JP2011256989A - 軸受装置、情報記録再生装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】ベースに立設されたシャフト20と、該シャフトを径方向外側から囲み、且つシャフトと同軸上に配設されたスリーブ21と、シャフトとスリーブとの間に介装され、シャフトに固定された内輪30、スリーブに固定された外輪31、及び内輪と外輪との間に転動自在に保持された転動体32を有する転がり軸受22、23、24と、を備え、転がり軸受が、シャフトとスリーブとの間に、該シャフトの軸方向に沿って3つ以上配設され、外輪と内輪とのうちの一方には、他方に対してシャフトの軸方向に沿ったアキシアル方向に予圧が付与されている軸受装置を提供する。
【選択図】図3
Description
このアクチュエータは、スイングアームの基端側に設けられた軸受装置に回動可能に支持されている。つまり、この軸受装置を回動させることで、スイングアームを水平面に沿って回動させることができ、スイングアーム先端のヘッド部をディスクの所定位置に移動させることで信号の記録や再生を行うことができる。
(1)本発明に係る軸受装置は、ベースに立設された円柱状のシャフトと、該シャフトを径方向外側から囲み、且つシャフトと同軸上に配設された円筒状のスリーブと、前記シャフトと前記スリーブとの間に介装され、シャフトに固定された内輪、スリーブに固定された外輪、及び内輪と外輪との間に転動自在に保持された複数の転動体を有する転がり軸受と、を備え、前記転がり軸受が、前記シャフトと前記スリーブとの間に、該シャフトの軸方向に沿って3つ以上配設され、前記外輪と前記内輪とのうちの一方には、他方に対して前記シャフトの軸方向に沿ったアキシアル方向に予圧が付与されていることを特徴とする。
しかも、予圧量を低く抑えることができるので、各転がり軸受のトルクや寿命に悪影響を与える恐れがない。むしろ、各転がり軸受のトルクを減少させることが可能であるので、スリーブを滑らかに高速度で回動させることが可能となる。また、面圧を減少させることも可能であるので、各転がり軸受の寿命を延ばすことができ、結果的に軸受装置全体の寿命を延ばすことも可能である。
特に、転がり軸受を3つに限定して部品点数の増加を極力抑えているので、コスト増加を抑制できる。しかも、軸受装置全体としてのコスト増加を抑制しながら、上述した高剛性化の実現、及びトルクや寿命に悪影響を与え難いという効果を同時に奏効できるので、軸受装置としての商品価値を高めることができる。
仮に、第3転がり軸受が、シャフトの軸方向に沿った第1転がり軸受の配設位置と第2転がり軸受の配設位置との中間位置に配設されている場合には、スリーブが傾いたときに第3転がり軸受にラジアル方向の荷重が作用し難く、該第3転がり軸受をスリーブの支持に貢献させることが難しい。
しかしながら、第3転がり軸受を上記位置に配設することで、スリーブが傾いたときにラジアル方向の荷重を支持させることができ、軸受装置の剛性をさらに高めることができる。
また、本発明に係る情報記録再生装置によれば、上記軸受装置を備えているので、高性能化及び高品質化を図ることができる。
本実施形態の情報記録再生装置1は、図1に示すように、垂直記録層を有するディスク(磁気記録媒体)Dに対して垂直記録方式で書き込みを行う装置であって、キャリッジ2と、キャリッジ2の基端側から光導波路3を介して光束を供給するレーザ光源4と、キャリッジ2の先端側に支持されたヘッドジンバルアッセンブリ(HGA)5と、ヘッドジンバルアッセンブリ5をディスク面(ディスクDの表面)D1に平行な水平面内方向にスキャン移動させるアクチュエータ6と、回転軸線L1を中心にディスクDを一定方向に回転させるスピンドルモータ(回転駆動部)7と、情報に応じて変調した電流をヘッドジンバルアッセンブリ5のスライダ5bに対して供給する制御部8と、これら各構成品を内部に収容するハウジング9と、を備えている
なお、図1においては、説明を分かりやすくするため、ハウジング9の周囲を取り囲む周壁を省略している。
このキャリッジ2は、基端部から先端部に向けて(ディスクD方向に向けて)延設されたアーム部2aと、アーム部2aを介して片持ち状に支持する基部2bとが、削り出し加工等により一体形成されたものである。基部2bは、略直方体形状に形成されたものであり、ピボット軸10回りに回動可能に支持されている。つまり、基部2bはピボット軸10を介してアクチュエータ6に連結されており、このピボット軸10がキャリッジ2の回転中心となっている。
具体的には、アーム部2aは、基端部から先端部に向かうにしたがって先細るテーパ形状に形成されており、各アーム部2a間に、ディスクDが挟み込まれるように配置されている。つまり、アーム部2aとディスクDとが、交互に配置可能に構成されており、アクチュエータ6の駆動によってアーム部2aがディスク面D1に平行な方向(水平面内方向)に移動可能になっている。
なお、キャリッジ2及びヘッドジンバルアッセンブリ5は、ディスクDの回転停止時にアクチュエータ6の駆動によって、ディスクD上から退避するようになっている。
なお、近接場光発生素子は、例えば、光学的微小開口やナノメートルサイズに形成された突起部等により構成されている。
図2及び図3に示すように、ピボット軸10は、ハウジング9の底部9aに立設された略円柱状のシャフト20と、該シャフト20を径方向外側から囲み、且つシャフト20と同軸上に配設された略円筒状のスリーブ21と、シャフト20とスリーブ21との間に介装された第1転がり軸受22、第2転がり軸受23及び第3転がり軸受24と、を備えている。
なお、本実施形態では、回転軸線L2に直交する方向を径方向といい、回転軸線L2を中心に周回する方向を周方向という。
このようにして、シャフト20はハウジング9の底部9aに立設されている。この際、中径部26がハウジング9の底部9aに接することで、シャフト20の高さ方向の位置決めがなされている。
そして、このスリーブ21は、キャリッジ2の基部2bに形成された取付孔2e内に圧入又は接着嵌合されている。
なお、本実施形態では、転動体32をボールとして説明している。また、この転動体32は、図示しない保持器によって転動可能に保持されている。
また、第2転がり軸受23は、シャフト20の基端部側、具体的にはフランジ部25とスペーサ部21aとの間に挟まれた状態で、内輪30がシャフト20の外周面に接着固定され、外輪31がスリーブ21の内周面に接着固定されている。
なお、第1転がり軸受22と第3転がり軸受24との間には、環状のスペーサリング35が介装されており、両転がり軸受22、24の間に隙間を確保している。
次に、上記のように構成されたピボット軸10の製造方法について、図4から図12を参照して説明する。
まず、図4に示すように、シャフト20の基端部側の外周面に図示しない接着剤(例えば嫌気性の接着剤)を塗布する。そして、シャフト20に第2転がり軸受23を挿通して、内輪30がフランジ部25に当接するまで第2転がり軸受23を押し込む。
即ち、図7に示すように、第3転がり軸受24の内輪30を第2転がり軸受23側に向けて所定圧力で押圧しながら、第2転がり軸受23及び第3転がり軸受24をシャフト20及びスリーブ21に固定する。
なお、第3転がり軸受24の内輪30を所定圧力で押圧する際には、押圧治具Jを用いる。この押圧治具Jは、先端が平坦面に形成されており、この先端を第3転がり軸受24の内輪30に対して確実且つ安定して当接させることが可能とされている。
次いで、図10に示すように、シャフト20の先端部側の外周面及びスリーブ21の先端部側の内周面に、第1転がり軸受22用の接着剤を塗布した後、まず環状のスペーサリング35をシャフト20とスリーブ21との間に画成された円環状空間内に挿入し、第3転がり軸受24の外輪31上に載置する。
続いて、シャフト20とスリーブ21との間に画成された円環状空間内に第1転がり軸受22を挿入し、外輪31がスペーサリング35に当接するまで第1転がり軸受22を押し込む。
即ち、図11に示すように、第1転がり軸受22の内輪30を第3転がり軸受24側に向けて所定圧力で押圧しながら、第1転がり軸受22をシャフト20及びスリーブ21に固定する。なお、この場合であっても押圧治具Jを用いる。
特に、第1転がり軸受22は、内輪30が押圧治具Jにより押圧されるため、図12に示すように内輪30の転走面30aと転動体32とは転走面30aの中央部30bより押圧治具J側で点接触する。また、外輪31の転走面31aと転動体32とは、転走面31aの中央部31bよりも第3転がり軸受24側で点接触する。従って、予圧方向が、図12に示す矢印方向となる。
よって、アーム部2aにはディスクDに近づくような力が作用し易く、これに伴ってスリーブ21には上記曲げモーメントが作用し易い。
特に、第3転がり軸受24が第2転がり軸受23側に寄っている場合よりも、第1転がり軸受22側に寄っている場合の方が、スリーブ21が傾いたときにラジアル方向の荷重をより効果的に支持し易いので好適である。
また、転がり軸受を3つにした場合、第3転がり軸受24を第2転がり軸受23側に寄った位置に配設しても構わないし、シャフト20の軸方向に沿って第1転がり軸受22と第2転がり軸受23との略中間部付近に配設しても構わない。
同様に、第1転がり軸受22と第3転がり軸受24との間をスペーサリング35によってシャフト20の軸方向に離間させたが、スリーブ21にスペーサ部21aを突設し、該スペーサ部21aを利用しても構わない。
この場合には、図13に示すように、第3転がり軸受24の内輪30に予圧を付与した際に、外輪31に対して内輪30が移動する移動量Y3と、第1転がり軸受22の内輪30に予圧を付与した際に、外輪31に対して内輪30が移動する移動量Y1と、が以下の関係を満たすように設計すれば良い。
即ち、(移動量Y3と移動量Y1とが同じ)或いは(移動量Y3の方が移動量Y1よりも大きい)、という関係を満たすように設計すれば良い。
次に、上記実施形態の3つの転がり軸受22、23、24を有するピボット軸10と、従来の2つの転がり軸受を有するピボット軸と、について、実際に剛性及びトルクに関して測定を行った実施例について説明する。
上記実施形態のピボット軸10と、従来のピボット軸とは、転がり軸受の数が異なるだけで基本的な構成は同一である。転がり軸受の構成も同一であり、該転がり軸受の装着方法も同一である。なお、従来のピボット軸が有する2つの転がり軸受の配設位置は、上記実施形態のピボット軸10における、第1転がり軸受22及び第2転がり軸受23の配設位置と同じである。また、転動体32の数は、13個とした。
一方、従来のピボット軸に関しては、2つの転がり軸受を組み込んだ後に、予圧として1200gの荷重をアキシアル方向に付与した。
剛性の測定方法としては、両ピボット軸をアキシアル方向に加振させ、その間スリーブの端面にレーザー光を照射し、反射したレーザ光に基づいてアキシアル方向の共振周波数f(kHz)を測定した。一般的に共振周波数は剛性に比例するので、結果的に剛性を測定したことと同様である。
この図14に示すように、従来のピボット軸については、5回の測定の平均値が略7.80kHzであり、その標準偏差(StDev)は略0.21kHzであった。なお、図14において、平均値を点で示し、上記標準偏差を考慮した数値範囲を点線で囲んで示している。
これに対して、上記実施形態のピボット軸10については、5回の測定の平均値が略8.75kHzであり、その標準偏差は略0.19kHzであった。
この図15に示すように、従来のピボット軸については、5回の測定の平均値が略1.02(g・cm)であり、その標準偏差は略0.06(g・cm)であった。
これに対して、上記実施形態のピボット軸10については、5回の測定の平均値が略0.97(g・cm)であり、その標準偏差は略0.05(g・cm)であった。
この図16に示すように、従来のピボット軸については、5回の測定の平均値が略1.15(g・cm)であり、その標準偏差は略0.06(g・cm)であった。
これに対して、上記実施形態のピボット軸10については、5回の測定の平均値が略1.10(g・cm)であり、その標準偏差は略0.05(g・cm)であった。
この図17に示すように、従来のピボット軸については、5回の測定の平均値が略0.16(g・cm)であり、その標準偏差は略0.02(g・cm)であった。
これに対して、上記実施形態のピボット軸10については、5回の測定の平均値が略0.16(g・cm)であり、その標準偏差は略0.02(g・cm)であった。
1…情報記録再生装置
2…キャリッジ
2a…アーム部
5…ヘッドジンバルアッセンブリ
6…アクチュエータ
7…スピンドルモータ(回転駆動部)
9a…ハウジングの底部(ベース)
10…ピボット軸(軸受装置)
20…シャフト
21…スリーブ
22…第1転がり軸受
23…第2転がり軸受
24…第3転がり軸受
30…内輪
31…外輪
32…転動体
Claims (5)
- ベースに立設された円柱状のシャフトと、
該シャフトを径方向外側から囲み、且つシャフトと同軸上に配設された円筒状のスリーブと、
前記シャフトと前記スリーブとの間に介装され、シャフトに固定された内輪、スリーブに固定された外輪、及び内輪と外輪との間に転動自在に保持された複数の転動体を有する転がり軸受と、を備え、
前記転がり軸受は、前記シャフトと前記スリーブとの間に、該シャフトの軸方向に沿って3つ以上配設され、
前記外輪と前記内輪とのうちの一方には、他方に対して前記シャフトの軸方向に沿ったアキシアル方向に予圧が付与されていることを特徴とする軸受装置。 - 請求項1に記載の軸受装置において、
前記転がり軸受は、
前記シャフトの先端部側に配設された第1転がり軸受と、
前記シャフトの基端部側に配設された第2転がり軸受と、
前記シャフトの軸方向に沿って前記第1転がり軸受と前記第2転がり軸受との間に挟まれるように配設された第3転がり軸受と、を備えていることを特徴とする軸受装置。 - 請求項2に記載の軸受装置において、
前記第3転がり軸受は、前記シャフトの軸方向に沿った、前記第1転がり軸受の配設位置と前記第2転がり軸受の配設位置との中間位置よりも、第1転がり軸受又は第2転がり軸受のいずれか側に寄った位置に配設されていることを特徴とする軸受装置。 - 請求項3に記載の軸受装置において、
前記第3転がり軸受は、前記中間位置よりも、前記第1転がり軸受側に寄った位置に配設されていることを特徴とする軸受装置。 - 請求項1から4のいずれか1項に記載の軸受装置と、
前記スリーブに外嵌されて該スリーブと共に前記シャフトの回りを回動自在とされ、ヘッドジンバルアッセンブリを支持するアーム部を有するキャリッジと、
磁気記録媒体を一定方向に回転させる回転駆動部と、
前記キャリッジを回動させ、ヘッドジンバルアッセンブリを前記磁気記録媒体の表面に平行な方向に向けて移動させるアクチュエータと、を備えていることを特徴とする情報記録再生装置。
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