JP2011503104A - 免疫調節化合物ならびに関連組成物および方法 - Google Patents

免疫調節化合物ならびに関連組成物および方法 Download PDF

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ジューン エル. ラウンド
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Abstract

【課題】ヘルパーT細胞プロファイル、特にTh1、Th2、Th17およびTreg細胞プロファイルを平衡化するための組成物および方法、ならびにヘルパーT細胞プロファイルの不均衡に関連する炎症状態を処置または予防するための関連する方法および組成物が本明細書に提供される。
【解決手段】本発明は、ヘルパーT細胞プロファイルを平衡化すること、特に個体におけるTh1、Th2、Th17およびTreg細胞のうちの少なくとも1つの細胞プロファイルを平衡化することに適切な免疫調節化合物ならびに関連方法および組成物に関する。より具体的には、本明細書に提供されるのは、PSA多糖A(PSA)および他の両性イオン多糖(ZP)の驚くほどの免疫調節特性に基づく方法および組成物であり、それらの多糖は、個体における炎症および炎症状態の処置、予防および制御に適切である。
【選択図】図14

Description

(関連出願に対する相互参照)
本出願は、2007年11月9日に出願された米国仮特許出願第61/002,705号(代理人整理番号CIT5031−P)の「Host−Bacterial Mutualism by a Microbial Symbiosis Factor Prevents Inflammatory Disease」という発明の名称の米国仮特許出願、2007年12月20日に出願された米国仮特許出願第61/008,407号(代理人整理番号CIT5031−P2)の「Host−Bacterial Mutualism by a Microbial Symbiosis Factor Prevents Inflammatory Disease」という発明の名称の米国仮特許出願、および2008年10月13日に出願された米国仮特許出願第61/196,046号(代理人整理番号CIT5250−P)の「A Molecule from a Symbiotic Gut Bacteria Controls Systemic Inflammation」という発明の名称の米国仮特許出願に対する優先権を主張し、それらの各々の開示はその全体が参照により本明細書に援用される。
(政府の認可の声明)
アメリカ合衆国政府は、国立衛生研究所によって与えられた認可番号AI039576に従って本発明において一定の権利を有する。
(分野)
本開示は免疫系、特に、個体における免疫性反応に関連するT細胞分化および/またはサイトカイン産生を制御できる免疫調節化合物に関する。
T細胞は、リンパ球として公知である白血球細胞のグループに属し、細胞媒介性免疫において中心的役割を果たす。特に、ヘルパーT細胞(エフェクターT細胞またはTh細胞としても公知である)は、免疫系の能力を確立し、最大化すること、および特に他の免疫細胞を活性化し、関連付けることに重要な役割を果たすリンパ球のサブグループ(白血球細胞(white blood cell)または白血球(leukocyte)の種類)である。より具体的には、Th細胞は、細胞毒性T細胞の活性化および増殖におけるB細胞抗体クラススイッチを決定し、マクロファージなどの食細胞のバクテリア活性を最大化するのに重要である。
分化過程の結果に由来する異なる種類のTh細胞が同定されており、特定の表現型と関連する。T細胞の発達後、成熟したナイーブ(T細胞が反応し得る抗原にまださらされていないことを意味する)なT細胞は胸腺から出て、身体全体に広がり始める。一旦、ナイーブなT細胞が身体を通る間に抗原と出くわすと、それらは、ヘルパーT1(Th1)、ヘルパーT2(Th2)、ヘルパーT17(Th17)、または調節性T細胞(Treg)表現型に分化し得る。
これらのTh細胞種の各々は、T細胞を含む他の白血球を模倣するか、またはそれらと相互作用するサイトカイン、タンパク質またはペプチドを分泌する。しかしながら、各々の細胞種は固有の表現型および他のものと干渉し、しばしば競合する活性を有する。
Th1、Th2、およびTh17(炎症性ヘルパーTまたは炎症性Th)は、IL−1、IL−6、TNF−a、IL−17、IL21、IL23などの炎症性サイトカインの分泌による炎症反応、ならびに/あるいは他のTh細胞を含む他のT細胞の活性化および/または阻害(例えばTh1細胞はTh2およびTh17を抑制し、Th2はTh1およびTh17を抑制する)による炎症反応を促進する。代わりに、Tregは、免疫反応に関連する他の細胞の生物学的活性を抑制する免疫系の要素である。特に、Tregは、免疫抑制サイトカインTGF−βおよびインターロイキン10を分泌することができ、炎症を制限または抑制できることが知られている。
炎症性ヘルパーT細胞のいずれかのプロファイルの不均衡は、通常、個体の状態と関連している。例えば、Th1またはTh17についての増大したプロファイルは自己免疫を導き、一方、増大したTh2細胞プロファイルは、アレルギーおよび喘息を導く。特に、Th17細胞プロファイルの不均衡は、いくつかの自己免疫状態と関連している。Treg細胞は、全ての3つの他のT細胞系統によって誘発される炎症を抑制するので、疾患を導く制御されていない炎症を予防するのに重要である。従って、平衡化したヘルパーTプロファイルは、個体の健康に重要である。
本明細書に提供されるのは、ヘルパーT細胞プロファイルを平衡化すること、特に個体におけるTh1、Th2、Th17およびTreg細胞のうちの少なくとも1つの細胞プロファイルを平衡化することに適切な免疫調節化合物ならびに関連方法および組成物である。より具体的には、本明細書に提供されるのは、PSA多糖A(PSA)および他の両性イオン多糖(ZP)の驚くほどの免疫調節特性に基づく方法および組成物であり、それらの多糖は、個体における炎症および炎症状態の処置、予防および制御に適切になる。
第1の態様によれば、個体におけるヘルパーT細胞プロファイルを平衡化する方法が開示される。その方法は、個体に有効量の両性イオン多糖を投与することを含む。
第2の態様によれば、個体におけるTh1、Th2、Th17およびTregからなる群より選択される少なくとも1つのTh細胞の細胞プロファイルを平衡化する方法が開示される。その方法は、個体に有効量の両性イオン多糖を投与することを含む。
第3の態様によれば、個体におけるサイトカイン産生を制御する方法が開示され、そのサイトカインは、IL−1、IL−6、TNF−a、IL−17、IL21、IL23のうちの少なくとも1つである。その方法は、個体に有効量の両性イオン多糖を投与することを含む。
第4の態様によれば、個体におけるTh細胞プロファイル不均衡に関連する炎症を制御する方法が開示される。その方法は、個体に有効量の両性イオン多糖を投与することを含む。
第5の態様によれば、個体におけるTh1、Th2、Th17およびTregからなる群より選択される少なくとも1つのTh細胞の不均衡な細胞プロファイルに関連する状態を処置または予防するための方法が開示される。その方法は、個体に有効量の両性イオン多糖を投与することを含む。
第6の態様によれば、個体におけるIL−1、IL−6、TNF−a、IL−17、IL21、IL23サイトカインのうちの少なくとも1つの産生に関連する状態を処置または予防するための方法が開示される。その方法は、個体に有効量の両性イオン多糖を投与することを含む。
第7の態様によれば、抗炎症性組成物が開示される。抗炎症性組成物は両性イオン多糖および適切なビヒクルを含み、その両性イオン多糖は約1μg〜約100μgの量で含まれる。
本明細書に開示される組成物および方法は、個体におけるTh1、Th2、Th17およびTreg細胞のプロファイルの制御および平衡化を同時にするいくつかの実施形態において使用され得るので、個体におけるそれらのサイトカインについての不均衡なプロファイルに関連する状態を予防または処置する。
本明細書に開示される組成物および方法は、医薬、薬学、獣医学の用途および基礎的生物学研究ならびに本開示を読んで、当業者によって認識され得る種々の用途と併せて使用され得、両性イオン多糖が所望される可能な役割が調査される。
本開示の1つ以上の実施形態の詳細は、添付の図面および以下の詳細に記載される。他の特徴、目的および利点は、詳細な説明および図面、ならびに特許請求の範囲から明らかであろう。
本明細書の一部に組み込まれ、構成要素となる添付の図面は、本開示の1つ以上の実施形態を例示し、詳細な説明とともに、本開示の原理および実施を説明するのに役立つ。
図1は、本明細書に開示されるいくつかの実施形態による、個体における実験的大腸炎からの例示的なZP媒介性防御を示す。パネル(a)は、無菌マウスと、野生型B.fragilisおよびB.fragilis DPSAとを単独で共生させた結果を要約する図を示す(3つの実験についての平均の割合±標準偏差(SD):従来、38.4%±2.2;無菌、26.7%±1.3;B.fragilis、40.8%±3.1;B.fragilis DPSA、28.8%±2.6)。全ての細胞は、CD4脾細胞でゲート設定される。パネル(b)は、H.hepaticusと、B.fragilisおよびB.fragilis DPSAでの共コロニー形成実験の結果を例示する図を示す(両側p値、0.004;マン・ホイットニーのU検定)。2つの独立した実験から合わせたデータを示す。エラーバーは、3連のサンプルについてのSDを示す。パネル(c)は、H.hepaticusおよび野生型B.fragilisまたはB.fragilis DPSAで共コロニー形成した動物におけるTNFaレベルを検出するための大腸組織培養物のELISA試験の結果を例示する図を示す。パネル(d)は、L32発現に正規化された脾細胞で実施されたIL−23p19についてのQ−PCRの結果を例示する図を示す。エラーバーは、3連のサンプルについてのSDを示す。 図2は、本明細書に開示されるいくつかの実施形態による、例示的なZP媒介性サイトカイン制御を示す。特に、図2は、コントロール動物(C57BL/6)におけるものに対するH.hepaticusおよび野生型B.fragilisまたはB.fragilis DPSAで共コロニー形成した動物における炎症性サイトカインIL−12p40(左)およびIL−1b(右)を検出するためのELISA試験の結果を例示する図を示す。結果は2つの独立した実験の1回の試行からのものである。エラーバーは、1群あたり4匹の動物から回収した大腸の研究からのSD値を示す。 図3は、本明細書に開示されるいくつかの実施形態による、CD4T細胞によるTNFa発現のZP媒介性制御の例を示す。特に、図3において、CD4細胞を、各群(1群あたり4匹のマウス)からプールした脾細胞から精製し、ブレフェルジンAの存在下で4時間、PMAおよびイオノマイシンでインビトロにおいて再刺激した。細胞を、細胞内TNFαについて染色した。リンパ球ゲート設定内の細胞は分析物内に含まれ、数は、TNFαを産生する細胞の割合を示す。精製した細胞は、90%より多いCD4であった。防御の間、PSA産生B.fragilisでコロニー形成した動物は、疾患動物より低いTNFaレベルを示した。 図4は、本明細書に記載される種々の実施形態を支持するコントロール実験を示す。パネル(a)は、8週後、B.fragilisの野生型および種々の変異体での共コロニー形成後に実施したH.hepaticus特異的Q−PCRのエチジウムブロマイド染色ゲル電気泳動を示す。M:マーカー。1:H.hepaticus単独でコロニー形成したCD4CD45RbhighT細胞移入を有するRag2−/−動物。2:H.hepaticusおよびB.fragilis 9343(wt)でコロニー形成したCD4CD45RbhighT細胞移入を有するRag2−/−動物。3:H.hepaticusおよびB.fragilis DPSAでコロニー形成したCD4CD45RbhighT細胞移入を有するRag2−/−動物。4:H.hepaticus単独でコロニー形成したC57BL/6マウス。H.hepaticusは動物で容易にコロニー形成したが、疾患を誘発しなかったことは留意すべきである(図1)。H.hepaticus 16S rDNAについてのプライマー:(HB−15)5’−GAAACTGTTACTCTG−3’(配列番号1)および(HB−17)5’−TCAAGCTCCCCGAAGGG−3’(配列番号2)。パネル(b)は、8週後、B.fragilisの野生型および種々の変異体での共コロニー形成後に実施されたB.fragilis特異的Q−PCRのエチジウムブロマイド染色ゲル電気泳動を示す。A:H.hepaticusおよびB.fragilis 9343(wt)でコロニー形成したCD4CD45RbhighT細胞移入を有するRag2−/−動物。B:H.hepaticusおよびB.fragilis DPSAとコロニー形成したCD4CD45RbhighT細胞移入を有するRag2−/−動物。C:H.hepaticus単独でコロニー形成したCD4CD45RbhighT細胞移入を有するRag2−/−動物。D:H.hepaticus単独でコロニー形成したC57BL/6マウス。E:B.fragilisゲノムDNA(陽性コントロール)。M:マーカー。B.fragilis ssr3(finB)遺伝子についてのプライマー:(ssr3−F)5’−TATTTGCGAGAAGGTGAT−3’(配列番号3)および(ssr3−r)5’−TAAACGCTTTGCTGCTAT−3’(配列番号4)。 図5は、本明細書に開示されるいくつかの実施形態による、ZP媒介性防御に関連する効果を示す。特に、図5は、H.hepaticusおよび野生型B.fragilisまたはB.fragilis DPSAで共コロニー形成した動物におけるH.hepaticusを定量化することに関連するQ−PCR実験の結果を例示する図を示す。この結果を、log10数の既知の遺伝子(細胞致死性膨張性毒素)のコピーとしてYoungら、2004に従って評価した。動物は、実験の終わりに等しいレベルのH.hepaticusを含んだ。 図6は、本明細書に開示されるいくつかの実施形態による、ZP媒介性防御を示す。パネル(a)は、精製PSAの非存在下(第2の列)または存在下(第3の列)でのH.hepaticusでのコロニー形成の結果を例示する図を示す(全ての群のKruskal−Wallis比較:異なる結果についてp>0.05、同様の結果についてp<0.01;マン・ホイットニーのU検定:両側p値、0.0002)。パネル(b)は、CD4CD45RbhighT細胞の移入および示されるPSAの存在または非存在下でのH.hepaticus(PBS+Hh)でのコロニー形成後、Rag2−/−動物における消耗性疾患を検出することに関連する実験の結果を例示する図を示す。ANOVAは、全ての示した群(アスタリスク)間の比較が統計的に有意であることを示す。パネル(c)は、野生型動物由来の大腸部分の構造(左のパネル);CD4CD45RbhighT細胞のHelicobacterがコロニー形成したRag2−/−マウスへの移入後(中央のパネル);Helicobacterがコロニー形成した動物の経口PSA処置(右のパネル)を示す。各列の画像は同じ倍率である。 図7は、本明細書に開示されるいくつかの実施形態による、ZP調節性免疫反応を示す。パネル(a)は、TNBS処置したPBSコントロールと関連する経口PSA投与と体重との相関関係を例示する図を示す。全ての示した群(アスタリスク)についてのANOVA値は統計的に有意である。エラーバーは、1群あたり4匹の動物の間のSDを示す。パネル(b)は、TNBS+PBS処置した群、TNBS+PSA処置した動物およびコントロール由来の大腸部分(2つの独立した実験における動物由来の代表的な部分)を示す。パネル(c,d)は、疾患の間のPSAの存在または非存在下でのIL−17A(パネルc)およびTNFa(パネルd)を含むMLNから精製したCD4T細胞のQ−PCRの結果を例示する図を示す。エラーバーは、3つの独立した実験の2連の試行からのものである。パネル(e,f)は、TNBS+PBS処置した群、TNBS+PSA処置した動物およびコントロール由来の均質化した大腸のIL17A(パネルe)およびTNFα(パネルf)の転写発現を例示する図を示す。エラーバーは、3つの独立した実験の2連の試行からのものである。 図8は、本明細書に開示されるいくつかの実施形態による、サイトカイン発現のZP媒介性制御を示す。パネル(a)は、エタノール(コントロール)、TNBS、またはTNBSとPSAで処置した野生型マウスにおけるIL−10についての大腸のQ−PCRアッセイの結果を例示する図を示す。エラーバーは、3連のサンプルについてのSDを示す。パネル(b)は、TNBS処置した群のMLNから精製したCD4T細胞におけるIL−10発現についてのQ−PCR結果を例示する図を示す。エラーバーは、3連のサンプルについてのSDを示す。パネル(c)は、IL−10産物に対するBMDC/T細胞共培養物と、精製したPSA LPSおよびa−CD3/a−CD28とのインキュベーションの効果を例示する図を示す。エラーバーは、3連のサンプルについてのSDを示す。パネル(d)は、PSAの存在下(真ん中の3つのバー)または非存在下(左の3つのバー)およびaIL−10Rの添加後(右の3つのバー)でのTNFa放出に対するH.hepaticus濃度を増加させていった状態(多数の感染:三角形によって示されるように0.1、1.0および10)のBMDC−T細胞共培養物の感染の結果を例示する図を示す。エラーバーは、3連の実験試行のSD値を示す。 図9は、本明細書に開示されるいくつかの実施形態による、サイトカイン発現のZP媒介性制御を示す。特に、図9は、5の感染多重度における、48時間、H.hepaticus単独またはH.hepaticusおよびB.fragilis(野生型またはΔPSA)とインキュベートした一次BMDC−T細胞共培養物の上清のIL−10 ELISAについての結果を例示する図を示す。エラーバーは2連のサンプル試行についてのSD値を示し、3つの独立した実験を表す。 図10は、本明細書に開示されるいくつかの実施形態による、サイトカイン発現のZP媒介性制御を示す。特に、図10は、PSAの存在下(真ん中の3つのバー)または非存在下(左の3つのバー)およびaIL−10Rの添加後(右の3つのバー)でのサイトカインIL−1bの放出に対する生きているH.hepaticusの濃度を増加させていった状態(感染多重度:三角形によって示されるように0.1、1.0および10)のBMDC−T細胞共培養物の感染の結果を例示する図を示す。エラーバーは、3連の実験試行についてのSD値を示す。 図11は、本明細書に開示されるいくつかの実施形態による、炎症からのZP媒介性防御を示す。パネル(a,b)は、コロニー形成していない(コントロール)か、または単独もしくはB.fragilis(野生型またはΔPSA)との組み合わせのいずれかで(炎症を誘発するために)H.hepaticusでコロニー形成したIL−10−/−マウスにおける炎症性サイトカインTNFα(パネルa)およびIL−17A(パネルb)についてのELISA検出の結果を例示する図を示す。エラーバーは、3連のサンプルについてのSDを示す。パネル(c)は、PSAを用いるか、用いず、そして、IL−10ブロック(α−IL10R)に対する中和抗体の存在下でH.hepaticusでコロニー形成したCD4CD45RbhighT細胞移入を有するRag−/−動物における大腸炎スコアを例示する図を示す。データは2つの独立した実験を表す。パネル(d)は、PSAまたはPBSを用いてH.hepaticusでコロニー形成したIL−10−/−マウスから移入されたCD4CD45RbhighT細胞を有するRag−/−動物における大腸炎スコアを例示する図を示す。結果を、2つの独立した実験の1つの代表的な試行について示す。パネル(e)は、PSAまたはPBSを用いてH.hepaticusでコロニー形成したIL−10−/−マウスから移入されたCD4CD45RbhighT細胞を有するRag−/−動物の組織学的大腸部分を示す。全ての画像は同じ倍率である。パネル(f)は、PSAまたはPBSを用いてH.hepaticusでコロニー形成したIL−10−/−マウスから移入されたCD4CD45RbhighT細胞を有するRag−/−動物(n=4)の群についての平均体重を例示する図を示す。 図12は、本明細書に開示される実施形態を支持するZP投与の効果を示す。特に、図12は、PSA(またはPBS)で処置し、次いで、TNBSまたはビヒクル(コントロール)の直腸投与に供した4 C57BL/6マウスの群における体重の変化を例示する図を示す。平均体重(初期体重のパーセントとして示す)を各群について示す;SD値は、IL−10の非存在下において、PSAがTNBSによって誘導される体重の減少を回復させることができないことを示す。ANOVAは、両方のTNBS処置した群における体重の減少が、コントロール動物におけるものと統計的に異なることを示す。 図13は、本明細書に開示されるいくつかの実施形態を支持するZP投与の効果を示す。特に、図13は、PSA(またはPBS)で処置し、次いで、TNBSまたはビヒクル(コントロール)の直腸投与に供した4 C57BL/6マウスの群の代表的な動物由来のH&E染色部分の組織学的分析の結果を示す。結果は2つの独立した実験を表す。 図14は、本明細書に開示されるいくつかの実施形態による、ZPSの経口投与後の腸管外免疫部分内の阻害または炎症を示す。特に、パネル(a)は、未処置のマウス(コントロール)およびTNBSまたはTNBS/PSAで処置したマウスにおいて検出された大腸組織学的スコアを例示する図を示す。各ドットは個々のマウスを表し、直線は群の平均スコアを示す。パネル(b)は、TNBS誘導性大腸炎を経験しているBalb/cマウスの時間における生存率を例示する図を示す。各群においてn=16のマウスである。パネル(c)は、未処置のマウス(コントロール)およびTNBSまたはTNBS/PSAで処置したマウスの脾臓の画像を示す。パネル(d)は、未処置のマウス(コントロール)およびTNBSまたはTNBS/PSAで処置したマウスにおけるCD4+脾細胞内のTNF−α、IL−6、IL−17AおよびIL−10の相対的単位を例示する図を示す。これらのデータは代表的な3つの独立した実験である。 図15は、本明細書に開示されるいくつかの実施形態による、腸管外部位へのZPSの投与後のTNBS誘発性大腸炎からの防御を示す。特に、パネル(a)は、TNBS誘発性大腸炎を経験しているマウスの生存率を例示する図を示す。各群においてn=10のマウスである。パネル(b)は、未処置のマウス(Etoh)およびTNBSまたはTNBS/PSA全身投与で処置したマウスにおける脾臓重量の変化を例示する図を示す。脾臓の体重をサイズの指標として使用した。各ダイヤモンドは、個々の動物由来の脾臓の重量を表す。バーは、群の平均重量を示す。P値をスチューデントのT検定により決定した。 図16は、本明細書に開示されるいくつかの実施形態による、TNBS誘発性大腸炎の間のZPSの全身投与後の腸および全身性免疫部分の両方における炎症性サイトカインの阻害を示す。パネル(a)は、未処置のマウス(コントロール)およびTNBSまたはTNBS/PSAで処置したマウスの腸間膜リンパ節(MLN)脾細胞内に存在しているCD4+Tリンパ球におけるTNF−α産生を例示する図を示す。細胞をMLNから回収し、CD4またはTNF−aを認識する抗体で染色した。四分割内の数は細胞の割合を表す。パネル(b)は、未処置のマウス(コントロール)およびTNBSまたはTNBS/PSAで処置したマウスの大腸におけるIL−12、IL−23、およびIL−17の発現の分析を例示する図を示す。パネル(c)は、未処置のマウス(コントロール)およびTNBSまたはTNBS/PSAで処置したマウスの脾臓内に存在しているCD4+Tリンパ球におけるTNF−α産生を例示する図を示す。四分割内の数は細胞の割合を表す。パネル(d)は、未処置のマウス(コントロール)およびTNBSまたはTNBS/PSAで処置したマウスの脾臓におけるIL−12、IL−6、およびIL−17の発現の分析を例示する図である。 図17は、本明細書に開示されるいくつかの実施形態による、ZPSの投与後の全身敗血性ショックに関連する炎症および死の阻害を示す。パネル(a)は、100μgのLPS単独の投与後、1時間および4時間でのマウスにおけるTNF−a血清レベルを例示する図を示す。マウスを、LPS投与前に、1日おきに3回、PBSまたは50μgのPSAのいずれかで前処置した。は、スチューデントのt検定によって決定される統計的有意性を示す。SDを個々のマウス血清から決定した。これらのデータは3つの独立した実験の代表的なものである。パネル(b)は、100μgのLPSの投与後、1時間および4時間でのマウスにおけるIL−6血清レベルを例示する図を示す。パネルaの前処置と同じように、は、スチューデントのt検定によって決定される統計的有意性を示す。SDを個々のマウス血清から決定した。これらのデータは3つの独立した実験の代表的なものである。パネル(c)は、未処置のマウス(con)および腹腔内にLPSを投与したマウス(LPS)における脾臓の重量の変化を例示する図を示し、パネルaのようにPBSまたはPSAで前処置した。各ドットは個々のマウス由来の脾臓の体重を表す。P値をスチューデントのT検定によって決定した。パネル(d)は、LPSの高用量(500μg)投与によって誘発される敗血性ショックを経験している動物の生存率を例示する図を示し、PSAまたはPBSで前処置した。各群においてN=12のマウスである。パネル(e)は、500μgのLPS単独の投与後、またはPSAもしくはPBSで前処置したマウスにおけるTNF−aの血清濃度を例示する図を示す。p値をスチューデントのT検定によって決定した。各ドットは個々のマウスを表す。パネル(f)は、500μgのLPS単独の投与後、かつPSAまたはPBSで前処置したマウスにおけるIL−6の血清濃度を例示する図を示す。p値をスチューデントのt検定によって決定した。各ドットは個々のマウスを表す。 図18は、本明細書に開示されるいくつかの実施形態による、ZPSの投与後の全身敗血性ショックに関連する炎症および死の阻害を示す。パネル(a)は、PBSまたはPSAで前処置して、LPSを投与したマウスにおけるTNF−a血清レベルを例示する図を示す。血清を、IL−10−/−マウスにおいてLPSの投与後、1時間および4時間で回収した。は、スチューデントのt検定によって決定される統計的有意性を示す。SDを個々のマウスの血清から決定した。パネル(b)は、PSAまたはPBSで前処置したマウスにおけるIL−6血清レベルを例示する図を示す。血清を、IL−10−/−マウスにおいてLPSの投与後、1時間および4時間で回収した。は、スチューデントのt検定によって決定される統計的有意性を示す。SDを個々のマウスの血清から決定した。パネル(c)は、IL−10−/−マウスにおいて、LPS単独またはPSAと併せた投与後のマウスにおける生存率を例示する図を示す。各群においてN=8のマウスである。 図19は、本明細書に開示されるいくつかの実施形態による、炎症組織に対するZPS投与のさらなる効果を例示する図を示す。
本明細書に開示される方法および組成物は、PSAまたは別の両性イオン多糖の使用に基づいて、個体におけるヘルパーT細胞プロファイルを平衡化することを可能にする。
細胞に関して本明細書で使用される場合、用語「ヘルパーT」は、当業者によって識別可能な異なる細胞種類を示すリンパ球のサブグループ(白血球細胞または白血球の種類)を指す。特に、本開示によるヘルパーT細胞としては、エフェクターT細胞(例えば、Th1、Th2およびTh17)、すなわち、T細胞を含む、他の白血球で刺激または相互作用するサイトカイン、タンパク質またはペプチドを分泌するT細胞、およびサプレッサーTh細胞(例えば、Treg)、すなわち、免疫系の活性を抑制し、それによって、免疫系ホメオスタシスおよび自己抗原に対する耐性を維持するTh細胞が挙げられる。成熟T細胞は、通常、表面タンパク質CD4を発現すると考えられる。CD4を発現するT細胞はまた、CD4T細胞としても公知である。CD4T細胞は一般に、免疫系内でヘルパーT細胞として予め規定された役割を有するように扱われるが、稀に例外も存在することが知られている。例えば、CD4を発現することが知られているサプレッサーT細胞、ナチュラルキラーT細胞、および細胞毒性T細胞のサブグループが存在する(細胞毒性の例は特定の疾患状態において非常に少ない数で観測されているが、それらは、通常、存在しないとみなされている)。
本明細書で使用される場合、用語「細胞プロファイル」は、特徴付けられた細胞と別の細胞とを区別する細胞の特徴付けられた特性を表す検出可能なデータのセットを指す。特に、ヘルパーT細胞に関する場合、用語「細胞プロファイル」は、Th細胞によって産生され、別のものに対してTh細胞を特徴付けるサイトカインマーカーに関連する検出可能なデータのセットを指す。例えば、Th1細胞についてのサイトカインマーカーはインターフェロン−gであり;Th2についてのサイトカインマーカーはIL−4であり、Th7についてのサイトカインマーカーはIl−17であり、TregについてのサイトカインマーカーはIL−10である。従って、本明細書に使用される場合、用語「Th17細胞プロファイル」は、Th1細胞の存在および/または活性が調査される個体の特定の器官または組織におけるIL−17の産生に関連する存在および量などの検出可能なデータのセットを指す。同様の定義が他のTh細胞種類に当てはまる。一方、用語「細胞プロファイル」が、1つより多いTh細胞種類を含むTh細胞のサブセットに関する場合、用語「ヘルパーT細胞プロファイル」は、ヘルパーT細胞のサブセットによって産生され、ヘルパーT細胞のサブセットの各々を特徴付ける各サイトカインマーカーに関連する検出可能なデータのセットを指す。
本明細書で使用される「Th細胞プロファイル」に関して本明細書で使用される場合、用語「平衡化する」は、炎症反応の非存在と関連する状態まで細胞プロファイルをもたらす活性を指す。同様に、用語「平衡化されたThプロファイル」は、炎症反応の非存在に関連するTh細胞プロファイル状態を指し、特に、ヘルパーT細胞によって産生され、炎症反応の非存在下で、別のものに対してヘルパーT細胞を特徴付けるサイトカインマーカーに関連する検出可能なデータのセットを指す。用語「ヘルパーT細胞」プロファイルが、1つより多いTh細胞種類を含むTh細胞のサブセットを指す場合、用語「平衡化されたThプロファイル」は代わりに、ヘルパーT細胞によって産生され、ヘルパーT細胞の各々を特徴付ける各サイトカインマーカーに関連する検出可能なデータのセットの間の相対的割合を指す。例えば、Th1、Th2およびTh17を含むTh細胞サブセットに関して「平衡化されたTh細胞プロファイル」は、炎症反応の非存在と関連するインターフェロン−γ、IL−4およびIL17に関連するデータの相対的割合を指す。
本明細書に使用される場合、用語「両性イオン多糖」は、グリコシド結合によって結合された1つ以上の単糖を含む合成または天然ポリマーを指し、少なくとも1つの陽性に荷電した部分および少なくとも1つの陰性に荷電した部分を含む。両性イオン多糖としては、限定されないが、単糖または二糖ポリマー由来の任意の長さのポリマー、数百または数千の単糖を含むポリマーが挙げられる。いくつかの実施形態において、両性イオン多糖は繰り返し単位を含んでもよく、各々の繰り返し単位は2〜10の単糖、陽性に荷電した部分(例えば、遊離の陽性に荷電したアミノ部分)および陰性に荷電した部分(例えば、スルホン酸塩、硫酸塩、リン酸塩およびホスホン酸塩)を含む。いくつかの実施形態において、ZPは500Da〜2,000,000Daからなる分子量を有してもよい。いくつかの実施形態において、ZPは200〜2500からなる分子量を有してもよい。例示的なZPとしては、限定されないが、PSAおよびBacteroides Fragilis由来のPSB、Staphylococcus aureus由来のCP5/CD8、およびStreptococcus pneumonia由来のSp1/CP1が挙げられる。両性イオン多糖は天然源、特に細菌源から、例えば精製により単離され得る。両性イオン多糖はまた、化学または生化学法、ならびに当業者によって全て識別可能な組換え微生物技術により産生されてもよい。従って、これらの方法および技術は、本明細書でさらに詳細に記載されない。
本明細書に使用される場合、用語「多糖A」は、Bacteroides FragilisのPSA遺伝子座およびその誘導体によって産生される分子を指し、限定されないが、繰り返し単位の{→3)α−d−AATGalp(1→4)[β−d−Galf(1→3)]−d−GalpNAc(1 3)β−d−Galp(1→}のポリマーを含み、ここで、AATGalはアセトアミド−アミノ−2,4,6−トリデオキシガラクトースであり、ガラクトピラノシル残基は、O−4およびO−6に及ぶピルビン酸塩置換基によって修飾される。第1の多糖(例えば、PSA)に関して本明細書に使用される場合、用語「誘導体」は第1の多糖と構造的に関連する第2の多糖を指し、第1の多糖に存在しないが、第1の多糖の機能特性を保持する特性を導入する修飾によって第1の多糖から誘導可能である。従って、PSAの誘導体多糖は、通常、繰り返し単位の修飾、または元の多糖に存在しないさらなる機能と関連しても、しなくてもよい1つ以上の繰り返し単位の糖成分の繰り返し単位の修飾によって元の多糖と異なる。しかしながら、PSAの誘導体多糖は、PSAの抗炎症活性と関連するPSAと併せて本明細書に記載される1つ以上の機能活性を保持する。
いくつかの実施形態において、両性イオン多糖はPSAおよび/またはPSBであり得る。いくつかの実施形態において、ZP、特にPSAおよび/またはPSBの有効量は、体重の約1−100μgから約25gであり、ヘルパーT細胞プロファイルは、Th1、Th2、Th17およびTregのうちの少なくとも1つ、特にTh1、Th2およびTregおよびTh17のうちの少なくとも1つを平衡化することにより平衡化される。より具体的には、いくつかの実施形態において、Th細胞プロファイルの平衡化は、Th17細胞プロファイルを平衡化することにより実施され得る。
いくつかの実施形態において、ZPは、個体における炎症に関連するサイトカイン産生を制御するために使用され得る。特に、いくつかの実施形態において、ZPは、TNF−a、IL1またはIL−6、IL21、IL23およびIL17などの炎症性サイトカイン分子の産生を阻害するために投与され得る。
本明細書に使用される場合、用語「制御する」は、生物学的反応またはプロセスに影響を及ぼす、特に阻害する活性を指し、それは、限定されないが、生物(例えば、動物、植物、菌類または微生物)またはそのタンパク質(例えば、細胞、組織、器官、装置)などの生物学的システムにおいて生じる生物学的事象、特に生化学的事象を含む。
本明細書に使用される場合、用語「阻害」および「阻害する」は、生物学的反応またはプロセスを減少させる活性を指す。従って、生物学的反応またはプロセスを妨げることによりその生物学的反応またはプロセスを減少させることができる場合、ある物質は特定の生物学的反応またはプロセスを「阻害する」。例えば、ある物質は、例えば、(特にいくつかの場合において)その他の物質を結合することによって、生物学的反応またはプロセスと関連する別の物質(例えば酵素)の活性を減少または抑制することにより、特定の生物学的反応またはプロセスを阻害できる。生物学的反応またはプロセスの阻害は、生物学的反応またはプロセスと関連する検体の検出により検出され得る。本明細書に使用される場合、用語「検出する」または「検出」は、限定されないが、サンプル、反応混合物、分子複合体および基質を含む空間の限定された部分における検体または関連シグナルの実在、存在または事実の決定を指す。検出は、それに関する場合、「定量的」であり、検体または関連シグナルの量または総量の測定(定量化ともいわれる)と関連するか、またはそれらを含み、限定されないが、検体または関連シグナルの量または割合を決定するように設計された任意の検体を含む。検出は、それに関する場合、「定量的」であり、定量されない別の検体または関連シグナルに対する相対的存在についての検体または関連シグナルの量または種類の同定と関連するか、またはそれらを含む。
本明細書に使用される場合、用語「サイトカイン」は、広範囲の造血細胞および非造血細胞の種類によって産生され、自己分泌、傍分泌および内分泌効果を有し得、時々、他の化学物質の存在に強く依存する細胞伝達に広範に使用されるシグナル伝達タンパク質および糖タンパク質のカテゴリーを指す。サイトカインファミリーは主に、より小さく、水溶性のタンパク質および8〜30kDaの質量を有する糖タンパク質からなる。サイトカインは、自然免疫反応および適応免疫反応の両方の発達および機能化に重要である。それらは、多くの場合、病原体に出くわした免疫細胞によって分泌され、それにより、病原体に対するシステム反応を増加させるために、さらなる免疫細胞を活性化し、補充する。
サイトカイン産生の阻害の検出は、限定されないが、ELISA、Q−PCRおよびFACによって検出される細胞内サイトカイン染色ならびに本開示を読んだ際に当業者によって識別可能な任意の他の方法を含む、当業者に公知の方法によって実施され得る。
いくつかの実施形態において、ZPは、TNF−a、IL−6、IL−17、IL−21およびIL−23のうちの少なくとも1つの産生を阻害するために投与され得る。特に、これらの実施形態のうちのいくつかにおいて、ZPは、全身的、特に経口、皮下、腹腔内、および静脈内に投与され得る。いくつかの実施形態において、ZPは、約1〜約100μg/25gの体重の量で投与され得る。
本明細書に開示される方法および組成物は、不均衡なTh細胞プロファイルと関連する炎症および/または個体における炎症性サイトカインIL−1、IL−6、TNF−a、IL−17、IL21、IL23およびTGF−βのうちの少なくとも1つの産生の制御を可能にする。
本明細書に使用される場合、用語「炎症」および「炎症反応」は、病原体、損傷した細胞、または刺激物などの有害な刺激に対する個体の血管組織の複合的な生物学的反応を指し、サイトカインおよびより特には炎症性サイトカイン(すなわち、ミクログリアなどの活性免疫細胞によって主に産生され、炎症反応の増幅に関与するサイトカイン)の分泌を含む。例示的な炎症性サイトカインとしては、限定されないが、IL−1、IL−6、TNF−a、IL−17、IL21、IL23およびTGF−βが挙げられる。例示的な炎症には、急性炎症および慢性炎症が含まれる。本明細書に使用される場合、用語「急性炎症」は、血漿および白血球による組織の侵潤に起因する炎症の古典的な兆候(膨張、充血、疼痛、高熱、機能の損失)によって特徴付けられる短期のプロセスを指す。急性炎症は典型的に、有害な刺激が存在する限り生じ、一旦、刺激が取り除かれ、分解されるか、または瘢痕(線維化)により囲まれると、止まる。本明細書に使用される場合、用語「慢性炎症」は、同時に起こる活動性炎症、組織破壊、および修復時の試みによって特徴付けられる状態を指す。慢性炎症は、上記の急性炎症の古典的兆候によって特徴付けられない。代わりに、慢性的に炎症を起こした組織は、単核免疫細胞(単球、マクロファージ、リンパ球および形質細胞)の侵潤、組織破壊、および回復時の試みによって特徴付けられ、血管形成および線維症を含む。炎症は、個体の炎症に関連する複合的な生物学的反応を形成する事象のいずれかに影響を与えること、特に阻害することによって、本開示において制御され得る。特に、いくつかの実施形態において、炎症は、サイトカイン産生、より具体的には両性イオン多糖の投与後の炎症性サイトカインの産生に影響を与えること、特に阻害することによって制御され得る。
より具体的には、いくつかの実施形態において、ZPは、個体におけるIL−1、IL−6、TNF−a、IL−17、IL21、IL23および/またはTGF−β媒介性炎症に関連する炎症を制御するために使用されてもよい。本明細書に使用される場合、用語「サイトカイン媒介性炎症」は、有害な刺激に対する複合的な生物学的反応が、炎症性サイトカイン分子(例えば、TNF−a、IL1および/またはIL−6)および抗炎症性サイトカイン分子(例えば、IL−10)などのサイトカイン分子によって制御される炎症を指す。例示的なサイトカイン媒介性炎症としては、限定されないが、IL−1、IL−6、TNF−α、IL−12p35、IL−17A、IL−21、IL−22、IFN−γおよび/またはIL−23p19によって媒介される状態が挙げられる。
いくつかの実施形態において、サイトカインは、TNF−a、IL−17、IL−21およびIL−23のうちの少なくとも1つであり、サイトカイン媒介性炎症は、IBD、喘息、1型糖尿病、多発性硬化症、肥満、2型糖尿病、花粉熱、食物アレルギー、皮膚アレルギーまたは関節リウマチである。参照はまた、Mazmanianら、200843、特に本明細書にその全体が参照として援用されるその論文の図および関連部分にもなされる。
いくつかの実施形態において、炎症は全身性炎症である。全身性炎症としては、限定されないが、循環系における炎症反応、特定の組織に限定されない炎症反応、ならびに個体の複数(全てまで)の組織および器官にまで及ぶ炎症反応が挙げられる。
いくつかの実施形態において、ZPは、ヘルパーT細胞プロファイル、特にTh17細胞プロファイルの不均衡に関連する炎症(限定されないが、関節リウマチ、呼吸器系疾患、同種移植の拒絶反応、全身性エリテマトーデス、腫瘍形成(tumorgenesis)、多発性硬化症、全身性硬化症および慢性炎症性腸疾患が挙げられる)を制御するために使用され得る。
いくつかの実施形態において、PSAは個体に全身的に投与され得る。本明細書に使用される場合、用語「全身性投与」は、PSAが個体の身体と接触し、それにより、所望の効果が全身的である(すなわち、炎症が生じる特定の組織に限定されない)投与経路を指す。全身性投与には、腸内および非経口投与が含まれる。腸内投与は、物質が消化管を介して得られる投与の全身経路であり、限定されないが、経口投与、経胃栄養管による投与、経十二指腸栄養管による投与、胃瘻造設、経腸栄養法、および直腸投与が含まれる。非経口投与は、物質が、消化管以外の経路によって得られる投与の全身経路であり、限定されないが、静脈内投与、動脈内投与、筋肉内投与、皮下投与、皮内投与、腹腔内投与、および膀胱腔内注入が挙げられる。
いくつかの実施形態において、投与は、皮膚を介する末梢静脈内への投与を含む、当業者により識別可能な静脈内投与法を用いて個体の静脈内にZPを含む液剤を組み込むことにより静脈内で実施される。いくつかの実施形態において、ZPの投与は、個体、特に動物またはヒトの腹膜内にZPを注射することにより腹腔内で実施される。腹腔内投与は、一般に、多量の血液代用液が必要とされる場合、または低血圧もしくは他の問題が、静脈注射のために適切な血管の使用を防ぐ場合に好まれる。いくつかの実施形態において、投与は栄養管を介する投与を含む、胃内で実施される。いくつかの実施形態において、ZPの投与は頭蓋内で実施される。いくつかの実施形態において、ZPは、通常、その作用が望まれる適切な製剤に直接含まれるZPを適用することにより局所的に投与され得る。局所性投与としては、限定されないが、経皮投与、吸入投与(例えば、喘息の薬)、浣腸剤、点眼剤(例えば、結膜の上)、点耳薬、鼻腔内経路(例えば、鼻充血除去薬スプレー)および膣内投与が挙げられる。
いくつかの実施形態において、炎症は、組織、特に膵臓、肺、関節、皮膚、脳および中枢神経系、ならびに眼の炎症である。
いくつかの実施形態において、PSAは個体の炎症に関連する状態を処置または予防する方法に使用される。その方法は治療有効量のPSAを個体に投与することを含む。本明細書に使用される場合、用語「個体」には、炎症が生じる可能性がある単一の生物有機体が含まれ、限定されないが、動物、特に高等動物、特に哺乳動物などの脊椎動物、特にヒトが含まれる。
本明細書に使用される場合、用語「状態」は、通常、全てまたは1つ以上の部分としての個体の身体の物理的状態を指し、全てまたは1つ以上の部分としての個体の物理的状態と一致しなくてもよく、完全な身体的、精神的および起こり得る場合、社会的健康の状態に関連する。本明細書に記載される状態としては、限定されないが、障害および疾患が含まれ、用語「障害」は、身体またはそのいずれかの部分の機能的異常に関連する生存している個体の状態を指し、用語「疾患」は、身体またはそのいずれかの部分の正常な機能を損なう生存している個体の状態を指し、典型的には、特徴的な兆候および症状によって示される。例示的な状態としては、限定されないが、損傷、身体障害、障害(精神的障害および身体的障害を含む)、症候群、感染、個体の逸脱行動ならびに個体の身体またはそのいずれかの部分の構造および機能の異常変化が挙げられる。
2つの項目に関して本明細書に使用される場合、用語「関連する」は、2つの項目間の関係を指し、第1の項目の発生が第2の項目の発生を生じ、限定されないが、因果関係および兆候/症状−疾患関係が含まれる。
炎症に関連する状態としては、限定されないが、クローン病および潰瘍性大腸炎、喘息、皮膚炎、関節炎、重症筋無力症、グレーブス病、硬化症、乾癬を含む、限定されないが、炎症性大腸炎が挙げられる。
本明細書に使用される場合、用語「処置」は、医薬的または外科的に状態を治療するか、または処置することの一部であるいずれかの作用を指す。
本明細書に使用される場合、用語「予防」は、個体の状態に起因する死亡率または罹患率の負担を減少させるいずれかの作用を指す。これは、一次、二次および三次予防レベルで起こり、a)一次予防は疾患の発生を回避し;b)二次予防の作用は初期の疾患処置に狙いを定めることにより、疾患の進行および症状の出現を予防する介入のための機会を増加させ;c)三次予防は、機能を回復させ、疾患関連合併症を減少させることにより、すでに発生した疾患の悪影響を減少させる。
有効量、特に治療有効量のPSAは、例えば、体重0.025kgあたり約1μg〜約100μgのPSAの範囲である。いくつかの実施形態において、有効量は、体重25gあたり約0.01〜約1,000μgの範囲である。
いくつかの実施形態において、PSAは適切なビヒクルとともに組成物に含まれる。本明細書に使用される場合、用語「ビヒクル」は、通常、活性成分として組成物に含まれるPSAのための溶媒、担体、結合剤または希釈剤として作用する種々の媒体のいずれかを指す。
いくつかの実施形態において、組成物が個体に投与される場合、その組成物は薬学的抗炎症性組成物であり得、PSAおよび薬学的に許容可能なビヒクルを含む。
いくつかの実施形態において、PSAは、賦形剤または希釈剤とともに医薬組成物に含まれてもよい。特に、いくつかの実施形態において、1つ以上の適合可能かつ薬学的に許容可能なビヒクル、特に薬学的に許容可能な希釈剤または賦形剤と合わせてPSAを含む医薬組成物が開示される。
本明細書に使用される場合、用語「賦形剤」は、医薬の活性成分のための担体として使用される不活性物質を指す。本明細書に開示される医薬組成物のための適切な賦形剤には、PSAを吸収する個体の身体の能力を高める任意の物質が含まれる。適切な賦形剤には、簡便かつ正確な用量を可能にするために、PSAを含む製剤が増大するまで使用され得る任意の物質も含まれる。単一用量でのそれらの使用に加えて、賦形剤は、PSAの扱いに役立つように製造プロセスに使用されてもよい。投与経路、および医薬形態に依存して、異なる賦形剤が使用されてもよい。例示的な賦形剤としては、限定されないが、抗粘着剤、結合剤、被覆崩壊剤、充填剤、香味料(甘味料など)および着色剤、流動促進剤、滑剤、防腐剤、吸着剤が挙げられる。
本明細書に使用される場合、用語「希釈剤」は、組成物の活性成分を希釈または運搬するのに与えられる希釈する剤を指す。適切な希釈剤としては、医薬調製物の粘度を減少させ得る任意の物質が挙げられる。
特定の実施形態において、組成物、特に医薬組成物は、全身性投与に処方されてもよく、腸内および非経口投与を含む。
非経口投与のための例示的な組成物としては、限定されないが、PSAを含む滅菌水溶液、注射剤または懸濁剤が挙げられる。いくつかの実施形態において、非経口投与のための組成物は、凍結乾燥形態、生物学的に適合性のある水性液体(希釈水、生理溶液または他の水溶液)で以前に調製された粉末組成物を溶解することにより使用時に調製されてもよい。
腸内投与のための例示的な組成物としては、限定されないが、錠剤、カプセル剤、ドロップ剤および坐薬が挙げられる。
本開示の実施例の段落は、本明細書に開示される組成物および方法の例ならびにPSAの機能および物理的相互作用を調べるために出願人によって実施される研究を示す。
本開示のさらなる利点および特徴は、実験の段落に関してのみ例示される実施例における以下の詳細な開示からより明らかになるだろう。
本明細書に開示される方法およびシステムは、以下の実施例においてさらに示され、例示の目的により提供され、限定することを意図しない。
特に、以下の実施例、以下の物質および方法を使用した。
(細菌の菌株および動物)
B.fragilis NCTC9343およびH.hepaticus ATCC51149をアメリカンタイプカルチャーコレクションから得た。従来のように飼育されたSPFマウスの系統、C57BL/6NTac、C57BL/6NTac IL−10−/−、およびB6.129S6−Rag2tm1FwaN12(Rag2−/−)を、Taconic Farms(Germantown,NY)から購入し、B.fragilisおよびH.hepaticusについての陰性をスクリーニングした。Swiss−Webster無菌(SWGF)マウスを、Taconic Farmsから購入した。無菌運送用コンテナでの送達時に、マウスを、本発明者らの動物施設における無菌アイソレーター(Class Biologically Clean,Madison,WI)に移した。動物を、以前に記載40されるように、週に1度、細菌、ウイルスおよび菌類のコンタミネーションについてスクリーニングした。全ての動物を、確立されたプロトコルならびにHarvard Medical SchoolおよびCalifornia Institute of TechnologyのIACUCガイドラインの下で世話をした。
(炎症のモデル)
腸炎の3つのモデルを使用した:1)CD4CD45RbhighT細胞を、野生型またはIL−10−/−ドナーマウスの脾臓からフローサイトメトリーにより精製して、記載されるRag−/−(C57Bl/6)レシピエントに移した。2)TNBS大腸炎を、TNBS/アセトン混合物を用いて皮膚への野生型(C57Bl/6)マウスの前感作により誘発した。感作の7日後、エタノール中の2.5%TNBSを直腸内に投与し;マウスを3〜6日後に屠殺した。3)IL10−/−マウスに、(経口胃内投与(oral gavage)により)H.hepaticusを単独あるいは野生型B.fragilisまたはB.fragilisΔPSAと合わせてコロニー形成させた。
(アッセイおよびスコアシステム)
膵臓、大腸またはMLN由来のサイトカインを、ELISA、Q−PCRまたはフローサイトメトリーによりアッセイした。大腸炎を、組織断片(固定して、パラフィンで包埋して、スライド上に断片化して、ヘマトキシリンおよびエオシンで染色した)で評価し、標準的なスコアシステム:0、大腸組織の肥大なしおよび炎症なし(リンパ球の侵潤);1、組織の少しの肥大があるが、炎症なし;2、組織の少しの肥大および少しの炎症;3、激しい肥大および激しい炎症、に従って盲目にした病理学者(Dr.R.T.Bronson,Harvard MedicalSchool)によりスコア付けした。BMDCを、抽出後、マウスの大腿骨から精製し、PBSで洗浄した。細胞を、GM−CSF(20ng/mL;Biosource,Camarillo,CA)の存在下でC−RPMI−10中で8日間培養した。CD4T細胞を、磁性カラム上で陰性選択により精製した(MiltenyiまたはR&D Systems)。
(フローサイトメトリー、蛍光活性化細胞分類(FACS)および染色)
リンパ球を、単一細胞の調製物中で機械的に破壊したマウスの脾臓から単離した。赤血球を溶解し、脾細胞(1×10)を、4℃で30分間、2mg/mLにて抗体(BD Pharmingen,San Diego,CA)の種々の組み合わせとともにインキュベートした。次いで、細胞を洗浄し、固定するか、または直接使用した。細胞内サイトカインフローサイトメトリーのために、サンプルを、FC500モデル血球計算器(Beckman Coulter,Fullerton,CA)またはFacsCalibur(Becton Dickson)で分析し、データをRXP分析ソフトウェア(Beckman Coulter)またはFlowJOを用いて分析した。FACSをBD FACSAriaで実施し、細胞純度は常に99%より高かった。
(インビトロでのサイトカインアッセイ)
大腸の臓器培養に関して、手順は以前に報告41されるとおりに従った。共培養のために、CD4T細胞を、製造者によって指示されるように使用したCD4T細胞サブセットキット(R&D Systems,Minneapolis,MN)を用いて脾臓リンパ球(上記で調製した)から精製した。細胞純度は、常に95%より高かった。BMDCを抽出後にマウスの大腿骨から精製して、PBS中で洗浄した。細胞を、GM−CSF(20ng/mL;Biosource,Camarillo,CA)の存在下でC−RPMI−10中で8日間培養した。培地を4日後に交換し、付着細胞をさらに4日間培養し、その時点で非付着細胞を回収し、洗浄し、直接使用した。細胞は、使用の時点で95%より多くのCD11cであった。精製したCD4T細胞(1×10)を、48ウェルプレート中で精製したCD11cBMDC(1×10)と混合し、5%COを含有する雰囲気下で37℃にてインキュベートした。結果に記載するように、種々の刺激物を使用した。ELISAを、製造業者のガイドラインに従って、プレコーティングしたプレートキット(BD Pharmingen)で実施した。いくつかのアッセイにおいて、野生型B.fragilisまたはB.fragilisΔPSAを含むか、含まないH.hepaticusを、種々の濃度に加えた。
(実験的大腸炎の誘発)
PCRにより評価すると、Rag2−/−およびコントロールC57Bl/6マウスは、送達時においてH.hepaticusコロニー形成について陰性であった。脾臓のリンパ球を野生型ドナーマウスから収集し、CD4CD45Rbhigh細胞を、上記のFACSによりリンパ球集団から精製した。細胞をPBSで洗浄し、3×10細胞を、0.2mLの体積で、レシピエントのH.hepaticusがコロニー形成したRag2−/−動物に腹腔内投与した。コロニー形成実験に関して、H.hepaticus(1×10生物)およびB.fragilis(1×10生物)の両方を、細胞移入時に導入した。PSA処置研究全体にわたって、動物に、1週間に3回、経管栄養により50μgのPSAを与えた。動物を、8週で屠殺するまで実験の間、秤量した。
(腸炎−TNBS大腸炎の誘発)
野生型(C57BL/6)雄性マウスの背骨を削り、前感作溶液(150μL;4:1の比の5%TNBSと混合した4:1の比のアセトンとオリーブ油)をゆっくりと加えた。感作の7日後、マウスを、3.5Fカテーテル(Instech Solomon;SIL−C35)により直腸内に投与したイソフルオレンおよびTNBS溶液(100μL;1:1の5%TNBSと無水エタノール)で麻酔した。マウスを、TNBS投与の4〜6日後、分析した。
(組織学的組織分析)
ブアン固定液(Bouin’s fixative)(VWR,West Chester,PA)中のマウス組織をパラフィンで包埋し、切片化(6μmスライス)し、スライド上に載せ、ヘマトキシリンおよびエオシンで染色した。その切片を、一人の病理学者(Dr.R.T.Bronson,Harvard Medical School)により盲目の形式で評価した。
(定量的リアルタイムPCR)
RNAを、製造業者の指示書(Invitrogen)によってトリゾールで抽出した。RNA(1μg)を、iScript cDNA合成キット(Bio−Rad)を用いてcDNAに逆転写した。cDNAを、60μLの水を加えることにより希釈し、この溶液の2μL体積をQ−PCRに使用した。Q−PCRを、IQ SYBR Greenスーパーミックス(Bio−Rad)を用いて実施し、プライマーを0.2μmで使用した。Q−PCRを、Bio−Rad iCycler IQ5で実施した。Q−PCRプライマーの配列は以下のようにした。5’−3’:IL−23(p19)F:AGC TAT GAA TCT ACT AAG AGA GGG ACA(配列番号5) R:GTC CTA GTA GGG AGG TGT GAA GTT G(配列番号6)。IL−17A F:TTA AGG TTC TCT CCT CTG AA(配列番号7) R:TAG GGA GCT AAA TTA TCC AA(配列番号8) TNFαF:ACG GCA TGG ATC TCA AAG AC(配列番号9) R:GTG GGT GAG GAG CAC GTA GT(配列番号10)。IL−10 F:CTG GAC AAC ATA CTG CTA ACC G(配列番号11) R:GGG CAT CAC TTC TAC CAG GTA A(配列番号12) RORyT F:CCG CTG AGA GGG CTT CAC(配列番号13) R:TGC AGG AGT AGG CCA CAT TAC A(配列番号14) IL−21 F:ATC CTG AAC TTC TAT CAG CTC CAC(配列番号15) R:GCA TTT AGC TAT GTG CTT CTG TTT C(配列番号16) IL−27 F:CTG TTG CTG CTA CCC TTG CTT(配列番号17) R:CAC TCC TGG CAA TCG AGA TTC(配列番号18)。
(実施例1:PSAは、哺乳動物の免疫系のTh1/Th2プロファイルを平衡化する)
エフェクターCD4T細胞の2つのサブタイプ、T1およびT2は、それぞれ、サイトカインインターフェロンg(IFNg)およびインターロイキン4(IL−4)の発現によって規定される(Janewayら,2001)。上記のように、PSAは、B.fragilisがコロニー形成したマウスで、かつインビトロにおいてCD4T細胞増殖を誘発する。PSA媒介性T細胞活性化の効果をさらに特徴付けるために、本発明者らは、精製した細胞成分を用いてサイトカインプロファイルを評価した。PSAの存在下でDCおよびCD4T細胞の共培養物は、T1サイトカインIFNgの用量依存性の増大した発現(up−expression)を生じる。PSAと関連するIFNg産生のレベルは、いくつかの既知の強力なIFNg誘導因子(a−CD3、LPSおよびブドウ球菌エンテロトキシンA[SEA])に関連するものに匹敵し、DCおよびT細胞の両方を必要とする。特異性は、NAc−PSA処置後、T1サイトカイン産生の欠如により証明される。
1サイトカイン産生はT2反応を抑制し;反対に、T2サイトカイン発現はT1反応を阻害する。正常な免疫反応は、それらの反対のシグナルの制御された平衡化を必要とする。PSA処置に対する反応におけるIL−4発現の検査は、精製されたCD4T細胞によるサイトカイン産生を示さない。a−CD3およびスーパー抗原SEAは、サイトカインの両方のクラスの強力な刺激因子である。T2サイトカイン産生は、多くのシステムにおいて「デフォルト経路」であり(Kidd,2003;Amsenら,2004)、T1サイトカイン産生はT2発現に拮抗するため、インビトロでのPSAによるIFNgの特定の刺激は、T1/T2反応を平衡化することによって宿主免疫系の片利共生媒介性ホメオスタシスを確立するための機構を与えることができる。
(実施例2:PSAは、コロニー形成の間、適切なCD4ヘルパーTサイトカイン産生を必要とする)
適切なT1/T2平衡化はヒトおよび動物の健康にとって重要であり;いずれかの反応の過剰産生または過少産生は、免疫学的疾患に関連する。本発明者らは、再度、無菌マウスを用いて、コロニー形成動物におけるT1/T2サイトカイン反応に対するPSAの効果を調査した。マウスの膵臓由来のCD4T細胞を精製し、サイトカイン産生についてELISAにより試験した。無菌マウスの脾臓におけるT2サイトカインIL−4の過剰産生を、従来のマウスのレベルと比較した。この結果は、細菌のコンタミネーションのないマウスの検知できるほどのT2により歪曲されたプロファイルの以前の報告と一致し、ヒト新生児(プレコロニー形成)サイトカインプロファイルを反映する(KirjavainenおよびGibson,1999;Prescottら,1998;Adkins,2000;Kidd,2003)。細菌コロニー形成の非存在下でのこの「デフォルト」T2−偏向は、再度、免疫発達に対するミクロフローラの深い寄与を強め、適切な宿主サイトカイン産生の確立に対する共生細菌の効果を試験するためのモデルを提供する。
野生型B.fragilis単独でコロニー形成したマウスは、複合的なミクロフローラを含む従来のマウスのものと同様のIL−4産生のレベルを示し;この類似性は、生物が全身性免疫欠如を修復するのに十分であることを示す。さらに、B.fragilis DPSAがコロニー形成したマウスは、無菌マウスのものと同様の高いレベルでT2サイトカインを産生する。従って、単一の細菌性抗原の発現は、B.fragilisが、コロニー形成されていない動物に見られるIL−4サイトカインの不均衡を修復することを可能にする。
精製した脾臓のCD4T細胞によるIFNg産生の試験は、従来のマウスと比較した場合、T2で歪曲された無菌マウスが、この原型的T1マーカーの産生を欠くことを示す。野生型B.fragilis単独でのコロニー形成は、従来のマウスのものとほぼ同じ高いレベルで、無菌マウスにおけるIFNg発現の欠損を修復するのに十分である。無菌マウスのコロニー形成の間、B.fragilis変異体によるPSA産生の欠損は、低レベルのT1サイトカインの産生を生じる。これらの結果は、各群からの脾臓リンパ細胞の細胞内サイトカイン染色によって確認され、IFNg産生はCD4T細胞に起因することを確認する。ノトバイオートマウスにおけるCD4T細胞によるIL−2、別のT1サイトカインの産生もまた、PSA産生を必要とする(データは示さず)。一緒に、これらの結果は、B.fragilis単独による無菌マウスの腸内のコロニー形成が、宿主内で適切な全身T1/T2平衡化(健康に必要な哺乳動物免疫反応の基礎的態様)を確立するのに十分である。
(実施例3:PSAはTh−17誘発性炎症を抑制する)
実験的大腸炎およびヒトIBDは、制御されていない形態で進行する、抑制を欠く、初期の炎症反応を生じ、最終的に腸内の病理および疾患を導く。PSAがこれらの初期炎症反応にどのように影響を与えるかを解明するために、出願人は、化学的に誘発される大腸炎症の動物モデルを使用した。野生型マウスへのトリニトロベンゼンスルホン酸(TNBS)の直腸投与は、炎症性T細胞反応を引き起こすことにより大腸炎の開始を模倣する。疾患はTNBS(または陰性コントロールとしてビヒクル)の投与により誘発し、PSAの経口処置を評価した。
図7に例示した結果は、腸内の免疫反応がPSAにより有益に調節されることを示す。特に、図7aに例示した結果は、TNBS処置した動物が、ビヒクル処置した動物およびPSA処置した動物についての図と比較して統計的に有意である体重の損失を表すことを示すが、部分的な体重の損失がPSA群で観測された(図7a)。組織学的分析により、大きな上皮過形成に対する大腸組織のPSA防御およびTNBS処置後に見られる大腸細胞組織の損失を確認した(図7b)。研究は、IL−17を産生する病原性T17細胞が実験的大腸炎の誘発を媒介することが示されている30。実際に、IL−17レベルは、PSA処置された動物のものからではないが、疾患動物の腸間膜リンパ節(MLN;図7c)由来の精製されたCD4T細胞の中で増加している。TNBS処置した動物のMLN由来のCD4T細胞の中のTNFaの増加したレベルはまた、PSA処置した群において減少している(図7d)。TNBS処置した大腸の転写分析は、IL−17およびTNFaの両方の発現が、PSA防御した動物においてではないが、疾患動物において非常に増加したことを示した(図7eおよび7f)。
従って、上記の結果は、PSAが腸内病原体および実験的大腸炎の化学的に誘発されたモデルの炎症を阻害することを示す。
(実施例4:PSAは炎症を抑制するためのIL−10を産生するTregの分化を誘発する)
実験的大腸炎からの防御は、腸内微生物叢に対する望まれない反応を防ぐ抗炎症プロセスを介して生じる23。インターロイキン−10−欠損(IL−10−/−)動物は大腸炎を発生する31。最も強力な抗炎症性サイトカインのうちの1つであるIL−10は、炎症の多くの動物モデルにおいて防御を必要とする21、27、32
IL−10産生に対するPSAの効果を試験することに関する一連の実験の結果を図8に示し、これは、PSAが、TNBS処置された動物においてIL−10発現を誘導し、IL−10産生により初期の培養された細胞において炎症性サイトカイン産生を阻害することを示す。特に、リアルタイムPCRによってアッセイされるように、PSA処置したマウスの大腸内のIL−10の転写レベルは、コントロールおよびTNBS処置したマウスのものより著しく高い(図8a)。IL−10は多くの細胞の種類によって産生される。しかしながら、IL−10を発現するCD4T細胞は、実験的大腸炎の間の炎症を阻害する免疫抑制活性を示す33ため、出願人は、CD4TにおけるIL−10産生を試験した。新鮮なCD4T細胞を、PSA処置したマウス(炎症は低下する)のMLNから精製した場合、非常に高いレベルのIL−10転写を観測した(図8b)。次いで、出願人は、PSAがインビトロにおいてIL−10を誘発するのに十分であるか否かを評価し;骨髄由来の樹枝状細胞(BMDC)およびナイーブなCD4T細胞を精製したPSAで処置した場合、IL−10産生の特定の増加を観測した(図8c)。
図9に例示したさらなる一連の実験は、B.fragilis由来のPSAが、インビトロにおいてIL−10の発現を誘発することを示す。特に、BMDCおよびナイーブなCD4T細胞に、B.fragilisと共培養したH.hepaticusを感染させ、培養上清からIL−10の特定の発現を観測し;B.fragilis DPSAとの共培養物は、著しく低いレベルのIL−10を誘発する(図9)。PSAはインビトロにおいてIL−10の発現を誘発するので、この分子がH.hepaticusに対する炎症反応の阻害に必要とされるか否かを試験するために、BMDC−T細胞共培養物に、生存しているH.hepaticusを感染させ、重要な炎症性サイトカインTNFaの発現を測定した。病原因子の片利共生生物の高濃度の添加は、培養上清のELISAによって測定されるTNFa産生の用量依存的な増加を引き起こす(図8d;左の3つのバー)。精製したPSAでの細胞の処置は、H.hepaticusに対する反応におけるTNFa産生を顕著に減少させる(図8d;真ん中の3つのバー)。最も重要なことに、中和IL−10レセプター抗体(aIL−10R)の存在下において、H.hepaticusおよびPSAでの細胞培養物の共インキュベーションはこの表現効果を完全に逆転し、TNFaの発現を増加させる(図8d;右の3つのバー)。
結果は、図10に例示した実験の結果に示されるように関連する炎症性サイトカインIL−1bのものと同様である。特に、高濃度の生存H.hepaticusとのBMDC−T細胞共培養物の感染(三角形によって示される感染の多重度:0.1、1.0および10、図10を参照のこと)は、サイトカインIL−1bの放出をもたらす。PSAでの感染細胞の処置は、真ん中の3つのバーに示すようにIL−1bレベルを減少させる。IL−10レセプター抗体(aIL−10R)の添加によるIL−10シグナル伝達の中和は、増加したレベルのIL−1bをもたらす、インビトロにおける炎症反応の抑制を軽減する(図10の左の3つのバー)。
従って、本実施例で例示した結果は、PSAに対する反応において産生されるIL−10が、細胞培養物における炎症性反応の阻害に必要とされるという結論を支持する。
(実施例5:PSA投与は、Tregの分化、TNF−aおよびIL−17サイトカイン産生の阻害ならびに大腸炎抑制をもたらす)
出願人は、腸炎の抑制におけるIL−10の必要性を調べた。最初に、IL−10−/−動物を、H.hepaticus単独で、またはB.fragilis(野生型またはDPSA)と組み合わせてコロニー形成させた。その後、出願人はMLNを収集し、H.hepaticusに対する抗原特異的反応を測定するために以前に開発されたアッセイ27において可溶性Helicobacter抗原を用いて培養物中で細胞を再刺激した。特に、IL−10−/−マウスはコロニー形成しないまま(コントロール)であったか、あるいは(炎症を誘発するために)H.hepaticus単独で、またはB.fragilis(野生型またはΔPSA)でコロニー形成した。実験群由来のMLNをプールして、可溶性Helicobacter抗原(5μg/ml)で48時間、再刺激した。炎症性サイトカインTNFα(a)およびIL−17A(b)の分泌を、ELISAにより分析した。
図11a〜11cに例示したこれらの実験の結果は、Helicobacterがコロニー形成した動物が、TNFaおよびIL−17の増加した産生を表すことを示すが、しかし、コロニー形成した動物においてIL−10の産生がない場合、B.fragilisのコロニー形成は、これらの炎症性分子のレベルを減少させない(それぞれ、図11aおよびb)。予想されるように、PSAの欠如は影響を与えない。大腸炎の細胞移入モデルを用いて(以下の実施例6〜8を参照のこと)、出願人は、CD4CD45RbhighT細胞をHelicobacterがコロニー形成したRag−/−動物に移入した。PSAでの経口処置の間の(IL−10シグナル伝達をブロックするための)マウスへのaIL−10Rの投与は、大腸炎からの防御を無効にする(図11c)。特に、大腸炎スコアは、PSA防御が、IL−10がPSAの抑制活性をブロックする中和抗体としてaIL−10のシグナル伝達を必要とすることを示す。IL−10Rでの処置は、PSA媒介性防御を無効にする(図11c)。
さらに、IL−10−/−動物を、PSAの存在下または非存在下においてTNBSで処置した場合の体重および組織学データを図12および図13に示し、これは、IL−10産生が、腸内免疫反応のPSAにより引き起こされる減少に必要とされることを示した。特に、第1の一連の実験において、4匹のC57BL/6マウスの群をPSA(またはPBS)で処置し、次いで、TNBSまたはビヒクル(コントロール)の直腸投与を受けさせた。図12に示したSD値は、IL−10の非存在下において、PSAがTNBSにより誘発される体重の減少を回復できないことを示す。ANOVAは、TNBSで処置した群の両方における体重の減少が、コントロール動物のものと統計的に異なり、PSAがTNBS処置されたIL−10−/−動物における体重の減少を防がないことを示す。
第2の一連の実験において、4匹のC57BL/6マウスの群をPSA(またはPBS)で処置し、次いで、TNBSまたはビヒクル(コントロール)を直腸投与した。各群からの代表的な動物由来のH&E染色断片の組織学的分析を図13に示す。大腸および上皮過形成の厚化は、PSA処置に関わらず、IL−10−/−動物のTNBS処置群の両方において示される。従って、図13に示す結果は、IL−10の非存在下において、PSAが、TNBS処置したIL−10−/−マウスにおいて腸管障害を減少させないことを示す。
上記のデータは、PSA媒介性防御が、IL−10を産生するCD4T細胞の発生および/または増殖を必要とすることを示唆する。CD4T細胞によるIL−10の産生が防御を必要とするか否かを決定するために、出願人は、CD4CD45RbhighT細胞を、IL−10−/−ドナーマウスからRag−/−レシピエントに移し、次いで、レシピエントをH.hepaticusでコロニー形成させた。
図11d〜11fに示した結果は、予想されるように、H.hepaticusとともにIL−10−/−T細胞を受け入れたマウスの群が、重症な大腸炎を発生し(図11d;左のバー)、PSAにより防御されないこと(図11d;真ん中のバー)を示す。大腸における組織学的所見によって支持されるこの結果は、PSAが、IL−10依存性形態において「以前の病原因子」CD4CD45RbhighT細胞からの防御を誘発することを示す(図11e)。屠殺時での体重分析は、IL−10−/−CD4CD45RbhighT細胞(細胞が移入されていない異なるコントロール動物)を受け入れた大腸炎のPBSおよびPSA処置した動物は、消耗性疾患を発生することを示す(図11f)。従って、CD4T細胞によるIL−10の産生は、実験的大腸炎からのPSA媒介性防御に必要とされる。これらの結果は、哺乳動物の健康に必要とされる抗炎症反応を調整するために免疫系とネットワークする共生細菌分子の最初に報告された証拠の要素となる。
(実施例6:PSAは、CD4CD45Rbhigh/CD4CD45RblowT細胞の比を平衡化する)
哺乳動物の免疫系のCD4T細胞は、通常、ナイーブ(「処置されていない(uneducated)」)なCD4CD45Rbhigh集団および抗原を受けた(「処置された」(educated))CD4CD45Rblow集団に分かれ得る16
第1の一連の実験において、無菌マウスの野生型B.fragilisでの単一の共生を、CD4CD45RblowT細胞 対 CD4CD45Rbhigh集団に対する効果を分析するために行った。特に、脾臓中のCD4CD45RblowT細胞集団の欠損を修復するB.fragilisの能力。
図1aに示す結果は、B.fragilisの共生が、PSA依存性形態においてCD4CD45RblowT細胞の割合を増大させることを示す。注目すべきことに、出願人は、無菌動物由来の脾臓細胞が、完全な細菌微生物叢を有する年齢を適合させた従来のマウス由来のものより少ない集団のCD4CD45RblowT細胞を含むことを見出した。さらに、野生型B.fragilis単独を含む無菌マウスの単一のコロニー形成は、完全な細菌微生物叢を有する動物におけるCD4CD45Rbプロファイルを修復するようである(図1a:左のパネル)。最も注目すべきことに、PSA(B.fragilis DPSA)を産生する能力を欠く変異株でのコロニー形成は、CD4CD45RblowT細胞集団の増殖を生じない(図1a:下の右側)。後者の集団は強力な抗炎症特性を有し、炎症の動物モデルにおける防御を与えることを十分に確立する17。これらの結果により、PSAが炎症からの防御を媒介することが示唆される。
(実施例7:PSAは、炎症組織におけるIL23、IL1bおよびTNF−a産生を制御することで、Th17およびTh1媒介性サイトカイン産生を制御する)
実験的大腸炎の十分に確立されたCD4CD45Rb移動モデル18を、B.fragilisコロニー形成が、炎症性疾患から動物を防御するか否かを調べるために使用した。このモデルにおいて、病原性CD4CD45RbhighT細胞を、防御的CD4CD45Rblow細胞から分離し、特定の病原体を含まない(SPF)Rag−/−マウスに移した。細胞移入時に、マウスを、野生型動物において良性の片利共生物であるが、免疫不全マウスにおいて大腸炎を引き起こす日和見病原体である、Helicobacter hepaticus8,19でコロニー形成した。8週後、動物を屠殺し、大腸炎を標準的なスコア付けシステム20で評価する。
図1bに示した病理学的スコアは、H.hepaticusがコロニー形成し、かつCD4CD45RbhighT細胞の移入が、以前に報告19、21されるように、Rag−/−マウスにおいて重症の大腸炎を誘発するのに十分であることを示す(図1b;第1の列)。野生型B.fragilisでの共コロニー形成は、疾患からの有意な防御を生じる(図1b;第2の列)が、B.fragilis DPSAでの共コロニー形成は生じない(図1b;第3の列)。
大腸炎における組織損傷は、広範に、片利共生細菌に対する炎症性サイトカインの産生から生じると考えられている22。炎症性サイトカイン腫瘍壊死因子(TNFa、インターロイキン−1b(IL−1b)およびIL−23)は、大腸炎のこの実験モデルにおいて疾患発症および進行の中心となる23。さらに、これらのサイトカインのレベルはIBD24を罹患する患者で向上し、治療的中和TNFaは、クローン病25を罹患する患者における臨床試験において有望な結果を生じた。従って、出願人は、T細胞レシピエントのコロニー形成した動物の腸組織を直接培養することにより、疾患の間に炎症性サイトカインレベルを試験することを決定した26。図1c、1d、2および3に示す結果は、PSAが罹患組織においてサイトカインレベルを変化させることを示す。
特に、図1cに示した大腸組織培養物のELISA実験の結果は、罹患した大腸において炎症性サイトカインTNFaの増加した発現を示し、B.fragilis DPSAではなく野生型B.fragilisで共コロニー形成した動物において著しく減少する。
図1dに示すL32発現に正規化した、脾細胞で実施したIL−23p19についてのQ−PCRの結果は、疾患誘発後の脾細胞によるIL−23産生の増加が、PSAを産生するB.fragilisでの腸内コロニー形成により完全に抑制されることを示す。
図2に示す大腸および小腸における炎症性サイトカインIL−12p40およびIL−1bについてのELISAの結果は、小腸ではなく、罹患した大腸における炎症性サイトカインの特異的な増加を示す。この増加は、PSAを産生するB.fragilisで共コロニー形成した動物において著しく減少する。反対に、B.fragilis DPSAでコロニー形成した動物は、コントロール動物(C57BL/6)のものより非常に増加した炎症性サイトカインレベルを発現する(図2)。
図3に示す実験の結果は、CD4T細胞によるTNFaの発現が、実験的大腸炎の間、野生型B.fragilisコロニー形成により減少することを示す。CD4細胞を、各群(1群あたり4匹のマウス)からプールした脾細胞から精製し、ブレフェルジンAの存在下において、4時間、PMAおよびイオノマイシンを用いてインビトロで再刺激した。細胞を、細胞内TNFαについて染色した。リンパ球ゲート設定内の細胞を分析において含み、数は、TNFαを産生する細胞の割合を示す。精製された細胞は90%より多いCD4であった。防御の間、PSAを産生するB.fragilisでコロニー形成した動物は、罹患した動物より低いTNFaレベルを示した。
全体のこれらの上記の結果は、罹患組織におけるサイトカインレベルを変化させることにより、PSAがその効果を果たすことを示す。特に、炎症性サイトカインTNFa(図1c)、IL−12p40、およびIL−1b(図2)のレベルは、H.hepaticusでコロニー形成したRag−/−レシピエントマウスの大腸において向上したが、小腸の断片においては向上しなかった(部位はこのモデルにおいて影響を与えない)。実験的大腸炎の病態生理学的分析によって観測された防御と一致して、これらの動物が野生型B.fragilisで共コロニー形成する場合、TNFaレベルは向上しない。T細胞移入に加えてH.hepaticusおよびB.fragilis DPSAでの共コロニー形成は、H.hepaticus単独でコロニー形成したRag−/−動物に見られるものと同様に増加した大腸のサイトカイン産生を生じる。さらに、H.hepaticusがコロニー形成した動物から精製された脾臓CD4T細胞は、増加したTNFa産生を示し、この状態は、PSA欠損株ではないが、野生型B.fragilisでのコロニー形成により修復される(図3)。IL−23の発現は、実験的大腸炎を生じる事象のカスケードにおいて重要である27、28。出願人は、疾患誘発後の脾細胞によるIL−23産生の増加が、PSAを産生するB.fragilisでの腸内のコロニー形成により完全に抑制されることを見出した(図1d)。
細菌排除を除外することに関する実験を、その実験の間にわたって、H.hepaticusおよびB.fragilisコロニー形成のレベルが群の間で異なるか否かを示すために行った。図4および図5に示す結果は、防御が細菌排除の結果ではないことを示す。
特に、図4に示す結果は、実験動物が、疾患の間にわたってH.hepaticusおよびB.fragilisでコロニー形成したままであることを示す。より具体的には、図4aのH.hepaticus特異的Q−PCRのエチジウムブロマイド染色ゲル電気泳動は、B.fragilisでの共コロニー形成が、8週後に細菌排除を誘発しないことを示す。H.hepaticus 16S rDNAについて使用したプライマーは、(HB−15) 5’−GAAACTGTTACTCTG−3’(配列番号1)および(HB−17) 5’−TCAAGCTCCCCGAAGGG−3’(配列番号2)であった。図4bのB.fragilis特異的Q−PCRのエチジウムブロマイド染色ゲル電気泳動は、8週後の安定な細菌コロニー形成を示し;B.fragilis ssr3(finB)遺伝子について使用したプライマーは、(ssr3−F) 5’TATTTGCGAGAAGGTGAT−3’(配列番号3)および(ssr3−r) 5’−TAAACGCTTTGCTGCTAT−3’(配列番号4)であった。
さらなる一連の実験において、H.hepaticusの定量を、PSA投与が生物の存在に影響されるか否かを検証するために行った。図5のH.hepaticusコロニー形成の実験の定量の結果は、PSA媒介性防御に関わらず、生物が等しい数で存在することを示す。特に、図5の実験において、糞便サンプルを各実験群から回収し、全DNAを抽出した(Qiagen DNAeasy tissue kit)。等量のDNA(50ng)を、H.hepaticus特異的プライマーを用いてQ−PCR(Bio−rad)において使用した。H.hepaticusコロニー形成についてのQ−PCRを、log10数のコピーの既知の遺伝子(細胞致死性膨張性毒素)として、Youngら、2004に従って評価した。動物は、実験の終わりに同等レベルのH.hepaticusを含んだ。
この実施例に示した結果は、PSAが、実験的大腸炎を発生することからB.Fragilis宿主を防御するのに有益な免疫反応を組織化する特定の免疫調節分子であるという結果を支持する。
(実施例8:PSAは、CD4CD45RbhighT細胞に関連する炎症を抑制する)
PSAが、インタクトなB.fragilis生物の非存在下において防御に十分であるか否かを決定するために、出願人は、PSAを均質に精製し29、Rag−/−マウスに経管栄養(経口)によりそれを投与した。次いで、疾患の進行を、種々の病理学的基準および組織学的基準により測定した。
図6に示す関連実験の結果は、経口投与された精製されたPSAが実験的大腸炎に対して防御することを示す。
特に、図6aに示した第1の一連の実験において、H.hepaticusコロニー形成の非存在下でのCD4CD45RbhighT細胞移入後の大腸炎スコアは、動物のSPF微生物叢によって誘発される炎症に起因する非常に軽度の大腸炎の発生を示した(図6a;第1の列)。しかしながら、CD4CD45RbhighT細胞移入を受けたHelicobacterコロニー形成したRag−/−動物は、重症の大腸炎を発生する(図6a;第2の列)。経口PSA投与は、H.hepaticus誘発性大腸炎に対して動物をほとんど完全に防御し(図6a;第3の列)、大腸炎を発生すると知られていないT細胞を移入していないコントロール動物のレベルまで疾患を減少させる(図6a;第4の列)。
次いで、第2のセットの実験を、この実験環境において大腸炎の特徴である、体重を増加できない能力を試験するために行った。特に、CD4CD45RbhighT細胞の移入およびRag2−/−動物におけるH.hepaticus(PBS+Hh)でのコロニー形成を実施し、その後、その動物を消耗性疾患について試験した。図6bに示した結果は、Rag−/−動物における消耗性疾患が、CD4CD45Rbhigh細胞の移入およびH.hepaticusでのコロニー形成の後に起こることを示す(図6b:PBS+Hh)。これらの動物はまた、腸の病変を発生し、(上記のように)炎症性サイトカインを発現する。発生からのPSAの経口投与は、H.hepaticus媒介性消耗性疾患(PSA+Hh)に対して動物を完全に防御する。H.hepaticusは、炎症誘発に必要な抗原を提供し;病状は、コロニー形成していない動物(PBS−Hh)においても、または細胞を移入していない動物においても観測されない。従って、これらの実験は、PSAの経口投与が、消耗性に対して動物を防御することを示す(PSA+Hh)。
さらなるセットの実験において、野生型動物ならびにCD4CD45RbhighT細胞の移入を受け、H.hepaticusでコロニー形成した動物(PBS+Hh)を、実験的大腸炎を生じる炎症の存在を確認するために試験した。図6cに示す結果は、CD4CD45RbhighT細胞のHelicobacterコロニー形成したRag−/−マウスの移入が、重度の上皮細胞過形成および腸壁の全体の厚化によって証明されるように、重症な大腸炎の発生を生じることを示す(図6c;第2のパネル)。さらに、以前の研究と一致して、CD4CD45RbhighT細胞移入とH.hepaticusコロニー形成との組み合わせは、炎症および疾患の特徴である、白血球による罹患組織の侵潤を生じる(図6c第2のパネル、下)19、21。さらに、H.hepaticusがコロニー形成した細胞移入のレシピエントへのPSAの経口投与は、実験的に誘発された大腸炎過形成に対する完全な防御を与え(図6c;第3のパネル);さらに、PSA処置した動物は、大腸炎組織において白血球炎症を示さず(図6c;第3のパネル、下)、結果は炎症に対する防御を示す。
総合すれば、これらの結果は、PSAの経口投与が大腸炎を予防し、マウスを、疾患動物において観測される体重減少および炎症細胞侵潤に関連する状態から防御することを示す。
(実施例9:PSAは、Th1およびTh17細胞によってサイトカイン産生を抑制する全身性免疫部分において効果的である)
さらなる一連の実験において、マウスを、TNBSまたはTNB/PSAのそれらのマウスへの経口投与により処置した。続いて、関連する大腸の部分を、組織学的スコアを提供された盲目にした病理学者によって分析した。図14aに示す結果は、経口PSA投与が大腸炎を減少させるというさらなる証拠を提供する。
精製したPSAでの経口処置は実験的大腸炎から防御するが(図14a)、PSAを産生しないB.fragilis変異体(B.fragilisΔPSA)によるコロニー形成は防御できない。実施例1〜8に例示される実験の間、出願人は、全身性免疫部分におけるPSAの強力な効果に気付いた。これらの全身性反応をさらに理解するために、出願人は、感染性Balb/cマウス株においてTNBS誘発性モデルを利用した。このモデルは、免疫適格性動物における疾患誘発を可能にするため、疾患誘発および防御の両方に関与する全ての免疫細胞の分析を可能にする。
Balb/cマウスを、大腸炎の誘発前に、精製したPSAに経口投与した。実際に、PSAの経口処置は、腸内の実験的大腸炎および炎症に関連する体重減少から防御した(図示せず)。
さらに、TNBS誘発性大腸炎を受けているBalb/cマウスのPSAでの前処置は、疾患を罹患する動物の生存を40%から90%に劇的に増加させ(図14bを参照のこと)、さらに、PSAの強力な抗炎症性効果を証明する。脾腫は、通常、IBDのこのモデルに見られ、この疾患の体系的性質を示すため、出願人は、TNBSおよびTNBS/PSAで処置したマウスの脾臓を分析した。図14cに示した結果は、ZPSの経口投与が、脾腫から防御することを示す。さらに、サイトカイン発現の分析により、TNBS誘発性大腸炎を受けている動物は、図14dに示されるように、脾臓内に存在しているCD4+Tリンパ球由来の炎症性サイトカインの発現が増加する重症な脾腫を有することが示された。経口投与したPSAは、粘膜の疾患の間、脾腫ならびに脾臓由来のCD4+Tリンパ球におけるTNF−α、IL−17およびIL−21の発現を著しく減少させる(図14d)。実施例5に概説した実験は、PSAが、腸部分内に存在しているCD4+T細胞からのIL−10の誘発の間、大腸炎から防御できることを示す。以前のデータと一致して、出願人は、IL−10レベルが、脾臓におけるCD4+リンパ球内で向上したことを見出した(図14d)。まとめると、これらのデータは、腸内に存在しているPSAが、全身性免疫に影響を与え得ることを示唆する。特に、これらの結果は、ZPSの経口投与が、腸疾患から防御するだけでなく、脾臓などの腸以外の免疫部分内の炎症も抑制することを示す。
(実施例10:PSAの非経口投与は炎症から防御し、腸および脾臓内のTNF−a、IL−17およびIL−23産生を制御する)
細胞の異なるサブセットは、CD8ααT細胞、粘膜γδT細胞およびCD103+樹枝状細胞を含む、腸部分内に存在する。最近の研究は、これらの種々の細胞の種類が、それらの全身性免疫対応物とは異なる機能を有することを示している。PSAが腸内で特異的に作用するか否かを決定するために、精製したPSAを静脈内に投与して、粘膜炎症を誘発させた。図15に示した第1の一連の実験において、炎症を誘発する前にPSAを投与した。図16に示した第2の一連の実験において、炎症を誘発した後にPSAを投与した。
図15に示した結果は、ZPSの腸外部位への送達が、誘発された大腸炎から防御できることを示す。特に、PSAの全身投与は疾患動物の生存を高め、脾腫から防御する(60%生存 対 90%)(図15aおよび15b)。さらに、PSAで全身的に処置された動物の大腸は、著しく低い過形成および炎症性侵潤を有することが予想される。
図16に示す結果は、疾患が誘発部位において炎症性サイトカインの増加した産生により悪化されるが、TNBS誘発性大腸炎の間のPSAの全身投与が、腸部分および全身性免疫部分の両方において炎症性サイトカインを抑制することを示す。特に、腸間膜リンパ節(MLN)CD4+T細胞由来のTNF−αは、TNBS誘発性大腸炎の間の発現を増加するが、PSA全身投与により減少する(図16a)。さらに、炎症性サイトカインIL12p35 IL−23p19およびIL−17は、TNBS誘発大腸炎を受けているマウスの大腸から抽出されたRNA由来の転写産物の分析によって示されるように、疾患マウスの大腸で増加するが、PSAの投与により減少する(図16b)。同様に脾臓において、ZPSの全身投与は、図16cに示す結果によって示されるように、脾臓内のCD4+Tリンパ球からのTNF−αの産生を減少させる。さらに、ZPSの全身投与は、図16dに示す結果によって示されるように、脾臓内の転写産物IL−17およびIL−6の発現を減少させる。
さらなる実験により、PSAが炎症性サイトカインの発現を減少させるが、PSAでの静脈内処置は、腸内のIL−10の産生の増加をもたらすことも示される(補足データ)。これらのデータは、全身投与されたPSAが粘膜部位にまで広がり、炎症性腸疾患を予防できることを示す。
この実施例に示すデータはまた、TNBS誘発大腸炎の間のPSAの全身投与が、腸免疫部分および全身性免疫部分の両方において炎症性サイトカインを抑制することを示す。
(実施例11:PSAの非経口投与はサイトカイン発現を調節し、Th1およびTh17細胞によって引き起こされる全身性炎症を予防する)
内毒素性ショックは重症のグラム陰性細菌感染の間に生じ、低血圧、多臓器不全および死の可能性によって特徴付けられる。この症候群は、グラム陰性細菌の細胞壁に見出されるリポ多糖(LPS)に反応するTNF−aおよびIL−6を含む、多数の炎症性サイトカインの産生に起因する。IL−10はLPSに対する炎症性反応の中心的調節因子であることが示されており、実際に、単一用量のIL−10は、内毒素性ショックのマウスモデルにおける死を防止する42。全身性免疫部分内のPSAの劇的な効果により、本発明者らは、PSAが全身性炎症を改善できる否かを調べた。
PSAが、内毒素性ショックに関連する炎症を抑制できるか否かを決定するために、出願人は、Balb/cマウスに低用量(100μg)のLPSを注入し、サイトカインTNF−αおよびIL−6の血清レベルをモニターした。特に、血清を、100μgまたは500μgのLPSの投与の1時間後および4時間後にマウスから回収し、血清中のTNF−αおよびIL−6タンパク質レベルをELISAにより測定した。
図17a〜cに示す結果は、未処置のマウスが、回収した両方の時点において検出できないレベルの血清TNF−αおよびIL−6を有したことを示す。特に、以前の研究と一致して、PSA投与の非存在下において、LPS処置したマウスは、注入の1時間後にピークになる血清TNF−αレベルの300倍以上高い増加を示し、注入の4時間後までに基礎レベルまで減少した(図17a)。PSA処置の非存在下において、LPSを注入したマウスの血清中のIL−6レベルもまた、早ければ1時間ほどで検出可能であり、4時間、発現の増加が続く(図17b)。注目すべきことに、PSAで前処置したマウスは、両方の時点においてTNF−αおよびIL−6の血清レベルが著しく減少し(図17aおよび17d)、PSAがLPSに対する炎症性サイトカインの初期の誘発を予防できることを示す。さらに、PSA処置の非存在下において、LPS注入の3日以内に脾腫が生じ、炎症性細胞種類の動員を生じる。PSAで前処置した動物は脾臓が小さくなり、この部位においてより低いレベルの炎症性サイトカインを発現する(データは示さず、および図7C)。
このデータは、PSAが、LPSの低用量投与によって誘発される全身性炎症反応を抑制できることを示す。
(実施例12:PSAの非経口投与はTNF−α調節を生じ、全身性炎症を処置する)
内毒素性ショックの間に生じる死は、LPSに対して数時間内に生じる増加したレベルの炎症性サイトカインの結果である。実際に、炎症性メディエータTNF−αの遮断は、動物をLPSによる誘発性の死から完全に救う。このPSAは、LPSの低用量投与の間に発現されたサイトカインのレベルに対してこのような劇的な効果を有し、PSAが、内毒素性ショックに関連する死を防止することができることを示唆する。従って、出願人は、24〜96時間で死を引き起こす高用量レベルのLPS(500)を投与して、血清内の両方のサイトカインレベルを入手し、生存をモニターした。
図17dおよび17eに示した結果は、PBSを投与した動物はLPSの投与の60時間以内で全て死ぬが、PSA処置を受けたそれらの動物は、著しく高い生存率を有することを示す(図17d)。注目すべきことに、LPSを投与した場合、PBS動物は3000倍以上のTNF−αの誘発を有するが、PSAを受けたそれらのマウスは、非常に低いTNF−a誘発を示す(図17e)。これらのデータは、PSAが、LPSに対して生じる全身性炎症反応を抑制でき、敗血性ショックを予防できることを示す。
実施例7の例示的な実験に示されるように、IBDからのPSA媒介性防御は、CD4+Tリンパ球からのIL−10産生に頼る。IL−10が、LPSにより誘発される死を予防するのに必要とされるか否かを決定するために、出願人は、IL10欠損動物をPBSまたは精製したPSAで前処置して、敗血性ショックを生じるLPSのレベルを管理した。サイトカインレベルおよび生存率をモニターした。
図18に示した結果は、以前のデータと一致して、IL−10欠損動物が低用量のLPSに対して、より感受性があり、TNFαレベルが増加し続けることを示す(図18a)。興味深いことに、PSA処置した動物は、LPS投与後、4時間でごくわずかなレベルまで低下するLPSに対する血清TNF−aのレベルを劇的に減少させ(図18a)、PSAによって減少したTNF−aレベルは、IL−10を誘発するPSAの能力に依存しないことを示す。注目すべきことに、PSAによって減少したIL−6産生は、レベルがPBS処置した動物と同様であるため、IL−10依存性であり、複数の機構が、内毒素性ショックを軽減するためにPSAにより利用されることを示す(図18b)。最終的に、PSAを受けているIL10欠損マウスは、LPSにより誘発される死を完全に予防する(図18c)。
さらなる実験を、マウスにおいて低用量のLPS投与と関連するPSA投与のさらなる効果を検出するために実施した。図19に示した結果は、低用量のLPS投与の間のZPS投与の他の効果が、好中球の表面におけるCDllbおよびGR1発現の低下ならびに血液中の好中球動員の減少を含むことを示す。
まとめると、この実施例のデータおよびこの実施例は、PSAが腸以外の疾患をブロックできることを示し、全身性炎症を減少させるための新規の治療剤であることが予想される。
要約すれば、いくつかの実施形態において、ヘルパーT細胞プロファイル、特にTh1、Th2、Th17およびTreg細胞プロファイルを平衡化するための化合物、組成物および方法、ならびにヘルパーT細胞プロファイルの不均衡に関連する炎症状態を処置または予防するための関連する方法および組成物が、本明細書に提供される。
上記の実施例は、当業者が、本開示の化合物、組性物および方法の実施形態をどのように行い、使用するかの完全な開示および詳細を得るように提供され、本発明者らの開示とみなされるものの範囲を限定することを意図するものではない。当業者に自明である開示を実施するための上記の方法の変更は、添付の特許請求の範囲の範囲内であると意図される。本明細書に言及される全ての特許および刊行物は、本開示に関する当業者のレベルの指標となる。本開示に引用される全ての参考文献は、各参考文献が個々にその全体を参照により援用される場合と同程度まで、参照により援用される。
背景技術、要約、詳細な説明および実施例に引用される各文書(特許、特許出願、論文、要約、実験マニュアル、書籍または他の開示を含む)の全開示は、本明細書に参照により援用される。
さらに、本明細書とともに提出した配列表のハードコピーおよび対応するコンピューター可読形態の両方は、それらの全体が本明細書に参照により援用される。
本開示は、特定の組成物または生物系に限定されず、それらはもちろん、変更可能であることは理解されるべきである。本明細書に使用される専門用語は、特定の実施形態のみを記載する目的であり、限定することを意図しないこともまた、理解されるべきである。本明細書および添付の特許請求の範囲に使用される場合、単数形「1つの(a)」、「1つの(an)」および「その(the)」は、内容が明らかに他を示さない限り、複数の指示対象を含む。用語「複数」は、内容が明らかに他を示さない限り、2つ以上の指示対象を含む。他に定義されない限り、本明細書に使用される全ての技術用語および科学用語は、本開示に関係する当業者により一般に理解されるものと同様の意味を有する。
本明細書に記載されるものと同様または等価な任意の方法および物質が使用され得るが、実際に特定の例を試験するのに適切な物質および方法が本明細書に記載される。
本開示の多くの実施形態が記載されている。それにも関わらず、種々の変更が、本開示の趣旨および範囲から逸脱せずになされ得ることが理解されるだろう。従って、他の実施形態は添付の特許請求の範囲の範囲内である。
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Claims (21)

  1. 個体におけるヘルパーT細胞プロファイルを平衡化するための方法であって、前記方法は、前記個体に有効量の両性イオン多糖を投与することを含む、方法。
  2. 前記ヘルパーT細胞は、ヘルパーT細胞のサブセットであり、前記サブセットは、Th1、Th2、Th17およびTregのうちの少なくとも1つからなる、請求項1に記載の方法。
  3. 前記ヘルパーT細胞は、ヘルパーT細胞のサブセットであり、前記サブセットは、Th17、ならびにTh1、Th2およびTregのうちの少なくとも1つからなる、請求項1に記載の方法。
  4. 前記ヘルパーT細胞は、Th17である、請求項1に記載の方法。
  5. 前記両性イオン多糖は、天然に存在する細菌莢膜多糖である、請求項1〜3のいずれか一項に記載の方法。
  6. 前記両性イオン多糖は、B fragilis莢膜多糖A(PSA)または多糖B(PSB)である、請求項1〜5のいずれか一項に記載の方法。
  7. 前記有効量は、体重0.025キログラムあたり、約1μg〜約100μgの範囲の両性イオン多糖である、請求項1〜6のいずれか一項に記載の方法。
  8. 前記有効量は、体重0.25キログラムあたり、約0.001μg〜約1,000μgの範囲である、請求項1〜6のいずれか一項に記載の方法。
  9. 個体におけるヘルパーT細胞プロファイルの不均衡に関連する炎症を制御するための方法であって、前記方法は、前記個体に有効量の両性イオン多糖を投与することを含む、方法。
  10. 前記ヘルパーT細胞は、Th17である、請求項9に記載の方法。
  11. 前記両性イオン多糖は、B fragilis莢膜多糖A(PSA)または多糖B(PSB)である、請求項9または10に記載の方法。
  12. 前記方法は、サイトカイン媒介性炎症を処置するための治療法であり、前記有効量のPSAは、治療的に有効な量の両性イオン多糖である、請求項9〜11のいずれか一項に記載の方法。
  13. 個体におけるサイトカイン産生を制御するための方法であって、前記サイトカインはIL−1、IL−6、TNF−a、IL−17、IL21、IL23のうちの少なくとも1つであり、前記方法は、前記個体に有効量の両性イオン多糖を投与することを含む、方法。
  14. 前記サイトカインは、Il−17である、請求項13に記載の方法。
  15. 前記両性イオン多糖は、B fragilis莢膜多糖A(PSA)である、請求項13または14に記載の方法。
  16. 個体におけるIL−1、IL−6、TNF−a、IL−17、IL21、IL23のうちの少なくとも1つの産生に関連する炎症を制御するための方法であって、前記方法は、前記個体に有効量の両性イオン多糖を投与することを含む、方法。
  17. 前記方法は、前記炎症を処置するための治療法であり、前記有効量の両性イオン多糖は、治療的に有効な量の両性イオン多糖である、請求項16に記載の方法。
  18. 両性イオン多糖および適切なビヒクルを含む抗炎症性組成物であって、前記両性イオン多糖は、約1μg〜約100μgの量で含まれる、抗炎症性組成物。
  19. 前記両性イオン多糖は、約0.01μg〜約1,000μgの量で含まれる、請求項18に記載の抗炎症性組成物。
  20. 前記組成物は、医薬組成物であり、前記適切なビヒクルは、薬学的に許容可能なビヒクルである、請求項18または19に記載の抗炎症性組成物。
  21. 前記両性イオン多糖は、B fragilis莢膜多糖A(PSA)または多糖B(PSB)である、請求項18〜20のいずれか一項に記載の抗炎症性組成物。
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