JP2011252311A - 便器洗浄システム - Google Patents

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Tomonori Kawamura
友紀 河村
Kazuyoshi Ota
一義 太田
Mariko Okada
真理子 岡田
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Abstract

【課題】消音性および跳ね返り抑制性に優れた便器洗浄システムを提供することを課題とする。
【解決手段】便器洗浄システムは、泡径が150マイクロメール以下の微細気泡と液相状の水とが混在するマイクロバブルフォームを発生させるマイクロバブルフォーム発生器と、排泄前および/または排泄中において、マイクロバブルフォーム発生器で発生させたマイクロバブルフォームを便器1に供給させるマイクロバブルフォーム供給部とをもつ。
【選択図】図1

Description

本発明は泡径が小さな微細気泡と液相状の水とが混在するマイクロバブルフォームを用いる便器洗浄システムに関する。
特許文献1は、泡発生液を溜めるタンクと、タンク内の泡発生液に泡を発生させる泡発生装置と発生させた泡を便器に供給する泡流出部とを有する便器用泡発生装置を開示する。特許文献2は、泡が供給される小便器を開示する。特許文献3は、便鉢の汚水にエアを混入させる便器の洗浄方法を開示する。特許文献4は、泡径が3〜5ミリメートルの泡をもつ洗浄水で便鉢を洗浄する水洗便器を開示する。特許文献5は、オゾンを含有する微細気泡をもつ洗浄水で殺菌、脱臭を図りつつ便器を洗浄する便器洗浄装置を開示する。特許文献6は、泡を発生させる洗浄液を便器のボウル面に供給させる衛生設備器具を開示する。
特開2003−34969号公報 特開2008−156929号公報 特開平6−173308号公報 特開2008−138422号公報 特開2006−249661号公報 特開2009−79426号公報
しかしながら上記した従来技術では、消音性および跳ね返り抑制性が必ずしも充分ではない。本発明は上記した実情に鑑みてなされたものであり、消音性および跳ね返り抑制性が優れている便器洗浄システムを提供することを課題とする。
本発明に係る便器洗浄システムは、排泄物を受ける便器に組み付けられる便器洗浄システムであって、泡径が150マイクロメール以下の微細気泡と液相状の水とが混在するマイクロバブルフォームを発生させるマイクロバブルフォーム発生器と、排泄前および/または排泄中において、マイクロバブルフォーム発生器で発生させたマイクロバブルフォームを便器に供給させるマイクロバブルフォーム供給部とを具備する。
泡径が150マイクロメール以下の微細気泡と液相状の水とが混在するマイクロバブルフォームでは、ミリメートル単位の泡径の泡に比較して、または、500マイクロメートル単位の泡径の泡に比較して、消音性および跳ね返り抑制性が優れている。従って、大便および/または小便の排泄時において、大便および/または小便の排泄時における高い消音性および高い跳ね返り抑制性が得られる。
本発明によれば、大便および/または小便の排泄時において、泡径が150マイクロメール以下の微細気泡と液相状の水とが混在するマイクロバブルフォームを便器に供給させる。従って、大便および/または小便の排泄時における消音性および跳ね返り抑制性が優れている。
実施形態1に係り、洋式の便器に搭載されている便器洗浄システムを示す斜視図である。 実施形態1に係り、便器洗浄システムのマイクロバブルフォーム発生器付近を模式的に示す図である。 実施形態1に係り、マイクロバブルフォーム発生器を制御する制御系を示す図である。 消音試験の実行形態を示す図である。 消音試験の試験結果を示すグラフである。 跳ね返り試験の試験結果を示すグラフである。 跳ね返り試験の実行形態を示す図である。 飛散試験の実行形態を示す図である。 実施形態3に係り、マイクロバブルフォーム発生器を制御する制御系を示す図である。 小便器に搭載されているマイクロバブルフォーム発生器付近を模式的に示す図である。
便器は、排泄物を受ける受け部を持ち、洋式または和式の便器でもよいし、男性用便器でも良い。マイクロバブルフォームは、泡径が150マイクロメール以下の微細気泡と液相状の水とが混在する。このようなマイクロバブルフォームは、ミリメートル単位のサイズをもつ泡に比較して、高い消音性と高い跳ね返り抑制性とをもつ。マイクロバブルフォーム供給部は、排泄前および/または排泄中において、マイクロバブルフォーム発生器で発生させたマイクロバブルフォームを便器に供給させる。排泄前とは、排泄直前を意味する。排泄直前とは、使用者の衣服の一部を触る等して排泄準備行為をしている間を含む。好ましくは、システムは、便器内のマイクロバブルフォームの厚みを調整する厚み調整機能をもつ。便器内のマイクロバブルフォームの厚みを調整すれば、消音性と高い跳ね返り抑制性とを調整できる。
好ましくは、使用者が便器に接近または着座することを検知する人体センサが設けられており、人体センサからの信号に基づいて、マイクロバブルフォーム供給部はマイクロバブルフォームを便器に供給させることができる。この場合、排泄前にマイクロバブルフォームを便器に供給させることができる。好ましくは、制御装置が設けられており、制御装置は、便器内のマイクロバブルフォームの厚みを調整する。便器内のマイクロバブルフォームの厚みを調整すれば、前述同様に、消音性と高い跳ね返り抑制性とを調整できる。好ましくは、使用者が便器に接近または着座することを検知する人体センサと、制御装置が設けられており、制御装置は、人体センサからの信号に基づいてマイクロバブルフォーム発生器を作動させてマイクロバブルフォームを便器に供給させる。この場合、使用者に排泄に対応できる。
好ましくは、排泄前のプレ洗浄と排泄後の本洗浄とがマイクロバブルフォームで行われ、単位時間において、排泄前のプレ洗浄においてマイクロバブルフォームを便器に供給する流量をV1とし、排泄後の本洗浄においてマイクロバブルフォームを便器に供給する流量をV2とすると、V1<V2とされている。この場合、本洗浄時においてマイクロバブルフォームの流量を増加できるため、排泄物をドレン側に排出させる排出力を高めることができる。
好ましくは、排泄前のプレ洗浄と排泄後の本洗浄とがマイクロバブルフォームで行われ、排泄前のプレ洗浄においてマイクロバブルフォームを便器に供給する合計流量をV1totalとし、排泄後の本洗浄においてマイクロバブルフォームを便器に供給する合計流量をV2toalとすると、V1total<V2totalとされている。この場合、本洗浄時においてマイクロバブルフォームの流量を増加できるため、排泄物をドレン側に排出させる排出力を高めることができる。
好ましくは、排泄前のプレ洗浄と排泄後に本洗浄とがマイクロバブルフォームで行われ、マイクロバブルフォームの単位体積あたり、排泄前のプレ洗浄に使用されるマイクロバブルフォームにおける液相の水の質量の割合をα1とし、排泄後の本洗浄に使用されるマイクロバブルフォームにおける液相の水の質量の割合をα2とすると、α1<α2とされている。マイクロバブルフォームでは液相の水の割合が多いと、マイクロバブルフォームの流動性が増加する傾向がある。そこで本洗浄に使用されるマイクロバブルフォームにおいて液相の水の割合をプレ洗浄時よりも増加させれば、便器内の排泄物をドレン側に排出させる排出力を高めることができ、清掃性を向上させることができる。
好ましくは、排泄前のプレ洗浄と排泄後の本洗浄とがマイクロバブルフォームで行われ、マイクロバブルフォームの形成に使用される水の単位体積あたり、排泄前のプレ洗浄に使用される界面活性剤の添加量をω1とし、排泄後の本洗浄に使用される界面活性剤の添加量をω2とすると、ω1>ω2とされている。本洗浄に使用される界面活性剤の添加量ω2はω1よりも少ないため、本洗浄に使用されるマイクロバブルフォームの流動性を高め、本洗浄において小便等の排泄物に対する排出力を増加できる。更に界面活性剤の節約も図り得る。
(実施形態1)
図1〜図3は実施形態1を示す。便器システムは、洋式の便器1と、便器1に設置される基部2と、基部2に高さ方向に揺動可能に設けられた便座30と、便座30の上側において基部2に高さ方向に揺動可能に設けられた便蓋31と、便座30に着座する使用者の局部を洗浄する洗浄水を噴出する洗浄ノズル32と、基部2に設けられた人体を検知する人体センサ35とを有する。洗浄ノズル32は、便局部洗浄用のノズル33と、ビデ洗浄用のノズル34とを有するが、いずれか一方のみでも良い。基部2は、複数の操作スイッチ36を有する操作パネル37を有する。基部2には、便器1内を洗浄する洗浄水を溜める貯水部として機能するロータンク10が隣接されている。但し、洗浄水またはマイクロバブルフォームを便器に供給できる限り、タンクレス方式としても良い。
図2に示すように、基部2には、泡径が150マイクロメール以下の微細気泡と液相状の水とが混在するマイクロバブルフォームを発生させるマイクロバブルフォーム発生器4と、マイクロバブルフォーム発生器4で発生させたマイクロバブルフォームを便器1に供給させるマイクロバブルフォーム供給部6とが設けられている。図2に示すように、マイクロバブルフォーム供給部6は、便器1に連通する通路60と、通路60を開閉させるバルブ61とを有する。マイクロバブルフォーム発生器4は、マイクロバブルフォーム発生室40を形成するケース41と、液体状のまたは粉体状の流動性をもつ界面活性剤をマイクロバブルフォーム発生室40に供給する界面活性剤供給部42と、水をマイクロバブルフォーム発生室40に供給する水供給部47と、マイクロバブルフォーム発生室40に空気を供給する空気供給部50と、マイクロバブルフォーム発生室40に配置されマイクロバブルフォーム発生室40で作動してマイクロバブルフォームを発生させる攪拌部54とを有する。界面活性剤供給部42は、界面活性剤を収容するタンク43と、タンク43に収容されている界面活性剤を開放によりマイクロバブルフォーム発生室40に供給させるバルブ44とをもつ。
水供給部47は、水道管(水源)に繋がる通水路48と、通水路48を開閉させるバルブ49とを有する。空気供給部50は、マイクロバブルフォーム発生室40に繋がる通路51と、通路51を介してマイクロバブルフォーム発生室40に空気を供給するコンプレッサ52とを有する。攪拌部54はマイクロバブルフォーム発生室40に配置されており、回転可能な横軸型の駆動軸55と、駆動軸55をこれの軸線回りで回転駆動させる駆動源としてのモータ56と、駆動軸55に対して軸直角方向に配置された可動体としての複数の泡発生要素として機能する回転板57とをもつ。なお、駆動軸55は横軸型とされているが、縦軸型でも良い。図3に示すように、制御装置7は、バルブ44,49,61、コンプレッサ52、モータ56を制御し、マイクロバブルフォームの生成および便器1へのマイクロバブルフォームの供給を制御する。人体センサ35の検知信号は制御装置7に入力される。
マイクロバブルフォームを発生させるときには、水、界面活性剤、空気がそれぞれマイクロバブルフォーム発生室40に収容物として供給される。水、界面活性剤、空気の供給順および単位時間当たりの供給量は、特に限定されない。このように水、界面活性剤、空気がそれぞれマイクロバブルフォーム発生室40に存在している状態で、駆動軸55がモータ56により回転されると、複数の回転板57が駆動軸55の中心軸線PKの周りで回転する。このようにマイクロバブルフォーム発生室40の収容物が攪拌され、マイクロバブルフォーム供給モードが実施される。このとき回転板57の回転に起因する剪断力に基づいて微細気泡が再分断される。これにより泡径が150マイクロメール以下の微細気泡と液相状の水とが混在するマイクロバブルフォームをマイクロバブルフォーム発生室40において発生させる。マイクロバブルフォームでは、マイクロバブルフォームを100%とするとき、液相状の水の配合割合は質量比で15〜35%、20〜30%、22〜28%が例示される。但し、これらに限定されるものではない。残部は一般的には空気および界面活性剤である。界面活性剤の量は少ないため、残部は実質的に空気である。水が常温であるため、マイクロバブルフォームの温度は常温である。泡径としては150マイクロメートル以下であれば良い。100マイクロメートル以下、50マイクロメートル以下、あるいは、30マイクロメートル以下、10マイクロメートル以下が挙げられる。マイクロバブルフォーム発生室40において形成されたマイクロバブルフォームは、バルブ61が開放すると、通路60を介して便器1に供給される。
そして、使用者が便座30に便または小便を排泄するときにおいて、排泄前において、マイクロバブルフォーム供給部6は、マイクロバブルフォームを便器1に供給させる。この場合、人体センサ35が人体を検知すると、その信号に基づいて制御装置7はマイクロバブルフォーム供給モードを実行し、マイクロバブルフォームをマイクロバブルフォーム発生室40において発生させて便器1に自動的に供給することにしても良い。なお、人体センサ35をトイレ室のドア、トイレ室の入口、トイレ室のドアノブ等に設置しておけば、便器1に接近する人体の検知をできるだけ早期に行うことができるため、マイクロバブルフォーム形成時間を長くできる。
あるいは、使用者が操作パネル37のスイッチ36を操作したら、その信号に基づいて制御装置7はマイクロバブルフォーム供給モードを速やかに実行し、マイクロバブルフォームをマイクロバブルフォーム発生室40において発生させ、バルブ61を開放させてマイクロバブルフォームを、便器1内に供給することにしても良い。なお、マイクロバブルフォームを形成する時間は短時間で済む。マイクロバブルフォームの量によっても相違するが、界面活性剤をマイクロバブルフォーム発生室40に供給してから、3秒以内、5秒以内、10秒以内、あるいは、30秒以内、50秒以内が挙げられる。なお、排泄前に限らず、排泄中においても、マイクロバブルフォーム供給部6は、マイクロバブルフォームを便器1に供給させることにしても良い。但し、マイクロバブルフォームが便器1から溢れないようすることが好ましい。ここで、マイクロバブルフォームの比重は1よりもかなり小さい。このため、便器1に貯留されている水の水面にマイクロバブルフォームが浮上して水面を上から覆っている。便器1の水面に浮上しているマイクロバブルフォームの厚みとしては、便器1の排泄空間の容積、マイクロバブルフォームの気泡サイズ等によっても相違するが、2〜40ミリメートル、5〜35ミリメートル、10〜30ミリメートル、15〜35ミリメートルが例示される。
さて、泡径が150マイクロメール以下の微細気泡と液相状の水とが混在するマイクロバブルフォームでは、ミリメートル単位の大きな泡に比較して、消音性および跳ね返り抑制性が優れている。従って、大便および/または小便の排泄時において、大便および/または小便の排泄時における高い消音性が得られる。更に高い跳ね返り抑制性が得られるため、排泄物や水の跳ね返りによる問題が改善される。更にマイクロバブルフォームは多数の微細気泡を有するため、しかも質量比で空気は液相状の水の割合よりも多いため、高い節水性が得られる。本発明者の試験によれば、汚れを落とす防汚力は水と差がなかったことから、節水を図りつつ、液相状の水を100%使用したときと同等の防汚力を発揮できる。
(試験例)
図4および図5は、男性の小便騒音を想定した消音試験例を示す。図4に示すように、便器1(INAX アメージュM便器1BC−120S)の便鉢の上面開口付近に測温機能をもつ測定器100(メーカ製:ONOSOKKI,品番:SR−5300)を設置した。測定器100は試験液の落下軌跡から横250ミリメートル離間し、便器1の水面に浮上しているマイクロバブルフォームに便器1の水面から150ミリメートル上方に配置されている。便器1の水面にマイクロバブルフォームが浮上している状態で、小便時の想定し、便器1を設置している床面から640ミリメートルの高さ位置から、注液量35〜40cc/secで試験液を自然落下させて注水させた。便器1の水面に浮上するマイクロバブルフォームの厚みとしては、0ミリメートル、10ミリメートル、20ミリメートルとした。消音試験においては注水中の音を10秒間サンプリングした。暗騒音は58.5dBであった。便器1の水面に浮上しているマイクロバブルフォームによれば、質量比で、水分量が25%であり、界面活性剤の配合量は0.15%、残部空気(空気は約75%)とし、微細気泡の泡径は150マイクロメートル以下であった。測定方法は1/3オクターブ分析法とした。
図5および表1は試験結果を示す。縦軸は騒音レベルを示し、横軸はオクターブ帯域の周波数を示す。○印はマイクロバブルフォーム(MBF)がない場合(0ミリメートル)を示す。△印はマイクロバブルフォーム(MBF)の厚みを10ミリメートルとした場合を示す。◇印はマイクロバブルフォーム(MBF)の厚みを20ミリメートルとした場合を示す。図5に示すように、マイクロバブルフォームを用いていない場合(MBF無し)には、ピーク周波数はP1として示され、630Hzであり、ピーク騒音値は75.6dであり、O.A値は81.1dBであった。マイクロバブルフォームの厚みを10ミリメートルとした場合には、ピーク周波数はP2として示され、500Hzであり、ピーク騒音値は72.6dBであり、O.A値は77.6dBであった。マイクロバブルフォームの厚みを20ミリメートルとした場合には、ピーク周波数はP3として示され、315Hzであり、ピーク騒音値は71.4dBであり、O.A値は76.9Bであった。O.A値とは、オーバーオール値であり、周波数分析された各音圧レベルの合計値を示す。
このようにマイクロバブルフォームを用いた場合には、マイクロバブルフォームを用いていない場合に比較して、ピーク周波数が低周波側に移行し、騒音レベルも低下した。殊に、マイクロバブルフォームの厚みが厚い場合には、ピーク周波数が低周波側に移行し、騒音レベルの低下も大きかった。またO.A値についても、マイクロバブルフォームの厚み20ミリメートルで4.2dBの低下が認められ、マイクロバブルフォームの厚み10ミリメートルで3.5dBの低下が認められた。このようにマイクロバブルフォームは高い消音効果をもつ。体感としては、マイクロバブルフォームが用いられている場合には、音質が低い音に変化し、不快感が低減される。
Figure 2011252311
図6および図7は跳ね返り試験を示す。この試験では、図7に示すように、便器1(INAX アメージュM便器1BC−120S)を設置している床面から640ミリメートル(成人男性の腰部の高さ位置を考慮)の高さ位置から、合計注液量600ccを15secで試験液を軌跡Aに沿って便器1の水面に対して垂直に自然落下させて注水させた。そして基準高さ位置からアクリル板WAまでの高さを計測し、アクリル板WAの下面に跳ね返り水が付かないときの高さを跳ね返り高さとした。飛散の程度を肉眼で計測した。マイクロバブルフォーム(MBF)の厚みは0ミリメートル、5ミリメートル、10ミリメートル、20ミリメートルとした。この場合、マイクロバブルフォーム(MBF)が用いられる場合には、便器1の便鉢に存在する水面に浮上するマイクロバブルフォームの上面の高さをMBF0位置とし、これを基準高さ位置とした。マイクロバブルフォームが用いられない場合には、便器1に存在する水面の高さを水0位置とし、これを基準高さ位置とした。
試験結果を図6および表2に示す。図6に示すように、便器1に存在する水面を覆うマイクロバブルフォームの厚みが5ミリメートルのときには、マイクロバブルフォーム無しの場合(水のみ)と差があまりなかった。しかしマイクロバブルフォーム(MBF)の厚みが10ミリメトールあれば、跳ね返り高さはかなり低減される。マイクロバブルフォーム(MBF)の厚みが20ミリメトールあれば、跳ね返り高さは更に低減された。これにより便器1の内壁面における飛散の程度、便器1の内後面(使用者が便座30に着座するとき、便器1の内壁面のうち尻側の面)における飛散の程度は少なかった。このようにマイクロバブルフォームは尿の跳ね返り抑制作用を果たすことが確認された。なお、参考例として、洗剤水(泡径が1〜2ミリメートル程度)を便器1の水面に浮上させた場合についても試験した。参考例では、気泡サイズが微細なマイクロバブルフォームが用いられておらず、泡サイズが大きな洗浄水が用いられているため、便器1の内壁面における飛散、便器1の内後面における飛散は多かった。
Figure 2011252311
図8は飛散試験を示す。この試験では、図8に示すように、便器1(INAX アメージュM便器1BC−120S)を設置している床面から640ミリメートル(成人男性の腰部の高さ位置を考慮)の高さ位置から、鉛直線AWに対して30°の傾斜角度で合計注液量600ccで60secで試験液を便器1の水面に対して斜めに自然落下させて注水させた。この試験においても、マイクロバブルフォームが便器1の水面に浮上している場合には、騒音の程度は少なかった。
(実施形態2)
本実施形態は前記した実施形態1と基本的には共通の構成および共通の作用効果を有するため、図1〜図3を準用する。本実施形態は洋式の便器1に適用している。大便または小便の排泄前において、制御装置7は、マイクロバブルフォーム供給モードを実行し、マイクロバブルフォームをマイクロバブルフォーム発生室40において形成し、便器1に供給させて、便器1に溜められている水の水面をマイクロバブルフォームで覆う。これにより排泄中における消音効果および飛散抑制効果を確保する。この場合、人体センサ35が人体を検知すると、その信号に基づいて制御装置7はマイクロバブルフォーム供給モードを実行し、マイクロバブルフォームをマイクロバブルフォーム発生室40において形成し、便器1に自動的に供給することにしても良い。
あるいは、操作パネル37のスイッチ36をマイクロバブルフォーム用のスイッチとして設定しておくことも好ましい。この場合、使用者が操作パネル37のスイッチ36を操作したら、その信号に基づいて制御装置7はマイクロバブルフォーム供給モードを実行し、マイクロバブルフォームをマイクロバブルフォーム発生室40において形成し、排泄前に便器1に供給する。
排泄後の本洗浄においては、マイクロバブルフォームを便器1に供給させず、ロータンク10等の水源からの液相状の水、または、気相率が低い水を便器1の内部に供給させることが好ましい。液相状の水により、便器1内の排泄物を便器1からドレン側に確実に排出させるためである。液相状の水はマイクロバブルフォームよりも消音性および跳ね返り抑制性は少ないものの、マイクロバブルフォームよりも、排泄物を排出させる排出力が高い。水であれば、便器1内のマイクロバブルフォームおよび排泄物を容易にドレン側に排出できる。
上記したように本実施形態によれば、排泄前において、制御装置7が人体センサ35により使用者の便器1への接近および/または便座30への着座を検知したら、制御装置7はマイクロバブルフォーム供給モードを実行する指令をバルブ44,49,61、モータ56、コンプレッサ52等に出力する。これによりマイクロバブルフォームをマイクロバブルフォーム発生室40において短時間に形成する。そして、制御装置7は、形成したマイクロバブルフォームを短時間に便器1に供給させ、便器1の水面をマイクロバブルフォームで覆う。このように排泄の前にマイクロバブルフォームで便器1の水面を覆い、排泄時における消音効果および飛散抑制効果を確保することが好ましい。
これに対して、排泄終了後の本洗浄においては、マイクロバブルフォームではなく、ロータンク10等の水源からの液相状の水、または、気相率が低い水を、便器1内に供給し、便器1に排泄された排泄物およびマイクロバブルフォームをドレン側に排出させる。ここで、マイクロバブルフォームは排泄物が小便等のように液相であるときには排出力をもつが、排泄物が便等のように固形状であるときには、比重が低いマイクロバブルフォームによる排出力は、比重が高い水による排出力に比較すると、必ずしも充分ではない。このため本実施形態によれば、排泄前においてマイクロバブルフォームを便器1に供給し、便排泄時における消音効果および飛散抑制効果を確保すると共に、水の使用量を節約する。しかし排泄終了後の本洗浄においては、ロータンク10等の水源の液相状の水を便器1に供給し、便器1に排泄された排泄物およびマイクロバブルフォームをロータンク10等の水によってドレン側に排出させることが好ましい。なお、水としては、ロータタンク等の水に限定されず、ロータンク10が搭載されていない場合には、ロータンク10以外の水でも良い。
(実施形態3)
図9は実施形態3を示す。本実施形態は前記した実施形態1と基本的には共通の構成および共通の作用効果を有するため、図1および図2を準用する。本実施形態は大便および小便兼用の洋式の便器1に適用できる。大便または小便の排泄前において、制御装置7は、マイクロバブルフォーム供給モードを実行し、マイクロバブルフォームをマイクロバブルフォーム発生室40において形成し、便器1に供給させ、便器1の水面をマイクロバブルフォームで覆う。これにより便や小便の排泄時における消音効果、飛散抑制効果を確保する。更に本実施形態によれば、図9に示すように、便器1に溜められている水の水面に浮上させるマイクロバブルフォームの厚みを調整できる厚み調整操作部としての厚みスイッチ39が操作パネル37に設けられている。
ここで、便器1の水面に浮上させるマイクロバブルフォームの厚みを増加させたい場合には、使用者は、厚みスイッチ39を厚み増加方向に操作する。厚みスイッチ39の信号は制御装置7に入力される。この結果、制御装置7は、マイクロバブルフォーム発生室40に供給する界面活性剤の量を増加させるべくバルブ44の開放時間を相対的に長くし、マイクロバブルフォーム発生室40に供給する水の量を増加させるべくバルブ49の開放時間を相対的に長くし、マイクロバブルフォーム発生室40に供給する空気の量を増加させるべくコンプレッサ52およびモータ56の作動時間を相対的に長くし、攪拌時間を相対的に長くする。同様に、形成されるマイクロバブルフォームの量が増加するため、マイクロバブルフォームを便器1に重力等により供給させるバルブ61の開放時間も長くする。これにより便器1に供給されるマイクロバブルフォームの量が増加し、便器1の水面に浮上させるマイクロバブルフォームの厚みを厚くさせることができる。この場合、消音効果、跳ね返り抑制効果を更に高めることができる。ただし、マイクロバブルフォームが便器1から溢れないように、マイクロバブルフォームの厚みの上限が設定されていることが好ましい。
これに対して、便器1の水面に浮上させるマイクロバブルフォームの厚みを減少させたい場合には、使用者は、厚みスイッチ39を厚み減少方向に操作する。この結果、制御装置7は、マイクロバブルフォーム発生室40に供給する界面活性剤の量を相対的に減少させるべくバルブ44の開放時間を相対的に短くし、マイクロバブルフォーム発生室40に供給する水の量を減少させるべくバルブ49の開放時間を相対的に短くし、マイクロバブルフォーム発生室40に供給する空気の量を減少させるべくコンプレッサ52の作動時間、モータ56の作動時間を相対的に短くし、攪拌時間を相対的に短くさせる。同様に、バルブ61の開放時間も短くする。これにより便器1に供給されるマイクロバブルフォームの量が減少し、便器1の水面に浮上させるマイクロバブルフォームの厚みを薄くさせることができる。この場合、便器1の周辺に他人がおらず、消音効果の必要性が低下している場合、界面活性剤の消費量を減少させたい場合に貢献できる。更に、健康診断のために、便器1内の便の検査を行うときには、厚みスイッチ39の操作により、便器1内のマイクロバブルフォームを無しにしたり、少なくしたりできる。本実施形態によれば、厚みスイッチ39の操作量と、バルブ44,49,61、コンプレッサ52、モータ56への指令値との関係は、制御装置7のメモリ72の所定のエリアに格納されている。あるいは、厚みスイッチ39の操作量に基づいて、制御装置7は、予め設定されている演算式により、バルブ44,49,61、コンプレッサ52、モータ56への指令値をそれぞれ演算で求めることにしても良い。
(実施形態4)
図10は実施形態4を示す。本実施形態は前記した各実施形態と基本的には共通の構成および共通の作用効果を有するため、図2および図3を準用することができる。図10に示すように、本実施形態は男性用の小便器1Mに適用している。人体センサ35が使用者の小便器1Mに設置されていることが好ましい。人体センサ35が人体の小便器1Mへの接近を検知したら、制御装置7は、小便排泄前に、マイクロバブルフォーム発生器4によりマイクロバブルフォームを速やかに発生させ、発生させたマイクロバブルフォームをマイクロバブルフォーム供給部6により小便排泄前あるいは小便排泄中に小便器1iMに供給させることが好ましい。このように人体センサ35が使用者の小便器1Mへの接近を検知したら、制御装置7は小便前にあるいは小便排泄中に、マイクロバブルフォーム供給モードを実行してマイクロバブルフォームを形成し、マイクロバブルフォームを小便器1Mに供給するように、バルブ44,49、コンプレッサ52、モータ56へ指令する。これにより小便の排泄前にあるいは小便排泄中に、マイクロバブルフォームが小便器1Mに供給される。この場合、マイクロバブルフォームが小便器1Mの底側の受け部12および立壁部15に付着し、小便に対して消音効果および飛散抑制効果を高めることができる。
小便時には、人によって、小便器1Mの底側の受け部12に小便をかける傾向の者、立壁部15に小便をかける傾向の者が存在する。ここで、水100%の場合の液相状の洗浄水(気泡は実質的になし)は、立壁部15における流下速度は速い。これに対してマイクロバブルフォームは水および空気を主要成分とし、多量の空気を含む泡材であるため、液相状の洗浄水に比較して、立壁部15における流下速度は遅い傾向がある。このため、小便中においても、小便器1Mの底側の受け部12ばかりか、小便器1Mの立壁部15にもマイクロバブルフォームを付着させることが期待できる。よって、立壁部15にかかる小便に対しても、消音効果および飛散抑制効果を高めることができる利点が得られる。勿論、小便中において、小便器1Mの底側の受け部12にマイクロバブルフォームを溜めるものの、泡性状の調整により小便器1Mの立壁部15にマイクロバブルフォームを付着させないようにもできる。更に人体センサ35が使用者の小便器1Mからの離間を検知したら、小便動作が終了したことになる。そこで制御装置7は小便排泄後の本洗浄を行う。本洗浄は、マイクロバブルフォームではなく、従来通り、気泡を実質的に含まない液相率が高い洗浄水によって行うことができる。液相率が高い洗浄水は、小便等の排泄物を排出させる排出力が高いため、受け部12や立壁部15の排泄物やプレ洗浄で使用したマイクロバブルフォームの除去を良好に行うことができる。小便直前ばかりか小便排泄途中においても、制御装置7は、マイクロバブルフォーム発生器4により発生させたマイクロバブルフォームをマイクロバブルフォーム供給部6により小便器1iMに供給させることにしても良い。なお、人体センサ35は小便器1Mに取り付けることができるが、これに限らず、室内またはトイレ室のドア、さらには他の箇所に設けても良く、要するに小便する人体を検知できれば良い。
(実施形態5)
本実施形態は前記した各実施形態と基本的には共通の構成および共通の作用効果を有するため、図10,図2および図3を準用することができる。本実施形態は男性用の小便器1Mに適用している。人体センサ35が使用者の小便器1Mへの接近を検知したら、制御装置7は小便排泄前に、マイクロバブルフォームによりプレ洗浄を行う。 プレ洗浄において、制御装置7は、人体を検知したら、マイクロバブルフォーム供給モードを実行してマイクロバブルフォームを形成し、マイクロバブルフォームを小便器1Mに供給するように、バルブ44,49、コンプレッサ52、モータ56へ指令する。これにより小便の排泄前に、マイクロバブルフォームが小便器1Mに供給される。この場合、マイクロバブルフォームが小便器1Mの底側の受け部12および立壁部15に付着され、小便に対して消音効果および飛散抑制効果を高めることができる。
更に、人体センサ35が使用者の小便器1Mからの離間を検知したら、制御装置7は小便排泄後において、マイクロバブルフォームにより本洗浄を行う。本洗浄により小便器1Mに排泄された排泄物としての小便をドレン側に排出させる必要があるためである。更に本実施形態によれば、前述したように人体センサ35が使用者の小便器1Mからの離間を検知したら、制御装置7は本洗浄を行う。本洗浄において、制御装置7はマイクロバブルフォーム供給モードを実行してマイクロバブルフォームをマイクロバブルフォーム発生室40において形成し、マイクロバブルフォームを小便器1Mに供給するように、バルブ44,49,61、コンプレッサ52、モータ56へ指令する。これにより小便の排泄後に、マイクロバブルフォームが小便器1Mに供給され、小便器1Mに排泄された小便がマイクロバブルフォームによってドレン側に排出される。ここで、小便排泄前のプレ洗浄は、使用者が小便を開始する前に実行することが好ましい。そこで制御装置7が使用者を検知したら、マイクロバブルフォーム発生器4によりマイクロバブルフォームを短時間に形成し、マイクロバブルフォームをマイクロバブルフォーム供給部6により短時間のうちに小便器1Mに供給させることが好ましい。マイクロバブルフォームを小便排泄の前に小便器1Mに供給し、小便排泄時における消音効果および飛散抑制効果を確保する必要があるためである。
これに対して、小便排泄後の本洗浄においては、小便排泄前のプレ洗浄に比較して時間的な制約が少なく、マイクロバブルフォームを比較的余裕をもって形成し、小便器1Mに供給でき、更に、小便器1Mに排泄されたマイクロバブルフォームを排泄された小便と共に排出させるようにドレン側に流す必要があり、小便等の排泄物等に対する排出力が高いことが要請される。このため本洗浄において使用するマイクロバブルフォームの量を、プレ洗浄において使用するマイクロバブルフォームの量よりも増加させることが好ましい。従って、単位時間あたり、本洗浄において使用するマイクロバブルフォームの量を、プレ洗浄において使用するマイクロバブルフォームの量よりも増加させることが好ましい。または、本洗浄において使用するマイクロバブルフォームの合計量を、プレ洗浄において使用するマイクロバブルフォームの合計量よりも増加させることが好ましい。このため本実施形態によれば、小便排泄前の迅速性が要請されるプレ洗浄において、マイクロバブルフォームをマイクロバブルフォーム発生室40において形成し、小便器1に供給する単位時間あたりの流量をV1とする。また、小便排泄後の本洗浄時においてマイクロバブルフォームをマイクロバブルフォーム発生室40において形成し、小便器1に供給する単位時間あたりの流量をV2とする。あるいは、小便排泄前の迅速性が要請されるプレ洗浄において、マイクロバブルフォームをマイクロバブルフォーム発生室40において形成し、小便器1に供給する合計流量をV1totalとする。また、小便排泄後の本洗浄時においてマイクロバブルフォームをマイクロバブルフォーム発生室40において形成し、小便器1に供給する合計流量をV2totalとする。
本実施形態によれば、V1<V2とされている。また、V1total<V2totalとされている。V2/V1の値としては、V2total/V1totalの値としては、1.1以上、1.2以上、あるいは、1.5以上、2以上、3以上、50以下が例示される。但しこれらに限定されるものではない。マイクロバブルフォームの流量を減少させる場合には、制御装置7は、マイクロバブルフォーム発生室40に供給する界面活性剤の量を減少させるべくバルブ44の開放時間を相対的に短くし、マイクロバブルフォーム発生室40に供給する水の量を減少させるべくバルブ49の開放時間を相対的に短くし、マイクロバブルフォーム発生室40に供給する空気の量を減少させるべくコンプレッサ52の作動時間を相対的に短くすることが好ましい。同様に、バルブ61の開放時間も短くすることが好ましい。これにより便器1に供給されるマイクロバブルフォームの量が減少する。マイクロバブルフォームの流量を増加させる場合には、前述と逆となる。
本実施形態によれば、小便排泄前の迅速性が要請されるプレ洗浄においては、制御装置7が使用者の存在を検知したら、マイクロバブルフォームを短時間に形成し、マイクロバブルフォームを速やかに小便器1に供給させる。このため、マイクロバブルフォームを小便排泄の前に小便器1に供給し、小便排泄時における消音効果および飛散抑制効果を確保することができる。更に、V1<V2とされているため、小便排泄後の本洗浄において、単位時間あたりにおいて、小便器1に供給されるマイクロバブルフォームの流量は、プレ洗浄時よりも増加しているため、排泄された小便(排泄物)と共にマイクロバブルフォームをドレン側に容易に排出させることができ、小便器1を清潔に維持させるのに有利である。なお、本洗浄においてV1<V2とされているといえども、液相状の水のみを使用して小便をドレン側に排出させる場合に比較して、水の使用量を節約でき、節水を図り得る。なお本実施形態によれば、マイクロバブルフォームの単位体積あたり、小便排泄前のプレ洗浄においてマイクロバブルフォームにおける液相の水の質量の割合をα1とし、小便排泄後の本洗浄時においてマイクロバブルフォームにおける液相の水の質量の割合をα2とするとき、α1=α2、または、α1≒α2にできる。但しこれに限定されない。
(実施形態6)
本実施形態は前記した実施形態4と基本的には共通の構成および共通の作用効果を有するため、図10、図3を準用する。本実施形態は男性用の小便器1に適用している。本実施形態においても、小便排泄前のプレ洗浄において、マイクロバブルフォームを小便器1に供給させ、小便器1Mの底側の受け部12および立壁部15にマイクロバブルフォームを堆積させる。これにより小便排泄時における消音効果および飛散抑制効果を確保することができる。更に、小便排泄後の本洗浄においても、マイクロバブルフォームを小便器1に供給させる。小便排泄前のプレ洗浄においては、制御装置7が人体センサ35により使用者を検知したら、マイクロバブルフォームを短時間に形成し、マイクロバブルフォームを速やかに小便器1に供給させる。マイクロバブルフォームを小便排泄の前に小便器1に供給し、小便排泄時における消音効果および飛散抑制効果を確保する必要があるためである。これに対して、小便排泄後の本洗浄においては、小便器1に排泄された小便をドレン側に流すように排出力を高める必要がある。ここで、マイクロバブルフォームでは、液相状の水の割合が多い方が流動性を高く、排出力が高い。このため本実施形態によれば、マイクロバブルフォームの単位体積あたり、小便排泄前のプレ洗浄においてマイクロバブルフォームにおける液相の水の質量の割合(%)をα1とし、小便排泄後の本洗浄時においてマイクロバブルフォームにおける液相の水の質量の割合(%)をα2とすると、α1<α2とされている。換言すると、マイクロバブルフォームの単位体積あたり、小便排泄前のプレ洗浄においてマイクロバブルフォームにおける気相の空気の質量(体積)の割合をβ1とし、小便排泄後の本洗浄時においてマイクロバブルフォームにおける気相の空気の質量(体積)の割合をβ2とすると、β1>β2とされている。この結果、小便時における消音性を確保しつつ、小便排泄後の本洗浄において使用されるマイクロバブルフォームの流動性を、プレ洗浄時のマイクロバブルフォームの流動性よりも高めることができる。このため、小便器1に排泄された小便を本洗浄においてドレン側に流す排出力を高めることができる。
本実施形態によれば、マイクロバブルフォームの形成に使用される水の単位体積あたり、プレ洗浄に使用される界面活性剤の添加量をω1とし、本洗浄に使用される界面活性剤の添加量をω2とすると、ω1>ω2とされていることが好ましい。このように本洗浄に使用されるマイクロバブルフォームでは、界面活性剤の添加量が相対的に減少するため、マイクロバブルフォームの泡化が抑制されて気相率が低下すると共に液相率が高まり、マイクロバブルフォームの流動性が相対的に増加される。このため、小便器1に排泄された小便を本洗浄においてドレン側に流す排出力を更に高めることができる。なお、α1<α2とされている限り、ω1=ω2、ω1≒ω2としても良い。本洗浄用のマイクロバブルフォームについて、α1<α2とされているといえども、本洗浄に水のみを使用して小便をドレン側に排出させる場合に比較して、水の使用量を節約でき、節水を図り得る。なお本実施形態によれば、プレ洗浄において小便器1に供給するマイクロバブルフォームの流量をV1とする。また、小便排泄後の本洗浄時において小便器1に供給するマイクロバブルフォームの流量をV2とする。本実施形態によれば、V1=V2、V1≒V2、V1<V2のうちのいずれかとされている。
(実施形態7)
本実施形態は前記した実施形態4と基本的には共通の構成および共通の作用効果を有するため、図10、図3を準用する。本実施形態も男性用の小便器1に適用している。本実施形態においても、排泄前のプレ洗浄と排泄後の本洗浄とがマイクロバブルフォームで行われる。ここで、マイクロバブルフォームの形成に使用される水の単位体積あたり、プレ洗浄に使用される界面活性剤の添加量をω1とし、本洗浄に使用される界面活性剤の添加量をω2とすると、ω1>ω2とされている。このため本洗浄に使用されるマイクロバブルフォームでは界面活性剤の添加量が相対的に減少するため、マイクロバブルフォームの泡化が抑制されて気相率が低下して液相率が高まり、マイクロバブルフォームの流動性が相対的に増加される。このため、小便器1Mに排泄された小便を本洗浄においてドレン側に効率よく排出させるのに有利となる。
また、小便排泄前のプレ洗浄に使用される界面活性剤の添加量ω1はω2よりも増加されているため、プレ洗浄に使用されるマイクロバブルフォームの泡化の程度を進行させて気相率を高めることができ、小便排泄時における消音効果および飛散抑制効果を良好に確保することができる。加えて、小便排泄前のプレ洗浄に使用される界面活性剤の添加量が増加されて泡化が進行するため、小便器1Mの底側の受け部12ばかりか、垂直に近い状態の立壁部15にもマイクロバブルフォームをできるだけ付着させることができ、小便排泄時に立壁部15における消音効果および飛散抑制効果を更に確保することができる。ω2=0、ω2≒0としても良い。ここで、ω2/ω1=0〜0.9の範囲内、0.05〜0.9の範囲内、0.1〜0.8の範囲内、0.2〜0.7の範囲内が例示される。但し、これに限定されるものではない。なお本実施形態によれば、V1=V2、V1≒V2、V1<V2のうちのいずれかとされていることが好ましい。
(その他)
図2では、回転板の回転によりマイクロバブルフォームを形成することにしているが、これに限らず、ブラシ状の可動体を往復運動させることによりマイクロバブルフォームを形成することにしても良い。本発明は上記し且つ図面に示した実施形態のみに限定されるものではなく、要旨を逸脱しない範囲内で適宜変更して実施できる。便座や便蓋や洗浄ノズルを必要に応じて廃止することもできる。
本明細書から次の技術的思想も把握できる。
(付記項1)排泄物を受ける便器に組み付けられる便器洗浄システムであって、気泡と液相状の水とが混在するマイクロバブルフォームを発生させるマイクロバブルフォーム発生器と、排泄前および/または排泄中において、前記マイクロバブルフォーム発生器で発生させたマイクロバブルフォームを便器に供給させるマイクロバブルフォーム供給部とを具備する便器洗浄システム。排泄時における消音効果および排泄物等の飛散抑制効果を更に確保することができる。
(付記項2)付記項1において、制御装置が設けられており、前記制御装置は、前記便器内のマイクロバブルフォームの厚みを調整する便器洗浄システム。
(付記項3)付記項1または2において、使用者が便器に接近または着座することを検知する人体センサと、制御装置が設けられており、前記制御装置は、前記人体センサからの信号に基づいて前記マイクロバブルフォーム発生器を作動させてマイクロバブルフォームを前記便器に供給させる便器洗浄システム。
(付記項4)付記項1〜3のうちの一項において、排泄前のプレ洗浄と排泄後の本洗浄とがマイクロバブルフォームで行われ、排泄前のプレ洗浄においてマイクロバブルフォームを便器に供給する流量をV1とし、排泄後の本洗浄においてマイクロバブルフォームを便器に供給する流量をV2とすると、V1<V2とされている便器洗浄システム。この場合、マイクロバブルフォームの単位体積あたり、排泄前のプレ洗浄に使用されるマイクロバブルフォームにおける液相の水の質量の割合をα1とし、排泄後の本洗浄に使用されるマイクロバブルフォームにおける液相の水の質量の割合をα2とすると、α1<α2とされている便器洗浄システム。
1は便器、12は受け部、2は基部、30は便座、31は便蓋、32は洗浄ノズル、35は人体センサ、36は操作スイッチ、39は厚みスイッチ、4はマイクロバブルフォーム発生器、40はマイクロバブルフォーム発生室、41はケース、42は界面活性剤供給部、47は水供給部、50は空気供給部、54は攪拌部、55は駆動軸、56はモータ、57は回転板、6はマイクロバブルフォーム供給部、7は制御装置を示す。

Claims (7)

  1. 排泄物を受ける便器に組み付けられる便器洗浄システムであって、
    泡径が150マイクロメール以下の微細気泡と液相状の水とが混在するマイクロバブルフォームを発生させるマイクロバブルフォーム発生器と、
    排泄前および/または排泄中において、前記マイクロバブルフォーム発生器で発生させたマイクロバブルフォームを前記便器に供給させるマイクロバブルフォーム供給部とを具備する便器洗浄システム。
  2. 請求項1において、前記マイクロバブルフォーム発生器は、マイクロバブルフォーム発生室と、界面活性剤を前記マイクロバブルフォーム発生室に供給する界面活性剤供給部と、前記マイクロバブルフォーム発生室に空気を供給する空気供給部と、前記マイクロバブルフォーム発生室に水を供給する水供給部と、前記マイクロバブルフォーム発生室に供給された界面活性剤、空気および水を攪拌させてマイクロバブルフォームを発生させる攪拌部とを有する便器洗浄システム。
  3. 請求項1または2において、制御装置が設けられており、前記制御装置は、前記便器内のマイクロバブルフォームの厚みを調整する便器洗浄システム。
  4. 請求項1または2において、使用者が便器に接近または着座することを検知する人体センサと、制御装置とが設けられており、前記制御装置は、前記人体センサからの信号に基づいて前記マイクロバブルフォーム発生器を作動させてマイクロバブルフォームを前記便器に供給させる便器洗浄システム。
  5. 請求項1〜4のうちの一項において、排泄前のプレ洗浄と排泄後の本洗浄とがマイクロバブルフォームで行われ、単位時間あたり、または、合計流量として、排泄前のプレ洗浄においてマイクロバブルフォームを便器に供給する流量をV1とし、排泄後の本洗浄においてマイクロバブルフォームを便器に供給する流量をV2とすると、V1<V2とされている便器洗浄システム。
  6. 請求項1〜4のうちの一項において、排泄前のプレ洗浄と排泄後の本洗浄とがマイクロバブルフォームで行われ、マイクロバブルフォームの単位体積あたり、排泄前のプレ洗浄に使用されるマイクロバブルフォームにおける液相の水の質量の割合をα1とし、排泄後の本洗浄に使用されるマイクロバブルフォームにおける液相の水の質量の割合をα2とすると、α1<α2とされている便器洗浄システム。
  7. 請求項1〜4のうちの一項において、排泄前のプレ洗浄と排泄後の本洗浄とがマイクロバブルフォームで行われ、マイクロバブルフォームの形成に使用される水の単位体積あたり、排泄前のプレ洗浄に使用される界面活性剤の添加量をω1とし、排泄後の本洗浄に使用される界面活性剤の添加量をω2とすると、ω1>ω2とされている便器洗浄システム。
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