JP2011500353A - 液体貯蔵及び小出し用容器及び方法 - Google Patents

液体貯蔵及び小出し用容器及び方法 Download PDF

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Abstract

【課題】連続インクジェットプリンタ用の交換カートリッジのような容器内に残っているインク又は溶剤のような液体の体積を測定するための方法が、貯蔵用の可変容積を有する内部空間を包囲するリザーバを使用する。リザーバは、内部空間の圧力の減少をもたらすようになっており、その減少は、液体がプリンタ内に引き込まれるとき大きさが実質的に単調に増加し、残っている液体の体積を、更なる液体をリザーバからプリンタに引き込むのに必要な最小抜取り圧力の情報から計算することができる。本発明に使用する容器は、液体小出しポートを有し、該ポートは、ポートの外部の抜取り圧力が内部空間の圧力より小さいときに液体を小出しさせ、かつ、液体が小出しされるときにリザーバの内部空間に空気が進入するのを防止するようになっている。
【選択図】図1

Description

本発明は、液体を小出しするための容器、特に、インクジェットプリンタ、特に連続インクジェットプリンタのようなプリンタに使用するためのインク又は溶剤を小出しするための詰替容器に関する。本発明はまた、かかる容器内に残っている液体の量をモニタする方法、及び、上に言及した種類の容器に接続可能なインクジェットプリンタに関する。
インクジェットプリント装置では、プリントは、ノズルで発生して基板へ向かって進む個々のインク滴で作られる。二つの主なシステムがあり、すなわち、印刷のためのインク滴を要求されるときに発生させるドロップオンデマンド(drop on demand)と、インク滴を連続的に生じさせ、選択されたインク滴だけを基板へ差し向け、他のインク滴をインク供給部に再循環させる連続インクジェットプリントがある。
連続インクジェットプリンタは、加圧インクをプリントヘッドインク滴発生部に供給し、そこで、ノズルから発出する連続インク流が、振動している圧電要素によって個々の規則的なインク滴に分割される。インク滴は、荷電電極を通過して差し向けられ、ここで、インク滴が一対の偏向板を横切って作られた横電界の中を通る前に、所定の電荷を選択的かつ別々に与えられる。各荷電インク滴は、基板に衝突する前に、各荷電インク滴の電荷の大きさに依存した量だけ、電界によって偏向され、これに対して、荷電していないインク滴は、偏向されることなく進み、ガターに集められ、そこから、再利用のためインク供給部に再循環される。荷電インク滴は、ガターを迂回して、インク滴の電荷とプリントヘッドに対する基板の位置とによって決定された位置で基板に当たる。
偏向板は、基板の速度を補償するために、垂直に対して斜めに向けられる(到着するインク滴間のプリントヘッドに対する基板の移動は、インク滴の線が、さもなければ基板の移動方向に対して垂直に全く延びないことを意味する。)が、典型的には、基板は、プリントヘッドに対して一方向に移動され、インク滴は、基板とほぼ垂直な方向に偏向される。
連続インクジェットプリントでは、文字は、潜在的なインク滴位置の規則的なアレイからなるマトリクスによりプリントされる。各マトリクスは、複数のコラム(ストローク)を含み、その各々は、インク滴に付与された電荷によって決定された複数の潜在的インク滴位置(例えば、7つ)を含む線によって構成される。かくして、各使用可能なインク滴は、ストローク中のインク滴の意図した位置に従って荷電される。特定のインク滴が使用されないのであれば、そのインク滴は荷電されず、そのインク滴は再循環のためにガターで捕獲される。このサイクルは、マトリクス中の全てのストロークについて繰り返し、そして、次の文字のマトリクスについて再び開始する。
インクが、インク供給装置によって、加圧下でプリントヘッドに送出され、インク供給装置は、一般的に、キャビネットの密閉コンパートメント内部に収容され、キャビネットは、制御回路要素及びユーザインタフェースパネルのための別のコンパートメントを含む。インク供給装置は、インクをリザーバ又はタンクからフィルタを介して出し、且つインクを加圧下でプリントヘッドに送出する主ポンプを含む。インクが消費されると、リザーバは、供給導管によってリザーバに取り外し自在に接続され、必要なときに、交換可能なインクカートリッジから補給され、交換インクは、供給導管によって交換可能なインクカートリッジの出口ポートに接続されるインク補給ポンプを通して適宜に供給される。インクは、主ポンプによって、リザーバから送られ、好ましくは、可撓性送出導管を経てプリントヘッドに供給される。ガターによって捕獲された未使用インク滴は、ポンプによって、戻り導管を経てリザーバに再循環される。導管の各々の中のインクの流れは、一般的に、電磁弁及び/又は他の同様の構成要素によって制御される。
インクがシステムの中を循環する際に、特に、ノズルとガターの間のインクの通路で空気に曝された再循環インクに関して、溶剤蒸発の結果、インクが濃くなる傾向がある。これを補償するため、インク粘度を所望の限度内に維持するように、「メイクアップ(make-up)」溶剤が、必要なときに、交換溶剤カートリッジからインクに加えられる。この溶剤はまた、クリーニングサイクルで、ノズル及びガターのようなプリントヘッドの構成要素を洗浄するのに使用される。溶剤補給ポンプは、溶剤を、交換可能な溶剤カートリッジから供給導管を経て供給するのに使用される。
それ故、典型的な連続インクジェットプリンタは、交換可能なインク容器又はカートリッジと、交換可能な溶剤容器又はカートリッジの両方を有する。好ましくは、各容器は、それぞれの流体、即ちインク又は溶剤を小出しするポートを有する。各容器のポートは、流体を容器からリザーバに小出しするようになっているポンプ装置に、液密手段を介して接続される。この説明では、交換可能なインクカートリッジと交換可能な溶剤カートリッジの両方が、容器又はカートリッジと称される。
プリンタ用の容器内に残っているインク又は溶剤の量をモニタするための簡単な方法を提供することが望ましい。これは、かかるモニタがプリンタの作動を中断することなく、プリンタが使用中でないときのような適当な時に、プリンタのオペレータが容器の交換に備えられるからである。
また、(例えば、異なるインク色又は種類を必要とするから、)インク容器又は溶剤容器が空になる前に、プリンタ用のインク種類又は溶剤種類を変えることが望ましい。インク又は溶剤を無駄にしないように、一部使用した容器を、後日、再び取り付けることができることが望ましい。一部入っているときに一部使用した容器が取り外されたプリンタか、別の互換性を有するプリンタに、一部使用した容器を再使用するとき、一部使用した容器内に残っている液体の量を知ることができることも望ましい。
本発明は、プリント装置の分野に限定する必要はなく、ペンキスプレー用のような、又は、薬品投与装置のような医療用途のような、交換可能な液体容器を使用する他の分野への用途を有してもよい。
第1の側面では、本発明は、液体を貯蔵するための可変容積を有する内部空間を包囲する壁を有するリザーバと、前記液体を小出しするためのポートとを含む、液体を貯蔵し且つ小出しするための容器であって、リザーバが、内部空間の圧力の減少を支持するようになっており、それによって、内部空間と周囲の大気との間の平衡圧力差が、液体を小出しする際に、大きさが実質的に単調に増加し、ポートは、ポートの外部での抜取り圧力が内部空間の平衡圧力より小さいとき、液体を小出しするようになっており、ポートは、液体を小出しする際に、空気がリザーバの外部から内部空間に入るのを阻止するようになっている。
好ましくは、容器は、プリンタ、即ちプリント装置に使用するインク又は溶剤を貯蔵し且つ小出しするための交換可能な容器である。
好ましくは、プリンタは、インクジェットプリンタであり、特に、連続インクジェットプリンタである。液体は、染料系インク又は顔料系インクのようなインクであってもよいし、インクの希釈液として適当に使用される溶剤、又は、プリンタの液体搬送ラインを洗浄するための溶剤であってもよい。
容器のリザーバは、液体が小出しされるとき内部空間の可変容積が減少するにつれて、内部空間と周囲の大気との間の圧力差の大きさが実質的に単調に増加するように、内部空間の平衡圧力の減少を支持するようになっている。減少は、周囲の大気圧と比較して圧力の減少である。換言すれば、内部空間の圧力は、典型的には、リザーバが最初に満たされるとき大気圧で出発するであろう。液体が小出されると、リザーバの内部空間の圧力、及び内部空間内の液体の圧力は、大気圧より小さい平衡値を有し、内部空間の圧力のこの平衡値は、もっと液体が内部空間から小出しされるにつれて、より小さくなり続けるであろう。液体は非圧縮性であり、そのため、一般に、液体が、閉じた内部空間から除去されるとき、除去された液体は、他の流体、典型的には、ガス、通常は空気によって置き換えられるか、閉じた内部空間の容積が、失われた液体を補償するために減少しなければならない。内部空間を包囲するリザーバが剛性であれば、ガスが、液体を除去させるために入らなければならない。内部空間を包囲するリザーバが、練り歯磨きのチューブのリザーバのように、恒久的に又は可塑的に変形可能であれば、液体の除去のために、内部空間を、失われた液体を補償するように減少させるように、チューブの外側の大気圧がリザーバを絞ることになる。本発明に関して、容器のリザーバは、ポートを通して小出しした液体の減量を補償するために内部空間を減少させるために変形するようになっているが、リザーバの変形は、内部空間の内側の圧力の減少をもたらす。もっと液体をリザーバの内部空間からポートを通して引き出し、又は小出ししたければ、ポートの外部の圧力をリザーバの内部空間の平衡圧力よりも小さい値まで減少させる必要があり、それによって、液体がポートから流出する。これは、一方、リザーバの内部空間の更なる減少、及び内部空間の内側の一層低い圧力をもたらす。
リザーバの壁は、内部空間と周囲の大気との間の圧力差を支持することができるようになっている。
液体がリザーバの内部空間からポートを通して小出しされると、液体をポートを通して吸い出すためにポートに加えられるべき圧力は、リザーバが空になるにつれて、実質的に単調に減少するであろう。
本発明によるいかなる特定の容器についても、小出しさせるのに必要な最小抜取り圧力と、内部空間の容積との間に関係があるであろう。この関係によって、液体をポートを通して小出しするのに必要な最小抜取り圧力を測定することによって、リザーバの内部空間に残っている容積を導出することが可能であり、それ故、容器に残っている液体の体積を導出することが可能である。
それ故、本発明の第2の側面は、容器内の液体の体積を測定する方法を提供し、
i)液体を貯蔵するための可変容積を有する内部空間を包囲する壁を有するリザーバと、前記液体を小出しするためのポートとを含む、液体を貯蔵し且つ小出しするための容器を準備するステップと、
ii)ポートを、液密接続によって、プリンタのポンプ手段の入口に接続するステップと、
iii)ポートの外部での抜取り圧力を形成するためにポンプ手段を作動するステップと、
iv)ポートを通して液体の小出しを可能にするのに必要な最小抜取り圧力を測定するステップと、
V)測定した最小抜取り圧力から液体の体積を決定するステップと、を含む。
典型的には、液体の体積は、小出しを可能にするのに必要な最小抜取り圧力と内部空間の容積との間の既知の関係から決定される。
この方法は、インクジェットプリンタ、又は連続インクジェットプリンタのようなプリンタに取り付けられた交換可能な容器内の液体の体積を測定するのに特に有用である。
それ故、本発明の第3の側面は、インクジェットプリンタに取り外し自在に取り付けられた容器と、ポンプ手段とを有するインクジェットプリンタであって、容器が、容器のリザーバの内部空間の容積を実質的に満たす液体の体積を含み、且つ、液密接続によって、インクジェットプリンタのポンプ手段の入口に接続されたリザーバのポートを有し、ポンプ手段は、リザーバのポートの外部に抜取り圧力を形成するようになっており、インクジェットプリンタは、更に、抜取り圧力を測定するための圧力測定手段と、圧力測定手段によって測定された最小液体抜取り圧力から、容器のリザーバの内部空間内の液体の体積を決定するための制御手段と、を含む。
容器は、本発明の第1の側面に従っているのがよい。
本発明の第3の側面のインクジェットプリンタは、好ましくは連続インクジェットプリンタである。
本発明の好ましい特徴及び実施形態は、以下の説明に詳述されるように、適当であれば本発明の第1、第2及び第3の側面に適用する。
本発明は、以下の物理的原理に基づく。力が、張力をかけた面に垂直に作用しなければ、その面は平らなままである。面の一方の側の圧力が他方の側の圧力と異なるならば、その圧力差と表面積との積は垂直な力となる。平衡を確立するために、張力をかけた面の張力は、圧力により力を相殺しなければならず、これにより、曲面が湾曲になる。好ましくは、この原理の最もよく知られた適用は、子供の風船であり、風船の内側のガス圧は、風船の外側の大気圧より大きく、圧力差は、風船の湾曲した弾性面の張力によって補償される。初期の張力をかけていない面が平らであるとき、圧力は、一般的に、張力をかけた面の凹面側が大きい。しかしながら、初期の張力をかけていない面が初めに凹面であれば、面の両側の圧力が同じであるとき、面の凹面側の圧力を減ずると、張力が面に確立されて平衡させるから、より大きな曲率半径で、面を凹面のままにすることができる。
好ましくは、容器のリザーバは、剛性のフレームワークと、一つ以上の弾性的に変形可能な部分とを含む。例えば、矩形の平行六面体の形態の剛性の骨組み上に張り渡された、風船のような、ゴム膜は適当なリザーバであり、風船のバルブ付き開口はポートを形成する。液体がリザーバからバルブ付きポートを通して除去されると、ゴム膜は、内部空間に向かって凸面になり、内部空間とリザーバの外側との間に平衡圧力差をもたらす。(リザーバの外側は、比較的一定のままである大気圧である。)大気圧がP、内部空間の圧力がPIで、ここにPI<Pであれば、液体をバルブ付きポートを通して抜取るのに必要な圧力はPWで、ここにPW<PIである。この圧力差(圧力減少)は、もっと液体がリザーバから除去されると、大きさが実質的に単調に増加する。実質的に単調に増加するとは、液体の体積の減少が、一般的に、圧力差の増大をもたらすことを意味し、但し、全体の傾向は、液体の体積が減少するにつれて圧力差の大きさの増加であるならば、この作用からの僅かなずれ(即ち、減少が連続する前に、圧力差は10%以下の減少、好ましくは、5%以下、より好ましくは、1%以下の減少)は許容される。
剛性とは、リザーバの内部空間と外側と圧力差が50kPaまで、好ましくは70kPaまでであるとき、フレームワークが実質的に変形しないことを意味する。
好ましくは、リザーバの剛性のフレームワークは、リザーバの壁を接合する縁によって形成され、少なくとも1つの壁は弾性的に変形可能であり、そのため、液体がリザーバから小出しされるにつれて内部空間の容積が減少するから、張力がその少なくとも1つの変形な壁にあらわれる。好ましくは、リザーバ壁の全てが弾性的に変形可能である。壁がそれらの縁で接合する壁の間のアングルは、これらの縁に剛性を付与する。
好ましくは、壁は、箱形リザーバを形成し、該リザーバは、同様な形状の2つの向い合った面壁を含み、面壁はそれらの周辺で、向い合った平行面に実質的に垂直な幅を有する縁壁によって接合される。好ましくは、縁壁は、向い合った面壁の最小幅の30%より小さく、好ましくは、20%より小さい幅を有する。これにより、液体を小出しするにつれて内部空間が減少するので、向い合った面壁を互いに向かって円滑に変形させることができる。好ましくは、向い合った面壁は、実質的に相互に平行である。
好ましくは、壁は、高密度ポリエチレンのような弾性ポリマのものである。どんな適当な弾性材料でも壁に使用することができる。リザーバが補給されるために、内部空間の圧力が、50kPa以下、好ましくは、40kPa以下、より好ましくは、20kPa以下に減じられていたときでも、リザーバには恒久的な変形が起こらない。大気圧は、約100kPa、即ち、1barである。
リザーバは、熱可塑性材料で、好ましくは、ブロー成形によって形成されるのがよい。好ましくは、リザーバ及びポートは、ブロー成形品として形成されるのがよい。
容器は、単にリザーバとポートであるが、好ましくは、これらは、取り扱いを容易にするために剛性カバーを備えるのがよい。
リザーバの内部空間の容積と、液体をポートを通して小出しさせるのに必要な抜取り圧力PWとの関係は、リザーバ材料の形状、材料、厚さ、ヤング率等に依存する。その関係は、計算することができるが、好ましくは、各特定のリザーバ設計について実験的に測定される。これは、例えば以下のステップによって容易に達成することができる。
i)容器に、外側の大気圧と同じ圧力で、既知の体積の液体で満たされた内部空間を設けるステップと、
ii)ポートを、液密接続によって、小出し導管に取り付けるステップと、
iii)小出し導管に取り付けられたポンプによって、或る体積の液体をポートを通して抜取るステップと、
iv)除去された液体の体積を(例えば、重量又は体積測定によって)測定し、かつ、導管内の対応圧力PWを(例えば、トランスデューサのような圧力ゲージによって)測定するステップと、
v)リザーバ内に残っている液体の体積を計算するステップと、
vi)ステップ(iii)〜(iv)を繰り返して、残存液体の体積と抜取り圧力PWとの関係を得るステップ。
発明を実施するために、小出しを可能にするのに必要な最小抜取り圧力と内部空間の容積との関係に関する情報を、各容器について提供するのがよい。好ましくは、全ての容器が、製造公差内で、小出しを可能にするのに必要な最小抜取り圧力と内部空間の容積との間に同じ関係を有するように、容器は等しい製造仕様に作られるのがよい。
本発明の容器の使用を、連続インクジェットプリンタに関して以下に説明するが、同じ使用方法は、他の装置に適用するであろう。
容器がプリンタのような装置に使用されるとき、容器のポートを液密接続によって液体入口導管に取り付けて、容器をプリンタに取り付け、流体が、例えばプリンタ用の制御手段によって制御される補給ポンプによって、容器からポートを通って引き出される。液体は、ポンプによってプリンタのインク貯蔵タンクに送り出され、インク貯蔵タンクからインクがプリントヘッドに差し向けられるのがよい。典型的には、プリンタ用の制御手段は、プリンタの動作を制御するマイクロプロセッサチップ上で走るソフトウエアを含む。ポートを通して液体の小出しを可能にするのに必要な最小抜取り圧力は、例えば、補給ポンプと容器のポートとの間に配置された圧力ゲージ又はトランスデューサによって測定することができる。次いで、制御手段は、容器内に残っている液体の体積を計算するために、測定された抜取り圧力PWと、リザーバの内部空間の容積との関係を使用することができる。間接手段による、圧力を測定する別の方法は、補給ポンプがリザーバから液体を抜取っているときに、補給ポンプを作動するのに必要な電力を測定し、ポンプ電力入力とポンプによって引かれる圧力との既知の関係を使用して、最小抜取り圧力PWを導出し又は計算することである。
容器内に残っている液体の体積の計算値は、種々の方法に使用することができる。例えば、計算値を表示手段に表示してもよいし、または、計算値を、体積の計算値が或るレベル以下に落ちるときに補給が必要であるという警報信号をオペレータに与えるために使用してもよい。
本発明が確実に作動するために、液体の除去に続いて空気のような流体がリザーバの内部空間に流入するのを回避することが重要であることは明らかである。これは、流体を外部から内部空間に入らせない液密シール又はバルブをポートに設けるようにすることによって達成される。好ましくは、ポートは、液密接続を形成するように、容器が使用されることになっている装置のコネクタと合うようになっている。液圧結合のために当該技術で周知であるような任意適当な液密接続構造を使用してもよい。
空気がリザーバの内部空間に入ることなく、液体の小出しを制御するための一つの適当な構成は、ポートが、交換カートリッジが使用中であるときに中空チューブ又は針によって刺し通される自己密封隔壁(セプタム:septum)を備えることである。液体は、ポンプによって中空チューブを通って引き出され、ポンプには中空チューブが液密接続によって接続される。容器が、プリンタのような、容器が使用されている装置から取り外されるとき、隔壁の孔はそれ自体で密封し、空気のような流体のリザーバの内部空間への進入を阻止する。かかる隔壁に適当な材料は、好ましくはPTFEライニングを備えた、シリコンゴム又はブチルゴムである。
ポートに適当な他の構成は、バルブのリザーバ側の圧力がバルブの外側の圧力より小さいときに、流体の流れに対して閉じたままであり、バルブの外側の圧力がバルブの内側の圧力より小さいときに、流体の流れに対して開くようになったバルブをポートに設けることである。適当なバルブは、フラップバルブ、ヒンジバルブ又はダイアフラムバルブであろう。容器が使用中であるとき、バルブの外側は導管を介してポンプと液密接続しており、そのため、導管内の圧力がポンプによってリザーバの内部空間の内側の圧力より小さい値にまで減少されるときに、液体がバルブを通って小出しされる。容器が、ポンプとの液密接続から取り外されるとき、バルブの外側での圧力は、大気圧まで上昇し、バルブを流体の流れに対して閉じて、空気のリザーバの内部空間への進入を阻止する。
たとえリザーバの内部空間に少量の空気のような気体が存在していても、本発明は依然として機能するが、それらは、液体の初期の体積の、10体積%未満、好ましくは5体積%未満、より好ましくは1体積%未満であるべきである。これは、リザーバの内部空間が液体で実質的に満たされるということが何を意味しているかである。本発明の方法の機能は、リザーバの内部空間内の圧力が、作動温度で液体の平衡蒸気圧以下に落ちないようにすべきである。これは、リザーバの内部空間に蒸気の形成物をもたらし、内部空間からの液体の除去の結果、内部空間の圧力の更なる減少は起こらず、その作動温度で液体の平衡蒸気圧にとどまる。
好ましくは、容器は、小出しを可能にするのに必要な最小抜取り圧力と、容器の内部空間の容積との関係を記憶する電子データ記憶手段を含み、それによって、その関係を電子データ記憶手段から読み出すことができる。
好ましくは、容器を使用する、プリンタのような装置のための制御手段は、容器の電子データ記憶手段上のデータを読み出すようになっている。例えば、容器がかかる装置の定位置にあるとき、電子データ記憶手段上の電気接点は、制御手段に取り付けられた電気リードと物理的な接触状態に配置されるのがよく、それによって、制御手段は、電子データ記憶手段上のデータにアクセスし、それを読み出すことができる。
例えば、制御手段によって、計算されたように、液体の測定した体積は、電子データ記憶手段に書き込まれ、それにより、容器内に残っている液体の体積を、電子データ記憶手段を読み出すことによって、モニタすることができる。これは、容器が、まだ液体が入っているときにプリンタから外されるならば、液体をリザーバのポートを通して小出しするのに必要な最小抜取り圧力を測定する必要なく、容器内に残っている液体の量を電子データ記憶手段から直接読み出すことができるという利点を与える。他の情報、例えば容器が補給された回数を電子データ記憶手段に記憶することができる。かかるデータは、一旦、最大の補給回数を超えたら容器を廃棄するために使用することができる。廃棄された容器の違法な補給を防止するために、(例えば、1回しか書き込めないメモリを使用することによって、)一旦、容器が廃棄されたら、データを上書き又は消去することができないように、かかるデータを記憶するのがよい。
今、本発明の特定の実施形態が、単なる例示として、添付の図面を参照して説明される。
本発明による交換カートリッジの分解斜視図である。 本発明による容器である交換カートリッジを備えた連続インクジェットプリンタの一部の概略表示である。 図2のA−A断面に沿った交換カートリッジのリザーバの断面図であり、液体満杯の交換カートリッジのリザーバを示す。 図2のA−A断面に沿った交換カートリッジのリザーバの断面図であり、液体が一部入った交換カートリッジのリザーバを示す。 小出しポートの外部で測定された、小出しに必要な最小圧力と、本発明による例示の交換カートリッジのリザーバの内部空間に残っているインクの体積との関係を示すグラフである。
図1には、本発明による容器である交換カートリッジ2が、保護剛性チャンバ8で覆われたリザーバ1と共に示される。剛性チャンバ8には孔が設けられ、そのため、リザーバ1の外側はいつでも大気圧を受ける。リザーバは、リザーバの内部空間と外部との間に孔を提供するポート3を有する。ポートには、隔壁シール(septum seal)が取り付けられている。リザーバは、周辺部が縁壁6によって接合された二つの向い合った平行な面壁5の形態をなしている。電気接点8aを備えた集積回路7の形態の電子記憶装置が、保護剛性チャンバの一部として保持される。
図2を参照すると、交換カートリッジ2は、ポート3の隔壁シール4をプリンタ9の液密コネクタ10に取り付けて、プリンタ9に取り付けられる。インク20がリザーバ1の内部空間を満たす。中空管(図示せず)が隔壁シール4を貫通して、リザーバ1の内部空間と小出し導管11との間の流体連通を可能にする。電子記憶装置7は、電気接点8aによって、プリンタ9のコンタクトパッド12と電気的に接触している。コンタクトパッド12は、プリンタ9の制御装置(図示せず)と電通している。圧力ゲージ13も送出導管と流体連通して存在し、ポンプ14も同様である。ポンプ出口導管15は、インク21を収容するインクタンク16に入れられ、タンク放出導管17が、プリントヘッドポンプ18に連結され、ポンプ18の出口はプリントヘッド送出導管19に連結されている。
使用中、ポンプ14は、小出し導管11内の圧力がリザーバ1の内部空間内の圧力より低くなるまで、小出し導管11内の圧力を減じる。これにより、液体20が、リザーバ1から、送出導管11を通して、ポンプ14を通して、かつ、出口導管15を経て、小出しされて、タンク16内のインク21に合流する。圧力ゲージ13は、インク20を小出しするのに必要なインク送出導管11内の最小抜取り圧力を測定し、この測定結果をプリンタ9の制御装置(図示せず)に送る。小出しを可能にするのに必要な最小抜取り圧力と内部空間20の容積との関係に関するデータが、電子記憶装置7から、コンタクトパッド12、及び電子記憶装置7の電気接点8aを経て、制御装置(図示せず)によって読み出される。
制御装置は、リザーバ1の内部空間内に残っているインク20の体積を計算して表示手段(図示せず)に表示するために、圧力ゲージ13によって測定された最小引き込み圧力、及び電子記憶装置7から読み出された関係を使用する。
図3を参照すると、図3は、図2に示した断面A−Aに沿ったリザーバ1の断面図を示す。図3Aは、リザーバ1がインク20で満杯であり、かつリザーバ1の内部圧力が周囲の大気圧と同じであるときのリザーバの断面を示す。図3Bでは、リザーバからのインクの除去によって、リザーバの内部空間の圧力を減少させている。平衡をつくるために、面壁5及び縁壁6は、リザーバの外側から向かって凹面になり、緊張しており、湾曲した壁の張力から生じる力が、リザーバの内部空間と(大気圧で)リザーバの外側との圧力差をバランスさせる。
図4のグラフは、内部圧力と、上述の種類のカートリッジ内の液体の体積との関係を示す。最小圧力は、真空レベル(バール)として表され、そのため、例えば、−0.4の真空レベルは、1バールの周囲圧力よりも0.4バール小さい圧力に相当し、ポートでの、それ故にまた内部空間でも、約0.6バールに相当する。グラフは、上に詳述したように、同じ仕様に作られたB4、B5及びB6の三つの異なるカートリッジについて示す。
容積が減少すると圧力の減少(曲線のスロープ)が、カートリッジがほとんど空であるとき、より急であることが分かる。残っている容積が減少するにつれて、圧力が単調減少であることも分かる。カートリッジB4は、或る容積で僅かな圧力増加を示すが、全体の傾向としては、単調な圧力減少が、周囲の圧力からの圧力減少の大きさの単調な増加に対応する。
多くの変更を、特許請求の範囲に詳述した発明の範囲から逸脱することなく、上に詳述した実施形態に行うことができることが認識されるであろう。例えば、交換カートリッジ内の液体が、インクではなく溶剤であることもあり、または、隔壁シールではなくバルブ構造を使用することもある。例えば、小出しさせるのに必要な最小抜取り圧力と内部空間20の容積との関係に関するデータを、交換カートリッジの一部を形成する電子記憶装置から読み出すのではなく、制御装置に記憶することもある。
説明しかつ図示した実施形態は、例示として考えられるべきであり、特徴の限定と考えられるべきではなく、好ましい実施形態だけが示され且つ説明され、特許請求の範囲に記載された発明の範囲内で行われるあらゆる変更及び変形を保護したいことが理解される。「好ましい」、「好ましくは」及び「より好ましい」というような文言の使用は、そのように記載された特徴が望ましいことを示唆しているが、決して必須ではなく、かかる特徴を欠いている実施形態が、添付の特許請求の範囲に記載された発明の範囲内と考えてもよいことを理解されたい。特許請求の範囲に関して、「1つ」、「少なくとも1つ」又は「少なくとも1つの部分」という語句が好ましい特徴に使用されるとき、請求の範囲内で特に述べない限り、特許請求の範囲を1つだけのかかる特徴に限定するものではない。「少なくとも一部」及び/又は「一部」という文言が使用されるとき、特に述べない限り、部材は、一部の部材及び/又は全部材を含むことがある。
1 容器
2 交換カートリッジ
3 ポート
4 隔壁シール
5 面壁
6 縁壁
7 集積回路
8 剛性チャンバ
8a 電気接点
10 液密コネクタ
11 小出し導管
12 コンタクトパッド
13 圧力ゲージ
14 ポンプ
15 出口導管
16 インクタンク
17 タンク放出導管
18 プリントヘッドポンプ
19 プリントヘッド送出導管
20 インク

Claims (16)

  1. 液体を貯蔵するための可変容積を有する内部空間を包囲する壁と、前記液体を小出しするためのポートとを有するリザーバを含む、液体を貯蔵しかつ小出しするための容器であって、
    前記リザーバは、前記内部空間の圧力の減少を支持するようになっており、それによって、内部空間と周囲の大気との間の平衡圧力差は、液体が小出しされるにつれて大きさが実質的に単調に増加し、
    前記ポートは、前記ポートの外部での抜取り圧力が前記内部空間の平衡圧力より小さいときに、液体を小出しさせるようになっており、
    前記ポートは、液体が小出しされるとき、空気がリザーバの外部から内部空間に入流を阻止するようになっている、容器。
  2. 前記容器は、プリンタに使用するインク又は溶剤を貯蔵し且つ小出しするための交換可能な容器である、請求項1記載の容器。
  3. 前記リザーバは、剛性のフレームワークと、一つ以上の弾性的に変形可能な部分とを含む、請求項1又は2記載の容器。
  4. 前記剛性のフレームワークは、前記壁を接合する縁によって形成され、少なくとも一つの壁は弾性的に変形可能である、請求項1〜3の何れか一項に記載の容器。
  5. 前記壁は、同じ形状の二つの向い合った面壁を含む箱形リザーバを形成し、前記向い合った面壁は、その周辺が向かい合った平行面と実質的に垂直な幅を有する縁壁によって接合される、請求項1〜4の何れか一項に記載の容器。
  6. 前記縁壁は、向かい合った平行面壁の最小幅の30%より小さい幅を有する、請求項5記載の容器。
  7. 前記壁は、高密度ポリエチレンである、請求項1〜6の何れか一項に記載の容器。
  8. 前記リザーバ及びポートは、ブロー成形部材である、請求項1〜7の何れか一項に記載の容器。
  9. 更に、電子データ記憶手段を含む、請求項1〜8の何れか一項に記載の容器。
  10. インクジェットプリンタに取り外し可能に取り付けられた容器と、ポンプ手段とを有し、前記容器は、前記容器の前記リザーバの内部空間の容積を実質的に満たす或る体積の液体を含み、かつ、液密接続によって前記インクジェットプリンタの前記ポンプ手段の入口に接続された前記リザーバのポートを有し、前記ポンプ手段は、前記リザーバのポートの外に抜取り圧力を形成するようになっており、前記インクジェットプリンタは、更に、前記抜取り圧力を測定するための圧力測定手段と、前記圧力測定手段によって測定された最小液体抜取り圧力から、前記容器の前記リザーバの前記内部空間内の液体の体積を決定するための制御手段とを含む、インクジェットプリンタ。
  11. 前記インクジェットプリンタは、連続インクジェットプリンタである、請求項10記載のインクジェットプリンタ。
  12. 容器内の液体の体積を測定するための方法であって、
    i)液体の貯蔵のための可変容積を有する内部空間を包囲する壁を備えたリザーバと、前記液体を小出しするためのポートと、を含む、液体を貯蔵しかつ小出しするための容器を準備するステップと、
    ii)前記ポートを、液密接続によって、プリンタのポンプ手段の入口に接続するステップと、
    iii)前記ポンプ手段を操作して、前記ポートの外部に抜取り圧力を形成するステップと、
    iv)前記ポートを通して液体の小出しを可能にするのに必要な最小抜取り圧力を測定するステップと、
    v)測定された最小抜取り圧力から液体の体積を決定するステップと、を含む方法。
  13. 前記リザーバは内部空間の圧力の減少を支持するようになっており、それによって、前記内部空間と周囲の大気との間の平衡圧力差は、液体が小出しされるにつれて大きさが実質的に単調に増加し、
    前記ポートは、前記ポートの外部の抜取り圧力が前記内部空間の平衡圧力より小さいときに、液体を小出しさせるようになっており、
    前記ポートは、液体が小出しされるときに、空気が前記リザーバの外部から前記内部空間に入るのを阻止するようなっている、請求項12記載の方法。
  14. 液体の体積は、小出しを可能にするのに必要な最小抜取り圧力と前記内部空間の容積との間の既知の関係により決定される、請求項12又は13記載の方法。
  15. 前記容器は、電子データ記憶手段を含み、液体の測定された体積は、前記電子データ記憶手段に書き込まれ、それによって、前記容器内に残っている液体の体積を、前記電子データ記憶手段を読み出すことによってモニタすることができる、請求項12〜14の何れか一項に記載の方法。
  16. 前記容器は、小出しを可能にするのに必要な最小抜取り圧力と、容器に関する前記内部空間の容積との関係を記憶する電子データ記憶手段を含み、それによって、前記関係を前記電子データ記憶手段から読み出すことができる、請求項12〜14の何れか一項に記載の方法。
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