JP2011257380A - 複屈折測定方法、及び複屈折測定装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】試料の複屈折位相差の全範囲において主軸方位を正確に評価すること。
【解決手段】所定の偏光状態の光束を出射する光源部と、該光源部からの光束を円偏光に変換する第1の移相子と、光軸周りに回動可能な第2の移相子と、該光軸周りに回動可能な検光子と、受光手段を用いて、該第1の移相子と該第2の移相子との間に試料を挿入し、該試料の複屈折を解析する複屈折測定方法において、試料の主軸方位Θを所定の式により求める複屈折測定方法を提供すること。
【選択図】図2
【解決手段】所定の偏光状態の光束を出射する光源部と、該光源部からの光束を円偏光に変換する第1の移相子と、光軸周りに回動可能な第2の移相子と、該光軸周りに回動可能な検光子と、受光手段を用いて、該第1の移相子と該第2の移相子との間に試料を挿入し、該試料の複屈折を解析する複屈折測定方法において、試料の主軸方位Θを所定の式により求める複屈折測定方法を提供すること。
【選択図】図2
Description
本発明は、試料の複屈折を測定する方法及び装置に関する。
試料の複屈折を測定する方法として、特許文献1の複屈折測定方法が知られている。特許文献1の複屈折測定方法においては、光源部から偏光状態が既知である光を測定試料に入射させる。そして、測定試料を透過した光を移相子及び検光子を介して変調し、変調した光を検出器によって受光する。移相子は、試料を透過した光を直線偏光に近い楕円偏光に変換する機能を有している。また、検光子は、移相子を透過した光の楕円偏光の偏光状態を解析するために用いられる。複屈折は、光の偏光状態を表すパラメータである楕円偏光の傾き角を用いて測定される。
複屈折測定において、移相子を少なくとも2方位設定することにより、2つの楕円偏光の傾き角が得られる。これら2つの楕円偏光の傾き角から、複屈折の位相差δ及び主軸方位Θが求まる。具体的には、左円偏光を試料に入射させる。移相子の進相軸は光軸に垂直な平面における所定の軸を基準として光軸周りに45°回転された状態で設置されている。ここで、基準軸に対して反時計回りを正、時計回りを負と定義する。試料及び移相子を透過した左円偏光は、0°方向の直線偏光に近い楕円偏光に変調される。変調された楕円偏光を少なくとも3方位に設定された検光子によって偏光解析を行うことで、楕円偏光の傾き角φ1が求められる。ここで、傾き角とは、移相子の設置方向によって定まる軸からの楕円偏光の長軸の傾きを意味する。次に、移相子を0°に設置すると、試料及び移相子を透過した左円偏光は、−45°方向の楕円偏光に変調される。そして、変調された楕円偏光を少なくとも3方位に設定された検光子によって偏光解析を行うことで、楕円偏光の傾き角φ2が求められる。
そして、これら2つの楕円偏光の傾き角φ1,φ2を用いて、以下の式(1)及び(2)から位相差δ及び主軸方位Θを求めることができる。
ところで、図3(a)に、光学的に異方性があり大きな複屈折を有するレンズなどの試料を上記の複屈折測定方法を用いて複屈折測定を行った場合の複屈折分布の模式図を示す。図中、線分の長さが位相差の大きさを表し、線分の向きが主軸方位を表す。図に示すように、主軸方位の遷移が不連続になる箇所が発生する。一般的にレンズの製造工程において、射出成形における樹脂などを注入するゲート部のような、局所的に強い圧力がかかる部分では、主軸方位の遷移が不連続になる可能性がある。しかし、図に示す測定結果のようなレンズ中央部では、局所的な強い圧力等がかかることはほとんどなく、主軸方位の遷移が不連続になることは考えにくい。例えば、測定対象のレンズを直交ニコル配置の歪計による目視観察を行なっても、主軸方位の遷移が不連続になる箇所は確認できない。したがって、この主軸方位の遷移が不連続になる箇所は、測定方法に起因する測定誤差であることがわかる。このように、従来の手法では、測定方法に起因する主軸方位の測定誤差が大きく発生してしまい、正確な複屈折の測定評価を行うことができない。
本発明は、上記に鑑みてなされたものである。本発明の目的は、誤測定を発生させることなく複屈折測定を行うことが可能な複屈折測定方法を提供することである。
上記の課題を解決する本発明の一実施形態に係る複屈折測定方法は、所定の偏光状態の光束を出射する光源部と、該光源部からの光束を円偏光に変換する第1の移相子と、光軸周りに回動可能な第2の移相子と、該光軸周りに回動可能な検光子と、受光手段を用いて、該第1の移相子と該第2の移相子との間に試料を挿入し、該試料の複屈折を解析する方法に関し、第1の移相子の進相軸と所定の基準方位とのなす角度を第1の角度と定義し、第2の移相子の進相軸と該基準方位とのなす角度を第2の角度と定義し、該第2の角度に設定された該第2の移相子の進相軸と検光子の透過軸とのなす角度が角度ω2、ω4となるように該検光子を順次回動させたときに受光手段が検出する光の強度をそれぞれI2、I4と定義し、該第2の移相子の進相軸と該基準方位とのなす角度を該第2の角度から変更したときの角度を第3の角度と定義し、該第3の角度に設定された該第2の移相子の進相軸と該検光子の透過軸とのなす角度が角度ω6、ω8となるように該検光子を順次回動させたときに該受光手段が検出する光の強度をそれぞれI6、I8と定義した場合に、試料の主軸方位Θを次式(3)
により求めることを特徴とした方法である。
(但し、第1の角度、第2の角度、第3の角度は、それぞれ180°×k−45°,180°×l,180°×m+45°(k,l,mは整数)、あるいは、それぞれ180°×p+45°,180°×q+90°,180°×r+135°(p,q,rは整数)であり、
ω2及びω4のうち一方が0°であり他方が90°であり、
ω6及びω8のうち一方が0°であり他方が90°である)。
(但し、第1の角度、第2の角度、第3の角度は、それぞれ180°×k−45°,180°×l,180°×m+45°(k,l,mは整数)、あるいは、それぞれ180°×p+45°,180°×q+90°,180°×r+135°(p,q,rは整数)であり、
ω2及びω4のうち一方が0°であり他方が90°であり、
ω6及びω8のうち一方が0°であり他方が90°である)。
本発明によれば、後述するように等式|I1−I3|=|I5−I7|が成り立ち、I2,I4,I6,I8から主軸方位Θを求めることができる。したがって、式(3)において、検出する光強度にノイズが発生して|I1−I3|=|I5−I7|が成り立たなくなるような状況において、従来の測定方法では発生していた、I1−I3やI5−I7が0に近づいたときに正しい主軸方位Θが求めることができなくなる現象を、本発明においては回避することができる。そして、第1の移相子は、光軸周りに回動可能であり、第1の角度を180°×k−45°又は180°×p+45°に選択的に設定することが可能である。これにより、試料に左円偏光又は右円偏光のいずれを入射させる場合でも、上記現象を回避することができる。
また、上記の課題を解決する本発明の一実施形態に係る複屈折測定装置は、所定の偏光状態の光束を出射する光源部と、所定の基準方位に対して第1の角度をなす方向に配置された進相軸を有し、光源部からの光束を円偏光に変換する第1の移相子と、円偏光が入射した試料から射出される光の位相を変化させる、当該進相軸と所定の基準方位とのなす角度が第2の角度又は第3の角度に変化するように光軸周りに回動自在に構成された第2の移相子と、第2の移相子により位相が変化した光の少なくとも一部を透過させる、当該透過軸が任意の方向を向くように光軸周りに回動自在に構成された検光子と、検光子を透過した光の強度を検出する受光手段と、受光手段で検出された光の強度を用いて試料の複屈折情報を解析するプロセッサとを有した装置である。本発明に係るプロセッサは、第2の角度に設定された第2の移相子の進相軸と検光子の透過軸とのなす角度が角度ω2、ω4となるように該検光子を順次回動させたときに受光手段が検出する光の強度をそれぞれI2、I4と定義し、該第3の角度に設定された該第2の移相子の進相軸と該検光子の透過軸とのなす角度が角度ω6、ω8となるように該検光子を順次回動させたときに該受光手段が検出する光の強度をそれぞれI6、I8と定義した場合に、試料の主軸方位Θを次式(4)
により求めることを特徴とした装置である。
(但し、第1の角度、第2の角度、第3の角度は、それぞれ180°×k−45°,180°×l,180°×m+45°(k,l,mは整数)、あるいは、それぞれ180°×p+45°,180°×q+90°,180°×r+135°(p,q,rは整数)であり、
ω1及びω3のうち一方が45°であり他方が135°であり、
ω5及びω7のうち一方が45°であり他方が135°である)。
(但し、第1の角度、第2の角度、第3の角度は、それぞれ180°×k−45°,180°×l,180°×m+45°(k,l,mは整数)、あるいは、それぞれ180°×p+45°,180°×q+90°,180°×r+135°(p,q,rは整数)であり、
ω1及びω3のうち一方が45°であり他方が135°であり、
ω5及びω7のうち一方が45°であり他方が135°である)。
第1の移相子は、第1の角度が180°×k−45°又は180°×p+45°になるように光軸周りに回動自在に構成されてもよい。
本発明によれば、試料の複屈折特性により生じる位相差(レターデーション)の全範囲、特に90°において、大きな測定誤差を発生させることなく主軸方位を算出及び評価することができる。
以下、図面を参照して、本発明の一実施形態における複屈折測定方法及び複屈折測定装置について説明する。
図1は、本実施形態における複屈折測定方法を用いる複屈折測定装置100の模式図を示す。複屈折測定装置100は、光源部10と、ビームエキスパンダ11と、第1の1/4波長板20と、第2の1/4波長板40と、偏光板50と、撮像素子(CCDイメージセンサやCMOSイメージセンサなど)60とを備える。光源部10は、直線偏光を発生するレーザ光源から、あるいは偏光状態がランダムな光束を発する光源と偏光板との組み合わせから構成されている。ビームエキスパンダ11は、光源部10から出射された光の光束径を拡大する。第1の1/4波長板20は、ビームエキスパンダ11により光束径が拡大された光を円偏光に変換する移相子として機能する。また、第2の1/4波長板40は、第1及び第2の1/4波長板20,40の間において光の光路上に挿入される試料30を透過した光を、直線偏光に近い楕円偏光に変換する移相子として機能する。偏光板50は、光の光路上に回動自在に設けられ、検光子として機能する。撮像素子60は、偏光板50を透過した光を受光する。
撮像素子60からの出力は、A/D変換されてフレームメモリ61に記憶され、プロセッサ62により解析され、複屈折の情報としてモニタ63に表示される。第1の1/4波長板20は、プロセッサ62からの制御に基づいて、駆動部としてのモータ21により光軸周りに回動する。第2の1/4波長板40は、プロセッサ62からの制御に基づいて、駆動部としてのモータ41を介して少なくとも2つの角度に設定できるよう光軸周りに回動自在に設けられている。偏光板50は、駆動部としてのモータ51により自動的に回動する。偏光板50の現在の回動角度は、角度センサ52を介してプロセッサ62に入力する。
複屈折測定装置100を用いて試料の偏光特性を測定する場合、図示省略されたホルダ等に試料30を取り付けて第1及び第2の1/4波長板20,40間に試料30を配置し、試料30に対して円偏光を入射させ、試料30を透過した偏光を第2の1/4波長板40及び偏光板50を介して撮像素子60により受光させる。試料30が複屈折性を有する場合、試料30の遅相軸と進相軸との屈折率の違いにより円偏光の直交2軸における進行速度が異なる。したがって、円偏光は、試料30を透過後、楕円偏光となる。そして、この楕円偏光は、第2の1/4波長板40を通過すると直線偏光に近い楕円偏光となって偏光板50を通過する。偏光板50を回動させることにより、撮像素子60における受光量が正弦的に変化する。そのため、この正弦的変化を複数の回動位置でサンプリングすることにより、偏光の状態を測定することができる。試料30は、直線偏光に対しては複屈折の主軸方位に対する不感方向を持つ。しかし、試料30は、円偏光に対しては複屈折の主軸方位に対する不感方向を持たない。本実施形態においては試料30に円偏光を入射させているため、いずれの方向においても偏光状態の測定が可能である。なお、測定する光の偏光状態が直線偏光に近いほど、撮像素子60における受光量の変化は大きくなって測定精度が向上する。
図2を参照しながら、複屈折測定における複屈折測定装置100の各部の設定と測定光の偏光状態について説明する。便宜上、図2(a)〜(d)において、光源部10の偏光板により変換される直線偏光の偏光方向のうち紙面右方向を正の方向とするX軸と、X軸に直交し紙面上方向を正の方向とするY軸が設定される。なお、X軸を基準方位として、X軸から反時計回りの方向を正の方向として角度を取る。便宜上、光源部10の偏光板は、透過軸がX軸と一致するように配置される。また、第1の1/4波長板20は、進相軸とX軸とのなす角がαとなるように配置される。また、第2の1/4波長板40は、進相軸とX軸とのなす角がβとなるように配置される。偏光板50は、図2(a)又は図2(c)に示すように、透過軸が1〜8で示す角度ω1〜ω8をなす方向に向くように順次回動する。透過軸の角度ω1〜ω8は、第2の1/4波長板40の進相軸との相対的な角度である。本実施形態の複屈折測定では、各角度ωk(kは自然数;k=1〜8)において撮像素子60に入射する楕円偏光の光強度Ikが測定される。複屈折の位相差及び主軸方位の計算を簡単にするため、ω1〜ω4の角度を45°ずつ変更して光強度I1〜I4の測定が行われる。また、ω5〜ω8についても同様に角度を45°ずつ変更して光強度I5〜I8の測定が行われる。
まず、第2の1/4波長板40の角度βが任意の角度に設定されて、撮像素子60に入射する楕円偏光の解析が行われる。先にも述べたように、偏光板50の透過軸の角度をω1〜ω4に順次変更したときに測定される楕円偏光の光強度をそれぞれI1〜I4とすると、第1の1/4波長板20の進相軸とX軸とのなす角度αと、第2の1/4波長板40の進相軸とX軸とのなす角度βとによって定まる角度(α+β)だけ傾いた軸からの楕円偏光の長軸の傾きを示す楕円偏光の傾き角φ3は、以下の式(5)により求められる。なお、この場合の第2の1/4波長板40を透過後の光(楕円偏光)は、図2(b)に示される通りである。
次に、第2の1/4波長板40の角度βを別の角度に変更した後、再度、撮像素子60に入射する楕円偏光の解析が行われる。先にも述べたように、偏光板50の透過軸の角度をω5〜ω8に順次変更したときに測定される楕円偏光の光強度をそれぞれI5〜I8とすると、第1の1/4波長板20の進相軸とX軸とのなす角度αと、第2の1/4波長板40の進相軸とX軸とのなす角度βとによって定まる角度(α+β)だけ傾いた軸からの楕円偏光の長軸の傾きを示す楕円偏光の傾き角φ4は、以下の式(6)により求められる。なお、この場合の第2の1/4波長板40を透過後の光(楕円偏光)は、図2(d)に示される通りである。
ここで、楕円偏光の傾き角φ3,φ4と、複屈折の位相差Δ及び主軸方位Θには、以下の式(7)及び(8)が成り立つ。
式(7)及び(8)に式(5)及び(6)を用いると、以下の式(9)及び(10)が得られる。
式(10)を用いて主軸方位Θを求める場合、I1−I3及びI5−I7が共に0に近づくと、I1−I3とI5−I7とが等しければ式(10)を用いて正しい主軸方位Θを求めることができるが、I1−I3とI5−I7とが等しくなければ、式(10)において0近傍の除算を含む。式(5),(6),(9)から、I1−I3及びI5−I7が共に0に近づくと位相差Δが90°に近づくことがわかる。したがって、式(10)を用いて解析を行うと、位相差Δが90°近傍である範囲において、光強度のわずかな検出誤差が発生すると主軸方位Θの値が大きく変化するため、ノイズが多く含まれた結果が算出されてしまう。
そこで、式(10)について主軸方位Θと各光強度I1〜I8との関係について解析する。本実施形態における複屈折測定装置100の測定光学系を、ジョーンズベクトル及びジョーンズマトリクスを用いて表すと、以下の式(11)のようになる。
ここで、LとL’は、それぞれ、光源から測定光学系への入射光と測定光学系からの出射光(すなわち撮像素子60での検出光)のジョーンズベクトルを表す。また、Qα,90°,XΘ,Δ,Qβ,90°,Pωkは、それぞれ、第1の1/4波長板20、試料30、第2の1/4波長板40、偏光板50のジョーンズマトリクスを表す。
本実施形態においては、第1の1/4波長板20により左円偏光に変換するため、第1の1/4波長板20の進相軸をX軸とのなす角αがα=−45°となるように配置している。また、第2の1/4波長板40の進相軸をX軸と一致させて(β=0°)、ω1=−45°としてω2〜ω4の角度を45°ずつ増やして複屈折測定を行っている。ここで光強度I1を求める。I1を測定する際、α=−45°,β=0°,ω1=−45°であるので、式(11)より、以下の式(12)が導かれる。
したがって、光強度I1は以下の式(13)より求められる。
同様に、光強度I2〜I4についても、以下の式(14)〜(16)により求められる。
次に、第2の1/4波長板40を、進相軸とX軸とのなす角βがβ=45°になるように配置する。そして、ω5=−45°としてω6〜ω8の角度を45°ずつ増やして複屈折測定を行う。最初に光強度I5を求める。α=−45°,β=45°,ω5=−45°として、I1〜I4と同様に計算すると、以下の式(17)が得られる。さらに、光強度I6〜I8も求めると、以下の式(18)〜(20)が得られる。
式(13)〜(20)を用いると、式(7)及び(8)から以下の式(21)及び(22)が得られる。
従来は、上述したように、位相差Δが90°近傍となる場合に、図3(a)に示すように、誤測定であることが明らかな主軸方位が現れていた。これに対して、本実施形態における複屈折測定では、式(23)に示される通りI1、I3、I5、I7を考慮する必要がないため、光強度のわずかな検出誤差に起因する主軸方位Θの変化に伴う誤測定が有効に避けられる。例えば、図3(b)に示すように、位相差Δの全範囲において、誤測定により主軸方位が不連続に変化する現象を回避することができる。したがって、正しい測定値を用いて複屈折を評価することができる。すなわち、αが180°×k−45°(kは整数)で表され、光強度I1〜I4を測定するときのβが180°×l(lは整数)で表され、光強度I5〜I8を測定するときのβが180°×m+45°(mは整数)で表される場合に、当該現象を回避することができる。
なお、本実施形態の複屈折測定では、説明の便宜上、光強度を8通り(I1〜I8)測定するように記載しているが、実用上は式(23)に示されるように4通り(I2、I4、I6、I8)測定するだけで足りる。
以上が本発明における実施形態に関する説明である。本発明は、上記の構成に限定されるものではなく、本発明の技術的思想の範囲において種々の変形が可能である。例えば、上記の説明では、試料に左円偏光を入射させているが、光源部の偏光板の透過軸と第1の1/4波長板の進相軸の相対角度を変更して右円偏光を入射させた場合においても、左円偏光と右円偏光の対称性を踏まえて、第2の1/4波長板や検光子としての偏光板の角度を設定して撮像素子により光強度を測定することにより、本発明の効果を得ることができる。
すなわち、試料に右円偏光を入射させる場合は、例えば、上記の説明において、α=45°,β=90°とし、ω2=0°、ω4=90°としてI2、I4を検出し、次にα=45°,β=135°とし、ω6=0°、ω8=90°としてI6、I8を検出する。そして、検出した光強度I2,I4,I6,I8を式(23)に代入することにより、試料の主軸方位を求めることができる。したがって、右円偏光を試料に入射させる場合は、αが180°×p+45°(pは整数)で表され、光強度I2,I4を測定するときのβが180°×q+90°(qは整数)で表され、光強度I6,I8を測定するときのβが180°×r+135°(rは整数)で表される場合に、位相差Δの全範囲において、誤測定により主軸方位が不連続に変化する現象を回避することができる。
10 光源部
20,40 1/4波長板
21,41,51 モータ
30 試料
50 偏光板
60 撮像素子
62 プロセッサ
20,40 1/4波長板
21,41,51 モータ
30 試料
50 偏光板
60 撮像素子
62 プロセッサ
Claims (4)
- 所定の偏光状態の光束を出射する光源部と、該光源部からの光束を円偏光に変換する第1の移相子と、光軸周りに回動可能な第2の移相子と、該光軸周りに回動可能な検光子と、受光手段を用いて、該第1の移相子と該第2の移相子との間に試料を挿入し、該試料の複屈折を解析する複屈折測定方法において、
前記第1の移相子の進相軸と所定の基準方位とのなす角度を第1の角度と定義し、前記第2の移相子の進相軸と該基準方位とのなす角度を第2の角度と定義し、該第2の角度に設定された該第2の移相子の進相軸と前記検光子の透過軸とのなす角度が角度ω2、ω4となるように該検光子を順次回動させたときに前記受光手段が検出する光の強度をそれぞれI2、I4と定義し、該第2の移相子の進相軸と該基準方位とのなす角度を該第2の角度から変更したときの角度を第3の角度と定義し、該第3の角度に設定された該第2の移相子の進相軸と該検光子の透過軸とのなす角度が角度ω6、ω8となるように該検光子を順次回動させたときに該受光手段が検出する光の強度をそれぞれI6、I8と定義した場合に、前記試料の主軸方位Θを次式
(但し、前記第1の角度、前記第2の角度、前記第3の角度は、それぞれ180°×k−45°,180°×l,180°×m+45°(k,l,mは整数)、あるいは、それぞれ180°×p+45°,180°×q+90°,180°×r+135°(p,q,rは整数)であり、
ω2及びω4のうち一方が0°であり他方が90°であり、
ω6及びω8のうち一方が0°であり他方が90°である。)
を特徴とする複屈折測定方法。 - 前記第1の移相子は、前記光軸周りに回動可能であり、前記第1の角度を180°×k−45°又は180°×p+45°に選択的に設定することが可能であることを特徴とする請求項1に記載の複屈折測定方法。
- 所定の偏光状態の光束を出射する光源部と、
所定の基準方位に対して第1の角度をなす方向に配置された進相軸を有し、前記光源部からの光束を円偏光に変換する第1の移相子と、
前記円偏光が入射した試料から射出される光の位相を変化させる、当該進相軸と所定の基準方位とのなす角度が第2の角度又は第3の角度に変化するように光軸周りに回動自在に構成された第2の移相子と、
前記第2の移相子により位相が変化した光の少なくとも一部を透過させる、当該透過軸が任意の方向を向くように前記光軸周りに回動自在に構成された検光子と、
前記検光子を透過した光の強度を検出する受光手段と、
前記受光手段で検出された光の強度を用いて前記試料の複屈折情報を解析するプロセッサと、
を有し、
前記プロセッサは、
前記第2の角度に設定された前記第2の移相子の進相軸と前記検光子の透過軸とのなす角度が角度ω2、ω4となるように該検光子を順次回動させたときに前記受光手段が検出する光の強度をそれぞれI2、I4と定義し、該第3の角度に設定された該第2の移相子の進相軸と該検光子の透過軸とのなす角度が角度ω6、ω8となるように該検光子を順次回動させたときに該受光手段が検出する光の強度をそれぞれI6、I8と定義した場合に、前記試料の主軸方位Θを次式
(但し、前記第1の角度、前記第2の角度、前記第3の角度は、それぞれ180°×k−45°,180°×l,180°×m+45°(k,l,mは整数)、あるいは、それぞれ180°×p+45°,180°×q+90°,180°×r+135°(p,q,rは整数)であり、
ω1及びω3のうち一方が45°であり他方が135°であり、
ω5及びω7のうち一方が45°であり他方が135°である。)
を特徴とする複屈折測定装置。 - 前記第1の移相子は、前記第1の角度が180°×k−45°又は180°×p+45°になるように前記光軸周りに回動自在に構成されていることを特徴とする請求項3に記載の複屈折測定装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2011033035A JP2011257380A (ja) | 2010-05-11 | 2011-02-18 | 複屈折測定方法、及び複屈折測定装置 |
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-
2011
- 2011-02-18 JP JP2011033035A patent/JP2011257380A/ja not_active Withdrawn
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN105874165A (zh) * | 2014-03-07 | 2016-08-17 | 哈利伯顿能源服务公司 | 在多变量光学计算装置中使用偏振器的波长相关的光强调制 |
CN105874165B (zh) * | 2014-03-07 | 2019-09-06 | 哈利伯顿能源服务公司 | 在多变量光学计算装置中使用偏振器的波长相关的光强调制 |
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