JP2011257286A - 軸連結補助装置および軸連結方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】互いに連結しようとする一対の回転軸4、6の端部に、雄、雌一対のスプライン軸7、11を取り付け、これらの嵌合により一対の回転軸を連結する軸連結装置において、スプライン軸7、11の軸芯を合わせるための軸連結補助装置21である。軸連結補助装置21は、一方のスプライン軸7の外側に、該スプライン軸7と同芯状に配置された芯出しリング22と、他方のスプライン軸11の外側に、該スプライン軸を中心とする同一円周上に所定の角間隔をもって配置されていて、スプライン軸7、11の嵌合に先立って、芯出しリング22の外周面に係合してスプライン軸7、11の軸芯を合わせる複数本の芯出しピン23と、を備えている。
【選択図】図1
Description
さらに、供試体の回転軸と試験装置の回転軸の芯ずれをユニバーサルジョイント等で吸収可能な軸連結装置においても、実際に芯ずれを吸収して、両スプライン軸の軸芯を一致させるためには、試験装置側のスプライン軸を上下、左右等に移動させ、両スプライン軸の軸芯を嵌合可能な範囲に合わせなければならず、この軸芯を合わせる作業が実際には非常に作業工数のかかるものであった。また、結合に作業工数がかかることによって、総試験時間増加の原因となっていた。
一方のスプライン軸の外側に、該スプライン軸と同心状に芯出しリングを配置するとともに、他方のスプライン軸の外側には、前記芯出しリングの外周面に係合して、一方のスプライン軸の軸芯と他方のスプライン軸の軸芯を嵌合可能な範囲に一致させる芯出しピンを設置したことを特徴とする。
前記互いに連結しようとする一対の回転軸のうちの一方の回転軸は、供試体の回転軸であり、他方の回転軸は、前記供試体の試験を行なう試験装置の回転軸であり、前記供試体の回転軸に一方のスプライン軸が取り付けられ、前記試験装置の回転軸には他方のスプライン軸が取り付けられていて、該他方のスプライン軸は、軸支持体に取り付けられ、該軸支持体は、軸支持体駆動部材で軸方向に移動可能になっているとともに、前記芯出しピンは、それぞれピン駆動部材で軸方向に移動可能になっていることを特徴とする。
前記複数本の芯出しピンを供試体側に突出させた状態でメインエアーシリンダにより軸支持体を供試体側に移動させ、前記芯出しリングおよび複数本の芯出しピンで両スプライン軸の軸芯のズレを解消するステップと、
全ての芯出しピンが芯出しリングの外周面に係合して両スプライン軸の軸芯が嵌合可能な範囲に一致したかを検出するステップと、
両スプライン軸の軸芯合わせ終了後にサブエアーシリンダの弁を開放し、さらにメインシリンダで軸支持体を移動させて、両スプライン軸を嵌合させるとともに、試験装置側のスプライン軸の先端面を芯出しリングの底面部に接触させるステップと、
試験装置側のスプライン軸の先端面と芯出しリングの底面部との間に隙間を発生させ両者を非接触状態にするステップと、
芯出しピンと芯出しリングとの間に隙間を発生させ両者を非接触状態にするステップと、を備えたことを特徴とする。
(2)請求項2の軸連結補助装置は、一対のスプライン軸を嵌合させる際に、両スプライン軸の軸芯がずれている場合に、芯出しリングの先端面の外周縁に、芯出しピンの円錐部の傾斜面が接触して、該傾斜面でガイドされて芯出しリングが複数本の芯出しピンで構成される環状部内に導入される。そして、複数本の芯出しピンの円柱部の外周面が芯出しリングの外周面に係合して、両スプライン軸の軸芯を嵌合可能な範囲に一致させる。
(3)請求項3の軸連結補助装置は、前記フランジ部と芯出しリングの接触面にタクトスイッチ等を配置することにより、円柱部が芯出しリングの外周面に係合したことを容易に検出することができる。
(4)請求項4の軸連結補助装置は、供試体の回転軸と、該供試体の試験を行なう試験装置の回転軸とを、芯出しリングと複数本の芯出しピンで容易、且つ確実にスプライン連結することができる。
(5)請求項5の軸連結補助装置は、複数本の芯出しピンをピン駆動部材で供試体側に前進させて、複数の芯出しピンを芯出しリングの外周面に係合させて、両スプライン軸の軸芯を嵌合可能な範囲に一致させた後に、軸支持体を軸支持体駆動部材で供試体側に前進させて両スプライン軸を嵌合させることができる。
(6)請求項6の軸連結補助装置は、ピン駆動部材および軸支持体駆動部材にエアーシリンダを使用したので、サーボモータを使用する場合に較べて構造が簡単で安価に製造することができる。
(7)請求項7の軸連結補助装置は、ピン駆動部材および軸支持体駆動部材にエアーシリンダに代えてサーボモータ又は油圧シリンダを使用したので、芯出しピンや軸支持体の停止位置精度を向上させることができる。従って、験装置側のスプライン軸の先端と芯出しリングの底面部との間に隙間等を発生させることがエアーシリンダを使用した場合に較べて容易になる。
(8)請求項8の軸連結方法は、複数の芯出しピンをピン駆動部材で前進させて、これら芯出しピンを芯出しリングの外周面に接触させることにより両スプライン軸の軸芯を嵌合可能な範囲に一致させた後に、一方のスプライン軸を供試体側に前進させることにより、両スプライン軸を嵌合させることができる。
(9)請求項9の軸連結方法は、試験装置側のスプライン軸の先端と芯出しリングの底面部とを非接触状態にするとともに、芯出しピンと芯出しリングとを非接触状態にしたので、試験装置側のスプライン軸と芯出しリングの間および芯出しリングと芯出しピンとの間で摩擦抵抗を発生させることなくエンジンの試験を行なうことができる。
図7に示すステップ0は、図1に示すように待機状態(スタンバイ状態)を示す。軸支持体12は、メインエアーシリンダ13により最も後退した位置、即ちエンジン3から最も離れた位置にある。また、4本の芯出しピン23も、サブエアーシリンダ24により最も後退した位置、即ちエンジン3から最も離れた位置にある。
ステップ3においては、全ての芯出しピン23について、円柱部23aの外周面が芯出しリング22の外周面に係合(接触)したことを、全近接センサ25の検出によって、両スプライン軸7、11の軸芯が嵌合可能な範囲に一致したものと判断する。また、ステップ3において、メインシリンダのセンサS2の位置(最大ストローク)まで移動させても、全ての近接センサ25が係合を検出しない場合には、芯出しが不首尾に終わったものとして軸支持体12をセンサS1の位置まで、及び芯出しピン23をセンサS3の位置まで各々後退させて、ステップ1から再度やりなおす。これを複数回繰り返してもなお、芯出しができない場合には、連結作業を中止する。
図7に示すステップ5は、図4に示す。ステップ5においては、ピストン24bが、センサS5の位置を通過したことを検出する。その検出により、スプライン軸が完全に結合完了したものと判断する。しかし、ピストン24bが、センサS5の位置を通過したことが検出されなかった場合には、各シリンダを待機位置まで戻し、ステップ1から再び自動結合をやりなおす。また、軸支持体12は重量(慣性)が大きいために、センサS5の位置検出と同時に完全に停止することができないため、スプライン軸11の先端面が芯出しリング22の底面部22bに接触してしまうことがある。この接触した状態のまま、スプライン軸を回転させると、スプライン軸11の先端面と芯出しリング22の底面部22が摺れてしまう問題がある。
そして、ステップ8で試験を開始する。
上述したように、隙間G1によりスプライン軸11の先端面と芯出しリング22の底面部22bを非接触状態にするとともに、隙間G2により芯出しピン23と芯出しリング22を非接触状態にしたので、これらの間で摩擦抵抗を発生させることなくエンジンの試験を行なうことが可能になる。
図8は第2実施例を示す。上記第1実施例では、芯出しピン23の先端部をエンジンカバー3aに接触させる構成にしたが、この実施例では、図8に示すように、芯出しピン23の円柱部23aにフランジ部23cを形成し、該フランジ部23cを芯出しリング22の円筒部22aの先端面に接触させる構成にしても良い。芯出しピン23の先端部をエンジンカバー3aに接触させる場合は、芯出しピン23の先端部に接触圧が集中するので芯出しピン23の先端部やエンジンカバー3aにダメージを与える虞があるが、フランジ部23cを芯出しリング22の円筒部22aの先端面に当接させる場合は、接触圧を芯出しリング22の先端面全体に分散させることができる。また、フランジ部23cと芯出しピン23の接触面にタクトセンサ26を配置することにより、スプライン軸7がスプライン軸11内に嵌合したことを検出することができる。他の構成は、第1実施例の場合と同じであるので重複する説明は省略する。
2…ラバーマウント
3…エンジン(供試体)
4…回転軸
5…ダイナモメータ
6…回転軸
7…スプライン軸
8…第1ユニバーサルジョイント
9…伸縮可能な軸
10…第2ユニバーサルジョイント
11…スプライン軸
12…軸支持体
13…軸支持体駆動部材(メインエアーシリンダ)
21…軸連結補助装置
22…芯出しリング
23…芯出しピン
23a…円柱部
23b…円錐部
23c…フランジ部
24…ピン駆動部材(サブエアーシリンダ)
24a…(サブエアーシリンダ)ロッド
24b…(サブエアーシリンダ)ピストン
Claims (9)
- 互いに嵌まり合う一対のスプライン軸を備えた回転軸であって、これらのスプライン軸の嵌合により一対の回転軸を連結する軸連結装置において、
一方のスプライン軸の外側に、該スプライン軸と同心状に芯出しリングを配置するとともに、他方のスプライン軸の外側には、前記芯出しリングの外周面に係合して、一方のスプライン軸の軸芯と他方のスプライン軸の軸芯を嵌合可能な範囲に一致させる芯出しピンを設置したことを特徴とする軸連結補助装置。 - 前記芯出しピンは、円柱部と円錐部とから構成されており、前記円柱部は芯出しリングの外周面に係合して該芯出しリングの位置決めを行ない、前記円錐部は円柱部の先端に設けられて、前記芯出しリングの外周面に当接することにより一対のスプライン軸の軸芯を嵌合可能な範囲に一致させることを特徴とする請求項1に記載の軸連結補助装置。
- 前記円柱部は、前記芯出しリングの外周面に係合したときに、前記芯出しリングの先端面に接触するフランジ部を備えていることを特徴とする請求項2に記載の軸連結補助装置。
- 前記互いに連結しようとする一対の回転軸のうちの一方の回転軸は、供試体の回転軸であり、他方の回転軸は、前記供試体の試験を行なう試験装置の回転軸であり、前記供試体の回転軸に一方のスプライン軸が取り付けられ、前記試験装置の回転軸には他方のスプライン軸が取り付けられていて、該他方のスプライン軸は、軸支持体に取り付けられ、該軸支持体は、軸支持体駆動部材で軸方向に移動可能になっているとともに、前記芯出しピンは、それぞれピン駆動部材で軸方向に移動可能になっていることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の軸連結補助装置。
- 前記ピン駆動部材は、前記少なくとも3本以上の芯出しピンを個々に前記供試体側に前進させて前記芯出しリングの外周面に係合させて前記両スプライン軸の軸芯を嵌合可能な範囲に一致させ、
前記軸支持体駆動部材は、前記軸支持体を前記供試体側に前進させて前記両スプライン軸を嵌合させることを特徴とする請求項4に記載の軸連結補助装置。 - 前記軸支持体駆動部材およびピン駆動部材は、エアーシリンダであることを特徴とする請求項4または5に記載の軸連結補助装置。
- 前記軸支持体駆動部材およびピン駆動部材は、サーボモータ又は油圧シリンダであることを特徴とする請求項4または5に記載の軸連結補助装置。
- 供試体の回転軸に一方のスプライン軸を取り付け、該一方のスプライン軸の外側に同心状に芯出しリングを配置する一方、前記供試体の試験を行なう試験装置の回転軸に他方のスプライン軸を取り付け、該他方のスプライン軸を取り付けた軸支持体に複数本の芯出しピンをピン駆動部材で軸方向に移動可能に取り付けるとともに、前記軸支持体を、軸支持体駆動部材で軸方向に移動可能とし、前記複数本の芯出しピンをピン駆動部材で前記供試体側に前進させ、前記芯出しリングの外周面に係合させて前記両スプライン軸の軸芯を嵌合可能な範囲に一致させた後に、前記他方のスプライン軸を前進させて前記両スプライン軸を嵌合することを特徴とする軸連結方法。
- 待機位置において複数本の芯出しピンをサブエアーシリンダにより前記試験装置側のスプライン軸の先端面よりも供試体側に突出させるステップと、
前記複数本の芯出しピンを供試体側に突出させた状態でメインエアーシリンダにより軸支持体を供試体側に移動させ、前記芯出しリングおよび複数本の芯出しピンで両スプライン軸の軸芯のズレを解消するステップと、
全ての芯出しピンが芯出しリングの外周面に係合して両スプライン軸の軸芯が嵌合可能な範囲に一致したかを検出するステップと、
両スプライン軸の軸芯合わせ終了後にサブエアーシリンダの弁を開放し、さらにメインシリンダで軸支持体を移動させて、両スプライン軸を嵌合させるとともに、試験装置側のスプライン軸の先端面を芯出しリングの底面部に接触させるステップと、
試験装置側のスプライン軸の先端面と芯出しリングの底面部との間に隙間を発生させ両者を非接触状態にするステップと、
芯出しピンと芯出しリングとの間に隙間を発生させ両者を非接触状態にするステップと、を備えたことを特徴とする請求項8に記載の軸連結方法。
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