JP4971733B2 - 複屈折率測定装置、複屈折率測定方法、プログラムおよび記録媒体 - Google Patents

複屈折率測定装置、複屈折率測定方法、プログラムおよび記録媒体 Download PDF

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この発明は、プラスチックのような複屈折性を有する材料の3次元複屈折率を測定するための複屈折率測定装置および方法に関し、特に、さまざまな角度および方向での2軸の複屈折量が測定でき、なおかつ、その変化を捕らえることが可能な複屈折率測定装置および方法に関するものである。
現在、プラスチックのような複屈折性を有する材料の3次元複屈折率を測定するために、種々の複屈折率測定装置および方法が提案されている。
図10は、画像読取装置の照明光学系の構造を示す斜視図である。
図10に示すように、原稿を設置するコンタクトガラス1は透明なガラス板で構成されており、LEDアレイ3は、LED素子3aを並べた発光体で、片側に設けられた開口部から照明光が照射される。照明光は複屈折導光板5に入射し、内部を通過、反射しながら出射部に到達する。導光板5はプラスチックのような複屈折性を持つ材料で作られている。出射部から出た光はコンタクトガラス1を透過して原稿面を照明し、照度分布を形成する。
このような光学系で光の経路を計算するには導光板5の複屈折率を把握することが重要となる。
プラスチック材料には複屈折性が存在し、材料内部での光の振る舞いがガラスなどのような材料とは異なってくることが知られている。その典型的な例として光の偏光方向によって屈折率が異なる複屈折現象がある。この複屈折の状態を表す指標として「屈折率楕円体」がある。
図11は、屈折率楕円体の一例を示す説明図である。屈折率楕円体のXYZ各軸方向の長さが屈折率の大きさを表す。代表的なプラスチック材料のポリカーボネイトはX軸方向に光が進行すると考えると、屈折率楕円体はX軸方向が長く、YZ断面は円となる。
しかしながら、材料内部で屈折率楕円体は必ずしも直立している訳ではなく、図12に示されるようにYもしくはZ軸まわりに倒れている場合が多い。図12は、屈折率楕円体の他の例を示す説明図である。
屈折率楕円体のある方向から光が入射したときを考えると、光に直交する断面の短軸、長軸の長さが2つの屈折率を表す。すなわち、n1とn2の2つの屈折率が存在する。
このような光学系では照度分布の形状は複屈折導光板内を透過する光の経路によって決定されるため、複屈折導光板の複屈折率を測定することは重要な課題となっている。
なお、先行技術としては、特許文献1として、光ディスクの透明樹脂基板に、平行光ビームを基板に対し斜め方向から入射させ、その透過光または反射光に生じた位相差を測定して基板の複屈折を測定する方法であって、ある1点の測定点に対して、基板面に対する入射光の入射角θを一定としたまま、入射光ビームを含む入射面の方向を少なくとも直交する2方向にとってそれぞれの位相差を測定し、得られた各位相差から該1点の複屈折を測定する技術が開示されている。
特許文献2として、光照射手段から照射された光を直線偏光とする偏光子と、偏光状態を周期的に変調させる偏光変調手段と、偏光変調手段からの測定光束に垂直な回転軸で回転可能に構成された試料ステージと、試料からの透過光を検光子を介して観測する光検出手段と、を備えた屈折率測定装置であって、光検出手段の検出信号から、測定光束に垂直な平面内での試料のリタデーション及び遅相軸または進相軸の方位角を算出する複屈折演算手段、複数のあおり角で測定されたリタデーション及び軸方位から試料の屈折率テンソルの各成分を算出するテンソル成分演算手段、屈折率テンソルの固有値、固有ベクトルを算出する固有値演算手段、を備え、固有値から試料の屈折率の主値を、固有ベクトルから試料の屈折率の主軸を求める技術が開示されている。
特許文献3として、被検物を透過した光の楕円偏光の回転方向とその楕円長軸方向とを基にして、使用する光源の波長により決まる測定範囲内で得られた複屈折の位相差結果に所定の変換処理を加える技術が開示されている。
特開2000−81387公報 特開2005−3386公報 特開2000−249648公報
従来から複屈折率の測定方法はいくつかの方法が提案されている。
しかしながら、第1の従来技術では、3軸の複屈折率を計算しているが、測定光の入射方向の複屈折率を既知として計算しているが、実際はこの方向の複屈折率を求める必要があった。
また、第2の従来技術では、屈折率楕円体を表現する方法として3×3の屈折率テンソルを導入しているが、3軸の複屈折率として表現したほうが計算は簡単で、物理現象を説明するために有利である。
また、第3の従来技術では、入射光と直交する平面内の2次元の複屈折率分布を測定しているが、入射方向の複屈折率は測定することができない問題点があった。
この他にも従来技術として入射ビームに対して垂直方向の面内複屈折率(2次元)を測定する提案は多く見られるが、入射光方向の複屈折率を測定できる手法は無いものであった。
本発明は、以上の点を鑑みてなされたものであり、その目的は、さまざまな角度および方向での2軸の複屈折量が測定でき、なおかつ、その変化を捕らえることが可能な複屈折率測定装置および方法を提供することである。
上述の目的を達成するために、請求項1記載の発明は、被測定物の測定面の鉛直方向に対して角度を持った測定光を入射し、透過した測定光の位相差を測定する位相差測定手段と、その測定された測定光の位相差から測定面内の2軸の3次元複屈折率を演算する演算処理手段とを有する複屈折率測定装置であって、前記位相差測定手段が、前記測定光の前記被測定物の測定面の鉛直方向に対して角度が変化自在となっていると共に、前記測定光の入射点を中心に前記被測定物が測定面の鉛直方向を軸中心として回転自在となっており、前記演算処理手段が、前記測定光の入射点を中心に前記被測定物の測定面の鉛直方向を軸中心として回転させて得られた位相差データを前記測定光の角度毎に並べ、その位相差データの最小値を検出し、検出された最小値を角度毎にプロットし、それを結ぶ曲線を近似し、その近似曲線の最小値を示す角度を前記被測定物内に存在する屈折率楕円体の長軸の倒れ角とし、フーリエ解析手法によって複屈折率差データを曲線近似し、得られた計算式から最大値を示す回転角を逐次近似計算手法を用いて求めた前記屈折率楕円体の長軸の倒れ方向を用いて、前記測定光の方向ベクトルを屈折率楕円体の傾き方向に座標変換し、前記座標変換された測定光ベクトルと屈折率楕円体の形状の関係から前記被測定物の代表屈折率を用いて3次元複屈折率を計算することを特徴とする。
また、請求項記載の発明は、被測定物の測定面の鉛直方向に対して角度を持った測定光を入射し、透過した測定光の位相差を測定する位相差測定手段と、その測定された測定光の位相差から測定面内の2軸の3次元複屈折率を演算する演算処理手段とを有する複屈折率測定装置おける複屈折率測定方法であって、前記演算処理手段が、前記測定光の入射点を中心に前記被測定物の測定面の鉛直方向を軸中心として回転させて得られた位相差データを前記測定光の角度毎に並べ、その位相差データの最小値を検出し、検出された最小値を角度毎にプロットし、それを結ぶ曲線を近似し、その近似曲線の最小値を示す角度を前記被測定物内に存在する屈折率楕円体の長軸の倒れ角とする段階と、前記演算処理手段が、前記屈折率楕円体の長軸の倒れ方向を用いて、前記測定光の方向ベクトルを屈折率楕円体の傾き方向に座標変換する段階と、前記演算処理手段が、前記座標変換された測定光ベクトルと屈折率楕円体の形状の関係から3次元複屈折率を計算する段階と、を具備することを特徴とする。
また、請求項記載の発明は、被測定物の測定面の鉛直方向に対して角度を持った測定光を入射し、透過した測定光の位相差を測定する位相差測定手段と、その測定された測定光の位相差から測定面内の2軸の3次元複屈折率を演算する演算処理手段とを有する複屈折率測定装置おける前記演算処理手段が、前記測定光の入射点を中心に前記被測定物の測定面の鉛直方向を軸中心として回転させて得られた位相差データを前記測定光の角度毎に並べ、その位相差データの最小値を検出し、検出された最小値を角度毎にプロットし、それを結ぶ曲線を近似し、その近似曲線の最小値を示す角度を前記被測定物内に存在する屈折率楕円体の長軸の倒れ角とする段階と、前記演算処理手段が、前記屈折率楕円体の長軸の倒れ方向を用いて、前記測定光の方向ベクトルを屈折率楕円体の傾き方向に座標変換する段階と、前記演算処理手段が、前記座標変換された測定光ベクトルと屈折率楕円体の形状の関係から3次元複屈折率を計算する段階と、を実行するためのプログラムを特徴とする。
また、請求項記載の発明は、請求項記載のプログラムを格納した記録媒体を特徴とする。
本発明によれば、被測定物の測定面の鉛直方向に対し、角度を持った測定光を入射し、測定面内の2軸の複屈折率を測定する装置において、前記測定光の角度を変化可能とし、かつ、測定光の入射点を中心に被測定物が測定面の鉛直方向を軸中心として回転可能な構造を持っているので、さまざまな角度および方向での2軸の複屈折量が測定でき、なおかつ、その変化を捕らえることが可能となる。
また、本発明によれば、測定面の鉛直方向を軸中心として回転させて得られた測定データを測定光の角度毎に並べ、最小値を検出し、最小値の変化を示す近似曲線から最小値を求めることで屈折率楕円体の長軸の倒れ角を精度良く求めることができる。
また、本発明によれば、最小値の変化を示す近似曲線を2次関数で近似することで精度良く近似することができる。また、近似曲線の微分値から最小値を解析的に求めることが可能となる。
また、本発明によれば、測定面の鉛直方向を軸中心として回転させて得られた測定データを測定光の角度毎に並べ、最大値を検出し、最大値の回転角から屈折率楕円体の長軸の倒れ方向を精度良く求めることができる。
また、本発明によれば、測定面の鉛直方向を軸中心として回転させて得られた測定データを5次のフーリエ解析手法によって曲線近似しているので、測定データの変化が正弦波から崩れていても近似曲線を精度良く求めることが可能となる。
また、本発明によれば、データ解析手法によって得られた曲線近似式から逐次近似計算手法を用いて、最大値を計算しているので、近似曲線式が複雑で解析的な解が得られない場合でも屈折率楕円体の長軸の倒れ方向を精度良く求めることが可能となる。
また、本発明によれば、計算された屈折率楕円体の長軸の倒れ角と、計算された屈折率楕円体の長軸の倒れ方向を用いて、測定光の方向ベクトルを屈折率楕円体の傾き方向に座標変換しているので屈折率楕円体の傾き方向座標系で計算を実行することができ、複屈折率の計算が簡単にできるようになる。
また、本発明によれば、座標変換された測定光ベクトルと屈折率楕円体の形状の関係から3次元複屈折率を解析的に計算することができるので、精度良く3次元複屈折率が計算可能となる。
以下に添付の図を参照してこの発明の実施形態を詳細に説明する。
図1は、本発明による複屈折率測定装置の一実施形態の概略構成図である。
図1に示すように、複屈折率測定装置は、被測定物10を載せる回転ステージ13と、測定光を出射する光源11と、第1の1/4波長板15と、第2の1/4波長板17と、検光子19と、ディテクター21と、ディテクター21の受光信号がつながれた演算処理を行う演算処理装置23と、演算結果を表示するCRT25とから構成されている。
回転ステージ13は、測定光の入射点を中心に測定面の鉛直方向を中心軸として回転可能となっている。回転中心付近は測定光が通過するために穴が開いており、回転ステージ13の下方には光源11が設置されている。
光源11は、直線偏光のレーザーであり、一般的にHe−Neレーザーが使われている。光源11から出射した測定光は、回転ステージ13上の被測定物10の測定面の回転中心軸に対して入射角が変化できるようになっている。光源11から出射した直線偏光の測定光は、第1の1/4波長板15を通過することで1偏光面の位相がずれて、円偏光に変化し、被測定物10を透過する。被測定物10の複屈折によって各偏光面の位相状態が変化する。
被測定物10を透過した測定光は、第2の1/4波長板17を透過することで第1の1/4波長板15でずれた位相が元の位相に戻される。その後、測定光は検光子19に入射する。ここで、検光子19を回転させることで被測定物10の位相ずれを光量変化で捕らえることができる。この光量変化(位相差)はディテクター21で測定される。ディテクター21は、フォトダイオードなどの受光素子が用いられる。
以上説明した、光源11および第1の1/4波長板15は一体で測定面の回転中心軸に対して入射角が変化できるようになっており、その角度に従って被測定物10を透過した測定光を捕らえるために、第2の1/4波長板17、検光子19、ディテクター21も一体となって角度が変化できるようになっている。すなわち、測定光の被測定物10の測定面の鉛直方向に対しての角度が変化自在となっていると共に、測定光の入射点を中心に被測定物10が測定面の鉛直方向を軸中心として回転自在となっている。
ディテクター21で測定された位相差データは演算処理装置23に送られて、被測定物10の直交する2方向の偏光成分の位相差が計算される。この位相ずれは被測定物10の測定面方向、すなわちYZ平面方向の位相差である。この位相差から2軸の複屈折率が演算処理装置23において計算される。
次に、図2〜図9を参照して、複屈折率測定機における被測定物10の複屈折率の測定・演算の動作について説明する。
図9は、複屈折率測定機の動作フローチャートである。
図9のステップ101、102、103において、被測定物データ入力では被測定物の厚さ、代表屈折率(カタログ値)を入力し、測定光入射角の測定範囲とその刻み角度を入力して設定し、さらに被測定物を設置している回転ステージ13の回転角の刻み幅を入力して設定する。
この状態で測定機の初期設定が終了し、入射角が固定した状態で回転ステージ13を回転し、前述したようにディテクター21からの位相差データの取得を行う(ステップ104)。ステージが1回転し、1ステップの測定が終了したら、次の入射角に設定し、位相差データの取得を行い、すべての入射角で位相差データの取得が終了したら、測定を終了する(ステップ105、106、107)。
次に、演算処理装置23において、記憶された位相差データから(1)式を用いて2軸の複屈折率差を計算し、CRT25に複屈折率差のグラフを表示する(ステップ108、109)。
すなわち、測定された位相差は演算処理装置23に送られ、屈折率n1とn2の差分に被測定物10の厚さdを乗じた値δが、式(1)により計算される。
δ=(n2−n1)d (1)
このδは複屈折率差と呼ばれる。そして、測定面を回転中心軸まわりに360°回転させたときの複屈折率差を測定する。図2は、屈折率楕円体における入射光と屈折率の関係を示す説明図である。それら複屈折率差のデータは順次、演算処理装置23内に記憶される。図3は、入射角θが変化した場合に複屈折率差がどのようになるかを示したグラフである。このグラフがCRT25により出力される。
次に、複屈折率差の変化データは(2)式を用いて曲線近似され、逐次近似計算により、屈折率楕円体の傾き方向が、また入射角θの最小値を2次曲線で近似した結果から屈折率楕円体の傾き角が計算され、CRT25に結果が表示される(ステップ110、111、112)。
すなわち、図4は、図2の屈折率楕円体へ入射する測定光の入射角θとそれから得られる複屈折率差の関係および図3の変化から入射角θに対応した各曲線の最小値を入射角毎にプロットしたグラフである。図2から屈折率楕円体の傾き方向に一致した入射光の場合にn1とn2の差分が最小となることがわかる。
したがって、この最小値が屈折率楕円体の長軸の倒れ角に相当する。最小値の変化を示す曲線は2次関数で近似するともっとも近似精度がよい。この近似曲線の微分を計算し、その値が0となる角度φは解析的に求められ、その値が屈折率楕円体の長軸の倒れ角となる。これらの演算はすべて演算処理装置23内で行われ、計算された屈折率楕円体の長軸の倒れ角φはCRT25に出力される。
ここで、屈折率楕円体の長軸の倒れ方向εを求める他の実施形態について説明する。
図3は、入射角θが変化した場合の複屈折率差の変化を示すグラフ図である。このとき測定された曲線の近似曲線を演算処理装置23で計算し、その近似曲線式から最大値を検出する。図2に示した屈折率楕円体へ入射する測定光の入射角θとそれから得られる屈折率n1とn2の差分の関係から、計算された最大値の回転角εが被測定物内に存在する屈折率楕円体の長軸の倒れ方向となる。これらの計算はすべて演算処理装置23内で行われ、計算された屈折率楕円体の長軸の倒れ方向εはCRT25に出力される。
ここで、演算処理装置23内で計算された複屈折率差の測定データにはノイズが載っていることが多い。これらのノイズ除去および最大値の正確な検出をするために、測定データを曲線近似によって表すことが必要となる。複屈折率差の変化は被測定物内に存在する屈折率楕円体の傾き角によって変化する。傾き角が20°程度のときは図3に示すように正弦波状に変化する。しかし、傾き角が50°程度になると図5に示すようにもはや正弦波では近似することはできなくなる。このため5次のフーリエ解析手法によって曲線近似することで精度のよい曲線近似が可能となる。図5は、屈折率楕円体の傾きが大きい場合の複屈折率差の変化を示すグラフである。

周期Tで周期的に変化する関数f(t)を5次のフーリエ級数で表すと以下のような形となる。
Figure 0004971733

ここで、フーリエ係数am、bmは以下のように表される。

Figure 0004971733

Figure 0004971733
ここで、角周波数ω=2π/Tである。(2)式を用いて曲線近似を行う。
次に、ここで得られた式から最大値を計算する。最大値の計算は解析的に解くことも可能ではあるが、数値的に解を得るためには逐次近似計算を用いる方がよい。
逐次近似計算にはニュートン法などの手法を用いる。逐次近似計算手法を用いて最大値を求め、そのときの回転角が被測定物内に存在する屈折率楕円体の長軸の倒れ方向を示すことになる。これらの計算はすべて演算処理装置23内で行われ、計算結果はCRT25に出力される。
次に、計算された屈折率楕円体の傾き角、傾き方向といくつかの入射角に対応した位相差データを用いて、(5)〜(7)式による座標変換および、(9)、(10)式を用いて3次元複屈折率が計算され、CRT25に表示される(ステップ113、114)。この座標変換は、屈折率楕円体の長軸の倒れ方向を用いて、測定光の方向ベクトルを屈折率楕円体の傾き方向に座標変換する。そして、座標変換された測定光ベクトルと屈折率楕円体の形状の関係から3次元複屈折率が計算される。
すなわち、被測定物内に存在する屈折率楕円体の軸は図12に示されるように被測定物の座標軸XYZから傾いた状態X’Y’Z’で存在することが多い。そこで、図6に示すように屈折率楕円体の傾きをZ軸まわりのβおよびX軸まわりのγで表す。図6は、屈折率楕円体の傾きをZ軸まわりのβおよびX軸まわりのγで表す説明図である。上述のような方法で計算された屈折率楕円体の長軸はZ軸まわりの傾き角はφ、X軸まわりの傾き方向はεであるから、測定光の入射光ベクトル(Sx,Sy,Sz)を屈折率楕円体の座標系X’Y’Z’に座標変換すると以下のようになる。
Sx’=Sx cosφ+Sy sinφcosε+Sz sinφsinε (5)
Sy’=−Sx sinφ+Sy cosφcosε+Sz cosφsinε (6)
Sz’=−Sy sinε+Sz cosε (7)
このように測定光の方向ベクトルを屈折率楕円体の傾き方向に座標変換することにより屈折率楕円体中心座標で後の計算を実行することが可能となる。これらの計算はすべて演算処理装置23内で行われる。
上述のように計算された屈折率楕円体の長軸の傾き方向を中心に座標変換された測定光の入射光ベクトル(Sx’,Sy’,Sz’)と屈折率楕円体の各軸複屈折率の関係を図7に示す。図7は、屈折率楕円体の長軸の傾き方向を中心に座標変換された測定光の入射光ベクトル(Sx’,Sy’,Sz’)と屈折率楕円体の各軸複屈折率との関係を示す説明図である。このような屈折率楕円体に光が入射すると、入射光ベクトルと直交する断面の各軸方向の長さが2つの複屈折率を示すことが知られている。この断面は1軸性結晶の場合、楕円となり、短い軸が進相軸、長い軸が遅相軸と呼ばれる。すなわち、これら2つの屈折率n1とn2が存在し、光の入射方向によって2つの屈折率は変化する。
ここで、被測定物が1軸性結晶であるとするとny’=nz’であり、これをn0=ny’=nz’とし、ne=nx’とすると、これらの関係は以下のフレネルの式で表すことができる。
Figure 0004971733
ここで、npは位相屈折率である。この式の解は2つ存在する。
Figure 0004971733

Figure 0004971733

(9)式よりn0=ny’=nz’=n1であるから、この値は代表値として被測定物の屈折率のカタログ値を用いればよい。次に(1)式を用いて、任意の複屈折率差の測定データからn2を求めることができる。このとき測定データはノイズによるバラツキを考慮して複数のデータを用い、平均されたn2を求めた方がよい。
ここまでで得られたn0およびn2と任意の測定光の入射ベクトル(Sx’,Sy’,Sz’)を用いて、(10)式からne(=nx’)を求める。この場合も測定データはノイズによるバラツキを考慮して複数のデータを用い、平均されたneを求めた方がよい。
このような手順で、nx’,ny’,nz’の屈折率楕円体の3次元複屈折率を求めることができる。これらの計算はすべて演算処理装置23内で行われ、計算された屈折率楕円体の3次元複屈折率nx’,ny’,nz’はCRT25に出力される。
図8は、実際にポリカーボネイトの平板の複屈折率差を測定したデータを示すグラフである。このデータから屈折率楕円体の長軸の傾き角はθ=15°回転角はε=270°と計算された。この屈折率楕円体の情報を元に計算された3次元複屈折率はny’=nz’=1.590058に対して、nx’=1.590324と計算された。
これら一連の測定機制御、データ取得、計算は演算装置内にプログラムとして存在する。また、これらのプログラムはフロッピー(登録商標)ディスクあるいは光ディスクのような記憶媒体に保存することができる。
本発明による複屈折率測定装置の一実施形態の概略構成図である。 屈折率楕円体における入射光と屈折率の関係を示す説明図である。 入射角θが変化した場合に複屈折率差がどのようになるかを示した図である。 図2の屈折率楕円体へ入射する測定光の入射角θとそれから得られる複屈折率差の関係および図3の変化から入射角θに対応した各曲線の最小値を入射角毎にプロットした図である。 屈折率楕円体の傾きが大きい場合の複屈折率差の変化を示す図である。 屈折率楕円体の傾きをZ軸まわりのβおよびX軸まわりのγで表す説明図である。 屈折率楕円体の長軸の傾き方向を中心に座標変換された測定光の入射光ベクトル(Sx’,Sy’,Sz’)と屈折率楕円体の各軸複屈折率との関係を示す説明図である。 実際にポリカーボネイトの平板の複屈折率差を測定したデータを示す図である。 図1に示した複屈折率測定機の動作フローチャートである。 画像読取装置の照明光学系の構造を示す斜視図である。 屈折率楕円体の一例を示す説明図である。 屈折率楕円体の他の例を示す説明図である。
符号の説明
1…コンタクトガラス、3a…LED素子、3…LEDアレイ、5…複屈折導光板、10…被測定物、11…光源、13…回転ステージ、15…波長板、17…波長板、19…検光子、21…ディテクター、23…演算処理装置、25…CRT

Claims (4)

  1. 被測定物の測定面の鉛直方向に対して角度を持った測定光を入射し、透過した測定光の位相差を測定する位相差測定手段と、その測定された測定光の位相差から測定面内の2軸の3次元複屈折率を演算する演算処理手段とを有する複屈折率測定装置であって、
    前記位相差測定手段が、前記測定光の前記被測定物の測定面の鉛直方向に対して角度が変化自在となっていると共に、前記測定光の入射点を中心に前記被測定物が測定面の鉛直方向を軸中心として回転自在となっており、
    前記演算処理手段が、前記測定光の入射点を中心に前記被測定物の測定面の鉛直方向を軸中心として回転させて得られた位相差データを前記測定光の角度毎に並べ、その位相差データの最小値を検出し、検出された最小値を角度毎にプロットし、それを結ぶ曲線を近似し、その近似曲線の最小値を示す角度を前記被測定物内に存在する屈折率楕円体の長軸の倒れ角とし、フーリエ解析手法によって複屈折率差データを曲線近似し、得られた計算式から最大値を示す回転角を逐次近似計算手法を用いて求めた前記屈折率楕円体の長軸の倒れ方向を用いて、前記測定光の方向ベクトルを屈折率楕円体の傾き方向に座標変換し、前記座標変換された測定光ベクトルと屈折率楕円体の形状の関係から前記被測定物の代表屈折率を用いて3次元複屈折率を計算することを特徴とする複屈折率測定装置。
  2. 被測定物の測定面の鉛直方向に対して角度を持った測定光を入射し、透過した測定光の位相差を測定する位相差測定手段と、その測定された測定光の位相差から測定面内の2軸の3次元複屈折率を演算する演算処理手段とを有する複屈折率測定装置おける複屈折率測定方法であって、
    前記演算処理手段が、前記測定光の入射点を中心に前記被測定物の測定面の鉛直方向を軸中心として回転させて得られた位相差データを前記測定光の角度毎に並べ、その位相差データの最小値を検出し、検出された最小値を角度毎にプロットし、それを結ぶ曲線を近似し、その近似曲線の最小値を示す角度を前記被測定物内に存在する屈折率楕円体の長軸の倒れ角とする段階と、
    前記演算処理手段が、フーリエ解析手法によって複屈折率差データを曲線近似し、得られた計算式から最大値を示す回転角を逐次近似計算手法を用いて求めた前記屈折率楕円体の長軸の倒れ方向を用いて、前記測定光の方向ベクトルを屈折率楕円体の傾き方向に座標変換する段階と、
    前記演算処理手段が、前記座標変換された測定光ベクトルと屈折率楕円体の形状の関係から前記被測定物の代表屈折率を用いて3次元複屈折率を計算する段階と、を具備することを特徴とする複屈折率測定方法。
  3. 被測定物の測定面の鉛直方向に対して角度を持った測定光を入射し、透過した測定光の位相差を測定する位相差測定手段と、その測定された測定光の位相差から測定面内の2軸の3次元複屈折率を演算する演算処理手段とを有する複屈折率測定装置おける前記演算処理手段が、前記測定光の入射点を中心に前記被測定物の測定面の鉛直方向を軸中心として回転させて得られた位相差データを前記測定光の角度毎に並べ、その位相差データの最小値を検出し、検出された最小値を角度毎にプロットし、それを結ぶ曲線を近似し、その近似曲線の最小値を示す角度を前記被測定物内に存在する屈折率楕円体の長軸の倒れ角とする段階と、
    前記演算処理手段が、フーリエ解析手法によって複屈折率差データを曲線近似し、得られた計算式から最大値を示す回転角を逐次近似計算手法を用いて求めた前記屈折率楕円体の長軸の倒れ方向を用いて、前記測定光の方向ベクトルを屈折率楕円体の傾き方向に座標変換する段階と、
    前記演算処理手段が、前記座標変換された測定光ベクトルと屈折率楕円体の形状の関係から前記被測定物の代表屈折率を用いて3次元複屈折率を計算する段階と、を実行するためのプログラム。
  4. 請求項記載のプログラムを格納した記録媒体。
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