JP2011506796A - 分岐状疎水性鎖を含むアクリル増粘剤の使用によるコーティングスリップの製造方法、および得られるスリップ - Google Patents
分岐状疎水性鎖を含むアクリル増粘剤の使用によるコーティングスリップの製造方法、および得られるスリップ Download PDFInfo
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Abstract
Description
−上記において言及された、スリップの製造時に添加されるアクリル性増粘剤、
−水媒体中における炭酸カルシウムの分散、粉砕、添加、または濃縮工程の際に使用され、必要に応じて、続いて乾燥工程が行われ、結果として得られる懸濁液、分散液、または乾燥物がコーティングスリップの製造において使用される、アクリルタイプの分散剤および粉砕助剤。
−当該コーティングスリップで塗工された塗工紙シート中へのスリップの浸透を遅くする溶液を見出すこと
−粉末形態のセルロース増粘剤よりも好ましいアクリルポリマーの使用
−鉱物材料の水性懸濁液の製造、次いで、得られた懸濁液または分散液または乾燥鉱物材料からのスリップの製造の両方を含む、スリップ製造手法全体において使用されるアクリルポリマー(増粘剤、分散剤、粉砕助剤)の総量を減じる必要性
であると考えられる。
−コーティングスリップを増粘する剤として、
(a)少なくとも1種類のエチレン−不飽和アニオン性モノマーと、
(b)14〜21個の炭素原子を有し、かつそれぞれが少なくとも6個の炭素原子を有する2つの分岐鎖を有する、飽和もしくは不飽和の分岐した疎水性アルキル、アルキルアリール、アリールアルキル、アリール鎖の末端を有する少なくとも1種類のエチレン−不飽和オキシアルキルモノマーと
から成る水溶性ポリマーの使用、ならびに
−当該ポリマーが、スリップへの直接添加によって使用されるか、ならびに/または水中での鉱物材料の分散および/もしくは粉砕および/もしくは濃縮工程中に使用され、必要に応じて、続いて乾燥工程が行われること
を特徴とする、少なくとも1種類の鉱物材料を含有する製紙用コーティングスリップの製造方法を開発した。
−従来法を用いて製造されたスリップに含有される量に等しい重量のアクリルポリマー(分散剤、粉砕助剤、および増粘剤)を含有しつつ、より優れた増粘効果(25℃で毎分10回転および100回転でのBrookfield(商標)粘度)およびより良好な水分保持を有するか、または
−従来法を用いて製造されたスリップ中の量より少ない重量のアクリルポリマー(分散剤、粉砕助剤、および増粘剤)を含有しつつ、増粘効果(25℃で毎分10回転および100回転のBrookfield(商標)粘度)および同等の水分保持を示す。
−スリップのための増粘剤として、
(a)少なくとも1種類のエチレン−不飽和アニオン性モノマーと、
(b)14〜21個、好ましくは15〜20個の炭素原子を有し、かつそれぞれ少なくとも6個の炭素原子を有する2つの分岐鎖を有する飽和もしくは不飽和の分岐した疎水性アルキル、アルキルアリール、アリールアルキル、アリール鎖による末端を有する、少なくとも1種類のエチレン−不飽和オキシアルキルモノマーと
を含む水溶性ポリマーを使用し、かつ
−当該ポリマーが、スリップへの直接添加によって使用され、ならびに/または水中での鉱物材料の分散および/もしくは粉砕および/もしくは濃縮工程中に使用され、必要に応じてその後に乾燥工程が行われる
ことを特徴とする。
(a)5%〜95%、好ましくは50%〜95%、理想的には70%〜95%の、少なくとも1種類のエチレン−不飽和アニオン性モノマーと、
(b)5%〜95%、好ましくは5%〜50%、理想的に5%〜30%の、14〜21個、好ましくは15〜20個の炭素原子を有し、かつそれぞれが少なくとも6個の炭素原子を有する2つの分岐鎖を有する、飽和もしくは不飽和の分岐した疎水性アルキル、アルキルアリール、アリールアルキル、アリール鎖による末端を有する少なくとも1種類のエチレン−不飽和オキシアルキルモノマーと
を含むことによっても特徴付けられる。
式中、
−m、n、p、およびqは整数であり、ならびにm、n、pは150未満であり、qは0より大きく、m、n、およびpのうちの少なくとも1つの整数はゼロではなく、
−Rは、重合性不飽和官能基を有する基であり、好ましくはビニル基に属し、ならびにアクリル酸、メタクリル酸、マレイン酸、イタコン酸、クロトン酸、およびビニルフタル酸エステル基に属し、ならびにアクリルウレタン、メタクリルウレタン、α−α’ジメチルイソプロペニル−ベンジルウレタン、アリルウレタンを含む不飽和ウレタン基に属し、ならびに置換もしくは非置換のアリルエステルもしくはビニルエステルの基に属し、またはエチレン−不飽和アミドもしくはイミド基に属する基であり、
−R1およびR2は、同一であり、かつ水素原子またはアルキル基を表し、
−R’は、14〜21個、好ましくは15〜20個の炭素原子を有し、かつそれぞれが少なくとも6個の炭素原子を有する2つの分岐鎖を有する、飽和もしくは不飽和の分岐した疎水性アルキル、アルキルアリール、アリールアルキル、アリール鎖を表し、理想的には、R’は、2−ヘキシル1−デカニル、2−オクチル1−ドデカニル、およびそれらの混合物から選択される。
(a)少なくとも1種類のエチレン−不飽和アニオン性モノマーと、
(b)14〜21個、好ましくは15〜20個の炭素原子を有し、かつそれぞれが少なくとも6個の炭素原子を有する2つの分岐鎖を有する、飽和もしくは不飽和の分岐した疎水性アルキル、アルキルアリール、アリールアルキル、アリール鎖による末端を有する、少なくとも1種類のエチレン−不飽和オキシアルキルモノマーと
を含む水溶性ポリマーを含有することを特徴とする。
(a)5%〜95%、好ましくは50%〜95%、理想的には70%〜95%の、少なくとも1種類のエチレン−不飽和アニオン性モノマーと、
(b)5%〜95%、好ましくは5%〜50%、理想的に5%〜30%の、14〜21個、好ましくは15〜20個の炭素原子を有し、かつそれぞれが少なくとも6個の炭素原子を有する2つの分岐鎖を有する、飽和もしくは不飽和の分岐した疎水性アルキル、アルキルアリール、アリールアルキル、アリール鎖による末端を有する少なくとも1種類のエチレン−不飽和オキシアルキルモノマーと
を含むことを特徴とする。
式中、
−m、n、p、およびqは整数であり、ならびにm、n、およびpは150未満であり、qは0より大きく、ならびにm、n、およびpのうちの少なくとも1つの整数はゼロではなく、
−Rは、重合性不飽和官能基を含有する基を表し、好ましくはビニル基に属し、ならびに、アクリル酸、メタクリル酸、および、マレイン酸エステル基に属し、ならびにアクリルウレタン、メタクリルウレタン、α−α’ジメチル−イソプロペニル−ベンジルウレタン、アリルウレタンを含む不飽和ウレタン基に属し、ならびに置換もしくは非置換のアリルもしくはビニルエステル基に属し、またはエチレン−不飽和アミドもしくはイミド基に属し、
−R1およびR2は、同一であり、かつ水素原子またはアルキル基を表し、
−R’は、14〜24個、好ましくは15〜20個の炭素原子を有し、かつそれぞれが少なくとも6個の炭素原子を有する2つの分岐鎖を有する、飽和もしくは不飽和の分岐した疎水性アルキル、アルキルアリール、アリールアルキル、アリール鎖を表し、理想的には、R’は、2−ヘキシル1−デカニル、2−オクチル1−ドデカニル、およびそれらの混合物から選択される。
この試験は、本発明のプロセスを説明するものであり、本発明のポリマーを、炭酸カルシウムの水性懸濁液中で添加または粉砕工程の際に使用する。次に、これらの懸濁液は、本発明の対象であるポリマーを用いずに従来法により炭酸カルシウムの水性懸濁液から製造されたコーティングスリップと比較して、向上した水分保持性および増粘性を有するコーティングスリップの製造において使用され、この場合、両方のスリップは、最終的に同じ量のアクリルポリマー(水性懸濁液に添加された分散剤または粉砕助剤と、スリップに添加された増粘剤)を有する。
この試験は、従来法を説明するものであり、OMYA(商標)社によってSetacarb(商標)MEの名称で販売されている炭酸カルシウム(ノルウェー産の大理石)から作製された水性懸濁液に、
−70モル重量%のカルボン酸部位がナトリウムによって中和され、30モル重量%のカルボン酸部位が石灰によって中和されており、かつ
−分子量が、5,500g/モル(国際公開公報第2007/069037号に記載の方法を用いて特定した)に等しい
アクリル酸ホモポリマーを、炭酸塩の乾燥重量に対して0.2乾燥重量%添加することによって使用する。
この試験は、本発明を説明するものであり、OMYA(商標)社によってSetacarb(商標)MEの名称で販売されている炭酸カルシウム(ノルウェー産の大理石)から作製された水性懸濁液に、ナトリウムによって完全に中和されており、かつ
(a)75重量%のアクリル酸と、
(b)25重量%の、式−(I)のモノマーであって、
−Rがメタクリレート基を表し、
−R’が、2−ヘキシル1−デカニルの16個の炭素原子を有する直鎖状疎水性鎖を表し、
−m=p=0、q=1、n=25
であるモノマーと
を含む水溶性ポリマーを、炭酸塩の乾燥重量に対して0.2乾燥重量%添加することによって使用する。
この試験は、従来技術を説明するものであり、OMYA(商標)社によってH90(商標)MEの名称で販売されている炭酸カルシウム(ノルウェー産の大理石)から作製された水性懸濁液に、
−70モル重量%のカルボン酸部位がナトリウムによって中和され、30重量%のカルボン酸部位が石灰によって中和されており、かつ
−分子量が、5,500g/モル(国際公開公報第2007/069037号に記載の方法を用いて特定した)に等しい
アクリル酸ホモポリマーを、炭酸塩の乾燥重量に対して0.2乾燥重量%添加することによって使用する。
この試験は、本発明を説明するものであり、OMYA(商標)社によってH90(商標)MEの名称で販売されている炭酸カルシウム(ノルウェー産の大理石)から作製された水性懸濁液に、ナトリウムによって完全に中和されており、かつ
(a)75重量%のアクリル酸と、
(b)25重量%の、式−(I)のモノマーであって、
−Rがメタクリレート基を表し、
−R’が、2−ヘキシル1−デカニルの16個の炭素原子を有する直鎖状疎水性鎖を表し、
−m=p=0、q=1、n=25
であるモノマーと
を含む水溶性ポリマーを、炭酸塩の乾燥重量に対して0.2乾燥重量%添加することによって使用する。
この試験は、従来技術を説明するものであり、粒子の50重量%がこの値より大きい直径を有する、直径が6.7μmである炭酸カルシウム(フランス産のカルサイト)を粉砕する工程の際、
−70モル重量%のカルボン酸部位がナトリウムによって中和され、30モル重量%のカルボン酸部位が石灰によって中和されており、かつ
−分子量が、5,500g/モル(国際公開公報第2007/069037号に記載の方法を用いて特定した)に等しい
アクリル酸のホモポリマーを、炭酸塩の乾燥重量に対して1乾燥重量%使用する。
この試験は、本発明を説明するものであり、粒子の50重量%がこの値より大きい直径を有する、直径が6.7μmである炭酸カルシウム(フランス産のカルサイト)の粉砕工程中、ナトリウムによって完全に中和されており、かつ
(a)75重量%のアクリル酸と、
(b)25重量%の、式−(I)モノマーであって、
−Rがメタクリレート基を表し、
−R’が、2−ヘキシル1−デカニルの16個の炭素原子を有する直鎖疎水性鎖を表し、
−m=p=0、q=1、n=25
であるモノマーと
を含む水溶性ポリマーを、炭酸塩の乾燥重量に対して1乾燥重量%使用する。
−100乾燥重量部の試験されるべき炭酸カルシウムの水性懸濁液
−炭酸カルシウム各100乾燥重量部あたり、11乾燥重量部の、DOW(商標) CHEMICALS社によってDL966という名称で販売されているスチレン−ブタジエンラテックス
−炭酸カルシウム100乾燥重量部あたり、0.25乾燥重量部のポリビニルアルコール
−炭酸カルシウム100乾燥重量部あたり、0.6乾燥重量部の、CLARIANT(商標)社によってBlancophor(商標) Pという名称で販売されている光学的光沢剤
−0.4乾燥重量部の、COATEX(商標)社によってRheocarb(商標)という名称で販売されているアクリル性増粘剤/水分保持剤
を含む紙用コーティングスリップを作製した。
この試験は、本発明の方法を説明するものであり、分散または濃縮工程の際に、新規に発明されたポリマーを炭酸カルシウムの水性懸濁液中で使用する。次に、これらの懸濁液は、新規に発明されたポリマーを用いずに従来法により炭酸カルシウムの水性懸濁液から製造されるコーティングスリップと比較して、向上した水分保持および増粘効果を有するコーティングスリップの製造に使用され、この場合、両方のスリップは、最終的に同じ量のアクリルポリマー(水性懸濁液に添加された分散剤または粉砕助剤と、スリップに添加された増粘剤)を有する。
この試験は、従来技術を説明するものであり、粉砕助剤を使用せずに粉砕された、粒子の60乾燥重量%が1μm未満の中位径を有する炭酸カルシウム(ノルウェー産の大理石)のケーキを水に分散させるために、
ナトリウムによって完全に中和されており、かつ
−分子量が15,600g/モルに等しい(国際公開公報第2007 / 069037号に記載されている方法を用いて測定)
アクリル酸と無水マレイン酸(70:30の質量比において)とによるコポリマーを、炭酸塩の乾燥重量に対して0.4乾燥重量%使用する。
この試験は、本発明を説明するものであり、炭酸カルシウム(ノルウェー産の大理石)を水に分散させるために、
(a)75重量%のアクリル酸と、
(b)25重量%の、式−(I)のモノマーであって、
−Rがメタクリレート基を表し、
−R’が、2−ヘキシル1−デカニルの16個の炭素原子を有する直鎖状疎水性鎖を表し、
−m=p=0、q=1、n=25
であるモノマーと
を含む水溶性ポリマーを、炭酸塩の乾燥重量に対して0.4乾燥重量%使用する。
この試験は、従来技術を説明するものであり、20%の最初の乾燥採取物を有する炭酸カルシウム(フィンランド産の大理石)の水性懸濁液の濃縮工程の際、
−ナトリウムによって完全に中和されており、かつ
−分子量が15,600g/モルに等しい(国際公開公報第2007/069037号に記載されている方法を用いて測定)、
アクリル酸と無水マレイン酸(70:30の質量)とによるコポリマーを、炭酸塩に対して0.8乾燥重量%使用する。
この試験は、本発明を説明するものであり、20%の最初の乾燥採取物を有する炭酸カルシウム(フィンランド産の大理石)の水性懸濁液を濃縮する工程の際、ナトリウムによって完全に中和されており、かつ
(a)75重量%のアクリル酸と、
(b)25重量%の、式−(I)のモノマーであって、
−Rがメタクリレート基を表し、
−R’が、2−ヘキシル1−デカニルの16個の炭素原子を有する直鎖状疎水性鎖を表し、
−m=p=0、q=1、n=25
であるモノマーと
を含む水溶性ポリマーを、炭酸塩に対して0.8乾燥重量%使用する。
−70乾燥重量部の、試験されるべき炭酸カルシウムの水性懸濁液、
−30乾燥重量部の、HUBER(商標)社によってHydragloss(商標)90という名称で販売されている粉末状カオリン、
−炭酸カルシウム100乾燥重量部あたり、11乾燥重量部の、DOW(商標)CHEMICALS社によってDL966という名称で販売されているスチレン−ブタジエンラテックス、
−炭酸カルシウム100乾燥重量部あたり、1乾燥重量部のポリビニルアルコール、
−炭酸カルシウム100乾燥重量部あたり、1乾燥重量部の、CLARIANT(商標)社によってBlancophor(商標)Pという名称で販売されている光学的光沢剤、
−0.8乾燥重量部の、COATEX(商標)社によってRheocarb(商標)という名称で販売されているアクリル性増粘剤/水分保持剤
を含む紙用コーティングスリップを作製した。
この試験は、本発明を用いる方法を説明するものであり、本発明のポリマーは、炭酸カルシウムの水性懸濁液において粉砕工程の際に使用される。次に、これらの懸濁液は、新規に発明されたポリマーを用いずに従来法により炭酸カルシウムの水性懸濁液から製造されたコーティングスリップと比較して、向上した水分保持性および増粘性を有するコーティングスリップの製造において使用され、この場合、両方のスリップは、最終的に同じ量のアクリルポリマー(水性懸濁液に添加された分散剤または粉砕助剤と、スリップに添加された増粘剤)を有する。
この試験は、従来技術を説明するものであり、粒子の50重量%が2.4μmより大きな直径を有する炭酸カルシウム(フランス産の白亜)を水中で粉砕するために、
−70モル重量%のカルボン酸部位がナトリウムによって中和され、30重量%のカルボン酸部位が石灰によって中和され、かつ
−分子量が、5,500g/モル(国際公開公報第2007/069037号に記載の方法を用いて特定した)に等しい
アクリル酸のホモポリマーを、炭酸塩の乾燥重量に対して0.45乾燥重量%使用する。
この試験は、本発明を説明するものであり、粒子の50重量%が2.4μmより大きな直径を有する炭酸カルシウム(フランス産の白亜)を水中で粉砕するために、
(a)75重量%のアクリル酸と、
(b)25重量%の、式−(I)のモノマーであって、
−Rがメタクリレート基を表し、
−R’が、2−ヘキシル1−デカニルの16個の炭素原子を有する直鎖疎水性鎖を表し、
−m=p=0、q=1、n=25
であるモノマーと
を含む水溶性ポリマーを、炭酸塩の乾燥重量に対して0.45乾燥重量%使用する。
−100乾燥重量部の、試験されるべき炭酸カルシウムの水性懸濁液、
−炭酸カルシウム100乾燥重量部あたり、8乾燥重量部の、DOW(商標)CHEMICALS社によってDL966という名称で販売されているスチレン−ブタジエンラテックス、
−4乾燥重量部の、ROQUETTE(商標)社によってAmilys(商標)という名称で販売されているデンプン、
−炭酸カルシウム100乾燥重量部あたり、1.5乾燥重量部の、CLARIANT(商標)社によってBlancophor(商標)Pという名称で販売されている光学的光沢剤、
−0.3乾燥重量部の、COATEX(商標)社によってRheocarb(商標)という名称で販売されているアクリル性増粘剤/水分保持剤
を含む紙用コーティングスリップを作製した。
この試験は、炭酸カルシウムの水性懸濁液における粉砕工程の際の、本発明のポリマーの使用を説明するものである。次に、この懸濁液は、本発明のポリマーを用いずに従来技術により炭酸カルシウムの水性懸濁液から製造されたコーティングスリップと比較して、向上した水分保持および増粘性を有するコーティングスリップの製造において使用され、この場合、両方のスリップは、最終的に同じ量のアクリルポリマー(水性懸濁液に添加された分散剤または粉砕助剤と、スリップに添加された増粘剤)を有する。
この試験は、従来法を説明するものであり、粒子の50重量%がこの値より大きい直径を有する、直径が6.7μmである炭酸カルシウム(フランス産のカルサイト)の粉砕工程中、
(c)70モル重量%のカルボン酸部位がナトリウムによって中和され、30モル重量%のカルボン酸部位が石灰によって中和されており、かつ
(d)分子量が、5,500g/モル(国際公開公報第2007/069037号に記載の方法を用いて特定した)に等しい
アクリル酸のホモポリマーを、炭酸塩の乾燥重量に対して1乾燥重量%使用する。
この試験は、本発明を説明するものであり、粒子の50重量%がこの値より大きい直径を有する、直径が6.7μmである炭酸カルシウム(フランス産のカルサイト)の粉砕工程の際、ナトリウムによって完全に中和されており、かつ
(a)85重量%のアクリル酸と、
(b)15重量%の、式−(I)のモノマーであって、
1.Rがメタクリレート基を表し、
2.R’が、2−ヘキシル1−デカニルの16個の炭素原子を有する分岐状疎水性鎖を表し、
3.m=p=0、q=1、n=25
であるモノマーと
を含む水溶性ポリマーを、炭酸塩の乾燥重量に対して1乾燥重量%使用する。
この試験は、本発明を説明するものであり、粒子の50重量%がこの値より大きい直径を有する、直径が6.7μmである炭酸カルシウム(フランス産のカルサイト)の粉砕工程の際、ナトリウムによって完全に中和されており、かつ
(a)85重量%のアクリル酸と、
(b)15重量%の、式−(I)のモノマーであって、
4.Rがメタクリレート基を表し、
5.R’が、2−ヘキシル1−ドデカニルの20個の炭素原子を有する分岐状疎水性鎖を表し、
6.m=p=0、q=1、n=25
であるモノマーと
を含む水溶性ポリマーを、炭酸塩の乾燥重量に対して1乾燥重量%使用する。
7.100乾燥重量部の試験されるべき炭酸カルシウムの水性懸濁液、
8.炭酸カルシウム100乾燥重量部あたり、11乾燥重量部の、DOW(商標)CHEMICALS社によってDL966という名称で販売されているスチレン−ブタジエンラテックス、
9.炭酸カルシウム100乾燥重量部あたり、0.25乾燥重量部のポリビニルアルコール、
10.炭酸カルシウム100乾燥重量部あたり、0.6乾燥重量部の、CLARIANT(商標)社によってBlancophor(商標)Pという名称で販売されている光学的光沢剤、
11.0.2乾燥重量部の、COATEX(商標)社によってRheocarb(商標)という名称で販売されているアクリル性増粘剤/水分保持剤
を含む紙用コーティングスリップを作製する。
Claims (14)
- 少なくとも1種類の鉱物材料を含有する紙用コーティングスリップを製造する方法であって、
−コーティングスリップを増粘するための剤として、
(a)少なくとも1種類のエチレン−不飽和アニオン性モノマーと、
(b)14〜21個、好ましくは15〜20個の炭素原子を有し、かつそれぞれが少なくとも6個の炭素原子を有する2つの分岐鎖を有する、飽和もしくは不飽和の分岐した疎水性アルキル、アルキルアリール、アリールアルキル、アリール鎖による末端を有する、少なくとも1種類のエチレン−不飽和オキシアルキルモノマーと
を含む水溶性ポリマーを使用し、かつ
−前記ポリマーが、スリップへの直接添加によって使用されるか、かつ/または水中での鉱物材料の分散および/もしくは粉砕および/もしくは濃縮工程において使用され、必要に応じてその後に乾燥工程が行われる
ことを特徴とする、方法。 - ポリマーが、各モノマーを重量パーセントとして表現した場合(これらのパーセントの合計は100%に等しい)、
(a)5モル重量%〜95モル重量%、好ましくは50モル重量%〜95モル重量%、理想的には70モル重量%〜95モル重量%の、少なくとも1種類のエチレン−不飽和アニオン性モノマーと、
(b)5%〜95%、好ましくは5%〜50%、理想的に5%〜30%の、14〜21個、好ましくは15〜20個の炭素原子を有し、かつそれぞれが少なくとも6個の炭素原子を有する2つの分岐鎖を有する、飽和もしくは不飽和の分岐した疎水性アルキル、アルキルアリール、アリールアルキル、アリール鎖による末端を有する少なくとも1種類のエチレン−不飽和オキシアルキルモノマーと
を含むことを特徴とする、請求項1記載の方法。 - モノマー(a)が、アクリル酸、メタクリル酸、およびそれらの混合物から選択されることを特徴とする、請求項1または2記載の方法。
- モノマー(b)が、式−(I)のモノマーであることを特徴とする、請求項1〜3のいずれか一項記載の方法:
式中、
−m、n、p、およびqは整数であり、かつm、n、pは150未満であり、qは0より大きく、m、n、およびpのうちの少なくとも1つの整数はゼロではなく、
−Rは、重合性不飽和官能基を含有する基を表し、好ましくはビニル基に属し、かつ、アクリル酸、メタクリル酸、および、マレイン酸エステル基に属し、かつアクリルウレタン、メタクリルウレタン、α−α’ジメチル−イソプロペニル−ベンジルウレタン、アリルウレタンを含む不飽和ウレタン基にも属し、ならびに置換もしくは非置換のアリルもしくはビニルエステル基に属し、またはエチレン−不飽和アミドもしくはイミド基に属し、
−R1およびR2は、同一または異なっており、かつ水素原子またはアルキル基を表し、
−R’は、14〜24個、好ましくは15〜20個の炭素原子を有し、かつそれぞれが少なくとも6個の炭素原子を有する2つの分岐鎖を有する、飽和もしくは不飽和の分岐した疎水性アルキル、アルキルアリール、アリールアルキル、アリール鎖を表し、理想的には、R’は、2−ヘキシル1−デカニル、2−オクチル1−ドデカニル、およびそれらの混合物から選択される。 - 水溶性ポリマーが、一価または多価の官能性を有する1種類以上の、好ましくは水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、およびそれらの混合物から選択される中和剤によって部分的にまたは完全に中和されることを特徴とする、請求項1〜4のいずれか一項記載の方法。
- 鉱物材料が、天然もしくは合成の炭酸カルシウム、カオリン、タルク、およびそれらの混合物から選択され、好ましくは天然もしくは合成の炭酸カルシウムもしくはカオリンまたはそれらの混合物であり、理想的には天然の炭酸カルシウムおよびカオリンの混合物であることを特徴とする、請求項1〜5のいずれか一項記載の方法。
- 鉱物材料の乾燥重量に対して、0.1乾燥重量%〜2乾燥重量%、好ましくは0.2乾燥重量%〜0.8乾燥重量%のポリマーを使用することを特徴とする、請求項1〜6のいずれか一項記載の方法。
- 増粘剤として、
(a)少なくとも1種類のエチレン−不飽和アニオン性モノマーと、
(b)14〜21個、好ましくは15〜20個の炭素原子を有し、かつそれぞれが少なくとも6個の炭素原子を有する2つの分岐鎖を有する、飽和もしくは不飽和の分岐した疎水性アルキル、アルキルアリール、アリールアルキル、アリール鎖による末端を有する、少なくとも1種類のエチレン−不飽和オキシアルキルモノマーと
を含む水溶性ポリマーを含有することを特徴とする、少なくとも1種類の鉱物材料を含有する紙用コーティングスリップ。 - ポリマーが、各モノマーを重量パーセントとして表現した場合(これらのパーセントの合計は100%に等しい)、
(a)5%〜95%、好ましくは50%〜95%、理想的には70%〜95%の、少なくとも1種類のエチレン−不飽和アニオン性モノマーと、
(b)5%〜95%、好ましくは5%〜50%、理想的に5%〜30%の、14〜21個、好ましくは15〜20個の炭素原子を有し、かつそれぞれが少なくとも6個の炭素原子を有する2つの分岐鎖を有する、飽和もしくは不飽和の分岐した疎水性アルキル、アルキルアリール、アリールアルキル、アリール鎖による末端を有する少なくとも1種類のエチレン−不飽和オキシアルキルモノマーと
を含むことを特徴とする、請求項8記載のコーティングスリップ。 - モノマー(a)が、アクリル酸、メタクリル酸、およびそれらの混合物から選択されることを特徴とする、請求項8または9記載のコーティングスリップ。
- モノマー(b)が、式−(I)のモノマーであることを特徴とする、請求項8〜10のいずれか一項記載のコーティングスリップ:
式中、
−m、n、p、およびqは整数であり、かつm、n、pは150未満であり、qは0より大きく、m、n、およびpのうちの少なくとも1つの整数はゼロではなく、
−Rは、重合性不飽和官能基を含有する基であり、好ましくはビニル基に属し、かつアクリル酸、メタクリル酸、および、マレイン酸エステル基に属し、かつアクリルウレタン、メタクリルウレタン、α−α’ジメチル−イソプロペニル−ベンジルウレタン、アリルウレタンを含む不飽和ウレタン基にも属し、ならびに置換もしくは非置換のアリルもしくはビニルエステル基に属し、またはエチレン−不飽和アミドもしくはイミド基に属し、
−R1およびR2は、同一であり、かつ水素原子またはアルキル基を表し、
−R’は、14〜21個、好ましくは15〜20個の炭素原子を有し、かつそれぞれが少なくとも6個の炭素原子を有する2つの分岐鎖を有する、飽和もしくは不飽和の分岐した疎水性アルキル、アルキルアリール、アリールアルキル、アリール鎖を表し、理想的には、R’は、2−ヘキシル1−デカニル、2−オクチル1−ドデカニル、およびそれらの混合物から選択される。 - 水溶性ポリマーが、一価または多価の官能性を有する1種類以上の、好ましくは水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、およびそれらの混合物から選択される中和剤によって部分的にまたは完全に中和されていることを特徴とする、請求項8〜11のいずれか一項記載のコーティングスリップ。
- 鉱物材料が、天然もしくは合成の炭酸カルシウム、カオリン、タルク、およびそれらの混合物から選択され、好ましくは天然もしくは合成の炭酸カルシウムもしくはカオリンまたはそれらの混合物であり、理想的には天然の炭酸カルシウムおよびカオリンの混合物であることを特徴とする、請求項8〜12のいずれか一項記載のコーティングスリップ。
- 鉱物材料の乾燥重量に対して、0.1乾燥重量%〜2乾燥重量%、好ましくは0.2乾燥重量%〜0.8乾燥重量%のポリマーを含有することを特徴とする、請求項8〜13のいずれか一項記載のコーティングスリップ。
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