JP2011505347A - Dna中のg−四重鎖領域と相互作用するナフタレンジイミド化合物 - Google Patents

Dna中のg−四重鎖領域と相互作用するナフタレンジイミド化合物 Download PDF

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Abstract

Figure 2011505347

本発明は、一般式(I)のナフタレンジイミドである新規化合物に関する。該化合物は、治療法において、特にがん治療において、使用される。
【選択図】なし

Description

本発明は、ナフタレンジイミド、より具体的には三置換ナフタレンジイミド及び四置換ナフタレンジイミドである新規化合物に関する。本発明は、該新規化合物を含む医薬組成物と、治療における、特にがん治療における、それらの使用にも関する。
テロメアは、染色体の末端を形成する非常に特殊なDNA−タンパク質構造である。細胞が生存し続けることができるためには、テロメアの完全性(integrity)が要求される。酵素テロメラーゼは、テロメアの長さを維持し、また、全てのがんの種類のおよそ90%において過剰発現するため、近年ではこの酵素は、がん治療薬における共通の標的となっている。テロメラーゼは、この酵素が接触することができないG−四重鎖構造を形成するようにテロメアDNAを誘導することにより、阻害され得る。
G−四重鎖は、幾つかの遺伝子のプロモーター領域にも存在し、転写機構を妨害することにより遺伝子発現を調節することができる。
ナフタレンイミド誘導体及びナフタレンジイミド誘導体(ND)は、二本鎖(DNA)と相互作用することが示されている[1]。二置換NDは、G−四重鎖リガンドとしてスクリーニングされているが、示す親和性は限定的である[2]。[2]では、該化合物の大部分の分子構造は、以下:
Figure 2011505347
(式中、Rは、(CHN(CH等のアミンである)の通りである。
[3]の研究者らは、抗がん剤としての幾つかのナフタルイミドの使用を記載している。ナフタルイミド窒素は、第三アミンを含む広範な基で置換される。しかし、ナフタレンジイミド化合物は合成されていない。
Hopkins, H et al, Journal of Solution Chemistry 1986, 15, 563-579 Sissi, C et al, Bioorg. Med. Chem. 2007, 15, 555-562 Brana et al, Curr. Med. Chem, Anti-Cancer Agents,2001、I、257-255
従来技術に鑑みて、改善された抗がん剤を提供する必要性が存在する。特に、改善したG−四重鎖結合能及び抗がん効果を有するさらなるナフタレンジイミド誘導体を提供する必要性が存在する。
上記に鑑みて、本発明の第1の態様では、一般式(I):
Figure 2011505347
(式中、R及びRは各々独立して、炭素数1〜20のアルキル、炭素数2〜20のアルケニル、炭素数7〜20のアルカリール、炭素数2〜10のアルキニル、炭素数7〜20のアラルキル、炭素数2〜20のヘテロアラルキル、炭素数3〜30のヘテロシクリルアルキル、炭素数3〜30のアルキルヘテロシクリル、炭素数3〜20のシクロアルキル、炭素数3〜20のヘテロシクリル、炭素数2〜20のヘテロアリール、炭素数5〜20のアリール、又は炭素数1〜10のアルコキシから導かれる二価の基であり、
RはH又はAであり、
〜Xは各々独立して、ハロ、OH、OR、COH、NH、NHR、NR、COOH、CONH、COOR、CONHR、CONR、SH、SR、COR又はシアノから選択され、
及びRは独立して、炭素数1〜6のアルキル、炭素数6〜20のアリール、炭素数7〜20のアラルキルから選択され、又はR及びRは該R及びRが結合している窒素原子と共に3員環〜8員環を形成し、該環は必要に応じて置換され、且つ必要に応じて他のヘテロ原子を含み、
及びAは各々独立して、NHRから選択され、
は、炭素数1〜20のアルキル、炭素数6〜20のアリール、炭素数7〜20のアルカリール、又は炭素数7〜20のアラルキルから導かれる二価の基であり、
基〜R基、A基及びA基のいずれかが、炭素数1〜20のアルキル、炭素数2〜20のアルケニル、炭素数7〜20のアルカリール、炭素数2〜10のアルキニル、炭素数7〜20のアラルキル、炭素数2〜20のヘテロアラルキル、炭素数3〜30のヘテロシクリルアルキル、炭素数3〜30のアルキルヘテロシクリル、炭素数3〜20のシクロアルキル、炭素数3〜20のヘテロシクリル、炭素数2〜20のヘテロアリール、炭素数5〜20のアリール、又は炭素数1〜10のアルコキシ、ハロ、OH、OR、COH、NH、NHR、NR、COOH、CONH、COOR、CONHR、CONR、SH、SR、COR、又はシアノで置換されていてもよい)の化合物、又は薬学的に許容可能なその塩若しくはプロドラッグが提供される。
本発明の第2の態様では、一般式(I)の化合物、又は薬学的に許容可能なその塩若しくはプロドラッグを含む医薬組成物も提供される。
本発明の第3の態様は、治療における使用のための、一般式(I)の化合物、又は一般式(I)の塩、溶媒和物若しくはプロドラッグを提供する。
本発明の最後の態様は、がんの予防又は治療のための薬物の製造における、一般式(I)の化合物、又はその塩、溶媒和物若しくはプロドラッグ、又は上で規定される医薬組成物の使用を提供する。
置換ナフタレンジイミドの色素としての使用は既知である。この化合物は、高度に共役した構造を有し、このことが該化合物を優れた蛍光着色剤たらしめている。例えば、[4]は、アリール環上で、及びイミド基の窒素原子上で置換され得る化合物を開示している。しかしこの文献中の化合物は、イミド窒素に結合している単純なアルキル鎖又はアリール鎖を有しており、本発明のX〜Xに相当する基を有していない。同様に、[5]は、環上で置換され得るナフタレン1,4,5,8−テトラカルボキシル(tetracarboxylic)ビスイミドを開示している(以下:
Figure 2011505347
の構造上の置換基X及び置換基Yを参照されたい)。
これらの化合物では、X又はYのいずれも、水素ではあり得ない。本発明によるA基及びA基を有する化合物の具体例は存在しない。[5]における化合物は、蛍光色素及びレーザー色素として使用される。
本発明の化合物は、DNA中のG−四重鎖領域を、従来技術の抗がん剤よりも大幅に安定化することができることが示されている。
この化合物は、既に試験されて文献に報告されている二置換ナフタレンジイミドと比較して、二本鎖DNAよりもG−四重鎖に対してより良好な選択性を有することも示されている。したがって本発明の新規化合物は、抗がん薬として大きな可能性を有する。
本発明の第1の態様による、一般式(I)の化合物は、三置換型又は四置換型のいずれかであり得る。したがって該化合物が三置換型である場合、Rは水素である。しかし、四重鎖DNAに対してより大きな安定化効果を有することが見出されていることから、RがAである四置換化合物が好ましい。
、A、R及びAにより表される基は、同じであっても異なっていてもよい。本発明の好ましい1つの実施の形態では、RはRと同じである。同様に、AはAと同じであることが好ましい。
〜Xのいずれかが、ハロであり得る。ハロは、フルオロ、クロロ、ブロモ又はヨード等のハロゲン基を意味する。好ましくはハロは、クロロ又はブロモである。
基〜X基がイオン性の基を含んでいることが好ましい。したがって、X〜Xに関して特に好ましい基は、NH、NR、OH、OR及びNHRである。特に、生理学的pHでプロトン化する基(例えば、第一アミン、第二アミン又は第三アミン)が好ましい。典型的には、X基〜X基の少なくとも1つが、第三アミン、例えばジメチルアミン又はジエチルアミンである。
1つの実施の形態では、X〜Xのいずれか又は全てがNRであり、R及びRが、それらが結合している窒素と共に5員環〜8員環、典型的には5員環又は6員環を形成する。該環は、炭素(及び窒素)原子以外の原子を含有していてもよく、例えば、酸素原子を含有していてもよい。好ましくは環NRは、ピロリジン、ピペリジン又はモルホリンである。
基及びR基に関しては、これらは好ましくは、X基及びX基とナフタレンジイミドコアとの間隔を開けるように働くリンカーである。典型的には、R及びRは各々独立して、炭素数1〜20のアルキル、好ましくは炭素数2〜4のアルキルから選択される二価の基(C−HからのHの除去により生成する)である。
及びAは、ナフタレンジイミドコアとX基及びX基とを連結する基である。概して、これらのA基及びA基は一般式NHRを有し、ここでRは炭素数1〜10のアルキル、好ましくは炭素数2〜4のアルキルから導かれる二価の基である。
本発明の好ましい1つの実施の形態では、A及びAの少なくとも一方が構造:
Figure 2011505347
(式中、nは1〜10、好ましくは1〜4であり、pは2〜6である)を有する。
好ましくは、Rが存在する場合には、RはR及びRと同一である。したがって本発明の化合物の特に好ましい基は、一般式:
Figure 2011505347
(式中、各々のnは独立して1〜10、好ましくは1〜4である)を有する。
特に好ましい化合物は、以下:
Figure 2011505347
Figure 2011505347
の通りである。
本発明は、がんの予防又は治療のための薬物の製造における、実質的に本明細書で前述したような、式(I)の化合物、又はその塩、溶媒和物若しくはプロドラッグの使用も提供する。
本発明の化合物は、薬学的に許容可能な塩の形態で存在し得る。酸性又は塩基性の本発明の化合物の薬学的に許容可能な塩は、言うまでもなく、従来の手法により、例えば遊離の塩基又は酸と少なくとも化学量論量の所望の塩を形成する酸又は塩基とを反応させることにより、製造することができる。
酸性の本発明の化合物の薬学的に許容可能な塩としては、無機カチオン(例えば、ナトリウム、カリウム、カルシウム、マグネシウム、亜鉛及びアンモニウム)との塩と、有機塩基との塩とが挙げられる。好適な有機塩基としては、N−メチル−D−グルカミン、アルギニン、ベンザチン、ジオラミン、オラミン、プロカイン及びトロメタミンが挙げられる。
塩基性の本発明の化合物の薬学的に許容可能な塩としては、有機酸又は無機酸から導かれる塩が挙げられる。好適なアニオンとしては、アセテート、アジペート、ベシレート(besylate)、ブロマイド、カンシレート、クロライド、シトレート、エジシレート、エストレート、フマレート、グルセプテート、グルコネート、グルクロネート、ヒップレート、ヒクレート(hyclate)、ヒドロブロマイド、ヒドロクロライド、ヨーダイド、イセチオネート、ラクテート、ラクトビオネート、マレエート、メシレート、メチルブロマイド、メチルスルフェート、ナプシレート、ニトレート、オレエート、パモエート、ホスフェート、ポリガラクツロネート、ステアレート、スクシネート、スルフェート、スルホサリチレート、タンネート(tannate)、タートレート、テレフタレート、トシレート及びトリエチオダイドが挙げられる。化合物(I)の塩酸塩が特に好ましい。
一般式(I)の化合物は、プロドラッグ、すなわちヒト又は動物の身体における適当な標的位置で活性な薬剤へと変換される化合物であり得る。例えば、X基〜X基のいずれか又は全てがアミン、NRである場合には、該アミンが酸化してN−オキシド、N(−O)Rを形成することができ、該オキシドはプロドラッグであり低酸素組織中で生体内還元され(bioreduced)得る。
薬理学的に活性な本発明の化合物のプロドラッグ形態は、エステル化又はアミド化した酸基を有する式(I)による化合物であり得る。かかるエステル化した酸基には、−C(O)ORの形態の基が含まれる(式中、Rは、炭素数1〜6のアルキル、フェニル、置換フェニル、ベンジル、置換ベンジル、又は以下:
Figure 2011505347
のうちの1つである)。
アミド化した酸基は式−CONRの基を含む(式中、Rは、H、炭素数1〜5のアルキル、フェニル、置換フェニル、ベンジル、又は置換ベンジルであり、Rは、−OH、又はRに関して直前に記載した基の1つである)。
アミノ基を有する式(I)の化合物は、ケトン又はアルデヒド(例えばホルムアルデヒド)を用いて誘導体化し、マンニッヒ塩基を形成することができる。これは、水溶液中で一次速度式に従い加水分解する。
本発明の化合物を、経口経路又は非経口経路(静脈内投与、筋肉内投与、腹腔内投与、皮下投与、直腸投与及び局所投与並びに吸入が挙げられる)により、それを必要とする患者に投与することができると考えられる。
経口投与に関しては、本発明の化合物は、概して、錠剤若しくはカプセルの形態で、又は水溶液若しくは懸濁液として、提供される。
経口使用のための錠剤としては、薬学的に許容可能な添加物(例えば、不活性希釈剤、崩壊剤、結合剤、滑沢剤、甘味料、香料、着色料及び保存料)と混合した活性成分を挙げることができる。好適な不活性希釈剤としては、炭酸ナトリウム及び炭酸カルシウム、リン酸ナトリウム及びリン酸カルシウム、並びにラクトースが挙げられる。コーンスターチ及びアルギン酸は、好適な崩壊剤である。結合剤としては、デンプン及びゼラチンを挙げることができる。滑沢剤が存在する場合には、滑剤は概してステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸又はタルクである。必要に応じて、モノステアリン酸グリセリル又はジステアリン酸グリセリル等の物質で錠剤をコーティングし、胃腸管での吸収を遅延させることができる。
経口使用のためのカプセルとしては、活性成分が固体希釈剤と混合されている硬ゼラチンカプセルと、活性成分が水又は油(ピーナッツ油、液体パラフィン又はオリーブ油等)と混合されている軟ゼラチンカプセルとが挙げられる。
筋肉内使用、腹腔内使用、皮下使用及び静脈内使用に関しては、本発明の化合物は概して、適当なpH及び等張性に緩衝した無菌水溶液又は懸濁液中で提供される。好適な水性ビヒクルとしては、リンゲル液及び等張食塩水が挙げられる。本発明による水性懸濁液としては、セルロース誘導体、アルギン酸ナトリウム、ポリビニルピロリドン及びトラガカント・ゴム等の懸濁化剤と、レシチン等の湿潤剤とを挙げることができる。水性懸濁液用の好適な保存料としては、p−ヒドロキシ安息香酸エチル及びp−ヒドロキシ安息香酸n−プロピルが挙げられる。
本発明の化合物は、疾患の治療において、使用することができる。疾患は、哺乳動物における、循環器疾患、末梢神経系及び中枢神経系の障害、炎症、泌尿器疾患、発達障害、がん、代謝疾患、ウイルス性疾患、細菌性疾患及び内分泌疾患、並びに胃腸系(gastroenterology system)の障害から成る群から選択され得る。
特に、疾患は、副甲状腺腺腫、副甲状腺肥大症、副甲状腺癌、扁平上皮癌、腎癌、乳癌、前立腺癌、肺癌、骨肉腫、腎明細胞癌、前立腺がん、肺がん、乳房がん、胃がん、卵巣がん、膀胱がん、白血病、黒色腫、リンパ腫又は膠腫であり得る。典型的には本発明の化合物は、胃がんを治療するために使用される。
治療においては、治療的に有効な量の、一般式(I)の化合物、又はその塩、溶媒和物若しくはプロドラッグ(producing)を、それを必要とする患者に投与する。
本発明の新規化合物への合成経路は、[4]で説明されている合成に基づく。「側鎖」は、R基、R基、A基及びA基を意味する。概して、化合物は、1つ又は2つの工程で、主要中間体である、2,6−ジブロモ−1,4,5,8−ナフタレンテトラカルボン酸二無水物[A]又は2,6−ジクロロ−1,4,5,8−ナフタレンテトラカルボン酸二無水物[B]から合成される。以下:
Figure 2011505347
のスキーム1を参照されたい。
4つの同一側鎖を含有する四置換類似体を、無希釈の(neat)アミンを溶媒として使用して、(例えばマイクロ波で)およそ10分間150℃で加熱して、A又はBのいずれかから合成することができる。より経済的なジブロモ化合物Aを、出発物質として優先的に使用する。三置換(及び時には、二置換)類似体が、典型的には、Aを使用する反応における副生成物(subproducts)として得られる。これらの副生成物の発生は、先の合成工程で使用される微量のDBI(ジブロモイソシアヌル酸)により引き起こされる、出発物質又は中間体のラジカル脱臭素化に起因すると考えられる。
化合物Bは、好ましくは、異なる側鎖を有する化合物の合成のために使用する。この2工程合成に関しては、化合物Bを、酢酸中の第1のアミンで、その後塩素基を置換する第2のアミンで、処理することができる。
本発明を、ここで、以下の実施例と、添付した図面とにより例示する。
化合物8及び化合物9への合成経路を示す図である。 化合物12〜化合物31への合成経路を示す図である。 化合物32及び化合物33への合成経路を示す図である。 競合FRETの結果を示す図である。 蛍光共焦点顕微鏡法での細胞取込みの検出結果を示す図である:(1)0.5μMでの30分の曝露後の、MCF7細胞の核内に局在する化合物24の透過/蛍光合成画像;(2)化合物30の非特異的且つ低い取込み(50μM、30分後);(3)化合物12の核小体内の局在(0.5μM、30分後)。
実験
実施例1
共通の方法
試薬、溶媒及び化学薬品は、Sigma-Aldrich、Alfa Aesar、Lancaster Synthesis、GOSS又はAvocado Organicsから購入し、供給を受けたものをさらなる精製を行わずそのまま使用した。全ての有機溶媒が、無水物であった。Personal Chemistry製のInitiator microwaveを用いて、マイクロ波照射を行った。可能な場合にはLC/MSを使用して、反応をモニタリングした(以下で説明する)。「通常の方法での有機溶液の処理(Work-up)」とは、硫酸マグネシウムでの段階的乾燥と、濾過と、その後の真空中での濾液の蒸発とを表す。
HPLC分析及び精製は、322PUMP、UV/VIS−155検出器(分取用)又はAgilentの1100SERIES検出器(分析用)を組み合わせたGilsonのシステムを使用して行った。分析カラムは、C18 5μ(100×4.6mm)(41622271(W)、YMC、日本)とした。分取カラムは、C18 5μ(100×20mm)(201022272(W)、YMC、日本)とした。流速は、分析に関しては1ml/分、分取に関しては10ml/分とした。2つの分析方法を使用した:方法A(水性溶媒:0.1%ギ酸水溶液;有機溶媒:0.1%ギ酸アセトニトリル溶液;グラジエント:インジェクション後5分間は水性溶媒100%、17.5分かけて徐々に水性溶媒75%まで低下、3分かけて徐々に水性溶媒40%まで低下)及び方法B(水性溶媒:0.1%ギ酸水溶液;有機溶媒:0.1%ギ酸メタノール溶液;グラジエント:インジェクション後5分間は水性溶媒100%、17.5分かけて徐々に水性溶媒75%まで低下、3分かけて徐々に水性溶媒40%まで低下)。分取HPLCを、方法C(水性溶媒:0.1%ギ酸水溶液;有機溶媒:0.1%ギ酸アセトニトリル溶液;グラジエント:インジェクション後5分間は水性溶媒10%、25分かけて徐々に水性溶媒60%まで上昇、10分かけて徐々に水性溶媒40%まで低下)を使用して、行った。アンモニアによる画分の塩基性化と、その後のクロロホルム抽出、及び通常の方法での処理とにより化合物の単離を達成した。
融点(mp)を、Stuart ScientificのSMP1融点記録装置で記録した(補正は行っていない)。「mp d250」(例えば)は、250℃で観察される分解を表す。NMRスペクトルを、Brukerの分光計により、残留溶媒ピークを内部標準として使用して、CDCl、MeOD又はDMSO−d中において、400MHz(H NMR)及び100MHz(13C NMR)で記録した。結合定数J値は、s(一重線)、br s(ブロードな一重線)、d(二重線)、t(三重線)、dd(二重線の二重線)、td(二重線の三重線(triple of doublets))、tt(三重線の三重線)、4q(四重線)、5q(五重線)及びm(多重線)と指定して、ヘルツ(Hz)で表す。H NMRデータに関しては2D NMR(COSY)を、13C NMRデータに関しては13C DEPTを使用して、シグナルの割り当てを行った。高分解能質量スペクトル(HRMS)及び元素分析(CHN)サービスは、The School of Pharmacyから提供を受けた。HRMSは、エレクトロスプレーイオン化(ESI)モード又はマトリクス支援レーザー脱離/イオン化(MALDI)モードで運転するMicromass製のQ−TTOF Ultima Globalタンデム質量分析計により、行った。CHNは、Carlo Erba製のCHN1108元素分析計により、行った。LC/MSは、2695分離モジュール、Micromass製のZQ分光計及び2996フォトダイオードアレイ検出器を組み合わせたWaters製のシステムを使用して行った(移動相:50:50(0.1%ギ酸水溶液):(0.1%ギ酸アセトニトリル溶液);ランタイム:3分 アイソクラティック;モード:エレクトロスプレー陽性(ES+);MS運転条件:3分 ランタイム;コーン:25。オフセット:1;スキマー:1.5;RFレンズ:0.1;熱源:150(摂氏度);ガス:400 l/時間)。
合成方法
1,3,4,5,6,8,9,10−オクタクロロ−4,5,9,10−テトラヒドロピレン(2)
Figure 2011505347
ピレン(25g、124mmol)及びI(0.75g、2.95mmol)を、メカニカルスターラーを備えた500ml容三口フラスコにおいて、1,2,4−トリクロロベンゼン(250ml)中に溶解した。広口ガラス製カニューレを介して、塩素ガスを最低流量で該溶液に泡立てて通入した。室温での45分後、温度を50℃に上昇させ、さらに45分後110℃に上昇させた。混合物を4時間撹拌した後、加熱及び塩素流を停止した。混合物を、室温で、その後氷浴中で、放置して冷却した。混合物中の固体を濾過し、トルエン(2×50ml)で洗浄し、真空下で乾燥した。生成物の第1のクロップ(6.93g)を、淡緑色粉末として得た。濾液を室温で48時間放置した。形成した固体を濾過し、トルエン(2×50ml)で洗浄し、乾燥して、所望の生成物の第2のクロップを得た(5.28g)。2の全収率(12.21g、25.3mmol、20.4%):mp 295℃〜298°C;H NMR(CDCl)δ:5.81(s,4H)、7.66(s,2H);13C NMR(CDCl)δ:52.91(4×CH)、128.06(2×C)、128.65(4×C)、131.80(2×CH)、136.56(4×C);CHN:calcd C 39.88%、H 1.26%;found C 39.69%、H 1.08%;HRMS(ESI+)calcd C1618[M+H] 478.8056。Found:478.8672。
1,3,4,6,8,9−ヘキサクロロピレン(3)及び1,3,5,7,8,10−ヘキサクロロ(chlro)ピレン(4)位置異性体
Figure 2011505347
メカニカルスターラーを備えた三口フラスコにおけるエタノール(85ml)中の2(10.65g、22.1mmol)の懸濁液に、KOH(7.69g、137mmol)をゆっくりと添加した。混合物を、その後還流下で5時間加熱した。その後混合物を放置して冷却し温かい状態のまま(50℃)濾過した。得られた固体を、沸騰水(2×20ml)及びエタノール(20ml)で洗浄した。淡黄色固体を、空気流下で乾燥した。異性体混合物としての3及び4の合計収率(8.67g、21.2mmol、96%):mp>350℃;CHN:calcd C 47.00%、H 0.99%;found C 46.78%、H 0.79%;HRMS(MALDI)calcd C16Cl[M] 407.8415。Found:407.7534。
2,5,7,10−テトラクロロピレン−3,8−キノン(5)
Figure 2011505347
−5℃浴中の温度計を備えた二口フラスコに、発煙HNO(12.7ml)を添加した。異性体3及び4の混合物(4.33g、10.6mmol)を、十分に撹拌し温度を5℃未満に維持しながら、30分かけて少しずつ添加した。添加完了後、混合物をさらに15分間0℃で撹拌した後、濾過して、暗橙色固体を得て、酢酸(5×10ml)及び水(2×10ml)で洗浄した。生成物を、昇華(1mbar〜2mbar、250℃)により精製して、橙色固体を得た。5の収率(0.74g、2.0mmol、18.9%):mp 315℃〜320°C;H NMR(CDCl)δ:7.06(s,2H)、8.46(s,2H);13C NMR(CDCl)δ:125.29(2×C)、127.45(2×C)、131.07(2×C)、131.27(2×CH)、133.80(2×CH)、139.35(2×C)、144.36(2×C)、176.96(2×C=O);CHN:calcd C 51.94%、H 1.09%;found C 51.49%、H 0.39%。
2,6−ジクロロ−1,4,5,8−ナフタレンテトラカルボン酸二無水物(6)
Figure 2011505347
冷却器及び温度計を備えた二口フラスコにおいて、化合物5(500mg、1.35mmol)を濃硫酸(7ml)に溶解した。フラスコを100℃で加熱し、温度をおよそ120℃に維持して、発煙硝酸(0.775ml)を滴下した。その後、混合物を70℃に冷却し、氷上に注いだ(50ml)。形成した黄色固体を、濾過し、冷却した酢酸(5ml)で洗浄した。酢酸からの結晶化により生成物を精製した。6の収率(157mg、0.47mmol、34.5%):mp>350°C;H NMR(DMSO−d)δ:8.69(s,2H);13C NMR(DMSO−d)δ:121.47(2×C)、124.79(2×C)、128.86(2×C)、134.58(2×CH)、138.27(2×C)、159.90(2×C=O)、165.46(2×C=O);CHN:calcd C 49.89%、H 0.60%;found C 49.46%、H 0.38%。
N,N’−ビス(3−(ジメチルアミノ)プロピルアミノ)−2,6−ジクロロ−1,4,5,8−ナフタレンテトラカルボン酸ジイミド(7)
Figure 2011505347
化合物6(50mg、0.150mmol)を、マイクロ波反応容器において、氷酢酸(1.5ml)中での超音波処理により懸濁した。N,N−ジメチル−1,3−プロパンジアミン(180μL、1.5mmol、10eq)を、攪拌中の混合物に滴下した。反応チューブを封止し、マイクロ波で120℃で10分間処理した。その後溶液を、2M炭酸ナトリウム水溶液で塩基性化し、クロロホルム(3×5ml)で抽出した。有機物を通常の方法で処理して、赤色固体を得た。7の収率(61mg、0.121mmol、80.5%):H NMR(CDCl)δ:1.91(5q,4H,J=7.4Hz)、2.22(s,12H)、2.44(t,4H,J=7.0Hz)、4.25(t,4H,J=7.5Hz)、8.76(s,2H);13C NMR(CDCl)δ:25.54(2×CH)、39.74(2×CH)、45.18(4×CH)、57.07(2×CH)、122.32(2×C)、125.94(2×C)、127.08(2×C)、135.82(2×CH)、140.02(2×C)、160.50(2×C=O)、160.89(2×C=O);HRMS(ES+) calcd C242612[M+H] 506.4016。Found:506.4006。
N,N’−ビス(3−(ジメチルアミノ)プロピルアミノ)−2,6−ビス(2−(ピペリジン−1−イル)エチルアミノ)−1,4,5,8−ナフタレンテトラカルボン酸ジイミド(8)
Figure 2011505347
化合物7(45mg、0.089mmol)を、マイクロ波反応容器において、1−(2−アミノエチル)ピペリジン(0.5ml)中で懸濁した。チューブを窒素でフラッシュし、封止し、マイクロ波で150℃で10分間処理した。その後、アミンを高真空下で留去した。粗混合物をHPLCにより精製して、青色固体として8を得た。8の収率(6.62mg、0.0096mmol、10.8%):H NMR(CDCl)δ:1.47(m,4H)、1.64(m,8H)、1.90(5q,4H,J=7.3Hz)、2.26(s,12H)、2.43(t,4H,J=7.3Hz)、2.51(m,8H)、2.73(t,4H,J=6.5Hz)、3.58(m,4H)、4.22(t,4H,J=7.5Hz)、8.07(s,2H)、9.50(t,2H,J=4.9Hz);13C NMR(CDCl)δ:24.44(2×CH)、26.06(4×CH,2×CH)、38.66(2×CH)、40.49(2×CH)、45.34(4×CH)、54.57(4×CH)、57.29(2×CH)、57.38(2×CH)、101.97(2×C)、118.38(2×CH)、121.07(2×C)、125.62(2×C)、148.90(2×C)、163.05(2×C=O)、165.79(2×C=O);HRMS(ES+) calcd C3856[M+2H]2+ 345.2285。Found:345.2293。
N,N’−ビス(3−(ジメチルアミノ)プロピルアミノ)−2,6−ビス(3−ヒドロキシプロピルアミノ)−1,4,5,8−ナフタレンテトラカルボン酸ジイミド(9)
Figure 2011505347
化合物7(45mg、0.089mmol)を、マイクロ波反応容器において3−アミノ−プロパノール(0.5ml)中に懸濁した。チューブを窒素でフラッシュし、封止し、マイクロ波で150℃で10分間処理した。その後混合物を水(25ml)で希釈し、2M炭酸ナトリウムで塩基性化し、クロロホルム(5×5ml)で抽出した。有機物を通常の方法で処理して、青色固体を得た。粗生成物をHPLCにより精製して、青色固体として9を得た。9の収率(4.13mg、0.0071mmol、7.9%):H NMR(MeOD)δ:1.98〜2.07(m,8H)、2.61(s,12H)、2.84(m,4H)、3.53(t,4H,J=6.9Hz)、3.84(t,4H,J=6.0Hz)、4.09(t,4H,J=7.1Hz)、7.68(s,2H);13C NMR(MeOD)δ:25.98(2×CH)、33.15(2×CH)、39.15(2×CH)、41.29(2×CH)、44.71(4×CH)、57.66(2×CH)、60.63(2×CH)、102.06(2×C)、118.41(2×CH)、121.52(2×C)、126.06(2×C)、146.49(2×C)、163.80(2×C=O)、166.72(2×C=O);HRMS(ES+) calcd C3042[M+H] 583.3239。Found:583.3260。
2,6−ジブロモ−1,4,5,8−ナフタレンテトラカルボン酸二無水物(11)
Figure 2011505347
ナフタレン二無水物(1g、3.72mmol)を、発煙硫酸(20% SO)(38ml)中に溶解した。これに、ジブロモイソシアヌル酸(1.07g、3.72mmol)の発煙硫酸溶液(18.5ml)を4時間かけて滴下した。混合物をさらに1時間撹拌した後、氷上に注いだ(500ml)。形成した黄色固体を濾過し、0.5M HCl水溶液(2×10ml)で洗浄し、真空下で乾燥した。11の収率(1.30g、3.05mmol、82%):mp>350℃;CHN:calcd C 39.48%、H 0.47%;found C 39.50%、H 0.47%。
N,N’−ビス(3−(ジメチルアミノ)プロピルアミノ)−2,6−ビス(3−(ジメチルアミノ)プロピルアミノ)−1,4,5,8−ナフタレンテトラカルボン酸ジイミド(12)及びN,N’−ビス(3−(ジメチルアミノ)プロピルアミノ)−2−(3−(ジメチルアミノ)プロピルアミノ)−1,4,5,8−ナフタレンテトラカルボン酸ジイミド(13)
Figure 2011505347
化合物11(100mg、0.234mmol)を、マイクロ波反応容器において、N,N−ジメチル−1,3−プロパンジアミン(0.5ml)中に懸濁した。チューブを窒素でフラッシュし、封止し、マイクロ波で150℃で10分間処理した。その後、アミンを高真空下で留去した。粗混合物をHPLCにより精製して、それぞれ青色固体及び橙色固体として、12及び13を得た。12の収率(23.1mg、0.036mmol、15.5%)、13の収率(12.6mg、0.024mmol、10.0%)。12:H NMR(CDCl)δ:1.90(5q,4H,J=7.4Hz)、1.94(5q,4H,J=7.0Hz)、2.26(s,12H)、2.27(s,12H)、2.44(m,8H)、3.57(m,4H)、4.22(m,4H)、8.16(s,2H)、9.41(t,2H,J=5.1Hz);13C NMR(CDCl)δ:26.10(2×CH)、27.51(2×CH)、38.71(2×CH)、41.25(2×CH)、45.41(4×CH)、45.52(4×CH)、56.99(2×CH)、57.32(2×CH)、101.93(2×C)、118.37(2×CH)、121.17(2×C)、125.79(2×C)、149.19(2×C)、163.05(2×C=O)、166.12(2×C=O);HRMS(ES+) calcd C3452[M+H] 637.4190。Found:637.4199。13:H NMR(CDCl)δ:1.90(5q,2H,J=7.2Hz)、1.91(5q,2H,J=7.5Hz)、1.96(5q,2H,J=6.9Hz)、2.24(s,6H)、2.26(s,6H)、2.27(s,6H)、2.41〜2.47(m,6H)、3.67(m,2H)、4.23(m,4H)、8.27(s,1H)、8.32(d,1H,J=7.8Hz)、8.63(d,1H,J=7.8Hz)、10.21(t,1H,J=5.5Hz);13C NMR(CDCl)δ:26.00(CH)、26.08(CH)、27.48(CH)、38.68(CH)、39.25(CH)、41.32(CH)、45.36(2×CH)、45.41(2×CH)、45.48(2×CH)、56.65(CH)、57.22(CH)、57.31(CH)、99.88(C)、119.42(C)、119.97(CH)、123.56(C)、124.36(CH)、126.18(C)、127.93(C)、129.57(C)、131.22(CH)、152.44(C)、162.99(C=O)、163.05(C=O)、163.39(C=O)、166.12(C=O);HRMS(ES+) calcd C2940[M+H] 537.3189。Found:537.3217。
N,N’−ビス(2−(ジメチルアミノ)エチルアミノ)−2,6−ビス(2−(ジメチルアミノ)エチルアミノ)−1,4,5,8−ナフタレンテトラカルボン酸ジイミド(14)及びN,N’−ビス(3−(ジメチルアミノ)エチルアミノ)−2−(3−(ジメチルアミノ)エチルアミノ)−1,4,5,8−ナフタレンテトラカルボン酸ジイミド(15)
Figure 2011505347
化合物11(100mg、0.234mmol)を、マイクロ波反応容器において、N,N−ジメチル−1,2−エタンジアミン(0.6ml)中に懸濁した。チューブを窒素でフラッシュし、封止し、マイクロ波で150℃で10分間処理した。アミンをその後高真空下で留去した。粗混合物をHPLCにより精製して、それぞれ青色固体及び橙色固体として、14及び15を得た。14の収率(12.4mg、0.021mmol、9.1%)、15の収率(11.8mg、0.024mmol、10.2%)。14:H NMR(CDCl)δ:2.36(s,12H)、2.37(s,12H)、2.63(t,4H,J=7.1Hz)、2.71(t,4H,J=6.3Hz)、3.56(m,4H)、4.31(t,4H,J=7.1Hz)、8.06(s,2H)、9.40(t,2H,J=4.8Hz);13C NMR(CDCl)δ:38.14(2×CH)、41.05(2×CH)、45.59(4×CH)、45.79(4×CH)、56.98(2×CH)、58.20(2×CH)、101.93(2×C)、118.29(2×CH)、121.12(2×C)、125.62(2×C)、148.91(2×C)、163.08(2×C=O)、165.84(2×C=O);HRMS(ES+) calcd C3044[M+H] 581.3564。Found:581.3558。15:H NMR(CDCl)δ:2.35(s,6H)、2.37(s,12H)、2.64〜2.68(m,4H)、2.73(t,2H,J=6.3Hz)、3.65(m,2H)、4.31(t,2H,J=6.8Hz)、4.35(t,2H,J=7.1Hz)、8.20(s,1H)、8.32(d,1H,J=7.8Hz)、8.63(d,1H,J=7.8Hz)、10.20(t,1H,J=4.6Hz);13C NMR(CDCl)δ:38.02(CH)、38.56(CH)、41.24(CH)、45.54(2×CH)、45.74(2×CH)、45.75(2×CH)、56.91(CH)、56.96(CH)、58.04(CH)、100.13(C)、120.08(C)、120.08(CH)、123.64(C)、124.50(CH)、126.14(C)、127.87(C)、129.61(C)、131.29(CH)、152.18(C)、163.12(C=O)、163.13(C=O)、163.44(C=O)、165.95(C=O);HRMS(ES+) calcd C2634[M+H] 495.2720。Found:495.2705。
N,N’−ビス(3−(ジエチルアミノ)プロピルアミノ)−2,6−ビス(3−(ジエチルアミノ)プロピルアミノ)−1,4,5,8−ナフタレンテトラカルボン酸ジイミド(16)及びN,N’−ビス(3−(ジエチルアミノ)プロピルアミノ)−2−(3−(ジエチルアミノ)プロピルアミノ)−1,4,5,8−ナフタレンテトラカルボン酸ジイミド(17)
Figure 2011505347
化合物11(100mg、0.234mmol)を、マイクロ波反応容器において、N,N−ジエチル−1,3−エタンジアミン(0.6ml)中に懸濁した。チューブを窒素でフラッシュし、封止し、マイクロ波で150℃で10分間処理した。アミンをその後高真空下で留去した。粗混合物をHPLCにより精製して、それぞれ青色固体及び橙色固体として、16及び17を得た。16の収率(29.3mg、0.039mmol、16.7%)、17の収率(20.0mg、0.032mmol、13.8%)。16:H NMR(CDCl)δ:1.03(t,12H,J=7.1Hz)、1.04(t,12H,J=7.1Hz)、1.85〜1.97(m,8H)、2.53〜2.63(m,24H)、3.56(m,4H)、4.20(t,4H,J=7.6Hz)、8.16(s,2H)、9.42(t,2H,J=5.3Hz);13C NMR(CDCl)δ:11.69(4×CH,4×CH)、25.28(2×CH)、27.14(2×CH)、38.98(2×CH)、41.45(2×CH)、46.72(4×CH)、46.89(4×CH)、50.26(2×CH)、50.44(2×CH)、101.93(2×C)、118.38(2×CH)、125.35(2×C)、148.26(2×C)、149.20(2×C)、163.10(2×C=O)、166.11(2×C=O);HRMS(ES+) calcd C4268[M+H] 749.5442。Found:749.5436。17:H NMR(CDCl)δ:1.00〜1.06(m,18H)、1.86〜1.98(m,6H)、2.53〜2.64(m,18H)、3.65(m,2H)、4.20(m,4H)、8.23(s,1H)、8.31(d,1H,J=7.8Hz)、8.63(d,1H,J=7.8Hz)、10.19(t,1H,J=5.2Hz);13C NMR(CDCl)δ:11.57(2×CH,2×CH)、11.62(2×CH)、25.18(CH)、25.27(CH)、27.24(CH)、38.89(CH)、39.48(CH)、41.54(CH)、46.64(2×CH)、46.68(2×CH)、46.84(2×CH)、50.03(CH)、50.38(CH)、50.39(CH)、99.82(C)、119.40(C)、119.93(CH)、123.55(C)、124.33(CH)、126.17(C)、127.91(C)、129.55(C)、131.20(CH)、152.37(C)、162.98(C=O)、163.03(C=O)、163.38(C=O)、166.06(C=O);HRMS(ES+) calcd C3552[M+H] 621.4128。Found:621.4108。
N,N’−ビス(3−(ジエチルアミノ)エチルアミノ)−2,6−ビス(3−(ジエチルアミノ)エチルアミノ)−1,4,5,8−ナフタレンテトラカルボン酸ジイミド(18)及びN,N’−ビス(3−(ジエチルアミノ)エチルアミノ)−2−(3−(ジエチルアミノ)エチルアミノ)−1,4,5,8−ナフタレンテトラカルボン酸ジイミド(19)
Figure 2011505347
化合物11(100mg、0.234mmol)を、マイクロ波反応容器において、N,N−ジメチル−1,2−エタンジアミン(0.6ml)中に懸濁した。チューブを窒素でフラッシュし、封止し、マイクロ波で150℃で10分間処理した。アミンをその後高真空下で留去した。粗混合物をHPLCにより精製して、それぞれ青色固体及び橙色固体として、18及び19を得た。18の収率(22.2mg、0.032mmol、13.7%)、19の収率(26.6mg、0.046mmol、19.6%)。18:H NMR(CDCl)δ:1.09(t,24H,J=7.1Hz)、2.61〜2.69(m,16H)、2.75(m,4H)、2.83(t,4H,J=6.3Hz)、3.51(m,4H)、4.26(m,4H)、8.05(s,2H)、9.47(t,2H,J=4.8Hz);13C NMR(CDCl)δ:11.99(4×CH)、12.31(4×CH)、37.79(2×CH)、41.36(2×CH)、47.13(4×CH)、47.71(4×CH)、49.72(2×CH)、51.66(2×CH)、101.85(2×C)、118.33(2×CH)、121.04(2×C)、125.56(2×C)、148.87(2×C)、163.03(2×C=O)、165.65(2×C=O);HRMS(ES+) calcd C3860[M+H] 693.4816。Found:693.4813。19:H NMR(CDCl)δ:1.04〜1.11(m,18H)、2.61〜2.69(m,12H)、2.76(m,4H)、2.84(t,2H,J=6.2Hz)、3.60(m,2H)、4.23〜4.31(m,4H)、8.16(s,1H)、8.27(d,1H,J=7.8Hz)、8.58(d,1H,J=7.8Hz)、10.26(t,1H,J=4.8Hz);13C NMR(CDCl)δ:11.96(2×CH)、12.23(2×CH)、12.25(2×CH)、37.71(CH)、38.52(CH)、41.56(CH)、47.10(2×CH)、447.58(2×CH)、47.66(2×CH)、49.67(CH)、49.85(CH)、51.63(CH)、99.88(C)、119.33(C)、120.26(CH)、123.52(C)、124.21(CH)、126.01(C)、127.63(C)、129.52(C)、131.04(CH)、152.09(C)、162.98(C=O)、163.01(C=O)、163.34(C=O)、165.66(C=O);HRMS(ES+) calcd C3246[M+H] 579.3659。Found:579.3616。
N,N’−ビス(2−(ピペリジン−1−イル)エチルアミノ)−2,6−ビス(2−(ピペリジン−1−イル)エチルアミノ)−1,4,5,8−ナフタレンテトラカルボン酸ジイミド(20)及びN,N’−ビス(2−(ピペリジン−1−イル)エチルアミノ)−2−(2−(ピペリジン−1−イル)エチルアミノ)−1,4,5,8−ナフタレンテトラカルボン酸ジイミド(21)
Figure 2011505347
化合物11(100mg、0.234mmol)を、マイクロ波反応容器において、1−(2−アミノエチル)ピペリジン(0.6ml)中に懸濁した。チューブを窒素でフラッシュし、封止し、マイクロ波で150℃で10分間処理した。アミンをその後高真空下で留去した。粗混合物をHPLCにより精製して、それぞれ青色固体及び橙色固体として、20及び21を得た。20の収率(19.3mg、0.026mmol、11.1%)、21の収率(20.9mg、0.034mmol、14.5%)。20:H NMR(CDCl)δ:1.43〜1.48(m,8H)、1.56〜1.65(m,16H)、2.51(m,8H)、2.56(m,8H)、2.63(m,4H)、2.72(t,4H,J=6.5Hz)、3.57(m,4H)、4.33(m,4H)、8.07(s,2H)、9.50(t,2H,J=5.3Hz);13C NMR(CDCl)δ:24.39(2×CH)、24.45(2×CH)、26.06(4×CH,4×CH)、37.48(2×CH)、40.48(2×CH)、54.56(4×CH)、54.74(4×CH)、56.36(2×CH)、57.36(2×CH)、101.97(2×C)、118.38(2×CH)、121.10(2×C)、125.61(2×C)、148.89(2×C)、163.01(2×C=O)、165.71(2×C=O);HRMS(ES+) calcd C4260[M+H] 741.4816。Found:741.4855。21:H NMR(CDCl)δ:1.42〜1.50(m,6H)、1.53〜1.59(m,8H)、1.61〜1.67(m,4H)、2.52〜2.56(m,12H)、2.64(m,4H)、2.74(t,2H,J=6.4Hz)、3.64(m,2H)、4.30(t,2H,J=7.2Hz)、4.35(t,2H,J=7.3Hz)、8.16(s,1H)、8.27(d,1H,J=7.8Hz)、8.58(d,1H,J=7.8Hz)、10.28(t,1H,J=4.9Hz);13C NMR(CDCl)δ:24.33(CH)、24.37(CH)、24.39(CH)、26.03(2×CH,2×CH)、26.05(2×CH)、37.42(CH)、38.02(CH)、40.64(CH)、54.56(2×CH)、54.73(2×CH)、54.76(2×CH)、56.23(CH)、56.32(CH)、57.17(CH)、99.98(C)、119.36(C)、120.20(CH)、123.52(C)、124.24(CH)、126.03(C)、127.66(C)、129.52(C)、131.06(CH)、152.08(C)、162.93(C=O)、162.98(C=O)、163.30(C=O)、165.70(C=O);HRMS(ES+) calcd C3546[M+H] 615.3659。Found:615.3669。
N,N’−ビス(2−(ピロリジン−1−イル)エチルアミノ)−2,6−ビス(2−(ピロリジン−1−イル)エチルアミノ)−1,4,5,8−ナフタレンテトラカルボン酸ジイミド(22)及びN,N’−ビス(2−(ピロリジン−1−イル)エチルアミノ)−2−(2−(ピロリジン−1−イル)エチルアミノ)−1,4,5,8−ナフタレンテトラカルボン酸ジイミド(23)
Figure 2011505347
化合物11(100mg、0.234mmol)を、マイクロ波反応容器において、1−(2−アミノエチル)ピロリジン(0.6ml)中に懸濁した。チューブを窒素でフラッシュし、封止し、マイクロ波で150℃で10分間処理した。アミンをその後高真空下で留去した。粗混合物をHPLCにより精製して、それぞれ青色固体及び橙色固体として、22及び23を得た。22の収率(34.1mg、0.050mmol、21.3%)、23の収率(37.2mg、0.065mmol、27.7%)。22:H NMR(CDCl)δ:1.76〜1.84(m,16H)、2.62〜2.66(m,16H)、2.77(t,4H,J=7.3Hz)、2.87(t,4H,J=6.6Hz)、3.59(m,4H)、4.32(t,4H,J=7.4Hz)、8.05(s,2H)、9.44(t,2H,J=5.1Hz);13C NMR(CDCl)δ:23.59(4×CH)、23.63(4×CH)、39.12(2×CH)、42.28(2×CH)、53.61(2×CH)、54.23(4×CH)、54.33(4×CH)、54.90(2×CH)、101.88(2×C)、118.22(2×CH)、121.05(2×C)、125.58(2×C)、148.91(2×C)、162.92(2×C=O)、165.77(2×C=O);HRMS(ES+) calcd C3852[M+H] 685.4190。Found:685.4207。23:H NMR(CDCl)δ:1.78〜1.84(m,12H)、2.65〜2.68(m,12H)、2.81(m,4H)、2.90(t,2H,J=6.5Hz)、3.67(m,2H)、4.29〜4.36(m,4H)、8.13(s,1H)、8.24(d,1H,J=7.8Hz)、8.54(d,1H,J=7.8Hz)、10.20(t,1H,J=5.0Hz);13C NMR(CDCl)δ:23.59(2×CH,2×CH)、23.66(2×CH)、38.94(CH)、39.52(CH)、42.41(CH)、53.52(CH、CH)、54.19(2×CH)、54.30(2×CH)、54.34(2×CH)、54.70(CH)、99.90(C)、119.31(C)、119.95(CH)、123.44(C)、124.29(CH)、126.00(C)、127.69(C)、129.42(C)、131.07(CH)、152.10(C)、162.86(C=O)、162.90(C=O)、163.22(C=O)、165.75(C=O);HRMS(ES+) calcd C3240[M+H] 573.3189。Found:573.3185。
N,N’−ビス(3−(ピロリジン−1−イル)プロピルアミノ)−2,6−ビス(3−(ピロリジン−1−イル)プロピルアミノ)−1,4,5,8−ナフタレンテトラカルボン酸ジイミド(24)及びN,N’−ビス(3−(ピロリジン−1−イル)プロピルアミノ)−2−(3−(ピロリジン−1−イル)プロピルアミノ)−1,4,5,8−ナフタレンテトラカルボン酸ジイミド(25)
Figure 2011505347
化合物11(50mg、0.117mmol)を、マイクロ波反応容器において、1−(3−アミノプロピル)ピロリジン(0.2ml)中に懸濁した。チューブを窒素でフラッシュし、封止し、マイクロ波で150℃で10分間処理した。アミンをその後高真空下で留去した。粗混合物をHPLCにより精製して、それぞれ青色固体及び橙色固体として、24及び25を得た。24の収率(13.2mg、0.018mmol、15.2%)、25の収率(14.6mg、0.024mmol、20.3%)。24:H NMR(CDCl)δ:1.74(m,8H)、1.81(m,8H)、1.92〜2.03(m,8H)、2.53(m,16H)、2.60(t,4H,J=7.4Hz)、2.63(t,4H,J=7.1Hz)、3.59(m,4H)、4.26(t,4H,J=7.4Hz)、8.19(s,2H)、9.44(t,2H,J=5.4Hz);13C NMR(CDCl)δ:23.42(4×CH)、23.49(4×CH)、26.71(2×CH)、28.39(2×CH)、38.54(2×CH)、41.43(2×CH)、53.58(2×CH)、53.67(2×CH)、53.71(4×CH)、54.06(4×CH)、101.88(2×C)、118.46(2×CH)、121.29(2×C)、125.65(2×C)、149.17(2×C)、163.00(2×C=O)、166.17(2×C=O);HRMS(ES+) calcd C4260[M+H] 741.4816。Found:741.4779。25:H NMR(CDCl)δ:1.70(m,4H)、1.75(m,4H)、1.82(m,4H)、1.93〜2.04(m,6H)、2.55(m,12H)、2.59〜2.65(m,6H)、3.69(m,2H)、4.27(m,4H)、8.29(s,1H)、8.33(d,1H,J=7.8Hz)、8.64(d,1H,J=7.8Hz)、10.22(t,1H,J=5.4Hz);13C NMR(CDCl)δ:23.46(2×CH)、23.48(2×CH)、23.56(2×CH)、27.17(CH)、27.31(CH)、28.78(CH)、38.84(CH)、39.40(CH)、41.63(CH)、53.52(CH)、53.92(CH)、54.00(CH)、54.02(2×CH)、54.07(2×CH)、54.25(2×CH)、99.86(C)、119.43(C)、120.00(CH)、123.56(C)、124.31(CH)、126.23(C)、127.94(C)、129.56(C)、131.20(CH)、152.47(C)、163.04(C=O)、163.12(C=O)、163.45(C=O)、166.13(C=O);HRMS(ES+) calcd C3546[M+H] 615.3659。Found:615.3663。
N,N’−ビス(5−ヒドロキシペンタンアミノ)−2,6−ビス(5−ヒドロキシペンタンアミノ)−1,4,5,8−ナフタレンテトラカルボン酸ジイミド(26)及びN,N’−ビス(5−ヒドロキシペンタンアミノ)−2−(5−ヒドロキシペンタンアミノ)−1,4,5,8−ナフタレンテトラカルボン酸ジイミド(27)
Figure 2011505347
化合物11(50mg、0.117mmol)を、マイクロ波反応容器において、5−アミノ−1−ペンタノール(0.5ml)中に懸濁した。チューブを窒素でフラッシュし、封止し、マイクロ波で150℃で10分間処理した。その後、混合物を水(100ml)で希釈した。混合物を室温で24時間放置した。形成した粘着性固体を、濾過により採取し、DMF(5ml)中に溶解し、高真空下で蒸発させた。粗混合物をHPLCにより精製して、それぞれ青色固体及び橙色固体として、26及び27を得た。26の収率(3.8mg、0.006mmol、5.1%)、27の収率(3.25mg、0.006mmol、5.1%)。26:H NMR(DMSO−d)δ:1.36(m,4H)、1.45〜1.62(m,16H)、1.73(5q,4H,J=6.9Hz)、3.36(m,4H)、3.41(4q,4H,J=5.2Hz)、3.47(4q,4H,J=5.3Hz)、3.90(m,4H)、4.36(t,2H,J=5.1Hz)、4.42(t,2H,J=5.1Hz)、7.63(s,2H)、9.07(t,2H,J=5.0Hz);13C NMR(DMSO−d)δ:23.03(2×CH)、23.09(2×CH)、27.16(2×CH)、28.53(2×CH)、32.10(2×CH)、32.11(2×CH)、40.24(2×CH)、42.24(2×CH)、60.40(2×CH)、60.50(2×CH)、100.27(2×C)、119.71(2×CH)、147.83(2×C)、155.42(2×C)、155.44(2×C)、161.45(2×C=O)、164.91(2×C=O);HRMS(ES+) calcd C3448[M+H] 641.3550。Found:641.3563。27:H NMR(DMSO−d)δ:1.37(m,4H)、1.47(m,8H)、1.63(m,4H)、1.73(5q,2H,J=6.9Hz)、3.38〜3.42(m,4H)、3.45(4q,2H,J=5.3Hz)、3.55(4q,2H,J=6.5Hz)、3.98(m,4H)、4.35(t,1H,J=5.1Hz)、4.35(t,1H,J=5.1Hz)、4.41(t,1H,J=5.1Hz)、7.93(s,1H)、8.09(d,1H,J=7.8Hz)、8.38(d,1H,J=7.8Hz)、9.94(t,1H,J=5.4Hz);13C NMR(DMSO−d)δ:23.04(CH、CH)、23.12(CH)、27.26(CH)、27.29(CH)、28.75(CH)、32.10(CH)、32.18(CH)、32.20(CH)、41.77(CH)、41.84(CH)、42.46(CH)、60.46(CH)、60.48(CH)、60.55(CH)、98.38(C)、119.14(CH)、121.26(C)、122.41(C)、122.82(C)、123.53(CH)、128.57(C)、130.43(C)、130.48(CH)、141.29(C)、162.09(C=O)、162.63(C=O)、165.19(C=O)、165.43(C=O);HRMS(ES+) calcd C2937[M+H] 540.2710。Found:540.2715。
N,N’−ビス(3−(モルホリノ−4−イル)プロピルアミノ)−2,6−ビス(3−(モルホリノ−4−イル)プロピルアミノ)−1,4,5,8−ナフタレンテトラカルボン酸ジイミド(28)及びN,N’−ビス(3−(モルホリノ−4−イル)プロピルアミノ)−2−(3−(モルホリノ−4−イル)プロピルアミノ)−1,4,5,8−ナフタレンテトラカルボン酸ジイミド(29)
Figure 2011505347
化合物11(25mg、0.058mmol)を、マイクロ波反応容器において3−モルホリノ−1−プロピルアミン(2ml)中に懸濁した。チューブを窒素でフラッシュし、封止し、マイクロ波で150℃で10分間処理した。その後、混合物を水(50ml)で希釈し、クロロホルム(5×10ml)で抽出した。有機物を通常の方法で処理し、暗褐色固体を得た。粗混合物を、HPLCにより精製して、それぞれ青色固体及び橙色固体として、28及び29を得た。28の収率(4.97mg、0.006mmol、10.5%)、29の収率(3.19mg、0.005mmol、8.2%)。28:H NMR(CDCl)δ:1.89〜1.99(m,8H)、2.44〜2.53(m,24H)、3.59(m,4H)、3.62(m,8H)、3.75(m,8H)、4.25(t,4H,J=7.3Hz)、8.16(s,2H)、9.43(t,2H,J=5.4Hz);13C NMR(CDCl)δ:24.68(2×CH)、26.31(2×CH)、38.82(2×CH)、41.32(2×CH)、53.57(2×CH)、53.84(2×CH)、56.26(4×CH)、56.53(4×CH)、66.91(4×CH)、66.96(4×CH)、101.98(2×C)、118.32(2×CH)、121.19(2×C)、125.84(2×C)、149.18(2×C)、163.10(2×C=O)、166.17(2×C=O);HRMS(ES+) calcd C4260[M+H] 805.4607。Found:805.4608。29:H NMR(CDCl)δ:1.92〜1.96(m,6H)、2.43〜2.54(m,18H)、3.56(t,4H,J=4.5Hz)、3.62(t,4H,J=4.5Hz)、3.70(m,2H)、3.76(m,4H)、4.27(m,4H)、8.27(s,1H)、8.34(d,1H,J=7.8Hz)、8.65(d,1H,J=7.8Hz)、10.21(t,1H,J=5.7Hz);13C NMR(CDCl)δ:24.42(CH)、24.44(CH)、26.31(CH)、38.79(CH)、39.35(CH)、41.34(CH)、53.56(2×CH,2×CH)、53.83(2×CH)、55.94(CH)、56.45(CH)、56.53(CH)、66.87(2×CH)、66.92(2×CH)、66.95(2×CH)、98.84(C)、116.27(C)、119.82(CH)、123.65(C)、124.45(CH)、126.28(C)、127.20(C)、129.61(C)、132.75(CH)、151.51(C)、163.09(C=O)、163.42(C=O)、166.24(C=O)、166.76(C=O);HRMS(ES+) calcd C3546[M+H] 663.3501。Found:663.3524。
N,N’−ビス(2−(モルホリノ−4−イル)エチルアミノ)−2,6−ビス(2−(モルホリノ−4−イル)エチルアミノ)−1,4,5,8−ナフタレンテトラカルボン酸ジイミド(30)及びN,N’−ビス(2−(モルホリノ−4−イル)エチルアミノ)−2−(2−(モルホリノ−4−イル)エチルアミノ)−1,4,5,8−ナフタレンテトラカルボン酸ジイミド(31)
Figure 2011505347
化合物11(25mg、0.058mmol)を、マイクロ波反応容器において2−モルホリノ−1−エチルアミン(2ml)中に懸濁した。チューブを窒素でフラッシュし、封止し、マイクロ波で150℃で10分間処理した。その後、混合物を水(50ml)で希釈し、クロロホルム(5×10ml)で抽出した。有機物を通常の方法で処理し、暗褐色固体を得た。粗混合物を、HPLCにより精製して、それぞれ青色固体及び橙色固体として、30及び31を得た。30の収率(2.74mg、0.004mmol、6.3%)、31の収率(2.48mg、0.004mmol、6.8%)。30:H NMR(CDCl)δ:2.57〜2.61(m,16H)、2.70(t,4H,J=6.9Hz)、2.78(t,4H,J=6.2Hz)、3.61(m,4H)、3.69(m,8H)、3.77(m,8H)、4.35(t,4H,J=6.9Hz)、8.14(s,2H)、9.58(t,2H,J=4.9Hz);13C NMR(CDCl)δ:37.14(2×CH)、39.99(2×CH)、53.49(4×CH)、53.84(4×CH)、56.15(2×CH)、56.93(2×CH)、67.04(4×CH,4×CH)、102.17(2×C)、118.59(2×CH)、121.33(2×C)、130.00(2×C)、148.95(2×C)、163.09(2×C=O)、165.88(2×C=O);HRMS(ES+) calcd C3852[M+2H]2+ 375.2027。Found:375.2008。31:H NMR(CDCl)δ:2.60(m,12H)、2.70(m,4H)、2.81(t,2H,J=6.2Hz)、3.65〜3.70(m,10H)、3.78(m,4H)、4.33(t,2H,J=6.7Hz)、4.38(t,2H,J=6.9Hz)、8.23(s,1H)、8.35(d,1H,J=7.8Hz)、8.66(d,1H,J=7.8Hz)、10.35(t,1H,J=4.9Hz);13C NMR(CDCl)δ:37.11(CH)、37.64(CH)、40.13(CH)、53.48(2×CH)、53.84(2×CH,2×CH)、56.05(CH)、56.14(CH)、56.82(CH)、67.01(2×CH)、67.03(2×CH)、67.05(2×CH)、104.37(C)、114.032(C)、120.20(CH)、123.69(C)、124.59(CH)、126.12(C)、127.25(C)、129.12(C)、131.31(CH)、149.11(C)、163.05(C=O)、163.39(C=O)、164.52(C=O)、165.91(C=O);HRMS(ES+) calcd C3240[M+H] 621.3031。Found:621.3049。
N,N’−ビス(3−(ジメチルアミノ)プロピルアミノ)−1,4,5,8−ナフタレンテトラカルボン酸ジイミド(32)(従来技術)
Figure 2011505347
ナフタレン二無水物(100mg、0.373mmol)を、マイクロ波反応容器においてN,N−ジメチル−1,3−プロパンジアミン(2ml)中に懸濁した。チューブを窒素でフラッシュし、封止し、マイクロ波で120℃で10分間処理した。水(20ml)を混合物に添加した。結晶固体を濾過により採取し、水(2×10ml)、エタノール(2×10ml)及びエーテル(2×10ml)で洗浄した。その後固体をクロロホルム中に溶解し、通常の方法で処理し、黄色固体を得た。32の収率(95mg、0.218mmol、58.3%):H NMR(CDCl)δ:1.92(m,4H)、2.23(s,12H)、2.43(m,4H)、4.27(m,4H)、8.75(s,4H);13C NMR(CDCl)δ:26.00(2×CH)、39.38(2×CH)、45.38(4×CH)、57.24(2×CH)、126.66(4×C)、126.70(2×C)、130.87(4×CH)、162.83(4×C=O);HRMS(ES+) calcd C2428[M+H] 437.2183。Found:437.2197。
N,N’−ビス(3−(ジメチルアミノ)エチルアミノ)−1,4,5,8−ナフタレンテトラカルボン酸ジイミド(33)(従来技術)
Figure 2011505347
ナフタレン二無水物(100mg、0.373mmol)を、マイクロ波反応容器においてN,N−ジメチル−1,2−エタンジアミン(2ml)中に懸濁した。チューブを窒素でフラッシュし、封止し、マイクロ波で120℃で10分間処理した。水(20ml)を混合物に添加した。結晶固体を濾過により採取し、水(2×10ml)、エタノール(2×10ml)及びエーテル(2×10ml)で洗浄した。その後固体をクロロホルム中に溶解し、通常の方法で処理し、黄色固体を得た。33の収率(105mg、0.257mmol、68.9%):H NMR(CDCl)δ:2.34(s,12H)、2.66(t,4H,J=6.8Hz)、4.34(t,4H,J=6.8Hz)、8.74(s,4H);13C NMR(CDCl)δ:38.68(2×CH)、45.78(4×CH)、56.96(2×CH)、126.63(2×C)、126.76(4×C)、130.95(4×CH)、162.88(4×C=O);HRMS(ES+) calcd C2224[M+H] 409.1870。Found:409.1861。
最終的な化合物の純度
最終的な化合物の純度を、2つの異なる分析方法(「共通の方法」の節で説明した)を使用してHPLCにより定量化した。詳細を以下の表1に示す。
Figure 2011505347
a)FRETアッセイ
適当なタグ付きDNA:テロメアG−四重鎖に関しては5’−FAM−d(GGG[TTAGGG]−TAMRA−3’;二本鎖DNAに関しては5’−FAM−dTATAGCTATA−HEG−TATAGCTATA−TAMRA−3’(HEGリンカー:[(−CH−CH−O−)]);ckit1 G−四重鎖に関しては5’−FAM−AGAGGGAGGGCGCTGGGAGGAGGGGCT−TAMRA−3’;又はckit2 G−四重鎖に関しては5’−FAM−CCCGGGCGGGCGCGAGGGAGGGGAGG−TAMRA−3’(全て、Eurogentec, Southhampton, UKから購入した);を、FRET緩衝液(50mMカコジル酸カリウム、pH7.4)を使用して400nMまで希釈し、85℃で5分間加熱すること、及び5時間かけて室温に冷却することにより、アニーリングした。化合物の希釈液を、1mMのストック溶液から、FRET緩衝液を使用して、最終濃度の2倍の濃度で調製した。1ウェル当たり50μLのアニーリングしたDNAと50μLの化合物とを96ウェルプレートに入れ、DNA Engine Opticon(MJ Research)で処理した。蛍光の読み取り値を、各読み取りの前に30秒間一定温度を維持して、30℃〜100℃の範囲にわたり0.5℃の間隔で取得した。照射は450nm〜495nmで、検出は515nm〜545nmで行った。生データをOrigin 7.0(OriginLab Corp.)にインポートし、10点移動平均を使用してグラフをスムージングし、その後正規化した。融解温度を確定するために、スムージングした融解曲線の一次導関数を算出した。0.5μMの化合物での融解温度と、ブランクに関する融解温度との差(ΔT(0.5μM))を、比較のために使用した。
b)TRAPアッセイ
TRAPアッセイを、最初のテロメラーゼによるプライマー伸長工程と、次のプライマー結合リガンドの除去と、最後のテロメラーゼ産物のPCR増幅との、3つの工程で実施した。
TRAPアッセイの第1の工程を、TSフォワードプライマー(0.1μg;5’−AATCCGTCGAGCAGAGTT−3’)、TRAP緩衝液(20mM Tris−HCl[pH8.3]、68mM KCl、1.5mM MgCl、1mM EGTA、0.05%(v/v)Tween−20)、ウシ血清アルブミン(0.05μg)、及びdNTP(各々125μM)、溶解緩衝液(10mM Tris−HCl、pH7.5、1mM MgCl、1mM EGTA、0.5%CHAPS、10%グリセロール、5mM β−メルカプトエタノール、0.1mM AEBSF)で希釈したタンパク質抽出物(500μg/試料)を含有するマスターミックスを調製することにより実施した。
PCRマスターミックスを、新たに調製した化合物を種々の濃度で含有するチューブと、薬剤を含有しない陰性対照とに、添加した。最初の伸長工程を、30℃で10分間、その後94℃で5分間実施し、最終的に混合物を20℃に維持した。
伸長生成物を精製するために、且つ結合したリガンドを除去するために、QIAquickヌクレオチド精製キット(Qiagen)を、製造業者の使用説明書に従って使用した。このキットは、17塩基長の二本鎖及び一本鎖オリゴヌクレオチドの両方の精製用に特別に設計されている。このキットは、高塩濃度の緩衝液を利用して、遠心分離により、負に帯電したオリゴヌクレオチドを正に帯電したスピンチューブ膜に結合する。その後エタノールベースの緩衝液を使用して、低塩濃度溶液を使用するDNAの溶出前に不純物を洗浄除去する。これを、本発明者らの実験においては、PCRグレードの水で置換した。
精製した伸長試料を、その後PCR増幅に供した。これに関して、ACXリバースプライマー(1μM;5’−GCGCGG[CTTACC]3CTAACC−3’)、TSフォワードプライマー(0.1μg;5’−AATCCGTCGAGCAGAGTT−3’)、TRAP緩衝液、BSA(5μg)、0.5mM dNTP、及び2Uのtaqポリメラーゼから成る第2のPCRマスターミックスを調製した。一定分量(10μl)のマスターミックスを、精製したテロメラーゼ伸長試料に添加し、94℃で30秒間、61℃で1分間、及び72℃で1分間の35サイクルで増幅した。試料を12%PAGEで分離し、Sybregreen染色で可視化した。薬剤試料由来の蛍光を、タンパク質のみを含有する陽性対照に対して正規化した。全ての試料を、陰性対照の蛍光読み取り値を差し引くことにより、バックグラウンドに関して補正した。
c)細胞培養
共通:
ヒトがん細胞株(乳房(MCF7)、肺(A549)、結腸(HT−29)、胃(HGC−27))と、正常ヒト肺線維芽細胞株(WI−38)とを、American Type Cell Culture(ATCC)から購入した。GIST882細胞株は、Jonathan Fletcher博士より寄贈を受けたものであった。HGC27及びWI38を除く全ての細胞株を、10%ウシ胎児血清(Invitrogen, UK)、0.5mg/mlヒドロコルチゾン(Acros Chemicals, Loughborough, UK)、2mM L−グルタミン(Invitrogen, Netherlands)、及び非必須アミノ酸(Invitrogen, Netherlands)を含有するダルベッコ変法イーグル培地中で維持し、37℃、5%CO下でインキュベートした。WI38細胞株及びHGC27細胞株を、上述のように調製した最小必須培地中で維持した。全ての細胞株を、1:6の割合で定期的に継代した。
SRB毒性アッセイ
短期間の増殖阻害を、以前に述べたSRBアッセイを使用して測定した。簡潔には、細胞を、適当な培地において、96ウェルプレートのウェル中に播種し(4000細胞/ウェル)、終夜インキュベートして細胞を接着させた。その後細胞を、新たに作製した薬剤溶液に曝露し、さらに96時間インキュベートした。この後、細胞を、氷冷したトリクロロ(trichlo)酢酸(TCA)(10%(w/v))で30分間固定し、1%酢酸中に溶解した0.4%SRBで15分間染色した。全てのインキュベーションを、室温で実施した。IC50値(細胞増殖を50%阻害するのに必要な濃度)を、対照の非処理ウェルの吸光度の百分率として表した、各薬剤濃度に対する540nmでの平均吸光度から確定した。
老化研究
老化の検出及び定量化の実験を、市販のキット(老化β−ガラクトシダーゼ染色キット、Cell Signalling Technology, MA, USA)を使用して、実施した。1×10個の細胞を、2mlの培地及び試験する化合物において、6−ウェルプレート(Nunc, Denmark)の35mmウェル中に播種した。細胞を24時間インキュベートした。その後培地を除去し、細胞をPBS(1×2ml)で洗浄した。細胞を、室温で15分間、1mlの固定溶液(PBS中における、2%ホルムアルデヒド及び2%グルタルアルデヒド)で処理することにより固定した。その後固定溶液を除去し、ウェルをPBS(2×2ml)で洗浄した。新たに調製した染色溶液(DMF中における、930μLの40mMクエン酸/リン酸ナトリウム(pH6.0)、0.15M NaCl及び2mM MgCl、10μLの500mMフェロシアン化カリウム、10μLの500mMフェリシアン化カリウム、並びに50μLの20mg/ml 5−ブロモ−4−クロロ−3−インドリル−μD−ガラクトピラノシドの混合物)(1ml)を添加し、細胞を終夜インキュベートした。青色の色素形成により検出した老化細胞を、光学顕微鏡で定量化した。
結果を、表2及び表3に示す。
Figure 2011505347
Figure 2011505347
結果の考察
化合物のDNA安定化能の最初の評価を、FRETを使用して行った。4つの異なるDNA配列(ヒトテロメアのG−四重鎖に関するモデル、自己相補的な二本鎖DNAヘアピン、及びCKIT遺伝子のプロモーター領域に存在する2つの配列)を、使用した。FRET競合実験も行い、漸増濃度の二本鎖DNAの存在下で、テロメアのG−四重鎖配列に対する親和性を評価した。これらの実験により、四重鎖DNAと二本鎖DNAとの間のリガンドの選択性を評価することが可能となった。FRETの結果を、表3に示す。
G−四重鎖DNA配列に対する化合物の安定化能は、優れていた。幾つかの化合物に関しては、0.5μMの濃度が融解温度を35℃増大させるのに十分であった。BRACO19(従来のG−四重鎖リガンド)を用いてこのレベルの安定化を得るには、2.5μMの濃度が必要である。幾つかの化合物に関しては、DNAの融解を完全に回避するのに、通常使用する1μMの濃度で十分であったため、0.5μMでのΔTmの値(ΔTm(0.5μM))を、比較のために使用した。全系列に関して一貫して、四置換リガンドは対応する三置換リガンドより良好に機能し、四置換リガンド及び三置換リガンドは対応する二置換リガンドより良好に機能した。化合物28/29、30/31及び26/27(pH7で中性)に関してもこの効果が観察されるため、全体の電荷数にかかわらず、4つの側鎖の使用には、構造上の利益が存在する。化合物12、16及び24、並びに13、17及び25は、それぞれ4−ND系列内及び3−ND系列内において、全ての化合物の中で最も高いΔTmを有している。これらは全て、同じ長さ(炭素数3)の側鎖と、類似の末端基(pH7でプロトン化する第三アミン)とを有する。化合物に関するモルホリノ基と第三アミンとの置換は、ΔTmを低減する。しかし、モルホリノ類似体、並びにヒドロキシル類似体26及び27もまた、良好な安定化能を有する。
ほとんどのリガンドが、二本鎖DNAとの或る程度の相互作用を示した。しかし化合物26及び27は、この配列をわずかに不安定化した。化合物14/15の対を例外として、三置換リガンドは、おそらく立体的な理由のために、四置換類似体より(that)強い、二本鎖DNAに対する結合因子(binders)である。
競合実験では、四置換化合物(4−ND)は、他の類似体よりも、G−四重鎖に対するより良好な選択性を示していた。4−NDは、能力の低減(5%〜25%)が観察された二置換類似体又は三置換類似体(それぞれ、2−ND及び3−ND)と異なり、1:1競合実験で100%の安定化能を保持していた。結果を、図4に示す。化合物18及び19は、1:10実験で、残りの4−ND(26を除き、保持率30%〜70%)及び3−ND(25及び27を除き、保持率30%〜40%)と比較して、より高いレベルの安定化(18に関しては100%、19に関しては60%)を保持していた。4−NDは、1:100実験及び1:300実験で、より良好に機能しており、能力の保持率はそれぞれ10%〜40%及び10%〜30%である(26に関しては、保持率100%)。一方でほとんどの2−ND及び3−NDは、これらの実験において、ほぼ完全に安定化能を失っていた(保持率<10%)。興味深いことに、ヒドロキシル基を有する化合物26及び27は、残りの化合物と異なり、1:300実験で、安定化能の喪失を全く示さなかった(26)か又はごくわずかしか示さなかった(27に関して、15%)。
また、リガンド群を、変法TRAPアッセイを使用して、テロメラーゼ阻害剤として評価した(結果に関しては表3を参照されたい)。化合物30(>50μM)を例外として、12μM〜28μMのEC50値が得られた。FRETデータとTRAPデータとの間の相関関係は得られなかったが、化合物30は、群内ではFRETにおける最悪のリガンドである。
細胞株のパネルに対する化合物の毒性を、SRBアッセイを使用して評価した。化合物は、特にがん細胞株に対して、非常に強い効力を示した。結果を、表2に示す。
テロメア損傷の結果としての老化の開始は、十分に報告された事象である。老化表現型を、細胞毒性濃度以下の濃度(sub-cytotoxic concentrations)の選択した化合物で1週間処理したMCF7細胞において、調査した。本研究で使用した全ての化合物は、処理後の老化細胞の%の顕著な増大を示した。
G−四重鎖相互作用剤は、2つの独立した染色体の融合を引き起こし得るテロメアの脱キャップ化(uncapping)を引き起こすことがある。本発明者らは、老化の開始を引き起こす同じ処理下で、細胞の染色体スプレッドを調製したが、異常なレベルの融合を検出することはできなかった。
三置換化合物及び四置換化合物は、他のナフタレンジイミド化合物と同様に、蛍光特性を示した。このことにより、選択した化合物群の天然の蛍光(florescence)を使用して、共焦点顕微鏡法を用いてMCF7細胞内におけるそれらの局在を検出することができた。化合物12、17及び24は、0.5μMの濃度での30分間の曝露により、専ら核内に局在することが示された(図5−1)。しかし、化合物30に関しては、最大50μMでの処理により、より強度が低く、且つ均一に分布したシグナルが観察された(図5−2)。 核内に濃縮された化合物は、核小体に対する優先性を示していた(図5−3)。
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Claims (17)

  1. 一般式(I):
    Figure 2011505347
    (式中、R及びRは各々独立して、炭素数1〜20のアルキル、炭素数2〜20のアルケニル、炭素数7〜20のアルカリール、炭素数2〜10のアルキニル、炭素数7〜20のアラルキル、炭素数2〜20のヘテロアラルキル、炭素数3〜30のヘテロシクリルアルキル、炭素数3〜30のアルキルヘテロシクリル、炭素数3〜20のシクロアルキル、炭素数3〜20のヘテロシクリル、炭素数2〜20のヘテロアリール、炭素数5〜20のアリール、又は炭素数1〜10のアルコキシから導かれる二価の基であり、
    RはH又はAであり、
    〜Xは各々独立して、ハロ、OH、OR、COH、NH、NHR、NR、COOH、CONH、COOR、CONHR、CONR、SH、SR、COR又はシアノから選択され、
    及びRは独立して、炭素数1〜6のアルキル、炭素数6〜20のアリール、炭素数7〜20のアラルキルから選択され、又はR及びRは該R及びRが結合している窒素原子と共に3員環〜8員環を形成し、該環は必要に応じて置換され、且つ必要に応じて他のヘテロ原子を含み、
    及びAは各々独立して、NHRから選択され、
    は、炭素数1〜20のアルキル、炭素数6〜20のアリール、炭素数7〜20のアルカリール、又は炭素数7〜20のアラルキルから導かれる二価の基であり、
    基〜R基、A基及びA基のいずれかが、炭素数1〜20のアルキル、炭素数2〜20のアルケニル、炭素数7〜20のアルカリール、炭素数2〜10のアルキニル、炭素数7〜20のアラルキル、炭素数2〜20のヘテロアラルキル、炭素数3〜30のヘテロシクリルアルキル、炭素数3〜30のアルキルヘテロシクリル、炭素数3〜20のシクロアルキル、炭素数3〜20のヘテロシクリル、炭素数2〜20のヘテロアリール、炭素数5〜20のアリール、又は炭素数1〜10のアルコキシ、ハロ、OH、OR、COH、NH、NHR、NR、COOH、CONH、COOR、CONHR、CONR、SH、SR、COR、又はシアノで置換されていてもよい)の化合物、又は薬学的に許容可能なその塩若しくはプロドラッグ。
  2. RがHである、請求項1に記載の化合物。
  3. RがAである、請求項1に記載の化合物。
  4. =Rである、請求項1〜3のいずれか一項に記載の化合物。
  5. 〜XがNH、NR、OH、OR及びNHRから選択される、請求項3、又は請求項3に従属する場合の請求項4に記載の化合物。
  6. 〜XがNRであり、R及びRが独立してメチル又はエチルである、請求項5に記載の化合物。
  7. 〜XがNRであり、R及びRが、該R及びRが結合している窒素原子と共に5員環又は6員環を形成し、該環は酸素を含有していてもよい、請求項5に記載の化合物。
  8. NR基が、ピロリジン、ピペリジン又はモルホリンである、請求項7に記載の化合物。
  9. 前記化合物がプロドラッグであり、X基〜X基がN−オキシド、N(−O)Rである、請求項5〜8のいずれか一項に記載の化合物。
  10. 前記化合物がプロドラッグであり、X〜Xのいずれか又は全てがCORであり、Rが炭素数1〜6のアルキル、又は炭素数6〜20のアリールである、請求項5に記載の化合物。
  11. 及びRが、炭素数1〜10のアルキル、好ましくは炭素数2〜4のアルキルから導かれる二価の基である、請求項1〜10のいずれか一項に記載の化合物。
  12. が、炭素数1〜10のアルキル、好ましくは炭素数2〜4のアルキルから導かれる二価の基である、請求項1〜11のいずれか一項に記載の化合物。
  13. 及びAの少なくとも一方が構造:
    Figure 2011505347
    (式中、nは1〜4であり、pは2〜6である)を有する、請求項3に記載の化合物。
  14. 一般式(I)の化合物、又は薬学的に許容可能なその塩若しくはプロドラッグを含む医薬組成物。
  15. 治療における使用のための、一般式(I)の化合物、又は一般式 (I)の塩、溶媒和物若しくはプロドラッグ。
  16. がん、好ましくは胃腸管のがんの治療における使用のための、請求項15に記載の化合物、塩、溶媒和物又はプロドラッグ。
  17. がんの予防又は治療のための薬物の製造における、一般式(I)の化合物、又はその塩、溶媒和物若しくはプロドラッグ、又は請求項14に記載の医薬組成物の使用。
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