JP2011506288A - 白血病の管理における3−(インドリル)−または3−(アザインドリル)−4−アリールマレイミド誘導体の用途 - Google Patents

白血病の管理における3−(インドリル)−または3−(アザインドリル)−4−アリールマレイミド誘導体の用途 Download PDF

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Abstract

【解決手段】式Iで表わされる3−(インドリル)−または3−(アザインドリル)−4−フェニルマレイミド誘導体、またはその生理学的に受容可能な塩、または式1の化合物もしくは式1の化合物の塩の溶媒和物の白血病の予防または処置のための用途:
【化1】
Figure 2011506288

式中RはH、C−C−アルキル、フェニル−C−C−アルキル、または、フェニルであり、Rは2または3個のC−C−アルコキシ基で置換されたフェニル基であり、Rは、C−C−アルキル、C−C−アルコキシ、フェニル、OH、ハロゲン、NH、C−C−アルキルアミノ、ジ−C−C−アルキルアミノ、OとNとSとから独立して選択された1または2のヘテロ原子を含む5員環または6員環ヘテロアリール、または、OとNとSとから独立して選択された1または2のヘテロ原子を含む5員環または6員環複素環基、から独立して選択された、1または2の置換基を有することができるインドリルまたはアザインドリルである。
【選択図】なし

Description

この発明は、白血病の予防または処置における3−(インドリル)−または3−(アザインドリル)−4−アリールマレイミド誘導体の用途に関する。
白血病は骨髄と血液の悪性の癌である。白血病は、血液細胞の制御できない成長によって特徴づけられる。一般的な白血病の型は4つの分類に分けられる:骨髄の骨髄性成分に関係する、急性または慢性の骨髄性白血病と、リンパ系に関係する、急性または慢性のリンパ性白血病である。
急性白血病は、未熟な、無機能な細胞(芽細胞)が髄と血液中に大量に蓄積する、急激に進行する疾病である。髄は、しばしばもはや正常な赤血球と白血球と血小板を生成することができなくなる。貧血は、これは赤血球の欠乏であるが、ほとんどすべての白血病患者において現れる。正常な白血球の不足は、感染を克服する身体の能力を損なう。血小板の欠乏は、傷あとや、たやすく出血する結果になる。対象的に、慢性白血病はよりゆっくりと進行し、無制御の増殖を導き、その結果、成熟した(分化した)細胞のスペクトラムの過大な広がりによって特徴づけられることになる。一般的に、急性白血病は慢性型と違って、潜在的に治療可能である。
標準的な白血病の処置は、通常、化学療法および/または骨髄移植および/または放射線治療を含む。
骨髄移植の主要な2つの類型は、自己由来(患者自身の髄を用いる)と、同種異系(適合した臓器提供者からの髄を用いる)である。放射線治療は、高エネルギー線の使用を含むものであり、通常、骨髄移植の前に白血病細胞をすべて殺すために施される。
白血病の化学療法は通常、2つまたはそれ以上の化学療法薬の組み合わせを含む。一般的な組み合わせには、シタラビンとドキソルビシンまたはダウノルビシンまたはミトキサントロンまたはチオグアニンのいずれか、メルカプトプリンとメトトレキセート、ミトロキサントロンとエトポシド、アスパラギナーゼとヴィンクリスチンとダウノルビシンとプレドニゾン、シクロフォスファミドとヴィンクリスチンとシタラビンとプレドニゾン、シクロフォスファミドとヴィンクリスチンとプレドニゾン、ダウノルビシンとシタラビンとチオグアニン、そして、ダウノルビシンとヴィンクリスチンとプレドニゾンとがある。
白血病の新しい治療法は、癌細胞を抗癌剤の損傷効果から逃れさせる(そして難治または再発を招く)メカニズムを低減する剤の使用を含む多剤耐性の逆転と、そして生物学的応答調節物質(BRM)として知られた物質の使用を含む生物学的療法を含む。これらの物質は、通常癌または他の疾患に対する身体の自然な反応の一部として少量が生産される。BRMのタイプは、悪性細胞によって保有される相補抗原と反応する抗体へトキシンを結合したモノクローナル抗体と、そして血球生産を刺激し、処置後血球カウントの一層速やかな回復を助ける天然に存在するサイトカイン(例えばインターフェロン、インターロイキン、コロニー刺激因子CFS)を含む。
白血病の処置は非常に複雑であり、白血病の類型によって左右される。白血病患者においては、緩解傾向間に、それが治療の一コースの後に生じるものであってさえ、非常に大きな臨床的な変動も観察される。治療法に耐性のある患者は、耐性が発生する時期にかかわらず、非常に短い生存時間しか有しない。現在の処置計画の成果の改善にもかかわらず、白血病のすべての類型の処置のための新薬の発見の必要性は存続している。
白血病、特に、急性骨髄性白血病(AML)のような、急性白血病に対する効果的な治療法を提供することは本発明の目的であった。
WO2006/061212は、一定の3−(インドリル)−または3−(アザインドリル)−4−アリールマレイミド誘導体は、血管形成阻害剤であることを述べ、血管形成および/または血管機能不全を制御するためのそれらの用途を提案している。WO2006/061212は、病理学的な血管形成または血管機能不全に関連した、特に固形腫瘍における多数の疾患を揚げている。
この発明のさらなる目的は、前記3−(インドリル)−または3−(アザインドリル)−4−アリールマレイミド誘導体の新しい用途を提供することである。
驚いたことに、ある3−(インドリル)−または3−(アザインドリル)−4−アリールマレイミド誘導体は、白血病細胞のアポトーシスを誘起し得ることが見出された。
本発明は、式Iで表わされる3−(インドリル)−または3−(アザインドリル)−4−フェニルマレイミド誘導体、またはその生理学的に受容可能な塩、または式1の化合物もしくは式1の化合物の塩の溶媒和物の白血病の予防または処置のための用途に関する:
Figure 2011506288
式中RはH、C−C−アルキル、フェニル−C−C−アルキル、または、フェニルであり、
は2または3個のC−C−アルコキシ基で置換されたフェニル基であり、
は、C−C−アルキル、C−C−アルコキシ、フェニル、OH、ハロゲン、NH、C−C−アルキルアミノ、ジ−C−C−アルキルアミノ、OとNとSとから独立して選択された1または2のヘテロ原子を含む5員環または6員環ヘテロアリール、または、OとNとSとから独立して選択された1または2のヘテロ原子を含む5員環または6員環複素環基、から独立して選択された、1または2の置換基を有することができるインドリルまたはアザインドリルである。
従って、本発明は、白血病の処置または予防における式Iの化合物、生理学的に受容可能な塩またはその溶媒和物の用途に関する。特に、本発明は、白血病の処置または予防のための医薬の製造における、ここで定義される式Iの化合物、生理学的に受容可能な塩またはその溶媒和物の使用に関する。
本発明はまた、ここで定義されるとおりの式Iの化合物、その生理学的に受容可能な塩または溶媒和物を、白血病の予防または処置のために治療上効果的な量で患者に投与することを含む、処置が必要な患者における白血病の予防または処置方法に関する。
さらに本発明は、(i)ここで定義されるとおりの式Iの化合物、その生理学的に受容可能な塩または溶媒和物、および(ii)さらなる化学療法薬、を含む医薬品組成物に関する。
「白血病」という用語は、血液細胞、通常は白血球の異常な増殖によって特徴づけられる疾病を表す。
白血病は、急性と慢性の型を含む。
急性白血病は、未熟な血液細胞の急速な増殖によって特徴づけられる。この密集は、骨髄が健康な血液細胞を生成できなくする。急性型の白血病は、ほとんど子供と若い成人に現れる。
慢性白血病は、比較的成熟しているがまだ異常な血液細胞の過剰な蓄積によって特徴づけられる。典型的には、数か月から数年かけて進行し、上述の細胞は正常な細胞よりも高い割合で生成され、血液中の異常な白血球になる。慢性白血病は、ほとんど高齢者に発生するが、理論的にはどの年代群にも発生し得る。
白血病はさらに、リンパ球性(リンパ芽球性)の型と骨髄性(骨髄球様性)の型とを含む。
リンパ球性またはリンパ芽球性白血病においては、癌性の変化は、正常にはT細胞(細胞毒性CD8+、,ヘルパーCD4+/調節性、γδ、ナチュラルキラーT細胞);B細胞(形質細胞および記憶細胞);またはナチュラルキラー細胞(リンフォカイン活性化キラー細胞)を含むリンパ球を形成し続ける、髄細胞の型に表れる。
骨髄性または骨髄球様性白血病においては、癌性の変化は、正常には赤血球(網状赤血球およびおよび正常赤芽球);白血球のいくつかの類型(顆粒球、好中球、好酸球、好塩基球)、肥満細胞前駆体、樹状細胞(ランゲルハンス細胞、小胞樹状突起細胞)、単核白血球/マクロファージ(組織球、クッパー細胞、ラングハンス巨細胞、小グリア細胞、溶骨細胞);巨大核芽細胞;巨大核球;または血小板を形成し続ける、髄細胞の型に表れる。
このように、本発明によれば、白血病は、特に急性リンパ球性白血病(急性リンパ芽球性白血病、またはALLとしても知られている)、急性骨髄性白血病(急性骨髄球様白血病、またはAMLとしても知られている);慢性リンパ球性白血病(CLL)、および慢性骨髄性白血病(CML)を含む。これらの白血病と、さらにこれらの白血病の下位の類型は、当業者にとってよく知られている形態学的、組織化学的および免疫学的な技術によって定義される。
より好ましい実施形態においては、この発明は、AMLまたはALLの処置に関する。
「白血病の処置」という用語は、部分的または全体的な白血病性細胞の崩壊のみならず、患者の白血病を部分的または全体的に抑制することを意味する。
「白血病の予防」という用語は、危険にある患者において、前臨床的に明白な白血病の段階の発症の予防のみならず、臨床的に明白な白血病の発症を予防することを含む。この定義によって、白血病細胞への発進の予防または前白血病性の細胞が白血病細胞に進行することを停止または逆転させることも包含されることが意図される。このことは白血病が発展する危険にある者の予防的処置を含む。白血病の予防は、特に、骨髄異形成症候群(MDS)の処置を含む。
ここで用いられるように、処置の目的のための「患者」という用語は、いかなる哺乳類をも含み、より好ましくはヒトであり、いずれかの型の白血病である、または、白血病であり得る患者である。予防の方法としては、患者はいかなる哺乳類、好ましくはヒトであり、白血病が発展する危険にある患者、例えば、MDSを有する、または有し得る患者である。
ここで用いられるように、「危険にある」という用語は、基本的な医学的要因によって、例えば年齢、性別、体重等のような、当業者によく知られた要因によって定義される同類集団の過半数者よりも白血病の進展のより高い危険性を有することを表し、好ましくは有意に高いことを表す。患者は、発がん性薬剤、例えば、電離放射線または化学的突然変異誘発要因に曝されることや、遺伝的に白血病を進行させる素質といったものによって、危険にあり得る。
さらに好ましい実施形態においては、本発明は、難治性白血病、特に難治性AMLまたはALLの処置に関する。ここで用いられるように、「難治性」という用語は、化学療法、放射線療法および/または骨髄移植といった現在可能な白血病治療法によって処置されるが、これら治療法は、例えば、治療を感受しないまま追加的な効果的な治療法を必要とするような患者を臨床的に処置するために妥当な治療法ではない白血病を表すために用いられる。この用語はまた、治療法に反応するが副作用、再発、耐性の発展等に苦しむ患者を表し得る。様々な実施形態において、「難治性」とは、少なくとも有意な部分の白血病細胞が殺されず、または、それらの細胞分裂が停止されないことを意味する(最小残留疾病MRDとしても言及される)。白血病が「難治性」であるかどうかの決定は、体内で、または試験管内で、当分野で知られている、白血病細胞に対する処置の効果を定量評価するためのいずれかの方法によってなされ得る。この分野において受け入れられている「難治性」の意味はこのような文脈において用いられる。
本発明のさらに好ましい実施形態においては、白血病は、耐性白血病、および、特に多剤耐性白血病、すなわち、白血病細胞が従来の化学療法に耐性を示すものであり、好ましくはMDR(多剤耐性)発現型である。「耐性」という用語はここで、新生物成長が引き出された親世代組織と比較して、要求される化学療法薬の投薬量の何らかの有意な増加を表すために用いられる。「多剤耐性」という用語はここで、MDRタンパク質(gp170)の過剰な発現によって引き起こされる耐性を表すために用いられる。MDRタンパク質は、例えばドキソルビシンのような、化学療法薬の様々な型の細胞を除去することが可能である。
本発明のさらに好ましい実施形態においては、白血病は、FLT3の発現に対して陽性である白血病細胞によって特徴づけられる。本発明の特定の実施形態においては、白血病は、同じ細胞類型の非悪性細胞と比較して、FLT3の発現が増幅されたことを示す白血病細胞によって特徴づけられる。
ここで用いられるように、「FLT3」という用語は、受容体チロシンキナーゼタイプIII、すなわち、fms様チロシンキナーゼ受容体3(胎児性肝細胞キナーゼ−2(FLK2)またはCD135としても知られる)を表す。この受容体が、その配位子に結合すると、この受容体は、それ自体の二量体(ホモ二量体)を形成し、これは二次メッセンジャーを通してシグナル伝達を活性化する。FLT3を介したシグナル伝達は細胞の生存、増殖、および分化において機能を果たす。FLT3は、リンパ球(B細胞とT細胞)の発達にとって重要である。FLT3は原型がん遺伝子として知られている。
「発現に対して陽性」という用語は、ここで、FLT3タンパク質が存在していること、例えば、同一のものをコード化するmRNA転写物のFLT3のタンパク質がウエスタンブロットにおいて存在すること、例えば、FLT3mRNA転写物がノーザンブロットまたはRT−PCRアッセイに存在すること、またはFLT3の生化学的活性が存在すること、例えばそのリン酸化活性が存在することを表すために用いられる。「増幅された発現」という用語は、発現(タンパク質、mRNAまたは活性)の程度を表し、対照よりも(例えば、同じ細胞類型の非悪性の細胞と比較して)高い発現の程度を表す。
FLT3の突然変異は、結果として白血病の発達に導き得る。FLT3の突然変異は、急性骨髄性白血病(AML)患者の約30%と、急性リンパ腫様白血病(ALL)または骨髄異形成症候群(MDS)の多数の患者に検出されている。FLT3突然変異を有する患者は、緩解傾向時間と無疾病生存の減少を伴い、予後が不良になりがちである。FLT3の活性化突然変異の知られている類型(特に、構成的受容体活性化、特に構成的受容体二量体化および/または構成的受容体リン酸化に導かれる)は、受容体の膜近傍領域における4−40アミノ酸の重複(ITD突然変異)(患者の25−30%)と、キナーゼ領域の点突然変異(患者の5−7%)を含む。マウス髄細胞中の突然変異FLT3受容体は、致死骨髄増殖性症候群に帰着し(Kelly,L.M.,Liu,Q.,Kutok,J.L.,Williams,I.R.,Boulton,C.L.&Gilliland,D.G.(2002)マウス骨髄移植モデルにおいて、ヒト急性骨髄性白血病に関連するFLT3遺伝子内縦列重複突然変異は骨髄増殖性疾病を誘起する。Blood,99,310−318)、そして予備的な研究(Gilliland et al.,Blood.2002;100:1532−42)は、突然変異FLT3は、より攻撃的な発現型を与えるために、他の白血病がん遺伝子と協同することを示唆する。
このように、本発明のさらに好ましい実施形態においては、白血病細胞は、FLT3遺伝子中の1以上の活性化突然変異に対して陽性である。このような突然変異は、FLT3遺伝子の膜近傍流域における遺伝子内縦列重複FLT3−ITD陽性);位置835でのアスパラギン酸の他のアミノ酸への置換のような、FLT3遺伝子のチロシンキナーゼ領域中の活性化ループ突然変異(D835X:Yamamoto,Y.,Kiyoi,H.,Nakano,Y.,Suzuki,R.,Kodera,Y.,Miyawaki,S.,Asou,N.,Kuriyama,K.,Yagasaki,F.,Shimazaki,C.,Akiyama,H.,Saito,K.,Nishimura,M.,Motoji,T.,Shinagawa,K.,Takeshita,A.,Saito,H.,Ueda,R.,Ohno,R.&Naoe,T.(2001)ヒト血液学的悪性疾患におけるFLT3の活性化ループ内のD835の活性化突然変異。Blood,97,2434−2439;およびFröhling,S.,Schlenk,R.F.,Breitruck,J.,Benner,A.,Kreitmeier,S.,Tobis,K.,Dohner,H.&Dohner,K.(2002)急性骨髄性白血病および正常な細胞遺伝を有する若年成人(16から60歳)における活性化FLT3突然変異の予知診断の意義:a study of the AML Study Group Ulm.Blood,100,4372−4380)、位置836におけるイソロイシンの欠失、位置836におけるイソロイシンのスレオニンへの置換、または、位置836でのイソロイシンのメチオニン/アルギニンへの置換/挿入(Thiede,C.,Steudel,C.,Mohr,B.,Schaich,M.,Schakel,U.,Platzbecker,U.,Wermke,M.,Bornhauser,M.,Ritter,M.,Neubauer,A.,Ehninger,G.&Illmer,T.(2002)急性骨髄性白血病を有する979人の患者におけるFLT3活性化突然変異の解析:不良な予後についてのFAB下位類型と下位群の識別との関連。Blood,99,4326−4335)、位置840と841との間への挿入(840GS:Spiekermann,K.,et al.(2002)急性骨髄性白血病血液中のFLT3遺伝子の構造配列20における突然変異の新しい、および、再発の活性化期間。Blood,100,3423−3425);位置841におけるアスパラギンのイソロイシンへの置換(N841I:Jiang,J.,et al.(2004)AML血液中のFLT3チロシンキナーゼの新規な活性化突然変異の識別と特性決定。Blood,104,1855−1858);位置842におけるチロシンのシステインへの置換(Y842C:Kindler,T.,Breitenbuecher,F.,Kasper,S.,Estey,E.,Giles,F.,Feldman,E.,Ehninger,G.,Schiller,G.,Klimek,V.,Nimer,S.D.,Gratwohl,A.,Choudhary,C.R.,Mueller―Tidow,C.,Serve,H.,Gschaidmeier,H.,Cohen,P.S.,Huber,C.&Fischer,T.(2005)急性骨髄性白血病(AML)患者におけるFLT3の活性化ループを用いた新規な突然変異(Y842C)の識別。Blood,105,335−340);位置676におけるアスパラギンのリシンへの置換(N676K:Heidel,F.,Solem,F.K.,Breitenbuecher,F.,Lipka,D.B.,Kasper,S.,Thiede,M.H.,Brandts,C.,Serve,H.,Roesel,J.,Giles,F.,Feldman,E.,Ehninger,G.,Schiller,G.J.,Nimer,S.,Stone,R.M.,Wang,Y.,Kindler,T.,Cohen,P.S.,Huber,C.&Fischer,T.(2006)FLT3チロシンキナーゼ領域におけるAsn−676の突然変異による急性骨髄性白血病におけるキナーゼ阻害剤PKC412への臨床的な耐性。Blood,107,293−300);およびV592A、V579A、F594L、F590GY591D(Reindl,C.,Bagrintseva,k.,Vempati,S.,Schnittger,S.,Ellwart,J.W.,Wenig,K.,Hopfner,K.P.,Hiddemann,W.&Spiekermann,K.(2006)FLT3の膜近傍領域における点突然変異がAMLにおける活性化突然変異の新しい分類を定義する。Blood,107,3700−3707)のような膜近傍領域における活性化点突然変異を含むがこれに限定されない。
「突然変異に対して陽性である」という用語は、ここで、例えば、DNA塩基配列決定法、ハイブリダイゼーションによる塩基配列決定法、SSCP(一本鎖コンフォーメーション解析)、DGGE(変性剤濃度勾配ゲル電気泳動法)、TGGE(温度勾配ゲル電気泳動法)、クリベース、ヘテロ二重鎖解析、CMC(化学的ミスマッチ切断)、酵素ミスマッチ切断、固相ハイブリダイゼーション(ドットブロット、MASDA、逆転ドットブロット、オリゴヌクレオチド配列(chips))、液相ハイブリダイゼーション(Taqman、Molecular Beacons)、ARMS(増幅難治性突然変異システム)、ALEX(増幅難治性突然変異システム線形延長)、SBCE(単一塩基鎖延長)、Mini―sequencing、APEX(配列プライマー延長)、RFLP(制限断片長多型)、OLA(オリゴヌクレオチド延長アッセイ)およびこの分野で知られているような、他の技術を用いるような評価において、突然変異したDNAまたはmRNAに一致する突然変異核酸の存在を表すために用いられる。
FLT3(FLK2)突然変異を評価するためのプライマーシーケンスと増幅手順は、この分野において知られており、例えば、Nakao,M.,et al.,1996,supra;Yamamoto,Y.,et al.,2001,supra;Fröhling,S.,et al.,2002,supra;Thiede,C.,et al.,2002,supra;Kindler,T.,et al.,2005,supra;Reindl,C.,et al.,2006,supra;Heidel,F.,et al.,2006,supra;Jiang,J.,et al.,2004,supra;Spiekermann,k.,et al.,2002,supra;Gillilandet al.,Curr.Opin.,Hematol.,9:274−281(2002);およびGilliland et al.,2002,supra.に発表されている。
特に好ましい実施形態によれば、本発明は、FLT3−ITD陽性AMLまたはFLT3−ITD陽性ALLの処置、または、例えば、FLT3−ITD陽性MDSの処置によるその予防に関する。さらに特に好ましい実施形態によれば、本発明はFLT3−ITD陽性AMLまたはFLT3−ITD陽性ALLの処置、または、例えば、FLT3−ITD陽性MDSの処置によるその予防に関し、白血病細胞がさらに、上で定義されているとおりのFLT3遺伝子の活性化突然変異に対して陽性である。特定の実施形態においては、本発明は、FLT3−ITD−およびN676K−陽性AMLまたはFLT3−ITD−およびN676K−陽性ALLの処置、または、例えばFLT3−ITD−およびN676K−陽性MDSを処置することによるその予防に関する。
この発明によれば、特にAMLおよびALLは、一次診断での白血病および第一次治療の後の白血病(すなわち、第二次白血病)、例えば、(最小残留白血病のような)難治性白血病および/または耐性白血病を含む。
「アルキル」、「アルコキシ」、「アルキルアミノ」等の用語は、1から6個、好ましくは1から4個の炭素原子を有する直鎖または分岐アルキル基を含む化学基を表す。アルキル基についての例は、メチル、エチル、n−プロピル、i−プロピル、n−ブチル、sec−ブチル、iso−ブチル、t−ブチル、n−ペンチルまたはn−ヘキシルである。アルコキシ基についての例は、メトキシ、エトキシ、n−プロポキシ、イソプロポキシ、n−ブトキシである。
ハロゲンとは、F、Cl、BrおよびIを意味し、好ましくはFとClである。
ヘテロアリールとは、O、N、Sから選ばれた1または2のヘテロ原子を有する5または6員芳香環を意味する。ヘテロアリールの例は、チェニル、フリル、イミダゾリル、ピラゾリル、チアゾリル、オキサゾリル、ピリジルまたはピリミジルである。
複素環基とは、O、N、およびSから選択された1または2のヘテロ原子を有する飽和または不飽和の5または6員環、非芳香環を表す。複素環基の例は、ピロリジニル、テトラヒドロフラニル、イミダゾリニル、イミダゾリジニル、ピペリジニル、モルフォリニルである。
式Iの化合物の生理学的に受容可能な塩は、塩酸、硫酸、またはリン酸のような無機酸、または有機酸、特に、酢酸、酒石酸、乳酸、クエン酸、マレイン酸、マンデル酸、アスコルビン酸、フマル酸、グルコン酸のようなカルボン酸、またはメタンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸およびトルエンスルホン酸のようなスルホン酸の酸付加塩を含む。
生理学的に受容可能な溶媒和物は、特に水和物である。
特定の実施形態によれば、本発明は、式Iの化合物の用途に関し、Rは次式を有する基である。
Figure 2011506288
ここで、R、RおよびRの2つの基はC−C−アルコキシおよび第3の基はHまたはC−C−アルコキシである。好ましくは、RおよびRはC−C−アルコキシでありRは水素、または、R、RおよびRはC−C−アルコキシである。
さらに特定に実施形態によれば、本発明は、Rが以下から選択される式Iの化合物の用途に関する:
Figure 2011506288
Figure 2011506288
Figure 2011506288
Figure 2011506288
Figure 2011506288
ここでRはH、C−C−アルキルまたはフェニルであり、RはH、C−C−アルキルまたはフェニルであり、および、RはH、C−C−アルキル、C−C−アルコキシ、OH、ハロゲン、NH、C−C−アルキルアミノ、di−C−C−アルキルアミノ、O、N、およびSから独立して選択される1または2のヘテロ原子を含む5員環または6員環ヘテロアリール、O、N、およびSから独立して選択される1または2のヘテロ原子を含む5員環または6員環複素環基、好ましくはH、C−C−アルキルまたはC−C−アルコキシである。
インドリルまたはアザインドリル基は、例えば(a)から(e)の基であり、好ましくはインドリルまたはアザインドリル基の3位を介してマレイミド基に接続される。
1つの実施形態に従えば、本発明は式(Ia)の化合物の用途に関する:
Figure 2011506288
ここで、RおよびRからRは上記の意味を有する。
さらなる実施形態によれば、本発明は式(Ib)の化合物の用途に関する:
Figure 2011506288
ここで、RとRからRは上で定義されたとおりである。
さらなる実施形態に従えば、本発明は式(Ic)の化合物の用途に関する:
Figure 2011506288
ここでRとRからRは上で定義された通りである。
さらなる実施形態によれば、本発明は式(Id)の化合物の用途に関する:
Figure 2011506288
ここでRとRからRは上で定義された通りである。
さらなる実施形態によれば、本発明は式(Ie)の化合物の用途に関する:
Figure 2011506288
ここでRとRからRは上で定義された通りである。
さらなる実施形態に従えば、R、R、RおよびRは、互いに独立してHまたはC−C−アルキルであり、とりわけ、R、R、R、およびRはHである。
式Iの化合物は、特に、次の化合物を含む:
3−(インドール−3−イル)−4−(3,4,5−トリメトキシフェニル)−1H−ピロ−ル−2,5−ジオン(ここではDHF125ともいわれる);
3−(インドール−3−イル)−4−(3,4−ジメトキシフェニル)−1H−ピロ−ル−2,5−ジオン;
3−(5−メトキシインドール−3−イル)−4−(3,4,5−トリメトキシフェニル)−1H−ピロ−ル−2,5−ジオン;
3−(1−メチルインドール−3−イル)−4−(3,4,5−トリメトキシフェニル)−1H−ピロ−ル−2,5−ジオン;
3−(2−メチルインドール−3−イル)−4−(3,4,5−トリメトキシフェニル)−1H−ピロ−ル−2,5−ジオン;
3−(2−フェニルインドール−3−イル)−4−(3,4,5−トリメトキシフェニル)−1H−ピロ−ル−2,5−ジオン;
3−(インドール−2−イル)−4−(3,4,5−トリメトキシフェニル)−1H−ピロ−ル−2,5−ジオン;
3−(7−アザインドール−3−イル)−4−(3,4,5−トリメトキシフェニル)−1H−ピロ−ル−2,5−ジオン(ここではDHF150とも表される);
3−(6−アザインドール−3−イル)−4−(3,4,5−トリメトキシフェニル)−1H−ピロ−ル−2.5−ジオン;
3−(5−アザインドール−3−イル)−4−(3,4,5−トリメトキシフェニル)−1H−ピロ−ル−2.5−ジオン、
その生理学的に受容可能な塩と、式Iの化合物またはその塩の溶媒和物。
本発明の化合物は、公知の方法によって、例えばWO02/38561、EP328026、WO03/095452、そしてWO2006/061212に開示されている方法によって、製造され得る。
式Iの化合物、その生理学的に受容し得る塩または溶媒和物の不存在下において、処置される患者が例えば上で定義した慣用の治療法から利益を受けられない場合には特に好ましい。「有益」という用語はここで、上で定義されたとおりの治療または予防の目的のなんらかの、または、すべての達成を表すために用いられる。
このように、非常に効果的な式Iの化合物は、該化合物またはその生理学的に受容可能な塩または溶媒和物が、白血病細胞のアポトーシスを刺激するものである。「刺激する」という用語はここで、効果を誘起する、または、促進することを表すために用いられる。「誘起する」という用語はここで、式Iの化合物、その生理学的に受容可能な塩または溶媒和物を用いて処置される細胞において、式Iの化合物、その生理学的に受容可能な塩または溶媒和物を用いて処置されないこと以外は同一の状態に保持されている細胞と比較して、アポトーシスの割合のなんらかの有意な増加を表すために用いられる。「促進する」という用語はここで、式Iの化合物、その生理学的に受容可能な塩または溶媒和物、および1以上のさらなる薬剤を用いて処置される細胞において、1以上のさらなる薬剤を用いて処置され、式Iの化合物、その生理学的に受容可能な塩または溶媒和物を用いて処置されないこと以外は同一の状態に保持されている細胞と比較して、アポトーシスの割合のなんらかの有意な増加を表すために用いられる。
適切な化合物は、高スループットスクリーニング(HTS)手法のような、よく知られたスクリーニング手法を用いて、式Iの化合物、その生理学的に受容可能な塩または溶媒和物間で同定され得る。典型的な手法は、式Iの化合物、その生理学的に受容可能な塩または溶媒和物の多数の候補のそれぞれによるアポトーシスに対する細胞の即応性を試験して、そして、所望の活性を有するものを同定することを含む。スクリーニングのより高度な水準では、一般的な白血病の予防および/または処置、および/または特に白血病の個々の型への適合性が、当業者によって知られている動物モデルを用いて調べられ得る。
本発明の特定の実施形態においては、患者の処置は従来の方法または従来の複数の方法の組み合わせ、好ましくは以下の例に示されるように、放射線照射、例えば体外照射または放射性化合物の投与、骨髄移植および抗悪性腫瘍薬、多剤耐性逆転薬剤;および生体応答調整物質、およびこれらの組み合わせを含む化学療法薬による処置からなる群から選択される従来の方法によるアポトーシスの刺激をさらに含む。
このように、本発明はまた、ここで定義されるように1以上のさらなる化学療法薬との組み合わせにおける、ここで定義される通りの式Iの3−(インドリル)−または3−(アザインドリル)−4−フェニルマレイミド誘導体、その生理学的に受容可能な塩または溶媒和物の用途に関する。
適切な抗悪性腫瘍薬は、アスパラギナーゼ、ブレオマイシン、ブスルファン、カルムスチン、クロランブシル、クラドリビン、シクロフォスファミド、シタラビン、ダカルバジン、ダウノルビシン、ドキソルビシン、エトポシド、フルダラビン、ゲムシタビン、ヒドロキシウレア、イダルビシン、イホスファミド、ロムスチン、メクロレタミン、メルファラン、メルカプトプリン、メトトレキセート、マイトマイシン、ミトキサントロン、ペントスタチン、プロカルバジン、6−チオグアニン、トポテカン、ビンブラスチン、ヴィンクリスチン、デキサメタゾン、レチノイン酸およびプレドニゾンからなる群から選択され得る。
白血病、特にAMLまたはALLの処置において使用される抗悪性腫瘍薬の特に好ましい例は、シタラビン、エトポシド、ミトキサントロン、シクロフォスファミド、レチノイン酸、ダウノルビシン、ドキソルビシンおよびイダルビシンによって構成される。
多剤耐性逆転薬剤の例は、PSC833である。
適切な生体応答調整物質は、モノクローナル抗体およびインターフェロン、インターロイキンのようなサイトカイン、および、例えばリツキサン、CMA−676、組換えインターフェロンα、インターロイキン2、インターロイキン3、エリスロポエチン、エポエチン、G−CSF、GM−CSF、フィルグラスチム、サルグラモスチムおよびトロンボポエチンのようなコロニー刺激因子からなる群から選択され得る。
本発明は、一部では、式Iの化合物、その生理学的に受容可能な塩および溶媒和物は、現在の標準的および実験的な化学療法、骨髄移植、幹細胞移植療法および放射線療法を含む他の白血病治療法を増強し、協同し、効果を高め、耐薬性を改善し、および/または引き起こされる副作用を低減するという認識に基づいている。このように本発明は、現在の単一の薬剤療法または現在の組み合わせ治療法よりもよりよい治療成績を提供する治療法またはプロトコールを範囲に含む。本発明の範囲に含まれるものは、付加的な作用強度または付加的な治療効果を有する組み合わせ治療法である。本発明はまた、その治療比率が付加的よりも大きい、相乗的な組み合わせを範囲に含む。好ましくは、そのような組み合わせは、望まれないまたは有害な効果を低減または回避する。ある実施形態においては、本発明の範囲に含まれる組み合わせ療法は、式Iの化合物、その生理学的に受容可能な塩または溶媒和物または他の白血病治療法単独の場合と比較して全体的に改良された治療法を提供する。本発明は、ある実施態様において、既存のまたは実験的白血病療法の投与量を減らすか投与頻度を減らすことにより、患者のコンプライアンスを増大させ、治療を改善し、そして望まないまたは有害な効果を減らすことができる。
したがって、本発明は、(i)ここで定義されたとおりの式Iの化合物、その生理学的に受容可能な塩または溶媒和物、および(ii)さらなる化学療法剤、を含む医薬組成物に関する。
本発明はまた、白血病の予防または処置法と、それに有用な医薬組成物と、そのため適切な包装に関し、それらは白血病に罹っている、または将来罹り得る哺乳類、例えばヒトに特に適用できる。本発明の好ましい具体例においては、患者は上で定義したとおり白血病の増大した危険にあるヒトである。もし患者が上で定義した白血病に罹っているならば特に好ましい。
本発明に従えば、処置が必要な患者における白血病を予防または処置は、その患者に、白血病を予防または処置するために治療上効果的な量の、式Iの化合物、その生理学的に受容可能な塩または溶媒和物を投与することを含む。
本発明の化合物の投与に関し、「予防または処置する」という表現はここで、この投与によって実際に達成された治療結果のみならず、この投与の治療目的をも表すことが意図される。上で議論したように、前記化合物の投与によって達成される治療の限度は、疾病コースの緩和から有意な低減まで、および、疾病コースの逆転を含む、疾病の有効な処置以上まで分布し得る。
本発明の式Iの化合物、その生理学的に受容可能な塩または溶媒和物は、当業者にとって直ちに明白であるさらなる治療上有効な成分と組み合わされ得るものであり、そして、通常、該成分は本発明の治療薬が投与される状況によって決定される。そのような他の治療的に有効な成分の例は上述の薬剤を含むが、これに限定されない。
本発明に従って用いられる療法に従えば、式Iの化合物、式Iの化合物の生理学的に受容可能な塩またはその溶媒和物は、規則的なスケジュールに従って使用される他の薬物と組み合わせて投薬されることが予期される。組み合わせの投薬は、多くの様々な形を取ることができ、なお本発明の範囲内であり得る。例えば、式Iの化合物、その生理学的に受容可能な塩または溶媒和物は、意図される組み合わせを構成する、1つまたはより多くの他の治療薬と単に、経口錠剤のような、その組み合わせを構成するすべての薬剤を含む簡便な剤形に配合されるであろう。異なる薬物の変動する半減期は、比較的均一な投薬が得られるように、異なる放出時間を有する前記薬物の制御放出形を創出することにより、または個々の化合物の適当に変動した投与量を有する異なる製剤がスケジュール化された投与のために組み合わされる時間調節製剤シーケンス、例えば、毎時、1日2回、および毎日投与のための別々の製剤を含む製剤シーケンスを設計することにより、製剤に熟練した当業者によって調整することができる。本発明はまた、組み合わせて投与される薬物の同時投与によって薬物の組み合わせが得られる同時投与を企図する。そのような同時投与は、異なる投与形および投与ルートによってさえも可能である。本発明はさらに、異なる、しかし規則的かつ連続的投薬スケジュールに従ったそのような組み合わせの使用を企図し、それにより、組み合わせを構成する個々の薬物が同時に患者へ投与されなくても、含まれる薬物の望ましい血漿レベルが処置される患者に維持される。そのような組み合わせのすべてを考案し、投与することは、当業者の技量の範囲内であろう。
式Iの化合物、その生理学的に受容可能な塩または溶媒和物が本発明の用途、方法および組成物において有効成分として用いられるときには、それらは、当業者に知られている標準的な医薬品の剤形に組み込まれ得る。基本的に、いずれの医薬品の剤形も本発明において用いられ得る。
従って、本発明は、上で定義したような式Iの化合物、その生理学的に受容可能な塩または溶媒和物に加えて、薬学的に受容可能な補助剤を含む医薬組成物に関する。このような補助剤は、この分野において知られている。例えば、通常の医薬品添加剤、希釈剤およびアジュバント、例えば、水、ゼラチン、ラクトース、デンプン、ステアリン酸マグネシウム、タルク、植物油、ガム類、ポリアルキレングリコールのような、有機および無機の不活性担体物質、等である。これらの医薬品の調製は、固形、例えば錠剤、カプセルにされ得、または、溶液、懸濁液または乳濁液のような液体の状態で投与され得る。
さらに医薬品添加剤およびアジュバントは、防腐剤、酸化防止剤、抗菌性剤および他の安定剤;湿潤剤、乳化剤および沈殿防止剤、および抗固化化合物;香気および着色添加物;圧縮性を高めるための組成物、または、有効成分に遅延性、持続性または徐放性を生み出すための剤;および医薬品製剤の浸透圧を変化させ、または緩衝液として働くための様々な塩が添加され得る。このような添加剤とアジュバントは当業者に知られている。
上で定義された式Iの化合物、その生理学的に受容可能な塩または溶媒和物の治療的有効量は、前記患者へ全身的に投与することができ、該全身的投与は以下を含む。(1)動脈内、皮内または経皮(皮下を含む)、または脊髄内、特にのう内、最も一般的には筋肉内または静脈内送達のための、または送達のためのデポとして役立つための、水溶液、エマルジョンまたは懸濁液のような適当な液体形の前記化合物を含んでいる医薬組成物の適当な身体組織または空洞中への注入または輸注;(2)例えば式Iの固体化合物、その生理学的に受容し得る塩または溶媒和物の粒子がその中に分散しているか、または式Iの液体化合物、その生理学的に許容し得る塩または溶媒和物の多分球状物または分離されたセルがその中に捕捉されている生体適合性および生分解性材料のマトリックスを含む、その遅延、持続および/または制御放出送達のための固体インプラント組成物として役立つための、適当な固体形の前記化合物を含んでいる医薬組成物の適当な体組織または空洞中への滴下;(3)経皮送達のための適当な固体または液体形の前記化合物を含んでいる医薬組成物、例えば経皮パッチまたは表皮下(角皮下)インプラントのための、または経口送達のための医薬組成物の摂取または投与。
上で定義された式Iの化合物、その生理学的に受容可能な塩または溶媒和物の治療的有効量は、前記患者へ局所的に投与することもでき、該局所投与は以下を含む。(1)前記化合物の前記局所部位への遅延放出、制御放出、および/または持続放出を提供する成分を含んでいる、その送達のための、または前記組成物が前記化合物の貯蔵を提供し、そしてその後遅延、持続および/または制御放出を提供するその送達のためのデポとして役立つための適当な液体形の前記式Iの化合物、その生理学的に受容し得る塩または溶媒和物を含んでいる医薬組成物の局所部位への注入または輸注;(2)適当な固体形中に前記化合物を含んでいる、その送達のための固体インプラントとして役立つための医薬組成物の滴注であって、前記組成物は任意に前記局所部位へ前記化合物の遅延、持続および/または制御放出を提供する。
ここで述べられた投与剤形の相当な数が、投与剤形から徐放性、持続性、および/または遅延性の有効成分の放出を提供するために配合され得る。
本発明の特定の具体例においては、使用される製剤は標的化薬物送達のための製剤、例えば白血球細胞に対して、またはもっと詳しくは白血病細胞自体中またはそのまわりで上昇する、組織中の薬物の有効濃度を増大させる製剤である。そのような標的化薬物送達システムの例は、この分野で知られた接合体、リポソーム、ミセル、およびナノ粒子構造である。
全身投与において好ましい経口剤形は、固体、例えば、錠剤、カプセル等、口に合う経口組成物、および、例えば、溶液、懸濁液、乳濁液、等の液体である。
式Iの化合物、その生理学的に受容可能な塩または溶媒和物を含む医薬組成物の注射もまたなされ得る。ここで、医薬組成物は遅延性放出、徐放、または、持続性放出型である。これらの認められた組成物の製剤は、固体、半固体、ゲルまたは他の液体/固体の組み合わせであり得る。その中では、式Iの化合物、その生理学的に受容可能な塩または溶媒和物を、予め定められた速度で、またはもし所望されるなら、可変な速度で、式Iの化合物を連続的に放出するために可食性のマトリックスまたは一連の被覆が用いられる。「延長された放出」と「長期活性」という用語は、他の用語と同様、これらの製剤を記述するために用いられる。これらはすべて、マトリックス内に含まれる式Iの化合物、その生理学的に受容可能な塩または溶媒和物をゆっくりと、および/または均一に分配するために、生分解性高分子、例えば、様々なセルロース高分子、および天然物質、例えば、コーンスターチおよびステアリン酸マグネシウムの様々な組み合わせを利用する。
白血病の予防または処置のために治療的に効果のある式Iの化合物、その生理学的に受容可能な塩または溶媒和物の量は、1日あたり、患者の体重1キログラムあたりのミリグラム数で表される量:「mg/kg/day」によって、処置を受けている患者に投与される。ここで用いられる「1日あたり」という表現は、処置される患者に何らかの剤形を日々投与されることが必然的に要求されるように解釈されるべきではない。「1日あたり」という表現は、単に、投与される有効な化合物の投与量を測定する全体の一部として用いられる、もっとも小さい簡便であるが任意の時間の区分を示す。適用の経路や他の詳細に応じて、1日あたりの投与量は、規則的な間隔で継続的に投与される多数の下位投与量に分けられ得、または、持続性または徐放性のものを用いるときには、何日分かの投与量を1つのデポ投薬量に合わせられ得る。
その投与量、すなわち、白血病の予防または処置のために治療的に効果のある式Iの化合物、その生理学的に受容可能な塩または溶媒和物の量は、通常、約0.1mg/kg/dayから約20.0mg/kg/dayまで、好ましくは約0.1mg/kg/dayから約12.0mg/kg/dayまで、そして最も好ましくは、約0.5mg/kg/dayから約8.0mg/kg/dayまで変化する。それぞれの腫瘍タイプに特徴的なまたは個々の患者に見られる吸収、新陳代謝、および排泄の特殊性が考慮されなければならないだろう。
本発明に関連して、このような処置が必要な患者における白血病の予防または処置のための商業用途に適するパッケージも提供され得ることもまた予期される。パッケージは、適切な外側カートンおよびその内部に収納される取出し可能な内部容器を含み、前記容器には、上述したとおりの適切な剤形の式Iの化合物、その生理学的に受容可能な塩または溶媒和物が入れられ;そして前記カートンまたは容器に関しては、前記カートンまたは前記カートンに入れられる前記容器に、指示と情報についての印刷物が取り付けられ、または、前記カートンまたは容器と一体的に表示され、前記指示と情報についての印刷物には、その読者に、前記有効成分が白血病の状態にある患者に投与されると状態が回復し、減少し、処置を活発にし、逆転し、または予防し得ることを伝える言葉が書かれている。好ましい実施形態においては、上述のようにカートンと容器とを含むパッケージ、特に前記の指示と情報の印刷物は、患者の処置のための薬剤の販売と使用に関するすべての規制の要求を満たし得る。
本発明の用途と方法は、さらに、2つの基礎的な段階を含むことによって定義され得る:(I)当業者に知られた手段によって、白血病状態にある候補患者の現在または将来の状態を確立し、それによって前記患者がこのような処置を必要としていることを確認し;そしてその上で(II)前記患者に白血病の予防または処置のために治療上効果的な量の式Iの化合物、その生理学的に受容可能な塩または溶媒和物を投与することによって前記患者の状態を予防または処置する。ステップ(II)の様々な局面はすでに上述のように詳細に議論されている。したがってここでは、ステップ(I)の局面が詳細に議論される。
診断に関する限り、本発明に従って、処置の候補である患者の、その患者が現在または将来白血病の状態にあるか否かの状態を明確にしておくことは好都合である。ここで用いられる「現在または将来」という表現は、その決定をする方法について以下の議論に従って決定することを意味することを意図され、現在このような処置の必要があるか、またはありそうか、または近い将来そのような処置が必要になると予想されるか、候補患者を識別することが可能である。将来の処置の必要性は、当業者の経験から、直接的に白血病に関連する疾病の状態に導く、陽性因子の決定によって確立され得る。例えば、当業者は、患者の臨床的な試験から、白血病の状態にあることを確立し得、かつ、この結論を、さらなる証拠によって確認し得る。この証拠から、確立された測定手段に従って患者が近い将来、白血病を発展させることが決定され得る。ヒトの患者においては、突然変異誘発要因への職業的な曝露、家族性のFLT3−ITDsの発生等といった確立された危険因子もまた考慮され得る。
現在または将来的に前記白血病の状態にあり、従って、このような処置の必要がある前記患者の状態は、特に、例えば、形態学、組織化学および免疫学的方法によって、臨床的試験と候補患者の試料の評価から陽性であるという結果によって決定される。他の臨床的な発症の徴候と兆しは、候補患者の状態の、これらの直接的な試験から得られたものを含み得る。
本発明に従えば、「試料」とは、個人から得られえる、または、得られた、診断学上有益な情報を細胞、細胞成分、タンパク質または核酸の型に含む、何らかの生物学的材料を意味する。試料は、例えば組織試料、細胞試料、骨髄および/または、血液、唾液、精液のような体液を含む。好ましくは、試料は血液または骨髄であり、より好ましくは、試料は骨髄である。この分野の当業者は、どのようにして試料を得、核酸とタンパク質を試料から分離するのかということを認識している。このような試料を用いる診断方法は、通常、試験管内で行われる方法である。
通常、白血病の診断方法は、骨髄芽細胞および周囲の血液細胞の細胞形態学および細胞化学の解析を含む。もし要求される場合には、例えば、未分化のAMLを急性リンパ芽球性白血病とCLLから分離するために、免疫表現同定が使用される。選択的には、すべての事例を正しい区分に帰属するために、染色体解析に基づく遺伝子解析、その場ハイブリダイゼーションにおける蛍光、またはRT−PCRおよび免疫表現同定が行われる。
1976年に、フランス−米国−英国の共同グループによってFAB分類が提案された。FAB分類は、急性白血病を、血液および骨髄中の芽細胞(ALLについてはL1、L2またはL3、および、AMLについてはM1、M2、M3、M4、M5、M6またはM7)の外観形態に従って下位分類に分けるために、細胞形態学および細胞化学に基づくものであった。さらに、白血病性の芽細胞に発生する遺伝子異常は形態写真上に、予後はさらに大きな影響を及ぼすことが認められた。
これらの技術を単独でまたは組み合わせて用いる場合において、最初の段階は、血液学的悪性疾患を慢性骨髄性白血病(CML)、慢性リンパ性(CLL)、急性リンパ芽球性(ALL)、および急性骨髄性白血病(AML)に分けることが含まれる。
最後の3つの疾病対象では、予後に関連するいくつかの下位タイプが確立されている。従って、第2の段階は、白血病性芽細胞の遺伝的な異常性に基づいたさらなる下位分類によって従われ得る。この段階は、白血病性細胞の核型分析またはさらなる遺伝的解析の実行(遺伝子型同定)を含み得る。
診断的な目的のため、例えば、上で定義されたとおりの式Iの化合物、その生理学的に受容可能な塩または溶媒和物またはこれを含む成分に対する白血病性腫瘍の感度を決定するために、試験管内での試験が行われることは役立つということもまた見出されるであろう。例えば、適切な試料が、様々な濃度の本発明の化合物および/または組成物にさらされ、反応がアッセイされる。試験管内で、アポトーシスは当業者が精通している多数の方法によって測定され得る。このようにして得られたデータは、使用される用途における投与量とルートを論理的に決定するための基礎として提供され得る。
当業者は、本発明に従った処置は、いずれかの適切な非薬理学的処置と組み合わせられ得ることを理解し得る。
sDHF125およびDHF150を用いて48時間培養したマウス 32D−FLT3−ITD細胞(AおよびB)またはFLT3−WT細胞(C)のサブG1フラクションのパーセンテージを示す図である。 (A)様々な濃度のDHF125およびDHF150を用いた培養における、およびFLT3−チロシンキナーゼ阻害剤PKC412を用いた培養におけるのいくつかのキナーゼ標的のウエスタンブロットの対照(DMSO)との比較;(B)2種類のATP濃度下における、様々な濃度のDHF125およびDHF150を用いた培養におけるのFLT3−キナーゼの活性の対照(DMSO)との比較;および(C)2種類のATP濃度下における、様々な濃度のDHF125およびDHF150を用いた培養におけるFLT3の免疫沈降反応(抗FLT3および抗P−Tyrを使用)の対照(DMSO)との比較を示す図である。 FLT3−ITD陽性細胞における、シタラビン(A)、またはダウノルビシン(B)との組み合わせにおけるDHF125およびDHF150の効果を示すチョウ−タラレイ−プロット(Chou―Talalay−Plot)を示す図である。 DHF125およびDHF150を用いて72時間培養したときの一次診断における一次AML芽細胞中のアポトーシス細胞のパーセンテージを示す図である。 FACS解析(PE―Cy5A値のベースライン上の自己蛍光)を用いた、一次AML芽細胞におけるDHF125およびDHF150の吸収を示す図である。 様々な濃度のDHF125およびDHF150を用いた培養における、非悪性骨髄細胞のコロニー形成の減少を示す図である。
本発明の用途、方法および構成をさらに証明するために、以下の段落では、前記方法を実施するときに使用され得る典型的な手順の特定の実施例を記載する。しかしながら、前記実施例は例示であって制限的なものではないと考慮されるべきである。本発明の範囲は、以上の実施の形態と実施例ではなく、特許請求の範囲によって示される。
32D白血病性細胞のみならず、一次のITD−陽性AML芽細胞を形質移入されたFLT3−ITDの増殖における、3−(インドリル)−および3−(アザインドリル)−4−フェニルマレイミド誘導体、3−(インドール−3−イル)−4−(3,4,5−トリメトキシフェニル)−1H−ピロ−ル−2,5−ジオン(DHF125とも表される)および3−(7−アザインドール−3−イル)4−(3,4,5−トリメトキシフェニル)−1H−ピロ−ル−2,5−ジオン(DHF150とも表される)、の効果が調べられた。
材料と方法
形質移入された細胞のDNA構造と発生
ヒトFLT3−ITD構造と、モロニーラット肉腫ウイルス(MoMSV)の5’末端反復配列(LTR)の制御下でpAL発現中にサブクローンされたベクターおよび核外遺伝子pMAM/BSDが、上述のように(Mizuki,M.,Schwable,J.,Steur,C.,Choudhary,C.,Agrawal,S.,Sargin,B.,Steffen,B.,Matsumura,I.,Kanakura,Y.,Bohmer,F.D.,Muller―Tidow,C.,Berdel,W.E.&Serve,H.(2003)骨髄性転写因子の抑制およびAML特性FLT突然変異によるSTAT反応遺伝子の誘起。Blood,101,3164−3173)用いられた。N676K点突然変異は、このFLT3−ITD構造中に誘起された(Medigenomix Martinsried、ドイツ)。ベクター構造は、ヌクレオチドシーケンスによって確認され、上述のようにマウス32D細胞中に形質移入された(Heidel,F.,Solem,F.k.,Breitenbuecher,F.,Lipka,D.B.,Kasper,S.,Thiede,M.h.,Brandts,C.,Serve,h.,Roesel,J.,Giles,F.,Feldman,E.,Ehninger,G.,Schiller,G.J.,Nimer,S.,Stone,R.M.,Wang,Y.,Kindler,T.,Cohen,P.S.,Huber,C.&Fischer,T.(2006)FLT3チロシンキナーゼ領域におけるAsn−676の突然変異による急性骨髄性白血病におけるキナーゼ阻害剤PKC412に対する臨床的耐性。Blood,107,293−300)。
マウスBaF3細胞は、FLT3−ITD構造を用いて形質移入され、MigRI発現ベクターにサブクローンされた。突然変異の誘発は、上述のように行われた(Kancha, R.k.,Grundler,R.,Peschel,C.&Duyster,J.(2007)ソラフェニブとスニチニブに対する感応性は様々な活性化および薬剤耐性FLT3−ITD突然変異の中で変化する。Exp Hematol,35,1522−1526)。
細胞は、20mMHepes(pH7.3)、50mMβ−メルカトエタノールおよび2mMのL−グルタミンを追加された10%FCSを用いたRPMI1640中で培養された。
タンパク質抽出調製とウエスタンブロット
2×10個の細胞が、様々な阻害剤濃度の下で、単独で、または組み合わせて、37℃で1時間、培養された。細胞可溶化液の調製は、既述のように行われた(Kindler,T.,Breitenbuecher,F.,Kasper,S.,Estey,E.,Giles,F.,Feldman,E.,Ehninger,G.,Schiller,G.,Klimek,V.,Nimer,S.D.,Gratwohl,A.,Choudhary,C.R.,Mueller―Tidow,C.,Serve,H.,Gschaidmeier,h.,Cohen,P.S.,Huber,C.&Fischer,T.(2005)急性骨髄性白血病(AML)の患者におけるFLT3の活性化ループ内の新規な活性突然変異(Y842C)の同定。Blood,105,335−340)。タンパク質可溶化液は、既述のように(Kindler,et al 2003)、SDSポリアクリルアミドゲル電気泳動(SDS−PAGE)に曝され、ニトロセルロース膜(Amersham,Freiburg,ドイツ)上にブロットされた:以下の抗体が用いられた:抗リン−FLT3、抗リン−STAT5(pTyR694/699)、抗リンAKT(pSeR473)、抗リンERK(pThR202/pTyR204)(all Cell Signaling Technology(商標),フランクフルト、ドイツ)、抗FLT3、抗AKTおよび抗STAT5(Santa Cruz、ハイデルベルク、ドイツ)、および抗β−アクチン(ICN)。濃度測定解析は、Gel−Pro Analyzer(登録商標)のプログラムを用いて行われた。
細胞分裂周期の解析によるアポトーシスアッセイ
形質移入されたマウス32D細胞(1×10細胞/穴)は、様々な濃度の阻害剤の10%FCSを追加された2mlのRPMI培地で、48時間、37℃で培養された。第一次ヒト細胞(2×10細胞/穴)は、72時間、37℃で培養された。培養後、細胞は氷冷PBSで洗浄され、ペレット状にされ、300μlのプロピジウム−ヨウ化物−緩衝液(0.1%のクエン酸ナトリウムと、0.1%のTriton X 100,Sigma中に50μg/ml PIを含む)と、4℃で30分間、混合された。細胞分裂周期の解析は既述のように(Nicoletti,I.,Migliorati,G.,Pagliacci,M.C.,Grignani,F.&Riccardi,C.(1991)プロピジウムヨウ化物染色およびフローサイトメトリによる胸腺細胞のアポトーシスの急速で簡単な測定方法。J Immunol methods,139,271−279)、FACS Canto(登録商標)フローサイトメータ(BD Biosciences、ハイデルベルク、ドイツ)を用いて行われた。
一次AML芽細胞と細胞培養物との分離
抗凝固剤としてヘパリンを有するBM−およびPB−試料は、AML患者または悪性の骨髄 湿潤が見られない臓器提供者から、地方倫理委員会によって許可された研究においてインフォームドコンセントの後、得られた。分子細胞は(MNC)はFicoll−Hypaque(Seromed,Berlin,ドイツ)の方法によって、密度勾配遠心分離によって直ちに分離された。免疫ブロット法のために分離されたMNCは、直接、または、20mMのHepes(pH7.3)、50mMのβ−メルカトエタノールおよび、様々な量のチロシンキナーゼ阻害剤(PKC412、DHF125、DHF150)を含む2mMのL−グルタミンが追加されたRPMI 1640における培養後に溶解された。細胞分裂周期解析のために、MNCは、上述のものにさらに10%のウシ胎児血清(FCS)を追加されたRPMI 1640培地に保持された。
コロニーのアッセイ
骨髄MNCは、上に示されたように分離された。骨髄試料は、完全寛解の患者からNHLまたはAML処置の後に、または、悪性骨髄湿潤の証拠がない患者から得られた。1×10個の細胞が1.1mlのMethocult(商標)(GF H4534)サイトカイン(StemCell Technologies、ヴァンクーバー、カナダ)による組み換え“Complete”メチルセルロース培地に載せられて、10日間、37℃で、2通り培養された。コロニー形成は10日目に計数された。
化学療法剤
化学療法剤のシタラビンおよびダウノルビシンは、蒸留水に溶解され、希釈された。組み合わせ処置に用いられるときには、等量のDMSOが加えられた。
薬物の組み合わせにおける相乗作用と拮抗作用との定量化
薬物の組み合わせにおける相乗作用および/または拮抗作用を定義するために、上述のように(Chou,T.C.(2006)薬物の組み合わせにおける相乗作用および拮抗作用の理論的基礎、実験的設計、および計算機シミュレーションの研究。Pharmacol Rev,58,621−681)、CompuSynTM software(Chou,TCおよびMartin,N;ComboSyn,Inc.Paramus,NJ,米国)を用いた。
実施例1:3−(インドリル)−および3−(アザインドリル)−4−フェニルマレイミド誘導体は、マウス32D−FLT3−ITD細胞においてアポトーシスを誘起する。
2種の3−(インドリル)−および3−(アザインドリル)−4−フェニルマレイミド誘導体(DHF125およびDHF150)を用いて48時間培養され、細胞分裂周期解析においてサブG1フラクションによって測定されたマウス32D−FLT3−ITD細胞におけるアポトーシスの誘導が評価された。図1に示されるように、DHF125(図1A)およびDHF150(図1B)を用いる処置は、統計学的に非常に有意な投与量依存的なサブG1フラクションの増加に結びついていた。いずれの化合物についても10μMまでは、FLT3−WT細胞において有意なアポトーシスの誘起が検出され得なかった(図1C)。このことは、この範囲では有意な毒性がないことを示唆している。
実施例2:3−(インドリル)−および3−(アザインドリル)−4−フェニルマレイミド3−(インドリル)−または3−(アザインドリル)−4−フェニルマレイミド誘導体はFLT3−キナーゼを抑制する。
ウエスタンブロットは下流側標的STAT5、ERKおよびAKTの脱リン酸化を確認する(図2A)。FLT3−キナーゼアッセイを用いて、FLT3−キナーゼのATP競合的抑制が立証され得た(図2B)。免疫沈降反応は、DHF125およびDHF150を用いた培養におけるFLT3の脱リン酸化を明らかにした(図2C)。
実施例3:3−(インドリル)−および3−(アザインドリル)−4−フェニルマレイミド誘導体は、FLT3−ITD陽性細胞において有効性を示し、化学療法との組み合わせにおいて相乗的である。
チョウ−タラレイ−プロット(Chou−Talalay−Plot)を用いて、DHF125およびDHF150の両化合物の、化学療法との組み合わせにおける相乗効果は、シタラビン(図3A)およびダウノルビシン(図3B)のどちらかを使って示され得る。
実施例4:3−(インドリル)−および3−(アザインドリル)−4−フェニルマレイミド誘導体は、一次AML芽細胞におけるアポトーシスを誘起する。
第一次の診断において、第一次のAML芽細胞は、3−(インドリル)−および3−(アザインドリル)−4−フェニルマレイミド誘導体の両方を用いて、72時間培養された。アポトーシスの誘起は、FACS解析のサブG1フラクションによって測定された。アポトーシス細胞のパーセンテージが、DHF125(図4A)およびDHF150(図4B)について示されている。どちらの化合物も、FLT3−ITD突然変異をかかえている一次AML芽細胞において、10−17%(DHF125)および17−28%(DHF150)のアポトーシスの誘起を示す。
実施例5:3−(インドリル)−および3−(アザインドリル)−4−フェニルマレイミド誘導体は、一次AML芽細胞によって吸収される。
3−(インドリル)−および3−(アザインドリル)−4−フェニルマレイミド誘導体、すなわち、DHF125およびDHF150のどちらも自己蛍光を示すので、一次AML芽細胞における吸収はFACS 解析によって評価され得る。5分以内に発生した吸収と細胞の蛍光は、洗浄後も、PE−Cy5A値のベースライン上に、200−400%の範囲内で24時間、検出可能であった。このことは、第一次の芽細胞における急速な吸収と長期間持続を示唆する。
実施例6:3−(インドリル)−および3−(アザインドリル)−4−フェニルマレイミド誘導体は、非悪性骨髄細胞のコロニー形成を抑制しない。
3−(インドリル)−および3−(アザインドリル)−4−フェニルマレイミド誘導体、すなわち、DHF125およびDHF150は、非悪性骨髄細胞のコロニー形成において、どちらも、5μMまで有意な減少を示さなかった。コロニー形成は、いずれかの化合物を10μM用いることによって、最小に減少された。このことは骨髄毒性効果を示唆している。
FLT3の遺伝子内縦列重複(ITD)突然変異は、約30%のAML患者の白血病性芽細胞に存在する。FLT3のITD−突然変異は、予後をより悪くし、予後および全生存期間を減少させる。従って、FLT3−チロシンキナーゼはAMLにおいて魅力的な薬物ターゲットであると考えられ、いくつかのFLT3−チロシンキナーゼ阻害剤(TKIs)は現在、臨床試験で試されている(例えば、CEP701、MLN518、ソラフェニブ、PKC412)。
ここに示されるように、2種の3−(インドリル)−と3−(アザインドリル)−4−フェニルマレイミド誘導体は、ATPにおいて競合的な方法でFLT3キナーゼを抑制する。さらに、DHF125とDHF150による、FLT3および下流ターゲットのSTAT5、ERKおよびAKTの脱リン酸化が観察された。
本発明の3−(インドリル)−と3−(アザインドリル)−4−フェニルマレイミド誘導体は、従って、FLT3−チロシンキナーゼ阻害剤として適切なものであると認められる。
ここで明らかになった、増殖する段階ではないはずのときに、強力な刺激によって強制的に増殖させられる細胞は一般的に、生命を助けるために、アポトーシスが他の効果によって阻止されない限り、アポトーシスを経るという全体像から、当業者は、アポトーシスは広く用いられる抑制的な機構であることを認識し得る。従って、生きている野生細胞における正常なアポトーシスの機能の回復は、“understand, repent and die honourably”という傾向を示すであろうことが予想される。特に、制御されない増殖がすでに生化学的なストレスに導いている場合ではそのとおりである。このようなストレスは、強力な前アポトーシス刺激として知られている。
ここに示されるように、2種の3−(インドリル)−と3−(アザインドリル)−4−フェニルマレイミド誘導体は、アポトーシスを誘起することによって、第一次ITD−陽性AML芽細胞のみならず32D白血病性細胞を形質移入されたFLT3−ITDを強力に抑制する。このことに基づいて、3−(インドリル)−および3−(アザインドリル)−4−フェニルマレイミド誘導体は、試験管内で、白血病細胞に対する抗増殖性効果を有する。
単一の治療法としてFLT3−チロシンキナーゼ阻害剤を使用することによって、著しい有効性に反して、第二次耐性の急速な発展を示し、寛解状態の継続時間が短いという問題が現れている。さらに、30%の患者が、現在のところ有効なFLT3−TKIsへの第一次耐性を示し得る。
ここに示されるように、2種の3−(インドリル)−と3−(アザインドリル)−4−フェニルマレイミド誘導体は、シタラビンまたはダウノルビシンと組み合わせて用いられるとき、FLT3−ITD陽性細胞において相乗効果を示す。このことに基づいて、3−(インドリル)−と3−(アザインドリル)−4−フェニルマレイミド誘導体を化学療法剤との組み合わせにおいて使用することは、単一の治療法としてのFLT3−チロシンキナーゼ阻害剤の使用において観察される限界を克服する魅力的な選択肢である。
従って、3−(インドリル)−、そして、3−(アザインドリル)−4−フェニルマレイミド誘導体、すなわちDHF125とDHF150と、式Iの類似の化合物、ここで定義されたとおりのこれらの生理学的に受容可能な塩または溶媒和物は、白血病の処置に有用であり、単一の治療法または他の化学療法剤と組み合わせて用いられる。

Claims (20)

  1. 式Iで表わされる3−(インドリル)−または3−(アザインドリル)−4−フェニルマレイミド誘導体、またはその生理学的に受容可能な塩、または式1の化合物もしくは式1の化合物の塩の溶媒和物の白血病の予防または処置のための用途:
    Figure 2011506288
    式中RはH、C−C−アルキル、フェニル−C−C−アルキル、または、フェニルであり、
    は2または3個のC−C−アルコキシ基で置換されたフェニル基であり、
    は、C−C−アルキル、C−C−アルコキシ、フェニル、OH、ハロゲン、NH、C−C−アルキルアミノ、ジ−C−C−アルキルアミノ、OとNとSとから独立して選択された1または2のヘテロ原子を含む5員環または6員環ヘテロアリール、または、OとNとSとから独立して選択された1または2のヘテロ原子を含む5員環または6員環複素環基、から独立して選択された、1または2の置換基を有することができるインドリルまたはアザインドリルである。
  2. 前記Rは、H、C−C−アルキル、フェニル−C−C−アルキル、または、フェニルであり、
    前記Rは、2または3個のC−C−アルコキシ基によって置換されたフェニル基であり、
    前記Rは、C−C−アルキル、C−C−アルコキシまたはフェニルから独立して選択された、1または2の置換基を有するインドリルまたはアザインドリルである、請求項1に記載の用途。
  3. 前記Rは、次の構造
    Figure 2011506288
    を有する基であり、
    、RおよびRのうちの2つの基は、C−C−アルコキシであり、R、RおよびRの第3の基は、HまたはC−C−アルコキシである、請求項1または請求項2に記載の用途。
  4. 前記RおよびRはC−C−アルコキシかつ前記RはHであり、または、前記R、RおよびRはC−C−アルコキシである、請求項3に記載の用途。
  5. 前記Rは次の式(a)〜(e)から選択され、
    Figure 2011506288
    Figure 2011506288
    Figure 2011506288
    Figure 2011506288
    Figure 2011506288
    はH、C−C−アルキルまたはフェニルであり、RはH、C−C−アルキルまたはフェニルであり、そして、RはH、C−C−アルキル、C−C−アルコキシ、OH、ハロゲン、NH、C−C−アルキルアミノ、ジ−C−C−アルキルアミノ、O、NおよびSから独立して選択される1または2のヘテロ原子を含む5または6員環のヘテロアリール、または、O、NおよびSから独立して選択される1または2のヘテロ原子を含む5または6員環の複素環基である、請求項1から請求項4までのいずれか1項に記載の用途。
  6. はH、C−C−アルキル、または、C−C−アルコキシである、請求項5に記載の用途。
  7. 、RおよびRはHである、請求項5または請求項6に記載の用途。
  8. はHである、請求項1から請求項7までのいずれか1項に記載の用途。
  9. 前記(a)〜(e)の基は、インドール基の3位を介してマレイミド基に接続している、請求項5から請求項8までのいずれか1項に記載の用途。
  10. 式Iaを有する請求項1に記載の用途:
    Figure 2011506288
    は請求項1において定義したとおりであり、R、RおよびRは請求項4から請求項7までのいずれか1項において定義したとおりであり、および、R、RおよびRは請求項5から請求項7までのいずれか1項において定義したとおりである。
  11. 式Ibを有する請求項1に記載の用途:
    Figure 2011506288
    は請求項1において定義したとおりであり、R、RおよびRは請求項4において定義したとおりであり、および、R、RおよびRは請求項5から請求項7までのいずれか1項において定義したとおりである。
  12. 式Iの誘導体である3−(インドリル)−または、3−(アザインドリル)−4−フェニルマレイミドは、3−(3−インドール−3−イル)−4−(3,4,5−トリメトキシフェニル)−1H−ピロール−2,5−ジオン、3−(7−アザインドール−3−イル)−4−(3,4,5−トリメトキシフェニル)−1H−ピロール−2,5−ジオン、生理学的に受容可能なこれらの塩、または、これらの化合物またはこれらの化合物の塩の溶媒和物である、請求項1に記載の用途。
  13. 前記白血病は、急性骨髄性白血病(AML)である、請求項1から請求項12までのいずれか1項に記載の用途。
  14. 前記白血病は、難治性白血病である、請求項1から請求項13までのいずれか1項に記載の用途。
  15. 前記白血病は、耐性白血病である、請求項1から請求項14までのいずれか1項に記載の用途。
  16. 前記白血病は、FLT3−ITD陽性白血病である、請求項1から請求項15までのいずれか1項に記載の用途。
  17. さらなる化学療法薬の投与をさらに備える、請求項1から請求項16までのいずれか1項に記載の用途。
  18. 前記化学療法薬は、シタラビン、エトポシド。ミトキサントロン、シクロフォスファミド、レチノイン酸、ダウノルビシン、ドキソルビシン、イダルビシンからなる群から選択される、請求項17に記載の用途。
  19. 請求項1から請求項12までのいずれか1項において定義される式Iの3−(インドリル)−または3−(アザインドリル)−4−フェニルマレイミド誘導体の白血病処置における用途。
  20. 請求項1から請求項12までのいずれか1項において定義される式Iの化合物の効果的な投与量を備える、白血病の処置が必要な患者における白血病の予防および/または処置方法。
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