JP2017046816A - 遊技機 - Google Patents

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Abstract

【課題】遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができる遊技機を提供すること。【解決手段】判別手段により特定の判別結果となったことに基づいて、遊技者に有利な特典遊技が特典遊技実行手段により実行される。特典遊技実行手段により実行される特典遊技として、予め定めた複数の種別から1の特典遊技の種別が種別選択手段によって選択される。また、判別手段により特定の判別結果となったことに基づいて、遊技者にとっての有利度合いが異なる複数の状態から1の状態が状態設定手段によって設定される。種別選択手段によって選択された特典遊技の種別と、特典遊技が実行される前の状態とに少なくとも基づいて、状態設定手段によって設定される状態が状態決定手段により決定される。これにより、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができるという効果がある。【選択図】図5

Description

本発明は、パチンコ機に代表される遊技機に関するものである。
パチンコ機等の遊技機には、始動入賞口への遊技球の入賞に基づいて行われる抽選の結果が特定の抽選結果となった場合に、遊技者に有利な当たり状態へと移行するものがある。かかる遊技機の中には、当たり状態として、遊技者に付与される特典が異なる複数の種別が設けられているものがある。これにより、当たり状態となった場合に、より多くの特典が付与される種別を期待させることで遊技者の興趣向上を図っていた。
特開2003−320110号公報
しかしながら、上述した従来の遊技機では、当たりの種別に応じて付与される特典が定められているため、特典の少ない当たり種別となった場合には、遊技者のモチベーションを低下させてしまう場合があった。即ち、遊技者の遊技に対する興趣を十分に向上させることができない虞があった。
本発明は、上記例示した問題点を解決するためになされたものであり、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができる遊技機を提供することを目的とする。
この目的を達成するために請求項1記載の遊技機は、判別条件の成立に基づいて所定の判別を実行する判別手段と、その判別手段により特定の判別結果となったことに基づいて、遊技者に有利な特典遊技を実行する特典遊技実行手段と、その特典遊技実行手段により実行される前記特典遊技として、予め定めた複数の種別から1の前記特典遊技の種別を選択可能な種別選択手段と、前記判別手段により前記特定の判別結果となったことに基づいて、遊技者にとっての有利度合いが異なる複数の状態から1の状態を設定する状態設定手段と、前記種別選択手段によって選択された前記特典遊技の種別と、前記特典遊技が実行される前の前記状態とに少なくとも基づいて、前記状態設定手段によって設定される前記状態を決定する状態決定手段とを備える。
請求項2記載の遊技機は、請求項1記載の遊技機において、前記状態決定手段は、前記判別手段による判別結果が前記特定の判別結果になり難い第1状態と、その第1状態に比較して前記特定の判別結果となり易い第2状態とを少なくとも決定可能なものである。
請求項3記載の遊技機は、請求項2に記載の遊技機において、前記状態決定手段は、前記第1状態に比較して、前記第2状態で前記特典遊技が実行された場合に、その特典遊技が終了した後の前記状態として前記第2状態を決定し易いものである。
請求項4記載の遊技機は、請求項2又は3に記載の遊技機において、前記特典遊技の実行中に遊技球が入球可能となる可変入球手段と、その可変入球手段の内部に配置され、その可変入球手段へと入球した遊技球が入球可能な第1入球領域と、その第1入球領域とは異なる第2入球領域と、前記可変入球手段へと入球した遊技球を前記第1入球領域へ振り分ける第1振り分け状態と、前記第2入球領域へ振り分ける第2振り分け状態とに可変可能な振り分け手段と、その振り分け手段の振り分けパターンとして、予め定めた複数の振り分けパターンの中から1の振り分けパターンを決定する振り分けパターン決定手段と、その振り分けパターン決定手段によって決定された前記振り分けパターンで前記振り分け手段が可変するように制御する振り分け制御手段とを備え、前記振り分けパターン設定手段は、前記第1状態に比較して、前記第2状態で前記特典遊技が実行された場合に、前記第1入球領域へと遊技球が入球し易い振り分けパターンを設定し易くなるものであり、前記状態決定手段は、前記第1入球領域に遊技球が入球したことに基づいて、前記第2状態を設定するものである。
請求項1記載の遊技機によれば、判別条件の成立に基づいて判別手段によって所定の判別が実行され、その判別手段により特定の判別結果となったことに基づいて、遊技者に有利な特典遊技が特典遊技実行手段により実行される。特典遊技実行手段により実行される特典遊技として、予め定めた複数の種別から1の特典遊技の種別が種別選択手段によって選択される。また、判別手段により特定の判別結果となったことに基づいて、遊技者にとっての有利度合いが異なる複数の状態から1の状態が状態設定手段によって設定される。種別選択手段によって選択された特典遊技の種別と、特典遊技が実行される前の状態とに少なくとも基づいて、状態設定手段によって設定される状態が状態決定手段により決定される。
これにより、特典遊技後に設定される遊技状態を多様化することができるので、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができるという効果がある。
請求項2記載の遊技機によれば、請求項1記載の遊技機の奏する効果に加え、判別手段による判別結果が特定の判別結果となり難い第1状態と、その第1状態に比較して特定の判別結果となり易い第2状態とが状態決定手段によって少なくとも決定可能に構成されているので、第2状態となることによって、前回の特典遊技の終了後、短い期間で再度、特典遊技が実行され易くなる。よって、第2状態となることにより遊技者にとって有利となるので、第2状態を期待して遊技を行わせることができる。従って、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができるという効果がある。
請求項3記載の遊技機によれば、請求項2記載の遊技機の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、第1状態に比較して、第2状態で特典遊技が実行された場合に、その特典遊技が終了した後の状態として状態決定手段によって第2状態が決定され易く構成されているので、一旦第2状態になると、状態決定手段によって複数回連続して第2状態が決定され易くなる。つまり、特典遊技と第2状態とが繰り返され易くなるので、第2状態となることを期待して遊技を行わせることができる。よって、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができるという効果がある。
請求項4記載の遊技機によれば、請求項2又は3に記載の遊技機の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、特典遊技の実行中に遊技球が入球可能となる可変入球手段の内部に、第1入球領域と第2入球領域とが設けられている。可変入球手段へと入球した遊技球を第1入球領域へと振り分ける第1振り分け状態と、第2入球領域へと振り分ける第2振り分け状態とに振り分け手段が可変する。振り分け手段の振り分けパターンとして、予め定めた複数の振り分けパターンの中から1の振り分けパターンが振り分けパターン決定手段によって決定される。振分パターン決定手段によって決定された振り分けパターンで、振分制御手段により振り分け手段が可変するように制御される。第1状態に比較して、第2状態で特典遊技が実行された場合に、第1入球領域へと遊技球が入球し易い振り分けパターンが振り分けパターン設定手段によって設定され易くなる。第1入球領域に遊技球が入球したことに基づいて、状態決定手段により第2状態が設定される。
これにより、振り分け手段に設定される振り分けパターンに応じて第1入球領域に対する入球率が可変されるので、設定される振り分けパターンに対して注目させることができる。よって、特典遊技の実行中における遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができるという効果がある。
第1実施形態におけるパチンコ機の正面図である。 パチンコ機の遊技盤の正面図である。 パチンコ機の背面図である。 第2可変入賞装置の正面斜視図である。 (a)は、振分回転体の正面斜視図であり、(b)は、第2可変入賞装置の断面図である。 (a)は、表示画面の領域区分設定と有効ライン設定とを模式的に示した図あり、(b)は、実際の表示画面を例示した図である。 第1実施形態におけるパチンコ機の電気的構成を示すブロック図である。 第1実施形態における各種カウンタの概要を示す図である。 (a)は、第1実施形態における主制御装置のROMの構成を模式的に示した模式図であり、(b)は、第1実施形態における主制御装置のRAMの構成を模式的に示した模式図である。 (a)は、第1実施形態における第1当たり乱数カウンタC1と特別図柄における大当たり判定値との対応関係を模式的に示した模式図であり、(b)は、第1実施形態における第1当たり種別カウンタC2と特別図柄における大当たり種別との対応関係を模式的に示した模式図であり、(c)は、第2当たり乱数カウンタC4と普通図柄における当たりとの対応関係を模式的に示した模式図である。 (a)は、変動パターン選択テーブルの構成を模式的に示した模式図であり、(b)は、大当たり用変動パターンテーブルの内容を模式的に示した模式図であり、(c)は、外れ用(通常)変動パターンテーブルの内容を模式的に示した模式図であり、(d)は、外れ用(確変)変動パターンテーブルの内容を模式的に示した模式図である。 回転体パターンテーブルの内容を模式的に示した模式図である。 大当たり種別に応じて設定される第2特定入賞口の開放パターンと、誘導部材の動作との対応関係を示したタイミングチャートである。 (a)〜(c)は、大当たりAとなった場合における特定入賞口、誘導部材、および振分回転体の状態の変化を模式的に示した模式図である。 (a)〜(c)は、大当たりBとなった場合における特定入賞口、誘導部材、および振分回転体の状態の変化を模式的に示した模式図である。 (a)〜(c)は、大当たりCとなった場合における特定入賞口、誘導部材、および振分回転体の状態の変化を模式的に示した模式図である。 (a)〜(c)は、大当たりDとなった場合における特定入賞口、誘導部材、および振分回転体の状態の変化を模式的に示した模式図である。 (a)は、第1実施形態における音声ランプ制御装置のROMの構成を模式的に示した模式図であり、(b)は、第1実施形態における音声ランプ制御装置のRAMの構成を模式的に示した模式図である。 (a)は、背面種別選択テーブルの構成を模式的に示した模式図であり、(b)は、背面種別選択テーブルを構成する低確時選択テーブルの内容を模式的に示した模式図である。 背面種別選択テーブルを構成する確変時選択テーブルの内容を模式的に示した模式図である。 表示制御装置の電気的構成を示すブロック図である。 (a)〜(c)は、電源投入時画像を説明する説明図である。 (a)は、背面Aを説明する説明図であり、(b)は、背面B〜Dを説明する説明図である。 (a)〜(c)は、背面Eを説明する説明図である。 表示データテーブルの一例を模式的に示した模式図である。 転送データテーブルの一例を模式的に示した模式図である。 描画リストの一例を模式的に示した模式図である。 主制御装置内のMPUにより実行されるタイマ割込処理を示すフローチャートである。 主制御装置内のMPUにより実行される特別図柄変動処理を示すフローチャートである。 主制御装置内のMPUにより実行される特別図柄変動開始処理を示したフローチャートである。 主制御装置内のMPUにより実行される始動入賞処理を示すフローチャートである。 主制御装置内のMPUにより実行される普通図柄変動処理を示すフローチャートである。 主制御装置内のMPUにより実行されるスルーゲート通過処理を示すフローチャートである。 主制御装置内のMPUにより実行されるNMI割込処理を示すフローチャートである。 主制御装置内のMPUにより実行される立ち上げ処理を示すフローチャートである。 主制御装置内のMPUにより実行されるメイン処理を示すフローチャートである。 主制御装置内のMPUにより実行される大当たり制御処理を示すフローチャートである。 主制御装置内のMPUにより実行される大当たり動作設定処理を示すフローチャートである。 主制御装置内のMPUにより実行される大当たり終了処理を示すフローチャートである。 主制御装置内のMPUにより実行される入賞処理を示すフローチャートである。 主制御装置内のMPUにより実行される異常処理を示すフローチャートである。 音声ランプ制御装置内のMPUにより実行される立ち上げ処理を示したフローチャートである。 音声ランプ制御装置内のMPUにより実行されるメイン処理を示したフローチャートである。 音声ランプ制御装置内のMPUにより実行されるコマンド判定処理を示したフローチャートである。 音声ランプ制御装置内のMPUにより実行される大当たり関連処理を示したフローチャートである。 音声ランプ制御装置内のMPUにより実行される入賞演出設定処理を示したフローチャートである。 音声ランプ制御装置内のMPUにより実行される変動表示設定処理を示したフローチャートである。 音声ランプ制御装置内のMPUにより実行される背面画像変更処理を示したフローチャートである。 表示制御装置内のMPUにより実行されるメイン処理を示したフローチャートである。 表示制御装置内のMPUにより実行されるブート処理を示すフローチャートである。 (a)は、表示制御装置内のMPUにより実行されるコマンド割込処理を示したフローチャートであり、(b)は、表示制御装置内のMPUにより実行されるV割込処理を示したフローチャートである。 表示制御装置内のMPUにより実行されるコマンド判定処理を示したフローチャートである。 (a)は、表示制御装置内のMPUにより実行される変動パターンコマンド処理を示したフローチャートであり、(b)は、表示制御装置内のMPUにより実行される停止種別コマンド処理を示したフローチャートである。 (a)は、表示制御装置内のMPUにより実行されるオープニングコマンド処理を示したフローチャートであり、(b)は、表示制御装置内のMPUにより実行されるラウンド数コマンド処理を示したフローチャートである。 表示制御装置内のMPUにより実行されるエンディングコマンド処理を示したフローチャートである。 (a)は、表示制御装置内のMPUにより実行される背面画像変更コマンド処理を示したフローチャートであり、(b)は、表示制御装置内のMPUにより実行されるエラーコマンド処理を示したフローチャートである。 表示制御装置内のMPUにより実行される表示設定処理を示したフローチャートである。 表示制御装置内のMPUにより実行される警告画像設定処理を示したフローチャートである。 表示制御装置内のMPUにより実行されるポインタ更新処理を示したフローチャートである。 (a)は、表示制御装置内のMPUにより実行される転送設定処理を示したフローチャートであり、(b)は、表示制御装置内のMPUにより実行される常駐画像転送設定処理を示したフローチャートである。 表示制御装置内のMPUにより実行される通常画像転送設定処理を示したフローチャートである。 表示制御装置内のMPUにより実行される描画処理を示したフローチャートである。 (a)は、第2実施形態における振分回転体の正面斜視図であり、(b)は、第2実施形態における振分回転体の正面図である。 第2実施形態におけるパチンコ機の電気的構成を示すブロック図である。 (a)は、第2実施形態における第1当たり種別選択テーブルの内容を模式的に示した模式図であり、(b)は、第2実施形態において、大当たりの種別および振分回転体の配置と、確変状態の連続回数との対応関係を示した図である。 大当たり種別に応じて設定される第2特定入賞口の開放パターンの計時変化を示した図である。 第2実施形態における背面種別選択テーブルを構成する確変時選択テーブルの内容を模式的に示した模式図である。 第2実施形態における主制御装置内のMPUにより実行される大当たり動作設定処理2を示すフローチャートである。 第2実施形態における主制御装置内のMPUにより実行される入賞処理2を示すフローチャートである。
<第1実施形態>
以下、本発明の第1実施形態について、添付図面を参照して説明する。図1は、第1実施形態におけるパチンコ機10の正面図であり、図2はパチンコ機10の遊技盤13の正面図であり、図3はパチンコ機10の背面図である。
パチンコ機10は、図1に示すように、略矩形状に組み合わせた木枠により外殻が形成される外枠11と、その外枠11と略同一の外形形状に形成され外枠11に対して開閉可能に支持された内枠12とを備えている。外枠11には、内枠12を支持するために正面視(図1参照)左側の上下2カ所に金属製のヒンジ18が取り付けられ、そのヒンジ18が設けられた側を開閉の軸として内枠12が正面手前側へ開閉可能に支持されている。
内枠12には、多数の釘や入球口63,64,640等を有する遊技盤13(図2参照)が裏面側から着脱可能に装着される。この遊技盤13の前面を球が流下することにより弾球遊技が行われる。なお、内枠12には、球を遊技盤13の前面領域に発射する球発射ユニット112a(図7参照)やその球発射ユニット112aから発射された球を遊技盤13の前面領域まで誘導する発射レール(図示せず)等が取り付けられている。
内枠12の前面側には、その前面上側を覆う前面枠14と、その下側を覆う下皿ユニット15とが設けられている。前面枠14及び下皿ユニット15を支持するために正面視(図1参照)左側の上下2カ所に金属製のヒンジ19が取り付けられ、そのヒンジ19が設けられた側を開閉の軸として前面枠14及び下皿ユニット15が正面手前側へ開閉可能に支持されている。なお、内枠12の施錠と前面枠14の施錠とは、シリンダ錠20の鍵穴21に専用の鍵を差し込んで所定の操作を行うことでそれぞれ解除される。
前面枠14は、装飾用の樹脂部品や電気部品等を組み付けたものであり、その略中央部には略楕円形状に開口形成された窓部14cが設けられている。前面枠14の裏面側には2枚の板ガラスを有するガラスユニット16が配設され、そのガラスユニット16を介して遊技盤13の前面がパチンコ機10の正面側に視認可能となっている。
前面枠14には、球を貯留する上皿17が前方へ張り出して上面を開放した略箱状に形成されており、この上皿17に賞球や貸出球などが排出される。上皿17の底面は正面視(図1参照)右側に下降傾斜して形成され、その傾斜により上皿17に投入された球が球発射ユニット112aへと案内される。また、上皿17の上面には、枠ボタン22が設けられている。この枠ボタン22は、例えば、スーパーリーチの演出内容を変更する場合などに、遊技者により操作される。
ステージとは、第3図柄表示装置81に表示される各種演出に統一性を持たせた演出モードのことで、本パチンコ機10では「街中ステージ」、「森ステージ」、「川ステージ」、「空ステージ」、「島ステージ」の5つのステージが設けられている。そして、後述する第1入球口64、および第2入球口640への入球(始動入賞)に伴って行われる変動演出やリーチ演出などの各種演出は、それぞれのステージに与えられたテーマに合わせて行われるように設計されている。ステージを変更するか否かは、変動演出の開始時に抽選される。また、電源投入直後は、初期ステージとして「街中ステージ」が設定される。
一方、第3図柄表示装置81には、ノーマルリーチ演出が開始された場合に、ノーマルリーチからスーパーリーチに発展させるときは、ノーマルリーチ中にスーパーリーチの演出態様の選択画面が表示されるように構成されており、その選択画面が表示されている間に、枠ボタン22が遊技者に操作されると、スーパーリーチ時の演出内容が変更される。
前面枠14には、その周囲(例えばコーナー部分)に各種ランプ等の発光手段が設けられている。これら発光手段は、大当たり時や所定のリーチ時等における遊技状態の変化に応じて、点灯又は点滅することにより発光態様が変更制御され、遊技中の演出効果を高める役割を果たす。窓部14cの周縁には、LED等の発光手段を内蔵した電飾部29〜33が設けられている。パチンコ機10においては、これら電飾部29〜33が大当たりランプ等の演出ランプとして機能し、大当たり時やリーチ演出時等には内蔵するLEDの点灯や点滅によって各電飾部29〜33が点灯または点滅して、大当たり中である旨、或いは大当たり一歩手前のリーチ中である旨が報知される。また、前面枠14の正面視(図1参照)左上部には、LED等の発光手段が内蔵され賞球の払い出し中とエラー発生時とを表示可能な表示ランプ34が設けられている。
また、右側の電飾部32下側には、前面枠14の裏面側を視認できるように裏面側より透明樹脂を取り付けて小窓35が形成され、遊技盤13前面の貼着スペースK1(図2参照)に貼付される証紙等はパチンコ機10の前面から視認可能とされている。また、パチンコ機10においては、より煌びやかさを醸し出すために、電飾部29〜33の周りの領域にクロムメッキを施したABS樹脂製のメッキ部材36が取り付けられている。
窓部14cの下方には、貸球操作部40が配設されている。貸球操作部40には、度数表示部41と、球貸しボタン42と、返却ボタン43とが設けられている。パチンコ機10の側方に配置されるカードユニット(球貸しユニット)(図示せず)に紙幣やカード等を投入した状態で貸球操作部40が操作されると、その操作に応じて球の貸出が行われる。具体的には、度数表示部41はカード等の残額情報が表示される領域であり、内蔵されたLEDが点灯して残額情報として残額が数字で表示される。球貸しボタン42は、カード等(記録媒体)に記録された情報に基づいて貸出球を得るために操作されるものであり、カード等に残額が存在する限りにおいて貸出球が上皿17に供給される。返却ボタン43は、カードユニットに挿入されたカード等の返却を求める際に操作される。なお、カードユニットを介さずに球貸し装置等から上皿17に球が直接貸し出されるパチンコ機、いわゆる現金機では貸球操作部40が不要となるが、この場合には、貸球操作部40の設置部分に飾りシール等を付加して部品構成は共通のものとしても良い。カードユニットを用いたパチンコ機と現金機との共通化を図ることができる。
上皿17の下側に位置する下皿ユニット15には、その中央部に上皿17に貯留しきれなかった球を貯留するための下皿50が上面を開放した略箱状に形成されている。下皿50の右側には、球を遊技盤13の前面へ打ち込むために遊技者によって操作される操作ハンドル51が配設され、かかる操作ハンドル51の内部には球発射ユニット112aの駆動を許可するためのタッチセンサ51aと、押下操作している期間中には球の発射を停止する押しボタン式の打ち止めスイッチ51bと、操作ハンドル51の回動操作量を電気抵抗の変化により検出する可変抵抗器(図示せず)とが内蔵されている。操作ハンドル51が遊技者によって右回りに回転操作されると、タッチセンサ51aがオンされると共に可変抵抗器の抵抗値が操作量に対応して変化し、操作ハンドル51の回動操作量に応じて変化する可変抵抗器の抵抗値に対応した強さで球が発射され、これにより遊技者の操作に対応した飛び量で遊技盤13の前面へ球が打ち込まれる。また、操作ハンドル51が遊技者により操作されていない状態においては、タッチセンサ51aおよび打ち止めスイッチ51bがオフとなっている。
下皿50の正面下方部には、下皿50に貯留された球を下方へ排出する際に操作するための球抜きレバー52が設けられている。この球抜きレバー52は、常時、右方向に付勢されており、その付勢に抗して左方向へスライドさせることにより、下皿50の底面に形成された底面口が開口して、その底面口から球が自然落下して排出される。かかる球抜きレバー52の操作は、通常、下皿50の下方に下皿50から排出された球を受け取る箱(一般に「千両箱」と称される)を置いた状態で行われる。下皿50の右方には、上述したように操作ハンドル51が配設され、下皿50の左方には灰皿53が取り付けられている。
図2に示すように、遊技盤13は、正面視略正方形状に切削加工した木製のベース板60に、球案内用の多数の釘や風車およびレール61,62、一般入賞口63、第1入球口64、第2入球口640、第1可変入賞装置65、第2可変入賞装置650、可変表示装置ユニット80等を組み付けて構成され、その周縁部が内枠12の裏面側に取り付けられる。一般入賞口63、第1入球口64、第2入球口640、第1可変入賞装置65、第2可変入賞装置650、可変表示装置ユニット80は、ルータ加工によってベース板60に形成された貫通穴に配設され、遊技盤13の前面側から木ネジ等により固定されている。また、遊技盤13の前面中央部分は、前面枠14の窓部14c(図1参照)を通じて内枠12の前面側から視認することができる。以下に、主に図2を参照して、遊技盤13の構成について説明する。
遊技盤13の前面には、帯状の金属板を略円弧状に屈曲加工して形成した外レール62が植立され、その外レール62の内側位置には外レール62と同様に帯状の金属板で形成した円弧状の内レール61が植立される。この内レール61と外レール62とにより遊技盤13の前面外周が囲まれ、遊技盤13とガラスユニット16(図1参照)とにより前後が囲まれることにより、遊技盤13の前面には、球の挙動により遊技が行われる遊技領域が形成される。遊技領域は、遊技盤13の前面であって2本のレール61,62と円弧部材70とにより区画して形成される略円形状の領域(入賞口等が配設され、発射された球が流下する領域)である。
2本のレール61,62は、球発射ユニット112a(図7参照)から発射された球を遊技盤13上部へ案内するために設けられたものである。内レール61の先端部分(図2の左上部)には戻り球防止部材68が取り付けられ、一旦、遊技盤13の上部へ案内された球が再度球案内通路内に戻ってしまうといった事態が防止される。外レール62の先端部(図2の右上部)には、球の最大飛翔部分に対応する位置に返しゴム69が取り付けられ、所定以上の勢いで発射された球は、返しゴム69に当たって、勢いが減衰されつつ中央部側へ跳ね返される。また、内レール61の右下側の先端部と外レール62の右上側の先端部との間には、レール間を繋ぐ円弧を内面側に設けて形成された樹脂製の円弧部材70がベース板60に打ち込んで固定されている。
本パチンコ機10では、球が第1入球口64、又は第2入球口640へ入球した場合に特別図柄(第1図柄)の抽選が行われ、球がスルーゲート(第2入球口ともいう)67を通過した場合に普通図柄(第2図柄)の抽選が行われる。第1入球口64への入球に対して行われる特別図柄の抽選(特別図柄1の抽選)では、特別図柄の大当たりか否かの当否判定が行われると共に、特別図柄の大当たりと判定された場合にはその大当たり種別の判定も行われる。また、第2入球口640への入球に対して行われる特別図柄の抽選(特別図柄2の抽選)でも、特別図柄1の抽選と同一の判定方法により特別図柄の大当たりか否かの当否判定が行われる。一方、特別図柄2の抽選により大当たりとなった場合には、特別図柄1の抽選とは異なる大当たり種別が決定される(図10(b)参照)。特別図柄の大当たりになると、パチンコ機10が特別遊技状態へ移行すると共に、通常時には閉鎖されている特定入賞口65a(15ラウンド目のみ第2特定入賞口650a)が所定時間(例えば、30秒経過するまで、或いは、球が10個入賞するまで)開放され、その開放が15回(5ラウンド)繰り返される。その結果、その第1特定入賞口65a、および第2特定入賞口650aに多量の球が入賞するので、通常時より多量の賞球の払い出しが行われる。特別図柄の大当たり種別としては、「大当たりA」〜「大当たりD」の4種類が設けられており、特別遊技状態の終了後には大当たり終了後の付加価値として、これらの大当たり種別に応じた遊技上の価値(遊技価値)が遊技者に付与される。
また、特別図柄(第1図柄)の抽選が行われると、第1図柄表示装置37において特別図柄の変動表示が開始されて、所定時間(例えば、7秒〜60秒など)が経過した後に、抽選結果を示す特別図柄が停止表示される。第1図柄表示装置37において変動表示が行われている間に球が第1入球口64、または第2入球口640へ入球すると、その入球回数は入球口毎に最大4回まで保留され、その保留球数が第1図柄表示装置37により示されると共に、第3図柄表示装置81においても示される。第1図柄表示装置37において変動表示が終了した場合に、第1入球口64、又は第2入球口640についての保留球数が残っていれば、次の特別図柄の抽選が行われると共に、その抽選に応じた変動表示が開始される。なお、パチンコ機10が特別遊技状態の1〜14ラウンドにおいて開閉される第1特定入賞口65aは、第1入球口64の直ぐ下に設けられている。よって、特別遊技状態の1〜14ラウンド中は、遊技者が第1特定入賞口65aに入賞させようとして球を打つので、第1入球口64にも球が多く入球する。従って、殆どの場合、パチンコ機10が特別遊技状態に移行している間に、第1入球口64についての保留球数は最大(4回)になる。
一方、スルーゲート67における球の通過に対して行われる普通図柄の抽選では、普通図柄の当たりか否かの当否判定が行われる。普通図柄の当たりになると、所定時間(例えば、0.2秒または1秒)だけ第2入球口640に付随する電動役物640aが開放され、第2入球口640へ球が入球し易い状態になる。つまり、普通図柄の当たりになると、球が第2入球口640へ入球し易くなり、その結果、特別図柄2の抽選が行われ易くなる。
また、普通図柄(第2図柄)の抽選が行われると、第2図柄表示装置83において普通図柄の変動表示が開始されて、所定時間(例えば、3秒や30秒など)が経過した後に、抽選結果を示す普通図柄が停止表示される。第2図柄表示装置83において変動表示が行われている間に球がスルーゲート67を通過すると、その通過回数は最大4回まで保留され、その保留球数が第1図柄表示装置37により表示されると共に、第2図柄保留ランプ84においても示される。第2図柄表示装置83において変動表示が終了した場合に、スルーゲート67についての保留球数が残っていれば、次の普通図柄の抽選が行われると共に、その抽選に応じた変動表示が開始される。
上述したように、特別図柄の大当たり種別としては、「大当たりA」〜「大当たりD」の4種類が設けられている。「大当たりA」〜「大当たりD」になるといずれも、ラウンド数が15ラウンドの特別遊技状態(15R大当たり)となり、その後、大当たり終了後の付加価値が付与される。より具体的には、大当たり(特別遊技状態)において、第2特定入賞口650aに入球した球が、第2可変入賞装置650の内部に設けられた確変入球口671(図5(b)参照)へと入球することにより、特別図柄の確変状態へ移行する。即ち、大当たり終了後の付加価値として、大当たり終了後から特別図柄の抽選が100回終了するまでの間、パチンコ機10が特別図柄の高確率状態(特別図柄の確変中)へ移行するとともに、普通図柄の時短状態へと移行する。一方、大当たり(特別遊技状態)が終了するまでの間に、球が確変入球口671へと入球しなかった場合には、大当たり終了後の付加価値が付与されな。即ち、通常状態(特別図柄の低確率状態、且つ、普通図柄の通常状態)へと移行する。
「特別図柄の高確率状態」とは、特別図柄の大当たり確率がアップした状態、いわゆる特別図柄の確変状態(特別図柄の確変中)をいい、換言すれば、特別遊技状態(15R大当たり)へ移行し易い遊技の状態のことである。対して、「特別図柄の高確率状態」でない場合を「特別図柄の低確率状態」といい、これは特別図柄の確変状態よりも大当たり確率が低い状態、即ち、特別図柄の大当たり確率が通常の状態(特別図柄の通常状態)のことを示す。また、「普通図柄の時短状態」(普通図柄の時短中)とは、普通図柄の当たり確率がアップして、第2入球口640へ球が入球し易い遊技の状態のことをいう。これに対して、「普通図柄の時短状態」でない時を「普通図柄の通常状態」といい、これは普通図柄の当たり確率が通常の状態(即ち、時短中よりも当たり確率が低い状態)のことを示す。
なお、本実施形態では、特別遊技状態の終了後に特別図柄の確変状態が付与される場合(即ち、大当たり中に確変入球口671へと球が入球した場合)は、特別図柄の抽選が100回終了するまで特別図柄の確変状態が継続するように構成したが、これに限られるものではなく、回数は任意に定めてもよい。具体的には、例えば、特別遊技状態が終了してから特別図柄の抽選が10回終了するまで特別図柄の確変状態(高確率状態)が付与され、特別図柄の抽選が10回終了して以降は特別図柄の低確率状態に設定されるように構成してもよい。また、特別図柄の確変状態となる回数を限る必要はなく、例えば、次に大当たりとなるまで特別図柄の高確率状態が継続する構成としてもよい。また、本実施形態では大当たりが終了してから特別図柄の抽選が100回終了するまで普通図柄の時短状態となるように構成されているが、普通図柄の時短期間は100回に限られず、任意に定めてもよい。
第1入球口64は、可変表示装置ユニット80の下方に配設されている。一方、第2入球口640は、可変表示装置ユニット80に対して正面視右側に配設されている。これらの第1入球口64、および第2入球口640へ球が入球するとそれぞれ遊技盤13の裏面側に設けられる第1入球口スイッチ(図示せず)、および第2入球口スイッチ(図示せず)がオンとなり、その第1入球口スイッチまたは第2入球口スイッチのオンに起因して主制御装置110で特別図柄の抽選がなされ、その抽選結果に応じた表示が第1図柄表示装置37のLED37aで示される。また、第1入球口64、および第2入球口640は、球が入球すると5個の球が賞球として払い出される入賞口の1つにもなっている。
第1入球口64の下方には第1可変入賞装置65が配設されており、その略中央部分に横長矩形状の第1特定入賞口(第1大開放口)65aが設けられている。パチンコ機10においては、主制御装置110で行われる特別図柄の抽選が大当たりとなると、所定時間(変動時間)が経過した後に、大当たりの停止図柄となるよう第1図柄表示装置37のLED37aを点灯させると共に、その大当たりに対応した第3図柄の停止図柄を第3図柄表示装置81に表示させて、大当たりの発生が示される。その後、通常時より多量の賞球の払い出しが行われる特別遊技状態(15ラウンドの大当たり)に遊技状態が遷移する。この特別遊技状態として、通常時には閉鎖されている第1特定入賞口65aが、所定時間(例えば、30秒経過するまで、或いは、球が10個入賞するまで)開放される。
この第1特定入賞口65aは、所定時間が経過すると閉鎖され、その閉鎖後、再度、その特定入賞口65aが所定時間開放される。この第1特定入賞口65aの開閉動作は、14回(14ラウンド)繰り返し可能にされている。この開閉動作が行われている状態が、遊技者にとって有利な特別遊技状態の一形態であり、遊技者には、遊技上の価値(遊技価値)の付与として通常時より多量の賞球の払い出しが行われる。
第1可変入賞装置65は、具体的には、第1特定入賞口65aを覆う横長矩形状の開閉板と、その開閉板の下辺を軸として前方側に開閉駆動するための大開放口ソレノイド(図示せず)とを備えている。第1特定入賞口65aは、通常時は、球が入賞できないか又は入賞し難い閉状態になっている。大当たりの際には大開放口ソレノイドを駆動して開閉板を前面下側に傾倒し、球が第1特定入賞口65aに入賞しやすい開状態を一時的に形成し、その開状態と通常時の閉状態との状態を交互に繰り返すように作動する。
第2入球口640の正面視下方には、第2可変入賞装置650が設けられており、その上面の略中央部分に横長矩形状の第2特定入賞口(第2大開放口)650aが設けられている。この第2特定入賞口650aは、大当たりの15ラウンド目において、大当たり種別に対応させて予め定められた開放パターンで開閉される(図13参照)。
第2可変入賞装置650の内部には、球が入球可能な複数の入球口が設けられている。具体的には、大当たり中に球が入球することにより、その大当たりの終了後に特別図柄の確変状態が付与される確変入球口671と、入球した球をパチンコ機10の外部へと排出する(球が入球しても特別図柄の確変状態が付与されない)通常入球口672,673とが設けられている。第2可変入賞装置650へと入球した球は、これら3つの入球口(確変入球口671、通常入球口672,673)のいずれかへと入球して(振り分けられて)外部へと排出される。即ち、確変入球口671へと入球しなかった球は全て通常入球口672,673のどちらかへと入球して外部へと排出される。1の大当たりにおいて確変入球口671へと少なくとも1回球が入球した場合には、大当たりの終了後、特別図柄の抽選が100回終了するまで特別図柄の確変状態、および普通図柄の時短状態が付与される。一方、1の大当たりにおいて1度も確変入球口671へと入球しなかった場合には、大当たり終了後に特別図柄の確変状態が付与されない(通常状態へと移行する)。
この第2可変入賞装置650により球を振り分ける構成について、図4、および図5を参照して詳しく説明する。図4は、第2可変入賞装置650の正面斜視図である。図4に示した通り、第2可変入賞装置650は、略直方体形状の箱状に構成されており、内部に空間が設けられている。第2可変入賞装置650の上面には、第2可変入賞装置650の内部空間へと通じる開口部として第2特定入賞口650aが設けられている。この第2特定入賞口650aは、通常時には閉鎖板650bによって閉鎖されている。この閉鎖板650bは、ソレノイドによって駆動され、正面視手前側へと突出することで第2特定入賞口650aを閉鎖する突出位置と、正面視奥側へと没入することで第2特定入賞口650aを開放する没入位置とに可変可能に構成されている。
閉鎖板650bが突出位置に配置されると、第2可変入賞装置650の上面と、閉鎖板650bとが滑らかに連通されるので、第2可変入賞装置650の上面右側へと到達した球を正面視左方向へと流下させることができる。一方、閉鎖板650bが没入位置へと配置された場合は、第2特定入賞口650aが開放状態となるため、第2可変入賞装置650の上面右側へと到達した球を第2特定入賞口650aから第2可変入賞装置650の内部へと流下させることができる。
第2可変入賞装置650の内部における第2特定入賞口650aの下流には、球を通常流路652、および確変流路653のどちらかへと振り分けるための振分役物651が設けられている。この振分役物651は、誘導部材651aが正面視左側に突出した突出状態と、誘導部材651aが振分役物651の内部に没入した突出状態とに切り替えることができる。振分役物651が没入状態になると、第2特定入賞口650aへと入球した球を、第2特定入賞口650aの直下に配設されている通常流路652へと流下させることができる。一方、振分役物651が突出状態になると、誘導部材651aによって通常流路652の上面側が塞がれるので、第2特定入賞口650aへと入球した球が通常流路652へ流下することができなくなる。突出状態において、誘導部材651aは正面視左下方向へと下る向きに傾斜した状態となるため、第2特定入賞口650aへと入球した球は、誘導部材651aの上面を転動し、正面視左側に設けられた確変流路653へと流下する。確変流路653を流下した球は、その下流の確変入球口671へと入球する。よって、大当たりの終了後に特別図柄の確変状態が付与されるため、遊技者を喜ばせることができる。
振分役物652は、通常時(大当たり以外の状態)において没入状態に保たれる。また、大当たりになると、15ラウンドの開始から2秒後に突出状態に設定される。この突出状態は、15ラウンドが終了するまで維持され、15ラウンドが終了すると、再度没入状態に設定される。即ち、15ラウンドの開始から2秒後以降に球を第2特定入賞口650aへと入球させることができれば、突出した状態の誘導部材651aにより球が確変流路653へと誘導されるので、球が確変入球口671へと入球することにより特別図柄の確変状態へと移行させることができる。よって、15ラウンドにおいて、2秒以上が経過してから球が第2特定入賞口650aへと入球するか否かに注目して大当たり中の遊技を行わせることができる。従って、大当たりが単に賞球を得るためだけの単調な遊技となってしまうことを防止し、第2特定入賞口650aへと球が入球するタイミングに着目させることができるので、大当たり遊技が単調となってしまうことを防止(抑制)することができる。
通常流路652の下流には、球を確変入球口671、通常入球口672,673のいずれかへと振り分ける振分回転体661が配設されている。この振分回転体661は、軸661eを回転軸として、時計回りに回転動作が可能に構成されている。振分回転体661には、通常流路652を流下した球が入球可能な4つの開口部が設けられている。4つの開口部のうち、通常振分部661a、および通常振分部661bへと入球した球は、通常入球口672、または通常入球口673のどちらかに振り分けられる。一方、4つの開口部のうち、確変振分部661c,および確変振分部661dは、入球した球を振分回転体661の背面側に設けられた背面側流路654へと流下させる。これにより、背面側流路654の下流に配設された確変入球口671へと球を入球させることができる。
次に、振分回転体661の詳細について、図5(a)を参照して説明する。図5(a)は、振分回転体661の正面斜視図である。図5(a)に示した通り、振分回転体661は、略円柱形状で構成され、軸661eを回転軸として回動可能に構成されている。なお、軸661eは、図示しないモータに接続されており、そのモータの動作は主制御装置110のMPU201によって制御される。より具体的には、大当たりの15ラウンド目において、大当たり種別毎に異なる動作パターンの回転動作がMPU201によって設定される。大当たり種別毎の動作パターンは、主制御装置110のROM202に設けられている回転体用パターンテーブル202e(図12参照)に予め規定されている。
図5(a)に示した通り、振分回転体661には、通常振分部661a,661b、確変振分部661c,661dの4つの振分部(開口部)が設けられている。これらのうち、通常振分部661a,661bは連通している。また、連通した箇所の背面側は、球が振分回転体661の背面側へと抜けてしまうことを防止するための背面壁661fが設けられている。これにより、一方の開口部へと入球した球を、確実に傾斜面661gを転動させて他方の開口部から排出することができる。排出された球は、上述した通り、振分回転体661の配置に応じて通常入球口672、または通常入球口673のどちらかに振り分けられる。
一方、確変振分部661c,661dは、通常振分部661a,661bとは異なり、振分回転体661の背面側まで貫通している。このため、入球した球を振分回転体661の背面側へと進行させることができる。振分回転体661の背面側へと進行した球は、振分回転体661の背面側に設けられた背面流路654を流下して、確変入球口671へと入球する。このため、確変振分部661c,661dのいずれかが振分回転体661の上側に配置された状態で、球を振分回転体661へと到達させることができれば、大当たりの終了後に特別図柄の確変状態へと移行する。よって、遊技者に対して、振分回転体661の配置に注目して遊技を行わせることができるので、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができる。
図5(b)は、第2可変入賞装置650を正面から見た場合の断面図である。この例では、振分回転体661の通常振分部661bが通常流路652の直下に配置される回転位置となっている場合を示している。この回転位置は、振分回転体661の初期配置となっており、RAM消去スイッチ122を押下した状態でパチンコ機10に対して電源が投入される毎に、初期配置に設定される。この回転位置において球が通常流路652を流下すると、球は通常振分部661bへと入球する。そして、傾斜面661gを介して、球は通常振分部661aから排出され、振分回転体661に対して正面視左側に設けられた左側流路655へと進行する。左側流路655へと進行した球は、その下流側に設けられた通常入球口672へと入球してパチンコ機10の外部へと排出される。
また、図5(b)の回転位置から振分回転体661が時計回りに90度回転した状態となった場合は、通常振分部661aが通常流路652の直下に配置される回転位置となるので、通常流路652を流下した球が通常振分部661aへと入球する。通常振分部661aへと入球した球は、背面壁661fの存在により振分回転体661の背面側へと進行することが妨げられる(制限される)ので、傾斜面661gを介して通常振分部661bから排出される。図5(b)の回転位置から振分回転体661が時計回りに90度回転した状態において、通常振分部661bは、振分回転体661において正面視右側の配置となるため、球は振分回転体661の左側へと排出される。つまり、振分回転体661の右側に設けられた右側流路656を進行し、通常入球口673へと入球する。
また、図5(b)の回転位置から振分回転体661が時計回りに180度回転した状態となった場合は、確変振分部661dが通常流路652の直下に配置される回転位置となるので、通常流路652を流下した球が確変振分部661dへと入球する。確変振分部661dへと入球した球は、確変振分部661dから振分回転体661の背面側へと誘導され、背面流路654へと進行する。そして、背面流路654の下流に設けられた確変入球口671へと入球する。球が確変入球口671へと入球することで、大当たりの終了後に特別図柄の確変状態へと移行する。
また、図5(b)の回転位置から振分回転体661が時計回りに270度回転した状態となった場合は、確変振分部661cが通常流路652の直下に配置される回転位置となるので、通常流路652を流下した球が確変振分部661cへと入球する。確変振分部661cへと入球した球は、確変振分部661cから振分回転体661の背面側へと誘導され、背面流路654へと進行する。そして、背面流路654の下流に設けられた確変入球口671へと入球する。球が確変入球口671へと入球することで、大当たりの終了後に特別図柄の確変状態へと移行する。
このように、振分回転体661の配置(回転位置)に応じて、通常流路652を流下した球が入球する入球口が異なるため、振分回転体661の配置に対して遊技者の注意をひきつけることができる。よって、大当たりにおける遊技者の興趣をより向上させることができる。
なお、特別遊技状態は上記した形態に限定されるものではない。第1特定入賞口65a、および第2特定入賞口650aとは別に開閉される大開放口を遊技領域に設け、第1図柄表示装置37において大当たりに対応したLED37aが点灯した場合に、第1特定入賞口65aが所定時間開放され、その第1特定入賞口65aの開放中に、球が第1特定入賞口65a内へ入賞することを契機として第1特定入賞口65a、および第2特定入賞口650aとは別に設けられた大開放口が所定時間、所定回数開放される遊技状態を特別遊技状態として形成するようにしても良い。
遊技領域の正面視右側上部(図2の右側上部)には、発光手段である複数の発光ダイオード(以下、「LED」と略す。)37aと7セグメント表示器37bとが設けられた第1図柄表示装置37が配設されている。第1図柄表示装置37は、後述する主制御装置110で行われる各制御に応じた表示がなされるものであり、主にパチンコ機10の遊技状態の表示が行われる。複数のLED37aは、第1入球口64、および第2入球口640への入球(始動入賞)に伴って行われる特別図柄の抽選が実行中であるか否かを点灯状態により示すことによって変動表示を行ったり、変動終了後の停止図柄として、その特別図柄の抽選結果に応じた特別図柄(第1図柄)を点灯状態により示したり、第1入球口64、および第2入球口640に入球した球のうち変動が未実行である球(保留球)の数である保留球数を点灯状態により示すものである。
この第1図柄表示装置37において特別図柄(第1図柄)の変動表示が行われている間に球が第1入球口64、および第2入球口640へ入球した場合、その入球回数は入球口の種別毎に最大4回まで保留され、その保留球数は第1図柄表示装置37により示されると共に、第3図柄表示装置81においても示される。なお、本実施形態においては、第1入球口64、および第2入球口640への入球は、最大4回まで保留されるように構成したが、最大保留回数は4回に限定されるものでなく、3回以下、又は、5回以上の回数(例えば、8回)に設定しても良い。
7セグメント表示器37bは、大当たり中のラウンド数やエラー表示を行うものである。なお、LED37aは、それぞれのLEDの発光色(例えば、赤、緑、青)が異なるよう構成され、その発光色の組み合わせにより、少ないLEDでパチンコ機10の各種遊技状態(特別図柄の高確率状態や、普通図柄の時短中など)を表示することができる。また、LED37aには、変動終了後の停止図柄として特別図柄の抽選結果が大当たりであるか否かが示されるだけでなく、大当たりである場合はその大当たり種別(大当たりA〜D)に応じた特別図柄(第1図柄)が示される。
また、遊技領域には、球が入賞することにより5個から15個の球が賞球として払い出される複数の一般入賞口63が配設されている。また、遊技領域の中央部分には、可変表示装置ユニット80が配設されている。可変表示装置ユニット80には、液晶ディスプレイ(以下単に「表示装置」と略す。)で構成された第3図柄表示装置81と、LEDで構成された第2図柄表示装置83とが設けられている。この可変表示装置ユニット80には、第3図柄表示装置81の外周を囲むようにして、センターフレーム86が配設されている。
第3図柄表示装置81は、第1図柄表示装置37の表示に応じた装飾的な表示を行うものである。例えば、第1入球口64、又は第2入球口640へ球が入球(始動入賞)すると、それをトリガとして、第1図柄表示装置37において特別図柄(第1図柄)の変動表示が実行される。更に、第3図柄表示装置81では、その特別図柄の変動表示に同期して、その特別図柄の変動表示に対応する第3図柄の変動表示が行われる。
第3図柄表示装置81は、12.1インチの液晶ディスプレイで構成されるものであり、後述する表示制御装置114によって表示内容が制御されることにより、例えば左、中及び右の3つの図柄列が表示される。各図柄列は複数の図柄によって構成され、これらの図柄が図柄列毎に縦スクロールして第3図柄表示装置81の表示画面上にて第3図柄が可変表示されるようになっている。本実施形態では、主制御装置110の制御に伴った遊技状態の表示が第1図柄表示装置37で行われるのに対して、第3図柄表示装置81はその第1図柄表示装置37の表示に応じた装飾的な表示が行われる。なお、表示装置に代えて、例えば、リール等を用いて第3図柄表示装置81を構成するようにしても良い。
ここで、図6を参照して、第3図柄表示装置81の表示内容について説明する。図6は、第3図柄表示装置81の表示画面を説明するための図面であり、図6(a)は、表示画面の領域区分設定と有効ライン設定とを模式的に示した図であり、図6(b)は、実際の表示画面を例示した図である。
第3図柄は、「0」から「9」の数字を付した10種類の主図柄により構成されている。各主図柄は、木箱よりなる後方図柄の上に「0」から「9」の数字を付して構成され、そのうち奇数番号(1,3,5,7,9)を付した主図柄は、木箱の前面ほぼ一杯に大きな数字が付加されている。これに対し、偶数番号(0,2,4,6,8)を付した主図柄は、木箱の前面ほぼ一杯にかんな、風呂敷、ヘルメット等のキャラクタを模した付属図柄が付加されており、付属図柄の右下側に偶数の数字が緑色で小さく、且つ、付属図柄の前側に表示されるように付加されている。
また、本実施形態のパチンコ機10においては、後述する主制御装置110(図7参照)により行われる特別図柄の抽選結果が大当たりであった場合に、同一の主図柄が揃う変動表示が行われ、その変動表示が終わった後に大当たりが発生するよう構成されている。一方、特別図柄の抽選結果が外れであった場合は、同一の主図柄が揃わない変動表示が行われる。
図6(a)に示すように、第3図柄表示装置81の表示画面は、大きくは上下に2分割され、下側の2/3が第3図柄を変動表示する主表示領域Dm、それ以外の上側の1/3が予告演出、キャラクタおよび保留球数などを表示する副表示領域Dsとなっている。
主表示領域Dmは、左・中・右の3つの表示領域Dm1〜Dm3に区分けされており、その3つの表示領域Dm1〜Dm3に、それぞれ3つの図柄列Z1,Z2,Z3が表示される。各図柄列Z1〜Z3には、上述した第3図柄が規定の順序で表示される。即ち、各図柄列Z1〜Z3には、数字の昇順または降順に主図柄が配列され、図柄列Z1〜Z3毎に周期性をもって上から下へとスクロールして変動表示が行われる。特に、左図柄列Z1においては主図柄の数字が降順に現れるように配列され、中図柄列Z2及び右図柄列Z3においては主図柄の数字が昇順に現れるように配列されている。
また、主表示領域Dmには、図柄列Z1〜Z3毎に上・中・下の3段に第3図柄が表示される。この主表示領域Dmの中段部が有効ラインL1として設定されており、毎回の遊技に際して、左図柄列Z1→右図柄列Z3→中図柄列Z2の順に、有効ラインL1上に第3図柄が停止表示される。その第3図柄の停止時に有効ラインL1上に大当たり図柄の組合せ(本実施形態では、同一の主図柄の組合せ)で揃えば大当たりとして大当たり動画が表示される。
一方、副表示領域Dsは、主表示領域Dmよりも上方に横長に設けられており、さらに左右方向に3つの小領域Ds1〜Ds3に等区分されている。このうち、小領域Ds1は、第1入球口64、および第2入球口640に入球された球のうち変動が未実行である球(保留球)の数である保留球数を表示する領域であり、小領域Ds2およびDs3は、予告演出画像を表示する領域である。
実際の表示画面では、図6(b)に示すように、主表示領域Dmに第3図柄の主図柄が合計9個表示される。副表示領域Dsにおいては、右の小領域Ds3に動画が表示され、通常より大当たりへ遷移し易い状態であることが遊技者に示唆される。中央の小領域Ds2では、通常は、所定のキャラクタ(本実施形態ではハチマキを付けた少年)が所定動作をし、時として所定動作とは別の特別な動作をしたり、別のキャラクタが現出する等して予告演出が行われる。
一方、第3図柄表示装置81(第1図柄表示装置37)にて変動表示が行われている間に球が第1入球口64、または第2入球口640へ入球した場合、その入球回数は入球口毎にそれぞれ最大4回まで保留され、その保留球数は第1図柄表示装置37により示されると共に、副表示領域Dsの小領域Ds1においても示される。小領域Ds1には、保留球数1球につき1つの保留球数図柄が表示され、その保留球数図柄の表示数に応じて、保留球数が表示される。即ち、小領域Ds1に1つの保留球数図柄が表示されている場合は、保留球数が1球であることを示し、4つの保留球数図柄が表示されている場合は、保留球数が4球であることを示す。また、小領域Ds1に保留球数図柄が表示されていない場合は、保留球数が0球である、即ち、保留球が存在しないことを示す。
なお、本実施形態においては、第1入球口64、および第2入球口640への入球は、それぞれ最大4回まで保留されるように構成したが、最大保留球数は4回に限定されるものでなく、3回以下、又は、5回以上の回数(例えば、8回)に設定しても良い。また、小領域Ds1における保留球数図柄の表示に代えて、保留球数を第3図柄表示装置81の一部に数字で、或いは、4つに区画された領域を保留球数分だけ異なる態様(例えば、色や点灯パターン)にして表示するようにしても良い。また、第1図柄表示装置37により保留球数が示されるので、第3図柄表示装置81に保留球数を表示させないものとしてもよい。更に、可変表示装置ユニット80に、保留球数を示す保留ランプを最大保留数分の4つ設け、点灯状態の保留ランプの数に応じて、保留球数を表示するものとしてもよい。
図2に戻って、説明を続ける。第2図柄表示装置83は、球がスルーゲート67を通過することに伴って行われる普通図柄の抽選が実行中であるか否かを点灯状態により示すことによって変動表示を行ったり、変動終了後の停止図柄として、その普通図柄の抽選結果に応じた普通図柄(第2図柄)を点灯状態により示すものである。
より具体的には、第2図柄表示装置83では、球がスルーゲート67を通過する毎に、第2図柄としての「○」の図柄と「×」の図柄とを交互に点灯させる変動表示が行われる。パチンコ機10は、第2図柄表示装置83における変動表示が所定図柄(本実施形態においては「○」の図柄)で停止すると、第2入球口640に付随する電動役物640aが所定時間だけ作動状態となり(開放される)、その結果、第2入球口640に球が入り易い状態となるように構成されている。球がスルーゲート67を通過した通過回数は最大4回まで保留され、その保留球数が上述した第1図柄表示装置37により表示されると共に第2図柄保留ランプ84においても点灯表示される。第2図柄保留ランプ84は、最大保留数分の4つ設けられ、第3図柄表示装置81の下方に左右対称に配設されている。
なお、普通図柄(第2図柄)の変動表示は、本実施形態のように、第2図柄表示装置83において複数のランプの点灯と非点灯を切り換えることにより行うものの他、第1図柄表示装置37及び第3図柄表示装置81の一部を使用して行うようにしても良い。同様に、第2図柄保留ランプ84の点灯を第3図柄表示装置81の一部で行うようにしても良い。また、スルーゲート67における球の通過は、第1入球口64や第2入球個640と同様に、最大保留球数は4回に限定されるものでなく、3回以下、又は、5回以上の回数(例えば、8回)に設定しても良い。また、第1図柄表示装置37により保留球数が示されるので、第2図柄保留ランプ84により点灯表示を行わないものとしても良い。
遊技盤13の下側における左右の隅部には、証紙や識別ラベル等を貼着するための貼着スペースK1,K2が設けられ、貼着スペースK1に貼られた証紙等は、前面枠14の小窓35(図1参照)を通じて視認することができる。
更に、遊技盤13には、アウト口66が設けられている。いずれの入賞口63,64,65aにも入球しなかった球はアウト口66を通って図示しない球排出路へと案内される。遊技盤13には、球の落下方向を適宜分散、調整等するために多数の釘が植設されているとともに、風車等の各種部材(役物)が配設されている。
図3に示すように、パチンコ機10の背面側には、制御基板ユニット90,91と、裏パックユニット94とが主に備えられている。制御基板ユニット90は、主基板(主制御装置110)と音声ランプ制御基板(音声ランプ制御装置113)と表示制御基板(表示制御装置114)とが搭載されてユニット化されている。制御基板ユニット91は、払出制御基板(払出制御装置111)と発射制御基板(発射制御装置112)と電源基板(電源装置115)とカードユニット接続基板116とが搭載されてユニット化されている。
裏パックユニット94は、保護カバー部を形成する裏パック92と払出ユニット93とがユニット化されている。また、各制御基板には、各制御を司る1チップマイコンとしてのMPU、各種機器との連絡をとるポート、各種抽選の際に用いられる乱数発生器、時間計数や同期を図る場合などに使用されるクロックパルス発生回路等が、必要に応じて搭載されている。
なお、主制御装置110、音声ランプ制御装置113及び表示制御装置114、払出制御装置111及び発射制御装置112、電源装置115、カードユニット接続基板116は、それぞれ基板ボックス100〜104に収納されている。基板ボックス100〜104は、ボックスベースと該ボックスベースの開口部を覆うボックスカバーとを備えており、そのボックスベースとボックスカバーとが互いに連結されて、各制御装置や各基板が収納される。
また、基板ボックス100(主制御装置110)及び基板ボックス102(払出制御装置111及び発射制御装置112)は、ボックスベースとボックスカバーとを封印ユニット(図示せず)によって開封不能に連結(かしめ構造による連結)している。また、ボックスベースとボックスカバーとの連結部には、ボックスベースとボックスカバーとに亘って封印シール(図示せず)が貼着されている。この封印シールは、脆性な素材で構成されており、基板ボックス100,102を開封するために封印シールを剥がそうとしたり、基板ボックス100,102を無理に開封しようとすると、ボックスベース側とボックスカバー側とに切断される。よって、封印ユニット又は封印シールを確認することで、基板ボックス100,102が開封されたかどうかを知ることができる。
払出ユニット93は、裏パックユニット94の最上部に位置して上方に開口したタンク130と、タンク130の下方に連結され下流側に向けて緩やかに傾斜するタンクレール131と、タンクレール131の下流側に縦向きに連結されるケースレール132と、ケースレール132の最下流部に設けられ、払出モータ216(図7参照)の所定の電気的構成により球の払出を行う払出装置133とを備えている。タンク130には、遊技ホールの島設備から供給される球が逐次補給され、払出装置133により必要個数の球の払い出しが適宜行われる。タンクレール131には、当該タンクレール131に振動を付加するためのバイブレータ134が取り付けられている。
また、払出制御装置111には状態復帰スイッチ120が設けられ、発射制御装置112には可変抵抗器の操作つまみ121が設けられ、電源装置115にはRAM消去スイッチ122が設けられている。状態復帰スイッチ120は、例えば、払出モータ216(図7参照)部の球詰まり等、払出エラーの発生時に球詰まりを解消(正常状態への復帰)するために操作される。操作つまみ121は、発射ソレノイドの発射力を調整するために操作される。RAM消去スイッチ122は、パチンコ機10を初期状態に戻したい場合に電源投入時に操作される。
<第1実施形態における電気的構成について>
次に、図7を参照して、本パチンコ機10の電気的構成について説明する。図5は、パチンコ機10の電気的構成を示すブロック図である。
主制御装置110には、演算装置である1チップマイコンとしてのMPU201が搭載されている。MPU201には、該MPU201により実行される各種の制御プログラムや固定値データを記憶したROM202と、そのROM202内に記憶される制御プログラムの実行に際して各種のデータ等を一時的に記憶するためのメモリであるRAM203と、そのほか、割込回路やタイマ回路、データ送受信回路などの各種回路が内蔵されている。なお、払出制御装置111や音声ランプ制御装置113などのサブ制御装置に対して動作を指示するために、主制御装置110から該サブ制御装置へ各種のコマンドがデータ送受信回路によって送信されるが、かかるコマンドは、主制御装置110からサブ制御装置へ一方向にのみ送信される。
まず、ROM202の内容について、図9(a)を参照して説明する。図9(a)に示すように、主制御装置110のROM202には、上記した固定値データの一部として、第1当たり乱数テーブル202a、第1当たり種別選択テーブル202b、第2当たり乱数テーブル202c、および変動パターンテーブル202d、回転体用パターンテーブル202eが少なくとも記憶されている。
第1当たり乱数テーブル202a(図10(a)参照)は、後述する第1当たり乱数カウンタC1の大当たり判定値が記憶されているデータテーブルである。具体的には、特別図柄の低確率状態における大当たり判定値として、「0」のみが規定され、特別図柄の高確率状態(確変状態)における大当たり判定値として、「1〜10」の10個の判定値が規定されている。始動入賞に基づいて取得した第1当たり乱数カウンタC1の値が、この第1当たり乱数テーブル202a(図10(a)参照)に規定されているいずれかの判定値と一致した場合に、特別図柄の大当たりであると判別される。
第1当たり種別選択テーブル202b(図10(b)参照)は、大当たり種別を決定するための判定値が特別図柄の種別毎に記憶されているデータテーブルであり、第1当たり種別カウンタC2の判定値が、各大当たり種別に対応付けて規定されている。本実施形態のパチンコ機10では、特別図柄の大当たりと判定された場合に、始動入賞に基づいて取得した第1当たり種別カウンタC2の値と、第1当たり種別選択テーブル202bとが比較され、第1当たり種別カウンタC2の値に対応する大当たり種別が選択される。
図10(b)に示した通り、特別図柄1に対して、第1当たり種別カウンタC2の値が「0〜69」の範囲には、「大当たりA」が対応付けられて規定されている。第1当たり種別カウンタC2の取り得る100個のカウンタ値のうち、「大当たりA」となるカウンタ値は70個なので、特別図柄1の抽選で大当たりとなった場合に「大当たりA」が決定される割合は70%(70/100)である。
また、第1当たり種別カウンタC2の値が「70〜99」の範囲には、「大当たりB」が対応付けられて規定されている。第1当たり種別カウンタC2の取り得る100個のカウンタ値のうち、「大当たりB」となるカウンタ値は30個なので、特別図柄1の抽選で大当たりとなった場合に「大当たりB」が決定される割合は30%(30/100)である。よって、「大当たりA」に比較して、「大当たりB」が決定される割合が低くなっている。
「大当たりA」と、「大当たりB」とは、第2可変入賞装置650の閉鎖板650bの開閉動作、および振分回転体661の回転動作の動作パターンが異なっている。「大当たりA」の場合は、15ラウンド目の開始から1秒間のみ閉鎖板650cが没入位置に可変して第2特定入賞口650aへと球が入球可能(容易)な状態となる。一方、「大当たりB」の場合は、15ラウンド目の開始から最大30秒間、第2特定入賞口650aへと球が入球可能(容易)な状態となる。上述した通り、誘導部材651aは、15ラウンドの開始から2秒後に突出する(球が確変流路653へ流下可能となる)ので、「大当たりB」では確変流路653へと球を流下させることが可能(容易)となる。一方、「大当たりA」では、誘導部材651aが突出する前に第2特定入賞口650aが入球不可能(困難)な状態となってしまうため、確変流路653へと球を流下させることが困難となる。また、詳細については回転体用パターンテーブル202e(図12参照)の説明で後述するが、「大当たりA」となった場合には、球が入球可能な期間における振分回転体661の配置として、基本的に通常振分部661aが通常流路652の直下に配置される回転位置(図5(b)に示した配置)となる。よって、「大当たりA」は、「大当たりB」に比較して、大当たり後に特別図柄の確変状態へと移行し難いため、遊技者にとって不利となる。
特別図柄2に対しては、第1当たり種別カウンタC2の値が「0〜69」の範囲には、「大当たりC」が対応付けられて規定されている。第1当たり種別カウンタC2の取り得る100個のカウンタ値のうち、「大当たりC」となるカウンタ値は70個なので、特別図柄1の抽選で大当たりとなった場合に「大当たりC」が決定される割合は70%(70/100)である。また、第1当たり種別カウンタC2の値が「70〜99」の範囲には、「大当たりD」が対応付けられて規定されている。第1当たり種別カウンタC2の取り得る100個のカウンタ値のうち、「大当たりD」となるカウンタ値は30個なので、特別図柄1の抽選で大当たりとなった場合に「大当たりD」が決定される割合は30%(30/100)である。よって、「大当たりC」に比較して、「大当たりD」が決定される割合が低くなっている。
「大当たりC」において、閉鎖板650bは「大当たりA」と同一の動作を行う。即ち、確変流路653への流下が困難な期間(15ラウンドの開始から1秒間)にのみ第2特定入賞口650aへと球が入球可能となる。一方、「大当たりD」は、「大当たりB」と同一の動作を行う。即ち、確変流路653への流下が容易となる期間(15ラウンドの開始から2秒後以降)にも第2特定入賞口650aへと球が入球可能となる。
一方、「大当たりC」の15ラウンド目における振分回転体661の動作パターンは「大当たりA」と異なっている。また、「大当たりD」の15ラウンド目における振分回転体661の動作パターンも「大当たりB」と異なっている。詳細については回転体用パターンテーブル202e(図12参照)の説明で後述するが、「大当たりC」では、大当たり開始時の振分回転体661の配置に応じて、通常振分部661a,通常振分部661b、確変振分部661c,661dのいずれにも入球する可能性がある。よって、「大当たりA」に比較して遊技者に有利となる。
ここで、図13を参照して、閉鎖板650bの開閉パターンと、誘導部材651aの配置との対応関係についてより詳細に説明する。図13の上側のグラフは、「大当たりA,C」の15ラウンド目における閉鎖板650bの開閉動作の計時変化を示した図であり、図13の中断のグラフは、大当たりの15ラウンド目における誘導部材651aの状態の計時変化を示した図であり、図13の下側のグラフは、「大当たりB,D」の15ラウンド目における閉鎖板650bの開閉動作の計時変化を示した図である。
図13の上側のグラフに示した通り、「大当たりA,C」では、15ラウンドの開始から1秒間、閉鎖板650bが没入位置へと可変され、第2特定入賞口650aが開放状態となる。そして、1秒経過時に閉鎖板650bが突出位置へと可変されて第2特定入賞口650aが閉鎖状態となる。よって、15ラウンドの開始から1秒間のみ、球が第2特定入賞口650aへと入球可能となる。
これに対して誘導部材651aは、図13の中段のグラフに示した通り、15ラウンドの開始から2秒間、没入された状態(球が通常流路652へと誘導される状態)となり、その後、15ラウンドの終了まで誘導部材651aが突出した状態となる。即ち、15ラウンドの開始から1秒間は、常に誘導部材651aが没入された状態となるため、「大当たりA,C」においては第2特定入賞口650aへと入球した球が通常流路652へと流下する。
また、図13の下側のグラフに示した通り、「大当たりB,D」では、15ラウンドの開始から終了まで閉鎖板650bが没入位置へと可変され、第2特定入賞口650aが開放状態となる。よって、誘導部材651aが突出した状態となる期間(15ラウンドの開始から2秒後)において球を第2特定入賞口650aへと入球させることが可能となる。従って、「大当たりB,D」では、15ラウンドの開始から2秒後以降に球を第2特定入賞口650aへと入球させることで、球が確変流路653へと流下する。
このように、本実施形態では、大当たり種別に応じて閉鎖板651bの開閉動作(第2特定入賞口650aの開放パターン)を異ならせている。これにより、特別図柄の確変状態へと移行する期待度を異ならせている。これにより、第2特定入賞口650aの開放パターンに注目して大当たり中の遊技を行わせることができるので、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができる。
第2当たり乱数テーブル202c(図10(c))は、普通図柄の当たり判定値が記憶されているデータテーブルである。具体的には、普通図柄の通常状態において、普通図柄の当たりとなる判定値として、「5〜28」が規定されている(図10(c)参照)。また、普通図柄の高確率状態において、普通図柄の当たりとなる判定値として、「5〜204」が規定されている(図10(c)参照)。本実施形態のパチンコ機10では、普通入球口(スルーゲート)67を球が通過することに基づいて取得される第2当たり乱数カウンタC4の値と、第2当たり乱数テーブル202cとを参照し、普通図柄の当たりであるか否かを判定している。
変動パターンテーブル202d(図11(a)〜(d)参照)は、変動パターンの表示態様を決定するための変動種別カウンタCS1の判定値が表示態様毎にそれぞれ規定されているデータテーブルである。なお、変動パターンテーブル202dの詳細については、変動種別カウンタCS1の説明と共に後述する。
回転体用パターンテーブル202eは、大当たりの15ラウンド目におけう振分回転体661の回転動作の動作パターンを、大当たり種別毎に規定したデータテーブルである。大当たりの15ラウンド目になると、この回転体用パターンテーブル202eから、今回の大当たり種別に対応する動作パターンが読み出されて振分回転体661の動作として設定される(図38のS1106参照)。
この回転体用パターンテーブル202eの詳細について、図12を参照して説明する。図12は、回転体用パターンテーブル202eの規定内容を示した図である。図12に示した通り、「大当たりA」では、15ラウンドの開始時に振分回転体661が時計回りに90度回転される。その後、15ラウンドの開始から3秒が経過するまで回転動作が停止される。そして、3秒経過時点で振分回転体661が時計回りに270度回転された後、15ラウンドが終了するまで動作停止される。
上述した通り、「大当たりA」では、15ラウンドの開始から1秒間にのみ第2特定入賞口650aへと球が入球可能となる。よって、「大当たりA」において第2特定入賞口650aへと入球した場合、振分回転体661が90度回転した回転位置となっている期間に振分回転体661へと到達する。
なお、上述した通り、振分回転体661の初期配置は、通常振分部661bが通常流路652の直下となる配置である。そして、パチンコ機10が初期化されると、特別図柄の低確率状態、且つ、普通図柄の通常状態となるため、特別図柄2の抽選が実行され難くなる。即ち、特別図柄1の抽選が実行され易い状態となるため、大当たりとなった場合に「大当たりA」、または「大当たりB」が決定され易くなる。よって、「大当たりA」となった場合の多くは、初期配置から振分回転体661が時計回りに90度回転した配置となった状態(通常振分部661aが通常流路652の直下となる配置)で球が振分回転体661へと到達する。よって、通常振分部661aへと入球した球が、通常振分部661bを介して通常入球口673へと入球する(確変入球口671へ入球困難となる)ので、大当たり終了後は特別図柄の確変状態が付与され難くなる。また、「大当たりA」では、振分回転体661が合計360度(90度+270度)回転する。即ち、振分回転体661が1回転するので、初期配置の状態で「大当たりA」となった場合には、大当たり終了後に再度初期配置となる。よって、初期配置において「大当たりA」が連続すると、特別図柄の確変状態へと移行できないため、遊技者にとって不利となる。
「大当たりB」では、図12に示した通り、15ラウンドの開始時に振分回転体661が時計回りに90度回転される。その後、15ラウンドの開始から3秒が経過するまで回転動作が停止される。そして、3秒経過時点で振分回転体661が時計回りに90度回転された後、15ラウンドが終了するまで動作停止される。上述した通り、特別図柄1の抽選は、初期配置において実行され易いので、特別図柄1の抽選で大当たりとなった場合に選択される大当たり種別の一つである「大当たりB」も、初期配置において当選し易くなる。よって、「大当たりB」の終了時には、初期配置から振分回転体661が180度(90度+90度)回転した配置となる。つまり、確変振分部661cが通常流路652の直下に配置された状態となる。
「大当たりC」では、図12に示した通り、15ラウンドの開始時に振分回転体661が時計回りに90度回転される。その後、15ラウンドが終了するまで振分回転体661が停止される。この振分回転体661の配置は、次の大当たりまで保持される。
「大当たりD」では、図12に示した通り、15ラウンドの開始時に振分回転体661が時計回りに90度回転される。その後、15ラウンドの開始から3秒が経過するまで回転動作が停止される。そして、3秒経過時点で振分回転体661が時計回りに180度回転された後、15ラウンドが終了するまで動作停止される。
次に、図14〜図17を参照して、各大当たり種別における第2可変入賞装置650の状態(第2特定入賞口650a、誘導部材651a、および振分回転体661の状態)が15ラウンド目においてどのように変化するのかをより具体的に説明する。
図14は、「大当たりA」の15ラウンド目における第2可変入賞装置650の状態の計時変化を示した図である。図14に示した通り、「大当たりA」の15ラウンド目では、まず、第2特定入賞口650aが開放状態に設定されると共に、振分回転体661が時計回りに90度、回転動作される(図14(a)参照)。なお、通常流路652の経路長は、第2特定入賞口650aへと入球した球が振分回転体661へと到達するまでに回転動作(例えば、0.5秒間)が完了する経路長となっている。よって、第2特定入賞口650aへと入球した球を確実に90度回転した位置の振分部へと入球させることができる。図14の例では、大当たり開始時に初期配置となっていた場合を示した例なので、90度回転動作した場合に球が入球可能となる振分部は通常振分部661aへと入球する。よって、第2特定入賞口650aへと入球した球は、最終的に通常入球口673へと入球する(図14(a)参照)。
その後、第2特定入賞口650aが閉鎖された後で、誘導部材651aが突出される(図14(b)参照)。よって、誘導部材651aが突出した状態で球を第2特定入賞口650aへと入球させることができないため、「大当たりA」では、確変流路653へと球を流下させることが困難となる。そして、15ラウンドの終了時に誘導部材651aが没入されてから、振分回転体661が270度回転動作される(図14(c)参照)。即ち、振分回転体661が大当たり開始時の配置に戻る。このため、振分回転体661が初期配置(図5(b)参照)の状態において、「大当たりA」に当選し続けると、毎回の「大当たりA」の15ラウンドにおいて、第2特定入賞口650aへと入球した球が通常振分部661aを介して通常入球口673へと入球するため、特別図柄の確変状態へと移行させることができず、遊技者にとって不利となる。
図15は、「大当たりB」の15ラウンド目における第2可変入賞装置650の状態の計時変化を示した図である。「大当たりB」も、基本的には振分回転体661が初期配置の場合に当選し易いので、図15の例では大当たり開始時に振分回転体661が初期配置であった場合を例示して説明する。
「大当たりB」の15ラウンド目では、「大当たりA」と同様に、まず、第2特定入賞口650aが開放状態に設定されると共に、振分回転体661が時計回りに90度、回転動作される(図15(a)参照)。即ち、通常振分部661aが通常流路652の直下に配置された状態となる。よって、この状態で第2特定入賞口650aへと入球した球は、最終的に通常入球口673へと入球する(図15(a)参照)。
その後、第2特定入賞口650aが開放された状態を保ったままで、15ラウンドの開始から2秒後に誘導部材651aが突出される(図15(b)参照)。よって、15ラウンドの開始から2秒後以降は、誘導部材651aが突出した状態で球を第2特定入賞口650aへと入球させることができるようになるため、「大当たりB」では、確変流路653へと球を流下させることができる(図15(b)参照)。即ち、大当たり後に特別図柄の確変状態へと移行させることができる。
そして、15ラウンドが終了すると、15ラウンドの終了時に第2特定入賞口650aが閉鎖されると共に、誘導部材651aが没入される。その後、振分回転体661が90度回転動作される(図15(c)参照)。即ち、振分回転体661の確変振分部661dが通常流路652の直下に配置された状態となる。ここで、上述した通り、本実施形態では、「大当たりA」〜「大当たりD」となった場合には、いずれも振分回転体661が大当たり開始時から時計回りに90度回転した状態で第2特定入賞口650aへと入球可能となる。即ち、大当たり(15ラウンド)終了時において通常流路652の直下に配置されている振分部に対して反時計回り方向に隣り合った振分部が、次の大当たりにおいて入球可能とされる。よって、振分回転体661の確変振分部661dが通常流路652の直下に配置された状態で15ラウンドが終了すると、次の大当たりで確変振分部661cが入球可能となるので、今回の「大当たりB」で特別図柄の確変状態へと移行させることができる上に、次の大当たりでは大当たり種別に拠らず、確変入球口671へと球を入球させることができる。よって、振分回転体661が初期配置となっている場合において、「大当たりB」になると、少なくとも2回連続して特別図柄の確変状態へと移行させることができる(少なくとも2回ループする)ので、「大当たりA」に比較して、極めて遊技者に有利となる。
図16は、「大当たりC」の15ラウンド目における第2可変入賞装置650の状態の計時変化を示した図である。「大当たりC」は、第2入球口640への入球に基づいて実行される特別図柄の抽選により大当たりとなった場合に決定される大当たり種別の1種である。即ち、特別図柄の確変状態(普通図柄の時短状態)において決定され易くなる。よって、基本的には、通常状態において「大当たりB」となった後か、特別図柄の確変状態が連続している(ループしている)場合に決定される。図16では、振分回転体661が初期配置の状態で「大当たりB」になり、特別図柄の確変状態へと移行した後で、その確変状態中に「大当たりC」となった場合を例示している。つまり、「大当たりC」の開始時において、通常流路652の直下に確変振分部661dが配置された状態で大当たりが開始された場合を示している。
「大当たりC」の15ラウンド目では、「大当たりA,B」と同様に、まず、第2特定入賞口650aが開放状態に設定されると共に、振分回転体661が時計回りに90度、回転動作される(図16(a)参照)。即ち、確変振分部661cが通常流路652の直下に配置された状態となる。よって、この状態で第2特定入賞口650aへと入球した球は、確変振分部661cを介して振分回転体661の背面側の背面流路654へと誘導され、最終的に確変入球口671へと入球する(図16(a)参照)。
その後、第2特定入賞口650aが閉鎖されてから、誘導部材651aが突出される(図16(b)参照)。よって、「大当たりC」では、「大当たりA」と同様に、誘導部材651aが突出した状態で球を第2特定入賞口650aへと入球させることができない。つまり、球を確変流路653に流下させることができない。そして、15ラウンドの終了時に、誘導部材651aが没入される(図16(c)参照)。
このように、「大当たりC」となった場合は、1回の大当たりで振分回転体661が90度(振分部1つ分)ずつ可変する。また、上述した通り、「大当たりC」は、「大当たりD」に比較して特別図柄2の抽選により大当たりとなった場合に選択される割合が高くなっている。よって、特別図柄の確変状態中は、振分回転体661の配置に応じて、次の大当たり後に確変状態となる期待度や、確変状態が連続する期待度が異なる。
例えば、確変状態において通常流路652の直下に通常振分部661aが配置されている場合には、次の大当たりで、確変振分部661dへと入球可能となる。大当たり種別に関係なく、次の大当たり後に特別図柄の確変状態へと容易に移行させることができる。更に、確変振分部661dに対して反時計回りに方向には、確変振分部661cが隣り合っている。よって、次の大当たり、および2回後の大当たりで連続して「大当たりC」になった場合、特別図柄の確変状態を3連続させる(3回ループさせる)ことができる。よって、遊技者にとって極めて有利な配置となる。
また、通常流路652の直下に通常振分部661bが配置されている場合には、次の大当たりで、通常振分部661aへと入球可能となる。よって、比較的決定される割合が高い「大当たりC」となった場合には、確変入球口671へと球を入球させることが困難(不可能)なので、次の大当たりで確変状態が終了し、通常状態へと移行する可能性が高くなる。従って、遊技者にとって不利な配置となる。
また、通常流路652の直下に確変振分部661cが配置されている場合には、次の大当たりで確変振分部661dへと入球可能となる。よって、この場合には、次の大当たりで容易に確変入球口671へと入球させることができる。よって、遊技者にとって比較的有利な配置となる。
更に、通常流路652の直下に確変振分部661dが配置されている場合には、次の大当たりで通常振分部661aへと入球可能となる。よって、比較的決定される割合が高い「大当たりC」となった場合には、確変入球口671へと球を入球させることが困難(不可能)なので、次の大当たりで確変状態が終了し、通常状態へと移行する可能性が高くなる。従って、遊技者にとって不利な配置となる。
次に、図17を参照して、「大当たりD」における第2可変入賞装置650の状態について説明する。図17は、「大当たりD」となった場合の第2可変入賞装置650の計時変化を示した図である。
「大当たりB」の15ラウンド目では、「大当たりA〜C」と同様に、まず、第2特定入賞口650aが開放状態に設定されると共に、振分回転体661が時計回りに90度、回転動作される(図17(a)参照)。なお、この例では、90度の回転動作によって確変振分部661dが通常流路652の直下に配置されるため、第2特定入賞口650aへと入球した球を確変入球口671へと入球させることができる。
その後、第2特定入賞口650aが開放された状態を保ったままで、15ラウンドの開始から2秒後に誘導部材651aが突出される(図17(b)参照)。よって、15ラウンドの開始から2秒後以降は、誘導部材651aが突出した状態で球を第2特定入賞口650aへと入球させることができるようになるため、「大当たりD」では、確変流路653へと球を流下させることができる(図17(b)参照)。
そして、15ラウンドが終了すると、15ラウンドの終了時に第2特定入賞口650aが閉鎖されると共に、誘導部材651aが没入される。その後、振分回転体661が180度回転動作される(図17(c)参照)。即ち、図17の例では、振分回転体661の通常振分部661bが通常流路652の直下に配置された状態となる。上述した通り、この配置は確変状態において最も遊技者に有利な配置である(確変状態が3回ループする可能性が高い配置)。よって、遊技者の興趣を向上させることができる。
このように、「大当たりD」となった場合には、振分回転体661の配置に関係なく確変状態へと容易に移行させることができる上に、振分回転体661が「大当たりC」とは異なる回転動作(トータルの回転角度が270度となる回転動作)を行うように構成されているので、「大当たりD」となるタイミングによって確変のループ回数が増加したり、逆にループ回数が減ったりする場合がある。
例えば、確変振分部661cが通常流路652の直下に配置された状態(次に「大当たりC」になると、確変状態が付与されない不利な配置)で「大当たりD」となった場合には、特別図柄の確変状態が付与される上に、大当たり終了時に確変振分部661dが通常流路652の直下に配置された状態となる。よって、次の大当たりでは、大当たり種別に関係なく、15ラウンドの開始から少なくとも1秒間、確変振分部661cへと球が入球可能な状態となる。このため、「大当たりD」の後に付与される確変状態を含め、少なくとも2回の確変状態が付与されることになるので、遊技者にとって非常に有利な状態とすることができる。
一方、例えば、通常振分部661bが通常流路652の直下に配置された状態(次回、および2回後の大当たりで共に「大当たりC」になると、確変状態が2回ループする状態)で「大当たりD」になると、特別図柄の確変状態が付与されるものの、大当たり終了時に通常振分部661aが通常流路652の直下に配置された状態となる。即ち、次の大当たりで選択される割合が高い(70%の)「大当たりC」になってしまうと、第2特定入賞口650aへと入球した全ての球が通常振分部661bから通常入球口672へと入球してしまうので、大当たり後に通常状態となってしまう。よって、ループ回数を1回損してしまう(「大当たりC」が連続していれば確変状態が2回ループしていたところ、確変状態が1回で終わってしまう)ので、遊技者にとって不利となる。
このように、「大当たりC」と、「大当たりD」とで振分回転体661の回転動作を異ならせているので、大当たり開始時の振分回転体661の配置と、大当たり種別とに応じて、確変状態のループ回数を可変させることができる。よって、振分回転体661の配置に応じて異なる大当たり種別となることを期待して遊技を行わせるという斬新な遊技性を提供することができる。従って、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができる。
図9に戻って説明を続ける。主制御装置110では、特別図柄の抽選、普通図柄の抽選、第1図柄表示装置37における表示の設定、第2図柄表示装置83における表示の設定、および、第3図柄表示装置81における表示の設定といったパチンコ機10の主要な処理を実行する。そして、RAM203には、これらの処理を制御するための各種カウンタが設けられている。ここで、図8を参照して、主制御装置110のRAM203内に設けられるカウンタ等について説明する。これらのカウンタ等は、特別図柄の抽選、普通図柄の抽選、第1図柄表示装置37における表示の設定、第2図柄表示装置83における表示の設定、および、第3図柄表示装置81における表示の設定などを行うために、主制御装置110のMPU201で使用される。
特別図柄の抽選や、第1図柄表示装置37および第3図柄表示装置81の表示の設定には、特別図柄の抽選に使用する第1当たり乱数カウンタC1と、特別図柄の大当たり種別を選択するために使用する第1当たり種別カウンタC2と、特別図柄における外れの停止種別を選択するために使用する停止種別選択カウンタC3と、第1当たり乱数カウンタC1の初期値設定に使用する第1初期値乱数カウンタCINI1と、変動パターン選択に使用する変動種別カウンタCS1とが用いられる。また、普通図柄の抽選には、第2当たり乱数カウンタC4が用いられ、第2当たり乱数カウンタC4の初期値設定には第2初期値乱数カウンタCINI2が用いられる。これら各カウンタは、更新の都度、前回値に1が加算され、最大値に達した後0に戻るループカウンタとなっている。
各カウンタは、例えば、タイマ割込処理(図28参照)の実行間隔である2ミリ秒間隔で更新され、また、一部のカウンタは、メイン処理(図36参照)の中で不定期に更新されて、その更新値がRAM203の所定領域に設定されたカウンタ用バッファに適宜格納される。RAM203には、1つの実行エリアと4つの保留エリア(保留第1〜第4エリア)とからなる特別図柄1保留球格納エリア203aが設けられており、これらの各エリアには、第1入球口64への入球タイミングに合わせて、第1当たり乱数カウンタC1、第1当たり種別カウンタC2及び停止種別選択カウンタC3の各値がそれぞれ格納される。また、RAM203には、1つの実行エリアと4つの保留エリア(保留第1〜第4エリア)とからなる特別図柄2保留球格納エリア203bが設けられており、これらの各エリアには、第2入球口640への入球タイミングに合わせて、第1当たり乱数カウンタC1、第1当たり種別カウンタC2及び停止種別選択カウンタC3の各値がそれぞれ格納される。更に、RAM203には、1つの実行エリアと4つの保留エリア(保留第1〜第4エリア)とからなる普通図柄保留球格納エリア203cが設けられており、これらの各エリアには、球が普通入球口(スルーゲート)67を通過したタイミングに合わせて、第2当たり乱数カウンタC4の値が格納される。
各カウンタについて詳しく説明する。第1当たり乱数カウンタC1は、所定の範囲(例えば、0〜299)内で順に1ずつ加算され、最大値(例えば、0〜299の値を取り得るカウンタの場合は299)に達した後0に戻る構成となっている。特に、第1当たり乱数カウンタC1が1周した場合、その時点の第1初期値乱数カウンタCINI1の値が当該第1当たり乱数カウンタC1の初期値として読み込まれる。
また、第1初期値乱数カウンタCINI1は、第1当たり乱数カウンタC1と同一範囲で更新されるループカウンタとして構成される。即ち、例えば、第1当たり乱数カウンタC1が0〜299の値を取り得るループカウンタである場合には、第1初期値乱数カウンタCINI1もまた、0〜299の範囲のループカウンタである。この第1初期値乱数カウンタCINI1は、タイマ割込処理(図28参照)の実行毎に1回更新されると共に、メイン処理(図36参照)の残余時間内で繰り返し更新される。
第1当たり乱数カウンタC1の値は、例えば定期的に(本実施形態ではタイマ割込処理毎に1回)更新され、球が第1入球口64に入球した場合には、その値がRAM203の特別図柄1保留球格納エリア203aに格納される。一方、球が第2入球口640に入球した場合には、その値が特別図柄2保留球格納エリア203bに格納される。
上述した通り、特別図柄の大当たりとなる乱数の値は、主制御装置110のROM202に格納される第1当たり乱数テーブル202a(図10(a)参照)によって設定されており、第1当たり乱数カウンタC1の値が、第1当たり乱数テーブルによって設定された大当たりとなる乱数の値と一致する場合に、特別図柄の大当たりと判定する。また、この第1当たり乱数テーブル202aは、特別図柄の低確率時(特別図柄の低確率状態である期間)用と、その低確率時より特別図柄の大当たりとなる確率の高い高確率時(特別図柄の高確率状態である期間)用との2種類に分けられ、それぞれに含まれる大当たりとなる乱数の個数が異なって設定されている(図10(a)参照)。このように、大当たりとなる乱数の個数を異ならせることにより、特別図柄の低確率時と特別図柄の高確率時とで、大当たりとなる確率が変更される。
第1当たり種別カウンタC2は、特別図柄の大当たりとなった場合に、第1図柄表示装置37の表示態様を決定するものであり、所定の範囲(例えば、0〜99)内で順に1ずつ加算され、最大値(例えば、0〜99の値を取り得るカウンタの場合は99)に達した後0に戻る構成となっている。第1当たり種別カウンタC2の値は、例えば、定期的に(本実施形態ではタイマ割込処理毎に1回)更新され、球が第1入球口64に入球した場合には、その値がRAM203の特別図柄1保留球格納エリア203aに格納される。一方、球が第2入球口640へと入球した場合には、その値がRAM203の特別図柄2保留球格納エリア203bに格納される。
ここで、特別図柄1保留球格納エリア203a、または特別図柄2保留球格納エリア203bに格納された第1当たり乱数カウンタC1の値が、特別図柄の大当たりとなる乱数でなければ、即ち、特別図柄の外れとなる乱数であれば、第1図柄表示装置37に表示される停止図柄に対応した表示態様は、特別図柄の外れ時のものとなる。
一方で、特別図柄1保留球格納エリア203a、または特別図柄2保留球格納エリア203bに格納された第1当たり乱数カウンタC1の値が、特別図柄の大当たりとなる乱数であれば、第1図柄表示装置37に表示される停止図柄に対応した表示態様は、特別図柄の大当たり時のものとなる。この場合、その大当たり時の具体的な表示態様は、同じ特別図柄1保留球格納エリア203a、または特別図柄2保留球格納エリア203bに格納されている第1当たり種別カウンタC2の値が示す表示態様となる。
本実施形態のパチンコ機10における第1当たり乱数カウンタC1は、0〜299の範囲の2バイトのループカウンタとして構成されている。この第1当たり乱数カウンタC1において、特別図柄の低確率時に、特別図柄の大当たりとなる乱数値は1個あり、その乱数値である「0」は、低確率時用の第1当たり乱数テーブルに格納されている(図10(a)参照)。このように特別図柄の低確率時には、乱数値の総数が300ある中で、大当たりとなる乱数値の総数が1なので、特別図柄の大当たりとなる確率は、「1/300」となる。
一方で、特別図柄の高確率時に、特別図柄の大当たりとなる乱数値は10個あり、その値である「1〜10」は、高確率時用の第1当たり乱数テーブルに格納されている(図10(a)参照)。このように特別図柄の高確率時には、乱数値の総数が300ある中で、大当たりとなる乱数値の総数が10なので、特別図柄の大当たりとなる確率は、「10/300」となる。
また、本実施形態のパチンコ機10における第1当たり種別カウンタC2の値は、0〜99の範囲のループカウンタとして構成されている。そして、図10(b)に示すように、特別図柄1の抽選で大当たりとなり、第1当たり種別カウンタC2の値が「0〜69」であった場合の大当たり種別は、「大当たりA」となる。また、値が「70〜99」であった場合の大当たり種別は、「大当たりB」となる。一方、特別図柄2の抽選で大当たりとなり、第1当たり種別カウンタC2の値が「0〜69」であった場合の大当たり種別は、「大当たりC」となる。また、値が「70〜99」であった場合の大当たり種別は、「大当たりD」となる。このように、本実施形態のパチンコ機10は、特別図柄の種類、および第1当たり種別カウンタC2が示す乱数の値によって、4種類の当たり種別(大当たりA〜D)が決定されるように構成されている。
停止種別選択カウンタC3は、例えば0〜99の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値(つまり99)に達した後0に戻る構成となっている。本実施形態では、停止種別選択カウンタC3によって、第3図柄表示装置81で表示される外れ時の停止種別が選択され、リーチが発生した後、最終停止図柄がリーチ図柄の前後に1つだけずれて停止する「前後外れリーチ」(例えば98,99)と、同じくリーチ発生した後、最終停止図柄がリーチ図柄の前後以外で停止する「前後外れ以外リーチ」(例えば90〜97の範囲)と、リーチ発生しない「完全外れ」(例えば0〜89の範囲)との3つの停止(演出)パターンが選択される。停止種別選択カウンタC3の値は、例えば定期的に(本実施形態ではタイマ割込処理毎に1回)更新され、球が第1入球口64に入球した場合は、その値がRAM203の特別図柄1保留球格納エリア203aに格納される。また、球が第2入球口640に入球した場合は、その値がRAM203の特別図柄2保留球格納エリア203bに格納される。
なお、停止種別選択カウンタC3の値(乱数値)から、特別図柄の停止種別を決定するための乱数値は、停止種別選択テーブル(図示せず)により設定されており、このテーブルは、主制御装置110のROM202内に設けられている。また、本実施形態ではこのテーブルを、特別図柄の高確率時用と、特別図柄の低確率時用とに分けており、テーブルに応じて、外れの停止種別ごとに設定される乱数値の範囲を変えている。これは、パチンコ機10が特別図柄の高確率状態であるか、特別図柄の低確率状態であるか等に応じて、停止種別の選択比率を変更するためである。
例えば、高確率状態では、大当たりが発生し易いため必要以上にリーチ演出が選択されないように、「完全外れ」の停止種別に対応した乱数値の範囲が0〜89と広い高確率時用のテーブルが選択され、「完全外れ」が選択され易くなる。このテーブルは、「前後外れリーチ」が98,99と狭くなると共に「前後外れ以外リーチ」も90〜97と狭くなり、「前後外れリーチ」や「前後外れ以外リーチ」が選択され難くなる。また、低確率状態であれば、第1入球口64への球の入球時間を確保するために「完全外れ」の停止種別に対応した乱数値の範囲が0〜79と狭い低確率時用のテーブルが選択され、「完全外れ」が選択され難くなる。
この停止種別選択テーブルは、「前後外れ以外リーチ」の停止種別に対応した乱数値の範囲が80〜97と広くなり、「前後外れ以外リーチ」が選択され易くなっている。よって、低確率状態では、演出時間の長いリーチ表示を多く行うことできるので、第1入球口64への球の入球時間を確保でき、第3図柄表示装置81による変動表示が継続して行われ易くなる。なお、後者のテーブルにおいても、「前後外れリーチ」の停止種別に対応した乱数値の範囲は98,99に設定される。
変動種別カウンタCS1は、例えば0〜198の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値(つまり198)に達した後0に戻る構成となっている。変動種別カウンタCS1によって、いわゆるノーマルリーチ、スーパーリーチ等の大まかな表示態様が決定される。表示態様の決定は、具体的には、図柄変動の変動時間の決定である。変動種別カウンタCS1により決定された変動時間に基づいて、音声ランプ制御装置113や表示制御装置114により第3図柄表示装置81で表示される第3図柄のリーチ種別や細かな図柄変動態様が決定される。変動種別カウンタCS1の値は、後述するメイン処理(図36参照)が1回実行される毎に1回更新され、当該メイン処理内の残余時間内でも繰り返し更新される。なお、変動種別カウンタCS1の値(乱数値)から、図柄変動の変動時間を一つ決定する乱数値を格納した変動パターン選択テーブル202d(図11(a)参照)は、主制御装置110のROM202内に設けられている。
ここで、図11(a)〜(d)を参照して変動パターン選択テーブル202dについて説明する。この変動パターン選択テーブル202dは、図11(a)に示すように、大当たり用変動パターンテーブル202d1(図11(b)参照)と、外れ用(通常)変動パターンテーブル202d2(図11(c)参照)と、外れ用(確変)変動パターンテーブル202d3(図11(d)参照)とが少なくとも設定されている。
まず、図11(b)を参照して、大当たり用変動パターンテーブル202d1について説明する。図11(b)は、この大当たり用変動パターンテーブル202d1の内容を模式的に示した模式図である。大当たり用変動パターンテーブル202d1は、特別図柄の抽選結果が大当たりである場合に、選択される変動パターンの種別(変動時間)が規定されたデータテーブルである。大当たりの変動パターンとしては、ノーマルリーチ各種(30秒)、スーパーリーチ各種(60秒)、スペシャルリーチ(90秒)がそれぞれ規定されている。大当たり用変動パターンテーブル202d1には、変動種別カウンタCS1の値毎に、各変動パターンが対応付けられている。
具体的には、変動種別カウンタCS1の値の判定値として「0〜50」の範囲にはノーマルリーチ各種(30秒)の変動パターンが対応付けられ、「51〜179」の範囲にはスーパーリーチ各種(60秒)の変動パターンが対応付けられ、「180〜198」の範囲にはスペシャルリーチ各種(90秒)の変動パターンが対応付けられている。主制御装置110のMPU201は、特別図柄の抽選結果が大当たりとなる場合の変動パターンを選択する場合に、取得している変動種別カウンタCS1の値に対応する判定値が設定されている変動パターンを大当たり用変動パターンテーブル202d1より選択する。
図11(c)は、外れ用(通常)変動パターンテーブル202d2の内容を模式的に示した模式図である。外れ用(通常)変動パターンテーブル202d2は、特別図柄の低確率状態において、特別図柄の抽選結果が外れであった場合に選択される変動パターンの種別(変動時間)が規定されたデータテーブルである。特別図柄の抽選結果が外れである場合には、上述したように、図示しない停止種別選択テーブルより停止種別が完全外れ(非リーチ)であるか、リーチ外れ(リーチ共通)であるかが停止種別選択カウンタC3の値によって決定される。具体的には、例えば、特別図柄の低確率状態において停止種別選択カウンタC3の値が「0〜79」の範囲にあれば完全外れを設定し、「80〜99」の範囲にあれば外れリーチ(前後外れリーチ、前後外れ以外リーチ)を設定する。
ここで、変動パターン種別が、完全外れである場合には、変動時間が比較的短い短外れ(7秒)と、変動時間が比較的長い長外れ(10秒)のいずれかが設定される。短外れ(7秒)に対しては、「0〜98」が、長外れ(10秒)に対しては、「99〜198」が変動種別カウンタCS1の判定値として設定されている。
また、外れリーチに対しては、変動種別カウンタCS1の判定値が「0〜149」の範囲には外れのノーマルリーチ各種(30秒)が、「150〜197」の範囲には外れのスーパーリーチ各種(60秒)が、「198」には外れのスペシャルリーチ各種(90秒)がそれぞれ設定されている。
このように、主制御装置110のMPU201は、通常遊技状態時に特別図柄の抽選結果が外れである場合には、停止種別が決定され、外れ用(通常)変動パターンテーブル202d2より取得している変動種別カウンタCS1の値に基づいて、外れ用(通常)変動パターンテーブル202d2より変動パターンを選択する。
図11(d)は、外れ用(確変)変動パターンテーブル202d3の内容を模式的に示した模式図である。この外れ用(確変)変動パターンテーブル202d3は、特別図柄の確変状態において、特別図柄の抽選が外れとなった場合に選択される変動パターンの種別(変動時間)が規定されたデータテーブルである。この外れ用(確変)変動パターンテーブル202d3では、設定されている変動種別カウンタCS1の値が、上述した外れ用(通常)変動パターンテーブル202d2とは異なっている。
なお、上述したように、遊技状態が確変遊技状態である場合には、図示しない停止種別選択テーブルにより停止種別選択カウンタC3の値が「0〜89」の範囲にあれば、完全外れが決定され、「90〜99」の範囲にあれば外れリーチ(前後外れリーチ、前後外れ以外リーチ)が決定される。
このように、通常遊技状態よりも確変遊技状態である場合には、外れである場合にリーチとなる確率が低く設定されている。よって、確変時に外れの変動時間が長くなってしまい、大当たりとなるまでの期間が長くなってしまうことを抑制できる。よって、大当たりし易い確変遊技状態時に遊技が間延びしてしまい、遊技者が退屈に感じる不具合を抑制できる。
第2当たり乱数カウンタC4は、例えば0〜239の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値(つまり239)に達した後0に戻るループカウンタとして構成されている。また、第2当たり乱数カウンタC4が1周した場合、その時点の第2初期値乱数カウンタCINI2の値が当該第2当たり乱数カウンタC4の初期値として読み込まれる。第2当たり乱数カウンタC4の値は、本実施形態ではタイマ割込処理毎に、例えば定期的に更新され、球がスルーゲート67を通過したことが検知された時に取得され、RAM203の普通図柄保留球格納エリア203cに格納される。
そして、普通図柄の当たりとなる乱数の値は、主制御装置のROM202に格納される第2当たり乱数テーブル(図10(c)参照)によって設定されており、第2当たり乱数カウンタC4の値が、第2当たり乱数テーブルによって設定された当たりとなる乱数の値と一致する場合に、普通図柄の当たりと判定する。また、この第2当たり乱数テーブルは、普通図柄の低確率時(普通図柄の通常状態である期間)用と、その低確率時より普通図柄の当たりとなる確率の高い高確率時(普通図柄の時短状態である期間)用との2種類に分けられ、それぞれに含まれる大当たりとなる乱数の個数が異なって設定されている(図10(c)参照)。このように、当たりとなる乱数の個数を異ならせることにより、普通図柄の低確率時と普通図柄の高確率時とで、当たりとなる確率が変更される。
図10(c)に示すように、普通図柄の低確率時に、普通図柄の当たりとなる乱数値は15個あり、その範囲は「5〜28」となっている。これら乱数値は、低確率時用の第2当たり乱数テーブルに格納されている。このように普通図柄の低確率時には、乱数値の総数が240ある中で、大当たりとなる乱数値の総数が16なので、特別図柄の大当たりとなる確率は、「1/15」となる。
パチンコ機10が普通図柄の低確率時である場合に、球がスルーゲート67を通過すると、第2当たり乱数カウンタC4の値が取得されると共に、第2図柄表示装置83において普通図柄の変動表示が30秒間実行される。そして、取得された第2当たり乱数カウンタC4の値が「5〜28」の範囲であれば当選と判定されて、第2図柄表示装置83における変動表示が終了した後に、停止図柄(第2図柄)として「○」の図柄が点灯表示されると共に、第2入球口640に付随する電動役物640aが「0.2秒間×1回」だけ開放される。なお、本実施形態では、パチンコ機10が普通図柄の低確率時である場合に、普通図柄の当たりとなったら電動役物640aが「0.2秒間×1回」だけ開放されるが、開放時間や回数は任意に設定すれば良い。例えば、「0.5秒間×2回」開放しても良い。
一方で、普通図柄の高確率時に、普通図柄の大当たりとなる乱数値は200個あり、その範囲は「5〜204」となっている。これらの乱数値は、高確率時用の第2当たり乱数テーブルに格納されている。このように特別図柄の低確率時には、乱数値の総数が240ある中で、大当たりとなる乱数値の総数が200なので、特別図柄の大当たりとなる確率は、「1/1.2」となる。
パチンコ機10が普通図柄の高確率時である場合に、球がスルーゲート67を通過すると、第2当たり乱数カウンタC4の値が取得されると共に、第2図柄表示装置83において普通図柄の変動表示が3秒間実行される。そして、取得された第2当たり乱数カウンタC4の値が「5〜204」の範囲であれば普通図柄の当たりと判定される。この場合、第2図柄表示装置83における変動表示が終了した後に、停止図柄(第2図柄)として「○」の図柄が点灯表示されると共に、電動役物640aが「1秒間×2回」開放される。このように、普通図柄の高確率時には、普通図柄の低確率時と比較して、変動表示の時間が「30秒→3秒」と非常に短くなり、更に、電動役物640aの開放期間が「0.2秒×1回→1秒間×2回」と非常に長くなるので、第2入球口640へ球が入球し易い状態となる。なお、本実施形態では、パチンコ機10が普通図柄の高確率時である場合に、普通図柄の当たりとなったら電動役物640aが「1秒間×2回」だけ開放されるが、開放時間や回数は任意に設定すれば良い。例えば、「3秒間×3回」開放しても良い。
第2初期値乱数カウンタCINI2は、第2当たり乱数カウンタC4と同一範囲で更新されるループカウンタとして構成され(値=0〜239)、タイマ割込処理(図28参照)毎に1回更新されると共に、メイン処理(図36参照)の残余時間内で繰り返し更新される。
このように、RAM203には種々のカウンタ等が設けられており、主制御装置110では、このカウンタ等の値に応じて大当たり抽選や第1図柄表示装置37および第3図柄表示装置81における表示の設定、第2図柄表示装置83における表示結果の抽選といったパチンコ機10の主要な処理を実行することができる。
図7に戻り、説明を続ける。RAM203には、各種のフラグやカウンタ等が記憶される。ここで、RAM203の詳細について、図9(b)を参照して説明する。RAM203は、図9(b)に示すように、特別図柄1保留球格納エリア203aと、特別図柄2保留球格納エリア203bと、普通図柄保留球格納エリア203cと、特別図柄1保留球数カウンタ203dと、特別図柄2保留球数カウンタ203eと、普通図柄保留球数カウンタ203fと、確変カウンタ203gと、大当たりフラグ203iと、配置格納エリア203jと、確変設定フラグ203kと、入賞個数カウンタ203mと、残球タイマフラグ203nと、残球タイマ203pと、ラウンド終了フラグ203qと、確変有効フラグ203rと、確変有効タイマ203sと、球排出個数カウンタ203tと、確変通過カウンタ203uと、カウンタ用バッファ203yと、その他メモリエリア203zとを少なくとも有している。
特別図柄1保留球格納エリア203aは、1つの実行エリアと、4つの保留エリア(保留第1エリア〜保留第4エリア)とを有しており、これらの各エリアには、第1当たり乱数カウンタC1、第1当たり種別カウンタC2、及び停止種別選択カウンタC3の各値がそれぞれ格納される。
より具体的には、球が第1入球口64へ入賞(始動入賞)したタイミングで、各カウンタC1〜C3の各値が取得され、その取得されたデータが、4つの保留エリア(保留第1エリア〜保留第4エリア)の空いているエリアの中で、エリア番号(第1〜第4)の小さいエリアから順番に記憶される。つまり、エリア番号の小さいエリアほど、時間的に古い入賞に対応するデータが記憶され、保留第1エリアには、時間的に最も古い入賞に対応するデータが記憶される。なお、4つの保留エリアの全てにデータが記憶されている場合には、新たに何も記憶されない。
その後、主制御装置110において、特別図柄の抽選が行われる場合には、特別図柄1保留球格納エリア203aの保留第1エリアに記憶されている各カウンタC1〜C3の各値が、実行エリアへシフトされ(移動させられ)、その実行エリアに記憶された各カウンタC1〜C3の各値に基づいて、特別図柄の抽選などの判定が行われる。
なお、保留第1エリアから実行エリアへデータをシフトすると、保留第1エリアが空き状態となる。そこで、他の保留エリア(保留第2エリア〜保留第4エリア)に記憶されている入賞のデータを、エリア番号の1小さい保留エリア(保留第1エリア〜保留第3エリア)に詰めるシフト処理が行われる。本実施形態では、特別図柄1保留球格納エリア203aにおいて、入賞のデータが記憶されている保留エリア(第2保留エリア〜第4保留エリア)についてのみデータのシフトが行われる。
特別図柄2保留球格納エリア203bは、特別図柄1保留球格納エリア203aと同様に、1つの実行エリアと、4つの保留エリアとを有している。この特別図柄2保留球格納エリア203bには、第2入球口640への始動入賞に基づいて取得される各カウンタ値が記憶される。カウンタ値の格納方法等については、特別図柄1保留球格納エリア203aと同様であるため、その詳細な説明については省略する。
普通図柄保留球格納エリア203cは、特別図柄1保留球格納エリア203aや、特別図柄2保留球格納エリア203bと同様に、1つの実行エリアと、4つの保留エリア(保留第1エリア〜保留第4エリア)とを有している。これらの各エリアには、第2当たり乱数カウンタC4が格納される。
より具体的には、球がスルーゲート67を通過したタイミングで、カウンタC4の値が取得され、その取得されたデータが、4つの保留エリア(保留第1エリア〜保留第4エリア)の空いているエリアの中で、エリア番号(第1〜第4)の小さいエリアから順番に記憶される。つまり、特別図柄1保留球格納エリア203aや、特別図柄2保留球格納エリア03bと同様に、入賞した順序が保持されつつ、入賞に対応するデータが格納される。尚、4つの保留エリアの全てにデータが記憶されている場合には、新たに何も記憶されない。
その後、主制御装置110において、普通図柄の当たりの抽選が行われる場合には、普通図柄保留球格納エリア203cの保留第1エリアに記憶されているカウンタC4の値が、実行エリアへシフトされ(移動させられ)、その実行エリアに記憶されたカウンタC4の値に基づいて、普通図柄の当たりの抽選などの判定が行われる。
なお、保留第1エリアから実行エリアへデータをシフトすると、保留第1エリアが空き状態となるので、特別図柄1保留球格納エリア203aや、特別図柄2保留球格納エリア203bの場合と同様に、他の保留エリアに記憶されている入賞のデータを、エリア番号の1小さい保留エリアに詰めるシフト処理が行われる。また、データのシフトも、入賞のデータが記憶されている保留エリアについてのみ行われる。
特別図柄1保留球数カウンタ203dは、第1入球口64への入球(始動入賞)に基づいて第1図柄表示装置37で行われる特別図柄(第1図柄)の変動表示(第3図柄表示装置81で行われる変動表示)の保留球数(待機回数)を最大4回まで計数するカウンタである。この特別図柄1保留球数カウンタ203dは、初期値がゼロに設定されており、第1入球口64へ球が入球して変動表示の保留球数が増加する毎に、最大値4まで1ずつ加算される(図31のS404参照)。一方、特別図柄1保留球数カウンタ203dは、新たに特別図柄の変動表示が実行される毎に、1減算される(図29のS210参照)。
この特別図柄1保留球数カウンタ203dの値(特別図柄1における変動表示の保留回数N1)は、保留球数コマンドによって音声ランプ制御装置113に通知される(図29のS211、図31のS405参照)。保留球数コマンドは、特別図柄1保留球数カウンタ203dの値が変更される度に、主制御装置110から音声ランプ制御装置113に対して送信されるコマンドである。
音声ランプ制御装置113は、特別図柄1保留球数カウンタ203dの値が変更される度に、主制御装置110より送信される保留球数コマンドによって、主制御装置110に保留された変動表示の保留球数そのものの値を取得することができる。これにより、音声ランプ制御装置113の特別図柄保留球数カウンタ223bによって管理される変動表示の保留球数が、ノイズ等の影響によって、主制御装置110に保留された実際の変動表示の保留球数からずれてしまった場合であっても、次に受信する保留球数コマンドによって、そのずれを修正することができる。
なお、音声ランプ制御装置113は、保留球数コマンドに基づいて保留球数を管理し、保留球数が変化する度に表示制御装置114に対して、保留球数を通知するための表示用保留球数コマンドを送信する。表示制御装置114は、この表示用保留球数コマンドによって通知された保留球数を基に、第3図柄表示装置81に保留球数図柄を表示する。
特別図柄2保留球数カウンタ203eは、第2入球口640への入球(始動入賞)に基づいて第1図柄表示装置37で行われる特別図柄(第1図柄)の変動表示(第3図柄表示装置81で行われる変動表示)の保留球数(待機回数)を最大4回まで計数するカウンタである。この特別図柄2保留球数カウンタ203eは、初期値がゼロに設定されており、第2入球口640へ球が入球して変動表示の保留球数が増加する毎に、最大値4まで1ずつ加算される(図31のS410参照)。一方、特別図柄2保留球数カウンタ203eは、新たに特別図柄の変動表示が実行される毎に、1減算される(図29のS205参照)。この特別図柄2保留球数カウンタ203eの値も、特別図柄1保留球数カウンタ203dの値と同様に、保留球数コマンドによって音声ランプ制御装置113へと通知される。
普通図柄保留球数カウンタ203fは、スルーゲート67における球の通過に基づいて第2図柄表示装置83で行われる普通図柄(第2図柄)の変動表示の保留球数(待機回数)を最大4回まで計数するカウンタである。この普通図柄保留球数カウンタ203fは、初期値がゼロに設定されており、球がスルーゲート67を通過して変動表示の保留球数が増加する毎に、最大値4まで1加算される(図33のS604参照)。一方、普通図柄保留球数カウンタ203fは、新たに普通図柄(第2図柄)の変動表示が実行される毎に、1減算される(図32のS505参照)。
球がスルーゲート67を通過した場合に、この普通図柄保留球数カウンタ203fの値(普通図柄における変動表示の保留回数M)が4未満であれば、第2当たり乱数カウンタC4の値が取得され、その取得されたデータが、普通図柄保留球格納エリア203cに記憶される(図33のS605)。一方、球がスルーゲート67を通過した場合に、この普通図柄保留球数カウンタ203fの値が4であれば普通図柄保留球格納エリア203cには新たに何も記憶されない(図33のS603:No)。
確変カウンタ203gは、パチンコ機10が特別図柄の確変状態(特別図柄の高確率状態)であるか否かを示すカウンタであり、確変カウンタ203gの値が1以上であれば、パチンコ機10が特別図柄の確変状態であることを示し、確変カウンタ203gの値が0であれば、パチンコ機10が特別図柄の通常状態(特別図柄の低確率状態)であることを示す。また、上述した通り、本実施形態では、特別図柄の確変状態では、普通図柄の時短状態となり、特別図柄の低確率状態では、普通図柄の通常状態となる。よって、確変カウンタ203gの値が1以上であれば、特別図柄の確変状態であると共に、普通図柄の時短状態であることも示している。一方、確変カウンタ203g値が0であれば、パチンコ機10が特別図柄の低確率状態であると共に、普通図柄の通常状態である(通常状態である)ことを示している。
確変カウンタ203gは、初期値が0に設定されており、大当たり中に確変入球口671への球の入球を検出した場合に、その大当たりの終了時に100が設定され(図39のS1203参照)、特別図柄変動処理(図29参照)において変動時間が経過したと判別される毎に、値が1ずつ減算される(図29のS221参照)。また、確変カウンタ203gは、次の大当たり遊技が開始される場合に値が0に設定される(図29のS218参照)。
この確変カウンタ203gは、特別図柄変動開始処理において遊技状態が確変状態であるか否かを判別するために参照される(図30のS302参照)。具体的には、特別図柄変動開始処理(図30、S213)が実行されると、特別図柄の抽選が行われる。特別図柄変動開始処理(図30、S213)では、確変カウンタ203gの値が参照され、その値が1以上であれば、高確率時用の第1当たり乱数テーブル202aに基づいて、特別図柄の抽選が行われる一方、確変カウンタ203gの値が0であれば、低確率時用の第1当たり乱数テーブル202aに基づいて、特別図柄の抽選が行われる。
また、確変カウンタ203gは、普通図柄変動処理において遊技状態が時短状態であるか否かを判別するためにも参照される(図32のS508,S514,S519)。具体的には、普通図柄変動処理の中で確変カウンタ203gの値が参照され、その値が1以上であれば、高確率時用の第2当たり乱数テーブル202cに基づいて、普通図柄の抽選が行われる一方、確変カウンタ203gの値が0であれば、低確率時用の第2当たり乱数テーブル202cに基づいて普通図柄の抽選が行われる。また、普通図柄変動処理では、普通図柄の変動時間や、普通図柄の当たりとなった場合における電動役物640aの開放時間を決定する際にも参照される(図32のS514,S519参照)。
大当たりフラグ203iは、大当たり(特別遊技状態)中であるか否かを示すフラグである。この大当たりフラグ203iの値がオンであれば、大当たり中であることを意味し、オフであれば大当たり中でないことを意味する。大当たりフラグ203iは、特別図柄の抽選により大当たりとなり、大当たり(特別遊技状態)が開始されると共にオンに設定される(図37のS1003参照)。また、大当たり(特別遊技状態)の終了時にオフに設定される(図39のS1205参照)。特別図柄変動処理(図29参照)では、この大当たりフラグ203iが参照されて、大当たり中であるか否かが判別される(図29のS201参照)。
配置格納エリア203jは、振分回転体661の配置を示す情報を格納するための記憶領域である。この配置格納エリア203jには、例えば、振分回転体661の配置に応じて「00H」〜「03H」のいずれかの配置データが格納される。より具体的には、例えば、振分回転体661の初期配置(通常振分部661bが通常流路652の直下となる配置)では、「00H」の配置データが格納される。また、初期配置から90度、180度、270度回転動作した回転位置では、それぞれ「01H」、「02H」、「03H」の配置データが格納される。この配置格納エリア203jに格納された値に基づいて、振分回転体661の配置を容易に判別することができる。この配置格納エリア203jに格納された値が、変更されると、状態コマンドによって音声ランプ制御装置113に対して通知される。よって、音声ランプ制御装置113も、振分回転体661の配置を正確に把握することができる。
確変設定フラグ203kは、大当たり遊技後に遊技状態を確変遊技状態に移行させるか否かを示すフラグである。本パチンコ機10では、遊技状態が特別図柄の確変状態に設定されるか否かは、大当たり遊技中に確変入球口671へと球が入球した(確変入球口671に設けられた確変スイッチの通過を検出した)か否かに応じて決定される。確変入球口671へと球が入球すると、確変設定フラグ203kがオンに設定される(図40のS1314)。一方、この確変設定フラグ203kは、大当たりの終了時にオフに設定される。なお、この確変設定フラグ203kは、電源断時にはバックアップされ、復帰時(電源投入時)には電源断直前の状態に設定される。また、パチンコ機10が初期化された状態ではオフに設定される。
なお、電源投入時に確変設定フラグ203kがオンに設定されている場合には、電源断前に確変入球口671へと入球したかを判別し、入球したと判別できた場合に、確変設定フラグ203kを正式にオンに設定して復帰するように構成してもよい。この場合、電源断前に確変入球口671へと入球したかの判別は、後述する確変通過カウンタ203uが0より大きい値であるかにより判別できる。このように構成することで、電源断されている状態で、確変設定フラグ203kのみをオンに書き換えて電源を再投入されるような不正を防止(抑制)できるので、ホールに不測の不利益を与えることを防止することができる。
入賞個数カウンタ203mは、大当たり遊技における1つのラウンドで第1可変入賞装置65の第1特定入賞口65a、または第2可変入賞装置650の第2特定入賞口650aに入賞した遊技球の数(即ち、第1可変入賞装置65、または第2可変入賞装置650に入球した遊技球の数)をカウントするためのカウンタである。具体的には、第1特定入賞口65a、および第2特定入賞口650aへの入球を検出する毎に、値が1ずつ加算されて更新される(図40のS1303)。一方、1つのラウンドが終了した場合に、第1可変入賞装置65、および第2可変入賞装置650に入賞した個数(入賞個数カウンタ203mの値)と排出された個数(球排出個数カウンタ203tと確変通過カウンタ203uとの合計値)とが一致しているか判別(図41のS1407)された後に、初期値である「0」にリセットされる。なお、この入賞個数カウンタ203mの値は、電源断時にはバックアップされる。また、初期化された状態では、0に設定される。
残球タイマフラグ203nは、1のラウンドで第1特定入賞口65a、または第2特定入賞口650aが閉鎖されたことを示すフラグである。この残球タイマフラグ203nがオンに設定されていると、1のラウンドで第1特定入賞口65a、または第2特定入賞口650aが開放状態から閉鎖状態に設定されたことを示している。この残球タイマフラグ203nがオンに設定されることで、後述する残球タイマ203pが1ずつ加算されて更新される(図41のS1405参照)。残球タイマ203pは、第1特定入賞口65a、または第2特定入賞口650aが閉鎖されてからの時間を判別するためのカウンタであり、第1可変入賞装置65、または第2可変入賞装置650内の遊技球が排出されるのに必要な時間が経過したかを判別するためのカウンタである。
残球タイマ203pは、予め設定されている1のラウンドが終了して第1特定入賞口65a、または第2特定入賞口650aが閉鎖した場合に、第1可変入賞装置65、または第2可変入賞装置650に入賞した遊技球が排出されるのに必要な時間が経過したかを判別するためのカウンタである。本実施形態では、第1可変入賞装置65、および第2可変入賞装置650に入賞した遊技球が排出されるまでに必要な時間はいずれも2秒であり、本実施形態では、予め3秒に対応するカウンタ値が残球タイマ203pの上限値として設定されている。この残球タイマ203pの上限値(本実施形態では、3秒)となったことに基づいて、第1可変入賞装置65、または第2可変入賞装置650への入賞個数とその排出個数とが一致しているかの判別が実行される(図41のS1407)。一致しない場合には、エラーコマンドが設定されて、その旨が報知される。よって、第1可変入賞装置65、または第2可変入賞装置650の内部で球詰まりしていることを早期に知らせることができる。
なお、入賞個数と排出個数が一致しない場合には、専用のフラグをオンに設定しておき、そのフラグがオンである場合には確変入賞口671へと球が入球しても確変設定フラグ203kをオンに設定しない構成にしてもよい。このように構成することで、不正に確変遊技状態が付与されることを抑制できる。
ラウンド終了フラグ203qは、大当たりの1のラウンドが終了したかを示すフラグである。このラウンド終了フラグ203qがオンであれば、大当たりのラウンドが終了した後の、所謂球はけ期間中であることを示す。このラウンド終了フラグ203qがオンの間に確変入球口671への入球を検出した場合は、正規の入球であると判別されて確変設定フラグ203kがオンに設定される。このラウンド終了フラグ203qは、大当たりの各ラウンドの終了条件が成立する毎にオンに設定され(図40のS1310参照)、球はけ期間が終了した(確変有効タイマ203sが上限値となった)場合にオフに設定される(図40のS1318参照)。
確変有効フラグ203rは、第2特定入賞口650aが閉鎖された後に、遊技球が確変入球口671に入球した場合に、その入球を有効とするか否かを判別するためのフラグである。この確変有効フラグ203rがオンに設定されている場合には、第2特定入賞口650aへと入球した球が確変入球口671へと入球するのに必要な時間以下であることを示している。即ち、確変有効フラグ203rがオンである期間は、確変入球口671に球が入球することが正常な期間であることを示している。
確変有効タイマ203sは、上述した確変有効フラグ203rがオンに設定されてからの時間をカウントする為のカウンタである。この確変有効タイマ203sにより、第2特定入賞口650aが閉鎖された後に、確変入球口671へ正常に入球するのに必要な期間を判別(計測)することができる。
なお、本実施形態では、第2特定入賞口650aに入球した遊技球が確変入球口671へと到達するのに要する時間は1.5秒である。確変有効タイマ203sの上限値は1.5秒に対応するカウンタ値に設定されており、それ以後に確変入球口671へ入球しても不正と判別して通過と判別しない。
これにより、第2特定入賞口650aが閉鎖された状態で、不正に第2特定入賞口650aへと入球させて確変入球口671へ球を入球させたり、確変入球口671の下方よりピアノ線等で球を押し上げて通過させたり、電波等により磁気センサを通過と誤検出させたりする不正による被害を抑制できる。
球排出個数カウンタ203tは、1のラウンドで第1可変入賞装置65、または第2可変入賞装置650の通常入賞口672,673から排出された球の数をカウントするためのカウンタである。この球排出個数カウンタ203tは、第1可変入賞装置65、または第2可変入賞装置650に入賞した球の数と排出個数とが判別された後に初期値である0にリセットされる(図41のS1407)。
確変通過カウンタ203uは、大当たりの15ラウンドにおいて確変入球口671へ入球した球の数をカウントするためのカウンタである。なお、この確変通過カウンタ203uと、上述した球排出個数カウンタ203tとの合計により、第2可変入賞装置650に入賞した遊技球が全て排出されたかを判別することができる。この確変通過カウンタ203uは、確変入球口671を通過した場合に1ずつ加算されて更新される(図40のS1313)。また、第2可変入賞装置650に入賞した球の数と排出個数が一致するかの処理を実行した後に、初期値である「0」にリセットされる(図41のS1411)。なお、この確変通過カウンタ203uは、電源断時にはバックアップされる。また、初期化された状態では、0に設定される。
カウンタ用バッファ203yは、上述した各カウンタ(第1当たり乱数カウンタC1、第1当たり種別カウンタC2、停止種別選択カウンタC3、第1初期値乱数カウンタCINI1、変動種別カウンタCS1、第2当たり乱数カウンタC4、第2初期値乱数カウンタCINI2)の値を格納するための記憶領域である。このカウンタ用バッファ203yに格納されたカウンタ値が、特別図柄1保留球格納エリア203aや、特別図柄2保留球格納エリア203bや、普通図柄保留球格納エリア203cに格納される。
その他メモリエリアは203z、は上述したデータ以外のデータを格納する領域として設けられており、主制御装置110のMPU201が使用するその他カウンタ値などを一時的に記憶しておくための領域や、MPU201の内部レジスタの内容やMPU201により実行される制御プログラムの戻り先番地などが記憶されるスタックエリアと、各種のフラグおよびカウンタ、I/O等の値が記憶される作業エリア(作業領域)などを有している。
なお、RAM203は、パチンコ機10の電源の遮断後においても電源装置115からバックアップ電圧が供給されてデータを保持(バックアップ)できる構成となっており、RAM203に記憶されるデータは、すべてバックアップされる。
停電などの発生により電源が遮断されると、その電源遮断時(停電発生時を含む。以下同様)のスタックポインタや、各レジスタの値がRAM203に記憶される。一方、電源投入時(停電解消による電源投入を含む。以下同様)には、RAM203に記憶される情報に基づいて、パチンコ機10の状態が電源遮断前の状態に復帰される。RAM203への書き込みはメイン処理(図36参照)によって電源遮断時に実行され、RAM203に書き込まれた各値の復帰は電源投入時の立ち上げ処理(図35参照)で実行される。なお、MPU201のNMI端子(ノンマスカブル割込端子)には、停電等の発生による電源遮断時に、停電監視回路252からの停電信号SG1が入力されるように構成されており、その停電信号SG1がMPU201へ入力されると、停電時処理としてのNMI割込処理(図34参照)が即座に実行される。
主制御装置110のMPU201には、アドレスバス及びデータバスで構成されるバスライン204を介して入出力ポート205が接続されている。入出力ポート205には、払出制御装置111、音声ランプ制御装置113、第1図柄表示装置37、第2図柄表示装置83、第2図柄保留ランプ84、第1特定入賞口65aおよび第2特定入賞口650aを開閉駆動するための大開放口ソレノイドや電動役物を駆動するためのソレノイドなどからなるソレノイド209が接続され、MPU201は、入出力ポート205を介してこれらに対し各種コマンドや制御信号を送信する。
また、入出力ポート205には、図示しないスイッチ群やセンサ群などからなる各種スイッチ208や、電源装置115に設けられた後述のRAM消去スイッチ回路253が接続され、MPU201は各種スイッチ208から出力される信号や、RAM消去スイッチ回路253より出力されるRAM消去信号SG2に基づいて各種処理を実行する。
払出制御装置111は、払出モータ216を駆動させて賞球や貸出球の払出制御を行うものである。演算装置であるMPU211は、そのMPU211により実行される制御プログラムや固定値データ等を記憶したROM212と、ワークメモリ等として使用されるRAM213とを有している。
払出制御装置111のRAM213は、主制御装置110のRAM203と同様に、MPU211の内部レジスタの内容やMPU211により実行される制御プログラムの戻り先番地などが記憶されるスタックエリアと、各種のフラグおよびカウンタ、I/O等の値が記憶される作業エリア(作業領域)とを有している。RAM213は、パチンコ機10の電源の遮断後においても電源装置115からバックアップ電圧が供給されてデータを保持(バックアップ)できる構成となっており、RAM213に記憶されるデータは、すべてバックアップされる。なお、主制御装置110のMPU201と同様、MPU211のNMI端子にも、停電等の発生による電源遮断時に停電監視回路252から停電信号SG1が入力されるように構成されており、その停電信号SG1がMPU211へ入力されると、停電時処理としてのNMI割込処理(図34参照)が即座に実行される。
払出制御装置111のMPU211には、アドレスバス及びデータバスで構成されるバスライン214を介して入出力ポート215が接続されている。入出力ポート215には、主制御装置110や払出モータ216、発射制御装置112などがそれぞれ接続されている。また、図示はしないが、払出制御装置111には、払い出された賞球を検出するための賞球検出スイッチが接続されている。なお、該賞球検出スイッチは、払出制御装置111に接続されるが、主制御装置110には接続されていない。
発射制御装置112は、主制御装置110により球の発射の指示がなされた場合に、操作ハンドル51の回転操作量に応じた球の打ち出し強さとなるよう球発射ユニット112aを制御するものである。球発射ユニット112aは、図示しない発射ソレノイドおよび電磁石を備えており、その発射ソレノイドおよび電磁石は、所定条件が整っている場合に駆動が許可される。具体的には、遊技者が操作ハンドル51に触れていることをタッチセンサ51aにより検出し、球の発射を停止させるための打ち止めスイッチ51bがオフ(操作されていないこと)を条件に、操作ハンドル51の回動量に対応して発射ソレノイドが励磁され、操作ハンドル51の操作量に応じた強さで球が発射される。
音声ランプ制御装置113は、音声出力装置(図示しないスピーカなど)226における音声の出力、ランプ表示装置(電飾部29〜33、表示ランプ34など)227における点灯および消灯の出力、変動演出(変動表示)や連続予告演出といった表示制御装置114で行われる第3図柄表示装置81の表示態様の設定などを制御するものである。演算装置であるMPU221は、そのMPU221により実行される制御プログラムや固定値データ等を記憶したROM222と、ワークメモリ等として使用されるRAM223とを有している。
音声ランプ制御装置113のMPU221には、アドレスバス及びデータバスで構成されるバスライン224を介して入出力ポート225が接続されている。入出力ポート225には、主制御装置110、表示制御装置114、音声出力装置226、ランプ表示装置227、枠ボタン22、演出用乱数生成IC800等がそれぞれ接続されている。
音声ランプ制御装置113は、枠ボタン22からの入力を監視し、遊技者によって枠ボタン22が操作された場合は、第3図柄表示装置81で表示されるステージを変更したり、スーパーリーチ時の演出内容を変更したりするように、音声出力装置226、ランプ表示装置227を制御し、また、表示制御装置114へ指示する。ステージが変更される場合は、変更後のステージに応じた背面画像を第3図柄表示装置81に表示させるべく、変更後のステージに関する情報を含めた背面画像変更コマンドを表示制御装置114へ送信する。ここで、背面画像とは、第3図柄表示装置81に表示させる主要な画像である第3図柄の背面側に表示される画像のことである。
音声ランプ制御装置113は、主制御装置110からのコマンドや、音声ランプ制御装置113に接続された各種装置等の状況に応じてエラーを判定し、そのエラーの種別を含めてエラーコマンドを表示制御装置114へ送信する。表示制御装置114では、受信したエラーコマンドによって示されるエラー種別(例えば、振動エラー)に応じたエラーメッセージ画像を第3図柄表示装置81に遅滞無く表示させる制御が行われる。
次に、図18(a)を参照して、音声ランプ制御装置113のROM222について説明を行う。音声ランプ制御装置113のROM222には、変動パターン選択テーブル222aと、背面種別選択テーブル222bとが少なくとも格納されている。
変動パターン選択テーブル222aは、音声ランプ制御装置113は主制御装置110から出力された変動パターンコマンドに基づいて、その変動パターンコマンドが示す大まかな変動内容(変動時間、変動種別(リーチ、外れ等))から更に詳細な変動内容を決定するために用いられる。これにより、さらに多様な変動態様を決定することができる。ここでは、主制御装置110から指示された大まかな変動内容に対して、抽選により複数種類のうち1の変動態様が決定される。
背面種別選択テーブル222bは、振分回転体661の配置と、遊技状態とに応じた背面種別を設定するためのデータテーブルである。本実施形態では、変動表示を実行する際に、変動表示の態様を変動パターン選択テーブル222aから選択すると共に、この背面種別選択テーブル222bを参照して、背面種別を変更するか否かを判別する(図48のS2105参照)。この背面種別選択テーブル222bの詳細について、図19、図20を参照して説明する。なお、振分回転体661の配置は、主制御装置110から出力される状態コマンドによって通知される。この状態コマンドは、パチンコ機10の遊技状態が変更される毎に音声ランプ制御装置113に対して出力される。この状態コマンドには、主制御装置110のRAM203に設けられた配置格納エリア203jの値が含まれる。通知された配置格納エリア203jの値によって、振分回転体661の配置を正確に判別することができる。なお、上述した通り、配置格納エリア203jには、振分回転体661の初期配置で「00H」の配置データが格納され、初期配置から90度、180度、270度回転動作した回転位置では、それぞれ「01H」、「02H」、「03H」の配置データが格納される。
本実施形態では、第3図柄表示装置81の背面画像として、特別図柄の低確率時用の背面種別として、背面A、および背面Bが設けられている。このうち、背面Bは、背面Aに比較して遊技者に有利な振分回転体661の配置を示唆するための背面種別である。一方、特別図柄の確変時用の背面種別として、背面C〜Eが設けられている。背面Eは、遊技者にとって最も有利な配置であることを示唆する背面種別であり、背面Dは、背面Cに比較して有利な配置を示唆する背面種別である。
図19(a)は、背面種別選択テーブル222bの構成を示したブロック図である。この背面種別選択テーブル222bは、特別図柄の低確率状態において用いられる低確時選択テーブル222b1と、特別図柄の確変状態において用いられる確変時選択テーブル222b2とで構成されている。
まず、図19(b)を参照して、低確時選択テーブル222b1の詳細について説明する。図19に示した通り、低確時選択テーブル222b1には、現在の振分回転体661、および現在の背面種別毎に、選択可能な背面種別が規定されている。各背面種別は、「0〜199」の範囲で定期的に更新される演出用カウンタ223gの値に対応付けられている。
より具体的には、振分回転体661の回転位置が「00H」に対応する配置(即ち、初期配置)であって、現在の背面種別が背面Aの場合には、演出用カウンタ223gの値が「0〜194」の範囲に背面Aが対応付けられている。また、「195〜199」の範囲には、背面Bが対応付けられている。一方、振分回転体661の回転位置が「00H」に対応する配置(即ち、初期配置)であって、現在の背面種別が背面Bの場合には、演出用カウンタ223gの値が「0〜19」の範囲に背面Aが対応付けられている。一方、演出用カウンタ223gの値が「20〜199」の範囲には、背面Bが対応付けられている。このため、振分回転体661が初期配置の場合には、背面Aから背面Bへと変更され難く、且つ、背面Bへと変更された場合に、背面Aへと戻り易くなるように構成されている。
これに対し、振分回転体661の配置が「01H」に対応する配置(通常流路652の直下が通常振分部661aとなる配置)で、現在の背面種別が背面Aの場合には、演出用カウンタ223gの値が「0〜179」の範囲に背面Aが対応付けられている。また、「180〜199」の範囲には、背面Bが対応付けられている。一方、振分回転体661の回転位置が「01H」に対応する配置であって、現在の背面種別が背面Bの場合には、演出用カウンタ223gの値が「0〜4」の範囲に背面Aが対応付けられている。一方、演出用カウンタ223gの値が「5〜199」の範囲には、背面Bが対応付けられている。このため、初期配置に比較して、背面Aから背面Bへと変更され易く、且つ、背面Bへと変更された場合に、背面Aへと戻り難くなるように構成されている。
ここで、上述した通り、大当たりの15ラウンド目になると、大当たり開始時の振分回転体661の配置から時計回りに90度回転動作した状態で、球が振分回転体661に到達可能となる。よって、通常流路652の直下が通常振分部661aとなる配置では、大当たり種別に関係なく、次の大当たりの15ラウンド目において、通常振分部661aに対して反時計回り方向に隣り合った確変振分部661dが入球可能となる。つまり、初期配置に比較して、「01H」に対応する配置の方が有利となる。従って、背面Bへと移行すること、および背面Bが維持されることにより、有利な配置であることを期待させることができるので、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができる。
なお、特別図柄の低確率状態において、振分回転体661が初期配置と異なる配置(初期配置から270度回転動作した配置)となるのは、確変振分部661dが通常流路652の直下に配置された状態で「大当たりC」となった場合である。特別図柄の確変状態から特別図柄の低確率状態へと移行する場合は、基本的に「大当たりC」となって初期配置となるか、初期配置から270度回転動作した配置となるかの2通りであるので、確変状態が終了した後において背面Bになった場合は、次の大当たりで再度確変状態へと移行することを期待させることができる。よって、確変状態が終了してから即座に遊技を終了してしまうことを防止できるので、パチンコ機10の稼働率を向上させることができる。
次に、図20を参照して、確変時選択テーブル222b2について説明する。図20に示した通り、振分回転体661の回転位置が初期配置(配置データ「00H」に対応する配置)であって、現在の背面種別が背面Cの場合には、演出用カウンタ223gの値が「0〜198」の範囲に背面Cが対応付けられ、演出用カウンタ223gの値「199」に背面Dが対応付けられている。また、現在の背面種別が背面Dの場合には、演出用カウンタ223gの値が「0〜29」の範囲に背面Cが対応付けられ、「30〜199」の範囲に背面Dが対応付けられている。よって、背面Dへと変更され難く、且つ、背面Dへと変更されたとしても、背面Cへと再度戻り易くなる。つまり、期待度の低い背面Cとなっている期間が長くなる。初期配置の状態で「大当たりC」になると、通常振分部661aへと入球するため、大当たり後に確変状態へと移行させることができない。つまり、遊技者にとって不利となる。よって、初期配置において背面Cに設定され易くすることにより、期待度を適切に報知することができる。
また、振分回転体661の回転位置が「01H」に対応する配置(通常振分部661aが通常流路652の直下となる配置)であって、現在の背面種別が背面Cの場合には、演出用カウンタ223gの値が「0〜164」の範囲に背面Cが対応付けられ、「165〜198」の範囲に背面Dが対応付けられ、演出用カウンタ223gの値「199」に背面Eが対応付けられている。また、現在の背面種別が背面Dの場合には、演出用カウンタ223gの値が「0〜189」の範囲に背面Dが対応付けられ、「190〜199」の範囲に背面Eが対応付けられている。また、現在の背面種別が背面Eの場合には、演出用カウンタ223gの値が「0〜9」の範囲に背面Cが対応付けられ、「10〜199」の範囲に背面Eが対応付けられている。上述した通り、配置データ「01H」に対応する配置は、次の大当たりで確変入球口671へと入球可能となる。また、次回、および2回後の大当たりで、決定される割合が高い「大当たりC」となることで、確変状態が少なくとも3回ループするので、「01H」に対応する配置は、確変状態において最も有利な配置である。よって、背面Cから背面Dへと変更され易く、且つ、背面Dから背面Cへと変更され難くなるように構成している。加えて、最も有利な状態を示唆する背面Eにも変更され得る構成としている。よって、背面種別の推移から有利な状態であることを期待させることができる。
また、振分回転体661の回転位置が「02H」に対応する配置(確変振分部661dが通常流路652の直下となる配置)であって、現在の背面種別が背面Cの場合には、演出用カウンタ223gの値が「0〜169」の範囲に背面Cが対応付けられ、「170〜199」の範囲に背面Dが対応付けられている。また、現在の背面種別が背面Dの場合には、演出用カウンタ223gの値が「0〜4」の範囲に背面Cが対応付けられ、「5〜199」の範囲に背面Dが対応付けられている。上述した通り、配置データ「02H」に対応する配置は、次の大当たりで確変入球口671へと入球可能となるため比較的有利な配置である。よって、配置データ「00H」や「03H」に対応する配置に比較して、背面Cから背面Dへと変更され易く、且つ、背面Dから背面Cへと変更され難くなるように構成している。
また、振分回転体661の回転位置が「03H」に対応する配置(確変振分部661cが通常流路652の直下となる配置)であって、現在の背面種別が背面Cの場合には、演出用カウンタ223gの値が「0〜194」の範囲に背面Cが対応付けられ、「195〜199」の範囲に背面Dが対応付けられている。また、現在の背面種別が背面Dの場合には、演出用カウンタ223gの値が「0〜19」の範囲に背面Cが対応付けられ、「20〜199」の範囲に背面Dが対応付けられている。上述した通り、配置データ「03H」に対応する配置は、次に「大当たりC」となった場合に確変状態が終了して通常状態へと移行してしまう不利な配置である。よって、配置データ「01H」や「02H」に対応する配置に比較して、背面Cから背面Dへと変更され難く、且つ、背面Dから背面Cへと変更され易くなるように構成している。よって、適切な期待度を報知することができる。なお、配置データ「00H」に対応する配置に比較して、配置データ「03H」に対応する配置の方が、背面Dに変更され易くなるように構成している。これは、次に「大当たりD」となった場合に、その「大当たりD」後の配置が遊技者にとって比較的有利な配置データ「02H」に対応する配置となるためである。これに対して初期配置で「大当たりD」になると、「大当たりD」後の配置が遊技者にとって不利な配置データ「03H」に対応する配置となる。よって、「大当たりD」となった場合も加味して、配置データ「03H」に対応する配置の方が、有利な背面種別が選択され易くなるように構成している。
このように、本実施形態では、振分回転体661の配置に応じて変更され易い背面種別を異ならせている。これにより、振分回転体661の配置と、有利度合いとの対応関係を理解していない遊技者であっても、背面種別によって有利度合いを推測させることができるので、より判り易い演出を提供することができる。
次に、図18(b)を参照して、音声ランプ制御装置113のRAM223について説明する。音声ランプ制御装置113のRAM223には、入賞情報格納エリア223aと、特別図柄保留球数カウンタ223bと、変動開始フラグ223cと、停止種別選択フラグ223dと、確変状態フラグ223eと、回転位置格納エリア223fと、演出用カウンタ223gと、過剰入賞フラグ223hと、電源断フラグ223yと、その他メモリエリア223zとが少なくとも設けられている。
入賞情報格納エリア223aは、1つの実行エリアと、4つのエリア(第1エリア〜第4エリア)とからなる記憶エリアを、特別図柄1、および特別図柄2のそれぞれに対して有している。各エリアには、入賞情報がそれぞれ格納される。本パチンコ機10では、主制御装置110において始動入賞となった場合に、その始動入賞に応じて取得された第1当たり乱数カウンタC1、第1当たり種別カウンタC2及び停止種別選択カウンタC3の各値から、その始動入賞に対応する特別図柄の抽選が行われた場合に得られる各種情報(当否、停止種別、変動パターン)が主制御装置110において予測(推定)され、その予測された各種情報が、主制御装置110から音声ランプ制御装置113へ入賞情報コマンドによって通知される。
音声ランプ制御装置113では、入賞情報コマンドが受信されると、その入賞情報コマンドにより通知された各種情報(当否、停止種別、変動パターン)が入賞情報として抽出されて、その入賞情報が、入賞情報格納エリア223aに記憶される。より具体的には、抽出された入賞情報が、4つのエリア(第1エリア〜第4エリア)の空いているエリアの中で、エリア番号(第1〜第4)の小さいエリアから順番に記憶される。つまり、エリア番号の小さいエリアほど、時間的に古い入賞に対応するデータが記憶され、第1エリアには、時間的に最も古い入賞に対応するデータが記憶される。
特別図柄保留球数カウンタ223bは、第1図柄表示装置37(および第3図柄表示装置81)で行われる変動演出(変動表示)であって、主制御装置110において保留されている変動演出の保留球数(待機回数)を特別図柄の種別毎に最大4回まで計数するカウンタである。
上述したように、音声ランプ制御装置113は、主制御装置110に直接アクセスして、主制御装置110のRAM203に格納されている特別図柄1保留球数カウンタ203d、および特別図柄2保留球数カウンタ203eの値を取得することができない。よって、音声ランプ制御装置113では、主制御装置110から送信される保留球数コマンドに基づいて保留球数をカウントし、特別図柄保留球数カウンタ223bにて、その保留球数を特別図柄の種別毎に管理するようになっている。
具体的には、主制御装置110では、第1入球口64、第2入球口640への入球によって変動表示の保留球数が加算された場合、又は、主制御装置110において特別図柄における変動表示が実行されて保留球数が減算された場合に、加算後または減算後の特別図柄1保留球数カウンタ203dの値、または特別図柄2保留球数カウンタ203eの値を示す保留球数コマンドを、音声ランプ制御装置113へ送信する。
音声ランプ制御装置113は、主制御装置110より送信される保留球数コマンドを受信すると、その保留球数コマンドから、主制御装置110の特別図柄1保留球数カウンタ203d、または特別図柄2保留球数カウンタ203eの値を取得して、特別図柄保留球数カウンタ223bに格納する(図44のS1707参照)。このように、音声ランプ制御装置113では、主制御装置110より送信される保留球数コマンドに従って、特別図柄保留球数カウンタ223bの値を更新するので、主制御装置110の特別図柄1保留球数カウンタ203d、および特別図柄2保留球数カウンタ203eの値と同期させながら、その値を更新することができる。
特別図柄保留球数カウンタ223bの値は、第3図柄表示装置81における保留球数図柄の表示に用いられる。即ち、音声ランプ制御装置113は、保留球数コマンドの受信に応じて、そのコマンドにより示される保留球数を特別図柄保留球数カウンタ223bに格納すると共に、格納後の特別図柄保留球数カウンタ223bの値を表示制御装置114に通知するべく、表示用保留球数コマンドを表示制御装置114に対して送信する。
表示制御装置114では、この表示用保留球数コマンドを受信すると、そのコマンドにより示される保留球数の値、即ち、音声ランプ制御装置113の特別図柄保留球数カウンタ223bの値分の保留球数図柄を第3図柄表示装置81の小領域Ds1に表示するように、画像の描画を制御する。上述したように、特別図柄保留球数カウンタ223bは、主制御装置110の特別図柄1保留球数カウンタ203d、特別図柄2保留球数カウンタ203eと同期しながら、その値が変更される。従って、第3図柄表示装置81の小領域Ds1に表示される保留球数図柄の数も、主制御装置110の特別図柄1保留球数カウンタ203d、特別図柄2保留球数カウンタ203eの値に同期させながら、変化させることができる。よって、第3図柄表示装置81には、変動表示が保留されている保留球の数を正確に表示させることができる。
変動開始フラグ223cは、主制御装置110から送信される変動パターンコマンドを受信した場合にオンされ(図44のS1702参照)、第3図柄表示装置81における変動表示の設定がなされるときにオフされる(図47のS2002参照)。変動開始フラグ223cがオンになると、受信した変動パターンコマンドから抽出された変動パターンに基づいて、表示用変動パターンコマンドが設定される。
ここで設定された表示用変動パターンコマンドは、RAM223に設けられたコマンド送信用のリングバッファに記憶され、MPU221により実行されるメイン処理(図43参照)のコマンド出力処理(S1602)の中で、表示制御装置114に向けて送信される。表示制御装置114では、この表示用変動パターンコマンドを受信することによって、この表示用変動パターンコマンドによって示される変動パターンで、第3図柄表示装置81において第3図柄の変動表示が行われるように、その変動演出の表示制御が開始される。
停止種別選択フラグ223dは、主制御装置110から送信される停止種別コマンドを受信した場合にオンされ(図44のS1705参照)、第3図柄表示装置81における停止種別の設定がなされるときにオフされる(図47のS2008参照)。停止種別選択フラグ223dがオンになると、受信した停止種別コマンドから抽出された停止種別(大当たりの場合には大当たり種別)に基づいて、停止種別が決定される。
確変状態フラグ223eは、特別図柄の確変状態であるか否かを示すフラグである。この確変状態フラグ223eは、主制御装置110から出力される状態コマンドに応じて更新される(図44のS1710参照)。本実施形態では、この確変状態フラグ223eに基づいて確変状態であるか否かを判別し、背面種別を変更するか否かの判定を行う。
回転位置格納エリア223fは、振分回転体661の配置を示す配置データを格納するための記憶領域である。この回転位置格納エリア223fは、主制御装置110の配置格納エリア203jと同一の構成となっている。即ち、初期配置(通常振分部661bが通常流路652の直下となる配置)では、「00H」の配置データが格納され、初期配置から90度、180度、270度回転動作した回転位置では、それぞれ「01H」、「02H」、「03H」の配置データが格納される。この回転位置格納エリア223fは、主制御装置110から出力される状態コマンドにより通知される、配置格納エリア203jに記憶された配置データが格納される(図44のS1710参照)。本実施形態では、この確変状態フラグ223eに基づいて確変状態であるか否かを判別し、背面種別を変更するか否かの判定を行う。
演出用カウンタ223gは、背面種別選択テーブル222bに基づいて、変動表示の開始時に背面種別を選択する場合に参照されるカウンタである。上述した通り、背面種別選択テーブル223bには、この演出用カウンタ223gの値毎に、選択される背面種別が規定されている。演出用カウンタ223gは、例えば、「0〜199」の範囲で繰り返し更新されるループカウンタで構成されている。この演出用カウンタ223gの値は、例えば、メイン処理(図43参照)の中で1ずつ更新される。演出用カウンタ223gを用いることで、背面種別の選択にランダム性を持たせることができる。
過剰入賞フラグ223hは、第1特定入賞口(第1大開放口)65a、または第2特定入賞口(第2大開放口)650aの開放期間において、規定個数(本実施形態では10個)以上の球が入賞したか否かを示すフラグである。この過剰入賞フラグ223hがオンであれば、規定個数以上の球が既に入球済みであることを意味し、オフであれば、入賞個数が規定個数に満たないことを意味する。この過剰入賞フラグ223hは、大当たり関連処理の中で、主制御装置110から閉鎖コマンドを受信したと判別された場合にオンに設定され(図45のS1802参照)、新たなラウンドの開始を示すラウンド数コマンド、または大当たりのエンディングの開始を示すエンディングコマンドを受信したと判別された場合にオフに設定される(図45のS1810,S1813参照)。本実施形態では、大開放口(第1大開放口65a、または第2大開放口650a)への入球を検出した場合(入球が入賞コマンドによって主制御装置110から通知された場合)に、この過剰入賞フラグ223hが参照され、規定個数を超える入賞であった場合(過剰入賞フラグ223hがオンの場合)は、通常とは異なる特殊な報知を実行する(特殊入賞音を設定する)。これにより、遊技者に対して、通常1ラウンドで得られる賞球数を上回る個数の賞球を獲得することができたことを容易に認識させることができるので、遊技者に対してより大きな満足感を抱かせることができる。
電源断フラグ223yは、瞬間的な停電があったか否かを判別するために用いられるフラグである。この電源断フラグ223yは、主制御装置110から電源断コマンドを受信し、電源断処理が実行される前にオンに設定される(図43のS1615参照)。その後、RAM223は揮発性メモリであるため、RAM223の情報は一定時間(100ミリ秒)経過後に全て消えてしまう。よって、音声ランプ制御装置113の立ち上げ処理(図42参照)において、電源断フラグ223yがオンである場合は(図42の1508:Yes参照)、電源断フラグ223yがオンに設定されてから一定時間(100ミリ秒)経過前に音声ランプ制御装置113が立ち上がった場合、即ち、瞬間的な停電があった場合である。この場合には、RAM223の情報は全て消えておらず、RAM223の作業領域に不要な情報(または、一部の情報のみが消えてしまったことで不完全となった情報など)が残っている場合があるので、RAM223の作業領域の情報をクリアする(図42のS1509参照)。これにより、不要(または、不完全)な情報に基づいて処理が実行されることがなくなるので、音声ランプ制御装置113の各処理を正常に動作させることができる。
その他メモリエリア223zは上述したデータ以外のデータを格納する領域として設けられており、音声ランプ制御装置113のMPU221が使用するその他カウンタ値などを一時的に記憶しておくための領域である。
RAM223は、その他、主制御装置110より受信したコマンドを、そのコマンドに対応した処理が行われるまで一時的に記憶するコマンド記憶領域(図示せず)や、演出時間を計時する経時タイマなどを有している。なお、コマンド記憶領域はリングバッファで構成され、FIFO(First In First Out)方式によってデータの読み書きが行われる。音声ランプ処理装置113のコマンド判定処理(図44参照)が実行されると、コマンド記憶領域に記憶された未処理のコマンドのうち、最初に格納されたコマンドが読み出され、コマンド判定処理によって、そのコマンドが解析されて、そのコマンドに応じた処理が行われる。
表示制御装置114は、音声ランプ制御装置113及び第3図柄表示装置81が接続され、音声ランプ制御装置113より受信したコマンドに基づいて、第3図柄表示装置81における第3図柄の変動表示(変動演出)や連続予告演出を制御するものである。この表示制御装置114の詳細については、図21を参照して後述する。
電源装置115は、パチンコ機10の各部に電源を供給するための電源部251と、停電等による電源遮断を監視する停電監視回路252と、RAM消去スイッチ122(図3参照)が設けられたRAM消去スイッチ回路253とを有している。電源部251は、図示しない電源経路を通じて、各制御装置110〜114等に対して各々に必要な動作電圧を供給する装置である。その概要としては、電源部251は、外部より供給される交流24ボルトの電圧を取り込み、各種スイッチ208などの各種スイッチや、ソレノイド209などのソレノイド、モータ等を駆動するための12ボルトの電圧、ロジック用の5ボルトの電圧、RAMバックアップ用のバックアップ電圧などを生成し、これら12ボルトの電圧、5ボルトの電圧及びバックアップ電圧を各制御装置110〜114等に対して必要な電圧を供給する。
停電監視回路252は、停電等の発生による電源遮断時に、主制御装置110のMPU201及び払出制御装置111のMPU211の各NMI端子へ停電信号SG1を出力するための回路である。停電監視回路252は、電源部251から出力される最大電圧である直流安定24ボルトの電圧を監視し、この電圧が22ボルト未満になった場合に停電(電源断、電源遮断)の発生と判断して、停電信号SG1を主制御装置110及び払出制御装置111へ出力する。停電信号SG1の出力によって、主制御装置110及び払出制御装置111は、停電の発生を認識し、NMI割込処理を実行する。なお、電源部251は、直流安定24ボルトの電圧が22ボルト未満になった後においても、NMI割込処理の実行に充分な時間の間、制御系の駆動電圧である5ボルトの電圧の出力を正常値に維持するように構成されている。よって、主制御装置110及び払出制御装置111は、NMI割込処理(図34参照)を正常に実行し完了することができる。
RAM消去スイッチ回路253は、RAM消去スイッチ122(図3参照)が押下された場合に、主制御装置110へ、バックアップデータをクリアさせるためのRAM消去信号SG2を出力するための回路である。主制御装置110は、パチンコ機10の電源投入時に、RAM消去信号SG2を入力した場合に、バックアップデータをクリアすると共に、払出制御装置111においてバックアップデータをクリアさせるための払出初期化コマンドを払出制御装置111に対して送信する。
次に、図21を参照して、表示制御装置114の電気的構成について説明する。図21は、表示制御装置114の電気的構成を示すブロック図である。表示制御装置114は、MPU231と、ワークRAM233と、キャラクタROM234と、常駐用ビデオRAM235と、通常用ビデオRAM236と、画像コントローラ237と、入力ポート238と、出力ポート239と、バスライン240,241とを有している。
入力ポート238の入力側には音声ランプ制御装置113の出力側が接続され、入力ポート238の出力側には、MPU231、ワークRAM233、キャラクタROM234、画像コントローラ237がバスライン240を介して接続されている。画像コントローラ237には、常駐用ビデオRAM235及び通常用ビデオRAM236が接続されると共に、バスライン241を介して出力ポート239が接続されている。また、出力ポート239の出力側には、第3図柄表示装置81が接続されている。
なお、パチンコ機10は、特別図柄の大当たりとなる抽選確率や、1回の特別図柄の大当たりで払い出される賞球数が異なる別機種であっても、第3図柄表示装置81で表示される図柄構成が全く同じ仕様の機種があるので、表示制御装置114は共通部品化されコスト低減が図られている。
以下では、先にMPU231、キャラクタROM234、画像コントローラ237、常駐用ビデオRAM235、通常用ビデオRAM236について説明し、次いで、ワークRAM233について説明する。
まず、MPU231は、主制御装置110の変動パターンコマンドに基づく音声ランプ制御装置113から出力された表示用変動パターンコマンドに基づいて、第3図柄表示装置81の表示内容を制御するものである。MPU231は、命令ポインタ231aを内蔵しており、命令ポインタ231aで示されるアドレスに格納された命令コードを読み出してフェッチし、その命令コードに従って各種処理を実行する。MPU231には、電源投入(停電からの復電を含む。以下、同じ。)直後に、電源装置115からシステムリセットがかけられるようになっており、そのシステムリセットが解除されると、命令ポインタ231aは、MPU231のハードウェアによって自動的に「0000H」に設定される。そして、命令コードがフェッチされる度に、命令ポインタ231aは、その値が1ずつ加算される。また、MPU231が命令ポインタの設定命令を実行した場合は、その設定命令により指示されたポインタの値が命令ポインタ231aにセットされる。
なお、詳細については後述するが、本実施形態において、MPU231によって実行される制御プログラムや、その制御プログラムで使用される各種の固定値データは、従来の遊技機のように専用のプログラムROMを設けて記憶させるのではなく、第3図柄表示装置81に表示させる画像のデータを記憶させるために設けられたキャラクタROM234に記憶させている。
詳細については後述するが、キャラクタROM234は、小面積で大容量化を図ることが可能なNAND型フラッシュメモリ234aによって構成されている。これにより、画像データだけでなく制御プログラム等を十分に記憶させておくことができる。そして、キャラクタROM234に制御プログラム等を記憶させておけば、制御プログラム等を記憶する専用のプログラムROMを設ける必要がない。よって、表示制御装置114における部品点数を削減することができ、製造コストを削減できるほか、部品数増加による故障発生率の増加を抑制することができる。
一方で、一般的にNAND型フラッシュメモリは、特にランダムアクセスを行う場合において読み出し速度が遅くなるという問題点がある。例えば、複数のページに連続して並んだデータの読み出しを行う場合において、2ページ目以降のデータは高速読み出しが可能であるが、最初の1ページ目のデータの読み出しには、アドレスが指定されてからデータが出力されるまでに大きな時間を要する。また、連続していないデータを読み出す場合は、そのデータを読み出す度に大きな時間を要する。このように、NAND型フラッシュメモリは、その読み出しに係る速度が遅いため、MPU231が直接キャラクタROM234から制御プログラムを読み出して各種処理を実行するように構成すると、制御プログラムを構成する命令の読み出しに時間がかかる場合が発生し、MPU231として高性能のプロセッサを用いても、表示制御装置114の処理性能を悪化させてしまうおそれがある。
そこで、本実施形態では、MPU231のシステムリセットが解除されると、まず、キャラクタROM234のNAND型フラッシュメモリ234aに記憶されている制御プログラムを、各種データの一時記憶用に設けたワークRAM233に転送して格納する。そして、MPU231はワークRAM233に格納された制御プログラムに従って、各種処理を実行する。ワークRAM233は、後述するようにDRAM(Dynamic RAM)によって構成され、高速でデータの読み書きが行われるので、MPU231は遅滞なく制御プログラムを構成する命令の読み出しを行うことができる。よって、表示制御装置114において高い処理性能を保つことができ、第3図柄表示装置81を用いて、多様化、複雑化させた演出を容易に実行することができる。
キャラクタROM234は、MPU231において実行される制御プログラムや、第3図柄表示装置81に表示される画像のデータを記憶したメモリであり、MPU231とバスライン240を介して接続されている。MPU231は、バスライン240を介してシステムリセット解除後にキャラクタROM234に直接アクセスし、そのキャラクタROM234の後述する第2プログラム記憶エリア234a1に記憶された制御プログラムを、ワークRAM233のプログラム格納エリア233aへ転送する。また、バスライン240には画像コントローラ237も接続されており、画像コントローラ237はキャラクタROM234の後述するキャラクタ記憶エリア234a2に格納された画像データを、画像コントローラ237に接続されている常駐用ビデオRAM235や通常用ビデオRAM236へ転送する。
このキャラクタROM234は、NAND型フラッシュメモリ234a、ROMコントローラ234b、バッファRAM234c、NOR型ROM234dをモジュール化して構成されている。
NAND型フラッシュメモリ234aは、キャラクタROM234におけるメインの記憶部として設けられる不揮発性のメモリであり、MPU231によって実行される制御プログラムの大部分や第3図柄表示装置81を駆動させるための固定値データを記憶する第2プログラム記憶エリア234a1と、第3図柄表示装置81に表示させる画像(キャラクタ等)のデータを格納するキャラクタ記憶エリア234a2とを少なくとも有する。
ここで、NAND型フラッシュメモリは、小さな面積で大きな記憶容量が得られる特徴を有しており、キャラクタROM234を容易に大容量化することができる。これにより、本パチンコ機において、例えば2ギガバイトの容量を持つNAND型フラッシュメモリ234aを用いることにより、第3図柄表示装置81に表示させる画像として、多くの画像をキャラクタ記憶エリア234a2に記憶させることができる。よって、遊技者の興趣をより高めるために、第3図柄表示装置81に表示される画像を多様化、複雑化することができる。
また、NAND型フラッシュメモリ234aは、多くの画像データをキャラクタ記憶エリア234a2に記憶させた状態で、更に、制御プログラムや固定値データも第2プログラム記憶エリア234a1に記憶させることができる。このように、制御プログラムや固定値データを、従来の遊技機のように専用のプログラムROMを設けて記憶させることなく、第3図柄表示装置81に表示させる画像のデータを記憶させるために設けられたキャラクタROM234に記憶させることができるので、表示制御装置114における部品点数を削減することができ、製造コストを削減できるほか、部品数増加による故障発生率の増加を抑制することができる。
ROMコントローラ234bは、キャラクタROM234の動作を制御するためのコントローラであり、例えば、バスライン240を介してMPU231や画像コントローラ237から伝達されたアドレスに基づいて、NAND型フラッシュメモリ234a等から該当するデータを読み出し、バスライン240を介してMPU231又は画像コントローラ237へ出力する。
ここで、NAND型フラッシュメモリ234aは、その性質上、データの書き込み時にエラービット(誤ったデータが書き込まれたビット)が比較的多く発生したり、データを書き込むことができない不良データブロックが発生したりする。そこで、ROMコントローラ234bは、NAND型フラッシュメモリ234aから読み出したデータに対して公知の誤り訂正を施し、また、不良データブロックを避けてNAND型フラッシュメモリ234aへのデータの読み書きが行われるように公知のデータアドレスの変換を実行する。
このROMコントローラ234bにより、エラービットを含むNAND型フラッシュメモリ234aから読み出されたデータに対して誤り訂正が行われるので、キャラクタROM234としてNAND型フラッシュメモリ234aを用いたとしても、誤ったデータに基づいてMPU231が処理を行ったり、画像コントローラ237が各種画像を生成したりすることを抑制することができる。
また、ROMコントローラ234bによってNAND型フラッシュメモリ234aの不良データブロックが解析され、その不良データブロックへのアクセスが回避されるので、MPU231や画像コントローラ237は、個々のNAND型フラッシュメモリ234aで異なる不良データブロックのアドレス位置を考慮することなく、キャラクタROM234へのアクセスを容易に行うことができる。よって、キャラクタROM234にNAND型フラッシュメモリ234aを用いても、キャラクタROM234へのアクセス制御が複雑化することを抑制することができる。
バッファRAM234cは、NAND型フラッシュメモリ234aから読み出したデータを一時的に記憶するバッファとして用いられるメモリである。MPU231や画像コントローラ237からバスライン240を介してキャラクタROM234に割り振られたアドレスが指定されると、ROMコントローラ234bは、その指定されたアドレスに対応するデータを含む1ページ分(例えば、2キロバイト)のデータがバッファRAM234cにセットされているか否かを判断する。そして、セットされていなければ、その指定されたアドレスに対応するデータを含む1ページ分(例えば、2キロバイト)のデータをNAND型フラッシュメモリ234a(またはNOR型ROM234d)より読み出してバッファRAM234cに一旦セットする。そして、ROMコントローラ234bは、公知の誤り訂正処理を施した上で、指定されたアドレスに対応するデータを、バスライン240を介してMPU231や画像コントローラ237に出力する。
このバッファRAM234cは、2バンクで構成されており、1バンク当たりNAND型フラッシュメモリ234aの1ページ分のデータがセットできるようになっている。これにより、ROMコントローラ234bは、例えば、一方のバンクにデータをセットした状態のまま他方のバンクを使用して、NAND型フラッシュメモリ234aのデータを外部に出力したり、MPU231や画像コントローラ237より指定されたアドレスに対応するデータを含む1ページ分のデータをNAND型フラッシュメモリ234aから一方のバンクに転送してセットする処理と、MPU231や画像コントローラ237によって指定されたアドレスに対応するデータを他方のバンクから読み出してMPU231や画像コントローラ237に対して出力する処理とを、並列して処理したりすることができる。よって、キャラクタROM234の読み出しにおける応答性を向上させることができる。
NOR型ROM234dは、キャラクタROM234におけるサブの記憶部として設けられる不揮発性のメモリであり、NAND型フラッシュメモリ234aを補完することを目的にそのNAND型フラッシュメモリ234aよりも極めて小容量(例えば、2キロバイト)に構成されている。このNOR型ROM234dには、キャラクタROM234に記憶される制御プログラムのうち、NAND型フラッシュメモリ234aの第2プログラム記憶エリア234a1に記憶されていないプログラム、具体的には、MPU231においてシステムリセット解除後に最初に実行されるブートプログラムの一部を格納する第1プログラム記憶エリア234d1が少なくとも設けられている。
ブートプログラムは、第3図柄表示装置81に対する各種制御が実行可能となるように表示制御装置114を起動するための制御プログラムであり、システムリセット解除後にMPU231が先ずこのブートプログラムを実行する。これにより、表示制御装置114において各種制御が実行可能に状態とすることができる。第1プログラム記憶エリア234d1は、このブートプログラムのうち、バッファRAM234cの1バンク分(即ち、NAND型フラッシュメモリ234aの1ページ分)の容量の範囲で、システムリセット解除後にMPU231によって最初に処理すべき命令から所定数の命令(例えば、1ページの容量が2キロバイトであれば、1024ワード(1ワード=2バイト)分の命令)を格納する。なお、第1プログラム記憶エリア234d1に格納されるブートプログラムの命令数は、バッファRAM234cの1バンク分の容量以下に収まっていればよく、表示制御装置114の仕様に合わせて適宜設定されるものであってもよい。
MPU231は、システムリセットが解除されると、ハードウェアによって命令ポインタ231aの値を「0000H」に設定すると共に、バスライン240に対して命令ポインタ231aにて示されるアドレス「0000H」を指定するように構成されている。一方、キャラクタROM234のROMコントローラ234bは、バスライン240にアドレス「0000H」が指定されたことを検知すると、NOR型ROM234dの第1プログラム記憶エリア234d1に記憶されたブートプログラムをバッファRAM234cの一方のバンクにセットして、対応するデータ(命令コード)をMPU231へ出力する。
MPU231は、キャラクタROM234から受け取った命令コードをフェッチすると、そのフェッチした命令コードに従って各種処理を実行するとともに、命令ポインタ231aを1だけ加算し、命令ポインタ231aにて示されるアドレスをバスライン240に対して指定する。そして、キャラクタROM234のROMコントローラ234bは、バスライン240によって指定されたアドレスがNOR型ROM234dに記憶されたプログラムを指し示すアドレスである間、先にNOR型ROM234dからバッファRAM234cにセットされたプログラムの中から、対応するアドレスの命令コードをバッファRAM234cより読み出して、MPU231に対して出力する。
ここで、本実施形態において、制御プログラムを全てNAND型フラッシュメモリ234aに格納するのではなく、ブートプログラムのうち、システムリセット解除後にMPU231によって最初に処理すべき命令から所定数の命令をNOR型ROM234dに格納するのは、次の理由による。即ち、NAND型フラッシュメモリ234aは、上述したように、最初の1ページ目のデータの読み出しにおいて、アドレスを指定してからデータが出力されるまでに大きな時間を要する、というNAND型フラッシュメモリ特有の問題がある。
このようなNAND型フラッシュメモリ234aに対して制御プログラムを全て格納すると、システムリセット解除後にMPU231が最初に実行すべき命令コードをフェッチするためにMPU231からバスライン240を介してアドレス「0000H」が指定された場合、キャラクタROM234はアドレス「0000H」に対応するデータ(命令コード)を含む1ページ分のデータをNAND型フラッシュメモリ234aから読み出してバッファRAM234cにセットしなければならい。そして、NAND型フラッシュメモリ234aの性質上、その読み出しからバッファRAM234cへのセットに多大な時間を要することになるので、MPU231は、アドレス「0000H」を指定してからアドレス「0000H」に対応する命令コードを受け取るまでに多くの待ち時間を消費する。よって、MPU231の起動にかかる時間が長くなるので、結果として、表示制御装置114における第3図柄表示装置81の制御が即座に開始されないおそれがあるという問題点が生じる。
これに対し、NOR型ROMは高速にデータを読み出すことが可能なメモリであるので、ブートプログラムのうち、システムリセット解除後にMPU231によって最初に処理すべき命令から所定数の命令をNOR型ROM234dに格納することによって、システムリセット解除後にMPU231からバスライン240を介してアドレス「0000H」が指定されると、キャラクタROM234は即座にNOR型ROM234dの第1プログラム記憶エリア234d1に記憶されたブートプログラムをバッファRAM234cにセットして、対応するデータ(命令コード)をMPU231へ出力することができる。よって、MPU231は、アドレス「0000H」を指定してから短い時間でアドレス「0000H」に対応する命令コードを受け取ることができ、MPU231の起動を短時間で行うことができる。従って、読み出し速度の遅いNAND型フラッシュメモリ234aで構成されたキャラクタROM234に制御プログラムを格納しても、表示制御装置114における第3図柄表示装置81の制御を即座に開始することができる。
さて、ブートプログラムは、NAND型フラッシュメモリ234aの第2プログラム記憶エリア234a1に記憶されている制御プログラム、即ち、NOR型ROM234dの第1プログラム記憶エリア234d1に記憶されているブートプログラムを除く制御プログラムや、その制御プログラムで用いられる固定値データ(例えば、後述する表示データテーブル、転送データテーブルなど)を、所定量(例えば、NAND型フラッシュメモリ234aの1ページ分の容量)ずつワークRAM233のプログラム格納エリア233aやデータテーブル格納エリア233bへ転送するようにプログラミングされている。そして、MPU231は、まず、システムリセット解除後に第1プログラム記憶エリア234d1から読み出したブートプログラムに従って、第2プログラム記憶エリア234a1に記憶されている制御プログラムを、第1プログラム記憶エリア234d1のブートプログラムがセットされているバッファRAM234cのバンクとは異なるバンクを使用しながら、所定量だけプログラム格納エリア233aに転送し、格納する。
ここで、第1プログラム記憶エリア234d1に記憶されているブートプログラムは、上述したように、バッファRAM234cの1バンク分に相当する容量で構成されているので、内部バスのアドレスが「0000H」に指定されたことを受けて第1プログラム記憶エリア234d1のブートプログラムがバッファRAM234cにセットされる場合、そのブートプログラムはバッファRAM234cの一方のバンクにのみセットされる。よって、第1プログラム記憶エリア234d1のブートプログラムに従って、第2プログラム記憶エリア234a1に記憶されている制御プログラムをプログラム格納エリア233aに転送する場合は、バッファRAM234cの一方のバンクにセットされた第1プログラム記憶エリア234d1のブートプログラムを残したまま、他方のバンクを使用してその転送処理を実行することができる。従って、その転送処理後に、第1プログラム記憶エリア234d1のブートプログラムを再度バッファRAM234cにセットし直すといった処理が不要であるので、ブート処理に係る時間を短くすることができる。
第1プログラム記憶エリア234d1に記憶されているブートプログラムは、第2プログラム記憶エリア234a1に記憶されている制御プログラムを所定量だけプログラム格納エリア233aに転送すると、命令ポインタ231aをプログラム格納エリア233a内の第1の所定番地に設定するようにプログラミングされている。これにより、システムリセット解除後、MPU231によって第2プログラム記憶エリア234a1に記憶されている制御プログラムが所定量だけプログラム格納エリア233aに転送されると、命令ポインタ231aがプログラム格納エリア233aの第1の所定番地に設定される。
よって、第2プログラム記憶エリア234a1に記憶されている制御プログラムのうち所定量のプログラムがプログラム格納エリア233aに格納されると、MPU231は、そのプログラム格納エリア233aに格納された制御プログラムを読み出して、各種処理を実行することができる。即ち、MPU231は、第2プログラム記憶エリア234a1を有するNAND型フラッシュメモリ234aから制御プログラムを読み出して命令フェッチするのではなく、プログラム格納エリア233aを有するワークRAM233に転送された制御プログラムを読み出して命令フェッチし、各種処理を実行することになる。後述するように、ワークRAM233はDRAMによって構成されるため、高速に読み出し動作が行われる。よって、制御プログラムの殆どを読み出し速度の遅いNAND型フラッシュメモリ234aに記憶させた場合であっても、MPU231は高速に命令をフェッチし、その命令に対する処理を実行することができる。
ここで、第2プログラム記憶エリア234a1に記憶されている制御プログラムには、第1プログラム記憶エリア234d1に記憶されていない残りのブートプログラムが含まれている。一方、第1プログラム記憶エリア234d1に記憶されているブートプログラムは、ワークRAM233のプログラム格納エリア233aに所定量だけ第2プログラム記憶エリア234a1から転送される制御プログラムの中に、その残りのブートプログラムが含まれるようにプログラミングされていると共に、プログラム格納エリア233aに格納されたその残りのブートプログラムの先頭アドレスを第1の所定番地として命令ポインタ231aを設定するようにプログラミングされている。
これにより、MPU231は、第1プログラム記憶エリア234d1に記憶されているブートプログラムによって、第2プログラム記憶エリア234a1に記憶されている制御プログラムを所定量だけプログラム格納エリア233aに転送した後、その転送した制御プログラムに含まれる残りのブートプログラムを実行する。
この残りのブートプログラムでは、プログラム格納エリア233aに転送されていない残りの制御プログラムやその制御プログラムで用いられる固定値データ(例えば、後述する表示データテーブル、転送データテーブルなど)を全て第2プログラム記憶エリア234a1から所定量ずつプログラム格納エリア233a又はデータテーブル格納エリア233bに転送する処理を実行する。また、ブートプログラムの最後で、命令ポインタ231aをプログラム格納エリア233a内の第2の所定番地に設定する。具体的には、この第2の所定番地として、プログラム格納エリア233aに格納された、ブートプログラムによるブート処理(図49のS2201参照)の終了後に実行される初期化処理(図49のS2202参照)に対応するプログラムの先頭アドレスを設定する。
MPU231は、この残りのブートプログラムを実行することによって、第2プログラム記憶エリア234a1に記憶されている制御プログラムや固定値データが全てプログラム格納エリア233a又はデータテーブル格納エリア233bに転送される。そして、ブートプログラムがMPU231により最後まで実行されると、命令ポインタ231aが第2の所定番地に設定され、以後、MPU231は、NAND型フラッシュメモリ234aを参照することなく、プログラム格納エリア233aに転送された制御プログラムを用いて各種処理を実行する。
よって、制御プログラムの殆どを読み出し速度の遅いNAND型フラッシュメモリ234aによって構成されるキャラクタROM234に記憶させた場合であっても、システムリセット解除後にその制御プログラムをワークRAM233のプログラム格納エリア233aに転送することで、MPU231は、読み出し速度が高速なDRAMによって構成されるワークRAMから制御プログラムを読み出して各種制御を行うことができる。従って、表示制御装置114において高い処理性能を保つことができ、第3図柄表示装置81を用いて、多様化、複雑化させた演出を容易に実行することができる。
また、上述したように、NOR型ROM234dにブートプログラムを全て格納せずに、システムリセット解除後にMPU231によって最初に処理すべき命令から所定数の命令を格納しておき、残りのブートプログラムについては、NAND型フラッシュメモリ234aの第2プログラム記憶エリア234a1に記憶させても、第2プログラム記憶エリア234a1に記憶されている制御プログラムを確実にプログラム格納エリア233aに転送することができる。よって、キャラクタROM234は、極めて小容量のNOR型ROM234dを追加するだけで、MPU231の起動を短時間で行うことができるようになるので、その短時間化に伴うキャラクタROM234のコスト増加を抑制することができる。
画像コントローラ237は、画像を描画し、その描画した画像を所定のタイミングで第3図柄表示装置81に表示させるデジタル信号プロセッサ(DSP)である。画像コントローラ237は、MPU231から送信される後述の描画リスト(図27参照)に基づき1フレーム分の画像を描画して、後述する第1フレームバッファ236bおよび第2フレームバッファ236cのいずれか一方のフレームバッファに描画した画像を展開すると共に、他方のフレームバッファにおいて先に展開された1フレーム分の画像情報を第3図柄表示装置81へ出力することによって、第3図柄表示装置81に画像を表示させる。画像コントローラ237は、この1フレーム分の画像の描画処理と1フレーム分の画像の表示処理とを、第3図柄表示装置81における1フレーム分の画像表示時間(本実施形態では、20ミリ秒)の中で並列処理する。
画像コントローラ237は、1フレーム分の画像の描画処理が完了する20ミリ秒毎に、MPU231に対して垂直同期割込信号(以下、「V割込信号」と称す)を送信する。MPU231は、このV割込信号を検出する度に、V割込処理(図51(b)参照)を実行し、画像コントローラ237に対して、次の1フレーム分の画像の描画を指示する。この指示により、画像コントローラ237は、次の1フレーム分の画像の描画処理を実行すると共に、先に描画によって展開された画像を第3図柄表示装置81に表示させる処理を実行する。
このように、MPU231は、画像コントローラ237からのV割込信号に伴ってV割込処理を実行し、画像コントローラ237に対して描画指示を行うので、画像コントローラ237は、画像の描画処理および表示処理間隔(20ミリ秒)毎に、画像の描画指示をMPU231より受け取ることができる。よって、画像コントローラ237では、画像の描画処理や表示処理が終了していない段階で、次の画像の描画指示を受け取ることがないので、画像の描画途中で新たな画像の描画を開始したり、表示中の画像情報が格納されているフレームバッファに、新たな描画指示に伴って画像が展開されたりすることを防止することができる。
画像コントローラ237は、また、MPU231からの転送指示や、描画リストに含まれる転送データ情報に基づいて、画像データをキャラクタROM234から常駐用ビデオRAM235や通常用ビデオRAM236に転送する処理も実行する。
なお、画像の描画は、常駐用ビデオRAM235および通常用ビデオRAM236に格納された画像データを用いて行われる。即ち、描画の際に必要となる画像データは、その描画が行われる前に、MPU231からの指示に基づき、キャラクタROM234から常駐用ビデオRAM235または通常用ビデオRAM236へ転送される。
ここで、一般的にNAND型フラッシュメモリは、ROMの大容量化を容易にする一方、読み出し速度がその他のROM(マスクROMやEEPROMなど)と比して遅い。これに対し、表示制御装置114では、MPU231が、キャラクタROM234に格納されている画像データのうち一部の画像データを電源投入後に常駐用ビデオRAM235に転送するように、画像コントローラ237に対して指示するよう構成されている。そして、後述するように、常駐用ビデオRAM235に格納された画像データは、上書きされることなく常駐されるように制御される。
これにより、電源が投入されてから常駐用ビデオRAM235に常駐すべき画像データの転送が終了した後は、常駐用ビデオRAM235に常駐された画像データを使用しながら、画像コントローラ237にて画像の描画処理を行うことができる。よって、描画処理に使用する画像データが常駐用ビデオRAM235に常駐されていれば、画像描画時に読み出し速度の遅いNAND型フラッシュメモリ234aで構成されたキャラクタROM234から対応する画像データを読み出す必要がないため、その読み出しにかかる時間を省略でき、画像の描画を即座に行って第3図柄表示装置81に描画した画像を表示することができる。
特に、常駐用ビデオRAM235には、頻繁に表示される画像の画像データや、主制御装置110または表示制御装置114によって表示が決定された後、即座に表示すべき画像の画像データを常駐させるので、キャラクタROM234をNAND型フラッシュメモリ234aで構成しても、第3図柄表示装置81に何らかの画像を表示させるまでの応答性を高く保つことができる。
また、表示制御装置114は、常駐用ビデオRAM235に非常駐の画像データを用いて画像の描画を行う場合は、その描画が行われる前に、キャラクタROM234から通常用ビデオRAM236に対して描画に必要な画像データを転送するように、MPU231が画像コントローラ237に対して指示するよう構成されている。後述するように、通常用ビデオRAM236に転送された画像データは、画像の描画に用いられた後、上書きによって削除される可能性はあるものの、画像描画時には、読み出し速度の遅いNAND型フラッシュメモリ234aで構成されたキャラクタROM234から対応する画像データを読み出す必要がなく、その読み出しにかかる時間を省略できるので、画像の描画を即座に行って第3図柄表示装置81に描画した画像を表示することができる。
また、通常用ビデオRAM236にも画像データを格納することによって、全ての画像データを常駐用ビデオRAM235に常駐させておく必要がないため、大容量の常駐用ビデオRAM235を用意する必要がない。よって、常駐用ビデオRAM235を設けたことによるコスト増大を抑えることができる。
画像コントローラ237は、NAND型フラッシュメモリ234aの1ブロック分の容量である132キロバイトのSRAMによって構成されたバッファRAM237aを有している。
MPU231が、転送指示や描画リストの転送データ情報によって画像コントローラ237に対して行う画像データの転送指示には、転送すべき画像データが格納されているキャラクタROM234の先頭アドレス(格納元先頭アドレス)と最終アドレス(格納元最終アドレス)、転送先の情報(常駐用ビデオRAM235及び通常用ビデオRAM236のいずれに転送するかを示す情報)、及び転送先(常駐用ビデオRAM235又は通常用ビデオRAM236)の先頭アドレスが含まれる。なお、格納元最終アドレスに代えて、転送すべき画像データのデータサイズを含めてもよい。
画像コントローラ237は、この転送指示の各種情報に従って、キャラクタROM234の所定アドレスから1ブロック分のデータを読み出して一旦バッファRAM237aに格納し、常駐用ビデオRAM235または通常用ビデオRAM236の未使用時に、バッファRAM237aに格納された画像データを常駐RAM235または通常用ビデオRAM236に転送する。そして、転送指示により示された格納元先頭アドレスから格納元最終アドレスに格納された画像データが全て転送されるまで、その処理を繰り返し実行する。
これにより、キャラクタROM234から時間をかけて読み出された画像データを一旦そのバッファRAM237aに格納し、その後、その画像データをバッファRAM237aから常駐用ビデオRAM235又は通常用ビデオRAM236へ短時間で転送することができる。よって、キャラクタROM234から画像データが常駐用ビデオRAM235又は通常用ビデオRAM236へ転送される間に、常駐用ビデオRAM235又は通常用ビデオRAM236が、その画像データの転送で長時間占有されるのを防止することができる。従って、画像データの転送により常駐用ビデオRAM235や通常用ビデオRAM236が占有されることで、画像の描画処理にそれらのビデオRAM235,236が使用できず、結果として必要な時間までに画像の描画や、第3図柄表示装置81への表示が間に合わないことを防止することができる。
また、バッファRAM234cから常駐用ビデオRAM235又は通常用ビデオRAM236への画像データへの転送は、画像コントローラ237によって行われるので、常駐用ビデオRAM235及び通常用ビデオRAM236が画像の描画処理や第3図柄表示装置81への表示処理に未使用である期間を容易に判定することができ、処理の単純化を図ることができる。
常駐用ビデオRAM235は、キャラクタROM234より転送された画像データが、電源投入中、上書きされることがなく保持され続けるように用いられ、電源投入時主画像エリア235a、背面画像エリア235c、キャラクタ図柄エリア235e、エラーメッセージ画像エリア235fが設けられているほか、電源投入時変動画像エリア235b、第3図柄エリア235dが少なくとも設けられている。
電源投入時主画像エリア235aは、電源が投入されてから常駐用ビデオRAM235に常駐すべき全ての画像データが格納されるまでの間に第3図柄表示装置81に表示する電源投入時主画像に対応するデータを格納する領域である。また、電源投入時変動画像エリア235bは、第3図柄表示装置81に電源投入時主画像が表示されている間に遊技者によって遊技が開始され、第1入球口64、または第2入球口640への入球が検出された場合に、主制御装置110において行われた抽選結果を変動演出によって表示する電源投入時変動画像に対応する画像データを格納する領域である。
MPU231は、電源部251から電源供給が開始されたときに、キャラクタROM234から電源投入時主画像および電源投入時変動画像に対応する画像データを電源投入時主画像エリア235aへ転送するように、画像コントローラ237へ転送指示を送信する(図49のS2203,S2204参照)。
ここで、図22を参照して、電源投入時変動画像について説明する。図22は、表示制御装置114が電源投入直後において、常駐用ビデオRAM235に対して格納すべき画像データをキャラクタROM234から転送している間に、第3図柄表示装置81にて表示される電源投入時画像を説明する説明図である。
表示制御装置114は、電源投入直後に、キャラクタROM234から電源投入時主画像および電源投入時変動画像に対応する画像データを、電源投入時主画像エリア235aおよび電源投入時変動画像エリア235bへ転送すると、続いて、常駐用ビデオRAM235に格納すべき残りの画像データを、キャラクタROM234から常駐用ビデオRAM235に対して転送する。この残りの画像データの転送が行われている間、表示制御装置114は、先に電源投入時主画像エリア235aに格納された画像データを用いて、図22(a)に示す電源投入時主画像を第3図柄表示装置81に表示させる。
このとき、変動開始の指示コマンドである主制御装置110からの変動パターンコマンドに基づき音声ランプ制御装置113から送信される表示用変動パターンコマンドを受信すると、表示制御装置114は、図22(b)に示すように、電源投入時主画像の表示画面上に、画面に向かって右下の位置に「○」図柄の電源投入時変動画像と、図22(c)に示すように、「○」図柄と同位置に「×」図柄の電源投入時変動画像とを、変動期間中、交互に繰り返して表示する。そして、主制御装置110からの変動パターンコマンドや停止種別コマンドに基づき音声ランプ制御装置113から送信される表示用変動パターンコマンドおよび表示用停止種別コマンドから、主制御装置110にて行われた抽選の結果を判断し、「特別図柄の大当たり」である場合は図22(b)に示す画像を変動演出の停止後に一定期間表示させ、「特別図柄の外れ」である場合は図22(c)に示す画像を変動演出の停止後に一定期間表示させる。
MPU231は、常駐用ビデオRAM235に常駐すべき全ての画像データが常駐用ビデオRAM235に対して転送されるまで、画像コントローラ237に対し、電源投入時主画像エリア235aに格納された画像データを用いて電源投入時主画像の描画を行うよう指示する。これにより、残りの常駐すべき画像データが常駐用ビデオRAM235に転送されている間、遊技者やホール関係者は、第3図柄表示装置81に表示された電源投入時主画像を確認することができる。よって、表示制御装置114は、電源投入時主画像を第3図柄表示装置81に表示させている間に、時間をかけて残りの常駐すべき画像データをキャラクタROM234から常駐用ビデオRAM235に転送することができる。また、遊技者等は、電源投入時主画像が第3図柄表示装置81に表示されている間、何らかの処理が行われていることを認識できるので、残りの常駐用ビデオRAM235に常駐すべき画像データが、キャラクタROM234から常駐用ビデオRAM235に転送されるまでの間、動作が停止していないか、といった不安を持つことなく、常駐用ビデオRAM235への画像データの転送が完了するまで待機することができる。
また、製造時の工場等における動作チェックにおいても、電源投入時主画像がすぐに第3図柄表示装置81に表示されることによって、第3図柄表示装置81が電源投入によって問題なく動作が開始されていることをすぐに確認することができ、更に、キャラクタROM234に読み出し速度の遅いNAND型フラッシュメモリ234aを用いることにより動作チェックの効率が悪化することを抑制できる。
また、電源投入時主画像が第3図柄表示装置81に表示されている間に遊技者が遊技を開始し、第1入口球64に入球が検出された場合は、電源投入時変動画像エリア235bに常駐された電源投入時変動画像に対応する画像データを用いて電源投入時変動画像が描画され、図22(b)及び(c)に示す画像が交互に第3図柄表示装置81に表示されるように、MPU231から画像コントローラ237に対して指示される。これにより、電源投入時変動画像を用いて簡単な変動演出を行うことができる。よって、遊技者は、電源投入時主画像が第3図柄表示装置81に表示されている間であっても、その簡単な変動演出によって確実に抽選が行われたことを確認することができる。
また、電源投入時主画像が第3図柄表示装置81に表示される段階で、すでに電源投入時変動演出画像に対応する画像データが電源投入時変動画像エリア235bに常駐されているので、電源投入時主画像が第3図柄表示装置81に表示されている間に第1入口球64に入球が検出された場合は、対応する変動演出を第3図柄表示装置81に即座に表示させることができる。
図21に戻って、説明を続ける。背面画像エリア235cは、第3図柄表示装置81に表示される背面画像に対応する画像データを格納する領域である。ここで、図23を参照して、背面画像と、その背面画像のうち、背面画像エリア235cに格納される背面画像の範囲について説明する。図23は、4種類の背面画像と、各背面画像に対して常駐用ビデオRAM235の背面画像エリア235cに格納される背面画像の範囲を説明する説明図であり、図23(a)は、「街中ステージ」に対応する背面Aに対して、図23(b)は、「森ステージ」、「川ステージ」、および「空ステージ」に対応する背面B〜Dに対してそれぞれ示したものである。
上述した通り、背面A、および背面Bは、いずれも特別図柄の低確率状態において設定される背面種別であり、背面Aに比較して、背面Bの方が有利な状態(振分回転体661の配置)で設定され易くなるように構成されている。一方、背面C、背面Dは、特別図柄の確変状態において設定される背面種別であり、背面Cに比較して、背面Dの方が有利な状態(振分回転体661の配置)で設定され易くなるように構成されている。また、図24は、「島ステージ」に対応する背面Eに対して示したものである。上述した通り、背面Eは、特別図柄の確変状態において設定される背面種別の一つであり、振分回転体661が最も有利な配置(配置データ「01H」に対応する、通常流路652の直下が通常振分部661aとなる配置)の場合にのみ設定され得る背面種別である(図20参照)。
各背面A〜Dに対応する背面画像は、図23に示すように、いずれも第3図柄表示装置81において表示される表示領域よりも水平方向に長い画像が、キャラクタROM234に用意されている。画像コントローラ237は、その画像を水平方向に左から右へスクロールさせながら背面画像が第3図柄表示装置81に表示されるように、画像の描画をおこなう。
各背面A〜Dに用意された画像(以下、「スクロール用画像」と称す。)は、いずれも位置aおよび位置cのところで背面画像が連続するように画像が構成されている。そして、位置cから位置dの間の画像および位置aから位置a’の間の画像は、表示領域の水平方向の幅分の画像によって構成されており、位置cから位置dの間にある画像が表示領域として第3図柄表示装置81に表示された後に、位置aから位置a’の間にある画像を表示領域として第3図柄表示装置81に表示させると、第3図柄表示装置81にスムーズなつながりで背面画像がスクロール表示されるようになっている。
背面種別選択テーブル222bに基づいて背面種別の変更が決定され、ステージが「街中ステージ」、「森ステージ」、「川ステージ」、または「空ステージ」に変更されると、MPU231は、対応する背面画像のまず位置aから位置a’の間を表示領域の初期位置として設定し、その初期位置の画像が第3図柄表示装置81に表示されるように、画像コントローラ237を制御する。そして、時間の経過とともに、表示領域をスクロール用画像に対して左から右に移動させ、順次その表示領域が第3図柄表示装置81に表示されるように画像コントローラ237を制御し、更に、表示領域が位置cから位置dの間の画像に到達した場合、再び表示領域を位置aから位置a’の画像として第3図柄表示装置81に表示されるように画像コントローラ237を制御する。よって、第3図柄表示装置81には、位置a〜位置cの間の画像を、左方向に向かって流れるように、スムーズなつながりで繰り返しスクロールされて表示させることができる。
一方、背面Eにおける背面画像は、図24に示すように、時間の経過とともに、図24の(a)→(b)→(c)→(a)→・・・の順で、第3図柄表示装置81に表示される。具体的には、背面Eは、島にそびえる山の画像と、山のふもとに広がる砂浜の画像と、島を囲む海の画像とが、その表示される位置が固定された状態で第3図柄表示装置81に表示される。一方、山の上に広がる空の画像は、その色調が時間経過とともに変化する。
ステージが「島ステージ」に変更されると、背面Eの初期背面画像として、図24(a)に示す背面画像が表示される。この図24(a)に示す背面画像では、朝やけを示すオレンジ色の空が表示される。そして、時間の経過とともに空の色調がオレンジ色から徐々に鮮やかな青色に変化して、所定時間経過後、図24(b)に示す背面画像が表示される。図24(b)に示す背面画像では、昼を示す鮮やかな青色の空が表示される。次に、時間の経過とともに空の色調が鮮やかな青色から徐々に黒色に変化して、所定時間経過後、図24(c)に示す背面画像が表示される。図24(c)に示す背面画像では、夜を示す黒色の空が表示される。その後、時間の経過とともに空の色調が黒色から徐々に白みはじめ更にオレンジ色に変化する。そして、所定時間経過後、図24(a)に示す背面画像に戻って、再び図24(a)〜(c)の背面画像が第3図柄表示装置81に表示される。
次いで、各背面画像において、背面画像エリア235cに格納される背面画像の範囲について説明する。初期ステージである街中ステージに対応する背面Aは、図23(a)に示すように、その背面Aの全範囲、即ち、位置aから位置dに対応する画像データが全て常駐用ビデオRAM235の背面画像エリア235cに格納される。通常、初期ステージである「街中ステージ」を表示させたまま、ステージを変更せずに遊技が行われる場合が多いので、多頻度で表示される「街中ステージ」に対応する背面Aの画像データを全て背面画像エリア235cに常駐させておくことで、キャラクタROM234へのデータアクセス回数を減らすことができる。よって、表示制御装置114にかかる処理負荷を軽減することができる。
一方、「森ステージ」に対応する背面B、「川ステージ」に対応する背面C、および「空ステージ」に対応する背面Dは、図23(b)に示すように、その背面の一部領域、即ち、位置aから位置bの間の画像に対応する画像データだけが常駐用ビデオRAM235の背面画像エリア235cに格納される。また、島ステージに対応する背面Eは、図24(a)を含み、図24(b)を除く図24(a)〜(b)の間の背面画像に対応する画像データが、電源投入後の立ち上げ処理の中で常駐用ビデオRAM235の背面画像エリア235cに格納され、常駐される。
ここで、即座に背面画像を変更するためには、全ての背面画像について全範囲の画像データを常駐用ビデオRAM235に常駐させておくことが理想的であるが、そのようにすると常駐用ビデオRAM235として非常に大きな容量のRAMを用いなければならず、コストの増大につながるおそれがある。
これに対し、本パチンコ機10では、ステージが変更された場合に最初に表示される背面画像の初期位置を、位置aから位置a’の範囲(または図24(a)〜(b)の範囲)に固定し、その初期位置を含む位置aから位置bの間の画像(または図24(a)〜(b)の間の画像)に対応する画像データを常駐用ビデオRAM235の背面画像エリア235cに格納しておく構成としているので、キャラクタROM234を読み出し速度の遅いNAND型フラッシュメモリ234aで構成しても、変動開始時の抽選によりステージの変更が決定された場合に、常駐用ビデオRAM235の背面画像エリア235cに常駐されている画像データを用いることによって、即座にその背面B〜Dの初期位置を第3図柄表示装置81に表示させることができ、また、時間経過とともにスクロール表示または色調を変化させながら表示させることができる。また、背面B〜Dについては、一部範囲の画像に対応する画像データだけを格納するので、常駐用ビデオRAM235の記憶容量の増大を抑制でき、コストの増大を抑えることができる。
また、背面B〜Dは、初期位置の画像が表示された後、常駐用ビデオRAM235の背面画像エリア235cに常駐された画像データを用いて位置aから位置bの範囲を左から右に向けてスクロールさせている間に、位置b’から位置dの画像に対応する画像データをキャラクタROM234から通常用RAM236へ転送完了できるように、その位置aから位置bの範囲が設定されている。これにより、位置aから位置bの範囲をスクロールさせる間に位置b’から位置dの画像データを通常用ビデオRAM236へ転送できるので、常駐用ビデオRAM235の背面画像エリア235cに格納された画像データを用いて位置aから位置bの範囲をスクロールさせた後、遅滞なく通常用ビデオRAM236に格納された背面画像に対応する画像データを用いて、位置b’から位置dの範囲をスクロールさせて第3図柄表示装置81に表示させることができる。
同様に、背面Eは、初期位置の画像が表示された後、常駐用ビデオRAM235の背面画像エリア235cに常駐された画像データを用いて図24(a)〜(b)の画像を表示させている間に、図24(b)〜(c)および図24(c)〜(a)に対応する画像の画像データがキャラクタROM234から通常用RAM236へ転送が完了できるように、図24(a)〜(b)の範囲が設定されている。これにより、図24(a)〜(b)の画像を表示させている間に図24(b)〜(c)および図24(c)〜(a)の画像に対応する画像データを通常用ビデオRAM236へ転送できるので、常駐用ビデオRAM235の背面画像エリア235cに常駐された画像データを用いて図24(a)〜(b)の画像を表示させた後、遅滞なく通常用ビデオRAM236に格納された背面画像に対応する画像データを用いて、図24(b)〜(c)および図24(c)〜(a)の画像を時間経過とともに、順次、第3図柄表示装置81に表示させることができる。
なお、背面B〜Eにおいて、通常用ビデオRAM236に格納される画像データは、通常用ビデオRAM236の画像格納エリア236a(図21参照)に設けられた背面画像専用のサブエリアに格納される。これにより、背面画像専用のサブエリアに格納された背面画像データが、他の画像データによって上書きされることがないので、背面画像を確実に表示させることができる。
また、背面B〜Dにおいて、常駐用ビデオRAM235の背面画像エリア235cに格納される画像データと、通常用ビデオRAM236に格納される画像データとでは、位置b’から位置bの間の画像に対応する画像データが重複して格納される。そして、MPU231による画像コントローラ237の制御により、常駐用ビデオRAM235の背面画像エリア235cに格納された画像データを用いて位置bまでの画像を第3図柄表示装置81に表示させ、次いで、通常用ビデオRAM236に格納された画像データを用いて位置b’からの画像を第3図柄表示装置81に表示させることで、第3図柄表示装置81にスムーズなつながりで背面画像がスクロール表示されるようになっている。
更に、MPU231は、通常用ビデオRAM236の画像データを用いて、位置cから位置dの間の画像を表示領域として第3図柄表示装置81に表示されるように画像コントローラ237を制御すると、次いで、MPU231は、常駐用ビデオRAM235の背面画像エリア235cの画像データを用いて、位置aから位置a’の間の画像を表示領域として第3図柄表示装置81に表示されるように画像コントローラ237を制御する。これにより、第3図柄表示装置81には、位置a〜位置cの間の画像が、左方向に向かって流れるように、スムーズなつながりで繰り返しスクロールされて表示させることができる。
図21に戻って、説明を続ける。第3図柄エリア235dは、第3図柄表示装置81に表示される変動演出において使用される第3図柄を常駐するためのエリアである。即ち、第3図柄エリア235dには、第3図柄である「0」から「9」の数字を付した上述の10種類の主図柄(図6参照)に対応する画像データが常駐される。これにより、第3図柄表示装置81にて変動演出を行う場合、逐一キャラクタROM234から画像データを読み出す必要がないので、キャラクタROM234にNAND型フラッシュメモリ234aを用いても、第3図柄表示装置81において素早く変動演出を開始することができる。よって、第1入球口64、または第2入球口640への入球が発生してから、第1図柄表示装置37では変動演出が開始されているにも関わらず、第3図柄表示装置81において変動演出が即座に開始されないような状態が発生するのを抑制することができる。
また、第3図柄エリア235dには、「0」から「9」の数字が付されていない主図柄として、木箱といった後方図柄からなる主図柄や、後方図柄とかんな,風呂敷,ヘルメット等のキャラクタを模した付属図柄とからなる主図柄に対応する画像データも常駐される。これらの画像データは、一の変動演出が停止してから所定時間経過しても、始動入賞に伴う次の変動演出が開始されない場合に、第3図柄表示装置81に表示されるデモ演出に用いられる。これにより、デモ演出が第3図柄表示装置81に表示されると、そのデモ演出において、第3図柄として数字の付されていない主図柄が表示される。よって、遊技者は、数字の付されていない主図柄を第3図柄表示装置81の表示画像から視認することによって、当該パチンコ機10がデモ状態にあることを容易に認識することができる。
キャラクタ図柄エリア235eは、第3図柄表示装置81に表示される各種演出で使用されるキャラクタ図柄に対応する画像データを格納する領域である。本パチンコ機10では、「少年」や「老人」、「少女」をはじめとする様々なキャラクタが各種演出にあわせて表示されるようになっており、これらに対応するデータがキャラクタ図柄エリア235eに常駐されることにより、表示制御装置114は、音声ランプ制御装置113より受信したコマンドの内容に基づいてキャラクタ図柄を変更する場合、キャラクタROM234から対応の画像データを新たに読み出すのではなく、常駐用ビデオRAM235のキャラクタ図柄エリア235eに予め常駐されている画像データを読み出すことによって、画像コントローラ237にて所定の画像を描画できるようになっている。これにより、キャラクタROM234から対応の画像データを読み出す必要がないので、キャラクタROM234に読み出し速度の遅いNAND型フラッシュメモリ234aを用いても、キャラクタ図柄を即座に変更することができる。
エラーメッセージ画像エリア235fは、パチンコ機10内にエラーが発生した場合に表示されるエラーメッセージに対応する画像データを格納する領域である。本パチンコ機10では、例えば、遊技盤13の裏面に取り付けられた振動センサ(図示せず)の出力から、音声ランプ制御装置113によって振動を検出すると、音声ランプ制御装置113は振動エラーの発生をエラーコマンドによって表示制御装置114に通知する。また、音声ランプ制御装置113により、その他のエラーの発生が検出された場合にも、音声ランプ制御装置113は、エラーコマンドによって、そのエラーの発生をそのエラー種別と共に表示制御装置114へ通知する。表示制御装置114では、エラーコマンドを受信すると、その受信したエラーに対応するエラーメッセージを第3図柄表示装置81に表示させるように構成されている。
ここで、エラーメッセージは、遊技者の不正防止やエラーに対する遊技者の保護の観点から、エラーの発生とほぼ同時に表示されることが求められる。本パチンコ機10では、エラーメッセージ画像エリア235fに、各種エラーメッセージに対応する画像データが予め常駐されているので、表示制御装置114は、受信したエラーコマンドに基づいて、常駐用ビデオRAM235のエラーメッセージ画像エリア235fに予め常駐されている画像データを読み出すことによって、画像コントローラ237にて各エラーメッセージ画像を即座に描画できるようになっている。これにより、キャラクタROM234から逐次エラーメッセージに対応する画像データを読み出す必要がないので、キャラクタROM234に読み出し速度の遅いNAND型フラッシュメモリ234aを用いても、エラーコマンドを受信してから対応するエラーメッセージを即座に表示させることができる。
通常用ビデオRAM236は、データが随時上書きされ更新されるように用いられるもので、画像格納エリア236a、第1フレームバッファ236b、第2フレームバッファ236cが少なくとも設けられている。
画像格納エリア236aは、第3図柄表示装置81に表示させる画像の描画に必要な画像データのうち、常駐用ビデオRAM235に常駐されていない画像データを格納するためのエリアである。画像格納エリア236aは、複数のサブエリアに分割されており、サブエリア毎に、そのサブエリアに格納される画像データの種別が予め定められている。
MPU231は、常駐用ビデオRAM235に常駐されていない画像データのうち、その後の画像の描画で必要となる画像データを、キャラクタROM234から通常用ビデオRAM236の画像格納エリア236aに設けられたサブエリアのうち、その画像データの種別を格納すべき所定のサブエリアに転送するように、画像コントローラ237に対して指示をする。これにより画像コントローラ237は、MPU231により指示された画像データをキャラクタROM234から読み出し、バッファRAM237aを介して、画像格納エリア236aの指定された所定のサブエリアにその読み出した画像データを転送する。
なお、画像データの転送指示は、MPU231が画像コントローラ237に対して画像の描画を指示する後述の描画リストの中に、転送データ情報を含めることによって行われる。これにより、MPU231は、画像の描画指示と、画像データの転送指示とを、描画リストを画像コントローラ237に送信するだけで行うことができるので、処理負荷を低減することができる。
第1フレームバッファ236bおよび第2フレームバッファ236cは、第3図柄表示装置81に表示すべき画像を展開するためのバッファである。画像コントローラ237は、MPU231からの指示に従って描画した1フレーム分の画像を、第1フレームバッファ236bおよび第2フレームバッファ236cのいずれか一方のフレームバッファに書き込むことによって、そのフレームバッファに1フレーム分の画像を展開すると共に、その一方のフレームバッファに画像を展開している間、他方のフレームバッファから先に展開された1フレーム分の画像情報を読み出し、駆動信号と共に第3図柄表示装置81に対してその画像情報を送信することによって、第3図柄表示装置81に、その1フレーム分の画像を表示させる処理を実行する。
このように、フレームバッファとして、第1フレームバッファ236bおよび第2フレームバッファ236cの2つを設けることによって、画像コントローラ237は、一方のフレームバッファに描画した1フレーム分の画像を展開しながら、同時に、他方のフレームバッファから先に展開された1フレーム分の画像を読み出して、第3図柄表示装置81にその読み出した1フレーム分の画像を表示させることができる。
そして、1フレーム分の画像を展開するフレームバッファと、第3図柄表示装置81に画像を表示させるために1フレーム分の画像情報が読み出されるフレームバッファとは、1フレーム分の画像の描画処理が完了する20ミリ秒毎に、MPU231によって、それぞれ第1フレームバッファ236bおよび第2フレームバッファ236cのいずれかが交互に入れ替えて指定される。
即ち、あるタイミングで、1フレーム分の画像を展開するフレームバッファとして第1フレームバッファ236bが指定され、1フレーム分の画像情報が読み出されるフレームバッファとして第2フレームバッファ236cが指定されて、画像の描画処理および表示処理が実行されると、1フレーム分の画像の描画処理が完了する20ミリ秒後に、1フレーム分の画像を展開するフレームバッファとして第2フレームバッファ236cが指定され、1フレーム分の画像情報が読み出されるフレームバッファとして第1フレームバッファ236bが指定される。これにより、先に第1フレームバッファ236bに展開された画像の画像情報が読み出されて第3図柄表示装置81に表示させることができると同時に、第2フレームバッファ236cに新たな画像が展開される。
そして、更に次の20ミリ秒後には、1フレーム分の画像を展開するフレームバッファとして第1フレームバッファ236bが指定され、1フレーム分の画像情報が読み出されるフレームバッファとして第2フレームバッファ236cが指定される。これにより、先に第2フレームバッファ236cに展開された画像の画像情報が読み出されて第3図柄表示装置81に表示させることができると同時に、第1フレームバッファ236bに新たな画像が展開される。以後、1フレーム分の画像を展開するフレームバッファと、1フレーム分の画像情報が読み出されるフレームバッファとを、20ミリ秒毎に、それぞれ第1フレームバッファ236bおよび第2フレームバッファ236cのいずれかを交互に入れ替えて指定することによって、1フレーム分の画像の描画処理を行いながら、1フレーム分の画像の表示処理を20ミリ秒単位で連続的に行わせることができる。
ワークRAM233は、キャラクタROM234に記憶された制御プログラムや固定値データを格納したり、MPU231による各種制御プログラムの実行時に使用されるワークデータやフラグを一時的に記憶するためのメモリであり、DRAMによって構成される。このワークRAM233は、プログラム格納エリア233a、データテーブル格納エリア233b、簡易画像表示フラグ233c、表示データテーブルバッファ233d、転送データテーブルバッファ233e、ポインタ233f、描画リストエリア233g、計時カウンタ233h、格納画像データ判別フラグ233i、描画対象バッファフラグ233j、背面画像変更フラグ233w、背面画像判別フラグ233x、デモ表示フラグ233y、確定表示フラグ233zを少なくとも有している。
プログラム格納エリア233aは、MPU231によって実行される制御プログラムを格納するためのエリアである。MPU231は、システムリセットが解除されると、キャラクタROM234から制御プログラムを読み出してワークRAM233へ転送し、このプログラム格納エリア233aに格納する。そして、全ての制御プログラムをプログラム格納エリア233aに格納すると、以後、MPU231はプログラム格納エリア233aに格納された制御プログラムを用いて各種制御を実行する。上述したように、ワークRAM233はDRAMによって構成されるため、高速に読み出し動作が行われる。よって、制御プログラムを読み出し速度の遅いNAND型フラッシュメモリ234aによって構成されるキャラクタROM234に記憶させた場合であっても、表示制御装置114において高い処理性能を保つことができ、第3図柄表示装置81を用いて、多様化、複雑化させた演出を容易に実行することができる。
データテーブル格納エリア233bは、主制御装置110からのコマンドに基づき表示させる一の演出に対し、時間経過に伴い第3図柄表示装置81に表示すべき表示内容を記載した表示データテーブルと、表示データテーブルにより表示される一の演出において使用される画像データのうち常駐用ビデオRAM235に常駐されていない画像データの転送データ情報ならびに転送タイミングを規定した転送データテーブルとが格納される領域である。
これらのデータテーブルは、通常、キャラクタROM234のNAND型フラッシュメモリ234aに設けられた第2プログラム記憶エリア234a1に固定値データの一種として記憶されており、システムリセット解除後にMPU231によって実行されるブートプログラムに従って、これらのデータテーブルがキャラクタROM234からワークRAM233へ転送され、このデータテーブル格納エリア233bに格納される。そして、全てのデータテーブルがデータテーブル格納エリア233bに格納されると、以後、MPU231は、データテーブル格納エリア233bに格納されたデータテーブルを用いて第3図柄表示装置81の表示を制御する。上述したように、ワークRAM233はDRAMによって構成されるため、高速に読み出し動作が行われる。よって、各種データテーブルを読み出し速度の遅いNAND型フラッシュメモリ234aによって構成されるキャラクタROM234に記憶させた場合であっても、表示制御装置114において高い処理性能を保つことができ、第3図柄表示装置81を用いて、多様化、複雑化させた演出を容易に実行することができる。
ここで、各種データテーブルの詳細について説明する。まず、表示データテーブルは、主制御装置110からのコマンドに基づいて第3図柄表示装置81に表示される各演出の演出態様毎に1つずつ用意されるもので、例えば、変動演出、オープニング演出、ラウンド演出、エンディング演出、デモ演出に対応する表示データテーブルが用意されている。
変動演出は、音声ランプ制御装置113からの表示用変動パターンコマンドを受信した場合に、第3図柄表示装置81おいて開始される演出である。なお、表示用変動パターンコマンドが受信される場合には、変動演出の停止種別を示す表示用停止種別コマンドも受信される。例えば、変動演出が開始された場合に、その変動演出の停止種別が外れであれば、外れを示す停止図柄が最終的に停止表示される一方、その変動演出の停止種別が大当たりA、大当たりBのいずれかであれば、それぞれの大当たり示す停止図柄が最終的に停止表示される。遊技者は、この変動演出における停止図柄を視認することで大当たり種別を認識でき、大当たり種別に応じて付与される遊技価値を容易に判断することができる。
オープニング演出は、これからパチンコ機10が特別遊技状態へ移行して、通常時には閉鎖されている大開放口(第1大開放口65a、第2大開放口650a)が繰り返し開放されることを遊技者に報知するための演出であり、ラウンド演出は、これから開始されるラウンド数を遊技者に報知するための演出である。エンディング演出は、特別遊技状態の終了を遊技者に報知するための演出である。
なお、デモ演出は、上述したように、一の変動演出が停止してから所定時間経過しても、始動入賞に伴う次の変動演出が開始されない場合に、第3図柄表示装置81に表示される演出であり、「0」から「9」の数字が付されていない主図柄からなる第3図柄が停止表示されると共に、背面画像のみが変化する。第3図柄表示装置81にデモ演出が表示されていれば、遊技者やホール関係者が、当該パチンコ機10において遊技が行われていないことを認識することができる。
データテーブル格納エリア233bには、オープニング演出、ラウンド演出、エンディング演出およびデモ演出に対応する表示データテーブルをそれぞれ1つずつ格納する。また、変動演出用の表示データテーブルである変動表示データテーブルは、設定される変動演出パターンが32パターンあれば、1変動演出パターンに1テーブル、合計で32テーブルが用意される。
ここで、図25を参照して、表示データテーブルの詳細について説明する。図25は、表示データテーブルのうち、変動表示データテーブルの一例を模式的に示した模式図である。表示データテーブルは、第3図柄表示装置81において1フレーム分の画像が表示される時間(本実施形態では、20ミリ秒)を1単位として表したアドレスに対応させて、その時間に表示すべき1フレーム分の画像の内容(描画内容)を詳細に規定したものである。
描画内容には、1フレーム分の画像を構成する表示物であるスプライト毎に、そのスプライトの種別を規定すると共に、そのスプライトの種別に応じて、表示位置座標、拡大率、回転角度、半透明値、αブレンディング情報、色情報、フィルタ指定情報といった、スプライトを第3図柄表示装置81に描画させるための描画情報が規定されている。
スプライトの種別は、表示すべきスプライトを特定するための情報である。表示位置座標は、そのスプライトを表示すべき第3図柄表示装置81上の座標を特定するための情報である。拡大率は、そのスプライトに対して予め設定された標準的な表示サイズに対する拡大率を指定するための情報で、その拡大率に従って表示されるスプライトの大きさが特定される。なお、拡大率が100%より大きい場合は、そのスプライトが標準的な大きさよりも拡大されて表示され、拡大率が100%未満の場合は、そのスプライトが標準的な大きさもよりも縮小されて表示される。
回転角度は、スプライトを回転させて表示させる場合の回転角度を特定するための情報である。半透明値は、スプライト全体の透明度を特定するためのものであり、半透明値が高いほど、スプライトの背面側に表示される画像が透けて見えるように画像が表示される。αブレンディング情報は、他のスプライトとの重ね合わせ処理を行う場合に用いられる既知のαブレンディング係数を特定するための情報である。色情報は、表示すべきスプライトの色調を指定するための情報である。そして、フィルタ指定情報は、指定されたスプライトを描画する場合に、そのスプライトに対して施すべき画像フィルタを指定するための情報である。
変動表示データテーブルでは、各アドレスに対応して規定される1フレーム分の描画内容として、1つの背面画像、9個の第3図柄(図柄1,図柄2,・・・)、その画像において光の差し込みなどを表現するエフェクト、少年画像や文字などの各種演出に用いられるキャラクタといった各スプライトに対する描画情報が、アドレス毎に規定されている。なお、エフェクトやキャラクタに関する情報は、そのフレームに表示すべき内容に合わせて、1つ又は複数規定される。
ここで、背面画像は、表示位置は第3図柄表示装置81の画面全体に固定され、拡大率、回転角度、半透明値、αブレンディング情報、色情報およびフィルタ指定情報は、時間経過に対して一定とされるので、変動表示データテーブルでは、背面画像の種別を特定するための情報である背面種別のみが規定されている。この背面種別は、遊技者によって選択されているステージ(「街中ステージ」、「森ステージ」、「川ステージ」、「空ステージ」、「島ステージ」のいずれか)に対応する背面A〜Eのいずれかを表示させるか、背面A〜Eとは異なる背面画像を表示させるかを特定する情報が記載されている。また、背面種別は、背面A〜Eとは異なる背面画像を表示させることを特定する場合、どの背面画像を表示させるかを特定する情報も合わせて記載されている。
MPU231は、この背面種別によって、背面A〜Eのいずれかを表示させることが特定される場合は、背面A〜Eのうち抽選により決定されたステージに対応する背面画像を描画対象として特定し、また、そのフレームに対して表示すべき背面画像の範囲を時間経過に合わせて特定する。一方、背面A〜Eとは異なる背面画像を表示させることが特定される場合は、背面種別から表示させるべき背面画像を特定する。
なお、本実施形態では、表示データテーブルにおいて、背面画像の描画内容として背面種別のみを規定する場合について説明するが、これに代えて、背面種別と、その背面種別に対応する背面画像のどの範囲を表示すべきかを示す位置情報とを規定するようにしてもよい。この位置情報は、例えば、初期位置に対応する範囲の背面画像が表示されてからの経過時間を示す情報であってもよい。この場合、MPU231は、そのフレームに対して表示すべき背面画像の範囲を、位置情報により示される初期位置に対応する範囲の背面画像が表示されてからの経過時間に基づいて特定する。
また、位置情報は、この表示データテーブルに基づく画像の描画(もしくは、第3図柄表示装置81の表示)が開始されてからの経過時間を示す情報であってもよい。この場合、MPU231は、そのフレームに対して表示すべき背面画像の範囲を、表示用データベースに基づき画像の描画(もしくは、第3図柄表示装置81の表示)が開始された段階で表示されていた背面画像の位置と、位置情報により示される該画像の描画(もしくは、第3図柄表示装置81の表示)が開始されてからの経過時間とに基づいて特定する。
更に、位置情報は、背面種別に応じて、初期位置に対応する範囲の背面画像が表示されてからの経過時間を示す情報および表示データテーブルに基づく画像の描画(もしくは、第3図柄表示装置81の表示)が開始されてからの経過時間を示す情報のいずれかを示すものであってもよいし、背面種別および位置情報とともに、その位置情報の種別情報(例えば、初期位置に対応する範囲の背面画像が表示されてからの経過時間を示す情報であるか、表示用データベースに基づく画像の描画(もしくは、第3図柄表示装置81の表示)が開始されてからの経過時間を示す情報であるかを示す情報)を、背面画像の描画内容として規定してもよい。その他、位置情報は、経過時間を示す情報ではなく、表示すべき背面画像の範囲が格納されたアドレスを示す情報であってもよい。
第3図柄(図柄1,図柄2,・・・)は、表示すべき第3図柄を特定するための図柄種別情報として、図柄種別オフセット情報が記載されている。このオフセット情報は、各第3図柄に付された数字の差分を表す情報である。第3図柄の種別を直接特定するのではなく、オフセット情報を特定するのは、変動演出における第3図柄の表示は、1つ前に行われた変動演出の停止図柄および今回行われる変動演出の停止図柄に応じて変わるためであり、変動が開始されてから所定時間経過するまでの図柄オフセット情報では、1つ前に行われた変動演出の停止図柄からのオフセット情報を記載する。これにより、1つ前の変動演出における停止図柄から変動演出が開始される。
一方、変動が開始されてから所定時間経過後は、音声ランプ制御装置113を介して主制御装置110より受信した停止種別コマンド(表示用停止種別コマンド)に応じて設定される停止図柄からのオフセット情報を記載する。これにより、変動演出を、主制御装置110より指定された停止種別に応じた停止図柄で停止させることができる。
なお、各第3図柄には固有の数字が付されているので、1つ前の変動演出における変動図柄や、主制御装置110より指定された停止種別に応じた停止図柄を、その第3図柄に付された数字で管理し、また、オフセット情報を、各第3図柄に付された数字の差分で表すことにより、そのオフセット情報から容易に表示すべき第3図柄を特定することができる。
また、図柄オフセット情報において、1つ前に行われた変動演出の停止図柄のオフセット情報から今回行われている変動演出の停止図柄のオフセット情報に切り替えられる所定時間は、第3図柄が高速に変動表示されている時間となるように設定されている。第3図柄が高速に変動表示されている間は、その第3図柄が遊技者に視認不能な状態であるので、その間に、図柄オフセット情報を1つ前に行われた変動演出の停止図柄のオフセット情報から今回行われている変動演出の停止図柄のオフセット情報に切り替えることによって、第3図柄の数字の連続性が途切れても、その数字の連続性の途切れを遊技者に認識させないようにすることができる。
表示データテーブルの先頭アドレスである「0000H」には、データテーブルの開始を示す「Start」情報が記載され、表示データテーブルの最終アドレス(図25の例では、「02F0H」)には、データテーブルの終了を示す「End」情報が記載されている。そして、「Start」情報が記載されたアドレス「0000H」と「End」情報が記載されたアドレスとの間の各アドレスに対して、その表示データテーブルで規定すべき演出態様に対応させた描画内容が記載されている。
MPU231は、主制御装置110からのコマンド等に基づき音声ランプ制御装置113から送信されるコマンド(例えば、表示用変動パターンコマンド)等に応じて、使用する表示データテーブルを選定し、その選定した表示データテーブルをデータテーブル格納エリア233bから読み出して、表示データテーブルバッファ233dに格納すると共に、ポインタ233fを初期化する。そして、1フレーム分の描画処理が完了する度にポインタ233fを1加算し、表示データテーブルバッファ233dに格納された表示データテーブルにおいて、ポインタ233fが示すアドレスに規定された描画内容に基づき、次に描画すべき画像内容を特定して後述する描画リスト(図27参照)を作成する。この描画リストを画像コントローラ237に送信することで、その画像の描画指示を行う。これにより、ポインタ233fの更新に従って、表示データテーブルで規定された順に描画内容が特定されるので、その表示データテーブルで規定された通りの画像が第3図柄表示装置81に表示される。
このように、本パチンコ機10では、表示制御装置114において、主制御装置110からのコマンド等に基づき音声ランプ制御装置113から送信されるコマンド(例えば、表示用変動パターンコマンド)等に応じて、MPU231により実行すべきプログラムを変更するのではなく、表示データテーブルを表示データテーブルバッファ233dに適宜置き換えるという単純な操作だけで、第3図柄表示装置81に表示すべき演出画像を変更することができる。
ここで、従来のパチンコ機のように、第3図柄表示装置81に表示させる演出画像を変更する度にMPU231で実行されるプログラムを起動するように構成した場合、演出画像の多種多様化に伴って複雑かつ膨大化するプログラムの起動や実行の処理に多大な負荷がかかるため、表示制御装置114における処理能力が制限となって、制御可能な演出画像の多様化に限界が生じてしまうおそれがあった。これに対し、本パチンコ機10では、表示データテーブルを表示データテーブルバッファ233dに適宜置き換えるという単純な操作だけで、第3図柄表示装置81に表示すべき演出画像を変更することができるので、表示制御装置114の処理能力に関係なく、多種多様な演出画像を第3図柄表示81に表示させることができる。
また、このように各演出態様に対応して表示データテーブルを用意し、表示すべき演出態様に応じた表示データテーブルバッファを設定して、その設定されたデータテーブルに従い、1フレームずつ描画リストを作成することができるのは、パチンコ機10では、始動入賞に基づいて行われる抽選の結果に基づいて、予め第3図柄表示装置81に表示させる演出が決定されるためである。これに対し、パチンコ機といった遊技機を除くゲーム機などでは、ユーザの操作に基づいてその場その場で表示内容が変わるため、表示内容を予測することができず、よって、上述したような各演出態様に対応する表示データテーブルを持たせることはできない。このように、各演出態様に対応して表示データテーブルを用意し、表示すべき演出態様に応じた表示データテーブルバッファを設定して、その設定されたデータテーブルに従い、1フレームずつ描画リストを作成する構成は、パチンコ機10が、始動入賞に基づいて行われる抽選の結果に基づき予め第3図柄表示装置81に表示させる演出態様を決定する構成であることに基づいて初めて実現できるものである。
次いで、図26を参照して、転送データテーブルの詳細について説明する。図26は、転送データテーブルの一例を模式的に示した模式図である。転送データテーブルは、演出毎に用意された表示データテーブルに対応して用意されるもので、上述したように、表示データテーブルで規定されている演出において使用されるスプライトの画像データのうち、常駐用ビデオRAM235に常駐されていない画像データをキャラクタROM234から通常用ビデオRAM236の画像格納エリア236aに転送するための転送データ情報ならびにその転送タイミングが規定されている。
なお、表示データテーブルに規定された演出において使用されるスプライトの画像データが、全て常駐用ビデオRAM235に格納されていれば、その表示データテーブルに対応する転送データテーブルは用意されていない。これにより、データテーブル格納エリア233bの容量増大を抑制することができる。
転送データテーブルは、表示データテーブルにおいて規定されるアドレスに対応させて、そのアドレスで示される時間に転送を開始すべきスプライトの画像データ(以下、「転送対象画像データ」と称す)の転送データ情報が記載されている(図26のアドレス「0001H」及び「0097H」が該当)。ここで、表示データテーブルに従って所定のスプライトの描画が開始されるまでに、その所定のスプライトに対応する画像データが画像格納エリア236aに格納されるように、その転送対象画像データの転送開始タイミングが設定されており、転送データテーブルでは、その転送開始タイミングに対応するアドレスに対応させて、転送対象画像データの転送データ情報が規定される。
一方、表示データテーブルにおいて規定されるアドレスで示される時間に、転送を開始すべき転送対象画像データが存在しない場合は、そのアドレスに対応して転送を開始すべき転送対象画像データが存在しないことを意味するNullデータが規定される(図26のアドレス「0002H」が該当)。
転送データ情報としては、その転送対象画像データが格納されているキャラクタROM234の先頭アドレス(格納元先頭アドレス)と最終アドレス(格納元最終アドレス)、及び、転送先(通常用ビデオRAM236)の先頭アドレスが含まれる。
なお、転送データテーブルの先頭アドレスである「0000H」には、表示データテーブルと同様に、データテーブルの開始を示す「Start」情報が記載され、転送データテーブルの最終アドレス(図26の例では、「02F0H」)には、データテーブルの終了を示す「End」情報が記載されている。そして、「Start」情報が記載されたアドレス「0000H」と「End」情報が記載されたアドレスとの間の各アドレスに対して、その転送データテーブルで規定すべき転送対象画像データの転送データ情報が記載されている。
MPU231は、主制御装置110からのコマンド等に基づき音声ランプ制御装置113から送信されるコマンド(例えば、表示用変動パターンコマンド)等に応じて、使用する表示データテーブルを選定すると、その表示データテーブルに対応する転送データテーブルが存在する場合は、その転送データテーブルをデータテーブル格納エリア233bから読み出して、後述するワークRAM233の転送データテーブルバッファ233eに格納する。そして、ポインタ233fの更新毎に、表示データテーブルバッファ233dに格納された表示データテーブルから、ポインタ233fが示すアドレスに規定された描画内容を特定して、後述する描画リスト(図27参照)を作成すると共に、転送データテーブルバッファ233eに格納された転送データテーブルから、その時点において転送を開始すべき所定のスプライトの画像データの転送データ情報を取得して、その転送データ情報を作成した描画リストに追加する。
例えば、図26の例では、ポインタ233fが「0001H」や「0097H」となった場合に、MPU231は、転送データテーブルの当該アドレスに規定された転送データ情報を、表示データテーブルに基づいて作成した描画リストに追加して、その追加後の描画リストを画像コントローラ237へ送信する。一方、ポインタ233fが「0002H」である場合、転送データテーブルのアドレス「0002H」には、Nullデータが規定されているので、転送を開始すべき転送対象画像データが存在しないと判断し、生成した描画リストに転送データ情報を追加せずに、描画リストを画像コントローラ237へ送信する。
そして、画像コントローラ237は、MPU231より受信した描画リストに転送データ情報が記載されていた場合、その転送データ情報に従って、転送対象画像データを、キャラクタROM234から画像格納エリア236aの所定のサブエリアに転送する処理を実行する。
ここで、上述したように、表示データテーブルに従って所定のスプライトの描画が開始されるまでに、その所定のスプライトに対応する画像データが画像格納エリア236aに格納されるように、転送データテーブルでは、転送対象画像データの転送データ情報が所定のアドレスに対して規定されているので、この転送データテーブルに規定された転送データ情報に従って、画像データをキャラクタROM234から画像格納エリア236aに転送することにより、表示データテーブルに従って所定のスプライトを描画する場合に、そのスプライトの描画に必要な常駐用ビデオRAM235に常駐されていない画像データを、必ず画像格納エリア236aに格納させておくことができる。そして、その画像格納エリア236aに格納された画像データを用いて、表示データテーブルに基づき、所定のスプライトの描画を行うことができる。
これにより、読み出し速度の遅いNAND型フラッシュメモリ234aによってキャラクタROM234を構成しても、遅滞なく表示に必要な画像を予めキャラクタROM234から読み出し、通常用ビデオRAM236へ転送しておくことができるので、表示データテーブルで指定された各スプライトの画像を描画しながら、対応する演出を第3図柄表示装置81に表示させることができる。また、転送データテーブルの記載によって、常駐用ビデオRAM235に非常駐の画像データだけを容易に且つ確実にキャラクタROM234から通常用ビデオRAM236へ転送することができる。
また、本パチンコ機10では、表示制御装置114において、主制御装置110からのコマンド等に基づき音声ランプ制御装置113から送信されるコマンド(例えば、表示用変動パターンコマンド)等に応じて、表示データテーブルを表示データテーブルバッファ233dに設定するのに合わせて、その表示データテーブルに対応する転送データテーブルが転送データテーブルバッファ233eに設定されるので、その表示データテーブルで用いられるスプライトの画像データを、所望のタイミングで確実にキャラクタROM234から通常用ビデオRAM236へ転送することができる。
また、転送データテーブルでは、スプライトに対応する画像データ毎にキャラクタROM234から通常用ビデオRAM236へ画像データが転送されるように、その転送データ情報を規定する。これにより、その画像データの転送をスプライト毎に管理し、また、制御することができるので、その転送に係る処理を容易に行うことができる。そして、スプライト単位でキャラクタROM234から通常用ビデオRAM236への画像データの転送を制御することにより、その処理を容易にしつつ、詳細に画像データの転送を制御できる。よって、転送にかかる負荷の増大を効率よく抑制することができる。
また、転送データテーブルは、表示データテーブルと同様のデータ構造を有し、表示データテーブルにおいて規定されるアドレスに対応させて、そのアドレスで示される時間に転送を開始すべき転送対象画像データの転送データ情報が規定されているので、表示データテーブルバッファ233dに設定された表示データテーブルに基づいて所定のスプライトの画像データが用いられる前に、確実にその画像データが通常用ビデオRAM236へ格納されるように、転送開始のタイミングを指示することができるので、読み出し速度の遅いNAND型フラッシュメモリ234aによってキャラクタROM234を構成しても、多種多様な演出画像を容易に第3図柄表示装置81に表示させることができる。
簡易画像表示フラグ233cは、第3図柄表示装置81に、図22(a)〜(c)に示す電源投入時画像(電源投入時主画像および電源投入時変動画像)を表示するか否かを示すフラグである。この簡易画像表示フラグ233cは、電源投入時主画像および電源投入時変動画像に対応する画像データが常駐用ビデオRAMの電源投入時主画像エリア235a又は電源投入時変動画像エリア235bに転送された後に、MPU231により実行されるメイン処理(図49参照)の中でオンに設定される(図49のS2205参照)。そして、画像転送処理の常駐画像転送処理によって、全ての常駐対象画像データが常駐用ビデオRAM235に格納された段階で、第3図柄表示装置81に電源投入時画像以外の画像を表示させるために、オフに設定される(図60(b)のS3805参照)。
この簡易画像表示フラグ233cは、画像コントローラ237から送信されるV割込信号を検出する毎にMPU231によって実行されるV割込処理の中で参照され(図51(b)のS2501参照)、簡易画像表示フラグ233cがオンである場合は、電源投入時画像が第3図柄表示装置81に表示されるように、簡易コマンド判定処理(図51(b)のS2508参照)および簡易表示設定処理(図51(b)のS2509参照)が実行される。一方、簡易画像表示フラグ233cがオフである場合は、主制御装置110からのコマンド等に基づき音声ランプ制御装置113から送信されるコマンドに応じて、種々の画像が表示されるように、コマンド判定処理(図52〜図56参照)および表示設定処理(図57〜図59参照)が実行される。
また、簡易画像表示フラグ233cは、V割込処理の中でMPU231により実行される転送設定処理の中で参照され(図60(a)のS3701参照)、簡易画像表示フラグ233cがオンである場合は、常駐用ビデオRAM235に格納されていない常駐対象画像データが存在するため、常駐対象画像データをキャラクタROM234から常駐用ビデオRAM235へ転送する常駐画像転送設定処理(図60(b)参照)を実行し、簡易画像表示フラグ233cがオフである場合は、描画処理に必要な画像データをキャラクタROM234から通常用ビデオRAM236へ転送する通常画像転送設定処理(図61参照)を実行する。
表示データテーブルバッファ233dは、主制御装置110からのコマンド等に基づき音声ランプ制御装置113から送信されるコマンド等に応じて第3図柄表示装置81に表示させる演出態様に対応する表示データテーブルを格納するためのバッファである。MPU231は、その音声ランプ制御装置113から送信されるコマンド等に基づいて、第3図柄表示装置81に表示させる演出態様を判断し、その演出態様に対応する表示データテーブルをデータテーブル格納エリア233bから選定して、その選定された表示データテーブルを表示データテーブルバッファ233dに格納する。そして、MPU231は、ポインタ233fを1ずつ加算しながら、表示データテーブルバッファ233dに格納された表示データテーブルにおいてそのポインタ233fで示されるアドレスに規定された描画内容に基づき、1フレーム毎に画像コントローラ237に対する画像描画の指示内容を記載した後述の描画リスト(図27参照)を生成する。これにより、第3図柄表示装置81には、表示データテーブルバッファ233dに格納された表示データテーブルに対応する演出が表示される。
MPU231は、ポインタ233fを1ずつ加算しながら、表示データテーブルバッファ233dに格納された表示データテーブルにおいてそのポインタ233fで示されるアドレスに規定された描画内容に基づき、1フレーム毎に画像コントローラ237に対する画像描画の指示内容を記載した後述の描画リスト(図27参照)を生成する。これにより、第3図柄表示装置81には、表示データテーブルに対応する演出が表示される。
転送データテーブルバッファ233eは、主制御装置110からのコマンド等に基づき音声ランプ制御装置113から送信されるコマンド等に応じて、表示データテーブルバッファ233dに格納された表示データテーブルに対応する転送データテーブルを格納するためのバッファである。MPU231は、表示データテーブルバッファ233dに表示データテーブルを格納するのに合わせて、その表示データテーブルに対応する転送データテーブルをデータテーブル格納エリア233bから選定して、その選定された転送データテーブルを転送データテーブルバッファ233eに格納する。なお、表示データテーブルバッファ233dに格納される表示データテーブルにおいて用いられるスプライトの画像データが全て常駐用ビデオRAM235に格納されている場合は、その表示データテーブルに対応する転送データテーブルが用意されていないので、MPU231は、転送データテーブルバッファ233eに転送対象画像データが存在しないことを意味するNullデータを書き込むことで、その内容をクリアする。
そして、MPU231は、ポインタ233fを1ずつ加算しながら、転送データテーブルバッファ233eに格納された転送データテーブルにおいてそのポインタ233fで示されるアドレスに規定された転送対象画像データの転送データ情報が規定されていれば(即ち、Nullデータが記載されていなければ)、1フレーム毎に生成される画像コントローラ237に対する画像描画の指示内容を記載した後述の描画リスト(図27参照)に、その転送データ情報を追加する。
これにより、画像コントローラ237は、MPU231より受信した描画リストに転送データ情報が記載されていた場合、その転送データ情報に従って、転送対象画像データを、キャラクタROM234から画像格納エリア236aの所定のサブエリアに転送する処理を実行する。ここで、上述したように、表示データテーブルに従って所定のスプライトの描画が開始されるまでに、その所定のスプライトに対応する画像データが画像格納エリア236aに格納されるように、転送データテーブルでは、転送対象画像データの転送データ情報が所定のアドレスに対して規定されている。よって、この転送データテーブルに規定された転送データ情報に従って、画像データをキャラクタROM234から画像格納エリア236aに転送することにより、表示データテーブルに従って所定のスプライトを描画する場合に、そのスプライトの描画に必要な常駐用ビデオRAM235に常駐されていない画像データを、必ず画像格納エリア236aに格納させておくことができる。
これにより、読み出し速度の遅いNAND型フラッシュメモリ234aによってキャラクタROM234を構成しても、遅滞なく表示に必要な画像を予めキャラクタROM234から読み出し、通常用ビデオRAM236へ転送しておくことができるので、表示データテーブルで指定された各スプライトの画像を描画しながら、対応する演出を第3図柄表示装置81に表示させることができる。また、転送データテーブルの記載によって、常駐用ビデオRAM235に非常駐の画像データだけを容易に且つ確実にキャラクタROM234から通常用ビデオRAM236へ転送することができる。
ポインタ233fは、表示データテーブルバッファ233dおよび転送データテーブルバッファ233eの各バッファにそれぞれ格納された表示データテーブルおよび転送データテーブルから、対応する描画内容もしくは転送対象画像データの転送データ情報を取得すべきアドレスを指定するためのものである。MPU231は、表示データテーブルバッファ233dに表示データテーブルが格納されるのに合わせて、ポインタ233fを一旦0に初期化する。そして、画像コントローラ237から1フレーム分の画像の描画処理が完了する20ミリ秒ごとに送信されるV割込信号に基づいてMPU231により実行されるV割込処理の表示設定処理(図51(b)のS2503参照)の中で、ポインタ更新処理(図57のS3405参照)が実行され、ポインタ233fの値が1ずつ加算される。
MPU231は、このようなポインタ233fの更新が行われる毎に、表示データテーブルバッファ233dに格納された表示データテーブルから、ポインタ233fが示すアドレスに規定された描画内容を特定して、後述する描画リスト(図27参照)を作成すると共に、転送データテーブルバッファ233eに格納された転送データテーブルから、その時点において転送を開始すべき所定のスプライトの画像データの転送データ情報を取得して、その転送データ情報を作成した描画リストに追加する。
これにより、表示データテーブルバッファ233dに格納された表示データテーブルに対応する演出が第3図柄表示装置81に表示される。よって、表示データテーブルバッファ233dに格納する表示データテーブルを変更するだけで、容易に第3図柄表示装置81に表示させる演出を変更することができる。従って、表示制御装置341の処理能力に関わらず、多種多様な演出を表示させることができる。
また、転送データテーブルバッファ233eに格納された転送データテーブルが格納されている場合は、その転送データテーブルに基づいて、対応する表示データテーブルによって所定のスプライトの描画が開始されるまでに、そのスプライトの描画で用いられる常駐用ビデオRAM235に常駐されていない画像データを、必ず画像格納エリア236aに格納させておくことができる。これにより、読み出し速度の遅いNAND型フラッシュメモリ234aによってキャラクタROM234を構成しても、遅滞なく表示に必要な画像を予めキャラクタROM234から読み出し、通常用ビデオRAM236へ転送しておくことができるので、表示データテーブルで指定された各スプライトの画像を描画しながら、対応する演出を第3図柄表示装置81に表示させることができる。また、転送データテーブルの記載によって、常駐用ビデオRAM235に非常駐の画像データだけを容易に且つ確実にキャラクタROM234から通常用ビデオRAM236へ転送することができる。
描画リストエリア233gは、表示データテーブルバッファ233dに格納された表示データテーブル、及び、転送データテーブルバッファ233eに格納された転送データテーブルに基づいて生成される、1フレーム分の画像の描画を画像コントローラ237に指示する描画リストを格納するためのエリアである。
ここで、図27を参照して、描画リストの詳細について説明する。図27は、描画リストの内容を模式的に示した模式図である。描画リストは、画像コントローラ237に対して、1フレーム分の画像の描画を指示する指示表であり、図27に示すように、1フレームの画像で使用する背面画像、第3図柄(図柄1,図柄2,・・・)、エフェクト(エフェクト1,エフェクト2,・・・)、キャラクタ(キャラクタ1,キャラクタ2,・・・,保留球数図柄1,保留球数図柄2,・・・,エラー図柄)といったスプライト毎に、そのスプライトの詳細な描画情報(詳細情報)を記述したものである。また、描画リストには、画像コントローラ237に対して所定の画像データをキャラクタROM234から通常用ビデオRAM236へ転送させるための転送データ情報もあわせて記述される。
各スプライトの詳細な描画情報(詳細情報)には、対応するスプライト(表示物)の画像データが格納されているRAM種別(常駐用ビデオRAM235か、通常用ビデオRAM236か)を示す情報と、そのアドレスとが記述されており、画像コントローラ237は、そのRAM種別およびアドレスによって指定されるメモリ領域から、当該スプライトの画像データを取得する。また、その詳細な描画情報(詳細情報)には、表示位置座標、拡大率、回転角度、半透明値、αブレンディング情報、色情報およびフィルタ指定情報が含まれており、画像コントローラ237は、各種ビデオRAMより読み出した当該スプライトの画像データにより生成される標準的な画像に対し、拡大率に応じて拡大縮小処理を施し、回転角度に応じて回転処理を施し、半透明値に応じて半透明化処理を施し、αブレンディング情報に応じて他のスプライトとの合成処理を施し、色情報に応じて色調補正処理を施し、フィルタ指定情報に応じてその情報により指定された方法でフィルタリング処理を施した上で、表示位置座標に示される表示位置に各種処理を施して得られた画像を描画する。そして、描画した画像は、画像コントローラ237によって、描画対象バッファフラグ233jで指定される第1フレームバッファ236b又は第2フレームバッファ236cのいずれかに展開される。
MPU231は、表示データテーブルバッファ233dに格納された表示データテーブルにおいて、ポインタ233fによって示されるアドレスに規定された描画内容と、その他の描画すべき画像の内容(例えば、保留球数図柄を表示する保留画像や、エラーの発生を通知する警告画像など)とに基づき、1フレーム分の画像の描画に用いられる全スプライトに対する詳細な描画情報(詳細情報)を生成すると共に、その詳細情報をスプライト毎に並び替えることによって描画リストを作成する。
ここで、各スプライトの詳細情報のうち、スプライト(表示物)のデータの格納RAM種別とアドレスとは、表示データテーブルに規定されるスプライト種別や、その他の画像の内容から特定されるスプライト種別に応じて生成される。即ち、スプライト毎に、そのスプライトの画像データが格納される常駐用ビデオRAM235のエリア、又は、通常用ビデオRAM236の画像格納エリア236aのサブエリアが固定されているので、MPU231は、スプライト種別に応じて、そのスプライトの画像データが格納されている格納RAM種別とアドレスとを即座に特定し、それらの情報を描画リストの詳細情報に容易に含めることができる。
また、MPU231は、各スプライトの詳細情報のうち、その他の情報(表示位置座標、拡大率、回転角度、半透明値、αブレンディング情報、色情報およびフィルタ指定情報)について、表示データテーブルに規定されるそれらの情報をそのままコピーする。
また、MPU231は、描画リストを生成するにあたり、1フレーム分の画像の中で、最も背面側に配置すべきスプライトから前面側に配置すべきスプライト順に並び替えて、それぞれのスプライトに対する詳細な描画情報(詳細情報)を記述する。即ち、描画リストでは、最初に背面画像に対応する詳細情報が記述され、次いで、第3図柄(図柄1,図柄2,・・・)、エフェクト(エフェクト1,エフェクト2,・・・)、キャラクタ(キャラクタ1,キャラクタ2,・・・,保留球数図柄1,保留球数図柄2,・・・,エラー図柄)の順に、それぞれのスプライトに対応する詳細情報が記述される。
画像コントローラ237では、描画リストに記述された順番に従って、各スプライトの描画処理を実行し、フレームバッファにその描画されたスプライトを上書きによって展開していく。従って、描画リストによって生成した1フレーム分の画像において、最初に描画したスプライトが最も背面側に配置させ、最後に描画したスプライトが最も前面側に配置させることができるのである。
また、MPU231は、転送データテーブルバッファ233eに格納された転送データテーブルにおいて、ポインタ233fによって示されるアドレスに転送データ情報が記載されている場合、その転送データ情報(転送対象画像データが格納されたキャラクタROM234における格納元先頭アドレスおよび格納元最終アドレスと、その転送対象画像データを格納すべき画像格納エリア236aに設けられたサブエリアの格納先先頭アドレス)を、描画リストの最後に追加する。画像コントローラ237は、描画リストにこの転送データ情報が含まれていれば、その転送データ情報に基づいて、キャラクタROM234の所定の領域(格納元先頭アドレスおよび格納元最終アドレスによって示される領域)から画像データを読み出して、通常用ビデオRAM236の画像格納エリア236aに設けられた所定のサブエリア(格納先アドレス)に、転送対象となる画像データを転送する。
計時カウンタ233hは、表示データテーブルバッファ233dに格納された表示データテーブルにより第3図柄表示装置81にて表示される演出の演出時間をカウントするカウンタである。MPU231は、表示データテーブルバッファ233dに一の表示データテーブルを格納するのに合わせて、その表示データテーブルに基づいて表示される演出の演出時間を示す時間データを設定する。この時間データは、演出時間を第3図柄表示装置81における1フレーム分の画像表示時間(本実施形態では、20ミリ秒)で割った値である。
そして、1フレーム分の画像の描画処理および表示処理が完了する20ミリ秒毎に画像コントローラ237から送信されるV割込信号に基づいて、MPU231により実行されるV割込処理(図51(b)参照)の表示設定処理が実行される度に、計時カウンタ233hが1ずつ減算される(図57のS3407参照)。その結果、計時カウンタ233hの値が0以下となった場合、MPU231は、表示データテーブルバッファ233dに格納された表示データテーブルにより表示される演出が終了したことを判断し、演出終了に合わせて行うべき種々の処理を実行する。
格納画像データ判別フラグ233iは、対応する画像データが常駐用ビデオRAM235に常駐されない全てのスプライトに対して、それぞれ、そのスプライトに対応する画像データが通常用ビデオRAM236の画像格納エリア236aに格納されているか否かを表す格納状態を示すフラグである。
この格納画像データ判別フラグ233iは、電源投入時にメイン処理の中でMPU231により実行される初期設定処理(図49のS2202参照)によって生成される。ここで生成される格納画像データ判別フラグ233iは、全てのスプライトに対する格納状態が、画像格納エリア236aに格納されていないことを示す「オフ」に設定される。
そして、格納画像データ判別フラグ233iの更新は、MPU231により実行される通常画像転送設定処理(図61参照)の中で、一のスプライトに対応する転送対象画像データの転送指示を設定した場合に行われる。この更新では、転送指示が設定された一のスプライトに対応する格納状態を、対応する画像データが画像格納エリア236aに格納されていることを示す「オン」に設定する。また、その一のスプライトと同じ画像格納エリア236aのサブエリアに格納されることになっているその他のスプライトの画像データは、一のスプライトの画像データが格納されることによって必ず未格納状態となるので、その他のスプライトに対応する格納状態を「オフ」に設定する。
また、MPU231は、常駐用ビデオRAM235に画像データが常駐されていないスプライトの画像データをキャラクタROM234から通常用ビデオRAM236へ転送する際に、格納画像データ判別フラグ233iを参照し、転送対象のスプライトの画像データが、既に通常用ビデオRAM236の画像格納エリア236aに格納されているか否かを判断する(図61のS3913参照)。そして、転送対象のスプライトに対応する格納状態が「オフ」であり、対応する画像データが画像格納エリア236aに格納されていなければ、その画像データの転送指示を設定し(図61のS3914参照)、画像コントローラ237に対して、その画像データをキャラクタROM234から画像格納エリア236aの所定サブエリアに転送させる。一方、転送対象のスプライトに対応する格納状態が「オン」であれば、既に対応する画像データが画像格納エリア236aに格納されているので、その画像データの転送処理を中止する。これにより、無駄にキャラクタROM234から通常用ビデオRAM236に対して転送されるのを抑制することができ、表示制御装置114の各部における処理負担の軽減や、バスライン240におけるトラフィックの軽減を図ることができる。
描画対象バッファフラグ233jは、2つのフレームバッファ(第1フレームバッファ236bおよび第2フレームバッファ236c)の中から、画像コントローラ237によって描画された画像を展開するフレームバッファ(以下、「描画対象バッファ」と称す)を指定するためのフラグで、描画対象バッファフラグ233jが0である場合は描画対象バッファとして第1フレームバッファ236bを指定し、1である場合は第2フレームバッファ236cを指定する。そして、この指定された描画対象バッファの情報は、描画リストと共に画像コントローラ237に送信される(図62のS4002参照)。
これにより、画像コントローラ237は、描画リストに基づいて描画した画像を、指定された描画対象バッファ上に展開する描画処理を実行する。また、画像コントローラ237は、描画処理と同時並列的に、描画対象バッファとは異なるフレームバッファから先に展開済みの描画画像情報を読み出し、駆動信号と共に第3図柄表示装置81に対して、その画像情報を転送することで、第3図柄表示装置81に画像を表示させる表示処理を実行する。
描画対象バッファフラグ233jは、描画対象バッファ情報が描画リストと共に画像コントローラ237に対して送信されるのに合わせて、更新される。この更新は、描画対象バッファフラグ233jの値を反転させることにより、即ち、その値が「0」であった場合は「1」に、「1」であった場合は「0」に設定することによって行われる。これにより、描画対象バッファは、描画リストが送信される度に、第1フレームバッファ236bと第2フレームバッファ236cとの間で交互に設定される。また、描画リストの送信は、1フレーム分の画像の描画処理および表示処理が完了する20ミリ秒毎に画像コントローラ237から送信されるV割込信号に基づいて、MPU231により実行されるV割込処理の描画処理(図51(b)のS2506参照)が実行される度に行われる。
即ち、あるタイミングで、1フレーム分の画像を展開するフレームバッファとして第1フレームバッファ236bが指定され、1フレーム分の画像情報が読み出されるフレームバッファとして第2フレームバッファ236cが指定されて、画像の描画処理および表示処理が実行されると、1フレーム分の画像の描画処理が完了する20ミリ秒後に、1フレーム分の画像を展開するフレームバッファとして第2フレームバッファ236cが指定され、1フレーム分の画像情報が読み出されるフレームバッファとして第1フレームバッファ236bが指定される。これにより、先に第1フレームバッファ236bに展開された画像の画像情報が読み出されて第3図柄表示装置81に表示させることができると同時に、第2フレームバッファ236cに新たな画像が展開される。
そして、更に次の20ミリ秒後には、1フレーム分の画像を展開するフレームバッファとして第1フレームバッファ236bが指定され、1フレーム分の画像情報が読み出されるフレームバッファとして第2フレームバッファ236cが指定される。これにより、先に第2フレームバッファ236cに展開された画像の画像情報が読み出されて第3図柄表示装置81に表示させることができると同時に、第1フレームバッファ236bに新たな画像が展開される。以後、1フレーム分の画像を展開するフレームバッファと、1フレーム分の画像情報が読み出されるフレームバッファとを、20ミリ秒毎に、それぞれ第1フレームバッファ236bおよび第2フレームバッファ236cのいずれかを交互に入れ替えて指定することによって、1フレーム分の画像の描画処理を行いながら、1フレーム分の画像の表示処理を20ミリ秒単位で連続的に行わせることができる。
背面画像変更フラグ233wは、第3図柄表示装置81に表示される背面画像の種別を変更するか否かを判別するためのフラグである。この背面画像変更フラグ233wがオンであれば、背面画像の種別を変更することを意味し、オフであれば変更を行わないことを意味する。背面画像変更フラグ233wは、音声ランプ制御装置113から送信される背面画像変更コマンドを受信した場合にオンに設定される(図56(a)のS3201参照)。また、この背面画像変更フラグ233wは、通常画像転送設定処理において参照され(図61のS3909参照)、背面画像の変更処理が実行される際にオフに設定される(図61のS3910参照)。これにより、音声ランプ制御装置113から受信した背面画像変更コマンドや演出モード変更コマンドに対応した背面画像を表示することができる。
背面画像判別フラグ233xは、設定されている背面画像種別を示すフラグである。このフラグは、例えば1バイトで構成されており、各ビットに対して各背面種別が対応付けられている。この背面画像判別フラグ233xのうち、いずれかのビットがオンであれば、そのオンのビットに対応する背面種別が現在の背面種別として設定されていることを意味する。例えば、背面画像判別フラグ233xの0ビット目がオンであれば、背面Aが設定されていることを意味する。この背面画像判別フラグ233xは、音声ランプ制御装置113から送信される背面画像変更コマンドを受信した場合に、そのコマンドにより通知された背面画像に対応するビットがオンに設定される(図56のS3202参照)。この際、他のビットは全てオフに設定される。この背面画像判別フラグ233xにより、容易に現在設定されている背面種別を特定することができる。
デモ表示フラグ233yは、デモ演出中であるか否かを示すフラグである。このデモ表示フラグ233yがオンであればデモ演出中であることを意味し、オフであればデモ演出中でないことを意味する。このデモ表示フラグ233yは、表示設定処理(図57参照)において、デモ用表示データテーブルを表示データテーブルバッファ233dに設定した場合にオンに設定され(図57のS3421参照)、デモ用表示データテーブル以外の他の表示データテーブルが表示データテーブルバッファ233dに対して設定された場合にオフに設定される(図53(a)のS2705、図54(a)のS2905、図54(b)のS3005、図55のS3105参照)。このデモ表示フラグ233yにより、現在がデモ演出中であるか否かを容易に判別することができる。
確定表示フラグ233zは、確定表示演出の実行中であるか否かを示すフラグである。ここで、確定表示演出とは、変動パターン後に停止図柄を所定期間(例えば、1秒)停止表示(確定表示)する演出を示す。この確定表示フラグ233zがオンであれば、確定表示演出中であることを意味し、オフであれば、確定表示演出中でないことを意味する。確定表示フラグ233zは、表示設定処理(図57参照)の中で、確定表示データテーブルを表示データテーブルバッファ233dに設定した場合にオンに設定され(図57のS3414)、確定表示データテーブル以外の他の表示データテーブルが表示データテーブルバッファ233dに対して設定された場合にオフに設定される(図53(a)のS2705、図54(a)のS2905、図54(b)のS3005、図55のS3105参照)。この確定表示フラグ233zにより、現在が確定表示演出中であるか否かを容易に判別することができる。
<第1実施形態における主制御装置の制御処理について>
次に、図28〜図41のフローチャートを参照して、主制御装置110内のMPU201により実行される各制御処理を説明する。かかるMPU201の処理としては大別して、電源投入に伴い起動される立ち上げ処理と、その立ち上げ処理後に実行されるメイン処理と、定期的に(本実施形態では2m秒間隔で)起動されるタイマ割込処理と、NMI端子への停電信号SG1の入力により起動されるNMI割込処理とがあり、説明の便宜上、はじめにタイマ割込処理とNMI割込処理とを説明し、その後、立ち上げ処理とメイン処理とを説明する。
図28は、主制御装置110内のMPU201により実行されるタイマ割込処理を示すフローチャートである。タイマ割込処理は、例えば2ミリ秒毎に実行される定期処理である。タイマ割込処理では、まず各種入賞スイッチの読み込み処理を実行する(S101)。即ち、主制御装置110に接続されている各種スイッチの状態を読み込むと共に、当該スイッチの状態を判定して検出情報(入賞検知情報)を保存する。
次に、第1初期値乱数カウンタCINI1と第2初期値乱数カウンタCINI2の更新を実行する(S102)。具体的には、第1初期値乱数カウンタCINI1を1加算すると共に、そのカウンタ値が最大値(本実施形態では299)に達した際、0にクリアする。そして、第1初期値乱数カウンタCINI1の更新値を、RAM203の該当するバッファ領域に格納する。同様に、第2初期値乱数カウンタCINI2を1加算すると共に、そのカウンタ値が最大値(本実施形態では299)に達した際、0にクリアし、その第2初期値乱数カウンタCINI2の更新値をRAM203の該当するバッファ領域に格納する。
更に、第1当たり乱数カウンタC1、第1当たり種別カウンタC2、停止種別選択カウンタC3及び第2当たり乱数カウンタC4の更新を実行する(S103)。具体的には、第1当たり乱数カウンタC1、第1当たり種別カウンタC2、停止種別選択カウンタC3及び第2当たり乱数カウンタC4をそれぞれ1加算すると共に、それらのカウンタ値が最大値(本実施形態ではそれぞれ、299,99,99,239)に達した際、それぞれ0にクリアする。そして、各カウンタC1〜C4の更新値を、RAM203の該当するバッファ領域に格納する。
次に、第1図柄表示装置37において表示を行うための処理であると共に、第3図柄表示装置81による第3図柄の変動パターンなどを設定する特別図柄変動処理を実行し(S104)、次いで、第1入球口64、または第2入球口640への入賞(始動入賞)に伴う始動入賞処理を実行する(S105)。尚、特別図柄変動処理、及び、始動入賞処理の詳細については、図29〜図31を参照して後述する。
始動入賞処理を実行した後は、第2図柄表示装置83において表示を行うための処理である普通図柄変動処理を実行し(S106)、スルーゲート67における球の通過に伴うスルーゲート通過処理を実行する(S107)。尚、普通図柄変動処理、及び、スルーゲート通過処理の詳細は、図32および図33を参照して後述する。スルーゲート通過処理を実行した後は、発射制御処理を実行し(S108)、更に、定期的に実行すべきその他の処理を実行して(S109)、タイマ割込処理を終了する。なお、発射制御処理は、遊技者が操作ハンドル51に触れていることをタッチセンサ51aにより検出し、且つ、発射を停止させるための打ち止めスイッチ51bが操作されていないことを条件に、球の発射のオン/オフを決定する処理である。主制御装置110は、球の発射がオンである場合に、発射制御装置112に対して球の発射指示をする。
次に、図29を参照して、主制御装置110内のMPU201により実行される特別図柄変動処理(S104)について説明する。図29は、この特別図柄変動処理(S104)を示すフローチャートである。この特別図柄変動処理(S104)は、タイマ割込処理(図28参照)の中で実行され、第1図柄表示装置37において行う特別図柄(第1図柄)の変動表示や、第3図柄表示装置81において行う第3図柄の変動表示などを制御するための処理である。
この特別図柄変動処理では、まず、今現在が、特別図柄の大当たり中であるか否かを判定する(S201)。特別図柄の大当たり中としては、第1図柄表示装置37及び第3図柄表示装置81において特別図柄の大当たり(特別図柄の大当たり遊技中も含む)を示す表示がなされている最中と、特別図柄の大当たり遊技終了後の所定時間の最中とが含まれる。判定の結果、特別図柄の大当たり中であれば(S201:Yes)、そのまま本処理を終了する。
特別図柄の大当たり中でなければ(S201:No)、第1図柄表示装置37の表示態様が変動中であるか否かを判定し(S202)、第1図柄表示装置37の表示態様が変動中でなければ(S202:No)、特別図柄2保留球数カウンタ203eの値(特別図柄2における変動表示の保留回数N2)を取得する(S203)。次に、特別図柄2保留球数カウンタ203eの値(N2)が0よりも大きいか否かを判別する(S204)。特別図柄2保留球数カウンタ203eの値(N2)が0でなければ(S204:Yes)、特別図柄2保留球数カウンタ203eの値(N2)を1減算し(S205)、演算により変更された特別図柄2保留球数カウンタ203eの値を示す保留球数コマンド(特図2保留球数コマンド)を設定する(S206)。ここで設定された保留球数コマンド(特図2保留球数コマンド)は、RAM203に設けられたコマンド送信用のリングバッファに記憶され、MPU201により実行される後述のメイン処理(図36参照)の外部出力処理(S901)の中で、音声ランプ制御装置113に向けて送信される。音声ランプ制御装置113は、特図2保留球数コマンドを受信すると、その特図2保留球数コマンドから特別図柄2保留球数カウンタ203eの値を抽出し、抽出した値をRAM223の特別図柄保留球数カウンタ223bに格納する。
S206の処理により特図2保留球数コマンドを設定した後は、特別図柄2保留球格納エリア203bに格納されたデータをシフトする(S207)。S207の処理では、特別図柄2保留球格納エリア203bの保留第1エリア〜保留第4エリアに格納されているデータを、実行エリア側に順にシフトさせる処理を行う。より具体的には、保留第1エリア→実行エリア、保留第2エリア→保留第1エリア、保留第3エリア→保留第2エリア、保留第4エリア→保留第3エリアといった具合に各エリア内のデータをシフトし、S213の処理へ移行する。
一方、S204の処理において、特別図柄2保留球数カウンタ203eの値(N2)が0である場合は(S204:No)、特別図柄1保留球数カウンタ203dの値(特別図柄1における変動表示の保留回数N1)を取得し(S208)、取得した特別図柄1保留球数カウンタ203dの値(N1)が0よりも大きいか否かを判別する(S209)。
S209の処理において、特別図柄1保留球数カウンタ203dの値(N1)が0であると判別した場合は(S209:No)、そのまま本処理を終了する。一方、S209の処理において、特別図柄1保留球数カウンタ203dの値(N1)が0でない(即ち、1以上である)と判別した場合は(S209:Yes)、特別図柄1保留球数カウンタ203dの値(N1)を1減算し(S210)、演算により変更された特別図柄1保留球数カウンタ203dの値を示す保留球数コマンド(特図1保留球数コマンド)を設定する(S211)。ここで設定された保留球数コマンド(特図1保留球数コマンド)は、RAM203に設けられたコマンド送信用のリングバッファに記憶され、MPU201により実行される後述のメイン処理(図36参照)の外部出力処理(S901)の中で、音声ランプ制御装置113に向けて送信される。音声ランプ制御装置113は、特図1保留球数コマンドを受信すると、その特図1保留球数コマンドから特別図柄1保留球数カウンタ203dの値を抽出し、抽出した値をRAM223の特別図柄保留球数カウンタ223bに格納する。
S211の処理により保留球数コマンドを設定した後は、特別図柄1保留球格納エリア203aに格納されたデータを、S207の処理と同一の手法によりシフトして(S212)、処理をS213へと移行する。S207、またはS212の処理後に実行されるS213の処理では、第1図柄表示装置37において変動表示を開始するための特別図柄変動開始処理を実行し(S213)、本処理を終了する。なお、この特別図柄変動開始処理の詳細については、図30を参照して後述する。
S202の処理において、第1図柄表示装置37の表示態様が変動中であれば(S202:Yes)、第1図柄表示装置37において実行している変動表示の変動時間が経過したか否かを判別する(S214)。第1図柄表示装置37において実行される変動表示の変動時間は、変動種別カウンタCS1により選択された変動パターンに応じて決められており(変動パターンコマンドに応じて決められており)、この変動時間が経過していなければ(S214:No)、第1図柄表示装置37の停止図柄に対応した表示態様を設定し(S215)、本処理を終了する。
一方、S214の処理において、実行している変動表示の変動時間が経過していれば(S214:Yes)、第1図柄表示装置37の停止図柄に対応した表示態様を設定する(S216)。停止図柄の設定は、図30を参照して後述する特別図柄変動開始処理(S213)によって予め行われる。この特別図柄変動開始処理(S213)が実行されると、特別図柄1保留球格納エリア203aの実行エリアに格納された各種カウンタの値に基づいて、特別図柄の抽選が行われる。より具体的には、第1当たり乱数カウンタC1の値に応じて特別図柄の大当たりか否かが決定されると共に、特別図柄の大当たりである場合には、第1当たり種別カウンタC2の値に応じて大当たりA〜Dのいずれかが決定される。
尚、本実施形態では、大当たりAになる場合には、第1図柄表示装置37において青色のLEDを点灯させ、大当たりBになる場合には赤色のLEDを点灯させ、大当たりCとなる場合には、緑色のLEDを点灯させ、大当たりDとなる場合には、青色のLEDと緑色のLEDを点灯させる。また、外れである場合には赤色のLEDと緑色のLEDとを点灯させる。なお、各LEDの表示は、次の変動表示が開始される場合に点灯が解除されるが、変動の停止後数秒間のみ点灯させるものとしても良い。
S216の処理が終了した後は、第1図柄表示装置37において実行中の変動表示が開始されたときに、特別図柄変動開始処理によって行われた特別図柄の抽選結果(今回の抽選結果)が、特別図柄の大当たりであるかを判定する(S217)。今回の抽選結果が特別図柄の大当たりであれば(S217:Yes)、確変カウンタ203gの値を0に設定し(S218)、特別図柄の大当たりの開始を設定して(S219)、S222の処理へと移行する。S219の処理によって、特別図柄の大当たりの開始が設定されると、メイン処理(図36参照)の大当たり制御処理(S904)が実行された場合に、S1001:Yesへ分岐して、オープニングコマンドが設定される(S1002)。その結果、第3図柄表示装置81において、大当たり演出が開始される。
S217の処理において、今回の抽選結果が特別図柄の外れであれば(S217:No)、確変カウンタ203gの値が1以上であるかを判定し(S220)、確変カウンタ203gの値が1以上であれば(S220:Yes)、確変カウンタ203gの値を1減算して(S221)、S222の処理へ移行する。一方、確変カウンタ203gの値が0であれば(S220:No)、S221の処理をスキップして、S222の処理へ移行する。S222の処理では、停止コマンドを設定し(S222)、その後、本処理を終了する。なお、図示については省略したが、S221の処理により減算された確変カウンタ203gの値が0となった場合には、特別図柄の確変状態から低確率状態へと移行したことを音声ランプ制御装置113に通知するための状態コマンドを設定する。
ここで設定された状態コマンドは、RAM203に設けられたコマンド送信用のリングバッファに記憶され、MPU201により実行される後述のメイン処理(図36参照)の外部出力処理(S901)の中で、音声ランプ制御装置113に向けて送信される。音声ランプ制御装置113は、状態コマンドを受信すると、状態コマンドに含まれる遊技状態や振分回転体661の配置(配置格納エリア203jに記憶された配置データ)を取得する。これにより、音声ランプ制御装置113の把握する状態を、実際のパチンコ機10の状態に一致させることができる。
次に、図30を参照して、主制御装置110内のMPU201により実行される特別図柄変動開始処理(S213)について説明する。図30は、特別図柄変動開始処理(S213)を示したフローチャートである。この特別図柄変動開始処理(S213)は、タイマ割込処理(図28参照)の特別図柄変動処理(図29参照)の中で実行される処理であり、特別図柄1保留球格納エリア203aおよび特別図柄2保留球格納エリア203bの実行エリアに格納された各種カウンタの値に基づいて、「特別図柄の大当たり」又は「特別図柄の外れ」の抽選(当否判定)を行うと共に、第1図柄表示装置37および第3図柄表示装置81で行われる変動演出の演出パターン(変動パターン)を決定するための処理である。
特別図柄変動開始処理では、まず、特別図柄1保留球格納エリア203a、または特別図柄2保留球格納エリア203bの実行エリアに格納されている第1当たり乱数カウンタC1、第1当たり種別カウンタC2、及び、停止種別選択カウンタC3の各値を取得する(S301)。
次に、確変カウンタ203gの状態を参照して、パチンコ機10が特別図柄の確変中であるか否かを判定する(S302)。S302の処理において、パチンコ機10が特別図柄の確変中である(即ち、確変カウンタ203gがオンである)と判別した場合は(S302:Yes)、S301の処理で取得した第1当たり乱数カウンタC1の値と、高確率時用の特別図柄大当たり乱数テーブルとに基づいて、特別図柄の大当たりか否かの抽選結果を取得する(S303)。具体的には、第1当たり乱数カウンタC1の値を、高確率時用の第1当たり乱数テーブル(図10(a)参照)に格納されている10の乱数値と1つ1つ比較する。上述したように、特別図柄の大当たりとなる乱数値としては、「1〜10」の10個が設定されており、第1当たり乱数カウンタC1の値と、これらの当たりとなる乱数値とが一致する場合に、特別図柄の大当たりであると判定する。特別図柄の抽選結果を取得したら、S305の処理へ移行する。
一方、S302の処理において、パチンコ機10が確変中でない(即ち、確変カウンタ203gがオフである)と判別した場合は(S302:No)、パチンコ機10が特別図柄の低確率状態であるので、S301の処理で取得した第1当たり乱数カウンタC1の値と、低確率時用の第1当たり乱数テーブル(図10(a)参照)とに基づいて、特別図柄の大当たりか否かの抽選結果を取得する(S304)。具体的には、第1当たり乱数カウンタC1の値を、低確率時用の特別図柄大当たり乱数テーブルに格納されている乱数値「0」と比較する。第1当たり乱数カウンタC1の値が、当たりとなる乱数値(即ち、「0」)と一致する場合に、特別図柄の大当たりであると判定する。特別図柄の抽選結果を取得したら、S305の処理へ移行する。
そして、S303またはS304の処理によって取得した特別図柄の抽選結果が、特別図柄の大当たりであるかを判定し(S305)、特別図柄の大当たりであると判定された場合には(S305:Yes)、S301の処理で取得した第1当たり種別カウンタC2の値に基づいて、大当たり時の表示態様を設定する(S306)。より具体的には、S301の処理で取得した第1当たり種別カウンタC2の値と、第1当たり種別選択テーブル202bに格納されている乱数値とを比較し、大当たり種別が何であるかを判定する。上述したように、特別図柄1の抽選で大当たりとなった場合は、第1当たり種別カウンタC2の値が「0〜69」の範囲にあれば、大当たりA(15Rショート開放大当たり)であると判定し、「70〜99」の範囲にあれば、大当たりB(15Rロング開放大当たり)であると判定する(図10(b)参照)。一方、特別図柄2の抽選で大当たりとなった場合は、第1当たり種別カウンタC2の値が「0〜69」の範囲にあれば、大当たりC(15Rショート開放大当たり)であると判定し、「70〜99」の範囲にあれば、大当たりD(15Rロング開放大当たり)であると判定する(図10(b)参照)。
このS306の処理では、判定された大当たり種別(大当たりA、大当たりB、大当たりC、大当たりD)に応じて、第1図柄表示装置37の表示態様(LED37aの点灯状態)が設定される。また、大当たり種別に対応した停止図柄を、第3図柄表示装置81において停止表示させるべく、大当たり種別(大当たりA、大当たりB、大当たりC、大当たりD)が停止種別として設定される。
次に、大当たり時の変動パターンを決定する(S307)。S307の処理で変動パターンが設定されると、第1図柄表示装置37における変動演出の変動時間(表示時間)が設定されると共に、第3図柄表示装置81において大当たり図柄で停止するまでの第3図柄の変動時間が決定される。このとき、RAM203のカウンタ用バッファに格納されている変動種別カウンタCS1の値と、変動パターンテーブル202d(図11(a)参照)とを比較し、変動種別カウンタCS1の値に対応する変動パターン(変動時間)を決定する。
一方、S305の処理において、特別図柄の外れであると判定された場合には(S305:No)、外れ時の表示態様を設定する(S308)。S308の処理では、第1図柄表示装置37の表示態様を外れ図柄に対応した表示態様に設定すると共に、特別図柄1保留球格納エリア203a、または特別図柄2保留球格納エリア203bの実行エリアに格納されている停止種別選択カウンタC3の値に基づいて、第3図柄表示装置81において表示させる停止種別として、前後外れリーチであるか、前後外れ以外リーチであるか、完全外れであるかを設定する。
ここでは、パチンコ機10が特別図柄の確変状態であれば、S301の処理で取得した停止種別選択カウンタC3の値と、高確率時用の停止種別選択テーブルに格納されている乱数値とを比較して、停止種別を設定する。具体的には、停止種別選択カウンタC3の値が「0〜89」の範囲にあれば、完全外れを設定し、「90〜97」の範囲にあれば前後外れ以外リーチを設定し、「98,99」であれば前後外れリーチを設定する。一方、パチンコ機10が特別図柄の通常状態であれば、停止種別選択カウンタC3の値と、低確率時用の停止種別選択テーブルに格納されている乱数値とを比較して、停止種別を設定する。具体的には、停止種別選択カウンタC3の値が「0〜79」の範囲にあれば、完全外れを設定し、「80〜97」の範囲にあれば前後外れ以外リーチを設定し、「98,99」であれば前後外れリーチを設定する。
次に、外れ時の変動パターンを決定する(S309)。ここでは、第1図柄表示装置37の表示時間が設定されると共に、第3図柄表示装置81において外れ図柄で停止するまでの第3図柄の変動時間が決定される。このとき、S307の処理と同様に、RAM203のカウンタ用バッファに格納されている変動種別カウンタCS1の値と、変動パターンテーブル202dとを比較し、変動種別カウンタCS1の値に対応する変動パターン(変動時間)を決定する。
S307の処理またはS309の処理が終わると、次に、S307の処理またはS309の処理で決定した変動パターンを表示制御装置114へ通知するための変動パターンコマンドを設定する(S310)。次いで、S306又はS308の処理で設定された停止種別を表示制御装置114へ通知するための停止種別コマンドを設定する(S311)。これらの変動パターンコマンドおよび停止種別コマンドは、RAM203に設けられたコマンド送信用のリングバッファに記憶され、メイン処理(図36参照)のS901の処理で、これらのコマンドが音声ランプ制御装置113に送信される。音声ランプ制御装置113は、停止種別コマンドをそのまま表示制御装置114へ送信する。S311の処理が終わると、特別図柄変動処理へ戻る。
次に、図31のフローチャートを参照して、主制御装置110内のMPU201により実行される始動入賞処理(S105)を説明する。図30は、この始動入賞処理(S105)を示すフローチャートである。この始動入賞処理(S105)は、タイマ割込処理(図28参照)の中で実行され、第1入球口64、および第2入球口640への入賞(始動入賞)の有無を判断し、始動入賞があった場合に、各種乱数カウンタが示す値の保留処理を実行するための処理である。
始動入賞処理が実行されると、まず、球が第1入球口64に球が入賞(始動入賞)したか否かを判定する(S401)。ここでは、第1入球口64への入球を3回のタイマ割込処理にわたって検出する。そして、球が第1入球口64に入賞したと判別されると(S401:Yes)、特別図柄1保留球数カウンタ203dの値(特別図柄における変動表示の保留回数N1)を取得する(S402)。そして、特別図柄1保留球数カウンタ203dの値(N1)が上限値(本実施形態では4)未満であるか否かを判定する(S403)。
そして、球が第1入球口64への入賞がないか(S401:No)、或いは、球が第1入球口64への入賞があっても特別図柄1保留球数カウンタ203dの値(N1)が4未満でなければ(S403:No)、処理をS407へと移行する。一方、第1入球口64への入賞があり(S401:Yes)、且つ、特別図柄1保留球数カウンタ203dの値(N1)が4未満であれば(S403:Yes)、特別図柄1保留球数カウンタ203dの値(N1)を1加算する(S404)。そして、演算により変更された特別図柄1保留球数カウンタ203dの値を示す特図1保留球数コマンドを設定する(S405)。
ここで設定された特図1保留球数コマンドは、RAM203に設けられたコマンド送信用のリングバッファに記憶され、MPU201により実行される後述のメイン処理(図36参照)の外部出力処理(S901)の中で、音声ランプ制御装置113に向けて送信される。音声ランプ制御装置113は、特図1保留球数コマンドを受信すると、その保留球数コマンドから特別図柄1保留球数カウンタ203dの値を抽出し、抽出した値をRAM223の特別図柄保留球数カウンタ223bに格納する。
S405の処理により特図1保留球数コマンドを設定した後は、上述したタイマ割込処理のS103で更新した第1当たり乱数カウンタC1、第1当たり種別カウンタC2及び停止種別選択カウンタC3の各値を、RAM203の特別図柄1保留球格納エリア203aの空き保留エリア(保留第1エリア〜保留第4エリア)のうち最初のエリアに格納する(S406)。尚、S406の処理では、特別図柄1保留球カウンタ203dの値を参照し、その値が0であれば、保留第1エリアを最初のエリアとする。同様に、その値が1であれば保留第2エリアを、その値が2であれば保留第3エリアを、その値が3であれば保留第4エリアを、それぞれ最初のエリアとする。
次に、球が第2入球口640に入賞(始動入賞)したか否かを判定する(S407)。本処理でも、S401の処理と同様に、第2入球口640への入球を3回のタイマ割込処理にわたって検出する。そして、球が第2入球口640に入賞したと判別されると(S407:Yes)、特別図柄2保留球数カウンタ203eの値(特別図柄における変動表示の保留回数N2)を取得し(S408)、特別図柄2保留球数カウンタ203eの値(N2)が上限値(本実施形態では4)未満であるか否かを判定する(S409)。
そして、第2入球口640への入賞がないか(S407:No)、或いは、第2入球口640への入賞があっても特別図柄2保留球数カウンタ203eの値(N2)が4未満でない(即ち、4である)と判定した場合は(S409:No)、そのまま本処理を終了し、タイマ割込処理へ戻る。一方、第2入球口640への入賞があり(S407:Yes)、且つ、特別図柄2保留球数カウンタ203eの値(N2)が4未満であれば(S409:Yes)、特別図柄2保留球数カウンタ203eの値(N2)に1を加算する(S410)。そして、演算により変更された特別図柄2保留球数カウンタ203eの値を示す特図2保留球数コマンドを設定する(S411)。
ここで設定された特図2保留球数コマンドは、RAM203に設けられたコマンド送信用のリングバッファに記憶され、MPU201により実行される後述のメイン処理(図36参照)の外部出力処理(S901)の中で、音声ランプ制御装置113に向けて送信される。音声ランプ制御装置113は、特図2保留球数コマンドを受信すると、その特図2保留球数コマンドから特別図柄2保留球数カウンタ203eの値を抽出し、抽出した値をRAM223の特別図柄保留球数カウンタ223bに格納する。
S411の処理により特図2保留球数コマンドを設定した後は、上述したタイマ割込処理のS103の処理で更新した第1当たり乱数カウンタC1、第1当たり種別カウンタC2及び停止種別選択カウンタC3の各値を、RAM203の特別図柄2保留球格納エリア203bの空き保留エリア(保留第1エリア〜保留第4エリア)のうち最初のエリアに格納し(S412)、本処理を終了してタイマ割込処理へ戻る。尚、S412の処理では、S406の処理と同様に、特別図柄2保留球カウンタ203eの値を参照し、その値が0であれば、保留第1エリアを最初のエリアとする。同様に、その値が1であれば保留第2エリアを、その値が2であれば保留第3エリアを、その値が3であれば保留第4エリアを、それぞれ最初のエリアとする。
次に、図32を参照して、主制御装置110内のMPU201により実行される普通図柄変動処理(S106)について説明する。図32は、この普通図柄変動処理(S106)を示すフローチャートである。この普通図柄変動処理(S106)は、タイマ割込処理(図28参照)の中で実行され、第2図柄表示装置83において行う第2図柄の変動表示や、第2入球口640に付随する電動役物640aの開放時間などを制御するための処理である。
この普通図柄変動処理では、まず、今現在が、普通図柄(第2図柄)の当たり中であるか否かを判定する(S501)。普通図柄(第2図柄)の当たり中としては、第2図柄表示装置83において当たりを示す表示がなされている最中と、第2入球口640に付随する電動役物640aの開閉制御がなされている最中とが含まれる。判定の結果、普通図柄(第2図柄)の当たり中であれば(S501:Yes)、そのまま本処理を終了する。
一方、普通図柄(第2図柄)の当たり中でなければ(S501:No)、第2図柄表示装置83の表示態様が変動中であるか否かを判定し(S502)、第2図柄表示装置83の表示態様が変動中でなければ(S502:No)、普通図柄保留球数カウンタ203fの値(普通図柄における変動表示の保留回数M)を取得する(S503)。次に、普通図柄保留球数カウンタ203fの値(M)が0よりも大きいか否かを判別し(S504)、普通図柄保留球数カウンタ203fの値(M)が0であれば(S504:No)、そのまま本処理を終了する。一方、普通図柄保留球数カウンタ203fの値(M)が0でなければ(S504:Yes)、普通図柄保留球数カウンタ203fの値(M)を1減算する(S505)。
次に、普通図柄保留球格納エリア203cに格納されたデータをシフトする(S506)。S506の処理では、普通図柄保留球格納エリア203cの保留第1エリア〜保留第4エリアに格納されているデータを、実行エリア側に順にシフトさせる処理を行う。より具体的には、保留第1エリア→実行エリア、保留第2エリア→保留第1エリア、保留第3エリア→保留第2エリア、保留第4エリア→保留第3エリアといった具合に各エリア内のデータをシフトする。データをシフトした後は、普通図柄保留球格納エリア203cの実行エリアに格納されている第2当たり乱数カウンタC4の値を取得する(S507)。
次に、普通図柄の時短状態であるか否かを判定する(S508)。なお、上述した通り、本実施形態におけるパチンコ機10では、特別図柄の確変状態となっている期間と、普通図柄の時短状態となっている期間とが一致する。よって、S508の処理では、RAM203の確変カウンタ203gの値が1以上であれば普通図柄の時短状態であると判定し、値が0であれば、普通図柄の通常状態であると判定する。
S508の処理において、普通図柄の時短状態であると判定した場合は(S508:Yes)、今現在が、特別図柄の大当たり中であるか否かを判定する(S509)。特別図柄の大当たり中としては、第1図柄表示装置37及び第3図柄表示装置81において特別図柄の大当たり(特別図柄の大当たり遊技中も含む)を示す表示がなされている最中と、特別図柄の大当たり遊技終了後の所定時間の最中とが含まれる。判定の結果、特別図柄の大当たり中であれば(S509:Yes)、S511の処理に移行する。本実施形態では、特別図柄の大当たり中は、普通図柄の抽選が当たりとなりにくくなるように構成されている。これは、特別図柄の大当たり中(即ち、特別遊技状態中)は、遊技者が第1特定入賞口65aや、第2特定入賞口650aに入賞させようとして球を打つので、第2入球口640に付随する電動役物640aが開放されて、第2特定入賞口650aに入賞させようとした球が、第2入球口640に入ることをできるだけ抑制するためである。
S509の処理において、特別図柄の大当たり中でなければ(S509:No)、パチンコ機10が特別図柄の大当たり中でなくて、パチンコ機10が普通図柄の時短状態であるので、S507の処理で取得した第2当たり乱数カウンタC4の値と、高確率時用の普通図柄当たり乱数テーブルと基づいて、普通図柄の当たりか否かの抽選結果を取得する(S510)。具体的には、第2当たり乱数カウンタC4の値と、高確率時用の普通図柄当たり乱数テーブルに格納されている乱数値と比較する。上述したように、第2当たり種別カウンタC4の値が「5〜204」の範囲にあれば、普通図柄の当たりであると判定し、「0〜4,205〜239」の範囲にあれば、普通図柄の外れであると判定する(図10(c)参照)。
S508の処理において、普通図柄の時短状態でないと判定した場合は(S508:No)、S511の処理へ移行する。S511の処理では、パチンコ機10が特別図柄の大当たり中であるか、又は、パチンコ機10が普通図柄の通常状態であるので、S507の処理で取得した第2当たり乱数カウンタC4の値と、低確率時用の普通図柄当たり乱数テーブルとに基づいて、普通図柄の当たりか否かの抽選結果を取得する(S511)。具体的には、第2当たり乱数カウンタC4の値と、低確率時用の普通図柄当たり乱数テーブルに格納されている乱数値と比較する。上述したように、第2当たり種別カウンタC4の値が「5〜28」の範囲にあれば、普通図柄の当たりであると判定し、「0〜4,29〜239」の範囲にあれば、普通図柄の外れであると判定する(図10(c)参照)。
次に、S510またはS511の処理によって取得した普通図柄の抽選結果が、普通図柄の当たりであるかを判定し(S512)、普通図柄の当たりであると判定された場合には(S512:Yes)、当たり時の表示態様を設定する(S513)。このS513の処理では、第2図柄表示装置83における変動表示が終了した後に、停止図柄(第2図柄)として「○」の図柄が点灯表示されるように設定する。
そして、普通図柄の時短状態であるかを判定し(S514)、普通図柄の時短状態であれば(S514:Yes)、今現在が、特別図柄の大当たり中であるか否かを判定する(S515)。判定の結果、特別図柄の大当たり中であれば(S515:Yes)、S517の処理に移行する。本実施形態では、特別図柄の大当たり中は、球が第2入球口640に入ることをできるだけ抑制するために、普通図柄の当たりになった場合でも、普通図柄の外れとなった場合と同様に、電動役物640aの開放回数、および開放時間が設定される。
S515の処理において、特別図柄の大当たり中でなければ(S515:No)、パチンコ機10が特別図柄の大当たり中でなくて、パチンコ機10が普通図柄の時短状態であるので、第2入球口640に付随する電動役物640aの開放期間を1秒間に設定すると共に、その開放回数を2回に設定し(S516)、S519の処理へ移行する。S514の処理において、普通図柄の時短状態ではない場合は(S514:No)、S517の処理へ移行する。S517の処理では、パチンコ機10が特別図柄の大当たり中であるか、又は、パチンコ機10が普通図柄の通常状態であるので、第2入球口640に付随する電動役物640aの開放期間を0.2秒間に設定すると共に、その開放回数を1回に設定し(S517)、S519の処理へ移行する。
S512の処理において、普通図柄の外れであると判定された場合には(S512:No)、外れ時の表示態様を設定する(S518)。このS518の処理では、第2図柄表示装置83における変動表示が終了した後に、停止図柄(第2図柄)として「×」の図柄が点灯表示されるように設定する。外れ時の表示態様の設定が終了したら、S519の処理へ移行する。
S519の処理では、普通図柄の時短状態であるかを判定し(S519)、普通図柄の時短状態である(即ち、確変カウンタ203gの値が1以上である)と判定した場合は(S519:Yes)、第2図柄表示装置83における変動表示の変動時間を3秒間に設定して(S520)、本処理を終了する。一方、普通図柄の時短状態でない(即ち、確変カウンタ203gの値が0である)と判定した場合は(S519:No)、第2図柄表示装置83における変動表示の変動時間を30秒間に設定して(S521)、本処理を終了する。このように、特別図柄の大当たり中を除き、普通図柄の高確率時には、普通図柄の低確率時と比較して、変動表示の時間が「30秒→3秒」と非常に短くなり、更に、第2入球口640の開放期間が「0.2秒×1回→1秒間×2回」と非常に長くなるので、第2入球口640へ球が入球し易い状態となる。
S502の処理において、第2図柄表示装置83の表示態様が変動中であれば(S502:Yes)、第2図柄表示装置83において実行している変動表示の変動時間が経過したか否かを判別する(S522)。尚、ここでの変動時間は、第2図柄表示装置83において変動表示が開始される前に、S520の処理またはS521の処理によって予め設定された時間である。
S522の処理において、変動時間が経過していなければ(S522:No)、本処理を終了する。一方、S522の処理において、実行している変動表示の変動時間が経過していれば(S522:Yes)、第2図柄表示装置83の停止表示を設定する(S523)。S523の処理では、普通図柄の抽選が当たりとなって、S513の処理により表示態様が設定されていれば、第2図柄としての「○」図柄が、第2図柄表示装置83において停止表示(点灯表示)されるように設定される。一方、普通図柄の抽選が外れとなって、S518の処理により表示態様が設定されていれば、第2図柄としての「×」図柄が、第2図柄表示装置83において停止表示(点灯表示)されるように設定される。S523の処理により、停止表示が設定されると、次にメイン処理(図36参照)の第2図柄表示更新処理(S907参照)が実行された場合に、第2図柄表示装置83における変動表示が終了し、S513の処理またはS518の処理で設定された表示態様で、停止図柄(第2図柄)が第2図柄表示装置83に停止表示(点灯表示)される。
次に、第2図柄表示装置83において実行中の変動表示が開始されたときに、普通図柄変動処理によって行われた普通図柄の抽選結果(今回の抽選結果)が、普通図柄の当たりであるかを判定する(S524)。今回の抽選結果が普通図柄の当たりであれば(S524:Yes)、第2入球口640に付随する電動役物640aの開閉制御開始を設定し(S525)、本処理を終了する。S525の処理によって、電動役物の開閉制御開始が設定されると、次にメイン処理(図36参照)の電動役物開閉処理(S905参照)が実行された場合に、電動役物の開閉制御が開始され、S516の処理またはS517の処理で設定された開放時間および開放回数が終了するまで電動役物の開閉制御が継続される。一方、S524の処理において、今回の抽選結果が普通図柄の外れであれば(S524:No)、S525の処理をスキップして、本処理を終了する。
次に、図33のフローチャートを参照して、主制御装置110内のMPU201により実行されるスルーゲート通過処理(S107)を説明する。図33は、このスルーゲート通過処理(S107)を示すフローチャートである。このスルーゲート通過処理(S107)は、タイマ割込処理(図28参照)の中で実行され、普通入球口(スルーゲート)67における球の通過の有無を判断し、球の通過があった場合に、第2当たり乱数カウンタC4が示す値を取得し保留するための処理である。
スルーゲート通過処理では、まず、球がスルーゲート67を通過したか否かを判定する(S601)。ここでは、スルーゲート67における球の通過を3回のタイマ割込処理にわたって検出する。そして、球がスルーゲート67を通過したと判定されると(S601:Yes)、普通図柄保留球数カウンタ203fの値(普通図柄における変動表示の保留回数M)を取得する(S602)。そして、普通図柄保留球数カウンタ203fの値(M)が上限値(本実施形態では4)未満であるか否かを判定する(S603)。
球がスルーゲート67を通過していないか(S601:No)、或いは、球がスルーゲート67を通過していても普通図柄保留球数カウンタ203fの値(M)が4未満でなければ(S603:No)、本処理を終了する。一方、球がスルーゲート67を通過し(S601:Yes)、且つ、普通図柄保留球数カウンタ203fの値(M)が4未満であれば(S603:Yes)、普通図柄保留球数カウンタ203fの値(M)を1加算する(S604)。そして、上述したタイマ割込処理のS103で更新した第2当たり乱数カウンタC4の値を、RAM203の普通図柄保留球格納エリア203cの空き保留エリア(保留第1エリア〜保留第4エリア)のうち最初のエリアに格納して(S605)、本処理を終了する。尚、S605の処理では、普通図柄保留球カウンタ203fの値を参照し、その値が0であれば、保留第1エリアを最初のエリアとする。同様に、その値が1であれば保留第2エリアを、その値が2であれば保留第3エリアを、その値が3であれば保留第4エリアを、それぞれ最初のエリアとする。
図34は、主制御装置110内のMPU201により実行されるNMI割込処理を示すフローチャートである。NMI割込処理は、停電の発生等によるパチンコ機10の電源遮断時に、主制御装置110のMPU201により実行される処理である。このNMI割込処理により、電源断の発生情報がRAM203に記憶される。即ち、停電の発生等によりパチンコ機10の電源が遮断されると、停電信号SG1が停電監視回路252から主制御装置110内のMPU201のNMI端子に出力される。すると、MPU201は、実行中の制御を中断してNMI割込処理を開始し、電源断の発生情報の設定として、電源断の発生情報をRAM203に記憶し(S701)、NMI割込処理を終了する。
なお、上記のNMI割込処理は、払出発射制御装置111でも同様に実行され、かかるNMI割込処理により、電源断の発生情報がRAM213に記憶される。即ち、停電の発生等によりパチンコ機10の電源が遮断されると、停電信号SG1が停電監視回路252から払出制御装置111内のMPU211のNMI端子に出力され、MPU211は実行中の制御を中断して、NMI割込処理を開始するのである。
次に、図35を参照して、主制御装置110に電源が投入された場合に主制御装置110内のMPU201により実行される立ち上げ処理について説明する。図35は、この立ち上げ処理を示すフローチャートである。この立ち上げ処理は電源投入時のリセットにより起動される。立ち上げ処理では、まず、電源投入に伴う初期設定処理を実行する(S801)。例えば、スタックポインタに予め決められた所定値を設定する。次いで、サブ側の制御装置(音声ランプ制御装置113、払出制御装置111等の周辺制御装置)が動作可能な状態になるのを待つために、ウエイト処理(本実施形態では1秒)を実行する(S802)。そして、RAM203のアクセスを許可する(S803)。
その後は、電源装置115に設けたRAM消去スイッチ122(図3参照)がオンされているか否かを判別し(S804)、オンされていれば(S804:Yes)、処理をS814へ移行する。一方、RAM消去スイッチ122がオンされていなければ(S804:No)、更にRAM203に電源断の発生情報が記憶されているか否かを判別し(S805)、記憶されていなければ(S805:No)、前回の電源遮断時の処理が正常に終了しなかった可能性があるので、この場合も、処理をS814へ移行する。
RAM203に電源断の発生情報が記憶されていれば(S805:Yes)、RAM判定値を算出し(S806)、算出したRAM判定値が正常でなければ(S807:No)、即ち、算出したRAM判定値が電源遮断時に保存したRAM判定値と一致しなければ、バックアップされたデータは破壊されているので、かかる場合にも処理をS814へ移行する。なお、図36のS914の処理で後述する通り、RAM判定値は、例えばRAM203の作業領域アドレスにおけるチェックサム値である。このRAM判定値に代えて、RAM203の所定のエリアに書き込まれたキーワードが正しく保存されているか否かによりバックアップの有効性を判断するようにしても良い。
S814の処理では、サブ側の制御装置(周辺制御装置)となる払出制御装置111を初期化するために払出初期化コマンドを送信する(S814)。払出制御装置111は、この払出初期化コマンドを受信すると、RAM213のスタックエリア以外のエリア(作業領域)をクリアし、初期値を設定して、遊技球の払い出し制御を開始可能な状態となる。主制御装置110は、払出初期化コマンドの送信後は、RAM203の初期化処理(S815,S816)を実行する。
上述したように、本パチンコ機10では、例えばホールの営業開始時など、電源投入時にRAMデータを初期化する場合にはRAM消去スイッチ122を押しながら電源が投入される。従って、立ち上げ処理の実行時にRAM消去スイッチ122が押されていれば、RAMの初期化処理(S815,S816)を実行する。また、電源断の発生情報が設定されていない場合や、RAM判定値(チェックサム値等)によりバックアップの異常が確認された場合も同様に、RAM203の初期化処理(S815,S816)を実行する。RAMの初期化処理(S815,S816)では、RAM203の使用領域を0クリアし(S815)、その後、RAM203の初期値を設定する(S816)。
S816の処理においてRAM203の初期化処理を実行した後は、振分回転体661を初期配置に設定する(S817)。即ち、回転体用モータ662aを駆動させて、通常流路652の直下が通常振分部661bとなる配置に設定する。なお、振分回転体661には、図示しない原点センサが設けられており、振分回転体661が初期配置となった場合にオン(出力がハイ)となるように構成されている。よって、S817の処理では、原点センサの出力を監視して、その出力がハイの状態となるまで振分回転体661を回転動作させる。S817の処理が終了した後は、処理をS810へと移行する。
一方、RAM消去スイッチ122がオンされておらず(S804:No)、電源断の発生情報が記憶されており(S805:Yes)、更にRAM判定値(チェックサム値等)が正常であれば(S807:Yes)、RAM203にバックアップされたデータを保持したまま、電源断の発生情報をクリアする(S808)。次に、サブ側の制御装置(周辺制御装置)を駆動電源遮断時の遊技状態に復帰させるための復電時の払出復帰コマンドを送信し(S809)、S810の処理へ移行する。払出制御装置111は、この払出復帰コマンドを受信すると、RAM213に記憶されたデータを保持したまま、遊技球の払い出し制御を開始可能な状態となる。
S810の処理では、演出許可コマンドを音声ランプ制御装置113へ送信し、音声ランプ制御装置113および表示制御装置114に対して各種演出の実行を許可する。次いで、確変カウンタ203g、配置格納エリア203jの値を読み出し(S811)、読み出した確変カウンタ203g、配置格納エリア203jの値を音声ランプ制御装置113に通知するための状態コマンドを設定する(S812)。ここで設定された状態コマンドは、RAM203に設けられたコマンド送信用のリングバッファに記憶され、MPU201により実行される後述のメイン処理(図36参照)の外部出力処理(S901)の中で、音声ランプ制御装置113に向けて送信される。音声ランプ制御装置113は、状態コマンドを受信すると、状態コマンドに含まれる遊技状態や振分回転体661の配置データを取得する。これにより、音声ランプ制御装置113の把握する状態を、実際のパチンコ機10の状態に一致させることができる。S812の処理が終了した後は、割込みを許可して(S813)、後述するメイン処理に移行する。
次に、図36を参照して、上記した立ち上げ処理後に主制御装置110内のMPU201により実行されるメイン処理について説明する。図36は、このメイン処理を示すフローチャートである。このメイン処理では遊技の主要な処理が実行される。その概要として、4m秒周期の定期処理としてS901〜S907の各処理が実行され、その残余時間でS910,S911のカウンタ更新処理が実行される構成となっている。
メイン処理においては、まず、タイマ割込処理(図28参照)の実行中に、RAM203に設けられたコマンド送信用のリングバッファに記憶されたコマンド等の出力データをサブ側の各制御装置(周辺制御装置)に送信する外部出力処理を実行する(S901)。具体的には、タイマ割込処理(図28参照)におけるS101のスイッチ読み込み処理で検出した入賞検知情報の有無を判別し、入賞検知情報があれば払出制御装置111に対して獲得球数に対応する賞球コマンドを送信する。また、特別図柄変動処理(図29参照)や始動入賞処理(図31参照)で設定された保留球数コマンド(特図1保留球数コマンド、特図2保留球数コマンド)を音声ランプ制御装置113に送信する。また、始動入賞処理で設定された入賞情報コマンドを音声ランプ制御装置113に送信する。更に、この外部出力処理により、第3図柄表示装置81による第3図柄の変動表示に必要な変動パターンコマンド、停止種別コマンド等を音声ランプ制御装置113に送信する。また、大当たり制御処理(図37参照)で設定されたオープニングコマンド、ラウンド数コマンド、エンディングコマンドを音声ランプ制御装置113へ送信する。加えて、球の発射を行う場合には、発射制御装置112へ球発射信号を送信する。
次に、変動種別カウンタCS1の値を更新する(S902)。具体的には、変動種別カウンタCS1を1加算すると共に、そのカウンタ値が最大値(本実施形態では256)に達した際、0にクリアする。そして、変動種別カウンタCS1の更新値を、RAM203の該当するバッファ領域に格納する。
変動種別カウンタCS1の更新が終わると、払出制御装置111より受信した賞球計数信号や払出異常信号を読み込み(S903)、次いで、特別図柄の大当たり状態である場合に、大当たり演出の実行や、第1可変入賞装置65の第1特定入賞口(第1大開放口)65a、および第2可変入賞装置650の第2特定入賞口(第2大開放口)650aを開放又は閉鎖するための大当たり制御処理を実行する(S904)。大当たり制御処理では、大当たり状態のラウンド毎に第1特定入賞口(第1大開放口)65a、または第2特定入賞口(第2大開放口)650aを開放し、最大開放時間が経過したか、又は球が規定数入賞したかを判定する。そして、これら何れかの条件が成立すると第1特定入賞口65a、または第2特定入賞口650aを閉鎖する。なお、本実施形態では、1〜14ラウンドにおいて、第1特定入賞口65aの開放と閉鎖とが繰り返され、15ラウンドにおいて、第2特定入賞口650aが開放および閉鎖される。ここで、本実施形態では、大当たり制御処理(S904)をメイン処理において実行しているが、タイマ割込処理において実行しても良い。この大当たり制御処理(S904)の詳細については、図37を参照して後述する。
次に、第2入球口640に付随する電動役物の開閉制御を行う電動役物開閉処理を実行する(S905)。電動役物開閉処理では、普通図柄変動処理(図32参照)のS525の処理によって電動役物の開閉制御開始が設定された場合に、電動役物の開閉制御を開始する。尚、この電動役物の開閉制御は、普通図柄変動処理(図32参照)におけるS516の処理またはS517の処理で設定された開放時間および開放回数が終了するまで継続される。
次に、第1図柄表示装置37の表示を更新する第1図柄表示更新処理を実行する(S906)。第1図柄表示更新処理では、特別図柄変動開始処理(図30参照)のS307の処理またはS309の処理によって変動パターンが設定された場合に、その変動パターンに応じた変動表示を、第1図柄表示装置37において開始する。本実施形態では、第1図柄表示装置37のLED37aの内、変動が開始されてから変動時間が経過するまでは、例えば、現在点灯しているLEDが赤であれば、その赤のLEDを消灯すると共に緑のLEDを点灯させ、緑のLEDが点灯していれば、その緑のLEDを消灯すると共に青のLEDを点灯させ、青のLEDが点灯していれば、その青のLEDを消灯すると共に赤のLEDを点灯させる。
なお、メイン処理は4ミリ秒毎に実行されるが、そのメイン処理の実行毎にLEDの点灯色を変更すると、LEDの点灯色の変化を遊技者が確認することができない。そこで、遊技者がLEDの点灯色の変化を確認することができるように、メイン処理が実行される毎にカウンタ(図示せず)を1カウントし、そのカウンタが100に達した場合に、LEDの点灯色の変更を行う。即ち、0.4s毎にLEDの点灯色の変更を行う。尚、カウンタの値は、LEDの点灯色が変更されたら、0にリセットされる。
また、第1図柄表示更新処理では、特別図柄変動開始処理(図30参照)のS307の処理またはS309の処理によって設定された変動パターンに対応する変動時間が終了した場合に、第1図柄表示装置37において実行されている変動表示を終了し、特別図柄変動開始処理(図30参照)のS306の処理またはS308の処理によって設定された表示態様で、停止図柄(第1図柄)を第1図柄表示装置37に停止表示(点灯表示)する。
次に、第2図柄表示装置83の表示を更新する第2図柄表示更新処理を実行する(S907)。第2図柄表示更新処理では、普通図柄変動開始処理(図32参照)のS520の処理またはS521の処理によって第2図柄の変動時間が設定された場合に、第2図柄表示装置83において変動表示を開始する。これにより、第2図柄表示装置83では、第2図柄としての「○」の図柄と「×」の図柄とを交互に点灯させる変動表示が行われる。また、第2図柄表示更新処理では、普通図柄変動処理(図32参照)のS523の処理によって第2図柄表示装置83の停止表示が設定された場合に、第2図柄表示装置83において実行されている変動表示を終了し、普通図柄変動開始処理(図32参照)のS513の処理またはS518の処理によって設定された表示態様で、停止図柄(第2図柄)を第2図柄表示装置83に停止表示(点灯表示)する。
その後は、RAM203に電源断の発生情報が記憶されているか否かを判別し(S908)、RAM203に電源断の発生情報が記憶されていなければ(S908:No)、停電監視回路252から停電信号SG1は出力されておらず、電源は遮断されていない。よって、かかる場合には、次のメイン処理の実行タイミングに至ったか否か、即ち今回のメイン処理の開始から所定時間(本実施形態では4ミリ秒)が経過したか否かを判別し(S909)、既に所定時間が経過していれば(S909:Yes)、処理をS901へ移行し、上述したS901以降の各処理を繰り返し実行する。
一方、今回のメイン処理の開始から未だ所定時間(4ミリ秒)が経過していなければ(S909:No)、所定時間に至るまでの間、即ち、次のメイン処理の実行タイミングに至るまでの残余時間内において、第1初期値乱数カウンタCINI1、第2初期値乱数カウンタCINI2及び変動種別カウンタCS1の更新を繰り返し実行する(S910,S911)。
まず、第1初期値乱数カウンタCINI1と第2初期値乱数カウンタCINI2との更新を実行する(S910)。具体的には、第1初期値乱数カウンタCINI1と第2初期値乱数カウンタCINI2を1加算すると共に、そのカウンタ値が最大値(本実施形態では共に255)に達した際、0にクリアする。そして、第1初期値乱数カウンタCINI1と第2初期値乱数カウンタCINI2の更新値を、RAM203の該当するバッファ領域にそれぞれ格納する。次に、変動種別カウンタCS1の更新を、S902の処理と同一の方法によって実行する(S911)。
ここで、S901〜S907の各処理の実行時間は遊技の状態に応じて変化するため、次のメイン処理の実行タイミングに至るまでの残余時間は一定でなく変動する。故に、かかる残余時間を使用して第1初期値乱数カウンタCINI1と第2初期値乱数カウンタCINI2の更新を繰り返し実行することにより、第1初期値乱数カウンタCINI1と第2初期値乱数カウンタCINI2(即ち、第1当たり乱数カウンタC1の初期値、第2当たり乱数カウンタC4の初期値)をランダムに更新することができ、同様に変動種別カウンタCS1についてもランダムに更新することができる。
また、S908の処理において、RAM203に電源断の発生情報が記憶されていれば(S908:Yes)、停電の発生または電源のオフにより電源が遮断され、停電監視回路252から停電信号SG1が出力された結果、図34のNMI割込処理が実行されたということなので、S912以降の電源遮断時の処理が実行される。まず、各割込処理の発生を禁止し(S912)、電源が遮断されたことを示す電源断コマンドを他の制御装置(払出制御装置111や音声ランプ制御装置113等の周辺制御装置)に対して送信する(S913)。そして、RAM判定値を算出して、その値を保存し(S914)、RAM203のアクセスを禁止して(S915)、電源が完全に遮断して処理が実行できなくなるまで無限ループを継続する。ここで、RAM判定値は、例えば、RAM203のバックアップされるスタックエリア及び作業エリアにおけるチェックサム値である。
なお、S908の処理は、S901〜S907で行われる遊技の状態変化に対応した一連の処理の終了時、又は、残余時間内に行われるS910とS911の処理の1サイクルの終了時となるタイミングで実行されている。よって、主制御装置110のメイン処理において、各設定が終わったタイミングで電源断の発生情報を確認しているので、電源遮断の状態から復帰する場合には、立ち上げ処理の終了後、処理をS901の処理から開始することができる。即ち、立ち上げ処理において初期化された場合と同様に、処理をS901の処理から開始することができる。よって、電源遮断時の処理において、MPU201が使用している各レジスタの内容をスタックエリアへ退避したり、スタックポインタの値を保存しなくても、初期設定の処理(図35のS801参照)において、スタックポインタが所定値(初期値)に設定されることで、S901の処理から開始することができる。従って、主制御装置110の制御負担を軽減することができると共に、主制御装置110が誤動作したり暴走することなく正確な制御を行うことができる。
次に、図37のフローチャートを参照して、主制御装置110内のMPU201により実行される大当たり制御処理(S904)を説明する。図37は、この大当たり制御処理(S904)を示すフローチャートである。この大当たり制御処理(S904)は、メイン処理(図36参照)の中で実行され、パチンコ機10が特別図柄の大当たり状態である場合に、大当たりに応じた各種演出の実行や、第1特定入賞口(第1大開放口)65a(1〜14ラウンド目)、および第2特定入賞口(第2大開放口)650a(15ラウンド目)を開放又は閉鎖するための処理である。
大当たり制御処理では、まず、特別図柄の大当たりが開始されるかを判定する(S1001)。具体的には、特別図柄変動処理(図29参照)のS215の処理が実行され、特別図柄の大当たりの開始が設定されていれば、特別図柄の大当たりが開始されると判定する。S1001の処理において、特別図柄の大当たりが開始される場合には(S1001:Yes)、オープニングコマンドを設定し(S1002)、大当たりフラグ203iをオンに設定して(S1003)、本処理を終了する。
ここで設定されたオープニングコマンドは、RAM203に設けられたコマンド送信用のリングバッファに記憶され、MPU201により実行されるメイン処理(図36参照)の外部出力処理(S901)の中で、音声ランプ制御装置113に向けて送信される。音声ランプ制御装置113は、オープニングコマンドを受信すると、表示用オープニングコマンドを表示制御装置114へ送信する。表示制御装置114によって表示用オープニングコマンドが受信されると、第3図柄表示装置81においてオープニング演出が開始される。
一方、S1001の処理において、特別図柄の大当たりが開始されない場合には(S1001:No)、特別図柄の大当たり中であるかを判定する(S1004)。特別図柄の大当たり中としては、第1図柄表示装置37及び第3図柄表示装置81において特別図柄の大当たり(特別図柄の大当たり遊技中も含む)を示す表示がなされている最中と、特別図柄の大当たり遊技終了後の所定時間の最中とが含まれる。S1004の処理において、特別図柄の大当たり中でなければ(S1004:No)、本処理を終了する。
一方、S1004の処理において、特別図柄の大当たり中であれば(S1004:Yes)、新たなラウンドの開始タイミングであるかを判定する(S1005)。新たなラウンドの開始タイミングであれば(S1005:Yes)、ラウンド数に応じた大開放口(第1大開放口65a、第2大開放口650a)の動作、および振分回転体661の動作を設定するための大当たり動作設定処理を実行し(S1006)、本処理を終了する。なお、この大当たり動作設定処理(S1006)の詳細については、図38を参照して後述する。
一方、S1005の処理において、新たなラウンドの開始タイミングでなければ(S1005:No)エンディング演出の開始タイミングであるかを判定する(S1007)。具体的には、通常時より多量の賞球の払い出しが行われる特別遊技状態(15ラウンド全て)が終了した場合に、エンディング演出の開始タイミングであると判定する。
S1007の処理において、エンディング演出の開始タイミングであると判定した場合には(S1007:Yes)、エンディングコマンドを設定し(S1008)、本処理を終了する。ここで設定されたエンディングコマンドは、RAM203に設けられたコマンド送信用のリングバッファに記憶され、MPU201により実行されるメイン処理(図36参照)の外部出力処理(S901)の中で、音声ランプ制御装置113に向けて送信される。音声ランプ制御装置113は、エンディングコマンドを受信すると、RAM223の入賞情報格納エリア223aに格納されている入賞情報に基づいて、エンディング演出の表示態様を選択する。そして、選択したエンディング演出の表示態様に応じた表示用エンディングコマンドを表示制御装置114へ送信する。表示制御装置114によって表示用エンディングコマンドが受信されると、第3図柄表示装置81においてエンディング演出が開始される。
一方、S1007の処理において、エンディング演出の開始タイミングでないと判定した場合には(S1007:No)、次に、今回の大当たり(特別遊技状態)の終了タイミングであるかを判定する(S1009)。即ち、エンディング演出の終了タイミングであるかを判別する。S1009の処理において、大当たり(特別遊技状態)の終了タイミングでないと判定した場合には(S1009:No)、大開放口(第1大開放口65a、第2大開放口650a)への入賞に応じた処理を行うための入賞処理を実行する(S1011)。尚、この入賞処理(S1011)の詳細については、図40を参照して後述する。入賞処理(S1011)の終了後は、大開放口(第1大開放口65a、第2大開放口650a)に対して入球した球が正常に排出されたかを判別するための異常処理を実行して(S1012)、本処理を終了する。この異常処理(S1012)の詳細については、図41を参照して後述する。
一方、S1009の処理において、大当たりの終了タイミングであると判定した場合には(S1009:Yes)、次いで、大当たり終了を設定するための大当たり終了処理を実行し(S1010)、本処理を終了する。尚、この大当たり終了処理(S1010)の詳細については、図39を参照して後述する。
次に、図38のフローチャートを参照して、主制御装置110内のMPU201により実行される大当たり動作設定処理(S1006)の詳細について説明する。図38は、この大当たり動作設定処理(S1006)を示すフローチャートである。この大当たり動作設定処理(S1006)は、大当たり制御処理(図37参照)の中で実行され、上述した通り、ラウンド数に応じた大開放口(第1大開放口65a、第2大開放口650a)の動作、および振分回転体661の動作を設定するための処理である。
この大当たり動作設定処理(図38参照)が開始されると、まず、15ラウンドの開始タイミングであるかを判別し(S1101)、15ラウンドの開始タイミングでなければ(S1101:No)、今回開始されるラウンドが1〜14ラウンドのいずれかであることを意味するため、第1大開放口65aの開放を設定して(S1102)、本処理を終了する。一方、S1101の処理において、15Rの開始タイミングであると判別した場合は(S1101:Yes)、大当たり種別に応じた第2大開放口650aの開放パターン(図13参照)を読み込んで(S1103)、その読み込んだ開放パターンを設定する(S1104)。
S1104の処理が終了すると、次いで、回転体用パターンテーブル202e(図12参照)から、今回の大当たり種別に対応する動作パターンを読み出して(S1105)、読み出した振分回転体661の回転動作を設定する(S1106)。そして、誘導部材651aの動作(図13参照)を設定し(S1107)、本処理を終了する。
この大当たり動作設定処理(図38参照)を実行することにより、大当たり種別に応じた開放パターンや振分回転体661の動作を正確に設定することができる。
次に、図39のフローチャートを参照して、主制御装置110内のMPU201により実行される大当たり終了処理(S1010)の詳細について説明する。図39は、この大当たり終了処理(S1010)を示すフローチャートである。この大当たり終了処理(S1010)は、大当たり制御処理(図37参照)の中で実行され、上述した通り、大当たり終了後の遊技状態を設定するための処理である。
この大当たり終了処理(S1010)では、まず、配置格納エリア203jのデータを、今回の大当たり種別に応じたビット数シフトする(S1201)。より具体的には、配置格納エリア203jに格納された値に対して、大当たりに対応する回転動作の回転量(回転角度)に応じて、振分回転体661が90度回転する大当たり種別であれば1を、180度回転する大当たり種別であれば2を、270度回転する大当たり種別であれば3を、360度回転する大当たり種別であれば0をそれぞれ加算する。そして、加算後の値が「03H」を超える場合には、その値から4を減算することにより、値が「00H」〜「03H」の何れかとなるようにする。これにより、振分回転体661の配置を示す配置データを正確に更新することができる。
S1201の処理が終了すると、次いで、確変設定フラグ203kがオンであるかを判別し(S1202)、確変設定フラグ203kがオンであれば(S1202:Yes)、大当たり中に確変入球口671へと球が入球したことを意味するので、確変カウンタ203gの値に100を設定することで大当たり後に100回の確変状態を設定し(S1203)、S1204の処理へ移行する。一方、S1202の処理において、確変設定フラグ203kがオフであれば(S1202:No)、S2103の処理をスキップして、S1204の処理へ移行する。
S1204の処理では、配置格納エリア203j、確変カウンタ203gの各値から、大当たり終了後の状態を音声ランプ制御装置113に対して通知するための状態コマンドを設定し(S1204)、大当たりフラグ203i、および確変設定フラグ203kを共にオフに設定して(S1205)、本処理を終了する。
この大当たり終了処理(図39参照)を実行することにより、大当たり中に確変入球口671へと入球したか否かに応じて大当たり終了後の遊技状態を正確に設定することができる。
次に、図40のフローチャートを参照して、主制御装置110内のMPU201により実行される入賞処理(S1011)の詳細について説明する。図40は、この入賞処理(S1011)を示すフローチャートである。この入賞処理(S1011)は、大当たり制御処理(図37参照)の中で実行され、上述した通り、大開放口(第1大開放口65a、第2大開放口650a)への入賞に応じた制御を行うための処理である。
この入賞処理(S1011)では、まず、現在がラウンド有効期間であるかを判別する(S1301)。ここで、ラウンド有効期間とは、ラウンド遊技が設定されている期間、即ち、大開放口(第1大開放口65a、または第2大開放口650a)の開放状態からインターバル期間(3秒)が終了するまでの期間である。S1301の処理において、ラウンド有効期間でなければ(S1301:No)、そのまま本処理を終了する。
一方、S1301の処理において、現在がラウンド有効期間であると判別した場合は(S1301:Yes)、次いで、大開放口(第1大開放口65a、または第2大開放口650a)への入賞を検出したかを判別し(S1302)、大開放口(第1大開放口65a、または第2大開放口650a)に対する入賞を検出していれば(S1302:Yes)、入賞個数カウンタ203mの値に1を加算して更新する(S1303)。そして、大開放口(第1大開放口65a、または第2大開放口650a)への入賞を音声ランプ制御装置113に通知するための入賞コマンドを設定し(S1304)、S1305の処理へ移行する。
ここで設定された入賞コマンドは、RAM203に設けられたコマンド送信用のリングバッファに記憶され、MPU201により実行されるメイン処理(図36参照)の外部出力処理(S901)の中で、音声ランプ制御装置113に向けて送信される。音声ランプ制御装置113は、入賞コマンドを受信すると、球の入賞を報知するための入賞音を設定する。これにより、遊技者に対して入賞に基づいて賞球が付与されることを報知することができる。よって、遊技者を喜ばせることができる。
一方、S1302の処理において、大開放口(第1大開放口65a、または第2大開放口650a)への入賞を検出していなければ(S1302:No)、S1303およびS1304の処理をスキップし、S1305の処理へ移行する。
S1305の処理では、入賞個数カウンタ203mの値が10以上であるかを判別し(S1305)、入賞個数カウンタ203mの値が10以上であれば(S1305:Yes)、入賞個数が上限値となったことにより大開放口(第1大開放口65a、または第2大開放口650a)が閉鎖されたことを通知するための閉鎖コマンドを設定して(S1307)、S1308の処理へ移行する。
ここで設定された閉鎖コマンドは、RAM203に設けられたコマンド送信用のリングバッファに記憶され、MPU201により実行されるメイン処理(図36参照)の外部出力処理(S901)の中で、音声ランプ制御装置113に向けて送信される。音声ランプ制御装置113は、閉鎖コマンドを受信すると、以降の入賞に対して設定する入賞音を、通常の入賞音とは異なる特殊な入賞音に設定する。即ち、複数の球が同時に大開放口(第1大開放口65a、または第2大開放口650a)へと入賞した等により、1のラウンドにおける入賞個数の上限値を超える数(11個以上)の入賞を検出した場合に、特殊な入賞音を設定する構成としている。これにより、遊技者に対して通常よりも多くの賞球が払い出されることを認識させることができる。よって、遊技者に対してより大きな満足感を抱かせることができる。
一方、S1305の処理において、入賞個数カウンタ203mの値が9以下であると判別した場合は(S1305:No)、ラウンド時間が経過したかを判別し(S1306)、ラウンド時間が経過していれば(S1306:Yes)、S1308の処理へと移行する。
S1308の処理では、開放されている大開放口(第1大開放口65a、または第2大開放口650a)の閉鎖を設定し(S1308)、誘導部材用ソレノイド209をオフに設定することにより誘導部材651aを没入させる(S1309)。そして、残球タイマフラグ203n、確変有効フラグ203r、ラウンド終了フラグ203qをオンに設定した後(S1310)、S1311の処理へ移行する。
これに対し、S1306の処理において、ラウンド時間が経過していないと判別した場合は(S1306:No)、大開放口(第1大開放口65a、または第2大開放口650a)の閉鎖タイミングではないことを意味するので、S1308〜S1310の処理をスキップして、S1311の処理へ移行する。
S1311の処理では、ラウンド終了フラグ203qがオンであるかを判別し(S1311)、ラウンド終了フラグがオフであれば、処理をS1312へと移行する。一方、ラウンド終了フラグ203qがオンであれば(S1311:Yes)、大開放口(第1大開放口65a、または第2大開放口650a)閉鎖後の球はけ期間であることを意味するので、次いで、確変有効フラグ203rがオンであるかを判別する(S1315)。S1315の処理において、確変有効フラグ203rがオフであれば(S1315:No)、そのまま本処理を終了する。
一方、確変有効フラグ203rがオンであれば(S1315:Yes)、確変有効タイマ203sの値に1を加算し(S1316)、次いで、確変有効タイマ203sの値が上限値(本実施形態では1.5秒)であるかを判別する(S1317)。そして、確変有効タイマ203sの値が上限値でなければ(S1317:No)、S1312の処理へ移行し、確変入球口671への入球を監視して確変設定フラグ203kを更新する処理を実行する。これにより、確変有効タイマ203sが上限値でないと、確変スイッチを球が通過したか(確変入球口671へと球が入球したか)判別されるので、球はけの時間を考慮して確変遊技状態を設定できる。また、有効と判別される時間に上限があるので、不正に確変スイッチに球を通過させて確変遊技状態が付与されることを抑制できる。
一方、確変有効タイマ203sの値が上限値であれば(S1317:Yes)、確変有効フラグ203r、ラウンド終了フラグ203qをオフに設定し(S1318)、確変有効タイマ203sの値をリセットして(S1319)、本処理を終了する。
S1312の処理では、球が確変スイッチを通過した(確変入球口671へと入球した)か否かを判別し(S1312)、球が確変スイッチを通過していなければ(S1312:No)、そのまま本処理を終了する。一方、球が確変スイッチを通過していれば(S1312:Yes)、確変通過カウンタ203uの値に1を加算し(S1313)、確変設定フラグ203kをオンに設定して(S1314)、本処理を終了する。
次に、図41のフローチャートを参照して、主制御装置110内のMPU201により実行される異常処理(S1012)を説明する。図41は、この異常処理(S1012)を示すフローチャートである。この異常処理(S1012)は、大当たり制御処理(図37参照)の中で実行される処理であり、上述した通り、大開放口(第1大開放口65a、第2大開放口650a)に対して入球した球が正常に排出されたかを判別するための処理である。
異常処理(S1012)では、まず、現在がラウンド有効期間であるかを判別し(S1401)、ラウンド有効期間でなければ(S1401:No)、そのまま本処理を終了する。一方、ラウンド有効期間であると判別した場合は(S1401:Yes)、次いで、球が図示しない球排出口スイッチを通過したかを判別する(S1402)。球排出口スイッチとしては、第1可変入賞装置65から排出される球を検出するための第1排出口スイッチと、第2可変入賞装置650の通常入球口672,673から排出される球を検出するための第2排出スイッチとが設けられている。
S1402の処理において、球が何れかの球排出口スイッチを通過したと判別した場合は(S1402:Yes)、球排出個数カウンタ203tの値に1を加算し(S1403)、S1404の処理へ移行する。一方、S1402の処理において、球が球排出口スイッチを通過していなければ(S1402:No)、S1403の処理をスキップしS1404の処理へ移行する。
S1404の処理では、残球タイマフラグ203nがオンであるかを判別する(S1404)。残球タイマフラグ203nがオフであると判別した場合は(S1404:No)、そのまま本処理を終了する。一方、残球タイマフラグ203nがオンであれば(S1404:Yes)、球はけ期間中であるので、残球タイマ203pの値に1を加算して更新する(S1405)。次に、残球タイマ203pの値が上限値(本実施形態では3秒)であるかを判別し(S1406)、残球タイマ203pの値が上限値でなければ(S1406:No)、そのまま本処理を終了する。一方、残球タイマ203pの値が上限値(3秒)であると判別した場合は(S1406:Yes)、次いで、排出個数(確変通過カウンタ203uの値と、球排出個数カウンタ203tの値との合計値)が入賞個数と一致しているかを判別する(S1407)。
S1407の処理において、排出個数と入賞個数とが一致していないと判別した場合は(S1407:No)、エラーコマンドを設定し(S1408)、S1409の処理へ移行する。エラーコマンドを音声ランプ制御装置113が受信することにより、エラー表示(例えば、入賞個数不一致エラーの文字を表示)がされ、ホールコンピュータに対して、エラー信号の出力がされる。よって、第2可変入賞装置650内に不正に遊技球を残存させて、例えば振分回転体661が初期配置の状態で大当たりAとなった場合に、確変入球口671に球を入球させる不正を抑制できる。
一方、S1407の処理において、排出個数と入賞個数とが一致したと判別した場合は(S1407:Yes)、S1408の処理をスキップし、S1409の処理へと移行する。S1409の処理では、残球タイマフラグ203nをオフに設定し(S1409)、次いで、残球タイマ203pの値をリセットする(S1410)。その後、入賞個数カウンタ203m、球排出個数カウンタ203t、確変通過カウンタ203uの値をそれぞれリセットし(S1411)、本処理を終了する。
この異常処理(図41参照)を実行することにより、第1可変入賞装置65、または第2可変入賞装置650の内部で球詰まりが生じる等により、大開放口(第1大開放口65a、または第2大開放口650a)へと入球した球が正常に排出されなくなってしまう不具合の発生を早期に検出し、報知することができる。また、大当たりの15ラウンド目において、不正に球を第2可変入賞装置650の上部(誘導部材651aよりも上流側)に残存させておき、誘導部材651aが突出した状態(球を確変流路653へと誘導可能な状態)となるタイミング(15ラウンドの開始から2秒後以降)を見計らって球を誘導部材651a上に流下させる不正行為を早期に発見することができる。よって、不正行為に対する抑制を図ることができる。
<第1実施形態における音声ランプ制御装置の制御処理について>
次に、図42〜図48を参照して、音声ランプ制御装置113内のMPU221により実行される各制御処理を説明する。かかるMPU221の処理としては大別して、電源投入に伴い起動される立ち上げ処理と、その立ち上げ処理後に実行されるメイン処理とがある。
まず、図42を参照して、音声ランプ制御装置113内のMPU221により実行される立ち上げ処理を説明する。図42は、この立ち上げ処理を示したフローチャートである。この立ち上げ処理は電源投入時に起動される。
立ち上げ処理が実行されると、まず、電源投入に伴う初期設定処理を実行する(S1501)。具体的には、スタックポインタに予め決められた所定値を設定する。その後、電源断処理中フラグがオンしているか否かによって、今回の立ち上げ処理が瞬間的な電圧降下(瞬間的な停電、所謂「瞬停」)によって、S1616の電源断処理(図43参照)の実行途中に開始されたものであるか否かが判断される(S1502)。図43を参照して後述する通り、音声ランプ制御装置113は、主制御装置110から電源断コマンドを受信すると(図43のS1613参照)、S1616の電源断処理を実行する。かかる電源断処理の実行前に、電源断処理中フラグがオンされ、該電源断処理の終了後に、電源断処理中フラグはオフされる。よって、S1616の電源断処理が実行途中であるか否かは、電源断処理中フラグの状態によって判断できる。
電源断処理中フラグがオフであれば(S1502:No)、今回の立ち上げ処理は、電源が完全に遮断された後に開始されたか、瞬間的な停電が生じた後であってS1616の電源断処理の実行を完了した後に開始されたか、或いは、ノイズなどによって音声ランプ制御装置113のMPU221にのみリセットがかかって(主制御装置110からの電源断コマンドを受信することなく)開始されたものである。よって、これらの場合には、RAM223のデータが破壊されているか否かを確認する(S1503)。
RAM223のデータ破壊の確認は、次のように行われる。即ち、RAM223の特定の領域には、S1506の処理によって「55AAh」のキーワードとしてのデータが書き込まれている。よって、その特定領域に記憶されるデータをチェックし、該データが「55AAh」であればRAM223のデータ破壊は無く、逆に「55AAh」でなければRAM223のデータ破壊を確認することができる。RAM223のデータ破壊が確認されれば(S1503:Yes)、S1504へ移行して、RAM223の初期化を開始する。一方、RAM223のデータ破壊が確認されなければ(S1503:No)、S1508へ移行する。
なお、今回の立ち上げ処理が、電源が完全に遮断された後に開始された場合には、RAM223の特定領域に「55AAh」のキーワードは記憶されていないので(電源断によってRAM223の記憶は喪失するから)、RAM223のデータ破壊と判断され(S1503:Yes)、S1504へ移行する。一方、今回の立ち上げ処理が、瞬間的な停電が生じた後であってS1616の電源断処理の実行を完了した後に開始されたか、或いは、ノイズなどによって音声ランプ制御装置113のMPU221にのみリセットがかかって開始された場合には、RAM223の特定領域には「55AAh」のキーワードが記憶されているので、RAM223のデータは正常と判断されて(S1503:No)、S1508の処理へと移行する。
S1502の処理において、電源断処理中フラグがオンであれば(S1502:Yes)、今回の立ち上げ処理は、瞬間的な停電が生じた後であって、S1616の電源断処理の実行途中に、音声ランプ制御装置113のMPU221にリセットがかかって開始されたものである。かかる場合は電源断処理の実行途中なので、RAM223の記憶状態は必ずしも正しくない。よって、かかる場合には制御を継続することはできないので、処理をS1504へ移行して、RAM223の初期化を開始する。
S1504の処理では、RAM223の全範囲の記憶領域をチェックして(S1504)、次いで、RAM223の各記憶領域が正常であるか否かを判別する(S1505)。チェック方法としては、まず、1バイト毎に「0FFh」を書き込み、それを1バイト毎に読み出して「0FFh」であるか否かを確認し、「0FFh」であれば正常と判別する。かかる1バイト毎の書き込み及び確認を、「0FFh」に次いで、「55h」、「0AAh」、「00h」の順に行う。このRAM223の読み書きチェックにより、RAM223のすべての記憶領域が0クリアされる。
S1505の処理において、RAM223のすべての記憶領域について、読み書きチェックが正常と判別されれば(S1505:Yes)、RAM223の特定領域に「55AAh」のキーワードを書き込んで、RAM破壊チェックデータを設定し(S1506)、処理をS1508へと移行する。この特定領域に書き込まれた「55AAh」のキーワードを確認することにより、RAM223にデータ破壊があるか否かがチェックされる。
一方、S1505の処理において、RAM223のいずれかの記憶領域で読み書きチェックの異常が検出されれば(S1505:No)、RAM223の異常を報知して(S1507)、電源が遮断されるまで無限ループする。RAM223の異常は、表示ランプ34により報知される。なお、音声出力装置226により音声を出力してRAM223の異常報知を行うようにしても良いし、表示制御装置114にエラーコマンドを送信して、第3図柄表示装置81にエラーメッセージを表示させるようにしてもよい。
S1508の処理では、電源断フラグ223yがオンされているか否かを判別する(S1508)。電源断フラグ223yはS1616の電源断処理の実行時にオンされる(図43のS1615参照)。つまり、電源断フラグ223yは、S1616の電源断処理が実行される前にオンされるので、電源断フラグ223yがオンされた状態でS1508の処理に至るのは、今回の立ち上げ処理が、瞬間的な停電が生じた後であって、S1616の電源断処理の実行を完了した状態で開始された場合である。従って、かかる場合には(S1508:Yes)、音声ランプ制御装置113の各処理を初期化するためにRAMの作業エリアをクリアし(S1509)、RAM223の初期値の設定を行う(S1510)。なお、RAM223の作業エリアとしては、主制御装置110から受信したコマンド等を記憶する領域以外の領域をいう。
S1510の処理後は、主制御装置110のMPU201によって立ち上げ処理(図35参照)の中で設定された状態コマンドの通知内容に応じて確変状態フラグ223e、回転位置格納エリア223fを更新する(S1511)。これにより、電源投入時からパチンコ機10の状態(遊技状態、および振分回転体661の配置)を正確に把握することができる。S1511の処理後は、割込み許可を設定して(S1512)、メイン処理へ移行する。
一方、電源断フラグ223yがオフされた状態でS1508の処理に至るのは、今回の立ち上げ処理が、例えば電源が完全に遮断された後に開始されたためにS1504からS1506の処理を経由してS1508の処理へ至ったか、或いは、ノイズなどによって音声ランプ制御装置113のMPU221にのみリセットがかかって(主制御装置110からの電源断コマンドを受信することなく)開始された場合である。よって、かかる場合には(S1508:No)、RAM223の作業領域のクリア処理であるS1509をスキップして、S1510〜S1512の処理を実行し、メイン処理へ移行する。
なお、S1509のクリア処理をスキップするのは、S1504からS1506の処理を経由してS1508の処理へ至った場合には、S1504の処理によって、既にRAM223のすべての記憶領域はクリアされているし、ノイズなどによって音声ランプ制御装置113のMPU221にのみリセットがかかって、立ち上げ処理が開始された場合には、RAM223の作業領域のデータをクリアせず保存しておくことにより、音声ランプ制御装置113の制御を継続できるからである。
次に、図43を参照して、音声ランプ制御装置113の立ち上げ処理後に音声ランプ制御装置113内のMPU221により実行されるメイン処理について説明する。図43は、このメイン処理を示したフローチャートである。メイン処理が実行されると、まず、メイン処理が開始されてから、又は、前回のS1601の処理が実行されてから1m秒以上が経過したか否かが判別され(S1601)、1m秒以上経過していなければ(S1601:No)、S1602〜S1610の処理を行わずにS1611の処理へ移行する。S1601の処理で、1m秒経過したか否かを判別するのは、S1602〜S1610が主に表示(演出)に関する処理であり、短い周期(1ミリ秒以内)で編集する必要がないのに対して、S1611のコマンド判定処理や、S1612の変動表示設定処理を短い周期で実行する方が好ましいからである。S1611の処理が短い周期で実行されることにより、主制御装置110から送信されるコマンドの受信洩れを防止でき、S1612の処理が短い周期で実行されることにより、コマンド判定処理によって受信されたコマンドに基づき、変動演出に関する設定を遅滞なく行うことができる。
S1601の処理で1ミリ秒以上経過していれば(S1601:Yes)、まず、S1602〜S1612の処理によって設定された、表示制御装置114に対する各種コマンドを、表示制御装置114に対して送信する(S1602)。次いで、表示ランプ34の点灯態様の設定や後述するS1608の処理で編集されるランプの点灯態様となるよう各ランプの出力を設定し(S1603)、その後電源投入報知処理を実行する(S1604)。電源投入報知処理は、電源が投入された場合に所定の時間(例えば30秒)電源が投入されたことを知らせる報知を行うものであり、その報知は音声出力装置226やランプ表示装置227により行われる。また、第3図柄表示装置81の画面において電源が供給されたことを報知するようコマンドを表示制御装置114に送信するものとしても良い。なお、電源投入時でなければ、電源投入報知処理による報知は行わずにS1605の処理へ移行する。
S1605の処理では客待ち演出処理が実行され、その後、保留個数表示更新処理が実行される(S1606)。客待ち演出処理では、パチンコ機10が遊技者により遊技されない時間が所定時間経過した場合に、第3図柄表示装置81の表示をタイトル画面に切り替える設定などが行われ、その設定がコマンドとして表示制御装置114に送信される。保留個数表示更新処理では、特別図柄保留球数カウンタ223bの値に応じて保留ランプ(図示せず)を点灯させる処理が行われる。
その後、枠ボタン入力監視・演出処理が実行される(S1607)。この枠ボタン入力監視・演出処理では、演出効果を高めるために遊技者に操作される枠ボタン22が押されたか否かの入力を監視し、枠ボタン22の入力が確認された場合に対応した演出を行うよう設定する処理である。この処理では、枠ボタン22の遊技者による操作が検出されると、表示制御装置114に対して枠ボタン22が操作されたことを通知する枠ボタン操作コマンドを設定する。
また、変動演出が未実行の期間や、高速変動期間中に枠ボタン22が押された場合は、ステージを変更する処理を行い、表示制御装置114に対する背面画像変更コマンドを設定する。この背面画像変更コマンドに、変更後のステージに対応する背面画像の種別に関する情報を含めることにより、表示制御装置114において、第3図柄表示装置81に表示される背面画像を、ステージに応じた画像に変更する処理が行われる。また、変動表示開始時に予告キャラが出現した場合に枠ボタン22を押すことで今回の変動による大当たりの期待値を表示したり、リーチ演出中に枠ボタン22を押すことで大当たりへの期待感を持てる演出に変更したり、枠ボタン22を複数のリーチ演出のうち1のリーチ演出を選択するための決定ボタンとしても良い。なお、枠ボタン22が配設されていない場合には、S1607の処理は省略される。
枠ボタン入力監視・演出処理が終わると、ランプ編集処理を実行し(S1608)、その後音編集・出力処理を実行する(S1609)。ランプ編集処理では、第3図柄表示装置81で行われる表示に対応するよう電飾部29〜33の点灯パターンなどが設定される。音編集・出力処理では、第3図柄表示装置81で行われる表示に対応するよう音声出力装置226の出力パターンなどが設定され、その設定に応じて音声出力装置226から音が出力される。
S1609の処理後、液晶演出実行管理処理が実行される(S1610)。液晶演出実行管理処理では、主制御装置110から送信される変動パターンコマンドに基づいて第3図柄表示装置81で行われる変動表示に要する時間と同期した時間が設定される。この液晶演出実行監視処理で設定された時間に基づいてS1608のランプ編集処理が実行される。なお、S1609の音編集・出力処理も第3図柄表示装置81で行われる変動表示に要する時間と同期した時間で実行される。
S1610の処理が終了すると、S1611の処理へ移行する。S1611の処理では、主制御装置110より受信したコマンドに応じた処理を行うコマンド判定処理を行う(S1611)。このコマンド判定処理の詳細については、図44を参照して後述する。そして、コマンド判定処理の後、変動表示設定処理が実行される(S1612)。変動表示設定処理では、第3図柄表示装置81において変動演出を実行させるために、主制御装置110より受信した変動パターンコマンドに基づいて表示用変動パターンコマンドが生成されて設定される。その結果、そのコマンドが表示制御装置114に送信される。なお、この変動表示設定処理の詳細については、図47を参照して後述する。
S1612の処理が終了すると、ワークRAM233に電源断の発生情報が記憶されているか否かを判別する(S1613)。電源断の発生情報は、主制御装置110から電源断コマンドを受信した場合に記憶される。S1613の処理において、電源断の発生情報が記憶されていると判別された場合は(S1613:Yes)、電源断フラグ223y、及び電源断処理中フラグを共にオンに設定して(S1615)、電源断処理を実行する(S1616)。電源断処理の実行後は、電源断処理中フラグをオフし(S1617)、その後、処理を無限ループする。電源断処理では、割込処理の発生を禁止すると共に、各出力ポートをオフして、音声出力装置226およびランプ表示装置227からの出力をオフする。また、電源断の発生情報の記憶も消去する。
一方、S1613の処理で電源断の発生情報が記憶されていなければ(S1613:No)、RAM223に記憶されるキーワードに基づき、RAM223が破壊されているか否かが判別され(S1614)、RAM223が破壊されていなければ(S1614:No)、S1601の処理へ戻り、繰り返しメイン処理が実行される。一方、RAM223が破壊されていれば(S1614:Yes)、以降の処理の実行を停止させるために、処理を無限ループする。ここで、RAM破壊と判別されて無限ループするとメイン処理が実行されないので、その後、第3図柄表示装置81による表示が変化しない。よって、遊技者は、異常が発生したことを知ることができるので、ホールの店員などを呼びパチンコ機10の修復などを頼むことができる。また、RAM223が破壊されていると確認された場合に、音声出力装置226やランプ表示装置227によりRAM破壊の報知を行うものとしても良い。
次に、図44を参照して、音声ランプ制御装置113内のMPU221により実行されるコマンド判定処理(S1611)について説明する。図44は、このコマンド判定処理(S1611)を示したフローチャートである。このコマンド判定処理(S1611)は、音声ランプ制御装置113内のMPU221により実行されるメイン処理(図43参照)の中で実行され、上述したように、主制御装置110から受信したコマンドを判定するための処理である。
コマンド判定処理では、まず、RAM223に設けられたコマンド記憶領域から、未処理のコマンドのうち主制御装置110より受信した最初のコマンドを読み出し、解析して、主制御装置110より変動パターンコマンドを受信したか否かを判定する(S1701)。変動パターンコマンドを受信した場合と判定した場合には(S1701:Yes)、RAM223に設けられた変動開始フラグ223cをオンし(S1702)、また、受信した変動パターンコマンドから変動パターン種別を抽出して(S1703)、本処理を終了する。ここで抽出された変動パターン種別は、RAM223に記憶され、後述の変動表示設定処理(図47参照)が実行される場合に参照される。そして、表示制御装置114に対して変動演出の開始とその変動パターン種別を通知する表示用変動パターンコマンドを設定するために用いられる。
一方、変動パターンコマンドを受信していない場合には(S1701:No)、次いで、主制御装置110より停止種別コマンドを受信したか否かを判定する(S1704)。そして、停止種別コマンドを受信した場合には(S1704:Yes)、RAM223の停止種別選択フラグ223dをオンに設定し(S1705)、受信した停止種別コマンドから停止種別を抽出して(S1706)、本処理を終了する。ここで抽出された停止種別は、RAM223に記憶され、後述の変動表示設定処理(図47参照)が実行される場合に参照される。そして、表示制御装置114に対して変動演出の停止種別を通知する表示用停止種別コマンドを設定するために用いられる。
一方、停止種別コマンドを受信していない場合には(S1704:No)、次いで、主制御装置110より保留球数コマンドを受信したか否かを判定する(S1707)。そして、保留球数コマンドを受信したと判定した場合には(S1707:Yes)、受信した保留球数コマンドに含まれている値、即ち、主制御装置110の特別図柄1保留球数カウンタ203dの値(特別図柄1における変動表示の保留回数N1)、または特別図柄2保留球数カウンタ203eの値(特別図柄2における変動表示の保留回数N2)を抽出し、これを音声ランプ制御装置113の特別図柄保留球数カウンタ223bに格納する(S1708)。また、S1708の処理では、更新された特別図柄保留球数カウンタ223bの値を表示制御装置114へ通知するための表示用保留球数コマンドを設定する。S1708の処理の終了後は、本処理を終了する。
ここで、保留球数コマンドは、球が第1入球口64、若しくは第2入球口640に入賞(始動入賞)したとき、または特別図柄の抽選が行われたときに主制御装置110から送信されるので、始動入賞が検出される毎に、又は、特別図柄の抽選が行われる毎に、S1708の処理によって音声ランプ制御装置113の特別図柄保留球数カウンタ223bの値を主制御装置110の特別図柄1保留球数カウンタ203dの値、および特別図柄2保留球数カウンタ203eの値に合わせることができる。よって、ノイズなどの影響により、音声ランプ制御装置113の特別図柄保留球数カウンタ223bの値が主制御装置110の特別図柄1保留球数カウンタ203d、および特別図柄2保留球数カウンタ203eの値とずれても、始動入賞の検出時や特別図柄の抽選時に、音声ランプ制御装置113の特別図柄保留球数カウンタ223bの値を修正し、主制御装置110の特別図柄1保留球数カウンタ203d、および特別図柄2保留球数カウンタ203eの値に合わせることができる。尚、S1708の処理が実行されると、更新された特別図柄保留球数カウンタ223bの値を表示制御装置114へ通知するための表示用保留球数コマンドが設定される。これにより、表示制御装置114では、保留球数に応じた保留球数図柄が第3図柄表示装置81に表示される。
S1707の処理において、保留球数コマンドを受信していないと判定した場合には(S1707:No)、次いで、主制御装置110より状態コマンドを受信したか否かを判定する(S1709)。そして、状態コマンドを受信したと判定した場合には(S1709:Yes)、受信したコマンドに応じて確変状態フラグ223e、回転位置格納エリア223fの各値を更新する(S1710)。即ち、状態コマンドに含まれる遊技状態(確変状態であるか否か)に応じた情報に基づき、確変状態が通知された場合には、確変状態フラグ223eをオンに設定し、通常状態が通知された場合には、確変状態フラグ2223eをオフに設定する。また、状態コマンドに含まれる配置データを、回転位置格納エリア223fに格納する。これにより、パチンコ機10の状態(遊技状態、および振分回転体の配置の一方、または両方)が変更された場合に、その変更を音声ランプ制御装置113が容易に把握することができる。
一方、S1709の処理において、状態コマンドを受信していない場合には(S1709:No)、次いで、大当たり関連コマンド(閉鎖コマンド、入賞コマンド、オープニングコマンド、ラウンド数コマンド、エンディングコマンドのいずれか)を受信したか否かを判定する(S1711)。そして、大当たり関連コマンドを受信したと判定した場合には(S1711:Yes)、大当たり関連コマンドを判別し、対応する制御を実行するための大当たり関連処理を実行して(S1712)、本処理を終了する。
一方、S1711の処理において、大当たり関連コマンドを受信していないと判定した場合には(S1711:No)、その他のコマンドに応じた処理を実行し(S1713)、本処理を終了する。S1713の処理では、その他のコマンドが、音声ランプ制御装置113で用いるコマンドであればそのコマンドに対応した処理を行い、処理結果をRAM223に記憶し、表示制御装置114で用いるコマンドであればそのコマンドを表示制御装置114に送信するように、コマンドの設定を行うものである。
次に、図45を参照して、音声ランプ制御装置113内のMPU221により実行される大当たり関連処理(S1712)について説明する。図45は、この大当たり関連処理(S1712)を示したフローチャートである。
大当たり関連処理では、まず、閉鎖コマンドを受信したか否かを判定し(S1801)、閉鎖コマンドを受信していれば(S1801:Yes)、大開放口(第1大開放口65a、または第2大開放口650a)に対して球が上限個数(10球)入賞したこと意味するので、過剰入賞フラグ223hをオン設定して(S1802)、本処理を終了する。ここで過剰入賞フラグ223hをオンにしておくことで、以降の大開放口に対する入賞時に、特殊報知音を設定することができる。これにより、遊技者に対して、通常1ラウンドで得られる賞球数を上回る個数の賞球を獲得することができたことを容易に認識させることができるので、遊技者に対してより大きな満足感を抱かせることができる。
一方、S1802の処理において、閉鎖コマンドを受信していないと判定した場合には(S1801:No)、次いで、入賞コマンドを受信したか否かを判定する(S1803)。そして、入賞コマンドを受信したと判定した場合には(S1803:Yes)、大開放口への入賞に伴う入賞音(入賞演出)を設定するための入賞演出設定処理を実行して(S1804)、本処理を終了する。この入賞演出設定処理の詳細については、図46を参照して後述する。
一方、S1803の処理において、入賞コマンドを受信していないと判定した場合には(S1803:No)、次いで、オープニングコマンドを受信したか否かを判定し(S1805)、オープニングコマンドを受信していれば(S1805:Yes)、表示用オープニングコマンドを設定する(S1806)。ここで設定された表示用オープニングコマンドは、RAM223に設けられたコマンド送信用のリングバッファに記憶され、MPU221により実行されるメイン処理(図43参照)のコマンド出力処理(S1602)の中で、表示制御装置114に向けて送信される。表示制御装置114は、表示用オープニングコマンドを受信すると、第3図柄表示装置81において大当たりの開始を報知するためのオープニング演出を開始する。S1806の処理が終了すると、本大当たり関連処理(図45参照)を終了する。
一方、S1805の処理において、オープニングコマンドを受信していないと判定した場合には(S1805:No)、次いで、主制御装置110よりラウンド数コマンドを受信したか否かを判定する(S1807)。そして、ラウンド数コマンドを受信したと判定した場合には(S1807:Yes)、受信したラウンド数コマンドからラウンド数を抽出し(S1808)、その抽出したラウンド数に応じた表示用ラウンド数コマンドを設定する(S1809)。ここで設定された表示用ラウンド数コマンドは、RAM223に設けられたコマンド送信用のリングバッファに記憶され、MPU221により実行されるメイン処理(図43参照)のコマンド出力処理(S1602)の中で、表示制御装置114に向けて送信される。表示制御装置114は、表示用ラウンド数コマンドを受信すると、第3図柄表示装置81において新たなラウンド演出を開始する。
S1809の処理後は、過剰入賞フラグ223hをオフに設定し(S1810)、本処理を終了する。ここで過剰入賞フラグ223hをオフに設定しておくことで、新たなラウンドの実行中に、球が大開放口へと入賞する毎に特殊入賞音が設定されてしまうことを防止(抑制)できる。よって、特殊入賞音の意味が不明確となってしまい、遊技者が混乱してしまうことを防止(抑制)できる。
一方、S1807の処理において、ラウンド数コマンドを受信していないと判定した場合には(S1807:No)、次いで、主制御装置110よりエンディングコマンドを受信したか否かを判定する(S1811)。そして、エンディングコマンドを受信したと判定した場合には(S1811:Yes)、表示用エンディングコマンドを設定して(S1812)、過剰入賞フラグ223hをオフに設定し(S1813)、本処理を終了する。ここで設定された表示用エンディングコマンドは、RAM223に設けられたコマンド送信用のリングバッファに記憶され、MPU221により実行されるメイン処理(図43参照)のコマンド出力処理(S1602)の中で、表示制御装置114に向けて送信される。表示制御装置114は、表示用エンディングコマンドを受信すると、第3図柄表示装置81においてエンディング演出を開始する。
一方、S1811の処理において、エンディングコマンドを受信していないと判定した場合には(S1811:No)、本処理を終了する。この大当たり関連処理を実行することにより、大当たりに関連する各種のコマンドに応じて適切な制御を実行することができる。
次に、図46を参照して、音声ランプ制御装置113内のMPU221により実行される入賞演出設定処理(S1804)について説明する。図46は、この入賞演出設定処理(S1804)を示したフローチャートである。
入賞演出設定処理では、まず、過剰入賞フラグ223hがオンか否かを判定し(S1901)、過剰入賞フラグ223hがオンであれば(S1901:Yes)、大開放口への入賞に伴って出力される効果音として、特殊入賞音を設定する(S1902)。次いで、過剰入賞演出に対応する表示用入賞演出コマンドを設定して(S1903)、本処理を終了する。特殊入賞音、および過剰入賞演出を設定することにより、規定個数を上回る個数の球を大開放口へと入賞させることができたと遊技者に容易に理解させることができるので、通常のラウンドよりも多くの賞球を獲得できたことに対する満足感を抱かせることができる。
一方、S1901の処理において、過剰入賞フラグ223hがオンではないと判定し場合には(S1901:No)、大開放口への入賞に伴って出力される効果音として、通常入賞音を設定する(S1904)。次いで、通常入賞演出に対応する表示用入賞演出コマンドを設定して(S1905)、本処理を終了する。
この入賞演出設定処理を実行することにより、大開放口への入賞個数に応じた入賞演出を実行することができる。よって、遊技者に対して、過剰入賞を発生させて通常よりも多くの賞球を獲得することができたか否かを報知することができるので、遊技者に対して獲得した賞球数に応じた満足感を抱かせることができる。
次に、図47を参照して、音声ランプ制御装置113内のMPU221により実行される変動表示設定処理(S1612)について説明する。図47は、この変動表示設定処理(S1612)を示したフローチャートである。この変動表示設定処理(S1612)は、音声ランプ制御装置113内のMPU221により実行されるメイン処理(図43参照)の中で実行され、第3図柄表示装置81において変動演出を実行させるために、主制御装置110より受信した変動パターンコマンドに基づいて表示用変動パターンコマンドを生成し設定する。
変動表示設定処理では、まず、RAM223に設けられた変動開始フラグ223cがオンか否かを判別する(S2001)。そして、変動開始フラグ223cがオンではない(即ち、オフである)と判別した場合は(S2001:No)、主制御装置110より変動パターンコマンドを受信していない状態であるので、S2007の処理へ移行する。一方、S2001の処理において、変動開始フラグ223cがオンであると判別された場合は(S2001:Yes)、変動開始フラグ223cをオフし(S2002)、次いで、コマンド判定処理(図44参照)のS1703の処理において、変動パターンコマンドから抽出した変動演出における変動パターン種別を、RAM223より取得する(S2003)。
そして、取得した変動パターン種別に基づいて、表示制御装置114へ通知するための表示用変動パターンコマンドを生成して、そのコマンドを表示制御装置114へ送信するために設定する(S2004)。表示制御装置114では、この表示用変動パターンコマンドを受信することによって、この表示用変動パターンコマンドによって示される変動パターンで、第3図柄表示装置81において第3図柄の変動表示が行われるように、その変動演出の表示制御が開始される。
次いで、入賞情報格納エリア223aに格納されたデータをシフトする(S2005)。S2005の処理では、入賞情報格納エリア223aの第1エリア〜第4エリアに格納されているデータを、実行エリア側に順にシフトさせる処理を行う。より具体的には、第1エリア→実行エリア、第2エリア→第1エリア、第3エリア→第2エリア、第4エリア→第3エリアといった具合に各エリア内のデータをシフトする。データをシフトした後は、背面画像を変更するか否かを判定するための背面画像変更処理を実行し(S2006)、その後、S2007の処理へ移行する。尚、この背面画像変更処理の詳細については、図48を参照して後述する。
S2007の処理では、RAM233に設けられた停止種別選択フラグ223dがオンか否かを判別する(S2007)。そして、停止種別選択フラグ223dがオンではない(即ち、オフである)と判別された場合(S2007:No)、主制御装置110より停止種別コマンドを受信していない状態であるので、この変動表示設定処理を終了し、メイン処理に戻る。
一方、停止種別選択フラグ223dがオンであると判別された場合(S2007:Yes)、停止種別選択フラグ223dをオフに設定し(S2008)、次いで、コマンド判定処理(図44参照)のS1706の処理において、停止種別コマンドから抽出された変動演出における停止種別を、RAM223より取得する(S2009)。次に、S2009の処理で取得した停止種別に基づいて、表示用停止種別コマンドを設定し(S2010)、本処理を終了する。表示制御装置114では、この表示用停止種別コマンドを受信することによって、この表示用停止種別コマンドによって示される停止種別で、第3図柄表示装置81において第3図柄の停止表示が行われるように制御される。
次に、図48を参照して、音声ランプ制御装置113内のMPU221により実行される背面画像変更処理(S2006)について説明する。図48は、この背面画像変更処理(S2006)を示したフローチャートである。この背面画像変更処理(S2006)は、上述した通り、背面画像を変更するか否かを判定するための処理である。
この背面画像変更処理(図48参照)が実行されると、まず、RAM223に設けられた確変状態フラグ223e、演出用カウンタ223gの値、回転位置格納エリア223fの内容をそれぞれ読み出すと共に(S2101)、現在の遊技状態が特別図柄の確変状態であるか否かを判別する(S2102)。そして、S2102の処理において、特別図柄の確変状態であると判別された場合は(S2102:Yes)、背面種別選択テーブル222bの確変時選択テーブル222b2から回転位置、および演出用カウンタ223gの値に対応する背面種別を選択し(S2103)、S2105の処理へ移行する。
一方、S2102の処理において、確変状態ではない(即ち、通常状態である)と判別した場合は(S2102:No)、低確時選択テーブル222b1から回転位置、および演出用カウンタ223gの値に対応する背面種別を選択し(S2104)、S2105の処理へ移行する。
S2103、またはS2104の処理後に実行されるS2105の処理では、背面種別を変更するか否かを判別する(S2105)。即ち、背面種別選択テーブル222bから読み出された背面種別が、現在の背面種別とは異なる背面種別かを判別して、背面種別を変更しないと判別された場合は(S2105:No)、本処理を終了する。一方、S21205の処理において、背面種別を変更すると判別した場合は(S2105:Yes)、変更後の背面種別を通知するための表示用背面画像変更コマンドを設定し(S2106)、本処理を終了する。
<第1実施形態における表示制御装置の制御処理について>
次に、図49〜図62を参照して、表示制御装置114のMPU231により実行される各制御について説明する。かかるMPU231の処理としては大別して、電源投入後から繰り返し実行されるメイン処理と、音声ランプ制御装置113よりコマンドを受信した場合に実行されるコマンド割込処理と、画像コントローラ237より1フレーム分の画像の描画処理が完了する20ミリ秒毎に送信されるV割込信号をMPU231が検出した場合に実行されるV割込処理とがある。MPU231は、通常、メイン処理を実行し、コマンドの受信やV割込信号の検出に合わせて、コマンド割込処理やV割込処理を実行する。尚、コマンドの受信とV割込信号の検出とが同時に行われた場合は、コマンド受信処理を優先的に実行する。これにより、音声ランプ制御装置113より受信したコマンドの内容を素早く反映して、V割込処理を実行させることができる。
まず、図49を参照して、表示制御装置114内のMPU231により実行されるメイン処理について説明する。図49は、このメイン処理を示したフローチャートである。メイン処理は、電源投入時の初期化処理を実行するものである。
このメイン処理の起動は、具体的には、以下の流れに従って行われる。電源回路115から表示制御装置114に対して電源が投入され、システムリセットが解除されると、MPU231は、そのハードウェア構成によって、MPU231内に設けられた命令ポインタ231aを「0000H」に設定すると共に、命令ポインタ231aにて示されるアドレス「0000H」をバスライン240に対して指定する。キャラクタROM234のROMコントローラ234bは、バスライン240に指定されたアドレスが「0000H」であることを検知すると、NOR型ROM234dの第1プログラム記憶エリア234d1に記憶されたブートプログラムをバッファRAM234cにセットして、対応するデータ(命令コード)をMPU231へ出力する。そして、MPU231は、キャラクタROM234から受け取った命令コードをフェッチし、そのフェッチした命令に応じた処理の実行を開始することで、メイン処理を起動する。
ここで、仮にシステムリセット解除後にMPU231によって最初に処理されるブートプログラムを全てNAND型フラッシュメモリ234aに記憶させた場合、キャラクタROM234は、バスライン240に指定されたアドレスが「0000H」であることを検知すると、アドレス「0000H」に対応するデータ(命令コード)を含む1ページ分のデータをNAND型フラッシュメモリ234aから読み出してバッファRAM234cにセットしなければならない。そして、NAND型フラッシュメモリ234aの性質上、その読み出しからバッファRAM234cへのセットに多大な時間を要するので、MPU231は、アドレス「0000H」を指定してからアドレス「0000H」に対応する命令コードを受け取るまでに多くの待ち時間を消費することとなる。よって、MPU231の起動にかかる時間が長くなるので、結果として、表示制御装置114における第3図柄表示装置81の制御が即座に開始されないおそれがあるという問題点が生じる。
これに対し、本実施形態のように、ブートプログラムのうち、システムリセット解除後にMPU231によって最初に処理すべき命令から所定数の命令がNOR型ROM234dに格納されることにより、NOR型ROMは高速にデータを読み出すことが可能なメモリであるため、システムリセット解除後にMPU231からバスライン240を介してアドレス「0000H」が指定されると、キャラクタROM234は即座にNOR型ROM234dの第1プログラム記憶エリア234d1に記憶されたブートプログラムをバッファRAM234cにセットして、対応するデータ(命令コード)をMPU231へ出力することができる。よって、MPU231は、アドレス「0000H」を指定してから短い時間でアドレス「0000H」に対応する命令コードを受け取ることができるので、MPU231においてメイン処理の起動を短時間で行うことができる。従って、読み出し速度の遅いNAND型フラッシュメモリ234aで構成されたキャラクタROM234に制御プログラムを格納しても、表示制御装置114における第3図柄表示装置81の制御を即座に開始することができる。
以上のようにしてメイン処理が実行されると、まず、ブートプログラムによって実行されるブート処理を実行し(S2201)、第3図柄表示装置81に対する各種制御が実行可能となるように表示制御装置114を起動する。
ここで、図50を参照して、ブート処理(S2201)について説明する。図50は、表示制御装置114のMPU231において、メイン処理の中で実行されるブート処理(S2201)を示すフローチャートである。
上述したように、本実施形態では、MPU231によって実行される制御プログラムや固定値データは、従来の遊技機のように専用のプログラムROMを設けて記憶させるのではなく、第3図柄表示装置81に表示させる画像のデータを記憶させるために設けられたキャラクタROM234に記憶させている。そしてキャラクタROM234は、小面積で大容量化を図ることが可能なNAND型フラッシュメモリ234aによって構成されているため、画像データだけでなく制御プログラム等を十分に記憶させておくことができる一方、制御プログラム等を記憶する専用のプログラムROMを設ける必要がない。よって、表示制御装置114における部品点数を削減することができ、製造コストを削減できるほか、部品数増加による故障発生率の増加を抑制することができる。
一方、一般的にNAND型フラッシュメモリは、特にランダムアクセスを行う場合において読み出し速度が遅いため、MPU231がNAND型フラッシュメモリ234aに格納された制御プログラムや固定値データを直接読み出して処理していては、MPU231として高性能のプロセッサを用いても、表示制御装置114の処理性能を悪化させてしまうおそれがある。そこで、本ブート処理では、NAND型フラッシュメモリ234aの第2プログラム記憶エリア234a1に記憶されている制御プログラム及び固定値データを、DRAMによって構成されるワークRAM233に設けられたプログラム格納エリア233aやデータテーブル格納エリア233bへ転送し格納する処理を実行する。
具体的には、まず、上述のMPU231及びキャラクタROM234のハードウェアによる動作に基づき、システムリセット解除後にNOR型ROM234dの第1プログラム記憶エリア234d1より読み出されバッファRAM234cにセットされたブートプログラムに従って、第2プログラム記憶エリア234a1に記憶されている制御プログラムのうち、所定量だけプログラム格納エリア233aへ転送する(S2301)。ここで転送される所定量の制御プログラムには、第1プログラム記憶エリア234d1に記憶されていない残りのブートプログラムが含まれる。
そして、命令ポインタ231aをプログラム格納エリア233aの第1の所定番地、即ち、プログラム格納エリア233aに格納されたその残りのブートプログラムの先頭アドレスを設定する(S2302)。これにより、MPU231は、S2301の処理によってプログラム格納エリア233aに転送され格納された制御プログラムに含まれる残りのブートプログラムの実行を開始する。
また、S2302の処理により命令ポインタ231aをプログラム格納エリア233aの所定番地に設定することで、MPU231は、そのワークRAM233のプログラム格納エリア233aに格納された制御プログラムを読み出しながら、各種処理を実行することになる。即ち、MPU231は、第2プログラム記憶エリア234a1を有するNAND型フラッシュメモリ234aから制御プログラムを読み出して命令フェッチするのではなく、プログラム格納エリア233aを有するワークRAM233に転送された制御プログラムを読み出して命令フェッチし、各種処理を実行する。上述したように、ワークRAM233はDRAMによって構成されるため、高速に読み出し動作が行われる。よって、制御プログラムを読み出し速度の遅いNAND型フラッシュメモリ234aによって構成されるキャラクタROM234に記憶させた場合であっても、MPU231は高速に命令をフェッチし、その命令に対する処理を実行することができる。
S2302の処理により命令ポインタ231aが設定されると、続いて、その設定された命令ポインタ231aによって実行が開始される残りのブートプログラムに従って、NAND型フラッシュメモリ234aの第2プログラム記憶エリア234a1に記憶されている制御プログラムのうちプログラム格納エリア233aに未転送である残りの制御プログラムと固定値データとを、所定量ずつプログラム格納エリア233a又はデータテーブル格納エリア233bへ転送する(S2303)。具体的には、制御プログラムおよび一部の固定データを、ワークRAM233のプログラム格納エリア233aに格納し、また、固定値データのうち上述の各種データテーブル(表示データテーブル、転送データテーブル)をデータテーブル格納エリア233bに転送する。
そして、ブート処理に必要なその他の処理を実行(S2304)した後、命令ポインタ231aをプログラム格納エリア233aの第2の所定番地、即ち、このブート処理(図49のS2201参照)の終了後に実行すべき初期化処理(図49のS2202参照)に対応するプログラムの先頭アドレスを設定することで(S2305)、ブートプログラムの実行を終え、本ブート処理を終了する。
このように、ブート処理(S2201)が実行されることによって、NAND型フラッシュメモリ234aの第2プログラム記憶エリア234a1に記憶されている制御プログラム及び固定値データは、全てDRAMによって構成されたワークRAM233のプログラム格納エリア233a及びデータテーブル格納エリア233bに転送され、格納される。そして、ブート処理の終了時に、命令ポインタ231aが上述の第2の所定番地に設定され、以後、MPU231は、NAND型フラッシュメモリ234aを参照することなく、プログラム格納エリア233aに転送された制御プログラムを用いて各種処理を実行する。
よって、制御プログラムを読み出し速度の遅いNAND型フラッシュメモリ234aによって構成されるキャラクタROM234に記憶させた場合であっても、システムリセット解除後にその制御プログラムや固定値データをワークRAM233のプログラム格納エリア233a及びデータテーブル格納エリア233bに転送することで、MPU231は、読み出し速度が高速なDRAMによって構成されるワークRAMから制御プログラムや固定値データを読み出して各種制御を行うことができるので、表示制御装置114において高い処理性能を保つことができ、補助演出部を用いて、多様化、複雑化させた演出を容易に実行することができる。
一方、NOR型ROM234dにブートプログラムを全て格納せずに、システムリセット解除後にMPU231によって最初に処理すべき命令から所定数の命令を格納しておき、残りのブートプログラムについては、NAND型フラッシュメモリ234aの第2プログラム記憶エリア234a1に記憶させても、第2プログラム記憶エリア234a1に記憶されている制御プログラムを確実にプログラム格納エリア233aに転送することができる。よって、キャラクタROM234は、極めて小容量のNOR型ROM234dを追加するだけで、MPU231の起動を短時間で行うことができるようになるので、その短時間化に伴うキャラクタROM234のコスト増加を抑制することができる。
尚、図50に示すブート処理では、S2301の処理によってプログラム格納エリア233aに転送される所定量の制御プログラムに、第1プログラム記憶エリア234d1に記憶されていない残りのブートプログラムが全て含まれるように構成されているが、必ずしもこれに限られるものではなく、S2301の処理によってプログラム格納エリア233aに転送される所定量の制御プログラムは、S2302の処理に続いて処理すべきブート処理を実行するブートプログラムの一部としてもよい。ここで転送されるブートプログラムは、残りのブートプログラムを全て含む制御プログラムを所定量だけプログラム格納エリア233aに転送し、更に、これによりプログラム格納エリア233aに格納されたブートプログラムの先頭アドレスを命令ポインタ231aに設定する処理を実行するものであってもよい。そして、プログラム格納エリア233aに格納された残り全てのブートプログラムによって、S2303〜S2305の処理を実行するようにしてもよい。
また、S2301の処理によって転送されるブートプログラムは、残りのブートプログラムの一部を更に所定量だけプログラム格納エリア233aに転送し、続いて、これによりプログラム格納エリア233aに格納されたブートプログラムの先頭アドレスを命令ポインタ231aに設定する処理を実行するものであってもよい。また、この処理によってプログラム格納エリア233aに格納された一部のブートプログラムは、更に残りのブートプログラムの一部を所定量だけプログラム格納エリア233aに転送し、続いて、これによりプログラム格納エリア233aに格納されたブートプログラムの先頭アドレスを命令ポインタ231aに設定する処理を実行するものであってもよい。そして、残りのブートプログラムの一部を所定量だけプログラム格納エリア233aに転送し、続いて、これによりプログラム格納エリア233aに格納されたブートプログラムの先頭アドレスを命令ポインタ231aに設定する処理を、S2301及びS2302の処理を含めて複数回繰り返した後、S2303〜S2305の処理を実行するようにしてもよい。
これにより、ブートプログラムのプログラムサイズが大きく、第1プログラム記憶エリア234d1に記憶されていない残りのブートプログラムが一度にプログラム格納エリア233aへ転送できなくても、MPU231はプログラム格納エリア233aに既に格納されたブートプログラムを使用して、所定量ずつプログラム格納エリア233aに転送することができる。
また、本実施形態では、第1プログラム記憶エリア234d1に、ブートプログラムのうち、システムリセット解除時にまずMPU231によって実行されるブートプログラムの一部を記憶させる場合について説明したが、全てのブートプログラムを第1プログラム記憶エリア234d1に記憶させてもよい。この場合、MPU231は、ブート処理を開始すると、S2301及びS2302の処理を行わずに、S2303〜S2305の処理を実行してもよい。これにより、ブートプログラムをプログラム格納エリア233aへ転送する処理が不要となるので、キャラクタROM234かプログラム格納エリア233aへのプログラムの転送処理回数が減るため、ブート処理の処理時間を減らすことができる。よって、ブート処理後に可能となるMPU231における補助演出部の制御の開始をより早く行うことができる。
ここで、図49の説明に戻る。ブート処理を終了すると、次いで、ワークRAM233のプログラム格納エリア233aに転送され格納された制御プログラムに従って、初期設定処理を実行する(S2202)。具体的には、スタックポインタの値をMPU231内に設定すると共に、MPU231内のレジスタ群や、I/O装置等に対する各種の設定などを行う。また、ワークRAM233、常駐用ビデオRAM235、通常用ビデオRAM236の記憶をクリアする処理などが行われる。更に、ワークRAM233に各種フラグを設け、それぞれのフラグに初期値を設定する。尚、各フラグの初期値として、特に明示した場合を除き、「オフ」又は「0」が設定される。
更に、初期設定処理では、画像コントローラ237の初期設定を行った後、第3図柄表示装置81に特定の色の画像が画面全体に表示されるように、画像コントローラ237に対して、画像の描画および表示処理の実行を指示する。これにより、電源投入直後において、第3図柄表示装置81には、まず、特定の色の画像が画面全体に表示される。ここで、電源投入直後に第3図柄表示装置81の画面全体に表示される画像の色が、パチンコ機の機種に応じて異なる色となるように設定されている。これにより、製造時の工場等における動作チェックにおいて、電源投入直後に、その機種に応じた色の画像が第3図柄表示装置81に表示されるか否かを検査することで、パチンコ機10が正常に起動開始できるか否かを簡易かつ即座に判断することができる。
次いで、電源投入時主画像に対応する画像データを常駐用ビデオRAM235の電源投入時主画像エリア235aへ転送するように、画像コントローラ237に対して転送指示を送信する(S2203)。この転送指示には、電源投入時主画像に対応する画像データが格納されているキャラクタROM234の先頭アドレスおよび最終アドレスと、転送先の情報(ここでは、常駐用ビデオRAM235)と、転送先である電源投入時主画像エリア235aの先頭アドレスとが含まれており、画像コントローラ237は、この転送指示に従って、電源投入時主画像に対応する画像データがキャラクタROM234から常駐用ビデオRAM235の電源投入時主画像エリア235aに転送される。
そして、転送指示により示された画像データの転送が全て完了すると、画像コントローラ237は、MPU231に対して転送終了を示す転送終了信号を送信する。MPU231はこの転送終了信号を受信することにより、転送指示で指定した画像データの転送が終了したことを把握することができる。なお、画像コントローラ237は、転送指示により示された画像データの転送を全て完了した場合、画像コントローラ237の内部に設けられたレジスタまたは内蔵メモリの一部領域に、転送終了を示す転送終了情報を書き込むようにしてもよい。そして、MPU231は随時このレジスタまたは内蔵メモリの一部領域の情報を読み出し、画像コントローラ237による転送終了情報の書き込みを検出することによって、転送指示で指定した画像データの転送が終了したことを把握するようにしてもよい。
電源投入時主画像エリア235aに転送された画像データは、電源が遮断されるまで上書きされないように保持される。S2203の処理により画像コントローラ237に対して送信された転送指示に基づき、電源投入時主画像に対応する画像データの電源投入時主画像エリア235aへの転送が終了すると、次いで、電源投入時変動画像に対応する画像データを常駐用ビデオRAM235の電源投入時変動画像エリア235bへ転送するように、画像コントローラに対して転送指示を送信する(S2204)。この転送指示には、電源投入時変動画像に対応する画像データが格納されているキャラクタROM234の先頭アドレスと、その画像データのデータサイズと、転送先の情報(ここでは、常駐用ビデオRAM235)と、転送先である電源投入時変動画像エリア235bの先頭アドレスとが含まれており、画像コントローラは、この転送指示に従って、電源投入時変動画像に対応する画像データがキャラクタROM234から常駐用ビデオRAM235の電源投入時変動画像エリア235bに転送される。そして、電源投入時変動画像エリア235bに転送された画像データは、電源が遮断されるまで上書きされないように保持される。
S2204の処理により画像コントローラ237に対して送信された転送指示に基づき、電源投入時変動画像に対応する画像データの電源投入時変動画像エリア235bへの転送が終了すると、次いで、簡易画像表示フラグ233cをオンする(S2205)。これにより、簡易画像表示フラグ233cがオンの間は、後述する転送設定処理(図60(a)参照)において、常駐用ビデオRAM235に常駐すべき全ての画像データをキャラクタROM234から常駐用ビデオRAM235へ転送するように画像コントローラ237へ転送を指示する常駐画像転送設定処理が実行される(図60(a)のS3702参照)。
また、簡易画像表示フラグ233cは、この常駐画像転送設定処理による画像コントローラ237への転送指示に基づき、常駐用ビデオRAM235に常駐すべき全ての画像データのキャラクタROM234から常駐用ビデオRAM235への転送が終了するまでの間、オンに維持される。これにより、その間は、V割込処理(図51(b)参照)において、図22に示す電源投入時画像(電源投入時主画像や電源投入時変動画像)が描画されるように、簡易コマンド判定処理(図51(b)のS2508参照)および簡易表示設定処理(図51(b)のS2509参照)が実行される。
上述したように、本パチンコ機10では、キャラクタROM234にNAND型フラッシュメモリ234aを用いているため、その読み出し速度が遅いことに起因して、常駐用ビデオRAM235に格納すべき全ての画像データが、キャラクタROM234から常駐用ビデオRAM235に転送されるまでに多くの時間を要する。そこで、本メイン処理のように、電源が投入された後、まず先に電源投入時主画像および電源投入時変動画像をキャラクタROM234から常駐用ビデオRAM235へ転送し、電源投入時主画像を第3図柄表示装置81に表示することで、残りの常駐すべき画像データが常駐用ビデオRAM235に転送されている間、遊技者やホール関係者は、第3図柄表示装置81に表示された電源投入時主画像を確認することができる。よって、表示制御装置114は、電源投入時主画像を第3図柄表示装置114に表示させている間に、時間をかけて残りの常駐すべき画像データをキャラクタROM234から常駐用ビデオRAM235に転送することができる。一方、遊技者等は、電源投入時主画像が第3図柄表示装置81に表示されている間、何らかの初期化処理が行われていることを認識できるので、残りの常駐用ビデオRAM235に常駐すべき画像データがキャラクタROM234から常駐用ビデオRAM235に転送されるまでの間、動作が停止していないか、といった不安を持つことなく、初期化が完了するまで待機することができる。
また、製造時の工場等における動作チェックにおいても、電源投入時主画像がすぐに第3図柄表示装置81に表示されることによって、第3図柄表示装置81が電源投入によって問題なく動作が開始されていることをすぐに確認することができ、キャラクタROM234に読み出し速度の遅いNAND型フラッシュメモリ234aを用いることにより動作チェックの効率が悪化することを抑制できる。
また、パチンコ機10の表示制御装置114では、電源投入後に電源投入時主画像とあわせて電源投入時変動画像もキャラクタROM234から常駐用ビデオRAM235へ転送するので、電源投入時主画像が第3図柄表示装置81に表示されている間に遊技者が遊技を開始したことにより、第1入球口64、または第2入球口640へ入球(始動入賞)があり、変動演出の開始指示が主制御装置110より音声ランプ制御装置113を介してあった場合、即ち、表示用変動パターンコマンドを受信した場合は、図22(b),(c)に示す電源投入時変動画像をその変動演出期間中に即座に表示させ、簡単な変動演出を行うことができる。よって、遊技者は、電源投入時主画像が第3図柄表示装置81に表示されている間であっても、その簡単な変動演出によって確実に抽選が行われたことを確認することができる。
また、上述したように、残りの常駐すべき画像データがキャラクタROM234から常駐用ビデオRAM235に転送されている間は、第3図柄表示装置81に電源投入時主画像が表示され続けるが、キャラクタROM234は読み出し速度の遅いNAND型フラッシュメモリ234aによって構成されているので、その転送に時間がかかるので、電源投入後、電源投入時主画像が表示され続ける時間も長くなる。しかしながら、本パチンコ機10では、電源投入後に常駐用ビデオRAM235に転送された電源投入時変動画像を用いて簡易的な変動演出を行うことができるので、電源が投入された直後、例えば、停電復帰直後などにおいて、電源投入時主画像が表示されている間であっても、遊技者に安心して遊技を行わせることができる。
S2205の処理の後、割込み許可を設定し(S2206)、以後、メイン処理は電源が切断されるまで、無限ループ処理を実行する。これにより、S2206の処理によって割込み許可が設定されて以降、コマンドの受信およびV割込信号の検出に従って、コマンド割込処理およびV割込処理を実行する。
次いで、図51(a)を参照して、表示制御装置114のMPU231で実行されるコマンド割込処理について説明する。図51(a)は、そのコマンド割込処理を示すフローチャートである。上述したように、音声ランプ制御装置113からコマンドを受信すると、MPU231によってコマンド割込処理が実行される。
このコマンド割込処理では、受信したコマンドデータを抽出し、ワークRAM233に設けられたコマンドバッファ領域に、その抽出したコマンドデータを順次格納して(S2401)、終了する。このコマンド割込処理によってコマンドバッファ領域に格納された各種コマンドは、後述するV割込処理のコマンド判定処理または簡易コマンド判定処理によって読み出され、そのコマンドに応じた処理が行われる。
次いで、図51(b)を参照して、表示制御装置114のMPU231で実行されるV割込処理について説明する。図51(b)は、そのV割込処理を示すフローチャートである。このV割込処理では、コマンド割込処理によってコマンドバッファ領域に格納されたコマンドに対応する各種処理を実行すると共に、第3図柄表示装置81に表示させる画像を特定した上で、その画像の描画リスト(図27参照)を作成し、その描画リストを画像コントローラ237に送信することで、画像コントローラ237に対し、その画像の描画処理および表示処理の実行を指示するものである。
上述したように、このV割込処理は、画像コントローラ237からのV割込信号が検出されることによって実行が開始される。このV割込信号は、画像コントローラ237において、1フレーム分の画像の描画処理が完了する20ミリ秒毎に生成され、MPU231に対して送信される信号である。よって、このV割込信号に同期させてV割込処理を実行することにより、画像コントローラ237に対して描画指示が、1フレーム分の画像の描画処理が完了する20ミリ秒毎に行われることになる。よって、画像コントローラ237では、画像の描画処理や表示処理が終了していない段階で、次の画像の描画指示を受け取ることがないので、画像の描画途中で新たな画像の描画を開始したり、表示中の画像情報が格納されているフレームバッファに、新たな描画指示に伴って画像が展開されたりすることを防止することができる。
ここでは、まず、V割込処理のフローの概略について説明し、次いで、各処理の詳細について他の図面を参照して説明する。このV割込処理では、図51(b)に示すように、まず、簡易画像表示フラグ233cがオンであるか否かを判別し(S2501)、簡易画像表示フラグ233cがオンではない、即ち、オフであれば(S2501:No)、常駐用ビデオRAM235に常駐すべき全ての画像データの転送が完了していることを意味するので、図22に示した電源投入時画像ではなく、通常の演出画像を第3図柄表示装置81に表示させるべく、コマンド判定処理(S2502)を実行し、次いで、表示設定処理(S2503)を実行する。
コマンド判定処理(S2502)では、コマンド割込処理によってコマンドバッファ領域に格納された音声ランプ制御装置113からのコマンドの内容を解析し、そのコマンドに応じた処理を実行すると共に、表示用デモコマンドや表示用変動パターンコマンドが格納されていた場合は、デモ用表示データテーブル又は変動パターン種別に応じた変動表示データテーブルを表示データテーブルバッファ233dに設定すると共に、設定された表示データテーブルに対応する転送データテーブルを転送データテーブルバッファ233eに設定する。
このコマンド判定処理では、その時点でコマンドバッファ領域に格納されている全てのコマンドを解析して、処理を実行する。これは、コマンド判定処理が、V割込処理の実行される20ミリ秒間隔で行われるため、その20ミリ秒の間に複数のコマンドがコマンドバッファ領域に格納されている可能性が高いためである。特に、主制御装置110において、変動演出の開始が決定された場合、表示用変動パターンコマンドや表示用停止種別コマンドなどが同時にコマンドバッファ領域に格納されている可能性が高い。従って、これらのコマンドを一度に解析して実行することによって、主制御装置110や音声ランプ制御装置113によって選定された変動演出の態様や停止種別を素早く把握し、その態様に応じた演出画像を第3図柄表示装置81に表示させるように、画像の描画を制御することができる。尚、このコマンド判定処理の詳細については、図52〜図56を参照して後述する。
表示設定処理(S2503)では、コマンド判定処理(S2502)などによって表示データテーブルバッファ233dに設定された表示データテーブルの内容に基づいて、第3図柄表示装置81において次に表示すべき1フレーム分の画像の内容を具体的に特定する。また、処理の状況などに応じて、第3図柄表示装置81に表示すべき演出態様を決定し、その決定した演出態様に対応する表示データテーブルを表示データテーブルバッファ233dに設定する。尚、この表示設定処理の詳細については、図57〜図59を参照して後述する。
表示設定処理が実行された後、次いで、タスク処理を実行する(S2504)。このタスク処理では、表示設定処理(S2503)もしくは簡易表示設定処理(S2509)によって特定された、第3図柄表示装置81に表示すべき次の1フレーム分の画像の内容に基づき、その画像を構成するスプライト(表示物)の種別を特定すると共に、スプライト毎に、表示座標位置や拡大率、回転角度といった描画に必要な各種パラメータを決定する。
次に、転送設定処理を実行する(S2505)。この転送設定処理では、簡易画像表示フラグ233cがオンである間は、画像コントローラ237に対して、常駐用ビデオRAM235に常駐すべき画像データをキャラクタROM234から常駐用ビデオRAM235の所定エリアへ転送させる転送指示を設定する。また、簡易画像表示フラグ233cがオフである間は、転送データテーブルバッファ233eに設定される転送データテーブルの転送データ情報に基づき、画像コントローラ237に対して、所定の画像データをキャラクタROM234から通常用ビデオRAM236の画像格納エリア236aの所定サブエリアへ転送させる転送指示を設定すると共に、音声ランプ制御装置113から連続予告コマンドや背面画像変更コマンドを受信した場合にも、画像コントローラ237に対して、連続予告演出で使用する連続予告画像の画像データや変更後の背面画像の画像データをキャラクタROM234から通常用ビデオRAM236の画像格納エリア236aの所定サブエリアへ転送させる転送指示を設定する。尚、転送設定処理の詳細については、図60および図61を参照して後述する。
次いで、描画処理を実行する(S2506)。この描画処理では、タスク処理(S2504)で決定された、1フレームを構成する各種スプライトの種別やそれぞれのスプライトの描画に必要なパラメータと、転送設定処理(S2505)により設定された転送指示とから、図27に示す描画リストを生成し、描画対象バッファ情報と共に、その描画リストを画像コントローラ237に対して送信する。これにより、画像コントローラ237では、描画リストに従って、画像の描画処理を実行する。尚、描画処理の詳細については、図62を参照して後述する。
次いで、表示制御装置114に設けられた各種カウンタの更新処理を実行する(S2507)。そして、V割込処理を終了する。S2507の処理によって更新されるカウンタとしては、例えば、停止図柄を決定するための停止図柄カウンタ(図示せず)がある。この停止図柄カウンタの値は、ワークRAM233に格納され、V割込処理が実行される度に、更新処理が行われる。そして、コマンド判定処理において、表示用停止種別コマンドの受信が検出されると、表示用停止種別コマンドにより示される停止種別(大当たりA、大当たりB、大当たりC、大当たりD、前後外れリーチ、前後外れ以外リーチ、完全外れ)に対応する停止種別テーブルと停止図柄カウンタとが比較され、第3図柄表示装置81に表示される変動演出後の停止図柄が最終的に設定される。
一方、S2501の処理において、簡易画像表示フラグ233cがオンであると判別されると(S2501:Yes)、常駐用ビデオRAM235に常駐すべき全ての画像データの転送が完了していないことを意味するので、図22に示した電源投入時画像を第3図柄表示装置81に表示させるべく、簡易コマンド判定処理(S2508)を実行し、次いで、簡易表示設定処理(S2509)を実行して、S2504の処理へ移行する。
次いで、図52〜図56を参照して、表示制御装置114のMPU231で実行されるV割込処理の一処理である上述のコマンド判定処理(S2502)の詳細について説明する。まず、図52は、このコマンド判定処理を示すフローチャートである。
このコマンド判定処理では、図52に示すように、まず、コマンドバッファ領域に未処理の新規コマンドがあるか否かを判別し(S2601)、未処理の新規コマンドがなければ(S2601:No)、コマンド判定処理を終了してV割込処理に戻る。一方、未処理の新規コマンドがあれば(S2601:Yes)、オン状態で新規コマンドを処理したことを表示設定処理(S2503)に通知する新規コマンドフラグをオンに設定し(S2602)、次いで、コマンドバッファ領域に格納されている未処理のコマンドすべてについて、そのコマンドの種別を解析する(S2603)。
そして、未処理のコマンドの中に、まず、表示用変動パターンコマンドがあるか否かを判別し(S2604)、表示用変動パターンコマンドがあれば(S2604:Yes)、変動パターンコマンド処理を実行して(S2605)、S2601の処理へ戻る。
ここで、図53(a)を参照して、変動パターンコマンド処理(S2605)の詳細について説明する。図53(a)は、変動パターンコマンド処理を示すフローチャートである。この変動パターンコマンド処理は、音声ランプ制御装置114より受信した表示用変動パターンコマンドに対応する処理を実行するものである。
変動パターンコマンド処理では、まず、表示用変動パターンコマンドによって示される変動演出パターンに対応した変動表示データテーブルを決定し、その決定した変動表示データテーブルをデータテーブル格納エリア233bから読み出して、表示データテーブルバッファ233dに設定する(S2701)。
ここで、主制御装置110において変動の開始の判断は、必ず数秒以上離れて行われるので、20ミリ秒以内に2以上の表示用変動パターンコマンドを受信することはなく、したがって、コマンド判定処理を実行する場合に、コマンドバッファ領域に2以上の表示用変動パターンコマンドが格納されている場合はあり得ないが、ノイズ等の影響によってコマンドの一部が変化し、別のコマンドが誤って表示用変動パターンコマンドとして解釈されるおそれもあり得る。S2701の処理では、このような場合に備え、2以上の表示用変動パターンコマンドがコマンドバッファ領域に格納されていると判断される場合は、変動時間が最も短い変動パターンに対応する変動表示データテーブルを表示データテーブルバッファ233dに設定する。
仮に、変動時間の長い変動パターンに対応する変動表示データテーブルを表示データテーブルバッファ233dに設定してしまうと、実際には、設定した表示データテーブルよりも短い変動時間を有する変動演出が主制御装置110によって指示されていた場合に、設定された変動表示データテーブルに従った変動演出を第3図柄表示装置81に表示させている最中に主制御装置110から次の表示用変動パターンコマンドを受信することとなり、別の変動表示が急に開始されてしまうので、遊技者に対して違和感を持たせるおそれがあった。
これに対し、本実施形態のように、変動時間が最も短い変動パターンに対応する変動表示データテーブルを表示データテーブルバッファ233dに設定することで、実際には、設定した表示データテーブルよりも長い変動時間を有する変動演出が主制御装置110によって指示されていた場合であっても、後述するように、表示データテーブルバッファ233dに従った変動演出が終了したのち、主制御装置110から次の表示用パターンコマンドを受信するまでの間、デモ演出が表示されるように、表示設定処理によって、第3図柄表示装置81の表示が制御されるので、遊技者は違和感なく第3図柄表示装置81における第3図柄の変動を見続けることができる。
次いで、S2701で設定された表示データテーブルに対応する転送データテーブルを決定してデータテーブル格納エリア233bから読み出し、それを転送データテーブルバッファ233eに設定する(S2702)。
次いで、S2701の処理によって表示データテーブルバッファ233dに設定された変動表示データテーブルに対応する変動パターンの変動時間を基に、その変動時間を表す時間データを計時カウンタ233hに設定し(S2703)、ポインタ233fを0に初期化する(S2704)。そして、デモ表示フラグ233y、および確定表示フラグ233zをいずれもオフに設定し(S2705)、本処理を終了する。
この変動パターンコマンド処理(図53(a)参照)が実行されることにより、表示設定処理では、S2704の処理によって初期化されたポインタ233fを更新しながら、S2701の処理によって表示データテーブルバッファ233dに設定された変動表示データテーブルから、ポインタ233fに示されるアドレスに規定された描画内容を抽出し、第3図柄表示装置81において次に表示すべき1フレーム分の画像の内容を特定すると同時に、S2702の処理によって転送データテーブルバッファ233eに設定された転送データテーブルから、ポインタ233fに示されるアドレスに規定された転送データ情報を抽出し、設定された変動表示データテーブルにおいて必要なスプライトの画像データが、予めキャラクタROM234から通常用ビデオRAM236の画像格納エリア236aに転送されるように、画像コントローラ237を制御する。
また、表示設定処理では、S2703の処理によって時間データが設定された計時カウンタ233hを用いて、変動表示データテーブルで規定された変動演出の時間を計時し、変動表示データテーブルにおける変動演出が終了すると判断された場合、主制御装置110からの表示用停止種別コマンドに応じた停止図柄を第3図柄表示装置81に表示するように、その停止表示の設定を制御する。
ここで、図52の説明に戻る。S2604の処理において、表示用変動パターンコマンドがないと判別されると(S2604:No)、次いで、未処理のコマンドの中に、表示用停止種別コマンドがあるか否かを判別し(S2606)、表示用停止種別コマンドがあれば(S2606:Yes)、停止種別コマンド処理を実行して(S2607)、S2601の処理へ戻る。
ここで、図53(b)を参照して、停止種別コマンド処理(S2607)の詳細について説明する。図53(b)は、停止種別コマンド処理を示すフローチャートである。この停止種別コマンド処理は、音声ランプ制御装置114より受信した表示用変動種別コマンドに対応する処理を実行するものである。
停止種別コマンド処理では、まず、表示用停止種別コマンドによって示される停止種別情報(大当たりA、大当たりB、大当たりC、大当たりD、前後外れリーチ、前後外れ以外リーチ、完全外れのいずれか)に対応する停止種別テーブルを決定し(S2801)、その停止種別テーブルと、V割込処理(図51(b)参照)が実行されるたびに更新される停止図柄カウンタの値とを比較して、第3図柄表示装置81に表示される変動演出後の停止図柄を最終的に設定する(S2802)。
そして、停止図柄毎に設けられた停止図柄判別フラグのうち、S2802の処理によって設定された停止図柄に対応する停止図柄判別フラグをオンすると共に、その他の停止図柄に対応する停止図柄判別フラグをオフに設定して(S2803)、この停止種別コマンド処理を終了し、コマンド判定処理に戻る。
ここで、上述したように、変動表示データテーブルでは、そのデータテーブルに基づく変動が開始されてから所定時間経過後において、第3図柄表示装置81に表示すべき第3図柄を特定する種別情報として、S2802の処理によって設定された停止図柄からのオフセット情報(図柄オフセット情報)が記載されている。上述のタスク処理(S2504)では、変動が開始されてから所定時間が経過した後、S2803によって設定された停止図柄判別フラグからS2802の処理によって設定された停止図柄を特定すると共に、その特定した停止図柄に対して表示設定処理により取得された図柄オフセット情報を加算することによって、実際に表示すべき第3図柄を特定する。そして、この特定された第3図柄に対応する画像データが格納されたアドレスを特定する。尚、第3図柄に対応する画像データは、上述したように、常駐用ビデオRAM235の第3図柄エリア235dに格納されている。
尚、主制御装置110において変動の開始の判断は、必ず数秒以上離れて行われるので、20ミリ秒以内に2以上の表示用停止種別コマンドを受信することはなく、したがって、コマンド判定処理を実行する場合に、コマンドバッファ領域に2以上の表示用停止種別コマンドが格納されている場合はあり得ないが、ノイズ等の影響によってコマンドの一部が変化し、別のコマンドが誤って表示用停止種別コマンドとして解釈されるおそれもあり得る。S2801の処理では、このような場合に備え、2以上の表示用停止種別コマンドがコマンドバッファ領域に格納されていると判断される場合は、停止種別が完全外れであると仮定して、停止種別テーブルを決定する。これにより、完全外れに対応する停止図柄がS2802の処理によって設定される。
仮に、「特別図柄の大当たり」に対応する停止図柄が設定されてしまうと、実際には、「特別図柄の外れ」であった場合であっても、第3図柄表示装置81には「特別図柄の大当たり」に対応する停止図柄が表示されることとなり、遊技者にパチンコ機10が「特別図柄の大当たり」となったと勘違いさせてしまい、パチンコ機10の信頼性を低下させるおそれがあった。これに対し、本実施形態のように、完全外れに対応する停止図柄が設定されることで、実際には、「特別図柄の大当たり」であれば、第3図柄表示装置81に完全外れの停止図柄が表示されても、パチンコ機10が「特別図柄の大当たり」になるので、遊技者を喜ばせることができる。
図52に戻り、説明を続ける。S2606の処理において、表示用停止種別コマンドがないと判別されると(S2606:No)、次いで、未処理のコマンドの中に、表示用オープニングコマンドがあるか否かを判別し(S2608)、表示用オープニングコマンドがあれば(S2608:Yes)、オープニングコマンド処理を実行して(S2609)、S2601の処理へ戻る。
ここで、図54(a)を参照して、オープニングコマンド処理(S2609)の詳細について説明する。図54(a)は、オープニングコマンド処理を示すフローチャートである。このオープニングコマンド処理は、音声ランプ制御装置114より受信したオープニングコマンドに対応する処理を実行するものである。
オープニングコマンド処理では、まず、オープニング表示データテーブルを表示データテーブルバッファ233dに設定する(S2901)。その後、オープニング表示データテーブルに対応する転送データテーブルを転送データテーブルバッファ233eに設定し(S2902)、設定したオープニング表示データテーブルを基に、時間データを計時カウンタ233hに設定する(S2903)。その後、ポインタ233fを0に初期化する(S2904)。そして、デモ表示フラグ233y、および確定表示フラグ233zをいずれもオフに設定して(S2905)、オープニングコマンドを終了し、コマンド判定処理に戻る。
図52に戻り、説明を続ける。S2608の処理において、表示用オープニングコマンドがないと判別されると(S2608:No)、次いで、未処理のコマンドの中に、表示用ラウンド数コマンドがあるか否かを判別し(S2610)、表示用ラウンド数コマンドがあれば(S2610:Yes)、ラウンド数コマンド処理を実行して(S2611)、S2601の処理へ戻る。
ここで、図54(b)を参照して、ラウンド数コマンド処理(S2611)の詳細について説明する。図54(b)は、ラウンド数コマンド処理を示すフローチャートである。このラウンド数コマンド処理は、音声ランプ制御装置114より受信した表示用ラウンド数コマンドに対応する処理を実行するものである。
ラウンド数コマンド処理では、まず、表示用ラウンド数コマンドによって示されるラウンド数に対応したラウンド数表示データテーブルを決定し、その決定したラウンド数表示データテーブルをデータテーブル格納エリア233bから読み出して、表示データテーブルバッファ233dに設定する(S3001)。次いで、転送データテーブルバッファ233eにNullデータを書き込むことで、その内容をクリアする(S3002)。
そして、S3001の処理によって表示データテーブルバッファ233dに設定されたラウンド数表示データテーブルを基に、その演出時間を表す時間データを計時カウンタ233hに設定し(S3003)、ポインタ233fを0に初期化する(S3004)。そして、デモ表示フラグ233y、および確定表示フラグ233zをいずれもオフに設定して(S3005)、ラウンド数コマンド処理を終了し、コマンド判定処理に戻る。
図52に戻って説明を続ける。S2610の処理において、表示用ラウンド数コマンドがないと判別されると(S2610:No)、次いで、未処理のコマンドの中に、表示用エンディングコマンドがあるか否かを判別し(S2612)、表示用エンディングコマンドがあれば(S2612:Yes)、エンディングコマンド処理を実行して(S2613)、S2601の処理へ戻る。
ここで、図55を参照して、エンディングコマンド処理(S2613)の詳細について説明する。図55は、エンディングコマンド処理を示すフローチャートである。このエンディングコマンド処理は、音声ランプ制御装置114より受信した表示用エンディングコマンドに対応する処理を実行するものである。
エンディングコマンド処理では、まず、表示用エンディングコマンドによって示されるエンディング演出の表示態様に対応したエンディング表示データテーブルを決定し、その決定したエンディング表示データテーブルをデータテーブル格納エリア233bから読み出して、表示データテーブルバッファ233dに設定する(S3101)。次いで、転送データテーブルバッファ233eにNullデータを書き込むことで、その内容をクリアする(S3102)。
次いで、S3101の処理によって表示データテーブルバッファ233dに設定されたエンディング表示データテーブルを基に、その演出時間を表す時間データを計時カウンタ233hに設定し(S3103)、ポインタ233fを0に初期化する(S3104)。そして、デモ表示フラグ233y、および確定表示フラグ233zをいずれもオフに設定して(S3105)、エンディングコマンド処理を終了し、コマンド判定処理に戻る。
ここで、図52の説明に戻る。S2612の処理において、表示用エンディングコマンドがないと判別されると(S2612:No)、次いで、未処理のコマンドの中に、背面画像変更コマンドがあるか否かを判別し(S2614)、背面画像変更コマンドがあれば(S2614:Yes)、背面画像変更コマンド処理を実行して(S2615)、S2601の処理へ戻る。
ここで、図56(a)を参照して、背面画像変更コマンド処理(S2615)の詳細について説明する。図56(a)は、背面画像変更コマンド処理を示すフローチャートである。この背面画像変更コマンド処理は、音声ランプ制御装置114より受信した背面画像変更コマンドに対応する処理を実行するものである。
背面画像変更コマンド処理では、まず、背面画像変更フラグ233wをオンに設定することで、背面画像変更コマンドを受信したことに伴う背面画像の変更を通常画像転送設定処理(S3703)に通知する。そして、背面画像判別フラグ233xを構成する各ビットのうち、背面画像変更コマンドによって示された背面種別に対応するビットをオンすると共に、その他の背面種別に対応するビットをオフに設定して(S3202)、この背面画像変更コマンド処理を終了し、コマンド判定処理に戻る。
通常画像転送設定処理では、S3201の処理により設定される背面画像変更フラグ233wがオンされていることを検出すると、S3202の処理によって設定される背面画像判別フラグ233xの各ビットから、変更後の背面画像種別を特定する。そして、その特定された背面画像種別が背面B〜Eである場合は、上述したように、それらの背面画像に対応する画像データの一部が常駐用ビデオRAM235の背面画像エリア235cに常駐されていないので、所定の範囲の背面画像に対応する画像データをキャラクタROM234から通常用ビデオRAM236の画像格納エリア236aの所定のサブエリアに転送するよう、画像コントローラ237に対する転送指示の設定を行う。
また、タスク処理(S2504)では、表示データテーブルに規定された背面画像の背面種別によって、背面A〜Eのいずれかを表示させることが規定されていた場合、S3202によって設定された背面画像判別フラグから、その時点において表示すべき背面画像種別を特定し、更に、表示すべき背面画像の範囲を時間経過に合わせて特定して、その背面画像の範囲に対応する画像データが格納されているRAM種別(常駐用ビデオRAM235か、通常用ビデオRAM236か)と、そのRAMのアドレスを特定する。
尚、本実施形態では、変動表示を実行する際に背面種別を変更するか否かの抽選(判別)を行う構成としている。変動表示は最低7秒間の変動時間が設定されるため、20ミリ秒以内に2以上の背面画像変更コマンドを受信することはなく、したがって、コマンド判定処理を実行する場合に、コマンドバッファ領域に2以上の背面画像変更コマンドが格納されている場合はないはずであるが、ノイズ等の影響によってコマンドの一部が変化し、別のコマンドが誤って背面画像変更コマンドとして解釈されるおそれもあり得る。S3202の処理では、2以上の背面画像コマンドがコマンドバッファ領域に格納されていると判断される場合、先に受信した背面画像コマンドによって示される背面画像種別に対応する背面画像判別フラグをオンしてもよいし、後に受信した背面画像コマンドによって示される背面画像種別に対応する背面画像判別フラグをオンしてもよい。また、任意の1の背面画像変更コマンドを抽出し、そのコマンドによって示される背面画像種別に対応する背面画像判別フラグをオンしてもよい。この背面画像の変更は、パチンコ機10における遊技価値の直接影響を与えるものではないので、パチンコ機10の特性や操作性に応じて、適宜設定するのが好ましい。
ここで、図52の説明に戻る。S2614の処理において、背面画像変更コマンドがないと判別されると(S2614:No)、次いで、未処理のコマンドの中に、エラーコマンドがあるか否かを判別し(S2616)、エラーコマンドがあれば(S2616:Yes)、エラーコマンド処理を実行して(S2617)、S2601の処理へ戻る。
ここで、図56(b)を参照して、エラーコマンド処理(S2617)の詳細について説明する。図56(b)は、エラーコマンド処理を示すフローチャートである。このエラーコマンド処理は、音声ランプ制御装置114より受信したエラーコマンドに対応する処理を実行するものである。
エラーコマンド処理では、まず、オン状態でエラーが発生していることを示すエラー発生フラグをオンに設定する(S3301)。そして、エラー種別毎に設けられたエラー判別フラグのうち、エラーコマンドによって示されるエラー種別に対応するエラー判別フラグをオンすると共に、その他のエラー判別フラグをオフに設定して(S3302)、エラーコマンド処理を終了し、コマンド判定処理に戻る。
表示設定処理では、S3301の処理によって設定されたエラー発生フラグに基づいて、エラーの発生を検出すると、S3302の処理によって設定されたエラー判別フラグから発生したエラー種別を判断し、そのエラー種別に対応する警告画像を第3図柄表示装置81に表示させるように処理を実行する。
尚、2以上のエラーコマンドがコマンドバッファ領域に格納されていると判断される場合、S3302に処理では、それぞれのエラーコマンドによって示される全てのエラー種別に対応するエラー判別フラグをオンに設定する。これにより、全てのエラー種別に対応する警告画像が第3図柄表示装置81に表示されるので、遊技者やホール関係者が、エラーの発生状況を正しく把握することができる。
ここで、図52の説明に戻る。S2616の処理において、エラーコマンドがないと判別されると(S2616:No)、次いで、その他の未処理のコマンドに対応する処理を実行し(S2618)、S2601の処理へ戻る。
各コマンドの処理が実行された後に再び実行されるS2601の処理では、再度、コマンドバッファ領域に未処理の新規コマンドがあるか否かを判別し、未処理の新規コマンドがあれば(S2601:Yes)、再びS2602〜S2618の処理を実行する。そして、コマンドバッファ領域に未処理の新規コマンドがなくなるまで、S2602〜S2618の処理が繰り返し実行され、S2601の処理で、コマンドバッファ領域に未処理の新規コマンドがないと判別されると、このコマンド判定処理を終了する。
尚、V割込処理(図51(b)参照)において簡易画像表示フラグ233cがオンの場合に実行される簡易コマンド判定処理(S2508)も、コマンド判定処理と同様の処理が行われる。ただし、簡易コマンド判定処理では、コマンドバッファ領域に格納されている未処理のコマンドから、図22に示す電源投入時画像を表示するのに必要なコマンド、即ち、表示用変動パターンコマンドおよび表示用停止種別コマンドだけを抽出して、それぞれのコマンドに対応する処理である、変動パターンコマンド処理(図53(a)参照)および停止種別コマンド処理(図53(b)参照)を実行すると共に、その他のコマンドについては、そのコマンドに対応する処理を実行せずに破棄する処理を行う。
ここで、この場合に実行される、変動パターンコマンド処理(図53(a)参照)では、S2701の処理で、電源投入時変動画像の表示に対応した表示データテーブルバッファが表示データテーブルバッファ233dに設定され、また、その場合に必要となる電源投入時主画像および電源投入時変動画像の画像データは常駐用ビデオRAM235の電源投入時主動画像エリア235aおよび電源投入時変動動画像エリア235bに格納されているので、S2702の処理では、転送データテーブルバッファ233bにはNullデータを書き込み、その内容をクリアする処理が行われる。
次いで、図57〜図59を参照して、表示制御装置114のMPU231で実行されるV割込処理の一処理である上述の表示設定処理(S2503)の詳細について説明する。図57は、この表示設定処理を示すフローチャートである。
この表示設定処理では、図57に示すように、新規コマンドフラグがオンであるか否かを判別し(S3401)、新規コマンドフラグがオンではない、即ち、オフであれば(S3401:No)、先に実行されるコマンド判定処理おいて新規コマンドが処理されていないと判断して、S3402〜S3404の処理をスキップし、S3405の処理へ移行する。一方、新規フラグがオンであれば(S3401:Yes)、先に実行されるコマンド判定処理おいて新規コマンドが処理されたと判断し、新規コマンドフラグをオフに設定した後(S3402)、S3403〜S3404の処理によって、新規コマンドに対応する処理を実行する。
S3403の処理では、エラー発生フラグがオンであるか否かを判別する(S3403)。そして、エラー発生フラグがオンであれば(S3403:Yes)、警告画像設定処理を実行する(S3404)。
ここで、図58を参照して、警告画像設定処理の詳細について説明する。図58は、警告画像設定処理を示すフローチャートである。この処理は、発生したエラーに対応する警告画像を第3図柄表示装置81に表示させる画像データを展開するための処理で、まず、エラー判別フラグを参照し、オンが設定された全てのエラー判別フラグに対応したエラーの警告画像を第3図柄表示装置81に表示させる警告画像データを展開する(S3501)。
タスク処理(S2504)では、この展開された警告画像データを元に、その警告画像を構成するスプライト(表示物)の種別を特定すると共に、スプライト毎に、表示座標位置や拡大率、回転角度といった描画に必要な各種パラメータを決定する。
そして、警告画像設定処理では、S3501の処理の後、エラー発生フラグをオフに設定して(S3502)、表示設定処理に戻る。
ここで、図57の説明に戻る。警告画像設定処理(S3404)の後、又は、S3403の処理において、エラー発生フラグがオンではない、即ち、オフであると判別されると(S3403:No)、次いで、S3405の処理へ移行する。
S3405の処理では、ポインタ更新処理を実行する(S3405)。ここで、図59を参照して、ポインタ更新処理の詳細について説明する。図59は、ポインタ更新処理を示すフローチャートである。このポインタ更新処理は、表示データテーブルバッファ233dおよび転送データテーブルバッファ233eの各バッファにそれぞれ格納された表示データテーブルおよび転送データテーブルから、対応する描画内容もしくは転送対象画像データの転送データ情報を取得すべきアドレスを指定するポインタ233fの更新を行う処理である。
このポインタ更新処理では、まず、ポインタ233fに1を加算する(S3601)。即ち、ポインタ233fは、原則、V割込処理が実行される度に1だけ加算されるように更新処理が行われる。また、上述したように、各種データテーブルは、アドレス「0000H」には、Start情報が記載されており、それぞれのデータの実体はアドレス「0001H」以降に規定されているところ、表示データテーブルが表示データテーブルバッファ233dに格納されるのに合わせてポインタ233fの値が0に初期化された場合は、このポインタ更新処理によってその値が1に更新されるので、アドレス「0001H」から順に、それぞれのデータテーブルから実体的なデータを読み出すことができる。
S3601の処理によって、ポインタ233fの値を更新した後、次いで、表示データテーブルバッファ233dに設定された表示データテーブルにおいて、その更新後のポインタ233fで示されるアドレスのデータがEnd情報であるか否かを判別する(S3602)。その結果、End情報であれば(S3602:Yes)、表示データテーブルバッファ233dに設定された表示データテーブルにおいて、その実体データが記載されたアドレスを過ぎてポインタ233fが更新されたことを意味する。
そこで、表示データテーブルバッファ233dに格納されている表示データテーブルがデモ用表示データテーブルであるか否かを判別して(S3603)、デモ用表示データテーブルであれば(S3603:Yes)、表示データテーブルバッファ233dに設定されているデモ用表示データテーブルの演出時間に対応する時間データを計時カウンタ233hに設定し(S3604)、ポインタ233fを1に設定して初期化し(S3605)、本処理を終了し、表示設定処理に戻る。これにより、表示設定処理では、デモ用表示データテーブルの先頭から順に描画内容を展開することができるので、第3図柄表示装置81には、デモ演出を繰り返し表示させることができる。
一方、S3603の処理において、表示データテーブルバッファ233dに格納されている表示データテーブルがデモ用表示データテーブルでないと判別された場合は(S3603:No)、ポインタ233fの値を1だけ減算して(S3606)、本処理を終了し、表示設定処理に戻る。これにより、表示設定処理では、表示データテーブルバッファ233dにデモ用表示データテーブル以外の表示データテーブル、例えば、変動表示データテーブルが設定されている場合は、End情報が記載された1つ前のアドレスの描画内容が常に展開されるので、第3図柄表示装置81には、その表示データテーブルで規定される最後の画像を停止させた状態で表示させることができる。一方、S3602の処理において、更新後のポインタ233fで示されるアドレスのデータがEnd情報でなければ(S3602:No)、本処理を終了し、表示設定処理に戻る。
ここで、図57に戻り説明を続ける。ポインタ更新処理の後、表示データテーブルバッファ233dに設定されている表示データテーブルから、ポインタ更新処理によって更新されたポインタ233fで示されるアドレスの描画内容を展開する(S3406)。タスク処理では、先に展開された警告画像などと共に、S3406の処理で展開された描画内容を元に、画像を構成するスプライト(表示物)の種別を特定すると共に、スプライト毎に、表示座標位置や拡大率、回転角度といった描画に必要な各種パラメータを決定する。
次いで、計時カウンタ233hの値を1だけ減算し(S3407)、減算後の計時カウンタ233hの値が0以下であるか否かを判別する(S3408)。そして、計時カウンタ233hの値が1以上である場合は(S3408:No)、そのまま表示設定処理を終了してV割込処理に戻る。一方、計時カウンタ233hの値が0以下である場合は(S3408:Yes)、表示データテーブルバッファ233dに設定されている表示データテーブルに対応する演出の演出時間が経過したことを意味する。このとき、表示データテーブルバッファ233dに変動表示データテーブルが設定されている場合は、その変動表示を終了すると共に停止表示を行うタイミングであるので、確定表示フラグ233zがオンであるか否かを確認する(S3409)。
その結果、確定表示フラグ233zがオフであれば(S3409:No)、まだ確定表示の演出を行っておらず、確定表示の演出を行うタイミングなので、まず、確定表示データテーブルを表示データテーブルバッファ233dに設定し(S3410)、次いで、転送データテーブルバッファ233eにNullデータを書き込むことで、その内容をクリアする(S3411)。そして、確定表示データテーブルの演出時間に対応する時間データを計時カウンタ233hに設定し(S3412)、更に、ポインタ233fの値を0に初期化する(S3413)。そして、オン状態で確定表示演出中であることを示す確定表示フラグ233zをオンに設定した後(S3414)、停止図柄判別フラグの内容をそのままワークRAM233に設けられた前回停止図柄判別フラグにコピーして(S3415)、V割込処理に戻る。
これにより、表示データテーブルバッファ233dに変動表示データテーブルが設定されている場合などにおいて、その演出の終了に合わせて、変動演出における停止図柄の確定表示演出が第3図柄表示装置81に表示されるように、その描画内容を設定することができる。また、表示データテーブルバッファ233bに設定される表示データテーブルを確定表示データテーブルに変更するだけで、容易に、第3図柄表示装置81に表示させる演出を確定表示演出に変更することができる。そして、従来のように、別のプログラムを起動させることによって表示内容を変更する場合と比較して、プログラムが複雑かつ肥大化することなく、よって、MPU231に多大な負荷がかかることがないので、表示制御装置114の処理能力に関係なく、多種多様な演出画像を第3図柄表示81に表示させることができる。
尚、S3415の処理によって設定された前回停止図柄判別フラグは、次に行われる変動演出において第3図柄表示装置81に表示すべき第3図柄を特定するために用いられる。即ち、上述したように、変動演出における第3図柄の表示は、1つ前に行われた変動演出の停止図柄に応じて変わるためであり、変動表示データテーブルでは、そのデータテーブルに基づく変動が開始されてから所定時間経過するまでは、1つ前に行われた変動演出の停止図柄からの図柄オフセット情報が記載されている。タスク処理(S2504)では、変動が開始されてから所定時間が経過するまで、S3415によって設定された前回停止図柄判別フラグから、1つ前に行われた変動演出の停止図柄を特定すると共に、その特定した停止図柄に対して表示設定処理により取得された図柄オフセット情報を加算することによって、実際に表示すべき第3図柄を特定する。これにより、1つ前の変動演出における停止図柄から変動演出が開始される。
一方、S3409の処理において、確定表示フラグ233zがオンであれば(S3409:Yes)、デモ表示フラグ233yがオンであるか否かを判別する(S3416)。そして、デモ表示フラグ233yがオフであれば(S3416:No)、確定表示演出の終了に伴って計時カウンタ233hの値が0以下になったことを意味するので、デモ用表示データテーブルを表示データテーブルバッファ233dに設定し(S3417)、次いで、転送データテーブルバッファ233eにNullデータを書き込むことで、その内容をクリアする(S3418)。そして、デモ用表示データテーブルの演出時間に対応する時間データを計時カウンタ233hに設定する(S3419)。そして、ポインタ233fを0に初期化し(S3420)、オン状態でデモ演出中であることを示すデモ表示フラグ233yをオンに設定して(S3421)、本処理を終了し、V割込処理に戻る。
これにより、確定表示演出が終了した後に、次の変動演出開始を示す表示用変動パターンコマンド、または、オープニングコマンドを受信しなかった場合には、自動的に、第3図柄表示装置81にデモ演出が表示されるように、描画内容を設定することができる。
S3416の処理において、デモ表示フラグ233yがオンであれば(S3416:Yes)、確定表示演出が終了した後にデモ演出が行われ、そのデモ演出が終了したことを意味するので、そのまま表示設定処理を終了し、V割込処理に戻る。そして、この場合、次回のV割込処理の中で実行されるポインタ更新処理によって、上述したように、再びデモ演出が開始されるように、各種設定が行われるので、音声ランプ制御装置113より新たな表示用変動パターンコマンドを受信するまでは、デモ演出を繰り返し第3図柄表示装置81に表示させることができる。
尚、V割込処理(図51(b)参照)において簡易画像表示フラグ233cがオンの場合に実行される簡易表示設定処理(S2509)でも、表示設定処理と同様の処理が行われる。ただし、簡易表示設定処理では、電源投入時変動画像による変動演出の演出時間が終了した後、所定時間、表示用停止種別コマンドに基づいて設定された停止図柄に応じた電源投入時変動画像の一方の画像(図22(b)および(c)のいずれか)を停止表示させることを規定した表示データテーブルを、表示データテーブルバッファ233dに設定する処理が行われる。
次いで、図60及び図61を参照して、表示制御装置114のMPU231で実行されるV割込処理の一処理である転送設定処理(S2505)の詳細について説明する。まず、図60(a)は、この転送設定処理を示すフローチャートである。
この転送設定処理では、まず、簡易画像表示フラグ233cがオンか否かを判別する(S3701)。そして、簡易画像表示フラグ233cがオンであれば、(S3701:Yes)、常駐用ビデオRAM235に常駐すべき全ての画像データがキャラクタROM234から常駐用ビデオRAM235に転送されていないので、常駐画像転送設定処理を実行して(S3702)、転送設定処理を終了し、V割込処理へ戻る。これにより、画像コントローラ237に対して、常駐用ビデオRAM235に常駐すべき画像データをキャラクタROM234から常駐用ビデオRAM235へ転送させるための転送指示が設定される。なお、常駐画像転送設定処理の詳細については、図60(b)を参照して後述する。
一方、S3701の処理の結果、簡易画像表示フラグ233cがオンではない、即ち、オフであれば、(S3701:No)、常駐用ビデオRAM235に常駐すべき全ての画像データがキャラクタROM234から常駐用ビデオRAM235に転送されていることを意味する。この場合は、通常画像転送設定処理を実行し(S3703)、転送設定処理を終了して、V割込処理へ戻る。これにより、以後のキャラクタROM234からの画像データの転送は、通常用ビデオRAM236に対して行われるように転送指示が設定される。なお、通常画像転送設定処理の詳細については、図61を参照して後述する。
次いで、図60(b)を参照して、表示制御装置114のMPU231で実行される転送設定処理(S2505)の一処理である常駐画像転送設定処理(S3702)について説明する。図60(b)は、この常駐画像転送設定処理(S3702)を示すフローチャートである。
この常駐画像転送設定処理では、まず、画像コントローラ237に対して、未転送の画像データの転送指示をしているか否かを判別し(S3801)、転送指示を送信していれば(S3801:Yes)、更に、その転送指示に基づき画像コントローラ237により行われる画像データの転送処理が終了したか否かを判別する(S3802)。このS3802の処理では、画像コントローラ237に対して画像データの転送指示を行った後、画像コントローラ237から、転送処理の終了を示す転送終了信号を受信した場合に、転送処理が終了したと判断する。そして、S3802の処理により、転送処理が終了していないと判別される場合は(S3802:No)、画像コントローラ237において画像の転送処理が継続して行われているので、この常駐画像転送設定処理を終了する。一方、転送処理が終了したと判別される場合は(S3802:Yes)、S3803の処理へ移行する。また、S3801の処理の結果、画像コントローラ237に対して、未転送の画像データの転送指示を送信していない場合も(S3801:No)、S3803の処理へ移行する。
S3803の処理では、常駐用ビデオRAM235に常駐すべき全ての常駐対象画像データを転送したか否かを判別し(S3803)、未転送の常駐対象画像データがあれば(S3803:No)、その未転送の常駐対象画像データをキャラクタROM234から常駐用ビデオRAM235へ転送するように、画像コントローラ237に対する転送指示を設定し(S3804)、常駐画像転送設定処理を終了する。
これにより、描画処理において画像コントローラ237に対して送信される描画リストに、未転送の常駐対象画像データに関する転送データ情報が含められることになり、画像コントローラ237は、その描画リストに記載された転送データ情報を基に、常駐対象画像データをキャラクタROM234から常駐用ビデオRAM236へ転送することができる。尚、転送データ情報には、常駐対象画像データが格納されているキャラクタROM234の先頭アドレスと最終アドレス、転送先の情報(この場合は、常駐用ビデオRAM235)、及び転送先(ここで転送される常駐対象画像データを格納すべき常駐用ビデオRAM235に設けられたエリア)の先頭アドレスが含められる。画像コントローラ237は、この転送データ情報に基づいて画像転送処理を実行し、転送処理で指定された画像データをキャラクタROM234から読み出して一旦バッファRAM237aに格納した後、常駐用ビデオRAM236の未使用期間中に、常駐用ビデオRAM236の指定されたアドレスに転送する。そして、転送が完了すると、MPU231に対して、転送終了信号を送信する。
S3803の処理の結果、全ての常駐対象画像データが転送されていれば(S3803:Yes)、簡易画像表示フラグ233cをオフに設定して(S3805)、常駐画像転送設定処理を終了する。これにより、V割込処理(図51(b)参照)において、簡易コマンド判定処理(図51(b)のS2508参照)および簡易表示設定処理(図51(b)のS2509参照)ではなく、コマンド判定処理(図52〜図56参照)および表示設定処理(図57〜図59参照)が実行されるので、通常時の画像の描画が設定されることになり、第3図柄表示装置81には通常時の画像が表示される。また、以後のキャラクタROM234からの画像データの転送は、通常画像転送設定処理(図61参照)により、通常用ビデオRAM236に対して行われる(図60(a)のS3701:No参照)。
MPU231は、この常駐画像転送設定処理を実行することにより、既にメイン処理の中で転送されている電源投入時主画像および電源投入時変動画像を除く、常駐用ビデオRAM235に常駐すべき全ての常駐対象画像データをキャラクタROM234から常駐用ビデオRAM235に対して転送することができる。そして、MPU231は、常駐用ビデオRAM235に転送された画像データを、電源投入中、上書きすることなく保持され続けるよう制御する。これにより、常駐画像転送設定処理によって常駐用ビデオRAM235に転送された画像データは、電源投入中、常駐用ビデオRAM235に常駐されることになる。
よって、常駐用ビデオRAM235に常駐すべき全ての画像データが常駐用ビデオRAM235に転送された後、表示制御装置114は、この常駐用ビデオRAM235に常駐された画像データを使用しながら、画像コントローラ237にて画像の描画処理を行うことができる。これにより、描画処理に使用する画像データが常駐用ビデオRAM235に常駐されていれば、画像描画時に読み出し速度の遅いNAND型フラッシュメモリ234aで構成されたキャラクタROM234から対応する画像データを読み出す必要がないため、その読み出しにかかる時間を省略でき、画像の描画を即座に行って第3図柄表示装置81に描画した画像を表示することができる。
特に、常駐用ビデオRAM235には、背面画像や、第3図柄、キャラクタ図柄、エラーメッセージといった、頻繁に表示される画像の画像データや、主制御装置110、音声ランプ制御装置113や表示制御装置114などによって表示が決定された後、即座に表示すべき画像の画像データを常駐させるので、キャラクタROM234をNAND型フラッシュメモリ234aで構成しても、遊技者によって任意のタイミングで行われる種々の操作から、第3図柄表示装置81に何らかの画像を表示させるまでの応答性を高く保つことができる。
次いで、図61を参照して、表示制御装置114のMPU231で実行される転送設定処理(S2505)の一処理である通常画像転送設定処理(S3703)について説明する。図61は、この通常画像転送設定処理(S3703)を示すフローチャートである。
この通常画像転送設定処理では、まず、転送データテーブルバッファ233eに設定されている転送データテーブルから、先に実行された表示設定処理(S2503)のポインタ更新処理(S3405)によって更新されたポインタ233fで示されるアドレスに記載された情報を取得する(S3901)。そして、取得した情報が転送データ情報であるか否かを判別し(S3902)、転送データ情報であれば(S3902:Yes)、その転送データ情報から、転送対象画像データが格納されているキャラクタROM234の先頭アドレス(格納元先頭アドレス)と最終アドレス(格納元最終アドレス)、及び、転送先(通常用ビデオRAM236)の先頭アドレスを抽出して、ワークRAM233に設けられた転送データバッファに格納し(S3903)、更に、ワークRAM233に設けられ、オン状態で転送開始すべき画像データが存在することを示す転送開始フラグをオンに設定して(S3904)、S3905の処理へ移行する。
また、S3902の処理において、取得した情報が転送データ情報ではなく、Nullデータであれば(S3902:No)、S3903及びS3904の処理をスキップして、S3905の処理へ移行する。S3905の処理では、画像コントローラ237に対して、前回行われた画像データの転送が終了した後に、新たに画像データの転送指示を設定したか否かを判別し(S3905)、転送指示を設定していれば(S3905:Yes)、更に、その転送指示に基づき画像コントローラ237により行われる画像データの転送が終了したか否かを判別する(S3906)。
このS3906の処理では、画像コントローラ237に対して画像データの転送指示を設定した後、画像コントローラ237から、転送処理の終了を示す転送終了信号を受信した場合に、転送処理が終了したと判断する。そして、S3906の処理により、転送処理が終了していないと判別される場合は(S3906:No)、画像コントローラ237において画像の転送処理が継続して行われているので、この通常画像転送設定処理を終了する。一方、転送処理が終了したと判別される場合は(S3906:Yes)、S3907の処理へ移行する。また、S3905の処理の結果、前回の転送処理の終了後に、画像コントローラ237に対して画像データの転送指示を設定していない場合も(S3905:No)、S3907の処理へ移行する。
S3907の処理では、転送開始フラグがオンか否かを判別し(S3907)、転送開始フラグがオンであれば(S3907:Yes)、転送開始すべき画像データが存在しているので、転送開始フラグをオフにし(S3908)、S3903の処理によって転送データバッファに格納した各種情報によって示されるスプライトの画像データを転送対象画像データに設定した上で、S3913の処理へ移行する。一方、転送開始フラグがオンではなく、オフであれば(S3907:No)、次いで、背面画像変更フラグ233wはオンか否かを判別する(S3909)。
そして、背面画像変更フラグ233wがオンであれば(S3909:Yes)、背面画像の変更を意味するので、背面画像変更フラグ233wをオフに設定した後(S3910)、背面画像種別毎に設けられた背面画像判別フラグ233xのうち、オン状態のビットに対応する背面画像の画像データを特定し、その画像データを転送対象画像データに設定する(S3911)。更に、オン状態にあるビットに対応する背面画像の画像データが格納されているキャラクタROM234の先頭アドレス(格納元先頭アドレス)と最終アドレス(格納元最終アドレス)、及び、転送先(通常用ビデオRAM236)の先頭アドレスを取得し(S3912)、S3913の処理へ移行する。
S3909の処理において、背面画像変更フラグ233wがオンではなく、オフであれば(S3909:No)、転送開始すべき画像データが存在していないので、そのまま通常画像転送設定処理を終了する。
尚、オン状態にある背面画像判別フラグ233wのビットが背面Aに対応するビットである場合、対応する画像データは全て常駐用ビデオRAM235の背面画像エリア235cに常駐されているので、通常用ビデオRAM236に転送すべき画像データが存在しない。よって、S3911の処理では、オン状態にあるビットが背面Aに対応するビットであれば、そのまま通常画像転送処理を終了する。
S3913の処理では、転送対象画像データが通常用ビデオRAM236に既に格納されているか否かを判別する(S3913)。このS3913の処理における判別では、格納画像データ判別フラグ233iを参照することによって行われる。即ち、転送対象画像データとされたスプライトに対応する格納状態を格納画像データ判別フラグ233iより読み出して、その格納状態が「オン」であれば、転送対象となったスプライトの画像データが通常用ビデオRAM236に格納されていると判断し、格納状態が「オフ」であれば、転送対象となったスプライトの画像データが通常用ビデオRAM236に格納されていないと判断する。
そして、S3913の処理の結果、転送対象画像データが通常用ビデオRAM236に格納されていれば(S3913:Yes)、キャラクタROM234から通常用ビデオRAM236に対して、その画像データを転送する必要がないので、そのまま通常画像転送設定処理を終了する。これにより、無駄に画像データがキャラクタROM234から通常用ビデオRAM236に対して転送されるのを抑制することができ、表示制御装置114の各部における処理負担の軽減や、バスライン240におけるトラフィックの軽減を図ることができる。
一方、S3913の処理の結果、転送対象画像データが通常用ビデオRAM236に格納されていなければ(S3913:No)、その転送対象画像データの転送指示を設定する(S3914)。これにより、描画処理において画像コントローラ237に対して送信される描画リストに、転送対象画像データの転送データ情報が含められることになり、画像コントローラ237は、その描画リストに記載された転送データ情報を基に、転送対象画像の画像データをキャラクタROM234から通常用ビデオRAM236へ転送することができる。尚、転送データ情報には、転送対象画像の画像データが格納されているキャラクタROM234の先頭アドレスと最終アドレス、転送先の情報(この場合は、通常用ビデオRAM236)、及び転送先(ここで転送される転送対象画像の画像データを格納すべき通常用ビデオRAM236の画像格納エリア236aに設けられたサブエリア)の先頭アドレスが含められる。画像コントローラ237は、この転送データ情報に基づいて画像転送処理を実行し、転送処理で指定された画像データをキャラクタROM234から読み出して、指定されたビデオRAM(ここでは、通常用ビデオRAM236)の指定されたアドレスに転送する。そして、転送が完了すると、MPU231に対して、転送終了信号を送信する。
S3914の処理の後、格納画像データ判別フラグ233iを更新し(S3915)、この通常用転送設定処理を終了する。格納画像データ判別フラグ233iの更新は、上述したように、転送対象画像データとなったスプライトに対応する格納状態を「オン」に設定し、また、その一のスプライトと同じ画像格納エリア236aのサブエリアに格納されることになっているその他のスプライトに対応する格納状態を「オフ」に設定することによって行われる。
このように、この通常用画像転送処理を実行することによって、先に実行されたコマンド判定処理の中で、表示用停止種別コマンドに対応する処理が実行され、その結果、表示用停止種別コマンドによって示される停止種別情報が大当たりの停止種別であると判別された場合は、オープニング演出において使用する画像データを遅滞なくキャラクタROM234から通常用ビデオRAM236に転送させることができる。また、先に実行されたコマンド判定処理の中で背面画像変更コマンドの受信に基づいて背面画像の変更が行われた場合は、その背面画像で用いられる画像データのうち、常駐用ビデオRAM235の背面画像エリア235cに格納されていない画像データを、遅滞なく、キャラクタROM234から通常用ビデオRAM236に転送させることができる。
また、本実施形態では、主制御装置110からのコマンド等に基づき音声ランプ制御装置113から送信されるコマンド(例えば、表示用変動パターンコマンド)等に応じて、表示データテーブルが表示データテーブルバッファ233dに設定されるのに合わせて、その表示データテーブルに対応する転送データテーブルが転送データテーブルバッファ233eに設定される。そして、MPU231は、通常画像転送設定処理を実行することにより、転送データテーブルバッファ233eに設定された転送データテーブルのポインタ233fで示されるエリアに記載されている転送データ情報に従って、画像コントローラ237に対し転送対象画像データの転送指示を設定するので、表示データテーブルバッファ233dに設定された表示データテーブルで用いられるスプライトの画像データを、所望のタイミングで確実にキャラクタROM234から通常用ビデオRAM236へ転送することができる。
ここで、表示データテーブルに従って所定のスプライトの描画が開始されるまでに、その所定のスプライトに対応する画像データが画像格納エリア236aに格納されるように、転送データテーブルでは、転送対象画像データの転送データ情報が所定のアドレスに対して規定されているので、この転送データテーブルに規定された転送データ情報に従って、画像データをキャラクタROM234から画像格納エリア236aに転送することにより、表示データテーブルに従って所定のスプライトを描画する場合に、そのスプライトの描画に必要な常駐用ビデオRAM235に常駐されていない画像データを、必ず画像格納エリア236aに格納させておくことができる。
これにより、読み出し速度の遅いNAND型フラッシュメモリ234aによってキャラクタROM234を構成しても、遅滞なく表示に必要な画像を予めキャラクタROM234から読み出し、通常用ビデオRAM236へ転送しておくことができるので、表示データテーブルで指定された各スプライトの画像を描画しながら、対応する演出を第3図柄表示装置81に表示させることができる。また、転送データテーブルの記載によって、常駐用ビデオRAM235に非常駐の画像データだけを容易に且つ確実にキャラクタROM234から通常用ビデオRAM236へ転送することができる。
また、転送データテーブルでは、スプライトに対応する画像データ毎にキャラクタROM234から通常用ビデオRAM236へ画像データが転送されるように、その転送データ情報を規定する。これにより、その画像データの転送をスプライト毎に管理し、また、制御することができるので、その転送に係る処理を容易に行うことができる。そして、スプライト単位でキャラクタROM234から通常用ビデオRAM236への画像データの転送を制御することにより、その処理を容易にしつつ、詳細に画像データの転送を制御できる。よって、転送にかかる負荷の増大を効率よく抑制することができる。
次いで、図62を参照して、表示制御装置114のMPU231で実行されるV割込処理の一処理である上述の描画処理(S2506)の詳細について説明する。図62は、この描画処理を示すフローチャートである。
描画処理では、タスク処理(S2504)で決定された1フレームを構成する各種スプライトの種別ならびにそれぞれのスプライトの描画に必要なパラメータ(表示位置座標、拡大率、回転角度、半透明値、αブレンディング情報、色情報、フィルタ指定情報)、及び、転送設定処理(S2505)により設定された転送指示から、図27に示す描画リストを生成する(S4001)。即ち、S4001の処理では、タスク処理(S2504)で決定された1フレームを構成する各種スプライトの種別から、スプライト毎に、そのスプライトの画像データが格納されている格納RAM種別とアドレスとを特定し、その特定された格納RAM種別とアドレスとに対して、タスク処理で決定されたそのスプライトに必要なパラメータを対応付ける。そして、各スプライトを、1フレーム分の画像の中で最も背面側に配置すべきスプライトから前面側に配置すべきスプライト順に並び替えた上で、その並び替え後のスプライト順に、それぞれのスプライトに対する詳細な描画情報(詳細情報)として、スプライトの画像データが格納されている格納RAM種別ならびにアドレスおよびそのスプライトの描画に必要なパラメータを記述することで、描画リストを生成する。また、転送設定処理(S2505)により転送指示が設定された場合は、その描画リストの末尾に、転送データ情報として、転送対象画像データが格納されているキャラクタROM234の先頭アドレス(格納元先頭アドレス)と最終アドレス(格納元最終アドレス)、及び、転送先(通常用ビデオRAM236)の先頭アドレスを追記する。
尚、上述したように、スプライト毎に、そのスプライトの画像データが格納される常駐用ビデオRAM235のエリア、又は、通常用ビデオRAM236の画像格納エリア236aのサブエリアが固定されているので、MPU231は、スプライト種別に応じて、そのスプライトの画像データが格納されている格納RAM種別とアドレスとを即座に特定し、それらの情報を描画リストの詳細情報に容易に含めることができる。
描画リストを生成すると、その生成した描画リストと、描画対象バッファフラグ233jによって特定される描画対象バッファ情報とを画像コントローラへ送信する(S4002)。ここでは、描画対象バッファフラグ233jが0である場合は、描画対象バッファ情報として第1フレームバッファ236bに描画された画像を展開するよう指示する情報を含め、描画対象バッファフラグ233jが1である場合は、描画対象バッファ情報として第2フレームバッファ236cに描画された画像を展開するよう指示する情報を含める。
画像コントローラ237は、MPU231より受信した描画リストに基づいて、その描画リストの先頭に記述されたスプライトから順に画像を描画し、それを描画対象バッファ情報によって指示されたフレームバッファに上書きによって展開する。これにより、描画リストによって生成された1フレーム分の画像において、最初に描画したスプライトが最も背面側に配置させ、最後に描画したスプライトが最も前面側に配置させることができる。
また、描画リストに転送データ情報が含まれている場合は、その転送データ情報から、転送対象画像データが格納されているキャラクタROM234の先頭アドレス(格納元先頭アドレス)と最終アドレス(格納元最終アドレス)、及び、転送先(通常用ビデオRAM236)の先頭アドレスを抽出し、その格納元先頭アドレスから格納元最終アドレスまでに格納された画像データを順にキャラクタROM234から読み出してバッファRAM237aに一時的に格納した後、通常用ビデオRAM236が未使用状態にあるときを見計らって、バッファRAM237aに格納した画像データを通常用ビデオRAM236の転送先先頭アドレスによって示されるエリアに順次転送する。そして、この通常用ビデオRAM236に格納された画像データは、その後にMPU231より送信される描画リストに基づいて使用され、描画リストに従った画像の描画が行われる。
尚、画像コントローラ237は、描画対象バッファ情報によって指示されたフレームバッファとは異なるフレームバッファから、先に展開された画像の画像情報を読み出して、駆動信号と共にその画像情報を第3図柄表示装置81に送信する。これにより、第3図柄表示装置81に対して、フレームバッファに展開した画像を表示させることができる。また、一方のフレームバッファに描画した画像を展開しながら、一方のフレームバッファから展開した画像を第3図柄表示81に表示させることができ、描画処理と表示処理とを同時並列的に処理することができる。
描画処理は、S4002の処理の後、描画対象バッファフラグ233jを更新する(S4003)。そして、描画処理を終了して、V割込処理に戻る。描画対象バッファフラグ233jの更新は、その値を反転させることにより、即ち、値が「0」であった場合は「1」に、「1」であった場合は「0」に設定することによって行われる。これにより、描画対象バッファは、描画リストが送信される度に、第1フレームバッファ236bと第2フレームバッファ236cとの間で交互に設定される。
ここで、描画リストの送信は、1フレーム分の画像の描画処理および表示処理が完了する20ミリ秒毎に画像コントローラ237から送信されるV割込信号に基づいて、MPU231により実行されるV割込処理(図51(b)参照)の描画処理が実行される度に、行われることになる。これにより、あるタイミングで、1フレーム分の画像を展開するフレームバッファとして第1フレームバッファ236bが指定され、1フレーム分の画像情報が読み出されるフレームバッファとして第2フレームバッファ236cが指定されて、画像の描画処理および表示処理が実行されると、1フレーム分の画像の描画処理が完了する20ミリ秒後に、1フレーム分の画像を展開するフレームバッファとして第2フレームバッファ236cが指定され、1フレーム分の画像情報が読み出されるフレームバッファとして第1フレームバッファ236bが指定される。よって、先に第1フレームバッファ236bに展開された画像の画像情報が読み出されて第3図柄表示装置81に表示させることができると同時に、第2フレームバッファ236cに新たな画像が展開される。
そして、更に次の20ミリ秒後には、1フレーム分の画像を展開するフレームバッファとして第1フレームバッファ236bが指定され、1フレーム分の画像情報が読み出されるフレームバッファとして第2フレームバッファ236cが指定される。よって、先に第2フレームバッファ236cに展開された画像の画像情報が読み出されて第3図柄表示装置81に表示させることができると同時に、第1フレームバッファ236bに新たな画像が展開される。以後、1フレーム分の画像を展開するフレームバッファと、1フレーム分の画像情報が読み出されるフレームバッファとを、20ミリ秒毎に、それぞれ第1フレームバッファ236bおよび第2フレームバッファ236cのいずれかを交互に指定することによって、1フレーム分の画像の描画処理を行いながら、1フレーム分の画像の表示処理を20ミリ秒単位で連続的に行わせることができる。
以上、説明したように、本第1実施形態におけるパチンコ機10では、大当たりとなった場合に球を入球させることで賞球が付与される入賞装置として第1可変入賞装置65と、第2可変入賞装置650との2つの入賞装置を設ける構成としている。第1可変入賞装置65は、大当たりの1〜14ラウンド目において球が入球可能となり、第2可変入賞装置650は、大当たりの15ラウンド目に球が入球可能となる。また、第2可変入賞装置650の内部には、球が入球することで大当たり後に確変状態が設定される確変入球口671と、第2可変入賞装置650へと入球した球を、確変入球口671を含む複数の入球口(入球領域)のいずれかへと振り分ける振分回転体661とが設けられている。この振分回転体661は、その周囲に球が入球可能な複数の振分部(通常振分部661a,661b、確変振分部661c,661d)が設けられており、球が入球した振分部に対応する入球口へと球が振り分けられる。即ち、振分回転体661の回転位置に応じて球が振り分けられる入球口を異ならせる構成としている。
振分回転体661は、大当たりの15ラウンドにおいて、大当たり種別に応じて異なる回転動作を実行する。即ち、振分回転体661の回転量(可動量)を、大当たり種別毎に異ならせている。更に、大当たりの種別に応じて、第2可変入賞装置650へと入球可能となるタイミングも異ならせている(第2特定入賞口650aの開放パターンを異ならせている)。これにより、大当たり種別毎に、異なる回転位置で球が第2特定入賞口650aに入球可能とすることができる。よって、振分回転体661の配置と、大当たり種別とに注目して大当たり中の遊技を実行させることができるので、大当たりが単に賞球を得るための作業となってしまうことを防止(抑制)し、遊技者の興趣を向上させることができる。
また、本実施形態では、大当たりの終了時における振分回転体661の配置を、次の大当たりまで維持する構成としている。これにより、同じ大当たり種別であっても、大当たり開始時の振分回転体661の配置に応じて、確変入球口671に対する球の振り分けられ易さ(遊技者にとっての有利度合い)を異ならせることができる。即ち、同じ大当たり種別となった場合であっても、以前に当選した大当たり種別(大当たりの履歴)に応じて有利度、不利度が異なるという斬新な遊技性を提供することができる。よって、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができる。
更に、本実施形態では、大当たり時の遊技状態に応じて、同じ第2特定入賞口650aに対して同一の開放パターンが設定される大当たりについて、振分回転体661の異なる回転動作パターンを設定する構成としている。そして、特別図柄の低確率状態において不利な(確変入球口671へと入球し難くなる)開放パターンが、特別図柄の確変状態では有利となる(確変入球口671へと入球し易くなる)ように構成されている。即ち
状態に応じて開放パターンの有利度、不利度を異ならせるという斬新な遊技性を提供することができるので、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができる。
なお、本第1実施形態では、振分回転体661の回転動作を大当たり種別に応じて異ならせると共に、大当たり終了時の振分回転体661の配置を次の大当たりまで保持する構成とすることで、大当たりの履歴に応じて有利度を異ならせる構成としていたが、これに限られるものではない。例えば、第2可変入賞装置650を用いずに、大当たり種別を選択する際の処理によって制御的に実現する構成としてもよい。より具体的には、大当たり種別として、当選することで大当たり後に必ず確変状態へと移行する確変大当たりと、当選することで大当たり後に必ず通常状態へと移行する通常大当たりとを設けておくと共に、大当たりの履歴を主制御装置110のRAM203に記憶しておく構成とする。そして、RAM203に記憶された大当たりの履歴に応じて、確変大当たりとなる割合を可変させる構成としてもよい。例えば、前回が通常大当たりの場合には、通常大当たりが選択される割合が高くなり、確変大当たりの場合には、確変大当たりが選択される割合が高くなる構成としてもよい。これにより、通常状態ではなかなか確変状態へと移行させることができないが、一旦確変状態へと移行させることができれば、連続して確変状態へと移行し易い遊技性を実現できるので、通常状態と確変状態とでメリハリの付いた遊技を行わせることができる。また、確変大当たりが、例えば、3連続以上している場合には、通常大当たりが決定される割合を高くする構成としてもよい。このように構成することで、確変状態が連続し過ぎてしまい、パチンコ機10を設置しているホールに不測の不利益を被らせてしまうことを防止(抑制)することができる。また、第2可変入賞装置650を削除できるので、パチンコ機10の原価率を低減することができる。
本実施形態では、振分回転体661に対して4つの振分部(通常振分部661a,661b、確変振分部661c,661d)を設ける構成としていたが、通常振分部と確変振分部との比率、および振分部の総数はこれに限られるものではなく、任意に定めてもよい。また、振分回転体661は円形に限られるものではなく、三角形や四角形等、任意の形状としてもよい。これにより、設計の自由度を高めることができる。
本第1実施形態では、大当たり種別に応じて振分回転体661に設定する回転動作の回転パターン(回転角度)を異ならせていたが、これに限られるものではない。例えば、振分回転体661を単に一定の回転速度で回転させておき、15ラウンドが終了するまでの時間を異ならせることで大当たりが終了するまでの振分回転体661の回転量(可動量)を大当たり種別毎に異ならせる構成としてもよい。これにより、振分回転体661の動作パターンを減らすことができるので、回転体用パターンテーブル202eのデータ量を削減することができる。
本第1実施形態では、球が入球可能な回転位置が大当たり種別毎に決まっていたが、これに限られるものではない。例えば、振分回転体661を、振分部を狙うことが困難な速度で回転動作させておき、大当たり種別に応じて第2特定入賞口650aの開放時間を異ならせる構成としてもよい。このように構成することで、開放時間が長いほど、確変振分部661c,661dへと球が入球し易くなるというよりシンプルな遊技性を提供することができる。
<第2実施形態>
次いで、図63〜図71を参照して、第2実施形態におけるパチンコ機10について説明する。上述した第1実施形態では、振分回転体661の回転動作を、大当たり種別毎に異ならせることにより、大当たり後の確変状態への移行し易さが可変する構成としていた。また、大当たり開始時における振分回転体661の配置に応じて、同じ大当たり種別であっても確変状態への移行し易さ(確変入球口671への入球率)を異ならせる構成としていた。これにより、振分回転体661の配置と、大当たり種別との組み合わせによって遊技者にとって有利になったり不利になったりするという斬新な遊技性を実現していた。
これに対して第2実施形態では、大当たり時の振分回転体661の動作を共通とし、大当たりの15ラウンドにおける第2特定入賞口650aの開放パターンを異ならせることにより、球が入球し易い振分部を異ならせる構成とした。また、振分回転体661に代えて、通常振分部が2つ連続した区間と、確変振分部が3つ連続した区間とが設けられた振分回転体6610を用いる構成にし、確変状態へと最初に移行した際の振分回転体6610の配置に応じて確変状態が最大で3回ループするように構成されている。なお、ループ回数は確変状態へと移行した大当たり種別に応じて異なる構成としている。これにより、大当たり種別や振分回転体661の配置に注目して遊技を行わせることができるので、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができる。
この第2実施形態におけるパチンコ機10が第1実施形態におけるパチンコ機10と構成上において相違する点は、振分回転体661に代えて、振分回転体6610が用いられている点、第2可変入賞装置650に設けられていた誘導部材651aが廃止され、第2特定入賞口650aへと入球した球が必ず振分回転体6610へと到達可能となっている点、主制御装置110に設けられたROM202の構成が一部変更となっている点、音声ランプ制御装置113に設けられたROM222の構成が一部変更となっている点、および主制御装置110のMPU201により実行される一部処理が第1実施形態におけるパチンコ機10から変更されている点が第1実施形態におけるパチンコ機10から変更されている点である。その他の構成や、主制御装置110のMPU201によって実行されるその他の処理、音声ランプ制御装置113のMPU221によって実行される各種処理、表示制御装置114のMPU231によって実行される各種処理については、第1実施形態におけるパチンコ機10と同一である。以下、第1実施形態と同一の要素には同一の符号を付し、その図示と説明とを省略する。
まず、図63を参照して、第2実施形態における振分回転体6610の構造について説明する。図63(a)は、本実施形態における振分回転体6610の正面斜視図であり、図63(b)は、振分回転体6610の正面図である。図63(a),(b)に示した通り、振分回転体6610には、球を確変入球口671、通常入球口672,673のいずれかへと振り分け可能な複数の振分部が設けられている。具体的には、球を通常入球口673へと振り分け可能な通常振分部6610aと、球を通常入球口672へと振り分け可能な通常振分部6610bと、球を確変入球口671へと振り分け可能な確変振分部6610c〜6610eとが設けられている。第1実施形態における通常振分部661a,661bと同様に、通常振分部6610aと通常振分部6610bとは連通している。また、第1実施形態における確変振分部661c,661dと同様に、確変振分部6610c〜6610eは、球を振分回転体6610の背面側へと誘導することができる。即ち、背面流路654から確変入球口671へと入球させることができる。
なお、本実施形態における振分回転体6610は、大当たりの15ラウンドにおいて、振分部1つ分の回転動作と、所定期間(2秒間)の停止動作とを繰り返す回転動作の動作パターンが設定される。この動作パターンは、15ラウンドが終了するまで継続する。即ち、大当たり種別毎に予め定められた第2特定入賞口650aの開放動作(開放パターン)が終了するまで継続する。なお、詳細については後述するが、本実施形態における開放パターンには、振分部1つ分の回転動作後の停止期間(第1期間)に第2特定入賞口650aが開放される開放パターンと、振分部1つ分の回転動作を2回行った後の停止期間(第2期間)に第2特定入賞口650aが開放される開放パターンと、振分部1つ分の回転動作を3回行った後の停止期間(第3期間)に第2特定入賞口650aが開放される開放パターンとが設けられている(図66参照)。
振分回転体6610を用いることにより、球が入球する振分部に注目させることができるので、大当たりが賞球を得るための作業となってしまうことを防止し、大当たり中における遊技に対する興趣を向上させることができる。
<第2実施形態における電気的構成>
次に、図64を参照して、第2実施形態におけるパチンコ機10の電気的構成について説明する。図64に示した通り、第2実施形態では、誘導部材651aが削除されたことに伴い、誘導部材651aを可変させるための誘導部材用ソレノイド209が削除されている。
次に、図65(a)を参照して、本第2実施形態における第1当たり種別選択テーブル202bについて説明する。この第1当たり種別選択テーブル202bは、第1実施形態と同様に、特別図柄の抽選で大当たりとなった場合に、第1当たり種別カウンタC2の値に対応する大当たり種別を決定するために参照されるデータテーブルである。
図65(a)に示した通り、本実施形態における第1当たり種別選択テーブル202bには、第1当たり種別カウンタC2の値に対応付けて、「大当たりE」〜「大当たりH」の4種類の大当たり種別が規定されている。具体的には、特別図柄1の抽選で大当たりとなった場合に選択される大当たり種別として、第1当たり種別カウンタC2の値が「0〜49」の範囲に「大当たりE」が対応付けられ、「50〜74」の範囲に「大当たりF」が対応付けられ、「75〜99」の範囲に「大当たりG」が対応付けられている。
詳細については後述するが、「大当たりE」は、振分部1つ分だけ回転動作した後の停止期間(第1期間)において第2特定入賞口650aが開放状態となる開放パターンが設定される大当たり種別であり、「大当たりF」は、振分回転体6610が振分部1つ分の回転動作を2回行った後の停止期間(第2期間)において第2特定入賞口650aが開放状態となる開放パターンが設定される大当たり種別であり、「大当たりG」は、振分部1つ分の回転動作を3回行った後の停止期間(第3期間)において第2特定入賞口650aが開放状態となる開放パターンである。
第1当たり種別カウンタC2の取り得る100個のカウンタ値(乱数値)のうち、「大当たりE」となるカウンタ値は「0〜49」の50個なので、特別図柄1の抽選で大当たりとなった場合に「大当たりE」となる割合は50%(50/100)である。また、「大当たりF」となるカウンタ値は「50〜74」の25個なので、特別図柄1の抽選で大当たりとなった場合に「大当たりF」となる割合は25%(25/100)である。更に、「大当たりG」となるカウンタ値は「75〜99」の25個なので、特別図柄1の抽選で大当たりとなった場合に「大当たりG」となる割合は25%(25/100)である。
一方、特別図柄2の抽選で大当たりとなった場合には、第1当たり種別カウンタC2の値が「0〜99」の全てに対して「大当たりH」が対応付けられている。この「大当たりH」になると、振分回転体6610が振分部1つ分だけ回転動作した後に設定される停止期間において第2特定入賞口650aが開放状態となる開放パターンが設定される。即ち、「大当たりE」と同一の開放パターンが設定される。
大当たり種別毎の開放パターンの詳細について、図66を参照して説明する。図66は、大当たり種別毎(開放パターン毎)の、第2特定入賞口(第2大開放口)650aの状態の計時変化を示した図である。図66に示した通り、「大当たりE」になると、15ラウンドの開始と同時に第2特定入賞口(第2大開放口)650aが開放される。なお、本実施形態における第2特定入賞口650aは、開放期間の合計が2秒間となるか、或いは、球が10個入球した場合に閉鎖される。球は1分間に最大100個(2秒間に約3個)まで打ち出すことができるため、2秒間に10個の球を入球させることは極めて困難である。よって、「大当たりE」の15ラウンド目では、第2特定入賞口650aが開放されてから2秒後に閉鎖されることになる。
一方、この場合における振分回転体6610の回転動作は、図66の下部に示した通り、大当たりの15ラウンド目が開始すると同時に、時計回りに72度(振分部1個分)の回転動作を0.2秒間かけて行い、その後1.8秒間停止する動作を行う。このため、大当たり開始時に通常流路652の直下に配置されていた振分部に対して反時計回り方向に隣り合った振分部が、15ラウンド目において入球可能となる。入球可能な振分部が確変振分部6610c〜6610eであれば、第2特定入賞口650aへと球を入球させることにより大当たり後に特別図柄の確変状態へと移行する。一方、入球可能な振分部が通常振分部6610a,6610bのいずれかであった場合には、球を入球させることができたか否かに関係なく、大当たり後に通常状態が設定される。停止動作中に15ラウンドが終了するので、以降の動作は実行されずに振分回転体6610が動作終了する。即ち、振分回転体6610は「大当たりE」の終了時に、振分部1個分だけ時計回りに回転動作した回転位置となる。この配置は、次の大当たりまで維持される。
「大当たりE」は、特別図柄の低確率状態で当選し易い種別なので、大当たりの開始時点では、基本的に通常振分部6610a,6610bのどちらかが通常流路652の直下に配置された状態となる。通常振分部6610bが通常流路652の直下に配置された初期配置(配置データ「00H」に対応する配置)で「大当たりE」になると、通常振分部6610aへと入球可能になるので、大当たり終了後は通常状態(特別図柄の低確率状態、且つ、普通図柄の通常状態)へと移行する。この場合、大当たり終了時に通常振分部6610aが通常流路652の直下となる配置(配置データ「01H」に対応する配置)になる。
また、通常振分部6610aが通常流路652の直下に配置された状態(配置データ「01H」に対応する配置)で「大当たりE」になると、15ラウンドでは通常振分部661aの隣に設けられた確変振分部661eへと入球可能となる。よって、球を第2特定入賞口650aへと入球させることにより、大当たり後に確変状態へと移行させることができる。この場合、大当たり終了時に確変振分部6610eが通常流路652の直下となる配置(配置データ「02H」に対応する配置)になる。
なお、上述した通り、「大当たりH」となった場合は、「大当たりE」と同一の開放パターンが設定される。よって、「大当たりH」の場合にも、大値の開始時から振分部が1つ分だけ回転動作した配置で球が入球可能となる。「大当たりH」は、確変状態において当選し易い大当たり種別なので、基本的に大当たり開始時の振分回転体6610は、確変振分部6610c〜6610eが通常流路652の直下となる配置となる。よって、確変振分部の連続数に応じてその後の確変状態のループ回数が変わる。
具体的には、大当たり開始時に確変振分部6610eが通常流路652の直下となっていれば、今回の大当たりでは確変振分部6610dへと入球可能となり、次回の大当たりでは確変振分部6610cへと入球可能となるため、2回分の確変状態が付与される(あと2回ループする)。一方、大当たり開始時に確変振分部6610dが通常流路652の直下となっていれば、今回の大当たりで確変振分部6610cへと入球可能となるものの、次の大当たりでは通常振分部6610bに入球可能となるため、確変状態は1回で終了してしまう。また、大当たり開始時に確変振分部6610cが通常流路652の直下となっていれば、今回の大当たりで通常振分部6610bに入球可能となるため、確変状態が付与されず、通常状態へと移行する。
また、図66に示した通り、「大当たりF」になると、15ラウンドの開始と同時に第2特定入賞口(第2大開放口)650aが開放されるが、0.2秒間で閉鎖される。0.2秒間の間に球を入球させることは困難なので、この0.2秒間の開放期間の間に球が入球することなく、第2特定入賞口650aが閉鎖される。閉鎖状態は2秒間維持され、2秒経過時に再度第2特定入賞口650aが開放される。この開放状態は、最大1.8秒間(2秒−0.2秒)維持される。なお、1.8秒間に球を10個入球させることは極めて困難なので、ほとんどの場合、1.8秒間の開放状態を経て第2特定入賞口650aが閉鎖され、15ラウンドが終了する。
一方、この場合における振分回転体6610の回転動作は、図66の下部に示した通り、大当たりの15ラウンド目が開始すると同時に、時計回りに72度(振分部1個分)の回転動作を0.2秒間かけて行い、その後1.8秒間停止する動作を行い、再度時計回りに72度(振分部1個分)の回転動作を0.2秒間かけて行い、その後に再度1.8秒間の停止動作を行う。この2回目の停止動作の期間と、「大当たりF」における1.8秒間の開放期間とが一致するので、「大当たりF」では、大当たり開始時の振分回転体6610の配置から振分部2つ分(144度)回転動作した配置で球が振分回転体6610に到達可能となる。振分回転体6610の停止動作中に15ラウンドが終了するので、以降の動作は実行されずに振分回転体6610が動作終了する。即ち、振分回転体6610は「大当たりF」の終了時に、振分部2個分だけ時計回りに回転動作した回転位置となる。この配置は次の大当たりまで維持される。
「大当たりF」は、「大当たりE」と同様に特別図柄の低確率状態で当選し易い種別なので、大当たりの開始時点では、基本的に通常振分部6610a,6610bのどちらかが通常流路652の直下に配置された状態となる。通常振分部6610bが通常流路652の直下に配置された初期配置(配置データ「00H」に対応する配置)で「大当たりF」になると、確変振分部6610eへと入球可能になるので、第2特定入賞口650aへと入球させることにより、大当たり終了後に確変状態へと移行する。この場合、大当たり終了時に確変振分部6610eが通常流路652の直下となる配置(配置データ「02H」に対応する配置)になる。
また、通常振分部6610aが通常流路652の直下に配置された状態(配置データ「01H」に対応する配置)で「大当たりF」になると、15ラウンドでは確変振分部6610dへと入球可能となる。よって、球を第2特定入賞口650aへと入球させることにより、大当たり後に確変状態へと移行させることができる。この場合、大当たり終了時に確変振分部6610dが通常流路652の直下となる配置(配置データ「03H」に対応する配置)になる。
図66に示した通り、「大当たりG」になると、15ラウンドの開始と同時に第2特定入賞口(第2大開放口)650aが開放されるが、0.2秒間で閉鎖される。上述した通り、0.2秒間の間に球を入球させることは困難なので、この0.2秒間の開放期間の間に球が入球することなく、第2特定入賞口650aが閉鎖される。閉鎖状態は4秒間維持され、4秒経過時に再度第2特定入賞口650aが開放される。この開放状態は、最大1.8秒間(2秒−0.2秒)維持される。なお、1.8秒間に球を10個入球させることは極めて困難なので、ほとんどの場合、1.8秒間の開放状態を経て第2特定入賞口650aが閉鎖され、15ラウンドが終了する。
一方、この場合における振分回転体6610の回転動作は、図66の下部に示した通り、0.2秒間の回転動作と、1.8秒間の停止動作とを交互に繰り返し、3回目の回転動作後に設定される3回目の停止期間が、「大当たりG」における第2特定入賞口650aの開放期間に一致する。このため、「大当たりG」では、大当たり開始時の振分回転体6610の配置から振分部3つ分(216度)回転動作した配置で球が振分回転体6610に到達可能となる。振分回転体6610の停止動作中に15ラウンドが終了するので、以降の動作は実行されずに振分回転体6610が動作終了する。即ち、振分回転体6610は「大当たりF」の終了時に、振分部3個分だけ時計回りに回転動作した回転位置となる。この配置は次の大当たりまで維持される。
「大当たりG」も、「大当たりE」や「大当たりF」と同様に、特別図柄の低確率状態で当選し易い種別なので、大当たりの開始時点では、基本的に通常振分部6610a,6610bのどちらかが通常流路652の直下に配置された状態となる。通常振分部6610bが通常流路652の直下に配置された初期配置(配置データ「00H」に対応する配置)で「大当たりG」になると、通常振分部6610bの3つ分先の振分部である確変振分部6610dへと入球可能になるので、第2特定入賞口650aへと入球させることにより、大当たり終了後に確変状態へと移行する。この場合、大当たり終了時に確変振分部6610dが通常流路652の直下となる配置(配置データ「03H」に対応する配置)になる。
また、通常振分部6610aが通常流路652の直下に配置された状態(配置データ「01H」に対応する配置)で「大当たりG」になると、15ラウンドでは通常振分部6610aの3つ分先の振分部である確変振分部6610cへと入球可能となる。よって、球を第2特定入賞口650aへと入球させることにより、大当たり後に確変状態へと移行させることができる。この場合、大当たり終了時に確変振分部6610cが通常流路652の直下となる配置(配置データ「04H」に対応する配置)になる。
このように、本第2実施形態では、振分回転体6610の動作を一定とし、第2特定入賞口650aの開放パターンが異なる複数の大当たり種別を設ける構成とすることにより、第2特定入賞口650aへと入球可能となるまでの振分回転体6610の回転量(可変量)を異ならせる構成としている。球が入球可能となるタイミングによって、確変振分部6610c〜6610eへと入球可能となるか否か(遊技者に有利となるか否か)が変わるので、第2特定入賞口650aが開放されるタイミングに注目して遊技を行わせることができる。よって、大当たりの15ラウンド目における遊技者の興趣を向上させることができる。また、本第2実施形態では、大当たりのラウンドが終了する期間を異ならせることで、15ラウンドが終了するまでの振分回転6600の回転量(可変量)を異ならせる構成とし、大当たり終了時における振分回転体6610の配置を異ならせる構成としている。これにより、大当たり終了時点における振分回転体6610の配置により、次の大当たりが確変状態となり易いか否かを識別させることができる。よって、大当たり終了時点における振分回転体6610の配置に注目させることができる。
次に、図65(b)を参照して、特別図柄の低確率状態から特別図柄の確変状態へと移行する際(確変突入時)の大当たり種別と、確変状態の連続回数との対応関係について説明する。図65(b)は、大当たり種別と、その大当たり種別となった場合における振分回転体6610の配置とに応じた確変状態の連続回数の対応関係を示した図である。上述した通り、確変状態では、基本的に特別図柄2の抽選が行われるので、大当たりになると「大当たりH」が決定される。つまり、確変状態では、大当たりとなる毎に、振分部が1つずつ回転動作する。よって、最初に確変入球口671へと入球した大当たりの終了時点における振分回転体6610の配置に応じて、確変状態が何回連続して設定されるのかが異なってくる。
図65(b)に示した通り、配置データ「01H」に対応する配置(通常振分部6610aが通常流路652の直下となる配置)で「大当たりE」になると、その「大当たりE」後に付与される確変状態を含め、3回連続して確変状態へと移行する。即ち、3回の大当たり(「大当たりE」、および2回の「大当たりH」)に渡って、その大当たり後に特別図柄の確変状態が付与される。確変状態が3回連続することにより、短い間隔で3回の大当たりとなるため、「大当たりE」を契機に特別図柄の確変状態へと移行することにより、遊技者にとって有利となる。
また、図65(b)に示した通り、配置データ「00H」に対応する配置(初期配置)で「大当たりF」になると、その「大当たりF」後に付与される確変状態を含め、3回連続して確変状態へと移行する。即ち、3回の大当たり(今回の「大当たりF」、および2回の「大当たりH」)に渡って、その大当たり後に特別図柄の確変状態が付与される。一方、「大当たりF」となった時点の振分回転体6610の配置が、配置データ「01H」に対応する配置(通常振分部6610aが通常流路652の直下となる配置)の場合には、2回連続で確変状態へと移行する。即ち、初期配置で「大当たりF」となる場合に比較して確変状態の連続回数が少なくなる。
また、図65(b)に示した通り、配置データ「00H」に対応する配置(初期配置)で「大当たりG」になると、その「大当たりG」後に付与される確変状態を含め、2回連続で確変状態へと移行する。即ち、2回の大当たり(今回の「大当たりG」、および次の「大当たりH」)に渡って、その大当たり後に特別図柄の確変状態が付与される。一方、「大当たりG」となった時点の振分回転体6610の配置が、配置データ「01H」に対応する配置(通常振分部6610aが通常流路652の直下となる配置)の場合には、確変状態が1回で終了する。
まとめると、配置データ「00H」に対応する配置(初期配置)では、「大当たりE」になると、その大当たり後に確変状態へと移行せず、「大当たりF」になると、その後に確変状態が3回連続し(3回ループし)、「大当たりG」になると、その後に確変状態が2回連続する(2回ループする)。よって、初期配置では「大当たりF」が最も有利であり、「大当たりE」が最も不利となる。
一方で、配置データ「01H」に対応する配置(通常振分部6610aが通常流路652の直下となる配置)では、「大当たりE」になると、その後に確変状態が3回連続し(3回ループし)、「大当たりF」になると、その後に確変状態が2回連続し(2回ループし)、「大当たりG」になると、その後に確変状態が1回のみ付与される。よって、配置データ「01H」に対応する配置では、「大当たりE」になると遊技者に最も有利になる(確変状態が最も多い回数ループする)。一方、「大当たりG」になると、最もループ回数が少なくなる(確変振分部6610d,6610eが飛ばされて、確変振分部6610cへの入球に基づく確変状態のみとなる)ので、遊技者にとって不利となる。
このように、本第2実施形態では、振分回転体6610の配置と、低確率状態において当選した大当たり種別とに基づいて、その後に移行する確変状態の連続回数(ループ回数)が異なるように構成されている。これにより、大当たりの種別や、振分回転体6610の配置に注目して遊技を行わせることができるので、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができる。
次に、図67を参照して、本第2実施形態における確変時選択テーブル222b2の詳細について説明する。この確変時選択テーブル222b2は、第1実施形態における確変時選択テーブル202bと同様に、特別図柄の確変状態において背面種別を選択するために用いられるデータテーブルである。本実施形態では、確変状態において15ラウンド目に振分部1つ分だけ回転動作する「大当たりH」が選択されるので、基本的に通常振分部652の直下に確変振分部6610c〜6610eのいずれかが配置された状態となる。よって、本実施形態における確変時選択テーブル222b2には、配置データ「02H」〜「04H」に対応する配置についてが規定されている。
図67に示した通り、振分回転体661の回転位置が「02H」に対応する配置(確変振分部6610eが通常流路652の直下となる配置)であって、現在の背面種別が背面Cの場合には、演出用カウンタ223gの値が「0〜164」の範囲に背面Cが対応付けられ、「165〜198」の範囲に背面Dが対応付けられ、演出用カウンタ223gの値「199」に背面Eが対応付けられている。また、現在の背面種別が背面Dの場合には、演出用カウンタ223gの値が「0〜189」の範囲に背面Dが対応付けられ、「190〜199」の範囲に背面Eが対応付けられている。また、現在の背面種別が背面Eの場合には、演出用カウンタ223gの値が「0〜9」の範囲に背面Cが対応付けられ、「10〜199」の範囲に背面Eが対応付けられている。配置データ「02H」に対応する配置は、次の大当たり、および2回後の大当たり後にも特別図柄の確変状態が付与される極めて有利な配置である。よって、配置データ「03H」や「04H」に対応する配置に比較して、期待度が高い背面種別(背面Dや背面E)に設定され易くなるように構成している。これにより、背面種別から適切に期待度を報知することができる。
また、図67に示した通り、振分回転体661の回転位置が「03H」に対応する配置(確変振分部6610dが通常流路652の直下となる配置)であって、現在の背面種別が背面Cの場合には、演出用カウンタ223gの値が「0〜169」の範囲に背面Cが対応付けられ、「170〜199」の範囲に背面Dが対応付けられている。また、現在の背面種別が背面Dの場合には、演出用カウンタ223gの値が「0〜4」の範囲に背面Cが対応付けられ、「5〜199」の範囲に背面Dが対応付けられている。配置データ「03H」に対応する配置は、次の大当たり後に特別図柄の確変状態が付与される比較的有利な配置である。よって、配置データ「04H」に対応する配置に比較して、期待度が高い背面Dに設定され易くなるように構成している。これにより、背面種別から適切に期待度を報知することができる。
また、図67に示した通り、振分回転体661の回転位置が「04H」に対応する配置(確変振分部6610cが通常流路652の直下となる配置)であって、現在の背面種別が背面Cの場合には、演出用カウンタ223gの値が「0〜198」の範囲に背面Cが対応付けられ、演出用カウンタ223gの値「199」に背面Dが対応付けられている。また、現在の背面種別が背面Dの場合には、演出用カウンタ223gの値が「0〜29」の範囲に背面Cが対応付けられ、「30〜199」の範囲に背面Dが対応付けられている。配置データ「04H」に対応する配置は、次の大当たり後に通常状態となってしまうため、確変状態において最も不利な配置である。よって、他の配置に比べて、期待度の低い背面Cとなり易く構成している。これにより、背面種別と実際の期待度とをリンクさせることができるので、遊技者に対して適切な期待度を報知することができる。
<第2実施形態における主制御装置の制御処理について>
次に、図68および図69のフローチャートを参照して、第2実施形態における主制御装置110内のMPU201により実行される各制御処理について説明する。まず、図68のフローチャートを参照して、主制御装置110内のMPU201により実行される大当たり動作設定処理2(S1021)の詳細について説明する。この第2実施形態における大当たり動作設定処理2(図68参照)は、第1実施形態における大当たり動作設定処理(図38参照)と同様に、ラウンド数に応じた大開放口(第1大開放口65a、第2大開放口650a)の動作、および振分回転体661の動作を設定するための処理である。なお、第1実施形態における大当たり動作設定処理(図38参照)と同一部分については、同一の符号を付しその説明を省略する。
この第2実施形態における大当たり動作設定処理2(S1021)は、第1実施形態における大当たり動作設定処理(図38参照)のS1107の処理が削除されている点で相違するのみであり、S1101〜S1106の各処理では、それぞれ第1実施形態における大当たり動作設定処理(図38参照)のS1101〜S1106の各処理と同一の処理が実行される。これは、第2実施形態におけるパチンコ機10では、誘導部材651aを有しておらず、誘導部材651aの設定を行うS1107の処理を実行する必要が無いためである。
次に、図69のフローチャートを参照して、第2実施形態における主制御装置110内のMPU201により実行される入賞処理2(S1022)を説明する。図69は、この入賞処理2(S1022)を示すフローチャートである。この第2実施形態における入賞処理2(図69参照)は、第1実施形態における入賞処理(図40参照)と同様に、大開放口(第1大開放口65a、第2大開放口650a)への入賞に応じた制御を行うための処理である。なお、第1実施形態における入賞処理(図40参照)と同一部分については、同一の符号を付しその説明を省略し、異なる部分についてのみ説明する。
この第2実施形態における入賞処理2(S1022)のうち、S1301〜S1308、およびS1310〜S1319の各処理では、それぞれ第1実施形態における入賞処理(図40参照)のS1301〜S1308、およびS1310〜S1319の各処理と同一の処理が実行される。
また、第2実施形態における入賞処理2(図69参照)では、S1308の処理が終了すると、回転体用モータ622aを停止し(S1321)、S1310の処理へ移行する。
以上説明した通り、第2実施形態におけるパチンコ機10では、2つの通常振分部6610a,6610bが連続する区間と、3つの確変振分部6610c〜6610eが連続する区間とを有する振分回転体6610を採用した。そして、大当たり種別として、大当たり開始時の配置から振分部1つ分回転動作すると共に、その回転動作後の配置の振分部に対して球が入球可能となる種別(大当たりE,H)と、大当たり開始時の配置から振分部2つ分回転動作すると共に、その回転動作後の配置の振分部に対して球が入球可能となる種別(大当たりF)と、大当たり開始時の配置から振分部3つ分回転動作すると共に、その回転動作後の配置の振分部に対して球が入球可能となる種別(大当たりG)との3種類の大当たり種別を設ける構成とした。また、特別図柄の確変状態においては、大当たり開始時の配置から振分部1つ分回転動作する大当たり種別(大当たりH)が決定され易くなるように構成した。このように構成することで、通常状態において、最初に確変振分部へと球が入球した際の振分回転体6610の配置に応じて、確変状態の連続回数が1〜3回に可変させることができる。即ち、確変状態へ突入する際の大当たり種別に応じて、その後の確変状態の連続回数を異ならせることができる。よって、通常状態では、振分回転体6610の配置に応じて、有利な大当たり種別、不利な大当たり種別を異ならせることができる。即ち、1の配置では、確変状態が連続し難いが、異なる配置では、確変状態が連続し易い大当たり種別や、1の配置では確変状態へ突入し難いが、異なる配置では、確変状態へと突入可能なうえ、その後に確変状態が連続し易い大当たり種別等を設けることができる。従って、振分回転体6610の配置に応じて異なる大当たり種別を期待させることができるので、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができる。
なお、本第2実施形態では、確変状態において、大当たり開始時の配置から振分部1つ分回転動作する「大当たりH」のみが決定され易くなるように構成しているが、確変状態においても、振分部2つ分、または3つ分回転動作する大当たり種別が決定される構成としてもよい。これにより、確変状態においても、振分回転体6610の配置に応じて異なる大当たり種別を期待させることができる。よって、遊技者の遊技に対する興趣をより向上させることができる。
本第2実施形態では、大当たりのラウンド数が15ラウンドの大当たり種別のみを設ける構成としていたが、これに限られるものではなく、ラウンド数にバリエーションを設けてもよい。例えば、大当たりEのラウンド数を2ラウンド、大当たりFのラウンド数を8ラウンド、大当たりGのラウンド数を15ラウンド、大当たりHのラウンド数を15ラウンドとしてもよい。また、特別図柄2の抽選で大当たりとなった場合に決定され得る大当たり種別として、ラウンド数が2ラウンドの大当たりIと、ラウンド数が8ラウンドの大当たりJとを設ける構成とし、大当たりH〜Jは、振分回転体6610に設定される回転動作が共通となるように構成してもよい。また、この場合において、第2特定入賞口650aは、1ラウンド目、または2ラウンド目に開放パターンが設定される構成としてもよい。このように構成することで、賞球数にメリハリをつけることができるので、有利度合い、不利度合いを更に多様化させることができる。つまり、配置データ「01H」に対応する配置では、大当たりEとなることで、その後に3回連続して確変状態となるため、確変状態の連続回数としては有利だが、賞球面では最も不利となる。よって、確変状態が少なくなったとしても、より賞球数の多い大当たり種別(大当たりF,G)を期待する遊技者や、大当たりEとなることにより、最大回数(3回)の確変状態が付与されることを期待する遊技者等、遊技者の趣向によって嬉しい大当たり種別を異ならせることができる。また、特別図柄2の抽選による大当たりとして、大当たりH〜Jを設ける構成とすることで、確変状態へ突入した際の振分回転体6610の配置から特定される確変状態の連続回数を保持したままで、賞球数にバリエーションを持たせることができる。よって、一旦確変状態へと突入した後は、より賞球数の多い大当たり種別となることを期待して遊技を行わせることができる。即ち、確変状態へと突入した後の遊技が、単に規定回数の大当たりに当選させる作業のようになってしまうことを抑制し、毎回の大当たりにおいて、ラウンド数(獲得できる賞球数)が多い大当たり種別を期待させることができる。よって、確変状態における遊技が単調となってしまうことを防止(抑制)することができる。
本第2実施形態では、振分回転体6610に対して5つの振分部(通常振分部6610a,6610b、確変振分部6610c〜6610e)を設ける構成としていたが、通常振分部と確変振分部との比率、および振分部の総数はこれに限られるものではなく、任意に定めてもよい。また、振分回転体6610は円形に限られるものではなく、三角形や四角形等、任意の形状としてもよい。これにより、設計の自由度を高めることができる。
本第2実施形態では、振分回転体6610の回転動作を大当たり種別に応じて異ならせると共に、大当たり終了時の振分回転体6610の配置を次の大当たりまで保持する構成とすることで、振分回転体6610の配置と、大当たり種別との組み合わせで有利度合いが変わる構成としていたが、これに限られるものではない。例えば、第2可変入賞装置650を用いずに、大当たり種別を選択する際の処理によって制御的に実現する構成としてもよい。より具体的には、例えば、大当たり種別として、大当たり後に特別図柄の確変状態へと移行する確変大当たりと、大当たり後に通常状態へと移行する通常大当たりを設けると共に、大当たりの履歴を主制御装置110のRAM203に記憶しておく構成とする。そして、通常状態において実行された特別図柄の抽選により確変大当たりとなった場合には、RAM203に記憶された大当たりの履歴に応じて、その後の確変大当たりの連続回数1〜3回の範囲で設定する構成としてもよい。つまり、確変大当たりとなるまでの履歴として、通常大当たりの連続回数が多いほど、多い連続回数が設定され易くなるように制御してもよい。このように構成することで、遊技者にとって不利な通常大当たりが連続したとしても、その後により多くの確変状態が連続することを期待させることができる。よって、通常大当たりとなった場合でも、遊技者の遊技に対するモチベーションが低下してしまうことを抑制できる。
上記各実施形態では、大当たりの1〜14ラウンドで第1特定入賞口65aが開放され、15ラウンドで第2特定入賞口650aが開放される構成としていたが第2特定入賞口650aが開放されるラウンドは任意に定めてもよい。例えば、大当たりの1ラウンド目に第2特定入賞口650aが開放される構成としてもよい。このように構成することで、大当たり後に特別図柄の確変状態へと移行するか否かを遊技者がより早く知ることができる。よって、1ラウンド目に確変入球口671へと球が入球した場合は、その後の2〜15ラウンドの遊技を安心して行わせることができる。
上記各実施形態では、第1入球口64と、第2入球口640とを設ける構成としていたが、これに限られるものではない。例えば、第1入球口64のみを設ける構成としてもよい。そして、特別図柄の確変状態であるか否かに応じて、振分回転体661、または振分回転体6610に設定する回転動作の動作パターンを異ならせる構成としてもよい。このように構成することで、第2入球口640を削減することができるので、パチンコ機10の原価を低減することができる。
以上、上記実施形態に基づき本発明を説明したが、本発明は上記形態に何ら限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲内で種々の変形改良が可能であることは容易に推察できるものである。
上記各実施形態において、1の実施形態の一部または全部を他の実施形態の一部または全部と入れ替えて又は組み合わせて、遊技機を構成しても良い。
上記各実施形態では、普通図柄の通常状態(低確率時)における普通図柄の当たり確率を、1/10(24/240)としていたが、当たり確率はこれに限られるものではなく、より低確率(例えば、1/240)に設定してもよい。このように構成することで、普通図柄の通常状態において普通図柄の当たりとなり難くすることができるので、特別図柄2の抽選がより実行され難くなる。よって、特別図柄2の抽選を実行させようとして、普通図柄の通常状態においても遊技盤13の右側を狙って球を打ち出す(常時右打ちする)変則的な遊技方法をより確実に抑制することができる。また、変則的な遊技方法を抑制するための方法として、例えば、普通図柄の抽選が保留されない構成としてもよい。このように構成することで、遊技者が常時右打ちを行ったとしても、普通図柄の通常状態では、普通図柄の変動時間が長くなる(30秒になる)ため、30秒に1回しか普通図柄の抽選を実行することができないのに加え、普通図柄の変動中におけるスルーゲート67の通過は、全て無駄球となる。よって、普通図柄の通常状態において右打ちを行った場合に、特別図柄2の抽選がより実行され難くできるので、常時右打ちを実行する変則的な遊技方法をより確実に抑制(防止)することができる。また、変則的な遊技方法を抑制するための方法として、例えば、普通図柄の通常状態における普通図柄の変動時間をより長く(例えば、10分)してもよい。このように構成することで、普通図柄の通常状態における普通図柄の抽選間隔をより長くすることができるので、普通図柄の抽選が実行され難くなり、第2入球口640へとより入球し難くすることができる。よって、常時右打ちを実行する変則的な遊技方法をより確実に抑制することができる。
本発明を上記各実施形態とは異なるタイプのパチンコ機等に実施してもよい。例えば、一度大当たりすると、それを含めて複数回(例えば2回、3回)大当たり状態が発生するまで、大当たり期待値が高められるようなパチンコ機(通称、2回権利物、3回権利物と称される)として実施してもよい。また、大当たり図柄が表示された後に、所定の領域に球を入賞させることを必要条件として遊技者に所定の遊技価値を付与する特別遊技を発生させるパチンコ機として実施してもよい。また、Vゾーン等の特別領域を有する入賞装置を有し、その特別領域に球を入賞させることを必要条件として特別遊技状態となるパチンコ機に実施してもよい。更に、パチンコ機以外にも、アレパチ、雀球、スロットマシン、いわゆるパチンコ機とスロットマシンとが融合した遊技機などの各種遊技機として実施するようにしても良い。
なお、スロットマシンは、例えばコインを投入して図柄有効ラインを決定させた状態で操作レバーを操作することにより図柄が変動され、ストップボタンを操作することにより図柄が停止されて確定される周知のものである。従って、スロットマシンの基本概念としては、「複数の識別情報からなる識別情報列を変動表示した後に識別情報を確定表示する表示装置を備え、始動用操作手段(例えば操作レバー)の操作に起因して識別情報の変動表示が開始され、停止用操作手段(例えばストップボタン)の操作に起因して、或いは、所定時間経過することにより、識別情報の変動表示が停止して確定表示され、その停止時の識別情報の組合せが特定のものであることを必要条件として、遊技者に所定の遊技価値を付与する特別遊技を発生させるスロットマシン」となり、この場合、遊技媒体はコイン、メダル等が代表例として挙げられる。
また、パチンコ機とスロットマシンとが融合した遊技機の具体例としては、複数の図柄からなる図柄列を変動表示した後に図柄を確定表示する表示装置を備えており、球打出用のハンドルを備えていないものが挙げられる。この場合、所定の操作(ボタン操作)に基づく所定量の球の投入の後、例えば操作レバーの操作に起因して図柄の変動が開始され、例えばストップボタンの操作に起因して、或いは、所定時間経過することにより、図柄の変動が停止され、その停止時の確定図柄がいわゆる大当たり図柄であることを必要条件として遊技者に所定の遊技価値を付与する特別遊技が発生させられ、遊技者には、下部の受皿に多量の球が払い出されるものである。かかる遊技機をスロットマシンに代えて使用すれば、遊技ホールでは球のみを遊技価値として取り扱うことができるため、パチンコ機とスロットマシンとが混在している現在の遊技ホールにおいてみられる、遊技価値たるメダルと球との別個の取扱による設備上の負担や遊技機設置箇所の制約といった問題を解消し得る。
以下に、本発明の遊技機に加えて上述した実施形態に含まれる各種発明の概念を示す。
<特徴A群>(V役物の動作の履歴に応じてV入賞率を可変させる)
遊技球が入球可能な入球手段と、その入球手段に対して遊技球が入球したことに基づいて所定の判別を実行する判別手段と、その判別手段により特定の判別結果となったことに基づいて、遊技者に有利な特典遊技を実行する特典遊技実行手段と前記特典遊技の実行中に遊技球が入球可能となる可変入球手段と、を有した遊技機において前記可変入球手段の内部に配置され、その可変入球手段へと入球した遊技球が入球可能な第1入球領域と、その第1入球領域とは異なる第2入球領域と前記第1入球領域に遊技球が入球したことに基づいて、特定の特典を付与する特典付与手段と前記判別手段により前記特定の判別結果となったことに基づいて、前記第1入球領域に対する遊技球の入球率を設定する入球率設定手段とその入球率設定手段により設定される入球率を、前記入球率設定手段により設定された前回の入球率に少なくとも基づいて決定する入球率決定手段とを備えることを特徴とする遊技機A1。
ここで、パチンコ機等の遊技機において、始動入球に基づいて実行される抽選により当たりとなった場合に、球が入球可能な開放状態に設定される特定入賞口が設けられ、その特定入賞口へと球が入球することで特典が付与されるものがある。また、かかる従来型の遊技機の中には、特定入賞口の内部に、球が入球することで確率変動状態が付与される特定の入球領域が設けられているものがある。また、特定の入球領域への入球し易さは、当たりの種別に応じて異ならせている(例えば、特開2012−245172号公報)。
しかしながら、かかる従来型の遊技機では、特定の入球領域への入球し易さが、当たり種別に応じて固定となっているため、当たり種別が分かった時点で確率変動状態へと移行する期待度が分かってしまう場合があり、確率変動状態に対する期待度を持続させることが困難となってしまう虞があった。
これに対して遊技機A1では、可変入球手段の内部に、第1入球領域と、その第1入球領域とは異なる第2入球領域とが設けられている。第1入球領域に遊技球が入球したことに基づいて、特典付与手段によって特定の特典が付与される。判別手段により特定の判別結果となったことに基づいて、第1入球領域に対する遊技球の入球率が入球率設定手段によって設定される。ここで、入球手段によって設定される入球率は、入球率設定手段によって設定された前回の入球率に少なくとも基づいて入球率決定手段により決定される。
これにより、前回設定された入球率に応じて第1入球領域に対する入球率を異ならせることができるので、遊技者に入球率を予想され難くすることができる。即ち、特定の特典が付与されるか否かを予想し難くすることができるので、特定の特典に対する遊技者の期待感をより長く持続させることができるという効果がある。
遊技機A1において前記可変入球手段へと入球した遊技球を前記第1入球領域へと振り分ける第1振り分け状態と、前記第2入球領域へと振り分ける第2振り分け状態とに可変可能な振り分け手段を備え前記入球率決定手段は、前記振り分け手段の振り分けパターンとして、前記第1入球領域に対する入球率が異なる複数の振り分けパターンの中から1の振り分けパターンを決定するものであり前記入球率設定手段は、前記入球率決定手段によって決定された前記振り分けパターンで前記振り分け手段が可変するように制御するものであることを特徴とする遊技機A2。
遊技機A2によれば、遊技機A1の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、可変入球手段へと入球した遊技球を第1入球領域へと振り分ける第1振り分け状態と、第2入球領域へと振り分ける第2振り分け状態とに可変可能な振り分け手段が設けられている。振り分け手段の振り分けパターンとして、第1入球領域に対する入球率が異なる複数の振り分けパターンの中から1の振り分けパターンが入球率決定手段によって決定され、その入球率決定手段によって決定された振り分けパターンで振り分け手段が可変するように、入球率設定手段により制御される。
これにより、振り分け手段に設定される振り分けパターンに応じて第1入球領域に対する入球率が可変されるので、設定される振り分けパターンに対して注目させることができる。よって、特典遊技の実行中における遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができるという効果がある。
遊技機A1又はA2において前記入球率設定手段により設定された入球率を、少なくとも次に前記判別手段により前記特定の判別結果となるまで保持する保持手段を備えることを特徴とする遊技機A3。
遊技機A3によれば、遊技機A1又はA2の奏する効果に加え、入球率設定手段によって設定された入球率が、少なくとも次に判別手段により特定の判定結果となるまで保持手段により保持されるので、入球率決定手段により新たに入球率を決定する際は、保持手段によって保持されている入球率を参照すればよく、入球率を決定する際の処理負荷を軽減することができるという効果がある。
遊技機A2において前記入球率設定手段により設定された前記振り分けパターンに基づく制御が終了した時点における前記振り分け手段の状態を、少なくとも次に前記判別手段により前記特定の判別結果となるまで保持する保持手段を備えることを特徴とする遊技機A4。
遊技機A4によれば、遊技機A2の奏する効果に加え、入球率設定手段により設定された振り分けパターンに基づく制御が終了した時点における振り分け手段の状態が、少なくとも次に判別手段により特定の判別結果となるまで保持手段により保持されるので、入球率設定手段によって振り分けパターンを設定する際には、大当たり開始時の状態から振り分けパターンを開始させるだけでよい。よって、振り分けパターンを設定する際の処理負荷を軽減させることができるという効果がある。
遊技機A2又はA4において前記振り分け手段は、前記入球率設定手段により可変するように制御されている間、予め定められた順序に従って前記第1振り分け状態と前記第2振り分け状態とが切り替わるものであり前記複数の振り分けパターンは、互いに前記振り分け手段の可変量が異なって構成されているものであることを特徴とする遊技機A5。
遊技機A5によれば、遊技機A2又はA4の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、振り分け手段は、入球率設定手段により可変するように制御されている間、予め定められた順序に従って第1振り分け状態と第2振り分け状態とが切り替わるように構成されている。そして、複数の振り分けパターンは、互いに振り分け手段の可変量が異なって構成されている。
これにより、振り分け手段の可変量に応じて第1入球領域への入球率が異なるため、特典遊技の実行中において、振り分け手段の動作に注目させることができる。よって、特典遊技が単に可変入球手段を狙って遊技球を打ち出すのみの単調な遊技となってしまうことを抑制できるという効果がある。
遊技機A5において前記振り分け手段は、1又は複数の前記第1入球領域と、1又は複数の前記第2入球領域とを有した回転体で構成され、回転位置に応じて前記第1入球領域に対する遊技球の入球率が異なるものであることを特徴とする遊技機A6。
遊技機A6によれば、遊技機A5の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、振り分け手段が、1又は複数の第1入球領域と、1又は複数の第2入球領域と設けられた回転体で構成されている。かかる回転体は、回転位置に応じて第1入球領域に対する遊技球の入球率が異なっている。
これにより、特典遊技の実行中において、回転体の回転位置に注目して遊技を行わせることができるので、特典遊技が単に可変入球手段を狙って遊技球を打ち出すのみの単調な遊技となってしまうことを抑制できるという効果がある。
遊技機A6において前記特典付与手段は、前記特定の特典が付与されていない第1遊技状態に比較して、前記判別手段により前記特定の判別結果となり易い第2遊技状態を前記特定の特典として付与するものであり前記振り分け手段は、複数の前記第1入球領域が回転方向に沿って連続して配置されている区間を有し前記入球率決定手段は、前記第2遊技状態で前記特定の判別結果となった場合に、前記第1遊技状態に比較して、前記振り分け手段の可変量が入球領域1つ分となる前記振り分けパターンを決定し易くなるものであることを特徴とする遊技機A7。
遊技機A7によれば、遊技機A6の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、特定の特典が付与されていない第1遊技状態に比較して、判別手段によって特定の判別結果となり易い第2遊技状態が、特定の特典として特典付与手段により付与される。複数の第1入球領域が回転方向に沿って連続して配置されている区間が振り分け手段に設けられている。第2遊技状態で特定の判定結果となった場合に、第1遊技状態に比較して、振り分け手段の可変量が入球領域1つ分となる振り分けパターンが入球率決定手段によって決定され易くなる。
これにより、第1入球領域が連続して配置されている区間において第2遊技状態となった場合には、以降の特典遊技において、連続して第1入球領域へと入球し易くなる。よって、遊技者にとって有利な第2遊技状態が連続し易くなるので、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができるという効果がある。
遊技機A6又はA7において前記特典付与手段は、前記特定の特典が付与されていない第1遊技状態に比較して、前記判別手段により前記特定の判別結果となり易い第2遊技状態を前記特定の特典として付与するものであり前記入球率決定手段は、前記第2遊技状態に比較して、前記第1遊技状態で前記特定の判別結果となった場合に、可変開始時の回転位置と可変終了時の回転位置とが一致する前記振り分けパターンを決定し易くなるものであることを特徴とする遊技機A8。
遊技機A8によれば、遊技機A6又はA7の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、特定の特典が付与されていない第1遊技状態に比較して、判別手段によって特定の判別結果となり易い第2遊技状態が、特定の特典として特典付与手段により付与される。第2遊技状態に比較して、第1遊技状態で特定の判別結果となった場合に、可変開始時の回転位置と可変終了時の回転位置とが一致する振り分けパターンが入球率決定手段によって決定され易くなる。
これにより、第1遊技状態においては、特定の判別結果となったとしても、第2遊技状態となり難くなる。即ち、第1遊技状態が連続し易くなるので、遊技者が過剰に有利となってしまうことを抑制することができる。よって、遊技者の射幸心を高め過ぎてしまうことを抑制できるという効果がある。
<特徴B群>(状態に応じて有利な当たり種別を異ならせる)
判別条件の成立に基づいて所定の判別を実行する判別手段とその判別手段により特定の判別結果となったことに基づいて、遊技者に有利な特典遊技を実行する特典遊技実行手段とその特典遊技実行手段により実行される前記特典遊技として、予め定めた複数の種別から1の前記特典遊技の種別を選択可能な種別選択手段と前記判別手段により前記特定の判別結果となったことに基づいて、遊技者にとっての有利度合いが異なる複数の状態から1の状態を設定する状態設定手段と前記種別選択手段によって選択された前記特典遊技の種別と、前記特典遊技が実行される前の前記状態とに少なくとも基づいて、前記状態設定手段によって設定される前記状態を決定する状態決定手段とを備えることを特徴とする遊技機B1。
ここで、パチンコ機等の遊技機において、始動入賞に基づいて実行される抽選結果が当たりの場合に、遊技者に有利な当たり状態が付与されるものがある。かかる従来型の遊技機の中には、当たりとなったことに対する特典として、当たり後に遊技者にとって有利な時短状態や確率変動状態が付与されるものがある。また、かかる従来型の遊技機の中には、同じ当たり種別であっても、付与される時短状態の期間を遊技状態に応じて異ならせるものがある(特開2011−130998号公報)。
しかしながら、かかる従来型の遊技機では、付与される付加価値のバリエーションが乏しいという問題点があった。
これに対して遊技機B1では、判別条件の成立に基づいて判別手段によって所定の判別が実行され、その判別手段により特定の判別結果となったことに基づいて、遊技者に有利な特典遊技が特典遊技実行手段により実行される。特典遊技実行手段により実行される特典遊技として、予め定めた複数の種別から1の特典遊技の種別が種別選択手段によって選択される。また、判別手段により特定の判別結果となったことに基づいて、遊技者にとっての有利度合いが異なる複数の状態から1の状態が状態設定手段によって設定される。種別選択手段によって選択された特典遊技の種別と、特典遊技が実行される前の状態とに少なくとも基づいて、状態設定手段によって設定される状態が状態決定手段により決定される。
これにより、特典遊技が実行される前の状態に応じて、特典遊技の実行が終了した後の状態を決定することができるので、特典遊技後に設定される遊技状態を多様化することができる。よって、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができるという効果がある。
遊技機B1において前記状態決定手段は、前記判別手段による判別結果が前記特定の判別結果になり難い第1状態と、その第1状態に比較して前記特定の判別結果となり易い第2状態とを少なくとも決定可能なものであることを特徴とする遊技機B2。
遊技機B2によれば、遊技機B1の奏する効果に加え、判別手段による判別結果が特定の判別結果となり難い第1状態と、その第1状態に比較して特定の判別結果となり易い第2状態とが状態決定手段によって少なくとも決定可能に構成されているので、第2状態となることによって、前回の特典遊技の終了後、短い期間で再度、特典遊技が実行され易くなる。よって、第2状態となることにより遊技者にとって有利となるので、第2状態を期待して遊技を行わせることができる。従って、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができるという効果がある。
遊技機B2において前記状態決定手段は、前記第1状態に比較して、前記第2状態で前記特典遊技が実行された場合に、その特典遊技が終了した後の前記状態として前記第2状態を決定し易いものであることを特徴とする遊技機B3。
遊技機B3によれば、遊技機B2の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、第1状態に比較して、第2状態で特典遊技が実行された場合に、その特典遊技が終了した後の状態として状態決定手段によって第2状態が決定され易く構成されているので、一旦第2状態になると、状態決定手段によって複数回連続して第2状態が決定され易くなる。つまり、特典遊技と第2状態とが繰り返され易くなるので、第2状態となることを期待して遊技を行わせることができる。よって、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができるという効果がある。
遊技機B2又はB3において前記特典遊技の実行中に遊技球が入球可能となる可変入球手段とその可変入球手段の内部に配置され、その可変入球手段へと入球した遊技球が入球可能な第1入球領域と、その第1入球領域とは異なる第2入球領域と前記可変入球手段へと入球した遊技球を前記第1入球領域へ振り分ける第1振り分け状態と、前記第2入球領域へ振り分ける第2振り分け状態とに可変可能な振り分け手段とその振り分け手段の振り分けパターンとして、予め定めた複数の振り分けパターンの中から1の振り分けパターンを決定する振り分けパターン決定手段とその振り分けパターン決定手段によって決定された前記振り分けパターンで前記振り分け手段が可変するように制御する振り分け制御手段とを備え前記振り分けパターン設定手段は、前記第1状態に比較して、前記第2状態で前記特典遊技が実行された場合に、前記第1入球領域へと遊技球が入球し易い振り分けパターンを設定し易くなるものであり前記状態決定手段は、前記第1入球領域に遊技球が入球したことに基づいて、前記第2状態を設定するものであることを特徴とする遊技機B4。
遊技機B4によれば、遊技機B2又はB3の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、特典遊技の実行中に遊技球が入球可能となる可変入球手段の内部に、第1入球領域と第2入球領域とが設けられている。可変入球手段へと入球した遊技球を第1入球領域へと振り分ける第1振り分け状態と、第2入球領域へと振り分ける第2振り分け状態とに振り分け手段が可変する。振り分け手段の振り分けパターンとして、予め定めた複数の振り分けパターンの中から1の振り分けパターンが振り分けパターン決定手段によって決定される。振分パターン決定手段によって決定された振り分けパターンで、振分制御手段により振り分け手段が可変するように制御される。第1状態に比較して、第2状態で特典遊技が実行された場合に、第1入球領域へと遊技球が入球し易い振り分けパターンが振り分けパターン設定手段によって設定され易くなる。第1入球領域に遊技球が入球したことに基づいて、状態決定手段により第2状態が設定される。
これにより、振り分け手段に設定される振り分けパターンに応じて第1入球領域に対する入球率が可変されるので、設定される振り分けパターンに対して注目させることができる。よって、特典遊技の実行中における遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができるという効果がある。
遊技機B4において前記振り分け手段は、前記振り分け制御手段により可変するように制御されている間、予め定められた順序に従って前記第1振り分け状態と前記第2振り分け状態とが切り替わるものであり前記複数の振り分けパターンは、互いに前記振り分け手段の可変量が異なって構成されているものであることを特徴とする遊技機B5。
遊技機B5によれば、遊技機B4の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、振分制御手段により可変するように制御されている間、予め定められた順序に従って第1振り分け状態と第2振り分け状態とが切り替わるように振り分け手段が構成されている。複数の振り分けパターンは、互いに振り分け手段の可変量が異なって構成されている。
これにより、振り分け手段の可変量に注目して特典遊技の実行中における遊技を行わせることができるので、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができるという効果がある。
遊技機B5において前記振り分け手段は、1又は複数の前記第1入球領域と、1又は複数の前記第2入球領域とを有した回転体で構成され、回転位置に応じて前記第1入球領域に対する遊技球の入球率が異なるものであることを特徴とする遊技機B6。
遊技機B6によれば、遊技機B5の奏する効果に加え、振り分け手段が1又は複数の第1入球領域と、1又は複数の第2入球領域とを有した回転体で構成されている。そして、かかる回転体は、回転位置に応じて第1入球領域に対する遊技球の入球確率が異なって構成されている。これにより、特典遊技の実行中において、回転体の回転位置に注目して遊技を行わせることができるので、特典遊技が単に可変入球手段を狙って遊技球を打ち出すのみの単調な遊技となってしまうことを抑制できるという効果がある。
遊技機B6において前記振り分け手段は、複数の前記第1入球領域が回転方向に沿って連続して配置されている区間を有し前記振り分けパターン決定手段は、前記第2状態で前記特定の判別結果となった場合に、前記第1状態に比較して、前記振り分け手段の可変量が入球領域1つ分となる前記振り分けパターンを決定し易くなるものであることを特徴とする遊技機B7。
遊技機B7によれば、遊技機B6の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、複数の第1入球領域が回転方向に沿って連続して配置されている区間が振り分け手段に設けられている。第2状態で特定の判別結果となった場合に、第1状態に比較して、振分手段の可変量が入球領域1つ分となる振り分けパターンが振り分けパターン決定手段によって決定され易くなる。
これにより、第1入球領域が連続して配置されている区間において第2状態となった場合には、以降の特典遊技において、連続して第1入球領域へと入球し易くなる。よって、遊技者にとって有利な第2遊技状態が連続し易くなるので、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができるという効果がある。
遊技機B6又はB7において前記振り分けパターン決定手段は、前記第2状態に比較して、前記第1状態で前記特定の判別結果となった場合に、可変開始時の回転位置と可変終了時の回転位置とが一致する前記振り分けパターンを設定し易くなるものであることを特徴とする遊技機B8。
遊技機B8によれば、遊技機B6又はB7の奏する効果に加え、第2状態に比較して、第1状態で特定の判別結果となった場合に、可変開始時の回転位置と可変終了時の回転位置とが一致する振り分けパターンが振分パターン決定手段によって決定され易くなるので、第1状態においては、特定の判別結果となったとしても、第2状態となり難くなる。即ち、第1状態が連続し易くなるので、遊技者が過剰に有利となってしまうことを抑制することができる。よって、遊技者の射幸心を高め過ぎてしまうことを抑制できるという効果がある。
<特徴C群>(確変突入時の大当たり種別に応じて確変ループ回数を可変させる)
判別条件の成立に基づいて所定の判別を実行する判別手段とその判別手段により特定の判別結果となったことに基づいて遊技者にとって有利な特典遊技を実行する特典遊技実行手段とその特典遊技実行手段により実行される前記特典遊技として、予め定めた複数の前記特典遊技の種別から1の種別を選択する種別選択手段と前記特典遊技の実行が終了した後の遊技状態として、第1遊技状態と、その第1遊技状態に比較して遊技者に有利な第2遊技状態とを設定可能な遊技状態設定手段と前記特典遊技が実行された場合に、その実行された特典遊技の種別に基づいて、その後に実行される前記遊技状態設定手段による設定で、第1の回数の前記特典遊技に渡って連続して前記第2遊技状態が設定される第1状態と、前記第1の回数よりも多い第2の回数連続して前記第2遊技状態が設定される第2状態とを少なくとも設定可能な状態設定手段とを備えることを特徴とする遊技機C1。
ここで、パチンコ機等の遊技機において、始動入賞に基づいて実行される抽選結果が当たりの場合に、遊技者に有利な当たり状態が付与されるものがある。かかる従来型の遊技機の中には、当たりとなったことに対する特典として、当たり後に遊技者にとって有利な確変状態が付与されるものがある。確変状態では、当たりとなる抽選確率が通常よりも高くなるので、短い期間に当たりが連続し易くなる。よって、当たりと確変状態とが繰り返されることを遊技者に期待させることにより、遊技者の興趣向上を図っていた。また、確変状態を搭載した遊技機の中には、確変状態の連続回数に制限を設ける(確変リミット制御を行う)ことにより、射幸性の抑制を図っているものもある(例えば、特開2014−036729号公報)。
しかしながら、かかる従来型の遊技機では、確変リミット制御を行う連続回数が固定であったので、確変状態の連続回数から、次の当たりで確変状態が終了してしまうことが分かってしまう場合があり、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができなくなってしまう虞があった。
これに対して遊技機C1では、判別条件の成立に基づいて、判別手段により所定の判別が実行され、その判別手段により特定の判別結果となったことに基づいて遊技者にとって有利な特典遊技が特典遊技実行手段により実行される。特典遊技実行手段により実行される特典遊技として、予め定めた複数の特典遊技の種別から種別選択手段により1の種別が選択される。特典遊技の実行が終了した後の遊技状態として、第1遊技状態と、その第1遊技状態に比較して遊技者に有利な出い2遊技状態とが遊技状態設定手段によって設定される。特典遊技が実行された場合に、その実行された特典遊技の種別に基づいて、その後に実行される遊技状態設定手段による設定で、第1の回数の特典遊技に渡って連続して第2遊技状態が設定される第1状態と、第1の回数よりも多い第2の回数連続して第2遊技状態が設定される第2状態とが状態設定手段により設定され得る。
これにより、第2遊技状態がどれだけ連続するのかを分かり難くすることができる。よって、毎回の特典遊技において、第2遊技状態となることを期待させることができるので、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができるという効果がある。
遊技機C1において前記状態設定手段は、前記実行された特典遊技の種別に基づいて、前記遊技状態設定手段により前記第2遊技状態に比較して前記第1遊技状態が設定され易い第3状態を設定可能なものであることを特徴とする遊技機C2。
遊技機C2によれば、遊技機C1の奏する効果に加え、実行された特典遊技の種別に基づいて、遊技状態設定手段により第2遊技状態に比較して第1遊技状態が設定され易い第3状態が、状態設定手段によって設定されるので、第1状態や第2状態ばかりが設定されてしまい、遊技者が過剰に有利となってしまうことを抑制できるという効果がある。
遊技機C1又はC2において前記第1状態、または前記第2状態が設定されている場合に、その設定されている状態に対応する回数の前記第2遊技状態が連続して設定されるまで、前記第1遊技状態が設定されることを回避する回避手段を備えることを特徴とする遊技機C3。
遊技機C3によれば、遊技機C1又はC2の奏する効果に加え、第1状態、または第2状態が設定されている場合に、その設定されている状態に対応する回数の第2遊技状態が連続して設定されるまで、回避手段によって第1遊技状態が設定されることが回避されるので、第1状態、または第2状態が設定されている場合において、対応する回数の第2遊技状態を確実に設定させることができるという効果がある。
遊技機C1からC3のいずれかにおいて前記特典遊技の実行中に遊技球が入球可能となる可変入球手段とその可変入球手段の内部に配置され、その可変入球手段へと入球した遊技球が入球可能な第1入球領域と、その第1入球領域とは異なる第2入球領域と前記可変入球手段へと入球した遊技球を前記第1入球領域へ振り分ける第1振り分け状態と、前記第2入球領域へ振り分ける第2振り分け状態とに可変可能な振り分け手段とその振り分け手段の振り分けパターンとして、予め定めた複数の振り分けパターンの中から1の振り分けパターンを決定する振り分けパターン決定手段とその振り分けパターン決定手段によって決定された前記振り分けパターンで前記振り分け手段が可変するように制御する振り分け制御手段とを備え前記振り分けパターン決定手段は、前記第1遊技状態に比較して、前記第2遊技状態で前記特典遊技が実行された場合に、前記第1入球領域へと遊技球が入球し易い振り分けパターンを決定し易くなるものであり前記遊技状態設定手段は、前記第1入球領域に遊技球が入球したことに基づいて、前記第2遊技状態を設定するものであることを特徴とする遊技機C4。
遊技機C4によれば、遊技機C1からC3のいずれかが奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、特典遊技の実行中に遊技球が入球可能となる可変入球手段の内部に、第1入球領域と第2入球領域とが配置されている。可変入球手段へと入球した遊技球を第1入球領域へ振り分ける第1振り分け状態と、第2入球領域へ振り分ける第2振り分け状態とに振り分け手段が可変する。振り分け手段の振り分けパターンとして、予め定めた複数の振り分けパターンの中から1の振り分けパターンが振り分けパターン決定手段によって決定され、その振り分けパターン決定手段によって決定された振り分けパターンで振り分け手段が可変するように振り分け制御手段によって制御される。第1遊技状態に比較して、第2遊技状態で特典遊技が実行された場合に、第1入球領域へと遊技球が入球し易い振り分けパターンが振り分けパターン決定手段によって決定され易くなる。第1入球領域に遊技球が入球したことに基づいて、遊技状態設定手段によって第2遊技状態が設定される。
これにより、振り分け手段に設定される振り分けパターンに応じて第1入球領域に対する入球率が可変されるので、設定される振り分けパターンに対して注目させることができる。よって、特典遊技の実行中における遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができるという効果がある。
遊技機C4において前記振り分け手段は、前記振り分け制御手段により可変するように制御されている間、予め定められた順序に従って前記第1振り分け状態と前記第2振り分け状態とが切り替わるものであり前記複数の振り分けパターンは、互いに前記振り分け手段の可変量が異なって構成されているものであることを特徴とする遊技機C5。
遊技機C5によれば、遊技機C4の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、振分制御手段により可変するように制御されている間、予め定めた順序に従って第1振り分け状態と第2振り分け状態とが切り替わるように振り分け手段が構成されている。複数の振り分けパターンは、互いに振り分け手段の可変量が異なって構成されている。
これにより、特典遊技の実行中において、振り分け手段の可変量に注目させることができる。よって、特典遊技が単に可変入球手段を狙って遊技球を打ち出すのみの単調な遊技となってしまうことを抑制できるという効果がある。
遊技機C5において前記振り分け手段は、可変されることにより前記第1振り分け状態が連続する区間と、前記第2振り分け状態が連続する区間とを有するものであり前記複数の振り分けパターンのうち、最も前記振り分け手段の可変量が少ない振り分けパターンは、前記振り分け手段の状態の切り替えが1回実行される可変量であることを特徴とする遊技機C6。
遊技機C6によれば、遊技機C5の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、可変されることにより第1振り分け状態が連続する区間と、第2振り分け状態が連続する区間とが振り分け手段に設けられている。複数の振り分けパターンのうち、最も振り分け手段の可変量が少ない振り分けパターンは、振り分け手段の状態の切り替えが1回実行される可変量で構成されている。
これにより、一旦第1振り分け状態で遊技球を第1入球領域へと入球させることができれば、連続して第1振り分け状態が設定され易くなる。即ち、連続して第2遊技状態が設定され易くなる。よって、第2遊技状態となることによるメリットをより大きくすることができるので、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができるという効果がある。
遊技機C6において前記振り分けパターン決定手段は、前記第2遊技状態に比較して、前記第1遊技状態で前記特典遊技が実行された場合に、可変量が多い前記振り分けパターンを決定し易くなるものであることを特徴とする遊技機C7。
遊技機C7によれば、遊技機C6の奏する効果に加え、第2遊技状態に比較して、第1遊技状態で特典遊技が実行された場合に、可変量が多い振り分けパターンが振り分けパターン決定手段によって決定され易くなるので、第1遊技状態において、第2振り分け状態が連続する区間を少ない特典遊技の実行回数で抜け易くなる。よって、遊技者に不利な第1遊技状態が長く続いてしまうことを抑制できるので、遊技者の遊技に対するモチベーションが低下してしまうことを抑制できるという効果がある。
遊技機C7において前記状態設定手段は、振り分けパターン決定手段により決定された前記振り分けパターンの可変量が多いほど、前記第1状態を設定し易くなるものであることを特徴とする遊技機C8。
遊技機C8によれば、遊技機C7の奏する効果に加え、振り分けパターン決定手段により決定された振り分けパターンの可変量が多いほど、状態設定手段によって第1状態が設定され易くなるので、第1遊技状態において可変量の多い振り分けパターンが設定されると、第2振り分け状態となり易くなる一方で、第2遊技状態になっても、第2遊技状態の連続回数が少なくなる。よって、遊技者にとって過剰に有利となることを抑制することができるという効果がある。
遊技機A1からA8,B1からB8、およびC1からC8のいずれかにおいて、前記遊技機はスロットマシンであることを特徴とする遊技機Z1。中でも、スロットマシンの基本構成としては、「複数の識別情報からなる識別情報列を動的表示した後に識別情報を確定表示する可変表示手段を備え、始動用操作手段(例えば操作レバー)の操作に起因して識別情報の動的表示が開始され、停止用操作手段(ストップボタン)の操作に起因して、或いは、所定時間経過することにより、識別情報の動的表示が停止され、その停止時の確定識別情報が特定識別情報であることを必要条件として、遊技者に有利な特別遊技状態を発生させる特別遊技状態発生手段とを備えた遊技機」となる。この場合、遊技媒体はコイン、メダル等が代表例として挙げられる。
遊技機A1からA8,B1からB8、およびC1からC8のいずれかにおいて、前記遊技機はパチンコ遊技機であることを特徴とする遊技機Z2。中でも、パチンコ遊技機の基本構成としては操作ハンドルを備え、その操作ハンドルの操作に応じて球を所定の遊技領域へ発射し、球が遊技領域内の所定の位置に配設された作動口に入賞(又は作動口を通過)することを必要条件として、表示手段において動的表示されている識別情報が所定時間後に確定停止されるものが挙げられる。また、特別遊技状態の発生時には、遊技領域内の所定の位置に配設された可変入賞装置(特定入賞口)が所定の態様で開放されて球を入賞可能とし、その入賞個数に応じた有価価値(景品球のみならず、磁気カードへ書き込まれるデータ等も含む)が付与されるものが挙げられる。
遊技機遊技機A1からA8,B1からB8、およびC1からC8のいずれかにおいて、前記遊技機はパチンコ遊技機とスロットマシンとを融合させたものであることを特徴とする遊技機Z3。中でも、融合させた遊技機の基本構成としては、「複数の識別情報からなる識別情報列を動的表示した後に識別情報を確定表示する可変表示手段を備え、始動用操作手段(例えば操作レバー)の操作に起因して識別情報の変動が開始され、停止用操作手段(例えばストップボタン)の操作に起因して、或いは、所定時間経過することにより、識別情報の動的表示が停止され、その停止時の確定識別情報が特定識別情報であることを必要条件として、遊技者に有利な特別遊技状態を発生させる特別遊技状態発生手段とを備え、遊技媒体として球を使用すると共に、前記識別情報の動的表示の開始に際しては所定数の球を必要とし、特別遊技状態の発生に際しては多くの球が払い出されるように構成されている遊技機」となる。
10 パチンコ機(遊技機)
650 第2可変入賞装置(可変入球手段)
661 振分回転体(振り分け手段)
661a,661b 通常振分部(第2入球領域の一部)
661c,661d 確変振分部(第1入球領域の一部)
671 確変入球口(第1入球領域の一部)
672,673 通常入球口(第2入球領域の一部)
S219 特典遊技実行手段
S305 判別手段
S1105 振り分けパターン決定手段
S1106 振り分け制御手段
S1202 状態決定手段の一部
S1203 状態設定手段の一部

Claims (4)

  1. 判別条件の成立に基づいて所定の判別を実行する判別手段と、
    その判別手段により特定の判別結果となったことに基づいて、遊技者に有利な特典遊技を実行する特典遊技実行手段と、
    その特典遊技実行手段により実行される前記特典遊技として、予め定めた複数の種別から1の前記特典遊技の種別を選択可能な種別選択手段と、
    前記判別手段により前記特定の判別結果となったことに基づいて、遊技者にとっての有利度合いが異なる複数の状態から1の状態を設定する状態設定手段と、
    前記種別選択手段によって選択された前記特典遊技の種別と、前記特典遊技が実行される前の前記状態とに少なくとも基づいて、前記状態設定手段によって設定される前記状態を決定する状態決定手段とを備えることを特徴とする遊技機。
  2. 前記状態決定手段は、前記判別手段による判別結果が前記特定の判別結果になり難い第1状態と、その第1状態に比較して前記特定の判別結果となり易い第2状態とを少なくとも決定可能なものであることを特徴とする請求項1記載の遊技機。
  3. 前記状態決定手段は、前記第1状態に比較して、前記第2状態で前記特典遊技が実行された場合に、その特典遊技が終了した後の前記状態として前記第2状態を決定し易いものであることを特徴とする請求項2記載の遊技機。
  4. 前記特典遊技の実行中に遊技球が入球可能となる可変入球手段と、
    その可変入球手段の内部に配置され、その可変入球手段へと入球した遊技球が入球可能な第1入球領域と、その第1入球領域とは異なる第2入球領域と、
    前記可変入球手段へと入球した遊技球を前記第1入球領域へ振り分ける第1振り分け状態と、前記第2入球領域へ振り分ける第2振り分け状態とに可変可能な振り分け手段と、
    その振り分け手段の振り分けパターンとして、予め定めた複数の振り分けパターンの中から1の振り分けパターンを決定する振り分けパターン決定手段と、
    その振り分けパターン決定手段によって決定された前記振り分けパターンで前記振り分け手段が可変するように制御する振り分け制御手段とを備え、
    前記振り分けパターン設定手段は、前記第1状態に比較して、前記第2状態で前記特典遊技が実行された場合に、前記第1入球領域へと遊技球が入球し易い振り分けパターンを設定し易くなるものであり、
    前記状態決定手段は、前記第1入球領域に遊技球が入球したことに基づいて、前記第2状態を設定するものであることを特徴とする請求項2又は3に記載の遊技機。
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