JP2006275749A - 材料の複屈折位相差を測定する装置 - Google Patents

材料の複屈折位相差を測定する装置 Download PDF

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Abstract

【課題】未知の位相差の試料と、既知の位相差を有する参照波長板を同時に計測することで、未知の位相差の絶対値を得る。
【解決手段】 レ−ザ光、スリット光レンズ、偏光子、第1の1/4波長板、既知の参照複屈折板、第2の1/4波長板、検光子、フォトディテクタから構成され、第1の1/4波長板と既知の参照複屈折板との間に測定試料を配置し、その未知の位相差だけの光強度分布と未知の位相差+参照複屈折板既知の位相差の光強度分布を同時にフォトディテクタにより測定し、測定試料の未知の位相差の絶対値を求めて複屈折位相差を測定する装置を改良する。測定試料後の光路軸上に3個のハ−フミラ−を配置して当該光路を3光路に分枝し、これら3光路上に3枚の既知の参照複屈折板を互いに0度、90度、45度の3方向に向けて配置し、これら3光路の透過レ−ザ光を3個のフォトディテクタで受光して、これらに未知の位相差をそれぞれ重ね、主軸方向を一意に決定する。
【選択図】図10

Description

本発明は、材料の複屈折位相差を測定する装置に関し、詳しくは、材料の複屈折位相差を高精度でかつ高空間分解能で測定して、複屈折位相差を利用する光弾性測定装置に関する。
従来の方法では、光学素子を回転させる、あるいは電気的(ピエゾ素子の振動により)に偏光方向を回転させる方法が用いられていた。ところが、素子を機械的に回転させるものでは、製作費は低いが、各回転で1点しか測定できないものが多く、計測速度を高くできない欠点があった。また、電気的な偏光方向の回転操作では、費用が高い割りには、光学−電気素子の温度依存性などの影響で精密な回転操作が困難で、高精度の測定が困難であった。
特許出願公告平4−70582号 特許2713190 特開平10−153500号 S。 R。 Lederhandler、 InfraredStudies of Birefringence in Silicon、 J。Appl。 Phys。、30−11(1959)、 16311638。 K。 Date、 Stress Measurementwith High Sensitivity in Wafer UsingInfrared Photoelasticity、 Proc。 of Advanced in Elec。Pack。、Vol。2 (1992)、 985−989。 R。O。Denicola and R。N。Tauber、Effect of Growth Parameters the Residual Stress and Dislocation Density of Czochralski−Grown Silicon Crystal、 J。 Appl。Phys。、 42−11 (1971)、 4262−4270。 P。 Dobrilla and J。 S。 Blakemore、 Opticalmapping of residual stressin Czochralskigrown GaAs、 Appl。 Phys。 Lett。、 48(19) (1986)、 1303−1305。 G。 Qin、 H。 Liang、S。 Zhao and H。 Yin、 Measurement of Stresses in Silicon Wafer with Infrared Photoelastic Method、 Chin。 J。 Infrared and Millimeter Waves、7(2) (1987)、 139−144。 M。 Yamada、 M。 Fukuzawa、 N。 Kimura、 K。 Kaminaka and M。 Yokogawa、 Quantitative photoelasticcharacterization of residual strain and its correlation with dislocationdensity profile in semi−insulating LEC−grown GaAswafers、 Proc。 7th Conf。 on Semi−insulating III−V Materials、 Ixtapa、 mexico、 (1992)、 201210。
従来の暗視野型円偏光器では、1波長単位に複屈折位相差が生じている点の光弾性フリンジを観察する縞解析によって複屈折位相差の分布を求めていた。このため、1波長以上の複屈折が材料に生じていないと位相差の絶対値を求めることができなかった。
従来のフリンジ測定装置では、微小な応力を測定する際には、試験片の厚さに反比例して応力測定が困難になり、このため厚さ600μm程度の半導体ウエハの残留応力測定に成功した例は殆ど無く、一般的には厚さ数mmの板状の結晶に対する応力測定が限界であった。
また、LiangやYamadaの装置はいずれも検光子の主軸が直線であり、最大(小)電流を得るため、資料または検光子を、即ち応力方向を検出するために光学素子を回転させるタイプのサブ・フリンジ測定装置である。
直線偏光を試験片に透過させた場合は、試験片の応力の方向と大きさを次の方法で探索でき、応力の方向は、応力の方向と直線偏光とのなす角が互いに0度あるいは90度の時に検出できる。一方、応力の大きさは、応力の方向と直線偏光とのなす角が互いに45度の時に初めて検出される。このため、試験片あるいは光学系全体を半回転させて、これらのデ−タを探索しなくてならなかった。
本発明では、未知の位相差を有する試料と、既知の位相差を有する参照波長板を同時に計測することで、未知の位相差の絶対値を得るものである。
本発明の方法は、理論上は光弾性測定を基礎としており、素子の回転操作等は行わない。このため、高精度かつ高空間分解能で複屈折位相差の測定が可能であり、それも十分高速に計測することができる。
この発明は上記課題を解決するために、レ−ザ光源と、レ−ザ光が順次透過する光速を絞るコリメ−タ−レンズに組み合わされた集光レンズまたはスリット光レンズ、入射したレ−ザ光を光路軸に垂直な平面上で一定の方向に振幅する直線偏光波にして透過する偏光子、第1の1/4波長板、既知の参照複屈折板、第2の1/4波長板、他の方向に振幅する直線変調偏光波として透過する検光子、透過したレ−ザ光を受けて電気信号を発生するフォトディテクタから構成され、前記第1の1/4波長板と既知の参照複屈折板との間に測定試料を配置し、測定試料の未知の位相差だけの光強度分布とこの未知の位相差+前記参照複屈折板既知の位相差の光強度分布を同時前記フォトディテクタの出力値により測定し、前記測定試料の未知の位相差の絶対値を求める材料の複屈折位相差を測定する装置において、前記測定試料後の光路軸上に3個のハ−フミラ−を配置して当該光路を3光路に分枝し、これら3光路上に3枚の既知の参照複屈折板を互いに0度、90度、45度の3方向に向けてそれぞれ配置し、これら3光路の透過レ−ザ光を3個のフォトディテクタでそれぞれ受光して、これらに前記未知の位相差をそれぞれ重ね、主軸方向を一意に決定する。
レ−ザ光弾性を利用した複屈折位相差測定装置は、半導体ウエハ上の応力測定装置として利用できる。本発明により測定感度および測定精度の向上が実現された。半導体産業に導入された場合、その生産性向上および品質管理に極めて有効となる。
以下この発明の装置を図面に従って説明する。レ−ザ光弾性を利用した複屈折位相差測定装置は応力測定装置とも呼ばれている。
まず、複屈折位相差測定装置の基本的な構成を図1に示し、図1においてレ−ザ光源2は、レ−ザ光Rを発生する。
位相差測定装置20は、暗視野型円偏光器をベ−スとしており、図1に示すように、レ−ザ光源1、コリメ−タ−レンズ+集光レンズ2またはスリット光レンズ2a、偏光子3、第1の1/4波長板4、参照波長板フィルタ(指定波長板)6、第2の1/4波長板7、検光子(偏光板)8、フィルタ9、またはフィルタ9a、フォトディテクタとしてのCCDカメラ10等の2次元的光強度分布計測素子またはラインセンサー10aから構成されている。
参照波長板フィルタ6の指定波長板は、測定試料5の前(レ−ザ側)または後(カメラ側)のどちらかに配置する。図1は後配置を示している。測定試料の透明度が高く、試料での乱反射が無視できる場合は、前に配置することができるが、乱反射の影響を避ける場合は後に配置する。後配置の場合は測定試料の屈折等で光のパスが移動する可能性があり、カメラ画像の解析から光点の中心位置の補正、光強度分布位置の補正を行う。
詳細説明1:ガウス分布状の光強度分布からIとIrefを求める方法
M. Born and E. Wolf, Principles
of Optics 6th Edn., (1997), 684-686, Cambridge Univ. Press.に詳述されており、数学的な問題であり、特許や技術的ではないので記述を控える。
具体的には、カメラの画像として未知の位相差だけの光強度分布と未知の位相差+既知の位相差の光強度分布を同時に測定し、未知の位相差の絶対値を求める。「未知の位相差+既知の位相差」が絶対値を求めるための基準となるため、測定される位相差の絶対値の精度には、式(数1)の誤差が発生する。
Figure 2006275749
ここで、γは測定試料の未知の複屈折位相差、γrefは挿入している既知の位相差(すなわち参照波長板)である。γrefを大きく選べば誤差を抑えることができる。実際には測定対象のγに合わせてγrefを選択し、低いγを測定する場合は、γrefも小さなものを選ぶようにすることで、γを高い測定分解能で測定することができる。例えば、γが0。1nmから1nm程度の場合、γrefを10nm程度に選ぶことで、画像デ−タのデジタル値の分解能(8ビットで256)内で0。1nmから10nmの範囲を測定することができる。測定対象が1nmから10nmの場合は、γrefを100nm程度に選び、入射光の強度を落として測定することで1nmから100nmの範囲を測定することができる。どちらの場合も測定誤差を10%以内に抑えることができる。
測定誤差を抑えてかつ高い測定分解能を得る方法としては、γrefに、レ−ザ光の波長に近いものを併用する方法がある。暗視野型円偏光器では、0波長(無試料)と1波長の位相差で暗視野(測定光強度がゼロ)になる。例えば7/8波長は1/8波長と同じ光強度を与えるが、未知の位相差が加算された場合は暗くなる。1/8波長の位相差板の場合は、未知の位相差が加算されると明るくなる。つまり、7/8波長板と1/8波長板を並べて配置し、その平均を取れば正確な1/8波長の参照光強度を得ることができる。この方法を使えば、7/8波長板と1/8波長板を参照として、±1/16波長程度の未知の位相差の絶対値を測定することもできる。詳しくは詳細説明2で後述する。
さらに、7/8波長板と1/8波長板の方向を合わせておくことで光強度の変化のパタ−ンから未知の位相差の主軸方向を推定あるいは決定することができる。なお、7/8波長板の代わりに、−1/8波長板である90度回転させた1/8波長板を使用することもできる。詳しくは詳細説明3、4で後述する。
図1には、コリメ−タレンズと集光レンズ2を組合せて、測定試料上に光を集光させる場合と、スリット光を投影するレンズ2aを使ったものの2種類を描いてある。それぞれの構成と特徴および使い方を示す。
(1)コリメ−タレンズと集光レンズ2を組合せた場合
レ−ザ光を測定試料5に集光することで、試料5の1点の複屈折位相差を受けた光が「既知の波長板」6を通る。「既知の波長板」6は透過光の半分の領域に重なるように配置されており、2次元エリアセンサ−10に投影されるほぼ円形の像には、半分が「試料の複屈折+既知の波長板」の出力が、もう半分には「試料の複屈折」のみの出力が現れる。
半円形の像は、中央を最大輝度とするガウス分布状の光強度分布を取ることがわかっているので、「試料5の複屈折+既知の波長板6の複屈折」と「試料5の複屈折」をそれぞれの半円形の光強度分布から求めることができる。
それぞれの複屈折位相差の絶対値が十分小さい場合には、複屈折位相差(絶対値)は測定される光強度の平方根に比例するので、式(数2)
Figure 2006275749
となり、試料の複屈折位相差(絶対値)は以下の式(数3)、
Figure 2006275749
で求めることができる。ここで、Iは試料のみ透過した半円領域の光強度、Irefは試料と既知の波長板を透過した半円領域の光強度である。
この方法では、集光させているため、試料の1点の複屈折位相差を測定することができる。
(2)スリット投光レンズ2aを用いた場合
図1の右側に示した方法は、スリット投光レンズ2aを用いて、板状の光をレ−ザから投光させる方法である。これは、透明度が高くかつ場所による透明度の変化が少ない場合に有効な方法である。あるいは試料5での乱反射が無視できる場合にも有効な方法である。
光強度の測定は、2次元エリアセンサ−10でなく、ラインセンサ−10aを用いることができる。ラインセンサ−10aを用いることで高速な計測も可能である。
レ−ザからスリット投光レンズ2aを通すことで帯状の光線が投光される。その中央のほぼ均一な光強度の部分を光学系に入射させる。ここで、スリット光の帯の厚さが、試料上で最も薄くなるようにスリット投光レンズ2aの焦点を合わせておく。
試料5を透過した光の半分あるいは一部に、既知の波長板6が重なるように配置する。これにより、測定されるラインセンサ−10a上の光強度には、「試料5の複屈折+既知の波長板6の複屈折」と「試料5の複屈折」を反映したものが現れる。
この2つを分離して求めることで、γrefとγを求めることができる。入射スリット光の強度がほぼ均一になるようにすることで、ラインセンサ−10a上の光強度がそのままγrefとγになる。ここで、試料のみを透過した部分の光強度分布をI(x)とするとγ(x)を以下の式(数4)で求めることができる。
Figure 2006275749
ここで、Irefは試料5と既知の波長板6を透過した部分の光強度である。スリット光の幅方向の強度分布が一様であれば、Irefもほぼ一定値を取る。
この方法では、一度に数ミリメ−トルの幅の複数点(ラインセンサ−の分解能)のγを求めることができる。複屈折の分布を短時間で測定したい場合には、この方法が適している。
詳細説明2:γrefとλ−γrefの参照波長板(既知の波長板)からγrefの出力が得られる原理
複屈折位相差がγrefとλ−γrefのフィルタを透過光の後に配置する。ここで、λは光源のレ−ザの波長である。配置の方法は、コリメ−タレンズと集光レンズ2を用いた集光または円形コリメ−ト光の場合は図2のようにし、スリット投光レンズ2aを用いたスリット光の場合は図3のように左右に配置するとよい。
また、複屈折位相差と測定される光強度の関係は、図4に示すように、正弦関数の2乗の形をしており、例としてγrefが1/8波長とすると、1/8波長板と7/8波長板では、図5中の白丸○の位置の光強度が得られる。
これら、1/8波長板と−1/8波長板に未知の複屈折位相差が重ねられた場合には、それぞれの光強度の変化は反対に動く。式は(数5)に示すとおりとなる。
Figure 2006275749
ここで、I0は光源の光強度、I1、I2はそれぞれ、1/8波長板と−1/8波長板(γref=0。125λ)と試料の複屈折位相差γが重ねられたときの光強度である。なお、ここでは、γの方向と1/8、−1/8波長板の方向が一致したときの式である。一致しない場合はその差はより小さくなる。
図5はその変化を表した図である。黒丸●は試料の複屈折位相差を表している。図に示すように、白丸○に黒丸●の位相差が重ねられるため、1/8波長板と重ねられると光強度は増加し、−1/8波長板と重ねられると光強度は減少する。γがγrefよりも十分小さく、かつγrefも大きくない場合は、I1とI2の平均で参照位相差の光強度が与えられ、さらに正弦(sin)の平方はただの平方で近似できる。
Figure 2006275749
γがγrefより十分小さくない場合は、式(数5)からγを消去し、I0 sin2(πγref/λ)あるいはI0π2γref 22を求めればIrefを得ることができる。
つぎに、より正確な理論式に基づいたγを求める方法を示す。使用する参照複屈折板はγrefと−γrefの二枚である。具体的にはγref の複屈折板を2枚用意し、図6に示すように直交させて配置する。
γrefの主軸方向をθ、γの主軸方向をφとして、それらを合成した複屈折による光強度Itは次式(数7)で与えられる。
Figure 2006275749
θが0と90度についての式(数7)と、未知の複屈折γ[rad]のみの光強度Iの式から、
Figure 2006275749
式(数8)のI1とI2の式からφを消去してI0について解く。
Figure 2006275749
Figure 2006275749
このI0を、Iの式に代入してγについて解くことで、γをI、I1、I2、γrefで記述でき、下記の式(数10)が得られる。
Figure 2006275749
この場合、γは一般に正値だけ考えればよい。(複屈折位相差は正値のため。)
詳細説明3:γrefと−γrefの参照波長板(既知の波長板)から複屈折の主軸方向を推定する方法と原理
複屈折は誘電テンソルが縮退した状態(等方性)から偏移し、異方性を示すために発生する現象である。このため、複屈折量は2階テンソルの性質を有し、大きさと方向を持つ。大きさは位相差であり、方向は主軸方向として表現できる。2つの既知の波長板と未知の複屈折位相差を有する材料を重ねて透過させることにより、その光強度の変化から未知の複屈折位相差の主軸方向を推定することができる。ただし完全に主軸方向を決定するには、最低3種類(3枚)の合成参照波長板が必要となる。
図5は、未知の複屈折量と1/8、−1/8波長板を合成したときの光強度の変化と未知の複屈折の主軸方向の関係を示している。図7では、2枚の1/8波長板の主軸を水平方向(1/8波長板)と垂直方向(−1/8波長板)に向けて配置し、未知の複屈折が種々の主軸方向を取る場合の光強度の変化を示したものである。
未知の複屈折の主軸方向が水平方向の場合は、単純に位相差が加算されるため、図5に示したように1/8波長板の光強度は増加し、−1/8波長板の光強度は減少する。その増加量と減少量は式(数5)で与えられる。一方、未知の複屈折の主軸方向が垂直方向(参照波長板の主軸方向と直角)の場合は、未知の複屈折量はマイナス値として作用するため、1/8波長板の光強度は減少し、−1/8波長板の光強度は増加する。これは、主軸方向が垂直方向の場合は、応力(主応力差)で考えると水平方向に圧縮を与えられたものと同等になるためである。また、未知の複屈折の主軸方向が±45度方向の場合は、1/8、−1/8波長板の光強度は変化しない。γrefの主軸方向をθ、未知の複屈折γの主軸方向をφとすると、γrefとγを合成した光強度は次式(数11)で与えられる。
Figure 2006275749
式(数11)でθが0度と90度の2つの式を用いてγを消去し、主軸方向φを求めると、次式(数12)が得られる。
Figure 2006275749
式(数12)より、主軸方向φの正負を同定することはできないが、おおよその方向を決めることができる。
既知の複屈折板を挿入する目的は、未知の複屈折の位相差を求めるのに入射光強度I0が必要なことと、未知の複屈折の主軸方向を求めるためにそれが必要であるからである。式(数11)がその基本となる光強度を与える式である。入射光強度I0を求めるには2枚の既知の複屈折板γrefと−γrefがあればよい。また、この2つで求める複屈折の主軸方向も大まかに推定することができることがわかった。
つぎに、主軸方向φを一意に決定する方法を示す。それは、3枚の既知の複屈折板を用いる方法である。式(数11)で、γrefの屈折複板を3枚用意し、図8に示すように0度、90度、45度の3方向に配置し、これらに未知の複屈折を重ねる。式(数11)で、θを0度、90度、45度とした結果は次式(数13)で与えられる。
Figure 2006275749
これらの3式から、I0とγを消去することで、φを一意に同定することができる。その式は(具体的には式(数8)の1行目の式、式(数10)のプラスの値および式(数13)の3行目の式より)次式(数14)となる。
Figure 2006275749
あるいは、式(数14)と等価な式、例えば下記のような式でもφを一意に同定することができる。その式は(具体的には式(数8)の1行目の式、式(数10)のプラスの値および式(数13)の3行目の式より)次式(数15)となる。
Figure 2006275749
詳細説明4:複屈折の主軸方向を推定する具体的な方法
で述べた方法では、3種の参照波長板6、6a、6bに未知の複屈折を重ねることで、複屈折の主軸方向を求めた。この方法では、測定中に試料5を測定器に出し入れする必要が生じ、測定速度向上の障害となる可能性がある。以下に述べる方法は、試料の出し入れを不要とする方法である。
(4b)のIの式とI1の式より、I0を消去すると、式(数16)を、
Figure 2006275749
あるいは、式(数8)のIの式とI2の式より、I0を消去すると、式(数17)を、
Figure 2006275749
さらにあるいは、式(数8)のIの式とI3の式より、I0を消去すると、式(数18)を得る。
Figure 2006275749
式(数16)、式(数17)、式(数18)式は全て等価な式である。
ところで、φの値域はいずれの式でも90°分であり求めようとしている方位の全てではない。図9の関係を用いれば、すなわち、I1〜3の大小関係から、複屈折の方位がどちらを向いているか決定できる。
図10は、図1を展開した詳細図である。図10において、位相差測定装置20は、レ−ザ光源1、コリメ−タ−レンズに組み合わされた集光レンズ2またはスリット光レンズ2 、偏光子3、第1の1/4波長板4、3個の平行に並べたハーフミラー13、13a、13b、3個の既知の参照複屈折板6、6a、6b、3個の第2の1/4波長板7、7a、7b、3個の検光子8、8a、8b、3個のフォトディテクタ11、11a、11bから構成される。
前記第1の1/4波長板とハーフミラー13、13a、13bとの間に測定試料を配置し、3個のハ−フミラ−ハーフミラー13、13a、13bにより当該光路を3光路に分枝する。
これら3光路上に3枚の既知の参照複屈折板6、6a、6bを互いに0度、90度、45度の3方向に向けてそれぞれ配置し、これら3光路の透過レ−ザ光を3個のフォトディテクタ11、11a、11bでそれぞれ受光して、これらに未知の位相差をそれぞれ重ね、主軸方向を一意に決定する。測定試料5の未知の位相差だけの光強度分布とこの未知の位相差+前記参照複屈折板既知の位相差の光強度分布を3方向で測定し、測定試料5の位相差の絶対値と主軸方向を求める。
本発明による方法と装置によって、高精度かつ高空間分解能で複屈折位相差の測定が可能であり、それも十分高速に計測することができる。
光弾性特性と結晶方位の関係に及ぼす光源波長の影響を、レ−ザ光弾性を利用した複屈折位相差測定装置により実現し、半導体ウエハ上の応力測定装置として利用できることが検証され、工業的に極めて有益である。
本発明の材料の複屈折位相差を測定する装置の主要構成を示す図である。 本発明の既知の波長板の配置例その1を示す図である。 本発明の既知の波長板の配置例その2を示す図である。 複屈折位相差と測定される光強度の関係を示す図である。 1/8波長板と7/8波長板に試料の複屈折が重ねられた場合の光強度の変化を示す図である。 複屈折板を2枚用意し直交させて配置する図である。 未知の複屈折量と1/8、−1/8波長板を合成したときの光強度の変化と未知の複屈折の主軸方向の関係を示す図である。 未知の複屈折量と1/8、−1/8波長板および45度傾けた1/8波長板を合成したときの光強度の変化と未知の複屈折の主軸方向の関係を説明する図である。 未知の複屈折量と1/8、−1/8波長板および45度傾けた1/8波長板を合成したときの光強度の変化と未知の複屈折の主軸方向の関係の計算値を示す図である。 図8、図9に対応する各光学素子の複数光路に関する配置略図である。
符号の説明
1 レ−ザ光源
2 コリメータ+集光レンズ
2a スリット投光レンズ
3 偏光子
4 第1の1/4波長板
5 試料
6、6a、6b 既知の波長板
7 第2の1/4波長板
8 検光子
10 2次元エリアセンサ−
10a ラインセンサ−
11 フォトディテクタ
13、13a、13b ハーフミラー
R レーザ光
20 位相差測定装置

Claims (1)

  1. レ−ザ光源と、レ−ザ光が順次透過する光速を絞るコリメ−タ−レンズに組み合わされた集光レンズまたはスリット光レンズ、入射したレ−ザ光を光路軸に垂直な平面上で一定の方向に振幅する直線偏光波にして透過する偏光子、第1の1/4波長板、既知の参照複屈折板、第2の1/4波長板、他の方向に振幅する直線変調偏光波として透過する検光子、透過したレ−ザ光を受けて電気信号を発生するフォトディテクタから構成され、前記第1の1/4波長板と既知の参照複屈折板との間に測定試料を配置し、測定試料の未知の位相差だけの光強度分布とこの未知の位相差+前記参照複屈折板既知の位相差の光強度分布を同時前記フォトディテクタの出力値により測定し、前記測定試料の未知の位相差の絶対値を求める材料の複屈折位相差を測定する装置において、
    前記測定試料後の光路軸上に3個のハ−フミラ−を配置して当該光路を3光路に分枝し、これら3光路上に3枚の既知の参照複屈折板を互いに0度、90度、45度の3方向に向けてそれぞれ配置し、これら3光路の透過レ−ザ光を3個のフォトディテクタでそれぞれ受光して、これらに前記未知の位相差をそれぞれ重ね、主軸方向を一意に決定することを特徴とする材料の複屈折位相差を測定する装置。
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KR101294854B1 (ko) * 2010-12-22 2013-08-08 엘지디스플레이 주식회사 비젼 시스템과 이를 이용한 입체영상 표시장치의 표시패널과 패턴 리타더 정렬 시스템

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