノ酸の全てのDおよびL鏡像異性体を解明した。
アミノ酸比を、同一の加水分解手順(6N HCl中110℃で20または48時間)に供されたLアミノ酸標準との比較により決定した。キラリティーを、LおよびDL標準との比較により決定し、そしてラセミ化は、20時間加水分解において5%未満であった。表1に示す分析は、50〜70pmolのTFA(2つの系)精製物質およびHFBA(3つの系)精製物質の両方の10個の独立した加水分解物を示す。列挙されていないアミノ酸(gluおよびile)は、組成物中に0.05以下で存在した。MetおよびTrpのキラリティーは、天然およびアルキル化ペプチドのカルボキシペプチダーゼ消化物の分析に由来した。トリプトファンの定量は、天然HG-1のカルボキシペプチダーゼY消化物において達成されるスレオニンに対する比に基づく。
B.ペプチドの酵素消化
天然およびアルキル化の両方のHG-1(250〜500pmol)を乾燥し、そして100μLの0.1Mリン酸ナトリウム(pH 6.2)中の0.3μgのカルボキシペプチダーゼY(Pierce,Rockford,IL)で消化した。アリコート(10μL)を種々の時間で取り出し、そしてアミノ酸分析を使用して、HG-1中の単一のトリプトファン残基の存在を確認し、ならびに存在するアミノ酸がL鏡像異性体であることを確認した。カルボキシペプチダーゼY消化物は、HG-1のカルボキシ末端で明らかな配列情報を与えなかったので、天然HG-1の消化を、カルボキシペプチダーゼYと同じ消化条件を用いて、アガロース結合カルボキシペプチダーゼA(Sigma)で繰り返した。
酵素的に処理したサンプルに対するエドマン分解の結果を確認するために、1〜2nmolのHG-1を乾燥し、そして50μlの0.1Mリン酸カリウム(pH 7.4)中の1μgのTrypsin(PierceまたはWorthington,Freehold,NJ)で(37℃で4時間)消化した。フラグメントを、1時間にわたる0.1%TFA中の0〜100%メタノール勾配を用いて上記のように解明した。
C.ペプチド還元およびアルキル化
HG-1(2または4nmolのTFA精製物質)を乾燥し、そして当該分野で周知の方法に従って4-ビニルピリジンで誘導体化した(例えば、Tarrら,1983,HawkeおよびYuan1987を参照のこと)。
D.エドマン分解
エドマン分解を、化学および同定について製造者により推奨される手順を用いて、モデル120A Analysis System(Perkin-Elmer,Foster City,CA)を有するApplied Biosystems Model 477A Sequenatorでアルキル化されたインタクトなペプチドまたは消化ペプチドに対して行った。
E.ペプチドの質量スペクトル分析
陽イオンエレクトロスプレーイオン化質量分析法(ESI-MS)分析を、Finnigan MAT 900Qフォワードジオメトリーハイブリッド質量分析計を用いて行った。質量スペクトルを、完全加速電位(5kV)および10s decade-1のスキャン速度で捕捉した。使用されるエレクトロスプレーイオン化インターフェイスは、加熱したガラスキャピラリーインレット(inlet)に基づく。サンプル溶液を、80:15:5のアセトニトリル/水/酢酸(v/v/v)中で調製し、そして1μL分-1の流速でESI源を通して注入した。分析は、1nmolのTFA精製HG-1を使用した。
マトリクス補助レーザー脱離/イオン化(MALDI)質量スペクトルを、直線モード(linear mode)でPerSeptive Vestec Laser Tec Research時間飛行型質量分析計操作において捕捉した。窒素レーザー(337nm)からの放射線を、脱離プロセスに使用した。サンプルを、1μLのHG-1水性溶液(0.1%TFA中の1〜10pmol/μL)および1μLの適切なマトリクス溶液[1:2アセトニトリル/0.1%TFA(水性)(v/v/)中のc.5mg/mLの3,5-ジメトキシ-4-ヒドロキシ桂皮酸(シナピン酸)またはα-シアノ-4-ヒドロキシ桂皮酸(4-HCCA)のいずれか]をサンプル標的に置くことにより標準的な様式で調製した。次いで、サンプル/マトリクス溶液を、分析前に室温で風乾させた。
実施例4
バイオアッセイのためのサンプルの調製
インビトロアッセイに使用されるサンプル中のHG-1およびAga-IIIAの濃度を、アミノ酸分析により決定した。代表的に、最終画分は、約15〜30μMの最終濃度の精製ペプチドを含んだ。画分を、種々のアッセイ緩衝液への100倍以上の希釈前に-80℃で保存した。より高い濃度のペプチドをアッセイする場合、メタノールを、HPLC画分(c.100μL)のアリコートを真空遠心分離器に10〜15分間置くことによりサンプルから除去した。
実施例5
細胞および神経調製物におけるカルシウム流入の測定
細胞における内在カルシウム濃度のINDO-1アッセイ
細胞を、上記の材料と方法で記載されたように培養で増殖し、そして維持した。細胞を、0.5mM EDTAとのインキュベーションにより分離し、そして1%BSA含有アッセイ緩衝液(重炭酸もフェノールレッドも含まないハンクス平衡化塩溶液中の10mM HEPES(pH7.4))中の5μM Indo-1アセトキシメチルエステル(Molecular Probes,Eugene,OR)と共に30℃で60分間ロードした。ロードされた細胞を2回洗浄し、そして0.5%BSA含有アッセイ緩衝液に再懸濁し(107細胞/mL)、そして使用まで(<3時間)氷上で保存した。種々の濃度の試験化合物またはビヒクルコントロールを、約3×106ロード細胞を含むアッセイ緩衝液中の0.5%BSA6mLに添加した。さらに、5μMニトレンジピンもまた、L型カルシウムチャンネルをブロックするためにIMR-32細胞に添加し、そして30〜45μMバリノマイシンを、静止膜電位を低下させ、添加した細胞外カリウムに対する迅速な脱分極を可能にするために192C細胞に添加した。サンプルを30℃で10分間インキュベートし、次いで3つの使い捨てキュベットに等分した。350nmでの励起を有するPhoton Technology International Model RF-F3004分光蛍光計ならびに400および490nmに設定した2重発光単色光分光器を用いて30℃で3連で蛍光測定した。基底発光シグナルを20秒間捕捉し、続いてコンピューター制御ポンプを伴う攪拌キュベット中の1.86mLのインキュベーション混合物へ180μLの刺激溶液(1M塩化カリウムおよび68mM塩化カルシウム)を添加した。発光シグナルを、脱分極後さらに30〜50秒間捕捉した。
基底およびピーク発光比(400nm/490nm)を、Grynkiewiczら(1985)によるINDO-1について記載されたように細胞内カルシウム濃度に変換された(すなわち、以下の式:[Ca++]i=Kd*((R-Rmin)/(Rmax-R))*Sfに従う。ここでRは測定された400nm/490nm比であり、残りの用語は、INDO-1のスペクトル特性および遊離カルシウムとのその相互作用を記載する定数である)。Rmin、Rmax、およびSfの値は、Premackら1995に記載されるような2点較正で決定した。
192CおよびIMR-32細胞についてのカルシウム濃度を、内在カルシウムの増大のピークで(カリウム添加後約10秒間)計算したが、一方GH-3細胞についての値は、5μMニトレンジピンの存在下でのピーク応答(T電流)で、または添加ジヒドロピリジンを伴わないカリウム添加の40秒後(LおよびT電流の組み合わせ)のいずれかで決定した。内在カルシウムの代表的な増加は、100〜150nMのベースラインから1μMに近い刺激値までであった。濃度効果曲線を、試験化合物を用いずに観察した内在カルシウムの増大に対する添加薬剤を用いた内在カルシウムの増大の比から計算した。これらのデータは、IC50値を決定するための最小二乗法を用いた4つの助変数ロジスティック関数に適合した。
L型電流に特異的なカルシウムアンタゴニスト(ニトレンジピン)、N型電流に特異的なカルシウムアンタゴニスト(SNX-111=合成ω-コノペプチドMVIIA)、ならびにあまり選択的でないカルシウムアンタゴニスト(SNX-230=合成MVIICおよびω-Aga-IIIAおよびフェロジピン)を用いた独立した実験を使用して、異なるアッセイシグナルの薬理学的特異性を確認した。
実施例6
電気生理学的測定
A.安定にトランスフェクトされた細胞のホールセルパッチクランプ
電流を、ホールセル配置(Hamillら1981)においてパッチクランプ法により測定した。電極抵抗は2〜6MΩの範囲であった。データ獲得および分析用のPCLMP6ソフトウェア(Axon Instruments)に接続したAxopatch 1CまたはAxopatch 200A増幅器(Axon Instruments,Foster City,CA)のいずれかを用いて記録を行った。
カルシウム電流を、以下(mM):100塩化テトラエチルアンモニウム、52塩化コリン、15塩化ナトリウム、2塩化カルシウム、0.8塩化マグネシウム、10HEPES、および7グルコース(塩酸でpH7.4および325mOsMに調節した)からなる外部バッチ溶液を利用して記録した。0.1mg/mLのシトクロームcを、ペプチド含有溶液に対するキャリアとして添加した。内部ピペット溶液は、以下(mM):140セシウムメタンスルホン酸、5EGTA、10HEPES、および4マグネシウムアデノシン三リン酸からなり;水酸化セシウムでpH7.2および310mOsMに調節した。ペプチド効果を、30ミリ秒、15秒毎の持続時間のステップパルス(step pulse)として-90mVの静止電位から0mVに電位を変化させることにより誘発される電流に対してアッセイした。データを5KHzでサンプリングし、そして1KHzで濾過した。漏出およびキャパシタンス電流を、22mVの過分極パルス(「P/4」プロトコル)により誘発される電流を測定した後に減じた。
一般的に、HG-1の結果は、直列抵抗補償回路機構を使用せずに得られた電流振幅のピークに対する効果として報告される。80%の直接抵抗補償で行われたさらなる実験(結果を参照のこと)は、HG-1が電流減少の時間経過に影響しないことを示した:阻害値は誤差内であり、直列抵抗補償の存在下または非存在下で同じであり、ならびにペプチド効果は、電圧工程後の異なる時間で測定された。濃度-効果研究のために、ペプチド溶液を、灌流を通した流れを通してバッチ交換により投与した。灌流溶液の交換を、種々の外部カリウム濃度を有する溶液の灌流および膜電位に対する効果のアッセイにより確認した。
B.神経下垂体末端におけるクラスEチャンネルの電気生理学
雄ラットを二酸化炭素で鎮静させ、次いでギロチンで断頭した。神経下垂体を10個摘出し、そして270mMスクロース、10mM HEPES緩衝液、0.01mMカリウム-EDTA(pH7)を含む溶液中でホモジナイズした。単離した神経下垂体神経末端を、倒立顕微鏡またはパッチクランプ記録後の免疫染色を用いて同定し得た。次いで、末端を、Normal Locke生理食塩水(140mM NaCl、5mM KCl、5mM NaCO3、2.2mM CaCl2、1mMMgCl2、10mMグルコース、10mM HEPES、0.1%ウシ血清アルブミン、pH7.2)と共に灌流した。記録前に、末端(一般的に、直径が5〜8μm)を、5mMBa2+-LS(145mM NaCl、5mM BaCl2、1mM MgCl2、10mM HEPES、15mMグルコース、0.02%(w/v)ウシ血清アルブミン(BSA)および1μMテトロドキシン(TTX)、pH7.3を含む)と共に灌流した。穴のある「全末端」のパッチ記録(Raeら1991;Hamilら,1981)を得るために、新鮮に作製したアンホテリシンB(240μg/ml)を、135mMグルタミン酸セシウム、10mMHEPES、5mMグルコース、2mM CaCl2、1mM MgCl2、および20mMトリエチルアミン(TEA)、pH7.3を含むピペット溶液に適用した。
「停止(run-down)」を避けるために、3〜5メガオーム(m )の接触抵抗を有する穴のあいた末端のみを記録に使用した。-80から+10mVの脱分極により活性化され、そして一過的成分および長期持続成分の両方を証明したBa2+電流(IBa)は、これらの条件下でいずれの停止もなく1時間を超えて維持され得た。IBaを3kHzで濾過し、そして10kHzでサンプリングした。pCLAMP(Axon Instrument)を、データの獲得および分析のために使用した。
実施例7
IMR-32細胞におけるナトリウムおよびカリウム電流の測定
IMR-32細胞におけるナトリウムおよびカリウム電流を、以前に記載されたように(Newcombら1995)、実施例6に記載のホールセルパッチ技術を用いて測定したが、以下の改変を伴った。外部浴は、水酸化ナトリウムでpH7.4および305mOsMに調節した、以下(mM):140mM塩化ナトリウム、5塩化カリウム、10 HEPES、2塩化カルシウム、1塩化マグネシウム、および12グルコースからなった。内部ピペット溶液は、水酸化カリウムでpH7.4および295mOsMに調節した、以下(mM):15塩化ナトリウム、125メタンスルホン酸カリウム、10HEPES、11EGTA、1塩化カルシウム、2塩化マグネシウム、および59グルコースからなった。ペプチド適用のために、細胞を、チャンバーを通した流れにおいた(0.5〜1mL/分)。HG-1を、細胞に直接隣接して配置した小さなチューブを通して0.1mg/mLシトクロームcを含む生理食塩水に適用した。
実施例8
Xenopus卵母細胞におけるクラスAカルシウムチャンネルを通した電流の測定
Moriら(1991)に記載のα-1サブユニットのcRNAを、標準的な方法(Goldin,1992)によりXenopus卵母細胞において発現させた。発現のために、α-1サブユニットのcRNAを、ウサギα2およびδ(Ellisら1988)ならびにヒトβ(Williamsら1992)サブユニットのcRNAを等モル比で同時注入した。卵母細胞あたり約50nLを、0.8μg/μLの総cRNA濃度で注入した。
電流を、4mM塩化バリウム、38mM塩化カリウム、36mM塩化テトラエチルアンモニウム、5mM4-アミノピリジン、0.4mMニフルム酸(niflumic acid)、5mM HEPES(pH7.5)、および0.1mg/mLウシ血清アルブミンの溶液を用いて2電極電圧クランプにより記録した。データを、捕捉および分析用のPCLAMPソフトウェア(AxonInstruments,Foster City,CA)に接続したOC-725B電位クランプ増幅器(Warner Instruments)を利用して、5kHzでサンプリングし、そして1kHzで濾過した。漏出およびキャパシタンス電流を、P/4プロトコルを用いてオンラインで引いた。-80mVの静止電位から0mVまでの電圧パルスを、10秒毎に電流を誘発するために使用した。
実施例9
Xenopus卵母細胞におけるカリウムチャンネルを通した電流の測定
Tempelら(1988)(MKv1.1)およびRamaswamiら(1990)(hKv1.2、hKv1.4)に記載のカリウムチャンネルαサブユニットcDNAからのcRNAを、以下の濃度:mKv1.1、0.2μg/μL;hKv1.2、0.3ng/μL;およびhKv1.4、0.02μg/μLで卵母細胞に注入した。
カリウム電流を記録するために使用した外部溶液は、115mM塩化ナトリウム、2.5mM塩化カリウム、1.8mM塩化カルシウム、10mM HEPES(pH7.2)、0.1mg/mlウシ血清アルブミンであった。他の全ての手順は、試験パルスが5秒毎の-70mVの静止電位から+50mVであった以外は、実施例8に記載のカルシウムチャンネルと同じであった。
実施例10
ポリメラーゼ連鎖反応によるHG-2のコーディング配列の単離
配列特異的縮重プライマーを、図2Bに示されるHG-1のN末端6アミノ酸配列に基づいて、およびD.melanogaster由来のコドン優先を使用して標準的な方法に従って合成した。従って、遺伝子特異的ヌクレオチドは、GGC/T GTC/G GAT/C AAG GCC/T GGC/T TGCであった。3’プライマーを、5’プライマーを用いた予備PCR実験の結果を用いて得た。
他に示されない限り、本実施例に記載の全ての緩衝液および試薬は、Gibco-BRLから入手可能なcDNA末端迅速増幅キットの3’RACEシステム(カタログ番号18373-019)に記載および/または提供される通りである。
A.Hysterocrates gigasからの総RNAの単離
3つのHysterocrates gigasクモから得られた毒液嚢を、8mlのTRIzolTM溶液中でホモジナイズし、次いで5分間室温でインキュベートした後、1mlアリコートをEppendorfチューブに移した。各1ミリリットルサンプルに0.2mlのクロロホルムを添加した。次いで、サンプルを15秒間激しく振盪させ、そして2〜3分間インキュベートした後、4℃で15分間10,000〜12,000×gで遠心分離した。得られた水相を新しいチューブに移し、2-プロパノールを、製造者(BRL)により提供された比に従って1mlのTrizolあたり添加した。混合物を室温で10分間インキュベートし、そして10分間わずか12000×gで遠心分離した。上清を除去し、そしてRNAペレットを、75%エタノールに再懸濁した(1mlのTRIzol溶液あたり少なくとも1mlの75%エタノールを添加した)。サンプルをVortexミキサー上で混合し、次いで4℃で5分間わずか7500×gで遠心分離した。次いで、RNAを風乾し、次いで100μlのDEPC処理水に溶解した。
B.総RNAからのポリAmRNAの精製(QiagenからのOLIGOTEX Spin Columnプロトコル)
RNAサンプル中の総RNA量を従来の手段により決定した。量が250μg以下の場合、総RNAを250μlのDEPEC水に溶解した。次いで、37℃に予め加熱した250μlの2×結合緩衝液および15μlのOLIGOTEX懸濁液を、RNAに添加した。チューブの底を穏やかにたたくことによりチューブを混合し、次いで二次構造を破壊するために、65℃で3分インキュベートした。次いで、チューブを、室温で10分間さらにインキュベートし、続いて最大速度(約12,000×g)で2分間遠心分離した。次いで、上清を吸引し、そしてペレットを400μlの洗浄緩衝液に再懸濁した。得られた懸濁液を、Qiagen OLIGOTEX Spin Columnの上部に添加した。カラムを最大速度で30秒間遠心分離し、そしてフロースルー画分を捨てた。スピンカラムを、新たなRNaseを含まないチューブに移し、そしてローディング工程および遠心分離工程を繰り返した。次いで、カラムを、製造者の記載に従って、100μlの予め加熱した(70℃)溶出緩衝液を用いて2回溶出した。
C.ポリAmRNAからの第1鎖cDNA合成
使用するプロトコルは、3’RACE Kit Gibco-BRLに提供される標準的なプロトコルである。B部からの50ngまでのポリ(A)選択RNAを、0.5ml微小遠心分離チューブ中で11μlの最終容量までDEPEC処理水と合わせた。チューブに1μlの10μM Adaptor Primer溶液(3’RACE Kit)を添加した。チューブを混合し、そして反応物を短い遠心分離により収集した。次いで、混合物を10分間70℃まで加熱し、続いて少なくとも1分間氷上で冷やした。チューブ内容物を短い遠心分離により収集し、そして以下の成分を添加した:
10×PCR緩衝液 2μl
25mM MgCl2 2μl
10mM dNTP混合物 1μl
0.1M DTT 2μl
チューブを穏やかに混合し、そして反応物を短い遠心分離により収集した。次いで、混合物を2〜5分間42℃まで平衡化した。次いで、1μlのSuperScript II RT(逆転写酵素)を添加し、続いて42℃で50分間インキュベートした。反応を、70℃で15分間インキュベートすることにより終結させ、そして氷上で冷やした。反応物を短い遠心分離により収集し、そして1μlのRNase Hをチューブに添加し、次いでこれを混合し、そして20分間インキュベートした。
D.3’RACE PCR
以下を0.5ml微小遠心分離チューブに添加した:
10×PCR緩衝液(GIBCOキット)5μl
25mM MgCl2 3μl
蒸留水 36.5μl
10mM dNTP混合物 1μl
GSP1* 10μM 1μl
UAP# 10μM 1μl
Taq DNAポリメラーゼ(5単位/μl)0.5μl
2μlのcDNA合成反応物をチューブに添加し、続いて穏やかに混合した。75μlのミネラルオイルを反応混合物に重層し、次いで短い遠心分離により収集した。次いで、反応混合物を、94℃で3分間インキュベートした。次いで、35サイクルのPCRを、以下のプロトコルを用いて行った:
変性 94℃45秒
アニール 55℃45秒
伸長72℃ 1分30秒
混合物を72℃でさらに10分間インキュベートし、次いで4℃で維持した。10μlの増幅産物を、アガロースゲル電気泳動により分析し、そして残りを使用まで-20℃で保存した。
E.cDNAの5’RACE GlassMAX Isolation Spin Cartridge精製
精製した各サンプルのために、100μlの滅菌蒸留水を65℃に平衡化し、そして結合溶液を室温に平衡化した。120μlの結合溶液(6M NaI)を第1鎖反応物に添加した(1容量のDNA溶液あたり4.5容量の結合溶液)。cDNA/NaI溶液を、GlassMAXスピンカートリッジに移し、そして20秒間最大速度で遠心分離した。カートリッジ挿入物をチューブから取り出し、そしてフロースルーを微小遠心分離チューブに移した。カートリッジ挿入物をチューブに戻し、そして0.4mlの冷1×洗浄緩衝液をスピンカートリッジに添加した。次いで、カートリッジを20秒間最大速度で遠心分離し、そしてフロースルーを捨てた。この洗浄工程をさらに2回繰返し、そして上記のようにカートリッジを400μlの冷70%エタノールで2回洗浄した。チューブから最後の70%エタノール洗浄液を除去した後、チューブを、1分間最大速度で遠心分離した。スピンカートリッジ挿入物を、新しいサンプル回収チューブに移し、そして50μlの滅菌蒸留水(65℃まで予め加熱)をスピンカートリッジに添加し、続いて20秒間最大速度で遠心分離して、cDNAを溶出した。
F.cDNAのTdTテール化
5×テール化緩衝液は以下の成分を含む:
DEPC処理水 55μl
10×反応緩衝液 25μl
25mM MgCl2 20μl
5×緩衝液は以下の組成物を有する:
50mM Tris-HCl(pH8.4)
125mM KCl
5mM MgCl2
以下の成分を、0.5ml微小遠心分離チューブに添加した:
DEPC処理水6.5μl
5×テール化緩衝液 5.0μl
2mM dCTP 2.5μl
cDNAサンプル 10μl
チューブを94℃で1〜2分間インキュベートし、次いで氷上で1分間冷やした。チューブの内容物を短い遠心分離により収集し、そして氷上に置いた。1μlのTdTを添加し、続いて穏やかに混合し、そして37℃で10分間インキュベートした。反応物の最終組成は以下の通りである:
10mM Tris-HCl(pH8.4)
25mM KCl
1.0mM MgCl2
200μM dCTP
0.4単位/μlTdT
TdT混合物を、65℃〜70℃で10分間熱不活化した。
G.dCテール化cDNAのPCR増幅
以下の成分を、氷上の新しい0.5ml微小遠心分離チューブに添加した:
29μl滅菌蒸留水
4μl 10×反応緩衝液
3μl 25mM MgCl2
1μl 10mM dNTP
1μl ネスティッドGSP2(10μM)
1μl アンカープライマー(10μM)
5μl dC-テール化cDNA
(GSP1およびGSP2両方は、HG-1のアミノ酸配列に従って設計された縮重プライマーである。
GSP1:5’CAUCAUCAUCAUGGYGTSGAYAAGGCTGGYTGC3’
GSP2:5’CUACUACUACUAGAARGTSARRTCCCARGC3’)、ここでA、T、GおよびCは、標準的なデオキシリボヌクレオチドを示し、ここでY=CまたはT、R=AまたはG,およびS=CまたはGである。「U」は、C末端に存在するデオキシウラシルを示す。
UAPおよびアンカープライマー両方は、上記のGIBCO-BRL3’RACEキットにおいて提供されるユニバーサルプライマーである。
チューブの内容物を混合し、次いで75μlのミネラルオイルを重層した。チューブを短く遠心分離して、チューブの底の反応成分を収集し、次いで94℃で5分間インキュベートし、そして80℃で維持した。Taq DNAポリメラーゼを、1×反応緩衝液中で0.4単位/μlまで希釈した。次いで、5μlの希釈酵素を各反応物に添加した。次いで、混合物を、3’RACEについての上記と同じプロトコルを用いて35サイクルのPCR増幅に供した。10μlの増幅サンプルを、アガロースゲル電気泳動、臭化エチジウム染色、および適切な分子サイズ標準により分析した。
H.pAMP1ベクター(GIBCO-BRL)へのPCR産物のクローニング
以下の成分を、氷上の0.5ml微小遠心分離チューブに添加した:
2μl PCR産物(10〜50ng)
2μl pAMP1ベクターDNA(25μg/μl)
15μl 1×アニーリング緩衝液
1μ ウラシルDNAグリコシラーゼ(1U/μl)
成分を混合し、そして37℃で30分間インキュベートした。インキュベーション後、反応チューブを氷上に置いた。アニーリング後、アニーリング反応混合物の一部(1〜5μl)を形質転換のために使用した。
I.形質転換
100μlのDH5α細胞(コンピテント細菌細胞;GIBCO-BRL)を、氷上のチューブに入れた。細胞に1μlのアニーリング産物を添加し、続いて混合し、そして氷上で30分間インキュベートした。次いで、混合物を、42℃で45秒間熱ショックに供し、続いて氷上で2分間インキュベーションした。次いで、SOB+培地(0.9ml)をチューブに添加し、これを37℃で1時間振盪した。次いで、チューブを4℃で5分間わずか4000rpmで遠心分離した。次いで、0.9mlの上清を除去し、そして細胞の残りを、LBプレート+カルベニシリン+IPTG+X-gal(β-ガラクトシダーゼの基質として)に置いた。次いで、プレートを37℃で一晩インキュベートした。
J.小規模DNAの調製
小規模DNAを調製して、クローニングの成功を確認し、そして陽性クローンを配列決定した。白色のコロニーをプレートから取り出した。個々のコロニーを、カルベニシリンを含む5mlのLB培地を含む異なるチューブ中で37℃振盪機において一晩インキュベートした。次いで、DNAを標準的な方法に従って調製し、そして配列決定した(例えば、Maniatisら、1982)。
実施例11
抗痙攣活性;DBA/2マウス発作モデル
DBA/2マウス(18〜21日齢;約7〜10g)を、Jackson Laboratories,Bar Harbor,Maineから入手し、そしてそれらを研究室条件に順化させるために最低3日間収容した。試験日に、マウスに、音刺激への暴露の30分前に標準的な方法(Jackson)に従ってビヒクルまたは試験化合物(総容量:5μl)を側脳室へi.c.v注射した。注射後、マウスを観察チャンバーにおいて個々に収容し、そして震顫行動(持続性の全身の震え)または任意の他の異常な行動の証拠について後の30分間にわたって観察した。動物を、強度の音刺激(14Hzで30秒間の100〜110dBのシヌソイド音(sinusoidal tone))に暴露した。マウスを、音に対する30秒暴露間の完全な後肢伸長を伴う間代性発作および強直性発作の存在について観察した。
本発明は、特定の方法および実施態様を参照して記載されたが、種々の改変および変化が本発明を逸脱することなくなされ得ることが認識される。
図1(A〜C)は、(A)Hysterocrates gigasからの粗毒液の溶出、(B)パネルAからのピークの再クロマトグラフィー、および(C)パネルBからのピークの再クロマトグラフィーのHPLCプロフィールを示し、ここで各場合における矢印はHG-1ピークを示す; 図2Aは、保存領域およびシステイン残基(太字)を示すように整列された、HG-1(配列番号1)、HG-2(配列番号2)、HG-3(配列番号3)、HG-4(配列番号4)、HG-5(配列番号5)、R1(配列番号11)、R2(配列番号12)、R9(配列番号13)、およびR11(配列番号14)のアミノ酸配列の比較を示す;図2Bは、保存領域を示すように整列されたHG-1(配列番号1)、HG-2(配列番号3)、HG-6(配列番号6)、HG-7(配列番号7)、およびHG-8(配列番号8)を示す;図2Cは、保存領域を示すように整列されたHG-1(配列番号3)、HG-2(配列番号4)、HG-8(配列番号21)、およびHG-4(配列番号22)のプロペプチドを示す;図2Dは、保存領域を示すように整列されたHG-1、HG-10(配列番号10)、HG-2、HG-6、HG-7、HG-9(配列番号9)、HG-8、およびHG-4を示す。 図2Eは、保存領域および可変領域V1〜V4(太字)を示すように整列された、アミノ酸配列HG-1(配列番号1)、HG-2(配列番号2)、およびHG-3(配列番号3)の比較を示す。図2Fは、HG-1、R9、R11、HG-10、およびSNX-629(HG-1(7〜41);配列番号15)の比較を示す; 図3は、太字で示される整列されたシステイン残基を有する、ペプチドグラマトキシン(grammatoxin)S1A(Lampeら,1993)およびハナトキシン(hanatoxin) に対するHG-1の配列の比較を示す; 図4A〜4Gは、HG-1(配列番号23(リーダー)、配列番号24(コーディング)、および配列番号25(全配列が示される))、HG-2(配列番号26(リーダー)、配列番号27(コーディング)、および配列番号28(全配列が示される))、HG-3(配列番号29(リーダー)、配列番号30(コーディング)、および配列番号31(全配列が示される))、HG-4(配列番号32(リーダー)、配列番号33(コーディング)、および配列番号34(全配列が示される))、HG-4'(配列番号35(リーダー)、配列番号36(コーディング)、および配列番号37(全配列が示される))、HG-6(配列番号38(リーダー)、配列番号39(コーディング)、および配列番号40(全配列が示される))、ならびにHG-9(配列番号41(リーダー)、配列番号42(コーディング)、および配列番号43(全配列が示される))のコーディング配列を示し、ここで各配列において、リーダー配列の開始が、線および文字「L」で示され、成熟ペプチドコーディング領域の開始が線および矢印で示され、そしてコーディング配列の終わりは第3番目の線で示される; 図4A〜4Gは、HG-1(配列番号23(リーダー)、配列番号24(コーディング)、および配列番号25(全配列が示される))、HG-2(配列番号26(リーダー)、配列番号27(コーディング)、および配列番号28(全配列が示される))、HG-3(配列番号29(リーダー)、配列番号30(コーディング)、および配列番号31(全配列が示される))、HG-4(配列番号32(リーダー)、配列番号33(コーディング)、および配列番号34(全配列が示される))、HG-4'(配列番号35(リーダー)、配列番号36(コーディング)、および配列番号37(全配列が示される))、HG-6(配列番号38(リーダー)、配列番号39(コーディング)、および配列番号40(全配列が示される))、ならびにHG-9(配列番号41(リーダー)、配列番号42(コーディング)、および配列番号43(全配列が示される))のコーディング配列を示し、ここで各配列において、リーダー配列の開始が、線および文字「L」で示され、成熟ペプチドコーディング領域の開始が線および矢印で示され、そしてコーディング配列の終わりは第3番目の線で示される; 図5は、示されるように、33nM HG-1の存在下および非存在下でのホールセルパッチクランプ(192C細胞)におけるカルシウム電流の波形を示す; 図6は、クラスE(192C)およびクラスB(S-3)型α-1サブユニットを安定に発現する細胞におけるピーク内側カルシウム電流に対する種々の濃度のHG-1の効果、ならびにクラスEα-1サブユニットを発現する192C細胞に対するAgaIIIAの効果を示す; 図7は、神経下垂体末端におけるカルシウム電流(バリウムにより運ばれる)に対するニカルジピン、ωコノトキシンMVIIA(SNX-111)、ωコノトキシンMVIIC(SNX-230)、およびHG-1(SNX-482)の効果を示す。 図8(A〜C)は、カルシウム感受性色素INDO-1で処理された細胞の蛍光比により測定されたように、カリウム脱分極後の内在性カルシウム濃度に対する種々の化合物の濃度-効果曲線を示す:(A)クラスEチャンネルを発現する192C細胞に対する、HG-1およびAga-IIIAの効果;(B)L型およびT型の両方のカルシウムチャンネルを有するGH3細胞に対する、HG-1、Aga-IIIA、およびニトレンジピンの効果、ここで挿入図は、5μMニトレンジピンの非存在下および存在下でカリウム脱分極に供された細胞におけるINDO-1蛍光の代表的な時間経過を示す;(C)主にN型カルシウムチャンネルを示すIMR-32神経芽腫細胞に対する、HG-1、Aga-IIIA、およびSNX-194(met-12〜norleu-12-SNX-111)の効果; 図9Aおよび9Bは、聴原性刺激に供されたDBA/2マウスにおける痙攣行動に対する種々の用量のSNX-482(HG-1)の効果を示す; 図10は、HG-1ペプチドSNX-482の非存在下および存在下での電気的刺激に応答して生じた痙攣の累積用量-応答曲線を示す; 図11Aおよび11Bは、聴原性刺激に供されたDBA/2マウスにおける痙攣行動に対する種々の用量のSNX-629の効果を示す;そして 図12は、電気的に刺激された痙攣に対する0、1、または5μgのSNX-629についての累積用量-応答曲線を示す。
(配列表)
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Claims (6)

  1. 配列番号1(HG-1)、配列番号8(HG-8)、配列番号13(R9)、配列番号14(R11)、および配列番号15(SNX-629)からなる群より選択される配列を有するペプチド。
  2. 配列:配列番号1を有するペプチド。
  3. 配列:配列番号15を有するペプチド。
  4. 単離されたポリヌクレオチドであって、配列番号1、配列番号2、配列番号3、配列番号4、配列番号5、配列番号6、配列番号7、配列番号8、配列番号9、配列番号11、配列番号12、配列番号13、配列番号14、および配列番号15により定義される配列を有するペプチドから選択されるペプチドをコードするヌクレオチドの配列を含む、ポリヌクレオチド。
  5. 請求項4に記載の単離されたポリヌクレオチドであって、配列番号23から配列番号43により定義される配列を有するヌクレオチドから選択される、ポリヌクレオチド。
  6. 実施例に記載のペプチド。
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