以下、本発明に係る遊技機の好適な実施形態としてスロットマシン1を図面を参照しながら説明する。図1はスロットマシン1の外観構造を表した斜視図、図2はスロットマシン1の内部構造を表した図である。まず、図1を参照し、スロットマシン1は、遊技者に面するいわゆるフロントマスクが形成された前扉3が、略矩形状の箱体である筐体2の開口に対し図示しない蝶番機構により開閉可能に取り付けられている。フロントマスクは、上から上パネル部、中パネル部、下パネル部に概ね分けられ、これらは化粧板として視覚効果を高めてデザインされた硬質プラスチックにより一体的に形成されている。また、下パネル部の下方には、メダルを貯留するための受け皿4aを備える受皿ユニット4が設けられている。
上パネル部には、高輝度の発光ダイオード(LED)を内蔵した上部ランプ5aやコーナーランプ5b、5c等の視覚効果ランプ(フィーバーランプ)が配置され、リーチや大当たり等の際に点灯または点滅して遊技者の視覚に訴える演出を行っている。また、上パネル部の左右位置には、それぞれスピーカを内蔵した放音部6a、6bが設けられ、効果音や楽音等によるゲームの演出を行っている。更に、各放音部6a、6bに挟まれる中央位置には、液晶表示ユニット7が配設されている。
液晶表示ユニット7は、ゲームの進行に応じて適宜選択される動画像を表示して当該ゲームにストーリー性を与えたり、また、ボーナスゲーム等の大当たりの際には、よりダイナミックな画像が表示されて、遊技者に高配当の期待感を引き起こしたりする等の演出を行う。
中段の中パネル部には、長方形の透明な表示窓8aが形成されたアクリル製の中パネル板8が取り付けられている。そして、この表示窓8aを通して、筐体内に設けられている円筒状の3個のリール10a、10b、10cを遊技者が目視できるように構成されている。なお、各リール10a、10b、10cの周面には、複数の異なる種類を含む例えば21個の図柄(図示略)がほぼ等間隔で配列され、表示窓8aに臨む縦3個、横3列の図柄が当該表示窓を通して遊技者に視認されるようになっている。
また、中パネル板8の下方部には、それぞれ7セグLEDからなる数値表示部51、52が配設され、クレジット残数や、メダル獲得枚数等の数値情報が随時表示されるように構成されている。また、一方の数値表示部52は、段階的に設定される出玉率の設定値(「出玉設定値」)の確認表示にも使用される。なお、ここでいう出玉設定値とは、出玉率(投入したメダルに対するリターン率の期待値)そのものを指すのではなく、出玉率を低い順から6段階に分け、それぞれ「1」〜「6」の設定値に対応させたものである。すなわち、出玉率の設定変更装置若しくは設定確認装置の作動により、設定されている「1」〜「6」の何れかの出玉設定値が数値表示部52に表示される。そして、ホールの設定担当者等が所定操作を行うことで、その何れかの値が選択されて設定できるようになっている。
中パネル板8の下方には、前方に若干突出した操作卓と呼ばれる卓状部が形成され、ここには、メダル投入口を有するメダル投入部11と、ベットボタン12と、スタートレバー13と、3個のストップボタン14a、14b、14c等が配設されている。
遊技者がメダル投入部11よりメダルを投入することで、スロットマシン1内部にメダルを最大枚数まで貯留(クレジット)することができる。ベットボタン12は、ゲームに賭けるメダルの枚数を提示するための押圧式のボタンスイッチである。スタートレバー13は、リール10a、10b、10cを一斉に回転させる指示をするためのレバースイッチであり、先端に球形の操作ノブを有するレバーを上下左右の何れかの方向に傾倒操作するとオン作動し、レバーから手が離されるとスプリングの付勢力によって自動的に元の位置に戻ってオフ作動するように構成されている。ストップボタン14a、14b、14cは、各リール10a、10b、10cの回転停止を個別に指示するための押圧式のボタンスイッチであり、各リールの配列に対応してそれぞれ並設されている。
フロントマスクの下パネル部を構成する下パネル15には、スロットマシン1のモデルタイプ等を遊技者へ認識させるための、例えば登場キャラクターの絵柄(図示略)などが印刷されて表示されている。
前扉3の最下部に設けられた受皿ユニット4には、入賞配当等によりメダルを払い出すメダル払出口16と、スピーカを内蔵しゲームの進行に応じて演出効果音を発生させる放音部17a、17bがそれぞれ配設されている。
次に、図2を参照して、スロットマシン1の内部構造を説明する。まず、筐体2側においては、その上部位置に、スロットマシン1の全体動作を統括制御する制御装置であるメイン制御基板21が取り付けられている。なお、メイン制御基板21は、CPU、PROM、RAM、その他周辺機器と通信する際の整合機能を有するインタフェース回路等の電子部品を実装するマイコンベースの制御回路基板であり、透明な基板ケースに収容されて筐体2内に離脱不能に固定されている。
筐体2内のほぼ中央には、3個のリール10a、10b、10cを軸方向に並設してユニット化したリールユニット10が、前扉3側に形成される上述の表示窓8aに対向してフレーム22に固定されている。なお、リールユニット10の上部には図示しない回胴装置基板が取り付けられている。回胴装置基板は、メイン制御基板21からのパルスデータに基づいて電流増幅した駆動パルス信号を各リール10a、10b、10cのステッピングモータに出力することで、それぞれのリールの回転及び停止の駆動制御を行っている。
リールユニット10の下方のスペースには、メダル投入部11から投入されたメダルを貯留し入賞配当の際にメダル払出口からメダルを払い出すホッパーユニット23と、ホッパーユニット23から溢れたメダルを収容するためのオーバーフロータンク24と、スロットマシン1に内蔵される各機器へ所要の電力を配電する主電源装置25とが設置されている。
更に、メイン制御基板21に隣接する側板には、当該スロットマシン1における例えば大当たり等の遊技状態及びメダルの投入・払い出し等の稼働状態を示す信号を外部の管理機器(例えばホールコンピュータ)へ送信するための外部集中端子板26が取り付けられている。
次に、前扉3の裏面側上部には、上述した上部ランプ5a及びコーナーランプ5b、5c等の光源である発光ダイオード(LED)を実装するLED基板、放音部6a、6bに対向するスピーカ31a、31b及び液晶表示ユニット7等をベースフレーム32aに組み付けた上部パネルアセンブリ32が取り付けられている。また、左右のスピーカ31a、31bの間に設けられている液晶表示ユニット7の裏面には、当該液晶表示ユニット、上部ランプ5a等の視覚効果ランプ及びスピーカ31a、31b等を駆動して、主にゲームの演出に係る制御を行うためのサブ制御基板33が取り付けられている。
サブ制御基板33の下方には、透明な表示窓8aが形成された中パネル板8を前面に設け、リール10a、10b、10cの外周面を照射する冷陰極蛍光管34と、スタートレバー13やストップボタン14a、14b、14c等のスイッチの出力をメイン制御基板21へ中継する中央表示基板36等を組み付けてユニット化したランプハウスユニット37が取り付けられている。なお、中央表示基板36の裏面には、出玉設定値の設定変更操作をするための押圧式のボタンスイッチである設定ボタン53が設けられている。
中央表示基板36の下方には、メダルセレクタ38が取り付けられている。メダルセレクタ38は、前面のメダル投入部11に投入されたメダルの適否を判別し振り分ける装置である。メダルセレクタ38には、メダルセンサ38a(図3参照)が設けられ、メダルセレクタ38により適正と判定されたメダルをメダルセンサ38aが検出したとき、メイン制御基板21へメダル受付信号を送信する。メイン制御基板21は、メダル受付信号を受信する毎にクレジットを加算することで内部的にメダルを貯留する。
メダルセレクタ38のメダル出口には、当該メダルセレクタによって選別され検出された適正メダルを筐体2側のホッパーユニット23へ案内するメダルガイド部39が取り付けられている。メダルセレクタ38の下方には、前面側に設けた下パネル15と、下パネル15を裏面から照明する蛍光管等を内蔵してユニット化した下パネルユニット40が取り付けられている。
下パネルユニット40の背面には、上述のメダルセレクタ38により不適として排除され落下したメダル(または異物)をメダル排出口16へ案内するフローシュート41と、ホッパーユニット23のメダル払出口に開口部42aが密接し払い出されたメダルを前面のメダル排出口16へ案内するメダル払出通路42とが設けられている。
また、下パネルユニット40の下方には、前面の放音部17a、17bに対向するスピーカ43a、43bが取り付けられている。なお、前扉3のサイドフレームには、前扉3を筐体2へ閉じたときに自動的にロックする施錠機構44が形成されている。
かかる構成のスロットマシン1は、先のゲームにおいて入賞しメダルの払い出しが完了した時、または先のゲームにおいてハズレが確定すると待機状態となる。この状態において、ベットボタン12が押圧操作されると、内部に貯留したメダル(クレジット)から当該ゲームにメダルが賭けられゲームが開始する。ゲーム開始の状態でスタートレバー13が傾倒操作されると、メイン制御基板21はリール10a、10b、10cを一斉に回転させ始める。同時に入賞役を内部抽選し、その結果をRAM(内部抽選フラグ)に記憶する。
次に、遊技者がストップボタン14a、14b、14cを任意の順番で押圧操作すると、メイン制御基板21はそれに従い順次、対応するリールを停止させる。そして、メイン制御基板21は、全てのリール10a、10b、10cが停止したことを検知すると、各リールに表示された図柄の組合せが上述の内部抽選フラグに記憶された入賞役に係る図柄の組合せと一致しているか否か判定する。これらが一致したときには当該入賞役が確定し、その入賞役の種類に応じた獲得枚数のメダルをクレジットに加算する。入賞によりクレジットが上限を超える場合には、メイン制御基板21はホッパーユニット23を制御して、その超過分のメダルを受皿ユニット4へ払い出している。
このように、スロットマシン1の遊技者は、リール10a、10b、10cを回転・停止させる遊技操作を行って、表示窓8aに変動表示した図柄が揃わなければ賭けたメダルを失うが、予め定められた組合せで図柄が揃い入賞が成立すると賭けた枚数以上のメダルを獲得し得るので、メダルを増やす興趣を伴った勝敗ゲームを楽しむことができる。
次に、スロットマシン1の制御システムについて詳細に説明する。ここで、図3は、スロットマシン1の制御システム構成を表したブロック図である。図3によれば、スロットマシン1の制御システムは、メイン制御基板21を中央に、サブ制御基板33と、中央表示基板36と、回胴装置基板100と、電源装置基板250等の電気回路基板が、外部データバス、外部コントロールバスを含む配線ケーブルで相互に接続されている。
メイン制御基板21は、CPU211と、PROM(Programmable Read Only Memory)212と、RWM(Read/Write Memory)としてのRAM(Random Access Memory)213等を備えたマイコンベースの制御基板であり、PROM212に予め記憶されているメインプログラムに従ってCPU211が演算処理を実行することで、スロットマシン1全体の動作を統括して制御している。なお、CPU211には、上述した半導体メモリの他に、割込コントローラ214、外部バスインタフェース215、クロックジェネレータ216等のチップセットがそれぞれ内部のバスで接続され、これらが1つのICパッケージ内に集約されてメイン制御基板21に搭載されている。また、RAM213には、図示しないバックアップ電源から駆動電流が供給され、スロットマシン1の主電源装置25が電源オフの状態のときでもその記憶内容が保持されるように構成されている。
また、メイン制御基板21のCPU211には、乱数発生器217が接続されている。乱数発生器217は、発振素子及び当該発振素子で生成される短周期のパルス信号をカウントするカウンタを備えてなる回路であり、CPU211は、所定の遊技操作に係るタイミングで乱数発生器217のカウンタが示す値を乱数値として取得し、後述するようにその乱数値に基づいて入賞役及び演出パターン等のテーブル抽選を行っている。
中央表示基板36は、メダルセレクタ38に内蔵されたメダルセンサ38a、ベットボタン12、スタートレバー13、ストップボタン14a、14b、14c等の中継基板として機能し、メイン制御基板21のCPU211は、一定周期(数ミリsec程度)毎に起動するクロック割込において、これらのセンサ・スイッチ類の出力を入力ポートに並列的に読み取っている。また、中央表示基板36には、上述した設定ボタン53や、数値表示部51、52を構成する7セグLEDが実装され、更には数値表示部52に数値を表示させるメモリカウンタロジック361が搭載されている。
ここで、出玉設定値の設定変更操作をするための設定ボタン53は、図4に示されるように前扉3の裏面側で中央表示基板36の左端部に設けられている。したがって、例えばホールの設定担当者が前扉3を解錠操作して開放しない限り、出玉率の設定変更を構造上できないようにしている。
中央表示基板36に設けられているメモリカウンタロジック361は、例えば図5に示されるように、メイン制御基板21に接続された外部データバスを介してデータの入出力が可能な表示用バッファとしてのメモリ361aと、同じく外部データバスに接続されるとともに、設定ボタン53のスイッチ信号をクロック入力するメモリカウンタ361bと、メモリ361aまたはメモリカウンタ361bの何れかに記憶されたデータを切り換えて数値表示部52に表示させる切換部361cと、切換部361cを介して転送されたデータを10進数7セグ表示用にデコードするデコーダ361dと、デコードされたデータ信号を電流増幅して数値表示部52(7セグLED)を点灯駆動するドライバ361eとを備えて回路構成されている。
メモリカウンタ361bは、設定ボタン53が押圧操作される毎に順次「1」〜「6」までの数値(出玉設定値)をサイクリックにインクリメント(カウントアップ)して記憶保持する。また、メモリカウンタ361bは、外部データバスを介してメイン制御基板21により出玉設定データが設定され、メイン制御基板21からの要求信号により、保持しているデータをメイン制御基板21へ出力可能に制御される。
切換部361cもメイン制御基板21によって制御され、通常、ゲームにおいては、外部データバスを介して随時送信されてくるメダル獲得枚数のデータやエラーコード等を数値表示部52に同期表示するモードに設定されている。また、出玉率の設定変更装置または設定確認装置が作動すると、メモリカウンタ361bが保持するデータ(出玉設定値)が数値表示部52に表示されるモードに切り換えられる。
次に、サブ制御基板33は、CPU331と、ROM332及びRAM333からなるシステム用の半導体メモリと、演出に用いる楽音等の音源データを記憶する音源データメモリ334と、選択された音源データを復号してシーケンスの音信号に再生するAMMデコーダ(Amusement Music Decoder with Sequencer)335と、同じく演出用の画像データを記憶する画像データメモリ336と、画像データを復号して画像デジタル信号を出力する画像処理用DSP(Digital Signal Processor)337等が内部バスを介して回路構成されている。
サブ制御基板33には、上部ランプ5a及びコーナーランプ5b、5c等の光源であるLED、放音部6a、6b、17a、17bを構成するスピーカ31a、31b、43a、43b、及び液晶表示ユニット7が外部接続されている。サブ制御基板33のCPU331は、メイン制御基板21からの演出指令信号を受信するに従ってLEDを点灯または点滅駆動し、スピーカ31a、31b、39a、39bを鳴動駆動し、液晶表示ユニット7に動画像を表示させる制御を行っている。
なお、液晶表示ユニット7は、ディスプレイとしての液晶パネルに、VDP(Video Display Processor)やビデオRAM等を搭載した画像制御基板を備えてユニット化した装置である。画像制御基板は、サブ制御基板33の画像処理用DSP337から出力される画像デジタル信号に基づいてビデオ信号を生成し、液晶パネルに画像を表示駆動している。
また、メイン制御基板21は、各リール10a、10b、10cの軸に直結したステッピングモータ102a、102b、102cの制御を回胴装置基板100を介して行っている。すなわち、CPU211は、回転指令信号としてのパルスデータを回胴装置基板100へ出力し、回胴装置基板100が電流増幅した4相の駆動パルス信号を各ステッピングモータ102a、102b、102cに供給することで、各リール10a、10b、10cの回転及び停止の制御をそれぞれ独立して行っている。また、CPU211は、各基準位置センサ101a、101b、101cからの信号を受信する毎に回転位置データをリセットし、これを基準に送出したパルスデータに基づいて正確に各リールの回転位置を把握し制御している。
また、メイン制御基板21には、主電源装置25の電源装置基板250を中継して、ホッパーユニット23の払出モータ231及び払出センサ232が接続されている。ホッパーユニット23によりメダルを払い出す際に、CPU211は、払出モータ231を駆動してメダルを1枚ずつ放出させ、払出センサ232でカウントした実払出枚数が予定の払出枚数に到達し一致した時、払い出し完了とみなして払出モータ231の駆動を停止させる。また、メダルの貸し出し操作があったときにも同様の制御が行われ、ホッパーユニット23により所定貸出枚数のメダルがメダル払出口16を介して遊技者に払い出される。
主電源装置25は、図6に示されるように、メインスイッチ251及び設定キースイッチ252を前パネルに配設している。メインスイッチ251は、ロッカー(シーソー)スイッチからなり、スロットマシン1全体の電源投入及び電源断の操作をするための電源スイッチとして機能する。
また、設定キースイッチ252は、所定の鍵KEYが差し込まれることでスイッチ操作を許容し、鍵KEYを右方向に90度回転させるとオンするスイッチからなる。なお、後述するように、主電源装置25が電源断のときに設定キースイッチ252をオンし、この状態でメインスイッチ251をオンさせると、出玉率の設定変更装置が起動する。また、主電源装置25が通電(メインスイッチ251がオン)時に設定キースイッチ252をオンさせると、割込処理により設定確認装置が起動する。
次に、本発明の特徴的な部分である出玉率の設定変更に関わる処理について詳細に説明する。ここで、図7は、出玉率の設定変更に関わるソフトウエアの構成を表したブロック図である。
同図に示されるように、メイン制御基板21のPROM212には、それぞれ所定アドレスの記憶領域に、メインプログラム212a、クロック割込I/Oルーチン212b、電源断処理ルーチン212c、電源投入時処理プログラム212d、電源断復帰処理プログラム212e、出玉設定変更プログラム212f、内部抽選プログラム212g、その他の各種サブプログラム(メインプログラム212aによって呼び出され、または割込処理により起動されるプログラムモジュール)がファームウェア化されて固定されている。
また、PROM212には、内部抽選プログラム212g(内部抽選手段)により参照される役抽選テーブル212hや、その他に図示していないが例えば、リールの図柄と位置(回転ステップ数)が対応付けられた図柄参照テーブル、入賞役(図柄の組合せ)に対し払い出されるメダルの枚数が対応付けられた獲得メダル枚数テーブルなどのテーブルマップデータも記憶・固定されている。
RAM213には、CPU211のレジスタの内容をスタックするスタックエリア213a、スタックポインタ退避エリア213b、通常のコマンド等を蓄積させサブ制御基板33へ送信するための送信キューエリア213c、ワークエリア213dなどに使用される記憶領域がそれぞれ所定のアドレスに割り当てられている。また、出玉設定値として参照される出玉設定データ213eや、スロットマシン1のゲーム進行に関わるその他各種変数データ213fを記憶する記憶領域が所定のアドレスに割り当てられている。同様に、電源断フラグ213g、出玉設定フラグ213h、内部抽選フラグ213i、その他各種状態フラグ213j、及びチェックサムデータ213zなどを記憶する記憶領域が所定のアドレスに割り当てられている。
なお、スロットマシンゲームにおいて使用される上述のその他各種変数データ213fの例としては、投入メダル枚数(ベット枚数)、貯留枚数(クレジット数)、メダル獲得枚数等のメダルの管理に係る変数や、リールを駆動するパルスデータ、回転位置データ、表示図柄番号等のリール制御に係る変数、ホッパーユニット23によるメダルの実払出枚数等のメダルの払出制御に係る変数などが挙げられる。また、その他各種状態フラグ213jの例としては、スタートレバー13、ストップボタン14a、14b、14c等の操作スイッチ・センサ類のスイッチ出力状態を示すフラグなどがある。
次に、出玉率の設定変更に関連し、図7に示した各サブプログラムに基づくメイン制御基板21による制御動作をそれぞれ説明する。
[クロック割込I/O処理]
PROM212の所定アドレスに記憶されているクロック割込I/Oルーチン212bは、クロックジェネレータ216(図3参照)が生成する一定周期(例えば1.87msec周期)の割込信号に基づき呼び出される割込ルーチンである。このクロック割込が起動される毎に、メイン制御基板21のCPU211は、スタートレバー13、ストップボタン14a、14b、14cやメダルセンサ38等が接続されている入力ポートの状態を読み取り、これら操作スイッチやセンサ類の出力信号を読み取っている。
また、CPU211は、RAM213の送信キューエリア213cに構築されている送信キューバッファ213c’(サイクルメモリ)の送信待ちコマンド及びデータをFIFO(ファーストインファーストアウト)方式で1バイトずつサブ制御基板33へ送信する。例えば、図8の例によると、CPU211は、メインの処理において、操作スイッチやセンサ類の作動に基づいてサブ制御基板33に送信すべきいくつかのコマンド・データ(これらを「通常コマンド」、「通常データ」という)を随時、送信キューバッファ213c’に設定する。かかる通常コマンドや通常データは2バイト若しくはそれ以上のバイト数で構成されるが、1回のクロック割込により送信されるのは1バイト単位である(データバスやCPU等の仕様による)。つまり、CPU211は、送信キューバッファ213c’に蓄積された通常コマンドや通常データの割片を、クロック割込が起動される毎に先に設定されたものから上位バイトと下位バイトとに分割して、順次、サブ制御基板33へ送信している。
なお、スロットマシン1において、メイン制御基板21からサブ制御基板33へ送信される通常コマンドの例としては、メダル投入コマンド、回転開始受付コマンド、回転開始コマンド、回転停止受付コマンド、回転停止コマンド、図柄表示コマンド、メダル払出開始コマンド、メダル払出完了コマンド、RTコマンド等が挙げられる。また、同じく送信される通常データとしては、クレジット(貯留枚数)表示データ、払出表示データ、RT遊技回数データ、エラー表示データ等が挙げられる。かかる通常データは、所定の識別コード(上位バイト)と、その値(下位バイト)とによる2バイト(若しくはそれ以上)で構成されている。
[電源断処理]
次に、図9に示されるフローチャートは、主電源装置25が通電中にメインスイッチ251がオフ(電源断)された時に割込処理により呼び出される電源断処理ルーチン212cによる処理を表している。
この電源断処理では、先ず、上述のクロック割込等の他の割込を禁止し(ステップS101)、CPU211のプログラムカウンタその他汎用レジスタのデータ内容を、RAM213のスタックエリア213aにスタックして退避させる(ステップS102)。そして、CPU211のスタックポインタが示すポインタ値(アドレス)をRAM213のスタックポインタ退避エリア213bに転送して退避させる(ステップS103)。
次いで、電源断処理が行われたことを示す電源断フラグ213gをセットした後(ステップS104)、RAM213のチェックサムを算出してチェックサムデータ213zに書き込み設定する(ステップS105)。そして、RAM213の書き込みを禁止(ステップS106)して処理を終え、電源復帰(電源の再投入)待ちとなる。
[電源投入時処理]
次に、図10に示されるフローチャートは、メインスイッチ251がオンし電源が投入された時に最初に起動する電源投入時処理プログラム212dによる処理を表している。
この電源投入時処理では、先ず、レジスタ等が退避されていない未使用のアドレスに仮のスタックポインタを設定し(ステップS201)、以降の前置処理を行えるようにする。CPU211は、設定キースイッチ252がオンされた状態か否かチェックし(ステップS202)、オンされていると判定した場合には(ステップS202:YES)、出玉設定フラグ213hがセットされているか否かチェックする(ステップS203)。
出玉設定フラグ213hは、出玉率の設定変更装置が起動されたとき、つまり後述する出玉設定変更処理において設定されるフラグである。CPU211は、このフラグがセットされていると(ステップS203:YES)、電源断復帰の処理へ強制的に移行して電源断時のゲームを復帰し再開させる。これにより、当該設定変更装置の重複起動が回避される。
なお、設定変更装置が作動中に電源がオフされ、この状態で再び設定変更装置が重複して起動してしまうと、RAM213に退避させた電源断時のゲーム条件が失われてしまう。この場合、設定変更後には電源断時の当初のゲーム状態が再現されず初期化されてしまう。けだし、この動作が悪用されると、設定復帰後に再開されるゲームの初期条件の設定が意図的に操作できてしまうことから、かかる不都合を解決するために、設定変更装置の作動をフラグ管理して重複起動を禁止している。
CPU211は、設定キースイッチ252がオフの状態でメインスイッチ251がオンされたと判定した場合には(ステップS202:NO)、電源断フラグ213gをチェックする(ステップS204)。電源断フラグ213gがセットされている場合(ステップS204:YES)、CPU211は、上述したように電源断処理が正常に行われたものと判断し、後述する電源断復帰の処理へ移行する。電源断フラグ213gがセットされていない場合には(ステップS204:NO)、電源投入初期化処理を実行して(ステップS205)、メインプログラム212aによる遊技進行メインの処理をデフォルトの初期条件の下で開始する。
ここで、ステップS205で呼び出される電源投入初期化処理を図11に示されるフローチャートを参照して説明する。電源投入初期化処理では、CPU211は、先ず、RAM213の出玉設定データ213eを除く記憶領域をデフォルト値に初期化する(ステップS301)。次いで、CPU211のレジスタにデフォルトの初期値をロードしてリセットする(ステップS302)。そして、クロック割込や他の割込を許可して(ステップS303)、スロットマシン1に設けられているセンサ・スイッチ類等の入力(読み取り)を可能にする。
[電源断復帰処理]
次に、図12に示されるフローチャートは、電源断処理が行われた後にメインスイッチ251がオンした時に起動する電源断復帰時処理プログラム212eによる処理を表している。
この電源断復帰の処理では、CPU211は、先ずRAM213のスタックポインタ退避エリア213bに保存されているアドレスが所定の適正範囲か否かチェックする(ステップS401)。アドレスが適正範囲外のとき(ステップS401:NO)、上述した電源投入初期化処理を実行して(ステップS407)、メインプログラム212aによる遊技進行メイン処理を開始する。また、RAM213のチェックサムを算出し、保持されているチェックサムデータ213zとの比較を行って正常か否かチェックする(ステップS402)。CPU211は、RAM213のチェックサムデータが一致せず、復帰不可能な程度のデータエラーであると判定すると(ステップS402:NO)、同じく電源投入初期化処理を実行して(ステップS407)、遊技進行メイン処理を開始する。
スタックポインタ退避エリア213bに保存されているアドレスが適正範囲にあり(ステップS401:YES)、かつチェックサムデータが正常であれば(ステップS402:YES)、保存しておいたそのアドレスをスタックポインタに設定復帰させる(ステップS403)。また、クロック割込の起動を許可(ステップS404)して、スロットマシン1に設けられているセンサ・スイッチ類等の状態入力(読み取り)を可能にする。また、クロック割込の許可により、送信キューバッファ213c’に蓄積されている待ちデータ(未送信コマンド等)が順次、サブ制御基板33へ送信される。次いで、CPU211は、RAM213の予め定められている未使用領域をデフォルト値に初期化(リセット)する(ステップS405)。
ここで、RAM213の未使用領域とは、レジスタ等の退避領域、ゲーム進行に関わる各種変数データ及び各種状態フラグを記憶する領域等を除いた未使用の作業領域のことをいう。なお、この電源断復帰処理においては、ゲームの諸条件(変数データ、状態フラグ)が保持されているRAM213の使用領域はクリアされずに保持される。
そして、ステップS406において、RAM213のスタックエリア213aに退避させておいた電源断時のレジスタ内容を復帰させる。このときCPU211のプログラムカウンタには、電源断時のアドレス(戻り番地)がスタックエリア213aからロードされる。かかる電源断復帰処理が完了することにより、電源断当時の諸条件が再現、整備されてゲームが再開される。
[出玉設定変更処理]
次に、出玉率の設定変更装置の作動に係る出玉設定変更プログラム212fによる処理(出玉設定変更処理)を図13乃至図14に示されるフローチャートを参照しながら説明する。
出玉設定変更処理では、先ず、RAM213のスタックポインタ退避エリア213bに保存されているアドレスが所定の適正範囲か否かチェックする(ステップS501)。アドレスが適正範囲外のとき(ステップS501:NO)、上述した電源投入初期化処理を実行して(ステップS503)、メインプログラム212aによる遊技進行メイン処理を開始する。また、RAM213のチェックサムを算出し、保持されているチェックサムデータ213zとの比較を行って正常か否かチェックする(ステップS502)。CPU211は、RAM213のチェックサムデータが一致せず、復帰不可能な程度のデータエラーであると判定すると(ステップS502:NO)、同じく電源投入初期化処理を実行して(ステップS503)、遊技進行メイン処理を開始する。
スタックポインタ退避エリア213bに保存されているアドレスが適正範囲にあり(ステップS501:YES)、かつチェックサムデータが正常であれば(ステップS502:YES)、当該設定変更装置の重複起動を回避するため、出玉設定フラグ213hをセットする(ステップS504)。
また、CPU211は、出玉設定開始コマンドを生成しサブ制御基板33へ送信する(ステップS505)。なお、この出玉設定開始コマンドは、上述したクロック割込のルーチンによってではなく、出玉設定変更のメインの処理で送信される。つまり、出玉設定開始コマンドは、上述した通常コマンドとは異なる系統(送信モード)で送信され、本明細書では、送信系統が異なるかかるコマンドをとくに特殊コマンドと称している。このようにメインのゲームの進行における場合とは別の送信系統を具備することで、出玉率の設定変更装置が作動しても、送信キューバッファ213c’に蓄積されている待ちコマンド及びデータが改変若しくは喪失等されずに済む。したがって、出玉率の設定後におけるゲームを完全復帰させ、また、設定復帰後におけるメイン制御基板21とサブ制御基板33との間の動作環境を合致させる。
次に、CPU211は、送信キューバッファ213c’に蓄積されている待ちコマンド及びデータの有無を調べ、その未送信のコマンド及びデータをサブ制御基板33へ送信する(ステップS507)。これにより、メイン制御基板21とサブ制御基板33とがそれぞれ管理するコマンド及びデータが整合する。
送信キューバッファ213c’の未送信のコマンド及びデータが全て送信されると(ステップS507:YES)、CPU211は、メモリカウンタロジック361の切換部361cの入力をメモリカウンタ361b側に制御して、数値表示部52に出玉設定値を表示するモードに切り換える(ステップS508)。更に、RAM213に記憶されている現時点での出玉設定データ213eをメモリカウンタ361bに転送することで、現在設定されている出玉設定値を数値表示部52に表示させる(ステップS509)。
メモリカウンタロジック361は、設定ボタン53が押圧操作される毎にメモリカウンタ361bに設定された出玉設定値のデータを1段階ずつインクリメントし、それと同時に数値表示部52にそのデータを表示させる。したがって、設定変更装置が作動中においてホールの設定担当者等は、数値表示部52に表示される数値を見ながら設定ボタン53を押圧することで、「1」〜「6」の何れかのレベルに出玉設定値を選択することができる。そして、所望の出玉設定値が表示されたところで、スタートレバー13をオンからオフに戻した時(ステップS510:YES)、メモリカウンタ361bにおいて更新されたデータが出玉設定データ213eとしてRAM213に書き込まれる(ステップS511)。これにより、後述する内部抽選手段が参照する出玉設定値の変更が確定する。
次いで、CPU211は、出玉設定データ213eをサブ制御基板33へ送信する(ステップS512)。これにより、メイン制御基板21の内部抽選手段が参照する出玉設定値と、サブ制御基板33の例えば演出抽選手段が参照する出玉設定値とが一致し、規定通りの出玉率が保証される。また、この段階で、出玉設定完了コマンドをサブ制御基板33へ送信する(ステップS513)。なお、出玉設定データ213e及び出玉設定完了コマンドをサブ制御基板33へ送信するステップにおいても、上述の通常データとは異なる別の系統(特殊コマンド送信モード)で送信されるため、ゲームで使用する送信キューバッファ213c’の内容は保持される。
更に、CPU211は、スタックポインタ退避エリア213bに保存しておいたアドレスをスタックポインタに設定復帰させる(ステップS514)。そして、RAM213の未使用領域をデフォルト値に初期化(リセット)する(ステップS515)。ここで、RAM213の未使用領域とは、レジスタ等の退避領域、ゲーム進行に関わる各種変数データ及び各種状態フラグを記憶する領域等を除いた未使用の作業領域のことをいう。なお、この出玉設定変更処理においては、ゲームの諸条件(変数データ、状態フラグ)が保持されているRAM213の使用領域はクリアされずに保持される。
そして、ステップS516において、RAM213のスタックエリア213aに退避させておいた電源断時のレジスタ内容を復帰させる。このときCPU211のプログラムカウンタには、電源断時のアドレス(戻り番地)がスタックエリア213aからロードされる。かかる出玉設定変更処理が完了することにより、電源断当時の諸条件が再現、整備されてゲームが再開される。
[内部抽選処理]
次に、内部抽選手段の作動に係る内部抽選プログラム212gによるテーブル抽選処理を図15に示されるフローチャートを参照しながら説明する。
ここで、PROM212に固定された役抽選テーブル212hについて説明する。スロットマシン1のゲームには、例えばビッグボーナス(BB)、レギュラーボーナス(RB)、リプレイ、ベル、…等のそれぞれ図柄の表示態様が異なる入賞役が用意されており、図16に示されるように、それぞれの入賞役を抽選する確率(内部抽選確率)が予め定められている。更に、出玉設定値「1」〜「6」毎に各入賞役の内部抽選確率が別々に定められている。なお、図16に示される表は、スロットマシン1が通常ゲームの場合に参照される入賞役及び内部抽選確率の例であり、ビッグゲーム等のより高確率で入賞が成立する特別ゲームにおいては別の役抽選テーブルが参照されてテーブル抽選が行われる。
かかる所定の内部抽選確率に基づいて、各出玉設定値「1」〜「6」毎に役抽選テーブル212hが複数設けられている。ここで、図17は、役抽選テーブル212hにおける出玉設定値毎の置数の構成比較を表している。置数とは内部抽選確率に比例する係数であり、置数を乱数発生器217が発生可能な乱数の個数である母数(例えば65536)で除した比率が内部抽選確率と一致する。したがって、図17に示されるように、一つの役抽選テーブル212hには、各入賞役に対応する内部抽選確率に基づく置数の数値範囲がそれぞれ割り当てられている。
図16に示した内部抽選確率の例に従えば、出玉設定値が設定「1」の場合、置数「222」のBBには、例えば「0」〜「221」の数値範囲が割り当てられ、置数「110」のRBには、例えば「222」〜「331」の数値範囲が割り当てられる。同様に、出玉設定値が設定「2」の場合、置数「232」のBBには、例えば「0」〜「231」の数値範囲が割り当てられ、置数「115」のRBには、例えば「232」〜「346」の数値範囲が割り当てられる。このように、出玉設定値が大きいほど概ね内部抽選確率が高く設定され、したがって各入賞役に対応する数値範囲も漸次広く設定されている。
内部抽選処理は、例えばスタートレバー13が操作される等の所定契機に起動し、図15のフローチャートに示されるように、CPU211は、最初のステップS601のタイミングで乱数発生器217から乱数値を取得する。次いで、RAM213に登録されている出玉設定データ213eを参照して得られる出玉設定値に対応する一つの役抽選テーブル212hを選択する(ステップS602)。
そして、ステップS601で取得した乱数値が役抽選テーブル212hの何れかの数値範囲に属しているか調べる(ステップS603)。乱数値が何れかの数値範囲に属していれば(ステップS603:YES)、内部抽選フラグ213iに当該入賞役の当選情報をセットする(ステップS604)。乱数値が何れかの数値範囲にも属していなければ(ステップS603:NO)、内部抽選フラグ213iにハズレの情報をセットする(ステップS605)。そして、メインプログラム212aによる遊技進行メインの処理へ戻る。
以上説明したように、上述した実施形態のスロットマシン1によれば、メインスイッチ251がオフされた電源断処理においては、メイン制御基板21のプログラムカウンタその他のレジスタのデータ内容をRAM213のスタックエリア213aにスタックして退避させ(ステップS102)、続く出玉率の設定変更処理においては、RAM213に記憶した電源断時のゲームの諸条件(変数データ、状態フラグ)を保持しながら、スタックエリア213aに退避させておいたレジスタ内容(プログラムカウンタ等)を復帰させる。したがって、出玉率の設定復帰後に電源断当時の諸条件を再現、整備してゲームを再開させることができる。これにより、設定復帰後の遊技条件の人為的操作を不可能にすることができ、ひいてはモーニング等の不正行為を防止することができる。
また、出玉率の設定変更処理においては、RAM213のチェックサムを算出し、そのデータが電源断前の値と整合しないとき(ステップS502:NO)、復帰不可能なデータエラーと判定し、電源投入初期化処理(S503)において、出玉設定データ213eを除くRAM213の記憶領域を初期化する(S301)。こうすることで、例えばスロットマシン1が電源断の状態で、仮に不正行為者がRAM213の記憶内容を改ざんしても、設定復帰後にはゲームの諸条件が完全に初期化されてゲームが再開することとなる。したがって、かかる不正行為を無意味、無害化することができ、設定復帰後のゲームを正常、一律に開始させることができる。
また、ゲーム中にメイン制御基板21からサブ制御基板33へ通常コマンド及びデータを送信するための送信キューバッファ213c’に待機している未送信の通常コマンド等を、出玉率の設定変更処理において全てサブ制御基板33へ送信させている(ステップS506乃至ステップS507)。したがって、出玉率の設定復帰後のゲームにおいて、かかる通常コマンド、データの喪失等によるゲーム内容と演出内容とのミスマッチといった不具合を確実に回避することができる。
また、出玉率の設定変更処理においては、スロットマシン1のゲームが進行中に所定周期に起動するクロック割込のルーチンとは別の送信モード(特殊コマンド送信モード)を介して出玉設定データ213e等のデータがサブ制御基板33へ送信される。これにより、ゲーム中に出玉率の設定変更装置が作動しても、特殊コマンド、データが送信される際には送信キューバッファ213c’はアクセスされず、これに待機している未送信のコマンド及びデータが破壊等されずに保持される。したがって、出玉率の設定後におけるゲームの完全復帰に貢献し、設定復帰後のゲームにおけるメイン制御基板21とサブ制御基板33との間の動作環境のミスマッチ等の不具合を生じさせないようにすることができる。
本発明は、スロットマシンのみならず、メダルやパチンコ玉等の遊技媒体を賭けて抽選結果に基づき遊技媒体を払い戻す遊技を提供する一般的な遊技機に応用できる。