JP2011258660A - 薄膜太陽電池の製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】光電変換層の膜剥れを抑制することができる薄膜太陽電池の製造方法を提供する。
【解決手段】基板を設置する枠体に開口部を設け、開口部を通して基板に薄膜形成を行う薄膜太陽電池の製造方法であって、第1枠体11を用いて基板1上に第1半導体膜3を積層する第1光電変換層形成工程と、第2枠体15を用いて第1半導体膜3上に第2半導体膜4を積層する第2光電変換層形成工程とを含み、第2枠体15の開口部の面積が、第1枠体11の開口部の面積よりも小さい。
【選択図】図1

Description

本発明は、太陽光発電に用いられる薄膜太陽電池の製造方法に関するものである。
近年、二酸化炭素の増大に伴う地球の温暖化が懸念され、二酸化炭素が発生しないクリーンなエネルギー源として太陽電池が注目されている。
太陽電池としては各種のものが実用化されている。その中でも、アモルファスシリコン薄膜および/または微結晶シリコン薄膜を用いた薄膜太陽電池は、低温プロセスによって製造することができること、低コストで製造することができること、大面積化が容易であること等の理由から、開発が進められている。
例えば、特許文献1には、図6に示すように、透明絶縁基板102と、透明絶縁基板102上に順次積層された、透明電極層103と、半導体光電変換層104と、裏面電極層105と、を含み、少なくとも裏面電極層105を分離する分離溝108を備えている薄膜太陽電池100の製造方法が示されている。
当該薄膜太陽電池100の製造方法では、半導体光電変換層104は、アモルファスシリコン薄膜からなるp層、i層およびn層が順次積層された構造;アモルファスシリコン薄膜からなるp層、i層およびn層が順次積層された構造と微結晶シリコン薄膜からなるp層、i層およびn層が順次積層された構造とを組み合わせたタンデム構造;またはアモルファスシリコン薄膜からなるp層、i層およびn層が順次積層された構造と微結晶シリコン薄膜からなるp層、i層およびn層が順次積層された構造との間にZnO等からなる中間層が挿入された構造である。
また、特許文献2には、図7に示すように、透光性基板201上に形成された、透明電極層202、光半導体層204および金属層206の少なくとも一部を光ビームによる加工によって複数のセルに分離し、相互に電気的に集積化してなる薄膜太陽電池モジュール200の製造方法が示されている。
当該薄膜太陽電池モジュール200の製造方法では、光半導体層204は、p型a−SiC:H半導体層、i型a−Si:H半導体層、およびn型微結晶Si:H半導体層が順次堆積することによってPIN接合を構成する層である。
ここで、薄膜太陽電池において、光電変換層(半導体光電変換層、光半導体層)における半導体膜の形成方法としては、プラズマCVD法(chemical vapor deposition/化学気相反応法、化学蒸着法)等が知られている。
例えば、特許文献3には、枠体を用いることによって、当該枠体の内部にプラズマCVD法にて半導体膜を形成する方法が示されている。
また、特許文献4には、中間層にシリコン結晶相を含む非晶質シリコン酸化膜を用いたタンデム構造の薄膜太陽電池が示されている。
特開2008−109041号公報(2008年5月8日公開) 特開2000−150944号公報(2000年5月30日公開) 特開2008−034469号公報(2008年2月14日公開) 特開2005−045129号公報(2005年2月17日公開)
本発明者らは、上記背景技術について検討した結果、以下のような問題又は問題の源泉を見出した。
具体的には、上記特許文献1,2に示されている薄膜太陽電池の製造方法(薄膜太陽電池モジュールの製造方法)において、特許文献3に示されている枠体を用いた半導体膜形成方法を用いて、アモルファスのシリコン半導体膜からなる第1光電変換層と、微結晶のシリコン半導体膜からなる第2光電変換層と、を備えるタンデム構造の薄膜太陽電池を形成した場合に、薄膜太陽電池のエッジ部分(各光電変換層の端部)にて膜剥れが発生しやすい傾向を、本発明者らは見出した。
検討の結果、薄膜太陽電池のエッジ部分に存在する、第2光電変換層と透明導電膜との界面において、第2光電変換層を構成する微結晶のシリコン半導体膜と透明導電膜との密着性が悪く、エッジ部分の微結晶シリコン半導体膜が透明導電膜との界面から剥れやすいことが、上記膜剥れの一要因となっていることが推定された。
本発明の目的は、光電変換層形成工程での半導体膜の膜剥れを抑制し、高品質な薄膜太陽電池の製造方法を提供することにある。
本発明者は、アモルファスのシリコン系半導体層を成膜する際の枠体の開口面積に対して、結晶質のシリコン系半導体層を成膜する際の枠体の開口面積を小さくすることによって、たとえ基板の周囲でトレイと基板との間の空隙が原因の基板ずれが生じても、結晶質のシリコン系半導体層と透明導電膜との界面が存在しなくなることを独自に見出し、本発明を完成させるに至った。
なお、本明細書における「結晶質」は、部分的にアモルファスを含有するものであってもよく、いわゆる「微結晶」を含む概念である。また、本明細書における「光電変換層」は、p型半導体膜、i型半導体膜、n型半導体膜が積層された構造からなり、積層順がp型半導体膜、i型半導体膜、n型半導体膜の順番のものと、n型半導体膜、i型半導体膜、p型半導体膜の順番のものとのいずれも含んでいる。
すなわち、本発明の薄膜太陽電池の製造方法は、基板を設置する枠体に開口部を設け、開口部を通して基板に薄膜形成を行う薄膜太陽電池の製造方法であって、第1枠体を用いて基板上に第1半導体膜を積層する第1光電変換層形成工程と、第2枠体を用いて第1半導体膜上に第2半導体膜を積層する第2光電変換層形成工程とを含み、第2枠体の開口部の面積が、第1枠体の開口部の面積よりも小さいことを特徴としている。
また、本発明の薄膜太陽電池の製造方法は、第1半導体膜がアモルファスのシリコン系半導体膜からなり、第2半導体膜が結晶質のシリコン系半導体膜からなることが好ましい。
また、本発明の薄膜太陽電池の製造方法は、第2光電変換層形成工程において、第2枠体の開口部における全ての辺が、第1半導体膜内に含まれるように、第2枠体に基板を設置することが好ましい。
また、本発明の薄膜太陽電池の製造方法は、第1光電変換層形成工程では、基板の端部の少なくとも一部分を被覆するように第1枠体を基板上に配置して第1半導体膜を成膜し、第2光電変換層形成工程では、第1半導体膜の端部の少なくとも一部分を被覆するように第2枠体を第1半導体膜上に配置して第2半導体膜を成膜することが好ましい。
また、本発明の薄膜太陽電池の製造方法は、基板を設置する枠体に開口部を設け、開口部を通して基板に薄膜形成を行う薄膜太陽電池の製造方法であって、第1枠体を用いて基板上に第1半導体膜を積層する第1光電変換層形成工程と、第1半導体膜上に中間層を積層する中間層形成工程と、第2枠体を用いて中間層上に第2半導体膜を積層する第2光電変換層形成工程とを含み、第2枠体の開口部の面積が、第1枠体の開口部の面積よりも小さいことを特徴としている。
また、本発明の薄膜太陽電池の製造方法は、中間層形成工程では、第3枠体を用いて第1半導体膜上に中間層を積層し、第2枠体の開口部の面積が、第3枠体の開口部の面積よりも小さく、第3枠体の開口部の面積が、第1枠体の開口部の面積よりも小さいことが好ましい。
また、本発明の薄膜太陽電池の製造方法は、中間層が、シリコン、シリコン酸化物、シリコン窒化物およびシリコン炭化物のうちの少なくとも1つを含有するシリコン系半導体膜からなることが好ましい。
また、本発明の薄膜太陽電池の製造方法は、第1光電変換層形成工程にて、第1枠体を用いて第1半導体膜を積層した後、第1枠体に基板を設置した状態で、中間層形成工程を実施することが好ましい。
また、本発明の薄膜太陽電池の製造方法は、第1光電変換層形成工程にて、第1枠体を用いて第1半導体膜を積層した後、第2枠体に基板を設置して中間層形成工程を実施し、第2枠体に基板を設置した状態で、第2光電変換層形成工程を実施することが好ましい。
また、本発明の薄膜太陽電池の製造方法は、第2光電変換層形成工程の後に、第4枠体を用いて第2半導体膜上に電極層を積層する電極層形成工程を含み、第4枠体の開口部の面積が、第2枠体の開口部の面積よりも小さく、かつ第4枠体の開口部における全ての辺が、第2半導体膜内に含まれるように、第4枠体に基板を設置することが好ましい。
本発明の薄膜太陽電池の製造方法は、光電変換層の形成工程のトラブルを抑制することができるという効果を奏する。
(a)・(b)は、本発明の薄膜太陽電池の製造方法における工程フローを示す断面図である。 (a)〜(g)は、本発明の薄膜太陽電池の製造方法における工程フローを示す断面図である。 (a)〜(g)は、本発明の薄膜太陽電池の製造方法における工程フローを示す断面図である。 (a)・(b)は、本発明の薄膜太陽電池の製造方法に用いられる枠体を示す斜視図である。 (a)〜(d)は、本発明の薄膜太陽電池の製造方法に用いられるプラズマCVD法を示す断面図である。 従来の薄膜太陽電池の構成を示す断面図である。 従来の薄膜太陽電池の構成を示す断面図である。 従来の薄膜太陽電池の構成を示す断面図である。
本発明の一実施形態について、以下に詳しく説明するが、本発明の範囲はこれらの説明に拘束されることはなく、以下の例示以外についても、本発明の趣旨を損なわない範囲で適宜変更して実施し得るものである。具体的には、本発明は以下の実施形態に限定されるものではなく、請求項に示した範囲で種々の変更が可能である。すなわち、請求項に示した範囲で適宜変更した技術的手段を組み合わせて得られる実施形態についても本発明の技術的範囲に含まれる。
(I)本発明における薄膜太陽電池の製造方法の構成
本発明における薄膜太陽電池の製造方法は、光透過性導電膜によって被覆された基板上に第1半導体膜を積層して第1光電変換層を形成する第1光電変換層形成工程、並びに第1光電変換層上に第2半導体膜を積層して第2光電変換層を形成する第2光電変換層形成工程を包含する。
ここで、第1半導体膜は第1光電変換層を構成するp型半導体膜、i型半導体膜、n型半導体膜の総称であり、第2半導体膜は第2光電変換層を構成するp型半導体膜、i型半導体膜、n型半導体膜の総称である。
第1光電変換層形成工程は、第1枠体を上記基板上に配置すること、および配置された第1枠体の開口部の領域内に第1半導体膜を成膜することを含み、第2光電変換層形成工程は、第2枠体を第1半導体膜上に配置すること、および配置された第2枠体の開口部の領域内に第2半導体膜を成膜することを含み、第2枠体の開口部の面積が、第1枠体の開口部の面積よりも小さい方法である。
上記特許文献1に記述のタンデム型の薄膜太陽電池100の製造方法において、上記特許文献3に記述の枠体を用いたプラズマCVD法を適用した場合、アモルファスのシリコン層114の上に結晶質のシリコン層124を成膜する際には、不純物の発生を防止する観点から、アモルファスのシリコン層114を成膜する工程と結晶質のシリコン層124を成膜する工程との間で枠体を交換する必要がある。
この時、交換前後で同一面積の開口部を持つ枠体を用いると、基板および枠体の公差による基板取付け時のズレによって、アモルファスのシリコン層114と枠体の開口部との間に空隙が生じ、透明導電膜103が露出する領域が生じる。
また、枠体を交換しなかったとしても、枠体を搬送した時の振動で発生する基板のズレや、プラズマCVDの高温プロセスに起因する枠体の熱膨張などによって、上記と同様にアモルファスのシリコン層114と枠体の開口部との間に空隙が生じる。
空隙が生じた後に結晶質のシリコン層124を成膜すると、図8に示すように結晶質のシリコン層124と透明導電膜103との界面Zが発生する。一般的に結晶質のシリコン層124と透明導電膜103との密着性は悪いので、当該界面Zより結晶質のシリコン層124が剥離し、膜剥れが発生する。
ここで、本発明における上記の構成によれば、第2枠体の開口部の面積が、第1枠体の開口部の面積よりも小さいので、第2光電変換層形成工程において、第2枠体と第1半導体膜との隙間がなくなり、当該隙間を第2半導体膜が通らなくなるため、第2光電変換層が第1光電変換層の領域内に形成され、第2半導体膜と透明導電膜との界面が存在しなくなる。これにより、透明導電膜との密着性が良好な第1光電変換層だけが当該透明導電膜と接触する。その結果、本発明の薄膜太陽電池の製造方法は、第2光電変換層における第2半導体膜の膜剥れによる欠陥の発生を低減させることができる。
具体的には、第1光電変換層形成工程では、図1(a)に示すように、第1トレイ(枠体)11を用いて第1半導体膜を成膜することによって第1光電変換層3を積層する。その後、第2光電変換層形成工程では、図1(b)に示すように、第1トレイ11よりも開口部の面積が小さい第2トレイ(枠体)15を用いて第2半導体膜を成膜することによって第2光電変換層4を積層する。
本発明において、シリコン系半導体層とは、シリコン、シリコンカーバイド、シリコンゲルマニウムなどの、シリコン半導体とシリコン化合物半導体とを含有する概念である。
<トレイ(枠体)>
図4(a)は、第1トレイ(枠体)11の外観を示す斜視図である。また、図4(b)は、図4(a)のE−E断面における斜視図である。
第1トレイ11には、図1(a)・(b)に示すような固定冶具12が備えられている。また、第1トレイ11は、図4(a)・(b)に示すような開口部13を有している。この開口部13の領域内に半導体膜等を成膜することによって、光電変換層等を形成することができる。すなわち、この開口部13の面積は、光電変換層等の面積を決定するものである。ここで、開口部の形状は、設置する基板の形状に近似していることが好ましい。一般的に薄膜太陽電池に用いられる基板は長方形に代表される多角形であるので、開口部の形状は多角形の基板に対応した矩形状であることが好ましい。
また、第1トレイ11は、図4(a)・(b)に示すような段部14を有している。この段部14の高さ(厚さ)の範囲内に半導体膜等を成膜することによって、光電変換層等を形成することができる。すなわち、この段部14の高さは、光電変換層等の厚さを決定する要因の一つである。
<半導体膜を成膜する方法>
本発明の薄膜太陽電池の製造方法において、第1トレイ(枠体)11を用いて第1半導体膜を成膜する方法、第2トレイ(枠体)15を用いて第2半導体膜を成膜する方法等の、第1トレイ(枠体)11を用いて半導体膜を成膜する方法としては、例えば、プラズマCVD法等が挙げられる。
<プラズマCVD法>
図5(a)〜(d)に示すように、プラズマCVD法では、カソード電極22とアノード電極21との間(プラズマ発生空間)にグロー放電を生じさせることによって原料ガスのプラズマを発生させ、半導体薄膜を成膜する。当該プラズマCVD法は、従来公知の工程を経て行われる。
本発明における薄膜太陽電池の製造方法においては、第1光電変換層と第2光電変換層とを1つの成膜室にて行ってもよく、複数の成膜室にて行ってもよい。1つの成膜室にて行う場合には、第1枠体に基板を設置した後、第1枠体を成膜室内に搬入し、第1半導体膜を成膜する製造条件にて第1光電変換層を基板上に形成する。その後、成膜室より第1枠体を搬出して、基板を第1枠体から取り外して第2枠体に設置した後、再度成膜室内に搬入し、第2半導体膜を成膜する製造条件にて第2光電変換層を基板上に形成する。
一方、複数の成膜室にて行う場合には、第1枠体に基板を設置した後、第1光電変換層形成工程を実施する第1成膜室に第1枠体を搬入して成膜工程を行い、その後、搬出された第1枠体より基板を取り外して第2枠体に基板を設置し、第2光電変換層形成工程を実施する第2成膜室に第2枠体を搬入して成膜工程を行う。
第1成膜室と第2成膜室とは複数の成膜室を持つ一つの成膜装置であってもよいし、それぞれ別の成膜装置であってもよい。
また、基板を第1枠体または第2枠体に設置したり取り外したりする工程は、作業員による手作業で実施してもよいし、自動搬送装置によって実施してもよい。自動搬送装置は薄膜形成を行う各装置内に含まれていてもよいし、別体として薄膜太陽電池の製造工程ラインに設けられていてもよい。
<本発明における薄膜太陽電池の製造方法の変形例>
本発明における薄膜太陽電池の製造方法の変形例として、基板上に第1半導体膜を積層して第1光電変換層を形成する第1光電変換層形成工程、第1光電変換層上に中間層を積層する中間層形成工程、並びに上記中間層上に第2半導体膜を積層して第2光電変換層を形成する第2光電変換層形成工程を包含する製造方法がある。
第1光電変換層形成工程は、第1枠体を上記基板上に配置することおよび配置された第1枠体の開口部の領域内に第1半導体膜を成膜することを含み、上記中間層形成工程は、第3枠体を上記基板上に配置することおよび配置された第3枠体の開口部の領域内に選択的光透過性導電膜を成膜することを含み、第2光電変換層形成工程は、第2枠体を上記選択的光透過性導電膜上に配置することおよび配置された第2枠体の開口部の領域内に第2半導体膜を成膜することを含み、第2枠体の開口部の面積が第3枠体の開口部の面積より小さく、第3枠体の開口部の面積が第1枠体の開口部の面積よりも小さいことが好ましい。
中間層6を形成する工程は、図3(c)に示すように、上記(3)の工程で形成した第1光電変換層3上に、中間層6を形成する。中間層6は、本発明の特徴である第3トレイ17の使用を除けば、従来公知の手法にて形成することができ、その形成手法は特に制限されるものではない。例えば、化学的製法または物理的製法にて中間層6を形成することができる。
中間層6を形成する工程における化学的製法としては、例えば、スプレー法、CVD法、プラズマCVD法などが挙げられる。また、中間層6を形成する工程における物理的製法としては、例えば、真空蒸着法、イオンプレーティング法、スパッタリング法、マグネトロンスパッタリング法などが挙げられる。これらの製造方法のうちでは、品質などの面から、プラズマCVD法を用いることが好ましい。
中間層6を形成する工程は、具体的には、図5(c)に示すように、第3トレイ16を第1光電変換層3上に配置して、配置された第3トレイ16の開口部の領域内に選択的光透過性導電膜を成膜することを含んでいる。第3トレイ16の開口部の面積は、第1トレイ11の開口部の面積よりも小さく、第2トレイ15の開口部の面積よりも大きいことが好ましい。
上記選択的光透過性導電膜は、第1光電変換層側から入射する光を波長に応じて選択的に反射および透過させるものであり、酸化亜鉛などで形成された透明導電層からなるか、またはシリコン、シリコン酸化物(SiOx)、シリコン窒化物(SiNx)およびシリコン炭化物(SiCx)のうちの少なくとも1つを含有するシリコン系半導体層からなる。
これにより、本発明の薄膜太陽電池の製造方法は、上記中間層において、第1光電変換層が吸収する短波長光を反射しつつ、第2光電変換層が吸収する長波長光を透過させるという選択反射特性を有する。その結果、本発明の薄膜太陽電池の製造方法は、第1光電変換層の短絡電流密度を向上させることができる。
当該電極層形成工程は、少なくとも第2枠体の開口部の領域と第3枠体の開口部の領域との重複部分ができるように、第2半導体膜上、上記選択的光透過性導電膜及び第2半導体膜の両方の上あるいは第1半導体膜及び第2半導体膜の両方の上に第3枠体を配置して、配置された第3枠体の領域内に導電膜を成膜することを含んでいてもよい。
上記電極層を積層後、上記基板の表面に対して垂直な平面によって囲まれている、第1光電変換層、上記中間層、第2光電変換層および上記電極層の積層体を形成する積層体形成工程をさらに包含する。具体的には、上記電極層を積層後、第1光電変換層3、上記中間層、第2光電変換層4および上記電極層の端面を、基板1(後述)の表面に対して垂直をなすように揃える。
<電極層を形成する方法>
本発明における薄膜太陽電池の製造方法は、光電変換層形成工程後に実施される電極層形成工程にも適用できる。本発明において、第2光電変換層の面積よりも、電極層形成工程にて形成される電極層の面積が小さいことが好ましい。
それによって、光電変換層および中間層の端部側面や基板上の透明導電膜上に、形成された電極層が膜剥れすることによる欠陥や短絡などの発生を抑制することができる。
電極層は、半導体を成膜する方法と同様の方法で形成することができる。これにより、本発明における薄膜太陽電池の製造方法を実現できる。
例えば、電極層5を形成する工程は、図5(d)に示すように、第4トレイ17を第2光電変換層4上に配置して、配置された第4トレイ17の開口部の領域内に電極層5を形成することを含んでいる。第4トレイ17の開口部の面積は、第2トレイ15の開口部の面積よりも小さいことが好ましい。
上記電極層を積層後、上記基板の表面に対して垂直な平面によって囲まれている、少なくとも第1光電変換層、上記中間層および第2光電変換層の積層体を形成する積層体形成工程をさらに包含することが好ましい。当該積層体は、さらに裏面電極5を備えていることが好ましい。具体的には、上記電極層を積層後、少なくとも第1光電変換層、上記中間層および第2光電変換層の端面を、基板1(後述)の表面に対して垂直をなすように揃える。
(II)本発明によって製造される薄膜太陽電池の構成
本発明によって製造される薄膜太陽電池は、図1(a)・(b)および図2(g)に示すように、主として、基板1、透明導電膜(光透過性導電膜)2、第1光電変換層3、第2光電変換層4を備えている。また、本発明によって製造される薄膜太陽電池は、図2(g)に示すように、第2光電変換層4上に裏面電極(電極層)5を備えている。
裏面電極5を積層後、第1光電変換層3および第2光電変換層4の端面を、基板1(後述)の表面に対して垂直をなすように揃えることが好ましい。第1光電変換層3および第2光電変換層4の端面を揃える際には、当該端面を削磨、削成、切断等する。
ここで、本発明によって製造される薄膜太陽電池は、基板1と透明導電膜2との間、透明導電膜2と第1光電変換層3との間、第1光電変換層3と第2光電変換層4との間、第2光電変換層4と裏面電極5との間、第1光電変換層3と中間層6との間、中間層6と第2光電変換層4との間には、他の層が積層されていてもよく、積層されていなくてもよい。
<薄膜太陽電池>
本発明において、薄膜太陽電池10とは、薄膜の形成プロセスによって製造される太陽電池をいう。
<基板>
本発明に用いられる基板1は、太陽光を透過することが可能であり、かつ絶縁性を有していれば特に限定されず、例えば、ガラス基板、石英基板、透明性を有するプラスチック基板等が挙げられる。
ただし、本発明に用いられる基板1は、全ての部位が絶縁性を有する必要はなく、少なくとも電極(透明導電膜2)形成面が絶縁されていれば使用可能である。すなわち、導電性の基板であっても、電極形成面を絶縁物で覆うことによって、本発明に用いられる基板1として使用することができる。
<透明導電膜(光透過性導電膜)>
本発明に用いられる透明導電膜2は、太陽光を透過することが可能な導電膜であれば特に限定されず、例えば、酸化錫膜、酸化亜鉛膜、ITO(Indium Tin Oxide)膜等が挙げられる。
ただし、本発明に用いられる透明導電膜2は、全ての部位が光透過性を有する必要はなく、少なくとも一部の部位が光透過性を有していれば使用可能である。すなわち、金属等の光透過性を有さない材質を用いた場合であっても、例えば構造が格子状であれば光透過性を有するため、本発明に用いられる透明導電膜2として使用することができる。
なお、本発明に用いられる透明導電膜2が酸化亜鉛を含む材質からなる透明導電膜である場合には、透明導電膜2の低抵抗化のためにAl、Ga等の不純物をドープしてもよい。その中でも、より低抵抗化する性質に優れたGaをドープすることが好ましい。
<光電変換層(第1光電変換層、第2光電変換層)>
本発明に用いられる光電変換層は、第1光電変換層3および第2光電変換層4の積層構造を有している。
本発明に用いられる第1光電変換層3および第2光電変換層4は、太陽光によって電流、電圧等を変換することが可能であれば特に限定されず、例えば、半導体からなる層等が挙げられる。当該半導体としては、Si、Ge、SiGe、SiC、SiN、GaAs、SiSn等が挙げられる。その中でも、シリコン系の半導体であるSi、SiGe、SiC等を用いることが好ましい。特に、本発明に用いられる第1光電変換層3および第2光電変換層4は、第1半導体膜がアモルファスのシリコンからなり、第2半導体膜が結晶質のシリコンからなることが好ましい。ここで、結晶質のシリコンとしては、部分的にアモルファスを含有するものも含まれる。
これにより、本発明の薄膜太陽電池の製造方法は、CVD成膜法という同質の方法によって簡便に積層型の太陽電池を製造することができる。
第1光電変換層3と第2光電変換層4との間には、アモルファスまたは結晶質のシリコンからなる半導体膜を成膜することによって積層される第3光電変換層が、1層または複数層形成されていてもよい。すなわち、「第1光電変換層上に第2光電変換層を積層する第2光電変換層形成工程」の代わりに、「第1光電変換層上に第3光電変換層を積層し、第3光電変換層上に第2光電変換層を積層する第2光電変換層形成工程」を包含していても本発明に含まれる。
例えば、光電変換層が3層の場合には、透明導電膜2側から順に、アモルファスのシリコンからなる光電変換層/結晶質のシリコンからなる光電変換層/結晶質のシリコンからなる光電変換層、またはアモルファスのシリコンからなる光電変換層/アモルファスのシリコンからなる光電変換層/結晶質のシリコンからなる光電変換層である。
なお、複数層形成される場合には、各半導体膜の材料および構造は、互いに同じであっても異なっていてもよい。
また、第1光電変換層3および第2光電変換層4の構造としては、p型、i型、n型の三層構造を有するものが好ましい。p型およびn型の半導体は、一般的に、所定の不純物をドープすることによって形成することができる。また、当該三層構造は、光入射面側(透明導電膜2側)から順に、p層、i層およびn層が積層したp−i−n型の構造であることが好ましい。
本発明に用いられる第1光電変換層3の厚さは、特に限定されないが、ある程度の光変換効率を得るためには、0.2μm以上、0.5μm以下の範囲内であることが好ましい。また、第2光電変換層4の厚さは、特に限定されないが、ある程度の光変換効率を得るためには、1μm以上、5μm以下の範囲内であることが好ましい。なお、第1光電変換層3および第2光電変換層4の厚さは、第1光電変換層3および第2光電変換層4の積層方向に沿った長さを指すものとする。
<裏面電極(電極層)>
本発明に用いられる裏面電極5は、導電性を有していれば特に限定されず、例えば、透明導電膜および金属膜からなる電極等が挙げられる。当該透明導電膜としては、例えば、酸化錫膜、酸化亜鉛膜、ITO(Indium Tin Oxide)膜等が挙げられる。また、当該金属膜としては、例えば、銀、アルミニウム、クロム、チタンまたはこれらの金属酸化物等が挙げられる。
本発明に用いられる裏面電極5は、導電性に加えて、光散乱性または光反射性を有していることが好ましい。
<中間層>
本発明によって製造される薄膜太陽電池の一形態としては、第1光電変換層と第2光電変換層との間に中間層を備えており、第2光電変換層の積層時の面積が中間層の面積よりも小さく、中間層の積層時の面積が第1光電変換層の面積よりも小さいものである。
上記の構成によれば、第2光電変換層または中間層と光透過性導電膜との界面が存在しなくなる。これにより、光透過性導電膜との密着性が良好な第1光電変換層だけが当該光透過性導電膜と接触する。その結果、本発明の薄膜太陽電池は、第2光電変換層または中間層の膜剥れによる欠陥の発生を低減することができる。
中間層6は、選択的光透過性導電膜を成膜することによって形成されるものである。当該選択的光透過性導電膜は、第1光電変換層側から入射する光を波長に応じて選択的に反射および透過させるものである。
当該選択的光透過性導電膜は、屈折率が互いに異なる透明導電膜と半導体膜とを交互に積層して構成されるものである。当該選択的光透過性導電膜は、第1光電変換層3が吸収する短波長光を反射し、第2光電変換層4が吸収する長波長光を透過させることが好ましい。
また、選択的光透過性導電膜である中間層は、酸化亜鉛等の透明導電層からなるか、またはシリコン、シリコン酸化物(SiOx)、シリコン窒化物(SiNx)およびシリコン炭化物(SiCx)のうちの少なくとも1つを含有するシリコン系半導体層からなることが好ましい。
(III)本発明における薄膜太陽電池の製造方法の工程フロー
本発明では、例えば、(1)初期状態、(2)透明導電膜パターニング工程、(3)光電変換層形成工程、(4)光電変換層のパターニング工程、(5)電極層形成工程、(6)電極層パターニング工程、(7)積層体形成工程を経て薄膜太陽電池を製造する。なお、上記(1)〜(7)の全ての工程を含んでいなくても本発明に含まれる。
その後、当該薄膜太陽電池に対して、例えば、レーザにて切込みを入れることによって抵抗値等を調整すること等の処理を行うことが好ましい。
(1)初期状態
図2(a)に示すように、本発明には、透明導電膜2によって被覆された基板1を用いる。なお、基板1に透明導電膜2を被覆する方法としては、化学的製法または物理的製法を用いることができる。化学的製法としては、特に限定されるものではないが、例えば、スプレー法、CVD法、プラズマCVD法などが挙げられる。一般的に、化学的製法は、塩化物や有機金属化合物の熱分解、酸化反応などによって基板上に酸化膜を形成する方法であり、プロセスコストが安いという利点がある。また、物理的製法としては、例えば、真空蒸着法、イオンプレーティング法、スパッタリング法、マグネトロンスパッタリング法などが挙げられる。一般的に、物理的製法は、化学的製法に比べて基板温度が低く、良質の膜形成が可能であるが、成膜速度が遅く、装置費用が高くなるなどの傾向を有する。
基板1に透明導電膜2を被覆する工程は本発明の工程フローに含んでもよいし、含まれていなくてもよい。
なお、後述する透明導電膜パターニング工程を行う前に、基板および透明導電膜を純水等にて洗浄することが好ましい。
(2)透明導電膜パターニング工程
次に、図2(b)に示すように、透明導電膜2に対して第1レーザ加工を行ってレーザ加工部Aを形成することによってパターニングして、透明導電膜分離ラインを形成する。パターニングの手法は特に限定されず、正確にパターニングが可能な手法であれば、一般的に透明導電膜のパターニングに用いられる手法を好適に使用可能である。ここで、レーザパターニングに用いるレーザとしては、特に限定されるものではなく、一般的に太陽電池の製造方法において用いられるレーザを用いることができる。また、レーザ射出口と照射面との距離、照射面におけるレーザの径およびレーザ照射時間などは、パターニングの形状などに応じて適宜選択されることが好ましい。
なお、透明導電膜パターニング工程の後、後述する光電変換層形成工程を行う前に、基板および透明導電膜を純水等にて洗浄することが好ましい。
(3)光電変換層形成工程
次に、図2(c)に示すように、上記(2)の工程でパターニングを施した透明導電膜2上に、第1光電変換層3を形成する第1光電変換層形成工程および第2光電変換層4を形成する第2光電変換層形成工程を含む、光電変換層形成工程を行う。
本発明においては、第1光電変換層形成工程にて形成される第1光電変換層の面積よりも、第2光電変換層形成工程にて形成される第2光電変換層の面積が小さく、特に第2光電変換層の形成領域が第1光電変換層の形成領域に全て含まれていることが好ましい。
光電変換層は、本発明の特徴であるトレイの使用を除けば、従来公知の手法にて形成することができ、その形成手法は特に制限されるものではない。例えば、化学的製法または物理的製法にて光電変換層を形成することができる。
光電変換層形成工程における化学的製法としては、例えば、スプレー法、CVD法、プラズマCVD法などが挙げられる。一般的に、半導体の化学的製法は、シランガス等の原料ガスの熱分解、プラズマ反応などによって基板上に半導体膜を形成する方法であり、プロセスコストが安いという利点がある。また、光電変換層形成工程における物理的製法としては、例えば、真空蒸着法、イオンプレーティング法、スパッタリング法、マグネトロンスパッタリング法などが挙げられる。一般的に、物理的製法は、化学的製法に比べて基板温度が低く、良質の膜形成が可能であるが、成膜速度が遅く、装置費用が高くなるなどの傾向を有する。これらの製造方法のうちでは、品質などの面から、プラズマCVD法を用いることが好ましい。
第1光電変換層3および第2光電変換層4などの複数の光電変換層を形成する際には、上記化学的製法および/または物理的製法を繰り返し行えばよい。
(4)光電変換層のパターニング工程
次に、図2(d)に示すように、上記(3)の工程で形成した光電変換層に対して第2レーザ加工を行ってレーザ加工部Bを形成することによってパターニングして、光電変換層分離ラインを形成する。パターニングの手法は特に限定されず、正確にパターニングが可能な手法であれば、一般的に光電変換層および透明導電膜のパターニングに用いられる手法を好適に使用可能である。ここで、レーザパターニングに用いるレーザとしては、透明導電膜2に損傷を与えることを避けるために、透明導電膜2の透過性に優れた可視光領域のレーザを用いることが好ましい。それゆえ、例えば、YAGレーザなどを用いることが好ましい。
ここで、YAGレーザとは、「Nd:YAGレーザ」のことであり、「Nd:YAGレーザ」はネオジムイオン(Nd3+)を含むイットリウムアルミニウムガーネット(YAl12)結晶からなる。そして、YAGレーザからはYAGレーザ光の基本波(波長:1064nm)が発振されるが、その波長を1/2に波長変換することによってYAGレーザ光の第2高調波(波長:532nm)を得ることができる。
(5)電極層形成工程
次に、図2(e)に示すように、上記(4)の工程でパターニングを施した第1光電変換層3および第2光電変換層4上に、裏面電極(電極層)5を形成する。
本発明においては、第2光電変換層の面積よりも、電極層形成工程にて形成される電極層の面積が小さいことが好ましい。
裏面電極5の形成の際に、コンタクトライン形成のための開溝を導電物質にて充填し、コンタクトラインを形成するのが好ましい。かかる導電物質は、導電性を有するものであれば特に制限はなく、一般的に太陽電池に用いられる導電物質を用いることができる。コンタクトラインの形成を行うことにより、コンタクトラインの開溝内は導電物質によって完全に充填され、透明導電膜2と裏面電極5とが完全に電気的に接続した状態となる。
本発明の特徴であるトレイの使用を除けば、裏面電極5の形成方法に特に制限はないが、化学的製法または物理的製法により形成することができる。ここで、化学的製法としては、例えば、スプレー法、CVD法、プラズマCVD法などが挙げられる。一般的に、化学的製法は、塩化物や有機金属化合物の熱分解、酸化反応などによって基板上に酸化膜を形成する方法であり、プロセスコストが安いという利点がある。一方、物理的製法としては、例えば、真空蒸着法、イオンプレーティング法、スパッタリング法、マグネトロンスパッタリング法などが挙げられる。一般的に、物理的製法は、化学的製法に比べて基板温度が低く、良質の膜形成が可能であるが、成膜速度が遅く、装置費用が高くなるなどの傾向を有する。これらの製造方法のうちでは、品質などの面から、スパッタリング法を用いることが好ましい。
(6)電極層パターニング工程
次に、図2(f)に示すように、上記(5)の工程で形成した電極層に対して第3レーザ加工を行ってレーザ加工部Cを形成することによってパターニングして、電極層分離ラインを形成する。この工程に用いるパターニングの手法は特に制限されるものではなく、正確にパターニングが可能な手法であれば、一般的に金属膜あるいは透明導電膜のパターニングに用いられる手法を好適に使用可能である。ここで、レーザパターニングに用いるレーザとしては、YAGレーザ等を用いることが好ましい。また、レーザ射出口と照射面との距離およびレーザ照射時間などは、パターニングの形状などに応じて適宜選択されることが好ましい。
(7)積層体形成工程
次に、図2(g)に示すように、第1光電変換層3、第2光電変換層4および裏面電極5の端面を揃えて端面Dを形成する。これにより、薄膜太陽電池10が完成する。
<他の実施形態>
本発明における工程フローの他の実施形態では、上記の(3)光電変換層形成工程において、図3(c)に示すように、第1光電変換層3を形成する第1光電変換層形成工程と第2光電変換層4を形成する第2光電変換層形成工程との間に中間層6を形成する中間層形成工程が含まれる。なお、図3(a)〜(g)は、図2(a)〜(g)と比較して、第1光電変換層3と第2光電変換層4との間に中間層6が形成されていること以外は、図2(a)〜(g)と同様の構成および態様を示している。
中間層6を形成する工程は、図3(c)に示すように、上記(3)の工程で第1光電変換層3を形成した後に、中間層6を形成する中間層形成工程を行う。
本発明においては、第1光電変換層形成工程にて形成される第1光電変換層の面積よりも、中間層形成工程にて形成される中間層の面積が小さい。さらに、中間層の面積よりも第2光電変換層形成工程にて形成される第2光電変換層の面積が小さいことが特徴である。特に中間層および第2光電変換層の形成領域が第1光電変換層の形成領域に全て含まれていることが好ましい。
中間層6を形成する工程における化学的製法としては、例えば、スプレー法、CVD法、プラズマCVD法などが挙げられる。また、中間層6を形成する工程における物理的製法としては、例えば、真空蒸着法、イオンプレーティング法、スパッタリング法、マグネトロンスパッタリング法などが挙げられる。
中間層6が酸化亜鉛等の透明導電膜の場合には、特にRFスパッタリング法、DCスパッタリング法、RF−DC結合スパッタリング法などが好ましく、プラズマ損傷を低減しつつ均一な膜厚を得るためにRFスパッタリング法がさらに好ましい。
また、中間層6がシリコン系半導体膜からなる場合には、プラズマCVD法にて形成することが好ましく、特に光電変換層形成工程と同じ方法を用いて中間層を形成する場合には、第1光電変換層または第2光電変換層と連続的に中間層6を形成することができる。したがって、中間層6を形成する工程を、第1半導体膜を形成する工程または第2半導体膜を形成する工程と同一チャンバー内で連続して行うことによって、それぞれ別のチャンバーで形成した際に発生する各層の界面の抵抗層を生じることなく中間層6を形成することができる。
本発明によって製造される薄膜太陽電池は、ソーラー発電所、ビル電源供給用電源、家庭用電源、電卓、腕時計、携帯電話、各種充電器、道路標識、庭園灯、街路灯、駐車券発行機、海洋や山岳地帯の観測機器、人工衛星、宇宙ステーション、可搬式電源、非常用電源等に利用することができる。
1 基板
2 透明導電膜(光透過性導電膜)
3 第1光電変換層(第1半導体膜)
4 第2光電変換層(第2半導体膜)
5 裏面電極(電極層)
6 中間層
10 薄膜太陽電池
11 第1トレイ(枠体)
12 固定冶具
13 開口部
14 段部
15 第2トレイ(枠体)
16 第3トレイ(枠体)
17 第4トレイ(枠体)
21 アノード電極
22 カソード電極
A レーザ加工部
B レーザ加工部
C レーザ加工部
D 端面
Z 界面

Claims (10)

  1. 基板を設置する枠体に開口部を設け、該開口部を通して基板に薄膜形成を行う薄膜太陽電池の製造方法であって、
    第1枠体を用いて基板上に第1半導体膜を積層する第1光電変換層形成工程と、
    第2枠体を用いて前記第1半導体膜上に第2半導体膜を積層する第2光電変換層形成工程とを含み、
    前記第2枠体の開口部の面積が、前記第1枠体の開口部の面積よりも小さいことを特徴とする薄膜太陽電池の製造方法。
  2. 前記第1半導体膜がアモルファスのシリコン系半導体膜からなり、前記第2半導体膜が結晶質のシリコン系半導体膜からなることを特徴とする請求項1に記載の薄膜太陽電池の製造方法。
  3. 前記第2光電変換層形成工程において、前記第2枠体の開口部における全ての辺が、前記第1半導体膜内に含まれるように、前記第2枠体に基板を設置することを特徴とする請求項1または2に記載の薄膜太陽電池の製造方法。
  4. 前記第1光電変換層形成工程では、前記基板の端部の少なくとも一部分を被覆するように第1枠体を前記基板上に配置して第1半導体膜を成膜し、
    前記第2光電変換層形成工程では、前記第1半導体膜の端部の少なくとも一部分を被覆するように第2枠体を前記第1半導体膜上に配置して第2半導体膜を成膜することを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の薄膜太陽電池の製造方法。
  5. 基板を設置する枠体に開口部を設け、該開口部を通して基板に薄膜形成を行う薄膜太陽電池の製造方法であって、
    第1枠体を用いて基板上に第1半導体膜を積層する第1光電変換層形成工程と、
    前記第1半導体膜上に中間層を積層する中間層形成工程と、
    第2枠体を用いて前記中間層上に第2半導体膜を積層する第2光電変換層形成工程とを含み、
    前記第2枠体の開口部の面積が、前記第1枠体の開口部の面積よりも小さいことを特徴とする薄膜太陽電池の製造方法。
  6. 前記中間層形成工程では、第3枠体を用いて前記第1半導体膜上に前記中間層を積層し、
    前記第2枠体の開口部の面積が、前記第3枠体の開口部の面積よりも小さく、前記第3枠体の開口部の面積が、前記第1枠体の開口部の面積よりも小さいことを特徴とする請求項5に記載の薄膜太陽電池の製造方法。
  7. 前記中間層が、シリコン、シリコン酸化物、シリコン窒化物およびシリコン炭化物のうちの少なくとも1つを含有するシリコン系半導体膜からなることを特徴とする請求項5に記載の薄膜太陽電池の製造方法。
  8. 前記第1光電変換層形成工程にて、前記第1枠体を用いて前記第1半導体膜を積層した後、前記第1枠体に基板を設置した状態で、前記中間層形成工程を実施することを特徴とする請求項7に記載の薄膜太陽電池の製造方法。
  9. 前記第1光電変換層形成工程にて、前記第1枠体を用いて前記第1半導体膜を積層した後、前記第2枠体に基板を設置して前記中間層形成工程を実施し、前記第2枠体に基板を設置した状態で、前記第2光電変換層形成工程を実施することを特徴とする請求項7に記載の薄膜太陽電池の製造方法。
  10. 前記第2光電変換層形成工程の後に、第4枠体を用いて前記第2半導体膜上に電極層を積層する電極層形成工程を含み、
    前記第4枠体の開口部の面積が、前記第2枠体の開口部の面積よりも小さく、かつ前記第4枠体の開口部における全ての辺が、前記第2半導体膜内に含まれるように、前記第4枠体に基板を設置すること特徴とする請求項1〜9のいずれかに記載の薄膜太陽電池の製造方法。
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