JP2011258355A - リチウムイオン二次電池 - Google Patents

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Abstract

【課題】生産効率が高く、出力特性に優れるリチウムイオン二次電池を提供すること。
【解決手段】本発明により提供されるリチウムイオン二次電池は、正極と、負極と、非水電解液とを備える。前記正極は、正極活物質層を有する。前記正極活物質層は、正極活物質の粒子表面にpHが6より大きい導電材AとpHが6以下の導電材BとがA,Bの順に複合化された複合体(II)を含む。前記正極活物質層は、正極活物質粒子と複合化していない導電材Cをさらに含んでもよい。前記正極活物質層に含まれる導電材A,B,Cの合計量は、前記正極活物質層の8〜20質量%である。
【選択図】なし

Description

本発明は、出力特性に優れたリチウムイオン二次電池に関する。
リチウムイオン二次電池は、リチウムイオンを可逆的に吸蔵および放出可能な正負の電極と、これら両電極間に介在されたセパレータとを備える。該セパレータには非水電解液が含浸されており、該電解液中のリチウムイオンが両電極間を行き来することにより充放電を行う。軽量でエネルギー密度が高いため、各種携帯機器の電源として普及している。また、車両等の大容量電源を要する分野においても利用が期待されている。リチウムイオン二次電池に関する技術文献として、特許文献1および2が挙げられる。
特開2009−64564号公報 特開2005−310800号公報
ところで、車両等の高入出力電源には、容量の大きさに加え、出力の高さが求められる。そのため、かかる用途向けのリチウムイオン二次電池では、電極の導電材含有量を、小型機器向けの電池における含有量の2〜3倍以上高くすることが検討されている。しかし、導電材の量を増加すると、該導電材と他の電極材料とを溶媒とともに混ぜ合わせたときに、該電極合材(電極材料の混合組成物)の粘度が高くなりすぎ、塗工効率が低下しがちである。また、塗工効率を高めるために該合材をさらに希釈すると、塗工後の乾燥効率が低下するという新たな課題が生じてしまう。かかる電極合材の粘度調整方法としては、該合材の液相のpHを調整する方法(特許文献1)や、電極合材を形成する際、所定のpHの導電材を予め適当な溶媒に分散させて形成した分散液を添加する方法(特許文献2)が報告されている。しかしながら、かかる方法によって構築された電池では、十分な出力が実現されない場合があった。したがって、生産効率の低下を伴わずに出力向上が実現されたリチウムイオン二次電池があれば望ましい。
本発明は、生産効率が良好で、且つ出力特性に優れたリチウムイオン二次電池を提供することを一つの目的とする。また、かかるリチウムイオン二次電池の形成に好適な正極活物質材料(正極活物質と導電材との複合体)を製造する一方法を提供することを他の一つの目的とする。
本発明によると、正極と、負極と、非水電解液とを備えるリチウムイオン二次電池が提供される。上記正極は、正極活物質層を有する。この正極活物質層は、正極活物質粒子の表面に少なくとも導電材Aおよび導電材Bを備える複合体(II)を含む。ここで、前記導電材AはpHが6より大きく、前記導電材BはpHが6以下である。前記複合体(II)は、前記正極活物質粒子の表面に、前記導電材A,Bがこの順に(すなわち、導電材A、導電材Bの順に)複合化されたものである。正極活物質の粒子表面にpHが6より大きい導電材AとpHが6以下の導電材BとがA,Bの順に複合化された複合体(II)を含む。該正極活物質層は、さらに任意で、前記複合体(II)を構成する導電材A,Bに加えて、正極活物質粒子と複合化していない導電材Cを含んでもよい。正極活物質層に含まれる導電材の総量(すなわち、前記複合体(II)を構成する導電材A,Bと、任意成分たる導電材Cとの合計量)は、該正極活物質層の8〜20質量%である。
かかるリチウムイオン二次電池によると、正極活物質層が導電材を合計で8〜20質量%含むので、急速放電(例えば、20C程度のレートでの放電;1Cは、1時間で満充放電可能な電流値)が実現され得る。また、pHが6より大きく、より導電性の高い導電材Aが正極活物質の粒子表面に複合化されていることにより、高出力化が好適に実現され得る。さらに、上記複合体(II)は、その表面に、pHが6以下の導電材Bが付与されていることから、該複合体(II)を他の正極材料とともに溶媒に分散して得られる正極合材(ペースト状またはスラリー状であり得る)の粘度が適度に抑制され得る。そのため、かかるリチウムイオン二次電池では、生産効率が損なわれることなく、電池の高出力化が実現され得る。
上記導電材Aは、pHが9以上11以下の範囲にあることが好ましい。上記導電材Bは、pHが4以上6以下の範囲にあることが好ましい。
本発明によるとまた、上記複合体(II)を製造する一方法が提供される。その製造方法は、正極活物質粒子表面に導電材Aを複合化させて中間複合体(I)を形成すること、を包含する。該製造方法は、さらに、上記中間複合体(I)の表面に導電材Bを複合化させて最終複合体(II)を形成すること、を包含する。かかる方法によって製造された複合体(II)は、リチウムイオン二次電池の正極を構成する要素として用いられて、該電池の生産効率を著しく低下させることなく、出力特性を向上させ得る。したがって、かかる方法によって製造された複合体(II)を正極活物質層中に含むリチウムイオン二次電池もまた、この明細書により開示される事項に包含される。
上述のとおり、ここに開示されるリチウムイオン二次電池は、急速放電が可能であり、生産効率も高いので、車両において使用される電源として好適である。したがって、本発明によると、ここに開示されるいずれかのリチウムイオン二次電池を備えた車両が提供される。特に、かかるリチウムイオン二次電池を動力源(典型的には、ハイブリッド車両または電気車両の動力源)として備える車両(例えば自動車)が好ましい。
一実施形態に係るリチウムイオン二次電池の外形を模式的に示す斜視図である。 図1におけるII−II線断面図である。 本発明のリチウムイオン二次電池を備えた車両(自動車)を模式的に示す側面図である。 実施例において作製したコイン型電池セルの形状を模式的に示す部分断面図である。 例1〜4に係る正極合材粘度および20C放電容量比を、使用した導電材総量に対してプロットした図である。 例4〜8に係る正極合材粘度および20C放電容量比を、使用した導電材のpHに対してプロットした図である。 例2,5,9〜11に係る正極合材粘度および20C放電容量比を示すグラフである。
以下、本発明の好適な実施形態を説明する。なお、本明細書において特に言及している事項以外の事柄であって本発明の実施に必要な事柄は、当該分野における従来技術に基づく当業者の設計事項として把握され得る。本発明は、本明細書に開示されている内容と当該分野における技術常識とに基づいて実施することができる。
ここに開示されるリチウムイオン二次電池は、その正極活物質層が、リチウム含有化合物粒子表面に導電材A,BがA,Bの順に付与されてなる複合体(II)を含む。導電材A,Bとしては、例えば、それぞれ所定のpHを有する導電性炭素材料(アセチレンブラック、ファーネスブラック、ケッチェンブラック、グラファイト等の各種カーボンブラック(CB))を一種または2種以上用いることができる。導電材Aとしては、pHが6より大きい炭素材料を使用し、好ましくはpHが9〜11の範囲にあるものを使用する。pHの高い炭素材料は、より出力向上効果の高いものであり得る。導電材Bとしては、pHが6以下の炭素材料を使用し、好ましくはpHが4〜6のものを使用する。pHの低い炭素材料は、溶媒分散時に粘度抑制効果を奏するものであり得る。なお、導電材のpHとは、該導電材を蒸留水に2質量%程度の含有量となるように分散させて10分間煮沸し、室温まで放冷した後に上澄み液を捨て、その残留分につきpH電極を用いて(pHメータ等により)測定される値を指す。導電材A,Bの平均粒径は、例えば0.02μm〜0.05μm程度の範囲とすることが好ましい。
上記正極活物質層は、上記複合体中の導電材A,Bに加えて、任意に、複合化されていない導電材として導電材Cをさらに含んでもよい。導電材Cとしては、各種導電性炭素材料(例えば、pHが5〜10の範囲にあるもの)を一種または二種以上用いることができる。導電材Cは、例えば、導電材A,Bの少なくともいずれかと同じ材料であってもよく、どちらとも異なる材料であってもよい。例えば、使用したA,Bと同じものを適宜の質量比(例えば、複合化の際と同じ質量比)で混合したものを導電材Cとして用いることができる。なお、導電材Cは、他の正極材料と単純に混合して用いることができる。導電材Cの平均粒径は、0.02μm〜0.05μm程度の範囲であることが好ましい。
上記正極活物質層に含まれる導電材の総量(導電材A,B,Cの合計)は、8〜20質量%(好ましくは8〜15質量%;典型的には8〜10質量%)とする。このうち、導電材A,Bの合計量は、1〜5質量%とすることが好ましい。導電材Cの量は、導電材A,Bの合計量と所望の導電材総量とに基づき適宜選択すればよい。導電材AとBとの質量比(A:B)は、例えば1:9〜9:1とすることができる。
ここに開示されるリチウムイオン二次電池では、その正極活物質層に含まれる導電材の総量が8〜20質量%と、一般的なリチウムイオン二次電池の2〜3倍以上であることによって高出力化が実現され得る。加えて、正極活物質が、より出力向上効果が高い導電材Aで複合化された後に溶媒分散時に粘度抑制効果のある導電体Bで複合化された態様で供給されることから、生産効率を低下させることなく、かかる高出力化が実現され得る。
上記正極活物質としてのリチウム含有化合物には、従来からリチウムイオン二次電池に用いられる物質(例えば層状構造の酸化物やスピネル構造の酸化物)の一種または二種以上を特に限定することなく使用することができる。例えば、リチウムニッケル系複合酸化物、リチウムコバルト系複合酸化物、リチウムマンガン系複合酸化物、リチウムマグネシウム系複合酸化物等のリチウム含有複合酸化物が挙げられる。
ここで、リチウムニッケル系複合酸化物とは、リチウム(Li)とニッケル(Ni)とを構成金属元素とする酸化物のほか、リチウムおよびニッケル以外に他の少なくとも一種の金属元素(すなわち、LiとNi以外の遷移金属元素および/または典型金属元素)を、原子数換算でニッケルと同程度またはニッケルよりも少ない割合(典型的にはニッケルよりも少ない割合)で構成金属元素として含む酸化物をも包含する意味である。上記LiおよびNi以外の金属元素は、例えば、コバルト(Co),アルミニウム(Al),マンガン(Mn),クロム(Cr),鉄(Fe),バナジウム(V),マグネシウム(Mg),チタン(Ti),ジルコニウム(Zr),ニオブ(Nb),モリブデン(Mo),タングステン(W),銅(Cu),亜鉛(Zn),ガリウム(Ga),インジウム(In),スズ(Sn),ランタン(La)およびセリウム(Ce)からなる群から選択される一種または二種以上の金属元素であり得る。なお、リチウムコバルト系複合酸化物、リチウムマンガン系複合酸化物およびリチウムマグネシウム系複合酸化物についても同様の意味である。具体例としては、LiCoO,LiNiO,LiMn,LiNi1/3Mn1/3Co1/3等が挙げられる。
また、一般式がLiMPO(MはCo、Ni、Mn、Feのうちの少なくとも一種以上の元素;例えばLiFePO、LiMnPO)で表記されるオリビン型リン酸リチウムを用いてもよい。
複合化する前の上記正極活物質の平均粒径は、0.5μm〜15μm程度とすることが好ましい。その平均粒径は、また、正極活物質粒子が上記複合体(II)の核となるよう、導電材A,Bの平均粒径よりも大きいこと(例えば、10倍以上)が好ましい。上記正極活物質層に含まれる正極活物質の量は、80〜95質量%程度とすることができる。
上記最終複合体(II)は、上述したように、粒子状の上記正極活物質(リチウム含有化合物)に、導電材A,Bを順に複合化させることにより製造することができる。典型的には、上記正極活物質粒子の表面に、まず導電材Aを複合化させて中間複合体(I)を形成し、次いでこれに粉末状の導電材Bを複合化させて最終複合体(II)を形成する。ここで、複合化とは、メカノケミカル反応を包含する概念である。より具体的には、例えば、活物質粒子表面に導電材Aを単に物理的に付着させるだけではなく、粉体用複合化装置(例えば、ホソカワミクロン社製、ノビルタ 型式「NOB−130」またはその相当品)を用いて、機械的エネルギーにより化学結合させることを意味する。中間複合体(I)に導電材Bを複合化させる場合も、同様に、該中間複合体(I)の表面に導電材Bをメカノケミカル反応により化学結合させることを意味する。導電材A,Bがそれぞれ複合化されたかどうかは、例えば、核となる正極活物質粒子、中間複合体(I)、最終複合体(II)それぞれの粒度分布(典型的には頻度分布)を測定することによって確認することができる。すなわち、中間複合体(I)は、複合化前の正極活物質粒子と比べ、より平均粒径の大きい粒子の割合が高くなり、最終複合体(II)は、中間複合体(I)と比べ、より平均粒径の大きい粒子の割合がさらに高くなる。
上述のようにして得られた最終複合体(II)を、必要に応じて導電材C、結着剤(バインダ)等とともに適当な溶媒に分散させてペースト状またはスラリー状の組成物(正極合材)を形成し、所望の形状の正極集電体に付与・乾燥させることにより、正極を形成することができる。この正極合材の固形分濃度は、凡そ50質量%以上とすることが好ましい。例えば、50〜65質量%程度とすることができる。固形分濃度が低すぎると、正極合材塗付後の乾燥効率が低下し得る。該正極合材の粘度は、温度25℃、剪断速度2s−1にて測定された場合において、凡そ10000mPa・s程度以下であることが好ましい。例えば、3000〜8000mPa・s程度とすることができる。粘度が高すぎると、塗工効率が低下し得る。
上記溶媒としては、一般的なリチウムイオン二次電池の製造において、正極合材の形成に用いられる有機溶媒または水系溶媒(典型的には水)を特に制限なく使用することができる。使用可能な有機溶媒としては、例えば、N−メチル−2−ピロリドン(NMP)、イソプロピルアルコール、ブタノール、ジエチルエーテル、メチルエチルケトン、酢酸エチル等が挙げられる。特に好ましい有機溶媒として、NMPが例示される。
結着剤としては、種々の結着性ポリマー類から選択される一種または二種以上を用いることができる。例えば、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)、ポリ塩化ビニリデン(PVDC)、ポリエチレンオキサイド(PEO)、ポリプロピレンオキサイド(PPO)、ポリエチレンオキサイド−プロピレンオキサイド共重合体(PEO−PPO)等の有機溶媒溶解性のポリマーを好ましく使用することができる。他の使用可能な結着剤としては、例えば、カルボキシメチルセルロース(CMC)、メチルセルロース(MC)、酢酸フタル酸セルロース(CAP)、ヒドロキシプロピルメチルセルロース(HPMC)、ヒドロキシプロピルメチルセルロースフタレート(HPMCP)、ポリビニルアルコール(PVA)等の水溶性ポリマー;ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、テトラフルオロエチレン−パーフルオロアルキルビニルエーテル共重含体(PFA)、テトラフルオロエチレン−ヘキサフルオロプロピレン共重合体(FEP)、エチレン−テトラフルオロエチレン共重合体(ETFE)等のフッ素系樹脂、酢酸ビニル共重合体、スチレンブタジエンブロック共重合体(SBR)、アクリル酸変性SBR樹脂(SBR系ラテックス)、アラビアゴム等のゴム類(水分散性ポリマー);等が挙げられる。正極活物質層に含まれる結着剤の量は、正極活物質および導電材の種類や量に応じて適宜選択すればよく、例えば、0.5〜5質量%程度とすることができる。
以下、図面を参照しつつ、ここに開示されるリチウムイオン二次電池について、正負の電極を含む電極体と非水電解液とが角型形状の電池ケースに収容された態様のリチウムイオン二次電池100(図1)を例にして更に詳しく説明するが、本発明の適用対象をかかる実施形態に限定することを意図したものではない。すなわち、本発明に係るリチウムイオン二次電池の形状は特に限定されず、その電池ケース、電極体等は、用途や容量に応じて、素材、形状、大きさ等を適宜選択することができる。例えば、電池ケースは、直方体状、扁平形状、円筒形状等であり得る。なお、以下の図面において、同じ作用を奏する部材・部位には同じ符号を付し、重複する説明は省略または簡略化することがある。また、各図における寸法関係(長さ、幅、厚さ等)は実際の寸法関係を反映するものではない。
リチウムイオン二次電池100は、図1および図2に示されるように、捲回電極体20を、図示しない電解液とともに、該電極体20の形状に対応した扁平な箱状の電池ケース10の開口部12より内部に収容し、該ケース10の開口部12を蓋体14で塞ぐことによって構築することができる。また、蓋体14には、外部接続用の正極端子38および負極端子48が、それら端子の一部が蓋体14の表面側に突出するように設けられている。
上記電極体20は、長尺シート状の正極集電体32の表面に正極活物質層34が形成された正極シート30と、長尺シート状の負極集電体42の表面に負極活物質層44が形成された負極シート40とを、2枚の長尺シート状のセパレータ50と共に重ね合わせて捲回し、得られた捲回体を側面方向から押しつぶして拉げさせることによって扁平形状に成形されている。
正極シート30は、その長手方向に沿う一方の端部において正極集電体32が露出している。同様に、捲回される負極シート40は、その長手方向に沿う一方の端部において、負極集電体42が露出している。そして、正極集電体32の該露出端部に正極端子38が、負極集電体42の該露出端部には負極端子48がそれぞれ接合され、上記扁平形状に形成された捲回電極体20の正極シート30または負極シート40と電気的に接続されている。正負極端子38,48と正負極集電体32,42とは、例えば超音波溶接、抵抗溶接等によりそれぞれ接合することができる。
正極シート30は、上述の正極合材を正極集電体32に付与し、該組成物を乾燥させることにより好ましく作製することができる。正極集電体32には、導電性の良好な金属からなる導電性部材が好ましく用いられる。例えば、アルミニウムまたはアルミニウムを主成分とする合金を用いることができる。正極集電体32の形状は、リチウムイオン二次電池の形状等に応じて異なり得るため、特に制限はなく、棒状、板状、シート状、箔状、メッシュ状等の種々の形態であり得る。本実施形態ではシート状のアルミニウム製の正極集電体32が用いられ、捲回電極体20を備えるリチウムイオン二次電池100に好ましく使用され得る。かかる実施形態では、例えば、厚みが10μm〜30μm程度のアルミニウムシートが好ましく使用され得る。
負極シート40は、例えば、負極活物質を、必要に応じて結着剤(バインダ)等とともに適当な溶媒に分散させたペースト状またはスラリー状の組成物(負極合材)を負極集電体42に付与し、該組成物を乾燥させることにより好ましく作製することができる。
負極活物質としては、従来からリチウムイオン二次電池に用いられる物質の一種または二種以上を特に限定なく使用することができる。例えば、好適な負極活物質としてカーボン粒子が挙げられる。少なくとも一部にグラファイト構造(層状構造)を含む粒子状の炭素材料(カーボン粒子)が好ましく用いられる。いわゆる黒鉛質のもの(グラファイト)、難黒鉛化炭素質のもの(ハードカーボン)、易黒鉛化炭素質のもの(ソフトカーボン)、これらを組み合わせた構造を有するもののいずれの炭素材料も好適に使用され得る。中でも特に、天然黒鉛等の黒鉛粒子を好ましく使用することができる。
結着剤には、上述の正極と同様のものから選択される一種または二種以上を用いることができる。負極活物質層に含まれる結着剤の量は特に制限されず、負極活物質の種類や量に応じて適宜選択すればよい。
負極集電体42としては、導電性の良好な金属からなる導電性部材が好ましく用いられる。例えば、銅または銅を主成分とする合金を用いることができる。また、負極集電体42の形状は、リチウムイオン二次電池の形状等に応じて異なり得るため、特に制限はなく、棒状、板状、シート状、箔状、メッシュ状等の種々の形態であり得る。本実施形態ではシート状の銅製の負極集電体42が用いられ、捲回電極体20を備えるリチウムイオン二次電池100に好ましく使用され得る。かかる実施形態では、例えば、厚みが6μm〜30μm程度の銅製シートを好ましく使用され得る。
上記非水電解液は、非水溶媒(有機溶媒)中に支持塩を含む。該支持塩としては、一般的なリチウムイオン二次電池に支持塩として用いられるリチウム塩を、適宜選択して使用することができる。かかるリチウム塩として、LiPF、LiBF、LiClO、LiAsF、Li(CFSON、LiCFSO等が例示される。かかる支持塩は、一種のみを単独で、または二種以上を組み合わせて用いることができる。特に好ましい例として、LiPFが挙げられる。上記非水電解液は、例えば、上記支持塩の濃度が0.7〜1.3mol/Lの範囲内となるように調製することが好ましい。
上記非水溶媒としては、一般的なリチウムイオン二次電池に用いられる有機溶媒を適宜選択して使用することができる。特に好ましい非水溶媒として、エチレンカーボネート(EC)、ジエチルカーボネート(DEC)、ジメチルカーボネート(DMC)、エチルメチルカーボネート(EMC)、ビニレンカーボネート(VC)、プロピレンカーボネート(PC)等のカーボネート類が例示される。これら有機溶媒は、一種のみを単独で、または二種以上を組み合わせて用いることができる。例えば、ECおよびDECの混合溶媒を好ましく使用することができる。
上記セパレータ50は、正極シート30および負極シート40の間に介在する層であって、典型的にはシート状をなし、正極シート30の正極活物質層34と、負極シート40の負極活物質層44にそれぞれ接するように配置される。そして、正極シート30と負極シート40における両電極活物質層34,44の接触に伴う短絡防止や、該セパレータ50の空孔内に上記電解液を含浸させることにより電極間の伝導パス(導電経路)を形成する役割を担っている。かかるセパレータ50としては、従来公知のものを特に制限なく使用することができる。例えば、樹脂からなる多孔性シート(微多孔質樹脂シート)を好ましく用いることができる。ポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)、ポリスチレン等の多孔質ポリオレフィン系樹脂シートが好ましい。特に、PEシート、PPシート、PE層とPP層とが積層された多層構造シート、等を好適に使用し得る。セパレータの厚みは、例えば、凡そ10μm〜40μmの範囲内で設定することが好ましい。
以下、本発明に関するいくつかの実施例を説明するが、本発明をかかる実施例に限定することを意図したものではない。なお、以下の説明において「部」および「%」は、特に断りがない限り質量基準である。
<例1>
88部のLiNi1/3Mn1/3Co1/3と、10部のCB(pH3.7)と、2部のPVDFとを、NMPとともに、プラネタリミキサー(プライミクス(PRIMIX)社製、商品名「T.K.ハイビスミックス 2P−1型」)を用いて混練し、固形分濃度58%のペースト状組成物(正極合材)を形成した。これをアルミニウム箔(厚さ15μm)の両面に塗付・プレスした後、直径15mmの円形状に打ち抜き、乾燥させて厚さ40μmの正極を得た。
厚さ10μmのリチウム金属板を直径15mmの円形状に打ち抜いて負極を得た。
図4に示すとおり、得られた正極61およびリチウム負極62を、電解液(1.0M LiPF溶液(体積比1:1のPC/DEC混合溶媒))を含浸させた厚さ40μmのPP・PEセパレータ(PE層とPP層とが積層された多層構造シート)63とともに、ステンレス製容器65(負極端子)に収容し、PPガスケット64を組み込み、蓋66(正極端子)で封止して2032型電池60(直径20mm×厚さ3.2mm)を作製した。
<例2>
pH5のCBを用いた他は例1と同様にして、本例の2032型電池を作製した。
<例3>
pH5.81のCBを用いた他は例1と同様にして、本例の2032型電池を作製した。
<例4>
pH6.23のCBを用いた他は例1と同様にして、本例の2032型電池を作製した。
<例5>
pH10のCBを用いた他は例1と同様にして、本例の2032型電池を作製した。
<例6>
CBの量を8部とした他は例5と同様にして、本例の2032型電池を作製した。
<例7>
CBの量を6部とした他は例5と同様にして、本例の2032型電池を作製した。
<例8>
CBの量を4部とした他は例5と同様にして、本例の2032型電池を作製した。
<例9>
複合化装置(例えば、ホソカワミクロン社製、ノビルタ 型式「NOB−130」)を用いて、LiNi1/3Mn1/3Co1/3粒子と、pH10のCBとを、これらの配合比が88:1.5となるように混合・複合化して、複合体を形成した。この複合体と、追加分のCB(pH10)8.5部およびPVDF2部とを、NMPとともに高速攪拌機(プライミクス社製、型式「フィルミックス」)で混練し、固形分濃度58%の正極合材を形成した。正極を形成する際にこの組成物を用いた他は例1と同様にして、本例の2032型電池を作製した。
<例10>
pH5のCBを用いた他は例9と同様にして複合体を形成した。この複合体と、追加分のCB(pH5)8.5部およびPVDF2部とを、例9と同様にしてNMPとともに混練し、固形分濃度58%の正極合材を形成した。正極を形成する際にこの組成物を用いた他は例1と同様にして、本例の2032型電池を作製した。
<例11>
例9の複合体を中間複合体として用い、これと、pH5のCBとを、中間複合体:CB(pH5)が89.5:1.5(すなわち、LiNi1/3Mn1/3Co1/3:CB(pH10):CB(pH5)が88:1.5:1.5)となるように混合・複合化して、最終複合体を形成した。この複合体と、追加分のCB(pH10のCB:pH5のCBが1:1の混合物)7部およびPVDF2部とを、例9と同様にしてNMPとともに混練し、固形分濃度58%の正極合材を形成した。正極を形成する際にこの組成物を用いた他は例1と同様にして、本例の2032型電池を作製した。
[粒度分布分析]
例9〜11につき、複合化前後(例11については導電材A,Bの複合化前および最終複合化後)における粒度分布(頻度分布(%))を、レーザー回折式粒度分布分析装置(日機装(NIKKISO)株式会社製、型式「MT3200II」)を用いて測定した。その結果、いずれの例についても、複合化後において、複合化前と比べ、より大きい直径の粒子の割合(頻度)が増加したことが確認された。例11の粒度分布分析結果を表1に示す。
Figure 2011258355
[正極合材粘度の測定]
例1〜11に係る各正極合材につき、粘度計(東機産業株式会社製、型式「RC215」)を用いて、温度25℃、剪断速度2s−1の条件で粘度(mPa・s)を測定した。
[コンディショニング処理]
各電池に対して、1/10C(1Cは、1時間で満充放電可能な電流値)のレートで3時間の定電流(CC)充電を行い、次いで、1/3Cのレートで4.1Vまで充電する操作と、1/3Cのレートで3Vまで放電させる操作とを3回繰り返した。
[20C放電容量測定]
両端子間の電圧を4.1Vに調整した各電池を、温度25℃にて、20Cのレートで、電圧が3.0Vとなるまで定電流放電させ、このときの放電容量(20C放電容量)を測定した。例5の電池の20C放電容量を100とし、これに対する各電池の20C放電容量の比を求めた。
例1〜11に係る正極合材粘度および20C放電容量比を、使用したCBの詳細と併せて表2に示す。また、例1〜5につき、これら測定結果を、使用した導電材のpHに対してプロットしたグラフを図5に示す。同様に、例5〜8につき、これら測定結果を、使用した導電材量に対してプロットしたグラフを図6に示す。例2,5,9〜11につき、これらの結果を比較するグラフを図7に示す。
Figure 2011258355
表2(例1〜5)および図5に示されるとおり、正極活物質、結着剤、溶媒とともに導電材を単純に混合して正極合材を形成した場合、導電材含有量が一定であっても、導電材のpHが高くなるほど、粘度が著しく増加した。一方、該正極合材を用いてなるリチウムイオン二次電池では、導電材のpHが高くなるほど、20C放電容量が向上した。特に、pHが10の導電材を用いてなる例5の電池は、pHが6以下の導電材を用いてなる例1〜3の電池と比べ、正極合材粘度が4倍以上にもなった。
また、表2(例5〜8)および図6に示されるとおり、かかる出力向上効果の非常に高い導電材のみを用いた場合、粘度低減のために導電材量を減らすと、粘度の低減のみならず、顕著な出力低下も認められた。詳しくは、例えば、導電材量を10質量%(例5)から8質量%(例6)に減らした場合、十分な粘度低減は実現されず、さらには20C放電容量が14%も低下した。
これに対し、表2(例2,5,9〜11)および図7からも明らかなように、正極活物質粒子に導電材A,BをA,Bの順に複合化させた複合体を用いてなる例11では、正極合材粘度が顕著に低減され、且つ十分な20C放電容量も実現された。詳しくは、例11の正極合材は、高粘性の導電材Aを半量含んでいたにも拘わらず、低粘性の導電材Bのみを単純混合して得た正極合材を用いてなる例2および正極活物質に導電材Bのみを複合化させた複合体を用いてなる例10と同程度の粘度の低さを示した。例11の電池はまた、出力向上効果の低い導電材Bを半量含んでいたにも拘わらず、正極活物質粒子に出力向上効果の高い導電材Aのみを単純混合して得た正極合材を用いてなる例5および導電材Aのみを複合化させた複合体を用いてなる例9と比べ、同程度以上の出力が実現され、且つ正極合材粘度はこれらのいずれと比べても著しく低減された。
1 車両
20 捲回電極体
30 正極シート
32 正極集電体
34 正極活物質層
38 正極端子
40 負極シート
42 負極集電体
44 負極活物質層
48 負極端子
50 セパレータ
100 リチウムイオン二次電池

Claims (7)

  1. 正極と、負極と、非水電解液とを備えるリチウムイオン二次電池であって、
    前記正極は、正極活物質層を有し、
    前記正極活物質層は、正極活物質粒子の表面に少なくとも導電材Aおよび導電材Bを備える複合体(II)を含み、ここで、前記導電材AはpHが6より大きく、前記導電材BはpHが6以下であり、前記複合体(II)は前記正極活物質粒子の表面に前記導電材A,Bがこの順に複合化されたものであり
    前記正極活物質層は、前記複合体(II)を構成する導電材A,Bを含めた合計量として、該正極活物質層の8〜20質量%の導電材を含有する、リチウムイオン二次電池。
  2. 前記導電材Aは、pHが9以上11以下の範囲にある、請求項1に記載のリチウムイオン二次電池。
  3. 前記導電材Bは、pHが4以上6以下の範囲にある、請求項1または2に記載のリチウムイオン二次電池。
  4. 前記正極活物質層は、前記正極活物質粒子と複合化されていない導電材Cをさらに含む、請求項1から3のいずれか一項に記載のリチウムイオン二次電池。
  5. 前記導電材A,Bは、いずれも、平均粒径が0.02μm〜0.05μmの範囲にある、請求項1から4のいずれか一項に記載のリチウムイオン二次電池。
  6. 前記導電材Aと前記導電材Bとの質量比(A:B)は1:9〜9:1である、請求項1から5のいずれか一項に記載のリチウムイオン二次電池。
  7. 請求項1から6のいずれか一項に記載の電池を備える、車両。
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