JP2017064419A - 遊技機 - Google Patents

遊技機 Download PDF

Info

Publication number
JP2017064419A
JP2017064419A JP2016195225A JP2016195225A JP2017064419A JP 2017064419 A JP2017064419 A JP 2017064419A JP 2016195225 A JP2016195225 A JP 2016195225A JP 2016195225 A JP2016195225 A JP 2016195225A JP 2017064419 A JP2017064419 A JP 2017064419A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
symbol
image
state
gaming state
ball
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2016195225A
Other languages
English (en)
Inventor
中村 渉
Wataru Nakamura
渉 中村
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Sanyo Bussan Co Ltd
Original Assignee
Sanyo Bussan Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Sanyo Bussan Co Ltd filed Critical Sanyo Bussan Co Ltd
Priority to JP2016195225A priority Critical patent/JP2017064419A/ja
Publication of JP2017064419A publication Critical patent/JP2017064419A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Images

Abstract

【課題】遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができる遊技機を提供すること。
【解決手段】特典遊技実行手段により実行された特典遊技が終了した後の遊技状態として、判別手段により特定の判別結果となる確率が第1確率に設定される第1遊技状態と、その第1確率よりも高い第2確率に設定される第2遊技状態と、その第2遊技状態よりも有利であり、且つ、第2確率が設定される第3遊技状態とが遊技状態設定手段により少なくとも設定可能となる。遊技状態設定手段により第2遊技状態が設定されている場合に、特典遊技状態の終了を契機としないで遊技状態が遊技状態変更手段により第2遊技状態から第3遊技状態に変更される。これにより、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができるという効果がある。
【選択図】図65

Description

本発明は、パチンコ機に代表される遊技機に関するものである。
パチンコ機等の遊技機には、始動入賞口への遊技球の入賞に基づいて行われる抽選の結果が当たりだった場合に、当たり状態へと移行するものがある。かかる遊技機の中には、当たり状態の終了を契機として、有利度合いの異なる複数の遊技状態のいずれかに設定されるものがある。具体的には、例えば、有利度合いの低い通常状態や、その通常状態よりも遊技者に有利な確率変動状態等が設定される。この従来型の遊技機では、大当たり後に設定される遊技状態を多様化することで、遊技者の遊技に対する興趣向上を図っている。
特開2006−000392号公報
しかしながら、上述した従来の遊技機では、当たり状態の終了を契機に有利度合いの低い状態が設定された場合に、少なくとも次に当たり状態となるまで有利度合いの高い状態に移行させることができなかったため、有利度合いの低い状態において遊技者の遊技に対する興趣の向上を図ることができないという問題点があった。
本発明は、上記例示した問題点を解決するためになされたものであり、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができる遊技機を提供することを目的とする。
この目的を達成するために請求項1記載の遊技機は、判別条件の成立に基づいて判別を実行する判別手段と、その判別手段による判別で特定の判別結果となったことに基づいて遊技者に有利な特典遊技を実行する特典遊技実行手段と、その特典遊技実行手段により実行された前記特典遊技が終了した後の遊技状態として、前記判別手段により前記特定の判別結果となる確率が第1確率に設定される第1遊技状態と、その第1確率よりも高い第2確率に設定される第2遊技状態と、その第2遊技状態よりも有利であり、且つ、前記第2確率が設定される第3遊技状態とを少なくとも設定可能な遊技状態設定手段と、その遊技状態設定手段により前記第2遊技状態が設定されている場合に、前記特典遊技状態の終了を契機としないで遊技状態を前記第2遊技状態から前記第3遊技状態に変更可能な遊技状態変更手段とを備える。
請求項2記載の遊技機は、請求項1記載の遊技機において、前記遊技状態設定手段により前記特典遊技の終了後の遊技状態として前記第3遊技状態が設定された場合に、当該特典遊技を含む少なくとも所定回数の前記特典遊技に渡って前記第2確率が設定される遊技状態が設定され易くなる連続状態を設定する連続状態設定手段を備える。
請求項3記載の遊技機は、請求項1または2に記載の遊技機において、前記遊技状態設定手段は、前記第3遊技状態で前記特典遊技が実行されるよりも、前記第2遊技状態で前記特典遊技が実行された場合に、その特典遊技が終了した後の遊技状態を前記第1遊技状態に設定する割合が高いものである。
請求項4記載の遊技機は、請求項1から3のいずれかに記載の遊技機において、前記遊技状態設定手段は、前記第3遊技状態で実行された前記特典遊技が終了した場合に、前記第2遊技状態と、前記第3遊技状態とのいずれかを設定可能なものである。
請求項5記載の遊技機は、請求項1から4のいずれかに記載の遊技機において、遊技球が入球することで前記判別手段による判別が実行される入球手段と、その入球手段に遊技球が入球困難となる第1位置と、その第1位置に比較して前記入球手段に遊技球が入球容易となる第2位置とに可変可能な可変手段と、その可変手段を、所定条件の成立に基づいて前記第1位置から前記第2位置へと所定期間可変させる可変制御手段とを備え、前記第2遊技状態は、前記第3遊技状態よりも前記可変制御手段により前記第2位置に可変され易いものである。
請求項1記載の遊技機によれば、判別手段による判別で特定の判別結果となったことに基づいて特典遊技実行手段により遊技者に有利な特典遊技が実行される。特典遊技実行手段により実行された特典遊技が終了した後の遊技状態として、判別手段により特定の判別結果となる確率が第1確率に設定される第1遊技状態と、その第1確率よりも高い第2確率に設定される第2遊技状態と、その第2遊技状態よりも有利であり、且つ、第2確率が設定される第3遊技状態とが遊技状態設定手段により少なくとも設定可能となる。遊技状態設定手段により第2遊技状態が設定されている場合に、特典遊技状態の終了を契機としないで遊技状態が遊技状態変更手段により第2遊技状態から第3遊技状態に変更される。
これにより、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができるという効果がある。
請求項2記載の遊技機によれば、請求項1記載の遊技機の奏する効果に加え、遊技状態設定手段により特典遊技の終了後の遊技状態として第3遊技状態が設定された場合に、当該特典遊技を含む少なくとも所定回数の特典遊技に渡って第2確率が設定される遊技状態が設定され易くなる連続状態が連続状態設定手段によって設定されるので、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができるという効果がある。
請求項3記載の遊技機によれば、請求項1または2に記載の遊技機の奏する効果に加え、第3遊技状態で特典遊技が実行されるよりも、第2遊技状態で特典遊技が実行された場合に、その特典遊技が終了した後の遊技状態として遊技状態設定手段により第1遊技状態が設定される割合が高く構成されているので、第2遊技状態では、特典遊技が実行されるよりも前に遊技状態変更手段によって第3遊技状態が設定されることを期待させるという斬新な遊技性を提供することができる。よって、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができるという効果がある。
請求項4記載の遊技機によれば、請求項1から3のいずれかに記載の遊技機の奏する効果に加え、第3遊技状態で実行された特典遊技が終了した場合に、遊技状態設定手段により第2遊技状態と、第3遊技状態とのいずれかが設定されるので、特典遊技が終了した後は、第2確率が設定される。よって、第2確率が設定される遊技状態が連続して設定されるので、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができるという効果がある。
請求項5記載の遊技機によれば、請求項1から4のいずれかに記載の遊技機の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、入球手段に遊技球が入球困難となる第1位置と、その第1位置に比較して入球手段に遊技球が入球容易となる第2位置とに可変手段が可変される。所定条件の成立に基づいて第1位置から第2位置へと可変手段が所定期間、可変制御手段により可変される。第2遊技状態は、第3遊技状態よりも可変制御手段により第2位置に可変され易くなる。
これにより、第2遊技状態において判別手段による判別を実行され易くできるので、第2遊技状態において効率よく遊技を行わせることができるという効果がある。
第1実施形態におけるパチンコ機の正面図である。 パチンコ機の遊技盤の正面図である。 パチンコ機の背面図である。 可変入賞装置の分解斜視図である。 (a)はLa−La断面の可変入賞装置の断面図であり、(b)は、Lb−Lb断面図であり、(c)は、可変入賞装置の上面図である。 (a)〜(b)は、可変入賞装置の一部の背面図である。 1の大当たりにおける流路ソレノイドの動作と開閉板の動作との対応関係を示す図である。 (a)は、表示画面の領域区分設定と有効ライン設定とを模式的に示した図あり、(b)は、実際の表示画面を例示した図である。 第1実施形態におけるパチンコ機の電気的構成を示すブロック図である。 第1実施形態における各種カウンタの概要を示す図である。 第1実施形態における主制御装置のROMの構成を模式的に示した模式図である。 (a)は、第1実施形態における第1当たり乱数カウンタC1と特別図柄における大当たり判定値との対応関係を模式的に示した模式図であり、(b)は、第1実施形態における第1当たり種別カウンタC2と特別図柄における大当たり種別との対応関係を模式的に示した模式図であり、(c)は、第2当たり乱数カウンタC4と普通図柄における当たりとの対応関係を模式的に示した模式図である。 (a)は、変動パターン選択テーブルの構成を模式的に示した模式図であり、(b)は、大当たり用変動パターンテーブルの内容を模式的に示した模式図であり、(c)は、外れ用(通常)変動パターンテーブルの内容を模式的に示した模式図であり、(d)は、外れ用(確変)変動パターンテーブルの内容を模式的に示した模式図である。 オープニング選択テーブルの内容を模式的に示した模式図である。 第1実施形態における主制御装置のRAMの構成を模式的に示した模式図である。 (a)は、第1実施形態における音声ランプ制御装置のROMの構成を模式的に示した模式図であり、(b)は、第1実施形態における音声ランプ制御装置のRAMの構成を模式的に示した模式図である。 表示制御装置の電気的構成を示すブロック図である。 (a)〜(c)は、電源投入時画像を説明する説明図である。 (a)は、背面Aを説明する説明図であり、(b)は、背面B〜Dを説明する説明図である。 (a)〜(c)は、背面Eを説明する説明図である。 表示データテーブルの一例を模式的に示した模式図である。 転送データテーブルの一例を模式的に示した模式図である。 描画リストの一例を模式的に示した模式図である。 主制御装置内のMPUにより実行されるタイマ割込処理を示すフローチャートである。 主制御装置内のMPUにより実行される特別図柄変動処理を示すフローチャートである。 主制御装置内のMPUにより実行される特別図柄変動開始処理を示したフローチャートである。 主制御装置内のMPUにより実行される始動入賞処理を示すフローチャートである。 主制御装置内のMPUにより実行される普通図柄変動処理を示すフローチャートである。 主制御装置内のMPUにより実行されるスルーゲート通過処理を示すフローチャートである。 主制御装置内のMPUにより実行されるNMI割込処理を示すフローチャートである。 主制御装置内のMPUにより実行される立ち上げ処理を示すフローチャートである。 主制御装置内のMPUにより実行されるメイン処理を示すフローチャートである。 主制御装置内のMPUにより実行される大当たり制御処理を示すフローチャートである。 主制御装置内のMPUにより実行される大当たり動作設定処理を示すフローチャートである。 主制御装置内のMPUにより実行される大当たり終了処理を示すフローチャートである。 主制御装置内のMPUにより実行される入賞処理を示すフローチャートである。 主制御装置内のMPUにより実行される異常処理を示すフローチャートである。 音声ランプ制御装置内のMPUにより実行される立ち上げ処理を示したフローチャートである。 音声ランプ制御装置内のMPUにより実行されるメイン処理を示したフローチャートである。 音声ランプ制御装置内のMPUにより実行されるコマンド判定処理を示したフローチャートである。 音声ランプ制御装置内のMPUにより実行される大当たり関連処理を示したフローチャートである。 音声ランプ制御装置内のMPUにより実行される変動表示設定処理を示したフローチャートである。 表示制御装置内のMPUにより実行されるメイン処理を示したフローチャートである。 表示制御装置内のMPUにより実行されるブート処理を示すフローチャートである。 (a)は、表示制御装置内のMPUにより実行されるコマンド割込処理を示したフローチャートであり、(b)は、表示制御装置内のMPUにより実行されるV割込処理を示したフローチャートである。 表示制御装置内のMPUにより実行されるコマンド判定処理を示したフローチャートである。 (a)は、表示制御装置内のMPUにより実行される変動パターンコマンド処理を示したフローチャートであり、(b)は、表示制御装置内のMPUにより実行される停止種別コマンド処理を示したフローチャートである。 (a)は、表示制御装置内のMPUにより実行されるオープニングコマンド処理を示したフローチャートであり、(b)は、表示制御装置内のMPUにより実行されるラウンド数コマンド処理を示したフローチャートである。 表示制御装置内のMPUにより実行されるエンディングコマンド処理を示したフローチャートである。 (a)は、表示制御装置内のMPUにより実行される背面画像変更コマンド処理を示したフローチャートであり、(b)は、表示制御装置内のMPUにより実行されるエラーコマンド処理を示したフローチャートである。 表示制御装置内のMPUにより実行される表示設定処理を示したフローチャートである。 表示制御装置内のMPUにより実行される警告画像設定処理を示したフローチャートである。 表示制御装置内のMPUにより実行されるポインタ更新処理を示したフローチャートである。 (a)は、表示制御装置内のMPUにより実行される転送設定処理を示したフローチャートであり、(b)は、表示制御装置内のMPUにより実行される常駐画像転送設定処理を示したフローチャートである。 表示制御装置内のMPUにより実行される通常画像転送設定処理を示したフローチャートである。 表示制御装置内のMPUにより実行される描画処理を示したフローチャートである。 第2実施形態におけるパチンコ機の遊技盤の正面図である。 (a)は、第2実施形態における回避期間中の表示内容の一例を示した図であり、(b)は、第2実施形態における発射方向報知演出の表示内容の一例を示した図である。 (a)は、第2実施形態における発射方向報知演出の表示内容の一例を示した図であり、(b)は、第2実施形態における潜確復帰演出の表示内容の一例を示した図である。 (a)は、第2実施形態における主制御装置のROMの構成を模式的に示した模式図であり、(b)は、第2実施形態における第1当たり種別選択テーブルの内容を模式的に示した模式図である。 第2実施形態におけるオープニング選択テーブルの内容を模式的に示した模式図である。 第2実施形態における小当たり乱数テーブルの内容を模式的に示した模式図である。 第2実施形態における時短種別選択テーブルの内容を模式的に示した模式図である。 第2実施形態における主制御装置のRAMの構成を模式的に示した模式図である。 第2実施形態における遊技状態の移行方法を模式的に示した模式図である。 第2実施形態における主制御装置内のMPUにより実行される特別図柄変動処理2を示すフローチャートである。 第2実施形態における主制御装置内のMPUにより実行される小当たり判定処理2を示すフローチャートである。 第2実施形態における主制御装置内のMPUにより実行されるスルーゲート通過処理2を示すフローチャートである。 第2実施形態における主制御装置内のMPUにより実行される大当たり終了処理2を示すフローチャートである。 第2実施形態における音声ランプ制御装置内のMPUにより実行されるコマンド判定処理2を示すフローチャートである。 第2実施形態における音声ランプ制御装置内のMPUにより実行される状態コマンド処理を示すフローチャートである。 第2実施形態における音声ランプ制御装置内のMPUにより実行される初回入球処理を示すフローチャートである。 第2実施形態の変形例における遊技状態の移行方法を模式的に示した模式図である。
<第1実施形態>
以下、本発明の第1実施形態について、添付図面を参照して説明する。図1は、第1の実施形態におけるパチンコ機10の正面図であり、図2はパチンコ機10の遊技盤13の正面図であり、図3はパチンコ機10の背面図である。
パチンコ機10は、図1に示すように、略矩形状に組み合わせた木枠により外殻が形成される外枠11と、その外枠11と略同一の外形形状に形成され外枠11に対して開閉可能に支持された内枠12とを備えている。外枠11には、内枠12を支持するために正面視(図1参照)左側の上下2カ所に金属製のヒンジ18が取り付けられ、そのヒンジ18が設けられた側を開閉の軸として内枠12が正面手前側へ開閉可能に支持されている。
内枠12には、多数の釘や、入球口64,640,67等を有する遊技盤13(図2参照)が裏面側から着脱可能に装着される。この遊技盤13の前面を球が流下することにより弾球遊技が行われる。なお、内枠12には、球を遊技盤13の前面領域に発射する球発射ユニット112a(図9参照)やその球発射ユニット112aから発射された球を遊技盤13の前面領域まで誘導する発射レール(図示せず)等が取り付けられている。
内枠12の前面側には、その前面上側を覆う前面枠14と、その下側を覆う下皿ユニット15とが設けられている。前面枠14及び下皿ユニット15を支持するために正面視(図1参照)左側の上下2カ所に金属製のヒンジ19が取り付けられ、そのヒンジ19が設けられた側を開閉の軸として前面枠14及び下皿ユニット15が正面手前側へ開閉可能に支持されている。なお、内枠12の施錠と前面枠14の施錠とは、シリンダ錠20の鍵穴21に専用の鍵を差し込んで所定の操作を行うことでそれぞれ解除される。
前面枠14は、装飾用の樹脂部品や電気部品等を組み付けたものであり、その略中央部には略楕円形状に開口形成された窓部14cが設けられている。前面枠14の裏面側には2枚の板ガラスを有するガラスユニット16が配設され、そのガラスユニット16を介して遊技盤13の前面がパチンコ機10の正面側に視認可能となっている。
前面枠14には、球を貯留する上皿17が前方へ張り出して上面を開放した略箱状に形成されており、この上皿17に賞球や貸出球などが排出される。上皿17の底面は正面視(図1参照)右側に下降傾斜して形成され、その傾斜により上皿17に投入された球が球発射ユニット112aへと案内される。また、上皿17の上面には、枠ボタン22が設けられている。この枠ボタン22は、例えば、後述する第3図柄表示装置81で表示される演出や背景などを可変させる場合などに、遊技者により操作される。
前面枠14には、その周囲(例えばコーナー部分)に各種ランプ等の発光手段が設けられている。これら発光手段は、大当たり時や所定のリーチ時等における遊技状態の変化に応じて、点灯または点滅することにより発光態様が変更制御され、遊技中の演出効果を高める役割を果たす。窓部14cの周縁には、LED等の発光手段を内蔵した電飾部29〜33が設けられている。パチンコ機10においては、これら電飾部29〜33が大当たりランプ等の演出ランプとして機能し、大当たり時やリーチ演出時等には内蔵するLEDの点灯や点滅によって各電飾部29〜33が点灯または点滅して、大当たり中である旨、或いは大当たり一歩手前のリーチ中である旨が報知される。また、前面枠14の正面視(図1参照)左上部には、LED等の発光手段が内蔵され賞球の払い出し中とエラー発生時とを表示可能な表示ランプ34が設けられている。
また、右側の電飾部32下側には、前面枠14の裏面側を視認できるように裏面側より透明樹脂を取り付けて小窓35が形成され、遊技盤13前面の貼着スペースK1(図2参照)に貼付される証紙等はパチンコ機10の前面から視認可能とされている。また、パチンコ機10においては、より煌びやかさを醸し出すために、電飾部29〜33の周りの領域にクロムメッキを施したABS樹脂製のメッキ部材36が取り付けられている。
窓部14cの下方には、貸球操作部40が配設されている。貸球操作部40には、度数表示部41と、球貸しボタン42と、返却ボタン43とが設けられている。パチンコ機10の側方に配置されるカードユニット(球貸しユニット)(図示せず)に紙幣やカード等を投入した状態で貸球操作部40が操作されると、その操作に応じて球の貸出が行われる。具体的には、度数表示部41はカード等の残額情報が表示される領域であり、内蔵されたLEDが点灯して残額情報として残額が数字で表示される。球貸しボタン42は、カード等(記録媒体)に記録された情報に基づいて貸出球を得るために操作されるものであり、カード等に残額が存在する限りにおいて貸出球が上皿17に供給される。返却ボタン43は、カードユニットに挿入されたカード等の返却を求める際に操作される。なお、カードユニットを介さずに球貸し装置等から上皿17に球が直接貸し出されるパチンコ機、いわゆる現金機では貸球操作部40が不要となるが、この場合には、貸球操作部40の設置部分に飾りシール等を付加して部品構成は共通のものとしても良い。カードユニットを用いたパチンコ機と現金機との共通化を図ることができる。
上皿17の下側に位置する下皿ユニット15には、その中央部に上皿17に貯留しきれなかった球を貯留するための下皿50が上面を開放した略箱状に形成されている。下皿50の右側には、球を遊技盤13の前面へ打ち込むために遊技者によって操作される操作ハンドル51が配設され、かかる操作ハンドル51の内部には球発射ユニット112aの駆動を許可するためのタッチセンサ51aと、押下操作している期間中には球の発射を停止する押しボタン式の打ち止めスイッチ51bと、操作ハンドル51の回動操作量を電気抵抗の変化により検出する可変抵抗器(図示せず)とが内蔵されている。操作ハンドル51が遊技者によって右回りに回転操作されると、タッチセンサ51aがオンされると共に可変抵抗器の抵抗値が操作量に対応して変化し、操作ハンドル51の回動操作量に応じて変化する可変抵抗器の抵抗値に対応した強さで球が発射され、これにより遊技者の操作に対応した飛び量で遊技盤13の前面へ球が打ち込まれる。また、操作ハンドル51が遊技者により操作されていない状態においては、タッチセンサ51aおよび打ち止めスイッチ51bがオフとなっている。
なお、本実施形態では、上記した構成としたが、それに限らず、主制御装置110や他の制御装置が球発射ユニット112aにより発射された遊技球を検出する構成や、球発射ユニット112aのソレノイドが遊技球を発射したことを検出するように構成してもよい。また、検出した遊技球の数をカウントして、RAMクリア等の処理が実行されるまで記憶するように構成してもよい。
下皿50の正面下方部には、下皿50に貯留された球を下方へ排出する際に操作するための球抜きレバー52が設けられている。この球抜きレバー52は、常時、右方向に付勢されており、その付勢に抗して左方向へスライドさせることにより、下皿50の底面に形成された底面口が開口して、その底面口から球が自然落下して排出される。この球抜きレバー52の操作は、通常、下皿50の下方に下皿50から排出された球を受け取る箱(一般に「ドル箱」と称される)を置いた状態で行われる。下皿50の右方には、上述したように操作ハンドル51が配設され、下皿50の左方には灰皿53が取り付けられている。
図2に示すように、遊技盤13は、正面視略正方形状に切削加工した木製のベース板60に、球案内用の多数の釘や風車およびレール61,62、一般入賞口63、第1入球口64、第2入球口640、可変入賞装置65、可変表示装置ユニット80等を組み付けて構成され、その周縁部が内枠12の裏面側に取り付けられる。一般入賞口63、第1入球口64、第2入球口640、可変入賞装置65、可変表示装置ユニット80は、ルータ加工によってベース板60に形成された貫通穴に配設され、遊技盤13の前面側から木ネジ等により固定されている。また、遊技盤13の前面中央部分は、前面枠14の窓部14c(図1参照)を通じて内枠12の前面側から視認することができる。以下に、主に図2を参照して、遊技盤13の構成について説明する。
遊技盤13の前面には、帯状の金属板を略円弧状に屈曲加工して形成した外レール62が植立され、その外レール62の内側位置には外レール62と同様に帯状の金属板で形成した円弧状の内レール61が植立される。この内レール61と外レール62とにより遊技盤13の前面外周が囲まれ、遊技盤13とガラスユニット16(図1参照)とにより前後が囲まれることにより、遊技盤13の前面には、球の挙動により遊技が行われる遊技領域が形成される。遊技領域は、遊技盤13の前面であって2本のレール61,62と円弧部材70とにより区画して形成される略円形状の領域(始動口等が配設され、発射された球が流下する領域)である。また、遊技領域は、戻り球防止部材68を通過した遊技球がアウト口66や入賞口を通過するまでに流下する領域はすべて含まれる。
2本のレール61,62は、球発射ユニット112a(図6参照)から発射された球を遊技盤13上部へ案内するために設けられたものである。内レール61の先端部分(図2の左上部)には戻り球防止部材68が取り付けられ、一旦、遊技盤13の上部へ案内された球が再度球案内通路内に戻ってしまうといった事態が防止される。外レール62の先端部(図2の右上部)には、球の最大飛翔部分に対応する位置に返しゴム69が取り付けられ、所定以上の勢いで発射された球は、返しゴム69に当たって、勢いが減衰されつつ中央部側へ跳ね返される。また、内レール61の右下側の先端部と外レール62の右上側の先端部との間には、レール間を繋ぐ円弧を内面側に設けて形成された樹脂製の円弧部材70がベース板60に打ち込んで固定されている。
本パチンコ機10では、球が第1入球口64、または第2入球口640のいずれかへ入球した場合に特別図柄(第1図柄)の抽選が行われ、球が普通入球口67を通過した場合に普通図柄(第2図柄)の抽選が行われる。第1入球口64、または第2入球口640への入球に対して行われる特別図柄の抽選では、特別図柄の大当たりか否かの当否判定が行われると共に、特別図柄の大当たりと判定された場合にはその大当たり種別の判定も行われる。特別図柄の大当たりになると、パチンコ機10が特別遊技状態へ移行すると共に、通常時には閉鎖されている特定入賞口65aが所定時間(例えば、30秒経過するまで、或いは、球が10個入賞するまで)開放され、その開放が大当たり種別に応じた回数(ラウンド数)繰り返される。その結果、その特定入賞口65aに多量の球が入賞するので、通常時より多量の賞球の払い出しが行われる。特別図柄の大当たり種別としては、「大当たりA」〜「大当たりD」の4種類が設けられており、特別遊技状態の終了後には大当たり終了後の付加価値として、大当たり遊技の結果に応じた遊技上の価値(遊技価値)が遊技者に付与される。なお、「大当たりA,B」の2種類は、球が第1入球口64へと入球したことを契機として実行される抽選で大当たりとなった場合に決定され得る大当たり種別であり、「大当たりC,D」の2種類は、球が第2入球口640へと入球したことを契機として実行される抽選で大当たりとなった場合に決定され得る大当たり種別である。以降、説明の簡略化のため、球が第1入球口64へと入球したことを契機として実行される抽選のことを第1特別図柄の抽選と称し、球が第2入球口640へと入球したことを契機として実行される抽選のことを第2特別図柄の抽選と称する。
特別図柄(第1図柄)の抽選が行われると、第1図柄表示装置37において特別図柄の変動表示が開始されて、所定時間(例えば、7秒〜90秒など)が経過した後に、抽選結果を示す特別図柄が停止表示される。第1図柄表示装置37において変動表示が行われている間に球が第1入球口64、または第2入球口640へ入球すると、その入球回数は、入球口の種別毎にそれぞれ最大4回まで保留され、その保留球数が第1図柄表示装置37により示されると共に、第3図柄表示装置81においても示される。第1図柄表示装置37において変動表示が終了した場合に、第1入球口64、または第2入球口640についての保留球数が残っていれば、次の特別図柄の抽選が行われると共に、その抽選に応じた変動表示が開始される。
一方、普通入球口67における球の通過に対して行われる普通図柄の抽選では、普通図柄の当たりか否かの当否判定が行われる。普通図柄の当たりになると、所定時間(例えば、0.2秒または1秒)だけ第2入球口640に付随する電動役物640aが開放位置に可変されることで第2入球口640が開放される。なお、通常時は、電動役物640aが閉鎖位置に配設されているため、第2入球口640が閉鎖されている。よって、普通図柄の当たりとなった場合は、球が第2入球口640へ入球し易くなり、その結果、特別図柄の抽選が行われ易くなる。
また、普通図柄(第2図柄)の抽選が行われると、第2図柄表示装置83において普通図柄の変動表示が開始されて、所定時間(例えば、3秒や30秒など)が経過した後に、抽選結果を示す普通図柄が停止表示される。第2図柄表示装置83において変動表示が行われている間に球が普通入球口67を通過すると、その通過回数は最大4回まで保留され、その保留球数が第1図柄表示装置37により表示されると共に、第2図柄保留ランプ84においても示される。第2図柄表示装置83において変動表示が終了した場合に、普通入球口67についての保留球数が残っていれば、次の普通図柄の抽選が行われると共に、その抽選に応じた変動表示が開始される。
上述したように、特別図柄の大当たり種別としては、「大当たりA」〜「大当たりD」の4種類が設けられている。
「大当たりA」、および「大当たりB」になると、いずれもラウンド数が8ラウンドの特別遊技状態(8ラウンド大当たり)となる。一方、「大当たりC」、および「大当たりD」になると、いずれもラウンド数が15ラウンドの特別遊技状態(15ラウンド大当たり)となる。更に、上記各大当たりが終了した後は、大当たり終了後の付加価値として、その大当たり終了後に普通図柄の当たり確率がアップする。加えて、大当たり遊技中に特定条件を満たした場合(球が後述する確変スイッチ65e3を通過した場合)は、大当たり終了後に特別図柄の高確率状態(特別図柄の確変中)へ移行する。特別図柄の高確率状態が付与された場合には、その特別図柄の高確率状態、および普通図柄の当たり確率がアップした状態は、大当たり終了後から特別図柄の変動が50回終了するまで継続する。一方、特別図柄の高確率状態が付与されなかった(大当たり遊技において確変スイッチ65e3を球が通過しなかった)場合は、普通図柄の当たり確率がアップした状態は、大当たり終了後から特別図柄の変動が100回終了するまで継続する。
ここで、「特別図柄の高確率状態」とは、特別図柄の大当たり確率がアップした状態、いわゆる「特別図柄の高確率状態」(特別図柄の確変状態)をいい、換言すれば、特別遊技状態(大当たり)へ移行し易い遊技の状態のことである。対して、「特別図柄の高確率状態」でない場合を「特別図柄の低確率状態」といい、これは特別図柄の確変状態よりも大当たり確率が低い状態、即ち、特別図柄の大当たり確率が通常の状態(特別図柄の通常状態)のことを示す。また、「普通図柄の時短状態」(普通図柄の高確率状態)とは、普通図柄の当たり確率がアップして、第2入球口640へ球が入球し易い遊技状態のことをいう。これ対して、「普通図柄の時短状態」でない時を「普通図柄の通常状態」(普通図柄の低確率状態)といい、これは普通図柄の当たり確率が通常の状態、即ち、時短中よりも当たり確率が低い状態のことを示す。
以後、特別図柄の大当たり終了後からパチンコ機10が特別図柄の高確率状態になっている期間のことを、特別図柄の確変期間と称す。また、特別図柄の大当たり終了後からパチンコ機10が普通図柄の時短状態になっている期間のことを、普通図柄の時短期間と称す。
上述したように、本実施形態における特別図柄の大当たりでは、大当たりの種別に応じて大当たり時のラウンド数を異ならせている。これに対して、全ての大当たり種別でラウンド数を共通(例えば、全て8ラウンド)としても良い。また、例えば、大当たりの種別に応じて「普通図柄の時短状態」となる期間を変えてもよい。また、「普通図柄の時短状態」となる期間を変える代わりに、第2入球口640に付随する電動役物640aを開放する時間や、1回の普通図柄の当たりで電動役物を開放する回数を変更するものとしても良い。また、本実施形態では、大当たり中に球が確変スイッチ65e3を通過した場合は、その大当たりが終了してから特別図柄の変動が50回終了するまで「特別図柄の高確率状態」となるが、特別図柄の確変期間は50回に限られず、任意に定めてもよい。また、次に大当たりとなるまで特別図柄の高確率状態を継続させてもよい。
本パチンコ機10では、電源などの投入等により初期設定が行われると、必ず「特別図柄の低確率状態」に設定される。その後、大当たりとなり、その大当たり中に確変スイッチ65e3を球が通過しなかった場合には、「普通図柄の通常状態」から「普通図柄の時短状態」へ移行する。この場合、設定された「普通図柄の時短状態」は、大当たり終了後から特別図柄の変動表示が100回終了するまで継続される。特別図柄の大当たりになった後、100回分の特別図柄の抽選が終了するまでに、新たな特別図柄の大当たりにならないと、「普通図柄の通常状態」に戻る。
そして、「普通図柄の時短状態」が継続されている間に、新たに大当たりになると、「普通図柄の時短状態」はさらに、その新たな大当たりの終了後から、50回分、または100回分の特別図柄の変動表示が終了するまで継続される。
遊技領域の正面視右側上部(図2の右側上部)には、発光手段である複数の発光ダイオード(以下、「LED」と略す。)37aと7セグメント表示器37bとが設けられた第1図柄表示装置37が配設されている。第1図柄表示装置37は、後述する主制御装置110で行われる各制御に応じた表示がなされるものであり、主にパチンコ機10の遊技状態の表示が行われる。複数のLED37aは、第1入球口64への入球(始動入賞)に伴って行われる特別図柄の抽選が実行中であるか否かを点灯状態により示すことによって変動表示を行ったり、変動終了後の停止図柄として、その特別図柄の抽選結果に応じた特別図柄(第1図柄)を点灯状態により示したり、第1入球口64、または第2入球口640に入球された球のうち変動が未実行である球(保留球)の数である保留球数を点灯状態により示すものである。
この第1図柄表示装置37において特別図柄(第1図柄)の変動表示が行われている間に球が第1入球口64、または第2入球口640へ入球した場合、その入球回数は最大4回まで保留され、その保留球数は第1図柄表示装置37により示されると共に、第3図柄表示装置81においても示される。なお、本実施形態においては、第1入球口64、および第2入球口640への入球は、それぞれ最大4回まで保留されるように構成したが、最大保留回数は4回に限定されるものでなく、3回以下、又は、5回以上の回数(例えば、8回)に設定しても良い。
7セグメント表示器37bは、大当たり中のラウンド数やエラー表示を行うものである。なお、LED37aは、それぞれのLEDの発光色(例えば、赤、緑、青)が異なるよう構成され、その発光色の組み合わせにより、少ないLEDでパチンコ機10の各種遊技状態(特別図柄の高確率状態や、普通図柄の時短中など)を表示することができる。また、LED37aには、変動終了後の停止図柄として特別図柄の抽選結果が大当たりであるか否かが示されるだけでなく、大当たりである場合はその大当たり種別(大当たりA〜Dに応じた特別図柄(第1図柄)が示される。
また、遊技領域には、球が入賞することにより5個から15個の球が賞球として払い出される複数の一般入賞口63が配設されている。また、遊技領域の中央部分には、可変表示装置ユニット80が配設されている。可変表示装置ユニット80には、液晶ディスプレイ(以下単に「表示装置」と略す。)で構成された第3図柄表示装置81と、LEDで構成された第2図柄表示装置83とが設けられている。この可変表示装置ユニット80には、第3図柄表示装置81の外周を囲むようにして、センターフレーム86が配設されている。
第3図柄表示装置81は、第1図柄表示装置37の表示に応じた装飾的な表示を行うものである。例えば、第1入球口64、または第2入球口640へ球が入球(始動入賞)すると、それをトリガとして、第1図柄表示装置37において特別図柄(第1図柄)の変動表示が実行される。更に、第3図柄表示装置81では、その特別図柄の変動表示に同期して、その特別図柄の変動表示に対応する第3図柄の変動表示が行われる。
第3図柄表示装置81は、8インチサイズの大型の液晶ディスプレイで構成されるものであり、後述する表示制御装置114によって表示内容が制御されることにより、例えば左、中及び右の3つの図柄列が表示される。各図柄列は複数の図柄によって構成され、これらの図柄が図柄列毎に縦スクロールして第3図柄表示装置81の表示画面上にて第3図柄が可変表示されるようになっている。本実施形態では、主制御装置110の制御に伴った遊技状態の表示が第1図柄表示装置37で行われるのに対して、第3図柄表示装置81はその第1図柄表示装置37の表示に応じた装飾的な表示が行われる。なお、表示装置に代えて、例えば、リール等を用いて第3図柄表示装置81を構成するようにしても良い。
ここで、図8を参照して、第3図柄表示装置81の表示内容について説明する。図8は、第3図柄表示装置81の表示画面を説明するための図面であり、図8(a)は、表示画面の領域区分設定と有効ライン設定とを模式的に示した図であり、図8(b)は、実際の表示画面を例示した図である。
第3図柄は、「0」から「9」の数字を付した10種類の主図柄により構成されている。各主図柄は、木箱よりなる後方図柄の上に「0」から「9」の数字を付して構成され、そのうち奇数番号(1,3,5,7,9)を付した主図柄は、木箱の前面ほぼ一杯に大きな数字が付加されている。これに対し、偶数番号(0,2,4,6,8)を付した主図柄は、木箱の前面ほぼ一杯にかんな、風呂敷、ヘルメット等のキャラクタを模した付属図柄が付加されており、付属図柄の右下側に偶数の数字が緑色で小さく、且つ、付属図柄の前側に表示されるように付加されている。
また、本実施形態のパチンコ機10においては、後述する主制御装置110(図9参照)により行われる特別図柄の抽選結果が大当たりであった場合に、同一の主図柄が揃う変動表示が行われ、その変動表示が終わった後に大当たりが発生するよう構成されている。一方、特別図柄の抽選結果が外れであった場合は、同一の主図柄が揃わない変動表示が行われる。
図8(a)に示すように、第3図柄表示装置81の表示画面は、大きくは上下に2分割され、下側の2/3が第3図柄を変動表示する主表示領域Dm、それ以外の上側の1/3が予告演出、キャラクタおよび保留球数などを表示する副表示領域Dsとなっている。
主表示領域Dmは、左・中・右の3つの表示領域Dm1〜Dm3に区分けされており、その3つの表示領域Dm1〜Dm3に、それぞれ3つの図柄列Z1,Z2,Z3が表示される。各図柄列Z1〜Z3には、上述した第3図柄が規定の順序で表示される。即ち、各図柄列Z1〜Z3には、数字の昇順または降順に主図柄が配列され、図柄列Z1〜Z3毎に周期性をもって上から下へとスクロールして変動表示が行われる。特に、左図柄列Z1においては主図柄の数字が降順に現れるように配列され、中図柄列Z2及び右図柄列Z3においては主図柄の数字が昇順に現れるように配列されている。
また、主表示領域Dmには、図柄列Z1〜Z3毎に上・中・下の3段に第3図柄が表示される。この主表示領域Dmの中段部が有効ラインL1として設定されており、毎回の遊技に際して、左図柄列Z1→右図柄列Z3→中図柄列Z2の順に、有効ラインL1上に第3図柄が停止表示される。この停止表示状態は最低1秒間保持される。このように、停止した第3図柄を一定期間(1秒以上)表示させておくことで、遊技者が大当たりに対応する第3図柄の組み合わせであるか否か(特別図柄の抽選結果が大当たりであるか否か)を見落としてしまうことを抑制することができる。また、第3図柄の停止時に有効ラインL1上に大当たり図柄の組合せ(本実施形態では、同一の主図柄の組合せ)が揃えば、大当たりとして大当たり動画(オープニング演出)が表示される。
また、停止表示された第3図柄の組み合わせが外れに対応する組み合わせであって、保留球が存在する場合は、1秒間の停止表示後に、保留球に基づく抽選に対応する変動表示が開始される。なお、複数の保留球が存在する場合は、時間的に最も古い入球に対応する保留球に基づいて抽選が実行される。
一方、保留球が存在しない状態で、特別図柄の外れに対応する組み合わせの第3図柄が1秒間停止表示された場合は、その後も第3図柄が停止表示された状態が継続する。この状態は、所定時間(例えば、15秒)が経過するか、または、第1入球口64、および第2入球口640のどちらかに対して新たに球が入球するまで継続する。そして、第3図柄が停止表示されてから所定時間(例えば、15秒)が経過した場合は、遊技が実行されていないことを示すデモ演出(図7参照)が表示される。遊技者が球を所定時間(例えば、15秒)連続して発射させているにも関わらず、第1入球口64、および第2入球口640への入球が無いという状況は稀であり、第3図柄が停止表示された状態が所定時間(例えば、15秒)継続する場合の多くは、遊技者が遊技を辞めたことで、パチンコ機10による遊技が全く行われていないことに起因する。よって、本実施形態のパチンコ機10では、第3図柄が停止表示されてから所定時間(例えば、15秒)が経過した時点で、遊技者が遊技を行っていないと判断し、デモ演出を開始する。これにより、遊技を開始するためにパチンコ機10を選択しようとしている遊技者が、デモ演出の表示の有無に基づいて遊技が行われているか否かを容易に判断することができる。一方、所定時間(例えば、15秒)が経過する前に第1入球口64、および第2入球口640に対して新たに球が入球した場合は、その新たな入球に対応する第3図柄の変動表示が実行される。
副表示領域Dsは、主表示領域Dmよりも上方に横長に設けられており、さらに左右方向に3つの小領域Ds1〜Ds3に等区分されている。このうち、小領域Ds1は、第1入球口64、および第2入球口640に入球された球のうち変動が未実行である球(保留球)の数である保留球数を表示する領域であり、小領域Ds2およびDs3は、予告演出画像を表示する領域である。
実際の表示画面では、図8(b)に示すように、主表示領域Dmに第3図柄の主図柄が合計9個表示される。副表示領域Dsにおいては、右の小領域Ds3に動画が表示され、通常より大当たりへ遷移し易い状態であることが遊技者に示唆される。中央の小領域Ds2では、通常は、所定のキャラクタ710(本実施形態ではハチマキを付けた少年)が所定動作をし、時として所定動作とは別の特別な動作をしたり、別のキャラクタが現出する等して予告演出が行われる。
一方、第3図柄表示装置81(第1図柄表示装置37)にて変動表示が行われている間に球が第1入球口64へ入球した場合、その入球回数は最大4回まで保留され、その保留球数は第1図柄表示装置37により示されると共に、副表示領域Dsの小領域Ds1においても示される。具体的には、小領域Ds1の上半分に表示された図柄(第1保留球数図柄)が第1入球口64に対する保留球数を示しており、下半分に表示された図柄(第2保留球数図柄)が第2入球口640に対する保留球数を示している。図8は、第1保留図柄が4つ表示されている一方で、第2保留図柄が0個表示されている(第2保留図柄が全てブランクになっている)場合を例示している。
なお、本実施形態においては、第1入球口64、および第2入球口640への入球は、それぞれ最大4回まで保留されるように構成したが、最大保留球数は4回に限定されるものでなく、3回以下、又は、5回以上の回数(例えば、8回)に設定しても良い。また、小領域Ds1における保留球数図柄の表示に代えて、保留球数を第3図柄表示装置81の一部に数字で、或いは、4つに区画された領域を保留球数分だけ異なる態様(例えば、色や点灯パターン)にして表示するようにしても良い。また、第1図柄表示装置37により保留球数が示されるので、第3図柄表示装置81に保留球数を表示させないものとしてもよい。更に、可変表示装置ユニット80に、保留球数を示す保留ランプを最大保留数分の4つ設け、点灯状態の保留ランプの数に応じて、保留球数を表示するものとしてもよい。
第2図柄表示装置83は、球が普通入球口67を通過することに伴って行われる普通図柄の抽選が実行中であるか否かを点灯状態により示すことによって変動表示を行ったり、変動終了後の停止図柄として、その普通図柄の抽選結果に応じた普通図柄(第2図柄)を点灯状態により示したりするものである。
より具体的には、第2図柄表示装置83では、球が左右いずれかの普通入球口67を通過する毎に、普通図柄(第2図柄)としての「○」の図柄と「×」の図柄とを交互に点灯させる変動表示が行われる。パチンコ機10は、第2図柄表示装置83における変動表示が所定図柄(本実施形態においては「○」の図柄)で停止すると、第2入球口640に付随する電動役物640aが所定時間だけ作動状態となり(開放される)、その結果、第2入球口640に球が入り易い状態となるように構成されている。球が普通入球口67を通過した通過回数は最大4回まで保留され、その保留球数が上述した第1図柄表示装置37により表示されると共に第2図柄保留ランプ84においても点灯表示される。第2図柄保留ランプ84は、最大保留数分の4つ設けられ、第3図柄表示装置81の下方に左右対称に配設されている。
なお、普通図柄(第2図柄)の変動表示は、本実施形態のように、第2図柄表示装置83において複数のランプの点灯と非点灯を切り換えることにより行うものの他、第1図柄表示装置37及び第3図柄表示装置81の一部を使用して行うようにしても良い。同様に、第2図柄保留ランプ84の点灯を第3図柄表示装置81の一部で行うようにしても良い。また、普通入球口67における球の通過は、第1入球口64や第2入球口640と同様に、最大保留球数は4回に限定されるものでなく、3回以下、又は、5回以上の回数(例えば、8回)に設定しても良い。また、第1図柄表示装置37により保留球数が示されるので、第2図柄保留ランプ84により点灯表示を行わないものとしても良い。
可変表示装置ユニット80の下方には、球が入球し得る第1入球口64が配設されている。この第1入球口64へ球が入球すると遊技盤13の裏面側に設けられる第1入球口スイッチ(図示せず)がオンとなり、その第1入球口スイッチのオンに起因して主制御装置110で特別図柄の抽選がなされ、その抽選結果に応じた表示が第1図柄表示装置37のLED37aで示される。また、第1入球口64は、球が入球すると5個の球が賞球として払い出される入賞口の1つにもなっている。
第1入球口64に対して正面視右下側には、球が入球し得る第2入球口640が配設されている。この第2入球口640へ球が入球すると遊技盤13の裏面側に設けられる第2入球口スイッチ(図示せず)がオンとなり、その第2入球口スイッチのオンに起因して主制御装置110で特別図柄の抽選がなされ、その抽選結果に応じた表示が第1図柄表示装置37のLED37aで示される。また、第2入球口640は、球が入球すると5個の球が賞球として払い出される入賞口の1つにもなっている。この第2入球口640は、図2に示した通り、右側に開閉可能な電動役物640aが設けられており、電動役物640aが開状態となった場合は右方向から流下した球が入球可能となる。従って、第2入球口640へと球を入球させるには、基本的に可変表示装置ユニット80の右方向に設けられた流路を流下させる(所謂、右打ちを行う)必要がある。
第2入球口640の正面視右上には可変入賞装置65が配設されており、その略中央部分に横長矩形状の特定入賞口(大開放口)65aが設けられている。パチンコ機10においては、主制御装置110で行われる特別図柄の抽選が大当たりとなると、所定時間(変動時間)が経過した後に、大当たりの停止図柄となるよう第1図柄表示装置37のLED37aを点灯させると共に、その大当たりに対応した第3図柄の停止図柄を第3図柄表示装置81に表示させて、大当たりの発生が示される。その後、通常時より多量の賞球の払い出しが行われる特別遊技状態に遊技状態が遷移する。この特別遊技状態として、通常時には閉鎖されている特定入賞口65aが、所定時間(例えば、30秒経過するまで、或いは、球が10個入賞するまで)開放される。即ち、通常時は特定入賞口65aを閉鎖している開閉扉65f1が、大当たりとなることにより開放され、特定入賞口65aへと球が入球可能となる。
また、可変入賞装置65の内部には、球が通過可能な複数の流路(通常排出流路65e1、および特別排出流路65e2)が設けられている。可変入賞装置65の内部へと流入した遊技球は、いずれかの流路(通常排出流路65e1、および特別排出流路65e2)を流下してパチンコ機10の外部へと排出される。また、特別排出流路65e2には、球が通過することで大当たり後に特別図柄の高確率状態(確変状態)が付与される確変スイッチ65e3が設けられている。この特別排出流路65e2は、大当たりの1ラウンド目においてのみ通過可能な状態となる。なお、詳細については後述するが、本実施形態では、大当たりの1ラウンド目において特定入賞口65aへと球が入球可能となる(開閉扉65f1が開放される)期間と、球が特別排出通路65e2を流下可能となる期間とを、遊技状態、および大当たり種別に応じて異ならせる構成としている。
より具体的には、大当たりの1ラウンド目における開閉扉65f1の開閉動作と、大当たり開始後の可変入賞装置65内の流路の切り替わりとについて、大当たり種別によらず同一の動作パターンが設定されるように構成している(図7参照)。一方で、大当たりが開始されてから、大当たりの1ラウンド目が開始されるまでの期間(オープニング期間)を、大当たりとなった時点における遊技状態、および大当たり種別に応じて可変させる構成としている。これにより、特定入賞口65aが開放状態となる期間と、特別排出流路65e2を流下可能となる期間とをずらしたり、一致させたりすることができる。よって、大当たりの1ラウンド目において球が特別排出流路65e2へと流下するか否かに注目して大当たり中の遊技を行わせることができるので、大当たり中の遊技が単調となってしまう事を防止(抑制)することができる。
ここで、図4〜図6を参照して、この可変入賞装置65の構成について説明する。図4は、この可変入賞装置65の分解斜視図である。可変入賞装置65は、図4に示すように、遊技盤13の前面側に突出して配置される開口部形成部材65b、その開口部形成部材65bの背面側に組み合わされて、可変入賞装置65を遊技盤13にビス留めするためのベース部材65cと、そのベース部材65cの背面側に配置されてベース部材65cの背面側よりパチンコ機10の前面側に対してLEDを点灯させるためのLEDが複数配置されたLED基板65dと、そのLED基板65dをベース部材65cと狭持する裏カバー体65eと、開口部形成部材65dに形成されている特定入賞口65aを開閉するための開閉扉65f1を有した開閉ユニット65fと、裏カバー体65eの背面側に組み合わされて流路を形成する流路カバー体65gと、裏カバー体65eと流路カバー体65gとで形成された流路に突出して遊技球の流路を切り替える切替部材65hと、その切替部材65hと係止されるリンク部材65iと、流路カバー体65gの背面側に配置される背面カバー体65jと、その背面カバー体65jの背面側に固定されて、リンク部材65iを作動させる流路ソレノイド65kと、その流路ソレノイド65kを背面側から覆って背面カバー体65jにビスにより固定するための固定用カバー体65mとで構成されている。
図5は、可変入賞装置65の断面図である。図5(c)は可変入賞装置65の上面図であり、図5(b)は、可変入賞装置65のLb−Lb断面図である。図5(b)に示すように、可変入賞装置65には、遊技球が入球可能な開口部である特定入賞口65aが形成されている。特定入賞口65aは、パチンコ機10の上方を略長方形状の開口が形成されており、その開口を通過した遊技球が図5(b)の左方向に誘導されるように左下方に傾斜した底面が形成されている。底面の左端部には、遊技球の入賞を検知するための磁気センサ65c1で構成された検出口65a1が配置されている。この検出口65a1を通過した遊技球は、図6(b)で示す裏カバー体65eの背面側に形成された振り分け流路へと誘導される。
なお、図5(b)に示すように特定入賞口65aの開口は、遊技盤13側より出没可能なシャッター機構で構成された開閉扉65f1により遊技球が入球可能な開放状態と入球不可能(入球困難)な閉鎖状態とに可変される。閉鎖状態では、開口が完全に開閉扉65f1によって覆われ、開閉扉の上部を遊技球が転動可能に構成される。また、開放状態では、開閉扉65f1は、ベース部材65cの内側(遊技盤13の内部)に退避されることにより特定入賞口65a内から退避されるように構成されている。
このように構成することで、可変入賞装置65の開口が閉鎖されている場合には、遊技球が可変入賞装置65の上面を転動して、右第1入球口631側へと誘導されるように構成されている。よって、時短遊技中(確変遊技中含む)にも、右打ちした状態のまま、第2入球口640へと遊技球を入球させることが可能となり、大当たり遊技後に直ちに左打ちへと遊技方法を変更させる手間を軽減できる。従って、より楽に遊技を行うことができる。
また、開放状態においては、遊技球が流下する方向と直交する面を可変入賞装置65の開口として構成できるので、より多くの遊技球が効率よく特定入賞口65a内に入賞できる。よって、大当たり遊技に要する時間を短くすることができ、遊技の効率化をはかることができる。
図5(a)は、図5(b)に示すLa−La断面図である。図5(a)に示すように検出口65a1を有する磁気センサ65c1は、裏カバー体65eの振り分け流路側へと検出口65a1が傾くようにベース部材65cに固定されている。
図6を参照して、裏カバー体65eの振り分け流路に誘導された遊技球が後述する通常排出流路65e1と特別排出流路65e2とに振り分けられる構成について説明する。
図6(a)は、遊技球が特別排出流路65e2に振り分けられるように切替部材65hが作動された状態を示す裏カバー体65eの背面図である。図6(a)に示すように、切替部材65hは、リンク部材65iの突部が挿入される係止穴65h1と遊技球を誘導する誘導片65h2とを有しており、流路カバー体65gに背面側より回動可能に軸支されている。ここで、流路カバー体65gには、この誘導片65h2を挿通することが可能な開口部が設けられており、流路カバー体65gの背面側より振り分け流路内に誘導片65hを回動可能に配置することが可能に構成されている。
図6(a)に示すように、検出口65a1より振り分け流路内に誘導された遊技球は、左斜め下方に配置された誘導片65h2の上面に誘導されて特別排出流路65e2に誘導される。特別排出流路65e2を通過した遊技球は特別排出流路65e2に設けられた遊技球の通過を検出可能な磁気センサで構成された確変スイッチ65e3により検出されてアウト球としてパチンコ機10の外部へ排出される。
ここで、詳細については後述するが、本実施形態におけるパチンコ機10では、大当たり遊技中に上記した確変スイッチ65e3を遊技球が通過することにより、大当たり遊技後の遊技状態が高確率遊技状態(確変遊技状態)に設定される。即ち、確変スイッチ65e3は、確変遊技状態を付与するための入賞口として構成されている。また、切替部材65hは、大当たり後の遊技状態を低確率遊技状態か確変遊技状態かに振り分けるための構成となる。
このように、大当たり遊技中に特定入賞口65aに入賞した遊技球の流下ルートにより大当たり遊技後に設定される遊技状態が可変されるので、大当たり遊技中にも遊技者の興趣を向上させることができる。なお、可変入賞装置65の開口から特別排出流路65e2の入り口(切替部材65hの誘導片65h2により閉鎖さる開口面)を通過するのに必要な時間は、最短でも0.2秒で構成されている。切替部材65hの作動は、大当たりが開始してからの経過時間に対応付けて作動タイミングと作動時間が設定されている。詳細については図7を参照して後述するが、本実施形態では、大当たり開始後0.5秒〜0.7秒の範囲と、3.5秒〜5.5秒の範囲で切替部材65hが作動し、確変スイッチ65e3へと続く流路が通過可能な状態になる。
次に、図6(b)を参照して、通常排出流路65e1へと遊技球が誘導される場合について説明する。図6(b)は、流路ソレノイド65kが非作動であり、特別排出流路65e2の入り口の開口面を切替部材65hの誘導片65h2が塞いでいる状態を示す図である。
検出口65a1より振り分け流路に誘導された遊技球は、切替部材65hの誘導片65h2の上面に誘導されて通常排出流路65e1に誘導される。この通常排出流路65e1の端部には遊技球の通過を検出可能な磁気センサで構成された排出確認スイッチ65e4が設けられている。これにより、可変入賞装置65内に入球した遊技球が全て排出されたかを排出確認スイッチ65e4と確変スイッチ65e3との合計により判別できる。よって、可変入賞装置65内で球詰まり等の不具合が発生した場合に、その不具合を早期に発見することができる。
このように、可変入賞装置65内に特定入賞口65aに入賞した遊技球が磁気センサ65c1により検出され、それに基づいて、遊技者に特典として賞球(本実施形態では1球入賞に対して15個の賞球)を払い出すことができる。また、その検出された後の遊技球を利用して、確変スイッチ65e3に通過するか否かを振り分け可能に構成することで、確変遊技状態を付与するか否かの抽選も実行することができる。よって、確変遊技状態を付与するための専用の入賞口を可変入賞装置65とは別に設ける必要がなく、遊技盤13のスペースを有効に利用することができる。
次に、図7を参照して、1の大当たりにおける流路ソレノイド65kの動作と、開閉板65f1の開閉動作との対応関係について説明する。上述した通り、本実施形態では、大当たりが開始されてから、大当たりの1ラウンド目が開始されるまでの期間(オープニング期間)を、大当たりとなった時点における遊技状態、および大当たり種別に応じて可変させることにより、特定入賞口65aが開放状態となる期間と、特別排出流路65e2を流下可能となる期間との対応関係を可変させている。本実施形態では、オープニング期間として、2種類のパターン(オープニングA、オープニングB)が設けられている。
図7は、流路ソレノイド65kの動作の計時変化と、オープニングA,Bが設定された場合における、特定入賞口65aの開閉タイミングとの計時変化を模式的に示した図である。図7の上段に示した通り、流路ソレノイド65kは、大当たり開始前はオフ状態に保たれている。即ち、大当たり開始前は、通常排出流路65e1へ球が流下可能な状態(図6(b)参照)となる。このオフ状態は、大当たりが開始した(オープニング期間になった)後も0.5秒間継続する。そして、大当たりの開始から0.5秒が経過すると、流路ソレノイドが0.2秒間だけオン状態に設定される。即ち、特別排出流路65e2へ球が流下可能な状態(図6(a)参照)となる。
0.2秒間のオン状態の期間が終了すると、再度、流路ソレノイド65kがオフ状態に設定される。このオフ状態の期間は大当たりの開始から3.5秒経過するまで(オフ状態に設定されてから2.8秒間が経過するまで)継続する。そして、オフ状態となる期間が経過すると、再度、流路ソレノイド65kが2秒間オン状態に設定され(即ち、特別排出流路65e2が通過可能となり)、以降は大当たりが終了するまでオフ状態に保たれる。
また、図7の中段に示した通り、オープニングAが設定された場合には、大当たりが開始すると、0.5秒間のオープニング期間を経て、大当たりの1ラウンドが開始される。即ち、閉鎖されていた開閉板65f1が開放される。開閉板65f1が開放されることにより、可変入賞装置65の内部へと球が入球可能となる。なお、本実施形態では、大当たりの1ラウンドは球が特定入賞口65aへと10個入球するか、或いは、1ラウンドが開始されてから1秒間が経過するまで開閉版65f1が開放状態に設定される。1秒以内に10個の球を特定入賞口65aへと入球させることは困難なので、基本的に大当たりの1ラウンド目では、開閉版65f1が1秒間開放される。1ラウンドが終了すると、開閉版65f1が閉鎖されると共にインターバル期間が設定される。そして、以降は開閉板65f1が開放されるラウンド期間と、インターバル期間とが繰り返される。なお、大当たりの2ラウンド目以降は、球が特定入賞口65aへと10個入球するか、或いは、ラウンドが開始されてから30秒間が経過するまで開閉版65f1が開放状態に設定される。
図7に示した通り、オープニングAが設定された場合には、大当たりの1ラウンドの開始タイミングと、流路ソレノイド65kの0.2秒間のオン期間の始期とが一致する。しかしながら、特定入賞口65aへと入球した球が特別排出流路65e2の入り口へと到達するまでにはタイムラグが生じるため、流路ソレノイド65kがオン状態に設定される0.2秒間に、球を特別排出流路65e2へと進行させることは困難となる。よって、オープニングAが設定された場合には、大当たり中に球を確変スイッチ65e3に到達させることができないので、大当たり後は基本的に特別図柄の低確率状態が設定される。なお、オープニングAが開始された場合にも、1ラウンドの開始と同時に球を特定入賞口65aへと入球させ、且つ、球が最短距離を流下した場合には、切替部材65hの誘導片65h2によって特別排出流路65e2の入り口が塞がれる前に特別排出流路65e2へと球を流下させることができる。よって、オープニングAが設定された場合でも、遊技者に対して特別図柄の確変状態へと移行することを期待して遊技を行わせることができる。
また、図7の下段に示した通り、オープニングBが設定された場合には、大当たりが開始すると、3.5秒間のオープニング期間を経て、大当たりの1ラウンドが開始され、開閉板65f1が開放される。この開放状態は、オープニングAが設定された場合と同様に、1秒間継続し、1秒が経過すると、開閉板65f1が閉鎖されてインターバル期間が設定される。そして、以降はオープニングAが設定される大当たりと同様に、開閉板65f1が開放されるラウンド期間と、インターバル期間とが繰り返される。
図7に示した通り、オープニングBが設定された場合には、大当たりの1ラウンドの開始タイミングと、流路ソレノイド65kの2秒間のオン期間の始期とが一致する。即ち、特定入賞口65aへと入球した球のほとんどを、特別排出流路65e2へと流下させることができる。よって、オープニングBが設定された場合には、大当たり中に確変スイッチ65e3を球が通過可能となるため、1ラウンド目に球を可変入賞装置65へ向けて打ち出しさえすれば、大当たり後に特別図柄の確変状態へと移行させることができる。
このように、本実施形態では、オープニングの種別を複数(2種類)設けておき、設定されるオープニングの種別に応じて確変状態への移行し易さを異ならせている。なお、オープニングの種別は、大当たりの種別や大当たりとなった時点の遊技状態に基づいて選択する構成としている。より具体的には、通常状態(特別図柄の低確率状態、且つ、普通図柄の通常状態)で大当たりB、または大当たりDとなった場合にオープニングAが設定され、大当たりA、または大当たりCとなった場合には、オープニングBが設定されるように構成している。即ち、通常状態で大当たりB、または大当たりDになると、大当たり中に確変スイッチ65e3を球が通過困難となる一方で、大当たりA、または大当たりCになると、大当たり中に確変スイッチ65e3を通過容易となるように構成している。よって、通常状態では、大当たり種別に応じて特別図柄の確変状態へと移行し易くなるか、移行し難くなるかが変わるので、大当たり種別に注目して遊技を行わせることができる。
一方、通常状態以外(確変状態、または時短状態)では、全ての大当たり種別でオープニングBが設定されるように構成されている。即ち、通常状態以外の状態で大当たりになると、大当たりの1ラウンド目で確変スイッチ65e3を通過容易となる。従って、通常状態以外の状態において大当たりとなった場合には、大当たり後に特別図柄の確変状態へと移行することもほぼ確定するので、遊技者に対してより大きな満足感を抱かせることができる。
ここで、通常状態と、通常状態以外の状態とで特別図柄の確変状態への突入率を可変させる方法として、オープニング期間でなく、1ラウンド目における開閉板65f1の開放パターンを大当たり種別に応じて異ならせる方法も考えられる。より具体的には、例えば、大当たりのオープニング期間を0.5秒に固定しておき、1ラウンドにおける開閉板65f1の開放期間を大当たり種別に応じて異ならせることで、確変スイッチ65e3を球が通過し易くなる大当たり種別と、確変スイッチ65e3を通過し難くなる大当たり種別とを設けておく。そして、通常状態で実行され易い第1特別図柄の抽選で大当たりとなった場合には、確変スイッチ65e3を通過し難い開閉パターンが設定される大当たり種別が選択される構成とし、通常状態以外の状態で実行され易い第2特別図柄の抽選で大当たりとなった場合には、確変スイッチ65e3を通過し難い開閉パターンが設定される大当たり種別が選択されない構成とする方法も考えられる。しかしながら、このように構成した場合、通常状態以外の状態(第2特別図柄の抽選が実行され易い状態)で、遊技者が球の打ち出し方向を誤る等により第1特別図柄の抽選が実行されてしまい、且つ、大当たりとなってしまった場合に、確変スイッチ65e3を球が通過し難い開閉パターンが設定されてしまう虞がある。よって、この場合は遊技者に不満感を抱かせてしまう場合がある。
また、開閉板65f1の開閉パターンを、遊技状態(通常状態であるか否か)によって異ならせる方法も考えられるが、大当たり種別と開閉パターンとが1対1対応でないと、遊技規則から外れてしまう可能性があり、ホールに設置できなくなってしまう虞がある。
これに対して本実施形態では、大当たり種別と、大当たりに当選した時点における遊技状態とに応じてオープニング期間を選択する構成により、遊技者に有利な状態(確変状態、および時短状態)において大当たりになると、必ず1ラウンド目に確変スイッチ65e3を通過し易い状態としている。このように構成することで、遊技者に有利な状態で第1特別図柄の抽選により大当たりとなった場合でも、大当たり中の遊技を安心して行わせることができる。
図2に戻って説明を続ける。遊技盤13の下側における左右の隅部には、証紙や識別ラベル等を貼着するための貼着スペースK1,K2が設けられ、貼着スペースK1に貼られた証紙等は、前面枠14の小窓35(図1参照)を通じて視認することができる。
更に、遊技盤13には、アウト口66が設けられている。いずれの入賞口にも入賞しなかった球はアウト口66を通って図示しない球排出路へと案内される。遊技盤13には、球の落下方向を適宜分散、調整等するために多数の釘が植設されているとともに、風車等の各種部材(役物)が配設されている。
図3に示すように、パチンコ機10の背面側には、制御基板ユニット90、91と、裏パックユニット94とが主に備えられている。制御基板ユニット90は、主基板(主制御装置110)と音声ランプ制御基板(音声ランプ制御装置113)と表示制御基板(表示制御装置114)とが搭載されてユニット化されている。制御基板ユニット91は、払出制御基板(払出制御装置111)と発射制御基板(発射制御装置112)と電源基板(電源装置115)とカードユニット接続基板116とが搭載されてユニット化されている。
裏パックユニット94は、保護カバー部を形成する裏パック92と払出ユニット93とがユニット化されている。また、各制御基板には、各制御を司る1チップマイコンとしてのMPU、各種機器との連絡をとるポート、各種抽選の際に用いられる乱数発生器、時間計数や同期を図る場合などに使用されるクロックパルス発生回路等が、必要に応じて搭載されている。
なお、主制御装置110、音声ランプ制御装置113及び表示制御装置114、払出制御装置111及び発射制御装置112、電源装置115、カードユニット接続基板116は、それぞれ基板ボックス100〜104に収納されている。基板ボックス100〜104は、ボックスベースと該ボックスベースの開口部を覆うボックスカバーとを備えており、そのボックスベースとボックスカバーとが互いに連結されて、各制御装置や各基板が収納される。
また、基板ボックス100(主制御装置110)及び基板ボックス102(払出制御装置111及び発射制御装置112)は、ボックスベースとボックスカバーとを封印ユニット(図示せず)によって開封不能に連結(かしめ構造による連結)している。また、ボックスベースとボックスカバーとの連結部には、ボックスベースとボックスカバーとに亘って封印シール(図示せず)が貼着されている。この封印シールは、脆性な素材で構成されており、基板ボックス100,102を開封するために封印シールを剥がそうとしたり、基板ボックス100,102を無理に開封しようとすると、ボックスベース側とボックスカバー側とに切断される。よって、封印ユニット又は封印シールを確認することで、基板ボックス100,102が開封されたかどうかを知ることができる。
払出ユニット93は、裏パックユニット94の最上部に位置して上方に開口したタンク130と、タンク130の下方に連結され下流側に向けて緩やかに傾斜するタンクレール131と、タンクレール131の下流側に縦向きに連結されるケースレール132と、ケースレール132の最下流部に設けられ、払出モータ216(図9参照)の所定の電気的構成により球の払出を行う払出装置133とを備えている。タンク130には、遊技ホールの島設備から供給される球が逐次補給され、払出装置133により必要個数の球の払い出しが適宜行われる。タンクレール131には、当該タンクレール131に振動を付加するためのバイブレータ134が取り付けられている。
また、払出制御装置111には状態復帰スイッチ120が設けられ、発射制御装置112には可変抵抗器の操作つまみ121が設けられ、電源装置115にはRAM消去スイッチ(図3、122)が設けられている。状態復帰スイッチ120は、例えば、払出モータ216(図12参照)部の球詰まり等、払出エラーの発生時に球詰まりを解消(正常状態への復帰)するために操作される。操作つまみ121は、発射ソレノイドの発射力を調整するために操作される。RAM消去スイッチ(図3、122)は、パチンコ機10を初期状態に戻したい場合に電源投入時に操作される。
<第1実施形態における電気的構成について>
次に、図9を参照して、本パチンコ機10の電気的構成について説明する。図9は、パチンコ機10の電気的構成を示すブロック図である。
主制御装置110には、演算装置である1チップマイコンとしてのMPU201が搭載されている。MPU201には、該MPU201により実行される各種の制御プログラムや固定値データを記憶したROM202と、そのROM202内に記憶される制御プログラムの実行に際して各種のデータ等を一時的に記憶するためのメモリであるRAM203と、そのほか、割込回路やタイマ回路、データ送受信回路などの各種回路が内蔵されている。なお、払出制御装置111や音声ランプ制御装置113などのサブ制御装置に対して動作を指示するために、主制御装置110から該サブ制御装置へ各種のコマンドがデータ送受信回路によって送信されるが、かかるコマンドは、主制御装置110からサブ制御装置へ一方向にのみ送信される。
主制御装置110では、大当たり抽選や第1図柄表示装置37および第3図柄表示装置81における表示の設定、第2図柄表示装置83における表示結果の抽選といったパチンコ機10の主要な処理を実行する。RAM203には、これらの処理を制御するための各種カウンタを格納するカウンタ用バッファ(図10参照)が設けられている。
ここで、図10を参照して、主制御装置110のRAM203内に設けられるカウンタ等について説明する。これらのカウンタ等は、大当たり抽選や第1図柄表示装置37および第3図柄表示装置81の表示の設定、第2図柄表示装置83の表示結果の抽選などを行うために、主制御装置110のMPU201で使用される。
大当たり抽選や第1図柄表示装置37および第3図柄表示装置81の表示の設定には、大当たりの抽選に使用する第1当たり乱数カウンタC1と、大当たり図柄の選択に使用する第1当たり種別カウンタC2と、変動パターンの選択に使用する変動種別カウンタCS1と、第1当たり乱数カウンタC1の初期値設定に使用する第1初期値乱数カウンタCINI1とが用いられる。また、普通図柄(第2図柄表示装置83)の抽選には、第2当たり乱数カウンタC4が用いられ、第2当たり乱数カウンタC4の初期値設定には第2初期値乱数カウンタCINI2が用いられる。これら各カウンタは、更新の都度前回値に1が加算され、最大値に達した後0に戻るループカウンタとなっている。
各カウンタは、例えば、タイマ割込処理(図24参照)の実行間隔である2ミリ秒間隔で更新され、また、一部のカウンタは、メイン処理(図32参照)の中で不定期に更新されて、その更新値がRAM203の所定領域に設定されたカウンタ用バッファに適宜格納される。RAM203には、1つの実行エリアと4つの保留エリア(保留第1〜第4エリア)とからなる第1特別図柄保留球格納エリア203aが設けられており、これらの各エリアには、第1入球口64への入球タイミングに合わせて、第1当たり乱数カウンタC1、第1当たり種別カウンタC2及び停止種別選択カウンタC3の各値がそれぞれ格納される。また、RAM203には、1つの実行エリアと4つの保留エリア(保留第1〜第4エリア)とからなる第2特別図柄保留球格納エリア203bが設けられており、これらの各エリアには、第2入球口640への入球タイミングに合わせて、第1当たり乱数カウンタC1、第1当たり種別カウンタC2及び停止種別選択カウンタC3の各値がそれぞれ格納される。更に、RAM203には、1つの実行エリアと4つの保留エリア(保留第1〜第4エリア)とからなる普通図柄保留球格納エリア203cが設けられており、これらの各エリアには、球が普通入球口(スルーゲート)67を通過したタイミングに合わせて、第2当たり乱数カウンタC4の値が格納される。
各カウンタについて詳しく説明する。第1当たり乱数カウンタC1は、所定の範囲(例えば、0〜399)内で順に1ずつ加算され、最大値(例えば、0〜399の値を取り得るカウンタの場合は399)に達した後0に戻る構成となっている。特に、第1当たり乱数カウンタC1が1周した場合、その時点の第1初期値乱数カウンタCINI1の値が当該第1当たり乱数カウンタC1の初期値として読み込まれる。
また、第1初期値乱数カウンタCINI1は、第1当たり乱数カウンタC1と同一範囲で更新されるループカウンタとして構成される。即ち、例えば、第1当たり乱数カウンタC1が0〜399の値を取り得るループカウンタである場合には、第1初期値乱数カウンタCINI1もまた、0〜399の範囲のループカウンタである。この第1初期値乱数カウンタCINI1は、タイマ割込処理(図24参照)の実行毎に1回更新されると共に、メイン処理(図32参照)の残余時間内で繰り返し更新される。
第1当たり乱数カウンタC1の値は、例えば定期的に(本実施形態ではタイマ割込処理毎に1回)更新され、球が第1入球口64に入球した場合には、その値がRAM203の第1特別図柄保留球格納エリア203aに格納される。一方、球が第2入球口640に入球した場合には、その値が第2特別図柄保留球格納エリア203bに格納される。
上述した通り、特別図柄の大当たりとなる乱数の値は、主制御装置110のROM202に格納される第1当たり乱数テーブル202a(図12(a)参照)によって設定されており、第1当たり乱数カウンタC1の値が、第1当たり乱数テーブルによって設定された大当たりとなる乱数の値と一致する場合に、特別図柄の大当たりと判定する。また、この第1当たり乱数テーブル202aは、特別図柄の低確率時(特別図柄の低確率状態である期間)用と、その低確率時より特別図柄の大当たりとなる確率の高い高確率時(特別図柄の高確率状態である期間)用との2種類に分けられ、それぞれに含まれる大当たりとなる乱数の個数が異なって設定されている(図12(a)参照)。このように、大当たりとなる乱数の個数を異ならせることにより、特別図柄の低確率時と特別図柄の高確率時とで、大当たりとなる確率が変更される。
第1当たり種別カウンタC2は、特別図柄の大当たりとなった場合に、第1図柄表示装置37の表示態様を決定するものであり、所定の範囲(例えば、0〜99)内で順に1ずつ加算され、最大値(例えば、0〜99の値を取り得るカウンタの場合は99)に達した後0に戻る構成となっている。第1当たり種別カウンタC2の値は、例えば、定期的に(本実施形態ではタイマ割込処理毎に1回)更新され、球が第1入球口64に入球した場合には、その値がRAM203の第1特別図柄保留球格納エリア203aに格納される。一方、球が第2入球口640へと入球した場合には、その値がRAM203の第2特別図柄保留球格納エリア203bに格納される。
ここで、第1特別図柄保留球格納エリア203a、または第2特別図柄保留球格納エリア203bに格納された第1当たり乱数カウンタC1の値が、特別図柄の大当たりとなる乱数でなければ、即ち、特別図柄の外れとなる乱数であれば、第1図柄表示装置37に表示される停止図柄に対応した表示態様は、特別図柄の外れ時のものとなる。
一方で、第1特別図柄保留球格納エリア203a、または第2特別図柄保留球格納エリア203bに格納された第1当たり乱数カウンタC1の値が、特別図柄の大当たりとなる乱数であれば、第1図柄表示装置37に表示される停止図柄に対応した表示態様は、特別図柄の大当たり時のものとなる。この場合、その大当たり時の具体的な表示態様は、同じ第1特別図柄保留球格納エリア203a、または第2特別図柄保留球格納エリア203bに格納されている第1当たり種別カウンタC2の値が示す表示態様となる。
本実施形態のパチンコ機10における第1当たり乱数カウンタC1は、0〜399の範囲の2バイトのループカウンタとして構成されている。この第1当たり乱数カウンタC1において、特別図柄の低確率時に、特別図柄の大当たりとなる乱数値は1個あり、その乱数値である「0」は、低確率時用の第1当たり乱数テーブルに格納されている(図12(a)参照)。このように特別図柄の低確率時には、乱数値の総数が400ある中で、大当たりとなる乱数値の総数が1なので、特別図柄の大当たりとなる確率は、「1/400」となる。
一方で、特別図柄の高確率時に、特別図柄の大当たりとなる乱数値は10個あり、その値である「1〜10」は、高確率時用の第1当たり乱数テーブルに格納されている(図12(a)参照)。このように特別図柄の高確率時には、乱数値の総数が400ある中で、大当たりとなる乱数値の総数が10なので、特別図柄の大当たりとなる確率は、「10/400」となる。
また、本実施形態のパチンコ機10における第1当たり種別カウンタC2の値は、0〜99の範囲のループカウンタとして構成されている。そして、図12(b)に示すように、第1特別図柄の抽選で大当たりとなり、第1当たり種別カウンタC2の値が「0〜49」であった場合の大当たり種別は、「大当たりA」となる。また、値が「50〜99」であった場合の大当たり種別は、「大当たりB」となる。一方、第2特別図柄の抽選で大当たりとなり、第1当たり種別カウンタC2の値が「0〜49」であった場合の大当たり種別は、「大当たりC」となる。また、値が「50〜99」であった場合の大当たり種別は、「大当たりD」となる。このように、本実施形態のパチンコ機10は、特別図柄の種類、および第1当たり種別カウンタC2が示す乱数の値によって、4種類の当たり種別(大当たりA〜D)が決定されるように構成されている。
停止種別選択カウンタC3は、例えば0〜99の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値(つまり99)に達した後0に戻る構成となっている。本実施形態では、停止種別選択カウンタC3によって、第3図柄表示装置81で表示される外れ時の停止種別が選択され、リーチが発生した後、最終停止図柄がリーチ図柄の前後に1つだけずれて停止する「前後外れリーチ」(例えば98,99)と、同じくリーチ発生した後、最終停止図柄がリーチ図柄の前後以外で停止する「前後外れ以外リーチ」(例えば90〜97の範囲)と、リーチ発生しない「完全外れ」(例えば0〜89の範囲)との3つの停止(演出)パターンが選択される。停止種別選択カウンタC3の値は、例えば定期的に(本実施形態ではタイマ割込処理毎に1回)更新され、球が第1入球口64に入球した場合は、その値がRAM203の第1特別図柄保留球格納エリア203aに格納される。また、球が第2入球口640に入球した場合は、その値がRAM203の第2特別図柄保留球格納エリア203bに格納される。
なお、停止種別選択カウンタC3の値(乱数値)から、特別図柄の停止種別を決定するための乱数値は、停止種別選択テーブル(図示せず)により設定されており、このテーブルは、主制御装置110のROM202内に設けられている。また、本実施形態ではこのテーブルを、特別図柄の高確率時用と、特別図柄の低確率時用とに分けており、テーブルに応じて、外れの停止種別ごとに設定される乱数値の範囲を変えている。これは、パチンコ機10が特別図柄の高確率状態であるか、特別図柄の低確率状態であるか等に応じて、停止種別の選択比率を変更するためである。
例えば、高確率状態では、大当たりが発生し易いため必要以上にリーチ演出が選択されないように、「完全外れ」の停止種別に対応した乱数値の範囲が0〜89と広い高確率時用のテーブルが選択され、「完全外れ」が選択され易くなる。このテーブルは、「前後外れリーチ」が98,99と狭くなると共に「前後外れ以外リーチ」も90〜97と狭くなり、「前後外れリーチ」や「前後外れ以外リーチ」が選択され難くなる。また、低確率状態であれば、第1入球口64への球の入球時間を確保するために「完全外れ」の停止種別に対応した乱数値の範囲が0〜79と狭い低確率時用のテーブルが選択され、「完全外れ」が選択され難くなる。
この停止種別選択テーブルは、「前後外れ以外リーチ」の停止種別に対応した乱数値の範囲が80〜97と広くなり、「前後外れ以外リーチ」が選択され易くなっている。よって、低確率状態では、演出時間の長いリーチ表示を多く行うことできるので、第1入球口64への球の入球時間を確保でき、第3図柄表示装置81による変動表示が継続して行われ易くなる。なお、後者のテーブルにおいても、「前後外れリーチ」の停止種別に対応した乱数値の範囲は98,99に設定される。
変動種別カウンタCS1は、例えば0〜198の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値(つまり198)に達した後0に戻る構成となっている。変動種別カウンタCS1によって、いわゆるノーマルリーチ、スーパーリーチ等の大まかな表示態様が決定される。表示態様の決定は、具体的には、図柄変動の変動時間の決定である。変動種別カウンタCS1により決定された変動時間に基づいて、音声ランプ制御装置113や表示制御装置114により第3図柄表示装置81で表示される第3図柄のリーチ種別や細かな図柄変動態様が決定される。変動種別カウンタCS1の値は、後述するメイン処理(図32参照)が1回実行される毎に1回更新され、当該メイン処理内の残余時間内でも繰り返し更新される。なお、変動種別カウンタCS1の値(乱数値)から、図柄変動の変動時間を一つ決定する乱数値を格納した変動パターンテーブル202d(図13(a)参照)は、主制御装置110のROM202内に設けられている。
ここで、図13(a)〜(d)を参照して変動パターンテーブル202dについて説明する。この変動パターンテーブル202dは、図13(a)に示すように、大当たり用変動パターンテーブル202d1(図13(b)参照)と、外れ用(通常)変動パターンテーブル202d2(図13(c)参照)と、外れ用(確変)変動パターンテーブル202d3(図13(d)参照)とが少なくとも設定されている。
まず、図13(b)を参照して、大当たり用変動パターンテーブル202d1について説明する。図13(b)は、この大当たり用変動パターンテーブル202d1の内容を模式的に示した模式図である。大当たり用変動パターンテーブル202d1は、特別図柄の抽選結果が大当たりである場合に、選択される変動パターンの種別(変動時間)が規定されたデータテーブルである。大当たりの変動パターンとしては、ノーマルリーチ各種(30秒)、スーパーリーチ各種(60秒)、スペシャルリーチ(90秒)がそれぞれ規定されている。大当たり用変動パターンテーブル202d1には、変動種別カウンタCS1の値毎に、各変動パターンが対応付けられている。
具体的には、変動種別カウンタCS1の値の判定値として「0〜50」の範囲にはノーマルリーチ各種(30秒)の変動パターンが対応付けられ、「51〜179」の範囲にはスーパーリーチ各種(60秒)の変動パターンが対応付けられ、「180〜198」の範囲にはスペシャルリーチ各種(90秒)の変動パターンが対応付けられている。主制御装置110のMPU201は、特別図柄の抽選結果が大当たりとなる場合の変動パターンを選択する場合に、取得している変動種別カウンタCS1の値に対応する判定値が設定されている変動パターンを大当たり用変動パターンテーブル202d1より選択する。
図13(c)は、外れ用(通常)変動パターンテーブル202d2の内容を模式的に示した模式図である。外れ用(通常)変動パターンテーブル202d2は、特別図柄の低確率状態において、特別図柄の抽選結果が外れであった場合に選択される変動パターンの種別(変動時間)が規定されたデータテーブルである。特別図柄の抽選結果が外れである場合には、上述したように、図示しない停止種別選択テーブルより停止種別が完全外れ(非リーチ)であるか、リーチ外れ(リーチ共通)であるかが停止種別選択カウンタC3の値によって決定される。具体的には、例えば、特別図柄の低確率状態において停止種別選択カウンタC3の値が「0〜79」の範囲にあれば完全外れを設定し、「80〜99」の範囲にあれば外れリーチ(前後外れリーチ、前後外れ以外リーチ)を設定する。
ここで、変動パターン種別が、完全外れである場合には、変動時間が比較的短い短外れ(7秒)と、変動時間が比較的長い長外れ(10秒)のいずれかが設定される。短外れ(7秒)に対しては、「0〜98」が、長外れ(10秒)に対しては、「99〜198」が変動種別カウンタCS1の判定値として設定されている。
また、外れリーチに対しては、変動種別カウンタCS1の判定値が「0〜149」の範囲には外れのノーマルリーチ各種(30秒)が、「150〜197」の範囲には外れのスーパーリーチ各種(60秒)が、「198」には外れのスペシャルリーチ各種(90秒)がそれぞれ設定されている。
このように、主制御装置110のMPU201は、通常遊技状態時に特別図柄の抽選結果が外れである場合には、停止種別が決定され、外れ用(通常)変動パターンテーブル202d2より取得している変動種別カウンタCS1の値に基づいて、外れ用(通常)変動パターンテーブル202d2より変動パターンを選択する。
図13(d)は、外れ用(確変)変動パターンテーブル202d3の内容を模式的に示した模式図である。この外れ用(確変)変動パターンテーブル202d3は、特別図柄の確変状態において、特別図柄の抽選が外れとなった場合に選択される変動パターンの種別(変動時間)が規定されたデータテーブルである。この外れ用(確変)変動パターンテーブル202d3では、設定されている変動種別カウンタCS1の値が、上述した外れ用(通常)変動パターンテーブル202d2とは異なっている。
なお、上述したように、遊技状態が確変遊技状態である場合には、図示しない停止種別選択テーブルにより停止種別選択カウンタC3の値が「0〜89」の範囲にあれば、完全外れが決定され、「90〜99」の範囲にあれば外れリーチ(前後外れリーチ、前後外れ以外リーチ)が決定される。
このように、通常遊技状態よりも確変遊技状態である場合には、外れである場合にリーチとなる確率が低く設定されている。よって、確変時に外れの変動時間が長くなってしまい、大当たりとなるまでの期間が長くなってしまうことを抑制できる。よって、大当たりし易い確変遊技状態時に遊技が間延びしてしまい、遊技者が退屈に感じる不具合を抑制できる。
第2当たり乱数カウンタC4は、例えば0〜239の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値(つまり239)に達した後0に戻るループカウンタとして構成されている。また、第2当たり乱数カウンタC4が1周した場合、その時点の第2初期値乱数カウンタCINI2の値が当該第2当たり乱数カウンタC4の初期値として読み込まれる。第2当たり乱数カウンタC4の値は、本実施形態ではタイマ割込処理毎に、例えば定期的に更新され、球がスルーゲート67を通過したことが検知された時に取得され、RAM203の普通図柄保留球格納エリア203cに格納される。
そして、普通図柄の当たりとなる乱数の値は、主制御装置のROM202に格納される第2当たり乱数テーブル(図12(c)参照)によって設定されており、第2当たり乱数カウンタC4の値が、第2当たり乱数テーブルによって設定された当たりとなる乱数の値と一致する場合に、普通図柄の当たりと判定する。また、この第2当たり乱数テーブルは、普通図柄の低確率時(普通図柄の通常状態である期間)用と、その低確率時より普通図柄の当たりとなる確率の高い高確率時(普通図柄の時短状態である期間)用との2種類に分けられ、それぞれに含まれる大当たりとなる乱数の個数が異なって設定されている(図12(c)参照)。このように、当たりとなる乱数の個数を異ならせることにより、普通図柄の低確率時と普通図柄の高確率時とで、当たりとなる確率が変更される。
図12(c)に示すように、普通図柄の低確率時に、普通図柄の当たりとなる乱数値は1個あり、その当たりは「0」である。この乱数値は、低確率時用の第2当たり乱数テーブルに格納されている。このように普通図柄の低確率時には、乱数値の総数が240ある中で、大当たりとなる乱数値の総数が1なので、特別図柄の大当たりとなる確率は、「1/240」となる。
パチンコ機10が普通図柄の低確率時である場合に、球がスルーゲート67を通過すると、第2当たり乱数カウンタC4の値が取得されると共に、第2図柄表示装置83において普通図柄の変動表示が30秒間実行される。そして、取得された第2当たり乱数カウンタC4の値が「0」であれば当選と判定されて、第2図柄表示装置83における変動表示が終了した後に、停止図柄(第2図柄)として「○」の図柄が点灯表示されると共に、第2入球口640に付随する電動役物640aが「0.2秒間×1回」だけ開放される。なお、本実施形態では、パチンコ機10が普通図柄の低確率時である場合に、普通図柄の当たりとなったら電動役物640aが「0.2秒間×1回」だけ開放されるが、開放時間や回数は任意に設定すれば良い。例えば、「0.5秒間×2回」開放しても良い。
一方で、普通図柄の高確率時に、普通図柄の大当たりとなる乱数値は200個あり、その範囲は「5〜204」となっている。これらの乱数値は、高確率時用の第2当たり乱数テーブルに格納されている。このように特別図柄の低確率時には、乱数値の総数が240ある中で、大当たりとなる乱数値の総数が200なので、特別図柄の大当たりとなる確率は、「1/1.2」となる。
パチンコ機10が普通図柄の高確率時である場合に、球がスルーゲート67を通過すると、第2当たり乱数カウンタC4の値が取得されると共に、第2図柄表示装置83において普通図柄の変動表示が3秒間実行される。そして、取得された第2当たり乱数カウンタC4の値が「5〜204」の範囲であれば普通図柄の当たりと判定される。この場合、第2図柄表示装置83における変動表示が終了した後に、停止図柄(第2図柄)として「○」の図柄が点灯表示されると共に、電動役物640aが「1秒間×3回」開放される。このように、普通図柄の高確率時には、普通図柄の低確率時と比較して、変動表示の時間が「30秒→3秒」と非常に短くなり、更に、電動役物640aの開放期間が「0.2秒×1回→1秒間×2回」と非常に長くなるので、第2入球口640へ球が入球し易い状態となる。なお、本実施形態では、パチンコ機10が普通図柄の高確率時である場合に、普通図柄の当たりとなったら電動役物640aが「1秒間×3回」だけ開放されるが、開放時間や回数は任意に設定すれば良い。例えば、「3秒間×2回」開放しても良い。
第2初期値乱数カウンタCINI2は、第2当たり乱数カウンタC4と同一範囲で更新されるループカウンタとして構成され(値=0〜239)、タイマ割込処理(図24参照)毎に1回更新されると共に、メイン処理(図32参照)の残余時間内で繰り返し更新される。
このように、RAM203には種々のカウンタ等が設けられており、主制御装置110では、このカウンタ等の値に応じて大当たり抽選や第1図柄表示装置37および第3図柄表示装置81における表示の設定、第2図柄表示装置83における表示結果の抽選といったパチンコ機10の主要な処理を実行することができる。
図9に戻り、説明を続ける。RAM203は、図10に図示したカウンタ用バッファのほか、MPU201の内部レジスタの内容やMPU201により実行される制御プログラムの戻り先番地などが記憶されるスタックエリアと、各種のフラグおよびカウンタ、I/O等の値が記憶される作業エリア(作業領域)とを有している。なお、RAM203は、パチンコ機10の電源の遮断後においても電源装置115からバックアップ電圧が供給されてデータを保持(バックアップ)できる構成となっており、RAM203に記憶されるデータは、すべてバックアップされる。
停電などの発生により電源が遮断されると、その電源遮断時(停電発生時を含む。以下同様)のスタックポインタや、各レジスタの値がRAM203に記憶される。一方、電源投入時(停電解消による電源投入を含む。以下同様)には、RAM203に記憶される情報に基づいて、パチンコ機10の状態が電源遮断前の状態に復帰される。RAM203への書き込みはメイン処理(図32参照)によって電源遮断時に実行され、RAM203に書き込まれた各値の復帰は電源投入時の立ち上げ処理(図31参照)において実行される。なお、MPU201のNMI端子(ノンマスカブル割込端子)には、停電等の発生による電源遮断時に、停電監視回路252からの停電信号SG1が入力されるように構成されており、その停電信号SG1がMPU201へ入力されると、停電時処理としてのNMI割込処理(図30参照)が即座に実行される。
次に、ROM202、及びRAM203の具体的な内容について、図11〜図15を参照して説明する。図11は、本実施形態における主制御装置110内に設けられたROM202の構成を示すブロック図である。主制御装置110のROM202には、上記した固定値データの一部として、第1当たり乱数テーブル202a、第1当たり種別選択テーブル202b、第2当たり乱数テーブル202c、変動パターンテーブル202d、およびオープニング選択テーブル202eが少なくとも記憶されている。
第1当たり乱数テーブル202a(図12(a)参照)は、第1当たり乱数カウンタC1の大当たり判定値が記憶されているデータテーブルである。具体的には、特別図柄の低確率状態における大当たり判定値として、「0」のみが規定され、特別図柄の高確率状態(確変状態)における大当たり判定値として、「1〜10」の10個の判定値が規定されている。始動入賞に基づいて取得した第1当たり乱数カウンタC1の値が、この第1当たり乱数テーブル202a(図12(a)参照)に規定されているいずれかの判定値と一致した場合に、特別図柄の大当たりであると判別される。
第1当たり種別選択テーブル202b(図12(b)参照)は、大当たり種別を決定するための判定値が特別図柄の種別毎に記憶されているデータテーブルであり、第1当たり種別カウンタC2の判定値が、各大当たり種別に対応付けて規定されている。本実施形態のパチンコ機10では、特別図柄の大当たりと判定された場合に、始動入賞に基づいて取得した第1当たり種別カウンタC2の値と、第1当たり種別選択テーブル202bとが比較され、第1当たり種別カウンタC2の値に対応する大当たり種別が選択される。
図12(b)に示した通り、第1特別図柄に対して、第1当たり種別カウンタC2の値が「0〜49」の範囲には、「大当たりA」が対応付けられて規定されている。この大当たりAは、ラウンド数が8ラウンドの大当たりである。第1当たり種別カウンタC2の取り得る100個のカウンタ値のうち、「大当たりA」となるカウンタ値は50個なので、第1特別図柄の抽選で大当たりとなった場合に「大当たりA」が決定される割合は50%(50/100)である。この「大当たりA」は当選時の遊技状態に拘わらず、オープニングBが設定される(即ち、1ラウンド目に球が確変スイッチ65e3を容易に通過可能となる)大当たり種別である。
また、第1当たり種別カウンタC2の値が「50〜99」の範囲には、「大当たりB」が対応付けられて規定されている。この「大当たりB」は、「大当たりA」と同様にラウンド数が8ラウンドの大当たりである。第1当たり種別カウンタC2の取り得る100個のカウンタ値のうち、「大当たりB」となるカウンタ値は50個なので、第1特別図柄の抽選で大当たりとなった場合に「大当たりB」が決定される割合は50%(50/100)である。この「大当たりB」は、当選時が通常状態(特別図柄の低確率状態、且つ、普通図柄の通常状態)であれば、オープニングAが設定され(即ち、1ラウンド目に球が確変スイッチ65e3を通過困難となり)、当選時が通常状態以外であれば、オープニングBが設定される(即ち、1ラウンド目に球が確変スイッチ65e3を容易に通過可能となる)大当たり種別である。よって、通常状態において大当たりBになると、大当たり後に確変状態へと移行させることが困難となるため、通常状態で大当たりAとなった場合に比較して遊技者に不利となる。
また、図12(b)に示した通り、第2特別図柄に対して、第1当たり種別カウンタC2の値が「0〜49」の範囲には、「大当たりC」が対応付けられて規定されている。この大当たりAは、ラウンド数が15ラウンドの大当たりである。第1当たり種別カウンタC2の取り得る100個のカウンタ値のうち、「大当たりC」となるカウンタ値は50個なので、第1特別図柄の抽選で大当たりとなった場合に「大当たりC」が決定される割合は50%(50/100)である。この「大当たりC」は当選時の遊技状態に拘わらず、オープニングBが設定される(即ち、1ラウンド目に球が確変スイッチ65e3を容易に通過可能となる)大当たり種別である。第1特別図柄の抽選で大当たりとなった場合に選択される大当たりよりもラウンド数が多い上に、当選時の遊技状態とは無関係に1ラウンド目に確変スイッチ65e3を球が容易に通過可能となるので、大当たりCは遊技者にとって最も有利な大当たり種別である。
また、第1当たり種別カウンタC2の値が「50〜99」の範囲には、「大当たりD」が対応付けられて規定されている。この「大当たりD」は、「大当たりC」と同様にラウンド数が15ラウンドの大当たりである。第1当たり種別カウンタC2の取り得る100個のカウンタ値のうち、「大当たりD」となるカウンタ値は50個なので、第1特別図柄の抽選で大当たりとなった場合に「大当たりD」が決定される割合は50%(50/100)である。この「大当たりD」は、当選時が通常状態(特別図柄の低確率状態、且つ、普通図柄の通常状態)であれば、オープニングAが設定され(即ち、1ラウンド目に球が確変スイッチ65e3を通過困難となり)、当選時が通常状態以外であれば、オープニングBが設定される(即ち、1ラウンド目に球が確変スイッチ65e3を通過可能となる)大当たり種別である。この「大当たりD」は、通常状態以外の状態で当選すると、「大当たりC」と同様にラウンド数が多い上、大当たりの1ラウンド目で球が確変スイッチ65e3を容易に通過可能となるため、遊技者にとって有利となる。一方、通常状態で当選すると、確変スイッチ65e3を球が通過困難となるため、通常状態では、「大当たりA」や「大当たりC」に比較して遊技者に不利となる。
なお、通常状態で「大当たりD」となった場合にオープニングAが設定される構成としているのは、通常状態において第2入球口640を狙って球を打ち出す(右打ちする)変則的な遊技方法を抑制するためである。仮に、第2特別図柄の抽選で「大当たりD」となった場合に、通常状態でもオープニングBが設定されるように構成すると(即ち、第2特別図柄の抽選で大当たりになった場合に、遊技状態に関係なく確変スイッチ65e3を容易に通過可能となるように構成すると)、50%の割合で大当たりBが決定される(確変状態に移行し難いオープニングAが設定される)第1特別図柄の抽選よりも、大当たりとなった場合に確実にオープニングBが設定される第2特別図柄の抽選を実行させた方が有利と考える遊技者が現れる可能性がある。そこで、本実施形態では、通常状態で第2特別図柄の抽選を実行させるメリットを低減すべく、通常状態で第2特別図柄の大当たりとなった場合には、第1特別図柄の抽選で大当たりになった場合と同様に50%の割合で確変状態に移行し難いオープニングAが設定される構成としている。このように構成することで、通常状態でも第2特別図柄の抽選を実行させることにより、確変状態の突入率を向上させようとする変則的な遊技方法を成り立たなくすることができる。
なお、本実施形態では、通常状態で「大当たりC」となった場合にオープニングBが設定される構成としていたが、通常状態では「大当たりC」となった場合にもオープニングAが設定されるように構成してもよい。これにより、通常状態でも第2特別図柄の抽選を実行させようとして常時右打ちを行う変則的な遊技方法に対する抑止力をより高めることができる。
第2当たり乱数テーブル202c(図12(c))は、普通図柄の当たり判定値が記憶されているデータテーブルである。具体的には、普通図柄の通常状態において、普通図柄の当たりとなる判定値として、「0」が規定されている(図12(c)参照)。また、普通図柄の高確率状態において、普通図柄の当たりとなる判定値として、「5〜204」が規定されている(図12(c)参照)。本実施形態のパチンコ機10では、普通入球口(スルーゲート)67を球が通過することに基づいて取得される第2当たり乱数カウンタC4の値と、第2当たり乱数テーブル202cとを参照し、普通図柄の当たりであるか否かを判定している。
変動パターンテーブル202d(図13(a)〜(d)参照)は、変動パターンの表示態様を決定するための変動種別カウンタCS1の判定値が表示態様毎にそれぞれ規定されているデータテーブルである。なお、変動パターンテーブル202dの詳細については、変動種別カウンタCS1の説明において上述した通りであるので、ここではその詳細な説明について省略する。
オープニング選択テーブル202eは、大当たりとなった場合に、大当たり種別、及び大当たりに当選した時点の遊技状態に応じたオープニング種別を決定するために用いられるデータテーブルである。このオープニング選択テーブル202eの詳細について、図14を参照して説明する。
図14は、オープニング選択テーブル202eの規定内容を示した図である。図14に示した通り、オープニング選択テーブル202eには、大当たり種別に対応するオープニング種別が、大当たりに当選した時点の遊技状態毎に規定されている。具体的には、大当たりAとなった場合に決定されるオープニング種別として、通常状態(特別図柄の低確率状態、且つ、普通図柄の通常状態)、時短状態(特別図柄の低確率状態、且つ、普通図柄の時短状態)、および確変状態(特別図柄の確変状態、且つ、普通図柄の時短状態)に対してそれぞれオープニングBが対応付けて規定されている。即ち、大当たりAになると、当選時の遊技状態に拘わらず、このオープニング選択テーブルから確変状態へと移行し易くなるオープニングBが読み出されて設定されるので、遊技者にとって有利となる。
また、大当たりBとなった場合に決定されるオープニング種別として、通常状態に対してオープニングAが、時短状態、および確変状態に対してオープニングBが、それぞれ対応付けて規定されている。よって、時短状態や確変状態で大当たりBとなった場合には、確変状態へと移行し易くなるオープニングBが設定されるが、通常状態で大当たりBとなった場合には、確変状態へと移行し難くなるオープニングAが設定される。よって、通常状態で大当たりBになると遊技者にとって不利になる。
大当たりCとなった場合に決定されるオープニング種別としては、大当たりAと同様に、通常状態、時短状態、および確変状態に対してそれぞれオープニングBが対応付けて規定されている。また、大当たりDとなった場合に決定されるオープニング種別としては、大当たりBと同様に、通常状態に対してオープニングAが、時短状態、および確変状態に対してオープニングBが、それぞれ対応付けて規定されている。
このように、本実施形態では、オープニング選択テーブル202eを用いることで、大当たりの種別や大当たりとなった時点の遊技状態に基づいてオープニング種別を切り替える構成としている。より具体的には、通常状態(特別図柄の低確率状態、且つ、普通図柄の通常状態)で大当たりB、または大当たりDとなった場合にオープニングAが設定され、大当たりA、または大当たりCとなった場合には、オープニングBが設定されるように構成している。即ち、通常状態で大当たりB、または大当たりDになると、大当たり中に確変スイッチ65e3を球が通過困難となる一方で、大当たりA、または大当たりCになると、大当たり中に確変スイッチ65e3を通過容易となるように構成している。よって、通常状態では、大当たり種別に応じて特別図柄の確変状態へと移行し易くなるか、移行し難くなるかが変わるので、大当たり種別に注目して遊技を行わせることができる。
一方、通常状態以外(確変状態、または時短状態)では、全ての大当たり種別でオープニングBが設定されるように構成されている。即ち、通常状態以外の状態で大当たりになると、大当たりの1ラウンド目で確変スイッチ65e3を通過容易となる。従って、通常状態以外の状態において大当たりとなった場合には、大当たり後に特別図柄の確変状態へと移行することもほぼ確定するので、遊技者に対してより大きな満足感を抱かせることができる。
ここで、通常状態と、通常状態以外の状態とで特別図柄の確変状態への突入率を可変させる方法として、オープニング期間でなく、1ラウンド目における開閉板65f1の開放パターンを大当たり種別に応じて異ならせる方法も考えられる。より具体的には、例えば、大当たりのオープニング期間を0.5秒に固定しておき、1ラウンドにおける開閉板65f1の開放期間を大当たり種別に応じて異ならせることで、確変スイッチ65e3を球が通過し易くなる大当たり種別と、確変スイッチ65e3を通過し難くなる大当たり種別とを設けておく。そして、通常状態で実行され易い第1特別図柄の抽選で大当たりとなった場合には、確変スイッチ65e3を通過し難い開閉パターンが設定される大当たり種別が選択される構成とし、通常状態以外の状態で実行され易い第2特別図柄の抽選で大当たりとなった場合には、確変スイッチ65e3を通過し難い開閉パターンが設定される大当たり種別が選択されない構成とする方法も考えられる。しかしながら、このように構成した場合、通常状態以外の状態(第2特別図柄の抽選が実行され易い状態)で、遊技者が球の打ち出し方向を誤る等により第1特別図柄の抽選が実行されてしまい、且つ、大当たりとなってしまった場合に、確変スイッチ65e3を球が通過し難い開閉パターンが設定されてしまう虞がある。よって、この場合は遊技者に不満感を抱かせてしまう場合がある。
また、開閉板65f1の開閉パターンを、遊技状態(通常状態であるか否か)によって異ならせる方法も考えられるが、大当たり種別と開閉パターンとが1対1対応でないと、遊技規則から外れてしまう可能性があり、ホールに設置できなくなってしまう虞がある。
これに対して本実施形態では、大当たり種別と、大当たりに当選した時点における遊技状態とに応じてオープニング期間を選択する構成により、遊技者に有利な状態(確変状態、および時短状態)において大当たりになると、必ず1ラウンド目に確変スイッチ65e3を通過し易い状態としている。このように構成することで、遊技者に有利な状態で第1特別図柄の抽選により大当たりとなった場合でも、大当たり中の遊技を安心して行わせることができる。
次に、RAM203の詳細について、図15を参照して説明する。図15は、主制御装置110のRAM203の構成を示すブロック図である。図15に示した通り、RAM203は、第1特別図柄保留球格納エリア203a、第2特別図柄保留球格納エリア203b、普通図柄保留球格納エリア203c、第1特別図柄保留球数カウンタ203d、第2特別図柄保留球数カウンタ203e、普通図柄保留球数カウンタ203f、確変カウンタ203g、確変設定フラグ203h、確変通過カウンタ203i、入賞個数カウンタ203j、動作カウンタ203k、残球タイマフラグ203m、残球タイマ203n、確変有効フラグ203o、確変有効タイマ203p、排出個数カウンタ203q、時短中カウンタ203r、大当たりフラグ203s、その他メモリエリア203zを少なくとも有している。
第1特別図柄保留球格納エリア203aは、1つの実行エリアと、4つの保留エリア(保留第1エリア〜保留第4エリア)とを有しており、これらの各エリアには、第1当たり乱数カウンタC1、第1当たり種別カウンタC2、及び停止種別選択カウンタC3の各値がそれぞれ格納される。
より具体的には、球が第1入球口64へ入賞(始動入賞)したタイミングで、各カウンタC1〜C3の各値が取得され、その取得されたデータが、4つの保留エリア(保留第1エリア〜保留第4エリア)の空いているエリアの中で、エリア番号(第1〜第4)の小さいエリアから順番に記憶される。つまり、エリア番号の小さいエリアほど、時間的に古い入賞に対応するデータが記憶され、保留第1エリアには、時間的に最も古い入賞に対応するデータが記憶される。なお、4つの保留エリアの全てにデータが記憶されている場合には、新たに何も記憶されない。
その後、主制御装置110において、特別図柄の抽選が行われる場合には、第1特別図柄保留球格納エリア203aの保留第1エリアに記憶されている各カウンタC1〜C3の各値が、実行エリアへシフトされ(移動させられ)、その実行エリアに記憶された各カウンタC1〜C3の各値に基づいて、特別図柄の抽選などの判定が行われる。
なお、保留第1エリアから実行エリアへデータをシフトすると、保留第1エリアが空き状態となる。そこで、他の保留エリア(保留第2エリア〜保留第4エリア)に記憶されている入賞のデータを、エリア番号の1小さい保留エリア(保留第1エリア〜保留第3エリア)に詰めるシフト処理が行われる。本実施形態では、第1特別図柄保留球格納エリア203aにおいて、入賞のデータが記憶されている保留エリア(保留第2エリア〜保留第4エリア)についてのみデータのシフトが行われる。
第2特別図柄保留球格納エリア203bは、第1特別図柄保留球格納エリア203aと同様に、1つの実行エリアと、4つの保留エリアとを有している。この第2特別図柄保留球格納エリア203bには、第2入球口640への始動入賞に基づいて取得される各カウンタ値が記憶される。カウンタ値の格納方法等については、第1特別図柄保留球格納エリア203aと同様であるため、その詳細な説明については省略する。
普通図柄保留球格納エリア203cは、第1特別図柄保留球格納エリア203aや、第2特別図柄保留球格納エリア203bと同様に、1つの実行エリアと、4つの保留エリア(保留第1エリア〜保留第4エリア)とを有している。これらの各エリアには、第2当たり乱数カウンタC4が格納される。
より具体的には、球がスルーゲート67を通過したタイミングで、カウンタC4の値が取得され、その取得されたデータが、4つの保留エリア(保留第1エリア〜保留第4エリア)の空いているエリアの中で、エリア番号(第1〜第4)の小さいエリアから順番に記憶される。つまり、第1特別図柄保留球格納エリア203aや、第2特別図柄保留球格納エリア203bと同様に、入賞した順序が保持されつつ、入賞に対応するデータが格納される。尚、4つの保留エリアの全てにデータが記憶されている場合には、新たに何も記憶されない。
その後、主制御装置110において、普通図柄の当たりの抽選が行われる場合には、普通図柄保留球格納エリア203cの保留第1エリアに記憶されているカウンタC4の値が、実行エリアへシフトされ(移動させられ)、その実行エリアに記憶されたカウンタC4の値に基づいて、普通図柄の当たりの抽選などの判定が行われる。
なお、保留第1エリアから実行エリアへデータをシフトすると、保留第1エリアが空き状態となるので、第1特別図柄保留球格納エリア203aや、第2特別図柄保留球格納エリア203bの場合と同様に、他の保留エリアに記憶されている入賞のデータを、エリア番号の1小さい保留エリアに詰めるシフト処理が行われる。また、データのシフトも、入賞のデータが記憶されている保留エリアについてのみ行われる。
第1特別図柄保留球数カウンタ203dは、第1入球口64への入球(始動入賞)に基づいて第1図柄表示装置37で行われる特別図柄(第1図柄)の変動表示(第3図柄表示装置81で行われる変動表示)の保留球数(待機回数)を最大4回まで計数するカウンタである。この第1特別図柄保留球数カウンタ203dは、初期値がゼロに設定されており、第1入球口64へ球が入球して変動表示の保留球数が増加する毎に、最大値4まで1ずつ加算される(図27のS404参照)。一方、第1特別図柄保留球数カウンタ203dは、新たに特別図柄の変動表示が実行される毎に、1減算される(図25のS207参照)。
この第1特別図柄保留球数カウンタ203dの値(第1特別図柄における変動表示の保留回数N1)は、保留球数コマンドによって音声ランプ制御装置113に通知される(図25のS208、図27のS405参照)。保留球数コマンドは、第1特別図柄保留球数カウンタ203dの値が変更される度に、主制御装置110から音声ランプ制御装置113に対して送信されるコマンドである。
音声ランプ制御装置113は、第1特別図柄保留球数カウンタ203dの値が変更される度に、主制御装置110より送信される保留球数コマンドによって、主制御装置110に保留された変動表示の保留球数そのものの値を取得することができる。これにより、音声ランプ制御装置113の特別図柄保留球数カウンタ223bによって管理される変動表示の保留球数が、ノイズ等の影響によって、主制御装置110に保留された実際の変動表示の保留球数からずれてしまった場合であっても、次に受信する保留球数コマンドによって、そのずれを修正することができる。
なお、音声ランプ制御装置113は、保留球数コマンドに基づいて保留球数を管理し、保留球数が変化する度に表示制御装置114に対して、保留球数を通知するための表示用保留球数コマンドを送信する。表示制御装置114は、この表示用保留球数コマンドによって通知された保留球数を基に、第3図柄表示装置81に保留球数図柄を表示する。
第2特別図柄保留球数カウンタ203eは、第2入球口640への入球(始動入賞)に基づいて第1図柄表示装置37で行われる特別図柄(第1図柄)の変動表示(第3図柄表示装置81で行われる変動表示)の保留球数(待機回数)を最大4回まで計数するカウンタである。この第2特別図柄保留球数カウンタ203eは、初期値がゼロに設定されており、第2入球口640へ球が入球して変動表示の保留球数が増加する毎に、最大値4まで1ずつ加算される(図27のS410参照)。一方、第2特別図柄保留球数カウンタ203eは、新たに特別図柄の変動表示が実行される毎に、1減算される(図25のS210参照)。この第2特別図柄保留球数カウンタ203eの値も、第1特別図柄保留球数カウンタ203dの値と同様に、保留球数コマンドによって音声ランプ制御装置113へと通知される。
普通図柄保留球数カウンタ203fは、スルーゲート67における球の通過に基づいて第2図柄表示装置83で行われる普通図柄(第2図柄)の変動表示の保留球数(待機回数)を最大4回まで計数するカウンタである。この普通図柄保留球数カウンタ203fは、初期値がゼロに設定されており、球がスルーゲート67を通過して変動表示の保留球数が増加する毎に、最大値4まで1加算される(図29のS604参照)。一方、普通図柄保留球数カウンタ203fは、新たに普通図柄(第2図柄)の変動表示が実行される毎に、1減算される(図28のS505参照)。
球がスルーゲート67を通過した場合に、この普通図柄保留球数カウンタ203fの値(普通図柄における変動表示の保留回数M)が4未満であれば、第2当たり乱数カウンタC4の値が取得され、その取得されたデータが、普通図柄保留球格納エリア203cに記憶される(図29のS605)。一方、球がスルーゲート67を通過した場合に、この普通図柄保留球数カウンタ203fの値が4であれば普通図柄保留球格納エリア203cには新たに何も記憶されない(図29のS603:No)。
確変カウンタ203gは、パチンコ機10が特別図柄の確変状態(特別図柄の高確率状態)であるか否かを示すカウンタであり、確変カウンタ203gの値が1以上であれば、パチンコ機10が特別図柄の確変状態であることを示し、確変カウンタ203gの値が0であれば、パチンコ機10が特別図柄の通常状態(特別図柄の低確率状態)であることを示す。また、上述した通り、特別図柄の確変状態では、普通図柄の時短状態となる。よって、確変カウンタ203gの値が1以上であれば、特別図柄の確変状態であると共に、普通図柄の時短状態であることも示している。
確変カウンタ203gは、初期値が0に設定されており、大当たり中に確変スイッチ65e3を球が通過した場合に、その大当たりの終了時に50が設定される(図35のS1202参照)。また、特別図柄変動処理(図25参照)において変動時間が経過したと判別される毎に、値が1ずつ減算される(図25のS220参照)。また、確変カウンタ203gは、大当たり遊技が開始される場合に値が0にリセット設定される(図33のS1005参照)。
この確変カウンタ203gは、特別図柄変動開始処理において遊技状態が確変状態であるか否かを判別するために参照される(図26のS302参照)。具体的には、特別図柄変動開始処理(図26、S213)が実行されると、特別図柄の抽選が行われる。特別図柄変動開始処理(図26、S213)では、確変カウンタ203gの値が参照され、その値が1以上であれば、高確率時用の第1当たり乱数テーブル202aに基づいて、特別図柄の抽選が行われる一方、確変カウンタ203gの値が0であれば、低確率時用の第1当たり乱数テーブル202aに基づいて、特別図柄の抽選が行われる。
また、確変カウンタ203gは、普通図柄変動処理において遊技状態が時短状態であるか否かを判別するためにも参照される(図28のS508,S514,S519)。具体的には、普通図柄変動処理の中で確変カウンタ203gの値、および時短中カウンタ203rの値が参照され、いずれかのカウンタ値が1以上であれば、高確率時用の第2当たり乱数テーブル202cに基づいて、普通図柄の抽選が行われる一方、確変カウンタ203g、および時短中カウンタ203rの値が共に0であれば、低確率時用の第2当たり乱数テーブル202cに基づいて普通図柄の抽選が行われる。また、普通図柄変動処理では、普通図柄の変動時間や、普通図柄の当たりとなった場合における電動役物640aの開放時間を決定する際にも参照される(図28のS514,S519参照)。
確変設定フラグ203hは、大当たり遊技後に遊技状態を確変状態に移行させるか否かを示すフラグである。本パチンコ機10では、遊技状態が確変状態に設定されるか否かは、大当たり遊技中に確変スイッチ65e3(図6(a)参照)に遊技球が通過したか否かにより決定される。ここで、この確変スイッチ65e3に遊技球が通過すると確変設定フラグ203hがオンに設定される(図36のS1312)。一方、この確変設定フラグ203hは、大当たりの終了時にオフに設定される(図35のS1205参照)。なお、この確変設定フラグ203hは、電源断時にはバックアップされ、復帰時(電源投入時)には電源断直前の状態に設定される。また、パチンコ機10が初期化された状態ではオフに設定される。
なお、電源投入時に確変設定フラグ203hがオンに設定されている場合には、確変スイッチ65e3に電源断前に通過したかを判別して、通過していると判別できた場合に、確変設定フラグ203hを正式にオンに設定して復帰するように構成してもよい。この場合、電源断前に確変スイッチ65e3を通過しているかの判別は、後述する確変通過カウンタ203iが0より大きい値であるかにより判別できる。このように構成することで、電源断されている状態で、確変設定フラグ203hのみをオンに書き換えて電源を再投入されるような不正を判別して、遊技店側の被害を低減することができる。
確変通過カウンタ203iは、大当たり遊技中の1つのラウンド(本実施形態では、大当たりの1ラウンド)で確変スイッチ65e3を通過した遊技球の数をカウントするためのカウンタである。なお、この確変通過カウンタ203iと後述する排出個数カウンタ203qとの合計により可変入賞装置65の特定入賞口65aに入賞した遊技球が全て排出されたかを判別することができる。この確変通過カウンタ203iは、確変スイッチ65e3を通過した場合に1ずつ加算されて更新される(図36のS1311)。また、可変入賞装置65に入賞した遊技球の数と排出個数が一致するかの処理を実行した後に、初期値である「0」にリセットされる(図37のS1411)。なお、この確変通過カウンタ203iは、電源断時にはバックアップされる。また、初期化された状態では、0に設定される。
入賞個数カウンタ203jは、大当たり遊技における1つのラウンドで可変入賞装置65の特定入賞口65aに入賞した遊技球の数をカウントするためのカウンタである。具体的には、可変入賞装置65に設けられた検出口65a1(図4参照)を遊技球が通過したと検出されることに基づいて、1ずつ加算されて更新される(図36のS1303)。一方、1つのラウンドが終了した場合に、可変入賞装置65に入賞した個数(入賞個数カウンタ203jの値)と排出された個数(排出個数カウンタ203qと確変通過カウンタ203iとの合計値)とが一致しているか判別された後に、初期値である「0」にリセットされる(図37のS1411参照)。なお、この入賞個数カウンタ203jの値は、電源断時にはバックアップされる。また、初期化された状態では、0に設定される。
動作カウンタ203kは、流路ソレノイド(確変ソレノイド)65kがオン(励磁)に設定される時間を計時(カウント)するためのカウンタである。本実施形態では、大当たりの開始から0.5秒が経過した場合に、流路ソレノイド65kが0.2秒間オンに設定され、大当たりの開始から3.5秒が経過した場合に、流路ソレノイド65kが2秒間オンに設定される(図7参照)。動作カウンタ203kには、大当たりの開始から0.5秒が経過した時点で、0.2秒に対応するカウンタ値が設定され、大当たりの開始から3.5秒が経過した時点で、2秒に対応するカウンタ値が設定される。一方、主制御装置110のMPU201の実行する入賞処理(図36、S1014)のS1309の処理において1ずつ減算されて更新される。また、この動作カウンタ203kの値が0と判別されることに基づいて、流路ソレノイド65kがオフに設定される。なお、この動作カウンタ203kは、電源断時にはバックアップされ、初期化された状態では、初期値である0が設定される。
残球タイマフラグ203mは、1のラウンドで可変入賞装置65の開閉扉65f1が閉鎖したことを示すフラグである。この残球タイマフラグ203mがオンに設定されていると、1のラウンドで可変入賞装置65の開閉扉65f1が開放状態から閉鎖状態に設定されたことを示している。この残球タイマフラグ203mがオンに設定されることで、後述する残球タイマ203nが1ずつ加算されて更新される(図37のS1405参照)。残球タイマ203nは、開閉扉65f1が閉鎖されてからの時間を判別するためのカウンタであり、可変入賞装置65内の遊技球が排出されるのに必要な時間が経過したかを判別するためのカウンタである。
残球タイマ203nは、予め設定されている1のラウンドが終了して可変入賞装置65の開閉扉65f1が閉鎖した場合に、可変入賞装置65に入賞した遊技球が排出されるのに必要な時間が経過したかを判別するためのカウンタである。本実施形態では、可変入賞装置65に入賞した遊技球が排出されるまでに必要な時間は2秒であり、本実施形態では、予め3秒に対応するカウンタ値が残球タイマ203nの上限値として設定されている。この残球タイマ203nの上限値(本実施形態では、3秒)となったことに基づいて、可変入賞装置65への入賞個数とその排出個数とが一致しているかの判別が実行される(図37のS1407)。一致しない場合には、エラーコマンドが設定されて、その旨が報知される。よって、可変入賞装置65内に遊技球が球詰まりしていることを早期に知らせることができる。また、オープニングAが設定された大当たりの1ラウンド目が終了した後も、不正に可変入賞装置65内に遊技球を残存させておき、流路ソレノイド65kが2秒間オン状態となる期間を見計らって球を特別排出流路65e2へと流下させる不正を抑制できる。
なお、入賞個数と排出個数が一致しない場合には、専用のフラグをオンに設定しておき、そのフラグがオンである場合には確変スイッチ65e3を遊技球が通過しても確変設定フラグ203hをオンに設定しない構成にしてもよい。このように構成することで、不正に確変状態が付与されることを抑制できる。
確変有効フラグ203oは、流路ソレノイド65kがオフに設定された後に、遊技球が確変スイッチ65e3に通過した場合に、その通過を有効とするか否かを判別するためのフラグである。この確変有効フラグ203oがオンに設定されている場合には、流路ソレノイド65kがオンであることに基づいて、特別排出流路65e2(図6(a)参照)に流入した遊技球が確変スイッチ65e3を通過するのに必要な時間以下であることを示している。即ち、確変スイッチ65e3に遊技球が通過することが正常な期間であることを示している。
確変有効タイマ203pは、上述した確変有効フラグ203oがオンに設定されてからの時間をカウントする為のカウンタである。この確変有効タイマ203pにより流路ソレノイド65kがオフとなった後に、確変スイッチ65e3を正常に通過するのに必要な期間を判別することができる。本実施形態では、特別排出流路65e2に入球した遊技球が確変スイッチ65e3を通過するのに要する時間は1秒である。確変有効タイマ203pの上限値は1.2秒に対応するカウンタ値に設定されており、それ以後に確変スイッチ65e3を通過しても不正と判別して通過と判別しない。
これにより、切替部材65hが特別排出流路65e2に誘導しない状態で、不正に球を特別排出流路65e2に入球させて確変スイッチ65e3に遊技球を通過させたり、確変スイッチ65e3の下方よりピアノ線等で遊技球を押し上げて通過させたり、電波等により磁気センサを通過と誤検出させたりする不正による被害を抑制できる。
排出個数カウンタ203qは、1のラウンドで排出確認スイッチ65e4(図6(a)参照)を通過した遊技球の数をカウントするためのカウンタである。この排出個数カウンタ203qは、可変入賞装置65に入賞した遊技球の数と排出個数とが判別された後に初期値である0にリセットされる(図37のS1411)。
時短中カウンタ203rは、時短状態における残りの特別図柄の変動回数をカウントするためのカウンタである。この時短中カウンタ203rは、大当たり遊技終了時に確変設定フラグがオフである場合に、100が設定される。即ち、本実施形態では、大当たり遊技後に確変状態が設定されない場合には、時短回数が100回の時短状態に移行する。
大当たりフラグ203sは、大当たり(特別遊技状態)中であるか否かを示すフラグである。この大当たりフラグ203sの値がオンであれば、大当たり中であることを意味し、オフであれば大当たり中でないことを意味する。大当たりフラグ203sは、特別図柄の抽選により大当たりとなり、大当たり(特別遊技状態)が開始されると共にオンに設定される(図33のS1006参照)。また、大当たり(特別遊技状態)の終了時にオフに設定される(図35のS1205参照)。特別図柄変動処理(図25参照)では、この大当たりフラグ203sが参照されて、大当たり中であるか否かが判別される(図25のS201参照)。
その他メモリエリア203zは、主制御装置110のMPU201が使用するその他カウンタ値等を一時的に記憶して置くためのエリアである。
図9に戻って、説明を続ける。主制御装置110のMPU201には、アドレスバス及びデータバスで構成されるバスライン204を介して入出力ポート205が接続されている。入出力ポート205には、払出制御装置111、音声ランプ制御装置113、第1図柄表示装置37、第2図柄表示装置83、特定入賞口65aを閉鎖または開放する開閉板65f1を開閉駆動するための大開放口ソレノイドや電動役物を駆動するためのソレノイドなどからなるソレノイド209が接続され、MPU201は、入出力ポート205を介してこれらに対し各種コマンドや制御信号を送信する。
また、入出力ポート205には、図示しないスイッチ群やセンサ群などからなる各種スイッチ208や、電源装置115に設けられた後述のRAM消去スイッチ(図3、122)回路253が接続され、MPU201は各種スイッチ208から出力される信号や、RAM消去スイッチ(図3、122)回路253より出力されるRAM消去信号SG2に基づいて各種処理を実行する。
払出制御装置111は、払出モータ216を駆動させて賞球や貸出球の払出制御を行うものである。演算装置であるMPU211は、そのMPU211により実行される制御プログラムや固定値データ等を記憶したROM212と、ワークメモリ等として使用されるRAM213とを有している。
払出制御装置111のRAM213は、主制御装置110のRAM203と同様に、MPU211の内部レジスタの内容やMPU211により実行される制御プログラムの戻り先番地などが記憶されるスタックエリアと、各種のフラグおよびカウンタ、I/O等の値が記憶される作業エリア(作業領域)とを有している。RAM213は、パチンコ機10の電源の遮断後においても電源装置115からバックアップ電圧が供給されてデータを保持(バックアップ)できる構成となっており、RAM213に記憶されるデータは、すべてバックアップされる。なお、主制御装置110のMPU201と同様、MPU211のNMI端子にも、停電等の発生による電源遮断時に停電監視回路252から停電信号SG1が入力されるように構成されており、その停電信号SG1がMPU211へ入力されると、停電時処理としてのNMI割込処理(図30参照)が即座に実行される。
払出制御装置111のMPU211には、アドレスバス及びデータバスで構成されるバスライン214を介して入出力ポート215が接続されている。入出力ポート215には、主制御装置110や払出モータ216、発射制御装置112などがそれぞれ接続されている。また、図示はしないが、払出制御装置111には、払い出された賞球を検出するための賞球検出スイッチが接続されている。なお、該賞球検出スイッチは、払出制御装置111に接続されるが、主制御装置110には接続されていない。
発射制御装置112は、主制御装置110により球の発射の指示がなされた場合に、操作ハンドル51の回転操作量に応じた球の打ち出し強さとなるよう球発射ユニット112aを制御するものである。球発射ユニット112aは、図示しない発射ソレノイドおよび電磁石を備えており、その発射ソレノイドおよび電磁石は、所定条件が整っている場合に駆動が許可される。具体的には、遊技者が操作ハンドル51に触れていることをタッチセンサ51aにより検出し、球の発射を停止させるための打ち止めスイッチ51bがオフ(操作されていないこと)を条件に、操作ハンドル51の回動量に対応して発射ソレノイドが励磁され、操作ハンドル51の操作量に応じた強さで球が発射される。
音声ランプ制御装置113は、音声出力装置(図示しないスピーカなど)226における音声の出力、ランプ表示装置(電飾部29〜33、表示ランプ34など)227における点灯および消灯の出力、変動表示演出(変動表示)といった表示制御装置114で行われる第3図柄表示装置81の表示態様の設定などを制御するものである。演算装置であるMPU221は、そのMPU221により実行される制御プログラムや固定値データ等を記憶したROM222と、ワークメモリ等として使用されるRAM223と、を有している。
音声ランプ制御装置113のMPU221には、アドレスバス及びデータバスで構成されるバスライン224を介して入出力ポート225が接続されている。入出力ポート225には、主制御装置110、表示制御装置114、音声出力装置226、ランプ表示装置227、枠ボタン22などがそれぞれ接続されている。
音声ランプ制御装置113は、枠ボタン22からの入力を監視し、遊技者によって枠ボタン22が操作された場合は、第3図柄表示装置81で表示されるステージを変更したり、スーパーリーチ時の演出内容を変更したりするように、音声出力装置226、ランプ表示装置227を制御し、また、表示制御装置114へ指示する。ステージが変更される場合は、変更後のステージに応じた背面画像を第3図柄表示装置81に表示させるべく、変更後のステージに関する情報を含めた背面画像変更コマンドを表示制御装置114へ送信する。ここで、背面画像とは、第3図柄表示装置81に表示させる主要な画像である第3図柄の背面側に表示される画像のことである。
音声ランプ制御装置113は、主制御装置110からのコマンドや、音声ランプ制御装置113に接続された各種装置等の状況に応じてエラーを判定し、そのエラーの種別を含めてエラーコマンドを表示制御装置114へ送信する。表示制御装置114では、受信したエラーコマンドによって示されるエラー種別(例えば、振動エラー)に応じたエラーメッセージ画像を第3図柄表示装置81に遅滞無く表示させる制御が行われる。
次に、音声ランプ制御装置113の電気的構成の詳細について説明する。図16(a)は、音声ランプ制御装置113のMPU221のROM222の内容を模式的に示した模式図である。ROM222には、変動パターン選択テーブル222aを少なくとも有している。
変動パターン選択テーブル222aは、音声ランプ制御装置113は主制御装置110から出力された変動パターンコマンドに基づいて、その変動パターンコマンドが示す大まかな変動内容(変動時間、変動種別(リーチ、外れ等))から更に詳細な変動内容を決定するために用いられる。これにより、さらに多様な変動態様を決定することができる。ここでは、主制御装置110から指示された大まかな変動内容に対して、抽選により複数種類のうち1の変動態様が決定される。
次に、図16(b)を参照して、音声ランプ制御装置113のMPU221におけるRAM223について説明する。図16(b)は、RAM223の内容を示したブロック図である。RAM223には、入賞情報格納エリア223aと、特別図柄保留球数カウンタ223bと、変動開始フラグ223cと、停止種別選択フラグ223dと、確変状態フラグ223eと、時短状態フラグ223fと、演出用カウンタ223gと、電源断フラグ223yと、その他メモリエリア223zとが少なくとも設けられている。
入賞情報格納エリア223aは、1つの実行エリアと、4つのエリア(第1エリア〜第4エリア)とからなる記憶エリアを、第1特別図柄、および第2特別図柄のそれぞれに対して有している。各エリアには、入賞情報がそれぞれ格納される。本パチンコ機10では、主制御装置110において始動入賞となった場合に、その始動入賞に応じて取得された第1当たり乱数カウンタC1、第1当たり種別カウンタC2及び停止種別選択カウンタC3の各値から、その始動入賞に対応する特別図柄の抽選が行われた場合に得られる各種情報(当否、停止種別、変動パターン)が主制御装置110において予測(推定)され、その予測された各種情報が、主制御装置110から音声ランプ制御装置113へ入賞情報コマンドによって通知される。
音声ランプ制御装置113では、入賞情報コマンドが受信されると、その入賞情報コマンドにより通知された各種情報(当否、停止種別、変動パターン)が入賞情報として抽出されて、その入賞情報が、入賞情報格納エリア223aに記憶される。より具体的には、抽出された入賞情報が、4つのエリア(第1エリア〜第4エリア)の空いているエリアの中で、エリア番号(第1〜第4)の小さいエリアから順番に記憶される。つまり、エリア番号の小さいエリアほど、時間的に古い入賞に対応するデータが記憶され、第1エリアには、時間的に最も古い入賞に対応するデータが記憶される。
特別図柄保留球数カウンタ223bは、第1図柄表示装置37(および第3図柄表示装置81)で行われる変動演出(変動表示)であって、主制御装置110において保留されている変動演出の保留球数(待機回数)を特別図柄の種別毎に最大4回まで計数するカウンタである。
上述したように、音声ランプ制御装置113は、主制御装置110に直接アクセスして、主制御装置110のRAM203に格納されている第1特別図柄保留球数カウンタ203d、および第2特別図柄保留球数カウンタ203eの値を取得することができない。よって、音声ランプ制御装置113では、主制御装置110から送信される保留球数コマンドに基づいて保留球数をカウントし、特別図柄保留球数カウンタ223bにて、その保留球数を特別図柄の種別毎に管理するようになっている。
具体的には、主制御装置110では、第1入球口64、第2入球口640への入球によって変動表示の保留球数が加算された場合、又は、主制御装置110において特別図柄における変動表示が実行されて保留球数が減算された場合に、加算後または減算後の第1特別図柄保留球数カウンタ203dの値、または第2特別図柄保留球数カウンタ203eの値を示す保留球数コマンドを、音声ランプ制御装置113へ送信する。
音声ランプ制御装置113は、主制御装置110より送信される保留球数コマンドを受信すると、その保留球数コマンドから、主制御装置110の第1特別図柄保留球数カウンタ203d、または第2特別図柄保留球数カウンタ203eの値を取得して、特別図柄保留球数カウンタ223bに格納する(図40のS1708参照)。このように、音声ランプ制御装置113では、主制御装置110より送信される保留球数コマンドに従って、特別図柄保留球数カウンタ223bの値を更新するので、主制御装置110の第1特別図柄保留球数カウンタ203d、および第2特別図柄保留球数カウンタ203eの値と同期させながら、その値を更新することができる。
特別図柄保留球数カウンタ223bの値は、第3図柄表示装置81における保留球数図柄の表示に用いられる。即ち、音声ランプ制御装置113は、保留球数コマンドの受信に応じて、そのコマンドにより示される保留球数を特別図柄保留球数カウンタ223bに格納すると共に、格納後の特別図柄保留球数カウンタ223bの値を表示制御装置114に通知するべく、表示用保留球数コマンドを表示制御装置114に対して送信する。
表示制御装置114では、この表示用保留球数コマンドを受信すると、そのコマンドにより示される保留球数の値、即ち、音声ランプ制御装置113の特別図柄保留球数カウンタ223bの値分の保留球数図柄を第3図柄表示装置81の小領域Ds1に表示するように、画像の描画を制御する。上述したように、特別図柄保留球数カウンタ223bは、主制御装置110の第1特別図柄保留球数カウンタ203d、第2特別図柄保留球数カウンタ203eと同期しながら、その値が変更される。従って、第3図柄表示装置81の小領域Ds1に表示される保留球数図柄の数も、主制御装置110の第1特別図柄保留球数カウンタ203d、第2特別図柄保留球数カウンタ203eの値に同期させながら、変化させることができる。よって、第3図柄表示装置81には、変動表示が保留されている保留球の数を正確に表示させることができる。
変動開始フラグ223cは、主制御装置110から送信される変動パターンコマンドを受信した場合にオンされ(図40のS1702参照)、第3図柄表示装置81における変動表示の設定がなされるときにオフされる(図42のS1902参照)。変動開始フラグ223cがオンになると、受信した変動パターンコマンドから抽出された変動パターンに基づいて、表示用変動パターンコマンドが設定される。
ここで設定された表示用変動パターンコマンドは、RAM223に設けられたコマンド送信用のリングバッファに記憶され、MPU221により実行されるメイン処理(図39参照)のコマンド出力処理(S1602)の中で、表示制御装置114に向けて送信される。表示制御装置114では、この表示用変動パターンコマンドを受信することによって、この表示用変動パターンコマンドによって示される変動パターンで、第3図柄表示装置81において第3図柄の変動表示が行われるように、その変動演出の表示制御が開始される。
停止種別選択フラグ223dは、主制御装置110から送信される停止種別コマンドを受信した場合にオンされ(図40のS1705参照)、第3図柄表示装置81における停止種別の設定がなされるときにオフされる(図42のS1907参照)。停止種別選択フラグ223dがオンになると、受信した停止種別コマンドから抽出された停止種別(大当たりの場合には大当たり種別)に基づいて、停止種別が決定される。
確変状態フラグ223eは、遊技状態が特別図柄の確変状態であるか否かを示すフラグである。この確変状態フラグ223eは、主制御装置110から出力される状態コマンドに応じて更新される(図40のS1710参照)。本実施形態では、この確変状態フラグ223eに基づいて遊技状態が確変状態であるか否かを判別し、判別した遊技状態に応じた演出(例えば、背面種別の変更等)を行う。
時短状態フラグ223fは、遊技状態が普通図柄の時短状態であるか否かを示すフラグである。この時短状態フラグ223fは、主制御装置110から出力される状態コマンドに応じて更新される(図40のS1710参照)。本実施形態では、この時短状態フラグ223fに基づいて遊技状態が時短状態であるか否かを判別し、判別した遊技状態に応じた演出(例えば、背面種別の変更等)を行う。
演出用カウンタ223gは、各種演出(背面種別等)を選択する場合に参照されるカウンタである。この演出用カウンタ223gは、例えば、「0〜199」の範囲で繰り返し更新されるループカウンタで構成されており、例えば、メイン処理(図39参照)の中で1ずつ更新される。図示については省略したが、音声ランプ制御装置113のROM222には、この演出用カウンタ223gの値毎に、決定される演出態様が対応付けて規定された演出選択テーブルが設けられている。演出用カウンタ223gを用いることで、各種演出をランダムに選択して実行することができる。
電源断フラグ223yは、瞬間的な停電があったか否かを判別するために用いられるフラグである。この電源断フラグ223yは、主制御装置110から電源断コマンドを受信し、電源断処理が実行される前にオンに設定される(図39のS1615参照)。その後、RAM223は揮発性メモリであるため、RAM223の情報は一定時間(100ミリ秒)経過後に全て消えてしまう。よって、音声ランプ制御装置113の立ち上げ処理(図38参照)において、電源断フラグ223yがオンである場合は(図38の1508:Yes参照)、電源断フラグ223yがオンに設定されてから一定時間(100ミリ秒)経過前に音声ランプ制御装置113が立ち上がった場合、即ち、瞬間的な停電があった場合である。この場合には、RAM223の情報は全て消えておらず、RAM223の作業領域に不要な情報(または、一部の情報のみが消えてしまったことで不完全となった情報など)が残っている場合があるので、RAM223の作業領域の情報をクリアする(図38のS1509参照)。これにより、不要(または、不完全)な情報に基づいて処理が実行されることがなくなるので、音声ランプ制御装置113の各処理を正常に動作させることができる。
その他メモリエリア223zは上述したデータ以外のデータを格納する領域として設けられており、音声ランプ制御装置113のMPU221が使用するその他カウンタ値などを一時的に記憶しておくための領域である。
RAM223は、その他、主制御装置110より受信したコマンドを、そのコマンドに対応した処理が行われるまで一時的に記憶するコマンド記憶領域(図示せず)や、演出時間を計時する経時タイマなどを有している。なお、コマンド記憶領域はリングバッファで構成され、FIFO(First In First Out)方式によってデータの読み書きが行われる。音声ランプ処理装置113のコマンド判定処理(図40参照)が実行されると、コマンド記憶領域に記憶された未処理のコマンドのうち、最初に格納されたコマンドが読み出され、コマンド判定処理によって、そのコマンドが解析されて、そのコマンドに応じた処理が行われる。
表示制御装置114は、音声ランプ制御装置113及び第3図柄表示装置81が接続され、音声ランプ制御装置113より受信したコマンドに基づいて、第3図柄表示装置81における第3図柄の変動表示(変動演出)や連続予告演出を制御するものである。この表示制御装置114の詳細については、図17を参照して後述する。
電源装置115は、パチンコ機10の各部に電源を供給するための電源部251と、停電等による電源遮断を監視する停電監視回路252と、RAM消去スイッチ122(図3参照)が設けられたRAM消去スイッチ回路253とを有している。電源部251は、図示しない電源経路を通じて、各制御装置110〜114等に対して各々に必要な動作電圧を供給する装置である。その概要としては、電源部251は、外部より供給される交流24ボルトの電圧を取り込み、各種スイッチ208などの各種スイッチや、ソレノイド209などのソレノイド、モータ等を駆動するための12ボルトの電圧、ロジック用の5ボルトの電圧、RAMバックアップ用のバックアップ電圧などを生成し、これら12ボルトの電圧、5ボルトの電圧及びバックアップ電圧を各制御装置110〜114等に対して必要な電圧を供給する。
停電監視回路252は、停電等の発生による電源遮断時に、主制御装置110のMPU201及び払出制御装置111のMPU211の各NMI端子へ停電信号SG1を出力するための回路である。停電監視回路252は、電源部251から出力される最大電圧である直流安定24ボルトの電圧を監視し、この電圧が22ボルト未満になった場合に停電(電源断、電源遮断)の発生と判断して、停電信号SG1を主制御装置110及び払出制御装置111へ出力する。停電信号SG1の出力によって、主制御装置110及び払出制御装置111は、停電の発生を認識し、NMI割込処理を実行する。なお、電源部251は、直流安定24ボルトの電圧が22ボルト未満になった後においても、NMI割込処理の実行に充分な時間の間、制御系の駆動電圧である5ボルトの電圧の出力を正常値に維持するように構成されている。よって、主制御装置110及び払出制御装置111は、NMI割込処理(図30参照)を正常に実行し完了することができる。
RAM消去スイッチ回路253は、RAM消去スイッチ122(図3参照)が押下された場合に、主制御装置110へ、バックアップデータをクリアさせるためのRAM消去信号SG2を出力するための回路である。主制御装置110は、パチンコ機10の電源投入時に、RAM消去信号SG2を入力した場合に、バックアップデータをクリアすると共に、払出制御装置111においてバックアップデータをクリアさせるための払出初期化コマンドを払出制御装置111に対して送信する。
次に、図17を参照して、表示制御装置114の電気的構成について説明する。図17は、表示制御装置114の電気的構成を示すブロック図である。表示制御装置114は、MPU231と、ワークRAM233と、キャラクタROM234と、常駐用ビデオRAM235と、通常用ビデオRAM236と、画像コントローラ237と、入力ポート238と、出力ポート239と、バスライン240,241とを有している。
入力ポート238の入力側には音声ランプ制御装置113の出力側が接続され、入力ポート238の出力側には、MPU231、ワークRAM233、キャラクタROM234、画像コントローラ237がバスライン240を介して接続されている。画像コントローラ237には、常駐用ビデオRAM235及び通常用ビデオRAM236が接続されると共に、バスライン241を介して出力ポート239が接続されている。また、出力ポート239の出力側には、第3図柄表示装置81が接続されている。
なお、パチンコ機10は、特別図柄の大当たりとなる抽選確率や、1回の特別図柄の大当たりで払い出される賞球数が異なる別機種であっても、第3図柄表示装置81で表示される図柄構成が全く同じ仕様の機種があるので、表示制御装置114は共通部品化されコスト低減が図られている。
以下では、先にMPU231、キャラクタROM234、画像コントローラ237、常駐用ビデオRAM235、通常用ビデオRAM236について説明し、次いで、ワークRAM233について説明する。
まず、MPU231は、主制御装置110の変動パターンコマンドに基づく音声ランプ制御装置113から出力された表示用変動パターンコマンドに基づいて、第3図柄表示装置81の表示内容を制御するものである。MPU231は、命令ポインタ231aを内蔵しており、命令ポインタ231aで示されるアドレスに格納された命令コードを読み出してフェッチし、その命令コードに従って各種処理を実行する。MPU231には、電源投入(停電からの復電を含む。以下、同じ。)直後に、電源装置115からシステムリセットがかけられるようになっており、そのシステムリセットが解除されると、命令ポインタ231aは、MPU231のハードウェアによって自動的に「0000H」に設定される。そして、命令コードがフェッチされる度に、命令ポインタ231aは、その値が1ずつ加算される。また、MPU231が命令ポインタの設定命令を実行した場合は、その設定命令により指示されたポインタの値が命令ポインタ231aにセットされる。
なお、詳細については後述するが、本実施形態において、MPU231によって実行される制御プログラムや、その制御プログラムで使用される各種の固定値データは、従来の遊技機のように専用のプログラムROMを設けて記憶させるのではなく、第3図柄表示装置81に表示させる画像のデータを記憶させるために設けられたキャラクタROM234に記憶させている。
詳細については後述するが、キャラクタROM234は、小面積で大容量化を図ることが可能なNAND型フラッシュメモリ234aによって構成されている。これにより、画像データだけでなく制御プログラム等を十分に記憶させておくことができる。そして、キャラクタROM234に制御プログラム等を記憶させておけば、制御プログラム等を記憶する専用のプログラムROMを設ける必要がない。よって、表示制御装置114における部品点数を削減することができ、製造コストを削減できるほか、部品数増加による故障発生率の増加を抑制することができる。
一方で、一般的にNAND型フラッシュメモリは、特にランダムアクセスを行う場合において読み出し速度が遅くなるという問題点がある。例えば、複数のページに連続して並んだデータの読み出しを行う場合において、2ページ目以降のデータは高速読み出しが可能であるが、最初の1ページ目のデータの読み出しには、アドレスが指定されてからデータが出力されるまでに大きな時間を要する。また、連続していないデータを読み出す場合は、そのデータを読み出す度に大きな時間を要する。このように、NAND型フラッシュメモリは、その読み出しに係る速度が遅いため、MPU231が直接キャラクタROM234から制御プログラムを読み出して各種処理を実行するように構成すると、制御プログラムを構成する命令の読み出しに時間がかかる場合が発生し、MPU231として高性能のプロセッサを用いても、表示制御装置114の処理性能を悪化させてしまうおそれがある。
そこで、本実施形態では、MPU231のシステムリセットが解除されると、まず、キャラクタROM234のNAND型フラッシュメモリ234aに記憶されている制御プログラムを、各種データの一時記憶用に設けたワークRAM233に転送して格納する。そして、MPU231はワークRAM233に格納された制御プログラムに従って、各種処理を実行する。ワークRAM233は、後述するようにDRAM(Dynamic RAM)によって構成され、高速でデータの読み書きが行われるので、MPU231は遅滞なく制御プログラムを構成する命令の読み出しを行うことができる。よって、表示制御装置114において高い処理性能を保つことができ、第3図柄表示装置81を用いて、多様化、複雑化させた演出を容易に実行することができる。
キャラクタROM234は、MPU231において実行される制御プログラムや、第3図柄表示装置81に表示される画像のデータを記憶したメモリであり、MPU231とバスライン240を介して接続されている。MPU231は、バスライン240を介してシステムリセット解除後にキャラクタROM234に直接アクセスし、そのキャラクタROM234の後述する第2プログラム記憶エリア234a1に記憶された制御プログラムを、ワークRAM233のプログラム格納エリア233aへ転送する。また、バスライン240には画像コントローラ237も接続されており、画像コントローラ237はキャラクタROM234の後述するキャラクタ記憶エリア234a2に格納された画像データを、画像コントローラ237に接続されている常駐用ビデオRAM235や通常用ビデオRAM236へ転送する。
このキャラクタROM234は、NAND型フラッシュメモリ234a、ROMコントローラ234b、バッファRAM234c、NOR型ROM234dをモジュール化して構成されている。
NAND型フラッシュメモリ234aは、キャラクタROM234におけるメインの記憶部として設けられる不揮発性のメモリであり、MPU231によって実行される制御プログラムの大部分や第3図柄表示装置81を駆動させるための固定値データを記憶する第2プログラム記憶エリア234a1と、第3図柄表示装置81に表示させる画像(キャラクタ等)のデータを格納するキャラクタ記憶エリア234a2とを少なくとも有する。
ここで、NAND型フラッシュメモリは、小さな面積で大きな記憶容量が得られる特徴を有しており、キャラクタROM234を容易に大容量化することができる。これにより、本パチンコ機において、例えば2ギガバイトの容量を持つNAND型フラッシュメモリ234aを用いることにより、第3図柄表示装置81に表示させる画像として、多くの画像をキャラクタ記憶エリア234a2に記憶させることができる。よって、遊技者の興趣をより高めるために、第3図柄表示装置81に表示される画像を多様化、複雑化することができる。
また、NAND型フラッシュメモリ234aは、多くの画像データをキャラクタ記憶エリア234a2に記憶させた状態で、更に、制御プログラムや固定値データも第2プログラム記憶エリア234a1に記憶させることができる。このように、制御プログラムや固定値データを、従来の遊技機のように専用のプログラムROMを設けて記憶させることなく、第3図柄表示装置81に表示させる画像のデータを記憶させるために設けられたキャラクタROM234に記憶させることができるので、表示制御装置114における部品点数を削減することができ、製造コストを削減できるほか、部品数増加による故障発生率の増加を抑制することができる。
ROMコントローラ234bは、キャラクタROM234の動作を制御するためのコントローラであり、例えば、バスライン240を介してMPU231や画像コントローラ237から伝達されたアドレスに基づいて、NAND型フラッシュメモリ234a等から該当するデータを読み出し、バスライン240を介してMPU231又は画像コントローラ237へ出力する。
ここで、NAND型フラッシュメモリ234aは、その性質上、データの書き込み時にエラービット(誤ったデータが書き込まれたビット)が比較的多く発生したり、データを書き込むことができない不良データブロックが発生したりする。そこで、ROMコントローラ234bは、NAND型フラッシュメモリ234aから読み出したデータに対して公知の誤り訂正を施し、また、不良データブロックを避けてNAND型フラッシュメモリ234aへのデータの読み書きが行われるように公知のデータアドレスの変換を実行する。
このROMコントローラ234bにより、エラービットを含むNAND型フラッシュメモリ234aから読み出されたデータに対して誤り訂正が行われるので、キャラクタROM234としてNAND型フラッシュメモリ234aを用いたとしても、誤ったデータに基づいてMPU231が処理を行ったり、画像コントローラ237が各種画像を生成したりすることを抑制することができる。
また、ROMコントローラ234bによってNAND型フラッシュメモリ234aの不良データブロックが解析され、その不良データブロックへのアクセスが回避されるので、MPU231や画像コントローラ237は、個々のNAND型フラッシュメモリ234aで異なる不良データブロックのアドレス位置を考慮することなく、キャラクタROM234へのアクセスを容易に行うことができる。よって、キャラクタROM234にNAND型フラッシュメモリ234aを用いても、キャラクタROM234へのアクセス制御が複雑化することを抑制することができる。
バッファRAM234cは、NAND型フラッシュメモリ234aから読み出したデータを一時的に記憶するバッファとして用いられるメモリである。MPU231や画像コントローラ237からバスライン240を介してキャラクタROM234に割り振られたアドレスが指定されると、ROMコントローラ234bは、その指定されたアドレスに対応するデータを含む1ページ分(例えば、2キロバイト)のデータがバッファRAM234cにセットされているか否かを判断する。そして、セットされていなければ、その指定されたアドレスに対応するデータを含む1ページ分(例えば、2キロバイト)のデータをNAND型フラッシュメモリ234a(またはNOR型ROM234d)より読み出してバッファRAM234cに一旦セットする。そして、ROMコントローラ234bは、公知の誤り訂正処理を施した上で、指定されたアドレスに対応するデータを、バスライン240を介してMPU231や画像コントローラ237に出力する。
このバッファRAM234cは、2バンクで構成されており、1バンク当たりNAND型フラッシュメモリ234aの1ページ分のデータがセットできるようになっている。これにより、ROMコントローラ234bは、例えば、一方のバンクにデータをセットした状態のまま他方のバンクを使用して、NAND型フラッシュメモリ234aのデータを外部に出力したり、MPU231や画像コントローラ237より指定されたアドレスに対応するデータを含む1ページ分のデータをNAND型フラッシュメモリ234aから一方のバンクに転送してセットする処理と、MPU231や画像コントローラ237によって指定されたアドレスに対応するデータを他方のバンクから読み出してMPU231や画像コントローラ237に対して出力する処理とを、並列して処理したりすることができる。よって、キャラクタROM234の読み出しにおける応答性を向上させることができる。
NOR型ROM234dは、キャラクタROM234におけるサブの記憶部として設けられる不揮発性のメモリであり、NAND型フラッシュメモリ234aを補完することを目的にそのNAND型フラッシュメモリ234aよりも極めて小容量(例えば、2キロバイト)に構成されている。このNOR型ROM234dには、キャラクタROM234に記憶される制御プログラムのうち、NAND型フラッシュメモリ234aの第2プログラム記憶エリア234a1に記憶されていないプログラム、具体的には、MPU231においてシステムリセット解除後に最初に実行されるブートプログラムの一部を格納する第1プログラム記憶エリア234d1が少なくとも設けられている。
ブートプログラムは、第3図柄表示装置81に対する各種制御が実行可能となるように表示制御装置114を起動するための制御プログラムであり、システムリセット解除後にMPU231が先ずこのブートプログラムを実行する。これにより、表示制御装置114において各種制御が実行可能に状態とすることができる。第1プログラム記憶エリア234d1は、このブートプログラムのうち、バッファRAM234cの1バンク分(即ち、NAND型フラッシュメモリ234aの1ページ分)の容量の範囲で、システムリセット解除後にMPU231によって最初に処理すべき命令から所定数の命令(例えば、1ページの容量が2キロバイトであれば、1024ワード(1ワード=2バイト)分の命令)を格納する。なお、第1プログラム記憶エリア234d1に格納されるブートプログラムの命令数は、バッファRAM234cの1バンク分の容量以下に収まっていればよく、表示制御装置114の仕様に合わせて適宜設定されるものであってもよい。
MPU231は、システムリセットが解除されると、ハードウェアによって命令ポインタ231aの値を「0000H」に設定すると共に、バスライン240に対して命令ポインタ231aにて示されるアドレス「0000H」を指定するように構成されている。一方、キャラクタROM234のROMコントローラ234bは、バスライン240にアドレス「0000H」が指定されたことを検知すると、NOR型ROM234dの第1プログラム記憶エリア234d1に記憶されたブートプログラムをバッファRAM234cの一方のバンクにセットして、対応するデータ(命令コード)をMPU231へ出力する。
MPU231は、キャラクタROM234から受け取った命令コードをフェッチすると、そのフェッチした命令コードに従って各種処理を実行するとともに、命令ポインタ231aを1だけ加算し、命令ポインタ231aにて示されるアドレスをバスライン240に対して指定する。そして、キャラクタROM234のROMコントローラ234bは、バスライン240によって指定されたアドレスがNOR型ROM234dに記憶されたプログラムを指し示すアドレスである間、先にNOR型ROM234dからバッファRAM234cにセットされたプログラムの中から、対応するアドレスの命令コードをバッファRAM234cより読み出して、MPU231に対して出力する。
ここで、本実施形態において、制御プログラムを全てNAND型フラッシュメモリ234aに格納するのではなく、ブートプログラムのうち、システムリセット解除後にMPU231によって最初に処理すべき命令から所定数の命令をNOR型ROM234dに格納するのは、次の理由による。即ち、NAND型フラッシュメモリ234aは、上述したように、最初の1ページ目のデータの読み出しにおいて、アドレスを指定してからデータが出力されるまでに大きな時間を要する、というNAND型フラッシュメモリ特有の問題がある。
このようなNAND型フラッシュメモリ234aに対して制御プログラムを全て格納すると、システムリセット解除後にMPU231が最初に実行すべき命令コードをフェッチするためにMPU231からバスライン240を介してアドレス「0000H」が指定された場合、キャラクタROM234はアドレス「0000H」に対応するデータ(命令コード)を含む1ページ分のデータをNAND型フラッシュメモリ234aから読み出してバッファRAM234cにセットしなければならい。そして、NAND型フラッシュメモリ234aの性質上、その読み出しからバッファRAM234cへのセットに多大な時間を要することになるので、MPU231は、アドレス「0000H」を指定してからアドレス「0000H」に対応する命令コードを受け取るまでに多くの待ち時間を消費する。よって、MPU231の起動にかかる時間が長くなるので、結果として、表示制御装置114における第3図柄表示装置81の制御が即座に開始されないおそれがあるという問題点が生じる。
これに対し、NOR型ROMは高速にデータを読み出すことが可能なメモリであるので、ブートプログラムのうち、システムリセット解除後にMPU231によって最初に処理すべき命令から所定数の命令をNOR型ROM234dに格納することによって、システムリセット解除後にMPU231からバスライン240を介してアドレス「0000H」が指定されると、キャラクタROM234は即座にNOR型ROM234dの第1プログラム記憶エリア234d1に記憶されたブートプログラムをバッファRAM234cにセットして、対応するデータ(命令コード)をMPU231へ出力することができる。よって、MPU231は、アドレス「0000H」を指定してから短い時間でアドレス「0000H」に対応する命令コードを受け取ることができ、MPU231の起動を短時間で行うことができる。従って、読み出し速度の遅いNAND型フラッシュメモリ234aで構成されたキャラクタROM234に制御プログラムを格納しても、表示制御装置114における第3図柄表示装置81の制御を即座に開始することができる。
さて、ブートプログラムは、NAND型フラッシュメモリ234aの第2プログラム記憶エリア234a1に記憶されている制御プログラム、即ち、NOR型ROM234dの第1プログラム記憶エリア234d1に記憶されているブートプログラムを除く制御プログラムや、その制御プログラムで用いられる固定値データ(例えば、後述する表示データテーブル、転送データテーブルなど)を、所定量(例えば、NAND型フラッシュメモリ234aの1ページ分の容量)ずつワークRAM233のプログラム格納エリア233aやデータテーブル格納エリア233bへ転送するようにプログラミングされている。そして、MPU231は、まず、システムリセット解除後に第1プログラム記憶エリア234d1から読み出したブートプログラムに従って、第2プログラム記憶エリア234a1に記憶されている制御プログラムを、第1プログラム記憶エリア234d1のブートプログラムがセットされているバッファRAM234cのバンクとは異なるバンクを使用しながら、所定量だけプログラム格納エリア233aに転送し、格納する。
ここで、第1プログラム記憶エリア234d1に記憶されているブートプログラムは、上述したように、バッファRAM234cの1バンク分に相当する容量で構成されているので、内部バスのアドレスが「0000H」に指定されたことを受けて第1プログラム記憶エリア234d1のブートプログラムがバッファRAM234cにセットされる場合、そのブートプログラムはバッファRAM234cの一方のバンクにのみセットされる。よって、第1プログラム記憶エリア234d1のブートプログラムに従って、第2プログラム記憶エリア234a1に記憶されている制御プログラムをプログラム格納エリア233aに転送する場合は、バッファRAM234cの一方のバンクにセットされた第1プログラム記憶エリア234d1のブートプログラムを残したまま、他方のバンクを使用してその転送処理を実行することができる。従って、その転送処理後に、第1プログラム記憶エリア234d1のブートプログラムを再度バッファRAM234cにセットし直すといった処理が不要であるので、ブート処理に係る時間を短くすることができる。
第1プログラム記憶エリア234d1に記憶されているブートプログラムは、第2プログラム記憶エリア234a1に記憶されている制御プログラムを所定量だけプログラム格納エリア233aに転送すると、命令ポインタ231aをプログラム格納エリア233a内の第1の所定番地に設定するようにプログラミングされている。これにより、システムリセット解除後、MPU231によって第2プログラム記憶エリア234a1に記憶されている制御プログラムが所定量だけプログラム格納エリア233aに転送されると、命令ポインタ231aがプログラム格納エリア233aの第1の所定番地に設定される。
よって、第2プログラム記憶エリア234a1に記憶されている制御プログラムのうち所定量のプログラムがプログラム格納エリア233aに格納されると、MPU231は、そのプログラム格納エリア233aに格納された制御プログラムを読み出して、各種処理を実行することができる。即ち、MPU231は、第2プログラム記憶エリア234a1を有するNAND型フラッシュメモリ234aから制御プログラムを読み出して命令フェッチするのではなく、プログラム格納エリア233aを有するワークRAM233に転送された制御プログラムを読み出して命令フェッチし、各種処理を実行することになる。後述するように、ワークRAM233はDRAMによって構成されるため、高速に読み出し動作が行われる。よって、制御プログラムの殆どを読み出し速度の遅いNAND型フラッシュメモリ234aに記憶させた場合であっても、MPU231は高速に命令をフェッチし、その命令に対する処理を実行することができる。
ここで、第2プログラム記憶エリア234a1に記憶されている制御プログラムには、第1プログラム記憶エリア234d1に記憶されていない残りのブートプログラムが含まれている。一方、第1プログラム記憶エリア234d1に記憶されているブートプログラムは、ワークRAM233のプログラム格納エリア233aに所定量だけ第2プログラム記憶エリア234a1から転送される制御プログラムの中に、その残りのブートプログラムが含まれるようにプログラミングされていると共に、プログラム格納エリア233aに格納されたその残りのブートプログラムの先頭アドレスを第1の所定番地として命令ポインタ231aを設定するようにプログラミングされている。
これにより、MPU231は、第1プログラム記憶エリア234d1に記憶されているブートプログラムによって、第2プログラム記憶エリア234a1に記憶されている制御プログラムを所定量だけプログラム格納エリア233aに転送した後、その転送した制御プログラムに含まれる残りのブートプログラムを実行する。
この残りのブートプログラムでは、プログラム格納エリア233aに転送されていない残りの制御プログラムやその制御プログラムで用いられる固定値データ(例えば、後述する表示データテーブル、転送データテーブルなど)を全て第2プログラム記憶エリア234a1から所定量ずつプログラム格納エリア233a又はデータテーブル格納エリア233bに転送する処理を実行する。また、ブートプログラムの最後で、命令ポインタ231aをプログラム格納エリア233a内の第2の所定番地に設定する。具体的には、この第2の所定番地として、プログラム格納エリア233aに格納された、ブートプログラムによるブート処理(図43のS2001参照)の終了後に実行される初期設定処理(図43のS2002参照)に対応するプログラムの先頭アドレスを設定する。
MPU231は、この残りのブートプログラムを実行することによって、第2プログラム記憶エリア234a1に記憶されている制御プログラムや固定値データが全てプログラム格納エリア233a又はデータテーブル格納エリア233bに転送される。そして、ブートプログラムがMPU231により最後まで実行されると、命令ポインタ231aが第2の所定番地に設定され、以後、MPU231は、NAND型フラッシュメモリ234aを参照することなく、プログラム格納エリア233aに転送された制御プログラムを用いて各種処理を実行する。
よって、制御プログラムの殆どを読み出し速度の遅いNAND型フラッシュメモリ234aによって構成されるキャラクタROM234に記憶させた場合であっても、システムリセット解除後にその制御プログラムをワークRAM233のプログラム格納エリア233aに転送することで、MPU231は、読み出し速度が高速なDRAMによって構成されるワークRAMから制御プログラムを読み出して各種制御を行うことができる。従って、表示制御装置114において高い処理性能を保つことができ、第3図柄表示装置81を用いて、多様化、複雑化させた演出を容易に実行することができる。
また、上述したように、NOR型ROM234dにブートプログラムを全て格納せずに、システムリセット解除後にMPU231によって最初に処理すべき命令から所定数の命令を格納しておき、残りのブートプログラムについては、NAND型フラッシュメモリ234aの第2プログラム記憶エリア234a1に記憶させても、第2プログラム記憶エリア234a1に記憶されている制御プログラムを確実にプログラム格納エリア233aに転送することができる。よって、キャラクタROM234は、極めて小容量のNOR型ROM234dを追加するだけで、MPU231の起動を短時間で行うことができるようになるので、その短時間化に伴うキャラクタROM234のコスト増加を抑制することができる。
画像コントローラ237は、画像を描画し、その描画した画像を所定のタイミングで第3図柄表示装置81に表示させるデジタル信号プロセッサ(DSP)である。画像コントローラ237は、MPU231から送信される後述の描画リスト(図23参照)に基づき1フレーム分の画像を描画して、後述する第1フレームバッファ236bおよび第2フレームバッファ236cのいずれか一方のフレームバッファに描画した画像を展開すると共に、他方のフレームバッファにおいて先に展開された1フレーム分の画像情報を第3図柄表示装置81へ出力することによって、第3図柄表示装置81に画像を表示させる。画像コントローラ237は、この1フレーム分の画像の描画処理と1フレーム分の画像の表示処理とを、第3図柄表示装置81における1フレーム分の画像表示時間(本実施形態では、20ミリ秒)の中で並列処理する。
画像コントローラ237は、1フレーム分の画像の描画処理が完了する20ミリ秒毎に、MPU231に対して垂直同期割込信号(以下、「V割込信号」と称す)を送信する。MPU231は、このV割込信号を検出する度に、V割込処理(図45(b)参照)を実行し、画像コントローラ237に対して、次の1フレーム分の画像の描画を指示する。この指示により、画像コントローラ237は、次の1フレーム分の画像の描画処理を実行すると共に、先に描画によって展開された画像を第3図柄表示装置81に表示させる処理を実行する。
このように、MPU231は、画像コントローラ237からのV割込信号に伴ってV割込処理を実行し、画像コントローラ237に対して描画指示を行うので、画像コントローラ237は、画像の描画処理および表示処理間隔(20ミリ秒)毎に、画像の描画指示をMPU231より受け取ることができる。よって、画像コントローラ237では、画像の描画処理や表示処理が終了していない段階で、次の画像の描画指示を受け取ることがないので、画像の描画途中で新たな画像の描画を開始したり、表示中の画像情報が格納されているフレームバッファに、新たな描画指示に伴って画像が展開されたりすることを防止することができる。
画像コントローラ237は、また、MPU231からの転送指示や、描画リストに含まれる転送データ情報に基づいて、画像データをキャラクタROM234から常駐用ビデオRAM235や通常用ビデオRAM236に転送する処理も実行する。
なお、画像の描画は、常駐用ビデオRAM235および通常用ビデオRAM236に格納された画像データを用いて行われる。即ち、描画の際に必要となる画像データは、その描画が行われる前に、MPU231からの指示に基づき、キャラクタROM234から常駐用ビデオRAM235または通常用ビデオRAM236へ転送される。
ここで、一般的にNAND型フラッシュメモリは、ROMの大容量化を容易にする一方、読み出し速度がその他のROM(マスクROMやEEPROMなど)と比して遅い。これに対し、表示制御装置114では、MPU231が、キャラクタROM234に格納されている画像データのうち一部の画像データを電源投入後に常駐用ビデオRAM235に転送するように、画像コントローラ237に対して指示するよう構成されている。そして、後述するように、常駐用ビデオRAM235に格納された画像データは、上書きされることなく常駐されるように制御される。
これにより、電源が投入されてから常駐用ビデオRAM235に常駐すべき画像データの転送が終了した後は、常駐用ビデオRAM235に常駐された画像データを使用しながら、画像コントローラ237にて画像の描画処理を行うことができる。よって、描画処理に使用する画像データが常駐用ビデオRAM235に常駐されていれば、画像描画時に読み出し速度の遅いNAND型フラッシュメモリ234aで構成されたキャラクタROM234から対応する画像データを読み出す必要がないため、その読み出しにかかる時間を省略でき、画像の描画を即座に行って第3図柄表示装置81に描画した画像を表示することができる。
特に、常駐用ビデオRAM235には、頻繁に表示される画像の画像データや、主制御装置110または表示制御装置114によって表示が決定された後、即座に表示すべき画像の画像データを常駐させるので、キャラクタROM234をNAND型フラッシュメモリ234aで構成しても、第3図柄表示装置81に何らかの画像を表示させるまでの応答性を高く保つことができる。
また、表示制御装置114は、常駐用ビデオRAM235に非常駐の画像データを用いて画像の描画を行う場合は、その描画が行われる前に、キャラクタROM234から通常用ビデオRAM236に対して描画に必要な画像データを転送するように、MPU231が画像コントローラ237に対して指示するよう構成されている。後述するように、通常用ビデオRAM236に転送された画像データは、画像の描画に用いられた後、上書きによって削除される可能性はあるものの、画像描画時には、読み出し速度の遅いNAND型フラッシュメモリ234aで構成されたキャラクタROM234から対応する画像データを読み出す必要がなく、その読み出しにかかる時間を省略できるので、画像の描画を即座に行って第3図柄表示装置81に描画した画像を表示することができる。
また、通常用ビデオRAM236にも画像データを格納することによって、全ての画像データを常駐用ビデオRAM235に常駐させておく必要がないため、大容量の常駐用ビデオRAM235を用意する必要がない。よって、常駐用ビデオRAM235を設けたことによるコスト増大を抑えることができる。
画像コントローラ237は、NAND型フラッシュメモリ234aの1ブロック分の容量である132キロバイトのSRAMによって構成されたバッファRAM237aを有している。
MPU231が、転送指示や描画リストの転送データ情報によって画像コントローラ237に対して行う画像データの転送指示には、転送すべき画像データが格納されているキャラクタROM234の先頭アドレス(格納元先頭アドレス)と最終アドレス(格納元最終アドレス)、転送先の情報(常駐用ビデオRAM235及び通常用ビデオRAM236のいずれに転送するかを示す情報)、及び転送先(常駐用ビデオRAM235又は通常用ビデオRAM236)の先頭アドレスが含まれる。なお、格納元最終アドレスに代えて、転送すべき画像データのデータサイズを含めてもよい。
画像コントローラ237は、この転送指示の各種情報に従って、キャラクタROM234の所定アドレスから1ブロック分のデータを読み出して一旦バッファRAM237aに格納し、常駐用ビデオRAM235または通常用ビデオRAM236の未使用時に、バッファRAM237aに格納された画像データを常駐RAM235または通常用ビデオRAM236に転送する。そして、転送指示により示された格納元先頭アドレスから格納元最終アドレスに格納された画像データが全て転送されるまで、その処理を繰り返し実行する。
これにより、キャラクタROM234から時間をかけて読み出された画像データを一旦そのバッファRAM237aに格納し、その後、その画像データをバッファRAM237aから常駐用ビデオRAM235又は通常用ビデオRAM236へ短時間で転送することができる。よって、キャラクタROM234から画像データが常駐用ビデオRAM235又は通常用ビデオRAM236へ転送される間に、常駐用ビデオRAM235又は通常用ビデオRAM236が、その画像データの転送で長時間占有されるのを防止することができる。従って、画像データの転送により常駐用ビデオRAM235や通常用ビデオRAM236が占有されることで、画像の描画処理にそれらのビデオRAM235,236が使用できず、結果として必要な時間までに画像の描画や、第3図柄表示装置81への表示が間に合わないことを防止することができる。
また、バッファRAM234cから常駐用ビデオRAM235又は通常用ビデオRAM236への画像データへの転送は、画像コントローラ237によって行われるので、常駐用ビデオRAM235及び通常用ビデオRAM236が画像の描画処理や第3図柄表示装置81への表示処理に未使用である期間を容易に判定することができ、処理の単純化を図ることができる。
常駐用ビデオRAM235は、キャラクタROM234より転送された画像データが、電源投入中、上書きされることがなく保持され続けるように用いられ、電源投入時主画像エリア235a、背面画像エリア235c、キャラクタ図柄エリア235e、エラーメッセージ画像エリア235fが設けられているほか、電源投入時変動画像エリア235b、第3図柄エリア235dが少なくとも設けられている。
電源投入時主画像エリア235aは、電源が投入されてから常駐用ビデオRAM235に常駐すべき全ての画像データが格納されるまでの間に第3図柄表示装置81に表示する電源投入時主画像に対応するデータを格納する領域である。また、電源投入時変動画像エリア235bは、第3図柄表示装置81に電源投入時主画像が表示されている間に遊技者によって遊技が開始され、第1入球口64、または第2入球口640への入球が検出された場合に、主制御装置110において行われた抽選結果を変動演出によって表示する電源投入時変動画像に対応する画像データを格納する領域である。
MPU231は、電源部251から電源供給が開始されたときに、キャラクタROM234から電源投入時主画像および電源投入時変動画像に対応する画像データを電源投入時主画像エリア235aへ転送するように、画像コントローラ237へ転送指示を送信する(図43のS2003,S2004参照)。
ここで、図18を参照して、電源投入時変動画像について説明する。図18は、表示制御装置114が電源投入直後において、常駐用ビデオRAM235に対して格納すべき画像データをキャラクタROM234から転送している間に、第3図柄表示装置81にて表示される電源投入時画像を説明する説明図である。
表示制御装置114は、電源投入直後に、キャラクタROM234から電源投入時主画像および電源投入時変動画像に対応する画像データを、電源投入時主画像エリア235aおよび電源投入時変動画像エリア235bへ転送すると、続いて、常駐用ビデオRAM235に格納すべき残りの画像データを、キャラクタROM234から常駐用ビデオRAM235に対して転送する。この残りの画像データの転送が行われている間、表示制御装置114は、先に電源投入時主画像エリア235aに格納された画像データを用いて、図18(a)に示す電源投入時主画像を第3図柄表示装置81に表示させる。
このとき、変動開始の指示コマンドである主制御装置110からの変動パターンコマンドに基づき音声ランプ制御装置113から送信される表示用変動パターンコマンドを受信すると、表示制御装置114は、図18(b)に示すように、電源投入時主画像の表示画面上に、画面に向かって右下の位置に「○」図柄の電源投入時変動画像と、図18(c)に示すように、「○」図柄と同位置に「×」図柄の電源投入時変動画像とを、変動期間中、交互に繰り返して表示する。そして、主制御装置110からの変動パターンコマンドや停止種別コマンドに基づき音声ランプ制御装置113から送信される表示用変動パターンコマンドおよび表示用停止種別コマンドから、主制御装置110にて行われた抽選の結果を判断し、「特別図柄の大当たり」である場合は図18(b)に示す画像を変動演出の停止後に一定期間表示させ、「特別図柄の外れ」である場合は図18(c)に示す画像を変動演出の停止後に一定期間表示させる。
MPU231は、常駐用ビデオRAM235に常駐すべき全ての画像データが常駐用ビデオRAM235に対して転送されるまで、画像コントローラ237に対し、電源投入時主画像エリア235aに格納された画像データを用いて電源投入時主画像の描画を行うよう指示する。これにより、残りの常駐すべき画像データが常駐用ビデオRAM235に転送されている間、遊技者やホール関係者は、第3図柄表示装置81に表示された電源投入時主画像を確認することができる。よって、表示制御装置114は、電源投入時主画像を第3図柄表示装置81に表示させている間に、時間をかけて残りの常駐すべき画像データをキャラクタROM234から常駐用ビデオRAM235に転送することができる。また、遊技者等は、電源投入時主画像が第3図柄表示装置81に表示されている間、何らかの処理が行われていることを認識できるので、残りの常駐用ビデオRAM235に常駐すべき画像データが、キャラクタROM234から常駐用ビデオRAM235に転送されるまでの間、動作が停止していないか、といった不安を持つことなく、常駐用ビデオRAM235への画像データの転送が完了するまで待機することができる。
また、製造時の工場等における動作チェックにおいても、電源投入時主画像がすぐに第3図柄表示装置81に表示されることによって、第3図柄表示装置81が電源投入によって問題なく動作が開始されていることをすぐに確認することができ、更に、キャラクタROM234に読み出し速度の遅いNAND型フラッシュメモリ234aを用いることにより動作チェックの効率が悪化することを抑制できる。
また、電源投入時主画像が第3図柄表示装置81に表示されている間に遊技者が遊技を開始し、第1入球口64、または第2入球口640に入球が検出された場合は、電源投入時変動画像エリア235bに常駐された電源投入時変動画像に対応する画像データを用いて電源投入時変動画像が描画され、図18(b)及び(c)に示す画像が交互に第3図柄表示装置81に表示されるように、MPU231から画像コントローラ237に対して指示される。これにより、電源投入時変動画像を用いて簡単な変動演出を行うことができる。よって、遊技者は、電源投入時主画像が第3図柄表示装置81に表示されている間であっても、その簡単な変動演出によって確実に抽選が行われたことを確認することができる。
また、電源投入時主画像が第3図柄表示装置81に表示される段階で、すでに電源投入時変動演出画像に対応する画像データが電源投入時変動画像エリア235bに常駐されているので、電源投入時主画像が第3図柄表示装置81に表示されている間に第1入球口64、または第2入球口640に入球が検出された場合は、対応する変動演出を第3図柄表示装置81に即座に表示させることができる。
図17に戻って、説明を続ける。背面画像エリア235cは、第3図柄表示装置81に表示される背面画像に対応する画像データを格納する領域である。ここで、図19を参照して、背面画像と、その背面画像のうち、背面画像エリア235cに格納される背面画像の範囲について説明する。図19は、4種類の背面画像と、各背面画像に対して常駐用ビデオRAM235の背面画像エリア235cに格納される背面画像の範囲を説明する説明図であり、図19(a)は、「街中ステージ」に対応する背面Aに対して、図19(b)は、「森ステージ」、「川ステージ」、および「空ステージ」に対応する背面B〜Dに対してそれぞれ示したものである。また、図20は、「島ステージ」に対応する背面Eに対して示したものである。
各背面A〜Dに対応する背面画像は、図19に示すように、いずれも第3図柄表示装置81において表示される表示領域よりも水平方向に長い画像が、キャラクタROM234に用意されている。画像コントローラ237は、その画像を水平方向に左から右へスクロールさせながら背面画像が第3図柄表示装置81に表示されるように、画像の描画をおこなう。
各背面A〜Dに用意された画像(以下、「スクロール用画像」と称す。)は、いずれも位置aおよび位置cのところで背面画像が連続するように画像が構成されている。そして、位置cから位置dの間の画像および位置aから位置a’の間の画像は、表示領域の水平方向の幅分の画像によって構成されており、位置cから位置dの間にある画像が表示領域として第3図柄表示装置81に表示された後に、位置aから位置a’の間にある画像を表示領域として第3図柄表示装置81に表示させると、第3図柄表示装置81にスムーズなつながりで背面画像がスクロール表示されるようになっている。
背面種別選択テーブル222bに基づいて背面種別の変更が決定され、ステージが「街中ステージ」、「森ステージ」、「川ステージ」、または「空ステージ」に変更されると、MPU231は、対応する背面画像のまず位置aから位置a’の間を表示領域の初期位置として設定し、その初期位置の画像が第3図柄表示装置81に表示されるように、画像コントローラ237を制御する。そして、時間の経過とともに、表示領域をスクロール用画像に対して左から右に移動させ、順次その表示領域が第3図柄表示装置81に表示されるように画像コントローラ237を制御し、更に、表示領域が位置cから位置dの間の画像に到達した場合、再び表示領域を位置aから位置a’の画像として第3図柄表示装置81に表示されるように画像コントローラ237を制御する。よって、第3図柄表示装置81には、位置a〜位置cの間の画像を、左方向に向かって流れるように、スムーズなつながりで繰り返しスクロールされて表示させることができる。
一方、背面Eにおける背面画像は、図20に示すように、時間の経過とともに、図20の(a)→(b)→(c)→(a)→・・・の順で、第3図柄表示装置81に表示される。具体的には、背面Eは、島にそびえる山の画像と、山のふもとに広がる砂浜の画像と、島を囲む海の画像とが、その表示される位置が固定された状態で第3図柄表示装置81に表示される。一方、山の上に広がる空の画像は、その色調が時間経過とともに変化する。
ステージが「島ステージ」に変更されると、背面Eの初期背面画像として、図20(a)に示す背面画像が表示される。この図20(a)に示す背面画像では、朝やけを示すオレンジ色の空が表示される。そして、時間の経過とともに空の色調がオレンジ色から徐々に鮮やかな青色に変化して、所定時間経過後、図20(b)に示す背面画像が表示される。図20(b)に示す背面画像では、昼を示す鮮やかな青色の空が表示される。次に、時間の経過とともに空の色調が鮮やかな青色から徐々に黒色に変化して、所定時間経過後、図20(c)に示す背面画像が表示される。図20(c)に示す背面画像では、夜を示す黒色の空が表示される。その後、時間の経過とともに空の色調が黒色から徐々に白みはじめ更にオレンジ色に変化する。そして、所定時間経過後、図20(a)に示す背面画像に戻って、再び図20(a)〜(c)の背面画像が第3図柄表示装置81に表示される。
次いで、各背面画像において、背面画像エリア235cに格納される背面画像の範囲について説明する。初期ステージである街中ステージに対応する背面Aは、図19(a)に示すように、その背面Aの全範囲、即ち、位置aから位置dに対応する画像データが全て常駐用ビデオRAM235の背面画像エリア235cに格納される。通常、初期ステージである「街中ステージ」を表示させたまま、ステージを変更せずに遊技が行われる場合が多いので、多頻度で表示される「街中ステージ」に対応する背面Aの画像データを全て背面画像エリア235cに常駐させておくことで、キャラクタROM234へのデータアクセス回数を減らすことができる。よって、表示制御装置114にかかる処理負荷を軽減することができる。
一方、「森ステージ」に対応する背面B、「川ステージ」に対応する背面C、および「空ステージ」に対応する背面Dは、図19(b)に示すように、その背面の一部領域、即ち、位置aから位置bの間の画像に対応する画像データだけが常駐用ビデオRAM235の背面画像エリア235cに格納される。また、島ステージに対応する背面Eは、図20(a)を含み、図20(b)を除く図20(a)〜(b)の間の背面画像に対応する画像データが、電源投入後の立ち上げ処理の中で常駐用ビデオRAM235の背面画像エリア235cに格納され、常駐される。
ここで、即座に背面画像を変更するためには、全ての背面画像について全範囲の画像データを常駐用ビデオRAM235に常駐させておくことが理想的であるが、そのようにすると常駐用ビデオRAM235として非常に大きな容量のRAMを用いなければならず、コストの増大につながるおそれがある。
これに対し、本パチンコ機10では、ステージが変更された場合に最初に表示される背面画像の初期位置を、位置aから位置a’の範囲(または図20(a)〜(b)の範囲)に固定し、その初期位置を含む位置aから位置bの間の画像(または図20(a)〜(b)の間の画像)に対応する画像データを常駐用ビデオRAM235の背面画像エリア235cに格納しておく構成としているので、キャラクタROM234を読み出し速度の遅いNAND型フラッシュメモリ234aで構成しても、変動開始時の抽選によりステージの変更が決定された場合に、常駐用ビデオRAM235の背面画像エリア235cに常駐されている画像データを用いることによって、即座にその背面B〜Dの初期位置を第3図柄表示装置81に表示させることができ、また、時間経過とともにスクロール表示または色調を変化させながら表示させることができる。また、背面B〜Dについては、一部範囲の画像に対応する画像データだけを格納するので、常駐用ビデオRAM235の記憶容量の増大を抑制でき、コストの増大を抑えることができる。
また、背面B〜Dは、初期位置の画像が表示された後、常駐用ビデオRAM235の背面画像エリア235cに常駐された画像データを用いて位置aから位置bの範囲を左から右に向けてスクロールさせている間に、位置b’から位置dの画像に対応する画像データをキャラクタROM234から通常用RAM236へ転送完了できるように、その位置aから位置bの範囲が設定されている。これにより、位置aから位置bの範囲をスクロールさせる間に位置b’から位置dの画像データを通常用ビデオRAM236へ転送できるので、常駐用ビデオRAM235の背面画像エリア235cに格納された画像データを用いて位置aから位置bの範囲をスクロールさせた後、遅滞なく通常用ビデオRAM236に格納された背面画像に対応する画像データを用いて、位置b’から位置dの範囲をスクロールさせて第3図柄表示装置81に表示させることができる。
同様に、背面Eは、初期位置の画像が表示された後、常駐用ビデオRAM235の背面画像エリア235cに常駐された画像データを用いて図20(a)〜(b)の画像を表示させている間に、図20(b)〜(c)および図20(c)〜(a)に対応する画像の画像データがキャラクタROM234から通常用RAM236へ転送が完了できるように、図20(a)〜(b)の範囲が設定されている。これにより、図20(a)〜(b)の画像を表示させている間に図20(b)〜(c)および図20(c)〜(a)の画像に対応する画像データを通常用ビデオRAM236へ転送できるので、常駐用ビデオRAM235の背面画像エリア235cに常駐された画像データを用いて図20(a)〜(b)の画像を表示させた後、遅滞なく通常用ビデオRAM236に格納された背面画像に対応する画像データを用いて、図20(b)〜(c)および図20(c)〜(a)の画像を時間経過とともに、順次、第3図柄表示装置81に表示させることができる。
なお、背面B〜Eにおいて、通常用ビデオRAM236に格納される画像データは、通常用ビデオRAM236の画像格納エリア236a(図17参照)に設けられた背面画像専用のサブエリアに格納される。これにより、背面画像専用のサブエリアに格納された背面画像データが、他の画像データによって上書きされることがないので、背面画像を確実に表示させることができる。
また、背面B〜Dにおいて、常駐用ビデオRAM235の背面画像エリア235cに格納される画像データと、通常用ビデオRAM236に格納される画像データとでは、位置b’から位置bの間の画像に対応する画像データが重複して格納される。そして、MPU231による画像コントローラ237の制御により、常駐用ビデオRAM235の背面画像エリア235cに格納された画像データを用いて位置bまでの画像を第3図柄表示装置81に表示させ、次いで、通常用ビデオRAM236に格納された画像データを用いて位置b’からの画像を第3図柄表示装置81に表示させることで、第3図柄表示装置81にスムーズなつながりで背面画像がスクロール表示されるようになっている。
更に、MPU231は、通常用ビデオRAM236の画像データを用いて、位置cから位置dの間の画像を表示領域として第3図柄表示装置81に表示されるように画像コントローラ237を制御すると、次いで、MPU231は、常駐用ビデオRAM235の背面画像エリア235cの画像データを用いて、位置aから位置a’の間の画像を表示領域として第3図柄表示装置81に表示されるように画像コントローラ237を制御する。これにより、第3図柄表示装置81には、位置a〜位置cの間の画像が、左方向に向かって流れるように、スムーズなつながりで繰り返しスクロールされて表示させることができる。
図21に戻って、説明を続ける。第3図柄エリア235dは、第3図柄表示装置81に表示される変動演出において使用される第3図柄を常駐するためのエリアである。即ち、第3図柄エリア235dには、第3図柄である「0」から「9」の数字を付した上述の10種類の主図柄(図6参照)に対応する画像データが常駐される。これにより、第3図柄表示装置81にて変動演出を行う場合、逐一キャラクタROM234から画像データを読み出す必要がないので、キャラクタROM234にNAND型フラッシュメモリ234aを用いても、第3図柄表示装置81において素早く変動演出を開始することができる。よって、第1入球口64、または第2入球口640への入球が発生してから、第1図柄表示装置37では変動演出が開始されているにも関わらず、第3図柄表示装置81において変動演出が即座に開始されないような状態が発生するのを抑制することができる。
また、第3図柄エリア235dには、「0」から「9」の数字が付されていない主図柄として、木箱といった後方図柄からなる主図柄や、後方図柄とかんな,風呂敷,ヘルメット等のキャラクタを模した付属図柄とからなる主図柄に対応する画像データも常駐される。これらの画像データは、一の変動演出が停止してから所定時間経過しても、始動入賞に伴う次の変動演出が開始されない場合に、第3図柄表示装置81に表示されるデモ演出に用いられる。これにより、デモ演出が第3図柄表示装置81に表示されると、そのデモ演出において、第3図柄として数字の付されていない主図柄が表示される。よって、遊技者は、数字の付されていない主図柄を第3図柄表示装置81の表示画像から視認することによって、当該パチンコ機10がデモ状態にあることを容易に認識することができる。
キャラクタ図柄エリア235eは、第3図柄表示装置81に表示される各種演出で使用されるキャラクタ図柄に対応する画像データを格納する領域である。本パチンコ機10では、「少年」や「老人」、「少女」をはじめとする様々なキャラクタが各種演出にあわせて表示されるようになっており、これらに対応するデータがキャラクタ図柄エリア235eに常駐されることにより、表示制御装置114は、音声ランプ制御装置113より受信したコマンドの内容に基づいてキャラクタ図柄を変更する場合、キャラクタROM234から対応の画像データを新たに読み出すのではなく、常駐用ビデオRAM235のキャラクタ図柄エリア235eに予め常駐されている画像データを読み出すことによって、画像コントローラ237にて所定の画像を描画できるようになっている。これにより、キャラクタROM234から対応の画像データを読み出す必要がないので、キャラクタROM234に読み出し速度の遅いNAND型フラッシュメモリ234aを用いても、キャラクタ図柄を即座に変更することができる。
エラーメッセージ画像エリア235fは、パチンコ機10内にエラーが発生した場合に表示されるエラーメッセージに対応する画像データを格納する領域である。本パチンコ機10では、例えば、遊技盤13の裏面に取り付けられた振動センサ(図示せず)の出力から、音声ランプ制御装置113によって振動を検出すると、音声ランプ制御装置113は振動エラーの発生をエラーコマンドによって表示制御装置114に通知する。また、音声ランプ制御装置113により、その他のエラーの発生が検出された場合にも、音声ランプ制御装置113は、エラーコマンドによって、そのエラーの発生をそのエラー種別と共に表示制御装置114へ通知する。表示制御装置114では、エラーコマンドを受信すると、その受信したエラーに対応するエラーメッセージを第3図柄表示装置81に表示させるように構成されている。
ここで、エラーメッセージは、遊技者の不正防止やエラーに対する遊技者の保護の観点から、エラーの発生とほぼ同時に表示されることが求められる。本パチンコ機10では、エラーメッセージ画像エリア235fに、各種エラーメッセージに対応する画像データが予め常駐されているので、表示制御装置114は、受信したエラーコマンドに基づいて、常駐用ビデオRAM235のエラーメッセージ画像エリア235fに予め常駐されている画像データを読み出すことによって、画像コントローラ237にて各エラーメッセージ画像を即座に描画できるようになっている。これにより、キャラクタROM234から逐次エラーメッセージに対応する画像データを読み出す必要がないので、キャラクタROM234に読み出し速度の遅いNAND型フラッシュメモリ234aを用いても、エラーコマンドを受信してから対応するエラーメッセージを即座に表示させることができる。
通常用ビデオRAM236は、データが随時上書きされ更新されるように用いられるもので、画像格納エリア236a、第1フレームバッファ236b、第2フレームバッファ236cが少なくとも設けられている。
画像格納エリア236aは、第3図柄表示装置81に表示させる画像の描画に必要な画像データのうち、常駐用ビデオRAM235に常駐されていない画像データを格納するためのエリアである。画像格納エリア236aは、複数のサブエリアに分割されており、サブエリア毎に、そのサブエリアに格納される画像データの種別が予め定められている。
MPU231は、常駐用ビデオRAM235に常駐されていない画像データのうち、その後の画像の描画で必要となる画像データを、キャラクタROM234から通常用ビデオRAM236の画像格納エリア236aに設けられたサブエリアのうち、その画像データの種別を格納すべき所定のサブエリアに転送するように、画像コントローラ237に対して指示をする。これにより画像コントローラ237は、MPU231により指示された画像データをキャラクタROM234から読み出し、バッファRAM237aを介して、画像格納エリア236aの指定された所定のサブエリアにその読み出した画像データを転送する。
なお、画像データの転送指示は、MPU231が画像コントローラ237に対して画像の描画を指示する後述の描画リストの中に、転送データ情報を含めることによって行われる。これにより、MPU231は、画像の描画指示と、画像データの転送指示とを、描画リストを画像コントローラ237に送信するだけで行うことができるので、処理負荷を低減することができる。
第1フレームバッファ236bおよび第2フレームバッファ236cは、第3図柄表示装置81に表示すべき画像を展開するためのバッファである。画像コントローラ237は、MPU231からの指示に従って描画した1フレーム分の画像を、第1フレームバッファ236bおよび第2フレームバッファ236cのいずれか一方のフレームバッファに書き込むことによって、そのフレームバッファに1フレーム分の画像を展開すると共に、その一方のフレームバッファに画像を展開している間、他方のフレームバッファから先に展開された1フレーム分の画像情報を読み出し、駆動信号と共に第3図柄表示装置81に対してその画像情報を送信することによって、第3図柄表示装置81に、その1フレーム分の画像を表示させる処理を実行する。
このように、フレームバッファとして、第1フレームバッファ236bおよび第2フレームバッファ236cの2つを設けることによって、画像コントローラ237は、一方のフレームバッファに描画した1フレーム分の画像を展開しながら、同時に、他方のフレームバッファから先に展開された1フレーム分の画像を読み出して、第3図柄表示装置81にその読み出した1フレーム分の画像を表示させることができる。
そして、1フレーム分の画像を展開するフレームバッファと、第3図柄表示装置81に画像を表示させるために1フレーム分の画像情報が読み出されるフレームバッファとは、1フレーム分の画像の描画処理が完了する20ミリ秒毎に、MPU231によって、それぞれ第1フレームバッファ236bおよび第2フレームバッファ236cのいずれかが交互に入れ替えて指定される。
即ち、あるタイミングで、1フレーム分の画像を展開するフレームバッファとして第1フレームバッファ236bが指定され、1フレーム分の画像情報が読み出されるフレームバッファとして第2フレームバッファ236cが指定されて、画像の描画処理および表示処理が実行されると、1フレーム分の画像の描画処理が完了する20ミリ秒後に、1フレーム分の画像を展開するフレームバッファとして第2フレームバッファ236cが指定され、1フレーム分の画像情報が読み出されるフレームバッファとして第1フレームバッファ236bが指定される。これにより、先に第1フレームバッファ236bに展開された画像の画像情報が読み出されて第3図柄表示装置81に表示させることができると同時に、第2フレームバッファ236cに新たな画像が展開される。
そして、更に次の20ミリ秒後には、1フレーム分の画像を展開するフレームバッファとして第1フレームバッファ236bが指定され、1フレーム分の画像情報が読み出されるフレームバッファとして第2フレームバッファ236cが指定される。これにより、先に第2フレームバッファ236cに展開された画像の画像情報が読み出されて第3図柄表示装置81に表示させることができると同時に、第1フレームバッファ236bに新たな画像が展開される。以後、1フレーム分の画像を展開するフレームバッファと、1フレーム分の画像情報が読み出されるフレームバッファとを、20ミリ秒毎に、それぞれ第1フレームバッファ236bおよび第2フレームバッファ236cのいずれかを交互に入れ替えて指定することによって、1フレーム分の画像の描画処理を行いながら、1フレーム分の画像の表示処理を20ミリ秒単位で連続的に行わせることができる。
ワークRAM233は、キャラクタROM234に記憶された制御プログラムや固定値データを格納したり、MPU231による各種制御プログラムの実行時に使用されるワークデータやフラグを一時的に記憶するためのメモリであり、DRAMによって構成される。このワークRAM233は、プログラム格納エリア233a、データテーブル格納エリア233b、簡易画像表示フラグ233c、表示データテーブルバッファ233d、転送データテーブルバッファ233e、ポインタ233f、描画リストエリア233g、計時カウンタ233h、格納画像データ判別フラグ233i、描画対象バッファフラグ233j、背面画像変更フラグ233w、背面画像判別フラグ233x、デモ表示フラグ233y、確定表示フラグ233zを少なくとも有している。
プログラム格納エリア233aは、MPU231によって実行される制御プログラムを格納するためのエリアである。MPU231は、システムリセットが解除されると、キャラクタROM234から制御プログラムを読み出してワークRAM233へ転送し、このプログラム格納エリア233aに格納する。そして、全ての制御プログラムをプログラム格納エリア233aに格納すると、以後、MPU231はプログラム格納エリア233aに格納された制御プログラムを用いて各種制御を実行する。上述したように、ワークRAM233はDRAMによって構成されるため、高速に読み出し動作が行われる。よって、制御プログラムを読み出し速度の遅いNAND型フラッシュメモリ234aによって構成されるキャラクタROM234に記憶させた場合であっても、表示制御装置114において高い処理性能を保つことができ、第3図柄表示装置81を用いて、多様化、複雑化させた演出を容易に実行することができる。
データテーブル格納エリア233bは、主制御装置110からのコマンドに基づき表示させる一の演出に対し、時間経過に伴い第3図柄表示装置81に表示すべき表示内容を記載した表示データテーブルと、表示データテーブルにより表示される一の演出において使用される画像データのうち常駐用ビデオRAM235に常駐されていない画像データの転送データ情報ならびに転送タイミングを規定した転送データテーブルとが格納される領域である。
これらのデータテーブルは、通常、キャラクタROM234のNAND型フラッシュメモリ234aに設けられた第2プログラム記憶エリア234a1に固定値データの一種として記憶されており、システムリセット解除後にMPU231によって実行されるブートプログラムに従って、これらのデータテーブルがキャラクタROM234からワークRAM233へ転送され、このデータテーブル格納エリア233bに格納される。そして、全てのデータテーブルがデータテーブル格納エリア233bに格納されると、以後、MPU231は、データテーブル格納エリア233bに格納されたデータテーブルを用いて第3図柄表示装置81の表示を制御する。上述したように、ワークRAM233はDRAMによって構成されるため、高速に読み出し動作が行われる。よって、各種データテーブルを読み出し速度の遅いNAND型フラッシュメモリ234aによって構成されるキャラクタROM234に記憶させた場合であっても、表示制御装置114において高い処理性能を保つことができ、第3図柄表示装置81を用いて、多様化、複雑化させた演出を容易に実行することができる。
ここで、各種データテーブルの詳細について説明する。まず、表示データテーブルは、主制御装置110からのコマンドに基づいて第3図柄表示装置81に表示される各演出の演出態様毎に1つずつ用意されるもので、例えば、変動演出、オープニング演出、ラウンド演出、エンディング演出、デモ演出に対応する表示データテーブルが用意されている。
変動演出は、音声ランプ制御装置113からの表示用変動パターンコマンドを受信した場合に、第3図柄表示装置81おいて開始される演出である。なお、表示用変動パターンコマンドが受信される場合には、変動演出の停止種別を示す表示用停止種別コマンドも受信される。例えば、変動演出が開始された場合に、その変動演出の停止種別が外れであれば、外れを示す停止図柄が最終的に停止表示される一方、その変動演出の停止種別が大当たりA、大当たりBのいずれかであれば、それぞれの大当たり示す停止図柄が最終的に停止表示される。遊技者は、この変動演出における停止図柄を視認することで大当たり種別を認識でき、大当たり種別に応じて付与される遊技価値を容易に判断することができる。
オープニング演出は、これからパチンコ機10が特別遊技状態へ移行して、通常時には閉鎖されている大開放口が繰り返し開放されることを遊技者に報知するための演出であり、ラウンド演出は、これから開始されるラウンド数を遊技者に報知するための演出である。エンディング演出は、特別遊技状態の終了を遊技者に報知するための演出である。
なお、デモ演出は、上述したように、一の変動演出が停止してから所定時間経過しても、始動入賞に伴う次の変動演出が開始されない場合に、第3図柄表示装置81に表示される演出であり、「0」から「9」の数字が付されていない主図柄からなる第3図柄が停止表示されると共に、背面画像のみが変化する。第3図柄表示装置81にデモ演出が表示されていれば、遊技者やホール関係者が、当該パチンコ機10において遊技が行われていないことを認識することができる。
データテーブル格納エリア233bには、オープニング演出、ラウンド演出、エンディング演出およびデモ演出に対応する表示データテーブルをそれぞれ1つずつ格納する。また、変動演出用の表示データテーブルである変動表示データテーブルは、設定される変動演出パターンが32パターンあれば、1変動演出パターンに1テーブル、合計で32テーブルが用意される。
ここで、図21を参照して、表示データテーブルの詳細について説明する。図21は、表示データテーブルのうち、変動表示データテーブルの一例を模式的に示した模式図である。表示データテーブルは、第3図柄表示装置81において1フレーム分の画像が表示される時間(本実施形態では、20ミリ秒)を1単位として表したアドレスに対応させて、その時間に表示すべき1フレーム分の画像の内容(描画内容)を詳細に規定したものである。
描画内容には、1フレーム分の画像を構成する表示物であるスプライト毎に、そのスプライトの種別を規定すると共に、そのスプライトの種別に応じて、表示位置座標、拡大率、回転角度、半透明値、αブレンディング情報、色情報、フィルタ指定情報といった、スプライトを第3図柄表示装置81に描画させるための描画情報が規定されている。
スプライトの種別は、表示すべきスプライトを特定するための情報である。表示位置座標は、そのスプライトを表示すべき第3図柄表示装置81上の座標を特定するための情報である。拡大率は、そのスプライトに対して予め設定された標準的な表示サイズに対する拡大率を指定するための情報で、その拡大率に従って表示されるスプライトの大きさが特定される。なお、拡大率が100%より大きい場合は、そのスプライトが標準的な大きさよりも拡大されて表示され、拡大率が100%未満の場合は、そのスプライトが標準的な大きさもよりも縮小されて表示される。
回転角度は、スプライトを回転させて表示させる場合の回転角度を特定するための情報である。半透明値は、スプライト全体の透明度を特定するためのものであり、半透明値が高いほど、スプライトの背面側に表示される画像が透けて見えるように画像が表示される。αブレンディング情報は、他のスプライトとの重ね合わせ処理を行う場合に用いられる既知のαブレンディング係数を特定するための情報である。色情報は、表示すべきスプライトの色調を指定するための情報である。そして、フィルタ指定情報は、指定されたスプライトを描画する場合に、そのスプライトに対して施すべき画像フィルタを指定するための情報である。
変動表示データテーブルでは、各アドレスに対応して規定される1フレーム分の描画内容として、1つの背面画像、9個の第3図柄(図柄1,図柄2,・・・)、その画像において光の差し込みなどを表現するエフェクト、少年画像や文字などの各種演出に用いられるキャラクタといった各スプライトに対する描画情報が、アドレス毎に規定されている。なお、エフェクトやキャラクタに関する情報は、そのフレームに表示すべき内容に合わせて、1つ又は複数規定される。
ここで、背面画像は、表示位置は第3図柄表示装置81の画面全体に固定され、拡大率、回転角度、半透明値、αブレンディング情報、色情報およびフィルタ指定情報は、時間経過に対して一定とされるので、変動表示データテーブルでは、背面画像の種別を特定するための情報である背面種別のみが規定されている。この背面種別は、遊技者によって選択されているステージ(「街中ステージ」、「森ステージ」、「川ステージ」、「空ステージ」、「島ステージ」のいずれか)に対応する背面A〜Eのいずれかを表示させるか、背面A〜Eとは異なる背面画像を表示させるかを特定する情報が記載されている。また、背面種別は、背面A〜Eとは異なる背面画像を表示させることを特定する場合、どの背面画像を表示させるかを特定する情報も合わせて記載されている。
MPU231は、この背面種別によって、背面A〜Eのいずれかを表示させることが特定される場合は、背面A〜Eのうち抽選により決定されたステージに対応する背面画像を描画対象として特定し、また、そのフレームに対して表示すべき背面画像の範囲を時間経過に合わせて特定する。一方、背面A〜Eとは異なる背面画像を表示させることが特定される場合は、背面種別から表示させるべき背面画像を特定する。
なお、本実施形態では、表示データテーブルにおいて、背面画像の描画内容として背面種別のみを規定する場合について説明するが、これに代えて、背面種別と、その背面種別に対応する背面画像のどの範囲を表示すべきかを示す位置情報とを規定するようにしてもよい。この位置情報は、例えば、初期位置に対応する範囲の背面画像が表示されてからの経過時間を示す情報であってもよい。この場合、MPU231は、そのフレームに対して表示すべき背面画像の範囲を、位置情報により示される初期位置に対応する範囲の背面画像が表示されてからの経過時間に基づいて特定する。
また、位置情報は、この表示データテーブルに基づく画像の描画(もしくは、第3図柄表示装置81の表示)が開始されてからの経過時間を示す情報であってもよい。この場合、MPU231は、そのフレームに対して表示すべき背面画像の範囲を、表示用データベースに基づき画像の描画(もしくは、第3図柄表示装置81の表示)が開始された段階で表示されていた背面画像の位置と、位置情報により示される該画像の描画(もしくは、第3図柄表示装置81の表示)が開始されてからの経過時間とに基づいて特定する。
更に、位置情報は、背面種別に応じて、初期位置に対応する範囲の背面画像が表示されてからの経過時間を示す情報および表示データテーブルに基づく画像の描画(もしくは、第3図柄表示装置81の表示)が開始されてからの経過時間を示す情報のいずれかを示すものであってもよいし、背面種別および位置情報とともに、その位置情報の種別情報(例えば、初期位置に対応する範囲の背面画像が表示されてからの経過時間を示す情報であるか、表示用データベースに基づく画像の描画(もしくは、第3図柄表示装置81の表示)が開始されてからの経過時間を示す情報であるかを示す情報)を、背面画像の描画内容として規定してもよい。その他、位置情報は、経過時間を示す情報ではなく、表示すべき背面画像の範囲が格納されたアドレスを示す情報であってもよい。
第3図柄(図柄1,図柄2,・・・)は、表示すべき第3図柄を特定するための図柄種別情報として、図柄種別オフセット情報が記載されている。このオフセット情報は、各第3図柄に付された数字の差分を表す情報である。第3図柄の種別を直接特定するのではなく、オフセット情報を特定するのは、変動演出における第3図柄の表示は、1つ前に行われた変動演出の停止図柄および今回行われる変動演出の停止図柄に応じて変わるためであり、変動が開始されてから所定時間経過するまでの図柄オフセット情報では、1つ前に行われた変動演出の停止図柄からのオフセット情報を記載する。これにより、1つ前の変動演出における停止図柄から変動演出が開始される。
一方、変動が開始されてから所定時間経過後は、音声ランプ制御装置113を介して主制御装置110より受信した停止種別コマンド(表示用停止種別コマンド)に応じて設定される停止図柄からのオフセット情報を記載する。これにより、変動演出を、主制御装置110より指定された停止種別に応じた停止図柄で停止させることができる。
なお、各第3図柄には固有の数字が付されているので、1つ前の変動演出における変動図柄や、主制御装置110より指定された停止種別に応じた停止図柄を、その第3図柄に付された数字で管理し、また、オフセット情報を、各第3図柄に付された数字の差分で表すことにより、そのオフセット情報から容易に表示すべき第3図柄を特定することができる。
また、図柄オフセット情報において、1つ前に行われた変動演出の停止図柄のオフセット情報から今回行われている変動演出の停止図柄のオフセット情報に切り替えられる所定時間は、第3図柄が高速に変動表示されている時間となるように設定されている。第3図柄が高速に変動表示されている間は、その第3図柄が遊技者に視認不能な状態であるので、その間に、図柄オフセット情報を1つ前に行われた変動演出の停止図柄のオフセット情報から今回行われている変動演出の停止図柄のオフセット情報に切り替えることによって、第3図柄の数字の連続性が途切れても、その数字の連続性の途切れを遊技者に認識させないようにすることができる。
表示データテーブルの先頭アドレスである「0000H」には、データテーブルの開始を示す「Start」情報が記載され、表示データテーブルの最終アドレス(図21の例では、「02F0H」)には、データテーブルの終了を示す「End」情報が記載されている。そして、「Start」情報が記載されたアドレス「0000H」と「End」情報が記載されたアドレスとの間の各アドレスに対して、その表示データテーブルで規定すべき演出態様に対応させた描画内容が記載されている。
MPU231は、主制御装置110からのコマンド等に基づき音声ランプ制御装置113から送信されるコマンド(例えば、表示用変動パターンコマンド)等に応じて、使用する表示データテーブルを選定し、その選定した表示データテーブルをデータテーブル格納エリア233bから読み出して、表示データテーブルバッファ233dに格納すると共に、ポインタ233fを初期化する。そして、1フレーム分の描画処理が完了する度にポインタ233fを1加算し、表示データテーブルバッファ233dに格納された表示データテーブルにおいて、ポインタ233fが示すアドレスに規定された描画内容に基づき、次に描画すべき画像内容を特定して後述する描画リスト(図27参照)を作成する。この描画リストを画像コントローラ237に送信することで、その画像の描画指示を行う。これにより、ポインタ233fの更新に従って、表示データテーブルで規定された順に描画内容が特定されるので、その表示データテーブルで規定された通りの画像が第3図柄表示装置81に表示される。
このように、本パチンコ機10では、表示制御装置114において、主制御装置110からのコマンド等に基づき音声ランプ制御装置113から送信されるコマンド(例えば、表示用変動パターンコマンド)等に応じて、MPU231により実行すべきプログラムを変更するのではなく、表示データテーブルを表示データテーブルバッファ233dに適宜置き換えるという単純な操作だけで、第3図柄表示装置81に表示すべき演出画像を変更することができる。
ここで、従来のパチンコ機のように、第3図柄表示装置81に表示させる演出画像を変更する度にMPU231で実行されるプログラムを起動するように構成した場合、演出画像の多種多様化に伴って複雑かつ膨大化するプログラムの起動や実行の処理に多大な負荷がかかるため、表示制御装置114における処理能力が制限となって、制御可能な演出画像の多様化に限界が生じてしまうおそれがあった。これに対し、本パチンコ機10では、表示データテーブルを表示データテーブルバッファ233dに適宜置き換えるという単純な操作だけで、第3図柄表示装置81に表示すべき演出画像を変更することができるので、表示制御装置114の処理能力に関係なく、多種多様な演出画像を第3図柄表示装置81に表示させることができる。
また、このように各演出態様に対応して表示データテーブルを用意し、表示すべき演出態様に応じた表示データテーブルバッファを設定して、その設定されたデータテーブルに従い、1フレームずつ描画リストを作成することができるのは、パチンコ機10では、始動入賞に基づいて行われる抽選の結果に基づいて、予め第3図柄表示装置81に表示させる演出が決定されるためである。これに対し、パチンコ機といった遊技機を除くゲーム機などでは、ユーザの操作に基づいてその場その場で表示内容が変わるため、表示内容を予測することができず、よって、上述したような各演出態様に対応する表示データテーブルを持たせることはできない。このように、各演出態様に対応して表示データテーブルを用意し、表示すべき演出態様に応じた表示データテーブルバッファを設定して、その設定されたデータテーブルに従い、1フレームずつ描画リストを作成する構成は、パチンコ機10が、始動入賞に基づいて行われる抽選の結果に基づき予め第3図柄表示装置81に表示させる演出態様を決定する構成であることに基づいて初めて実現できるものである。
次いで、図22を参照して、転送データテーブルの詳細について説明する。図22は、転送データテーブルの一例を模式的に示した模式図である。転送データテーブルは、演出毎に用意された表示データテーブルに対応して用意されるもので、上述したように、表示データテーブルで規定されている演出において使用されるスプライトの画像データのうち、常駐用ビデオRAM235に常駐されていない画像データをキャラクタROM234から通常用ビデオRAM236の画像格納エリア236aに転送するための転送データ情報ならびにその転送タイミングが規定されている。
なお、表示データテーブルに規定された演出において使用されるスプライトの画像データが、全て常駐用ビデオRAM235に格納されていれば、その表示データテーブルに対応する転送データテーブルは用意されていない。これにより、データテーブル格納エリア233bの容量増大を抑制することができる。
転送データテーブルは、表示データテーブルにおいて規定されるアドレスに対応させて、そのアドレスで示される時間に転送を開始すべきスプライトの画像データ(以下、「転送対象画像データ」と称す)の転送データ情報が記載されている(図22のアドレス「0001H」及び「0097H」が該当)。ここで、表示データテーブルに従って所定のスプライトの描画が開始されるまでに、その所定のスプライトに対応する画像データが画像格納エリア236aに格納されるように、その転送対象画像データの転送開始タイミングが設定されており、転送データテーブルでは、その転送開始タイミングに対応するアドレスに対応させて、転送対象画像データの転送データ情報が規定される。
一方、表示データテーブルにおいて規定されるアドレスで示される時間に、転送を開始すべき転送対象画像データが存在しない場合は、そのアドレスに対応して転送を開始すべき転送対象画像データが存在しないことを意味するNullデータが規定される(図22のアドレス「0002H」が該当)。
転送データ情報としては、その転送対象画像データが格納されているキャラクタROM234の先頭アドレス(格納元先頭アドレス)と最終アドレス(格納元最終アドレス)、及び、転送先(通常用ビデオRAM236)の先頭アドレスが含まれる。
なお、転送データテーブルの先頭アドレスである「0000H」には、表示データテーブルと同様に、データテーブルの開始を示す「Start」情報が記載され、転送データテーブルの最終アドレス(図22の例では、「02F0H」)には、データテーブルの終了を示す「End」情報が記載されている。そして、「Start」情報が記載されたアドレス「0000H」と「End」情報が記載されたアドレスとの間の各アドレスに対して、その転送データテーブルで規定すべき転送対象画像データの転送データ情報が記載されている。
MPU231は、主制御装置110からのコマンド等に基づき音声ランプ制御装置113から送信されるコマンド(例えば、表示用変動パターンコマンド)等に応じて、使用する表示データテーブルを選定すると、その表示データテーブルに対応する転送データテーブルが存在する場合は、その転送データテーブルをデータテーブル格納エリア233bから読み出して、後述するワークRAM233の転送データテーブルバッファ233eに格納する。そして、ポインタ233fの更新毎に、表示データテーブルバッファ233dに格納された表示データテーブルから、ポインタ233fが示すアドレスに規定された描画内容を特定して、後述する描画リスト(図23参照)を作成すると共に、転送データテーブルバッファ233eに格納された転送データテーブルから、その時点において転送を開始すべき所定のスプライトの画像データの転送データ情報を取得して、その転送データ情報を作成した描画リストに追加する。
例えば、図22の例では、ポインタ233fが「0001H」や「0097H」となった場合に、MPU231は、転送データテーブルの当該アドレスに規定された転送データ情報を、表示データテーブルに基づいて作成した描画リストに追加して、その追加後の描画リストを画像コントローラ237へ送信する。一方、ポインタ233fが「0002H」である場合、転送データテーブルのアドレス「0002H」には、Nullデータが規定されているので、転送を開始すべき転送対象画像データが存在しないと判断し、生成した描画リストに転送データ情報を追加せずに、描画リストを画像コントローラ237へ送信する。
そして、画像コントローラ237は、MPU231より受信した描画リストに転送データ情報が記載されていた場合、その転送データ情報に従って、転送対象画像データを、キャラクタROM234から画像格納エリア236aの所定のサブエリアに転送する処理を実行する。
ここで、上述したように、表示データテーブルに従って所定のスプライトの描画が開始されるまでに、その所定のスプライトに対応する画像データが画像格納エリア236aに格納されるように、転送データテーブルでは、転送対象画像データの転送データ情報が所定のアドレスに対して規定されているので、この転送データテーブルに規定された転送データ情報に従って、画像データをキャラクタROM234から画像格納エリア236aに転送することにより、表示データテーブルに従って所定のスプライトを描画する場合に、そのスプライトの描画に必要な常駐用ビデオRAM235に常駐されていない画像データを、必ず画像格納エリア236aに格納させておくことができる。そして、その画像格納エリア236aに格納された画像データを用いて、表示データテーブルに基づき、所定のスプライトの描画を行うことができる。
これにより、読み出し速度の遅いNAND型フラッシュメモリ234aによってキャラクタROM234を構成しても、遅滞なく表示に必要な画像を予めキャラクタROM234から読み出し、通常用ビデオRAM236へ転送しておくことができるので、表示データテーブルで指定された各スプライトの画像を描画しながら、対応する演出を第3図柄表示装置81に表示させることができる。また、転送データテーブルの記載によって、常駐用ビデオRAM235に非常駐の画像データだけを容易に且つ確実にキャラクタROM234から通常用ビデオRAM236へ転送することができる。
また、本パチンコ機10では、表示制御装置114において、主制御装置110からのコマンド等に基づき音声ランプ制御装置113から送信されるコマンド(例えば、表示用変動パターンコマンド)等に応じて、表示データテーブルを表示データテーブルバッファ233dに設定するのに合わせて、その表示データテーブルに対応する転送データテーブルが転送データテーブルバッファ233eに設定されるので、その表示データテーブルで用いられるスプライトの画像データを、所望のタイミングで確実にキャラクタROM234から通常用ビデオRAM236へ転送することができる。
また、転送データテーブルでは、スプライトに対応する画像データ毎にキャラクタROM234から通常用ビデオRAM236へ画像データが転送されるように、その転送データ情報を規定する。これにより、その画像データの転送をスプライト毎に管理し、また、制御することができるので、その転送に係る処理を容易に行うことができる。そして、スプライト単位でキャラクタROM234から通常用ビデオRAM236への画像データの転送を制御することにより、その処理を容易にしつつ、詳細に画像データの転送を制御できる。よって、転送にかかる負荷の増大を効率よく抑制することができる。
また、転送データテーブルは、表示データテーブルと同様のデータ構造を有し、表示データテーブルにおいて規定されるアドレスに対応させて、そのアドレスで示される時間に転送を開始すべき転送対象画像データの転送データ情報が規定されているので、表示データテーブルバッファ233dに設定された表示データテーブルに基づいて所定のスプライトの画像データが用いられる前に、確実にその画像データが通常用ビデオRAM236へ格納されるように、転送開始のタイミングを指示することができるので、読み出し速度の遅いNAND型フラッシュメモリ234aによってキャラクタROM234を構成しても、多種多様な演出画像を容易に第3図柄表示装置81に表示させることができる。
簡易画像表示フラグ233cは、第3図柄表示装置81に、図18(a)〜(c)に示す電源投入時画像(電源投入時主画像および電源投入時変動画像)を表示するか否かを示すフラグである。この簡易画像表示フラグ233cは、電源投入時主画像および電源投入時変動画像に対応する画像データが常駐用ビデオRAMの電源投入時主画像エリア235a又は電源投入時変動画像エリア235bに転送された後に、MPU231により実行されるメイン処理(図43参照)の中でオンに設定される(図43のS2005参照)。そして、画像転送処理の常駐画像転送処理によって、全ての常駐対象画像データが常駐用ビデオRAM235に格納された段階で、第3図柄表示装置81に電源投入時画像以外の画像を表示させるために、オフに設定される(図54(b)のS3605参照)。
この簡易画像表示フラグ233cは、画像コントローラ237から送信されるV割込信号を検出する毎にMPU231によって実行されるV割込処理の中で参照され(図45(b)のS2301参照)、簡易画像表示フラグ233cがオンである場合は、電源投入時画像が第3図柄表示装置81に表示されるように、簡易コマンド判定処理(図45(b)のS2308参照)および簡易表示設定処理(図45(b)のS2309参照)が実行される。一方、簡易画像表示フラグ233cがオフである場合は、主制御装置110からのコマンド等に基づき音声ランプ制御装置113から送信されるコマンドに応じて、種々の画像が表示されるように、コマンド判定処理(図46〜図50参照)および表示設定処理(図51〜図53参照)が実行される。
また、簡易画像表示フラグ233cは、V割込処理の中でMPU231により実行される転送設定処理の中で参照され(図54(a)のS3501参照)、簡易画像表示フラグ233cがオンである場合は、常駐用ビデオRAM235に格納されていない常駐対象画像データが存在するため、常駐対象画像データをキャラクタROM234から常駐用ビデオRAM235へ転送する常駐画像転送設定処理(図54(b)参照)を実行し、簡易画像表示フラグ233cがオフである場合は、描画処理に必要な画像データをキャラクタROM234から通常用ビデオRAM236へ転送する通常画像転送設定処理(図55参照)を実行する。
表示データテーブルバッファ233dは、主制御装置110からのコマンド等に基づき音声ランプ制御装置113から送信されるコマンド等に応じて第3図柄表示装置81に表示させる演出態様に対応する表示データテーブルを格納するためのバッファである。MPU231は、その音声ランプ制御装置113から送信されるコマンド等に基づいて、第3図柄表示装置81に表示させる演出態様を判断し、その演出態様に対応する表示データテーブルをデータテーブル格納エリア233bから選定して、その選定された表示データテーブルを表示データテーブルバッファ233dに格納する。そして、MPU231は、ポインタ233fを1ずつ加算しながら、表示データテーブルバッファ233dに格納された表示データテーブルにおいてそのポインタ233fで示されるアドレスに規定された描画内容に基づき、1フレーム毎に画像コントローラ237に対する画像描画の指示内容を記載した後述の描画リスト(図23参照)を生成する。これにより、第3図柄表示装置81には、表示データテーブルバッファ233dに格納された表示データテーブルに対応する演出が表示される。
MPU231は、ポインタ233fを1ずつ加算しながら、表示データテーブルバッファ233dに格納された表示データテーブルにおいてそのポインタ233fで示されるアドレスに規定された描画内容に基づき、1フレーム毎に画像コントローラ237に対する画像描画の指示内容を記載した後述の描画リスト(図23参照)を生成する。これにより、第3図柄表示装置81には、表示データテーブルに対応する演出が表示される。
転送データテーブルバッファ233eは、主制御装置110からのコマンド等に基づき音声ランプ制御装置113から送信されるコマンド等に応じて、表示データテーブルバッファ233dに格納された表示データテーブルに対応する転送データテーブルを格納するためのバッファである。MPU231は、表示データテーブルバッファ233dに表示データテーブルを格納するのに合わせて、その表示データテーブルに対応する転送データテーブルをデータテーブル格納エリア233bから選定して、その選定された転送データテーブルを転送データテーブルバッファ233eに格納する。なお、表示データテーブルバッファ233dに格納される表示データテーブルにおいて用いられるスプライトの画像データが全て常駐用ビデオRAM235に格納されている場合は、その表示データテーブルに対応する転送データテーブルが用意されていないので、MPU231は、転送データテーブルバッファ233eに転送対象画像データが存在しないことを意味するNullデータを書き込むことで、その内容をクリアする。
そして、MPU231は、ポインタ233fを1ずつ加算しながら、転送データテーブルバッファ233eに格納された転送データテーブルにおいてそのポインタ233fで示されるアドレスに規定された転送対象画像データの転送データ情報が規定されていれば(即ち、Nullデータが記載されていなければ)、1フレーム毎に生成される画像コントローラ237に対する画像描画の指示内容を記載した後述の描画リスト(図23参照)に、その転送データ情報を追加する。
これにより、画像コントローラ237は、MPU231より受信した描画リストに転送データ情報が記載されていた場合、その転送データ情報に従って、転送対象画像データを、キャラクタROM234から画像格納エリア236aの所定のサブエリアに転送する処理を実行する。ここで、上述したように、表示データテーブルに従って所定のスプライトの描画が開始されるまでに、その所定のスプライトに対応する画像データが画像格納エリア236aに格納されるように、転送データテーブルでは、転送対象画像データの転送データ情報が所定のアドレスに対して規定されている。よって、この転送データテーブルに規定された転送データ情報に従って、画像データをキャラクタROM234から画像格納エリア236aに転送することにより、表示データテーブルに従って所定のスプライトを描画する場合に、そのスプライトの描画に必要な常駐用ビデオRAM235に常駐されていない画像データを、必ず画像格納エリア236aに格納させておくことができる。
これにより、読み出し速度の遅いNAND型フラッシュメモリ234aによってキャラクタROM234を構成しても、遅滞なく表示に必要な画像を予めキャラクタROM234から読み出し、通常用ビデオRAM236へ転送しておくことができるので、表示データテーブルで指定された各スプライトの画像を描画しながら、対応する演出を第3図柄表示装置81に表示させることができる。また、転送データテーブルの記載によって、常駐用ビデオRAM235に非常駐の画像データだけを容易に且つ確実にキャラクタROM234から通常用ビデオRAM236へ転送することができる。
ポインタ233fは、表示データテーブルバッファ233dおよび転送データテーブルバッファ233eの各バッファにそれぞれ格納された表示データテーブルおよび転送データテーブルから、対応する描画内容もしくは転送対象画像データの転送データ情報を取得すべきアドレスを指定するためのものである。MPU231は、表示データテーブルバッファ233dに表示データテーブルが格納されるのに合わせて、ポインタ233fを一旦0に初期化する。そして、画像コントローラ237から1フレーム分の画像の描画処理が完了する20ミリ秒ごとに送信されるV割込信号に基づいてMPU231により実行されるV割込処理の表示設定処理(図45(b)のS2303参照)の中で、ポインタ更新処理(図51のS3205参照)が実行され、ポインタ233fの値が1ずつ加算される。
MPU231は、このようなポインタ233fの更新が行われる毎に、表示データテーブルバッファ233dに格納された表示データテーブルから、ポインタ233fが示すアドレスに規定された描画内容を特定して、後述する描画リスト(図23参照)を作成すると共に、転送データテーブルバッファ233eに格納された転送データテーブルから、その時点において転送を開始すべき所定のスプライトの画像データの転送データ情報を取得して、その転送データ情報を作成した描画リストに追加する。
これにより、表示データテーブルバッファ233dに格納された表示データテーブルに対応する演出が第3図柄表示装置81に表示される。よって、表示データテーブルバッファ233dに格納する表示データテーブルを変更するだけで、容易に第3図柄表示装置81に表示させる演出を変更することができる。従って、表示制御装置341の処理能力に関わらず、多種多様な演出を表示させることができる。
また、転送データテーブルバッファ233eに格納された転送データテーブルが格納されている場合は、その転送データテーブルに基づいて、対応する表示データテーブルによって所定のスプライトの描画が開始されるまでに、そのスプライトの描画で用いられる常駐用ビデオRAM235に常駐されていない画像データを、必ず画像格納エリア236aに格納させておくことができる。これにより、読み出し速度の遅いNAND型フラッシュメモリ234aによってキャラクタROM234を構成しても、遅滞なく表示に必要な画像を予めキャラクタROM234から読み出し、通常用ビデオRAM236へ転送しておくことができるので、表示データテーブルで指定された各スプライトの画像を描画しながら、対応する演出を第3図柄表示装置81に表示させることができる。また、転送データテーブルの記載によって、常駐用ビデオRAM235に非常駐の画像データだけを容易に且つ確実にキャラクタROM234から通常用ビデオRAM236へ転送することができる。
描画リストエリア233gは、表示データテーブルバッファ233dに格納された表示データテーブル、及び、転送データテーブルバッファ233eに格納された転送データテーブルに基づいて生成される、1フレーム分の画像の描画を画像コントローラ237に指示する描画リストを格納するためのエリアである。
ここで、図23を参照して、描画リストの詳細について説明する。図23は、描画リストの内容を模式的に示した模式図である。描画リストは、画像コントローラ237に対して、1フレーム分の画像の描画を指示する指示表であり、図23に示すように、1フレームの画像で使用する背面画像、第3図柄(図柄1,図柄2,・・・)、エフェクト(エフェクト1,エフェクト2,・・・)、キャラクタ(キャラクタ1,キャラクタ2,・・・,保留球数図柄1,保留球数図柄2,・・・,エラー図柄)といったスプライト毎に、そのスプライトの詳細な描画情報(詳細情報)を記述したものである。また、描画リストには、画像コントローラ237に対して所定の画像データをキャラクタROM234から通常用ビデオRAM236へ転送させるための転送データ情報もあわせて記述される。
各スプライトの詳細な描画情報(詳細情報)には、対応するスプライト(表示物)の画像データが格納されているRAM種別(常駐用ビデオRAM235か、通常用ビデオRAM236か)を示す情報と、そのアドレスとが記述されており、画像コントローラ237は、そのRAM種別およびアドレスによって指定されるメモリ領域から、当該スプライトの画像データを取得する。また、その詳細な描画情報(詳細情報)には、表示位置座標、拡大率、回転角度、半透明値、αブレンディング情報、色情報およびフィルタ指定情報が含まれており、画像コントローラ237は、各種ビデオRAMより読み出した当該スプライトの画像データにより生成される標準的な画像に対し、拡大率に応じて拡大縮小処理を施し、回転角度に応じて回転処理を施し、半透明値に応じて半透明化処理を施し、αブレンディング情報に応じて他のスプライトとの合成処理を施し、色情報に応じて色調補正処理を施し、フィルタ指定情報に応じてその情報により指定された方法でフィルタリング処理を施した上で、表示位置座標に示される表示位置に各種処理を施して得られた画像を描画する。そして、描画した画像は、画像コントローラ237によって、描画対象バッファフラグ233jで指定される第1フレームバッファ236b又は第2フレームバッファ236cのいずれかに展開される。
MPU231は、表示データテーブルバッファ233dに格納された表示データテーブルにおいて、ポインタ233fによって示されるアドレスに規定された描画内容と、その他の描画すべき画像の内容(例えば、保留球数図柄を表示する保留画像や、エラーの発生を通知する警告画像など)とに基づき、1フレーム分の画像の描画に用いられる全スプライトに対する詳細な描画情報(詳細情報)を生成すると共に、その詳細情報をスプライト毎に並び替えることによって描画リストを作成する。
ここで、各スプライトの詳細情報のうち、スプライト(表示物)のデータの格納RAM種別とアドレスとは、表示データテーブルに規定されるスプライト種別や、その他の画像の内容から特定されるスプライト種別に応じて生成される。即ち、スプライト毎に、そのスプライトの画像データが格納される常駐用ビデオRAM235のエリア、又は、通常用ビデオRAM236の画像格納エリア236aのサブエリアが固定されているので、MPU231は、スプライト種別に応じて、そのスプライトの画像データが格納されている格納RAM種別とアドレスとを即座に特定し、それらの情報を描画リストの詳細情報に容易に含めることができる。
また、MPU231は、各スプライトの詳細情報のうち、その他の情報(表示位置座標、拡大率、回転角度、半透明値、αブレンディング情報、色情報およびフィルタ指定情報)について、表示データテーブルに規定されるそれらの情報をそのままコピーする。
また、MPU231は、描画リストを生成するにあたり、1フレーム分の画像の中で、最も背面側に配置すべきスプライトから前面側に配置すべきスプライト順に並び替えて、それぞれのスプライトに対する詳細な描画情報(詳細情報)を記述する。即ち、描画リストでは、最初に背面画像に対応する詳細情報が記述され、次いで、第3図柄(図柄1,図柄2,・・・)、エフェクト(エフェクト1,エフェクト2,・・・)、キャラクタ(キャラクタ1,キャラクタ2,・・・,保留球数図柄1,保留球数図柄2,・・・,エラー図柄)の順に、それぞれのスプライトに対応する詳細情報が記述される。
画像コントローラ237では、描画リストに記述された順番に従って、各スプライトの描画処理を実行し、フレームバッファにその描画されたスプライトを上書きによって展開していく。従って、描画リストによって生成した1フレーム分の画像において、最初に描画したスプライトが最も背面側に配置させ、最後に描画したスプライトが最も前面側に配置させることができるのである。
また、MPU231は、転送データテーブルバッファ233eに格納された転送データテーブルにおいて、ポインタ233fによって示されるアドレスに転送データ情報が記載されている場合、その転送データ情報(転送対象画像データが格納されたキャラクタROM234における格納元先頭アドレスおよび格納元最終アドレスと、その転送対象画像データを格納すべき画像格納エリア236aに設けられたサブエリアの格納先先頭アドレス)を、描画リストの最後に追加する。画像コントローラ237は、描画リストにこの転送データ情報が含まれていれば、その転送データ情報に基づいて、キャラクタROM234の所定の領域(格納元先頭アドレスおよび格納元最終アドレスによって示される領域)から画像データを読み出して、通常用ビデオRAM236の画像格納エリア236aに設けられた所定のサブエリア(格納先アドレス)に、転送対象となる画像データを転送する。
計時カウンタ233hは、表示データテーブルバッファ233dに格納された表示データテーブルにより第3図柄表示装置81にて表示される演出の演出時間をカウントするカウンタである。MPU231は、表示データテーブルバッファ233dに一の表示データテーブルを格納するのに合わせて、その表示データテーブルに基づいて表示される演出の演出時間を示す時間データを設定する。この時間データは、演出時間を第3図柄表示装置81における1フレーム分の画像表示時間(本実施形態では、20ミリ秒)で割った値である。
そして、1フレーム分の画像の描画処理および表示処理が完了する20ミリ秒毎に画像コントローラ237から送信されるV割込信号に基づいて、MPU231により実行されるV割込処理(図45(b)参照)の表示設定処理が実行される度に、計時カウンタ233hが1ずつ減算される(図51のS3207参照)。その結果、計時カウンタ233hの値が0以下となった場合、MPU231は、表示データテーブルバッファ233dに格納された表示データテーブルにより表示される演出が終了したことを判断し、演出終了に合わせて行うべき種々の処理を実行する。
格納画像データ判別フラグ233iは、対応する画像データが常駐用ビデオRAM235に常駐されない全てのスプライトに対して、それぞれ、そのスプライトに対応する画像データが通常用ビデオRAM236の画像格納エリア236aに格納されているか否かを表す格納状態を示すフラグである。
この格納画像データ判別フラグ233iは、電源投入時にメイン処理の中でMPU231により実行される初期設定処理(図43のS2002参照)によって生成される。ここで生成される格納画像データ判別フラグ233iは、全てのスプライトに対する格納状態が、画像格納エリア236aに格納されていないことを示す「オフ」に設定される。
そして、格納画像データ判別フラグ233iの更新は、MPU231により実行される通常画像転送設定処理(図55参照)の中で、一のスプライトに対応する転送対象画像データの転送指示を設定した場合に行われる。この更新では、転送指示が設定された一のスプライトに対応する格納状態を、対応する画像データが画像格納エリア236aに格納されていることを示す「オン」に設定する。また、その一のスプライトと同じ画像格納エリア236aのサブエリアに格納されることになっているその他のスプライトの画像データは、一のスプライトの画像データが格納されることによって必ず未格納状態となるので、その他のスプライトに対応する格納状態を「オフ」に設定する。
また、MPU231は、常駐用ビデオRAM235に画像データが常駐されていないスプライトの画像データをキャラクタROM234から通常用ビデオRAM236へ転送する際に、格納画像データ判別フラグ233iを参照し、転送対象のスプライトの画像データが、既に通常用ビデオRAM236の画像格納エリア236aに格納されているか否かを判断する(図55のS3713参照)。そして、転送対象のスプライトに対応する格納状態が「オフ」であり、対応する画像データが画像格納エリア236aに格納されていなければ、その画像データの転送指示を設定し(図55のS3714参照)、画像コントローラ237に対して、その画像データをキャラクタROM234から画像格納エリア236aの所定サブエリアに転送させる。一方、転送対象のスプライトに対応する格納状態が「オン」であれば、既に対応する画像データが画像格納エリア236aに格納されているので、その画像データの転送処理を中止する。これにより、無駄にキャラクタROM234から通常用ビデオRAM236に対して転送されるのを抑制することができ、表示制御装置114の各部における処理負担の軽減や、バスライン240におけるトラフィックの軽減を図ることができる。
描画対象バッファフラグ233jは、2つのフレームバッファ(第1フレームバッファ236bおよび第2フレームバッファ236c)の中から、画像コントローラ237によって描画された画像を展開するフレームバッファ(以下、「描画対象バッファ」と称す)を指定するためのフラグで、描画対象バッファフラグ233jが0である場合は描画対象バッファとして第1フレームバッファ236bを指定し、1である場合は第2フレームバッファ236cを指定する。そして、この指定された描画対象バッファの情報は、描画リストと共に画像コントローラ237に送信される(図56のS3802参照)。
これにより、画像コントローラ237は、描画リストに基づいて描画した画像を、指定された描画対象バッファ上に展開する描画処理を実行する。また、画像コントローラ237は、描画処理と同時並列的に、描画対象バッファとは異なるフレームバッファから先に展開済みの描画画像情報を読み出し、駆動信号と共に第3図柄表示装置81に対して、その画像情報を転送することで、第3図柄表示装置81に画像を表示させる表示処理を実行する。
描画対象バッファフラグ233jは、描画対象バッファ情報が描画リストと共に画像コントローラ237に対して送信されるのに合わせて、更新される。この更新は、描画対象バッファフラグ233jの値を反転させることにより、即ち、その値が「0」であった場合は「1」に、「1」であった場合は「0」に設定することによって行われる。これにより、描画対象バッファは、描画リストが送信される度に、第1フレームバッファ236bと第2フレームバッファ236cとの間で交互に設定される。また、描画リストの送信は、1フレーム分の画像の描画処理および表示処理が完了する20ミリ秒毎に画像コントローラ237から送信されるV割込信号に基づいて、MPU231により実行されるV割込処理の描画処理(図45(b)のS2306参照)が実行される度に行われる。
即ち、あるタイミングで、1フレーム分の画像を展開するフレームバッファとして第1フレームバッファ236bが指定され、1フレーム分の画像情報が読み出されるフレームバッファとして第2フレームバッファ236cが指定されて、画像の描画処理および表示処理が実行されると、1フレーム分の画像の描画処理が完了する20ミリ秒後に、1フレーム分の画像を展開するフレームバッファとして第2フレームバッファ236cが指定され、1フレーム分の画像情報が読み出されるフレームバッファとして第1フレームバッファ236bが指定される。これにより、先に第1フレームバッファ236bに展開された画像の画像情報が読み出されて第3図柄表示装置81に表示させることができると同時に、第2フレームバッファ236cに新たな画像が展開される。
そして、更に次の20ミリ秒後には、1フレーム分の画像を展開するフレームバッファとして第1フレームバッファ236bが指定され、1フレーム分の画像情報が読み出されるフレームバッファとして第2フレームバッファ236cが指定される。これにより、先に第2フレームバッファ236cに展開された画像の画像情報が読み出されて第3図柄表示装置81に表示させることができると同時に、第1フレームバッファ236bに新たな画像が展開される。以後、1フレーム分の画像を展開するフレームバッファと、1フレーム分の画像情報が読み出されるフレームバッファとを、20ミリ秒毎に、それぞれ第1フレームバッファ236bおよび第2フレームバッファ236cのいずれかを交互に入れ替えて指定することによって、1フレーム分の画像の描画処理を行いながら、1フレーム分の画像の表示処理を20ミリ秒単位で連続的に行わせることができる。
背面画像変更フラグ233wは、第3図柄表示装置81に表示される背面画像の種別を変更するか否かを判別するためのフラグである。この背面画像変更フラグ233wがオンであれば、背面画像の種別を変更することを意味し、オフであれば変更を行わないことを意味する。背面画像変更フラグ233wは、音声ランプ制御装置113から送信される背面画像変更コマンドを受信した場合にオンに設定される(図52(a)のS3001参照)。また、この背面画像変更フラグ233wは、通常画像転送設定処理において参照され(図55のS3709参照)、背面画像の変更処理が実行される際にオフに設定される(図55のS3710参照)。これにより、音声ランプ制御装置113から受信した背面画像変更コマンドや演出モード変更コマンドに対応した背面画像を表示することができる。
背面画像判別フラグ233xは、設定されている背面画像種別を示すフラグである。このフラグは、例えば1バイトで構成されており、各ビットに対して各背面種別が対応付けられている。この背面画像判別フラグ233xのうち、いずれかのビットがオンであれば、そのオンのビットに対応する背面種別が現在の背面種別として設定されていることを意味する。例えば、背面画像判別フラグ233xの0ビット目がオンであれば、背面Aが設定されていることを意味する。この背面画像判別フラグ233xは、音声ランプ制御装置113から送信される背面画像変更コマンドを受信した場合に、そのコマンドにより通知された背面画像に対応するビットがオンに設定される(図50(a)のS3002参照)。この際、他のビットは全てオフに設定される。この背面画像判別フラグ233xにより、容易に現在設定されている背面種別を特定することができる。
デモ表示フラグ233yは、デモ演出中であるか否かを示すフラグである。このデモ表示フラグ233yがオンであればデモ演出中であることを意味し、オフであればデモ演出中でないことを意味する。このデモ表示フラグ233yは、表示設定処理(図51参照)において、デモ用表示データテーブルを表示データテーブルバッファ233dに設定した場合にオンに設定され(図51のS3221参照)、デモ用表示データテーブル以外の他の表示データテーブルが表示データテーブルバッファ233dに対して設定された場合にオフに設定される(図47(a)のS2705、図48(a)のS2705、図48(b)のS2805、図49のS2905参照)。このデモ表示フラグ233yにより、現在がデモ演出中であるか否かを容易に判別することができる。
確定表示フラグ233zは、確定表示演出の実行中であるか否かを示すフラグである。ここで、確定表示演出とは、変動パターン後に停止図柄を所定期間(例えば、1秒)停止表示(確定表示)する演出を示す。この確定表示フラグ233zがオンであれば、確定表示演出中であることを意味し、オフであれば、確定表示演出中でないことを意味する。確定表示フラグ233zは、表示設定処理(図51参照)の中で、確定表示データテーブルを表示データテーブルバッファ233dに設定した場合にオンに設定され(図51のS3214)、確定表示データテーブル以外の他の表示データテーブルが表示データテーブルバッファ233dに対して設定された場合にオフに設定される(図47(a)のS2505、図48(a)のS2705、図48(b)のS2805、図49のS2905参照)。この確定表示フラグ233zにより、現在が確定表示演出中であるか否かを容易に判別することができる。
<第1実施形態における主制御装置の制御処理について>
次に、図24〜図37のフローチャートを参照して、主制御装置110内のMPU201により実行される各制御処理を説明する。かかるMPU201の処理としては大別して、電源投入に伴い起動される立ち上げ処理と、その立ち上げ処理後に実行されるメイン処理と、定期的に(本実施形態では2m秒間隔で)起動されるタイマ割込処理と、NMI端子への停電信号SG1の入力により起動されるNMI割込処理とがあり、説明の便宜上、はじめにタイマ割込処理とNMI割込処理とを説明し、その後、立ち上げ処理とメイン処理とを説明する。
図24は、主制御装置110内のMPU201により実行されるタイマ割込処理を示すフローチャートである。タイマ割込処理は、例えば2ミリ秒毎に実行される定期処理である。タイマ割込処理では、まず各種入賞スイッチの読み込み処理を実行する(S101)。即ち、主制御装置110に接続されている各種スイッチの状態を読み込むと共に、当該スイッチの状態を判定して検出情報(入賞検知情報)を保存する。
次に、第1初期値乱数カウンタCINI1と第2初期値乱数カウンタCINI2の更新を実行する(S102)。具体的には、第1初期値乱数カウンタCINI1を1加算すると共に、そのカウンタ値が最大値(本実施形態では399)に達した際、0にクリアする。そして、第1初期値乱数カウンタCINI1の更新値を、RAM203の該当するバッファ領域に格納する。同様に、第2初期値乱数カウンタCINI2を1加算すると共に、そのカウンタ値が最大値(本実施形態では399)に達した際、0にクリアし、その第2初期値乱数カウンタCINI2の更新値をRAM203の該当するバッファ領域に格納する。
更に、第1当たり乱数カウンタC1、第1当たり種別カウンタC2、停止種別選択カウンタC3及び第2当たり乱数カウンタC4の更新を実行する(S103)。具体的には、第1当たり乱数カウンタC1、第1当たり種別カウンタC2、停止種別選択カウンタC3及び第2当たり乱数カウンタC4をそれぞれ1加算すると共に、それらのカウンタ値が最大値(本実施形態ではそれぞれ、399,99,99,239)に達した際、それぞれ0にクリアする。そして、各カウンタC1〜C4の更新値を、RAM203の該当するバッファ領域に格納する。
次に、第1図柄表示装置37において表示を行うための処理であると共に、第3図柄表示装置81による第3図柄の変動パターンなどを設定する特別図柄変動処理を実行し(S104)、次いで、第1入球口64、または第2入球口640への入賞(始動入賞)に伴う始動入賞処理を実行する(S105)。尚、特別図柄変動処理、及び、始動入賞処理の詳細については、図25〜図27を参照して後述する。
始動入賞処理を実行した後は、第2図柄表示装置83において表示を行うための処理である普通図柄変動処理を実行し(S106)、スルーゲート67における球の通過に伴うスルーゲート通過処理を実行する(S107)。尚、普通図柄変動処理、及び、スルーゲート通過処理の詳細は、図28および図29を参照して後述する。スルーゲート通過処理を実行した後は、発射制御処理を実行し(S108)、更に、定期的に実行すべきその他の処理を実行して(S109)、タイマ割込処理を終了する。なお、発射制御処理は、遊技者が操作ハンドル51に触れていることをタッチセンサ51aにより検出し、且つ、発射を停止させるための打ち止めスイッチ51bが操作されていないことを条件に、球の発射のオン/オフを決定する処理である。主制御装置110は、球の発射がオンである場合に、発射制御装置112に対して球の発射指示をする。
次に、図25を参照して、主制御装置110内のMPU201により実行される特別図柄変動処理(S104)について説明する。図25は、この特別図柄変動処理(S104)を示すフローチャートである。この特別図柄変動処理(S104)は、タイマ割込処理(図24参照)の中で実行され、第1図柄表示装置37において行う特別図柄(第1図柄)の変動表示や、第3図柄表示装置81において行う第3図柄の変動表示などを制御するための処理である。
この特別図柄変動処理では、まず、今現在が、特別図柄の大当たり中であるか否かを判定する(S201)。特別図柄の大当たり中としては、第1図柄表示装置37及び第3図柄表示装置81において特別図柄の大当たり(特別図柄の大当たり遊技中も含む)を示す表示がなされている最中と、特別図柄の大当たり遊技終了後の所定時間の最中とが含まれる。判定の結果、特別図柄の大当たり中であれば(S201:Yes)、そのまま本処理を終了する。
S201の処理において、特別図柄の大当たり中でないと判定した場合は(S201:No)、第1図柄表示装置37の表示態様が変動中であるか否かを判定し(S202)、第1図柄表示装置37の表示態様が変動中でなければ(S202:No)、第2特別図柄保留球数カウンタ203eの値(第2特別図柄の抽選に基づく変動表示の保留回数N2)を取得する(S203)。次に、第2特別図柄保留球数カウンタ203eの値(N2)が0よりも大きいか否かを判別する(S204)。第2特別図柄保留球数カウンタ203eの値(N2)が0でなければ(S204:Yes)、第2特別図柄保留球数カウンタ203eの値(N2)を1減算し(S210)、演算により変更された第2特別図柄保留球数カウンタ203eの値を示す保留球数コマンドを設定する(S211)。ここで設定された保留球数コマンドは、RAM203に設けられたコマンド送信用のリングバッファに記憶され、MPU201により実行される後述のメイン処理(図32参照)の外部出力処理(S901)の中で、音声ランプ制御装置113に向けて送信される。音声ランプ制御装置113は、保留球数コマンドを受信すると、その保留球数コマンドから第2特別図柄保留球数カウンタ203eの値を抽出し、抽出した値をRAM223の特別図柄保留球数カウンタ223bに格納する。
S211の処理により保留球数コマンドを設定した後は、第2特別図柄保留球格納エリア203bに格納されたデータをシフトする(S212)。S212の処理では、第2特別図柄保留球格納エリア203bの保留第1エリア〜保留第4エリアに格納されているデータを、実行エリア側に順にシフトさせる処理を行う。より具体的には、保留第1エリア→実行エリア、保留第2エリア→保留第1エリア、保留第3エリア→保留第2エリア、保留第4エリア→保留第3エリアといった具合に各エリア内のデータをシフトし、S213の処理へ移行する。
一方、S204の処理において、第2特別図柄保留球数カウンタ203eの値(N2)が0である場合は(S204:No)、第1特別図柄保留球数カウンタ203dの値(第1特別図柄の抽選に基づく変動表示の保留回数N1)を取得し(S205)、取得した第1特別図柄保留球数カウンタ203dの値(N1)が0よりも大きいか否かを判別する(S206)。
S206の処理において、第1特別図柄保留球数カウンタ203dの値(N1)が0であると判別した場合は(S206:No)、そのまま本処理を終了する。一方、S206の処理において、第1特別図柄保留球数カウンタ203dの値(N1)が0でない(即ち、1以上である)と判別した場合は(S206:Yes)、第1特別図柄保留球数カウンタ203dの値(N1)を1減算し(S207)、演算により変更された第1特別図柄保留球数カウンタ203dの値を示す保留球数コマンドを設定する(S208)。ここで設定された保留球数コマンドは、RAM203に設けられたコマンド送信用のリングバッファに記憶され、MPU201により実行される後述のメイン処理(図32参照)の外部出力処理(S901)の中で、音声ランプ制御装置113に向けて送信される。音声ランプ制御装置113は、保留球数コマンドを受信すると、その保留球数コマンドから第1特別図柄保留球数カウンタ203dの値を抽出し、抽出した値をRAM223の特別図柄保留球数カウンタ223bに格納する。
S208の処理により保留球数コマンドを設定した後は、第1特別図柄保留球格納エリア203aに格納されたデータを、S212の処理と同一の手法によりシフトして(S209)、処理をS213へと移行する。S212、またはS209の処理後に実行されるS213の処理では、第1図柄表示装置37において変動表示を開始するための特別図柄変動開始処理を実行し(S213)、本処理を終了する。なお、この特別図柄変動開始処理の詳細については、図26を参照して後述する。
S202の処理において、第1図柄表示装置37の表示態様が変動中であれば(S202:Yes)、第1図柄表示装置37において実行している変動表示の変動時間が経過したか否かを判別する(S214)。第1図柄表示装置37において実行される変動表示の変動時間は、変動種別カウンタCS1により選択された変動パターンに応じて決められており(変動パターンコマンドに応じて決められており)、この変動時間が経過していなければ(S214:No)、第1図柄表示装置37の表示態様を更新し(S215)、本処理を終了する。
一方、S214の処理において、実行している変動表示の変動時間が経過していれば(S214:Yes)、第1図柄表示装置37の停止図柄に対応した表示態様を設定する(S216)。停止図柄の設定は、図26を参照して後述する特別図柄変動開始処理(S213)によって予め行われる。この特別図柄変動開始処理(S213)が実行されると、実行エリアに格納された各種カウンタの値に基づいて、特別図柄の抽選が行われる。より具体的には、第1当たり乱数カウンタC1の値に応じて特別図柄の大当たりか否かが決定されると共に、特別図柄の大当たりである場合には、第1当たり種別カウンタC2の値に応じて大当たりA〜Dのいずれかが決定される。
尚、本実施形態では、大当たりAになる場合には、第1図柄表示装置37において青色のLEDを点灯させ、大当たりBになる場合には赤色のLEDを点灯させ、大当たりCとなる場合には、緑色のLEDを点灯させ、大当たりDとなる場合には、青色のLEDと緑色のLEDを点灯させる。また、外れである場合には赤色のLEDと緑色のLEDとを点灯させる。なお、各LEDの表示は、次の変動表示が開始される場合に点灯が解除されるが、変動の停止後数秒間のみ点灯させるものとしても良い。
S216の処理が終了した後は、第1図柄表示装置37において実行中の変動表示が開始されたときに、特別図柄変動開始処理によって行われた特別図柄の抽選結果(今回の抽選結果)が、特別図柄の大当たりであるかを判定する(S217)。今回の抽選結果が特別図柄の大当たりであれば(S217:Yes)、特別図柄の大当たりの開始を設定して(S218)、S223の処理へと移行する。S218の処理によって、特別図柄の大当たりの開始が設定されると、メイン処理(図32参照)の大当たり制御処理(S904)が実行された場合に、S1001:Yesへ分岐して、オープニングコマンドが設定される(S1003)。その結果、第3図柄表示装置81において、大当たり演出が開始される。
S217の処理において、今回の抽選結果が特別図柄の外れであれば(S217:No)、確変カウンタ203gの値が1以上であるかを判定し(S219)、確変カウンタ203gの値が1以上であれば(S219:Yes)、確変カウンタ203gの値を1減算して(S220)、S221の処理へ移行する。一方、確変カウンタ203gの値が0であれば(S219:No)、S220の処理をスキップして、S221の処理へ移行する。S221の処理では、時短中カウンタ203rの値が1以上であるかを判定し(S221)、時短中カウンタ203rの値が1以上であれば(S221:Yes)、時短中カウンタ203rの値を1減算して(S222)、S223の処理へ移行する。一方、時短中カウンタ203rの値が0であれば(S221:No)、S222の処理をスキップして、S223の処理へ移行する。S223の処理では、停止コマンドを設定し(S223)、その後、本処理を終了する。なお、図示については省略したが、S220の処理により減算された確変カウンタ203gの値が0となった場合や、S222の処理により減算された時短中カウンタ203rの値が0となった場合には、遊技状態が変更されたことを音声ランプ制御装置113に通知するための状態コマンドを設定する。
ここで設定された状態コマンドは、RAM203に設けられたコマンド送信用のリングバッファに記憶され、MPU201により実行される後述のメイン処理(図32参照)の外部出力処理(S901)の中で、音声ランプ制御装置113に向けて送信される。音声ランプ制御装置113は、状態コマンドを受信すると、状態コマンドに含まれる遊技状態を取得する。これにより、音声ランプ制御装置113の把握する状態を、実際のパチンコ機10の状態に一致させることができる。
次に、図26を参照して、主制御装置110内のMPU201により実行される特別図柄変動開始処理(S213)について説明する。図26は、特別図柄変動開始処理(S213)を示したフローチャートである。この特別図柄変動開始処理(S213)は、タイマ割込処理(図24参照)の特別図柄変動処理(図25参照)の中で実行される処理であり、第1特別図柄保留球格納エリア203aおよび第2特別図柄保留球格納エリア203bの実行エリアに格納された各種カウンタの値に基づいて、「特別図柄の大当たり」又は「特別図柄の外れ」の抽選(当否判定)を行うと共に、第1図柄表示装置37および第3図柄表示装置81で行われる変動演出の演出パターン(変動パターン)を決定するための処理である。
特別図柄変動開始処理では、まず、第1特別図柄保留球格納エリア203a、または第2特別図柄保留球格納エリア203bの実行エリアに格納されている第1当たり乱数カウンタC1、第1当たり種別カウンタC2、及び、停止種別選択カウンタC3の各値を取得する(S301)。
次に、確変カウンタ203gの値を読み出して、パチンコ機10が特別図柄の確変状態であるかを判定する(S302)。このS302の処理では、確変カウンタ203gの値が1以上ならば特別図柄の確変状態であると判定し、確変カウンタ203gの値が0であれば、特別図柄の低確率状態(確変状態でない)と判定する。S302の処理において、パチンコ機10が特別図柄の確変状態であると判定した場合は(S302:Yes)、S301の処理で取得した第1当たり乱数カウンタC1の値と、高確率時用の特別図柄大当たり乱数テーブルとに基づいて、特別図柄の大当たりか否かの抽選結果を取得する(S303)。具体的には、第1当たり乱数カウンタC1の値を、高確率時用の第1当たり乱数テーブル(図12(a)参照)に格納されている10の乱数値と1つ1つ比較する。上述したように、特別図柄の大当たりとなる乱数値としては、「1〜10」の10個が設定されており、第1当たり乱数カウンタC1の値と、これらの当たりとなる乱数値とが一致する場合に、特別図柄の大当たりであると判定する。特別図柄の抽選結果を取得したら、S305の処理へ移行する。
一方、S302の処理において、パチンコ機10が特別図柄の確変状態でない(特別図柄の低確率状態である)と判定した場合は(S302:No)、S301の処理で取得した第1当たり乱数カウンタC1の値と、低確率時用の第1当たり乱数テーブル(図12(a)参照)とに基づいて、特別図柄の大当たりか否かの抽選結果を取得する(S304)。具体的には、第1当たり乱数カウンタC1の値を、低確率時用の特別図柄大当たり乱数テーブルに格納されている乱数値「0」と比較する。第1当たり乱数カウンタC1の値が、当たりとなる乱数値(即ち、「0」)と一致する場合に、特別図柄の大当たりであると判定する。特別図柄の抽選結果を取得したら、S305の処理へ移行する。
そして、S303またはS304の処理によって取得した特別図柄の抽選結果が、特別図柄の大当たりであるかを判定し(S305)、特別図柄の大当たりであると判定された場合には(S305:Yes)、S301の処理で取得した第1当たり種別カウンタC2の値に基づいて、大当たり時の表示態様を設定する(S306)。より具体的には、S301の処理で取得した第1当たり種別カウンタC2の値と、第1当たり種別選択テーブル202bに格納されている乱数値とを比較し、大当たり種別が何であるかを判定する。上述したように、第1特別図柄の抽選で大当たりとなった場合は、第1当たり種別カウンタC2の値が「0〜49」の範囲にあれば、大当たりA(8ラウンド大当たり)であると判定し、「50〜99」の範囲にあれば、大当たりB(8ラウンド大当たり)であると判定する(図12(b)参照)。一方、第2特別図柄の抽選で大当たりとなった場合は、第1当たり種別カウンタC2の値が「0〜49」の範囲にあれば、大当たりC(15ラウンド大当たり)であると判定し、「50〜99」の範囲にあれば、大当たりD(15ラウンド大当たり)であると判定する(図12(b)参照)。
このS306の処理では、判定された大当たり種別(大当たりA、大当たりB、大当たりC、大当たりD)に応じて、第1図柄表示装置37の表示態様(LED37aの点灯状態)が設定される。また、大当たり種別に対応した停止図柄を、第3図柄表示装置81において停止表示させるべく、大当たり種別(大当たりA、大当たりB、大当たりC、大当たりD)が停止種別として設定される。
次に、大当たり時の変動パターンを決定する(S307)。S307の処理で変動パターンが設定されると、第1図柄表示装置37における変動演出の変動時間(表示時間)が設定されると共に、第3図柄表示装置81において大当たり図柄で停止するまでの第3図柄の変動時間が決定される。このとき、RAM203のカウンタ用バッファに格納されている変動種別カウンタCS1の値と、変動パターンテーブル202d(図13(a)参照)とを比較し、変動種別カウンタCS1の値に対応する変動パターン(変動時間)を決定する。
一方、S305の処理において、特別図柄の外れであると判定された場合には(S305:No)、外れ時の表示態様を設定する(S308)。S308の処理では、第1図柄表示装置37の表示態様を外れ図柄に対応した表示態様に設定すると共に、実行エリアに格納されている停止種別選択カウンタC3の値に基づいて、第3図柄表示装置81において表示させる停止種別として、前後外れリーチであるか、前後外れ以外リーチであるか、完全外れであるかを設定する。
ここでは、パチンコ機10が特別図柄の確変状態であれば、S301の処理で取得した停止種別選択カウンタC3の値と、高確率時用の停止種別選択テーブルに格納されている乱数値とを比較して、停止種別を設定する。具体的には、停止種別選択カウンタC3の値が「0〜89」の範囲にあれば、完全外れを設定し、「90〜97」の範囲にあれば前後外れ以外リーチを設定し、「98,99」であれば前後外れリーチを設定する。一方、パチンコ機10が特別図柄の通常状態であれば、停止種別選択カウンタC3の値と、低確率時用の停止種別選択テーブルに格納されている乱数値とを比較して、停止種別を設定する。具体的には、停止種別選択カウンタC3の値が「0〜79」の範囲にあれば、完全外れを設定し、「80〜97」の範囲にあれば前後外れ以外リーチを設定し、「98,99」であれば前後外れリーチを設定する。
次に、外れ時の変動パターンを決定する(S309)。ここでは、第1図柄表示装置37の表示時間が設定されると共に、第3図柄表示装置81において外れ図柄で停止するまでの第3図柄の変動時間が決定される。このとき、S307の処理と同様に、RAM203のカウンタ用バッファに格納されている変動種別カウンタCS1の値と、変動パターンテーブル202dとを比較し、変動種別カウンタCS1の値に対応する変動パターン(変動時間)を決定する。
S307の処理またはS309の処理が終わると、次に、S307の処理またはS309の処理で決定した変動パターンを表示制御装置114へ通知するための変動パターンコマンドを設定する(S310)。次いで、S306又はS308の処理で設定された停止種別を表示制御装置114へ通知するための停止種別コマンドを設定する(S311)。これらの変動パターンコマンドおよび停止種別コマンドは、RAM203に設けられたコマンド送信用のリングバッファに記憶され、メイン処理(図32参照)のS901の処理で、これらのコマンドが音声ランプ制御装置113に送信される。音声ランプ制御装置113は、停止種別コマンドをそのまま表示制御装置114へ送信する。S311の処理が終わると、特別図柄変動処理へ戻る。
次に、図27のフローチャートを参照して、主制御装置110内のMPU201により実行される始動入賞処理(S105)を説明する。図27は、この始動入賞処理(S105)を示すフローチャートである。この始動入賞処理(S105)は、タイマ割込処理(図24参照)の中で実行され、第1入球口64、および第2入球口640への入賞(始動入賞)の有無を判断し、始動入賞があった場合に、各種カウンタが示す値の保留処理を実行するための処理である。
始動入賞処理が実行されると、まず、球が第1入球口64に球が入賞(始動入賞)したか否かを判定する(S401)。ここでは、第1入球口64への入球を3回のタイマ割込処理にわたって検出する。そして、球が第1入球口64に入賞したと判別されると(S401:Yes)、第1特別図柄保留球数カウンタ203dの値(特別図柄における変動表示の保留回数N1)を取得する(S402)。そして、第1特別図柄保留球数カウンタ203dの値(N1)が上限値(本実施形態では4)未満であるか否かを判定する(S403)。
そして、球が第1入球口64への入賞がないか(S401:No)、或いは、球が第1入球口64への入賞があっても第1特別図柄保留球数カウンタ203dの値(N1)が4未満でなければ(S403:No)、処理をS407へと移行する。一方、第1入球口64への入賞があり(S401:Yes)、且つ、第1特別図柄保留球数カウンタ203dの値(N1)が4未満であれば(S403:Yes)、第1特別図柄保留球数カウンタ203dの値(N1)を1加算する(S404)。そして、演算により変更された第1特別図柄保留球数カウンタ203dの値を示す保留球数コマンドを設定する(S405)。
ここで設定された保留球数コマンドは、RAM203に設けられたコマンド送信用のリングバッファに記憶され、MPU201により実行される後述のメイン処理(図32参照)の外部出力処理(S901)の中で、音声ランプ制御装置113に向けて送信される。音声ランプ制御装置113は、保留球数コマンドを受信すると、その保留球数コマンドから第1特別図柄保留球数カウンタ203dの値を抽出し、抽出した値をRAM223の特別図柄保留球数カウンタ223bに格納する。
S405の処理により保留球数コマンドを設定した後は、上述したタイマ割込処理のS103で更新した第1当たり乱数カウンタC1、第1当たり種別カウンタC2及び変動種別カウンタCS1の各値を、RAM203の第1特別図柄保留球格納エリア203aの空き保留エリア(保留第1エリア〜保留第4エリア)のうち最初のエリアに格納して(S406)、処理をS407へと移行する。尚、S406の処理では、第1特別図柄保留球カウンタ203dの値を参照し、その値が0であれば、保留第1エリアを最初のエリアとする。同様に、その値が1であれば保留第2エリアを、その値が2であれば保留第3エリアを、その値が3であれば保留第4エリアを、それぞれ最初のエリアとする。
S407の処理では、球が第2入球口640に入賞(始動入賞)したか否かを判定する(S407)。本処理でも、S401の処理と同様に、第2入球口640への入球を3回のタイマ割込処理にわたって検出する。そして、球が第2入球口640に入賞したと判別されると(S407:Yes)、第2特別図柄保留球数カウンタ203eの値(特別図柄における変動表示の保留回数N2)を取得し(S408)、第2特別図柄保留球数カウンタ203eの値(N2)が上限値(本実施形態では4)未満であるか否かを判定する(S409)。
そして、第2入球口640への入賞がないか(S407:No)、或いは、第2入球口640への入賞があっても第2特別図柄保留球数カウンタ203eの値(N2)が4未満でない(即ち、4である)と判定した場合は(S409:No)、そのまま本処理を終了し、タイマ割込処理へ戻る。一方、第2入球口640への入賞があり(S407:Yes)、且つ、第2特別図柄保留球数カウンタ203eの値(N2)が4未満であれば(S409:Yes)、第2特別図柄保留球数カウンタ203eの値(N2)に1を加算する(S410)。そして、演算により変更された第2特別図柄保留球数カウンタ203eの値を示す保留球数コマンドを設定する(S411)。
ここで設定された保留球数コマンドは、RAM203に設けられたコマンド送信用のリングバッファに記憶され、MPU201により実行される後述のメイン処理(図32参照)の外部出力処理(S901)の中で、音声ランプ制御装置113に向けて送信される。音声ランプ制御装置113は、保留球数コマンドを受信すると、その保留球数コマンドから第2特別図柄保留球数カウンタ203eの値を抽出し、抽出した値をRAM223の特別図柄保留球数カウンタ223bに格納する。
S411の処理により保留球数コマンドを設定した後は、上述したタイマ割込処理のS103の処理で更新した第1当たり乱数カウンタC1、第1当たり種別カウンタC2及び変動種別カウンタCS1の各値を、RAM203の第2特別図柄保留球格納エリア203bの空き保留エリア(保留第1エリア〜保留第4エリア)のうち最初のエリアに格納し(S412)、本処理を終了してタイマ割込処理へ戻る。尚、S412の処理では、S406の処理と同様に、第2特別図柄保留球格納エリア203eの値を参照し、その値が0であれば、保留第1エリアを最初のエリアとする。同様に、その値が1であれば保留第2エリアを、その値が2であれば保留第3エリアを、その値が3であれば保留第4エリアを、それぞれ最初のエリアとする。
次に、図28を参照して、主制御装置110内のMPU201により実行される普通図柄変動処理(S106)について説明する。図28は、この普通図柄変動処理(S106)を示すフローチャートである。この普通図柄変動処理(S106)は、タイマ割込処理(図24参照)の中で実行され、第2図柄表示装置83において行う普通図柄(第2図柄)の変動表示や、第2入球口640に付随する電動役物640aの開放時間などを制御するための処理である。
この普通図柄変動処理(S106)では、まず、今現在が、普通図柄(第2図柄)の当たり中であるか否かを判定する(S501)。普通図柄(第2図柄)の当たり中としては、第2図柄表示装置83において当たりを示す表示がなされている最中と、第2入球口640に付随する電動役物640aの開閉制御がなされている最中とが含まれる。判定の結果、普通図柄(第2図柄)の当たり中であれば(S501:Yes)、そのまま本処理を終了する。
一方、普通図柄(第2図柄)の当たり中でなければ(S501:No)、第2図柄表示装置83の表示態様が変動中であるか否かを判定し(S502)、第2図柄表示装置83の表示態様が変動中でなければ(S502:No)、普通図柄保留球数カウンタ203fの値(普通図柄における変動表示の保留回数M)を取得する(S503)。次に、普通図柄保留球数カウンタ203fの値(M)が0よりも大きいか否かを判別し(S504)、普通図柄保留球数カウンタ203fの値(M)が0であれば(S504:No)、そのまま本処理を終了する。一方、普通図柄保留球数カウンタ203fの値(M)が0でなければ(S504:Yes)、普通図柄保留球数カウンタ203fの値(M)を1減算する(S505)。
次に、普通図柄保留球格納エリア203cに格納されたデータをシフトする(S506)。S506の処理では、普通図柄保留球格納エリア203cの保留第1エリア〜保留第4エリアに格納されているデータを、実行エリア側に順にシフトさせる処理を行う。より具体的には、保留第1エリア→実行エリア、保留第2エリア→保留第1エリア、保留第3エリア→保留第2エリア、保留第4エリア→保留第3エリアといった具合に各エリア内のデータをシフトする。データをシフトした後は、普通図柄保留球格納エリア203cの実行エリアに格納されている第2当たり乱数カウンタC4の値を取得する(S507)。
次に、普通図柄の時短状態であるか否かを判定する(S508)。なお、上述した通り、本実施形態におけるパチンコ機10では、遊技状態が確変状態、または時短状態の場合に、普通図柄の時短状態が設定される。よって、S508の処理では、RAM203の確変カウンタ203gの値が1以上であるか、または時短中カウンタ203rの値が1以上であれば普通図柄の時短状態であると判定し、どちらのカウンタの値も0であれば、普通図柄の通常状態であると判定する。
S508の処理において、普通図柄の時短状態であると判定した場合は(S508:Yes)、今現在が、特別図柄の大当たり中であるか否かを判定する(S509)。特別図柄の大当たり中としては、第1図柄表示装置37及び第3図柄表示装置81において特別図柄の大当たり(特別図柄の大当たり遊技中も含む)を示す表示がなされている最中と、特別図柄の大当たり遊技終了後の所定時間の最中とが含まれる。判定の結果、特別図柄の大当たり中であれば(S509:Yes)、S511の処理に移行する。本実施形態では、特別図柄の大当たり中は、普通図柄の抽選が当たりとなりにくくなるように構成されている。これは、特別図柄の大当たり中(即ち、特別遊技状態中)は、遊技者が特定入賞口65aに入賞させようとして球を打つので、第2入球口640に付随する電動役物640aが開放されて、第2特定入賞口650aに入賞させようとした球が、第2入球口640に入ることをできるだけ抑制するためである。
S509の処理において、特別図柄の大当たり中でなければ(S509:No)、パチンコ機10が特別図柄の大当たり中でなくて、パチンコ機10が普通図柄の時短状態であるので、S507の処理で取得した第2当たり乱数カウンタC4の値と、高確率時用の普通図柄当たり乱数テーブルと基づいて、普通図柄の当たりか否かの抽選結果を取得する(S510)。具体的には、第2当たり乱数カウンタC4の値と、高確率時用の普通図柄当たり乱数テーブルに格納されている乱数値と比較する。上述したように、第2当たり種別カウンタC4の値が「5〜204」の範囲にあれば、普通図柄の当たりであると判定し、「0〜4,205〜239」の範囲にあれば、普通図柄の外れであると判定する(図12(c)参照)。
S508の処理において、普通図柄の時短状態でないと判定した場合は(S508:No)、S511の処理へ移行する。S511の処理では、パチンコ機10が特別図柄の大当たり中であるか、又は、パチンコ機10が普通図柄の通常状態であるので、S507の処理で取得した第2当たり乱数カウンタC4の値と、低確率時用の普通図柄当たり乱数テーブルとに基づいて、普通図柄の当たりか否かの抽選結果を取得する(S511)。具体的には、第2当たり乱数カウンタC4の値と、低確率時用の普通図柄当たり乱数テーブルに格納されている乱数値と比較する。上述したように、第2当たり種別カウンタC4の値が「0」の範囲にあれば、普通図柄の当たりであると判定し、「1〜239」の範囲にあれば、普通図柄の外れであると判定する(図12(c)参照)。
次に、S510またはS511の処理によって取得した普通図柄の抽選結果が、普通図柄の当たりであるかを判定し(S512)、普通図柄の当たりであると判定された場合には(S512:Yes)、当たり時の表示態様を設定する(S513)。このS513の処理では、第2図柄表示装置83における変動表示が終了した後に、停止図柄(第2図柄)として「○」の図柄が点灯表示されるように設定する。
そして、普通図柄の時短状態であるかを判定し(S514)、普通図柄の時短状態であれば(S514:Yes)、今現在が、特別図柄の大当たり中であるか否かを判定する(S515)。判定の結果、特別図柄の大当たり中であれば(S515:Yes)、S517の処理に移行する。本実施形態では、特別図柄の大当たり中は、球が第2入球口640に入ることをできるだけ抑制するために、普通図柄の当たりになった場合でも、普通図柄の外れとなった場合と同様に、電動役物640aの開放回数、および開放時間が設定される。
S515の処理において、特別図柄の大当たり中でなければ(S515:No)、パチンコ機10が特別図柄の大当たり中でなくて、パチンコ機10が普通図柄の時短状態であるので、第2入球口640に付随する電動役物640aの開放期間を1秒間に設定すると共に、その開放回数を3回に設定し(S516)、S519の処理へ移行する。S514の処理において、普通図柄の時短状態ではない場合は(S514:No)、S517の処理へ移行する。S517の処理では、パチンコ機10が特別図柄の大当たり中であるか、又は、パチンコ機10が普通図柄の通常状態であるので、第2入球口640に付随する電動役物640aの開放期間を0.2秒間に設定すると共に、その開放回数を1回に設定し(S517)、S519の処理へ移行する。
S512の処理において、普通図柄の外れであると判定された場合には(S512:No)、外れ時の表示態様を設定する(S518)。このS518の処理では、第2図柄表示装置83における変動表示が終了した後に、停止図柄(第2図柄)として「×」の図柄が点灯表示されるように設定する。外れ時の表示態様の設定が終了したら、S519の処理へ移行する。
S519の処理では、普通図柄の時短状態であるかを判定し(S519)、普通図柄の時短状態である(即ち、確変カウンタ203gの値が1以上であるか、時短中カウンタ203rの値が1以上である)と判定した場合は(S519:Yes)、第2図柄表示装置83における変動表示の変動時間を3秒間に設定して(S520)、本処理を終了する。一方、普通図柄の時短状態でない(即ち、確変カウンタ203g、時短中カウンタ203rの値が共に0である)と判定した場合は(S519:No)、第2図柄表示装置83における変動表示の変動時間を30秒間に設定して(S521)、本処理を終了する。このように、特別図柄の大当たり中を除き、普通図柄の高確率時には、普通図柄の低確率時と比較して、変動表示の時間が「30秒→3秒」と非常に短くなり、更に、第2入球口640の開放期間が「0.2秒×1回→1秒間×3回」と非常に長くなるので、第2入球口640へ球が入球し易い状態となる。
S502の処理において、第2図柄表示装置83の表示態様が変動中であれば(S502:Yes)、第2図柄表示装置83において実行している変動表示の変動時間が経過したか否かを判別する(S522)。尚、ここでの変動時間は、第2図柄表示装置83において変動表示が開始される前に、S520の処理またはS521の処理によって予め設定された時間である。
S522の処理において、変動時間が経過していなければ(S522:No)、本処理を終了する。一方、S522の処理において、実行している変動表示の変動時間が経過していれば(S522:Yes)、第2図柄表示装置83の停止表示を設定する(S523)。S523の処理では、普通図柄の抽選が当たりとなって、S513の処理により表示態様が設定されていれば、第2図柄としての「○」図柄が、第2図柄表示装置83において停止表示(点灯表示)されるように設定される。一方、普通図柄の抽選が外れとなって、S518の処理により表示態様が設定されていれば、第2図柄としての「×」図柄が、第2図柄表示装置83において停止表示(点灯表示)されるように設定される。S523の処理により、停止表示が設定されると、次にメイン処理(図32参照)の第2図柄表示更新処理(S907参照)が実行された場合に、第2図柄表示装置83における変動表示が終了し、S513の処理またはS518の処理で設定された表示態様で、停止図柄(第2図柄)が第2図柄表示装置83に停止表示(点灯表示)される。
次に、第2図柄表示装置83において実行中の変動表示が開始されたときに、普通図柄変動処理によって行われた普通図柄の抽選結果(今回の抽選結果)が、普通図柄の当たりであるかを判定する(S524)。今回の抽選結果が普通図柄の当たりであれば(S524:Yes)、第2入球口640に付随する電動役物640aの開閉制御開始を設定し(S525)、本処理を終了する。S525の処理によって、電動役物640aの開閉制御開始が設定されると、次にメイン処理(図32参照)の電動役物開閉処理(S905参照)が実行された場合に、電動役物640aの開閉制御が開始され、S516の処理またはS517の処理で設定された開放時間および開放回数が終了するまで電動役物640aの開閉制御が継続される。一方、S524の処理において、今回の抽選結果が普通図柄の外れであれば(S524:No)、S525の処理をスキップして、本処理を終了する。
次に、図29のフローチャートを参照して、主制御装置110内のMPU201により実行されるスルーゲート通過処理(S107)を説明する。図29は、このスルーゲート通過処理(S107)を示すフローチャートである。このスルーゲート通過処理(S107)は、タイマ割込処理(図24参照)の中で実行され、普通入球口(スルーゲート)67における球の通過の有無を判断し、球の通過があった場合に、第2当たり乱数カウンタC4が示す値を取得し保留するための処理である。
スルーゲート通過処理では、まず、球が普通入球口67を通過したか否かを判定する(S601)。ここでは、普通入球口67における球の通過を3回のタイマ割込処理にわたって検出する。そして、球が普通入球口67を通過したと判定されると(S601:Yes)、普通図柄保留球数カウンタ203fの値(普通図柄における変動表示の保留回数M)を取得する(S602)。そして、普通図柄保留球数カウンタ203fの値(M)が上限値(本実施形態では4)未満であるか否かを判定する(S603)。
球が普通入球口67を通過していないか(S601:No)、或いは、球が普通入球口67を通過していても普通図柄保留球数カウンタ203fの値(M)が4未満でなければ(S603:No)、本処理を終了する。一方、球が普通入球口67を通過し(S601:Yes)、且つ、普通図柄保留球数カウンタ203fの値(M)が4未満であれば(S603:Yes)、普通図柄保留球数カウンタ203fの値(M)を1加算する(S604)。そして、上述したタイマ割込処理のS103で更新した第2当たり乱数カウンタC4の値を、RAM203の普通図柄保留球格納エリア203cの空き保留エリア(保留第1エリア〜保留第4エリア)のうち最初のエリアに格納して(S605)、本処理を終了する。尚、S605の処理では、普通図柄保留球カウンタ203fの値を参照し、その値が0であれば、保留第1エリアを最初のエリアとする。同様に、その値が1であれば保留第2エリアを、その値が2であれば保留第3エリアを、その値が3であれば保留第4エリアを、それぞれ最初のエリアとする。
図30は、主制御装置110内のMPU201により実行されるNMI割込処理を示すフローチャートである。NMI割込処理は、停電の発生等によるパチンコ機10の電源遮断時に、主制御装置110のMPU201により実行される処理である。このNMI割込処理により、電源断の発生情報がRAM203に記憶される。即ち、停電の発生等によりパチンコ機10の電源が遮断されると、停電信号SG1が停電監視回路252から主制御装置110内のMPU201のNMI端子に出力される。すると、MPU201は、実行中の制御を中断してNMI割込処理を開始し、電源断の発生情報の設定として、電源断の発生情報をRAM203に記憶し(S701)、NMI割込処理を終了する。
なお、上記のNMI割込処理は、払出発射制御装置111でも同様に実行され、かかるNMI割込処理により、電源断の発生情報がRAM213に記憶される。即ち、停電の発生等によりパチンコ機10の電源が遮断されると、停電信号SG1が停電監視回路252から払出制御装置111内のMPU211のNMI端子に出力され、MPU211は実行中の制御を中断して、NMI割込処理を開始するのである。
次に、図31を参照して、主制御装置110に電源が投入された場合に主制御装置110内のMPU201により実行される立ち上げ処理について説明する。図31は、この立ち上げ処理を示すフローチャートである。この立ち上げ処理は電源投入時のリセットにより起動される。立ち上げ処理では、まず、電源投入に伴う初期設定処理を実行する(S801)。例えば、スタックポインタに予め決められた所定値を設定する。次いで、サブ側の制御装置(音声ランプ制御装置113、払出制御装置111等の周辺制御装置)が動作可能な状態になるのを待つために、ウエイト処理(本実施形態では1秒)を実行する(S802)。そして、RAM203のアクセスを許可する(S803)。
その後は、電源装置115に設けたRAM消去スイッチ122(図3参照)がオンされているか否かを判別し(S804)、オンされていれば(S804:Yes)、処理をS812へ移行する。一方、RAM消去スイッチ122がオンされていなければ(S804:No)、更にRAM203に電源断の発生情報が記憶されているか否かを判別し(S805)、記憶されていなければ(S805:No)、前回の電源遮断時の処理が正常に終了しなかった可能性があるので、この場合も、処理をS812へ移行する。
RAM203に電源断の発生情報が記憶されていれば(S805:Yes)、RAM判定値を算出し(S806)、算出したRAM判定値が正常でなければ(S807:No)、即ち、算出したRAM判定値が電源遮断時に保存したRAM判定値と一致しなければ、バックアップされたデータは破壊されているので、かかる場合にも処理をS812へ移行する。なお、図32のS914の処理で後述する通り、RAM判定値は、例えばRAM203の作業領域アドレスにおけるチェックサム値である。このRAM判定値に代えて、RAM203の所定のエリアに書き込まれたキーワードが正しく保存されているか否かによりバックアップの有効性を判断するようにしても良い。
S812の処理では、サブ側の制御装置(周辺制御装置)となる払出制御装置111を初期化するために払出初期化コマンドを送信する(S812)。払出制御装置111は、この払出初期化コマンドを受信すると、RAM213のスタックエリア以外のエリア(作業領域)をクリアし、初期値を設定して、遊技球の払い出し制御を開始可能な状態となる。主制御装置110は、払出初期化コマンドの送信後は、RAM203の初期化処理(S813,S814)を実行する。
上述したように、本パチンコ機10では、例えばホールの営業開始時など、電源投入時にRAMデータを初期化する場合にはRAM消去スイッチ122を押しながら電源が投入される。従って、立ち上げ処理の実行時にRAM消去スイッチ122が押されていれば、RAMの初期化処理(S813,S814)を実行する。また、電源断の発生情報が設定されていない場合や、RAM判定値(チェックサム値等)によりバックアップの異常が確認された場合も同様に、RAM203の初期化処理(S813,S814)を実行する。RAMの初期化処理(S813,S814)では、RAM203の使用領域を0クリアし(S813)、その後、RAM203の初期値を設定する(S814)。
S814の処理が終了した後は、処理をS810へと移行する。
一方、RAM消去スイッチ122がオンされておらず(S804:No)、電源断の発生情報が記憶されており(S805:Yes)、更にRAM判定値(チェックサム値等)が正常であれば(S807:Yes)、RAM203にバックアップされたデータを保持したまま、電源断の発生情報をクリアする(S808)。次に、サブ側の制御装置(周辺制御装置)を駆動電源遮断時の遊技状態に復帰させるための復電時の払出復帰コマンドを送信し(S809)、S810の処理へ移行する。払出制御装置111は、この払出復帰コマンドを受信すると、RAM213に記憶されたデータを保持したまま、遊技球の払い出し制御を開始可能な状態となる。
S810の処理では、演出許可コマンドを音声ランプ制御装置113へ送信し、音声ランプ制御装置113および表示制御装置114に対して各種演出の実行を許可する。S810の処理が終了した後は、割込みを許可して(S811)、後述するメイン処理に移行する。
次に、図32を参照して、上記した立ち上げ処理後に主制御装置110内のMPU201により実行されるメイン処理について説明する。図32は、このメイン処理を示すフローチャートである。このメイン処理では遊技の主要な処理が実行される。その概要として、4m秒周期の定期処理としてS901〜S907の各処理が実行され、その残余時間でS910,S911のカウンタ更新処理が実行される構成となっている。
メイン処理においては、まず、タイマ割込処理(図24参照)の実行中に、RAM203に設けられたコマンド送信用のリングバッファに記憶されたコマンド等の出力データをサブ側の各制御装置(周辺制御装置)に送信する外部出力処理を実行する(S901)。具体的には、タイマ割込処理(図24参照)におけるS101のスイッチ読み込み処理で検出した入賞検知情報の有無を判別し、入賞検知情報があれば払出制御装置111に対して獲得球数に対応する賞球コマンドを送信する。また、特別図柄変動処理(図25参照)や始動入賞処理(図27参照)で設定された保留球数コマンドを音声ランプ制御装置113に送信する。また、始動入賞処理で設定された入賞情報コマンドを音声ランプ制御装置113に送信する。また、遊技状態が変更された場合に、その遊技状態の変更を通知するための状態コマンドを音声ランプ制御装置113に送信する。更に、この外部出力処理により、第3図柄表示装置81による第3図柄の変動表示に必要な変動パターンコマンド、停止種別コマンド等を音声ランプ制御装置113に送信する。また、大当たり制御処理(図33参照)で設定されたオープニングコマンド、ラウンド数コマンド、エンディングコマンドを音声ランプ制御装置113へ送信する。加えて、球の発射を行う場合には、発射制御装置112へ球発射信号を送信する。
次に、変動種別カウンタCS1の値を更新する(S902)。具体的には、変動種別カウンタCS1を1加算すると共に、そのカウンタ値が最大値(本実施形態では256)に達した際、0にクリアする。そして、変動種別カウンタCS1の更新値を、RAM203の該当するバッファ領域に格納する。
変動種別カウンタCS1の更新が終わると、払出制御装置111より受信した賞球計数信号や払出異常信号を読み込み(S903)、次いで、特別図柄の大当たり状態である場合に、大当たり演出の実行や、可変入賞装置65の特定入賞口(大開放口)65aを開放又は閉鎖するための大当たり制御処理を実行する(S904)。大当たり制御処理では、大当たりのラウンド毎に特定入賞口(大開放口)65aを開放し、最大開放時間が経過したか、又は球が規定数入賞したかを判定する。そして、これら何れかの条件が成立すると特定入賞口65aを閉鎖する。ここで、本実施形態では、大当たり制御処理(S904)をメイン処理において実行しているが、タイマ割込処理において実行しても良い。この大当たり制御処理(S904)の詳細については、図33を参照して後述する。
次に、第2入球口640に付随する電動役物640aの開閉制御を行う電動役物開閉処理を実行する(S905)。電動役物開閉処理では、普通図柄変動処理(図28参照)のS525の処理によって電動役物640aの開閉制御開始が設定された場合に、電動役物640aの開閉制御を開始する。尚、この電動役物640aの開閉制御は、普通図柄変動処理(図28参照)におけるS516の処理またはS517の処理で設定された開放時間および開放回数が終了するまで継続される。
次に、第1図柄表示装置37の表示を更新する第1図柄表示更新処理を実行する(S906)。第1図柄表示更新処理では、特別図柄変動開始処理(図26参照)のS307の処理またはS309の処理によって変動パターンが設定された場合に、その変動パターンに応じた変動表示を、第1図柄表示装置37において開始する。本実施形態では、第1図柄表示装置37のLED37aの内、変動が開始されてから変動時間が経過するまでは、例えば、現在点灯しているLEDが赤であれば、その赤のLEDを消灯すると共に緑のLEDを点灯させ、緑のLEDが点灯していれば、その緑のLEDを消灯すると共に青のLEDを点灯させ、青のLEDが点灯していれば、その青のLEDを消灯すると共に赤のLEDを点灯させる。
なお、メイン処理は4ミリ秒毎に実行されるが、そのメイン処理の実行毎にLEDの点灯色を変更すると、LEDの点灯色の変化を遊技者が確認することができない。そこで、遊技者がLEDの点灯色の変化を確認することができるように、メイン処理が実行される毎にカウンタ(図示せず)を1カウントし、そのカウンタが100に達した場合に、LEDの点灯色の変更を行う。即ち、0.4s毎にLEDの点灯色の変更を行う。尚、カウンタの値は、LEDの点灯色が変更されたら、0にリセットされる。
また、第1図柄表示更新処理では、特別図柄変動開始処理(図26参照)のS307の処理またはS309の処理によって設定された変動パターンに対応する変動時間が終了した場合に、第1図柄表示装置37において実行されている変動表示を終了し、特別図柄変動開始処理(図26参照)のS306の処理またはS308の処理によって設定された表示態様で、停止図柄(第1図柄)を第1図柄表示装置37に停止表示(点灯表示)する。
次に、第2図柄表示装置83の表示を更新する第2図柄表示更新処理を実行する(S907)。第2図柄表示更新処理では、普通図柄変動開始処理(図28参照)のS520の処理またはS521の処理によって普通図柄(第2図柄)の変動時間が設定された場合に、第2図柄表示装置83において変動表示を開始する。これにより、第2図柄表示装置83では、普通図柄(第2図柄)としての「○」の図柄と「×」の図柄とを交互に点灯させる変動表示が行われる。また、第2図柄表示更新処理では、普通図柄変動処理(図28参照)のS523の処理によって第2図柄表示装置83の停止表示が設定された場合に、第2図柄表示装置83において実行されている変動表示を終了し、普通図柄変動開始処理(図28参照)のS513の処理またはS518の処理によって設定された表示態様で、停止図柄(第2図柄)を第2図柄表示装置83に停止表示(点灯表示)する。
その後は、RAM203に電源断の発生情報が記憶されているか否かを判別し(S908)、RAM203に電源断の発生情報が記憶されていなければ(S908:No)、停電監視回路252から停電信号SG1は出力されておらず、電源は遮断されていない。よって、かかる場合には、次のメイン処理の実行タイミングに至ったか否か、即ち今回のメイン処理の開始から所定時間(本実施形態では4ミリ秒)が経過したか否かを判別し(S909)、既に所定時間が経過していれば(S909:Yes)、処理をS901へ移行し、上述したS901以降の各処理を繰り返し実行する。
一方、今回のメイン処理の開始から未だ所定時間(4ミリ秒)が経過していなければ(S909:No)、所定時間に至るまでの間、即ち、次のメイン処理の実行タイミングに至るまでの残余時間内において、第1初期値乱数カウンタCINI1、第2初期値乱数カウンタCINI2及び変動種別カウンタCS1の更新を繰り返し実行する(S910,S911)。
まず、第1初期値乱数カウンタCINI1と第2初期値乱数カウンタCINI2との更新を実行する(S910)。具体的には、第1初期値乱数カウンタCINI1と第2初期値乱数カウンタCINI2を1加算すると共に、そのカウンタ値が最大値(本実施形態では共に399)に達した際、0にクリアする。そして、第1初期値乱数カウンタCINI1と第2初期値乱数カウンタCINI2の更新値を、RAM203の該当するバッファ領域にそれぞれ格納する。次に、変動種別カウンタCS1の更新を、S902の処理と同一の方法によって実行する(S911)。
ここで、S901〜S907の各処理の実行時間は遊技の状態に応じて変化するため、次のメイン処理の実行タイミングに至るまでの残余時間は一定でなく変動する。故に、かかる残余時間を使用して第1初期値乱数カウンタCINI1と第2初期値乱数カウンタCINI2の更新を繰り返し実行することにより、第1初期値乱数カウンタCINI1と第2初期値乱数カウンタCINI2(即ち、第1当たり乱数カウンタC1の初期値、第2当たり乱数カウンタC4の初期値)をランダムに更新することができ、同様に変動種別カウンタCS1についてもランダムに更新することができる。
また、S908の処理において、RAM203に電源断の発生情報が記憶されていれば(S908:Yes)、停電の発生または電源のオフにより電源が遮断され、停電監視回路252から停電信号SG1が出力された結果、図30のNMI割込処理が実行されたということなので、S912以降の電源遮断時の処理が実行される。まず、各割込処理の発生を禁止し(S912)、電源が遮断されたことを示す電源断コマンドを他の制御装置(払出制御装置111や音声ランプ制御装置113等の周辺制御装置)に対して送信する(S913)。そして、RAM判定値を算出して、その値を保存し(S914)、RAM203のアクセスを禁止して(S915)、電源が完全に遮断して処理が実行できなくなるまで無限ループを継続する。ここで、RAM判定値は、例えば、RAM203のバックアップされるスタックエリア及び作業エリアにおけるチェックサム値である。
なお、S908の処理は、S901〜S907で行われる遊技の状態変化に対応した一連の処理の終了時、又は、残余時間内に行われるS910とS911の処理の1サイクルの終了時となるタイミングで実行されている。よって、主制御装置110のメイン処理において、各設定が終わったタイミングで電源断の発生情報を確認しているので、電源遮断の状態から復帰する場合には、立ち上げ処理の終了後、処理をS901の処理から開始することができる。即ち、立ち上げ処理において初期化された場合と同様に、処理をS901の処理から開始することができる。よって、電源遮断時の処理において、MPU201が使用している各レジスタの内容をスタックエリアへ退避したり、スタックポインタの値を保存しなくても、初期設定の処理(図31のS801参照)において、スタックポインタが所定値(初期値)に設定されることで、S901の処理から開始することができる。従って、主制御装置110の制御負担を軽減することができると共に、主制御装置110が誤動作したり暴走することなく正確な制御を行うことができる。
次に、図33のフローチャートを参照して、主制御装置110内のMPU201により実行される大当たり制御処理(S904)を説明する。図33は、この大当たり制御処理(S904)を示すフローチャートである。この大当たり制御処理(S904)は、メイン処理(図32参照)の中で実行され、パチンコ機10が特別図柄の大当たり状態である場合に、大当たりに応じた各種演出の実行や、特定入賞口(大開放口)65aを開放又は閉鎖するための処理である。
大当たり制御処理では、まず、特別図柄の大当たりが開始されるかを判定する(S1001)。具体的には、特別図柄変動処理(図25参照)のS215の処理が実行され、特別図柄の大当たりの開始が設定されていれば、特別図柄の大当たりが開始されると判定する。S1001の処理において、特別図柄の大当たりが開始される場合には(S1001:Yes)、オープニング選択テーブル202e(図14参照)から、今回の大当たり種別と、現在の遊技状態とに応じたオープニング種別を決定する(S1002)。そして、決定したオープニング種別を通知するためのオープニングコマンドを設定する(S1003)。なお、上述した通り、オープニング種別としてオープニングAが設定された場合には、特別排出流路65e2へと球が流下し難くなるので、大当たり後の遊技状態として確変状態が設定され難くなる。一方、オープニングBが設定された場合には、特別排出流路65e2へと球が流下し易くなるので、大当たり後の遊技状態として確変状態が設定され易くなる。
ここで設定されたオープニングコマンドは、RAM203に設けられたコマンド送信用のリングバッファに記憶され、MPU201により実行されるメイン処理(図32参照)の外部出力処理(S901)の中で、音声ランプ制御装置113に向けて送信される。音声ランプ制御装置113は、オープニングコマンドを受信すると、表示用オープニングコマンドを表示制御装置114へ送信する。表示制御装置114によって表示用オープニングコマンドが受信されると、第3図柄表示装置81においてオープニング演出が開始される。S1003の処理後は、流路ソレノイド(確変ソレノイド)65kの動作パターンを(図7参照)の開始を設定する(S1004)。次いで、確変カウンタ203g、時短中カウンタ203rの値を0にリセットし(S1005)、大当たりフラグ203sをオンに設定して(S1006)、本処理を終了する。
一方、S1001の処理において、特別図柄の大当たりの開始タイミングではないと判定された場合は(S1001:No)、特別図柄の大当たり中であるかを判定する(S1007)。特別図柄の大当たり中としては、第1図柄表示装置37及び第3図柄表示装置81において特別図柄の大当たり(特別図柄の大当たり遊技中も含む)を示す表示がなされている最中と、特別図柄の大当たり遊技終了後の所定時間の最中とが含まれる。S1007の処理において、特別図柄の大当たり中でなければ(S1007:No)、本処理を終了する。
一方、S1007の処理において、特別図柄の大当たり中であれば(S1007:Yes)、新たなラウンドの開始タイミングであるかを判定し(S1008)、新たなラウンドの開始タイミングであれば(S1008:Yes)、ラウンド数に応じた特定入賞口(大開放口)65aの動作を設定するための大当たり動作設定処理を実行し(S1009)、本処理を終了する。なお、この大当たり動作設定処理(S1009)の詳細については、図34を参照して後述する。
一方、S1008の処理において、新たなラウンドの開始タイミングでなければ(S1008:No)エンディング演出の開始タイミングであるかを判定する(S1010)。具体的には、通常時より多量の賞球の払い出しが行われる特別遊技状態(大当たりの全てのラウンド)が終了した場合に、エンディング演出の開始タイミングであると判定する。
S1010の処理において、エンディング演出の開始タイミングであると判定した場合には(S1010:Yes)、エンディングコマンドを設定し(S1011)、本処理を終了する。ここで設定されたエンディングコマンドは、RAM203に設けられたコマンド送信用のリングバッファに記憶され、MPU201により実行されるメイン処理(図32参照)の外部出力処理(S901)の中で、音声ランプ制御装置113に向けて送信される。音声ランプ制御装置113は、エンディングコマンドを受信すると、表示用エンディングコマンドを表示制御装置114へ送信する。表示制御装置114によって表示用エンディングコマンドが受信されると、第3図柄表示装置81においてエンディング演出が開始される。
一方、S1010の処理において、エンディング演出の開始タイミングでないと判定した場合には(S1010:No)、次に、今回の大当たり(特別遊技状態)の終了タイミングであるかを判定する(S1012)。即ち、エンディング演出の終了タイミングであるかを判別する。S1012の処理において、大当たり(特別遊技状態)の終了タイミングでないと判定した場合には(S1012:No)、特定入賞口(大開放口)65aへの入賞に応じた処理を行うための入賞処理を実行する(S1014)。尚、この入賞処理(S1014)の詳細については、図36を参照して後述する。入賞処理(S1014)の終了後は、特定入賞口(大開放口)65aに対して入球した球が正常に排出されたかを判別するための異常処理を実行して(S1015)、本処理を終了する。この異常処理(S1015)の詳細については、図37を参照して後述する。
一方、S1012の処理において、大当たりの終了タイミングであると判定した場合には(S1012:Yes)、次いで、大当たり終了後の遊技状態を設定するための大当たり終了処理を実行し(S1013)、本処理を終了する。尚、この大当たり終了処理(S1013)の詳細については、図35を参照して後述する。
次に、図34のフローチャートを参照して、主制御装置110内のMPU201により実行される大当たり動作設定処理(S1009)の詳細について説明する。図34は、この大当たり動作設定処理(S1009)を示すフローチャートである。この大当たり動作設定処理(S1009)は、大当たり制御処理(図33参照)の中で実行され、上述した通り、ラウンド数に応じた大開放口(第1大開放口65a、第2大開放口650a)の動作、および振分回転体661の動作を設定するための処理である。
この大当たり動作設定処理(図34参照)が開始されると、まず、ラウンド数に対応した開放動作を読み込むと共に(S1101)、大開放口65aの開放を設定して(S1102)、本処理を終了する。この大当たり動作設定処理(図34参照)を実行することにより、大当たり種別に応じた開放パターンを正確に設定することができる。
次に、図35のフローチャートを参照して、主制御装置110内のMPU201により実行される大当たり終了処理(S1013)の詳細について説明する。図35は、この大当たり終了処理(S1013)を示すフローチャートである。この大当たり終了処理(S1013)は、大当たり制御処理(図33参照)の中で実行され、上述した通り、大当たり終了後の遊技状態を設定するための処理である。
この大当たり終了処理(S1013)では、まず、確変設定フラグ203hがオンであるかを判別する(S1201)。S1201の処理において、確変設定フラグ203hがオンであると判別した場合は(S1201:Yes)、大当たり中に確変スイッチ65e3を球が通過したことを意味するので、確変カウンタ203gの値に50を設定することで大当たり後に50回の確変状態を設定し(S1202)、S1204の処理へ移行する。一方、S1201の処理において、確変設定フラグ203hがオフであれば(S1201:No)、時短中カウンタ203rの値に100を設定し(S1203)、S1204の処理へ移行する。
S1204の処理では、S1202、またはS1203の処理で更新後の確変カウンタ203g、時短中カウンタ203rの各値から、大当たり終了後の遊技状態を音声ランプ制御装置113に対して通知するための状態コマンドを設定する(S1204)。次いで、大当たりフラグ203sおよび確変設定フラグ203hを共にオフに設定して(S1205)、本処理を終了する。
この大当たり終了処理(図35参照)を実行することにより、大当たり中に確変スイッチ65e3を球が通過したか否かに応じて大当たり終了後の遊技状態を正確に設定することができる。
次に、図36のフローチャートを参照して、主制御装置110内のMPU201により実行される入賞処理(S1014)の詳細について説明する。図36は、この入賞処理(S1014)を示すフローチャートである。この入賞処理(S1014)は、大当たり制御処理(図33参照)の中で実行され、上述した通り、特定入賞口(大開放口)65aへの入賞に応じた制御を行うための処理である。
この入賞処理(S1014)では、まず、現在がラウンド有効期間であるかを判別する(S1301)。ここで、ラウンド有効期間とは、ラウンド遊技が設定されている期間、即ち、特定入賞口(大開放口)65aの開放状態からインターバル期間(3秒)が終了するまでの期間である。S1301の処理において、ラウンド有効期間でなければ(S1301:No)、そのまま本処理を終了する。
一方、S1301の処理において、現在がラウンド有効期間であると判別した場合は(S1301:Yes)、次いで、特定入賞口(大開放口)65aへの入賞を検出したかを判別し(S1302)、特定入賞口(大開放口)65aに対する入賞を検出していれば(S1302:Yes)、入賞個数カウンタ203jの値に1を加算して更新し(S1303)、S1304の処理へ移行する。これに対し、S1302の処理において、特定入賞口(大開放口)65aへの入賞を検出していなければ(S1302:No)、S1303の処理をスキップし、S1304の処理へ移行する。
S1304の処理では、入賞個数カウンタ203jの値が10以上であるかを判別し(S1304)、入賞個数カウンタ203jの値が10以上であれば(S1304:Yes)、S1306の処理へ移行する。一方、S1304の処理において、入賞個数カウンタ203jの値が9以下であると判別した場合は(S1304:No)、ラウンド時間が経過したかを判別し(S1305)、ラウンド時間が経過していれば(S1305:Yes)、S1306の処理へと移行する。
S1306の処理では、特定入賞口(大開放口)65aの閉鎖を設定し(S1306)、残球タイマフラグ203mをオンに設定して(S1307)、S1308の処理へ移行する。また、S1304の処理において入賞個数カウンタの値が9以下と判別され(S1304)、且つ、S1305の処理においてラウンド時間が経過していないと判別された場合には(S1305:No)、S1306、およびS1307の処理をスキップして、処理をS1308へと移行する。
S1308の処理では、動作カウンタ203kの値が1以上の値であるかを判定し(S1308)、動作カウンタ203kの値が1以上であれば(S1308:Yes)、動作カウンタ203kの値から1を減算して(S1309)、S1310の処理へ移行する。
一方、S1308の処理において動作カウンタ203kの値が0であると判定した場合は(S1308:No)、次いで、確変有効フラグ203oがオンであるかを判別する(S1316)。S1316の処理において、確変有効フラグ203oがオフであれば(S1316:No)、そのまま本処理を終了する。
一方、確変有効フラグ203oがオンであれば(S1316:Yes)、確変有効タイマ203pの値に1を加算し(S1317)、次いで、確変有効タイマ203pの値が上限値(本実施形態では1.2秒)であるかを判別する(S1318)。そして、確変有効タイマ203pの値が上限値でなければ(S1318:No)、S1310の処理へ移行し、確変スイッチ65e3を監視して確変設定フラグ203hを更新する処理を実行する。これにより、確変有効タイマ203pが上限値でないと、確変スイッチ65e3を球が通過したか判別されるので、球はけの時間を考慮して確変状態を設定できる。また、有効と判別される時間に上限があるので、不正に確変スイッチ65e3に球を通過させて確変状態が付与されることを抑制できる。
一方、確変有効タイマ203pの値が上限値であれば(S1318:Yes)、確変有効フラグ203oをオフに設定し(S1319)、確変有効タイマ203pの値をリセットして(S1320)、本処理を終了する。
また、S1310の処理では、球が確変スイッチ65e3を通過したか否かを判別し(S1310)、球が確変スイッチe3を通過していなければ(S1310:No)、S1313の処理へ移行する。一方、球が確変スイッチ65e3を通過していれば(S1310:Yes)、確変通過カウンタ203iの値に1を加算し(S1311)、確変設定フラグ203hをオンに設定して(S1312)、S1313処理へ移行する。
S1313の処理では、動作カウンタ203kの値が0か否かを判別し(S1313)、動作カウンタ203kの値が0でないと判別した場合は(S1313:No)、そのまま本処理を終了する。一方、動作カウンタ203kの値が0であれば(S1313:Yes)、流路ソレノイド(確変ソレノイド)65kをオフに設定し(S1314)、確変有効フラグ203oをオンに設定して(S1315)、本処理を終了する。
次に、図37のフローチャートを参照して、主制御装置110内のMPU201により実行される異常処理(S1015)を説明する。図37は、この異常処理(S1015)を示すフローチャートである。この異常処理(S1015)は、大当たり制御処理(図33参照)の中で実行される処理であり、上述した通り、特定入賞口(大開放口)65aに対して入球した球が正常に排出されたかを判別するための処理である。
異常処理(S1015)では、まず、現在がラウンド有効期間であるかを判別し(S1401)、ラウンド有効期間でなければ(S1401:No)、そのまま本処理を終了する。一方、ラウンド有効期間であると判別した場合は(S1401:Yes)、次いで、球が球排出口スイッチ65e4(図6(b)参照)を通過したかを判別する(S1402)。
S1402の処理において、球が球排出口スイッチ65e4を通過したと判別した場合は(S1402:Yes)、排出個数カウンタ203qの値に1を加算し(S1403)、S1404の処理へ移行する。一方、S1402の処理において、球が球排出口スイッチ65e4を通過していなければ(S1402:No)、S1403の処理をスキップしS1404の処理へ移行する。
S1404の処理では、残球タイマフラグ203mがオンであるかを判別する(S1404)。残球タイマフラグ203mがオフであると判別した場合は(S1404:No)、そのまま本処理を終了する。一方、残球タイマフラグ203mがオンであれば(S1404:Yes)、球はけ期間中であるので、残球タイマ203nの値に1を加算して更新する(S1405)。次に、残球タイマ203nの値が上限値(本実施形態では3秒)であるかを判別し(S1406)、残球タイマ203nの値が上限値でなければ(S1406:No)、そのまま本処理を終了する。一方、残球タイマ203nの値が上限値(3秒)であると判別した場合は(S1406:Yes)、次いで、排出個数(確変通過カウンタ203iの値と、排出個数カウンタ203qの値との合計値)が入賞個数(入賞個数カウンタ203jの値)と一致しているかを判別する(S1407)。
S1407の処理において、排出個数と入賞個数とが一致していないと判別した場合は(S1407:No)、エラーコマンドを設定し(S1408)、S1409の処理へ移行する。エラーコマンドを音声ランプ制御装置113が受信することにより、エラー表示(例えば、入賞個数不一致エラーの文字を表示)がされ、ホールコンピュータに対して、エラー信号の出力がされる。よって、特別排出流路65e2が閉鎖されている期間に、不正に球を特別排出流路65e2へと入球させて確変スイッチ54e3を通過させる不正を抑制できる。
一方、S1407の処理において、排出個数と入賞個数とが一致したと判別した場合は(S1407:Yes)、S1408の処理をスキップし、S1409の処理へと移行する。S1409の処理では、残球タイマフラグ203mをオフに設定し(S1409)、次いで、残球タイマ203nの値をリセットする(S1410)。その後、入賞個数カウンタ203j、排出個数カウンタ203q、確変通過カウンタ203iの値をそれぞれリセットし(S1411)、本処理を終了する。
この異常処理(図37参照)を実行することにより、可変入賞装置65の内部で球詰まりが生じる等により、特定入賞口(大開放口)65aへと入球した球が正常に排出されなくなってしまう不具合の発生を早期に検出し、報知することができる。
<第1実施形態における音声ランプ制御装置の制御処理について>
次に、図38〜図42を参照して、音声ランプ制御装置113内のMPU221により実行される各制御処理を説明する。かかるMPU221の処理としては大別して、電源投入に伴い起動される立ち上げ処理と、その立ち上げ処理後に実行されるメイン処理とがある。
まず、図38を参照して、音声ランプ制御装置113内のMPU221により実行される立ち上げ処理を説明する。図38は、この立ち上げ処理を示したフローチャートである。この立ち上げ処理は電源投入時に起動される。
立ち上げ処理が実行されると、まず、電源投入に伴う初期設定処理を実行する(S1501)。具体的には、スタックポインタに予め決められた所定値を設定する。その後、電源断処理中フラグがオンしているか否かによって、今回の立ち上げ処理が瞬間的な電圧降下(瞬間的な停電、所謂「瞬停」)によって、S1616の電源断処理(図39参照)の実行途中に開始されたものであるか否かが判断される(S1502)。図39を参照して後述する通り、音声ランプ制御装置113は、主制御装置110から電源断コマンドを受信すると(図39のS1613参照)、S1616の電源断処理を実行する。かかる電源断処理の実行前に、電源断処理中フラグがオンされ、該電源断処理の終了後に、電源断処理中フラグはオフされる。よって、S1616の電源断処理が実行途中であるか否かは、電源断処理中フラグの状態によって判断できる。
電源断処理中フラグがオフであれば(S1502:No)、今回の立ち上げ処理は、電源が完全に遮断された後に開始されたか、瞬間的な停電が生じた後であってS1616の電源断処理の実行を完了した後に開始されたか、或いは、ノイズなどによって音声ランプ制御装置113のMPU221にのみリセットがかかって(主制御装置110からの電源断コマンドを受信することなく)開始されたものである。よって、これらの場合には、RAM223のデータが破壊されているか否かを確認する(S1503)。
RAM223のデータ破壊の確認は、次のように行われる。即ち、RAM223の特定の領域には、S1506の処理によって「55AAh」のキーワードとしてのデータが書き込まれている。よって、その特定領域に記憶されるデータをチェックし、該データが「55AAh」であればRAM223のデータ破壊は無く、逆に「55AAh」でなければRAM223のデータ破壊を確認することができる。RAM223のデータ破壊が確認されれば(S1503:Yes)、S1504へ移行して、RAM223の初期化を開始する。一方、RAM223のデータ破壊が確認されなければ(S1503:No)、S1508へ移行する。
なお、今回の立ち上げ処理が、電源が完全に遮断された後に開始された場合には、RAM223の特定領域に「55AAh」のキーワードは記憶されていないので(電源断によってRAM223の記憶は喪失するから)、RAM223のデータ破壊と判断され(S1503:Yes)、S1504へ移行する。一方、今回の立ち上げ処理が、瞬間的な停電が生じた後であってS1616の電源断処理の実行を完了した後に開始されたか、或いは、ノイズなどによって音声ランプ制御装置113のMPU221にのみリセットがかかって開始された場合には、RAM223の特定領域には「55AAh」のキーワードが記憶されているので、RAM223のデータは正常と判断されて(S1503:No)、S1508の処理へと移行する。
S1502の処理において、電源断処理中フラグがオンであれば(S1502:Yes)、今回の立ち上げ処理は、瞬間的な停電が生じた後であって、S1616の電源断処理の実行途中に、音声ランプ制御装置113のMPU221にリセットがかかって開始されたものである。かかる場合は電源断処理の実行途中なので、RAM223の記憶状態は必ずしも正しくない。よって、かかる場合には制御を継続することはできないので、処理をS1504へ移行して、RAM223の初期化を開始する。
S1504の処理では、RAM223の全範囲の記憶領域をチェックして(S1504)、次いで、RAM223の各記憶領域が正常であるか否かを判別する(S1505)。チェック方法としては、まず、1バイト毎に「0FFh」を書き込み、それを1バイト毎に読み出して「0FFh」であるか否かを確認し、「0FFh」であれば正常と判別する。かかる1バイト毎の書き込み及び確認を、「0FFh」に次いで、「55h」、「0AAh」、「00h」の順に行う。このRAM223の読み書きチェックにより、RAM223のすべての記憶領域が0クリアされる。
S1505の処理において、RAM223のすべての記憶領域について、読み書きチェックが正常と判別されれば(S1505:Yes)、RAM223の特定領域に「55AAh」のキーワードを書き込んで、RAM破壊チェックデータを設定し(S1506)、処理をS1508へと移行する。この特定領域に書き込まれた「55AAh」のキーワードを確認することにより、RAM223にデータ破壊があるか否かがチェックされる。
一方、S1505の処理において、RAM223のいずれかの記憶領域で読み書きチェックの異常が検出されれば(S1505:No)、RAM223の異常を報知して(S1507)、電源が遮断されるまで無限ループする。RAM223の異常は、表示ランプ34により報知される。なお、音声出力装置226により音声を出力してRAM223の異常報知を行うようにしても良いし、表示制御装置114にエラーコマンドを送信して、第3図柄表示装置81にエラーメッセージを表示させるようにしてもよい。
S1508の処理では、電源断フラグ223yがオンされているか否かを判別する(S1508)。電源断フラグ223yはS1616の電源断処理の実行時にオンされる(図39のS1615参照)。つまり、電源断フラグ223yは、S1616の電源断処理が実行される前にオンされるので、電源断フラグ223yがオンされた状態でS1508の処理に至るのは、今回の立ち上げ処理が、瞬間的な停電が生じた後であって、S1616の電源断処理の実行を完了した状態で開始された場合である。従って、かかる場合には(S1508:Yes)、音声ランプ制御装置113の各処理を初期化するためにRAMの作業エリアをクリアし(S1509)、RAM223の初期値の設定を行う(S1510)。なお、RAM223の作業エリアとしては、主制御装置110から受信したコマンド等を記憶する領域以外の領域をいう。
S1510の処理後は、主制御装置110のMPU201によって立ち上げ処理(図31参照)の中で設定された状態コマンドの通知内容に応じて確変状態フラグ223e、時短状態フラグ223fを更新する(S1511)。これにより、電源投入時からパチンコ機10の遊技状態を正確に把握することができる。S1511の処理後は、割込み許可を設定して(S1512)、メイン処理へ移行する。
一方、電源断フラグ223yがオフされた状態でS1508の処理に至るのは、今回の立ち上げ処理が、例えば電源が完全に遮断された後に開始されたためにS1504からS1506の処理を経由してS1508の処理へ至ったか、或いは、ノイズなどによって音声ランプ制御装置113のMPU221にのみリセットがかかって(主制御装置110からの電源断コマンドを受信することなく)開始された場合である。よって、かかる場合には(S1508:No)、RAM223の作業領域のクリア処理であるS1509をスキップして、S1510〜S1512の処理を実行し、メイン処理へ移行する。
なお、S1509のクリア処理をスキップするのは、S1504からS1506の処理を経由してS1508の処理へ至った場合には、S1504の処理によって、既にRAM223のすべての記憶領域はクリアされているし、ノイズなどによって音声ランプ制御装置113のMPU221にのみリセットがかかって、立ち上げ処理が開始された場合には、RAM223の作業領域のデータをクリアせず保存しておくことにより、音声ランプ制御装置113の制御を継続できるからである。
次に、図39を参照して、音声ランプ制御装置113の立ち上げ処理後に音声ランプ制御装置113内のMPU221により実行されるメイン処理について説明する。図39は、このメイン処理を示したフローチャートである。メイン処理が実行されると、まず、メイン処理が開始されてから、又は、前回のS1601の処理が実行されてから1m秒以上が経過したか否かが判別され(S1601)、1m秒以上経過していなければ(S1601:No)、S1602〜S1610の処理を行わずにS1611の処理へ移行する。S1601の処理で、1m秒経過したか否かを判別するのは、S1602〜S1610が主に表示(演出)に関する処理であり、短い周期(1ミリ秒以内)で編集する必要がないのに対して、S1611のコマンド判定処理や、S1612の変動表示設定処理を短い周期で実行する方が好ましいからである。S1611の処理が短い周期で実行されることにより、主制御装置110から送信されるコマンドの受信洩れを防止でき、S1612の処理が短い周期で実行されることにより、コマンド判定処理によって受信されたコマンドに基づき、変動演出に関する設定を遅滞なく行うことができる。
S1601の処理で1ミリ秒以上経過していれば(S1601:Yes)、まず、S1602〜S1612の処理によって設定された、表示制御装置114に対する各種コマンドを、表示制御装置114に対して送信する(S1602)。次いで、表示ランプ34の点灯態様の設定や後述するS1608の処理で編集されるランプの点灯態様となるよう各ランプの出力を設定し(S1603)、その後電源投入報知処理を実行する(S1604)。電源投入報知処理は、電源が投入された場合に所定の時間(例えば30秒)電源が投入されたことを知らせる報知を行うものであり、その報知は音声出力装置226やランプ表示装置227により行われる。また、第3図柄表示装置81の画面において電源が供給されたことを報知するようコマンドを表示制御装置114に送信するものとしても良い。なお、電源投入時でなければ、電源投入報知処理による報知は行わずにS1605の処理へ移行する。
S1605の処理では客待ち演出処理が実行され、その後、保留個数表示更新処理が実行される(S1606)。客待ち演出処理では、パチンコ機10が遊技者により遊技されない時間が所定時間経過した場合に、第3図柄表示装置81の表示をタイトル画面に切り替える設定などが行われ、その設定がコマンドとして表示制御装置114に送信される。保留個数表示更新処理では、特別図柄保留球数カウンタ223bの値に応じて保留ランプ(図示せず)を点灯させる処理が行われる。
その後、枠ボタン入力監視・演出処理が実行される(S1607)。この枠ボタン入力監視・演出処理では、演出効果を高めるために遊技者に操作される枠ボタン22が押されたか否かの入力を監視し、枠ボタン22の入力が確認された場合に対応した演出を行うよう設定する処理である。この処理では、枠ボタン22の遊技者による操作が検出されると、表示制御装置114に対して枠ボタン22が操作されたことを通知する枠ボタン操作コマンドを設定する。
また、変動演出が未実行の期間や、高速変動期間中に枠ボタン22が押された場合は、ステージを変更する処理を行い、表示制御装置114に対する背面画像変更コマンドを設定する。この背面画像変更コマンドに、変更後のステージに対応する背面画像の種別に関する情報を含めることにより、表示制御装置114において、第3図柄表示装置81に表示される背面画像を、ステージに応じた画像に変更する処理が行われる。また、変動表示開始時に予告キャラが出現した場合に枠ボタン22を押すことで今回の変動による大当たりの期待値を表示したり、リーチ演出中に枠ボタン22を押すことで大当たりへの期待感を持てる演出に変更したり、枠ボタン22を複数のリーチ演出のうち1のリーチ演出を選択するための決定ボタンとしても良い。なお、枠ボタン22が配設されていない場合には、S1607の処理は省略される。
枠ボタン入力監視・演出処理が終わると、ランプ編集処理を実行し(S1608)、その後音編集・出力処理を実行する(S1609)。ランプ編集処理では、第3図柄表示装置81で行われる表示に対応するよう電飾部29〜33の点灯パターンなどが設定される。音編集・出力処理では、第3図柄表示装置81で行われる表示に対応するよう音声出力装置226の出力パターンなどが設定され、その設定に応じて音声出力装置226から音が出力される。
S1609の処理後、液晶演出実行管理処理が実行される(S1610)。液晶演出実行管理処理では、主制御装置110から送信される変動パターンコマンドに基づいて第3図柄表示装置81で行われる変動表示に要する時間と同期した時間が設定される。この液晶演出実行監視処理で設定された時間に基づいてS1608のランプ編集処理が実行される。なお、S1609の音編集・出力処理も第3図柄表示装置81で行われる変動表示に要する時間と同期した時間で実行される。
S1610の処理が終了すると、S1611の処理へ移行する。S1611の処理では、主制御装置110より受信したコマンドに応じた処理を行うコマンド判定処理を行う(S1611)。このコマンド判定処理の詳細については、図40を参照して後述する。そして、コマンド判定処理の後、変動表示設定処理が実行される(S1612)。変動表示設定処理では、第3図柄表示装置81において変動演出を実行させるために、主制御装置110より受信した変動パターンコマンドに基づいて表示用変動パターンコマンドが生成されて設定される。その結果、そのコマンドが表示制御装置114に送信される。なお、この変動表示設定処理の詳細については、図42を参照して後述する。
S1612の処理が終了すると、ワークRAM233に電源断の発生情報が記憶されているか否かを判別する(S1613)。電源断の発生情報は、主制御装置110から電源断コマンドを受信した場合に記憶される。S1613の処理において、電源断の発生情報が記憶されていると判別された場合は(S1613:Yes)、電源断フラグ223y、及び電源断処理中フラグを共にオンに設定して(S1615)、電源断処理を実行する(S1616)。電源断処理の実行後は、電源断処理中フラグをオフし(S1617)、その後、処理を無限ループする。電源断処理では、割込処理の発生を禁止すると共に、各出力ポートをオフして、音声出力装置226およびランプ表示装置227からの出力をオフする。また、電源断の発生情報の記憶も消去する。
一方、S1613の処理で電源断の発生情報が記憶されていなければ(S1613:No)、RAM223に記憶されるキーワードに基づき、RAM223が破壊されているか否かが判別され(S1614)、RAM223が破壊されていなければ(S1614:No)、S1601の処理へ戻り、繰り返しメイン処理が実行される。一方、RAM223が破壊されていれば(S1614:Yes)、以降の処理の実行を停止させるために、処理を無限ループする。ここで、RAM破壊と判別されて無限ループするとメイン処理が実行されないので、その後、第3図柄表示装置81による表示が変化しない。よって、遊技者は、異常が発生したことを知ることができるので、ホールの店員などを呼びパチンコ機10の修復などを頼むことができる。また、RAM223が破壊されていると確認された場合に、音声出力装置226やランプ表示装置227によりRAM破壊の報知を行うものとしても良い。
次に、図40を参照して、音声ランプ制御装置113内のMPU221により実行されるコマンド判定処理(S1611)について説明する。図40は、このコマンド判定処理(S1611)を示したフローチャートである。このコマンド判定処理(S1611)は、音声ランプ制御装置113内のMPU221により実行されるメイン処理(図39参照)の中で実行され、上述したように、主制御装置110から受信したコマンドを判定するための処理である。
コマンド判定処理では、まず、RAM223に設けられたコマンド記憶領域から、未処理のコマンドのうち主制御装置110より受信した最初のコマンドを読み出し、解析して、主制御装置110より変動パターンコマンドを受信したか否かを判定する(S1701)。S1701の処理において、変動パターンコマンドを受信したと判定した場合には(S1701:Yes)、RAM223に設けられた変動開始フラグ223cをオンし(S1702)、また、受信した変動パターンコマンドから変動パターン種別を抽出して(S1703)、本処理を終了する。ここで抽出された変動パターン種別は、RAM223に記憶され、後述の変動表示設定処理(図42参照)が実行される場合に参照される。そして、表示制御装置114に対して変動演出の開始とその変動パターン種別を通知する表示用変動パターンコマンドを設定するために用いられる。
一方、S1701の処理において、変動パターンコマンドを受信していないと判定した場合には(S1701:No)、次いで、主制御装置110より停止種別コマンドを受信したか否かを判定する(S1704)。そして、停止種別コマンドを受信した場合には(S1704:Yes)、RAM223の停止種別選択フラグ223dをオンに設定し(S1705)、受信した停止種別コマンドから停止種別を抽出して(S1706)、本処理を終了する。ここで抽出された停止種別は、RAM223に記憶され、後述の変動表示設定処理(図42参照)が実行される場合に参照される。そして、表示制御装置114に対して変動演出の停止種別を通知する表示用停止種別コマンドを設定するために用いられる。
一方、S1704の処理において、停止種別コマンドを受信していないと判定した場合には(S1704:No)、次いで、主制御装置110より保留球数コマンドを受信したか否かを判定する(S1707)。そして、保留球数コマンドを受信したと判定した場合には(S1707:Yes)、受信した保留球数コマンドに含まれている値、即ち、主制御装置110の第1特別図柄保留球数カウンタ203dの値(第1特別図柄の抽選に基づく変動表示の保留回数N1)、または第2特別図柄保留球数カウンタ203eの値(第2特別図柄に基づく変動表示の保留回数N2)を抽出し、これを音声ランプ制御装置113の特別図柄保留球数カウンタ223bに格納する(S1708)。また、S1708の処理では、更新された特別図柄保留球数カウンタ223bの値を表示制御装置114へ通知するための表示用保留球数コマンドを設定する。S1708の処理の終了後は、本処理を終了する。
ここで、保留球数コマンドは、球が第1入球口64、若しくは第2入球口640に入賞(始動入賞)したとき、または特別図柄の抽選が行われたときに主制御装置110から送信されるので、始動入賞が検出される毎に、又は、特別図柄の抽選が行われる毎に、S1708の処理によって音声ランプ制御装置113の特別図柄保留球数カウンタ223bの値を主制御装置110の第1特別図柄保留球数カウンタ203dの値、および第2特別図柄保留球数カウンタ203eの値に合わせることができる。よって、ノイズなどの影響により、音声ランプ制御装置113の特別図柄保留球数カウンタ223bの値が主制御装置110の第1特別図柄保留球数カウンタ203d、および第2特別図柄保留球数カウンタ203eの値とずれても、始動入賞の検出時や特別図柄の抽選時に、音声ランプ制御装置113の特別図柄保留球数カウンタ223bの値を修正し、主制御装置110の第1特別図柄保留球数カウンタ203d、および第2特別図柄保留球数カウンタ203eの値に合わせることができる。尚、S1708の処理が実行されると、更新された特別図柄保留球数カウンタ223bの値を表示制御装置114へ通知するための表示用保留球数コマンドが設定される。これにより、表示制御装置114では、保留球数に応じた保留球数図柄が第3図柄表示装置81に表示される。
S1707の処理において、保留球数コマンドを受信していないと判定した場合には(S1707:No)、次いで、主制御装置110より状態コマンドを受信したか否かを判定する(S1709)。そして、状態コマンドを受信したと判定した場合には(S1709:Yes)、受信したコマンドに応じて確変状態フラグ223e、回転位置格納エリア223fの各値を更新する(S1710)。即ち、状態コマンドに含まれる遊技状態(確変状態であるか否か)に応じた情報に基づき、確変状態が通知された場合には、確変状態フラグ223eをオンに設定し、時短状態が通知された場合には、時短状態フラグ223fをオンに設定し、通常状態が通知された場合には、確変状態フラグ223e、および時短状態フラグ223fをオフに設定する。これにより、パチンコ機10の遊技状態が変更された場合に、その変更を音声ランプ制御装置113が容易に把握することができる。
一方、S1709の処理において、状態コマンドを受信していないと判定した場合には(S1709:No)、次いで、大当たり関連コマンド(オープニングコマンド、ラウンド数コマンド、エンディングコマンドのいずれか)を受信したか否かを判定する(S1711)。そして、大当たり関連コマンドを受信したと判定した場合には(S1711:Yes)、大当たり関連コマンドを判別し、対応する制御を実行するための大当たり関連処理を実行して(S1712)、本処理を終了する。
一方、S1711の処理において、大当たり関連コマンドを受信していないと判定した場合には(S1711:No)、その他のコマンドに応じた処理を実行し(S1713)、本処理を終了する。S1713の処理では、その他のコマンドが、音声ランプ制御装置113で用いるコマンドであればそのコマンドに対応した処理を行い、処理結果をRAM223に記憶し、表示制御装置114で用いるコマンドであればそのコマンドを表示制御装置114に送信するように、コマンドの設定を行うものである。
次に、図41を参照して、音声ランプ制御装置113内のMPU221により実行される大当たり関連処理(S1712)について説明する。図41は、この大当たり関連処理(S1712)を示したフローチャートである。
大当たり関連処理では、まず、オープニングコマンドを受信したか否かを判定し(S1801)、オープニングコマンドを受信していれば(S1801:Yes)、表示用オープニングコマンドを設定する(S1802)。ここで設定された表示用オープニングコマンドは、RAM223に設けられたコマンド送信用のリングバッファに記憶され、MPU221により実行されるメイン処理(図39参照)のコマンド出力処理(S1602)の中で、表示制御装置114に向けて送信される。表示制御装置114は、表示用オープニングコマンドを受信すると、第3図柄表示装置81において大当たりの開始を報知するためのオープニング演出を開始する。S1802の処理が終了すると、本大当たり関連処理(図41参照)を終了する。
一方、S1801の処理において、オープニングコマンドを受信していないと判定した場合には(S1801:No)、次いで、主制御装置110よりラウンド数コマンドを受信したか否かを判定する(S1803)。そして、ラウンド数コマンドを受信したと判定した場合には(S1803:Yes)、受信したラウンド数コマンドからラウンド数を抽出し(S1804)、その抽出したラウンド数に応じた表示用ラウンド数コマンドを設定する(S1805)。ここで設定された表示用ラウンド数コマンドは、RAM223に設けられたコマンド送信用のリングバッファに記憶され、MPU221により実行されるメイン処理(図39参照)のコマンド出力処理(S1602)の中で、表示制御装置114に向けて送信される。表示制御装置114は、表示用ラウンド数コマンドを受信すると、第3図柄表示装置81において新たなラウンド演出を開始する。S1805の処理後は、本処理を終了する。
一方、S1803の処理において、ラウンド数コマンドを受信していないと判定した場合には(S1803:No)、次いで、主制御装置110よりエンディングコマンドを受信したか否かを判定する(S1806)。そして、エンディングコマンドを受信したと判定した場合には(S1806:Yes)、表示用エンディングコマンドを設定して(S1807)、本処理を終了する。ここで設定された表示用エンディングコマンドは、RAM223に設けられたコマンド送信用のリングバッファに記憶され、MPU221により実行されるメイン処理(図39参照)のコマンド出力処理(S1602)の中で、表示制御装置114に向けて送信される。表示制御装置114は、表示用エンディングコマンドを受信すると、第3図柄表示装置81においてエンディング演出を開始する。
一方、S1806の処理において、エンディングコマンドを受信していないと判定した場合には(S1806:No)、そのまま本処理を終了する。この大当たり関連処理を実行することにより、大当たりに関連する各種のコマンドに応じて適切な制御を実行することができる。
次に、図47を参照して、音声ランプ制御装置113内のMPU221により実行される変動表示設定処理(S1612)について説明する。図42は、この変動表示設定処理(S1612)を示したフローチャートである。この変動表示設定処理(S1612)は、音声ランプ制御装置113内のMPU221により実行されるメイン処理(図39参照)の中で実行され、第3図柄表示装置81において変動演出を実行させるために、主制御装置110より受信した変動パターンコマンドに基づいて表示用変動パターンコマンドを生成し設定する。
変動表示設定処理では、まず、RAM223に設けられた変動開始フラグ223cがオンか否かを判別する(S1901)。そして、変動開始フラグ223cがオンではない(即ち、オフである)と判別した場合は(S1901:No)、主制御装置110より変動パターンコマンドを受信していない状態であるので、S1906の処理へ移行する。一方、S1901の処理において、変動開始フラグ223cがオンであると判別された場合は(S1901:Yes)、変動開始フラグ223cをオフし(S1902)、次いで、コマンド判定処理(図40参照)のS1703の処理において、変動パターンコマンドから抽出した変動演出における変動パターン種別を、RAM223より取得する(S1903)。
そして、取得した変動パターン種別に基づいて、表示制御装置114へ通知するための表示用変動パターンコマンドを生成して、そのコマンドを表示制御装置114へ送信するために設定する(S1904)。表示制御装置114では、この表示用変動パターンコマンドを受信することによって、この表示用変動パターンコマンドによって示される変動パターンで、第3図柄表示装置81において第3図柄の変動表示が行われるように、その変動演出の表示制御が開始される。
次いで、入賞情報格納エリア223aに格納されたデータをシフトして(S1905)、処理をS1906へと移行する。S1905の処理では、入賞情報格納エリア223aの第1エリア〜第4エリアに格納されているデータを、実行エリア側に順にシフトさせる処理を行う。より具体的には、第1エリア→実行エリア、第2エリア→第1エリア、第3エリア→第2エリア、第4エリア→第3エリアといった具合に各エリア内のデータをシフトする。
S1906の処理では、RAM233に設けられた停止種別選択フラグ223dがオンか否かを判別する(S1906)。そして、停止種別選択フラグ223dがオンではない(即ち、オフである)と判別された場合(S1906:No)、主制御装置110より停止種別コマンドを受信していない状態であるので、この変動表示設定処理を終了し、メイン処理に戻る。
一方、停止種別選択フラグ223dがオンであると判別された場合(S1906:Yes)、停止種別選択フラグ223dをオフに設定し(S1907)、次いで、コマンド判定処理(図40参照)のS1706の処理において、停止種別コマンドから抽出された変動演出における停止種別を、RAM223より取得する(S1908)。次に、S1908の処理で取得した停止種別に基づいて、表示用停止種別コマンドを設定し(S1909)、本処理を終了する。表示制御装置114では、この表示用停止種別コマンドを受信することによって、この表示用停止種別コマンドによって示される停止種別で、第3図柄表示装置81において第3図柄の停止表示が行われるように制御される。
<第1実施形態における表示制御装置の制御処理について>
次に、図43〜図56を参照して、表示制御装置114のMPU231により実行される各制御について説明する。かかるMPU231の処理としては大別して、電源投入後から繰り返し実行されるメイン処理と、音声ランプ制御装置113よりコマンドを受信した場合に実行されるコマンド割込処理と、画像コントローラ237より1フレーム分の画像の描画処理が完了する20ミリ秒毎に送信されるV割込信号をMPU231が検出した場合に実行されるV割込処理とがある。MPU231は、通常、メイン処理を実行し、コマンドの受信やV割込信号の検出に合わせて、コマンド割込処理やV割込処理を実行する。尚、コマンドの受信とV割込信号の検出とが同時に行われた場合は、コマンド受信処理を優先的に実行する。これにより、音声ランプ制御装置113より受信したコマンドの内容を素早く反映して、V割込処理を実行させることができる。
まず、図43を参照して、表示制御装置114内のMPU231により実行されるメイン処理について説明する。図43は、このメイン処理を示したフローチャートである。メイン処理は、電源投入時の初期化処理を実行するものである。
このメイン処理の起動は、具体的には、以下の流れに従って行われる。電源回路115から表示制御装置114に対して電源が投入され、システムリセットが解除されると、MPU231は、そのハードウェア構成によって、MPU231内に設けられた命令ポインタ231aを「0000H」に設定すると共に、命令ポインタ231aにて示されるアドレス「0000H」をバスライン240に対して指定する。キャラクタROM234のROMコントローラ234bは、バスライン240に指定されたアドレスが「0000H」であることを検知すると、NOR型ROM234dの第1プログラム記憶エリア234d1に記憶されたブートプログラムをバッファRAM234cにセットして、対応するデータ(命令コード)をMPU231へ出力する。そして、MPU231は、キャラクタROM234から受け取った命令コードをフェッチし、そのフェッチした命令に応じた処理の実行を開始することで、メイン処理を起動する。
ここで、仮にシステムリセット解除後にMPU231によって最初に処理されるブートプログラムを全てNAND型フラッシュメモリ234aに記憶させた場合、キャラクタROM234は、バスライン240に指定されたアドレスが「0000H」であることを検知すると、アドレス「0000H」に対応するデータ(命令コード)を含む1ページ分のデータをNAND型フラッシュメモリ234aから読み出してバッファRAM234cにセットしなければならない。そして、NAND型フラッシュメモリ234aの性質上、その読み出しからバッファRAM234cへのセットに多大な時間を要するので、MPU231は、アドレス「0000H」を指定してからアドレス「0000H」に対応する命令コードを受け取るまでに多くの待ち時間を消費することとなる。よって、MPU231の起動にかかる時間が長くなるので、結果として、表示制御装置114における第3図柄表示装置81の制御が即座に開始されないおそれがあるという問題点が生じる。
これに対し、本実施形態のように、ブートプログラムのうち、システムリセット解除後にMPU231によって最初に処理すべき命令から所定数の命令がNOR型ROM234dに格納されることにより、NOR型ROMは高速にデータを読み出すことが可能なメモリであるため、システムリセット解除後にMPU231からバスライン240を介してアドレス「0000H」が指定されると、キャラクタROM234は即座にNOR型ROM234dの第1プログラム記憶エリア234d1に記憶されたブートプログラムをバッファRAM234cにセットして、対応するデータ(命令コード)をMPU231へ出力することができる。よって、MPU231は、アドレス「0000H」を指定してから短い時間でアドレス「0000H」に対応する命令コードを受け取ることができるので、MPU231においてメイン処理の起動を短時間で行うことができる。従って、読み出し速度の遅いNAND型フラッシュメモリ234aで構成されたキャラクタROM234に制御プログラムを格納しても、表示制御装置114における第3図柄表示装置81の制御を即座に開始することができる。
以上のようにしてメイン処理が実行されると、まず、ブートプログラムによって実行されるブート処理を実行し(S2001)、第3図柄表示装置81に対する各種制御が実行可能となるように表示制御装置114を起動する。
ここで、図44を参照して、ブート処理(S2001)について説明する。図44は、表示制御装置114のMPU231において、メイン処理の中で実行されるブート処理(S2001)を示すフローチャートである。
上述したように、本実施形態では、MPU231によって実行される制御プログラムや固定値データは、従来の遊技機のように専用のプログラムROMを設けて記憶させるのではなく、第3図柄表示装置81に表示させる画像のデータを記憶させるために設けられたキャラクタROM234に記憶させている。そしてキャラクタROM234は、小面積で大容量化を図ることが可能なNAND型フラッシュメモリ234aによって構成されているため、画像データだけでなく制御プログラム等を十分に記憶させておくことができる一方、制御プログラム等を記憶する専用のプログラムROMを設ける必要がない。よって、表示制御装置114における部品点数を削減することができ、製造コストを削減できるほか、部品数増加による故障発生率の増加を抑制することができる。
一方、一般的にNAND型フラッシュメモリは、特にランダムアクセスを行う場合において読み出し速度が遅いため、MPU231がNAND型フラッシュメモリ234aに格納された制御プログラムや固定値データを直接読み出して処理していては、MPU231として高性能のプロセッサを用いても、表示制御装置114の処理性能を悪化させてしまうおそれがある。そこで、本ブート処理では、NAND型フラッシュメモリ234aの第2プログラム記憶エリア234a1に記憶されている制御プログラム及び固定値データを、DRAMによって構成されるワークRAM233に設けられたプログラム格納エリア233aやデータテーブル格納エリア233bへ転送し格納する処理を実行する。
具体的には、まず、上述のMPU231及びキャラクタROM234のハードウェアによる動作に基づき、システムリセット解除後にNOR型ROM234dの第1プログラム記憶エリア234d1より読み出されバッファRAM234cにセットされたブートプログラムに従って、第2プログラム記憶エリア234a1に記憶されている制御プログラムのうち、所定量だけプログラム格納エリア233aへ転送する(S2101)。ここで転送される所定量の制御プログラムには、第1プログラム記憶エリア234d1に記憶されていない残りのブートプログラムが含まれる。
そして、命令ポインタ231aをプログラム格納エリア233aの第1の所定番地、即ち、プログラム格納エリア233aに格納されたその残りのブートプログラムの先頭アドレスを設定する(S2102)。これにより、MPU231は、S2101の処理によってプログラム格納エリア233aに転送され格納された制御プログラムに含まれる残りのブートプログラムの実行を開始する。
また、S2102の処理により命令ポインタ231aをプログラム格納エリア233aの所定番地に設定することで、MPU231は、そのワークRAM233のプログラム格納エリア233aに格納された制御プログラムを読み出しながら、各種処理を実行することになる。即ち、MPU231は、第2プログラム記憶エリア234a1を有するNAND型フラッシュメモリ234aから制御プログラムを読み出して命令フェッチするのではなく、プログラム格納エリア233aを有するワークRAM233に転送された制御プログラムを読み出して命令フェッチし、各種処理を実行する。上述したように、ワークRAM233はDRAMによって構成されるため、高速に読み出し動作が行われる。よって、制御プログラムを読み出し速度の遅いNAND型フラッシュメモリ234aによって構成されるキャラクタROM234に記憶させた場合であっても、MPU231は高速に命令をフェッチし、その命令に対する処理を実行することができる。
S2102の処理により命令ポインタ231aが設定されると、続いて、その設定された命令ポインタ231aによって実行が開始される残りのブートプログラムに従って、NAND型フラッシュメモリ234aの第2プログラム記憶エリア234a1に記憶されている制御プログラムのうちプログラム格納エリア233aに未転送である残りの制御プログラムと固定値データとを、所定量ずつプログラム格納エリア233a又はデータテーブル格納エリア233bへ転送する(S2103)。具体的には、制御プログラムおよび一部の固定データを、ワークRAM233のプログラム格納エリア233aに格納し、また、固定値データのうち上述の各種データテーブル(表示データテーブル、転送データテーブル)をデータテーブル格納エリア233bに転送する。
そして、ブート処理に必要なその他の処理を実行(S2104)した後、命令ポインタ231aをプログラム格納エリア233aの第2の所定番地、即ち、このブート処理(図43のS2001参照)の終了後に実行すべき初期化処理(図43のS2002参照)に対応するプログラムの先頭アドレスを設定することで(S2105)、ブートプログラムの実行を終え、本ブート処理を終了する。
このように、ブート処理(S2001)が実行されることによって、NAND型フラッシュメモリ234aの第2プログラム記憶エリア234a1に記憶されている制御プログラム及び固定値データは、全てDRAMによって構成されたワークRAM233のプログラム格納エリア233a及びデータテーブル格納エリア233bに転送され、格納される。そして、ブート処理の終了時に、命令ポインタ231aが上述の第2の所定番地に設定され、以後、MPU231は、NAND型フラッシュメモリ234aを参照することなく、プログラム格納エリア233aに転送された制御プログラムを用いて各種処理を実行する。
よって、制御プログラムを読み出し速度の遅いNAND型フラッシュメモリ234aによって構成されるキャラクタROM234に記憶させた場合であっても、システムリセット解除後にその制御プログラムや固定値データをワークRAM233のプログラム格納エリア233a及びデータテーブル格納エリア233bに転送することで、MPU231は、読み出し速度が高速なDRAMによって構成されるワークRAMから制御プログラムや固定値データを読み出して各種制御を行うことができるので、表示制御装置114において高い処理性能を保つことができる。
一方、NOR型ROM234dにブートプログラムを全て格納せずに、システムリセット解除後にMPU231によって最初に処理すべき命令から所定数の命令を格納しておき、残りのブートプログラムについては、NAND型フラッシュメモリ234aの第2プログラム記憶エリア234a1に記憶させても、第2プログラム記憶エリア234a1に記憶されている制御プログラムを確実にプログラム格納エリア233aに転送することができる。よって、キャラクタROM234は、極めて小容量のNOR型ROM234dを追加するだけで、MPU231の起動を短時間で行うことができるようになるので、その短時間化に伴うキャラクタROM234のコスト増加を抑制することができる。
尚、図50に示すブート処理では、S2101の処理によってプログラム格納エリア233aに転送される所定量の制御プログラムに、第1プログラム記憶エリア234d1に記憶されていない残りのブートプログラムが全て含まれるように構成されているが、必ずしもこれに限られるものではなく、S2101の処理によってプログラム格納エリア233aに転送される所定量の制御プログラムは、S2102の処理に続いて処理すべきブート処理を実行するブートプログラムの一部としてもよい。ここで転送されるブートプログラムは、残りのブートプログラムを全て含む制御プログラムを所定量だけプログラム格納エリア233aに転送し、更に、これによりプログラム格納エリア233aに格納されたブートプログラムの先頭アドレスを命令ポインタ231aに設定する処理を実行するものであってもよい。そして、プログラム格納エリア233aに格納された残り全てのブートプログラムによって、S2103〜S2105の処理を実行するようにしてもよい。
また、S2101の処理によって転送されるブートプログラムは、残りのブートプログラムの一部を更に所定量だけプログラム格納エリア233aに転送し、続いて、これによりプログラム格納エリア233aに格納されたブートプログラムの先頭アドレスを命令ポインタ231aに設定する処理を実行するものであってもよい。また、この処理によってプログラム格納エリア233aに格納された一部のブートプログラムは、更に残りのブートプログラムの一部を所定量だけプログラム格納エリア233aに転送し、続いて、これによりプログラム格納エリア233aに格納されたブートプログラムの先頭アドレスを命令ポインタ231aに設定する処理を実行するものであってもよい。そして、残りのブートプログラムの一部を所定量だけプログラム格納エリア233aに転送し、続いて、これによりプログラム格納エリア233aに格納されたブートプログラムの先頭アドレスを命令ポインタ231aに設定する処理を、S2101及びS2102の処理を含めて複数回繰り返した後、S2103〜S2105の処理を実行するようにしてもよい。
これにより、ブートプログラムのプログラムサイズが大きく、第1プログラム記憶エリア234d1に記憶されていない残りのブートプログラムが一度にプログラム格納エリア233aへ転送できなくても、MPU231はプログラム格納エリア233aに既に格納されたブートプログラムを使用して、所定量ずつプログラム格納エリア233aに転送することができる。
また、本実施形態では、第1プログラム記憶エリア234d1に、ブートプログラムのうち、システムリセット解除時にまずMPU231によって実行されるブートプログラムの一部を記憶させる場合について説明したが、全てのブートプログラムを第1プログラム記憶エリア234d1に記憶させてもよい。この場合、MPU231は、ブート処理を開始すると、S2101及びS2102の処理を行わずに、S2103〜S2105の処理を実行してもよい。これにより、ブートプログラムをプログラム格納エリア233aへ転送する処理が不要となるので、キャラクタROM234かプログラム格納エリア233aへのプログラムの転送処理回数が減るため、ブート処理の処理時間を減らすことができる。よって、ブート処理後に可能となるMPU231における補助演出部の制御の開始をより早く行うことができる。
ここで、図43の説明に戻る。ブート処理を終了すると、次いで、ワークRAM233のプログラム格納エリア233aに転送され格納された制御プログラムに従って、初期設定処理を実行する(S2002)。具体的には、スタックポインタの値をMPU231内に設定すると共に、MPU231内のレジスタ群や、I/O装置等に対する各種の設定などを行う。また、ワークRAM233、常駐用ビデオRAM235、通常用ビデオRAM236の記憶をクリアする処理などが行われる。更に、ワークRAM233に各種フラグを設け、それぞれのフラグに初期値を設定する。尚、各フラグの初期値として、特に明示した場合を除き、「オフ」又は「0」が設定される。
更に、初期設定処理では、画像コントローラ237の初期設定を行った後、第3図柄表示装置81に特定の色の画像が画面全体に表示されるように、画像コントローラ237に対して、画像の描画および表示処理の実行を指示する。これにより、電源投入直後において、第3図柄表示装置81には、まず、特定の色の画像が画面全体に表示される。ここで、電源投入直後に第3図柄表示装置81の画面全体に表示される画像の色が、パチンコ機の機種に応じて異なる色となるように設定されている。これにより、製造時の工場等における動作チェックにおいて、電源投入直後に、その機種に応じた色の画像が第3図柄表示装置81に表示されるか否かを検査することで、パチンコ機10が正常に起動開始できるか否かを簡易かつ即座に判断することができる。
次いで、電源投入時主画像に対応する画像データを常駐用ビデオRAM235の電源投入時主画像エリア235aへ転送するように、画像コントローラ237に対して転送指示を送信する(S2003)。この転送指示には、電源投入時主画像に対応する画像データが格納されているキャラクタROM234の先頭アドレスおよび最終アドレスと、転送先の情報(ここでは、常駐用ビデオRAM235)と、転送先である電源投入時主画像エリア235aの先頭アドレスとが含まれており、画像コントローラ237は、この転送指示に従って、電源投入時主画像に対応する画像データがキャラクタROM234から常駐用ビデオRAM235の電源投入時主画像エリア235aに転送される。
そして、転送指示により示された画像データの転送が全て完了すると、画像コントローラ237は、MPU231に対して転送終了を示す転送終了信号を送信する。MPU231はこの転送終了信号を受信することにより、転送指示で指定した画像データの転送が終了したことを把握することができる。なお、画像コントローラ237は、転送指示により示された画像データの転送を全て完了した場合、画像コントローラ237の内部に設けられたレジスタまたは内蔵メモリの一部領域に、転送終了を示す転送終了情報を書き込むようにしてもよい。そして、MPU231は随時このレジスタまたは内蔵メモリの一部領域の情報を読み出し、画像コントローラ237による転送終了情報の書き込みを検出することによって、転送指示で指定した画像データの転送が終了したことを把握するようにしてもよい。
電源投入時主画像エリア235aに転送された画像データは、電源が遮断されるまで上書きされないように保持される。S2003の処理により画像コントローラ237に対して送信された転送指示に基づき、電源投入時主画像に対応する画像データの電源投入時主画像エリア235aへの転送が終了すると、次いで、電源投入時変動画像に対応する画像データを常駐用ビデオRAM235の電源投入時変動画像エリア235bへ転送するように、画像コントローラに対して転送指示を送信する(S2004)。この転送指示には、電源投入時変動画像に対応する画像データが格納されているキャラクタROM234の先頭アドレスと、その画像データのデータサイズと、転送先の情報(ここでは、常駐用ビデオRAM235)と、転送先である電源投入時変動画像エリア235bの先頭アドレスとが含まれており、画像コントローラは、この転送指示に従って、電源投入時変動画像に対応する画像データがキャラクタROM234から常駐用ビデオRAM235の電源投入時変動画像エリア235bに転送される。そして、電源投入時変動画像エリア235bに転送された画像データは、電源が遮断されるまで上書きされないように保持される。
S2004の処理により画像コントローラ237に対して送信された転送指示に基づき、電源投入時変動画像に対応する画像データの電源投入時変動画像エリア235bへの転送が終了すると、次いで、簡易画像表示フラグ233cをオンする(S2005)。これにより、簡易画像表示フラグ233cがオンの間は、後述する転送設定処理(図54(a)参照)において、常駐用ビデオRAM235に常駐すべき全ての画像データをキャラクタROM234から常駐用ビデオRAM235へ転送するように画像コントローラ237へ転送を指示する常駐画像転送設定処理が実行される(図54(a)のS3502参照)。
また、簡易画像表示フラグ233cは、この常駐画像転送設定処理による画像コントローラ237への転送指示に基づき、常駐用ビデオRAM235に常駐すべき全ての画像データのキャラクタROM234から常駐用ビデオRAM235への転送が終了するまでの間、オンに維持される。これにより、その間は、V割込処理(図45(b)参照)において、図18に示す電源投入時画像(電源投入時主画像や電源投入時変動画像)が描画されるように、簡易コマンド判定処理(図45(b)のS2308参照)および簡易表示設定処理(図45(b)のS2309参照)が実行される。
上述したように、本パチンコ機10では、キャラクタROM234にNAND型フラッシュメモリ234aを用いているため、その読み出し速度が遅いことに起因して、常駐用ビデオRAM235に格納すべき全ての画像データが、キャラクタROM234から常駐用ビデオRAM235に転送されるまでに多くの時間を要する。そこで、本メイン処理のように、電源が投入された後、まず先に電源投入時主画像および電源投入時変動画像をキャラクタROM234から常駐用ビデオRAM235へ転送し、電源投入時主画像を第3図柄表示装置81に表示することで、残りの常駐すべき画像データが常駐用ビデオRAM235に転送されている間、遊技者やホール関係者は、第3図柄表示装置81に表示された電源投入時主画像を確認することができる。よって、表示制御装置114は、電源投入時主画像を第3図柄表示装置114に表示させている間に、時間をかけて残りの常駐すべき画像データをキャラクタROM234から常駐用ビデオRAM235に転送することができる。一方、遊技者等は、電源投入時主画像が第3図柄表示装置81に表示されている間、何らかの初期化処理が行われていることを認識できるので、残りの常駐用ビデオRAM235に常駐すべき画像データがキャラクタROM234から常駐用ビデオRAM235に転送されるまでの間、動作が停止していないか、といった不安を持つことなく、初期化が完了するまで待機することができる。
また、製造時の工場等における動作チェックにおいても、電源投入時主画像がすぐに第3図柄表示装置81に表示されることによって、第3図柄表示装置81が電源投入によって問題なく動作が開始されていることをすぐに確認することができ、キャラクタROM234に読み出し速度の遅いNAND型フラッシュメモリ234aを用いることにより動作チェックの効率が悪化することを抑制できる。
また、パチンコ機10の表示制御装置114では、電源投入後に電源投入時主画像とあわせて電源投入時変動画像もキャラクタROM234から常駐用ビデオRAM235へ転送するので、電源投入時主画像が第3図柄表示装置81に表示されている間に遊技者が遊技を開始したことにより、第1入球口64、または第2入球口640へ入球(始動入賞)があり、変動演出の開始指示が主制御装置110より音声ランプ制御装置113を介してあった場合、即ち、表示用変動パターンコマンドを受信した場合は、図18(b),(c)に示す電源投入時変動画像をその変動演出期間中に即座に表示させ、簡単な変動演出を行うことができる。よって、遊技者は、電源投入時主画像が第3図柄表示装置81に表示されている間であっても、その簡単な変動演出によって確実に抽選が行われたことを確認することができる。
また、上述したように、残りの常駐すべき画像データがキャラクタROM234から常駐用ビデオRAM235に転送されている間は、第3図柄表示装置81に電源投入時主画像が表示され続けるが、キャラクタROM234は読み出し速度の遅いNAND型フラッシュメモリ234aによって構成されているので、その転送に時間がかかるので、電源投入後、電源投入時主画像が表示され続ける時間も長くなる。しかしながら、本パチンコ機10では、電源投入後に常駐用ビデオRAM235に転送された電源投入時変動画像を用いて簡易的な変動演出を行うことができるので、電源が投入された直後、例えば、停電復帰直後などにおいて、電源投入時主画像が表示されている間であっても、遊技者に安心して遊技を行わせることができる。
S2005の処理の後、割込み許可を設定し(S2006)、以後、メイン処理は電源が切断されるまで、無限ループ処理を実行する。これにより、S2006の処理によって割込み許可が設定されて以降、コマンドの受信およびV割込信号の検出に従って、コマンド割込処理およびV割込処理を実行する。
次いで、図45(a)を参照して、表示制御装置114のMPU231で実行されるコマンド割込処理について説明する。図45(a)は、そのコマンド割込処理を示すフローチャートである。上述したように、音声ランプ制御装置113からコマンドを受信すると、MPU231によってコマンド割込処理が実行される。
このコマンド割込処理では、受信したコマンドデータを抽出し、ワークRAM233に設けられたコマンドバッファ領域に、その抽出したコマンドデータを順次格納して(S2201)、終了する。このコマンド割込処理によってコマンドバッファ領域に格納された各種コマンドは、後述するV割込処理のコマンド判定処理または簡易コマンド判定処理によって読み出され、そのコマンドに応じた処理が行われる。
次いで、図45(b)を参照して、表示制御装置114のMPU231で実行されるV割込処理について説明する。図45(b)は、そのV割込処理を示すフローチャートである。このV割込処理では、コマンド割込処理によってコマンドバッファ領域に格納されたコマンドに対応する各種処理を実行すると共に、第3図柄表示装置81に表示させる画像を特定した上で、その画像の描画リスト(図23参照)を作成し、その描画リストを画像コントローラ237に送信することで、画像コントローラ237に対し、その画像の描画処理および表示処理の実行を指示するものである。
上述したように、このV割込処理は、画像コントローラ237からのV割込信号が検出されることによって実行が開始される。このV割込信号は、画像コントローラ237において、1フレーム分の画像の描画処理が完了する20ミリ秒毎に生成され、MPU231に対して送信される信号である。よって、このV割込信号に同期させてV割込処理を実行することにより、画像コントローラ237に対して描画指示が、1フレーム分の画像の描画処理が完了する20ミリ秒毎に行われることになる。よって、画像コントローラ237では、画像の描画処理や表示処理が終了していない段階で、次の画像の描画指示を受け取ることがないので、画像の描画途中で新たな画像の描画を開始したり、表示中の画像情報が格納されているフレームバッファに、新たな描画指示に伴って画像が展開されたりすることを防止することができる。
ここでは、まず、V割込処理のフローの概略について説明し、次いで、各処理の詳細について他の図面を参照して説明する。このV割込処理では、図45(b)に示すように、まず、簡易画像表示フラグ233cがオンであるか否かを判別し(S2301)、簡易画像表示フラグ233cがオンではない、即ち、オフであれば(S2301:No)、常駐用ビデオRAM235に常駐すべき全ての画像データの転送が完了していることを意味するので、図18に示した電源投入時画像ではなく、通常の演出画像を第3図柄表示装置81に表示させるべく、コマンド判定処理(S2302)を実行し、次いで、表示設定処理(S2303)を実行する。
コマンド判定処理(S2302)では、コマンド割込処理によってコマンドバッファ領域に格納された音声ランプ制御装置113からのコマンドの内容を解析し、そのコマンドに応じた処理を実行すると共に、表示用デモコマンドや表示用変動パターンコマンドが格納されていた場合は、デモ用表示データテーブル又は変動パターン種別に応じた変動表示データテーブルを表示データテーブルバッファ233dに設定すると共に、設定された表示データテーブルに対応する転送データテーブルを転送データテーブルバッファ233eに設定する。
このコマンド判定処理では、その時点でコマンドバッファ領域に格納されている全てのコマンドを解析して、処理を実行する。これは、コマンド判定処理が、V割込処理の実行される20ミリ秒間隔で行われるため、その20ミリ秒の間に複数のコマンドがコマンドバッファ領域に格納されている可能性が高いためである。特に、主制御装置110において、変動演出の開始が決定された場合、表示用変動パターンコマンドや表示用停止種別コマンドなどが同時にコマンドバッファ領域に格納されている可能性が高い。従って、これらのコマンドを一度に解析して実行することによって、主制御装置110や音声ランプ制御装置113によって選定された変動演出の態様や停止種別を素早く把握し、その態様に応じた演出画像を第3図柄表示装置81に表示させるように、画像の描画を制御することができる。尚、このコマンド判定処理の詳細については、図46〜図50を参照して後述する。
表示設定処理(S2303)では、コマンド判定処理(S2302)などによって表示データテーブルバッファ233dに設定された表示データテーブルの内容に基づいて、第3図柄表示装置81において次に表示すべき1フレーム分の画像の内容を具体的に特定する。また、処理の状況などに応じて、第3図柄表示装置81に表示すべき演出態様を決定し、その決定した演出態様に対応する表示データテーブルを表示データテーブルバッファ233dに設定する。尚、この表示設定処理の詳細については、図51〜図53を参照して後述する。
表示設定処理が実行された後、次いで、タスク処理を実行する(S2304)。このタスク処理では、表示設定処理(S2303)もしくは簡易表示設定処理(S2309)によって特定された、第3図柄表示装置81に表示すべき次の1フレーム分の画像の内容に基づき、その画像を構成するスプライト(表示物)の種別を特定すると共に、スプライト毎に、表示座標位置や拡大率、回転角度といった描画に必要な各種パラメータを決定する。
次に、転送設定処理を実行する(S2305)。この転送設定処理では、簡易画像表示フラグ233cがオンである間は、画像コントローラ237に対して、常駐用ビデオRAM235に常駐すべき画像データをキャラクタROM234から常駐用ビデオRAM235の所定エリアへ転送させる転送指示を設定する。また、簡易画像表示フラグ233cがオフである間は、転送データテーブルバッファ233eに設定される転送データテーブルの転送データ情報に基づき、画像コントローラ237に対して、所定の画像データをキャラクタROM234から通常用ビデオRAM236の画像格納エリア236aの所定サブエリアへ転送させる転送指示を設定すると共に、音声ランプ制御装置113から連続予告コマンドや背面画像変更コマンドを受信した場合にも、画像コントローラ237に対して、連続予告演出で使用する連続予告画像の画像データや変更後の背面画像の画像データをキャラクタROM234から通常用ビデオRAM236の画像格納エリア236aの所定サブエリアへ転送させる転送指示を設定する。尚、転送設定処理の詳細については、図54および図55を参照して後述する。
次いで、描画処理を実行する(S2306)。この描画処理では、タスク処理(S2304)で決定された、1フレームを構成する各種スプライトの種別やそれぞれのスプライトの描画に必要なパラメータと、転送設定処理(S2305)により設定された転送指示とから、図23に示す描画リストを生成し、描画対象バッファ情報と共に、その描画リストを画像コントローラ237に対して送信する。これにより、画像コントローラ237では、描画リストに従って、画像の描画処理を実行する。尚、描画処理の詳細については、図56を参照して後述する。
次いで、表示制御装置114に設けられた各種カウンタの更新処理を実行する(S2307)。そして、V割込処理を終了する。S2307の処理によって更新されるカウンタとしては、例えば、停止図柄を決定するための停止図柄カウンタ(図示せず)がある。この停止図柄カウンタの値は、ワークRAM233に格納され、V割込処理が実行される度に、更新処理が行われる。そして、コマンド判定処理において、表示用停止種別コマンドの受信が検出されると、表示用停止種別コマンドにより示される停止種別(大当たりA、大当たりB、大当たりC、大当たりD、前後外れリーチ、前後外れ以外リーチ、完全外れ)に対応する停止種別テーブルと停止図柄カウンタとが比較され、第3図柄表示装置81に表示される変動演出後の停止図柄が最終的に設定される。
一方、S2301の処理において、簡易画像表示フラグ233cがオンであると判別されると(S2301:Yes)、常駐用ビデオRAM235に常駐すべき全ての画像データの転送が完了していないことを意味するので、図18に示した電源投入時画像を第3図柄表示装置81に表示させるべく、簡易コマンド判定処理(S2308)を実行し、次いで、簡易表示設定処理(S2309)を実行して、S2304の処理へ移行する。
次いで、図46〜図50を参照して、表示制御装置114のMPU231で実行されるV割込処理の一処理である上述のコマンド判定処理(S2302)の詳細について説明する。まず、図46は、このコマンド判定処理を示すフローチャートである。
このコマンド判定処理では、図46に示すように、まず、コマンドバッファ領域に未処理の新規コマンドがあるか否かを判別し(S2401)、未処理の新規コマンドがなければ(S2401:No)、コマンド判定処理を終了してV割込処理に戻る。一方、未処理の新規コマンドがあれば(S2401:Yes)、オン状態で新規コマンドを処理したことを表示設定処理(S2303)に通知する新規コマンドフラグをオンに設定し(S2402)、次いで、コマンドバッファ領域に格納されている未処理のコマンドすべてについて、そのコマンドの種別を解析する(S2403)。
そして、未処理のコマンドの中に、まず、表示用変動パターンコマンドがあるか否かを判別し(S2404)、表示用変動パターンコマンドがあれば(S2404:Yes)、変動パターンコマンド処理を実行して(S2405)、S2401の処理へ戻る。
ここで、図47(a)を参照して、変動パターンコマンド処理(S2405)の詳細について説明する。図47(a)は、変動パターンコマンド処理を示すフローチャートである。この変動パターンコマンド処理は、音声ランプ制御装置114より受信した表示用変動パターンコマンドに対応する処理を実行するものである。
変動パターンコマンド処理では、まず、表示用変動パターンコマンドによって示される変動演出パターンに対応した変動表示データテーブルを決定し、その決定した変動表示データテーブルをデータテーブル格納エリア233bから読み出して、表示データテーブルバッファ233dに設定する(S2501)。
ここで、主制御装置110において変動の開始の判断は、必ず数秒以上離れて行われるので、20ミリ秒以内に2以上の表示用変動パターンコマンドを受信することはなく、したがって、コマンド判定処理を実行する場合に、コマンドバッファ領域に2以上の表示用変動パターンコマンドが格納されている場合はあり得ないが、ノイズ等の影響によってコマンドの一部が変化し、別のコマンドが誤って表示用変動パターンコマンドとして解釈されるおそれもあり得る。S2501の処理では、このような場合に備え、2以上の表示用変動パターンコマンドがコマンドバッファ領域に格納されていると判断される場合は、変動時間が最も短い変動パターンに対応する変動表示データテーブルを表示データテーブルバッファ233dに設定する。
仮に、変動時間の長い変動パターンに対応する変動表示データテーブルを表示データテーブルバッファ233dに設定してしまうと、実際には、設定した表示データテーブルよりも短い変動時間を有する変動演出が主制御装置110によって指示されていた場合に、設定された変動表示データテーブルに従った変動演出を第3図柄表示装置81に表示させている最中に主制御装置110から次の表示用変動パターンコマンドを受信することとなり、別の変動表示が急に開始されてしまうので、遊技者に対して違和感を持たせるおそれがあった。
これに対し、本実施形態のように、変動時間が最も短い変動パターンに対応する変動表示データテーブルを表示データテーブルバッファ233dに設定することで、実際には、設定した表示データテーブルよりも長い変動時間を有する変動演出が主制御装置110によって指示されていた場合であっても、後述するように、表示データテーブルバッファ233dに従った変動演出が終了したのち、主制御装置110から次の表示用パターンコマンドを受信するまでの間、デモ演出が表示されるように、表示設定処理によって、第3図柄表示装置81の表示が制御されるので、遊技者は違和感なく第3図柄表示装置81における第3図柄の変動を見続けることができる。
次いで、S2501で設定された表示データテーブルに対応する転送データテーブルを決定してデータテーブル格納エリア233bから読み出し、それを転送データテーブルバッファ233eに設定する(S2502)。
次いで、S2501の処理によって表示データテーブルバッファ233dに設定された変動表示データテーブルに対応する変動パターンの変動時間を基に、その変動時間を表す時間データを計時カウンタ233hに設定し(S2503)、ポインタ233fを0に初期化する(S2504)。そして、デモ表示フラグ233y、および確定表示フラグ233zをいずれもオフに設定し(S2505)、本処理を終了する。
この変動パターンコマンド処理(図47(a)参照)が実行されることにより、表示設定処理では、S2504の処理によって初期化されたポインタ233fを更新しながら、S2501の処理によって表示データテーブルバッファ233dに設定された変動表示データテーブルから、ポインタ233fに示されるアドレスに規定された描画内容を抽出し、第3図柄表示装置81において次に表示すべき1フレーム分の画像の内容を特定すると同時に、S2502の処理によって転送データテーブルバッファ233eに設定された転送データテーブルから、ポインタ233fに示されるアドレスに規定された転送データ情報を抽出し、設定された変動表示データテーブルにおいて必要なスプライトの画像データが、予めキャラクタROM234から通常用ビデオRAM236の画像格納エリア236aに転送されるように、画像コントローラ237を制御する。
また、表示設定処理では、S2503の処理によって時間データが設定された計時カウンタ233hを用いて、変動表示データテーブルで規定された変動演出の時間を計時し、変動表示データテーブルにおける変動演出が終了すると判断された場合、主制御装置110からの表示用停止種別コマンドに応じた停止図柄を第3図柄表示装置81に表示するように、その停止表示の設定を制御する。
ここで、図46の説明に戻る。S2404の処理において、表示用変動パターンコマンドがないと判別されると(S2604:No)、次いで、未処理のコマンドの中に、表示用停止種別コマンドがあるか否かを判別し(S2406)、表示用停止種別コマンドがあれば(S2406:Yes)、停止種別コマンド処理を実行して(S2407)、S2601の処理へ戻る。
ここで、図47(b)を参照して、停止種別コマンド処理(S2407)の詳細について説明する。図47(b)は、停止種別コマンド処理を示すフローチャートである。この停止種別コマンド処理は、音声ランプ制御装置114より受信した表示用変動種別コマンドに対応する処理を実行するものである。
停止種別コマンド処理では、まず、表示用停止種別コマンドによって示される停止種別情報(大当たりA、大当たりB、大当たりC、大当たりD、前後外れリーチ、前後外れ以外リーチ、完全外れのいずれか)に対応する停止種別テーブルを決定し(S2601)、その停止種別テーブルと、V割込処理(図45(b)参照)が実行されるたびに更新される停止図柄カウンタの値とを比較して、第3図柄表示装置81に表示される変動演出後の停止図柄を最終的に設定する(S2602)。
そして、停止図柄毎に設けられた停止図柄判別フラグのうち、S2602の処理によって設定された停止図柄に対応する停止図柄判別フラグをオンすると共に、その他の停止図柄に対応する停止図柄判別フラグをオフに設定して(S2603)、この停止種別コマンド処理を終了し、コマンド判定処理に戻る。
ここで、上述したように、変動表示データテーブルでは、そのデータテーブルに基づく変動が開始されてから所定時間経過後において、第3図柄表示装置81に表示すべき第3図柄を特定する種別情報として、S2602の処理によって設定された停止図柄からのオフセット情報(図柄オフセット情報)が記載されている。上述のタスク処理(S2304)では、変動が開始されてから所定時間が経過した後、S2603によって設定された停止図柄判別フラグからS2602の処理によって設定された停止図柄を特定すると共に、その特定した停止図柄に対して表示設定処理により取得された図柄オフセット情報を加算することによって、実際に表示すべき第3図柄を特定する。そして、この特定された第3図柄に対応する画像データが格納されたアドレスを特定する。尚、第3図柄に対応する画像データは、上述したように、常駐用ビデオRAM235の第3図柄エリア235dに格納されている。
尚、主制御装置110において変動の開始の判断は、必ず数秒以上離れて行われるので、20ミリ秒以内に2以上の表示用停止種別コマンドを受信することはなく、したがって、コマンド判定処理を実行する場合に、コマンドバッファ領域に2以上の表示用停止種別コマンドが格納されている場合はあり得ないが、ノイズ等の影響によってコマンドの一部が変化し、別のコマンドが誤って表示用停止種別コマンドとして解釈されるおそれもあり得る。S2601の処理では、このような場合に備え、2以上の表示用停止種別コマンドがコマンドバッファ領域に格納されていると判断される場合は、停止種別が完全外れであると仮定して、停止種別テーブルを決定する。これにより、完全外れに対応する停止図柄がS2602の処理によって設定される。
仮に、「特別図柄の大当たり」に対応する停止図柄が設定されてしまうと、実際には、「特別図柄の外れ」であった場合であっても、第3図柄表示装置81には「特別図柄の大当たり」に対応する停止図柄が表示されることとなり、遊技者にパチンコ機10が「特別図柄の大当たり」となったと勘違いさせてしまい、パチンコ機10の信頼性を低下させるおそれがあった。これに対し、本実施形態のように、完全外れに対応する停止図柄が設定されることで、実際には、「特別図柄の大当たり」であれば、第3図柄表示装置81に完全外れの停止図柄が表示されても、パチンコ機10が「特別図柄の大当たり」になるので、遊技者を喜ばせることができる。
図46に戻り、説明を続ける。S2406の処理において、表示用停止種別コマンドがないと判別されると(S2406:No)、次いで、未処理のコマンドの中に、表示用オープニングコマンドがあるか否かを判別し(S2408)、表示用オープニングコマンドがあれば(S2408:Yes)、オープニングコマンド処理を実行して(S2409)、S2401の処理へ戻る。
ここで、図48(a)を参照して、オープニングコマンド処理(S2409)の詳細について説明する。図48(a)は、オープニングコマンド処理を示すフローチャートである。このオープニングコマンド処理は、音声ランプ制御装置114より受信したオープニングコマンドに対応する処理を実行するものである。
オープニングコマンド処理では、まず、オープニング表示データテーブルを表示データテーブルバッファ233dに設定する(S2701)。その後、オープニング表示データテーブルに対応する転送データテーブルを転送データテーブルバッファ233eに設定し(S2702)、設定したオープニング表示データテーブルを基に、時間データを計時カウンタ233hに設定する(S2703)。その後、ポインタ233fを0に初期化する(S2704)。そして、デモ表示フラグ233y、および確定表示フラグ233zをいずれもオフに設定して(S2705)、オープニングコマンドを終了し、コマンド判定処理に戻る。
図46に戻り、説明を続ける。S2408の処理において、表示用オープニングコマンドがないと判別されると(S2408:No)、次いで、未処理のコマンドの中に、表示用ラウンド数コマンドがあるか否かを判別し(S2410)、表示用ラウンド数コマンドがあれば(S2410:Yes)、ラウンド数コマンド処理を実行して(S2411)、S2401の処理へ戻る。
ここで、図48(b)を参照して、ラウンド数コマンド処理(S2411)の詳細について説明する。図48(b)は、ラウンド数コマンド処理を示すフローチャートである。このラウンド数コマンド処理は、音声ランプ制御装置114より受信した表示用ラウンド数コマンドに対応する処理を実行するものである。
ラウンド数コマンド処理では、まず、表示用ラウンド数コマンドによって示されるラウンド数に対応したラウンド数表示データテーブルを決定し、その決定したラウンド数表示データテーブルをデータテーブル格納エリア233bから読み出して、表示データテーブルバッファ233dに設定する(S2801)。次いで、転送データテーブルバッファ233eにNullデータを書き込むことで、その内容をクリアする(S2802)。
そして、S2801の処理によって表示データテーブルバッファ233dに設定されたラウンド数表示データテーブルを基に、その演出時間を表す時間データを計時カウンタ233hに設定し(S2803)、ポインタ233fを0に初期化する(S2804)。そして、デモ表示フラグ233y、および確定表示フラグ233zをいずれもオフに設定して(S2805)、ラウンド数コマンド処理を終了し、コマンド判定処理に戻る。
図46に戻って説明を続ける。S2410の処理において、表示用ラウンド数コマンドがないと判別されると(S2410:No)、次いで、未処理のコマンドの中に、表示用エンディングコマンドがあるか否かを判別し(S2412)、表示用エンディングコマンドがあれば(S2412:Yes)、エンディングコマンド処理を実行して(S2413)、S2401の処理へ戻る。
ここで、図49を参照して、エンディングコマンド処理(S2413)の詳細について説明する。図49は、エンディングコマンド処理を示すフローチャートである。このエンディングコマンド処理は、音声ランプ制御装置114より受信した表示用エンディングコマンドに対応する処理を実行するものである。
エンディングコマンド処理では、まず、表示用エンディングコマンドによって示されるエンディング演出の表示態様に対応したエンディング表示データテーブルを決定し、その決定したエンディング表示データテーブルをデータテーブル格納エリア233bから読み出して、表示データテーブルバッファ233dに設定する(S2901)。次いで、転送データテーブルバッファ233eにNullデータを書き込むことで、その内容をクリアする(S2902)。
次いで、S2901の処理によって表示データテーブルバッファ233dに設定されたエンディング表示データテーブルを基に、その演出時間を表す時間データを計時カウンタ233hに設定し(S2903)、ポインタ233fを0に初期化する(S2904)。そして、デモ表示フラグ233y、および確定表示フラグ233zをいずれもオフに設定して(S2905)、エンディングコマンド処理を終了し、コマンド判定処理に戻る。
ここで、図46の説明に戻る。S2412の処理において、表示用エンディングコマンドがないと判別されると(S2412:No)、次いで、未処理のコマンドの中に、背面画像変更コマンドがあるか否かを判別し(S2414)、背面画像変更コマンドがあれば(S2414:Yes)、背面画像変更コマンド処理を実行して(S2415)、S2401の処理へ戻る。
ここで、図50(a)を参照して、背面画像変更コマンド処理(S2415)の詳細について説明する。図50(a)は、背面画像変更コマンド処理を示すフローチャートである。この背面画像変更コマンド処理は、音声ランプ制御装置114より受信した背面画像変更コマンドに対応する処理を実行するものである。
背面画像変更コマンド処理では、まず、背面画像変更フラグ233wをオンに設定することで、背面画像変更コマンドを受信したことに伴う背面画像の変更を通常画像転送設定処理(S3503)に通知する。そして、背面画像判別フラグ233xを構成する各ビットのうち、背面画像変更コマンドによって示された背面種別に対応するビットをオンすると共に、その他の背面種別に対応するビットをオフに設定して(S3002)、この背面画像変更コマンド処理を終了し、コマンド判定処理に戻る。
通常画像転送設定処理では、S3001の処理により設定される背面画像変更フラグ233wがオンされていることを検出すると、S3002の処理によって設定される背面画像判別フラグ233xの各ビットから、変更後の背面画像種別を特定する。そして、その特定された背面画像種別が背面B〜Eである場合は、上述したように、それらの背面画像に対応する画像データの一部が常駐用ビデオRAM235の背面画像エリア235cに常駐されていないので、所定の範囲の背面画像に対応する画像データをキャラクタROM234から通常用ビデオRAM236の画像格納エリア236aの所定のサブエリアに転送するよう、画像コントローラ237に対する転送指示の設定を行う。
また、タスク処理(S2304)では、表示データテーブルに規定された背面画像の背面種別によって、背面A〜Eのいずれかを表示させることが規定されていた場合、S3002によって設定された背面画像判別フラグから、その時点において表示すべき背面画像種別を特定し、更に、表示すべき背面画像の範囲を時間経過に合わせて特定して、その背面画像の範囲に対応する画像データが格納されているRAM種別(常駐用ビデオRAM235か、通常用ビデオRAM236か)と、そのRAMのアドレスを特定する。
尚、本実施形態では、変動表示を実行する際に背面種別を変更するか否かの抽選(判別)を行う構成としている。変動表示は最低7秒間の変動時間が設定されるため、20ミリ秒以内に2以上の背面画像変更コマンドを受信することはなく、したがって、コマンド判定処理を実行する場合に、コマンドバッファ領域に2以上の背面画像変更コマンドが格納されている場合はないはずであるが、ノイズ等の影響によってコマンドの一部が変化し、別のコマンドが誤って背面画像変更コマンドとして解釈されるおそれもあり得る。S3202の処理では、2以上の背面画像コマンドがコマンドバッファ領域に格納されていると判断される場合、先に受信した背面画像コマンドによって示される背面画像種別に対応する背面画像判別フラグをオンしてもよいし、後に受信した背面画像コマンドによって示される背面画像種別に対応する背面画像判別フラグをオンしてもよい。また、任意の1の背面画像変更コマンドを抽出し、そのコマンドによって示される背面画像種別に対応する背面画像判別フラグをオンしてもよい。この背面画像の変更は、パチンコ機10における遊技価値の直接影響を与えるものではないので、パチンコ機10の特性や操作性に応じて、適宜設定するのが好ましい。
ここで、図46の説明に戻る。S2414の処理において、背面画像変更コマンドがないと判別されると(S2414:No)、次いで、未処理のコマンドの中に、エラーコマンドがあるか否かを判別し(S2416)、エラーコマンドがあれば(S2416:Yes)、エラーコマンド処理を実行して(S2417)、S2401の処理へ戻る。
ここで、図50(b)を参照して、エラーコマンド処理(S2417)の詳細について説明する。図50(b)は、エラーコマンド処理を示すフローチャートである。このエラーコマンド処理は、音声ランプ制御装置114より受信したエラーコマンドに対応する処理を実行するものである。
エラーコマンド処理では、まず、オン状態でエラーが発生していることを示すエラー発生フラグをオンに設定する(S3101)。そして、エラー種別毎に設けられたエラー判別フラグのうち、エラーコマンドによって示されるエラー種別に対応するエラー判別フラグをオンすると共に、その他のエラー判別フラグをオフに設定して(S3102)、エラーコマンド処理を終了し、コマンド判定処理に戻る。
表示設定処理では、S3101の処理によって設定されたエラー発生フラグに基づいて、エラーの発生を検出すると、S3102の処理によって設定されたエラー判別フラグから発生したエラー種別を判断し、そのエラー種別に対応する警告画像を第3図柄表示装置81に表示させるように処理を実行する。
尚、2以上のエラーコマンドがコマンドバッファ領域に格納されていると判断される場合、S3302に処理では、それぞれのエラーコマンドによって示される全てのエラー種別に対応するエラー判別フラグをオンに設定する。これにより、全てのエラー種別に対応する警告画像が第3図柄表示装置81に表示されるので、遊技者やホール関係者が、エラーの発生状況を正しく把握することができる。
ここで、図46の説明に戻る。S2416の処理において、エラーコマンドがないと判別されると(S2416:No)、次いで、その他の未処理のコマンドに対応する処理を実行し(S2418)、S2401の処理へ戻る。
各コマンドの処理が実行された後に再び実行されるS2401の処理では、再度、コマンドバッファ領域に未処理の新規コマンドがあるか否かを判別し、未処理の新規コマンドがあれば(S2401:Yes)、再びS2402〜S2418の処理を実行する。そして、コマンドバッファ領域に未処理の新規コマンドがなくなるまで、S2402〜S2418の処理が繰り返し実行され、S2401の処理で、コマンドバッファ領域に未処理の新規コマンドがないと判別されると、このコマンド判定処理を終了する。
尚、V割込処理(図45(b)参照)において簡易画像表示フラグ233cがオンの場合に実行される簡易コマンド判定処理(S2308)も、コマンド判定処理と同様の処理が行われる。ただし、簡易コマンド判定処理では、コマンドバッファ領域に格納されている未処理のコマンドから、図18に示す電源投入時画像を表示するのに必要なコマンド、即ち、表示用変動パターンコマンドおよび表示用停止種別コマンドだけを抽出して、それぞれのコマンドに対応する処理である、変動パターンコマンド処理(図47(a)参照)および停止種別コマンド処理(図47(b)参照)を実行すると共に、その他のコマンドについては、そのコマンドに対応する処理を実行せずに破棄する処理を行う。
ここで、この場合に実行される、変動パターンコマンド処理(図47(a)参照)では、S2501の処理で、電源投入時変動画像の表示に対応した表示データテーブルバッファが表示データテーブルバッファ233dに設定され、また、その場合に必要となる電源投入時主画像および電源投入時変動画像の画像データは常駐用ビデオRAM235の電源投入時主動画像エリア235aおよび電源投入時変動動画像エリア235bに格納されているので、S2502の処理では、転送データテーブルバッファ233bにはNullデータを書き込み、その内容をクリアする処理が行われる。
次いで、図51〜図53を参照して、表示制御装置114のMPU231で実行されるV割込処理の一処理である上述の表示設定処理(S2303)の詳細について説明する。図51は、この表示設定処理を示すフローチャートである。
この表示設定処理では、図51に示すように、新規コマンドフラグがオンであるか否かを判別し(S3201)、新規コマンドフラグがオンではない、即ち、オフであれば(S3201:No)、先に実行されるコマンド判定処理おいて新規コマンドが処理されていないと判断して、S3202〜S3204の処理をスキップし、S3205の処理へ移行する。一方、新規フラグがオンであれば(S3201:Yes)、先に実行されるコマンド判定処理おいて新規コマンドが処理されたと判断し、新規コマンドフラグをオフに設定した後(S3202)、S3203〜S3204の処理によって、新規コマンドに対応する処理を実行する。
S3203の処理では、エラー発生フラグがオンであるか否かを判別する(S3203)。そして、エラー発生フラグがオンであれば(S3203:Yes)、警告画像設定処理を実行する(S3204)。
ここで、図52を参照して、警告画像設定処理の詳細について説明する。図52は、警告画像設定処理を示すフローチャートである。この処理は、発生したエラーに対応する警告画像を第3図柄表示装置81に表示させる画像データを展開するための処理で、まず、エラー判別フラグを参照し、オンが設定された全てのエラー判別フラグに対応したエラーの警告画像を第3図柄表示装置81に表示させる警告画像データを展開する(S3301)。
タスク処理(S2304)では、この展開された警告画像データを元に、その警告画像を構成するスプライト(表示物)の種別を特定すると共に、スプライト毎に、表示座標位置や拡大率、回転角度といった描画に必要な各種パラメータを決定する。
そして、警告画像設定処理では、S3301の処理の後、エラー発生フラグをオフに設定して(S3302)、表示設定処理に戻る。
ここで、図51の説明に戻る。警告画像設定処理(S3204)の後、又は、S3203の処理において、エラー発生フラグがオンではない、即ち、オフであると判別されると(S3203:No)、次いで、S3205の処理へ移行する。
S3205の処理では、ポインタ更新処理を実行する(S3205)。ここで、図53を参照して、ポインタ更新処理の詳細について説明する。図53は、ポインタ更新処理を示すフローチャートである。このポインタ更新処理は、表示データテーブルバッファ233dおよび転送データテーブルバッファ233eの各バッファにそれぞれ格納された表示データテーブルおよび転送データテーブルから、対応する描画内容もしくは転送対象画像データの転送データ情報を取得すべきアドレスを指定するポインタ233fの更新を行う処理である。
このポインタ更新処理では、まず、ポインタ233fに1を加算する(S3401)。即ち、ポインタ233fは、原則、V割込処理が実行される度に1だけ加算されるように更新処理が行われる。また、上述したように、各種データテーブルは、アドレス「0000H」には、Start情報が記載されており、それぞれのデータの実体はアドレス「0001H」以降に規定されているところ、表示データテーブルが表示データテーブルバッファ233dに格納されるのに合わせてポインタ233fの値が0に初期化された場合は、このポインタ更新処理によってその値が1に更新されるので、アドレス「0001H」から順に、それぞれのデータテーブルから実体的なデータを読み出すことができる。
S3401の処理によって、ポインタ233fの値を更新した後、次いで、表示データテーブルバッファ233dに設定された表示データテーブルにおいて、その更新後のポインタ233fで示されるアドレスのデータがEnd情報であるか否かを判別する(S3402)。その結果、End情報であれば(S3402:Yes)、表示データテーブルバッファ233dに設定された表示データテーブルにおいて、その実体データが記載されたアドレスを過ぎてポインタ233fが更新されたことを意味する。
そこで、表示データテーブルバッファ233dに格納されている表示データテーブルがデモ用表示データテーブルであるか否かを判別して(S3403)、デモ用表示データテーブルであれば(S3403:Yes)、表示データテーブルバッファ233dに設定されているデモ用表示データテーブルの演出時間に対応する時間データを計時カウンタ233hに設定し(S3404)、ポインタ233fを1に設定して初期化し(S3405)、本処理を終了し、表示設定処理に戻る。これにより、表示設定処理では、デモ用表示データテーブルの先頭から順に描画内容を展開することができるので、第3図柄表示装置81には、デモ演出を繰り返し表示させることができる。
一方、S3403の処理において、表示データテーブルバッファ233dに格納されている表示データテーブルがデモ用表示データテーブルでないと判別された場合は(S3403:No)、ポインタ233fの値を1だけ減算して(S3406)、本処理を終了し、表示設定処理に戻る。これにより、表示設定処理では、表示データテーブルバッファ233dにデモ用表示データテーブル以外の表示データテーブル、例えば、変動表示データテーブルが設定されている場合は、End情報が記載された1つ前のアドレスの描画内容が常に展開されるので、第3図柄表示装置81には、その表示データテーブルで規定される最後の画像を停止させた状態で表示させることができる。一方、S3402の処理において、更新後のポインタ233fで示されるアドレスのデータがEnd情報でなければ(S3402:No)、本処理を終了し、表示設定処理に戻る。
ここで、図51に戻り説明を続ける。ポインタ更新処理の後、表示データテーブルバッファ233dに設定されている表示データテーブルから、ポインタ更新処理によって更新されたポインタ233fで示されるアドレスの描画内容を展開する(S3206)。タスク処理では、先に展開された警告画像などと共に、S3206の処理で展開された描画内容を元に、画像を構成するスプライト(表示物)の種別を特定すると共に、スプライト毎に、表示座標位置や拡大率、回転角度といった描画に必要な各種パラメータを決定する。
次いで、計時カウンタ233hの値を1だけ減算し(S3207)、減算後の計時カウンタ233hの値が0以下であるか否かを判別する(S3208)。そして、計時カウンタ233hの値が1以上である場合は(S3208:No)、そのまま表示設定処理を終了してV割込処理に戻る。一方、計時カウンタ233hの値が0以下である場合は(S3208:Yes)、表示データテーブルバッファ233dに設定されている表示データテーブルに対応する演出の演出時間が経過したことを意味する。このとき、表示データテーブルバッファ233dに変動表示データテーブルが設定されている場合は、その変動表示を終了すると共に停止表示を行うタイミングであるので、確定表示フラグ233zがオンであるか否かを確認する(S3209)。
その結果、確定表示フラグ233zがオフであれば(S3209:No)、まだ確定表示の演出を行っておらず、確定表示の演出を行うタイミングなので、まず、確定表示データテーブルを表示データテーブルバッファ233dに設定し(S3210)、次いで、転送データテーブルバッファ233eにNullデータを書き込むことで、その内容をクリアする(S3211)。そして、確定表示データテーブルの演出時間に対応する時間データを計時カウンタ233hに設定し(S3212)、更に、ポインタ233fの値を0に初期化する(S3213)。そして、オン状態で確定表示演出中であることを示す確定表示フラグ233zをオンに設定した後(S3214)、停止図柄判別フラグの内容をそのままワークRAM233に設けられた前回停止図柄判別フラグにコピーして(S3215)、V割込処理に戻る。
これにより、表示データテーブルバッファ233dに変動表示データテーブルが設定されている場合などにおいて、その演出の終了に合わせて、変動演出における停止図柄の確定表示演出が第3図柄表示装置81に表示されるように、その描画内容を設定することができる。また、表示データテーブルバッファ233bに設定される表示データテーブルを確定表示データテーブルに変更するだけで、容易に、第3図柄表示装置81に表示させる演出を確定表示演出に変更することができる。そして、従来のように、別のプログラムを起動させることによって表示内容を変更する場合と比較して、プログラムが複雑かつ肥大化することなく、よって、MPU231に多大な負荷がかかることがないので、表示制御装置114の処理能力に関係なく、多種多様な演出画像を第3図柄表示81に表示させることができる。
尚、S3215の処理によって設定された前回停止図柄判別フラグは、次に行われる変動演出において第3図柄表示装置81に表示すべき第3図柄を特定するために用いられる。即ち、上述したように、変動演出における第3図柄の表示は、1つ前に行われた変動演出の停止図柄に応じて変わるためであり、変動表示データテーブルでは、そのデータテーブルに基づく変動が開始されてから所定時間経過するまでは、1つ前に行われた変動演出の停止図柄からの図柄オフセット情報が記載されている。タスク処理(S2304)では、変動が開始されてから所定時間が経過するまで、S3215によって設定された前回停止図柄判別フラグから、1つ前に行われた変動演出の停止図柄を特定すると共に、その特定した停止図柄に対して表示設定処理により取得された図柄オフセット情報を加算することによって、実際に表示すべき第3図柄を特定する。これにより、1つ前の変動演出における停止図柄から変動演出が開始される。
一方、S3209の処理において、確定表示フラグ233zがオンであれば(S3209:Yes)、デモ表示フラグ233yがオンであるか否かを判別する(S3216)。そして、デモ表示フラグ233yがオフであれば(S3216:No)、確定表示演出の終了に伴って計時カウンタ233hの値が0以下になったことを意味するので、デモ用表示データテーブルを表示データテーブルバッファ233dに設定し(S3217)、次いで、転送データテーブルバッファ233eにNullデータを書き込むことで、その内容をクリアする(S3218)。そして、デモ用表示データテーブルの演出時間に対応する時間データを計時カウンタ233hに設定する(S3219)。そして、ポインタ233fを0に初期化し(S3220)、オン状態でデモ演出中であることを示すデモ表示フラグ233yをオンに設定して(S3221)、本処理を終了し、V割込処理に戻る。
これにより、確定表示演出が終了した後に、次の変動演出開始を示す表示用変動パターンコマンド、または、オープニングコマンドを受信しなかった場合には、自動的に、第3図柄表示装置81にデモ演出が表示されるように、描画内容を設定することができる。
S3216の処理において、デモ表示フラグ233yがオンであれば(S3216:Yes)、確定表示演出が終了した後にデモ演出が行われ、そのデモ演出が終了したことを意味するので、そのまま表示設定処理を終了し、V割込処理に戻る。そして、この場合、次回のV割込処理の中で実行されるポインタ更新処理によって、上述したように、再びデモ演出が開始されるように、各種設定が行われるので、音声ランプ制御装置113より新たな表示用変動パターンコマンドを受信するまでは、デモ演出を繰り返し第3図柄表示装置81に表示させることができる。
尚、V割込処理(図45(b)参照)において簡易画像表示フラグ233cがオンの場合に実行される簡易表示設定処理(S2309)でも、表示設定処理と同様の処理が行われる。ただし、簡易表示設定処理では、電源投入時変動画像による変動演出の演出時間が終了した後、所定時間、表示用停止種別コマンドに基づいて設定された停止図柄に応じた電源投入時変動画像の一方の画像(図18(b)および(c)のいずれか)を停止表示させることを規定した表示データテーブルを、表示データテーブルバッファ233dに設定する処理が行われる。
次いで、図54及び図55を参照して、表示制御装置114のMPU231で実行されるV割込処理の一処理である転送設定処理(S2305)の詳細について説明する。まず、図54(a)は、この転送設定処理を示すフローチャートである。
この転送設定処理では、まず、簡易画像表示フラグ233cがオンか否かを判別する(S3501)。そして、簡易画像表示フラグ233cがオンであれば、(S3501:Yes)、常駐用ビデオRAM235に常駐すべき全ての画像データがキャラクタROM234から常駐用ビデオRAM235に転送されていないので、常駐画像転送設定処理を実行して(S3502)、転送設定処理を終了し、V割込処理へ戻る。これにより、画像コントローラ237に対して、常駐用ビデオRAM235に常駐すべき画像データをキャラクタROM234から常駐用ビデオRAM235へ転送させるための転送指示が設定される。なお、常駐画像転送設定処理の詳細については、図54(b)を参照して後述する。
一方、S3501の処理の結果、簡易画像表示フラグ233cがオンではない、即ち、オフであれば、(S3501:No)、常駐用ビデオRAM235に常駐すべき全ての画像データがキャラクタROM234から常駐用ビデオRAM235に転送されていることを意味する。この場合は、通常画像転送設定処理を実行し(S3503)、転送設定処理を終了して、V割込処理へ戻る。これにより、以後のキャラクタROM234からの画像データの転送は、通常用ビデオRAM236に対して行われるように転送指示が設定される。なお、通常画像転送設定処理の詳細については、図55を参照して後述する。
次いで、図54(b)を参照して、表示制御装置114のMPU231で実行される転送設定処理(S2305)の一処理である常駐画像転送設定処理(S3502)について説明する。図54(b)は、この常駐画像転送設定処理(S3502)を示すフローチャートである。
この常駐画像転送設定処理では、まず、画像コントローラ237に対して、未転送の画像データの転送指示をしているか否かを判別し(S3601)、転送指示を送信していれば(S3601:Yes)、更に、その転送指示に基づき画像コントローラ237により行われる画像データの転送処理が終了したか否かを判別する(S3602)。このS3602の処理では、画像コントローラ237に対して画像データの転送指示を行った後、画像コントローラ237から、転送処理の終了を示す転送終了信号を受信した場合に、転送処理が終了したと判断する。そして、S3602の処理により、転送処理が終了していないと判別される場合は(S3602:No)、画像コントローラ237において画像の転送処理が継続して行われているので、この常駐画像転送設定処理を終了する。一方、転送処理が終了したと判別される場合は(S3602:Yes)、S3603の処理へ移行する。また、S3601の処理の結果、画像コントローラ237に対して、未転送の画像データの転送指示を送信していない場合も(S3601:No)、S3603の処理へ移行する。
S3603の処理では、常駐用ビデオRAM235に常駐すべき全ての常駐対象画像データを転送したか否かを判別し(S3603)、未転送の常駐対象画像データがあれば(S3603:No)、その未転送の常駐対象画像データをキャラクタROM234から常駐用ビデオRAM235へ転送するように、画像コントローラ237に対する転送指示を設定し(S3604)、常駐画像転送設定処理を終了する。
これにより、描画処理において画像コントローラ237に対して送信される描画リストに、未転送の常駐対象画像データに関する転送データ情報が含められることになり、画像コントローラ237は、その描画リストに記載された転送データ情報を基に、常駐対象画像データをキャラクタROM234から常駐用ビデオRAM236へ転送することができる。尚、転送データ情報には、常駐対象画像データが格納されているキャラクタROM234の先頭アドレスと最終アドレス、転送先の情報(この場合は、常駐用ビデオRAM235)、及び転送先(ここで転送される常駐対象画像データを格納すべき常駐用ビデオRAM235に設けられたエリア)の先頭アドレスが含められる。画像コントローラ237は、この転送データ情報に基づいて画像転送処理を実行し、転送処理で指定された画像データをキャラクタROM234から読み出して一旦バッファRAM237aに格納した後、常駐用ビデオRAM236の未使用期間中に、常駐用ビデオRAM236の指定されたアドレスに転送する。そして、転送が完了すると、MPU231に対して、転送終了信号を送信する。
S3603の処理の結果、全ての常駐対象画像データが転送されていれば(S3603:Yes)、簡易画像表示フラグ233cをオフに設定して(S3605)、常駐画像転送設定処理を終了する。これにより、V割込処理(図45(b)参照)において、簡易コマンド判定処理(図45(b)のS2308参照)および簡易表示設定処理(図45(b)のS2309参照)ではなく、コマンド判定処理(図46〜図50参照)および表示設定処理(図51〜図53参照)が実行されるので、通常時の画像の描画が設定されることになり、第3図柄表示装置81には通常時の画像が表示される。また、以後のキャラクタROM234からの画像データの転送は、通常画像転送設定処理(図55参照)により、通常用ビデオRAM236に対して行われる(図54(a)のS3501:No参照)。
MPU231は、この常駐画像転送設定処理を実行することにより、既にメイン処理の中で転送されている電源投入時主画像および電源投入時変動画像を除く、常駐用ビデオRAM235に常駐すべき全ての常駐対象画像データをキャラクタROM234から常駐用ビデオRAM235に対して転送することができる。そして、MPU231は、常駐用ビデオRAM235に転送された画像データを、電源投入中、上書きすることなく保持され続けるよう制御する。これにより、常駐画像転送設定処理によって常駐用ビデオRAM235に転送された画像データは、電源投入中、常駐用ビデオRAM235に常駐されることになる。
よって、常駐用ビデオRAM235に常駐すべき全ての画像データが常駐用ビデオRAM235に転送された後、表示制御装置114は、この常駐用ビデオRAM235に常駐された画像データを使用しながら、画像コントローラ237にて画像の描画処理を行うことができる。これにより、描画処理に使用する画像データが常駐用ビデオRAM235に常駐されていれば、画像描画時に読み出し速度の遅いNAND型フラッシュメモリ234aで構成されたキャラクタROM234から対応する画像データを読み出す必要がないため、その読み出しにかかる時間を省略でき、画像の描画を即座に行って第3図柄表示装置81に描画した画像を表示することができる。
特に、常駐用ビデオRAM235には、背面画像や、第3図柄、キャラクタ図柄、エラーメッセージといった、頻繁に表示される画像の画像データや、主制御装置110、音声ランプ制御装置113や表示制御装置114などによって表示が決定された後、即座に表示すべき画像の画像データを常駐させるので、キャラクタROM234をNAND型フラッシュメモリ234aで構成しても、遊技者によって任意のタイミングで行われる種々の操作から、第3図柄表示装置81に何らかの画像を表示させるまでの応答性を高く保つことができる。
次いで、図55を参照して、表示制御装置114のMPU231で実行される転送設定処理(S2305)の一処理である通常画像転送設定処理(S3503)について説明する。図55は、この通常画像転送設定処理(S3503)を示すフローチャートである。
この通常画像転送設定処理では、まず、転送データテーブルバッファ233eに設定されている転送データテーブルから、先に実行された表示設定処理(S2303)のポインタ更新処理(S3205)によって更新されたポインタ233fで示されるアドレスに記載された情報を取得する(S3701)。そして、取得した情報が転送データ情報であるか否かを判別し(S3702)、転送データ情報であれば(S3702:Yes)、その転送データ情報から、転送対象画像データが格納されているキャラクタROM234の先頭アドレス(格納元先頭アドレス)と最終アドレス(格納元最終アドレス)、及び、転送先(通常用ビデオRAM236)の先頭アドレスを抽出して、ワークRAM233に設けられた転送データバッファに格納し(S3703)、更に、ワークRAM233に設けられ、オン状態で転送開始すべき画像データが存在することを示す転送開始フラグをオンに設定して(S3704)、S3705の処理へ移行する。
また、S3702の処理において、取得した情報が転送データ情報ではなく、Nullデータであれば(S3702:No)、S3703及びS3704の処理をスキップして、S3705の処理へ移行する。S3705の処理では、画像コントローラ237に対して、前回行われた画像データの転送が終了した後に、新たに画像データの転送指示を設定したか否かを判別し(S3705)、転送指示を設定していれば(S3705:Yes)、更に、その転送指示に基づき画像コントローラ237により行われる画像データの転送が終了したか否かを判別する(S3706)。
このS3706の処理では、画像コントローラ237に対して画像データの転送指示を設定した後、画像コントローラ237から、転送処理の終了を示す転送終了信号を受信した場合に、転送処理が終了したと判断する。そして、S3706の処理により、転送処理が終了していないと判別される場合は(S3706:No)、画像コントローラ237において画像の転送処理が継続して行われているので、この通常画像転送設定処理を終了する。一方、転送処理が終了したと判別される場合は(S3706:Yes)、S3707の処理へ移行する。また、S3705の処理の結果、前回の転送処理の終了後に、画像コントローラ237に対して画像データの転送指示を設定していない場合も(S3705:No)、S3707の処理へ移行する。
S3707の処理では、転送開始フラグがオンか否かを判別し(S3707)、転送開始フラグがオンであれば(S3707:Yes)、転送開始すべき画像データが存在しているので、転送開始フラグをオフにし(S3708)、S3703の処理によって転送データバッファに格納した各種情報によって示されるスプライトの画像データを転送対象画像データに設定した上で、S3713の処理へ移行する。一方、転送開始フラグがオンではなく、オフであれば(S3707:No)、次いで、背面画像変更フラグ233wはオンか否かを判別する(S3709)。
そして、背面画像変更フラグ233wがオンであれば(S3709:Yes)、背面画像の変更を意味するので、背面画像変更フラグ233wをオフに設定した後(S3710)、背面画像種別毎に設けられた背面画像判別フラグ233xのうち、オン状態のビットに対応する背面画像の画像データを特定し、その画像データを転送対象画像データに設定する(S3711)。更に、オン状態にあるビットに対応する背面画像の画像データが格納されているキャラクタROM234の先頭アドレス(格納元先頭アドレス)と最終アドレス(格納元最終アドレス)、及び、転送先(通常用ビデオRAM236)の先頭アドレスを取得し(S3712)、S3713の処理へ移行する。
S3709の処理において、背面画像変更フラグ233wがオンではなく、オフであれば(S3709:No)、転送開始すべき画像データが存在していないので、そのまま通常画像転送設定処理を終了する。
尚、オン状態にある背面画像判別フラグ233wのビットが背面Aに対応するビットである場合、対応する画像データは全て常駐用ビデオRAM235の背面画像エリア235cに常駐されているので、通常用ビデオRAM236に転送すべき画像データが存在しない。よって、S3711の処理では、オン状態にあるビットが背面Aに対応するビットであれば、そのまま通常画像転送処理を終了する。
S3713の処理では、転送対象画像データが通常用ビデオRAM236に既に格納されているか否かを判別する(S3713)。このS3713の処理における判別では、格納画像データ判別フラグ233iを参照することによって行われる。即ち、転送対象画像データとされたスプライトに対応する格納状態を格納画像データ判別フラグ233iより読み出して、その格納状態が「オン」であれば、転送対象となったスプライトの画像データが通常用ビデオRAM236に格納されていると判断し、格納状態が「オフ」であれば、転送対象となったスプライトの画像データが通常用ビデオRAM236に格納されていないと判断する。
そして、S3713の処理の結果、転送対象画像データが通常用ビデオRAM236に格納されていれば(S3713:Yes)、キャラクタROM234から通常用ビデオRAM236に対して、その画像データを転送する必要がないので、そのまま通常画像転送設定処理を終了する。これにより、無駄に画像データがキャラクタROM234から通常用ビデオRAM236に対して転送されるのを抑制することができ、表示制御装置114の各部における処理負担の軽減や、バスライン240におけるトラフィックの軽減を図ることができる。
一方、S3713の処理の結果、転送対象画像データが通常用ビデオRAM236に格納されていなければ(S3713:No)、その転送対象画像データの転送指示を設定する(S3714)。これにより、描画処理において画像コントローラ237に対して送信される描画リストに、転送対象画像データの転送データ情報が含められることになり、画像コントローラ237は、その描画リストに記載された転送データ情報を基に、転送対象画像の画像データをキャラクタROM234から通常用ビデオRAM236へ転送することができる。尚、転送データ情報には、転送対象画像の画像データが格納されているキャラクタROM234の先頭アドレスと最終アドレス、転送先の情報(この場合は、通常用ビデオRAM236)、及び転送先(ここで転送される転送対象画像の画像データを格納すべき通常用ビデオRAM236の画像格納エリア236aに設けられたサブエリア)の先頭アドレスが含められる。画像コントローラ237は、この転送データ情報に基づいて画像転送処理を実行し、転送処理で指定された画像データをキャラクタROM234から読み出して、指定されたビデオRAM(ここでは、通常用ビデオRAM236)の指定されたアドレスに転送する。そして、転送が完了すると、MPU231に対して、転送終了信号を送信する。
S3714の処理の後、格納画像データ判別フラグ233iを更新し(S3715)、この通常用転送設定処理を終了する。格納画像データ判別フラグ233iの更新は、上述したように、転送対象画像データとなったスプライトに対応する格納状態を「オン」に設定し、また、その一のスプライトと同じ画像格納エリア236aのサブエリアに格納されることになっているその他のスプライトに対応する格納状態を「オフ」に設定することによって行われる。
このように、この通常用画像転送処理を実行することによって、先に実行されたコマンド判定処理の中で、表示用停止種別コマンドに対応する処理が実行され、その結果、表示用停止種別コマンドによって示される停止種別情報が大当たりの停止種別であると判別された場合は、オープニング演出において使用する画像データを遅滞なくキャラクタROM234から通常用ビデオRAM236に転送させることができる。また、先に実行されたコマンド判定処理の中で背面画像変更コマンドの受信に基づいて背面画像の変更が行われた場合は、その背面画像で用いられる画像データのうち、常駐用ビデオRAM235の背面画像エリア235cに格納されていない画像データを、遅滞なく、キャラクタROM234から通常用ビデオRAM236に転送させることができる。
また、本実施形態では、主制御装置110からのコマンド等に基づき音声ランプ制御装置113から送信されるコマンド(例えば、表示用変動パターンコマンド)等に応じて、表示データテーブルが表示データテーブルバッファ233dに設定されるのに合わせて、その表示データテーブルに対応する転送データテーブルが転送データテーブルバッファ233eに設定される。そして、MPU231は、通常画像転送設定処理を実行することにより、転送データテーブルバッファ233eに設定された転送データテーブルのポインタ233fで示されるエリアに記載されている転送データ情報に従って、画像コントローラ237に対し転送対象画像データの転送指示を設定するので、表示データテーブルバッファ233dに設定された表示データテーブルで用いられるスプライトの画像データを、所望のタイミングで確実にキャラクタROM234から通常用ビデオRAM236へ転送することができる。
ここで、表示データテーブルに従って所定のスプライトの描画が開始されるまでに、その所定のスプライトに対応する画像データが画像格納エリア236aに格納されるように、転送データテーブルでは、転送対象画像データの転送データ情報が所定のアドレスに対して規定されているので、この転送データテーブルに規定された転送データ情報に従って、画像データをキャラクタROM234から画像格納エリア236aに転送することにより、表示データテーブルに従って所定のスプライトを描画する場合に、そのスプライトの描画に必要な常駐用ビデオRAM235に常駐されていない画像データを、必ず画像格納エリア236aに格納させておくことができる。
これにより、読み出し速度の遅いNAND型フラッシュメモリ234aによってキャラクタROM234を構成しても、遅滞なく表示に必要な画像を予めキャラクタROM234から読み出し、通常用ビデオRAM236へ転送しておくことができるので、表示データテーブルで指定された各スプライトの画像を描画しながら、対応する演出を第3図柄表示装置81に表示させることができる。また、転送データテーブルの記載によって、常駐用ビデオRAM235に非常駐の画像データだけを容易に且つ確実にキャラクタROM234から通常用ビデオRAM236へ転送することができる。
また、転送データテーブルでは、スプライトに対応する画像データ毎にキャラクタROM234から通常用ビデオRAM236へ画像データが転送されるように、その転送データ情報を規定する。これにより、その画像データの転送をスプライト毎に管理し、また、制御することができるので、その転送に係る処理を容易に行うことができる。そして、スプライト単位でキャラクタROM234から通常用ビデオRAM236への画像データの転送を制御することにより、その処理を容易にしつつ、詳細に画像データの転送を制御できる。よって、転送にかかる負荷の増大を効率よく抑制することができる。
次いで、図56を参照して、表示制御装置114のMPU231で実行されるV割込処理の一処理である上述の描画処理(S2306)の詳細について説明する。図56は、この描画処理を示すフローチャートである。
描画処理では、タスク処理(S2304)で決定された1フレームを構成する各種スプライトの種別ならびにそれぞれのスプライトの描画に必要なパラメータ(表示位置座標、拡大率、回転角度、半透明値、αブレンディング情報、色情報、フィルタ指定情報)、及び、転送設定処理(S2305)により設定された転送指示から、図23に示す描画リストを生成する(S3801)。即ち、S3801の処理では、タスク処理(S2304)で決定された1フレームを構成する各種スプライトの種別から、スプライト毎に、そのスプライトの画像データが格納されている格納RAM種別とアドレスとを特定し、その特定された格納RAM種別とアドレスとに対して、タスク処理で決定されたそのスプライトに必要なパラメータを対応付ける。そして、各スプライトを、1フレーム分の画像の中で最も背面側に配置すべきスプライトから前面側に配置すべきスプライト順に並び替えた上で、その並び替え後のスプライト順に、それぞれのスプライトに対する詳細な描画情報(詳細情報)として、スプライトの画像データが格納されている格納RAM種別ならびにアドレスおよびそのスプライトの描画に必要なパラメータを記述することで、描画リストを生成する。また、転送設定処理(S2305)により転送指示が設定された場合は、その描画リストの末尾に、転送データ情報として、転送対象画像データが格納されているキャラクタROM234の先頭アドレス(格納元先頭アドレス)と最終アドレス(格納元最終アドレス)、及び、転送先(通常用ビデオRAM236)の先頭アドレスを追記する。
尚、上述したように、スプライト毎に、そのスプライトの画像データが格納される常駐用ビデオRAM235のエリア、又は、通常用ビデオRAM236の画像格納エリア236aのサブエリアが固定されているので、MPU231は、スプライト種別に応じて、そのスプライトの画像データが格納されている格納RAM種別とアドレスとを即座に特定し、それらの情報を描画リストの詳細情報に容易に含めることができる。
描画リストを生成すると、その生成した描画リストと、描画対象バッファフラグ233jによって特定される描画対象バッファ情報とを画像コントローラへ送信する(S3802)。ここでは、描画対象バッファフラグ233jが0である場合は、描画対象バッファ情報として第1フレームバッファ236bに描画された画像を展開するよう指示する情報を含め、描画対象バッファフラグ233jが1である場合は、描画対象バッファ情報として第2フレームバッファ236cに描画された画像を展開するよう指示する情報を含める。
画像コントローラ237は、MPU231より受信した描画リストに基づいて、その描画リストの先頭に記述されたスプライトから順に画像を描画し、それを描画対象バッファ情報によって指示されたフレームバッファに上書きによって展開する。これにより、描画リストによって生成された1フレーム分の画像において、最初に描画したスプライトが最も背面側に配置させ、最後に描画したスプライトが最も前面側に配置させることができる。
また、描画リストに転送データ情報が含まれている場合は、その転送データ情報から、転送対象画像データが格納されているキャラクタROM234の先頭アドレス(格納元先頭アドレス)と最終アドレス(格納元最終アドレス)、及び、転送先(通常用ビデオRAM236)の先頭アドレスを抽出し、その格納元先頭アドレスから格納元最終アドレスまでに格納された画像データを順にキャラクタROM234から読み出してバッファRAM237aに一時的に格納した後、通常用ビデオRAM236が未使用状態にあるときを見計らって、バッファRAM237aに格納した画像データを通常用ビデオRAM236の転送先先頭アドレスによって示されるエリアに順次転送する。そして、この通常用ビデオRAM236に格納された画像データは、その後にMPU231より送信される描画リストに基づいて使用され、描画リストに従った画像の描画が行われる。
尚、画像コントローラ237は、描画対象バッファ情報によって指示されたフレームバッファとは異なるフレームバッファから、先に展開された画像の画像情報を読み出して、駆動信号と共にその画像情報を第3図柄表示装置81に送信する。これにより、第3図柄表示装置81に対して、フレームバッファに展開した画像を表示させることができる。また、一方のフレームバッファに描画した画像を展開しながら、一方のフレームバッファから展開した画像を第3図柄表示81に表示させることができ、描画処理と表示処理とを同時並列的に処理することができる。
描画処理は、S3802の処理の後、描画対象バッファフラグ233jを更新する(S3803)。そして、描画処理を終了して、V割込処理に戻る。描画対象バッファフラグ233jの更新は、その値を反転させることにより、即ち、値が「0」であった場合は「1」に、「1」であった場合は「0」に設定することによって行われる。これにより、描画対象バッファは、描画リストが送信される度に、第1フレームバッファ236bと第2フレームバッファ236cとの間で交互に設定される。
ここで、描画リストの送信は、1フレーム分の画像の描画処理および表示処理が完了する20ミリ秒毎に画像コントローラ237から送信されるV割込信号に基づいて、MPU231により実行されるV割込処理(図45(b)参照)の描画処理が実行される度に、行われることになる。これにより、あるタイミングで、1フレーム分の画像を展開するフレームバッファとして第1フレームバッファ236bが指定され、1フレーム分の画像情報が読み出されるフレームバッファとして第2フレームバッファ236cが指定されて、画像の描画処理および表示処理が実行されると、1フレーム分の画像の描画処理が完了する20ミリ秒後に、1フレーム分の画像を展開するフレームバッファとして第2フレームバッファ236cが指定され、1フレーム分の画像情報が読み出されるフレームバッファとして第1フレームバッファ236bが指定される。よって、先に第1フレームバッファ236bに展開された画像の画像情報が読み出されて第3図柄表示装置81に表示させることができると同時に、第2フレームバッファ236cに新たな画像が展開される。
そして、更に次の20ミリ秒後には、1フレーム分の画像を展開するフレームバッファとして第1フレームバッファ236bが指定され、1フレーム分の画像情報が読み出されるフレームバッファとして第2フレームバッファ236cが指定される。よって、先に第2フレームバッファ236cに展開された画像の画像情報が読み出されて第3図柄表示装置81に表示させることができると同時に、第1フレームバッファ236bに新たな画像が展開される。以後、1フレーム分の画像を展開するフレームバッファと、1フレーム分の画像情報が読み出されるフレームバッファとを、20ミリ秒毎に、それぞれ第1フレームバッファ236bおよび第2フレームバッファ236cのいずれかを交互に指定することによって、1フレーム分の画像の描画処理を行いながら、1フレーム分の画像の表示処理を20ミリ秒単位で連続的に行わせることができる。
以上説明した通り、本第1実施形態におけるパチンコ機10では、オープニングの種別を複数(2種類)設けておき、設定されるオープニングの種別に応じて確変状態への移行し易さ(1の大当たりにおける特別排出流路65e2への入球率)を異ならせている。より具体的には、確変状態が付与され難い(特別排出流路65e2への入球率が低い)オープニングAと、そのオープニングAよりも確変状態が付与され易い(特別排出流路65e2への入球率が高い)オープニングBとを設定可能に構成している。そして、オープニングの種別は、大当たりの種別や大当たりとなった時点の遊技状態に基づいて選択する構成としている。より具体的には、通常状態で大当たりB、または大当たりDとなった場合にオープニングAが設定され、大当たりA、または大当たりCとなった場合には、オープニングBが設定されるように構成している。即ち、通常状態で大当たりB、または大当たりDになると、大当たり中に特別排出流路65e2への入球率が低くなる(確変スイッチ65e3を球が通過困難となる)一方で、大当たりA、または大当たりCになると、大当たり中に特別排出流路65e2への入球率が高くなる(確変スイッチ65e3を通過容易となる)ように構成している。よって、通常状態では、特別排出流路65e2への入球率が高い大当たりAや、大当たりCとなることを期待して遊技者に遊技を行わせることができる。
一方、通常状態以外(確変状態、または時短状態)では、全ての大当たり種別でオープニングBが設定されるように構成されている。即ち、通常状態以外の状態で大当たりになると、大当たり中に特別排出流路65e2への入球率が高くなる(確変スイッチ65e3を通過容易となる)。よって、確変状態、または時短状態が終了するよりも前に大当たりとなることを期待して各遊技状態における遊技を行わせることができる。従って、限られた特別図柄の抽選回数(確変回数、または時短回数)の中で大当たりに当選する必要があるという緊張感を抱かせながら遊技を行わせることができる。また、期待通り、限られた抽選回数内で大当たりとなった場合には、確実にオープニングBが設定されるので、大当たりとなった時点で、確変状態への移行がほぼ確定するという安心感を抱かせることができる。
ここで、通常状態と、通常状態以外の状態とで特別図柄の確変状態への突入率を可変させる方法として、オープニング期間でなく、1ラウンド目における開閉板65f1の開放パターンを大当たり種別に応じて異ならせる方法も考えられる。より具体的には、例えば、大当たりのオープニング期間を0.5秒に固定しておき、1ラウンドにおける開閉板65f1の開放期間を大当たり種別に応じて異ならせることで、確変スイッチ65e3を球が通過し易くなる大当たり種別と、確変スイッチ65e3を通過し難くなる大当たり種別とを設けておく。そして、通常状態で実行され易い第1特別図柄の抽選で大当たりとなった場合には、確変スイッチ65e3を通過し難い開閉パターンが設定される大当たり種別が選択される構成とし、通常状態以外の状態で実行され易い第2特別図柄の抽選で大当たりとなった場合には、確変スイッチ65e3を通過し難い開閉パターンが設定される大当たり種別が選択されない構成とする方法も考えられる。しかしながら、このように構成した場合、通常状態以外の状態(第2特別図柄の抽選が実行され易い状態)で、遊技者が球の打ち出し方向を誤る等により第1特別図柄の抽選が実行されてしまい、且つ、大当たりとなってしまった場合に、確変スイッチ65e3を球が通過し難い開閉パターンが設定されてしまう虞がある。よって、この場合は遊技者に不満感を抱かせてしまう場合がある。
また、開閉板65f1の開閉パターンを、遊技状態(通常状態であるか否か)によって異ならせる方法も考えられるが、大当たり種別と開閉パターンとが1対1対応でないと、遊技規則から外れてしまう可能性があり、ホールに設置できなくなってしまう虞がある。
これに対して本実施形態では、大当たり種別と、大当たりに当選した時点における遊技状態とに応じてオープニング期間を選択する構成により、遊技者に有利な状態(確変状態、および時短状態)において大当たりになると、必ず1ラウンド目に確変スイッチ65e3を通過し易い状態としている。このように構成することで、遊技者に有利な状態で第1特別図柄の抽選により大当たりとなった場合でも、大当たり中の遊技を安心して行わせることができる。
なお、本実施形態では、大当たりの1ラウンド目に流路ソレノイド65kをオン状態に設定し、特別排出流路65e2へと球を流下可能な状態となるように構成していたが、当別排出流路65e2へ入球可能となるラウンド数は1ラウンド目に限られるものではなく、任意に定めてもよい。なお、1ラウンド目以外のラウンドで、オープニングA,Bを用いて特別排出流路65e2への入球率を可変させる方法としては、例えば、入球可能となるラウンドまでの各ラウンドにおける開閉板65f1の開放時間を一定とすればよい。即ち、上記第1実施形態の1ラウンドと同様に、例えば、各ラウンドの終了条件を「ラウンド開始から規定時間として2秒経過、或いは、球が規定個数として10個入球するまで」と規定しておけばよい。つまり、規定個数(10個)の球を入球させることが現実的に困難な規定時間(2秒)を設定しておくことにより、規定時間が経過するまで確実に各ラウンドが継続するように構成しておいてもよい。そして、各ラウンドの規定時間と、インターバル期間とを加味して、流路ソレノイド65kの駆動タイミングを規定しておいてもよい。このように構成することで、確変状態へと移行するか否かを、より後のラウンドで決定することができる。よって、大当たり遊技において、確変状態へと移行するか否かの期待感を、遊技者に対してより長く抱かせることができる。
本実施形態では、通常状態で「大当たりC」となった場合にオープニングBが設定される構成としていたが、通常状態では「大当たりC」となった場合にもオープニングAが設定されるように構成してもよい。これにより、通常状態でも第2特別図柄の抽選を実行させようとして常時右打ちを行う変則的な遊技方法に対する抑止力をより高めることができる。
本実施形態では、確変スイッチ65e3に対して球を通過させることがほぼ不可能な期間に1ラウンド目を開始させるオープニングAと、確変スイッチ65e3に対して球を容易に通過させることが可能な期間に1ラウンド目を開始させるオープニングBとの2種類を設ける構成としていたが、オープニング種別は2種類に限定されるものではない。例えば、1ラウンド目の期間が、流路ソレノイド65kがオン状態に設定される2秒間のうち、一部と重複するオープニング種別を設ける構成としてもよい。
本実施形態では、第1入球口64と第2入球口640との2種類の入球口を設ける構成としたが、入球口は第1入球口64のみとしてもよい。即ち、第1特別図柄の抽選のみを実行可能に構成してもよい。このように構成しても、確変状態で大当たりA,BともにオープニングBが設定されるので、確変状態で当選した大当たりの1ラウンド目で、確変入球口への入球を容易とすることができる。このように構成することで、第2入球口640を削除することができるので、部品点数を削減することができる。よって、パチンコ機10の原価を低減することができる。
<第2実施形態>
次に、図57〜図72を参照して、第2実施形態におけるパチンコ機10について説明する。上述した第1実施形態では、大当たり種別、および大当たりに当選した時点の遊技状態に応じてオープニング種別を決定することで、遊技状態毎に特別図柄の高確率状態が付与される割合(大当たりにおける特別排出流路65e2への入球率)を異ならせる構成としていた。より具体的には、通常状態では、第1特別図柄の抽選で大当たりとなった場合にも、第2特別図柄の抽選で大当たりとなった場合にも、確変状態が50%で付与される(特別排出流路65e2への入球率が高くなるオープニングBが50%の割合で決定される)構成とし、通常状態以外の状態では、第1特別図柄の抽選で大当たりとなった場合にも、第2特別図柄の抽選で大当たりとなった場合にも、確変状態が100%付与される(特別排出流路65e2への入球率が高くなるオープニングBが100%決定される)構成としていた。これにより、通常状態以外の状態で、遊技者が誤って第1入球口64へと球を入球させてしまい、且つ、大当たりになってしまったとしても、確変状態が付与される割合を第2特別図柄と同一に保つことができていた。
これに対して第2実施形態では、大当たり種別、および大当たりとなった時点における遊技状態と、決定されるオープニング種別との対応関係を更に多様化させることに加え、時短状態の種別も異ならせている。そして、通常状態で当選した大当たりで、確変スイッチ65e3に対して球を通過させることができれば、当該大当たりに加え、次の大当たりでも特別図柄の高確率状態が付与される(即ち、大当たりが比較的短時間の間に3回連続する)という斬新な遊技性を実現している。
より具体的には、大当たり等を契機として、4つの遊技状態(通常状態、時短状態、潜確状態、確変状態)を行き来するように構成している。このうち、潜確状態(特別図柄の高確率状態、且つ、普通図柄の低確率状態)と、確変状態(特別図柄の高確率状態、且つ、普通図柄の高確率状態)とは、特別図柄の高確率状態が設定されるので、短い間隔で再度大当たりとなる可能性が高く、遊技者にとって有利な状態となる。一方、通常状態(特別図柄の低確率状態、且つ、普通図柄の低確率状態)と、時短状態(特別図柄の低確率状態、且つ、普通図柄の高確率状態)とは、大当たり確率が低くなるので遊技者にとって不利となる。
なお、有利な2種類の遊技状態(潜確状態、確変状態)のうち、潜確状態の方が遊技者にとってより有利となる。即ち、詳細については後述するが、潜確状態で大当たりになると、その大当たり後は基本的に、潜確状態が再度設定されるか、確変状態が設定される。よって、どちらの場合でも、大当たり確率が高い有利な状態が設定される。また、確変状態へと移行する割合よりも、潜確状態が再度設定される(潜確状態をループ)する割合の方が高くなっている。一方、確変状態で大当たりになると、潜確状態、確変状態に加え、時短状態へと移行する場合がある。また、他の2つの遊技状態に比較して、時短状態へと移行する割合が高くなる。よって、潜確状態で大当たりとなった後に設定される遊技状態は基本的に遊技者に有利な状態となるが、確変状態で大当たりとなった場合は、遊技者にとって不利な時短状態が設定される割合が高い。従って、潜確状態の方が、より有利な状態となる。このように、本第2実施形態では、有利度合いの異なる複数(2種類)の遊技状態を設ける構成とすることで、状態移行を多様化し、遊技者の興趣向上を図っている。
この第2実施形態におけるパチンコ機10が第1実施形態におけるパチンコ機10と構成上において相違する点は、遊技盤13に対して、特別図柄の抽選結果が外れの一部(小当たり)となった場合に球が入球可能となる小当たり用入賞装置650が設けられている点、主制御装置110に設けられたROM202、およびRAM203の構成が一部変更となっている点、および主制御装置110のMPU201により実行される一部処理が第1実施形態におけるパチンコ機10から変更されている点である。その他の構成や、主制御装置110のMPU201によって実行されるその他の処理、音声ランプ制御装置113のMPU221によって実行される各種処理、および表示制御装置114のMPU231によって実行される各種処理については、第1実施形態におけるパチンコ機10と同一である。以下、第1実施形態と同一の要素には同一の符号を付し、その図示と説明とを省略する。
まず、図57を参照して、本第2実施形態における遊技盤13について説明する。図57に示した通り、本第2実施形態の遊技盤13において、第1入球口64の正面視左下に、小当たり用入賞装置650が配設されている。この小当たり用入賞装置650の略中央部分には、球が小当たり用入賞装置650の内部へと入球可能な、横長矩形状の小当たり用入賞口650aが設けられている。球が小当たり用入賞装置650に球が入球すると、10個の賞球が払い出される。また、小当たり用入賞口650aは、通常時には閉鎖されており、特別図柄の抽選結果が外れの一態様である「小当たり」となった場合に開放される。この小当たりは、本第2実施形態において遊技状態の一つとして設けられている潜確状態(特別図柄の高確率状態、且つ、普通図柄の低確率状態)において、外れとなった場合に選択され易くなる。なお、小当たりは外れの一態様であるため、その前後で遊技状態は変化しない。
詳細については後述するが、本第2実施形態の潜確状態は、特別図柄の大当たりとなった場合に、大当たり種別に関係なく、必ずオープニングBが設定される(確変スイッチ65e3を球が容易に通過可能となる)最も有利な状態である。しかしながら、普通図柄の低確率状態であるので、第2入球口640へと球を入球させることが困難となる。よって、潜確状態では、第1特別図柄の抽選を行わせるために第1入球口64を狙って遊技を行う(左打ちを行う)必要がある。つまり、遊技者にとって最も不利な通常状態と同一の遊技方法で遊技を行う必要がある。この状況下で、仮に、大当たりとなるまでを通常状態と同一の制御とした場合、有利な潜確状態へと移行したにも拘わらず、大当たりとなるまでに持ち球がどんどん減ってしまうことになる。これに対して本第2実施形態では、潜確状態で特別図柄の抽選が実行されると、小当たりになり易く構成している。つまり、小当たり用入賞口650aが開放され易くなるので、左打ちし、第1入球口64へと入球しなかった球が、小当たり用入賞口650aへと入球し易くなる。よって、その入球により付与される賞球により、持ち球を減らさずに潜確状態中の遊技を実行させることができる。なお、小当たり用入賞口650aは、特別図柄の抽選で小当たりとなる毎に、所定期間(例えば、2秒経過するまで、或いは、球が10個入球するまで)開放される。
次に、図58、および図59を参照して、本実施形態における第3図柄表示装置81において実行される表示演出の一例として、発射方向報知演出について説明する。この発射方向報知演出は、遊技者が球を打ち出すべき方向を報知するための演出である。
ここで、本実施形態では、遊技状態に応じて、遊技者が球を打ち出すべき方向(特別図柄の抽選を行わせるために狙うべき入球口)が異なっている。具体的には、普通図柄の低確率状態に設定される通常状態、および潜確状態では、普通図柄の当たり確率が時短状態よりも低くなると共に、当たりとなった場合の開放期間が短くなり、普通図柄の変動時間が長くなる。よって、第2入球口640を狙って球を打ち出したとしても、第2入球口640へと球を入球させることがほとんどできなくなる。このため、通常状態や潜確状態では、左打ちを行うことによって第1入球口64へと球を入球させ、第1特別図柄の抽選を実行させた方が、右打ちを行うよりも遊技者にとって有利となる(持ち球の消費量を少なく抑え、効率的に遊技を行うことができる)。
一方で、確変状態や時短状態では、普通図柄の当たり確率が普通図柄の低確率状態よりも高くなると共に、当たりとなった場合の開放期間が長くなり、普通図柄の変動時間が短くなる。よって、第2入球口640へと球が入球し易くなるので、右打ちにより第2入球口640を狙って遊技を行うことにより、持ち球を減らさずに第2特別図柄の抽選を実行させることができる。従って、確変状態や時短状態では、右打ちを行う方が、左打ちよりも遊技者に有利となる。
本第2第実施形態では、この遊技者にとって有利となる球の発射方向を、発射方向報知演出によって報知可能に構成されている。この発射方向報知演出を実行することで、遊技者に対して効率的に遊技を行わせるための発射方向を容易に理解させることができると共に、現在の遊技状態を遊技者に報知することができる。即ち、左打ちが示唆された場合は、遊技状態が通常状態、または潜確状態であり、右打ちが示唆された場合は、遊技状態が確変状態、または時短状態である。よって、大当たり中に確変スイッチ65e3を球が通過したか否かと、発射方向報知演出の内容とに応じて、遊技者が現在の遊技状態を容易に把握することができる。なお、本実施形態では、発射方向報知演出を大当たりの終了後、即座に実行するのでなく、特定条件が成立するまで(大当たり後、左右どちらかのスルーゲート67を最初に球が通過するまで)発射方向報知演出の実行を回避する(遅延させる)構成としている。このように構成することで、少なくとも特定条件が成立するまでの間、遊技者は現在の遊技状態を特定することができなくなるため、有利な状態が設定されていることに対する期待感を持続的に抱かせることができる。
図58(a)は、大当たりが終了してから発射方向報知演出を開始するまでの間(大当たり後、左右のスルーゲート67に球が1個も入球していない状態)に第3図柄表示装置81に表示される表示態様の一例(回避演出)を示した図である。この回避演出、および上述した発射方向報知演出は、基本的に大当たり中に球が確変スイッチ65e3を通過した場合に、その大当たりの終了後に実行される。
図58(a)に示した通り、大当たりが開始されてから、最初にスルーゲート67を球が通過するまでの期間(回避期間)における表示態様として、小領域Ds2に表示された少年のキャラクタ710の右側に、吹き出し714が表示される。この吹き出し714は、小領域Ds2から小領域Ds3にかけて表示され、その内部に「スルーゲートを狙え!!」との文字が表示される。これにより、遊技者に対して遊技盤13の左右に設けられたスルーゲート67のどちらかを狙って球を発射させることができる。なお、「最初にスルーゲート67を球が通過するまで」という条件を設定しているのは、普通図柄の当たりとなり、第2入球口640に付随する電動役物640aが開放されるまで、右打ちと左打ちとで有利度合いに差が生じないからである。より詳述すると、普通図柄の高確率状態(時短状態)での右打ちが左打ちに比べて有利なのは、普通図柄の抽選で当たりになることで第2入球口640に付随する電動役物640aが開放され、第2入球口640へと球を入球させ易くなるからである。つまり、スルーゲート67が左右にそれぞれ設けられている本実施形態のパチンコ機10では、右打ちでも左打ちでも普通図柄の抽選を平等に行わせることができるため、スルーゲート67へと球が入球して普通図柄の当たりとなるまでは、右打ちと左打ちとで有利度合いに差が生じ無い。よって、有利度合いに差が生じない期間では、発射方向報知演出の実行を回避する(遅延させる)構成とすることにより、最も有利な潜確状態へと移行することに対する遊技者の期待感をより長く持続させることができる。
次に、図58(b)を参照して、大当たり後に潜確状態が付与された場合に実行される発射方向報知演出の表示態様について説明する。発射方向報知演出は、上述した通り、回避期間が終了した(大当たり後、左右どちらかのスルーゲート67を最初に球が通過したことを検出した)場合に実行される。図58(b)に示した通り、潜確状態において、大当たり後、最初に左右どちらかのスルーゲート67を球が通過すると、第3図柄表示装置81の小領域Ds2からDs3に掛けて表示されている吹き出し714の内部の文字が、「潜確突入!!左打ち!!」との文字に可変する。また、少年のキャラクタ710の瞳が燃え上がっているかのような表示態様に設定される。これにより、最も有利な潜確状態へと移行したことを、遊技者に容易に認識させることができる。また、左打ちを実行することで効率よく遊技を行うことができると、遊技者に容易に認識させることができる。
次に、図59(a)を参照して、大当たり後に確変状態が付与された場合に実行される発射方向報知演出の表示態様について説明する。図59(a)に示した通り、確変状態において、大当たり後、最初に左右どちらかのスルーゲート67を球が通過すると、第3図柄表示装置81の小領域Ds2からDs3に掛けて表示されている吹き出し714の内部の文字が、「右打ちしてね」との文字に可変する。また、吹き出し714の形状が、横長略楕円形状となる。これにより、潜確状態よりは不利な確変状態へと移行したことを、遊技者に認識させることができる。また、右打ちを実行することで効率よく遊技を行うことができると、遊技者に容易に認識させることができる。
なお、上述した通り、普通図柄の高確率状態(時短状態)では、普通図柄の変動時間が3秒間となる。このため、仮に左打ちによりスルーゲート67を通過させて、図59(a)に示す発射方向報知演出が実行され、且つ、普通図柄の当たりになっていたとしても、3秒間の普通図柄の変動中に、右打ちを行うことで、電動役物640aが開放されるタイミングに合わせて球を第2入球口640へと到達させることができる。よって、遊技者に損をさせることなく、潜確状態に対する期待感をより長く持続させることができる。
なお、本第2実施形態では、大当たり中に球がスルーゲート67を通過することにより実行された普通図柄の変動が、大当たり終了後に渡って実行され続けたり、大当たり中に保留された普通図柄の保留球が大当たり後に消化されることを防止(抑制)するために、普通図柄の低確率状態における普通図柄の変動時間を、普通図柄の高確率状態中よりも短く(例えば、0.5秒)構成している。このように構成することで、大当たり中にスルーゲート67を通過したとしても、即座に変動が終了するので、普通図柄の保留球を貯めることを困難とすることができる。よって、大当たり終了時には、普通図柄の保留球が0個で、且つ、変動停止状態となる可能性を高くすることができる。
仮に、大当たり終了時に当たりの普通図柄の変動が実行中、若しくは保留されていた場合、第2入球口640が開放されるにも拘らず回避期間を設定してしまうと遊技者が損をしてしまう。よって、遊技者に不満感を抱かせてしまう虞がある。これに対して本実施形態では、普通図柄の低確率状態における変動時間を短くし(例えば、0.5秒)、大当たり終了時に普通図柄の保留球が存在する可能性を低くしている。これにより、回避期間を設定したとしても(大当たり後、最初にスルーゲート67への入球を検出するまで発射方向報知演出を実行しなくても)、遊技者に対して不満感を抱かせ難くできる。よって、発射方向報知演出をより効果的に実行することができる。
なお、普通図柄の低確率状態における変動時間を短くすることに加えて、大当たりのエンディング期間において、球の打ち出しを停止するように遊技者に示唆する態様のエンディング演出を実行する構成としてもよい。このように構成することで、大当たり終了時に当たりの普通図柄の変動が実行中、若しくは普通図柄の変動が保留されているという状況を発生し難くできるので、発射方向報知演出をより効果的に実行することができる。
次に、図59(b)を参照して、本実施形態のパチンコ機10で実行される演出の一態様である、潜確復帰演出について説明する。この潜確復帰演出は、確変状態から潜確状態へと、大当たりを経由せずに移行した場合に実行される演出である。ここで、確変状態から大当たりを経由せずに潜確状態へと移行する場合とは、確変状態において設定された時短回数が終了した場合である。具体的には、本実施形態で確変状態(特別図柄の高確率状態、且つ、普通図柄の高確率状態)が設定されると、特別図柄の高確率状態が次に大当たりとなるまで継続する一方で、普通図柄の高確率状態は50回で終了する。このため、確変状態が設定された後、特別図柄の抽選が50回終了するまでの間に大当たりとならなかった場合には、潜確状態(特別図柄の高確率状態、且つ、普通図柄の低確率状態)に移行する。潜確復帰演出は、この確変状態から潜確状態への移行時に実行される演出である。
図59(b)に示した通り、潜確復帰演出が実行されると、第3図柄表示装置81の小領域Ds2からDs3に掛けて表示されている吹き出し714の内部の文字が、「潜確復帰!!左打ち!!」との文字に可変する。また、少年のキャラクタ710の瞳が燃え上がっているかのような表示態様に設定される。この表示態様により、最も有利な潜確状態へと復帰することができたことを遊技者に対して容易に理解させることができる。
なお、本第2実施形態では、大当たり終了後、最初に左右どちらかのスルーゲート67を球が通過したことに基づいて、発射方向報知演出を実行する構成としているが、これに限られるものではない。例えば、遊技盤13の左側に設けられたスルーゲート67を大当たり終了後、最初に通過したことに基づいて発射方向報知演出を実行する構成としてもよい。そして、回避期間中は、左側のスルーゲート67を狙うように示唆する態様の演出を実行する構成としてもよい。このように構成することで、大当たり終了後の遊技状態が潜確状態の場合には、回避期間中も第1入球口64へと入球し易い左打ちを遊技者に行わせることができるので、効率よく遊技を行わせることができる。また、大当たり終了後の遊技状態が確変状態の場合でも、左側のスルーゲート67を通過したことに基づいて実行される普通図柄の抽選が当たりだった場合に、発射報知演出を確認してから右打ちを行っても電動役物640aが開放されるまでに十分に球を第2入球口640へと入球させることができる長さの変動時間が設定されるので、遊技者に損をさせずに遊技させることができる。この場合において、大当たりのエンディング期間に、左打ちに戻すことを示唆する態様のエンディング演出を実行する構成としてもよい。このように構成することで、エンディング期間まで特定入賞口65aへと球を打ち出してしまうことを防止し、回避期間に突入する前から左打ちを行わせることができる。よって、遊技者がより損をし難くできる。
更に、左側のスルーゲート67への球の通過のみを契機に発射方向報知演出を実行する場合は、大当たりの最終ラウンドで特定入賞口65aでなく小当たり用入賞口650aが開放される構成としてもよい。このように構成することで、大当たりの最終ラウンドで、遊技盤13の左側に設けられた小当たり用入賞口650aへと球を入球(入賞)させるために遊技者に左打ちを行わせることができる。よって、回避期間に突入する前から左打ちを行わせることができるので、遊技者がより損をし難い構成とすることができる。なお、スルーゲート67ではなく、発射方向報知演出の実行契機となる専用の入球口(演出用入球口)を遊技盤13の左側の流路に設ける構成としてもよい。このように構成した場合にも、左側のスルーゲート67への通過を契機として発射報知演出を実行するのと同一の効果を奏することができる。
<第2実施形態における電気的構成について>
次に、図60〜図64を参照して、本第2実施形態におけるパチンコ機10の電気的構成について説明する。まず、図60(a)を参照して、第2実施形態における主制御装置110のROM202の内容について説明する。図60(a)は、ROM202の構成を示すブロック図である。
図60(a)に示した通り、本第2実施形態におけるROM202は、第1実施形態における主制御装置110のROM202の構成に加え、小当たり乱数テーブル202fと、時短種別選択テーブル202gとが設けられている。また、第1当たり種別選択テーブル202b、およびオープニング選択テーブル202eの内容が変更されている。その他の構成については第1実施形態におけるROM202と同一なので、ここではその詳細な説明については省略する。
まず、本第2実施形態における第1当たり種別選択テーブル202bについて、図60(b)を参照して説明する。図60(b)は、本第2実施形態における第1当たり種別選択テーブル202bの規定内容を示した図である。この第1当たり種別選択テーブル202bは、第1実施形態と同様に、当たり種別を決定するための判定値が特別図柄の種別毎に記憶されている。
図60(b)に示した通り、本実施形態では、「大当たりE」〜「大当たりL」の8種類の大当たり種別が設けられている。このうち、「大当たりE〜H」は、第1特別図柄の抽選で決定され得る大当たり種別であり、ラウンド数が8ラウンドの大当たりである。これらの各大当たり種別は、遊技状態と、決定されるオープニング種別と、大当たり後に設定される時短状態の種別との組み合わせが、それぞれ異なって構成されている。また、「大当たりI〜L」は、第2特別図柄の抽選で決定され得る大当たり種別であり、ラウンド数が15ラウンドの大当たりである。これらの各大当たり種別も、遊技状態と、決定されるオープニング種別と、大当たり後に設定される時短状態の種別との組み合わせが、それぞれ異なって構成されている。これにより、遊技状態の行き来のパターンを多様化させている。
図60(b)に示した通り、第1特別図柄の大当たりにおいて、第1当たり種別カウンタC2の値が「0〜24」の範囲には、「大当たりE」が対応付けて規定されている。第1当たり種別カウンタC2が取り得る100個のカウンタ値のうち、「大当たりE」となるカウンタ値が25個なので、第1特別図柄の抽選で大当たりとなった場合に、「大当たりE」となる確率(割合)は1/4(25/100)である。なお、遊技状態に応じて決定されるオープニング種別や、付与される時短回数については、後述する。
第1当たり種別カウンタC2の値が「25〜74」の範囲には、「大当たりF」が対応付けて規定されている。第1当たり種別カウンタC2が取り得る100個のカウンタ値のうち、「大当たりF」となるカウンタ値が50個なので、第1特別図柄の抽選で大当たりとなった場合に、「大当たりF」となる確率(割合)は1/2(50/100)である。また、第1当たり種別カウンタC2の値が「75〜89」の範囲には、「大当たりG」が対応付けて規定されている。第1当たり種別カウンタC2が取り得る100個のカウンタ値のうち、「大当たりG」となるカウンタ値が15個なので、第1特別図柄の抽選で大当たりとなった場合に、「大当たりG」となる確率(割合)は3/20(15/100)である。更に、第1当たり種別カウンタC2の値が「90〜99」の範囲には、「大当たりH」が対応付けて規定されている。第1当たり種別カウンタC2が取り得る100個のカウンタ値のうち、「大当たりH」となるカウンタ値が10個なので、第1特別図柄の抽選で大当たりとなった場合に、「大当たりH」となる確率(割合)は1/10(10/100)である。
これに対し、第2特別図柄の大当たりにおいて、第1当たり種別カウンタC2の値が「0〜24」の範囲には、「大当たりI」が対応付けて規定されている。第1当たり種別カウンタC2が取り得る100個のカウンタ値のうち、「大当たりI」となるカウンタ値が25個なので、第1特別図柄の抽選で大当たりとなった場合に、「大当たりI」となる確率(割合)は1/4(25/100)である。また、第1当たり種別カウンタC2の値が「25〜74」の範囲には、「大当たりJ」が対応付けて規定されている。第1当たり種別カウンタC2が取り得る100個のカウンタ値のうち、「大当たりJ」となるカウンタ値が50個なので、第1特別図柄の抽選で大当たりとなった場合に、「大当たりJ」となる確率(割合)は1/2(50/100)である。
更に、第1当たり種別カウンタC2の値が「75〜89」の範囲には、「大当たりK」が対応付けて規定されている。第1当たり種別カウンタC2が取り得る100個のカウンタ値のうち、「大当たりK」となるカウンタ値が15個なので、第1特別図柄の抽選で大当たりとなった場合に、「大当たりK」となる確率(割合)は3/20(15/100)である。また、第1当たり種別カウンタC2の値が「90〜99」の範囲には、「大当たりL」が対応付けて規定されている。第1当たり種別カウンタC2が取り得る100個のカウンタ値のうち、「大当たりL」となるカウンタ値が10個なので、第1特別図柄の抽選で大当たりとなった場合に、「大当たりL」となる確率(割合)は1/10(10/100)である。
詳細については、図65等を参照して後述するが、本実施形態では、これらの8種類の大当たり種別を用いて、決定されるオープニング種別と、大当たり後に設定される時短状態の種別との組み合わせが、それぞれ異なって構成されている。これにより、遊技状態の行き来のパターンを多様化させている。
次に、図61を参照して、本第2実施形態におけるオープニング選択テーブル202eについて説明する。このオープニング選択テーブル202eは、第1実施形態と同様に、大当たりとなった場合に、大当たり種別、及び大当たりに当選した時点の遊技状態に応じたオープニング種別を決定するために用いられるデータテーブルである。
図61に示した通り、大当たりEとなった場合に決定されるオープニング種別として、通常状態、時短状態に対してオープニングAが対応付けて規定され、潜確状態、確変状態に対してオープニングBが対応付けて規定されている。よって、通常状態や時短状態で大当たりEになると、大当たり後に特別図柄の高確率状態が付与され難くなるため、遊技者に不利となる。一方で、潜確状態や確変状態で大当たりEになると、大当たり後に特別図柄の高確率状態が付与され易くなるので、遊技者にとって有利となる。
また、大当たりFとなった場合に決定されるオープニング種別として、通常状態、時短状態、および潜確状態に対してオープニングAが対応付けて規定され、確変状態に対してオープニングBが対応付けて規定されている。よって、通常状態、時短状態、および潜確状態で大当たりFになると、大当たり後に特別図柄の高確率状態が付与され難くなるため、遊技者に不利となる。一方で、確変状態で大当たりFになると、大当たり後に特別図柄の高確率状態が付与され易くなるので、遊技者にとって有利となる。
また、大当たりGとなった場合に決定されるオープニング種別として、通常状態、時短状態、および潜確状態に対してオープニングBが対応付けて規定され、確変状態に対してオープニングAが対応付けて規定されている。よって、確変状態で大当たりGになると、大当たり後に特別図柄の高確率状態が付与され難くなるため、遊技者に不利となる。一方で、通常状態、時短状態、および潜確状態で大当たりGになると、大当たり後に特別図柄の高確率状態が付与され易くなるので、遊技者にとって有利となる。
更に、大当たりHとなった場合に決定されるオープニング種別として、通常状態、時短状態に対してオープニングAが対応付けて規定され、潜確状態、確変状態に対してオープニングBが対応付けて規定されている。よって、通常状態や時短状態で大当たりHになると、大当たり後に特別図柄の高確率状態が付与され難くなるため、遊技者に不利となる。一方で、潜確状態や確変状態で大当たりHになると、大当たり後に特別図柄の高確率状態が付与され易くなるので、遊技者にとって有利となる。
なお、図61に示した通り、第2特別図柄の抽選で決定される「大当たりI〜L」に関しては、それぞれ「大当たりE〜H」と同一の対応関係が規定されている。ここでは、その詳細な説明については省略する。
このように、大当たり種別と、大当たりに当選した時点における遊技状態とに応じて、設定されるオープニングの種別を異ならせることで、大当たり後に特別図柄の高確率状態が付与される割合を遊技状態に応じて可変させることができる。
次に、図62を参照して、本第2実施形態におけるROM202に新たに追加された小当たり乱数テーブル202fの詳細について説明する。この小当たり乱数テーブル202fは、特別図柄の抽選で外れとなった場合に、小当たりか否かを判定するためのデータテーブルであり、遊技状態毎に、小当たりとなるカウンタ値(乱数値)が規定されている。より具体的には、図62に示した通り、潜確状態において小当たりとなるカウンタ値(乱数値)として「0,11〜399」が対応付けられている。第1当たり乱数カウンタC1が取り得る400のカウンタ値のうち、小当たりとなるカウンタ値が390個なので、潜確状態で特別図柄の抽選が実行された場合に、小当たりとなる確率は39/40(390/400)である。このため、潜確状態では、特別図柄の抽選が実行されると、高確率で小当たりとなり、小当たり用入賞口650aへと球が入球容易となる。よって、左打ちを行う必要がある潜確状態において、小当たり用入賞口650aへの入球により付与される賞球により、持ち球を減らさずに遊技を行わせることができる。よって、大当たり種別によらずにオープニングBが設定される最も有利な遊技状態である潜確状態において、持ち球を気にせずに遊技を楽しませることができる。よって、遊技者の潜確状態における遊技に対する興趣を向上させることができる。これに対し、通常状態、時短状態、および確変状態では、小当たりとなるカウンタ値(乱数値)が存在しない。よって、特別図柄の抽選が行われても、小当たりとなることはない。
次に、図63を参照して、本第2実施形態におけるROM202に新たに追加された時短種別選択テーブル202gの詳細について説明する。この時短種別選択テーブル202gは、図63は、この時短種別選択テーブル202gの規定内容を示した図である。この時短種別選択テーブル202gは、大当たり種別、および大当たりとなった時点における遊技状態に応じた時短回数を選択するために用いられる。
図63に示した通り、大当たりEとなった場合に付与される時短回数(時短種別)として、時短状態、潜確状態、および確変状態に対して50回が対応付けて規定されている。上述した通り、時短状態で大当たりEになると、特別図柄の高確率状態が付与され難いオープニングAが設定されるので、大当たり後の状態が特別図柄の低確率状態、且つ、普通図柄の高確率状態となる。即ち、時短状態で大当たりEになると、時短状態をループする。また、潜確状態、および確変状態で大当たりEになると、特別図柄の高確率状態が付与され易いオープニングBが設定されるので、大当たり後の状態が特別図柄の高確率状態、且つ、普通図柄の高確率状態となる。即ち、潜確状態で大当たりEになると、その潜確状態よりも有利度合いが低い確変状態に移行する。一方、確変状態で大当たりEになると、確変状態をループする。また、通常状態に対しては、時短回数が規定されていない(即ち、時短回数0回が設定される)。上述した通り、通常状態で大当たりEになると、特別図柄の高確率状態が付与され難いオープニングBが設定されるので、大当たり後の状態が特別図柄の低確率状態、且つ、普通図柄の低確率状態となる。即ち、通常状態で大当たりEになると、通常状態をループする。
また、図63に示した通り、大当たりFとなった場合に付与される時短回数(時短種別)として、確変状態に対して50回が対応付けて規定されている。上述した通り、確変状態で大当たりFになると、特別図柄の高確率状態が付与され難いオープニングAが設定されるので、大当たり後の状態が特別図柄の低確率状態、且つ、普通図柄の高確率状態となる。即ち、確変状態で大当たりFになると、有利な確変状態から、不利な時短状態へと移行してしまう。よって、確変状態で大当たりFになると、遊技者にとって不利となる。また、通常状態、時短状態、および潜確状態に対しては、時短回数が規定されていない。上述した通り、通常状態、時短状態、および潜確状態で大当たりFになると、特別図柄の高確率状態が付与され易いオープニングBが設定されるので、大当たり後の状態が特別図柄の高確率状態、且つ、普通図柄の低確率状態となる。即ち、通常状態、時短状態、および潜確状態で大当たりFになると、遊技者に最も有利な潜確状態へと移行する。
また、図63に示した通り、大当たりGとなった場合に付与される時短回数(時短種別)として、時短状態、および確変状態に対して100回が対応付けて規定されている。上述した通り、時短状態、および確変状態で大当たりGになると、特別図柄の高確率状態が付与され難いオープニングAが設定されるので、大当たり後の状態が特別図柄の低確率状態、且つ、普通図柄の高確率状態となる。即ち、時短状態で大当たりGになると、時短状態をループし、有利な確変状態で大当たりGになると、不利な時短状態へと移行してしまう。また、通常状態、および潜確状態に対しては、時短回数が規定されていない。上述した通り、通常状態で大当たりGになると、特別図柄の高確率状態が付与され難いオープニングAが設定されるので、大当たり後の状態が特別図柄の低確率状態、且つ、普通図柄の低確率状態となる。即ち、通常状態をループする。一方、潜確状態で大当たりGになると、特別図柄の高確率状態が付与され易いオープニングBが設定されるので、大当たり後の状態が特別図柄の高確率状態、且つ、普通図柄の低確率状態となる。即ち、潜確状態で大当たりGになると、潜確状態をループする。
また、図63に示した通り、大当たりHとなった場合に付与される時短回数として、時短状態に対して20回が対応付けられて規定されている。上述した通り、時短状態で大当たりHになると、特別図柄の高確率状態が付与され難いオープニングAが設定されるので、大当たり後の状態が特別図柄の低確率状態、且つ、普通図柄の高確率状態となる。よって、時短状態で大当たりHになると、時短状態をループする。一方、通常状態、潜確状態、および確変状態に対しては、時短回数が規定されていない。上述した通り、通常状態で大当たりHになると、特別図柄の高確率状態が付与され難いオープニングAが設定されるので、大当たり後の状態が特別図柄の低確率状態、且つ、普通図柄の低確率状態となる。即ち、通常状態をループする。また、潜確状態、および確変状態で大当たりHになると、特別図柄の高確率状態が付与され易いオープニングBが設定されるので、大当たり後の状態が特別図柄の高確率状態、且つ、普通図柄の低確率状態となる。即ち、潜確状態、および確変状態で大当たりHになると、最も有利な潜確状態が設定される。
なお、図63に示した通り、第2特別図柄の抽選で決定される「大当たりI〜L」に関しては、それぞれ「大当たりE〜H」と同一の対応関係が規定されている。ここでは、その詳細な説明については省略する。
このように、本実施形態では、大当たり後に付与される時短回数を、大当たり種別と、大当たり当選時点における遊技状態とに応じて異ならせる構成としている。これにより、遊技状態に応じて有利な大当たり種別を異ならせている。よって、遊技状態に応じて遊技者に異なる大当たり種別を期待させることができるので、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができる。
次に、図64を参照して、本第2実施形態における主制御装置110に設けられたRAM203の内容について説明する。図64は、第2実施形態におけるRAM203の構成を示したブロック図である。図64に示した通り、本題2実施形態におけるRAM203は、第1実施形態におけるRAM203の構成に加え、当選時状態格納エリア203tと、初回入球フラグ203sとが追加されている。また、第1実施形態における確変カウンタ203gに代えて、確変フラグ203uが設けられている。
当選時状態格納エリア203tは、大当たりに当選した時点の遊技状態に応じた情報を格納しておくための記憶領域である。本第2実施形態では、大当たりの開始時に確変状態か否かを示す確変フラグ203uや、残りの時短回数を示す時短中カウンタ203rがリセットされる。このため、大当たり終了時(時短回数を新たに設定する際)に大当たりに当選した時点の状態を確変フラグ203u、および時短中カウンタ203rの各値から特定することができない。そこで、本実施形態では、大当たり当選時に、当選時状態格納エリア203tに対して確変フラグ203uや時短中カウンタ203rの値を格納してから、これらをリセットする構成としている(図66のS232参照)。そして、大当たり終了時には、当選時状態格納エリア203tの情報に基づいて、大当たり当選時の遊技状態を判別し、時短種別選択テーブル202gから時短回数を選択する構成としている(図69のS1212参照)。このように構成することで、大当たり当選時点における遊技状態から、時短回数を正確に設定することができる。
確変フラグ203uは、特別図柄の高確率状態であるか否かを示すフラグである。本実施形態では、大当たり中に確変スイッチ65e3を球が通過した場合に、その大当たりが終了してから、次に大当たりとなるまで特別図柄の高確率状態が継続する構成としている。即ち、第1実施形態では、特別図柄の高確率状態が設定された場合に、その確変回数が50回に限られていたが、本第2実施形態では、確変回数が不定となる。そこで、第1実施形態の確変カウンタ203gに代えて、確変カウンタ203uを設ける構成とし、確変フラグ203uがオンであれば特別図柄の高確率状態、オフであれば特別図柄の低確率状態を示す構成とした。この確変フラグ203uは、大当たり終了時に確変設定フラグ203hがオンであれば、オンに設定される(図69のS1211参照)。また、大当たりの開始時にオフに設定される。
初回入球フラグ203sは、大当たり終了後に設定される回避期間(スルーゲート67への最初の入球が済んでいない状態)であるかを示すフラグである。この初回入球フラグ203sがオンの状態で、スルーゲート67への入球を検出した場合に、主制御装置110から音声ランプ制御装置113に対して初回入球コマンドが設定される(図68のS612参照)。音声ランプ制御装置113では、この初回入球コマンドを受信し、且つ、特別図柄の高確率状態であった場合に、発射示唆演出(図58(a)、図59(b)参照)を実行する。この初回入球フラグ203sは、大当たり終了時にオンに設定され(図69のS1214参照)、初回入球コマンドを設定した後でオフに設定される(図68のS613参照)。
次に、図65を参照して、本第2実施形態における遊技状態の推移について説明する。上述した通り、本第2実施形態では、大当たりの終了を契機として、または、時短回数の終了を契機として、通常状態、時短状態、潜確状態、および確変状態のうちいずれかの状態が設定される。通常状態、および時短状態は、大当たりとなる確率が低いため、遊技者にとって不利となる。このうち、時短状態では、第2入球口640へと球が入球しやすくなり、右打ちを行うことで効率よく遊技を行うことができるので、時短状態の方が通常状態よりも有利となる。一方、潜確状態、および確変状態は、大当たりとなる確率が高く、短い期間で連続して大当たりとなる可能性が高いため、遊技者にとって有利となる。このうち、潜確状態では、大当たり種別によらずオープニングBが設定されるので、大当たりの一部でオープニングAが設定される確変状態よりも遊技者にとって有利となる。即ち、潜確状態が最も有利な遊技状態となる。
まず、図65の左上に示した通常状態における遊技状態の移行方法について説明する。この通常状態は、パチンコ機10の初期設定を行った場合に設定される遊技状態であり、基本的に最も長く滞在する遊技状態である。図65の左上に示した通り、通常状態では、大当たりを契機として他の遊技状態が設定される可能性がある。具体的には、第1特別図柄の抽選で大当たりとなった場合に50%の割合で決定される大当たりFになると、オープニングBが設定され(図61参照)、時短期間が付与されないので(図63参照)、球が大当たり中に確変スイッチ65e3を通過することで、大当たり後に潜確状態が設定される。一方、特別図柄の抽選で決定され得る他の大当たり種別(大当たりE〜H)となった場合には、球を特別排出流路65e2へと流下させることが困難なオープニングAが決定され(図61参照)、時短期間が付与されないので(図63参照)、大当たり後は基本的に再度、通常状態が設定される。なお、大当たりFとなった場合でも、1ラウンド目に球を打ち出さなかった等により球が確変スイッチ65e3を通過しなかった場合には、通常状態が設定される。逆に、大当たりE〜Hとなった場合でも、確変スイッチ65e3を通過した場合は、大当たり後に潜確状態へと移行する。
次に、図65の中断に示した潜確状態における遊技状態の移行方法について説明する。図65の中断に示した通り、潜確状態でも、通常状態と同様に、大当たりを契機として他の遊技状態が設定される可能性がある。具体的には、第1特別図柄の抽選で大当たりとなった場合に25%の割合で決定される大当たりEになると、オープニングBが設定され(図61参照)、50回の時短期間が付与されるので(図63参照)、球が大当たり中に確変スイッチ65e3を通過することで、大当たり後に確変状態が設定される。即ち、有利度合いが少ない状態に転落(ランクダウン)してしまう。一方で、他の大当たり種別(大当たりF,G,H)になると、オープニングBが設定されるが(図61参照)、時短期間は付与されないので(図63参照)、球が大当たり中に確変スイッチ65e3を通過することで、大当たり後に再度、潜確状態が設定される。即ち、遊技者にとって最も有利な潜確状態をループする。このように、潜確状態は、大当たりとなった場合に必ずオープニングBが設定される上に、75%の割合で同一の状態をループするので、極めて有利な状態である。なお、大当たりEの1ラウンド目に球を打ち出さなかった等により、球が確変スイッチ65e3を通過しなかった場合には、大当たり後に時短状態へと移行する。同様に、大当たりF,G,Hの1ラウンド目に球が確変スイッチ65e3を通過しなかった場合には、遊技者にとって最も不利な通常状態へと転落してしまう。
次に、図65の下段に示した確変状態における遊技状態の移行方法について説明する。図65の下段に示した通り、確変状態では、大当たりを契機として他の遊技状態へと移行するだけでなく、大当たり以外の契機(時短回数が終了した場合)でも他の遊技状態へと移行する。具体的には、第2特別図柄の抽選で大当たりとなった場合に65%の割合で決定される大当たりJ,Kになると、球を特別排出流路65e2へと流下させることが困難なオープニングAが決定され(図61参照)、大当たり種別に応じて50回、または100回の時短期間が付与さるので(図63参照)、大当たり後には基本的に時短状態へと移行する。
一方で、第2特別図柄の抽選で大当たりとなった場合に10%の割合で決定される大当たりLになると、オープニングBが設定されるが(図61参照)、時短期間は付与されないので(図63参照)、球が大当たり中に確変スイッチ65e3を通過することで、大当たり後に潜確状態が設定される。即ち、有利度合いが少ない確変状態から、最も有利な潜確状態に復帰させることができる。また、確変状態において、設定された50回の時短期間を経過させることができれば(特別図柄の抽選で50回連続して外れとなれば)、大当たりLとなった場合と同様に、潜確状態へと復帰させることができる。潜確状態へと復帰させることができれば、次の大当たりで必ずオープニングBが設定されるため、実質的に大当たり回数を少なくとも1回分上乗せしたことを意味する。よって、確変状態から潜確状態へと復帰するルートを設けておくことにより、潜確状態から確変状態へと転落してしまったとしても、再度の潜確状態への復帰を期待して遊技を行わせることができる。よって、遊技者の確変状態における遊技に対する興趣を向上させることができる。
一方、第2特別図柄の抽選で大当たりとなった場合に25%の割合で決定される大当たりIになると、オープニングBが設定されると共に(図61参照)、50回の時短期間が付与される(図63参照)。よって、確変状態で大当たりIになると、基本的に確変状態をループする。
このように、確変状態では、大当たり確率が通常状態や時短状態よりも高くなる点で有利であるが、大当たりとなった場合に高確率(65%)で大当たり確率が低い時短状態へと移行してしまう。このため、確変状態では、大当たりとなることよりも、時短期間が終了して潜確状態へと復帰することを期待して遊技を行わせることができる。即ち、特別図柄の抽選で連続して外れとなることを期待して遊技を行わせることができるという斬新な遊技性を提供することができる。また、確変状態で大当たりJ,Kになった場合に、最も不利な通常状態へ移行させるのでなく、時短状態へと移行させることができるので、潜確状態、および確変状態のループが終了した後も、少なくとも時短期間が終了するまで遊技を続行しようと思わせることができる。よって、パチンコ機10の稼働率を向上させることができる。
次に、図65の上部右側に示した時短状態における遊技状態の移行方法について説明する。図65の上部右側に示した通り、時短状態では、確変状態と同様に、大当たりを契機として他の遊技状態へと移行するだけでなく、大当たり以外の契機(時短回数が終了した場合)でも他の遊技状態へと移行する。
具体的には、第2特別図柄の抽選で決定される大当たりとなった場合に50%の割合で決定される大当たりJになると、オープニングBが設定されるが(図61参照)、時短期間は付与されない(図63参照)。よって、時短状態において大当たりJになると、基本的に最も有利な潜確状態へと移行する。また、時短状態において、時短期間が終了した場合は、通常状態へと移行する。
一方で、時短状態中に第2特別図柄の抽選で大当たりI,K,Lになると、オープニングAが設定されると共に(図61参照)、大当たり種別に応じて20回、50回、または100回の時短期間が設定される(図63参照)。よって、時短状態中に当選した大当たりI,K,Lの終了後は、基本的に時短状態をループする。
このように、時短状態で大当たりになった場合には、基本的に通常状態へと移行することが無いので、時短状態をループした場合には、その時短状態として設定された時短期間が終了するまでは少なくとも遊技を継続しようと遊技者に思わせることができる。よって、パチンコ機10の稼働率を向上させることができる。また、大当たり後に潜確状態へと移行した場合には、遊技者に対して大きな満足感を抱かせることができる。
このように、本第2実施形態では、オープニングBが設定される割合を、遊技状態に応じて可変させることにより、遊技状態に応じて特別図柄の高確率状態が付与される割合を可変させている。これにより、大当たり終了後に、基本的に100%の割合で特別図柄の高確率状態が付与される潜確状態を設けることが可能となっている。これにより、通常状態での大当たりFとなることで潜確状態へと移行した場合は、その大当たりFと、その大当たりF後に移行する潜確状態での大当たりEと、その大当たりE後に移行する確変状態での大当たりJ、またはKとの合計3回の大当たりが保障されることになる。よって、一旦潜確状態となることにより、遊技者に対して少なくとも3回分の大当たりの賞球が保障されたことによる安心感、および満足感を抱かせることができる。
また、潜確状態は、大当たりとなった場合に同じ状態を高確率(75%)でループするため、通常状態から潜確状態へと移行させることができれば、大当たりと、大当たり確率が高い潜確状態とが繰り返されやすくなる。よって、より多量な賞球の獲得を期待させることができるので、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができる。また、潜確状態において大当たりEになることにより、確変状態に転落してしまったとしても、その確変状態で外れを50回連続させることができれば、潜確状態へ復帰させることができる。よって、確変状態では外れが連続することを期待させることができるので、斬新な遊戯性を提供することができる。
<第2実施形態における主制御装置の制御処理について>
次に、図66〜図70を参照して、第2実施形態における主制御装置110のMPU201によって実行される各種制御処理について説明を行う。まず、図66は、第1実施形態の特別図柄変動処理(図25参照)に代えて実行される特別図柄変動処理2(S111)を示したフローチャートである。この特別図柄変動処理2(S111)は、第1実施形態における特別図柄変動処理(図25参照)と同様に、第1図柄表示装置37の表示態様や、第3図柄表示装置81による第3図柄の変動パターンなどを設定するための処理である。
この第2実施形態における変動開始処理2(S111)のうち、S201〜S218、およびS221〜S223の各処理では、それぞれ第1実施形態における特別図柄変動処理(図25参照)のS201〜S218、およびS221〜S223の各処理と同一の処理が実行される。
また、本第2実施形態における特別図柄変動処理2(図66参照)では、S216の処理が終了すると、次いで、特別図柄の抽選結果が小当たりか否かを判定し、小当たりであれば小当たりの開始させるための小当たり判定処理を実行して(S231)、処理をS217へと移行する。この小当たり判定処理(S231)の詳細については、図67を参照して後述する。また、S217の処理において、今回の特別図柄の抽選結果が大当たりと判定された場合には(S217:Yes)、確変フラグ203u、および時短中カウンタ203rの値を当選時状態格納エリア203tに格納し(S232)、処理をS218へと移行する。この当選時状態格納エリア203tに格納された値を大当たり終了時まで保持しておくことにより、大当たりに当選した時点における遊技状態を正確に判別して、適切な時短期間を設定することができる。
次に、図67を参照して、上述した小当たり判定処理(S231)の詳細について説明する。この小当たり判定処理では、まず、今回の特別図柄の抽選結果が小当たりであるかを判定する(S241)。S241の処理において、抽選結果が小当たりであると判定した場合は(S241:Yes)、小当たりの開始を設定する(S242)。即ち、小当たり用入賞口650aの開放を設定することにより、小当たり用入賞装置650に対して球が入球可能となるように設定する。S242の処理後は、本処理を終了して特別図柄変動処理2(図66参照)へと戻る。一方、S241の処理において、今回の抽選結果が小当たりでないと判定した場合は(S241:No)、S242の処理をスキップして、そのまま本処理を終了する。
この小当たり判定処理(図67参照)を実行することで、潜確状態において頻繁に小当たり用入賞口650aを開放状態に設定することができる。よって、最も有利な潜確状態で、球持ちを良くすることができるので、潜確状態における遊技者の遊技に対するモチベーションを向上させることができる。
次に、図68を参照して、スルーゲート通過処理2(S112)について説明する。このスルーゲート通過処理2(S112)は、第1実施形態におけるスルーゲート通過処理(図29参照)に代えて実行される処理であり、スルーゲート通過処理(図29参照)と同様に、スルーゲート67への球の通過を検出し、対応する制御を実行するための処理である。
この第2実施形態におけるスルーゲート通過処理2(S112)のうち、S601〜S605の各処理では、それぞれ第1実施形態におけるスルーゲート通過処理(図29参照)のS601〜S605の各処理と同一の処理が実行される。また、第2実施形態におけるスルーゲート通過処理2(S112)では、球が普通入球口(スルーゲート)67を通過したと判別した場合に(S601:Yes)、初回入球フラグ203vがオンであるかを判別する(S611)。即ち、大当たり終了後に設定される回避期間であるかを判別して、初回入球フラグ203vがオンであれば(回避期間であれば)、初回入球コマンドを設定し(S612)、初回入球フラグ203vをオフに設定して(S613)、処理をS602へと移行する。一方、S611の処理において、初回入球フラグ203vがオフであると判別した場合は(S611:No)、S612、およびS613の各処理をスキップして、処理をS602へと移行する。
S612の処理により設定された初回入球コマンドは、RAM203に設けられたコマンド送信用のリングバッファに記憶され、MPU201により実行されるメイン処理(図32参照)の外部出力処理(S901)の中で、音声ランプ制御装置113に向けて送信される。音声ランプ制御装置113は、初回入球コマンドを受信すると、特別図柄の時短状態であることを条件に、発射方向報知演出の実行を設定する。大当たりの終了後、スルーゲート67を最初に球が通過するまで発射方向報知演出の実行を回避する構成とすることで、大当たり後に設定された遊技状態が潜確状態であるか、確変状態であるかを遊技者にわかり難くすることができる。よって、有利な潜確状態が設定されていることをより長く期待させることができる。
次に、図69を参照して、大当たり終了処理2(S1021)について説明する。この大当たり終了処理2(S1021)は、第1実施形態における大当たり終了処理(図35参照)に代えて実行される処理であり、大当たり終了処理(図35参照)と同様に、確変スイッチ65e3の通過状況に応じて、大当たり後の遊技状態を設定するための処理である。
この第2実施形態における大当たり終了処理2(S1021)のうち、S1201、およびS1205の各処理では、それぞれ第1実施形態における大当たり終了処理(図35参照)のS1201、およびS1205の各処理と同一の処理が実行される。また、第2実施形態における大当たり終了処理2(S1021)では、S1201の処理において、確変設定フラグ203hがオンであると判別された場合に(S1201:Yes)、次いで、確変フラグ203uをオンに設定して(S1211)、処理をS1212へと移行する。一方、S1201の処理で確変設定フラグ203hがオフであると判別した場合は(S1201:No)、S1211の処理をスキップし、処理をS1212へと移行する。
S1212の処理では、時短種別選択テーブル202gから、当選時状態格納エリア203tに格納されているデータにより特定される遊技状態に対応する時短回数を読み出して、その読み出した値を時短中カウンタ203rに設定する(S1212)。次いで、S1211、およびS1212の各処理で更新された確変フラグ203u、および時短中カウンタ203rの各値に基づいて状態コマンドを設定する。
ここで設定された状態コマンドは、RAM203に設けられたコマンド送信用のリングバッファに記憶され、MPU201により実行されるメイン処理(図32参照)の外部出力処理(S901)の中で、音声ランプ制御装置113に向けて送信される。音声ランプ制御装置113は、状態コマンドを受信すると、その状態コマンドで通知された遊技状態に合わせて確変状態フラグ223e、および時短状態フラグ223fを更新する。これにより、音声ランプ制御装置113において、パチンコ機10の遊技状態を正確に把握することができる。
また、本第2実施形態における大当たり終了処理2(図69参照)では、S1205の処理が終了すると、初回入球フラグ203vをオンに設定して(S1214)、本処理を終了する。これにより、大当たり終了後に回避期間を設定することができる。
<第2実施形態における音声ランプ制御装置の制御処理について>
次に、図70〜図72を参照して、第2実施形態における音声ランプ制御装置113のMPU221によって実行される各種制御処理について説明する。まず、図70は、第1実施形態のコマンド判定処理(図40参照)に代えて実行されるコマンド判定処理2(S1621)を示したフローチャートである。このコマンド判定処理2(S1621)は、第1実施形態におけるコマンド判定処理(図40参照)と同様に、主制御装置110から受信したコマンドを判定するための処理である。
この第2実施形態におけるコマンド判定処理2(S1621)のうち、S1701〜S1709、およびS1711〜S1713の各処理では、それぞれ第1実施形態におけるコマンド判定処理(図40参照)のS1701〜S1709、およびS1711〜S1713の各処理と同一の処理が実行される。
また、本第2実施形態におけるコマンド判定処理2(図70参照)では、S1709の処理において、主制御装置110から状態コマンドを受信したと判別した場合に(S1709:Yes)、状態コマンドの内容に応じた制御を行うための状態コマンド処理を実行して(S1721)、本処理を終了する。この状態コマンド処理の詳細については、図71を参照して後述する。更に、本第2実施形態におけるコマンド判定処理2(図70参照)では、S1711の処理において、大当たり関連コマンドを受信していないと判別した場合に(S1711:No)、次いで、初回入球コマンドを受信したかを判別し(S1722)、初回入球コマンドを受信していれば(S1722:Yes)、現在の遊技状態に応じた演出を設定するための初回入球処理を実行し(S1723)、本処理を終了する。この初回入球処理(S1723)の詳細については、図72を参照して後述する。
次に、図71を参照して、上述した状態コマンド処理(S1721)の詳細について説明する。この状態コマンド処理が実行されると、まず、確変状態フラグ223e、および時短状態フラグ223fを読み出して(S3901)、確変状態フラグ223eがオンであるかを判別する(S3902)。S3902の処理において、確変状態フラグ223eがオンであると判別した場合は(S3902:Yes)、次いで、時短状態フラグ223fがオンであるかを判別する(S3903)。そして、時短状態フラグ223fもオンであると判別した場合は(S3903:Yes)、今回の状態コマンドにより通知された遊技状態が潜確状態であるかを判別する(S3904)。
S3904の処理において、通知された遊技状態が潜確状態であると判別した場合は(S3904:Yes)、確変状態から潜確状態へと復帰したことを意味するので、潜確復帰演出(図59(b)参照)を設定することにより、遊技者に対して潜確状態へと復帰したことを報知して(S3905)、処理をS3906へと移行する。これにより、遊技者に対して、有利な確変状態から、更に有利な潜確状態へと移行したことを容易に認識させることができるので、遊技者を喜ばせることができる。
これに対し、S3902の処理において確変状態フラグ223eがオフであると判別した場合や(S3902:No)、S3903の処理において時短状態フラグ223fがオフであると判別した場合や(S3903:No)、S3904の処理において潜確状態以外の遊技状態が通知されたと判別した場合は(S3904:No)、確変状態から潜確状態へと復帰した場合ではないので、S3905の処理をスキップして、処理をS3906へと移行する。
S3906の処理では、主制御装置110から通知された状態コマンドに応じて確変状態フラグ223e、および時短状態フラグ223fの値を更新して、本処理を終了する。
次に、図72を参照して、上述した初回入球処理(S1723)の詳細について説明する。この初回入球処理(S1723)が実行されると、まず、確変状態フラグ223e、および時短状態フラグ223fを読み出す(S4001)。次いで、読み出した確変状態フラグ223eの値がオンであるかを判別し(S4002)、オフであれば(S4002:No)、発射方向報知演出を実行するタイミングではないので、そのまま本処理を終了してコマンド判定処理2(図70参照)に戻る。
一方、S4002の処理において、確変状態フラグ223eがオンであると判別した場合は(S4002:Yes)、次いで、S4001の処理で読み出した時短状態フラグ223fがオンであるかを判別する(S4003)。S4003の処理において、時短状態フラグ223fがオンであると判別した場合は(S4003:Yes)、現在の遊技状態が確変状態で回避期間が終了したことを意味するので、発射方向報知演出のうち、右打ちを報知する態様の演出(図59(a)参照)を実行するために、表示用右打ち演出コマンドを設定して(S4004)、本処理を終了する。ここで設定された表示用右打ち演出コマンドは、RAM223に設けられたコマンド送信用のリングバッファに記憶され、MPU221により実行されるメイン処理(図39参照)のコマンド出力処理(S1602)において、表示制御装置114に向けて送信される。表示制御装置114は、表示用右打ち演出コマンドを受信すると、第3図柄表示装置81において右打ちを報知する態様の発射方向報知演出(図59(a)参照)を開始する。
これに対し、S4003の処理において、時短状態フラグ223fがオフであると判別した場合は(S4003:No)、現在の遊技状態が潜確状態で回避期間が終了したことを意味するので、発射方向報知演出のうち、左打ちを報知する態様の演出(図58(b)参照)を実行するために、表示用左打ち演出コマンドを設定して(S4005)、本処理を終了する。ここで設定された表示用左打ち演出コマンドは、RAM223に設けられたコマンド送信用のリングバッファに記憶され、MPU221により実行されるメイン処理(図39参照)のコマンド出力処理(S1602)において、表示制御装置114に向けて送信される。表示制御装置114は、表示用左打ち演出コマンドを受信すると、第3図柄表示装置81において左打ちを報知する態様の発射方向報知演出(図58(b)参照)を開始する。
このように、初回入球処理(S1723)を実行することにより、回避期間の終了時に遊技者が効率よく遊技を行うことができる適切な発射方向を報知することができる。よって、遊技者に対して効率よく遊技を行わせることができる。
以上説明した通り、第2実施形態におけるパチンコ機10では、遊技者にとって有利な2種類の遊技状態(確変状態、潜確状態)を含む4種類の遊技状態を設ける構成としている。そして、最も有利な潜確状態では、大当たりのみを契機として他の遊技状態へと移行可能に構成している上、移行先が基本的に確変状態となるように構成としている。このように構成することで、潜確状態へと移行させることができれば、その潜確状態を含め、少なくとも2回連続で大当たり後に特別図柄の高確率状態が設定されることになるので、短い期間で複数回の大当たりが連続させることができる。よって、短期間に多量の賞球を獲得させることができるので、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができる。また、本第2実施形態におけるパチンコ機10では、潜確状態で大当たりとなった場合に再度、潜確状態が設定される場合や、確変状態で大当たりとなった場合に再度、確変状態が設定される場合を設ける構成としている。即ち、潜確状態となった場合に、大当たりが連続する回数は、遊技者の運次第で可変される構成としている。このように構成することで、特別図柄の高確率状態と大当たりとがどれだけ繰り返されるのかを予想し難くできるので、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができる。
また、本第2実施形態では、潜確状態から、有利度の低い確変状態へと移行してしまった場合でも、大当たりの一部(大当たりI)、および時短期間が経過した場合に、潜確状態へと復帰することが可能に構成している。潜確状態へと復帰させることができれば、再度、少なくとも2回連続で大当たり後に特別図柄の高確率状態が設定される有利な状態になるので、遊技者を喜ばせることができる。更に、本第2実施形態では、大当たり後に潜確状態、および確変状態へと移行した場合に、いずれの遊技状態へと移行したのかを分かり難くするために、遊技状態(球の発射方向)を報知する演出(発射方向報知演出)の実行を大当たりの終了時よりも遅延させる構成としている。より具体的には、大当たりが終了した後、最初にスルーゲート67を通過するまで、発射方向報知演出の実行を回避し、最初にスルーゲート67を球が通過したと検出された場合に、遊技状態に応じた態様の発射方向報知演出を実行する構成としている。このように構成することで、潜確状態であるか、確変状態であるかを、より長く不明確にすることができるので、潜確状態へと移行していることをより長く期待して遊技を行わせることができる。
また、確変状態においてオープニングAが設定される(即ち、不利な)大当たり種別(大当たりJ,K)となった場合に、その大当たり後に時短期間が付与される構成としている。即ち、特別図柄の高確率状態(潜確状態、確変状態)のループが終了した場合に、最も不利な通常状態まで転落させないように構成している。このように構成することで、少なくとも時短期間が終了するまでは遊技を継続しようと遊技者に思わせることができるので、パチンコ機10の稼働率を向上させることができる。加えて、時短状態で大当たりとなった場合には、基本的に通常状態まで転落することがない構成としている。つまり、時短状態で大当たりになった場合には、基本的に時短状態をループするか、潜確状態へと移行する構成としている。よって、時短状態をループした場合には、少なくとも時短期間が終了するまでは遊技を継続しようと遊技者に思わせることができるので、パチンコ機10の稼働率を向上させることができる。また、潜確状態へと移行した場合には、遊技者に対して大きな満足感を抱かせることができる。
なお、本第2実施形態では、潜確状態において特別図柄の抽選により小当たりとなる確率が高くし、頻繁に小当たりとなる構成としていた。これにより、潜確状態における球持ちを良くし、潜確状態における遊技者の遊技に対するモチベーションの低下を抑制する構成としていたが、これに限られるものではない。例えば、潜確状態ではラウンド数の多い大当たり種別が決定され易く構成してもよい。具体的には、例えば、潜確状態で実行され易い第1特別図柄の抽選で大当たりとなった場合には、15ラウンド大当たりが決定され易くなる一方で、確変状態で実行され易い第2特別図柄の抽選では、8ラウンド大当たりが決定され易くなる構成としてもよい。このように構成することで、潜確状態では、左打ちにより持ち球が減り易くなるものの、大当たりとなる確率が高い上に、大当たりとなれば賞球をより多く獲得できるようになるので、球持ちの悪さを加味しても遊技者にとって有利とすることができる。更に、第1特別図柄の抽選で15ラウンドを選択され易く構成することで、確変状態においてあえて左打ちを行う遊技方法を遊技者に選択させることができる。即ち、普通図柄の当たり確率がアップすると共に、電動役物640aの開放時間が長くなる確変状態において、右打ちを行うことで持ち球を減らさずに8ラウンドの大当たりを狙う安定性の高い遊技性と、左打ちを行うことで、球持ちは悪くなるが当たれば15ラウンドとなり易いギャンブル性の高い(少ない抽選回数で当たれば利益が大きいが、外れが連続し続けると損をする可能性がある)遊技性とを遊技者に選択させることができる。これにより、各遊技者の趣向に合わせた遊技を提供することができる。
本第2実施形態では、大当たり後に設定された特別図柄の高確率状態が、次に大当たりとなるまで継続する構成としているが、これに限られるものではない。例えば、確変回数を100回に限る構成としてもよい。このように構成することで、有利な潜確状態や確変状態でも緊張感を持って遊技を行わせることができる。よって、遊技が単調となってしまうことを防止(抑制)することができる。また、本第2実施形態では、普通図柄の時短期間として、20回,50回、および100回のいずれかが設定される構成としているが、これに限られず、時短期間は任意に定めてもよい。また、次の大当たりとなるまで時短期間が継続する構成としてもよい。具体的には、例えば、確変状態が設定される場合には、次の大当たりまで特別図柄の高確率状態、および普通図柄の高確率状態が共に継続する構成としてもよい。
本第2実施形態では、大当たり終了後、スルーゲート67に対する最初の入球を検出したことを契機として、主制御装置110から音声ランプ制御装置113に対して初回入球コマンドを出力する構成としていた。そして、初回入球コマンドを受信した音声ランプ制御装置113は、遊技状態が潜確状態、または確変状態の場合に、遊技状態に応じた発射方向報知演出を実行する構成としていたが、これに限られない。例えば、主制御装置110側で遊技状態まで判別して、発射方向報知演出を実行するタイミングの場合(大当たり後最初にスルーゲート67の通過を検出し、且つ、遊技状態が潜確状態、または確変状態の場合)にのみ初回入球コマンドを出力する構成としてもよい。これにより、音声ランプ制御装置113の処理負荷を軽減することができる。また、初回入球コマンドの出力頻度を低減することができる。一方、主制御装置110では、スルーゲート67を球が通過する毎に音声ランプ制御装置113に対してコマンドを出力する構成とし、音声ランプ制御装置113側で、初回の通過であるか否かや、現在の遊技状態を判別して、発射方向報知演出を実行するか否か判定する構成としてもよい。このように構成することで、主制御装置110側では初回か否かの判別を実行する必要が無くなるので、初回入球フラグ203vの削減によりRAM203の容量を削減できると共に、主制御装置110の処理負荷を軽減することができる。
本実施形態では、大当たり後に潜確状態、または確変状態が設定された場合には、最初にスルーゲート67を球が通過した場合に発射方向報知演出を実行する構成としていたが、発射方向報知演出の実行条件はこれに限られない。例えば、普通図柄の当たりとなった場合に発射方向報知演出を実行する構成としてもよいし、スルーゲート67を球が所定回数(例えば、3回)通過した場合に発射方向報知演出を実行する構成としてもよい。また、これらを複合して、普通図柄の当たりとなるか、スルーゲート67を球が所定回数(例えば、3回)通過するかのうち、いずれかが発生した場合に発射方向報知演出を実行する構成としてもよい。また、例えば、大当たり後、所定期間(例えば、10秒間)が経過してから遊技状態に応じた発射方向報知演出を実行する構成としてもよい。更に、例えば、回避期間を設けない代わりに、発射方向報知演出の態様として、大当たり後、所定期間(例えば、10秒)は、発射すべき方向を遊技者が認識困難となる態様で実行してもよい。ここで、遊技者が視認困難な態様とは、例えば、発射方向を示す文字が最初は微細な文字で表示され、時間の経過とともに文字が拡大されていく態様等が挙げられる。これらの構成とした場合も、上記第2実施形態と同様に、潜確状態か確変状態かを分かり難くすることができるので、遊技者の潜確状態に対する期待感をより長く持続させることができる。
本第2実施形態では、発射方向報知演出の実行が回避される(遅延される)回避期間中の演出として、スルーゲート67を狙うことを報知する態様の演出を実行する構成としたが、回避期間中の演出態様はこれに限られるものではない。例えば、回避期間中は、遊技状態に関係なく左打ちでスルーゲート67を狙うように報知してもよい。このように構成することで、遊技状態として潜確状態が設定された場合に、回避期間中に右打ちを行うことで第1特別図柄の抽選が実行され難くなってしまうことを防止(抑制)することができる。また、上述した通り、遊技状態として確変状態が設定された場合に、回避期間中に左打ちを行ったとしても、普通図柄の当たりとなるまでは右打ちと左打ちとで有利度合いに差が出ない。よって、回避期間中に左打ちを報知する態様の演出を実行することで、遊技状態が潜確状態、確変状態のどちらであっても、遊技者に効率よく遊技を行わせることができる。
本第2実施形態では、有利な遊技状態として潜確状態と確変状態とを設け、潜確状態を最も有利な状態に設定しているが、これに限られるものではない。例えば、確変状態が最も有利となるように構成してもよい。具体的には、確変状態では全ての大当たり種別でオープニングBが設定される構成にすると共に、例えば、75%の割合で時短期間が付与されるように構成する(即ち、確変状態がループし易くなるように構成する)。より具体的には、例えば、確変状態で大当たりJ,K,L(振り分け75%)となった場合にオープニングBが設定されると共に時短期間が付与され、大当たりI(振り分け25%)となった場合にオープニングBが設定されるが時短期間が付与されない(潜確状態に移行する)ように構成する。一方、潜確状態では、過半数の大当たり種別で(例えば、65%の割合で)オープニングAが設定されるように構成してもよい。より具体的には、例えば、大当たりF,G(振り分け65%)ではオープニングAが設定されると共に時短期間が付与される(即ち、時短状態に転落する)ように構成し、大当たりE(振り分け25%)では、オープニングBが設定されると共に時短期間が付与さない(即ち、潜確状態をループする)ように構成し、大当たりH(振り分け10%)ではオープニングBが設定されると共に時短期間が付与される(即ち、確変状態へ復帰する)ように構成してもよい。このように構成することで、上記第2実施形態とは逆に、確変状態を最も有利な遊技状態とすることができる。また、この場合において、潜確状態、または確変状態へと移行した後の回避期間では、左打ちを報知する態様の演出を実行する構成としてもよい。このように構成することで、遊技状態として潜確状態が設定された場合に、回避期間中に右打ちを行うことで第1特別図柄の抽選が実行され難くなってしまうことを防止(抑制)することができる。また、上述した通り、遊技状態として確変状態が設定された場合に、回避期間中に左打ちを行ったとしても、普通図柄の当たりとなるまでは右打ちと左打ちとで有利度合いに差が出ない。よって、回避期間中に左打ちを報知する態様の演出を実行することで、遊技状態が潜確状態、確変状態のどちらであっても、遊技者に効率よく遊技を行わせることができる。更に、スルーゲート67への入球を契機として右打ちが報知された場合には、最も有利な確変状態へと移行していた(またはループした)ことを意味するので、一旦、左打ちを報知して潜確状態に移行した(またはループした)かと思わせておくことにより、遊技者の確変状態へと移行した(またはループした)ことに対する喜びを増幅させることができる。
本第2実施形態では、大当たり終了後、最初にスルーゲート67を球が通過したことに基づいて、発射方向報知演出によって潜確状態、および確変状態のうちどちらの遊技状態へと移行したのかを遊技者に対して報知する構成としているが、遊技状態の報知タイミングはこれに限られるものではない。例えば、確変スイッチ65e3を通過した時点で、当選時状態格納エリア203tに格納された値から大当たり終了時に設定される遊技状態を予測して、報知する構成としてもよい。これにより、早期に遊技者に対して遊技状態を知らせることができる。また、例えば、大当たりの所定ラウンド(例えば、8ラウンド目)や、大当たりのエンディング演出の実行中に、大当たり後の遊技状態を報知する構成としてもよい。
本第2実施形態では、大当たり終了後、最初に左右どちらかのスルーゲート67を球が通過したことに基づいて、発射方向報知演出を実行する構成としているが、これに限られるものではない。例えば、遊技盤13の左側に設けられたスルーゲート67を大当たり終了後、最初に通過したことに基づいて発射方向報知演出を実行する構成としてもよい。そして、回避期間中は、左側のスルーゲート67を狙うように示唆する態様の演出を実行する構成としてもよい。このように構成することで、大当たり終了後の遊技状態が潜確状態の場合には、回避期間中も第1入球口64へと入球し易い左打ちを遊技者に行わせることができるので、効率よく遊技を行わせることができる。また、大当たり終了後の遊技状態が確変状態の場合でも、左側のスルーゲート67を通過したことに基づいて実行される普通図柄の抽選が当たりだった場合に、発射報知演出を確認してから右打ちを行っても電動役物640aが開放されるまでに十分に球を第2入球口640へと入球させることができる長さの変動時間が設定されるので、遊技者に損をさせずに遊技させることができる。この場合において、大当たりのエンディング期間に、左打ちに戻すことを示唆する態様のエンディング演出を実行する構成としてもよい。このように構成することで、エンディング期間まで特定入賞口65aへと球を打ち出してしまうことを防止し、回避期間に突入する前から左打ちを行わせることができる。よって、遊技者がより損をし難くできる。更に、左側のスルーゲート67への球の通過のみを契機に発射方向報知演出を実行する場合は、大当たりの最終ラウンドで特定入賞口65aでなく小当たり用入賞口650aが開放される構成としてもよい。このように構成することで、大当たりの最終ラウンドで、遊技盤13の左側に設けられた小当たり用入賞口650aへと球を入球(入賞)させるために遊技者に左打ちを行わせることができる。よって、回避期間に突入する前から左打ちを行わせることができるので、遊技者がより損をし難い構成とすることができる。なお、スルーゲート67ではなく、発射方向報知演出の実行契機となる専用の入球口(演出用入球口)を遊技盤13の左側の流路に設ける構成としてもよい。このように構成した場合にも、左側のスルーゲート67への通過を契機として発射報知演出を実行するのと同一の効果を奏することができる。
本第2実施形態では、潜確状態を最も有利な状態としているが、これに限られるものではない。例えば、潜確状態よりも、時短状態の方が有利になるように構成してもよい。より具体的には、例えば、特別図柄の高確率状態での大当たり確率と、低確率状態での大当たり確率との差が少なくなるように構成する(例えば、低確率時は1/50、高確率時は1/49)。そして、第1特別図柄の抽選で大当たりとなった場合には、獲得できる賞球数が少ない大当たり種別が決定される割合を高くし(例えば、ラウンド数が1ラウンドの「大当たりα」、「大当たりβ」を決定可能に構成し)、第2特別図柄の抽選で大当たりとなった場合には、賞球数を多く獲得できる大当たり種別が決定される割合が高くなるように(例えば、ラウンド数が15ラウンドの「大当たりγ」、「大当たりδ」を決定可能に)構成する。そして、左打ちで遊技を行う通常状態で「大当たりα」になった場合にはオープニングAが設定され、且つ、100回の時短期間が設定されるように構成する。即ち、賞球を多く獲得できる大当たり種別が決定され易い(第2特別図柄の抽選が実行され易い)時短状態に移行し易くなるように構成する。一方で、通常状態で「大当たりβ」になった場合はオープニングBが設定されるが、時短期間が付与されないように構成する。即ち、賞球が少ない大当たり種別が決定され易い(第1特別図柄の抽選が実行され易い)潜確状態に移行し易くなるように構成する。また、右打ちで遊技を行う時短状態では、「大当たりγ」になった場合にはオープニングAが設定され、且つ、100回の時短期間が設定されるように構成する。即ち、最も有利な時短状態をループし易くなるように構成する。一方で、時短状態で「大当たりδ」になった場合はオープニングBが設定され、且つ、100回の時短期間が付与されるように構成する。即ち、右打ちで遊技を行う比較的有利な確変状態が設定され易くなるように構成する。これにより、時短状態で大当たりとなった場合には、基本的に右打ち遊技を行う時短状態か確変状態が設定されるので、遊技者にとって最も有利となる。また、確変状態で「大当たりδ」になった場合はオープニングBが設定され、且つ、100回の時短期間が付与されるように構成する。即ち、右打ちで遊技を行う比較的有利な確変状態をループ易くなるように構成する。一方、確変状態で「大当たりδ」になった場合はオープニングBが設定されるが、時短期間は付与されないように構成する。即ち、左打ちで遊技を行う不利な潜確状態が設定され易くなるように構成する。これにより、確変状態は、第2特別図柄の抽選が実行され易い点で有利なものの、大当たり後に不利な潜確状態へと移行する可能性があるため時短状態に比較すると有利度を低くすることができる。また、左打ちで遊技を行う潜確状態で「大当たりα」になった場合はオープニングAが設定され、且つ、100回の時短期間が付与されるように構成する。即ち、最も有利な時短状態へと移行できるように構成する。一方、潜確状態で「大当たりβ」になった場合はオープニングAが設定され、時短期間が付与されないように構成する。即ち、左打ちで遊技を行う不利な通常状態が設定され易くなるように構成する。このように、大当たり種別と、遊技状態との組み合わせと、オープニング種別との対応関係、および時短期間の対応関係を変更することにより、時短状態を最も有利とすることができる。よって、一般的には有利とされる確変状態や潜確状態へと移行するよりも、時短状態へと移行することで遊技者を喜ばせることができるという斬新な遊技性を提供することができる。また、遊技者に不利な通常状態や潜確状態では、オープニングBが設定される大当たりとなった場合に時短期間が付与されないように構成しているので、オープニングBが設定される大当たりの1ラウンド目で故意に球を打ち出さないことで時短状態へと移行させることを狙う変則的な遊技方法を根本的に成り立たなくすることができる。より詳述すると、仮にオープニングBが設定される大当たりで時短期間を付与する構成とすると、故意に確変スイッチ65e3を通過しないような打ち方をすることで大当たり後に時短期間のみが設定され、労せずに最も有利な時短状態が設定されてしまう。つまり、不利な状態で大当たりになった場合に変則的な遊技方法を行うと、確実に時短状態に設定されてしまうという不具合が生じる。これに対して、オープニングBが設定される場合には時短期間を付与しない構成とすることで、1ラウンド目に変則的な遊技方法を行っても通常状態が設定されるだけなので、変則的な遊技方法を実行するメリットを無くすことができる。よって、変則的な遊技方法に対する抑制を図ることができる。
また、時短状態を最も有利な遊技状態とする場合において、確変状態を設けない構成としてもよい。即ち、通常状態や潜確状態における遊技状態の移行方法はそのままとしておき、時短状態で大当たりになると基本的に時短状態をループするか、潜確状態に移行するように構成してもよい。より具体的には、時短状態で「大当たりγ」となった場合に、オープニングAが設定され、且つ、100回の時短期間が設定されるように構成する。即ち、最も有利な時短状態をループし易くなるように構成する。一方で、時短状態で「大当たりδ」になった場合はオープニングBが設定され、時短期間が付与されないように構成する。即ち、不利な潜確状態へと移行し易くなるように構成する。このように構成することで、時短状態で「大当たりδ」になった場合に、遊技者が故意に1ラウンド目で球を打ち出さなかったとしても、有利な状態に移行することが無い(時短期間が付与されないため通常状態に移行する)ので、故意に1ラウンド目に球を打ち出さない変則的な遊技方法を防止(抑制)することができる。即ち、通常状態、潜確状態、および時短状態の全ての遊技状態で変則的な遊技方法を抑制することができる。また、時短状態の方が潜確状態よりも有利になるので、一般的には有利とされる潜確状態へと移行するよりも、時短状態へと移行することで遊技者を喜ばせることができるという斬新な遊技性を提供することができる。
本第2実施形態では、大当たり終了後に潜確状態、または確変状態が設定された場合に必ず回避期間を設定する構成としているが、これに限られるものではなく、抽選により回避期間を設定するかを決定してもよい。即ち、大当たり終了後、即座に発射方向報知演出を実行する場合と、回避期間が経過してから発射方向報知演出を実行する場合とを設ける構成としてもよい。この場合において、確変状態が設定された場合よりも、潜確状態が設定された場合に回避期間が設定される確率が高くなる構成としてもよい。このように構成することで、回避期間が設定された時点で、より有利な潜確状態に対する期待感を高めることができる。
<第2実施形態の変形例について>
次に、図73を参照して、上記第2実施形態の変形例について説明する。上述した第2実施形態では、通常状態、時短状態、潜確状態、および確変状態の4つの遊技状態を行き来する構成としていた。
これに対して第2実施形態の変形例では、通常状態、時短状態、および確変状態の3つの遊技状態を行き来する構成としている。そして、確変状態では、大当たりとなった場合にループするか、通常状態に比較して有利な時短状態が設定される。また、時短状態で大当たりになると、通常状態に比較して有利な時短状態をループするか、本変形例において最も有利な確変状態へと復帰する構成としている。このように構成することで、確変状態や時短状態では、大当たりになっても基本的に最も不利な通常状態へ移行することが無くなるので、安心して遊技を行わせることができる。
図73は、第2実施形態の変形例における遊技状態の移行方法を示した図である。図73に示した通り、通常状態では、第1特別図柄の抽選で大当たりFとなった場合(および第2特別図柄の抽選で大当たりJとなった場合)に、潜確状態に代えて確変状態へと移行することを除き、遊技状態の移行方法は上記第2実施形態と同一である。即ち、通常状態で大当たりFとなった場合(および大当たりJとなった場合)には、基本的に次の大当たりまで継続する普通図柄の高確率状態が付与されるように時短種別選択テーブル202gが変更されている。なお、大当たりF(または大当たりJ)となり、オープニングBが設定されたにも拘らず確変スイッチ65e3を球が通過しなかった場合には、100回の時短期間が付与されるように時短種別選択テーブル202gが変更されている。
また、時短状態でも、第2特別図柄の抽選で大当たりJとなった場合(および第1特別図柄の抽選で大当たりFとなった場合)に、潜確状態に代えて確変状態へと移行することを除き、遊技状態の移行方法は上記第2実施形態と同一である。即ち、時短状態で大当たりJ(および大当たりFとなった場合)となった場合には、基本的に次の大当たりまで継続する普通図柄の高確率状態が付与されるように時短種別選択テーブル202gが変更されている。なお、大当たりJ(または大当たりF)となり、オープニングBが設定されたにも拘らず確変スイッチ65e3を球が通過しなかった場合には、100回の時短期間が付与されるように時短種別選択テーブル202gが変更されている。
また、確変状態では、第2特別図柄の抽選で大当たりJ,K,Lとなった場合(および第1特別図柄の抽選で大当たりF,G,Hとなった場合)に最も有利な確変状態をループするように変更されている。即ち、確変状態で大当たりJ,K,Lとなった場合(および大当たりF,G,Hとなった場合)には、いずれもオープニングBが設定されるようにオープニング選択テーブル202eが変更されている。また、大当たりJ,K,L(および大当たりF,G,H)のいずれかとなり、確変スイッチ65e3を通過した場合には、次の大当たりまで継続する普通図柄の高確率状態が設定され、大当たりJ,K,L(および大当たりF,G,H)のいずれかとなり、確変スイッチ65e3を球が通過しなかった場合には、100回の時短期間が設定されるように時短種別選択テーブル202gが変更されている。
加えて、確変状態では、第2特別図柄の抽選で大当たりIとなった場合(および第1特別図柄の抽選で大当たりEとなった場合)に、時短状態へと移行する構成としている。即ち、確変状態で大当たりIとなった場合(および大当たりEとなった場合)は、オープニングAが設定されるようにオープニング選択テーブル202eが変更されている。また、大当たりI(または大当たりE)となり、確変スイッチ65e3を通過した場合には、次の大当たりまで継続する普通図柄の高確率状態が設定され、大当たりI(または大当たりE)となり、確変スイッチ65e3を球が通過しなかった場合には、50回の時短期間が設定されるように時短種別選択テーブル202gが変更されている。
このように、図73に示した遊技状態の移行方法とすること、通常状態、時短状態、および確変状態の3種類の状態のうち、確変状態を最も有利な状態とすることができる。そして、確変状態で大当たりとなった場合には、基本的に確変状態をループするか、時短状態へと移行するように構成できる。これにより、確変状態で不利な大当たり(大当たりI)となった場合に、最も不利な通常状態まで転落してしまうことを抑制できるので、確変状態が終了した時点で遊技者の遊技に対するモチベーションを低下させてしまい、遊技者が即座に遊技を辞めてしまうこと(所謂即ヤメ)を防止(抑制)することができる。よって、パチンコ機10の稼働率を向上させることができる。
加えて、本変形例では、時短状態で大当たりとなった場合に、確変状態へと復帰するか、時短状態がループする構成としている。このように構成することで、時短状態で不利な大当たり(大当たりI,K,L)となった場合に、最も不利な通常状態まで転落してしまうことを抑制できるので、確変状態が終了した時点で遊技者の遊技に対するモチベーションを低下させてしまい、遊技者が即座に遊技を辞めてしまうこと(所謂即ヤメ)を防止(抑制)することができる。よって、パチンコ機10の稼働率を向上させることができる。
以上説明した通り、本第2実施形態の変形例では確変状態や時短状態で不利な大当たり種別となった場合に、時短状態に移行する構成としている。ここで、パチンコ機等の遊技機において、盤面に設けられた入球口の内部に球が入球可能な特定領域が設けられており、その特定領域へと球が入球した場合に、遊技者に有利な特典遊技が付与されるものがある。かかる特典遊技には、特典遊技のみが付与される(特典遊技後の付加価値が付与されない)第1特典遊技と、特典遊技後の付加価値として、遊技状態が通常遊技状態よりも遊技者に有利な有利遊技状態に設定される第2特典遊技が設けられているものがある。また、有利遊技状態では、内部に特定領域が設けられた入球口へと球を入球させ易くなるので、一旦有利遊技状態へと移行させることができれば、特典遊技と有利遊技状態とが繰り返され易くなるので、遊技者にとって極めて有利な状態を形成している。
しかしながら、かかる従来型の遊技機では、有利遊技状態で第1特典遊技が決定されてしまうと、最も不利な通常遊技状態まで転落してしまうため、通常遊技状態が設定された時点で、遊技者の遊技に対するモチベーションを大幅に損ねてしまうという問題点があった。
これに対して本第2実施形態の変形例では、有利な確変状態が終了した場合に、最も不利な通常状態まで転落することを防止し、通常状態よりも比較的有利な時短状態が設定され易くなる構成としているので、有利な確変状態が終了した場合にも、時短状態が終了するまでは遊技を継続しようと思わせることができる。よって、遊技者の遊技に対するモチベーションが低下してしまうことを防止(抑制)できるので、パチンコ機10の稼働率を向上させることができる。
なお、上記第2実施形態、および第2実施形態の変形例では、遊技状態に応じて有利な大当たり種別を異ならせる構成としていたが、有利な大当たり種別、不利な大当たり種別を固定してもよい。より具体的には、例えば、大当たりF、および大当たりJを有利な大当たり種別とし、他の大当たり種別を不利な大当たり種別としてもよい。そして、通常状態や時短状態では、大当たりF,Jとなることで潜確状態(変形例の場合は確変状態)に移行する構成とし、他の大当たり種別となることで同じ状態をループする構成としてもよい。また、潜確状態では、大当たりF,Jとなることで潜確状態をループする構成とし、他の大当たり種別となることで確変状態に移行する構成としてもよい。更に、確変状態では、大当たりF,Jとなることで確変状態をループする構成とし、他の大当たり種別となることで時短状態へ移行する構成としてもよい。このように構成することで、有利な大当たり種別、不利な大当たり種別が分かり易い遊技機を提供することができる。
上記第2実施形態、および第2実施形態の変形例では、時短状態で大当たりとなった場合に有利な遊技状態(潜確状態、または確変状態)へと移行するか、時短状態をループする構成としていたが、時短状態で大当たりとなった場合に設定される遊技状態はこれに限られるものではない。例えば、時短状態で大当たりとなった場合には、必ずオープニングBが設定されるように構成してもよい。即ち、時短期間が経過するよりも前に大当たりに当選させることで、必ず有利な遊技状態へと復帰させることができる構成としてもよい。このように構成することで、時短期間が経過するよりも前に大当たりとなることをより強く期待させることができるので、時短状態における遊技者の遊技に対する興趣をより向上させることができる。
以上、上記実施形態に基づき本発明を説明したが、本発明は上記形態に何ら限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲内で種々の変形改良が可能であることは容易に推察できるものである。
上記各実施形態では、可変入賞装置65の内部に通常排出流路65e1と、特別排出流路65e2とを設ける構成とし、大当たり中に特別排出流路65e2の下流に設けられた確変スイッチ65e3を通過した場合に特別図柄の高確率状態(確変状態)が付与される構成としているが、これに限られるものではない。例えば、大当たり後に特別図柄の高確率状態が付与されるか否かを、大当たり種別、および大当たりに当選した時点の遊技状態に応じて決定するように構成してもよい。即ち、オープニング選択テーブル202eに代えて、大当たり種別、および遊技状態に応じた遊技状態を規定したデータテーブルを設ける構成とし、このデータテーブルを大当たり終了時に参照して、大当たり後の遊技状態を設定する構成としてもよい。このように構成することで、第1実施形態や第2実施形態と同一の効果を奏することができると共に、可変入賞装置65の内部機構を簡素化することができる。
上記各実施形態では、大当たり種別や遊技状態によらず流路ソレノイド(確変ソレノイド)65kに対して同一の動作を設定する構成としていたが、大当たり種別や遊技状態に応じてオープニング期間を可変させるのに代えて、または加えて、流路ソレノイド65kの動作を大当たり種別や遊技状態に応じて可変させる構成としてもよい。このように構成することで、上記各実施形態と同一の効果を奏する上、設計の自由度を高めることができる。
上記各実施形態では、確変スイッチ65e3を通過し続ける限り、制限なく特別図柄の高確率状態が連続する構成としていたが、連続回数には制限を設けてもよい。具体的には、例えば、特別図柄の高確率状態が連続して設定された回数をカウントしておき、連続回数が特定回数(例えば、5回)となった場合には、次の大当たりで確変スイッチ65e3の通過が無効となる(確変スイッチ65e3を通過しても203hがオンにならないか、または確変設定フラグ203hがオンでも確変カウンタ203gまたは確変フラグ203uが更新されない)ように構成してもよい。また、大当たりになっても流路ソレノイド65kが可変しない(即ち、大当たり中に特別排出流路65e2が開放されない)特別な遊技状態を設ける構成とし、特別図柄の高確率状態の連続回数が特定回数(例えば、5回)となった場合には、流路ソレノイド65kが動作しない遊技状態に移行させる構成としてもよい。このように構成することで、特別図柄の高確率状態が過剰に連続し過ぎてしまうことを防止(抑制)できるので、ホールに対して不測の不利益を与えてしまうことを防止(抑制)することができる。
本発明を上記各実施形態とは異なるタイプのパチンコ機等に実施してもよい。例えば、一度大当たりすると、それを含めて複数回(例えば2回、3回)大当たり状態が発生するまで、大当たり期待値が高められるようなパチンコ機(通称、2回権利物、3回権利物と称される)として実施してもよい。また、大当たり図柄が表示された後に、所定の領域に球を入賞させることを必要条件として遊技者に所定の遊技価値を付与する特別遊技を発生させるパチンコ機として実施してもよい。また、Vゾーン等の特別領域を有する入賞装置を有し、その特別領域に球を入賞させることを必要条件として特別遊技状態となるパチンコ機に実施してもよい。更に、パチンコ機以外にも、アレパチ、雀球、スロットマシン、いわゆるパチンコ機とスロットマシンとが融合した遊技機などの各種遊技機として実施するようにしても良い。
なお、スロットマシンは、例えばコインを投入して図柄有効ラインを決定させた状態で操作レバーを操作することにより図柄が変動され、ストップボタンを操作することにより図柄が停止されて確定される周知のものである。従って、スロットマシンの基本概念としては、「複数の識別情報からなる識別情報列を変動表示した後に識別情報を確定表示する表示装置を備え、始動用操作手段(例えば操作レバー)の操作に起因して識別情報の変動表示が開始され、停止用操作手段(例えばストップボタン)の操作に起因して、或いは、所定時間経過することにより、識別情報の変動表示が停止して確定表示され、その停止時の識別情報の組合せが特定のものであることを必要条件として、遊技者に所定の遊技価値を付与する特別遊技を発生させるスロットマシン」となり、この場合、遊技媒体はコイン、メダル等が代表例として挙げられる。
また、パチンコ機とスロットマシンとが融合した遊技機の具体例としては、複数の図柄からなる図柄列を変動表示した後に図柄を確定表示する表示装置を備えており、球打出用のハンドルを備えていないものが挙げられる。この場合、所定の操作(ボタン操作)に基づく所定量の球の投入の後、例えば操作レバーの操作に起因して図柄の変動が開始され、例えばストップボタンの操作に起因して、或いは、所定時間経過することにより、図柄の変動が停止され、その停止時の確定図柄がいわゆる大当たり図柄であることを必要条件として遊技者に所定の遊技価値を付与する特別遊技が発生させられ、遊技者には、下部の受皿に多量の球が払い出されるものである。かかる遊技機をスロットマシンに代えて使用すれば、遊技ホールでは球のみを遊技価値として取り扱うことができるため、パチンコ機とスロットマシンとが混在している現在の遊技ホールにおいてみられる、遊技価値たるメダルと球との別個の取扱による設備上の負担や遊技機設置個所の制約といった問題を解消し得る。
上記した各実施形態についてその全部またはその一部を組み合わせて構成してもよい。
以下に、本発明の遊技機に加えて上述した実施形態に含まれる各種発明の概念を示す。
<特徴A群>(同じ当たり種別でも遊技状態に応じてV入賞率可変させる)
判別条件の成立に基づいて判別を実行する判別手段とその判別手段による判別で特定の判別結果となったことに基づいて遊技者に有利な特典遊技を実行する特典遊技実行手段とその特典遊技実行手段により実行される特典遊技の種別として、予め定めた複数の種別の中から1の特典遊技の種別を決定する種別決定手段と、を備えた遊技機において遊技球が入球可能な入球手段とその入球手段へと遊技球が入球可能となる開放位置と、その開放位置よりも前記入球手段への入球が困難となる閉鎖位置とに可変可能な第1可変手段とその第1可変手段を、前記判別手段により前記特定の判別結果となったことに基づいて、第1可変パターンと、その第1可変パターンに対して前記特典遊技が開始されてから前記第1可変手段が前記開放位置に可変されるまでの期間が少なくとも異なる第2可変パターンとを少なくとも含む複数の可変パターンのいずれかで可変させる第1可変制御手段と前記入球手段へと入球した遊技球が、前記入球手段の内部に設けられた特定領域へと入球可能となる第1位置と、その第1位置よりも前記特定領域への入球が困難となる第2位置とに可変可能な第2可変手段とその第2可変手段を、前記判別手段により前記特定の判別結果となったことに基づいて、予め定めた特定の可変パターンで可変させる第2可変制御手段と前記特典遊技の実行中に前記特定領域へと遊技球が入球した場合に、前記特典遊技を実行した後の遊技状態を遊技者に有利な有利遊技状態に設定する遊技状態設定手段と前記特定の判別結果となった時点の遊技状態と、前記種別決定手段によって決定された前記特典遊技の種別とに基づいて、前記複数の可変パターンから前記第1可変制御手段により可変される1の可変パターンを決定する決定手段とを備え前記第1可変パターンは、前記第1可変手段が前記開放位置に可変されている期間に前記入球手段に入球した遊技球が前記特定領域に入球可能となるものであり前記第2可変パターンは、前記第1可変手段が前記開放位置に可変されている期間に前記入球手段に入球した遊技球が前記第1可変パターンよりも前記特定領域に入球困難となるものであることを特徴とする遊技機A1。
ここで、パチンコ機等の遊技機において、始動入賞に基づいて実行される抽選結果が当たりの場合に、遊技者に有利な当たり状態が付与されるものがある。かかる従来型の遊技機の中には、当たり後の特典として、通常よりも始動入賞し易くなる時短状態が付与されるものがある。この従来型の遊技機では、当たりとなった時点における遊技状態に応じて、時短状態が付与されるか否かや、時短状態が付与される場合の時短期間等を可変させることにより、大当たり後の状態を多様化し、遊技者の興趣向上を図っているものがある(例えば、特開2011−130988号公報)。
しかしながら、かかる従来型の遊技機では、時短期間に多様性を持たせたとしても、当たりとなる抽選確率は当たりの種別に応じて固定されているので、遊技者の興趣を十分に向上させることが困難であった。
これに対して遊技機A1では、入球手段へと遊技球が入球可能となる開放位置と、その開放位置よりも入球手段への入球が困難となる閉鎖位置とに第1可変手段が可変する。判別手段により特定の判別結果となったことに基づいて、第1可変パターンと、その第1可変パターンに対して特典遊技が開始されてから第1可変手段が開放位置に可変されるまでの期間が少なくとも異なる第2可変パターンとを少なくとも含む複数の可変パターンのいずれかで、可変制御手段により第1可変手段が可変される。入球手段へと入球した遊技球が、入球手段の内部に設けられた特定領域へと入球可能となる第1位置と、その第1位置よりも特定領域への入球が困難となる第2位置とに第2可変手段が可変され、その第2可変手段が、判別手段により特定の判別結果となったことに基づいて、第2可変制御手段により予め定めた特定の可変パターンで可変される。特典遊技の実行中に特定領域へと遊技球が入球した場合に、特典遊技を実行した後の遊技状態が遊技状態設定手段により遊技者に有利な有利遊技状態に設定される。特定の判別結果となった時点の遊技状態と、種別決定手段によって決定された特典遊技の種別とに基づいて、複数の可変パターンから第1可変制御手段により可変される1の可変パターンが決定手段により決定される。第1可変パターンは、第1可変手段が開放位置に可変されている期間に入球手段に入球した遊技球が特定領域に入球可能となるように構成され、第2可変パターンは、第1可変手段が開放位置に可変されている期間に入球手段に入球した遊技球が第1可変パターンよりも特定領域に入球困難となるように構成されている。
これにより、特定の判別結果となった時点の遊技状態と、種別決定手段によって決定された特典遊技の種別とに基づいて特定領域へと入球し易い第1可変パターンが設定される割合を可変させることができるので、有利遊技状態が設定される割合を遊技状態に応じて可変させることができる。よって、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができるという効果がある。
遊技機A1において前記有利遊技状態には、前記決定手段により前記第1可変パターンが決定され易い第1有利遊技状態と、その第1有利遊技状態よりも前記第1可変パターンが決定され難い第2有利遊技状態とが少なくとも含まれるものであることを特徴とする遊技機A2。
遊技機A2によれば、遊技機A1の奏する効果に加え、有利遊技状態には、決定手段により第1可変パターンが決定され易い第1有利遊技状態と、その第1有利遊技状態よりも第1可変パターンが決定され難い第2有利遊技状態とが少なくとも含まれるので、特定領域へと遊技球が入球した場合に、第1有利遊技状態が決定されることを期待して遊技を行わせることができる。よって、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができるという効果がある。
遊技機A2において前記第1有利遊技状態は、前記種別決定手段によって決定された前記特典遊技の種別によらず前記決定手段により前記第1可変パターンが決定されるものであることを特徴とする遊技機A3。
遊技機A3によれば、遊技機A2の奏する効果に加え、第1有利遊技状態では、種別決定手段によって決定された特典遊技の種別によらず決定手段によって第1可変パターンが決定されるので、第1有利遊技状態になると、次の特典遊技後に有利遊技状態が設定され易くなる。よって、第1有利遊技状態となった場合に遊技者に対してより大きな満足感を抱かせることができるという効果がある。
遊技機A2又はA3において前記遊技状態設定手段は、前記特典遊技の実行中に前記特定領域へと遊技球が入球しなかった場合に、前記特典遊技を実行した後の遊技状態を前記有利遊技状態よりも不利な不利遊技状態に設定するものであり前記遊技状態設定手段は、前記不利遊技状態で前記特定の判別結果となったことに基づく前記特典遊技の実行中に前記特定領域へと遊技球が入球した場合に、前記第1有利遊技状態を設定する割合が前記第2有利遊技状態を設定する割合よりも高いものであることを特徴とする遊技機A4。
遊技機A4によれば、遊技機A2又はA3の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、特典遊技の実行中に特定領域へと遊技球が入球しなかった場合に、特典遊技を実行した後の遊技状態が遊技状態設定手段により有利遊技状態よりも不利な不利遊技状態に設定される。不利遊技状態で特定の判別結果となったことに基づく特定遊技の実行中に特定領域へと遊技球が入球した場合に、遊技状態設定手段により第1有利遊技状態が設定される割合が、第2有利遊技状態が設定される割合よりも高く構成されている。
これにより、不利遊技状態において特典遊技が実行された場合に、第1有利遊技状態を期待させることができる。よって、不利遊技状態において遊技者の遊技に対するモチベーションが低下してしまうことを抑制できるという効果がある。
遊技機A2からA4のいずれかにおいて前記遊技状態設定手段は、前記第2有利遊技状態よりも、前記第1有利遊技状態で前記特定の判別結果となったことに基づく前記特典遊技の実行中に前記特定領域へと遊技球が入球した場合に、前記第1有利遊技状態を設定する割合が高いものであることを特徴とする遊技機A5。
遊技機A5によれば、遊技機A2からA4の何れかが奏する効果に加え、第2有利遊技状態よりも、第1有利遊技状態で特定の判別結果となったことに基づく特典遊技の実行中に特定領域へと遊技球が入球した場合に、遊技状態設定手段により第1有利遊技状態が設定される割合が高く構成されているので、一旦第1有利遊技状態になると、複数の特典遊技に渡って連続して特典遊技の実行が終了した後の遊技状態として第1有利遊技状態が設定され易くなる。よって、第1有利遊技状態に対する期待感をより向上させることができるという効果がある。
遊技機A2からA5のいずれかにおいて前記遊技状態設定手段は、前記第2有利遊技状態が設定されている場合に、前記特典遊技の終了とは異なる特定条件が成立した場合に前記第1有利遊技状態を設定するものであることを特徴とする遊技機A6。
遊技機A6によれば、遊技機A2からA5のいずれかが奏する効果に加え、第2有利遊技状態が設定されている場合に、特典遊技の終了とは異なる特定条件が成立した場合に遊技状態設定手段によって第1有利遊技状態が設定されるので、第2有利遊技状態において、特定条件が成立することを期待して遊技を行わせることができる。よって、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができるという効果がある。
遊技機A6において球が入球することで前記判別手段による判別が実行される入球判別手段とその入球判別手段に対して遊技球が入球可能な第1可変位置と、その第1可変位置よりも遊技球が入球困難な第2可変位置とに可変可能な第3可変手段とその第3可変手段の可変態様として、前記第1可変位置に可変され易い第1可変態様と、その第1可変態様よりも前記第1可変位置に可変され難い第2可変態様とで少なくとも制御可能な制御手段と、を備え前記第1有利遊技状態は、前記第3可変手段が前記制御手段により前記第2可変態様で制御されるものであり前記第2有利遊技状態は、前記第3可変手段が前記制御手段により前記第1可変態様で制御されるものであることを特徴とする遊技機A7。
遊技機A7によれば、遊技機A6の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、入球判別手段に対して遊技球が入球可能な第1可変位置と、その第1可変位置よりも遊技球が入球困難な第2可変位置とに第3可変手段が可変される。第3可変手段の可変態様として、第1可変位置に可変され易い第1可変態様と、その第1可変態様よりも第1可変位置に可変され難い第2可変態様とで制御手段により少なくとも制御される。第1有利遊技状態では、第3可変手段が第2可変態様で制御され、第2有利遊技状態では、第3可変手段が第1可変態様で制御される。
これにより、第1有利遊技状態よりも有利度合いが低い第2有利遊技状態で、判別手段による判別が実行され易くなるので、第2有利遊技状態において効率よく遊技を行わせることができるという効果がある。
<特徴B群>(確変からサポ抜けで有利な潜確へ移行させる)
判別条件の成立に基づいて判別を実行する判別手段とその判別手段による判別で特定の判別結果となったことに基づいて遊技者に有利な特典遊技を実行する特典遊技実行手段とその特典遊技実行手段により実行された前記特典遊技が終了した後の遊技状態として、前記判別手段により前記特定の判別結果となる確率が第1確率に設定される第1遊技状態と、その第1確率よりも高い第2確率に設定される第2遊技状態と、その第2遊技状態よりも有利であり、且つ、前記第2確率が設定される第3遊技状態とを少なくとも設定可能な遊技状態設定手段とその遊技状態設定手段により前記第2遊技状態が設定されている場合に、前記特典遊技状態の終了を契機としないで遊技状態を前記第2遊技状態から前記第3遊技状態に変更可能な遊技状態変更手段とを備えることを特徴とする遊技機B1。
ここで、パチンコ機等の遊技機において、始動入賞に基づいて実行される抽選結果が当たりの場合に、遊技者に有利な当たり状態が付与されるものがある。かかる従来型の遊技機の中には、当たり後の特典として、当たりとなる抽選確率が高くなる確変状態が付与されるものがある。更に、かかる従来型の遊技機の中には、確変状態の抽選回数に所定の上限回数を定めておき、所定の上限回数の抽選に渡ってとなるまでに当たりとならなかった場合には、当たりとなる抽選確率を通常確率に戻すと共に、確変状態とは別の遊技者に有利な状態(特別状態)に移行させるものがある。この特別状態で当たりになると、確変状態で当たりとなるよりも遊技者に付与される遊技価値が多くなるため、当たりとなる前に確変状態が終了した場合にも、遊技者の遊技に対するモチベーションを維持させることができる(例えば、特開2011−130988号公報)。
しかしながら、かかる従来型の遊技機では、確変状態が終了した後に設定される特別状態において、当たりとなる抽選確率が通常確率となるので、比較的多くの抽選回数に渡って外れとなってしまう可能性が高くなる。よって、遊技者の興趣を十分に向上させることができない虞があった。
これに対して遊技機B1では、判別手段による判別で特定の判別結果となったことに基づいて特典遊技実行手段により遊技者に有利な特典遊技が実行される。特典遊技実行手段により実行された特典遊技が終了した後の遊技状態として、判別手段により特定の判別結果となる確率が第1確率に設定される第1遊技状態と、その第1確率よりも高い第2確率に設定される第2遊技状態と、その第2遊技状態よりも有利であり、且つ、第2確率が設定される第3遊技状態とが遊技状態設定手段により少なくとも設定可能となる。遊技状態設定手段により第2遊技状態が設定されている場合に、特典遊技状態の終了を契機としないで遊技状態が遊技状態変更手段により第2遊技状態から第3遊技状態に変更される。
これにより、特典遊技にならなくても、遊技状態変更手段により第2遊技状態から第3遊技状態に変更することができるので、第2遊技状態における遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができるという効果がある。
遊技機B1において前記遊技状態設定手段により前記特典遊技の終了後の遊技状態として前記第3遊技状態が設定された場合に、当該特典遊技を含む少なくとも所定回数の前記特典遊技に渡って前記第2確率が設定される遊技状態が設定され易くなる連続状態を設定する連続状態設定手段を備えることを特徴とする遊技機B2。
遊技機B2によれば、遊技機B1の奏する効果に加え、遊技状態設定手段により特典遊技の終了後の遊技状態として第3遊技状態が設定された場合に、当該特典遊技を含む少なくとも所定回数の特典遊技に渡って第2確率が設定される遊技状態が設定され易くなる連続状態が連続状態設定手段によって設定されるので、連続状態が設定されることを期待して遊技を行わせることができる。よって、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができるという効果がある。
遊技機B1またはB2において前記遊技状態設定手段は、前記第3遊技状態で前記特典遊技が実行されるよりも、前記第2遊技状態で前記特典遊技が実行された場合に、その特典遊技が終了した後の遊技状態を前記第1遊技状態に設定する割合が高いものであることを特徴とする遊技機B3。
遊技機B3によれば、遊技機B1またはB2の奏する効果に加え、第3遊技状態で特典遊技が実行されるよりも、第2遊技状態で特典遊技が実行された場合に、その特典遊技が終了した後の遊技状態として遊技状態設定手段により第1遊技状態が設定される割合が高く構成されているので、第2遊技状態では、特典遊技が実行されるよりも前に遊技状態変更手段によって第3遊技状態が設定されることを期待させるという斬新な遊技性を提供することができる。よって、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができるという効果がある。
遊技機B1からB3のいずれかにおいて前記遊技状態設定手段は、前記第3遊技状態で実行された前記特典遊技が終了した場合に、前記第2遊技状態と、前記第3遊技状態とのいずれかを設定可能なものであることを特徴とする遊技機B4。
遊技機B4によれば、遊技機B1からB3のいずれかが奏する効果に加え、第3遊技状態で実行された特典遊技が終了した場合に、遊技状態設定手段により第2遊技状態と、第3遊技状態とのいずれかが設定されるので、特典遊技が終了した後は、第2確率が設定される。よって、第2確率が設定される遊技状態が連続して設定されるので、第3遊技状態となることで遊技者を喜ばせることができるという効果がある。
遊技機B1からB4のいずれかにおいて遊技球が入球することで前記判別手段による判別が実行される入球手段とその入球手段に遊技球が入球困難となる第1位置と、その第1位置に比較して前記入球手段に遊技球が入球容易となる第2位置とに可変可能な可変手段とその可変手段を、所定条件の成立に基づいて前記第1位置から前記第2位置へと所定期間可変させる可変制御手段とを備え前記第2遊技状態は、前記第3遊技状態よりも前記可変制御手段により前記第2位置に可変され易いものであることを特徴とする遊技機B5。
遊技機B5によれば、遊技機B1からB4のいずれかが奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、入球手段に遊技球が入球困難となる第1位置と、その第1位置に比較して入球手段に遊技球が入球容易となる第2位置とに可変手段が可変される。所定条件の成立に基づいて第1位置から第2位置へと可変手段が所定期間、可変制御手段により可変される。第2遊技状態は、第3遊技状態よりも可変制御手段により第2位置に可変され易くなる。
これにより、第2遊技状態において判別手段による判別を実行され易くできるので、第2遊技状態において効率よく遊技を行わせることができるという効果がある。
遊技機B1からB5のいずれかにおいて前記第2遊技状態が設定されたことに基づいて、前記判別手段による判別で前記特定の判別結果とは異なる外れ判別結果が連続した回数を計数する計数手段を備え前記遊技状態変更手段は、前記計数手段により計数された前記外れ判別結果の連続回数が特定回数になったことに基づいて遊技状態を前記第2遊技状態から前記第3遊技状態に変更するものであることを特徴とする遊技機B6。
遊技機B6によれば、遊技機B1からB5のいずれかが奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、第2遊技状態が設定されたことに基づいて、判別手段による判別で特定の判別結果とは異なる外れ判別結果が連続した回数が計数手段により計数される。計数手段により計数された外れ判別結果の連続回数が特定回数になったことに基づいて遊技状態変更手段により遊技状態が第2遊技状態から第3遊技状態に変更される。
これにより、第2遊技状態では、特定の判別結果となることよりも、外れ判別結果が連続することを期待して遊技を行わせることができるので、斬新な遊技性の遊技機を提供することができるという効果がある。
遊技機B1からB6のいずれかにおいて前記特典遊技実行手段により実行される特典遊技の種別として、予め定めた複数の種別の中から1の特典遊技の種別を決定する種別決定手段と遊技球が入球可能な入球手段とその入球手段へと遊技球が入球可能となる開放位置と、その開放位置よりも前記入球手段への入球が困難となる閉鎖位置とに可変可能な第1可変手段と前記入球手段へと入球した遊技球が、前記入球手段の内部に設けられた特定領域へと入球可能となる第1可変位置と、その第1可変位置に比較して前記特定領域への入球が困難となる第2可変位置とに可変可能な第2可変手段と前記判別手段により前記特定の判別結果となったことに基づいて、前記第1可変手段と前記第2可変手段とを所定の可変パターンで可変させる可変制御手段とその可変制御手段により可変される前記所定の可変パターンとして、前記第1可変手段が前記開放位置に可変されている期間に前記入球手段に入球した遊技球が前記特定領域に入球可能となる第1可変パターンと、その第1可変パターンよりも前記特定領域に入球することが困難になる第2可変パターンとを少なくとも決定可能な決定手段と、を備え前記遊技状態設定手段は、前記特典遊技の実行中に遊技球が前記特定領域へ入球した場合に、前記特典遊技が終了した後の遊技状態を前記第2遊技状態または前記第3遊技状態のいずれかに設定するものであり前記決定手段は、前記特定の判別結果となった時点の遊技状態と、前記種別決定手段によって決定された前記特典遊技の種別とに基づいて、1の可変パターンを決定するものであることを特徴とする遊技機B7。
遊技機B7によれば、遊技機B1からB6の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、特典遊技実行手段により実行される特典遊技の種別として、予め定めた複数の種別から1の種別が種別決定手段によって決定される。入球手段へと遊技球が入球可能となる開放位置と、その開放位置よりも入球手段への入球が困難となる閉鎖位置とに第1可変手段が可変する。入球手段へと入球した遊技球が、入球手段の内部に設けられた特定領域へと入球可能となる第1可変位置と、その第1可変位置に比較して特定領域への入球が困難となる第2可変位置とに第2可変手段が可変される。判別手段により特定の判別結果となったことに基づいて、第1可変手段と第2可変手段とが可変制御手段により所定の可変パターンで可変される。可変制御手段により可変される所定の可変パターンとして、第1可変手段が開放位置に可変されている期間に入球手段に入球した遊技球が特定領域に入球可能となる第1可変パターンと、その第1可変パターンよりも特定領域に入球することが困難になる第2可変パターンとが決定手段によって少なくとも決定可能に構成されている。特典遊技の実行中に遊技球が特定領域へと入球した場合に、特典遊技が終了した後の遊技状態が遊技状態設定手段により第2遊技状態または第3遊技状態のいずれかに設定される。特定の判別結果となった時点の遊技状態と、種別決定手段によって決定された特典遊技の種別とに基づいて決定手段により1の可変パターンが決定される。
これにより、特定の判別結果となった時点の遊技状態と、種別決定手段によって決定された特典遊技の種別とに基づいて特定領域へと入球し易い可変パターンの設定され易さを異ならせることができるので、特典遊技の終了後に第2確率が設定される割合を遊技状態に応じて可変させることができる。よって、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができるという効果がある。
遊技機B7において前記第1可変パターンと前記第2可変パターンとは、前記特典遊技が開始されてから前記第1可変手段が前記開放位置に可変するまでの期間が少なくとも異なるものであることを特徴とする遊技機B8。
遊技機B8によれば、遊技機B7の奏する効果に加え、第1可変パターンと第2可変パターンとは、特典遊技が開始されてから第1可変手段が開放位置に可変するまでの期間が少なくとも異なって構成されているので、第1可変手段が開放位置に可変されるまでの期間により可変パターンを予測させることができる。よって、特典遊技の実行中における遊技者の興趣を向上させることができるという効果がある。
遊技機B8において、前記第1可変パターンと前記第2可変パターンとは、前記第2可変手段の動作が同一であることを特徴とする遊技機B9。
遊技機B9によれば、遊技機B8の奏する効果に加え、第1可変パターンと第2可変パターンとは、第2可変手段の動作が同一であるので、第2可変手段の制御として1通りの可変制御のみを規定しておけばよく、処理負荷を軽減することができるという効果がある。
<特徴C群>(有利な打ち出し方向を分かり難くする演出)
遊技者の操作に基づいて遊技球を遊技領域に発射可能な発射手段とその発射手段により発射された遊技球が通過可能な第1経路と、その第1経路とは異なる第2経路と前記第1経路に配置され、遊技球が入球可能な第1入球手段と前記第2経路に配置され、遊技球が入球可能な第2入球手段と前記第1入球手段、または前記第2入球手段に遊技球が入球したことに基づいて判別を実行する判別手段とその判別手段による判別で特定の判別結果となったことに基づいて遊技者に有利な特典遊技を実行する特典遊技実行手段とその特典遊技実行手段により実行された前記特典遊技の終了を契機に、前記第2経路よりも前記第1経路へと遊技球を打ち出した場合に前記判別手段による判別が実行され易くなる第1遊技状態と、前記第1経路よりも前記第2経路に遊技球を打ち出した場合に前記判別手段による判別が実行され易くなる第2遊技状態とを少なくとも含む複数の遊技状態から1の遊技状態を設定可能な遊技状態設定手段とその遊技状態設定手段によって1の遊技状態が設定されてから前記発射手段により発射された遊技球によって所定条件を満たしたかを判別する条件判別手段とその条件判別手段により前記所定条件を満たしたと判別されたことに基づいて、遊技球を発射する経路として前記判別手段による判別が実行され易くなる経路を示唆する態様の特定演出を実行する演出実行手段と、を備えることを特徴とする遊技機C1。
ここで、パチンコ機等の遊技機において、始動入賞に基づいて実行される抽選結果が当たりの場合に、遊技者に有利な当たり状態が付与されるものがある。この従来型の遊技機の中には、当たりの少なくとも一部で、始動入賞が発生し易くなる時短状態が付与されるものがある。また、かかる従来型の遊技機には、遊技盤に複数の始動入賞口が設けられ、時短状態となることにより一部の始動入賞口へと遊技球が入賞し易くなるものもある。この遊技機では、時短状態か否かに応じて、何れの始動入賞口を狙って遊技を行うべきかを示唆する演出(示唆演出)を実行する構成とすることで、より分かりやすい遊技を提供している(例えば、特開2006−230825号公報)。
しかしながら、かかる従来型の遊技機では、当たり後に時短状態へと移行した場合、即座に示唆演出が実行されるので、時短状態となったか否かの期待感を最長でも大当たり終了時点までしか維持させることができないという問題点があった。
これに対して遊技機C1では、遊技者の操作に基づいて発射手段により遊技球が遊技領域へ発射され、その発射手段により発射された遊技球が通過可能な第1経路と、その第1経路とは異なる第2経路とが設けられている。第1経路には遊技球が入球可能な第1入球手段が配置されており、第2経路には遊技球が入球可能な第2入球手段が配置されている。第1入球手段、または第2入球手段に遊技球が入球したことに基づいて判別手段による判別が実行され、その判別手段による判別で特定の判別結果となったことに基づいて特典遊技実行手段により遊技者に有利な特典遊技が実行される。特典遊技実行手段により実行された特典遊技の終了を契機に、第2経路よりも第1経路へと遊技球を打ち出した場合に判別手段による判別が実行され易くなる第1遊技状態と、第1経路よりも第2経路に遊技球を打ち出した場合に判別手段による判別が実行され易くなる第2遊技状態とを少なくとも含む複数の遊技状態から1の遊技状態が遊技状態設定手段によって設定される。遊技状態設定手段によって1の遊技状態が設定されてから発射手段により発射された遊技球によって所定条件を満たさしたかが条件判別手段によって判別され、その条件判別手段によって所定条件を満たしたと判別されたことに基づいて、遊技球を発射する経路として判別手段による判別が実行され易くなる経路を示唆する態様の特定演出が演出実行手段によって実行される。
これにより、遊技状態が設定されても所定条件が成立するまで特定演出が実行されないので、より有利な遊技状態が設定されていることに対する期待感を、少なくとも所定条件が成立するまで持続させることができるという効果がある。
遊技機C1において前記第2入球手段へと遊技球が入球し易くなる第1位置と、その第1位置に比較して遊技球が入球し難くなる第2位置とに可変可能な可変手段とその可変手段を、特定条件の成立に基づいて前記第2位置から前記第1位置へと可変させる可変制御手段と、を備え前記第2遊技状態は、前記第1遊技状態よりも前記特定条件が成立し易くなるものであることを特徴とする遊技機C2。
遊技機C2によれば、遊技機C1の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、第2入球手段へと遊技球が入球し易くなる第1位置と、その第1位置に比較して遊技球が入球し難くなる第2位置とに可変手段が可変され、その可変手段が、特定条件の成立に基づいて可変制御手段により第2位置から第1位置へと可変される。第2遊技状態は、第1遊技状態よりも特定条件が成立し易く構成されている。
これにより、第2遊技状態では、可変手段が第1位置へと可変されている間に遊技球を第2入球口へと入球させようとして発射手段を操作させることができるので、遊技者の遊技に対する参加意欲を向上させることができるという効果がある。
遊技機C2において遊技球が通過可能な通過手段とその通過手段を遊技球が通過したことに基づいて所定の判別を実行する所定判別手段と、を備え前記特定条件は、前記所定判別手段により所定の判別結果となった場合に成立するものであり前記所定条件は、前記遊技状態設定手段により前記遊技状態が設定されてから前記発射手段により発射された遊技球が、前記通過手段を特定回数通過した場合に成立するものであることを特徴とする遊技機C3。
遊技機C3によれば、遊技機C2の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、通過手段を遊技球が通過したことに基づいて所定判別手段により所定の判別が実行される。所定判別手段により所定の判別結果となった場合に特定条件が成立する。遊技状態設定手段により遊技状態が設定されてから発射手段により発射された遊技球が、通過手段を特定回数通過した場合に所定条件が成立する。
これにより、所定条件を成立させるために遊技者に通過手段を狙って球を発射させることができる。よって、遊技者の遊技に対する参加意欲を向上させることができるという効果がある。
遊技機C3において前記通過手段として、前記第1経路に配置された第1通過手段と、前記第2経路に配置された第2通過手段とが少なくとも設けられているものであることを特徴とする遊技機C4。
遊技機C4によれば、遊技機C3の奏する効果に加え、通過手段として、第1経路に配置された第1通過手段と、第2経路に配置された第2通過手段とが少なくとも設けられているので、所定条件の成立前においては、遊技者の好みの経路へと遊技球を発射して所定条件の成立を期待させることができる。よって、遊技者の遊技に対する興趣をより向上させることができるという効果がある。
遊技機C4において前記第1遊技状態は、前記第2遊技状態よりも遊技者に有利な遊技状態であり前記所定条件は、前記遊技状態設定手段により遊技状態が設定されてから前記発射手段により発射された遊技球が最初に前記第1通過手段を通過した場合に成立するものであることを特徴とする遊技機C5。
遊技機C5によれば、遊技機C4の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、第1遊技状態が、第2遊技状態よりも遊技者に有利となるように構成されている。遊技状態設定手段により遊技状態が設定されてから発射手段により発射された遊技球が最初に第1通過手段を通過した場合に所定条件が成立する。
これにより、有利な第1遊技状態において判別手段による判別が実行され易い第1経路が特定演出により示唆されることを期待して第1経路へと遊技球を発射させることができる。よって、遊技者の遊技に対する参加意欲を向上させることができるという効果がある。
遊技機C3からC5のいずれかにおいて少なくとも前記第2遊技状態において、前記特定条件が成立してから前記可変手段が前記第1位置へと可変されるまでの期間は、前記発射手段により前記第2経路へと発射された遊技球が前記第2入球手段へと到達するまでに要する期間よりも長いものであることを特徴とする遊技機C6。
遊技機C6によれば、遊技機C2からC5のいずれかが奏する効果に加え、少なくとも第2遊技状態において、特定条件が成立してから可変手段が第1位置へと可変されるまでの期間は、発射手段により第2経路へと発射された遊技球が第2入球手段へと到達するまでに要する期間よりも長く構成されているので、設定された遊技状態が第2遊技状態だった場合に、通過手段を通過したことに基づいて所定条件が成立し、且つ、特定演出により第2経路が示唆されたとしても、可変手段が第1位置へと可変される前に第2入球手段へと遊技球を到達させることができる。よって、第2遊技状態において判別手段による判別の機会を最大限活かすことができるという効果がある。
遊技機C2において前記第1経路に設けられ、前記第1入球手段とは異なる所定入球手段を備え前記所定条件は、前記遊技状態設定手段により前記遊技状態が設定されてから前記発射手段により発射された遊技球が最初に前記所定入球手段に入球した場合に成立するものであることを特徴とする遊技機C7。
遊技機C7によれば、遊技機C2の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、第1入球手段とは異なる所定入球手段が第1経路に設けられている。そして、遊技状態設定手段により遊技状態が設定されてから発射手段により発射された遊技球が最初に所定入球手段に入球した場合に所定条件が成立する。
これにより、所定条件を成立させようとして所定入球手段を狙って球を発射させることができるので、遊技者の遊技に対する参加意欲を向上させることができるという効果がある。
遊技者の操作に基づいて遊技球を遊技領域に発射可能な発射手段とその発射手段により発射された遊技球が通過可能な第1経路と、その第1経路とは異なる第2経路と前記第1経路に配置され、遊技球が入球可能な第1入球手段と前記第2経路に配置され、遊技球が入球可能な第2入球手段と前記第1入球手段、または前記第2入球手段に遊技球が入球したことに基づいて判別を実行する判別手段とその判別手段による判別で特定の判別結果となったことに基づいて遊技者に有利な特典遊技を実行する特典遊技実行手段とその特典遊技実行手段により実行された前記特典遊技の終了を契機に、前記第2経路よりも前記第1経路へと遊技球を打ち出した場合に前記判別手段による判別が実行され易くなる第1遊技状態と、前記第1経路よりも前記第2経路に遊技球を打ち出した場合に前記判別手段による判別が実行され易くなる第2遊技状態とを少なくとも含む複数の遊技状態から1の遊技状態を設定可能な遊技状態設定手段とその遊技状態設定手段によって1の遊技状態が設定されてからの経過時間を計時する計時手段とその計時手段により特定の経過時間となったことに基づいて遊技球を発射する経路として前記判別手段による判別が実行され易くなる経路を示唆する態様の特定演出を実行する演出実行手段と、を備えるものであることを特徴とする遊技機C8。
遊技機C8によれば、遊技者の操作に基づいて発射手段により遊技球が遊技領域へ発射され、その発射手段により発射された遊技球が通過可能な第1経路と、その第1経路とは異なる第2経路とが設けられている。第1経路には遊技球が入球可能な第1入球手段が配置されており、第2経路には遊技球が入球可能な第2入球手段が配置されている。第1入球手段、または第2入球手段に遊技球が入球したことに基づいて判別手段による判別が実行され、その判別手段による判別で特定の判別結果となったことに基づいて特典遊技実行手段により遊技者に有利な特典遊技が実行される。特典遊技実行手段により実行された特典遊技の終了を契機に、第2経路よりも第1経路へと遊技球を打ち出した場合に判別手段による判別が実行され易くなる第1遊技状態と、第1経路よりも第2経路に遊技球を打ち出した場合に判別手段による判別が実行され易くなる第2遊技状態とを少なくとも含む複数の遊技状態から1の遊技状態が遊技状態設定手段によって設定される。遊技状態設定手段によって1の遊技状態が設定されてからの経過時間が計時手段によってけ計時され、その計時手段により特定の経過時間となったことに基づいて遊技球を発射する経路として判別手段による判別が実行され易くなる経路を示唆する態様の特定演出が演出実行手段によって実行される。
これにより、遊技状態が設定されても特定の経過時間となるまで特定演出が実行されないので、より有利な遊技状態が設定されていることに対する期待感を、少なくとも特定の経過時間となるまで持続させることができるという効果がある。
遊技機C1からC8のいずれかにおいて前記特典遊技実行手段により実行される特典遊技の種別として、予め定めた複数の種別の中から1の特典遊技の種別を決定する種別決定手段と遊技球が入球可能な可変入球手段とその可変入球手段へと遊技球が入球可能となる開放位置と、その開放位置よりも前記入球手段への入球が困難となる閉鎖位置とに可変可能な第1可変手段と前記可変入球手段へと入球した遊技球が、前記可変入球手段の内部に設けられた特定領域へと入球可能となる第1可変位置と、その第1可変位置に比較して前記特定領域への入球が困難となる第2可変位置とに可変可能な第2可変手段と前記判別手段により前記特定の判別結果となったことに基づいて、前記第1可変手段と前記第2可変手段とを所定の可変パターンで可変させる可変制御手段とその可変制御手段により可変される前記所定の可変パターンとして、前記第1可変手段が前記開放位置に可変されている期間に前記入球手段に入球した遊技球が前記特定領域に入球可能となる第1可変パターンと、その第1可変パターンよりも前記特定領域に入球することが困難になる第2可変パターンとを少なくとも決定可能な決定手段と、を備え前記遊技状態設定手段は、前記特典遊技の実行中に遊技球が前記特定領域へ入球した場合に、前記特典遊技が終了した後の遊技状態を前記第1遊技状態または前記第2遊技状態のいずれかに設定し、前記特定領域へ遊技球が入球しなかった場合に、前記第1遊技状態よりも遊技者に不利な第3遊技状態を設定するものであり前記決定手段は、前記特定の判別結果となった時点の遊技状態と、前記種別決定手段によって決定された前記特典遊技の種別とに基づいて、1の可変パターンを決定するものであることを特徴とする遊技機C9。
遊技機C9によれば、遊技機C1からC8のいずれかが奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、特典遊技実行手段により実行される特典遊技の種別として、予め定めた複数の種別の中から1の特典遊技の種別が種別決定手段により決定される。可変入球手段へと遊技球が入球可能となる開放位置と、その開放位置よりも入球手段への入球が困難となる閉鎖位置とに第1可変手段が可変される。可変入球手段へと入球した遊技球が、可変入球手段の内部に設けられた特定領域へと入球可能となる第1可変位置と、その第1可変位置に比較して特定領域への入球が困難となる第2可変位置とに第2可変手段が可変される。判別手段により特定の判別結果となったことに基づいて、第1可変手段と第2可変手段とが可変制御手段により所定の可変パターンで可変される。可変制御手段により可変される所定の可変パターンとして、第1可変手段が開放位置に可変されている期間に入球手段に入球した遊技球が特定領域に入球可能となる第1可変パターンと、その第1可変パターンよりも特定領域に入球することが困難になる第2可変パターンとが決定手段により少なくとも決定される。特典遊技の実行中に遊技球が特定領域へ入球した場合に、特典遊技が終了した後の遊技状態が遊技状態設定手段により第1遊技状態または第2遊技状態のいずれかに設定される。一方、特典遊技の実行中に遊技球が特定領域へ入球しなかった場合に、特典遊技が終了した後の遊技状態が遊技状態設定手段により第1遊技状態よりも遊技者に不利な第3遊技状態が設定される。特定の判別結果となった時点の遊技状態と、種別決定手段によって決定された特典遊技の種別とに基づいて、決定手段により1の可変パターンが決定される。
これにより、特定の判別結果となった時点の遊技状態と、種別決定手段によって決定された特典遊技の種別とに基づいて特定領域へと入球し易い可変パターンの設定され易さを異ならせることができるので、特典遊技の終了後に第1遊技状態、または第2遊技状態が設定される割合を遊技状態に応じて可変させることができる。よって、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができるという効果がある。
遊技機C9において前記決定手段は、前記第2遊技状態で前記特定の判別結果になるよりも、前記第1遊技状態で前記特定の判別結果となった場合に前記第1可変パターンが決定され易いものであることを特徴とする遊技機C10。
遊技機C10によれば、遊技機C9の奏する効果に加え、第2遊技状態で特定の判別結果になるよりも、第1遊技状態で特定の判別結果となった場合に決定手段により第1可変パターンが決定され易く構成されているので、第1遊技状態で判別が実行され易くなる第1経路が特定演出により示唆されることを期待させることができる。よって、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができるという効果がある。
遊技機C9またはC10において前記第1可変パターンと前記第2可変パターンとは、前記特典遊技が開始されてから前記第1可変手段が前記開放位置に可変するまでの期間が少なくとも異なるものであることを特徴とする遊技機C11。
遊技機C11によれば、遊技機C9またはC10のいずれかが奏する効果に加え、第1可変パターンと第2可変パターンとは、特典遊技が開始されてから第1可変手段が開放位置に可変するまでの期間が少なくとも異なって構成されるので、第1可変手段が開放位置に可変されるまでの期間により可変パターンを予測させることができる。よって、特典遊技の実行中における遊技者の興趣を向上させることができるという効果がある。
遊技機C11において、前記第1可変パターンと前記第2可変パターンとは、前記第2可変手段の動作が同一であることを特徴とする遊技機C12。
遊技機C12によれば、遊技機C11の奏する効果に加え、第1可変パターンと第2可変パターンとは、第2可変手段の動作が同一であるので、第2可変手段の制御として1通りの可変制御のみを規定しておけばよく、処理負荷を軽減することができるという効果がある。
<特徴D群>(確変中や引き戻し時短中に非Vで時短付与)
判別条件の成立に基づいて判別を実行する判別手段とその判別手段による判別で特定の判別結果となったことに基づいて遊技者に有利な特典遊技を実行する特典遊技実行手段と特定条件の成立に基づいて、第1遊技状態と、その第1遊技状態よりも判別手段による判別が実行され易くなる第2遊技状態とを少なくとも含む複数の遊技状態から1の遊技状態を設定可能な遊技状態設定手段と、を備えた遊技機において遊技球が入球可能な入球手段とその入球手段へと遊技球が入球可能となる開放位置と、その開放位置よりも前記入球手段への入球が困難となる閉鎖位置とに可変可能な第1可変手段とその第1可変手段を、前記判別手段による判別で特定の判別結果となったことに基づいて所定の可変パターンで可変させる第1可変制御手段と前記入球手段へと入球した遊技球が、前記入球手段の内部に設けられた特定領域へと入球可能となる第1位置と、その第1位置よりも前記特定領域への入球が困難となる第2位置とに可変可能な第2可変制御手段とその第2可変手段を、前記判別手段による判別で特定の判別結果となったことに基づいて予め定めた特定の可変パターンで可変させる第2可変制御手段と前記第1可変制御手段により可変される可変パターンとして、前記特定領域へと遊技球が入球可能となる第1可変パターンと、その第1可変パターンよりも前記特定領域への入球が困難となる第2可変パターンとを少なくとも含む複数の可変パターンから1の可変パターンを決定する決定手段と前記特典遊技の実行中に前記特定領域へと遊技球が入球した場合に、前記特定領域へと入球しなかった場合よりも高い割合で遊技者に有利な特定の特典を付与する特典付与手段と、を備え前記遊技状態設定手段は、前記特典付与手段によって前記特定の特典が付与されなかった場合に前記第2遊技状態を設定可能なものであることを特徴とする遊技機D1。
ここで、パチンコ機等の遊技機において、盤面に設けられた入球口の内部に球が入球可能な特定領域が設けられており、その特定領域へと球が入球した場合に、遊技者に有利な特定の特典が付与される割合が高くなるものがある。かかる特定の特典として、遊技状態が通常遊技状態よりも遊技者に有利な有利遊技状態に設定される第2特典遊技が設けられている。また、有利遊技状態では、内部に特定領域が設けられた入球口へと球を入球させ易くなるので、一旦有利遊技状態へと移行させることができれば、特典遊技と有利遊技状態とが繰り返され易くなるので、遊技者にとって極めて有利な状態を形成している。
しかしながら、かかる従来型の遊技機では、有利遊技状態で特定の特典を付与するか否かの抽選に漏れた場合には、最も不利な通常遊技状態まで転落してしまうため、抽選に漏れた時点で遊技者の遊技に対するモチベーションを大幅に損ねてしまうという問題点があった。
これに対して遊技機D1では、入球手段へと遊技球が入球可能となる開放位置と、その開放位置よりも入球手段への入球が困難となる開放位置とに第1可変手段が可変され、その第1可変手段が、判別手段による判別で特定の判別結果となったことに基づいて第1可変制御手段により所定の可変パターンで可変される。入球手段へと入球した遊技球が、入球手段の内部に設けられた特定領域へと入球可能となる第1位置と、その第1位置よりも特定領域への入球が困難となる第2位置とに可変手段が可変され、その第2可変手段が、判別手段による判別で特定の判別結果となったことに基づいて第2可変制御手段により予め定めた特定の可変パターンで可変される。第1可変制御手段により可変される可変パターンとして、特定領域へと遊技球が入球可能となる第1可変パターンと、その第1可変パターンよりも特定領域への入球が困難となる第2可変パターンとを少なくとも含む複数の可変パターンから、決定手段により1の可変パターンが決定される。特典遊技の実行中に特定領域へと遊技球が入球した場合に、特定領域へと入球しなかった場合よりも高い割合で遊技者に有利な特定の特典が特典付与手段によって付与される。特典付与手段によって特定の特典が付与されなかった場合に、遊技状態設定手段により第2遊技状態を設定可能に構成されている。
これにより、特定の特典が付与されなかった場合に第1遊技状態よりも有利な第2遊技状態が設定されるので、特定の特典が付与されなかった場合に遊技者の遊技に対するモチベーションを損ねてしまうことを抑制できるという効果がある。
遊技機D1において前記遊技状態設定手段は、前記第1遊技状態で実行された前記特典遊技で前記特典付与手段により前記特定の特典が付与されなかった場合に前記第1遊技状態を設定し、前記第2遊技状態で実行された前記特典遊技で前記特典付与手段により前記特定の特典が付与されなかった場合に前記第2遊技状態を設定するものであることを特徴とする遊技機D2。
遊技機D2によれば、遊技機D1の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、第1遊技状態で実行された特典遊技で特典付与手段により特定の特典が付与されなかった場合に遊技状態設定手段によって第1遊技状態が設定される。一方、第2遊技状態で実行された特典遊技で特典付与手段により特定の特典が付与されなかった場合に遊技状態設定手段によって第2遊技状態が設定される。
これにより、遊技者にとって有利な第2遊技状態では、特定の特典が付与されなくても第2遊技状態が設定されるので、第2遊技状態における遊技者の遊技に対するモチベーションを向上させることができるという効果がある。
遊技機D1またはD2において前記第1遊技状態と、第2遊技状態とは、前記特定の判別結果となる確率が第1確率に設定されるものであり前記遊技状態設定手段は、前記特定の判別結果となる確率が前記第1確率よりも高い第2確率に設定される第3遊技状態を設定可能なものであり前記特典付与手段は、前記特定の特典として前記遊技状態設定手段に前記第3遊技状態を設定させるものであることを特徴とする遊技機D3。
遊技機D3によれば、遊技機D1またはD2の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、第1遊技状態と、第2遊技状態とは、特定の判別結果となる確率が第1確率に設定される。特定の判別結果となる確率が第1確率よりも高い第2確率に設定される第3遊技状態も遊技状態設定手段により設定可能に構成されている。特定の特典として遊技状態設定手段に第3遊技状態を設定させるように特典付与手段が構成されている。
これにより、特定の特典が付与された場合に、特定の判別結果となり易くなるので、遊技者にとって有利となる。よって、特定の特典に対する遊技者の期待感をより向上させることができるという効果がある。
遊技機D3において前記遊技状態設定手段は、前記第3遊技状態で実行された前記特典遊技で前記特典付与手段により前記特定の特典が付与されなかった場合に前記第2遊技状態を設定するものであることを特徴とする遊技機D4。
遊技機D4によれば、遊技機D3の奏する効果に加え、第3遊技状態で実行された特典遊技で特典付与手段により特定の特典が付与されなかった場合に、遊技状態設定手段によって第2遊技状態が設定されるので、第3遊技状態から不利な第1遊技状態に設定されることを抑制できる。よって、第3遊技状態において特定の特典が付与されなかったとしても、遊技者の遊技に対するモチベーションが低下してしまうことを抑制できるという効果がある。
遊技機D1からD4のいずれかにおいて遊技球が入球することに基づいて前記判別手段による判別が実行される入球手段とその入球手段に遊技球が入球可能となる第1可変位置と、その第1可変位置よりも入球が困難となる第2可変位置とに可変可能な第3可変手段と遊技球が通過可能な通過手段とその通過手段を遊技球が通過したことに基づいて所定の判別を実行する所定判別手段とその所定判別手段による判別で所定の判別結果となったことに基づいて、前記第3可変手段を前記第2可変位置から前記第1可変位置へと可変させる第3可変制御手段とを備え前記第2遊技状態は、前記第1遊技状態よりも前記所定の判別結果となる確率が高いものであることを特徴とする遊技機D5。
遊技機D5によれば、遊技機D1からD4のいずれかが奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、入球手段に遊技球が入球可能となる第1可変位置と、その第1可変位置よりも入球が困難となる第2可変位置とに第3可変手段が可変される。通過手段を遊技球が通過したことに基づいて所定判別手段により所定の判別が実行され、所定判別手段による判別で所定の判別結果となったことに基づいて、第3可変手段が第23可変制御手段によって第2可変位置から第1可変位置へ可変される。第2遊技状態は、第1遊技状態よりも所定の判別結果となる確率が高く構成されている。
これにより、第2遊技状態では所定の判別が実行され易くなるので、遊技者により効率よく遊技を行わせることができるという効果がある。
<特徴E群>(有利状態で100%確変)
遊技球が入球可能な入球手段とその入球手段に対して遊技球が入球したことに基づいて判別を実行する判別手段とその判別手段による判別で特定の判別結果となったことに基づき、遊技者に有利な特典遊技を実行する特典遊技実行手段と前記特典遊技の実行中に遊技球が入球可能となる可変入球手段と、を有した遊技機において前記可変入球手段の内部に配置され、その可変入球手段へと入球した遊技球が入球可能な特定入球領域と1の前記特典遊技の実行中に前記特定入球領域に遊技球が入球しなかった場合に、第1遊技状態を設定し、1の前記特典遊技の実行中に前記特定入球領域に遊技球が入球した場合に、前記第1遊技状態よりも有利な第2遊技状態を設定する遊技状態設定手段と1の前記特典遊技での前記特定入球領域に対する遊技球の入球率として、第1入球率と、その第1入球率よりも入球率が高い第2入球率とを少なくとも設定可能な入球率設定手段と、を備え前記入球率設定手段は、前記第2遊技状態で前記特典遊技が実行された場合に、前記第1遊技状態で前記特典遊技が実行された場合よりも、前記第2入球率を設定する割合が高くなるものであることを特徴とする遊技機E1。
ここで、パチンコ機等の遊技機において、始動入球に基づいて実行される抽選により当たりとなった場合に、球が入球可能な開放状態に設定される特定入賞口が設けられ、その特定入賞口へと球が入球することで特典が付与されるものがある。また、かかる従来型の遊技機の中には、特定入賞口の内部に、球が入球することで確率変動状態が付与される特定の入球領域が設けられているものがある。また、特定の入球領域への入球し易さは、当たりの種別に応じて異ならせている(例えば、特開2012−245172号公報)。
しかしながら、かかる従来型の遊技機では、特定の入球領域への入球し易さが、当たり種別に応じて固定となっているため、当たり種別が分かった時点で確率変動状態へと移行する期待度が分かってしまう場合があり、確率変動状態に対する期待度を持続させることが困難となってしまう虞があった。
これに対して遊技機E1によれば、遊技者に有利な第2遊技状態で特典遊技が実行された場合に第2入球率を設定する割合が高くなるので、第2遊技状態が継続している間は、特定入球領域へと遊技球が入球することを持続的に期待させることができるという効果がある。
遊技機E1において前記入球手段として、第1入球手段と、その第1入球手段とは異なる第2入球手段とが少なくとも設けられており前記入球率設定手段は、前記第2入球手段への入球に基づいて前記特定の判別結果となった場合、および前記第2遊技状態で前記第1入球手段への入球に基づいて前記特定の判別結果となった場合に前記第2入球率を設定する割合が高くなり、前記第1遊技状態で前記第1入球手段への入球に基づいて前記特定の判別結果となった場合に前記第1入球率を設定する割合が高くなるものであることを特徴とする遊技機E2。
遊技機E2によれば、遊技機E1の奏する効果に加え、第2遊技状態では入球手段の種別に関係なく特定の判別結果となった場合に第2入球率を設定する割合が高くなるので、第2遊技状態では、遊技球が入球する入球手段を気にせずに遊技を行わせることができる。よって、第2遊技状態において遊技者に安心して遊技を行わせることができるという効果がある。
遊技機E1またはE2において前記可変入球手段へと遊技球が入球し易い第1可変位置と、その第1可変位置に比較して遊技球が入球し難い第2可変位置とに可変可能な第1可変手段とその第1可変手段を、前記特典遊技の実行中に、予め定められた第1可変パターンに従って可変させる第1可変制御手段と前記特定入球領域の上流に設けられ、前記可変入球手段へ入球した遊技球が前記特定入球領域へと入球し易くなる第1可変状態と、その第1可変状態に比較して遊技球が前記特定入球領域へと入球し難くなる第2可変状態とに可変可能な第2可変手段とその第2可変手段を、前記特典遊技が開始されたことに基づいて予め定められた第2可変パターンに従って可変させる第2可変制御手段と前記特典遊技の実行が開始されてから前記第1可変制御手段による制御が開始されるまでの期間として、前記第1可変パターンに従って可変される前記第1可変手段が前記第1可変位置になる期間と、前記第2可変パターンに従って可変される前記第2可変手段が第1可変状態になる期間とが重複し難くなる第1期間と、その第1期間よりも、前記第1可変手段が前記第1可変位置になる期間と、前記第2可変手段が前記第1可変状態になる期間とが重複し易くなる第2期間とを設定可能な期間設定手段とを備え前記入球率設定手段は、前記第1入球率として前記期間設定手段により前記第1期間が設定されるように制御し、前記第2入球率として前記期間設定手段により前記第2期間が設定されるように制御するものであることを特徴とする遊技機E3。
遊技機E3によれば、遊技機E1またはE2の奏する効果に加え、特典遊技の実行が開始されてから前記第1可変制御手段による制御が開始されるまでの期間のみを変更することで入球率を可変させることができるので、複雑な可変パターンを設定する必要がなく、処理負荷を軽減することができるという効果がある。
遊技機A1からA7,B1からB9,C1からC12,D1からD5、およびE1からE3のいずれかにおいて、前記遊技機はスロットマシンであることを特徴とする遊技機Z1。中でも、スロットマシンの基本構成としては、「複数の識別情報からなる識別情報列を動的表示した後に識別情報を確定表示する可変表示手段を備え、始動用操作手段(例えば操作レバー)の操作に起因して識別情報の動的表示が開始され、停止用操作手段(ストップボタン)の操作に起因して、或いは、所定時間経過することにより、識別情報の動的表示が停止され、その停止時の確定識別情報が特定識別情報であることを必要条件として、遊技者に有利な特別遊技状態を発生させる特別遊技状態発生手段とを備えた遊技機」となる。この場合、遊技媒体はコイン、メダル等が代表例として挙げられる。
遊技機A1からA7,B1からB9,C1からC12,D1からD5、およびE1からE3のいずれかにおいて、前記遊技機はパチンコ遊技機であることを特徴とする遊技機Z2。中でも、パチンコ遊技機の基本構成としては操作ハンドルを備え、その操作ハンドルの操作に応じて球を所定の遊技領域へ発射し、球が遊技領域内の所定の位置に配設された作動口に入賞(又は作動口を通過)することを必要条件として、表示手段において動的表示されている識別情報が所定時間後に確定停止されるものが挙げられる。また、特別遊技状態の発生時には、遊技領域内の所定の位置に配設された可変入賞装置(特定入賞口)が所定の態様で開放されて球を入賞可能とし、その入賞個数に応じた有価価値(景品球のみならず、磁気カードへ書き込まれるデータ等も含む)が付与されるものが挙げられる。
遊技機A1からA7,B1からB9,C1からC12,D1からD5、およびE1からE3のいずれかにおいて、前記遊技機はパチンコ遊技機とスロットマシンとを融合させたものであることを特徴とする遊技機Z3。中でも、融合させた遊技機の基本構成としては、「複数の識別情報からなる識別情報列を動的表示した後に識別情報を確定表示する可変表示手段を備え、始動用操作手段(例えば操作レバー)の操作に起因して識別情報の変動が開始され、停止用操作手段(例えばストップボタン)の操作に起因して、或いは、所定時間経過することにより、識別情報の動的表示が停止され、その停止時の確定識別情報が特定識別情報であることを必要条件として、遊技者に有利な特別遊技状態を発生させる特別遊技状態発生手段とを備え、遊技媒体として球を使用すると共に、前記識別情報の動的表示の開始に際しては所定数の球を必要とし、特別遊技状態の発生に際しては多くの球が払い出されるように構成されている遊技機」となる。
10 パチンコ機(遊技機)
640 第2入球口(入球手段)
640a 電動役物(可変手段)
S217 判別手段の一部
S222 遊技状態変更手段の一部
S218 特典遊技実行手段
S305 判別手段の一部
S525 可変制御手段
S1211,S1212 遊技状態設定手段、連続状態設定手段
本発明は、パチンコ機に代表される遊技機に関するものである。
パチンコ機等の遊技機には、始動入賞口への遊技球の入賞に基づいて行われる抽選の結果が当たりだった場合に、当たり状態へと移行するものがある。かかる遊技機の中には、当たり状態の終了を契機として、有利度合いの異なる複数の遊技状態のいずれかに設定されるものがある。具体的には、例えば、有利度合いの低い通常状態や、その通常状態よりも遊技者に有利な確率変動状態等が設定される。この従来型の遊技機では、大当たり後に設定される遊技状態を多様化することで、遊技者の遊技に対する興趣向上を図っている。
特開2006−000392号公報
しかしながら、上述した従来の遊技機では、当たり状態の終了を契機に有利度合いの低い状態が設定された場合に、少なくとも次に当たり状態となるまで有利度合いの高い状態に移行させることができなかったため、有利度合いの低い状態において遊技者の遊技に対する興趣の向上を図ることができないという問題点があった。
本発明は、上記例示した問題点を解決するためになされたものであり、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができる遊技機を提供することを目的とする。
この目的を達成するために請求項1記載の遊技機は、判別条件の成立に基づいて判別を実行する判別手段と、その判別手段による判別で特定の判別結果となったことに基づいて遊技者に有利な特典遊技を実行する特典遊技実行手段と、その特典遊技実行手段により実行された前記特典遊技が終了した後の遊技状態として、前記判別手段による判別で前記特定の判別結果となる確率が第1確率に設定される第1遊技状態と、前記第1確率よりも高い第2確率に設定される第2遊技状態と、記第2確率設定され、且つ、前記第2遊技状態とは有利度合いが異なる第3遊技状態とを少なくとも含む複数の遊技状態の中から1の遊技状態を設定可能な遊技状態設定手段と、その遊技状態設定手段により前記第2遊技状態が設定されている場合に、前記特典遊技終了とは少なくとも異なる予め定められた特定条件の成立に基づいて遊技状態を前記第2遊技状態から前記第3遊技状態に変更可能な遊技状態変更手段とを備える。
請求項2記載の遊技機は、請求項1記載の遊技機において、前記第3遊技状態は、前記第2遊技状態よりも遊技者に有利なものである。
請求項3記載の遊技機は、請求項1または2に記載の遊技機において、前記遊技状態設定手段は、前記第3遊技状態で前記特典遊技が実行されるよりも、前記第2遊技状態で前記特典遊技が実行された場合に、前記特典遊技が終了した後の遊技状態を前記第1遊技状態に設定する割合が高いものである。
請求項4記載の遊技機は、請求項1から3のいずれかに記載の遊技機において、前記遊技状態設定手段は、前記第3遊技状態で実行された前記特典遊技が終了した場合に、前記第2遊技状態と、前記第3遊技状態とのどちらかを設定するものである。
請求項5記載の遊技機は、請求項1から4のいずれかに記載の遊技機において、前記遊技状態変更手段は、前記第2遊技状態が設定された後で実行された前記判別手段による判別で前記特定の判別結果とは異なる外れ判別結果となった回数が予め定められた特定回数になったことに基づいて、前記第2遊技状態から前記第3遊技状態に変更するものである。
請求項1記載の遊技機によれば、判別条件の成立に基づいて判別を実行する判別手段と、その判別手段による判別で特定の判別結果となったことに基づいて遊技者に有利な特典遊技を実行する特典遊技実行手段と、その特典遊技実行手段により実行された前記特典遊技が終了した後の遊技状態として、前記判別手段による判別で前記特定の判別結果となる確率が、第1確率に設定される第1遊技状態と、前記第1確率よりも高い第2確率に設定される第2遊技状態と、前記第2確率に設定され、且つ、前記第2遊技状態とは有利度合いが異なる第3遊技状態と、を少なくとも含む複数の遊技状態の中から1の遊技状態を設定可能な遊技状態設定手段と、その遊技状態設定手段により前記第2遊技状態が設定されている場合に、前記特典遊技の終了とは少なくとも異なる予め定められた特定条件の成立に基づいて遊技状態を前記第2遊技状態から前記第3遊技状態に変更可能な遊技状態変更手段と、を備える。
これにより、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができるという効果がある。
請求項2記載の遊技機によれば、請求項1記載の遊技機の奏する効果に加え、前記第3遊技状態は、前記第2遊技状態よりも遊技者に有利なものである。よって、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができるという効果がある。
請求項3記載の遊技機によれば、請求項1または2に記載の遊技機の奏する効果に加え、前記遊技状態設定手段は、前記第3遊技状態で前記特典遊技が実行されるよりも、前記第2遊技状態で前記特典遊技が実行された場合に、前記特典遊技が終了した後の遊技状態を前記第1遊技状態に設定する割合が高いものである。よって、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができるという効果がある。
請求項4記載の遊技機によれば、請求項1から3のいずれかに記載の遊技機の奏する効果に加え、前記遊技状態設定手段は、前記第3遊技状態で実行された前記特典遊技が終了した場合に、前記第2遊技状態と、前記第3遊技状態とのどちらかを設定するものである。よって、第2確率が設定される遊技状態が連続して設定されるので、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができるという効果がある。
請求項5記載の遊技機によれば、請求項1から4のいずれかに記載の遊技機の奏する効果に加え、前記遊技状態変更手段は、前記第2遊技状態が設定された後で実行された前記判別手段による判別で前記特定の判別結果とは異なる外れ判別結果となった回数が予め定められた特定回数になったことに基づいて、前記第2遊技状態から前記第3遊技状態に変更するものである。
これにより、第2遊技状態において判別手段による判別で外れ判別結果になることを期待して遊技を行わせることができるので、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができるという効果がある。
第1実施形態におけるパチンコ機の正面図である。 パチンコ機の遊技盤の正面図である。 パチンコ機の背面図である。 可変入賞装置の分解斜視図である。 (a)はLa−La断面の可変入賞装置の断面図であり、(b)は、Lb−Lb断面図であり、(c)は、可変入賞装置の上面図である。 (a)〜(b)は、可変入賞装置の一部の背面図である。 1の大当たりにおける流路ソレノイドの動作と開閉板の動作との対応関係を示す図である。 (a)は、表示画面の領域区分設定と有効ライン設定とを模式的に示した図あり、(b)は、実際の表示画面を例示した図である。 第1実施形態におけるパチンコ機の電気的構成を示すブロック図である。 第1実施形態における各種カウンタの概要を示す図である。 第1実施形態における主制御装置のROMの構成を模式的に示した模式図である。 (a)は、第1実施形態における第1当たり乱数カウンタC1と特別図柄における大当たり判定値との対応関係を模式的に示した模式図であり、(b)は、第1実施形態における第1当たり種別カウンタC2と特別図柄における大当たり種別との対応関係を模式的に示した模式図であり、(c)は、第2当たり乱数カウンタC4と普通図柄における当たりとの対応関係を模式的に示した模式図である。 (a)は、変動パターン選択テーブルの構成を模式的に示した模式図であり、(b)は、大当たり用変動パターンテーブルの内容を模式的に示した模式図であり、(c)は、外れ用(通常)変動パターンテーブルの内容を模式的に示した模式図であり、(d)は、外れ用(確変)変動パターンテーブルの内容を模式的に示した模式図である。 オープニング選択テーブルの内容を模式的に示した模式図である。 第1実施形態における主制御装置のRAMの構成を模式的に示した模式図である。 (a)は、第1実施形態における音声ランプ制御装置のROMの構成を模式的に示した模式図であり、(b)は、第1実施形態における音声ランプ制御装置のRAMの構成を模式的に示した模式図である。 表示制御装置の電気的構成を示すブロック図である。 (a)〜(c)は、電源投入時画像を説明する説明図である。 (a)は、背面Aを説明する説明図であり、(b)は、背面B〜Dを説明する説明図である。 (a)〜(c)は、背面Eを説明する説明図である。 表示データテーブルの一例を模式的に示した模式図である。 転送データテーブルの一例を模式的に示した模式図である。 描画リストの一例を模式的に示した模式図である。 主制御装置内のMPUにより実行されるタイマ割込処理を示すフローチャートである。 主制御装置内のMPUにより実行される特別図柄変動処理を示すフローチャートである。 主制御装置内のMPUにより実行される特別図柄変動開始処理を示したフローチャートである。 主制御装置内のMPUにより実行される始動入賞処理を示すフローチャートである。 主制御装置内のMPUにより実行される普通図柄変動処理を示すフローチャートである。 主制御装置内のMPUにより実行されるスルーゲート通過処理を示すフローチャートである。 主制御装置内のMPUにより実行されるNMI割込処理を示すフローチャートである。 主制御装置内のMPUにより実行される立ち上げ処理を示すフローチャートである。 主制御装置内のMPUにより実行されるメイン処理を示すフローチャートである。 主制御装置内のMPUにより実行される大当たり制御処理を示すフローチャートである。 主制御装置内のMPUにより実行される大当たり動作設定処理を示すフローチャートである。 主制御装置内のMPUにより実行される大当たり終了処理を示すフローチャートである。 主制御装置内のMPUにより実行される入賞処理を示すフローチャートである。 主制御装置内のMPUにより実行される異常処理を示すフローチャートである。 音声ランプ制御装置内のMPUにより実行される立ち上げ処理を示したフローチャートである。 音声ランプ制御装置内のMPUにより実行されるメイン処理を示したフローチャートである。 音声ランプ制御装置内のMPUにより実行されるコマンド判定処理を示したフローチャートである。 音声ランプ制御装置内のMPUにより実行される大当たり関連処理を示したフローチャートである。 音声ランプ制御装置内のMPUにより実行される変動表示設定処理を示したフローチャートである。 表示制御装置内のMPUにより実行されるメイン処理を示したフローチャートである。 表示制御装置内のMPUにより実行されるブート処理を示すフローチャートである。 (a)は、表示制御装置内のMPUにより実行されるコマンド割込処理を示したフローチャートであり、(b)は、表示制御装置内のMPUにより実行されるV割込処理を示したフローチャートである。 表示制御装置内のMPUにより実行されるコマンド判定処理を示したフローチャートである。 (a)は、表示制御装置内のMPUにより実行される変動パターンコマンド処理を示したフローチャートであり、(b)は、表示制御装置内のMPUにより実行される停止種別コマンド処理を示したフローチャートである。 (a)は、表示制御装置内のMPUにより実行されるオープニングコマンド処理を示したフローチャートであり、(b)は、表示制御装置内のMPUにより実行されるラウンド数コマンド処理を示したフローチャートである。 表示制御装置内のMPUにより実行されるエンディングコマンド処理を示したフローチャートである。 (a)は、表示制御装置内のMPUにより実行される背面画像変更コマンド処理を示したフローチャートであり、(b)は、表示制御装置内のMPUにより実行されるエラーコマンド処理を示したフローチャートである。 表示制御装置内のMPUにより実行される表示設定処理を示したフローチャートである。 表示制御装置内のMPUにより実行される警告画像設定処理を示したフローチャートである。 表示制御装置内のMPUにより実行されるポインタ更新処理を示したフローチャートである。 (a)は、表示制御装置内のMPUにより実行される転送設定処理を示したフローチャートであり、(b)は、表示制御装置内のMPUにより実行される常駐画像転送設定処理を示したフローチャートである。 表示制御装置内のMPUにより実行される通常画像転送設定処理を示したフローチャートである。 表示制御装置内のMPUにより実行される描画処理を示したフローチャートである。 第2実施形態におけるパチンコ機の遊技盤の正面図である。 (a)は、第2実施形態における回避期間中の表示内容の一例を示した図であり、(b)は、第2実施形態における発射方向報知演出の表示内容の一例を示した図である。 (a)は、第2実施形態における発射方向報知演出の表示内容の一例を示した図であり、(b)は、第2実施形態における潜確復帰演出の表示内容の一例を示した図である。 (a)は、第2実施形態における主制御装置のROMの構成を模式的に示した模式図であり、(b)は、第2実施形態における第1当たり種別選択テーブルの内容を模式的に示した模式図である。 第2実施形態におけるオープニング選択テーブルの内容を模式的に示した模式図である。 第2実施形態における小当たり乱数テーブルの内容を模式的に示した模式図である。 第2実施形態における時短種別選択テーブルの内容を模式的に示した模式図である。 第2実施形態における主制御装置のRAMの構成を模式的に示した模式図である。 第2実施形態における遊技状態の移行方法を模式的に示した模式図である。 第2実施形態における主制御装置内のMPUにより実行される特別図柄変動処理2を示すフローチャートである。 第2実施形態における主制御装置内のMPUにより実行される小当たり判定処理2を示すフローチャートである。 第2実施形態における主制御装置内のMPUにより実行されるスルーゲート通過処理2を示すフローチャートである。 第2実施形態における主制御装置内のMPUにより実行される大当たり終了処理2を示すフローチャートである。 第2実施形態における音声ランプ制御装置内のMPUにより実行されるコマンド判定処理2を示すフローチャートである。 第2実施形態における音声ランプ制御装置内のMPUにより実行される状態コマンド処理を示すフローチャートである。 第2実施形態における音声ランプ制御装置内のMPUにより実行される初回入球処理を示すフローチャートである。 第2実施形態の変形例における遊技状態の移行方法を模式的に示した模式図である。
<第1実施形態>
以下、本発明の第1実施形態について、添付図面を参照して説明する。図1は、第1の実施形態におけるパチンコ機10の正面図であり、図2はパチンコ機10の遊技盤13の正面図であり、図3はパチンコ機10の背面図である。
パチンコ機10は、図1に示すように、略矩形状に組み合わせた木枠により外殻が形成される外枠11と、その外枠11と略同一の外形形状に形成され外枠11に対して開閉可能に支持された内枠12とを備えている。外枠11には、内枠12を支持するために正面視(図1参照)左側の上下2カ所に金属製のヒンジ18が取り付けられ、そのヒンジ18が設けられた側を開閉の軸として内枠12が正面手前側へ開閉可能に支持されている。
内枠12には、多数の釘や、入球口64,640,67等を有する遊技盤13(図2参照)が裏面側から着脱可能に装着される。この遊技盤13の前面を球が流下することにより弾球遊技が行われる。なお、内枠12には、球を遊技盤13の前面領域に発射する球発射ユニット112a(図9参照)やその球発射ユニット112aから発射された球を遊技盤13の前面領域まで誘導する発射レール(図示せず)等が取り付けられている。
内枠12の前面側には、その前面上側を覆う前面枠14と、その下側を覆う下皿ユニット15とが設けられている。前面枠14及び下皿ユニット15を支持するために正面視(図1参照)左側の上下2カ所に金属製のヒンジ19が取り付けられ、そのヒンジ19が設けられた側を開閉の軸として前面枠14及び下皿ユニット15が正面手前側へ開閉可能に支持されている。なお、内枠12の施錠と前面枠14の施錠とは、シリンダ錠20の鍵穴21に専用の鍵を差し込んで所定の操作を行うことでそれぞれ解除される。
前面枠14は、装飾用の樹脂部品や電気部品等を組み付けたものであり、その略中央部には略楕円形状に開口形成された窓部14cが設けられている。前面枠14の裏面側には2枚の板ガラスを有するガラスユニット16が配設され、そのガラスユニット16を介して遊技盤13の前面がパチンコ機10の正面側に視認可能となっている。
前面枠14には、球を貯留する上皿17が前方へ張り出して上面を開放した略箱状に形成されており、この上皿17に賞球や貸出球などが排出される。上皿17の底面は正面視(図1参照)右側に下降傾斜して形成され、その傾斜により上皿17に投入された球が球発射ユニット112aへと案内される。また、上皿17の上面には、枠ボタン22が設けられている。この枠ボタン22は、例えば、後述する第3図柄表示装置81で表示される演出や背景などを可変させる場合などに、遊技者により操作される。
前面枠14には、その周囲(例えばコーナー部分)に各種ランプ等の発光手段が設けられている。これら発光手段は、大当たり時や所定のリーチ時等における遊技状態の変化に応じて、点灯または点滅することにより発光態様が変更制御され、遊技中の演出効果を高める役割を果たす。窓部14cの周縁には、LED等の発光手段を内蔵した電飾部29〜33が設けられている。パチンコ機10においては、これら電飾部29〜33が大当たりランプ等の演出ランプとして機能し、大当たり時やリーチ演出時等には内蔵するLEDの点灯や点滅によって各電飾部29〜33が点灯または点滅して、大当たり中である旨、或いは大当たり一歩手前のリーチ中である旨が報知される。また、前面枠14の正面視(図1参照)左上部には、LED等の発光手段が内蔵され賞球の払い出し中とエラー発生時とを表示可能な表示ランプ34が設けられている。
また、右側の電飾部32下側には、前面枠14の裏面側を視認できるように裏面側より透明樹脂を取り付けて小窓35が形成され、遊技盤13前面の貼着スペースK1(図2参照)に貼付される証紙等はパチンコ機10の前面から視認可能とされている。また、パチンコ機10においては、より煌びやかさを醸し出すために、電飾部29〜33の周りの領域にクロムメッキを施したABS樹脂製のメッキ部材36が取り付けられている。
窓部14cの下方には、貸球操作部40が配設されている。貸球操作部40には、度数表示部41と、球貸しボタン42と、返却ボタン43とが設けられている。パチンコ機10の側方に配置されるカードユニット(球貸しユニット)(図示せず)に紙幣やカード等を投入した状態で貸球操作部40が操作されると、その操作に応じて球の貸出が行われる。具体的には、度数表示部41はカード等の残額情報が表示される領域であり、内蔵されたLEDが点灯して残額情報として残額が数字で表示される。球貸しボタン42は、カード等(記録媒体)に記録された情報に基づいて貸出球を得るために操作されるものであり、カード等に残額が存在する限りにおいて貸出球が上皿17に供給される。返却ボタン43は、カードユニットに挿入されたカード等の返却を求める際に操作される。なお、カードユニットを介さずに球貸し装置等から上皿17に球が直接貸し出されるパチンコ機、いわゆる現金機では貸球操作部40が不要となるが、この場合には、貸球操作部40の設置部分に飾りシール等を付加して部品構成は共通のものとしても良い。カードユニットを用いたパチンコ機と現金機との共通化を図ることができる。
上皿17の下側に位置する下皿ユニット15には、その中央部に上皿17に貯留しきれなかった球を貯留するための下皿50が上面を開放した略箱状に形成されている。下皿50の右側には、球を遊技盤13の前面へ打ち込むために遊技者によって操作される操作ハンドル51が配設され、かかる操作ハンドル51の内部には球発射ユニット112aの駆動を許可するためのタッチセンサ51aと、押下操作している期間中には球の発射を停止する押しボタン式の打ち止めスイッチ51bと、操作ハンドル51の回動操作量を電気抵抗の変化により検出する可変抵抗器(図示せず)とが内蔵されている。操作ハンドル51が遊技者によって右回りに回転操作されると、タッチセンサ51aがオンされると共に可変抵抗器の抵抗値が操作量に対応して変化し、操作ハンドル51の回動操作量に応じて変化する可変抵抗器の抵抗値に対応した強さで球が発射され、これにより遊技者の操作に対応した飛び量で遊技盤13の前面へ球が打ち込まれる。また、操作ハンドル51が遊技者により操作されていない状態においては、タッチセンサ51aおよび打ち止めスイッチ51bがオフとなっている。
なお、本実施形態では、上記した構成としたが、それに限らず、主制御装置110や他の制御装置が球発射ユニット112aにより発射された遊技球を検出する構成や、球発射ユニット112aのソレノイドが遊技球を発射したことを検出するように構成してもよい。また、検出した遊技球の数をカウントして、RAMクリア等の処理が実行されるまで記憶するように構成してもよい。
下皿50の正面下方部には、下皿50に貯留された球を下方へ排出する際に操作するための球抜きレバー52が設けられている。この球抜きレバー52は、常時、右方向に付勢されており、その付勢に抗して左方向へスライドさせることにより、下皿50の底面に形成された底面口が開口して、その底面口から球が自然落下して排出される。この球抜きレバー52の操作は、通常、下皿50の下方に下皿50から排出された球を受け取る箱(一般に「ドル箱」と称される)を置いた状態で行われる。下皿50の右方には、上述したように操作ハンドル51が配設され、下皿50の左方には灰皿53が取り付けられている。
図2に示すように、遊技盤13は、正面視略正方形状に切削加工した木製のベース板60に、球案内用の多数の釘や風車およびレール61,62、一般入賞口63、第1入球口64、第2入球口640、可変入賞装置65、可変表示装置ユニット80等を組み付けて構成され、その周縁部が内枠12の裏面側に取り付けられる。一般入賞口63、第1入球口64、第2入球口640、可変入賞装置65、可変表示装置ユニット80は、ルータ加工によってベース板60に形成された貫通穴に配設され、遊技盤13の前面側から木ネジ等により固定されている。また、遊技盤13の前面中央部分は、前面枠14の窓部14c(図1参照)を通じて内枠12の前面側から視認することができる。以下に、主に図2を参照して、遊技盤13の構成について説明する。
遊技盤13の前面には、帯状の金属板を略円弧状に屈曲加工して形成した外レール62が植立され、その外レール62の内側位置には外レール62と同様に帯状の金属板で形成した円弧状の内レール61が植立される。この内レール61と外レール62とにより遊技盤13の前面外周が囲まれ、遊技盤13とガラスユニット16(図1参照)とにより前後が囲まれることにより、遊技盤13の前面には、球の挙動により遊技が行われる遊技領域が形成される。遊技領域は、遊技盤13の前面であって2本のレール61,62と円弧部材70とにより区画して形成される略円形状の領域(始動口等が配設され、発射された球が流下する領域)である。また、遊技領域は、戻り球防止部材68を通過した遊技球がアウト口66や入賞口を通過するまでに流下する領域はすべて含まれる。
2本のレール61,62は、球発射ユニット112a(図6参照)から発射された球を遊技盤13上部へ案内するために設けられたものである。内レール61の先端部分(図2の左上部)には戻り球防止部材68が取り付けられ、一旦、遊技盤13の上部へ案内された球が再度球案内通路内に戻ってしまうといった事態が防止される。外レール62の先端部(図2の右上部)には、球の最大飛翔部分に対応する位置に返しゴム69が取り付けられ、所定以上の勢いで発射された球は、返しゴム69に当たって、勢いが減衰されつつ中央部側へ跳ね返される。また、内レール61の右下側の先端部と外レール62の右上側の先端部との間には、レール間を繋ぐ円弧を内面側に設けて形成された樹脂製の円弧部材70がベース板60に打ち込んで固定されている。
本パチンコ機10では、球が第1入球口64、または第2入球口640のいずれかへ入球した場合に特別図柄(第1図柄)の抽選が行われ、球が普通入球口67を通過した場合に普通図柄(第2図柄)の抽選が行われる。第1入球口64、または第2入球口640への入球に対して行われる特別図柄の抽選では、特別図柄の大当たりか否かの当否判定が行われると共に、特別図柄の大当たりと判定された場合にはその大当たり種別の判定も行われる。特別図柄の大当たりになると、パチンコ機10が特別遊技状態へ移行すると共に、通常時には閉鎖されている特定入賞口65aが所定時間(例えば、30秒経過するまで、或いは、球が10個入賞するまで)開放され、その開放が大当たり種別に応じた回数(ラウンド数)繰り返される。その結果、その特定入賞口65aに多量の球が入賞するので、通常時より多量の賞球の払い出しが行われる。特別図柄の大当たり種別としては、「大当たりA」〜「大当たりD」の4種類が設けられており、特別遊技状態の終了後には大当たり終了後の付加価値として、大当たり遊技の結果に応じた遊技上の価値(遊技価値)が遊技者に付与される。なお、「大当たりA,B」の2種類は、球が第1入球口64へと入球したことを契機として実行される抽選で大当たりとなった場合に決定され得る大当たり種別であり、「大当たりC,D」の2種類は、球が第2入球口640へと入球したことを契機として実行される抽選で大当たりとなった場合に決定され得る大当たり種別である。以降、説明の簡略化のため、球が第1入球口64へと入球したことを契機として実行される抽選のことを第1特別図柄の抽選と称し、球が第2入球口640へと入球したことを契機として実行される抽選のことを第2特別図柄の抽選と称する。
特別図柄(第1図柄)の抽選が行われると、第1図柄表示装置37において特別図柄の変動表示が開始されて、所定時間(例えば、7秒〜90秒など)が経過した後に、抽選結果を示す特別図柄が停止表示される。第1図柄表示装置37において変動表示が行われている間に球が第1入球口64、または第2入球口640へ入球すると、その入球回数は、入球口の種別毎にそれぞれ最大4回まで保留され、その保留球数が第1図柄表示装置37により示されると共に、第3図柄表示装置81においても示される。第1図柄表示装置37において変動表示が終了した場合に、第1入球口64、または第2入球口640についての保留球数が残っていれば、次の特別図柄の抽選が行われると共に、その抽選に応じた変動表示が開始される。
一方、普通入球口67における球の通過に対して行われる普通図柄の抽選では、普通図柄の当たりか否かの当否判定が行われる。普通図柄の当たりになると、所定時間(例えば、0.2秒または1秒)だけ第2入球口640に付随する電動役物640aが開放位置に可変されることで第2入球口640が開放される。なお、通常時は、電動役物640aが閉鎖位置に配設されているため、第2入球口640が閉鎖されている。よって、普通図柄の当たりとなった場合は、球が第2入球口640へ入球し易くなり、その結果、特別図柄の抽選が行われ易くなる。
また、普通図柄(第2図柄)の抽選が行われると、第2図柄表示装置83において普通図柄の変動表示が開始されて、所定時間(例えば、3秒や30秒など)が経過した後に、抽選結果を示す普通図柄が停止表示される。第2図柄表示装置83において変動表示が行われている間に球が普通入球口67を通過すると、その通過回数は最大4回まで保留され、その保留球数が第1図柄表示装置37により表示されると共に、第2図柄保留ランプ84においても示される。第2図柄表示装置83において変動表示が終了した場合に、普通入球口67についての保留球数が残っていれば、次の普通図柄の抽選が行われると共に、その抽選に応じた変動表示が開始される。
上述したように、特別図柄の大当たり種別としては、「大当たりA」〜「大当たりD」の4種類が設けられている。
「大当たりA」、および「大当たりB」になると、いずれもラウンド数が8ラウンドの特別遊技状態(8ラウンド大当たり)となる。一方、「大当たりC」、および「大当たりD」になると、いずれもラウンド数が15ラウンドの特別遊技状態(15ラウンド大当たり)となる。更に、上記各大当たりが終了した後は、大当たり終了後の付加価値として、その大当たり終了後に普通図柄の当たり確率がアップする。加えて、大当たり遊技中に特定条件を満たした場合(球が後述する確変スイッチ65e3を通過した場合)は、大当たり終了後に特別図柄の高確率状態(特別図柄の確変中)へ移行する。特別図柄の高確率状態が付与された場合には、その特別図柄の高確率状態、および普通図柄の当たり確率がアップした状態は、大当たり終了後から特別図柄の変動が50回終了するまで継続する。一方、特別図柄の高確率状態が付与されなかった(大当たり遊技において確変スイッチ65e3を球が通過しなかった)場合は、普通図柄の当たり確率がアップした状態は、大当たり終了後から特別図柄の変動が100回終了するまで継続する。
ここで、「特別図柄の高確率状態」とは、特別図柄の大当たり確率がアップした状態、いわゆる「特別図柄の高確率状態」(特別図柄の確変状態)をいい、換言すれば、特別遊技状態(大当たり)へ移行し易い遊技の状態のことである。対して、「特別図柄の高確率状態」でない場合を「特別図柄の低確率状態」といい、これは特別図柄の確変状態よりも大当たり確率が低い状態、即ち、特別図柄の大当たり確率が通常の状態(特別図柄の通常状態)のことを示す。また、「普通図柄の時短状態」(普通図柄の高確率状態)とは、普通図柄の当たり確率がアップして、第2入球口640へ球が入球し易い遊技状態のことをいう。これ対して、「普通図柄の時短状態」でない時を「普通図柄の通常状態」(普通図柄の低確率状態)といい、これは普通図柄の当たり確率が通常の状態、即ち、時短中よりも当たり確率が低い状態のことを示す。
以後、特別図柄の大当たり終了後からパチンコ機10が特別図柄の高確率状態になっている期間のことを、特別図柄の確変期間と称す。また、特別図柄の大当たり終了後からパチンコ機10が普通図柄の時短状態になっている期間のことを、普通図柄の時短期間と称す。
上述したように、本実施形態における特別図柄の大当たりでは、大当たりの種別に応じて大当たり時のラウンド数を異ならせている。これに対して、全ての大当たり種別でラウンド数を共通(例えば、全て8ラウンド)としても良い。また、例えば、大当たりの種別に応じて「普通図柄の時短状態」となる期間を変えてもよい。また、「普通図柄の時短状態」となる期間を変える代わりに、第2入球口640に付随する電動役物640aを開放する時間や、1回の普通図柄の当たりで電動役物を開放する回数を変更するものとしても良い。また、本実施形態では、大当たり中に球が確変スイッチ65e3を通過した場合は、その大当たりが終了してから特別図柄の変動が50回終了するまで「特別図柄の高確率状態」となるが、特別図柄の確変期間は50回に限られず、任意に定めてもよい。また、次に大当たりとなるまで特別図柄の高確率状態を継続させてもよい。
本パチンコ機10では、電源などの投入等により初期設定が行われると、必ず「特別図柄の低確率状態」に設定される。その後、大当たりとなり、その大当たり中に確変スイッチ65e3を球が通過しなかった場合には、「普通図柄の通常状態」から「普通図柄の時短状態」へ移行する。この場合、設定された「普通図柄の時短状態」は、大当たり終了後から特別図柄の変動表示が100回終了するまで継続される。特別図柄の大当たりになった後、100回分の特別図柄の抽選が終了するまでに、新たな特別図柄の大当たりにならないと、「普通図柄の通常状態」に戻る。
そして、「普通図柄の時短状態」が継続されている間に、新たに大当たりになると、「普通図柄の時短状態」はさらに、その新たな大当たりの終了後から、50回分、または100回分の特別図柄の変動表示が終了するまで継続される。
遊技領域の正面視右側上部(図2の右側上部)には、発光手段である複数の発光ダイオード(以下、「LED」と略す。)37aと7セグメント表示器37bとが設けられた第1図柄表示装置37が配設されている。第1図柄表示装置37は、後述する主制御装置110で行われる各制御に応じた表示がなされるものであり、主にパチンコ機10の遊技状態の表示が行われる。複数のLED37aは、第1入球口64への入球(始動入賞)に伴って行われる特別図柄の抽選が実行中であるか否かを点灯状態により示すことによって変動表示を行ったり、変動終了後の停止図柄として、その特別図柄の抽選結果に応じた特別図柄(第1図柄)を点灯状態により示したり、第1入球口64、または第2入球口640に入球された球のうち変動が未実行である球(保留球)の数である保留球数を点灯状態により示すものである。
この第1図柄表示装置37において特別図柄(第1図柄)の変動表示が行われている間に球が第1入球口64、または第2入球口640へ入球した場合、その入球回数は最大4回まで保留され、その保留球数は第1図柄表示装置37により示されると共に、第3図柄表示装置81においても示される。なお、本実施形態においては、第1入球口64、および第2入球口640への入球は、それぞれ最大4回まで保留されるように構成したが、最大保留回数は4回に限定されるものでなく、3回以下、又は、5回以上の回数(例えば、8回)に設定しても良い。
7セグメント表示器37bは、大当たり中のラウンド数やエラー表示を行うものである。なお、LED37aは、それぞれのLEDの発光色(例えば、赤、緑、青)が異なるよう構成され、その発光色の組み合わせにより、少ないLEDでパチンコ機10の各種遊技状態(特別図柄の高確率状態や、普通図柄の時短中など)を表示することができる。また、LED37aには、変動終了後の停止図柄として特別図柄の抽選結果が大当たりであるか否かが示されるだけでなく、大当たりである場合はその大当たり種別(大当たりA〜Dに応じた特別図柄(第1図柄)が示される。
また、遊技領域には、球が入賞することにより5個から15個の球が賞球として払い出される複数の一般入賞口63が配設されている。また、遊技領域の中央部分には、可変表示装置ユニット80が配設されている。可変表示装置ユニット80には、液晶ディスプレイ(以下単に「表示装置」と略す。)で構成された第3図柄表示装置81と、LEDで構成された第2図柄表示装置83とが設けられている。この可変表示装置ユニット80には、第3図柄表示装置81の外周を囲むようにして、センターフレーム86が配設されている。
第3図柄表示装置81は、第1図柄表示装置37の表示に応じた装飾的な表示を行うものである。例えば、第1入球口64、または第2入球口640へ球が入球(始動入賞)すると、それをトリガとして、第1図柄表示装置37において特別図柄(第1図柄)の変動表示が実行される。更に、第3図柄表示装置81では、その特別図柄の変動表示に同期して、その特別図柄の変動表示に対応する第3図柄の変動表示が行われる。
第3図柄表示装置81は、8インチサイズの大型の液晶ディスプレイで構成されるものであり、後述する表示制御装置114によって表示内容が制御されることにより、例えば左、中及び右の3つの図柄列が表示される。各図柄列は複数の図柄によって構成され、これらの図柄が図柄列毎に縦スクロールして第3図柄表示装置81の表示画面上にて第3図柄が可変表示されるようになっている。本実施形態では、主制御装置110の制御に伴った遊技状態の表示が第1図柄表示装置37で行われるのに対して、第3図柄表示装置81はその第1図柄表示装置37の表示に応じた装飾的な表示が行われる。なお、表示装置に代えて、例えば、リール等を用いて第3図柄表示装置81を構成するようにしても良い。
ここで、図8を参照して、第3図柄表示装置81の表示内容について説明する。図8は、第3図柄表示装置81の表示画面を説明するための図面であり、図8(a)は、表示画面の領域区分設定と有効ライン設定とを模式的に示した図であり、図8(b)は、実際の表示画面を例示した図である。
第3図柄は、「0」から「9」の数字を付した10種類の主図柄により構成されている。各主図柄は、木箱よりなる後方図柄の上に「0」から「9」の数字を付して構成され、そのうち奇数番号(1,3,5,7,9)を付した主図柄は、木箱の前面ほぼ一杯に大きな数字が付加されている。これに対し、偶数番号(0,2,4,6,8)を付した主図柄は、木箱の前面ほぼ一杯にかんな、風呂敷、ヘルメット等のキャラクタを模した付属図柄が付加されており、付属図柄の右下側に偶数の数字が緑色で小さく、且つ、付属図柄の前側に表示されるように付加されている。
また、本実施形態のパチンコ機10においては、後述する主制御装置110(図9参照)により行われる特別図柄の抽選結果が大当たりであった場合に、同一の主図柄が揃う変動表示が行われ、その変動表示が終わった後に大当たりが発生するよう構成されている。一方、特別図柄の抽選結果が外れであった場合は、同一の主図柄が揃わない変動表示が行われる。
図8(a)に示すように、第3図柄表示装置81の表示画面は、大きくは上下に2分割され、下側の2/3が第3図柄を変動表示する主表示領域Dm、それ以外の上側の1/3が予告演出、キャラクタおよび保留球数などを表示する副表示領域Dsとなっている。
主表示領域Dmは、左・中・右の3つの表示領域Dm1〜Dm3に区分けされており、その3つの表示領域Dm1〜Dm3に、それぞれ3つの図柄列Z1,Z2,Z3が表示される。各図柄列Z1〜Z3には、上述した第3図柄が規定の順序で表示される。即ち、各図柄列Z1〜Z3には、数字の昇順または降順に主図柄が配列され、図柄列Z1〜Z3毎に周期性をもって上から下へとスクロールして変動表示が行われる。特に、左図柄列Z1においては主図柄の数字が降順に現れるように配列され、中図柄列Z2及び右図柄列Z3においては主図柄の数字が昇順に現れるように配列されている。
また、主表示領域Dmには、図柄列Z1〜Z3毎に上・中・下の3段に第3図柄が表示される。この主表示領域Dmの中段部が有効ラインL1として設定されており、毎回の遊技に際して、左図柄列Z1→右図柄列Z3→中図柄列Z2の順に、有効ラインL1上に第3図柄が停止表示される。この停止表示状態は最低1秒間保持される。このように、停止した第3図柄を一定期間(1秒以上)表示させておくことで、遊技者が大当たりに対応する第3図柄の組み合わせであるか否か(特別図柄の抽選結果が大当たりであるか否か)を見落としてしまうことを抑制することができる。また、第3図柄の停止時に有効ラインL1上に大当たり図柄の組合せ(本実施形態では、同一の主図柄の組合せ)が揃えば、大当たりとして大当たり動画(オープニング演出)が表示される。
また、停止表示された第3図柄の組み合わせが外れに対応する組み合わせであって、保留球が存在する場合は、1秒間の停止表示後に、保留球に基づく抽選に対応する変動表示が開始される。なお、複数の保留球が存在する場合は、時間的に最も古い入球に対応する保留球に基づいて抽選が実行される。
一方、保留球が存在しない状態で、特別図柄の外れに対応する組み合わせの第3図柄が1秒間停止表示された場合は、その後も第3図柄が停止表示された状態が継続する。この状態は、所定時間(例えば、15秒)が経過するか、または、第1入球口64、および第2入球口640のどちらかに対して新たに球が入球するまで継続する。そして、第3図柄が停止表示されてから所定時間(例えば、15秒)が経過した場合は、遊技が実行されていないことを示すデモ演出(図7参照)が表示される。遊技者が球を所定時間(例えば、15秒)連続して発射させているにも関わらず、第1入球口64、および第2入球口640への入球が無いという状況は稀であり、第3図柄が停止表示された状態が所定時間(例えば、15秒)継続する場合の多くは、遊技者が遊技を辞めたことで、パチンコ機10による遊技が全く行われていないことに起因する。よって、本実施形態のパチンコ機10では、第3図柄が停止表示されてから所定時間(例えば、15秒)が経過した時点で、遊技者が遊技を行っていないと判断し、デモ演出を開始する。これにより、遊技を開始するためにパチンコ機10を選択しようとしている遊技者が、デモ演出の表示の有無に基づいて遊技が行われているか否かを容易に判断することができる。一方、所定時間(例えば、15秒)が経過する前に第1入球口64、および第2入球口640に対して新たに球が入球した場合は、その新たな入球に対応する第3図柄の変動表示が実行される。
副表示領域Dsは、主表示領域Dmよりも上方に横長に設けられており、さらに左右方向に3つの小領域Ds1〜Ds3に等区分されている。このうち、小領域Ds1は、第1入球口64、および第2入球口640に入球された球のうち変動が未実行である球(保留球)の数である保留球数を表示する領域であり、小領域Ds2およびDs3は、予告演出画像を表示する領域である。
実際の表示画面では、図8(b)に示すように、主表示領域Dmに第3図柄の主図柄が合計9個表示される。副表示領域Dsにおいては、右の小領域Ds3に動画が表示され、通常より大当たりへ遷移し易い状態であることが遊技者に示唆される。中央の小領域Ds2では、通常は、所定のキャラクタ710(本実施形態ではハチマキを付けた少年)が所定動作をし、時として所定動作とは別の特別な動作をしたり、別のキャラクタが現出する等して予告演出が行われる。
一方、第3図柄表示装置81(第1図柄表示装置37)にて変動表示が行われている間に球が第1入球口64へ入球した場合、その入球回数は最大4回まで保留され、その保留球数は第1図柄表示装置37により示されると共に、副表示領域Dsの小領域Ds1においても示される。具体的には、小領域Ds1の上半分に表示された図柄(第1保留球数図柄)が第1入球口64に対する保留球数を示しており、下半分に表示された図柄(第2保留球数図柄)が第2入球口640に対する保留球数を示している。図8は、第1保留図柄が4つ表示されている一方で、第2保留図柄が0個表示されている(第2保留図柄が全てブランクになっている)場合を例示している。
なお、本実施形態においては、第1入球口64、および第2入球口640への入球は、それぞれ最大4回まで保留されるように構成したが、最大保留球数は4回に限定されるものでなく、3回以下、又は、5回以上の回数(例えば、8回)に設定しても良い。また、小領域Ds1における保留球数図柄の表示に代えて、保留球数を第3図柄表示装置81の一部に数字で、或いは、4つに区画された領域を保留球数分だけ異なる態様(例えば、色や点灯パターン)にして表示するようにしても良い。また、第1図柄表示装置37により保留球数が示されるので、第3図柄表示装置81に保留球数を表示させないものとしてもよい。更に、可変表示装置ユニット80に、保留球数を示す保留ランプを最大保留数分の4つ設け、点灯状態の保留ランプの数に応じて、保留球数を表示するものとしてもよい。
第2図柄表示装置83は、球が普通入球口67を通過することに伴って行われる普通図柄の抽選が実行中であるか否かを点灯状態により示すことによって変動表示を行ったり、変動終了後の停止図柄として、その普通図柄の抽選結果に応じた普通図柄(第2図柄)を点灯状態により示したりするものである。
より具体的には、第2図柄表示装置83では、球が左右いずれかの普通入球口67を通過する毎に、普通図柄(第2図柄)としての「○」の図柄と「×」の図柄とを交互に点灯させる変動表示が行われる。パチンコ機10は、第2図柄表示装置83における変動表示が所定図柄(本実施形態においては「○」の図柄)で停止すると、第2入球口640に付随する電動役物640aが所定時間だけ作動状態となり(開放される)、その結果、第2入球口640に球が入り易い状態となるように構成されている。球が普通入球口67を通過した通過回数は最大4回まで保留され、その保留球数が上述した第1図柄表示装置37により表示されると共に第2図柄保留ランプ84においても点灯表示される。第2図柄保留ランプ84は、最大保留数分の4つ設けられ、第3図柄表示装置81の下方に左右対称に配設されている。
なお、普通図柄(第2図柄)の変動表示は、本実施形態のように、第2図柄表示装置83において複数のランプの点灯と非点灯を切り換えることにより行うものの他、第1図柄表示装置37及び第3図柄表示装置81の一部を使用して行うようにしても良い。同様に、第2図柄保留ランプ84の点灯を第3図柄表示装置81の一部で行うようにしても良い。また、普通入球口67における球の通過は、第1入球口64や第2入球口640と同様に、最大保留球数は4回に限定されるものでなく、3回以下、又は、5回以上の回数(例えば、8回)に設定しても良い。また、第1図柄表示装置37により保留球数が示されるので、第2図柄保留ランプ84により点灯表示を行わないものとしても良い。
可変表示装置ユニット80の下方には、球が入球し得る第1入球口64が配設されている。この第1入球口64へ球が入球すると遊技盤13の裏面側に設けられる第1入球口スイッチ(図示せず)がオンとなり、その第1入球口スイッチのオンに起因して主制御装置110で特別図柄の抽選がなされ、その抽選結果に応じた表示が第1図柄表示装置37のLED37aで示される。また、第1入球口64は、球が入球すると5個の球が賞球として払い出される入賞口の1つにもなっている。
第1入球口64に対して正面視右下側には、球が入球し得る第2入球口640が配設されている。この第2入球口640へ球が入球すると遊技盤13の裏面側に設けられる第2入球口スイッチ(図示せず)がオンとなり、その第2入球口スイッチのオンに起因して主制御装置110で特別図柄の抽選がなされ、その抽選結果に応じた表示が第1図柄表示装置37のLED37aで示される。また、第2入球口640は、球が入球すると5個の球が賞球として払い出される入賞口の1つにもなっている。この第2入球口640は、図2に示した通り、右側に開閉可能な電動役物640aが設けられており、電動役物640aが開状態となった場合は右方向から流下した球が入球可能となる。従って、第2入球口640へと球を入球させるには、基本的に可変表示装置ユニット80の右方向に設けられた流路を流下させる(所謂、右打ちを行う)必要がある。
第2入球口640の正面視右上には可変入賞装置65が配設されており、その略中央部分に横長矩形状の特定入賞口(大開放口)65aが設けられている。パチンコ機10においては、主制御装置110で行われる特別図柄の抽選が大当たりとなると、所定時間(変動時間)が経過した後に、大当たりの停止図柄となるよう第1図柄表示装置37のLED37aを点灯させると共に、その大当たりに対応した第3図柄の停止図柄を第3図柄表示装置81に表示させて、大当たりの発生が示される。その後、通常時より多量の賞球の払い出しが行われる特別遊技状態に遊技状態が遷移する。この特別遊技状態として、通常時には閉鎖されている特定入賞口65aが、所定時間(例えば、30秒経過するまで、或いは、球が10個入賞するまで)開放される。即ち、通常時は特定入賞口65aを閉鎖している開閉扉65f1が、大当たりとなることにより開放され、特定入賞口65aへと球が入球可能となる。
また、可変入賞装置65の内部には、球が通過可能な複数の流路(通常排出流路65e1、および特別排出流路65e2)が設けられている。可変入賞装置65の内部へと流入した遊技球は、いずれかの流路(通常排出流路65e1、および特別排出流路65e2)を流下してパチンコ機10の外部へと排出される。また、特別排出流路65e2には、球が通過することで大当たり後に特別図柄の高確率状態(確変状態)が付与される確変スイッチ65e3が設けられている。この特別排出流路65e2は、大当たりの1ラウンド目においてのみ通過可能な状態となる。なお、詳細については後述するが、本実施形態では、大当たりの1ラウンド目において特定入賞口65aへと球が入球可能となる(開閉扉65f1が開放される)期間と、球が特別排出通路65e2を流下可能となる期間とを、遊技状態、および大当たり種別に応じて異ならせる構成としている。
より具体的には、大当たりの1ラウンド目における開閉扉65f1の開閉動作と、大当たり開始後の可変入賞装置65内の流路の切り替わりとについて、大当たり種別によらず同一の動作パターンが設定されるように構成している(図7参照)。一方で、大当たりが開始されてから、大当たりの1ラウンド目が開始されるまでの期間(オープニング期間)を、大当たりとなった時点における遊技状態、および大当たり種別に応じて可変させる構成としている。これにより、特定入賞口65aが開放状態となる期間と、特別排出流路65e2を流下可能となる期間とをずらしたり、一致させたりすることができる。よって、大当たりの1ラウンド目において球が特別排出流路65e2へと流下するか否かに注目して大当たり中の遊技を行わせることができるので、大当たり中の遊技が単調となってしまう事を防止(抑制)することができる。
ここで、図4〜図6を参照して、この可変入賞装置65の構成について説明する。図4は、この可変入賞装置65の分解斜視図である。可変入賞装置65は、図4に示すように、遊技盤13の前面側に突出して配置される開口部形成部材65b、その開口部形成部材65bの背面側に組み合わされて、可変入賞装置65を遊技盤13にビス留めするためのベース部材65cと、そのベース部材65cの背面側に配置されてベース部材65cの背面側よりパチンコ機10の前面側に対してLEDを点灯させるためのLEDが複数配置されたLED基板65dと、そのLED基板65dをベース部材65cと狭持する裏カバー体65eと、開口部形成部材65dに形成されている特定入賞口65aを開閉するための開閉扉65f1を有した開閉ユニット65fと、裏カバー体65eの背面側に組み合わされて流路を形成する流路カバー体65gと、裏カバー体65eと流路カバー体65gとで形成された流路に突出して遊技球の流路を切り替える切替部材65hと、その切替部材65hと係止されるリンク部材65iと、流路カバー体65gの背面側に配置される背面カバー体65jと、その背面カバー体65jの背面側に固定されて、リンク部材65iを作動させる流路ソレノイド65kと、その流路ソレノイド65kを背面側から覆って背面カバー体65jにビスにより固定するための固定用カバー体65mとで構成されている。
図5は、可変入賞装置65の断面図である。図5(c)は可変入賞装置65の上面図であり、図5(b)は、可変入賞装置65のLb−Lb断面図である。図5(b)に示すように、可変入賞装置65には、遊技球が入球可能な開口部である特定入賞口65aが形成されている。特定入賞口65aは、パチンコ機10の上方を略長方形状の開口が形成されており、その開口を通過した遊技球が図5(b)の左方向に誘導されるように左下方に傾斜した底面が形成されている。底面の左端部には、遊技球の入賞を検知するための磁気センサ65c1で構成された検出口65a1が配置されている。この検出口65a1を通過した遊技球は、図6(b)で示す裏カバー体65eの背面側に形成された振り分け流路へと誘導される。
なお、図5(b)に示すように特定入賞口65aの開口は、遊技盤13側より出没可能なシャッター機構で構成された開閉扉65f1により遊技球が入球可能な開放状態と入球不可能(入球困難)な閉鎖状態とに可変される。閉鎖状態では、開口が完全に開閉扉65f1によって覆われ、開閉扉の上部を遊技球が転動可能に構成される。また、開放状態では、開閉扉65f1は、ベース部材65cの内側(遊技盤13の内部)に退避されることにより特定入賞口65a内から退避されるように構成されている。
このように構成することで、可変入賞装置65の開口が閉鎖されている場合には、遊技球が可変入賞装置65の上面を転動して、右第1入球口631側へと誘導されるように構成されている。よって、時短遊技中(確変遊技中含む)にも、右打ちした状態のまま、第2入球口640へと遊技球を入球させることが可能となり、大当たり遊技後に直ちに左打ちへと遊技方法を変更させる手間を軽減できる。従って、より楽に遊技を行うことができる。
また、開放状態においては、遊技球が流下する方向と直交する面を可変入賞装置65の開口として構成できるので、より多くの遊技球が効率よく特定入賞口65a内に入賞できる。よって、大当たり遊技に要する時間を短くすることができ、遊技の効率化をはかることができる。
図5(a)は、図5(b)に示すLa−La断面図である。図5(a)に示すように検出口65a1を有する磁気センサ65c1は、裏カバー体65eの振り分け流路側へと検出口65a1が傾くようにベース部材65cに固定されている。
図6を参照して、裏カバー体65eの振り分け流路に誘導された遊技球が後述する通常排出流路65e1と特別排出流路65e2とに振り分けられる構成について説明する。
図6(a)は、遊技球が特別排出流路65e2に振り分けられるように切替部材65hが作動された状態を示す裏カバー体65eの背面図である。図6(a)に示すように、切替部材65hは、リンク部材65iの突部が挿入される係止穴65h1と遊技球を誘導する誘導片65h2とを有しており、流路カバー体65gに背面側より回動可能に軸支されている。ここで、流路カバー体65gには、この誘導片65h2を挿通することが可能な開口部が設けられており、流路カバー体65gの背面側より振り分け流路内に誘導片65hを回動可能に配置することが可能に構成されている。
図6(a)に示すように、検出口65a1より振り分け流路内に誘導された遊技球は、左斜め下方に配置された誘導片65h2の上面に誘導されて特別排出流路65e2に誘導される。特別排出流路65e2を通過した遊技球は特別排出流路65e2に設けられた遊技球の通過を検出可能な磁気センサで構成された確変スイッチ65e3により検出されてアウト球としてパチンコ機10の外部へ排出される。
ここで、詳細については後述するが、本実施形態におけるパチンコ機10では、大当たり遊技中に上記した確変スイッチ65e3を遊技球が通過することにより、大当たり遊技後の遊技状態が高確率遊技状態(確変遊技状態)に設定される。即ち、確変スイッチ65e3は、確変遊技状態を付与するための入賞口として構成されている。また、切替部材65hは、大当たり後の遊技状態を低確率遊技状態か確変遊技状態かに振り分けるための構成となる。
このように、大当たり遊技中に特定入賞口65aに入賞した遊技球の流下ルートにより大当たり遊技後に設定される遊技状態が可変されるので、大当たり遊技中にも遊技者の興趣を向上させることができる。なお、可変入賞装置65の開口から特別排出流路65e2の入り口(切替部材65hの誘導片65h2により閉鎖さる開口面)を通過するのに必要な時間は、最短でも0.2秒で構成されている。切替部材65hの作動は、大当たりが開始してからの経過時間に対応付けて作動タイミングと作動時間が設定されている。詳細については図7を参照して後述するが、本実施形態では、大当たり開始後0.5秒〜0.7秒の範囲と、3.5秒〜5.5秒の範囲で切替部材65hが作動し、確変スイッチ65e3へと続く流路が通過可能な状態になる。
次に、図6(b)を参照して、通常排出流路65e1へと遊技球が誘導される場合について説明する。図6(b)は、流路ソレノイド65kが非作動であり、特別排出流路65e2の入り口の開口面を切替部材65hの誘導片65h2が塞いでいる状態を示す図である。
検出口65a1より振り分け流路に誘導された遊技球は、切替部材65hの誘導片65h2の上面に誘導されて通常排出流路65e1に誘導される。この通常排出流路65e1の端部には遊技球の通過を検出可能な磁気センサで構成された排出確認スイッチ65e4が設けられている。これにより、可変入賞装置65内に入球した遊技球が全て排出されたかを排出確認スイッチ65e4と確変スイッチ65e3との合計により判別できる。よって、可変入賞装置65内で球詰まり等の不具合が発生した場合に、その不具合を早期に発見することができる。
このように、可変入賞装置65内に特定入賞口65aに入賞した遊技球が磁気センサ65c1により検出され、それに基づいて、遊技者に特典として賞球(本実施形態では1球入賞に対して15個の賞球)を払い出すことができる。また、その検出された後の遊技球を利用して、確変スイッチ65e3に通過するか否かを振り分け可能に構成することで、確変遊技状態を付与するか否かの抽選も実行することができる。よって、確変遊技状態を付与するための専用の入賞口を可変入賞装置65とは別に設ける必要がなく、遊技盤13のスペースを有効に利用することができる。
次に、図7を参照して、1の大当たりにおける流路ソレノイド65kの動作と、開閉板65f1の開閉動作との対応関係について説明する。上述した通り、本実施形態では、大当たりが開始されてから、大当たりの1ラウンド目が開始されるまでの期間(オープニング期間)を、大当たりとなった時点における遊技状態、および大当たり種別に応じて可変させることにより、特定入賞口65aが開放状態となる期間と、特別排出流路65e2を流下可能となる期間との対応関係を可変させている。本実施形態では、オープニング期間として、2種類のパターン(オープニングA、オープニングB)が設けられている。
図7は、流路ソレノイド65kの動作の計時変化と、オープニングA,Bが設定された場合における、特定入賞口65aの開閉タイミングとの計時変化を模式的に示した図である。図7の上段に示した通り、流路ソレノイド65kは、大当たり開始前はオフ状態に保たれている。即ち、大当たり開始前は、通常排出流路65e1へ球が流下可能な状態(図6(b)参照)となる。このオフ状態は、大当たりが開始した(オープニング期間になった)後も0.5秒間継続する。そして、大当たりの開始から0.5秒が経過すると、流路ソレノイドが0.2秒間だけオン状態に設定される。即ち、特別排出流路65e2へ球が流下可能な状態(図6(a)参照)となる。
0.2秒間のオン状態の期間が終了すると、再度、流路ソレノイド65kがオフ状態に設定される。このオフ状態の期間は大当たりの開始から3.5秒経過するまで(オフ状態に設定されてから2.8秒間が経過するまで)継続する。そして、オフ状態となる期間が経過すると、再度、流路ソレノイド65kが2秒間オン状態に設定され(即ち、特別排出流路65e2が通過可能となり)、以降は大当たりが終了するまでオフ状態に保たれる。
また、図7の中段に示した通り、オープニングAが設定された場合には、大当たりが開始すると、0.5秒間のオープニング期間を経て、大当たりの1ラウンドが開始される。即ち、閉鎖されていた開閉板65f1が開放される。開閉板65f1が開放されることにより、可変入賞装置65の内部へと球が入球可能となる。なお、本実施形態では、大当たりの1ラウンドは球が特定入賞口65aへと10個入球するか、或いは、1ラウンドが開始されてから1秒間が経過するまで開閉版65f1が開放状態に設定される。1秒以内に10個の球を特定入賞口65aへと入球させることは困難なので、基本的に大当たりの1ラウンド目では、開閉版65f1が1秒間開放される。1ラウンドが終了すると、開閉版65f1が閉鎖されると共にインターバル期間が設定される。そして、以降は開閉板65f1が開放されるラウンド期間と、インターバル期間とが繰り返される。なお、大当たりの2ラウンド目以降は、球が特定入賞口65aへと10個入球するか、或いは、ラウンドが開始されてから30秒間が経過するまで開閉版65f1が開放状態に設定される。
図7に示した通り、オープニングAが設定された場合には、大当たりの1ラウンドの開始タイミングと、流路ソレノイド65kの0.2秒間のオン期間の始期とが一致する。しかしながら、特定入賞口65aへと入球した球が特別排出流路65e2の入り口へと到達するまでにはタイムラグが生じるため、流路ソレノイド65kがオン状態に設定される0.2秒間に、球を特別排出流路65e2へと進行させることは困難となる。よって、オープニングAが設定された場合には、大当たり中に球を確変スイッチ65e3に到達させることができないので、大当たり後は基本的に特別図柄の低確率状態が設定される。なお、オープニングAが開始された場合にも、1ラウンドの開始と同時に球を特定入賞口65aへと入球させ、且つ、球が最短距離を流下した場合には、切替部材65hの誘導片65h2によって特別排出流路65e2の入り口が塞がれる前に特別排出流路65e2へと球を流下させることができる。よって、オープニングAが設定された場合でも、遊技者に対して特別図柄の確変状態へと移行することを期待して遊技を行わせることができる。
また、図7の下段に示した通り、オープニングBが設定された場合には、大当たりが開始すると、3.5秒間のオープニング期間を経て、大当たりの1ラウンドが開始され、開閉板65f1が開放される。この開放状態は、オープニングAが設定された場合と同様に、1秒間継続し、1秒が経過すると、開閉板65f1が閉鎖されてインターバル期間が設定される。そして、以降はオープニングAが設定される大当たりと同様に、開閉板65f1が開放されるラウンド期間と、インターバル期間とが繰り返される。
図7に示した通り、オープニングBが設定された場合には、大当たりの1ラウンドの開始タイミングと、流路ソレノイド65kの2秒間のオン期間の始期とが一致する。即ち、特定入賞口65aへと入球した球のほとんどを、特別排出流路65e2へと流下させることができる。よって、オープニングBが設定された場合には、大当たり中に確変スイッチ65e3を球が通過可能となるため、1ラウンド目に球を可変入賞装置65へ向けて打ち出しさえすれば、大当たり後に特別図柄の確変状態へと移行させることができる。
このように、本実施形態では、オープニングの種別を複数(2種類)設けておき、設定されるオープニングの種別に応じて確変状態への移行し易さを異ならせている。なお、オープニングの種別は、大当たりの種別や大当たりとなった時点の遊技状態に基づいて選択する構成としている。より具体的には、通常状態(特別図柄の低確率状態、且つ、普通図柄の通常状態)で大当たりB、または大当たりDとなった場合にオープニングAが設定され、大当たりA、または大当たりCとなった場合には、オープニングBが設定されるように構成している。即ち、通常状態で大当たりB、または大当たりDになると、大当たり中に確変スイッチ65e3を球が通過困難となる一方で、大当たりA、または大当たりCになると、大当たり中に確変スイッチ65e3を通過容易となるように構成している。よって、通常状態では、大当たり種別に応じて特別図柄の確変状態へと移行し易くなるか、移行し難くなるかが変わるので、大当たり種別に注目して遊技を行わせることができる。
一方、通常状態以外(確変状態、または時短状態)では、全ての大当たり種別でオープニングBが設定されるように構成されている。即ち、通常状態以外の状態で大当たりになると、大当たりの1ラウンド目で確変スイッチ65e3を通過容易となる。従って、通常状態以外の状態において大当たりとなった場合には、大当たり後に特別図柄の確変状態へと移行することもほぼ確定するので、遊技者に対してより大きな満足感を抱かせることができる。
ここで、通常状態と、通常状態以外の状態とで特別図柄の確変状態への突入率を可変させる方法として、オープニング期間でなく、1ラウンド目における開閉板65f1の開放パターンを大当たり種別に応じて異ならせる方法も考えられる。より具体的には、例えば、大当たりのオープニング期間を0.5秒に固定しておき、1ラウンドにおける開閉板65f1の開放期間を大当たり種別に応じて異ならせることで、確変スイッチ65e3を球が通過し易くなる大当たり種別と、確変スイッチ65e3を通過し難くなる大当たり種別とを設けておく。そして、通常状態で実行され易い第1特別図柄の抽選で大当たりとなった場合には、確変スイッチ65e3を通過し難い開閉パターンが設定される大当たり種別が選択される構成とし、通常状態以外の状態で実行され易い第2特別図柄の抽選で大当たりとなった場合には、確変スイッチ65e3を通過し難い開閉パターンが設定される大当たり種別が選択されない構成とする方法も考えられる。しかしながら、このように構成した場合、通常状態以外の状態(第2特別図柄の抽選が実行され易い状態)で、遊技者が球の打ち出し方向を誤る等により第1特別図柄の抽選が実行されてしまい、且つ、大当たりとなってしまった場合に、確変スイッチ65e3を球が通過し難い開閉パターンが設定されてしまう虞がある。よって、この場合は遊技者に不満感を抱かせてしまう場合がある。
また、開閉板65f1の開閉パターンを、遊技状態(通常状態であるか否か)によって異ならせる方法も考えられるが、大当たり種別と開閉パターンとが1対1対応でないと、遊技規則から外れてしまう可能性があり、ホールに設置できなくなってしまう虞がある。
これに対して本実施形態では、大当たり種別と、大当たりに当選した時点における遊技状態とに応じてオープニング期間を選択する構成により、遊技者に有利な状態(確変状態、および時短状態)において大当たりになると、必ず1ラウンド目に確変スイッチ65e3を通過し易い状態としている。このように構成することで、遊技者に有利な状態で第1特別図柄の抽選により大当たりとなった場合でも、大当たり中の遊技を安心して行わせることができる。
図2に戻って説明を続ける。遊技盤13の下側における左右の隅部には、証紙や識別ラベル等を貼着するための貼着スペースK1,K2が設けられ、貼着スペースK1に貼られた証紙等は、前面枠14の小窓35(図1参照)を通じて視認することができる。
更に、遊技盤13には、アウト口66が設けられている。いずれの入賞口にも入賞しなかった球はアウト口66を通って図示しない球排出路へと案内される。遊技盤13には、球の落下方向を適宜分散、調整等するために多数の釘が植設されているとともに、風車等の各種部材(役物)が配設されている。
図3に示すように、パチンコ機10の背面側には、制御基板ユニット90、91と、裏パックユニット94とが主に備えられている。制御基板ユニット90は、主基板(主制御装置110)と音声ランプ制御基板(音声ランプ制御装置113)と表示制御基板(表示制御装置114)とが搭載されてユニット化されている。制御基板ユニット91は、払出制御基板(払出制御装置111)と発射制御基板(発射制御装置112)と電源基板(電源装置115)とカードユニット接続基板116とが搭載されてユニット化されている。
裏パックユニット94は、保護カバー部を形成する裏パック92と払出ユニット93とがユニット化されている。また、各制御基板には、各制御を司る1チップマイコンとしてのMPU、各種機器との連絡をとるポート、各種抽選の際に用いられる乱数発生器、時間計数や同期を図る場合などに使用されるクロックパルス発生回路等が、必要に応じて搭載されている。
なお、主制御装置110、音声ランプ制御装置113及び表示制御装置114、払出制御装置111及び発射制御装置112、電源装置115、カードユニット接続基板116は、それぞれ基板ボックス100〜104に収納されている。基板ボックス100〜104は、ボックスベースと該ボックスベースの開口部を覆うボックスカバーとを備えており、そのボックスベースとボックスカバーとが互いに連結されて、各制御装置や各基板が収納される。
また、基板ボックス100(主制御装置110)及び基板ボックス102(払出制御装置111及び発射制御装置112)は、ボックスベースとボックスカバーとを封印ユニット(図示せず)によって開封不能に連結(かしめ構造による連結)している。また、ボックスベースとボックスカバーとの連結部には、ボックスベースとボックスカバーとに亘って封印シール(図示せず)が貼着されている。この封印シールは、脆性な素材で構成されており、基板ボックス100,102を開封するために封印シールを剥がそうとしたり、基板ボックス100,102を無理に開封しようとすると、ボックスベース側とボックスカバー側とに切断される。よって、封印ユニット又は封印シールを確認することで、基板ボックス100,102が開封されたかどうかを知ることができる。
払出ユニット93は、裏パックユニット94の最上部に位置して上方に開口したタンク130と、タンク130の下方に連結され下流側に向けて緩やかに傾斜するタンクレール131と、タンクレール131の下流側に縦向きに連結されるケースレール132と、ケースレール132の最下流部に設けられ、払出モータ216(図9参照)の所定の電気的構成により球の払出を行う払出装置133とを備えている。タンク130には、遊技ホールの島設備から供給される球が逐次補給され、払出装置133により必要個数の球の払い出しが適宜行われる。タンクレール131には、当該タンクレール131に振動を付加するためのバイブレータ134が取り付けられている。
また、払出制御装置111には状態復帰スイッチ120が設けられ、発射制御装置112には可変抵抗器の操作つまみ121が設けられ、電源装置115にはRAM消去スイッチ(図3、122)が設けられている。状態復帰スイッチ120は、例えば、払出モータ216(図12参照)部の球詰まり等、払出エラーの発生時に球詰まりを解消(正常状態への復帰)するために操作される。操作つまみ121は、発射ソレノイドの発射力を調整するために操作される。RAM消去スイッチ(図3、122)は、パチンコ機10を初期状態に戻したい場合に電源投入時に操作される。
<第1実施形態における電気的構成について>
次に、図9を参照して、本パチンコ機10の電気的構成について説明する。図9は、パチンコ機10の電気的構成を示すブロック図である。
主制御装置110には、演算装置である1チップマイコンとしてのMPU201が搭載されている。MPU201には、該MPU201により実行される各種の制御プログラムや固定値データを記憶したROM202と、そのROM202内に記憶される制御プログラムの実行に際して各種のデータ等を一時的に記憶するためのメモリであるRAM203と、そのほか、割込回路やタイマ回路、データ送受信回路などの各種回路が内蔵されている。なお、払出制御装置111や音声ランプ制御装置113などのサブ制御装置に対して動作を指示するために、主制御装置110から該サブ制御装置へ各種のコマンドがデータ送受信回路によって送信されるが、かかるコマンドは、主制御装置110からサブ制御装置へ一方向にのみ送信される。
主制御装置110では、大当たり抽選や第1図柄表示装置37および第3図柄表示装置81における表示の設定、第2図柄表示装置83における表示結果の抽選といったパチンコ機10の主要な処理を実行する。RAM203には、これらの処理を制御するための各種カウンタを格納するカウンタ用バッファ(図10参照)が設けられている。
ここで、図10を参照して、主制御装置110のRAM203内に設けられるカウンタ等について説明する。これらのカウンタ等は、大当たり抽選や第1図柄表示装置37および第3図柄表示装置81の表示の設定、第2図柄表示装置83の表示結果の抽選などを行うために、主制御装置110のMPU201で使用される。
大当たり抽選や第1図柄表示装置37および第3図柄表示装置81の表示の設定には、大当たりの抽選に使用する第1当たり乱数カウンタC1と、大当たり図柄の選択に使用する第1当たり種別カウンタC2と、変動パターンの選択に使用する変動種別カウンタCS1と、第1当たり乱数カウンタC1の初期値設定に使用する第1初期値乱数カウンタCINI1とが用いられる。また、普通図柄(第2図柄表示装置83)の抽選には、第2当たり乱数カウンタC4が用いられ、第2当たり乱数カウンタC4の初期値設定には第2初期値乱数カウンタCINI2が用いられる。これら各カウンタは、更新の都度前回値に1が加算され、最大値に達した後0に戻るループカウンタとなっている。
各カウンタは、例えば、タイマ割込処理(図24参照)の実行間隔である2ミリ秒間隔で更新され、また、一部のカウンタは、メイン処理(図32参照)の中で不定期に更新されて、その更新値がRAM203の所定領域に設定されたカウンタ用バッファに適宜格納される。RAM203には、1つの実行エリアと4つの保留エリア(保留第1〜第4エリア)とからなる第1特別図柄保留球格納エリア203aが設けられており、これらの各エリアには、第1入球口64への入球タイミングに合わせて、第1当たり乱数カウンタC1、第1当たり種別カウンタC2及び停止種別選択カウンタC3の各値がそれぞれ格納される。また、RAM203には、1つの実行エリアと4つの保留エリア(保留第1〜第4エリア)とからなる第2特別図柄保留球格納エリア203bが設けられており、これらの各エリアには、第2入球口640への入球タイミングに合わせて、第1当たり乱数カウンタC1、第1当たり種別カウンタC2及び停止種別選択カウンタC3の各値がそれぞれ格納される。更に、RAM203には、1つの実行エリアと4つの保留エリア(保留第1〜第4エリア)とからなる普通図柄保留球格納エリア203cが設けられており、これらの各エリアには、球が普通入球口(スルーゲート)67を通過したタイミングに合わせて、第2当たり乱数カウンタC4の値が格納される。
各カウンタについて詳しく説明する。第1当たり乱数カウンタC1は、所定の範囲(例えば、0〜399)内で順に1ずつ加算され、最大値(例えば、0〜399の値を取り得るカウンタの場合は399)に達した後0に戻る構成となっている。特に、第1当たり乱数カウンタC1が1周した場合、その時点の第1初期値乱数カウンタCINI1の値が当該第1当たり乱数カウンタC1の初期値として読み込まれる。
また、第1初期値乱数カウンタCINI1は、第1当たり乱数カウンタC1と同一範囲で更新されるループカウンタとして構成される。即ち、例えば、第1当たり乱数カウンタC1が0〜399の値を取り得るループカウンタである場合には、第1初期値乱数カウンタCINI1もまた、0〜399の範囲のループカウンタである。この第1初期値乱数カウンタCINI1は、タイマ割込処理(図24参照)の実行毎に1回更新されると共に、メイン処理(図32参照)の残余時間内で繰り返し更新される。
第1当たり乱数カウンタC1の値は、例えば定期的に(本実施形態ではタイマ割込処理毎に1回)更新され、球が第1入球口64に入球した場合には、その値がRAM203の第1特別図柄保留球格納エリア203aに格納される。一方、球が第2入球口640に入球した場合には、その値が第2特別図柄保留球格納エリア203bに格納される。
上述した通り、特別図柄の大当たりとなる乱数の値は、主制御装置110のROM202に格納される第1当たり乱数テーブル202a(図12(a)参照)によって設定されており、第1当たり乱数カウンタC1の値が、第1当たり乱数テーブルによって設定された大当たりとなる乱数の値と一致する場合に、特別図柄の大当たりと判定する。また、この第1当たり乱数テーブル202aは、特別図柄の低確率時(特別図柄の低確率状態である期間)用と、その低確率時より特別図柄の大当たりとなる確率の高い高確率時(特別図柄の高確率状態である期間)用との2種類に分けられ、それぞれに含まれる大当たりとなる乱数の個数が異なって設定されている(図12(a)参照)。このように、大当たりとなる乱数の個数を異ならせることにより、特別図柄の低確率時と特別図柄の高確率時とで、大当たりとなる確率が変更される。
第1当たり種別カウンタC2は、特別図柄の大当たりとなった場合に、第1図柄表示装置37の表示態様を決定するものであり、所定の範囲(例えば、0〜99)内で順に1ずつ加算され、最大値(例えば、0〜99の値を取り得るカウンタの場合は99)に達した後0に戻る構成となっている。第1当たり種別カウンタC2の値は、例えば、定期的に(本実施形態ではタイマ割込処理毎に1回)更新され、球が第1入球口64に入球した場合には、その値がRAM203の第1特別図柄保留球格納エリア203aに格納される。一方、球が第2入球口640へと入球した場合には、その値がRAM203の第2特別図柄保留球格納エリア203bに格納される。
ここで、第1特別図柄保留球格納エリア203a、または第2特別図柄保留球格納エリア203bに格納された第1当たり乱数カウンタC1の値が、特別図柄の大当たりとなる乱数でなければ、即ち、特別図柄の外れとなる乱数であれば、第1図柄表示装置37に表示される停止図柄に対応した表示態様は、特別図柄の外れ時のものとなる。
一方で、第1特別図柄保留球格納エリア203a、または第2特別図柄保留球格納エリア203bに格納された第1当たり乱数カウンタC1の値が、特別図柄の大当たりとなる乱数であれば、第1図柄表示装置37に表示される停止図柄に対応した表示態様は、特別図柄の大当たり時のものとなる。この場合、その大当たり時の具体的な表示態様は、同じ第1特別図柄保留球格納エリア203a、または第2特別図柄保留球格納エリア203bに格納されている第1当たり種別カウンタC2の値が示す表示態様となる。
本実施形態のパチンコ機10における第1当たり乱数カウンタC1は、0〜399の範囲の2バイトのループカウンタとして構成されている。この第1当たり乱数カウンタC1において、特別図柄の低確率時に、特別図柄の大当たりとなる乱数値は1個あり、その乱数値である「0」は、低確率時用の第1当たり乱数テーブルに格納されている(図12(a)参照)。このように特別図柄の低確率時には、乱数値の総数が400ある中で、大当たりとなる乱数値の総数が1なので、特別図柄の大当たりとなる確率は、「1/400」となる。
一方で、特別図柄の高確率時に、特別図柄の大当たりとなる乱数値は10個あり、その値である「1〜10」は、高確率時用の第1当たり乱数テーブルに格納されている(図12(a)参照)。このように特別図柄の高確率時には、乱数値の総数が400ある中で、大当たりとなる乱数値の総数が10なので、特別図柄の大当たりとなる確率は、「10/400」となる。
また、本実施形態のパチンコ機10における第1当たり種別カウンタC2の値は、0〜99の範囲のループカウンタとして構成されている。そして、図12(b)に示すように、第1特別図柄の抽選で大当たりとなり、第1当たり種別カウンタC2の値が「0〜49」であった場合の大当たり種別は、「大当たりA」となる。また、値が「50〜99」であった場合の大当たり種別は、「大当たりB」となる。一方、第2特別図柄の抽選で大当たりとなり、第1当たり種別カウンタC2の値が「0〜49」であった場合の大当たり種別は、「大当たりC」となる。また、値が「50〜99」であった場合の大当たり種別は、「大当たりD」となる。このように、本実施形態のパチンコ機10は、特別図柄の種類、および第1当たり種別カウンタC2が示す乱数の値によって、4種類の当たり種別(大当たりA〜D)が決定されるように構成されている。
停止種別選択カウンタC3は、例えば0〜99の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値(つまり99)に達した後0に戻る構成となっている。本実施形態では、停止種別選択カウンタC3によって、第3図柄表示装置81で表示される外れ時の停止種別が選択され、リーチが発生した後、最終停止図柄がリーチ図柄の前後に1つだけずれて停止する「前後外れリーチ」(例えば98,99)と、同じくリーチ発生した後、最終停止図柄がリーチ図柄の前後以外で停止する「前後外れ以外リーチ」(例えば90〜97の範囲)と、リーチ発生しない「完全外れ」(例えば0〜89の範囲)との3つの停止(演出)パターンが選択される。停止種別選択カウンタC3の値は、例えば定期的に(本実施形態ではタイマ割込処理毎に1回)更新され、球が第1入球口64に入球した場合は、その値がRAM203の第1特別図柄保留球格納エリア203aに格納される。また、球が第2入球口640に入球した場合は、その値がRAM203の第2特別図柄保留球格納エリア203bに格納される。
なお、停止種別選択カウンタC3の値(乱数値)から、特別図柄の停止種別を決定するための乱数値は、停止種別選択テーブル(図示せず)により設定されており、このテーブルは、主制御装置110のROM202内に設けられている。また、本実施形態ではこのテーブルを、特別図柄の高確率時用と、特別図柄の低確率時用とに分けており、テーブルに応じて、外れの停止種別ごとに設定される乱数値の範囲を変えている。これは、パチンコ機10が特別図柄の高確率状態であるか、特別図柄の低確率状態であるか等に応じて、停止種別の選択比率を変更するためである。
例えば、高確率状態では、大当たりが発生し易いため必要以上にリーチ演出が選択されないように、「完全外れ」の停止種別に対応した乱数値の範囲が0〜89と広い高確率時用のテーブルが選択され、「完全外れ」が選択され易くなる。このテーブルは、「前後外れリーチ」が98,99と狭くなると共に「前後外れ以外リーチ」も90〜97と狭くなり、「前後外れリーチ」や「前後外れ以外リーチ」が選択され難くなる。また、低確率状態であれば、第1入球口64への球の入球時間を確保するために「完全外れ」の停止種別に対応した乱数値の範囲が0〜79と狭い低確率時用のテーブルが選択され、「完全外れ」が選択され難くなる。
この停止種別選択テーブルは、「前後外れ以外リーチ」の停止種別に対応した乱数値の範囲が80〜97と広くなり、「前後外れ以外リーチ」が選択され易くなっている。よって、低確率状態では、演出時間の長いリーチ表示を多く行うことできるので、第1入球口64への球の入球時間を確保でき、第3図柄表示装置81による変動表示が継続して行われ易くなる。なお、後者のテーブルにおいても、「前後外れリーチ」の停止種別に対応した乱数値の範囲は98,99に設定される。
変動種別カウンタCS1は、例えば0〜198の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値(つまり198)に達した後0に戻る構成となっている。変動種別カウンタCS1によって、いわゆるノーマルリーチ、スーパーリーチ等の大まかな表示態様が決定される。表示態様の決定は、具体的には、図柄変動の変動時間の決定である。変動種別カウンタCS1により決定された変動時間に基づいて、音声ランプ制御装置113や表示制御装置114により第3図柄表示装置81で表示される第3図柄のリーチ種別や細かな図柄変動態様が決定される。変動種別カウンタCS1の値は、後述するメイン処理(図32参照)が1回実行される毎に1回更新され、当該メイン処理内の残余時間内でも繰り返し更新される。なお、変動種別カウンタCS1の値(乱数値)から、図柄変動の変動時間を一つ決定する乱数値を格納した変動パターンテーブル202d(図13(a)参照)は、主制御装置110のROM202内に設けられている。
ここで、図13(a)〜(d)を参照して変動パターンテーブル202dについて説明する。この変動パターンテーブル202dは、図13(a)に示すように、大当たり用変動パターンテーブル202d1(図13(b)参照)と、外れ用(通常)変動パターンテーブル202d2(図13(c)参照)と、外れ用(確変)変動パターンテーブル202d3(図13(d)参照)とが少なくとも設定されている。
まず、図13(b)を参照して、大当たり用変動パターンテーブル202d1について説明する。図13(b)は、この大当たり用変動パターンテーブル202d1の内容を模式的に示した模式図である。大当たり用変動パターンテーブル202d1は、特別図柄の抽選結果が大当たりである場合に、選択される変動パターンの種別(変動時間)が規定されたデータテーブルである。大当たりの変動パターンとしては、ノーマルリーチ各種(30秒)、スーパーリーチ各種(60秒)、スペシャルリーチ(90秒)がそれぞれ規定されている。大当たり用変動パターンテーブル202d1には、変動種別カウンタCS1の値毎に、各変動パターンが対応付けられている。
具体的には、変動種別カウンタCS1の値の判定値として「0〜50」の範囲にはノーマルリーチ各種(30秒)の変動パターンが対応付けられ、「51〜179」の範囲にはスーパーリーチ各種(60秒)の変動パターンが対応付けられ、「180〜198」の範囲にはスペシャルリーチ各種(90秒)の変動パターンが対応付けられている。主制御装置110のMPU201は、特別図柄の抽選結果が大当たりとなる場合の変動パターンを選択する場合に、取得している変動種別カウンタCS1の値に対応する判定値が設定されている変動パターンを大当たり用変動パターンテーブル202d1より選択する。
図13(c)は、外れ用(通常)変動パターンテーブル202d2の内容を模式的に示した模式図である。外れ用(通常)変動パターンテーブル202d2は、特別図柄の低確率状態において、特別図柄の抽選結果が外れであった場合に選択される変動パターンの種別(変動時間)が規定されたデータテーブルである。特別図柄の抽選結果が外れである場合には、上述したように、図示しない停止種別選択テーブルより停止種別が完全外れ(非リーチ)であるか、リーチ外れ(リーチ共通)であるかが停止種別選択カウンタC3の値によって決定される。具体的には、例えば、特別図柄の低確率状態において停止種別選択カウンタC3の値が「0〜79」の範囲にあれば完全外れを設定し、「80〜99」の範囲にあれば外れリーチ(前後外れリーチ、前後外れ以外リーチ)を設定する。
ここで、変動パターン種別が、完全外れである場合には、変動時間が比較的短い短外れ(7秒)と、変動時間が比較的長い長外れ(10秒)のいずれかが設定される。短外れ(7秒)に対しては、「0〜98」が、長外れ(10秒)に対しては、「99〜198」が変動種別カウンタCS1の判定値として設定されている。
また、外れリーチに対しては、変動種別カウンタCS1の判定値が「0〜149」の範囲には外れのノーマルリーチ各種(30秒)が、「150〜197」の範囲には外れのスーパーリーチ各種(60秒)が、「198」には外れのスペシャルリーチ各種(90秒)がそれぞれ設定されている。
このように、主制御装置110のMPU201は、通常遊技状態時に特別図柄の抽選結果が外れである場合には、停止種別が決定され、外れ用(通常)変動パターンテーブル202d2より取得している変動種別カウンタCS1の値に基づいて、外れ用(通常)変動パターンテーブル202d2より変動パターンを選択する。
図13(d)は、外れ用(確変)変動パターンテーブル202d3の内容を模式的に示した模式図である。この外れ用(確変)変動パターンテーブル202d3は、特別図柄の確変状態において、特別図柄の抽選が外れとなった場合に選択される変動パターンの種別(変動時間)が規定されたデータテーブルである。この外れ用(確変)変動パターンテーブル202d3では、設定されている変動種別カウンタCS1の値が、上述した外れ用(通常)変動パターンテーブル202d2とは異なっている。
なお、上述したように、遊技状態が確変遊技状態である場合には、図示しない停止種別選択テーブルにより停止種別選択カウンタC3の値が「0〜89」の範囲にあれば、完全外れが決定され、「90〜99」の範囲にあれば外れリーチ(前後外れリーチ、前後外れ以外リーチ)が決定される。
このように、通常遊技状態よりも確変遊技状態である場合には、外れである場合にリーチとなる確率が低く設定されている。よって、確変時に外れの変動時間が長くなってしまい、大当たりとなるまでの期間が長くなってしまうことを抑制できる。よって、大当たりし易い確変遊技状態時に遊技が間延びしてしまい、遊技者が退屈に感じる不具合を抑制できる。
第2当たり乱数カウンタC4は、例えば0〜239の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値(つまり239)に達した後0に戻るループカウンタとして構成されている。また、第2当たり乱数カウンタC4が1周した場合、その時点の第2初期値乱数カウンタCINI2の値が当該第2当たり乱数カウンタC4の初期値として読み込まれる。第2当たり乱数カウンタC4の値は、本実施形態ではタイマ割込処理毎に、例えば定期的に更新され、球がスルーゲート67を通過したことが検知された時に取得され、RAM203の普通図柄保留球格納エリア203cに格納される。
そして、普通図柄の当たりとなる乱数の値は、主制御装置のROM202に格納される第2当たり乱数テーブル(図12(c)参照)によって設定されており、第2当たり乱数カウンタC4の値が、第2当たり乱数テーブルによって設定された当たりとなる乱数の値と一致する場合に、普通図柄の当たりと判定する。また、この第2当たり乱数テーブルは、普通図柄の低確率時(普通図柄の通常状態である期間)用と、その低確率時より普通図柄の当たりとなる確率の高い高確率時(普通図柄の時短状態である期間)用との2種類に分けられ、それぞれに含まれる大当たりとなる乱数の個数が異なって設定されている(図12(c)参照)。このように、当たりとなる乱数の個数を異ならせることにより、普通図柄の低確率時と普通図柄の高確率時とで、当たりとなる確率が変更される。
図12(c)に示すように、普通図柄の低確率時に、普通図柄の当たりとなる乱数値は1個あり、その当たりは「0」である。この乱数値は、低確率時用の第2当たり乱数テーブルに格納されている。このように普通図柄の低確率時には、乱数値の総数が240ある中で、大当たりとなる乱数値の総数が1なので、特別図柄の大当たりとなる確率は、「1/240」となる。
パチンコ機10が普通図柄の低確率時である場合に、球がスルーゲート67を通過すると、第2当たり乱数カウンタC4の値が取得されると共に、第2図柄表示装置83において普通図柄の変動表示が30秒間実行される。そして、取得された第2当たり乱数カウンタC4の値が「0」であれば当選と判定されて、第2図柄表示装置83における変動表示が終了した後に、停止図柄(第2図柄)として「○」の図柄が点灯表示されると共に、第2入球口640に付随する電動役物640aが「0.2秒間×1回」だけ開放される。なお、本実施形態では、パチンコ機10が普通図柄の低確率時である場合に、普通図柄の当たりとなったら電動役物640aが「0.2秒間×1回」だけ開放されるが、開放時間や回数は任意に設定すれば良い。例えば、「0.5秒間×2回」開放しても良い。
一方で、普通図柄の高確率時に、普通図柄の大当たりとなる乱数値は200個あり、その範囲は「5〜204」となっている。これらの乱数値は、高確率時用の第2当たり乱数テーブルに格納されている。このように特別図柄の低確率時には、乱数値の総数が240ある中で、大当たりとなる乱数値の総数が200なので、特別図柄の大当たりとなる確率は、「1/1.2」となる。
パチンコ機10が普通図柄の高確率時である場合に、球がスルーゲート67を通過すると、第2当たり乱数カウンタC4の値が取得されると共に、第2図柄表示装置83において普通図柄の変動表示が3秒間実行される。そして、取得された第2当たり乱数カウンタC4の値が「5〜204」の範囲であれば普通図柄の当たりと判定される。この場合、第2図柄表示装置83における変動表示が終了した後に、停止図柄(第2図柄)として「○」の図柄が点灯表示されると共に、電動役物640aが「1秒間×3回」開放される。このように、普通図柄の高確率時には、普通図柄の低確率時と比較して、変動表示の時間が「30秒→3秒」と非常に短くなり、更に、電動役物640aの開放期間が「0.2秒×1回→1秒間×2回」と非常に長くなるので、第2入球口640へ球が入球し易い状態となる。なお、本実施形態では、パチンコ機10が普通図柄の高確率時である場合に、普通図柄の当たりとなったら電動役物640aが「1秒間×3回」だけ開放されるが、開放時間や回数は任意に設定すれば良い。例えば、「3秒間×2回」開放しても良い。
第2初期値乱数カウンタCINI2は、第2当たり乱数カウンタC4と同一範囲で更新されるループカウンタとして構成され(値=0〜239)、タイマ割込処理(図24参照)毎に1回更新されると共に、メイン処理(図32参照)の残余時間内で繰り返し更新される。
このように、RAM203には種々のカウンタ等が設けられており、主制御装置110では、このカウンタ等の値に応じて大当たり抽選や第1図柄表示装置37および第3図柄表示装置81における表示の設定、第2図柄表示装置83における表示結果の抽選といったパチンコ機10の主要な処理を実行することができる。
図9に戻り、説明を続ける。RAM203は、図10に図示したカウンタ用バッファのほか、MPU201の内部レジスタの内容やMPU201により実行される制御プログラムの戻り先番地などが記憶されるスタックエリアと、各種のフラグおよびカウンタ、I/O等の値が記憶される作業エリア(作業領域)とを有している。なお、RAM203は、パチンコ機10の電源の遮断後においても電源装置115からバックアップ電圧が供給されてデータを保持(バックアップ)できる構成となっており、RAM203に記憶されるデータは、すべてバックアップされる。
停電などの発生により電源が遮断されると、その電源遮断時(停電発生時を含む。以下同様)のスタックポインタや、各レジスタの値がRAM203に記憶される。一方、電源投入時(停電解消による電源投入を含む。以下同様)には、RAM203に記憶される情報に基づいて、パチンコ機10の状態が電源遮断前の状態に復帰される。RAM203への書き込みはメイン処理(図32参照)によって電源遮断時に実行され、RAM203に書き込まれた各値の復帰は電源投入時の立ち上げ処理(図31参照)において実行される。なお、MPU201のNMI端子(ノンマスカブル割込端子)には、停電等の発生による電源遮断時に、停電監視回路252からの停電信号SG1が入力されるように構成されており、その停電信号SG1がMPU201へ入力されると、停電時処理としてのNMI割込処理(図30参照)が即座に実行される。
次に、ROM202、及びRAM203の具体的な内容について、図11〜図15を参照して説明する。図11は、本実施形態における主制御装置110内に設けられたROM202の構成を示すブロック図である。主制御装置110のROM202には、上記した固定値データの一部として、第1当たり乱数テーブル202a、第1当たり種別選択テーブル202b、第2当たり乱数テーブル202c、変動パターンテーブル202d、およびオープニング選択テーブル202eが少なくとも記憶されている。
第1当たり乱数テーブル202a(図12(a)参照)は、第1当たり乱数カウンタC1の大当たり判定値が記憶されているデータテーブルである。具体的には、特別図柄の低確率状態における大当たり判定値として、「0」のみが規定され、特別図柄の高確率状態(確変状態)における大当たり判定値として、「1〜10」の10個の判定値が規定されている。始動入賞に基づいて取得した第1当たり乱数カウンタC1の値が、この第1当たり乱数テーブル202a(図12(a)参照)に規定されているいずれかの判定値と一致した場合に、特別図柄の大当たりであると判別される。
第1当たり種別選択テーブル202b(図12(b)参照)は、大当たり種別を決定するための判定値が特別図柄の種別毎に記憶されているデータテーブルであり、第1当たり種別カウンタC2の判定値が、各大当たり種別に対応付けて規定されている。本実施形態のパチンコ機10では、特別図柄の大当たりと判定された場合に、始動入賞に基づいて取得した第1当たり種別カウンタC2の値と、第1当たり種別選択テーブル202bとが比較され、第1当たり種別カウンタC2の値に対応する大当たり種別が選択される。
図12(b)に示した通り、第1特別図柄に対して、第1当たり種別カウンタC2の値が「0〜49」の範囲には、「大当たりA」が対応付けられて規定されている。この大当たりAは、ラウンド数が8ラウンドの大当たりである。第1当たり種別カウンタC2の取り得る100個のカウンタ値のうち、「大当たりA」となるカウンタ値は50個なので、第1特別図柄の抽選で大当たりとなった場合に「大当たりA」が決定される割合は50%(50/100)である。この「大当たりA」は当選時の遊技状態に拘わらず、オープニングBが設定される(即ち、1ラウンド目に球が確変スイッチ65e3を容易に通過可能となる)大当たり種別である。
また、第1当たり種別カウンタC2の値が「50〜99」の範囲には、「大当たりB」が対応付けられて規定されている。この「大当たりB」は、「大当たりA」と同様にラウンド数が8ラウンドの大当たりである。第1当たり種別カウンタC2の取り得る100個のカウンタ値のうち、「大当たりB」となるカウンタ値は50個なので、第1特別図柄の抽選で大当たりとなった場合に「大当たりB」が決定される割合は50%(50/100)である。この「大当たりB」は、当選時が通常状態(特別図柄の低確率状態、且つ、普通図柄の通常状態)であれば、オープニングAが設定され(即ち、1ラウンド目に球が確変スイッチ65e3を通過困難となり)、当選時が通常状態以外であれば、オープニングBが設定される(即ち、1ラウンド目に球が確変スイッチ65e3を容易に通過可能となる)大当たり種別である。よって、通常状態において大当たりBになると、大当たり後に確変状態へと移行させることが困難となるため、通常状態で大当たりAとなった場合に比較して遊技者に不利となる。
また、図12(b)に示した通り、第2特別図柄に対して、第1当たり種別カウンタC2の値が「0〜49」の範囲には、「大当たりC」が対応付けられて規定されている。この大当たりAは、ラウンド数が15ラウンドの大当たりである。第1当たり種別カウンタC2の取り得る100個のカウンタ値のうち、「大当たりC」となるカウンタ値は50個なので、第1特別図柄の抽選で大当たりとなった場合に「大当たりC」が決定される割合は50%(50/100)である。この「大当たりC」は当選時の遊技状態に拘わらず、オープニングBが設定される(即ち、1ラウンド目に球が確変スイッチ65e3を容易に通過可能となる)大当たり種別である。第1特別図柄の抽選で大当たりとなった場合に選択される大当たりよりもラウンド数が多い上に、当選時の遊技状態とは無関係に1ラウンド目に確変スイッチ65e3を球が容易に通過可能となるので、大当たりCは遊技者にとって最も有利な大当たり種別である。
また、第1当たり種別カウンタC2の値が「50〜99」の範囲には、「大当たりD」が対応付けられて規定されている。この「大当たりD」は、「大当たりC」と同様にラウンド数が15ラウンドの大当たりである。第1当たり種別カウンタC2の取り得る100個のカウンタ値のうち、「大当たりD」となるカウンタ値は50個なので、第1特別図柄の抽選で大当たりとなった場合に「大当たりD」が決定される割合は50%(50/100)である。この「大当たりD」は、当選時が通常状態(特別図柄の低確率状態、且つ、普通図柄の通常状態)であれば、オープニングAが設定され(即ち、1ラウンド目に球が確変スイッチ65e3を通過困難となり)、当選時が通常状態以外であれば、オープニングBが設定される(即ち、1ラウンド目に球が確変スイッチ65e3を通過可能となる)大当たり種別である。この「大当たりD」は、通常状態以外の状態で当選すると、「大当たりC」と同様にラウンド数が多い上、大当たりの1ラウンド目で球が確変スイッチ65e3を容易に通過可能となるため、遊技者にとって有利となる。一方、通常状態で当選すると、確変スイッチ65e3を球が通過困難となるため、通常状態では、「大当たりA」や「大当たりC」に比較して遊技者に不利となる。
なお、通常状態で「大当たりD」となった場合にオープニングAが設定される構成としているのは、通常状態において第2入球口640を狙って球を打ち出す(右打ちする)変則的な遊技方法を抑制するためである。仮に、第2特別図柄の抽選で「大当たりD」となった場合に、通常状態でもオープニングBが設定されるように構成すると(即ち、第2特別図柄の抽選で大当たりになった場合に、遊技状態に関係なく確変スイッチ65e3を容易に通過可能となるように構成すると)、50%の割合で大当たりBが決定される(確変状態に移行し難いオープニングAが設定される)第1特別図柄の抽選よりも、大当たりとなった場合に確実にオープニングBが設定される第2特別図柄の抽選を実行させた方が有利と考える遊技者が現れる可能性がある。そこで、本実施形態では、通常状態で第2特別図柄の抽選を実行させるメリットを低減すべく、通常状態で第2特別図柄の大当たりとなった場合には、第1特別図柄の抽選で大当たりになった場合と同様に50%の割合で確変状態に移行し難いオープニングAが設定される構成としている。このように構成することで、通常状態でも第2特別図柄の抽選を実行させることにより、確変状態の突入率を向上させようとする変則的な遊技方法を成り立たなくすることができる。
なお、本実施形態では、通常状態で「大当たりC」となった場合にオープニングBが設定される構成としていたが、通常状態では「大当たりC」となった場合にもオープニングAが設定されるように構成してもよい。これにより、通常状態でも第2特別図柄の抽選を実行させようとして常時右打ちを行う変則的な遊技方法に対する抑止力をより高めることができる。
第2当たり乱数テーブル202c(図12(c))は、普通図柄の当たり判定値が記憶されているデータテーブルである。具体的には、普通図柄の通常状態において、普通図柄の当たりとなる判定値として、「0」が規定されている(図12(c)参照)。また、普通図柄の高確率状態において、普通図柄の当たりとなる判定値として、「5〜204」が規定されている(図12(c)参照)。本実施形態のパチンコ機10では、普通入球口(スルーゲート)67を球が通過することに基づいて取得される第2当たり乱数カウンタC4の値と、第2当たり乱数テーブル202cとを参照し、普通図柄の当たりであるか否かを判定している。
変動パターンテーブル202d(図13(a)〜(d)参照)は、変動パターンの表示態様を決定するための変動種別カウンタCS1の判定値が表示態様毎にそれぞれ規定されているデータテーブルである。なお、変動パターンテーブル202dの詳細については、変動種別カウンタCS1の説明において上述した通りであるので、ここではその詳細な説明について省略する。
オープニング選択テーブル202eは、大当たりとなった場合に、大当たり種別、及び大当たりに当選した時点の遊技状態に応じたオープニング種別を決定するために用いられるデータテーブルである。このオープニング選択テーブル202eの詳細について、図14を参照して説明する。
図14は、オープニング選択テーブル202eの規定内容を示した図である。図14に示した通り、オープニング選択テーブル202eには、大当たり種別に対応するオープニング種別が、大当たりに当選した時点の遊技状態毎に規定されている。具体的には、大当たりAとなった場合に決定されるオープニング種別として、通常状態(特別図柄の低確率状態、且つ、普通図柄の通常状態)、時短状態(特別図柄の低確率状態、且つ、普通図柄の時短状態)、および確変状態(特別図柄の確変状態、且つ、普通図柄の時短状態)に対してそれぞれオープニングBが対応付けて規定されている。即ち、大当たりAになると、当選時の遊技状態に拘わらず、このオープニング選択テーブルから確変状態へと移行し易くなるオープニングBが読み出されて設定されるので、遊技者にとって有利となる。
また、大当たりBとなった場合に決定されるオープニング種別として、通常状態に対してオープニングAが、時短状態、および確変状態に対してオープニングBが、それぞれ対応付けて規定されている。よって、時短状態や確変状態で大当たりBとなった場合には、確変状態へと移行し易くなるオープニングBが設定されるが、通常状態で大当たりBとなった場合には、確変状態へと移行し難くなるオープニングAが設定される。よって、通常状態で大当たりBになると遊技者にとって不利になる。
大当たりCとなった場合に決定されるオープニング種別としては、大当たりAと同様に、通常状態、時短状態、および確変状態に対してそれぞれオープニングBが対応付けて規定されている。また、大当たりDとなった場合に決定されるオープニング種別としては、大当たりBと同様に、通常状態に対してオープニングAが、時短状態、および確変状態に対してオープニングBが、それぞれ対応付けて規定されている。
このように、本実施形態では、オープニング選択テーブル202eを用いることで、大当たりの種別や大当たりとなった時点の遊技状態に基づいてオープニング種別を切り替える構成としている。より具体的には、通常状態(特別図柄の低確率状態、且つ、普通図柄の通常状態)で大当たりB、または大当たりDとなった場合にオープニングAが設定され、大当たりA、または大当たりCとなった場合には、オープニングBが設定されるように構成している。即ち、通常状態で大当たりB、または大当たりDになると、大当たり中に確変スイッチ65e3を球が通過困難となる一方で、大当たりA、または大当たりCになると、大当たり中に確変スイッチ65e3を通過容易となるように構成している。よって、通常状態では、大当たり種別に応じて特別図柄の確変状態へと移行し易くなるか、移行し難くなるかが変わるので、大当たり種別に注目して遊技を行わせることができる。
一方、通常状態以外(確変状態、または時短状態)では、全ての大当たり種別でオープニングBが設定されるように構成されている。即ち、通常状態以外の状態で大当たりになると、大当たりの1ラウンド目で確変スイッチ65e3を通過容易となる。従って、通常状態以外の状態において大当たりとなった場合には、大当たり後に特別図柄の確変状態へと移行することもほぼ確定するので、遊技者に対してより大きな満足感を抱かせることができる。
ここで、通常状態と、通常状態以外の状態とで特別図柄の確変状態への突入率を可変させる方法として、オープニング期間でなく、1ラウンド目における開閉板65f1の開放パターンを大当たり種別に応じて異ならせる方法も考えられる。より具体的には、例えば、大当たりのオープニング期間を0.5秒に固定しておき、1ラウンドにおける開閉板65f1の開放期間を大当たり種別に応じて異ならせることで、確変スイッチ65e3を球が通過し易くなる大当たり種別と、確変スイッチ65e3を通過し難くなる大当たり種別とを設けておく。そして、通常状態で実行され易い第1特別図柄の抽選で大当たりとなった場合には、確変スイッチ65e3を通過し難い開閉パターンが設定される大当たり種別が選択される構成とし、通常状態以外の状態で実行され易い第2特別図柄の抽選で大当たりとなった場合には、確変スイッチ65e3を通過し難い開閉パターンが設定される大当たり種別が選択されない構成とする方法も考えられる。しかしながら、このように構成した場合、通常状態以外の状態(第2特別図柄の抽選が実行され易い状態)で、遊技者が球の打ち出し方向を誤る等により第1特別図柄の抽選が実行されてしまい、且つ、大当たりとなってしまった場合に、確変スイッチ65e3を球が通過し難い開閉パターンが設定されてしまう虞がある。よって、この場合は遊技者に不満感を抱かせてしまう場合がある。
また、開閉板65f1の開閉パターンを、遊技状態(通常状態であるか否か)によって異ならせる方法も考えられるが、大当たり種別と開閉パターンとが1対1対応でないと、遊技規則から外れてしまう可能性があり、ホールに設置できなくなってしまう虞がある。
これに対して本実施形態では、大当たり種別と、大当たりに当選した時点における遊技状態とに応じてオープニング期間を選択する構成により、遊技者に有利な状態(確変状態、および時短状態)において大当たりになると、必ず1ラウンド目に確変スイッチ65e3を通過し易い状態としている。このように構成することで、遊技者に有利な状態で第1特別図柄の抽選により大当たりとなった場合でも、大当たり中の遊技を安心して行わせることができる。
次に、RAM203の詳細について、図15を参照して説明する。図15は、主制御装置110のRAM203の構成を示すブロック図である。図15に示した通り、RAM203は、第1特別図柄保留球格納エリア203a、第2特別図柄保留球格納エリア203b、普通図柄保留球格納エリア203c、第1特別図柄保留球数カウンタ203d、第2特別図柄保留球数カウンタ203e、普通図柄保留球数カウンタ203f、確変カウンタ203g、確変設定フラグ203h、確変通過カウンタ203i、入賞個数カウンタ203j、動作カウンタ203k、残球タイマフラグ203m、残球タイマ203n、確変有効フラグ203o、確変有効タイマ203p、排出個数カウンタ203q、時短中カウンタ203r、大当たりフラグ203s、その他メモリエリア203zを少なくとも有している。
第1特別図柄保留球格納エリア203aは、1つの実行エリアと、4つの保留エリア(保留第1エリア〜保留第4エリア)とを有しており、これらの各エリアには、第1当たり乱数カウンタC1、第1当たり種別カウンタC2、及び停止種別選択カウンタC3の各値がそれぞれ格納される。
より具体的には、球が第1入球口64へ入賞(始動入賞)したタイミングで、各カウンタC1〜C3の各値が取得され、その取得されたデータが、4つの保留エリア(保留第1エリア〜保留第4エリア)の空いているエリアの中で、エリア番号(第1〜第4)の小さいエリアから順番に記憶される。つまり、エリア番号の小さいエリアほど、時間的に古い入賞に対応するデータが記憶され、保留第1エリアには、時間的に最も古い入賞に対応するデータが記憶される。なお、4つの保留エリアの全てにデータが記憶されている場合には、新たに何も記憶されない。
その後、主制御装置110において、特別図柄の抽選が行われる場合には、第1特別図柄保留球格納エリア203aの保留第1エリアに記憶されている各カウンタC1〜C3の各値が、実行エリアへシフトされ(移動させられ)、その実行エリアに記憶された各カウンタC1〜C3の各値に基づいて、特別図柄の抽選などの判定が行われる。
なお、保留第1エリアから実行エリアへデータをシフトすると、保留第1エリアが空き状態となる。そこで、他の保留エリア(保留第2エリア〜保留第4エリア)に記憶されている入賞のデータを、エリア番号の1小さい保留エリア(保留第1エリア〜保留第3エリア)に詰めるシフト処理が行われる。本実施形態では、第1特別図柄保留球格納エリア203aにおいて、入賞のデータが記憶されている保留エリア(保留第2エリア〜保留第4エリア)についてのみデータのシフトが行われる。
第2特別図柄保留球格納エリア203bは、第1特別図柄保留球格納エリア203aと同様に、1つの実行エリアと、4つの保留エリアとを有している。この第2特別図柄保留球格納エリア203bには、第2入球口640への始動入賞に基づいて取得される各カウンタ値が記憶される。カウンタ値の格納方法等については、第1特別図柄保留球格納エリア203aと同様であるため、その詳細な説明については省略する。
普通図柄保留球格納エリア203cは、第1特別図柄保留球格納エリア203aや、第2特別図柄保留球格納エリア203bと同様に、1つの実行エリアと、4つの保留エリア(保留第1エリア〜保留第4エリア)とを有している。これらの各エリアには、第2当たり乱数カウンタC4が格納される。
より具体的には、球がスルーゲート67を通過したタイミングで、カウンタC4の値が取得され、その取得されたデータが、4つの保留エリア(保留第1エリア〜保留第4エリア)の空いているエリアの中で、エリア番号(第1〜第4)の小さいエリアから順番に記憶される。つまり、第1特別図柄保留球格納エリア203aや、第2特別図柄保留球格納エリア203bと同様に、入賞した順序が保持されつつ、入賞に対応するデータが格納される。尚、4つの保留エリアの全てにデータが記憶されている場合には、新たに何も記憶されない。
その後、主制御装置110において、普通図柄の当たりの抽選が行われる場合には、普通図柄保留球格納エリア203cの保留第1エリアに記憶されているカウンタC4の値が、実行エリアへシフトされ(移動させられ)、その実行エリアに記憶されたカウンタC4の値に基づいて、普通図柄の当たりの抽選などの判定が行われる。
なお、保留第1エリアから実行エリアへデータをシフトすると、保留第1エリアが空き状態となるので、第1特別図柄保留球格納エリア203aや、第2特別図柄保留球格納エリア203bの場合と同様に、他の保留エリアに記憶されている入賞のデータを、エリア番号の1小さい保留エリアに詰めるシフト処理が行われる。また、データのシフトも、入賞のデータが記憶されている保留エリアについてのみ行われる。
第1特別図柄保留球数カウンタ203dは、第1入球口64への入球(始動入賞)に基づいて第1図柄表示装置37で行われる特別図柄(第1図柄)の変動表示(第3図柄表示装置81で行われる変動表示)の保留球数(待機回数)を最大4回まで計数するカウンタである。この第1特別図柄保留球数カウンタ203dは、初期値がゼロに設定されており、第1入球口64へ球が入球して変動表示の保留球数が増加する毎に、最大値4まで1ずつ加算される(図27のS404参照)。一方、第1特別図柄保留球数カウンタ203dは、新たに特別図柄の変動表示が実行される毎に、1減算される(図25のS207参照)。
この第1特別図柄保留球数カウンタ203dの値(第1特別図柄における変動表示の保留回数N1)は、保留球数コマンドによって音声ランプ制御装置113に通知される(図25のS208、図27のS405参照)。保留球数コマンドは、第1特別図柄保留球数カウンタ203dの値が変更される度に、主制御装置110から音声ランプ制御装置113に対して送信されるコマンドである。
音声ランプ制御装置113は、第1特別図柄保留球数カウンタ203dの値が変更される度に、主制御装置110より送信される保留球数コマンドによって、主制御装置110に保留された変動表示の保留球数そのものの値を取得することができる。これにより、音声ランプ制御装置113の特別図柄保留球数カウンタ223bによって管理される変動表示の保留球数が、ノイズ等の影響によって、主制御装置110に保留された実際の変動表示の保留球数からずれてしまった場合であっても、次に受信する保留球数コマンドによって、そのずれを修正することができる。
なお、音声ランプ制御装置113は、保留球数コマンドに基づいて保留球数を管理し、保留球数が変化する度に表示制御装置114に対して、保留球数を通知するための表示用保留球数コマンドを送信する。表示制御装置114は、この表示用保留球数コマンドによって通知された保留球数を基に、第3図柄表示装置81に保留球数図柄を表示する。
第2特別図柄保留球数カウンタ203eは、第2入球口640への入球(始動入賞)に基づいて第1図柄表示装置37で行われる特別図柄(第1図柄)の変動表示(第3図柄表示装置81で行われる変動表示)の保留球数(待機回数)を最大4回まで計数するカウンタである。この第2特別図柄保留球数カウンタ203eは、初期値がゼロに設定されており、第2入球口640へ球が入球して変動表示の保留球数が増加する毎に、最大値4まで1ずつ加算される(図27のS410参照)。一方、第2特別図柄保留球数カウンタ203eは、新たに特別図柄の変動表示が実行される毎に、1減算される(図25のS210参照)。この第2特別図柄保留球数カウンタ203eの値も、第1特別図柄保留球数カウンタ203dの値と同様に、保留球数コマンドによって音声ランプ制御装置113へと通知される。
普通図柄保留球数カウンタ203fは、スルーゲート67における球の通過に基づいて第2図柄表示装置83で行われる普通図柄(第2図柄)の変動表示の保留球数(待機回数)を最大4回まで計数するカウンタである。この普通図柄保留球数カウンタ203fは、初期値がゼロに設定されており、球がスルーゲート67を通過して変動表示の保留球数が増加する毎に、最大値4まで1加算される(図29のS604参照)。一方、普通図柄保留球数カウンタ203fは、新たに普通図柄(第2図柄)の変動表示が実行される毎に、1減算される(図28のS505参照)。
球がスルーゲート67を通過した場合に、この普通図柄保留球数カウンタ203fの値(普通図柄における変動表示の保留回数M)が4未満であれば、第2当たり乱数カウンタC4の値が取得され、その取得されたデータが、普通図柄保留球格納エリア203cに記憶される(図29のS605)。一方、球がスルーゲート67を通過した場合に、この普通図柄保留球数カウンタ203fの値が4であれば普通図柄保留球格納エリア203cには新たに何も記憶されない(図29のS603:No)。
確変カウンタ203gは、パチンコ機10が特別図柄の確変状態(特別図柄の高確率状態)であるか否かを示すカウンタであり、確変カウンタ203gの値が1以上であれば、パチンコ機10が特別図柄の確変状態であることを示し、確変カウンタ203gの値が0であれば、パチンコ機10が特別図柄の通常状態(特別図柄の低確率状態)であることを示す。また、上述した通り、特別図柄の確変状態では、普通図柄の時短状態となる。よって、確変カウンタ203gの値が1以上であれば、特別図柄の確変状態であると共に、普通図柄の時短状態であることも示している。
確変カウンタ203gは、初期値が0に設定されており、大当たり中に確変スイッチ65e3を球が通過した場合に、その大当たりの終了時に50が設定される(図35のS1202参照)。また、特別図柄変動処理(図25参照)において変動時間が経過したと判別される毎に、値が1ずつ減算される(図25のS220参照)。また、確変カウンタ203gは、大当たり遊技が開始される場合に値が0にリセット設定される(図33のS1005参照)。
この確変カウンタ203gは、特別図柄変動開始処理において遊技状態が確変状態であるか否かを判別するために参照される(図26のS302参照)。具体的には、特別図柄変動開始処理(図26、S213)が実行されると、特別図柄の抽選が行われる。特別図柄変動開始処理(図26、S213)では、確変カウンタ203gの値が参照され、その値が1以上であれば、高確率時用の第1当たり乱数テーブル202aに基づいて、特別図柄の抽選が行われる一方、確変カウンタ203gの値が0であれば、低確率時用の第1当たり乱数テーブル202aに基づいて、特別図柄の抽選が行われる。
また、確変カウンタ203gは、普通図柄変動処理において遊技状態が時短状態であるか否かを判別するためにも参照される(図28のS508,S514,S519)。具体的には、普通図柄変動処理の中で確変カウンタ203gの値、および時短中カウンタ203rの値が参照され、いずれかのカウンタ値が1以上であれば、高確率時用の第2当たり乱数テーブル202cに基づいて、普通図柄の抽選が行われる一方、確変カウンタ203g、および時短中カウンタ203rの値が共に0であれば、低確率時用の第2当たり乱数テーブル202cに基づいて普通図柄の抽選が行われる。また、普通図柄変動処理では、普通図柄の変動時間や、普通図柄の当たりとなった場合における電動役物640aの開放時間を決定する際にも参照される(図28のS514,S519参照)。
確変設定フラグ203hは、大当たり遊技後に遊技状態を確変状態に移行させるか否かを示すフラグである。本パチンコ機10では、遊技状態が確変状態に設定されるか否かは、大当たり遊技中に確変スイッチ65e3(図6(a)参照)に遊技球が通過したか否かにより決定される。ここで、この確変スイッチ65e3に遊技球が通過すると確変設定フラグ203hがオンに設定される(図36のS1312)。一方、この確変設定フラグ203hは、大当たりの終了時にオフに設定される(図35のS1205参照)。なお、この確変設定フラグ203hは、電源断時にはバックアップされ、復帰時(電源投入時)には電源断直前の状態に設定される。また、パチンコ機10が初期化された状態ではオフに設定される。
なお、電源投入時に確変設定フラグ203hがオンに設定されている場合には、確変スイッチ65e3に電源断前に通過したかを判別して、通過していると判別できた場合に、確変設定フラグ203hを正式にオンに設定して復帰するように構成してもよい。この場合、電源断前に確変スイッチ65e3を通過しているかの判別は、後述する確変通過カウンタ203iが0より大きい値であるかにより判別できる。このように構成することで、電源断されている状態で、確変設定フラグ203hのみをオンに書き換えて電源を再投入されるような不正を判別して、遊技店側の被害を低減することができる。
確変通過カウンタ203iは、大当たり遊技中の1つのラウンド(本実施形態では、大当たりの1ラウンド)で確変スイッチ65e3を通過した遊技球の数をカウントするためのカウンタである。なお、この確変通過カウンタ203iと後述する排出個数カウンタ203qとの合計により可変入賞装置65の特定入賞口65aに入賞した遊技球が全て排出されたかを判別することができる。この確変通過カウンタ203iは、確変スイッチ65e3を通過した場合に1ずつ加算されて更新される(図36のS1311)。また、可変入賞装置65に入賞した遊技球の数と排出個数が一致するかの処理を実行した後に、初期値である「0」にリセットされる(図37のS1411)。なお、この確変通過カウンタ203iは、電源断時にはバックアップされる。また、初期化された状態では、0に設定される。
入賞個数カウンタ203jは、大当たり遊技における1つのラウンドで可変入賞装置65の特定入賞口65aに入賞した遊技球の数をカウントするためのカウンタである。具体的には、可変入賞装置65に設けられた検出口65a1(図4参照)を遊技球が通過したと検出されることに基づいて、1ずつ加算されて更新される(図36のS1303)。一方、1つのラウンドが終了した場合に、可変入賞装置65に入賞した個数(入賞個数カウンタ203jの値)と排出された個数(排出個数カウンタ203qと確変通過カウンタ203iとの合計値)とが一致しているか判別された後に、初期値である「0」にリセットされる(図37のS1411参照)。なお、この入賞個数カウンタ203jの値は、電源断時にはバックアップされる。また、初期化された状態では、0に設定される。
動作カウンタ203kは、流路ソレノイド(確変ソレノイド)65kがオン(励磁)に設定される時間を計時(カウント)するためのカウンタである。本実施形態では、大当たりの開始から0.5秒が経過した場合に、流路ソレノイド65kが0.2秒間オンに設定され、大当たりの開始から3.5秒が経過した場合に、流路ソレノイド65kが2秒間オンに設定される(図7参照)。動作カウンタ203kには、大当たりの開始から0.5秒が経過した時点で、0.2秒に対応するカウンタ値が設定され、大当たりの開始から3.5秒が経過した時点で、2秒に対応するカウンタ値が設定される。一方、主制御装置110のMPU201の実行する入賞処理(図36、S1014)のS1309の処理において1ずつ減算されて更新される。また、この動作カウンタ203kの値が0と判別されることに基づいて、流路ソレノイド65kがオフに設定される。なお、この動作カウンタ203kは、電源断時にはバックアップされ、初期化された状態では、初期値である0が設定される。
残球タイマフラグ203mは、1のラウンドで可変入賞装置65の開閉扉65f1が閉鎖したことを示すフラグである。この残球タイマフラグ203mがオンに設定されていると、1のラウンドで可変入賞装置65の開閉扉65f1が開放状態から閉鎖状態に設定されたことを示している。この残球タイマフラグ203mがオンに設定されることで、後述する残球タイマ203nが1ずつ加算されて更新される(図37のS1405参照)。残球タイマ203nは、開閉扉65f1が閉鎖されてからの時間を判別するためのカウンタであり、可変入賞装置65内の遊技球が排出されるのに必要な時間が経過したかを判別するためのカウンタである。
残球タイマ203nは、予め設定されている1のラウンドが終了して可変入賞装置65の開閉扉65f1が閉鎖した場合に、可変入賞装置65に入賞した遊技球が排出されるのに必要な時間が経過したかを判別するためのカウンタである。本実施形態では、可変入賞装置65に入賞した遊技球が排出されるまでに必要な時間は2秒であり、本実施形態では、予め3秒に対応するカウンタ値が残球タイマ203nの上限値として設定されている。この残球タイマ203nの上限値(本実施形態では、3秒)となったことに基づいて、可変入賞装置65への入賞個数とその排出個数とが一致しているかの判別が実行される(図37のS1407)。一致しない場合には、エラーコマンドが設定されて、その旨が報知される。よって、可変入賞装置65内に遊技球が球詰まりしていることを早期に知らせることができる。また、オープニングAが設定された大当たりの1ラウンド目が終了した後も、不正に可変入賞装置65内に遊技球を残存させておき、流路ソレノイド65kが2秒間オン状態となる期間を見計らって球を特別排出流路65e2へと流下させる不正を抑制できる。
なお、入賞個数と排出個数が一致しない場合には、専用のフラグをオンに設定しておき、そのフラグがオンである場合には確変スイッチ65e3を遊技球が通過しても確変設定フラグ203hをオンに設定しない構成にしてもよい。このように構成することで、不正に確変状態が付与されることを抑制できる。
確変有効フラグ203oは、流路ソレノイド65kがオフに設定された後に、遊技球が確変スイッチ65e3に通過した場合に、その通過を有効とするか否かを判別するためのフラグである。この確変有効フラグ203oがオンに設定されている場合には、流路ソレノイド65kがオンであることに基づいて、特別排出流路65e2(図6(a)参照)に流入した遊技球が確変スイッチ65e3を通過するのに必要な時間以下であることを示している。即ち、確変スイッチ65e3に遊技球が通過することが正常な期間であることを示している。
確変有効タイマ203pは、上述した確変有効フラグ203oがオンに設定されてからの時間をカウントする為のカウンタである。この確変有効タイマ203pにより流路ソレノイド65kがオフとなった後に、確変スイッチ65e3を正常に通過するのに必要な期間を判別することができる。本実施形態では、特別排出流路65e2に入球した遊技球が確変スイッチ65e3を通過するのに要する時間は1秒である。確変有効タイマ203pの上限値は1.2秒に対応するカウンタ値に設定されており、それ以後に確変スイッチ65e3を通過しても不正と判別して通過と判別しない。
これにより、切替部材65hが特別排出流路65e2に誘導しない状態で、不正に球を特別排出流路65e2に入球させて確変スイッチ65e3に遊技球を通過させたり、確変スイッチ65e3の下方よりピアノ線等で遊技球を押し上げて通過させたり、電波等により磁気センサを通過と誤検出させたりする不正による被害を抑制できる。
排出個数カウンタ203qは、1のラウンドで排出確認スイッチ65e4(図6(a)参照)を通過した遊技球の数をカウントするためのカウンタである。この排出個数カウンタ203qは、可変入賞装置65に入賞した遊技球の数と排出個数とが判別された後に初期値である0にリセットされる(図37のS1411)。
時短中カウンタ203rは、時短状態における残りの特別図柄の変動回数をカウントするためのカウンタである。この時短中カウンタ203rは、大当たり遊技終了時に確変設定フラグがオフである場合に、100が設定される。即ち、本実施形態では、大当たり遊技後に確変状態が設定されない場合には、時短回数が100回の時短状態に移行する。
大当たりフラグ203sは、大当たり(特別遊技状態)中であるか否かを示すフラグである。この大当たりフラグ203sの値がオンであれば、大当たり中であることを意味し、オフであれば大当たり中でないことを意味する。大当たりフラグ203sは、特別図柄の抽選により大当たりとなり、大当たり(特別遊技状態)が開始されると共にオンに設定される(図33のS1006参照)。また、大当たり(特別遊技状態)の終了時にオフに設定される(図35のS1205参照)。特別図柄変動処理(図25参照)では、この大当たりフラグ203sが参照されて、大当たり中であるか否かが判別される(図25のS201参照)。
その他メモリエリア203zは、主制御装置110のMPU201が使用するその他カウンタ値等を一時的に記憶して置くためのエリアである。
図9に戻って、説明を続ける。主制御装置110のMPU201には、アドレスバス及びデータバスで構成されるバスライン204を介して入出力ポート205が接続されている。入出力ポート205には、払出制御装置111、音声ランプ制御装置113、第1図柄表示装置37、第2図柄表示装置83、特定入賞口65aを閉鎖または開放する開閉板65f1を開閉駆動するための大開放口ソレノイドや電動役物を駆動するためのソレノイドなどからなるソレノイド209が接続され、MPU201は、入出力ポート205を介してこれらに対し各種コマンドや制御信号を送信する。
また、入出力ポート205には、図示しないスイッチ群やセンサ群などからなる各種スイッチ208や、電源装置115に設けられた後述のRAM消去スイッチ(図3、122)回路253が接続され、MPU201は各種スイッチ208から出力される信号や、RAM消去スイッチ(図3、122)回路253より出力されるRAM消去信号SG2に基づいて各種処理を実行する。
払出制御装置111は、払出モータ216を駆動させて賞球や貸出球の払出制御を行うものである。演算装置であるMPU211は、そのMPU211により実行される制御プログラムや固定値データ等を記憶したROM212と、ワークメモリ等として使用されるRAM213とを有している。
払出制御装置111のRAM213は、主制御装置110のRAM203と同様に、MPU211の内部レジスタの内容やMPU211により実行される制御プログラムの戻り先番地などが記憶されるスタックエリアと、各種のフラグおよびカウンタ、I/O等の値が記憶される作業エリア(作業領域)とを有している。RAM213は、パチンコ機10の電源の遮断後においても電源装置115からバックアップ電圧が供給されてデータを保持(バックアップ)できる構成となっており、RAM213に記憶されるデータは、すべてバックアップされる。なお、主制御装置110のMPU201と同様、MPU211のNMI端子にも、停電等の発生による電源遮断時に停電監視回路252から停電信号SG1が入力されるように構成されており、その停電信号SG1がMPU211へ入力されると、停電時処理としてのNMI割込処理(図30参照)が即座に実行される。
払出制御装置111のMPU211には、アドレスバス及びデータバスで構成されるバスライン214を介して入出力ポート215が接続されている。入出力ポート215には、主制御装置110や払出モータ216、発射制御装置112などがそれぞれ接続されている。また、図示はしないが、払出制御装置111には、払い出された賞球を検出するための賞球検出スイッチが接続されている。なお、該賞球検出スイッチは、払出制御装置111に接続されるが、主制御装置110には接続されていない。
発射制御装置112は、主制御装置110により球の発射の指示がなされた場合に、操作ハンドル51の回転操作量に応じた球の打ち出し強さとなるよう球発射ユニット112aを制御するものである。球発射ユニット112aは、図示しない発射ソレノイドおよび電磁石を備えており、その発射ソレノイドおよび電磁石は、所定条件が整っている場合に駆動が許可される。具体的には、遊技者が操作ハンドル51に触れていることをタッチセンサ51aにより検出し、球の発射を停止させるための打ち止めスイッチ51bがオフ(操作されていないこと)を条件に、操作ハンドル51の回動量に対応して発射ソレノイドが励磁され、操作ハンドル51の操作量に応じた強さで球が発射される。
音声ランプ制御装置113は、音声出力装置(図示しないスピーカなど)226における音声の出力、ランプ表示装置(電飾部29〜33、表示ランプ34など)227における点灯および消灯の出力、変動表示演出(変動表示)といった表示制御装置114で行われる第3図柄表示装置81の表示態様の設定などを制御するものである。演算装置であるMPU221は、そのMPU221により実行される制御プログラムや固定値データ等を記憶したROM222と、ワークメモリ等として使用されるRAM223と、を有している。
音声ランプ制御装置113のMPU221には、アドレスバス及びデータバスで構成されるバスライン224を介して入出力ポート225が接続されている。入出力ポート225には、主制御装置110、表示制御装置114、音声出力装置226、ランプ表示装置227、枠ボタン22などがそれぞれ接続されている。
音声ランプ制御装置113は、枠ボタン22からの入力を監視し、遊技者によって枠ボタン22が操作された場合は、第3図柄表示装置81で表示されるステージを変更したり、スーパーリーチ時の演出内容を変更したりするように、音声出力装置226、ランプ表示装置227を制御し、また、表示制御装置114へ指示する。ステージが変更される場合は、変更後のステージに応じた背面画像を第3図柄表示装置81に表示させるべく、変更後のステージに関する情報を含めた背面画像変更コマンドを表示制御装置114へ送信する。ここで、背面画像とは、第3図柄表示装置81に表示させる主要な画像である第3図柄の背面側に表示される画像のことである。
音声ランプ制御装置113は、主制御装置110からのコマンドや、音声ランプ制御装置113に接続された各種装置等の状況に応じてエラーを判定し、そのエラーの種別を含めてエラーコマンドを表示制御装置114へ送信する。表示制御装置114では、受信したエラーコマンドによって示されるエラー種別(例えば、振動エラー)に応じたエラーメッセージ画像を第3図柄表示装置81に遅滞無く表示させる制御が行われる。
次に、音声ランプ制御装置113の電気的構成の詳細について説明する。図16(a)は、音声ランプ制御装置113のMPU221のROM222の内容を模式的に示した模式図である。ROM222には、変動パターン選択テーブル222aを少なくとも有している。
変動パターン選択テーブル222aは、音声ランプ制御装置113は主制御装置110から出力された変動パターンコマンドに基づいて、その変動パターンコマンドが示す大まかな変動内容(変動時間、変動種別(リーチ、外れ等))から更に詳細な変動内容を決定するために用いられる。これにより、さらに多様な変動態様を決定することができる。ここでは、主制御装置110から指示された大まかな変動内容に対して、抽選により複数種類のうち1の変動態様が決定される。
次に、図16(b)を参照して、音声ランプ制御装置113のMPU221におけるRAM223について説明する。図16(b)は、RAM223の内容を示したブロック図である。RAM223には、入賞情報格納エリア223aと、特別図柄保留球数カウンタ223bと、変動開始フラグ223cと、停止種別選択フラグ223dと、確変状態フラグ223eと、時短状態フラグ223fと、演出用カウンタ223gと、電源断フラグ223yと、その他メモリエリア223zとが少なくとも設けられている。
入賞情報格納エリア223aは、1つの実行エリアと、4つのエリア(第1エリア〜第4エリア)とからなる記憶エリアを、第1特別図柄、および第2特別図柄のそれぞれに対して有している。各エリアには、入賞情報がそれぞれ格納される。本パチンコ機10では、主制御装置110において始動入賞となった場合に、その始動入賞に応じて取得された第1当たり乱数カウンタC1、第1当たり種別カウンタC2及び停止種別選択カウンタC3の各値から、その始動入賞に対応する特別図柄の抽選が行われた場合に得られる各種情報(当否、停止種別、変動パターン)が主制御装置110において予測(推定)され、その予測された各種情報が、主制御装置110から音声ランプ制御装置113へ入賞情報コマンドによって通知される。
音声ランプ制御装置113では、入賞情報コマンドが受信されると、その入賞情報コマンドにより通知された各種情報(当否、停止種別、変動パターン)が入賞情報として抽出されて、その入賞情報が、入賞情報格納エリア223aに記憶される。より具体的には、抽出された入賞情報が、4つのエリア(第1エリア〜第4エリア)の空いているエリアの中で、エリア番号(第1〜第4)の小さいエリアから順番に記憶される。つまり、エリア番号の小さいエリアほど、時間的に古い入賞に対応するデータが記憶され、第1エリアには、時間的に最も古い入賞に対応するデータが記憶される。
特別図柄保留球数カウンタ223bは、第1図柄表示装置37(および第3図柄表示装置81)で行われる変動演出(変動表示)であって、主制御装置110において保留されている変動演出の保留球数(待機回数)を特別図柄の種別毎に最大4回まで計数するカウンタである。
上述したように、音声ランプ制御装置113は、主制御装置110に直接アクセスして、主制御装置110のRAM203に格納されている第1特別図柄保留球数カウンタ203d、および第2特別図柄保留球数カウンタ203eの値を取得することができない。よって、音声ランプ制御装置113では、主制御装置110から送信される保留球数コマンドに基づいて保留球数をカウントし、特別図柄保留球数カウンタ223bにて、その保留球数を特別図柄の種別毎に管理するようになっている。
具体的には、主制御装置110では、第1入球口64、第2入球口640への入球によって変動表示の保留球数が加算された場合、又は、主制御装置110において特別図柄における変動表示が実行されて保留球数が減算された場合に、加算後または減算後の第1特別図柄保留球数カウンタ203dの値、または第2特別図柄保留球数カウンタ203eの値を示す保留球数コマンドを、音声ランプ制御装置113へ送信する。
音声ランプ制御装置113は、主制御装置110より送信される保留球数コマンドを受信すると、その保留球数コマンドから、主制御装置110の第1特別図柄保留球数カウンタ203d、または第2特別図柄保留球数カウンタ203eの値を取得して、特別図柄保留球数カウンタ223bに格納する(図40のS1708参照)。このように、音声ランプ制御装置113では、主制御装置110より送信される保留球数コマンドに従って、特別図柄保留球数カウンタ223bの値を更新するので、主制御装置110の第1特別図柄保留球数カウンタ203d、および第2特別図柄保留球数カウンタ203eの値と同期させながら、その値を更新することができる。
特別図柄保留球数カウンタ223bの値は、第3図柄表示装置81における保留球数図柄の表示に用いられる。即ち、音声ランプ制御装置113は、保留球数コマンドの受信に応じて、そのコマンドにより示される保留球数を特別図柄保留球数カウンタ223bに格納すると共に、格納後の特別図柄保留球数カウンタ223bの値を表示制御装置114に通知するべく、表示用保留球数コマンドを表示制御装置114に対して送信する。
表示制御装置114では、この表示用保留球数コマンドを受信すると、そのコマンドにより示される保留球数の値、即ち、音声ランプ制御装置113の特別図柄保留球数カウンタ223bの値分の保留球数図柄を第3図柄表示装置81の小領域Ds1に表示するように、画像の描画を制御する。上述したように、特別図柄保留球数カウンタ223bは、主制御装置110の第1特別図柄保留球数カウンタ203d、第2特別図柄保留球数カウンタ203eと同期しながら、その値が変更される。従って、第3図柄表示装置81の小領域Ds1に表示される保留球数図柄の数も、主制御装置110の第1特別図柄保留球数カウンタ203d、第2特別図柄保留球数カウンタ203eの値に同期させながら、変化させることができる。よって、第3図柄表示装置81には、変動表示が保留されている保留球の数を正確に表示させることができる。
変動開始フラグ223cは、主制御装置110から送信される変動パターンコマンドを受信した場合にオンされ(図40のS1702参照)、第3図柄表示装置81における変動表示の設定がなされるときにオフされる(図42のS1902参照)。変動開始フラグ223cがオンになると、受信した変動パターンコマンドから抽出された変動パターンに基づいて、表示用変動パターンコマンドが設定される。
ここで設定された表示用変動パターンコマンドは、RAM223に設けられたコマンド送信用のリングバッファに記憶され、MPU221により実行されるメイン処理(図39参照)のコマンド出力処理(S1602)の中で、表示制御装置114に向けて送信される。表示制御装置114では、この表示用変動パターンコマンドを受信することによって、この表示用変動パターンコマンドによって示される変動パターンで、第3図柄表示装置81において第3図柄の変動表示が行われるように、その変動演出の表示制御が開始される。
停止種別選択フラグ223dは、主制御装置110から送信される停止種別コマンドを受信した場合にオンされ(図40のS1705参照)、第3図柄表示装置81における停止種別の設定がなされるときにオフされる(図42のS1907参照)。停止種別選択フラグ223dがオンになると、受信した停止種別コマンドから抽出された停止種別(大当たりの場合には大当たり種別)に基づいて、停止種別が決定される。
確変状態フラグ223eは、遊技状態が特別図柄の確変状態であるか否かを示すフラグである。この確変状態フラグ223eは、主制御装置110から出力される状態コマンドに応じて更新される(図40のS1710参照)。本実施形態では、この確変状態フラグ223eに基づいて遊技状態が確変状態であるか否かを判別し、判別した遊技状態に応じた演出(例えば、背面種別の変更等)を行う。
時短状態フラグ223fは、遊技状態が普通図柄の時短状態であるか否かを示すフラグである。この時短状態フラグ223fは、主制御装置110から出力される状態コマンドに応じて更新される(図40のS1710参照)。本実施形態では、この時短状態フラグ223fに基づいて遊技状態が時短状態であるか否かを判別し、判別した遊技状態に応じた演出(例えば、背面種別の変更等)を行う。
演出用カウンタ223gは、各種演出(背面種別等)を選択する場合に参照されるカウンタである。この演出用カウンタ223gは、例えば、「0〜199」の範囲で繰り返し更新されるループカウンタで構成されており、例えば、メイン処理(図39参照)の中で1ずつ更新される。図示については省略したが、音声ランプ制御装置113のROM222には、この演出用カウンタ223gの値毎に、決定される演出態様が対応付けて規定された演出選択テーブルが設けられている。演出用カウンタ223gを用いることで、各種演出をランダムに選択して実行することができる。
電源断フラグ223yは、瞬間的な停電があったか否かを判別するために用いられるフラグである。この電源断フラグ223yは、主制御装置110から電源断コマンドを受信し、電源断処理が実行される前にオンに設定される(図39のS1615参照)。その後、RAM223は揮発性メモリであるため、RAM223の情報は一定時間(100ミリ秒)経過後に全て消えてしまう。よって、音声ランプ制御装置113の立ち上げ処理(図38参照)において、電源断フラグ223yがオンである場合は(図38の1508:Yes参照)、電源断フラグ223yがオンに設定されてから一定時間(100ミリ秒)経過前に音声ランプ制御装置113が立ち上がった場合、即ち、瞬間的な停電があった場合である。この場合には、RAM223の情報は全て消えておらず、RAM223の作業領域に不要な情報(または、一部の情報のみが消えてしまったことで不完全となった情報など)が残っている場合があるので、RAM223の作業領域の情報をクリアする(図38のS1509参照)。これにより、不要(または、不完全)な情報に基づいて処理が実行されることがなくなるので、音声ランプ制御装置113の各処理を正常に動作させることができる。
その他メモリエリア223zは上述したデータ以外のデータを格納する領域として設けられており、音声ランプ制御装置113のMPU221が使用するその他カウンタ値などを一時的に記憶しておくための領域である。
RAM223は、その他、主制御装置110より受信したコマンドを、そのコマンドに対応した処理が行われるまで一時的に記憶するコマンド記憶領域(図示せず)や、演出時間を計時する経時タイマなどを有している。なお、コマンド記憶領域はリングバッファで構成され、FIFO(First In First Out)方式によってデータの読み書きが行われる。音声ランプ処理装置113のコマンド判定処理(図40参照)が実行されると、コマンド記憶領域に記憶された未処理のコマンドのうち、最初に格納されたコマンドが読み出され、コマンド判定処理によって、そのコマンドが解析されて、そのコマンドに応じた処理が行われる。
表示制御装置114は、音声ランプ制御装置113及び第3図柄表示装置81が接続され、音声ランプ制御装置113より受信したコマンドに基づいて、第3図柄表示装置81における第3図柄の変動表示(変動演出)や連続予告演出を制御するものである。この表示制御装置114の詳細については、図17を参照して後述する。
電源装置115は、パチンコ機10の各部に電源を供給するための電源部251と、停電等による電源遮断を監視する停電監視回路252と、RAM消去スイッチ122(図3参照)が設けられたRAM消去スイッチ回路253とを有している。電源部251は、図示しない電源経路を通じて、各制御装置110〜114等に対して各々に必要な動作電圧を供給する装置である。その概要としては、電源部251は、外部より供給される交流24ボルトの電圧を取り込み、各種スイッチ208などの各種スイッチや、ソレノイド209などのソレノイド、モータ等を駆動するための12ボルトの電圧、ロジック用の5ボルトの電圧、RAMバックアップ用のバックアップ電圧などを生成し、これら12ボルトの電圧、5ボルトの電圧及びバックアップ電圧を各制御装置110〜114等に対して必要な電圧を供給する。
停電監視回路252は、停電等の発生による電源遮断時に、主制御装置110のMPU201及び払出制御装置111のMPU211の各NMI端子へ停電信号SG1を出力するための回路である。停電監視回路252は、電源部251から出力される最大電圧である直流安定24ボルトの電圧を監視し、この電圧が22ボルト未満になった場合に停電(電源断、電源遮断)の発生と判断して、停電信号SG1を主制御装置110及び払出制御装置111へ出力する。停電信号SG1の出力によって、主制御装置110及び払出制御装置111は、停電の発生を認識し、NMI割込処理を実行する。なお、電源部251は、直流安定24ボルトの電圧が22ボルト未満になった後においても、NMI割込処理の実行に充分な時間の間、制御系の駆動電圧である5ボルトの電圧の出力を正常値に維持するように構成されている。よって、主制御装置110及び払出制御装置111は、NMI割込処理(図30参照)を正常に実行し完了することができる。
RAM消去スイッチ回路253は、RAM消去スイッチ122(図3参照)が押下された場合に、主制御装置110へ、バックアップデータをクリアさせるためのRAM消去信号SG2を出力するための回路である。主制御装置110は、パチンコ機10の電源投入時に、RAM消去信号SG2を入力した場合に、バックアップデータをクリアすると共に、払出制御装置111においてバックアップデータをクリアさせるための払出初期化コマンドを払出制御装置111に対して送信する。
次に、図17を参照して、表示制御装置114の電気的構成について説明する。図17は、表示制御装置114の電気的構成を示すブロック図である。表示制御装置114は、MPU231と、ワークRAM233と、キャラクタROM234と、常駐用ビデオRAM235と、通常用ビデオRAM236と、画像コントローラ237と、入力ポート238と、出力ポート239と、バスライン240,241とを有している。
入力ポート238の入力側には音声ランプ制御装置113の出力側が接続され、入力ポート238の出力側には、MPU231、ワークRAM233、キャラクタROM234、画像コントローラ237がバスライン240を介して接続されている。画像コントローラ237には、常駐用ビデオRAM235及び通常用ビデオRAM236が接続されると共に、バスライン241を介して出力ポート239が接続されている。また、出力ポート239の出力側には、第3図柄表示装置81が接続されている。
なお、パチンコ機10は、特別図柄の大当たりとなる抽選確率や、1回の特別図柄の大当たりで払い出される賞球数が異なる別機種であっても、第3図柄表示装置81で表示される図柄構成が全く同じ仕様の機種があるので、表示制御装置114は共通部品化されコスト低減が図られている。
以下では、先にMPU231、キャラクタROM234、画像コントローラ237、常駐用ビデオRAM235、通常用ビデオRAM236について説明し、次いで、ワークRAM233について説明する。
まず、MPU231は、主制御装置110の変動パターンコマンドに基づく音声ランプ制御装置113から出力された表示用変動パターンコマンドに基づいて、第3図柄表示装置81の表示内容を制御するものである。MPU231は、命令ポインタ231aを内蔵しており、命令ポインタ231aで示されるアドレスに格納された命令コードを読み出してフェッチし、その命令コードに従って各種処理を実行する。MPU231には、電源投入(停電からの復電を含む。以下、同じ。)直後に、電源装置115からシステムリセットがかけられるようになっており、そのシステムリセットが解除されると、命令ポインタ231aは、MPU231のハードウェアによって自動的に「0000H」に設定される。そして、命令コードがフェッチされる度に、命令ポインタ231aは、その値が1ずつ加算される。また、MPU231が命令ポインタの設定命令を実行した場合は、その設定命令により指示されたポインタの値が命令ポインタ231aにセットされる。
なお、詳細については後述するが、本実施形態において、MPU231によって実行される制御プログラムや、その制御プログラムで使用される各種の固定値データは、従来の遊技機のように専用のプログラムROMを設けて記憶させるのではなく、第3図柄表示装置81に表示させる画像のデータを記憶させるために設けられたキャラクタROM234に記憶させている。
詳細については後述するが、キャラクタROM234は、小面積で大容量化を図ることが可能なNAND型フラッシュメモリ234aによって構成されている。これにより、画像データだけでなく制御プログラム等を十分に記憶させておくことができる。そして、キャラクタROM234に制御プログラム等を記憶させておけば、制御プログラム等を記憶する専用のプログラムROMを設ける必要がない。よって、表示制御装置114における部品点数を削減することができ、製造コストを削減できるほか、部品数増加による故障発生率の増加を抑制することができる。
一方で、一般的にNAND型フラッシュメモリは、特にランダムアクセスを行う場合において読み出し速度が遅くなるという問題点がある。例えば、複数のページに連続して並んだデータの読み出しを行う場合において、2ページ目以降のデータは高速読み出しが可能であるが、最初の1ページ目のデータの読み出しには、アドレスが指定されてからデータが出力されるまでに大きな時間を要する。また、連続していないデータを読み出す場合は、そのデータを読み出す度に大きな時間を要する。このように、NAND型フラッシュメモリは、その読み出しに係る速度が遅いため、MPU231が直接キャラクタROM234から制御プログラムを読み出して各種処理を実行するように構成すると、制御プログラムを構成する命令の読み出しに時間がかかる場合が発生し、MPU231として高性能のプロセッサを用いても、表示制御装置114の処理性能を悪化させてしまうおそれがある。
そこで、本実施形態では、MPU231のシステムリセットが解除されると、まず、キャラクタROM234のNAND型フラッシュメモリ234aに記憶されている制御プログラムを、各種データの一時記憶用に設けたワークRAM233に転送して格納する。そして、MPU231はワークRAM233に格納された制御プログラムに従って、各種処理を実行する。ワークRAM233は、後述するようにDRAM(Dynamic RAM)によって構成され、高速でデータの読み書きが行われるので、MPU231は遅滞なく制御プログラムを構成する命令の読み出しを行うことができる。よって、表示制御装置114において高い処理性能を保つことができ、第3図柄表示装置81を用いて、多様化、複雑化させた演出を容易に実行することができる。
キャラクタROM234は、MPU231において実行される制御プログラムや、第3図柄表示装置81に表示される画像のデータを記憶したメモリであり、MPU231とバスライン240を介して接続されている。MPU231は、バスライン240を介してシステムリセット解除後にキャラクタROM234に直接アクセスし、そのキャラクタROM234の後述する第2プログラム記憶エリア234a1に記憶された制御プログラムを、ワークRAM233のプログラム格納エリア233aへ転送する。また、バスライン240には画像コントローラ237も接続されており、画像コントローラ237はキャラクタROM234の後述するキャラクタ記憶エリア234a2に格納された画像データを、画像コントローラ237に接続されている常駐用ビデオRAM235や通常用ビデオRAM236へ転送する。
このキャラクタROM234は、NAND型フラッシュメモリ234a、ROMコントローラ234b、バッファRAM234c、NOR型ROM234dをモジュール化して構成されている。
NAND型フラッシュメモリ234aは、キャラクタROM234におけるメインの記憶部として設けられる不揮発性のメモリであり、MPU231によって実行される制御プログラムの大部分や第3図柄表示装置81を駆動させるための固定値データを記憶する第2プログラム記憶エリア234a1と、第3図柄表示装置81に表示させる画像(キャラクタ等)のデータを格納するキャラクタ記憶エリア234a2とを少なくとも有する。
ここで、NAND型フラッシュメモリは、小さな面積で大きな記憶容量が得られる特徴を有しており、キャラクタROM234を容易に大容量化することができる。これにより、本パチンコ機において、例えば2ギガバイトの容量を持つNAND型フラッシュメモリ234aを用いることにより、第3図柄表示装置81に表示させる画像として、多くの画像をキャラクタ記憶エリア234a2に記憶させることができる。よって、遊技者の興趣をより高めるために、第3図柄表示装置81に表示される画像を多様化、複雑化することができる。
また、NAND型フラッシュメモリ234aは、多くの画像データをキャラクタ記憶エリア234a2に記憶させた状態で、更に、制御プログラムや固定値データも第2プログラム記憶エリア234a1に記憶させることができる。このように、制御プログラムや固定値データを、従来の遊技機のように専用のプログラムROMを設けて記憶させることなく、第3図柄表示装置81に表示させる画像のデータを記憶させるために設けられたキャラクタROM234に記憶させることができるので、表示制御装置114における部品点数を削減することができ、製造コストを削減できるほか、部品数増加による故障発生率の増加を抑制することができる。
ROMコントローラ234bは、キャラクタROM234の動作を制御するためのコントローラであり、例えば、バスライン240を介してMPU231や画像コントローラ237から伝達されたアドレスに基づいて、NAND型フラッシュメモリ234a等から該当するデータを読み出し、バスライン240を介してMPU231又は画像コントローラ237へ出力する。
ここで、NAND型フラッシュメモリ234aは、その性質上、データの書き込み時にエラービット(誤ったデータが書き込まれたビット)が比較的多く発生したり、データを書き込むことができない不良データブロックが発生したりする。そこで、ROMコントローラ234bは、NAND型フラッシュメモリ234aから読み出したデータに対して公知の誤り訂正を施し、また、不良データブロックを避けてNAND型フラッシュメモリ234aへのデータの読み書きが行われるように公知のデータアドレスの変換を実行する。
このROMコントローラ234bにより、エラービットを含むNAND型フラッシュメモリ234aから読み出されたデータに対して誤り訂正が行われるので、キャラクタROM234としてNAND型フラッシュメモリ234aを用いたとしても、誤ったデータに基づいてMPU231が処理を行ったり、画像コントローラ237が各種画像を生成したりすることを抑制することができる。
また、ROMコントローラ234bによってNAND型フラッシュメモリ234aの不良データブロックが解析され、その不良データブロックへのアクセスが回避されるので、MPU231や画像コントローラ237は、個々のNAND型フラッシュメモリ234aで異なる不良データブロックのアドレス位置を考慮することなく、キャラクタROM234へのアクセスを容易に行うことができる。よって、キャラクタROM234にNAND型フラッシュメモリ234aを用いても、キャラクタROM234へのアクセス制御が複雑化することを抑制することができる。
バッファRAM234cは、NAND型フラッシュメモリ234aから読み出したデータを一時的に記憶するバッファとして用いられるメモリである。MPU231や画像コントローラ237からバスライン240を介してキャラクタROM234に割り振られたアドレスが指定されると、ROMコントローラ234bは、その指定されたアドレスに対応するデータを含む1ページ分(例えば、2キロバイト)のデータがバッファRAM234cにセットされているか否かを判断する。そして、セットされていなければ、その指定されたアドレスに対応するデータを含む1ページ分(例えば、2キロバイト)のデータをNAND型フラッシュメモリ234a(またはNOR型ROM234d)より読み出してバッファRAM234cに一旦セットする。そして、ROMコントローラ234bは、公知の誤り訂正処理を施した上で、指定されたアドレスに対応するデータを、バスライン240を介してMPU231や画像コントローラ237に出力する。
このバッファRAM234cは、2バンクで構成されており、1バンク当たりNAND型フラッシュメモリ234aの1ページ分のデータがセットできるようになっている。これにより、ROMコントローラ234bは、例えば、一方のバンクにデータをセットした状態のまま他方のバンクを使用して、NAND型フラッシュメモリ234aのデータを外部に出力したり、MPU231や画像コントローラ237より指定されたアドレスに対応するデータを含む1ページ分のデータをNAND型フラッシュメモリ234aから一方のバンクに転送してセットする処理と、MPU231や画像コントローラ237によって指定されたアドレスに対応するデータを他方のバンクから読み出してMPU231や画像コントローラ237に対して出力する処理とを、並列して処理したりすることができる。よって、キャラクタROM234の読み出しにおける応答性を向上させることができる。
NOR型ROM234dは、キャラクタROM234におけるサブの記憶部として設けられる不揮発性のメモリであり、NAND型フラッシュメモリ234aを補完することを目的にそのNAND型フラッシュメモリ234aよりも極めて小容量(例えば、2キロバイト)に構成されている。このNOR型ROM234dには、キャラクタROM234に記憶される制御プログラムのうち、NAND型フラッシュメモリ234aの第2プログラム記憶エリア234a1に記憶されていないプログラム、具体的には、MPU231においてシステムリセット解除後に最初に実行されるブートプログラムの一部を格納する第1プログラム記憶エリア234d1が少なくとも設けられている。
ブートプログラムは、第3図柄表示装置81に対する各種制御が実行可能となるように表示制御装置114を起動するための制御プログラムであり、システムリセット解除後にMPU231が先ずこのブートプログラムを実行する。これにより、表示制御装置114において各種制御が実行可能に状態とすることができる。第1プログラム記憶エリア234d1は、このブートプログラムのうち、バッファRAM234cの1バンク分(即ち、NAND型フラッシュメモリ234aの1ページ分)の容量の範囲で、システムリセット解除後にMPU231によって最初に処理すべき命令から所定数の命令(例えば、1ページの容量が2キロバイトであれば、1024ワード(1ワード=2バイト)分の命令)を格納する。なお、第1プログラム記憶エリア234d1に格納されるブートプログラムの命令数は、バッファRAM234cの1バンク分の容量以下に収まっていればよく、表示制御装置114の仕様に合わせて適宜設定されるものであってもよい。
MPU231は、システムリセットが解除されると、ハードウェアによって命令ポインタ231aの値を「0000H」に設定すると共に、バスライン240に対して命令ポインタ231aにて示されるアドレス「0000H」を指定するように構成されている。一方、キャラクタROM234のROMコントローラ234bは、バスライン240にアドレス「0000H」が指定されたことを検知すると、NOR型ROM234dの第1プログラム記憶エリア234d1に記憶されたブートプログラムをバッファRAM234cの一方のバンクにセットして、対応するデータ(命令コード)をMPU231へ出力する。
MPU231は、キャラクタROM234から受け取った命令コードをフェッチすると、そのフェッチした命令コードに従って各種処理を実行するとともに、命令ポインタ231aを1だけ加算し、命令ポインタ231aにて示されるアドレスをバスライン240に対して指定する。そして、キャラクタROM234のROMコントローラ234bは、バスライン240によって指定されたアドレスがNOR型ROM234dに記憶されたプログラムを指し示すアドレスである間、先にNOR型ROM234dからバッファRAM234cにセットされたプログラムの中から、対応するアドレスの命令コードをバッファRAM234cより読み出して、MPU231に対して出力する。
ここで、本実施形態において、制御プログラムを全てNAND型フラッシュメモリ234aに格納するのではなく、ブートプログラムのうち、システムリセット解除後にMPU231によって最初に処理すべき命令から所定数の命令をNOR型ROM234dに格納するのは、次の理由による。即ち、NAND型フラッシュメモリ234aは、上述したように、最初の1ページ目のデータの読み出しにおいて、アドレスを指定してからデータが出力されるまでに大きな時間を要する、というNAND型フラッシュメモリ特有の問題がある。
このようなNAND型フラッシュメモリ234aに対して制御プログラムを全て格納すると、システムリセット解除後にMPU231が最初に実行すべき命令コードをフェッチするためにMPU231からバスライン240を介してアドレス「0000H」が指定された場合、キャラクタROM234はアドレス「0000H」に対応するデータ(命令コード)を含む1ページ分のデータをNAND型フラッシュメモリ234aから読み出してバッファRAM234cにセットしなければならい。そして、NAND型フラッシュメモリ234aの性質上、その読み出しからバッファRAM234cへのセットに多大な時間を要することになるので、MPU231は、アドレス「0000H」を指定してからアドレス「0000H」に対応する命令コードを受け取るまでに多くの待ち時間を消費する。よって、MPU231の起動にかかる時間が長くなるので、結果として、表示制御装置114における第3図柄表示装置81の制御が即座に開始されないおそれがあるという問題点が生じる。
これに対し、NOR型ROMは高速にデータを読み出すことが可能なメモリであるので、ブートプログラムのうち、システムリセット解除後にMPU231によって最初に処理すべき命令から所定数の命令をNOR型ROM234dに格納することによって、システムリセット解除後にMPU231からバスライン240を介してアドレス「0000H」が指定されると、キャラクタROM234は即座にNOR型ROM234dの第1プログラム記憶エリア234d1に記憶されたブートプログラムをバッファRAM234cにセットして、対応するデータ(命令コード)をMPU231へ出力することができる。よって、MPU231は、アドレス「0000H」を指定してから短い時間でアドレス「0000H」に対応する命令コードを受け取ることができ、MPU231の起動を短時間で行うことができる。従って、読み出し速度の遅いNAND型フラッシュメモリ234aで構成されたキャラクタROM234に制御プログラムを格納しても、表示制御装置114における第3図柄表示装置81の制御を即座に開始することができる。
さて、ブートプログラムは、NAND型フラッシュメモリ234aの第2プログラム記憶エリア234a1に記憶されている制御プログラム、即ち、NOR型ROM234dの第1プログラム記憶エリア234d1に記憶されているブートプログラムを除く制御プログラムや、その制御プログラムで用いられる固定値データ(例えば、後述する表示データテーブル、転送データテーブルなど)を、所定量(例えば、NAND型フラッシュメモリ234aの1ページ分の容量)ずつワークRAM233のプログラム格納エリア233aやデータテーブル格納エリア233bへ転送するようにプログラミングされている。そして、MPU231は、まず、システムリセット解除後に第1プログラム記憶エリア234d1から読み出したブートプログラムに従って、第2プログラム記憶エリア234a1に記憶されている制御プログラムを、第1プログラム記憶エリア234d1のブートプログラムがセットされているバッファRAM234cのバンクとは異なるバンクを使用しながら、所定量だけプログラム格納エリア233aに転送し、格納する。
ここで、第1プログラム記憶エリア234d1に記憶されているブートプログラムは、上述したように、バッファRAM234cの1バンク分に相当する容量で構成されているので、内部バスのアドレスが「0000H」に指定されたことを受けて第1プログラム記憶エリア234d1のブートプログラムがバッファRAM234cにセットされる場合、そのブートプログラムはバッファRAM234cの一方のバンクにのみセットされる。よって、第1プログラム記憶エリア234d1のブートプログラムに従って、第2プログラム記憶エリア234a1に記憶されている制御プログラムをプログラム格納エリア233aに転送する場合は、バッファRAM234cの一方のバンクにセットされた第1プログラム記憶エリア234d1のブートプログラムを残したまま、他方のバンクを使用してその転送処理を実行することができる。従って、その転送処理後に、第1プログラム記憶エリア234d1のブートプログラムを再度バッファRAM234cにセットし直すといった処理が不要であるので、ブート処理に係る時間を短くすることができる。
第1プログラム記憶エリア234d1に記憶されているブートプログラムは、第2プログラム記憶エリア234a1に記憶されている制御プログラムを所定量だけプログラム格納エリア233aに転送すると、命令ポインタ231aをプログラム格納エリア233a内の第1の所定番地に設定するようにプログラミングされている。これにより、システムリセット解除後、MPU231によって第2プログラム記憶エリア234a1に記憶されている制御プログラムが所定量だけプログラム格納エリア233aに転送されると、命令ポインタ231aがプログラム格納エリア233aの第1の所定番地に設定される。
よって、第2プログラム記憶エリア234a1に記憶されている制御プログラムのうち所定量のプログラムがプログラム格納エリア233aに格納されると、MPU231は、そのプログラム格納エリア233aに格納された制御プログラムを読み出して、各種処理を実行することができる。即ち、MPU231は、第2プログラム記憶エリア234a1を有するNAND型フラッシュメモリ234aから制御プログラムを読み出して命令フェッチするのではなく、プログラム格納エリア233aを有するワークRAM233に転送された制御プログラムを読み出して命令フェッチし、各種処理を実行することになる。後述するように、ワークRAM233はDRAMによって構成されるため、高速に読み出し動作が行われる。よって、制御プログラムの殆どを読み出し速度の遅いNAND型フラッシュメモリ234aに記憶させた場合であっても、MPU231は高速に命令をフェッチし、その命令に対する処理を実行することができる。
ここで、第2プログラム記憶エリア234a1に記憶されている制御プログラムには、第1プログラム記憶エリア234d1に記憶されていない残りのブートプログラムが含まれている。一方、第1プログラム記憶エリア234d1に記憶されているブートプログラムは、ワークRAM233のプログラム格納エリア233aに所定量だけ第2プログラム記憶エリア234a1から転送される制御プログラムの中に、その残りのブートプログラムが含まれるようにプログラミングされていると共に、プログラム格納エリア233aに格納されたその残りのブートプログラムの先頭アドレスを第1の所定番地として命令ポインタ231aを設定するようにプログラミングされている。
これにより、MPU231は、第1プログラム記憶エリア234d1に記憶されているブートプログラムによって、第2プログラム記憶エリア234a1に記憶されている制御プログラムを所定量だけプログラム格納エリア233aに転送した後、その転送した制御プログラムに含まれる残りのブートプログラムを実行する。
この残りのブートプログラムでは、プログラム格納エリア233aに転送されていない残りの制御プログラムやその制御プログラムで用いられる固定値データ(例えば、後述する表示データテーブル、転送データテーブルなど)を全て第2プログラム記憶エリア234a1から所定量ずつプログラム格納エリア233a又はデータテーブル格納エリア233bに転送する処理を実行する。また、ブートプログラムの最後で、命令ポインタ231aをプログラム格納エリア233a内の第2の所定番地に設定する。具体的には、この第2の所定番地として、プログラム格納エリア233aに格納された、ブートプログラムによるブート処理(図43のS2001参照)の終了後に実行される初期設定処理(図43のS2002参照)に対応するプログラムの先頭アドレスを設定する。
MPU231は、この残りのブートプログラムを実行することによって、第2プログラム記憶エリア234a1に記憶されている制御プログラムや固定値データが全てプログラム格納エリア233a又はデータテーブル格納エリア233bに転送される。そして、ブートプログラムがMPU231により最後まで実行されると、命令ポインタ231aが第2の所定番地に設定され、以後、MPU231は、NAND型フラッシュメモリ234aを参照することなく、プログラム格納エリア233aに転送された制御プログラムを用いて各種処理を実行する。
よって、制御プログラムの殆どを読み出し速度の遅いNAND型フラッシュメモリ234aによって構成されるキャラクタROM234に記憶させた場合であっても、システムリセット解除後にその制御プログラムをワークRAM233のプログラム格納エリア233aに転送することで、MPU231は、読み出し速度が高速なDRAMによって構成されるワークRAMから制御プログラムを読み出して各種制御を行うことができる。従って、表示制御装置114において高い処理性能を保つことができ、第3図柄表示装置81を用いて、多様化、複雑化させた演出を容易に実行することができる。
また、上述したように、NOR型ROM234dにブートプログラムを全て格納せずに、システムリセット解除後にMPU231によって最初に処理すべき命令から所定数の命令を格納しておき、残りのブートプログラムについては、NAND型フラッシュメモリ234aの第2プログラム記憶エリア234a1に記憶させても、第2プログラム記憶エリア234a1に記憶されている制御プログラムを確実にプログラム格納エリア233aに転送することができる。よって、キャラクタROM234は、極めて小容量のNOR型ROM234dを追加するだけで、MPU231の起動を短時間で行うことができるようになるので、その短時間化に伴うキャラクタROM234のコスト増加を抑制することができる。
画像コントローラ237は、画像を描画し、その描画した画像を所定のタイミングで第3図柄表示装置81に表示させるデジタル信号プロセッサ(DSP)である。画像コントローラ237は、MPU231から送信される後述の描画リスト(図23参照)に基づき1フレーム分の画像を描画して、後述する第1フレームバッファ236bおよび第2フレームバッファ236cのいずれか一方のフレームバッファに描画した画像を展開すると共に、他方のフレームバッファにおいて先に展開された1フレーム分の画像情報を第3図柄表示装置81へ出力することによって、第3図柄表示装置81に画像を表示させる。画像コントローラ237は、この1フレーム分の画像の描画処理と1フレーム分の画像の表示処理とを、第3図柄表示装置81における1フレーム分の画像表示時間(本実施形態では、20ミリ秒)の中で並列処理する。
画像コントローラ237は、1フレーム分の画像の描画処理が完了する20ミリ秒毎に、MPU231に対して垂直同期割込信号(以下、「V割込信号」と称す)を送信する。MPU231は、このV割込信号を検出する度に、V割込処理(図45(b)参照)を実行し、画像コントローラ237に対して、次の1フレーム分の画像の描画を指示する。この指示により、画像コントローラ237は、次の1フレーム分の画像の描画処理を実行すると共に、先に描画によって展開された画像を第3図柄表示装置81に表示させる処理を実行する。
このように、MPU231は、画像コントローラ237からのV割込信号に伴ってV割込処理を実行し、画像コントローラ237に対して描画指示を行うので、画像コントローラ237は、画像の描画処理および表示処理間隔(20ミリ秒)毎に、画像の描画指示をMPU231より受け取ることができる。よって、画像コントローラ237では、画像の描画処理や表示処理が終了していない段階で、次の画像の描画指示を受け取ることがないので、画像の描画途中で新たな画像の描画を開始したり、表示中の画像情報が格納されているフレームバッファに、新たな描画指示に伴って画像が展開されたりすることを防止することができる。
画像コントローラ237は、また、MPU231からの転送指示や、描画リストに含まれる転送データ情報に基づいて、画像データをキャラクタROM234から常駐用ビデオRAM235や通常用ビデオRAM236に転送する処理も実行する。
なお、画像の描画は、常駐用ビデオRAM235および通常用ビデオRAM236に格納された画像データを用いて行われる。即ち、描画の際に必要となる画像データは、その描画が行われる前に、MPU231からの指示に基づき、キャラクタROM234から常駐用ビデオRAM235または通常用ビデオRAM236へ転送される。
ここで、一般的にNAND型フラッシュメモリは、ROMの大容量化を容易にする一方、読み出し速度がその他のROM(マスクROMやEEPROMなど)と比して遅い。これに対し、表示制御装置114では、MPU231が、キャラクタROM234に格納されている画像データのうち一部の画像データを電源投入後に常駐用ビデオRAM235に転送するように、画像コントローラ237に対して指示するよう構成されている。そして、後述するように、常駐用ビデオRAM235に格納された画像データは、上書きされることなく常駐されるように制御される。
これにより、電源が投入されてから常駐用ビデオRAM235に常駐すべき画像データの転送が終了した後は、常駐用ビデオRAM235に常駐された画像データを使用しながら、画像コントローラ237にて画像の描画処理を行うことができる。よって、描画処理に使用する画像データが常駐用ビデオRAM235に常駐されていれば、画像描画時に読み出し速度の遅いNAND型フラッシュメモリ234aで構成されたキャラクタROM234から対応する画像データを読み出す必要がないため、その読み出しにかかる時間を省略でき、画像の描画を即座に行って第3図柄表示装置81に描画した画像を表示することができる。
特に、常駐用ビデオRAM235には、頻繁に表示される画像の画像データや、主制御装置110または表示制御装置114によって表示が決定された後、即座に表示すべき画像の画像データを常駐させるので、キャラクタROM234をNAND型フラッシュメモリ234aで構成しても、第3図柄表示装置81に何らかの画像を表示させるまでの応答性を高く保つことができる。
また、表示制御装置114は、常駐用ビデオRAM235に非常駐の画像データを用いて画像の描画を行う場合は、その描画が行われる前に、キャラクタROM234から通常用ビデオRAM236に対して描画に必要な画像データを転送するように、MPU231が画像コントローラ237に対して指示するよう構成されている。後述するように、通常用ビデオRAM236に転送された画像データは、画像の描画に用いられた後、上書きによって削除される可能性はあるものの、画像描画時には、読み出し速度の遅いNAND型フラッシュメモリ234aで構成されたキャラクタROM234から対応する画像データを読み出す必要がなく、その読み出しにかかる時間を省略できるので、画像の描画を即座に行って第3図柄表示装置81に描画した画像を表示することができる。
また、通常用ビデオRAM236にも画像データを格納することによって、全ての画像データを常駐用ビデオRAM235に常駐させておく必要がないため、大容量の常駐用ビデオRAM235を用意する必要がない。よって、常駐用ビデオRAM235を設けたことによるコスト増大を抑えることができる。
画像コントローラ237は、NAND型フラッシュメモリ234aの1ブロック分の容量である132キロバイトのSRAMによって構成されたバッファRAM237aを有している。
MPU231が、転送指示や描画リストの転送データ情報によって画像コントローラ237に対して行う画像データの転送指示には、転送すべき画像データが格納されているキャラクタROM234の先頭アドレス(格納元先頭アドレス)と最終アドレス(格納元最終アドレス)、転送先の情報(常駐用ビデオRAM235及び通常用ビデオRAM236のいずれに転送するかを示す情報)、及び転送先(常駐用ビデオRAM235又は通常用ビデオRAM236)の先頭アドレスが含まれる。なお、格納元最終アドレスに代えて、転送すべき画像データのデータサイズを含めてもよい。
画像コントローラ237は、この転送指示の各種情報に従って、キャラクタROM234の所定アドレスから1ブロック分のデータを読み出して一旦バッファRAM237aに格納し、常駐用ビデオRAM235または通常用ビデオRAM236の未使用時に、バッファRAM237aに格納された画像データを常駐RAM235または通常用ビデオRAM236に転送する。そして、転送指示により示された格納元先頭アドレスから格納元最終アドレスに格納された画像データが全て転送されるまで、その処理を繰り返し実行する。
これにより、キャラクタROM234から時間をかけて読み出された画像データを一旦そのバッファRAM237aに格納し、その後、その画像データをバッファRAM237aから常駐用ビデオRAM235又は通常用ビデオRAM236へ短時間で転送することができる。よって、キャラクタROM234から画像データが常駐用ビデオRAM235又は通常用ビデオRAM236へ転送される間に、常駐用ビデオRAM235又は通常用ビデオRAM236が、その画像データの転送で長時間占有されるのを防止することができる。従って、画像データの転送により常駐用ビデオRAM235や通常用ビデオRAM236が占有されることで、画像の描画処理にそれらのビデオRAM235,236が使用できず、結果として必要な時間までに画像の描画や、第3図柄表示装置81への表示が間に合わないことを防止することができる。
また、バッファRAM234cから常駐用ビデオRAM235又は通常用ビデオRAM236への画像データへの転送は、画像コントローラ237によって行われるので、常駐用ビデオRAM235及び通常用ビデオRAM236が画像の描画処理や第3図柄表示装置81への表示処理に未使用である期間を容易に判定することができ、処理の単純化を図ることができる。
常駐用ビデオRAM235は、キャラクタROM234より転送された画像データが、電源投入中、上書きされることがなく保持され続けるように用いられ、電源投入時主画像エリア235a、背面画像エリア235c、キャラクタ図柄エリア235e、エラーメッセージ画像エリア235fが設けられているほか、電源投入時変動画像エリア235b、第3図柄エリア235dが少なくとも設けられている。
電源投入時主画像エリア235aは、電源が投入されてから常駐用ビデオRAM235に常駐すべき全ての画像データが格納されるまでの間に第3図柄表示装置81に表示する電源投入時主画像に対応するデータを格納する領域である。また、電源投入時変動画像エリア235bは、第3図柄表示装置81に電源投入時主画像が表示されている間に遊技者によって遊技が開始され、第1入球口64、または第2入球口640への入球が検出された場合に、主制御装置110において行われた抽選結果を変動演出によって表示する電源投入時変動画像に対応する画像データを格納する領域である。
MPU231は、電源部251から電源供給が開始されたときに、キャラクタROM234から電源投入時主画像および電源投入時変動画像に対応する画像データを電源投入時主画像エリア235aへ転送するように、画像コントローラ237へ転送指示を送信する(図43のS2003,S2004参照)。
ここで、図18を参照して、電源投入時変動画像について説明する。図18は、表示制御装置114が電源投入直後において、常駐用ビデオRAM235に対して格納すべき画像データをキャラクタROM234から転送している間に、第3図柄表示装置81にて表示される電源投入時画像を説明する説明図である。
表示制御装置114は、電源投入直後に、キャラクタROM234から電源投入時主画像および電源投入時変動画像に対応する画像データを、電源投入時主画像エリア235aおよび電源投入時変動画像エリア235bへ転送すると、続いて、常駐用ビデオRAM235に格納すべき残りの画像データを、キャラクタROM234から常駐用ビデオRAM235に対して転送する。この残りの画像データの転送が行われている間、表示制御装置114は、先に電源投入時主画像エリア235aに格納された画像データを用いて、図18(a)に示す電源投入時主画像を第3図柄表示装置81に表示させる。
このとき、変動開始の指示コマンドである主制御装置110からの変動パターンコマンドに基づき音声ランプ制御装置113から送信される表示用変動パターンコマンドを受信すると、表示制御装置114は、図18(b)に示すように、電源投入時主画像の表示画面上に、画面に向かって右下の位置に「○」図柄の電源投入時変動画像と、図18(c)に示すように、「○」図柄と同位置に「×」図柄の電源投入時変動画像とを、変動期間中、交互に繰り返して表示する。そして、主制御装置110からの変動パターンコマンドや停止種別コマンドに基づき音声ランプ制御装置113から送信される表示用変動パターンコマンドおよび表示用停止種別コマンドから、主制御装置110にて行われた抽選の結果を判断し、「特別図柄の大当たり」である場合は図18(b)に示す画像を変動演出の停止後に一定期間表示させ、「特別図柄の外れ」である場合は図18(c)に示す画像を変動演出の停止後に一定期間表示させる。
MPU231は、常駐用ビデオRAM235に常駐すべき全ての画像データが常駐用ビデオRAM235に対して転送されるまで、画像コントローラ237に対し、電源投入時主画像エリア235aに格納された画像データを用いて電源投入時主画像の描画を行うよう指示する。これにより、残りの常駐すべき画像データが常駐用ビデオRAM235に転送されている間、遊技者やホール関係者は、第3図柄表示装置81に表示された電源投入時主画像を確認することができる。よって、表示制御装置114は、電源投入時主画像を第3図柄表示装置81に表示させている間に、時間をかけて残りの常駐すべき画像データをキャラクタROM234から常駐用ビデオRAM235に転送することができる。また、遊技者等は、電源投入時主画像が第3図柄表示装置81に表示されている間、何らかの処理が行われていることを認識できるので、残りの常駐用ビデオRAM235に常駐すべき画像データが、キャラクタROM234から常駐用ビデオRAM235に転送されるまでの間、動作が停止していないか、といった不安を持つことなく、常駐用ビデオRAM235への画像データの転送が完了するまで待機することができる。
また、製造時の工場等における動作チェックにおいても、電源投入時主画像がすぐに第3図柄表示装置81に表示されることによって、第3図柄表示装置81が電源投入によって問題なく動作が開始されていることをすぐに確認することができ、更に、キャラクタROM234に読み出し速度の遅いNAND型フラッシュメモリ234aを用いることにより動作チェックの効率が悪化することを抑制できる。
また、電源投入時主画像が第3図柄表示装置81に表示されている間に遊技者が遊技を開始し、第1入球口64、または第2入球口640に入球が検出された場合は、電源投入時変動画像エリア235bに常駐された電源投入時変動画像に対応する画像データを用いて電源投入時変動画像が描画され、図18(b)及び(c)に示す画像が交互に第3図柄表示装置81に表示されるように、MPU231から画像コントローラ237に対して指示される。これにより、電源投入時変動画像を用いて簡単な変動演出を行うことができる。よって、遊技者は、電源投入時主画像が第3図柄表示装置81に表示されている間であっても、その簡単な変動演出によって確実に抽選が行われたことを確認することができる。
また、電源投入時主画像が第3図柄表示装置81に表示される段階で、すでに電源投入時変動演出画像に対応する画像データが電源投入時変動画像エリア235bに常駐されているので、電源投入時主画像が第3図柄表示装置81に表示されている間に第1入球口64、または第2入球口640に入球が検出された場合は、対応する変動演出を第3図柄表示装置81に即座に表示させることができる。
図17に戻って、説明を続ける。背面画像エリア235cは、第3図柄表示装置81に表示される背面画像に対応する画像データを格納する領域である。ここで、図19を参照して、背面画像と、その背面画像のうち、背面画像エリア235cに格納される背面画像の範囲について説明する。図19は、4種類の背面画像と、各背面画像に対して常駐用ビデオRAM235の背面画像エリア235cに格納される背面画像の範囲を説明する説明図であり、図19(a)は、「街中ステージ」に対応する背面Aに対して、図19(b)は、「森ステージ」、「川ステージ」、および「空ステージ」に対応する背面B〜Dに対してそれぞれ示したものである。また、図20は、「島ステージ」に対応する背面Eに対して示したものである。
各背面A〜Dに対応する背面画像は、図19に示すように、いずれも第3図柄表示装置81において表示される表示領域よりも水平方向に長い画像が、キャラクタROM234に用意されている。画像コントローラ237は、その画像を水平方向に左から右へスクロールさせながら背面画像が第3図柄表示装置81に表示されるように、画像の描画をおこなう。
各背面A〜Dに用意された画像(以下、「スクロール用画像」と称す。)は、いずれも位置aおよび位置cのところで背面画像が連続するように画像が構成されている。そして、位置cから位置dの間の画像および位置aから位置a’の間の画像は、表示領域の水平方向の幅分の画像によって構成されており、位置cから位置dの間にある画像が表示領域として第3図柄表示装置81に表示された後に、位置aから位置a’の間にある画像を表示領域として第3図柄表示装置81に表示させると、第3図柄表示装置81にスムーズなつながりで背面画像がスクロール表示されるようになっている。
背面種別選択テーブル222bに基づいて背面種別の変更が決定され、ステージが「街中ステージ」、「森ステージ」、「川ステージ」、または「空ステージ」に変更されると、MPU231は、対応する背面画像のまず位置aから位置a’の間を表示領域の初期位置として設定し、その初期位置の画像が第3図柄表示装置81に表示されるように、画像コントローラ237を制御する。そして、時間の経過とともに、表示領域をスクロール用画像に対して左から右に移動させ、順次その表示領域が第3図柄表示装置81に表示されるように画像コントローラ237を制御し、更に、表示領域が位置cから位置dの間の画像に到達した場合、再び表示領域を位置aから位置a’の画像として第3図柄表示装置81に表示されるように画像コントローラ237を制御する。よって、第3図柄表示装置81には、位置a〜位置cの間の画像を、左方向に向かって流れるように、スムーズなつながりで繰り返しスクロールされて表示させることができる。
一方、背面Eにおける背面画像は、図20に示すように、時間の経過とともに、図20の(a)→(b)→(c)→(a)→・・・の順で、第3図柄表示装置81に表示される。具体的には、背面Eは、島にそびえる山の画像と、山のふもとに広がる砂浜の画像と、島を囲む海の画像とが、その表示される位置が固定された状態で第3図柄表示装置81に表示される。一方、山の上に広がる空の画像は、その色調が時間経過とともに変化する。
ステージが「島ステージ」に変更されると、背面Eの初期背面画像として、図20(a)に示す背面画像が表示される。この図20(a)に示す背面画像では、朝やけを示すオレンジ色の空が表示される。そして、時間の経過とともに空の色調がオレンジ色から徐々に鮮やかな青色に変化して、所定時間経過後、図20(b)に示す背面画像が表示される。図20(b)に示す背面画像では、昼を示す鮮やかな青色の空が表示される。次に、時間の経過とともに空の色調が鮮やかな青色から徐々に黒色に変化して、所定時間経過後、図20(c)に示す背面画像が表示される。図20(c)に示す背面画像では、夜を示す黒色の空が表示される。その後、時間の経過とともに空の色調が黒色から徐々に白みはじめ更にオレンジ色に変化する。そして、所定時間経過後、図20(a)に示す背面画像に戻って、再び図20(a)〜(c)の背面画像が第3図柄表示装置81に表示される。
次いで、各背面画像において、背面画像エリア235cに格納される背面画像の範囲について説明する。初期ステージである街中ステージに対応する背面Aは、図19(a)に示すように、その背面Aの全範囲、即ち、位置aから位置dに対応する画像データが全て常駐用ビデオRAM235の背面画像エリア235cに格納される。通常、初期ステージである「街中ステージ」を表示させたまま、ステージを変更せずに遊技が行われる場合が多いので、多頻度で表示される「街中ステージ」に対応する背面Aの画像データを全て背面画像エリア235cに常駐させておくことで、キャラクタROM234へのデータアクセス回数を減らすことができる。よって、表示制御装置114にかかる処理負荷を軽減することができる。
一方、「森ステージ」に対応する背面B、「川ステージ」に対応する背面C、および「空ステージ」に対応する背面Dは、図19(b)に示すように、その背面の一部領域、即ち、位置aから位置bの間の画像に対応する画像データだけが常駐用ビデオRAM235の背面画像エリア235cに格納される。また、島ステージに対応する背面Eは、図20(a)を含み、図20(b)を除く図20(a)〜(b)の間の背面画像に対応する画像データが、電源投入後の立ち上げ処理の中で常駐用ビデオRAM235の背面画像エリア235cに格納され、常駐される。
ここで、即座に背面画像を変更するためには、全ての背面画像について全範囲の画像データを常駐用ビデオRAM235に常駐させておくことが理想的であるが、そのようにすると常駐用ビデオRAM235として非常に大きな容量のRAMを用いなければならず、コストの増大につながるおそれがある。
これに対し、本パチンコ機10では、ステージが変更された場合に最初に表示される背面画像の初期位置を、位置aから位置a’の範囲(または図20(a)〜(b)の範囲)に固定し、その初期位置を含む位置aから位置bの間の画像(または図20(a)〜(b)の間の画像)に対応する画像データを常駐用ビデオRAM235の背面画像エリア235cに格納しておく構成としているので、キャラクタROM234を読み出し速度の遅いNAND型フラッシュメモリ234aで構成しても、変動開始時の抽選によりステージの変更が決定された場合に、常駐用ビデオRAM235の背面画像エリア235cに常駐されている画像データを用いることによって、即座にその背面B〜Dの初期位置を第3図柄表示装置81に表示させることができ、また、時間経過とともにスクロール表示または色調を変化させながら表示させることができる。また、背面B〜Dについては、一部範囲の画像に対応する画像データだけを格納するので、常駐用ビデオRAM235の記憶容量の増大を抑制でき、コストの増大を抑えることができる。
また、背面B〜Dは、初期位置の画像が表示された後、常駐用ビデオRAM235の背面画像エリア235cに常駐された画像データを用いて位置aから位置bの範囲を左から右に向けてスクロールさせている間に、位置b’から位置dの画像に対応する画像データをキャラクタROM234から通常用RAM236へ転送完了できるように、その位置aから位置bの範囲が設定されている。これにより、位置aから位置bの範囲をスクロールさせる間に位置b’から位置dの画像データを通常用ビデオRAM236へ転送できるので、常駐用ビデオRAM235の背面画像エリア235cに格納された画像データを用いて位置aから位置bの範囲をスクロールさせた後、遅滞なく通常用ビデオRAM236に格納された背面画像に対応する画像データを用いて、位置b’から位置dの範囲をスクロールさせて第3図柄表示装置81に表示させることができる。
同様に、背面Eは、初期位置の画像が表示された後、常駐用ビデオRAM235の背面画像エリア235cに常駐された画像データを用いて図20(a)〜(b)の画像を表示させている間に、図20(b)〜(c)および図20(c)〜(a)に対応する画像の画像データがキャラクタROM234から通常用RAM236へ転送が完了できるように、図20(a)〜(b)の範囲が設定されている。これにより、図20(a)〜(b)の画像を表示させている間に図20(b)〜(c)および図20(c)〜(a)の画像に対応する画像データを通常用ビデオRAM236へ転送できるので、常駐用ビデオRAM235の背面画像エリア235cに常駐された画像データを用いて図20(a)〜(b)の画像を表示させた後、遅滞なく通常用ビデオRAM236に格納された背面画像に対応する画像データを用いて、図20(b)〜(c)および図20(c)〜(a)の画像を時間経過とともに、順次、第3図柄表示装置81に表示させることができる。
なお、背面B〜Eにおいて、通常用ビデオRAM236に格納される画像データは、通常用ビデオRAM236の画像格納エリア236a(図17参照)に設けられた背面画像専用のサブエリアに格納される。これにより、背面画像専用のサブエリアに格納された背面画像データが、他の画像データによって上書きされることがないので、背面画像を確実に表示させることができる。
また、背面B〜Dにおいて、常駐用ビデオRAM235の背面画像エリア235cに格納される画像データと、通常用ビデオRAM236に格納される画像データとでは、位置b’から位置bの間の画像に対応する画像データが重複して格納される。そして、MPU231による画像コントローラ237の制御により、常駐用ビデオRAM235の背面画像エリア235cに格納された画像データを用いて位置bまでの画像を第3図柄表示装置81に表示させ、次いで、通常用ビデオRAM236に格納された画像データを用いて位置b’からの画像を第3図柄表示装置81に表示させることで、第3図柄表示装置81にスムーズなつながりで背面画像がスクロール表示されるようになっている。
更に、MPU231は、通常用ビデオRAM236の画像データを用いて、位置cから位置dの間の画像を表示領域として第3図柄表示装置81に表示されるように画像コントローラ237を制御すると、次いで、MPU231は、常駐用ビデオRAM235の背面画像エリア235cの画像データを用いて、位置aから位置a’の間の画像を表示領域として第3図柄表示装置81に表示されるように画像コントローラ237を制御する。これにより、第3図柄表示装置81には、位置a〜位置cの間の画像が、左方向に向かって流れるように、スムーズなつながりで繰り返しスクロールされて表示させることができる。
図21に戻って、説明を続ける。第3図柄エリア235dは、第3図柄表示装置81に表示される変動演出において使用される第3図柄を常駐するためのエリアである。即ち、第3図柄エリア235dには、第3図柄である「0」から「9」の数字を付した上述の10種類の主図柄(図6参照)に対応する画像データが常駐される。これにより、第3図柄表示装置81にて変動演出を行う場合、逐一キャラクタROM234から画像データを読み出す必要がないので、キャラクタROM234にNAND型フラッシュメモリ234aを用いても、第3図柄表示装置81において素早く変動演出を開始することができる。よって、第1入球口64、または第2入球口640への入球が発生してから、第1図柄表示装置37では変動演出が開始されているにも関わらず、第3図柄表示装置81において変動演出が即座に開始されないような状態が発生するのを抑制することができる。
また、第3図柄エリア235dには、「0」から「9」の数字が付されていない主図柄として、木箱といった後方図柄からなる主図柄や、後方図柄とかんな,風呂敷,ヘルメット等のキャラクタを模した付属図柄とからなる主図柄に対応する画像データも常駐される。これらの画像データは、一の変動演出が停止してから所定時間経過しても、始動入賞に伴う次の変動演出が開始されない場合に、第3図柄表示装置81に表示されるデモ演出に用いられる。これにより、デモ演出が第3図柄表示装置81に表示されると、そのデモ演出において、第3図柄として数字の付されていない主図柄が表示される。よって、遊技者は、数字の付されていない主図柄を第3図柄表示装置81の表示画像から視認することによって、当該パチンコ機10がデモ状態にあることを容易に認識することができる。
キャラクタ図柄エリア235eは、第3図柄表示装置81に表示される各種演出で使用されるキャラクタ図柄に対応する画像データを格納する領域である。本パチンコ機10では、「少年」や「老人」、「少女」をはじめとする様々なキャラクタが各種演出にあわせて表示されるようになっており、これらに対応するデータがキャラクタ図柄エリア235eに常駐されることにより、表示制御装置114は、音声ランプ制御装置113より受信したコマンドの内容に基づいてキャラクタ図柄を変更する場合、キャラクタROM234から対応の画像データを新たに読み出すのではなく、常駐用ビデオRAM235のキャラクタ図柄エリア235eに予め常駐されている画像データを読み出すことによって、画像コントローラ237にて所定の画像を描画できるようになっている。これにより、キャラクタROM234から対応の画像データを読み出す必要がないので、キャラクタROM234に読み出し速度の遅いNAND型フラッシュメモリ234aを用いても、キャラクタ図柄を即座に変更することができる。
エラーメッセージ画像エリア235fは、パチンコ機10内にエラーが発生した場合に表示されるエラーメッセージに対応する画像データを格納する領域である。本パチンコ機10では、例えば、遊技盤13の裏面に取り付けられた振動センサ(図示せず)の出力から、音声ランプ制御装置113によって振動を検出すると、音声ランプ制御装置113は振動エラーの発生をエラーコマンドによって表示制御装置114に通知する。また、音声ランプ制御装置113により、その他のエラーの発生が検出された場合にも、音声ランプ制御装置113は、エラーコマンドによって、そのエラーの発生をそのエラー種別と共に表示制御装置114へ通知する。表示制御装置114では、エラーコマンドを受信すると、その受信したエラーに対応するエラーメッセージを第3図柄表示装置81に表示させるように構成されている。
ここで、エラーメッセージは、遊技者の不正防止やエラーに対する遊技者の保護の観点から、エラーの発生とほぼ同時に表示されることが求められる。本パチンコ機10では、エラーメッセージ画像エリア235fに、各種エラーメッセージに対応する画像データが予め常駐されているので、表示制御装置114は、受信したエラーコマンドに基づいて、常駐用ビデオRAM235のエラーメッセージ画像エリア235fに予め常駐されている画像データを読み出すことによって、画像コントローラ237にて各エラーメッセージ画像を即座に描画できるようになっている。これにより、キャラクタROM234から逐次エラーメッセージに対応する画像データを読み出す必要がないので、キャラクタROM234に読み出し速度の遅いNAND型フラッシュメモリ234aを用いても、エラーコマンドを受信してから対応するエラーメッセージを即座に表示させることができる。
通常用ビデオRAM236は、データが随時上書きされ更新されるように用いられるもので、画像格納エリア236a、第1フレームバッファ236b、第2フレームバッファ236cが少なくとも設けられている。
画像格納エリア236aは、第3図柄表示装置81に表示させる画像の描画に必要な画像データのうち、常駐用ビデオRAM235に常駐されていない画像データを格納するためのエリアである。画像格納エリア236aは、複数のサブエリアに分割されており、サブエリア毎に、そのサブエリアに格納される画像データの種別が予め定められている。
MPU231は、常駐用ビデオRAM235に常駐されていない画像データのうち、その後の画像の描画で必要となる画像データを、キャラクタROM234から通常用ビデオRAM236の画像格納エリア236aに設けられたサブエリアのうち、その画像データの種別を格納すべき所定のサブエリアに転送するように、画像コントローラ237に対して指示をする。これにより画像コントローラ237は、MPU231により指示された画像データをキャラクタROM234から読み出し、バッファRAM237aを介して、画像格納エリア236aの指定された所定のサブエリアにその読み出した画像データを転送する。
なお、画像データの転送指示は、MPU231が画像コントローラ237に対して画像の描画を指示する後述の描画リストの中に、転送データ情報を含めることによって行われる。これにより、MPU231は、画像の描画指示と、画像データの転送指示とを、描画リストを画像コントローラ237に送信するだけで行うことができるので、処理負荷を低減することができる。
第1フレームバッファ236bおよび第2フレームバッファ236cは、第3図柄表示装置81に表示すべき画像を展開するためのバッファである。画像コントローラ237は、MPU231からの指示に従って描画した1フレーム分の画像を、第1フレームバッファ236bおよび第2フレームバッファ236cのいずれか一方のフレームバッファに書き込むことによって、そのフレームバッファに1フレーム分の画像を展開すると共に、その一方のフレームバッファに画像を展開している間、他方のフレームバッファから先に展開された1フレーム分の画像情報を読み出し、駆動信号と共に第3図柄表示装置81に対してその画像情報を送信することによって、第3図柄表示装置81に、その1フレーム分の画像を表示させる処理を実行する。
このように、フレームバッファとして、第1フレームバッファ236bおよび第2フレームバッファ236cの2つを設けることによって、画像コントローラ237は、一方のフレームバッファに描画した1フレーム分の画像を展開しながら、同時に、他方のフレームバッファから先に展開された1フレーム分の画像を読み出して、第3図柄表示装置81にその読み出した1フレーム分の画像を表示させることができる。
そして、1フレーム分の画像を展開するフレームバッファと、第3図柄表示装置81に画像を表示させるために1フレーム分の画像情報が読み出されるフレームバッファとは、1フレーム分の画像の描画処理が完了する20ミリ秒毎に、MPU231によって、それぞれ第1フレームバッファ236bおよび第2フレームバッファ236cのいずれかが交互に入れ替えて指定される。
即ち、あるタイミングで、1フレーム分の画像を展開するフレームバッファとして第1フレームバッファ236bが指定され、1フレーム分の画像情報が読み出されるフレームバッファとして第2フレームバッファ236cが指定されて、画像の描画処理および表示処理が実行されると、1フレーム分の画像の描画処理が完了する20ミリ秒後に、1フレーム分の画像を展開するフレームバッファとして第2フレームバッファ236cが指定され、1フレーム分の画像情報が読み出されるフレームバッファとして第1フレームバッファ236bが指定される。これにより、先に第1フレームバッファ236bに展開された画像の画像情報が読み出されて第3図柄表示装置81に表示させることができると同時に、第2フレームバッファ236cに新たな画像が展開される。
そして、更に次の20ミリ秒後には、1フレーム分の画像を展開するフレームバッファとして第1フレームバッファ236bが指定され、1フレーム分の画像情報が読み出されるフレームバッファとして第2フレームバッファ236cが指定される。これにより、先に第2フレームバッファ236cに展開された画像の画像情報が読み出されて第3図柄表示装置81に表示させることができると同時に、第1フレームバッファ236bに新たな画像が展開される。以後、1フレーム分の画像を展開するフレームバッファと、1フレーム分の画像情報が読み出されるフレームバッファとを、20ミリ秒毎に、それぞれ第1フレームバッファ236bおよび第2フレームバッファ236cのいずれかを交互に入れ替えて指定することによって、1フレーム分の画像の描画処理を行いながら、1フレーム分の画像の表示処理を20ミリ秒単位で連続的に行わせることができる。
ワークRAM233は、キャラクタROM234に記憶された制御プログラムや固定値データを格納したり、MPU231による各種制御プログラムの実行時に使用されるワークデータやフラグを一時的に記憶するためのメモリであり、DRAMによって構成される。このワークRAM233は、プログラム格納エリア233a、データテーブル格納エリア233b、簡易画像表示フラグ233c、表示データテーブルバッファ233d、転送データテーブルバッファ233e、ポインタ233f、描画リストエリア233g、計時カウンタ233h、格納画像データ判別フラグ233i、描画対象バッファフラグ233j、背面画像変更フラグ233w、背面画像判別フラグ233x、デモ表示フラグ233y、確定表示フラグ233zを少なくとも有している。
プログラム格納エリア233aは、MPU231によって実行される制御プログラムを格納するためのエリアである。MPU231は、システムリセットが解除されると、キャラクタROM234から制御プログラムを読み出してワークRAM233へ転送し、このプログラム格納エリア233aに格納する。そして、全ての制御プログラムをプログラム格納エリア233aに格納すると、以後、MPU231はプログラム格納エリア233aに格納された制御プログラムを用いて各種制御を実行する。上述したように、ワークRAM233はDRAMによって構成されるため、高速に読み出し動作が行われる。よって、制御プログラムを読み出し速度の遅いNAND型フラッシュメモリ234aによって構成されるキャラクタROM234に記憶させた場合であっても、表示制御装置114において高い処理性能を保つことができ、第3図柄表示装置81を用いて、多様化、複雑化させた演出を容易に実行することができる。
データテーブル格納エリア233bは、主制御装置110からのコマンドに基づき表示させる一の演出に対し、時間経過に伴い第3図柄表示装置81に表示すべき表示内容を記載した表示データテーブルと、表示データテーブルにより表示される一の演出において使用される画像データのうち常駐用ビデオRAM235に常駐されていない画像データの転送データ情報ならびに転送タイミングを規定した転送データテーブルとが格納される領域である。
これらのデータテーブルは、通常、キャラクタROM234のNAND型フラッシュメモリ234aに設けられた第2プログラム記憶エリア234a1に固定値データの一種として記憶されており、システムリセット解除後にMPU231によって実行されるブートプログラムに従って、これらのデータテーブルがキャラクタROM234からワークRAM233へ転送され、このデータテーブル格納エリア233bに格納される。そして、全てのデータテーブルがデータテーブル格納エリア233bに格納されると、以後、MPU231は、データテーブル格納エリア233bに格納されたデータテーブルを用いて第3図柄表示装置81の表示を制御する。上述したように、ワークRAM233はDRAMによって構成されるため、高速に読み出し動作が行われる。よって、各種データテーブルを読み出し速度の遅いNAND型フラッシュメモリ234aによって構成されるキャラクタROM234に記憶させた場合であっても、表示制御装置114において高い処理性能を保つことができ、第3図柄表示装置81を用いて、多様化、複雑化させた演出を容易に実行することができる。
ここで、各種データテーブルの詳細について説明する。まず、表示データテーブルは、主制御装置110からのコマンドに基づいて第3図柄表示装置81に表示される各演出の演出態様毎に1つずつ用意されるもので、例えば、変動演出、オープニング演出、ラウンド演出、エンディング演出、デモ演出に対応する表示データテーブルが用意されている。
変動演出は、音声ランプ制御装置113からの表示用変動パターンコマンドを受信した場合に、第3図柄表示装置81おいて開始される演出である。なお、表示用変動パターンコマンドが受信される場合には、変動演出の停止種別を示す表示用停止種別コマンドも受信される。例えば、変動演出が開始された場合に、その変動演出の停止種別が外れであれば、外れを示す停止図柄が最終的に停止表示される一方、その変動演出の停止種別が大当たりA、大当たりBのいずれかであれば、それぞれの大当たり示す停止図柄が最終的に停止表示される。遊技者は、この変動演出における停止図柄を視認することで大当たり種別を認識でき、大当たり種別に応じて付与される遊技価値を容易に判断することができる。
オープニング演出は、これからパチンコ機10が特別遊技状態へ移行して、通常時には閉鎖されている大開放口が繰り返し開放されることを遊技者に報知するための演出であり、ラウンド演出は、これから開始されるラウンド数を遊技者に報知するための演出である。エンディング演出は、特別遊技状態の終了を遊技者に報知するための演出である。
なお、デモ演出は、上述したように、一の変動演出が停止してから所定時間経過しても、始動入賞に伴う次の変動演出が開始されない場合に、第3図柄表示装置81に表示される演出であり、「0」から「9」の数字が付されていない主図柄からなる第3図柄が停止表示されると共に、背面画像のみが変化する。第3図柄表示装置81にデモ演出が表示されていれば、遊技者やホール関係者が、当該パチンコ機10において遊技が行われていないことを認識することができる。
データテーブル格納エリア233bには、オープニング演出、ラウンド演出、エンディング演出およびデモ演出に対応する表示データテーブルをそれぞれ1つずつ格納する。また、変動演出用の表示データテーブルである変動表示データテーブルは、設定される変動演出パターンが32パターンあれば、1変動演出パターンに1テーブル、合計で32テーブルが用意される。
ここで、図21を参照して、表示データテーブルの詳細について説明する。図21は、表示データテーブルのうち、変動表示データテーブルの一例を模式的に示した模式図である。表示データテーブルは、第3図柄表示装置81において1フレーム分の画像が表示される時間(本実施形態では、20ミリ秒)を1単位として表したアドレスに対応させて、その時間に表示すべき1フレーム分の画像の内容(描画内容)を詳細に規定したものである。
描画内容には、1フレーム分の画像を構成する表示物であるスプライト毎に、そのスプライトの種別を規定すると共に、そのスプライトの種別に応じて、表示位置座標、拡大率、回転角度、半透明値、αブレンディング情報、色情報、フィルタ指定情報といった、スプライトを第3図柄表示装置81に描画させるための描画情報が規定されている。
スプライトの種別は、表示すべきスプライトを特定するための情報である。表示位置座標は、そのスプライトを表示すべき第3図柄表示装置81上の座標を特定するための情報である。拡大率は、そのスプライトに対して予め設定された標準的な表示サイズに対する拡大率を指定するための情報で、その拡大率に従って表示されるスプライトの大きさが特定される。なお、拡大率が100%より大きい場合は、そのスプライトが標準的な大きさよりも拡大されて表示され、拡大率が100%未満の場合は、そのスプライトが標準的な大きさもよりも縮小されて表示される。
回転角度は、スプライトを回転させて表示させる場合の回転角度を特定するための情報である。半透明値は、スプライト全体の透明度を特定するためのものであり、半透明値が高いほど、スプライトの背面側に表示される画像が透けて見えるように画像が表示される。αブレンディング情報は、他のスプライトとの重ね合わせ処理を行う場合に用いられる既知のαブレンディング係数を特定するための情報である。色情報は、表示すべきスプライトの色調を指定するための情報である。そして、フィルタ指定情報は、指定されたスプライトを描画する場合に、そのスプライトに対して施すべき画像フィルタを指定するための情報である。
変動表示データテーブルでは、各アドレスに対応して規定される1フレーム分の描画内容として、1つの背面画像、9個の第3図柄(図柄1,図柄2,・・・)、その画像において光の差し込みなどを表現するエフェクト、少年画像や文字などの各種演出に用いられるキャラクタといった各スプライトに対する描画情報が、アドレス毎に規定されている。なお、エフェクトやキャラクタに関する情報は、そのフレームに表示すべき内容に合わせて、1つ又は複数規定される。
ここで、背面画像は、表示位置は第3図柄表示装置81の画面全体に固定され、拡大率、回転角度、半透明値、αブレンディング情報、色情報およびフィルタ指定情報は、時間経過に対して一定とされるので、変動表示データテーブルでは、背面画像の種別を特定するための情報である背面種別のみが規定されている。この背面種別は、遊技者によって選択されているステージ(「街中ステージ」、「森ステージ」、「川ステージ」、「空ステージ」、「島ステージ」のいずれか)に対応する背面A〜Eのいずれかを表示させるか、背面A〜Eとは異なる背面画像を表示させるかを特定する情報が記載されている。また、背面種別は、背面A〜Eとは異なる背面画像を表示させることを特定する場合、どの背面画像を表示させるかを特定する情報も合わせて記載されている。
MPU231は、この背面種別によって、背面A〜Eのいずれかを表示させることが特定される場合は、背面A〜Eのうち抽選により決定されたステージに対応する背面画像を描画対象として特定し、また、そのフレームに対して表示すべき背面画像の範囲を時間経過に合わせて特定する。一方、背面A〜Eとは異なる背面画像を表示させることが特定される場合は、背面種別から表示させるべき背面画像を特定する。
なお、本実施形態では、表示データテーブルにおいて、背面画像の描画内容として背面種別のみを規定する場合について説明するが、これに代えて、背面種別と、その背面種別に対応する背面画像のどの範囲を表示すべきかを示す位置情報とを規定するようにしてもよい。この位置情報は、例えば、初期位置に対応する範囲の背面画像が表示されてからの経過時間を示す情報であってもよい。この場合、MPU231は、そのフレームに対して表示すべき背面画像の範囲を、位置情報により示される初期位置に対応する範囲の背面画像が表示されてからの経過時間に基づいて特定する。
また、位置情報は、この表示データテーブルに基づく画像の描画(もしくは、第3図柄表示装置81の表示)が開始されてからの経過時間を示す情報であってもよい。この場合、MPU231は、そのフレームに対して表示すべき背面画像の範囲を、表示用データベースに基づき画像の描画(もしくは、第3図柄表示装置81の表示)が開始された段階で表示されていた背面画像の位置と、位置情報により示される該画像の描画(もしくは、第3図柄表示装置81の表示)が開始されてからの経過時間とに基づいて特定する。
更に、位置情報は、背面種別に応じて、初期位置に対応する範囲の背面画像が表示されてからの経過時間を示す情報および表示データテーブルに基づく画像の描画(もしくは、第3図柄表示装置81の表示)が開始されてからの経過時間を示す情報のいずれかを示すものであってもよいし、背面種別および位置情報とともに、その位置情報の種別情報(例えば、初期位置に対応する範囲の背面画像が表示されてからの経過時間を示す情報であるか、表示用データベースに基づく画像の描画(もしくは、第3図柄表示装置81の表示)が開始されてからの経過時間を示す情報であるかを示す情報)を、背面画像の描画内容として規定してもよい。その他、位置情報は、経過時間を示す情報ではなく、表示すべき背面画像の範囲が格納されたアドレスを示す情報であってもよい。
第3図柄(図柄1,図柄2,・・・)は、表示すべき第3図柄を特定するための図柄種別情報として、図柄種別オフセット情報が記載されている。このオフセット情報は、各第3図柄に付された数字の差分を表す情報である。第3図柄の種別を直接特定するのではなく、オフセット情報を特定するのは、変動演出における第3図柄の表示は、1つ前に行われた変動演出の停止図柄および今回行われる変動演出の停止図柄に応じて変わるためであり、変動が開始されてから所定時間経過するまでの図柄オフセット情報では、1つ前に行われた変動演出の停止図柄からのオフセット情報を記載する。これにより、1つ前の変動演出における停止図柄から変動演出が開始される。
一方、変動が開始されてから所定時間経過後は、音声ランプ制御装置113を介して主制御装置110より受信した停止種別コマンド(表示用停止種別コマンド)に応じて設定される停止図柄からのオフセット情報を記載する。これにより、変動演出を、主制御装置110より指定された停止種別に応じた停止図柄で停止させることができる。
なお、各第3図柄には固有の数字が付されているので、1つ前の変動演出における変動図柄や、主制御装置110より指定された停止種別に応じた停止図柄を、その第3図柄に付された数字で管理し、また、オフセット情報を、各第3図柄に付された数字の差分で表すことにより、そのオフセット情報から容易に表示すべき第3図柄を特定することができる。
また、図柄オフセット情報において、1つ前に行われた変動演出の停止図柄のオフセット情報から今回行われている変動演出の停止図柄のオフセット情報に切り替えられる所定時間は、第3図柄が高速に変動表示されている時間となるように設定されている。第3図柄が高速に変動表示されている間は、その第3図柄が遊技者に視認不能な状態であるので、その間に、図柄オフセット情報を1つ前に行われた変動演出の停止図柄のオフセット情報から今回行われている変動演出の停止図柄のオフセット情報に切り替えることによって、第3図柄の数字の連続性が途切れても、その数字の連続性の途切れを遊技者に認識させないようにすることができる。
表示データテーブルの先頭アドレスである「0000H」には、データテーブルの開始を示す「Start」情報が記載され、表示データテーブルの最終アドレス(図21の例では、「02F0H」)には、データテーブルの終了を示す「End」情報が記載されている。そして、「Start」情報が記載されたアドレス「0000H」と「End」情報が記載されたアドレスとの間の各アドレスに対して、その表示データテーブルで規定すべき演出態様に対応させた描画内容が記載されている。
MPU231は、主制御装置110からのコマンド等に基づき音声ランプ制御装置113から送信されるコマンド(例えば、表示用変動パターンコマンド)等に応じて、使用する表示データテーブルを選定し、その選定した表示データテーブルをデータテーブル格納エリア233bから読み出して、表示データテーブルバッファ233dに格納すると共に、ポインタ233fを初期化する。そして、1フレーム分の描画処理が完了する度にポインタ233fを1加算し、表示データテーブルバッファ233dに格納された表示データテーブルにおいて、ポインタ233fが示すアドレスに規定された描画内容に基づき、次に描画すべき画像内容を特定して後述する描画リスト(図27参照)を作成する。この描画リストを画像コントローラ237に送信することで、その画像の描画指示を行う。これにより、ポインタ233fの更新に従って、表示データテーブルで規定された順に描画内容が特定されるので、その表示データテーブルで規定された通りの画像が第3図柄表示装置81に表示される。
このように、本パチンコ機10では、表示制御装置114において、主制御装置110からのコマンド等に基づき音声ランプ制御装置113から送信されるコマンド(例えば、表示用変動パターンコマンド)等に応じて、MPU231により実行すべきプログラムを変更するのではなく、表示データテーブルを表示データテーブルバッファ233dに適宜置き換えるという単純な操作だけで、第3図柄表示装置81に表示すべき演出画像を変更することができる。
ここで、従来のパチンコ機のように、第3図柄表示装置81に表示させる演出画像を変更する度にMPU231で実行されるプログラムを起動するように構成した場合、演出画像の多種多様化に伴って複雑かつ膨大化するプログラムの起動や実行の処理に多大な負荷がかかるため、表示制御装置114における処理能力が制限となって、制御可能な演出画像の多様化に限界が生じてしまうおそれがあった。これに対し、本パチンコ機10では、表示データテーブルを表示データテーブルバッファ233dに適宜置き換えるという単純な操作だけで、第3図柄表示装置81に表示すべき演出画像を変更することができるので、表示制御装置114の処理能力に関係なく、多種多様な演出画像を第3図柄表示装置81に表示させることができる。
また、このように各演出態様に対応して表示データテーブルを用意し、表示すべき演出態様に応じた表示データテーブルバッファを設定して、その設定されたデータテーブルに従い、1フレームずつ描画リストを作成することができるのは、パチンコ機10では、始動入賞に基づいて行われる抽選の結果に基づいて、予め第3図柄表示装置81に表示させる演出が決定されるためである。これに対し、パチンコ機といった遊技機を除くゲーム機などでは、ユーザの操作に基づいてその場その場で表示内容が変わるため、表示内容を予測することができず、よって、上述したような各演出態様に対応する表示データテーブルを持たせることはできない。このように、各演出態様に対応して表示データテーブルを用意し、表示すべき演出態様に応じた表示データテーブルバッファを設定して、その設定されたデータテーブルに従い、1フレームずつ描画リストを作成する構成は、パチンコ機10が、始動入賞に基づいて行われる抽選の結果に基づき予め第3図柄表示装置81に表示させる演出態様を決定する構成であることに基づいて初めて実現できるものである。
次いで、図22を参照して、転送データテーブルの詳細について説明する。図22は、転送データテーブルの一例を模式的に示した模式図である。転送データテーブルは、演出毎に用意された表示データテーブルに対応して用意されるもので、上述したように、表示データテーブルで規定されている演出において使用されるスプライトの画像データのうち、常駐用ビデオRAM235に常駐されていない画像データをキャラクタROM234から通常用ビデオRAM236の画像格納エリア236aに転送するための転送データ情報ならびにその転送タイミングが規定されている。
なお、表示データテーブルに規定された演出において使用されるスプライトの画像データが、全て常駐用ビデオRAM235に格納されていれば、その表示データテーブルに対応する転送データテーブルは用意されていない。これにより、データテーブル格納エリア233bの容量増大を抑制することができる。
転送データテーブルは、表示データテーブルにおいて規定されるアドレスに対応させて、そのアドレスで示される時間に転送を開始すべきスプライトの画像データ(以下、「転送対象画像データ」と称す)の転送データ情報が記載されている(図22のアドレス「0001H」及び「0097H」が該当)。ここで、表示データテーブルに従って所定のスプライトの描画が開始されるまでに、その所定のスプライトに対応する画像データが画像格納エリア236aに格納されるように、その転送対象画像データの転送開始タイミングが設定されており、転送データテーブルでは、その転送開始タイミングに対応するアドレスに対応させて、転送対象画像データの転送データ情報が規定される。
一方、表示データテーブルにおいて規定されるアドレスで示される時間に、転送を開始すべき転送対象画像データが存在しない場合は、そのアドレスに対応して転送を開始すべき転送対象画像データが存在しないことを意味するNullデータが規定される(図22のアドレス「0002H」が該当)。
転送データ情報としては、その転送対象画像データが格納されているキャラクタROM234の先頭アドレス(格納元先頭アドレス)と最終アドレス(格納元最終アドレス)、及び、転送先(通常用ビデオRAM236)の先頭アドレスが含まれる。
なお、転送データテーブルの先頭アドレスである「0000H」には、表示データテーブルと同様に、データテーブルの開始を示す「Start」情報が記載され、転送データテーブルの最終アドレス(図22の例では、「02F0H」)には、データテーブルの終了を示す「End」情報が記載されている。そして、「Start」情報が記載されたアドレス「0000H」と「End」情報が記載されたアドレスとの間の各アドレスに対して、その転送データテーブルで規定すべき転送対象画像データの転送データ情報が記載されている。
MPU231は、主制御装置110からのコマンド等に基づき音声ランプ制御装置113から送信されるコマンド(例えば、表示用変動パターンコマンド)等に応じて、使用する表示データテーブルを選定すると、その表示データテーブルに対応する転送データテーブルが存在する場合は、その転送データテーブルをデータテーブル格納エリア233bから読み出して、後述するワークRAM233の転送データテーブルバッファ233eに格納する。そして、ポインタ233fの更新毎に、表示データテーブルバッファ233dに格納された表示データテーブルから、ポインタ233fが示すアドレスに規定された描画内容を特定して、後述する描画リスト(図23参照)を作成すると共に、転送データテーブルバッファ233eに格納された転送データテーブルから、その時点において転送を開始すべき所定のスプライトの画像データの転送データ情報を取得して、その転送データ情報を作成した描画リストに追加する。
例えば、図22の例では、ポインタ233fが「0001H」や「0097H」となった場合に、MPU231は、転送データテーブルの当該アドレスに規定された転送データ情報を、表示データテーブルに基づいて作成した描画リストに追加して、その追加後の描画リストを画像コントローラ237へ送信する。一方、ポインタ233fが「0002H」である場合、転送データテーブルのアドレス「0002H」には、Nullデータが規定されているので、転送を開始すべき転送対象画像データが存在しないと判断し、生成した描画リストに転送データ情報を追加せずに、描画リストを画像コントローラ237へ送信する。
そして、画像コントローラ237は、MPU231より受信した描画リストに転送データ情報が記載されていた場合、その転送データ情報に従って、転送対象画像データを、キャラクタROM234から画像格納エリア236aの所定のサブエリアに転送する処理を実行する。
ここで、上述したように、表示データテーブルに従って所定のスプライトの描画が開始されるまでに、その所定のスプライトに対応する画像データが画像格納エリア236aに格納されるように、転送データテーブルでは、転送対象画像データの転送データ情報が所定のアドレスに対して規定されているので、この転送データテーブルに規定された転送データ情報に従って、画像データをキャラクタROM234から画像格納エリア236aに転送することにより、表示データテーブルに従って所定のスプライトを描画する場合に、そのスプライトの描画に必要な常駐用ビデオRAM235に常駐されていない画像データを、必ず画像格納エリア236aに格納させておくことができる。そして、その画像格納エリア236aに格納された画像データを用いて、表示データテーブルに基づき、所定のスプライトの描画を行うことができる。
これにより、読み出し速度の遅いNAND型フラッシュメモリ234aによってキャラクタROM234を構成しても、遅滞なく表示に必要な画像を予めキャラクタROM234から読み出し、通常用ビデオRAM236へ転送しておくことができるので、表示データテーブルで指定された各スプライトの画像を描画しながら、対応する演出を第3図柄表示装置81に表示させることができる。また、転送データテーブルの記載によって、常駐用ビデオRAM235に非常駐の画像データだけを容易に且つ確実にキャラクタROM234から通常用ビデオRAM236へ転送することができる。
また、本パチンコ機10では、表示制御装置114において、主制御装置110からのコマンド等に基づき音声ランプ制御装置113から送信されるコマンド(例えば、表示用変動パターンコマンド)等に応じて、表示データテーブルを表示データテーブルバッファ233dに設定するのに合わせて、その表示データテーブルに対応する転送データテーブルが転送データテーブルバッファ233eに設定されるので、その表示データテーブルで用いられるスプライトの画像データを、所望のタイミングで確実にキャラクタROM234から通常用ビデオRAM236へ転送することができる。
また、転送データテーブルでは、スプライトに対応する画像データ毎にキャラクタROM234から通常用ビデオRAM236へ画像データが転送されるように、その転送データ情報を規定する。これにより、その画像データの転送をスプライト毎に管理し、また、制御することができるので、その転送に係る処理を容易に行うことができる。そして、スプライト単位でキャラクタROM234から通常用ビデオRAM236への画像データの転送を制御することにより、その処理を容易にしつつ、詳細に画像データの転送を制御できる。よって、転送にかかる負荷の増大を効率よく抑制することができる。
また、転送データテーブルは、表示データテーブルと同様のデータ構造を有し、表示データテーブルにおいて規定されるアドレスに対応させて、そのアドレスで示される時間に転送を開始すべき転送対象画像データの転送データ情報が規定されているので、表示データテーブルバッファ233dに設定された表示データテーブルに基づいて所定のスプライトの画像データが用いられる前に、確実にその画像データが通常用ビデオRAM236へ格納されるように、転送開始のタイミングを指示することができるので、読み出し速度の遅いNAND型フラッシュメモリ234aによってキャラクタROM234を構成しても、多種多様な演出画像を容易に第3図柄表示装置81に表示させることができる。
簡易画像表示フラグ233cは、第3図柄表示装置81に、図18(a)〜(c)に示す電源投入時画像(電源投入時主画像および電源投入時変動画像)を表示するか否かを示すフラグである。この簡易画像表示フラグ233cは、電源投入時主画像および電源投入時変動画像に対応する画像データが常駐用ビデオRAMの電源投入時主画像エリア235a又は電源投入時変動画像エリア235bに転送された後に、MPU231により実行されるメイン処理(図43参照)の中でオンに設定される(図43のS2005参照)。そして、画像転送処理の常駐画像転送処理によって、全ての常駐対象画像データが常駐用ビデオRAM235に格納された段階で、第3図柄表示装置81に電源投入時画像以外の画像を表示させるために、オフに設定される(図54(b)のS3605参照)。
この簡易画像表示フラグ233cは、画像コントローラ237から送信されるV割込信号を検出する毎にMPU231によって実行されるV割込処理の中で参照され(図45(b)のS2301参照)、簡易画像表示フラグ233cがオンである場合は、電源投入時画像が第3図柄表示装置81に表示されるように、簡易コマンド判定処理(図45(b)のS2308参照)および簡易表示設定処理(図45(b)のS2309参照)が実行される。一方、簡易画像表示フラグ233cがオフである場合は、主制御装置110からのコマンド等に基づき音声ランプ制御装置113から送信されるコマンドに応じて、種々の画像が表示されるように、コマンド判定処理(図46〜図50参照)および表示設定処理(図51〜図53参照)が実行される。
また、簡易画像表示フラグ233cは、V割込処理の中でMPU231により実行される転送設定処理の中で参照され(図54(a)のS3501参照)、簡易画像表示フラグ233cがオンである場合は、常駐用ビデオRAM235に格納されていない常駐対象画像データが存在するため、常駐対象画像データをキャラクタROM234から常駐用ビデオRAM235へ転送する常駐画像転送設定処理(図54(b)参照)を実行し、簡易画像表示フラグ233cがオフである場合は、描画処理に必要な画像データをキャラクタROM234から通常用ビデオRAM236へ転送する通常画像転送設定処理(図55参照)を実行する。
表示データテーブルバッファ233dは、主制御装置110からのコマンド等に基づき音声ランプ制御装置113から送信されるコマンド等に応じて第3図柄表示装置81に表示させる演出態様に対応する表示データテーブルを格納するためのバッファである。MPU231は、その音声ランプ制御装置113から送信されるコマンド等に基づいて、第3図柄表示装置81に表示させる演出態様を判断し、その演出態様に対応する表示データテーブルをデータテーブル格納エリア233bから選定して、その選定された表示データテーブルを表示データテーブルバッファ233dに格納する。そして、MPU231は、ポインタ233fを1ずつ加算しながら、表示データテーブルバッファ233dに格納された表示データテーブルにおいてそのポインタ233fで示されるアドレスに規定された描画内容に基づき、1フレーム毎に画像コントローラ237に対する画像描画の指示内容を記載した後述の描画リスト(図23参照)を生成する。これにより、第3図柄表示装置81には、表示データテーブルバッファ233dに格納された表示データテーブルに対応する演出が表示される。
MPU231は、ポインタ233fを1ずつ加算しながら、表示データテーブルバッファ233dに格納された表示データテーブルにおいてそのポインタ233fで示されるアドレスに規定された描画内容に基づき、1フレーム毎に画像コントローラ237に対する画像描画の指示内容を記載した後述の描画リスト(図23参照)を生成する。これにより、第3図柄表示装置81には、表示データテーブルに対応する演出が表示される。
転送データテーブルバッファ233eは、主制御装置110からのコマンド等に基づき音声ランプ制御装置113から送信されるコマンド等に応じて、表示データテーブルバッファ233dに格納された表示データテーブルに対応する転送データテーブルを格納するためのバッファである。MPU231は、表示データテーブルバッファ233dに表示データテーブルを格納するのに合わせて、その表示データテーブルに対応する転送データテーブルをデータテーブル格納エリア233bから選定して、その選定された転送データテーブルを転送データテーブルバッファ233eに格納する。なお、表示データテーブルバッファ233dに格納される表示データテーブルにおいて用いられるスプライトの画像データが全て常駐用ビデオRAM235に格納されている場合は、その表示データテーブルに対応する転送データテーブルが用意されていないので、MPU231は、転送データテーブルバッファ233eに転送対象画像データが存在しないことを意味するNullデータを書き込むことで、その内容をクリアする。
そして、MPU231は、ポインタ233fを1ずつ加算しながら、転送データテーブルバッファ233eに格納された転送データテーブルにおいてそのポインタ233fで示されるアドレスに規定された転送対象画像データの転送データ情報が規定されていれば(即ち、Nullデータが記載されていなければ)、1フレーム毎に生成される画像コントローラ237に対する画像描画の指示内容を記載した後述の描画リスト(図23参照)に、その転送データ情報を追加する。
これにより、画像コントローラ237は、MPU231より受信した描画リストに転送データ情報が記載されていた場合、その転送データ情報に従って、転送対象画像データを、キャラクタROM234から画像格納エリア236aの所定のサブエリアに転送する処理を実行する。ここで、上述したように、表示データテーブルに従って所定のスプライトの描画が開始されるまでに、その所定のスプライトに対応する画像データが画像格納エリア236aに格納されるように、転送データテーブルでは、転送対象画像データの転送データ情報が所定のアドレスに対して規定されている。よって、この転送データテーブルに規定された転送データ情報に従って、画像データをキャラクタROM234から画像格納エリア236aに転送することにより、表示データテーブルに従って所定のスプライトを描画する場合に、そのスプライトの描画に必要な常駐用ビデオRAM235に常駐されていない画像データを、必ず画像格納エリア236aに格納させておくことができる。
これにより、読み出し速度の遅いNAND型フラッシュメモリ234aによってキャラクタROM234を構成しても、遅滞なく表示に必要な画像を予めキャラクタROM234から読み出し、通常用ビデオRAM236へ転送しておくことができるので、表示データテーブルで指定された各スプライトの画像を描画しながら、対応する演出を第3図柄表示装置81に表示させることができる。また、転送データテーブルの記載によって、常駐用ビデオRAM235に非常駐の画像データだけを容易に且つ確実にキャラクタROM234から通常用ビデオRAM236へ転送することができる。
ポインタ233fは、表示データテーブルバッファ233dおよび転送データテーブルバッファ233eの各バッファにそれぞれ格納された表示データテーブルおよび転送データテーブルから、対応する描画内容もしくは転送対象画像データの転送データ情報を取得すべきアドレスを指定するためのものである。MPU231は、表示データテーブルバッファ233dに表示データテーブルが格納されるのに合わせて、ポインタ233fを一旦0に初期化する。そして、画像コントローラ237から1フレーム分の画像の描画処理が完了する20ミリ秒ごとに送信されるV割込信号に基づいてMPU231により実行されるV割込処理の表示設定処理(図45(b)のS2303参照)の中で、ポインタ更新処理(図51のS3205参照)が実行され、ポインタ233fの値が1ずつ加算される。
MPU231は、このようなポインタ233fの更新が行われる毎に、表示データテーブルバッファ233dに格納された表示データテーブルから、ポインタ233fが示すアドレスに規定された描画内容を特定して、後述する描画リスト(図23参照)を作成すると共に、転送データテーブルバッファ233eに格納された転送データテーブルから、その時点において転送を開始すべき所定のスプライトの画像データの転送データ情報を取得して、その転送データ情報を作成した描画リストに追加する。
これにより、表示データテーブルバッファ233dに格納された表示データテーブルに対応する演出が第3図柄表示装置81に表示される。よって、表示データテーブルバッファ233dに格納する表示データテーブルを変更するだけで、容易に第3図柄表示装置81に表示させる演出を変更することができる。従って、表示制御装置341の処理能力に関わらず、多種多様な演出を表示させることができる。
また、転送データテーブルバッファ233eに格納された転送データテーブルが格納されている場合は、その転送データテーブルに基づいて、対応する表示データテーブルによって所定のスプライトの描画が開始されるまでに、そのスプライトの描画で用いられる常駐用ビデオRAM235に常駐されていない画像データを、必ず画像格納エリア236aに格納させておくことができる。これにより、読み出し速度の遅いNAND型フラッシュメモリ234aによってキャラクタROM234を構成しても、遅滞なく表示に必要な画像を予めキャラクタROM234から読み出し、通常用ビデオRAM236へ転送しておくことができるので、表示データテーブルで指定された各スプライトの画像を描画しながら、対応する演出を第3図柄表示装置81に表示させることができる。また、転送データテーブルの記載によって、常駐用ビデオRAM235に非常駐の画像データだけを容易に且つ確実にキャラクタROM234から通常用ビデオRAM236へ転送することができる。
描画リストエリア233gは、表示データテーブルバッファ233dに格納された表示データテーブル、及び、転送データテーブルバッファ233eに格納された転送データテーブルに基づいて生成される、1フレーム分の画像の描画を画像コントローラ237に指示する描画リストを格納するためのエリアである。
ここで、図23を参照して、描画リストの詳細について説明する。図23は、描画リストの内容を模式的に示した模式図である。描画リストは、画像コントローラ237に対して、1フレーム分の画像の描画を指示する指示表であり、図23に示すように、1フレームの画像で使用する背面画像、第3図柄(図柄1,図柄2,・・・)、エフェクト(エフェクト1,エフェクト2,・・・)、キャラクタ(キャラクタ1,キャラクタ2,・・・,保留球数図柄1,保留球数図柄2,・・・,エラー図柄)といったスプライト毎に、そのスプライトの詳細な描画情報(詳細情報)を記述したものである。また、描画リストには、画像コントローラ237に対して所定の画像データをキャラクタROM234から通常用ビデオRAM236へ転送させるための転送データ情報もあわせて記述される。
各スプライトの詳細な描画情報(詳細情報)には、対応するスプライト(表示物)の画像データが格納されているRAM種別(常駐用ビデオRAM235か、通常用ビデオRAM236か)を示す情報と、そのアドレスとが記述されており、画像コントローラ237は、そのRAM種別およびアドレスによって指定されるメモリ領域から、当該スプライトの画像データを取得する。また、その詳細な描画情報(詳細情報)には、表示位置座標、拡大率、回転角度、半透明値、αブレンディング情報、色情報およびフィルタ指定情報が含まれており、画像コントローラ237は、各種ビデオRAMより読み出した当該スプライトの画像データにより生成される標準的な画像に対し、拡大率に応じて拡大縮小処理を施し、回転角度に応じて回転処理を施し、半透明値に応じて半透明化処理を施し、αブレンディング情報に応じて他のスプライトとの合成処理を施し、色情報に応じて色調補正処理を施し、フィルタ指定情報に応じてその情報により指定された方法でフィルタリング処理を施した上で、表示位置座標に示される表示位置に各種処理を施して得られた画像を描画する。そして、描画した画像は、画像コントローラ237によって、描画対象バッファフラグ233jで指定される第1フレームバッファ236b又は第2フレームバッファ236cのいずれかに展開される。
MPU231は、表示データテーブルバッファ233dに格納された表示データテーブルにおいて、ポインタ233fによって示されるアドレスに規定された描画内容と、その他の描画すべき画像の内容(例えば、保留球数図柄を表示する保留画像や、エラーの発生を通知する警告画像など)とに基づき、1フレーム分の画像の描画に用いられる全スプライトに対する詳細な描画情報(詳細情報)を生成すると共に、その詳細情報をスプライト毎に並び替えることによって描画リストを作成する。
ここで、各スプライトの詳細情報のうち、スプライト(表示物)のデータの格納RAM種別とアドレスとは、表示データテーブルに規定されるスプライト種別や、その他の画像の内容から特定されるスプライト種別に応じて生成される。即ち、スプライト毎に、そのスプライトの画像データが格納される常駐用ビデオRAM235のエリア、又は、通常用ビデオRAM236の画像格納エリア236aのサブエリアが固定されているので、MPU231は、スプライト種別に応じて、そのスプライトの画像データが格納されている格納RAM種別とアドレスとを即座に特定し、それらの情報を描画リストの詳細情報に容易に含めることができる。
また、MPU231は、各スプライトの詳細情報のうち、その他の情報(表示位置座標、拡大率、回転角度、半透明値、αブレンディング情報、色情報およびフィルタ指定情報)について、表示データテーブルに規定されるそれらの情報をそのままコピーする。
また、MPU231は、描画リストを生成するにあたり、1フレーム分の画像の中で、最も背面側に配置すべきスプライトから前面側に配置すべきスプライト順に並び替えて、それぞれのスプライトに対する詳細な描画情報(詳細情報)を記述する。即ち、描画リストでは、最初に背面画像に対応する詳細情報が記述され、次いで、第3図柄(図柄1,図柄2,・・・)、エフェクト(エフェクト1,エフェクト2,・・・)、キャラクタ(キャラクタ1,キャラクタ2,・・・,保留球数図柄1,保留球数図柄2,・・・,エラー図柄)の順に、それぞれのスプライトに対応する詳細情報が記述される。
画像コントローラ237では、描画リストに記述された順番に従って、各スプライトの描画処理を実行し、フレームバッファにその描画されたスプライトを上書きによって展開していく。従って、描画リストによって生成した1フレーム分の画像において、最初に描画したスプライトが最も背面側に配置させ、最後に描画したスプライトが最も前面側に配置させることができるのである。
また、MPU231は、転送データテーブルバッファ233eに格納された転送データテーブルにおいて、ポインタ233fによって示されるアドレスに転送データ情報が記載されている場合、その転送データ情報(転送対象画像データが格納されたキャラクタROM234における格納元先頭アドレスおよび格納元最終アドレスと、その転送対象画像データを格納すべき画像格納エリア236aに設けられたサブエリアの格納先先頭アドレス)を、描画リストの最後に追加する。画像コントローラ237は、描画リストにこの転送データ情報が含まれていれば、その転送データ情報に基づいて、キャラクタROM234の所定の領域(格納元先頭アドレスおよび格納元最終アドレスによって示される領域)から画像データを読み出して、通常用ビデオRAM236の画像格納エリア236aに設けられた所定のサブエリア(格納先アドレス)に、転送対象となる画像データを転送する。
計時カウンタ233hは、表示データテーブルバッファ233dに格納された表示データテーブルにより第3図柄表示装置81にて表示される演出の演出時間をカウントするカウンタである。MPU231は、表示データテーブルバッファ233dに一の表示データテーブルを格納するのに合わせて、その表示データテーブルに基づいて表示される演出の演出時間を示す時間データを設定する。この時間データは、演出時間を第3図柄表示装置81における1フレーム分の画像表示時間(本実施形態では、20ミリ秒)で割った値である。
そして、1フレーム分の画像の描画処理および表示処理が完了する20ミリ秒毎に画像コントローラ237から送信されるV割込信号に基づいて、MPU231により実行されるV割込処理(図45(b)参照)の表示設定処理が実行される度に、計時カウンタ233hが1ずつ減算される(図51のS3207参照)。その結果、計時カウンタ233hの値が0以下となった場合、MPU231は、表示データテーブルバッファ233dに格納された表示データテーブルにより表示される演出が終了したことを判断し、演出終了に合わせて行うべき種々の処理を実行する。
格納画像データ判別フラグ233iは、対応する画像データが常駐用ビデオRAM235に常駐されない全てのスプライトに対して、それぞれ、そのスプライトに対応する画像データが通常用ビデオRAM236の画像格納エリア236aに格納されているか否かを表す格納状態を示すフラグである。
この格納画像データ判別フラグ233iは、電源投入時にメイン処理の中でMPU231により実行される初期設定処理(図43のS2002参照)によって生成される。ここで生成される格納画像データ判別フラグ233iは、全てのスプライトに対する格納状態が、画像格納エリア236aに格納されていないことを示す「オフ」に設定される。
そして、格納画像データ判別フラグ233iの更新は、MPU231により実行される通常画像転送設定処理(図55参照)の中で、一のスプライトに対応する転送対象画像データの転送指示を設定した場合に行われる。この更新では、転送指示が設定された一のスプライトに対応する格納状態を、対応する画像データが画像格納エリア236aに格納されていることを示す「オン」に設定する。また、その一のスプライトと同じ画像格納エリア236aのサブエリアに格納されることになっているその他のスプライトの画像データは、一のスプライトの画像データが格納されることによって必ず未格納状態となるので、その他のスプライトに対応する格納状態を「オフ」に設定する。
また、MPU231は、常駐用ビデオRAM235に画像データが常駐されていないスプライトの画像データをキャラクタROM234から通常用ビデオRAM236へ転送する際に、格納画像データ判別フラグ233iを参照し、転送対象のスプライトの画像データが、既に通常用ビデオRAM236の画像格納エリア236aに格納されているか否かを判断する(図55のS3713参照)。そして、転送対象のスプライトに対応する格納状態が「オフ」であり、対応する画像データが画像格納エリア236aに格納されていなければ、その画像データの転送指示を設定し(図55のS3714参照)、画像コントローラ237に対して、その画像データをキャラクタROM234から画像格納エリア236aの所定サブエリアに転送させる。一方、転送対象のスプライトに対応する格納状態が「オン」であれば、既に対応する画像データが画像格納エリア236aに格納されているので、その画像データの転送処理を中止する。これにより、無駄にキャラクタROM234から通常用ビデオRAM236に対して転送されるのを抑制することができ、表示制御装置114の各部における処理負担の軽減や、バスライン240におけるトラフィックの軽減を図ることができる。
描画対象バッファフラグ233jは、2つのフレームバッファ(第1フレームバッファ236bおよび第2フレームバッファ236c)の中から、画像コントローラ237によって描画された画像を展開するフレームバッファ(以下、「描画対象バッファ」と称す)を指定するためのフラグで、描画対象バッファフラグ233jが0である場合は描画対象バッファとして第1フレームバッファ236bを指定し、1である場合は第2フレームバッファ236cを指定する。そして、この指定された描画対象バッファの情報は、描画リストと共に画像コントローラ237に送信される(図56のS3802参照)。
これにより、画像コントローラ237は、描画リストに基づいて描画した画像を、指定された描画対象バッファ上に展開する描画処理を実行する。また、画像コントローラ237は、描画処理と同時並列的に、描画対象バッファとは異なるフレームバッファから先に展開済みの描画画像情報を読み出し、駆動信号と共に第3図柄表示装置81に対して、その画像情報を転送することで、第3図柄表示装置81に画像を表示させる表示処理を実行する。
描画対象バッファフラグ233jは、描画対象バッファ情報が描画リストと共に画像コントローラ237に対して送信されるのに合わせて、更新される。この更新は、描画対象バッファフラグ233jの値を反転させることにより、即ち、その値が「0」であった場合は「1」に、「1」であった場合は「0」に設定することによって行われる。これにより、描画対象バッファは、描画リストが送信される度に、第1フレームバッファ236bと第2フレームバッファ236cとの間で交互に設定される。また、描画リストの送信は、1フレーム分の画像の描画処理および表示処理が完了する20ミリ秒毎に画像コントローラ237から送信されるV割込信号に基づいて、MPU231により実行されるV割込処理の描画処理(図45(b)のS2306参照)が実行される度に行われる。
即ち、あるタイミングで、1フレーム分の画像を展開するフレームバッファとして第1フレームバッファ236bが指定され、1フレーム分の画像情報が読み出されるフレームバッファとして第2フレームバッファ236cが指定されて、画像の描画処理および表示処理が実行されると、1フレーム分の画像の描画処理が完了する20ミリ秒後に、1フレーム分の画像を展開するフレームバッファとして第2フレームバッファ236cが指定され、1フレーム分の画像情報が読み出されるフレームバッファとして第1フレームバッファ236bが指定される。これにより、先に第1フレームバッファ236bに展開された画像の画像情報が読み出されて第3図柄表示装置81に表示させることができると同時に、第2フレームバッファ236cに新たな画像が展開される。
そして、更に次の20ミリ秒後には、1フレーム分の画像を展開するフレームバッファとして第1フレームバッファ236bが指定され、1フレーム分の画像情報が読み出されるフレームバッファとして第2フレームバッファ236cが指定される。これにより、先に第2フレームバッファ236cに展開された画像の画像情報が読み出されて第3図柄表示装置81に表示させることができると同時に、第1フレームバッファ236bに新たな画像が展開される。以後、1フレーム分の画像を展開するフレームバッファと、1フレーム分の画像情報が読み出されるフレームバッファとを、20ミリ秒毎に、それぞれ第1フレームバッファ236bおよび第2フレームバッファ236cのいずれかを交互に入れ替えて指定することによって、1フレーム分の画像の描画処理を行いながら、1フレーム分の画像の表示処理を20ミリ秒単位で連続的に行わせることができる。
背面画像変更フラグ233wは、第3図柄表示装置81に表示される背面画像の種別を変更するか否かを判別するためのフラグである。この背面画像変更フラグ233wがオンであれば、背面画像の種別を変更することを意味し、オフであれば変更を行わないことを意味する。背面画像変更フラグ233wは、音声ランプ制御装置113から送信される背面画像変更コマンドを受信した場合にオンに設定される(図52(a)のS3001参照)。また、この背面画像変更フラグ233wは、通常画像転送設定処理において参照され(図55のS3709参照)、背面画像の変更処理が実行される際にオフに設定される(図55のS3710参照)。これにより、音声ランプ制御装置113から受信した背面画像変更コマンドや演出モード変更コマンドに対応した背面画像を表示することができる。
背面画像判別フラグ233xは、設定されている背面画像種別を示すフラグである。このフラグは、例えば1バイトで構成されており、各ビットに対して各背面種別が対応付けられている。この背面画像判別フラグ233xのうち、いずれかのビットがオンであれば、そのオンのビットに対応する背面種別が現在の背面種別として設定されていることを意味する。例えば、背面画像判別フラグ233xの0ビット目がオンであれば、背面Aが設定されていることを意味する。この背面画像判別フラグ233xは、音声ランプ制御装置113から送信される背面画像変更コマンドを受信した場合に、そのコマンドにより通知された背面画像に対応するビットがオンに設定される(図50(a)のS3002参照)。この際、他のビットは全てオフに設定される。この背面画像判別フラグ233xにより、容易に現在設定されている背面種別を特定することができる。
デモ表示フラグ233yは、デモ演出中であるか否かを示すフラグである。このデモ表示フラグ233yがオンであればデモ演出中であることを意味し、オフであればデモ演出中でないことを意味する。このデモ表示フラグ233yは、表示設定処理(図51参照)において、デモ用表示データテーブルを表示データテーブルバッファ233dに設定した場合にオンに設定され(図51のS3221参照)、デモ用表示データテーブル以外の他の表示データテーブルが表示データテーブルバッファ233dに対して設定された場合にオフに設定される(図47(a)のS2705、図48(a)のS2705、図48(b)のS2805、図49のS2905参照)。このデモ表示フラグ233yにより、現在がデモ演出中であるか否かを容易に判別することができる。
確定表示フラグ233zは、確定表示演出の実行中であるか否かを示すフラグである。ここで、確定表示演出とは、変動パターン後に停止図柄を所定期間(例えば、1秒)停止表示(確定表示)する演出を示す。この確定表示フラグ233zがオンであれば、確定表示演出中であることを意味し、オフであれば、確定表示演出中でないことを意味する。確定表示フラグ233zは、表示設定処理(図51参照)の中で、確定表示データテーブルを表示データテーブルバッファ233dに設定した場合にオンに設定され(図51のS3214)、確定表示データテーブル以外の他の表示データテーブルが表示データテーブルバッファ233dに対して設定された場合にオフに設定される(図47(a)のS2505、図48(a)のS2705、図48(b)のS2805、図49のS2905参照)。この確定表示フラグ233zにより、現在が確定表示演出中であるか否かを容易に判別することができる。
<第1実施形態における主制御装置の制御処理について>
次に、図24〜図37のフローチャートを参照して、主制御装置110内のMPU201により実行される各制御処理を説明する。かかるMPU201の処理としては大別して、電源投入に伴い起動される立ち上げ処理と、その立ち上げ処理後に実行されるメイン処理と、定期的に(本実施形態では2m秒間隔で)起動されるタイマ割込処理と、NMI端子への停電信号SG1の入力により起動されるNMI割込処理とがあり、説明の便宜上、はじめにタイマ割込処理とNMI割込処理とを説明し、その後、立ち上げ処理とメイン処理とを説明する。
図24は、主制御装置110内のMPU201により実行されるタイマ割込処理を示すフローチャートである。タイマ割込処理は、例えば2ミリ秒毎に実行される定期処理である。タイマ割込処理では、まず各種入賞スイッチの読み込み処理を実行する(S101)。即ち、主制御装置110に接続されている各種スイッチの状態を読み込むと共に、当該スイッチの状態を判定して検出情報(入賞検知情報)を保存する。
次に、第1初期値乱数カウンタCINI1と第2初期値乱数カウンタCINI2の更新を実行する(S102)。具体的には、第1初期値乱数カウンタCINI1を1加算すると共に、そのカウンタ値が最大値(本実施形態では399)に達した際、0にクリアする。そして、第1初期値乱数カウンタCINI1の更新値を、RAM203の該当するバッファ領域に格納する。同様に、第2初期値乱数カウンタCINI2を1加算すると共に、そのカウンタ値が最大値(本実施形態では399)に達した際、0にクリアし、その第2初期値乱数カウンタCINI2の更新値をRAM203の該当するバッファ領域に格納する。
更に、第1当たり乱数カウンタC1、第1当たり種別カウンタC2、停止種別選択カウンタC3及び第2当たり乱数カウンタC4の更新を実行する(S103)。具体的には、第1当たり乱数カウンタC1、第1当たり種別カウンタC2、停止種別選択カウンタC3及び第2当たり乱数カウンタC4をそれぞれ1加算すると共に、それらのカウンタ値が最大値(本実施形態ではそれぞれ、399,99,99,239)に達した際、それぞれ0にクリアする。そして、各カウンタC1〜C4の更新値を、RAM203の該当するバッファ領域に格納する。
次に、第1図柄表示装置37において表示を行うための処理であると共に、第3図柄表示装置81による第3図柄の変動パターンなどを設定する特別図柄変動処理を実行し(S104)、次いで、第1入球口64、または第2入球口640への入賞(始動入賞)に伴う始動入賞処理を実行する(S105)。尚、特別図柄変動処理、及び、始動入賞処理の詳細については、図25〜図27を参照して後述する。
始動入賞処理を実行した後は、第2図柄表示装置83において表示を行うための処理である普通図柄変動処理を実行し(S106)、スルーゲート67における球の通過に伴うスルーゲート通過処理を実行する(S107)。尚、普通図柄変動処理、及び、スルーゲート通過処理の詳細は、図28および図29を参照して後述する。スルーゲート通過処理を実行した後は、発射制御処理を実行し(S108)、更に、定期的に実行すべきその他の処理を実行して(S109)、タイマ割込処理を終了する。なお、発射制御処理は、遊技者が操作ハンドル51に触れていることをタッチセンサ51aにより検出し、且つ、発射を停止させるための打ち止めスイッチ51bが操作されていないことを条件に、球の発射のオン/オフを決定する処理である。主制御装置110は、球の発射がオンである場合に、発射制御装置112に対して球の発射指示をする。
次に、図25を参照して、主制御装置110内のMPU201により実行される特別図柄変動処理(S104)について説明する。図25は、この特別図柄変動処理(S104)を示すフローチャートである。この特別図柄変動処理(S104)は、タイマ割込処理(図24参照)の中で実行され、第1図柄表示装置37において行う特別図柄(第1図柄)の変動表示や、第3図柄表示装置81において行う第3図柄の変動表示などを制御するための処理である。
この特別図柄変動処理では、まず、今現在が、特別図柄の大当たり中であるか否かを判定する(S201)。特別図柄の大当たり中としては、第1図柄表示装置37及び第3図柄表示装置81において特別図柄の大当たり(特別図柄の大当たり遊技中も含む)を示す表示がなされている最中と、特別図柄の大当たり遊技終了後の所定時間の最中とが含まれる。判定の結果、特別図柄の大当たり中であれば(S201:Yes)、そのまま本処理を終了する。
S201の処理において、特別図柄の大当たり中でないと判定した場合は(S201:No)、第1図柄表示装置37の表示態様が変動中であるか否かを判定し(S202)、第1図柄表示装置37の表示態様が変動中でなければ(S202:No)、第2特別図柄保留球数カウンタ203eの値(第2特別図柄の抽選に基づく変動表示の保留回数N2)を取得する(S203)。次に、第2特別図柄保留球数カウンタ203eの値(N2)が0よりも大きいか否かを判別する(S204)。第2特別図柄保留球数カウンタ203eの値(N2)が0でなければ(S204:Yes)、第2特別図柄保留球数カウンタ203eの値(N2)を1減算し(S210)、演算により変更された第2特別図柄保留球数カウンタ203eの値を示す保留球数コマンドを設定する(S211)。ここで設定された保留球数コマンドは、RAM203に設けられたコマンド送信用のリングバッファに記憶され、MPU201により実行される後述のメイン処理(図32参照)の外部出力処理(S901)の中で、音声ランプ制御装置113に向けて送信される。音声ランプ制御装置113は、保留球数コマンドを受信すると、その保留球数コマンドから第2特別図柄保留球数カウンタ203eの値を抽出し、抽出した値をRAM223の特別図柄保留球数カウンタ223bに格納する。
S211の処理により保留球数コマンドを設定した後は、第2特別図柄保留球格納エリア203bに格納されたデータをシフトする(S212)。S212の処理では、第2特別図柄保留球格納エリア203bの保留第1エリア〜保留第4エリアに格納されているデータを、実行エリア側に順にシフトさせる処理を行う。より具体的には、保留第1エリア→実行エリア、保留第2エリア→保留第1エリア、保留第3エリア→保留第2エリア、保留第4エリア→保留第3エリアといった具合に各エリア内のデータをシフトし、S213の処理へ移行する。
一方、S204の処理において、第2特別図柄保留球数カウンタ203eの値(N2)が0である場合は(S204:No)、第1特別図柄保留球数カウンタ203dの値(第1特別図柄の抽選に基づく変動表示の保留回数N1)を取得し(S205)、取得した第1特別図柄保留球数カウンタ203dの値(N1)が0よりも大きいか否かを判別する(S206)。
S206の処理において、第1特別図柄保留球数カウンタ203dの値(N1)が0であると判別した場合は(S206:No)、そのまま本処理を終了する。一方、S206の処理において、第1特別図柄保留球数カウンタ203dの値(N1)が0でない(即ち、1以上である)と判別した場合は(S206:Yes)、第1特別図柄保留球数カウンタ203dの値(N1)を1減算し(S207)、演算により変更された第1特別図柄保留球数カウンタ203dの値を示す保留球数コマンドを設定する(S208)。ここで設定された保留球数コマンドは、RAM203に設けられたコマンド送信用のリングバッファに記憶され、MPU201により実行される後述のメイン処理(図32参照)の外部出力処理(S901)の中で、音声ランプ制御装置113に向けて送信される。音声ランプ制御装置113は、保留球数コマンドを受信すると、その保留球数コマンドから第1特別図柄保留球数カウンタ203dの値を抽出し、抽出した値をRAM223の特別図柄保留球数カウンタ223bに格納する。
S208の処理により保留球数コマンドを設定した後は、第1特別図柄保留球格納エリア203aに格納されたデータを、S212の処理と同一の手法によりシフトして(S209)、処理をS213へと移行する。S212、またはS209の処理後に実行されるS213の処理では、第1図柄表示装置37において変動表示を開始するための特別図柄変動開始処理を実行し(S213)、本処理を終了する。なお、この特別図柄変動開始処理の詳細については、図26を参照して後述する。
S202の処理において、第1図柄表示装置37の表示態様が変動中であれば(S202:Yes)、第1図柄表示装置37において実行している変動表示の変動時間が経過したか否かを判別する(S214)。第1図柄表示装置37において実行される変動表示の変動時間は、変動種別カウンタCS1により選択された変動パターンに応じて決められており(変動パターンコマンドに応じて決められており)、この変動時間が経過していなければ(S214:No)、第1図柄表示装置37の表示態様を更新し(S215)、本処理を終了する。
一方、S214の処理において、実行している変動表示の変動時間が経過していれば(S214:Yes)、第1図柄表示装置37の停止図柄に対応した表示態様を設定する(S216)。停止図柄の設定は、図26を参照して後述する特別図柄変動開始処理(S213)によって予め行われる。この特別図柄変動開始処理(S213)が実行されると、実行エリアに格納された各種カウンタの値に基づいて、特別図柄の抽選が行われる。より具体的には、第1当たり乱数カウンタC1の値に応じて特別図柄の大当たりか否かが決定されると共に、特別図柄の大当たりである場合には、第1当たり種別カウンタC2の値に応じて大当たりA〜Dのいずれかが決定される。
尚、本実施形態では、大当たりAになる場合には、第1図柄表示装置37において青色のLEDを点灯させ、大当たりBになる場合には赤色のLEDを点灯させ、大当たりCとなる場合には、緑色のLEDを点灯させ、大当たりDとなる場合には、青色のLEDと緑色のLEDを点灯させる。また、外れである場合には赤色のLEDと緑色のLEDとを点灯させる。なお、各LEDの表示は、次の変動表示が開始される場合に点灯が解除されるが、変動の停止後数秒間のみ点灯させるものとしても良い。
S216の処理が終了した後は、第1図柄表示装置37において実行中の変動表示が開始されたときに、特別図柄変動開始処理によって行われた特別図柄の抽選結果(今回の抽選結果)が、特別図柄の大当たりであるかを判定する(S217)。今回の抽選結果が特別図柄の大当たりであれば(S217:Yes)、特別図柄の大当たりの開始を設定して(S218)、S223の処理へと移行する。S218の処理によって、特別図柄の大当たりの開始が設定されると、メイン処理(図32参照)の大当たり制御処理(S904)が実行された場合に、S1001:Yesへ分岐して、オープニングコマンドが設定される(S1003)。その結果、第3図柄表示装置81において、大当たり演出が開始される。
S217の処理において、今回の抽選結果が特別図柄の外れであれば(S217:No)、確変カウンタ203gの値が1以上であるかを判定し(S219)、確変カウンタ203gの値が1以上であれば(S219:Yes)、確変カウンタ203gの値を1減算して(S220)、S221の処理へ移行する。一方、確変カウンタ203gの値が0であれば(S219:No)、S220の処理をスキップして、S221の処理へ移行する。S221の処理では、時短中カウンタ203rの値が1以上であるかを判定し(S221)、時短中カウンタ203rの値が1以上であれば(S221:Yes)、時短中カウンタ203rの値を1減算して(S222)、S223の処理へ移行する。一方、時短中カウンタ203rの値が0であれば(S221:No)、S222の処理をスキップして、S223の処理へ移行する。S223の処理では、停止コマンドを設定し(S223)、その後、本処理を終了する。なお、図示については省略したが、S220の処理により減算された確変カウンタ203gの値が0となった場合や、S222の処理により減算された時短中カウンタ203rの値が0となった場合には、遊技状態が変更されたことを音声ランプ制御装置113に通知するための状態コマンドを設定する。
ここで設定された状態コマンドは、RAM203に設けられたコマンド送信用のリングバッファに記憶され、MPU201により実行される後述のメイン処理(図32参照)の外部出力処理(S901)の中で、音声ランプ制御装置113に向けて送信される。音声ランプ制御装置113は、状態コマンドを受信すると、状態コマンドに含まれる遊技状態を取得する。これにより、音声ランプ制御装置113の把握する状態を、実際のパチンコ機10の状態に一致させることができる。
次に、図26を参照して、主制御装置110内のMPU201により実行される特別図柄変動開始処理(S213)について説明する。図26は、特別図柄変動開始処理(S213)を示したフローチャートである。この特別図柄変動開始処理(S213)は、タイマ割込処理(図24参照)の特別図柄変動処理(図25参照)の中で実行される処理であり、第1特別図柄保留球格納エリア203aおよび第2特別図柄保留球格納エリア203bの実行エリアに格納された各種カウンタの値に基づいて、「特別図柄の大当たり」又は「特別図柄の外れ」の抽選(当否判定)を行うと共に、第1図柄表示装置37および第3図柄表示装置81で行われる変動演出の演出パターン(変動パターン)を決定するための処理である。
特別図柄変動開始処理では、まず、第1特別図柄保留球格納エリア203a、または第2特別図柄保留球格納エリア203bの実行エリアに格納されている第1当たり乱数カウンタC1、第1当たり種別カウンタC2、及び、停止種別選択カウンタC3の各値を取得する(S301)。
次に、確変カウンタ203gの値を読み出して、パチンコ機10が特別図柄の確変状態であるかを判定する(S302)。このS302の処理では、確変カウンタ203gの値が1以上ならば特別図柄の確変状態であると判定し、確変カウンタ203gの値が0であれば、特別図柄の低確率状態(確変状態でない)と判定する。S302の処理において、パチンコ機10が特別図柄の確変状態であると判定した場合は(S302:Yes)、S301の処理で取得した第1当たり乱数カウンタC1の値と、高確率時用の特別図柄大当たり乱数テーブルとに基づいて、特別図柄の大当たりか否かの抽選結果を取得する(S303)。具体的には、第1当たり乱数カウンタC1の値を、高確率時用の第1当たり乱数テーブル(図12(a)参照)に格納されている10の乱数値と1つ1つ比較する。上述したように、特別図柄の大当たりとなる乱数値としては、「1〜10」の10個が設定されており、第1当たり乱数カウンタC1の値と、これらの当たりとなる乱数値とが一致する場合に、特別図柄の大当たりであると判定する。特別図柄の抽選結果を取得したら、S305の処理へ移行する。
一方、S302の処理において、パチンコ機10が特別図柄の確変状態でない(特別図柄の低確率状態である)と判定した場合は(S302:No)、S301の処理で取得した第1当たり乱数カウンタC1の値と、低確率時用の第1当たり乱数テーブル(図12(a)参照)とに基づいて、特別図柄の大当たりか否かの抽選結果を取得する(S304)。具体的には、第1当たり乱数カウンタC1の値を、低確率時用の特別図柄大当たり乱数テーブルに格納されている乱数値「0」と比較する。第1当たり乱数カウンタC1の値が、当たりとなる乱数値(即ち、「0」)と一致する場合に、特別図柄の大当たりであると判定する。特別図柄の抽選結果を取得したら、S305の処理へ移行する。
そして、S303またはS304の処理によって取得した特別図柄の抽選結果が、特別図柄の大当たりであるかを判定し(S305)、特別図柄の大当たりであると判定された場合には(S305:Yes)、S301の処理で取得した第1当たり種別カウンタC2の値に基づいて、大当たり時の表示態様を設定する(S306)。より具体的には、S301の処理で取得した第1当たり種別カウンタC2の値と、第1当たり種別選択テーブル202bに格納されている乱数値とを比較し、大当たり種別が何であるかを判定する。上述したように、第1特別図柄の抽選で大当たりとなった場合は、第1当たり種別カウンタC2の値が「0〜49」の範囲にあれば、大当たりA(8ラウンド大当たり)であると判定し、「50〜99」の範囲にあれば、大当たりB(8ラウンド大当たり)であると判定する(図12(b)参照)。一方、第2特別図柄の抽選で大当たりとなった場合は、第1当たり種別カウンタC2の値が「0〜49」の範囲にあれば、大当たりC(15ラウンド大当たり)であると判定し、「50〜99」の範囲にあれば、大当たりD(15ラウンド大当たり)であると判定する(図12(b)参照)。
このS306の処理では、判定された大当たり種別(大当たりA、大当たりB、大当たりC、大当たりD)に応じて、第1図柄表示装置37の表示態様(LED37aの点灯状態)が設定される。また、大当たり種別に対応した停止図柄を、第3図柄表示装置81において停止表示させるべく、大当たり種別(大当たりA、大当たりB、大当たりC、大当たりD)が停止種別として設定される。
次に、大当たり時の変動パターンを決定する(S307)。S307の処理で変動パターンが設定されると、第1図柄表示装置37における変動演出の変動時間(表示時間)が設定されると共に、第3図柄表示装置81において大当たり図柄で停止するまでの第3図柄の変動時間が決定される。このとき、RAM203のカウンタ用バッファに格納されている変動種別カウンタCS1の値と、変動パターンテーブル202d(図13(a)参照)とを比較し、変動種別カウンタCS1の値に対応する変動パターン(変動時間)を決定する。
一方、S305の処理において、特別図柄の外れであると判定された場合には(S305:No)、外れ時の表示態様を設定する(S308)。S308の処理では、第1図柄表示装置37の表示態様を外れ図柄に対応した表示態様に設定すると共に、実行エリアに格納されている停止種別選択カウンタC3の値に基づいて、第3図柄表示装置81において表示させる停止種別として、前後外れリーチであるか、前後外れ以外リーチであるか、完全外れであるかを設定する。
ここでは、パチンコ機10が特別図柄の確変状態であれば、S301の処理で取得した停止種別選択カウンタC3の値と、高確率時用の停止種別選択テーブルに格納されている乱数値とを比較して、停止種別を設定する。具体的には、停止種別選択カウンタC3の値が「0〜89」の範囲にあれば、完全外れを設定し、「90〜97」の範囲にあれば前後外れ以外リーチを設定し、「98,99」であれば前後外れリーチを設定する。一方、パチンコ機10が特別図柄の通常状態であれば、停止種別選択カウンタC3の値と、低確率時用の停止種別選択テーブルに格納されている乱数値とを比較して、停止種別を設定する。具体的には、停止種別選択カウンタC3の値が「0〜79」の範囲にあれば、完全外れを設定し、「80〜97」の範囲にあれば前後外れ以外リーチを設定し、「98,99」であれば前後外れリーチを設定する。
次に、外れ時の変動パターンを決定する(S309)。ここでは、第1図柄表示装置37の表示時間が設定されると共に、第3図柄表示装置81において外れ図柄で停止するまでの第3図柄の変動時間が決定される。このとき、S307の処理と同様に、RAM203のカウンタ用バッファに格納されている変動種別カウンタCS1の値と、変動パターンテーブル202dとを比較し、変動種別カウンタCS1の値に対応する変動パターン(変動時間)を決定する。
S307の処理またはS309の処理が終わると、次に、S307の処理またはS309の処理で決定した変動パターンを表示制御装置114へ通知するための変動パターンコマンドを設定する(S310)。次いで、S306又はS308の処理で設定された停止種別を表示制御装置114へ通知するための停止種別コマンドを設定する(S311)。これらの変動パターンコマンドおよび停止種別コマンドは、RAM203に設けられたコマンド送信用のリングバッファに記憶され、メイン処理(図32参照)のS901の処理で、これらのコマンドが音声ランプ制御装置113に送信される。音声ランプ制御装置113は、停止種別コマンドをそのまま表示制御装置114へ送信する。S311の処理が終わると、特別図柄変動処理へ戻る。
次に、図27のフローチャートを参照して、主制御装置110内のMPU201により実行される始動入賞処理(S105)を説明する。図27は、この始動入賞処理(S105)を示すフローチャートである。この始動入賞処理(S105)は、タイマ割込処理(図24参照)の中で実行され、第1入球口64、および第2入球口640への入賞(始動入賞)の有無を判断し、始動入賞があった場合に、各種カウンタが示す値の保留処理を実行するための処理である。
始動入賞処理が実行されると、まず、球が第1入球口64に球が入賞(始動入賞)したか否かを判定する(S401)。ここでは、第1入球口64への入球を3回のタイマ割込処理にわたって検出する。そして、球が第1入球口64に入賞したと判別されると(S401:Yes)、第1特別図柄保留球数カウンタ203dの値(特別図柄における変動表示の保留回数N1)を取得する(S402)。そして、第1特別図柄保留球数カウンタ203dの値(N1)が上限値(本実施形態では4)未満であるか否かを判定する(S403)。
そして、球が第1入球口64への入賞がないか(S401:No)、或いは、球が第1入球口64への入賞があっても第1特別図柄保留球数カウンタ203dの値(N1)が4未満でなければ(S403:No)、処理をS407へと移行する。一方、第1入球口64への入賞があり(S401:Yes)、且つ、第1特別図柄保留球数カウンタ203dの値(N1)が4未満であれば(S403:Yes)、第1特別図柄保留球数カウンタ203dの値(N1)を1加算する(S404)。そして、演算により変更された第1特別図柄保留球数カウンタ203dの値を示す保留球数コマンドを設定する(S405)。
ここで設定された保留球数コマンドは、RAM203に設けられたコマンド送信用のリングバッファに記憶され、MPU201により実行される後述のメイン処理(図32参照)の外部出力処理(S901)の中で、音声ランプ制御装置113に向けて送信される。音声ランプ制御装置113は、保留球数コマンドを受信すると、その保留球数コマンドから第1特別図柄保留球数カウンタ203dの値を抽出し、抽出した値をRAM223の特別図柄保留球数カウンタ223bに格納する。
S405の処理により保留球数コマンドを設定した後は、上述したタイマ割込処理のS103で更新した第1当たり乱数カウンタC1、第1当たり種別カウンタC2及び変動種別カウンタCS1の各値を、RAM203の第1特別図柄保留球格納エリア203aの空き保留エリア(保留第1エリア〜保留第4エリア)のうち最初のエリアに格納して(S406)、処理をS407へと移行する。尚、S406の処理では、第1特別図柄保留球カウンタ203dの値を参照し、その値が0であれば、保留第1エリアを最初のエリアとする。同様に、その値が1であれば保留第2エリアを、その値が2であれば保留第3エリアを、その値が3であれば保留第4エリアを、それぞれ最初のエリアとする。
S407の処理では、球が第2入球口640に入賞(始動入賞)したか否かを判定する(S407)。本処理でも、S401の処理と同様に、第2入球口640への入球を3回のタイマ割込処理にわたって検出する。そして、球が第2入球口640に入賞したと判別されると(S407:Yes)、第2特別図柄保留球数カウンタ203eの値(特別図柄における変動表示の保留回数N2)を取得し(S408)、第2特別図柄保留球数カウンタ203eの値(N2)が上限値(本実施形態では4)未満であるか否かを判定する(S409)。
そして、第2入球口640への入賞がないか(S407:No)、或いは、第2入球口640への入賞があっても第2特別図柄保留球数カウンタ203eの値(N2)が4未満でない(即ち、4である)と判定した場合は(S409:No)、そのまま本処理を終了し、タイマ割込処理へ戻る。一方、第2入球口640への入賞があり(S407:Yes)、且つ、第2特別図柄保留球数カウンタ203eの値(N2)が4未満であれば(S409:Yes)、第2特別図柄保留球数カウンタ203eの値(N2)に1を加算する(S410)。そして、演算により変更された第2特別図柄保留球数カウンタ203eの値を示す保留球数コマンドを設定する(S411)。
ここで設定された保留球数コマンドは、RAM203に設けられたコマンド送信用のリングバッファに記憶され、MPU201により実行される後述のメイン処理(図32参照)の外部出力処理(S901)の中で、音声ランプ制御装置113に向けて送信される。音声ランプ制御装置113は、保留球数コマンドを受信すると、その保留球数コマンドから第2特別図柄保留球数カウンタ203eの値を抽出し、抽出した値をRAM223の特別図柄保留球数カウンタ223bに格納する。
S411の処理により保留球数コマンドを設定した後は、上述したタイマ割込処理のS103の処理で更新した第1当たり乱数カウンタC1、第1当たり種別カウンタC2及び変動種別カウンタCS1の各値を、RAM203の第2特別図柄保留球格納エリア203bの空き保留エリア(保留第1エリア〜保留第4エリア)のうち最初のエリアに格納し(S412)、本処理を終了してタイマ割込処理へ戻る。尚、S412の処理では、S406の処理と同様に、第2特別図柄保留球格納エリア203eの値を参照し、その値が0であれば、保留第1エリアを最初のエリアとする。同様に、その値が1であれば保留第2エリアを、その値が2であれば保留第3エリアを、その値が3であれば保留第4エリアを、それぞれ最初のエリアとする。
次に、図28を参照して、主制御装置110内のMPU201により実行される普通図柄変動処理(S106)について説明する。図28は、この普通図柄変動処理(S106)を示すフローチャートである。この普通図柄変動処理(S106)は、タイマ割込処理(図24参照)の中で実行され、第2図柄表示装置83において行う普通図柄(第2図柄)の変動表示や、第2入球口640に付随する電動役物640aの開放時間などを制御するための処理である。
この普通図柄変動処理(S106)では、まず、今現在が、普通図柄(第2図柄)の当たり中であるか否かを判定する(S501)。普通図柄(第2図柄)の当たり中としては、第2図柄表示装置83において当たりを示す表示がなされている最中と、第2入球口640に付随する電動役物640aの開閉制御がなされている最中とが含まれる。判定の結果、普通図柄(第2図柄)の当たり中であれば(S501:Yes)、そのまま本処理を終了する。
一方、普通図柄(第2図柄)の当たり中でなければ(S501:No)、第2図柄表示装置83の表示態様が変動中であるか否かを判定し(S502)、第2図柄表示装置83の表示態様が変動中でなければ(S502:No)、普通図柄保留球数カウンタ203fの値(普通図柄における変動表示の保留回数M)を取得する(S503)。次に、普通図柄保留球数カウンタ203fの値(M)が0よりも大きいか否かを判別し(S504)、普通図柄保留球数カウンタ203fの値(M)が0であれば(S504:No)、そのまま本処理を終了する。一方、普通図柄保留球数カウンタ203fの値(M)が0でなければ(S504:Yes)、普通図柄保留球数カウンタ203fの値(M)を1減算する(S505)。
次に、普通図柄保留球格納エリア203cに格納されたデータをシフトする(S506)。S506の処理では、普通図柄保留球格納エリア203cの保留第1エリア〜保留第4エリアに格納されているデータを、実行エリア側に順にシフトさせる処理を行う。より具体的には、保留第1エリア→実行エリア、保留第2エリア→保留第1エリア、保留第3エリア→保留第2エリア、保留第4エリア→保留第3エリアといった具合に各エリア内のデータをシフトする。データをシフトした後は、普通図柄保留球格納エリア203cの実行エリアに格納されている第2当たり乱数カウンタC4の値を取得する(S507)。
次に、普通図柄の時短状態であるか否かを判定する(S508)。なお、上述した通り、本実施形態におけるパチンコ機10では、遊技状態が確変状態、または時短状態の場合に、普通図柄の時短状態が設定される。よって、S508の処理では、RAM203の確変カウンタ203gの値が1以上であるか、または時短中カウンタ203rの値が1以上であれば普通図柄の時短状態であると判定し、どちらのカウンタの値も0であれば、普通図柄の通常状態であると判定する。
S508の処理において、普通図柄の時短状態であると判定した場合は(S508:Yes)、今現在が、特別図柄の大当たり中であるか否かを判定する(S509)。特別図柄の大当たり中としては、第1図柄表示装置37及び第3図柄表示装置81において特別図柄の大当たり(特別図柄の大当たり遊技中も含む)を示す表示がなされている最中と、特別図柄の大当たり遊技終了後の所定時間の最中とが含まれる。判定の結果、特別図柄の大当たり中であれば(S509:Yes)、S511の処理に移行する。本実施形態では、特別図柄の大当たり中は、普通図柄の抽選が当たりとなりにくくなるように構成されている。これは、特別図柄の大当たり中(即ち、特別遊技状態中)は、遊技者が特定入賞口65aに入賞させようとして球を打つので、第2入球口640に付随する電動役物640aが開放されて、第2特定入賞口650aに入賞させようとした球が、第2入球口640に入ることをできるだけ抑制するためである。
S509の処理において、特別図柄の大当たり中でなければ(S509:No)、パチンコ機10が特別図柄の大当たり中でなくて、パチンコ機10が普通図柄の時短状態であるので、S507の処理で取得した第2当たり乱数カウンタC4の値と、高確率時用の普通図柄当たり乱数テーブルと基づいて、普通図柄の当たりか否かの抽選結果を取得する(S510)。具体的には、第2当たり乱数カウンタC4の値と、高確率時用の普通図柄当たり乱数テーブルに格納されている乱数値と比較する。上述したように、第2当たり種別カウンタC4の値が「5〜204」の範囲にあれば、普通図柄の当たりであると判定し、「0〜4,205〜239」の範囲にあれば、普通図柄の外れであると判定する(図12(c)参照)。
S508の処理において、普通図柄の時短状態でないと判定した場合は(S508:No)、S511の処理へ移行する。S511の処理では、パチンコ機10が特別図柄の大当たり中であるか、又は、パチンコ機10が普通図柄の通常状態であるので、S507の処理で取得した第2当たり乱数カウンタC4の値と、低確率時用の普通図柄当たり乱数テーブルとに基づいて、普通図柄の当たりか否かの抽選結果を取得する(S511)。具体的には、第2当たり乱数カウンタC4の値と、低確率時用の普通図柄当たり乱数テーブルに格納されている乱数値と比較する。上述したように、第2当たり種別カウンタC4の値が「0」の範囲にあれば、普通図柄の当たりであると判定し、「1〜239」の範囲にあれば、普通図柄の外れであると判定する(図12(c)参照)。
次に、S510またはS511の処理によって取得した普通図柄の抽選結果が、普通図柄の当たりであるかを判定し(S512)、普通図柄の当たりであると判定された場合には(S512:Yes)、当たり時の表示態様を設定する(S513)。このS513の処理では、第2図柄表示装置83における変動表示が終了した後に、停止図柄(第2図柄)として「○」の図柄が点灯表示されるように設定する。
そして、普通図柄の時短状態であるかを判定し(S514)、普通図柄の時短状態であれば(S514:Yes)、今現在が、特別図柄の大当たり中であるか否かを判定する(S515)。判定の結果、特別図柄の大当たり中であれば(S515:Yes)、S517の処理に移行する。本実施形態では、特別図柄の大当たり中は、球が第2入球口640に入ることをできるだけ抑制するために、普通図柄の当たりになった場合でも、普通図柄の外れとなった場合と同様に、電動役物640aの開放回数、および開放時間が設定される。
S515の処理において、特別図柄の大当たり中でなければ(S515:No)、パチンコ機10が特別図柄の大当たり中でなくて、パチンコ機10が普通図柄の時短状態であるので、第2入球口640に付随する電動役物640aの開放期間を1秒間に設定すると共に、その開放回数を3回に設定し(S516)、S519の処理へ移行する。S514の処理において、普通図柄の時短状態ではない場合は(S514:No)、S517の処理へ移行する。S517の処理では、パチンコ機10が特別図柄の大当たり中であるか、又は、パチンコ機10が普通図柄の通常状態であるので、第2入球口640に付随する電動役物640aの開放期間を0.2秒間に設定すると共に、その開放回数を1回に設定し(S517)、S519の処理へ移行する。
S512の処理において、普通図柄の外れであると判定された場合には(S512:No)、外れ時の表示態様を設定する(S518)。このS518の処理では、第2図柄表示装置83における変動表示が終了した後に、停止図柄(第2図柄)として「×」の図柄が点灯表示されるように設定する。外れ時の表示態様の設定が終了したら、S519の処理へ移行する。
S519の処理では、普通図柄の時短状態であるかを判定し(S519)、普通図柄の時短状態である(即ち、確変カウンタ203gの値が1以上であるか、時短中カウンタ203rの値が1以上である)と判定した場合は(S519:Yes)、第2図柄表示装置83における変動表示の変動時間を3秒間に設定して(S520)、本処理を終了する。一方、普通図柄の時短状態でない(即ち、確変カウンタ203g、時短中カウンタ203rの値が共に0である)と判定した場合は(S519:No)、第2図柄表示装置83における変動表示の変動時間を30秒間に設定して(S521)、本処理を終了する。このように、特別図柄の大当たり中を除き、普通図柄の高確率時には、普通図柄の低確率時と比較して、変動表示の時間が「30秒→3秒」と非常に短くなり、更に、第2入球口640の開放期間が「0.2秒×1回→1秒間×3回」と非常に長くなるので、第2入球口640へ球が入球し易い状態となる。
S502の処理において、第2図柄表示装置83の表示態様が変動中であれば(S502:Yes)、第2図柄表示装置83において実行している変動表示の変動時間が経過したか否かを判別する(S522)。尚、ここでの変動時間は、第2図柄表示装置83において変動表示が開始される前に、S520の処理またはS521の処理によって予め設定された時間である。
S522の処理において、変動時間が経過していなければ(S522:No)、本処理を終了する。一方、S522の処理において、実行している変動表示の変動時間が経過していれば(S522:Yes)、第2図柄表示装置83の停止表示を設定する(S523)。S523の処理では、普通図柄の抽選が当たりとなって、S513の処理により表示態様が設定されていれば、第2図柄としての「○」図柄が、第2図柄表示装置83において停止表示(点灯表示)されるように設定される。一方、普通図柄の抽選が外れとなって、S518の処理により表示態様が設定されていれば、第2図柄としての「×」図柄が、第2図柄表示装置83において停止表示(点灯表示)されるように設定される。S523の処理により、停止表示が設定されると、次にメイン処理(図32参照)の第2図柄表示更新処理(S907参照)が実行された場合に、第2図柄表示装置83における変動表示が終了し、S513の処理またはS518の処理で設定された表示態様で、停止図柄(第2図柄)が第2図柄表示装置83に停止表示(点灯表示)される。
次に、第2図柄表示装置83において実行中の変動表示が開始されたときに、普通図柄変動処理によって行われた普通図柄の抽選結果(今回の抽選結果)が、普通図柄の当たりであるかを判定する(S524)。今回の抽選結果が普通図柄の当たりであれば(S524:Yes)、第2入球口640に付随する電動役物640aの開閉制御開始を設定し(S525)、本処理を終了する。S525の処理によって、電動役物640aの開閉制御開始が設定されると、次にメイン処理(図32参照)の電動役物開閉処理(S905参照)が実行された場合に、電動役物640aの開閉制御が開始され、S516の処理またはS517の処理で設定された開放時間および開放回数が終了するまで電動役物640aの開閉制御が継続される。一方、S524の処理において、今回の抽選結果が普通図柄の外れであれば(S524:No)、S525の処理をスキップして、本処理を終了する。
次に、図29のフローチャートを参照して、主制御装置110内のMPU201により実行されるスルーゲート通過処理(S107)を説明する。図29は、このスルーゲート通過処理(S107)を示すフローチャートである。このスルーゲート通過処理(S107)は、タイマ割込処理(図24参照)の中で実行され、普通入球口(スルーゲート)67における球の通過の有無を判断し、球の通過があった場合に、第2当たり乱数カウンタC4が示す値を取得し保留するための処理である。
スルーゲート通過処理では、まず、球が普通入球口67を通過したか否かを判定する(S601)。ここでは、普通入球口67における球の通過を3回のタイマ割込処理にわたって検出する。そして、球が普通入球口67を通過したと判定されると(S601:Yes)、普通図柄保留球数カウンタ203fの値(普通図柄における変動表示の保留回数M)を取得する(S602)。そして、普通図柄保留球数カウンタ203fの値(M)が上限値(本実施形態では4)未満であるか否かを判定する(S603)。
球が普通入球口67を通過していないか(S601:No)、或いは、球が普通入球口67を通過していても普通図柄保留球数カウンタ203fの値(M)が4未満でなければ(S603:No)、本処理を終了する。一方、球が普通入球口67を通過し(S601:Yes)、且つ、普通図柄保留球数カウンタ203fの値(M)が4未満であれば(S603:Yes)、普通図柄保留球数カウンタ203fの値(M)を1加算する(S604)。そして、上述したタイマ割込処理のS103で更新した第2当たり乱数カウンタC4の値を、RAM203の普通図柄保留球格納エリア203cの空き保留エリア(保留第1エリア〜保留第4エリア)のうち最初のエリアに格納して(S605)、本処理を終了する。尚、S605の処理では、普通図柄保留球カウンタ203fの値を参照し、その値が0であれば、保留第1エリアを最初のエリアとする。同様に、その値が1であれば保留第2エリアを、その値が2であれば保留第3エリアを、その値が3であれば保留第4エリアを、それぞれ最初のエリアとする。
図30は、主制御装置110内のMPU201により実行されるNMI割込処理を示すフローチャートである。NMI割込処理は、停電の発生等によるパチンコ機10の電源遮断時に、主制御装置110のMPU201により実行される処理である。このNMI割込処理により、電源断の発生情報がRAM203に記憶される。即ち、停電の発生等によりパチンコ機10の電源が遮断されると、停電信号SG1が停電監視回路252から主制御装置110内のMPU201のNMI端子に出力される。すると、MPU201は、実行中の制御を中断してNMI割込処理を開始し、電源断の発生情報の設定として、電源断の発生情報をRAM203に記憶し(S701)、NMI割込処理を終了する。
なお、上記のNMI割込処理は、払出発射制御装置111でも同様に実行され、かかるNMI割込処理により、電源断の発生情報がRAM213に記憶される。即ち、停電の発生等によりパチンコ機10の電源が遮断されると、停電信号SG1が停電監視回路252から払出制御装置111内のMPU211のNMI端子に出力され、MPU211は実行中の制御を中断して、NMI割込処理を開始するのである。
次に、図31を参照して、主制御装置110に電源が投入された場合に主制御装置110内のMPU201により実行される立ち上げ処理について説明する。図31は、この立ち上げ処理を示すフローチャートである。この立ち上げ処理は電源投入時のリセットにより起動される。立ち上げ処理では、まず、電源投入に伴う初期設定処理を実行する(S801)。例えば、スタックポインタに予め決められた所定値を設定する。次いで、サブ側の制御装置(音声ランプ制御装置113、払出制御装置111等の周辺制御装置)が動作可能な状態になるのを待つために、ウエイト処理(本実施形態では1秒)を実行する(S802)。そして、RAM203のアクセスを許可する(S803)。
その後は、電源装置115に設けたRAM消去スイッチ122(図3参照)がオンされているか否かを判別し(S804)、オンされていれば(S804:Yes)、処理をS812へ移行する。一方、RAM消去スイッチ122がオンされていなければ(S804:No)、更にRAM203に電源断の発生情報が記憶されているか否かを判別し(S805)、記憶されていなければ(S805:No)、前回の電源遮断時の処理が正常に終了しなかった可能性があるので、この場合も、処理をS812へ移行する。
RAM203に電源断の発生情報が記憶されていれば(S805:Yes)、RAM判定値を算出し(S806)、算出したRAM判定値が正常でなければ(S807:No)、即ち、算出したRAM判定値が電源遮断時に保存したRAM判定値と一致しなければ、バックアップされたデータは破壊されているので、かかる場合にも処理をS812へ移行する。なお、図32のS914の処理で後述する通り、RAM判定値は、例えばRAM203の作業領域アドレスにおけるチェックサム値である。このRAM判定値に代えて、RAM203の所定のエリアに書き込まれたキーワードが正しく保存されているか否かによりバックアップの有効性を判断するようにしても良い。
S812の処理では、サブ側の制御装置(周辺制御装置)となる払出制御装置111を初期化するために払出初期化コマンドを送信する(S812)。払出制御装置111は、この払出初期化コマンドを受信すると、RAM213のスタックエリア以外のエリア(作業領域)をクリアし、初期値を設定して、遊技球の払い出し制御を開始可能な状態となる。主制御装置110は、払出初期化コマンドの送信後は、RAM203の初期化処理(S813,S814)を実行する。
上述したように、本パチンコ機10では、例えばホールの営業開始時など、電源投入時にRAMデータを初期化する場合にはRAM消去スイッチ122を押しながら電源が投入される。従って、立ち上げ処理の実行時にRAM消去スイッチ122が押されていれば、RAMの初期化処理(S813,S814)を実行する。また、電源断の発生情報が設定されていない場合や、RAM判定値(チェックサム値等)によりバックアップの異常が確認された場合も同様に、RAM203の初期化処理(S813,S814)を実行する。RAMの初期化処理(S813,S814)では、RAM203の使用領域を0クリアし(S813)、その後、RAM203の初期値を設定する(S814)。
S814の処理が終了した後は、処理をS810へと移行する。
一方、RAM消去スイッチ122がオンされておらず(S804:No)、電源断の発生情報が記憶されており(S805:Yes)、更にRAM判定値(チェックサム値等)が正常であれば(S807:Yes)、RAM203にバックアップされたデータを保持したまま、電源断の発生情報をクリアする(S808)。次に、サブ側の制御装置(周辺制御装置)を駆動電源遮断時の遊技状態に復帰させるための復電時の払出復帰コマンドを送信し(S809)、S810の処理へ移行する。払出制御装置111は、この払出復帰コマンドを受信すると、RAM213に記憶されたデータを保持したまま、遊技球の払い出し制御を開始可能な状態となる。
S810の処理では、演出許可コマンドを音声ランプ制御装置113へ送信し、音声ランプ制御装置113および表示制御装置114に対して各種演出の実行を許可する。S810の処理が終了した後は、割込みを許可して(S811)、後述するメイン処理に移行する。
次に、図32を参照して、上記した立ち上げ処理後に主制御装置110内のMPU201により実行されるメイン処理について説明する。図32は、このメイン処理を示すフローチャートである。このメイン処理では遊技の主要な処理が実行される。その概要として、4m秒周期の定期処理としてS901〜S907の各処理が実行され、その残余時間でS910,S911のカウンタ更新処理が実行される構成となっている。
メイン処理においては、まず、タイマ割込処理(図24参照)の実行中に、RAM203に設けられたコマンド送信用のリングバッファに記憶されたコマンド等の出力データをサブ側の各制御装置(周辺制御装置)に送信する外部出力処理を実行する(S901)。具体的には、タイマ割込処理(図24参照)におけるS101のスイッチ読み込み処理で検出した入賞検知情報の有無を判別し、入賞検知情報があれば払出制御装置111に対して獲得球数に対応する賞球コマンドを送信する。また、特別図柄変動処理(図25参照)や始動入賞処理(図27参照)で設定された保留球数コマンドを音声ランプ制御装置113に送信する。また、始動入賞処理で設定された入賞情報コマンドを音声ランプ制御装置113に送信する。また、遊技状態が変更された場合に、その遊技状態の変更を通知するための状態コマンドを音声ランプ制御装置113に送信する。更に、この外部出力処理により、第3図柄表示装置81による第3図柄の変動表示に必要な変動パターンコマンド、停止種別コマンド等を音声ランプ制御装置113に送信する。また、大当たり制御処理(図33参照)で設定されたオープニングコマンド、ラウンド数コマンド、エンディングコマンドを音声ランプ制御装置113へ送信する。加えて、球の発射を行う場合には、発射制御装置112へ球発射信号を送信する。
次に、変動種別カウンタCS1の値を更新する(S902)。具体的には、変動種別カウンタCS1を1加算すると共に、そのカウンタ値が最大値(本実施形態では256)に達した際、0にクリアする。そして、変動種別カウンタCS1の更新値を、RAM203の該当するバッファ領域に格納する。
変動種別カウンタCS1の更新が終わると、払出制御装置111より受信した賞球計数信号や払出異常信号を読み込み(S903)、次いで、特別図柄の大当たり状態である場合に、大当たり演出の実行や、可変入賞装置65の特定入賞口(大開放口)65aを開放又は閉鎖するための大当たり制御処理を実行する(S904)。大当たり制御処理では、大当たりのラウンド毎に特定入賞口(大開放口)65aを開放し、最大開放時間が経過したか、又は球が規定数入賞したかを判定する。そして、これら何れかの条件が成立すると特定入賞口65aを閉鎖する。ここで、本実施形態では、大当たり制御処理(S904)をメイン処理において実行しているが、タイマ割込処理において実行しても良い。この大当たり制御処理(S904)の詳細については、図33を参照して後述する。
次に、第2入球口640に付随する電動役物640aの開閉制御を行う電動役物開閉処理を実行する(S905)。電動役物開閉処理では、普通図柄変動処理(図28参照)のS525の処理によって電動役物640aの開閉制御開始が設定された場合に、電動役物640aの開閉制御を開始する。尚、この電動役物640aの開閉制御は、普通図柄変動処理(図28参照)におけるS516の処理またはS517の処理で設定された開放時間および開放回数が終了するまで継続される。
次に、第1図柄表示装置37の表示を更新する第1図柄表示更新処理を実行する(S906)。第1図柄表示更新処理では、特別図柄変動開始処理(図26参照)のS307の処理またはS309の処理によって変動パターンが設定された場合に、その変動パターンに応じた変動表示を、第1図柄表示装置37において開始する。本実施形態では、第1図柄表示装置37のLED37aの内、変動が開始されてから変動時間が経過するまでは、例えば、現在点灯しているLEDが赤であれば、その赤のLEDを消灯すると共に緑のLEDを点灯させ、緑のLEDが点灯していれば、その緑のLEDを消灯すると共に青のLEDを点灯させ、青のLEDが点灯していれば、その青のLEDを消灯すると共に赤のLEDを点灯させる。
なお、メイン処理は4ミリ秒毎に実行されるが、そのメイン処理の実行毎にLEDの点灯色を変更すると、LEDの点灯色の変化を遊技者が確認することができない。そこで、遊技者がLEDの点灯色の変化を確認することができるように、メイン処理が実行される毎にカウンタ(図示せず)を1カウントし、そのカウンタが100に達した場合に、LEDの点灯色の変更を行う。即ち、0.4s毎にLEDの点灯色の変更を行う。尚、カウンタの値は、LEDの点灯色が変更されたら、0にリセットされる。
また、第1図柄表示更新処理では、特別図柄変動開始処理(図26参照)のS307の処理またはS309の処理によって設定された変動パターンに対応する変動時間が終了した場合に、第1図柄表示装置37において実行されている変動表示を終了し、特別図柄変動開始処理(図26参照)のS306の処理またはS308の処理によって設定された表示態様で、停止図柄(第1図柄)を第1図柄表示装置37に停止表示(点灯表示)する。
次に、第2図柄表示装置83の表示を更新する第2図柄表示更新処理を実行する(S907)。第2図柄表示更新処理では、普通図柄変動開始処理(図28参照)のS520の処理またはS521の処理によって普通図柄(第2図柄)の変動時間が設定された場合に、第2図柄表示装置83において変動表示を開始する。これにより、第2図柄表示装置83では、普通図柄(第2図柄)としての「○」の図柄と「×」の図柄とを交互に点灯させる変動表示が行われる。また、第2図柄表示更新処理では、普通図柄変動処理(図28参照)のS523の処理によって第2図柄表示装置83の停止表示が設定された場合に、第2図柄表示装置83において実行されている変動表示を終了し、普通図柄変動開始処理(図28参照)のS513の処理またはS518の処理によって設定された表示態様で、停止図柄(第2図柄)を第2図柄表示装置83に停止表示(点灯表示)する。
その後は、RAM203に電源断の発生情報が記憶されているか否かを判別し(S908)、RAM203に電源断の発生情報が記憶されていなければ(S908:No)、停電監視回路252から停電信号SG1は出力されておらず、電源は遮断されていない。よって、かかる場合には、次のメイン処理の実行タイミングに至ったか否か、即ち今回のメイン処理の開始から所定時間(本実施形態では4ミリ秒)が経過したか否かを判別し(S909)、既に所定時間が経過していれば(S909:Yes)、処理をS901へ移行し、上述したS901以降の各処理を繰り返し実行する。
一方、今回のメイン処理の開始から未だ所定時間(4ミリ秒)が経過していなければ(S909:No)、所定時間に至るまでの間、即ち、次のメイン処理の実行タイミングに至るまでの残余時間内において、第1初期値乱数カウンタCINI1、第2初期値乱数カウンタCINI2及び変動種別カウンタCS1の更新を繰り返し実行する(S910,S911)。
まず、第1初期値乱数カウンタCINI1と第2初期値乱数カウンタCINI2との更新を実行する(S910)。具体的には、第1初期値乱数カウンタCINI1と第2初期値乱数カウンタCINI2を1加算すると共に、そのカウンタ値が最大値(本実施形態では共に399)に達した際、0にクリアする。そして、第1初期値乱数カウンタCINI1と第2初期値乱数カウンタCINI2の更新値を、RAM203の該当するバッファ領域にそれぞれ格納する。次に、変動種別カウンタCS1の更新を、S902の処理と同一の方法によって実行する(S911)。
ここで、S901〜S907の各処理の実行時間は遊技の状態に応じて変化するため、次のメイン処理の実行タイミングに至るまでの残余時間は一定でなく変動する。故に、かかる残余時間を使用して第1初期値乱数カウンタCINI1と第2初期値乱数カウンタCINI2の更新を繰り返し実行することにより、第1初期値乱数カウンタCINI1と第2初期値乱数カウンタCINI2(即ち、第1当たり乱数カウンタC1の初期値、第2当たり乱数カウンタC4の初期値)をランダムに更新することができ、同様に変動種別カウンタCS1についてもランダムに更新することができる。
また、S908の処理において、RAM203に電源断の発生情報が記憶されていれば(S908:Yes)、停電の発生または電源のオフにより電源が遮断され、停電監視回路252から停電信号SG1が出力された結果、図30のNMI割込処理が実行されたということなので、S912以降の電源遮断時の処理が実行される。まず、各割込処理の発生を禁止し(S912)、電源が遮断されたことを示す電源断コマンドを他の制御装置(払出制御装置111や音声ランプ制御装置113等の周辺制御装置)に対して送信する(S913)。そして、RAM判定値を算出して、その値を保存し(S914)、RAM203のアクセスを禁止して(S915)、電源が完全に遮断して処理が実行できなくなるまで無限ループを継続する。ここで、RAM判定値は、例えば、RAM203のバックアップされるスタックエリア及び作業エリアにおけるチェックサム値である。
なお、S908の処理は、S901〜S907で行われる遊技の状態変化に対応した一連の処理の終了時、又は、残余時間内に行われるS910とS911の処理の1サイクルの終了時となるタイミングで実行されている。よって、主制御装置110のメイン処理において、各設定が終わったタイミングで電源断の発生情報を確認しているので、電源遮断の状態から復帰する場合には、立ち上げ処理の終了後、処理をS901の処理から開始することができる。即ち、立ち上げ処理において初期化された場合と同様に、処理をS901の処理から開始することができる。よって、電源遮断時の処理において、MPU201が使用している各レジスタの内容をスタックエリアへ退避したり、スタックポインタの値を保存しなくても、初期設定の処理(図31のS801参照)において、スタックポインタが所定値(初期値)に設定されることで、S901の処理から開始することができる。従って、主制御装置110の制御負担を軽減することができると共に、主制御装置110が誤動作したり暴走することなく正確な制御を行うことができる。
次に、図33のフローチャートを参照して、主制御装置110内のMPU201により実行される大当たり制御処理(S904)を説明する。図33は、この大当たり制御処理(S904)を示すフローチャートである。この大当たり制御処理(S904)は、メイン処理(図32参照)の中で実行され、パチンコ機10が特別図柄の大当たり状態である場合に、大当たりに応じた各種演出の実行や、特定入賞口(大開放口)65aを開放又は閉鎖するための処理である。
大当たり制御処理では、まず、特別図柄の大当たりが開始されるかを判定する(S1001)。具体的には、特別図柄変動処理(図25参照)のS215の処理が実行され、特別図柄の大当たりの開始が設定されていれば、特別図柄の大当たりが開始されると判定する。S1001の処理において、特別図柄の大当たりが開始される場合には(S1001:Yes)、オープニング選択テーブル202e(図14参照)から、今回の大当たり種別と、現在の遊技状態とに応じたオープニング種別を決定する(S1002)。そして、決定したオープニング種別を通知するためのオープニングコマンドを設定する(S1003)。なお、上述した通り、オープニング種別としてオープニングAが設定された場合には、特別排出流路65e2へと球が流下し難くなるので、大当たり後の遊技状態として確変状態が設定され難くなる。一方、オープニングBが設定された場合には、特別排出流路65e2へと球が流下し易くなるので、大当たり後の遊技状態として確変状態が設定され易くなる。
ここで設定されたオープニングコマンドは、RAM203に設けられたコマンド送信用のリングバッファに記憶され、MPU201により実行されるメイン処理(図32参照)の外部出力処理(S901)の中で、音声ランプ制御装置113に向けて送信される。音声ランプ制御装置113は、オープニングコマンドを受信すると、表示用オープニングコマンドを表示制御装置114へ送信する。表示制御装置114によって表示用オープニングコマンドが受信されると、第3図柄表示装置81においてオープニング演出が開始される。S1003の処理後は、流路ソレノイド(確変ソレノイド)65kの動作パターンを(図7参照)の開始を設定する(S1004)。次いで、確変カウンタ203g、時短中カウンタ203rの値を0にリセットし(S1005)、大当たりフラグ203sをオンに設定して(S1006)、本処理を終了する。
一方、S1001の処理において、特別図柄の大当たりの開始タイミングではないと判定された場合は(S1001:No)、特別図柄の大当たり中であるかを判定する(S1007)。特別図柄の大当たり中としては、第1図柄表示装置37及び第3図柄表示装置81において特別図柄の大当たり(特別図柄の大当たり遊技中も含む)を示す表示がなされている最中と、特別図柄の大当たり遊技終了後の所定時間の最中とが含まれる。S1007の処理において、特別図柄の大当たり中でなければ(S1007:No)、本処理を終了する。
一方、S1007の処理において、特別図柄の大当たり中であれば(S1007:Yes)、新たなラウンドの開始タイミングであるかを判定し(S1008)、新たなラウンドの開始タイミングであれば(S1008:Yes)、ラウンド数に応じた特定入賞口(大開放口)65aの動作を設定するための大当たり動作設定処理を実行し(S1009)、本処理を終了する。なお、この大当たり動作設定処理(S1009)の詳細については、図34を参照して後述する。
一方、S1008の処理において、新たなラウンドの開始タイミングでなければ(S1008:No)エンディング演出の開始タイミングであるかを判定する(S1010)。具体的には、通常時より多量の賞球の払い出しが行われる特別遊技状態(大当たりの全てのラウンド)が終了した場合に、エンディング演出の開始タイミングであると判定する。
S1010の処理において、エンディング演出の開始タイミングであると判定した場合には(S1010:Yes)、エンディングコマンドを設定し(S1011)、本処理を終了する。ここで設定されたエンディングコマンドは、RAM203に設けられたコマンド送信用のリングバッファに記憶され、MPU201により実行されるメイン処理(図32参照)の外部出力処理(S901)の中で、音声ランプ制御装置113に向けて送信される。音声ランプ制御装置113は、エンディングコマンドを受信すると、表示用エンディングコマンドを表示制御装置114へ送信する。表示制御装置114によって表示用エンディングコマンドが受信されると、第3図柄表示装置81においてエンディング演出が開始される。
一方、S1010の処理において、エンディング演出の開始タイミングでないと判定した場合には(S1010:No)、次に、今回の大当たり(特別遊技状態)の終了タイミングであるかを判定する(S1012)。即ち、エンディング演出の終了タイミングであるかを判別する。S1012の処理において、大当たり(特別遊技状態)の終了タイミングでないと判定した場合には(S1012:No)、特定入賞口(大開放口)65aへの入賞に応じた処理を行うための入賞処理を実行する(S1014)。尚、この入賞処理(S1014)の詳細については、図36を参照して後述する。入賞処理(S1014)の終了後は、特定入賞口(大開放口)65aに対して入球した球が正常に排出されたかを判別するための異常処理を実行して(S1015)、本処理を終了する。この異常処理(S1015)の詳細については、図37を参照して後述する。
一方、S1012の処理において、大当たりの終了タイミングであると判定した場合には(S1012:Yes)、次いで、大当たり終了後の遊技状態を設定するための大当たり終了処理を実行し(S1013)、本処理を終了する。尚、この大当たり終了処理(S1013)の詳細については、図35を参照して後述する。
次に、図34のフローチャートを参照して、主制御装置110内のMPU201により実行される大当たり動作設定処理(S1009)の詳細について説明する。図34は、この大当たり動作設定処理(S1009)を示すフローチャートである。この大当たり動作設定処理(S1009)は、大当たり制御処理(図33参照)の中で実行され、上述した通り、ラウンド数に応じた大開放口(第1大開放口65a、第2大開放口650a)の動作、および振分回転体661の動作を設定するための処理である。
この大当たり動作設定処理(図34参照)が開始されると、まず、ラウンド数に対応した開放動作を読み込むと共に(S1101)、大開放口65aの開放を設定して(S1102)、本処理を終了する。この大当たり動作設定処理(図34参照)を実行することにより、大当たり種別に応じた開放パターンを正確に設定することができる。
次に、図35のフローチャートを参照して、主制御装置110内のMPU201により実行される大当たり終了処理(S1013)の詳細について説明する。図35は、この大当たり終了処理(S1013)を示すフローチャートである。この大当たり終了処理(S1013)は、大当たり制御処理(図33参照)の中で実行され、上述した通り、大当たり終了後の遊技状態を設定するための処理である。
この大当たり終了処理(S1013)では、まず、確変設定フラグ203hがオンであるかを判別する(S1201)。S1201の処理において、確変設定フラグ203hがオンであると判別した場合は(S1201:Yes)、大当たり中に確変スイッチ65e3を球が通過したことを意味するので、確変カウンタ203gの値に50を設定することで大当たり後に50回の確変状態を設定し(S1202)、S1204の処理へ移行する。一方、S1201の処理において、確変設定フラグ203hがオフであれば(S1201:No)、時短中カウンタ203rの値に100を設定し(S1203)、S1204の処理へ移行する。
S1204の処理では、S1202、またはS1203の処理で更新後の確変カウンタ203g、時短中カウンタ203rの各値から、大当たり終了後の遊技状態を音声ランプ制御装置113に対して通知するための状態コマンドを設定する(S1204)。次いで、大当たりフラグ203sおよび確変設定フラグ203hを共にオフに設定して(S1205)、本処理を終了する。
この大当たり終了処理(図35参照)を実行することにより、大当たり中に確変スイッチ65e3を球が通過したか否かに応じて大当たり終了後の遊技状態を正確に設定することができる。
次に、図36のフローチャートを参照して、主制御装置110内のMPU201により実行される入賞処理(S1014)の詳細について説明する。図36は、この入賞処理(S1014)を示すフローチャートである。この入賞処理(S1014)は、大当たり制御処理(図33参照)の中で実行され、上述した通り、特定入賞口(大開放口)65aへの入賞に応じた制御を行うための処理である。
この入賞処理(S1014)では、まず、現在がラウンド有効期間であるかを判別する(S1301)。ここで、ラウンド有効期間とは、ラウンド遊技が設定されている期間、即ち、特定入賞口(大開放口)65aの開放状態からインターバル期間(3秒)が終了するまでの期間である。S1301の処理において、ラウンド有効期間でなければ(S1301:No)、そのまま本処理を終了する。
一方、S1301の処理において、現在がラウンド有効期間であると判別した場合は(S1301:Yes)、次いで、特定入賞口(大開放口)65aへの入賞を検出したかを判別し(S1302)、特定入賞口(大開放口)65aに対する入賞を検出していれば(S1302:Yes)、入賞個数カウンタ203jの値に1を加算して更新し(S1303)、S1304の処理へ移行する。これに対し、S1302の処理において、特定入賞口(大開放口)65aへの入賞を検出していなければ(S1302:No)、S1303の処理をスキップし、S1304の処理へ移行する。
S1304の処理では、入賞個数カウンタ203jの値が10以上であるかを判別し(S1304)、入賞個数カウンタ203jの値が10以上であれば(S1304:Yes)、S1306の処理へ移行する。一方、S1304の処理において、入賞個数カウンタ203jの値が9以下であると判別した場合は(S1304:No)、ラウンド時間が経過したかを判別し(S1305)、ラウンド時間が経過していれば(S1305:Yes)、S1306の処理へと移行する。
S1306の処理では、特定入賞口(大開放口)65aの閉鎖を設定し(S1306)、残球タイマフラグ203mをオンに設定して(S1307)、S1308の処理へ移行する。また、S1304の処理において入賞個数カウンタの値が9以下と判別され(S1304)、且つ、S1305の処理においてラウンド時間が経過していないと判別された場合には(S1305:No)、S1306、およびS1307の処理をスキップして、処理をS1308へと移行する。
S1308の処理では、動作カウンタ203kの値が1以上の値であるかを判定し(S1308)、動作カウンタ203kの値が1以上であれば(S1308:Yes)、動作カウンタ203kの値から1を減算して(S1309)、S1310の処理へ移行する。
一方、S1308の処理において動作カウンタ203kの値が0であると判定した場合は(S1308:No)、次いで、確変有効フラグ203oがオンであるかを判別する(S1316)。S1316の処理において、確変有効フラグ203oがオフであれば(S1316:No)、そのまま本処理を終了する。
一方、確変有効フラグ203oがオンであれば(S1316:Yes)、確変有効タイマ203pの値に1を加算し(S1317)、次いで、確変有効タイマ203pの値が上限値(本実施形態では1.2秒)であるかを判別する(S1318)。そして、確変有効タイマ203pの値が上限値でなければ(S1318:No)、S1310の処理へ移行し、確変スイッチ65e3を監視して確変設定フラグ203hを更新する処理を実行する。これにより、確変有効タイマ203pが上限値でないと、確変スイッチ65e3を球が通過したか判別されるので、球はけの時間を考慮して確変状態を設定できる。また、有効と判別される時間に上限があるので、不正に確変スイッチ65e3に球を通過させて確変状態が付与されることを抑制できる。
一方、確変有効タイマ203pの値が上限値であれば(S1318:Yes)、確変有効フラグ203oをオフに設定し(S1319)、確変有効タイマ203pの値をリセットして(S1320)、本処理を終了する。
また、S1310の処理では、球が確変スイッチ65e3を通過したか否かを判別し(S1310)、球が確変スイッチe3を通過していなければ(S1310:No)、S1313の処理へ移行する。一方、球が確変スイッチ65e3を通過していれば(S1310:Yes)、確変通過カウンタ203iの値に1を加算し(S1311)、確変設定フラグ203hをオンに設定して(S1312)、S1313処理へ移行する。
S1313の処理では、動作カウンタ203kの値が0か否かを判別し(S1313)、動作カウンタ203kの値が0でないと判別した場合は(S1313:No)、そのまま本処理を終了する。一方、動作カウンタ203kの値が0であれば(S1313:Yes)、流路ソレノイド(確変ソレノイド)65kをオフに設定し(S1314)、確変有効フラグ203oをオンに設定して(S1315)、本処理を終了する。
次に、図37のフローチャートを参照して、主制御装置110内のMPU201により実行される異常処理(S1015)を説明する。図37は、この異常処理(S1015)を示すフローチャートである。この異常処理(S1015)は、大当たり制御処理(図33参照)の中で実行される処理であり、上述した通り、特定入賞口(大開放口)65aに対して入球した球が正常に排出されたかを判別するための処理である。
異常処理(S1015)では、まず、現在がラウンド有効期間であるかを判別し(S1401)、ラウンド有効期間でなければ(S1401:No)、そのまま本処理を終了する。一方、ラウンド有効期間であると判別した場合は(S1401:Yes)、次いで、球が球排出口スイッチ65e4(図6(b)参照)を通過したかを判別する(S1402)。
S1402の処理において、球が球排出口スイッチ65e4を通過したと判別した場合は(S1402:Yes)、排出個数カウンタ203qの値に1を加算し(S1403)、S1404の処理へ移行する。一方、S1402の処理において、球が球排出口スイッチ65e4を通過していなければ(S1402:No)、S1403の処理をスキップしS1404の処理へ移行する。
S1404の処理では、残球タイマフラグ203mがオンであるかを判別する(S1404)。残球タイマフラグ203mがオフであると判別した場合は(S1404:No)、そのまま本処理を終了する。一方、残球タイマフラグ203mがオンであれば(S1404:Yes)、球はけ期間中であるので、残球タイマ203nの値に1を加算して更新する(S1405)。次に、残球タイマ203nの値が上限値(本実施形態では3秒)であるかを判別し(S1406)、残球タイマ203nの値が上限値でなければ(S1406:No)、そのまま本処理を終了する。一方、残球タイマ203nの値が上限値(3秒)であると判別した場合は(S1406:Yes)、次いで、排出個数(確変通過カウンタ203iの値と、排出個数カウンタ203qの値との合計値)が入賞個数(入賞個数カウンタ203jの値)と一致しているかを判別する(S1407)。
S1407の処理において、排出個数と入賞個数とが一致していないと判別した場合は(S1407:No)、エラーコマンドを設定し(S1408)、S1409の処理へ移行する。エラーコマンドを音声ランプ制御装置113が受信することにより、エラー表示(例えば、入賞個数不一致エラーの文字を表示)がされ、ホールコンピュータに対して、エラー信号の出力がされる。よって、特別排出流路65e2が閉鎖されている期間に、不正に球を特別排出流路65e2へと入球させて確変スイッチ54e3を通過させる不正を抑制できる。
一方、S1407の処理において、排出個数と入賞個数とが一致したと判別した場合は(S1407:Yes)、S1408の処理をスキップし、S1409の処理へと移行する。S1409の処理では、残球タイマフラグ203mをオフに設定し(S1409)、次いで、残球タイマ203nの値をリセットする(S1410)。その後、入賞個数カウンタ203j、排出個数カウンタ203q、確変通過カウンタ203iの値をそれぞれリセットし(S1411)、本処理を終了する。
この異常処理(図37参照)を実行することにより、可変入賞装置65の内部で球詰まりが生じる等により、特定入賞口(大開放口)65aへと入球した球が正常に排出されなくなってしまう不具合の発生を早期に検出し、報知することができる。
<第1実施形態における音声ランプ制御装置の制御処理について>
次に、図38〜図42を参照して、音声ランプ制御装置113内のMPU221により実行される各制御処理を説明する。かかるMPU221の処理としては大別して、電源投入に伴い起動される立ち上げ処理と、その立ち上げ処理後に実行されるメイン処理とがある。
まず、図38を参照して、音声ランプ制御装置113内のMPU221により実行される立ち上げ処理を説明する。図38は、この立ち上げ処理を示したフローチャートである。この立ち上げ処理は電源投入時に起動される。
立ち上げ処理が実行されると、まず、電源投入に伴う初期設定処理を実行する(S1501)。具体的には、スタックポインタに予め決められた所定値を設定する。その後、電源断処理中フラグがオンしているか否かによって、今回の立ち上げ処理が瞬間的な電圧降下(瞬間的な停電、所謂「瞬停」)によって、S1616の電源断処理(図39参照)の実行途中に開始されたものであるか否かが判断される(S1502)。図39を参照して後述する通り、音声ランプ制御装置113は、主制御装置110から電源断コマンドを受信すると(図39のS1613参照)、S1616の電源断処理を実行する。かかる電源断処理の実行前に、電源断処理中フラグがオンされ、該電源断処理の終了後に、電源断処理中フラグはオフされる。よって、S1616の電源断処理が実行途中であるか否かは、電源断処理中フラグの状態によって判断できる。
電源断処理中フラグがオフであれば(S1502:No)、今回の立ち上げ処理は、電源が完全に遮断された後に開始されたか、瞬間的な停電が生じた後であってS1616の電源断処理の実行を完了した後に開始されたか、或いは、ノイズなどによって音声ランプ制御装置113のMPU221にのみリセットがかかって(主制御装置110からの電源断コマンドを受信することなく)開始されたものである。よって、これらの場合には、RAM223のデータが破壊されているか否かを確認する(S1503)。
RAM223のデータ破壊の確認は、次のように行われる。即ち、RAM223の特定の領域には、S1506の処理によって「55AAh」のキーワードとしてのデータが書き込まれている。よって、その特定領域に記憶されるデータをチェックし、該データが「55AAh」であればRAM223のデータ破壊は無く、逆に「55AAh」でなければRAM223のデータ破壊を確認することができる。RAM223のデータ破壊が確認されれば(S1503:Yes)、S1504へ移行して、RAM223の初期化を開始する。一方、RAM223のデータ破壊が確認されなければ(S1503:No)、S1508へ移行する。
なお、今回の立ち上げ処理が、電源が完全に遮断された後に開始された場合には、RAM223の特定領域に「55AAh」のキーワードは記憶されていないので(電源断によってRAM223の記憶は喪失するから)、RAM223のデータ破壊と判断され(S1503:Yes)、S1504へ移行する。一方、今回の立ち上げ処理が、瞬間的な停電が生じた後であってS1616の電源断処理の実行を完了した後に開始されたか、或いは、ノイズなどによって音声ランプ制御装置113のMPU221にのみリセットがかかって開始された場合には、RAM223の特定領域には「55AAh」のキーワードが記憶されているので、RAM223のデータは正常と判断されて(S1503:No)、S1508の処理へと移行する。
S1502の処理において、電源断処理中フラグがオンであれば(S1502:Yes)、今回の立ち上げ処理は、瞬間的な停電が生じた後であって、S1616の電源断処理の実行途中に、音声ランプ制御装置113のMPU221にリセットがかかって開始されたものである。かかる場合は電源断処理の実行途中なので、RAM223の記憶状態は必ずしも正しくない。よって、かかる場合には制御を継続することはできないので、処理をS1504へ移行して、RAM223の初期化を開始する。
S1504の処理では、RAM223の全範囲の記憶領域をチェックして(S1504)、次いで、RAM223の各記憶領域が正常であるか否かを判別する(S1505)。チェック方法としては、まず、1バイト毎に「0FFh」を書き込み、それを1バイト毎に読み出して「0FFh」であるか否かを確認し、「0FFh」であれば正常と判別する。かかる1バイト毎の書き込み及び確認を、「0FFh」に次いで、「55h」、「0AAh」、「00h」の順に行う。このRAM223の読み書きチェックにより、RAM223のすべての記憶領域が0クリアされる。
S1505の処理において、RAM223のすべての記憶領域について、読み書きチェックが正常と判別されれば(S1505:Yes)、RAM223の特定領域に「55AAh」のキーワードを書き込んで、RAM破壊チェックデータを設定し(S1506)、処理をS1508へと移行する。この特定領域に書き込まれた「55AAh」のキーワードを確認することにより、RAM223にデータ破壊があるか否かがチェックされる。
一方、S1505の処理において、RAM223のいずれかの記憶領域で読み書きチェックの異常が検出されれば(S1505:No)、RAM223の異常を報知して(S1507)、電源が遮断されるまで無限ループする。RAM223の異常は、表示ランプ34により報知される。なお、音声出力装置226により音声を出力してRAM223の異常報知を行うようにしても良いし、表示制御装置114にエラーコマンドを送信して、第3図柄表示装置81にエラーメッセージを表示させるようにしてもよい。
S1508の処理では、電源断フラグ223yがオンされているか否かを判別する(S1508)。電源断フラグ223yはS1616の電源断処理の実行時にオンされる(図39のS1615参照)。つまり、電源断フラグ223yは、S1616の電源断処理が実行される前にオンされるので、電源断フラグ223yがオンされた状態でS1508の処理に至るのは、今回の立ち上げ処理が、瞬間的な停電が生じた後であって、S1616の電源断処理の実行を完了した状態で開始された場合である。従って、かかる場合には(S1508:Yes)、音声ランプ制御装置113の各処理を初期化するためにRAMの作業エリアをクリアし(S1509)、RAM223の初期値の設定を行う(S1510)。なお、RAM223の作業エリアとしては、主制御装置110から受信したコマンド等を記憶する領域以外の領域をいう。
S1510の処理後は、主制御装置110のMPU201によって立ち上げ処理(図31参照)の中で設定された状態コマンドの通知内容に応じて確変状態フラグ223e、時短状態フラグ223fを更新する(S1511)。これにより、電源投入時からパチンコ機10の遊技状態を正確に把握することができる。S1511の処理後は、割込み許可を設定して(S1512)、メイン処理へ移行する。
一方、電源断フラグ223yがオフされた状態でS1508の処理に至るのは、今回の立ち上げ処理が、例えば電源が完全に遮断された後に開始されたためにS1504からS1506の処理を経由してS1508の処理へ至ったか、或いは、ノイズなどによって音声ランプ制御装置113のMPU221にのみリセットがかかって(主制御装置110からの電源断コマンドを受信することなく)開始された場合である。よって、かかる場合には(S1508:No)、RAM223の作業領域のクリア処理であるS1509をスキップして、S1510〜S1512の処理を実行し、メイン処理へ移行する。
なお、S1509のクリア処理をスキップするのは、S1504からS1506の処理を経由してS1508の処理へ至った場合には、S1504の処理によって、既にRAM223のすべての記憶領域はクリアされているし、ノイズなどによって音声ランプ制御装置113のMPU221にのみリセットがかかって、立ち上げ処理が開始された場合には、RAM223の作業領域のデータをクリアせず保存しておくことにより、音声ランプ制御装置113の制御を継続できるからである。
次に、図39を参照して、音声ランプ制御装置113の立ち上げ処理後に音声ランプ制御装置113内のMPU221により実行されるメイン処理について説明する。図39は、このメイン処理を示したフローチャートである。メイン処理が実行されると、まず、メイン処理が開始されてから、又は、前回のS1601の処理が実行されてから1m秒以上が経過したか否かが判別され(S1601)、1m秒以上経過していなければ(S1601:No)、S1602〜S1610の処理を行わずにS1611の処理へ移行する。S1601の処理で、1m秒経過したか否かを判別するのは、S1602〜S1610が主に表示(演出)に関する処理であり、短い周期(1ミリ秒以内)で編集する必要がないのに対して、S1611のコマンド判定処理や、S1612の変動表示設定処理を短い周期で実行する方が好ましいからである。S1611の処理が短い周期で実行されることにより、主制御装置110から送信されるコマンドの受信洩れを防止でき、S1612の処理が短い周期で実行されることにより、コマンド判定処理によって受信されたコマンドに基づき、変動演出に関する設定を遅滞なく行うことができる。
S1601の処理で1ミリ秒以上経過していれば(S1601:Yes)、まず、S1602〜S1612の処理によって設定された、表示制御装置114に対する各種コマンドを、表示制御装置114に対して送信する(S1602)。次いで、表示ランプ34の点灯態様の設定や後述するS1608の処理で編集されるランプの点灯態様となるよう各ランプの出力を設定し(S1603)、その後電源投入報知処理を実行する(S1604)。電源投入報知処理は、電源が投入された場合に所定の時間(例えば30秒)電源が投入されたことを知らせる報知を行うものであり、その報知は音声出力装置226やランプ表示装置227により行われる。また、第3図柄表示装置81の画面において電源が供給されたことを報知するようコマンドを表示制御装置114に送信するものとしても良い。なお、電源投入時でなければ、電源投入報知処理による報知は行わずにS1605の処理へ移行する。
S1605の処理では客待ち演出処理が実行され、その後、保留個数表示更新処理が実行される(S1606)。客待ち演出処理では、パチンコ機10が遊技者により遊技されない時間が所定時間経過した場合に、第3図柄表示装置81の表示をタイトル画面に切り替える設定などが行われ、その設定がコマンドとして表示制御装置114に送信される。保留個数表示更新処理では、特別図柄保留球数カウンタ223bの値に応じて保留ランプ(図示せず)を点灯させる処理が行われる。
その後、枠ボタン入力監視・演出処理が実行される(S1607)。この枠ボタン入力監視・演出処理では、演出効果を高めるために遊技者に操作される枠ボタン22が押されたか否かの入力を監視し、枠ボタン22の入力が確認された場合に対応した演出を行うよう設定する処理である。この処理では、枠ボタン22の遊技者による操作が検出されると、表示制御装置114に対して枠ボタン22が操作されたことを通知する枠ボタン操作コマンドを設定する。
また、変動演出が未実行の期間や、高速変動期間中に枠ボタン22が押された場合は、ステージを変更する処理を行い、表示制御装置114に対する背面画像変更コマンドを設定する。この背面画像変更コマンドに、変更後のステージに対応する背面画像の種別に関する情報を含めることにより、表示制御装置114において、第3図柄表示装置81に表示される背面画像を、ステージに応じた画像に変更する処理が行われる。また、変動表示開始時に予告キャラが出現した場合に枠ボタン22を押すことで今回の変動による大当たりの期待値を表示したり、リーチ演出中に枠ボタン22を押すことで大当たりへの期待感を持てる演出に変更したり、枠ボタン22を複数のリーチ演出のうち1のリーチ演出を選択するための決定ボタンとしても良い。なお、枠ボタン22が配設されていない場合には、S1607の処理は省略される。
枠ボタン入力監視・演出処理が終わると、ランプ編集処理を実行し(S1608)、その後音編集・出力処理を実行する(S1609)。ランプ編集処理では、第3図柄表示装置81で行われる表示に対応するよう電飾部29〜33の点灯パターンなどが設定される。音編集・出力処理では、第3図柄表示装置81で行われる表示に対応するよう音声出力装置226の出力パターンなどが設定され、その設定に応じて音声出力装置226から音が出力される。
S1609の処理後、液晶演出実行管理処理が実行される(S1610)。液晶演出実行管理処理では、主制御装置110から送信される変動パターンコマンドに基づいて第3図柄表示装置81で行われる変動表示に要する時間と同期した時間が設定される。この液晶演出実行監視処理で設定された時間に基づいてS1608のランプ編集処理が実行される。なお、S1609の音編集・出力処理も第3図柄表示装置81で行われる変動表示に要する時間と同期した時間で実行される。
S1610の処理が終了すると、S1611の処理へ移行する。S1611の処理では、主制御装置110より受信したコマンドに応じた処理を行うコマンド判定処理を行う(S1611)。このコマンド判定処理の詳細については、図40を参照して後述する。そして、コマンド判定処理の後、変動表示設定処理が実行される(S1612)。変動表示設定処理では、第3図柄表示装置81において変動演出を実行させるために、主制御装置110より受信した変動パターンコマンドに基づいて表示用変動パターンコマンドが生成されて設定される。その結果、そのコマンドが表示制御装置114に送信される。なお、この変動表示設定処理の詳細については、図42を参照して後述する。
S1612の処理が終了すると、ワークRAM233に電源断の発生情報が記憶されているか否かを判別する(S1613)。電源断の発生情報は、主制御装置110から電源断コマンドを受信した場合に記憶される。S1613の処理において、電源断の発生情報が記憶されていると判別された場合は(S1613:Yes)、電源断フラグ223y、及び電源断処理中フラグを共にオンに設定して(S1615)、電源断処理を実行する(S1616)。電源断処理の実行後は、電源断処理中フラグをオフし(S1617)、その後、処理を無限ループする。電源断処理では、割込処理の発生を禁止すると共に、各出力ポートをオフして、音声出力装置226およびランプ表示装置227からの出力をオフする。また、電源断の発生情報の記憶も消去する。
一方、S1613の処理で電源断の発生情報が記憶されていなければ(S1613:No)、RAM223に記憶されるキーワードに基づき、RAM223が破壊されているか否かが判別され(S1614)、RAM223が破壊されていなければ(S1614:No)、S1601の処理へ戻り、繰り返しメイン処理が実行される。一方、RAM223が破壊されていれば(S1614:Yes)、以降の処理の実行を停止させるために、処理を無限ループする。ここで、RAM破壊と判別されて無限ループするとメイン処理が実行されないので、その後、第3図柄表示装置81による表示が変化しない。よって、遊技者は、異常が発生したことを知ることができるので、ホールの店員などを呼びパチンコ機10の修復などを頼むことができる。また、RAM223が破壊されていると確認された場合に、音声出力装置226やランプ表示装置227によりRAM破壊の報知を行うものとしても良い。
次に、図40を参照して、音声ランプ制御装置113内のMPU221により実行されるコマンド判定処理(S1611)について説明する。図40は、このコマンド判定処理(S1611)を示したフローチャートである。このコマンド判定処理(S1611)は、音声ランプ制御装置113内のMPU221により実行されるメイン処理(図39参照)の中で実行され、上述したように、主制御装置110から受信したコマンドを判定するための処理である。
コマンド判定処理では、まず、RAM223に設けられたコマンド記憶領域から、未処理のコマンドのうち主制御装置110より受信した最初のコマンドを読み出し、解析して、主制御装置110より変動パターンコマンドを受信したか否かを判定する(S1701)。S1701の処理において、変動パターンコマンドを受信したと判定した場合には(S1701:Yes)、RAM223に設けられた変動開始フラグ223cをオンし(S1702)、また、受信した変動パターンコマンドから変動パターン種別を抽出して(S1703)、本処理を終了する。ここで抽出された変動パターン種別は、RAM223に記憶され、後述の変動表示設定処理(図42参照)が実行される場合に参照される。そして、表示制御装置114に対して変動演出の開始とその変動パターン種別を通知する表示用変動パターンコマンドを設定するために用いられる。
一方、S1701の処理において、変動パターンコマンドを受信していないと判定した場合には(S1701:No)、次いで、主制御装置110より停止種別コマンドを受信したか否かを判定する(S1704)。そして、停止種別コマンドを受信した場合には(S1704:Yes)、RAM223の停止種別選択フラグ223dをオンに設定し(S1705)、受信した停止種別コマンドから停止種別を抽出して(S1706)、本処理を終了する。ここで抽出された停止種別は、RAM223に記憶され、後述の変動表示設定処理(図42参照)が実行される場合に参照される。そして、表示制御装置114に対して変動演出の停止種別を通知する表示用停止種別コマンドを設定するために用いられる。
一方、S1704の処理において、停止種別コマンドを受信していないと判定した場合には(S1704:No)、次いで、主制御装置110より保留球数コマンドを受信したか否かを判定する(S1707)。そして、保留球数コマンドを受信したと判定した場合には(S1707:Yes)、受信した保留球数コマンドに含まれている値、即ち、主制御装置110の第1特別図柄保留球数カウンタ203dの値(第1特別図柄の抽選に基づく変動表示の保留回数N1)、または第2特別図柄保留球数カウンタ203eの値(第2特別図柄に基づく変動表示の保留回数N2)を抽出し、これを音声ランプ制御装置113の特別図柄保留球数カウンタ223bに格納する(S1708)。また、S1708の処理では、更新された特別図柄保留球数カウンタ223bの値を表示制御装置114へ通知するための表示用保留球数コマンドを設定する。S1708の処理の終了後は、本処理を終了する。
ここで、保留球数コマンドは、球が第1入球口64、若しくは第2入球口640に入賞(始動入賞)したとき、または特別図柄の抽選が行われたときに主制御装置110から送信されるので、始動入賞が検出される毎に、又は、特別図柄の抽選が行われる毎に、S1708の処理によって音声ランプ制御装置113の特別図柄保留球数カウンタ223bの値を主制御装置110の第1特別図柄保留球数カウンタ203dの値、および第2特別図柄保留球数カウンタ203eの値に合わせることができる。よって、ノイズなどの影響により、音声ランプ制御装置113の特別図柄保留球数カウンタ223bの値が主制御装置110の第1特別図柄保留球数カウンタ203d、および第2特別図柄保留球数カウンタ203eの値とずれても、始動入賞の検出時や特別図柄の抽選時に、音声ランプ制御装置113の特別図柄保留球数カウンタ223bの値を修正し、主制御装置110の第1特別図柄保留球数カウンタ203d、および第2特別図柄保留球数カウンタ203eの値に合わせることができる。尚、S1708の処理が実行されると、更新された特別図柄保留球数カウンタ223bの値を表示制御装置114へ通知するための表示用保留球数コマンドが設定される。これにより、表示制御装置114では、保留球数に応じた保留球数図柄が第3図柄表示装置81に表示される。
S1707の処理において、保留球数コマンドを受信していないと判定した場合には(S1707:No)、次いで、主制御装置110より状態コマンドを受信したか否かを判定する(S1709)。そして、状態コマンドを受信したと判定した場合には(S1709:Yes)、受信したコマンドに応じて確変状態フラグ223e、回転位置格納エリア223fの各値を更新する(S1710)。即ち、状態コマンドに含まれる遊技状態(確変状態であるか否か)に応じた情報に基づき、確変状態が通知された場合には、確変状態フラグ223eをオンに設定し、時短状態が通知された場合には、時短状態フラグ223fをオンに設定し、通常状態が通知された場合には、確変状態フラグ223e、および時短状態フラグ223fをオフに設定する。これにより、パチンコ機10の遊技状態が変更された場合に、その変更を音声ランプ制御装置113が容易に把握することができる。
一方、S1709の処理において、状態コマンドを受信していないと判定した場合には(S1709:No)、次いで、大当たり関連コマンド(オープニングコマンド、ラウンド数コマンド、エンディングコマンドのいずれか)を受信したか否かを判定する(S1711)。そして、大当たり関連コマンドを受信したと判定した場合には(S1711:Yes)、大当たり関連コマンドを判別し、対応する制御を実行するための大当たり関連処理を実行して(S1712)、本処理を終了する。
一方、S1711の処理において、大当たり関連コマンドを受信していないと判定した場合には(S1711:No)、その他のコマンドに応じた処理を実行し(S1713)、本処理を終了する。S1713の処理では、その他のコマンドが、音声ランプ制御装置113で用いるコマンドであればそのコマンドに対応した処理を行い、処理結果をRAM223に記憶し、表示制御装置114で用いるコマンドであればそのコマンドを表示制御装置114に送信するように、コマンドの設定を行うものである。
次に、図41を参照して、音声ランプ制御装置113内のMPU221により実行される大当たり関連処理(S1712)について説明する。図41は、この大当たり関連処理(S1712)を示したフローチャートである。
大当たり関連処理では、まず、オープニングコマンドを受信したか否かを判定し(S1801)、オープニングコマンドを受信していれば(S1801:Yes)、表示用オープニングコマンドを設定する(S1802)。ここで設定された表示用オープニングコマンドは、RAM223に設けられたコマンド送信用のリングバッファに記憶され、MPU221により実行されるメイン処理(図39参照)のコマンド出力処理(S1602)の中で、表示制御装置114に向けて送信される。表示制御装置114は、表示用オープニングコマンドを受信すると、第3図柄表示装置81において大当たりの開始を報知するためのオープニング演出を開始する。S1802の処理が終了すると、本大当たり関連処理(図41参照)を終了する。
一方、S1801の処理において、オープニングコマンドを受信していないと判定した場合には(S1801:No)、次いで、主制御装置110よりラウンド数コマンドを受信したか否かを判定する(S1803)。そして、ラウンド数コマンドを受信したと判定した場合には(S1803:Yes)、受信したラウンド数コマンドからラウンド数を抽出し(S1804)、その抽出したラウンド数に応じた表示用ラウンド数コマンドを設定する(S1805)。ここで設定された表示用ラウンド数コマンドは、RAM223に設けられたコマンド送信用のリングバッファに記憶され、MPU221により実行されるメイン処理(図39参照)のコマンド出力処理(S1602)の中で、表示制御装置114に向けて送信される。表示制御装置114は、表示用ラウンド数コマンドを受信すると、第3図柄表示装置81において新たなラウンド演出を開始する。S1805の処理後は、本処理を終了する。
一方、S1803の処理において、ラウンド数コマンドを受信していないと判定した場合には(S1803:No)、次いで、主制御装置110よりエンディングコマンドを受信したか否かを判定する(S1806)。そして、エンディングコマンドを受信したと判定した場合には(S1806:Yes)、表示用エンディングコマンドを設定して(S1807)、本処理を終了する。ここで設定された表示用エンディングコマンドは、RAM223に設けられたコマンド送信用のリングバッファに記憶され、MPU221により実行されるメイン処理(図39参照)のコマンド出力処理(S1602)の中で、表示制御装置114に向けて送信される。表示制御装置114は、表示用エンディングコマンドを受信すると、第3図柄表示装置81においてエンディング演出を開始する。
一方、S1806の処理において、エンディングコマンドを受信していないと判定した場合には(S1806:No)、そのまま本処理を終了する。この大当たり関連処理を実行することにより、大当たりに関連する各種のコマンドに応じて適切な制御を実行することができる。
次に、図47を参照して、音声ランプ制御装置113内のMPU221により実行される変動表示設定処理(S1612)について説明する。図42は、この変動表示設定処理(S1612)を示したフローチャートである。この変動表示設定処理(S1612)は、音声ランプ制御装置113内のMPU221により実行されるメイン処理(図39参照)の中で実行され、第3図柄表示装置81において変動演出を実行させるために、主制御装置110より受信した変動パターンコマンドに基づいて表示用変動パターンコマンドを生成し設定する。
変動表示設定処理では、まず、RAM223に設けられた変動開始フラグ223cがオンか否かを判別する(S1901)。そして、変動開始フラグ223cがオンではない(即ち、オフである)と判別した場合は(S1901:No)、主制御装置110より変動パターンコマンドを受信していない状態であるので、S1906の処理へ移行する。一方、S1901の処理において、変動開始フラグ223cがオンであると判別された場合は(S1901:Yes)、変動開始フラグ223cをオフし(S1902)、次いで、コマンド判定処理(図40参照)のS1703の処理において、変動パターンコマンドから抽出した変動演出における変動パターン種別を、RAM223より取得する(S1903)。
そして、取得した変動パターン種別に基づいて、表示制御装置114へ通知するための表示用変動パターンコマンドを生成して、そのコマンドを表示制御装置114へ送信するために設定する(S1904)。表示制御装置114では、この表示用変動パターンコマンドを受信することによって、この表示用変動パターンコマンドによって示される変動パターンで、第3図柄表示装置81において第3図柄の変動表示が行われるように、その変動演出の表示制御が開始される。
次いで、入賞情報格納エリア223aに格納されたデータをシフトして(S1905)、処理をS1906へと移行する。S1905の処理では、入賞情報格納エリア223aの第1エリア〜第4エリアに格納されているデータを、実行エリア側に順にシフトさせる処理を行う。より具体的には、第1エリア→実行エリア、第2エリア→第1エリア、第3エリア→第2エリア、第4エリア→第3エリアといった具合に各エリア内のデータをシフトする。
S1906の処理では、RAM233に設けられた停止種別選択フラグ223dがオンか否かを判別する(S1906)。そして、停止種別選択フラグ223dがオンではない(即ち、オフである)と判別された場合(S1906:No)、主制御装置110より停止種別コマンドを受信していない状態であるので、この変動表示設定処理を終了し、メイン処理に戻る。
一方、停止種別選択フラグ223dがオンであると判別された場合(S1906:Yes)、停止種別選択フラグ223dをオフに設定し(S1907)、次いで、コマンド判定処理(図40参照)のS1706の処理において、停止種別コマンドから抽出された変動演出における停止種別を、RAM223より取得する(S1908)。次に、S1908の処理で取得した停止種別に基づいて、表示用停止種別コマンドを設定し(S1909)、本処理を終了する。表示制御装置114では、この表示用停止種別コマンドを受信することによって、この表示用停止種別コマンドによって示される停止種別で、第3図柄表示装置81において第3図柄の停止表示が行われるように制御される。
<第1実施形態における表示制御装置の制御処理について>
次に、図43〜図56を参照して、表示制御装置114のMPU231により実行される各制御について説明する。かかるMPU231の処理としては大別して、電源投入後から繰り返し実行されるメイン処理と、音声ランプ制御装置113よりコマンドを受信した場合に実行されるコマンド割込処理と、画像コントローラ237より1フレーム分の画像の描画処理が完了する20ミリ秒毎に送信されるV割込信号をMPU231が検出した場合に実行されるV割込処理とがある。MPU231は、通常、メイン処理を実行し、コマンドの受信やV割込信号の検出に合わせて、コマンド割込処理やV割込処理を実行する。尚、コマンドの受信とV割込信号の検出とが同時に行われた場合は、コマンド受信処理を優先的に実行する。これにより、音声ランプ制御装置113より受信したコマンドの内容を素早く反映して、V割込処理を実行させることができる。
まず、図43を参照して、表示制御装置114内のMPU231により実行されるメイン処理について説明する。図43は、このメイン処理を示したフローチャートである。メイン処理は、電源投入時の初期化処理を実行するものである。
このメイン処理の起動は、具体的には、以下の流れに従って行われる。電源回路115から表示制御装置114に対して電源が投入され、システムリセットが解除されると、MPU231は、そのハードウェア構成によって、MPU231内に設けられた命令ポインタ231aを「0000H」に設定すると共に、命令ポインタ231aにて示されるアドレス「0000H」をバスライン240に対して指定する。キャラクタROM234のROMコントローラ234bは、バスライン240に指定されたアドレスが「0000H」であることを検知すると、NOR型ROM234dの第1プログラム記憶エリア234d1に記憶されたブートプログラムをバッファRAM234cにセットして、対応するデータ(命令コード)をMPU231へ出力する。そして、MPU231は、キャラクタROM234から受け取った命令コードをフェッチし、そのフェッチした命令に応じた処理の実行を開始することで、メイン処理を起動する。
ここで、仮にシステムリセット解除後にMPU231によって最初に処理されるブートプログラムを全てNAND型フラッシュメモリ234aに記憶させた場合、キャラクタROM234は、バスライン240に指定されたアドレスが「0000H」であることを検知すると、アドレス「0000H」に対応するデータ(命令コード)を含む1ページ分のデータをNAND型フラッシュメモリ234aから読み出してバッファRAM234cにセットしなければならない。そして、NAND型フラッシュメモリ234aの性質上、その読み出しからバッファRAM234cへのセットに多大な時間を要するので、MPU231は、アドレス「0000H」を指定してからアドレス「0000H」に対応する命令コードを受け取るまでに多くの待ち時間を消費することとなる。よって、MPU231の起動にかかる時間が長くなるので、結果として、表示制御装置114における第3図柄表示装置81の制御が即座に開始されないおそれがあるという問題点が生じる。
これに対し、本実施形態のように、ブートプログラムのうち、システムリセット解除後にMPU231によって最初に処理すべき命令から所定数の命令がNOR型ROM234dに格納されることにより、NOR型ROMは高速にデータを読み出すことが可能なメモリであるため、システムリセット解除後にMPU231からバスライン240を介してアドレス「0000H」が指定されると、キャラクタROM234は即座にNOR型ROM234dの第1プログラム記憶エリア234d1に記憶されたブートプログラムをバッファRAM234cにセットして、対応するデータ(命令コード)をMPU231へ出力することができる。よって、MPU231は、アドレス「0000H」を指定してから短い時間でアドレス「0000H」に対応する命令コードを受け取ることができるので、MPU231においてメイン処理の起動を短時間で行うことができる。従って、読み出し速度の遅いNAND型フラッシュメモリ234aで構成されたキャラクタROM234に制御プログラムを格納しても、表示制御装置114における第3図柄表示装置81の制御を即座に開始することができる。
以上のようにしてメイン処理が実行されると、まず、ブートプログラムによって実行されるブート処理を実行し(S2001)、第3図柄表示装置81に対する各種制御が実行可能となるように表示制御装置114を起動する。
ここで、図44を参照して、ブート処理(S2001)について説明する。図44は、表示制御装置114のMPU231において、メイン処理の中で実行されるブート処理(S2001)を示すフローチャートである。
上述したように、本実施形態では、MPU231によって実行される制御プログラムや固定値データは、従来の遊技機のように専用のプログラムROMを設けて記憶させるのではなく、第3図柄表示装置81に表示させる画像のデータを記憶させるために設けられたキャラクタROM234に記憶させている。そしてキャラクタROM234は、小面積で大容量化を図ることが可能なNAND型フラッシュメモリ234aによって構成されているため、画像データだけでなく制御プログラム等を十分に記憶させておくことができる一方、制御プログラム等を記憶する専用のプログラムROMを設ける必要がない。よって、表示制御装置114における部品点数を削減することができ、製造コストを削減できるほか、部品数増加による故障発生率の増加を抑制することができる。
一方、一般的にNAND型フラッシュメモリは、特にランダムアクセスを行う場合において読み出し速度が遅いため、MPU231がNAND型フラッシュメモリ234aに格納された制御プログラムや固定値データを直接読み出して処理していては、MPU231として高性能のプロセッサを用いても、表示制御装置114の処理性能を悪化させてしまうおそれがある。そこで、本ブート処理では、NAND型フラッシュメモリ234aの第2プログラム記憶エリア234a1に記憶されている制御プログラム及び固定値データを、DRAMによって構成されるワークRAM233に設けられたプログラム格納エリア233aやデータテーブル格納エリア233bへ転送し格納する処理を実行する。
具体的には、まず、上述のMPU231及びキャラクタROM234のハードウェアによる動作に基づき、システムリセット解除後にNOR型ROM234dの第1プログラム記憶エリア234d1より読み出されバッファRAM234cにセットされたブートプログラムに従って、第2プログラム記憶エリア234a1に記憶されている制御プログラムのうち、所定量だけプログラム格納エリア233aへ転送する(S2101)。ここで転送される所定量の制御プログラムには、第1プログラム記憶エリア234d1に記憶されていない残りのブートプログラムが含まれる。
そして、命令ポインタ231aをプログラム格納エリア233aの第1の所定番地、即ち、プログラム格納エリア233aに格納されたその残りのブートプログラムの先頭アドレスを設定する(S2102)。これにより、MPU231は、S2101の処理によってプログラム格納エリア233aに転送され格納された制御プログラムに含まれる残りのブートプログラムの実行を開始する。
また、S2102の処理により命令ポインタ231aをプログラム格納エリア233aの所定番地に設定することで、MPU231は、そのワークRAM233のプログラム格納エリア233aに格納された制御プログラムを読み出しながら、各種処理を実行することになる。即ち、MPU231は、第2プログラム記憶エリア234a1を有するNAND型フラッシュメモリ234aから制御プログラムを読み出して命令フェッチするのではなく、プログラム格納エリア233aを有するワークRAM233に転送された制御プログラムを読み出して命令フェッチし、各種処理を実行する。上述したように、ワークRAM233はDRAMによって構成されるため、高速に読み出し動作が行われる。よって、制御プログラムを読み出し速度の遅いNAND型フラッシュメモリ234aによって構成されるキャラクタROM234に記憶させた場合であっても、MPU231は高速に命令をフェッチし、その命令に対する処理を実行することができる。
S2102の処理により命令ポインタ231aが設定されると、続いて、その設定された命令ポインタ231aによって実行が開始される残りのブートプログラムに従って、NAND型フラッシュメモリ234aの第2プログラム記憶エリア234a1に記憶されている制御プログラムのうちプログラム格納エリア233aに未転送である残りの制御プログラムと固定値データとを、所定量ずつプログラム格納エリア233a又はデータテーブル格納エリア233bへ転送する(S2103)。具体的には、制御プログラムおよび一部の固定データを、ワークRAM233のプログラム格納エリア233aに格納し、また、固定値データのうち上述の各種データテーブル(表示データテーブル、転送データテーブル)をデータテーブル格納エリア233bに転送する。
そして、ブート処理に必要なその他の処理を実行(S2104)した後、命令ポインタ231aをプログラム格納エリア233aの第2の所定番地、即ち、このブート処理(図43のS2001参照)の終了後に実行すべき初期化処理(図43のS2002参照)に対応するプログラムの先頭アドレスを設定することで(S2105)、ブートプログラムの実行を終え、本ブート処理を終了する。
このように、ブート処理(S2001)が実行されることによって、NAND型フラッシュメモリ234aの第2プログラム記憶エリア234a1に記憶されている制御プログラム及び固定値データは、全てDRAMによって構成されたワークRAM233のプログラム格納エリア233a及びデータテーブル格納エリア233bに転送され、格納される。そして、ブート処理の終了時に、命令ポインタ231aが上述の第2の所定番地に設定され、以後、MPU231は、NAND型フラッシュメモリ234aを参照することなく、プログラム格納エリア233aに転送された制御プログラムを用いて各種処理を実行する。
よって、制御プログラムを読み出し速度の遅いNAND型フラッシュメモリ234aによって構成されるキャラクタROM234に記憶させた場合であっても、システムリセット解除後にその制御プログラムや固定値データをワークRAM233のプログラム格納エリア233a及びデータテーブル格納エリア233bに転送することで、MPU231は、読み出し速度が高速なDRAMによって構成されるワークRAMから制御プログラムや固定値データを読み出して各種制御を行うことができるので、表示制御装置114において高い処理性能を保つことができる。
一方、NOR型ROM234dにブートプログラムを全て格納せずに、システムリセット解除後にMPU231によって最初に処理すべき命令から所定数の命令を格納しておき、残りのブートプログラムについては、NAND型フラッシュメモリ234aの第2プログラム記憶エリア234a1に記憶させても、第2プログラム記憶エリア234a1に記憶されている制御プログラムを確実にプログラム格納エリア233aに転送することができる。よって、キャラクタROM234は、極めて小容量のNOR型ROM234dを追加するだけで、MPU231の起動を短時間で行うことができるようになるので、その短時間化に伴うキャラクタROM234のコスト増加を抑制することができる。
尚、図50に示すブート処理では、S2101の処理によってプログラム格納エリア233aに転送される所定量の制御プログラムに、第1プログラム記憶エリア234d1に記憶されていない残りのブートプログラムが全て含まれるように構成されているが、必ずしもこれに限られるものではなく、S2101の処理によってプログラム格納エリア233aに転送される所定量の制御プログラムは、S2102の処理に続いて処理すべきブート処理を実行するブートプログラムの一部としてもよい。ここで転送されるブートプログラムは、残りのブートプログラムを全て含む制御プログラムを所定量だけプログラム格納エリア233aに転送し、更に、これによりプログラム格納エリア233aに格納されたブートプログラムの先頭アドレスを命令ポインタ231aに設定する処理を実行するものであってもよい。そして、プログラム格納エリア233aに格納された残り全てのブートプログラムによって、S2103〜S2105の処理を実行するようにしてもよい。
また、S2101の処理によって転送されるブートプログラムは、残りのブートプログラムの一部を更に所定量だけプログラム格納エリア233aに転送し、続いて、これによりプログラム格納エリア233aに格納されたブートプログラムの先頭アドレスを命令ポインタ231aに設定する処理を実行するものであってもよい。また、この処理によってプログラム格納エリア233aに格納された一部のブートプログラムは、更に残りのブートプログラムの一部を所定量だけプログラム格納エリア233aに転送し、続いて、これによりプログラム格納エリア233aに格納されたブートプログラムの先頭アドレスを命令ポインタ231aに設定する処理を実行するものであってもよい。そして、残りのブートプログラムの一部を所定量だけプログラム格納エリア233aに転送し、続いて、これによりプログラム格納エリア233aに格納されたブートプログラムの先頭アドレスを命令ポインタ231aに設定する処理を、S2101及びS2102の処理を含めて複数回繰り返した後、S2103〜S2105の処理を実行するようにしてもよい。
これにより、ブートプログラムのプログラムサイズが大きく、第1プログラム記憶エリア234d1に記憶されていない残りのブートプログラムが一度にプログラム格納エリア233aへ転送できなくても、MPU231はプログラム格納エリア233aに既に格納されたブートプログラムを使用して、所定量ずつプログラム格納エリア233aに転送することができる。
また、本実施形態では、第1プログラム記憶エリア234d1に、ブートプログラムのうち、システムリセット解除時にまずMPU231によって実行されるブートプログラムの一部を記憶させる場合について説明したが、全てのブートプログラムを第1プログラム記憶エリア234d1に記憶させてもよい。この場合、MPU231は、ブート処理を開始すると、S2101及びS2102の処理を行わずに、S2103〜S2105の処理を実行してもよい。これにより、ブートプログラムをプログラム格納エリア233aへ転送する処理が不要となるので、キャラクタROM234かプログラム格納エリア233aへのプログラムの転送処理回数が減るため、ブート処理の処理時間を減らすことができる。よって、ブート処理後に可能となるMPU231における補助演出部の制御の開始をより早く行うことができる。
ここで、図43の説明に戻る。ブート処理を終了すると、次いで、ワークRAM233のプログラム格納エリア233aに転送され格納された制御プログラムに従って、初期設定処理を実行する(S2002)。具体的には、スタックポインタの値をMPU231内に設定すると共に、MPU231内のレジスタ群や、I/O装置等に対する各種の設定などを行う。また、ワークRAM233、常駐用ビデオRAM235、通常用ビデオRAM236の記憶をクリアする処理などが行われる。更に、ワークRAM233に各種フラグを設け、それぞれのフラグに初期値を設定する。尚、各フラグの初期値として、特に明示した場合を除き、「オフ」又は「0」が設定される。
更に、初期設定処理では、画像コントローラ237の初期設定を行った後、第3図柄表示装置81に特定の色の画像が画面全体に表示されるように、画像コントローラ237に対して、画像の描画および表示処理の実行を指示する。これにより、電源投入直後において、第3図柄表示装置81には、まず、特定の色の画像が画面全体に表示される。ここで、電源投入直後に第3図柄表示装置81の画面全体に表示される画像の色が、パチンコ機の機種に応じて異なる色となるように設定されている。これにより、製造時の工場等における動作チェックにおいて、電源投入直後に、その機種に応じた色の画像が第3図柄表示装置81に表示されるか否かを検査することで、パチンコ機10が正常に起動開始できるか否かを簡易かつ即座に判断することができる。
次いで、電源投入時主画像に対応する画像データを常駐用ビデオRAM235の電源投入時主画像エリア235aへ転送するように、画像コントローラ237に対して転送指示を送信する(S2003)。この転送指示には、電源投入時主画像に対応する画像データが格納されているキャラクタROM234の先頭アドレスおよび最終アドレスと、転送先の情報(ここでは、常駐用ビデオRAM235)と、転送先である電源投入時主画像エリア235aの先頭アドレスとが含まれており、画像コントローラ237は、この転送指示に従って、電源投入時主画像に対応する画像データがキャラクタROM234から常駐用ビデオRAM235の電源投入時主画像エリア235aに転送される。
そして、転送指示により示された画像データの転送が全て完了すると、画像コントローラ237は、MPU231に対して転送終了を示す転送終了信号を送信する。MPU231はこの転送終了信号を受信することにより、転送指示で指定した画像データの転送が終了したことを把握することができる。なお、画像コントローラ237は、転送指示により示された画像データの転送を全て完了した場合、画像コントローラ237の内部に設けられたレジスタまたは内蔵メモリの一部領域に、転送終了を示す転送終了情報を書き込むようにしてもよい。そして、MPU231は随時このレジスタまたは内蔵メモリの一部領域の情報を読み出し、画像コントローラ237による転送終了情報の書き込みを検出することによって、転送指示で指定した画像データの転送が終了したことを把握するようにしてもよい。
電源投入時主画像エリア235aに転送された画像データは、電源が遮断されるまで上書きされないように保持される。S2003の処理により画像コントローラ237に対して送信された転送指示に基づき、電源投入時主画像に対応する画像データの電源投入時主画像エリア235aへの転送が終了すると、次いで、電源投入時変動画像に対応する画像データを常駐用ビデオRAM235の電源投入時変動画像エリア235bへ転送するように、画像コントローラに対して転送指示を送信する(S2004)。この転送指示には、電源投入時変動画像に対応する画像データが格納されているキャラクタROM234の先頭アドレスと、その画像データのデータサイズと、転送先の情報(ここでは、常駐用ビデオRAM235)と、転送先である電源投入時変動画像エリア235bの先頭アドレスとが含まれており、画像コントローラは、この転送指示に従って、電源投入時変動画像に対応する画像データがキャラクタROM234から常駐用ビデオRAM235の電源投入時変動画像エリア235bに転送される。そして、電源投入時変動画像エリア235bに転送された画像データは、電源が遮断されるまで上書きされないように保持される。
S2004の処理により画像コントローラ237に対して送信された転送指示に基づき、電源投入時変動画像に対応する画像データの電源投入時変動画像エリア235bへの転送が終了すると、次いで、簡易画像表示フラグ233cをオンする(S2005)。これにより、簡易画像表示フラグ233cがオンの間は、後述する転送設定処理(図54(a)参照)において、常駐用ビデオRAM235に常駐すべき全ての画像データをキャラクタROM234から常駐用ビデオRAM235へ転送するように画像コントローラ237へ転送を指示する常駐画像転送設定処理が実行される(図54(a)のS3502参照)。
また、簡易画像表示フラグ233cは、この常駐画像転送設定処理による画像コントローラ237への転送指示に基づき、常駐用ビデオRAM235に常駐すべき全ての画像データのキャラクタROM234から常駐用ビデオRAM235への転送が終了するまでの間、オンに維持される。これにより、その間は、V割込処理(図45(b)参照)において、図18に示す電源投入時画像(電源投入時主画像や電源投入時変動画像)が描画されるように、簡易コマンド判定処理(図45(b)のS2308参照)および簡易表示設定処理(図45(b)のS2309参照)が実行される。
上述したように、本パチンコ機10では、キャラクタROM234にNAND型フラッシュメモリ234aを用いているため、その読み出し速度が遅いことに起因して、常駐用ビデオRAM235に格納すべき全ての画像データが、キャラクタROM234から常駐用ビデオRAM235に転送されるまでに多くの時間を要する。そこで、本メイン処理のように、電源が投入された後、まず先に電源投入時主画像および電源投入時変動画像をキャラクタROM234から常駐用ビデオRAM235へ転送し、電源投入時主画像を第3図柄表示装置81に表示することで、残りの常駐すべき画像データが常駐用ビデオRAM235に転送されている間、遊技者やホール関係者は、第3図柄表示装置81に表示された電源投入時主画像を確認することができる。よって、表示制御装置114は、電源投入時主画像を第3図柄表示装置114に表示させている間に、時間をかけて残りの常駐すべき画像データをキャラクタROM234から常駐用ビデオRAM235に転送することができる。一方、遊技者等は、電源投入時主画像が第3図柄表示装置81に表示されている間、何らかの初期化処理が行われていることを認識できるので、残りの常駐用ビデオRAM235に常駐すべき画像データがキャラクタROM234から常駐用ビデオRAM235に転送されるまでの間、動作が停止していないか、といった不安を持つことなく、初期化が完了するまで待機することができる。
また、製造時の工場等における動作チェックにおいても、電源投入時主画像がすぐに第3図柄表示装置81に表示されることによって、第3図柄表示装置81が電源投入によって問題なく動作が開始されていることをすぐに確認することができ、キャラクタROM234に読み出し速度の遅いNAND型フラッシュメモリ234aを用いることにより動作チェックの効率が悪化することを抑制できる。
また、パチンコ機10の表示制御装置114では、電源投入後に電源投入時主画像とあわせて電源投入時変動画像もキャラクタROM234から常駐用ビデオRAM235へ転送するので、電源投入時主画像が第3図柄表示装置81に表示されている間に遊技者が遊技を開始したことにより、第1入球口64、または第2入球口640へ入球(始動入賞)があり、変動演出の開始指示が主制御装置110より音声ランプ制御装置113を介してあった場合、即ち、表示用変動パターンコマンドを受信した場合は、図18(b),(c)に示す電源投入時変動画像をその変動演出期間中に即座に表示させ、簡単な変動演出を行うことができる。よって、遊技者は、電源投入時主画像が第3図柄表示装置81に表示されている間であっても、その簡単な変動演出によって確実に抽選が行われたことを確認することができる。
また、上述したように、残りの常駐すべき画像データがキャラクタROM234から常駐用ビデオRAM235に転送されている間は、第3図柄表示装置81に電源投入時主画像が表示され続けるが、キャラクタROM234は読み出し速度の遅いNAND型フラッシュメモリ234aによって構成されているので、その転送に時間がかかるので、電源投入後、電源投入時主画像が表示され続ける時間も長くなる。しかしながら、本パチンコ機10では、電源投入後に常駐用ビデオRAM235に転送された電源投入時変動画像を用いて簡易的な変動演出を行うことができるので、電源が投入された直後、例えば、停電復帰直後などにおいて、電源投入時主画像が表示されている間であっても、遊技者に安心して遊技を行わせることができる。
S2005の処理の後、割込み許可を設定し(S2006)、以後、メイン処理は電源が切断されるまで、無限ループ処理を実行する。これにより、S2006の処理によって割込み許可が設定されて以降、コマンドの受信およびV割込信号の検出に従って、コマンド割込処理およびV割込処理を実行する。
次いで、図45(a)を参照して、表示制御装置114のMPU231で実行されるコマンド割込処理について説明する。図45(a)は、そのコマンド割込処理を示すフローチャートである。上述したように、音声ランプ制御装置113からコマンドを受信すると、MPU231によってコマンド割込処理が実行される。
このコマンド割込処理では、受信したコマンドデータを抽出し、ワークRAM233に設けられたコマンドバッファ領域に、その抽出したコマンドデータを順次格納して(S2201)、終了する。このコマンド割込処理によってコマンドバッファ領域に格納された各種コマンドは、後述するV割込処理のコマンド判定処理または簡易コマンド判定処理によって読み出され、そのコマンドに応じた処理が行われる。
次いで、図45(b)を参照して、表示制御装置114のMPU231で実行されるV割込処理について説明する。図45(b)は、そのV割込処理を示すフローチャートである。このV割込処理では、コマンド割込処理によってコマンドバッファ領域に格納されたコマンドに対応する各種処理を実行すると共に、第3図柄表示装置81に表示させる画像を特定した上で、その画像の描画リスト(図23参照)を作成し、その描画リストを画像コントローラ237に送信することで、画像コントローラ237に対し、その画像の描画処理および表示処理の実行を指示するものである。
上述したように、このV割込処理は、画像コントローラ237からのV割込信号が検出されることによって実行が開始される。このV割込信号は、画像コントローラ237において、1フレーム分の画像の描画処理が完了する20ミリ秒毎に生成され、MPU231に対して送信される信号である。よって、このV割込信号に同期させてV割込処理を実行することにより、画像コントローラ237に対して描画指示が、1フレーム分の画像の描画処理が完了する20ミリ秒毎に行われることになる。よって、画像コントローラ237では、画像の描画処理や表示処理が終了していない段階で、次の画像の描画指示を受け取ることがないので、画像の描画途中で新たな画像の描画を開始したり、表示中の画像情報が格納されているフレームバッファに、新たな描画指示に伴って画像が展開されたりすることを防止することができる。
ここでは、まず、V割込処理のフローの概略について説明し、次いで、各処理の詳細について他の図面を参照して説明する。このV割込処理では、図45(b)に示すように、まず、簡易画像表示フラグ233cがオンであるか否かを判別し(S2301)、簡易画像表示フラグ233cがオンではない、即ち、オフであれば(S2301:No)、常駐用ビデオRAM235に常駐すべき全ての画像データの転送が完了していることを意味するので、図18に示した電源投入時画像ではなく、通常の演出画像を第3図柄表示装置81に表示させるべく、コマンド判定処理(S2302)を実行し、次いで、表示設定処理(S2303)を実行する。
コマンド判定処理(S2302)では、コマンド割込処理によってコマンドバッファ領域に格納された音声ランプ制御装置113からのコマンドの内容を解析し、そのコマンドに応じた処理を実行すると共に、表示用デモコマンドや表示用変動パターンコマンドが格納されていた場合は、デモ用表示データテーブル又は変動パターン種別に応じた変動表示データテーブルを表示データテーブルバッファ233dに設定すると共に、設定された表示データテーブルに対応する転送データテーブルを転送データテーブルバッファ233eに設定する。
このコマンド判定処理では、その時点でコマンドバッファ領域に格納されている全てのコマンドを解析して、処理を実行する。これは、コマンド判定処理が、V割込処理の実行される20ミリ秒間隔で行われるため、その20ミリ秒の間に複数のコマンドがコマンドバッファ領域に格納されている可能性が高いためである。特に、主制御装置110において、変動演出の開始が決定された場合、表示用変動パターンコマンドや表示用停止種別コマンドなどが同時にコマンドバッファ領域に格納されている可能性が高い。従って、これらのコマンドを一度に解析して実行することによって、主制御装置110や音声ランプ制御装置113によって選定された変動演出の態様や停止種別を素早く把握し、その態様に応じた演出画像を第3図柄表示装置81に表示させるように、画像の描画を制御することができる。尚、このコマンド判定処理の詳細については、図46〜図50を参照して後述する。
表示設定処理(S2303)では、コマンド判定処理(S2302)などによって表示データテーブルバッファ233dに設定された表示データテーブルの内容に基づいて、第3図柄表示装置81において次に表示すべき1フレーム分の画像の内容を具体的に特定する。また、処理の状況などに応じて、第3図柄表示装置81に表示すべき演出態様を決定し、その決定した演出態様に対応する表示データテーブルを表示データテーブルバッファ233dに設定する。尚、この表示設定処理の詳細については、図51〜図53を参照して後述する。
表示設定処理が実行された後、次いで、タスク処理を実行する(S2304)。このタスク処理では、表示設定処理(S2303)もしくは簡易表示設定処理(S2309)によって特定された、第3図柄表示装置81に表示すべき次の1フレーム分の画像の内容に基づき、その画像を構成するスプライト(表示物)の種別を特定すると共に、スプライト毎に、表示座標位置や拡大率、回転角度といった描画に必要な各種パラメータを決定する。
次に、転送設定処理を実行する(S2305)。この転送設定処理では、簡易画像表示フラグ233cがオンである間は、画像コントローラ237に対して、常駐用ビデオRAM235に常駐すべき画像データをキャラクタROM234から常駐用ビデオRAM235の所定エリアへ転送させる転送指示を設定する。また、簡易画像表示フラグ233cがオフである間は、転送データテーブルバッファ233eに設定される転送データテーブルの転送データ情報に基づき、画像コントローラ237に対して、所定の画像データをキャラクタROM234から通常用ビデオRAM236の画像格納エリア236aの所定サブエリアへ転送させる転送指示を設定すると共に、音声ランプ制御装置113から連続予告コマンドや背面画像変更コマンドを受信した場合にも、画像コントローラ237に対して、連続予告演出で使用する連続予告画像の画像データや変更後の背面画像の画像データをキャラクタROM234から通常用ビデオRAM236の画像格納エリア236aの所定サブエリアへ転送させる転送指示を設定する。尚、転送設定処理の詳細については、図54および図55を参照して後述する。
次いで、描画処理を実行する(S2306)。この描画処理では、タスク処理(S2304)で決定された、1フレームを構成する各種スプライトの種別やそれぞれのスプライトの描画に必要なパラメータと、転送設定処理(S2305)により設定された転送指示とから、図23に示す描画リストを生成し、描画対象バッファ情報と共に、その描画リストを画像コントローラ237に対して送信する。これにより、画像コントローラ237では、描画リストに従って、画像の描画処理を実行する。尚、描画処理の詳細については、図56を参照して後述する。
次いで、表示制御装置114に設けられた各種カウンタの更新処理を実行する(S2307)。そして、V割込処理を終了する。S2307の処理によって更新されるカウンタとしては、例えば、停止図柄を決定するための停止図柄カウンタ(図示せず)がある。この停止図柄カウンタの値は、ワークRAM233に格納され、V割込処理が実行される度に、更新処理が行われる。そして、コマンド判定処理において、表示用停止種別コマンドの受信が検出されると、表示用停止種別コマンドにより示される停止種別(大当たりA、大当たりB、大当たりC、大当たりD、前後外れリーチ、前後外れ以外リーチ、完全外れ)に対応する停止種別テーブルと停止図柄カウンタとが比較され、第3図柄表示装置81に表示される変動演出後の停止図柄が最終的に設定される。
一方、S2301の処理において、簡易画像表示フラグ233cがオンであると判別されると(S2301:Yes)、常駐用ビデオRAM235に常駐すべき全ての画像データの転送が完了していないことを意味するので、図18に示した電源投入時画像を第3図柄表示装置81に表示させるべく、簡易コマンド判定処理(S2308)を実行し、次いで、簡易表示設定処理(S2309)を実行して、S2304の処理へ移行する。
次いで、図46〜図50を参照して、表示制御装置114のMPU231で実行されるV割込処理の一処理である上述のコマンド判定処理(S2302)の詳細について説明する。まず、図46は、このコマンド判定処理を示すフローチャートである。
このコマンド判定処理では、図46に示すように、まず、コマンドバッファ領域に未処理の新規コマンドがあるか否かを判別し(S2401)、未処理の新規コマンドがなければ(S2401:No)、コマンド判定処理を終了してV割込処理に戻る。一方、未処理の新規コマンドがあれば(S2401:Yes)、オン状態で新規コマンドを処理したことを表示設定処理(S2303)に通知する新規コマンドフラグをオンに設定し(S2402)、次いで、コマンドバッファ領域に格納されている未処理のコマンドすべてについて、そのコマンドの種別を解析する(S2403)。
そして、未処理のコマンドの中に、まず、表示用変動パターンコマンドがあるか否かを判別し(S2404)、表示用変動パターンコマンドがあれば(S2404:Yes)、変動パターンコマンド処理を実行して(S2405)、S2401の処理へ戻る。
ここで、図47(a)を参照して、変動パターンコマンド処理(S2405)の詳細について説明する。図47(a)は、変動パターンコマンド処理を示すフローチャートである。この変動パターンコマンド処理は、音声ランプ制御装置114より受信した表示用変動パターンコマンドに対応する処理を実行するものである。
変動パターンコマンド処理では、まず、表示用変動パターンコマンドによって示される変動演出パターンに対応した変動表示データテーブルを決定し、その決定した変動表示データテーブルをデータテーブル格納エリア233bから読み出して、表示データテーブルバッファ233dに設定する(S2501)。
ここで、主制御装置110において変動の開始の判断は、必ず数秒以上離れて行われるので、20ミリ秒以内に2以上の表示用変動パターンコマンドを受信することはなく、したがって、コマンド判定処理を実行する場合に、コマンドバッファ領域に2以上の表示用変動パターンコマンドが格納されている場合はあり得ないが、ノイズ等の影響によってコマンドの一部が変化し、別のコマンドが誤って表示用変動パターンコマンドとして解釈されるおそれもあり得る。S2501の処理では、このような場合に備え、2以上の表示用変動パターンコマンドがコマンドバッファ領域に格納されていると判断される場合は、変動時間が最も短い変動パターンに対応する変動表示データテーブルを表示データテーブルバッファ233dに設定する。
仮に、変動時間の長い変動パターンに対応する変動表示データテーブルを表示データテーブルバッファ233dに設定してしまうと、実際には、設定した表示データテーブルよりも短い変動時間を有する変動演出が主制御装置110によって指示されていた場合に、設定された変動表示データテーブルに従った変動演出を第3図柄表示装置81に表示させている最中に主制御装置110から次の表示用変動パターンコマンドを受信することとなり、別の変動表示が急に開始されてしまうので、遊技者に対して違和感を持たせるおそれがあった。
これに対し、本実施形態のように、変動時間が最も短い変動パターンに対応する変動表示データテーブルを表示データテーブルバッファ233dに設定することで、実際には、設定した表示データテーブルよりも長い変動時間を有する変動演出が主制御装置110によって指示されていた場合であっても、後述するように、表示データテーブルバッファ233dに従った変動演出が終了したのち、主制御装置110から次の表示用パターンコマンドを受信するまでの間、デモ演出が表示されるように、表示設定処理によって、第3図柄表示装置81の表示が制御されるので、遊技者は違和感なく第3図柄表示装置81における第3図柄の変動を見続けることができる。
次いで、S2501で設定された表示データテーブルに対応する転送データテーブルを決定してデータテーブル格納エリア233bから読み出し、それを転送データテーブルバッファ233eに設定する(S2502)。
次いで、S2501の処理によって表示データテーブルバッファ233dに設定された変動表示データテーブルに対応する変動パターンの変動時間を基に、その変動時間を表す時間データを計時カウンタ233hに設定し(S2503)、ポインタ233fを0に初期化する(S2504)。そして、デモ表示フラグ233y、および確定表示フラグ233zをいずれもオフに設定し(S2505)、本処理を終了する。
この変動パターンコマンド処理(図47(a)参照)が実行されることにより、表示設定処理では、S2504の処理によって初期化されたポインタ233fを更新しながら、S2501の処理によって表示データテーブルバッファ233dに設定された変動表示データテーブルから、ポインタ233fに示されるアドレスに規定された描画内容を抽出し、第3図柄表示装置81において次に表示すべき1フレーム分の画像の内容を特定すると同時に、S2502の処理によって転送データテーブルバッファ233eに設定された転送データテーブルから、ポインタ233fに示されるアドレスに規定された転送データ情報を抽出し、設定された変動表示データテーブルにおいて必要なスプライトの画像データが、予めキャラクタROM234から通常用ビデオRAM236の画像格納エリア236aに転送されるように、画像コントローラ237を制御する。
また、表示設定処理では、S2503の処理によって時間データが設定された計時カウンタ233hを用いて、変動表示データテーブルで規定された変動演出の時間を計時し、変動表示データテーブルにおける変動演出が終了すると判断された場合、主制御装置110からの表示用停止種別コマンドに応じた停止図柄を第3図柄表示装置81に表示するように、その停止表示の設定を制御する。
ここで、図46の説明に戻る。S2404の処理において、表示用変動パターンコマンドがないと判別されると(S2604:No)、次いで、未処理のコマンドの中に、表示用停止種別コマンドがあるか否かを判別し(S2406)、表示用停止種別コマンドがあれば(S2406:Yes)、停止種別コマンド処理を実行して(S2407)、S2601の処理へ戻る。
ここで、図47(b)を参照して、停止種別コマンド処理(S2407)の詳細について説明する。図47(b)は、停止種別コマンド処理を示すフローチャートである。この停止種別コマンド処理は、音声ランプ制御装置114より受信した表示用変動種別コマンドに対応する処理を実行するものである。
停止種別コマンド処理では、まず、表示用停止種別コマンドによって示される停止種別情報(大当たりA、大当たりB、大当たりC、大当たりD、前後外れリーチ、前後外れ以外リーチ、完全外れのいずれか)に対応する停止種別テーブルを決定し(S2601)、その停止種別テーブルと、V割込処理(図45(b)参照)が実行されるたびに更新される停止図柄カウンタの値とを比較して、第3図柄表示装置81に表示される変動演出後の停止図柄を最終的に設定する(S2602)。
そして、停止図柄毎に設けられた停止図柄判別フラグのうち、S2602の処理によって設定された停止図柄に対応する停止図柄判別フラグをオンすると共に、その他の停止図柄に対応する停止図柄判別フラグをオフに設定して(S2603)、この停止種別コマンド処理を終了し、コマンド判定処理に戻る。
ここで、上述したように、変動表示データテーブルでは、そのデータテーブルに基づく変動が開始されてから所定時間経過後において、第3図柄表示装置81に表示すべき第3図柄を特定する種別情報として、S2602の処理によって設定された停止図柄からのオフセット情報(図柄オフセット情報)が記載されている。上述のタスク処理(S2304)では、変動が開始されてから所定時間が経過した後、S2603によって設定された停止図柄判別フラグからS2602の処理によって設定された停止図柄を特定すると共に、その特定した停止図柄に対して表示設定処理により取得された図柄オフセット情報を加算することによって、実際に表示すべき第3図柄を特定する。そして、この特定された第3図柄に対応する画像データが格納されたアドレスを特定する。尚、第3図柄に対応する画像データは、上述したように、常駐用ビデオRAM235の第3図柄エリア235dに格納されている。
尚、主制御装置110において変動の開始の判断は、必ず数秒以上離れて行われるので、20ミリ秒以内に2以上の表示用停止種別コマンドを受信することはなく、したがって、コマンド判定処理を実行する場合に、コマンドバッファ領域に2以上の表示用停止種別コマンドが格納されている場合はあり得ないが、ノイズ等の影響によってコマンドの一部が変化し、別のコマンドが誤って表示用停止種別コマンドとして解釈されるおそれもあり得る。S2601の処理では、このような場合に備え、2以上の表示用停止種別コマンドがコマンドバッファ領域に格納されていると判断される場合は、停止種別が完全外れであると仮定して、停止種別テーブルを決定する。これにより、完全外れに対応する停止図柄がS2602の処理によって設定される。
仮に、「特別図柄の大当たり」に対応する停止図柄が設定されてしまうと、実際には、「特別図柄の外れ」であった場合であっても、第3図柄表示装置81には「特別図柄の大当たり」に対応する停止図柄が表示されることとなり、遊技者にパチンコ機10が「特別図柄の大当たり」となったと勘違いさせてしまい、パチンコ機10の信頼性を低下させるおそれがあった。これに対し、本実施形態のように、完全外れに対応する停止図柄が設定されることで、実際には、「特別図柄の大当たり」であれば、第3図柄表示装置81に完全外れの停止図柄が表示されても、パチンコ機10が「特別図柄の大当たり」になるので、遊技者を喜ばせることができる。
図46に戻り、説明を続ける。S2406の処理において、表示用停止種別コマンドがないと判別されると(S2406:No)、次いで、未処理のコマンドの中に、表示用オープニングコマンドがあるか否かを判別し(S2408)、表示用オープニングコマンドがあれば(S2408:Yes)、オープニングコマンド処理を実行して(S2409)、S2401の処理へ戻る。
ここで、図48(a)を参照して、オープニングコマンド処理(S2409)の詳細について説明する。図48(a)は、オープニングコマンド処理を示すフローチャートである。このオープニングコマンド処理は、音声ランプ制御装置114より受信したオープニングコマンドに対応する処理を実行するものである。
オープニングコマンド処理では、まず、オープニング表示データテーブルを表示データテーブルバッファ233dに設定する(S2701)。その後、オープニング表示データテーブルに対応する転送データテーブルを転送データテーブルバッファ233eに設定し(S2702)、設定したオープニング表示データテーブルを基に、時間データを計時カウンタ233hに設定する(S2703)。その後、ポインタ233fを0に初期化する(S2704)。そして、デモ表示フラグ233y、および確定表示フラグ233zをいずれもオフに設定して(S2705)、オープニングコマンドを終了し、コマンド判定処理に戻る。
図46に戻り、説明を続ける。S2408の処理において、表示用オープニングコマンドがないと判別されると(S2408:No)、次いで、未処理のコマンドの中に、表示用ラウンド数コマンドがあるか否かを判別し(S2410)、表示用ラウンド数コマンドがあれば(S2410:Yes)、ラウンド数コマンド処理を実行して(S2411)、S2401の処理へ戻る。
ここで、図48(b)を参照して、ラウンド数コマンド処理(S2411)の詳細について説明する。図48(b)は、ラウンド数コマンド処理を示すフローチャートである。このラウンド数コマンド処理は、音声ランプ制御装置114より受信した表示用ラウンド数コマンドに対応する処理を実行するものである。
ラウンド数コマンド処理では、まず、表示用ラウンド数コマンドによって示されるラウンド数に対応したラウンド数表示データテーブルを決定し、その決定したラウンド数表示データテーブルをデータテーブル格納エリア233bから読み出して、表示データテーブルバッファ233dに設定する(S2801)。次いで、転送データテーブルバッファ233eにNullデータを書き込むことで、その内容をクリアする(S2802)。
そして、S2801の処理によって表示データテーブルバッファ233dに設定されたラウンド数表示データテーブルを基に、その演出時間を表す時間データを計時カウンタ233hに設定し(S2803)、ポインタ233fを0に初期化する(S2804)。そして、デモ表示フラグ233y、および確定表示フラグ233zをいずれもオフに設定して(S2805)、ラウンド数コマンド処理を終了し、コマンド判定処理に戻る。
図46に戻って説明を続ける。S2410の処理において、表示用ラウンド数コマンドがないと判別されると(S2410:No)、次いで、未処理のコマンドの中に、表示用エンディングコマンドがあるか否かを判別し(S2412)、表示用エンディングコマンドがあれば(S2412:Yes)、エンディングコマンド処理を実行して(S2413)、S2401の処理へ戻る。
ここで、図49を参照して、エンディングコマンド処理(S2413)の詳細について説明する。図49は、エンディングコマンド処理を示すフローチャートである。このエンディングコマンド処理は、音声ランプ制御装置114より受信した表示用エンディングコマンドに対応する処理を実行するものである。
エンディングコマンド処理では、まず、表示用エンディングコマンドによって示されるエンディング演出の表示態様に対応したエンディング表示データテーブルを決定し、その決定したエンディング表示データテーブルをデータテーブル格納エリア233bから読み出して、表示データテーブルバッファ233dに設定する(S2901)。次いで、転送データテーブルバッファ233eにNullデータを書き込むことで、その内容をクリアする(S2902)。
次いで、S2901の処理によって表示データテーブルバッファ233dに設定されたエンディング表示データテーブルを基に、その演出時間を表す時間データを計時カウンタ233hに設定し(S2903)、ポインタ233fを0に初期化する(S2904)。そして、デモ表示フラグ233y、および確定表示フラグ233zをいずれもオフに設定して(S2905)、エンディングコマンド処理を終了し、コマンド判定処理に戻る。
ここで、図46の説明に戻る。S2412の処理において、表示用エンディングコマンドがないと判別されると(S2412:No)、次いで、未処理のコマンドの中に、背面画像変更コマンドがあるか否かを判別し(S2414)、背面画像変更コマンドがあれば(S2414:Yes)、背面画像変更コマンド処理を実行して(S2415)、S2401の処理へ戻る。
ここで、図50(a)を参照して、背面画像変更コマンド処理(S2415)の詳細について説明する。図50(a)は、背面画像変更コマンド処理を示すフローチャートである。この背面画像変更コマンド処理は、音声ランプ制御装置114より受信した背面画像変更コマンドに対応する処理を実行するものである。
背面画像変更コマンド処理では、まず、背面画像変更フラグ233wをオンに設定することで、背面画像変更コマンドを受信したことに伴う背面画像の変更を通常画像転送設定処理(S3503)に通知する。そして、背面画像判別フラグ233xを構成する各ビットのうち、背面画像変更コマンドによって示された背面種別に対応するビットをオンすると共に、その他の背面種別に対応するビットをオフに設定して(S3002)、この背面画像変更コマンド処理を終了し、コマンド判定処理に戻る。
通常画像転送設定処理では、S3001の処理により設定される背面画像変更フラグ233wがオンされていることを検出すると、S3002の処理によって設定される背面画像判別フラグ233xの各ビットから、変更後の背面画像種別を特定する。そして、その特定された背面画像種別が背面B〜Eである場合は、上述したように、それらの背面画像に対応する画像データの一部が常駐用ビデオRAM235の背面画像エリア235cに常駐されていないので、所定の範囲の背面画像に対応する画像データをキャラクタROM234から通常用ビデオRAM236の画像格納エリア236aの所定のサブエリアに転送するよう、画像コントローラ237に対する転送指示の設定を行う。
また、タスク処理(S2304)では、表示データテーブルに規定された背面画像の背面種別によって、背面A〜Eのいずれかを表示させることが規定されていた場合、S3002によって設定された背面画像判別フラグから、その時点において表示すべき背面画像種別を特定し、更に、表示すべき背面画像の範囲を時間経過に合わせて特定して、その背面画像の範囲に対応する画像データが格納されているRAM種別(常駐用ビデオRAM235か、通常用ビデオRAM236か)と、そのRAMのアドレスを特定する。
尚、本実施形態では、変動表示を実行する際に背面種別を変更するか否かの抽選(判別)を行う構成としている。変動表示は最低7秒間の変動時間が設定されるため、20ミリ秒以内に2以上の背面画像変更コマンドを受信することはなく、したがって、コマンド判定処理を実行する場合に、コマンドバッファ領域に2以上の背面画像変更コマンドが格納されている場合はないはずであるが、ノイズ等の影響によってコマンドの一部が変化し、別のコマンドが誤って背面画像変更コマンドとして解釈されるおそれもあり得る。S3202の処理では、2以上の背面画像コマンドがコマンドバッファ領域に格納されていると判断される場合、先に受信した背面画像コマンドによって示される背面画像種別に対応する背面画像判別フラグをオンしてもよいし、後に受信した背面画像コマンドによって示される背面画像種別に対応する背面画像判別フラグをオンしてもよい。また、任意の1の背面画像変更コマンドを抽出し、そのコマンドによって示される背面画像種別に対応する背面画像判別フラグをオンしてもよい。この背面画像の変更は、パチンコ機10における遊技価値の直接影響を与えるものではないので、パチンコ機10の特性や操作性に応じて、適宜設定するのが好ましい。
ここで、図46の説明に戻る。S2414の処理において、背面画像変更コマンドがないと判別されると(S2414:No)、次いで、未処理のコマンドの中に、エラーコマンドがあるか否かを判別し(S2416)、エラーコマンドがあれば(S2416:Yes)、エラーコマンド処理を実行して(S2417)、S2401の処理へ戻る。
ここで、図50(b)を参照して、エラーコマンド処理(S2417)の詳細について説明する。図50(b)は、エラーコマンド処理を示すフローチャートである。このエラーコマンド処理は、音声ランプ制御装置114より受信したエラーコマンドに対応する処理を実行するものである。
エラーコマンド処理では、まず、オン状態でエラーが発生していることを示すエラー発生フラグをオンに設定する(S3101)。そして、エラー種別毎に設けられたエラー判別フラグのうち、エラーコマンドによって示されるエラー種別に対応するエラー判別フラグをオンすると共に、その他のエラー判別フラグをオフに設定して(S3102)、エラーコマンド処理を終了し、コマンド判定処理に戻る。
表示設定処理では、S3101の処理によって設定されたエラー発生フラグに基づいて、エラーの発生を検出すると、S3102の処理によって設定されたエラー判別フラグから発生したエラー種別を判断し、そのエラー種別に対応する警告画像を第3図柄表示装置81に表示させるように処理を実行する。
尚、2以上のエラーコマンドがコマンドバッファ領域に格納されていると判断される場合、S3302に処理では、それぞれのエラーコマンドによって示される全てのエラー種別に対応するエラー判別フラグをオンに設定する。これにより、全てのエラー種別に対応する警告画像が第3図柄表示装置81に表示されるので、遊技者やホール関係者が、エラーの発生状況を正しく把握することができる。
ここで、図46の説明に戻る。S2416の処理において、エラーコマンドがないと判別されると(S2416:No)、次いで、その他の未処理のコマンドに対応する処理を実行し(S2418)、S2401の処理へ戻る。
各コマンドの処理が実行された後に再び実行されるS2401の処理では、再度、コマンドバッファ領域に未処理の新規コマンドがあるか否かを判別し、未処理の新規コマンドがあれば(S2401:Yes)、再びS2402〜S2418の処理を実行する。そして、コマンドバッファ領域に未処理の新規コマンドがなくなるまで、S2402〜S2418の処理が繰り返し実行され、S2401の処理で、コマンドバッファ領域に未処理の新規コマンドがないと判別されると、このコマンド判定処理を終了する。
尚、V割込処理(図45(b)参照)において簡易画像表示フラグ233cがオンの場合に実行される簡易コマンド判定処理(S2308)も、コマンド判定処理と同様の処理が行われる。ただし、簡易コマンド判定処理では、コマンドバッファ領域に格納されている未処理のコマンドから、図18に示す電源投入時画像を表示するのに必要なコマンド、即ち、表示用変動パターンコマンドおよび表示用停止種別コマンドだけを抽出して、それぞれのコマンドに対応する処理である、変動パターンコマンド処理(図47(a)参照)および停止種別コマンド処理(図47(b)参照)を実行すると共に、その他のコマンドについては、そのコマンドに対応する処理を実行せずに破棄する処理を行う。
ここで、この場合に実行される、変動パターンコマンド処理(図47(a)参照)では、S2501の処理で、電源投入時変動画像の表示に対応した表示データテーブルバッファが表示データテーブルバッファ233dに設定され、また、その場合に必要となる電源投入時主画像および電源投入時変動画像の画像データは常駐用ビデオRAM235の電源投入時主動画像エリア235aおよび電源投入時変動動画像エリア235bに格納されているので、S2502の処理では、転送データテーブルバッファ233bにはNullデータを書き込み、その内容をクリアする処理が行われる。
次いで、図51〜図53を参照して、表示制御装置114のMPU231で実行されるV割込処理の一処理である上述の表示設定処理(S2303)の詳細について説明する。図51は、この表示設定処理を示すフローチャートである。
この表示設定処理では、図51に示すように、新規コマンドフラグがオンであるか否かを判別し(S3201)、新規コマンドフラグがオンではない、即ち、オフであれば(S3201:No)、先に実行されるコマンド判定処理おいて新規コマンドが処理されていないと判断して、S3202〜S3204の処理をスキップし、S3205の処理へ移行する。一方、新規フラグがオンであれば(S3201:Yes)、先に実行されるコマンド判定処理おいて新規コマンドが処理されたと判断し、新規コマンドフラグをオフに設定した後(S3202)、S3203〜S3204の処理によって、新規コマンドに対応する処理を実行する。
S3203の処理では、エラー発生フラグがオンであるか否かを判別する(S3203)。そして、エラー発生フラグがオンであれば(S3203:Yes)、警告画像設定処理を実行する(S3204)。
ここで、図52を参照して、警告画像設定処理の詳細について説明する。図52は、警告画像設定処理を示すフローチャートである。この処理は、発生したエラーに対応する警告画像を第3図柄表示装置81に表示させる画像データを展開するための処理で、まず、エラー判別フラグを参照し、オンが設定された全てのエラー判別フラグに対応したエラーの警告画像を第3図柄表示装置81に表示させる警告画像データを展開する(S3301)。
タスク処理(S2304)では、この展開された警告画像データを元に、その警告画像を構成するスプライト(表示物)の種別を特定すると共に、スプライト毎に、表示座標位置や拡大率、回転角度といった描画に必要な各種パラメータを決定する。
そして、警告画像設定処理では、S3301の処理の後、エラー発生フラグをオフに設定して(S3302)、表示設定処理に戻る。
ここで、図51の説明に戻る。警告画像設定処理(S3204)の後、又は、S3203の処理において、エラー発生フラグがオンではない、即ち、オフであると判別されると(S3203:No)、次いで、S3205の処理へ移行する。
S3205の処理では、ポインタ更新処理を実行する(S3205)。ここで、図53を参照して、ポインタ更新処理の詳細について説明する。図53は、ポインタ更新処理を示すフローチャートである。このポインタ更新処理は、表示データテーブルバッファ233dおよび転送データテーブルバッファ233eの各バッファにそれぞれ格納された表示データテーブルおよび転送データテーブルから、対応する描画内容もしくは転送対象画像データの転送データ情報を取得すべきアドレスを指定するポインタ233fの更新を行う処理である。
このポインタ更新処理では、まず、ポインタ233fに1を加算する(S3401)。即ち、ポインタ233fは、原則、V割込処理が実行される度に1だけ加算されるように更新処理が行われる。また、上述したように、各種データテーブルは、アドレス「0000H」には、Start情報が記載されており、それぞれのデータの実体はアドレス「0001H」以降に規定されているところ、表示データテーブルが表示データテーブルバッファ233dに格納されるのに合わせてポインタ233fの値が0に初期化された場合は、このポインタ更新処理によってその値が1に更新されるので、アドレス「0001H」から順に、それぞれのデータテーブルから実体的なデータを読み出すことができる。
S3401の処理によって、ポインタ233fの値を更新した後、次いで、表示データテーブルバッファ233dに設定された表示データテーブルにおいて、その更新後のポインタ233fで示されるアドレスのデータがEnd情報であるか否かを判別する(S3402)。その結果、End情報であれば(S3402:Yes)、表示データテーブルバッファ233dに設定された表示データテーブルにおいて、その実体データが記載されたアドレスを過ぎてポインタ233fが更新されたことを意味する。
そこで、表示データテーブルバッファ233dに格納されている表示データテーブルがデモ用表示データテーブルであるか否かを判別して(S3403)、デモ用表示データテーブルであれば(S3403:Yes)、表示データテーブルバッファ233dに設定されているデモ用表示データテーブルの演出時間に対応する時間データを計時カウンタ233hに設定し(S3404)、ポインタ233fを1に設定して初期化し(S3405)、本処理を終了し、表示設定処理に戻る。これにより、表示設定処理では、デモ用表示データテーブルの先頭から順に描画内容を展開することができるので、第3図柄表示装置81には、デモ演出を繰り返し表示させることができる。
一方、S3403の処理において、表示データテーブルバッファ233dに格納されている表示データテーブルがデモ用表示データテーブルでないと判別された場合は(S3403:No)、ポインタ233fの値を1だけ減算して(S3406)、本処理を終了し、表示設定処理に戻る。これにより、表示設定処理では、表示データテーブルバッファ233dにデモ用表示データテーブル以外の表示データテーブル、例えば、変動表示データテーブルが設定されている場合は、End情報が記載された1つ前のアドレスの描画内容が常に展開されるので、第3図柄表示装置81には、その表示データテーブルで規定される最後の画像を停止させた状態で表示させることができる。一方、S3402の処理において、更新後のポインタ233fで示されるアドレスのデータがEnd情報でなければ(S3402:No)、本処理を終了し、表示設定処理に戻る。
ここで、図51に戻り説明を続ける。ポインタ更新処理の後、表示データテーブルバッファ233dに設定されている表示データテーブルから、ポインタ更新処理によって更新されたポインタ233fで示されるアドレスの描画内容を展開する(S3206)。タスク処理では、先に展開された警告画像などと共に、S3206の処理で展開された描画内容を元に、画像を構成するスプライト(表示物)の種別を特定すると共に、スプライト毎に、表示座標位置や拡大率、回転角度といった描画に必要な各種パラメータを決定する。
次いで、計時カウンタ233hの値を1だけ減算し(S3207)、減算後の計時カウンタ233hの値が0以下であるか否かを判別する(S3208)。そして、計時カウンタ233hの値が1以上である場合は(S3208:No)、そのまま表示設定処理を終了してV割込処理に戻る。一方、計時カウンタ233hの値が0以下である場合は(S3208:Yes)、表示データテーブルバッファ233dに設定されている表示データテーブルに対応する演出の演出時間が経過したことを意味する。このとき、表示データテーブルバッファ233dに変動表示データテーブルが設定されている場合は、その変動表示を終了すると共に停止表示を行うタイミングであるので、確定表示フラグ233zがオンであるか否かを確認する(S3209)。
その結果、確定表示フラグ233zがオフであれば(S3209:No)、まだ確定表示の演出を行っておらず、確定表示の演出を行うタイミングなので、まず、確定表示データテーブルを表示データテーブルバッファ233dに設定し(S3210)、次いで、転送データテーブルバッファ233eにNullデータを書き込むことで、その内容をクリアする(S3211)。そして、確定表示データテーブルの演出時間に対応する時間データを計時カウンタ233hに設定し(S3212)、更に、ポインタ233fの値を0に初期化する(S3213)。そして、オン状態で確定表示演出中であることを示す確定表示フラグ233zをオンに設定した後(S3214)、停止図柄判別フラグの内容をそのままワークRAM233に設けられた前回停止図柄判別フラグにコピーして(S3215)、V割込処理に戻る。
これにより、表示データテーブルバッファ233dに変動表示データテーブルが設定されている場合などにおいて、その演出の終了に合わせて、変動演出における停止図柄の確定表示演出が第3図柄表示装置81に表示されるように、その描画内容を設定することができる。また、表示データテーブルバッファ233bに設定される表示データテーブルを確定表示データテーブルに変更するだけで、容易に、第3図柄表示装置81に表示させる演出を確定表示演出に変更することができる。そして、従来のように、別のプログラムを起動させることによって表示内容を変更する場合と比較して、プログラムが複雑かつ肥大化することなく、よって、MPU231に多大な負荷がかかることがないので、表示制御装置114の処理能力に関係なく、多種多様な演出画像を第3図柄表示81に表示させることができる。
尚、S3215の処理によって設定された前回停止図柄判別フラグは、次に行われる変動演出において第3図柄表示装置81に表示すべき第3図柄を特定するために用いられる。即ち、上述したように、変動演出における第3図柄の表示は、1つ前に行われた変動演出の停止図柄に応じて変わるためであり、変動表示データテーブルでは、そのデータテーブルに基づく変動が開始されてから所定時間経過するまでは、1つ前に行われた変動演出の停止図柄からの図柄オフセット情報が記載されている。タスク処理(S2304)では、変動が開始されてから所定時間が経過するまで、S3215によって設定された前回停止図柄判別フラグから、1つ前に行われた変動演出の停止図柄を特定すると共に、その特定した停止図柄に対して表示設定処理により取得された図柄オフセット情報を加算することによって、実際に表示すべき第3図柄を特定する。これにより、1つ前の変動演出における停止図柄から変動演出が開始される。
一方、S3209の処理において、確定表示フラグ233zがオンであれば(S3209:Yes)、デモ表示フラグ233yがオンであるか否かを判別する(S3216)。そして、デモ表示フラグ233yがオフであれば(S3216:No)、確定表示演出の終了に伴って計時カウンタ233hの値が0以下になったことを意味するので、デモ用表示データテーブルを表示データテーブルバッファ233dに設定し(S3217)、次いで、転送データテーブルバッファ233eにNullデータを書き込むことで、その内容をクリアする(S3218)。そして、デモ用表示データテーブルの演出時間に対応する時間データを計時カウンタ233hに設定する(S3219)。そして、ポインタ233fを0に初期化し(S3220)、オン状態でデモ演出中であることを示すデモ表示フラグ233yをオンに設定して(S3221)、本処理を終了し、V割込処理に戻る。
これにより、確定表示演出が終了した後に、次の変動演出開始を示す表示用変動パターンコマンド、または、オープニングコマンドを受信しなかった場合には、自動的に、第3図柄表示装置81にデモ演出が表示されるように、描画内容を設定することができる。
S3216の処理において、デモ表示フラグ233yがオンであれば(S3216:Yes)、確定表示演出が終了した後にデモ演出が行われ、そのデモ演出が終了したことを意味するので、そのまま表示設定処理を終了し、V割込処理に戻る。そして、この場合、次回のV割込処理の中で実行されるポインタ更新処理によって、上述したように、再びデモ演出が開始されるように、各種設定が行われるので、音声ランプ制御装置113より新たな表示用変動パターンコマンドを受信するまでは、デモ演出を繰り返し第3図柄表示装置81に表示させることができる。
尚、V割込処理(図45(b)参照)において簡易画像表示フラグ233cがオンの場合に実行される簡易表示設定処理(S2309)でも、表示設定処理と同様の処理が行われる。ただし、簡易表示設定処理では、電源投入時変動画像による変動演出の演出時間が終了した後、所定時間、表示用停止種別コマンドに基づいて設定された停止図柄に応じた電源投入時変動画像の一方の画像(図18(b)および(c)のいずれか)を停止表示させることを規定した表示データテーブルを、表示データテーブルバッファ233dに設定する処理が行われる。
次いで、図54及び図55を参照して、表示制御装置114のMPU231で実行されるV割込処理の一処理である転送設定処理(S2305)の詳細について説明する。まず、図54(a)は、この転送設定処理を示すフローチャートである。
この転送設定処理では、まず、簡易画像表示フラグ233cがオンか否かを判別する(S3501)。そして、簡易画像表示フラグ233cがオンであれば、(S3501:Yes)、常駐用ビデオRAM235に常駐すべき全ての画像データがキャラクタROM234から常駐用ビデオRAM235に転送されていないので、常駐画像転送設定処理を実行して(S3502)、転送設定処理を終了し、V割込処理へ戻る。これにより、画像コントローラ237に対して、常駐用ビデオRAM235に常駐すべき画像データをキャラクタROM234から常駐用ビデオRAM235へ転送させるための転送指示が設定される。なお、常駐画像転送設定処理の詳細については、図54(b)を参照して後述する。
一方、S3501の処理の結果、簡易画像表示フラグ233cがオンではない、即ち、オフであれば、(S3501:No)、常駐用ビデオRAM235に常駐すべき全ての画像データがキャラクタROM234から常駐用ビデオRAM235に転送されていることを意味する。この場合は、通常画像転送設定処理を実行し(S3503)、転送設定処理を終了して、V割込処理へ戻る。これにより、以後のキャラクタROM234からの画像データの転送は、通常用ビデオRAM236に対して行われるように転送指示が設定される。なお、通常画像転送設定処理の詳細については、図55を参照して後述する。
次いで、図54(b)を参照して、表示制御装置114のMPU231で実行される転送設定処理(S2305)の一処理である常駐画像転送設定処理(S3502)について説明する。図54(b)は、この常駐画像転送設定処理(S3502)を示すフローチャートである。
この常駐画像転送設定処理では、まず、画像コントローラ237に対して、未転送の画像データの転送指示をしているか否かを判別し(S3601)、転送指示を送信していれば(S3601:Yes)、更に、その転送指示に基づき画像コントローラ237により行われる画像データの転送処理が終了したか否かを判別する(S3602)。このS3602の処理では、画像コントローラ237に対して画像データの転送指示を行った後、画像コントローラ237から、転送処理の終了を示す転送終了信号を受信した場合に、転送処理が終了したと判断する。そして、S3602の処理により、転送処理が終了していないと判別される場合は(S3602:No)、画像コントローラ237において画像の転送処理が継続して行われているので、この常駐画像転送設定処理を終了する。一方、転送処理が終了したと判別される場合は(S3602:Yes)、S3603の処理へ移行する。また、S3601の処理の結果、画像コントローラ237に対して、未転送の画像データの転送指示を送信していない場合も(S3601:No)、S3603の処理へ移行する。
S3603の処理では、常駐用ビデオRAM235に常駐すべき全ての常駐対象画像データを転送したか否かを判別し(S3603)、未転送の常駐対象画像データがあれば(S3603:No)、その未転送の常駐対象画像データをキャラクタROM234から常駐用ビデオRAM235へ転送するように、画像コントローラ237に対する転送指示を設定し(S3604)、常駐画像転送設定処理を終了する。
これにより、描画処理において画像コントローラ237に対して送信される描画リストに、未転送の常駐対象画像データに関する転送データ情報が含められることになり、画像コントローラ237は、その描画リストに記載された転送データ情報を基に、常駐対象画像データをキャラクタROM234から常駐用ビデオRAM236へ転送することができる。尚、転送データ情報には、常駐対象画像データが格納されているキャラクタROM234の先頭アドレスと最終アドレス、転送先の情報(この場合は、常駐用ビデオRAM235)、及び転送先(ここで転送される常駐対象画像データを格納すべき常駐用ビデオRAM235に設けられたエリア)の先頭アドレスが含められる。画像コントローラ237は、この転送データ情報に基づいて画像転送処理を実行し、転送処理で指定された画像データをキャラクタROM234から読み出して一旦バッファRAM237aに格納した後、常駐用ビデオRAM236の未使用期間中に、常駐用ビデオRAM236の指定されたアドレスに転送する。そして、転送が完了すると、MPU231に対して、転送終了信号を送信する。
S3603の処理の結果、全ての常駐対象画像データが転送されていれば(S3603:Yes)、簡易画像表示フラグ233cをオフに設定して(S3605)、常駐画像転送設定処理を終了する。これにより、V割込処理(図45(b)参照)において、簡易コマンド判定処理(図45(b)のS2308参照)および簡易表示設定処理(図45(b)のS2309参照)ではなく、コマンド判定処理(図46〜図50参照)および表示設定処理(図51〜図53参照)が実行されるので、通常時の画像の描画が設定されることになり、第3図柄表示装置81には通常時の画像が表示される。また、以後のキャラクタROM234からの画像データの転送は、通常画像転送設定処理(図55参照)により、通常用ビデオRAM236に対して行われる(図54(a)のS3501:No参照)。
MPU231は、この常駐画像転送設定処理を実行することにより、既にメイン処理の中で転送されている電源投入時主画像および電源投入時変動画像を除く、常駐用ビデオRAM235に常駐すべき全ての常駐対象画像データをキャラクタROM234から常駐用ビデオRAM235に対して転送することができる。そして、MPU231は、常駐用ビデオRAM235に転送された画像データを、電源投入中、上書きすることなく保持され続けるよう制御する。これにより、常駐画像転送設定処理によって常駐用ビデオRAM235に転送された画像データは、電源投入中、常駐用ビデオRAM235に常駐されることになる。
よって、常駐用ビデオRAM235に常駐すべき全ての画像データが常駐用ビデオRAM235に転送された後、表示制御装置114は、この常駐用ビデオRAM235に常駐された画像データを使用しながら、画像コントローラ237にて画像の描画処理を行うことができる。これにより、描画処理に使用する画像データが常駐用ビデオRAM235に常駐されていれば、画像描画時に読み出し速度の遅いNAND型フラッシュメモリ234aで構成されたキャラクタROM234から対応する画像データを読み出す必要がないため、その読み出しにかかる時間を省略でき、画像の描画を即座に行って第3図柄表示装置81に描画した画像を表示することができる。
特に、常駐用ビデオRAM235には、背面画像や、第3図柄、キャラクタ図柄、エラーメッセージといった、頻繁に表示される画像の画像データや、主制御装置110、音声ランプ制御装置113や表示制御装置114などによって表示が決定された後、即座に表示すべき画像の画像データを常駐させるので、キャラクタROM234をNAND型フラッシュメモリ234aで構成しても、遊技者によって任意のタイミングで行われる種々の操作から、第3図柄表示装置81に何らかの画像を表示させるまでの応答性を高く保つことができる。
次いで、図55を参照して、表示制御装置114のMPU231で実行される転送設定処理(S2305)の一処理である通常画像転送設定処理(S3503)について説明する。図55は、この通常画像転送設定処理(S3503)を示すフローチャートである。
この通常画像転送設定処理では、まず、転送データテーブルバッファ233eに設定されている転送データテーブルから、先に実行された表示設定処理(S2303)のポインタ更新処理(S3205)によって更新されたポインタ233fで示されるアドレスに記載された情報を取得する(S3701)。そして、取得した情報が転送データ情報であるか否かを判別し(S3702)、転送データ情報であれば(S3702:Yes)、その転送データ情報から、転送対象画像データが格納されているキャラクタROM234の先頭アドレス(格納元先頭アドレス)と最終アドレス(格納元最終アドレス)、及び、転送先(通常用ビデオRAM236)の先頭アドレスを抽出して、ワークRAM233に設けられた転送データバッファに格納し(S3703)、更に、ワークRAM233に設けられ、オン状態で転送開始すべき画像データが存在することを示す転送開始フラグをオンに設定して(S3704)、S3705の処理へ移行する。
また、S3702の処理において、取得した情報が転送データ情報ではなく、Nullデータであれば(S3702:No)、S3703及びS3704の処理をスキップして、S3705の処理へ移行する。S3705の処理では、画像コントローラ237に対して、前回行われた画像データの転送が終了した後に、新たに画像データの転送指示を設定したか否かを判別し(S3705)、転送指示を設定していれば(S3705:Yes)、更に、その転送指示に基づき画像コントローラ237により行われる画像データの転送が終了したか否かを判別する(S3706)。
このS3706の処理では、画像コントローラ237に対して画像データの転送指示を設定した後、画像コントローラ237から、転送処理の終了を示す転送終了信号を受信した場合に、転送処理が終了したと判断する。そして、S3706の処理により、転送処理が終了していないと判別される場合は(S3706:No)、画像コントローラ237において画像の転送処理が継続して行われているので、この通常画像転送設定処理を終了する。一方、転送処理が終了したと判別される場合は(S3706:Yes)、S3707の処理へ移行する。また、S3705の処理の結果、前回の転送処理の終了後に、画像コントローラ237に対して画像データの転送指示を設定していない場合も(S3705:No)、S3707の処理へ移行する。
S3707の処理では、転送開始フラグがオンか否かを判別し(S3707)、転送開始フラグがオンであれば(S3707:Yes)、転送開始すべき画像データが存在しているので、転送開始フラグをオフにし(S3708)、S3703の処理によって転送データバッファに格納した各種情報によって示されるスプライトの画像データを転送対象画像データに設定した上で、S3713の処理へ移行する。一方、転送開始フラグがオンではなく、オフであれば(S3707:No)、次いで、背面画像変更フラグ233wはオンか否かを判別する(S3709)。
そして、背面画像変更フラグ233wがオンであれば(S3709:Yes)、背面画像の変更を意味するので、背面画像変更フラグ233wをオフに設定した後(S3710)、背面画像種別毎に設けられた背面画像判別フラグ233xのうち、オン状態のビットに対応する背面画像の画像データを特定し、その画像データを転送対象画像データに設定する(S3711)。更に、オン状態にあるビットに対応する背面画像の画像データが格納されているキャラクタROM234の先頭アドレス(格納元先頭アドレス)と最終アドレス(格納元最終アドレス)、及び、転送先(通常用ビデオRAM236)の先頭アドレスを取得し(S3712)、S3713の処理へ移行する。
S3709の処理において、背面画像変更フラグ233wがオンではなく、オフであれば(S3709:No)、転送開始すべき画像データが存在していないので、そのまま通常画像転送設定処理を終了する。
尚、オン状態にある背面画像判別フラグ233wのビットが背面Aに対応するビットである場合、対応する画像データは全て常駐用ビデオRAM235の背面画像エリア235cに常駐されているので、通常用ビデオRAM236に転送すべき画像データが存在しない。よって、S3711の処理では、オン状態にあるビットが背面Aに対応するビットであれば、そのまま通常画像転送処理を終了する。
S3713の処理では、転送対象画像データが通常用ビデオRAM236に既に格納されているか否かを判別する(S3713)。このS3713の処理における判別では、格納画像データ判別フラグ233iを参照することによって行われる。即ち、転送対象画像データとされたスプライトに対応する格納状態を格納画像データ判別フラグ233iより読み出して、その格納状態が「オン」であれば、転送対象となったスプライトの画像データが通常用ビデオRAM236に格納されていると判断し、格納状態が「オフ」であれば、転送対象となったスプライトの画像データが通常用ビデオRAM236に格納されていないと判断する。
そして、S3713の処理の結果、転送対象画像データが通常用ビデオRAM236に格納されていれば(S3713:Yes)、キャラクタROM234から通常用ビデオRAM236に対して、その画像データを転送する必要がないので、そのまま通常画像転送設定処理を終了する。これにより、無駄に画像データがキャラクタROM234から通常用ビデオRAM236に対して転送されるのを抑制することができ、表示制御装置114の各部における処理負担の軽減や、バスライン240におけるトラフィックの軽減を図ることができる。
一方、S3713の処理の結果、転送対象画像データが通常用ビデオRAM236に格納されていなければ(S3713:No)、その転送対象画像データの転送指示を設定する(S3714)。これにより、描画処理において画像コントローラ237に対して送信される描画リストに、転送対象画像データの転送データ情報が含められることになり、画像コントローラ237は、その描画リストに記載された転送データ情報を基に、転送対象画像の画像データをキャラクタROM234から通常用ビデオRAM236へ転送することができる。尚、転送データ情報には、転送対象画像の画像データが格納されているキャラクタROM234の先頭アドレスと最終アドレス、転送先の情報(この場合は、通常用ビデオRAM236)、及び転送先(ここで転送される転送対象画像の画像データを格納すべき通常用ビデオRAM236の画像格納エリア236aに設けられたサブエリア)の先頭アドレスが含められる。画像コントローラ237は、この転送データ情報に基づいて画像転送処理を実行し、転送処理で指定された画像データをキャラクタROM234から読み出して、指定されたビデオRAM(ここでは、通常用ビデオRAM236)の指定されたアドレスに転送する。そして、転送が完了すると、MPU231に対して、転送終了信号を送信する。
S3714の処理の後、格納画像データ判別フラグ233iを更新し(S3715)、この通常用転送設定処理を終了する。格納画像データ判別フラグ233iの更新は、上述したように、転送対象画像データとなったスプライトに対応する格納状態を「オン」に設定し、また、その一のスプライトと同じ画像格納エリア236aのサブエリアに格納されることになっているその他のスプライトに対応する格納状態を「オフ」に設定することによって行われる。
このように、この通常用画像転送処理を実行することによって、先に実行されたコマンド判定処理の中で、表示用停止種別コマンドに対応する処理が実行され、その結果、表示用停止種別コマンドによって示される停止種別情報が大当たりの停止種別であると判別された場合は、オープニング演出において使用する画像データを遅滞なくキャラクタROM234から通常用ビデオRAM236に転送させることができる。また、先に実行されたコマンド判定処理の中で背面画像変更コマンドの受信に基づいて背面画像の変更が行われた場合は、その背面画像で用いられる画像データのうち、常駐用ビデオRAM235の背面画像エリア235cに格納されていない画像データを、遅滞なく、キャラクタROM234から通常用ビデオRAM236に転送させることができる。
また、本実施形態では、主制御装置110からのコマンド等に基づき音声ランプ制御装置113から送信されるコマンド(例えば、表示用変動パターンコマンド)等に応じて、表示データテーブルが表示データテーブルバッファ233dに設定されるのに合わせて、その表示データテーブルに対応する転送データテーブルが転送データテーブルバッファ233eに設定される。そして、MPU231は、通常画像転送設定処理を実行することにより、転送データテーブルバッファ233eに設定された転送データテーブルのポインタ233fで示されるエリアに記載されている転送データ情報に従って、画像コントローラ237に対し転送対象画像データの転送指示を設定するので、表示データテーブルバッファ233dに設定された表示データテーブルで用いられるスプライトの画像データを、所望のタイミングで確実にキャラクタROM234から通常用ビデオRAM236へ転送することができる。
ここで、表示データテーブルに従って所定のスプライトの描画が開始されるまでに、その所定のスプライトに対応する画像データが画像格納エリア236aに格納されるように、転送データテーブルでは、転送対象画像データの転送データ情報が所定のアドレスに対して規定されているので、この転送データテーブルに規定された転送データ情報に従って、画像データをキャラクタROM234から画像格納エリア236aに転送することにより、表示データテーブルに従って所定のスプライトを描画する場合に、そのスプライトの描画に必要な常駐用ビデオRAM235に常駐されていない画像データを、必ず画像格納エリア236aに格納させておくことができる。
これにより、読み出し速度の遅いNAND型フラッシュメモリ234aによってキャラクタROM234を構成しても、遅滞なく表示に必要な画像を予めキャラクタROM234から読み出し、通常用ビデオRAM236へ転送しておくことができるので、表示データテーブルで指定された各スプライトの画像を描画しながら、対応する演出を第3図柄表示装置81に表示させることができる。また、転送データテーブルの記載によって、常駐用ビデオRAM235に非常駐の画像データだけを容易に且つ確実にキャラクタROM234から通常用ビデオRAM236へ転送することができる。
また、転送データテーブルでは、スプライトに対応する画像データ毎にキャラクタROM234から通常用ビデオRAM236へ画像データが転送されるように、その転送データ情報を規定する。これにより、その画像データの転送をスプライト毎に管理し、また、制御することができるので、その転送に係る処理を容易に行うことができる。そして、スプライト単位でキャラクタROM234から通常用ビデオRAM236への画像データの転送を制御することにより、その処理を容易にしつつ、詳細に画像データの転送を制御できる。よって、転送にかかる負荷の増大を効率よく抑制することができる。
次いで、図56を参照して、表示制御装置114のMPU231で実行されるV割込処理の一処理である上述の描画処理(S2306)の詳細について説明する。図56は、この描画処理を示すフローチャートである。
描画処理では、タスク処理(S2304)で決定された1フレームを構成する各種スプライトの種別ならびにそれぞれのスプライトの描画に必要なパラメータ(表示位置座標、拡大率、回転角度、半透明値、αブレンディング情報、色情報、フィルタ指定情報)、及び、転送設定処理(S2305)により設定された転送指示から、図23に示す描画リストを生成する(S3801)。即ち、S3801の処理では、タスク処理(S2304)で決定された1フレームを構成する各種スプライトの種別から、スプライト毎に、そのスプライトの画像データが格納されている格納RAM種別とアドレスとを特定し、その特定された格納RAM種別とアドレスとに対して、タスク処理で決定されたそのスプライトに必要なパラメータを対応付ける。そして、各スプライトを、1フレーム分の画像の中で最も背面側に配置すべきスプライトから前面側に配置すべきスプライト順に並び替えた上で、その並び替え後のスプライト順に、それぞれのスプライトに対する詳細な描画情報(詳細情報)として、スプライトの画像データが格納されている格納RAM種別ならびにアドレスおよびそのスプライトの描画に必要なパラメータを記述することで、描画リストを生成する。また、転送設定処理(S2305)により転送指示が設定された場合は、その描画リストの末尾に、転送データ情報として、転送対象画像データが格納されているキャラクタROM234の先頭アドレス(格納元先頭アドレス)と最終アドレス(格納元最終アドレス)、及び、転送先(通常用ビデオRAM236)の先頭アドレスを追記する。
尚、上述したように、スプライト毎に、そのスプライトの画像データが格納される常駐用ビデオRAM235のエリア、又は、通常用ビデオRAM236の画像格納エリア236aのサブエリアが固定されているので、MPU231は、スプライト種別に応じて、そのスプライトの画像データが格納されている格納RAM種別とアドレスとを即座に特定し、それらの情報を描画リストの詳細情報に容易に含めることができる。
描画リストを生成すると、その生成した描画リストと、描画対象バッファフラグ233jによって特定される描画対象バッファ情報とを画像コントローラへ送信する(S3802)。ここでは、描画対象バッファフラグ233jが0である場合は、描画対象バッファ情報として第1フレームバッファ236bに描画された画像を展開するよう指示する情報を含め、描画対象バッファフラグ233jが1である場合は、描画対象バッファ情報として第2フレームバッファ236cに描画された画像を展開するよう指示する情報を含める。
画像コントローラ237は、MPU231より受信した描画リストに基づいて、その描画リストの先頭に記述されたスプライトから順に画像を描画し、それを描画対象バッファ情報によって指示されたフレームバッファに上書きによって展開する。これにより、描画リストによって生成された1フレーム分の画像において、最初に描画したスプライトが最も背面側に配置させ、最後に描画したスプライトが最も前面側に配置させることができる。
また、描画リストに転送データ情報が含まれている場合は、その転送データ情報から、転送対象画像データが格納されているキャラクタROM234の先頭アドレス(格納元先頭アドレス)と最終アドレス(格納元最終アドレス)、及び、転送先(通常用ビデオRAM236)の先頭アドレスを抽出し、その格納元先頭アドレスから格納元最終アドレスまでに格納された画像データを順にキャラクタROM234から読み出してバッファRAM237aに一時的に格納した後、通常用ビデオRAM236が未使用状態にあるときを見計らって、バッファRAM237aに格納した画像データを通常用ビデオRAM236の転送先先頭アドレスによって示されるエリアに順次転送する。そして、この通常用ビデオRAM236に格納された画像データは、その後にMPU231より送信される描画リストに基づいて使用され、描画リストに従った画像の描画が行われる。
尚、画像コントローラ237は、描画対象バッファ情報によって指示されたフレームバッファとは異なるフレームバッファから、先に展開された画像の画像情報を読み出して、駆動信号と共にその画像情報を第3図柄表示装置81に送信する。これにより、第3図柄表示装置81に対して、フレームバッファに展開した画像を表示させることができる。また、一方のフレームバッファに描画した画像を展開しながら、一方のフレームバッファから展開した画像を第3図柄表示81に表示させることができ、描画処理と表示処理とを同時並列的に処理することができる。
描画処理は、S3802の処理の後、描画対象バッファフラグ233jを更新する(S3803)。そして、描画処理を終了して、V割込処理に戻る。描画対象バッファフラグ233jの更新は、その値を反転させることにより、即ち、値が「0」であった場合は「1」に、「1」であった場合は「0」に設定することによって行われる。これにより、描画対象バッファは、描画リストが送信される度に、第1フレームバッファ236bと第2フレームバッファ236cとの間で交互に設定される。
ここで、描画リストの送信は、1フレーム分の画像の描画処理および表示処理が完了する20ミリ秒毎に画像コントローラ237から送信されるV割込信号に基づいて、MPU231により実行されるV割込処理(図45(b)参照)の描画処理が実行される度に、行われることになる。これにより、あるタイミングで、1フレーム分の画像を展開するフレームバッファとして第1フレームバッファ236bが指定され、1フレーム分の画像情報が読み出されるフレームバッファとして第2フレームバッファ236cが指定されて、画像の描画処理および表示処理が実行されると、1フレーム分の画像の描画処理が完了する20ミリ秒後に、1フレーム分の画像を展開するフレームバッファとして第2フレームバッファ236cが指定され、1フレーム分の画像情報が読み出されるフレームバッファとして第1フレームバッファ236bが指定される。よって、先に第1フレームバッファ236bに展開された画像の画像情報が読み出されて第3図柄表示装置81に表示させることができると同時に、第2フレームバッファ236cに新たな画像が展開される。
そして、更に次の20ミリ秒後には、1フレーム分の画像を展開するフレームバッファとして第1フレームバッファ236bが指定され、1フレーム分の画像情報が読み出されるフレームバッファとして第2フレームバッファ236cが指定される。よって、先に第2フレームバッファ236cに展開された画像の画像情報が読み出されて第3図柄表示装置81に表示させることができると同時に、第1フレームバッファ236bに新たな画像が展開される。以後、1フレーム分の画像を展開するフレームバッファと、1フレーム分の画像情報が読み出されるフレームバッファとを、20ミリ秒毎に、それぞれ第1フレームバッファ236bおよび第2フレームバッファ236cのいずれかを交互に指定することによって、1フレーム分の画像の描画処理を行いながら、1フレーム分の画像の表示処理を20ミリ秒単位で連続的に行わせることができる。
以上説明した通り、本第1実施形態におけるパチンコ機10では、オープニングの種別を複数(2種類)設けておき、設定されるオープニングの種別に応じて確変状態への移行し易さ(1の大当たりにおける特別排出流路65e2への入球率)を異ならせている。より具体的には、確変状態が付与され難い(特別排出流路65e2への入球率が低い)オープニングAと、そのオープニングAよりも確変状態が付与され易い(特別排出流路65e2への入球率が高い)オープニングBとを設定可能に構成している。そして、オープニングの種別は、大当たりの種別や大当たりとなった時点の遊技状態に基づいて選択する構成としている。より具体的には、通常状態で大当たりB、または大当たりDとなった場合にオープニングAが設定され、大当たりA、または大当たりCとなった場合には、オープニングBが設定されるように構成している。即ち、通常状態で大当たりB、または大当たりDになると、大当たり中に特別排出流路65e2への入球率が低くなる(確変スイッチ65e3を球が通過困難となる)一方で、大当たりA、または大当たりCになると、大当たり中に特別排出流路65e2への入球率が高くなる(確変スイッチ65e3を通過容易となる)ように構成している。よって、通常状態では、特別排出流路65e2への入球率が高い大当たりAや、大当たりCとなることを期待して遊技者に遊技を行わせることができる。
一方、通常状態以外(確変状態、または時短状態)では、全ての大当たり種別でオープニングBが設定されるように構成されている。即ち、通常状態以外の状態で大当たりになると、大当たり中に特別排出流路65e2への入球率が高くなる(確変スイッチ65e3を通過容易となる)。よって、確変状態、または時短状態が終了するよりも前に大当たりとなることを期待して各遊技状態における遊技を行わせることができる。従って、限られた特別図柄の抽選回数(確変回数、または時短回数)の中で大当たりに当選する必要があるという緊張感を抱かせながら遊技を行わせることができる。また、期待通り、限られた抽選回数内で大当たりとなった場合には、確実にオープニングBが設定されるので、大当たりとなった時点で、確変状態への移行がほぼ確定するという安心感を抱かせることができる。
ここで、通常状態と、通常状態以外の状態とで特別図柄の確変状態への突入率を可変させる方法として、オープニング期間でなく、1ラウンド目における開閉板65f1の開放パターンを大当たり種別に応じて異ならせる方法も考えられる。より具体的には、例えば、大当たりのオープニング期間を0.5秒に固定しておき、1ラウンドにおける開閉板65f1の開放期間を大当たり種別に応じて異ならせることで、確変スイッチ65e3を球が通過し易くなる大当たり種別と、確変スイッチ65e3を通過し難くなる大当たり種別とを設けておく。そして、通常状態で実行され易い第1特別図柄の抽選で大当たりとなった場合には、確変スイッチ65e3を通過し難い開閉パターンが設定される大当たり種別が選択される構成とし、通常状態以外の状態で実行され易い第2特別図柄の抽選で大当たりとなった場合には、確変スイッチ65e3を通過し難い開閉パターンが設定される大当たり種別が選択されない構成とする方法も考えられる。しかしながら、このように構成した場合、通常状態以外の状態(第2特別図柄の抽選が実行され易い状態)で、遊技者が球の打ち出し方向を誤る等により第1特別図柄の抽選が実行されてしまい、且つ、大当たりとなってしまった場合に、確変スイッチ65e3を球が通過し難い開閉パターンが設定されてしまう虞がある。よって、この場合は遊技者に不満感を抱かせてしまう場合がある。
また、開閉板65f1の開閉パターンを、遊技状態(通常状態であるか否か)によって異ならせる方法も考えられるが、大当たり種別と開閉パターンとが1対1対応でないと、遊技規則から外れてしまう可能性があり、ホールに設置できなくなってしまう虞がある。
これに対して本実施形態では、大当たり種別と、大当たりに当選した時点における遊技状態とに応じてオープニング期間を選択する構成により、遊技者に有利な状態(確変状態、および時短状態)において大当たりになると、必ず1ラウンド目に確変スイッチ65e3を通過し易い状態としている。このように構成することで、遊技者に有利な状態で第1特別図柄の抽選により大当たりとなった場合でも、大当たり中の遊技を安心して行わせることができる。
なお、本実施形態では、大当たりの1ラウンド目に流路ソレノイド65kをオン状態に設定し、特別排出流路65e2へと球を流下可能な状態となるように構成していたが、当別排出流路65e2へ入球可能となるラウンド数は1ラウンド目に限られるものではなく、任意に定めてもよい。なお、1ラウンド目以外のラウンドで、オープニングA,Bを用いて特別排出流路65e2への入球率を可変させる方法としては、例えば、入球可能となるラウンドまでの各ラウンドにおける開閉板65f1の開放時間を一定とすればよい。即ち、上記第1実施形態の1ラウンドと同様に、例えば、各ラウンドの終了条件を「ラウンド開始から規定時間として2秒経過、或いは、球が規定個数として10個入球するまで」と規定しておけばよい。つまり、規定個数(10個)の球を入球させることが現実的に困難な規定時間(2秒)を設定しておくことにより、規定時間が経過するまで確実に各ラウンドが継続するように構成しておいてもよい。そして、各ラウンドの規定時間と、インターバル期間とを加味して、流路ソレノイド65kの駆動タイミングを規定しておいてもよい。このように構成することで、確変状態へと移行するか否かを、より後のラウンドで決定することができる。よって、大当たり遊技において、確変状態へと移行するか否かの期待感を、遊技者に対してより長く抱かせることができる。
本実施形態では、通常状態で「大当たりC」となった場合にオープニングBが設定される構成としていたが、通常状態では「大当たりC」となった場合にもオープニングAが設定されるように構成してもよい。これにより、通常状態でも第2特別図柄の抽選を実行させようとして常時右打ちを行う変則的な遊技方法に対する抑止力をより高めることができる。
本実施形態では、確変スイッチ65e3に対して球を通過させることがほぼ不可能な期間に1ラウンド目を開始させるオープニングAと、確変スイッチ65e3に対して球を容易に通過させることが可能な期間に1ラウンド目を開始させるオープニングBとの2種類を設ける構成としていたが、オープニング種別は2種類に限定されるものではない。例えば、1ラウンド目の期間が、流路ソレノイド65kがオン状態に設定される2秒間のうち、一部と重複するオープニング種別を設ける構成としてもよい。
本実施形態では、第1入球口64と第2入球口640との2種類の入球口を設ける構成としたが、入球口は第1入球口64のみとしてもよい。即ち、第1特別図柄の抽選のみを実行可能に構成してもよい。このように構成しても、確変状態で大当たりA,BともにオープニングBが設定されるので、確変状態で当選した大当たりの1ラウンド目で、確変入球口への入球を容易とすることができる。このように構成することで、第2入球口640を削除することができるので、部品点数を削減することができる。よって、パチンコ機10の原価を低減することができる。
<第2実施形態>
次に、図57〜図72を参照して、第2実施形態におけるパチンコ機10について説明する。上述した第1実施形態では、大当たり種別、および大当たりに当選した時点の遊技状態に応じてオープニング種別を決定することで、遊技状態毎に特別図柄の高確率状態が付与される割合(大当たりにおける特別排出流路65e2への入球率)を異ならせる構成としていた。より具体的には、通常状態では、第1特別図柄の抽選で大当たりとなった場合にも、第2特別図柄の抽選で大当たりとなった場合にも、確変状態が50%で付与される(特別排出流路65e2への入球率が高くなるオープニングBが50%の割合で決定される)構成とし、通常状態以外の状態では、第1特別図柄の抽選で大当たりとなった場合にも、第2特別図柄の抽選で大当たりとなった場合にも、確変状態が100%付与される(特別排出流路65e2への入球率が高くなるオープニングBが100%決定される)構成としていた。これにより、通常状態以外の状態で、遊技者が誤って第1入球口64へと球を入球させてしまい、且つ、大当たりになってしまったとしても、確変状態が付与される割合を第2特別図柄と同一に保つことができていた。
これに対して第2実施形態では、大当たり種別、および大当たりとなった時点における遊技状態と、決定されるオープニング種別との対応関係を更に多様化させることに加え、時短状態の種別も異ならせている。そして、通常状態で当選した大当たりで、確変スイッチ65e3に対して球を通過させることができれば、当該大当たりに加え、次の大当たりでも特別図柄の高確率状態が付与される(即ち、大当たりが比較的短時間の間に3回連続する)という斬新な遊技性を実現している。
より具体的には、大当たり等を契機として、4つの遊技状態(通常状態、時短状態、潜確状態、確変状態)を行き来するように構成している。このうち、潜確状態(特別図柄の高確率状態、且つ、普通図柄の低確率状態)と、確変状態(特別図柄の高確率状態、且つ、普通図柄の高確率状態)とは、特別図柄の高確率状態が設定されるので、短い間隔で再度大当たりとなる可能性が高く、遊技者にとって有利な状態となる。一方、通常状態(特別図柄の低確率状態、且つ、普通図柄の低確率状態)と、時短状態(特別図柄の低確率状態、且つ、普通図柄の高確率状態)とは、大当たり確率が低くなるので遊技者にとって不利となる。
なお、有利な2種類の遊技状態(潜確状態、確変状態)のうち、潜確状態の方が遊技者にとってより有利となる。即ち、詳細については後述するが、潜確状態で大当たりになると、その大当たり後は基本的に、潜確状態が再度設定されるか、確変状態が設定される。よって、どちらの場合でも、大当たり確率が高い有利な状態が設定される。また、確変状態へと移行する割合よりも、潜確状態が再度設定される(潜確状態をループ)する割合の方が高くなっている。一方、確変状態で大当たりになると、潜確状態、確変状態に加え、時短状態へと移行する場合がある。また、他の2つの遊技状態に比較して、時短状態へと移行する割合が高くなる。よって、潜確状態で大当たりとなった後に設定される遊技状態は基本的に遊技者に有利な状態となるが、確変状態で大当たりとなった場合は、遊技者にとって不利な時短状態が設定される割合が高い。従って、潜確状態の方が、より有利な状態となる。このように、本第2実施形態では、有利度合いの異なる複数(2種類)の遊技状態を設ける構成とすることで、状態移行を多様化し、遊技者の興趣向上を図っている。
この第2実施形態におけるパチンコ機10が第1実施形態におけるパチンコ機10と構成上において相違する点は、遊技盤13に対して、特別図柄の抽選結果が外れの一部(小当たり)となった場合に球が入球可能となる小当たり用入賞装置650が設けられている点、主制御装置110に設けられたROM202、およびRAM203の構成が一部変更となっている点、および主制御装置110のMPU201により実行される一部処理が第1実施形態におけるパチンコ機10から変更されている点である。その他の構成や、主制御装置110のMPU201によって実行されるその他の処理、音声ランプ制御装置113のMPU221によって実行される各種処理、および表示制御装置114のMPU231によって実行される各種処理については、第1実施形態におけるパチンコ機10と同一である。以下、第1実施形態と同一の要素には同一の符号を付し、その図示と説明とを省略する。
まず、図57を参照して、本第2実施形態における遊技盤13について説明する。図57に示した通り、本第2実施形態の遊技盤13において、第1入球口64の正面視左下に、小当たり用入賞装置650が配設されている。この小当たり用入賞装置650の略中央部分には、球が小当たり用入賞装置650の内部へと入球可能な、横長矩形状の小当たり用入賞口650aが設けられている。球が小当たり用入賞装置650に球が入球すると、10個の賞球が払い出される。また、小当たり用入賞口650aは、通常時には閉鎖されており、特別図柄の抽選結果が外れの一態様である「小当たり」となった場合に開放される。この小当たりは、本第2実施形態において遊技状態の一つとして設けられている潜確状態(特別図柄の高確率状態、且つ、普通図柄の低確率状態)において、外れとなった場合に選択され易くなる。なお、小当たりは外れの一態様であるため、その前後で遊技状態は変化しない。
詳細については後述するが、本第2実施形態の潜確状態は、特別図柄の大当たりとなった場合に、大当たり種別に関係なく、必ずオープニングBが設定される(確変スイッチ65e3を球が容易に通過可能となる)最も有利な状態である。しかしながら、普通図柄の低確率状態であるので、第2入球口640へと球を入球させることが困難となる。よって、潜確状態では、第1特別図柄の抽選を行わせるために第1入球口64を狙って遊技を行う(左打ちを行う)必要がある。つまり、遊技者にとって最も不利な通常状態と同一の遊技方法で遊技を行う必要がある。この状況下で、仮に、大当たりとなるまでを通常状態と同一の制御とした場合、有利な潜確状態へと移行したにも拘わらず、大当たりとなるまでに持ち球がどんどん減ってしまうことになる。これに対して本第2実施形態では、潜確状態で特別図柄の抽選が実行されると、小当たりになり易く構成している。つまり、小当たり用入賞口650aが開放され易くなるので、左打ちし、第1入球口64へと入球しなかった球が、小当たり用入賞口650aへと入球し易くなる。よって、その入球により付与される賞球により、持ち球を減らさずに潜確状態中の遊技を実行させることができる。なお、小当たり用入賞口650aは、特別図柄の抽選で小当たりとなる毎に、所定期間(例えば、2秒経過するまで、或いは、球が10個入球するまで)開放される。
次に、図58、および図59を参照して、本実施形態における第3図柄表示装置81において実行される表示演出の一例として、発射方向報知演出について説明する。この発射方向報知演出は、遊技者が球を打ち出すべき方向を報知するための演出である。
ここで、本実施形態では、遊技状態に応じて、遊技者が球を打ち出すべき方向(特別図柄の抽選を行わせるために狙うべき入球口)が異なっている。具体的には、普通図柄の低確率状態に設定される通常状態、および潜確状態では、普通図柄の当たり確率が時短状態よりも低くなると共に、当たりとなった場合の開放期間が短くなり、普通図柄の変動時間が長くなる。よって、第2入球口640を狙って球を打ち出したとしても、第2入球口640へと球を入球させることがほとんどできなくなる。このため、通常状態や潜確状態では、左打ちを行うことによって第1入球口64へと球を入球させ、第1特別図柄の抽選を実行させた方が、右打ちを行うよりも遊技者にとって有利となる(持ち球の消費量を少なく抑え、効率的に遊技を行うことができる)。
一方で、確変状態や時短状態では、普通図柄の当たり確率が普通図柄の低確率状態よりも高くなると共に、当たりとなった場合の開放期間が長くなり、普通図柄の変動時間が短くなる。よって、第2入球口640へと球が入球し易くなるので、右打ちにより第2入球口640を狙って遊技を行うことにより、持ち球を減らさずに第2特別図柄の抽選を実行させることができる。従って、確変状態や時短状態では、右打ちを行う方が、左打ちよりも遊技者に有利となる。
本第2第実施形態では、この遊技者にとって有利となる球の発射方向を、発射方向報知演出によって報知可能に構成されている。この発射方向報知演出を実行することで、遊技者に対して効率的に遊技を行わせるための発射方向を容易に理解させることができると共に、現在の遊技状態を遊技者に報知することができる。即ち、左打ちが示唆された場合は、遊技状態が通常状態、または潜確状態であり、右打ちが示唆された場合は、遊技状態が確変状態、または時短状態である。よって、大当たり中に確変スイッチ65e3を球が通過したか否かと、発射方向報知演出の内容とに応じて、遊技者が現在の遊技状態を容易に把握することができる。なお、本実施形態では、発射方向報知演出を大当たりの終了後、即座に実行するのでなく、特定条件が成立するまで(大当たり後、左右どちらかのスルーゲート67を最初に球が通過するまで)発射方向報知演出の実行を回避する(遅延させる)構成としている。このように構成することで、少なくとも特定条件が成立するまでの間、遊技者は現在の遊技状態を特定することができなくなるため、有利な状態が設定されていることに対する期待感を持続的に抱かせることができる。
図58(a)は、大当たりが終了してから発射方向報知演出を開始するまでの間(大当たり後、左右のスルーゲート67に球が1個も入球していない状態)に第3図柄表示装置81に表示される表示態様の一例(回避演出)を示した図である。この回避演出、および上述した発射方向報知演出は、基本的に大当たり中に球が確変スイッチ65e3を通過した場合に、その大当たりの終了後に実行される。
図58(a)に示した通り、大当たりが開始されてから、最初にスルーゲート67を球が通過するまでの期間(回避期間)における表示態様として、小領域Ds2に表示された少年のキャラクタ710の右側に、吹き出し714が表示される。この吹き出し714は、小領域Ds2から小領域Ds3にかけて表示され、その内部に「スルーゲートを狙え!!」との文字が表示される。これにより、遊技者に対して遊技盤13の左右に設けられたスルーゲート67のどちらかを狙って球を発射させることができる。なお、「最初にスルーゲート67を球が通過するまで」という条件を設定しているのは、普通図柄の当たりとなり、第2入球口640に付随する電動役物640aが開放されるまで、右打ちと左打ちとで有利度合いに差が生じないからである。より詳述すると、普通図柄の高確率状態(時短状態)での右打ちが左打ちに比べて有利なのは、普通図柄の抽選で当たりになることで第2入球口640に付随する電動役物640aが開放され、第2入球口640へと球を入球させ易くなるからである。つまり、スルーゲート67が左右にそれぞれ設けられている本実施形態のパチンコ機10では、右打ちでも左打ちでも普通図柄の抽選を平等に行わせることができるため、スルーゲート67へと球が入球して普通図柄の当たりとなるまでは、右打ちと左打ちとで有利度合いに差が生じ無い。よって、有利度合いに差が生じない期間では、発射方向報知演出の実行を回避する(遅延させる)構成とすることにより、最も有利な潜確状態へと移行することに対する遊技者の期待感をより長く持続させることができる。
次に、図58(b)を参照して、大当たり後に潜確状態が付与された場合に実行される発射方向報知演出の表示態様について説明する。発射方向報知演出は、上述した通り、回避期間が終了した(大当たり後、左右どちらかのスルーゲート67を最初に球が通過したことを検出した)場合に実行される。図58(b)に示した通り、潜確状態において、大当たり後、最初に左右どちらかのスルーゲート67を球が通過すると、第3図柄表示装置81の小領域Ds2からDs3に掛けて表示されている吹き出し714の内部の文字が、「潜確突入!!左打ち!!」との文字に可変する。また、少年のキャラクタ710の瞳が燃え上がっているかのような表示態様に設定される。これにより、最も有利な潜確状態へと移行したことを、遊技者に容易に認識させることができる。また、左打ちを実行することで効率よく遊技を行うことができると、遊技者に容易に認識させることができる。
次に、図59(a)を参照して、大当たり後に確変状態が付与された場合に実行される発射方向報知演出の表示態様について説明する。図59(a)に示した通り、確変状態において、大当たり後、最初に左右どちらかのスルーゲート67を球が通過すると、第3図柄表示装置81の小領域Ds2からDs3に掛けて表示されている吹き出し714の内部の文字が、「右打ちしてね」との文字に可変する。また、吹き出し714の形状が、横長略楕円形状となる。これにより、潜確状態よりは不利な確変状態へと移行したことを、遊技者に認識させることができる。また、右打ちを実行することで効率よく遊技を行うことができると、遊技者に容易に認識させることができる。
なお、上述した通り、普通図柄の高確率状態(時短状態)では、普通図柄の変動時間が3秒間となる。このため、仮に左打ちによりスルーゲート67を通過させて、図59(a)に示す発射方向報知演出が実行され、且つ、普通図柄の当たりになっていたとしても、3秒間の普通図柄の変動中に、右打ちを行うことで、電動役物640aが開放されるタイミングに合わせて球を第2入球口640へと到達させることができる。よって、遊技者に損をさせることなく、潜確状態に対する期待感をより長く持続させることができる。
なお、本第2実施形態では、大当たり中に球がスルーゲート67を通過することにより実行された普通図柄の変動が、大当たり終了後に渡って実行され続けたり、大当たり中に保留された普通図柄の保留球が大当たり後に消化されることを防止(抑制)するために、普通図柄の低確率状態における普通図柄の変動時間を、普通図柄の高確率状態中よりも短く(例えば、0.5秒)構成している。このように構成することで、大当たり中にスルーゲート67を通過したとしても、即座に変動が終了するので、普通図柄の保留球を貯めることを困難とすることができる。よって、大当たり終了時には、普通図柄の保留球が0個で、且つ、変動停止状態となる可能性を高くすることができる。
仮に、大当たり終了時に当たりの普通図柄の変動が実行中、若しくは保留されていた場合、第2入球口640が開放されるにも拘らず回避期間を設定してしまうと遊技者が損をしてしまう。よって、遊技者に不満感を抱かせてしまう虞がある。これに対して本実施形態では、普通図柄の低確率状態における変動時間を短くし(例えば、0.5秒)、大当たり終了時に普通図柄の保留球が存在する可能性を低くしている。これにより、回避期間を設定したとしても(大当たり後、最初にスルーゲート67への入球を検出するまで発射方向報知演出を実行しなくても)、遊技者に対して不満感を抱かせ難くできる。よって、発射方向報知演出をより効果的に実行することができる。
なお、普通図柄の低確率状態における変動時間を短くすることに加えて、大当たりのエンディング期間において、球の打ち出しを停止するように遊技者に示唆する態様のエンディング演出を実行する構成としてもよい。このように構成することで、大当たり終了時に当たりの普通図柄の変動が実行中、若しくは普通図柄の変動が保留されているという状況を発生し難くできるので、発射方向報知演出をより効果的に実行することができる。
次に、図59(b)を参照して、本実施形態のパチンコ機10で実行される演出の一態様である、潜確復帰演出について説明する。この潜確復帰演出は、確変状態から潜確状態へと、大当たりを経由せずに移行した場合に実行される演出である。ここで、確変状態から大当たりを経由せずに潜確状態へと移行する場合とは、確変状態において設定された時短回数が終了した場合である。具体的には、本実施形態で確変状態(特別図柄の高確率状態、且つ、普通図柄の高確率状態)が設定されると、特別図柄の高確率状態が次に大当たりとなるまで継続する一方で、普通図柄の高確率状態は50回で終了する。このため、確変状態が設定された後、特別図柄の抽選が50回終了するまでの間に大当たりとならなかった場合には、潜確状態(特別図柄の高確率状態、且つ、普通図柄の低確率状態)に移行する。潜確復帰演出は、この確変状態から潜確状態への移行時に実行される演出である。
図59(b)に示した通り、潜確復帰演出が実行されると、第3図柄表示装置81の小領域Ds2からDs3に掛けて表示されている吹き出し714の内部の文字が、「潜確復帰!!左打ち!!」との文字に可変する。また、少年のキャラクタ710の瞳が燃え上がっているかのような表示態様に設定される。この表示態様により、最も有利な潜確状態へと復帰することができたことを遊技者に対して容易に理解させることができる。
なお、本第2実施形態では、大当たり終了後、最初に左右どちらかのスルーゲート67を球が通過したことに基づいて、発射方向報知演出を実行する構成としているが、これに限られるものではない。例えば、遊技盤13の左側に設けられたスルーゲート67を大当たり終了後、最初に通過したことに基づいて発射方向報知演出を実行する構成としてもよい。そして、回避期間中は、左側のスルーゲート67を狙うように示唆する態様の演出を実行する構成としてもよい。このように構成することで、大当たり終了後の遊技状態が潜確状態の場合には、回避期間中も第1入球口64へと入球し易い左打ちを遊技者に行わせることができるので、効率よく遊技を行わせることができる。また、大当たり終了後の遊技状態が確変状態の場合でも、左側のスルーゲート67を通過したことに基づいて実行される普通図柄の抽選が当たりだった場合に、発射報知演出を確認してから右打ちを行っても電動役物640aが開放されるまでに十分に球を第2入球口640へと入球させることができる長さの変動時間が設定されるので、遊技者に損をさせずに遊技させることができる。この場合において、大当たりのエンディング期間に、左打ちに戻すことを示唆する態様のエンディング演出を実行する構成としてもよい。このように構成することで、エンディング期間まで特定入賞口65aへと球を打ち出してしまうことを防止し、回避期間に突入する前から左打ちを行わせることができる。よって、遊技者がより損をし難くできる。
更に、左側のスルーゲート67への球の通過のみを契機に発射方向報知演出を実行する場合は、大当たりの最終ラウンドで特定入賞口65aでなく小当たり用入賞口650aが開放される構成としてもよい。このように構成することで、大当たりの最終ラウンドで、遊技盤13の左側に設けられた小当たり用入賞口650aへと球を入球(入賞)させるために遊技者に左打ちを行わせることができる。よって、回避期間に突入する前から左打ちを行わせることができるので、遊技者がより損をし難い構成とすることができる。なお、スルーゲート67ではなく、発射方向報知演出の実行契機となる専用の入球口(演出用入球口)を遊技盤13の左側の流路に設ける構成としてもよい。このように構成した場合にも、左側のスルーゲート67への通過を契機として発射報知演出を実行するのと同一の効果を奏することができる。
<第2実施形態における電気的構成について>
次に、図60〜図64を参照して、本第2実施形態におけるパチンコ機10の電気的構成について説明する。まず、図60(a)を参照して、第2実施形態における主制御装置110のROM202の内容について説明する。図60(a)は、ROM202の構成を示すブロック図である。
図60(a)に示した通り、本第2実施形態におけるROM202は、第1実施形態における主制御装置110のROM202の構成に加え、小当たり乱数テーブル202fと、時短種別選択テーブル202gとが設けられている。また、第1当たり種別選択テーブル202b、およびオープニング選択テーブル202eの内容が変更されている。その他の構成については第1実施形態におけるROM202と同一なので、ここではその詳細な説明については省略する。
まず、本第2実施形態における第1当たり種別選択テーブル202bについて、図60(b)を参照して説明する。図60(b)は、本第2実施形態における第1当たり種別選択テーブル202bの規定内容を示した図である。この第1当たり種別選択テーブル202bは、第1実施形態と同様に、当たり種別を決定するための判定値が特別図柄の種別毎に記憶されている。
図60(b)に示した通り、本実施形態では、「大当たりE」〜「大当たりL」の8種類の大当たり種別が設けられている。このうち、「大当たりE〜H」は、第1特別図柄の抽選で決定され得る大当たり種別であり、ラウンド数が8ラウンドの大当たりである。これらの各大当たり種別は、遊技状態と、決定されるオープニング種別と、大当たり後に設定される時短状態の種別との組み合わせが、それぞれ異なって構成されている。また、「大当たりI〜L」は、第2特別図柄の抽選で決定され得る大当たり種別であり、ラウンド数が15ラウンドの大当たりである。これらの各大当たり種別も、遊技状態と、決定されるオープニング種別と、大当たり後に設定される時短状態の種別との組み合わせが、それぞれ異なって構成されている。これにより、遊技状態の行き来のパターンを多様化させている。
図60(b)に示した通り、第1特別図柄の大当たりにおいて、第1当たり種別カウンタC2の値が「0〜24」の範囲には、「大当たりE」が対応付けて規定されている。第1当たり種別カウンタC2が取り得る100個のカウンタ値のうち、「大当たりE」となるカウンタ値が25個なので、第1特別図柄の抽選で大当たりとなった場合に、「大当たりE」となる確率(割合)は1/4(25/100)である。なお、遊技状態に応じて決定されるオープニング種別や、付与される時短回数については、後述する。
第1当たり種別カウンタC2の値が「25〜74」の範囲には、「大当たりF」が対応付けて規定されている。第1当たり種別カウンタC2が取り得る100個のカウンタ値のうち、「大当たりF」となるカウンタ値が50個なので、第1特別図柄の抽選で大当たりとなった場合に、「大当たりF」となる確率(割合)は1/2(50/100)である。また、第1当たり種別カウンタC2の値が「75〜89」の範囲には、「大当たりG」が対応付けて規定されている。第1当たり種別カウンタC2が取り得る100個のカウンタ値のうち、「大当たりG」となるカウンタ値が15個なので、第1特別図柄の抽選で大当たりとなった場合に、「大当たりG」となる確率(割合)は3/20(15/100)である。更に、第1当たり種別カウンタC2の値が「90〜99」の範囲には、「大当たりH」が対応付けて規定されている。第1当たり種別カウンタC2が取り得る100個のカウンタ値のうち、「大当たりH」となるカウンタ値が10個なので、第1特別図柄の抽選で大当たりとなった場合に、「大当たりH」となる確率(割合)は1/10(10/100)である。
これに対し、第2特別図柄の大当たりにおいて、第1当たり種別カウンタC2の値が「0〜24」の範囲には、「大当たりI」が対応付けて規定されている。第1当たり種別カウンタC2が取り得る100個のカウンタ値のうち、「大当たりI」となるカウンタ値が25個なので、第1特別図柄の抽選で大当たりとなった場合に、「大当たりI」となる確率(割合)は1/4(25/100)である。また、第1当たり種別カウンタC2の値が「25〜74」の範囲には、「大当たりJ」が対応付けて規定されている。第1当たり種別カウンタC2が取り得る100個のカウンタ値のうち、「大当たりJ」となるカウンタ値が50個なので、第1特別図柄の抽選で大当たりとなった場合に、「大当たりJ」となる確率(割合)は1/2(50/100)である。
更に、第1当たり種別カウンタC2の値が「75〜89」の範囲には、「大当たりK」が対応付けて規定されている。第1当たり種別カウンタC2が取り得る100個のカウンタ値のうち、「大当たりK」となるカウンタ値が15個なので、第1特別図柄の抽選で大当たりとなった場合に、「大当たりK」となる確率(割合)は3/20(15/100)である。また、第1当たり種別カウンタC2の値が「90〜99」の範囲には、「大当たりL」が対応付けて規定されている。第1当たり種別カウンタC2が取り得る100個のカウンタ値のうち、「大当たりL」となるカウンタ値が10個なので、第1特別図柄の抽選で大当たりとなった場合に、「大当たりL」となる確率(割合)は1/10(10/100)である。
詳細については、図65等を参照して後述するが、本実施形態では、これらの8種類の大当たり種別を用いて、決定されるオープニング種別と、大当たり後に設定される時短状態の種別との組み合わせが、それぞれ異なって構成されている。これにより、遊技状態の行き来のパターンを多様化させている。
次に、図61を参照して、本第2実施形態におけるオープニング選択テーブル202eについて説明する。このオープニング選択テーブル202eは、第1実施形態と同様に、大当たりとなった場合に、大当たり種別、及び大当たりに当選した時点の遊技状態に応じたオープニング種別を決定するために用いられるデータテーブルである。
図61に示した通り、大当たりEとなった場合に決定されるオープニング種別として、通常状態、時短状態に対してオープニングAが対応付けて規定され、潜確状態、確変状態に対してオープニングBが対応付けて規定されている。よって、通常状態や時短状態で大当たりEになると、大当たり後に特別図柄の高確率状態が付与され難くなるため、遊技者に不利となる。一方で、潜確状態や確変状態で大当たりEになると、大当たり後に特別図柄の高確率状態が付与され易くなるので、遊技者にとって有利となる。
また、大当たりFとなった場合に決定されるオープニング種別として、通常状態、時短状態、および潜確状態に対してオープニングAが対応付けて規定され、確変状態に対してオープニングBが対応付けて規定されている。よって、通常状態、時短状態、および潜確状態で大当たりFになると、大当たり後に特別図柄の高確率状態が付与され難くなるため、遊技者に不利となる。一方で、確変状態で大当たりFになると、大当たり後に特別図柄の高確率状態が付与され易くなるので、遊技者にとって有利となる。
また、大当たりGとなった場合に決定されるオープニング種別として、通常状態、時短状態、および潜確状態に対してオープニングBが対応付けて規定され、確変状態に対してオープニングAが対応付けて規定されている。よって、確変状態で大当たりGになると、大当たり後に特別図柄の高確率状態が付与され難くなるため、遊技者に不利となる。一方で、通常状態、時短状態、および潜確状態で大当たりGになると、大当たり後に特別図柄の高確率状態が付与され易くなるので、遊技者にとって有利となる。
更に、大当たりHとなった場合に決定されるオープニング種別として、通常状態、時短状態に対してオープニングAが対応付けて規定され、潜確状態、確変状態に対してオープニングBが対応付けて規定されている。よって、通常状態や時短状態で大当たりHになると、大当たり後に特別図柄の高確率状態が付与され難くなるため、遊技者に不利となる。一方で、潜確状態や確変状態で大当たりHになると、大当たり後に特別図柄の高確率状態が付与され易くなるので、遊技者にとって有利となる。
なお、図61に示した通り、第2特別図柄の抽選で決定される「大当たりI〜L」に関しては、それぞれ「大当たりE〜H」と同一の対応関係が規定されている。ここでは、その詳細な説明については省略する。
このように、大当たり種別と、大当たりに当選した時点における遊技状態とに応じて、設定されるオープニングの種別を異ならせることで、大当たり後に特別図柄の高確率状態が付与される割合を遊技状態に応じて可変させることができる。
次に、図62を参照して、本第2実施形態におけるROM202に新たに追加された小当たり乱数テーブル202fの詳細について説明する。この小当たり乱数テーブル202fは、特別図柄の抽選で外れとなった場合に、小当たりか否かを判定するためのデータテーブルであり、遊技状態毎に、小当たりとなるカウンタ値(乱数値)が規定されている。より具体的には、図62に示した通り、潜確状態において小当たりとなるカウンタ値(乱数値)として「0,11〜399」が対応付けられている。第1当たり乱数カウンタC1が取り得る400のカウンタ値のうち、小当たりとなるカウンタ値が390個なので、潜確状態で特別図柄の抽選が実行された場合に、小当たりとなる確率は39/40(390/400)である。このため、潜確状態では、特別図柄の抽選が実行されると、高確率で小当たりとなり、小当たり用入賞口650aへと球が入球容易となる。よって、左打ちを行う必要がある潜確状態において、小当たり用入賞口650aへの入球により付与される賞球により、持ち球を減らさずに遊技を行わせることができる。よって、大当たり種別によらずにオープニングBが設定される最も有利な遊技状態である潜確状態において、持ち球を気にせずに遊技を楽しませることができる。よって、遊技者の潜確状態における遊技に対する興趣を向上させることができる。これに対し、通常状態、時短状態、および確変状態では、小当たりとなるカウンタ値(乱数値)が存在しない。よって、特別図柄の抽選が行われても、小当たりとなることはない。
次に、図63を参照して、本第2実施形態におけるROM202に新たに追加された時短種別選択テーブル202gの詳細について説明する。この時短種別選択テーブル202gは、図63は、この時短種別選択テーブル202gの規定内容を示した図である。この時短種別選択テーブル202gは、大当たり種別、および大当たりとなった時点における遊技状態に応じた時短回数を選択するために用いられる。
図63に示した通り、大当たりEとなった場合に付与される時短回数(時短種別)として、時短状態、潜確状態、および確変状態に対して50回が対応付けて規定されている。上述した通り、時短状態で大当たりEになると、特別図柄の高確率状態が付与され難いオープニングAが設定されるので、大当たり後の状態が特別図柄の低確率状態、且つ、普通図柄の高確率状態となる。即ち、時短状態で大当たりEになると、時短状態をループする。また、潜確状態、および確変状態で大当たりEになると、特別図柄の高確率状態が付与され易いオープニングBが設定されるので、大当たり後の状態が特別図柄の高確率状態、且つ、普通図柄の高確率状態となる。即ち、潜確状態で大当たりEになると、その潜確状態よりも有利度合いが低い確変状態に移行する。一方、確変状態で大当たりEになると、確変状態をループする。また、通常状態に対しては、時短回数が規定されていない(即ち、時短回数0回が設定される)。上述した通り、通常状態で大当たりEになると、特別図柄の高確率状態が付与され難いオープニングBが設定されるので、大当たり後の状態が特別図柄の低確率状態、且つ、普通図柄の低確率状態となる。即ち、通常状態で大当たりEになると、通常状態をループする。
また、図63に示した通り、大当たりFとなった場合に付与される時短回数(時短種別)として、確変状態に対して50回が対応付けて規定されている。上述した通り、確変状態で大当たりFになると、特別図柄の高確率状態が付与され難いオープニングAが設定されるので、大当たり後の状態が特別図柄の低確率状態、且つ、普通図柄の高確率状態となる。即ち、確変状態で大当たりFになると、有利な確変状態から、不利な時短状態へと移行してしまう。よって、確変状態で大当たりFになると、遊技者にとって不利となる。また、通常状態、時短状態、および潜確状態に対しては、時短回数が規定されていない。上述した通り、通常状態、時短状態、および潜確状態で大当たりFになると、特別図柄の高確率状態が付与され易いオープニングBが設定されるので、大当たり後の状態が特別図柄の高確率状態、且つ、普通図柄の低確率状態となる。即ち、通常状態、時短状態、および潜確状態で大当たりFになると、遊技者に最も有利な潜確状態へと移行する。
また、図63に示した通り、大当たりGとなった場合に付与される時短回数(時短種別)として、時短状態、および確変状態に対して100回が対応付けて規定されている。上述した通り、時短状態、および確変状態で大当たりGになると、特別図柄の高確率状態が付与され難いオープニングAが設定されるので、大当たり後の状態が特別図柄の低確率状態、且つ、普通図柄の高確率状態となる。即ち、時短状態で大当たりGになると、時短状態をループし、有利な確変状態で大当たりGになると、不利な時短状態へと移行してしまう。また、通常状態、および潜確状態に対しては、時短回数が規定されていない。上述した通り、通常状態で大当たりGになると、特別図柄の高確率状態が付与され難いオープニングAが設定されるので、大当たり後の状態が特別図柄の低確率状態、且つ、普通図柄の低確率状態となる。即ち、通常状態をループする。一方、潜確状態で大当たりGになると、特別図柄の高確率状態が付与され易いオープニングBが設定されるので、大当たり後の状態が特別図柄の高確率状態、且つ、普通図柄の低確率状態となる。即ち、潜確状態で大当たりGになると、潜確状態をループする。
また、図63に示した通り、大当たりHとなった場合に付与される時短回数として、時短状態に対して20回が対応付けられて規定されている。上述した通り、時短状態で大当たりHになると、特別図柄の高確率状態が付与され難いオープニングAが設定されるので、大当たり後の状態が特別図柄の低確率状態、且つ、普通図柄の高確率状態となる。よって、時短状態で大当たりHになると、時短状態をループする。一方、通常状態、潜確状態、および確変状態に対しては、時短回数が規定されていない。上述した通り、通常状態で大当たりHになると、特別図柄の高確率状態が付与され難いオープニングAが設定されるので、大当たり後の状態が特別図柄の低確率状態、且つ、普通図柄の低確率状態となる。即ち、通常状態をループする。また、潜確状態、および確変状態で大当たりHになると、特別図柄の高確率状態が付与され易いオープニングBが設定されるので、大当たり後の状態が特別図柄の高確率状態、且つ、普通図柄の低確率状態となる。即ち、潜確状態、および確変状態で大当たりHになると、最も有利な潜確状態が設定される。
なお、図63に示した通り、第2特別図柄の抽選で決定される「大当たりI〜L」に関しては、それぞれ「大当たりE〜H」と同一の対応関係が規定されている。ここでは、その詳細な説明については省略する。
このように、本実施形態では、大当たり後に付与される時短回数を、大当たり種別と、大当たり当選時点における遊技状態とに応じて異ならせる構成としている。これにより、遊技状態に応じて有利な大当たり種別を異ならせている。よって、遊技状態に応じて遊技者に異なる大当たり種別を期待させることができるので、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができる。
次に、図64を参照して、本第2実施形態における主制御装置110に設けられたRAM203の内容について説明する。図64は、第2実施形態におけるRAM203の構成を示したブロック図である。図64に示した通り、本題2実施形態におけるRAM203は、第1実施形態におけるRAM203の構成に加え、当選時状態格納エリア203tと、初回入球フラグ203sとが追加されている。また、第1実施形態における確変カウンタ203gに代えて、確変フラグ203uが設けられている。
当選時状態格納エリア203tは、大当たりに当選した時点の遊技状態に応じた情報を格納しておくための記憶領域である。本第2実施形態では、大当たりの開始時に確変状態か否かを示す確変フラグ203uや、残りの時短回数を示す時短中カウンタ203rがリセットされる。このため、大当たり終了時(時短回数を新たに設定する際)に大当たりに当選した時点の状態を確変フラグ203u、および時短中カウンタ203rの各値から特定することができない。そこで、本実施形態では、大当たり当選時に、当選時状態格納エリア203tに対して確変フラグ203uや時短中カウンタ203rの値を格納してから、これらをリセットする構成としている(図66のS232参照)。そして、大当たり終了時には、当選時状態格納エリア203tの情報に基づいて、大当たり当選時の遊技状態を判別し、時短種別選択テーブル202gから時短回数を選択する構成としている(図69のS1212参照)。このように構成することで、大当たり当選時点における遊技状態から、時短回数を正確に設定することができる。
確変フラグ203uは、特別図柄の高確率状態であるか否かを示すフラグである。本実施形態では、大当たり中に確変スイッチ65e3を球が通過した場合に、その大当たりが終了してから、次に大当たりとなるまで特別図柄の高確率状態が継続する構成としている。即ち、第1実施形態では、特別図柄の高確率状態が設定された場合に、その確変回数が50回に限られていたが、本第2実施形態では、確変回数が不定となる。そこで、第1実施形態の確変カウンタ203gに代えて、確変カウンタ203uを設ける構成とし、確変フラグ203uがオンであれば特別図柄の高確率状態、オフであれば特別図柄の低確率状態を示す構成とした。この確変フラグ203uは、大当たり終了時に確変設定フラグ203hがオンであれば、オンに設定される(図69のS1211参照)。また、大当たりの開始時にオフに設定される。
初回入球フラグ203sは、大当たり終了後に設定される回避期間(スルーゲート67への最初の入球が済んでいない状態)であるかを示すフラグである。この初回入球フラグ203sがオンの状態で、スルーゲート67への入球を検出した場合に、主制御装置110から音声ランプ制御装置113に対して初回入球コマンドが設定される(図68のS612参照)。音声ランプ制御装置113では、この初回入球コマンドを受信し、且つ、特別図柄の高確率状態であった場合に、発射示唆演出(図58(a)、図59(b)参照)を実行する。この初回入球フラグ203sは、大当たり終了時にオンに設定され(図69のS1214参照)、初回入球コマンドを設定した後でオフに設定される(図68のS613参照)。
次に、図65を参照して、本第2実施形態における遊技状態の推移について説明する。上述した通り、本第2実施形態では、大当たりの終了を契機として、または、時短回数の終了を契機として、通常状態、時短状態、潜確状態、および確変状態のうちいずれかの状態が設定される。通常状態、および時短状態は、大当たりとなる確率が低いため、遊技者にとって不利となる。このうち、時短状態では、第2入球口640へと球が入球しやすくなり、右打ちを行うことで効率よく遊技を行うことができるので、時短状態の方が通常状態よりも有利となる。一方、潜確状態、および確変状態は、大当たりとなる確率が高く、短い期間で連続して大当たりとなる可能性が高いため、遊技者にとって有利となる。このうち、潜確状態では、大当たり種別によらずオープニングBが設定されるので、大当たりの一部でオープニングAが設定される確変状態よりも遊技者にとって有利となる。即ち、潜確状態が最も有利な遊技状態となる。
まず、図65の左上に示した通常状態における遊技状態の移行方法について説明する。この通常状態は、パチンコ機10の初期設定を行った場合に設定される遊技状態であり、基本的に最も長く滞在する遊技状態である。図65の左上に示した通り、通常状態では、大当たりを契機として他の遊技状態が設定される可能性がある。具体的には、第1特別図柄の抽選で大当たりとなった場合に50%の割合で決定される大当たりFになると、オープニングBが設定され(図61参照)、時短期間が付与されないので(図63参照)、球が大当たり中に確変スイッチ65e3を通過することで、大当たり後に潜確状態が設定される。一方、特別図柄の抽選で決定され得る他の大当たり種別(大当たりE〜H)となった場合には、球を特別排出流路65e2へと流下させることが困難なオープニングAが決定され(図61参照)、時短期間が付与されないので(図63参照)、大当たり後は基本的に再度、通常状態が設定される。なお、大当たりFとなった場合でも、1ラウンド目に球を打ち出さなかった等により球が確変スイッチ65e3を通過しなかった場合には、通常状態が設定される。逆に、大当たりE〜Hとなった場合でも、確変スイッチ65e3を通過した場合は、大当たり後に潜確状態へと移行する。
次に、図65の中断に示した潜確状態における遊技状態の移行方法について説明する。図65の中断に示した通り、潜確状態でも、通常状態と同様に、大当たりを契機として他の遊技状態が設定される可能性がある。具体的には、第1特別図柄の抽選で大当たりとなった場合に25%の割合で決定される大当たりEになると、オープニングBが設定され(図61参照)、50回の時短期間が付与されるので(図63参照)、球が大当たり中に確変スイッチ65e3を通過することで、大当たり後に確変状態が設定される。即ち、有利度合いが少ない状態に転落(ランクダウン)してしまう。一方で、他の大当たり種別(大当たりF,G,H)になると、オープニングBが設定されるが(図61参照)、時短期間は付与されないので(図63参照)、球が大当たり中に確変スイッチ65e3を通過することで、大当たり後に再度、潜確状態が設定される。即ち、遊技者にとって最も有利な潜確状態をループする。このように、潜確状態は、大当たりとなった場合に必ずオープニングBが設定される上に、75%の割合で同一の状態をループするので、極めて有利な状態である。なお、大当たりEの1ラウンド目に球を打ち出さなかった等により、球が確変スイッチ65e3を通過しなかった場合には、大当たり後に時短状態へと移行する。同様に、大当たりF,G,Hの1ラウンド目に球が確変スイッチ65e3を通過しなかった場合には、遊技者にとって最も不利な通常状態へと転落してしまう。
次に、図65の下段に示した確変状態における遊技状態の移行方法について説明する。図65の下段に示した通り、確変状態では、大当たりを契機として他の遊技状態へと移行するだけでなく、大当たり以外の契機(時短回数が終了した場合)でも他の遊技状態へと移行する。具体的には、第2特別図柄の抽選で大当たりとなった場合に65%の割合で決定される大当たりJ,Kになると、球を特別排出流路65e2へと流下させることが困難なオープニングAが決定され(図61参照)、大当たり種別に応じて50回、または100回の時短期間が付与さるので(図63参照)、大当たり後には基本的に時短状態へと移行する。
一方で、第2特別図柄の抽選で大当たりとなった場合に10%の割合で決定される大当たりLになると、オープニングBが設定されるが(図61参照)、時短期間は付与されないので(図63参照)、球が大当たり中に確変スイッチ65e3を通過することで、大当たり後に潜確状態が設定される。即ち、有利度合いが少ない確変状態から、最も有利な潜確状態に復帰させることができる。また、確変状態において、設定された50回の時短期間を経過させることができれば(特別図柄の抽選で50回連続して外れとなれば)、大当たりLとなった場合と同様に、潜確状態へと復帰させることができる。潜確状態へと復帰させることができれば、次の大当たりで必ずオープニングBが設定されるため、実質的に大当たり回数を少なくとも1回分上乗せしたことを意味する。よって、確変状態から潜確状態へと復帰するルートを設けておくことにより、潜確状態から確変状態へと転落してしまったとしても、再度の潜確状態への復帰を期待して遊技を行わせることができる。よって、遊技者の確変状態における遊技に対する興趣を向上させることができる。
一方、第2特別図柄の抽選で大当たりとなった場合に25%の割合で決定される大当たりIになると、オープニングBが設定されると共に(図61参照)、50回の時短期間が付与される(図63参照)。よって、確変状態で大当たりIになると、基本的に確変状態をループする。
このように、確変状態では、大当たり確率が通常状態や時短状態よりも高くなる点で有利であるが、大当たりとなった場合に高確率(65%)で大当たり確率が低い時短状態へと移行してしまう。このため、確変状態では、大当たりとなることよりも、時短期間が終了して潜確状態へと復帰することを期待して遊技を行わせることができる。即ち、特別図柄の抽選で連続して外れとなることを期待して遊技を行わせることができるという斬新な遊技性を提供することができる。また、確変状態で大当たりJ,Kになった場合に、最も不利な通常状態へ移行させるのでなく、時短状態へと移行させることができるので、潜確状態、および確変状態のループが終了した後も、少なくとも時短期間が終了するまで遊技を続行しようと思わせることができる。よって、パチンコ機10の稼働率を向上させることができる。
次に、図65の上部右側に示した時短状態における遊技状態の移行方法について説明する。図65の上部右側に示した通り、時短状態では、確変状態と同様に、大当たりを契機として他の遊技状態へと移行するだけでなく、大当たり以外の契機(時短回数が終了した場合)でも他の遊技状態へと移行する。
具体的には、第2特別図柄の抽選で決定される大当たりとなった場合に50%の割合で決定される大当たりJになると、オープニングBが設定されるが(図61参照)、時短期間は付与されない(図63参照)。よって、時短状態において大当たりJになると、基本的に最も有利な潜確状態へと移行する。また、時短状態において、時短期間が終了した場合は、通常状態へと移行する。
一方で、時短状態中に第2特別図柄の抽選で大当たりI,K,Lになると、オープニングAが設定されると共に(図61参照)、大当たり種別に応じて20回、50回、または100回の時短期間が設定される(図63参照)。よって、時短状態中に当選した大当たりI,K,Lの終了後は、基本的に時短状態をループする。
このように、時短状態で大当たりになった場合には、基本的に通常状態へと移行することが無いので、時短状態をループした場合には、その時短状態として設定された時短期間が終了するまでは少なくとも遊技を継続しようと遊技者に思わせることができる。よって、パチンコ機10の稼働率を向上させることができる。また、大当たり後に潜確状態へと移行した場合には、遊技者に対して大きな満足感を抱かせることができる。
このように、本第2実施形態では、オープニングBが設定される割合を、遊技状態に応じて可変させることにより、遊技状態に応じて特別図柄の高確率状態が付与される割合を可変させている。これにより、大当たり終了後に、基本的に100%の割合で特別図柄の高確率状態が付与される潜確状態を設けることが可能となっている。これにより、通常状態での大当たりFとなることで潜確状態へと移行した場合は、その大当たりFと、その大当たりF後に移行する潜確状態での大当たりEと、その大当たりE後に移行する確変状態での大当たりJ、またはKとの合計3回の大当たりが保障されることになる。よって、一旦潜確状態となることにより、遊技者に対して少なくとも3回分の大当たりの賞球が保障されたことによる安心感、および満足感を抱かせることができる。
また、潜確状態は、大当たりとなった場合に同じ状態を高確率(75%)でループするため、通常状態から潜確状態へと移行させることができれば、大当たりと、大当たり確率が高い潜確状態とが繰り返されやすくなる。よって、より多量な賞球の獲得を期待させることができるので、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができる。また、潜確状態において大当たりEになることにより、確変状態に転落してしまったとしても、その確変状態で外れを50回連続させることができれば、潜確状態へ復帰させることができる。よって、確変状態では外れが連続することを期待させることができるので、斬新な遊戯性を提供することができる。
<第2実施形態における主制御装置の制御処理について>
次に、図66〜図70を参照して、第2実施形態における主制御装置110のMPU201によって実行される各種制御処理について説明を行う。まず、図66は、第1実施形態の特別図柄変動処理(図25参照)に代えて実行される特別図柄変動処理2(S111)を示したフローチャートである。この特別図柄変動処理2(S111)は、第1実施形態における特別図柄変動処理(図25参照)と同様に、第1図柄表示装置37の表示態様や、第3図柄表示装置81による第3図柄の変動パターンなどを設定するための処理である。
この第2実施形態における変動開始処理2(S111)のうち、S201〜S218、およびS221〜S223の各処理では、それぞれ第1実施形態における特別図柄変動処理(図25参照)のS201〜S218、およびS221〜S223の各処理と同一の処理が実行される。
また、本第2実施形態における特別図柄変動処理2(図66参照)では、S216の処理が終了すると、次いで、特別図柄の抽選結果が小当たりか否かを判定し、小当たりであれば小当たりの開始させるための小当たり判定処理を実行して(S231)、処理をS217へと移行する。この小当たり判定処理(S231)の詳細については、図67を参照して後述する。また、S217の処理において、今回の特別図柄の抽選結果が大当たりと判定された場合には(S217:Yes)、確変フラグ203u、および時短中カウンタ203rの値を当選時状態格納エリア203tに格納し(S232)、処理をS218へと移行する。この当選時状態格納エリア203tに格納された値を大当たり終了時まで保持しておくことにより、大当たりに当選した時点における遊技状態を正確に判別して、適切な時短期間を設定することができる。
次に、図67を参照して、上述した小当たり判定処理(S231)の詳細について説明する。この小当たり判定処理では、まず、今回の特別図柄の抽選結果が小当たりであるかを判定する(S241)。S241の処理において、抽選結果が小当たりであると判定した場合は(S241:Yes)、小当たりの開始を設定する(S242)。即ち、小当たり用入賞口650aの開放を設定することにより、小当たり用入賞装置650に対して球が入球可能となるように設定する。S242の処理後は、本処理を終了して特別図柄変動処理2(図66参照)へと戻る。一方、S241の処理において、今回の抽選結果が小当たりでないと判定した場合は(S241:No)、S242の処理をスキップして、そのまま本処理を終了する。
この小当たり判定処理(図67参照)を実行することで、潜確状態において頻繁に小当たり用入賞口650aを開放状態に設定することができる。よって、最も有利な潜確状態で、球持ちを良くすることができるので、潜確状態における遊技者の遊技に対するモチベーションを向上させることができる。
次に、図68を参照して、スルーゲート通過処理2(S112)について説明する。このスルーゲート通過処理2(S112)は、第1実施形態におけるスルーゲート通過処理(図29参照)に代えて実行される処理であり、スルーゲート通過処理(図29参照)と同様に、スルーゲート67への球の通過を検出し、対応する制御を実行するための処理である。
この第2実施形態におけるスルーゲート通過処理2(S112)のうち、S601〜S605の各処理では、それぞれ第1実施形態におけるスルーゲート通過処理(図29参照)のS601〜S605の各処理と同一の処理が実行される。また、第2実施形態におけるスルーゲート通過処理2(S112)では、球が普通入球口(スルーゲート)67を通過したと判別した場合に(S601:Yes)、初回入球フラグ203vがオンであるかを判別する(S611)。即ち、大当たり終了後に設定される回避期間であるかを判別して、初回入球フラグ203vがオンであれば(回避期間であれば)、初回入球コマンドを設定し(S612)、初回入球フラグ203vをオフに設定して(S613)、処理をS602へと移行する。一方、S611の処理において、初回入球フラグ203vがオフであると判別した場合は(S611:No)、S612、およびS613の各処理をスキップして、処理をS602へと移行する。
S612の処理により設定された初回入球コマンドは、RAM203に設けられたコマンド送信用のリングバッファに記憶され、MPU201により実行されるメイン処理(図32参照)の外部出力処理(S901)の中で、音声ランプ制御装置113に向けて送信される。音声ランプ制御装置113は、初回入球コマンドを受信すると、特別図柄の時短状態であることを条件に、発射方向報知演出の実行を設定する。大当たりの終了後、スルーゲート67を最初に球が通過するまで発射方向報知演出の実行を回避する構成とすることで、大当たり後に設定された遊技状態が潜確状態であるか、確変状態であるかを遊技者にわかり難くすることができる。よって、有利な潜確状態が設定されていることをより長く期待させることができる。
次に、図69を参照して、大当たり終了処理2(S1021)について説明する。この大当たり終了処理2(S1021)は、第1実施形態における大当たり終了処理(図35参照)に代えて実行される処理であり、大当たり終了処理(図35参照)と同様に、確変スイッチ65e3の通過状況に応じて、大当たり後の遊技状態を設定するための処理である。
この第2実施形態における大当たり終了処理2(S1021)のうち、S1201、およびS1205の各処理では、それぞれ第1実施形態における大当たり終了処理(図35参照)のS1201、およびS1205の各処理と同一の処理が実行される。また、第2実施形態における大当たり終了処理2(S1021)では、S1201の処理において、確変設定フラグ203hがオンであると判別された場合に(S1201:Yes)、次いで、確変フラグ203uをオンに設定して(S1211)、処理をS1212へと移行する。一方、S1201の処理で確変設定フラグ203hがオフであると判別した場合は(S1201:No)、S1211の処理をスキップし、処理をS1212へと移行する。
S1212の処理では、時短種別選択テーブル202gから、当選時状態格納エリア203tに格納されているデータにより特定される遊技状態に対応する時短回数を読み出して、その読み出した値を時短中カウンタ203rに設定する(S1212)。次いで、S1211、およびS1212の各処理で更新された確変フラグ203u、および時短中カウンタ203rの各値に基づいて状態コマンドを設定する。
ここで設定された状態コマンドは、RAM203に設けられたコマンド送信用のリングバッファに記憶され、MPU201により実行されるメイン処理(図32参照)の外部出力処理(S901)の中で、音声ランプ制御装置113に向けて送信される。音声ランプ制御装置113は、状態コマンドを受信すると、その状態コマンドで通知された遊技状態に合わせて確変状態フラグ223e、および時短状態フラグ223fを更新する。これにより、音声ランプ制御装置113において、パチンコ機10の遊技状態を正確に把握することができる。
また、本第2実施形態における大当たり終了処理2(図69参照)では、S1205の処理が終了すると、初回入球フラグ203vをオンに設定して(S1214)、本処理を終了する。これにより、大当たり終了後に回避期間を設定することができる。
<第2実施形態における音声ランプ制御装置の制御処理について>
次に、図70〜図72を参照して、第2実施形態における音声ランプ制御装置113のMPU221によって実行される各種制御処理について説明する。まず、図70は、第1実施形態のコマンド判定処理(図40参照)に代えて実行されるコマンド判定処理2(S1621)を示したフローチャートである。このコマンド判定処理2(S1621)は、第1実施形態におけるコマンド判定処理(図40参照)と同様に、主制御装置110から受信したコマンドを判定するための処理である。
この第2実施形態におけるコマンド判定処理2(S1621)のうち、S1701〜S1709、およびS1711〜S1713の各処理では、それぞれ第1実施形態におけるコマンド判定処理(図40参照)のS1701〜S1709、およびS1711〜S1713の各処理と同一の処理が実行される。
また、本第2実施形態におけるコマンド判定処理2(図70参照)では、S1709の処理において、主制御装置110から状態コマンドを受信したと判別した場合に(S1709:Yes)、状態コマンドの内容に応じた制御を行うための状態コマンド処理を実行して(S1721)、本処理を終了する。この状態コマンド処理の詳細については、図71を参照して後述する。更に、本第2実施形態におけるコマンド判定処理2(図70参照)では、S1711の処理において、大当たり関連コマンドを受信していないと判別した場合に(S1711:No)、次いで、初回入球コマンドを受信したかを判別し(S1722)、初回入球コマンドを受信していれば(S1722:Yes)、現在の遊技状態に応じた演出を設定するための初回入球処理を実行し(S1723)、本処理を終了する。この初回入球処理(S1723)の詳細については、図72を参照して後述する。
次に、図71を参照して、上述した状態コマンド処理(S1721)の詳細について説明する。この状態コマンド処理が実行されると、まず、確変状態フラグ223e、および時短状態フラグ223fを読み出して(S3901)、確変状態フラグ223eがオンであるかを判別する(S3902)。S3902の処理において、確変状態フラグ223eがオンであると判別した場合は(S3902:Yes)、次いで、時短状態フラグ223fがオンであるかを判別する(S3903)。そして、時短状態フラグ223fもオンであると判別した場合は(S3903:Yes)、今回の状態コマンドにより通知された遊技状態が潜確状態であるかを判別する(S3904)。
S3904の処理において、通知された遊技状態が潜確状態であると判別した場合は(S3904:Yes)、確変状態から潜確状態へと復帰したことを意味するので、潜確復帰演出(図59(b)参照)を設定することにより、遊技者に対して潜確状態へと復帰したことを報知して(S3905)、処理をS3906へと移行する。これにより、遊技者に対して、有利な確変状態から、更に有利な潜確状態へと移行したことを容易に認識させることができるので、遊技者を喜ばせることができる。
これに対し、S3902の処理において確変状態フラグ223eがオフであると判別した場合や(S3902:No)、S3903の処理において時短状態フラグ223fがオフであると判別した場合や(S3903:No)、S3904の処理において潜確状態以外の遊技状態が通知されたと判別した場合は(S3904:No)、確変状態から潜確状態へと復帰した場合ではないので、S3905の処理をスキップして、処理をS3906へと移行する。
S3906の処理では、主制御装置110から通知された状態コマンドに応じて確変状態フラグ223e、および時短状態フラグ223fの値を更新して、本処理を終了する。
次に、図72を参照して、上述した初回入球処理(S1723)の詳細について説明する。この初回入球処理(S1723)が実行されると、まず、確変状態フラグ223e、および時短状態フラグ223fを読み出す(S4001)。次いで、読み出した確変状態フラグ223eの値がオンであるかを判別し(S4002)、オフであれば(S4002:No)、発射方向報知演出を実行するタイミングではないので、そのまま本処理を終了してコマンド判定処理2(図70参照)に戻る。
一方、S4002の処理において、確変状態フラグ223eがオンであると判別した場合は(S4002:Yes)、次いで、S4001の処理で読み出した時短状態フラグ223fがオンであるかを判別する(S4003)。S4003の処理において、時短状態フラグ223fがオンであると判別した場合は(S4003:Yes)、現在の遊技状態が確変状態で回避期間が終了したことを意味するので、発射方向報知演出のうち、右打ちを報知する態様の演出(図59(a)参照)を実行するために、表示用右打ち演出コマンドを設定して(S4004)、本処理を終了する。ここで設定された表示用右打ち演出コマンドは、RAM223に設けられたコマンド送信用のリングバッファに記憶され、MPU221により実行されるメイン処理(図39参照)のコマンド出力処理(S1602)において、表示制御装置114に向けて送信される。表示制御装置114は、表示用右打ち演出コマンドを受信すると、第3図柄表示装置81において右打ちを報知する態様の発射方向報知演出(図59(a)参照)を開始する。
これに対し、S4003の処理において、時短状態フラグ223fがオフであると判別した場合は(S4003:No)、現在の遊技状態が潜確状態で回避期間が終了したことを意味するので、発射方向報知演出のうち、左打ちを報知する態様の演出(図58(b)参照)を実行するために、表示用左打ち演出コマンドを設定して(S4005)、本処理を終了する。ここで設定された表示用左打ち演出コマンドは、RAM223に設けられたコマンド送信用のリングバッファに記憶され、MPU221により実行されるメイン処理(図39参照)のコマンド出力処理(S1602)において、表示制御装置114に向けて送信される。表示制御装置114は、表示用左打ち演出コマンドを受信すると、第3図柄表示装置81において左打ちを報知する態様の発射方向報知演出(図58(b)参照)を開始する。
このように、初回入球処理(S1723)を実行することにより、回避期間の終了時に遊技者が効率よく遊技を行うことができる適切な発射方向を報知することができる。よって、遊技者に対して効率よく遊技を行わせることができる。
以上説明した通り、第2実施形態におけるパチンコ機10では、遊技者にとって有利な2種類の遊技状態(確変状態、潜確状態)を含む4種類の遊技状態を設ける構成としている。そして、最も有利な潜確状態では、大当たりのみを契機として他の遊技状態へと移行可能に構成している上、移行先が基本的に確変状態となるように構成としている。このように構成することで、潜確状態へと移行させることができれば、その潜確状態を含め、少なくとも2回連続で大当たり後に特別図柄の高確率状態が設定されることになるので、短い期間で複数回の大当たりが連続させることができる。よって、短期間に多量の賞球を獲得させることができるので、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができる。また、本第2実施形態におけるパチンコ機10では、潜確状態で大当たりとなった場合に再度、潜確状態が設定される場合や、確変状態で大当たりとなった場合に再度、確変状態が設定される場合を設ける構成としている。即ち、潜確状態となった場合に、大当たりが連続する回数は、遊技者の運次第で可変される構成としている。このように構成することで、特別図柄の高確率状態と大当たりとがどれだけ繰り返されるのかを予想し難くできるので、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができる。
また、本第2実施形態では、潜確状態から、有利度の低い確変状態へと移行してしまった場合でも、大当たりの一部(大当たりI)、および時短期間が経過した場合に、潜確状態へと復帰することが可能に構成している。潜確状態へと復帰させることができれば、再度、少なくとも2回連続で大当たり後に特別図柄の高確率状態が設定される有利な状態になるので、遊技者を喜ばせることができる。更に、本第2実施形態では、大当たり後に潜確状態、および確変状態へと移行した場合に、いずれの遊技状態へと移行したのかを分かり難くするために、遊技状態(球の発射方向)を報知する演出(発射方向報知演出)の実行を大当たりの終了時よりも遅延させる構成としている。より具体的には、大当たりが終了した後、最初にスルーゲート67を通過するまで、発射方向報知演出の実行を回避し、最初にスルーゲート67を球が通過したと検出された場合に、遊技状態に応じた態様の発射方向報知演出を実行する構成としている。このように構成することで、潜確状態であるか、確変状態であるかを、より長く不明確にすることができるので、潜確状態へと移行していることをより長く期待して遊技を行わせることができる。
また、確変状態においてオープニングAが設定される(即ち、不利な)大当たり種別(大当たりJ,K)となった場合に、その大当たり後に時短期間が付与される構成としている。即ち、特別図柄の高確率状態(潜確状態、確変状態)のループが終了した場合に、最も不利な通常状態まで転落させないように構成している。このように構成することで、少なくとも時短期間が終了するまでは遊技を継続しようと遊技者に思わせることができるので、パチンコ機10の稼働率を向上させることができる。加えて、時短状態で大当たりとなった場合には、基本的に通常状態まで転落することがない構成としている。つまり、時短状態で大当たりになった場合には、基本的に時短状態をループするか、潜確状態へと移行する構成としている。よって、時短状態をループした場合には、少なくとも時短期間が終了するまでは遊技を継続しようと遊技者に思わせることができるので、パチンコ機10の稼働率を向上させることができる。また、潜確状態へと移行した場合には、遊技者に対して大きな満足感を抱かせることができる。
なお、本第2実施形態では、潜確状態において特別図柄の抽選により小当たりとなる確率が高くし、頻繁に小当たりとなる構成としていた。これにより、潜確状態における球持ちを良くし、潜確状態における遊技者の遊技に対するモチベーションの低下を抑制する構成としていたが、これに限られるものではない。例えば、潜確状態ではラウンド数の多い大当たり種別が決定され易く構成してもよい。具体的には、例えば、潜確状態で実行され易い第1特別図柄の抽選で大当たりとなった場合には、15ラウンド大当たりが決定され易くなる一方で、確変状態で実行され易い第2特別図柄の抽選では、8ラウンド大当たりが決定され易くなる構成としてもよい。このように構成することで、潜確状態では、左打ちにより持ち球が減り易くなるものの、大当たりとなる確率が高い上に、大当たりとなれば賞球をより多く獲得できるようになるので、球持ちの悪さを加味しても遊技者にとって有利とすることができる。更に、第1特別図柄の抽選で15ラウンドを選択され易く構成することで、確変状態においてあえて左打ちを行う遊技方法を遊技者に選択させることができる。即ち、普通図柄の当たり確率がアップすると共に、電動役物640aの開放時間が長くなる確変状態において、右打ちを行うことで持ち球を減らさずに8ラウンドの大当たりを狙う安定性の高い遊技性と、左打ちを行うことで、球持ちは悪くなるが当たれば15ラウンドとなり易いギャンブル性の高い(少ない抽選回数で当たれば利益が大きいが、外れが連続し続けると損をする可能性がある)遊技性とを遊技者に選択させることができる。これにより、各遊技者の趣向に合わせた遊技を提供することができる。
本第2実施形態では、大当たり後に設定された特別図柄の高確率状態が、次に大当たりとなるまで継続する構成としているが、これに限られるものではない。例えば、確変回数を100回に限る構成としてもよい。このように構成することで、有利な潜確状態や確変状態でも緊張感を持って遊技を行わせることができる。よって、遊技が単調となってしまうことを防止(抑制)することができる。また、本第2実施形態では、普通図柄の時短期間として、20回,50回、および100回のいずれかが設定される構成としているが、これに限られず、時短期間は任意に定めてもよい。また、次の大当たりとなるまで時短期間が継続する構成としてもよい。具体的には、例えば、確変状態が設定される場合には、次の大当たりまで特別図柄の高確率状態、および普通図柄の高確率状態が共に継続する構成としてもよい。
本第2実施形態では、大当たり終了後、スルーゲート67に対する最初の入球を検出したことを契機として、主制御装置110から音声ランプ制御装置113に対して初回入球コマンドを出力する構成としていた。そして、初回入球コマンドを受信した音声ランプ制御装置113は、遊技状態が潜確状態、または確変状態の場合に、遊技状態に応じた発射方向報知演出を実行する構成としていたが、これに限られない。例えば、主制御装置110側で遊技状態まで判別して、発射方向報知演出を実行するタイミングの場合(大当たり後最初にスルーゲート67の通過を検出し、且つ、遊技状態が潜確状態、または確変状態の場合)にのみ初回入球コマンドを出力する構成としてもよい。これにより、音声ランプ制御装置113の処理負荷を軽減することができる。また、初回入球コマンドの出力頻度を低減することができる。一方、主制御装置110では、スルーゲート67を球が通過する毎に音声ランプ制御装置113に対してコマンドを出力する構成とし、音声ランプ制御装置113側で、初回の通過であるか否かや、現在の遊技状態を判別して、発射方向報知演出を実行するか否か判定する構成としてもよい。このように構成することで、主制御装置110側では初回か否かの判別を実行する必要が無くなるので、初回入球フラグ203vの削減によりRAM203の容量を削減できると共に、主制御装置110の処理負荷を軽減することができる。
本実施形態では、大当たり後に潜確状態、または確変状態が設定された場合には、最初にスルーゲート67を球が通過した場合に発射方向報知演出を実行する構成としていたが、発射方向報知演出の実行条件はこれに限られない。例えば、普通図柄の当たりとなった場合に発射方向報知演出を実行する構成としてもよいし、スルーゲート67を球が所定回数(例えば、3回)通過した場合に発射方向報知演出を実行する構成としてもよい。また、これらを複合して、普通図柄の当たりとなるか、スルーゲート67を球が所定回数(例えば、3回)通過するかのうち、いずれかが発生した場合に発射方向報知演出を実行する構成としてもよい。また、例えば、大当たり後、所定期間(例えば、10秒間)が経過してから遊技状態に応じた発射方向報知演出を実行する構成としてもよい。更に、例えば、回避期間を設けない代わりに、発射方向報知演出の態様として、大当たり後、所定期間(例えば、10秒)は、発射すべき方向を遊技者が認識困難となる態様で実行してもよい。ここで、遊技者が視認困難な態様とは、例えば、発射方向を示す文字が最初は微細な文字で表示され、時間の経過とともに文字が拡大されていく態様等が挙げられる。これらの構成とした場合も、上記第2実施形態と同様に、潜確状態か確変状態かを分かり難くすることができるので、遊技者の潜確状態に対する期待感をより長く持続させることができる。
本第2実施形態では、発射方向報知演出の実行が回避される(遅延される)回避期間中の演出として、スルーゲート67を狙うことを報知する態様の演出を実行する構成としたが、回避期間中の演出態様はこれに限られるものではない。例えば、回避期間中は、遊技状態に関係なく左打ちでスルーゲート67を狙うように報知してもよい。このように構成することで、遊技状態として潜確状態が設定された場合に、回避期間中に右打ちを行うことで第1特別図柄の抽選が実行され難くなってしまうことを防止(抑制)することができる。また、上述した通り、遊技状態として確変状態が設定された場合に、回避期間中に左打ちを行ったとしても、普通図柄の当たりとなるまでは右打ちと左打ちとで有利度合いに差が出ない。よって、回避期間中に左打ちを報知する態様の演出を実行することで、遊技状態が潜確状態、確変状態のどちらであっても、遊技者に効率よく遊技を行わせることができる。
本第2実施形態では、有利な遊技状態として潜確状態と確変状態とを設け、潜確状態を最も有利な状態に設定しているが、これに限られるものではない。例えば、確変状態が最も有利となるように構成してもよい。具体的には、確変状態では全ての大当たり種別でオープニングBが設定される構成にすると共に、例えば、75%の割合で時短期間が付与されるように構成する(即ち、確変状態がループし易くなるように構成する)。より具体的には、例えば、確変状態で大当たりJ,K,L(振り分け75%)となった場合にオープニングBが設定されると共に時短期間が付与され、大当たりI(振り分け25%)となった場合にオープニングBが設定されるが時短期間が付与されない(潜確状態に移行する)ように構成する。一方、潜確状態では、過半数の大当たり種別で(例えば、65%の割合で)オープニングAが設定されるように構成してもよい。より具体的には、例えば、大当たりF,G(振り分け65%)ではオープニングAが設定されると共に時短期間が付与される(即ち、時短状態に転落する)ように構成し、大当たりE(振り分け25%)では、オープニングBが設定されると共に時短期間が付与さない(即ち、潜確状態をループする)ように構成し、大当たりH(振り分け10%)ではオープニングBが設定されると共に時短期間が付与される(即ち、確変状態へ復帰する)ように構成してもよい。このように構成することで、上記第2実施形態とは逆に、確変状態を最も有利な遊技状態とすることができる。また、この場合において、潜確状態、または確変状態へと移行した後の回避期間では、左打ちを報知する態様の演出を実行する構成としてもよい。このように構成することで、遊技状態として潜確状態が設定された場合に、回避期間中に右打ちを行うことで第1特別図柄の抽選が実行され難くなってしまうことを防止(抑制)することができる。また、上述した通り、遊技状態として確変状態が設定された場合に、回避期間中に左打ちを行ったとしても、普通図柄の当たりとなるまでは右打ちと左打ちとで有利度合いに差が出ない。よって、回避期間中に左打ちを報知する態様の演出を実行することで、遊技状態が潜確状態、確変状態のどちらであっても、遊技者に効率よく遊技を行わせることができる。更に、スルーゲート67への入球を契機として右打ちが報知された場合には、最も有利な確変状態へと移行していた(またはループした)ことを意味するので、一旦、左打ちを報知して潜確状態に移行した(またはループした)かと思わせておくことにより、遊技者の確変状態へと移行した(またはループした)ことに対する喜びを増幅させることができる。
本第2実施形態では、大当たり終了後、最初にスルーゲート67を球が通過したことに基づいて、発射方向報知演出によって潜確状態、および確変状態のうちどちらの遊技状態へと移行したのかを遊技者に対して報知する構成としているが、遊技状態の報知タイミングはこれに限られるものではない。例えば、確変スイッチ65e3を通過した時点で、当選時状態格納エリア203tに格納された値から大当たり終了時に設定される遊技状態を予測して、報知する構成としてもよい。これにより、早期に遊技者に対して遊技状態を知らせることができる。また、例えば、大当たりの所定ラウンド(例えば、8ラウンド目)や、大当たりのエンディング演出の実行中に、大当たり後の遊技状態を報知する構成としてもよい。
本第2実施形態では、大当たり終了後、最初に左右どちらかのスルーゲート67を球が通過したことに基づいて、発射方向報知演出を実行する構成としているが、これに限られるものではない。例えば、遊技盤13の左側に設けられたスルーゲート67を大当たり終了後、最初に通過したことに基づいて発射方向報知演出を実行する構成としてもよい。そして、回避期間中は、左側のスルーゲート67を狙うように示唆する態様の演出を実行する構成としてもよい。このように構成することで、大当たり終了後の遊技状態が潜確状態の場合には、回避期間中も第1入球口64へと入球し易い左打ちを遊技者に行わせることができるので、効率よく遊技を行わせることができる。また、大当たり終了後の遊技状態が確変状態の場合でも、左側のスルーゲート67を通過したことに基づいて実行される普通図柄の抽選が当たりだった場合に、発射報知演出を確認してから右打ちを行っても電動役物640aが開放されるまでに十分に球を第2入球口640へと入球させることができる長さの変動時間が設定されるので、遊技者に損をさせずに遊技させることができる。この場合において、大当たりのエンディング期間に、左打ちに戻すことを示唆する態様のエンディング演出を実行する構成としてもよい。このように構成することで、エンディング期間まで特定入賞口65aへと球を打ち出してしまうことを防止し、回避期間に突入する前から左打ちを行わせることができる。よって、遊技者がより損をし難くできる。更に、左側のスルーゲート67への球の通過のみを契機に発射方向報知演出を実行する場合は、大当たりの最終ラウンドで特定入賞口65aでなく小当たり用入賞口650aが開放される構成としてもよい。このように構成することで、大当たりの最終ラウンドで、遊技盤13の左側に設けられた小当たり用入賞口650aへと球を入球(入賞)させるために遊技者に左打ちを行わせることができる。よって、回避期間に突入する前から左打ちを行わせることができるので、遊技者がより損をし難い構成とすることができる。なお、スルーゲート67ではなく、発射方向報知演出の実行契機となる専用の入球口(演出用入球口)を遊技盤13の左側の流路に設ける構成としてもよい。このように構成した場合にも、左側のスルーゲート67への通過を契機として発射報知演出を実行するのと同一の効果を奏することができる。
本第2実施形態では、潜確状態を最も有利な状態としているが、これに限られるものではない。例えば、潜確状態よりも、時短状態の方が有利になるように構成してもよい。より具体的には、例えば、特別図柄の高確率状態での大当たり確率と、低確率状態での大当たり確率との差が少なくなるように構成する(例えば、低確率時は1/50、高確率時は1/49)。そして、第1特別図柄の抽選で大当たりとなった場合には、獲得できる賞球数が少ない大当たり種別が決定される割合を高くし(例えば、ラウンド数が1ラウンドの「大当たりα」、「大当たりβ」を決定可能に構成し)、第2特別図柄の抽選で大当たりとなった場合には、賞球数を多く獲得できる大当たり種別が決定される割合が高くなるように(例えば、ラウンド数が15ラウンドの「大当たりγ」、「大当たりδ」を決定可能に)構成する。そして、左打ちで遊技を行う通常状態で「大当たりα」になった場合にはオープニングAが設定され、且つ、100回の時短期間が設定されるように構成する。即ち、賞球を多く獲得できる大当たり種別が決定され易い(第2特別図柄の抽選が実行され易い)時短状態に移行し易くなるように構成する。一方で、通常状態で「大当たりβ」になった場合はオープニングBが設定されるが、時短期間が付与されないように構成する。即ち、賞球が少ない大当たり種別が決定され易い(第1特別図柄の抽選が実行され易い)潜確状態に移行し易くなるように構成する。また、右打ちで遊技を行う時短状態では、「大当たりγ」になった場合にはオープニングAが設定され、且つ、100回の時短期間が設定されるように構成する。即ち、最も有利な時短状態をループし易くなるように構成する。一方で、時短状態で「大当たりδ」になった場合はオープニングBが設定され、且つ、100回の時短期間が付与されるように構成する。即ち、右打ちで遊技を行う比較的有利な確変状態が設定され易くなるように構成する。これにより、時短状態で大当たりとなった場合には、基本的に右打ち遊技を行う時短状態か確変状態が設定されるので、遊技者にとって最も有利となる。また、確変状態で「大当たりδ」になった場合はオープニングBが設定され、且つ、100回の時短期間が付与されるように構成する。即ち、右打ちで遊技を行う比較的有利な確変状態をループ易くなるように構成する。一方、確変状態で「大当たりδ」になった場合はオープニングBが設定されるが、時短期間は付与されないように構成する。即ち、左打ちで遊技を行う不利な潜確状態が設定され易くなるように構成する。これにより、確変状態は、第2特別図柄の抽選が実行され易い点で有利なものの、大当たり後に不利な潜確状態へと移行する可能性があるため時短状態に比較すると有利度を低くすることができる。また、左打ちで遊技を行う潜確状態で「大当たりα」になった場合はオープニングAが設定され、且つ、100回の時短期間が付与されるように構成する。即ち、最も有利な時短状態へと移行できるように構成する。一方、潜確状態で「大当たりβ」になった場合はオープニングAが設定され、時短期間が付与されないように構成する。即ち、左打ちで遊技を行う不利な通常状態が設定され易くなるように構成する。このように、大当たり種別と、遊技状態との組み合わせと、オープニング種別との対応関係、および時短期間の対応関係を変更することにより、時短状態を最も有利とすることができる。よって、一般的には有利とされる確変状態や潜確状態へと移行するよりも、時短状態へと移行することで遊技者を喜ばせることができるという斬新な遊技性を提供することができる。また、遊技者に不利な通常状態や潜確状態では、オープニングBが設定される大当たりとなった場合に時短期間が付与されないように構成しているので、オープニングBが設定される大当たりの1ラウンド目で故意に球を打ち出さないことで時短状態へと移行させることを狙う変則的な遊技方法を根本的に成り立たなくすることができる。より詳述すると、仮にオープニングBが設定される大当たりで時短期間を付与する構成とすると、故意に確変スイッチ65e3を通過しないような打ち方をすることで大当たり後に時短期間のみが設定され、労せずに最も有利な時短状態が設定されてしまう。つまり、不利な状態で大当たりになった場合に変則的な遊技方法を行うと、確実に時短状態に設定されてしまうという不具合が生じる。これに対して、オープニングBが設定される場合には時短期間を付与しない構成とすることで、1ラウンド目に変則的な遊技方法を行っても通常状態が設定されるだけなので、変則的な遊技方法を実行するメリットを無くすことができる。よって、変則的な遊技方法に対する抑制を図ることができる。
また、時短状態を最も有利な遊技状態とする場合において、確変状態を設けない構成としてもよい。即ち、通常状態や潜確状態における遊技状態の移行方法はそのままとしておき、時短状態で大当たりになると基本的に時短状態をループするか、潜確状態に移行するように構成してもよい。より具体的には、時短状態で「大当たりγ」となった場合に、オープニングAが設定され、且つ、100回の時短期間が設定されるように構成する。即ち、最も有利な時短状態をループし易くなるように構成する。一方で、時短状態で「大当たりδ」になった場合はオープニングBが設定され、時短期間が付与されないように構成する。即ち、不利な潜確状態へと移行し易くなるように構成する。このように構成することで、時短状態で「大当たりδ」になった場合に、遊技者が故意に1ラウンド目で球を打ち出さなかったとしても、有利な状態に移行することが無い(時短期間が付与されないため通常状態に移行する)ので、故意に1ラウンド目に球を打ち出さない変則的な遊技方法を防止(抑制)することができる。即ち、通常状態、潜確状態、および時短状態の全ての遊技状態で変則的な遊技方法を抑制することができる。また、時短状態の方が潜確状態よりも有利になるので、一般的には有利とされる潜確状態へと移行するよりも、時短状態へと移行することで遊技者を喜ばせることができるという斬新な遊技性を提供することができる。
本第2実施形態では、大当たり終了後に潜確状態、または確変状態が設定された場合に必ず回避期間を設定する構成としているが、これに限られるものではなく、抽選により回避期間を設定するかを決定してもよい。即ち、大当たり終了後、即座に発射方向報知演出を実行する場合と、回避期間が経過してから発射方向報知演出を実行する場合とを設ける構成としてもよい。この場合において、確変状態が設定された場合よりも、潜確状態が設定された場合に回避期間が設定される確率が高くなる構成としてもよい。このように構成することで、回避期間が設定された時点で、より有利な潜確状態に対する期待感を高めることができる。
<第2実施形態の変形例について>
次に、図73を参照して、上記第2実施形態の変形例について説明する。上述した第2実施形態では、通常状態、時短状態、潜確状態、および確変状態の4つの遊技状態を行き来する構成としていた。
これに対して第2実施形態の変形例では、通常状態、時短状態、および確変状態の3つの遊技状態を行き来する構成としている。そして、確変状態では、大当たりとなった場合にループするか、通常状態に比較して有利な時短状態が設定される。また、時短状態で大当たりになると、通常状態に比較して有利な時短状態をループするか、本変形例において最も有利な確変状態へと復帰する構成としている。このように構成することで、確変状態や時短状態では、大当たりになっても基本的に最も不利な通常状態へ移行することが無くなるので、安心して遊技を行わせることができる。
図73は、第2実施形態の変形例における遊技状態の移行方法を示した図である。図73に示した通り、通常状態では、第1特別図柄の抽選で大当たりFとなった場合(および第2特別図柄の抽選で大当たりJとなった場合)に、潜確状態に代えて確変状態へと移行することを除き、遊技状態の移行方法は上記第2実施形態と同一である。即ち、通常状態で大当たりFとなった場合(および大当たりJとなった場合)には、基本的に次の大当たりまで継続する普通図柄の高確率状態が付与されるように時短種別選択テーブル202gが変更されている。なお、大当たりF(または大当たりJ)となり、オープニングBが設定されたにも拘らず確変スイッチ65e3を球が通過しなかった場合には、100回の時短期間が付与されるように時短種別選択テーブル202gが変更されている。
また、時短状態でも、第2特別図柄の抽選で大当たりJとなった場合(および第1特別図柄の抽選で大当たりFとなった場合)に、潜確状態に代えて確変状態へと移行することを除き、遊技状態の移行方法は上記第2実施形態と同一である。即ち、時短状態で大当たりJ(および大当たりFとなった場合)となった場合には、基本的に次の大当たりまで継続する普通図柄の高確率状態が付与されるように時短種別選択テーブル202gが変更されている。なお、大当たりJ(または大当たりF)となり、オープニングBが設定されたにも拘らず確変スイッチ65e3を球が通過しなかった場合には、100回の時短期間が付与されるように時短種別選択テーブル202gが変更されている。
また、確変状態では、第2特別図柄の抽選で大当たりJ,K,Lとなった場合(および第1特別図柄の抽選で大当たりF,G,Hとなった場合)に最も有利な確変状態をループするように変更されている。即ち、確変状態で大当たりJ,K,Lとなった場合(および大当たりF,G,Hとなった場合)には、いずれもオープニングBが設定されるようにオープニング選択テーブル202eが変更されている。また、大当たりJ,K,L(および大当たりF,G,H)のいずれかとなり、確変スイッチ65e3を通過した場合には、次の大当たりまで継続する普通図柄の高確率状態が設定され、大当たりJ,K,L(および大当たりF,G,H)のいずれかとなり、確変スイッチ65e3を球が通過しなかった場合には、100回の時短期間が設定されるように時短種別選択テーブル202gが変更されている。
加えて、確変状態では、第2特別図柄の抽選で大当たりIとなった場合(および第1特別図柄の抽選で大当たりEとなった場合)に、時短状態へと移行する構成としている。即ち、確変状態で大当たりIとなった場合(および大当たりEとなった場合)は、オープニングAが設定されるようにオープニング選択テーブル202eが変更されている。また、大当たりI(または大当たりE)となり、確変スイッチ65e3を通過した場合には、次の大当たりまで継続する普通図柄の高確率状態が設定され、大当たりI(または大当たりE)となり、確変スイッチ65e3を球が通過しなかった場合には、50回の時短期間が設定されるように時短種別選択テーブル202gが変更されている。
このように、図73に示した遊技状態の移行方法とすること、通常状態、時短状態、および確変状態の3種類の状態のうち、確変状態を最も有利な状態とすることができる。そして、確変状態で大当たりとなった場合には、基本的に確変状態をループするか、時短状態へと移行するように構成できる。これにより、確変状態で不利な大当たり(大当たりI)となった場合に、最も不利な通常状態まで転落してしまうことを抑制できるので、確変状態が終了した時点で遊技者の遊技に対するモチベーションを低下させてしまい、遊技者が即座に遊技を辞めてしまうこと(所謂即ヤメ)を防止(抑制)することができる。よって、パチンコ機10の稼働率を向上させることができる。
加えて、本変形例では、時短状態で大当たりとなった場合に、確変状態へと復帰するか、時短状態がループする構成としている。このように構成することで、時短状態で不利な大当たり(大当たりI,K,L)となった場合に、最も不利な通常状態まで転落してしまうことを抑制できるので、確変状態が終了した時点で遊技者の遊技に対するモチベーションを低下させてしまい、遊技者が即座に遊技を辞めてしまうこと(所謂即ヤメ)を防止(抑制)することができる。よって、パチンコ機10の稼働率を向上させることができる。
以上説明した通り、本第2実施形態の変形例では確変状態や時短状態で不利な大当たり種別となった場合に、時短状態に移行する構成としている。ここで、パチンコ機等の遊技機において、盤面に設けられた入球口の内部に球が入球可能な特定領域が設けられており、その特定領域へと球が入球した場合に、遊技者に有利な特典遊技が付与されるものがある。かかる特典遊技には、特典遊技のみが付与される(特典遊技後の付加価値が付与されない)第1特典遊技と、特典遊技後の付加価値として、遊技状態が通常遊技状態よりも遊技者に有利な有利遊技状態に設定される第2特典遊技が設けられているものがある。また、有利遊技状態では、内部に特定領域が設けられた入球口へと球を入球させ易くなるので、一旦有利遊技状態へと移行させることができれば、特典遊技と有利遊技状態とが繰り返され易くなるので、遊技者にとって極めて有利な状態を形成している。
しかしながら、かかる従来型の遊技機では、有利遊技状態で第1特典遊技が決定されてしまうと、最も不利な通常遊技状態まで転落してしまうため、通常遊技状態が設定された時点で、遊技者の遊技に対するモチベーションを大幅に損ねてしまうという問題点があった。
これに対して本第2実施形態の変形例では、有利な確変状態が終了した場合に、最も不利な通常状態まで転落することを防止し、通常状態よりも比較的有利な時短状態が設定され易くなる構成としているので、有利な確変状態が終了した場合にも、時短状態が終了するまでは遊技を継続しようと思わせることができる。よって、遊技者の遊技に対するモチベーションが低下してしまうことを防止(抑制)できるので、パチンコ機10の稼働率を向上させることができる。
なお、上記第2実施形態、および第2実施形態の変形例では、遊技状態に応じて有利な大当たり種別を異ならせる構成としていたが、有利な大当たり種別、不利な大当たり種別を固定してもよい。より具体的には、例えば、大当たりF、および大当たりJを有利な大当たり種別とし、他の大当たり種別を不利な大当たり種別としてもよい。そして、通常状態や時短状態では、大当たりF,Jとなることで潜確状態(変形例の場合は確変状態)に移行する構成とし、他の大当たり種別となることで同じ状態をループする構成としてもよい。また、潜確状態では、大当たりF,Jとなることで潜確状態をループする構成とし、他の大当たり種別となることで確変状態に移行する構成としてもよい。更に、確変状態では、大当たりF,Jとなることで確変状態をループする構成とし、他の大当たり種別となることで時短状態へ移行する構成としてもよい。このように構成することで、有利な大当たり種別、不利な大当たり種別が分かり易い遊技機を提供することができる。
上記第2実施形態、および第2実施形態の変形例では、時短状態で大当たりとなった場合に有利な遊技状態(潜確状態、または確変状態)へと移行するか、時短状態をループする構成としていたが、時短状態で大当たりとなった場合に設定される遊技状態はこれに限られるものではない。例えば、時短状態で大当たりとなった場合には、必ずオープニングBが設定されるように構成してもよい。即ち、時短期間が経過するよりも前に大当たりに当選させることで、必ず有利な遊技状態へと復帰させることができる構成としてもよい。このように構成することで、時短期間が経過するよりも前に大当たりとなることをより強く期待させることができるので、時短状態における遊技者の遊技に対する興趣をより向上させることができる。
以上、上記実施形態に基づき本発明を説明したが、本発明は上記形態に何ら限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲内で種々の変形改良が可能であることは容易に推察できるものである。
上記各実施形態では、可変入賞装置65の内部に通常排出流路65e1と、特別排出流路65e2とを設ける構成とし、大当たり中に特別排出流路65e2の下流に設けられた確変スイッチ65e3を通過した場合に特別図柄の高確率状態(確変状態)が付与される構成としているが、これに限られるものではない。例えば、大当たり後に特別図柄の高確率状態が付与されるか否かを、大当たり種別、および大当たりに当選した時点の遊技状態に応じて決定するように構成してもよい。即ち、オープニング選択テーブル202eに代えて、大当たり種別、および遊技状態に応じた遊技状態を規定したデータテーブルを設ける構成とし、このデータテーブルを大当たり終了時に参照して、大当たり後の遊技状態を設定する構成としてもよい。このように構成することで、第1実施形態や第2実施形態と同一の効果を奏することができると共に、可変入賞装置65の内部機構を簡素化することができる。
上記各実施形態では、大当たり種別や遊技状態によらず流路ソレノイド(確変ソレノイド)65kに対して同一の動作を設定する構成としていたが、大当たり種別や遊技状態に応じてオープニング期間を可変させるのに代えて、または加えて、流路ソレノイド65kの動作を大当たり種別や遊技状態に応じて可変させる構成としてもよい。このように構成することで、上記各実施形態と同一の効果を奏する上、設計の自由度を高めることができる。
上記各実施形態では、確変スイッチ65e3を通過し続ける限り、制限なく特別図柄の高確率状態が連続する構成としていたが、連続回数には制限を設けてもよい。具体的には、例えば、特別図柄の高確率状態が連続して設定された回数をカウントしておき、連続回数が特定回数(例えば、5回)となった場合には、次の大当たりで確変スイッチ65e3の通過が無効となる(確変スイッチ65e3を通過しても203hがオンにならないか、または確変設定フラグ203hがオンでも確変カウンタ203gまたは確変フラグ203uが更新されない)ように構成してもよい。また、大当たりになっても流路ソレノイド65kが可変しない(即ち、大当たり中に特別排出流路65e2が開放されない)特別な遊技状態を設ける構成とし、特別図柄の高確率状態の連続回数が特定回数(例えば、5回)となった場合には、流路ソレノイド65kが動作しない遊技状態に移行させる構成としてもよい。このように構成することで、特別図柄の高確率状態が過剰に連続し過ぎてしまうことを防止(抑制)できるので、ホールに対して不測の不利益を与えてしまうことを防止(抑制)することができる。
本発明を上記各実施形態とは異なるタイプのパチンコ機等に実施してもよい。例えば、一度大当たりすると、それを含めて複数回(例えば2回、3回)大当たり状態が発生するまで、大当たり期待値が高められるようなパチンコ機(通称、2回権利物、3回権利物と称される)として実施してもよい。また、大当たり図柄が表示された後に、所定の領域に球を入賞させることを必要条件として遊技者に所定の遊技価値を付与する特別遊技を発生させるパチンコ機として実施してもよい。また、Vゾーン等の特別領域を有する入賞装置を有し、その特別領域に球を入賞させることを必要条件として特別遊技状態となるパチンコ機に実施してもよい。更に、パチンコ機以外にも、アレパチ、雀球、スロットマシン、いわゆるパチンコ機とスロットマシンとが融合した遊技機などの各種遊技機として実施するようにしても良い。
なお、スロットマシンは、例えばコインを投入して図柄有効ラインを決定させた状態で操作レバーを操作することにより図柄が変動され、ストップボタンを操作することにより図柄が停止されて確定される周知のものである。従って、スロットマシンの基本概念としては、「複数の識別情報からなる識別情報列を変動表示した後に識別情報を確定表示する表示装置を備え、始動用操作手段(例えば操作レバー)の操作に起因して識別情報の変動表示が開始され、停止用操作手段(例えばストップボタン)の操作に起因して、或いは、所定時間経過することにより、識別情報の変動表示が停止して確定表示され、その停止時の識別情報の組合せが特定のものであることを必要条件として、遊技者に所定の遊技価値を付与する特別遊技を発生させるスロットマシン」となり、この場合、遊技媒体はコイン、メダル等が代表例として挙げられる。
また、パチンコ機とスロットマシンとが融合した遊技機の具体例としては、複数の図柄からなる図柄列を変動表示した後に図柄を確定表示する表示装置を備えており、球打出用のハンドルを備えていないものが挙げられる。この場合、所定の操作(ボタン操作)に基づく所定量の球の投入の後、例えば操作レバーの操作に起因して図柄の変動が開始され、例えばストップボタンの操作に起因して、或いは、所定時間経過することにより、図柄の変動が停止され、その停止時の確定図柄がいわゆる大当たり図柄であることを必要条件として遊技者に所定の遊技価値を付与する特別遊技が発生させられ、遊技者には、下部の受皿に多量の球が払い出されるものである。かかる遊技機をスロットマシンに代えて使用すれば、遊技ホールでは球のみを遊技価値として取り扱うことができるため、パチンコ機とスロットマシンとが混在している現在の遊技ホールにおいてみられる、遊技価値たるメダルと球との別個の取扱による設備上の負担や遊技機設置個所の制約といった問題を解消し得る。
上記した各実施形態についてその全部またはその一部を組み合わせて構成してもよい。
以下に、本発明の遊技機に加えて上述した実施形態に含まれる各種発明の概念を示す。
<特徴A群>(同じ当たり種別でも遊技状態に応じてV入賞率可変させる)
判別条件の成立に基づいて判別を実行する判別手段とその判別手段による判別で特定の判別結果となったことに基づいて遊技者に有利な特典遊技を実行する特典遊技実行手段とその特典遊技実行手段により実行される特典遊技の種別として、予め定めた複数の種別の中から1の特典遊技の種別を決定する種別決定手段と、を備えた遊技機において遊技球が入球可能な入球手段とその入球手段へと遊技球が入球可能となる開放位置と、その開放位置よりも前記入球手段への入球が困難となる閉鎖位置とに可変可能な第1可変手段とその第1可変手段を、前記判別手段により前記特定の判別結果となったことに基づいて、第1可変パターンと、その第1可変パターンに対して前記特典遊技が開始されてから前記第1可変手段が前記開放位置に可変されるまでの期間が少なくとも異なる第2可変パターンとを少なくとも含む複数の可変パターンのいずれかで可変させる第1可変制御手段と前記入球手段へと入球した遊技球が、前記入球手段の内部に設けられた特定領域へと入球可能となる第1位置と、その第1位置よりも前記特定領域への入球が困難となる第2位置とに可変可能な第2可変手段とその第2可変手段を、前記判別手段により前記特定の判別結果となったことに基づいて、予め定めた特定の可変パターンで可変させる第2可変制御手段と前記特典遊技の実行中に前記特定領域へと遊技球が入球した場合に、前記特典遊技を実行した後の遊技状態を遊技者に有利な有利遊技状態に設定する遊技状態設定手段と前記特定の判別結果となった時点の遊技状態と、前記種別決定手段によって決定された前記特典遊技の種別とに基づいて、前記複数の可変パターンから前記第1可変制御手段により可変される1の可変パターンを決定する決定手段とを備え前記第1可変パターンは、前記第1可変手段が前記開放位置に可変されている期間に前記入球手段に入球した遊技球が前記特定領域に入球可能となるものであり前記第2可変パターンは、前記第1可変手段が前記開放位置に可変されている期間に前記入球手段に入球した遊技球が前記第1可変パターンよりも前記特定領域に入球困難となるものであることを特徴とする遊技機A1。
ここで、パチンコ機等の遊技機において、始動入賞に基づいて実行される抽選結果が当たりの場合に、遊技者に有利な当たり状態が付与されるものがある。かかる従来型の遊技機の中には、当たり後の特典として、通常よりも始動入賞し易くなる時短状態が付与されるものがある。この従来型の遊技機では、当たりとなった時点における遊技状態に応じて、時短状態が付与されるか否かや、時短状態が付与される場合の時短期間等を可変させることにより、大当たり後の状態を多様化し、遊技者の興趣向上を図っているものがある(例えば、特開2011−130988号公報)。
しかしながら、かかる従来型の遊技機では、時短期間に多様性を持たせたとしても、当たりとなる抽選確率は当たりの種別に応じて固定されているので、遊技者の興趣を十分に向上させることが困難であった。
これに対して遊技機A1では、入球手段へと遊技球が入球可能となる開放位置と、その開放位置よりも入球手段への入球が困難となる閉鎖位置とに第1可変手段が可変する。判別手段により特定の判別結果となったことに基づいて、第1可変パターンと、その第1可変パターンに対して特典遊技が開始されてから第1可変手段が開放位置に可変されるまでの期間が少なくとも異なる第2可変パターンとを少なくとも含む複数の可変パターンのいずれかで、可変制御手段により第1可変手段が可変される。入球手段へと入球した遊技球が、入球手段の内部に設けられた特定領域へと入球可能となる第1位置と、その第1位置よりも特定領域への入球が困難となる第2位置とに第2可変手段が可変され、その第2可変手段が、判別手段により特定の判別結果となったことに基づいて、第2可変制御手段により予め定めた特定の可変パターンで可変される。特典遊技の実行中に特定領域へと遊技球が入球した場合に、特典遊技を実行した後の遊技状態が遊技状態設定手段により遊技者に有利な有利遊技状態に設定される。特定の判別結果となった時点の遊技状態と、種別決定手段によって決定された特典遊技の種別とに基づいて、複数の可変パターンから第1可変制御手段により可変される1の可変パターンが決定手段により決定される。第1可変パターンは、第1可変手段が開放位置に可変されている期間に入球手段に入球した遊技球が特定領域に入球可能となるように構成され、第2可変パターンは、第1可変手段が開放位置に可変されている期間に入球手段に入球した遊技球が第1可変パターンよりも特定領域に入球困難となるように構成されている。
これにより、特定の判別結果となった時点の遊技状態と、種別決定手段によって決定された特典遊技の種別とに基づいて特定領域へと入球し易い第1可変パターンが設定される割合を可変させることができるので、有利遊技状態が設定される割合を遊技状態に応じて可変させることができる。よって、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができるという効果がある。
遊技機A1において前記有利遊技状態には、前記決定手段により前記第1可変パターンが決定され易い第1有利遊技状態と、その第1有利遊技状態よりも前記第1可変パターンが決定され難い第2有利遊技状態とが少なくとも含まれるものであることを特徴とする遊技機A2。
遊技機A2によれば、遊技機A1の奏する効果に加え、有利遊技状態には、決定手段により第1可変パターンが決定され易い第1有利遊技状態と、その第1有利遊技状態よりも第1可変パターンが決定され難い第2有利遊技状態とが少なくとも含まれるので、特定領域へと遊技球が入球した場合に、第1有利遊技状態が決定されることを期待して遊技を行わせることができる。よって、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができるという効果がある。
遊技機A2において前記第1有利遊技状態は、前記種別決定手段によって決定された前記特典遊技の種別によらず前記決定手段により前記第1可変パターンが決定されるものであることを特徴とする遊技機A3。
遊技機A3によれば、遊技機A2の奏する効果に加え、第1有利遊技状態では、種別決定手段によって決定された特典遊技の種別によらず決定手段によって第1可変パターンが決定されるので、第1有利遊技状態になると、次の特典遊技後に有利遊技状態が設定され易くなる。よって、第1有利遊技状態となった場合に遊技者に対してより大きな満足感を抱かせることができるという効果がある。
遊技機A2又はA3において前記遊技状態設定手段は、前記特典遊技の実行中に前記特定領域へと遊技球が入球しなかった場合に、前記特典遊技を実行した後の遊技状態を前記有利遊技状態よりも不利な不利遊技状態に設定するものであり前記遊技状態設定手段は、前記不利遊技状態で前記特定の判別結果となったことに基づく前記特典遊技の実行中に前記特定領域へと遊技球が入球した場合に、前記第1有利遊技状態を設定する割合が前記第2有利遊技状態を設定する割合よりも高いものであることを特徴とする遊技機A4。
遊技機A4によれば、遊技機A2又はA3の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、特典遊技の実行中に特定領域へと遊技球が入球しなかった場合に、特典遊技を実行した後の遊技状態が遊技状態設定手段により有利遊技状態よりも不利な不利遊技状態に設定される。不利遊技状態で特定の判別結果となったことに基づく特定遊技の実行中に特定領域へと遊技球が入球した場合に、遊技状態設定手段により第1有利遊技状態が設定される割合が、第2有利遊技状態が設定される割合よりも高く構成されている。
これにより、不利遊技状態において特典遊技が実行された場合に、第1有利遊技状態を期待させることができる。よって、不利遊技状態において遊技者の遊技に対するモチベーションが低下してしまうことを抑制できるという効果がある。
遊技機A2からA4のいずれかにおいて前記遊技状態設定手段は、前記第2有利遊技状態よりも、前記第1有利遊技状態で前記特定の判別結果となったことに基づく前記特典遊技の実行中に前記特定領域へと遊技球が入球した場合に、前記第1有利遊技状態を設定する割合が高いものであることを特徴とする遊技機A5。
遊技機A5によれば、遊技機A2からA4の何れかが奏する効果に加え、第2有利遊技状態よりも、第1有利遊技状態で特定の判別結果となったことに基づく特典遊技の実行中に特定領域へと遊技球が入球した場合に、遊技状態設定手段により第1有利遊技状態が設定される割合が高く構成されているので、一旦第1有利遊技状態になると、複数の特典遊技に渡って連続して特典遊技の実行が終了した後の遊技状態として第1有利遊技状態が設定され易くなる。よって、第1有利遊技状態に対する期待感をより向上させることができるという効果がある。
遊技機A2からA5のいずれかにおいて前記遊技状態設定手段は、前記第2有利遊技状態が設定されている場合に、前記特典遊技の終了とは異なる特定条件が成立した場合に前記第1有利遊技状態を設定するものであることを特徴とする遊技機A6。
遊技機A6によれば、遊技機A2からA5のいずれかが奏する効果に加え、第2有利遊技状態が設定されている場合に、特典遊技の終了とは異なる特定条件が成立した場合に遊技状態設定手段によって第1有利遊技状態が設定されるので、第2有利遊技状態において、特定条件が成立することを期待して遊技を行わせることができる。よって、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができるという効果がある。
遊技機A6において球が入球することで前記判別手段による判別が実行される入球判別手段とその入球判別手段に対して遊技球が入球可能な第1可変位置と、その第1可変位置よりも遊技球が入球困難な第2可変位置とに可変可能な第3可変手段とその第3可変手段の可変態様として、前記第1可変位置に可変され易い第1可変態様と、その第1可変態様よりも前記第1可変位置に可変され難い第2可変態様とで少なくとも制御可能な制御手段と、を備え前記第1有利遊技状態は、前記第3可変手段が前記制御手段により前記第2可変態様で制御されるものであり前記第2有利遊技状態は、前記第3可変手段が前記制御手段により前記第1可変態様で制御されるものであることを特徴とする遊技機A7。
遊技機A7によれば、遊技機A6の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、入球判別手段に対して遊技球が入球可能な第1可変位置と、その第1可変位置よりも遊技球が入球困難な第2可変位置とに第3可変手段が可変される。第3可変手段の可変態様として、第1可変位置に可変され易い第1可変態様と、その第1可変態様よりも第1可変位置に可変され難い第2可変態様とで制御手段により少なくとも制御される。第1有利遊技状態では、第3可変手段が第2可変態様で制御され、第2有利遊技状態では、第3可変手段が第1可変態様で制御される。
これにより、第1有利遊技状態よりも有利度合いが低い第2有利遊技状態で、判別手段による判別が実行され易くなるので、第2有利遊技状態において効率よく遊技を行わせることができるという効果がある。
<特徴B群>(確変からサポ抜けで有利な潜確へ移行させる)
判別条件の成立に基づいて判別を実行する判別手段とその判別手段による判別で特定の判別結果となったことに基づいて遊技者に有利な特典遊技を実行する特典遊技実行手段とその特典遊技実行手段により実行された前記特典遊技が終了した後の遊技状態として、前記判別手段により前記特定の判別結果となる確率が第1確率に設定される第1遊技状態と、その第1確率よりも高い第2確率に設定される第2遊技状態と、その第2遊技状態よりも有利であり、且つ、前記第2確率が設定される第3遊技状態とを少なくとも設定可能な遊技状態設定手段とその遊技状態設定手段により前記第2遊技状態が設定されている場合に、前記特典遊技状態の終了を契機としないで遊技状態を前記第2遊技状態から前記第3遊技状態に変更可能な遊技状態変更手段とを備えることを特徴とする遊技機B1。
ここで、パチンコ機等の遊技機において、始動入賞に基づいて実行される抽選結果が当たりの場合に、遊技者に有利な当たり状態が付与されるものがある。かかる従来型の遊技機の中には、当たり後の特典として、当たりとなる抽選確率が高くなる確変状態が付与されるものがある。更に、かかる従来型の遊技機の中には、確変状態の抽選回数に所定の上限回数を定めておき、所定の上限回数の抽選に渡ってとなるまでに当たりとならなかった場合には、当たりとなる抽選確率を通常確率に戻すと共に、確変状態とは別の遊技者に有利な状態(特別状態)に移行させるものがある。この特別状態で当たりになると、確変状態で当たりとなるよりも遊技者に付与される遊技価値が多くなるため、当たりとなる前に確変状態が終了した場合にも、遊技者の遊技に対するモチベーションを維持させることができる(例えば、特開2011−130988号公報)。
しかしながら、かかる従来型の遊技機では、確変状態が終了した後に設定される特別状態において、当たりとなる抽選確率が通常確率となるので、比較的多くの抽選回数に渡って外れとなってしまう可能性が高くなる。よって、遊技者の興趣を十分に向上させることができない虞があった。
これに対して遊技機B1では、判別手段による判別で特定の判別結果となったことに基づいて特典遊技実行手段により遊技者に有利な特典遊技が実行される。特典遊技実行手段により実行された特典遊技が終了した後の遊技状態として、判別手段により特定の判別結果となる確率が第1確率に設定される第1遊技状態と、その第1確率よりも高い第2確率に設定される第2遊技状態と、その第2遊技状態よりも有利であり、且つ、第2確率が設定される第3遊技状態とが遊技状態設定手段により少なくとも設定可能となる。遊技状態設定手段により第2遊技状態が設定されている場合に、特典遊技状態の終了を契機としないで遊技状態が遊技状態変更手段により第2遊技状態から第3遊技状態に変更される。
これにより、特典遊技にならなくても、遊技状態変更手段により第2遊技状態から第3遊技状態に変更することができるので、第2遊技状態における遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができるという効果がある。
遊技機B1において前記遊技状態設定手段により前記特典遊技の終了後の遊技状態として前記第3遊技状態が設定された場合に、当該特典遊技を含む少なくとも所定回数の前記特典遊技に渡って前記第2確率が設定される遊技状態が設定され易くなる連続状態を設定する連続状態設定手段を備えることを特徴とする遊技機B2。
遊技機B2によれば、遊技機B1の奏する効果に加え、遊技状態設定手段により特典遊技の終了後の遊技状態として第3遊技状態が設定された場合に、当該特典遊技を含む少なくとも所定回数の特典遊技に渡って第2確率が設定される遊技状態が設定され易くなる連続状態が連続状態設定手段によって設定されるので、連続状態が設定されることを期待して遊技を行わせることができる。よって、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができるという効果がある。
遊技機B1またはB2において前記遊技状態設定手段は、前記第3遊技状態で前記特典遊技が実行されるよりも、前記第2遊技状態で前記特典遊技が実行された場合に、その特典遊技が終了した後の遊技状態を前記第1遊技状態に設定する割合が高いものであることを特徴とする遊技機B3。
遊技機B3によれば、遊技機B1またはB2の奏する効果に加え、第3遊技状態で特典遊技が実行されるよりも、第2遊技状態で特典遊技が実行された場合に、その特典遊技が終了した後の遊技状態として遊技状態設定手段により第1遊技状態が設定される割合が高く構成されているので、第2遊技状態では、特典遊技が実行されるよりも前に遊技状態変更手段によって第3遊技状態が設定されることを期待させるという斬新な遊技性を提供することができる。よって、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができるという効果がある。
遊技機B1からB3のいずれかにおいて前記遊技状態設定手段は、前記第3遊技状態で実行された前記特典遊技が終了した場合に、前記第2遊技状態と、前記第3遊技状態とのいずれかを設定可能なものであることを特徴とする遊技機B4。
遊技機B4によれば、遊技機B1からB3のいずれかが奏する効果に加え、第3遊技状態で実行された特典遊技が終了した場合に、遊技状態設定手段により第2遊技状態と、第3遊技状態とのいずれかが設定されるので、特典遊技が終了した後は、第2確率が設定される。よって、第2確率が設定される遊技状態が連続して設定されるので、第3遊技状態となることで遊技者を喜ばせることができるという効果がある。
遊技機B1からB4のいずれかにおいて遊技球が入球することで前記判別手段による判別が実行される入球手段とその入球手段に遊技球が入球困難となる第1位置と、その第1位置に比較して前記入球手段に遊技球が入球容易となる第2位置とに可変可能な可変手段とその可変手段を、所定条件の成立に基づいて前記第1位置から前記第2位置へと所定期間可変させる可変制御手段とを備え前記第2遊技状態は、前記第3遊技状態よりも前記可変制御手段により前記第2位置に可変され易いものであることを特徴とする遊技機B5。
遊技機B5によれば、遊技機B1からB4のいずれかが奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、入球手段に遊技球が入球困難となる第1位置と、その第1位置に比較して入球手段に遊技球が入球容易となる第2位置とに可変手段が可変される。所定条件の成立に基づいて第1位置から第2位置へと可変手段が所定期間、可変制御手段により可変される。第2遊技状態は、第3遊技状態よりも可変制御手段により第2位置に可変され易くなる。
これにより、第2遊技状態において判別手段による判別を実行され易くできるので、第2遊技状態において効率よく遊技を行わせることができるという効果がある。
遊技機B1からB5のいずれかにおいて前記第2遊技状態が設定されたことに基づいて、前記判別手段による判別で前記特定の判別結果とは異なる外れ判別結果が連続した回数を計数する計数手段を備え前記遊技状態変更手段は、前記計数手段により計数された前記外れ判別結果の連続回数が特定回数になったことに基づいて遊技状態を前記第2遊技状態から前記第3遊技状態に変更するものであることを特徴とする遊技機B6。
遊技機B6によれば、遊技機B1からB5のいずれかが奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、第2遊技状態が設定されたことに基づいて、判別手段による判別で特定の判別結果とは異なる外れ判別結果が連続した回数が計数手段により計数される。計数手段により計数された外れ判別結果の連続回数が特定回数になったことに基づいて遊技状態変更手段により遊技状態が第2遊技状態から第3遊技状態に変更される。
これにより、第2遊技状態では、特定の判別結果となることよりも、外れ判別結果が連続することを期待して遊技を行わせることができるので、斬新な遊技性の遊技機を提供することができるという効果がある。
遊技機B1からB6のいずれかにおいて前記特典遊技実行手段により実行される特典遊技の種別として、予め定めた複数の種別の中から1の特典遊技の種別を決定する種別決定手段と遊技球が入球可能な入球手段とその入球手段へと遊技球が入球可能となる開放位置と、その開放位置よりも前記入球手段への入球が困難となる閉鎖位置とに可変可能な第1可変手段と前記入球手段へと入球した遊技球が、前記入球手段の内部に設けられた特定領域へと入球可能となる第1可変位置と、その第1可変位置に比較して前記特定領域への入球が困難となる第2可変位置とに可変可能な第2可変手段と前記判別手段により前記特定の判別結果となったことに基づいて、前記第1可変手段と前記第2可変手段とを所定の可変パターンで可変させる可変制御手段とその可変制御手段により可変される前記所定の可変パターンとして、前記第1可変手段が前記開放位置に可変されている期間に前記入球手段に入球した遊技球が前記特定領域に入球可能となる第1可変パターンと、その第1可変パターンよりも前記特定領域に入球することが困難になる第2可変パターンとを少なくとも決定可能な決定手段と、を備え前記遊技状態設定手段は、前記特典遊技の実行中に遊技球が前記特定領域へ入球した場合に、前記特典遊技が終了した後の遊技状態を前記第2遊技状態または前記第3遊技状態のいずれかに設定するものであり前記決定手段は、前記特定の判別結果となった時点の遊技状態と、前記種別決定手段によって決定された前記特典遊技の種別とに基づいて、1の可変パターンを決定するものであることを特徴とする遊技機B7。
遊技機B7によれば、遊技機B1からB6の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、特典遊技実行手段により実行される特典遊技の種別として、予め定めた複数の種別から1の種別が種別決定手段によって決定される。入球手段へと遊技球が入球可能となる開放位置と、その開放位置よりも入球手段への入球が困難となる閉鎖位置とに第1可変手段が可変する。入球手段へと入球した遊技球が、入球手段の内部に設けられた特定領域へと入球可能となる第1可変位置と、その第1可変位置に比較して特定領域への入球が困難となる第2可変位置とに第2可変手段が可変される。判別手段により特定の判別結果となったことに基づいて、第1可変手段と第2可変手段とが可変制御手段により所定の可変パターンで可変される。可変制御手段により可変される所定の可変パターンとして、第1可変手段が開放位置に可変されている期間に入球手段に入球した遊技球が特定領域に入球可能となる第1可変パターンと、その第1可変パターンよりも特定領域に入球することが困難になる第2可変パターンとが決定手段によって少なくとも決定可能に構成されている。特典遊技の実行中に遊技球が特定領域へと入球した場合に、特典遊技が終了した後の遊技状態が遊技状態設定手段により第2遊技状態または第3遊技状態のいずれかに設定される。特定の判別結果となった時点の遊技状態と、種別決定手段によって決定された特典遊技の種別とに基づいて決定手段により1の可変パターンが決定される。
これにより、特定の判別結果となった時点の遊技状態と、種別決定手段によって決定された特典遊技の種別とに基づいて特定領域へと入球し易い可変パターンの設定され易さを異ならせることができるので、特典遊技の終了後に第2確率が設定される割合を遊技状態に応じて可変させることができる。よって、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができるという効果がある。
遊技機B7において前記第1可変パターンと前記第2可変パターンとは、前記特典遊技が開始されてから前記第1可変手段が前記開放位置に可変するまでの期間が少なくとも異なるものであることを特徴とする遊技機B8。
遊技機B8によれば、遊技機B7の奏する効果に加え、第1可変パターンと第2可変パターンとは、特典遊技が開始されてから第1可変手段が開放位置に可変するまでの期間が少なくとも異なって構成されているので、第1可変手段が開放位置に可変されるまでの期間により可変パターンを予測させることができる。よって、特典遊技の実行中における遊技者の興趣を向上させることができるという効果がある。
遊技機B8において、前記第1可変パターンと前記第2可変パターンとは、前記第2可変手段の動作が同一であることを特徴とする遊技機B9。
遊技機B9によれば、遊技機B8の奏する効果に加え、第1可変パターンと第2可変パターンとは、第2可変手段の動作が同一であるので、第2可変手段の制御として1通りの可変制御のみを規定しておけばよく、処理負荷を軽減することができるという効果がある。
<特徴C群>(有利な打ち出し方向を分かり難くする演出)
遊技者の操作に基づいて遊技球を遊技領域に発射可能な発射手段とその発射手段により発射された遊技球が通過可能な第1経路と、その第1経路とは異なる第2経路と前記第1経路に配置され、遊技球が入球可能な第1入球手段と前記第2経路に配置され、遊技球が入球可能な第2入球手段と前記第1入球手段、または前記第2入球手段に遊技球が入球したことに基づいて判別を実行する判別手段とその判別手段による判別で特定の判別結果となったことに基づいて遊技者に有利な特典遊技を実行する特典遊技実行手段とその特典遊技実行手段により実行された前記特典遊技の終了を契機に、前記第2経路よりも前記第1経路へと遊技球を打ち出した場合に前記判別手段による判別が実行され易くなる第1遊技状態と、前記第1経路よりも前記第2経路に遊技球を打ち出した場合に前記判別手段による判別が実行され易くなる第2遊技状態とを少なくとも含む複数の遊技状態から1の遊技状態を設定可能な遊技状態設定手段とその遊技状態設定手段によって1の遊技状態が設定されてから前記発射手段により発射された遊技球によって所定条件を満たしたかを判別する条件判別手段とその条件判別手段により前記所定条件を満たしたと判別されたことに基づいて、遊技球を発射する経路として前記判別手段による判別が実行され易くなる経路を示唆する態様の特定演出を実行する演出実行手段と、を備えることを特徴とする遊技機C1。
ここで、パチンコ機等の遊技機において、始動入賞に基づいて実行される抽選結果が当たりの場合に、遊技者に有利な当たり状態が付与されるものがある。この従来型の遊技機の中には、当たりの少なくとも一部で、始動入賞が発生し易くなる時短状態が付与されるものがある。また、かかる従来型の遊技機には、遊技盤に複数の始動入賞口が設けられ、時短状態となることにより一部の始動入賞口へと遊技球が入賞し易くなるものもある。この遊技機では、時短状態か否かに応じて、何れの始動入賞口を狙って遊技を行うべきかを示唆する演出(示唆演出)を実行する構成とすることで、より分かりやすい遊技を提供している(例えば、特開2006−230825号公報)。
しかしながら、かかる従来型の遊技機では、当たり後に時短状態へと移行した場合、即座に示唆演出が実行されるので、時短状態となったか否かの期待感を最長でも大当たり終了時点までしか維持させることができないという問題点があった。
これに対して遊技機C1では、遊技者の操作に基づいて発射手段により遊技球が遊技領域へ発射され、その発射手段により発射された遊技球が通過可能な第1経路と、その第1経路とは異なる第2経路とが設けられている。第1経路には遊技球が入球可能な第1入球手段が配置されており、第2経路には遊技球が入球可能な第2入球手段が配置されている。第1入球手段、または第2入球手段に遊技球が入球したことに基づいて判別手段による判別が実行され、その判別手段による判別で特定の判別結果となったことに基づいて特典遊技実行手段により遊技者に有利な特典遊技が実行される。特典遊技実行手段により実行された特典遊技の終了を契機に、第2経路よりも第1経路へと遊技球を打ち出した場合に判別手段による判別が実行され易くなる第1遊技状態と、第1経路よりも第2経路に遊技球を打ち出した場合に判別手段による判別が実行され易くなる第2遊技状態とを少なくとも含む複数の遊技状態から1の遊技状態が遊技状態設定手段によって設定される。遊技状態設定手段によって1の遊技状態が設定されてから発射手段により発射された遊技球によって所定条件を満たさしたかが条件判別手段によって判別され、その条件判別手段によって所定条件を満たしたと判別されたことに基づいて、遊技球を発射する経路として判別手段による判別が実行され易くなる経路を示唆する態様の特定演出が演出実行手段によって実行される。
これにより、遊技状態が設定されても所定条件が成立するまで特定演出が実行されないので、より有利な遊技状態が設定されていることに対する期待感を、少なくとも所定条件が成立するまで持続させることができるという効果がある。
遊技機C1において前記第2入球手段へと遊技球が入球し易くなる第1位置と、その第1位置に比較して遊技球が入球し難くなる第2位置とに可変可能な可変手段とその可変手段を、特定条件の成立に基づいて前記第2位置から前記第1位置へと可変させる可変制御手段と、を備え前記第2遊技状態は、前記第1遊技状態よりも前記特定条件が成立し易くなるものであることを特徴とする遊技機C2。
遊技機C2によれば、遊技機C1の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、第2入球手段へと遊技球が入球し易くなる第1位置と、その第1位置に比較して遊技球が入球し難くなる第2位置とに可変手段が可変され、その可変手段が、特定条件の成立に基づいて可変制御手段により第2位置から第1位置へと可変される。第2遊技状態は、第1遊技状態よりも特定条件が成立し易く構成されている。
これにより、第2遊技状態では、可変手段が第1位置へと可変されている間に遊技球を第2入球口へと入球させようとして発射手段を操作させることができるので、遊技者の遊技に対する参加意欲を向上させることができるという効果がある。
遊技機C2において遊技球が通過可能な通過手段とその通過手段を遊技球が通過したことに基づいて所定の判別を実行する所定判別手段と、を備え前記特定条件は、前記所定判別手段により所定の判別結果となった場合に成立するものであり前記所定条件は、前記遊技状態設定手段により前記遊技状態が設定されてから前記発射手段により発射された遊技球が、前記通過手段を特定回数通過した場合に成立するものであることを特徴とする遊技機C3。
遊技機C3によれば、遊技機C2の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、通過手段を遊技球が通過したことに基づいて所定判別手段により所定の判別が実行される。所定判別手段により所定の判別結果となった場合に特定条件が成立する。遊技状態設定手段により遊技状態が設定されてから発射手段により発射された遊技球が、通過手段を特定回数通過した場合に所定条件が成立する。
これにより、所定条件を成立させるために遊技者に通過手段を狙って球を発射させることができる。よって、遊技者の遊技に対する参加意欲を向上させることができるという効果がある。
遊技機C3において前記通過手段として、前記第1経路に配置された第1通過手段と、前記第2経路に配置された第2通過手段とが少なくとも設けられているものであることを特徴とする遊技機C4。
遊技機C4によれば、遊技機C3の奏する効果に加え、通過手段として、第1経路に配置された第1通過手段と、第2経路に配置された第2通過手段とが少なくとも設けられているので、所定条件の成立前においては、遊技者の好みの経路へと遊技球を発射して所定条件の成立を期待させることができる。よって、遊技者の遊技に対する興趣をより向上させることができるという効果がある。
遊技機C4において前記第1遊技状態は、前記第2遊技状態よりも遊技者に有利な遊技状態であり前記所定条件は、前記遊技状態設定手段により遊技状態が設定されてから前記発射手段により発射された遊技球が最初に前記第1通過手段を通過した場合に成立するものであることを特徴とする遊技機C5。
遊技機C5によれば、遊技機C4の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、第1遊技状態が、第2遊技状態よりも遊技者に有利となるように構成されている。遊技状態設定手段により遊技状態が設定されてから発射手段により発射された遊技球が最初に第1通過手段を通過した場合に所定条件が成立する。
これにより、有利な第1遊技状態において判別手段による判別が実行され易い第1経路が特定演出により示唆されることを期待して第1経路へと遊技球を発射させることができる。よって、遊技者の遊技に対する参加意欲を向上させることができるという効果がある。
遊技機C3からC5のいずれかにおいて少なくとも前記第2遊技状態において、前記特定条件が成立してから前記可変手段が前記第1位置へと可変されるまでの期間は、前記発射手段により前記第2経路へと発射された遊技球が前記第2入球手段へと到達するまでに要する期間よりも長いものであることを特徴とする遊技機C6。
遊技機C6によれば、遊技機C2からC5のいずれかが奏する効果に加え、少なくとも第2遊技状態において、特定条件が成立してから可変手段が第1位置へと可変されるまでの期間は、発射手段により第2経路へと発射された遊技球が第2入球手段へと到達するまでに要する期間よりも長く構成されているので、設定された遊技状態が第2遊技状態だった場合に、通過手段を通過したことに基づいて所定条件が成立し、且つ、特定演出により第2経路が示唆されたとしても、可変手段が第1位置へと可変される前に第2入球手段へと遊技球を到達させることができる。よって、第2遊技状態において判別手段による判別の機会を最大限活かすことができるという効果がある。
遊技機C2において前記第1経路に設けられ、前記第1入球手段とは異なる所定入球手段を備え前記所定条件は、前記遊技状態設定手段により前記遊技状態が設定されてから前記発射手段により発射された遊技球が最初に前記所定入球手段に入球した場合に成立するものであることを特徴とする遊技機C7。
遊技機C7によれば、遊技機C2の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、第1入球手段とは異なる所定入球手段が第1経路に設けられている。そして、遊技状態設定手段により遊技状態が設定されてから発射手段により発射された遊技球が最初に所定入球手段に入球した場合に所定条件が成立する。
これにより、所定条件を成立させようとして所定入球手段を狙って球を発射させることができるので、遊技者の遊技に対する参加意欲を向上させることができるという効果がある。
遊技者の操作に基づいて遊技球を遊技領域に発射可能な発射手段とその発射手段により発射された遊技球が通過可能な第1経路と、その第1経路とは異なる第2経路と前記第1経路に配置され、遊技球が入球可能な第1入球手段と前記第2経路に配置され、遊技球が入球可能な第2入球手段と前記第1入球手段、または前記第2入球手段に遊技球が入球したことに基づいて判別を実行する判別手段とその判別手段による判別で特定の判別結果となったことに基づいて遊技者に有利な特典遊技を実行する特典遊技実行手段とその特典遊技実行手段により実行された前記特典遊技の終了を契機に、前記第2経路よりも前記第1経路へと遊技球を打ち出した場合に前記判別手段による判別が実行され易くなる第1遊技状態と、前記第1経路よりも前記第2経路に遊技球を打ち出した場合に前記判別手段による判別が実行され易くなる第2遊技状態とを少なくとも含む複数の遊技状態から1の遊技状態を設定可能な遊技状態設定手段とその遊技状態設定手段によって1の遊技状態が設定されてからの経過時間を計時する計時手段とその計時手段により特定の経過時間となったことに基づいて遊技球を発射する経路として前記判別手段による判別が実行され易くなる経路を示唆する態様の特定演出を実行する演出実行手段と、を備えるものであることを特徴とする遊技機C8。
遊技機C8によれば、遊技者の操作に基づいて発射手段により遊技球が遊技領域へ発射され、その発射手段により発射された遊技球が通過可能な第1経路と、その第1経路とは異なる第2経路とが設けられている。第1経路には遊技球が入球可能な第1入球手段が配置されており、第2経路には遊技球が入球可能な第2入球手段が配置されている。第1入球手段、または第2入球手段に遊技球が入球したことに基づいて判別手段による判別が実行され、その判別手段による判別で特定の判別結果となったことに基づいて特典遊技実行手段により遊技者に有利な特典遊技が実行される。特典遊技実行手段により実行された特典遊技の終了を契機に、第2経路よりも第1経路へと遊技球を打ち出した場合に判別手段による判別が実行され易くなる第1遊技状態と、第1経路よりも第2経路に遊技球を打ち出した場合に判別手段による判別が実行され易くなる第2遊技状態とを少なくとも含む複数の遊技状態から1の遊技状態が遊技状態設定手段によって設定される。遊技状態設定手段によって1の遊技状態が設定されてからの経過時間が計時手段によってけ計時され、その計時手段により特定の経過時間となったことに基づいて遊技球を発射する経路として判別手段による判別が実行され易くなる経路を示唆する態様の特定演出が演出実行手段によって実行される。
これにより、遊技状態が設定されても特定の経過時間となるまで特定演出が実行されないので、より有利な遊技状態が設定されていることに対する期待感を、少なくとも特定の経過時間となるまで持続させることができるという効果がある。
遊技機C1からC8のいずれかにおいて前記特典遊技実行手段により実行される特典遊技の種別として、予め定めた複数の種別の中から1の特典遊技の種別を決定する種別決定手段と遊技球が入球可能な可変入球手段とその可変入球手段へと遊技球が入球可能となる開放位置と、その開放位置よりも前記入球手段への入球が困難となる閉鎖位置とに可変可能な第1可変手段と前記可変入球手段へと入球した遊技球が、前記可変入球手段の内部に設けられた特定領域へと入球可能となる第1可変位置と、その第1可変位置に比較して前記特定領域への入球が困難となる第2可変位置とに可変可能な第2可変手段と前記判別手段により前記特定の判別結果となったことに基づいて、前記第1可変手段と前記第2可変手段とを所定の可変パターンで可変させる可変制御手段とその可変制御手段により可変される前記所定の可変パターンとして、前記第1可変手段が前記開放位置に可変されている期間に前記入球手段に入球した遊技球が前記特定領域に入球可能となる第1可変パターンと、その第1可変パターンよりも前記特定領域に入球することが困難になる第2可変パターンとを少なくとも決定可能な決定手段と、を備え前記遊技状態設定手段は、前記特典遊技の実行中に遊技球が前記特定領域へ入球した場合に、前記特典遊技が終了した後の遊技状態を前記第1遊技状態または前記第2遊技状態のいずれかに設定し、前記特定領域へ遊技球が入球しなかった場合に、前記第1遊技状態よりも遊技者に不利な第3遊技状態を設定するものであり前記決定手段は、前記特定の判別結果となった時点の遊技状態と、前記種別決定手段によって決定された前記特典遊技の種別とに基づいて、1の可変パターンを決定するものであることを特徴とする遊技機C9。
遊技機C9によれば、遊技機C1からC8のいずれかが奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、特典遊技実行手段により実行される特典遊技の種別として、予め定めた複数の種別の中から1の特典遊技の種別が種別決定手段により決定される。可変入球手段へと遊技球が入球可能となる開放位置と、その開放位置よりも入球手段への入球が困難となる閉鎖位置とに第1可変手段が可変される。可変入球手段へと入球した遊技球が、可変入球手段の内部に設けられた特定領域へと入球可能となる第1可変位置と、その第1可変位置に比較して特定領域への入球が困難となる第2可変位置とに第2可変手段が可変される。判別手段により特定の判別結果となったことに基づいて、第1可変手段と第2可変手段とが可変制御手段により所定の可変パターンで可変される。可変制御手段により可変される所定の可変パターンとして、第1可変手段が開放位置に可変されている期間に入球手段に入球した遊技球が特定領域に入球可能となる第1可変パターンと、その第1可変パターンよりも特定領域に入球することが困難になる第2可変パターンとが決定手段により少なくとも決定される。特典遊技の実行中に遊技球が特定領域へ入球した場合に、特典遊技が終了した後の遊技状態が遊技状態設定手段により第1遊技状態または第2遊技状態のいずれかに設定される。一方、特典遊技の実行中に遊技球が特定領域へ入球しなかった場合に、特典遊技が終了した後の遊技状態が遊技状態設定手段により第1遊技状態よりも遊技者に不利な第3遊技状態が設定される。特定の判別結果となった時点の遊技状態と、種別決定手段によって決定された特典遊技の種別とに基づいて、決定手段により1の可変パターンが決定される。
これにより、特定の判別結果となった時点の遊技状態と、種別決定手段によって決定された特典遊技の種別とに基づいて特定領域へと入球し易い可変パターンの設定され易さを異ならせることができるので、特典遊技の終了後に第1遊技状態、または第2遊技状態が設定される割合を遊技状態に応じて可変させることができる。よって、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができるという効果がある。
遊技機C9において前記決定手段は、前記第2遊技状態で前記特定の判別結果になるよりも、前記第1遊技状態で前記特定の判別結果となった場合に前記第1可変パターンが決定され易いものであることを特徴とする遊技機C10。
遊技機C10によれば、遊技機C9の奏する効果に加え、第2遊技状態で特定の判別結果になるよりも、第1遊技状態で特定の判別結果となった場合に決定手段により第1可変パターンが決定され易く構成されているので、第1遊技状態で判別が実行され易くなる第1経路が特定演出により示唆されることを期待させることができる。よって、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができるという効果がある。
遊技機C9またはC10において前記第1可変パターンと前記第2可変パターンとは、前記特典遊技が開始されてから前記第1可変手段が前記開放位置に可変するまでの期間が少なくとも異なるものであることを特徴とする遊技機C11。
遊技機C11によれば、遊技機C9またはC10のいずれかが奏する効果に加え、第1可変パターンと第2可変パターンとは、特典遊技が開始されてから第1可変手段が開放位置に可変するまでの期間が少なくとも異なって構成されるので、第1可変手段が開放位置に可変されるまでの期間により可変パターンを予測させることができる。よって、特典遊技の実行中における遊技者の興趣を向上させることができるという効果がある。
遊技機C11において、前記第1可変パターンと前記第2可変パターンとは、前記第2可変手段の動作が同一であることを特徴とする遊技機C12。
遊技機C12によれば、遊技機C11の奏する効果に加え、第1可変パターンと第2可変パターンとは、第2可変手段の動作が同一であるので、第2可変手段の制御として1通りの可変制御のみを規定しておけばよく、処理負荷を軽減することができるという効果がある。
<特徴D群>(確変中や引き戻し時短中に非Vで時短付与)
判別条件の成立に基づいて判別を実行する判別手段とその判別手段による判別で特定の判別結果となったことに基づいて遊技者に有利な特典遊技を実行する特典遊技実行手段と特定条件の成立に基づいて、第1遊技状態と、その第1遊技状態よりも判別手段による判別が実行され易くなる第2遊技状態とを少なくとも含む複数の遊技状態から1の遊技状態を設定可能な遊技状態設定手段と、を備えた遊技機において遊技球が入球可能な入球手段とその入球手段へと遊技球が入球可能となる開放位置と、その開放位置よりも前記入球手段への入球が困難となる閉鎖位置とに可変可能な第1可変手段とその第1可変手段を、前記判別手段による判別で特定の判別結果となったことに基づいて所定の可変パターンで可変させる第1可変制御手段と前記入球手段へと入球した遊技球が、前記入球手段の内部に設けられた特定領域へと入球可能となる第1位置と、その第1位置よりも前記特定領域への入球が困難となる第2位置とに可変可能な第2可変制御手段とその第2可変手段を、前記判別手段による判別で特定の判別結果となったことに基づいて予め定めた特定の可変パターンで可変させる第2可変制御手段と前記第1可変制御手段により可変される可変パターンとして、前記特定領域へと遊技球が入球可能となる第1可変パターンと、その第1可変パターンよりも前記特定領域への入球が困難となる第2可変パターンとを少なくとも含む複数の可変パターンから1の可変パターンを決定する決定手段と前記特典遊技の実行中に前記特定領域へと遊技球が入球した場合に、前記特定領域へと入球しなかった場合よりも高い割合で遊技者に有利な特定の特典を付与する特典付与手段と、を備え前記遊技状態設定手段は、前記特典付与手段によって前記特定の特典が付与されなかった場合に前記第2遊技状態を設定可能なものであることを特徴とする遊技機D1。
ここで、パチンコ機等の遊技機において、盤面に設けられた入球口の内部に球が入球可能な特定領域が設けられており、その特定領域へと球が入球した場合に、遊技者に有利な特定の特典が付与される割合が高くなるものがある。かかる特定の特典として、遊技状態が通常遊技状態よりも遊技者に有利な有利遊技状態に設定される第2特典遊技が設けられている。また、有利遊技状態では、内部に特定領域が設けられた入球口へと球を入球させ易くなるので、一旦有利遊技状態へと移行させることができれば、特典遊技と有利遊技状態とが繰り返され易くなるので、遊技者にとって極めて有利な状態を形成している。
しかしながら、かかる従来型の遊技機では、有利遊技状態で特定の特典を付与するか否かの抽選に漏れた場合には、最も不利な通常遊技状態まで転落してしまうため、抽選に漏れた時点で遊技者の遊技に対するモチベーションを大幅に損ねてしまうという問題点があった。
これに対して遊技機D1では、入球手段へと遊技球が入球可能となる開放位置と、その開放位置よりも入球手段への入球が困難となる開放位置とに第1可変手段が可変され、その第1可変手段が、判別手段による判別で特定の判別結果となったことに基づいて第1可変制御手段により所定の可変パターンで可変される。入球手段へと入球した遊技球が、入球手段の内部に設けられた特定領域へと入球可能となる第1位置と、その第1位置よりも特定領域への入球が困難となる第2位置とに可変手段が可変され、その第2可変手段が、判別手段による判別で特定の判別結果となったことに基づいて第2可変制御手段により予め定めた特定の可変パターンで可変される。第1可変制御手段により可変される可変パターンとして、特定領域へと遊技球が入球可能となる第1可変パターンと、その第1可変パターンよりも特定領域への入球が困難となる第2可変パターンとを少なくとも含む複数の可変パターンから、決定手段により1の可変パターンが決定される。特典遊技の実行中に特定領域へと遊技球が入球した場合に、特定領域へと入球しなかった場合よりも高い割合で遊技者に有利な特定の特典が特典付与手段によって付与される。特典付与手段によって特定の特典が付与されなかった場合に、遊技状態設定手段により第2遊技状態を設定可能に構成されている。
これにより、特定の特典が付与されなかった場合に第1遊技状態よりも有利な第2遊技状態が設定されるので、特定の特典が付与されなかった場合に遊技者の遊技に対するモチベーションを損ねてしまうことを抑制できるという効果がある。
遊技機D1において前記遊技状態設定手段は、前記第1遊技状態で実行された前記特典遊技で前記特典付与手段により前記特定の特典が付与されなかった場合に前記第1遊技状態を設定し、前記第2遊技状態で実行された前記特典遊技で前記特典付与手段により前記特定の特典が付与されなかった場合に前記第2遊技状態を設定するものであることを特徴とする遊技機D2。
遊技機D2によれば、遊技機D1の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、第1遊技状態で実行された特典遊技で特典付与手段により特定の特典が付与されなかった場合に遊技状態設定手段によって第1遊技状態が設定される。一方、第2遊技状態で実行された特典遊技で特典付与手段により特定の特典が付与されなかった場合に遊技状態設定手段によって第2遊技状態が設定される。
これにより、遊技者にとって有利な第2遊技状態では、特定の特典が付与されなくても第2遊技状態が設定されるので、第2遊技状態における遊技者の遊技に対するモチベーションを向上させることができるという効果がある。
遊技機D1またはD2において前記第1遊技状態と、第2遊技状態とは、前記特定の判別結果となる確率が第1確率に設定されるものであり前記遊技状態設定手段は、前記特定の判別結果となる確率が前記第1確率よりも高い第2確率に設定される第3遊技状態を設定可能なものであり前記特典付与手段は、前記特定の特典として前記遊技状態設定手段に前記第3遊技状態を設定させるものであることを特徴とする遊技機D3。
遊技機D3によれば、遊技機D1またはD2の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、第1遊技状態と、第2遊技状態とは、特定の判別結果となる確率が第1確率に設定される。特定の判別結果となる確率が第1確率よりも高い第2確率に設定される第3遊技状態も遊技状態設定手段により設定可能に構成されている。特定の特典として遊技状態設定手段に第3遊技状態を設定させるように特典付与手段が構成されている。
これにより、特定の特典が付与された場合に、特定の判別結果となり易くなるので、遊技者にとって有利となる。よって、特定の特典に対する遊技者の期待感をより向上させることができるという効果がある。
遊技機D3において前記遊技状態設定手段は、前記第3遊技状態で実行された前記特典遊技で前記特典付与手段により前記特定の特典が付与されなかった場合に前記第2遊技状態を設定するものであることを特徴とする遊技機D4。
遊技機D4によれば、遊技機D3の奏する効果に加え、第3遊技状態で実行された特典遊技で特典付与手段により特定の特典が付与されなかった場合に、遊技状態設定手段によって第2遊技状態が設定されるので、第3遊技状態から不利な第1遊技状態に設定されることを抑制できる。よって、第3遊技状態において特定の特典が付与されなかったとしても、遊技者の遊技に対するモチベーションが低下してしまうことを抑制できるという効果がある。
遊技機D1からD4のいずれかにおいて遊技球が入球することに基づいて前記判別手段による判別が実行される入球手段とその入球手段に遊技球が入球可能となる第1可変位置と、その第1可変位置よりも入球が困難となる第2可変位置とに可変可能な第3可変手段と遊技球が通過可能な通過手段とその通過手段を遊技球が通過したことに基づいて所定の判別を実行する所定判別手段とその所定判別手段による判別で所定の判別結果となったことに基づいて、前記第3可変手段を前記第2可変位置から前記第1可変位置へと可変させる第3可変制御手段とを備え前記第2遊技状態は、前記第1遊技状態よりも前記所定の判別結果となる確率が高いものであることを特徴とする遊技機D5。
遊技機D5によれば、遊技機D1からD4のいずれかが奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、入球手段に遊技球が入球可能となる第1可変位置と、その第1可変位置よりも入球が困難となる第2可変位置とに第3可変手段が可変される。通過手段を遊技球が通過したことに基づいて所定判別手段により所定の判別が実行され、所定判別手段による判別で所定の判別結果となったことに基づいて、第3可変手段が第23可変制御手段によって第2可変位置から第1可変位置へ可変される。第2遊技状態は、第1遊技状態よりも所定の判別結果となる確率が高く構成されている。
これにより、第2遊技状態では所定の判別が実行され易くなるので、遊技者により効率よく遊技を行わせることができるという効果がある。
<特徴E群>(有利状態で100%確変)
遊技球が入球可能な入球手段とその入球手段に対して遊技球が入球したことに基づいて判別を実行する判別手段とその判別手段による判別で特定の判別結果となったことに基づき、遊技者に有利な特典遊技を実行する特典遊技実行手段と前記特典遊技の実行中に遊技球が入球可能となる可変入球手段と、を有した遊技機において前記可変入球手段の内部に配置され、その可変入球手段へと入球した遊技球が入球可能な特定入球領域と1の前記特典遊技の実行中に前記特定入球領域に遊技球が入球しなかった場合に、第1遊技状態を設定し、1の前記特典遊技の実行中に前記特定入球領域に遊技球が入球した場合に、前記第1遊技状態よりも有利な第2遊技状態を設定する遊技状態設定手段と1の前記特典遊技での前記特定入球領域に対する遊技球の入球率として、第1入球率と、その第1入球率よりも入球率が高い第2入球率とを少なくとも設定可能な入球率設定手段と、を備え前記入球率設定手段は、前記第2遊技状態で前記特典遊技が実行された場合に、前記第1遊技状態で前記特典遊技が実行された場合よりも、前記第2入球率を設定する割合が高くなるものであることを特徴とする遊技機E1。
ここで、パチンコ機等の遊技機において、始動入球に基づいて実行される抽選により当たりとなった場合に、球が入球可能な開放状態に設定される特定入賞口が設けられ、その特定入賞口へと球が入球することで特典が付与されるものがある。また、かかる従来型の遊技機の中には、特定入賞口の内部に、球が入球することで確率変動状態が付与される特定の入球領域が設けられているものがある。また、特定の入球領域への入球し易さは、当たりの種別に応じて異ならせている(例えば、特開2012−245172号公報)。
しかしながら、かかる従来型の遊技機では、特定の入球領域への入球し易さが、当たり種別に応じて固定となっているため、当たり種別が分かった時点で確率変動状態へと移行する期待度が分かってしまう場合があり、確率変動状態に対する期待度を持続させることが困難となってしまう虞があった。
これに対して遊技機E1によれば、遊技者に有利な第2遊技状態で特典遊技が実行された場合に第2入球率を設定する割合が高くなるので、第2遊技状態が継続している間は、特定入球領域へと遊技球が入球することを持続的に期待させることができるという効果がある。
遊技機E1において前記入球手段として、第1入球手段と、その第1入球手段とは異なる第2入球手段とが少なくとも設けられており前記入球率設定手段は、前記第2入球手段への入球に基づいて前記特定の判別結果となった場合、および前記第2遊技状態で前記第1入球手段への入球に基づいて前記特定の判別結果となった場合に前記第2入球率を設定する割合が高くなり、前記第1遊技状態で前記第1入球手段への入球に基づいて前記特定の判別結果となった場合に前記第1入球率を設定する割合が高くなるものであることを特徴とする遊技機E2。
遊技機E2によれば、遊技機E1の奏する効果に加え、第2遊技状態では入球手段の種別に関係なく特定の判別結果となった場合に第2入球率を設定する割合が高くなるので、第2遊技状態では、遊技球が入球する入球手段を気にせずに遊技を行わせることができる。よって、第2遊技状態において遊技者に安心して遊技を行わせることができるという効果がある。
遊技機E1またはE2において前記可変入球手段へと遊技球が入球し易い第1可変位置と、その第1可変位置に比較して遊技球が入球し難い第2可変位置とに可変可能な第1可変手段とその第1可変手段を、前記特典遊技の実行中に、予め定められた第1可変パターンに従って可変させる第1可変制御手段と前記特定入球領域の上流に設けられ、前記可変入球手段へ入球した遊技球が前記特定入球領域へと入球し易くなる第1可変状態と、その第1可変状態に比較して遊技球が前記特定入球領域へと入球し難くなる第2可変状態とに可変可能な第2可変手段とその第2可変手段を、前記特典遊技が開始されたことに基づいて予め定められた第2可変パターンに従って可変させる第2可変制御手段と前記特典遊技の実行が開始されてから前記第1可変制御手段による制御が開始されるまでの期間として、前記第1可変パターンに従って可変される前記第1可変手段が前記第1可変位置になる期間と、前記第2可変パターンに従って可変される前記第2可変手段が第1可変状態になる期間とが重複し難くなる第1期間と、その第1期間よりも、前記第1可変手段が前記第1可変位置になる期間と、前記第2可変手段が前記第1可変状態になる期間とが重複し易くなる第2期間とを設定可能な期間設定手段とを備え前記入球率設定手段は、前記第1入球率として前記期間設定手段により前記第1期間が設定されるように制御し、前記第2入球率として前記期間設定手段により前記第2期間が設定されるように制御するものであることを特徴とする遊技機E3。
遊技機E3によれば、遊技機E1またはE2の奏する効果に加え、特典遊技の実行が開始されてから前記第1可変制御手段による制御が開始されるまでの期間のみを変更することで入球率を可変させることができるので、複雑な可変パターンを設定する必要がなく、処理負荷を軽減することができるという効果がある。
遊技機A1からA7,B1からB9,C1からC12,D1からD5、およびE1からE3のいずれかにおいて、前記遊技機はスロットマシンであることを特徴とする遊技機Z1。中でも、スロットマシンの基本構成としては、「複数の識別情報からなる識別情報列を動的表示した後に識別情報を確定表示する可変表示手段を備え、始動用操作手段(例えば操作レバー)の操作に起因して識別情報の動的表示が開始され、停止用操作手段(ストップボタン)の操作に起因して、或いは、所定時間経過することにより、識別情報の動的表示が停止され、その停止時の確定識別情報が特定識別情報であることを必要条件として、遊技者に有利な特別遊技状態を発生させる特別遊技状態発生手段とを備えた遊技機」となる。この場合、遊技媒体はコイン、メダル等が代表例として挙げられる。
遊技機A1からA7,B1からB9,C1からC12,D1からD5、およびE1からE3のいずれかにおいて、前記遊技機はパチンコ遊技機であることを特徴とする遊技機Z2。中でも、パチンコ遊技機の基本構成としては操作ハンドルを備え、その操作ハンドルの操作に応じて球を所定の遊技領域へ発射し、球が遊技領域内の所定の位置に配設された作動口に入賞(又は作動口を通過)することを必要条件として、表示手段において動的表示されている識別情報が所定時間後に確定停止されるものが挙げられる。また、特別遊技状態の発生時には、遊技領域内の所定の位置に配設された可変入賞装置(特定入賞口)が所定の態様で開放されて球を入賞可能とし、その入賞個数に応じた有価価値(景品球のみならず、磁気カードへ書き込まれるデータ等も含む)が付与されるものが挙げられる。
遊技機A1からA7,B1からB9,C1からC12,D1からD5、およびE1からE3のいずれかにおいて、前記遊技機はパチンコ遊技機とスロットマシンとを融合させたものであることを特徴とする遊技機Z3。中でも、融合させた遊技機の基本構成としては、「複数の識別情報からなる識別情報列を動的表示した後に識別情報を確定表示する可変表示手段を備え、始動用操作手段(例えば操作レバー)の操作に起因して識別情報の変動が開始され、停止用操作手段(例えばストップボタン)の操作に起因して、或いは、所定時間経過することにより、識別情報の動的表示が停止され、その停止時の確定識別情報が特定識別情報であることを必要条件として、遊技者に有利な特別遊技状態を発生させる特別遊技状態発生手段とを備え、遊技媒体として球を使用すると共に、前記識別情報の動的表示の開始に際しては所定数の球を必要とし、特別遊技状態の発生に際しては多くの球が払い出されるように構成されている遊技機」となる。
<その他>
パチンコ機等の遊技機には、始動入賞口への遊技球の入賞に基づいて行われる抽選の結果が当たりだった場合に、当たり状態へと移行するものがある。かかる遊技機の中には、当たり状態の終了を契機として、有利度合いの異なる複数の遊技状態のいずれかに設定されるものがある。具体的には、例えば、有利度合いの低い通常状態や、その通常状態よりも遊技者に有利な確率変動状態等が設定される。この従来型の遊技機では、大当たり後に設定される遊技状態を多様化することで、遊技者の遊技に対する興趣向上を図っている(例えば、特許文献1:特開2006−000392号公報)。
しかしながら、上述した従来の遊技機では、当たり状態の終了を契機に有利度合いの低い状態が設定された場合に、少なくとも次に当たり状態となるまで有利度合いの高い状態に移行させることができなかったため、有利度合いの低い状態において遊技者の遊技に対する興趣の向上を図ることができないという問題点があった。
本技術的思想は、上記例示した問題点を解決するためになされたものであり、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができる遊技機を提供することを目的とする。
<手段>
この目的を達成するために技術的思想1の遊技機は、判別条件の成立に基づいて判別を実行する判別手段と、その判別手段による判別で特定の判別結果となったことに基づいて遊技者に有利な特典遊技を実行する特典遊技実行手段と、その特典遊技実行手段により実行された前記特典遊技が終了した後の遊技状態として、前記判別手段により前記特定の判別結果となる確率が第1確率に設定される第1遊技状態と、その第1確率よりも高い第2確率に設定される第2遊技状態と、その第2遊技状態よりも有利であり、且つ、前記第2確率が設定される第3遊技状態とを少なくとも設定可能な遊技状態設定手段と、その遊技状態設定手段により前記第2遊技状態が設定されている場合に、前記特典遊技状態の終了を契機としないで遊技状態を前記第2遊技状態から前記第3遊技状態に変更可能な遊技状態変更手段とを備える。
技術的思想2の遊技機は、技術的思想1記載の遊技機において、前記遊技状態設定手段により前記特典遊技の終了後の遊技状態として前記第3遊技状態が設定された場合に、当該特典遊技を含む少なくとも所定回数の前記特典遊技に渡って前記第2確率が設定される遊技状態が設定され易くなる連続状態を設定する連続状態設定手段を備える。
技術的思想3の遊技機は、技術的思想1または2に記載の遊技機において、前記遊技状態設定手段は、前記第3遊技状態で前記特典遊技が実行されるよりも、前記第2遊技状態で前記特典遊技が実行された場合に、その特典遊技が終了した後の遊技状態を前記第1遊技状態に設定する割合が高いものである。
技術的思想4の遊技機は、技術的思想1から3のいずれかに記載の遊技機において、前記遊技状態設定手段は、前記第3遊技状態で実行された前記特典遊技が終了した場合に、前記第2遊技状態と、前記第3遊技状態とのいずれかを設定可能なものである。
技術的思想5の遊技機は、技術的思想1から4のいずれかに記載の遊技機において、遊技球が入球することで前記判別手段による判別が実行される入球手段と、その入球手段に遊技球が入球困難となる第1位置と、その第1位置に比較して前記入球手段に遊技球が入球容易となる第2位置とに可変可能な可変手段と、その可変手段を、所定条件の成立に基づいて前記第1位置から前記第2位置へと所定期間可変させる可変制御手段とを備え、前記第2遊技状態は、前記第3遊技状態よりも前記可変制御手段により前記第2位置に可変され易いものである。
<効果>
技術的思想1記載の遊技機によれば、判別手段による判別で特定の判別結果となったことに基づいて特典遊技実行手段により遊技者に有利な特典遊技が実行される。特典遊技実行手段により実行された特典遊技が終了した後の遊技状態として、判別手段により特定の判別結果となる確率が第1確率に設定される第1遊技状態と、その第1確率よりも高い第2確率に設定される第2遊技状態と、その第2遊技状態よりも有利であり、且つ、第2確率が設定される第3遊技状態とが遊技状態設定手段により少なくとも設定可能となる。遊技状態設定手段により第2遊技状態が設定されている場合に、特典遊技状態の終了を契機としないで遊技状態が遊技状態変更手段により第2遊技状態から第3遊技状態に変更される。
これにより、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができるという効果がある。
技術的思想2記載の遊技機によれば、技術的思想1記載の遊技機の奏する効果に加え、遊技状態設定手段により特典遊技の終了後の遊技状態として第3遊技状態が設定された場合に、当該特典遊技を含む少なくとも所定回数の特典遊技に渡って第2確率が設定される遊技状態が設定され易くなる連続状態が連続状態設定手段によって設定されるので、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができるという効果がある。
技術的思想3記載の遊技機によれば、技術的思想1または2に記載の遊技機の奏する効果に加え、第3遊技状態で特典遊技が実行されるよりも、第2遊技状態で特典遊技が実行された場合に、その特典遊技が終了した後の遊技状態として遊技状態設定手段により第1遊技状態が設定される割合が高く構成されているので、第2遊技状態では、特典遊技が実行されるよりも前に遊技状態変更手段によって第3遊技状態が設定されることを期待させるという斬新な遊技性を提供することができる。よって、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができるという効果がある。
技術的思想4記載の遊技機によれば、技術的思想1から3のいずれかに記載の遊技機の奏する効果に加え、第3遊技状態で実行された特典遊技が終了した場合に、遊技状態設定手段により第2遊技状態と、第3遊技状態とのいずれかが設定されるので、特典遊技が終了した後は、第2確率が設定される。よって、第2確率が設定される遊技状態が連続して設定されるので、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができるという効果がある。
技術的思想5記載の遊技機によれば、技術的思想1から4のいずれかに記載の遊技機の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、入球手段に遊技球が入球困難となる第1位置と、その第1位置に比較して入球手段に遊技球が入球容易となる第2位置とに可変手段が可変される。所定条件の成立に基づいて第1位置から第2位置へと可変手段が所定期間、可変制御手段により可変される。第2遊技状態は、第3遊技状態よりも可変制御手段により第2位置に可変され易くなる。
これにより、第2遊技状態において判別手段による判別を実行され易くできるので、第2遊技状態において効率よく遊技を行わせることができるという効果がある。
10 パチンコ機(遊技機)
640 第2入球口(入球手段)
640a 電動役物(可変手段)
S217 判別手段の一部
S222 遊技状態変更手段の一部
S218 特典遊技実行手段
S305 判別手段の一部
S525 可変制御手段
S1211,S1212 遊技状態設定手段、連続状態設定手段

Claims (5)

  1. 判別条件の成立に基づいて判別を実行する判別手段と、
    その判別手段による判別で特定の判別結果となったことに基づいて遊技者に有利な特典遊技を実行する特典遊技実行手段と、
    その特典遊技実行手段により実行された前記特典遊技が終了した後の遊技状態として、前記判別手段により前記特定の判別結果となる確率が第1確率に設定される第1遊技状態と、その第1確率よりも高い第2確率に設定される第2遊技状態と、その第2遊技状態よりも有利であり、且つ、前記第2確率が設定される第3遊技状態とを少なくとも設定可能な遊技状態設定手段と、
    その遊技状態設定手段により前記第2遊技状態が設定されている場合に、前記特典遊技状態の終了を契機としないで遊技状態を前記第2遊技状態から前記第3遊技状態に変更可能な遊技状態変更手段とを備えることを特徴とする遊技機。
  2. 前記遊技状態設定手段により前記特典遊技の終了後の遊技状態として前記第3遊技状態が設定された場合に、当該特典遊技を含む少なくとも所定回数の前記特典遊技に渡って前記第2確率が設定される遊技状態が設定され易くなる連続状態を設定する連続状態設定手段を備えることを特徴とする請求項1記載の遊技機。
  3. 前記遊技状態設定手段は、前記第3遊技状態で前記特典遊技が実行されるよりも、前記第2遊技状態で前記特典遊技が実行された場合に、その特典遊技が終了した後の遊技状態を前記第1遊技状態に設定する割合が高いものであることを特徴とする請求項1または2に記載の遊技機。
  4. 前記遊技状態設定手段は、前記第3遊技状態で実行された前記特典遊技が終了した場合に、前記第2遊技状態と、前記第3遊技状態とのいずれかを設定可能なものであることを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載の遊技機。
  5. 遊技球が入球することで前記判別手段による判別が実行される入球手段と、
    その入球手段に遊技球が入球困難となる第1位置と、その第1位置に比較して前記入球手段に遊技球が入球容易となる第2位置とに可変可能な可変手段と、
    その可変手段を、所定条件の成立に基づいて前記第1位置から前記第2位置へと所定期間可変させる可変制御手段とを備え、
    前記第2遊技状態は、前記第3遊技状態よりも前記可変制御手段により前記第2位置に可変され易いものであることを特徴とする請求項1から4のいずれかに記載の遊技機。
JP2016195225A 2016-09-30 2016-09-30 遊技機 Pending JP2017064419A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2016195225A JP2017064419A (ja) 2016-09-30 2016-09-30 遊技機

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2016195225A JP2017064419A (ja) 2016-09-30 2016-09-30 遊技機

Related Parent Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2015194845 Division 2015-09-30 2015-09-30

Related Child Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2019004207A Division JP2019051427A (ja) 2019-01-15 2019-01-15 遊技機

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2017064419A true JP2017064419A (ja) 2017-04-06

Family

ID=58491058

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2016195225A Pending JP2017064419A (ja) 2016-09-30 2016-09-30 遊技機

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2017064419A (ja)

Citations (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2005095449A (ja) * 2003-09-25 2005-04-14 Sankyo Kk 遊技機
JP2011251078A (ja) * 2010-06-04 2011-12-15 Sophia Co Ltd 遊技機
JP2012024318A (ja) * 2010-07-23 2012-02-09 Sammy Corp 弾球遊技機
JP2014033729A (ja) * 2012-08-07 2014-02-24 Heiwa Corp 遊技機
JP2015083168A (ja) * 2014-12-18 2015-04-30 株式会社ソフイア 遊技機
JP2015091410A (ja) * 2015-01-19 2015-05-14 京楽産業.株式会社 遊技機

Patent Citations (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2005095449A (ja) * 2003-09-25 2005-04-14 Sankyo Kk 遊技機
JP2011251078A (ja) * 2010-06-04 2011-12-15 Sophia Co Ltd 遊技機
JP2012024318A (ja) * 2010-07-23 2012-02-09 Sammy Corp 弾球遊技機
JP2014033729A (ja) * 2012-08-07 2014-02-24 Heiwa Corp 遊技機
JP2015083168A (ja) * 2014-12-18 2015-04-30 株式会社ソフイア 遊技機
JP2015091410A (ja) * 2015-01-19 2015-05-14 京楽産業.株式会社 遊技機

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP6866601B2 (ja) 遊技機
JP6558338B2 (ja) 遊技機
JP6652027B2 (ja) 遊技機
JP2011135906A (ja) 遊技機
JP2021104385A (ja) 遊技機
JP6327309B2 (ja) 遊技機
JP6743636B2 (ja) 遊技機
JP2023054009A (ja) 遊技機
JP6866942B2 (ja) 遊技機
JP2014184214A5 (ja)
JP6572982B2 (ja) 遊技機
JP7078092B2 (ja) 遊技機
JP2016086926A (ja) 遊技機
JP2019188248A (ja) 遊技機
JP6852709B2 (ja) 遊技機
JP2019051427A (ja) 遊技機
JP2020058900A (ja) 遊技機
JP2017064419A (ja) 遊技機
JP2020182878A (ja) 遊技機
JP5949888B2 (ja) 遊技機
JP2018089528A (ja) 遊技機
JP2018089456A (ja) 遊技機
JP2017164647A (ja) 遊技機
JP2016179383A (ja) 遊技機
JP2017046816A (ja) 遊技機

Legal Events

Date Code Title Description
A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20171003

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20171128

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20180320

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20180515

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20181023

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20190115

A911 Transfer to examiner for re-examination before appeal (zenchi)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A911

Effective date: 20190122

A912 Re-examination (zenchi) completed and case transferred to appeal board

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A912

Effective date: 20190322