JP2011259523A - モータ制御装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】モータジェネレータの減磁と電流センサの異常とを識別する。
【解決手段】電流指令値Id*,Iq*と電流センサ125で検出された電流値Id,Iqとの偏差に応じて電圧指令値Vs,Vqを生成しMG2を駆動する。制御モード判定器140gは、Vqが所定のしきい値より低下したか否かを判定し、低下した場合にはさらにVqの挙動を監視し、Vqが定常的であればMG2の減磁であると識別し、振幅変動があれば電流センサ125の異常と識別する。
【選択図】図2
【解決手段】電流指令値Id*,Iq*と電流センサ125で検出された電流値Id,Iqとの偏差に応じて電圧指令値Vs,Vqを生成しMG2を駆動する。制御モード判定器140gは、Vqが所定のしきい値より低下したか否かを判定し、低下した場合にはさらにVqの挙動を監視し、Vqが定常的であればMG2の減磁であると識別し、振幅変動があれば電流センサ125の異常と識別する。
【選択図】図2
Description
本発明はモータ制御装置、特に、電流センサを備えるモータ制御装置に関する。
ハイブリッド自動車や電気自動車に搭載されるモータ制御装置においては、直流電源からの直流電圧をインバータにより交流電圧に変換してモータジェネレータ(MG)を駆動する。MGの各相に流れる電流は電流センサで検出され、MGの各相のコイルに印加する電圧指令値が算出される。インバータは、各相コイルの電圧指令に基づいてスイッチングトランジスタをオン/オフして指令されたトルク指令値でMGを駆動する。このようなモータ制御装置においては、モータの制御に伴う各種の異常モードを確実に検出してこれに対処することが必要である。
特許文献1には、2個の電流センサを用いて3相交流モータのベクトル制御を行うインバータの電流センサの異常を診断する技術が開示されており、3相交流モータの駆動時にU相の電流指令値と電流検出値との偏差の絶対値、あるいはV相の電流指令値と電流検出値との偏差の絶対値が判定基準値を超えた場合に電流センサの異常と判定することが開示されている。
また、特許文献2には、電流検出手段で検出した電流値と、電流フィードバックの影響を受けない判定用電流指令値とを比較し、比較結果がしきい値を超える場合に電流検出手段が異常であると判定する技術が開示されている。
ところで、MGの異常の態様には、永久磁石の減磁がある。すなわち、コイルに供給される駆動電流と永久磁石との間の電磁力に基いて作動する永久磁石型のMGでは、コイルに流される駆動電流が大きくなるにつれコイルの発熱が多くなる。これによってMGの温度上昇が生じるので、永久磁石の減磁が生じ得る。永久磁石の減磁が生じると、q軸電圧Vqが低下するから、Vqを所定のしきい値と大小比較し、Vqが所定のしきい値より低下した場合に、永久磁石の減磁が生じたと判定できる。
一方、これとは別に電流センサに異常が生じた場合にもVqが低下し得る。すなわち、q軸電流指令値と検出電流値とを比較してフィードバック制御する場合、電流センサの異常により検出電流値に異常が生じると、電流指令値との間の乖離が大きくなるからフィードバック制御によりこの乖離を抑制するように制御が行われる結果、Vqは低下する。
従って、単にVqをしきい値と大小比較して異常を判定する構成では、MGの減磁によりVqが低下したのか、あるいは電流センサの異常によりVqが低下したのかを識別することができず、本来は電流センサの異常であるにもかかわらずMGの減磁が生じたと誤判定する可能性がある。
本発明の目的は、モータの減磁であるか、あるいは電流センサの異常であるかを確実に識別することができるモータ制御装置を提供することにある。
本発明は、トルク指令値に応じた電流指令値と、電流センサで検出された電流値との偏差に応じ、偏差をなくすように電圧指令値をフィードバック制御し、該電圧指令値を用いてモータを制御するモータ制御装置であって、前記電圧指令値が所定のしきい値より低下したか否かを判定する手段と、前記電圧指令値が前記所定のしきい値よりも低下した場合に、さらに前記電圧指令値の時間変化を用いて前記モータの減磁異常か前記電流センサの異常かを識別する識別手段とを備えることを特徴とする。
本発明の1つの実施形態では、前記判定手段は、前記電圧指令値としてdq軸ベクトル制御におけるq軸電圧指令値が前記所定のしきい値より低下したか否かを判定し、前記識別手段は、前記q軸電圧指令値が定常状態にある場合に前記モータの減磁異常と識別し、前記q軸電圧指令値が変動する場合に前記電流センサの異常と識別する。
また、本発明の他の実施形態では、前記識別手段は、さらに前記q軸電圧指令値の振幅周期を用いて前記電流センサの異常がオフセット異常かゲイン異常かを識別する。
また、本発明の他の実施形態では、前記判定手段は、前記電圧指令値を所定期間だけサンプリングして得られた複数個の電圧指令値のうち、所定の複数個の電圧指令値が前記所定のしきい値より低下しているか否かを判定する。
本発明によれば、モータの減磁であるか、あるいは電流センサの異常であるかを確実に識別することができる。
以下、図面に基づいて本発明の実施形態について説明する。
1.モータ制御装置の基本全体構成
まず、モータ制御装置の基本全体構成について、図1を用いて説明する。ハイブリッド車両に搭載されるモータ制御装置である。モータ制御装置は、電源であるバッテリ10と、ハイブリッドECU(電子制御装置)15と、PCU(パワーコントロールユニット)20とを備える。
まず、モータ制御装置の基本全体構成について、図1を用いて説明する。ハイブリッド車両に搭載されるモータ制御装置である。モータ制御装置は、電源であるバッテリ10と、ハイブリッドECU(電子制御装置)15と、PCU(パワーコントロールユニット)20とを備える。
バッテリ10は、ニッケル水素電池やリチウムイオン電池等から構成され、直流電圧をPCU20に供給するとともに、PCU20からの直流電圧により充電される。
ハイブリッドECU15は、運転状況や車両状況を示す各種センサの出力、例えばアクセル開度や車輪速等のセンサ出力に基づいて、ハイブリッド車両を統括的に制御する。
PCU20は、モータジェネレータMG1,MG2の力行動作時にはハイブリッドECU15からの制御指令に従ってバッテリ10からの直流電圧を昇圧するとともに、昇圧した直流電圧を交流電圧に変換してMG1,MG2を駆動制御する。また、PCU20は、MG1,MG2の回生制動時には、ハイブリッドECU15からの制御指令に従って、MG1,MG2の発電した交流電圧を直流電圧に変換してバッテリ10を充電する。PCU20は、システムメインリレーSMR1,SMR2と、コンバータ110と、平滑コンデンサC2と、インバータ112,114と、レゾルバ124と、MGECU140を備える。
システムメインリレーSMR1,SMR2は、バッテリ10からインバータ112,114に対する電力供給経路をオン/オフする。システムメインリレーSMR1は、バッテリ10の正極と電源ライン103との間に接続される。システムメインリレーSMR2は、バッテリ10の負極とアースライン102との間に接続される。システムメインリレーSMR1,SMR2は、それぞれMGECU140からの制御信号SEによりオン/オフ制御される。
コンバータ110は、昇降圧チョッパ回路により構成され、リアクトルL1と、電力用半導体スイッチング素子Q1,Q2と、ダイオードD1,D2を備える。スイッチング素子Q1,Q2は、電源ライン103とアースライン102との間に直列接続される。リアクトルL1は、システムメインリレーSMR1と、スイッチング素子Q1,Q2の接続ノードとの間に接続される。各スイッチング素子Q1,Q2のエミッタ・コレクタ間には、エミッタ側からコレクタ側に電流を流すように逆並列ダイオードD1,D2がそれぞれ接続される。スイッチング素子Q1,Q2のゲートには、ゲート制御信号が供給され、このゲート制御信号に応答してスイッチング素子Q1,Q2がオン/オフ制御される。スイッチング素子Q1,Q2は、例えばIGBT(Insulated Gate Bipolar Transistor)で構成される。コンバータ110は、電源ライン103とアースライン102との間にバッテリ10からの電圧Vbを入力し、スイッチング素子Q1,Q2のスイッチング制御により入力電圧Vbを昇圧してモータ駆動のための電圧(モータ動作電圧)を出力する。コンバータ110での昇圧比は、スイッチング素子Q1,Q2のオン期間比、すなわちデューティ比に応じて決定される。また、コンバータ110は、回生制動時には回生された電圧を降圧してバッテリ10に戻す。すなわち、コンバータ110は双方向コンバータである。
MGECU140は、ハイブリッドECU15からのMG1,MG2のトルク指令値Tm1*,Tm2*に基づいてモータ動作電圧の電圧指令値Vm*を生成し、生成した電圧指令値Vm*に基づいてコンバータ110での昇圧比を決定する。そして、MGECU140は、この昇圧比が実現されるように、ゲート制御信号をスイッチング素子Q1,Q2に出力する。
平滑コンデンサC2は、電源ライン103及びアースライン102の間に接続され、コンバータ110から出力されたモータ動作電圧を平滑化してインバータ112,114に供給する。電圧センサ122は、平滑コンデンサC2の両端の電圧、すなわちモータ動作電圧を検出してMGECU140に出力する。
インバータ112は、車輪を駆動するMG2に対してモータ動作電圧を三相交流に変換して出力する。また、インバータ112は、回生制動に伴ってMG2において発電された電力をコンバータ110に戻す。インバータ112は、電源ライン103及びアースライン102の間に並列される、U相アーム115、V相アーム116、W相アーム117を構成するスイッチング素子Q3〜Q8を備える。各スイッチング素子Q3〜Q8のコレクタ・エミッタ間には逆並列ダイオードD3〜D8がそれぞれ接続される。インバータ112の各相アームの中間点は、三相の永久磁石モータであるMG2の各相コイルの各相端に接続される。各相コイルの他端は中性点に共通接続される。なお、三相のうちの二相に電流センサが設けられ、電流が検出される。本実施形態では、V相及びW相にそれぞれ電流センサ125が設けられ、V相電流及びW相電流がそれぞれ検出される。V相の電流センサ及びW相の電流センサは、検出したV相電流及びW相電流をそれぞれMGECU140に出力する。
レゾルバ124は、MG1,MG2の回転角を検出してMGECU140に出力する。
インバータ114は、コンバータ110に対してインバータ112と並列的に接続される。インバータ114は、MG1に対してコンバータ110の出力するモータ動作電圧を三相交流に変換して出力する。インバータ114は、例えばエンジンを始動させる際にMG1を駆動する。また、インバータ114は、エンジンのクランクシャフト50から伝達される回転トルクによりMG1で発電された電力をコンバータ110に戻す。インバータ114の構成は、インバータ112と同様である。
ハイブリッドECU15は、各種センサからの出力17に基づき、所望の駆動力発生や発電が実行されるように、MG1,MG2の運転指令を生成してMGECU140に出力する。運転指令には、MG1,MG2の運転許可/禁止や、トルク指令値Tm1*,Tm2*がある。
MGECU140は、MG1に設けられた電流センサ125及びレゾルバ124からのV相、W層の電流及び回転子の回転角に基づくフィードバック制御により、ハイブリッドECU15からの運転指令に従ってMG1が動作するようにスイッチング素子Q3〜Q8のスイッチング動作を制御する。また、MGECU140は、MG2に配置された電流センサ及び回転角センサ(レゾルバ124)からのV相、W層の電流及び回転子の回転角に基づくフィードバック制御により、ハイブリッドECU15からの運転指令に従ってMG2が動作するようにスイッチング素子Q3〜Q8のスイッチング動作を制御する。また、MGECU140は、ハイブリッドECU15からの運転指令に基づいて、MG1,MG2の高効率化のためのモータ動作電圧の電圧指令値Vm*を生成し、電圧指令値Vm*に基づいてコンバータ110での昇圧比を決定する。さらに、MGECU140は、回生制動時において、インバータ112,114から供給された直流電圧を降圧するように、コンバータ110を制御する。
2.異常検出
図2に、MGECU140の機能ブロック図を示す。上記のように、MGECU140は、ハイブリッドECU15からのトルク指令Tm1*,Tm2*に基づいてインバータ112,114を制御してMG1,MG2を駆動する。図2には、インバータ112及びMG2を駆動する場合の機能ブロック図を示すが、インバータ114及びMG1を駆動する場合も同様である。
図2に、MGECU140の機能ブロック図を示す。上記のように、MGECU140は、ハイブリッドECU15からのトルク指令Tm1*,Tm2*に基づいてインバータ112,114を制御してMG1,MG2を駆動する。図2には、インバータ112及びMG2を駆動する場合の機能ブロック図を示すが、インバータ114及びMG1を駆動する場合も同様である。
MGECU140は、電流指令テーブル140aと、PI(比例積分制御)器140b,140cと、2相/3相変換器140dと、PWM変調器140eと、3相/2相変換器140fと、制御モード(異常モード)判定器140gとを備える。
電流指令テーブル140aは、予めMGECU140のメモリに記憶されたテーブルであり、ハイブリッドECU15からのトルク指令T*(MG2に対するトルク指令値は上記のようにTm2*であるが、以下ではこれを簡易的にT*として表記する)に応じて、メモリに記憶されたテーブルを参照してこれに対応するd軸電流指令値Id*及びq軸電流指令値Iq*を出力する。d軸電流指令値Id*及びq軸電流指令値Iq*はともに差分器に供給される。
差分器は、d軸電流指令値Id*と検出されたd軸電流値Idとの差分値ΔId、及びq軸電流指令値Iq*と検出されたq軸電流値Iqとの差分値ΔIqを演算してPI制御器140b,140cに出力する。検出されたd軸電流値Id及び検出されたq軸電流値Iqは、それぞれ電流センサ125で検出されたV相電流Iv、W相電流Iwから、3相/2相変換器140fでd軸q軸変換して得られる。なお、V相電流Iv及びW相電流Iwから残りのU相電流Iuが算出され、これら3相の電流Iu,Iv,Iwからd軸電流値Id及びq軸電流値Iqが得られる。
PI制御器140b,140cは、それぞれ差分値ΔId、ΔIqを比例積分補償してd軸電圧指令値Vd及びq軸電圧指令値Vqを算出して2相/3相変換器140dに出力する。
2相/3相変換器140dは、d軸電圧指令値Vd及びq軸電圧指令値VqをU相、V相、W相の3相に変換してU相電圧Vu、V相電圧Vv、W相電圧Vwを算出し、PWM変調器140eに出力する。2相/3相変換器140dは、変換に際してレゾルバで検出された回転角θを用いる。3相/2相変換器140fも同様である。
PWM変調器140eは、U相電圧Vu、V相電圧Vv、W相電圧Vwに基づいてPWM変調を行い、インバータ112の各スイッチング素子Q3〜Q8に供給する。
制御モード(異常モード)判定器140gは、PI制御器14d,140eからのd軸電圧指令値Vd及びq軸電圧指令値Vqを入力し、これらに基づいてMG2の異常診断を実行する。例えば、MG2の永久磁石の減磁が生じた場合には、駆動電流が過大となるから、フィードバック制御により駆動電流を小さくするように電圧指令値Vd,Vqを小さく制御する。すなわち、永久磁石の減磁が生じると、電圧指令値Vd,vqは通常よりも小さくなる。従って、制御モード判定器140gは、電圧指令値Vqの挙動を監視し、電圧指令値Vqを所定のしきい値と大小比較して、所定のしきい値より低下した場合に、MG2の永久磁石に減磁が生じたと異常判定することができる。そして、制御モード判定器140gは、永久磁石の減磁と判定した場合に、異常信号あるいはダイアグ信号を出力し、MG2の交換等を促す。
一方、ベクトル制御では電流指令値Id,Iqに対してId,Iqをフィードバック制御しているため、電流センサ125に異常が生じても、電圧指令値Vd,Vqが変化し、電圧指令値Vqが所定のしきい値より低下する場合が生じ得る。この場合、制御モード判定器140gは、電圧指令値Vqが所定のしきい値よりも低下したことをもって永久磁石の減磁と判定することになるが、本来は電流センサ125の異常に起因した現象であるため誤判定となってしまう。
そこで、本実施形態における制御モード判定器140gは、電圧指令値Vqを所定のしきい値と大小比較し、電圧指令値Vqが所定のしきい値より低下した場合には、さらに、電圧指令値Vqの挙動を監視することで、電圧指令値Vqが所定のしきい値より低下した原因が永久磁石の減磁によるものなのか、あるいは電流センサ125の異常によるものなのかを識別する。基本原理は、異常のモードによって電圧指令値Vqの挙動が変化することを利用するものである。すなわち、永久磁石の減磁の場合には電圧指令値Vqは通常時(平常時)に比べて定常的に減少する。一方、電流センサ125の異常の場合であって、オフセット異常のときには電気周期に対して一次のオーダで振幅が変動し、ゲイン異常のときには電気周期に対して二次のオーダで振幅が変動する。したがって、制御モード判定器140gは、電圧指令値Vqが定常的に減少しているときに永久磁石の減磁と判定し、電圧指令値Vqが変動している、言い換えれば電圧指令値Vqに振幅が生じたときに電流センサ125の異常と判定できる。
図3に、各種異常モードにおける電圧指令値Vqの時間変化を示す。図において、横軸は時間、縦軸はVqを示す。また、符号aは電圧指令値Vqが正常の場合の時間変化を示し、符号bはMG2の永久磁石に減磁が生じた場合の時間変化を示し、符号cは電流センサ125に所定(例えば10A)のオフセットが生じた場合の時間変化を示し、符号dは電流センサ125のゲインが1.2倍となった場合の時間変化を示す。図からわかるように、符号bで示す減磁の場合には正常時のVqよりも低下するが、符号c,dで示す電流センサ125の異常の場合にも正常時のVqよりも低下する場合が生じる。しかしながら、符号bで示す減磁の場合には定常的に正常時よりも低下しているが、符号c,dで示す電流センサ125の異常の場合にはVqに振幅がある。制御モード判定器140gは、このようなVqの挙動の相違を検出することで、永久磁石の減磁か電流センサ125の異常かを識別する。
図4に、本実施形態におけるMGECU140内の制御モード判定器140gで実行される異常判定処理(ダイアグ)のフローチャートを示す。まず、制御モード判定器140gは、q軸電圧指令値Vqを検出し(S101)、Vqが所定のしきい値より低下しているか否かを判定する(S102)。なお、判定の精度を担保するために、Vqを所定個数サンプリングし、所定個数のうちのある一定の数のVqがしきい値より低下した場合に、Vqがしきい値よりも低下したと判定してもよい。例えば、Vqを10msecでサンプリングし、200カウント中160カウント以上、しきい値より低下している場合に、Vqがしきい値よりも低下していると判定する等である。したがって、200カウント中50カウント、あるいは100カウント程度がしきい値より低下しても、Vqはしきい値より低下していると判定しない。
S102でVqがしきい値よりも低下していると判定した場合、制御モード判定器140gは次にVqの挙動を監視する(S103)。すなわち、Vqを所定時間だけサンプリングし、その値の変化を監視する。そして、Vqに振幅変動が生じているか否かを判定する(S104)。Vqに振幅変動が生じておらず、Vqの値がほぼ一定である場合には、MG2の永久磁石の減磁であると判定する(S105)。一方、Vqに振幅変動が生じている場合には、電流センサ125の異常であると判定する(S106)。制御モード判定器140gは、以上の判定結果をハイブリッドECU15に出力する。ハイブリッドECU15は、外部から視認可能なインジケータ等にこれらの異常を報知する。
なお、S102でVqがしきい値以上であると判定した場合には、正常に動作していると判定し、S103以降の処理は実行しない。
以上説明したように、本実施形態では、q軸電圧指令値Vqを所定のしきい値と大小比較し、Vqがしきい値よりも低下した場合に、さらにVqの挙動を監視し、Vqがほぼ定常状態であればMG2の永久磁石に減磁が生じたと判定し、Vqに振幅変動が生じている場合には電流センサ125に異常があると判定するので、本来であれば電流センサ125の異常であるところ、MG2の永久磁石の減磁であると誤判定し、誤ってMG2を交換してしまう事態を未然に防止できる。
3.その他の変形例
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、種々の変形が可能である。
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、種々の変形が可能である。
例えば、本実施形態では図3のS106で電流センサ125の異常を判定しているが、さらに電流センサ125の異常のモードを判定してもよい。図2に示すように、電流センサ125のオフセット異常とゲイン異常ではVqの変動周期に相違がある。そこで、Vqの変動の相違、具体的には変動周期を検出してオフセット異常かゲイン異常かを識別してもよい。オフセット異常の場合には制御周期に対して一次の振幅変動、ゲイン異常の場合には制御周期に対して二次の振幅変動が生じるから、これらを用いてオフセット異常とゲイン異常とを識別する。また、ゲイン異常に着目すると、特にフィードバック制御においてはゲインが平常よりも低くなる異常について検出する必要性が高いことから(ゲインが低くなると過トルクが発生する)、ゲインが低くなる異常を識別する。そして、低ゲインを検出した場合には、過トルクを防止すべくインバータをシャットダウンする。一方、オフセット異常や高ゲインを検出した場合には、出力トルクを制限する等を行う。
また、本実施形態では、q軸電流指令値Vqの挙動に着目したが、d軸電流指令値Vdを用いてもよく、VdとVqを共に用いて異常のモードを識別してもよい。
さらに、本実施形態では、 Vqの挙動により電流センサ125の異常を検出できるため、電流センサ125の異常を検出するための電流センサ125の2重系を排除することも可能である。すなわち、電流センサ125の異常を検出する場合、冗長系を構成して互いの検出値を比較することが考えられるが、構成が複雑化するとともにコストが増大する。本実施形態では、Vqの挙動により電流センサ125の異常を判定することができるので、電流センサ125を2重系にする必要がない。
10 バッテリ、15 ハイブリッドECU、125 電流センサ、140 MGECU、MG1,MG2 モータジェネレータ。
Claims (5)
- トルク指令値に応じた電流指令値と、電流センサで検出された電流値との偏差に応じ、偏差をなくすように電圧指令値をフィードバック制御し、該電圧指令値を用いてモータを制御するモータ制御装置であって、
前記電圧指令値が所定のしきい値より低下したか否かを判定する手段と、
前記電圧指令値が前記所定のしきい値よりも低下した場合に、さらに前記電圧指令値の時間変化を用いて前記モータの減磁異常か前記電流センサの異常かを識別する識別手段と、
を備えることを特徴とするモータ制御装置。 - 請求項1記載の装置において、
前記判定手段は、前記電圧指令値としてdq軸ベクトル制御におけるq軸電圧指令値が前記所定のしきい値より低下したか否かを判定し、
前記識別手段は、前記q軸電圧指令値が定常状態にある場合に前記モータの減磁異常と識別し、前記q軸電圧指令値が変動する場合に前記電流センサの異常と識別することを特徴とするモータ制御装置。 - 請求項2記載の装置において、
前記識別手段は、さらに前記q軸電圧指令値の変動周期を用いて前記電流センサの異常がオフセット異常かゲイン異常かを識別することを特徴とするモータ制御装置。 - 請求項1記載の装置において、
前記判定手段は、前記電圧指令値を所定期間だけサンプリングして得られた複数個の電圧指令値のうち、所定の複数個の電圧指令値が前記所定のしきい値より低下しているか否かを判定することを特徴とするモータ制御装置。 - 請求項3記載の装置において、
前記識別手段は、前記ゲイン異常として低ゲイン異常を識別することを特徴とするモータ制御装置。
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JP2015082853A (ja) * | 2013-10-21 | 2015-04-27 | トヨタ自動車株式会社 | モータ制御システム |
JP2015216730A (ja) * | 2014-05-08 | 2015-12-03 | ファナック株式会社 | モータの動力線断線、またはモータ用電力変換装置のパワー素子異常を検出するモータ制御装置 |
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2010
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