JP2006051033A - 電位依存性カルシウムチャンネルアンタゴニストおよび方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】 HG−1、HG−8、R9、R11、およびSNX−629からなる群より選択されるアミノ酸配列を有する特定ペプチドの提供。あるいは、単離されたポリヌクレオチドであって、上記ペプチドを含む特定のペプチドをコードするヌクレオチドの配列を含む、ポリヌクレオチドの提供。
【選択図】 なし
Description
本発明は、クラスE電位依存性カルシウムチャンネルを特異的にブロックするペプチド化合物の新規のクラスおよびこのようなチャンネルをブロックするための方法に関する。本発明はまた、この化合物を用いた治療処置(例えば、痙攣性障害の処置)に関する。
電位依存性カルシウムチャンネルは、ニューロンにおいて、ならびに心筋、平滑筋、および骨格筋ならびに他の興奮性細胞において存在する。これらのチャンネルは、膜興奮性、筋収縮、および細胞分泌(例えば、エキソサイトーシス性シナプス伝達)に関与することが知られている。ニューロン細胞において、電位依存性カルシウムチャンネルは、それらの電気生理学的特性ならびにそれらの生化学的および薬理学的特性により分類されている。より最近では、さらなる分類がこのチャンネルの分子生物学に基づいてなされた。
(項目2) 項目1に記載のペプチドであって、前記クラスE電位依存性カルシウムチャンネルを最大半分ブロックするのに必要とされる濃度のよくて約10倍の濃度で、少なくとも50%でL型、T型、P/Q型、またはN型カルシウムチャンネルをブロックし得ないことによりさらに特徴付けられる、ペプチド。
(項目3) 項目2に記載のペプチドであって、V1-配列番号19-X2X3X4-配列番号20-X5-LGC-X6X7X8X9-S-X10-配列番号10-X11X12-T-X13X14X15により定義される配列を有し、ここでV1はGVDKX1Gまたは欠失であり、X1はAまたはPであり;配列番号19はCRYMFGGCであり;X2はSまたはEであり、X3はVまたはKであり、X4はDまたはNであり、配列番号20はDDCCPであり、X5はRまたはKであり、X6はHまたはKであり、X7はSまたはDであり、X8はIまたはLであり、X9はFまたはLであり、X10はYまたは欠失であり、配列番号10はYCAWであり、X11はDまたはEであり、X12はLまたはVであり、X13はFまたはGであり、X14はSまたはEまたは欠失であり、そしてX15はFまたはDまたは欠失である、ペプチド。
(項目4) 項目2に記載のペプチドであって、配列番号16-X1-FGGC-X2X3X4-配列番号17-X5X6X7X8X9X10-配列番号18-X11-TFSDにより定義される配列を有し、ここでX1はクラスVから選択され;X2はクラスIIから選択され;X3はクラスIVまたはVから選択され;X4はクラスIIIから選択され;X5はクラスIIIまたはクラスIVまたは欠失から選択され;X6はクラスIVまたはVから選択され;X7はクラスIIまたはIVから選択され;X8はクラスIIまたはVから選択され;X9はクラスVIから選択され;X10はクラスIIまたはIIIから選択され;そしてX11はクラスII、V、またはVIから選択される、ペプチド。
(項目5) 項目4に記載のペプチドであって、ここでX1=MまたはL;X2=SまたはT;X3=V、K、またはR;X4=NまたはD;X5=K、Q、または欠失;X6=H、R、またはL;X7=SまたはK;X8=LまたはG;X9=FまたはY;X10=SまたはN;そしてX11=L、F、またはG;そして配列番号16はGVDKAGCRYであり、配列番号17はDDCCPRLGCであり、そして配列番号18はYCAWDである、ペプチド。
(項目6) 配列番号1(HG-1)、配列番号8(HG-8)、配列番号13(R9)、配列番号14(R11)、および配列番号15(SNX-629)からなる群より選択される配列を有するペプチド。
(項目7) 配列:配列番号1を有するペプチド。
(項目8) 配列:配列番号15を有するペプチド。
(項目9) 単離されたポリヌクレオチドであって、配列番号1、配列番号2、配列番号3、配列番号4、配列番号5、配列番号6、配列番号7、配列番号8、配列番号9、配列番号11、配列番号12、配列番号13、配列番号14、および配列番号15により定義される配列を有するペプチドから選択されるペプチドをコードするヌクレオチドの配列を含む、ポリヌクレオチド。
(項目10) 項目9に記載の単離されたポリヌクレオチドであって、配列番号23から配列番号43により定義される配列を有するヌクレオチドから選択される、ポリヌクレオチド。
(項目11) 単離されたポリヌクレオチドであって、配列V1-配列番号19-X2X3X4-配列番号20-X5-LGC-X6X7X8X9-S-X10-配列番号10-X11X12-T-X13X14X15を有し、ここでV1はGVDKX1Gまたは欠失であり、X1はAまたはPであり;配列番号19はCRYMFGGCであり;X2はSまたはEであり、X3はVまたはKであり、X4はDまたはNであり、配列番号20はDDCCPであり、X5はRまたはKであり、X6はHまたはKであり、X7はSまたはDであり、X8はIまたはLであり、X9はFまたはLであり、X10はYまたは欠失であり、配列番号10はYCAWであり、X11はDまたはEであり、X12はLまたはVであり、X13はFまたはGであり、X14はSまたはEまたは欠失であり、そしてX15はFまたはDまたは欠失である、ペプチドをコードするヌクレオチドの配列を含む、ポリヌクレオチド。
(項目12) 単離されたポリヌクレオチドであって、配列、配列番号16-X1-FGGC-X2X3X4-配列番号17-X5X6X7X8X9X10-配列番号18-X11-TFSDを有し、ここでX1はクラスVから選択され;X2はクラスIIから選択され;X3はクラスIVまたはVから選択され;X4はクラスIIIから選択され;X5はクラスIIIまたはクラスIVまたは欠失から選択され;X6はクラスIVまたはVから選択され;X7はクラスIIまたはIVから選択され;X8はクラスIIまたはVから選択され;X9はクラスVIから選択され;X10はクラスIIまたはIIIから選択され;そしてX11はクラスII、V、またはVIから選択される、ペプチドをコードするヌクレオチドの配列を含む、ポリヌクレオチド。
(項目13) 被験体において発作を阻害する方法であって、クラスE電位依存性カルシウムチャンネルをブロックするのに必要とされるHG-1ペプチド(配列番号1)の濃度のよくて約10〜50倍の濃度で、該チャンネルをブロックし得る薬学的に有効な用量のHGペプチドを該被験体に投与する工程を包含する、方法。
(項目14) 項目13に記載の方法であって、前記ペプチドが、前記クラスE電位依存性カルシウムチャンネルを最大半分ブロックするのに必要とされる濃度のよくて約10倍の濃度で、少なくとも50%でL型、T型、クラスA(P/Q型)、またはクラスB(N型)カルシウムチャンネルをブロックし得ないことによりさらに特徴付けられる、方法。
(項目15) 項目13に記載の方法であって、前記ペプチドが、配列:V1-配列番号19-X2X3X4-配列番号20-X5-LGC-X6X7X8X9-S-X10-配列番号10-X11X12-T-X13X14X15を有し、ここでV1はGVDKX1Gまたは欠失であり、X1はAまたはPであり;配列番号19はCRYMFGGCであり;X2はSまたはEであり、X3はVまたはKであり、X4はDまたはNであり、配列番号20はDDCCPであり、X5はRまたはKであり、X6はHまたはKであり、X7はSまたはDであり、X8はIまたはLであり、X9はFまたはLであり、X10はYまたは欠失であり、配列番号10はYCAWであり、X11はDまたはEであり、X12はLまたはVであり、X13はFまたはGであり、X14はSまたはEまたは欠失であり、そしてX15はFまたはDまたは欠失である、方法。
(項目16) 項目13に記載の方法であって、前記ペプチドが配列番号1および配列番号15から選択される配列を有する、方法。
(項目17) 被験体におけるオキシトシン放出を阻害する方法であって、クラスE電位依存性カルシウムチャンネルをブロックするのに必要とされるHG-1ペプチド(配列番号1)の濃度のよくて約10〜50倍の濃度で、該チャンネルをブロックし得る薬学的に有効な用量のHGペプチドを該被験体に投与する工程を包含する、方法。
(項目18) 項目17に記載の方法であって、L型カルシウムチャンネルブロッカー、N型カルシウムチャンネルブロッカー、およびP/Q型カルシウムチャンネルブロッカーからなる群より選択される化合物を前記被験体にを投与する工程をさらに包含する、方法。
(項目19) 項目17に記載の方法であって、前記オキシトシン放出阻害が、妊娠ヒト被験体における早産を取り除くのに有効である、方法。
(項目20) 項目17に記載の方法であって、前記オキシトシン放出阻害が、ヒト被験体における泌乳失速応答を阻害するのに有効である、方法。
(項目21) 下垂体後葉からのオキシトシンの放出をブロックするための化合物を選択する方法であって、
ニューロン組織におけるクラスEカルシウムチャンネルを選択的にブロックする能力について該化合物を試験する工程、および
カルシウム電流をブロックするのに効果的なHG-1ペプチドの濃度のわずか約10〜50倍の濃度で該クラスEカルシウムチャンネルを介した該電流をブロックする該化合物を選択する工程、
を包含する、方法。
本発明は、クラスEカルシウムチャンネルを選択的にブロックする新規のクラスのペプチドに関する。より詳細には、このようなペプチドは、一般的に、本明細書中でクラスE電位依存性カルシウムチャンネルブロッキングペプチドと呼ばれ、このようなチャンネルをブロックするために必要とされるHG-1ペプチド(配列番号1)濃度の約10〜50倍、より好ましくはわずか10〜20倍である濃度で、クラスE電位感受性カルシウムチャンネルをブロックし得る。別の実施態様において、このペプチドは、クラスE電位依存性カルシウムチャンネルを最大半分ブロックするのに必要とされるモル濃度の約10倍のモル濃度で、本明細書中に記載されるように、特定のペプチドが少なくとも50%でL型、T型、P/Q型、またはN型カルシウムチャンネルをブロックし得ないことによりさらに特徴付けられ得る。
定義
本明細書中で使用される用語「ポリヌクレオチド」は、代表的なポリヌクレオチドに水素結合し得る塩基を支持する骨格を有するポリマー分子をいい、ここでポリマー骨格は、ポリマー分子と代表的なポリヌクレオチド(例えば、一本鎖DNA)との間で配列特異的様式でこのような水素結合を可能にする方法における塩基を示す。このような塩基は、代表的に、イノシン、アデノシン、グアノシン、シトシン、ウラシル、およびチミジンである。ポリマー分子は、2本鎖および1本鎖のRNAおよびDNA、ならびにその骨格改変体(例えば、メチルホスホネート結合)を含む。
I.クラスE電位依存性カルシウムチャンネルブロッキングペプチド
このセクションは、それらの構造的特徴に焦点を合わせて、本発明の主題である新規のクラスのペプチドを記載する。クラスE電位依存性カルシウムチャンネルブロッキングペプチド(HGペプチドと本明細書中で多様にいわれる)またはHG-1誘導体もしくはアナログは、それらの構造に基づいて、さらに以下のセクションIIに記載されるように、それらのインビトロカルシウムチャンネルブロッキング特異性に基づいて定義される。
HGペプチドは、標準的な技術を使用する多数の方法に従って同定および単離され得る。主に、このような方法は、天然供給源からの生化学的精製、ヌクレオチドコード配列の単離および/または同定、ならびに特徴付けられた分子の合成的または組換え的製造を含む。以下の実施例において、「天然供給源」はタランチュラの特定種の毒液腺であるが、本明細書中に記載される単離および/または同定技術は、より一般的にタランチュラならびに他のクモおよび生物に適用され得ることが認識される。これらの方法は、以下の実施例により例示される。
HGペプチドが、クラスE電位依存性カルシウムチャンネルの選択的アンタゴニスト(「ブロッカー」)としてそれらを特に有用にする薬理学的プロフィールを共有することが、本発明の発見である。このセクションは、用語「クラスE電位依存性カルシウムチャンネルブロッキングペプチド」、「HGペプチド」、および「HG-1誘導体またはアナログ」により含まれるものを記載する。本発明の状況において使用される、用語「選択的アンタゴニスト」は、以下のセクションIIにおいて記載および例示される。
1.ペプチドは、図2EのHG-1、HG-2、およびHG-3に関して示されるような7、14、20、21、26、および34位に対応するcys残基を含む。
このセクションは、クラスE電位依存性カルシウムチャンネルブロッキングペプチドの薬理学的特性を記載する。この薬理学的プロフィールは、本発明に従ってペプチドを選択するため、より詳細には、以下のセクションIIIで議論される処置指示における使用のためのペプチドを選択するためのガイダンスを提供する。
クラスEカルシウム電流は、興奮性膜を横切るカルシウムの動きを評価する当該分野で公知の多数の方法において(例えば、細胞への脱分極誘導カルシウム流入またはホールセルもしくは末端パッチクランプ(電気生理学的技術、実施例6を参照のこと)により)測定され得る。一般的に、クラスEアンタゴニストHGペプチドは、好ましくは、HG-1が他の電流に対してその効果を示すモル濃度よりも高くても10〜50倍高い1モル濃度でこれらの電流に拮抗する。
1.電気生理学的測定。カルシウムチャンネル活性は、カルシウム電流のホールセルパッチクランプ記録を用いて従来通りに測定される。クラスEチャンネルを有することが示された1つ以上の調製物がこの目的のために使用され得る。1つの調製物において、実施例6Bに詳述され、そして以下で議論される神経下垂体末端調製物に、薬理学的カクテルを使用して、調製物に存在する他の型のカルシウムチャンネル(例えば、P/Q型およびL型チャンネル)ならびにナトリウムチャンネルをブロックする。残余高閾値電流はHG-1に感受性であり、従ってクラスEチャンネルと定義される。この調製物は、実施例6Bに記載されるような、標準的なパッチクランプ方法で分析できる。
上記のA部において議論された研究はまた、HGペプチドの第2の重要な特色、すなわち、他の型のカルシウム電流と比較したクラスEカルシウム電流のブロックに対するそれらの選択性を指摘する。例えば、クモペプチドω-AgaIIIAはクラスEカルシウムチャンネルに拮抗するが(Palmaら,1995)、選択的なリガンドとはみなされない。なぜなら、NおよびL型カルシウム電流をも強力にブロックするからである(Cohenら,1993、Ertelら,1994)。対照的に、上記の研究により証明されるように、例示的なHGペプチドHG-1は、クラスE電位依存性カルシウムチャンネルを最大半分ブロックする濃度の少なくとも10倍の濃度でN型、L型、P/Q型、もしくはT型カルシウム電流、またはカリウムもしくはナトリウムチャンネルに対して試験した場合、このようなチャンネルに対して実質的に効果を有さない。
本発明の支持において行われた前述の実験から、HGペプチド(例えば、セクションIBに記載の構造的な特色およびセクションIIに記載の薬理学的特色を示すペプチド)は、クラスEカルシウムチャンネルを特異的にブロックすることが見出され得る。これは、化合物が他の既知のクラスのカルシウムチャンネル(例えば、N型(IC50約800nM)、P/Q型、T型、およびL型カルシウムチャンネル)を通した電流をブロックする比較的高い濃度とは対照的に、HGペプチドがこのようなチャンネル(IC5015〜25nM)を通した電流をブロックする、比較的低い濃度により証明された。
Iに記載の基本的な構造的制約:それが図2Eに示される7、14、20、21、26、および34位に対応する位置にCys残基を含み、好ましくは3つの鎖内ジスルフィド結合を有する、に従うものである。1つの一般的な実施態様において、HGペプチドは、例示されたHG-1/HG-2/HG-3またはHG-1/HG-8/R9/R11/SNX-629ペプチドの複合物の一般的な形態に従うが、鎖内のさらなる位置の各々について記載されるDayhoff置換グループ内からの置換を含み得る。別の実施態様において、クラスEカルシウムチャンネルブロッキングHGペプチドは、本明細書中に記載される1つ以上の混成ペプチドについて記載される保存領域を保持し、そして可変領域は、可変位置の各々により定義されるクラスからの置換を含む。例えば、HG-1/HG-2/HG-3ペプチドの場合、ペプチドは、以下の形態:配列番号16-X1-FGGC-X2X3X4-配列番号17-X5X6X7X8X9X10-配列番号18-X11-TFSDをとり、ここで可変位置X1〜X11は、以下の通りにDayhoff置換クラスから選択される:X1=クラスV;X2=クラスII;X3=クラスIVまたはV;X4=クラスIII;X5=クラスIIIまたはクラスIVまたは欠失;X6=クラスIVまたはV;X7=クラスIIまたはIV;X8=クラスIIまたはV;X9=クラスVI;X10=クラスIIまたはIII;そしてX11=クラスII、V、またはVI。
クラスEカルシウムチャンネルの選択的アンタゴニストであるHGペプチドおよびHGペプチド誘導体は、以下に例示されるように、神経系の多数の障害(特に、脳正中領域(尾状核-被殻、視床、視床下部、扁桃、小脳)を介した、ならびに腹側中脳および脳幹(特に、視床下部から下垂体への突出を含む)の核におけるシグナルの異常な伝達を含む障害)の処置において有用であり得る。クラスEカルシウムチャンネルを介したカルシウムの侵入はまた、他のイオンチャンネルおよび細胞タンパク質の調節に関与する細胞内メッセンジャーとして作用し得る。従って、ペプチドは、細胞レベルおよびネットワークレベルの両方でのシグナリングに影響し得る。クラスEチャンネルの遮断から利益を得ることができる神経障害は、虚血および外傷性脳損傷、癲癇、急性および慢性疼痛、ならびに精神医学的障害を含み得るが、それらに必ずしも限定されない。本発明の観察の2つの例示的な適用は以下に議論される。
本発明の支持において行われた実験において、HGペプチドは、癲癇および他の脳発作障害における潜在的な使用のために、抗痙攣活性について化合物を評価するために使用される標準的な実験動物発作モデルDBA/2聴性発作モデルにおいて試験された。このモデルにおける試験手順は、実施例11に詳述される。簡単には、遺伝的に発作しやすいマウス系統であるDBA/2マウス(JacksonLaboratories,Bar Harbor,Maine)は、特定の頻度および強度の音に曝露された場合に再現可能なパターンの発作行動を示す。広範な種々の構造を有する化合物は、このモデルにおいて活性であることが見出され、これはまた温度から独立している。この後者の点は、特に、カルシウムチャンネルブロッカーの状況において重要であり、これは低体温症を誘導し、これはまた多くの動物において抗痙攣性である。
本発明の支持において行われ、そして上記で議論された実験において、R型カルシウムチャンネルはオキシトシン分泌に関与することが示されている。オキシトシンは、妊娠したヒトの分娩誘発および泌乳母の乳汁失速応答に関与する。HGペプチドは、(i)早産の予防、および/または(ii) 泌乳女性が授乳を望まないか、または泌乳を止めたいかいずれかの場合での乳汁失速応答の阻害のために、下垂体からのオキシトシン放出を阻害するために使用され得る。
投与方法の選択において、臨床医は、患者の応答により必要とされるインヒビターの量を滴定し得;例えば、早産の処置において、臨床医は萎縮をモニターして、黙るべく薬物の量を変え得る。この使用のために、静脈内送達が受容可能である;しかし、上記で議論された方法のいずれもまた有用である。好ましくは、投与されるHGペプチドの量は、約1〜200nM HG-1ペプチド(または生物学的に等価な量の関連HGペプチド)の濃度を生じるに有効である;しかし、上記のように、与えられる実際の量は、患者の体重、循環状態などに関連した他の標準的な考慮と共に、患者応答の臨床医の評価に依存する。このような決定は、当業者の知識内である。
A.Hysterocrates gigas毒液
雄試料からの毒液を、電場刺激により収集し、そして瞬間凍結した(Invertebrate Biologics,Los Gatos,CA)。
凍結乾燥毒液を、Spider Pharm(Feasterville,PA)から得た。凍結乾燥毒液(0.5mLの初期毒液容量と等価)を、0.5mLの0.1N HCl中の懸濁後にSephadex G-50(Pharmacia,Piscataway,NJ)サイズ排除カラムに直接適用した。
ヒト神経芽腫細胞株IMR-32、ラット下垂体株GH-3、およびヒト胚腎臓細胞株293(HEK)を、American Type Culture Collection(ATCC受託番号CRL1573;Rockville,MD)から得、そして2mMグルタミンおよび10%ウシ胎児血清を補充したRPMI1640培地(Gibco-BRL)中で維持した。S3および192C細胞は、それぞれ、以下に記載されるように、クラスBおよびクラスEカルシウムチャンネルを安定に発現するHEK細胞である。
ヒトα-1E(hα-1E)カルシウムチャンネルサブユニットのコーディング領域を保持するベクターを、PCT公報WO95/04144に記載されるようなpcDNAIIIにおいて構築した(この両方は、本明細書中に参考として援用される)。HEK細胞を、当該分野で周知の標準的な方法(リン酸カルシウムまたはリポフェクタミン媒介トランスフェクション)によりトランスフェクトして、クラスE電位感受性カルシウムチャンネルを発現する192C細胞を形成した。
S3および192C細胞を、10%ウシ胎児血清(FBS)、0.4mg/mlハイグロマイシンB、および0.6mg/mLジェネティシン(geneticin)G418(両方Boeringer Mannheim,Indianapolis,INに由来する)を補充したDMEM中に維持し、そしてガラスカバーガラス上にプレーティングした2日後に使用した。
HG-1の精製
Hysterocrates gigasからのHG-1の単離を、Newcombら(1989)に記載される一般的な方法を用いてGilson HPLCにおいて行った。毒液(20〜150μL)を解凍し、そしてその後直ぐに、5μm粒子で充填された4.5×250mm「広孔(widepore)」オクタデシルシリカカラム(Vydac)に適用した。溶出物を、Gilson Holochrome検出器で220nmの吸光度により、ならびにHewlett-Packard Model 1046A蛍光検出器(励起260nm、発光340nm、280nm発光カットオフフィルター)で内因性蛍光によりモニターした。溶出は、1mL/分で125分にわたって12mMリン酸ナトリウム(pH6.2)中の0〜100%メタノールの直線勾配を用いた。(再使用前に、カラムを0.1%TFAからメタノールの勾配で洗浄して、pH 6.2緩衝液で溶出しなかった成分を除去した)。
ω-Aga-IIIAの精製
ω-Aga-IIIA(Venemaら,1992)を、Sephadex G-50におけるA.aperta毒液のサイズ排除クロマトグラフィー、続いて2工程の逆相クロマトグラフィー(実施例1に記載されるのと同じVydacカラムを用いる);20mMリン酸カリウム(pH2.8)からアセトニトリルの勾配を用いる1番目、および0.1%TFAからアセトニトリルの勾配を用いる2番目(両方の勾配は1分あたり0.75%アセトニトリルである)により単離した。特徴付けられたω-Aga-IIIAは、MikeAdams博士(University of California, Riverside)により親切にも提供され、そしてこれをペプチドの溶出位置をモニターするための標準として使用した。20〜30サイクルを介する天然ペプチドのエドマン分解を使用して、画分がAga-IIIA配列を優勢的に含むことを確認し(代表的に>95%)、そしてエレクトロスプレー法を用いた質量スペクトル分析を使用して、サンプルが(Ertelら,1993により記載される改変体とは対照的に)Aga-IIIAからなることを示した。これが事実ではなかった場合、Aga-IIIAを、0.05%HFBAからメタノール(1分あたり1.675%メタノール)の勾配を用いてさらに精製して、99%以上の純度のペプチド調製物を生じた。
構造決定および配列決定
A.アミノ酸分析
精製ペプチドサンプルを、アミノ酸分析前に酸加水分解または酵素分解に供した。酸加水分解を、110℃で20および48時間、TEFLONストッパーオートサンプラーバイアルにおいて6N HCl中のサンプル(バイアルあたり50〜70pmolの精製HG-1)に対して行った。酸加水分解物のアミノ酸含有量を、標準(100pmolの各Lアミノ酸)(これも加水分解手順を経た)との比較により決定した。
天然およびアルキル化の両方のHG-1(250〜500pmol)を乾燥し、そして100μLの0.1Mリン酸ナトリウム(pH 6.2)中の0.3μgのカルボキシペプチダーゼY(Pierce,Rockford,IL)で消化した。アリコート(10μL)を種々の時間で取り出し、そしてアミノ酸分析を使用して、HG-1中の単一のトリプトファン残基の存在を確認し、ならびに存在するアミノ酸がL鏡像異性体であることを確認した。カルボキシペプチダーゼY消化物は、HG-1のカルボキシ末端で明らかな配列情報を与えなかったので、天然HG-1の消化を、カルボキシペプチダーゼYと同じ消化条件を用いて、アガロース結合カルボキシペプチダーゼA(Sigma)で繰り返した。
HG-1(2または4nmolのTFA精製物質)を乾燥し、そして当該分野で周知の方法に従って4-ビニルピリジンで誘導体化した(例えば、Tarrら,1983,HawkeおよびYuan1987を参照のこと)。
エドマン分解を、化学および同定について製造者により推奨される手順を用いて、モデル120A Analysis System(Perkin-Elmer,Foster City,CA)を有するApplied Biosystems Model 477A Sequenatorでアルキル化されたインタクトなペプチドまたは消化ペプチドに対して行った。
陽イオンエレクトロスプレーイオン化質量分析法(ESI-MS)分析を、Finnigan MAT 900Qフォワードジオメトリーハイブリッド質量分析計を用いて行った。質量スペクトルを、完全加速電位(5kV)および10s decade-1のスキャン速度で捕捉した。使用されるエレクトロスプレーイオン化インターフェイスは、加熱したガラスキャピラリーインレット(inlet)に基づく。サンプル溶液を、80:15:5のアセトニトリル/水/酢酸(v/v/v)中で調製し、そして1μL分-1の流速でESI源を通して注入した。分析は、1nmolのTFA精製HG-1を使用した。
バイオアッセイのためのサンプルの調製
インビトロアッセイに使用されるサンプル中のHG-1およびAga-IIIAの濃度を、アミノ酸分析により決定した。代表的に、最終画分は、約15〜30μMの最終濃度の精製ペプチドを含んだ。画分を、種々のアッセイ緩衝液への100倍以上の希釈前に-80℃で保存した。より高い濃度のペプチドをアッセイする場合、メタノールを、HPLC画分(c.100μL)のアリコートを真空遠心分離器に10〜15分間置くことによりサンプルから除去した。
細胞および神経調製物におけるカルシウム流入の測定
細胞における内在カルシウム濃度のINDO-1アッセイ
細胞を、上記の材料と方法で記載されたように培養で増殖し、そして維持した。細胞を、0.5mM EDTAとのインキュベーションにより分離し、そして1%BSA含有アッセイ緩衝液(重炭酸もフェノールレッドも含まないハンクス平衡化塩溶液中の10mM HEPES(pH7.4))中の5μM Indo-1アセトキシメチルエステル(Molecular Probes,Eugene,OR)と共に30℃で60分間ロードした。ロードされた細胞を2回洗浄し、そして0.5%BSA含有アッセイ緩衝液に再懸濁し(107細胞/mL)、そして使用まで(<3時間)氷上で保存した。種々の濃度の試験化合物またはビヒクルコントロールを、約3×106ロード細胞を含むアッセイ緩衝液中の0.5%BSA6mLに添加した。さらに、5μMニトレンジピンもまた、L型カルシウムチャンネルをブロックするためにIMR-32細胞に添加し、そして30〜45μMバリノマイシンを、静止膜電位を低下させ、添加した細胞外カリウムに対する迅速な脱分極を可能にするために192C細胞に添加した。サンプルを30℃で10分間インキュベートし、次いで3つの使い捨てキュベットに等分した。350nmでの励起を有するPhoton Technology International Model RF-F3004分光蛍光計ならびに400および490nmに設定した2重発光単色光分光器を用いて30℃で3連で蛍光測定した。基底発光シグナルを20秒間捕捉し、続いてコンピューター制御ポンプを伴う攪拌キュベット中の1.86mLのインキュベーション混合物へ180μLの刺激溶液(1M塩化カリウムおよび68mM塩化カルシウム)を添加した。発光シグナルを、脱分極後さらに30〜50秒間捕捉した。
電気生理学的測定
A.安定にトランスフェクトされた細胞のホールセルパッチクランプ
電流を、ホールセル配置(Hamillら1981)においてパッチクランプ法により測定した。電極抵抗は2〜6MΩの範囲であった。データ獲得および分析用のPCLMP6ソフトウェア(Axon Instruments)に接続したAxopatch 1CまたはAxopatch 200A増幅器(Axon Instruments,Foster City,CA)のいずれかを用いて記録を行った。
雄ラットを二酸化炭素で鎮静させ、次いでギロチンで断頭した。神経下垂体を10個摘出し、そして270mMスクロース、10mM HEPES緩衝液、0.01mMカリウム-EDTA(pH7)を含む溶液中でホモジナイズした。単離した神経下垂体神経末端を、倒立顕微鏡またはパッチクランプ記録後の免疫染色を用いて同定し得た。次いで、末端を、Normal Locke生理食塩水(140mM NaCl、5mM KCl、5mM NaCO3、2.2mM CaCl2、1mMMgCl2、10mMグルコース、10mM HEPES、0.1%ウシ血清アルブミン、pH7.2)と共に灌流した。記録前に、末端(一般的に、直径が5〜8μm)を、5mMBa2+-LS(145mM NaCl、5mM BaCl2、1mM MgCl2、10mM HEPES、15mMグルコース、0.02%(w/v)ウシ血清アルブミン(BSA)および1μMテトロドキシン(TTX)、pH7.3を含む)と共に灌流した。穴のある「全末端」のパッチ記録(Raeら1991;Hamilら,1981)を得るために、新鮮に作製したアンホテリシンB(240μg/ml)を、135mMグルタミン酸セシウム、10mMHEPES、5mMグルコース、2mM CaCl2、1mM MgCl2、および20mMトリエチルアミン(TEA)、pH7.3を含むピペット溶液に適用した。
IMR-32細胞におけるナトリウムおよびカリウム電流の測定
IMR-32細胞におけるナトリウムおよびカリウム電流を、以前に記載されたように(Newcombら1995)、実施例6に記載のホールセルパッチ技術を用いて測定したが、以下の改変を伴った。外部浴は、水酸化ナトリウムでpH7.4および305mOsMに調節した、以下(mM):140mM塩化ナトリウム、5塩化カリウム、10 HEPES、2塩化カルシウム、1塩化マグネシウム、および12グルコースからなった。内部ピペット溶液は、水酸化カリウムでpH7.4および295mOsMに調節した、以下(mM):15塩化ナトリウム、125メタンスルホン酸カリウム、10HEPES、11EGTA、1塩化カルシウム、2塩化マグネシウム、および59グルコースからなった。ペプチド適用のために、細胞を、チャンバーを通した流れにおいた(0.5〜1mL/分)。HG-1を、細胞に直接隣接して配置した小さなチューブを通して0.1mg/mLシトクロームcを含む生理食塩水に適用した。
Xenopus卵母細胞におけるクラスAカルシウムチャンネルを通した電流の測定
Moriら(1991)に記載のα-1サブユニットのcRNAを、標準的な方法(Goldin,1992)によりXenopus卵母細胞において発現させた。発現のために、α-1サブユニットのcRNAを、ウサギα2およびδ(Ellisら1988)ならびにヒトβ(Williamsら1992)サブユニットのcRNAを等モル比で同時注入した。卵母細胞あたり約50nLを、0.8μg/μLの総cRNA濃度で注入した。
Xenopus卵母細胞におけるカリウムチャンネルを通した電流の測定
Tempelら(1988)(MKv1.1)およびRamaswamiら(1990)(hKv1.2、hKv1.4)に記載のカリウムチャンネルαサブユニットcDNAからのcRNAを、以下の濃度:mKv1.1、0.2μg/μL;hKv1.2、0.3ng/μL;およびhKv1.4、0.02μg/μLで卵母細胞に注入した。
ポリメラーゼ連鎖反応によるHG-2のコーディング配列の単離
配列特異的縮重プライマーを、図2Bに示されるHG-1のN末端6アミノ酸配列に基づいて、およびD.melanogaster由来のコドン優先を使用して標準的な方法に従って合成した。従って、遺伝子特異的ヌクレオチドは、GGC/T GTC/G GAT/C AAG GCC/T GGC/T TGCであった。3’プライマーを、5’プライマーを用いた予備PCR実験の結果を用いて得た。
3つのHysterocrates gigasクモから得られた毒液嚢を、8mlのTRIzolTM溶液中でホモジナイズし、次いで5分間室温でインキュベートした後、1mlアリコートをEppendorfチューブに移した。各1ミリリットルサンプルに0.2mlのクロロホルムを添加した。次いで、サンプルを15秒間激しく振盪させ、そして2〜3分間インキュベートした後、4℃で15分間10,000〜12,000×gで遠心分離した。得られた水相を新しいチューブに移し、2-プロパノールを、製造者(BRL)により提供された比に従って1mlのTrizolあたり添加した。混合物を室温で10分間インキュベートし、そして10分間わずか12000×gで遠心分離した。上清を除去し、そしてRNAペレットを、75%エタノールに再懸濁した(1mlのTRIzol溶液あたり少なくとも1mlの75%エタノールを添加した)。サンプルをVortexミキサー上で混合し、次いで4℃で5分間わずか7500×gで遠心分離した。次いで、RNAを風乾し、次いで100μlのDEPC処理水に溶解した。
RNAサンプル中の総RNA量を従来の手段により決定した。量が250μg以下の場合、総RNAを250μlのDEPEC水に溶解した。次いで、37℃に予め加熱した250μlの2×結合緩衝液および15μlのOLIGOTEX懸濁液を、RNAに添加した。チューブの底を穏やかにたたくことによりチューブを混合し、次いで二次構造を破壊するために、65℃で3分インキュベートした。次いで、チューブを、室温で10分間さらにインキュベートし、続いて最大速度(約12,000×g)で2分間遠心分離した。次いで、上清を吸引し、そしてペレットを400μlの洗浄緩衝液に再懸濁した。得られた懸濁液を、Qiagen OLIGOTEX Spin Columnの上部に添加した。カラムを最大速度で30秒間遠心分離し、そしてフロースルー画分を捨てた。スピンカラムを、新たなRNaseを含まないチューブに移し、そしてローディング工程および遠心分離工程を繰り返した。次いで、カラムを、製造者の記載に従って、100μlの予め加熱した(70℃)溶出緩衝液を用いて2回溶出した。
使用するプロトコルは、3’RACE Kit Gibco-BRLに提供される標準的なプロトコルである。B部からの50ngまでのポリ(A)選択RNAを、0.5ml微小遠心分離チューブ中で11μlの最終容量までDEPEC処理水と合わせた。チューブに1μlの10μM Adaptor Primer溶液(3’RACE Kit)を添加した。チューブを混合し、そして反応物を短い遠心分離により収集した。次いで、混合物を10分間70℃まで加熱し、続いて少なくとも1分間氷上で冷やした。チューブ内容物を短い遠心分離により収集し、そして以下の成分を添加した:
10×PCR緩衝液 2μl
25mM MgCl2 2μl
10mM dNTP混合物 1μl
0.1M DTT 2μl
チューブを穏やかに混合し、そして反応物を短い遠心分離により収集した。次いで、混合物を2〜5分間42℃まで平衡化した。次いで、1μlのSuperScript II RT(逆転写酵素)を添加し、続いて42℃で50分間インキュベートした。反応を、70℃で15分間インキュベートすることにより終結させ、そして氷上で冷やした。反応物を短い遠心分離により収集し、そして1μlのRNase Hをチューブに添加し、次いでこれを混合し、そして20分間インキュベートした。
以下を0.5ml微小遠心分離チューブに添加した:
10×PCR緩衝液(GIBCOキット)5μl
25mM MgCl2 3μl
蒸留水 36.5μl
10mM dNTP混合物 1μl
GSP1* 10μM 1μl
UAP# 10μM 1μl
Taq DNAポリメラーゼ(5単位/μl)0.5μl
2μlのcDNA合成反応物をチューブに添加し、続いて穏やかに混合した。75μlのミネラルオイルを反応混合物に重層し、次いで短い遠心分離により収集した。次いで、反応混合物を、94℃で3分間インキュベートした。次いで、35サイクルのPCRを、以下のプロトコルを用いて行った:
変性 94℃45秒
アニール 55℃45秒
伸長72℃ 1分30秒
混合物を72℃でさらに10分間インキュベートし、次いで4℃で維持した。10μlの増幅産物を、アガロースゲル電気泳動により分析し、そして残りを使用まで-20℃で保存した。
精製した各サンプルのために、100μlの滅菌蒸留水を65℃に平衡化し、そして結合溶液を室温に平衡化した。120μlの結合溶液(6M NaI)を第1鎖反応物に添加した(1容量のDNA溶液あたり4.5容量の結合溶液)。cDNA/NaI溶液を、GlassMAXスピンカートリッジに移し、そして20秒間最大速度で遠心分離した。カートリッジ挿入物をチューブから取り出し、そしてフロースルーを微小遠心分離チューブに移した。カートリッジ挿入物をチューブに戻し、そして0.4mlの冷1×洗浄緩衝液をスピンカートリッジに添加した。次いで、カートリッジを20秒間最大速度で遠心分離し、そしてフロースルーを捨てた。この洗浄工程をさらに2回繰返し、そして上記のようにカートリッジを400μlの冷70%エタノールで2回洗浄した。チューブから最後の70%エタノール洗浄液を除去した後、チューブを、1分間最大速度で遠心分離した。スピンカートリッジ挿入物を、新しいサンプル回収チューブに移し、そして50μlの滅菌蒸留水(65℃まで予め加熱)をスピンカートリッジに添加し、続いて20秒間最大速度で遠心分離して、cDNAを溶出した。
5×テール化緩衝液は以下の成分を含む:
DEPC処理水 55μl
10×反応緩衝液 25μl
25mM MgCl2 20μl
5×緩衝液は以下の組成物を有する:
50mM Tris-HCl(pH8.4)
125mM KCl
5mM MgCl2
以下の成分を、0.5ml微小遠心分離チューブに添加した:
DEPC処理水6.5μl
5×テール化緩衝液 5.0μl
2mM dCTP 2.5μl
cDNAサンプル 10μl
チューブを94℃で1〜2分間インキュベートし、次いで氷上で1分間冷やした。チューブの内容物を短い遠心分離により収集し、そして氷上に置いた。1μlのTdTを添加し、続いて穏やかに混合し、そして37℃で10分間インキュベートした。反応物の最終組成は以下の通りである:
10mM Tris-HCl(pH8.4)
25mM KCl
1.0mM MgCl2
200μM dCTP
0.4単位/μlTdT
TdT混合物を、65℃〜70℃で10分間熱不活化した。
以下の成分を、氷上の新しい0.5ml微小遠心分離チューブに添加した:
29μl滅菌蒸留水
4μl 10×反応緩衝液
3μl 25mM MgCl2
1μl 10mM dNTP
1μl ネスティッドGSP2(10μM)
1μl アンカープライマー(10μM)
5μl dC-テール化cDNA
(GSP1およびGSP2両方は、HG-1のアミノ酸配列に従って設計された縮重プライマーである。
GSP1:5’CAUCAUCAUCAUGGYGTSGAYAAGGCTGGYTGC3’
GSP2:5’CUACUACUACUAGAARGTSARRTCCCARGC3’)、ここでA、T、GおよびCは、標準的なデオキシリボヌクレオチドを示し、ここでY=CまたはT、R=AまたはG,およびS=CまたはGである。「U」は、C末端に存在するデオキシウラシルを示す。
UAPおよびアンカープライマー両方は、上記のGIBCO-BRL3’RACEキットにおいて提供されるユニバーサルプライマーである。
以下の成分を、氷上の0.5ml微小遠心分離チューブに添加した:
2μl PCR産物(10〜50ng)
2μl pAMP1ベクターDNA(25μg/μl)
15μl 1×アニーリング緩衝液
1μ ウラシルDNAグリコシラーゼ(1U/μl)
成分を混合し、そして37℃で30分間インキュベートした。インキュベーション後、反応チューブを氷上に置いた。アニーリング後、アニーリング反応混合物の一部(1〜5μl)を形質転換のために使用した。
100μlのDH5α細胞(コンピテント細菌細胞;GIBCO-BRL)を、氷上のチューブに入れた。細胞に1μlのアニーリング産物を添加し、続いて混合し、そして氷上で30分間インキュベートした。次いで、混合物を、42℃で45秒間熱ショックに供し、続いて氷上で2分間インキュベーションした。次いで、SOB+培地(0.9ml)をチューブに添加し、これを37℃で1時間振盪した。次いで、チューブを4℃で5分間わずか4000rpmで遠心分離した。次いで、0.9mlの上清を除去し、そして細胞の残りを、LBプレート+カルベニシリン+IPTG+X-gal(β-ガラクトシダーゼの基質として)に置いた。次いで、プレートを37℃で一晩インキュベートした。
小規模DNAを調製して、クローニングの成功を確認し、そして陽性クローンを配列決定した。白色のコロニーをプレートから取り出した。個々のコロニーを、カルベニシリンを含む5mlのLB培地を含む異なるチューブ中で37℃振盪機において一晩インキュベートした。次いで、DNAを標準的な方法に従って調製し、そして配列決定した(例えば、Maniatisら、1982)。
抗痙攣活性;DBA/2マウス発作モデル
DBA/2マウス(18〜21日齢;約7〜10g)を、Jackson Laboratories,Bar Harbor,Maineから入手し、そしてそれらを研究室条件に順化させるために最低3日間収容した。試験日に、マウスに、音刺激への暴露の30分前に標準的な方法(Jackson)に従ってビヒクルまたは試験化合物(総容量:5μl)を側脳室へi.c.v注射した。注射後、マウスを観察チャンバーにおいて個々に収容し、そして震顫行動(持続性の全身の震え)または任意の他の異常な行動の証拠について後の30分間にわたって観察した。動物を、強度の音刺激(14Hzで30秒間の100〜110dBのシヌソイド音(sinusoidal tone))に暴露した。マウスを、音に対する30秒暴露間の完全な後肢伸長を伴う間代性発作および強直性発作の存在について観察した。
Claims (6)
- 配列番号1(HG-1)、配列番号8(HG-8)、配列番号13(R9)、配列番号14(R11)、および配列番号15(SNX-629)からなる群より選択される配列を有するペプチド。
- 配列:配列番号1を有するペプチド。
- 配列:配列番号15を有するペプチド。
- 単離されたポリヌクレオチドであって、配列番号1、配列番号2、配列番号3、配列番号4、配列番号5、配列番号6、配列番号7、配列番号8、配列番号9、配列番号11、配列番号12、配列番号13、配列番号14、および配列番号15により定義される配列を有するペプチドから選択されるペプチドをコードするヌクレオチドの配列を含む、ポリヌクレオチド。
- 請求項4に記載の単離されたポリヌクレオチドであって、配列番号23から配列番号43により定義される配列を有するヌクレオチドから選択される、ポリヌクレオチド。
- 実施例に記載のペプチド。
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