JP4936477B2 - 複屈折測定装置及び複屈折測定方法 - Google Patents

複屈折測定装置及び複屈折測定方法 Download PDF

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Description

本発明は、例えば、半導体結晶、光学素子、フラットディスプレイパネルなどの微小な複屈折の大きさ及びその方位角を測定するのに有効な複屈折測定装置及び複屈折測定方法に関する。
従来、位相シフト法を基礎とした複屈折測定装置として、論文「デジタル光弾性法の現状」、梅崎栄作、実験力学Vol.4、No.1、2004年3月の図6、図7に紹介され、また、J. W. Hobbs, R. J. Greene and E. A. Patterson, "A Novel Instrument for Transient Photoelasticity", Experimental Mechanics Vol. 43, No. 4, December 2003, pp. 403-409に記載されたものが知られている。
図12は、このような従来の複屈折測定装置の構成を示しており、光源1、エクスパンダ2、ポラライザ3、円偏光させるための1/4波長板4、被測定体を設置する試料台5、4つの光束に分離するための3つのビームスプリッタ6A〜6C、そして、分離された4つの光束の光路上それぞれに設置されている1/4波長板7−1〜7−4、アナライザ8−1〜8−4、そしてCCDカメラ等の2次元的光強度分布計測素子9−1〜9−4、さらに必要に応じて分離された光束を所望の方向に向かわせるためのミラー10から構成されている。尚、現実には、2次元的強度分布計測素子9−1〜9−4は1つにして、ミラー10や錐体ミラーを利用することで1箇所に設置された2次元的強度分布計測素子9に導光する構成にされている。
ところが、このような従来の複屈折測定装置では、被測定体の複屈折特性を計測するためには4つの偏光方向における光量を必要とし、また、1/4波長板を4つの偏光方向の光路それぞれの上に必ず必要としており、欠かすことができず、それ故に装置コストが嵩むと共に部品点数が多くなる分だけ調整作業に多大な労力が要求される問題点があった。
他方、レンズの波面収差の測定に位相シフト法が採用されており、D. Malacara, "Optical Shop Testing", Wiley Interscience, 1992 には、3位相方式が知られている。この公知の3位相方式は、偏光を利用してはない。干渉によって生成されたひとつの正弦波を時間的あるいは空間的に条件を変えて(例えばセンサの空間的配置を利用する)、結果として位相がシフトするように観測し、それらの観測波形から未知の1つの正弦波を求めるアルゴリズムである。よって、3方向の偏光方向を用いて、試料の複屈折によって、円偏光から変換された1つの偏光状態を求めるアルゴリズムを提案するものではない。
本発明は、このような従来の技術的課題に鑑みてなされたもので、3つの光強度情報しか必要とせず、そのため、比較的に安価な装置構成で被測定体の複屈折特性が測定できる複屈折測定装置及び複屈折測定方法を提供することを目的とする。
本発明の1つの特徴は、被測定体に対して特定の偏光状態を有する光束を射出する光源と、前記被測定体を経た光束に対して、所定の3つの偏光方向の光束それぞれを抽出する光学系と、前記光学系の抽出した前記所定の3つの偏光方向の光束それぞれの光量を検出する光量検出手段と、前記光量検出手段により検出された前記被検光束の光量それぞれを所定の関数式に代入することで、前記被測定体の複屈折の大きさ及びその方位角を算出する複屈折量算出手段とを有する複屈折測定装置にある。
上記の複屈折測定装置においては、前記光学系は、前記所定の3つの偏光方向それぞれのみを透過させる3種のアナライザを順次光路上に切り替えて設置することで前記所定の3つの偏光方向の光束それぞれを抽出するものとすることができる。
また上記の複屈折測定装置においては、前記光学系は、前記被測定体を経た光束をその偏光状態を保存した状態で3つの被検光束に分割する光束分割手段と、前記3つの被検光束それぞれに対して所定の偏光方向の光束を同時に抽出する3つのアナライザとを有するものとすることができる。
本発明の複屈折測定装置では、光源から被測定体に対して特定の偏光状態を有する光束を射出し、被測定体を経た光束に対して、光学系にて所定の3つの偏光方向の光束それぞれを抽出し、光量検出手段にてこの光学系の抽出した所定の3つの偏光方向の光束それぞれの光量を検出し、複屈折量算出手段において検出された被検光束の光量それぞれを所定の関数式に代入することで被測定体の複屈折の大きさ及びその方位角を算出する。これによって、本発明の複屈折測定装置では、光学系を3系統のみ必要とし、また所定の3つの偏光方向の光束それぞれを抽出するためにそれぞれの偏光方向のアナライザの前に1/4波長板を設置することを必要とせず、装置構成を簡素にして被測定体の複屈折特性を測定できる。
本発明の別の特徴は、試料台上の被測定体に対して特定の偏光状態を有する光束を射出し、前記被測定体を経た光束を光学系に通して、所定の3つの偏光方向の光束それぞれを抽出し、前記光学系の抽出した前記所定の3つの偏光方向の光束それぞれの光量を検出し、検出した前記所定の3つの偏光方向の光束それぞれの光量を所定の関数式に代入することで、前記被測定体の複屈折の大きさ及びその方位角を算出する複屈折測定方法にある。
上記の複屈折測定方法においては、前記所定の3つの偏光方向として、45°,0°,90°それぞれの軸を設定し、それぞれの軸方向に対する光量としてi,i,iを得たときに、
Figure 0004936477

若しくは、

Figure 0004936477

にて、被測定体の複屈折の大きさγと方位角φを決定するものとすることができる。
本発明の複屈折測定方法では、その実施のために採用する複屈折測定装置が光学系を3系統のみ必要とし、また所定の3つの偏光方向の光束それぞれを抽出するためにそれぞれの偏光方向のアナライザの前に1/4波長板を設置することを必要とせず、簡素な構成の装置にて被測定体の複屈折特性を測定できるようになる。
また、上記の複屈折測定方法においては、以下の方法で,測定系の誤差を排除した被測定体の真の複屈折の大きさと方位角とを求めるものとすることができる。
すなわち、
(a)測定目的とする被測定体若しくは任意の被測定体をテスト被測定体とし、当該テスト被測定体を、少なくとも180°光源の光軸まわりに回転させつつ複屈折の大きさと方位角を測定して複屈折の大きさの変動傾向と当該テスト被測定体の複屈折方位角との関係を求め、この変動傾向の原因となっている複屈折の大きさγ’と方位角φ’を推定して、それを相殺する複屈折を補償複屈折r’とし、
(b)前記テスト被測定体の測定結果に前記補償複屈折r’をベクトル合成して複屈折の大きさの変動傾向と方位角との関係を再び求め、この関係から前記テスト被測定体の複屈折の大きさの標準偏差を求め、
(c)前記複屈折の大きさγ’及び方位角φ’を適宜に変えて、前記テスト被測定体の測定結果に当該変更後の複屈折の大きさγ’及び方位角φ’から求めた補償複屈折r’を再びベクトル合成して複屈折の大きさの変動傾向と方位角との関係を改めて求め、この関係から前記テスト被測定体の複屈折の大きさの標準偏差を求め、
(d)前記(c)の処理を繰り返して前記テスト被測定体の複屈折の大きさの標準偏差が最小となる複屈折の大きさγ’及び方位角φ’を探索し、この探索の結果得られた補償複屈折を最終補償複屈折r”とし、
(e)前記(d)の処理にて得られた最終補償複屈折r”をキャリブレーション値とし、
(f)前記測定目的とする被測定体に対して前記複屈折の大きさγと方位角φを測定し、この測定結果から複屈折rを求め、
(g)前記(f)の処理で得られた複屈折rに対して前記(d)の処理で得られた最終補償複屈折r”をベクトル合成して補償済み複屈折rrealを求める。この補償済み複屈折rrealのベクトル成分が、測定系の公差を排除した被測定体の真の複屈折の大きさγrealと方位角φrealである。
本発明の複屈折測定装置によれば、光学系を3系統のみ必要とし、また所定の3つの偏光方向の光束それぞれを抽出するためにそれぞれの偏光方向のアナライザの前に1/4波長板を設置することを必要とせず、装置構成を簡素にして被測定体の複屈折特性を測定できる。
また、本発明の複屈折測定方法によれば、簡素な構成の複屈折測定装置にて被測定体の複屈折特性を測定できるようになる。
さらに、本発明の複屈折測定方法において、まずテスト被測定体を用いて測定系の補償複屈折を求め、その補償ベクトルを被測定体の複屈折測定値から求めた測定値ベクトルに対してベクトル合成し、標準偏差が最小となるベクトルを用いて測定系の誤差を排除した被測定体の真の複屈折の大きさと方位角を求めることにより、測定系の公差に起因する誤差を排除した精度の高い複屈折測定ができる。
図1は、本発明の複屈折測定原理の説明図。 図2は、楕円偏光の参照面跡の一例とそれを決定する3寸法d,d,dとの関係を示す説明図。 図3は、本発明の第1の実施の形態の複屈折測定装置のブロック図。 図4は、上記本発明の第1の実施の形態の複屈折測定装置に用いる光源の3軸上それぞれでの光強度の理論値を対比したグラフ。 図5は、本発明の複屈折測定装置による複屈折測定方法において数4式、数5式の適用の場合分けを示す表1。 図6は、上記本発明の第1の実施の形態の複屈折測定装置による複屈折方位角の測定結果のグラフ。 図7は、本発明の第2の実施の形態の複屈折測定装置のブロック図。 図8は、本発明の実施例の複屈折測定装置のブロック図。 図9は、上記本発明の実施例による79nm、10nmの試料に対する位相差、方位角の測定結果の表2。 図10は、上記本発明の実施例において、1/4波長板を通して試料に入射する光束の1/4波長板の製品公差が原因で引き起こされる偏光状態を示す説明図。 図11は、上記本発明の実施例において、1/4波長板の公差による複屈折位相差の測定値の正弦波様の振動を示すグラフ。 図12は、従来例の複屈折測定装置のブロック図。
以下、本発明の実施の形態を図に基づいて詳説する。
まず、本発明の複屈折測定技術の原理について説明する。本複屈折測定では、図1のように円偏光101を試料102へ入射させ、試料102から出る楕円偏光103の扁平率および長軸の方位を知ることで試料の微小な複屈折とその方位を測定する。一般に2焦点の中点が座標系の原点と一致する楕円は、例えば図2のような3寸法d,d,dを指定すれば一意に決定される。この3寸法d,d,dを得るためには、アナライザ(検光子)の主軸方位をそれぞれの寸法の方位に一致させ、該アナライザを透過した光の強度を測定すればよい。そこで、本発明では、「3寸法」d,d,dを「3光強度」i,i,iと記述する。一般に、3光強度i,i,iそれぞれの方位は互いに異なれば任意でよい。しかし、本発明では計算の合理性から図2に示したような0°,45°,90°の3方位とする。
3光強度i,i,iと試料の複屈折位相差γおよびその進相軸方位φとの関係は、Jones行列による計算法により次のように記述できる。
Figure 0004936477
ここで,iは偏光子を透過した光の振幅である。この式をφおよびγについて解くと、
Figure 0004936477
Figure 0004936477
となる。ここで、数2式と数3式は後述するようにφの値によって使い分けられる。したがって、測定された3光強度i,i,iから試料の複屈折位相差γおよびその進相軸方位φを一意的に決定することができ、このことはとりもなおさず、試料の偏光状態を決定できるのである。
(第1の実施の形態)図3は、本発明の第1の実施の形態の複屈折測定装置を示している。この複屈折測定装置は基本構成として、単色光の光源であるレーザ光源1、レーザ光源1からの光束を特定の偏光軸に揃えるためのポラライザ3、ポラライザ3を通過した光束を円偏光させるための1/4波長板4、被測定体を設置する試料台5、所定の3軸方向として0°軸、45°軸、90°軸それぞれで停止して試料台5上の被測定体を通過した光束を解析する回転アナライザ8A、そして回転アナライザ8Aを通過した光束を受光し、光量(光強度)を取り出す受光素子としてのCCDカメラ9、このCCDカメラ9の出力i,i,iを入力し、後述する所定のプログラムによる演算処理にて被測定体の複屈折特性を算出するコンピュータ20を備えている。尚、光源1については、単色光の光源であればレーザ光源に限らない。また、単色光源でなくても,適当なフィルターで単色に近くしてもよい。さらに、ここでも以下でも採用している受光素子としてのCCDカメラは、受光強度を計測できる素子であれば特にCCDカメラに限らず採用できる。ただし、多スポットをまとめて、例えば各軸の25万スポットを一度に測定するためにはCCDカメラ9を採用することができる。
次に、上記構成の複屈折測定装置による複屈折測定方法について説明する。レーザ光源1は、例えばヘリウム・ネオンレーザを用い、波長632.8nmのレーザを発光させる。尚、この光源の波長としては、被測定体が半導体結晶の場合は赤外レーザを用いるなど、被測定体を透過する波長を選ぶ。
そしてこのレーザ光に対してポラライザ3にて偏光方向を揃えた後、1/4波長板4に通すことで円偏光光束を得る。そしてこの円偏光光束を試料台5上の被測定体に照射する。被測定体を通過した光は被測定体の応力分布に応じて楕円偏光を受ける。この楕円偏光を受けた光束は、所定の3軸方向それぞれで固定できる回転アナライザ8Aに入射する。
回転アナライザ8Aは3軸、0°、45°、90°軸にて固定できるものであり、例えば最初に0°軸に固定した状態で楕円偏光を受けた光束を入射させ、0軸方向の光束を通過させてCCDカメラ9に到達させる。CCDカメラ9はこの回転アナライザ8Aからの光束を受光してその強度に応じた信号iをコンピュータ20に出力する。
次に、回転アナライザ8Aを45°軸に固定し、その状態で再度楕円偏光を受けた光束を入射させ、45°軸方向の光束を通過させて受光素子としてのCCDカメラ9に到達させる。CCDカメラ9はこの回転アナライザ8Aからの光束を受光してその強度に応じた信号iをコンピュータ20に出力する。
同様に、回転アナライザ8Aを90°軸に固定し、その状態で再度楕円偏光を受けた光束を入射させ、90°軸方向の光束を通過させて受光素子としてのCCDカメラ9に到達させる。CCDカメラ9はこの回転アナライザ8Aからの光束を受光してその強度に応じた信号iをコンピュータ20に出力する。
コンピュータ20では、CCDカメラ9からの45°軸の光強度i、0°軸の光強度i、90°軸の光強度iを用いて、次の数4式又は数5式を演算して、被測定体の複屈折の大きさγと方位角φを算出する。
Figure 0004936477
Figure 0004936477
本実施の形態で得られる光強度i,i,iは数6式で記述される。
Figure 0004936477
ここで、iはポラライザ3を経た後の光束の振幅、γは被測定体に存在する複屈折の大きさ、φは被測定体に存在する複屈折の方位角である。この数6式をφ,γについて解くと、次の数7式、数8式が得られる。

Figure 0004936477

Figure 0004936477
これら数7式、数8式は上記数4式、数5式と同じものである。よって、コンピュータ20により、光強度i,i,iを入力し、数4式又は数5式を演算することで被測定体に存在する複屈折の大きさγ、被測定体に存在する複屈折の方位角φを算出することができるのである。
数4式と数5式との使い分け方の詳細は次の通りである。図4に、例えば10nmの複屈折位相差を持つ被測定体から得られる光強度i,i,iの理論計算結果を示す。縦軸は光強度i,i,iの相対強度、横軸は被測定体の複屈折の方位角φを示す。φ=±45°のとき、図4よりi=(i+i)/2、したがって、このとき、数4式のγの右辺は不定形となるゆえに数4式のγに代わりに、数5式にてγを求める。
ところで、数4式、数5式におけるφの式は逆正接関数である。そのため、その値域は−45°≦φ≦45°となり、φの実際にとり得る値の全てとはならない。そこで本実施の形態では、φの実際にとり得る値と関連づけるため、図5の表1に示すi−(i+i)/2及び(i−i)の値の組み合わせを利用する。数4式のγと数5式のγとの使い分けも同表1に併せてまとめてある。
本実施の形態の複屈折測定装置及び方法によれば、光束の3軸方向の光量(光強度)を1つの光学系によって測定することができ、しかも試料台5以降には1/4波長板を必要としないので、図12に示した従来装置に比べて極めて簡素な装置構成にして、被測定体に存在する微小な複屈折の大きさ及びその方位角を精度良く測定できる。
図6のグラフは複屈折方位角の測定結果を示している。これにより、精度良く被測定体の複屈折方位角が測定できていることが分かる。
(第2の実施の形態)本発明の第2の実施の形態の複屈折測定装置について、図7を用いて説明する。本実施の形態の複屈折測定装置は、3軸方向の光強度(光量)を同時に測定することで短い測定時間で被測定体の多スポットをまとめて、例えば25万スポットを一度に測定することができ、広い面積の被測定体でもその全面の複屈折特性を短時間の内に測定するものである。
図7に示すように、本実施の形態の複屈折測定装置は、単色光源としてのレーザ光源1、エクスパンダ2、ポラライザ3、円偏光させるための1/4波長板4、被測定体を設置する試料台5、3つの光束に分離するための2つのビームスプリッタ6A,6B、分離された3つの光束の光路上それぞれに、0°、45°、90°の軸方向の偏光を通過させるアナライザ8−1〜8−3、2次元的光強度分布を計測するためのCCDカメラ9、そして、3つに分離された光束をCCDカメラ9の方向に向かわせるために光路上の適所に設置されたミラー10−1〜10〜6、3つの偏光方向の光束それぞれを受光して1箇所のCCDカメラ9に向けて出光させる四角錐ミラー11、そして、第1の実施の形態と同様にCCDカメラ9の光量検出信号i,i,iを入力して所定の演算式に基づいて被測定体の複屈折の大きさγ、方位角φを算出するコンピュータ20から構成されている。
次に、上記構成の複屈折測定装置による複屈折測定方法について説明する。レーザ光源1は、第1の実施の形態と同様に、例えばヘリウム・ネオンレーザを用い、632.8nmのレーザを発光させる。そしてエクスパンダ2にてレーザ光束を広げた後にポラライザ3に入光させる。ポラライザ3にて光束の偏光方向を揃え、その後、1/4波長板4に通すことで円偏光光束を得る。そしてこの円偏光光束を試料台5上の被測定体に照射する。被測定体を通過した光は被測定体の応力分布に応じて楕円偏光を受ける。この楕円偏光を受けた光束は、2つのビームスプリッタ6A,6Bにて3つの光束に分離される。そしてビームスプリッタ6A,6Bにて分離された光束それぞれは、各光路上に設置されたアナライザ8−1〜8−3それぞれに入射する。
アナライザ8−1〜8−3はそれぞれ3軸、0°、45°、90°軸方向の光を通過させるものである。これらのアナライザ8−1〜8〜3それぞれを通過した光束は光路上に設置されたミラー10−1〜10〜6により反射されて四角錐ミラー11の3側面それぞれに入光する。そしてこの四角錐ミラー11にて屈曲反射された各軸の光束はCCDカメラ9に入光し、ここで各軸の光強度に対応した電気信号に変えられてからコンピュータ20に3軸方向の光強度(光量)信号i,i,iとして出力される。
コンピュータ20では、第1の実施の形態と同様にCCDカメラ9からの45°軸の光強度i、0°軸の光強度i、90°軸の光強度iを用いて、前述の数4式又は数5式を演算して、被測定体の複屈折の大きさγと方位角φを算出する。
尚、コンピュータ20による演算処理は、第1の実施の形態と共通であり、数4式と数5式とは、φの値によって使い分ける。すなわち、φ=±45°のとき、図4よりi=(i+i)/2、したがって、このとき数4式のγの右辺は不定形となるゆえに、数4式のγに代わりに数5式にてγを求める。
また、本実施の形態でも、方位角φの実際にとり得る値と関連づけるため、図5の表1に示すi−(i+i)/2及び(i−i)の値の組み合わせを利用する。
本実施の形態の複屈折測定装置及び方法によれば、光束の3軸方向の光量(光強度)を同時に測定することができ、しかも試料台5以降には1/4波長板を必要とせず、また、ビームスプリッタも従来よりも1台少ない2台だけ備えた簡素な構成の装置を用いて被測定体に存在する微小な複屈折の大きさ及びその方位角を高精度に測定できる。
尚、本発明にあって所定の3軸方向は実施の形態にて例示したものに限らず、3つとも角度が異なる3軸方向を規定し、そのそれぞれの方向にアナライザを設置することで同様の複屈折測定が可能である。また、四角錐ミラーは必要に応じて採用されるものであり、これに代わる別の手段を採用することもできる。
さらに、上記の各実施の形態の複屈折測定装置を用いた複屈折測定方法においては、次のようなキャリブレーションを行うことで、測定系の誤差を排除した被測定体のより精度の高い複屈折の大きさγrealと方位角φrealとを求めることができる。
(a)測定目的とする被測定体若しくは任意の被測定体をテスト被測定体とし、当該テスト被測定体を、少なくとも180°光源の光軸まわりに回転させつつ複屈折の大きさと方位角を測定して複屈折の大きさの変動傾向と当該テスト被測定体の複屈折方位角との関係を求め、この変動傾向の原因となっている複屈折の大きさγ’と方位角φ’を推定して、それを相殺する複屈折を補償複屈折r’とする。
(b)テスト被測定体の測定結果に補償複屈折r’をベクトル合成して複屈折の大きさの変動傾向と方位角との関係を再び求め、この関係からテスト被測定体の複屈折の大きさの標準偏差を求める。
(c)複屈折の大きさγ’及び方位角φ’を適宜に変えて、テスト被測定体の測定結果に当該変更後の複屈折の大きさγ’及び方位角φ’から求めた補償複屈折r’を再びベクトル合成して複屈折の大きさの変動傾向と方位角との関係を改めて求め、この関係からテスト被測定体の複屈折の大きさの標準偏差を求める。
(d)(c)の処理を繰り返してテスト被測定体の複屈折の大きさの標準偏差が最小となる複屈折の大きさγ’及び方位角φ’を探索し、この探索の結果得られた補償複屈折を最終補償複屈折r”とする。
(e)(d)の処理にて得られた最終補償複屈折r”をキャリブレーション値とする。
(f)測定目的とする実際の被測定体に対して複屈折の大きさγと方位角φを測定し、この測定結果から複屈折rを求める。
(g)(f)の処理で得られた実際の被測定体の複屈折rに対して(d)の処理で得られた最終補償複屈折r”をベクトル合成して補償済み複屈折rrealを求める。この処理にて得られた補償済み複屈折rrealのベクトル成分が、測定系の公差を排除した被測定体の真の複屈折の大きさγrealと方位角φrealである。
本発明の複屈折測定装置の実施例を説明する。図8に示す構成の複屈折測定装置を用いた。この実施例の複屈折測定装置は、波長λ=632.8nmのレーザ光源1、レーザ光源1からの光束を特定の偏光軸に揃えるためのポラライザ3、ポラライザ3を通過した光束を円偏光させるための1/4波長板4、被測定体を設置する試料台5、試料台5上の被測定体を通過した光束を3方に分離する2体のビームスプリッタ6A,6B、このビームスプリッタ6A,6Bを通過した1方向の光束を解析するアナライザ8、そしてアナライザ8を通過した光束の方向を反射によって変化させるミラー10−3,10−4、このミラー10−4にて反射された光束を受光して所定の方向に出射する四角錐ミラー11、四角錐ミラー11から出る光束の光量(光強度)を計測して取り出すCCDカメラ9、このCCDカメラ9の出力i,i,iを入力し、後述する所定のプログラムによる演算処理にて被測定体の複屈折特性を算出するコンピュータ20にて構成した。尚、四角錐ミラー11については、1台のCCDカメラ9の所定の区画に分離された3軸の光束それぞれを導光するために採用したものであるが、必要に応じて採用されるものであり、また、これに代わる別の手段を採用することもできる。
本実施例では、複屈折位相差が79[nm]及び10[nm]の水晶波長板を1枚ずつ被測定体試料として用いた。これは、大小いずれの複屈折でも位相差γとその方位角φを精度良く測定できるか否かを確認するためである。試料の複屈折位相差の製品公差はそれぞれ、±3.5[nm]及び±4.7[nm]であり、進相軸の方位角は、正方形の水晶波長板の対角線に一致することがわかっている。また、「進相軸の方位角」と「複屈折の方位角」とはここでは同義語として扱っている。同様に、「複屈折位相差」と「複屈折の大きさ」もここでは同義語として扱っている。
本実施例を用いた実験では、試料台5上に設置した試料である水晶波長板の進相軸を0°から360°まで+10°ずつレーザ光軸まわりに回転させつつ3光強度i,i,iを測定し、複屈折位相差γとその進相軸方位角φを数4式、数5式を用いて求めた。この一連の操作を、上記の2種類の試料に対して1回ずつ行う毎に、図8の装置を組み立て直すあるいは再調整するルーチンを繰り返した。そして、先の3光強度i,i,i値を、試料毎に計約110ずつ採取した。
また、図8中に示したビームスプリッタが複屈折測定に与える影響を評価するため、2つのビームスプリッタ6A,6Bを装置から取り外した状態でも上述の実験を行い、比較の対象とした。
これらの実験から、以下に述べる「位相差の正確さ」及び「方位角の正確さ」が実証できたため、本発明複屈折測定装置の複屈折測定原理は十分正しいことが確認できた。
「位相差の正確さ」
図9に示す表2の2段目に2試料における複屈折位相差の測定結果を、3段目に進相軸方位角の測定結果を、4段目に測定回数をそれぞれ示している。表2の1段目には、試料の厚さ及び加工公差の管理によって、製造元が保証した複屈折位相差を示す。したがって、試料はこの公差内のある複屈折位相差を有するはずである。
表2の2段目内1行目に示したように、測定された2試料の複屈折位相差γの平均値は、いずれも公差内の値であった。また、それぞれの測定値の標準偏差は3.24[nm]及び2.62[nm]となった。表2の2段目内3行目の値は、ばらつきを軽減する補正を行った結果である。これについては後述する。
「方位角の正確さ」
試料の進相軸方位角φの測定結果は、測定値φが10°ずつ増加しているか否かで評価した。ゆえに、表2の3段目の測定値は10°に近いほど正確であることを意味する。表2の3段目内1行目に示したように、測定された2試料の進相軸方位角の平均値はいずれも10.1°であった。また、それぞれの測定値の標準偏差は1.23°及び4.31°となった。表2の3段目内3行目の値は先と同様の補正の結果であり、詳細は次に述べる。
「ばらつきの原因、軽減方法及びその結果」
図8の装置中で、測定結果のばらつきに支配的な影響を与える因子として、1/4波長板4における複屈折位相差の公差と、ビームスプリッタ6A,6Bが測定値に及ぼす影響とが考えられる。後者については後述し、ここでは1/4波長板4の公差が測定値に与える影響について説明する。
図8に示した装置の場合、被測定体に入射する光は円偏光であることが望まれる。ところが、1/4波長板4に微少な公差があるため、実際には図10(a)、(b)に示すような楕円偏光が入射すると考えられる。図10(a)は1/4波長板4の複屈折位相差が1/4波長未満のときの楕円偏光を誇張して示し、図10(b)は逆に1/4波長板4の複屈折位相差が1/4波長を越えるときの楕円偏光を誇張して示している。符号Axは主軸を示している。
測定結果のばらつきは、この楕円偏光が原因と考えられる。例えば、図10(a)の楕円偏光が試料に入射した場合、測定される複屈折位相差は、試料の進相軸方位角に依存して真値を中心に正弦波様の振動をする。そして、試料の進相軸方位が0°のときに最小の複屈折位相差が測定され、90°のときには最大の複屈折位相差が測定される。次に、このことが、全ての実験結果に現れているかを確認する。
図11に複屈折位相差が10[nm]の試料の代表的な測定結果を示す。横軸は試料を載せた試料台5の回転角を、縦軸は複屈折位相差の測定結果をそれぞれ示している。尚、試料台5の回転角と試料の進相軸方位角とは一致させてある。複屈折位相差γの測定結果は、進相軸方位角がほぼ0°のときに最小値、90°のときに最大値をとり、平均値は10.6[nm]であった。この他の実験結果も、全てこれとほぼ同じ傾向であったゆえ、1/4波長板4の公差が測定値のばらつきの一要因であると考えられる。
「ばらつきの軽減方法」
上述の原因により、ある一定の位相差と方位角を有する複屈折が常に測定値へベクトル合成され、図11のように測定値が正弦波様に振動したと考えられる。したがって、この変動を相殺する複屈折(以降、補償複屈折とする)を、測定値にベクトル合成すればよい。そこで、補償複屈折の位相差と方位角を論理的に推定し、実際にベクトル合成を行って標準偏差が最小となる値を探索する。尚、ベクトル合成の方法は、「高和・梅田、『赤外光横ゼーマンレーザーによる速屈折測定』、光学第19巻第7号464〜471ページ、1990年7月」に記載された方法を利用した。
1/4波長板4における複屈折位相差の公差は、±3.5[nm]である。よって、補償複屈折の位相差は3.5[nm]以下と推定される。図11より、試料の方位角がほぼ0°のときに複屈折位相差の測定値が最小となっていることから、補償複屈折の方位角は0°と推定される。
そこで、補償複屈折の方位角は0°として、表2に示した全ての実験結果の標準偏差が最小となる補償複屈折の位相差を計算した。その結果、補償複屈折の位相差は3.5[nm]において全ての実験結果の標準偏差が最小となることがわかった。さらに、3.5[nm]以上でも試算し、標準偏差が最小とならないことを確認した。
「ばらつきの軽減の結果」
表2の2段目には2試料の複屈折位相差を、3段目には進相軸方位角をそれぞれ示している。表2内の各段における3行目の斜体で記した値がばらつきを軽減する補正を行った結果である。表2の2段目内3行目に示したように、補正後も2試料の複屈折位相差γの平均値は、いずれも公差内の値であった。また、それぞれの標準偏差は、2.61[nm]及び1.11[nm]となり、補正前と比較してそれぞれ19.4%及び57.6%減少した。
表2の3段目内3行目に示したように、補正後の2試料の進相軸方位角の平均値はいずれも10.0°であった。試料は10°ずつ回転させているから、この補正後の値は理想的と言える。また、それぞれの標準偏差は0.906°及び3.05°となり、補正前と比較してそれぞれ26.3%及び29.2%減少した。
以上により、次のように本発明の効果性が確認できた。機械的回転あるいは偏光面の電気的な旋回のいずれをも要さない新しい複屈折測定装置を利用して、位相差79.1nm及び10.0nmそれぞれの試料の位相差γ及び進相軸方位角φの測定をそれぞれ約110回行った。その結果、3光強度i,i,iから複屈折位相差γとその進相軸方位角φを求める本測定装置が妥当であることが確認できた。
また、測定結果のばらつきの特性を検討した結果、1/4波長板4の公差が原因として妥当であることが明らかとなった。そして、この公差分の複屈折を実験結果に補ったところ、最大57.6%、最小でも19.4%、標準偏差を低減できることが確かめられた。
他方、ビームスプリッタ6A,6Bが試料の複屈折に与える影響を対照実験で確かめたが、ビームスプリッタによる悪影響は本実施例装置による実験では検出されなかった。
この実験結果を、従来例である図12の複屈折測定装置による測定結果と比較すると次の通りである。Hobbs等による論文では、その408ページ右欄中程に誤差8.8%であると記されている。この従来例の測定結果に比して,本発明の誤差は、表2の79.1nm試料の結果に示すように、誤差3.3%((2.61/79.1)×100%で計算)と小さく有利である。Hobbs等の測定結果の誤差8.8%は、光弾性フリンジが多数現れるような強大な応力を付与して応力凍結した円盤の複屈折測定誤差である。これに対して、本発明の実施例の0.5フリンジ相当の試料(それが79.1nm試料である)の複屈折測定誤差は十分小さい。すなわち,位相差が小さく、したがってS/N比が悪い状況でもより良い結果が出ている。よって、本発明の有効性は明らかである。

Claims (5)

  1. 被測定体に存在する1/4波長未満の複屈折の大きさ及びその方位角を測定する複屈折測定装置であって、
    前記被測定体に向けて特定の偏光状態を有する光束を射出する光源と、
    前記光源と前記被測定体との間に設けられ、前記光源から射出された光束を円偏光させる1/4波長板と、
    前記被測定体を経た光束に対して、所定の3つの偏光方向の光束それぞれを抽出する光学系と、
    前記光学系の抽出した前記所定の3つの偏光方向の光束それぞれの光量を検出する光量検出手段と、
    前記光量検出手段により検出された前記被検光束の光量それぞれを所定の関数式に代入することで、前記被測定体の複屈折の大きさ及びその方位角を算出する複屈折量算出手段とを有する複屈折測定装置であって、
    (a)測定目的とする被測定体若しくは任意の被測定体をテスト被測定体とし、当該テスト被測定体を、少なくとも180°光源の光軸まわりに回転させつつ複屈折の大きさと方位角を測定して複屈折の大きさの変動傾向とテスト被測定体の方位角との関係を求め、この変動傾向の原因となっている複屈折の大きさγ'と方位角φ'を推定し、それを相殺する複屈折を補償複屈折r'とし、
    (b)前記テスト被測定体の測定結果に前記補償複屈折r'をベクトル合成して複屈折の大きさの変動傾向と方位角との関係を再び求め、この関係から前記テスト被測定体の複屈折の大きさの標準偏差を求め、
    (c)前記複屈折の大きさγ'及び方位角φ'を適宜に変えて、前記テスト被測定体の測定結果に当該変更後の複屈折の大きさγ'及び方位角φ'から求めた補償複屈折r'を再びベクトル合成して複屈折の大きさの変動傾向と方位角との関係を改めて求め、この関係から前記テスト被測定体の複屈折の大きさの標準偏差を求め、
    (d)前記(c)の処理を繰り返して前記テスト被測定体の複屈折の大きさの標準偏差が最小となる複屈折の大きさγ'及び方位角φ'を探索し、この探索の結果得られた複屈折を最終補償複屈折r"とし、
    (e)前記(d)の処理にて得られた最終補償複屈折r"をキャリブレーション値とし、
    (f)前記測定目的とする被測定体に対して前記複屈折の大きさγと方位角φを測定し、この測定結果から複屈折rを求め、
    (g)前記(f)の処理で得られた複屈折rに対して前記(d)の処理で得られた最終補償複屈折r"をベクトル合成して補償済み複屈折r real を求め、この補償済み複屈折r real のベクトル成分を、測定系の誤差を排除した被測定体の真の複屈折の大きさγ real と方位角φ real として得ることを特徴とする、複屈折測定装置。
  2. 前記光学系は、前記所定の3つの偏光方向それぞれのみを透過させる3種のアナライザを順次光路上に切り替えて設置することで前記所定の3つの偏光方向の光束それぞれを抽出するものであることを特徴とする請求項1に記載の複屈折測定装置。
  3. 前記光学系は、前記被測定体を経た光束をその偏光状態を保存した状態で3つの被検光束に分割する光束分割手段と、前記3つの被検光束それぞれに対して所定の偏光方向の光束を同時に抽出する3つのアナライザとを有するものであることを特徴とする請求項1に記載の複屈折測定装置。
  4. 被測定体に存在する1/4波長未満の複屈折の大きさ及びその方位角を測定する複屈折測定方法であって、
    前記被測定体に向けて特定の偏光状態を有する光束を射出し、
    前記光源と前記被測定体との間に設けられ、前記光源から射出された光束を円偏光させ、
    前記被測定体を経た光束を光学系に通して、所定の3つの偏光方向の光束それぞれを抽出し、
    前記光学系の抽出した前記所定の3つの偏光方向の光束それぞれの光量を検出し、
    検出した前記所定の3つの偏光方向の光束それぞれの光量を所定の関数式に代入することで、前記被測定体の複屈折の大きさ及びその方位角を算出する複屈折測定方法であって、
    (a)測定目的とする被測定体若しくは任意の被測定体をテスト被測定体とし、当該テスト被測定体を、少なくとも180°光源の光軸まわりに回転させつつ複屈折の大きさと方位角を測定して複屈折の大きさの変動傾向とテスト被測定体の方位角との関係を求め、この変動傾向の原因となっている複屈折の大きさγ'と方位角φ'を推定し、それを相殺する複屈折を補償複屈折r'とし、
    (b)前記テスト被測定体の測定結果に前記補償複屈折r'をベクトル合成して複屈折の大きさの変動傾向と方位角との関係を再び求め、この関係から前記テスト被測定体の複屈折の大きさの標準偏差を求め、
    (c)前記複屈折の大きさγ'及び方位角φ'を適宜に変えて、前記テスト被測定体の測定結果に当該変更後の複屈折の大きさγ'及び方位角φ'から求めた補償複屈折r'を再びベクトル合成して複屈折の大きさの変動傾向と方位角との関係を改めて求め、この関係から前記テスト被測定体の複屈折の大きさの標準偏差を求め、
    (d)前記(c)の処理を繰り返して前記テスト被測定体の複屈折の大きさの標準偏差が最小となる複屈折の大きさγ'及び方位角φ'を探索し、この探索の結果得られた複屈折を最終補償複屈折r"とし、
    (e)前記(d)の処理にて得られた最終補償複屈折r"をキャリブレーション値とし、
    (f)前記測定目的とする被測定体に対して前記複屈折の大きさγと方位角φを測定し、この測定結果から複屈折rを求め、
    (g)前記(f)の処理で得られた複屈折rに対して前記(d)の処理で得られた最終補償複屈折r"をベクトル合成して補償済み複屈折r real を求め、この補償済み複屈折r real のベクトル成分を、測定系の誤差を排除した被測定体の真の複屈折の大きさγ real と方位角φ real として得ることを特徴とする、複屈折測定方法。
  5. 前記所定の3つの偏光方向として、45°,0°,90°それぞれの軸を設定し、
    それぞれの軸方向に対する光量としてi1,i2,i3を得たときに、
    Figure 0004936477
    若しくは、
    Figure 0004936477
    にて、被測定体の複屈折の大きさγと方位角φを決定することを特徴とする請求項4に記載の複屈折測定方法。
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