(第1の実施形態)
以下、本発明をパチンコ遊技機に具体化した第1の実施形態を図1〜図16にしたがって説明する。
パチンコ遊技機の遊技盤10のほぼ中央には、液晶ディスプレイ型の画像表示部GHを有する演出表示装置11が配設されている。演出表示装置11には、複数列(本実施形態では3列)の図柄列を変動させて行う図柄変動ゲームを含み、該ゲームに関連して実行される各種の表示演出が画像表示される。本実施形態において演出表示装置11の図柄変動ゲームでは、複数列(本実施形態では3列)の図柄からなる図柄組み合わせを導出する。なお、演出表示装置11の図柄変動ゲームは、表示演出を多様化するための飾り図柄(演出図柄)を用いて行われる。
また、演出表示装置11の右下には、7セグメント型の特別図柄表示装置12が配設されている。特別図柄表示装置12では、複数種類の特別図柄を変動させて表示する図柄変動ゲームが行われる。特別図柄は、大当りか否かの内部抽選(大当り抽選)の結果を示す報知用の図柄である。
そして、演出表示装置11には、特別図柄表示装置12の表示結果に応じた表示結果が表示される。具体的に言えば、特別図柄表示装置12に大当りを認識し得る大当り図柄(大当り表示結果)が確定停止表示される場合には、演出表示装置11にも大当り図柄(大当り表示結果)が確定停止表示される。また、特別図柄表示装置12にはずれを認識し得るはずれ図柄(はずれ表示結果)が確定停止表示される場合には、演出表示装置11にもはずれ図柄(はずれ表示結果)が確定停止表示される。
なお、演出表示装置11に確定停止表示される大当り図柄は、全列の飾り図柄が同一図柄となる図柄組み合わせによって構成される。また、演出表示装置11に確定停止表示されるはずれ図柄は、全列の飾り図柄が異なる飾り図柄となる図柄組み合わせや、1列の飾り図柄が他の2列の飾り図柄とは異なる飾り図柄となる図柄組み合わせによって構成される。また、演出表示装置11では、遊技者側から見て左列→右列→中列の順に図柄列の変動が停止するようになっており、特定の2列(本実施形態では左右の2列)に同一の飾り図柄が一旦停止表示(ゆれ変動表示)された場合、リーチが形成される。
また、遊技盤10において特別図柄表示装置12の右方には、普通図柄表示装置13が配設されている。普通図柄表示装置13では、複数種類の普通図柄を変動させて1つの普通図柄を導出する普通図柄変動ゲーム(以下、単に「普図ゲーム」と示す)が行われる。本実施形態の普通図柄表示装置13は、図示しない発光体(LEDやランプなど)をレンズカバー(図1では表面に「○(丸)」と「×(ばつ)」を装飾したもの)で覆って構成した複数個(本実施形態では2個)の普通図柄表示部から構成されている。普通図柄表示装置13では、当りか否かの当り抽選とは別に行う普図当りか否かの内部抽選(後述する普図当り抽選)の抽選結果を表示する。
また、特別図柄表示装置12の左下方には、複数個(本実施形態では4個)の特別図柄保留発光部を備えた特別図柄保留記憶表示装置Raが配設されている。特別図柄保留記憶表示装置Raは、機内部で記憶した特別図柄用の始動保留球の記憶数(以下、「特図始動保留記憶数」と示す)を遊技者に報知する。特図始動保留記憶数は、遊技盤10に配設した始動入賞口(上始動入賞口14又は下始動入賞口15)に遊技球が入球することで1加算される一方で、図柄変動ゲームの開始により1減算される。したがって、図柄変動ゲーム中に始動入賞口へ遊技球が入球すると、特図始動保留記憶数はさらに加算されるとともに、所定の上限数(本実施形態では4個)まで累積される。
また、画像表示部GHの下方領域には、特図始動保留記憶数を画像表示するための保留画像表示領域Hが形成されている。保留画像表示領域Hは、図1に示すように、特図始動保留記憶数の上限数に対応する4つの個別表示領域(報知部)H1,H2,H3,H4を含んで構成されている。そして、保留画像表示領域Hでは、特図始動保留記憶数に対応する個数の個別表示領域が、保留有表示の態様で画像表示される。例えば、特図始動保留記憶数「2」の場合には、個別表示領域H1,H2が保留有表示の態様で画像表示される一方で、個別表示領域H3,H4が保留無表示の態様で画像表示される。すなわち、個別表示領域は、始動保留球毎に個別対応している。なお、図1では、保留有表示の態様として、個別表示領域に右下がり斜線を付している。保留有表示の態様と保留無表示の態様は、始動保留球の存在の有無を認識できれば具体的な表示態様は如何なる態様でも良く、例えば、保留有表示の態様として特図始動保留記憶数に対応する個数の個別表示領域のみに所定の画像(例えば、玉の画像)を表示し、保留無表示の態様としてその他の個別表示領域には何も画像表示しないことでも良い。保留画像表示領域は、遊技者が常に注目する画像表示部GHに形成されていることから、遊技者は、保留画像表示領域Hにおける保留有表示の態様で画像表示された個別表示領域の個数から特図始動保留記憶数を認識することになる。
また、演出表示装置11の下方には、遊技球の入球口14aを有する始動手段としての上始動入賞口14と遊技球の入球口15aを有する始動手段としての下始動入賞口15が上下方向に並ぶように配置されている。上始動入賞口14は、常時遊技球の入球を許容し得るように入球口14aを常時開放させた構成とされている。一方で、下始動入賞口15は普通電動役物とされ、図示しないアクチュエータ(ソレノイド、モータなど)の作動により開閉動作を行う開閉羽根16を備えており、開閉羽根16が開動作することにより遊技球の入球を許容し得るように入球口15aを開放させる構成とされている。
上始動入賞口14と下始動入賞口15の各奥方には、入球した遊技球を検知する始動手段としての始動口スイッチSW1,SW2(図3に示す)が配設されている。上始動入賞口14と下始動入賞口15は、入球した遊技球を検知することにより、図柄変動ゲームの始動条件と予め定めた個数の賞球としての遊技球の払出条件を付与し得る。
下始動入賞口15の下方には、図示しないアクチュエータ(ソレノイド、モータなど)の作動により開閉動作を行う大入賞口扉17を備えた大入賞口(特別電動役物)18が配設されている。大入賞口18の奥方には、入球した遊技球を検知するカウントスイッチSW3(図3に示す)が配設されている。大入賞口18は、入球した遊技球を検知することにより、予め定めた個数の賞球としての遊技球の払出条件を付与し得る。大入賞口18は、大当り遊技中に大入賞口扉17の開動作によって開放されることで遊技球の入球が許容される。このため、大当り遊技中、遊技者は、賞球を獲得できるチャンスを得ることができる。
大当り遊技は、内部抽選で大当りを決定し、図柄変動ゲームにて大当り図柄が確定停止表示されることを契機に付与される。大当り遊技が開始すると、最初に大当り遊技の開始を示すオープニング演出が行われる。オープニング演出終了後には、大入賞口扉17の開動作により大入賞口18が開放されるラウンド遊技が予め定めた規定ラウンド数(本実施形態では、15回)を上限として複数回行われる。1回のラウンド遊技は、ラウンド遊技が開始してから予め定めたラウンド遊技時間が経過すること、又は予め定めた入球上限個数の遊技球が入球することの何れか早く成立した方の条件を満たすことにより終了する。そして、大当り遊技は、規定ラウンド数のラウンド遊技の終了後に大当り遊技の終了を示すエンディング演出が行われて終了する。
また、演出表示装置11の左方には、普通図柄作動ゲート19が配設されている。普通図柄作動ゲート19の奥方には、該普通図柄作動ゲート19へ入球し通過した遊技球を検知する普通図柄変動スイッチSW4(図3に示す)が設けられている。普通図柄作動ゲート19は、遊技球の通過を契機に、普図ゲームの始動条件のみを付与し得る。本実施形態のパチンコ遊技機では、遊技球が普通図柄作動ゲート19を通過(普通図柄変動スイッチSW4が遊技球を検知)したことを抽選条件とし、この抽選条件の成立を契機として、下始動入賞口15を開閉する開閉羽根16を閉状態から開状態へ動作させるか否かの開放抽選としての普図当り抽選が内部的に行われる。
また、本実施形態のパチンコ遊技機は、確率変動(以下、「確変」と示す)機能を備えている。確変機能は、確変大当りに当選したことを条件として、大当り遊技終了後に大当り抽選の抽選確率状態を低確率状態(低確率抽選状態)から高確率状態(高確率抽選状態)に変動させる確変状態を付与する機能である。また、確変状態は、次回の大当りが生起される迄の間、付与される。確変状態は、大当り抽選の当選確率が高確率に変動して大当りが生起され易くなるため、遊技者にとって有利な状態となり得る。本実施形態では、大当り遊技終了後に確変状態を付与する大当りが確変大当りとなり、大当り遊技終了後に確変状態が付与されない(非確変状態が付与される)大当りが非確変大当りとなる。そして、何れの大当りとするかは、大当り抽選に当選した際に決定する特別図柄(大当り図柄)の種類に応じて決定される。特別図柄(大当り図柄)の決定には、後述する特図振分用乱数が用いられ、その特図振分用乱数の抽出値をもとに特別図柄が選択されるようになっている。そして、特図振分用乱数の値は、大当りの種類毎に対応する各特別図柄に対して、所定個数ずつ(例えば、1つずつ)振分けられている。
また、本実施形態のパチンコ遊技機は、変動時間短縮(以下、「変短」と示す)機能を備えている。変短機能は、普図ゲームの変動時間が短縮されるとともに、普通図柄作動ゲート19の通過に基づく普図当り抽選の当選確率(抽選確率)を低確率から高確率に変動させる変短状態を付与する機能である。また、変短状態中は、1回の普図当り抽選に当選したことに基づく開閉羽根16の合計開放時間が、非変短状態中に比して長くなる。そして、変短状態は、予め定めた回数の図柄変動ゲームが行われる迄の間、又は前記回数に達する前に大当りが生起される迄の間、付与される。
以下、本実施形態に設定されている大当りの種類について説明する。
大当りLA,LBに基づく大当り遊技の終了後には、大当り抽選の当選時における遊技状態に関係なく、確変状態が次回の大当りが生起される迄の間付与される。その一方で、大当りLCに基づく大当り遊技の終了後には、大当り抽選の当選時における遊技状態に関係なく、非確変状態が付与される。また、大当りLAに当選した場合、その確変状態の終了時まで変短状態が付与される一方で、大当りLB,LCに当選した場合、大当り遊技の終了後、100回の図柄変動ゲームの終了時まで変短状態が付与されるようになっている。本実施形態のパチンコ遊技機では、大当りLBに基づく大当り遊技及び大当りLCに基づく大当り遊技の終了後に確変状態が付与されているか否か(高確率状態であるか否か)を遊技者に推測させるゲーム性を作り出している。
また、図2に示すように、本実施形態のパチンコ遊技機は、大当り抽選の抽選確率状態が、高確率状態(確変状態)及び低確率状態(非確変状態)の何れかであることを示す複数(本実施形態では3つ)の演出モードを備えている。そして、本実施形態のパチンコ遊技機では、予め定めた移行条件が成立することによって演出モードを他の演出モードへ移行させるようになっている。本実施形態では、演出モードとして、通常モードと、高確確定モードと、潜確モードと、が設定されている。
「通常モード」は、非確変状態又は確変状態、かつ非変短状態の演出モードとされている。「高確確定モード」は、確変状態かつ変短状態の演出モードとされている。「潜確モード」は、非確変状態又は確変状態、かつ変短状態の演出モードとされている。そして、これらの演出モードは、後述する制御によって互いに移行可能となっている。
各演出モードの滞在中は、その滞在中の演出モードに対応するモード報知画像が演出表示装置11(画像表示部GH)に画像表示されるようになっている。本実施形態におけるモード報知画像は、図柄の背面に映し出される背景画像となっており、各演出モードに対応する背景画像は、図2に示すように、演出モード毎に画像内容が異なるように個別設定されている。このような演出モードに応じた背景画像を画像表示させることにより、遊技者は、背景画像の種類から滞在中の演出モードを認識し得るようになっている。
そして、本実施形態のパチンコ遊技機では、遊技球の入球時に判定した判定結果を使用して実行させる先読み演出の実行を決定した時点で記憶されている始動保留球を用いて一連のストーリ性を備えた先読み演出を実行可能に構成されている。本実施形態の先読み演出は、演出表示装置11で実行される演出となっている。そして、先読み演出の実行を決定した時点で複数の始動保留球が既に記憶されているのであれば、複数回の図柄変動ゲームに亘って一連のストーリ性を備えた演出が実行される。この場合、先読み演出の対象となる対象始動保留球に基づいて実行される1セットの先読み演出において、先読み演出が実行されない図柄変動ゲームが存在することがないようになっている。その一方で、先読み演出の実行を決定した時点で始動保留球が記憶されていない場合には、1回の図柄変動ゲームを対象として一連のストーリ性を備えた演出が実行される。また、本実施形態の先読み演出では、先読み演出が終了する図柄変動ゲームでリーチ演出が実行されるようになっている。
ちなみに、「一連のストーリ性を備えた演出」とは、時間の経過に伴って進行することで1つのストーリを形成する演出態様を指すとともに、先読み演出の対象となる全図柄変動ゲームを1回の実行単位としている。なお、複数の図柄変動ゲームに跨って先読み演出が実行される場合であっても、その演出内容を、図柄変動ゲーム単位ではなく、経過時間によって区切っている。例えば、先読み演出の対象となる図柄変動ゲームの回数が「3回」の場合、先読み演出開始から5秒経過するまでは、キャラクタが歩き、その後、5秒経過するまでは、キャラクタが走り、続いて、さらに5秒経過するまでは、キャラクタが跳ぶといった流れで実行されるようになっている。
なお、本実施形態では、各図柄変動ゲームで同じ演出を繰り返し実行する演出(例えば、可動体を1回ずつ可動させる演出)は、先読み演出に該当しない。また、各図柄変動ゲームで異なる演出を実行させる場合であっても、図柄変動ゲーム単位で一連のストーリ性を備えた演出の内容を変化させるのであれば、先読み演出に該当しない。
次に、パチンコ遊技機の制御構成を図3にしたがって説明する。
機裏側には、パチンコ遊技機全体を制御する主制御基板30が装着されている。主制御基板30は、パチンコ遊技機全体を制御するための各種処理を実行するとともに、該処理結果に応じた各種の制御信号(制御コマンド)を出力する。また、機裏側には、演出制御基板31が装着されている。演出制御基板31は、主制御基板30が出力した制御指令に基づき、各種の演出装置の動作を制御する。
以下、主制御基板30及び演出制御基板31の具体的構成を説明する。
主制御基板30には、制御動作を所定の手順で実行する主制御用CPU30aと、主制御用CPU30aの制御プログラムを格納する主制御用ROM30bと、必要なデータの書き込み及び読み出しができる主制御用RAM30cが設けられている。そして、主制御用CPU30aには、各種スイッチSW1〜SW4、特別図柄表示装置12、普通図柄表示装置13、及び特別図柄保留記憶表示装置Raが接続されている。
また、主制御用CPU30aは、大当り判定用乱数、リーチ判定用乱数、先読み演出判定用乱数、特図振分用乱数、普図当り判定用乱数、及び変動パターン振分用乱数などの各種乱数の値を所定の周期毎に更新する乱数更新処理(乱数生成処理)を実行する。大当り判定用乱数は、大当り抽選で用いる乱数である。リーチ判定用乱数は、大当り抽選に当選しなかった場合、すなわちはずれの場合にリーチを形成するか否かのリーチ抽選(リーチ判定)で用いる乱数である。先読み演出判定用乱数は、先読み演出を実行させるか否かの先読み演出判定で用いる乱数である。特図振分用乱数は、大当り図柄を決定する際に用いる乱数である。普図当り判定用乱数は、普図当りか否かの普図当り抽選で用いる乱数である。変動パターン振分用乱数は、変動パターンを選択する際に用いる乱数である。また、主制御用RAM30cには、パチンコ遊技機の動作中に適宜書き換えられる各種情報(乱数値、タイマ値、フラグなど)が記憶(設定)される。
主制御用ROM30bには、メイン制御プログラムや複数種類の変動パターンが記憶されている。変動パターンは、図柄変動ゲームが開始してから図柄変動ゲームが終了する迄の間の演出(表示演出、発光演出、音声演出)のベースとなるパターンであって、図柄変動ゲームの演出内容及び演出時間(変動時間)を特定し得る。そして、変動パターンは、大当り演出用、はずれリーチ演出用及びはずれ演出用からなる変動内容毎に分類されている。
大当り演出は、図柄変動ゲームが、リーチ演出を経て、最終的に大当り図柄を確定停止表示させるように展開される演出である。また、はずれリーチ演出は、図柄変動ゲームが、リーチ演出を経て、最終的にはずれ図柄を確定停止表示させるように展開される演出である。また、はずれ演出は、図柄変動ゲームが、リーチ演出を経ることなく最終的にはずれ図柄を確定停止表示させるように展開される演出である。リーチ演出は、演出表示装置11の飾り図柄による図柄変動ゲームにおいて、リーチが形成されてから、最終的に図柄組み合わせ(大当り図柄又ははずれ図柄)が導出される迄の間に行われる演出である。なお、特別図柄表示装置12では、図柄変動ゲームが開始されると、リーチ演出を行うことなく、変動時間の経過時迄図柄の変動が継続される。
ここで、本実施形態に設定される変動パターンについて図4に従って説明する。
はずれ演出用の変動パターンP1は、変動内容に「通常変動」を含む変動パターンである一方で、はずれ演出用の変動パターンP2(P2−1,P2−2)は、変動内容に「短縮変動」を含む変動パターンである。通常変動は、図柄変動ゲームの開始後、各列の変動を予め定めた図柄列の変動停止順序(左列→右列→中列)にしたがって変動を停止させて各列に図柄を導出させるはずれ演出である。短縮変動は、図柄変動ゲームの開始後、各列の変動をほぼ同一のタイミングで停止させて各列に図柄を導出させるはずれ演出である。そして、「短縮変動」は、「通常変動」よりも変動時間が短く設定されている。なお、変動パターンP2−1と変動パターンP2−2には、同一の変動時間が対応付けられているものの、その変動内容が一部異なっている。
大当り演出用の変動パターンP3,P5,P7は、変動内容にリーチ形成後、最終停止図柄が導出されるまでの変動内容が異なる「リーチA」、「リーチB」、又は「リーチC」を含む変動パターンである。一方、はずれリーチ演出用の変動パターンP4,P6,P8は、変動内容に「リーチA」、「リーチB」、又は「リーチC」を含む変動パターンである。また、本実施形態では、同一の変動内容を含む変動パターンは、大当り演出用の変動パターン又ははずれリーチ演出用の変動パターンであるか否かにかかわらず、同一の変動時間を定めている。
また、主制御用ROM30bには、大当り判定値が記憶されている。大当り判定値は、大当り抽選で用いる判定値であり、大当り判定用乱数の取り得る数値(0〜1422までの全1423通りの整数)の中から定められている。そして、大当り判定値は、非確変状態時の大当り抽選で用いる低確用率の大当り判定値と、確変状態時の大当り抽選で用いる高確率の大当り判定値とがある。高確率用の大当り判定値の設定数(本実施形態では40個)は、低確率用の大当り判定値の設定数(本実施形態では4個)よりも多く設定されている。このような設定によれば、非確変状態時の大当り抽選で当選する確率は1423分の4となる一方で、確変状態時の大当り抽選で当選する確率は1423分の40となる。
本実施形態の低確率用の大当り判定値は、「17、125、401、520」の4個に設定されている。一方、本実施形態の確変用判定値は、上記「17、125、401、520」の4個の値に、「37、83、185…(以下省略)」などの36個の値を加えた合計40個に設定されている。そして、低確率用の大当り判定値と高確率用の大当り判定値は、その総数は異なるが、設定値については一部の値(本実施形態では「17、125、401、520」)が共通値とされている。この共通値(「17、125、401、520」)は、非確変状態時及び確変状態時の何れの状態においても大当り判定用乱数の値と一致する値とされている(共通大当り判定値)。一方、高確率用の大当り判定値において、前記共通値(「17、125、401、520」)を除く、他の値(36個)は、低確率用の大当り判定値(共通大当り判定値)とは異なる非共通値(非共通大当り判定値)とされている。この非共通値は、大当り抽選時の遊技状態に応じて、大当り判定値と一致する場合と一致しない場合とがある。具体的に言えば、非共通大当り判定値は、非確変状態時の大当り抽選において、大当り判定用乱数の値とは一致しない。その一方で、非共通大当り判定値は、確変状態時の大当り抽選において、大当り判定用乱数の値と一致する。
また、主制御用ROM30bには、リーチ判定値が記憶されている。リーチ判定値は、リーチ抽選で用いる判定値であり、リーチ判定用乱数の取り得る数値(0〜240迄の全241通りの整数)の中から定められている。さらに、リーチ判定値は、非確変状態時のリーチ判定値と、確変状態時のリーチ判定値とがある。そして、リーチ判定値の数は、後に詳述する特別図柄開始処理(図10及び図11)における1減算後の特図始動保留記憶数(0〜3)によって異なっている。
具体的には、図5に示すように、非確変状態時において、特図始動保留記憶数が「0」「1」の時のリーチ判定値の数は、0〜36までの整数で示す37個に定められている。また、非確変状態時において、特図始動保留記憶数が「2」の時のリーチ判定値の数は、0〜14までの整数で示す15個に設定されている。さらに、非確変状態時において、特図始動保留記憶数が「3」の時のリーチ判定値の数は、0〜2までの整数で示す3個に設定されている。このように、非確変状態時のリーチ判定値は、特図始動保留記憶数によって取り得る値の範囲が異なるように設定されているが、特図始動保留記憶数が異なったとしてもその一部は同じ値を取り得るように設定されている。すなわち、非確変状態時のリーチ判定値は、「0」〜「2」の値を必ずその範囲に含んでいる。本実施形態では、「0」〜「2」の値が、非確変状態時における共通リーチ判定値となる一方で、「3」〜「36」までの値が、「0」〜「2」を基準とした場合、非確変状態時における非共通リーチ判定値となる。
同様に、図5に示すように、確変状態時において、特図始動保留記憶数が「0」「1」の時のリーチ判定値の数は、0〜39までの整数で示す40個に定められている。また、確変状態時において、特図始動保留記憶数が「2」の時のリーチ判定値の数は、0〜16までの整数で示す17個に設定されている。さらに、確変状態時において、特図始動保留記憶数が「3」の時のリーチ判定値の数は、0〜4までの整数で示す5個に設定されている。このように、確変状態時のリーチ判定値は、特図始動保留記憶数によって取り得る値の範囲が異なるように設定されているが、特図始動保留記憶数が異なったとしてもその一部は同じ値を取り得るように設定されている。すなわち、確変状態時のリーチ判定値は、「0」〜「4」の値を必ずその範囲に含んでいる。本実施形態では、「0」〜「4」の値が、確変状態時における共通リーチ判定値となる一方で、「5」〜「39」までの値が、「0」〜「4」を基準とした場合、確変状態時における非共通リーチ判定値となる。そして、特図始動保留記憶数にかかわらず、確変状態時のリーチ判定値の数は、非確変状態時のリーチ判定値の数よりも多くなるように設定されている。
また、主制御用ROM30bには、先読み演出判定値が記憶されている。先読み演出判定値は、先読み演出を実行させるか否かの内部抽選(先読み演出判定)で用いる判定値であり、先読み演出判定用乱数(0〜232迄の全233通りの整数)の中から定められている。さらに、先読み演出判定値は、大当り時の先読み演出判定で用いる大当り用の先読み演出判定値(本実施形態では、70個)と大当り抽選に当選しなかった時の先読み演出判定で用いるはずれ用の先読み演出判定値(本実施形態では、2個)とがある。
また、主制御用ROM30bには、普図当り判定値が記憶されている。普図当り判定値は、普図当りか否かの内部抽選(普図当り抽選)で用いる判定値であり、普図当り判定用乱数の取り得る数値(0〜250迄の全251通りの整数)の中から定められている。さらに、普図当り判定値は、非変短状態時の普図当り抽選で用いる低確率用の普図当り判定値(本実施形態では、13個)と、変短状態時の普図当り抽選で用いる高確率用の普図当り判定値(本実施形態では、250個)とがある。
次に、演出制御基板31について説明する。
演出制御基板31には、制御動作を所定の手順で実行する演出制御用CPU31aと、演出制御用CPU31aの制御プログラムを格納する演出制御用ROM31bと、必要なデータの書き込み及び読み出しができる演出制御用RAM31cが設けられている。また、演出制御用RAM31cには、パチンコ遊技機の動作中に適宜書き換えられる各種情報(タイマ値、フラグなど)が記憶(設定)される。また、演出制御用CPU31aには、演出表示装置11が接続されている。また、演出制御用ROM31bには、各種の画像データ(図柄、背景、文字、キャラクタなどの画像データ)が記憶されている。
以下、主制御基板30の主制御用CPU30aが、メイン制御プログラムに基づき実行する特別図柄入力処理や特別図柄開始処理などの各種処理について説明する。本実施形態において主制御用CPU30aは、所定の制御周期(例えば、4ms)毎に特別図柄入力処理や特別図柄開始処理などの各種処理を実行する。
最初に、特別図柄入力処理について図8に従って説明する。
主制御用CPU30aは、上始動入賞口14又は下始動入賞口15に遊技球が入球したか否かを判定する(ステップS1)。ステップS1において主制御用CPU30aは、始動口スイッチSW1,SW2が遊技球を検知した時に出力する検知信号を入力したか否かを判定する。ステップS1の判定結果が否定の場合、主制御用CPU30aは、特別図柄入力処理を終了する。ステップS1の判定結果が肯定の場合、主制御用CPU30aは、主制御用RAM30cに記憶されている特図始動保留記憶数が上限数の4未満であるか否かを判定する(ステップS2)。ステップS2の判定結果が否定(特図始動保留記憶数=4)の場合、主制御用CPU30aは、特別図柄入力処理を終了する。
ステップS2の判定結果が肯定(特図始動保留記憶数<4)の場合、主制御用CPU30aは、特図始動保留記憶数を+1(1加算)し、特図始動保留記憶数を書き換える(ステップS3)。また、主制御用CPU30aは、1加算後の特図始動保留記憶数を表すように特別図柄保留記憶表示装置Raの表示内容を変更させる。また、主制御用CPU30aは、加算後の特図始動保留記憶数を指示する保留指定コマンドを演出制御用CPU31aに出力するように送信バッファにセットする。保留指定コマンドは、次周期からの制御周期において出力される。
続いて、主制御用CPU30aは、大当り判定用乱数の値、リーチ判定用乱数の値、先読み演出判定用乱数の値、特図振分用乱数の値、及び変動パターン振分用乱数の値を主制御用RAM30cから読み出して取得し、該値を特図始動保留記憶数に対応付けられた主制御用RAM30cの所定の記憶領域に設定する(ステップS4)。その後、主制御用CPU30aは、後に詳細に説明するコマンド設定処理を実行し(ステップS5)、特別図柄入力処理を終了する。コマンド設定処理とは、特別図柄入力処理において上始動入賞口14又は下始動入賞口15で検知されたときに取得した各種乱数の値を事前判定し、その事前判定の結果を指示する事前判定コマンドを決定及び出力するための処理となっている。なお、前記各種乱数は、大当り判定用乱数の値、リーチ判定用乱数の値、先読み演出判定用乱数の値、特図振分用乱数の値、及び変動パターン振分用乱数の値である。
次に、変動種別特定処理としてのコマンド設定処理について図9に従って説明する。本実施形態では、主制御用CPU30aが演出実行手段として機能する。
まず、主制御用CPU30aは、変短状態を付与することを示す作動フラグに「1」が設定されているか否かを判定することによって、特別図柄入力処理の実行時における遊技状態が変短状態であるか否かを確認する(ステップS11)。本実施形態では、大当り遊技の終了後に変短状態を付与する場合、主制御用CPU30aは、変短状態を付与することを示す作動フラグに「1」を設定する。この場合、主制御用CPU30aは、変短状態を付与することを示す変短コマンドを出力する。なお、本実施形態において主制御用CPU30aは、大当りLB,LCに当選している場合、作動回数に「100回」を設定し、図柄変動ゲームが実行される毎に作動回数を1減算し、作動回数が「0(零)」になると、変短状態を終了させ、作動フラグに「0」を設定する。この場合、主制御用CPU30aは、非変短状態を付与することを示す非変短コマンドを出力する。
同様に、大当り遊技の終了後に確変状態を付与する場合、主制御用CPU30aは、確変状態を付与することを示す確変フラグに「1」を設定するとともに確変状態を付与することを示す確変コマンドを出力する。その一方で、主制御用CPU30aは、非確変状態を付与する場合、確変フラグに「0」を設定するとともに非確変状態を付与することを示す非確変コマンドを出力する。
また、主制御用CPU30aは、大当り遊技終了後、確変フラグ及び作動フラグの設定とは別に、はずれ演出を実行する際に、1種類の変動時間のみが対応付けられている変動パターン振分テーブルを選択させるか否かを指示するための振分フラグに、大当りの種類に応じて所定の値をセットする。本実施形態では、大当りLAに当選している場合、はずれ演出の変動時間として、複数種類の変動時間が定められた変動パターン振分テーブルを選択させることを指示する値「0」が振分フラグに設定される。その一方で、大当りLB又は大当りLCに当選している場合、はずれ演出の変動時間として、1種類の変動時間のみが対応付けられている(変動時間を一義的に特定できる)変動パターン振分テーブルを選択させることを指示する値「1」が振分フラグに設定される。なお、大当りLB又は大当りLCに当選した場合、大当り遊技終了後、101回目の図柄変動ゲームの開始と同時に、つまり、遊技状態の変化に伴って振分フラグに「0」が設定される。したがって、主制御用CPU30aは、ステップS4で取得した特図振分用乱数の値で指示される大当りの種類に従って、振分フラグに「0」又は「1」をセットすることになる。そして、主制御用CPU30aは、次回以降の図柄変動ゲームにおいて設定した振分フラグの値を読み出す。
図9の説明に戻り、ステップS11の判定結果が否定の場合、主制御用CPU30aは、コマンド設定処理を終了する。つまり、主制御用CPU30aは、コマンド設定処理の実行時における遊技状態が非変短状態の場合には、後に詳述する事前判定コマンドを決定しない。一方、ステップS11の判定結果が肯定の場合、主制御用CPU30aは、取得した大当り判定用乱数の値と大当り判定値を比較し、両値が一致するか否かを判定する(ステップS12)。なお、ステップS12において主制御用CPU30aは、コマンド設定処理の実行時における遊技状態を確認し、その遊技状態に応じた大当り判定値を用いて大当り判定を行う。すなわち、主制御用CPU30aは、現在の遊技状態が非確変状態であるならば、低確率用の大当り判定値を用いる一方で、現在の遊技状態が確変状態であるならば、高確率用の大当り判定値を用いる。ステップS12の判定結果が肯定の場合、主制御用CPU30aは、検知した始動保留球に基づく図柄変動ゲームが、大当りとなることを事前に認識することになる。
なお、ステップS12の判定結果が肯定の場合、主制御用CPU30aは、取得した先読み演出判定用乱数の値と大当り用の先読み演出判定値を比較し、両値が一致するか否かを判定する(ステップS13)。本実施形態では、確変状態が付与されているか否かにかかわらず、変短状態時の大当り判定に当選した際には大当り用の先読み演出判定値を使用するようになっている。この判定結果が肯定(先読み演出判定用乱数の値と大当り用の先読み演出判定値とが一致)の場合、主制御用CPU30aは、先読み演出の実行可を決定する。このとき、主制御用CPU30aは、主制御用RAM30cに記憶された特図始動保留記憶数を確認する。そして、主制御用CPU30aは、先読み演出の実行可及び大当りとなることを指示する事前判定コマンドを特図始動保留記憶数に応じて決定する(ステップS14)。ステップS14では、特図始動保留記憶数が「1」の場合、事前判定コマンドW5が決定される一方で、特図始動保留記憶数が「2」の場合、事前判定コマンドW6が決定される。また、特図始動保留記憶数が「3」の場合、事前判定コマンドW7が決定される一方で、特図始動保留記憶数が「4」の場合、事前判定コマンドW8が決定される。
事前判定コマンドとは、実行が保留されている図柄変動ゲームの演出内容、先読み演出の実行可否、及び入球した遊技球の特図始動保留記憶数を指定するためのコマンドである。本実施形態では、図6に示すように事前判定コマンドW1〜W28で示す28種類の事前判定コマンドが設定されている。
図9の説明に戻り、ステップS13の判定結果が否定(先読み演出判定用乱数の値と大当り用の先読み演出判定値とが不一致)の場合、主制御用CPU30aは、先読み演出の実行否を決定する。これにより、主制御用CPU30aは、先読み演出の実行否及び大当りとなることを指示する事前判定コマンドを、特図始動保留記憶数に応じて決定する(ステップS15)。ステップS15では、特図始動保留記憶数が「1」の場合、事前判定コマンドW1が決定される一方で、特図始動保留記憶数が「2」の場合、事前判定コマンドW2が決定される。また、特図始動保留記憶数が「3」の場合、事前判定コマンドW3が決定される一方で、特図始動保留記憶数が「4」の場合、事前判定コマンドW4が決定される。
一方、ステップS12の判定結果が否定(大当り判定用乱数の値と大当り判定値とが不一致)の場合、主制御用CPU30aは、検知した始動保留球に基づく図柄変動ゲームが、大当りとならないことを事前に認識することになる。そして、主制御用CPU30aは、先読み演出判定用乱数の値と、はずれ用の先読み演出判定値を比較し、両値が一致するか否かを判定する(ステップS16)。この判定結果が肯定(先読み演出判定用乱数の値とはずれ用の先読み演出判定値とが一致)の場合、主制御用CPU30aは、リーチ判定用乱数の値として如何なる値を読み出していたとしても、該リーチ判定用乱数の値を参照することなく、先読み演出の実行可を決定する。これにより、主制御用CPU30aは、先読み演出の実行可及びはずれリーチ演出の実行が確定していることを指示する事前判定コマンドを、特図始動保留記憶数に応じて決定する(ステップS17)。ステップS17では、特図始動保留記憶数が「1」の場合、事前判定コマンドW13が決定される一方で、特図始動保留記憶数が「2」の場合、事前判定コマンドW14が決定される。また、特図始動保留記憶数が「3」の場合、事前判定コマンドW15が決定される一方で、特図始動保留記憶数が「4」の場合、事前判定コマンドW16が決定される。
一方、ステップS16の判定結果が否定(先読み演出判定用乱数の値とはずれ用の先読み演出判定値とが不一致)の場合、主制御用CPU30aは、先読み演出の実行否を決定する。その後、主制御用CPU30aは、振分フラグの値として「0」を設定することが決定されているか否かを判定する(ステップS18)。本実施形態では、直近の大当りの種類が大当りLAであった場合、及び変短状態の終了と同時に、振分フラグに「0」が設定されるようになっている。つまり、ステップS18の判定結果が肯定(振分フラグ=0)の場合、主制御用CPU30aは、変短状態が付与されているのであれば、直近の大当りの種類が「大当りLA」であったこと、又は変短状態が付与されていない状態であることを認識することになる。なお、本実施形態のパチンコ遊技機では、バックアップデータとして記憶されている各種制御情報を消去可能なRAMクリアスイッチを備えている。そして、RAMクリアスイッチがオン操作した状態で電源投入した場合には、バックアップデータとして記憶されている各種制御情報が消去される。したがって、電源投入に伴って各種制御情報が消去された場合、振分フラグに設定された値も消去され、「0」が初期値として設定されることになる。
ステップS18を肯定判定した場合、主制御用CPU30aは、ステップS4で取得したリーチ判定用乱数の値が、非共通リーチ判定値以下であるか否かを判定する(ステップS19)。このとき、主制御用CPU30aは、確変フラグの値を読み出し、その値に基づいて特別図柄入力処理の実行時における遊技状態に対応する非共通リーチ判定値を使用する(確変状態時における非共通リーチ判定値又は非確変状態時における非共通リーチ判定値)。例えば、取得したリーチ判定用乱数の値が「40」〜「240」のうちいずれかである場合、確変状態時には特図始動保留記憶数にかかわらずリーチ演出が実行されない(図5参照)。このため、ステップS19の判定結果が否定の場合、主制御用CPU30aは、リーチ演出を伴わないはずれとなることを特定する。
ステップS19を否定判定した主制御用CPU30aは、先読み演出の実行否及びはずれリーチ演出が実行されないことを指示する事前判定コマンドを特図始動保留記憶数に応じて決定する(ステップS20)。ステップS20では、特図始動保留記憶数が「1」の場合、事前判定コマンドW17が決定される一方で、特図始動保留記憶数が「2」の場合、事前判定コマンドW18が決定される。また、特図始動保留記憶数が「3」の場合、事前判定コマンドW19が決定される一方で、特図始動保留記憶数が「4」の場合、事前判定コマンドW20が決定される。また、ステップS19を否定判定した場合、主制御用CPU30aは、事前判定コマンドW17〜W20に対して、先読み演出の実行否及びはずれリーチ演出が実行されないことに加え、振分フラグの値が「0」となることも対応付けるようになっている。したがって、事前判定コマンドW17〜W20では、先読み演出の実行否及びはずれリーチ演出が実行されないことは特定できるが、その変動時間を確実に特定することはできないようになっている。
一方、ステップS19の判定結果が肯定(リーチ判定用乱数の値が非共通リーチ判定値以下)の場合、主制御用CPU30aは、リーチ演出が実行される可能性があることを認識する。その後、主制御用CPU30aは、ステップS4で取得したリーチ判定用乱数の値が、共通リーチ判定値以下であるか否かを判定する(ステップS21)。このとき、主制御用CPU30aは、ステップS19と同じく、特別図柄入力処理の実行時における遊技状態に対応する共通リーチ判定値を使用する(確変状態時における共通リーチ判定値又は非確変状態時における共通リーチ判定値)。例えば、取得したリーチ判定用乱数の値が「0」〜「4」のうちいずれかである場合、確変状態時には特図始動保留記憶数にかかわらずリーチ演出が実行される(図5参照)。このため、ステップS21の判定結果が肯定の場合、主制御用CPU30aは、はずれリーチ演出の実行が確定していることを特定する。
そして、ステップS21を肯定判定した主制御用CPU30aは、先読み演出の実行否及びはずれリーチ演出の実行が確定していることを指示する事前判定コマンドを特図始動保留記憶数に応じて決定する(ステップS22)。ステップS22では、特図始動保留記憶数が「1」の場合、事前判定コマンドW25が決定される一方で、特図始動保留記憶数が「2」の場合、事前判定コマンドW26が決定される。また、特図始動保留記憶数が「3」の場合、事前判定コマンドW27が決定される一方で、特図始動保留記憶数が「4」の場合、事前判定コマンドW28が決定される。
一方、ステップS21の判定結果が否定(リーチ判定用乱数の値が共通リーチ判定値よりも大きい)の場合、主制御用CPU30aは、リーチ演出が実行される可能性があることを認識する。そして、ステップS21を否定判定した主制御用CPU30aは、先読み演出の実行否及びはずれリーチ演出が実行される可能性があることを指示する事前判定コマンドを特図始動保留記憶数に応じて決定する(ステップS23)。ステップS23では、特図始動保留記憶数が「1」の場合、事前判定コマンドW21が決定される一方で、特図始動保留記憶数が「2」の場合、事前判定コマンドW22が決定される。また、特図始動保留記憶数が「3」の場合、事前判定コマンドW23が決定される一方で、特図始動保留記憶数が「4」の場合、事前判定コマンドW24が決定される。
一方、ステップS18の判定結果が否定(振分フラグ≠0)の場合、振分フラグには「1」が設定されることになる。本実施形態では、直近の大当りの種類が大当りLB又は大当りLCであった場合、変短状態が付与されている間中、振分フラグに「1」が設定されるようになっている。つまり、ステップS18の判定結果が否定の場合、主制御用CPU30aは、直近の大当りの種類が大当りLB又は大当りLCであったことを認識することになる。
そして、ステップS18の判定結果が否定(振分フラグ=1)の場合、主制御用CPU30aは、リーチ判定用乱数の値として如何なる値を読み出していたとしても、該リーチ判定用乱数の値を参照することなく、リーチ演出を伴わないはずれとすることを決定する。これにより、主制御用CPU30aは、先読み演出の実行否及びはずれリーチ演出が実行されないことを指示する事前判定コマンドを特図始動保留記憶数に応じて決定する(ステップS24)。ステップS24では、特図始動保留記憶数が「1」の場合、事前判定コマンドW9が決定される一方で、特図始動保留記憶数が「2」の場合、事前判定コマンドW10が決定される。また、特図始動保留記憶数が「3」の場合、事前判定コマンドW11が決定される一方で、特図始動保留記憶数が「4」の場合、事前判定コマンドW12が決定される。
また、ステップS18を否定判定した場合、主制御用CPU30aは、事前判定コマンドW9〜W12に対して、先読み演出の実行否及びはずれリーチ演出が実行されないことに加え、振分フラグの値が「1」となることも対応付けるようになっている。
そして、事前判定コマンドを決定した主制御用CPU30aは、決定した事前判定コマンドを送信バッファにセットし、特別図柄入力処理及びコマンド設定処理を終了する。
以上のように、主制御用CPU30aは、大当り判定用乱数の値、リーチ判定用乱数の値、先読み演出判定用乱数の値、振分フラグの値、及び入球検知時の特図始動保留記憶数に基づき、事前判定コマンドを決定する。これにより、図柄変動ゲームが開始されるよりも前の段階で、確変状態の有無に応じた大当り判定の判定結果、特図始動保留記憶数に応じたリーチ演出の実行可否、はずれとなる場合における図柄変動ゲームの変動時間、及び先読み演出の実行可否が特定できるようになっている。
次に、特別図柄開始処理について図10及び図11に従って説明する。
主制御用CPU30aは、まず、図柄変動ゲームの実行中(図柄が変動表示中)であるか否か、及び大当り遊技中であるか否かを判定する(ステップS41)。この判定結果が肯定の場合、主制御用CPU30aは、特別図柄開始処理を終了する。
一方、ステップS41の判定結果が否定(図柄変動ゲーム中ではなく、かつ大当り遊技中ではない)の場合、主制御用CPU30aは、主制御用RAM30cに記憶されている特図始動保留記憶数を読み出す(ステップS42)。続いて、主制御用CPU30aは、ステップS42で読み出した特図始動保留記憶数が「0(零)」よりも大きいか否か(保留中の図柄変動ゲームが存在するか否か)を判定する(ステップS43)。ステップS43の判定結果が否定(特図始動保留記憶数=0)の場合、主制御用CPU30aは、保留中の図柄変動ゲームが存在しないので、特別図柄開始処理を終了する。一方、ステップS43の判定結果が肯定(特図始動保留記憶数>0)の場合、主制御用CPU30aは、保留中の図柄変動ゲームが存在するので、特図始動保留記憶数を−1(1減算)する(ステップS44)。そして、主制御用CPU30aは、最も早く記憶した特図始動保留記憶数に対応付けられて主制御用RAM30cの所定の記憶領域に記憶されている大当り判定用乱数、リーチ判定用乱数、先読み演出判定用乱数、特図振分用乱数、及び変動パターン振分用乱数などの各値を取得する(ステップS45)。
なお、主制御用CPU30aは、乱数を読み出した後、保留記憶数「2」に対応付けられた記憶領域に記憶されている乱数を保留記憶数「1」に対応付けられた記憶領域に記憶する。同様に、主制御用CPU30aは、保留記憶数「3」に対応付けられた記憶領域に記憶されている乱数を保留記憶数「2」に対応付けられた記憶領域に記憶する。同様に、主制御用CPU30aは、保留記憶数「4」に対応付けられた記憶領域に記憶されている乱数を保留記憶数「3」に対応付けられた記憶領域に記憶する。また、主制御用CPU30aは、減算後の特図始動保留記憶数を指示する保留指定コマンドを演出制御用CPU31aに出力するように送信バッファにセットする。また、主制御用CPU30aは、1減算後の特図始動保留記憶数を表すように特別図柄保留記憶表示装置Raの表示内容を変更させる。
そして、主制御用CPU30aは、変短フラグに設定された値を読み出し、特別図柄開始処理の実行時(図柄変動ゲームの開始時)における遊技状態が変短状態であるか否かを判定する(ステップS46)。この判定結果が肯定の場合、主制御用CPU30aは、ステップS45で読み出した大当り判定用乱数の値が主制御用ROM30bに記憶されている大当り判定値と一致するか否かを判定して大当り判定(大当り抽選)を行う(ステップS47)。なお、大当り判定において主制御用CPU30aは、遊技状態が非確変状態である場合には、低確率用の大当り判定値と大当り判定用乱数の値を比較する一方で、遊技状態が確変状態である場合には、高確率用の大当り判定値と大当り判定用乱数の値を比較する。
ステップS47の大当り判定の判定結果が肯定(大当り判定用乱数の値と大当り判定値とが一致)の場合、主制御用CPU30aは大当りを決定し、ステップS45で読み出した特図振分用乱数の値に基づき、特別図柄表示装置12に確定停止表示させる特別図柄として大当り図柄を決定する(ステップS48)。なお、特別図柄の大当り図柄は、前述したように大当りの種類毎に設定されていることから、大当り図柄を決定することによって遊技者に付与する大当りの種類を決定したことになる。
続いて、主制御用CPU30aは、ステップS45で読み出した先読み演出判定用乱数の値が主制御用CPU30aに記憶されている大当り用の先読み演出判定値と一致するか否かを判定して先読み演出判定を行う(ステップS49)。ステップS49の先読み演出判定の判定結果が肯定(先読み演出判定用乱数の値と大当り用の先読み演出判定値とが一致)の場合、主制御用CPU30aは、先読み演出判定用乱数の値及び大当り判定用乱数の値に基づき、先読み演出を実行させる場合に選択可能な変動パターン振分テーブルT5(図7(e))を選択する。ステップS49の処理は、遊技球の入球時に行うコマンド設定処理のステップS13と同じ処理を、図柄変動ゲームの開始時に再び行う内容となっている。これにより、図柄変動ゲームの開始時期よりも前段階である入球時の判定結果を反映させて、変動パターンを選択することができる。なお、以下に説明する変動パターン振分テーブル(図7(a)〜(f))は、変短状態用の変動パターン振分テーブルとされている。
図7(e)に示すように、変動パターン振分テーブルT5(以下、振分テーブルT5と示す)では、大当り演出用の変動パターンとして、変動パターンP5のみが選択可能となるように乱数値が振分けられている。したがって、主制御用CPU30aは、振分テーブルT5の中から変動パターン振分用乱数の値に基づいて、大当り演出用の変動パターンP5を選択し、決定する(ステップS50)。これにより、先読み演出が終了する最終回の図柄変動ゲームでは、必ず「リーチB」の内容でリーチ演出が実行されることになる。また、振分テーブルT5には、変動パターンP5のみが選択可能となるように設定されていることで、当該テーブルT5を選択した時点で、図柄変動ゲームの開始時よりも前段階で、変動時間を一義的に特定することが可能となる。つまり、主制御用CPU30aは、コマンド設定処理の決定結果にしたがって、変動時間として36秒を決定したことになる。その後、主制御用CPU30aは、ステップS51の処理に移行する。
また、ステップS49の先読み演出判定の判定結果が否定の場合、主制御用CPU30aは、先読み演出判定用乱数の値及び大当り判定用乱数の値に基づき、先読み演出を実行させない場合に選択可能な変動パターン振分テーブルT6(図7(f))を選択する。
図7(f)に示すように、変動パターン振分テーブルT6(以下、振分テーブルT6と示す)では、大当り演出用の変動パターンP3,P5,P7のうちいずれかが選択可能となるように乱数値が振分けられている。したがって、主制御用CPU30aは、振分テーブルT6の中から変動パターン振分用乱数の値に基づいて、大当り演出用の変動パターンを選択し、決定する(ステップS52)。これにより、先読み演出が実行されない場合、「リーチA」〜「リーチC」のうち何れかの内容でリーチ演出が実行されることになる。また、振分テーブルT6には、複数種類の変動パターンが選択可能となるように設定されていることで、当該テーブルT6を選択した時点で、図柄変動ゲームの開始時よりも前段階で、変動時間を一義的に特定することができない。ただし、振分テーブルT6は、先読み演出の実行否が判定された際に参照される振分テーブルであるため、先読み演出を実行させるために図柄変動ゲームの開始時よりも前の段階で変動時間を特定する必要がない。その後、主制御用CPU30aは、ステップS51の処理に移行する。
また、主制御用CPU30aは、ステップS47の大当り判定の判定結果が否定の場合、図11に示すステップS53に移行する。ステップS53に移行した主制御用CPU30aは、特別図柄表示装置12に確定停止表示させる特別図柄としてはずれ図柄を決定する。その後、主制御用CPU30aは、ステップS45で読み出した先読み演出判定用乱数の値が主制御用ROM30bに記憶されているはずれ用の先読み演出判定値と一致するか否かを判定して先読み演出判定を行う(ステップS54)。ステップS54の先読み演出判定の判定結果が肯定(先読み演出判定用乱数の値とはずれ用の先読み演出判定値とが一致)の場合、主制御用CPU30aは、先読み演出判定用乱数の値及びリーチ判定用乱数の値に基づき、変動パターン振分テーブルT2(図7(b))を選択する。ステップS54の処理は、遊技球の入球時に行うコマンド設定処理のステップS16と同じ処理を、図柄変動ゲームの開始時に再び行う内容となっている。これにより、図柄変動ゲームの開始時期よりも前段階である入球時の判定結果を反映させて、変動パターンを選択することができる。
図7(b)に示すように、変動パターン振分テーブルT2(以下、振分テーブルT2と示す)では、はずれリーチ演出用の変動パターンとして、変動パターンP6のみが選択可能となるように乱数値が振分けられている。したがって、主制御用CPU30aは、振分テーブルT2の中から変動パターン振分用乱数の値に基づいて、はずれリーチ演出用の変動パターンP6を選択し、決定する(ステップS55)。これにより、先読み演出が終了する最終回の図柄変動ゲームでは、必ず「リーチB」の内容でリーチ演出が実行されることになる。また、振分テーブルT2には、変動パターンP6のみが選択可能となるように設定されていることで、当該テーブルT2を選択した時点で、図柄変動ゲームの開始時よりも前段階で、変動時間を一義的に特定することが可能となる。つまり、主制御用CPU30aは、コマンド設定処理の決定結果にしたがって、変動時間として36秒を決定したことになる。その後、主制御用CPU30aは、ステップS51の処理に移行する。
また、ステップS54の先読み演出判定の判定結果が否定(先読み演出判定用乱数の値とはずれ用の先読み演出判定値とが不一致)の場合、主制御用CPU30aは、先読み演出の実行否を決定する。その後、主制御用CPU30aは、振分フラグの値を読み出し、その値として「0」が設定されているか否かを判定する(ステップS56)。ステップS56の処理は、遊技球の入球時に行うコマンド設定処理のステップS18と同じ処理を、図柄変動ゲームの開始時に再び行う内容となっている。これにより、図柄変動ゲームの開始時期よりも前段階である入球時の判定結果を反映させて、変動パターンを選択することができる。
ステップS56を肯定判定(振分フラグ=0)した場合、主制御用CPU30aは、ステップS45で取得したリーチ判定用乱数の値が、リーチ判定値以下であるか否かを判定することで、リーチ演出の有無を判定する(ステップS57)。なお、リーチ判定値は、リーチ判定時における確変状態の有無及びリーチ判定時における特図始動保留記憶数により、その値が変更されるようになっている。そして、ステップS57の判定結果が否定の場合、主制御用CPU30aは、リーチ演出を伴わないはずれとなることを特定する。そして、主制御用CPU30aは、先読み演出判定用乱数の値、リーチ判定用乱数の値、及び振分フラグの値に基づき、変動パターン振分テーブルT3(図7(c))を選択する。
図7(c)に示すように、変動パターン振分テーブルT3(以下、振分テーブルT3と示す)では、はずれ演出用の変動パターンとして、変動パターンP1又は変動パターンP2を選択可能となるように乱数値が振分けられている。したがって、主制御用CPU30aは、振分テーブルT3の中から変動パターン振分用乱数の値に基づいて、はずれ演出用の変動パターンを選択し、決定する(ステップS58)。また、振分テーブルT3には、複数種類の変動パターンが選択可能となるように設定されていることで、当該テーブルT3を選択した時点で、図柄変動ゲームの開始時よりも前段階で、変動時間を一義的に特定することができない。ただし、振分テーブルT3は、先読み演出の実行否が判定された際に参照される振分テーブルであるため、先読み演出を実行させるために図柄変動ゲームの開始時よりも前の段階で変動時間を特定する必要がない。その後、主制御用CPU30aは、ステップS51の処理に移行する。
一方、ステップS57の判定結果が肯定(リーチ判定用乱数の値がリーチ判定値以下である)の場合、主制御用CPU30aは、リーチ演出の実行が確定していることを認識する。そして、主制御用CPU30aは、先読み演出判定用乱数の値及びリーチ判定用乱数の値に基づき、変動パターン振分テーブルT4(図7(d))を選択する。
図7(d)に示すように、変動パターン振分テーブルT4(以下、振分テーブルT4と示す)では、はずれリーチ演出用の変動パターンとして、変動パターンP4、P6,P8のうちいずれかを選択可能となるように乱数値が振分けられている。したがって、主制御用CPU30aは、振分テーブルT4の中から変動パターン振分用乱数の値に基づいて、はずれリーチ演出用の変動パターンを選択し、決定する(ステップS59)。これにより、先読み演出が実行されない場合、「リーチA」〜「リーチC」のうち何れかの内容でリーチ演出が実行されることになる。また、振分テーブルT4には、複数種類の変動パターンが選択可能となるように設定されていることで、当該テーブルT4を選択した時点で、図柄変動ゲームの開始時よりも前段階で、変動時間を一義的に特定することができない。ただし、振分テーブルT4は、先読み演出の実行否が判定された際に参照される振分テーブルであるため、先読み演出を実行させるために図柄変動ゲームの開始時よりも前の段階で変動時間を特定する必要がない。その後、主制御用CPU30aは、ステップS51の処理に移行する。
一方、ステップS56の判定結果が否定(振分フラグ=0ではない)の場合、振分フラグには「1」が設定されていることになる。この場合、主制御用CPU30aは、リーチ判定用乱数の値として如何なる値を読み出していたとしても、振分フラグとして「1」が設定されていることに従って、該リーチ判定用乱数の値を参照することなく、リーチ演出を伴わないはずれとすることを決定する。
そして、主制御用CPU30aは、先読み演出判定用乱数の値及び振分フラグの値(この例では「1」)に基づき、変動パターン振分テーブルT1(図7(a))を選択する。
図7(a)に示すように、変動パターン振分テーブルT1(以下、振分テーブルT1と示す)では、はずれ演出用の変動パターンとして、変動パターンP2−1又は変動パターンP2−2が選択可能となるように乱数値が振分けられている。したがって、主制御用CPU30aは、振分テーブルT1の中から変動パターン振分用乱数の値に基づいて、はずれ演出用の変動パターンP2−1又は変動パターンP2−2を選択し、決定する(ステップS60)。また、振分テーブルT1には、変動パターンP2−1又は変動パターンP2−2が選択可能となるように設定されているものの、これらの変動パターンには同一の変動時間が定められている。これにより、当該テーブルT1を選択した時点で、図柄変動ゲームの開始時よりも前段階で、変動時間を一義的に特定することが可能となる。つまり、主制御用CPU30aは、コマンド設定処理の決定結果にしたがって、変動時間として6秒を決定したことになる。その後、主制御用CPU30aは、ステップS51の処理に移行する。
一方、図10に戻り、ステップS46の判定結果が否定(非変短状態中)の場合、主制御用CPU30aは、図11に示すステップS61に移行する。ステップS61に移行した主制御用CPU30aは、図10に示すステップS47と同じく、大当り判定(大当り抽選)を行う。ステップS61の大当り判定の判定結果が肯定の場合、主制御用CPU30aは、大当り変動処理を実行する(ステップS62)。具体的には、主制御用CPU30aは、ステップS48と同じく、特別図柄表示装置12に確定停止表示させる特別図柄として大当り図柄を決定する。また、主制御用CPU30aは、非変短状態用の変動パターン振分テーブル(図示せず)を選択し、該テーブルの中から変動パターン振分用乱数の値に基づいて大当り演出用の変動パターンを選択、決定する。その後、主制御用CPU30aは、ステップS51に移行する。
また、ステップS61の大当り判定の判定結果が否定の場合、主制御用CPU30aは、ステップS57と同じく、リーチ判定(リーチ抽選)を行う(ステップS63)。ステップS63のリーチ判定の判定結果が肯定の場合、主制御用CPU30aは、はずれリーチ変動処理を実行する(ステップS64)。具体的には、主制御用CPU30aは、ステップS53と同じく、特別図柄表示装置12に確定停止表示させる特別図柄としてはずれ図柄を決定する。また、主制御用CPU30aは、非変短状態用の変動パターン振分テーブルを選択し、該テーブルの中から変動パターン振分用乱数の値に基づいてはずれリーチ演出用の変動パターンを選択、決定する。その後、主制御用CPU30aは、ステップS51に移行する。
また、ステップS63のリーチ判定の判定結果が否定の場合、主制御用CPU30aは、はずれ変動処理を実行する(ステップS65)。具体的には、主制御用CPU30aは、ステップS53と同じく、特別図柄表示装置12に確定停止表示させる特別図柄としてはずれ図柄を決定する。また、主制御用CPU30aは、非変短状態用の変動パターン振分テーブルを選択し、該テーブルの中から変動パターン振分用乱数の値に基づいてはずれ演出用の変動パターンを選択、決定する。その後、主制御用CPU30aは、ステップS51に移行する。
ステップS51に移行した主制御用CPU30aは、各種コマンドを送信バッファにセットして特別図柄開始処理を終了する。そして、特別図柄及び変動パターンを決定した主制御用CPU30aは、決定事項に従って生成した制御コマンドを所定のタイミングで演出制御基板31(演出制御用CPU31a)に出力する。具体的に言えば、主制御用CPU30aは、変動パターンを指示するとともに図柄変動ゲームの開始を指示する変動パターン指定コマンドを図柄変動ゲームの開始に際して最初に出力する。また、主制御用CPU30aは、特別図柄を指示する特別図柄用の停止図柄指定コマンドを変動パターン指定コマンドの出力後、次に出力する。そして、主制御用CPU30aは、指示した変動パターンに定められている変動時間の経過時に図柄変動ゲームの終了(図柄の確定停止)を指示する図柄停止コマンドを前記変動時間の経過に伴って出力する。
そして、主制御用CPU30aは、大当りを決定した場合、決定した変動パターンに基づく図柄変動ゲームの終了後、最終停止図柄に基づき特定された種類の大当り遊技の制御を開始する。
このように、本実施形態では、変短状態が付与されているか否かに応じて(遊技状態に応じて)変動パターン振分テーブルを設定している。さらに、変短状態用の変動パターン振分テーブルは、1種類の変動時間のみが対応付けられた振分テーブルと、複数種類の変動時間が対応付けられた振分テーブルとに細分化されている。したがって、1種類の変動時間のみが対応付けられた振分テーブルを選択した時点で、図柄変動ゲームの開始時よりも前に変動時間を一義的に特定することができる。
次に、普通図柄に関して主制御用CPU30aが実行する制御内容を説明する。
主制御用CPU30aは、普通図柄作動ゲート19へ遊技球が入球し、該遊技球を検知した普通図柄変動スイッチSW4が出力する検知信号を入力すると、普図当り判定用乱数の値を主制御用RAM30cから取得し、その値を普通図柄用の始動保留球の記憶数(以下、普図始動保留記憶数と示す)に対応付けて主制御用RAM30cに一時的に記憶する。なお、主制御用CPU30aは、普図始動保留記憶数が上限数(本実施形態では4)に達していない場合、保留記憶数を1加算して保留記憶数を書き換える一方で、普図始動保留記憶数が上限数に達している場合、上限数を超える保留記憶数の書き換えを行わないとともに、普図当り判定用乱数の値も取得しない。
そして、主制御用CPU30aは、普通図柄が変動表示中ではなく、普図当り遊技中ではないときに、普通図柄の保留記憶数に対応付けられて主制御用RAM30cに記憶した普図当り判定用乱数の値を読み出す。そして、主制御用CPU30aは、該値と普図当り判定値とを比較し、普図当りか否かの普図当り判定(普図当り抽選)を行う。なお、普図当り判定において主制御用CPU30aは、遊技状態が非変短状態である場合には、低確率用の普図当り判定値と普図当り判定用乱数の値を比較する一方で、遊技状態が変短状態である場合には、高確率用の普図当り判定値と普図当り判定用乱数の値を比較する。
そして、主制御用CPU30aは、普図ゲームの開始に伴って普通図柄表示装置13の表示内容を制御する。すなわち、主制御用CPU30aは、普図ゲームの開始により普通図柄の変動を開始させ、予め定めた変動時間の経過時に決定した普通図柄(当り図柄又ははずれ図柄)を確定停止表示させる。なお、主制御用CPU30aは、普図ゲームの開始時の遊技状態に応じて、普図ゲームの変動時間として異なる変動時間を設定し、普通図柄を確定停止表示させる。具体的に言えば、主制御用CPU30aは、非変短状態の場合には変動時間として「10(秒)」を設定し、変短状態の場合には変動時間として非変短状態よりも短い時間となる「1.1(秒)」を設定する。これにより、変短状態時に行われる普図ゲームの変動時間は、非変短状態時に行われる普図ゲームの変動時間よりも短縮される。
また、主制御用CPU30aは、普図当りとなる普図ゲームの終了後、普図当り時の遊技状態に応じて、開閉羽根16の開放態様を制御する。具体的に言えば、非変短状態において主制御用CPU30aは、開閉羽根16を第1開放時間(例えば、0.3(秒))で第1回数(例えば、1(回))分、開放させるように制御する。また、変短状態において主制御用CPU30aは、開閉羽根16を第2開放時間(例えば、1.4(秒))で第2回数(例えば、3(回))分、開放させるように制御する。
次に、演出制御基板31の演出制御用CPU31aが制御プログラムに基づき実行する各種処理について説明する。
演出制御用CPU31aは、変動パターン指定コマンドを入力すると、当該コマンドに指示される変動パターンに対応する演出内容(変動内容)をもとに、画像表示用データを選択する。また、演出制御用CPU31aは、特別図柄用の停止図柄指定コマンドを入力すると、当該コマンドにしたがって演出表示装置11に確定停止表示させる飾り図柄を生成する。具体的に言えば、演出制御用CPU31aは、特別図柄として大当りLAに対応する大当り図柄が指示されている場合、飾り図柄として確変大当りを確定的に認識し得る図柄組み合わせ(例えば、奇数図柄)を生成する。また、演出制御用CPU31aは、特別図柄として大当りLB及び大当りLCに対応する大当り図柄が指示されている場合、飾り図柄として確変大当りを確定的に認識し得ない図柄組み合わせ(例えば、偶数図柄)を生成する。
その一方で、演出制御用CPU31aは、特別図柄としてはずれ図柄が指示されている場合、飾り図柄としてはずれの図柄組み合わせを生成する。このとき、演出制御用CPU31aは、はずれリーチ演出用の変動パターンが指示されている場合、飾り図柄として、リーチ図柄を含むはずれの図柄組み合わせを生成する。その一方、演出制御用CPU31aは、はずれ演出用の変動パターンが指示されている場合、飾り図柄として、リーチ図柄を含まないはずれの図柄組み合わせを生成する。
そして、演出制御用CPU31aは、画像表示用データをもとに図柄変動ゲームを画像表示させるように演出表示装置11の表示内容を制御するとともに、図柄変動ゲーム中に図柄停止コマンドを入力すると、生成した飾り図柄を演出表示装置11に確定停止表示させて図柄変動ゲームを終了させる。また、演出制御用CPU31aは、保留指定コマンドを入力すると、当該コマンドで指示される特図始動保留記憶数に対応するように保留画像表示領域H(個別表示領域H1〜H4)の画像表示を制御する。
次に、演出制御用CPU31aが実行する演出モードに係る制御内容を説明する。
演出制御用CPU31aは、大当り抽選への当選を契機に演出モードを移行させる場合、特別図柄用の停止図柄指定コマンドで指示された大当り図柄の種類と、遊技状態を指示する各コマンド(確変コマンド、非確変コマンド、変短コマンド及び非変短コマンド)と、演出モードフラグの設定値をもとに、モード報知画像を画像表示させる。演出モードフラグは、現在滞在している演出モードを識別可能な情報で構成されており、演出制御用RAM31cに設定されている。
以下、演出制御用CPU31aが実行する演出モードに係る制御内容を説明する。なお、以下の説明では、パチンコ遊技機の遊技状態として、非確変状態、かつ非変短状態を「低確+変短なし」と示すとともに、非確変状態、かつ変短状態を「低確+変短あり」と示す。また、確変状態、かつ非変短状態を「高確+変短なし」と示すとともに、確変状態、かつ変短状態を「高確+変短あり」と示す。
大当りLAに当選した場合、滞在中の演出モードの種類を問わず、大当り遊技を経て高確確定モードへ移行する。また、大当りLB又は大当りLCに当選した場合、滞在中の演出モードの種類を問わず、大当り遊技を経て潜確モードへ移行する。なお、潜確モード滞在中、変短状態の終了条件(100回の図柄変動ゲームの終了)が成立した場合、通常モードへ移行する。
次に、演出制御用CPU31aが、遊技球の入球検知時に出力された事前判定コマンドに基づき、先読み演出を実行させるための先読み演出設定処理について図12に従って説明する。この先読み演出設定処理は、所定周期(4ms)毎に実行されるようになっている。
まず、演出制御用CPU31aは、事前判定コマンドを入力する度に、当該コマンドで特定される保留記憶数に対応する記憶領域に、入力した事前判定コマンドを設定する。さらに、演出制御用CPU31aは、前述した記憶領域とは異なる別の記憶領域(同一の保留記憶数)に、入力した事前判定コマンドを特定するための図柄種別値を設定する。具体的には、演出制御用CPU31aは、図6及び図13に示すように、先読み演出の実行否及び大当りとなることを指示する事前判定コマンドW1〜W4を入力した場合、これらのコマンドを特定する図柄種別値として、「0」を設定する。また、演出制御用CPU31aは、先読み演出の実行可及び大当りとなることを指示する事前判定コマンドW5〜W8を入力した場合、これらのコマンドを特定する図柄種別値として、「1」を設定する。
また、演出制御用CPU31aは、先読み演出の実行否及びはずれリーチ演出が実行されないことを指示する事前判定コマンドW9〜W12を入力した場合、これらのコマンドを特定する図柄種別値として、「2」を設定する。さらに、演出制御用CPU31aは、先読み演出の実行可及びはずれリーチ演出の実行が確定していることを指示する事前判定コマンドW13〜W16を入力した場合、これらのコマンドを特定する図柄種別値として、「3」を設定する。また、演出制御用CPU31aは、先読み演出の実行否及びはずれリーチ演出が実行されないことを指示する事前判定コマンドW17〜W20を入力した場合、これらのコマンドを特定する図柄種別値として、「4」を設定する。さらに、演出制御用CPU31aは、先読み演出の実行否を指示する事前判定コマンドW21〜W28を入力した場合、これらのコマンドを特定する図柄種別値として、「4」を設定する。これにより、演出制御用CPU31aは、図柄種別値を読み出すだけで、どの種別の事前判定コマンドを入力しているのかを把握することができる。また、演出制御用CPU31aは、図柄変動ゲームの開始時にこれらの図柄種別値を事前判定コマンドとともに記憶領域を1つずつシフトして記憶させる。
そして、演出制御用CPU31aは、先読み演出設定処理において、事前判定コマンドを入力すると、先読み演出が実行中であることを示す実行中フラグに「0」が設定されているか否か、すなわち、先読み演出の実行中ではないか否かを判定する(ステップS101)。本実施形態では、先読み演出の実行中に、再度、先読み演出を実行させない構成としている。つまり、先読み演出の実行中に先読み演出の実行可を指示する事前判定コマンドを入力したとしても、実行中の先読み演出に上書きして、再度、先読み演出を実行させるようなことはしていない。したがって、ステップS101の判定結果が否定(先読み演出の実行中)の場合、演出制御用CPU31aは、先読み演出設定処理を終了する。その一方で、ステップS101の判定結果が肯定(先読み演出の実行中ではない)の場合、先読み演出を実行させるための条件のうち1つが成立している状態となっている。
次に、演出制御用CPU31aは、今回入力した事前判定コマンドが、先読み演出の実行可及び大当り演出又ははずれリーチ演出の実行が確定していることを指示する事前判定コマンドW5〜W8,W13〜W16のうちいずれかであるかを判定する(ステップS102)。詳しくは、演出制御用CPU31aは、事前判定コマンドで特定される保留記憶数に対応する記憶領域に設定した図柄種別値を読み出し、該値に基づいて先読み演出の実行可及び1種類の変動時間のみが対応付けられている振分テーブルから変動時間を特定することができるか否かを判定することになる。つまり、今回入力した事前判定コマンドで特定される保留記憶数に対応する記憶領域に設定されている図柄種別値として、「1」又は「3」が設定されている場合、ステップS102を肯定判定することになる。本実施形態では、事前判定コマンドW5〜W8と1種類の変動時間(変動パターンP5に定められた変動時間)が対応付けられた振分テーブルT5(図7(e))が対応している。同様に、事前判定コマンドW13〜W16と1種類の変動時間(変動パターンP6に定められた変動時間)が対応付けられた振分テーブルT2(図7(b))が対応している。
したがって、演出制御用CPU31aは、事前判定コマンドW5〜W8,W13〜W16を入力すると、先読み演出の実行可及び当該変動の変動時間を一義的に特定することが可能となる。なお、事前判定コマンドW5〜W8,W13〜W16のうち何れかのコマンドで特定される図柄変動ゲームが、先読み演出が終了する最終回の図柄変動ゲームとなる。
次に、演出制御用CPU31aは、今回の事前判定コマンドを入力した時点で既に記憶されている全始動保留球に基づく図柄変動ゲームが、変動時間を一義的に特定できるはずれ演出であるか否かを判定する(ステップS103)。詳しくは、演出制御用CPU31aは、今回の事前判定コマンドの入力時に既に記憶されている保留記憶数に対応する各記憶領域に設定した図柄種別値から、変動時間を一義的に特定できるはずれ演出であるか否かを判定することになる。つまり、今回の事前判定コマンドの入力時に既に記憶されている保留記憶数に対応する各記憶領域に設定した図柄種別値として、「2」が設定されている場合、演出制御用CPU31aは、ステップS103を肯定判定することになる。
本実施形態では、事前判定コマンドW9〜W12と1種類の変動時間(変動パターンP2に定められた変動時間)が対応付けられた振分テーブルT1(図7(a))が対応している。したがって、今回の事前判定コマンドよりも先に事前判定コマンドW9〜W12を入力している場合、演出制御用CPU31aは、図柄変動ゲームの開始時よりも前段階で、先読み演出が終了する最終回の図柄変動ゲームよりも先に実行される図柄変動ゲームの変動時間を確実に特定できる。
以下、ステップS103が肯定判定される図柄種別値の組み合わせについて図13(a)〜(d)に従って説明する。
図13(a)は、今回入力した事前判定コマンドが、先読み演出の実行可及び大当りとなることを指示する事前判定コマンドW5であった場合を例示している。また、図13(a)は、今回入力した事前判定コマンドが、先読み演出の実行可及びはずれリーチ演出の実行が確定していること指示する事前判定コマンドW13であった場合を例示している。この場合、今回の事前判定コマンドを入力した時点では、始動保留球が1球も記憶されていないことになるが、今回の事前判定コマンドで特定される図柄変動ゲームの変動時間として1種類の変動時間(36秒)を特定可能である。したがって、今回入力した事前判定コマンドで特定される保留記憶数「1」に対応する記憶領域に図柄種別値として「1」又は「3」が設定されている場合、演出制御用CPU31aは、ステップS103の判定を肯定判定する。
図13(b)〜(d)は、今回入力した事前判定コマンドが、先読み演出の実行可及び大当りとなることを指示する事前判定コマンドW6〜W9のいずれかであった場合を例示している。また、図13(b)〜(d)は、今回入力した事前判定コマンドが、先読み演出の実行可及びはずれリーチ演出の実行が確定していること指示する事前判定コマンドW14〜W16のいずれかであった場合を例示している。加えて、今回の事前判定コマンドで特定される保留記憶数よりも前に、先読み演出の実行否及び変動時間として6秒を特定するはずれ演出となることを指示する事前判定コマンド(本実施形態では、事前判定コマンドW9〜W12)を入力している場合を例示している。この場合、保留中の全ての図柄変動ゲームの各変動時間を特定可能である。したがって、今回入力した事前判定コマンドで特定される保留記憶数に対応する記憶領域に図柄種別値として「1」又は「3」が設定されているとともに、既に記憶されている始動保留球の保留記憶数に対応する各記憶領域に図柄種別値として「2」が設定されている場合、演出制御用CPU31aは、ステップS103の判定を肯定判定する。
その一方、図13(e)は、今回入力した事前判定コマンドが、先読み演出の実行可を指示する事前判定コマンドである一方で、今回の事前判定コマンドで特定される保留記憶数よりも前に、1種類の変動時間を一義的に特定不能なはずれ演出となることを指示する事前判定コマンド(本実施形態では、事前判定コマンドW17〜W20)を入力している場合を例示している。この場合、2種類の変動時間(6秒又は12秒)のうちいずれが選択されるかは、図柄変動ゲームの開始時よりも前段階で判定することができないため、保留中の一部の図柄変動ゲームの変動時間を特定することができない。したがって、今回入力した事前判定コマンドで特定される保留記憶数に対応する記憶領域に図柄種別値として「1」又は「3」が設定されている一方で、既に記憶されている始動保留球の保留記憶数に対応する記憶領域に図柄種別値として1つでも「4」が設定されている場合には、演出制御用CPU31aは、ステップS103を否定判定する。
図12の説明に戻り、このように、ステップS101〜ステップS103の判定を全て肯定判定した場合、演出制御用CPU31aは、先読み演出の実行対象となる全ての図柄変動ゲームの変動時間を、図柄変動ゲームの開始時よりも前段階で特定したことになる。したがって、演出制御用CPU31aは、先読み演出の実行を決定する。
先読み演出の実行を決定した演出制御用CPU31aは、全始動保留球に基づいて実行される図柄変動ゲームの総変動時間(合算変動時間又は合算値)を算出し、その総変動時間に基づいて、先読み演出の演出時間を特定する演出時間パターンを決定する(ステップS104)。なお、「総変動時間」とは、先読み演出が開始する図柄変動ゲームの変動開始から、先読み演出が終了する最終回の図柄変動ゲームにおいて図柄の変動が確定停止表示されるまでの時間を指す。ただし、この「総変動時間」には、各図柄変動ゲーム間に設定されるインターバル時間は含まれていない。
そして、演出制御用CPU31aは、ステップS104において、図14に示す演出時間パターンテーブルから1の演出時間パターンを特定することで、先読み演出の演出時間を特定する。
図14に示す演出時間パターンテーブルには、最終的に大当りとなる際に特定可能な4種類の演出時間パターンE1〜E4が設定されている。さらに、演出時間パターンテーブルには、最終的にはずれリーチとなる際に特定可能な4種類の演出時間パターンE5〜E8が設定されている。そして、演出時間パターンE1,E5には、先読み演出の演出時間として、「54秒」が設定されている。この演出時間パターンE1,E5は、図15に示すように、4回の図柄変動ゲームを実行単位として先読み演出が実行される場合に選択される。この場合、先読み演出が実行される1回目〜3回目の図柄変動ゲームが、変動時間として「6秒」を特定するはずれ演出で実行されるとともに、先読み演出が終了する4回目の図柄変動ゲームが、変動時間として「36秒」を特定する大当り演出又ははずれリーチ演出で実行される。したがって、「54秒」という演出時間は、6秒(1回目の変動)+6秒(2回目の変動)+6秒(3回目の変動)+36秒(4回目の変動)の合算値となる。なお、演出時間パターンE5には演出内容が対応付けられていないため、54秒の先読み演出は、最終的に大当りとなる場合しか実行されないことになる。
演出時間パターンE2,E6には、先読み演出の演出時間として、「48秒」が設定されている。この演出時間パターンE2,E6は、図15に示すように、3回の図柄変動ゲームを実行単位として先読み演出が実行される場合に選択される。この場合、先読み演出が実行される1,2回目の図柄変動ゲームが、変動時間として「6秒」を特定するはずれ演出で実行されるとともに、先読み演出が終了する3回目の図柄変動ゲームが、変動時間として「36秒」を特定する大当り演出又ははずれリーチ演出で実行される。したがって、「48秒」という演出時間は、6秒(1回目の変動)+6秒(2回目の変動)+36秒(3回目の変動)の合算値となる。
演出時間パターンE3,E7には、先読み演出の演出時間として、「42秒」が設定されている。この演出時間パターンE3,E7は、図15に示すように、2回の図柄変動ゲームを実行単位として先読み演出が実行される場合に選択される。この場合、先読み演出が実行される1回目の図柄変動ゲームが、変動時間として「6秒」を特定するはずれ演出で実行されるとともに、先読み演出が終了する2回目の図柄変動ゲームが、変動時間として「36秒」を特定する大当り演出又ははずれリーチ演出で実行される。したがって、「42秒」という演出時間は、6秒(1回目の変動)+36秒(2回目の変動)の合算値となる。
演出時間パターンE4,E8には、先読み演出の演出時間として、「36秒」が設定されている。この演出時間パターンE4,E8は、図15に示すように、1回の図柄変動ゲームを実行単位として先読み演出が実行される場合に選択される。この場合、先読み演出が実行される1回の図柄変動ゲームが、変動時間として「36秒」を特定する大当り演出又ははずれリーチ演出で実行される。したがって、「36秒」という演出時間は、1回の図柄変動ゲームの変動時間(36秒)に対応することになる。
そして、「54秒」を特定する演出時間パターンE1には、演出内容として「A−1」が定められている。その一方で、「48秒」を特定する演出時間パターンE2,E6には、演出内容として「B−1」が定められている。また、「42秒」を特定する演出時間パターンE3,E7には、演出内容として「C−1」が定められている。また、「36秒」を特定する演出時間パターンE4,E8には、演出内容として「D−1」が定められている。本実施形態では、先読み演出の実行が決定された場合、先読み演出が終了する図柄変動ゲームでは、「リーチB」を特定する変動パターンP5,P6が選択されるようになっている。したがって、先読み演出を伴って実行される図柄変動ゲームの回数が2回以上の場合、最終回のリーチ演出の内容が全て同じ内容であるため、リーチ演出の内容に大当り期待度が依存しているわけではない。大当り期待度は、図柄変動ゲームが大当りとなる可能性の大小を示すものである。そして、大当り期待度は、はずれの場合に出現する割合と大当りの場合に出現する割合を合算したトータルの出現割合に対して、大当りの場合に出現する割合を増加させることによって高めることができる。
また、「A−1」は、「54秒」を特定する演出時間パターンE1にのみ対応付けられている。一方、その他の演出内容「B−1」,「C−1」,「D−1」の出現率は、大当り時及びはずれ時における先読み演出の実行確率及び実行回数に依存する。これにより、先読み演出では、リーチ演出の種類にかかわらず、先読み演出の演出内容、すなわち、先読み演出の演出時間が大当り期待度に依存する。本実施形態では、先読み演出の演出時間が長いほど、大当り期待度が高く、先読み演出の演出時間が短いほど、大当り期待度が低くなるようになっている。
その一方で、先読み演出が実行されない場合、リーチ演出の種類として「リーチA」〜「リーチC」のうちいずれかが選択されるようになっている。そして、これらのリーチ演出には、夫々大当り期待度が設定されている(リーチA<リーチB<リーチC)。したがって、先読み演出が実行されない場合には、リーチ演出の演出内容が大当り期待度に依存する。
そして、先読み演出の実行を決定した演出制御用CPU31aは、その後、実行中フラグに先読み演出が実行中であることを示す値として「1」をセットし(ステップS105)、先読み演出設定処理を終了する。一方、ステップS102の判定結果が否定(事前判定コマンドW5〜W8,W13〜W16を入力していない)の場合、演出制御用CPU31aは、演出時間パターンを決定することなく、先読み演出設定処理を終了する。同様に、ステップS103の判定結果が否定(先に記憶されている保留に基づく図柄変動ゲームの変動時間を一義的に特定できない)の場合、演出制御用CPU31aは、演出時間パターンを決定することなく、先読み演出設定処理を終了する。
以上、演出制御用CPU31aは、今回の事前判定コマンドで特定される保留記憶数に対応する記憶領域に設定されている図柄種別値が1又は3のいずれかで、かつ今回の事前判定コマンドを入力した時点で既に記憶されている保留記憶数に対応する全記憶領域に設定されている図柄種別値が2の場合に、先読み演出の実行を決定する。これにより、演出制御用CPU31aは、先読み演出の途中にリーチ演出が実行される可能性があるか否か、及び変動時間を一義的に特定できるはずれ演出が含まれているか否かを事前に確認することができる。
本実施形態では、図柄種別値が1〜3のいずれかである場合、その図柄種別値が設定されている記憶領域に対応する始動保留球に基づく図柄変動ゲームの変動時間を一義的に特定できる。したがって、図柄種別値として「1」〜「3」の何れかが設定される図柄変動ゲームの演出内容、すなわち、図柄変動ゲームの変動時間として1種類の変動時間を確実に特定できる内容が、第1の変動に相当する。その一方で、図柄種別値が「0」「4」である場合、その変動時間を一義的に特定できない。したがって、図柄種別値として「0」「4」が設定される図柄変動ゲームの演出内容、すなわち、図柄変動ゲームの変動時間として複数種類の変動時間から変動時間を特定する内容が、第2の変動に相当する。
その後、演出制御用CPU31aは、演出制御用RAM31cのタイマに、演出時間パターンで特定される値を、先読み演出の演出時間として設定する。そして、演出制御用CPU31aは、先読み演出が開始する図柄変動ゲームの開始と同時に、制御周期毎(4ms毎)に当該制御周期分の時間を減算することによって、先読み演出の実行時間を管理する。つまり、演出制御用CPU31aは、先読み演出が開始する1回目の図柄変動ゲームの開始と同時に先読み演出を開始させるように演出表示装置11の表示内容を制御する。
なお、演出制御用CPU31aは、1回目の図柄変動ゲームの終了後、再度、新たに保留記憶数「1」となった記憶領域に記憶されている事前判定コマンドの値を今回の図柄変動ゲームを実行させるための実行領域に対応付けて記憶させる。同様に、演出制御用CPU31aは、新たに保留記憶数「2」となった記憶領域に記憶されている事前判定コマンドを保留記憶数「1」に対応付けられた記憶領域に記憶する。同様に、演出制御用CPU31aは、新たに保留記憶数「3」となった記憶領域に記憶されている事前判定コマンドを保留記憶数「2」に対応付けられた記憶領域に記憶する。なお、演出制御用CPU31aは、図柄停止コマンドを入力するとタイマの計測を停止し、変動パターン指定コマンドを入力すると、タイマの計測を再開する。
そして、演出制御用CPU31aは、演出制御用RAM31cのタイマに設定した値が「0」となった場合、先読み演出を終了させるように演出表示装置11の表示内容を制御する。加えて、演出制御用CPU31aは、先読み演出が終了する最終回の図柄変動ゲームの終了を以て先読み演出を終了させるために、最終回の図柄変動ゲームの開始時に、実行中フラグに「0」をセットする。
なお、図14に示すように、演出時間パターンE5には演出内容が対応付けられていない。このため、演出制御用CPU31aは、演出時間パターンE5を特定した場合には、保留記憶数「1」に基づく図柄変動ゲームの開始時に、タイマの値を減算しない。そして、演出制御用CPU31aは、保留記憶数「2」に基づく図柄変動ゲームの開始時にタイマの値を減算することになる。これにより、内部的には演出時間パターンE5を選択可能であるが、実質的には3回の図柄変動ゲームを実行単位とする「48秒」の先読み演出が実行されることになる。本実施形態では、演出制御用CPU31aが演出実行手段として機能する。
以下、先読み演出の実行態様について図16(a),(b)に従って説明する。
図16(a)では、先読み演出の実行可を指示する事前判定コマンドW8(図6参照)を入力した時点で既に記憶されている各始動保留球に基づく図柄変動ゲームの演出内容が、変動時間として「6秒」を特定するはずれ演出となること前提としている。一方、図16(b)では、事前判定コマンドW8を入力した時点で既に記憶されている各始動保留球のうち1つの始動保留球に基づく図柄変動ゲームの演出内容が、入球検知の段階では1種類の変動時間を一義的に特定できないはずれ演出となることを前提としている。
図16(a)では、前提により、事前判定コマンドW8で特定される保留記憶数「4」に対応する記憶領域に図柄種別値として「1」が設定されているとともに、既に記憶されている各保留記憶数に対応する記憶領域に図柄種別値として「2」が設定されていることになる。これにより、演出制御用CPU31aは、保留中の全図柄変動ゲームの変動時間を特定することができるので、その変動時間に基づいて、演出時間として「54秒」を特定する演出時間パターンE1を特定する。そして、演出制御用CPU31aは、演出時間パターンE1に従って、4回の図柄変動ゲームを実行単位とする先読み演出を実行させる。
前述したように、先読み演出の実行が決定された場合、先読み演出が終了する図柄変動ゲームでは、必ず「リーチB」を特定する変動パターンP5,P6が選択されるようになっている。そして、演出内容「A−1」は、「54秒」を特定する演出時間パターンE1にのみ対応付けられており、先読み演出における大当り期待度は、リーチ演出の種類にかかわらず、先読み演出の演出時間が大当り期待度に依存するようになっている。したがって、図16(a)に示す例では、リーチ演出の種類にかかわらず、先読み演出の演出内容が「A−1」であることによって、大当りとなる可能性が高いこと(本実施形態では、大当り確定)を認識する。
一方、図16(b)では、前提により、事前判定コマンドW8で特定される保留記憶数「4」に対応する記憶領域に図柄種別値として「1」が設定されているものの、保留記憶数「2」に対応する記憶領域に図柄種別値として、複数種類の変動時間が定められた変動パターン振分テーブルを選択させることを指示する「4」が設定されている。これにより、演出制御用CPU31aは、保留中の全図柄変動ゲームの変動時間を特定することができないので、先読み演出を実行させない。したがって、保留記憶数「1」〜「4」に基づく各図柄変動ゲームでは、先読み演出を伴うことなく、各変動パターンで特定される演出内容で図柄変動ゲームが実行されることになる。
前述したように、先読み演出が実行されない場合、リーチ演出の種類として大当り期待度の異なる「リーチA」〜「リーチC」のうちいずれかが選択されるようになっている。したがって、図16(b)に示す例では、先読み演出の演出時間ではなく、リーチ演出の内容から大当りとなることに対して期待を持たせることになる。これにより、遊技者は、「リーチC」が実行されたときよりは大当りとなることに対して期待を持つことができないが、「リーチA」が実行されたときよりは大当りとなることに対して期待を持つことができる。
したがって、本実施形態によれば、以下に示す効果を得ることができる。
(1)主制御用CPU30aは、変動開始時に1種類の変動時間の中から変動内容を特定することができる変動内容か、又は変動開始時に複数種類の変動時間の中から変動内容を選択する変動内容かを、変動開始時よりも前に事前に特定する。そして、演出制御用CPU31aは、先読み演出を実行させる対象となる遊技球に基づく図柄変動ゲーム、及びその図柄変動ゲームの直前に実行される図柄変動ゲームの変動内容が1種類の変動時間を特定できる変動内容であった場合に先読み演出を実行させることになる。これにより、先読み演出を伴って実行される図柄変動ゲームの変動時間が如何なる時間であっても、始動保留球に基づく図柄変動ゲームが実行されている間に終了する先読み演出を実行することができる。したがって、各ゲーム内で完了する所定の演出を図柄変動ゲーム毎に実行する先読み演出とは異なる新たな形態の先読み演出を実行することが可能となり、遊技者の興趣を向上させることができる。
(2)直近の当りの種類によって、図柄変動ゲームが第1の変動(実施形態では、変動時間として「6秒」を確実に特定できる内容)となるか、又は第2の変動(実施形態では、変動時間として「6秒」又は「12秒」を特定する内容)となるかを規定した。より詳しくは、直近の大当りが「大当りLA」の場合、リーチ演出を伴わないはずれ演出の変動時間として、「6秒」又は「12秒」のどちらかが選択されるように設定した。一方、直近の大当りが「大当りLB」又は「大当りLC」の場合、リーチ演出を伴わないはずれ演出の変動時間として、「6秒」が必ず特定されるように設定した。このような設定を行うことにより、直近の大当りの種類に基づいて先読み演出の出現率を調節することが可能となり、先読み演出が出現したか否かによって、現在の遊技状態を推測させることができる。
(3)演出制御用CPU31aは、入球時に決定した変動時間どおりに図柄変動ゲーム及び先読み演出を実行させることになり、入球時に判定した変動時間と変動開始時に判定した変動時間が異なるという現象が生じ得なくなる。したがって、変動開始前であっても保留中の図柄変動ゲームの変動時間を特定し、その時間に合わせた先読み演出を実行することができる。
(4)演出制御用CPU31aは、先読み演出の対象となる図柄変動ゲームを含む当該入球時に保留されている全ての図柄変動ゲームの総変動時間(合算変動時間)を算出する。これにより、保留中の図柄変動ゲームの全変動時間を用いて先読み演出を実行することができる。
(5)演出制御用CPU31aは、先読み演出の対象となる図柄変動ゲームを含む当該入球時に保留されている全ての図柄変動ゲームの変動時間を、図柄変動ゲームの開始前に確実に特定できた場合に、先読み演出を実行させる。言い換えると、先読み演出の実行可を指示する事前判定コマンドを入力したとしても、今回の事前判定コマンドの入力時に既に記憶されている始動保留球に基づく図柄変動ゲームの変動時間が確実に特定できない場合には、先読み演出が実行されないことになる。したがって、先読み演出を実行させる場合、図柄変動ゲームの開始よりも前に保留中の全ての始動保留球に基づく図柄変動ゲームの変動時間を特定することができる。
(6)先読み演出が終了する最終回の図柄変動ゲームでのみ、リーチ演出を実行させるようにした。本実施形態では、先読み演出の実行が決定された場合、最終回のリーチ演出の内容を全て同じ内容にしたため、大当り期待度が、リーチ演出の種類ではなく、先読み演出の演出時間に依存することになる。その一方で、先読み演出が実行されない場合、リーチ演出の種類として大当り期待度が異なる「リーチA」〜「リーチC」のうちいずれかが選択されるようにしたため、大当り期待度が、リーチ演出の演出内容に依存することになる。これにより、リーチ演出が実行される場合であっても、先読み演出を伴っているか否かに応じて、そのリーチ演出の意味する大当り期待度が異なることになり、遊技者の興趣を向上させることができる。
(7)主制御用CPU30aは、振分フラグに「1」が設定されているのであれば、取得したリーチ判定用乱数の値が如何なる値であっても、振分フラグの設定値に従って、必ず振分テーブルT1の中からはずれ演出用の変動パターンP2を選択、決定する(図11のステップS60)。同様に、主制御用CPU30aは、振分判定フラグに「1」が設定されているのであれば、図柄変動ゲームの開始時における特図始動保留記憶数が如何なる値であっても、振分フラグの設定値に従って、必ず振分テーブルT1の中からはずれ演出用の変動パターンP2を選択、決定する(図11のステップS60)。これにより、図柄変動ゲーム開始時における遊技状態(確変状態の有無及び特図始動保留記憶数)に関係なく、図柄変動ゲームの開始時よりも前段階で図柄変動ゲームの変動時間を必ず特定することができ、図柄変動ゲームの開始時においても、入球時の判定結果に従った変動パターンを決定することができる。
(8)振分テーブルT3(図7(c))には、複数種類の変動時間に対してそれぞれ演出内容を対応付ける一方で、振分テーブルT1(図7(a))には、1種類の変動時間に対して複数種類の演出内容を対応付けた。これにより、これらの振分テーブルには、夫々複数の内容が対応付けられていることになるが、振分テーブルT1では、図柄変動ゲームの開始時よりも前段階であっても、1種類の変動時間を特定することができる。その一方で、振分テーブルT3では、図柄変動ゲームの開始時よりも前段階であっても、1種類の変動時間を特定することができない。したがって、複数の内容が対応付けられたテーブルであっても、それぞれ別の意味合いを設定することができる。
(9)演出制御用CPU31aは、演出時間パターンE5を特定した場合、保留記憶数「2」に基づく図柄変動ゲームの開始時にタイマの減算を開始する。これにより、内部的には4回の図柄変動ゲームを実行単位として管理することができる一方で、実質的には3回の図柄変動ゲームを実行単位とする「48秒」の先読み演出を実行することができる。これにより、4回の図柄変動ゲームを実行単位とする「54秒」の先読み演出が実行された場合には、必ず大当りとなる。
(10)大当り演出用の変動パターン又ははずれリーチ演出用の変動パターンであるか否かにかかわらず、同一の変動内容を含む変動パターンに対して、同一の変動時間を定めた。これにより、先読み演出の実行可となる事前判定コマンドを入力した場合、大当りとなるか否かにかかわらず、その変動時間を事前に特定することができる。
(第2の実施形態)
次に、本発明の第2の実施形態を説明する。
なお、以下に説明する実施形態において、既に説明した実施形態と同一構成及び同一制御内容などは、同一の符号を付すなどして、その重複する説明を省略又は簡略する。
本実施形態では、入賞検知時にリーチ演出を伴わないはずれと判定された場合、その変動時間を確実に特定させるか否かを抽選で決定している点が、第1の実施形態とは異なっている。
図18に示すように、本実施形態では、はずれ演出用の変動パターンとして、変動内容に「超短縮変動」を含む変動パターンP9を新たに設定している。超短縮変動は、図柄変動ゲームの開始後、各列の変動をほぼ同一のタイミングで停止させて各列に図柄を導出させるはずれ演出であり、「短縮変動」よりも変動時間が短く設定されている。
以下、本実施形態におけるコマンド設定処理について図19に従って説明する。なお、図19に示すコマンド設定処理では、第1の実施形態におけるコマンド設定処理(図9)と同一の処理内容については、同一の符号を付しており、その説明を省略する。
本実施形態では、大当り判定用乱数の値と大当り判定値とが一致する場合であっても、主制御用CPU30aは、その大当りの種類に従って振分フラグを設定しないようになっている。本実施形態では、リーチ演出を伴わないはずれ演出の変動時間として、「6秒」又は「12秒」のうちいずれかを選択させる場合、振分フラグに「0」が設定される。また、リーチ演出を伴わないはずれ演出の変動時間として、「6秒」を一義的に特定させる場合、振分フラグに「1」が設定される。また、リーチ演出を伴わないはずれ演出の変動時間として、「3秒」を一義的特定させる場合、振分フラグに「2」が設定される。
本実施形態において主制御用CPU30aは、前述した各種乱数に加え、振分フラグ判定用乱数の値も更新している。振分フラグ判定用乱数は、振分フラグ「0」〜「2」のうちどの値を設定するかを特定するために、つまり、はずれ演出の変動時間を特定するために用いる乱数である。さらに、本実施形態において主制御用ROM30bには、前述した各種判定値に加え、振分フラグ判定値が設定されている。振分フラグ判定値は、振分フラグの種別を特定する際に用いる判定値であり、振分フラグ判定用乱数の取り得る数値(0〜240迄の全241通りの整数)の中から定められている。
具体的に説明すると、振分フラグ「0」には、101個の振分フラグ判定値が対応付けられている一方で、振分フラグ「1」には、80個の振分フラグ判定値が対応付けられている。また、振分フラグ「2」には、60個の振分フラグ判定値が対応付けられている。
したがって、ステップS16の判定結果が否定(先読み演出判定用乱数の値とはずれ用の先読み演出判定値とが不一致)の場合、主制御用CPU30aは、先読み演出の実行否を決定する。その後、主制御用CPU30aは、振分フラグの値として、「0」〜「2」のうちいずれの値を設定することになるかを判定する。具体的には、主制御用CPU30aは、取得した振分フラグ判定用乱数の値を読み出し、読み出した値が、振分フラグ「0」〜「2」のうちいずれの振分フラグに対応付けられた振分フラグ設定値と一致するかを判定することで、振分フラグの種別を特定することになる。本実施形態において主制御用CPU30aは、101/241の確率で振分フラグ「0」を決定する一方で、80/241の確率で振分フラグ「1」を決定し、60/241の確率で振分フラグ「2」を決定するようになっている。そして、振分フラグに「0」を設定することを特定した場合(ステップS18)、主制御用CPU30aは、ステップS19の処理を実行する。
本実施形態において主制御用CPU30aは、コマンド設定処理において、振分フラグ判定用乱数の値を読み出すことで、何れの振分フラグを選択することが決定されているのかを事前に判定することになる。
一方、ステップS18の判定結果が否定(振分フラグ≠0)の場合、主制御用CPU30aは、振分フラグの値として、「1」又は「2」のうちいずれの値を設定するかを特定する。そして、振分フラグに「1」を設定することを特定した場合(ステップS25)、主制御用CPU30aは、ステップS24の処理を実行する。
一方、ステップS25の判定結果が否定(振分フラグ≠1)の場合、主制御用CPU30aは、振分フラグの値として「2」を設定することを特定したことになる。この場合、主制御用CPU30aは、リーチ判定用乱数の値として如何なる値を読み出していたとしても、該リーチ判定用乱数の値を参照することなく、リーチ演出を伴わないはずれとすることを決定する。これにより、主制御用CPU30aは、先読み演出の実行否及びはずれリーチ演出が実行されないことを指示する事前判定コマンドを特図始動保留記憶数に応じて決定する(ステップS26)。ステップS26では、図17に示すように、特図始動保留記憶数が「1」の場合、事前判定コマンドW29が決定される一方で、特図始動保留記憶数が「2」の場合、事前判定コマンドW30が決定される。また、特図始動保留記憶数が「3」の場合、事前判定コマンドW31が決定される一方で、特図始動保留記憶数が「4」の場合、事前判定コマンドW32が決定される。
また、ステップS25を否定判定した場合、主制御用CPU30aは、事前判定コマンドW29〜W32に対して、先読み演出の実行否及びはずれリーチ演出が実行されないことに加え、振分フラグの値が「2」であることも対応付けるようになっている。したがって、事前判定コマンドW29〜W32では、図柄変動ゲームの開始時よりも前段階で、先読み演出の実行否及び変動時間が3秒となるはずれ演出となることも確実に特定することができる。
そして、事前判定コマンドを決定した主制御用CPU30aは、決定した事前判定コマンドを送信バッファにセットし、特別図柄入力処理及びコマンド設定処理を終了する。
次に、第2の実施形態における特別図柄開始処理について図20に従って説明する。なお、図20に示す特別図柄開始処理では、第1の実施形態における特別図柄開始処理(図10及び図11)と同一の処理内容については、同一の符号を付しており、その説明を省略する。
ステップS54の判定結果が否定(先読み演出判定用乱数の値とはずれ用の先読み演出判定値とが不一致)の場合、主制御用CPU30aは、先読み演出の実行否を決定する。その後、主制御用CPU30aは、振分フラグの値として「0」を決定したか否かを判定する(ステップS56)。ステップS56の処理は、遊技球の入球時に行うコマンド設定処理のステップS18と同じ処理を、図柄変動ゲームの開始時に再び行う内容となっている。これにより、図柄変動ゲームの開始時期よりも前段階である入球時の判定結果を反映させて、変動パターンを選択することができる。
したがって、ステップS56を肯定判定(振分フラグ=0)した場合、主制御用CPU30aは、ステップS57に移行してリーチ判定を行い、その判定結果に基づいて、振分テーブルT3(図7(c))又は振分テーブルT4(図7(d)から変動パターンを選択、決定する(ステップS58,S59)。
一方、ステップS56の判定結果が否定(振分フラグ≠0)の場合、振分フラグの値として「1」を決定したか否かを判定する(ステップS66)。ステップS66の処理は、遊技球の入球時に行うコマンド設定処理のステップS25と同じ処理を、図柄変動ゲームの開始時に再び行う内容となっている。これにより、図柄変動ゲームの開始時期よりも前段階である入球時の判定結果を反映させて、変動パターンを選択することができる。
したがって、ステップS66を肯定判定(振分フラグ=1)した場合、主制御用CPU30aは、リーチ判定用乱数の値として如何なる値を読み出していたとしても、振分フラグとして「1」が設定されていることに従って、該リーチ判定用乱数の値を参照することなく、リーチ演出を伴わないはずれとすることを決定する。そして、主制御用CPU30aは、先読み演出判定用乱数の値及び振分フラグの値(この例では、「1」)に基づき、振分テーブルT1(図7(a))を決定する。そして、主制御用CPU30aは、振分テーブルT1の中からはずれ演出用の変動パターンP2を選択し、決定する(ステップS60)。つまり、主制御用CPU30aは、コマンド設定処理の決定結果にしたがって、変動時間として6秒を決定したことになる。
一方、ステップS66の判定結果が否定(振分フラグ≠1)の場合、振分フラグの値として「2」を決定したことになる。なお、この値は、図19に示すコマンド設定処理におけるステップS25で特定された振分フラグの値となる。これにより、図柄変動ゲームの開始時期よりも前段階である入球時の判定結果を反映させて、変動パターンを選択することができる。
この場合、主制御用CPU30aは、リーチ判定用乱数の値として如何なる値を読み出していたとしても、該リーチ判定用乱数の値を参照することなく、リーチ演出を伴わないはずれとすることを決定する。これにより、主制御用CPU30aは、先読み演出判定用乱数の値及び振分フラグの値(この例では、「2」)に基づき、変動パターン振分テーブルT7(図18)を選択する。
図18に示すように、変動パターン振分テーブルT7(以下、振分テーブルT7と示す)では、はずれ演出用の変動パターンとして、変動パターンP9のみが選択可能となるように乱数値が振分けられている。したがって、主制御用CPU30aは、振分テーブルT7の中から変動パターン振分用乱数の値に基づいて、はずれ演出用の変動パターンP9を選択し、決定する(ステップS67)。つまり、主制御用CPU30aは、コマンド設定処理の決定結果にしたがって、変動時間として3秒を決定したことになる。その後、主制御用CPU30aは、ステップS51の処理に移行する。
次に、本実施形態における先読み演出設定処理について説明する。なお、本実施形態における先読み演出設定処理では、第1の実施形態における先読み演出設定処理(図12)と同一の処理内容については、同一の符号を付しており、その説明を省略する。
本実施形態において演出制御用CPU31aは、先読み演出の実行否及びはずれリーチ演出が実行されないことを指示するW29〜W32を入力した場合、これらのコマンドを特定する図柄種別値として、「5」を設定する。
そして、本実施形態のステップS103において、演出制御用CPU31aは、今回の事前判定コマンドを入力した時点で既に記憶されている全始動保留球に基づく図柄変動ゲームが、変動時間を一義的に特定できるはずれ演出であるか否かを判定する(ステップS103)。詳しくは、演出制御用CPU31aは、今回の事前判定コマンドの入力時に既に記憶されている保留記憶数に対応する各記憶領域に設定した図柄種別値から、変動時間を一義的に特定できるはずれ演出であるか否かを判定することになる。つまり、今回の事前判定コマンドの入力時に既に記憶されている保留記憶数に対応する各記憶領域に設定した図柄種別値として、「2」又は「5」が設定されている場合、演出制御用CPU31aは、ステップS103を肯定判定することになる。
本実施形態では、事前判定コマンドW29〜W32と1種類の変動時間(変動パターンP9に定められた変動時間)が対応付けられた振分テーブルT7(図18)が対応している。したがって、今回の事前判定コマンドよりも先に記憶されている全ての事前判定コマンドが、事前判定コマンドW9〜W12,W29〜W32のうちいずれかである場合、演出制御用CPU31aは、図柄変動ゲームの開始時よりも前段階で、先読み演出が終了する最終回の図柄変動ゲームよりも先に実行される図柄変動ゲームの変動時間を確実に特定できる。
以上、本実施形態において演出制御用CPU31aは、今回の事前判定コマンドで特定される保留記憶数に対応する記憶領域に設定されている図柄種別値が1又は3のいずれかで、かつ今回の事前判定コマンドを入力した時点で既に記憶されている保留記憶数に対応する全記憶領域に設定されている図柄種別値が2又は5の場合に、先読み演出の実行を決定する。これにより、演出制御用CPU31aは、先読み演出の途中にリーチ演出が実行される可能性があるか否か、及び変動時間を特定可能なはずれ演出が含まれているか否かを事前に確認することができる。
本実施形態では、図柄種別値が1〜3,5のいずれかである場合、その図柄種別値が設定されている記憶領域に対応する始動保留球に基づく図柄変動ゲームの変動時間を一義的に特定できる。したがって、図柄種別値として「1」〜「3」,「5」の何れかが設定される図柄変動ゲームの演出内容、すなわち、図柄変動ゲームの変動時間として1種類の変動時間を確実に特定できる内容が、第1の変動に相当する。
次に、本実施形態に設定された演出時間パターンについて、図21に従って説明する。
図21に示す演出時間パターンテーブルには、前述した演出時間パターンE1〜E4に加えて、最終的に大当りとなる際に特定可能な3種類の演出時間パターンF1〜F3が設定されている。さらに、演出時間パターンテーブルには、前述した演出時間パターンE5〜E8に加えて、最終的にはずれリーチとなる際に特定可能な3種類の演出時間パターンF4〜F6が設定されている。そして、演出時間パターンF1,F4には、先読み演出の演出時間として、「51秒」が設定されている。この演出時間パターンF1,F4は、図22に示すように、4回の図柄変動ゲームを実行単位として先読み演出が実行される場合に選択される。この場合、先読み演出が実行される1回目〜3回目の図柄変動ゲームのうちいずれか2回が、変動時間として「6秒」を特定するはずれ演出で実行される。また、先読み演出が実行される1回目〜3回目の図柄変動ゲームのうちいずれか1回が、変動時間として「3秒」を特定するはずれ演出で実行させる。それとともに、先読み演出が終了する4回目の図柄変動ゲームが、変動時間として「36秒」を特定する大当り演出又ははずれリーチ演出で実行される。したがって、「51秒」という演出時間は、6秒+6秒+3秒+36秒の合算値となる。
演出時間パターンF2,F5には、先読み演出の演出時間として、「45秒」が設定されている。この演出時間パターンF2,F5は、図22に示すように、3回の図柄変動ゲームを実行単位として先読み演出が実行される場合に選択される。この場合、先読み演出が実行される1回目〜2回目の図柄変動ゲームが、変動時間として「6秒」又は「3秒」を特定するはずれ演出でそれぞれ実行されるとともに、先読み演出が終了する3回目の図柄変動ゲームが、変動時間として「36秒」を特定する大当り演出又ははずれリーチ演出で実行される。したがって、「45」という演出時間は、6秒+3秒+36秒の合算値となる。なお、演出時間パターンF2,F5は、4回の図柄変動ゲームを実行単位として先読み演出が実行される場合にも選択可能となっている。この場合、1回目〜3回目の図柄変動ゲームが、変動時間として「3秒」を特定するはずれ演出で夫々実行されるとともに、先読み演出が終了する4回目の図柄変動ゲームが、変動時間として「36秒」を特定する大当り演出又ははずれリーチ演出で実行される。したがって、「45」という演出時間は、3秒+3秒+3秒+36秒の合算値でもある。
演出時間パターンF3,F6には、先読み演出の演出時間として、「39秒」が設定されている。この演出時間パターンF3,F6は、図22に示すように、2回の図柄変動ゲームを実行単位として先読み演出が実行される場合に選択される。この場合、先読み演出が実行される1回目の図柄変動ゲームが、変動時間として「3秒」を特定するはずれ演出で実行されるとともに、先読み演出が終了する2回目の図柄変動ゲームが、変動時間として「36秒」を特定する大当り演出又ははずれリーチ演出で実行される。したがって、「39秒」という演出時間は、3秒(1回目の変動)+36秒(2回目の変動)の合算値となる。
また、本実施形態では、先読み演出を実行する図柄変動ゲームの回数が同数であっても、その演出時間が異なる場合がある。例えば、演出時間パターンE2,E6は、4回の図柄変動ゲームを実行単位とする「48秒」の先読み演出を特定する場合と、3回の図柄変動ゲームを実行単位とする「48秒」の先読み演出を特定する場合とがある。また、先読み演出の演出時間が同一時間であっても、先読み演出を実行する図柄変動ゲームの回数が異なる場合がある。例えば、演出時間パターンE1,E5は、4回の図柄変動ゲームを実行単位とする「54秒」の先読み演出を特定する一方で、演出時間パターンF1,F4は、4回の図柄変動ゲームを実行単位とする「51秒」の先読み演出を特定する。
そして、演出時間パターンを特定した演出制御用CPU31aは、該演出時間パターンに基づいて、先読み演出の演出内容を決定し、その後、演出制御用RAM31cのタイマに、演出時間パターンで特定される値を、先読み演出の演出時間として設定する。そして、演出制御用CPU31aは、先読み演出が開始する図柄変動ゲームの開始と同時に、制御周期毎(4ms毎)に当該制御周期分の時間を減算することによって、先読み演出の実行時間を管理する。
以下、本実施形態における先読み演出の実行態様について図23に従って説明する。
図23では、先読み演出の実行可を指示する事前判定コマンドW8(図6参照)を入力した時点で既に記憶されている各始動保留球に基づく図柄変動ゲームの演出内容が、変動時間として「6秒」又は「3秒」を特定するはずれ演出となること前提としている。この前提により、事前判定コマンドW8で特定される保留記憶数「4」に対応する記憶領域に図柄種別値として「1」が設定されていることになる。加えて、保留記憶数「2」に対応する記憶領域に図柄種別値として「5」が、保留記憶数「1」及び「3」に対応する記憶領域に図柄種別値として「2」が設定されていることになる。これにより、演出制御用CPU31aは、保留中の全図柄変動ゲームの変動時間を特定することができるので、その変動時間に基づいて、演出時間として「51秒」を特定する演出時間パターンF1を特定する。そして、演出制御用CPU31aは、演出時間パターンF1に従って、4回の図柄変動ゲームを実行単位とする先読み演出を実行させる。
したがって、本実施形態によれば、第1の実施形態の効果(1),(3)〜(10)に加えて、以下に示す効果を得ることができる。
(11)入球時に、振分フラグの値として「0」〜「2」のうち何れの値を抽選で設定することになるのかを判定し、その判定結果に従って、図柄変動ゲームの変動時間を複数種類の変動時間が設定された振分テーブルから選択するのか、又は1種類の変動時間が設定された振分テーブルから選択するのかを決定するようにした。これにより、演出制御用CPU31aは、入球時に決定した変動時間どおりに図柄変動ゲーム及び先読み演出を実行させることになり、入球時に判定した変動時間と変動開始時に判定した変動時間が異なるという現象が生じ得なくなる。したがって、変動開始前であっても保留中の図柄変動ゲームの変動時間を特定し、その時間に合わせた先読み演出を実行することができる。
(12)先読み演出を実行する図柄変動ゲームの回数が同数であっても、その演出時間が異なる場合がある。例えば、図22における演出時間パターンE2,E6は、4回の図柄変動ゲームを実行単位とする「48秒」の先読み演出を特定する場合と、3回の図柄変動ゲームを実行単位とする「48秒」の先読み演出を特定する場合とがある。また、先読み演出の演出時間が同一時間であっても、先読み演出を実行する図柄変動ゲームの回数が異なる場合がある。例えば、図22における演出時間パターンE1,E5は、4回の図柄変動ゲームを実行単位とする「54秒」の先読み演出を特定する一方で、演出時間パターンF1,F4は、4回の図柄変動ゲームを実行単位とする「51秒」の先読み演出を特定する。このような演出態様を設定することで、多種多様なバリエーションで先読み演出を実行することができる。
なお、上記実施形態は以下のように変更しても良い。
・ 各実施形態では、図9及び図19に示すステップS16の判定結果が肯定(先読み演出判定用乱数の値とはずれ用の先読み演出判定値とが一致)の場合、その後、ステップS19と同一の処理を実行しても良い。これにより、先読み演出判定用乱数の値とはずれ用の先読み演出判定値とが一致した場合であっても、必ずリーチ演出が実行されるとは限らなくなる。
・ 第1の実施形態では、図9に示すステップS16の判定結果が否定(先読み演出判定用乱数の値とはずれ用の先読み演出判定値とが不一致)の場合、ステップS18とステップS19の処理順序を逆転させても良い。これにより、リーチ判定用乱数の値が非共通リーチ判定値よりも大きい場合に、振分フラグの値が「0」又は「1」であるかが判定されることになる。つまり、振分フラグに「1」が設定されている場合であっても、先読み演出の実行対象とならないはずれリーチ演出が実行可能になる。
・ 各実施形態において、図9及び図19に示すコマンド設定処理のステップS12では、最初に共通大当り判定値を用いて、大当り判定用乱数の値と一致するか否かを判定し、一致しなかった場合に、非共通大当り判定値を用いて大当り判定用乱数の値と一致するか否かを判定するようにしても良い。
・ 各実施形態において、確変状態の有無及び変短状態の有無に応じてリーチ確率を設定しても良い。この場合、変短状態が付与されているときには、特図始動保留記憶数が如何なる数であっても、一定のリーチ確率を設定しても良い。
・ 各実施形態において、非変短状態においても先読み演出を実行可能となるように構成しても良い。
・ 各実施形態において、先読み演出判定は、演出制御用CPU31aが実行するようにしても良い。
・ 各実施形態において、連続して実行される図柄変動ゲームを跨ぐ演出であれば、先読み演出は、保留中の全ての図柄変動ゲームに跨って実行される演出でなくても良い。例えば、先読み演出が終了する最終回の図柄変動ゲームの直前に実行される図柄変動ゲームの途中から開始されても良い。
・ 各実施形態において、先読み演出の演出時間にインターバル時間を含めても良い。この場合、例えば、インターバル時間を0.5秒に設定したとすると、演出時間パターンE1(4回、54秒)には、3回分のインターバル時間が加算され、55.5秒が特定されることになる。
・ 各実施形態では、先読み演出の対象となる図柄変動ゲームを含む当該入球時に保留されている全ての図柄変動ゲームの総変動時間を算出した上で、保留中の図柄変動ゲームのうち連続するいずれかの図柄変動ゲームを対象として先読み演出を実行するようにしても良い。例えば、第1の実施形態において、今回入力した事前判定コマンドで特定される保留記憶数に対応する記憶領域に図柄種別値として「1」が設定されているとともに、既に記憶されている各保留記憶数(1〜3)に対応する記憶領域に図柄種別値として「2」が設定されているとする。この場合、演出制御用CPU31aは、先読み演出の実行を決定するとともに、演出時間パターンE1を特定することになる。ところで、演出時間パターンE1は、演出時間パターンE2(3回、48秒)、演出時間パターンE3(2回、42秒)、及び演出時間パターンE4(1回、36秒)に定められている演出時間よりも長い。したがって、演出時間パターンE1に基づいて先読み演出を実行できる状態であれば、演出時間パターンE2〜E4に基づいて先読み演出を実行しても、演出時間パターンE1に定められた時間内に先読み演出が終了するので、先読み演出を実行することが可能となる。この場合、例えば、演出時間パターンE2を選択したとすると、演出制御用CPU31aは、2回目の図柄変動ゲームの開始時から先読み演出を開始させ、4回目(最終回)の図柄変動ゲームの終了を以って先読み演出を終了させることになる。これにより、内部的には4回の図柄変動ゲームを実行単位として先読み演出を実行可能であるが、実際は、3回の図柄変動ゲームを実行単位として先読み演出が実行されることになる。
・ 各実施形態における先読み演出は、先読み演出が終了する最終回の図柄変動ゲームよりも前にリーチ演出が実行される場合であっても実行させる形態としても良い。
・ 第1の実施形態において、遊技者に多数の賞球を付与する大当りではなく、遊技状態や演出モードを変更するための当り(賞球数が少ない)を設定し、当該当りに当選した場合に、振分フラグ「0」が設定されるようにしても良い。
・ 各実施形態において、今回入力した事前判定コマンドが、事前判定コマンドW5又は事前判定コマンドW13であって、かつ今回の事前判定コマンドを入力した時点で始動保留球が1球も記憶されていない場合には、先読み演出の実行否が決定されるようにしても良い。
・ 各実施形態において、少なくとも今回入力した事前判定コマンドが1種類の変動時間を確実に特定可能なことを示すコマンドであった場合には、先読み演出の実行可が決定されるようにしても良い。
・ 各実施形態は、1つの特別図柄を用いるパチンコ遊技機に具体化したが、第1の特別図柄と第2の特別図柄からなる2つの特別図柄を用いるパチンコ遊技機に具体化しても良い。この場合、第2の特別図柄に基づく図柄変動ゲームで先読み演出及びモード昇格抽選が実行されることになる。
・ 各実施形態において、特別図柄と飾り図柄を用いるパチンコ遊技機に具体化したが、特別図柄のみを用いるパチンコ遊技機に具体化しても良い。
次に、上記実施形態及び別例から把握できる技術的思想を以下に追記する。
(イ)連続する複数回の図柄変動ゲームを対象として先読み演出を実行させる先読み演出実行手段を備え、前記先読み演出実行手段は、前記先読み演出の実行に際して、前記先読み演出の対象とする図柄変動ゲームの変動時間の合算値となる合算変動時間を算出するとともに、その合算変動時間を上限時間として終了する前記先読み演出の演出内容を決定することにより、複数回の図柄変動ゲームを跨ぐ演出内容の先読み演出を実行させることを特徴とする遊技機。
(ロ)前記先読み演出実行手段は、前記先読み演出を、当該先読み演出の最終回の図柄変動ゲームと当該ゲームに対応する始動保留球が発生した時点で保留されている1以上の図柄変動ゲームを対象に実行させるとともに、前記先読み演出の初回の図柄変動ゲームと前記最終回の図柄変動ゲームの間に、前記先読み演出の非対象となる図柄変動ゲームを挟まずに実行させることを特徴とする技術的思想(イ)に記載の遊技機。
(ハ)始動手段への入球時に、当該入球に基づく図柄変動ゲームが、変動開始時に1種類の変動時間の中から変動内容を特定する第1の変動か、又は前記変動開始時に複数種類の変動時間の中から変動内容を選択する第2の変動かを変動開始時よりも前に事前に特定する変動種別特定処理を実行し、少なくとも前記入球に基づく図柄変動ゲームが前記第1の変動となる場合に先読み演出を実行させる演出実行手段を備え、前記演出実行手段は、前記先読み演出の実行に際して、前記先読み演出の対象とする図柄変動ゲームの変動時間の合算値となる合算変動時間を算出するとともに、その合算変動時間を上限時間として終了する前記先読み演出の演出内容を決定し、その決定した演出内容で前記先読み演出を実行させることを特徴とする遊技機。