JP2011252722A - 熱検知デバイス - Google Patents

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Abstract

【課題】抵抗素子の抵抗値のばらつきを低減できる温度センサを提供する。
【解決手段】温度センサ100は、熱源から輻射される赤外線の熱量を検知するための赤外線検知用感温素子20と、赤外線検知用感温素子20の出力信号を温度補償するための参照用感温素子30と、抵抗調整部41を有する抵抗素子40と、抵抗調整部51を有する抵抗素子50とを備える。感温素子20,30及び抵抗素子40,50はブリッジ接続されている。感温素子20,30のそれぞれの出力端子61,62は、感温素子20,30と抵抗調整部41,51との間に形成されている。
【選択図】図2

Description

本発明は抵抗素子を備える熱検知デバイスに関する。
熱源の温度を非接触測定する温度センサとして、例えば、特開平2−201229号公報には、同一の抵抗温度特性を有する二つのサーミスタ素子と、同一の抵抗値を有する二つの固定抵抗素子とを用いてブリッジ回路を構成し、一方のサーミスタ素子は、熱源から輻射される赤外線の熱量を検知するように構成して、これを赤外線検知用素子とし、他方のサーミスタ素子は、熱源から輻射される赤外線から遮蔽されて外界雰囲気の温度に基づいて赤外線検知用素子の出力信号を温度補償するように構成して、これを参照用感温素子とし、これらを同一のケース内に収容したサーミスタボロメータが開示されている。このようなサーミスタボロメータにおいては、赤外線検知用素子は、熱源からの赤外線の熱量と外界雰囲気からの熱量とを受けてその電気抵抗が変化し、一方、参照用感温素子は、外界雰囲気からの熱量を受けてその電気抵抗が変化するため、両素子の出力信号の差分を得ることで、熱源の温度に対応するセンサ出力が得られる。特に、二つのサーミスタ素子及び二つの固定抵抗素子の抵抗値が同一になるように回路設計することで、大きなセンサ出力が得られるという利点を有する。
特開平2−201229号公報
しかし、上述のサーミスタボロメータにおいては、二つのサーミスタ素子及び二つの固定抵抗素子の抵抗値が揃ったものを選択して組み合わせないと、検出誤差が大きくなり、温度センサとしての感度特性のばらつきが大きくなる。特に、二つのサーミスタ素子及び二つの固定抵抗素子を同一基板上に形成する場合には、膜厚分布の影響により抵抗素子の抵抗値がばらつき易いため、抵抗値のばらつきを低減できる改良技術の開発が望まれている。
そこで、本発明は、上述の問題点を解決し、抵抗素子の抵抗値のばらつきを低減できる熱検知デバイスを提供することを課題とする。
上記の課題を解決するため、本発明に係わる熱検知デバイスは、熱源からの熱量を検知するための検知用感温素子と、検知用感温素子を温度補償するために外界雰囲気の熱量を検知する参照用感温素子と、切断状態に応じて抵抗調整可能な第一の抵抗調整部を有し、その一端が第一の出力端子に接続するとともにその他端が第二の共通端子に接続する第一の抵抗素子と、切断状態に応じて抵抗調整可能な第二の抵抗調整部を有し、その一端が第二の出力端子に接続するとともにその他端が第二の共通端子に接続する第二の抵抗素子とを備える。検知用感温素子は、第一の出力端子及び第一の共通端子に接続され、参照用感温素子は、第二の出力端子及び前記第一の共通端子に接続されている。赤外線検知用感温素子、参照用感温素子、第一の抵抗素子、及び第二の抵抗素子は、同一基板に形成されている。第一の出力端子、第二の出力端子、第一の共通端子、又は第二の共通端子のうち少なくとも何れか一つは、検知用感温素子又は参照用感温素子の何れか一方と、第一の抵抗調整部又は第二の抵抗調整部の何れか一方との間に形成されている。斯かる構成によれば、抵抗調整部を部分的に切断したときに生じる切断残渣の飛散が第一の出力端子、第二の出力端子、第一の共通端子、又は第二の共通端子のうち少なくとも何れか一つによって遮蔽されるため、高温状態にある切断残渣が検知用感温素子又は参照用感温素子に付着してその素子構造にダメージを与える可能性を低減し、熱検知デバイスの感度向上を実現できる。
第一の抵抗調整部及び第二の抵抗調整部は、枠状連結抵抗体が好ましい。斯かる構成によれば、枠状連結抵抗体の部分的切断により、抵抗素子の抵抗値を段階的に調整できるため、容易かつ正確に抵抗調整できる利点を有する。
なお、熱検知デバイスの具体例として、例えば、温度センサ、湿度センサ、又はガスセンサ等を挙げることができる。熱検知デバイスが温度センサとして機能する場合、検知用感温素子は、熱源から受熱する熱量を検知するように構成される一方、参照用感温素子は、熱源から遮蔽されて熱源からの温度の影響を受けないように構成される。検知用感温素子の検出信号を参照用感温素子によって温度補償することによって、熱源の温度を非接触測定することができる。また、熱検知デバイスが湿度センサとして機能する場合、検知用感温素子は、検知用感温素子から外界雰囲気へ放散する熱量の変化を検知するように構成される一方、参照用感温素子は、外界雰囲気から遮蔽されて外界雰囲気の湿度変化の影響を受けないように構成される。検知用感温素子を所定の作動温度に加熱した状態で検知用感温素子の周囲を取り巻く雰囲気の水蒸気量が変化すると、雰囲気の熱伝導率が変化するため、検知用感温素子の放散熱量が変化する。検知用感温素子の検出信号を参照用感温素子によって温度補償することによって、外界雰囲気の絶対湿度を測定することができる。また、熱検知デバイスがガスセンサとして機能する場合、検知用感温素子は、被検知ガスに反応して発熱又は吸熱する反応膜からの熱量を検出するように構成される一方、参照用感温素子は、反応膜から遮蔽されて反応膜からの温度の影響を受けないように構成される。検知用感温素子の検出信号を参照用感温素子によって温度補償することによって、被検知ガスの濃度を測定することができる。例えば、可燃性ガスを被検知ガスとする場合、可燃性ガスを接触燃焼させるための触媒層を反応膜としてもよい。
本発明によれば、熱検知デバイスの抵抗素子の抵抗値のばらつきを低減できる。
本実施形態に係わる温度センサの平面図である。 図1の2−2線矢視断面図である。 本実施形態に係わる温度センサの回路構成図である。
以下、各図を参照しながら本発明に係わる実施形態について説明する。本実施形態では、熱検知デバイスの具体例として、温度センサを例示し、そのデバイス構造について詳述するが、湿度センサやガスセンサについても同様のデバイス構造を適用できる。また、同一部材については、同一の符号を付すものとし、重複する説明を省略する。なお、図面は、模式的なものであり、説明の便宜上、厚みと平面寸法との関係、及びデバイス相互間の厚みの比率は、本発明の効果が得られる範囲内で現実のデバイス構造とは異なっていてもよい。
図3は本実施形態に係わる温度センサ100の回路構成図である。温度センサ100は、出力端子61を介して直列接続された赤外線検知用感温素子20及び抵抗素子40から成るハーフブリッジ回路と、出力端子62を介して直列接続された参照用感温素子30及び抵抗素子50から成るハーフブリッジ回路とが並列接続されたフルブリッジ回路を有している。抵抗素子40,50の間には、電源Vccから電源供給を受けてブリッジ回路に電流を流すための電源端子としての共通端子63が接続されている。赤外線検知用感温素子20及び参照用感温素子30の間には、グランド端子としての共通端子64が接続されている。赤外線検知用感温素子20は、熱源から輻射される赤外線の熱量を検知するためのセンサ素子であり、参照用感温素子30は、赤外線検知用感温素子20の出力信号を温度補償するために外部環境からの熱量を検知するためのセンサ素子である。赤外線検知用感温素子20が受け取る熱量は、熱源から放射される赤外線の熱量に限らず、外部環境からの熱量も受け取るため、外部環境からの熱量を参照用感温素子30で検出し、赤外線検知用感温素子20の出力信号を温度補償することにより、熱源から放射される赤外線の熱量(即ち、熱源の温度)を推定することができる。このため、赤外線検知用感温素子20は、熱源から放射される赤外線を受光できるように構成される一方、参照用感温素子30は、熱源から放射される赤外線を受光しないように(言い換えれば、外部環境からの熱量のみを検知できるように)構成される。
赤外線検知用感温素子20及び参照用感温素子30は、受熱熱量に応じて電気的特性が変化するセンサ素子であればよく、特に限定されるものではないが、例えば、抵抗温度特性を有するサーミスタ等のボロメータ、又は抵抗測温体等が好適である。また、赤外線検知用感温素子20及び参照用感温素子30の抵抗温度特性をできるだけ同一に調整し、外部環境からの熱量の影響による両者の抵抗値変化を揃えるのが好ましい。同様に、抵抗素子40,50の抵抗値は、できるだけ同一であることが好ましい。このような構成によれば、温度センサ100に熱源からの赤外線が照射されない状態では、出力端子61,62の間の電圧はゼロとなる一方、温度センサ100に熱源からの赤外線が照射される状態では、赤外線検知用感温素子20及び参照用感温素子30のそれぞれの抵抗値変化の相違により、出力端子61,62間に不平衡電圧(センサ信号)が出力される。この不平衡電圧を電圧計で測定し、予め作成しておいた不平衡電圧と熱源温度との関係を示す検量線を参照することで、熱源の温度を推定することができる。
図1は温度センサ100の平面図であり、図2は図1の2−2線矢視断面図である。赤外線検知用感温素子20は、所定のギャップ間隔をおいて形成される個別電極65及び共通電極67と、これらの電極間に成膜される感温膜21とを備える。参照用感温素子30は、所定のギャップ間隔をおいて形成される個別電極66及び共通電極67と、これらの電極間に成膜される感温膜31とを備える。感温膜21,31の材質として、例えば、アモルファスシリコン、ポリシリコン、ゲルマニウム、シリコンカーバイド、或いは複合金属酸化物等の負の温度係数を有するサーミスタ薄膜が好適である。感温膜21,31として機能するサーミスタ薄膜を成膜するには、例えば基板温度600℃、成膜圧力0.5Pa、O2/Ar流量比1%、RFパワー400Wのスパッタ条件でMnNiCo系酸化物を0.4μm程度堆積し、その後、焼成炉を用いてMnNiCo系酸化物膜に大気雰囲気で650℃1時間の熱処理を施し、塩化第二鉄水溶液を用いたウェットエッチングで所定形状にパターニングすればよい。但し、感温膜21,31は、感温素子毎に分離する必要はなく、一体化してもよい。個別電極65,66及び共通電極67また電源電極68を形成するには、例えば、スパッタ法や蒸着法等の公知の薄膜プロセスを用いればよく、その材質としては、感温膜21,31の成膜工程や熱処理工程等に耐え得る耐熱性を有し、且つ適度な伝導性を有する比較的高融点の材質が好ましく、例えば、モリブデン(Mo)、白金(Pt)、金(Au)、タングステン(W)、タンタル(Ta)、パラジウム(Pd)、イリジウム(Ir)、又はこれらの金属を2種類以上含む合金等が好適である。これらの金属の下地に密着層としてのチタン(Ti)を介在させてもよい。出力端子61,62は、それぞれ、個別電極65,66に積層されて感温素子20,30から電気信号を取り出すための嵩上げ電極である。共通端子63は、抵抗素子40,50のそれぞれの一端に接続する電源電極68に積層された嵩上げ電極であり、共通端子64は、共通電極67に積層された嵩上げ電極である。これらの嵩上げ電極の材質としては、ワイヤーボンドやフリップチップボンディング等の電気的接続が容易な材質が好ましく、例えば、アルミニウム(Al)、金(Au)等が好適である。なお、共通端子63をグランド端子とし、共通端子64を電源端子としてもよい。
基板10は、第一の主面10A及びその裏面である第二の主面10Bを有しており、第一の主面10Aには、絶縁膜70が形成されている。基板10の材質としては、適度な機械的強度を有し、且つエッチング等の微細加工に適した材質であればよく、特に限定されるものではないが、例えば、シリコン単結晶基板、サファイア単結晶基板、セラミックス基板、石英基板、ガラス基板等が好適である。絶縁膜70としては、適度な機械的強度を有し、且つ公知の薄膜プロセス(CVD法、熱酸化法等)で容易に成膜できるものであればよく、例えば、シリコン酸化膜、シリコン窒化膜等が好適である。基板10の第一の主面10Aには、上述のブリッジ接続された赤外線検知用感温素子20、参照用感温素子30、及び抵抗素子40,50が絶縁膜70を介して形成されている。また、赤外線検知用感温素子20及び参照用感温素子30を被覆して外気から遮蔽するための保護膜80が形成されている。保護膜80の材質としては、適度な耐久性を有する絶縁膜であればよく、例えば、絶縁膜70の材質と同一であることが好ましい。このようにすることで、赤外線検知用感温素子20及び参照用感温素子30の周囲を被覆する絶縁膜が全て同一材質になるため、感温素子20,30の周囲の温度分布が均一となり、温度検出精度が向上する。
熱源から輻射される赤外線を吸収してその光エネルギーを熱に変換し、その熱を赤外線検知用感温素子20に伝熱させるための赤外線吸収膜91が保護膜80を介して赤外線検知用感温素子20の少なくとも一部を被覆するように成膜されている。赤外線吸収膜91の材質としては、例えば、波長が4μm〜10μmの赤外線を効率よく吸収する材質が好ましく、Au黒、Pt黒等の黒体材料、ポリイミド等の赤外線吸収効率の高い樹脂が好適である。但し、保護膜80が赤外線吸収効率に優れた薄膜(例えば、シリコン酸化膜)である場合には、必ずしも赤外線吸収膜91を設ける必要はなく、保護膜80自体を赤外線吸収膜として機能させてもよい。また、熱源から輻射される赤外線を反射し、赤外線の熱量が参照用感温素子30に伝熱しないようにするための赤外線反射膜92が保護膜80を介して参照用感温素子30の少なくとも一部を被覆するように成膜されている。赤外線反射膜92の材質としては、適度な赤外線反射率を有する薄膜であればよく、例えば、アルミニウム(Al)や金(Au)、白金(Pt)等の金属材質が好適である。
基板10には、赤外線検知用感温素子20が配置される位置に対応してキャビティ11が形成されるとともに、参照用感温素子30が配置される位置に対応してキャビティ12が形成されている。キャビティ11,12は、第二の主面10B側から第一の主面10A側に向けて基板内部に陥没する凹部であり、基板10の最大肉厚部分13よりも肉薄な肉薄部分71を有している。言い換えれば、赤外線検知用感温素子20及び参照用感温素子30は、基板10の熱容量の小さい肉薄部分71に形成されるメンブレン構造を有している。メンブレン構造によれば、僅かな熱量にも敏感に反応できるため、感度特性を向上できる。キャビティ11,12を形成するには、例えば、フッ化物系ガスを用いたD−RIE法等の反応性イオンエッチングやアルカリ溶液を用いたウェットエッチングによって、基板10を第二の主面10Bに対して略垂直に深堀すればよい。もちろん角度をつけて深堀しても結果として第一の主面10Aまでエッチングできれば良い。なお、説明の便宜上、図2では、肉薄部分71は、絶縁膜70のみによって形成される場合を例示しているが、本実施形態は、これに限られるものではなく、例えば、基板10の一部分とその上に成膜される絶縁膜70との組み合わせによって形成されてもよい。或いは、肉薄部分71は、基板10をエッチング加工する過程で成膜されたエッチング停止層等で形成されてもよい。また、絶縁膜70は、基板10に設けたエアギャップの上に中空状態で形成されてもよい。赤外線検知用感温素子20及び参照用感温素子30のそれぞれと外部環境との間の伝熱経路は、熱伝導的に対称であることが好ましく、キャビティ11,12の形状やそのサイズは同一であることが好ましい。但し、本実施形態においてキャビティ11,12は必須ではなく、省略してもよい。特に、参照用感温素子30は、仕様に応じて赤外線の受光感度が多少鈍くなるように設計してもよいため、キャビティ12のみ省略することも可能である。
抵抗素子40,50は、それぞれ抵抗調整部41,51を備える。抵抗調整部41,51は、その切断状態に応じて抵抗調整可能な抵抗体から成る部位であり、例えば、図1に示すように、複数の枠状抵抗体が連結されて成る枠状連結抵抗体として構成されている。この枠状連結抵抗体の一部を、例えば、レーザの照射熱によって溶融、飛散、又はアブレーションさせ、断片的に切断することにより、その抵抗値を予め定められた離散的な値(デジタル的な値)に段階的に調整することができる。抵抗素子40,50の材質としては、抵抗値変化の温度依存性の小さいものが好ましく、例えば、ニッケルクロム合金(NiCr)等が好適である。なお、赤外線検知用感温素子20、参照用感温素子30、及び抵抗素子40,50が絶縁膜70上に形成された後、保護膜80が形成される前の段階で、抵抗調整部41,51の部分的な切断による抵抗調整を行ってもよく、或いは、赤外線検知用感温素子20、参照用感温素子30、及び抵抗素子40,50が絶縁膜70上に形成され、更に抵抗調整部41,51が露出するように保護膜80が形成された後の段階で、抵抗調整部41,51の部分的な切断による抵抗調整を行ってから、抵抗調整部41,51を保護膜80で被覆してもよい。
複数の嵩上げ電極のうち少なくとも一つ(出力端子61,62又は共通端子63,64のうち何れか一つ)は、二つの感温膜21,31の何れか一方と、二つの抵抗調整部41,51の何れか一方との間に形成されるのが好ましい。このような配置構造によれば、レーザトリミングにより抵抗調整部41,51を部分的に切断したときに生じる切断残渣の飛散が嵩上げ電極によって遮蔽されるため、高温状態にある切断残渣が感温素子10,20又はその近傍に付着してその素子構造にダメージを与える可能性を低減し、温度センサ100の感度向上を実現できる。また、抵抗調整部41,51と感温素子20,30との間の距離は長い方が好ましく、例えば、基板10の端部に抵抗調整部41,51を形成するのが好ましい。また、枠状抵抗体を連結する枠状連結抵抗体も同様に抵抗調整部41,51内においても基板10の端部側に形成することが好ましい。更に、抵抗調整部41,51の切断部分は、枠状連結抵抗体の感温素子20,30側とは反対の基板10の端部側であることが好ましい。また、基板10を被覆する保護膜80があることで、抵抗調整部41,51から飛散する切断残渣を遮蔽する上でより効果的である。
[実験例1]
同一のシリコンウェハの周辺部分及び中央部分にそれぞれ一つの温度センサ(前者をサンプルNo.1,後者をサンプルNo.2と称する。)を製造した。赤外線検知用感温素子20、参照用感温素子30、抵抗素子40,50のそれぞれの直流抵抗値の目標値を33kΩとした。実験に使用したシリコンウェハには、特性のばらつきがあり、ウェハ周辺部に形成されたサンプルNo.1の温度センサでは、赤外線検知用感温素子20、参照用感温素子30、抵抗素子40,50の直流抵抗値は目標値に一致したが、ウェハ中央部に形成されたサンプルNo.2の温度センサでは、赤外線検知用感温素子20、参照用感温素子30、抵抗素子40,50の各抵抗値は、32kΩ、32kΩ、30kΩ、31kΩであった。これらの抵抗値の測定は、赤外線検知用感温素子20、参照用感温素子30、抵抗素子40,50(ニッケルクロム合金の絶縁膜70の基板10とは反対側の表面からの高さを100nmとするため抵抗素子40,50の膜厚を100nmとした),出力端子61,62、及び共通端子63(絶縁膜70の基板10とは反対側の表面からの端子61,62,63の高さを1000nmとした)が絶縁膜70上に形成された後、保護膜80が形成される前の段階で行った。次に、サンプルNo.1,No.2の各温度センサと同じ直流抵抗値を有し、且つ保護膜80が形成されているサンプルNo.3,No.4の温度センサを用意し、同一条件で温度変化させたときの出力電圧(センサ信号)の相違を確認した。なお、保護膜80の有無によって直流抵抗値が変化しないことは予め確認済みである。サンプルNo.3,No.4の温度センサに白色光を照射し、共通端子63,64間に5Vの電圧を印加したところ、サンプルNo.3,No4の温度センサの出力電圧は、それぞれ100mV,60mVであった。そこで、サンプルNo.2の温度センサの抵抗調整部41,51を部分的に切断して抵抗調整を行ったところ、抵抗素子40,50の各抵抗値は32kΩになり、保護膜を形成した後センサ出力を測定したところ、センサ出力は99mVにまで向上した。
[実験例2]
サンプルNo.5の温度センサを用意した。サンプルNo.5の温度センサは、出力端子61,62、及び共通端子63を有しない点においてサンプルNo.2の温度センサと相違し、その余の点において共通している。サンプルNo.5の温度センサの抵抗調整部41,51を部分的に切断して抵抗調整を行ったところ、抵抗素子40,50の各抵抗値は32kΩになり、保護膜を形成した後センサ出力を測定したところ、センサ出力は99mVにまで向上した。なお、各直流抵抗値の計測は、個別電極65,66にプローブを直接当てた状態で行った。また、サンプルNo.5の温度センサと同じものを100サンプル用意し、同様の実験を行ったところ、センサ出力が80mVに達しないものが3サンプルあった。そこで、当該サンプルを観察したところ、抵抗調整部41,51の切断残渣がメンブレン構造の一部に付着していることが判明した。一方、同様にサンプルNo.2において100サンプルの抵抗調整を行ったところ、抵抗調整部41,51の切断残渣がメンブレン構造に付着するような現象はなかったため、レーザトレミングにより抵抗調整部41,51を部分的に切断したときに生じる切断残渣の飛散が出力端子61,62、及び共通端子63によって遮蔽されたものと考えられる。
[実験例3]
サンプルNo.6〜No.9の温度センサを用意した。サンプルNo.6〜No.9の温度センサは、出力端子61,62、及び共通端子63の絶縁膜70の表面(絶縁膜70の基板10とは反対側の表面)からの高さが、それぞれ、100nm,200nm,500nm,1500nmである点においてサンプルNo.2の温度センサと相違し、その余の点において共通している。サンプルNo.7〜No.9の温度センサには、抵抗調整部41,51の切断残渣がメンブレン構造の一部に付着する現象は見られなかったが、サンプルNo.6の温度センサには、100サンプルあたり1サンプルの割合でそのような現象が見られた。この実験結果から、出力端子61,62、及び共通端子63が高い程、飛散する切断残渣を遮蔽する効果が高いことが判明した。
[実験例4]
サンプルNo.10の温度センサを用意した。サンプルNo.10の温度センサは、感温素子20,30と抵抗調整部51との間に出力端子61,62も共通端子63も形成されていない位置90(図1参照)に抵抗調整部51が形成されている点においてサンプルNo.2の温度センサと相違し、その余の点において共通している。サンプルNo.10の温度センサの抵抗調整部41,51を部分的に切断して抵抗調整を行ったところ、抵抗素子40,50の各抵抗値は32kΩになり、センサ出力は99mVにまで向上した。しかし、サンプルNo.10の温度センサと同じものを100サンプル用意し、同様の実験を行ったところ、そのうち8サンプルについて、抵抗調整部41,51の切断残渣がメンブレン構造の一部に付着していることが判明した。これは、抵抗調整部51と感温素子20,30との間に出力端子61,62も共通端子63もなく、抵抗調整部51から飛散する切断残渣を遮蔽するものが何もないことに起因しているものと考えられる。また、抵抗調整部51と感温素子20,30との距離が近いため、レーザトレミング時に生じた熱が感温素子20,30のメンブレン構造に何らかの影響を与えた可能性も考えられる。
[実験例5]
サンプルNo.11の温度センサを用意した。サンプルNo.11の温度センサは、基板10上に感温素子20,30、及び抵抗素子40,50を形成し、更に保護膜80を基板全面に成膜し、その後、出力端子61,62、共通端子63,64、及び抵抗調整部41,51が露出するように保護膜80をエッチングし、続いて、出力端子61,62、共通端子63,64を形成することにより作製した。サンプルNo.11の温度センサの各直流抵抗値は、サンプルNo.2の温度センサの各直流抵抗値と同じであった。サンプルNo.11の温度センサの抵抗調整部41,51を部分的に切断して抵抗調整を行ったところ、抵抗素子40,50の各抵抗値は32kΩになり、センサ出力は99mVにまで向上した。また、抵抗調整部41,51の切断残渣がメンブレン構造に付着することもなかった。この結果から、抵抗調整部41,51から飛散する切断残渣を遮蔽する上で保護膜80が効果的であることが判明した。
[実験例6]
サンプルNo.12の温度センサを用意した。サンプルNo.12の温度センサは、基板10上に感温素子20,30、及び抵抗素子40,50を形成し、その後、出力端子61,62、及び共通端子63,64を形成することなく、膜厚400nmの保護膜80を基板全面に成膜し、抵抗調整部41,51が露出するように保護膜80をエッチングすることにより作製した。サンプルNo.12の温度センサの各直流抵抗値は、サンプルNo.2の温度センサの各直流抵抗値と同じであった。サンプルNo.12の温度センサの抵抗調整部41,51を部分的に切断して抵抗調整を行ったところ、抵抗素子40,50の各抵抗値は32kΩになり、センサ出力は99mVにまで向上した。また、抵抗調整部41,51の切断残渣がメンブレン構造に付着することもなかった。この結果から、抵抗調整部41,51から飛散する切断残渣を遮蔽する上で保護膜80が効果的であることが判明した。
本発明に関わる熱検知デバイスは、抵抗素子の抵抗値のばらつきを補正する用途に適用できる。
10…基板
20…赤外線検知用感温素子
30…参照用感温素子
40,50…抵抗素子
41,51…抵抗調整部
61,62…出力端子
63,64…共通端子
80…保護膜
100…温度センサ

Claims (2)

  1. 熱源からの熱量を検知するための検知用感温素子と、
    前記検知用感温素子を温度補償するために前記外界雰囲気の熱量を検知する参照用感温素子と、
    切断状態に応じて抵抗調整可能な第一の抵抗調整部を有し、その一端が第一の出力端子に接続するとともにその他端が第二の共通端子に接続する第一の抵抗素子と、
    切断状態に応じて抵抗調整可能な第二の抵抗調整部を有し、その一端が第二の出力端子に接続するとともにその他端が前記第二の共通端子に接続する第二の抵抗素子と、
    を備え、
    前記検知用感温素子は、第一の出力端子及び第一の共通端子に接続され、前記参照用感温素子は、第二の出力端子及び前記第一の共通端子に接続されており、
    前記赤外線検知用感温素子、前記参照用感温素子、前記第一の抵抗素子、及び前記第二の抵抗素子は、同一基板に形成されており、
    前記第一の出力端子、前記第二の出力端子、前記第一の共通端子、又は前記第二の共通端子のうち少なくとも何れか一つは、前記検知用感温素子又は前記参照用感温素子の何れか一方と、前記第一の抵抗調整部又は前記第二の抵抗調整部の何れか一方との間に形成されている、熱検知デバイス。
  2. 請求項1に記載の熱検知デバイスであって、前記第一の抵抗調整部及び前記第二の抵抗調整部は、枠状連結抵抗体である、熱検知デバイス。
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