以下、本発明の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。
(第1の実施の形態)
図1は、本発明の第1の実施の形態の遊技機1の斜視図である。
遊技機1は、島設備に固定される本体枠(外枠)2にヒンジ4を介して一側部が開閉回動自在に取り付けられる開閉枠を備える。開閉枠は、前面枠(遊技枠)3及びガラス枠(前枠)18によって構成される。
前面枠3には、遊技領域10aを有する遊技盤10(図2参照)が、裏面に取り付けられた収納フレーム(図示省略)に収装される。また、前面枠3には、遊技盤10の前面を覆うカバーガラス(透明部材)18aを備えたガラス枠18が取り付けられる。前面枠3及びガラス枠18は、それぞれ個別に開放することが可能であり、例えば、ガラス枠18のみを開放して遊技盤10の遊技領域10a(図2参照)にアクセスすることができる。また、前面枠3をガラス枠18が開放されていない状態で開放することによって、遊技盤10の裏側に配置された遊技制御装置500などにアクセスすることができる。
ガラス枠18のカバーガラス18aの周囲には、装飾光を発光する装飾部材9が備えられている。装飾部材9の内部にはランプやLED等によって構成された枠装飾装置18d(図4参照)が備えられている。枠装飾装置18dを所定の発光態様によって発光させることによって、装飾部材9が所定の発光態様によって発光する。
ガラス枠18の上方中央部には、照明ユニット11が備えられる。照明ユニット11の内部には、LEDやランプなどの発光部材が備えられる。
照明ユニット11の左側には第1可動式照明13が、右側には第2可動式照明14が備えられる。第1可動式照明13及び第2可動式照明14は、上スピーカー30aの上方に配置されている。第1可動式照明13及び第2可動式照明14には、LEDなどの照明部材の他に、照明駆動モータ(枠演出装置18f)がそれぞれ備えられており、演出内容に応じて動作(例えば、回転)するように制御される。
また、遊技機1には、音響(効果音、警報音、報知音等)を発するスピーカー30が備えられる。スピーカー30には、上スピーカー30a及び下スピーカー30bが含まれる。上スピーカー30aはガラス枠18の上方に配置され、下スピーカー30bは後述する上皿21の下方に配置される。
第1可動式照明13の右側には、遊技機1において異常が発生したことなどを報知するための遊技状態LED29が備えられている。遊技機1において異常が発生した場合には、さらに、スピーカー30から異常を報知するための報知音が出力される。
遊技機1で発生する異常には、遊技機1の故障及び不正行為の実施などが含まれる。不正行為は、例えば、磁石によって発射された遊技球の軌道を不正に操作する行為や、遊技機1を振動させる行為などである。これらの不正行為は、磁気センサスイッチ(SW)39a(図3参照)によって磁気を検出したり、振動センサスイッチ(SW)39b(図3参照)によって振動を検出したりすることによって検知される。また、不正に開閉枠を開放する行為も不正行為に含まれる。このとき、枠開放センサスイッチ(前面枠開放検出スイッチ3b、ガラス枠開放検出スイッチ18b、図3参照)によって営業時間中に前面枠3やガラス枠18の開閉枠が開放されたことが検出される。以上のような不正行為が検出されると、遊技状態LED29やスピーカー30などによって異常が報知されるようになっている。
ガラス枠18のカバーガラス18aの下方には、上皿21などを含む上皿ユニットが備えられる。上皿21は、図示しない打球発射装置に遊技球(遊技媒体)を供給する。上皿ユニットには、演出ボタン31を備えた上皿カバーユニット20が含まれている。
さらに、ガラス枠18の下方位置であって前面枠3に固定される固定パネル22には、下皿23及び打球発射装置の操作部24等が備えられる。遊技者が操作部24を回動操作することによって、打球発射装置は、上皿21から供給される遊技球を遊技盤10の遊技領域10a(図2参照)に発射する。
下皿23には、下皿23に貯まった遊技球を排出するための下皿球抜き機構16が備えられる。前面枠3の下部右側には、ガラス枠18を施錠するための鍵25が備えられている。
また、上皿ユニットのうち上皿21の手前側には、遊技者からの操作入力を受け付けるための演出ボタン31(操作手段)が備えられている。遊技者は、演出ボタン31を操作することによって、表示装置48(図2参照)における変動表示ゲームにおいて遊技者の操作を介入させた演出を行うことが可能となる。例えば、演出内容を選択させることができる。なお、変動表示ゲームには、特図変動表示ゲームと普図変動表示ゲームが含まれ、本明細書では、単に変動表示ゲームとした場合には、特図変動表示ゲームを指すものとする。
また、変動表示ゲームの実行中だけでなく、通常遊技状態で遊技者が演出ボタン31を操作することによっても演出パターンを変更するようにしてもよい。なお、通常遊技状態(通常状態)とは、特別な遊技状態が発生していない遊技状態である。また、特別な遊技状態とは、例えば、変動表示ゲームの抽選確率が高い確率の状態(時短状態、確変状態)や大当り状態(特別遊技状態)である。
また、変動表示ゲームが開始された後、演出ボタン31の操作を促進するための操作促進演出が実行され、操作促進演出が実行されている間に演出ボタン31を操作することによって、始動記憶に対応する変動表示ゲームの結果を事前に予告する予告演出などを実行することができる。
上皿21の右上部には、遊技者が遊技球を借りる場合に操作する球貸ボタン26、及び、図示しないカードユニットからプリペイドカードを排出させるために操作される排出ボタン27が設けられている。また、球貸ボタン26と排出ボタン27との間には、プリペイドカードなどの残高を表示する残高表示部28が設けられる。
図2は、本発明の第1の実施の形態の遊技機1に備えられる遊技盤10の正面図である。
遊技盤10は、各種部材の取り付けベースとなる平板状の遊技盤本体10b(木製又は合成樹脂製)を備え、該遊技盤本体10bの前面にガイドレール32で囲まれた遊技領域10aを有している。また、遊技盤本体10bの前面であってガイドレール32の外側には、前面構成部材(サイドケース)33が取り付けられている。さらに、遊技領域10aの右下側の前面構成部材33は、前面の中央部が黒色透明の証紙プレート36で覆われている。そして、このガイドレール32で囲まれた遊技領域10a内に打球発射装置から遊技球を発射して遊技を行うようになっている。遊技領域10aには、打球方向変換部材としての風車45や多数の障害釘(図示略)などが配設されており、発射された遊技球はこれらの打球方向変換部材により転動方向を変えながら遊技領域10aを流下する。
遊技領域10aの略中央には、変動表示ゲームの表示領域となる窓部を形成するセンターケース46が取り付けられている。センターケース46に形成された窓部の後方には、複数の識別情報を変動表示(可変表示)する変動表示ゲームの演出を実行可能な演出表示装置としての表示装置48が配置されている。表示装置48は、例えば、液晶ディスプレイを備え、センターケース46の窓部を介して遊技盤10の前面側から表示内容が視認可能となるように配置される。なお、表示装置48は、液晶ディスプレイを備えるものに限らず、EL、CRT等のディスプレイを備えるものであってもよい。
表示画面の画像を表示可能な領域(表示領域)には、複数の変動表示領域が設けられており、各変動表示領域に識別情報(特別図柄)や変動表示ゲームを演出するキャラクターが表示される。その他、表示画面には遊技の進行に基づく画像(例えば、大当り表示、ファンファーレ表示、エンディング表示等)が表示される。
遊技領域10aのセンターケース46の左側には、普通図柄始動ゲート(普図始動ゲート)34が設けられている。普図始動ゲート34の内部には、該普図始動ゲート34を通過した遊技球を検出するためのゲートスイッチ(SW)34a(図3参照)が設けられている。そして、遊技領域10a内に打ち込まれた遊技球が普図始動ゲート34内を通過すると、普図変動表示ゲームが実行される。
さらに、センターケース46の左下側には、三つの一般入賞口44が配置され、センターケース46の右下側には、一つの一般入賞口44が配置されている。また、一般入賞口44への遊技球の入賞は、一般入賞口44に備えられた入賞口スイッチ(SW)44a〜44m(図3参照)によって検出される。
また、センターケース46の下方には、特図変動表示ゲームの開始条件を与える第1始動入賞口(第1始動入賞領域)37が設けられ、その直下には上部に逆「ハ」の字状に開いて遊技球が流入し易い状態に変換する一対の開閉部材(可動部材)38aを備えるとともに内部に第2始動入賞口(第2始動入賞領域、始動入賞装置)38が配設されている。そして、遊技球が第1始動入賞口37又は第2始動入賞口38に入賞した場合には、補助遊技として特図変動表示ゲームが実行される。なお、第1始動入賞口37に遊技球が入賞した場合に実行される特図変動表示ゲームを特図1変動表示ゲームとし、第2始動入賞口38に遊技球が入賞した場合に実行される特図変動表示ゲームを特図2変動表示ゲームとする。
第2始動入賞口38の一対の開閉部材38aは、常時は遊技球の直径程度の間隔をおいた閉じた閉塞状態(遊技者にとって不利な状態)を保持している。ただし、第2始動入賞口38の上方には、第1始動入賞口37が設けられているので、閉じた状態では遊技球が入賞できないように構成されている。
そして、普図変動表示ゲームの結果が所定の停止表示態様となった場合には、駆動装置としての普電ソレノイド38b(図3参照)によって、逆「ハ」の字状に開いて第2始動入賞口38に遊技球が流入し易い開放状態(遊技者にとって有利な状態)に変化させられるように構成されている。第2始動入賞口38の開閉部材38aは、開閉部材38aを駆動させる普電ソレノイド38bなどとあわせて、普通電動入賞装置、普通電動役物、可変始動入賞装置などと呼ばれる。
さらに遊技領域10aの第2始動入賞口38の下方には、大入賞口ソレノイド42b(図3参照)によって上端側が手前側に倒れる方向に回動して開放可能になっているアタッカ形式の開閉扉42aを有する大入賞口を備えた特別変動入賞装置42が設けられている。特別変動入賞装置42は、特図変動表示ゲームの結果によって大入賞口を閉じた状態(遊技者にとって不利な閉塞状態)から開放状態(遊技者にとって有利な状態、特別遊技状態)に変換し、大入賞口内への遊技球の流入を容易にさせることで、遊技者に所定の遊技価値(賞球)を付与するようになっている。なお、大入賞口の内部(入賞領域)には、当該大入賞口に入った遊技球を検出する検出手段としてのカウントスイッチ42d(図3参照)が配設されている。
一般入賞口44、第1始動入賞口37、第2始動入賞口38、及び特別変動入賞装置42の大入賞口に遊技球が入賞すると、払出制御装置580(図3参照)は、入賞した入賞口の種類に応じた数の賞球を払出装置から前面枠3の上皿21又は下皿23に排出するように制御する。また、特別変動入賞装置42の下方には、入賞口などに入賞しなかった遊技球を回収するアウト口43が設けられている。
また、遊技領域10aの外側(例えば、遊技盤10の右下部)には、表示装置48における特図変動表示ゲーム(特図1変動表示ゲーム、特図2変動表示ゲーム)、及び普図始動ゲート34への入賞をトリガとする普図変動表示ゲームを実行する一括表示装置50が設けられている。さらに、一括表示装置50には、現在の遊技状態などの情報を表示する表示部が設けられている。
ここで、一括表示装置50について説明する。一括表示装置50は、7セグメント型の表示器(LEDランプ)等で構成された変動表示ゲーム用の第1特図変動表示部(特図1表示器)51及び第2特図変動表示部(特図2表示器)52と、普図変動表示ゲーム用の変動表示部(普図表示器)53と、同じくLEDランプで構成された各変動表示ゲームの始動記憶数報知用の記憶表示部(特図1保留表示器54、特図2保留表示器55、普図保留表示器56)を備える。
また、一括表示装置50には、大当りが発生すると点灯して大当り発生を報知する第1遊技状態表示部(第1遊技状態表示器)57、時短状態が発生すると点灯して時短状態発生を報知する第2遊技状態表示部(第2遊技状態表示器)60、遊技機1の電源投入時に大当りの確率状態が高確率状態となっているエラーを表示するエラー表示器58、大当り時のラウンド数(特別変動入賞装置42の開閉回数)を表示するラウンド表示部59が設けられている。
特図1表示器51又は特図2表示器52における特図変動表示ゲームは、変動表示ゲームの実行中、すなわち、表示装置48において飾り特図変動表示ゲームを行っている間は、7セグメント型の表示器のセグメントを点滅させることによって、特別識別情報(特図、特別図柄)を所定時間ごとに切り替える変動表示を行う。
そして、特別識別情報の変動表示の開始時点で決定されている変動時間が経過すると、変動表示ゲームの結果に対応する特別識別情報で変動表示を停止して、特図1表示器51又は特図2表示器52における特図変動表示ゲームを終了する。
普図表示器53は、変動中はランプを点滅させて変動中であることを表示する。そして、ゲームの結果が「はずれ」のときは、例えばランプを消灯状態にし、ゲームの結果が「当り」のときはランプを点灯状態にしてゲーム結果を表示する。
特図1保留表示器54は、特図1表示器51の変動開始条件となる第1始動入賞口37への入賞球数のうち未消化の球数(始動記憶数=保留数)を表示する。具体的には、保留数が「0」のときは4つのランプを全て消灯状態にし、保留数が「1」のときはランプ1のみを点灯状態にする。また、保留数が「2」のときはランプ1と2を点灯状態にし、保留数が「3」のときはランプ1と2と3を点灯状態にし、保留数が「4」のときは4つのランプ1〜4をすべて点灯状態にする。
特図2保留表示器55は、特図2表示器52の変動開始条件となる第2始動入賞口38の始動記憶数(=保留数)を、特図1保留表示器54と同様にして表示する。
普図保留表示器56は、普図表示器53の変動開始条件となる普図始動ゲート34の始動記憶数(=保留数)を表示する。例えば保留数が「0」のときはランプ1と2を消灯状態にし、保留数が「1」のときはランプ1のみを点灯状態にする。また、保留数が「2」のときはランプ1と2を点灯状態にし、保留数が「3」のときはランプ1を点滅、ランプ2を点灯状態にし、保留数が「4」のときはランプ1と2を点滅状態にする。
第1遊技状態表示器57は、例えば通常の遊技状態の場合にはランプを消灯状態にし、大当りが発生している場合にはランプを点灯状態にする。第2遊技状態表示器60は、例えば通常の遊技状態の場合にはランプを消灯状態にし、時短状態が発生している場合にはランプを点灯状態にする。
エラー表示器58は、例えば遊技機1の電源投入時に大当りの確率状態が低確率状態の場合にはランプを消灯状態にし、遊技機1の電源投入時に大当りの確率状態が高確率状態の場合にはランプを点灯状態にする。
ラウンド表示部59は、例えば、通常の遊技状態の場合にはランプを消灯状態にし、大当りが発生した場合にはその大当りのラウンド数に対応するランプ(2ラウンドor15ラウンド)を点灯状態にする。なお、ラウンド表示部59は7セグメント型の表示器で構成してもよい。
ここで、本発明の第1の実施の形態の遊技機1における遊技の流れ、及び変動表示ゲーム(普図変動表示ゲーム、特図変動表示ゲーム)の詳細について説明する。
前述のように、本発明の第1の実施の形態の遊技機1では、図示しない打球発射装置から遊技領域10aに向けて遊技球(パチンコ球)が打ち出されることによって遊技が行われる。打ち出された遊技球は、遊技領域10a内の各所に配置された障害釘や風車45等の方向転換部材によって転動方向を変えながら遊技領域10aを流下し、普図始動ゲート34、一般入賞口44、第1始動入賞口37、第2始動入賞口38又は特別変動入賞装置42に入賞するか、遊技領域10aの最下部に設けられたアウト口43へ流入し遊技領域から排出される。そして、一般入賞口44、第1始動入賞口37、第2始動入賞口38又は特別変動入賞装置42に遊技球が入賞すると、入賞した入賞口の種類に応じた数の賞球が、払出制御装置580によって制御される払出ユニットから、前面枠3の上皿21又は下皿23に排出される。
前述のように、普図始動ゲート34内には、該普図始動ゲート34を通過した遊技球を検出するゲートスイッチ34a(図3参照)が設けられている。普図始動ゲート34は、例えば、非接触型のスイッチである。遊技領域10a内に打ち込まれた遊技球が普図始動ゲート34内を通過すると、ゲートスイッチ34aによって検出され、普図変動表示ゲームが実行される。
また、普図変動表示ゲームを開始できない状態、例えば、既に普図変動表示ゲームが行われ、その普図変動表示ゲームが終了していない場合や、普図変動表示ゲームの結果が当りとなって第2始動入賞口38が開放状態に変換されている場合に、普図始動ゲート34を遊技球が通過すると、普図始動記憶数の上限数未満でならば、普図始動記憶数が加算(+1)されて普図始動記憶が1つ記憶されることとなる。普図始動入賞の記憶数は、一括表示装置50の始動入賞数報知用の普図保留表示器56に表示される。
また、普図始動記憶には、普図変動表示ゲームの当りはずれを決定するための当り判定用乱数値が記憶されるようになっていて、この当り判定用乱数値が判定値と一致した場合に、当該普図変動表示ゲームが当りとなって特定の結果態様(特定結果)が導出されることとなる。
普図変動表示ゲームは、一括表示装置50に設けられた変動表示部(普図表示器)53で実行されるようになっている。普図表示器53は、普通識別情報(普図、普通図柄)として点灯状態の場合に当りを示し、消灯状態の場合にはずれを示すLEDから構成され、このLEDを点滅表示することで普通識別情報の変動表示を行い、所定の変動表示時間の経過後、LEDを点灯又は消灯することで結果を表示するようになっている。
なお、普通識別情報として例えば数字、記号、キャラクター図柄などを用い、これを所定時間変動表示させた後、停止表示させることにより行うように構成してもよい。この普図変動表示ゲームの停止表示が特定結果となれば、普図の当りとなって、第2始動入賞口38の一対の開閉部材38aが所定時間(例えば、0.3秒間)開放される開放状態となる。これにより、第2始動入賞口38に遊技球が入賞し易くなり、特図2変動表示ゲームが実行される回数が多くなる。
普図始動ゲート34への通過検出時に抽出した普図乱数値が当り値であるときには、普図表示器53に表示される普通図柄が当り状態で停止し、当り状態となる。このとき、第2始動入賞口38は、内蔵されている普電ソレノイド38b(図3参照)が駆動されることにより、開閉部材38aが所定の時間(例えば、0.3秒間)だけ開放する状態に変換され、第2始動入賞口38への遊技球の入賞が許容される。
第1始動入賞口37への入賞球及び第2始動入賞口38への入賞球は、それぞれは内部に設けられた始動口1スイッチ37d(図3参照)と始動口2スイッチ38d(図3参照)によって検出される。第1始動入賞口37に入賞した遊技球は特図1変動表示ゲームの始動入賞球として検出され、4個を限度に記憶されるとともに、第2始動入賞口38に入賞した遊技球は特図2変動表示ゲームの始動入賞球として検出され、4個を限度に記憶される。
また、この始動入賞球の検出時にそれぞれ大当り乱数値や大当り図柄乱数値、並びに各変動パターン乱数値が抽出され、抽出された乱数値は、遊技制御装置500(図3参照)内の特図記憶領域(RAMの一部)に特図始動入賞記憶として各々所定回数(例えば、最大で4回分)を限度に記憶される。そして、この特図始動入賞記憶の記憶数は、一括表示装置50の始動入賞数報知用の記憶表示部(特図1保留表示器54、特図2保留表示器55)に表示されるとともに、センターケース46の表示装置48においても表示される。
遊技制御装置500は、第1始動入賞口37又は第2始動入賞口38への入賞、若しくはそれらの始動記憶に基づいて、特図表示器(変動表示装置、特図1表示器51又は特図2表示器52)で特図1変動表示ゲーム又は特図2変動表示ゲームを行う。
特図1変動表示ゲーム及び特図2変動表示ゲームは、複数の特別図柄(特図、識別情報)を変動表示したのち、所定の結果態様を停止表示することで行われる。また、表示装置48にて各特図変動表示ゲームに対応して複数種類の識別情報(例えば、数字、記号、キャラクタ図柄など)を変動表示させる飾り特図変動表示ゲームが実行されるようになっている。
表示装置48における飾り特図変動表示ゲームは、例えば前述した数字等で構成される飾り特別図柄(識別情報)が左(第一特別図柄)、右(第二特別図柄)、中(第三特別図柄)の順に変動表示を開始して、所定時間後に変動している図柄を順次停止させて、特図変動表示ゲームの結果を表示することで行われる。また、表示装置48では、特図入賞記憶の記憶数に対応する飾り特別図柄による飾り特図変動表示ゲームを行うとともに、興趣向上のためにキャラクターの出現など多様な演出表示が行われる。
さらに、第1始動入賞口37又は第2始動入賞口38への入賞が所定のタイミングでなされたとき(具体的には、入賞検出時の当り乱数値が当り値であるとき)には特図変動表示ゲームの結果として表示図柄により特定の結果態様(特別結果態様)が導出されて、大当り状態(特別遊技状態)となる。また、これに対応して表示装置48の表示態様も特別結果態様(例えば、「7,7,7」等のゾロ目数字のいずれか)となる。
このとき、特別変動入賞装置42は、大入賞口ソレノイド42b(図3参照)への通電によって、大入賞口が所定の時間(例えば、30秒)だけ、遊技球を受け入れない閉状態(遊技者に不利な状態)から遊技球を受け入れやすい開状態(遊技者に有利な状態)に変換される。すなわち、特別変動入賞装置42に備えられた大入賞口が所定の時間又は所定数の遊技球が入賞するまで大きく開くので、この間遊技者は多くの遊技球を獲得することができるという特典が付与される。
なお、特図1表示器51、特図2表示器52は、別々の表示器でもよいし同一の表示器でもよいが、各々独立して、また、同時には実行しないように各特図変動表示ゲームが実行される。また、表示装置48も、特図1変動表示ゲームと特図2変動表示ゲームで別々の表示装置や別々の表示領域を使用するとしてもよいし、同一の表示装置や表示領域を使用するとしてもよいが、各々独立して、また、同時には実行しないように飾り特図変動表示ゲームが実行される。
また、特図2変動表示ゲームは、特図1変動表示ゲームよりも優先して実行されるようになっている。すなわち、特図1変動表示ゲームと特図2変動表示ゲームの始動記憶がある場合であって、特図変動表示ゲームの実行が可能となった場合は、特図2変動表示ゲームが実行されるようになっている。
また、特図1変動表示ゲーム(特図2変動表示ゲーム)が開始可能な状態で、かつ、始動記憶数が0の状態で、第1始動入賞口37(第2始動入賞口38)に遊技球が入賞すると、始動権利の発生に伴って始動記憶が記憶されて、始動記憶数が1加算されるととともに、直ちに始動記憶に基づいて、特図1変動表示ゲーム(特図2変動表示ゲーム)が開始され、この際に始動記憶数が1減算される。
一方、特図1変動表示ゲーム(特図2変動表示ゲーム)が直ちに開始できない状態、例えば、既に特図1変動表示ゲーム又は特図2変動表示ゲームが行われ、その特図変動表示ゲームが終了していない状態や、特別遊技状態となっている場合に、第1始動入賞口37(第2始動入賞口38)に遊技球が入賞すると、始動記憶数が上限数未満ならば、始動記憶数が1加算されて始動記憶が1つ記憶されることになる。そして、始動記憶数が1以上となった状態で、特図1変動表示ゲーム(特図2変動表示ゲーム)が開始可能な状態(前回の特図変動表示ゲームの終了若しくは特別遊技状態の終了)となると、始動記憶数が1減算されるとともに、記憶された始動記憶に基づいて特図1変動表示ゲーム(特図2変動表示ゲーム)が開始される。
なお、以下の説明において、特図1変動表示ゲームと特図2変動表示ゲームを区別しない場合は、単に特図変動表示ゲームと称する。
なお、特に限定されるわけではないが、前述した第1始動入賞口37内の始動口1スイッチ37d、第2始動入賞口38内の始動口2スイッチ38d、ゲートスイッチ34a、入賞口スイッチ44a〜44n、カウントスイッチ42dには、磁気検出用のコイルを備え該コイルに金属が近接すると磁界が変化する現象を利用して遊技球を検出する非接触型の磁気近接センサ(以下、近接スイッチと称する)が使用されている。前面枠3に前枠開放検出スイッチ3bやガラス枠18に設けられたガラス枠開放検出スイッチ18bには、機械的な接点を有するマイクロスイッチを用いることができる。
図3は、本発明の第1の実施の形態の遊技制御装置500の構成を示すブロック図である。
遊技機1は遊技制御装置500を備え、遊技制御装置500は、遊技を統括的に制御する主制御装置(主基板)であって、遊技用マイクロコンピュータ(以下、遊技用マイコンと称する)511を有するCPU部510と、入力ポートを有する入力部520と、出力ポートやドライバなどを有する出力部530、CPU部510と入力部520と出力部530との間を接続するデータバス540などからなる。
CPU部510は、アミューズメントチップ(IC)と呼ばれる遊技用マイコン511と、入力部520内の近接スイッチ用のインタフェースチップ(近接I/F)521からの信号(始動入賞検出信号)を論理反転して遊技用マイコン511に入力させるインバータなどからなる反転回路512と、水晶振動子のような発振子を備え、CPUの動作クロックやタイマ割込み、乱数生成回路の基準となるクロックを生成する発振回路(水晶発振器)513などを有する。遊技制御装置500及び該遊技制御装置500によって駆動されるソレノイドやモータなどの電子部品には、電源装置300で生成されたDC32V,DC12V,DC5Vなど所定のレベルの直流電圧が供給されて動作可能に構成される。
電源装置300は、24Vの交流電源からDC32Vの直流電圧を生成するAC−DCコンバータやDC32Vの電圧からDC12V,DC5Vなどのより低いレベルの直流電圧を生成するDC−DCコンバータなどを有する通常電源部310と、遊技用マイコン511の内部のRAM511cに対して停電時に電源電圧を供給するバックアップ電源部320と、停電監視回路や初期化スイッチを有し、遊技制御装置500に停電の発生、回復を知らせる停電監視信号や初期化スイッチ信号、リセット信号などの制御信号を生成して出力する制御信号生成部330などを備える。
本発明の第1の実施の形態では、電源装置300は、遊技制御装置500と別個に構成されているが、バックアップ電源部320及び制御信号生成部330は、別個の基板上あるいは遊技制御装置500と一体、すなわち、主基板上に設けるように構成してもよい。遊技盤10及び遊技制御装置500は機種変更の際に交換の対象となるので、本実施形態のように、電源装置300若しくは主基板とは別の基板にバックアップ電源部320及び制御信号生成部330を設けることにより、交換の対象から外すことが可能となり、コストダウンを図ることができる。
バックアップ電源部320は、電解コンデンサのような大容量のコンデンサ1つで構成することができる。バックアップ電源は、遊技制御装置500の遊技用マイコン511(特に内蔵RAM)に供給され、停電中あるいは電源遮断後もRAM511cに記憶されたデータが保持されるようになっている。制御信号生成部330は、例えば通常電源部310で生成された32Vの電圧を監視してそれが例えば17V以下に下がると停電発生を検出して停電監視信号を変化させるとともに、所定時間後にリセット信号を出力する。また、電源投入時や停電回復時にもその時点から所定時間経過後にリセット信号を出力する。遊技制御装置500は、停電復旧後、RAM511cに保持された遊技データに基づいて、停電前の遊技状態に復旧させる。なお、バックアップ電源部320は、遊技データを2〜3日以上保持させることが可能となっている。
初期化スイッチ信号は初期化スイッチがオン状態にされたときに生成される信号で、遊技用マイコン511内のRAM511c及び払出制御装置580内のRAMに記憶されている情報を強制的に初期化する。特に限定されるわけではないが初期化スイッチ信号は電源投入時に読み込まれ、停電監視信号は遊技用マイコン511が実行するメインプログラムのメインループの中で繰り返し読み込まれる。リセット信号は強制割込み信号の一種であり、制御システム全体をリセットさせる。
遊技用マイコン511は、CPU(中央処理ユニット、マイクロプロセッサ)511a、データを書き換え不能に記憶する(読出し専用の)ROM(リードオンリメモリ、不揮発性記憶手段)511b及びデータを書き換え可能に記憶する(随時読出し書込み可能な)RAM(ランダムアクセスメモリ、揮発性記憶手段)511cを備える。
ROM511bは、遊技制御のための不変の情報(プログラム、固定データ、各種乱数の判定値等)を不揮発的に(書き換え不能に)記憶し、RAM511cは、遊技制御時にCPU511aの作業領域や各種信号や乱数値の記憶領域として利用される。ROM511b又はRAM511cとして、EEPROMのような電気的に書換え可能な不揮発性メモリを用いてもよい。
また、ROM511bは、例えば、特図変動表示ゲームの実行時間、演出内容、リーチ状態の発生の有無などを規定する変動パターンを決定するための変動パターン振り分け情報を記憶している。
変動パターン振り分け情報とは、始動記憶として記憶されている変動パターン乱数1〜3をCPU511aが参照して変動パターンを決定するための振り分け情報である。また、変動パターン振り分け情報には、結果がはずれとなる場合に選択されるはずれ変動パターン振り分け情報、結果が15R当りや2R当りとなる場合に選択される大当り変動パターン振り分け情報等が含まれる。例えば、特図変動表示ゲームがリーチなしの変動パターンに係る変動パターン振り分け情報、特図変動表示ゲームにてノーマル(N)リーチを実行する変動パターンに係る変動パターン振り分け情報、特図変動表示ゲームにてスペシャル(SP)1リーチを実行する変動パターンに係る変動パターン振り分け情報、特図変動表示ゲームにてスペシャル(SP)2リーチを実行する変動パターンに係る変動パターン振り分け情報、大当りとなる特図変動表示ゲームにてプレミアムリーチを実行する変動パターンに係る変動パターン振り分け情報等がある。
さらに、これらのパターン振り分け情報には、後半変動パターン振り分け情報、前半変動パターン振り分け情報が含まれるようにしてもよい。
したがって、ROM511bは、特図変動表示ゲームにおける実行時間の設定に係る変動振り分け情報を複数記憶した変動振り分け情報記憶手段を構成している。
また、リーチ(リーチ状態)とは、表示状態が変化可能な表示装置を有し、該表示装置が時期を異ならせて複数の表示結果を導出表示し、該複数の表示結果が予め定められた特別結果態様となった場合に、遊技状態が遊技者にとって有利な遊技状態(特別遊技状態)となる遊技機1において、複数の表示結果の一部がまだ導出表示されていない段階で、既に導出表示されている表示結果が特別結果態様となる条件を満たしている表示状態(例えば、最後に停止する識別情報を除く複数の識別情報が特別遊技状態となる特別結果を発生可能な識別情報で停止し、最後に停止する識別情報が変動表示している状態)をいう。また、別の表現をすれば、リーチ状態とは、表示装置の変動表示制御が進行して表示結果が導出表示される前段階にまで達した時点でも、特別結果態様となる表示条件からはずれていない表示態様をいう。そして、例えば、特別結果態様が揃った状態を維持しながら複数の変動表示領域による変動表示を行う状態(いわゆる全回転リーチ)もリーチ状態に含まれる。また、リーチ状態とは、表示装置の表示制御が進行して表示結果が導出表示される前段階にまで達した時点での表示状態であって、表示結果が導出表示される以前に決定されている複数の変動表示領域の表示結果の少なくとも一部が特別結果態様となる条件を満たしている場合の表示状態をいう。
よって、例えば、特図変動表示ゲームに対応して表示装置に表示される飾り特図変動表示ゲームが、表示装置48における左、中、右の変動表示領域の各々で所定時間複数の識別情報を変動表示した後、左、右、中の順で変動表示を停止して結果態様を表示するものである場合、左、右の変動表示領域で、特別結果態様となる条件を満たした状態(例えば、同一の識別情報)で変動表示が停止した状態がリーチ状態となる。またこの他に、すべての変動表示領域の変動表示を一旦停止した時点で、左、中、右のうちいずれか二つの変動表示領域で特別結果態様となる条件を満たした状態(例えば、同一の識別情報となった状態、ただし特別結果態様は除く)をリーチ状態とし、このリーチ状態から残りの一つの変動表示領域を変動表示するようにしてもよい。
また、リーチ状態には複数のリーチ演出が含まれ、特別結果態様が導出される可能性が異なる(信頼度が異なる)リーチ演出として、ノーマルリーチ、スペシャル1リーチ、スペシャル2リーチ、プレミアムリーチ等が設定されている。なお、信頼度は、リーチなし<ノーマルリーチ<スペシャル1リーチ<スペシャル2リーチ<プレミアムリーチの順に高くなるようになっている。また、リーチ状態は、少なくとも特図変動表示ゲームで特別結果態様が導出される場合(大当りとなる場合)における変動表示態様に含まれるようになっている。すなわち、特図変動表示ゲームで特別結果態様が導出されないと判定される場合(はずれとなる場合)における変動表示態様が含まれることもある。
CPU511aは、ROM511b内の遊技制御用プログラムを実行して、払出制御装置580や演出制御装置550に対する制御信号(コマンド)を生成したり、ソレノイドや表示装置の駆動信号を生成して出力したりして遊技機1全体の制御を行う。
また、図示しないが、遊技用マイコン511は、特図変動表示ゲームの大当り判定用乱数や大当りの図柄を決定するための大当り図柄用乱数、普図変動表示ゲームの当り判定用乱数等を生成するための乱数生成回路と、水晶発振器513からの発振信号(原クロック信号)に基づいてCPU511aに対する所定周期(例えば、4ミリ秒)のタイマ割込み信号や乱数生成回路の更新タイミングを与えるクロックを生成するクロックジェネレータを備えている。
また、CPU511aは、後述する特図ゲーム処理における始動口スイッチ監視処理(S1401)や特図普段処理(S1409)にて、ROM511bに記憶されている複数の変動パターン振り分け情報の中から、いずれか一の変動パターン振り分け情報を取得する。具体的には、CPU511aは、特図変動表示ゲームの遊技結果(大当り又ははずれ)や、現在の遊技状態としての特図変動表示ゲームの確率状態(通常確率状態又は高確率状態)、現在の遊技状態としての第2始動入賞口38の動作状態(通常動作状態又は時短動作状態)、始動記憶数などに基づいて、複数の変動パターン振り分け情報の中から、いずれか一の変動パターン振り分け情報を選択して取得する。
すなわち、CPU511aは、特図変動表示ゲームを実行する場合に、ROM511bに記憶された複数の変動パターン振り分け情報のうち、いずれか一の変動パターン振り分け情報を取得する変動振り分け情報取得手段をなしている。
払出制御装置580は、図示しないが、CPU、ROM、RAM、入力インタフェース、出力インタフェース等を備え、遊技制御装置500からの賞球払出し指令(コマンドやデータ)に従って、払出ユニットの払出モータを駆動させ、賞球を払い出させるための制御を行う。また、払出制御装置580は、カードユニットからの貸球要求信号に基づいて払出ユニットの払出モータを駆動させ、貸球を払い出させるための制御を行う。
遊技用マイコン511の入力部520には、第1始動入賞口37内の始動口1スイッチ37d、第2始動入賞口38内の始動口2スイッチ38d、普図始動ゲート34内のゲートスイッチ34a、入賞口スイッチ44a〜44n、カウントスイッチ42dに接続され、これらのスイッチから供給されるハイレベルが11Vでロウレベルが7Vのような負論理の信号が入力され、0V−5Vの正論理の信号に変換するインタフェースチップ(近接I/F)521が設けられている。近接I/F521は、入力の範囲が7V−11Vとされることで、近接スイッチのリード線が不正にショートされたり、スイッチがコネクタから外されたり、リード線が切断されてフローティングになったような異常な状態を検出することができ、異常が検知された場合には異常検知信号を出力するように構成されている。このとき、異常検知信号は、入力ポート523に入力される。
近接I/F521に入力された信号の出力はすべて入力ポート522に供給され、データバス540を介して遊技用マイコン511に読み込まれるとともに、遊技制御装置(主基板)500から中継基板591を介して図示しない試射試験装置へ供給されるようになっている。また、近接I/F521の出力のうち始動口1スイッチ37dと始動口2スイッチ38dの検出信号は、入力ポート522の他、反転回路512を介して遊技用マイコン511へ入力されるように構成されている。反転回路512を設けているのは、遊技用マイコン511の信号入力端子が、マイクロスイッチなどからの信号が入力されることを想定し、さらに、負論理、すなわち、ロウレベル(0V)を有効レベルとして検知するように設計されているためである。
したがって、始動口1スイッチ37dと始動口2スイッチ38dとしてマイクロスイッチを使用する場合には、反転回路512を設けずに遊技用マイコン511に検出信号を直接入力させるように構成することができる。つまり、始動口1スイッチ37dと始動口2スイッチ38dからの負論理の信号を遊技用マイコン511に直接入力させたい場合には、近接スイッチを使用することはできない。前述のように近接I/F521は、信号のレベル変換機能を有する。このようなレベル変換機能を可能にするため、近接I/F521には、電源装置300から通常のICの動作に必要な例えば5Vのような電圧の他に、12Vの電圧が供給されるようになっている。
また、入力部520には、遊技機1の前面枠3等に設けられた不正検出用の磁気センサスイッチ39a及び振動センサスイッチ39bからの信号及び近接I/F521により変換された第1始動入賞口37内の始動口1スイッチ37d、第2始動入賞口38内の始動口2スイッチ38d、ゲートスイッチ34a、入賞口スイッチ44a〜44n、カウントスイッチ42dからの信号を取り込んでデータバス540を介して遊技用マイコン511に供給する入力ポート522が設けられている。入力ポート522が保持しているデータは、遊技用マイコン511が入力ポート522に割り当てられているアドレスをデコードすることによってイネーブル信号CE1をアサート(有効レベルに変化)することよって、読み出すことができる。後述の他のポートも同様である。
さらに、入力部520には、遊技機1の前面枠3に設けられた前枠開放検出スイッチ3b及びガラス枠18に設けられたガラス枠開放検出スイッチ18bからの信号、及び払出制御装置580からの払出異常を示すステータス信号や払出し前の遊技球の不足を示すシュート球切れスイッチ信号、オーバーフローを示すオーバーフロースイッチ信号を取り込んでデータバス540を介して遊技用マイコン511に供給する入力ポート523が設けられている。オーバーフロースイッチ信号は、下皿23に遊技球が所定量以上貯留されていること(満杯になったこと)を検出したときに出力される信号である。
また、入力部520には、電源装置300からの停電監視信号や初期化スイッチ信号、リセット信号などの信号を遊技用マイコン511等に入力するためのシュミットトリガ回路541が設けられており、シュミットトリガ回路541はこれらの入力信号からノイズを除去する機能を有する。電源装置300からの信号のうち停電監視信号と初期化スイッチ信号は、一旦、入力ポート523に入力され、データバス540を介して遊技用マイコン511に取り込まれる。つまり、前述の各種スイッチからの信号と同等の信号として扱われる。遊技用マイコン511に設けられている外部からの信号を受ける端子の数には制約があるためである。
一方、シュミットトリガ回路541によりノイズ除去されたリセット信号RSTは、遊技用マイコン511に設けられているリセット端子に直接入力されるとともに、出力部530の各出力ポートに供給される。また、リセット信号RSTは出力部530を介さずに中継基板591に直接出力することで、試射試験装置へ出力するために中継基板591のポート(図示省略)に保持される試射試験信号をオフするように構成されている。また、リセット信号RSTを中継基板591を介して試射試験装置へ出力可能に構成するようにしてもよい。なお、リセット信号RSTは入力部520の各入力ポート(522,523)には供給されない。リセット信号RSTが入る直前に遊技用マイコン511によって出力部530の各出力ポートに設定されたデータはシステムの誤動作を防止するためリセットする必要があるが、リセット信号RSTが入る直前に入力部520の各入力ポート(522,523)から遊技用マイコン511が読み込んだデータは、遊技用マイコン511のリセットによって廃棄されるためである。
出力部530は、データバス540に接続され払出制御装置580へ出力する4ビットのデータ信号とデータの有効/無効を示す制御信号(データストローブ信号)及び演出制御装置550へ出力するデータストローブ信号SSTBを生成する第1出力ポート531aと、演出制御装置550へ出力する8ビットのデータ信号を生成する第2出力ポート531bとを備える。遊技制御装置500から払出制御装置580及び演出制御装置550へは、パラレル通信でデータが送信される。また、出力部530には、演出制御装置550の側から遊技制御装置500へ信号を入力できないようにするため、すなわち、片方向通信を担保するために第1出力ポート531aからのデータストローブ信号SSTB及び第2出力ポート531bからの8ビットのデータ信号を出力する単方向のバッファ532aが設けられている。なお、第1出力ポート531aから払出制御装置580へ出力する信号に対してもバッファを設けるようにしてもよい。
さらに、出力部530には、データバス540に接続され図示しない認定機関の試射試験装置へ変動表示ゲームの特図柄情報を知らせるデータや大当りの確率状態を示す信号などを中継基板591を介して出力するバッファ532bが実装可能に構成されている。このバッファ532bは遊技店に設置される実機(量産販売品)としてのパチンコ遊技機の遊技制御装置(主基板)には実装されない部品である。なお、近接I/F521から出力される始動口スイッチなど加工の必要のないスイッチの検出信号は、バッファ532bを通さずに中継基板591を介して試射試験装置へ供給される。
一方、磁気センサスイッチ39aや振動センサスイッチ39bのようにそのままでは試射試験装置へ供給できない検出信号は、一旦、遊技用マイコン511に取り込まれて他の信号若しくは情報に加工されて、例えば遊技機が遊技制御できない状態であることを示すエラー信号としてデータバス540からバッファ532b、中継基板591を介して試射試験装置へ供給される。なお、中継基板591には、バッファ532bから出力された信号を取り込んで試射試験装置へ供給するポートや、バッファを介さないスイッチの検出信号の信号線を中継して伝達するコネクタなどが設けられている。中継基板591上のポートには、遊技用マイコン511から出力されるチップイネーブル信号CEも供給され、該信号CEにより選択制御されたポートの信号が試射試験装置へ供給されるようになっている。
また、出力部530には、データバス540に接続され特別変動入賞装置42を開成させるソレノイド(大入賞口ソレノイド42b)や第2始動入賞口38の開閉部材38aを開成させるソレノイド(普電ソレノイド38c)の開閉データと、一括表示装置50のLEDのカソード端子が接続されているデジット線のオン/オフデータを出力するための第3出力ポート531cが設けられている。さらに、一括表示装置50に表示する内容に応じてLEDのアノード端子が接続されているセグメント線のオン/オフデータを出力するための第4出力ポート531d、大当り情報など遊技機1に関する情報を外部情報端子508へ出力するための第5出力ポート531eが設けられている。外部情報端子508から出力された遊技機1に関する情報は、例えば遊技店に設置された情報収集端末や遊技場内部管理装置(図示省略)に供給される。
さらに、出力部530には、第1ドライバ(駆動回路)533a、第2ドライバ533b、第3ドライバ533c、及び第4ドライバ533dが設けられている。第1ドライバ533aは、第3出力ポート531cから出力される大入賞口ソレノイド42bの開閉データ信号を受けてソレノイド駆動信号や普電ソレノイド38bの開閉データ信号を受けてソレノイド駆動信号を生成し出力する。第2ドライバ533bは、第3出力ポート531cから出力される一括表示装置50の電流引き込み側のデジット線のオン/オフ駆動信号を出力する。第3ドライバ533cは、第4出力ポート531dから出力される一括表示装置50の電流供給側のセグメント線のオン/オフ駆動信号を出力する。第4ドライバ533dは、第5出力ポート531eから管理装置等の外部装置へ供給する外部情報信号を外部情報端子508へ出力する。
第1ドライバ533aには、32Vで動作するソレノイドを駆動できるようにするため、電源電圧としてDC32Vが電源装置300から供給される。また、一括表示装置50のセグメント線を駆動する第3ドライバ533cには、DC12Vが供給される。デジット線を駆動する第2ドライバ533bは、表示データに応じたデジット線を電流で引き抜くためのものであるため、電源電圧は12V又は5Vのいずれであってもよい。12Vを出力する第3ドライバ533cによりセグメント線を介してLEDのアノード端子に電流を流し込み、接地電位を出力する第2ドライバ533bによりカソード端子よりセグメント線を介して電流を引き抜くことで、ダイナミック駆動方式で順次選択されたLEDに電源電圧が流れて点灯される。外部情報信号を外部情報端子508へ出力する第4ドライバ533dは、外部情報信号に12Vのレベルを与えるため、DC12Vが供給される。なお、バッファ532bや第3出力ポート531c、第1ドライバ533a等は、遊技制御装置500の出力部530、すなわち、主基板ではなく、中継基板591側に設けるようにしてもよい。
さらに、出力部530には、外部の検査装置へ各遊技機の識別コードやプログラムなどの情報を送信するためのフォトカプラ534が設けられている。フォトカプラ534は、遊技用マイコン511が検査装置との間でシリアル通信によってデータの送受信を行えるように双方通信可能に構成されている。なお、かかるデータの送受信は、通常の汎用マイクロプロセッサと同様に遊技用マイコン511が有するシリアル通信端子を利用して行われるため、入力ポート522のようなポートは設けられていない。
次に、図4を用いて、演出制御装置550の構成について説明する。図4は、本発明の第1の実施の形態の演出制御装置550の構成を示すブロック図である。
演出制御装置550は、遊技用マイコン511と同様にアミューズメントチップ(IC)からなる主制御用マイコン(1stCPU)551と、該主制御用マイコン551の制御下でもっぱら映像制御を行う映像制御用マイコン(2ndCPU)554と、該映像制御用マイコン554からのコマンドやデータに従って表示装置48への映像表示のための画像処理を行うグラフィックプロセッサとしてのVDP(Video Display Processor)558と、各種のメロディや効果音などをスピーカー30(30a,30b)から再生させるため音の出力を制御する音源LSI560を備えている。
主制御用マイコン(1stCPU)551と映像制御用マイコン(2ndCPU)554には、各CPUが実行するプログラムを格納したPROM(プログラマブルリードオンリメモリ)からなるプログラムROM553、555がそれぞれ接続され、VDP558にはキャラクター画像や映像データが記憶された画像ROM556が接続され、音源LSI560には音声データが記憶された音声ROM561が接続されている。主制御用マイコン(1stCPU)551は、遊技用マイコン511からのコマンドを解析し、演出内容を決定して映像制御用マイコン554へ出力映像の内容を指示したり、音源LSI560への再生音の指示、装飾ランプの点灯、モータの駆動制御、演出時間の管理などの処理を実行する。主制御用マイコン(1stCPU)551と映像制御用マイコン(2ndCPU)554の作業領域を提供するRAMは、それぞれのチップ内部に設けられている。なお、作業領域を提供するRAMはチップの外部に設けるようにしてもよい。
特に限定されるわけではないが、主制御用マイコン(1stCPU)551と映像制御用マイコン(2ndCPU)554との間、主制御用マイコン(1stCPU)551と音源LSI560との間は、それぞれシリアル方式でデータの送受信が行われ、映像制御用マイコン(2ndCPU)554との間、主制御用マイコン(1stCPU)551とVDP558との間は、パラレル方式でデータの送受信が行われるように構成されている。パラレル方式でデータを送受信することで、シリアル方式の場合よりも短時間にコマンドやデータを送信することができる。VDP558には、画像ROM556から読み出されたキャラクターなどの画像データを展開したり加工したりするのに使用される超高速なVRAM(ビデオRAM)558aや、画像を拡大、縮小処理するためのスケーラ558b、LVDS(小振幅信号伝送)方式で表示装置48へ送信する映像信号を生成する信号変換回路558cなどが設けられている。
VDP558から主制御用マイコン551へは表示装置48の映像と前面枠3や遊技盤10に設けられている装飾ランプの点灯を同期させるために垂直同期信号VSYNCが入力される。さらに、VDP558から映像制御用マイコン554へは、VRAM558aへの描画の終了等処理状況を知らせるため割込み信号INT0〜n及び映像制御用マイコン554からのコマンドやデータの受信待ちの状態にあることを知らせるためのウェイト信号WAITが入力される。また、映像制御用マイコン554から主制御用マイコン551へは、映像制御用マイコン554が正常に動作していることを知らせるとともにコマンドの送信タイミングを与える同期信号SYNCが入力される。主制御用マイコン551と音源LSI560との間は、ハンドシェイク方式でコマンドやデータの送受信を行うために、呼び掛け(コール)信号CTSと応答(レスポンス)信号RTSが交換される。
なお、映像制御用マイコン(2ndCPU)554には、主制御用マイコン(1stCPU)551よりも性能の高いCPUが使用されている。主制御用マイコン(1stCPU)551とは別に映像制御用マイコン(2ndCPU)554を設けて処理を分担させることによって、主制御用マイコン(1stCPU)551のみでは実現困難な大画面で動きの速い映像を表示装置48に表示させることが可能となる。さらに、映像制御用マイコン(2ndCPU)554と同等な処理能力を有するCPUを2個使用する場合と比較してコストの上昇を抑制することができる。また、CPUを2つ設けることによって、各CPUで実行される制御プログラムを並行して開発することが可能となり、これによって新機種の開発期間を短縮することができる。
また、演出制御装置550には、遊技制御装置500から送信されてくるコマンドを受信するインタフェースチップ(コマンドI/F)552が設けられている。このコマンドI/F552を介して、遊技制御装置500から演出制御装置550へ送信された変動開始コマンド、客待ちデモコマンド、ファンファーレコマンド、確率情報コマンド、及びエラー指定コマンド等を、演出制御指令信号として受信する。遊技制御装置500の遊技用マイコン511はDC5Vで動作し、演出制御装置550の主制御用マイコン(1stCPU)551はDC3.3Vで動作するため、コマンドI/F552には信号のレベル変換の機能が設けられている。
また、演出制御装置550には、遊技盤10(センターケース46を含む)に設けられているLED(発光ダイオード)を有する盤装飾装置10dを制御する盤装飾LED制御回路10c、前面枠3に設けられているLED(発光ダイオード)を有する枠装飾装置18dを制御する枠装飾LED制御回路18c、遊技盤10(センターケース46を含む)に設けられている盤演出装置(例えば表示装置48における演出表示と協働して演出効果を高める電動役物等)10fを駆動制御する盤演出モータ/SOL制御回路334、前面枠3に設けられている枠演出装置(例えば前述した第1可動式照明13、第2可動式照明14を動作させるモータ等)18fを駆動制御する枠演出モータ制御回路18eが設けられている。なお、ランプやモータ及びソレノイドなどを駆動制御するこれらの制御回路(10c、18c、10e、18e)は、アドレス/データバス559を介して主制御用マイコン(1stCPU)551と接続されている。
さらに、演出制御装置550には、遊技機1の前面に設けられた演出ボタン31に内蔵されているスイッチ31aや盤演出装置10f内のモータの初期位置を検出する演出モータスイッチのオン/オフ状態を検出して主制御用マイコン(1stCPU)551へ検出信号を入力するスイッチ入力回路336、前面枠3に設けられた上スピーカー30aを駆動するオーディオパワーアンプなどからなるアンプ回路562a、前面枠3に設けられた下スピーカー30bを駆動するアンプ回路562bが設けられている。
電源装置300の通常電源部310は、前述のような構成を有する演出制御装置550やそれによって制御される電子部品に対して所望のレベルの直流電圧を供給するため、モータやソレノイドを駆動するためのDC32V、液晶パネル等からなる表示装置48を駆動するためのDC12V、コマンドI/F552の電源電圧となるDC5Vの他に、LEDやスピーカーを駆動するためのDC18Vやこれらの直流電圧の基準としたり電源モニタランプを点灯させるのに使用するNDC24Vの電圧を生成したりするように構成されている。さらに、主制御用マイコン(1stCPU)551や映像制御用マイコン(2ndCPU)554として、3.3Vあるいは1.2Vのような低電圧で動作するLSIを使用する場合には、DC5Vに基づいてDC3.3VやDC1.2Vを生成するためのDC−DCコンバータが演出制御装置550に設けられる。なお、DC−DCコンバータは通常電源部310に設けるようにしてもよい。
電源装置300の制御信号生成部330により生成されたリセット信号RSTは、主制御用マイコン551、映像制御用マイコン554、VDP558、音源LSI560、ランプやモータなどを駆動制御する制御回路(10c〜18e)、スピーカーを駆動するアンプ回路562a、562bに供給され、これらをリセット状態にする。また、本実施形態においては、映像制御用マイコン554の有する汎用のポートを利用して、VDP558に対するリセット信号を生成して供給する機能を有するように構成されている。これにより、映像制御用マイコン554とVDP558の動作の連携性を向上させることができる。
以上が、本発明の第1の実施の形態における遊技機1の構成である。次に、これらの制御回路によって行われる遊技制御について説明する。
遊技制御装置500の遊技用マイコン511のCPU511aでは、普図始動ゲート34に備えられたゲートスイッチ34aからの遊技球の検出信号の入力に基づき、普図の当り判定用乱数値を抽出してROM511bに記憶されている判定値と比較し、普図変動表示ゲームの当り外れを判定する処理を行う。そして、普図表示器53に、識別図柄を所定時間変動表示した後、停止表示する普図変動表示ゲームを表示する処理を行う。この普図変動表示ゲームの結果が当りの場合は、普図表示器53に特別の結果態様を表示するとともに、普電ソレノイド38bを動作させ、第2始動入賞口38の開閉部材38aを所定時間開放する制御を行う。
なお、普図変動表示ゲームの結果がはずれの場合は、普図表示器53にはずれの結果態様を表示する制御を行う。
また、第1始動入賞口37に備えられた始動口1スイッチ37dからの遊技球の検出信号の入力に基づき始動入賞(始動記憶)を記憶し、この始動記憶に基づき、特図1変動表示ゲームの大当り判定用乱数値を抽出してROM511bに記憶されている判定値と比較し、特図1変動表示ゲームの当り外れを判定する処理を行う。
また、第2始動入賞口38に備えられた始動口2スイッチ38dからの遊技球の検出信号の入力に基づき始動記憶を記憶し、この始動記憶に基づき、特図2変動表示ゲームの大当り判定用乱数値を抽出してROM511bに記憶されている判定値と比較し、特図2変動表示ゲームの当り外れを判定する処理を行う。
そして、遊技制御装置500のCPU511aは、上記の特図1変動表示ゲームや特図2変動表示ゲームの判定結果を含む制御信号(演出制御コマンド)を、演出制御装置550に出力する。そして、特図1表示器51や特図2表示器52に、識別図柄を所定時間変動表示した後、停止表示する特図変動表示ゲームを表示する処理を行う。
また、演出制御装置550では、遊技制御装置500からの制御信号に基づき、表示装置48で特図変動表示ゲームに対応した飾り特図変動表示ゲームを表示する処理を行う。
さらに、演出制御装置550では、遊技制御装置500からの制御信号に基づき、スピーカー30(30a,30b)からの音の出力、各種LEDの発光を制御する処理等を行う。
そして、遊技制御装置500のCPU511aは、特図変動表示ゲームの結果が当りの場合は、特図1表示器51や特図2表示器52に特別結果態様を表示するとともに、特別遊技状態を発生させる処理を行う。
特別遊技状態を発生させる処理においては、CPU511aは、例えば、大入賞口ソレノイド42bにより特別変動入賞装置42の開閉扉42aを開放させ、大入賞口内への遊技球の流入を可能とする制御を行う。
そして、大入賞口に所定個数(例えば、10個)の遊技球が入賞するか、大入賞口の開放から所定時間(例えば、25秒又は1秒)が経過するかのいずれかの条件が達成されるまで大入賞口を開放することを1ラウンドとし、これを所定ラウンド回数(例えば、15回又は2回)継続する(繰り返す)制御(サイクル遊技)を行う。
また、特図変動表示ゲームの結果がはずれの場合は、特図1表示器51や特図2表示器52にはずれの結果態様を表示する制御を行う。
図5は、本発明の第1の実施の形態の第2始動入賞口38の開閉部材38aの動作態様を示す普図状態の種類を示す図である。
本発明の第1の実施の形態の普図状態は、第2始動入賞口38の開閉部材38aの動作態様に対応する。普図状態には、非入賞容易状態(普電サポートなし)と入賞容易状態(普電サポートあり)とが含まれる。また、普図状態は、第2始動入賞口38の開閉部材38aの動作態様に対応する遊技状態であるため、特図変動表示ゲームの当選確率などには依存しない。
非入賞容易状態は、第2始動入賞口38の開閉部材38aが開放状態になりにくく、第2始動入賞口38に遊技球が入賞しにくい状態である。また、非入賞容易状態には、「低サポ」状態(第1遊技状態)が含まれている。
一方、入賞容易状態は、非入賞容易状態と比較して第2始動入賞口38の開閉部材38aが開放状態になりやすい状態である。また、本発明の第1の実施の形態の入賞容易状態には、「中サポ」状態(第3遊技状態)及び「高サポ」状態(第2遊技状態、特定遊技状態)が含まれている。
以下、普図状態(非入賞容易状態及び入賞容易状態)についてさらに詳しく説明する。第2始動入賞口38の開閉部材38aの動作態様の要素としては、一例として、図5に示すように、「普図当り確率」、「普図変動時間」、「普電開放時間」が含まれる。
普図当り確率は、普図変動表示ゲームが当りとなる確率であり、この値が大きいほど遊技者に有利になる。
普図変動時間は、普図変動表示ゲームが実行される時間、いわゆる変動時間であって、保留数の制限(例えば、最大4個)があるため、普図変動時間が短ければより多くの普図変動表示ゲームを実行することが可能となる。したがって、普図変動時間の値が小さいほど遊技者に有利になる。
普電開放時間は、第2始動入賞口38の開閉部材38aが開放されている時間を示している。第2始動入賞口38は、開閉部材38aが開放状態の場合にのみ入賞可能となっているため、開閉部材38aが開放されている時間が長いほど遊技者にとって有利な状態となる。
図5を参照すると、「低サポ」状態では、普図変動表示ゲームの当り確率(普図当り確率)が1/251であり、普図変動表示ゲームの変動時間(普図変動時間)が20秒となっている。また、第2始動入賞口38の開閉部材が開放される時間(普電開放時間)については、普図変動表示ゲームで当りが発生した場合に第2始動入賞口38の開閉部材38aが0.1秒間、1回だけ開放される。
このように、「低サポ」状態では、普図変動表示ゲームの当り確率が小さく、普図変動表示ゲームが当りとなった場合であっても第2始動入賞口38の開閉部材38aが開放状態となるのは短時間である。また、後述する入賞容易状態よりも普図変動時間が長く、普図変動表示ゲームを実行するための始動(保留)記憶数に制限があるため、普図変動表示ゲームの実行回数も少なくなる。
これに対し、入賞容易状態では、前述のように、非入賞容易状態よりも第2始動入賞口38に遊技球が入賞しやすい状態となっている。
中サポ状態では、普図当り確率は、低サポ状態と同じ1/251となっているが、普図変動時間は19.9秒、普電開放時間が0.12秒と低サポ状態よりも若干有利になっている。本発明の第1の実施の形態では、中サポ状態は、低サポ状態の動作態様と遊技者が区別できない程度に類似しているが、低サポ状態よりも遊技者にとって有利な状態であって、後述する高サポ状態よりも遊技者にとって不利な状態であればよい。
一方、高サポ状態では、普図当り確率が250/251、普図変動時間が1.0秒、さらに、普電開放時間が1.70秒で3回となっている。すなわち、普図変動表示ゲームにおいてほぼ毎回当りが発生することにとなり、第2始動入賞口38の開閉部材38aが開放状態となる時間及び回数が低サポ状態及び中サポ状態よりも多くなる。さらに、普図変動時間が短いため、短時間でより多くの普図変動表示ゲームを実行することが可能となる。したがって、高サポ状態では、低サポ状態や中サポ状態よりも遊技者にとって有利な状態となっている。
本発明の第1の実施の形態の遊技機1では、特図変動表示ゲームで大当りが発生し、特別遊技状態が終了した後、遊技者に有利な様々な遊技状態に移行する。これらの遊技状態は、大当り発生時の遊技状態、大当りを発生させた特図変動表示ゲームにおける始動入賞口、大当り図柄の種類に応じて決定される。これらの遊技状態では、特図変動表示ゲームの当選確率が通常よりも高くなったり、普図状態が入賞容易状態になったりする。
以下、本発明の第1の実施の形態における遊技状態について図6及び図7を参照しながら説明する。図6及び図7には、現在の遊技状態及び大当り図柄の組み合わせに基づいて移行する状態が示されている。図6は特図1変動表示ゲームが実行された場合(第1始動入賞口37に遊技球が入賞した場合)、図7は特図2変動表示ゲームが実行された場合(第2始動入賞口38に遊技球が入賞した場合)について示している。
本発明の第1の実施の形態における遊技状態には、「通常状態」、「時短状態」、「潜伏確変状態」、「確変サポ有り状態1」及び「確変サポ有り状態2」が含まれる。
通常状態とは、特図変動表示ゲームの当選確率が低確率、普図状態が非入賞容易状態(低サポ状態)となっている場合である。時短状態とは、特図変動表示ゲームの当選確率が低確率、普図状態が入賞容易状態(特に高サポ状態)となっている場合である。潜伏確変状態とは、特図変動表示ゲームの当選確率が高確率、普図状態が非入賞容易状態(低サポ状態)となっている場合である。
確変サポ有り状態は、入賞容易状態(普電サポート有り、中サポ状態、高サポ状態)で、特図変動表示ゲームの当選確率が高確率の状態である。なお、普図状態が中サポ状態の場合が確変サポ有り状態1であり、高サポ状態の場合が確変サポ有り状態2である。
また、本発明の第1の実施の形態の大当り図柄には、15R(ラウンド)通常、2R確変A、2R確変B、2R確変C、2R確変D、2R確変E、15R確変A、15R確変B、15R確変C、15R確変Dが含まれる。大当り図柄が15R通常の場合には、特別遊技状態終了後、特図変動表示ゲームで大当りとなる確率が低い状態となる。大当り図柄が2R確変及び15R確変の場合には、特別遊技状態終了後、特図変動表示ゲームで大当りとなる確率が通常状態よりも高い状態(確変状態)となる。
まず、図6を参照しながら特図1変動表示ゲームで大当りが発生した場合について説明する。特図1変動表示ゲームで大当りが発生した場合の大当り図柄の振り分けは、15R通常に8%、2R確変Aに10%、2R確変Bに20%、2R確変Cに30%、2R確変Dに20%、2R確変Eに10%、15R確変Aに2%となっている。
現在の遊技状態が通常状態の場合に、大当り図柄が15R通常で大当りとなった場合には、特別遊技状態終了後、高サポ状態が100回継続する。この回数は、特図変動表示ゲームの実行回数に対応する。すなわち、特別遊技状態終了後に、特図変動表示ゲームの結果が100回連続してはずれると、高サポ状態から低サポ状態(通常状態)に移行する。
また、現在の遊技状態が通常状態の場合に、大当り図柄が2R確変Aで大当りとなった場合には、特別遊技状態終了後、低サポ状態に移行する。このとき、特図変動表示ゲームの当選確率が高確率となっているため、いわゆる潜伏確変状態に移行することになる。
さらに、現在の遊技状態にかかわらず、大当り図柄が15R確変Aで大当りとなった場合には(第1条件)、特別遊技状態終了後、次回大当りが発生するまで、特図変動表示ゲームの当選確率が高確率、かつ、普図状態が高サポ状態となる確変サポ有り状態2に移行する。
また、通常状態又は確変サポ有り状態で2R確変B〜Eの大当りが発生すると(第2条件)、普図状態が中サポ状態に移行し、その後、所定の回数(天井回数)大当りが発生しなければ、低サポ状態(第4遊技状態=第1遊技状態)に移行する。このとき、特図変動表示ゲームの当選確率は高確率のままであるため、確変サポ有り状態1から潜伏確変状態に移行することになる。
また、潜伏確変状態で15R通常以外の大当りが発生すると(第1条件)、普図状態が高サポ状態となり、特図変動表示ゲームの当選確率は高確率であるため、確変サポ有り状態2に移行する。
続いて、図7を参照しながら特図2変動表示ゲームで大当りが発生した場合について説明する。
第2始動入賞口38に遊技球が入賞して特図2変動表示ゲームが実行されて大当りが発生すると、特図1変動表示ゲームで大当りが発生する場合よりも遊技者にとって価値の高い大当りが発生する確率が高くなる。第1始動入賞口37には普図状態に依存せずに遊技球が入賞可能であることに対し、第2始動入賞口38に遊技球が入賞するためには、第2始動入賞口38の開閉部材38aが開放状態である必要があり、高サポ状態でなければ、第2始動入賞口38に遊技球が入賞しにくいためである。
図7を参照すると、特図2変動表示ゲームで大当りが発生した場合の大当り図柄の振り分けは、15R通常の場合は特図1変動表示ゲームの場合と同じ(8%)であるが、大当り図柄が15R確変Dの振り分けが90%となり、現在の遊技状態にかかわらず、特図変動表示ゲームの当選確率が高確率、かつ、普図状態が高サポ状態に移行する確率が高くなる。
また、15R確変B及び15R確変Cにはそれぞれ1%振り分けられ、通常状態又は確変サポ有り状態で大当りが発生すると、普図状態が中サポ状態に移行し、その後、所定の回数(天井回数)大当りが発生しなければ、低サポ状態(第4遊技状態)に移行する。時短状態又は潜伏確変状態で大当りが発生した場合には、普図状態が高サポ状態となり、確変サポ有り状態2に移行する。
ここで、各遊技状態の遷移について、図8及び図9を参照しながら説明する。図8は、各遊技状態が他の遊技状態に遷移する主なパターンを示す状態遷移図であり、特に、本発明の第1の実施の形態の特有の状態遷移について記載し、一般的な状態遷移、例えば、通常状態から確変サポ有り状態2への移行などについては一部省略している。図9には、各遊技状態の遷移を省略していない詳細な状態遷移図を示している。
停電後などでなければ、通常、遊技を開始した時点では、通常状態となっている。通常状態で大当りが発生した場合、特図1変動表示ゲームの場合で80%、特図2変動表示ゲームの場合で2%の確率で確変サポ有り状態1に遷移する。通常状態では、低サポ状態(普電サポートなしの状態であるため、特図2変動表示ゲームが実行される可能性は非常に少ない。したがって、特図変動表示ゲームで大当りが発生すると、ほぼ80%の確率で通常状態から確変サポ有り状態1に遷移する。確変サポ有り状態1は、前述のように、特図変動表示ゲームの当選確率が高確率で、普図状態が中サポ状態となっている。
また、確変サポ有り状態1では特図2変動表示ゲームが実行される確率が低いため、大当りが発生してもほぼ80%の確率で引き続き確変サポ有り状態1に遷移する。一方、確変サポ有り状態1に遷移した後、大当りが発生せずに、所定ゲーム回数(天井回数)を消化すると、潜伏確変状態に遷移する。図6に示すように、潜伏確変状態では15R通常以外の大当り図柄で大当りが発生すると、次回大当りが発生するまでの間、高サポ状態(確変サポ有り状態2)が継続する。
したがって、遊技状態が、確変サポ有り状態1である間は大当りが発生しても、2R確変が発生し、普図状態が中サポ状態のままである確率が高いため、大量の遊技価値(賞球)を取得しにくい。しかし、確変サポ有り状態1となってから所定のゲーム回数(天井)、大当りを発生させずに消化させると、潜伏確変状態に移行する。潜伏確変状態に移行すると、15R通常以外の大当り図柄で大当りが発生すれば、次に大当りが発生するまでの間、確変サポ有り状態2、すなわち、特図変動表示ゲームの当選確率が高確率、かつ、普図状態が高サポ状態に移行する。潜伏確変状態では、特図変動表示ゲームの当選確率が高くなっており、図6を参照すると、大当り時に確変サポ有り状態2に移行する確率、すなわち、15R通常以外の大当り図柄で大当りが発生する確率は92%となっている。
そして、確変サポ有り状態2に遷移すると、高サポ状態であるため、第2始動入賞口38に遊技球が入賞しやすくなり、特図2変動表示ゲームを実行しやすくなる。特図2変動表示ゲームが実行されれば、90%の確率で連続して確変サポ有り状態2に遷移する15R確変Dに大当り図柄が振り分けられる。すなわち、潜伏確変状態に移行すれば、高確率で確変サポ有り状態2に移行することが可能となり、大量の遊技価値(賞球)を取得しやすい状態となる。
以上のように、本発明の第1の実施の形態の遊技機1では、確変サポ有り状態1に遊技状態が遷移すると、大当りを発生させずに潜伏確変状態に遷移することを目指すなど、遊技者にとって最も有利な確変サポ有り状態2を目指すプロセスを多様化することが可能となる。また、大当たり図柄に応じた複数種類の天井回数を設定することも可能であるため、さらに、きめ細かい状態遷移を行うことが可能となり、さらにバリエーションに富んだゲーム性をもった遊技を提供することが可能となる。
さらに、図9を参照しながら、状態遷移についてさらに説明する。特図変動表示ゲームで大当りが発生した場合と、特図変動表示ゲームが所定の回数実行され、大当りが発生しなかった場合に、遊技状態が他の遊技状態に遷移する。以下、各遊技状態において、他の遊技状態から当該遊技状態に遷移する場合と、当該遊技状態から他の遊技状態に遷移する場合について説明する。
まず、通常状態の場合について説明する。通常状態に移行する場合としては、時短状態で大当りが発生せずに所定の回数、特図変動表示ゲームが実行された場合である。また、通常状態で15R通常の大当りが発生した場合には、時短状態に移行する。
また、2R確変Aで大当りが発生した場合には潜伏確変状態に遷移し、その他の2R確変で大当りが発生した場合には確変サポ有り状態1に遷移する。また、15R確変A又は15R確変Dで大当りが発生した場合には確変サポ有り状態2に遷移する。さらに、15R確変B又は15R確変Cで大当りが発生した場合には確変サポ有り状態1に遷移する。
次に、時短状態の場合について説明する。現在の遊技状態を問わず、15R通常で大当りが発生すると時短状態に移行する。また、前述のように、時短状態において所定回数の特図変動表示ゲームが、大当りが発生することなく実行されると、通常状態に遷移する。さらに、時短状態において確変大当り(2R、15R)が発生すると、確変サポ有り状態2に遷移する。
次に、確変サポ有り状態1の場合について説明する。通常状態、確変サポ有り状態1又は確変サポ有り状態2で、2R確変(Aを除く)又は15R確変B、15RCが発生すると、各遊技状態から確変サポ有り状態1に遷移する。通常状態又は確変サポ有り状態1では、前述のように、特図1変動表示ゲームが実行される確率が高くなるように構成されており、確変サポ有り状態1で大当りが発生すると、再び確変サポ有り状態1に遷移する可能性が高くなるように構成されている。
次に、確変サポ有り状態2の場合について説明する。通常状態又は確変サポ有り状態1で、15R確変A又はDが発生すると、確変サポ有り状態2に遷移する。また、時短状態又は潜伏確変状態で、確変大当り(2R、15R)が発生した場合にも確変サポ有り状態2に遷移する。確変サポ有り状態2の場合には、2R確変A、15R確変A又はDが発生すると、再び確変サポ有り状態2に遷移する。一方、確変サポ有り状態2で15R通常の大当りが発生すると、時短状態に遷移する。また、2R確変(Aを除く)又は15R確変B、Cが発生すると、確変サポ有り状態1に遷移する。
最後に、潜伏確変状態の場合について説明する。通常状態で2R確変Aの大当りになった場合と、確変サポ有り状態1で特図変動表示ゲームが所定回数実行され、大当りが発生しなかった場合に潜伏確変状態に遷移する。潜伏確変状態で確変大当り(2R、15R)が発生すると、確変サポ有り状態2に遷移する。また、15R通常で大当りが発生すると他の遊技状態と同様に、時短状態に移行する。
ここで、さらに、図10及び図11を参照しながら、特定の大当り図柄で大当りが発生した場合における状態遷移について詳しく説明する。
図10は、本発明の第1の実施の形態で大当り図柄が2R確変Cで大当りが発生した場合の状態遷移について説明する図である。
通常状態で2R確変Cの大当りが発生すると、確変サポ有り状態1に遷移する。また、確変サポ有り状態1で2R確変Cの大当りが発生すると、再び確変サポ有り状態1に遷移する。このとき、2R確変Cの大当りが発生して確変サポ有り状態1に遷移した場合には、潜伏確変状態に遷移するための所定回数は70回となる。なお、15R確変Bによって確変サポ有り状態1に遷移した場合には所定回数は20回となる。
潜伏確変状態で2R確変Cの大当りが発生すると、確変サポ有り状態2に遷移する。また、確変サポ有り状態2で2R確変Cの大当りが発生すると、確変サポ有り状態1に遷移する。最後に、時短状態で2R確変Cの大当りが発生すると、確変サポ有り状態2に遷移する。なお、確変サポ有り状態2及び時短状態では、高サポ状態となっており、特図2変動表示ゲームが特図1変動表示ゲームよりも優先して実行されるため、この状態では2R確変Cの大当りは発生しにくいようになっている。
図11は、本発明の第1の実施の形態で大当り図柄が15R確変Bで大当りが発生した場合の状態遷移について説明する図である。
通常状態で15R確変Bの大当りが発生すると、確変サポ有り状態1に遷移する。なお、通常状態では第2始動入賞口38に遊技球が入賞しにくいため、特図2変動表示ゲームが実行されにくくなっている。
また、確変サポ有り状態1で15R確変Bの大当りが発生すると、再び確変サポ有り状態1に遷移する。このとき、15R確変Bの大当りが発生して確変サポ有り状態1に遷移した場合には、潜伏確変状態に遷移するための所定回数は20回となる。なお、2R確変Cによって確変サポ有り状態1に遷移した場合には所定回数は70回となる。潜伏確変状態で15R確変Bの大当りが発生すると、確変サポ有り状態2に遷移する。なお、確変サポ有り状態1及び潜伏確変状態では第2始動入賞口38に遊技球が入賞しにくいため、特図2変動表示ゲームが実行されにくくなっている。
また、確変サポ有り状態2で15R確変Bの大当りが発生すると、確変サポ有り状態1に遷移する。この場合には、高サポ状態から中サポ状態に遷移するため、遊技者にとって不利な状態に遷移してしまう。最後に、時短状態で15R確変Bの大当りが発生すると、確変サポ有り状態2に遷移する。確変サポ有り状態2及び時短状態では、特図2変動表示ゲームのほうが特図1変動表示ゲームよりも実行されやすいが、図7を参照すると、15R確変Bの大当りが選択される割合(1%)は非常に低くなっている。
以上が、本発明の第1の実施の形態における遊技状態の遷移に関する説明である。続いて、本発明の第1の実施の形態における遊技状態の遷移を実現するための手順について説明する。以下、遊技制御装置500による制御について具体的な処理を説明する。
〔メイン処理(遊技制御装置)〕
まず、メイン処理について説明する。図12Aは、本発明の第1の実施の形態のメイン処理の前半部のフローチャートである。図12Bは、本発明の第1の実施の形態のメイン処理の後半部のフローチャートである。
メイン処理は、遊技機1の電源投入時に実行される。例えば、遊技場で営業を開始するために遊技機の電源を投入する場合や停電から復帰した場合に実行される。
遊技制御装置500は、メイン処理の実行が開始されると、まず、割込み禁止する(S1201)。次いで、割込みが発生した場合に実行されるジャンプ先を示すベクタアドレスを設定する割込みベクタ設定処理を実行する(S1202)。さらに、割込みが発生したときにレジスタ等の値を退避する領域の先頭アドレスであるスタックポインタを設定する(S1203)。さらに、割込み処理のモードを設定する(S1204)。
次に、遊技制御装置500は、払出制御装置(払出基板)580のプログラムが正常に起動するまで待機する(S1205)。例えば、4ミリ秒間待機する。このように制御することによって、電源投入の際に、遊技制御装置500が先に起動してしまい、払出制御装置580の起動が完了する前に、コマンドを当該払出制御装置580に送信してしまい、払出制御装置580が送信されたコマンドを取りこぼすのを回避することができる。
その後、遊技制御装置500は、RAMやEEPROM等の読出し書込み可能なRWM(リードライトメモリ)に対するアクセスを許可する(S1206)。さらに、全出力ポートをオフ(出力が無い状態)に設定する(S1207)。また、遊技用マイコン511に予め搭載されているシリアルポートを使用しない状態に設定する(S1208)。本実施形態では、払出制御装置580や演出制御装置550とパラレル通信を行っているため、シリアルポートを使用しないためである。
続いて、遊技制御装置500は、電源装置300内の初期化スイッチ信号がオンに設定されているか否か判定する(S1209)。初期化スイッチ信号は、遊技機1に電源が投入された場合に、初期化された状態で遊技を開始するか否かを設定するための信号である。例えば、閉店時などに正常に電源が切断され、翌日の開店時に電源が投入された場合には、初期化された状態で遊技が開始されるように、初期化スイッチ信号がオンに設定される。一方、停電発生後に再度電源が投入された場合には、遊技を可能な限り停電前の遊技状態に近い状態で再開するために、遊技機が初期化されないように、初期化スイッチ信号がオフに設定される。
遊技制御装置500は、初期化スイッチ信号がオフに設定されている場合には(S1209の結果が「N」)、RWM内の停電検査領域のデータが正常であるか否かをチェックする(S1210〜S1213)。さらに詳しく説明すると、停電検査領域には、停電検査領域1及び停電検査領域2が含まれている。そして、停電検査領域1には停電検査領域チェックデータ1、停電検査領域2には停電検査領域チェックデータ2が記憶される。S1210及びS1211の処理では停電検査領域1に記憶された停電検査領域チェックデータ1が正常であるか否かをチェックする。同様に、S1212及びS1213の処理では停電検査領域2に記憶された停電検査領域チェックデータ2が正常であるか否かをチェックする。
遊技制御装置500は、RWM内の停電検査領域の停電検査領域チェックデータが正常であると判定された場合には(S1213の結果が「Y」)、チェックサムと呼ばれる検証用データを算出するチェックサム算出処理を実行する(S1214)。
そして、遊技制御装置500は、チェックサム算出処理で算出されたチェックサムの値と、電源切断時に算出されたチェックサムの値とを比較し(S1215)、これらの値が一致するか否かを判定する(S1216)。
一方、遊技制御装置500は、初期化スイッチ信号がオンに設定されている場合(S1209の結果が「Y」)、停電検査領域の値が正常でない場合(S1211又はS1213の結果が「N」)、電源切断時のチェックサムの値とS1214の処理で算出されたチェックサムの値とが一致しない場合には(S1216の結果が「N」)、S1239〜S1243の初期化処理を実行する。初期化処理の詳細については後述する。
遊技制御装置500は、算出されたチェックサムの値と電源切断時のチェックサムの値とが一致する場合には(S1216の結果が「Y」)、停電処理が正常に実行されたため、停電前の状態に復旧させるための処理を実行する(S1217〜S1223)。まず、停電時の情報が正常に記憶されていたか否かを判定するための情報が記憶されていた、RWM(リードライトメモリ:実施例ではRAM)内の領域をクリア(初期化)する。具体的には、すべての停電検査領域をクリアし(S1217)、チェックサムが記憶されていた領域をクリアする(S1218)。さらに、エラー関連の情報、及び不正行為を監視するための情報を記憶する領域をリセットする(S1219)。
次に、遊技制御装置500は、RWM内の遊技状態を記憶する領域から停電発生時に特図変動表示ゲームの当選確率が高確率であったか否かを判定する(S1220)。高確率でないと判定された場合には(S1220の結果が「N」)、S1223以降の処理を実行する。
また、遊技制御装置500は、停電発生時に特図変動表示ゲームの当選確率が高確率であった場合には(S1220の結果が「Y」)、高確率報知フラグをオンに設定して高確率報知フラグ領域にセーブ(保存)する(S1221)。続いて、一括表示装置50に設けられる高確率報知LED(第3遊技状態表示器58)をオン(点灯)に設定する(S1222)。
さらに、遊技制御装置500は、特図ゲーム処理番号に対応する停電復旧時のコマンドを演出制御装置550に送信する(S1223)。特図ゲーム処理番号は、特図ゲームの状態を示す番号であり、停電発生時にRWMの所定の領域に記憶されている。このように、特図ゲーム処理番号に対応する停電復旧時のコマンドを演出制御装置550に送信することによって、可能な限り停電発生前に近い状態で遊技を再開することができるのである。
ここで、初期化処理を実行する場合について説明する。前述のように、初期化処理は、正常に電源が切断された遊技機を起動する場合や停電発生前の状態に復帰できない場合に実行される。
遊技制御装置500は、初期化処理において、まず、アクセス禁止領域よりも前の全作業領域をクリアする(S1239)。さらに、アクセス禁止領域よりも後の全スタック領域をクリアする(S1240)。そして、初期化された領域に電源投入時用の初期値をセーブ(保存)する(S1241)。
続いて、遊技制御装置500は、RWMクリアに関する外部情報を出力する期間に対応する時間値を設定する(S1242)。そして、初期化処理の最後に電源投入時のコマンドを演出制御装置550に送信し(S1243)、S1224以降の処理を実行する。
遊技制御装置500は、S1223又はS1243の処理が終了すると、遊技用マイコン511(クロックジェネレータ)内のタイマ割込み信号及び乱数更新トリガ信号(CTC)を発生するCTC(Counter/Timer Circuit)回路を起動させる(S1224)。
なお、CTC回路は、遊技用マイコン511内のクロックジェネレータに設けられている。クロックジェネレータは、水晶発振器513からの発振信号(原クロック信号)を分周する分周回路と、前述したCTC回路とを備えている。タイマ割込み信号は、分周された信号に基づいてCPU511aに所定周期(例えば、4ミリ秒)のタイマ割込みを発生させるための信号である。乱数更新トリガ信号(CTC)は、分周された信号に基づいて乱数生成回路に供給され、乱数生成回路が乱数を更新するトリガとなる。
遊技制御装置500は、CTC回路を起動すると、乱数生成回路の起動設定を行う(S1225)。具体的には、CPU511aが乱数生成回路内の所定のレジスタ(CTC更新許可レジスタ)に乱数生成回路を起動させるためのコード(指定値)を設定するなどの処理を実行する。さらに、電源投入時の乱数生成回路内の所定のレジスタ(ソフト乱数レジスタ1〜n)の値を、対応する各種初期値乱数の初期値(スタート値)としてRWMの所定領域にセーブする(S1226)。その後、遊技制御装置500は、割込みを許可する(S1227)。
なお、本実施形態のCPU511a内の乱数生成回路では、電源投入毎にソフト乱数レジスタの初期値が変更されるように構成されており、ソフト乱数レジスタの初期値に基づいて各種初期値乱数の初期値(スタート値)を設定することによって、ソフトウェアで生成される乱数の規則性を崩すことが可能となり、遊技者による不正な乱数の取得を困難にすることができる。各種初期値乱数には、例えば、大当り図柄を決定する乱数(大当り図柄乱数1、大当り図柄乱数2)、普図変動表示ゲームの当りを決定する乱数(当り乱数)が含まれる。
続いて、遊技制御装置500は、各種初期値乱数の値を更新して乱数の規則性を崩すための初期値乱数更新処理を実行する(S1228)。また、本実施形態では、大当り乱数は乱数生成回路において生成される乱数を使用して生成するように構成されている。すなわち、大当り乱数はハードウェアで生成されるハード乱数であり、大当り図柄乱数、当り乱数、変動パターン乱数はソフトウェアで生成されるソフト乱数である。なお、各種乱数の発生源は前述の態様に限定されるわけではなく、大当り乱数がソフトウェア乱数であってもよいし、大当り図柄乱数、当り乱数、変動パターン乱数がハードウェア乱数であってもよい。
さらに、初期値乱数更新処理が実行された後、遊技制御装置500は、電源装置300から入力され、ポート及びデータバスを介して読み込まれる停電監視信号をチェックする回数を設定する(S1229)。チェック回数には、通常、2以上の値が設定される。停電監視信号をチェックすることによって停電が発生したか否かを判定することができる。遊技制御装置500は、停電監視信号がオンであるか否かを判定する(S1230)。停電監視信号がオンでない場合、すなわち、停電していない場合には(S1230の結果が「N」)、S1228の初期値乱数更新処理を再び実行し、S1228からS1230までの処理を繰り返し実行する(ループ処理)。
また、初期値乱数更新処理(S1228)の前に割り込みを許可(S1227)することによって、初期値乱数更新処理中にタイマ割込みが発生した場合に、割込み処理を優先して実行することが可能となる。したがって、初期値乱数更新処理の実行が完了するまでタイマ割込み処理を実行できないために、割込み処理に含まれる各種処理を実行する時間が不足してしまうことを回避できる。
なお、初期値乱数更新処理(S1228)は、メイン処理の他に、タイマ割込み処理で初期値乱数更新処理を実行してもよい。ただし、タイマ割込み処理で初期値乱数更新処理を実行する場合には、両方の処理で初期値乱数更新処理が実行されることを回避するため、メイン処理における初期値乱数更新処理の実行時に割込みを禁止し、初期値乱数を更新後に割込みを解除する必要がある。しかし、本実施形態のようにタイマ割込み処理で初期値乱数更新処理を実行せず、メイン処理でのみ初期値乱数更新処理を実行すれば、初期値乱数更新処理の前に割込みを解除しても問題が生じることはなく、さらに、メイン処理が簡素化されるという利点がある。
一方、遊技制御装置500は、停電監視信号がオンに設定されている場合には(S1230の結果が「Y」)、停電監視信号がオンに設定されていることを連続して検出した回数がS1229の処理で設定したチェック回数に到達したか否かを判定する(S1231)。停電監視信号がオンに設定されていることを連続して検出した回数がチェック回数に到達していない場合には(S1231の結果が「N」)、再度、停電監視信号がオンであるか否かを判定する(S1230)。すなわち、停電監視信号がオンである場合にはチェック回数分だけ停電監視信号がオンであるか否かを判定する。
遊技制御装置500は、停電監視信号がオンに設定されていることを連続して検出した回数がチェック回数に到達した場合には(S1231の結果が「Y」)、停電が発生したものと見なして停電発生時の処理を実行する(S1232〜S1238)。
遊技制御装置500は、割込みを禁止し(S1232)、全出力ポートをオフに設定する(S1233)。その後、停電復旧検査領域1に停電復旧検査領域チェックデータ1をセーブし(S1234)、さらに、停電復旧検査領域2に停電復旧検査領域チェックデータ2をセーブする(S1235)。
さらに、遊技制御装置500は、RWMの電源遮断時のチェックサムを算出するチェックサム算出処理を実行し(S1236)、算出されたチェックサムの値をRWMのチェックサム領域にセーブ(保存)する(S1237)。最後に、RWMの内容が変更されないように、RWMへのアクセスを禁止し(S1238)、遊技機1の電源が遮断されるまで待機する。このように、停電復旧検査領域にチェック用のデータをセーブするとともに、電源遮断時のチェックサムを算出して記憶させることで、電源の遮断の前にRWMに記憶されていた情報が正しくバックアップされているか否かを電源再投入時に判定することが可能となる。
〔タイマ割込み処理(遊技制御装置)〕
次に、タイマ割込み処理について説明する。図13は、本発明の第1の実施の形態のタイマ割込み処理の手順を示すフローチャートである。
タイマ割込み処理は、クロックジェネレータ内のCTC回路によって生成される周期的(例えば、1ミリ秒周期)なタイマ割込み信号がCPU511aに入力されることによって開始される。
タイマ割込み処理が開始されると、遊技制御装置500は、まず、所定のレジスタに保持されている値をRWMに移すことによってレジスタを退避させる(S1301)。なお、本実施形態では遊技用マイコンとしてZ80系のマイコンを使用している。Z80系のマイコンには、表レジスタと裏レジスタが備えられており、表レジスタに保持されている値を裏レジスタに退避させることでS1301の処理を実装することが可能である。
次に、遊技制御装置500は、入力部520を介して入力される各種センサやスイッチなどからの入力信号を取り込み、各入力ポートの状態を読み込む入力処理を実行する(S1302)。各種センサには、始動口1スイッチ37d、始動口2スイッチ38d、普図のゲートスイッチ34a、カウントスイッチ42dなどが含まれる。また、入力処理では、入力信号にチャタリング除去等を行って入力情報を確定させる。
さらに、遊技制御装置500は、各種処理でセットされた遊技制御に関する出力データを、演出制御装置550及び払出制御装置580に送信するための出力処理を実行する(S1303)。出力データは、ソレノイド等のアクチュエータの駆動制御などを行うための情報であり、制御対象となるソレノイドには、例えば、大入賞口ソレノイド(SOL)42b、普電ソレノイド(SOL)38bが含まれる。また、出力処理では、遊技機における遊技データを収集する情報収集端末装置(図示せず)に遊技データを出力する処理も含まれる。
次に、遊技制御装置500は、各種処理で送信バッファにセットされたコマンドを演出制御装置550や払出制御装置580等に送信(出力)するコマンド送信処理を実行する(S1304)。具体的には、特図変動表示ゲームにおける識別情報の変動パターンを指定する変動パターン指定コマンド、及び停電から復旧した場合に演出制御装置550に停電復旧処理を実行させる停電復旧コマンドを演出制御装置550に送信したり、払出装置から払い出す賞球数を指定する賞球コマンドを払出制御装置580に送信したりする。
さらに、遊技制御装置500は、大当り図柄乱数1及び大当り図柄乱数2を更新する乱数更新処理1を実行し(S1305)、続いて特図変動表示ゲームにおける変動パターンを決定するための変動パターン乱数を更新する乱数更新処理2を実行する(S1306)。乱数更新処理1及び乱数更新処理2では、各種乱数にランダム性を付与するために、各種乱数に対応するカウンタ(大当り乱数カウンタ、当り乱数カウンタ、演出決定用乱数カウンタなど)の値を1ずつ加算する。
その後、遊技制御装置500は、各種入賞口スイッチなどを監視したり、枠の不正な開放などのエラーを監視したりする入賞口スイッチ/エラー監視処理が実行される(S1307)。各種入賞口スイッチには、例えば、始動口1スイッチ37d、始動口2スイッチ38d、ゲートスイッチ34a、入賞口スイッチ44a〜44n、カウントスイッチ42dが含まれる。入賞口スイッチ/エラー監視処理では、これらのスイッチから正常な信号が入力されているか否かを監視したりする。エラーの監視としては、前面枠3やガラス枠18が不正に開放されていないかなどを対象としている。
さらに、遊技制御装置500は、特図変動表示ゲームに関する処理を行う特図ゲーム処理を実行する(S1308)。なお、特図ゲーム処理の詳細については、図14にて後述する。
続いて、普図変動表示ゲームに関する処理を行う普図ゲーム処理を実行する(S1309)。なお、普図ゲーム処理の詳細については、図28にて後述する。
次に、遊技制御装置500は、特図変動ゲームの表示や遊技に関する各種情報を表示するセグメントLEDの表示内容を制御するセグメントLED編集処理を実行する(S1310)。具体的には、特図変動表示ゲーム及び普図変動表示ゲームの結果をセグメントLED(例えば、一括表示装置50)に出力するためのパラメータを編集する。
遊技制御装置500は、磁気センサスイッチ39aや振動センサスイッチ39bからの検出信号をチェックし、異常があるか否かを判定する磁石エラー監視処理を実行する(S1311)。異常の発生を検出した場合には、スピーカー30から報知音を出力したり、遊技状態LED29を点灯させたりするなどして外部に報知する。
次に、遊技制御装置500は、外部情報端子508から出力する各種信号を編集する外部情報編集処理を実行する(S1312)。
そして、遊技制御装置500は、割込み要求をクリアして割込みの終了を宣言する(S1313)。その後、S1301の処理で一時退避されていたレジスタを復帰させ(S1314)、禁止設定されていた外部機器による割込み及びタイマ割込みを許可し(S1315)、タイマ割込み処理を終了し、メイン処理に復帰する。
〔特図ゲーム処理〕
次に、前述したタイマ割込み処理における特図ゲーム処理(S1308)の詳細について説明する。図14は、本発明の第1の実施の形態の特図ゲーム処理の手順を示すフローチャートである。
特図ゲーム処理では、始動口1スイッチ37d及び始動口2スイッチ38dによる入力信号の監視、特図変動表示ゲームに関する処理全体の制御、特図(識別図柄、識別情報)の表示の設定を行う。
特図ゲーム処理が開始されると、遊技制御装置500は、まず、始動口1スイッチ37d及び始動口2スイッチ38dの入賞を監視する始動スイッチ監視処理を実行する(S1401)。
始動口スイッチ監視処理では、第1始動入賞口37、第2始動入賞口38に遊技球の入賞があると、各種乱数(大当り乱数など)の抽出を行い、当該入賞に基づく特図変動表示ゲームの開始前の段階で入賞に基づく遊技結果を事前に判定する遊技結果事前判定を行う。なお、始動口スイッチ監視処理の詳細については、図15にて後述する。
次に、遊技制御装置500は、カウントスイッチ監視処理を実行する(S1402)。カウントスイッチ監視処理では、特別変動入賞装置42内に設けられたカウントスイッチ42dによって当該特別変動入賞装置42に入賞した遊技球を検出し、入賞した遊技球の数を監視する。
次に、遊技制御装置500は、特図ゲーム処理タイマが既にタイムアップしているか、又は、特図ゲーム処理タイマを更新(−1)した結果、当該特図ゲーム処理タイマがタイムアップしたか否かをチェックする(S1403)。なお、特図ゲーム処理タイマは、初期値として、実行される特図変動表示ゲームの変動時間がセットされ、S1403の処理で当該特図ゲーム処理タイマの値を1減じる。特図ゲーム処理タイマの値が0になると、タイムアップしたと判断される。
遊技制御装置500は、特図ゲーム処理タイマがタイムアップしていない場合には(S1404の結果が「N」)、S1416以降の処理を実行する。
一方、遊技制御装置500は、特図ゲーム処理タイマがタイムアップした場合には(S1404の結果が「Y」)、特図ゲーム処理番号に対応する処理に分岐させるために参照する特図ゲームシーケンス分岐テーブルをレジスタに設定する(S1405)。さらに、当該テーブルに基づいて特図ゲーム処理番号に対応する処理の分岐先アドレスを取得する(S1406)。そして、分岐処理終了後のリターンアドレスをスタック領域に退避させ(S1407)、特図ゲーム処理番号に応じて処理を分岐させる(S1408)。
遊技制御装置500は、特図ゲーム処理番号が「0」の場合には(S1408の結果が「0」)、特図普段処理を実行する(S1409)。特図普段処理は、特図変動表示ゲームの変動開始を監視し、特図変動表示ゲームの変動開始の設定や演出の設定、特図変動中処理を実行するために必要な情報の設定等を行う。なお、特図普段処理の詳細については、図18にて後述する。
遊技制御装置500は、特図ゲーム処理番号が「1」の場合には(S1408の結果が「1」)、特図変動中処理を実行する(S1410)。特図変動中処理は、特図変動表示ゲームにおける識別情報の停止表示時間の設定や、特図表示中処理を行うために必要な情報の設定等を行う。
遊技制御装置500は、特図ゲーム処理番号が「2」の場合には(S1408の結果が「2」)、特図表示中処理を実行する(S1411)。特図表示中処理は、特図変動表示ゲームの結果が大当りであれば、大当りの種類に応じたファンファーレコマンドの設定や、各大当りの大入賞口開放パターンに応じたファンファーレ時間を設定したり、ファンファーレ/インターバル中処理を行うために必要な情報の設定等を行ったりする。なお、特図表示中処理の詳細については、図22A及び図22Bにて後述する。
遊技制御装置500は、特図ゲーム処理番号が「3」の場合には(S1408の結果が「3」)、ファンファーレ/インターバル中処理を実行する(S1412)。ファンファーレ/インターバル中処理は、大入賞口の開放時間の設定や開放回数の更新、大入賞口開放中処理を行うために必要な情報の設定等を行う。
遊技制御装置500は、特図ゲーム処理番号が「4」の場合には(S1408の結果が「4」)、大入賞口開放中処理を実行する(S1413)。大入賞口開放中処理は、大当りラウンドが最終ラウンドでなければインターバルコマンドを設定する一方で最終ラウンドであれば大当り終了画面のコマンドを設定したり、大入賞口残存球処理を行うために必要な情報を設定したりする。
また、大入賞口開放中処理は、特図変動表示ゲームの結果が特別結果になった場合に大入賞口の開放時間に基づいて特別変動入賞装置42の開閉扉42aを開放して遊技者に遊技価値を付与する特別遊技状態を発生させるものであるため、遊技制御装置500が特別遊技状態制御手段をなしている。
遊技制御装置500は、特図ゲーム処理番号が「5」の場合には(S1408の結果が「5」)、大入賞口残存球処理を実行する(S1414)。大入賞口残存球処理は、大当りラウンドが最終ラウンドの場合に大入賞口内にある残存球が排出されるための時間を設定したり、大当り終了処理を行うために必要な情報の設定等を行ったりする。
大入賞口残存球処理では、特別図柄の処理タイマの更新とファンファーレ/インターバル中処理、又は大当り終了処理を行うために必要な情報を設定する。また、大入賞口の最大開放時間が経過したか、又は大入賞口に遊技球が規定数(所定数)だけ入賞したかを判定し、いずれかの条件が成立した場合に開閉扉42aを閉鎖する。これが所定ラウンド数繰り返し実行された後、特図ゲーム処理番号を6に設定する。
遊技制御装置500は、特図ゲーム処理番号が「6」の場合には(S1408の結果が「6」)、大当り終了処理を実行する(S1415)。大当り終了処理は、S1409の特図普段処理を行うために必要な情報の設定等を行う。なお、大当り終了処理の詳細については、図23にて後述する。
その後、遊技制御装置500は、特図1表示器51における図柄の変動を制御するためのテーブルを準備する(S1416)。続いて、特図1表示器51に係る図柄変動制御処理を実行する(S1417)。
さらに、遊技制御装置500は、特図2表示器52における図柄の変動を制御するためのテーブルを準備する(S1418)。続いて、特図2表示器52に係る図柄変動制御処理を実行する(S1419)。
〔始動口スイッチ監視処理〕
次に、前述した特図ゲーム処理における始動口スイッチ監視処理の詳細について説明する。図15は、本発明の第1の実施の形態の始動口スイッチ監視処理のフローチャートである。
始動口スイッチ監視処理が開始されると、遊技制御装置500は、まず、第1始動入賞口37(始動口1)に遊技球が入賞したことによって送信される始動口入賞演出コマンドを設定するテーブルを準備する(S1501)。さらに、第1始動入賞口37に遊技球が入賞したことによる保留の情報を設定するテーブルを準備する(S1502)。
続いて、遊技制御装置500は、第1始動入賞口37又は第2始動入賞口38に遊技球が入賞した場合に共通して実行される特図始動口スイッチ共通処理を実行する(S1503)。なお、特図始動口スイッチ共通処理の詳細については、図16にて後述する。
次に、遊技制御装置500は、普通電動役物(普通変動入賞装置、第2始動入賞口38の開閉部材38a)が作動中である、すなわち、第2始動入賞口38の開閉部材38aが遊技球の入賞が可能な開放状態となっているか否かをチェックする(S1504)。普通電動役物が作動中である場合には(S1505の結果が「Y」)、S1508以降の処理を実行する。
一方、遊技制御装置500は、普通電動役物が作動中でない場合には(S1505の結果が「N」)、第2始動入賞口38への不正入賞数が不正発生判定個数以上であるかをチェックし(S1506)、不正入賞数が不正発生判定個数以上であるか否かを判定する(S1507)。
不正入賞について具体的に説明すると、第2始動入賞口38は、開閉部材38aが閉塞状態の場合には遊技球が入賞不可能であり、開放状態でのみ遊技球が入賞可能である。よって、閉塞状態で遊技球が入賞した場合には何らかの異常や不正が発生した可能性が高く、閉塞状態で入賞した遊技球があった場合はその数を不正入賞数として計数している。そして、S1506及びS1507の処理において、このように計数された不正入賞数が所定の不正発生判定個数(上限値)以上であるかを判定する。
遊技制御装置500は、不正入賞数が不正判定個数以上の場合には(S1507の結果が「Y」)、第2始動入賞口38への遊技球の入賞と無効として特図変動表示ゲームに関する処理を実行せずに、始動口スイッチ監視処理を終了する。
一方、遊技制御装置500は、不正入賞数が不正判定個数未満の場合には(S1507の結果が「N」)、第2始動入賞口38による始動口入賞演出コマンドを設定するテーブルを準備する(S1508)。さらに、第2始動入賞口38による保留の情報を設定するテーブルを準備し(S1509)、特図始動口スイッチ共通処理を実行する(S1510)。その後、始動口スイッチ監視処理を終了する。
〔特図始動口スイッチ共通処理〕
次に、前述した始動口スイッチ監視処理における特図始動口スイッチ共通処理(S1503、S1510)の詳細について説明する。図16は、本発明の第1の実施の形態の特図始動口スイッチ共通処理の手順を示すフローチャートである。
特図始動口スイッチ共通処理は、第1始動入賞口37や第2始動入賞口38に遊技球が入賞したことによって始動口1スイッチ37dや始動口2スイッチ38dから信号入力があった場合に共通して実行される処理である。
遊技制御装置500は、まず、始動口1スイッチ37d及び始動口2スイッチ38dのうち、監視対象の始動口スイッチ(例えば、始動口1スイッチ37d)から信号が入力されたか否かをチェックする(S1601)。監視対象の始動口スイッチから信号が入力されていない場合には(S1602の結果が「N」)、特図始動口スイッチ共通処理を終了する。
一方、遊技制御装置500は、監視対象の始動口スイッチから信号が入力された場合には(S1602の結果が「Y」)、当該監視対象の始動口スイッチに対応する始動口入賞フラグをRWMの所定の領域にセーブする(S1603)。さらに、監視対象始動口スイッチに対応するハード乱数ラッチレジスタに抽出された大当り乱数をロードし、以降の処理で使用するための準備を行う(S1604)。
続いて、遊技制御装置500は、監視対象の始動口スイッチに対応する始動入賞口への入賞の回数に関する情報が、遊技機1の外部の管理装置に対して出力された回数(始動口信号出力回数)をロードする(S1605)。そして、ロードした値に1加算して更新し、始動口信号出力回数がオーバーフローするか否かをチェックする(S1606、S1607)。
そして、遊技制御装置500は、始動口信号出力回数がオーバーフローしない場合には(S1607の結果が「N」)、更新後の始動口信号出力回数の値を、RWMの始動口信号出力回数領域にセーブする(S1608)。
遊技制御装置500は、S1608の処理が終了した後、又は、始動口信号出力回数がオーバーフローする場合には(S1607の結果が「Y」)、監視対象の始動口スイッチに対応する更新対象の特図保留(始動記憶)数が上限値未満か否かをチェックする(S1609、S1610)。
遊技制御装置500は、特図保留数が上限値未満の場合には(S1610の結果が「Y」)、始動口スイッチによって検出された入賞に対応する情報を設定する。具体的には、まず、更新対象の特図保留数(例えば、特図1保留数)に1加算して更新する(S1611)。さらに、更新された特図保留数に対応する乱数セーブ領域のアドレスを算出する(S1612)。
続いて、遊技制御装置500は、飾り特図保留数コマンドを準備する。飾り特図保留数コマンドは、MODE部とACTION部によって構成される。具体的に説明すると、遊技制御装置500は、まず、監視対象の始動口スイッチの飾り特図保留数コマンド(MODE)を準備し(S1613)、当該監視対象の始動口スイッチの大当り図柄乱数をロード(大当り図柄乱数を抽出)する(S1614)。さらに、特図保留数に対応する飾り特図保留数コマンド(ACTION)を準備する(S1615)。そして、準備された飾り特図保留数コマンドを設定するためのコマンド設定処理を実行する(S1616)。
次に、遊技制御装置500は、大当り乱数をRWMの乱数セーブ領域にセーブし(S1617)、さらに、対応する大当り図柄乱数をRWMの乱数セーブ領域にセーブする(S1618)。続いて、対応する変動パターン乱数1を抽出し、抽出した値をRWMの乱数セーブ領域にセーブする(S1619)。同様に、対応する変動パターン乱数2を抽出し、抽出した値をRWMの乱数セーブ領域にセーブする(S1620)。さらに、対応する変動パターン乱数3を抽出し、抽出した値をRWMの乱数セーブ領域にセーブする(S1621)。変動パターン乱数1〜3は、例えば、前半と後半の変動パターンを個別に設定したり、特定の演出を実行するために用いられる。
ここで、特図変動表示ゲーム(特図1又は特図2)における変動パターン(各種リーチやリーチ無しの変動表示における変動表示ゲームの実行時間等を含む)を決定するための変動パターン乱数(変動パターン1〜3)は、大当り図柄乱数のように乱数生成回路のソフトウェアによって更新されるものとは異なり、遊技制御用プログラムによって更新されるものである。なお、変動パターン乱数の更新は遊技制御用プログラムによって更新することに限らず、乱数生成回路のハードウェア又はソフトウェアで更新するようにしてもよい。
そして、遊技制御装置500は、S1618の処理でRWMにセーブされた監視対象の始動口スイッチに対応する大当り図柄乱数をロードし、ロードした値を後述する特図保留情報判定処理にて使用するために準備する(S1622)。最後に、特図保留情報判定処理を実行し(S1623)、特図始動口スイッチ共通処理を終了する。
一方、遊技制御装置500は、特図保留数が上限値未満でない場合には(S1610の結果が「N」)、監視対象の始動口スイッチが始動口1スイッチ37dであるか否かをチェックする(S1630、S1631)。監視対象が始動口1スイッチ37dの場合には(S1631の結果が「Y」)、飾り特図保留数コマンド(オーバーフローコマンド)を準備し(S1632)、コマンド設定処理を実行する(S1633)。
一方、遊技制御装置500は、監視対象が始動口1スイッチ37dでない場合(S1631の結果が「N」)、又は、S1627のコマンド設定処理が終了した場合には、特図始動口スイッチ共通処理を終了する。
なお、特図始動口スイッチ共通処理によって、第1始動入賞口37及び第2始動入賞口38に遊技球が入賞したことを特図保留(始動記憶)として所定数まで記憶するので、遊技制御装置500が始動数記憶手段をなすことになる。
〔特図保留情報判定処理〕
次に、前述した特図始動口スイッチ共通処理における特図保留情報判定処理(S1623)の詳細について説明する。図17は、本発明の第1の実施の形態の特図保留情報判定処理の手順を示すフローチャートである。
特図保留情報判定処理では、各始動記憶に基づく特図変動表示ゲームの開始タイミングより前に当該始動記憶に対応した結果関連情報を判定するための先読み処理などを行う。
遊技制御装置500は、まず、特図始動口スイッチ共通処理における監視対象の始動口スイッチが始動口2スイッチ38dであるか否かをチェックする(S1701、S1702)。監視対象が始動口2スイッチ38dでない場合には(S1702の結果が「N」)、普通電動役物(第2始動入賞口38の開閉部材38a)の開放延長機能が作動中、すなわち、普電サポート中(高サポ状態又は中サポ状態)であるか否かを判定する(S1703)。
遊技制御装置500は、普電サポート中でない場合には(S1703の結果が「N」)、遊技機1が大当り中(特別遊技状態)であるか否かを判定する(S1704)。そして、遊技機1が大当り中でない場合には(S1704の結果が「N」)、保留中の始動記憶が大当りであるか否かを判定する大当り判定処理を実行する(S1705)。大当り判定処理は、保留中の始動記憶に含まれる大当り乱数値が大当り判定値と一致するか否かを判定することによって、当該始動記憶にかかる変動表示ゲームの結果が大当りであるか否かを判定する。
一方、遊技制御装置500は、普電サポート中の場合(S1703の結果が「Y」)、又は、大当り中の場合には(S1704の結果が「Y」)、特図保留情報判定処理を終了する。すなわち、監視対象の始動口スイッチが始動口1スイッチ37dであって、かつ、普電サポート中又は大当り中の場合には、当該始動記憶に対応した結果関連情報を判定する先読み処理を実行しないように構成される。
また、遊技制御装置500は、監視対象が始動口2スイッチ38dの場合には(S1702の結果が「Y」)、大当り判定処理を実行する(S1705)。すなわち、監視対象の始動口スイッチが始動口2スイッチ38dの場合には、普電サポート中又は大当り中であるか否かにかかわらず、当該始動記憶に対応した先読み処理を実行する。
その後、遊技制御装置500は、演出内容を選択するためのテーブルとしてはずれ情報テーブルを設定する(S1706)。そして、S1705の大当り判定処理の判定結果が大当りであるか否かを判定する(S1707)。大当り判定処理の判定結果が大当りでない場合には(S1707の結果が「N」)、S1715以降の処理を実行する。
一方、遊技制御装置500は、大当り判定処理の判定結果が大当りの場合には(S1707の結果が「Y」)、大当り図柄乱数チェックテーブル1を大当り時の識別図柄を特定するためのテーブルとして準備する(S1708)。
次に、遊技制御装置500は、監視対象の始動口スイッチが始動口1スイッチ37dであるか否かをチェックする(S1709、S1710)。そして、監視対象の始動口スイッチが始動口1スイッチ37dでない場合には(S1710の結果が「N」)、S1708の処理で準備した大当り図柄乱数チェックテーブル1に置き換えて、大当り図柄乱数チェックテーブル2を準備する(S1711)。第2始動入賞口38で入賞するためには、開閉部材38aを開放状態とする必要があり、第1始動入賞口37よりも入賞しにくくなっている。そのため、第2始動入賞口38における始動(保留)記憶による大当りが発生した場合には、第1始動入賞口37における大当りの場合よりも遊技者に有利となるように構成されている。例えば、大当り図柄乱数チェックテーブル1よりも大当り図柄乱数チェックテーブル2による判定のほうが特別遊技状態終了後に特図変動表示ゲームの当選確率が高確率になるなど遊技者により有利になる確変状態に突入する可能性が高くなる。
そして、遊技制御装置500は、大当り図柄乱数に対応する入賞情報ポインタを取得し(S1712)、大当り情報テーブルのアドレステーブルを設定する(S1713)。さらに、入賞情報ポインタに対応する大当り情報テーブルを取得する(S1714)。
また、遊技制御装置500は、監視対象の始動口スイッチが始動口1スイッチ37dの場合には(S1710の結果が「Y」)、S1708の処理で準備した大当り図柄乱数チェックテーブル1に基づいて、以降の処理を実行する。
次に、遊技制御装置500は、S1712の処理で取得された入賞情報ポインタに対応する大当り情報テーブルから停止図柄パターン情報を取得し(S1715)、当該停止図柄パターン情報をRWMの作業用の図柄情報領域にセーブする(S1716)。
続いて、遊技制御装置500は、大当り情報テーブルから始動口入賞演出図柄コマンドを取得し(S1717)、当該始動口入賞演出図柄コマンドをRWMの入賞演出図柄コマンド領域にセーブする(S1718)。
次に、遊技制御装置500は、監視対象の始動口スイッチに対応する始動口入賞フラグを準備した後(S1719)、当該監視対象の始動口に関して設定された特図情報を設定するための特図情報設定処理を実行する(S1720)。続いて、特図変動表示ゲームにおける変動態様のうち、後半変動パターンを設定する後半変動パターン設定処理を実行した後(S1721)、特図変動表示ゲームの前半変動パターンを設定する変動パターン設定処理を実行する(S1722)。
後半変動パターン設定処理(S1721)及び変動パターン設定処理(S1722)は、識別情報の変動態様を示す複数の変動パターンから一つの変動パターンを選択する処理であり、特図変動表示ゲームはこれらの処理によって選択された変動パターンに基づいて実行される。
そして、遊技制御装置500は、変動パターンに対応する始動口入賞演出コマンドを準備し(S1723)、コマンド設定処理を実行する(S1724)。続いて、入賞演出図柄コマンド領域から始動口入賞演出図柄コマンドをロードして準備し(S1725)、コマンド設定処理を実行する(S1726)。その後、特図保留情報判定処理を終了する。
すなわち、S1723の処理で始動口入賞演出コマンドを準備し、さらに、S1725の処理で始動口入賞演出図柄コマンドを準備して、始動記憶に対応する判定結果(先読み結果)を、対応する始動記憶に基づく特図変動表示ゲームの開始タイミングより前に演出制御装置550に対して通知することが可能になっている。演出制御装置550は、表示装置48に表示されている保留表示の表示態様を変化させるなどして、その特図変動表示ゲームの開始タイミングより前に遊技者に特図変動表示ゲームの結果を報知する。
〔特図普段処理〕
次に、前述した特図ゲーム処理における特図普段処理(S1409)の詳細について説明する。図18は、本発明の第1の実施の形態の特図普段処理の手順を示すフローチャートである。
遊技制御装置500は、まず、特図2保留数(第2始動記憶数)が0であるか否かをチェックする(S1801、S1802)。
遊技制御装置500は、特図2保留数が0の場合には(S1802の結果が「Y」)、第1始動記憶数(特図1保留数)が0であるか否かをチェックする(S1803、S1804)。このように、特図2保留数のチェック(S1801)を、特図1保留数のチェック(S1803)よりも先に行うことによって、特図1変動表示ゲームよりも遊技者にとって有利な特図2変動表示ゲームを優先して実行するようにしている。
さらに、遊技制御装置500は、特図1保留数が0の場合には(S1804の結果が「Y」)、既に客待ちデモが開始されているか否かをチェックする(S1805、S1806)。客待ちデモを開始していない、すなわち、開始済みでない場合には(S1806の結果が「N」)、客待ちデモフラグ領域に客待ちデモ中フラグを設定する(S1807)。続いて、客待ちデモコマンドを準備し(S1808)、コマンド設定処理を実行する(S1809)。
一方、遊技制御装置500は、既に客待ちデモが開始されている場合には(S1806の結果が「Y」)、既に客待ちデモフラグ領域に客待ちデモ中フラグが設定済みであり、客待ちデモコマンドが演出制御装置550に送信済みであるため、S1810以降の処理を実行する。
次に、遊技制御装置500は、特図普段処理に移行するためのテーブルを準備する特図普段処理移行設定処理1を実行する(S1810)。具体的には、当該テーブルに、特図普段処理に係る処理番号「0」、大入賞口不正監視期間を規定するフラグ(大入賞口不正監視情報)等を設定する処理を実行する。その後、特図普段処理を終了する。
一方、遊技制御装置500は、特図2保留数が0でない場合(S1802の結果が「N」)、すなわち、第2始動入賞口38に遊技球が入賞したことによる特図変動表示ゲームが実行される場合には、特図2変動開始処理1を実行する(S1811)。そして、特図変動中処理に移行するためのテーブル(第2特図用)を準備する特図変動中処理移行設定処理(特図2)を実行する(S1812)。具体的には、当該テーブルに、特図変動中処理に係る特図ゲーム処理番号「1」、客待ちデモの終了に係る情報、第2特図の変動中に係る試験信号、特図2表示器52における特図2変動表示ゲームの制御用の情報(例えば、特図2表示器52の変動中に係るフラグ、特図2表示器52の点滅の周期のタイマの初期値など)等を設定する処理を実行する。その後、特図普段処理を終了する。
また、遊技制御装置500は、特図1保留数が0でない場合(S1804の結果が「N」)、すなわち、第1始動入賞口37に遊技球が入賞したことによる特図変動表示ゲームが実行される場合には、特図1変動開始処理1を実行する(S1813)。なお、S1813における特図1変動開始処理1の詳細については、図19にて後述する。
そして、遊技制御装置500は、特図変動中処理に移行するためのテーブル(第1特図用)を準備する特図変動中処理移行設定処理(特図1)を実行する(S1814)。具体的には、当該テーブルに、特図変動中処理に係る特図ゲーム処理番号「1」、客待ちデモの終了に係る情報、第1特図の変動中に係る試験信号、特図1表示器51における特図1変動表示ゲームの制御用の情報(例えば、特図1表示器51の変動中に係るフラグ、特図1表示器51の点滅の周期のタイマの初期値など)等を設定する。その後、特図普段処理を終了する。
〔特図1変動開始処理1〕
次に、前述した特図普段処理における特図1変動開始処理1(S1813)の詳細について説明する。図19は、本発明の第1の実施の形態の特図1変動開始処理1の手順を示すフローチャートである。特図1変動開始処理1は、特図1変動表示ゲームの開始時に行う処理である。
遊技制御装置500は、まず、特図1変動表示ゲームが大当りであるか否かを判定するための大当りフラグ1に、はずれ情報又は大当り情報を設定する大当りフラグ1設定処理を実行する(S1901)。
次に、遊技制御装置500は、第1特図停止図柄(特図1停止図柄)の設定に係る特図1停止図柄設定処理を実行する(S1902)。なお、特図1停止図柄設定処理の詳細については図20にて後述する。
その後、遊技制御装置500は、第1特図停止図柄番号(特図1停止図柄)に対応する試験信号をセーブする(S1903)。続いて、特図1停止図柄設定処理によって設定された停止図柄パターン情報をロードした後(S1904)、当該停止図柄パターン情報をRWMの作業用の図柄情報領域にセーブする(S1905)。
次に、遊技制御装置500は、特図1変動フラグ(変動中フラグ)をロードして準備し(S1906)、特図1変動フラグをRWMの特図変動フラグ領域にセーブする(S1907)。
続いて、遊技制御装置500は、特図後半変動の設定に係るテーブルを準備し(S1908)、特図情報を設定する特図情報設定処理を実行する(S1909)。続いて、特図1変動表示ゲームにおける変動態様のうち、後半変動パターンを設定する後半変動パターン設定処理を実行し(S1910)、前半変動パターンを設定する変動パターン設定処理を実行する(S1911)。
その後、遊技制御装置500は、特図1変動表示ゲームを開始するための情報を設定する変動開始情報設定処理を実行し(S1912)、特図1変動開始処理1を終了する。
なお、特図2変動表示ゲームを実行するための特図2変動開始処理1(S1511)についても同様の手順で実行される。具体的には、S1902の処理で特図2停止図柄設定処理が実行される。また、S1903の処理で特図1停止図柄番号が特図2停止図柄番号に、S1906及びS1907の処理で特図1変動フラグが特図2変動フラグとなる。
〔特図1停止図柄設定処理〕
次に、前述した特図1変動開始処理における特図1停止図柄設定処理(S1902)の詳細について説明する。図20は、本発明の第1の実施の形態の特図1停止図柄設定処理の手順を示すフローチャートである。特図1停止図柄設定処理は、特図1変動表示ゲームにおける停止図柄を設定する処理である。
遊技制御装置500は、まず、第1特図停止図柄にはずれ時の停止図柄番号をRWMの特図1停止図柄領域にセーブする(S2001)。そして、はずれ時の図柄データの図柄番号を取得し、当該取得された図柄番号を停止図柄パターン情報としてRWMの停止図柄パターン情報領域にセーブする(S2002)。
次に、遊技制御装置500は、大当りフラグ1に大当り情報がセーブされているか否かをチェックすることによって(S2003)、実行対象の特図1変動表示ゲームの結果が大当りであるか否かを判定する(S2004)。実行対象の特図1変動表示ゲームの結果が大当りの場合には(S2004の結果が「Y」)、特図1変動表示ゲームの大当り図柄を決定するための大当り図柄テーブルを設定する(S2005)。
続いて、遊技制御装置500は、RWMの乱数セーブ領域から大当り図柄乱数をロードし(S2006)、当該大当り図柄乱数に対応する停止図柄番号を取得する(S2007)。さらに、第1特図停止図柄に大当り時の停止図柄番号をセーブする(S2008)。
次に、遊技制御装置500は、第1特図停止図柄(大当り図柄)に対応する停止図柄情報を設定する停止図柄情報設定処理を実行する(S2009)。停止図柄情報設定処理では、停止図柄に関する情報の他に、確率変動に関する情報やラウンド数に関する情報などが設定される。
次に、遊技制御装置500は、飾り特図コマンドテーブルを設定する(S2010)。飾り特図コマンドは、大当りの種類などを特定するコマンドであり、例えば、15R確変Aで大当りが発生するといった情報が含まれる。演出制御装置550では、受信した飾り特図コマンドに基づいて、対応する識別情報を選択する。また、大当りフラグ1が大当りでないと判定された場合には(S2004の結果が「N」)、S2005〜S2009の処理を実行せずにS2010以降の処理を実行する。すなわち、特図1停止図柄にはS2001の処理でセーブされたはずれ時の停止図柄番号が設定され、停止図柄パターン情報にはS2002の処理でセーブされたはずれ時の停止図柄パターン番号が設定された状態で、S2010以降の処理を実行する。
続いて、遊技制御装置500は、停止図柄パターン情報に対応する飾り特図1コマンド(ACTION)を取得し(S2011)、飾り特図1コマンド(MODE)を取得する(S2012)。そして、取得されたこれらのコマンドをRWMの飾り特図コマンド領域にセーブする(S2013)。最後に、RWMの乱数セーブ領域を0クリアして(S2014)、特図1停止図柄設定処理を終了する。
なお、特図2停止図柄設定処理についても特図1停止図柄設定処理と同様の手順で実行される。具体的には、S2003の処理で大当りフラグ2が設定され、S2005の処理で特図2の大当り図柄テーブルが設定される。また、S2008の処理で特図1停止図柄領域が特図2停止図柄領域に、S2012の処理で飾り特図1コマンド(MODE)が飾り特図2コマンド(MODE)となる。
〔停止図柄情報設定処理〕
次に、前述した特図1変動開始処理における停止図柄情報設定処理(S2009)の詳細について説明する。図21は、本発明の第1の実施の形態の停止図柄情報設定処理の手順を示すフローチャートである。停止図柄情報設定処理は、遊技状態に応じて大当り時の停止図柄を決定するためのテーブルを設定し、大当り後に特別遊技状態を実行するために必要な情報を設定する。
遊技制御装置500は、まず、普電サポート中であるか否か、すなわち、普図状態が中サポ状態又は高サポ状態となっているか否かを判定する(S2101)。普電サポート中の場合には(S2101の結果が「Y」)、さらに、特図変動表示ゲームの当選確率が高確率であるか否かを判定する(S2102)。
遊技制御装置500は、特図変動表示ゲームの当選確率が高確率の場合には(S2102の結果が「Y」)、確変サポ有り状態1又は確変サポ有り状態2であり、高確率時の大当り停止図柄情報テーブルを設定する(S2103)。一方、特図変動表示ゲームの当選確率が高確率でない場合には(S2102の結果が「N」)、時短状態であるため、時短時の大当り停止図柄情報テーブルを設定する(S2104)。
また、遊技制御装置500は、普電サポート中でない場合についても(S2101の結果が「N」)、特図変動表示ゲームの当選確率が高確率であるか否かを判定する(S2105)。
遊技制御装置500は、特図変動表示ゲームの当選確率が高確率の場合には(S2105の結果が「Y」)、潜伏確変状態であり、潜伏確変時の大当り停止図柄情報テーブルを設定する(S2106)。一方、特図変動表示ゲームの当選確率が高確率でない場合には(S2105の結果が「N」)、通常状態であり、低確率時の大当り停止図柄情報テーブルを設定する(S2107)。
以上のように、4種類の状態に分け、各状態に応じた図柄情報テーブルに基づいて、普電サポートの有無、種類、回数等の情報が確率変動判定フラグとして設定される。確率変動判定フラグは、後述する大当り終了処理(図23)で利用される。
遊技制御装置500は、大当り停止図柄情報テーブルの設定が完了すると、停止図柄番号に対応する停止図柄パターン番号を取得する(S2108)。さらに、停止図柄パターン番号を停止図柄パターン情報領域にセーブする(S2109)。
遊技制御装置500は、続いて、停止図柄番号に対応する確率変動判定フラグを取得する(S2110)。さらに、取得された確率変動判定フラグを確率変動判定フラグ領域にセーブする(S2111)。
遊技制御装置500は、停止図柄番号に対応するラウンド数上限値データを取得する(S2112)。さらに、取得されたラウンド数上限値データをラウンド数上限値判定フラグ領域にセーブする(S2113)。
遊技制御装置500は、停止図柄番号に対応する大入賞口開放情報を取得する(S2114)。さらに、取得された大入賞口開放情報を大入賞口開放情報判定フラグ領域にセーブする(S2115)。
遊技制御装置500は、停止図柄番号に対応する変動振り分けデータを取得する(S2116)。さらに、取得された変動振り分けデータを変動振り分け判定フラグ領域にセーブする(S2117)。
〔特図表示中処理〕
次に、前述した特図ゲーム処理における特図表示中処理(S1411)の詳細について説明する。図22Aは、本発明の第1の実施の形態の特図表示中処理の前半部の手順を示すフローチャートである。図22Bは、本発明の第1の実施の形態の特図表示中処理の後半部の手順を示すフローチャートである。
遊技制御装置500は、まず、特図2変動表示ゲームが大当りになる場合にRWMの大当りフラグ2領域に設定される大当りフラグ2をロードし(S2201)、大当りフラグ2領域をクリアする(S2202)。
次に、遊技制御装置500は、ロードされた大当りフラグ2をチェックし(S2203)、大当りであるか否かを判定する(S2204)。そして、大当りと判定された場合には(S2204の結果が「Y」)、RWMの大当りフラグ1領域をクリアする(S2210)。さらに、特図2変動表示ゲームの大当り(特図2大当り)に関する試験信号をRWMの試験信号出力データ領域にセーブする(S2211)。
一方、遊技制御装置500は、大当りフラグ2をチェックして大当りでないと判定された場合には(S2204の結果が「N」)、RWMの大当りフラグ1領域に設定された大当りフラグ1をロードする(S2205)。大当りフラグ1領域に大当りフラグ1が設定されている場合には、特図1変動表示ゲームが大当りになる。さらに、RWMの大当りフラグ1領域をクリアする(S2206)。
続いて、遊技制御装置500は、ロードされた大当りフラグ1をチェックし(S2207)、大当りであるか否かを判定する(S2208)。そして、大当りと判定された場合には(S2208の結果が「Y」)、特図1変動表示ゲームの大当り(特図1大当り)に関する試験信号をRWMの試験信号出力データ領域にセーブする(S2209)。
そして、遊技制御装置500は、特図1大当りに関する試験信号をセーブする処理(S2209)、又は、特図2大当りに関する試験信号をセーブする処理(S2211)が完了すると、ラウンド数上限値テーブルを設定する(S2212)。
次に、遊技制御装置500は、ラウンド数上限値判定フラグに対応するラウンド数上限値を取得し(S2213)、当該ラウンド数上限値をRWMのラウンド数上限値領域にセーブする(S2214)。続いて、ラウンド数上限値判定フラグに対応するラウンドLEDポインタを取得し(S2215)、当該ラウンドLEDポイントをRWMのラウンドLEDポインタ領域にセーブする(S2216)。
次に、遊技制御装置500は、普図変動表示ゲーム及び特図変動表示ゲームにて当り結果となる確率を通常確率状態(低確率状態)とする情報に対応する確率情報コマンドを準備し(S2217)、コマンド設定処理を実行する(S2218)。
続いて、遊技制御装置500は、実行中の特図変動表示ゲームの停止図柄を示す停止図柄パターン番号をRWMからロードし、当該停止図柄パターン番号に対応するファンファーレコマンドを準備し(S2219)、コマンド設定処理を実行する(S2220)。出力されるファンファーレは、大当りの種類(例えば、15R確変大当りと2R確変大当り)によって異なるため、対応するファンファーレコマンドを演出制御装置550に送信するように設定する。
その後、遊技制御装置500は、表示装置48で表示される飾り特図変動表示ゲームに係る停止図柄パターン情報に対応する飾り特図コマンドをRWMの飾り特図コマンド領域からロードして準備し(S2221)、当該飾り特図コマンドに対するコマンド設定処理を実行する(S2222)。
次に、遊技制御装置500は、大入賞口開放情報判定フラグをロードし、当該大入賞口開放情報判定フラグに対応する信号をRWMの外部情報出力データ領域にセーブする(S2223)。
続いて、遊技制御装置500は、普図変動表示ゲーム及び特図変動表示ゲームにて当り結果となる確率の状態に対応する信号をRWMの外部情報出力データ領域にセーブする(S2224)。さらに、大入賞口開放情報判定フラグに対応するファンファーレ時間を設定し(S2225)、当該ファンファーレ時間を特図ゲーム処理タイマにセーブする(S2226)。
その後、遊技制御装置500は、大入賞口への不正入賞数をリセットし(S2227)、大入賞口不正監視期間フラグに不正監視期間外フラグをセーブする(S2228)。
そして、遊技制御装置500は、ファンファーレ/インターバル中処理に移行するためのファンファーレ/インターバル中処理移行設定処理を実行し(S2229)、特図表示中処理を終了する。ファンファーレ/インターバル中処理移行設定処理では、ファンファーレ/インターバル中処理に対応する処理番号「3」を設定し、各種状態を示す情報を設定したり、大当り終了処理(図22)におけるS2208で変動パターン振り分け情報領域にセーブされた変動パターン振り分け情報をクリア(0クリア)したりする。
ここで、各種状態を示す情報としては、例えば、外部情報端子に出力用の遊技状態が特別遊技状態(大当り状態)であることを示す信号、普図変動表示ゲーム及び特図変動表示ゲームにて当り結果となる確率が通常確率状態(低確率状態)であることを示す試験信号、大入賞口不正監視期間における大入賞口への入賞数のクリアに係る情報、特別遊技状態のラウンド数のクリアに係る情報、高確率状態の表示に係る遊技状態表示LED(エラー表示器58)を消灯させる情報、普図変動表示ゲームにて当り結果となる確率を通常確率状態(低確率状態)とする情報、停電復旧時に点灯した高確率状態の表示に係る遊技状態表示LED(エラー表示器58)を消灯させる情報、特図変動表示ゲームの制御用の情報(例えば、特図変動表示ゲームにて当り結果となる確率を通常確率状態(低確率状態)とする情報や、停電復旧時に演出制御装置550に出力される、普図変動表示ゲームや特図変動表示ゲームにて当り結果となる確率が通常確率状態(低確率状態)であることを示す情報や、大当り後の残り時間短縮変動回数のクリアに係る情報など)等が挙げられる。
一方、遊技制御装置500は、大当りフラグ1をチェックして大当りでないと判定された場合には(S2208の結果が「N」)、遊技状態が時短状態又は普図状態が中サポ状態であるか否かを判定する(S2230)。遊技状態が時短状態又は普図状態が中サポ状態の場合には、所定のゲーム回数を消化すると、他の遊技状態に遷移するため、ゲームの消化回数を管理するための処理を行う必要がある。
遊技制御装置500は、遊技状態が時短状態でなく、かつ、普図状態が中サポ状態でない場合には(S2230の結果が「N」)、現在の遊技状態を維持するので、現在の遊技状態のまま特図普段処理を実行するために特図普段処理移行設定処理1を実行し(S2240)、特図表示中処理を終了する。
また、遊技制御装置500は、遊技状態が時短状態又は普図状態が中サポ状態の場合には(S2230の結果が「Y」)、結果がはずれとなる特図変動表示ゲームが1回分終了したため、時間短縮変動回数を1減算して更新する(S2231)。
さらに、遊技制御装置500は、S2231の処理で更新された時間短縮変動回数が0であるか否かを判定する(S2232)。時間短縮変動回数が0でない場合には(S2232の結果が「N」)、遊技状態を遷移せずに特図普段処理を実行するために特図普段処理移行設定処理1を実行し(S2240)、特図表示中処理を終了する。
また、遊技制御装置500は、時間短縮変動回数が0の場合には(S2232の結果が「Y」)、特図変動表示ゲームの当選確率が高確率であるか否かを判定する(S2233)。特図変動表示ゲームの当選確率が高確率でない場合には(S2233の結果が「N」)、遊技状態が時短状態であり、時短状態を終了させるために時間短縮終了時の確率情報コマンドを準備し(S2234)、コマンド設定処理を実行する(S2235)。さらに、遊技状態を通常状態に移行して特図普段処理を実行するために特図普段処理移行設定処理2を実行し(S2236)、特図表示中処理を終了する。特図普段処理移行設定処理2では、遊技状態を時短状態から通常状態に移行させるために必要な各種フラグやパラメータを設定する。
一方、遊技制御装置500は、特図変動表示ゲームの当選確率が高確率の場合には(S2233の結果が「Y」)、普図状態が中サポ状態、すなわち、確変サポ有り状態1であり、中サポ状態を終了させるため、潜伏確変移行時の確率情報コマンドを準備し(S2237)、コマンド設定処理を実行する(S2238)。さらに、遊技状態を通常状態に移行して特図普段処理を実行するために特図普段処理移行設定処理4を実行し(S2239)、特図表示中処理を終了する。特図普段処理移行設定処理4は、中サポ状態を終了し、潜伏確変状態に移行させるために必要な各種フラグやパラメータを設定する。
〔大当り終了処理〕
次に、前述した特図ゲーム処理における大当り終了処理(S1415)の詳細について説明する。図23は、本発明の第1の実施の形態の大当り終了処理の手順を示すフローチャートである。大当り終了処理は、大当り状態終了後の遊技状態の設定などを行う。
遊技制御装置500は、まず、確率変動判定フラグ領域に格納された確率変動判定フラグをロードし(S2301)、当該確率変動判定フラグに基づく大当り終了設定処理を実行する(S2303〜S2306)
遊技制御装置500は、確率変動判定フラグが「0」の場合には、大当り終了設定処理1を実行する(S2303)。確率変動判定フラグが「0」の遊技状態は時短状態である。大当り終了設定処理1の詳細については、図24にて説明する。
遊技制御装置500は、確率変動判定フラグが「1」の場合には、大当り終了設定処理2を実行する(S2304)。確率変動判定フラグが「1」の遊技状態は確変サポ有り状態2(高サポ確変状態)である。大当り終了設定処理2の詳細については、図25にて説明する。
遊技制御装置500は、確率変動判定フラグが「2」の場合には、大当り終了設定処理3を実行する(S2305)。確率変動判定フラグが「2」の遊技状態は潜伏確変状態である。大当り終了設定処理3の詳細については、図26にて説明する。
遊技制御装置500は、確率変動判定フラグが「3」の場合には、大当り終了設定処理4を実行する(S2305)。確率変動判定フラグが「3」の遊技状態は確変サポ有り状態1(中サポ確変状態)である。大当り終了設定処理4の詳細については、図27にて説明する。
遊技制御装置500は、大当り終了設定処理が終了すると、確率変動判定フラグに対応する確率情報コマンドを準備する(S2307)。そして、確率情報コマンドを演出制御装置550に送信するためのコマンド設定処理を実行する(S2308)。
そして、遊技制御装置500は、振り分け判定フラグ領域にセーブされた変動振り分けデータをロードし(S2307)、ロードした変動振り分けデータを振り分け情報領域にセーブする(S2308)。最後に、特図普段処理を実行するための特図普段処理移行処理3を実行し(S2309)、大当り終了処理を終了する。
〔大当り終了設定処理〕
次に、前述した大当り終了処理における大当り終了設定処理1(S2303)の詳細について説明する。図24は、本発明の第1の実施の形態の大当り終了設定処理1の手順を示すフローチャートである。大当り終了設定処理1は、大当り終了後の遊技状態を時短状態に移行させるために必要な情報を設定する処理である。
遊技制御装置500は、まず、時短状態の開始に関する信号を図示しない遊技場内部管理装置へ送信するために外部情報出力データ領域にセーブする(S2401)。さらに、時短状態の開始に関する信号を図示しない試射試験装置に中継基板591を介して送信するために試験信号出力データ領域にセーブする(S2402)。また、図示しない遊技状態表示番号表示領域に時短状態の番号を表示させるために、遊技状態表示番号領域に時短時の番号をセーブする(S2403)。
次に、遊技制御装置500は、普図ゲームモードフラグ領域に普図高確率フラグ/普電サポートフラグ(高サポ状態)をセーブする(S2404)。さらに、特図ゲームモードフラグ領域に低確率/時短フラグをセーブし(S2405)、停電復旧時送信コマンド領域に確率情報コマンド(時短)をセーブする(S2406)。最後に、時間短縮変動回数領域に時短変動回数(100回)をセットし(S2407)、大当り終了設定処理1を終了する。
次に、前述した大当り終了処理における大当り終了設定処理2(S2304)の詳細について説明する。図25は、本発明の第1の実施の形態の大当り終了設定処理2の手順を示すフローチャートである。大当り終了設定処理2は、大当り終了後の遊技状態を確変サポ有り状態2に移行させるために必要な情報を設定する処理である。
遊技制御装置500は、まず、確変サポ有り状態2の開始に関する信号を図示しない遊技場内部管理装置へ送信するために外部情報出力データ領域にセーブする(S2501)。さらに、確変サポ有り状態2の開始に関する信号を図示しない試射試験装置に中継基板591を介して送信するために試験信号出力データ領域にセーブする(S2502)。また、図示しない遊技状態表示番号表示領域に確変サポ有り状態2の番号を表示させるために、遊技状態表示番号領域に確変サポ有り状態2の番号をセーブする(S2503)。
そして、遊技制御装置500は、確変サポ有り状態2に移行するために普図ゲームモードフラグ領域に普図高確率/普電サポートフラグ(高サポ状態)をセーブする(S2504)。さらに、特図ゲームモードフラグ領域に高確率/時短フラグをセーブし(S2505)、停電復旧時送信コマンド領域に確率情報コマンド(高確率)をセーブする(S2506)。最後に、次回大当りまで高サポ状態が継続するため、時間短縮変動回数領域をリセットし(S2507)、大当り終了設定処理2を終了する。
次に、前述した大当り終了処理における大当り終了設定処理3(S2305)の詳細について説明する。図26は、本発明の第1の実施の形態の大当り終了設定処理3の手順を示すフローチャートである。大当り終了設定処理3は、大当り終了後の遊技状態を潜伏確変状態に移行させるために必要な情報を設定する処理である。
遊技制御装置500は、まず、潜伏確変状態の開始に関する信号を図示しない遊技場内部管理装置へ送信するために外部情報出力データ領域にセーブする(S2601)。さらに、潜伏確変状態の開始に関する信号を図示しない試射試験装置に中継基板591を介して送信するために試験信号出力データ領域にセーブする(S2602)。また、図示しない遊技状態表示番号表示領域に潜伏確変状態の番号を表示させるために、遊技状態表示番号領域に潜伏確変状態の番号をセーブする(S2603)。
そして、遊技制御装置500は、潜伏確変状態に移行するために普図ゲームモードフラグ領域に普図低確率/普電サポートなしフラグ(低サポ状態)をセーブする(S2604)。さらに、特図ゲームモードフラグ領域に高確率/時短なしフラグをセーブし(S2605)、停電復旧時送信コマンド領域に確率情報コマンド(高確率)をセーブする(S2606)。最後に、次回大当りまで低サポ状態が継続するため、時間短縮変動回数領域をリセットし(S2607)、大当り終了設定処理3を終了する。
次に、前述した大当り終了処理における大当り終了設定処理4(S2306)の詳細について説明する。図27は、本発明の第1の実施の形態の大当り終了設定処理4の手順を示すフローチャートである。大当り終了設定処理4は、大当り終了後の遊技状態を確変サポ有り状態1に移行させるために必要な情報を設定する処理である。
遊技制御装置500は、まず、中サポ潜伏確変(確変サポ有り状態1)の開始に関する信号を図示しない遊技場内部管理装置へ送信するために外部情報出力データ領域にセーブする(S2701)。さらに、中サポ潜伏確変(確変サポ有り状態1)の開始に関する信号を図示しない試射試験装置に中継基板591を介して送信するために試験信号出力データ領域にセーブする(S2702)。また、図示しない遊技状態表示番号表示領域に中サポ潜伏確変(確変サポ有り状態1)の番号を表示させるために、遊技状態表示番号領域に中サポ潜伏確変(確変サポ有り状態1)の番号をセーブする(S2703)。
そして、遊技制御装置500は、普図ゲームモードフラグ領域に普図低確率/普電サポートフラグ(中サポ状態)をセーブする(S2704)。さらに、特図ゲームモードフラグ領域に高確率/時短フラグをセーブし(S2705)、停電復旧時送信コマンド領域に確率情報コマンド(中サポ潜伏確変(確変サポ有り状態1))をセーブする(S2706)。最後に、最後に、時間短縮変動回数領域に、確率変動判定フラグに対応した時短変動回数をセットし(S2407)、大当り終了設定処理4を終了する。
以上が特図変動表示ゲームを実行するための処理の説明である。続いて、普図変動表示ゲームを実行するための処理について説明する。
〔普図ゲーム処理〕
次に、前述したタイマ割込み処理における普図ゲーム処理(S1309)の詳細について説明する。図28は、本発明の第1の実施の形態の普図ゲーム処理の手順を示すフローチャートである。
普図ゲーム処理では、普図始動ゲート34の入力の監視と、普図変動表示ゲームに関する処理全体の制御、普図の表示の設定を行う。
遊技制御装置500は、まず、ゲートスイッチ34aへの遊技球の入賞を監視するゲートスイッチ監視処理を実行する(S2801)。ゲートスイッチ監視処理では、普図始動ゲート34に遊技球が入賞すると、普図変動表示ゲームの当りを決定するための当り乱数を抽出する。
次に、遊技制御装置500は、普電入賞スイッチ監視処理を実行する(S2802)。普電入賞スイッチ監視処理では、第2始動入賞口38に設けられた始動口2スイッチ38dのカウント数、すなわち、第2始動入賞口38に入賞した遊技球の数を監視する。
次に、遊技制御装置500は、普図ゲーム処理タイマを1減算して更新し、当該ゲーム処理タイマがタイムアップしたか否かをチェックする(S2803)。そして、普図ゲーム処理タイマがタイムアップしたか否かを判定する(S2804)。
遊技制御装置500は、普図ゲーム処理タイマがタイムアップしたと判定した場合には(S2804の結果が「Y」)、普図ゲーム処理番号に対応する処理に分岐させるために参照する普図ゲームシーケンス分岐テーブルをレジスタに設定する(S2805)。
遊技制御装置500は、さらに、普図ゲームシーケンス分岐テーブルを用いて普図ゲーム処理番号に対応する処理の分岐先アドレスを取得する(S2806)。そして、普図ゲーム処理番号に対応する処理が完了した後に戻り先であるリターンアドレスをスタック領域に退避させる(S2807)。その後、普図ゲーム処理番号に対応する処理を実行する(S2808)。
遊技制御装置500は、普図ゲーム処理番号が「0」の場合には(S2808の結果が「0」)、普図普段処理を実行する(S2809)。普図普段処理は、普図変動表示ゲームの変動開始を監視し、普図変動表示ゲームの結果の抽選、及び普図変動中処理を行うために必要な情報の設定などを行う。なお、普図普段処理の詳細については、図29にて後述する。
遊技制御装置500は、普図ゲーム処理番号が「1」の場合には(S2808の結果が「1」)、普図変動中処理を実行する(S2810)。普図変動中処理は、普図表示中処理を行うために必要な情報の設定等を行う。
遊技制御装置500は、普図ゲーム処理番号が「2」の場合には(S2808の結果が「2」)、普図表示中処理を実行する(S2811)。普図表示中処理は、普図変動表示ゲームの遊技結果が当りであれば、普電サポート状態に応じた第2始動入賞口38の開閉部材38aの開放時間の設定や、普図当り中処理を行うために必要な情報の設定等を行う。なお、普図表示中処理の詳細については、図30にて後述する。
遊技制御装置500は、普図ゲーム処理番号が「3」の場合には(S2808の結果が「3」)、普図当り中処理を実行する(S2812)。普図当り中処理は、普図変動表示ゲームの当りが終了するか否かを判定する処理や、普電残存球処理を行うために必要な情報の設定等を行う。なお、普図当り中処理の詳細については、図31にて後述する。
遊技制御装置500は、普図ゲーム処理番号が「4」の場合には(S2808の結果が「4」)、普電残存球処理を実行する(S2813)。普電残存球処理は、普図変動表示ゲームの当りラウンドが最終ラウンドであれば、第2始動入賞口38内にある残存球が排出されるための時間を設定する処理や、普図当り終了処理を行うために必要な情報の設定などを行う。
遊技制御装置500は、普図ゲーム処理番号が「5」の場合には(S2808の結果が「5」)、普図当り終了処理を実行する(S2814)。普図当り終了処理は、普図普段処理(S2809)を行うために必要な情報の設定等を行う。
各処理番号に対応する処理が完了すると、遊技制御装置500は、普図表示器53の変動を制御するためのテーブルを準備し(S2815)、普図表示器53における図柄変動制御処理を実行する(S2816)。
一方、遊技制御装置500は、普図ゲーム処理タイマがタイムアップしていないと判定した場合には(S2804の結果が「N」)、S2815以降の処理を実行する。
〔普図普段処理〕
次に、前述した普図ゲーム処理における普図普段処理(S2809)の詳細について説明する。図29は、本発明の第1の実施の形態の普図普段処理の手順を示すフローチャートである。
遊技制御装置500は、まず、普図保留数が0であるか否かをチェックする(S2901)。そして、普図保留数が0であるか否かを判定する(S2902)。普図保留数が0の場合には(S2902の結果が「Y」)、次に実行されるタイマ割込み処理の普図ゲーム処理で普図普段処理を実行させるために、普図普段処理移行設定処理1を実行する(S2903)。その後、普図普段処理を終了する。
一方、遊技制御装置500は、普図保留数が0でない場合には(S2902の結果が「N」)、当りフラグ領域にはずれ情報をセーブする(S2904)。さらに、普図停止図柄にはずれ時の停止図柄番号を設定する(S2905)。
次に、遊技制御装置500は、現在の普図確率が高確率であるか否かを判定する(S2906)。現在の普図確率が高確率である場合には(S2906の結果が「Y」)、RWMの乱数セーブ領域から当り乱数をロードして準備する(S2907)。さらに、普図確率が高確率である場合の当り判定用の下限判定値を設定する(S2908)。
遊技制御装置500は、その後、当り乱数の値が下限判定値未満であるか否かをチェック、つまり、S2907の処理でロードされた当り乱数の値が、当該当り乱数の当り判定値の下限値未満であるかをチェックする(S2909)。そして、当り乱数の値が下限判定値未満であるか否かを判定する(S2910)。
遊技制御装置500は、当り乱数の値が下限判定値未満でない場合(S2910の結果が「N」)、すなわち、当り乱数の値が下限判定値以上の場合には、普図変動表示ゲームで当り結果となる確率が高確率状態である場合の上限判定値を設定する(S2911)。
遊技制御装置500は、当り乱数の値が上限判定値よりも大きいか否かをチェック、すなわち、S2907の処理で読み込まれた当り乱数の値が、当該当り乱数の当り判定値の上限値よりも大きいかをチェックする(S2912)。そして、当り乱数の値が上限判定値よりも大きいか否かを判定する(S2193)。
遊技制御装置500は、当り乱数の値が上限判定値よりも大きくない、すなわち、当り乱数の値が上限判定値以下の場合には(S2193の結果が「N」)、RWMの当りフラグ領域に当り情報をセーブする(S2914)。さらに、普図停止図柄に当り時の停止図柄番号を設定し(S2915)、S2920以降の処理を実行する。一方、当り乱数の値が上限値よりも大きい場合には(S2913の結果が「Y」)、S2914及びS2915の処理を実行せずに、S2920以降の処理を実行する。
一方、遊技制御装置500は、現在の普図確率が高確率でない場合には(S2906の結果が「N」)、RWMの乱数セーブ領域から当り乱数をロードして準備し(S2916)、普図確率が低確率状態である場合の当り判定用の判定値を設定する(S2917)。そして、S2916の処理でロードした当り乱数とS2917の処理で設定した判定値とが一致するか否かをチェックし(S2918)、当該当り乱数と当該判定値とが一致するか否かを判定する(S2919)。
遊技制御装置500は、当り乱数と判定値とが一致する場合には(S2919の結果が「Y」)、当りフラグ領域に当り情報を設定し(S2914)、普図停止図柄に当り時の停止図柄番号を設定する(S2915)。
一方、遊技制御装置500は、当り乱数と判定値とが一致しない場合には(S2919の結果が「N」)、S2914及びS2915の処理を実行せずに、S2920以降の処理を実行する。
次に、遊技制御装置500は、RWMの乱数セーブ領域を0クリアする(S2920)。そして、普図停止図柄領域に普図停止図柄領域にS2905又はS2915の処理で設定された停止図柄番号をセーブする(S2921)。さらに、普図停止図柄番号に対応する信号を中継基板70を介して図示しない試射試験装置に送信するために、普図停止図柄番号に対応する信号を試験信号出力データ領域にセーブする(S2922)。
次に、遊技制御装置500は、当り乱数セーブ領域をシフトし(S2923)、S2923の処理でシフトされた後の空き領域をクリアする(S2924)。さらに、普図保留数を1減算して更新し(S2925)、普電サポートなし時の普図変動表示ゲームの変動時間を設定する(S2926)。
次に、遊技制御装置500は、普電サポート中であるか否かを判定する(S2927)。具体的には、普図状態が高サポ状態又は中サポ状態であるか否かを判定する。
遊技制御装置500は、普電サポート中の場合には(S2927の結果が「Y」)、普電サポートの種類に応じた普図変動表示ゲームの変動時間を設定する(S2928)。具体的には、図5に示したように、高サポ状態であれば1.0秒、中サポ状態であれば19.9秒を設定する。そして、S2928の処理で設定された変動時間を普図ゲーム処理タイマ領域にセーブする(S2929)。
遊技制御装置500は、次に実行されるタイマ割込み処理における普図ゲーム処理で普図変動中処理が実行されるように、普図変動中処理移行設定処理を実行する(S2930)。その後、普図普段処理を終了する。
遊技制御装置500は、普電サポート中でない場合には(S2927の結果が「N」)、S2928の処理を実行せずに、S2926の処理で設定された変動時間を普図ゲーム処理タイマ領域にセーブする(S2929)。そして、次に実行されるタイマ割込み処理における普図ゲーム処理で普図変動中処理が実行されるように、普図変動中処理移行設定処理を実行する(S2930)。その後、普図普段処理を終了する。
〔普図表示中処理〕
次に、前述した普図ゲーム処理における普図表示中処理(S2811)の詳細について説明する。図30は、本発明の第1の実施の形態の普図表示中処理の手順を示すフローチャートである。
普図表示中処理は、普図変動表示ゲームにおける普通図柄の停止時間が経過するまで実行されない処理であり、現在の普電サポート状態に対応する第2始動入賞口38の開閉部材38aの開放時間(普電開放時間)を決定する処理である。
遊技制御装置500は、まず、RWMの当りフラグ領域から当りフラグをロードし(S3001)、当りフラグ領域をクリアする(S3002)。そして、遊技制御装置500は、S3001の処理でロードされた当りフラグに基づいて、普通図柄が停止した普図変動表示ゲームが当りであるか否かをチェックし(S3003)、普図変動表示ゲームが当りであるか否かを判定する(S3004)。
遊技制御装置500は、普図変動表示ゲームが当りでない場合には(S3004の結果が「N」)、普電開放時間を決定しないので、普図普段処理移行設定処理1を実行する(S3005)。普図普段処理移行設定処理1では、処理番号を0に設定し、普図ゲーム処理番号領域にセーブする。そして、普電不正監視期間フラグ領域に不正監視期間中フラグをセーブする。普図普段処理移行設定処理1が終了すると、普図表示中処理を終了する。
遊技制御装置500は、普図変動表示ゲームが当りである場合には(S3004の結果が「Y」)、普図ゲームモードフラグを確認し(S3006)、普電サポート中であるか否かを判定する(S3007)。具体的には、普図ゲームモードフラグ領域に設定された普電サポートフラグに基づいて現在の普図状態を特定する。
遊技制御装置500は、普電サポート中である場合には(S3007の結果が「Y」)、現在の普図状態が中サポ状態であるか否かを判定する(S3008)。現在の普図状態が中サポ状態でない場合(S3008の結果が「N」)、すなわち、普図状態が高サポ状態の場合には、高サポ状態の普電開放時間(例えば、1.70秒、図5参照)を設定する(S3009)。このとき、第2始動入賞口38の開閉部材38aの開放回数も設定する(例えば3回、図5参照)。さらに、高サポ状態における当り開始ポインタとして0を設定する(S3010)。
遊技制御装置500は、現在の普図状態が中サポ状態の場合には(S3008の結果が「Y」)、中サポ状態の普電開放時間(例えば0.12秒、図5参照)を設定する(S3011)。さらに、中サポ状態における当り開始ポインタとして4を設定する(S3012)。
一方、遊技制御装置500は、普電サポート中でない場合には(S3007の結果が「N」)、普電サポートなしの普電開放時間(例えば、0.10秒、図5参照)を設定する(S3013)。さらに、普電サポートなしの場合の当り開始ポインタとして4を設定する(S3014)。
続いて、遊技制御装置500は、S3010、S3012、S3014の処理で設定された現在の普図状態に対応する当り開始ポインタの値を普図当り中処理制御ポインタ領域にセーブする(S3015)。さらに、S3009、S3011、S3013の処理で設定された現在の普図状態に対応する普電開放時間を普図ゲーム処理タイマ領域にセーブする(S3016)。
最後に、遊技制御装置500は、普図当り中処理を実行すべく普図当り中処理移行設定処理を実行し(S3017)、普図表示中処理を終了する。なお、S3016の処理で普図ゲーム処理タイマ領域に普電開放時間がセーブされているので、普電開放時間が経過してから普図当り中処理が実行される。
また、普図当り中処理移行設定処理(S3017)には、第2始動入賞口38の開閉部材38aを開放状態にする処理が含まれる。具体的には、普電ソレノイド出力データ領域にONデータをセーブし、第2始動入賞口38の開閉部材38aを開放するように普電ソレノイド37cを制御する。そして、S3016の処理で設定された普電開放時間が経過すると、後述する普電作動移行設定処理によって、第2始動入賞口38の開閉部材38aが開放状態から閉塞状態に移行する。
〔普図当り中処理〕
次に、前述した普図ゲーム処理における普図当り中処理(S2812)の詳細について説明する。図31は、本発明の第1の実施の形態の普図当り中処理の手順を示すフローチャートである。
普図当り中処理は、普図当りの状態を示す普図当り中処理制御ポインタ(0〜4)を更新する処理である。
遊技制御装置500は、まず、普図当り中処理制御ポインタをロードして準備する(S3101)。さらに、S3101の処理でロードされた普図当り中処理制御ポインタが当りを終了させる値(4)であるか否かをチェックする(S3102)。S3102のチェック結果に基づいて、普図変動表示ゲームの当りを終了するか否かを判定する(S3103)。
遊技制御装置500は、普図変動表示ゲームの当りを終了しない場合には(S3103の結果が「N」)、普図当り中処理制御ポインタの値を1加算して更新する(S3104)。
遊技制御装置500は、S3104の処理を実行した後、又は、普図変動表示ゲームの当りを終了する場合には(S3103の結果が「Y」)、普電作動移行設定処理を実行し(S3105)、普図当り処理を終了する。
〔普電作動移行設定処理〕
次に、前述した普図当り中処理における普電作動移行設定処理(S3106)の詳細について説明する。図32は、本発明の第1の実施の形態の普電作動移行設定処理の手順を示すフローチャートである。普電作動移行設定処理では、普図当り中処理制御ポインタの値に対応した処理が実行される。
遊技制御装置500は、まず、普図当り中処理制御ポインタの値に応じた処理を実行する(S3201)。なお、S3201の処理で判定に使用する制御ポインタの値は、図31のS3101の処理でロードされた普図当り中処理制御ポインタの値である。このとき、図31のS3104の処理によって、普図当り中処理制御ポインタ領域に格納された普図当り中処理制御ポインタの値に1が加算されているが、S3201の処理で利用される値は加算前の値である。
遊技制御装置500は、普図当り中処理制御ポインタの値が0又は2である場合には(S3201の結果が「0」又は「2」)、まず、第2始動入賞口38の開閉部材38aを閉塞する時間を示すウェイト時間を設定する(S3202)。さらに、S3202の処理で設定されたウェイト時間を普図ゲーム処理タイマ領域にセーブする(S3203)。
そして、遊技制御装置500は、第2始動入賞口38の開閉部材38aを閉塞状態にするように普電ソレノイド37cを制御するために、普電ソレノイド出力データ領域にOFFデータをセーブし(S3204)、普電作動移行設定処理を終了する。なお、処理番号は更新されず3のままであるので、ウェイト時間が経過すると普図当り中処理が実行され、図31のS3104の処理で普図当り中処理制御ポインタが1加算されて更新される。
遊技制御装置500は、普図当り中処理制御ポインタの値が1又は3である場合には(S3201の結果が「1」又は「3」)、現在の普電サポート状態に対応する普電開放時間を設定する(S3205)。さらに、S3205の処理で設定された普電開放時間を普図ゲーム処理タイマ領域にセーブする(S3206)。
そして、遊技制御装置500は、第2始動入賞口38の開閉部材38aを開放状態にするように普電ソレノイド37cを制御するために、普電ソレノイド出力データ領域にONデータをセーブし(S3207)、普電作動移行設定処理を終了する。なお、処理番号は更新されず3のままであるので、普電開放時間が経過すると普図当り中処理が実行され、S3104で普図当り中処理制御ポインタが更新(+1)される。
次に、遊技制御装置500は、普図当り中処理制御ポインタの値が4である場合には(S3201の結果が「4」)、当り状態を終了し普電残存球処理を実行するために、処理番号を4に設定する(S3208)。さらに、S3208の処理で設定された処理番号を普図ゲーム処理番号領域にセーブする(S3209)。そして、普電残存球処理時間を設定し(S3210)、S3210の処理で設定された普電残存球処理時間を普図ゲーム処理タイマ領域にセーブする(S3211)。普電残存球処理時間は、第2始動入賞口38の開閉部材38aが閉塞状態であった場合に第2始動入賞口への入賞を検出しても普電不正入賞数としてカウントしない時間である。
最後に、遊技制御装置500は、第2始動入賞口38の開閉部材38aを閉塞状態にするように普電ソレノイド37cを制御するために、普電ソレノイド出力データ領域にOFFデータをセーブし(S3212)、普電作動移行設定処理を終了する。
以上のように、普図変動表示ゲームの当りの発生中には第2始動入賞口38の開閉部材38aを閉塞状態から開放状態に変換することが、状態に応じて1回(0.10秒または0.12秒×1回)または3回(1.70秒×3回)行われ、それぞれの開放が終了すると普図変動表示ゲームの当りが終了する。
さらに説明すると、第2始動入賞口38の開閉部材38aの開放回数が1回の場合には、普図当り中処理移行設定処理で開放状態となる。そして、普図当り中処理制御ポインタの開始値が4となっているため(図30のS3012、S3014)、普電作動移行設定処理で再び開放状態となることなく、次の処理(普電残存球処理)に移行するための処理が実行される。
一方、第2始動入賞口38の開閉部材38aの開放回数が3回の場合には、普図当り中処理移行設定処理で開放状態となった後、普図当り中処理制御ポインタの開始値が0となっているため(図30のS3010)、普電作動移行設定処理で2回、閉塞状態から開放状態に移行する処理が実行される。
以上が遊技制御装置500による処理の説明である。続いて、演出制御装置550による処理について説明する。
〔メイン処理(演出制御装置)〕
次に、演出制御装置550によって実行されるメイン処理の詳細を説明する。図33は、本発明の第1の実施の形態の演出制御装置550によって実行されるメイン処理の手順を示すフローチャートである。メイン処理は、遊技機1に電源が投入されると、演出制御装置550の主制御用マイコン551によって実行される処理である。
演出制御装置550は、まず、各種処理の実行に必要な初期値をRAM551aに設定する初期化処理を実行する(S3301)。続いて所定のタイミング(例えば、1ミリ秒)で割込みを発生させるための割込みタイマを起動させる(S3302)。割込みの発生タイミングでは後述する割込み処理(図34)が実行される。
そして、演出制御装置550は、遊技制御装置500から受信したメインコマンドを解析するメインコマンド解析処理を実行する(S3303)。次に、遊技が継続されているか否かを監視する遊技監視処理を実行する(S3304)。遊技監視処理の詳細については、図35にて後述する。さらに、演出制御装置550は、表示装置48で実行される特図変動表示ゲームの実行を制御するゲーム制御処理を実行する(S3305)。
続いて、演出制御装置550は、確変サポ有り状態1で特図変動表示ゲームが実行された回数をカウントし、潜伏確変状態に移行するまでの回数を報知する天井報知設定処理1を実行する(S3306)。天井報知設定処理1の詳細については、図36にて後述する。続いて、スペシャルリーチのはずれ回数に応じて潜伏確変状態に移行するまでの回数を報知する天井報知設定処理2を実行する(S3307)。天井報知設定処理2の詳細については、図37にて後述する。
続いて、演出制御装置550は、始動記憶内の未実行の変動表示ゲームの結果を報知する先読み演出予告設定処理を実行する(S3308)。先読み演出予告設定処理の詳細については、図38にて後述する。
演出制御装置550は、表示装置48の表示画面を制御する表示制御処理を実行する(S3309)。続いて、スピーカー30から出力される音を制御する音制御処理を実行し(S3310)、さらに、装飾装置(盤装飾装置10d、枠装飾装置18d、盤演出装置10f、枠演出装置18f)を制御する装飾制御処理を実行する(S3311)。
次に、演出制御装置550は、遊技機1における異常の発生を監視するエラー監視処理を実行する(S3312)。演出制御装置550に関わる異常の他に、遊技制御装置500からエラー報知を指示するコマンドを受信した場合などに、警報音の報知など所定の処理を実行する。
最後に、演出制御装置550は、変動パターン及び停止図柄を決定するための乱数を更新するための乱数更新処理を実行し(S3313)、S3303の処理に戻る。以降、S3303からS3313までの処理を繰り返す。
〔割込み処理(演出制御装置)〕
次に、演出制御装置550によって実行される割込み処理の詳細について説明する。図34は、本発明の第1の実施の形態の割込み処理のフローチャートである。割込み処理は、前述のように、タイマ割込みが発生するごとに実行される処理である。
演出制御装置550は、まず、各種タイマの値を更新するタイマ更新処理を実行する(S3401)。具体的には、タイマの値を1加算して更新する。
続いて、演出制御装置550は、外部からの信号入力を監視し、入力を受け付けるための入力処理を実行する(S3402)。例えば、演出ボタン31が操作されたことによって入力された信号を検出し、当該信号の入力を受け付ける。
さらに、演出制御装置550は、各種処理でセットされた出力データに基づいて、ソレノイドやLED(盤装飾装置10d、枠装飾装置18d、盤演出装置10f、枠演出装置18f)等の駆動制御などを行う出力処理を実行する(S3403)。具体的には、表示制御処理(図33のS3309)によって指示された画像を表示装置48から出力したり、音制御処理(図33のS3310)によって指示された効果音や報知音などをスピーカー30に出力したりする。
最後に、演出制御装置550は、遊技制御装置500から送信されたメインコマンドの入力を監視し、当該メインコマンドを受信するメインコマンド受信処理を実行し(S3404)、割込み処理を終了する。
〔遊技監視処理〕
図35は、本発明の第1の実施の形態の遊技監視処理の手順を示すフローチャートである。遊技監視処理は、遊技が行われていない時間を計測し、所定時間遊技が行われていない場合には、後述する天井報知設定処理1で天井回数が報知されないように、報知タイマをリセットする。
演出制御装置550は、まず、普図始動記憶が存在するか否かを判定する(S3501)。普図始動記憶が存在する場合には(S3501の結果が「Y」)、遊技が継続されていると判断することができるため、非遊技タイマに初期値をセットする(S3505)。なお、遊技が継続されているか否かの判断には、普図始動記憶だけではなく、一般入賞口の入賞状況やアウト球を監視してもよい。また、遊技球の発射状況を監視してもよい。
続いて、演出制御装置550は、普図始動記憶が存在しない場合には(S3501の結果が「N」)、遊技が継続していない可能性があるため、非遊技タイマを更新する(S3502)。さらに、更新後の非遊技タイマがタイムアップしたか否かを判定する(S3503)。非遊技タイマがタイムアップしていない場合には(S3503の結果が「N」)、本処理を終了する。
演出制御装置550は、非遊技タイマがタイムアップした場合には(S3503の結果が「Y」)、遊技が継続していないと判断して、報知タイマのタイムアップ回数を初期化する(S3504)。さらに、非遊技タイマに初期値をセットする(S3505)。
〔天井報知設定処理1〕
前述のように、確変サポ有り状態1で所定回数の特図変動表示ゲームが実行されると、遊技者にとってより有利な潜伏確変状態に遷移する。このときの所定回数を天井回数という。天井報知設定処理1は、天井回数を報知することによって、遊技者に潜伏確変状態に遷移するまでの回数を報知する。また、本処理では、遊技中に特図変動表示ゲームが実行されていない状態(遊技者にとって不満な状態)を前述した遊技監視処理とあわせて監視することによって、遊技者の遊技意欲を低下させないために天井回数を報知する。
図36は、本発明の第1の実施の形態の天井報知設定処理1の手順を示すフローチャートである。
演出制御装置550は、まず、現在の遊技状態が中サポ状態であるか否かを判定する(S3601)。遊技状態が中サポ状態でない場合には(S3601の結果が「N」)、天井回数を報知する必要はないため、本処理を終了する。なお、このとき報知タイマに初期値が設定されていない場合には、初期値を設定する。
演出制御装置550は、遊技状態が中サポ状態の場合には(S3601の結果が「Y」)、特図変動表示ゲームが実行中であるか否か判定する(S3602)。特図変動表示ゲームが実行中である場合には(S3602の結果が「Y」)、特図変動表示ゲームが実行され、遊技者に特に不満がある状態ではないと判断されるため、天井回数を報知しないように報知タイマに初期値をセットする(S3610)。さらに、報知タイマタイムアップ回数を初期化する。なお、特図変動表示ゲームが実行中であるか否かを判定する代わりに、特図始動記憶数が1以上であるか否かを判定するようにしてもよい。
一方、演出制御装置550は、特図変動表示ゲームが実行中でない場合には(S3602の結果が「Y」)、報知タイマを更新する(S3603)。さらに、報知タイマがタイムアップしたか否かを判定する(S3604)。報知タイマがタイムアップしていない場合には(S3604の結果が「N」)、本処理を終了する。
演出制御装置550は、報知タイマがタイムアップしている場合には(S3604の結果が「Y」)、続いて報知タイマによる計測を開始するために、報知タイマに初期値をセットする(S3605)。さらに、報知タイマタイムアップ回数に1加算するように更新する(S3606)。
演出制御装置550は、報知タイマタイムアップ回数が所定回数に到達したか否かを判定する(S3607)。本発明の第1の実施の形態では、所定期間を計測する報知タイマが所定回数タイムアップした場合に天井回数を報知する。このように制御することによって、報知タイマがタイムアップ回数するごとに段階的に報知するなど、きめ細かい演出が可能となる。報知タイマタイムアップ回数が所定回数に到達していない場合には(S3607の結果が「N」)、本処理を終了する。報知タイマタイムアップ回数が所定回数に到達した場合には(S3607の結果が「Y」)、報知タイマタイムアップ回数を初期化し(S3608)、天井回数を報知するための設定を行う(S3609)。なお、天井回数を報知する演出については、図38にて一例を示す。
〔天井報知設定処理2〕
天井報知設定処理2は、天井報知設定処理1と同様に、天井回数を報知することによって、遊技者に潜伏確変状態に遷移するまでの回数を報知する。また、本処理では、本来期待感の高いSPリーチが何度もはずれることで、遊技者の遊技意欲を低下させないために天井回数を報知する。
図37は、本発明の第1の実施の形態の天井報知設定処理2の手順を示すフローチャートである。
演出制御装置550は、まず、現在の遊技状態が中サポ状態であるか否かを判定する(S3701)。遊技状態が中サポ状態でない場合には(S3701の結果が「N」)、天井回数を報知する必要がないため、スペシャルリーチのはずれ回数を初期化して(S3710)、本処理を終了する。
演出制御装置550は、遊技状態が中サポ状態の場合には(S3701の結果が「Y」)、変動表示ゲームが開始されたか否かを判定する(S3702)。変動表示ゲームが開始されていない場合には(S3702の結果が「N」)、本処理を終了する。
演出制御装置550は、変動表示ゲームが開始されている場合には(S3702の結果が「Y」)、開始されている変動表示ゲームの変動パターンを確認する(S3703)。そして、確認された変動パターンがSPリーチであるか否かを判定する(S3704)。SPリーチでない場合には(S3704の結果が「N」)、本処理を終了する。
演出制御装置550は、実行される変動表示ゲームの変動パターンがSPリーチの場合には(S3704の結果が「Y」)、変動表示ゲームの結果が大当りか否かを判定する(S3705)。変動表示ゲームの結果が大当りであれば(S3705の結果が「Y」)、遊技者の遊技意欲が低下することはないため、本処理を終了する。
演出制御装置550は、変動表示ゲームの結果が大当りでない場合には(S3705の結果が「N」)、SPリーチのはずれ回数に1加算して更新する(S3706)。さらに、SPリーチのはずれ回数が所定回数に到達したか否かを判定する(S3707)。SPリーチのはずれ回数が所定回数に到達していない場合には(S3707の結果が「N」)、本処理を終了する。
演出制御装置550は、SPリーチのはずれ回数が所定回数に到達した場合には(S3707の結果が「Y」)、SPリーチのはずれ回数を初期化し(S3708)、天井回数を報知するための設定を行う(S3709)。なお、天井回数を報知する演出については、図38にて一例を示す。
〔天井回数報知演出の例〕
図38は、本発明の第1の実施の形態の確変サポ有り状態1における天井回数報知演出の一例を示す図である。
図38に示す例では、中サポ状態は特図変動表示ゲームが50回実行されるまで継続する。このとき、特図変動表示ゲームが実行される残り回数に応じてキャラクターが表示される。
具体的には、残り回数が多い場合には(50〜35回)、白色のキャラクターが表示される天井回数報知演出1が実行される。さらに、残り回数が中程度の場合には(34〜15回)、白黒混合のキャラクターが表示される天井回数報知演出2が実行される。また、残り回数が少ない場合には(14回以下)、黒色のキャラクターが表示される天井回数報知演出3が実行される。
図39は、本発明の第1の実施の形態の確変サポ有り状態1における天井回数報知演出が実行されるタイミングを示す図である。
最上段は、中サポ状態の残り回数を示しており、2段目は、天井回数報知設定を行うか否かを示している。3〜5段目は、天井回数報知演出1〜3の実行タイミングを示している。
本発明の第1の実施の形態では、残り回数が少なくなるにつれて天井回数報知演出1から順に天井回数報知演出3が実行される。
また、天井回数報知演出の別の例として、10回、20回などの節目の回数で特定のキャラクターを表示させるようにしてもよい。例えば、中サポ状態の回数が複数の種類存在することを遊技者が認識している場合も想定されるため、節目のゲームでキャラクターを登場させるなどの演出を実行することによって遊技者が状態移行のタイミングを把握しやすいようにしてもよい。同様に、状態移行までの残り回数に応じてキャラクターにセリフをしゃべらせるようにしてもよい。
〔先読み予告設定処理〕
先読み予告とは、未実行の変動表示ゲームの結果を予告する補助表示であり、先読み予告設定処理は、未実行の変動表示ゲームの結果を予告するための処理である。本発明の第1の実施の形態では、中サポ状態(確変サポ有り状態1)の場合には確変サポ有り状態2に移行する場合にのみ先読み予告を実行する。確変サポ有り状態2以外の状態に移行する場合については、先読み予告によって期待感をむやみに煽るのは好ましくないため、先読み予告を実行しないように制御される。
図40は、本発明の第1の実施の形態の先読み予告演出設定処理の手順を示すフローチャートである。また、図41は、先読み予告設定を行う対象となるコマンド(始動口入賞演出コマンド、始動口入賞演出図柄コマンド)の一例を示す表である。
まず、図40を参照しながら、始動口入賞演出コマンド及び始動口入賞演出図柄コマンドについて説明する。始動口入賞演出コマンド及び始動口入賞演出図柄コマンドは、遊技球が始動入賞口に入賞した場合に遊技制御装置500から演出制御装置550に送信されるコマンドである。
始動口入賞演出コマンドは、対応する保留がはずれの場合を示している。始動口入賞演出コマンドでは、実行されるリーチが特定される。
始動口入賞演出図柄コマンドは、対応する保留が当りの場合を示しており、大当り図柄の種類を特定する。リーチの種類などは、演出制御装置550側で決定してもよい。
続いて、図40を参照しながら先読み予告演出設定処理の手順について説明する。
演出制御装置550は、まず、始動口入賞演出コマンドを受信したか否かを判定する(S4001)。始動口入賞演出コマンドを受信した場合には(S4001の結果が「Y」)、はずれが確定しているが、いわゆるガセ報知を可能とするために、コマンド種類に応じた先読み予告表示を許可する(S4006)。
演出制御装置550は、始動口入賞演出コマンドを受信していない場合には(S4001の結果が「N」)、始動口入賞演出図柄コマンドを受信したか否かを判定する(S4002)。始動口入賞演出図柄コマンドを受信していない場合には(S4001の結果が「N」)、先読み予告を実行する必要がないので、本処理を終了する。
演出制御装置550は、始動口入賞演出図柄コマンドを受信した場合には(S4002の結果が「Y」)、中サポ状態、すなわち、遊技状態が確変サポ有り状態1であるか否かを判定する(S4003)。遊技状態が中サポ状態でない場合には(S4003の結果が「N」)、コマンド種類に応じた先読み予告表示を許可する(S4006)。
演出制御装置550は、遊技状態が中サポ状態の場合には(S4003の結果が「Y」)、コマンド種類と現在の遊技状態に基づいて大当り後の遊技状態を取得する(S4004)。そして、大当り後の遊技状態が高サポ状態に移行するか否かを判定する(S4005)。
演出制御装置550は、高サポ状態に移行する場合には(S4005の結果が「Y」)、コマンド種類に応じた先読み予告表示を許可する(S4006)。一方、高サポ状態に移行しない場合には(S4005の結果が「Y」)、大当り後も中サポ状態のままであり、前述のように、先読みで期待感をむやみに煽るのは好ましくないため、先読み予告を実行せずに本処理を終了する。
〔第1の実施の形態の効果〕
以上のように、本発明の第1の実施の形態によれば、確変サポ有り状態2(特定遊技状態、確変状態)への移行確率の高い潜伏確変状態を発生可能とし、通常状態(低サポ状態)から確変サポ有り状態1(中サポ状態)へ移行したところで所定期間遊技を行って、潜伏確変状態への移行を目指すというゲーム性が生まれるため、特定遊技状態発生までのプロセスを興趣の高いものとすることができる。
また、本発明の第1の実施の形態では、潜伏確変状態に移行するまでの期間を、通常状態から確変サポ有り状態1(中サポ状態)に移行したときの大当り図柄に基づいて決定する。さらに、確変サポ有り状態1から、再度確変サポ有り状態1に移行する条件を満たすと、潜伏確変状態に移行するまでの期間(天井回数)が長くなってしまうため、いかに潜伏確変状態に移行するかを目指すことで興趣を高めることができる。このように、本発明の第1の実施の形態によれば、中サポ状態を設けることによって、ゲーム性が広がり、よりバリエーションに富んだ遊技を遊技者に提供することができる。
さらに、本発明の第1の実施の形態によれば、遊技中(発射等を行っている)であるにもかかわらず、ゲームを進行させることができず、不満に感じる遊技者に天井回数を報知するので、遊技を継続する動機付けとすることができる。
本発明の第1の実施の形態によれば、確変サポ有り状態1(中サポ状態)における遊技中に、確変サポ有り状態2(高サポ状態)に移行しない大当りに当選することは、遊技者にとって好ましくないため、このような場合には、遊技状態がよくならないという状況に合わせた予告の自粛を行うことが可能となり、遊技者に誤った期待感を与えないようにすることができる。
(第2の実施の形態)
本発明の第1の実施の形態では、1つの大当り図柄に対して普電サポートあり又は普電サポートなしのいずれかの状態に遷移し、普電サポートありの場合にさらに複数の状態に遷移していた。これに対し、第2の実施の形態では、第1の実施の形態と同様に、1つの大当り図柄に対して普電サポートあり又は普電サポートなしのいずれかの状態に遷移するが、普電サポートありの場合には1つの種類の状態にのみ遷移する。
なお、第1の実施の形態と共通する事項については記載を省略し、相違する事項のみ説明する。
まず、本発明の第2の実施の形態において、特図変動表示ゲームが実行され、大当りが発生した場合に、現在の遊技状態及び大当り図柄に基づいて移行する遊技状態について説明する。図42は特図1変動表示ゲームが実行された場合(第1始動入賞口37に遊技球入賞した場合)、図43は特図2変動表示ゲームが実行された場合(第2始動入賞口38に遊技球入賞した場合)について示している。
図42及び図43には、現在の遊技状態及び大当り図柄の組み合わせに基づいて移行する状態が示されている。
遊技状態には、第1の実施の形態と同様に、「通常状態」、「時短状態」、「潜伏確変状態」、「確変サポ有り状態1」及び「確変サポ有り状態2」が含まれており、内容についても第1の実施の形態と同様である。
また、大当り図柄には、第1の実施の形態と同様に、15R通常、2R確変A、2R確変B、2R確変C、2R確変D、2R確変E、15R確変A、15R確変B、15R確変C、15R確変Dが含まれる。
まず、図42を参照しながら特図1変動表示ゲームで大当りが発生した場合について説明する。
特図1変動表示ゲームで大当りが発生した場合の大当り図柄の振り分けは、15R通常に10%、2R確変Aに10%、2R確変Bに20%、2R確変Cに20%、2R確変Dに20%、2R確変Eに10%、15R確変Aに10%となっている。
現在の遊技状態が通常状態の場合に、大当り図柄が15R通常で大当りとなった場合には、第1の実施の形態と同様に、特別遊技状態終了後、高サポ状態が100回継続する。
また、大当り図柄が2R確変A又は15R確変Aで大当りとなった場合には、特別遊技状態終了後、現在の遊技状態にかかわらず、高サポ状態に移行する。
また、時短状態又は確変サポ有り状態の場合に、大当り図柄が2R確変B〜Eで大当りとなった場合には、普図状態が中サポ状態に移行し、大当りが所定の回数発生しなければ、その後、潜伏確変状態に移行する。一方、通常状態又は潜伏確変状態の場合に2R確変B〜Eで大当りが発生すると、低サポ状態に移行する。
続いて、図43を参照しながら特図2変動表示ゲームで大当りが発生した場合について説明する。
図43を参照すると、特図2変動表示ゲームで大当りが発生した場合の大当り図柄の振り分けは、15R通常の場合は特図1変動表示ゲームの場合と同じ(10%)であるが、大当り図柄が15R確変Dの振り分けが80%となり、現在の遊技状態にかかわらず、特図変動表示ゲームの当選確率が高確率、かつ、普図状態が高サポ状態に移行する確率が高くなる。
また、15R確変B及び15R確変Cにはそれぞれ5%振り分けられ、通常状態又は確変サポ有り状態で大当りが発生すると、普図状態が中サポ状態に移行し、その後、所定の回数大当りが発生しなければ、低サポ状態(潜伏確変状態)に移行する。時短状態又は潜伏確変状態で大当りが発生した場合には、普図状態が高サポ状態となり、確変サポ有り状態2に移行する。
続いて、図44を参照しながら、状態遷移についてさらに説明する。図44は、本発明の第2の実施の形態の遊技状態の遷移を説明する図である。
まず、通常状態の場合について説明する。通常状態に移行する場合としては、時短状態で大当りが発生せずに所定の回数、特図変動表示ゲームが実行された場合である。また、通常状態の場合に15R通常で大当りが発生した場合には、時短状態に移行する。また、2R確変C、2R確変D又は2R確変Dで大当りが発生した場合には潜伏確変状態に遷移する。また、2R確変A、2R確変B、15R確変A又は15R確変Dで大当りが発生した場合には確変サポ有り状態2に遷移する。さらに、15R確変B又は15R確変Cで大当りが発生した場合には確変サポ有り状態1に遷移する。
次に、時短状態の場合について説明する。現在の遊技状態を問わず、15R通常で大当りが発生すると時短状態に移行する。また、前述のように、時短状態において所定回数の特図変動表示ゲームが実行され、大当りが発生しなければ、通常状態に遷移する。さらに、時短状態において2R確変A、2R確変B、15R確変A、又は15R確変Dで大当りが発生すると、確変サポ有り状態2に遷移する。また、2R確変C、2R確変D、2R確変E、15R確変B、又は15R確変Cで大当りが発生すると、確変サポ有り状態2に遷移する。
次に、確変サポ有り状態1の場合について説明する。時短状態、確変サポ有り状態1又は確変サポ有り状態2で、2R確変C、2R確変D又は2R確変Eが発生すると、各遊技状態から確変サポ有り状態1に遷移する。また、現在の遊技状態にかかわらず、15R確変B又は15R確変Cが発生すると、各遊技状態から確変サポ有り状態1に遷移する。
次に、確変サポ有り状態2の場合について説明する。現在の遊技状態にかかわらず、2R確変A、15R確変A又は15R確変Dで大当りが発生すると、確変サポ有り状態2に遷移する。また、通常状態、時短状態又は潜伏確変状態で、2R確変Bが発生した場合にも確変サポ有り状態2に遷移する。確変サポ有り状態2の場合に、2R確変A、15R確変A又はDが発生すると、再び確変サポ有り状態2に遷移する。一方、確変サポ有り状態2の場合に15R通常で大当りが発生すると、時短状態に遷移する。また、2R確変Bで大当りが発生すると、潜伏確変状態に遷移する。2R確変C、2R確変D、2R確変E、15R確変B又は15R確変Cが発生すると、確変サポ有り状態1に遷移する。
最後に、潜伏確変状態の場合について説明する。通常状態で2R確変C、2R確変D又は2R確変Eで大当りになった場合と、確変サポ有り状態1又は確変サポ有り状態2で、2R確変Bで大当りになった場合に潜伏確変状態に遷移する。さらに、確変サポ有り状態1で特図変動表示ゲームが所定回数実行され、大当りが発生しなかった場合に潜伏確変状態に遷移する。
潜伏確変状態で2R確変C、2R確変D又は2R確変Eで大当りになった場合には再び潜伏確変状態に遷移する。また、2R確変A、2R確変B、15R確変A又は15R確変Dで大当りになった場合には確変サポ有り状態2に遷移する。15R確変B又は15R確変Cで大当りになった場合には確変サポ有り状態1に遷移する。また、15R通常で大当りが発生すると時短状態に移行する。
さらに、図45及び図46を参照しながら、特定の大当り図柄で大当りが発生した場合における状態遷移について詳しく説明する。
図45は、本発明の第2の実施の形態で大当り図柄が2R確変Cで大当りが発生した場合の状態遷移について説明する図である。
通常状態で2R確変Cの大当りが発生すると、潜伏確変状態に遷移する。また、確変サポ有り状態1で2R確変Cの大当りが発生すると、再び確変サポ有り状態1に遷移する。なお、確変サポ有り状態1で、特図変動表示ゲームが30回分消化されると潜伏確変状態に遷移する。
潜伏確変状態で2R確変Cの大当りが発生すると、再び潜伏確変状態に遷移する。また、確変サポ有り状態2で2R確変Cの大当りが発生すると、確変サポ有り状態1に遷移する。最後に、時短状態で2R確変Cの大当りが発生すると、潜伏確変状態に遷移する。なお、確変サポ有り状態2及び時短状態では、高サポ状態となっており、特図2変動表示ゲームが特図1変動表示ゲームよりも優先して実行されるため、この状態では2R確変Cの大当りは発生しにくいようになっている。
図46は、本発明の第2の実施の形態で大当り図柄が15R確変Bで大当りが発生した場合の状態遷移について説明する図である。
現在の遊技状態にかかわらず、15R確変Bの大当りが発生すると、確変サポ有り状態1に遷移する。また、確変サポ有り状態1で、特図変動表示ゲームが20回分消化されると潜伏確変状態に遷移する。
〔第2の実施の形態の効果〕
本発明の第2の実施の形態によれば、第1の実施の形態と同様に、高サポ状態と低サポ状態の他に、中サポ状態を含み普電サポートのバリエーションを増やすことによって、遊技性を向上させることができる。
また、本発明の第2の実施の形態によれば、普電サポートがあるか否かに関わらず確変サポ有り状態2への移行確率を任意に設定すると、一定の基準がなく遊技者が混乱してしまうおそれがあるが、これを防止することができる。
なお、今回開示した実施の形態は、すべての点で例示であって制限的なものではない。また、本発明の範囲は前述した発明の説明ではなく特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味及び内容の範囲でのすべての変更が含まれることが意図される。