本考察は例示的な態様の説明に過ぎず、本発明の広範な態様を限定することを意図するものではないことは、当業者であれば理解できるであろう。
本開示は、一般的に、吸収性物品内における身体流体の存在、または前記吸収性物品若しくは着用者の状態におけるその他の変化を知らせるように構成された吸収性物品に関する。前記吸収性物品は、例えば、おむつ、トレーニングパンツ(トイレ訓練用パンツ)、失禁用品、女性用衛生用品、医療用衣類、包帯などであり得る。通常、前記吸収性物品は使い捨てであり、再使用のために洗濯または他の方法によって元の状態に回復させるのではなく、限定的な使用の後に廃棄するように設計されている。
本開示は、使い捨て型の吸収性構造体20と共に使用される身体滲出液検出通知システムに関する。吸収性物品20が尿、月経、血液などの液体に侵襲されたとき、吸収性構造体44が前記液体を捕集して保持する。従来の吸収性物品20は、液体の保持性が非常に高かったため、介護者は吸収性物品が侵襲された時期を知ることができなかった。従来の製品では、特に吸収性物品20の着用者が新生児や乳児などの場合は侵襲量が非常に少ないので、介護者は吸収性物品20が侵襲されたか否かを判断する方法を持たなかった。この問題を解決する信号通知装置110は、吸収性構造体44と電磁的に接続されている。
図1及び図2を参照して、例示を目的として、本発明に従って作製された吸収性物品20が示されている。吸収性物品20は、使い捨て型であってもよいし、使い捨て型でなくてもよい。本発明は、本発明の範囲から逸脱することなく、その他の様々なパーソナルウエア用の吸収性物品と共に使用するのに適していることを理解されたい。そのようなパーソナルウエア用の吸収性物品には、これらに限定するものではないが、おむつ、トレーニングパンツ、水着用下着、女性用衛生用品、失禁用品、医療用衣服、手術用パッド及び包帯、その他のパーソナルケア用衣服または健康ケア用衣服などが含まれる。
部分的に締結された状態のおしめ20が、図1に代表的に示されている。また、図1及び図2に示したおしめ20の折り畳まれていない展開された状態を、図3及び図4に示す。具体的には、図3は、おしめ20の外面を示す平面図であり、図4は、おしめ20の内面を示す平面図である。図3及び図4に示すように、おしめ20は、着用した際に吸収性物品の前側から吸収性物品の後側に延びる縦方向48を画定する。縦方向48と直交する方向が、横方向49となる。
おむつ20は、一対の縦方向両側の端部領域(本明細書中では前側領域22及び後側領域24とも呼ばれる)と、前側領域22と後側領域24との間に縦方向に延在し前記両領域を相互連結する中央領域(本明細書中では股部領域26とも呼ばれる)とを含む。また、おむつ20は、使用時に着用者に面する(すなわち、吸収性物品20の他の構成要素に対して相対的に内側に位置する)内面28と、内面28と反対側の面である外面30とを含む。前側領域22及び後側領域24は、おむつ20における、着用した際に着用者のウエスト(すなわち、胴体の中程から下部にかけての部分)を全体的若しくは部分的に覆うかまたは取り囲む部分である。股部領域26は、一般的には、おむつ20における、着用時に、着用者の両脚の間に位置し、着用者の胴体下部及び股部を覆う部分である。吸収性物品20は、一対の横方向両側の側縁部36と、一対の縦方向両側のウエスト側縁部(前側ウエスト側縁部38及び後側ウエスト側縁部39)とを含む。
図示したおむつ20は、本態様では、前側領域22、後側領域24及び股部領域26を包含するシャーシ32を含む。図1ないし図4を参照して、シャーシ32は、外側カバー40及び身体側ライナ42(図1及び図4)を含む。身体側ライナ42は、接着剤、超音波接着、熱接着、またはその他の従来技術によって外側カバー40に接合され得る。図4を参照して、ライナ42は、好適には、前側ウエストシーム62及び後側ウエストシーム64を形成するようにして、シャーシ32の周縁部に沿って外側カバー40に接合される。図4を参照して、ライナ42は、好適には、前側領域22及び後側領域24において一対のサイドシーム61を形成するようにして、外側カバー40に接合される。図4に示すように、ライナ42は、通常は、吸収性物品の着用中に着用者の皮膚と対向して位置するように構成される(すなわち、吸収性物品20の他の構成要素に対して相対的に内側に配置される)。シャーシ32は、外側カバー40と身体側ライナ42との間に配置され着用者からの身体滲出液を吸収するための吸収性構造体44と(図4参照)、身体側ライナ42に設置された身体滲出液の横方向流れを抑止するための一対の閉じ込めフラップ46とをさらに含む。
図4に示した伸縮性を有する閉じ込めフラップ46は、着用者の身体に対して密閉を形成するために少なくともおむつ20の股部領域26において垂直構造をなす、部分的に未結合の側縁部を画定する。閉じ込めフラップ46は、シャーシ32の全長に沿って縦方向に延在するか、またはシャーシ32の長さ方向に沿って部分的にのみ延在する。閉じ込めフラップ46の適切な構造及び構成は一般的に当業者に公知である。
身体滲出液の閉じ込め及び/または吸収をさらに向上させるために、当業者には公知のように、おしめ20は、好適には、脚部弾性部材58(図4)も含む。脚部弾性部材58は、吸収性物品20の股領域26に配置され、外側カバー40及び/または身体側ライナ42に作用可能に接合される。脚部弾性部材58は任意の適切な伸縮性材料から作製することができる。
いくつかの実施形態では、吸収性物品20は、随意的に吸収性構造体44に隣接して配置され、吸収性構造体44または身体側ライナ42などの吸収性物品20の様々な構成要素に接着剤の使用等の当分野で公知の方法によって取り付けられるサージ制御層60をさらに含み得る。サージ制御層60は、吸収性物品の吸収構造体内に急速に導入された液体の強く激しい流れを弱めるまたは拡散させるのを助ける。吸収構造体の貯蔵部分または保持部分が液体を吸収する前に、サージ制御層60が液体を素早く受容し一時的に保持するようにすることが望ましい。
図1ないし図4に示すように、吸収性物品20は、シャーシ32の後側領域に取り付けられた、横方向両側に対向配置される一対の弾性サイドパネル34をさらに含む。図1及び図2に詳しく示すように、サイドパネル34は、吸収性物品を適切な位置で固定するために、着用者のウエスト(腰部)及び/または臀部の周囲で伸張させることができる。図3及び図4に示すように、弾性サイドパネル34は、横方向両側に対向配置される一対の縦方向側縁部37に沿って、シャーシ32に取り付けられる。サイドパネル34は、任意の適切な接合技術を用いて、シャーシ32に取り付けるか、または接合させることができる。例えば、サイドパネル34は、接着剤、超音波接着、熱接着または他の従来の技術によって、シャーシに接合させることができる。
別の態様では、弾性サイドパネルは、シャーシ32と一体的に形成することもできる。例えば、サイドパネル34は、身体側ライナ42の延長部分、外側カバー40の延長部分、または、身体側ライナ42及び外側カバー40の両者の延長部分から構成することができる。
これらの図示した態様では、サイドパネル34は吸収性物品20の後側領域に取り付けられており、吸収性物品20を着用者の適切な位置に固定する際に、吸収性物品20の前側領域に延ばされる。なお、サイドパネル34を吸収性物品20の前側領域に取り付け、吸収性物品を着用する際に、後側領域に延ばすようにすることも可能なことを理解されたい。
図1及び図2に部分的に示した締結位置にある吸収性物品20では、締結システム80によって弾性サイドパネル34を締結することによって、ウエスト開口部50及び一対の脚開口部52を含む3次元のおむつ構造が画定される。吸収性物品20のウエスト開口部50は、着用者のウエストを取り囲むウエスト側縁部38及び39によって画定される。
これらの図に示した態様では、サイドパネルは、締結システムによって、吸収性物品20の前側領域22に着脱自在に結合可能である。なお、他の態様では、左右両端において、サイドパネルをシャーシ32に恒久的に結合することも可能なことを理解されたい。例えば、トレーニングパンツまたは吸収性水泳着を形成する際は、サイドパネルは恒久的に一体結合される。
弾性サイドパネル34は、それぞれ、縦方向外側縁部68、おしめ20の縦方向中央に向かって配された脚部端側縁部70、及び吸収性物品の縦方向端部に向かって配されたウエスト側縁部72を有している。着用者の脚部の周りにより良くフィットさせるために、吸収性物品20の脚部端側縁部70は、横方向49に対して適切に湾曲及び/または角度付けされた形状にすることができる。しかしながら、本発明の範囲から逸脱することなく、脚部端側縁部70のうち一方だけ(例えば、後側領域24の脚部端側縁部)を湾曲または角度付けされた形状にするか、または脚部端側縁部のいずれも湾曲または角度付けされた形状にしないことも可能なことを理解されたい。図4に示すように、外側縁部68は縦方向48に対して概ね平行であり、ウエスト側縁部72は、横方向軸49に対して概ね平行である。しかしながら、他の態様では、外側縁部68及び/またはウエスト側縁部72は、所望に応じて傾斜または湾曲させて形成してもよいことを理解されたい。最終的に、サイドパネル34は、シャーシのウエスト領域90と概ね整列配置される。
締結システム80は、横方向両側の第1の締結部材82とそれに対応する第2の締結部材84とを備えており、第1の締結部材82は第2の締結部材に対して再締結可能(着脱可能)に結合するように構成されている。図示した態様では、第1の締結部材82は弾性サイドパネル34に配設されており、第2の締結部材84はシャーシ32の前側領域122に配設されている。一態様では、締結部材82、84のそれぞれの前面または外面は、複数の係合要素を備える。第1の締結部材82の係合要素は、それに対応する第2の締結部材84の係合要素に対して繰返して係合及び解離可能に構成されており、吸収性物品20を3次元構造に解除可能に固定する。締結部材82、84は、吸収性物品に適した任意の再締結可能な締結部材であり得る。
図示した態様では、締結部材82は、外側縁部68に沿ってサイドパネル34に取り付けられている。この態様では、締結部材82は、弾性すなわち伸縮可能ではない。しかしながら、他の態様では、締結部材は、サイドパネル34と一体的に構成してもよい。例えば、締結部材は、サイドパネル34の表面に直接的に取り付けてもよい。
弾性サイドパネルを有する可能性に加えて、吸収性物品20は、ウエスト開口部の周囲に弾性を提供するための様々な弾性部材を含み得る。例えば、図示するように、吸収性物品20は、前側ウエスト弾性部材54及び/または後側ウエスト弾性部材56を含むことができる。
吸収性物品20の作製に使用される、ウエスト弾性部材54及び56を取り巻く材料は、特定の用途及び作成される特定の吸収性物品に応じて様々であり得る。
外側カバー40は、例えば、通気性及び/または液体不透過性であり得る。外側カバー40は、単一の層、複数の層、積層体、スパンボンド布、フィルム、メルトブローン布、弾性網材、微小孔性ウェブ、ボンデッドカーデッドウェブ、或いは、エラストマー性またはポリマー性材料から形成された発泡体で構成することができる。外側カバー40は、例えば、液体不透過性材料の単層構造体、あるいは、少なくとも1つの層が液体不透過性である多層積層構造体とすることができる。しかしながら他の態様においては、外側カバーは、液体透過性とすることができることを理解されたい。例えば、この態様では、吸収性物品は内側液体バリア層を含むことができる。
外側カバー40の内側層は、液体不透過性かつ蒸気不透過性であってもよいし、液体不透過性かつ蒸気透過性であってもよい。内側層は、薄いプラスチックフィルムから製造されることが望ましいが、他の柔軟性を有する液体不透過性材料を用いてもよい。内側層、または単層である場合の液体不透過性外側カバー40は、ベッド用シーツ及び衣服といった吸収性物品や着用者及び世話人が、汚物で汚れるのを防ぐ。
身体側ライナ42は、柔軟であり、柔らかい肌触りであり、かつ着用者の皮膚を刺激しないことが適切である。身体側ライナ42はまた、身体滲出液の吸収性コア44の厚さ方向への透過を容易にするのに十分な液体透過性も有する。
吸収性構造体44は、外側カバー40と身体側ライナ42との間に配置される。吸収性構造体44は、一般的に、圧縮可能で、応従性があり、着用者の皮膚を刺激しない、かつ、液体及び身体排出物を吸収及び保持することが可能な、任意の構造または構成要素の組み合わせとすることができる。通例、超吸収性材料は、吸収性ウェブ内に、吸収性ウェブの総重量を基準として約0ないし約90重量パーセントの量で存在する。超吸収性材料は、当該技術分野では公知である。
所望の形状に形成または切断された後、吸収性ウェブ材料は、吸収性構造体44の一体性及び形状を維持することを助ける適切なティッシュまたはメルトブローンウェブなどのラップシートにより、覆うかまたは包み込むことができる。吸収性ウェブ材料はまた、コフォーム材料であり得る。
図2を参照して、例示を目的として、吸収性物品20に取り付けられた信号通知装置110が示されている。後述するように、信号通知装置110は検出回路120を含む。吸収性物品20内に身体滲出液が存在する場合、検出回路120は身体滲出液の存在を検出し、信号通知装置110を駆動させる。信号通知装置110は、吸収性物品20に着脱自在に取り付け可能な、或いは吸収性物品20の近傍に保持される単一の装置とすることができる。本発明の別の態様では(図示せず)、信号通知装置110は、送信機及び受信機を含むことができる。特に、本発明の一態様では、吸収性物品20内に身体滲出液が存在することを着用者または介護者に知らせる無線信号が、送信機から受信機へ送信される。この態様のさらなる詳細は、例えば、Longにより出願された「接続機構(Connection Mechanisms)」という標題の米国特許出願第2006/0244614号明細書(特許文献1)に記載されている。この特許文献の開示内容は、本明細書と一致する範囲で(すなわち、矛盾しない範囲で)、この参照により本明細書に組み込まれるものとする。
信号通知装置110は、吸収性物品20内に身体滲出液が存在することをユーザに知らせるために、可聴信号または可視信号を発することができる。可聴信号は、例えば、1回以上のビープ音などの単純なものや音楽(メロディ)などであり得る。同様に、信号通知装置110が可視信号を発する場合は、可視信号は、一本の光線、複数本の光線、またはインタラクティブな表示を含み得る。さらなる別の実施形態では、信号通知装置110の受信機は、この濡れ検出吸収性物品内の検出回路が動作した場合に振動するように構成され得る。
図1に示した本発明の態様では、信号通知装置110は、吸収性物品20に取り付けられたままの、または吸収性物品20の近傍に保持されるように構成された単一の装置である。例えば、信号表示装置を吸収性物品20に取り付け、吸収性物品自体から可視信号及び/または可聴信号を発するようにすることもできる。
本発明の様々な態様では、吸収性物品20は、同時係属で本出願人に譲渡された、Longにより出願された「使用が容易な信号通知装置を備えた衣類(Garments With Easy-To-Use Signaling Device)」という標題の米国特許出願第11/303,283号明細書(特許文献2)や、Alesらにより出願された「吸収性物品内における侵襲の存在の検出方法及び検出装置(Method of Detecting the Presence of an Insult in an Absorbent Article and Device for Detecting the Same)」という標題の米国特許出願第11/215,937号明細書(特許文献3)に記載されているような追加的な機構を含み得る。これら特許文献の開示内容は、本明細書と一致する範囲で(すなわち、矛盾しない範囲で)、この参照により本明細書に組み込まれるものとする。例えば、吸収性物品20は、例えば、退色インク、発色インク、濡れライナ、冷却成分などの他の濡れ検出機構を含むこともできる。
吸収性物品20は、同時係属で本出願人に譲渡された、Allenらにより2006年4月27日に出願された「濡れ検出物品のアレイ(An Array of Wetness Sensing Articles)」という標題の米国特許出願第11/414,032号明細書(特許文献4)に記載されているような濡れ検出または身体滲出液検出通知システムの一部であり得る。
本発明の様々な態様では、吸収性物品20は、子供のトイレ訓練のためにか、夜尿症に対処するためにか、または、特に大人の失禁をモニタするために使用されるように構成され得る。本発明の一態様では、製造され販売されている各信号通知装置が、あらゆる用途のために製造され販売されている全ての濡れ検出吸収性物品に適合し得る。
図5に示す本発明の一態様では、信号通知装置110は、吸収性物品20内における身体滲出液の存在を検出するように構成された検出回路120を含む。この検出回路120は、その近傍に尿などの導電性液体が存在する場合に、前記導電性液体中に弱い渦電流を生成する誘導コイル125を含む。前記電流は、その後、誘導コイル125に作用する電磁場を生成し、実数部及び虚数部の両方においてインピーダンスを変化させる。
誘導コイル125は直径約1.0mmのサイズに作成することができるが、誘導コイル125のサイズを小さくすると視野(field of view)が小さくなる。視野を大きくするために、誘導コイル125を直径約10cmのサイズに作成することもできるが、誘導コイル125のサイズを大きくすることは、吸収性物品と共に使用する用途では実用的ではない。あらゆるサイズの誘導コイル124を使用することができるが、約0.5cmないし約0.8cmの範囲のコイル125がより実用的である。さらに、約1cmないし約5cmの範囲のコイルが、さらなる利点を有する。最終的に、約1cmないし約2cmの範囲のコイル125が最も実用的である。
検出回路120はまた、マージナル発振回路130を含む。マージナル発振回路130は、誘導コイル125のインピーダンスの変化を検出するために使用される。そのような発振回路130の例が、図5に示されている。最も単純な形態のマージナル発振回路130は、辛うじて発振を駆動できる程度のフィードバックを有する標準的なコルピッツ型発振器である。本発明の他の態様では、前記発振器は、例えばフランクリン発振回路やハートレー発振回路などの任意の適切な発振回路であり得る。導電性物体が誘導コイル125に接近した場合、前記導電性物体における抵抗損失に起因して発振回路からエネルギーが除去される。このエネルギーの除去は、発振回路の出力から読み取られ、この場合、吸収性物品内の導電性液体の量または液体の導電性を測定するために解釈される。前記装置が一旦駆動されると、自動的でありかつユーザからは見えないベースライン測定をプロセッサが行う。信号通知装置110がユーザにより設置されると、検出回路120は自動的にゼロにリセットされ、必要とされるゼロ濡れベースラインが定められる。
検出回路120に関連する電子回路は比較的単純であり、郵便切手サイズにまで小型化することができる。検出回路120は、誘導コイル125を含む。誘導コイル125には、例えば、#36ワイヤを40回巻いて直径約2cmの平面ループに形成されたものが含まれる。
検出回路120全体は、吸収性物品20に取り付けられるか、あるいは吸収性物品20の近傍に保持されるように構成されたハウジング135(図2及び図6参照)内に配置される。取り付け機構140を使用してハウジング135を吸収性物品20へ取り付ける場合、ハウジング135は、吸収性物品20の外側カバー40における侵襲が予想される領域の近傍に取り付けられるポーチ(pouch)または剛性若しくは半剛性のハウジング135であり得る。そのような取り付け機構140は、接着剤、フックアンドループ、機械的ファスナ(スナップ、クリップまたはクラスプなど)、任意のその他の適切な取り付け機構、またはそれらの組み合わせを使用することができる。様々な取り付け機構140には、同時係属で本出願人に譲渡された、Longにより出願された「使用が容易な信号通知装置を備えた衣類(Garments With Easy-To-Use Signaling Device)」という標題の米国特許出願第2007/0142797号明細書(特許文献5)、Longにより出願された「接続機構(Connection Mechanisms)」という標題の米国特許出願第2006/0244614号明細書(特許文献1)、及びLongにより出願された「身体流体信号通知装置用の吸収性物品内の接続機構(Connection Mechanisms In Absorbent Articles For Body Fluid Signaling Devices)」という標題の米国特許出願第2007/0024457号明細書(特許文献6)に記載されているものが含まれる。これらの特許文献の開示内容は、本明細書と一致する範囲で(すなわち、矛盾しない範囲で)、この参照により本明細書に組み込まれるものとする。
本発明の別の態様では、信号通知装置110は、吸収性物品20の外側カバー40の最外面の近傍に保持されるように構成される。この態様では、取り付け機構138は不要となる。吸収性物品20の着用者または介護者が、信号通知装置110が吸収性物品20の外側カバー40の近傍で保持し、吸収性物品20が侵襲を受けたか否かを検出する。
吸収性物品20が1回目の侵襲を受けた後、超吸収体の膨張が生じる間、マージナル発振回路130からの信号は比較的高いレベルに上昇するが、その後、液体が超吸収体に毛細管現象により吸収されて誘導コイル125の視野に存在しなくなるとプラトーに達する。誘導コイル125の視野とは、侵襲物が誘導コイル125に影響を与える領域である。このように、マージナル発振回路130の信号出力は、急激な上昇の後に水平となる。超吸収性体が存在しない場合、液体の毛細管現象による吸収{げんしょう}に応答して信号はゆっくりと下降する。吸収性物品20が2回目の侵襲を受けたとき、吸収される尿は通常は、膨張した超吸収体よりも導電性が低いため信号の急激な下降が生じる。2回目の侵襲が完全に終わった後、信号は、第1の侵襲後のときの値よりも高い値まで再び上昇する。しかし、超吸収体のレベルが小さい場合は、最終的には、その後に再び減衰期間が続く。検出回路120が侵襲を検出した場合、信号通知装置110は、上述したようにして、着用者または介護者に信号を提供する。
場合によっては、検出回路120は、その周囲に存在する導電性物体により起こる干渉に対処する必要があると考えられる。しかし、干渉を起こす導電性物体は通常は、前記コイル中心の1コイル直径内に存在しないと影響はないので、実際の用途ではそのような状況は起こりにくい。そのため、検出回路120を吸収性物品20と共に使用した場合に、干渉を起こす導電性物体が誘導コイルの中心の1コイル直径内に現れることはありそうもない。また、この種の干渉に関する問題は、誘導コイル125が配置され駆動されるとすぐに出力信号を認識して記憶するインテリジェントプロセッサにより調節するようにすることもできる。このプロセッサは、この出力信号を参照点として使用し、この参照点に関連してその後の信号を解釈する。言い換えれば、このプロセッサは、知的ゼロ化機構(intelligent zeroing feature)を含む。
本発明の別の態様では(図示せず)、信号通知装置110は、2つ以上の誘導コイル125を使用する。例えば、2つの誘導コイル125を用い、尿を検出するために一方のコイル125を吸収性物品20の前側に配置し、排便を検出するために他方のコイル125を吸収性物品20の後側に配置するようにすることもできる。
図6に示す本発明の別の態様では、信号通知装置110と吸収性構造体44内の液体との間の電位差または電圧差を等しくすることを確実にするために、信号通知装置110の電気的コモン(electrical common)と吸収性構造体44との間を接続するグランドリード145を使用することができる。このようなグランドリード145の機構はシステム内のノイズを減少させるので、検出回路120が誘導コイル125のインピーダンス変化をより感度良く検出することを助けることができる。グランドリード機構は、任意の適切な手段により信号通知装置110の電気的コモンと吸収性構造体44との間に導電体を配置することにより達成することができる。例えば、信号通知装置110を吸収性物品20に取り付けるための導電性手段(スナップ、クラスプ、クリップなど)を、グランドリード145として使用することができる。別の例では、信号通知装置110における吸収性物品20に向いた面から突出しているワイヤまたはスパイクを外側カバー40に突き刺して吸収性構造体44に接続させることにより、信号通知装置110の電気的コモンと吸収性構造体44との間にグランドリード145を設けることができる。言い換えれば、これらの態様では、信号通知装置110の電気的コモンと吸収性構造体44との間のグランドリード機構は、標的液体と信号通知装置110の電気的コモンとの間の電位差を等しくするために設けられる。
本発明に対するこれらの及び他の変更及び変形は、添付した特許請求の範囲により詳細に規定された本発明の精神及び範囲から逸脱することなく、当業者により実施することができる。また、本発明の様々な態様は、全体的にまたは部分的に相互に置き換え可能であることを理解されたい。さらに、前述の説明は、例示のみを目的とするものであり、添付した特許請求の範囲に詳細に述べられている本発明の限定を意図するものではないことは、当業者には明らかであろう。