JP2003035526A - 透過型ゾーンプレート、反射型ゾーンプレート、形状測定方法、干渉測定装置、及び投影光学系の製造方法 - Google Patents

透過型ゾーンプレート、反射型ゾーンプレート、形状測定方法、干渉測定装置、及び投影光学系の製造方法

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JP2003035526A
JP2003035526A JP2001343514A JP2001343514A JP2003035526A JP 2003035526 A JP2003035526 A JP 2003035526A JP 2001343514 A JP2001343514 A JP 2001343514A JP 2001343514 A JP2001343514 A JP 2001343514A JP 2003035526 A JP2003035526 A JP 2003035526A
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fizeau
calibration
zone plate
measurement
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Shigeru Nakayama
繁 中山
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 未知の測定誤差を増やすことなく校正用の干
渉測定を行う。 【解決手段】 干渉計と、被検面測定用のフィゾーレン
ズとを使用した干渉測定に、被検面に対するヌル波面で
ある第1波面、及びフィゾー面に対するヌル波面である
第2波面を、等量反対符号の次数の一対の透過回折光に
より形成する透過型ゾーンプレートを使用する。このゾ
ーンプレートは、2つのヌル波面(被検面のヌル波面、
及びフィゾー面のヌル波面)を形成することが可能であ
るので、未知の測定誤差を増やすことなく校正用の干渉
測定を行うことを可能とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、レンズ、ミラーな
どの光学素子の被検面の形状を、フィゾーレンズを用い
て測定する干渉測定に関し、特に、その干渉測定に適用
される透過型ゾーンプレート、反射型ゾーンプレート、
形状測定方法、干渉測定装置、及び投影光学系の製造方
法に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、光学機器(投影光学系など)の高
精度化の要求に伴い、その光学機器の製造時には、機器
を構成する光学素子(レンズやミラーなど)の表面の測
定を、より高精度に行うことが要求されるようになっ
た。表面の測定には、被検面からの光束を所定波面の光
束と干渉させ、その干渉縞を観察する干渉計が利用され
る。この干渉計によると、被検面の所定波面を基準とし
た形状を光の波長以下の単位で測定することができる。
【0003】特に、参照光路と測定光路とを重複させた
フィゾー型の干渉計は、その光路配置上、測定誤差が少
なく抑えられることから、高精度な干渉計として知られ
ている。フィゾー型干渉計においては、被検面の設計形
状が平面であるときには平面のフィゾー面(平面フィゾ
ー)を有したフィゾー部材が使用され、被検面の設計形
状が球面や軸対称非球面(本明細書では単に「非球面」
という。)であるときには球面のフィゾー面(球面フィ
ゾー)を有したフィゾーレンズが使用される。
【0004】しかし、被検面の設計形状が非球面(以
下、この被検面を「被検非球面」という。)であり、そ
の被検非球面の近似球面からの乖離(非球面量)が大き
いときには、球面フィゾーを使用しても、有効な干渉縞
が得られないことがある。そこで従来、このような被検
非球面の測定を可能とするために、フィゾー面を、その
被検非球面に応じた非球面状にすることが提案された
(以下、「非球面フィゾー」という。)。
【0005】ところで、フィゾー型干渉計による測定結
果は、フィゾー面の形状を基準としたものとして得られ
るので、仮に、被検面の単体での絶対的な形状を正確に
求めようとした場合には、フィゾー面の単体での形状が
既知となっている必要がある。例えば、平面フィゾー、
球面フィゾーであれば、各種ある公知の平面測定方法、
球面測定方法によってそれぞれその正確な形状を既知と
することができる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかし、非球面フィゾ
ーについては、現在のところその正確な形状を測定する
公知の方法はない。このため、非球面フィゾーを使用し
て被検非球面の干渉測定を行ったとしても、測定結果か
ら、被検非球面の単体の形状情報と、非球面フィゾーの
単体の形状情報とを分離することができない。したがっ
て、非球面フィゾーが極めて高精度に作製されていない
限り、被検非球面の単体の形状情報を正確に得ることは
できなかった。
【0007】そこで、本発明の目的は、未知の測定誤差
を増やすことなく校正用の干渉測定を行うことを可能と
する透過型ゾーンプレート及び反射型ゾーンプレート、
並びに、被検面の単体の形状情報とフィゾー面の単体の
形状情報とを分離することのできる形状測定方法、並び
に、その形状測定方法を効率良く実施することのできる
干渉測定装置、並びに、高精度に投影光学系を製造する
ことのできる投影光学系の製造方法を提供することにあ
る。
【0008】
【課題を解決するための手段】請求項1に記載の透過型
ゾーンプレートは、干渉計と、被検面測定用のフィゾー
レンズとを使用した干渉測定に適用される透過型ゾーン
プレートであって、被検面に対するヌル波面である第1
波面、及びフィゾー面に対するヌル波面である第2波面
を、等量反対符号の次数の一対の透過回折光により形成
することを特徴とする。
【0009】したがって、2つのヌル波面(被検面のヌ
ル波面、及びフィゾー面のヌル波面)を形成することが
可能となる。請求項2に記載の透過型ゾーンプレート
は、請求項1に記載の透過型ゾーンプレートにおいて、
前記一対の透過回折光の次数の大きさは、1であること
を特徴とする。
【0010】請求項3に記載の反射型ゾーンプレート
は、干渉計と、被検面測定用のフィゾーレンズとを使用
した干渉測定に適用される反射型ゾーンプレートであっ
て、被検面に対するヌル波面と等価な波面を有する入射
光に応じて、前記被検面における反射波面と等価な第1
波面を、所定次数の反射回折光により形成すると共に、
フィゾー面に対するヌル波面と等価な波面を有する入射
光に応じて、前記フィゾー面における反射波面と等価な
第2波面を、前記反射回折光と同一次数の反射回折光に
より形成することを特徴とする。
【0011】したがって、被検面とフィゾー面と等価な
反射作用を得ることが可能となる。請求項4に記載の反
射型ゾーンプレートは、請求項3に記載の反射型ゾーン
プレートにおいて、前記次数の大きさは、1であること
を特徴とする。請求項5に記載の形状測定方法は、干渉
計と、被検面測定用のフィゾーレンズとを使用した干渉
測定により、そのフィゾーレンズの最終面であるフィゾ
ー面を基準とした前記被検面の形状情報を取得し、請求
項1又は請求項2に記載の透過型ゾーンプレートを用意
し、前記第2波面を基準とした前記フィゾー面の形状情
報を、前記透過型ゾーンプレートをヌル素子として用い
た校正用の干渉測定により取得し、前記第1波面を基準
とした前記被検面の形状情報を、前記透過型ゾーンプレ
ートをヌル素子として用いた校正用の干渉測定により取
得し、前記取得した各形状情報に基づく演算処理を行う
ことによって、前記被検面の単体の形状情報と、前記フ
ィゾー面の単体の形状情報とを分離することを特徴とす
る。
【0012】すなわち、2つのヌル波面(被検面のヌル
波面、及びフィゾー面のヌル波面)を形成する透過型ゾ
ーンプレートを使用することで、このように、3回の測
定だけで、被検面の単体の形状情報とフィゾー面の単体
の形状情報とを分離することが可能となった。
【0013】請求項6に記載の形状測定方法は、干渉計
と、被検面測定用のフィゾーレンズとを使用した干渉測
定により、そのフィゾーレンズの最終面であるフィゾー
面を基準とした前記被検面の形状情報を取得し、請求項
3又は請求項4に記載の反射型ゾーンプレートを用意
し、前記フィゾー面に対するヌル波面を形成する校正用
ヌル素子を用意し、前記フィゾー面を基準とした前記第
1波面の形状情報を、前記反射型ゾーンプレートを被検
面とし、かつ前記被検面測定用のフィゾーレンズを用い
た校正用の干渉測定により取得し、前記校正用ヌル素子
による前記ヌル波面を基準とした前記フィゾー面の形状
情報を、前記校正用ヌル素子を用いた校正用の干渉測定
により取得し、前記校正用ヌル素子による前記ヌル波面
を基準とした前記第2波面の形状情報を、前記反射型ゾ
ーンプレートを被検面とし、かつ前記校正用ヌル素子を
用いた校正用の干渉測定により取得し、前記取得した各
形状情報に基づく演算処理を行うことによって、前記被
検面の単体の形状情報と、前記フィゾー面の単体の形状
情報とを分離することを特徴とする。
【0014】すなわち、2つの反射波面(被検面、及び
フィゾー面の反射波面と等価)を形成する反射型ゾーン
プレートを使用することで、このように、4回の測定だ
けで、被検面の単体の形状情報とフィゾー面の単体の形
状情報とを分離することが可能となった。請求項7に記
載の形状測定方法は、請求項6に記載の形状測定方法に
おいて、前記校正用ヌル素子の代わりに、前記フィゾー
面測定用の校正用フィゾーレンズを用いたことを特徴と
する。
【0015】請求項8に記載の形状測定方法は、干渉計
と、被検面測定用のフィゾーレンズとを使用した干渉測
定により、そのフィゾーレンズの最終面であるフィゾー
面を基準とした前記被検面の形状情報を取得し、請求項
3又は請求項4に記載の反射型ゾーンプレートを用意
し、前記被検面の裏面側からその被検面にほぼ垂直に同
位相で入射する波面を形成するワークフィゾー光学系を
用意し、前記フィゾー面を基準とした前記第1波面の形
状情報を、前記反射型ゾーンプレートを被検面とし、か
つ前記被検面測定用のフィゾーレンズを用いた校正用の
干渉測定により取得し、前記被検面を基準とした前記第
2波面の形状情報を、前記反射型ゾーンプレートを被検
面とし、かつ前記被検面及び前記ワークフィゾー光学系
を用いた校正用の干渉測定により取得し、前記取得した
各形状情報に基づく演算処理を行うことによって、前記
被検面の単体の形状情報と、前記フィゾー面の単体の形
状情報とを分離することを特徴とする。
【0016】請求項9に記載の干渉測定装置は、干渉計
と、被検面測定用のフィゾーレンズと、請求項1又は請
求項2に記載の透過型ゾーンプレートと、前記被検面
を、前記干渉計から出射される測定光束に対し、挿脱可
能に支持する支持手段と、前記フィゾーレンズを前記測
定光束に対し挿脱可能に支持する支持手段と、前記測定
光束の照射方向を反転させる切り替え手段と、前記透過
型ゾーンプレートを前記測定光束に対し挿脱可能に支持
すると共に、その透過型ゾーンプレートの配置方向を反
転させる支持手段とを備えたことを特徴とする。
【0017】この干渉測定装置によれば、請求項5に記
載の形状測定方法を実施することが可能である。しか
も、この際に、比較的重量の多いフィゾーレンズ(又は
フィゾー面)の配置方向を反転させる必要がないので、
安定した測定が可能である。請求項10に記載の干渉測
定装置は、干渉計と、被検面測定用のフィゾーレンズ
と、請求項1又は請求項2に記載の透過型ゾーンプレー
トと、被検面を、前記干渉計から出射される測定光束に
対し、挿脱可能に支持する支持手段と、前記透過型ゾー
ンプレートを前記測定光束に対し挿脱可能に支持する支
持手段と、前記フィゾーレンズを前記測定光束に対し挿
脱可能に支持すると共に、そのフィゾーレンズ又はその
フィゾーレンズの最終面であるフィゾー面の配置方向を
反転させる支持手段とを備えたことを特徴とする。
【0018】この干渉測定装置によれば、測定光の照射
方向を反転させることなく、請求項5に記載の形状測定
方法を実施することが可能である。請求項11に記載の
干渉測定装置は、干渉計と、被検面測定用のフィゾーレ
ンズと、請求項3又は請求項4に記載の反射型ゾーンプ
レートと、前記フィゾーレンズの最終面であるフィゾー
面に対するヌル波面を形成する校正用ヌル素子、及びそ
の校正用ヌル素子の入射側に配置された平面の参照面か
らなる校正用ユニットと、被検面を、前記干渉計から出
射される測定光束に対し、挿脱可能に支持する支持手段
と、前記反射型ゾーンプレートを前記測定光束に対し挿
脱可能に支持する支持手段と、前記フィゾーレンズを前
記測定光束に対し挿脱可能に支持する支持手段と、前記
測定光束の照射方向を反転させる切り替え手段と、前記
校正用ユニットを前記測定光束に対し挿脱可能に支持す
ると共に、その校正用ユニットの配置方向を反転させる
支持手段とを備えたことを特徴とする。
【0019】この干渉測定装置によれば、請求項6に記
載の干渉測定方法を実施することが可能である。しか
も、この際に、比較的重量の多いフィゾーレンズ(又は
フィゾー面)の配置方向を反転させる必要がないので、
安定した測定が可能である。請求項12に記載の干渉測
定装置は、干渉計と、被検面測定用のフィゾーレンズ
と、請求項3又は請求項4に記載の反射型ゾーンプレー
トと、前記フィゾーレンズの最終面であるフィゾー面を
測定するための校正用フィゾーレンズと、被検面を、前
記干渉計から出射される測定光束に対し、挿脱可能に支
持する支持手段と、前記反射型ゾーンプレートを前記測
定光束に対し挿脱可能に支持する支持手段と、前記フィ
ゾーレンズを前記測定光束に対し挿脱可能に支持する支
持手段と、前記測定光束の照射方向を反転させる切り替
え手段と、前記校正用フィゾーレンズを前記測定光束に
対し挿脱可能に支持すると共に、その校正用フィゾーレ
ンズの配置方向を反転させる支持手段とを備えたことを
特徴とする。
【0020】この干渉測定装置によれば、請求項6に記
載の形状測定方法を実施することが可能である。請求項
13に記載の干渉測定装置は、干渉計と、被検面測定用
のフィゾーレンズと、請求項3又は請求項4に記載の反
射型ゾーンプレートと、前記フィゾーレンズの最終面で
あるフィゾー面に対するヌル波面を形成する校正用ヌル
素子、及びその校正用ヌル素子の入射側に配置された平
面の参照面からなる校正用ユニットと、被検面を、前記
干渉計から出射される測定光束に対し、挿脱可能に支持
する支持手段と、前記反射型ゾーンプレートを前記測定
光束に対し挿脱可能に支持する支持手段と、前記校正用
ユニットを前記測定光束に対し挿脱可能に支持する支持
手段と、前記フィゾーレンズを前記測定光束に対し挿脱
可能に支持すると共に、そのフィゾーレンズ又は前記フ
ィゾー面の配置方向を反転させる支持手段とを備えたこ
とを特徴とする。
【0021】請求項14に記載の干渉測定装置は、干渉
計と、被検面測定用のフィゾーレンズと、請求項3又は
請求項4に記載の反射型ゾーンプレートと、前記フィゾ
ーレンズの最終面であるフィゾー面を測定するための校
正用フィゾーレンズと、被検面を、前記干渉計から出射
される測定光束に対し、挿脱可能に支持する支持手段
と、前記反射型ゾーンプレートを前記測定光束に対し挿
脱可能に支持する支持手段と、前記校正用フィゾーレン
ズを前記測定光束に対し挿脱可能に支持する支持手段
と、前記フィゾーレンズを前記測定光束に対し挿脱可能
に支持すると共に、そのフィゾーレンズ又は前記フィゾ
ー面の配置方向を反転させる支持手段とを備えたことを
特徴とする。
【0022】請求項15に記載の投影光学系の製造方法
は、投影光学系の何れかの被検面の単体の形状を、請求
項5〜請求項8の何れか1項に記載の形状測定方法によ
り測定し、前記測定された前記被検面の単体の形状に応
じて、前記投影光学系の一部又は全部の加工調整を行う
ことを特徴とする。この結果、高精度な投影光学系が実
現する。
【0023】請求項16に記載の形状測定方法は、前記
被検面が非球面であることを特徴とする請求項5〜請求
項8の何れか1項に記載の形状測定方法である。請求項
17に記載の干渉測定装置は、前記被検面が非球面であ
ることを特徴とする請求項9〜請求項14の何れか1項
に記載の干渉測定装置である。
【0024】請求項18に記載の投影光学系の製造方法
は、前記被検面が非球面であることを特徴とする請求項
15記載の投影光学系の製造方法である。
【0025】
【発明の実施の形態】<第1実施形態>図1、図2を参
照して本発明の第1実施形態について説明する。
【0026】ここで、干渉計において被検面の形状を示
す有効な干渉縞を得るためには、被検面に略垂直に略同
位相で入射する波面をその被検面に入射させる必要があ
る(この波面は、通常、被検面の設計形状に対し垂直に
同位相で入射するよう設計された波面である。本明細書
では、或る面Aに対し略垂直かつ略同位相で入射し、有
効な干渉縞を得ることを可能とする波面を「Aに対する
ヌル波面」といい、ヌル波面を生成する素子を「ヌル素
子」という。)。
【0027】図1は、本実施形態の干渉測定システム1
の構成図である。本実施形態の干渉測定システム1は、
被検非球面11aの形状情報を非球面フィゾー12aを
基準として取得するものである。干渉測定システム1に
は、被検物11(被検非球面11aを有した光学素子)
を支持する支持部材13と、フィゾー型の干渉計14
と、被検非球面11aの設計形状に応じた構成のフィゾ
ーレンズ12とが備えられ、これらは、干渉計14から
射出した測定光がフィゾーレンズ12を介して被検非球
面11aに入射し、かつ、被検非球面11aにおける反
射光がフィゾーレンズ12を介して再び干渉計14に戻
るような位置関係で、配置される。
【0028】干渉計14には、測定光を出射する照明光
学系61、干渉光(後述)が成す干渉縞を検出する観察
光学系62、照明光学系61から射出した測定光をフィ
ゾーレンズ12に導くと共に、フィゾーレンズ12の最
終面(後述するように、これは非球面フィゾー面であ
る。)12aにて反射して生起した参照光と、非球面フ
ィゾー12aを透過後に被検非球面11aにて反射して
再びフィゾーレンズ12に入射した被検光とにより生起
する干渉光を、観察光学系62へと導くビームスプリッ
タ(偏光ビームスプリッタ)64、波長板(1/4波長
板)65などが備えられる。
【0029】照明光学系61には、例えば、光源(レー
ザ光源)61c、及び光源61cから出射された光束を
平行光束に変換するビームエキスパンダ61dなどが配
置される。因みに、照明光学系61から出射される測定
光については、その偏光方向が、ビームスプリッタ64
において反射されフィゾーレンズ12の方向へ導かれる
よう、選択されている。また、フィゾーレンズ12へ入
射して再びそのフィゾーレンズ12からビームスプリッ
タ64へと戻る光は、波長板65を二度通過することで
その偏光方向が90°回転しており、ビームスプリッタ
64を透過して観察光学系62の方向へ導かれる。
【0030】観察光学系62には、例えば、ビームスプ
リッタ64を射出した干渉光の光束の径を変換するビー
ム径変換光学系62d、その干渉光による干渉縞を撮像
する2次元画像検出器62cなどが配置される。この2
次元画像検出器62cの出力は、不図示のコンピュータ
に接続される。コンピュータは、干渉縞を解析(干渉縞
の位相分布を算出)する他、干渉測定システム1の各駆
動部を駆動するために配置される。
【0031】なお、ビーム径変換光学系62dは、被検
非球面11aの像を二次元画像検出器62cに結像する
役割も兼ねており、被検非球面11a上の各点がその二
次元画像検出器62c上の各点に正確に対応するよう、
ディストーションを抑えた設計にされている。ここで、
本実施形態のフィゾーレンズ12は、最終面が非球面フ
ィゾー12aとなっている。このフィゾーレンズ12
は、その非球面フィゾー12aの位置を基準とした遠隔
距離Lの位置にある被検非球面11aからの反射光によ
る干渉縞が縞一色となるよう設計される。なお、フィゾ
ーレンズ12において、非球面フィゾー12a以外の各
面は、干渉計14から入射された測定光束を、非球面フ
ィゾー12aに対し垂直かつ同位相で入射する光束に変
換する。
【0032】さらに、本実施形態の干渉測定システム1
には、図1中円枠内に示すように、後述する形状測定手
順を実現するために、透過型ゾーンプレート10が用意
されている。透過型ゾーンプレート10は、被検非球面
11aの設計形状に応じて作製されており、その回折面
10aに平行光束が入射したときに生起する透過1次回
折光と透過−1次回折光とが、被検非球面11aに対す
るヌル波面WU、非球面フィゾー12aに対するヌル波
面WVをそれぞれ形成する(なお、ここでは、光軸に近
い側に回折する透過回折光の次数の符号を「正」に採
り、光軸に遠い側に回折する透過回折光の次数の符号を
「負」に採る。)。
【0033】本実施形態では、被検非球面が凸面である
場合を示しているが、凹面の場合は、−1次回折光がヌ
ル波面WU、+1次回折光がヌル波面WVを形成するよ
うにする。なお、回折面10aからヌル波面WUの形成
位置までの距離L1と、その回折面10aからヌル波面
WVの形成位置までの距離L2との和は、距離Lに等し
い(図2参照)。
【0034】このような透過型ゾーンプレート10の回
折パターンは、例えば、回折面10aを基準としてLよ
りも短い遠隔距離L1の位置に、透過1次回折光がヌル
波面WUを形成するよう設計すればよい。このときに
は、透過−1次回折光は、回折面10aを基準とした遠
隔距離(L−L1)の位置に、ヌル波面WVを形成す
る。或いは、透過型ゾーンプレート10の回折パターン
は、回折面10aを基準としてLよりも短い遠隔距離L
2の位置に、透過−1次回折光がヌル波面WVを形成す
るよう設計するだけでよい。このときには、透過+1次
回折光は、回折面10aを基準とした遠隔距離(L−L
2)の位置に、ヌル波面WUを形成する。
【0035】なお、以上説明した干渉測定システム1に
は、位相シフト干渉法が適用されていることが好まし
い。すなわち、フィゾーレンズ12は不図示のピエゾ素
子などで光軸方向に微小に移動可能になっており、不図
示のコンピュータは、フィゾーレンズ12が移動してい
る期間に二次元画像検出器62cから取得された干渉縞
に対し、位相シフト干渉法に基づく所定の演算処理を施
すことにより、干渉縞の位相分布を高精度に算出する。
【0036】図2は、本実施形態の形状測定手順を説明
する図である。本実施形態の形状測定手順では、通常の
干渉測定(図2(a))の他に、2種類の校正用干渉測
定(図2(b)(c))が行われる。図2(a)に示す
通常の干渉測定は、非球面フィゾー12aを基準とした
被検非球面11aの形状情報(干渉縞の位相分布デー
タ)W1を、干渉測定システム1により取得するもので
ある。
【0037】すなわち、干渉測定システム1において、
被検非球面11aを、非球面フィゾー12aを基準とし
た遠隔距離Lの位置に配置し、その状態で干渉計14を
駆動して干渉縞を検出し、その干渉縞を解析(不図示の
コンピュータによる)することにより干渉縞の位相分布
データW1を求める。図2(b)に示す第1の校正用干
渉測定は、透過型ゾーンプレート10によるヌル波面W
Uを基準とした、被検非球面11aの形状情報(干渉縞
の位相分布データ)W2を、透過型ゾーンプレート10
をヌル素子として利用した干渉測定により取得するもの
である。
【0038】すなわち、図1に示したフィゾー型の干渉
計14、又は他のフィゾー型の干渉計を用意し、その干
渉計の測定光束に透過型ゾーンプレート10を挿入し、
その透過型ゾーンプレート10の回折面10aを基準と
した遠隔距離L1の位置に被検非球面11aを配置し、
その状態で干渉計を駆動して干渉縞を検出し、その干渉
縞を解析することによりその干渉縞の位相分布データW
2を求める。
【0039】なお、この第1の校正用干渉測定において
は、フィゾー型干渉計を用い、かつ透過型ゾーンプレー
ト10を、ヌル素子としてだけでなく参照光生成素子と
しても利用することが好ましい。すなわち、透過型ゾー
ンプレート10における反射0次回折光を参照光として
用いることが好ましい。図2(c)に示す第2の校正用
干渉測定は、透過型ゾーンプレート10によるヌル波面
WVを基準とした、非球面フィゾー12aの形状情報
(干渉縞の位相分布データ)W3を、透過型ゾーンプレ
ート10をヌル素子として利用した校正用干渉測定によ
り取得するものである。
【0040】すなわち、図1に示したフィゾー型の干渉
計14、又は他のフィゾー型の干渉計を用意し、その干
渉計の測定光束に透過型ゾーンプレート10を挿入し、
その透過型ゾーンプレート10の回折面10aを基準と
した遠隔距離L2の位置に非球面フィゾー12aを配置
し、その状態で干渉計を駆動して干渉縞を検出し、その
干渉縞を解析することによりその干渉縞の位相分布デー
タW3を求める。
【0041】なお、この第2の校正用干渉測定において
は、フィゾー型干渉計を用い、かつ透過型ゾーンプレー
ト10を、ヌル素子としてだけでなく参照光生成素子と
しても利用することが好ましい。すなわち、透過型ゾー
ンプレート10における反射0次回折光を参照光として
用いることが好ましい。なお、以下では、第1の校正用
干渉測定と第2の校正用干渉測定との双方において、透
過型ゾーンプレート10がフィゾー部材として利用され
た場合について説明する。
【0042】なお、本測定法は、形状誤差の回転対称成
分を測定する手法であり、位相分布データ、形状誤差な
どは、回転対称成分を抽出したものである。ここで、上
記取得された位相分布データW1には、被検非球面11
aの形状誤差U、非球面フィゾー12aの形状誤差Vが
重畳されている。また、位相分布データW2には、被検
非球面11aの形状誤差U、透過型ゾーンプレート10
による波面誤差EUが重畳されている。
【0043】また、位相分布データW3には、非球面フ
ィゾー12aの形状誤差V、透過型ゾーンプレート10
による波面誤差EVが重畳されている。なお、ここでい
う「形状誤差」は、各素子の設計形状からの乖離に相当
する位相分布データである。また、「波面誤差」は、各
素子から形成される波面の、設計波面形状からの乖離に
相当する位相分布データである。
【0044】各形状誤差の符号を、各面の設計形状から
空気側へ出っ張るときを正に採ると、各位相分布データ
W1、W2、W3は、次式(1)のとおり表される。 W1=U+V, W2=U+EU, W3=V+EV ・・・・(1) 波面誤差EU、EVは、透過型ゾーンプレート10上のパ
ターン面の面形状誤差による誤差成分、回折パターンの
深さ(高さ)の面内ばらつき誤差による誤差成分、回折
パターンの座標誤差による誤差成分などからなる。
【0045】そして、位相分布データW2に重畳される
波面誤差EUと、位相分布データW3に重畳される波面
誤差EVとの間では、それら位相分布データW2と位相
分布データW3とが互いに次数が正負反対次数の回折光
によるヌル波面WU、WVに基づいて得られるために、
座標誤差による誤差成分WEは、互いに等量反対符号で
重畳され、その座標誤差以外の誤差(面形状誤差、面内
ばらつき誤差)による誤差成分WCは、等しく重畳され
る。
【0046】すなわち、波面誤差EU、EVは、次式
(2)のとおり表される。 EU=WE+WC, EV=−WE+WC ・・・(2) したがって、上式(1)は、次式(3)のとおり表され
る。
【0047】W1=U+V, W2=U+WE+WC, W3=V−WE+WC ・・・・(3) この式(3)に基づくと、被検非球面11aの形状誤差
U、非球面フィゾー12aの形状誤差Vの値は、式
(5)、(6)により表される。
【0048】 U=(W1+W2−W3)/2−WE ・・・(5) V=(W1−W2+W3)/2+WE ・・・(6) さて、本実施形態では、上記形状測定手順において取得
された各位相分布データW1、W2、W3は、実測値で
ある。また、座標誤差による誤差成分WEの値は、透過
型ゾーンプレート10から直接、(座標測定機などによ
り)十分な精度で測定することができる。
【0049】すなわち、座標誤差Δxと位相分布ずれE
との関係は、ピッチPのパターン位置がΔXだけずれて
いるとき、次式(7)で表される。 E=Δx/P(単位:干渉計波長λ)・・・(7) よって、回折パターンの座標誤差Δxを座標測定機を用
いて測定し、式(7)を用いてそれを位相分布ずれEに
変換すれば、座標誤差による誤差成分WEの値が取得で
きる。
【0050】本実施形態では、以上のようにして取得さ
れた、W1、W2、W3、及びWEの値を、式(5)、
(6)に代入することにより、被検非球面11aの形状
誤差U、非球面フィゾー12aの形状誤差Vを、それぞ
れ求める。なお、これらの形状誤差U、Vは、位相分布
の次元で求まるので、最終的には、形状誤差を表す次元
に変換される。
【0051】以上、本実施形態では、被検非球面11a
の単体の形状情報と非球面フィゾー12aの単体の形状
情報とを、それぞれ抽出することができた。すなわち、
被検非球面11aの単体の形状情報と非球面フィゾー1
2aの単体の形状情報とが、分離された。
【0052】この際、本実施形態では、校正用の2つの
ヌル波面WU、WVが、同一の透過型ゾーンプレート1
0による透過±1次回折光により生成されている。この
とき、第1の校正用干渉測定において生起する測定誤差
(EU)と、第2の校正用干渉測定において生起する測
定誤差(EV)との間に、所定の関係(式(2))が成
立する。
【0053】すなわち、校正用の2つのヌル波面WU、
WVは、未知の測定誤差を増やすことなく、形成され
る。この結果、上記したような3回の測定だけで、被検
非球面11aの単体の形状情報と非球面フィゾー12a
の単体の形状情報とを分離することが可能となってい
る。
【0054】位相分布データW1、W2、W3及び誤差
成分WEは、各データ毎に被検面における横座標(面内
の座標)との対応関係を算出し、その対応関係に基づい
て、ある基準に対して座標変換したデータである。即
ち、本実施形態においては、干渉計の検出器上の座標
と、被検面上の座標及びゾーンプレート上の座標との対
応関係を、予め光線追跡で算出しておき、その対応関係
に基づいて、位相分布データW1、W2、W3及び誤差
成分WEを被検面座標で表すように座標変換を施してい
る(本実施形態では、被検面の横座標を基準座標として
いる。)。
【0055】なお、本実施形態では、第1の校正用干渉
測定(図2(b))と、第2の校正用干渉測定(図2
(c))とにおいて、共通の参照光生成素子を使用する
のであれば、透過型ゾーンプレート10を参照光生成素
子として使用しなくとも、ほぼ同様の効果が得られる。
また、本実施形態では、第1の校正用干渉測定(図2
(b))と、第2の校正用干渉測定(図2(c))とに
おいて、互いに異なる参照光生成素子を使用しても、そ
れら参照光生成素子の間の形状誤差の差異が既知であれ
ば、同様の効果が得られる。但し、この場合、式(1)
はこの差異を考慮したものとなる。
【0056】また、本実施形態において、第1の校正用
干渉測定(図2(b))と第2の校正用干渉測定(図2
(c))とにおいて、透過型ゾーンプレート10を参照
光生成素子として使用しない場合には、トワイマン・グ
リーン型の干渉計を使用してもよい。 <第2実施形態>図3、図4を参照して本発明の第2実
施形態について説明する。なお、ここでは、第1実施形
態との相違点についてのみ説明する。
【0057】図3は、本実施形態の干渉測定システム2
の構成図である。図3において、図1に示した要素と同
一のものには、同一の符号を付して示した。干渉測定シ
ステム2は、第1実施形態の干渉測定システム1と同
様、被検非球面11aの形状情報を、非球面フィゾー1
2aを基準として取得するものである。干渉測定システ
ム2は、第1実施形態と同様の干渉計14とフィゾーレ
ンズ12と被検物11とを配置した干渉測定装置24、
及びコンピュータ29とからなる。
【0058】コンピュータ29は、干渉測定装置24の
各駆動部を駆動制御する制御ボード(制御回路29c)
が搭載された汎用のコンピュータなどであり、少なくと
も、CPU29a、メモリ29bを有する。但し、本実
施形態の干渉測定システム2における干渉測定装置24
は、第1実施形態において説明した形状測定手順を単一
の干渉計14により行うために構成されたものである。
【0059】すなわち、干渉測定装置24において、透
過型ゾーンプレート10、被検物11、フィゾーレンズ
12は、光学配置機構27によってそれぞれ測定位置
(測定光路)に対する挿脱が可能であり、かつ配置関係
の切り替えが可能になっている。また、干渉計14から
出射される測定光の前記測定位置(測定光路)への入射
方向は、ハーフミラー25a、全反射ミラー25b、2
5c、25d、シャッタ26a、26b、及び光路切り
替え機構28によって、反転が可能となっている。
【0060】干渉測定装置24において、干渉計14か
ら射出した測定光は、ハーフミラー25aにより、第1
の光路R1と第2の光路R2とに分岐される。第1の光
路R1と第2の光路R2とには、それぞれシャッタ26
a、26bが挿脱可能な状態で設けられる。第1の光路
R1に入射した測定光は、ミラー25bにおいて光路を
90°偏向させ、第2の光路R2に入射した測定光は、
ミラー25c、25dにおいて光路を90°ずつ偏向さ
せる。
【0061】第1の光路R1、すなわちミラー25bを
経由した測定光と、第2の光路R2、すなわちミラー2
5c、25dを経由した測定光とは、同一の測定位置
(測定光路)に、互いに反対側から入射する。なお、第
1の光路R1と第2の光路R2とにそれぞれ挿入された
2つのシャッタ26a、26bは、光路切り替え機構2
8を介してコンピュータ29内の制御回路29cに接続
されており、コンピュータ29内のCPU29aによっ
て何れか一方が閉状態、他方が開状態に設定される。す
なわち、測定位置(測定光路)には、第1の光路R1、
第2の光路R2の何れか一方を経由した測定光のみが到
達する。なお、図3では、シャッタ26aが開状態、シ
ャッタ26bが閉状態に設定され、第1の光路R1が有
効である状態を示した。
【0062】一方、光学配置機構27は、各光学素子
(透過型ゾーンプレート10、被検物11、フィゾーレ
ンズ12)のそれぞれを個別に支持する支持部材と、各
支持部材を個別に駆動するモータとを有する。各モータ
は、コンピュータ29内の制御回路29cに接続され、
コンピュータ29内のCPU29aからの指示に従っ
て、支持部材を移動させ、各光学素子を個別に測定位置
(測定光路)に対し挿脱する。
【0063】また、光学配置機構27は、測定位置(測
定光路)に挿入された各光学素子間の距離を調整するこ
とができる。また、光学配置機構27は、透過型ゾーン
プレート10、その配置方向を反転させることもでき
る。図4は、本実施形態の形状測定手順を説明する図で
ある。なお、本実施形態の形状測定手順の実行は、コン
ピュータ29内のCPU29aによる。
【0064】通常の干渉測定(図4(a))を行うに当
たっては、CPU29aは、シャッタ26aを開状態、
シャッタ26bを閉状態に設定することにより、第1の
光路R1を有効にする。また、CPU29aは、測定位
置(測定光路)に対し、測定光の入射する側から順に、
フィゾーレンズ12、被検物11を、非球面フィゾー1
2aと被検非球面11aとが互いに対向する配置方向
で、挿入する。
【0065】このとき、被検非球面11aと非球面フィ
ゾー12aとの間隔は、Lに保たれる。この状態でCP
U29aは、干渉計14を駆動して干渉縞を検出し、そ
の干渉縞を解析することにより干渉縞の位相分布データ
W1を求める。第1の校正用干渉測定(図4(b))を
行うに当たっては、CPU29aは、シャッタ26aを
開状態、シャッタ26bを閉状態に設定することによ
り、第1の光路R1を有効にする。
【0066】また、CPU29aは、測定位置(測定光
路)に対し、測定光の入射する側から順に、透過型ゾー
ンプレート10、被検物11を、回折面10aと被検非
球面11aとが互いに対向する配置方向で、挿入する。
このとき、被検非球面11aと回折面10aとの間隔
は、L1に保たれる。この状態でCPU29aは、干渉
計14を駆動して干渉縞を検出し、その干渉縞を解析す
ることにより干渉縞の位相分布データW2を求める。
【0067】第2の校正用干渉測定(図4(c))を行
うに当たっては、CPU29aは、シャッタ26bを開
状態、シャッタ26aを閉状態に設定することにより、
第2の光路R2を有効にする。また、CPU29aは、
測定位置(測定光路)に対し、測定光の入射する側から
順に、透過型ゾーンプレート10、フィゾーレンズ12
を、回折面10aと非球面フィゾー12aとが互いに対
向する配置方向で、挿入する。
【0068】このとき、被検非球面11aと回折面10
aとの間隔は、L2に保たれる。この状態でCPU29
aは、干渉計14を駆動して干渉縞を検出し、その干渉
縞を解析することにより干渉縞の位相分布データW3を
求める。そして、CPU29aは、以上のようにして取
得された、W1、W2、W3の値を、第1実施形態で説
明したとおり、式(5)、(6)に代入することによ
り、被検非球面11aの単体の形状情報と非球面フィゾ
ー12aの単体の形状情報とを、それぞれ抽出(すなわ
ち分離)することができる。
【0069】なお、WE(座標誤差による誤差成分)の
値については、透過型ゾーンプレート10から予め測定
されており、コンピュータ29内のメモリ29bなどに
記憶されているとする。この値についても、式(5)、
(6)に代入される。以上、本実施形態では、第1実施
形態と同様の形状測定手順を実行するに当たり、各光学
素子を測定光束に対し挿脱可能とし、かつ透過型ゾーン
プレート10の配置方向を反転可能とし、かつ測定光の
入射方向の反転を可能とすることにより、単一の干渉計
14を利用することが可能となった。
【0070】しかも、通常の干渉測定(図4(a))と
第2の校正用干渉測定(図4(c))とを実行するとき
に、比較的重量の多いフィゾーレンズ12の配置方向を
反転させる必要がないので、光学配置機構27による動
作に無理が生じることなく、安定した測定が可能であ
る。すなわち、本実施形態によれば、第1実施形態と同
様の形状測定を、効率よく実施することができる。
【0071】位相分布データW1、W2、W3及び誤差
成分WEは、各データ毎に被検面における横座標(面内
の座標)との対応関係を算出し、その対応関係に基づい
て、ある基準に対して座標変換したデータである。即
ち、本実施形態においては、干渉計の検出器上の座標
と、被検面上の座標及びゾーンプレート上の座標との対
応関係を、予め光線追跡で算出しておき、その対応関係
に基づいて、位相分布データW1、W2、W3及び誤差
成分WEを被検面座標で表すように座標変換を施してい
る(本実施形態では、被検面の横座標を基準座標として
いる。)。
【0072】なお、本実施形態では、通常の干渉測定
(図4(a))と第2の校正用干渉測定(図4(c))
とが連続して実行されるようコンピュータ29を(CP
U29aを)設定すれば、形状測定手順が開始されてか
ら終了するまでのフィゾーレンズ12の移動回数が1回
に抑えられるため、測定時間の短縮が図られる。また、
本実施形態においては、CPU29aの動作の一部又は
全部を手動で行うこととしてもよい。
【0073】また、本実施形態の干渉測定システム(図
3参照)では、光路を切り替える光学素子として、シャ
ッタ26a、26b、ハーフミラー25aが用いられて
いるが、シャッタ26a、26bを省略してハーフミラ
ー25aの位置に対し挿脱可能な全反射ミラーが用いら
れてもよい。 <第3実施形態>図5、図6を参照して本発明の第3実
施形態について説明する。なお、ここでは、第1実施形
態との相違点についてのみ説明する。
【0074】図5は、本実施形態の干渉測定システム3
の構成図である。図6は、本実施形態の形状測定手順を
説明する図である。本実施形態の干渉測定システム3
は、第1実施形態の干渉測定システム1において、透過
型ゾーンプレート10に代えて反射型ゾーンプレート3
0が用意され、かつヌル素子31a及び平面フィゾー3
1bからなる校正用ユニット31が用意されたものに等
しい(図中円枠内参照)。
【0075】先ず、校正用ユニット31内のヌル素子3
1aは、非球面フィゾー12aの設計形状に応じて(又
は被検非球面11aの設計形状に応じて)作製されてお
り、平面フィゾー31b側から入射する平行光束に応じ
て、遠隔距離Lの位置に非球面フィゾー12aに対する
ヌル波面WVを形成する(図6(c)参照)。このよう
なヌル素子31aと平面フィゾー31bとからなる校正
用ユニット31は、後述する第2の校正用干渉測定(図
6(c)参照)、第3の校正用干渉測定(図6(d)参
照)において、ヌル素子及び参照光生成素子として用い
られる。
【0076】また、反射型ゾーンプレート30も、被検
非球面11aの設計形状に応じて(又は非球面フィゾー
12aの設計形状に応じて)作製されており、その回折
面30aは、図6(b)に示す配置状態において被検非
球面11aと等価な反射作用を示し、図6(d)に示す
配置状態において非球面フィゾー12aと等価な反射作
用を示す。
【0077】このような反射型ゾーンプレート30の回
折パターンは、例えば、図6(b)に示す配置状態にお
いて、反射−1次回折光が被検非球面11aにおける反
射波面と等価な反射波面WU’を形成するよう設計すれ
ばよい。このときには、図6(d)に示す配置状態にお
いて回折面30aで生起する反射−1次回折光は、非球
面フィゾー12aにおける反射波面と等価な反射波面W
V’を形成する(なお、ここでは、0次回折光を基準と
して入射光に近い側に回折する回折光の次数の符号を
「負」に採り、入射光から遠い側に回折する回折光の次
数の符号を「正」に採る。)。
【0078】或いは、反射型ゾーンプレート30の回折
パターンは、図6(d)に示す配置状態において、反射
−1次回折光が非球面フィゾー12aにおける反射波面
と等価な反射波面WV’を形成するよう設計すればよ
い。このときには、図6(b)に示す配置状態において
回折面30aで生起する反射−1次回折光は、被検非球
面11aにおける反射波面と等価な反射波面WU’を形
成する。
【0079】なお、図6に明かなように、図6(b)に
示す配置状態における回折面30aから非球面フィゾー
12aまでの距離L1と、図6(d)に示す配置状態に
おける回折面30aからヌル素子31aまでの距離L2
との和は、距離L(図6(c)参照)に等しい。次に、
本実施形態の形状測定手順について説明する。
【0080】本実施形態の形状測定手順では、第1実施
形態と同様の通常の干渉測定(図6(a))の他に、3
種類の校正用干渉測定(図6(b)(c)(d))が行
われる。先ず、通常の干渉測定(図6(a))により取
得される、非球面フィゾー12aを基準とした被検非球
面11aの形状情報(干渉縞の位相分布データ)を、W
1とおく。
【0081】また、図6(b)に示す第1の校正用干渉
測定は、反射型ゾーンプレート30による反射波面W
U’の形状情報(干渉縞の位相分布データ)W2’を、
フィゾーレンズ12を基準とした干渉測定により取得す
るものである。すなわち、図5に示したフィゾー型の干
渉計14、又は他のフィゾー型の干渉計を用意し、その
干渉計の測定光束にフィゾーレンズ12を挿入し、非球
面フィゾー12aを基準とした遠隔距離L1の位置に、
反射型ゾーンプレート30をその回折面30aが非球面
フィゾー12aに対向する状態で配置し、その状態で干
渉計を駆動して干渉縞を検出し、その干渉縞を解析する
ことによりその干渉縞の位相分布データW2’を求め
る。
【0082】また、図6(c)に示す本実施形態の第2
の校正用干渉測定は、非球面フィゾー12aの形状情報
(干渉縞の位相分布データ)W3’を、校正用ユニット
31を基準とした校正用干渉測定により取得するもので
ある。
【0083】すなわち、図5に示したフィゾー型の干渉
計14、又は他のフィゾー型の干渉計を用意し、その干
渉計の測定光束に校正用ユニット31を挿入し、その校
正用ユニット31を基準とした遠隔距離Lの位置に非球
面フィゾー12aを配置し、その状態で干渉計を駆動し
て干渉縞を検出し、その干渉縞を解析することによりそ
の干渉縞の位相分布データW3’を求める。
【0084】また、図6(d)に示す本実施形態の第3
の校正用干渉測定は、反射型ゾーンプレート30による
反射波面WV’の形状情報(干渉縞の位相分布データ)
W4を、校正用ユニット31を基準とした校正用干渉測
定により取得するものである。すなわち、図5に示した
フィゾー型の干渉計14、又は他のフィゾー型の干渉計
を用意し、その干渉計の測定光束に校正用ユニット31
を挿入し、その校正用ユニット31を基準とした遠隔距
離L2の位置に反射型ゾーンプレート30を配置し、そ
の状態で干渉計を駆動して干渉縞を検出し、その干渉縞
を解析することによりその干渉縞の位相分布データW4
を求める。
【0085】なお、本測定法は、形状誤差の回転対称成
分を測定する手法であり、位相分布データ、形状誤差な
どは回転対称成分を抽出したものである。ここで、以上
取得された位相分布データW1には、被検非球面11a
の形状誤差U、非球面フィゾー12aの形状誤差Vが重
畳されている。位相分布データW2’には、反射型ゾー
ンプレート30による等価反射面誤差EU’、非球面フ
ィゾー12aの形状誤差Vが重畳されている。
【0086】また、位相分布データW3’には、非球面
フィゾー12aの形状誤差V、校正用ユニット31の測
定誤差WNが重畳されている。位相分布データW4に
は、反射型ゾーンプレート30による等価反射面誤差E
V’、校正用ユニット31の波面誤差WNが重畳されて
いる。なお、ここでいう「形状誤差」は、各素子の設計
形状からの乖離に相当する位相分布である。
【0087】各誤差データの符号を、各面の設計形状か
ら空気側へ出っ張るときを正に採ると、各位相分布デー
タW1、W2’、W3’、W4は、次式(8)のとおり
表される。 W1=U+V, W2’=EU’+V, W3’=V+WN, W4=EV’+WN ・・・・(8) 等価反射面誤差EU’、EV’は、反射型ゾーンプレート
30上のパターン面の面形状誤差による誤差成分、回折
パターンの深さ(高さ)の面内ばらつき誤差による誤差
成分、回折パターンの座標誤差による誤差成分などから
なる。
【0088】そして、位相分布データW2’に重畳され
る等価反射面誤差EU’と、位相分布データW4に重畳
される等価反射面誤差EV’との間では、それら位相分
布データW2’と位相分布データW4とが、互いに正負
が反対の入射角度の入射光による反射波面WU’、W
V’に基づいて得られるために、回折パターンの座標誤
差による誤差成分WE’は、互いに等量反対符号で重畳
され、その座標誤差以外の誤差(面形状誤差、面内ばら
つき誤差等)による誤差成分WC’は、等しく重畳され
る。
【0089】すなわち、等価反射面誤差EU’、EV
は、次式(9)のとおり表される。 EU’=−WE’+WC’ EV’=WE’+WC’ ・・・(9) したがって、上式(8)は、次式(10)のとおり表さ
れる。 W1=U+V, W2’=−WE’+WC’+V, W3’=V+WN, W4=WE’+WC’+WN ・・・・(10) この式(10)に基づくと、被検非球面11aの形状誤
差U、非球面フィゾー12aの形状誤差Vの値は、式
(11)、(12)により表される。
【0090】 U=W1−(W2’+W3’−W4)/2−WE’ ・・・(11) V=(W2’+W3’−W4)/2+WE’ ・・・(12) さて、本実施形態では、上記形状測定手順において取得
された各位相分布データW1、W2’、W3’、W4
は、実測値である。また、座標誤差による誤差成分W
E’の値は、反射型ゾーンプレート30から直接、(座
標測定機などにより)十分な精度で測定することができ
る。
【0091】すなわち、座標誤差Δxと位相分布ずれE
との関係は、ピッチPのパターン位置がΔXだけずれて
いるとき、次式(13)で表される。 E=Δx/(2P)(単位:干渉計波長λ)・・・(13) よって、回折パターンの座標誤差Δxを座標測定器を用
いて測定し、式(13)を用いてそれを位相分布ずれE
に変換すれば、座標誤差による誤差成分WE’の値が取
得できる。
【0092】本実施形態では、以上のようにして取得さ
れた、W1、W2’、W3’、W4、及びWE’の値
を、式(11)、(12)に代入することにより、被検
非球面11aの形状誤差U、非球面フィゾー12aの形
状誤差Vを、それぞれ求める。なお、これらの形状誤差
U、Vは、位相分布の次元で求まるので、最終的には、
形状誤差を表す次元に変換される。
【0093】以上、本実施形態では、被検非球面11a
の単体の形状情報と非球面フィゾー12aの単体の形状
情報とを、それぞれ抽出(すなわち分離)することがで
きた。この際、本実施形態では、校正用の2つの反射波
面WU’、WV’が、反射型ゾーンプレート30におい
て互いに正負が反対の角度で入射した光に応じて生成す
る一対の反射−1次回折光により生成されている。
【0094】このとき、第1の校正用干渉測定において
生起する測定誤差(EU’)と、第3の校正用干渉測定
において生起する測定誤差(EV’)との間に、所定の
関係(式(9))が成立する。すなわち、校正用の2つ
の反射波面WU’、WV’は、未知の測定誤差を増やす
ことなく、形成される。
【0095】この結果、上記したような4回の測定だけ
で、被検非球面11aの単体の形状情報と非球面フィゾ
ー12aの単体の形状情報とを分離することが可能とな
っている。位相分布データW1、W2’、W3’、W4
及び誤差成分WE’は、各データ毎に被検面における横
座標(面内の座標)との対応関係を算出し、その対応関
係に基づいて、ある基準に対して座標変換したデータで
ある。
【0096】即ち、本実施形態においては、干渉計の検
出器上の座標と、被検面上の座標及びゾーンプレート上
の座標との対応関係を、予め光線追跡で算出しておき、
その対応関係に基づいて、位相分布データW1、W
2’、W3’、W4及び誤差成分WE’を被検面座標で
表すように座標変換を施している(本実施形態では、被
検面の横座標を基準座標としている。)。
【0097】なお、本実施形態では、第2の校正用干渉
測定(図6(c))と、第3の校正用干渉測定(図6
(d))とにおいて、互いに異なる参照光生成素子を使
用しても、それら参照光生成素子の間の形状誤差の差異
が既知であれば、同様の効果が得られる。但し、この場
合、式(8)はこの差異を考慮したものとなる。また、
本実施形態において、第2の校正用干渉測定(図6
(c))と第3の校正用干渉測定(図6(d))とにお
いて、トワイマン・グリーン型の干渉計を使用してもよ
い(すなわち、平面フィゾー31bの代わりに、トワイ
マングリーン型の干渉計の参照腕に挿入された参照面を
使用してもよい)。
【0098】また、本実施形態におけるヌル素子31a
は、複数レンズの組み合わせ、透過型ゾーンプレート、
透過型ゾーンプレートとレンズとの組み合わせ、の何れ
によって構成されてもよい。また、本実施形態では、校
正用ユニット31に代えて、非球面フィゾー12aを測
定するための校正用フィゾーレンズ(フィゾーレンズ1
2とは別途用意された校正用のフィゾーレンズであ
る。)を使用してもよい。
【0099】校正用フィゾーレンズは、最終面である参
照面の形状が、被検面からの反射光と参照光との干渉縞
を縞一色とするような形状をしており、かつ参照面へ概
ね垂直に同位相で入射する波面を形成する波面形成手段
を備えるものをいう。 <第4実施形態>図7、図8を参照して本発明の第4実
施形態について説明する。なお、ここでは、上記各実施
形態との相違点についてのみ説明する。
【0100】図7は、本実施形態の干渉測定システム4
の構成図である。図7において、図1、図3、図5に示
した干渉測定システムにおける要素と同一のものには、
同一の符号を付して示した。因みに、本実施形態の干渉
測定システム4と第3実施形態の干渉測定システム3と
の関係は、第2実施形態の干渉測定システム2と第1実
施形態の干渉測定システム1との関係と同じである。
【0101】すなわち、本実施形態の干渉測定システム
4における干渉測定装置44は、第3実施形態において
説明した形状測定手順を単一の干渉計14により行うた
めに構成されたものである。干渉測定装置44におい
て、反射型ゾーンプレート30、被検物11、フィゾー
レンズ12、校正用ユニット31は、光学配置機構47
によってそれぞれ測定位置(測定光路)に対する挿脱が
可能であり、かつ配置関係の切り替えが可能になってい
る。また、干渉計14から出射される測定光の前記測定
位置(測定光路)への入射方向は、ハーフミラー25
a、全反射ミラー25b、25c、25d、シャッタ2
6a、26b、及び光路切り替え機構28によって、反
転可能になっている。
【0102】干渉測定装置44において、干渉計14か
ら射出した測定光の光路は、図3に示した干渉測定装置
24における光路と同様であり、測定位置(測定光路)
には、第1の光路R1、第2の光路R2の何れか一方を
経由した測定光のみが到達する。なお、図7では、シャ
ッタ26aが開状態、シャッタ26bが閉状態に設定さ
れ、第1の光路R1が有効である状態を示した。
【0103】一方、光学配置機構47は、各光学素子
(反射型ゾーンプレート30、被検物11、フィゾーレ
ンズ12、校正用ユニット31)のそれぞれを個別に支
持する支持部材と、各支持部材を個別に駆動するモータ
とを有する。各モータはコンピュータ29内の制御回路
29cに接続され、コンピュータ29内のCPU29a
からの指示に従って、支持部材を移動させ、各光学素子
を個別に測定位置(測定光路)に対し挿脱する。
【0104】また、光学配置機構47は、測定位置(測
定光路)に挿入された各光学素子間の距離を調整するこ
とができる。また、光学配置機構47は、校正用ユニッ
ト31については、その配置方向を反転させることもで
きる。図8は、本実施形態の形状測定手順を説明する図
である。なお、本実施形態の形状測定手順の実行は、コ
ンピュータ29内のCPU29aによる。
【0105】通常の干渉測定(図8(a)参照)を行う
に当たっては、CPU29aは、シャッタ26aを開状
態、シャッタ26bを閉状態に設定することにより、第
1の光路R1を有効にする。また、CPU29aは、測
定位置(測定光路)に対し、測定光の入射する側から順
に、フィゾーレンズ12、被検物11を、非球面フィゾ
ー12aと被検非球面11aとが互いに対向する配置方
向で、挿入する。
【0106】この状態でCPU29aは、干渉計14を
駆動して干渉縞を検出し、その干渉縞を解析することに
より干渉縞の位相分布データW1を求める。第1の校正
用干渉測定(図8(b))を行うに当たっては、CPU
29aは、シャッタ26aを開状態、シャッタ26bを
閉状態に設定することにより、第1の光路R1を有効に
する。
【0107】また、CPU29aは、測定位置(測定光
路)に対し、測定光の入射する側から順に、フィゾーレ
ンズ12、反射型ゾーンプレート30を、非球面フィゾ
ー12aと回折面30aとが互いに対向する配置方向
で、挿入する。このとき、回折面30aと非球面フィゾ
ー12aとの間隔は、L1に保たれる。この状態でCP
U29aは、干渉計14を駆動して干渉縞を検出し、そ
の干渉縞を解析することにより干渉縞の位相分布データ
W2’を求める。
【0108】第2の校正用干渉測定(図8(c))を行
うに当たっては、CPU29aは、シャッタ26bを開
状態、シャッタ26aを閉状態に設定することにより、
第2の光路R2を有効にする。また、CPU29aは、
測定位置(測定光路)に対し、測定光の入射する側から
順に、校正用ユニット31、フィゾーレンズ12を、ヌ
ル素子31aと非球面フィゾー12aとが互いに対向す
る配置方向で、挿入する。
【0109】このとき、ヌル素子31aと非球面フィゾ
ー12aとの間隔は、Lに保たれる。この状態でCPU
29aは、干渉計14を駆動して干渉縞を検出し、その
干渉縞を解析することにより干渉縞の位相分布データW
3’を求める。第3の校正用干渉測定(図8(d))を
行うに当たっては、CPU29aは、シャッタ26aを
開状態、シャッタ26bを閉状態に設定することによ
り、第1の光路R1を有効にする。
【0110】また、CPU29aは、測定位置(測定光
路)に対し、測定光の入射する側から順に、校正用ユニ
ット31、反射型ゾーンプレート30を、ヌル素子31
aと回折面30aとが互いに対向する配置方向で、挿入
する。
【0111】このとき、回折面30aとヌル素子31a
との間隔は、L2に保たれる。この状態でCPU29a
は、干渉計14を駆動して干渉縞を検出し、その干渉縞
を解析することにより干渉縞の位相分布データW4を求
める。そして、CPU29aは、以上のようにして取得
された、W1、W2’、W3’、W4の値を、第3実施
形態で説明したとおり、式(11)、(12)に代入す
ることにより、被検非球面11aの単体の形状情報と非
球面フィゾー12aの単体の形状情報とを、それぞれ抽
出(すなわち分離)することができる。
【0112】なお、WE’(座標誤差による誤差成分)
の値については、反射型ゾーンプレート30から予め測
定されており、コンピュータ29内のメモリ29bなど
に記憶されているとする。この値についても、式(1
1)、(12)に代入される。以上、本実施形態では、
第3実施形態と同様の形状測定手順を実行するに当た
り、各光学素子を測定光束に対し挿脱可能とし、かつ校
正用ユニット31の配置方向を反転可能とし、かつ測定
光の入射方向の反転を可能とすることにより、単一の干
渉計14を利用することが可能となった。
【0113】しかも、通常の干渉測定(図8(a))、
第1の校正用干渉測定(図8(b))、及び第2の校正
用干渉測定(図8(c))を実行するときに、比較的重
量の多いフィゾーレンズ12の配置方向を反転させる必
要がないので、光学配置機構47による動作に無理が生
じることなく、安定した測定が可能である。すなわち、
本実施形態によれば、第3実施形態と同様の形状測定
を、効率よく実施することができる。
【0114】位相分布データW1、W2’、W3’、W
4及び誤差成分WE’は、各データ毎に被検面における
横座標(面内の座標)との対応関係を算出し、その対応
関係に基づいて、ある基準に対して座標変換したデータ
である。即ち、本実施形態においては、干渉計の検出器
上の座標と、被検面上の座標及びゾーンプレート上の座
標との対応関係を、予め光線追跡で算出しておき、その
対応関係に基づいて、位相分布データW1、W2’、W
3’、W4及び誤差成分WE’を被検面座標で表すよう
に座標変換を施している(本実施形態では、被検面の横
座標を基準座標としている。)。
【0115】なお、本実施形態では、通常の干渉測定
(図8(a))、第1の校正用干渉測定(図8
(b))、第2の校正用干渉測定(図8(c))が連続
して実行されるようコンピュータ29を(CPU29a
を)設定すれば、形状測定手順が開始されてから終了す
るまでのフィゾーレンズ12の移動回数が1回に抑えら
れるため、測定時間の短縮が図られる。
【0116】また、本実施形態においては、CPU29
aの動作の一部又は全部を手動で行うこととしてもよ
い。なお、本実施形態においては、校正用ユニット31
の配置方向を反転可能としたが、反射型ゾーンプレート
30を反転可能としてもよい。 <第5実施形態>ここで、上記各実施形態では、被検非
球面の測定しか説明していないが、同様にして、被検球
面(設計形状が球面である被検面)を測定することもで
きる。
【0117】図9は、本実施形態の形状測定手順を説明
する図である。本実施形態の形状測定手順では、第1実
施形態の形状測定手順において、透過型ゾーンプレート
10に代えて透過型ゾーンプレート50が使用され、フ
ィゾーレンズ12に代えてフィゾーレンズ52が使用さ
れるものに等しい。フィゾーレンズ52の最終面は、球
面フィゾー52aとなっている。
【0118】なお、フィゾーレンズ52において、球面
フィゾー52a以外の各面は、干渉計から入射される測
定光束を球面フィゾー52aに対し、垂直かつ同位相に
入射する光束に変換する。また、透過型ゾーンプレート
50は、平行光束に応じて被検球面51aに対するヌル
波面(すなわち球面波)を形成するものである。
【0119】この形状測定手順は、第1実施形態と同様
の通常の干渉測定(図9(a)、位相分布データW1が
取得される。)、第1の校正用干渉測定(図9(b)、
位相分布データW2が取得される。)、第2の校正用干
渉測定(図9(c)、位相分布データW3が取得され
る。)に加えて、第3の校正用干渉測定(図9(d))
が行われる。
【0120】第3の校正用干渉測定は、第1の校正用干
渉測定と同様に、被検球面51aの形状情報を、透過型
ゾーンプレート50を基準として取得するものである
が、透過−1次回折光ではなく、透過1次回折光を利用
している。透過1次回折光は前記したように、集束球面
波を形成するので、その集光点よりも回折面50aに近
い側と回折面50aから遠い側との双方に、互いにその
形状の反転した波面がそれぞれ形成されるから、この第
3の校正用干渉測定が可能なのである。
【0121】ここで、この第3の校正用干渉測定により
取得された位相分布データをW4”とおくと、次式(1
4)が成立する。 W4”=U−WE+WC ・・・(14) この式(14)と、第1実施形態で説明した式(3)と
によれば、被検球面51aの形状誤差U、球面フィゾー
52aの形状誤差Vだけでなく、回折パターンの座標誤
差による測定誤差成分WEの値までもが求まる。
【0122】すなわち、本実施形態によれば、座標誤差
による誤差成分WEの値を、座標測定機などにより測定
する必要が無くなるので、その測定による誤差の影響を
何ら受けることなく、被検球面51aの形状誤差U、球
面フィゾー52aの形状誤差Vが、上記各実施形態より
もさらに高い精度でそれぞれ抽出される。位相分布デー
タW1、W2、W3、W4”及び誤差成分WEは、各デ
ータ毎に被検面における横座標(面内の座標)との対応
関係を算出し、その対応関係に基づいて、ある基準に対
して座標変換したデータである。
【0123】即ち、本実施形態においては、干渉計の検
出器上の座標と、被検面上の座標及びゾーンプレート上
の座標との対応関係を、予め光線追跡で算出しておき、
その対応関係に基づいて、位相分布データW1、W2、
W3、W4”及び誤差成分WEを被検面座標で表すよう
に座標変換を施している(本実施形態では、被検面の横
座標を基準座標としている。)。
【0124】なお、第5実施形態において、被検面51
aの形状誤差Uと球面フィゾー52aの形状誤差Vを求
めるだけであれば、第1の校正用干渉測定(図9
(b))は、必要ではない。 <第6実施形態>図10、図11を参照して本発明の第
6実施形態について説明する。なお、ここでは、第3実
施形態との相違点についてのみ説明する。
【0125】図10は、本実施形態の干渉測定システム
6の構成図である。図11は、本実施形態の干渉測定手
順を説明する図である。本実施形態では、校正用ユニッ
ト31の代わりに、被検非球面11aをフィゾー面とし
て作用させるための光学系(本明細書では「ワークフィ
ゾー光学系」と称す。)67が用意される(図中円枠内
参照)。
【0126】このワークフィゾー光学系67は、被検物
11の形状(被検非球面11aの形状、及びその裏面1
1bの形状、及び被検非球面11aと裏面11bとの間
隔、及び被検物11に使用される材料の特性など)に応
じて作製されており、入射した平行光束をその被検物1
1の形状に応じた所定波面の光束に変換する。このワー
クフィゾー光学系67は、後述する第2の校正用干渉測
定(図11(c)参照)において、被検物11と干渉計
14との間に配置される。なお、この第2の校正用干渉
測定では、被検物11は、その裏面11bをワークフィ
ゾー光学系67の側に向けた状態で配置される。
【0127】このときワークフィゾー光学系67から射
出する所定波面の光束は、被検物11の裏面11b側か
ら入射した後、被検非球面11aに対し略垂直に同位相
で入射する。このような所定波面の光束に平行光束を変
換するワークフィゾー光学系67は、如何なる光学素子
により構成されてもよく、例えば、複数の屈折レンズな
どから構成される。
【0128】次に、本実施形態の形状測定手順について
説明する。本実施形態の形状測定手順では、第3実施形
態と同様の通常の干渉測定(図11(a))、及び第1
の校正用干渉測定(図11(b))の他に、第2の校正
用干渉測定(図11(c))が行われる。先ず、通常の
干渉測定(図11(a))により取得される、非球面フ
ィゾー12aを基準とした被検非球面11aの形状情報
(干渉縞の位相分布データ)を、W1とおく。
【0129】また、図11(b)に示す第1の校正用干
渉測定により取得される、フィゾーレンズ12を基準と
した、反射型ゾーンプレート30による反射波面WU’
(反射−1次回折光による波面)の形状情報(干渉縞の
位相分布データ)を、W2’とおく。また、図11
(c)に示す第2の校正用干渉測定は、反射型ゾーンプ
レート30による反射波面WV’(反射−1回折光によ
る波面)の形状情報を、被検非球面11aを基準として
測定するものである。
【0130】この測定では、干渉計14、又は他のフィ
ゾー型の干渉計を用意し、その干渉計の測定光束にワー
クフィゾー光学系67、被検物11、及び反射型ゾーン
プレート30を挿入し、被検非球面11aをフィゾー面
とし、回折面30aを被検面とした状態で干渉計を駆動
して干渉縞を検出し、その干渉縞を解析することにより
その干渉縞の位相分布データW3”を求める。
【0131】なお、図11(c)に示す配置状態におけ
る回折面30aから被検非球面11aまでの距離L2
は、図11(a)に示す配置状態における非球面フィゾ
ー12aと被検非球面11aとの間の距離L(図11
(a)参照)から、図11(b)に示す配置状態におけ
る回折面30aから非球面フィゾー12aまでの距離L
1を差し引いたものに等しい。
【0132】なお、本測定法は、形状誤差の回転対称成
分を測定する手法であり、位相分布データ、形状誤差な
どは回転対称成分を抽出したものである。さて、位相分
布データW1には、被検非球面11aの形状誤差U、非
球面フィゾー12aの形状誤差Vが重畳されている。ま
た、位相分布データW2’には、反射型ゾーンプレート
30による等価反射面誤差EU’、非球面フィゾー12
aの形状誤差Vが重畳されている。
【0133】そして、位相分布データW3”には、反射
型ゾーンプレート30による等価反射面誤差EV’、被
検非球面11aの形状誤差Uが重畳されている。因み
に、位相分布データW3”にワークフィゾー光学系67
に起因する誤差が重畳されていないのは、図11(c)
に示す第2の校正用干渉測定では、このワークフィゾー
光学系67は参照光(ここでは被検非球面11aにおい
て反射する光)と測定光(回折面30aにおいて反射す
る光)との共通光路に配置されているからである(一般
に干渉計では参照光と測定光の共通光路内における波面
形状は、測定結果に何ら影響を与えない。)。
【0134】なお、ここでいう「形状誤差」は、各素子
の設計形状からの乖離に相当する位相分布である。各誤
差データの符号を、各面の設計形状から空気側へ出っ張
るときを正に採ると、各位相分布データW1、W2’、
W3”は、次式(15)のとおり表される。 W1=U+V, W2’=EU’+V, W3”=EV’+U ・・・(15) ここで、EU’,EV’は、式(9)のように表されるの
で、上式(15)は、下式(16)のように変形され
る。
【0135】W1=U+V, W2’=V−WE’+WC’ W3”=U+WE’+WC’ ・・・(16) 但し、WE’は反射型ゾーンプレート30のパターン座
標誤差による誤差成分、WC’は、反射型ゾーンプレー
ト30の座標誤差以外の誤差(面形状誤差、面内ばらつ
き誤差等)による誤差成分である。
【0136】さらに、この式(16)に基づくと、被検
非球面11aの形状誤差U、非球面フィゾー12aの形
状誤差Vは、式(17)、式(18)のように表され
る。 U=(W1−W2’+W3”)/2−WE’ ・・・(17) V=(W1+W2’−W3”)/2+WE’ ・・・(18) ここで、上記したように、W1,W2’,W3”は実測
値であり、また、誤差成分WE’は、反射型ゾーンプレ
ート30のパターン座標を座標測定機などで測定するこ
とで十分な精度で取得できる。
【0137】したがって、式(17)、(18)から、
被検非球面11aの形状誤差U、非球面フィゾー12a
の形状誤差Vが、それぞれ求められる。以上、本実施形
態では、被検非球面11aの単体の形状情報と、非球面
フィゾー12aの単体の形状情報とを、それぞれ抽出
(すなわち分離)することができた。
【0138】この際、本実施形態では、第2の校正用干
渉測定において、反射型ゾーンプレート30を使用する
(図11(c))と共に、被検物11をフィゾー面とし
て使用する(図11(c))ことで未知の測定誤差の増
えることを避けたので、この分離が上記した3回の測定
だけで実現している。
【0139】位相分布データW1、W2’、W3”及び
誤差成分WE’は、各データ毎に被検面における横座標
(面内の座標)との対応関係を算出し、その対応関係に
基づいて、ある基準に対して座標変換したデータであ
る。即ち、本実施形態においては、干渉計の検出器上の
座標と、被検面上の座標及びゾーンプレート上の座標と
の対応関係を、予め光線追跡で算出しておき、その対応
関係に基づいて、位相分布データW1、W2’、W3”
及び誤差成分WE’を被検面座標で表すように座標変換
を施している(本実施形態では、被検面の横座標を基準
座標としている。)。
【0140】<第7実施形態>図12、図13を参照し
て本発明の第7実施形態について説明する。なお、ここ
では、上記各実施形態との相違点についてのみ説明す
る。図12は、本実施形態の干渉測定システム7の構成
図である。図12において、図1、図3、図5、図7に
示した干渉測定システムにおける要素と同一のものに
は、同一の符号を付して示した。
【0141】因みに、本実施形態の干渉測定システム7
と第6実施形態の干渉測定システム6との関係は、第2
実施形態の干渉測定システム2と第1実施形態の干渉測
定システム1との関係、及び第4実施形態の干渉測定シ
ステム4と第3実施形態の干渉測定システム3との関係
と、同じである。すなわち、本実施形態の干渉測定シス
テム7における干渉測定装置74は、第6実施形態にお
いて説明した形状測定手順を単一の干渉計14により行
うために構成されたものである。
【0142】干渉測定装置74において、反射型ゾーン
プレート30は、光学配置機構77により測定位置(測
定光路)に対する挿脱が可能になっており、かつ、配置
方向の切り替えが可能になっている。また、干渉計14
から出射される測定光の前記測定位置(測定光路)への
入射方向は、ハーフミラー25a、全反射ミラー25
b、25c、25d、シャッタ26a、26b、及び光
路切り替え機構28によって、反転が可能となってい
る。
【0143】干渉測定装置74において、干渉計14か
ら射出した測定光の光路は、図3に示した干渉測定装置
24における光路と同様であり、測定位置(測定光路)
には、第1の光路R1、第2の光路R2の何れか一方を
経由した測定光のみが到達する。なお、図12では、シ
ャッタ26aが開状態、シャッタ26bが閉状態に設定
され、第1の光路R1が有効である状態を示した。
【0144】さらに、この干渉測定装置74の測定位置
(測定光路)には、第2の光路R2の側から順に、ワー
クフィゾー光学系67、被検物11、フィゾーレンズ1
2が予め挿入されている。被検物11とフィゾーレンズ
12とは、被検非球面11aと非球面フィゾー12aと
が互いに対向する状態で配置される。
【0145】また、非球面フィゾー12aと被検非球面
11aとの間隔は、Lに設定される。一方、光学配置機
構77は、反射型ゾーンプレート30を支持する支持部
材と、その支持部材を駆動するモータとを有する。各モ
ータはコンピュータ29内の制御回路29cに接続さ
れ、コンピュータ29内のCPU29aからの指示に従
って、支持部材を移動させ、反射型ゾーンプレート30
を、被検物11とフィゾーレンズ12との間の測定位置
(測定光路)に対し挿脱する。
【0146】また、光学配置機構77は、反射型ゾーン
プレート30の配置方向を反転させることもできる。図
13は、本実施形態の形状測定手順を説明する図であ
る。なお、本実施形態の形状測定手順の実行は、コンピ
ュータ29内のCPU29aによる。
【0147】通常の干渉測定(図13(a)参照)を行
うに当たっては、CPU29aは、シャッタ26aを開
状態、シャッタ26bを閉状態に設定することにより、
第1の光路R1を有効にする。また、このとき、CPU
29aは、測定位置(測定光路)から、反射型ゾーンプ
レート30を外しておく。
【0148】この状態でCPU29aは、干渉計14を
駆動して干渉縞を検出し、その干渉縞を解析することに
より干渉縞の位相分布データW1を求める。第1の校正
用干渉測定(図13(b))を行うに当たっては、CP
U29aは、シャッタ26aを開状態、シャッタ26b
を閉状態に設定することにより、第1の光路R1を有効
にする。
【0149】また、CPU29aは、測定位置(測定光
路)に対し、反射型ゾーンプレート30を、その回折面
30aが非球面フィゾー12aに対向する配置方向で、
挿入する。このとき、回折面30aと非球面フィゾー1
2aとの間隔は、L1に設定される。
【0150】この状態でCPU29aは、干渉計14を
駆動して干渉縞を検出し、その干渉縞を解析することに
より干渉縞の位相分布データW2’を求める。第2の校
正用干渉測定(図13(c))を行うに当たっては、C
PU29aは、シャッタ26bを開状態、シャッタ26
aを閉状態に設定することにより、第2の光路R2を有
効にする。
【0151】また、CPU29aは、測定位置に対し、
反射型ゾーンプレート30を、その回折面30aが被検
非球面11aに対向する配置方向で、挿入する。また、
このとき、回折面30aと被検非球面11aとの間隔
は、L2に設定される。この状態でCPU29aは、干
渉計14を駆動して干渉縞を検出し、その干渉縞を解析
することにより干渉縞の位相分布データW3”を求め
る。
【0152】そして、CPU29aは、以上のようにし
て取得された、W1,W2’,W3”の値を、第6実施
形態で説明したとおり、式(17)、(18)に代入す
ることにより、被検非球面11aの単体の形状情報と非
球面フィゾー12aの単体の形状情報とを、それぞれ抽
出(すなわち分離)することができる。なお、WE’
(座標誤差による誤差成分)の値については、反射型ゾ
ーンプレート30から予め測定されており、コンピュー
タ29内のメモリ29bなどに記憶されているとする。
この値についても、式(17)、(18)に代入され
る。
【0153】以上、本実施形態では、第6実施形態と同
様の形状測定手順を実行するに当たり、予めワークフィ
ゾー光学系67を用意すると共に、反射型ゾーンプレー
ト30を測定光束に対し挿脱可能、また、その配置方向
を反転可能とし、かつ測定光の入射方向の反転を可能と
することにより、単一の干渉計14を利用することが可
能となった。
【0154】しかも、通常の干渉測定(図11
(a))、第1の校正用干渉測定(図11(b))、及
び第2の校正用干渉測定(図11(c))を実行すると
きに、比較的重量の多い被検物11及びフィゾーレンズ
12を移動させる必要がないので、光学配置機構77に
よる動作に無理が生じることなく、安定した測定が可能
である。
【0155】すなわち、本実施形態によれば、第6実施
形態と同様の形状測定を、効率よく実施することができ
る。また、本実施形態においては、CPU29aの動作
の一部又は全部を手動で行うこととしてもよい。位相分
布データW1、W2’、W3”及び誤差成分WE’は、
各データ毎に被検面における横座標(面内の座標)との
対応関係を算出し、その対応関係に基づいて、ある基準
に対して座標変換したデータである。
【0156】即ち、本実施形態においては、干渉計の検
出器上の座標と、被検面上の座標及びゾーンプレート上
の座標との対応関係を、予め光線追跡で算出しておき、
その対応関係に基づいて、位相分布データW1、W
2’、W3”及び誤差成分WE’を被検面座標で表すよ
うに座標変換を施している(本実施形態では、被検面の
横座標を基準座標としている。)。
【0157】<その他>なお、上記各実施形態では、利
用する回折光の次数の大きさが何れも「1」とされてい
るが、2以上の何れの大きさとしてもよい。但し、一般
に、回折光の強度は、その次数が低いほど高くなるの
で、「1」とした方が、測定を効率よく行うことができ
る。
【0158】また、図1〜図8、図10〜図13(第1
実施形態〜第4実施形態、第6実施形態及び第7実施形
態)では、被検面が凸面(凸面の被検非球面)である場
合を説明しているが、凹面である場合にも同様にして測
定が可能である。また、図9(上記第5実施形態)で
は、被検面が凹面(凹面の被検球面)である場合を説明
しているが、凸面である場合にも同様にして測定が可能
である。
【0159】また、上記第2実施形態の干渉測定装置2
4において、フィゾーレンズ12、又はフィゾーレンズ
12内の最終レンズ(非球面フィゾー12aを有したレ
ンズ)を安定して反転させることができるのであれば、
それを透過型ゾーンプレート10の代わりに反転させて
もよい。この場合には、第1の光路R1と第2の光路R
2との2光路を設ける必要は無くなる。
【0160】また、上記第4実施形態の干渉測定装置4
4において、フィゾーレンズ12、又はフィゾーレンズ
12内の最終レンズ(非球面フィゾー12aを有したレ
ンズ)を安定して反転させることができるのであれば、
それを校正用ユニット31の代わりに反転させてもよ
い。この場合には、第1の光路R1と第2の光路R2と
の2光路を設ける必要は無くなる。
【0161】また、上記各実施形態の干渉測定方法を、
投影光学系の製造時に適用すれば、高精度な投影光学系
が実現する。すなわち、投影光学系の製造工程におい
て、上記各実施形態の干渉測定方法によりその投影光学
系の何れかの面を測定し、その測定の結果を、投影光学
系内の何れかの面の研磨の内容、投影光学系の調整の内
容に反映させれば、その測定が高精度に行われる分だ
け、投影光学系が高精度に製造されることとなる。
【0162】また、上記各実施形態を、基準原器(比較
測定の基準とされる原器)の形状を既知とするために適
用してもよい。基準原器の形状を、上記各実施形態の何
れかにより既知としておけば、各被検面の形状は、各被
検面を通常の干渉測定により1回ずつ測定するだけで、
その測定結果と、基準原器を同様にして測定したときの
測定結果と、基準原器の既知の形状とから、簡単に求め
ることができる。
【0163】また、上記各実施形態は、被検面の単体の
形状だけでなく、フィゾー面の単体の形状も求められる
ので、干渉測定装置の校正(フィゾー面の形状を既知と
する処理)に適用してもよい。また、上記各実施形態で
は、被検面の単体の形状とフィゾー面の単体の形状とを
それぞれ求めているが、必要に応じて、何れか一方のみ
を求めることとしてもよい。
【0164】また、被検面とフィゾー面との何れか一方
の形状が既知である場合には、第1実施形態又は第2実
施形態で説明した各測定(図2又は図4)の結果から、
透過型ゾーンプレート10のパターン誤差を抽出するこ
ともできる。また、被検面とフィゾー面との何れか一方
の形状が既知である場合には、第3実施形態、第4実施
形態、第6実施形態、第7実施形態の何れかで説明した
各測定(図6、図8、図11、図13)の結果から、反
射型ゾーンプレート30のパターン誤差を抽出すること
もできる。
【0165】また、第5実施形態で説明した各測定(図
9)によって、透過型ゾーンプレート50のパターン誤
差を抽出することも可能である。このような抽出によ
り、ゾーンプレートのパターニング装置の検定、パター
ン座標測定機の検定を行うことが可能である。さらに
は、このようにして検定されたパターニング装置で透過
型ゾーンプレート10(又は反射型ゾーンプレート3
0)を作製したり、このようにして検定されたパターン
座標測定機で透過型ゾーンプレート10(又は反射型ゾ
ーンプレート30)の座標誤差を測定したりした上で、
上記第1実施形態、第2実施形態(又は第3実施形態、
第4実施形態、又は第6実施形態、第7実施形態)を行
えば、その結果は、さらに高精度に得られる。
【0166】また、第1実施形態及び第2実施形態の透
過型ゾーンプレート10、又は、第3実施形態及び第4
実施形態の反射型ゾーンプレート30、又は第6実施形
態及び第7実施形態の反射型ゾーンプレート30を、非
球面フィゾーの製造時に使用してもよい。例えば、ゾー
ンプレートによるヌル波面を基準として干渉測定を行い
つつ、非球面フィゾーの表面を修正研磨する。
【0167】また、上記各実施形態において、CPU2
9aによる動作のうち、解析などの複雑な演算について
は、駆動制御を行うコンピュータとは別のコンピュータ
内のCPUに行わせることとしてもよい。また、上記各
実施形態において、コンピュータ29(CPU29a)
の動作の一部又は全部は、干渉測定装置内に配置された
回路基板などで実現されてもよく、また干渉測定装置の
外部に配置された専用のコントローラなどで実現されて
もよい。
【0168】
【発明の効果】以上説明したとおり、本発明によれば、
未知の測定誤差を増やすことなく校正用のヌル波面を形
成することのできる透過型ゾーンプレート及び反射型ゾ
ーンプレート、並びに、被検面の単体の形状情報とフィ
ゾー面の単体の形状情報とを分離することのできる形状
測定方法、並びに、その形状測定方法を効率良く実施す
ることのできる干渉測定装置、並びに、高精度に投影光
学系を製造することのできる投影光学系の製造方法が実
現する。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1実施形態の干渉測定システム1の構成図で
ある。
【図2】第1実施形態の形状測定手順を説明する図であ
る。
【図3】第2実施形態の干渉測定システム2の構成図で
ある。
【図4】第2実施形態の形状測定手順を説明する図であ
る。
【図5】第3実施形態の干渉測定システム3の構成図で
ある。
【図6】第3実施形態の形状測定手順を説明する図であ
る。
【図7】第4実施形態の干渉測定システム4の構成図で
ある。
【図8】第4実施形態の形状測定手順を説明する図であ
る。
【図9】第5実施形態の形状測定手順を説明する図であ
る。
【図10】第6実施形態の干渉測定システム6の構成図
である。
【図11】第6実施形態の干渉測定手順を説明する図で
ある。
【図12】第7実施形態の干渉測定システム7の構成図
である。
【図13】第7実施形態の干渉測定手順を説明する図で
ある。
【符号の説明】
1,2、3,4,6,7 干渉測定システム 10,50 透過型ゾーンプレート 11,51 被検物 12,52 フィゾーレンズ 12a 非球面フィゾー 14 干渉計 24,44,74 干渉測定装置(干渉測定装置に対
応) 27,47,77 光学配置機構(支持手段に対応) 28 光路切り替え機構(切り替え手段に対応) 29 コンピュータ 30 反射型ゾーンプレート 52a 球面フィゾー
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 2F064 AA09 AA15 BB04 CC10 DD08 EE05 FF01 GG11 GG23 GG38 GG47 GG59 HH03 HH05 HH08 KK04 2F065 AA53 BB05 BB22 BB25 CC22 DD06 FF04 FF52 FF61 GG04 HH04 JJ03 JJ26 LL09 LL10 LL12 LL30 LL36 LL37 LL46 QQ21 QQ24 QQ31 RR05 RR09 RR10 2G086 FF01 2H049 AA03 AA07 AA13 AA50 AA55 AA64 AA68 BA05 BA07 BC23

Claims (18)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 干渉計と、被検面測定用のフィゾーレン
    ズとを使用した干渉測定に適用される透過型ゾーンプレ
    ートであって、 被検面に対するヌル波面である第1波面、及びフィゾー
    面に対するヌル波面である第2波面を、等量反対符号の
    次数の一対の透過回折光により形成することを特徴とす
    る透過型ゾーンプレート。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載の透過型ゾーンプレート
    において、 前記一対の透過回折光の次数の大きさは、1であること
    を特徴とする透過型ゾーンプレート。
  3. 【請求項3】 干渉計と、被検面測定用のフィゾーレン
    ズとを使用した干渉測定に適用される反射型ゾーンプレ
    ートであって、 被検面に対するヌル波面と等価な波面を有する入射光に
    応じて、前記被検面における反射波面と等価な第1波面
    を、所定次数の反射回折光により形成すると共に、 フィゾー面に対するヌル波面と等価な波面を有する入射
    光に応じて、前記フィゾー面における反射波面と等価な
    第2波面を、前記反射回折光と同一次数の反射回折光に
    より形成することを特徴とする反射型ゾーンプレート。
  4. 【請求項4】 請求項3に記載の反射型ゾーンプレート
    において、 前記次数の大きさは、1であることを特徴とする反射型
    ゾーンプレート。
  5. 【請求項5】 干渉計と、被検面測定用のフィゾーレン
    ズとを使用した干渉測定により、そのフィゾーレンズの
    最終面であるフィゾー面を基準とした前記被検面の形状
    情報を取得し、 請求項1又は請求項2に記載の透過型ゾーンプレートを
    用意し、 前記第2波面を基準とした前記フィゾー面の形状情報
    を、前記透過型ゾーンプレートをヌル素子として用いた
    校正用の干渉測定により取得し、 前記第1波面を基準とした前記被検面の形状情報を、前
    記透過型ゾーンプレートをヌル素子として用いた校正用
    の干渉測定により取得し、 前記取得した各形状情報に基づく演算処理を行うことに
    よって、前記被検面の単体の形状情報と、前記フィゾー
    面の単体の形状情報とを分離することを特徴とする形状
    測定方法。
  6. 【請求項6】 干渉計と、被検面測定用のフィゾーレン
    ズとを使用した干渉測定により、そのフィゾーレンズの
    最終面であるフィゾー面を基準とした前記被検面の形状
    情報を取得し、 請求項3又は請求項4に記載の反射型ゾーンプレートを
    用意し、 前記フィゾー面に対するヌル波面を形成する校正用ヌル
    素子を用意し、 前記フィゾー面を基準とした前記第1波面の形状情報
    を、前記反射型ゾーンプレートを被検面とし、かつ前記
    被検面測定用のフィゾーレンズを用いた校正用の干渉測
    定により取得し、 前記校正用ヌル素子による前記ヌル波面を基準とした前
    記フィゾー面の形状情報を、前記校正用ヌル素子を用い
    た校正用の干渉測定により取得し、 前記校正用ヌル素子による前記ヌル波面を基準とした前
    記第2波面の形状情報を、前記反射型ゾーンプレートを
    被検面とし、かつ前記校正用ヌル素子を用いた校正用の
    干渉測定により取得し、 前記取得した各形状情報に基づく演算処理を行うことに
    よって、前記被検面の単体の形状情報と、前記フィゾー
    面の単体の形状情報とを分離することを特徴とする形状
    測定方法。
  7. 【請求項7】 干渉計と、被検面測定用のフィゾーレン
    ズとを使用した干渉測定により、そのフィゾーレンズの
    最終面であるフィゾー面を基準とした前記被検面の形状
    情報を取得し、 請求項3又は請求項4に記載の反射型ゾーンプレートを
    用意し、 前記フィゾー面測定に用いる校正用フィゾーレンズを用
    意し、 前記フィゾー面を基準とした前記第1波面の形状情報
    を、前記反射型ゾーンプレートを被検面とし、かつ前記
    被検面測定用のフィゾーレンズを用いた校正用の干渉測
    定により取得し、 前記校正用フィゾーレンズのフィゾー面を基準とした前
    記フィゾー面の形状情報を、前記校正用フィゾーレンズ
    を用いた校正用の干渉測定により取得し、 前記校正用フィゾーレンズのフィゾー面を基準とした前
    記第2波面の形状情報を、前記反射型ゾーンプレートを
    被検面とし、かつ前記校正用フィゾーレンズを用いた校
    正用の干渉測定により取得し、 前記取得した各形状情報に基づく演算処理を行うことに
    よって、前記被検面の単体の形状情報と、前記フィゾー
    面の単体の形状情報とを分離することを特徴とする形状
    測定方法。
  8. 【請求項8】 干渉計と、被検面測定用のフィゾーレン
    ズとを使用した干渉測定により、そのフィゾーレンズの
    最終面であるフィゾー面を基準とした前記被検面の形状
    情報を取得し、 請求項3又は請求項4に記載の反射型ゾーンプレートを
    用意し、 前記被検面の裏面側からその被検面にほぼ垂直に同位相
    で入射する波面を形成するワークフィゾー光学系を用意
    し、 前記フィゾー面を基準とした前記第1波面の形状情報
    を、前記反射型ゾーンプレートを被検面とし、かつ前記
    被検面測定用のフィゾーレンズを用いた校正用の干渉測
    定により取得し、 前記被検面を基準とした前記第2波面の形状情報を、前
    記反射型ゾーンプレートを被検面とし、かつ前記被検面
    及び前記ワークフィゾー光学系を用いた校正用の干渉測
    定により取得し、 前記取得した各形状情報に基づく演算処理を行うことに
    よって、前記被検面の単体の形状情報と、前記フィゾー
    面の単体の形状情報とを分離することを特徴とする形状
    測定方法。
  9. 【請求項9】 干渉計と、 被検面測定用のフィゾーレンズと、 請求項1又は請求項2に記載の透過型ゾーンプレート
    と、 前記被検面を、前記干渉計から出射される測定光束に対
    し、挿脱可能に支持する支持手段と、 前記フィゾーレンズを前記測定光束に対し挿脱可能に支
    持する支持手段と、 前記測定光束の照射方向を反転させる切り替え手段と、 前記透過型ゾーンプレートを前記測定光束に対し挿脱可
    能に支持すると共に、その透過型ゾーンプレートの配置
    方向を反転させる支持手段とを備えたことを特徴とする
    干渉測定装置。
  10. 【請求項10】 干渉計と、 被検面測定用のフィゾーレンズと、 請求項1又は請求項2に記載の透過型ゾーンプレート
    と、 前記被検面を、前記干渉計から出射される測定光束に対
    し、挿脱可能に支持する支持手段と、 前記透過型ゾーンプレートを前記測定光束に対し挿脱可
    能に支持する支持手段と、 前記フィゾーレンズを前記測定光束に対し挿脱可能に支
    持すると共に、そのフィゾーレンズ又はそのフィゾーレ
    ンズの最終面であるフィゾー面の配置方向を反転させる
    支持手段とを備えたことを特徴とする干渉測定装置。
  11. 【請求項11】 干渉計と、 被検面測定用のフィゾーレンズと、 請求項3又は請求項4に記載の反射型ゾーンプレート
    と、 前記フィゾーレンズの最終面であるフィゾー面に対する
    ヌル波面を形成する校正用ヌル素子、及びその校正用ヌ
    ル素子の入射側に配置された平面の参照面からなる校正
    用ユニットと、 前記被検面を、前記干渉計から出射される測定光束に対
    し、挿脱可能に支持する支持手段と、 前記反射型ゾーンプレートを前記測定光束に対し挿脱可
    能に支持する支持手段と、 前記フィゾーレンズを前記測定光束に対し挿脱可能に支
    持する支持手段と、 前記測定光束の照射方向を反転させる切り替え手段と、 前記校正用ユニットを前記測定光束に対し挿脱可能に支
    持すると共に、その校正用ユニットの配置方向を反転さ
    せる支持手段とを備えたことを特徴とする干渉測定装
    置。
  12. 【請求項12】 干渉計と、 被検面測定用のフィゾーレンズと、 請求項3又は請求項4に記載の反射型ゾーンプレート
    と、 前記フィゾーレンズの最終面であるフィゾー面を測定す
    るための校正用フィゾーレンズと、 前記被検面を、前記干渉計から出射される測定光束に対
    し、挿脱可能に支持する支持手段と、 前記反射型ゾーンプレートを前記測定光束に対し挿脱可
    能に支持する支持手段と、 前記被検面測定用のフィゾーレンズを前記測定光束に対
    し挿脱可能に支持する支持手段と、 前記測定光束の照射方向を反転させる切り替え手段と、 前記校正用フィゾーレンズを前記測定光束に対し挿脱可
    能に支持すると共に、その校正用フィゾーレンズの配置
    方向を反転させる支持手段とを備えたことを特徴とする
    干渉測定装置。
  13. 【請求項13】 干渉計と、 被検面測定用のフィゾーレンズと、 請求項3又は請求項4に記載の反射型ゾーンプレート
    と、 前記フィゾーレンズの最終面であるフィゾー面に対する
    ヌル波面を形成する校正用ヌル素子、及びその校正用ヌ
    ル素子の入射側に配置された平面の参照面からなる校正
    用ユニットと、 前記被検面を、前記干渉計から出射される測定光束に対
    し、挿脱可能に支持する支持手段と、 前記反射型ゾーンプレートを前記測定光束に対し挿脱可
    能に支持する支持手段と、 前記校正用ユニットを前記測定光束に対し挿脱可能に支
    持する支持手段と、 前記フィゾーレンズを前記測定光束に対し挿脱可能に支
    持すると共に、そのフィゾーレンズ又は前記フィゾー面
    の配置方向を反転させる支持手段とを備えたことを特徴
    とする干渉測定装置。
  14. 【請求項14】 干渉計と、 被検面測定用のフィゾーレンズと、 請求項3又は請求項4に記載の反射型ゾーンプレート
    と、 前記フィゾーレンズの最終面であるフィゾー面を測定す
    るための校正用フィゾーレンズと、 前記被検面を、前記干渉計から出射される測定光束に対
    し、挿脱可能に支持する支持手段と、 前記反射型ゾーンプレートを前記測定光束に対し挿脱可
    能に支持する支持手段と、 前記校正用フィゾーレンズを前記測定光束に対し挿脱可
    能に支持する支持手段と、 前記被検面測定用のフィゾーレンズを前記測定光束に対
    し挿脱可能に支持すると共に、そのフィゾーレンズ又は
    前記フィゾー面の配置方向を反転させる支持手段とを備
    えたことを特徴とする干渉測定装置。
  15. 【請求項15】 投影光学系の何れかの被検面の単体の
    形状を、請求項5〜請求項8の何れか1項に記載の形状
    測定方法により測定し、 前記測定された前記被検面の単体の形状に応じて、前記
    投影光学系の一部又は全部の加工調整を行うことを特徴
    とする投影光学系の製造方法。
  16. 【請求項16】 前記被検面が非球面であることを特徴
    とする請求項5〜請求項8の何れか1項に記載の形状測
    定方法。
  17. 【請求項17】 前記被検面が非球面であることを特徴
    とする請求項9〜請求項14の何れか1項に記載の干渉
    測定装置。
  18. 【請求項18】 前記被検面が非球面であることを特徴
    とする請求項15記載の投影光学系の製造方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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WO2003076872A1 (fr) * 2002-03-12 2003-09-18 Nikon Corporation Procede de mesure de forme, dispositif de mesure d'interference, procede d'elaboration d'un systeme optique de projection et dispositif d'alignement
JP2007509321A (ja) * 2003-10-20 2007-04-12 ザイゴ コーポレイション 再構成可能干渉計システム
KR101124018B1 (ko) 2009-12-15 2012-03-23 인하대학교 산학협력단 비구면 렌즈 측정장치
JP2017167133A (ja) * 2012-09-28 2017-09-21 カール・ツァイス・エスエムティー・ゲーエムベーハー 回折光学素子

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