JP2016086926A - 遊技機 - Google Patents

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Abstract

【課題】好適な表示内容に設定することができる遊技機を提供すること。
【解決手段】特定条件の成立に基づいて特定演出が実行される。動的表示手段による動的表示の終了後に表示される識別情報が、停止表示手段により第1の態様で停止表示される。そして、停止表示手段による識別情報の第1の態様での停止表示中に特定演出表示手段により特定演出が実行される場合、第1の態様で停止表示中の識別情報が、その第1態様より表示領域の小さい第2の態様で表示されるように、停止表示中の識別情報の表示態様が表示態様切替手段によって切り換えられる。
これにより、前回の動的表示の終了時に表示された識別情報を第2の態様で表示させておくことで遊技者が識別情報を確認可能としておきつつ、特定演出をより大きな表示領域で実行することができる。よって、好適な表示内容に設定することができるという効果がある。
【選択図】図58

Description

本発明は、パチンコ機に代表される遊技機に関するものである。
パチンコ機等の遊技機において、液晶表示装置等の表示装置が設けられた遊技機が知られている。この従来型の遊技機では、表示装置において図柄の変動表示が行われ、図柄が予め定められた組み合わせで停止表示されることで、遊技者に有利な大当たり遊技が付与される。また、表示装置には、図柄以外にもキャラクタや風景等の様々な画像が表示される。ここで、従来型の遊技機では、画像を表示させるための優先度が定められており、例えば、大当たりとなるか否かに直接関係する図柄が明確に視認できるように表示され、他の画像は図柄が表示されている表示領域以外の領域に表示される。
特開2003−325886号公報
しかしながら、従来の遊技機では、優先度の高い画像が表示されている場合には、他の画像を表示させる表示領域が小さくなってしまうため、他の画像が視認し難くなってしまう場合があった。即ち、遊技者に対して視認させるべき画像であるか否かに関わらず、画像が視認し難くなってしまい、好適な表示内容に設定することができない虞があった。
本発明は、上記例示した問題点を解決するためになされたものであり、好適な表示内容に設定することができる遊技機を提供することを目的とする。
この目的を達成するために請求項1記載の遊技機は、図柄を表示する表示手段と、所定条件の成立に基づいて前記表示手段に識別情報の動的表示を実行させる動的表示手段と、その動的表示手段による動的表示が予め定めた識別情報で終了する場合に遊技者に有利な特典遊技を付与する特典遊技付与手段とを備えており、特定条件の成立に基づいて前記表示手段において前記識別情報の動的表示とは異なる特定演出を実行する特定演出表示手段と、前記動的表示手段による動的表示の終了後に表示される識別情報を、第1の態様で停止表示する停止表示手段と、その停止表示手段による識別情報の前記第1の態様での停止表示中に前記特定演出表示手段により特定演出が実行される場合、前記第1の態様で停止表示中の識別情報が、その第1の態様より表示領域の小さい第2の態様で表示されるように、前記停止表示中の識別情報の表示態様を切り換える表示態様切換手段とを備えている。
請求項2記載の遊技機は、請求項1記載の遊技機において、前記停止表示手段により識別情報が停止表示されてから一定期間が経過するまで前記動的表示手段により新たな識別情報の動的表示が開始されなかった場合に、前記停止表示された識別情報に替えてその識別情報とは異なる所定画像を表示させる所定画像表示手段と、その所定画像表示手段による前記所定画像の表示中に前記特定演出表示手段により前記特定演出が実行される場合に、前記所定画像の表示態様を、前記第2の態様で表示された前記識別情報より表示領域の小さい表示態様に切り換える所定画像切換手段とを備えている。
請求項3記載の遊技機は、請求項2に記載の遊技機において、前記所定画像切換手段は、前記所定画像表示手段による前記所定画像の表示中に前記特定演出表示手段により前記特定演出が実行される場合に、前記所定画像が非表示となるように切り換えるものである。
請求項4記載の遊技機は、請求項1から3のいずれかに記載の遊技機において、計時情報を計時する計時手段と、その計時手段が計時する計時情報に基づいて前記特定演出の実行期間であるか否かを判別する期間判別手段とを備え、前記特定演出表示手段は、前記期間判別手段により前記特定演出の実行期間であると判別された場合に前記特定演出を実行するものである。
請求項1記載の遊技機によれば、特定条件の成立に基づいて、特定演出表示手段により表示手段に識別情報の動的表示とは異なる特定演出が実行される。動的表示手段による動的表示の終了後に表示される識別情報が、停止表示手段により第1の態様で停止表示される。そして、停止表示手段による識別情報の第1の態様での停止表示中に特定演出表示手段により特定演出が実行される場合、第1の態様で停止表示中の識別情報が、その第1態様より表示領域の小さい第2の態様で表示されるように、停止表示中の識別情報の表示態様が表示態様切替手段によって切り換えられる。
これにより、前回の動的表示の終了時に表示された識別情報を第2の態様で表示させておくことで遊技者が識別情報を確認可能としておきつつ、特定演出をより大きな表示領域で実行することができる。つまり、動的表示手段により識別情報の動的表示が実行されている場合や、その動的表示の終了時に比較して、遊技者が確認する頻度の低い停止表示状態の識別情報の表示領域を削減し、特定演出をより明確に表示させることができる。よって、好適な表示内容に設定することができるという効果がある。
請求項2記載の遊技機によれば、請求項1記載の遊技機の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、停止表示手段により識別情報が停止表示されてから一定期間が経過するまで動的表示手段により新たな識別情報の動的表示が開始されなかった場合に、停止表示された識別情報に替えてその識別情報とは異なる所定画像が所定画像表示手段により表示される。また、所定画像表示手段による所定画像の表示中に特定演出表示手段により特定演出が実行される場合に、所定画像の表示態様が所定画像切換手段により、第2の態様で表示された識別情報より表示領域の小さい表示態様に設定される。
これにより、識別情報が停止表示されている場合には、その停止表示された識別情報を遊技者に視認させつつ特定演出を明確に表示させることができる。一方で、所定画像が表示され、識別情報が停止表示されていない場合は、所定画像の表示領域が第2の態様で表示された識別情報よりも小さい態様に設定されるので、より特定演出を視認しやすくすることができる。即ち、表示されている表示画像の種別に応じて、表示画像と特定演出との視認しやすさを変更し、遊技者に対して視認させるべき画像を適切に表示させることができるという効果がある。
請求項3記載の遊技機によれば、請求項2に記載の遊技機の奏する効果に加え、所定画像表示手段による所定画像の表示中に特定演出表示手段により特定演出が実行される場合に、所定画像切換手段により所定画像が非表示となるように切り換えられるので、識別情報が停止表示されている場合には、その停止表示された識別情報を遊技者に視認させつつ特定演出を明確に表示させることができる。一方で、所定画像が表示され、識別情報が停止表示されていない場合は、所定画像が非表示となるので、より特定演出を視認しやすくすることができる。即ち、表示されている表示画像の種別に応じて、表示画像と特定演出との視認しやすさを変更し、遊技者に対して視認させるべき画像を適切に表示させることができるという効果がある。
請求項4記載の遊技機によれば、請求項1から3のいずれかに記載の遊技機の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、計時手段により計時情報が計時され、その計時手段が計時する計時情報に基づいて、特定演出の実行期間であるか否かが期間判別手段によって判別される。そして、期間判別手段により特定演出の実行期間であると判別された場合に、特定演出表示手段により特定演出が実行される。
これにより、遊技者に対して特定演出の実行期間を計時情報に基づいて認識させることができるので、特定演出の実行期間を狙って遊技を開始させることができる。よって、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができるという効果がある。
第1実施形態におけるパチンコ機の正面図である。 パチンコ機の遊技盤の正面図である。 パチンコ機の背面図である。 (a)は、表示画面の領域区分設定と有効ライン設定とを模式的に示した図あり、(b)は、実際の表示画面を例示した図である。 (a)は、第3図柄の変動表示中に時間演出が開始される5秒前となった場合の、実際の表示画面を例示した図であり、(b)は、第3図柄の変動表示中に時間演出の開始タイミングとなった場合の、実際の表示画面を例示した図である。 (a)は、第3図柄の確定表示中に時間演出が開始される5秒前となった場合の、実際の表示画面を例示した図であり、(b)は、第3図柄の確定表示中に時間演出の開始タイミングとなった場合の、実際の表示画面を例示した図である。 デモ演出中に時間演出が開始される5秒前にとなった場合の、実際の表示画面を例示した図である。 (a),(b)は、時間演出中における演出の一例を示す模式図である。 (a),(b)は、時間演出中における演出の一例を示す模式図である。 パチンコ機の電気的構成を示すブロック図である。 (a)は、主制御装置内のROMの電気的構成を示すブロック図であり、(b)は、第1当たり種別カウンタC2と特別図柄における大当たり種別との対応関係を模式的に示した模式図であり、(c)は、第2当たり乱数カウンタC4と普通図柄における当たりとの対応関係を模式的に示した模式図である。 各種カウンタの概要を示す図である。 変動パターンテーブルの内容を模式的に示した模式図である。 時間演出テーブルの内容を模式的に示した模式図である。 RTCの電気的構成を示すブロック図である。 表示制御装置の電気的構成を示すブロック図である。 データテーブル格納エリアの内容を模式的に示した模式図である。 (a)は、背面Aを説明する説明図であり、(b)は、背面Bを説明する説明図である。 (a)〜(c)は、背面Cを説明する説明図である。 表示データテーブルの一例を模式的に示した模式図である。 転送データテーブルの一例を模式的に示した模式図である。 描画リストの一例を模式的に示した模式図である。 主制御装置内のMPUにより実行されるタイマ割込処理を示すフローチャートである。 主制御装置内のMPUにより実行される特別図柄変動処理を示すフローチャートである。 主制御装置内のMPUにより実行される特別図柄変動開始処理を示したフローチャートである。 主制御装置内のMPUにより実行される始動入賞処理を示すフローチャートである。 主制御装置内のMPUにより実行される普通図柄変動処理を示すフローチャートである。 主制御装置内のMPUにより実行されるスルーゲート通過処理を示すフローチャートである。 主制御装置内のMPUにより実行されるNMI割込処理を示すフローチャートである。 主制御装置内のMPUにより実行される立ち上げ処理を示すフローチャートである。 主制御装置内のMPUにより実行されるメイン処理を示すフローチャートである。 主制御装置内のMPUにより実行される大当たり制御処理を示すフローチャートである。 音声ランプ制御装置内のMPUにより実行される立ち上げ処理を示したフローチャートである。 音声ランプ制御装置内のMPUにより実行される時間設定処理を示したフローチャートである。 音声ランプ制御装置内のMPUにより実行されるメイン処理を示したフローチャートである。 音声ランプ制御装置内のMPUにより実行される経過時間確認処理を示したフローチャートである。 音声ランプ制御装置内のMPUにより実行されるコマンド判定処理を示したフローチャートである。 音声ランプ制御処置内のMPUにより実行される変動パターン選択処理を示したフローチャートである。 音声ランプ制御装置内のMPUにより実行される変動表示設定処理を示したフローチャートである。 表示制御装置内のMPUにより実行されるメイン処理を示したフローチャートである。 表示制御装置内のMPUにより実行されるブート処理を示すフローチャートである。 (a)は、表示制御装置内のMPUにより実行されるコマンド割込処理を示したフローチャートであり、(b)は、表示制御装置内のMPUにより実行されるV割込処理を示したフローチャートである。 表示制御装置内のMPUにより実行されるコマンド判定処理を示したフローチャートである。 (a)は、表示制御装置内のMPUにより実行される変動パターンコマンド処理を示したフローチャートであり、(b)は、表示制御装置内のMPUにより実行される停止種別コマンド処理を示したフローチャートである。 (a)は、表示制御装置内のMPUにより実行されるオープニングコマンド処理を示したフローチャートであり、(b)は、表示制御装置内のMPUにより実行されるラウンド数コマンド処理を示したフローチャートである。 表示制御装置内のMPUにより実行されるエンディングコマンド処理を示したフローチャートである。 表示制御装置内のMPUにより実行される背面画像変更コマンド処理を示したフローチャートである。 表示制御装置内のMPUにより実行されるエラーコマンド処理を示したフローチャートである。 表示制御装置内のMPUにより実行される表示設定処理を示したフローチャートである。 表示制御装置内のMPUにより実行される警告画像設定処理を示したフローチャートである。 表示制御装置内のMPUにより実行されるポインタ更新処理を示したフローチャートである。 表示制御装置内のMPUにより実行される確定表示設定処理を示したフローチャートである。 表示制御装置内のMPUにより実行されるデモ表示設定処理を示したフローチャートである。 (a)は、表示制御装置内のMPUにより実行される転送設定処理を示したフローチャートであり、(b)は、表示制御装置内のMPUにより実行される常駐画像転送設定処理を示したフローチャートである。 表示制御装置内のMPUにより実行される通常画像転送設定処理を示したフローチャートである。 表示制御装置内のMPUにより実行される描画処理を示したフローチャートである。 (a)は、第2実施形態において第3図柄の確定表示中に時間演出が開始される5秒前となった場合の、実際の表示画面を例示した図であり、(b)は、第2実施形態において第3図柄の確定表示中に時間演出の開始タイミングとなった場合の、実際の表示画面を例示した図である。 第2実施形態における表示制御装置内のMPUにより実行される背面画像変更コマンド処理2を示したフローチャートである。 第3実施形態におけるデータテーブル格納エリアの内容を模式的に示した模式図である。 第3実施形態における主制御装置内のMPUにより実行される特別図柄変動処理2を示すフローチャートである。 第3実施形態における音声ランプ制御装置内のMPUにより実行されるコマンド判定処理を示したフローチャートである。 第3実施形態における音声ランプ制御装置内のMPUにより実行される停止表示選択処理を示したフローチャートである。 第3実施形態における表示制御装置内のMPUにより実行されるコマンド判定処理を示したフローチャートである。 第3実施形態における表示制御装置内のMPUにより実行される背景画像変更コマンド処理3を示したフローチャートである。 第3実施形態における表示制御装置内のMPUにより実行される確定表示設定処理2を示したフローチャートである。
<第1実施形態>
以下、本発明の第1実施形態について、添付図面を参照して説明する。図1は、第1の実施形態におけるパチンコ機10の正面図であり、図2はパチンコ機10の遊技盤13の正面図であり、図3はパチンコ機10の背面図である。
パチンコ機10は、図1に示すように、略矩形状に組み合わせた木枠により外殻が形成される外枠11と、その外枠11と略同一の外形形状に形成され外枠11に対して開閉可能に支持された内枠12とを備えている。外枠11には、内枠12を支持するために正面視(図1参照)左側の上下2カ所に金属製のヒンジ18が取り付けられ、そのヒンジ18が設けられた側を開閉の軸として内枠12が正面手前側へ開閉可能に支持されている。
内枠12には、多数の釘や入賞口63,64等を有する遊技盤13(図2参照)が裏面側から着脱可能に装着される。この遊技盤13の前面を球が流下することにより弾球遊技が行われる。なお、内枠12には、球を遊技盤13の前面領域に発射する球発射ユニット112a(図10参照)やその球発射ユニット112aから発射された球を遊技盤13の前面領域まで誘導する発射レール(図示せず)等が取り付けられている。
内枠12の前面側には、その前面上側を覆う前面枠14と、その下側を覆う下皿ユニット15とが設けられている。前面枠14及び下皿ユニット15を支持するために正面視(図1参照)左側の上下2カ所に金属製のヒンジ19が取り付けられ、そのヒンジ19が設けられた側を開閉の軸として前面枠14及び下皿ユニット15が正面手前側へ開閉可能に支持されている。なお、内枠12の施錠と前面枠14の施錠とは、シリンダ錠20の鍵穴21に専用の鍵を差し込んで所定の操作を行うことでそれぞれ解除される。
前面枠14は、装飾用の樹脂部品や電気部品等を組み付けたものであり、その略中央部には略楕円形状に開口形成された窓部14cが設けられている。前面枠14の裏面側には2枚の板ガラスを有するガラスユニット16が配設され、そのガラスユニット16を介して遊技盤13の前面がパチンコ機10の正面側に視認可能となっている。
前面枠14には、球を貯留する上皿17が前方へ張り出して上面を開放した略箱状に形成されており、この上皿17に賞球や貸出球などが排出される。上皿17の底面は正面視(図1参照)右側に下降傾斜して形成され、その傾斜により上皿17に投入された球が球発射ユニット112aへと案内される。また、上皿17の上面には、枠ボタン228が設けられている。この枠ボタン228は、例えば、後述する第3図柄表示装置81(図2参照)で表示される演出のステージを変更したり、スーパーリーチの演出内容を変更したりする場合などに、遊技者により操作される。
ステージとは、第3図柄表示装置81に表示される各種演出に統一性を持たせた演出モードのことで、本パチンコ機10では「街中ステージ」,「空ステージ」,「島ステージ」の3つのステージが設けられている。そして、後述する第1入球口64への入球(始動入賞)に伴って行われる変動演出やリーチ演出などの各種演出は、それぞれのステージに与えられたテーマに合わせて行われるように設計されている。ステージの変更は、変動演出が行われていない期間や高速変動中に遊技者によって枠ボタン228が操作された場合に行われ、枠ボタン228が操作される度に「街中ステージ」→「空ステージ」→「島ステージ」→「街中ステージ」→・・・の順で繰り返し変更される。また、電源投入後の直後は、初期ステージとして「街中ステージ」が設定される。
一方、第3図柄表示装置81には、ノーマルリーチ演出が開始された場合に、ノーマルリーチからスーパーリーチに発展させるときは、ノーマルリーチ中にスーパーリーチの演出態様の選択画面が表示されるように構成されており、その選択画面が表示されている間に、枠ボタン228が遊技者に操作されると、スーパーリーチ時の演出内容が変更される。
前面枠14には、その周囲(例えばコーナー部分)に各種ランプ等の発光手段が設けられている。これら発光手段は、大当たり時や所定のリーチ時等における遊技状態の変化に応じて、点灯又は点滅することにより発光態様が変更制御され、遊技中の演出効果を高める役割を果たす。窓部14cの周縁には、LED等の発光手段を内蔵した電飾部29〜33が設けられている。パチンコ機10においては、これら電飾部29〜33が大当たりランプ等の演出ランプとして機能し、大当たり時やリーチ演出時等には内蔵するLEDの点灯や点滅によって各電飾部29〜33が点灯または点滅して、大当たり中である旨、或いは大当たり一歩手前のリーチ中である旨が報知される。また、前面枠14の正面視(図1参照)左上部には、LED等の発光手段が内蔵され賞球の払い出し中とエラー発生時とを表示可能な表示ランプ34が設けられている。
また、右側の電飾部32下側には、前面枠14の裏面側を視認できるように裏面側より透明樹脂を取り付けて小窓35が形成され、遊技盤13前面の貼着スペースK1(図2参照)に貼付される証紙等はパチンコ機10の前面から視認可能とされている。また、パチンコ機10においては、より煌びやかさを醸し出すために、電飾部29〜33の周りの領域にクロムメッキを施したABS樹脂製のメッキ部材36が取り付けられている。
窓部14cの下方には、貸球操作部40が配設されている。貸球操作部40には、度数表示部41と、球貸しボタン42と、返却ボタン43とが設けられている。パチンコ機10の側方に配置されるカードユニット(球貸しユニット)(図示せず)に紙幣やカード等を投入した状態で貸球操作部40が操作されると、その操作に応じて球の貸出が行われる。具体的には、度数表示部41はカード等の残額情報が表示される領域であり、内蔵されたLEDが点灯して残額情報として残額が数字で表示される。球貸しボタン42は、カード等(記録媒体)に記録された情報に基づいて貸出球を得るために操作されるものであり、カード等に残額が存在する限りにおいて貸出球が上皿17に供給される。返却ボタン43は、カードユニットに挿入されたカード等の返却を求める際に操作される。なお、カードユニットを介さずに球貸し装置等から上皿17に球が直接貸し出されるパチンコ機、いわゆる現金機では貸球操作部40が不要となるが、この場合には、貸球操作部40の設置部分に飾りシール等を付加して部品構成は共通のものとしても良い。カードユニットを用いたパチンコ機と現金機との共通化を図ることができる。
上皿17の下側に位置する下皿ユニット15には、その中央部に上皿17に貯留しきれなかった球を貯留するための下皿50が上面を開放した略箱状に形成されている。下皿50の右側には、球を遊技盤13の前面へ打ち込むために遊技者によって操作される操作ハンドル51が配設され、かかる操作ハンドル51の内部には球発射ユニット112aの駆動を許可するためのタッチセンサ51aと、押下操作している期間中には球の発射を停止する押しボタン式の打ち止めスイッチ51bと、操作ハンドル51の回動操作量を電気抵抗の変化により検出する可変抵抗器(図示せず)とが内蔵されている。操作ハンドル51が遊技者によって右回りに回転操作されると、タッチセンサ51aがオンされると共に可変抵抗器の抵抗値が操作量に対応して変化し、操作ハンドル51の回動操作量に応じて変化する可変抵抗器の抵抗値に対応した強さで球が発射され、これにより遊技者の操作に対応した飛び量で遊技盤13の前面へ球が打ち込まれる。また、操作ハンドル51が遊技者により操作されていない状態においては、タッチセンサ51aおよび打ち止めスイッチ51bがオフとなっている。
下皿50の正面下方部には、下皿50に貯留された球を下方へ排出する際に操作するための球抜きレバー52が設けられている。この球抜きレバー52は、常時、右方向に付勢されており、その付勢に抗して左方向へスライドさせることにより、下皿50の底面に形成された底面口が開口して、その底面口から球が自然落下して排出される。かかる球抜きレバー52の操作は、通常、下皿50の下方に下皿50から排出された球を受け取る箱(一般に「千両箱」と称される)を置いた状態で行われる。下皿50の右方には、上述したように操作ハンドル51が配設され、下皿50の左方には灰皿53が取り付けられている。
図2に示すように、遊技盤13は、正面視略正方形状に切削加工した木製のベース板60に、球案内用の多数の釘や風車およびレール61,62、一般入賞口63、第1入球口64、可変入賞装置65、可変表示装置ユニット80等を組み付けて構成され、その周縁部が内枠12の裏面側に取り付けられる。一般入賞口63、第1入球口64、可変入賞装置65、可変表示装置ユニット80は、ルータ加工によってベース板60に形成された貫通穴に配設され、遊技盤13の前面側から木ネジ等により固定されている。また、遊技盤13の前面中央部分は、前面枠14の窓部14c(図1参照)を通じて内枠12の前面側から視認することができる。以下に、主に図2を参照して、遊技盤13の構成について説明する。
遊技盤13の前面には、帯状の金属板を略円弧状に屈曲加工して形成した外レール62が植立され、その外レール62の内側位置には外レール62と同様に帯状の金属板で形成した円弧状の内レール61が植立される。この内レール61と外レール62とにより遊技盤13の前面外周が囲まれ、遊技盤13とガラスユニット16(図1参照)とにより前後が囲まれることにより、遊技盤13の前面には、球の挙動により遊技が行われる遊技領域が形成される。遊技領域は、遊技盤13の前面であって2本のレール61,62と円弧部材70とにより区画して形成される略円形状の領域(入賞口等が配設され、発射された球が流下する領域)である。
2本のレール61,62は、球発射ユニット112a(図10参照)から発射された球を遊技盤13上部へ案内するために設けられたものである。内レール61の先端部分(図2の左上部)には戻り球防止部材68が取り付けられ、一旦、遊技盤13の上部へ案内された球が再度球案内通路内に戻ってしまうといった事態が防止される。外レール62の先端部(図2の右上部)には、球の最大飛翔部分に対応する位置に返しゴム69が取り付けられ、所定以上の勢いで発射された球は、返しゴム69に当たって、勢いが減衰されつつ中央部側へ跳ね返される。また、内レール61の右下側の先端部と外レール62の右上側の先端部との間には、レール間を繋ぐ円弧を内面側に設けて形成された樹脂製の円弧部材70がベース板60に打ち込んで固定されている。
本パチンコ機10では、球が第1入球口64へ入球した場合に特別図柄(第1図柄)の抽選が行われ、球が第2入球口67を通過した場合に普通図柄(第2図柄)の抽選が行われる。第1入球口64への入球に対して行われる特別図柄の抽選では、特別図柄の大当たりか否かの当否判定が行われると共に、特別図柄の大当たりと判定された場合にはその大当たり種別の判定も行われる。特別図柄の大当たりになると、パチンコ機10が特別遊技状態へ移行すると共に、通常時には閉鎖されている特定入賞口65aが所定時間(例えば、30秒経過するまで、或いは、球が10個入賞するまで)開放され、その開放が5回(5ラウンド)繰り返される。その結果、その特定入賞口65aに多量の球が入賞するので、通常時より多量の賞球の払い出しが行われる。特別図柄の大当たり種別としては、「大当たりA」、「大当たりB」の2種類が設けられており、特別遊技状態の終了後には大当たり終了後の付加価値として、これらの大当たり種別に応じた遊技上の価値(遊技価値)が遊技者に付与される。
また、特別図柄(第1図柄)の抽選が行われると、第1図柄表示装置37において特別図柄の変動表示が開始されて、所定時間(例えば、8秒〜30秒など)が経過した後に、抽選結果を示す特別図柄が停止表示される。第1図柄表示装置37において変動表示が行われている間に球が第1入球口64へ入球すると、その入球回数は最大4回まで保留され、その保留球数が第1図柄表示装置37により示されると共に、第3図柄表示装置81においても示される。第1図柄表示装置37において変動表示が終了した場合に、第1入球口64についての保留球数が残っていれば、次の特別図柄の抽選が行われると共に、その抽選に応じた変動表示が開始される。なお、パチンコ機10が特別遊技状態へ移行すると開閉される特定入賞口65aは、第1入球口64の直ぐ下に設けられている。よって、特別遊技状態中は、遊技者が特定入賞口65aに入賞させようとして球を打つので、第1入球口64にも球が多く入球する。従って、殆どの場合、パチンコ機10が特別遊技状態に移行している間に、第1入球口64についての保留球数は最大(4回)になる。
一方、第2入球口67における球の通過に対して行われる普通図柄の抽選では、普通図柄の当たりか否かの当否判定が行われる。普通図柄の当たりになると、所定時間(例えば、0.2秒または1秒)だけ第1入球口64に付随する電動役物が開放され、第1入球口64へ球が入球し易い状態になる。つまり、普通図柄の当たりになると、球が第1入球口64へ入球し易くなり、その結果、特別図柄の抽選が行われ易くなる。
また、普通図柄(第2図柄)の抽選が行われると、第2図柄表示装置83において普通図柄の変動表示が開始されて、所定時間(例えば、3秒や30秒など)が経過した後に、抽選結果を示す普通図柄が停止表示される。第2図柄表示装置83において変動表示が行われている間に球が第2入球口67を通過すると、その通過回数は最大4回まで保留され、その保留球数が第1図柄表示装置37により表示されると共に、第2図柄保留ランプ84においても示される。第2図柄表示装置83において変動表示が終了した場合に、第2入球口67についての保留球数が残っていれば、次の普通図柄の抽選が行われると共に、その抽選に応じた変動表示が開始される。
上述したように、特別図柄の大当たり種別としては、「大当たりA」、「大当たりB」の2種類が設けられている。
「大当たりA」、及び「大当たりB」になると、いずれもラウンド数が16ラウンドの特別遊技状態(16R大当たり)となる。更に、「大当たりA」においては、大当たり終了後の付加価値として、その大当たり終了後にパチンコ機10が特別図柄の高確率状態(特別図柄の確変中)へ移行すると共に、普通図柄の当たり確率がアップする。この特別図柄の高確率状態、および普通図柄の当たり確率がアップした状態は、少なくとも次に特別図柄の大当たりとなるまで継続する。一方、「大当たりB」になった場合は、大当たり終了後の付加価値として、大当たり終了後から特別図柄の抽選が100回終了するまでの間、普通図柄の当たり確率がアップする。
ここで、「特別図柄の高確率状態」とは、特別図柄の大当たり確率がアップした状態、いわゆる特別図柄の確率状態(特別図柄の確変中)をいい、換言すれば、特別遊技状態(16R大当たり)へ移行し易い遊技の状態のことである。対して、「特別図柄の高確率状態」でない場合を「特別図柄の低確率状態」といい、これは特別図柄の確変状態よりも大当たり確率が低い状態、即ち、特別図柄の大当たり確率が通常の状態(特別図柄の通常状態)のことを示す。また、「普通図柄の時短状態」(普通図柄の時短中)とは、普通図柄の当たり確率がアップして、第1入球口64へ球が入球し易い遊技の状態のことをいう。対して、「普通図柄の時短状態」でない時を「普通図柄の通常状態」といい、これは普通図柄の当たり確率が通常の状態、即ち、時短中よりも当たり確率が低い状態のことを示す。
以後、特別図柄の大当たり終了後からパチンコ機10が特別図柄の高確率状態になっている期間、即ち、「大当たりA」が終了してから、次に特別図柄の大当たりとなるまでの間のことを、特別図柄の確変期間と称す。また、特別図柄の大当たり終了後からパチンコ機10が普通図柄の時短状態になっている期間のことを、普通図柄の時短期間と称す。
上述したように、本実施形態における特別図柄の大当たりでは、大当たりの種別に関わらず大当たり時のラウンド数を共通とし、大当たりの種別に応じて「特別図柄の高確率状態」となるか否かを異ならせている。これに対して、大当たりの種別に応じてラウンド数を変えても良いし、大当たりの種別の一部のみラウンド数を変えても良い。また、例えば、大当たりの種別に応じて「普通図柄の時短状態」となる期間を変えてもよい。また、「普通図柄の時短状態」となる期間を変える代わりに、第1入球口64に付随する電動役物(図示せず)を開放する時間や、1回の普通図柄の当たりで電動役物を開放する回数を変更するものとしても良い。また、本実施形態では、「大当たりA」が終了してから、次に特別図柄の大当たりとなるまで「特別図柄の高確率状態」となるが、大当たりが終了してから特別図柄の抽選が例えば100回終了するまでの間だけ「特別図柄の高確率状態」となるように構成してもよい。なお、100回はあくまで例示であり、特別図柄の抽選回数は任意に定めてよい。
また、本実施形態では、大当たり種別が「大当たりB」になると、その「大当たりB」終了後から特別図柄の抽選が100回終了するまで普通図柄の時短状態が継続されるが、時短状態の継続期間は任意に定めればよい。例えば、大当たり種別が「大当たりB」になると、その「大当たりB」終了後から特別図柄の抽選が50回終了するまで普通図柄の時短状態が継続されるように構成してもよい。
本パチンコ機10では、電源などの投入等により初期設定が行われると、必ず「特別図柄の低確率状態」に設定される。その後、「大当たりB」になり、「普通図柄の通常状態」から「普通図柄の時短状態」へ移行すると、その状態は、その特別図柄の大当たり終了後から特別図柄の抽選が100回終了するまで継続される。一方、特別図柄の大当たりになった後、100回分の特別図柄の抽選が終了するまでに、新たな特別図柄の大当たりにならないと、「普通図柄の通常状態」に戻る。
そして、「普通図柄の時短状態」が継続されている間に、新たに「大当たりB」になると、「普通図柄の時短状態」はさらに、その新たな「大当たりB」の終了後から、100回分の特別図柄の抽選が終了するまで継続される。例えば、「大当たりB」になって「普通図柄の時短状態」に移行した後、10回目の特別図柄の抽選で「大当たりB」になると、「普通図柄の時短状態」はさらに、その「大当たりB」終了後から特別図柄の抽選が100回行われるまで継続される。
遊技領域の正面視右側上部(図2の右側上部)には、発光手段である複数の発光ダイオード(以下、「LED」と略す。)37aと7セグメント表示器37bとが設けられた第1図柄表示装置37が配設されている。第1図柄表示装置37は、後述する主制御装置110で行われる各制御に応じた表示がなされるものであり、主にパチンコ機10の遊技状態の表示が行われる。複数のLED37aは、第1入球口64への入球(始動入賞)に伴って行われる特別図柄の抽選が実行中であるか否かを点灯状態により示すことによって変動表示を行ったり、変動終了後の停止図柄として、その特別図柄の抽選結果に応じた特別図柄(第1図柄)を点灯状態により示したり、第1入球口64に入球された球のうち変動が未実行である球(保留球)の数である保留球数を点灯状態により示すものである。
この第1図柄表示装置37において特別図柄(第1図柄)の変動表示が行われている間に球が第1入球口64へ入球した場合、その入球回数は最大4回まで保留され、その保留球数は第1図柄表示装置37により示されると共に、第3図柄表示装置81においても示される。なお、本実施形態においては、第1入球口64への入球は、最大4回まで保留されるように構成したが、最大保留回数は4回に限定されるものでなく、3回以下、又は、5回以上の回数(例えば、8回)に設定しても良い。
7セグメント表示器37bは、大当たり中のラウンド数やエラー表示を行うものである。なお、LED37aは、それぞれのLEDの発光色(例えば、赤、緑、青)が異なるよう構成され、その発光色の組み合わせにより、少ないLEDでパチンコ機10の各種遊技状態(特別図柄の高確率状態や、普通図柄の時短中など)を表示することができる。また、LED37aには、変動終了後の停止図柄として特別図柄の抽選結果が大当たりであるか否かが示されるだけでなく、大当たりである場合はその大当たり種別(大当たりA、大当たりB)に応じた特別図柄(第1図柄)が示される。
また、遊技領域には、球が入賞することにより5個から15個の球が賞球として払い出される複数の一般入賞口63が配設されている。また、遊技領域の中央部分には、可変表示装置ユニット80が配設されている。可変表示装置ユニット80には、液晶ディスプレイ(以下単に「表示装置」と略す。)で構成された第3図柄表示装置81と、LEDで構成された第2図柄表示装置83とが設けられている。この可変表示装置ユニット80には、第3図柄表示装置81の外周を囲むようにして、センターフレーム86が配設されている。
第3図柄表示装置81は、第1図柄表示装置37の表示に応じた装飾的な表示を行うものである。例えば、第1入球口64へ球が入球(始動入賞)すると、それをトリガとして、第1図柄表示装置37において特別図柄(第1図柄)の変動表示が実行される。更に、第3図柄表示装置81では、その特別図柄の変動表示に同期して、その特別図柄の変動表示に対応する第3図柄の変動表示が行われる。
第3図柄表示装置81は、8インチサイズの大型の液晶ディスプレイで構成されるものであり、後述する表示制御装置114によって表示内容が制御されることにより、例えば左、中及び右の3つの図柄列が表示される。各図柄列は複数の図柄によって構成され、これらの図柄が図柄列毎に縦スクロールして第3図柄表示装置81の表示画面上にて第3図柄が可変表示されるようになっている。本実施形態では、主制御装置110の制御に伴った遊技状態の表示が第1図柄表示装置37で行われるのに対して、第3図柄表示装置81はその第1図柄表示装置37の表示に応じた装飾的な表示が行われる。なお、表示装置に代えて、例えば、リール等を用いて第3図柄表示装置81を構成するようにしても良い。
ここで、図4〜図9を参照して、第3図柄表示装置81の表示内容について説明する。図4は、第3図柄表示装置81の表示画面を説明するための図面であり、図4(a)は、表示画面の領域区分設定と有効ライン設定とを模式的に示した図であり、図4(b)は、実際の表示画面を例示した図である。
第3図柄は、「0」から「9」の数字を付した10種類の主図柄により構成されている。各主図柄は、木箱よりなる後方図柄の上に「0」から「9」の数字を付して構成され、そのうち奇数番号(1,3,5,7,9)を付した主図柄は、木箱の前面ほぼ一杯に大きな数字が付加されている。これに対し、偶数番号(0,2,4,6,8)を付した主図柄は、木箱の前面ほぼ一杯にかんな、風呂敷、ヘルメット等のキャラクタを模した付属図柄が付加されており、付属図柄の右下側に偶数の数字が緑色で小さく、且つ、付属図柄の前側に表示されるように付加されている。
また、本実施形態のパチンコ機10においては、後述する主制御装置110(図10参照)により行われる特別図柄の抽選結果が大当たりであった場合に、同一の主図柄が揃う変動表示が行われ、その変動表示が終わった後に大当たりが発生するよう構成されている。一方、特別図柄の抽選結果が外れであった場合は、同一の主図柄が揃わない変動表示が行われる。
例えば、特別図柄の抽選結果が「大当たりA」であれば、奇数番号である「1,3,5,7,9」が付加された主図柄が揃う変動表示が行われる。また、「大当たりB」であれば、偶数番号である「0,2,4,6,8」が付加された主図柄が揃う変動表示が行われる。一方、特別図柄の抽選結果が外れであれば、同一番号の主図柄が揃わない変動表示が行われる。
図4(a)に示すように、第3図柄表示装置81の表示画面は、大きくは上下に2分割され、下側の2/3が第3図柄を変動表示する主表示領域Dm、それ以外の上側の1/3が予告演出、キャラクタおよび保留球数などを表示する副表示領域Dsとなっている。
主表示領域Dmは、左・中・右の3つの表示領域Dm1〜Dm3に区分けされており、その3つの表示領域Dm1〜Dm3に、それぞれ3つの図柄列Z1,Z2,Z3が表示される。各図柄列Z1〜Z3には、上述した第3図柄が規定の順序で表示される。即ち、各図柄列Z1〜Z3には、数字の昇順または降順に主図柄が配列され、図柄列Z1〜Z3毎に周期性をもって上から下へとスクロールして変動表示が行われる。特に、左図柄列Z1においては主図柄の数字が降順に現れるように配列され、中図柄列Z2及び右図柄列Z3においては主図柄の数字が昇順に現れるように配列されている。
また、主表示領域Dmには、図柄列Z1〜Z3毎に上・中・下の3段に第3図柄が表示される。この主表示領域Dmの中段部が有効ラインL1として設定されており、毎回の遊技に際して、左図柄列Z1→右図柄列Z3→中図柄列Z2の順に、有効ラインL1上に第3図柄が停止表示される。この停止表示状態は最低1秒間保持される。このように、停止した第3図柄を一定期間(1秒以上)表示させておくことで、遊技者が大当たりに対応する第3図柄の組み合わせであるか否か(特別図柄の抽選結果が大当たりであるか否か)を見落としてしまうことを抑制することができる。また、第3図柄の停止時に有効ラインL1上に大当たり図柄の組合せ(本実施形態では、同一の主図柄の組合せ)が揃えば、大当たりとして大当たり動画(オープニング演出)が表示される。
また、停止表示された第3図柄の組み合わせが外れに対応する組み合わせであって、保留球が存在する場合は、1秒間の停止表示後に、保留球に基づく抽選に対応する変動表示が開始される。なお、複数の保留球が存在する場合は、時間的に最も古い入球に対応する保留球に基づいて抽選が実行される。
一方、保留球が存在しない状態で、特別図柄の外れに対応する組み合わせの第3図柄が1秒間停止表示された場合は、その後も第3図柄が停止表示された状態が継続する。この状態は、所定時間(例えば、15秒)が経過するか、または、第1入球口64に対して新たに球が入球するまで継続する。そして、第3図柄が停止表示されてから所定時間(例えば、15秒)が経過した場合は、遊技が実行されていないことを示すデモ演出(図7参照)が表示される。遊技者が球を所定時間(例えば、15秒)連続して発射させているにも関わらず、第1入球口64への入球が無いという状況は稀であり、第3図柄が停止表示された状態が所定時間(例えば、15秒)継続する場合の多くは、遊技者が遊技を辞めたことで、パチンコ機10による遊技が全く行われていないことに起因する。よって、本実施形態のパチンコ機10では、第3図柄が停止表示されてから所定時間(例えば、15秒)が経過した時点で、遊技者が遊技を行っていないと判断し、デモ演出を開始する。これにより、遊技を開始するためにパチンコ機10を選択しようとしている遊技者が、デモ演出の表示の有無に基づいて遊技が行われているか否かを容易に判断することができる。一方、所定時間(例えば、15秒)が経過する前に第1入球口64に対して新たに球が入球した場合は、その新たな入球に対応する第3図柄の変動表示が実行される。
副表示領域Dsは、主表示領域Dmよりも上方に横長に設けられており、さらに左右方向に3つの小領域Ds1〜Ds3に等区分されている。このうち、小領域Ds1は、第1入球口64に入球された球のうち変動が未実行である球(保留球)の数である保留球数を表示する領域であり、小領域Ds2およびDs3は、予告演出画像を表示する領域である。
実際の表示画面では、図4(b)に示すように、主表示領域Dmに第3図柄の主図柄が合計9個表示される。副表示領域Dsにおいては、右の小領域Ds3に動画が表示され、通常より大当たりへ遷移し易い状態であることが遊技者に示唆される。中央の小領域Ds2では、通常は、所定のキャラクタ710(本実施形態ではハチマキを付けた少年)が所定動作をし、時として所定動作とは別の特別な動作をしたり、別のキャラクタが現出する等して予告演出が行われる。
一方、第3図柄表示装置81(第1図柄表示装置37)にて変動表示が行われている間に球が第1入球口64へ入球した場合、その入球回数は最大4回まで保留され、その保留球数は第1図柄表示装置37により示されると共に、副表示領域Dsの小領域Ds1においても示される。小領域Ds1には、保留球数1球につき1つの保留球数図柄が表示され、その保留球数図柄の表示数に応じて、保留球数が表示される。即ち、小領域Ds1に1つの保留球数図柄が表示されている場合は、保留球数が1球であることを示し、4つの保留球数図柄が表示されている場合は、保留球数が4球であることを示す。また、小領域Ds1に保留球数図柄が表示されていない場合は、保留球数が0球である、即ち、保留球が存在しないことを示す。
なお、本実施形態においては、第1入球口64への入球は、最大4回まで保留されるように構成したが、最大保留球数は4回に限定されるものでなく、3回以下、又は、5回以上の回数(例えば、8回)に設定しても良い。また、小領域Ds1における保留球数図柄の表示に代えて、保留球数を第3図柄表示装置81の一部に数字で、或いは、4つに区画された領域を保留球数分だけ異なる態様(例えば、色や点灯パターン)にして表示するようにしても良い。また、第1図柄表示装置37により保留球数が示されるので、第3図柄表示装置81に保留球数を表示させないものとしてもよい。更に、可変表示装置ユニット80に、保留球数を示す保留ランプを最大保留数分の4つ設け、点灯状態の保留ランプの数に応じて、保留球数を表示するものとしてもよい。
次に、図5〜図9を参照して、本実施形態のパチンコ機10において実行される演出の1つである時間演出について説明する。この時間演出は、パチンコ機10に対して電源が投入されてからの経過時間に応じて実行される演出であり、通常時に実行される演出(図4(b)参照)とは異なる特別な態様の演出が実行される。この時間演出は、1時間毎に実行され、3分間継続する演出である。1時間のうちの3分間しか実行されないので、時間演出を実行することにより遊技者に対して目新しさを感じさせることができる。よって、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができる。
また、時間演出を決められた間隔(1時間毎)で実行するように構成しているので、遊技者に対して時間演出の実行期間を狙って遊技を行わせたり、時間演出の開始間近で遊技を辞めようとしていた遊技者に対して、次の時間演出が終了するまで遊技を継続し、時間演出を楽しみたいと思わせたりすることができる。よって、パチンコ機10の稼働率を向上させることができる。なお、詳細については後述するが、電源が投入されてからの経過時間は、音声ランプ制御装置113に対して電気的に接続されているRTC292(図10参照)の計時する時間情報に基づいて判別される。
図5は、保留球数が3つの状態、且つ、第3図柄の変動表示中に時間演出の開始タイミングとなる場合を示した図である。図5(a)は、時間演出が開始される5秒前における第3図柄表示装置81の表示内容を示した図である。図5(a)に示したように、時間演出が開始される5秒前になると、小領域Ds3において「ふれあいタイム5秒前」との文字が表示される。この「ふれあいタイム」とは、上記した時間演出を意味しており、遊技者が第3図柄表示装置81に表示される犬のキャラクタ740と実際にふれあっているかのような演出が実行されることから「ふれあいタイム」との名称が付けられている。この表示により、時間演出が開始される5秒前であることを遊技者に対して報知することができる。また、この小領域Ds3に表示される文字のうち、秒数の部分は経過時間に応じて内容が変更される。例えば、時間演出が開始される3秒前であれば、「ふれあいタイム3秒前」との文字が小領域Ds3に表示される。
小領域Ds1(図5(a)参照)には、3つの保留球数図柄が表示されている。この保留球数図柄に応じて、遊技者は現在の保留球数が3つであることを容易に認識することができる。更に、図5(a)に示す通り、主表示領域Dmにおいて、変動中の第3図柄は半透明な態様で表示される。即ち、第3図柄の背面に表示される背面画像を遊技者が明瞭に視認可能な態様で表示される。このように、第3図柄の変動演出を半透明な態様で表示するのは、時間演出の開始を告知する表示(告知画像750)の手前側に第3図柄が重ねて表示されることにより、告知画像750が見え難くなってしまうこと(即ち、第3図柄により告知画像750が遮蔽されること)を防止(抑制)するためである。
なお、詳細については後述するが、本実施形態のパチンコ機10では、第3図柄の変動演出の表示態様を、時間演出の開始タイミングに基づいて可変するように構成している。そして、変動中の第3図柄を半透明な態様で表示するのは、告知画像750の表示期間において第3図柄が変動状態となっている場合に限られる。例えば、変動終了後の第3図柄の停止表示期間のみが告知画像750の表示期間と重なってしまうと判断される場合は、主表示領域Dmの右下に第3図柄の変動演出を縮小表示することにより、第3図柄が告知画像750を遮蔽することを抑制するように構成されている。
図5(b)は、時間演出の開始タイミングにおける第3図柄表示装置81の表示内容を示した図である。図5(b)に示す通り、時間演出の開始タイミングとなった場合は、小領域Ds2に、通常時に表示されるキャラクタ710(本実施形態では、ハチマキを付けた少年)とは異なるキャラクタ(本実施形態では、犬のキャラクタ740)が表示される。これにより、遊技者に対して通常とは異なる演出が実行されることを認識させることができる。また、小領域Ds3に表示される文字が、「ふれあいタイム0秒前」との文字に更新されると共に、主表示領域Dmに「ふれあいタイム突入!!」との文字が表示される。これにより、遊技者に対して時間演出の実行期間(ふれあいタイム)となったことを容易に認識させることができる。
更に、主表示領域Dmにおいて、変動中の第3図柄が半透明な態様で表示されるので、時間演出の開始を告知するために表示される「ふれあいタイム突入!!」との文字を遊技者に対して明瞭に視認させることができる。よって、遊技者に対して時間演出の開始をより確実に認識させることができる。
次に、図6を参照して、第3図柄が確定表示された状態において時間演出の開始タイミングとなった場合の表示内容について説明する。なお、確定表示とは、変動演出が終了し、第3図柄の停止表示期間(1秒間)が経過した段階で保留球が存在せず、且つ、第1入球口64への入球もない場合に実行される演出のことである。具体的には、1秒間停止表示された第3図柄をそのまま主表示領域Dmに表示させ続ける表示内容を指す。
図6(a)は、第3図柄が確定表示された状態において時間演出が開始される5秒前となった場合を示した図である。図6(a)に示した通り、第3図柄が確定表示された状態では、主表示領域Dmにおいて第3図柄が静止した状態となる。なお、図6(a)の例では、各図柄列Z1,Z2,Z3の有効ラインL1上にそれぞれ「2」,「5」,「7」の番号が付された第3図柄が停止した場合が図示されている。
図6(a)に示す通り、第3図柄が確定表示された状態では、背面画像の大半が第3図柄によって遮蔽された状態となる。即ち、遊技者にとって背面画像が見え難い状態となる。この状態のまま、主表示領域Dmにおいて告知画像750を表示したとしても、その告知画像750の大半が第3図柄により遮蔽されてしまい、遊技者が時間演出の開始を見落としてしまう虞がある。上述した通り、時間演出は、限られた期間(1時間のうち3分間)にしか表示されない特別な演出であるので、遊技者に対して時間演出を楽しみにパチンコ機10で遊技を行わせることができる。よって、時間演出が開始されたにも関わらず、遊技者が告知画像750に気づかずに遊技を辞めてしまう虞がある。更に、時間演出の開始に気づかずに遊技を辞め、他の遊技者がそのパチンコ機10で遊技を開始した後で、元々遊技を行っていた遊技者が時間演出に気づいた場合は、その元々遊技を行っていた遊技者に対して不満感を抱かせてしまう虞がある。
そこで、本実施形態では、時間演出の開始タイミングとなると、主表示領域Dmに表示されていた第3図柄を消去した上で、時間演出の開始を告知する表示を行う(告知画像750を表示する)ように構成している。これにより、図6(b)に示すように、主表示領域Dmに「ふれあいタイム突入!!」との文字が、何ら遮蔽されることなく表示される。よって、遊技者に対して時間演出の開始タイミングとなったことを確実に認識させることができる。従って、告知画像750に気づかずに遊技者が遊技を辞めてしまうことを抑制できるので、確実に時間演出中の遊技を楽しませることができる。
また、単純に確定表示演出を表示させない(即ち、第3図柄を1秒間停止表示した後で消去する)ように構成すると、前回停止表示された第3図柄を遊技者が見落としてしまう虞がある。停止表示された第3図柄は、特別図柄の抽選結果を示しているので、第3図柄を見落としやすく構成すると、遊技者がパチンコ機10に対して不満感を抱いてしまう虞がある。一般に、遊技者は大当たりとなることを一つの目的としてパチンコ機10による遊技を行うので、大当たりか否かが確認しにくくなると、興が削がれてしまうからである。
そこで、本実施形態のパチンコ機10では、通常時に第3図柄が停止表示されてから1秒以上経過した場合には、第3図柄を所定時間(例えば、15秒)確定表示させるように構成し、確定表示中に告知画像750を表示させる場合に限り、確定表示中の第3図柄を消去するように構成している。つまり、本パチンコ機10における特徴的な演出である時間演出を表示させる場合にのみ、第3図柄に優先して告知画像750を表示させている。これにより、通常時は第3図柄の停止図柄を見落としにくくしつつ、時間演出時には時間演出を明瞭に表示させることができる。
図7は、デモ演出中に時間演出が開始される5秒前となった場合を示した図である。本実施形態のデモ演出では、通常時に小領域Ds2に表示されるハチマキを付けた少年のキャラクタ760が、第3図柄表示装置81全体に表示されると共に、機種名である「パチンコ機10」との文字770が主表示領域Dmの右下部分に表示されるように構成されている。なお、デモ演出中に表示される画像はこれに限られるものではなく、パチンコ機10を開発したメーカー名や、時間演出中に表示されるキャラクタの画像等を表示させてもよい。このデモ演出を実行することにより、パチンコ機10において遊技が行われていないことを容易に見分けることができる。
図7に示した通り、デモ演出中に時間演出の5秒前となると、小領域Ds3に「ふれあいタイム5秒前」との文字が表示720される。この文字720は、時間演出が開始されるまで秒数がカウントダウンされていく。そして、デモ演出のまま時間演出の開始タイミングとなった場合は、第3図柄の確定表示中に時間演出の開始タイミングとなった場合と同様に、小領域Ds2に犬のキャラクタ740が表示され、小領域Ds3に「ふれあいタイム0秒前」との文字720が表示され、更に、主表示領域Dmに「ふれあいタイム突入!!」との文字が表示される(図6(b)参照)。即ち、通常時に実行されていたデモ演出の画像(ハチマキを付けた少年のキャラクタ760や、機種名を表示する文字770)が表示されなくなる。仮に、時間演出の実行期間になったとしても、通常時に表示されるデモ演出の画像を表示させ続けてしまうと、時間演出が開始されたか否かを表示内容から判別することが困難となってしまう。これに対して本実施形態では、時間演出の開始時にデモ演出の画像を消去するので、告知画像750をデモ演出の画像に遮蔽されることなく表示させることができる。よって、時間演出になってから遊技を開始しようとタイミングを見計らっていた遊技者に対して、遊技を開始するタイミングを容易に認識させることができる。
次に、時間演出中において第3図柄表示装置81に表示される表示内容について、図8、および図9を参照して説明を行う。この時間演出は、上述した通り、1時間毎に3分間だけ実行される特別な演出である。この時間演出中は、犬のキャラクタ740が様々な動作を行う演出が実行される。時間演出が開始され、告知画像750(図6(b)参照)の表示期間(5秒間)が終了すると、図8(a)に示す表示態様に切り替えられる。即ち、第3図柄が表示される主表示領域Dmが、第3図柄表示装置81の右下部分の小表示領域780に縮小されて表示され(つまり、変動演出や確定表示演出が小表示領域780に縮小表示され)、その他の領域に犬のキャラクタ740が表示される。また、第3図柄表示装置81の右上部分には、時間演出が終了するまでの残り時間が表示される。ここで、告知画像750(図6(b)参照)の表示が5秒間行われた後で、図8(a)に示す表示態様に切り替わるため、残り時間の表示は、2分55秒〜0分00秒の範囲で更新される。
図8(a)に示した通り、時間演出が開始されると、犬のキャラクタ740が第3図柄表示装置81の中央部分に表示される。この犬のキャラクタ740が行う動作としては、例えば、図8(b)に示すような、犬のキャラクタ740が正面視手前側に近づいて来て遊技者を見つめる演出や、図9(a)に示すような、犬のキャラクタ740が頭を撫でられて喜ぶ演出、図9(b)に示すような、犬のキャラクタ740が寝そべる演出等が時間の経過と共に行われる。
このように、愛くるしい犬のキャラクタ740が様々な動作を行う演出を表示することにより、遊技者に対して癒しの感情や好感等を抱かせることができる。即ち、犬のキャラクタ740をより長く見続けたいと感じさせることができる。よって、時間演出の演出期間である3分間を経過した後も、犬のキャラクタ740の各種動作を再度見たいと思わせることにより、次の時間演出まで遊技を継続させることができる。よって、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができる。また、犬のキャラクタ740が登場する演出を1時間のうちの3分間に限ることにより、遊技者が時間演出に飽きてしまうことを防止(抑制)することができる。よって、遊技者に対して時間演出中の演出をより楽しませることができるので、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができる。
なお、時間演出の態様は、本実施形態の態様に限られるものではなく、通常時とは異なる特別な態様で演出が実行されるように構成されていれば、演出内容は任意に定めてもよい。例えば、キャラクタではなく、第3図柄の表示態様を変更してもよい。また、時間演出として、通常とは異なる音声演出やランプ演出を実行するように構成してもよい。更に、時間演出として、時間演出期間中に大当たりとなることにより、通常時に大当たりとなった場合とは異なる特別な演出が行われるように構成してもよい。
なお、本実施形態では、時間演出中に確定表示演出が第3図柄表示装置81の右下部分の小表示領域780に縮小されて表示されるように構成しているが、これに限られるものではない。例えば、時間演出中は確定表示演出が表示されないように構成してもよい。即ち、変動演出が終了し、第3図柄が1秒間停止表示された後、第3図柄を消去するように構成してもよい。そして、小表示領域780も含めた第3図柄表示装置81の全画面に対して時間演出時の画像を表示させるように構成してもよい。これにより、次に第1入球口64へと球が入球して変動演出が開始されるまで、時間演出の表示領域を拡大することができるので、演出内容の自由度をより高めることができる。よって、遊技者に対して、本実施形態のパチンコ機10における特徴的な演出である時間演出をより楽しませることができる。また、同様の理由から、時間演出中はデモ演出が表示されないように構成してもよい。
図2に戻って、説明を続ける。第2図柄表示装置83は、球が第2入球口67を通過することに伴って行われる普通図柄の抽選が実行中であるか否かを点灯状態により示すことによって変動表示を行ったり、変動終了後の停止図柄として、その普通図柄の抽選結果に応じた普通図柄(第2図柄)を点灯状態により示したりするものである。
より具体的には、第2図柄表示装置83では、球が第2入球口67を通過する毎に、第2図柄としての「○」の図柄と「×」の図柄とを交互に点灯させる変動表示が行われる。パチンコ機10は、第2図柄表示装置83における変動表示が所定図柄(本実施形態においては「○」の図柄)で停止すると、第1入球口64に付随する電動役物が所定時間だけ作動状態となり(開放される)、その結果、第1入球口64に球が入り易い状態となるように構成されている。球が第2入球口67を通過した通過回数は最大4回まで保留され、その保留球数が上述した第1図柄表示装置37により表示されると共に第2図柄保留ランプ84においても点灯表示される。第2図柄保留ランプ84は、最大保留数分の4つ設けられ、第3図柄表示装置81の下方に左右対称に配設されている。
なお、普通図柄(第2図柄)の変動表示は、本実施形態のように、第2図柄表示装置83において複数のランプの点灯と非点灯を切り換えることにより行うものの他、第1図柄表示装置37及び第3図柄表示装置81の一部を使用して行うようにしても良い。同様に、第2図柄保留ランプ84の点灯を第3図柄表示装置81の一部で行うようにしても良い。また、第2入球口67における球の通過は、第1入球口64と同様に、最大保留球数は4回に限定されるものでなく、3回以下、又は、5回以上の回数(例えば、8回)に設定しても良い。また、第1図柄表示装置37により保留球数が示されるので、第2図柄保留ランプ84により点灯表示を行わないものとしても良い。
可変表示装置ユニット80の下方には、球が入球し得る第1入球口64が配設されている。この第1入球口64へ球が入球すると遊技盤13の裏面側に設けられる第1入球口スイッチ(図示せず)がオンとなり、その第1入球口スイッチのオンに起因して主制御装置110で特別図柄の抽選がなされ、その抽選結果に応じた表示が第1図柄表示装置37のLED37aで示される。また、第1入球口64は、球が入球すると5個の球が賞球として払い出される入賞口の1つにもなっている。
第1入球口64の下方には可変入賞装置65が配設されており、その略中央部分に横長矩形状の特定入賞口(大開放口)65aが設けられている。パチンコ機10においては、主制御装置110で行われる特別図柄の抽選が大当たりとなると、所定時間(変動時間)が経過した後に、大当たりの停止図柄となるよう第1図柄表示装置37のLED37aを点灯させると共に、その大当たりに対応した第3図柄の停止図柄を第3図柄表示装置81に表示させて、大当たりの発生が示される。その後、通常時より多量の賞球の払い出しが行われる特別遊技状態(16ラウンドの大当たり)に遊技状態が遷移する。この特別遊技状態として、通常時には閉鎖されている特定入賞口65aが、所定時間(例えば、30秒経過するまで、或いは、球が10個入賞するまで)開放される。
この特定入賞口65aは、所定時間が経過すると閉鎖され、その閉鎖後、再度、その特定入賞口65aが所定時間開放される。この特定入賞口65aの開閉動作は、16回(16ラウンド)繰り返し可能にされている。この開閉動作が行われている状態が、遊技者にとって有利な特別遊技状態の一形態であり、遊技者には、遊技上の価値(遊技価値)の付与として通常時より多量の賞球の払い出しが行われる。
可変入賞装置65は、具体的には、特定入賞口65aを覆う横長矩形状の開閉板と、その開閉板の下辺を軸として前方側に開閉駆動するための大開放口ソレノイド(図示せず)とを備えている。特定入賞口65aは、通常時は、球が入賞できないか又は入賞し難い閉状態になっている。大当たりの際には大開放口ソレノイドを駆動して開閉板を前面下側に傾倒し、球が特定入賞口65aに入賞しやすい開状態を一時的に形成し、その開状態と通常時の閉状態との状態を交互に繰り返すように作動する。
なお、上記した形態に特別遊技状態は限定されるものではない。特定入賞口65aとは別に開閉される大開放口を遊技領域に設け、第1図柄表示装置37において大当たりに対応したLED37aが点灯した場合に、特定入賞口65aが所定時間開放され、その特定入賞口65aの開放中に、球が特定入賞口65a内へ入賞することを契機として特定入賞口65aとは別に設けられた大開放口が所定時間、所定回数開放される遊技状態を特別遊技状態として形成するようにしても良い。
遊技盤13の下側における左右の隅部には、証紙や識別ラベル等を貼着するための貼着スペースK1,K2が設けられ、貼着スペースK1に貼られた証紙等は、前面枠14の小窓35(図1参照)を通じて視認することができる。
更に、遊技盤13には、アウト口66が設けられている。いずれの入賞口63,64,65aにも入球しなかった球はアウト口66を通って図示しない球排出路へと案内される。遊技盤13には、球の落下方向を適宜分散、調整等するために多数の釘が植設されているとともに、風車等の各種部材(役物)が配設されている。
図3に示すように、パチンコ機10の背面側には、制御基板ユニット90,91と、裏パックユニット94とが主に備えられている。制御基板ユニット90は、主基板(主制御装置110)と音声ランプ制御基板(音声ランプ制御装置113)と表示制御基板(表示制御装置114)とが搭載されてユニット化されている。制御基板ユニット91は、払出制御基板(払出制御装置111)と発射制御基板(発射制御装置112)と電源基板(電源装置115)とカードユニット接続基板116とが搭載されてユニット化されている。
裏パックユニット94は、保護カバー部を形成する裏パック92と払出ユニット93とがユニット化されている。また、各制御基板には、各制御を司る1チップマイコンとしてのMPU、各種機器との連絡をとるポート、各種抽選の際に用いられる乱数発生器、時間計数や同期を図る場合などに使用されるクロックパルス発生回路等が、必要に応じて搭載されている。
なお、主制御装置110、音声ランプ制御装置113及び表示制御装置114、払出制御装置111及び発射制御装置112、電源装置115、カードユニット接続基板116は、それぞれ基板ボックス100〜104に収納されている。基板ボックス100〜104は、ボックスベースと該ボックスベースの開口部を覆うボックスカバーとを備えており、そのボックスベースとボックスカバーとが互いに連結されて、各制御装置や各基板が収納される。
また、基板ボックス100(主制御装置110)及び基板ボックス102(払出制御装置111及び発射制御装置112)は、ボックスベースとボックスカバーとを封印ユニット(図示せず)によって開封不能に連結(かしめ構造による連結)している。また、ボックスベースとボックスカバーとの連結部には、ボックスベースとボックスカバーとに亘って封印シール(図示せず)が貼着されている。この封印シールは、脆性な素材で構成されており、基板ボックス100,102を開封するために封印シールを剥がそうとしたり、基板ボックス100,102を無理に開封しようとすると、ボックスベース側とボックスカバー側とに切断される。よって、封印ユニット又は封印シールを確認することで、基板ボックス100,102が開封されたかどうかを知ることができる。
払出ユニット93は、裏パックユニット94の最上部に位置して上方に開口したタンク130と、タンク130の下方に連結され下流側に向けて緩やかに傾斜するタンクレール131と、タンクレール131の下流側に縦向きに連結されるケースレール132と、ケースレール132の最下流部に設けられ、払出モータ216(図6参照)の所定の電気的構成により球の払出を行う払出装置133とを備えている。タンク130には、遊技ホールの島設備から供給される球が逐次補給され、払出装置133により必要個数の球の払い出しが適宜行われる。タンクレール131には、当該タンクレール131に振動を付加するためのバイブレータ134が取り付けられている。
また、払出制御装置111には状態復帰スイッチ120が設けられ、発射制御装置112には可変抵抗器の操作つまみ121が設けられ、電源装置115にはRAM消去スイッチ122が設けられている。状態復帰スイッチ120は、例えば、払出モータ216(図10参照)部の球詰まり等、払出エラーの発生時に球詰まりを解消(正常状態への復帰)するために操作される。操作つまみ121は、発射ソレノイドの発射力を調整するために操作される。RAM消去スイッチ122は、パチンコ機10を初期状態に戻したい場合に電源投入時に操作される。
<第1実施形態における電気的構成について>
次に、図10を参照して、本パチンコ機10の電気的構成について説明する。図10は、パチンコ機10の電気的構成を示すブロック図である。
主制御装置110には、演算装置である1チップマイコンとしてのMPU201が搭載されている。MPU201には、該MPU201により実行される各種の制御プログラムや固定値データを記憶したROM202と、そのROM202内に記憶される制御プログラムの実行に際して各種のデータ等を一時的に記憶するためのメモリであるRAM203と、そのほか、割込回路やタイマ回路、データ送受信回路などの各種回路が内蔵されている。なお、払出制御装置111や音声ランプ制御装置113などのサブ制御装置に対して動作を指示するために、主制御装置110から該サブ制御装置へ各種のコマンドがデータ送受信回路によって送信されるが、かかるコマンドは、主制御装置110からサブ制御装置へ一方向にのみ送信される。
まず、ROM202の内容について、図11を参照して説明する。図11(a)に示すように、主制御装置110のROM202には、上記した固定値データの一部として、第1当たり乱数テーブル202a、第1当たり種別選択テーブル202b、第2当たり乱数テーブル202c、および変動パターン選択テーブル202dが少なくとも記憶されている。
第1当たり乱数テーブル202a(図示せず)は、後述する第1当たり乱数カウンタC1の大当たり判定値が記憶されているデータテーブルである。詳細については、第1当たり乱数カウンタC1の説明と共に後述するが、始動入賞に基づいて取得した第1当たり乱数カウンタC1の値が、第1当たり乱数テーブル202aに規定されているいずれかの判定値と一致した場合に、特別図柄の大当たりであると判別される。
第1当たり種別選択テーブル202b(図11(b))は、大当たり種別を決定するための判定値が記憶されているデータテーブルであり、第1当たり種別カウンタC2の判定値が、各大当たり種別に対応付けて規定されている。具体的には、第1当たり種別カウンタC2の値が「0〜49」の範囲には、大当たりAが対応付けられて規定されている(図11(b)の202b1参照)。また、第1当たり種別カウンタC2の値が「50〜99」の範囲には、大当たりBが対応付けられて規定されている(図11(b)の202b2参照)。本実施形態のパチンコ機10では特別図柄の大当たりと判定された場合に、始動入賞に基づいて取得した第1当たり種別カウンタC2の値と、第1当たり種別選択テーブル202bとが比較され、第1当たり種別カウンタC2の値に対応する大当たり種別が選択される。
第2当たり乱数テーブル202c(図11(c))は、普通図柄の当たり判定値が記憶されているデータテーブルである。具体的には、普通図柄の通常状態において、普通図柄の当たりとなる判定値として、「5〜28」が規定されている(図11(c)の202c1参照)。また、普通図柄の高確率状態において、普通図柄の当たりとなる判定値として、「5〜204」が規定されている(図11(c)の202c2参照)。本実施形態のパチンコ機10では、普通入球口67を球が通過することに基づいて取得される第2当たり乱数カウンタC4の値と、第2当たり乱数テーブル202cとを参照し、普通図柄の当たりであるか否かを判定している。
変動パターン選択テーブル202d(図示なし)は、変動パターンの表示態様を決定するための変動種別カウンタCS1の判定値が表示態様毎にそれぞれ規定されているデータテーブルである。なお、変動パターン選択テーブル202dの詳細については、変動種別カウンタCS1の説明と共に後述する。
主制御装置110では、特別図柄の抽選、普通図柄の抽選、第1図柄表示装置37における表示の設定、第2図柄表示装置83における表示の設定、および、第3図柄表示装置81における表示の設定といったパチンコ機10の主要な処理を実行する。そして、RAM203には、これらの処理を制御するための各種カウンタが設けられている。ここで、図12を参照して、主制御装置110のRAM203内に設けられるカウンタ等について説明する。これらのカウンタ等は、特別図柄の抽選、普通図柄の抽選、第1図柄表示装置37における表示の設定、第2図柄表示装置83における表示の設定、および、第3図柄表示装置81における表示の設定などを行うために、主制御装置110のMPU201で使用される。
特別図柄の抽選や、第1図柄表示装置37および第3図柄表示装置81の表示の設定には、特別図柄の抽選に使用する第1当たり乱数カウンタC1と、特別図柄の大当たり種別を選択するために使用する第1当たり種別カウンタC2と、特別図柄における外れの停止種別を選択するために使用する停止種別選択カウンタC3と、第1当たり乱数カウンタC1の初期値設定に使用する第1初期値乱数カウンタCINI1と、変動パターンの選択に使用する変動種別カウンタCS1とが用いられる。また、普通図柄の抽選には、第2当たり乱数カウンタC4が用いられ、第2当たり乱数カウンタC4の初期値設定には第2初期値乱数カウンタCINI2が用いられる。これら各カウンタは、更新の都度、前回値に1が加算され、最大値に達した後0に戻るループカウンタとなっている。
各カウンタは、例えば、タイマ割込処理(図23参照)の実行間隔である2ミリ秒間隔で更新され、また、一部のカウンタは、メイン処理(図31参照)の中で不定期に更新されて、その更新値がRAM203の所定領域に設定されたカウンタ用バッファに適宜格納される。RAM203には、1つの実行エリアと4つの保留エリア(保留第1〜第4エリア)とからなる特別図柄保留球格納エリア203aが設けられており、これらの各エリアには、第1入球口64への入球タイミングに合わせて、第1当たり乱数カウンタC1、第1当たり種別カウンタC2及び停止種別選択カウンタC3の各値がそれぞれ格納される。また、RAM203には、1つの実行エリアと4つの保留エリア(保留第1〜第4エリア)とからなる普通図柄保留球格納エリア203bが設けられており、これらの各エリアには、球が左右何れかの第2入球口(スルーゲート)67を通過したタイミングに合わせて、第2当たり乱数カウンタC4の値が格納される。
各カウンタについて詳しく説明する。第1当たり乱数カウンタC1は、所定の範囲(例えば、0〜299)内で順に1ずつ加算され、最大値(例えば、0〜299の値を取り得るカウンタの場合は299)に達した後0に戻る構成となっている。特に、第1当たり乱数カウンタC1が1周した場合、その時点の第1初期値乱数カウンタCINI1の値が当該第1当たり乱数カウンタC1の初期値として読み込まれる。
また、第1初期値乱数カウンタCINI1は、第1当たり乱数カウンタC1と同一範囲で更新されるループカウンタとして構成される。即ち、例えば、第1当たり乱数カウンタC1が0〜299の値を取り得るループカウンタである場合には、第1初期値乱数カウンタCINI1もまた、0〜299の範囲のループカウンタである。この第1初期値乱数カウンタCINI1は、タイマ割込処理(図23参照)の実行毎に1回更新されると共に、メイン処理(図31参照)の残余時間内で繰り返し更新される。
第1当たり乱数カウンタC1の値は、例えば定期的に(本実施形態ではタイマ割込処理毎に1回)更新され、球が第1入球口64に入賞したタイミングでRAM203の特別図柄保留球格納エリア203aに格納される。そして、特別図柄の大当たりとなる乱数の値は、主制御装置110のROM202に格納される第1当たり乱数テーブル202a(図示せず)によって設定されており、第1当たり乱数カウンタC1の値が、第1当たり乱数テーブル202aによって設定された大当たりとなる乱数の値と一致する場合に、特別図柄の大当たりと判定する。また、この第1当たり乱数テーブル202aは、特別図柄の低確率時(特別図柄の低確率状態である期間)用と、その低確率時より特別図柄の大当たりとなる確率の高い高確率時(特別図柄の高確率状態である期間)用との2種類に分けられ、それぞれに含まれる大当たりとなる乱数の個数が異なって設定されている。このように、大当たりとなる乱数の個数を異ならせることにより、特別図柄の低確率時と特別図柄の高確率時とで、大当たりとなる確率が変更される。なお、特別図柄の高確率時用の第1当たり乱数テーブル(図示せず)と、特別図柄の低確率時用の第1当たり乱数テーブル(図示せず)とは、主制御装置110のROM202内に設けられている。
第1当たり種別カウンタC2は、特別図柄の大当たりとなった場合に、第1図柄表示装置37の表示態様を決定するものであり、所定の範囲(例えば、0〜99)内で順に1ずつ加算され、最大値(例えば、0〜99の値を取り得るカウンタの場合は99)に達した後0に戻る構成となっている。第1当たり種別カウンタC2の値は、例えば、定期的に(本実施形態ではタイマ割込処理毎に1回)更新され、球が第1入球口64に入賞したタイミングでRAM203の特別図柄保留球格納エリア203aに格納される。
ここで、特別図柄保留球格納エリア203aに格納された第1当たり乱数カウンタC1の値が、特別図柄の大当たりとなる乱数でなければ、即ち、特別図柄の外れとなる乱数であれば、第1図柄表示装置37に表示される停止図柄に対応した表示態様は、特別図柄の外れ時のものとなる。
一方で、特別図柄保留球格納エリア203aに格納された第1当たり乱数カウンタC1の値が、特別図柄の大当たりとなる乱数であれば、第1図柄表示装置37に表示される停止図柄に対応した表示態様は、特別図柄の大当たり時のものとなる。この場合、その大当たり時の具体的な表示態様は、同じ特別図柄保留球格納エリア203aに格納されている第1当たり種別カウンタC2の値が示す表示態様となる。
本実施形態のパチンコ機10における第1当たり乱数カウンタC1は、0〜299の範囲の2バイトのループカウンタとして構成されている。この第1当たり乱数カウンタC1において、特別図柄の低確率時に、特別図柄の大当たりとなる乱数値は1個あり、その乱数値である「7」は、低確率時用の第1当たり乱数テーブル202aに格納されている。このように特別図柄の低確率時には、乱数値の総数が300ある中で、大当たりとなる乱数値の総数が1なので、特別図柄の大当たりとなる確率は、「1/300」となる。
一方で、特別図柄の高確率時に、特別図柄の大当たりとなる乱数値は10個あり、その値である「4,38,64,99,122,151,183,218,249,270」は、高確率時用の第1当たり乱数テーブル202aに格納されている。このように特別図柄の高確率時には、乱数値の総数が300ある中で、大当たりとなる乱数値の総数が10なので、特別図柄の大当たりとなる確率は、「1/30」となる。
なお、本実施形態では、低確率時用の第1当たり乱数テーブルに格納されている大当たりとなる乱数値と、高確率時用の第1当たり乱数テーブルに格納されている大当たりとなる乱数値とで、重複した値とならないように、それぞれの大当たりとなる乱数値を設定している。ここで、大当たりとなる乱数値としてパチンコ機10の状況にかかわらず常に用いられる値が存在すれば、その乱数値が外部より入力されて、不正に大当たりを引き当てられやすくなるおそれがある。これに対して、本実施形態のように、状況に応じて(即ち、パチンコ機10が特別図柄の高確率状態か、特別図柄の低確率状態かに応じて)、大当たりとなる乱数値を変えることで、特別図柄の大当たりとなる乱数値を予測され難くすることができるので、不正に対する抑制を図ることができる。
また、本実施形態のパチンコ機10における第1当たり種別カウンタC2の値は、0〜99の範囲のループカウンタとして構成されている。そして、図11(b)に示すように、この第1当たり種別カウンタC2において、乱数値が「0〜49」であった場合の大当たり種別は、「大当たりA」となる。また、値が「50〜99」であった場合の大当たり種別は、「大当たりB」となる。
このように、本実施形態のパチンコ機10は、第1当たり種別カウンタC2が示す乱数の値によって、3種類の当たり種別(大当たりA、大当たりB)が決定されるように構成されている。なお、第1当たり種別カウンタC2の値(乱数値)から、特別図柄の大当たり種別を決定するための乱数値は、上述下通り、第1当たり種別選択テーブル202b(図11(b)参照)により設定されている。
停止種別選択カウンタC3は、例えば0〜99の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値(つまり99)に達した後0に戻る構成となっている。本実施形態では、停止種別選択カウンタC3によって、第3図柄表示装置81で表示される外れ時の停止種別が選択され、リーチが発生した後、最終停止図柄がリーチ図柄の前後に1つだけずれて停止する「前後外れリーチ」(例えば98,99)と、同じくリーチ発生した後、最終停止図柄がリーチ図柄の前後以外で停止する「前後外れ以外リーチ」(例えば90〜97の範囲)と、リーチ発生しない「完全外れ」(例えば0〜89の範囲)との3つの停止(演出)パターンが選択される。停止種別選択カウンタC3の値は、例えば定期的に(本実施形態ではタイマ割込処理毎に1回)更新され、球が第1入球口64に入賞したタイミングでRAM203の特別図柄保留球格納エリア203aに格納される。
なお、停止種別選択カウンタC3の値(乱数値)から、特別図柄の停止種別を決定するための乱数値は、停止種別選択テーブル(図示せず)により設定されており、このテーブルは、主制御装置110のROM202内に設けられている。また、本実施形態ではこのテーブルを、特別図柄の高確率時用と、特別図柄の低確率時用とに分けており、テーブルに応じて、外れの停止種別ごとに設定される乱数値の範囲を変えている。これは、パチンコ機10が特別図柄の高確率状態であるか、特別図柄の低確率状態であるか等に応じて、停止種別の選択比率を変更するためである。
例えば、高確率状態では、大当たりが発生し易いため必要以上にリーチ演出が選択されないように、「完全外れ」の停止種別に対応した乱数値の範囲が0〜89と広い高確率時用のテーブルが選択され、「完全外れ」が選択され易くなる。このテーブルは、「前後外れリーチ」が98,99と狭くなると共に「前後外れ以外リーチ」も90〜97と狭くなり、「前後外れリーチ」や「前後外れ以外リーチ」が選択され難くなる。また、低確率状態であれば、第1入球口64への球の入球時間を確保するために「完全外れ」の停止種別に対応した乱数値の範囲が0〜79と狭い低確率時用のテーブルが選択され、「完全外れ」が選択され難くなる。
この停止種別選択テーブルは、「前後外れ以外リーチ」の停止種別に対応した乱数値の範囲が80〜97と広くなり、「前後外れ以外リーチ」が選択され易くなっている。よって、低確率状態では、演出時間の長いリーチ表示を多く行うことできるので、第1入球口64への球の入球時間を確保でき、第3図柄表示装置81による変動表示が継続して行われ易くなる。なお、後者のテーブルにおいても、「前後外れリーチ」の停止種別に対応した乱数値の範囲は98,99に設定される。
変動種別カウンタCS1は、例えば0〜198の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値(つまり198)に達した後0に戻る構成となっている。変動種別カウンタCS1によって、いわゆるノーマルリーチ、スーパーリーチ等の大まかな表示態様が決定される。表示態様の決定は、具体的には、図柄変動の変動時間の決定である。変動種別カウンタCS1により決定された変動時間に基づいて、音声ランプ制御装置113や表示制御装置114により第3図柄表示装置81で表示される第3図柄のリーチ種別や細かな図柄変動態様が決定される。変動種別カウンタCS1の値は、後述するメイン処理(図31参照)が1回実行される毎に1回更新され、当該メイン処理内の残余時間内でも繰り返し更新される。なお、変動種別カウンタCS1の値(乱数値)から、図柄変動の変動時間を一つ決定する乱数値を格納した変動パターン選択テーブル202d(図示せず)は、主制御装置110のROM202内に設けられている。
変動パターン選択テーブル202dには、例えば、外れ用の変動パターンとして、変動時間が8秒間の「完全外れ」、変動時間が15秒間の「外れショートリーチ」、変動時間が20秒間の「外れロングリーチ」、変動時間が30秒間の「外れスーパーリーチ」が規定され、大当たりA・大当たりB共用の変動パターンとして、変動時間が15秒間の「当たりショートリーチ」、変動時間が20秒間の「当たりロングリーチ」、変動時間が30秒間の「当たりスーパーリーチ」が規定されている。そして、変動パターンテーブルに規定された各種変動パターンから、予測された抽選結果や、予測された停止種別(大当たりの場合には大当たり種別)に応じて変動パターンが選定される。なお、変動パターンの種別はこれらに限られるものではなく、大当たりと外れとで共用の変動パターンを設けてもよい。これにより、変動パターンの態様から大当たり種別を予測し難くすることができるので、変動パターンの結果についてより興味深く見守らせることができる。よって、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができる。また、遊技者にとって最も有利な大当たりA専用の変動パターンを設けてもよい。これにより、大当たりA専用の変動パターンであると認識した遊技者に対して、第3図柄が停止表示される前に大当たりAであることを認識させることができる。よって、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができる。
第2当たり乱数カウンタC4は、例えば0〜239の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値(つまり239)に達した後0に戻るループカウンタとして構成されている。また、第2当たり乱数カウンタC4が1周した場合、その時点の第2初期値乱数カウンタCINI2の値が当該第2当たり乱数カウンタC4の初期値として読み込まれる。第2当たり乱数カウンタC4の値は、本実施形態ではタイマ割込処理毎に、例えば定期的に更新され、球が左右何れかの第2入球口(スルーゲート)67を通過したことが検知された時に取得され、RAM203の普通図柄保留球格納エリア203bに格納される。
そして、普通図柄の当たりとなる乱数の値は、主制御装置のROM202に格納される第2当たり乱数テーブル202c(図11(c)参照)によって設定されており、第2当たり乱数カウンタC4の値が、第2当たり乱数テーブル202cによって設定された当たりとなる乱数の値と一致する場合に、普通図柄の当たりと判定する。また、この第2当たり乱数テーブル202cは、普通図柄の低確率時(普通図柄の通常状態である期間)用と、その低確率時より普通図柄の当たりとなる確率の高い高確率時(普通図柄の時短状態である期間)用との2種類に分けられ、それぞれに含まれる大当たりとなる乱数の個数が異なって設定されている。このように、当たりとなる乱数の個数を異ならせることにより、普通図柄の低確率時と普通図柄の高確率時とで、当たりとなる確率が変更される。
図11(c)に示すように、普通図柄の低確率時に、普通図柄の当たりとなる乱数値は24個あり、その範囲は「5〜28」となっている。これら乱数値は、低確率時用の第2当たり乱数テーブルに格納されている。このように普通図柄の低確率時には、乱数値の総数が240ある中で、大当たりとなる乱数値の総数が24なので、特別図柄の大当たりとなる確率は、「1/10」となる。
パチンコ機10が普通図柄の低確率時である場合に、球が第2入球口67を通過すると、第2当たり乱数カウンタC4の値が取得されると共に、第2図柄表示装置83において普通図柄の変動表示が30秒間実行される。そして、取得された第2当たり乱数カウンタC4の値が「5〜28」の範囲であれば当選と判定されて、第2図柄表示装置83における変動表示が終了した後に、停止図柄(第2図柄)として「○」の図柄が点灯表示されると共に、第1入球口64が「0.2秒間×1回」だけ開放される。なお、本実施形態では、パチンコ機10が普通図柄の低確率時である場合に、普通図柄の当たりとなったら第1入球口64が「0.2秒間×1回」だけ開放されるが、開放時間や回数は任意に設定すれば良い。例えば、「0.5秒間×2回」開放しても良い。
一方で、普通図柄の高確率時に、普通図柄の大当たりとなる乱数値は200個あり、その範囲は「5〜204」となっている。これらの乱数値は、高確率時用の第2当たり乱数テーブルに格納されている。このように特別図柄の低確率時には、乱数値の総数が240ある中で、大当たりとなる乱数値の総数が200なので、特別図柄の大当たりとなる確率は、「1/1.2」となる。
パチンコ機10が普通図柄の高確率時である場合に、球が第2入球口67を通過すると、第2当たり乱数カウンタC4の値が取得されると共に、第2図柄表示装置83において普通図柄の変動表示が3秒間実行される。そして、取得された第2当たり乱数カウンタC4の値が「5〜204」の範囲であれば当選と判定されて、第2図柄表示装置83における変動表示が終了した後に、停止図柄(第2図柄)として「○」の図柄が点灯表示されると共に、第1入球口64が「1秒間×2回」開放される。このように、普通図柄の高確率時には、普通図柄の低確率時と比較して、変動表示の時間が「30秒→3秒」と非常に短くなり、更に、第1入球口64の解放期間が「0.2秒×1回→1秒間×2回」と非常に長くなるので、第1入球口64へ球が入球し易い状態となる。なお、本実施形態では、パチンコ機10が普通図柄の高確率時である場合に、普通図柄の当たりとなったら第1入球口64が「1秒間×2回」だけ開放されるが、開放時間や回数は任意に設定すれば良い。例えば、「3秒間×3回」開放しても良い。
第2初期値乱数カウンタCINI2は、第2当たり乱数カウンタC4と同一範囲で更新されるループカウンタとして構成され(値=0〜239)、タイマ割込処理(図23参照)毎に1回更新されると共に、メイン処理(図31参照)の残余時間内で繰り返し更新される。
このように、RAM203には種々のカウンタ等が設けられており、主制御装置110では、このカウンタ等の値に応じて大当たり抽選や第1図柄表示装置37および第3図柄表示装置81における表示の設定、第2図柄表示装置83における表示結果の抽選といったパチンコ機10の主要な処理を実行することができる。
図10に戻り、説明を続ける。RAM203は、図12に図示した各種カウンタのほか、MPU201の内部レジスタの内容やMPU201により実行される制御プログラムの戻り先番地などが記憶されるスタックエリアと、各種のフラグおよびカウンタ、I/O等の値が記憶される作業エリア(作業領域)とを有している。
なお、RAM203は、パチンコ機10の電源の遮断後においても電源装置115からバックアップ電圧が供給されてデータを保持(バックアップ)できる構成となっており、RAM203に記憶されるデータは、すべてバックアップされる。
停電などの発生により電源が遮断されると、その電源遮断時(停電発生時を含む。以下同様)のスタックポインタや、各レジスタの値がRAM203に記憶される。一方、電源投入時(停電解消による電源投入を含む。以下同様)には、RAM203に記憶される情報に基づいて、パチンコ機10の状態が電源遮断前の状態に復帰される。RAM203への書き込みはメイン処理(図31参照)によって電源遮断時に実行され、RAM203に書き込まれた各値の復帰は電源投入時の立ち上げ処理(図30参照)において実行される。なお、MPU201のNMI端子(ノンマスカブル割込端子)には、停電等の発生による電源遮断時に、停電監視回路252からの停電信号SG1が入力されるように構成されており、その停電信号SG1がMPU201へ入力されると、停電時処理としてのNMI割込処理(図29参照)が即座に実行される。
また、RAM203は、図10に示すように、特別図柄保留球格納エリア203aと、普通図柄保留球格納エリア203bと、特別図柄保留球数カウンタ203cと、普通図柄保留球数カウンタ203dと、確変フラグ203eと、時短中カウンタ203fとを有している。
特別図柄保留球格納エリア203aは、1つの実行エリアと、4つの保留エリア(保留第1エリア〜保留第4エリア)とを有しており、これらの各エリアには、第1当たり乱数カウンタC1、第1当たり種別カウンタC2、及び停止種別選択カウンタC3の各値がそれぞれ格納される。
より具体的には、球が第1入球口64へ入賞(始動入賞)したタイミングで、各カウンタC1〜C3の各値が取得され、その取得されたデータが、4つの保留エリア(保留第1エリア〜保留第4エリア)の空いているエリアの中で、エリア番号(第1〜第4)の小さいエリアから順番に記憶される。つまり、エリア番号の小さいエリアほど、時間的に古い入賞に対応するデータが記憶され、保留第1エリアには、時間的に最も古い入賞に対応するデータが記憶される。なお、4つの保留エリアの全てにデータが記憶されている場合には、新たに何も記憶されない。
その後、主制御装置110において、特別図柄の抽選が行われる場合には、特別図柄保留球格納エリア203aの保留第1エリアに記憶されている各カウンタC1〜C3の各値が、実行エリアへシフトされ(移動させられ)、その実行エリアに記憶された各カウンタC1〜C3の各値に基づいて、特別図柄の抽選などの判定が行われる。
なお、保留第1エリアから実行エリアへデータをシフトすると、保留第1エリアが空き状態となる。そこで、他の保留エリア(保留第2エリア〜保留第4エリア)に記憶されている入賞のデータを、エリア番号の1小さい保留エリア(保留第1エリア〜保留第3エリア)に詰めるシフト処理が行われる。本実施形態では、特別図柄保留球格納エリア203aにおいて、入賞のデータが記憶されている保留エリア(第2保留エリア〜第4保留エリア)についてのみデータのシフトが行われる。
本パチンコ機10では、球が第1入球口64へ入賞(始動入賞)し、その始動入賞に応じて各カウンタC1〜C3の各値が取得されると直ちに、本来の特別図柄の大当たり抽選とは別に、その取得された各カウンタC1〜C3の各値から、本来の抽選が行われた場合に得られる各種情報が予測(推定)される。このように、本来の特別図柄の抽選が行われる前に、始動入賞に対応するデータ(各カウンタC1〜C3の各値)に基づいて、本来の抽選が行われた場合に得られる各種情報を予測することを、以後、特別図柄の抽選結果を先読みすると記載する。なお、各種情報としては、当否、停止種別、変動パターンなどが該当する。
そして、先読みが終了すると、先読みにより得られた各種情報(当否、停止種別、変動パターン)を含む入賞情報コマンドが音声ランプ制御装置113へ送信される。入賞情報コマンドが音声ランプ制御装置113によって受信されると、音声ランプ制御装置113は、入賞情報コマンドから、当否、停止種別、および変動パターンを抽出し、それらを入賞情報としてRAM233の入賞情報格納エリア223aに格納する。
普通図柄保留球格納エリア203bは、特別図柄保留球格納エリア203aと同様に、1つの実行エリアと、4つの保留エリア(保留第1エリア〜保留第4エリア)とを有している。これらの各エリアには、第2当たり乱数カウンタC4が格納される。
より具体的には、球が左右何れかの第2入球口67を通過したタイミングで、カウンタC4の値が取得され、その取得されたデータが、4つの保留エリア(保留第1エリア〜保留第4エリア)の空いているエリアの中で、エリア番号(第1〜第4)の小さいエリアから順番に記憶される。つまり、特別図柄保留球格納エリア203aと同様に、入賞した順序が保持されつつ、入賞に対応するデータが格納される。なお、4つの保留エリアの全てにデータが記憶されている場合には、新たに何も記憶されない。
その後、主制御装置110において、普通図柄の当たりの抽選が行われる場合には、普通図柄保留球格納エリア203bの保留第1エリアに記憶されているカウンタC4の値が、実行エリアへシフトされ(移動させられ)、その実行エリアに記憶されたカウンタC4の値に基づいて、普通図柄の当たりの抽選などの判定が行われる。
なお、保留第1エリアから実行エリアへデータをシフトすると、保留第1エリアが空き状態となるので、特別図柄保留球格納エリア203aの場合と同様に、他の保留エリアに記憶されている入賞のデータを、エリア番号の1小さい保留エリアに詰めるシフト処理が行われる。また、データのシフトも、入賞のデータが記憶されている保留エリアについてのみ行われる。
特別図柄保留球数カウンタ203cは、第1入球口64への入球(始動入賞)に基づいて第1図柄表示装置37で行われる特別図柄(第1図柄)の変動表示(第3図柄表示装置81で行われる変動表示)の保留球数(待機回数)を最大4回まで計数するカウンタである。この特別図柄保留球数カウンタ203cは、初期値がゼロに設定されており、第1入球口64へ球が入球して変動表示の保留球数が増加する毎に、最大値4まで1加算される(図26のS404参照)。一方、特別図柄保留球数カウンタ203cは、新たに特別図柄の変動表示が実行される毎に、1減算される(図24のS205参照)。
この特別図柄保留球数カウンタ203cの値(特別図柄における変動表示の保留回数N)は、保留球数コマンドによって音声ランプ制御装置113に通知される(図24のS206、図26のS405参照)。保留球数コマンドは、特別図柄保留球数カウンタ203cの値が変更される度に、主制御装置110から音声ランプ制御装置113に対して送信されるコマンドである。
音声ランプ制御装置113は、特別図柄保留球数カウンタ203cの値が変更される度に、主制御装置110より送信される保留球数コマンドによって、主制御装置110に保留された変動表示の保留球数そのものの値を取得することができる。これにより、音声ランプ制御装置113の特別図柄保留球数カウンタ223bによって管理される変動表示の保留球数が、ノイズ等の影響によって、主制御装置110に保留された実際の変動表示の保留球数からずれてしまった場合であっても、次に受信する保留球数コマンドによって、そのずれを修正することができる。
なお、音声ランプ制御装置113は、保留球数コマンドに基づいて保留球数を管理し、保留球数が変化する度に表示制御装置114に対して、保留球数を通知するための表示用保留球数コマンドを送信する。表示制御装置114は、この表示用保留球数コマンドによって通知された保留球数を基に、第3図柄表示装置81の小領域Ds1に保留球数図柄を表示する。
普通図柄保留球数カウンタ203dは、第2入球口67における球の通過に基づいて第2図柄表示装置83で行われる普通図柄(第2図柄)の変動表示の保留球数(待機回数)を最大4回まで計数するカウンタである。この普通図柄保留球数カウンタ203dは、初期値がゼロに設定されており、球が第2入球口67を通過して変動表示の保留球数が増加する毎に、最大値4まで1加算される(図28のS604参照)。一方、普通図柄保留球数カウンタ203dは、新たに普通図柄(第2図柄)の変動表示が実行される毎に、1減算される(図27のS505参照)。
球が左右何れかの第2入球口67を通過した場合に、この普通図柄保留球数カウンタ203dの値(普通図柄における変動表示の保留回数M)が4未満であれば、第2当たり乱数カウンタC4の値が取得され、その取得されたデータが、普通図柄保留球格納エリア203bに記憶される(図28のS605)。一方、球が左右何れかの第2入球口67を通過した場合に、この普通図柄保留球数カウンタ203dの値が4であれば、普通図柄保留球格納エリア203bには新たに何も記憶されない(図28のS603:No)。
確変フラグ203eは、パチンコ機10が特別図柄の確変状態(特別図柄の高確率状態)であるか否かを示すフラグであり、確変フラグ203eの値がオンの状態であれば、パチンコ機10が特別図柄の確変状態であることを示す。一方、確変フラグ203eがオフの状態であれば、パチンコ機10が特別図柄の通常状態(特別図柄の低確率状態)であることを示す。この確変フラグ203eは、初期状態がオフに設定されており、「大当たりA」の終了タイミングとなる度にオンに設定される。一方、確変フラグ203eは、パチンコ機10の電源が遮断されるか、大当たりの開始が設定される度にオフとなる。
MPU201によって特別図柄変動開始処理(図25参照)が実行されると、特別図柄の抽選が行われる。特別図柄変動開始処理では、確変フラグ203eが参照され、その状態がオンであれば、高確率時用の第1当たり乱数テーブルに基づいて、特別図柄の抽選が行われる。一方、確変フラグ203eがオフであれば、低確率時用の第1当たり乱数テーブルに基づいて、特別図柄の抽選が行われる(図25のS303,S304参照)。
時短中カウンタ203fは、パチンコ機10が普通図柄の時短状態であるか否かを示すカウンタであり、時短中カウンタ203fの値が1以上であれば、パチンコ機10が普通図柄の時短状態であることを示し、時短中カウンタ203fの値が0であれば、パチンコ機10が普通図柄の通常状態であることを示す。この時短中カウンタ203fは、初期値がゼロに設定されており、主制御装置110において特別図柄の抽選が行われ、「大当たりB」となる度に、その値に100が設定される。即ち、「大当たりB」になった場合には、時短中カウンタ203fの値が幾つであるかに関わらず、100値が新たに設定される(図32のS1013参照)。その後、時短中カウンタ203fの値が0になるまで、特別図柄の変動演出が終了する毎に1が減算される(図24のS215)。
普通図柄の当たりの抽選が行われる場合には、時短中カウンタ203fの値が参照され、その値が1以上であれば、高確率時用の第2当たり乱数テーブルに基づいて、普通図柄の抽選が行われる一方、時短中カウンタ203fの値が0であれば、低確率時用の第2当たり乱数テーブルに基づいて、普通図柄の抽選が行われる(図22のS510,S511参照)。
主制御装置110のMPU201には、アドレスバス及びデータバスで構成されるバスライン204を介して入出力ポート205が接続されている。入出力ポート205には、払出制御装置111、音声ランプ制御装置113、第1図柄表示装置37、第2図柄表示装置83、第2図柄保留ランプ84、特定入賞口65aの開閉板の下辺を軸として前方側に開閉駆動するための大開放口ソレノイドや電動役物を駆動するためのソレノイドなどからなるソレノイド209が接続され、MPU201は、入出力ポート205を介してこれらに対し各種コマンドや制御信号を送信する。
また、入出力ポート205には、図示しないスイッチ群やセンサ群などからなる各種スイッチ208や、電源装置115に設けられた後述のRAM消去スイッチ回路253が接続され、MPU201は各種スイッチ208から出力される信号や、RAM消去スイッチ回路253より出力されるRAM消去信号SG2に基づいて各種処理を実行する。
払出制御装置111は、払出モータ216を駆動させて賞球や貸出球の払出制御を行うものである。演算装置であるMPU211は、そのMPU211により実行される制御プログラムや固定値データ等を記憶したROM212と、ワークメモリ等として使用されるRAM213とを有している。
払出制御装置111のRAM213は、主制御装置110のRAM203と同様に、MPU211の内部レジスタの内容やMPU211により実行される制御プログラムの戻り先番地などが記憶されるスタックエリアと、各種のフラグおよびカウンタ、I/O等の値が記憶される作業エリア(作業領域)とを有している。RAM213は、パチンコ機10の電源の遮断後においても電源装置115からバックアップ電圧が供給されてデータを保持(バックアップ)できる構成となっており、RAM213に記憶されるデータは、すべてバックアップされる。なお、主制御装置110のMPU201と同様、MPU211のNMI端子にも、停電等の発生による電源遮断時に停電監視回路252から停電信号SG1が入力されるように構成されており、その停電信号SG1がMPU211へ入力されると、停電時処理としてのNMI割込処理(図29参照)が即座に実行される。
払出制御装置111のMPU211には、アドレスバス及びデータバスで構成されるバスライン214を介して入出力ポート215が接続されている。入出力ポート215には、主制御装置110や払出モータ216、発射制御装置112などがそれぞれ接続されている。また、図示はしないが、払出制御装置111には、払い出された賞球を検出するための賞球検出スイッチが接続されている。なお、該賞球検出スイッチは、払出制御装置111に接続されるが、主制御装置110には接続されていない。
発射制御装置112は、主制御装置110により球の発射の指示がなされた場合に、操作ハンドル51の回転操作量に応じた球の打ち出し強さとなるよう球発射ユニット112aを制御するものである。球発射ユニット112aは、図示しない発射ソレノイドおよび電磁石を備えており、その発射ソレノイドおよび電磁石は、所定条件が整っている場合に駆動が許可される。具体的には、遊技者が操作ハンドル51に触れていることをタッチセンサ51aにより検出し、球の発射を停止させるための打ち止めスイッチ51bがオフ(操作されていないこと)を条件に、操作ハンドル51の回動量に対応して発射ソレノイドが励磁され、操作ハンドル51の操作量に応じた強さで球が発射される。
音声ランプ制御装置113は、音声出力装置(図示しないスピーカなど)226における音声の出力、ランプ表示装置(電飾部29〜33、表示ランプ34など)227における点灯および消灯の出力、変動演出(変動表示)や連続予告演出といった表示制御装置114で行われる第3図柄表示装置81の表示態様の設定などを制御するものである。演算装置であるMPU221は、そのMPU221により実行される制御プログラムや固定値データ等を記憶したROM222と、ワークメモリ等として使用されるRAM223とを有している。
音声ランプ制御装置113のMPU221には、アドレスバス及びデータバスで構成されるバスライン224を介して入出力ポート225が接続されている。入出力ポート225には、主制御装置110、表示制御装置114、音声出力装置226、ランプ表示装置227、枠ボタン228、RTC292等がそれぞれ接続されている。
音声ランプ制御装置113は、枠ボタン228からの入力を監視し、遊技者によって枠ボタン228が操作された場合は、第3図柄表示装置81で表示されるステージを変更したり、スーパーリーチ時の演出内容を変更したりするように、音声出力装置226、ランプ表示装置227を制御し、また、表示制御装置114へ指示する。ステージが変更される場合は、変更後のステージに応じた背面画像を第3図柄表示装置81に表示させるべく、変更後のステージに関する情報を含めた背面画像変更コマンドを表示制御装置114へ送信する。ここで、背面画像とは、第3図柄表示装置81に表示させる主要な画像である第3図柄の背面側に表示される画像のことである。
音声ランプ制御装置113は、主制御装置110からのコマンドや、音声ランプ制御装置113に接続された各種装置等の状況に応じてエラーを判定し、そのエラーの種別を含めてエラーコマンドを表示制御装置114へ送信する。表示制御装置114では、受信したエラーコマンドによって示されるエラー種別(例えば、振動エラー)に応じたエラーメッセージ画像を第3図柄表示装置81に遅滞無く表示させる制御が行われる。
音声ランプ制御装置113のROM222には、変動パターンテーブル222aと、時間演出テーブル222bとが少なくとも格納されている。
変動パターンテーブル222aは、主制御装置110から変動パターンコマンドにより通知された大まかな変動演出(変動表示)の態様に基づいて、変動演出(変動表示)の詳細な態様を選択するために参照されるテーブルである。この変動パターンテーブル222aから選択された変動演出の態様に基づいて、表示用変動パターンコマンドが設定される(図39のS1704参照)。
なお、本実施形態のパチンコ機10では、時刻がRTC292により計時(計測)されている。そして、そのRTC292の時刻情報(計時情報)に基づき、一定時間(例えば、1時間)経過毎に第3図柄表示装置81において時間演出を実行するように構成されている。本実施形態の変動パターンテーブル222aでは、時間演出中か否か等の時間に関する条件に応じて異なる態様の変動演出が規定されている。
この変動パターンテーブル222aの詳細について、図13を参照して説明を行う。図13は、変動パターンテーブル222aの規定内容を示す図である。図13に示した通り、変動パターンテーブル222aには、主制御装置110から通知された変動表示の態様(変動種別)毎に、選択可能な変動パターン(変動演出)の詳細な態様が規定されている。また、本実施形態では、時間演出が開始されるまでの残期間tに応じて、選択可能な変動パターンの態様が異なるように構成している。即ち、残時間tの値に対応付けて、告知画像750(図6(b)参照)を遮蔽しないような変動演出の態様が規定されている。
具体的には、例えば、変動パターンコマンドにより通知された変動種別が完全外れであり、且つ、時間演出が開始されるまでの残期間(t)が9秒以上である場合は(即ち、8秒間の完全外れに対応する変動表示が終了し、第3図柄を1秒間停止表示さるまでの間に時間演出が開始されない場合は)、完全外れに対応する通常の態様の変動演出(図4(b)参照)が選択される(図13の222a1参照)。時間演出の開始時期と変動期間とが重複しないので、第3図柄を縮小したり透過させたりする必要がないためである。
また、時間演出が開始されるまでの残期間(t)が2秒以上、且つ、9秒未満であった場合は(即ち、告知画像750が表示される5秒間の期間と、第3図柄が停止表示される1秒間とが重複する場合は)、第3図柄を第3図柄表示装置81の右下部分に縮小表示して変動表示させる態様の変動演出が選択される(図13の222a2参照)。これにより、告知画像750(図6(b)参照)を遮蔽することなく変動演出を表示させることができる。よって、特別図柄の抽選結果を表示させつつ、遊技者に対して時間演出が開始されたことを容易に認識させることができる。
また、時間演出が開始されるまでの残期間(t)が1秒以上、且つ、2秒未満であった場合は(即ち、告知画像750が表示される5秒間の期間が、第3図柄の変動表示期間と重複する場合は)、変動中の第3図柄を半透明な態様で表示させる(図13の222a3参照)。つまり、図5(b)に示した態様で変動表示を実行する。第3図柄を半透明な態様で変動表示させることにより、変動表示中に表示される「ふれあいタイム突入!!」との文字が見えなくなってしまうことを抑制することができる。よって、告知画像750(図6(b)参照)を遊技者に対して明確に認識させることができる。
なお、本実施形態のパチンコ機10では、変動開始後1秒間と、変動停止前1秒間は通常通り(半透明の態様とせずに)に第3図柄を表示させるように構成している。これは、変動開始から変動停止までのすべての期間において第3図柄を半透明としてしまうと、変動表示が開始されたことや、変動表示が終了したことを遊技者が認識できない虞があるためである。よって、本実施形態では、変動が開始されると、第3図柄の変動速度を速くしていき、図柄の変動速度が十分高速となる1秒経過時から第3図柄を半透明の態様としている。また、変動終了前の1秒間に、第3図柄の表示態様を通常の態様(半透明でない態様)に戻すと共に、第3図柄の変動速度を遅くしていく。これにより、変動の開始、および変動の終了を遊技者に対して確実に認識させることができる。また、第3図柄の変動速度が高速となっている間(即ち、第3図柄の視認が困難な期間)に第3図柄を半透明な態様としているので、第3図柄が半透明となったことを遊技者に対して認識され難くすることができる。よって、第3図柄の表示態様が切り替わることにより、遊技者に対して違和感を抱かせてしまうことを抑制することができる。
また、時間演出が開始されるまでの残期間(t)が1秒未満であるか、既に時間演出中である場合は、第3図柄を第3図柄表示装置81の右下部分に縮小表示して変動表示させる態様の変動演出が選択される(図13の222a4参照)。これにより、告知画像750(図6(b)参照)、および時間演出中に表示される犬のキャラクタ740の動作が第3図柄の変動表示によって遮蔽されてしまうことを抑制することができる。
変動種別が外れショートリーチである場合も、変動演出の態様は時間演出が開始されるまでの残時間(t)に応じて選択される。即ち、時間演出が開始されるまでの残期間(t)が16秒以上であり、外れショートリーチに対応する変動表示中に時間演出が開始されない場合は、第3図柄が通常の表示態様で表示される変動演出が選択される(図13の222a5参照)。
また、時間演出が開始されるまでの残期間(t)が2秒以上、且つ、16秒未満であった場合は、告知画像750(図6(b)参照)が表示される5秒間の期間と、第3図柄が停止表示される1秒間とが重複するので、第3図柄を第3図柄表示装置81の右下部分に縮小表示して変動表示させる態様の変動演出が選択される(図13の222a6参照)。
また、時間演出が開始されるまでの残期間(t)が1秒以上、且つ、2秒未満であった場合は(即ち、告知画像750(図6(b)参照)が表示される5秒間の期間が、第3図柄の変動表示期間と重複する場合は)、変動中の第3図柄を半透明な態様で表示させる(図13の222a7参照)。これにより、告知画像750(図6(b)参照)を遊技者に対して明確に認識させることができる(図5(b)参照)。
また、時間演出が開始されるまでの残期間(t)が1秒未満であるか、既に時間演出中である場合は、第3図柄を第3図柄表示装置81の右下部分に縮小表示して変動表示させる態様の変動演出が選択される(図13の222a8参照)。これにより、告知画像750(図6(b)参照)、および時間演出中に表示される犬のキャラクタ740の動作が第3図柄の変動表示によって遮蔽されてしまうことを防止(抑制)することができる。
更に、変動種別が当たりショートリーチである場合に、変動演出の態様として通常の態様が選択されるか、縮小表示される態様が選択されるか、半透明な態様が選択されるかは、外れショートリーチと同一の基準で判断される。即ち、時間演出が開始されるまでの残期間(t)が16秒以上であれば、第3図柄が通常の表示態様で表示される変動演出が選択される(図13の222a9参照)。また、時間演出が開始されるまでの残期間(t)が2秒以上、且つ、16秒未満であった場合は、第3図柄を第3図柄表示装置81の右下部分に縮小表示して変動表示させる態様の変動演出が選択される(図13の222a10参照)。また、時間演出が開始されるまでの残期間(t)が1秒以上、且つ、2秒未満であった場合は、変動中の第3図柄を半透明な態様で表示させる(図13の222a11参照)。また、時間演出が開始されるまでの残期間(t)が1秒未満であるか、既に時間演出中である場合は、第3図柄を第3図柄表示装置81の右下部分に縮小表示して変動表示させる態様の変動演出が選択される(図13の222a12参照)。外れショートリーチと当たりショートリーチとは変動時間が同一であるので、外れショートリーチと同一の基準で変動演出の態様を選択することにより、告知画像750(図6(b)参照)を明瞭に表示させることができる。よって、遊技者が時間演出の開始を見落としてしまうことを抑制することができる。
なお、図示については省略したが、他の変動種別(外れロングリーチ、当たりロングリーチ、外れスーパーリーチ、当たりスーパーリーチ)の場合も、時間演出が開始されるまでの残時間(t)の値毎に異なる変動演出の態様が規定されている。これにより、いずれの変動演出を実行する場合にも、告知画像750(図6(b)参照)の表示を妨げない態様が選択される。よって、遊技者に対して時間演出が開始されたことを容易に気づかせることができる。
図10に戻って説明を続ける。時間演出テーブル222bは、通常演出の実行期間と、時間演出の実行期間とを電源を投入からの経過時間に対応付けて規定したデータテーブルである。本実施形態のパチンコ機10では、RTC292の時刻情報(計時情報)に基づいて、パチンコ機10に対して電源投入を行ってからの経過時間を判別可能に構成されている。この経過時間の値と、時間演出テーブル222bの規定内容とに基づいて、演出態様を通常の演出態様とするか時間演出の態様とするかを判断している。
この演出態様の決定は、音声ランプ制御装置113のMPU221で実行されるメイン処理の経過時間確認処理(図35のS1311参照)の中で行われ、図14に示す時間演出テーブル222bの判定値と、RTC292の時刻情報(計時情報)に基づいて判断される経過時間T(図36のS1402参照)とに応じて演出態様が特定される(図36のS1403参照)。
この時間演出テーブル222bの詳細について、図14を参照して説明する。図14は、ROM222に記憶される時間演出テーブル222bの一例を模式的に示した図である。図14に示すように、時間演出テーブル222bでは、通常演出の実行期間(通常演出期間)であるか、時間演出の実行期間(時間演出期間)であるかが、遊技機に対する電源投入を行った後の経過時間Tの値に対応付けられて規定されている。
図14に示す通り、本実施形態では、電源投入から60分以内の場合は通常演出期間であり(図14の222b1参照)、60分が経過してからの3分間は時間演出期間とされる(図14の222b2参照)。そして、その時間演出期間とされる3分間が経過した後は再び通常演出期間とされ(図14の222b3参照)、その通常演出期間が57分間継続する。そして、以降は3分間の時間演出期間と57分間の通常演出期間とが交互に繰り返される。
このように、電源投入直後の60分間を除き、1時間遊技をしていれば必ず異なる演出期間に切り替わるので、演出期間が切り替わったことにより遊技者に対して目新しさを感じさせることができる。よって、長時間遊技を行っていても同じような演出しか発生せず、遊技者が遊技に飽きてしまうことを抑制することができる。また、3分間の特別演出期間と57分間の通常演出期間とが周期的に繰り返されるので、遊技者は時間演出期間となる時間帯や通常演出期間となる時間帯を容易に把握することができる。よって、各遊技者に対して、自分の趣向に合った演出態様の演出が行われる演出期間を狙って遊技を開始させることができ、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができる。
なお、図14において経過時間Tが180分以降における経過時間Tと演出期間との対応関係を省略して記載しているが、実際には180分以降も、3分間の特別演出期間と57分間の通常演出期間とが交互に繰り返されるように設定される。この時間演出テーブル222bにおける経過時間Tの範囲は最低限ホールの1日の営業時間分だけ設定されていればよく、例えば経過時間Tが1440分(24時間)未満の範囲で経過時間Tと演出期間との対応関係を設定しておいても良いし、数日分の対応関係を設定しておいてもよい。また、演出期間の種類は必ずしも通常演出期間と時間演出期間との2種類に限られるものではなく、実行される演出の態様が互いに異なる3種類以上の演出期間を設けても良い。
更に、本実施形態では経過時間Tの値毎に演出期間の種別を規定したテーブルを規定しているが、必ずしも全てのTの値に対応させたテーブルを用意しておかなくても良い。例えば、通常演出期間となる経過時間Tの値の範囲と、時間演出期間となる経過時間Tの値の範囲とを1種類ずつ規定しておき、経過時間Tの値が規定されている値の範囲外となる際は、規定されている経過時間Tの値の範囲に所定の値を加算するように構成しても良い。具体例としては、例えば、通常演出期間となる経過時間Tの値の範囲を0分00秒〜57分00秒、時間演出期間となる経過時間Tの値の範囲を57分00秒〜60分00秒と規定しておき、経過時間Tの値が60分00秒に達する際に、通常演出期間となる経過時間Tの値の範囲と、特別演出期間となる経過時間Tの値の範囲とにそれぞれ60分00秒を加算し、60分00秒〜120分00秒までの経過時間Tの値の範囲における演出期間の種別を再設定するように制御しても良い。
より詳述すると、時間演出テーブル222bには、通常演出期間となる経過時間Tの値の範囲は0分00秒〜57分00秒であり、時間演出期間となる経過時間Tの値の範囲は57分00秒〜60分00秒であるとの情報のみが規定される。そして、電源投入に基づいて、時間演出テーブル222bに規定された情報がRAM223の所定の領域に複製され、その複製された情報に基づいて演出期間の種別が判別される。そして、経過時間Tが、複製された情報に規定されている経過時間Tの値の最大値である60分00秒に達する場合には、複製された情報に60分00秒を加えて新たな情報に更新する。即ち、通常演出期間となる経過時間Tの値の範囲は60分00秒〜117分00秒であり、特別演出期間となる経過時間Tの値の範囲は117分00秒〜120分00秒であるとの情報に更新される。以降、60分00秒が経過する毎に、複製された情報に60分00秒を加えて新たな情報に更新するように制御し、更新された情報と、経過時間Tとに基づいて演出期間の種別を判別する。
この場合、時間演出テーブル222bのデータ量が少なくなるため、ROM222の容量を削減することができる。よって、ROM222の低価格化を図ることができる。
図10に戻って説明を続ける。音声ランプ制御装置113のRAM223には、入賞情報格納エリア223aと、特別図柄保留球数カウンタ223bと、変動開始フラグ223cと、停止種別選択フラグ223dと、投入時刻格納エリア223eと、時間演出フラグ223fとが少なくとも設けられている。
入賞情報格納エリア223aは、1つの実行エリアと、4つのエリア(第1エリア〜第4エリア)とを有しており、これらの各エリアには、入賞情報がそれぞれ格納される。本パチンコ機10では、主制御装置110において始動入賞となった場合に、その始動入賞に応じて取得された第1当たり乱数カウンタC1、第1当たり種別カウンタC2及び停止種別選択カウンタC3の各値から、その始動入賞に対応する特別図柄の抽選が行われた場合に得られる各種情報(当否、停止種別、変動パターン)が主制御装置110において予測(推定)され、その予測された各種情報が、主制御装置110から音声ランプ制御装置113へ入賞情報コマンドによって通知される。
音声ランプ制御装置113では、入賞情報コマンドが受信されると、その入賞情報コマンドにより通知された各種情報(当否、停止種別、変動パターン)が入賞情報として抽出されて、その入賞情報が、入賞情報格納エリア223aに記憶される。より具体的には、抽出された入賞情報が、4つのエリア(第1エリア〜第4エリア)の空いているエリアの中で、エリア番号(第1〜第4)の小さいエリアから順番に記憶される。つまり、エリア番号の小さいエリアほど、時間的に古い入賞に対応するデータが記憶され、第1エリアには、時間的に最も古い入賞に対応するデータが記憶される。
特別図柄保留球数カウンタ223bは、主制御装置110の特別図柄保留球数カウンタ203cと同様に、第1図柄表示装置37(および第3図柄表示装置81)で行われる変動演出(変動表示)であって、主制御装置110において保留されている変動演出の保留球数(待機回数)を最大4回まで計数するカウンタである。
上述したように、音声ランプ制御装置113は、主制御装置110に直接アクセスして、主制御装置110のRAM203に格納されている特別図柄保留球数カウンタ203cの値を取得することができない。よって、音声ランプ制御装置113では、主制御装置110から送信される保留球数コマンドに基づいて保留球数をカウントし、特別図柄保留球数カウンタ223bにて、その保留球数を管理するようになっている。
具体的には、主制御装置110では、第1入球口64への入球によって変動表示の保留球数が加算された場合、または、主制御装置110において特別図柄における変動表示が実行されて保留球数が減算された場合に、加算後または減算後の特別図柄保留球数カウンタ203cの値を示す保留球数コマンドを、音声ランプ制御装置113へ送信する。
音声ランプ制御装置113は、主制御装置110より送信される保留球数コマンドを受信すると、その保留球数コマンドから、主制御装置110の特別図柄保留球数カウンタ203cの値を取得して、特別図柄保留球数カウンタ223bに格納する(図37のS1508参照)。このように、音声ランプ制御装置113では、主制御装置110より送信される保留球数コマンドに従って、特別図柄保留球数カウンタ223bの値を更新するので、主制御装置110の特別図柄保留球数カウンタ203cと同期させながら、その値を更新することができる。
特別図柄保留球数カウンタ223bの値は、第3図柄表示装置81における保留球数図柄の表示に用いられる。即ち、音声ランプ制御装置113は、保留球数コマンドの受信に応じて、そのコマンドにより示される保留球数を特別図柄保留球数カウンタ223bに格納すると共に、格納後の特別図柄保留球数カウンタ223bの値を表示制御装置114に通知するべく、表示用保留球数コマンドを表示制御装置114に対して送信する。
表示制御装置114では、この表示用保留球数コマンドを受信すると、そのコマンドにより示される保留球数の値、即ち、音声ランプ制御装置113の特別図柄保留球数カウンタ223bの値分の保留球数図柄を第3図柄表示装置81の小領域Ds1に表示するように、画像の描画を制御する。上述したように、特別図柄保留球数カウンタ223bは、主制御装置110の特別図柄保留球数カウンタ203aと同期しながら、その値が変更される。従って、第3図柄表示装置81の小領域Ds1に表示される保留球数図柄の数も、主制御装置110の特別図柄保留球数カウンタ203aの値に同期させながら、変化させることができる。よって、第3図柄表示装置81には、変動表示が保留されている保留球の数を正確に表示させることができる。
変動開始フラグ223cは、主制御装置110から送信される変動パターンコマンドを受信した場合にオンされ(図37のS1502参照)、第3図柄表示装置81における変動表示の設定がなされるときにオフされる(図39のS1702参照)。変動開始フラグ223cがオンになると、受信した変動パターンコマンドから抽出された変動パターンに基づいて、表示用変動パターンコマンドが設定される。
ここで設定された表示用変動パターンコマンドは、RAM223に設けられたコマンド送信用のリングバッファに記憶され、MPU221により実行されるメイン処理(図35参照)のコマンド出力処理(S1302)の中で、表示制御装置114に向けて送信される。表示制御装置114では、この表示用変動パターンコマンドを受信することによって、この表示用変動パターンコマンドによって示される変動パターンで、第3図柄表示装置81において第3図柄の変動表示が行われるように、その変動演出の表示制御が開始される。
停止種別選択フラグ223dは、主制御装置110から送信される停止種別コマンドを受信した場合にオンされ(図37のS1505参照)、第3図柄表示装置81における停止種別の設定がなされるときにオフされる(図39のS1707参照)。停止種別選択フラグ223dがオンになると、受信した停止種別コマンドから抽出された停止種別(大当たりの場合には大当たり種別)を設定する。
投入時刻格納エリア223eは、パチンコ機10の電源投入時刻に対応する情報を格納するための記憶領域であり、パチンコ機10へ電源を投入した際に、RTC292の時刻情報(計時情報)が格納される。具体的には、MPU221により実行される立ち上げ処理(図33参照)の時間設定処理(図33のS1114参照)の中で、RTC292より取得した現在の時刻情報(計時情報)が格納される。格納された計時情報は、MPU221により実行されるメイン処理(図35参照)の経過時間確認処理(図35のS1311参照)の中で、電源投入からの経過時間Tを算出し、通常演出期間であるか時間演出期間であるかを判別するために用いられる(図36のS1404参照)。なお、RAM223に記憶された内容はバックアップされないため、パチンコ機10の電源供給が遮断された電断状態となった場合、投入時刻格納エリア223eに格納された計時情報は消失される。
本実施形態のパチンコ機10では、立ち上げ処理(図33参照)の際にRTC292より取得され、投入時刻格納エリア223eに格納された時刻情報に基づいて演出期間の種別を判断するので、ホールの複数のパチンコ機10において、立ち上げ処理(図33参照)が行われるタイミングを合わせておけば、各パチンコ機10の投入時刻格納エリア223eに時刻情報が格納されるタイミングも合わせることができる。投入時刻格納エリア223eに時刻情報が格納されるタイミングが合っていれば、各パチンコ機10において経過時間確認処理(S1311)の中で算出される経過時間Tも合わせることができるので、その経過時間Tに基づいて通常演出期間から時間演出期間へ切り替えるタイミング及び経過時間Tに基づいて時間演出期間から通常演出期間へ切り替えるタイミングを合わせることができる。これにより、ホールの関係者は、複数のパチンコ機10に対して一斉に電源投入をしておくだけで、各パチンコ機10の演出期間を揃えることができる。よって、一部のパチンコ機10は通常演出期間となり、その他のパチンコ機10は時間演出期間となることで、遊技を行っている遊技者が他のパチンコ機10と異なる演出態様で演出が実行されていることに対して違和感を抱いてしまうことを防止(抑制)することができる。なお、複数のパチンコ機10に対して一斉に電源を投入する方法としては、例えば、複数のパチンコ機10で構成される島を設けておき、島単位で電源を投入することのできる外部電源を設けておけばよい。
また、本実施形態では、RTC292の時刻情報から時刻を判断し、時間帯に応じて演出期間の種別を切り替えるのではなく、立ち上げ処理の際に取得した時刻情報と経過時間確認処理(S1311)の中で取得される時刻情報とから経過時間Tを算出し、その経過時間Tに基づいて演出期間の種別を判断している。これにより、各パチンコ機10のRTC292の時刻情報が、経年劣化等で互いにずれてしまっていたとしても、そのずれた計時情報を演出期間の種別の判断に直接用いるのではなく、経過時間Tという相対的な値に変換して演出期間の種別の判断に用いることができるので、ずれの影響を少なくすることができる。よって、複数のパチンコ機10において、経過時間Tに基づいて通常演出期間から特別演出期間へ切り替えるタイミング及び経過時間Tに基づいて特別演出期間から通常演出期間へ切り替えるタイミングを合わせることができる。従って、各パチンコ機10の演出期間を揃えることができるので、一部のパチンコ機10は通常演出期間となり、その他のパチンコ機10は時間演出期間となることで、遊技を行っている遊技者が他のパチンコ機10と異なる演出態様で演出が実行されていることに対して違和感を抱いてしまうことを抑制することができる。
時間演出フラグ223fは、現在の演出期間が特別演出期間であるか否かを示すフラグである。この時間演出フラグ223fは、MPU221により実行されるメイン処理(図35参照)の経過時間確認処理(図35のS1311参照)の中で、時間演出テーブル222b(図14参照)に基づいて、通常演出期間から時間演出期間へ切り替わると判別される場合にオンされる(図36のS1409参照)。一方、時間演出テーブル222bに基づいて、特別演出期間から時間演出期間へ切り替わると判別される場合にオフされる(図36のS1406参照)。また、時間演出フラグ223fは、パチンコ機10への電源供給が遮断された電断状態となった場合にもオフされる。
時間演出フラグ223fがオンされると、時間演出に対応する背面画像変更コマンドが設定されるので(図36のS1410参照)、その背面画像変更コマンドを受信することに基づいて、時間演出に対応する背面画像が表示される。一方、時間演出フラグ223fがオフされた場合は、通常の背面(背面A)に対応する背面画像変更コマンドが設定されるので、その背面画像変更コマンドを受信することに基づいて、通常演出に対応する背面画像(背面A)が表示される(図36のS1407参照)。
なお、上述した通り、背面画像とは、第3図柄表示装置81に表示させる主要な画像である第3図柄の背面側に表示される画像である。時間演出中に表示される背面画像としては、例えば、図6(b)に示す告知画像750(図6(b)参照)や、図8、および図9に示した犬のキャラクタ740の画像が挙げられる。そして、その時間演出は、表示制御装置114が、時間演出フラグ223fがオフされることに基づいて出力される背面画像変更コマンド(図36のS1407参照)を受信するまで継続する。
なお、ホールにおいて、本実施形態のパチンコ機10を複数並べて(島を構成させて)設置しておけば、島を構成する複数のパチンコ機10によって実行される演出の演出態様を、時間帯に応じて一斉に異なる演出態様に切り替える(島連動する)ことができる。島連動を行うことにより、遊技を行うタイミングに応じて、異なる態様の演出が実行されるので、各遊技者は、自己の嗜好に合った演出態様の演出(通常演出、または、時間演出)が行われるタイミングで遊技を開始することができる。ここで、本実施形態のパチンコ機10では、経過時間に応じて演出期間の種別を切り替えているが、曜日や日付、季節等に応じて島連動を行っても良い。
RAM223は、その他、主制御装置110より受信したコマンドを、そのコマンドに対応した処理が行われるまで一時的に記憶するコマンド記憶領域(図示せず)などを有している。なお、コマンド記憶領域はリングバッファで構成され、FIFO(First In First Out)方式によってデータの読み書きが行われる。音声ランプ処理装置113のコマンド判定処理(図37参照)が実行されると、コマンド記憶領域に記憶された未処理のコマンドのうち、最初に格納されたコマンドが読み出され、コマンド判定処理によって、そのコマンドが解析されて、そのコマンドに応じた処理が行われる。
表示制御装置114は、音声ランプ制御装置113及び第3図柄表示装置81が接続され、音声ランプ制御装置113より受信したコマンドに基づいて、第3図柄表示装置81における第3図柄の変動表示(変動演出)や連続予告演出を制御するものである。この表示制御装置114の詳細については、図16を参照して後述する。
電源装置115は、パチンコ機10の各部に電源を供給するための電源部251と、停電等による電源遮断を監視する停電監視回路252と、RAM消去スイッチ122(図3参照)が設けられたRAM消去スイッチ回路253とを有している。電源部251は、図示しない電源経路を通じて、各制御装置110〜114等に対して各々に必要な動作電圧を供給する装置である。その概要としては、電源部251は、外部より供給される交流24ボルトの電圧を取り込み、各種スイッチ208などの各種スイッチや、ソレノイド209などのソレノイド、モータ等を駆動するための12ボルトの電圧、ロジック用の5ボルトの電圧、RAMバックアップ用のバックアップ電圧などを生成し、これら12ボルトの電圧、5ボルトの電圧及びバックアップ電圧を各制御装置110〜114等に対して必要な電圧を供給する。
停電監視回路252は、停電等の発生による電源遮断時に、主制御装置110のMPU201及び払出制御装置111のMPU211の各NMI端子へ停電信号SG1を出力するための回路である。停電監視回路252は、電源部251から出力される最大電圧である直流安定24ボルトの電圧を監視し、この電圧が22ボルト未満になった場合に停電(電源断、電源遮断)の発生と判断して、停電信号SG1を主制御装置110及び払出制御装置111へ出力する。停電信号SG1の出力によって、主制御装置110及び払出制御装置111は、停電の発生を認識し、NMI割込処理を実行する。なお、電源部251は、直流安定24ボルトの電圧が22ボルト未満になった後においても、NMI割込処理の実行に充分な時間の間、制御系の駆動電圧である5ボルトの電圧の出力を正常値に維持するように構成されている。よって、主制御装置110及び払出制御装置111は、NMI割込処理(図29参照)を正常に実行し完了することができる。
RAM消去スイッチ回路253は、RAM消去スイッチ122(図3参照)が押下された場合に、主制御装置110へ、バックアップデータをクリアさせるためのRAM消去信号SG2を出力するための回路である。主制御装置110は、パチンコ機10の電源投入時に、RAM消去信号SG2を入力した場合に、バックアップデータをクリアすると共に、払出制御装置111においてバックアップデータをクリアさせるための払出初期化コマンドを払出制御装置111に対して送信する。
RTC292は、音声ランプ制御装置113に接続され、現在時刻を計時することができるリアルタイムクロックで構成されている。このRTC292の電気的構成について、図15を参照して説明する。図15は、RTC292の電気的構成を示すブロック図である。RTC292は、入出力ポート350と、装置制御部351と、レジスタ352とを有している。また、RTC292には、RTC用電源353が接続されている。このRTC用電源353は、パチンコ機10の電源とは異なるRTC292専用の電源であり、パチンコ機10の電源が遮断された電断状態でもRTC292に電力を供給することができる。このRTC用電源353としては、例えば、ボタン型電池が用いられる。
RTC292の装置制御部351には、入出力ポート350と、レジスタ352とが接続されている。入出力ポート350は音声ランプ制御装置113と相互通信可能に接続されている。装置制御部351は、レジスタ352を制御して、現在時刻の計時やデータの書き込みなどの各種制御を行う。
レジスタ352は、データを一時的に記憶したり、記憶したデータに対して演算を行ったりすることができる記憶領域である。図15に示した通り、レジスタ352には、計時レジスタ352aと、時刻情報格納エリア352bとが少なくとも設けられている。
計時レジスタ352aは、現在時刻を計時するためのレジスタであり、所定時間毎(例えば、1/4096秒毎)にレジスタ値が更新される。この計時レジスタ352aにおいて計時される計時情報に基づいて、時間演出の実行期間であるか否かが判別される。
時刻情報格納エリア352bは、計時情報を書き込むことができ、記憶された情報を上書きすることができる記憶領域である。具体的には、パチンコ機10の電源が遮断された場合(電源断の発生情報があった場合)に、RAM223の投入時刻格納エリア223eに記憶されている電源投入時に取得された計時情報が書き込まれる。上述した通り、RTC292にはパチンコ機10の電源とは独立したRTC用電源353から電源が供給されているので、電源投入時の計時情報をパチンコ機10の電源が遮断されている間も保持することができる。よって、例えば、複数のパチンコ機10のうちの一部の電源を遊技中に遮断した場合でも、電源復帰時に時刻情報格納エリア352bに記憶された計時情報を投入時刻格納エリア223eに格納することができる。つまり、電源が遮断されていない他のパチンコ機10と同じ計時情報に基づいて時間演出の実行期間であるか否かを判断することができる。よって、電源が遮断されたパチンコ機10と、他のパチンコ機10とで時間演出の実行タイミングがずれてしまうことを抑制することができる。
なお、本実施形態では、電源投入時にRAM消去スイッチ122を押下されたか否かに基づいて、RAM223の投入時刻格納エリア223eに対して、計時レジスタ352aの値(RTC292が計時する現在時刻に対応する計時情報)を記憶するか、時刻情報格納エリア352bに記憶された計時情報を記憶するかを判断するように構成している。即ち、RAM消去スイッチ122が押下された状態で電源が投入された場合は、投入時刻格納エリア223eに対して時刻情報格納エリア352bに記憶された計時情報を記憶するように構成されている。一方、RAM消去スイッチ122が押下されずに電源が投入された場合は、計時レジスタ352aの値(RTC292が計時する現在時刻に対応する計時情報)を投入時刻格納エリア223eに記憶するように構成されている。
これにより、ホールの店員は、ホールの開店時間等に各パチンコ機10のRAM消去スイッチ122を押下せずに一斉に電源投入を行うことにより、各パチンコ機10の把握する電源投入からの経過時間を一致させることができる。よって、各パチンコ機10において、時間演出の実行期間を一致させることができる。一方、ホールの営業時間中に一部のパチンコ機10の電源を遮断する場合(例えば、エラーを解除する場合等)には、再度電源を投入する際に、RAM消去スイッチ122を押下した状態でパチンコ機10の電源を投入することにより、時刻情報格納エリア352bに記憶された計時情報を投入時刻格納エリア223eに格納することができる。よって、電源が遮断されたパチンコ機10と、他のパチンコ機10とで時間演出の実行タイミングがずれてしまうことを抑制することができる。
次に、図16を参照して、表示制御装置114の電気的構成について説明する。図16は、表示制御装置114の電気的構成を示すブロック図である。表示制御装置114は、MPU231と、ワークRAM233と、キャラクタROM234と、常駐用ビデオRAM235と、通常用ビデオRAM236と、画像コントローラ237と、入力ポート238と、出力ポート239と、バスライン240,241とを有している。
入力ポート238の入力側には音声ランプ制御装置113の出力側が接続され、入力ポート238の出力側には、MPU231、ワークRAM233、キャラクタROM234、画像コントローラ237がバスライン240を介して接続されている。画像コントローラ237には、常駐用ビデオRAM235及び通常用ビデオRAM236が接続されると共に、バスライン241を介して出力ポート239が接続されている。また、出力ポート239の出力側には、第3図柄表示装置81が接続されている。
なお、パチンコ機10は、特別図柄の大当たりとなる抽選確率や、1回の特別図柄の大当たりで払い出される賞球数が異なる別機種であっても、第3図柄表示装置81で表示される図柄構成が全く同じ仕様の機種があるので、表示制御装置114は共通部品化されコスト低減が図られている。
以下では、先にMPU231、キャラクタROM234、画像コントローラ237、常駐用ビデオRAM235、通常用ビデオRAM236について説明し、次いで、ワークRAM233について説明する。
まず、MPU231は、主制御装置110の変動パターンコマンドに基づく音声ランプ制御装置113から出力された表示用変動パターンコマンドに基づいて、第3図柄表示装置81の表示内容を制御するものである。MPU231は、命令ポインタ231aを内蔵しており、命令ポインタ231aで示されるアドレスに格納された命令コードを読み出してフェッチし、その命令コードに従って各種処理を実行する。MPU231には、電源投入(停電からの復電を含む。以下、同じ。)直後に、電源装置115からシステムリセットがかけられるようになっており、そのシステムリセットが解除されると、命令ポインタ231aは、MPU231のハードウェアによって自動的に「0000H」に設定される。そして、命令コードがフェッチされる度に、命令ポインタ231aは、その値が1ずつ加算される。また、MPU231が命令ポインタの設定命令を実行した場合は、その設定命令により指示されたポインタの値が命令ポインタ231aにセットされる。
なお、詳細については後述するが、本実施形態において、MPU231によって実行される制御プログラムや、その制御プログラムで使用される各種の固定値データは、従来の遊技機のように専用のプログラムROMを設けて記憶させるのではなく、第3図柄表示装置81に表示させる画像のデータを記憶させるために設けられたキャラクタROM234に記憶させている。
詳細については後述するが、キャラクタROM234は、小面積で大容量化を図ることが可能なNAND型フラッシュメモリ234aによって構成されている。これにより、画像データだけでなく制御プログラム等を十分に記憶させておくことができる。そして、キャラクタROM234に制御プログラム等を記憶させておけば、制御プログラム等を記憶する専用のプログラムROMを設ける必要がない。よって、表示制御装置114における部品点数を削減することができ、製造コストを削減できるほか、部品数増加による故障発生率の増加を抑制することができる。
一方で、NAND型フラッシュメモリは、特にランダムアクセスを行う場合において読み出し速度が遅くなるという問題点がある。例えば、複数のページに連続して並んだデータの読み出しを行う場合において、2ページ目以降のデータは高速読み出しが可能であるが、最初の1ページ目のデータの読み出しには、アドレスが指定されてからデータが出力されるまでに大きな時間を要する。また、連続していないデータを読み出す場合は、そのデータを読み出す度に大きな時間を要する。このように、NAND型フラッシュメモリは、その読み出しに係る速度が遅いため、MPU231が直接キャラクタROM234から制御プログラムを読み出して各種処理を実行するように構成すると、制御プログラムを構成する命令の読み出しに時間がかかる場合が発生し、MPU231として高性能のプロセッサを用いても、表示制御装置114の処理性能を悪化させてしまうおそれがある。
そこで、本実施形態では、MPU231のシステムリセットが解除されると、まず、キャラクタROM234のNAND型フラッシュメモリ234aに記憶されている制御プログラムを、各種データの一時記憶用に設けたワークRAM233に転送して格納する。そして、MPU231はワークRAM233に格納された制御プログラムに従って、各種処理を実行する。ワークRAM233は、後述するようにDRAM(Dynamic RAM)によって構成され、高速でデータの読み書きが行われるので、MPU231は遅滞なく制御プログラムを構成する命令の読み出しを行うことができる。よって、表示制御装置114において高い処理性能を保つことができ、第3図柄表示装置81を用いて、多様化、複雑化させた演出を容易に実行することができる。
キャラクタROM234は、MPU231において実行される制御プログラムや、第3図柄表示装置81に表示される画像のデータを記憶したメモリであり、MPU231とバスライン240を介して接続されている。MPU231は、バスライン240を介してシステムリセット解除後にキャラクタROM234に直接アクセスし、そのキャラクタROM234の後述する第2プログラム記憶エリア234a1に記憶された制御プログラムを、ワークRAM233のプログラム格納エリア233aへ転送する。また、バスライン240には画像コントローラ237も接続されており、画像コントローラ237はキャラクタROM234の後述するキャラクタ記憶エリア234a2に格納された画像データを、画像コントローラ237に接続されている常駐用ビデオRAM235や通常用ビデオRAM236へ転送する。
このキャラクタROM234は、NAND型フラッシュメモリ234a、ROMコントローラ234b、バッファRAM234c、NOR型ROM234dをモジュール化して構成されている。
NAND型フラッシュメモリ234aは、キャラクタROM234におけるメインの記憶部として設けられる不揮発性のメモリであり、MPU231によって実行される制御プログラムの大部分や第3図柄表示装置81を駆動させるための固定値データを記憶する第2プログラム記憶エリア234a1と、第3図柄表示装置81に表示させる画像(キャラクタ等)のデータを格納するキャラクタ記憶エリア234a2とを少なくとも有している。
ここで、NAND型フラッシュメモリは、小さな面積で大きな記憶容量が得られる特徴を有しており、キャラクタROM234を容易に大容量化することができる。これにより、本パチンコ機において、例えば2ギガバイトの容量を持つNAND型フラッシュメモリ234aを用いることにより、第3図柄表示装置81に表示させる画像として、多くの画像をキャラクタ記憶エリア234a2に記憶させることができる。よって、遊技者の興趣をより高めるために、第3図柄表示装置81に表示される画像を多様化、複雑化することができる。
また、NAND型フラッシュメモリ234aは、多くの画像データをキャラクタ記憶エリア234a2に記憶させた状態で、更に、制御プログラムや固定値データも第2プログラム記憶エリア234a1に記憶させることができる。このように、制御プログラムや固定値データを、従来の遊技機のように専用のプログラムROMを設けて記憶させることなく、第3図柄表示装置81に表示させる画像のデータを記憶させるために設けられたキャラクタROM234に記憶させることができるので、表示制御装置114における部品点数を削減することができ、製造コストを削減できるほか、部品数増加による故障発生率の増加を抑制することができる。
ROMコントローラ234bは、キャラクタROM234の動作を制御するためのコントローラであり、例えば、バスライン240を介してMPU231や画像コントローラ237から伝達されたアドレスに基づいて、NAND型フラッシュメモリ234a等から該当するデータを読み出し、バスライン240を介してMPU231又は画像コントローラ237へ出力する。
ここで、NAND型フラッシュメモリ234aは、その性質上、データの書き込み時にエラービット(誤ったデータが書き込まれたビット)が比較的多く発生したり、データを書き込むことができない不良データブロックが発生したりする。そこで、ROMコントローラ234bは、NAND型フラッシュメモリ234aから読み出したデータに対して公知の誤り訂正を施し、また、不良データブロックを避けてNAND型フラッシュメモリ234aへのデータの読み書きが行われるように公知のデータアドレスの変換を実行する。
このROMコントローラ234bにより、エラービットを含むNAND型フラッシュメモリ234aから読み出されたデータに対して誤り訂正が行われるので、キャラクタROM234としてNAND型フラッシュメモリ234aを用いたとしても、誤ったデータに基づいてMPU231が処理を行ったり、画像コントローラ237が各種画像を生成したりすることを抑制することができる。
また、ROMコントローラ234bによってNAND型フラッシュメモリ234aの不良データブロックが解析され、その不良データブロックへのアクセスが回避されるので、MPU231や画像コントローラ237は、個々のNAND型フラッシュメモリ234aで異なる不良データブロックのアドレス位置を考慮することなく、キャラクタROM234へのアクセスを容易に行うことができる。よって、キャラクタROM234にNAND型フラッシュメモリ234aを用いても、キャラクタROM234へのアクセス制御が複雑化することを抑制することができる。
バッファRAM234cは、NAND型フラッシュメモリ234aから読み出したデータを一時的に記憶するバッファとして用いられるメモリである。MPU231や画像コントローラ237からバスライン240を介してキャラクタROM234に割り振られたアドレスが指定されると、ROMコントローラ234bは、その指定されたアドレスに対応するデータを含む1ページ分(例えば、2キロバイト)のデータがバッファRAM234cにセットされているか否かを判断する。そして、セットされていなければ、その指定されたアドレスに対応するデータを含む1ページ分(例えば、2キロバイト)のデータをNAND型フラッシュメモリ234a(またはNOR型ROM234d)より読み出してバッファRAM234cに一旦セットする。そして、ROMコントローラ234bは、公知の誤り訂正処理を施した上で、指定されたアドレスに対応するデータを、バスライン240を介してMPU231や画像コントローラ237に出力する。
このバッファRAM234cは、2バンクで構成されており、1バンク当たりNAND型フラッシュメモリ234aの1ページ分のデータがセットできるようになっている。これにより、ROMコントローラ234bは、例えば、一方のバンクにデータをセットした状態のまま他方のバンクを使用して、NAND型フラッシュメモリ234aのデータを外部に出力したり、MPU231や画像コントローラ237より指定されたアドレスに対応するデータを含む1ページ分のデータをNAND型フラッシュメモリ234aから一方のバンクに転送してセットする処理と、MPU231や画像コントローラ237によって指定されたアドレスに対応するデータを他方のバンクから読み出してMPU231や画像コントローラ237に対して出力する処理とを、並列して処理したりすることができる。よって、キャラクタROM234の読み出しにおける応答性を向上させることができる。
NOR型ROM234dは、キャラクタROM234におけるサブの記憶部として設けられる不揮発性のメモリであり、NAND型フラッシュメモリ234aを補完することを目的にそのNAND型フラッシュメモリ234aよりも極めて小容量(例えば、2キロバイト)に構成されている。このNOR型ROM234dには、キャラクタROM234に記憶される制御プログラムのうち、NAND型フラッシュメモリ234aの第2プログラム記憶エリア234a1に記憶されていないプログラム、具体的には、MPU231においてシステムリセット解除後に最初に実行されるブートプログラムの一部を格納する第1プログラム記憶エリア234d1が少なくとも設けられている。
ブートプログラムは、第3図柄表示装置81に対する各種制御が実行可能となるように表示制御装置114を起動するための制御プログラムであり、システムリセット解除後にMPU231が先ずこのブートプログラムを実行する。これにより、表示制御装置114において各種制御が実行可能に状態とすることができる。第1プログラム記憶エリア234d1は、このブートプログラムのうち、バッファRAM234cの1バンク分(即ち、NAND型フラッシュメモリ234aの1ページ分)の容量の範囲で、システムリセット解除後にMPU231によって最初に処理すべき命令から所定数の命令(例えば、1ページの容量が2キロバイトであれば、1024ワード(1ワード=2バイト)分の命令)を格納する。なお、第1プログラム記憶エリア234d1に格納されるブートプログラムの命令数は、バッファRAM234cの1バンク分の容量以下に収まっていればよく、表示制御装置114の仕様に合わせて適宜設定されるものであってもよい。
MPU231は、システムリセットが解除されると、ハードウェアによって命令ポインタ231aの値を「0000H」に設定すると共に、バスライン240に対して命令ポインタ231aにて示されるアドレス「0000H」を指定するように構成されている。一方、キャラクタROM234のROMコントローラ234bは、バスライン240にアドレス「0000H」が指定されたことを検知すると、NOR型ROM234dの第1プログラム記憶エリア234d1に記憶されたブートプログラムをバッファRAM234cの一方のバンクにセットして、対応するデータ(命令コード)をMPU231へ出力する。
MPU231は、キャラクタROM234から受け取った命令コードをフェッチすると、そのフェッチした命令コードに従って各種処理を実行するとともに、命令ポインタ231aを1だけ加算し、命令ポインタ231aにて示されるアドレスをバスライン240に対して指定する。そして、キャラクタROM234のROMコントローラ234bは、バスライン240によって指定されたアドレスがNOR型ROM234dに記憶されたプログラムを指し示すアドレスである間、先にNOR型ROM234dからバッファRAM234cにセットされたプログラムの中から、対応するアドレスの命令コードをバッファRAM234cより読み出して、MPU231に対して出力する。
ここで、本実施形態において、制御プログラムを全てNAND型フラッシュメモリ234aに格納するのではなく、ブートプログラムのうち、システムリセット解除後にMPU231によって最初に処理すべき命令から所定数の命令をNOR型ROM234dに格納するのは、次の理由による。即ち、NAND型フラッシュメモリ234aは、上述したように、最初の1ページ目のデータの読み出しにおいて、アドレスを指定してからデータが出力されるまでに大きな時間を要する、というNAND型フラッシュメモリ特有の問題がある。
このようなNAND型フラッシュメモリ234aに対して制御プログラムを全て格納すると、システムリセット解除後にMPU231が最初に実行すべき命令コードをフェッチするためにMPU231からバスライン240を介してアドレス「0000H」が指定された場合、キャラクタROM234はアドレス「0000H」に対応するデータ(命令コード)を含む1ページ分のデータをNAND型フラッシュメモリ234aから読み出してバッファRAM234cにセットしなければならい。そして、NAND型フラッシュメモリ234aの性質上、その読み出しからバッファRAM234cへのセットに多大な時間を要することになるので、MPU231は、アドレス「0000H」を指定してからアドレス「0000H」に対応する命令コードを受け取るまでに多くの待ち時間を消費する。よって、MPU231の起動にかかる時間が長くなるので、結果として、表示制御装置114における第3図柄表示装置81の制御が即座に開始されないおそれがあるという問題点が生じる。
これに対し、NOR型ROMは高速にデータを読み出すことが可能なメモリであるので、ブートプログラムのうち、システムリセット解除後にMPU231によって最初に処理すべき命令から所定数の命令をNOR型ROM234dに格納することによって、システムリセット解除後にMPU231からバスライン240を介してアドレス「0000H」が指定されると、キャラクタROM234は即座にNOR型ROM234dの第1プログラム記憶エリア234d1に記憶されたブートプログラムをバッファRAM234cにセットして、対応するデータ(命令コード)をMPU231へ出力することができる。よって、MPU231は、アドレス「0000H」を指定してから短い時間でアドレス「0000H」に対応する命令コードを受け取ることができ、MPU231の起動を短時間で行うことができる。従って、読み出し速度の遅いNAND型フラッシュメモリ234aで構成されたキャラクタROM234に制御プログラムを格納しても、表示制御装置114における第3図柄表示装置81の制御を即座に開始することができる。
ブートプログラムは、NAND型フラッシュメモリ234aの第2プログラム記憶エリア234a1に記憶されている制御プログラム、即ち、NOR型ROM234dの第1プログラム記憶エリア234d1に記憶されているブートプログラムを除く制御プログラムや、その制御プログラムで用いられる固定値データ(例えば、後述する表示データテーブル、転送データテーブルなど)を、所定量(例えば、NAND型フラッシュメモリ234aの1ページ分の容量)ずつワークRAM233のプログラム格納エリア233aやデータテーブル格納エリア233bへ転送するようにプログラミングされている。そして、MPU231は、まず、システムリセット解除後に第1プログラム記憶エリア234d1から読み出したブートプログラムに従って、第2プログラム記憶エリア234a1に記憶されている制御プログラムを、第1プログラム記憶エリア234d1のブートプログラムがセットされているバッファRAM234cのバンクとは異なるバンクを使用しながら、所定量だけプログラム格納エリア233aに転送し、格納する。
ここで、第1プログラム記憶エリア234d1に記憶されているブートプログラムは、上述したように、バッファRAM234cの1バンク分に相当する容量で構成されているので、内部バスのアドレスが「0000H」に指定されたことを受けて第1プログラム記憶エリア234d1のブートプログラムがバッファRAM234cにセットされる場合、そのブートプログラムはバッファRAM234cの一方のバンクにのみセットされる。よって、第1プログラム記憶エリア234d1のブートプログラムに従って、第2プログラム記憶エリア234a1に記憶されている制御プログラムをプログラム格納エリア233aに転送する場合は、バッファRAM234cの一方のバンクにセットされた第1プログラム記憶エリア234d1のブートプログラムを残したまま、他方のバンクを使用してその転送処理を実行することができる。従って、その転送処理後に、第1プログラム記憶エリア234d1のブートプログラムを再度バッファRAM234cにセットし直すといった処理が不要であるので、ブート処理に係る時間を短くすることができる。
第1プログラム記憶エリア234d1に記憶されているブートプログラムは、第2プログラム記憶エリア234a1に記憶されている制御プログラムを所定量だけプログラム格納エリア233aに転送すると、命令ポインタ231aをプログラム格納エリア233a内の第1の所定番地に設定するようにプログラミングされている。これにより、システムリセット解除後、MPU231によって第2プログラム記憶エリア234a1に記憶されている制御プログラムが所定量だけプログラム格納エリア233aに転送されると、命令ポインタ231aがプログラム格納エリア233aの第1の所定番地に設定される。
よって、第2プログラム記憶エリア234a1に記憶されている制御プログラムのうち所定量のプログラムがプログラム格納エリア233aに格納されると、MPU231は、そのプログラム格納エリア233aに格納された制御プログラムを読み出して、各種処理を実行することができる。即ち、MPU231は、第2プログラム記憶エリア234a1を有するNAND型フラッシュメモリ234aから制御プログラムを読み出して命令フェッチするのではなく、プログラム格納エリア233aを有するワークRAM233に転送された制御プログラムを読み出して命令フェッチし、各種処理を実行することになる。後述するように、ワークRAM233はDRAMによって構成されるため、高速に読み出し動作が行われる。よって、制御プログラムの殆どを読み出し速度の遅いNAND型フラッシュメモリ234aに記憶させた場合であっても、MPU231は高速に命令をフェッチし、その命令に対する処理を実行することができる。
ここで、第2プログラム記憶エリア234a1に記憶されている制御プログラムには、第1プログラム記憶エリア234d1に記憶されていない残りのブートプログラムが含まれている。一方、第1プログラム記憶エリア234d1に記憶されているブートプログラムは、ワークRAM233のプログラム格納エリア233aに所定量だけ第2プログラム記憶エリア234a1から転送される制御プログラムの中に、その残りのブートプログラムが含まれるようにプログラミングされていると共に、プログラム格納エリア233aに格納されたその残りのブートプログラムの先頭アドレスを第1の所定番地として命令ポインタ231aを設定するようにプログラミングされている。
これにより、MPU231は、第1プログラム記憶エリア234d1に記憶されているブートプログラムによって、第2プログラム記憶エリア234a1に記憶されている制御プログラムを所定量だけプログラム格納エリア233aに転送した後、その転送した制御プログラムに含まれる残りのブートプログラムを実行する。
この残りのブートプログラムでは、プログラム格納エリア233aに転送されていない残りの制御プログラムやその制御プログラムで用いられる固定値データ(例えば、後述する表示データテーブル、転送データテーブルなど)を全て第2プログラム記憶エリア234a1から所定量ずつプログラム格納エリア233a又はデータテーブル格納エリア233bに転送する処理を実行する。また、ブートプログラムの最後で、命令ポインタ231aをプログラム格納エリア233a内の第2の所定番地に設定する。具体的には、この第2の所定番地として、プログラム格納エリア233aに格納された、ブートプログラムによるブート処理(図40のS1801参照)の終了後に実行される初期設定処理(図40のS1802参照)に対応するプログラムの先頭アドレスを設定する。
MPU231は、この残りのブートプログラムを実行することによって、第2プログラム記憶エリア234a1に記憶されている制御プログラムや固定値データが全てプログラム格納エリア233a又はデータテーブル格納エリア233bに転送される。そして、ブートプログラムがMPU231により最後まで実行されると、命令ポインタ231aが第2の所定番地に設定され、以後、MPU231は、NAND型フラッシュメモリ234aを参照することなく、プログラム格納エリア233aに転送された制御プログラムを用いて各種処理を実行する。
よって、制御プログラムの殆どを読み出し速度の遅いNAND型フラッシュメモリ234aによって構成されるキャラクタROM234に記憶させた場合であっても、システムリセット解除後にその制御プログラムをワークRAM233のプログラム格納エリア233aに転送することで、MPU231は、読み出し速度が高速なDRAMによって構成されるワークRAMから制御プログラムを読み出して各種制御を行うことができる。従って、表示制御装置114において高い処理性能を保つことができ、第3図柄表示装置81を用いて、多様化、複雑化させた演出を容易に実行することができる。
また、上述したように、NOR型ROM234dにブートプログラムを全て格納せずに、システムリセット解除後にMPU231によって最初に処理すべき命令から所定数の命令を格納しておき、残りのブートプログラムについては、NAND型フラッシュメモリ234aの第2プログラム記憶エリア234a1に記憶させても、第2プログラム記憶エリア234a1に記憶されている制御プログラムを確実にプログラム格納エリア233aに転送することができる。よって、キャラクタROM234は、極めて小容量のNOR型ROM234dを追加するだけで、MPU231の起動を短時間で行うことができるようになるので、その短時間化に伴うキャラクタROM234のコスト増加を抑制することができる。
画像コントローラ237は、画像を描画し、その描画した画像を所定のタイミングで第3図柄表示装置81に表示させるデジタル信号プロセッサ(DSP)である。画像コントローラ237は、MPU231から送信される後述の描画リスト(図22参照)に基づき1フレーム分の画像を描画して、後述する第1フレームバッファ236bおよび第2フレームバッファ236cのいずれか一方のフレームバッファに描画した画像を展開すると共に、他方のフレームバッファにおいて先に展開された1フレーム分の画像情報を第3図柄表示装置81へ出力することによって、第3図柄表示装置81に画像を表示させる。画像コントローラ237は、この1フレーム分の画像の描画処理と1フレーム分の画像の表示処理とを、第3図柄表示装置81における1フレーム分の画像表示時間(本実施形態では、20ミリ秒)の中で並列処理する。
画像コントローラ237は、1フレーム分の画像の描画処理が完了する20ミリ秒毎に、MPU231に対して垂直同期割込信号(以下、「V割込信号」と称す)を送信する。MPU231は、このV割込信号を検出する度に、V割込処理(図42(b)参照)を実行し、画像コントローラ237に対して、次の1フレーム分の画像の描画を指示する。この指示により、画像コントローラ237は、次の1フレーム分の画像の描画処理を実行すると共に、先に描画によって展開された画像を第3図柄表示装置81に表示させる処理を実行する。
このように、MPU231は、画像コントローラ237からのV割込信号に伴ってV割込処理を実行し、画像コントローラ237に対して描画指示を行うので、画像コントローラ237は、画像の描画処理および表示処理間隔(20ミリ秒)毎に、画像の描画指示をMPU231より受け取ることができる。よって、画像コントローラ237では、画像の描画処理や表示処理が終了していない段階で、次の画像の描画指示を受け取ることがないので、画像の描画途中で新たな画像の描画を開始したり、表示中の画像情報が格納されているフレームバッファに、新たな描画指示に伴って画像が展開されたりすることを防止することができる。
画像コントローラ237は、また、MPU231からの転送指示や、描画リストに含まれる転送データ情報に基づいて、画像データをキャラクタROM234から常駐用ビデオRAM235や通常用ビデオRAM236に転送する処理も実行する。
なお、画像の描画は、常駐用ビデオRAM235および通常用ビデオRAM236に格納された画像データを用いて行われる。即ち、描画の際に必要となる画像データは、その描画が行われる前に、MPU231からの指示に基づき、キャラクタROM234から常駐用ビデオRAM235または通常用ビデオRAM236へ転送される。
ここで、NAND型フラッシュメモリは、ROMの大容量化を容易にする一方、読み出し速度がその他のROM(マスクROMやEEPROMなど)と比して遅い。これに対し、表示制御装置114では、MPU231が、キャラクタROM234に格納されている画像データのうち一部の画像データを電源投入後に常駐用ビデオRAM235に転送するように、画像コントローラ237に対して指示するよう構成されている。そして、後述するように、常駐用ビデオRAM235に格納された画像データは、上書きされることなく常駐されるように制御される。
これにより、電源が投入されてから常駐用ビデオRAM235に常駐すべき画像データの転送が終了した後は、常駐用ビデオRAM235に常駐された画像データを使用しながら、画像コントローラ237にて画像の描画処理を行うことができる。よって、描画処理に使用する画像データが常駐用ビデオRAM235に常駐されていれば、画像描画時に読み出し速度の遅いNAND型フラッシュメモリ234aで構成されたキャラクタROM234から対応する画像データを読み出す必要がないため、その読み出しにかかる時間を省略でき、画像の描画を即座に行って第3図柄表示装置81に描画した画像を表示することができる。
特に、常駐用ビデオRAM235には、頻繁に表示される画像の画像データや、主制御装置110または表示制御装置114によって表示が決定された後、即座に表示すべき画像の画像データを常駐させるので、キャラクタROM234をNAND型フラッシュメモリ234aで構成しても、第3図柄表示装置81に何らかの画像を表示させるまでの応答性を高く保つことができる。
また、表示制御装置114は、常駐用ビデオRAM235に非常駐の画像データを用いて画像の描画を行う場合は、その描画が行われる前に、キャラクタROM234から通常用ビデオRAM236に対して描画に必要な画像データを転送するように、MPU231が画像コントローラ237に対して指示するよう構成されている。後述するように、通常用ビデオRAM236に転送された画像データは、画像の描画に用いられた後、上書きによって削除される可能性はあるものの、画像描画時には、読み出し速度の遅いNAND型フラッシュメモリ234aで構成されたキャラクタROM234から対応する画像データを読み出す必要がなく、その読み出しにかかる時間を省略できるので、画像の描画を即座に行って第3図柄表示装置81に描画した画像を表示することができる。
また、通常用ビデオRAM236にも画像データを格納することによって、全ての画像データを常駐用ビデオRAM235に常駐させておく必要がないため、大容量の常駐用ビデオRAM235を用意する必要がない。よって、常駐用ビデオRAM235を設けたことによるコスト増大を抑えることができる。
画像コントローラ237は、NAND型フラッシュメモリ234aの1ブロック分の容量である132キロバイトのSRAMによって構成されたバッファRAM237aを有している。
MPU231が、転送指示や描画リストの転送データ情報によって画像コントローラ237に対して行う画像データの転送指示には、転送すべき画像データが格納されているキャラクタROM234の先頭アドレス(格納元先頭アドレス)と最終アドレス(格納元最終アドレス)、転送先の情報(常駐用ビデオRAM235及び通常用ビデオRAM236のいずれに転送するかを示す情報)、及び転送先(常駐用ビデオRAM235又は通常用ビデオRAM236)の先頭アドレスが含まれる。なお、格納元最終アドレスに代えて、転送すべき画像データのデータサイズを含めてもよい。
画像コントローラ237は、この転送指示の各種情報に従って、キャラクタROM234の所定アドレスから1ブロック分のデータを読み出して一旦バッファRAM237aに格納し、常駐用ビデオRAM235または通常用ビデオRAM236の未使用時に、バッファRAM237aに格納された画像データを常駐RAM235または通常用ビデオRAM236に転送する。そして、転送指示により示された格納元先頭アドレスから格納元最終アドレスに格納された画像データが全て転送されるまで、その処理を繰り返し実行する。
これにより、キャラクタROM234から時間をかけて読み出された画像データを一旦そのバッファRAM237aに格納し、その後、その画像データをバッファRAM237aから常駐用ビデオRAM235又は通常用ビデオRAM236へ短時間で転送することができる。よって、キャラクタROM234から画像データが常駐用ビデオRAM235又は通常用ビデオRAM236へ転送される間に、常駐用ビデオRAM235又は通常用ビデオRAM236が、その画像データの転送で長時間占有されるのを防止することができる。従って、画像データの転送により常駐用ビデオRAM235や通常用ビデオRAM236が占有されることで、画像の描画処理にそれらのビデオRAM235,236が使用できず、結果として必要な時間までに画像の描画や、第3図柄表示装置81への表示が間に合わないことを防止することができる。
また、バッファRAM234cから常駐用ビデオRAM235又は通常用ビデオRAM236への画像データへの転送は、画像コントローラ237によって行われるので、常駐用ビデオRAM235及び通常用ビデオRAM236が画像の描画処理や第3図柄表示装置81への表示処理に未使用である期間を容易に判定することができ、処理の単純化を図ることができる。
常駐用ビデオRAM235は、キャラクタROM234より転送された画像データが、電源投入中、上書きされることがなく保持され続けるように用いられ、電源投入時主画像エリア235a、背面画像エリア235c、キャラクタ図柄エリア235e、エラーメッセージ画像エリア235fが設けられているほか、電源投入時変動画像エリア235b、第3図柄エリア235dが少なくとも設けられている。
電源投入時主画像エリア235aは、電源が投入されてから常駐用ビデオRAM235に常駐すべき全ての画像データが格納されるまでの間に第3図柄表示装置81に表示する電源投入時主画像に対応するデータを格納する領域である。また、電源投入時変動画像エリア235bは、第3図柄表示装置81に電源投入時主画像が表示されている間に遊技者によって遊技が開始され、第1入球口64への入球が検出された場合に、主制御装置110において行われた抽選結果を変動演出によって表示する電源投入時変動画像に対応する画像データを格納する領域である。
MPU231は、電源部251から電源供給が開始されたときに、キャラクタROM234から電源投入時主画像および電源投入時変動画像に対応する画像データを電源投入時主画像エリア235aへ転送するように、画像コントローラ237へ転送指示を送信する(図40のS1803,S1804参照)。電源投入時主画像は、電源投入直後において、常駐用ビデオRAM235に対して格納すべき画像データをキャラクタROM234から転送している間に、第3図柄表示装置81にて表示される画像であり、通常遊技中に表示される画像に比べてデータ量が少なく、簡素な画像である。このため、電源投入後に迅速に画像データを転送し、画像を表示させることができる。
電源投入時主画像の表示中に、変動開始の指示コマンドである主制御装置110からの変動パターンコマンドに基づき音声ランプ制御装置113から送信される表示用変動パターンコマンドを受信すると、表示制御装置114は、電源投入時主画像の表示画面上に、画面に向かって右下の位置に「○」図柄の電源投入時変動画像と、「○」図柄と同位置に「×」図柄の電源投入時変動画像とを、変動期間中、交互に繰り返して表示する。そして、主制御装置110からの変動パターンコマンドや停止種別コマンドに基づき音声ランプ制御装置113から送信される表示用変動パターンコマンドおよび表示用停止種別コマンドから、主制御装置110にて行われた抽選の結果を判断し、「特別図柄の大当たり」である場合は「○」図柄を変動演出の停止後に一定期間表示させ、「特別図柄の外れ」である場合は「×」図柄を変動演出の停止後に一定期間表示させる。
MPU231は、常駐用ビデオRAM235に常駐すべき全ての画像データが常駐用ビデオRAM235に対して転送されるまで、画像コントローラ237に対し、電源投入時主画像エリア235aに格納された画像データを用いて電源投入時主画像の描画を行うよう指示する。これにより、残りの常駐すべき画像データが常駐用ビデオRAM235に転送されている間、遊技者やホール関係者は、第3図柄表示装置81に表示された電源投入時主画像を確認することができる。よって、表示制御装置114は、電源投入時主画像を第3図柄表示装置81に表示させている間に、時間をかけて残りの常駐すべき画像データをキャラクタROM234から常駐用ビデオRAM235に転送することができる。また、遊技者等は、電源投入時主画像が第3図柄表示装置81に表示されている間、何らかの処理が行われていることを認識できるので、残りの常駐用ビデオRAM235に常駐すべき画像データが、キャラクタROM234から常駐用ビデオRAM235に転送されるまでの間、動作が停止していないか、といった不安を持つことなく、常駐用ビデオRAM235への画像データの転送が完了するまで待機することができる。
また、製造時の工場等における動作チェックにおいても、電源投入時主画像がすぐに第3図柄表示装置81に表示されることによって、第3図柄表示装置81が電源投入によって問題なく動作が開始されていることをすぐに確認することができ、更に、キャラクタROM234に読み出し速度の遅いNAND型フラッシュメモリ234aを用いることにより動作チェックの効率が悪化することを抑制できる。
また、電源投入時主画像が第3図柄表示装置81に表示されている間に遊技者が遊技を開始し、第1入口球64に入球が検出された場合は、電源投入時変動画像エリア235bに常駐された電源投入時変動画像に対応する画像データを用いて電源投入時変動画像が描画され、「○」図柄と「×」図柄とが交互に第3図柄表示装置81に表示されるように、MPU231から画像コントローラ237に対して指示される。これにより、電源投入時変動画像を用いて簡単な変動演出を行うことができる。よって、遊技者は、電源投入時主画像が第3図柄表示装置81に表示されている間であっても、その簡単な変動演出によって確実に抽選が行われたことを確認することができる。
また、電源投入時主画像が第3図柄表示装置81に表示される段階で、すでに電源投入時変動演出画像に対応する画像データが電源投入時変動画像エリア235bに常駐されているので、電源投入時主画像が第3図柄表示装置81に表示されている間に第1入口球64に入球が検出された場合は、対応する変動演出を第3図柄表示装置81に即座に表示させることができる。
図16に戻って説明を続ける。背面画像エリア235cは、第3図柄表示装置81に表示される背面画像に対応する画像データを格納する領域である。ここで、図18及び図19を参照して、背面画像と、その背面画像のうち、背面画像エリア235cに格納される背面画像の範囲について説明する。図18及び図19は、3種類の背面画像と、各背面画像に対して常駐用ビデオRAM235の背面画像エリア235cに格納される背面画像の範囲を説明する説明図であり、図18(a)は、「街中ステージ」に対応する背面Aに対して、図18(b)は、「空ステージ」に対応する背面Bに対して、図19は、「島ステージ」に対応する背面Cに対してそれぞれ示したものである。
各背面A〜Cのうち、背面A及びBに対応する背面画像は、図18に示すように、いずれも第3図柄表示装置81において表示される表示領域よりも水平方向に長い画像が、キャラクタROM234に用意されている。画像コントローラ237は、その画像を水平方向に左から右へスクロールさせながら背面画像が第3図柄表示装置81に表示されるように、画像の描画をおこなう。
各背面A及びBに用意された画像(以下、「スクロール用画像」と称す。)は、いずれも位置a、および位置cのところで背面画像が連続するように画像が構成されている。そして、位置cから位置dの間の画像および位置aから位置a’の間の画像は、表示領域の水平方向の幅分の画像によって構成されており、位置cから位置dの間にある画像が表示領域として第3図柄表示装置81に表示された後に、位置aから位置a’の間にある画像を表示領域として第3図柄表示装置81に表示させると、第3図柄表示装置81にスムーズなつながりで背面画像がスクロール表示されるようになっている。
遊技者によって枠ボタン228が操作されてステージが「街中ステージ」または「空ステージ」に変更されると、MPU231は、対応する背面画像のまず位置aから位置a’の間を表示領域の初期位置として設定し、その初期位置の画像が第3図柄表示装置81に表示されるように、画像コントローラ237を制御する。そして、時間の経過とともに、表示領域をスクロール用画像に対して左から右に移動させ、順次その表示領域が第3図柄表示装置81に表示されるように画像コントローラ237を制御し、更に、表示領域が位置cから位置dの間の画像に到達した場合、再び表示領域を位置aから位置a’の画像として第3図柄表示装置81に表示されるように画像コントローラ237を制御する。よって、第3図柄表示装置81には、位置a〜位置cの間の画像を、左方向に向かって流れるように、スムーズなつながりで繰り返しスクロールされて表示させることができる。
一方、背面Cにおける背面画像は、図19に示すように、時間の経過とともに、図19の(a)→(b)→(c)→(a)→・・・の順で、第3図柄表示装置81に表示される。具体的には、背面Cは、島にそびえる山の画像と、山のふもとに広がる砂浜の画像と、島を囲む海の画像とが、その表示される位置が固定された状態で第3図柄表示装置81に表示される。一方、山の上に広がる空の画像は、その色調が時間経過とともに変化する。
遊技者による枠ボタン228の操作によりステージが「島ステージ」に変更されると、背面Cの初期背面画像として、図19(a)に示す背面画像が表示される。この図19(a)に示す背面画像では、朝やけを示すオレンジ色の空が表示される。そして、時間の経過とともに空の色調がオレンジ色から徐々に鮮やかな青色に変化して、所定時間経過後、図19(b)に示す背面画像が表示される。図19(b)に示す背面画像では、昼を示す鮮やかな青色の空が表示される。次に、時間の経過とともに空の色調が鮮やかな青色から徐々に黒色に変化して、所定時間経過後、図19(c)に示す背面画像が表示される。図19(c)に示す背面画像では、夜を示す黒色の空が表示される。その後、時間の経過とともに空の色調が黒色から徐々に白みはじめ更にオレンジ色に変化する。そして、所定時間経過後、図19(a)に示す背面画像に戻って、再び図19(a)〜(c)の背面画像が第3図柄表示装置81に表示される。
次いで、各背面画像において、背面画像エリア235cに格納される背面画像の範囲について説明する。初期ステージである街中ステージに対応する背面Aは、図18(a)に示すように、その背面Aの全範囲、即ち、位置aから位置dに対応する画像データが全て常駐用ビデオRAM235の背面画像エリア235cに格納される。通常、初期ステージである街中ステージを表示させたまま、ステージを変更せずに遊技が行われる場合が多いので、多頻度で表示される街中ステージに対応する背面Aの画像データを全て背面画像エリア235cに常駐させておくことで、キャラクタROM234へのデータアクセス回数を減らすことができ、表示制御装置114にかかる負荷を軽減することができる。
一方、空ステージに対応する背面Bは、図18(b)に示すように、その背面の一部領域、即ち、位置aから位置bの間の画像に対応する画像データだけを常駐用ビデオRAM235の背面画像エリア235cに格納する。また、島ステージに対応する背面Cは、図19(a)を含み、図19(b)を除く図19(a)〜(b)の間の背面画像に対応する画像データが、電源投入後の立ち上げ処理の中で常駐用ビデオRAM235の背面画像エリア235cに格納され、常駐される。
ここで、ステージを変更するために遊技者による行われる枠ボタン228の操作は、遊技者の意思に基づき任意のタイミングで行われるものであるので、任意のタイミングで枠ボタン228が操作されても即座に背面画像を変更するためには、全ての背面画像について全範囲の画像データを常駐用ビデオRAM235に常駐させておくことが理想的であるが、そのようにすると常駐用ビデオRAM235として非常に大きな容量のRAMを用いなければならず、コストの増大につながるおそれがある。
これに対し、本パチンコ機10では、ステージが変更された場合に最初に表示される背面画像の初期位置を、位置aから位置a’の範囲または図19(a)〜(b)の範囲に固定し、その初期位置を含む位置aから位置bの間の画像または図19(a)〜(b)の間の画像に対応する画像データを常駐用ビデオRAM235の背面画像エリア235cに格納しておくので、キャラクタROM234を読み出し速度の遅いNAND型フラッシュメモリ234aで構成しても、遊技者による枠ボタン228の操作によって任意のタイミングでステージが変更された場合に、常駐用ビデオRAM235の背面画像エリア235cに常駐されている画像データを用いることによって、即座にその背面Bや背面Cの初期位置を第3図柄表示装置81に表示させることができ、また、時間経過とともにスクロール表示または色調を変化させながら表示させることができる。また、背面Bおよび背面Cについては、一部範囲の画像に対応する画像データだけを格納するので、常駐用ビデオRAM235の記憶容量の増大を抑制でき、コストの増大を抑えることができる。
また、背面Bは、初期位置の画像が表示された後、常駐用ビデオRAM235の背面画像エリア235cに常駐された画像データを用いて位置aから位置bの範囲を左から右に向けてスクロールさせている間に、位置b’から位置dの画像に対応する画像データをキャラクタROM234から通常用RAM236へ転送完了できるように、その位置aから位置bの範囲が設定されている。これにより、位置aから位置bの範囲をスクロールさせる間に位置b’から位置dの画像データを通常用ビデオRAM236へ転送できるので、常駐用ビデオRAM235の背面画像エリア235cに格納された画像データを用いて位置aから位置bの範囲をスクロールさせた後、遅滞なく通常用ビデオRAM236に格納された背面画像に対応する画像データを用いて、位置b’から位置dの範囲をスクロールさせて第3図柄表示装置81に表示させることができる。
同様に、背面Cは、初期位置の画像が表示された後、常駐用ビデオRAM235の背面画像エリア235cに常駐された画像データを用いて図19(a)〜(b)の画像を表示させている間に、図19(b)〜(c)および図19(c)〜(a)に対応する画像の画像データがキャラクタROM234から通常用RAM236へ転送が完了できるように、図19(a)〜(b)の範囲が設定されている。これにより、図19(a)〜(b)の画像を表示させている間に図19(b)〜(c)および図19(c)〜(a)の画像に対応する画像データを通常用ビデオRAM236へ転送できるので、常駐用ビデオRAM235の背面画像エリア235cに常駐された画像データを用いて図19(a)〜(b)の画像を表示させた後、遅滞なく通常用ビデオRAM236に格納された背面画像に対応する画像データを用いて、図19(b)〜(c)および図19(c)〜(a)の画像を時間経過とともに、順次、第3図柄表示装置81に表示させることができる。
なお、背面B及び背面Cにおいて、通常用ビデオRAM236に格納される画像データは、通常用ビデオRAM236の画像格納エリア236a(図16参照)に設けられた背面画像専用のサブエリアに格納される。これにより、背面画像専用のサブエリアに格納された背面画像データが、他の画像データによって上書きされることがないので、背面画像を確実に表示させることができる。
また、背面Bにおいて、常駐用ビデオRAM235の背面画像エリア235cに格納される画像データと、通常用ビデオRAM236に格納される画像データとでは、位置b’から位置bの間の画像に対応する画像データが重複して格納される。そして、MPU231による画像コントローラ237の制御により、常駐用ビデオRAM235の背面画像エリア235cに格納された画像データを用いて位置bまでの画像を第3図柄表示装置81に表示させ、次いで、通常用ビデオRAM236に格納された画像データを用いて位置b’からの画像を第3図柄表示装置81に表示させることで、第3図柄表示装置81にスムーズなつながりで背面画像がスクロール表示されるようになっている。
更に、MPU231は、通常用ビデオRAM236の画像データを用いて、位置cから位置dの間の画像を表示領域として第3図柄表示装置81に表示されるように画像コントローラ237を制御すると、次いで、MPU231は、常駐用ビデオRAM235の背面画像エリア235cの画像データを用いて、位置aから位置a’の間の画像を表示領域として第3図柄表示装置81に表示されるように画像コントローラ237を制御する。これにより、第3図柄表示装置81には、位置a〜位置cの間の画像が、左方向に向かって流れるように、スムーズなつながりで繰り返しスクロールされて表示させることができる。
図16に戻って、説明を続ける。第3図柄エリア235dは、第3図柄表示装置81に表示される変動演出において使用される第3図柄を常駐するためのエリアである。即ち、第3図柄エリア235dには、第3図柄である「0」から「9」の数字を付した上述の10種類の主図柄(図4参照)に対応する画像データが常駐される。これにより、第3図柄表示装置81にて変動演出を行う場合、逐一キャラクタROM234から画像データを読み出す必要がないので、キャラクタROM234にNAND型フラッシュメモリ234aを用いても、第3図柄表示装置81において素早く変動演出を開始することができる。よって、第1入球口64への入球が発生してから、第1図柄表示装置37では変動演出が開始されているにも関わらず、第3図柄表示装置81において変動演出が即座に開始されないような状態が発生するのを抑制することができる。
また、第3図柄エリア235dには、「0」から「9」の数字が付されていない主図柄として、木箱といった後方図柄からなる主図柄や、後方図柄とかんな,風呂敷,ヘルメット等のキャラクタを模した付属図柄とからなる主図柄に対応する画像データも常駐される。これらの画像データは、一の変動演出が停止してから所定時間経過しても、始動入賞に伴う次の変動演出が開始されない場合に、第3図柄表示装置81に表示されるデモ演出に用いられる。これにより、デモ演出が第3図柄表示装置81に表示されると、そのデモ演出において、第3図柄として数字の付されていない主図柄が表示される。よって、遊技者は、数字の付されていない主図柄を第3図柄表示装置81の表示画像から視認することによって、当該パチンコ機10がデモ状態にあることを容易に認識することができる。
キャラクタ図柄エリア235eは、第3図柄表示装置81に表示される各種演出で使用されるキャラクタ図柄に対応する画像データを格納する領域である。本パチンコ機10では、「少年」をはじめとする様々なキャラクタが各種演出にあわせて表示されるようになっており、これらに対応するデータがキャラクタ図柄エリア235eに常駐されることにより、表示制御装置114は、音声ランプ制御装置113より受信したコマンドの内容に基づいてキャラクタ図柄を変更する場合、キャラクタROM234から対応の画像データを新たに読み出すのではなく、常駐用ビデオRAM235のキャラクタ図柄エリア235eに予め常駐されている画像データを読み出すことによって、画像コントローラ237にて所定の画像を描画できるようになっている。これにより、キャラクタROM234から対応の画像データを読み出す必要がないので、キャラクタROM234に読み出し速度の遅いNAND型フラッシュメモリ234aを用いても、キャラクタ図柄を即座に変更することができる。
エラーメッセージ画像エリア235fは、パチンコ機10内にエラーが発生した場合に表示されるエラーメッセージに対応する画像データを格納する領域である。本パチンコ機10では、例えば、遊技盤13の裏面に取り付けられた振動センサ(図示せず)の出力から、音声ランプ制御装置113によって振動を検出すると、音声ランプ制御装置113は振動エラーの発生をエラーコマンドによって表示制御装置114に通知する。また、音声ランプ制御装置113により、その他のエラーの発生が検出された場合にも、音声ランプ制御装置113は、エラーコマンドによって、そのエラーの発生をそのエラー種別と共に表示制御装置114へ通知する。表示制御装置114では、エラーコマンドを受信すると、その受信したエラーに対応するエラーメッセージを第3図柄表示装置81に表示させるように構成されている。
ここで、エラーメッセージは、遊技者の不正防止やエラーに対する遊技者の保護の観点から、エラーの発生とほぼ同時に表示されることが求められる。本パチンコ機10では、エラーメッセージ画像エリア235fに、各種エラーメッセージに対応する画像データが予め常駐されているので、表示制御装置114は、受信したエラーコマンドに基づいて、常駐用ビデオRAM235のエラーメッセージ画像エリア235fに予め常駐されている画像データを読み出すことによって、画像コントローラ237にて各エラーメッセージ画像を即座に描画できるようになっている。これにより、キャラクタROM234から逐次エラーメッセージに対応する画像データを読み出す必要がないので、キャラクタROM234に読み出し速度の遅いNAND型フラッシュメモリ234aを用いても、エラーコマンドを受信してから対応するエラーメッセージを即座に表示させることができる。
通常用ビデオRAM236は、データが随時上書きされ更新されるように用いられるもので、画像格納エリア236a、第1フレームバッファ236b、第2フレームバッファ236cが少なくとも設けられている。
画像格納エリア236aは、第3図柄表示装置81に表示させる画像の描画に必要な画像データのうち、常駐用ビデオRAM235に常駐されていない画像データを格納するためのエリアである。画像格納エリア236aは、複数のサブエリアに分割されており、サブエリア毎に、そのサブエリアに格納される画像データの種別が予め定められている。
MPU231は、常駐用ビデオRAM235に常駐されていない画像データのうち、その後の画像の描画で必要となる画像データを、キャラクタROM234から通常用ビデオRAM236の画像格納エリア236aに設けられたサブエリアのうち、その画像データの種別を格納すべき所定のサブエリアに転送するように、画像コントローラ237に対して指示をする。これにより画像コントローラ237は、MPU231により指示された画像データをキャラクタROM234から読み出し、バッファRAM237aを介して、画像格納エリア236aの指定された所定のサブエリアにその読み出した画像データを転送する。
なお、画像データの転送指示は、MPU231が画像コントローラ237に対して画像の描画を指示する後述の描画リストの中に、転送データ情報を含めることによって行われる。これにより、MPU231は、画像の描画指示と、画像データの転送指示とを、描画リストを画像コントローラ237に送信するだけで行うことができるので、処理負荷を低減することができる。
第1フレームバッファ236bおよび第2フレームバッファ236cは、第3図柄表示装置81に表示すべき画像を展開するためのバッファである。画像コントローラ237は、MPU231からの指示に従って描画した1フレーム分の画像を、第1フレームバッファ236bおよび第2フレームバッファ236cのいずれか一方のフレームバッファに書き込むことによって、そのフレームバッファに1フレーム分の画像を展開すると共に、その一方のフレームバッファに画像を展開している間、他方のフレームバッファから先に展開された1フレーム分の画像情報を読み出し、駆動信号と共に第3図柄表示装置81に対してその画像情報を送信することによって、第3図柄表示装置81に、その1フレーム分の画像を表示させる処理を実行する。
このように、フレームバッファとして、第1フレームバッファ236bおよび第2フレームバッファ236cの2つを設けることによって、画像コントローラ237は、一方のフレームバッファに描画した1フレーム分の画像を展開しながら、同時に、他方のフレームバッファから先に展開された1フレーム分の画像を読み出して、第3図柄表示装置81にその読み出した1フレーム分の画像を表示させることができる。
そして、1フレーム分の画像を展開するフレームバッファと、第3図柄表示装置81に画像を表示させるために1フレーム分の画像情報が読み出されるフレームバッファとは、1フレーム分の画像の描画処理が完了する20ミリ秒毎に、MPU231によって、それぞれ第1フレームバッファ236bおよび第2フレームバッファ236cのいずれかが交互に入れ替えて指定される。
即ち、あるタイミングで、1フレーム分の画像を展開するフレームバッファとして第1フレームバッファ236bが指定され、1フレーム分の画像情報が読み出されるフレームバッファとして第2フレームバッファ236cが指定されて、画像の描画処理および表示処理が実行されると、1フレーム分の画像の描画処理が完了する20ミリ秒後に、1フレーム分の画像を展開するフレームバッファとして第2フレームバッファ236cが指定され、1フレーム分の画像情報が読み出されるフレームバッファとして第1フレームバッファ236bが指定される。これにより、先に第1フレームバッファ236bに展開された画像の画像情報が読み出されて第3図柄表示装置81に表示させることができると同時に、第2フレームバッファ236cに新たな画像が展開される。
そして、更に次の20ミリ秒後には、1フレーム分の画像を展開するフレームバッファとして第1フレームバッファ236bが指定され、1フレーム分の画像情報が読み出されるフレームバッファとして第2フレームバッファ236cが指定される。これにより、先に第2フレームバッファ236cに展開された画像の画像情報が読み出されて第3図柄表示装置81に表示させることができると同時に、第1フレームバッファ236bに新たな画像が展開される。以後、1フレーム分の画像を展開するフレームバッファと、1フレーム分の画像情報が読み出されるフレームバッファとを、20ミリ秒毎に、それぞれ第1フレームバッファ236bおよび第2フレームバッファ236cのいずれかを交互に入れ替えて指定することによって、1フレーム分の画像の描画処理を行いながら、1フレーム分の画像の表示処理を20ミリ秒単位で連続的に行わせることができる。
ワークRAM233は、キャラクタROM234に記憶された制御プログラムや固定値データを格納したり、MPU231による各種制御プログラムの実行時に使用されるワークデータやフラグを一時的に記憶したりするためのメモリであり、DRAMによって構成される。このワークRAM233は、プログラム格納エリア233a、データテーブル格納エリア233b、簡易画像表示フラグ233c、表示データテーブルバッファ233d、転送データテーブルバッファ233e、ポインタ233f、描画リストエリア233g、計時カウンタ233h、格納画像データ判別フラグ233i、描画対象バッファフラグ233jを少なくとも有している。
プログラム格納エリア233aは、MPU231によって実行される制御プログラムを格納するためのエリアである。MPU231は、システムリセットが解除されると、キャラクタROM234から制御プログラムを読み出してワークRAM233へ転送し、このプログラム格納エリア233aに格納する。そして、全ての制御プログラムをプログラム格納エリア233aに格納すると、以後、MPU231はプログラム格納エリア233aに格納された制御プログラムを用いて各種制御を実行する。上述したように、ワークRAM233はDRAMによって構成されるため、高速に読み出し動作が行われる。よって、制御プログラムを読み出し速度の遅いNAND型フラッシュメモリ234aによって構成されるキャラクタROM234に記憶させた場合であっても、表示制御装置114において高い処理性能を保つことができ、第3図柄表示装置81を用いて、多様化、複雑化させた演出を容易に実行することができる。
データテーブル格納エリア233bは、主制御装置110からのコマンドに基づき表示させる一の演出に対し、時間経過に伴い第3図柄表示装置81に表示すべき表示内容を記載した表示データテーブルと、表示データテーブルにより表示される一の演出において使用される画像データのうち常駐用ビデオRAM235に常駐されていない画像データの転送データ情報ならびに転送タイミングを規定した転送データテーブルとが格納される領域である。
これらのデータテーブルは、通常、キャラクタROM234のNAND型フラッシュメモリ234aに設けられた第2プログラム記憶エリア234a1に固定値データの一種として記憶されており、システムリセット解除後にMPU231によって実行されるブートプログラムに従って、これらのデータテーブルがキャラクタROM234からワークRAM233へ転送され、このデータテーブル格納エリア233bに格納される。そして、全てのデータテーブルがデータテーブル格納エリア233bに格納されると、以後、MPU231は、データテーブル格納エリア233bに格納されたデータテーブルを用いて第3図柄表示装置81の表示を制御する。上述したように、ワークRAM233はDRAMによって構成されるため、高速に読み出し動作が行われる。よって、各種データテーブルを読み出し速度の遅いNAND型フラッシュメモリ234aによって構成されるキャラクタROM234に記憶させた場合であっても、表示制御装置114において高い処理性能を保つことができ、第3図柄表示装置81を用いて、多様化、複雑化させた演出を容易に実行することができる。
ここで、各種データテーブルの詳細について説明する。まず、表示データテーブルは、主制御装置110からのコマンドに基づいて第3図柄表示装置81に表示される各演出の演出態様毎に1つずつ用意されるもので、例えば、変動演出、オープニング演出、ラウンド演出、エンディング演出、確定表示演出、デモ演出に対応する表示データテーブルが用意されている。
変動演出は、音声ランプ制御装置113からの表示用変動パターンコマンドを受信した場合に、第3図柄表示装置81おいて開始される演出である。なお、表示用変動パターンコマンドが受信される場合には、変動演出の停止種別を示す表示用停止種別コマンドも受信される。例えば、変動演出が開始された場合に、その変動演出の停止種別が外れであれば、外れを示す停止図柄が最終的に停止表示される一方、その変動演出の停止種別が大当たりA、大当たりBのいずれかであれば、それぞれの大当たり示す停止図柄が最終的に停止表示される。遊技者は、この変動演出における停止図柄を視認することで大当たり種別を認識でき、大当たり種別に応じて付与される遊技価値を容易に判断することができる。
オープニング演出は、これからパチンコ機10が特別遊技状態へ移行して、通常時には閉鎖されている特定入賞口65aが繰り返し開放されることを遊技者に報知するための演出であり、ラウンド演出は、これから開始されるラウンド数を遊技者に報知するための演出である。エンディング演出は、特別遊技状態の終了を遊技者に報知するための演出である。確定表示演出は、変動演出が終了した後で、保留球が存在しない場合(つまり、次の変動演出が開始されない場合)に、終了した変動演出において1秒間停止表示された第3図柄をそのまま停止表示させ続ける演出である。この確定表示演出は、所定時間(例えば、15秒)が経過するか、または、第1入球口64に対して新たに球が入球するまで継続する。確定表示演出を表示することにより、遊技者に対して特別図柄の抽選条件が成立していないことを認識させることができるので、第1入球口64を狙って球を打ち出させることができる。デモ演出は、上述したように、一の変動演出が停止してから所定時間経過しても、始動入賞に伴う次の変動演出が開始されない場合に、第3図柄表示装置81に表示される演出であり、第3図柄が表示されなくなると共に、背面画像が変化する(図7参照)。第3図柄表示装置81にデモ演出が表示されていれば、遊技者やホール関係者が、当該パチンコ機10において遊技が行われていないことを認識することができる。
データテーブル格納エリア233bには、変動演出、オープニング演出、ラウンド演出、エンディング演出、確定表示演出、およびデモ演出に対応する表示データテーブルをそれぞれ格納する。このデータテーブル格納エリア233bの詳細について、図17を参照して説明する。
図17は、データテーブル格納エリア233bに格納されるデータを示した図である。このデータテーブル格納エリア233bには、各演出(変動演出、オープニング演出、ラウンド演出、エンディング演出、確定表示演出、およびデモ演出)に対応するデータテーブルを格納する記憶領域が設けられている。
図17に示す通り、変動演出に対応するデータテーブルを格納する領域(変動演出用テーブル格納エリア)には、通常の態様の各種変動演出に対応する表示データテーブルと(図17の233b1参照)、縮小表示して変動表示させる態様の各種変動演出に対応する表示データテーブルと(図17の233b2参照)、半透明な態様で表示させる態様の各種変動演出に対応する表示データテーブルと(図17の233b3参照)がそれぞれ格納される。上述した通り、音声ランプ制御装置113は、主制御装置110から変動パターンコマンドを受信した場合に、RTC292の計時する計時情報に基づいて時間演出が開始されるまでの残時間(t)を算出する。そして、その残時間(t)に応じて、告知画像750(図6(b)参照)の妨げにならないような変動演出の態様を決定し、決定した変動演出の態様を表示用変動パターンコマンドによって表示制御装置114に対して通知するように構成されている。変動演出用テーブル格納エリアには、この表示用変動パターンコマンドによって通知され得る全ての変動演出の態様に対応する表示データテーブルが格納されている。
また、オープニング演出用テーブル格納エリアには、特別図柄の抽選結果が大当たりであった場合に移行する特別遊技状態(大当たり状態)の開始時に、遊技者に大当たりとなったことを報知するために実行されるオープニング演出に対応する表示データテーブルが格納されるように構成されている(図17の233b4参照)。なお、オープニング演出に対応する表示データテーブルとして、例えば、大当たり種別に応じて異なる表示データテーブルが選択される(即ち、表示データテーブルを複数設けておき、大当たり種別に応じて異なる表示態様のオープニング演出が選択される)ように構成してもよい。これにより、大当たり種別に応じて異なる態様の演出が表示されることにより、演出の多様化を図ることができるので、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができる。また、オープニング演出に対応する表示データテーブルとして、全ての大当たりに共通して用いられるテーブルを1種類のみ設けてもよい。これにより、ワークRAM233や、キャラクタROM234のデータ量を削減することができる。
ラウンド演出用テーブル格納エリアには、大当たりの各ラウンド中に表示されるラウンド演出に対応する表示データテーブルが格納される(図17の233b5参照)。また、エンディング演出用テーブル格納エリアには、大当たりの終了を遊技者に報知するために表示されるエンディング演出に対応する表示データテーブルが格納される(図17の233b6参照)。
確定表示演出用テーブル格納エリアには、第3図柄を通常の態様で表示させる演出に対応する表示データテーブルと(図17の233b7参照)、第3図柄を第3図柄表示装置81の右下部分に縮小して表示する態様の演出に対応する表示データテーブルと(図17の233b8参照)が格納される。確定表示演出を開始するタイミングが時間演出期間中であるか否かに応じて、いずれかの態様の表示データテーブルが選択されて設定される。
デモ演出用テーブル格納エリアには、通常演出期間用のデモ演出に対応する表示データテーブルと(図17の233b9参照)、時間演出期間用のデモ演出に対応する表示データテーブルと(図17の233b10参照)が格納されている。時間演出期間用のデモ演出に対応する表示データテーブルとしては、例えば、デモ画像が何ら規定されていない表示データテーブルが格納されている。即ち、デモ演出中に時間演出の開始タイミングとなった場合や、時間演出中にデモ演出の開始条件が成立した場合は、デモ画像が表示されない(即ち、時間演出用の背面画像がデモ画像に隠れることがない)ので、第3図柄表示装置81の全画面を用いて時間演出を表示させることができる。よって、時間演出の自由度をより高めることができる。
なお、時間演出中に実行されるデモ演出の態様は、これに限られるものではなく、デモ演出によって時間演出の画像が遮蔽されてしまうことを防止できる態様であれば、デモ画像を表示させてもよい。例えば、時間演出中に変動演出が縮小して表示される小表示領域780(図8(a)参照)にのみデモ演出が表示されるように構成してもよい。また、小表示領域780よりも表示面積の小さい表示領域を設け、その表示領域にデモ演出を表示させてもよい。また、例えば、デモ演出自体を行わないように構成し、確定表示を行い続けてもよい。即ち、第3図柄の変動停止時に保留球が存在しない場合は、第1入球口64への新たな入球がない限り、停止図柄が第3図柄表示装置81の右下部分に縮小された態様で表示され続けるように構成してもよい。これにより、時間演出中の演出を明瞭に表示させることができる。よって、複数のパチンコ機10が並べて設置されているホール等において、デモ演出が行われたとしても、時間演出を一斉に表示させることにより統一感のある演出を行うことができる。
このように、データテーブル格納エリア233bには、音声ランプ制御装置113によって実行が指示された各種表示演出の全てに対応する表示データテーブルが格納されるので、表示制御装置114のMPU231は、音声ランプ制御装置113から出力されるコマンドに対応する表示データテーブルをデータテーブル格納エリア233bから選択して設定するだけで、多種多様な表示演出を容易に実行することができる。
次に、図20を参照して、表示データテーブルの詳細について説明する。図20は、表示データテーブルのうち、変動表示データテーブルの一例を模式的に示した模式図である。表示データテーブルは、第3図柄表示装置81において1フレーム分の画像が表示される時間(本実施形態では、20ミリ秒)を1単位として表したアドレスに対応させて、その時間に表示すべき1フレーム分の画像の内容(描画内容)を詳細に規定したものである。
描画内容には、1フレーム分の画像を構成する表示物であるスプライト毎に、そのスプライトの種別を規定すると共に、そのスプライトの種別に応じて、表示位置座標、拡大率、回転角度、半透明値、αブレンディング情報、色情報、フィルタ指定情報といった、スプライトを第3図柄表示装置81に描画させるための描画情報が規定されている。
スプライトの種別は、表示すべきスプライトを特定するための情報である。表示位置座標は、そのスプライトを表示すべき第3図柄表示装置81上の座標を特定するための情報である。拡大率は、そのスプライトに対して予め設定された標準的な表示サイズに対する拡大率を指定するための情報で、その拡大率に従って表示されるスプライトの大きさが特定される。なお、拡大率が100%より大きい場合は、そのスプライトが標準的な大きさよりも拡大されて表示され、拡大率が100%未満の場合は、そのスプライトが標準的な大きさもよりも縮小されて表示される。
回転角度は、スプライトを回転させて表示させる場合の回転角度を特定するための情報である。半透明値は、スプライト全体の透明度を特定するためのものであり、半透明値が高いほど、スプライトの背面側に表示される画像が透けて見えるように画像が表示される。αブレンディング情報は、他のスプライトとの重ね合わせ処理を行う場合に用いられる既知のαブレンディング係数を特定するための情報である。色情報は、表示すべきスプライトの色調を指定するための情報である。そして、フィルタ指定情報は、指定されたスプライトを描画する場合に、そのスプライトに対して施すべき画像フィルタを指定するための情報である。
変動表示データテーブルでは、各アドレスに対応して規定される1フレーム分の描画内容として、1つの背面画像、9個の第3図柄(図柄1,図柄2,・・・)、その画像において光の差し込みなどを表現するエフェクト、少年画像や文字などの各種演出に用いられるキャラクタといった各スプライトに対する描画情報が、アドレス毎に規定されている。なお、エフェクトやキャラクタに関する情報は、そのフレームに表示すべき内容に合わせて、1つ又は複数規定される。
ここで、背面画像は、表示位置は第3図柄表示装置81の画面全体に固定され、拡大率、回転角度、半透明値、αブレンディング情報、色情報およびフィルタ指定情報は、時間経過に対して一定とされるので、変動表示データテーブルでは、背面画像の種別を特定するための情報である背面種別のみが規定されている。この背面種別は、遊技者によって選択されているステージ(「街中ステージ」、「空ステージ」、「島ステージ」のいずれか)に対応する背面A〜Cのいずれかを表示させるか、背面A〜Cとは異なる背面画像(例えば、時間演出に対応する画像)を表示させるかを特定する情報が記載されている。また、背面種別は、背面A〜Cとは異なる背面画像を表示させることを特定する場合、どの背面画像を表示させるかを特定する情報も合わせて記載されている。
MPU231は、この背面種別によって、背面A〜Cのいずれかを表示させることが特定される場合は、背面A〜Cのうち遊技者によって指定されたステージに対応する背面画像を描画対象として特定し、また、そのフレームに対して表示すべき背面画像の範囲を時間経過に合わせて特定する。一方、背面A〜Cとは異なる背面画像を表示させることが特定される場合は、背面種別から表示させるべき背面画像を特定する。
なお、本実施形態では、表示データテーブルにおいて、背面画像の描画内容として背面種別のみを規定する場合について説明するが、これに代えて、背面種別と、その背面種別に対応する背面画像のどの範囲を表示すべきかを示す位置情報とを規定するようにしてもよい。この位置情報は、例えば、初期位置に対応する範囲の背面画像が表示されてからの経過時間を示す情報であってもよい。この場合、MPU231は、そのフレームに対して表示すべき背面画像の範囲を、位置情報により示される初期位置に対応する範囲の背面画像が表示されてからの経過時間に基づいて特定する。
また、位置情報は、この表示データテーブルに基づく画像の描画(もしくは、第3図柄表示装置81の表示)が開始されてからの経過時間を示す情報であってもよい。この場合、MPU231は、そのフレームに対して表示すべき背面画像の範囲を、表示用データベースに基づき画像の描画(もしくは、第3図柄表示装置81の表示)が開始された段階で表示されていた背面画像の位置と、位置情報により示される該画像の描画(もしくは、第3図柄表示装置81の表示)が開始されてからの経過時間とに基づいて特定する。
更に、位置情報は、背面種別に応じて、初期位置に対応する範囲の背面画像が表示されてからの経過時間を示す情報および表示データテーブルに基づく画像の描画(もしくは、第3図柄表示装置81の表示)が開始されてからの経過時間を示す情報のいずれかを示すものであってもよいし、背面種別および位置情報とともに、その位置情報の種別情報(例えば、初期位置に対応する範囲の背面画像が表示されてからの経過時間を示す情報であるか、表示用データベースに基づく画像の描画(もしくは、第3図柄表示装置81の表示)が開始されてからの経過時間を示す情報であるかを示す情報)を、背面画像の描画内容として規定してもよい。その他、位置情報は、経過時間を示す情報ではなく、表示すべき背面画像の範囲が格納されたアドレスを示す情報であってもよい。
第3図柄(図柄1,図柄2,・・・)は、表示すべき第3図柄を特定するための図柄種別情報として、図柄種別オフセット情報が記載されている。このオフセット情報は、各第3図柄に付された数字の差分を表す情報である。第3図柄の種別を直接特定するのではなく、オフセット情報を特定するのは、変動演出における第3図柄の表示は、1つ前に行われた変動演出の停止図柄および今回行われる変動演出の停止図柄に応じて変わるためであり、変動が開始されてから所定時間経過するまでの図柄オフセット情報では、1つ前に行われた変動演出の停止図柄からのオフセット情報を記載する。これにより、1つ前の変動演出における停止図柄から変動演出が開始される。
一方、変動が開始されてから所定時間経過後は、音声ランプ制御装置113を介して主制御装置110より受信した停止種別コマンド(表示用停止種別コマンド)に応じて設定される停止図柄からのオフセット情報を記載する。これにより、変動演出を、主制御装置110より指定された停止種別に応じた停止図柄で停止させることができる。
なお、各第3図柄には固有の数字が付されているので、1つ前の変動演出における変動図柄や、主制御装置110より指定された停止種別に応じた停止図柄を、その第3図柄に付された数字で管理し、また、オフセット情報を、各第3図柄に付された数字の差分で表すことにより、そのオフセット情報から容易に表示すべき第3図柄を特定することができる。
また、図柄オフセット情報において、1つ前に行われた変動演出の停止図柄のオフセット情報から今回行われている変動演出の停止図柄のオフセット情報に切り替えられる所定時間は、第3図柄が高速に変動表示されている時間となるように設定されている。第3図柄が高速に変動表示されている間は、その第3図柄が遊技者に視認不能な状態であるので、その間に、図柄オフセット情報を1つ前に行われた変動演出の停止図柄のオフセット情報から今回行われている変動演出の停止図柄のオフセット情報に切り替えることによって、第3図柄の数字の連続性が途切れても、その数字の連続性の途切れを遊技者に認識させないようにすることができる。
表示データテーブルの先頭アドレスである「0000H」には、データテーブルの開始を示す「Start」情報が記載され、表示データテーブルの最終アドレス(図20の例では、「02F0H」)には、データテーブルの終了を示す「End」情報が記載されている。そして、「Start」情報が記載されたアドレス「0000H」と「End」情報が記載されたアドレスとの間の各アドレスに対して、その表示データテーブルで規定すべき演出態様に対応させた描画内容が記載されている。
MPU231は、主制御装置110からのコマンド等に基づき音声ランプ制御装置113から送信されるコマンド(例えば、表示用変動パターンコマンド)等に応じて、使用する表示データテーブルを選定し、その選定した表示データテーブルをデータテーブル格納エリア233bから読み出して、表示データテーブルバッファ233dに格納すると共に、ポインタ233fを初期化する。そして、1フレーム分の描画処理が完了する度にポインタ233fを1加算し、表示データテーブルバッファ233dに格納された表示データテーブルにおいて、ポインタ233fが示すアドレスに規定された描画内容に基づき、次に描画すべき画像内容を特定して後述する描画リスト(図22参照)を作成する。この描画リストを画像コントローラ237に送信することで、その画像の描画指示を行う。これにより、ポインタ233fの更新に従って、表示データテーブルで規定された順に描画内容が特定されるので、その表示データテーブルで規定された通りの画像が第3図柄表示装置81に表示される。
このように、本パチンコ機10では、表示制御装置114において、主制御装置110からのコマンド等に基づき音声ランプ制御装置113から送信されるコマンド(例えば、表示用変動パターンコマンド)等に応じて、MPU231により実行すべきプログラムを変更するのではなく、表示データテーブルを表示データテーブルバッファ233dに適宜置き換えるという単純な操作だけで、第3図柄表示装置81に表示すべき演出画像を変更することができる。
ここで、従来のパチンコ機のように、第3図柄表示装置81に表示させる演出画像を変更する度にMPU231で実行されるプログラムを起動するように構成した場合、演出画像の多種多様化に伴って複雑かつ膨大化するプログラムの起動や実行の処理に多大な負荷がかかるため、表示制御装置114における処理能力が制限となって、制御可能な演出画像の多様化に限界が生じてしまうおそれがあった。これに対し、本パチンコ機10では、表示データテーブルを表示データテーブルバッファ233dに適宜置き換えるという単純な操作だけで、第3図柄表示装置81に表示すべき演出画像を変更することができるので、表示制御装置114の処理能力に関係なく、多種態様な演出画像を第3図柄表示81に表示させることができる。
また、このように各演出態様に対応して表示データテーブルを用意し、表示すべき演出態様に応じた表示データテーブルを設定して、その設定されたデータテーブルに従い、1フレームずつ描画リストを作成することができるのは、パチンコ機10では、始動入賞に基づいて行われる抽選の結果に基づいて、予め第3図柄表示装置81に表示させる演出が決定されるためである。これに対し、パチンコ機といった遊技機を除くゲーム機などでは、ユーザの操作に基づいてその場その場で表示内容が変わるため、表示内容を予測することができず、よって、上述したような各演出態様に対応する表示データテーブルを持たせることはできない。このように、各演出態様に対応して表示データテーブルを用意し、表示すべき演出態様に応じた表示データテーブルを設定して、その設定されたデータテーブルに従い、1フレームずつ描画リストを作成する構成は、パチンコ機10が、始動入賞に基づいて行われる抽選の結果に基づき予め第3図柄表示装置81に表示させる演出態様を決定する構成であることに基づいて初めて実現できるものである。
次いで、図21を参照して、転送データテーブルの詳細について説明する。図21は、転送データテーブルの一例を模式的に示した模式図である。転送データテーブルは、演出毎に用意された表示データテーブルに対応して用意されるもので、上述したように、表示データテーブルで規定されている演出において使用されるスプライトの画像データのうち、常駐用ビデオRAM235に常駐されていない画像データをキャラクタROM234から通常用ビデオRAM236の画像格納エリア236aに転送するための転送データ情報ならびにその転送タイミングが規定されている。
なお、表示データテーブルに規定された演出において使用されるスプライトの画像データが、全て常駐用ビデオRAM235に格納されていれば、その表示データテーブルに対応する転送データテーブルは用意されていない。これにより、データテーブル格納エリア233bの容量増大を抑制することができる。
転送データテーブルは、表示データテーブルにおいて規定されるアドレスに対応させて、そのアドレスで示される時間に転送を開始すべきスプライトの画像データ(以下、「転送対象画像データ」と称す)の転送データ情報が記載されている(図21のアドレス「0001H」及び「0097H」が該当)。ここで、表示データテーブルに従って所定のスプライトの描画が開始されるまでに、その所定のスプライトに対応する画像データが画像格納エリア236aに格納されるように、その転送対象画像データの転送開始タイミングが設定されており、転送データテーブルでは、その転送開始タイミングに対応するアドレスに対応させて、転送対象画像データの転送データ情報が規定される。
一方、表示データテーブルにおいて規定されるアドレスで示される時間に、転送を開始すべき転送対象画像データが存在しない場合は、そのアドレスに対応して転送を開始すべき転送対象画像データが存在しないことを意味するNullデータが規定される(図21のアドレス「0002H」が該当)。
転送データ情報としては、その転送対象画像データが格納されているキャラクタROM234の先頭アドレス(格納元先頭アドレス)と最終アドレス(格納元最終アドレス)、及び、転送先(通常用ビデオRAM236)の先頭アドレスが含まれる。
なお、転送データテーブルの先頭アドレスである「0000H」には、表示データテーブルと同様に、データテーブルの開始を示す「Start」情報が記載され、転送データテーブルの最終アドレス(図21の例では、「02F0H」)には、データテーブルの終了を示す「End」情報が記載されている。そして、「Start」情報が記載されたアドレス「0000H」と「End」情報が記載されたアドレスとの間の各アドレスに対して、その転送データテーブルで規定すべき転送対象画像データの転送データ情報が記載されている。
MPU231は、主制御装置110からのコマンド等に基づき音声ランプ制御装置113から送信されるコマンド(例えば、表示用変動パターンコマンド)等に応じて、使用する表示データテーブルを選定すると、その表示データテーブルに対応する転送データテーブルが存在する場合は、その転送データテーブルをデータテーブル格納エリア233bから読み出して、後述するワークRAM233の転送データテーブルバッファ233eに格納する。そして、ポインタ233fの更新毎に、表示データテーブルバッファ233dに格納された表示データテーブルから、ポインタ233fが示すアドレスに規定された描画内容を特定して、後述する描画リスト(図22参照)を作成すると共に、転送データテーブルバッファ233eに格納された転送データテーブルから、その時点において転送を開始すべき所定のスプライトの画像データの転送データ情報を取得して、その転送データ情報を作成した描画リストに追加する。
例えば、図21の例では、ポインタ233fが「0001H」や「0097H」となった場合に、MPU231は、転送データテーブルの当該アドレスに規定された転送データ情報を、表示データテーブルに基づいて作成した描画リストに追加して、その追加後の描画リストを画像コントローラ237へ送信する。一方、ポインタ233fが「0002H」である場合、転送データテーブルのアドレス「0002H」には、Nullデータが規定されているので、転送を開始すべき転送対象画像データが存在しないと判断し、生成した描画リストに転送データ情報を追加せずに、描画リストを画像コントローラ237へ送信する。
そして、画像コントローラ237は、MPU231より受信した描画リストに転送データ情報が記載されていた場合、その転送データ情報に従って、転送対象画像データを、キャラクタROM234から画像格納エリア236aの所定のサブエリアに転送する処理を実行する。
ここで、上述したように、表示データテーブルに従って所定のスプライトの描画が開始されるまでに、その所定のスプライトに対応する画像データが画像格納エリア236aに格納されるように、転送データテーブルでは、転送対象画像データの転送データ情報が所定のアドレスに対して規定されているので、この転送データテーブルに規定された転送データ情報に従って、画像データをキャラクタROM234から画像格納エリア236aに転送することにより、表示データテーブルに従って所定のスプライトを描画する場合に、そのスプライトの描画に必要な常駐用ビデオRAM235に常駐されていない画像データを、必ず画像格納エリア236aに格納させておくことができる。そして、その画像格納エリア236aに格納された画像データを用いて、表示データテーブルに基づき、所定のスプライトの描画を行うことができる。
これにより、読み出し速度の遅いNAND型フラッシュメモリ234aによってキャラクタROM234を構成しても、遅滞なく表示に必要な画像を予めキャラクタROM234から読み出し、通常用ビデオRAM236へ転送しておくことができるので、表示データテーブルで指定された各スプライトの画像を描画しながら、対応する演出を第3図柄表示装置81に表示させることができる。また、転送データテーブルの記載によって、常駐用ビデオRAM235に非常駐の画像データだけを容易に且つ確実にキャラクタROM234から通常用ビデオRAM236へ転送することができる。
また、本パチンコ機10では、表示制御装置114において、主制御装置110からのコマンド等に基づき音声ランプ制御装置113から送信されるコマンド(例えば、表示用変動パターンコマンド)等に応じて、表示データテーブルを表示データテーブルバッファ233dに設定するのに合わせて、その表示データテーブルに対応する転送データテーブルが転送データテーブルバッファ233eに設定されるので、その表示データテーブルで用いられるスプライトの画像データを、所望のタイミングで確実にキャラクタROM234から通常用ビデオRAM236へ転送することができる。
また、転送データテーブルでは、スプライトに対応する画像データ毎にキャラクタROM234から通常用ビデオRAM236へ画像データが転送されるように、その転送データ情報を規定する。これにより、その画像データの転送をスプライト毎に管理し、また、制御することができるので、その転送に係る処理を容易に行うことができる。そして、スプライト単位でキャラクタROM234から通常用ビデオRAM236への画像データの転送を制御することにより、その処理を容易にしつつ、詳細に画像データの転送を制御できる。よって、転送にかかる負荷の増大を効率よく抑制することができる。
また、転送データテーブルは、表示データテーブルと同様のデータ構造を有し、表示データテーブルにおいて規定されるアドレスに対応させて、そのアドレスで示される時間に転送を開始すべき転送対象画像データの転送データ情報が規定されているので、表示データテーブルバッファ233dに設定された表示データテーブルに基づいて所定のスプライトの画像データが用いられる前に、確実にその画像データが通常用ビデオRAM236へ格納されるように、転送開始のタイミングを指示することができるので、読み出し速度の遅いNAND型フラッシュメモリ234aによってキャラクタROM234を構成しても、多種多様な演出画像を容易に第3図柄表示装置81に表示させることができる。
簡易画像表示フラグ233cは、第3図柄表示装置81に、上述した電源投入時画像(電源投入時主画像および電源投入時変動画像)を表示するか否かを示すフラグである。この簡易画像表示フラグ233cは、電源投入時主画像および電源投入時変動画像に対応する画像データが常駐用ビデオRAMの電源投入時主画像エリア235a又は電源投入時変動画像エリア235bに転送された後に、MPU231により実行されるメイン処理(図40参照)の中でオンに設定される(図40のS1805参照)。そして、画像転送処理の常駐画像転送処理によって、全ての常駐対象画像データが常駐用ビデオRAM235に格納された段階で、第3図柄表示装置81に電源投入時画像以外の画像を表示させるために、オフに設定される(図54(b)のS3605参照)。
この簡易画像表示フラグ233cは、画像コントローラ237から送信されるV割込信号を検出する毎にMPU231によって実行されるV割込処理の中で参照され(図42(b)のS2101参照)、簡易画像表示フラグ233cがオンである場合は、電源投入時画像が第3図柄表示装置81に表示されるように、簡易コマンド判定処理(図42(b)のS2108参照)および簡易表示設定処理(図42(b)のS2109参照)が実行される。一方、簡易画像表示フラグ233cがオフである場合は、主制御装置110からのコマンド等に基づき音声ランプ制御装置113から送信されるコマンドに応じて、種々の画像が表示されるように、コマンド判定処理(図43〜図48参照)および表示設定処理(図49〜図53参照)が実行される。
また、簡易画像表示フラグ233cは、V割込処理の中でMPU231により実行される転送設定処理の中で参照され(図54(a)のS3501参照)、簡易画像表示フラグ233cがオンである場合は、常駐用ビデオRAM235に格納されていない常駐対象画像データが存在するため、常駐対象画像データをキャラクタROM234から常駐用ビデオRAM235へ転送する常駐画像転送設定処理(図54(b)参照)を実行し、簡易画像表示フラグ233cがオフである場合は、描画処理に必要な画像データをキャラクタROM234から通常用ビデオRAM236へ転送する通常画像転送設定処理(図55参照)を実行する。
表示データテーブルバッファ233dは、主制御装置110からのコマンド等に基づき音声ランプ制御装置113から送信されるコマンド等に応じて第3図柄表示装置81に表示させる演出態様に対応する表示データテーブルを格納するためのバッファである。MPU231は、その音声ランプ制御装置113から送信されるコマンド等に基づいて、第3図柄表示装置81に表示させる演出態様を判断し、その演出態様に対応する表示データテーブルをデータテーブル格納エリア233bから選定して、その選定された表示データテーブルを表示データテーブルバッファ233dに格納する。そして、MPU231は、ポインタ233fを1ずつ加算しながら、表示データテーブルバッファ233dに格納された表示データテーブルにおいてそのポインタ233fで示されるアドレスに規定された描画内容に基づき、1フレーム毎に画像コントローラ237に対する画像描画の指示内容を記載した後述の描画リスト(図22参照)を生成する。これにより、第3図柄表示装置81には、表示データテーブルバッファ233dに格納された表示データテーブルに対応する演出が表示される。
MPU231は、ポインタ233fを1ずつ加算しながら、表示データテーブルバッファ233dに格納された表示データテーブルにおいてそのポインタ233fで示されるアドレスに規定された描画内容に基づき、1フレーム毎に画像コントローラ237に対する画像描画の指示内容を記載した後述の描画リスト(図22参照)を生成する。これにより、第3図柄表示装置81には、表示データテーブルに対応する演出が表示される。
転送データテーブルバッファ233eは、主制御装置110からのコマンド等に基づき音声ランプ制御装置113から送信されるコマンド等に応じて、表示データテーブルバッファ233dに格納された表示データテーブルに対応する転送データテーブルを格納するためのバッファである。MPU231は、表示データテーブルバッファ233dに表示データテーブルを格納するのに合わせて、その表示データテーブルに対応する転送データテーブルをデータテーブル格納エリア233bから選定して、その選定された転送データテーブルを転送データテーブルバッファ233eに格納する。なお、表示データテーブルバッファ233dに格納される表示データテーブルにおいて用いられるスプライトの画像データが全て常駐用ビデオRAM235に格納されている場合は、その表示データテーブルに対応する転送データテーブルが用意されていないので、MPU231は、転送データテーブルバッファ233eに転送対象画像データが存在しないことを意味するNullデータを書き込むことで、その内容をクリアする。
そして、MPU231は、ポインタ233fを1ずつ加算しながら、転送データテーブルバッファ233eに格納された転送データテーブルにおいてそのポインタ233fで示されるアドレスに規定された転送対象画像データの転送データ情報が規定されていれば(即ち、Nullデータが記載されていなければ)、1フレーム毎に生成される画像コントローラ237に対する画像描画の指示内容を記載した後述の描画リスト(図22参照)に、その転送データ情報を追加する。
これにより、画像コントローラ237は、MPU231より受信した描画リストに転送データ情報が記載されていた場合、その転送データ情報に従って、転送対象画像データを、キャラクタROM234から画像格納エリア236aの所定のサブエリアに転送する処理を実行する。ここで、上述したように、表示データテーブルに従って所定のスプライトの描画が開始されるまでに、その所定のスプライトに対応する画像データが画像格納エリア236aに格納されるように、転送データテーブルでは、転送対象画像データの転送データ情報が所定のアドレスに対して規定されている。よって、この転送データテーブルに規定された転送データ情報に従って、画像データをキャラクタROM234から画像格納エリア236aに転送することにより、表示データテーブルに従って所定のスプライトを描画する場合に、そのスプライトの描画に必要な常駐用ビデオRAM235に常駐されていない画像データを、必ず画像格納エリア236aに格納させておくことができる。
これにより、読み出し速度の遅いNAND型フラッシュメモリ234aによってキャラクタROM234を構成しても、遅滞なく表示に必要な画像を予めキャラクタROM234から読み出し、通常用ビデオRAM236へ転送しておくことができるので、表示データテーブルで指定された各スプライトの画像を描画しながら、対応する演出を第3図柄表示装置81に表示させることができる。また、転送データテーブルの記載によって、常駐用ビデオRAM235に非常駐の画像データだけを容易に且つ確実にキャラクタROM234から通常用ビデオRAM236へ転送することができる。
ポインタ233fは、表示データテーブルバッファ233dおよび転送データテーブルバッファ233eの各バッファにそれぞれ格納された表示データテーブルおよび転送データテーブルから、対応する描画内容もしくは転送対象画像データの転送データ情報を取得すべきアドレスを指定するためのものである。MPU231は、表示データテーブルバッファ233dに表示データテーブルが格納されるのに合わせて、ポインタ233fを一旦0に初期化する。そして、画像コントローラ237から1フレーム分の画像の描画処理が完了する20ミリ秒ごとに送信されるV割込信号に基づいてMPU231により実行されるV割込処理の表示設定処理(図42(b)のS2103参照)の中で、ポインタ更新処理(図49のS3005参照)が実行され、ポインタ233fの値が1ずつ加算される。
MPU231は、このようなポインタ233fの更新が行われる毎に、表示データテーブルバッファ233dに格納された表示データテーブルから、ポインタ233fが示すアドレスに規定された描画内容を特定して、後述する描画リスト(図22参照)を作成すると共に、転送データテーブルバッファ233eに格納された転送データテーブルから、その時点において転送を開始すべき所定のスプライトの画像データの転送データ情報を取得して、その転送データ情報を作成した描画リストに追加する。
これにより、表示データテーブルバッファ233dに格納された表示データテーブルに対応する演出が第3図柄表示装置81に表示される。よって、表示データテーブルバッファ233dに格納する表示データテーブルを変更するだけで、容易に第3図柄表示装置81に表示させる演出を変更することができる。従って、表示制御装置341の処理能力に関わらず、多種多様な演出を表示させることができる。
また、転送データテーブルバッファ233eに格納された転送データテーブルが格納されている場合は、その転送データテーブルに基づいて、対応する表示データテーブルによって所定のスプライトの描画が開始されるまでに、そのスプライトの描画で用いられる常駐用ビデオRAM235に常駐されていない画像データを、必ず画像格納エリア236aに格納させておくことができる。これにより、読み出し速度の遅いNAND型フラッシュメモリ234aによってキャラクタROM234を構成しても、遅滞なく表示に必要な画像を予めキャラクタROM234から読み出し、通常用ビデオRAM236へ転送しておくことができるので、表示データテーブルで指定された各スプライトの画像を描画しながら、対応する演出を第3図柄表示装置81に表示させることができる。また、転送データテーブルの記載によって、常駐用ビデオRAM235に非常駐の画像データだけを容易に且つ確実にキャラクタROM234から通常用ビデオRAM236へ転送することができる。
描画リストエリア233gは、表示データテーブルバッファ233dに格納された表示データテーブル、及び、転送データテーブルバッファ233eに格納された転送データテーブルに基づいて生成される、1フレーム分の画像の描画を画像コントローラ237に指示する描画リストを格納するためのエリアである。
ここで、図22を参照して、描画リストの詳細について説明する。図22は、描画リストの内容を模式的に示した模式図である。描画リストは、画像コントローラ237に対して、1フレーム分の画像の描画を指示する指示表であり、図22に示すように、1フレームの画像で使用する背面画像、第3図柄(図柄1,図柄2,・・・)、エフェクト(エフェクト1,エフェクト2,・・・)、キャラクタ(キャラクタ1,キャラクタ2,・・・,保留球数図柄1,保留球数図柄2,・・・,エラー図柄)といったスプライト毎に、そのスプライトの詳細な描画情報(詳細情報)を記述したものである。また、描画リストには、画像コントローラ237に対して所定の画像データをキャラクタROM234から通常用ビデオRAM236へ転送させるための転送データ情報もあわせて記述される。
各スプライトの詳細な描画情報(詳細情報)には、対応するスプライト(表示物)の画像データが格納されているRAM種別(常駐用ビデオRAM235か、通常用ビデオRAM236か)を示す情報と、そのアドレスとが記述されており、画像コントローラ237は、そのRAM種別およびアドレスによって指定されるメモリ領域から、当該スプライトの画像データを取得する。また、その詳細な描画情報(詳細情報)には、表示位置座標、拡大率、回転角度、半透明値、αブレンディング情報、色情報およびフィルタ指定情報が含まれており、画像コントローラ237は、各種ビデオRAMより読み出した当該スプライトの画像データにより生成される標準的な画像に対し、拡大率に応じて拡大縮小処理を施し、回転角度に応じて回転処理を施し、半透明値に応じて半透明化処理を施し、αブレンディング情報に応じて他のスプライトとの合成処理を施し、色情報に応じて色調補正処理を施し、フィルタ指定情報に応じてその情報により指定された方法でフィルタリング処理を施した上で、表示位置座標に示される表示位置に各種処理を施して得られた画像を描画する。そして、描画した画像は、画像コントローラ237によって、描画対象バッファフラグ233jで指定される第1フレームバッファ236b又は第2フレームバッファ236cのいずれかに展開される。
MPU231は、表示データテーブルバッファ233dに格納された表示データテーブルにおいて、ポインタ233fによって示されるアドレスに規定された描画内容と、その他の描画すべき画像の内容(例えば、保留球数図柄を表示する保留画像や、エラーの発生を通知する警告画像など)とに基づき、1フレーム分の画像の描画に用いられる全スプライトに対する詳細な描画情報(詳細情報)を生成すると共に、その詳細情報をスプライト毎に並び替えることによって描画リストを作成する。
ここで、各スプライトの詳細情報のうち、スプライト(表示物)のデータの格納RAM種別とアドレスとは、表示データテーブルに規定されるスプライト種別や、その他の画像の内容から特定されるスプライト種別に応じて生成される。即ち、スプライト毎に、そのスプライトの画像データが格納される常駐用ビデオRAM235のエリア、又は、通常用ビデオRAM236の画像格納エリア236aのサブエリアが固定されているので、MPU231は、スプライト種別に応じて、そのスプライトの画像データが格納されている格納RAM種別とアドレスとを即座に特定し、それらの情報を描画リストの詳細情報に容易に含めることができる。
また、MPU231は、各スプライトの詳細情報のうち、その他の情報(表示位置座標、拡大率、回転角度、半透明値、αブレンディング情報、色情報およびフィルタ指定情報)について、表示データテーブルに規定されるそれらの情報をそのままコピーする。
また、MPU231は、描画リストを生成するにあたり、1フレーム分の画像の中で、最も背面側に配置すべきスプライトから前面側に配置すべきスプライト順に並び替えて、それぞれのスプライトに対する詳細な描画情報(詳細情報)を記述する。即ち、描画リストでは、最初に背面画像に対応する詳細情報が記述され、次いで、第3図柄(図柄1,図柄2,・・・)、エフェクト(エフェクト1,エフェクト2,・・・)、キャラクタ(キャラクタ1,キャラクタ2,・・・,保留球数図柄1,保留球数図柄2,・・・,エラー図柄)の順に、それぞれのスプライトに対応する詳細情報が記述される。
画像コントローラ237では、描画リストに記述された順番に従って、各スプライトの描画処理を実行し、フレームバッファにその描画されたスプライトを上書きによって展開していく。従って、描画リストによって生成した1フレーム分の画像において、最初に描画したスプライトを最も背面側に配置させ、最後に描画したスプライトを最も前面側に配置させることができるのである。
また、MPU231は、転送データテーブルバッファ233eに格納された転送データテーブルにおいて、ポインタ233fによって示されるアドレスに転送データ情報が記載されている場合、その転送データ情報(転送対象画像データが格納されたキャラクタROM234における格納元先頭アドレスおよび格納元最終アドレスと、その転送対象画像データを格納すべき画像格納エリア236aに設けられたサブエリアの格納先先頭アドレス)を、描画リストの最後に追加する。画像コントローラ237は、描画リストにこの転送データ情報が含まれていれば、その転送データ情報に基づいて、キャラクタROM234の所定の領域(格納元先頭アドレスおよび格納元最終アドレスによって示される領域)から画像データを読み出して、通常用ビデオRAM236の画像格納エリア236aに設けられた所定のサブエリア(格納先アドレス)に、転送対象となる画像データを転送する。
計時カウンタ233hは、表示データテーブルバッファ233dに格納された表示データテーブルにより第3図柄表示装置81にて表示される演出の演出時間をカウントするカウンタである。MPU231は、表示データテーブルバッファ233dに一の表示データテーブルを格納するのに合わせて、その表示データテーブルに基づいて表示される演出の演出時間を示す時間データを設定する。この時間データは、演出時間を第3図柄表示装置81における1フレーム分の画像表示時間(本実施形態では、20ミリ秒)で割った値である。
そして、1フレーム分の画像の描画処理および表示処理が完了する20ミリ秒毎に画像コントローラ237から送信されるV割込信号に基づいて、MPU231により実行されるV割込処理(図42(b)参照)の表示設定処理が実行される度に、計時カウンタ233hが1ずつ減算される(図49のS3007参照)。その結果、計時カウンタ233hの値が0以下となった場合、MPU231は、表示データテーブルバッファ233dに格納された表示データテーブルにより表示される演出が終了したことを判断し、演出終了に合わせて行うべき種々の処理を実行する。
格納画像データ判別フラグ233iは、対応する画像データが常駐用ビデオRAM235に常駐されない全てのスプライトに対して、それぞれ、そのスプライトに対応する画像データが通常用ビデオRAM236の画像格納エリア236aに格納されているか否かを表す格納状態を示すフラグである。
この格納画像データ判別フラグ233iは、電源投入時にメイン処理の中でMPU231により実行される初期設定処理(図40のS1802参照)によって生成される。ここで生成される格納画像データ判別フラグ233iは、全てのスプライトに対する格納状態が、画像格納エリア236aに格納されていないことを示す「オフ」に設定される。
そして、格納画像データ判別フラグ233iの更新は、MPU231により実行される通常画像転送設定処理(図55参照)の中で、一のスプライトに対応する転送対象画像データの転送指示を設定した場合に行われる。この更新では、転送指示が設定された一のスプライトに対応する格納状態を、対応する画像データが画像格納エリア236aに格納されていることを示す「オン」に設定する。また、その一のスプライトと同じ画像格納エリア236aのサブエリアに格納されることになっているその他のスプライトの画像データは、一のスプライトの画像データが格納されることによって必ず未格納状態となるので、その他のスプライトに対応する格納状態を「オフ」に設定する。
また、MPU231は、常駐用ビデオRAM235に画像データが常駐されていないスプライトの画像データをキャラクタROM234から通常用ビデオRAM236へ転送する際に、格納画像データ判別フラグ233iを参照し、転送対象のスプライトの画像データが、既に通常用ビデオRAM235の画像格納エリア236aに格納されているか否かを判断する(図55のS3713参照)。そして、転送対象のスプライトに対応する格納状態が「オフ」であり、対応する画像データが画像格納エリア236aに格納されていなければ、その画像データの転送指示を設定し(図55のS3514参照)、画像コントローラ237に対して、その画像データをキャラクタROM234から画像格納エリア236aの所定サブエリアに転送させる。一方、転送対象のスプライトに対応する格納状態が「オン」であれば、既に対応する画像データが画像格納エリア236aに格納されているので、その画像データの転送処理を中止する。これにより、無駄にキャラクタROM234から通常用ビデオRAM236に対して転送されるのを抑制することができ、表示制御装置114の各部における処理負担の軽減や、バスライン240におけるトラフィックの軽減を図ることができる。
描画対象バッファフラグ233jは、2つのフレームバッファ(第1フレームバッファ236bおよび第2フレームバッファ236c)の中から、画像コントローラ237によって描画された画像を展開するフレームバッファ(以下、「描画対象バッファ」と称す)を指定するためのフラグで、描画対象バッファフラグ233jが0である場合は描画対象バッファとして第1フレームバッファ236bを指定し、1である場合は第2フレームバッファ236cを指定する。そして、この指定された描画対象バッファの情報は、描画リストと共に画像コントローラ237に送信される(図56のS3802参照)。
これにより、画像コントローラ237は、描画リストに基づいて描画した画像を、指定された描画対象バッファ上に展開する描画処理を実行する。また、画像コントローラ237は、描画処理と同時並列的に、描画対象バッファとは異なるフレームバッファから先に展開済みの描画画像情報を読み出し、駆動信号と共に第3図柄表示装置81に対して、その画像情報を転送することで、第3図柄表示装置81に画像を表示させる表示処理を実行する。
描画対象バッファフラグ233jは、描画対象バッファ情報が描画リストと共に画像コントローラ237に対して送信されるのに合わせて、更新される。この更新は、描画対象バッファフラグ233jの値を反転させることにより、即ち、その値が「0」であった場合は「1」に、「1」であった場合は「0」に設定することによって行われる。これにより、描画対象バッファは、描画リストが送信される度に、第1フレームバッファ236bと第2フレームバッファ236cとの間で交互に設定される。また、描画リストの送信は、1フレーム分の画像の描画処理および表示処理が完了する20ミリ秒毎に画像コントローラ237から送信されるV割込信号に基づいて、MPU231により実行されるV割込処理(図42(b)参照)の描画処理が実行される度に、行われる(図56のS3802参照)。
即ち、あるタイミングで、1フレーム分の画像を展開するフレームバッファとして第1フレームバッファ236bが指定され、1フレーム分の画像情報が読み出されるフレームバッファとして第2フレームバッファ236cが指定されて、画像の描画処理および表示処理が実行されると、1フレーム分の画像の描画処理が完了する20ミリ秒後に、1フレーム分の画像を展開するフレームバッファとして第2フレームバッファ236cが指定され、1フレーム分の画像情報が読み出されるフレームバッファとして第1フレームバッファ236bが指定される。これにより、先に第1フレームバッファ236bに展開された画像の画像情報が読み出されて第3図柄表示装置81に表示させることができると同時に、第2フレームバッファ236cに新たな画像が展開される。
そして、更に次の20ミリ秒後には、1フレーム分の画像を展開するフレームバッファとして第1フレームバッファ236bが指定され、1フレーム分の画像情報が読み出されるフレームバッファとして第2フレームバッファ236cが指定される。これにより、先に第2フレームバッファ236cに展開された画像の画像情報が読み出されて第3図柄表示装置81に表示させることができると同時に、第1フレームバッファ236bに新たな画像が展開される。以後、1フレーム分の画像を展開するフレームバッファと、1フレーム分の画像情報が読み出されるフレームバッファとを、20ミリ秒毎に、それぞれ第1フレームバッファ236bおよび第2フレームバッファ236cのいずれかを交互に入れ替えて指定することによって、1フレーム分の画像の描画処理を行いながら、1フレーム分の画像の表示処理を20ミリ秒単位で連続的に行わせることができる。
<第1実施形態における主制御装置の制御処理について>
次に、図23から図32のフローチャートを参照して、主制御装置110内のMPU201により実行される各制御処理を説明する。かかるMPU201の処理としては大別して、電源投入に伴い起動される立ち上げ処理と、その立ち上げ処理後に実行されるメイン処理と、定期的に(本実施形態では2m秒間隔で)起動されるタイマ割込処理と、NMI端子への停電信号SG1の入力により起動されるNMI割込処理とがあり、説明の便宜上、はじめにタイマ割込処理とNMI割込処理とを説明し、その後、立ち上げ処理とメイン処理とを説明する。
図23は、主制御装置110内のMPU201により実行されるタイマ割込処理を示すフローチャートである。タイマ割込処理は、例えば2ミリ秒毎に実行される定期処理である。タイマ割込処理では、まず各種入賞スイッチの読み込み処理を実行する(S101)。即ち、主制御装置110に接続されている各種スイッチの状態を読み込むと共に、当該スイッチの状態を判定して検出情報(入賞検知情報)を保存する。
次に、第1初期値乱数カウンタCINI1と第2初期値乱数カウンタCINI2の更新を実行する(S102)。具体的には、第1初期値乱数カウンタCINI1を1加算すると共に、そのカウンタ値が最大値(本実施形態では299)に達した際、0にクリアする。そして、第1初期値乱数カウンタCINI1の更新値を、RAM203の該当するバッファ領域に格納する。同様に、第2初期値乱数カウンタCINI2を1加算すると共に、そのカウンタ値が最大値(本実施形態では239)に達した際、0にクリアし、その第2初期値乱数カウンタCINI2の更新値をRAM203の該当するバッファ領域に格納する。
更に、第1当たり乱数カウンタC1、第1当たり種別カウンタC2、停止種別選択カウンタC3及び第2当たり乱数カウンタC4の更新を実行する(S103)。具体的には、第1当たり乱数カウンタC1、第1当たり種別カウンタC2、停止種別選択カウンタC3及び第2当たり乱数カウンタC4をそれぞれ1加算すると共に、それらのカウンタ値が最大値(本実施形態ではそれぞれ、299,99,99,239)に達した際、それぞれ0にクリアする。そして、各カウンタC1〜C4の更新値を、RAM203の該当するバッファ領域に格納する。
次に、第1図柄表示装置37において表示を行うための処理であると共に、第3図柄表示装置81による第3図柄の変動パターンなどを設定する特別図柄変動処理を実行し(S104)、次いで、第1入球口64への入賞(始動入賞)に伴う始動入賞処理を実行する(S105)。なお、特別図柄変動処理、及び、始動入賞処理の詳細は、図24〜図26を参照して後述する。
始動入賞処理を実行した後は、第2図柄表示装置83において表示を行うための処理である普通図柄変動処理を実行し(S106)、第2入球口67における球の通過に伴うスルーゲート通過処理を実行する(S107)。なお、普通図柄変動処理、及び、スルーゲート通過処理の詳細は、図27および図28を参照して後述する。スルーゲート通過処理を実行した後は、発射制御処理を実行し(S108)、更に、定期的に実行すべきその他の処理を実行して(S109)、タイマ割込処理を終了する。なお、発射制御処理は、遊技者が操作ハンドル51に触れていることをタッチセンサ51aにより検出し、且つ、発射を停止させるための打ち止めスイッチ51bが操作されていないことを条件に、球の発射のオン/オフを決定する処理である。主制御装置110は、球の発射がオンである場合に、発射制御装置112に対して球の発射指示をする。
次に、図24を参照して、主制御装置110内のMPU201により実行される特別図柄変動処理(S104)について説明する。図24は、この特別図柄変動処理(S104)を示すフローチャートである。この特別図柄変動処理(S104)は、タイマ割込処理(図23参照)の中で実行され、第1図柄表示装置37において行う特別図柄(第1図柄)の変動表示や、第3図柄表示装置81において行う第3図柄の変動表示などを制御するための処理である。
この特別図柄変動処理では、まず、今現在が、特別図柄の大当たり中であるか否かを判定する(S201)。特別図柄の大当たり中としては、第1図柄表示装置37及び第3図柄表示装置81において特別図柄の大当たり(特別図柄の大当たり遊技中も含む)を示す表示がなされている最中と、特別図柄の大当たり遊技終了後の所定時間の最中とが含まれる。判定の結果、特別図柄の大当たり中であれば(S201:Yes)、そのまま本処理を終了する。
特別図柄の大当たり中でなければ(S201:No)、第1図柄表示装置37の表示態様が変動中であるか否かを判定し(S202)、第1図柄表示装置37の表示態様が変動中でなければ(S202:No)、特別図柄保留球数カウンタ203cの値(特別図柄における変動表示の保留回数N)を取得する(S203)。次に、特別図柄保留球数カウンタ203cの値(N)が0よりも大きいか否かを判別し(S204)、特別図柄保留球数カウンタ203cの値(N)が0であれば(S204:No)、そのまま本処理を終了する。
一方、特別図柄保留球数カウンタ203cの値(N)が0でなければ(S204:Yes)、特別図柄保留球数カウンタ203cの値(N)を1減算し(S205)、演算により変更された特別図柄保留球数カウンタ203cの値を示す保留球数コマンドを設定する(S206)。ここで設定された保留球数コマンドは、RAM203に設けられたコマンド送信用のリングバッファに記憶され、MPU201により実行される後述のメイン処理(図31参照)の外部出力処理(S901)の中で、音声ランプ制御装置113に向けて送信される。音声ランプ制御装置113は、保留球数コマンドを受信すると、その保留球数コマンドから特別図柄保留球数カウンタ203cの値を抽出し、抽出した値をRAM223の特別図柄保留球数カウンタ223bに格納する。
S206の処理により保留球数コマンドを設定した後は、特別図柄保留球格納エリア203aに格納されたデータをシフトする(S207)。S207の処理では、特別図柄保留球格納エリア203aの保留第1エリア〜保留第4エリアに格納されているデータを、実行エリア側に順にシフトさせる処理を行う。より具体的には、保留第1エリア→実行エリア、保留第2エリア→保留第1エリア、保留第3エリア→保留第2エリア、保留第4エリア→保留第3エリアといった具合に各エリア内のデータをシフトする。データをシフトした後は、第1図柄表示装置37において変動表示を開始するための特別図柄変動開始処理を実行する(S208)。なお、特別図柄変動開始処理については、図25を参照して後述する。
S202の処理において、第1図柄表示装置37の表示態様が変動中であれば(S202:Yes)、第1図柄表示装置37において実行している変動表示の変動時間が経過したか否かを判別する(S209)。第1図柄表示装置37において実行される変動表示の変動時間は、変動種別カウンタCS1により選択された変動パターンに応じて決められており(変動パターンコマンドに応じて決められており)、この変動時間が経過していなければ(S209:No)、第1図柄表示装置37の表示内容を更新して(S210)、本処理を終了する。
一方、S209の処理において、実行している変動表示の変動時間が経過していれば(S209:Yes)、第1図柄表示装置37の停止図柄に対応した表示態様を設定する(S211)。停止図柄の設定は、図25を参照して後述する特別図柄変動開始処理(S208)によって予め行われる。この特別図柄変動開始処理が実行されると、特別図柄保留球格納エリア203aの実行エリアに格納された各種カウンタの値に基づいて、特別図柄の抽選が行われる。より具体的には、第1当たり乱数カウンタC1の値に応じて特別図柄の大当たりか否かが決定されると共に、特別図柄の大当たりである場合には、第1当たり種別カウンタC2の値に応じて大当たりAとなるか、大当たりBとなるかが決定される。
なお、本実施形態では、大当たりAになる場合には、第1図柄表示装置37において青色のLEDを点灯させ、大当たりBになる場合には赤色のLEDを点灯させる。また、外れである場合には赤色のLEDと緑色のLEDとを点灯させる。なお、各LEDの表示は、次の変動表示が開始される場合に点灯が解除されるが、変動の停止後数秒間のみ点灯させるものとしても良い。
S210の処理が終了した後は、第1図柄表示装置37において実行中の変動表示が開始されたときに、特別図柄変動開始処理によって行われた特別図柄の抽選結果(今回の抽選結果)が、特別図柄の大当たりであるかを判定する(S212)。今回の抽選結果が特別図柄の大当たりであれば(S212:Yes)、特別図柄の大当たりの開始を設定し(S213)、本処理を終了する。S213の処理によって、特別図柄の大当たりの開始が設定されると、メイン処理(図31参照)の中で大当たり制御処理(S904)が実行された場合に、S1001:Yesへ分岐して、オープニングコマンドが設定される。その結果、第3図柄表示装置81において、大当たり演出が開始される。加えて、S213の処理では、確変フラグ203eがオフに設定されたり、時短中カウンタ203fの値に0が設定されたりする。大当たり中の状態を、初期状態と同じ状態とするためである。
S212の処理において、今回の抽選結果が特別図柄の外れであれば(S212:No)、時短中カウンタ203fの値が1以上であるかを判定し(S214)、時短中カウンタ203fの値が1以上であれば(S214:Yes)、時短中カウンタ203fの値を1減算して(S215)、本処理を終了する。一方、時短中カウンタ203fの値が0であれば(S214:No)、S215の処理をスキップして、本処理を終了する。
次に、図25を参照して、主制御装置110内のMPU201により実行される特別図柄変動開始処理(S208)について説明する。図25は、特別図柄変動開始処理(S208)を示したフローチャートである。この特別図柄変動開始処理(S208)は、タイマ割込処理(図23参照)の特別図柄変動処理(図24参照)の中で実行される処理であり、特別図柄保留球格納エリア203aの実行エリアに格納された各種カウンタの値に基づいて、「特別図柄の大当たり」、または「特別図柄の外れ」の抽選(当否判定)を行うと共に、第1図柄表示装置37および第3図柄表示装置81で行われる変動演出の演出パターン(変動演出パターン)を決定するための処理である。
特別図柄変動開始処理では、まず、特別図柄保留球格納エリア203aの実行エリアに格納されている第1当たり乱数カウンタC1、第1当たり種別カウンタC2、及び、停止種別選択カウンタC3の各値を取得する(S301)。
次に、RAM203の確変フラグ203eがオンであるかを判定する(S302)。確変フラグ203eは、パチンコ機10が特別図柄の確変状態であるか否かを示すフラグであり、確変フラグ203eがオンであれば、パチンコ機10が特別図柄の確変状態であることを示し、確変フラグ203eがオフであれば、パチンコ機10が特別図柄の通常状態であることを示す。
確変フラグ203eがオンである場合は(S302:Yes)、パチンコ機10が特別図柄の確変状態であるので、S301の処理で取得した第1当たり乱数カウンタC1の値と、高確率時用の第1当たり乱数テーブルとに基づいて、特別図柄の大当たりか否かの抽選結果を取得する(S303)。具体的には、第1当たり乱数カウンタC1の値を、高確率時用の第1当たり乱数テーブルに格納されている10の乱数値と1つ1つ比較する。上述したように、特別図柄の大当たりとなる乱数値としては、「4,38,64,99,122,151,183,218,249,270」の10個が設定されており、第1当たり乱数カウンタC1の値と、これらの当たりとなる乱数値とが一致する場合に、特別図柄の大当たりであると判定する。特別図柄の抽選結果を取得したら、S305の処理へ移行する。
一方、S302の処理において、確変フラグ203eがオフである場合は(S302:No)、パチンコ機10が特別図柄の通常状態であるので、S301の処理で取得した第1当たり乱数カウンタC1の値と、低確率時用の第1当たり乱数テーブルとに基づいて、特別図柄の大当たりか否かの抽選結果を取得する(S304)。具体的には、第1当たり乱数カウンタC1の値を、低確率時用の第1当たり乱数テーブルに格納されている1の乱数値と比較する。特別図柄の大当たりとなる乱数値としては、「7」が設定されており、第1当たり乱数カウンタC1の値と、「7」とが一致する場合に、特別図柄の大当たりであると判定する。特別図柄の抽選結果を取得したら、S305の処理へ移行する。
そして、S303またはS304の処理によって取得した特別図柄の抽選結果が、特別図柄の大当たりであるかを判定し(S305)、特別図柄の大当たりであると判定された場合には(S305:Yes)、S301の処理で取得した第1当たり種別カウンタC2の値に基づいて、大当たり時の表示態様を設定する(S306)。より具体的には、S301の処理で取得した第1当たり種別カウンタC2の値と、第1当たり種別選択テーブルに格納されている乱数値とを比較し、2種類ある特別図柄の大当たり(大当たりA、大当たりB)のうち、大当たり種別が何であるかを判定する。上述したように、第1当たり種別カウンタC2の値が「0〜49」の範囲にあれば、大当たりA(16ラウンド確変大当たり)であると判定し、「50〜99」の範囲にあれば、大当たりB(16ラウンド時短大当たり)であると判定する(図11(b)参照)。
このS306の処理では、判定された大当たり種別(大当たりA、大当たりB)に応じて、第1図柄表示装置37の表示態様(LED37aの点灯状態)が設定される。また、大当たり種別に対応した停止図柄を、第3図柄表示装置81において停止表示させるべく、大当たり種別(大当たりA、大当たりB)が停止種別として設定される。
次に、大当たり時の変動パターンを決定する(S307)。S307の処理で変動パターンが設定されると、第1図柄表示装置37における変動演出の変動時間(表示時間)が設定されると共に、第3図柄表示装置81において大当たり図柄で停止するまでの第3図柄の変動時間が決定される。このとき、RAM203のカウンタ用バッファに格納されている変動種別カウンタCS1の値を確認し、変動種別カウンタCS1の値に基づいてノーマルリーチ、スーパーリーチ等の図柄変動の変動時間を決定する。なお、変動種別カウンタCS1の数値と変動時間との関係は、テーブル等により予め規定されている。
例えば、外れ用の変動パターンとしては、「完全外れ」、「外れショートリーチ」、「外れロングリーチ」、「外れスーパーリーチ」が規定され、大当たりA・大当たりB共用の変動パターンとしては、「当たりショートリーチ」、「当たりロングリーチ」、「当たりスーパーリーチ」各種が規定されている。
S305の処理において、特別図柄の外れであると判定された場合には(S305:No)、外れ時の表示態様を設定する(S308)。S308の処理では、第1図柄表示装置37の表示態様を外れ図柄に対応した表示態様に設定すると共に、特別図柄保留球格納エリア203aの実行エリアに格納されている停止種別選択カウンタC3の値に基づいて、第3図柄表示装置81において表示させる停止種別として、前後外れリーチであるか、前後外れ以外リーチであるか、完全外れであるかを設定する。
ここでは、パチンコ機10が特別図柄の確変状態であれば、S301の処理で取得した停止種別選択カウンタC3の値と、高確率時用の停止種別選択テーブルに格納されている乱数値とを比較して、停止種別を設定する。具体的には、停止種別選択カウンタC3の値が「0〜89」の範囲にあれば、完全外れを設定し、「90〜97」の範囲にあれば前後外れ以外リーチを設定し、「98,99」であれば前後外れリーチを設定する。一方、パチンコ機10が特別図柄の通常状態であれば、停止種別選択カウンタC3の値と、低確率時用の停止種別選択テーブルに格納されている乱数値とを比較して、停止種別を設定する。具体的には、停止種別選択カウンタC3の値が「0〜79」の範囲にあれば、完全外れを設定し、「80〜97」の範囲にあれば前後外れ以外リーチを設定し、「98,99」であれば前後外れリーチを設定する。
次に、外れ時の変動パターンを決定する(S309)。ここでは、第1図柄表示装置37の表示時間が設定されると共に、第3図柄表示装置81において外れ図柄で停止するまでの第3図柄の変動時間が決定される。このとき、S308の処理と同様に、RAM203のカウンタ用バッファに格納されている変動種別カウンタCS1の値を確認し、変動種別カウンタCS1の値に基づいてノーマルリーチ、スーパーリーチ等の図柄変動の変動時間を決定する。
S307の処理またはS39の処理が終わると、次に、S307の処理またはS309の処理で決定した変動パターンを表示制御装置114へ通知するための変動パターンコマンドを設定する(S310)。次いで、S306、またはS308の処理で設定された停止種別を表示制御装置114へ通知するための停止種別コマンドを設定する(S311)。これらの変動パターンコマンドおよび停止種別コマンドは、RAM203に設けられたコマンド送信用のリングバッファに記憶され、メイン処理(図31参照)のS901の処理で、これらのコマンドが音声ランプ制御装置113に送信される。音声ランプ制御装置113は、停止種別コマンドをそのまま表示制御装置114へ送信する。S312の処理が終わると、特別図柄変動処理へ戻る。
次に、図26のフローチャートを参照して、主制御装置110内のMPU201により実行される始動入賞処理(S105)を説明する。図26は、この始動入賞処理(S105)を示すフローチャートである。この始動入賞処理(S105)は、タイマ割込処理(図23参照)の中で実行され、第1入球口64への入賞(始動入賞)の有無を判断し、始動入賞があった場合に、各種乱数カウンタが示す値の保留処理と、その保留された各種乱数カウンタが示す値から、特別図柄における抽選結果の先読みを実行するための処理である。
始動入賞処理が実行されると、まず、球が第1入球口64に入賞(始動入賞)したか否かを判定する(S401)。ここでは、第1入球口64への入球を3回のタイマ割込処理にわたって検出する。そして、球が第1入球口64に入賞したと判別されると(S401:Yes)、特別図柄保留球数カウンタ203cの値(特別図柄における変動表示の保留回数N)を取得する(S402)。そして、特別図柄保留球数カウンタ203cの値(N)が上限値(本実施形態では4)未満であるか否かを判定する(S403)。
そして、第1入球口64への入賞がないか(S401:No)、或いは、第1入球口64への入賞があっても特別図柄保留球数カウンタ203cの値(N)が4未満でなければ(S403:No)、S415の処理へ移行する。一方、第1入球口64への入賞があり(S401:Yes)、且つ、特別図柄保留球数カウンタ203cの値(N)が4未満であれば(S403:Yes)、特別図柄保留球数カウンタ203cの値(N)を1加算する(S404)。そして、演算により変更された特別図柄保留球数カウンタ203cの値を示す保留球数コマンドを設定する(S405)。
ここで設定された保留球数コマンドは、RAM203に設けられたコマンド送信用のリングバッファに記憶され、MPU201により実行される後述のメイン処理(図31参照)の外部出力処理(S901)の中で、音声ランプ制御装置113に向けて送信される。音声ランプ制御装置113は、保留球数コマンドを受信すると、その保留球数コマンドから特別図柄保留球数カウンタ203cの値を抽出し、抽出した値をRAM223の特別図柄保留球数カウンタ223bに格納する。
S405の処理により保留球数コマンドを設定した後は、上述したタイマ割込処理のS103で更新した第1当たり乱数カウンタC1、第1当たり種別カウンタC2及び停止種別選択カウンタC3の各値を、RAM203の特別図柄保留球格納エリア203aの空き保留エリア(保留第1エリア〜保留第4エリア)のうち最初のエリアに格納する(S406)。なお、S406の処理では、特別図柄保留球カウンタ203cの値を参照し、その値が0であれば、保留第1エリアを最初のエリアとする。同様に、その値が1であれば保留第2エリアを、その値が2であれば保留第3エリアを、その値が3であれば保留第4エリアを、それぞれ最初のエリアとする。
次いで、S406の処理で格納された各種カウンタ値に基づいて、特別図柄における抽選の当否(大当たりか否か)と、その停止種別(大当たりの場合には大当たり種別)と、その変動パターンとを予測する(S407)。
S407の処理によって、特別図柄における抽選の当否と、停止種別(大当たりの場合には大当たり種別)と、変動パターンとが予測されたら、次に、予測した抽選の当否と、予測した停止種別と、予測した変動パターンとを含む入賞情報コマンドを設定し(S408)、本処理を終了する。
ここで設定された入賞情報コマンドは、RAM203に設けられたコマンド送信用のリングバッファに記憶され、MPU201により実行される後述のメイン処理(図31参照)の外部出力処理(S901)の中で、音声ランプ制御装置113に向けて送信される。音声ランプ制御装置113は、入賞情報コマンドを受信すると、その入賞情報コマンドから、当否と、停止種別と、変動パターンとを抽出し、それらの情報を入賞情報として入賞情報格納エリア223aに格納する。
次に、図21のフローチャートを参照して、主制御装置110内のMPU201により実行される普通図柄変動処理(S106)について説明する。図27は、この普通図柄変動処理(S107)を示すフローチャートである。この普通図柄変動処理(S106)は、タイマ割込処理(図23参照)の中で実行され、第2図柄表示装置83において行う第2図柄の変動表示や、第1入球口64に付随する電動役物の開放時間などを制御するための処理である。
この普通図柄変動処理では、まず、今現在が、普通図柄(第2図柄)の当たり中であるか否かを判定する(S501)。普通図柄(第2図柄)の当たり中としては、第2図柄表示装置83において当たりを示す表示がなされている最中と、第1入球口64に付随する電動役物の開閉制御がなされている最中とが含まれる。判定の結果、普通図柄(第2図柄)の当たり中であれば(S501:Yes)、そのまま本処理を終了する。
一方、普通図柄(第2図柄)の当たり中でなければ(S501:No)、第2図柄表示装置83の表示態様が変動中であるか否かを判定し(S502)、第2図柄表示装置83の表示態様が変動中でなければ(S502:No)、普通図柄保留球数カウンタ203dの値(普通図柄における変動表示の保留回数M)を取得する(S503)。次に、普通図柄保留球数カウンタ203dの値(M)が0よりも大きいか否かを判別し(S504)、普通図柄保留球数カウンタ203dの値(M)が0であれば(S504:No)、そのまま本処理を終了する。一方、普通図柄保留球数カウンタ203dの値(M)が0でなければ(S504:Yes)、普通図柄保留球数カウンタ203dの値(M)を1減算する(S505)。
次に、普通図柄保留球格納エリア203bに格納されたデータをシフトする(S506)。S506の処理では、普通図柄保留球格納エリア203bの保留第1エリア〜保留第4エリアに格納されているデータを、実行エリア側に順にシフトさせる処理を行う。より具体的には、保留第1エリア→実行エリア、保留第2エリア→保留第1エリア、保留第3エリア→保留第2エリア、保留第4エリア→保留第3エリアといった具合に各エリア内のデータをシフトする。データをシフトした後は、普通図柄保留球格納エリア203bの実行エリアに格納されている第2当たり乱数カウンタC4の値を取得する(S507)。
次に、RAM203の時短中カウンタ203fの値が1以上であるかを判定する(S508)。なお、時短中カウンタ203fは、パチンコ機10が普通図柄の時短状態であるか否かを示すカウンタであり、時短中カウンタ203fの値が1以上であれば、パチンコ機10が普通図柄の時短状態であることを示し、時短中カウンタ203fの値が0であれば、パチンコ機10が普通図柄の通常状態であることを示す。
時短中カウンタ203fの値が1以上である場合は(S508:Yes)、今現在が、特別図柄の大当たり中であるか否かを判定する(S509)。特別図柄の大当たり中としては、第1図柄表示装置37及び第3図柄表示装置81において特別図柄の大当たり(特別図柄の大当たり遊技中も含む)を示す表示がなされている最中と、特別図柄の大当たり遊技終了後の所定時間の最中とが含まれる。判定の結果、特別図柄の大当たり中であれば(S509:Yes)、S511の処理に移行する。本実施形態では、特別図柄の大当たり中は、普通図柄の抽選が当たりとなりにくくなるように構成されている。これは、特別図柄の大当たり中(即ち、特別遊技状態中)は、遊技者が特定入賞口65aに入賞させようとして球を打つので、第1入球口64に付随する電動役物が開放されて、特定入賞口65aに入賞させようとした球が、第1入球口64に入ることをできるだけ抑制するためである。なお、特定入賞口65aは、第1入球口64の直ぐ下に設けられているので、特別図柄の大当たり中に第1入球口64に球が入ることを抑制していても、第1入球口64には球が多く入球する。その結果、殆どの場合、パチンコ機10が特別遊技状態に移行している間に、第1入球口64についての保留球数は最大(4回)になる。
S509の処理において、特別図柄の大当たり中でなければ(S509:No)、パチンコ機10が特別図柄の大当たり中でなくて、パチンコ機10が普通図柄の時短状態であるので、S507の処理で取得した第2当たり乱数カウンタC4の値と、高確率時用の第2当たり乱数テーブルと基づいて、普通図柄の当たりか否かの抽選結果を取得する(S510)。具体的には、第2当たり乱数カウンタC4の値と、高確率時用の第2当たり乱数テーブルに格納されている乱数値と比較する。上述したように、第2当たり種別カウンタC4の値が「5〜204」の範囲にあれば、普通図柄の当たりであると判定し、「0〜4,205〜239」の範囲にあれば、普通図柄の外れであると判定する(図11(c)参照)。
S508の処理において、時短中カウンタ203fの値が0である場合は(S508:No)、S511の処理へ移行する。S511の処理では、パチンコ機10が特別図柄の大当たり中であるか、または、パチンコ機10が普通図柄の通常状態であるので、S507の処理で取得した第2当たり乱数カウンタC4の値と、低確率時用の第2当たり乱数テーブルとに基づいて、普通図柄の当たりか否かの抽選結果を取得する(S511)。具体的には、第2当たり乱数カウンタC4の値と、低確率時用の第2当たり乱数テーブルに格納されている乱数値と比較する。上述したように、第2当たり種別カウンタC4の値が「5〜28」の範囲にあれば、普通図柄の当たりであると判定し、「0〜4,29〜239」の範囲にあれば、普通図柄の外れであると判定する(図11(c)参照)。
次に、S510またはS511の処理によって取得した普通図柄の抽選結果が、普通図柄の当たりであるかを判定し(S512)、普通図柄の当たりであると判定された場合には(S512:Yes)、当たり時の表示態様を設定する(S513)。このS513の処理では、第2図柄表示装置83における変動表示が終了した後に、停止図柄(第2図柄)として「○」の図柄が点灯表示されるように設定する。
そして、時短中カウンタ203fの値が1以上であるかを判定し(S514)、時短中カウンタ203fの値が1以上であれば(S514:Yes)、今現在が、特別図柄の大当たり中であるか否かを判定する(S515)。判定の結果、特別図柄の大当たり中であれば(S515:Yes)、S517の処理に移行する。本実施形態では、特別図柄の大当たり中は、球が第1入球口64に入ることをできるだけ抑制するために、普通図柄の当たりになった場合でも、普通図柄の外れとなった場合と同様に、電動役物の開放回数および開放時間が設定される。
S515の処理において、特別図柄の大当たり中でなければ(S515:No)、パチンコ機10が特別図柄の大当たり中でなくて、パチンコ機10が普通図柄の時短状態であるので、第1入球口64に付随する電動役物の開放期間を1秒間に設定すると共に、その開放回数を2回に設定し(S516)、S519の処理へ移行する。S514の処理において、時短中カウンタ203fの値が0である場合は(S514:No)、S517の処理へ移行する。S517の処理では、パチンコ機10が特別図柄の大当たり中であるか、又は、パチンコ機10が普通図柄の通常状態であるので、第1入球口64に付随する電動役物の開放期間を0.2秒間に設定すると共に、その開放回数を1回に設定し(S517)、S519の処理へ移行する。
S512の処理において、普通図柄の外れであると判定された場合には(S512:No)、外れ時の表示態様を設定する(S518)。このS518の処理では、第2図柄表示装置83における変動表示が終了した後に、停止図柄(第2図柄)として「×」の図柄が点灯表示されるように設定する。外れ時の表示態様の設定が終了したら、S519の処理へ移行する。
S519の処理では、時短中カウンタ203fの値が1以上であるかを判定し(S519)、時短中カウンタ203fの値が1以上であれば(S519:Yes)、第2図柄表示装置83における変動表示の変動時間を3秒間に設定して(S520)、本処理を終了する。一方、時短中カウンタ203fの値が0であれば(S519:No)、第2図柄表示装置83における変動表示の変動時間を30秒間に設定して(S521)、本処理を終了する。このように、特別図柄の大当たり中を除き、普通図柄の高確率時には、普通図柄の低確率時と比較して、変動表示の時間が「30秒→3秒」と非常に短くなり、更に、第1入球口64の解放期間が「0.2秒×1回→1秒間×2回」と非常に長くなるので、第1入球口64へ球が入球し易い状態となる。
S502の処理において、第2図柄表示装置83の表示態様が変動中であれば(S502:Yes)、第2図柄表示装置83において実行している変動表示の変動時間が経過したか否かを判別する(S522)。なお、ここでの変動時間は、第2図柄表示装置83において変動表示が開始される前に、S520の処理またはS521の処理によって予め設定された時間である。
S522の処理において、変動時間が経過していなければ(S522:No)、本処理を終了する。一方、S522の処理において、実行している変動表示の変動時間が経過していれば(S522:Yes)、第2図柄表示装置83の停止表示を設定する(S523)。S523の処理では、普通図柄の抽選が当たりとなって、S513の処理により表示態様が設定されていれば、第2図柄としての「○」図柄が、第2図柄表示装置83において停止表示(点灯表示)されるように設定される。一方、普通図柄の抽選が外れとなって、S518の処理により表示態様が設定されていれば、第2図柄としての「×」図柄が、第2図柄表示装置83において停止表示(点灯表示)されるように設定される。S523の処理により、停止表示が設定されると、次にメイン処理(図31参照)の第2図柄表示更新処理(S907参照)が実行された場合に、第2図柄表示装置83における変動表示が終了し、S513の処理またはS518の処理で設定された表示態様で、停止図柄(第2図柄)が第2図柄表示装置83に停止表示(点灯表示)される。
次に、第2図柄表示装置83において実行中の変動表示が開始されたときに、普通図柄変動処理によって行われた普通図柄の抽選結果(今回の抽選結果)が、普通図柄の当たりであるかを判定する(S524)。今回の抽選結果が普通図柄の当たりであれば(S524:Yes)、第1入球口64に付随する電動役物の開閉制御開始を設定し(S525)、本処理を終了する。S525の処理によって、電動役物の開閉制御開始が設定されると、次にメイン処理(図31参照)の電動役物開閉処理(S905参照)が実行された場合に、電動役物の開閉制御が開始され、S516の処理またはS517の処理で設定された開放時間および開放回数が終了するまで電動役物の開閉制御が継続される。一方、S524の処理において、今回の抽選結果が普通図柄の外れであれば(S524:No)、S525の処理をスキップして、本処理を終了する。
次に、図28のフローチャートを参照して、主制御装置110内のMPU201により実行されるスルーゲート通過処理(S107)を説明する。図28は、このスルーゲート通過処理(S107)を示すフローチャートである。このスルーゲート通過処理(S107)は、タイマ割込処理(図23参照)の中で実行され、第2入球口67における球の通過の有無を判断し、球の通過があった場合に、第2当たり乱数カウンタC4が示す値を取得し保留するための処理である。
スルーゲート通過処理では、まず、球が第2入球口67を通過したか否かを判定する(S601)。ここでは、第2入球口67における球の通過を3回のタイマ割込処理にわたって検出する。そして、球が第2入球口67を通過したと判定されると(S601:Yes)、普通図柄保留球数カウンタ203dの値(普通図柄における変動表示の保留回数M)を取得する(S602)。そして、普通図柄保留球数カウンタ203dの値(M)が上限値(本実施形態では4)未満であるか否かを判定する(S603)。
球が第2入球口67を通過していないか(S601:No)、或いは、球が第2入球口67を通過していても普通図柄保留球数カウンタ203dの値(M)が4未満でなければ(S603:No)、本処理を終了する。一方、球が第2入球口67を通過し(S601:Yes)、且つ、普通図柄保留球数カウンタ203dの値(M)が4未満であれば(S603:Yes)、普通図柄保留球数カウンタ203dの値(M)を1加算する(S604)。そして、上述したタイマ割込処理のS103で更新した第2当たり乱数カウンタC4の値を、RAM203の普通図柄保留球格納エリア203bの空き保留エリア(保留第1エリア〜保留第4エリア)のうち最初のエリアに格納して(S605)、本処理を終了する。なお、S605の処理では、普通図柄保留球カウンタ203dの値を参照し、その値が0であれば、保留第1エリアを最初のエリアとする。同様に、その値が1であれば保留第2エリアを、その値が2であれば保留第3エリアを、その値が3であれば保留第4エリアを、それぞれ最初のエリアとする。
図29は、主制御装置110内のMPU201により実行されるNMI割込処理を示すフローチャートである。NMI割込処理は、停電の発生等によるパチンコ機10の電源遮断時に、主制御装置110のMPU201により実行される処理である。このNMI割込処理により、電源断の発生情報がRAM203に記憶される。即ち、停電の発生等によりパチンコ機10の電源が遮断されると、停電信号SG1が停電監視回路252から主制御装置110内のMPU201のNMI端子に出力される。すると、MPU201は、実行中の制御を中断してNMI割込処理を開始し、電源断の発生情報の設定として、電源断の発生情報をRAM203に記憶し(S701)、NMI割込処理を終了する。
なお、上記のNMI割込処理は、払出発射制御装置111でも同様に実行され、かかるNMI割込処理により、電源断の発生情報がRAM213に記憶される。即ち、停電の発生等によりパチンコ機10の電源が遮断されると、停電信号SG1が停電監視回路252から払出制御装置111内のMPU211のNMI端子に出力され、MPU211は実行中の制御を中断して、NMI割込処理を開始するのである。
次に、図30を参照して、主制御装置110に電源が投入された場合に主制御装置110内のMPU201により実行される立ち上げ処理について説明する。図30は、この立ち上げ処理を示すフローチャートである。この立ち上げ処理は電源投入時のリセットにより起動される。立ち上げ処理では、まず、電源投入に伴う初期設定処理を実行する(S801)。例えば、スタックポインタに予め決められた所定値を設定する。次いで、サブ側の制御装置(音声ランプ制御装置113、払出制御装置111等の周辺制御装置)が動作可能な状態になるのを待つために、ウエイト処理(本実施形態では1秒)を実行する(S802)。そして、RAM203のアクセスを許可する(S803)。
その後は、電源装置115に設けたRAM消去スイッチ122(図3参照)がオンされているか否かを判別し(S804)、オンされていれば(S804:Yes)、処理をS810へ移行する。一方、RAM消去スイッチ122がオンされていなければ(S804:No)、更にRAM203に電源断の発生情報が記憶されているか否かを判別し(S805)、記憶されていなければ(S805:No)、前回の電源遮断時の処理が正常に終了しなかった可能性があるので、この場合も、処理をS810へと移行する。
RAM203に電源断の発生情報が記憶されていれば(S805:Yes)、RAM判定値を算出し(S806)、算出したRAM判定値が正常でなければ(S807:No)、即ち、算出したRAM判定値が電源遮断時に保存したRAM判定値と一致しなければ、バックアップされたデータは破壊されているので、かかる場合にも処理をS810へ移行する。なお、メイン処理(図26参照)のS914の処理で後述する通り、RAM判定値は、例えばRAM203の作業領域アドレスにおけるチェックサム値である。このRAM判定値に代えて、RAM203の所定のエリアに書き込まれたキーワードが正しく保存されているか否かによりバックアップの有効性を判断するようにしても良い。
S810の処理では、サブ側の制御装置(周辺制御装置)となる払出制御装置111を初期化するために払出初期化コマンドを送信する(S810)。払出制御装置111は、この払出初期化コマンドを受信すると、RAM213のスタックエリア以外のエリア(作業領域)をクリアし、初期値を設定して、遊技球の払い出し制御を開始可能な状態となる。主制御装置110は、払出初期化コマンドの送信後は、RAM203の初期化処理(S811,S812)を実行する。
上述したように、本パチンコ機10では、例えばホールの営業開始時など、電源投入時にRAMデータを初期化する場合にはRAM消去スイッチ122を押しながら電源が投入される。従って、立ち上げ処理の実行時にRAM消去スイッチ122が押されていれば、RAMの初期化処理(S811,S812)を実行する。また、電源断の発生情報が設定されていない場合や、RAM判定値(チェックサム値等)によりバックアップの異常が確認された場合も同様に、RAM203の初期化処理(S811,S812)を実行する。RAMの初期化処理(S811,S812)では、RAM203の使用領域を0クリアし(S811)、その後、RAM203の初期値を設定する(S812)。RAM203の初期化処理の実行後は、S813の処理へ移行する。
一方、RAM消去スイッチ122がオンされておらず(S804:No)、電源断の発生情報が記憶されており(S805:Yes)、更にRAM判定値(チェックサム値等)が正常であれば(S807:Yes)、RAM203にバックアップされたデータを保持したまま、電源断の発生情報をクリアする(S808)。次に、サブ側の制御装置(周辺制御装置)を駆動電源遮断時の遊技状態に復帰させるための復電時の払出復帰コマンドを送信し(S809)、S813の処理へ移行する。払出制御装置111は、この払出復帰コマンドを受信すると、RAM213に記憶されたデータを保持したまま、遊技球の払い出し制御を開始可能な状態となる。
S813の処理では、演出許可コマンドを音声ランプ制御装置113へ送信し、音声ランプ制御装置113および表示制御装置114に対して各種演出の実行を許可する。次いで、割込みを許可して(S814)、後述するメイン処理に移行する。
次に、図31を参照して、上記した立ち上げ処理後に主制御装置110内のMPU201により実行されるメイン処理について説明する。図31は、このメイン処理を示すフローチャートである。このメイン処理では遊技の主要な処理が実行される。その概要として、4m秒周期の定期処理としてS901〜S907の各処理が実行され、その残余時間でS910,S911のカウンタ更新処理が実行される構成となっている。
メイン処理においては、まず、タイマ割込処理(図23参照)の実行中に、RAM203に設けられたコマンド送信用のリングバッファに記憶されたコマンド等の出力データをサブ側の各制御装置(周辺制御装置)に送信する外部出力処理を実行する(S901)。具体的には、タイマ割込処理(図23参照)におけるS101のスイッチ読み込み処理で検出した入賞検知情報の有無を判別し、入賞検知情報があれば払出制御装置111に対して獲得球数に対応する賞球コマンドを送信する。また、特別図柄変動処理(図24参照)や始動入賞処理(図26参照)で設定された保留球数コマンドを音声ランプ制御装置113に送信する。また、始動入賞処理(図26参照)で設定された入賞情報コマンドを音声ランプ制御装置113に送信する。更に、この外部出力処理により、第3図柄表示装置81による第3図柄の変動表示に必要な変動パターンコマンド、停止種別コマンド等を音声ランプ制御装置113に送信する。また、大当たり制御処理(図32参照)で設定されたオープニングコマンド、ラウンド数コマンド、エンディングコマンドを音声ランプ制御装置113へ送信する。加えて、球の発射を行う場合には、発射制御装置112へ球発射信号を送信する。
次に、変動種別カウンタCS1の値を更新する(S902)。具体的には、変動種別カウンタCS1を1加算すると共に、そのカウンタ値が最大値(本実施形態では198)に達した際、0にクリアする。そして、変動種別カウンタCS1の更新値を、RAM203の該当するバッファ領域に格納する。
変動種別カウンタCS1の更新が終わると、払出制御装置111より受信した賞球計数信号や払出異常信号を読み込み(S903)、次いで、特別図柄の大当たり状態である場合に、大当たり演出の実行や、可変入賞装置65の特定入賞口(大開放口)65aを開放又は閉鎖するための大当たり制御処理を実行する(S904)。大当たり制御処理では、大当たり状態のラウンド毎に特定入賞口65aを開放し、特定入賞口65aの最大開放時間が経過したか、又は特定入賞口65aに球が規定数入賞したかを判定する。そして、これら何れかの条件が成立すると特定入賞口65aを閉鎖する。この特定入賞口65aの開放と閉鎖とを所定ラウンド数繰り返し実行する。なお、本実施形態では、大当たり制御処理(S904)をメイン処理において実行しているが、タイマ割込処理において実行しても良い。
次に、第1入球口64に付随する電動役物の開閉制御を行う電動役物開閉処理を実行する(S905)。電動役物開閉処理では、普通図柄変動処理(図27参照)のS525の処理によって電動役物の開閉制御開始が設定された場合に、電動役物の開閉制御を開始する。なお、この電動役物の開閉制御は、普通図柄変動処理におけるS516の処理、またはS517の処理で設定された開放時間および開放回数が終了するまで継続される。
次に、第1図柄表示装置37の表示を更新する第1図柄表示更新処理を実行する(S1006)。第1図柄表示更新処理では、特別図柄変動開始処理(図25参照)のS307の処理またはS309の処理によって変動パターンが設定された場合に、その変動パターンに応じた変動表示を、第1図柄表示装置37において開始する。本実施形態では、第1図柄表示装置37のLED37aの内、変動が開始されてから変動時間が経過するまでは、例えば、現在点灯しているLEDが赤であれば、その赤のLEDを消灯すると共に緑のLEDを点灯させ、緑のLEDが点灯していれば、その緑のLEDを消灯すると共に青のLEDを点灯させ、青のLEDが点灯していれば、その青のLEDを消灯すると共に赤のLEDを点灯させる。
なお、メイン処理は4ミリ秒毎に実行されるが、そのメイン処理の実行毎にLEDの点灯色を変更すると、LEDの点灯色の変化を遊技者が確認することができない。そこで、遊技者がLEDの点灯色の変化を確認することができるように、メイン処理が実行される毎にカウンタ(図示せず)を1カウントし、そのカウンタが100に達した場合に、LEDの点灯色の変更を行う。即ち、0.4s毎にLEDの点灯色の変更を行う。なお、カウンタの値は、LEDの点灯色が変更されたら、0にリセットされる。
また、第1図柄表示更新処理では、特別図柄変動開始処理(図25参照)のS307の処理またはS309の処理によって設定された変動パターンに対応する変動時間が終了した場合に、第1図柄表示装置37において実行されている変動表示を終了し、特別図柄変動開始処理(図25参照)のS306の処理またはS308の処理によって設定された表示態様で、停止図柄(第1図柄)を第1図柄表示装置37に停止表示(点灯表示)する。
次に、第2図柄表示装置83の表示を更新する第2図柄表示更新処理を実行する(S907)。第2図柄表示更新処理では、普通図柄変動処理(図27参照)のS520の処理またはS521の処理によって第2図柄の変動時間が設定された場合に、第2図柄表示装置83において変動表示を開始する。これにより、第2図柄表示装置83では、第2図柄としての「○」の図柄と「×」の図柄とを交互に点灯させる変動表示が行われる。また、第2図柄表示更新処理では、普通図柄変動処理(図27参照)のS523の処理によって第2図柄表示装置83の停止表示が設定された場合に、第2図柄表示装置83において実行されている変動表示を終了し、普通図柄変動処理(図27参照)のS513の処理またはS518の処理によって設定された表示態様で、停止図柄(第2図柄)を第2図柄表示装置83に停止表示(点灯表示)する。
その後は、RAM203に電源断の発生情報が記憶されているか否かを判別し(S908)、RAM203に電源断の発生情報が記憶されていなければ(S908:No)、停電監視回路252から停電信号SG1は出力されておらず、電源は遮断されていない。よって、かかる場合には、次のメイン処理の実行タイミングに至ったか否か、即ち今回のメイン処理の開始から所定時間(本実施形態では4m秒)が経過したか否かを判別し(S909)、既に所定時間が経過していれば(S909:Yes)、処理をS901へ移行し、上述したS901以降の各処理を繰り返し実行する。
一方、今回のメイン処理の開始から未だ所定時間が経過していなければ(S909:No)、所定時間に至るまで間、即ち、次のメイン処理の実行タイミングに至るまでの残余時間内において、第1初期値乱数カウンタCINI1、第2初期値乱数カウンタCINI2及び変動種別カウンタCS1の更新を繰り返し実行する(S910,S911)。
まず、第1初期値乱数カウンタCINI1と第2初期値乱数カウンタCINI2との更新を実行する(S910)。具体的には、第1初期値乱数カウンタCINI1と第2初期値乱数カウンタCINI2を1加算すると共に、そのカウンタ値が最大値(本実施形態では299、239)に達した際、0にクリアする。そして、第1初期値乱数カウンタCINI1と第2初期値乱数カウンタCINI2の更新値を、RAM203の該当するバッファ領域にそれぞれ格納する。次に、変動種別カウンタCS1の更新を、S902の処理と同一の方法によって実行する(S911)。
ここで、S901〜S907の各処理の実行時間は遊技の状態に応じて変化するため、次のメイン処理の実行タイミングに至るまでの残余時間は一定でなく変動する。故に、かかる残余時間を使用して第1初期値乱数カウンタCINI1と第2初期値乱数カウンタCINI2の更新を繰り返し実行することにより、第1初期値乱数カウンタCINI1と第2初期値乱数カウンタCINI2(即ち、第1当たり乱数カウンタC1の初期値、第2当たり乱数カウンタC4の初期値)をランダムに更新することができ、同様に変動種別カウンタCS1についてもランダムに更新することができる。
また、S908の処理において、RAM203に電源断の発生情報が記憶されていれば(S908:Yes)、停電の発生または電源のオフにより電源が遮断され、停電監視回路252から停電信号SG1が出力された結果、図29のNMI割込処理が実行されたということなので、S912以降の電源遮断時の処理が実行される。まず、各割込処理の発生を禁止し(S912)、電源が遮断されたことを示す電源断コマンドを他の制御装置(払出制御装置111や音声ランプ制御装置113等の周辺制御装置)に対して送信する(S913)。そして、RAM判定値を算出して、その値を保存し(S914)、RAM203のアクセスを禁止して(S915)、電源が完全に遮断して処理が実行できなくなるまで無限ループを継続する。ここで、RAM判定値は、例えば、RAM203のバックアップされるスタックエリア及び作業エリアにおけるチェックサム値である。
なお、S908の処理は、S901〜S907で行われる遊技の状態変化に対応した一連の処理の終了時、又は、残余時間内に行われるS910とS911の処理の1サイクルの終了時となるタイミングで実行されている。よって、主制御装置110のメイン処理において、各設定が終わったタイミングで電源断の発生情報を確認しているので、電源遮断の状態から復帰する場合には、立ち上げ処理の終了後、処理をS901の処理から開始することができる。即ち、立ち上げ処理において初期化された場合と同様に、処理をS901の処理から開始することができる。よって、電源遮断時の処理において、MPU201が使用している各レジスタの内容をスタックエリアへ退避したり、スタックポインタの値を保存したりしなくても、初期設定の処理(S801)において、スタックポインタが所定値(初期値)に設定されることで、S901の処理から開始することができる。従って、主制御装置110の制御負担を軽減することができると共に、主制御装置110が誤動作したり、暴走したりすることなく正確な制御を行うことができる。
次に、図32のフローチャートを参照して、主制御装置110内のMPU201により実行される大当たり制御処理(S904)を説明する。図32は、この大当たり制御処理(S904)を示すフローチャートである。この大当たり制御処理(S904)は、メイン割込処理(図31参照)の中で実行され、パチンコ機10が特別図柄の大当たり状態である場合に、大当たりに応じた各種演出の実行や、特定入賞口(大開放口)65aを開放又は閉鎖するための処理である。
大当たり制御処理では、まず、特別図柄の大当たりが開始されるかを判定する(S1001)。具体的には、特別図柄変動処理(図24参照)のS213の処理が実行され、特別図柄の大当たりの開始が設定されていれば、特別図柄の大当たりが開始されると判定する。S1001の処理において、特別図柄の大当たりが開始される場合には(S1001:Yes)、オープニングコマンドを設定して(S1002)、本処理を終了する。
ここで設定されたオープニングコマンドは、RAM203に設けられたコマンド送信用のリングバッファに記憶され、MPU201により実行されるメイン処理(図31参照)の外部出力処理(S901)の中で、音声ランプ制御装置113に向けて送信される。音声ランプ制御装置113は、オープニングコマンドを受信すると、表示用オープニングコマンドを表示制御装置114へ送信する。表示制御装置114によって表示用オープニングコマンドが受信されると、第3図柄表示装置81においてオープニング演出が開始される。
一方、S1001の処理において、特別図柄の大当たりが開始されない場合には(S1001:No)、特別図柄の大当たり中であるかを判定する(S1003)。特別図柄の大当たり中としては、第1図柄表示装置37及び第3図柄表示装置81において特別図柄の大当たり(特別図柄の大当たり遊技中も含む)を示す表示がなされている最中と、特別図柄の大当たり遊技終了後の所定時間の最中とが含まれる。S1003の処理において、特別図柄の大当たり中でなければ(S1003:No)、そのまま本処理を終了する。
一方、S1003の処理において、特別図柄の大当たり中であれば(1003:Yes)、新たなラウンドの開始タイミングであるかを判定する(S1004)。新たなラウンドの開始タイミングであれば(S1004:Yes)、特定入賞口(大開放口)65aを開放し(S1005)、新たに開始するラウンド数を示すラウンド数コマンドを設定する(S1006)。ラウンド数コマンドを設定した後は、本処理を終了する。ここで設定されたラウンド数コマンドは、RAM203に設けられたコマンド送信用のリングバッファに記憶され、MPU201により実行されるメイン処理(図31参照)の外部出力処理(S901)の中で、音声ランプ制御装置113に向けて送信される。音声ランプ制御装置113は、ラウンド数コマンドを受信すると、そのラウンド数コマンドからラウンド数を抽出する。そして、抽出したラウンド数に応じた表示用ラウンド数コマンドを表示制御装置114へ送信する。表示制御装置114によって表示用ラウンド数コマンドが受信されると、第3図柄表示装置81において新たなラウンド演出が開始される。
一方、S1004の処理において、新たなラウンドの開始タイミングでなければ(S1004:No)、特定入賞口(大開放口)65aの閉鎖条件が成立したかを判定する(S1007)。具体的には、特定入賞口(大開放口)65aを開放した後に所定時間(例えば、30秒)が経過した場合、または、特定入賞口(大開放口)65aを開放した後に球が所定数(例えば、10個)入賞した場合に、閉鎖条件が成立したと判定する。
S1007の処理において、特定入賞口(大開放口)65aの閉鎖条件が成立した場合には(S1007:Yes)、特定入賞口(大開放口)65aを閉鎖して(S1008)、本処理を終了する。一方、特定入賞口(大開放口)65aの閉鎖条件が成立していない場合には(S1007:No)、エンディング演出の開始タイミングであるかを判定する(S1009)。具体的には、通常時より多量の賞球の払い出しが行われる特別遊技状態(16ラウンド全て)が終了した場合に、エンディング演出の開始タイミングであると判定する。
S1009の処理において、エンディング演出の開始タイミングである場合には(S1009:Yes)、エンディングコマンドを設定し(S1010)、本処理を終了する。ここで設定されたエンディングコマンドは、RAM203に設けられたコマンド送信用のリングバッファに記憶され、MPU201により実行されるメイン処理(図31参照)の外部出力処理(S901)の中で、音声ランプ制御装置113に向けて送信される。音声ランプ制御装置113は、エンディングコマンドを受信すると、RAM223の入賞情報格納エリア223aに格納されている入賞情報に基づいて、エンディング演出の表示態様を選択する。そして、選択したエンディング演出の表示態様に応じた表示用エンディングコマンドを表示制御装置114へ送信する。表示制御装置114によって表示用エンディングコマンドが受信されると、第3図柄表示装置81においてエンディング演出が開始される。
一方、S1009の処理において、エンディングの開始タイミングでない場合には(S1009:No)、次いで、エンディング演出の終了タイミングであるか否かを判別する(S1011)。S1011の処理において、エンディング演出の終了タイミングであると判別した場合は(S1011:Yes)、次いで、今回の大当たりが大当たりAであるか否かを判別し(S1012)、大当たりAであれば(S1012:Yes)、大当たりAの終了後に特別図柄の高確率状態へと移行させるために、確変フラグ203eをオンに設定して(S1014)、処理をS1015へと移行する。
S1012の処理において、今回の大当たりが大当たりAでない(即ち、大当たりBである)と判別した場合は、大当たりBの終了後に普通図柄の時短状態へと移行させるために、時短中カウンタ203fの値に100を設定し(S1013)、処理をS1015へと移行する。S1013、またはS1014の処理後に実行されるS1015の処理では、大当たりの終了を設定して、本処理を終了する。
S1011の処理において、エンディング演出の終了タイミングでないと判別した場合は(S1011:No)、そのまま本処理を終了する。この大当たり制御処理(図32参照)により、大当たりに関する各種設定を行うことができる。
<第1実施形態における音声ランプ制御装置の制御処理について>
次に、図33から図39を参照して、音声ランプ制御装置113内のMPU221により実行される各制御処理を説明する。かかるMPU221の処理としては大別して、電源投入に伴い起動される立ち上げ処理と、その立ち上げ処理後に実行されるメイン処理とがある。
まず、図33を参照して、音声ランプ制御装置113内のMPU221により実行される立ち上げ処理を説明する。図33は、この立ち上げ処理を示したフローチャートである。この立ち上げ処理は電源投入時に起動される。
立ち上げ処理が実行されると、まず、電源投入に伴う初期設定処理を実行する(S1101)。具体的には、スタックポインタに予め決められた所定値を設定する。その後、電源断処理中フラグがオンしているか否かによって、今回の立ち上げ処理が瞬間的な電圧降下(瞬間的な停電、所謂「瞬停」)によって、S1318の電源断処理(図35参照)の実行途中に開始されたものであるか否かが判断される(S1102)。図35を参照して後述する通り、音声ランプ制御装置113は、主制御装置110から電源断コマンドを受信すると(図35のS1314参照)、S1318の電源断処理を実行する。かかる電源断処理の実行前に、電源断処理中フラグがオンされ、該電源断処理の終了後に、電源断処理中フラグはオフされる。よって、S1318の電源断処理が実行途中であるか否かは、電源断処理中フラグの状態によって判断できる。
電源断処理中フラグがオフであれば(S1102:No)、今回の立ち上げ処理は、電源が完全に遮断された後に開始されたか、瞬間的な停電が生じた後であってS1318の電源断処理の実行を完了した後に開始されたか、或いは、ノイズなどによって音声ランプ制御装置113のMPU221にのみリセットがかかって(主制御装置110からの電源断コマンドを受信することなく)開始されたものである。よって、これらの場合には、RAM223のデータが破壊されているか否かを確認する(S1103)。
RAM223のデータ破壊の確認は、次のように行われる。即ち、RAM223の特定の領域には、S1106の処理によって「55AAh」のキーワードとしてのデータが書き込まれている。よって、その特定領域に記憶されるデータをチェックし、該データが「55AAh」であればRAM223のデータ破壊は無く、逆に「55AAh」でなければRAM223のデータ破壊を確認することができる。RAM223のデータ破壊が確認されれば(S1103:Yes)、S1104へ移行して、RAM223の初期化を開始する。一方、RAM223のデータ破壊が確認されなければ(S1103:No)、S1108へ移行する。
なお、今回の立ち上げ処理が、電源が完全に遮断された後に開始された場合には、RAM223の特定領域に「55AAh」のキーワードは記憶されていないので(電源断によってRAM223の記憶は喪失するから)、RAM223のデータ破壊と判断され(S1103:Yes)、S1104へ移行する。一方、今回の立ち上げ処理が、瞬間的な停電が生じた後であってS1318の電源断処理の実行を完了した後に開始されたか、或いは、ノイズなどによって音声ランプ制御装置113のMPU221にのみリセットがかかって開始された場合には、RAM223の特定領域には「55AAh」のキーワードが記憶されているので、RAM223のデータは正常と判断されて(S1103:No)、S1108へ移行する。
電源断処理中フラグがオンであれば(S1102:Yes)、今回の立ち上げ処理は、瞬間的な停電が生じた後であって、S1318の電源断処理の実行途中に、音声ランプ制御装置113のMPU221にリセットがかかって開始されたものである。かかる場合は電源断処理の実行途中なので、RAM223の記憶状態は必ずしも正しくない。よって、かかる場合には制御を継続することはできないので、処理をS1104へ移行して、RAM223の初期化を開始する。
S1104の処理では、RAM223の全範囲の記憶領域をチェックする(S1104)。チェック方法としては、まず、1バイト毎に「0FFh」を書き込み、それを1バイト毎に読み出して「0FFh」であるか否かを確認し、「0FFh」であれば正常と判別する。かかる1バイト毎の書き込み及び確認を、「0FFh」に次いで、「55h」、「0AAh」、「00h」の順に行う。このRAM223の読み書きチェックにより、RAM223のすべての記憶領域が0クリアされる。
RAM223のすべての記憶領域について、読み書きチェックが正常と判別されれば(S1105:Yes)、RAM223の特定領域に「55AAh」のキーワードを書き込んで、RAM破壊チェックデータを設定する(S1106)。この特定領域に書き込まれた「55AAh」のキーワードを確認することにより、RAM223にデータ破壊があるか否かがチェックされる。一方、RAM223のいずれかの記憶領域で読み書きチェックの異常が検出されれば(S1105:No)、RAM223の異常を報知して(S1107)、電源が遮断されるまで無限ループする。RAM223の異常は、表示ランプ34により報知される。なお、音声出力装置226により音声を出力してRAM223の異常報知を行うようにしても良いし、表示制御装置114にエラーコマンドを送信して、第3図柄表示装置81にエラーメッセージを表示させるようにしてもよい。
S1108の処理では、電源断フラグがオンされているか否かを判別する(S1108)。電源断フラグはS1318の電源断処理の実行時にオンされる(図35のS1316参照)。つまり、電源断フラグは、S1318の電源断処理が実行される前にオンされるので、電源断フラグがオンされた状態でS1108の処理に至るのは、今回の立ち上げ処理が、瞬間的な停電が生じた後であってS1318の電源断処理の実行を完了した状態で開始された場合である。従って、かかる場合には(S1108:Yes)、音声ランプ制御装置113の各処理を初期化するためにRAMの作業エリアをクリアし(S1109)、RAM223の初期値を設定した後(S1110)、割込み許可を設定する(S1111)。なお、RAM223の作業エリアとしては、主制御装置110から受信したコマンド等を記憶する領域以外の領域をいう。
次いで、時間演出の実行期間を判別するための計時情報をRAM223の投入時刻格納エリア223eに格納するための時間設定処理を実行して(S1112)、メイン処理へ移行する。
一方、電源断フラグがオフされた状態でS1108の処理に至るのは、今回の立ち上げ処理が、例えば電源が完全に遮断された後に開始されたためにS1104からS1106の処理を経由してS1108の処理へ至ったか、或いは、ノイズなどによって音声ランプ制御装置113のMPU221にのみリセットがかかって(主制御装置110からの電源断コマンドを受信することなく)開始された場合である。よって、かかる場合には(S1108:No)、RAM223の作業領域のクリア処理であるS1109をスキップして、処理をS1110へ移行し、RAM223の初期値を設定した後(S1110)、割込み許可を設定して(S1111)、時間設定処理を実行し(S1112)、メイン処理へ移行する。
なお、S1109のクリア処理をスキップするのは、S1104からS1106の処理を経由してS1108の処理へ至った場合には、S1104の処理によって、既にRAM223のすべての記憶領域はクリアされているし、ノイズなどによって音声ランプ制御装置113のMPU221にのみリセットがかかって、立ち上げ処理が開始された場合には、RAM223の作業領域のデータをクリアせず保存しておくことにより、音声ランプ制御装置113の制御を継続できるからである。
次に、図34を参照して、音声ランプ制御装置113の立ち上げ処理後に音声ランプ制御装置113内のMPU221により実行される時間設定処理(S1114)について説明を行う。この時間設定処理(S1114)は、電源投入を行った時刻に対応する計時情報を記憶するための処理である。本処理により取得された計時情報が、後述する音声ランプ制御装置113のメイン処理の中で行われる経過時間確認処理(図35のS1311参照)において、電源投入からの経過時間を判断するために用いられる。
図34は、この時間設定処理(S1114)を示したフローチャートである。時間設定処理(S1114)が実行されると、まず、RAM消去スイッチ122(図3参照)がオンされているか否かを判別し(S1201)、オンされていれば(S1201:Yes)、RTC292のレジスタ352に設けられた時刻情報格納エリア352bから時刻情報を読み出して(S1202)、処理をS1204に移行する。
一方、S1201の処理において、RAM消去スイッチ122がオンされていない(即ち、オフである)と判別した場合は(S1201:No)、RTC292の計時する計時情報を計時レジスタ352aから読み出して(S1203)、処理をS1204へと移行する。S1204の処理では、S1202の処理、またはS1203の処理で読み出した時刻情報をRAM223の投入時刻格納エリア223eへ格納し(S1205)、本処理を終了する。
このように、立ち上げ処理によって、演出期間の種別を判断するための時刻情報(計時情報)がRAM223の投入時刻格納エリア223eへ格納されるので、ホールの複数のパチンコ機10において、電源を投入する(即ち、立ち上げ処理が行われる)タイミングを合わせておけば、各パチンコ機10の投入時刻格納エリア223eに時刻情報が格納されるタイミングも合わせることができる。投入時刻格納エリア223eに時刻情報が格納されるタイミングが合っていれば、各パチンコ機10において経過時間確認処理(図36参照)の中で算出される経過時間Tも合わせることができるので、その経過時間Tに基づいて通常演出期間から時間演出期間へ切り替えさせるタイミング、及び時間演出期間から通常演出期間へ切り替えさせるタイミングを合わせることができる。これにより、ホールの関係者は、ホールの複数のパチンコ機10に対して一斉に電源投入をしておくだけで、各パチンコ機10の演出期間を揃えることができる。よって、ホールの複数のパチンコ機10において、統一感の有る演出を表示させることができるので、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができる。
また、本実施形態では、RTC292の時刻情報から時刻を判断し、時間帯に応じて演出期間の種別を切り替えるのではなく、立ち上げ処理の際に取得した時刻情報と経過時間確認処理(図36参照)の中で取得される時刻情報とから経過時間Tを算出し、その経過時間Tに基づいて演出期間の種別を判断している。これにより、各パチンコ機10のRTC292の時刻情報が、経年劣化等で互いにずれてしまっていたとしても、その互いにずれた計時情報を演出期間の種別の判断に直接用いるのではなく、経過時間Tという相対的な値に変換して演出期間の種別の判断に用いることができるので、ずれの影響を少なくすることができる。よって、複数のパチンコ機10において、経過時間Tに基づいて通常演出期間から時間演出期間へ切り替えるタイミング、及び時間演出期間から通常演出期間へ切り替えるタイミングを合わせることができる。従って、各パチンコ機10の演出期間を揃えることができるので、一部のパチンコ機10は通常演出期間となり、その他のパチンコ機10は時間演出期間となることで、遊技を行っている遊技者が他のパチンコ機10と異なる演出態様で演出が実行されていることに対して違和感を抱いてしまうことを抑制することができる。
更に、本実施形態のパチンコ機10では、RAM消去スイッチ122がオンされた状態でパチンコ機10の電源が投入された場合に、時刻情報格納エリア352bに記憶された時刻情報がRAMの時刻情報格納エリア223fへ格納される。時刻情報格納エリア352bには、電源遮断時にRAM223の投入時刻格納エリア223eに格納されていた時刻情報が格納されるので(図35のS1317参照)、RAM消去スイッチ122をオンした状態で電源を投入することにより、電源の遮断時に投入時刻格納エリア223eに格納されていた時刻情報をそのまま復帰させることができる。
これにより、例えばパチンコ機10の故障により基板交換が必要になったり、立ち入り検査が行われる等の理由により、営業中に一のパチンコ機10を電断状態とする必要が生じた場合であっても、RAM消去スイッチ122を押下した状態で電源を再度投入するだけで、前回RAM消去スイッチ122を押下せずに電源を投入した際に時刻取得処理によりRAM223の投入時刻格納エリア223eへ格納され、電断状態とする際にRTC292の時刻情報格納エリア352bへ記憶された時刻情報(計時情報)を、再度RAM223の投入時刻格納エリア223eへ格納させることができる。よって、ホールの複数のパチンコ機10に対して、RAM消去スイッチ122を押下せずに一斉に電源を投入しておけば、その後に一のパチンコ機10が電断状態とされた場合であっても、そのパチンコ機10へ電源を再投入する際にRAM消去スイッチ122を押下するだけで、一斉に電源を投入した際の時刻情報(計時情報)を投入時刻格納エリア223eに格納させることができる。よって、電源投入の前後で、同一の時刻情報(計時情報)に基づいて経過時間Tを判別することができる。従って、他の遊技機と同じ経過時間Tに基づいて通常演出期間から時間演出期間へ切り替えさせるタイミング、及び時間演出期間から通常演出期間へ切り替えさせるタイミングを合わせることができるので、電断状態とされたパチンコ機10のみ演出態様を切り替えられるタイミングがずれてしまうことを抑制でき、時間演出期間において統一感のある演出を実行させることができる。
なお、本実施形態のパチンコ機10では、時間設定処理において(図34参照)、RAM消去スイッチ122が押下されていると判別した場合に、RTC292の時刻情報格納エリア352bに記憶された時刻情報を読み出して(S1202参照)、RAM223の投入時刻格納エリア223eへ格納するように制御しているが(S1205参照)、この形態に限られるものではない。例えば、RAM消去スイッチ122とは異なる時刻取得処理で専用に用いられるスイッチ手段を設けておき、時間設定処理(図34参照)において、そのスイッチ手段がオンであった場合にRTC292の時刻情報格納エリア352bに記憶された時刻情報を読み出すように構成しても良い。
これにより、電断状態とされる前にRAM223に記憶されていた情報を保持したまま、RTC292の時刻情報格納エリア352bに記憶された時刻情報をRAM223の投入時刻格納エリア223eへ格納することができる。よって、保留球が残っている状態で電断状態とされた場合や、特別図柄の高確率状態中に電断状態とされた場合であっても、電源の再投入に基づいて、残っていた保留球が消滅してしまったり、特別図柄の高確率状態から低確率状態へ移行してしまったりすることを抑制することができるので、遊技者に不利益が発生することを某誌(抑制)することができる。
また、RAM消去スイッチ122等のスイッチ手段を用いるのではなく、RTC292の計時する時刻が所定の時間帯であった場合に、パチンコ機10に対する電源投入に基づいてRTC292の時刻情報格納エリア352bに記憶された時刻情報を読み出し、RAM223の投入時刻格納エリア223eへ格納するように構成しても良い。また、所定の時間帯以外の時間帯では、パチンコ機10に対する電源投入に基づいて、RTC292の計時する計時情報を計時レジスタ352aから読み出し、RAM223の投入時刻格納エリア223eへ格納するように構成してもよい。この場合において、所定の時間帯としては、例えば10:00〜22:45のようにホールの営業時間を設定しても良い。
このように構成しておけば、所定の時間帯の開始前(10:00よりも前)にパチンコ機10に対して一斉に電源投入を行うだけで、現在時刻に対応する時刻情報(計時情報)を各パチンコ機10の投入時刻格納エリア223eへと格納できるので電源投入を行った各パチンコ機10の把握する経過時間を合わせることができる。よって、時間演出の演出期間を合わせることができる。また、所定の時間帯(ホールの営業期間中)にパチンコ機10の電源を遮断した場合は、再度電源を投入するだけで、一斉に電源投入した際にRAM223の投入時刻格納エリア223eへ格納されていた時刻情報(計時情報)を復帰させることができる。つまり、RAM消去スイッチ122の押下等の特別な操作をせずに、電源が遮断されたパチンコ機10と、電源が遮断されていないパチンコ機10とで時間演出の演出期間を合わせることができる。
よって、ホールの従業員が、営業時間中に電断状態とされたパチンコ機10に対し、ミスによりRAM消去スイッチ122をオンとせずに再度電源を投入してしまうことで、その電源の再投入を行った時刻がRAM233の投入時刻格納エリア223eに格納されてしまい、経過時間Tが電断状態とされなかった他のパチンコ機10とずれてしまうことを防止(抑制)できる(ヒューマンエラーを防止できる)。よって、営業時間中に電断状態とされたパチンコ機10と、電断状態とされなかったパチンコ機10とで、演出期間が切り替えられるタイミングを確実に合わせることができる。また、特別な操作を要しないので、ホールの従業員の手間を軽減することができる。
次に、図35を参照して、音声ランプ制御装置113の立ち上げ処理後に音声ランプ制御装置113内のMPU221により実行されるメイン処理について説明する。図35は、このメイン処理を示したフローチャートである。メイン処理が実行されると、まず、メイン処理が開始されてから、又は、前回のS1301の処理が実行されてから1m秒以上が経過したか否かが判別され(S1301)、1m秒以上経過していなければ(S1301:No)、S1302〜S1311の処理を行わずにS1312の処理へ移行する。S1301の処理で、1m秒経過したか否かを判別するのは、S1302〜S1311が主に表示(演出)に関する処理であり、短い周期(1m秒以内)で編集する必要がないのに対して、S1312のコマンド判定処理や、S1313の変動表示設定処理を短い周期で実行する方が好ましいからである。S1312の処理が短い周期で実行されることにより、主制御装置110から送信されるコマンドの受信洩れを防止でき、S1313の処理が短い周期で実行されることにより、コマンド判定処理によって受信されたコマンドに基づき、変動演出に関する設定を遅滞なく行うことができる。
S1301の処理で1m秒以上経過していれば(S1301:Yes)、まず、S1303〜S1313の処理によって設定された、表示制御装置114に対する各種コマンドを、表示制御装置114に対して送信する(S1302)。次いで、表示ランプ34の点灯態様の設定や後述するS1308の処理で編集されるランプの点灯態様となるよう各ランプの出力を設定し(S1303)、その後電源投入報知処理を実行する(S1304)。電源投入報知処理は、電源が投入された場合に所定の時間(例えば30秒)電源が投入されたことを知らせる報知を行うものであり、その報知は音声出力装置226やランプ表示装置227により行われる。また、第3図柄表示装置81の画面において電源が供給されたことを報知するようコマンドを表示制御装置114に送信するものとしても良い。なお、電源投入時でなければ、電源投入報知処理による報知は行わずにS1305の処理へ移行する。
S1305の処理では客待ち演出処理が実行され、その後、保留個数表示更新処理が実行される(S1306)。客待ち演出処理では、パチンコ機10が遊技者により遊技されない時間が所定時間経過した場合に、第3図柄表示装置81の表示をタイトル画面に切り替える設定などが行われ、その設定がコマンドとして表示制御装置114に送信される。保留個数表示更新処理では、特別図柄保留球数カウンタ223bの値に応じて保留ランプ(図示せず)を点灯させる処理が行われる。
その後、枠ボタン入力監視・演出処理が実行される(S1307)。この枠ボタン入力監視・演出処理では、演出効果を高めるために遊技者に操作される枠ボタン228が押されたか否かの入力を監視し、枠ボタン228の入力が確認された場合に対応した演出を行うよう設定する処理である。この処理では、枠ボタン228の遊技者による操作が検出されると、表示制御装置114に対して枠ボタン228が操作されたことを通知する枠ボタン操作コマンドを設定する。
また、変動演出が未実行の期間や、高速変動期間中に枠ボタン228が押された場合は、ステージを変更する処理を行い、表示制御装置114に対する背面画像変更コマンドを設定する。この背面画像変更コマンドに、変更後のステージに対応する背面画像の種別に関する情報を含めることにより、表示制御装置114において、第3図柄表示装置81に表示される背面画像を、ステージに応じた画像に変更する処理が行われる。また、変動表示開始時に予告キャラが出現した場合に枠ボタン228を押すことで今回の変動による大当たりの期待値を表示したり、リーチ演出中に枠ボタン228を押すことで大当たりへの期待感を持てる演出に変更したり、枠ボタン228を複数のリーチ演出のうち1のリーチ演出を選択するための決定ボタンとしても良い。なお、枠ボタン228が配設されていない場合には、S1307の処理は省略される。
枠ボタン入力監視・演出処理が終わると、ランプ編集処理を実行し(S1308)、その後音編集・出力処理を実行する(S1309)。ランプ編集処理では、第3図柄表示装置81で行われる表示に対応するよう電飾部29〜33の点灯パターンなどが設定される。音編集・出力処理では、第3図柄表示装置81で行われる表示に対応するよう音声出力装置226の出力パターンなどが設定され、その設定に応じて音声出力装置226から音が出力される。
S1309の処理後、液晶演出実行管理処理が実行される(S1310)。液晶演出実行管理処理では、主制御装置110から送信される変動パターンコマンドに基づいて第3図柄表示装置81で行われる変動表示に要する時間と同期した時間が設定される。この液晶演出実行監視処理で設定された時間に基づいてS1308のランプ編集処理が実行される。なお、S1309の音編集・出力処理も第3図柄表示装置81で行われる変動表示に要する時間と同期した時間で実行される。
S1310の処理が終了すると、経過時間確認処理が実行される(S1311)。この経過時間確認処理では、RTC292の時刻情報(計時情報)に基づいて現在の演出期間が判別される。この経過時間確認処理(S1311)の詳細については、図36を参照して後述する。
S1312の処理では、主制御装置110より受信したコマンドに応じた処理を行うコマンド判定処理が実行される(S1312)。このコマンド判定処理の詳細については、図37を参照して後述する。そして、コマンド判定処理の後、変動表示設定処理が実行される(S1313)。変動表示設定処理では、第3図柄表示装置81において変動演出を実行させるために、主制御装置110より受信した変動パターンコマンドに基づいて表示用変動パターンコマンドが生成されて設定される。その結果、そのコマンドが表示制御装置114に送信される。なお、この変動表示設定処理の詳細については、図39を参照して後述する。
S1313の処理が終わると、ワークRAM233に電源断の発生情報が記憶されているか否かを判別する(S1314)。電源断の発生情報は、主制御装置110から電源断コマンドを受信した場合に記憶される。S1314の処理において、電源断の発生情報が記憶されていると判別した場合は(S1314:Yes)、電源断フラグ及び電源断処理中フラグを共にオンして(S1316)、RAM223の投入時刻格納エリア223eに格納されている時刻情報を、RTC292の時刻情報格納エリア352bへ書き込み(S1317)、電源断処理を実行する(S1318)。電源断処理の実行後は、電源断処理中フラグをオフし(S1319)、その後、処理を、無限ループする。電源断処理では、割込処理の発生を禁止すると共に、各出力ポートをオフして、音声出力装置226およびランプ表示装置227からの出力をオフする。また、電源断の発生情報の記憶も消去する。
一方、S1314の処理で電源断の発生情報が記憶されていなければ(S1314:No)、RAM223に記憶されるキーワードに基づき、RAM223が破壊されているか否かが判別され(S1315)、RAM223が破壊されていなければ(S1315:No)、S1301の処理へ戻り、繰り返しメイン処理が実行される。一方、RAM223が破壊されていれば(S1315:Yes)、以降の処理の実行を停止させるために、処理を無限ループする。ここで、RAM破壊と判別されて無限ループするとメイン処理が実行されないので、その後、第3図柄表示装置81による表示が変化しない。よって、遊技者は、異常が発生したことを知ることができるので、ホールの店員などを呼びパチンコ機10の修復などを頼むことができる。また、RAM223が破壊されていると確認された場合に、音声出力装置226やランプ表示装置227によりRAM破壊の報知を行うものとしても良い。
次に、図36を参照して、音声ランプ制御装置113内のMPU221により実行される経過時間確認処理(S1311)について説明する。図36は、この経過時間確認処理(S1311)を示したフローチャートである。この経過時間確認処理(S1311)では、音声ランプ制御装置113内のMPU221により実行されるメイン処理(図35参照)の中で実行され、上述したように、RTC292の時刻情報(計時情報)に基づいて現在の演出期間(通常演出期間であるか、時間演出期間であるか)が判別される。
経過時間確認処理(S1311)では、まず、RTC292の計時レジスタ352aより現在時刻の情報を読み出し(S1401)、読み出した現在時刻と、RAM223の投入時刻格納エリア223eに格納されている時刻情報とに基づいて、電源投入からの経過時間Tを算出する(S1402)。ここで、経過時間Tの算出方法としては、RTC292の計時レジスタ352aより読み出した現在時刻を示す情報から、RAM223の投入時刻格納エリア223eに格納されている時刻情報を減算すればよい。例えば、計時レジスタ352aより読み出した現在時刻の情報がAM10:15を示す情報であり、投入時刻格納エリア223eに格納されている時刻情報がAM9:00を示す情報であった場合、経過時間Tは10:15と9:00との差分を取って、75分と算出される。
そして、算出した経過時間Tと、ROM222の時間演出テーブル222b(図14参照)とに基づいて、現在の演出期間を特定し(S1403)、現在の演出期間が時間演出期間であるか否かを判別する(S1404)。
S1404の処理の結果、時間演出期間でない(即ち、通常演出期間である)と判別された場合には(S1404:No)、時間演出フラグ223fがオンであるか否かを判別する(S1405)。時間演出フラグ223fがオンであった場合は(S1405:Yes)、今回のメイン処理において、時間演出期間から通常演出期間へ切り替わったことを意味するので、時間演出フラグ223fをオフする(S1406)。次に、第3図柄表示装置81に表示される背面画像を通常の背面画像(背面A)に設定するための背面画像変更コマンドを設定し(S1407)、本処理を終了する。また、S1405の処理において、時間演出フラグ223fがオフであった場合は(S1405:No)、そのまま本処理を終了する。
一方、S1404の処理の結果、時間演出期間であると判断された場合は(S1404:Yes)、時間演出フラグ223fがオンであるか否かを判別し(S1408)、時間演出フラグ223fがオンであった場合は(S1408:Yes)、本処理を終了する。また、時間演出フラグ223fがオフであった場合は(S1408:No)、今回のメイン処理において、通常演出期間から時間演出期間へ切り替わったことを意味するので、時間演出フラグ223fをオンにする(S1409)。次に、第3図柄表示装置81に表示される背面画像を時間演出に対応する背面画像に変更するための背面画像変更コマンドを設定して(S1410)、本処理を終了する。
本実施形態のパチンコ機10において、時間演出フラグ223fの切り替えは、演出期間が切り替わる際に行っているが、これに限られるものではない。例えば、背面画像が1枚絵の固定画像のような単純な画像である場合(スクロール等により背面画像が変化しない場合)は、経過時間確認処理の度に時間演出フラグ223fの更新と、表示用背面画像変更コマンドの設定とを行っても良い。
次に、図37を参照して、音声ランプ制御装置113内のMPU221により実行されるコマンド判定処理(S1312)について説明する。図37は、このコマンド判定処理(S1312)を示したフローチャートである。このコマンド判定処理(S1312)は、音声ランプ制御装置113内のMPU221により実行されるメイン処理(図35参照)の中で実行され、上述したように、主制御装置110から受信したコマンドを判定する。
コマンド判定処理では、まず、RAM223に設けられたコマンド記憶領域から、未処理のコマンドのうち主制御装置110より受信した最初のコマンドを読み出し、解析して、主制御装置110より変動パターンコマンドを受信したか否かを判定する(S1501)。変動パターンコマンドを受信した場合には(S1501:Yes)、RAM223に設けられた変動開始フラグ223cをオンし(S1502)、また、受信した変動パターンコマンドから変動パターン種別を抽出するための変動パターン選択処理を実行して(S1503)、メイン処理に戻る。ここで抽出された変動パターン種別は、RAM223に記憶され、後述の変動表示設定処理(図39参照)が実行される場合に参照される。そして、表示制御装置114に対して変動演出の開始とその変動パターン種別を通知する表示用変動パターンコマンドを設定するために用いられる。
一方、変動パターンコマンドを受信していない場合には(S1501:No)、次いで、主制御装置110より停止種別コマンドを受信したか否かを判定する(S1504)。そして、停止種別コマンドを受信した場合には(S1504:Yes)、RAM223の停止種別選択フラグ223dをオンに設定し(S1505)、受信した停止種別コマンドから停止種別を抽出して(S1506)、メイン処理に戻る。ここで抽出された停止種別は、RAM223に記憶され、後述の変動表示設定処理(図39参照)が実行される場合に参照される。そして、表示制御装置114に対して変動演出の停止種別を通知する表示用停止種別コマンドを設定するために用いられる。
一方、停止種別コマンドを受信していない場合には(S1504:No)、次いで、主制御装置110より保留球数コマンドを受信したか否かを判定する(S1507)。そして、保留球数コマンドを受信した場合には(S1507:Yes)、受信した保留球数コマンドに含まれている値、即ち、主制御装置110の特別図柄保留球数カウンタ203cの値(特別図柄における変動表示の保留回数N)を抽出し、これを音声ランプ制御装置113の特別図柄保留球数カウンタ223bに格納する(S1508)。また、S1508の処理では、更新された特別図柄保留球数カウンタ223bの値を表示制御装置114へ通知するための表示用保留球数コマンドを設定する。S1508の処理の終了後は、メイン処理に戻る。
ここで、保留球数コマンドは、球が第1入球口64に入賞(始動入賞)したとき、又は、特別図柄の抽選が行われたときに主制御装置110から送信されるので、始動入賞が検出される毎に、又は、特別図柄の抽選が行われる毎に、S1508の処理によって音声ランプ制御装置113の特別図柄保留球数カウンタ223bの値を主制御装置110の特別図柄保留球数カウンタ203cの値に合わせることができる。よって、ノイズなどの影響により、音声ランプ制御装置113の特別図柄保留球数カウンタ223bの値が主制御装置110の特別図柄保留球数カウンタ203cの値とずれても、始動入賞の検出時や特別図柄の抽選時に、音声ランプ制御装置113の特別図柄保留球数カウンタ223bの値を修正し、主制御装置110の特別図柄保留球数カウンタ203cの値に合わせることができる。なお、S1408の処理が実行されると、更新された特別図柄保留球数カウンタ223bの値を表示制御装置114へ通知するための表示用保留球数コマンドが設定される。これにより、表示制御装置114では、保留球数に応じた保留球数図柄が第3図柄表示装置81に表示される。
S1507の処理において、保留球数コマンドを受信していない場合には(S1507:No)、次いで、主制御装置110よりオープニングコマンドを受信したか否かを判定する(S1509)。そして、オープニングコマンドを受信した場合には(S1509:Yes)、第3図柄表示装置81においてオープニング演出を実行させるための、表示用オープニングコマンドを設定して(S1510)、メイン処理に戻る。ここで設定された表示用オープニングコマンドは、RAM223に設けられたコマンド送信用のリングバッファに記憶され、MPU221により実行されるメイン処理(図35参照)のコマンド出力処理(S1302)の中で、表示制御装置114に向けて送信される。表示制御装置114は、表示用オープニングコマンドを受信すると、第3図柄表示装置81においてオープニング演出を開始する。
一方、S1509の処理において、オープニングコマンドを受信していない場合には(S1509:No)、次いで、主制御装置110よりラウンド数コマンドを受信したか否かを判定する(S1511)。そして、ラウンド数コマンドを受信した場合には(S1511:Yes)、受信したラウンド数コマンドからラウンド数を抽出し(S1512)、その抽出したラウンド数に応じた表示用ラウンド数コマンドを設定して(S1513)、本処理を終了する。ここで設定された表示用ラウンド数コマンドは、RAM223に設けられたコマンド送信用のリングバッファに記憶され、MPU221により実行されるメイン処理(図35参照)のコマンド出力処理(S1302)の中で、表示制御装置114に向けて送信される。表示制御装置114は、表示用ラウンド数コマンドを受信すると、第3図柄表示装置81において新たなラウンド演出を開始する。
一方、S1511の処理において、ラウンド数コマンドを受信していない場合には(S1511:No)、次いで、主制御装置110よりエンディングコマンドを受信したか否かを判定するそして、エンディングコマンドを受信した場合には(S1514:Yes)、表示用エンディングコマンドを設定して(S1516)、本処理を終了する。ここで設定された表示用エンディングコマンドは、RAM223に設けられたコマンド送信用のリングバッファに記憶され、MPU221により実行されるメイン処理(図35参照)のコマンド出力処理(S1302)の中で、表示制御装置114に向けて送信される。表示制御装置114は、表示用エンディングコマンドを受信すると、第3図柄表示装置81においてエンディング演出を開始する。
一方、S1514の処理において、エンディングコマンドを受信していない場合には(S1514:No)、その他のコマンドを受信したか否かを判定し、その受信したコマンドに応じた処理を実行して(S1515)、メイン処理に戻る。例えば、その他のコマンドが、音声ランプ制御装置113で用いるコマンドであればそのコマンドに対応した処理を行い、処理結果をRAM223に記憶し、表示制御装置114で用いるコマンドであればそのコマンドを表示制御装置114に送信するように、コマンドの設定を行う。
本処理により、主制御装置110から出力されるコマンドに基づいて、表示制御装置114に対して各種設定を行うためのコマンドを設定することができる。
次に、図38を参照して、音声ランプ制御装置113内のMPU221により実行される変動パターン選択処理(S1503)について説明する。図38は、変動パターン選択処理(S1503)を示したフローチャートである。この変動パターン選択処理(S1503)は、音声ランプ制御装置113内のMPU221により実行されるコマンド判定処理の中で実行されるもので(図37のS1503参照)、変動パターンコマンドを受信した場合に、変動演出の態様を変動パターンテーブル222aから抽出するための処理である。
この変動パターン選択処理では、まず、RTC292の計時レジスタ352aから現在時刻に対応する時刻情報を取得し(S1601)、取得した時刻情報と、投入時刻格納エリア223eに格納されている電源投入時刻に対応する時刻情報とから、電源投入後の経過時間(T)を算出する(S1602)。
次いで、算出した経過時間(T)と、時間演出テーブル222bとに基づいて、次に時間演出が開始されるまでの残時間(t)を算出する(S1603)。例えば、経過時間(T)が0時間55分00秒であれば、次の時間演出は60分00秒に開始されるので、残時間(t)は、5分と算出される。そして、変動パターンテーブル222aを読み出して(S1604)、主制御装置110から出力された変動パターンコマンドにより通知された変動種別と、S1603の処理により算出した残時間(t)とに基づいて、変動パターンを抽出して(S1605)、本処理を終了する。
この変動パターン選択処理により、次回の時間演出までの残時間(t)を加味して変動パターン(変動表示)の態様を抽出することができるので、告知画像750(図6(b)参照)を遮蔽することなく変動表示を実行することができる。
次に、図39を参照して、音声ランプ制御装置113内のMPU221により実行される変動表示設定処理(S1313)について説明する。図39は、この変動表示設定処理(S1313)を示したフローチャートである。この変動表示設定処理(S1313)は、音声ランプ制御装置113内のMPU221により実行されるメイン処理(図35参照)の中で実行され、第3図柄表示装置81において変動演出を実行させるために、主制御装置110より受信した変動パターンコマンドに基づいて表示用変動パターンコマンドを生成し設定する。
変動表示設定処理では、まず、RAM223に設けられた変動開始フラグ223cがオンか否かを判別する(S1701)。そして、変動開始フラグ223cがオンではない(即ち、オフである)と判別された場合(S1701:No)、主制御装置110より変動パターンコマンドを受信していない状態であるので、S1706の処理へ移行する。一方、変動開始フラグ223cがオンであると判別された場合(S1701:Yes)、変動開始フラグ223cをオフし(S1702)、次いで、変動パターン選択処理(図38参照)において、変動パターンコマンドから抽出した変動演出における変動パターン種別を、RAM223より取得する(S1703)。
そして、取得した変動パターン種別に基づいて、表示制御装置114へ通知するための表示用変動パターンコマンドを生成して、そのコマンドを表示制御装置114へ送信するために設定する(S1704)。表示制御装置114では、この表示用変動パターンコマンドを受信することによって、この表示用変動パターンコマンドによって示される変動パターンで、第3図柄表示装置81において第3図柄の変動表示が行われるように、その変動演出の表示制御が開始される。
次いで、入賞情報格納エリア223aに格納されたデータをシフトする(S1705)。S1705の処理では、入賞情報格納エリア223aの第1エリア〜第4エリアに格納されているデータを、実行エリア側に順にシフトさせる処理を行う。より具体的には、第1エリア→実行エリア、第2エリア→第1エリア、第3エリア→第2エリア、第4エリア→第3エリアといった具合に各エリア内のデータをシフトする。データをシフトした後は、S1706の処理へ移行する。
S1706の処理では、RAM233に設けられた停止種別選択フラグ223dがオンか否かを判別する(S1706)。そして、停止種別選択フラグ223dがオンではない(即ち、オフである)と判別された場合(S1706:No)、主制御装置110より停止種別コマンドを受信していない状態であるので、この変動表示設定処理を終了し、メイン処理に戻る。一方、停止種別選択フラグ223dがオンであると判別された場合(S1706:Yes)、停止種別選択フラグ223dをオフし(S1707)、次いで、コマンド判定処理(図37参照)のS1506の処理において、停止種別コマンドから抽出された変動演出における停止種別を、RAM223より取得する(S1708)。
次に、主制御装置110からの停止種別コマンドによって指示された停止種別に基づいて、表示制御装置114へ通知するための表示用停止種別コマンドを生成して、そのコマンドを表示制御装置114へ送信するために設定して(S1709)、本処理を終了する。表示制御装置114では、この表示用停止種別コマンドを受信することによって、この表示用停止種別コマンドによって示される停止種別に応じた停止図柄が、第3図柄表示装置81で停止表示されるように、変動演出の停止表示が制御される。
<第1実施形態における表示制御装置の制御処理について>
次に、図40から図56を参照して、表示制御装置114のMPU231により実行される各制御について説明する。かかるMPU231の処理としては大別して、電源投入後から繰り返し実行されるメイン処理と、音声ランプ制御装置113よりコマンドを受信した場合に実行されるコマンド割込処理と、画像コントローラ237より1フレーム分の画像の描画処理が完了する20ミリ秒毎に送信されるV割込信号をMPU231が検出した場合に実行されるV割込処理とがある。MPU231は、通常、メイン処理を実行し、コマンドの受信やV割込信号の検出に合わせて、コマンド割込処理やV割込処理を実行する。なお、コマンドの受信とV割込信号の検出とが同時に行われた場合は、コマンド受信処理を優先的に実行する。これにより、音声ランプ制御装置113より受信したコマンドの内容を素早く反映して、V割込処理を実行させることができる。
まず、図40を参照して、表示制御装置114内のMPU231により実行されるメイン処理について説明する。図40は、このメイン処理を示したフローチャートである。メイン処理は、電源投入時の初期化処理を実行するものである。
このメイン処理の起動は、具体的には、以下の流れに従って行われる。電源回路115から表示制御装置114に対して電源が投入され、システムリセットが解除されると、MPU231は、そのハードウェア構成によって、MPU231内に設けられた命令ポインタ231aを「0000H」に設定すると共に、命令ポインタ231aにて示されるアドレス「0000H」をバスライン240に対して指定する。キャラクタROM234のROMコントローラ234bは、バスライン240に指定されたアドレスが「0000H」であることを検知すると、NOR型ROM234dの第1プログラム記憶エリア234d1に記憶されたブートプログラムをバッファRAM234cにセットして、対応するデータ(命令コード)をMPU231へ出力する。そして、MPU231は、キャラクタROM234から受け取った命令コードをフェッチし、そのフェッチした命令に応じた処理の実行を開始することで、メイン処理を起動する。
ここで、仮にシステムリセット解除後にMPU231によって最初に処理されるブートプログラムを全てNAND型フラッシュメモリ234aに記憶させた場合、キャラクタROM234は、バスライン240に指定されたアドレスが「0000H」であることを検知すると、アドレス「0000H」に対応するデータ(命令コード)を含む1ページ分のデータをNAND型フラッシュメモリ234aから読み出してバッファRAM234cにセットしなければならない。そして、NAND型フラッシュメモリ234aの性質上、その読み出しからバッファRAM234cへのセットに多大な時間を要するので、MPU231は、アドレス「0000H」を指定してからアドレス「0000H」に対応する命令コードを受け取るまでに多くの待ち時間を消費することとなる。よって、MPU231の起動にかかる時間が長くなるので、結果として、表示制御装置114における第3図柄表示装置81の制御が即座に開始されないおそれがあるという問題点が生じる。
これに対し、本実施形態のように、ブートプログラムのうち、システムリセット解除後にMPU231によって最初に処理すべき命令から所定数の命令がNOR型ROM234dに格納されることにより、NOR型ROMは高速にデータを読み出すことが可能なメモリであるため、システムリセット解除後にMPU231からバスライン240を介してアドレス「0000H」が指定されると、キャラクタROM234は即座にNOR型ROM234dの第1プログラム記憶エリア234d1に記憶されたブートプログラムをバッファRAM234cにセットして、対応するデータ(命令コード)をMPU231へ出力することができる。よって、MPU231は、アドレス「0000H」を指定してから短い時間でアドレス「0000H」に対応する命令コードを受け取ることができるので、MPU231においてメイン処理の起動を短時間で行うことができる。従って、読み出し速度の遅いNAND型フラッシュメモリ234aで構成されたキャラクタROM234に制御プログラムを格納しても、表示制御装置114における第3図柄表示装置81の制御を即座に開始することができる。
以上のようにしてメイン処理が実行されると、まず、ブートプログラムによって実行されるブート処理を実行し(S1801)、第3図柄表示装置81に対する各種制御が実行可能となるように表示制御装置114を起動する。
ここで、図41を参照して、ブート処理(S1801)について説明する。図41は、表示制御装置114のMPU231において、メイン処理の中で実行されるブート処理(S1801)を示すフローチャートである。
上述したように、本実施形態では、MPU231によって実行される制御プログラムや固定値データは、従来の遊技機のように専用のプログラムROMを設けて記憶させるのではなく、第3図柄表示装置81に表示させる画像のデータを記憶させるために設けられたキャラクタROM234に記憶させている。そしてキャラクタROM234は、小面積で大容量化を図ることが可能なNAND型フラッシュメモリ234aによって構成されているため、画像データだけでなく制御プログラム等を十分に記憶させておくことができる一方、制御プログラム等を記憶する専用のプログラムROMを設ける必要がない。よって、表示制御装置114における部品点数を削減することができ、製造コストを削減できるほか、部品数増加による故障発生率の増加を抑制することができる。
一方、NAND型フラッシュメモリは、特にランダムアクセスを行う場合において読み出し速度が遅いため、MPU231がNAND型フラッシュメモリ234aに格納された制御プログラムや固定値データを直接読み出して処理していては、MPU231として高性能のプロセッサを用いても、表示制御装置114の処理性能を悪化させてしまうおそれがある。そこで、本ブート処理では、NAND型フラッシュメモリ234aの第2プログラム記憶エリア234a1に記憶されている制御プログラム及び固定値データを、DRAMによって構成されるワークRAM233に設けられたプログラム格納エリア233aやデータテーブル格納エリア233bへ転送し格納する処理を実行する。
具体的には、まず、上述のMPU231及びキャラクタROM234のハードウェアによる動作に基づき、システムリセット解除後にNOR型ROM234dの第1プログラム記憶エリア234d1より読み出されバッファRAM234cにセットされたブートプログラムに従って、第2プログラム記憶エリア234a1に記憶されている制御プログラムのうち、所定量だけプログラム格納エリア233aへ転送する(S1901)。ここで転送される所定量の制御プログラムには、第1プログラム記憶エリア234d1に記憶されていない残りのブートプログラムが含まれる。
そして、命令ポインタ231aをプログラム格納エリア233aの第1の所定番地、即ち、プログラム格納エリア233aに格納されたその残りのブートプログラムの先頭アドレスを設定する(S1902)。これにより、MPU231は、S1901の処理によってプログラム格納エリア233aに転送され格納された制御プログラムに含まれる残りのブートプログラムの実行を開始する。
また、S1902の処理により命令ポインタ231aをプログラム格納エリア233aの所定番地に設定することで、MPU231は、そのワークRAM233のプログラム格納エリア233aに格納された制御プログラムを読み出しながら、各種処理を実行することになる。即ち、MPU231は、第2プログラム記憶エリア234a1を有するNAND型フラッシュメモリ234aから制御プログラムを読み出して命令フェッチするのではなく、プログラム格納エリア233aを有するワークRAM233に転送された制御プログラムを読み出して命令フェッチし、各種処理を実行する。上述したように、ワークRAM233はDRAMによって構成されるため、高速に読み出し動作が行われる。よって、制御プログラムを読み出し速度の遅いNAND型フラッシュメモリ234aによって構成されるキャラクタROM234に記憶させた場合であっても、MPU231は高速に命令をフェッチし、その命令に対する処理を実行することができる。
S1902の処理により命令ポインタ231aが設定されると、続いて、その設定された命令ポインタ231aによって実行が開始される残りのブートプログラムに従って、NAND型フラッシュメモリ234aの第2プログラム記憶エリア234a1に記憶されている制御プログラムのうちプログラム格納エリア233aに未転送である残りの制御プログラムと固定値データとを、所定量ずつプログラム格納エリア233a又はデータテーブル格納エリア233bへ転送する(S1903)。具体的には、制御プログラムおよび一部の固定データを、ワークRAM233のプログラム格納エリア233aに格納し、また、固定値データのうち上述の各種データテーブル(表示データテーブル、転送データテーブル)をデータテーブル格納エリア233bに転送する。
そして、ブート処理に必要なその他の処理を実行(S1904)した後、命令ポインタ231aをプログラム格納エリア233aの第2の所定番地、即ち、このブート処理(図40のS1801参照)の終了後に実行すべき初期化処理(図40のS1802参照)に対応するプログラムの先頭アドレスを設定することで(S1905)、ブートプログラムの実行を終え、本ブート処理を終了する。
このように、ブート処理(図40のS1801参照)が実行されることによって、NAND型フラッシュメモリ234aの第2プログラム記憶エリア234a1に記憶されている制御プログラム及び固定値データは、全てDRAMによって構成されたワークRAM233のプログラム格納エリア233a及びデータテーブル格納エリア233bに転送され、格納される。そして、ブート処理の終了時に、命令ポインタ231aが上述の第2の所定番地に設定され、以後、MPU231は、NAND型フラッシュメモリ234aを参照することなく、プログラム格納エリア233aに転送された制御プログラムを用いて各種処理を実行する。
よって、制御プログラムを読み出し速度の遅いNAND型フラッシュメモリ234aによって構成されるキャラクタROM234に記憶させた場合であっても、システムリセット解除後にその制御プログラムや固定値データをワークRAM233のプログラム格納エリア233a及びデータテーブル格納エリア233bに転送することで、MPU231は、読み出し速度が高速なDRAMによって構成されるワークRAMから制御プログラムや固定値データを読み出して各種制御を行うことができるので、表示制御装置114において高い処理性能を保つことができ、補助演出部を用いて、多様化、複雑化させた演出を容易に実行することができる。
一方、NOR型ROM234dにブートプログラムを全て格納せずに、システムリセット解除後にMPU231によって最初に処理すべき命令から所定数の命令を格納しておき、残りのブートプログラムについては、NAND型フラッシュメモリ234aの第2プログラム記憶エリア234a1に記憶させても、第2プログラム記憶エリア234a1に記憶されている制御プログラムを確実にプログラム格納エリア233aに転送することができる。よって、キャラクタROM234は、極めて小容量のNOR型ROM234dを追加するだけで、MPU231の起動を短時間で行うことができるようになるので、その短時間化に伴うキャラクタROM234のコスト増加を抑制することができる。
なお、図41に示すブート処理では、S1901の処理によってプログラム格納エリア233aに転送される所定量の制御プログラムに、第1プログラム記憶エリア234d1に記憶されていない残りのブートプログラムが全て含まれるように構成されているが、必ずしもこれに限られるものではなく、S1901の処理によってプログラム格納エリア233aに転送される所定量の制御プログラムは、S1902の処理に続いて処理すべきブート処理を実行するブートプログラムの一部としてもよい。ここで転送されるブートプログラムは、残りのブートプログラムを全て含む制御プログラムを所定量だけプログラム格納エリア233aに転送し、更に、これによりプログラム格納エリア233aに格納されたブートプログラムの先頭アドレスを命令ポインタ231aに設定する処理を実行するものであってもよい。そして、プログラム格納エリア233aに格納された残り全てのブートプログラムによって、S1903〜S1905の処理を実行するようにしてもよい。
また、S1901の処理によって転送されるブートプログラムは、残りのブートプログラムの一部を更に所定量だけプログラム格納エリア233aに転送し、続いて、これによりプログラム格納エリア233aに格納されたブートプログラムの先頭アドレスを命令ポインタ231aに設定する処理を実行するものであってもよい。また、この処理によってプログラム格納エリア233aに格納された一部のブートプログラムは、更に残りのブートプログラムの一部を所定量だけプログラム格納エリア233aに転送し、続いて、これによりプログラム格納エリア233aに格納されたブートプログラムの先頭アドレスを命令ポインタ231aに設定する処理を実行するものであってもよい。そして、残りのブートプログラムの一部を所定量だけプログラム格納エリア233aに転送し、続いて、これによりプログラム格納エリア233aに格納されたブートプログラムの先頭アドレスを命令ポインタ231aに設定する処理を、S1901及びS1902の処理を含めて複数回繰り返した後、S1903〜S1905の処理を実行するようにしてもよい。
これにより、ブートプログラムのプログラムサイズが大きく、第1プログラム記憶エリア234d1に記憶されていない残りのブートプログラムが一度にプログラム格納エリア233aへ転送できなくても、MPU231はプログラム格納エリア233aに既に格納されたブートプログラムを使用して、所定量ずつプログラム格納エリア233aに転送することができる。
また、本実施形態では、第1プログラム記憶エリア234d1に、ブートプログラムのうち、システムリセット解除時にまずMPU231によって実行されるブートプログラムの一部を記憶させる場合について説明したが、全てのブートプログラムを第1プログラム記憶エリア234d1に記憶させてもよい。この場合、MPU231は、ブート処理を開始すると、S1901、およびS1902の処理を行わずに、S1903〜S1905の処理を実行してもよい。これにより、ブートプログラムをプログラム格納エリア233aへ転送する処理が不要となるので、キャラクタROM234かプログラム格納エリア233aへのプログラムの転送処理回数が減るため、ブート処理の処理時間を減らすことができる。よって、ブート処理後に可能となるMPU231における補助演出部の制御の開始をより早く行うことができる。
ここで、図40の説明に戻る。ブート処理を終了すると、次いで、ワークRAM233のプログラム格納エリア233aに転送され格納された制御プログラムに従って、初期設定処理を実行する(S1802)。具体的には、スタックポインタの値をMPU231内に設定すると共に、MPU231内のレジスタ群や、I/O装置等に対する各種の設定などを行う。また、ワークRAM233、常駐用ビデオRAM235、通常用ビデオRAM236の記憶をクリアする処理などが行われる。更に、ワークRAM233に各種フラグを設け、それぞれのフラグに初期値を設定する。なお、各フラグの初期値として、特に明示した場合を除き、「オフ」又は「0」が設定される。
更に、初期設定処理では、画像コントローラ237の初期設定を行った後、第3図柄表示装置81に特定の色の画像が画面全体に表示されるように、画像コントローラ237に対して、画像の描画および表示処理の実行を指示する。これにより、電源投入直後において、第3図柄表示装置81には、まず、特定の色の画像が画面全体に表示される。ここで、電源投入直後に第3図柄表示装置81の画面全体に表示される画像の色が、パチンコ機の機種に応じて異なる色となるように設定されている。これにより、製造時の工場等における動作チェックにおいて、電源投入直後に、その機種に応じた色の画像が第3図柄表示装置81に表示されるか否かを検査することで、パチンコ機10が正常に起動開始できるか否かを簡易かつ即座に判断することができる。
次いで、電源投入時主画像に対応する画像データを常駐用ビデオRAM235の電源投入時主画像エリア235aへ転送するように、画像コントローラ237に対して転送指示を送信する(S1803)。この転送指示には、電源投入時主画像に対応する画像データが格納されているキャラクタROM234の先頭アドレスおよび最終アドレスと、転送先の情報(ここでは、常駐用ビデオRAM235)と、転送先である電源投入時主画像エリア235aの先頭アドレスとが含まれており、画像コントローラ237は、この転送指示に従って、電源投入時主画像に対応する画像データがキャラクタROM234から常駐用ビデオRAM235の電源投入時主画像エリア235aに転送される。
そして、転送指示により示された画像データの転送が全て完了すると、画像コントローラ237は、MPU231に対して転送終了を示す転送終了信号を送信する。MPU231はこの転送終了信号を受信することにより、転送指示で指定した画像データの転送が終了したことを把握することができる。なお、画像コントローラ237は、転送指示により示された画像データの転送を全て完了した場合、画像コントローラ237の内部に設けられたレジスタまたは内蔵メモリの一部領域に、転送終了を示す転送終了情報を書き込むようにしてもよい。そして、MPU231は随時このレジスタまたは内蔵メモリの一部領域の情報を読み出し、画像コントローラ237による転送終了情報の書き込みを検出することによって、転送指示で指定した画像データの転送が終了したことを把握するようにしてもよい。
電源投入時主画像エリア235aに転送された画像データは、電源が遮断されるまで上書きされないように保持される。S1803の処理により画像コントローラ237に対して送信された転送指示に基づき、電源投入時主画像に対応する画像データの電源投入時主画像エリア235aへの転送が終了すると、次いで、電源投入時変動画像に対応する画像データを常駐用ビデオRAM235の電源投入時変動画像エリア235bへ転送するように、画像コントローラに対して転送指示を送信する(S1804)。この転送指示には、電源投入時変動画像に対応する画像データが格納されているキャラクタROM234の先頭アドレスと、その画像データのデータサイズと、転送先の情報(ここでは、常駐用ビデオRAM235)と、転送先である電源投入時変動画像エリア235bの先頭アドレスとが含まれており、画像コントローラは、この転送指示に従って、電源投入時変動画像に対応する画像データがキャラクタROM234から常駐用ビデオRAM235の電源投入時変動画像エリア235bに転送される。そして、電源投入時変動画像エリア235bに転送された画像データは、電源が遮断されるまで上書きされないように保持される。
S1804の処理により画像コントローラ237に対して送信された転送指示に基づき、電源投入時変動画像に対応する画像データの電源投入時変動画像エリア235bへの転送が終了すると、次いで、簡易画像表示フラグ233cをオンする(S1805)。これにより、簡易画像表示フラグ233cがオンの間は、後述する転送設定処理(図54(a)参照)において、常駐用ビデオRAM235に常駐すべき全ての画像データをキャラクタROM234から常駐用ビデオRAM235へ転送するように画像コントローラ237へ転送を指示する常駐画像転送設定処理が実行される(図54(a)のS3502参照)。
また、簡易画像表示フラグ233cは、この常駐画像転送設定処理による画像コントローラ237への転送指示に基づき、常駐用ビデオRAM235に常駐すべき全ての画像データのキャラクタROM234から常駐用ビデオRAM235への転送が終了するまでの間、オンに維持される。これにより、その間は、V割込処理(図42(b)参照)において、電源投入時画像(電源投入時主画像や電源投入時変動画像)が描画されるように、簡易コマンド判定処理(図42(b)のS2108参照)および簡易表示設定処理(図42(b)のS2109参照)が実行される。
上述したように、本パチンコ機10では、キャラクタROM234にNAND型フラッシュメモリ234aを用いているため、その読み出し速度が遅いことに起因して、常駐用ビデオRAM235に格納すべき全ての画像データが、キャラクタROM234から常駐用ビデオRAM235に転送されるまでに多くの時間を要する。そこで、本メイン処理のように、電源が投入された後、まず先に電源投入時主画像および電源投入時変動画像をキャラクタROM234から常駐用ビデオRAM235へ転送し、電源投入時主画像を第3図柄表示装置81に表示することで、残りの常駐すべき画像データが常駐用ビデオRAM235に転送されている間、遊技者やホール関係者は、第3図柄表示装置81に表示された電源投入時主画像を確認することができる。よって、表示制御装置114は、電源投入時主画像を第3図柄表示装置114に表示させている間に、時間をかけて残りの常駐すべき画像データをキャラクタROM234から常駐用ビデオRAM235に転送することができる。一方、遊技者等は、電源投入時主画像が第3図柄表示装置81に表示されている間、何らかの初期化処理が行われていることを認識できるので、残りの常駐用ビデオRAM235に常駐すべき画像データがキャラクタROM234から常駐用ビデオRAM235に転送されるまでの間、動作が停止していないか、といった不安を持つことなく、初期化が完了するまで待機することができる。
また、製造時の工場等における動作チェックにおいても、電源投入時主画像がすぐに第3図柄表示装置81に表示されることによって、第3図柄表示装置81が電源投入によって問題なく動作が開始されていることをすぐに確認することができ、キャラクタROM234に読み出し速度の遅いNAND型フラッシュメモリ234aを用いることにより動作チェックの効率が悪化することを抑制できる。
また、パチンコ機10の表示制御装置114では、電源投入後に電源投入時主画像とあわせて電源投入時変動画像もキャラクタROM234から常駐用ビデオRAM235へ転送するので、電源投入時主画像が第3図柄表示装置81に表示されている間に遊技者が遊技を開始したことにより、第1入球口64へ入球(始動入賞)があり、変動演出の開始指示が主制御装置110より音声ランプ制御装置113を介してあった場合、即ち、表示用変動パターンコマンドを受信した場合は、電源投入時変動画像をその変動演出期間中に即座に表示させ、簡単な変動演出を行うことができる。よって、遊技者は、電源投入時主画像が第3図柄表示装置81に表示されている間であっても、その簡単な変動演出によって確実に抽選が行われたことを確認することができる。
また、上述したように、残りの常駐すべき画像データがキャラクタROM234から常駐用ビデオRAM235に転送されている間は、第3図柄表示装置81に電源投入時主画像が表示され続けるが、キャラクタROM234は読み出し速度の遅いNAND型フラッシュメモリ234aによって構成されているので、その転送に時間がかかるので、電源投入後、電源投入時主画像が表示され続ける時間も長くなる。しかしながら、本パチンコ機10では、電源投入後に常駐用ビデオRAM235に転送された電源投入時変動画像を用いて簡易的な変動演出を行うことができるので、電源が投入された直後、例えば、停電復帰直後などにおいて、電源投入時主画像が表示されている間であっても、遊技者に安心して遊技を行わせることができる。
S1805の処理の後、割込許可を設定し(S1806)、以後、メイン処理は電源が切断されるまで、無限ループ処理を実行する。これにより、S1806の処理によって割込許可が設定されて以降、コマンドの受信およびV割込信号の検出に従って、コマンド割込処理およびV割込処理を実行する。
次いで、図42(a)を参照して、表示制御装置114のMPU231で実行されるコマンド割込処理について説明する。図42(a)は、そのコマンド割込処理を示すフローチャートである。上述したように、音声ランプ制御装置113からコマンドを受信すると、MPU231によってコマンド割込処理が実行される。
このコマンド割込処理では、受信したコマンドデータを抽出し、ワークRAM233に設けられたコマンドバッファ領域に、その抽出したコマンドデータを順次格納して(S2001)、終了する。このコマンド割込処理によってコマンドバッファ領域に格納された各種コマンドは、後述するV割込処理のコマンド判定処理または簡易コマンド判定処理によって読み出され、そのコマンドに応じた処理が行われる。
次いで、図42(b)を参照して、表示制御装置114のMPU231で実行されるV割込処理について説明する。図42(b)は、そのV割込処理を示すフローチャートである。このV割込処理では、コマンド割込処理によってコマンドバッファ領域に格納されたコマンドに対応する各種処理を実行すると共に、第3図柄表示装置81に表示させる画像を特定した上で、その画像の描画リスト(図22参照)を作成し、その描画リストを画像コントローラ237に送信することで、画像コントローラ237に対し、その画像の描画処理および表示処理の実行を指示するものである。
上述したように、このV割込処理は、画像コントローラ237からのV割込信号が検出されることによって実行が開始される。このV割込信号は、画像コントローラ237において、1フレーム分の画像の描画処理が完了する20ミリ秒毎に生成され、MPU231に対して送信される信号である。よって、このV割込信号に同期させてV割込処理を実行することにより、画像コントローラ237に対して描画指示が、1フレーム分の画像の描画処理が完了する20ミリ秒毎に行われることになる。よって、画像コントローラ237では、画像の描画処理や表示処理が終了していない段階で、次の画像の描画指示を受け取ることがないので、画像の描画途中で新たな画像の描画を開始したり、表示中の画像情報が格納されているフレームバッファに、新たな描画指示に伴って画像が展開されたりすることを防止することができる。
ここでは、まず、V割込処理のフローの概略について説明し、次いで、各処理の詳細について他の図面を参照して説明する。このV割込処理では、図42(b)に示すように、まず、簡易画像表示フラグ233cがオンであるか否かを判別し(S2101)、簡易画像表示フラグ233cがオンではない、即ち、オフであれば(S2101:No)、常駐用ビデオRAM235に常駐すべき全ての画像データの転送が完了していることを意味するので、電源投入時画像ではなく、通常の演出画像を第3図柄表示装置81に表示させるべく、コマンド判定処理(S2102)を実行し、次いで、表示設定処理(S2103)を実行する。
コマンド判定処理(S2102)では、コマンド割込処理によってコマンドバッファ領域に格納された音声ランプ制御装置113からのコマンドの内容を解析し、そのコマンドに応じた処理を実行すると共に、表示用デモコマンドや表示用変動パターンコマンドが格納されていた場合は、デモ表示データテーブル又は変動パターン種別に応じた変動表示データテーブルを表示データテーブルバッファ233dに設定すると共に、設定された表示データテーブルに対応する転送データテーブルを転送データテーブルバッファ233eに設定する。
このコマンド判定処理では、その時点でコマンドバッファ領域に格納されている全てのコマンドを解析して、処理を実行する。これは、コマンド判定処理が、V割込処理の実行される20ミリ秒間隔で行われるため、その20ミリ秒の間に複数のコマンドがコマンドバッファ領域に格納されている可能性が高いためである。特に、主制御装置110において、変動演出の開始が決定された場合、表示用変動パターンコマンドや表示用停止種別コマンドなどが同時にコマンドバッファ領域に格納されている可能性が高い。従って、これらのコマンドを一度に解析して実行することによって、主制御装置110や音声ランプ制御装置113によって選定された変動演出の態様や停止種別を素早く把握し、その態様に応じた演出画像を第3図柄表示装置81に表示させるように、画像の描画を制御することができる。なお、このコマンド判定処理の詳細については、図43〜図48を参照して後述する。
表示設定処理(S2103)では、コマンド判定処理(S2102)などによって表示データテーブルバッファ233dに設定された表示データテーブルの内容に基づき、第3図柄表示装置81において次に表示すべき1フレーム分の画像の内容を具体的に特定する。また、処理の状況などに応じて、第3図柄表示装置81に表示すべき演出態様を決定し、その決定した演出態様に対応する表示データテーブルを表示データテーブルバッファ233dに設定する。なお、この表示設定処理の詳細については、図49〜図53を参照して後述する。
表示設定処理が実行された後、次いで、タスク処理を実行する(S2104)。このタスク処理では、表示設定処理(S2103)もしくは簡易表示設定処理(S2109)によって特定された、第3図柄表示装置81に表示すべき次の1フレーム分の画像の内容に基づき、その画像を構成するスプライト(表示物)の種別を特定すると共に、スプライト毎に、表示座標位置や拡大率、回転角度といった描画に必要な各種パラメータを決定する。
次に、転送設定処理を実行する(S2105)。この転送設定処理では、簡易画像表示フラグ233cがオンである間は、画像コントローラ237に対して、常駐用ビデオRAM235に常駐すべき画像データをキャラクタROM234から常駐用ビデオRAM235の所定エリアへ転送させる転送指示を設定する。また、簡易画像表示フラグ233cがオフである間は、転送データテーブルバッファ233eに設定される転送データテーブルの転送データ情報に基づき、画像コントローラ237に対して、所定の画像データをキャラクタROM234から通常用ビデオRAM236の画像格納エリア236aの所定サブエリアへ転送させる転送指示を設定すると共に、音声ランプ制御装置113から連続予告コマンドや背面画像変更コマンドを受信した場合にも、画像コントローラ237に対して、連続予告演出で使用する連続予告画像の画像データや変更後の背面画像の画像データをキャラクタROM234から通常用ビデオRAM236の画像格納エリア236aの所定サブエリアへ転送させる転送指示を設定する。なお、転送設定処理の詳細については、図54および図55を参照して後述する。
次いで、描画処理を実行する(S2106)。この描画処理では、タスク処理(S2104)で決定された、1フレームを構成する各種スプライトの種別やそれぞれのスプライトの描画に必要なパラメータと、転送設定処理(S2105)により設定された転送指示とから、図22に示す描画リストを生成し、描画対象バッファ情報と共に、その描画リストを画像コントローラ237に対して送信する。これにより、画像コントローラ237では、描画リストに従って、画像の描画処理を実行する。なお、描画処理の詳細については、図56を参照して後述する。
次いで、表示制御装置114に設けられた各種カウンタの更新処理を実行する(S2107)。そして、V割込処理を終了する。S2107の処理によって更新されるカウンタとしては、例えば、停止図柄を決定するための停止図柄カウンタ(図示せず)がある。この停止図柄カウンタの値は、ワークRAM233に格納され、V割込処理が実行される度に、更新処理が行われる。そして、コマンド判定処理において、表示用停止種別コマンドの受信が検出されると、表示用停止種別コマンドにより示される停止種別(大当たりA、大当たりB、前後外れリーチ、前後外れ以外リーチ、完全外れ)に対応する停止種別テーブルと停止種別カウンタとが比較され、第3図柄表示装置81に表示される変動演出後の停止図柄が最終的に設定される。
一方、S2101の処理において、簡易画像表示フラグ233cがオンであると判別されると(S2101:Yes)、常駐用ビデオRAM235に常駐すべき全ての画像データの転送が完了していないことを意味するので、電源投入時画像を第3図柄表示装置81に表示させるべく、簡易コマンド判定処理(S2108)を実行し、次いで、簡易表示設定処理(S2109)を実行して、S2104の処理へ移行する。
次いで、図43〜図48を参照して、表示制御装置114のMPU231で実行されるV割込処理の一処理である上述のコマンド判定処理(S2102)の詳細について説明する。まず、図43は、このコマンド判定処理を示すフローチャートである。
このコマンド判定処理では、図43に示すように、まず、コマンドバッファ領域に未処理の新規コマンドがあるか否かを判別し(S2201)、未処理の新規コマンドがなければ(S2201:No)、コマンド判定処理を終了してV割込処理に戻る。一方、未処理の新規コマンドがあれば(S2201:Yes)、オン状態で新規コマンドを処理したことを表示設定処理(S2103)に通知する新規コマンドフラグをオンに設定し(S2202)、次いで、コマンドバッファ領域に格納されている未処理のコマンドすべてについて、そのコマンドの種別を解析する(S2203)。
そして、未処理のコマンドの中に、まず、表示用変動パターンコマンドがあるか否かを判別し(S2204)、表示用変動パターンコマンドがあれば(S2204:Yes)、変動パターンコマンド処理を実行して(S2205)、S2201の処理へ戻る。
ここで、図44(a)を参照して、変動パターンコマンド処理(S2205)の詳細について説明する。図38(a)は、変動パターンコマンド処理を示すフローチャートである。この変動パターンコマンド処理は、音声ランプ制御装置114より受信した表示用変動パターンコマンドに対応する処理を実行するものである。
変動パターンコマンド処理では、まず、表示用変動パターンコマンドによって示される変動演出パターンに対応した変動表示データテーブルを決定し、その決定した変動表示データテーブルをデータテーブル格納エリア233bの変動演出用テーブル格納エリア(図17参照)から読み出して、表示データテーブルバッファ233dに設定する(S2301)。
ここで、主制御装置110において変動の開始の判断は、必ず数秒以上離れて行われるので、20ミリ秒以内に2以上の表示用変動パターンコマンドを受信することはなく、したがって、コマンド判定処理を実行する場合に、コマンドバッファ領域に2以上の表示用変動パターンコマンドが格納されている場合はあり得ないが、ノイズ等の影響によってコマンドの一部が変化し、別のコマンドが誤って表示用変動パターンコマンドとして解釈されるおそれもあり得る。S2301の処理では、このような場合に備え、2以上の表示用変動パターンコマンドがコマンドバッファ領域に格納されていると判断される場合は、変動時間が最も短い変動パターンに対応する変動表示データテーブルを表示データテーブルバッファ233dに設定する。
仮に、変動時間の長い変動パターンに対応する変動表示データテーブルを表示データテーブルバッファ233dに設定してしまうと、実際には、設定した表示データテーブルよりも短い変動時間を有する変動演出が主制御装置110によって指示されていた場合に、設定された変動表示データテーブルに従った変動演出を第3図柄表示装置81に表示させている最中に主制御装置110から次の表示用変動パターンコマンドを受信することとなり、別の変動表示が急に開始されてしまうので、遊技者に対して違和感を持たせるおそれがあった。
これに対し、本実施形態のように、変動時間が最も短い変動パターンに対応する変動表示データテーブルを表示データテーブルバッファ233dに設定することで、実際には、設定した表示データテーブルよりも長い変動時間を有する変動演出が主制御装置110によって指示されていた場合であっても、後述するように、表示データテーブルバッファ233dに従った変動演出が終了したのち、主制御装置110から次の表示用パターンコマンドを受信するまでの間、デモ演出が表示されるように、表示設定処理によって、第3図柄表示装置81の表示が制御されるので、遊技者は違和感なく第3図柄表示装置81における第3図柄の変動を見続けることができる。
次いで、S2301で設定された表示データテーブルに対応する転送データテーブルを決定してデータテーブル格納エリア233bから読み出し、それを転送データテーブルバッファ233eに設定する(S2302)。そして、各変動パターンに対応する変動表示データテーブル毎に設けられたデータテーブル判別フラグのうち、S2301の処理によって設定された変動表示データテーブルに対応するデータテーブル判別フラグをオンすると共に、その他の変動表示データテーブルに対応するデータテーブル判別フラグをオフに設定する(S2303)。表示設定処理では、S2303の処理によって設定されるデータテーブル判別フラグを参照することによって、表示データテーブルバッファ233dに設定された変動表示データテーブルが、どの変動パターンに対応するものであるかを容易に判断することができる。
次いで、S2301の処理によって表示データテーブルバッファ233dに設定された変動表示データテーブルに対応する変動パターンの変動時間を基に、その変動時間を表す時間データを計時カウンタ233hに設定し(S2304)、ポインタ233fを0に初期化する(S2305)。そして、デモ表示フラグおよび確定表示フラグをいずれもオフに設定して(S2306)、変動パターンコマンド処理を終了し、コマンド判定処理に戻る。
この変動パターンコマンド処理が実行されることにより、表示設定処理では、S2305の処理によって初期化されたポインタ233fを更新しながら、S2301の処理によって表示データテーブルバッファ233dに設定された変動表示データテーブルから、ポインタ233fに示されるアドレスに規定された描画内容を抽出し、第3図柄表示装置81において次に表示すべき1フレーム分の画像の内容を特定すると同時に、S2302の処理によって転送データテーブルバッファ233eに設定された転送データテーブルから、ポインタ233fに示されるアドレスに規定された転送データ情報を抽出し、設定された変動表示データテーブルにおいて必要なスプライトの画像データが、予めキャラクタROM234から通常用ビデオRAM236の画像格納エリア236aに転送されるように、画像コントローラ237を制御する。
また、表示設定処理では、S2304の処理によって時間データが設定された計時カウンタ233hを用いて、変動表示データテーブルで規定された変動演出の時間を計時し、変動表示データテーブルにおける変動演出が終了すると判断された場合、主制御装置110からの表示用停止種別コマンドに応じた停止図柄を第3図柄表示装置81に表示するように、その停止表示の設定を制御する。
ここで、図43の説明に戻る。S2204の処理において、表示用変動パターンコマンドがないと判別されると(S2204:No)、次いで、未処理のコマンドの中に、表示用停止種別コマンドがあるか否かを判別し(S2206)、表示用変動種別コマンドがあれば(S2206:Yes)、停止種別コマンド処理を実行して(S2207)、S2201の処理へ戻る。
ここで、図44(b)を参照して、停止種別コマンド処理(S2207)の詳細について説明する。図44(b)は、停止種別コマンド処理を示すフローチャートである。この停止種別コマンド処理は、音声ランプ制御装置114より受信した表示用変動種別コマンドに対応する処理を実行するものである。
停止種別コマンド処理では、まず、表示用停止種別コマンドによって示される停止種別情報(大当たりA、大当たりB、前後外れリーチ、前後外れ以外リーチ、完全外れのいずれか)に対応する停止種別テーブルを決定し(S2401)、その停止種別テーブルと、V割込処理(図42(b)参照)が実行されるたびに更新される停止種別カウンタの値とを比較して、第3図柄表示装置81に表示される変動演出後の停止図柄を最終的に設定する(S2402)。
そして、停止図柄毎に設けられた停止図柄判別フラグのうち、S2402の処理によって設定された停止図柄に対応する停止図柄判別フラグをオンすると共に、その他の停止図柄に対応する停止図柄判別フラグをオフに設定して(S2403)、本処理を終了する。
ここで、上述したように、変動表示データテーブルでは、そのデータテーブルに基づく変動が開始されてから所定時間経過後において、第3図柄表示装置81に表示すべき第3図柄を特定する種別情報として、S2402の処理によって設定された停止図柄からのオフセット情報(図柄オフセット情報)が記載されている。上述のタスク処理(S2104)では、変動が開始されてから所定時間が経過した後、S2403によって設定された停止図柄判別フラグからS2402の処理によって設定された停止図柄を特定すると共に、その特定した停止図柄に対して表示設定処理により取得された図柄オフセット情報を加算することによって、実際に表示すべき第3図柄を特定する。そして、この特定された第3図柄に対応する画像データが格納されたアドレスを特定する。なお、第3図柄に対応する画像データは、上述したように、常駐用ビデオRAM235の第3図柄エリア235dに格納されている。
なお、主制御装置110において変動の開始の判断は、必ず数秒以上離れて行われるので、20ミリ秒以内に2以上の表示用停止種別コマンドを受信することはなく、したがって、コマンド判定処理を実行する場合に、コマンドバッファ領域に2以上の表示用停止種別コマンドが格納されている場合はあり得ないが、ノイズ等の影響によってコマンドの一部が変化し、別のコマンドが誤って表示用停止種別コマンドとして解釈されるおそれもあり得る。S2401の処理では、このような場合に備え、2以上の表示用停止種別コマンドがコマンドバッファ領域に格納されていると判断される場合は、停止種別が完全外れであると仮定して、停止種別テーブルを決定する。これにより、完全外れに対応する停止図柄がS2402の処理によって設定される。
仮に、「特別図柄の大当たり」に対応する停止図柄が設定されてしまうと、実際には、「特別図柄の外れ」であった場合であっても、第3図柄表示装置81には「特別図柄の大当たり」に対応する停止図柄が表示されることとなり、遊技者にパチンコ機10が「特別図柄の大当たり」となったと勘違いさせてしまい、パチンコ機10の信頼性を低下させるおそれがあった。これに対し、本実施形態のように、完全外れに対応する停止図柄が設定されることで、実際には、「特別図柄の大当たり」であれば、第3図柄表示装置81に完全外れの停止図柄が表示されても、パチンコ機10が「特別図柄の大当たり」になるので、遊技者を喜ばせることができる。
図43に戻り、説明を続ける。S2206の処理において、表示用停止種別コマンドがないと判別されると(S2206:No)、次いで、未処理のコマンドの中に、表示用オープニングコマンドがあるか否かを判別し(S2208)、表示用オープニングコマンドがあれば(S2208:Yes)、オープニングコマンド処理を実行して(S2209)、S2201の処理へ戻る。
ここで、図45(a)を参照して、オープニングコマンド処理(S2209)の詳細について説明する。図45(a)は、オープニングコマンド処理を示すフローチャートである。このオープニングコマンド処理は、音声ランプ制御装置114より受信した表示用オープニングコマンドに対応する処理を実行するものである。
オープニングコマンド処理では、まず、オープニング表示データテーブルをデータテーブル格納エリア233bのオープニング演出用テーブル格納エリア(図17参照)から読み出して、表示データテーブルバッファ233dに設定する(S2501)。次いで、S2501の処理で設定された表示データテーブルに対応する転送データテーブルを決定してデータテーブル格納エリア233bから読み出し、それを転送データテーブルバッファ233eに設定する(S2502)。
そして、S2501の処理によって表示データテーブルバッファ233dに設定されたオープニング表示データテーブルを基に、その演出時間を表す時間データを計時カウンタ233hに設定し(S2503)、ポインタ233fを0に初期化する(S2504)。そして、デモ表示フラグおよび確定表示フラグをいずれもオフに設定して(S2505)、オープニングコマンド処理を終了し、コマンド判定処理に戻る。
このオープニングコマンド処理が実行されることにより、表示設定処理では、S2504の処理によって初期化されたポインタ233fを更新しながら、S2501の処理によって表示データテーブルバッファ233dに設定されたオープニング表示データテーブルから、ポインタ233fに示されるアドレスに規定された描画内容を抽出し、第3図柄表示装置81において次に表示すべき1フレーム分の画像の内容を特定すると同時に、S2502の処理によって転送データテーブルバッファ233eに設定された転送データテーブルから、ポインタ233fに示されるアドレスに規定された転送データ情報を抽出し、設定されたオープニング表示データテーブルにおいて必要なスプライトの画像データが、予めキャラクタROM234から通常用ビデオRAM236の画像格納エリア236aに転送されるように、画像コントローラ237を制御する。
また、このオープニングコマンド処理が実行されると、オープニング転送データテーブルが転送データテーブルバッファ233eに設定される。これにより、第3図柄表示装置81においてオープニング演出が行われている最中に、ラウンド演出およびエンディング演出に必要な画像データをキャラクタROM234から、通常用ビデオRAM236に転送することができる。上述したように、本パチンコ機10では、キャラクタROM234にNAND型フラッシュメモリ234aを用いているため、その読み出し速度が遅いことに起因して、大当たり演出(オープニング演出、ラウンド演出、エンディング演出)に演出に使用する画像データが、キャラクタROM234から通常用ビデオRAM236に転送されるまでに多くの時間を要する。
新たに開始されるラウンド数を示す表示用ラウンド数コマンドは、第3図柄表示装置81におけるオープニング演出が終了したタイミングに合わせて、音声ランプ制御装置113から送信されてくるので、1ラウンド目を示す表示用ラウンド数コマンドを受信してから、ラウンド演出に必要な画像データをキャラクタROM234から通常用ビデオRAM236に転送していては、オープニング演出が終了してからラウンド演出を開始するまでに多くの待ち時間が生じ、遊技者に動作が停止していないかといった不安や、違和感を持たせてしまうおそれがあった。
また、エンディング演出の開始を指示する表示用エンディングコマンドは、第3図柄表示装置81におけるラウンド演出が全て(16ラウンド分)終了したタイミングに合わせて、音声ランプ制御装置113から送信されてくるので、表示用エンディングコマンドを受信してから、エンディング演出に必要な画像データをキャラクタROM234から通常用ビデオRAM236に転送していては、ラウンド演出が終了してからエンディング演出を開始するまでに多くの待ち時間が生じ、遊技者に動作が停止していないかといった不安や、違和感を持たせてしまうおそれがあった。
そこで、本実施形態では、表示用オープニングコマンドを受信した場合に、そこからラウンド演出およびエンディング演出に必要なデータの転送を開始し、第3図柄表示装置81において大当たりの変動表示が終了するまでに、ラウンド演出およびエンディング演出に必要なデータの転送が終了するように制御している。これにより、第3図柄表示装置81においてオープニング演出が終了した場合に、即座に、第3図柄表示装置81においてラウンド演出を開始できると共に、第3図柄表示装置81においてラウンド演出が全て(16ラウンド分)終了した場合に、即座に、第3図柄表示装置81においてエンディング演出を開始できるので、遊技者に動作が停止していないかといった不安や、違和感を持たせてしまうことがない。よって、遊技者を安心させることができる。
なお、上述したように、本実施形態では、表示用停止種別コマンドによって示される停止種別情報が大当たりの停止種別であると判別されたら、そこからオープニング演出において使用する画像データの転送を開始し、第3図柄表示装置81において大当たりとなる変動演出が終了するまでに、オープニング演出において使用する画像データの転送が終了するように制御している。これにより、第3図柄表示装置81において大当たりとなる変動演出が終了した場合に、即座に、第3図柄表示装置81においてオープニング演出を開始できるので、遊技者に動作が停止していないかといった不安や、違和感を持たせてしまうことがない。よって、遊技者を安心させることができる。
図43に戻り、説明を続ける。S2208の処理において、表示用オープニングコマンドがないと判別されると(S2208:No)、次いで、未処理のコマンドの中に、表示用ラウンド数コマンドがあるか否かを判別し(S2210)、表示用ラウンド数コマンドがあれば(S2210:Yes)、ラウンド数コマンド処理を実行して(S2211)、S2201の処理へ戻る。
ここで、図45(b)を参照して、ラウンド数コマンド処理(S2211)の詳細について説明する。図45(b)は、ラウンド数コマンド処理を示すフローチャートである。このラウンド数コマンド処理は、音声ランプ制御装置114より受信した表示用ラウンド数コマンドに対応する処理を実行するものである。
ラウンド数コマンド処理では、まず、表示用ラウンド数コマンドによって示されるラウンド数に対応したラウンド数表示データテーブルを決定し、その決定したラウンド数表示データテーブルをデータテーブル格納エリア233bのラウンド演出用テーブル格納エリア(図17参照)から読み出して、表示データテーブルバッファ233dに設定する(S2601)。次いで、転送データテーブルバッファ233eにNullデータを書き込むことで、その内容をクリアする(S2602)。
そして、S2601の処理によって表示データテーブルバッファ233dに設定されたラウンド数表示データテーブルを基に、その演出時間を表す時間データを計時カウンタ233hに設定し(S2603)、ポインタ233fを0に初期化する(S2604)。そして、デモ表示フラグおよび確定表示フラグをいずれもオフに設定して(S2605)、ラウンド数コマンド処理を終了し、コマンド判定処理に戻る。
ここで、図43の説明に戻る。S2210の処理において、表示用ラウンド数コマンドがないと判別されると(S2210:No)、次いで、未処理のコマンドの中に、表示用エンディングコマンドがあるか否かを判別し(S2212)、表示用エンディングコマンドがあれば(S2212:Yes)、エンディングコマンド処理を実行して(S2213)、S2201の処理へ戻る。
ここで、図46を参照して、エンディングコマンド処理(S2213)の詳細について説明する。図46は、エンディングコマンド処理を示すフローチャートである。このエンディングコマンド処理は、音声ランプ制御装置114より受信した表示用エンディングコマンドに対応する処理を実行するものである。
エンディングコマンド処理では、まず、表示用エンディングコマンドによって示されるエンディング演出の表示態様に対応したエンディング表示データテーブルを決定し、その決定したエンディング表示データテーブルをデータテーブル格納エリア233bのエンディング演出用テーブル格納エリア(図17参照)から読み出して、表示データテーブルバッファ233dに設定する(S2701)。次いで、転送データテーブルバッファ233eにNullデータを書き込むことで、その内容をクリアする(S2702)。そして、S2701の処理によって表示データテーブルバッファ233dに設定されたエンディング表示データテーブルを基に、その演出時間を表す時間データを計時カウンタ233hに設定し(S2703)、ポインタ233fを0に初期化する(S2704)。そして、デモ表示フラグおよび確定表示フラグをいずれもオフに設定して(S2705)、エンディングコマンド処理を終了し、コマンド判定処理に戻る。
このエンディングコマンド処理を実行することにより、特別図柄の大当たりが終了する際にエンディング演出を第3図柄表示装置81に対して表示させることができるので、大当たりが終了したことを遊技者に対して認識させることができる。
ここで、図43の説明に戻る。S2212の処理において、表示用エンディングコマンドがないと判別されると(S2212:No)、次いで、未処理のコマンドの中に、背面画像変更コマンドがあるか否かを判別し(S2214)、背面画像変更コマンドがあれば(S2214:Yes)、背面画像変更コマンド処理を実行して(S2215)、S2201の処理へ戻る。
ここで、図47を参照して、背面画像変更コマンド処理(S2215)の詳細について説明する。図47は、背面画像変更コマンド処理を示すフローチャートである。この背面画像変更コマンド処理は、音声ランプ制御装置114より受信した背面画像変更コマンドに対応する処理を実行するものである。
背面画像変更コマンド処理では、まず、背面画像変更フラグをオンに設定する(S2801)。これにより、通常画像転送設定処理(S3503)において背面画像の変更を判別することができる。そして、背面画像種別(背面A〜C、および時間演出に対応する背面)毎に設けられた背面画像判別フラグのうち、背面画像変更コマンドによって示された背面画像種別に対応する背面画像判別フラグをオンすると共に、その他の背面画像種別に対応する背面画像判別フラグをオフに設定して(S2802)、処理をS2803へと移行する。
通常画像転送設定処理(S3503)では、S2801の処理により設定される背面画像変更フラグがオンされていることを検出すると、S2802の処理によって設定される背面画像判別フラグから、変更後の背面画像種別を特定する。そして、その特定された背面画像種別が背面B、または背面Cである場合は、上述したように、それらの背面画像に対応する画像データの一部が常駐用ビデオRAM235の背面画像エリア235cに常駐されていないので、所定の範囲の背面画像に対応する画像データをキャラクタROM234から通常用ビデオRAM236の画像格納エリア236aの所定のサブエリアに転送するよう、画像コントローラ237に対する転送指示の設定を行う。なお、変更後の背面画像種別が背面Aの場合は、全ての画像データが常駐用ビデオRAM235cに常駐されているので、画像の転送は行わない。
また、タスク処理では、表示データテーブルに規定された背面画像の背面種別によって、背面A〜C、および時間演出に対応する背面のいずれかを表示させることが規定されていた場合、S2802の処理によって設定された背面画像判別フラグから、その時点において表示すべき背面画像種別を特定し、更に、表示すべき背面画像の範囲を時間経過に合わせて特定して、その背面画像の範囲に対応する画像データが格納されているRAM種別(常駐用ビデオRAM235か、通常用ビデオRAM236か)と、そのRAMのアドレスを特定する。
なお、遊技者が枠ボタン228を20ミリ秒以下で連続して操作することはないので、20ミリ秒以内に2以上の背面画像変更コマンドを受信することはなく、したがって、コマンド判定処理を実行する場合に、コマンドバッファ領域に2以上の背面画像変更コマンドが格納される場合はない。しかし、ノイズ等の影響によってコマンドの一部が変化し、別のコマンドが誤って背面画像変更コマンドとして解釈されるおそれもあり得る。S2802の処理では、2以上の背面画像コマンドがコマンドバッファ領域に格納されていると判断される場合、先に受信した背面画像コマンドによって示される背面画像種別に対応する背面画像判別フラグをオンしてもよいし、後に受信した背面画像コマンドによって示される背面画像種別に対応する背面画像判別フラグをオンしてもよい。また、任意の1の背面画像変更コマンドを抽出し、そのコマンドによって示される背面画像種別に対応する背面画像判別フラグをオンしてもよい。この背面画像の変更は、パチンコ機10における遊技価値へ直接影響を与えるものではないので、パチンコ機10の特性や操作性に応じて、適宜設定することが好ましい。
S2802の処理が終了すると、次いで、背面画像変更コマンドにより通知された背面種別が時間演出用の背面であるか否かを判別し(S2803)、時間演出用の背面でなければ(S2803:No)、そのまま本処理を終了する。一方、背面画像変更コマンドにより通知された背面種別が時間演出用の背面であると判別した場合は(S2803:Yes)、次いで、確定表示フラグがオンであるか否かを判別する(S2804)。この確定表示フラグは、第3図柄を確定表示させる確定表示演出(図6(a)参照)の実行中であることを示すフラグであり、後述する確定表示設定処理において第3図柄の確定表示に対応する表示データテーブルを設定した後でオンに設定される(図52のS3310参照)。
S2804の処理において、確定表示フラグがオンでない(即ち、オフである)と判別した場合は(S2804:No)、そのまま本処理を終了する。一方、確定表示フラグがオンであると判別した場合は(S2804:Yes)、第3図柄を確定表示させている状態、またはデモ演出(図7参照)の表示中に時間演出期間となり、時間演出に対応する背面画像変更コマンドを受信したことを意味する。よって、この場合は、計時カウンタの値に0を設定し(S2805)、表示データテーブルバッファをクリアして(S2806)、本処理を終了する。表示データテーブルバッファをクリアすることにより、表示されている第3図柄、またはデモ画像を消去することができる。
ここで、上述した通り、第3図柄が確定表示された状態では、背面画像の大半が第3図柄によって遮蔽された状態となる(図6(a)参照)。また、通常演出期間におけるデモ演出は、第3図柄表示装置81の全体にデモ画像が表示されるので、背面画像が遮蔽される。即ち、どちらの場合でも、遊技者にとって背面画像が見え難い状態となる。この状態のまま、主表示領域Dmにおいて告知画像750(図6(b)参照)を表示させたとしても、その告知画像750の大半が第3図柄により遮蔽されてしまい、遊技者が時間演出の開始を見落としてしまう虞がある。そこで、本実施形態では、時間演出の開始タイミングにおいて、第3図柄が確定表示された状態、またはデモ演出中である場合に、S2805、およびS2806の処理によって第3図柄、またはデモ画像を消去して、背面画像が明瞭に認識できるように制御を行う。これにより、遊技者が告知画像750(図6(b)参照)を確実に確認することができる。
ここで、図43の説明に戻る。S2214の処理において、背面画像変更コマンドがないと判別されると(S2214:No)、次いで、未処理のコマンドの中に、エラーコマンドがあるか否かを判別し(S2216)、エラーコマンドがあれば(S2216:Yes)、エラーコマンド処理を実行して(S2217)、S2201の処理へ戻る。
ここで、図48を参照して、エラーコマンド処理(S2217)の詳細について説明する。図48は、エラーコマンド処理を示すフローチャートである。このエラーコマンド処理は、音声ランプ制御装置114より受信したエラーコマンドに対応する処理を実行するものである。
エラーコマンド処理では、まず、オン状態でエラーが発生していることを示すエラー発生フラグをオンに設定する(S2901)。そして、エラー種別毎に設けられたエラー判別フラグのうち、エラーコマンドによって示されるエラー種別に対応するエラー判別フラグをオンすると共に、その他のエラー判別フラグをオフに設定して(S2902)、エラーコマンド処理を終了し、コマンド判定処理に戻る。
表示設定処理では、S2901の処理によって設定されたエラー発生フラグに基づいて、エラーの発生を検出すると、S2902の処理によって設定されたエラー判別フラグから発生したエラー種別を判断し、そのエラー種別に対応する警告画像を第3図柄表示装置81に表示させるように処理を実行する。
なお、2以上のエラーコマンドがコマンドバッファ領域に格納されていると判断される場合、S2902に処理では、それぞれのエラーコマンドによって示される全てのエラー種別に対応するエラー判別フラグをオンに設定する。これにより、全てのエラー種別に対応する警告画像が第3図柄表示装置81に表示されるので、遊技者やホール関係者が、エラーの発生状況を正しく把握することができる。
ここで、図43の説明に戻る。S2216の処理において、エラーコマンドがないと判別されると(S2216:No)、次いで、その他の未処理のコマンドに対応する処理を実行し(S2218)、S2201の処理へ戻る。
各コマンドの処理が実行された後に再び実行されるS2201の処理では、再度、コマンドバッファ領域に未処理の新規コマンドがあるか否かを判別し、未処理の新規コマンドがあれば(S2201:Yes)、再びS2202〜S2218の処理を実行する。そして、コマンドバッファ領域に未処理の新規コマンドがなくなるまで、S2201〜S2218の処理が繰り返し実行され、S2201の処理で、コマンドバッファ領域に未処理の新規コマンドがないと判別されると、このコマンド判定処理を終了する。
なお、V割込処理(図42(b)参照)において簡易画像表示フラグ233cがオンの場合に実行される簡易コマンド判定処理(S2109)も、コマンド判定処理と同様の処理が行われる。ただし、簡易コマンド判定処理では、コマンドバッファ領域に格納されている未処理のコマンドから、電源投入時画像を表示するのに必要なコマンド、即ち、表示用変動パターンコマンドおよび表示用停止種別コマンドだけを抽出して、それぞれのコマンドに対応する処理である、変動パターンコマンド処理(図44(a)参照)、および停止種別コマンド処理(図44(b)参照)を実行すると共に、その他のコマンドについては、そのコマンドに対応する処理を実行せずに破棄する処理を行う。
ここで、この場合に実行される、変動パターンコマンド処理(図44(a)参照)では、S2301の処理で、電源投入時変動画像の表示に対応した表示データテーブルバッファが表示データテーブルバッファ233dに設定され、また、その場合に必要となる電源投入時主画像および電源投入時変動画像の画像データは常駐用ビデオRAM235の電源投入時主動画像エリア235aおよび電源投入時変動動画像エリア235bに格納されているので、S2302の処理では、転送データテーブルバッファ233bにはNullデータを書き込み、その内容をクリアする処理が行われる。
次いで、図49〜図53を参照して、表示制御装置114のMPU231で実行されるV割込処理の一処理である上述の表示設定処理(S2103)の詳細について説明する。図49は、この表示設定処理を示すフローチャートである。
この表示設定処理では、図49に示すように、新規コマンドフラグがオンであるか否かを判別し(S3001)、新規コマンドフラグがオンではない、即ち、オフであれば(S3001:No)、先に実行されるコマンド判定処理おいて新規コマンドが処理されていないと判断して、S3002〜S3004の処理をスキップし、S3005の処理へ移行する。一方、新規コマンドフラグがオンであれば(S3001:Yes)、先に実行されるコマンド判定処理において新規コマンドが処理されたと判断し、新規コマンドフラグをオフに設定した後(S3002)、S3003〜S3004の処理によって、新規コマンドに対応する処理を実行する。
S3003の処理では、エラー発生フラグがオンであるか否かを判別する(S3003)。そして、エラー発生フラグがオンであれば(S3003:Yes)、警告画像設定処理を実行する(S3004)。
ここで、図50を参照して、警告画像設定処理の詳細について説明する。図50は、警告画像設定処理を示すフローチャートである。この処理は、発生したエラーに対応する警告画像を第3図柄表示装置81に表示させる画像データを展開するための処理で、まず、エラー判別フラグを参照し、オンが設定された全てのエラー判別フラグに対応したエラーの警告画像を第3図柄表示装置81に表示させる警告画像データを展開する(S3101)。
タスク処理では、この展開された警告画像データを元に、その警告画像を構成するスプライト(表示物)の種別を特定すると共に、スプライト毎に、表示座標位置や拡大率、回転角度といった描画に必要な各種パラメータを決定する。
そして、警告画像設定処理では、S3101の処理の後、エラー発生フラグをオフに設定して(S3102)、表示設定処理に戻る。
ここで、図49の説明に戻る。警告画像設定処理(S3004)の後、またはS3003の処理において、エラー発生フラグがオンではない、即ち、オフであると判別されると(S3003:No)、次いで、S3005の処理へ移行する。
S3005では、ポインタ更新処理を実行する(S3005)。ここで、図51を参照して、ポインタ更新処理の詳細について説明する。図51は、ポインタ更新処理を示すフローチャートである。このポインタ更新処理は、表示データテーブルバッファ233dおよび転送データテーブルバッファ233eの各バッファにそれぞれ格納された表示データテーブルおよび転送データテーブルから、対応する描画内容もしくは転送対象画像データの転送データ情報を取得すべきアドレスを指定するポインタ233fの更新を行う処理である。
このポインタ更新処理では、まず、ポインタ233fに1を加算する(S3201)。即ち、ポインタ233fは、原則、V割込処理が実行される度に1だけ加算されるように更新処理が行われる。また、上述したように、各種データテーブルは、アドレス「0000H」には、Start情報が記載されており、それぞれのデータの実体はアドレス「0001H」以降に規定されているところ、表示データテーブルが表示データテーブルバッファ233dに格納されるのに合わせてポインタ233fの値が0に初期化された場合は、このポインタ更新処理によってその値が1に更新されるので、アドレス「0001H」から順に、それぞれのデータテーブルから実体的なデータを読み出すことができる。
S3201の処理によって、ポインタ233fの値を更新した後、次いで、表示データテーブルバッファ233dに設定された表示データテーブルにおいて、その更新後のポインタ233fで示されるアドレスのデータがEnd情報であるか否かを判別する(S3202)。その結果、End情報であれば(S3202:Yes)、表示データテーブルバッファ233dに設定された表示データテーブルにおいて、その実体データが記載されたアドレスを過ぎてポインタ233fが更新されたことを意味する。
そこで、表示データテーブルバッファ233dに格納されている表示データテーブルがデモ表示データテーブルであるか否かを判別して(S3203)、デモ表示データテーブルであれば(S3203:Yes)、表示データテーブルバッファ233dに設定されているデモ表示データテーブルの演出時間に対応する時間データを計時カウンタ233hに設定し(S3204)、ポインタ233fを1に設定して初期化し(S3205)、本処理を終了し、表示設定処理に戻る。これにより、表示設定処理では、デモ表示データテーブルの先頭から順に描画内容を展開することができるので、第3図柄表示装置81には、デモ演出を繰り返し表示させることができる。
一方、S3203の処理において、表示データテーブルバッファ233dに格納されている表示データテーブルがデモ表示データテーブルでないと判別された場合は(S3203:No)、ポインタ233fの値を1だけ減算して(S3206)、本処理を終了し、表示設定処理に戻る。これにより、表示設定処理では、表示データテーブルバッファ233dにデモ表示データテーブル以外の表示データテーブル、例えば、変動表示データテーブルが設定されている場合は、End情報が記載された1つ前のアドレスの描画内容が常に展開されるので、第3図柄表示装置81には、その表示データテーブルで規定される最後の画像を停止させた状態で表示させることができる。一方、S3202の処理において、更新後のポインタ233fで示されるアドレスのデータがEnd情報でなければ(S3202:No)、本処理を終了し、表示設定処理に戻る。
ここで、図49に戻り説明を続ける。ポインタ更新処理の後、表示データテーブルバッファ233dに設定されている表示データテーブルから、ポインタ更新処理によって更新されたポインタ233fで示されるアドレスの描画内容を展開する(S3006)。タスク処理では、先に展開された警告画像などと共に、S3006の処理で展開された描画内容を元に、画像を構成するスプライト(表示物)の種別を特定すると共に、スプライト毎に、表示座標位置や拡大率、回転角度といった描画に必要な各種パラメータを決定する。
次いで、計時カウンタ233hの値を1だけ減算し(S3007)、減算後の計時カウンタ233hの値が0以下であるか否かを判別する(S3008)。そして、計時カウンタ233hの値が1以上である場合は(S3008:No)、そのまま表示設定処理を終了してV割込処理に戻る。一方、計時カウンタ233hの値が0以下である場合は(S3008:Yes)、表示データテーブルバッファ233dに設定されている表示データテーブルに対応する演出の演出時間が経過したことを意味する。このとき、表示データテーブルバッファ233dに変動表示データテーブルが設定されている場合は、その変動表示を終了すると共に停止表示を行うタイミングであるので、確定表示フラグがオンであるか否かを確認する(S3009)。
その結果、確定表示フラグがオフであれば(S3009:No)、まだ確定表示の演出を行っておらず、確定表示の演出を行うタイミングなので、第3図柄の確定表示を設定するための確定表示設定処理を実行して(S3010)、本処理を終了する。
この確定表示設定処理(S3010)の詳細について、図52を参照して説明する。図52は、この確定表示設定処理(S3010)を示すフローチャートである。
確定表示設定処理では、まず、背面画像判別フラグを読み出して(S3301)、現在設定されている背面種別が時間演出に対応する背面であるか否かを判別する(S3302)。そして、時間演出に対応する背面でないと判別した場合は(S3302:No)、通常態様の確定表示データテーブルをデータテーブル格納エリア233bの確定表示演出用テーブル格納エリアから読み出して表示データテーブルバッファ233dに設定し(S3303)、次いで、転送データテーブルバッファ233eにNullデータを書き込むことで、その内容をクリアする(S3304)。そして、確定表示データテーブルの演出時間に対応する時間データを計時カウンタ233hに設定し(S3305)、処理をS3309へと移行する。
一方、S3302の処理において、現在設定されている背面種別が時間演出に対応する背面であると判別した場合は(S3302:Yes)、第3図柄を縮小して表示させる態様(図9(a)参照)の確定表示データテーブルをデータテーブル格納エリア233bの確定表示演出用テーブル格納エリアから読み出して表示データテーブルバッファ233dに設定し(S3306)、次いで、転送データテーブルバッファ233eにNullデータを書き込むことで、その内容をクリアする(S3307)。そして、確定表示データテーブルの演出時間に対応する時間データを計時カウンタ233hに設定し(S3308)、処理をS3309へと移行する。第3図柄を縮小して表示させる態様の確定表示データテーブルを表示データテーブルバッファ233dに対して設定することにより、時間演出中に第3図柄表示装置81に表示される犬のキャラクタ740等の画像(図8、図9参照)が第3図柄により妨げられてしまうことを抑制することができる。
S3309の処理では、ポインタ233fの値を0に初期化する(S3309)。そして、オン状態で確定表示演出中であることを示す確定表示フラグをオンに設定した後(S3310)、停止図柄判別フラグの内容をそのままワークRAM233に設けられた前回停止図柄判別フラグにコピーして(S3311)、V割込処理に戻る。
これにより、表示データテーブルバッファ233dに変動表示データテーブルが設定されている場合などにおいて、その演出の終了に合わせて、変動演出における停止図柄の確定表示演出が第3図柄表示装置81に表示されるように、その描画内容を設定することができる。また、表示データテーブルバッファ233bに設定される表示データテーブルを確定表示データテーブルに変更するだけで、容易に、第3図柄表示装置81に表示させる演出を確定表示演出に変更することができる。そして、従来のように、別のプログラムを起動させることによって表示内容を変更する場合と比較して、プログラムが複雑かつ肥大化することなく、よって、MPU231に多大な負荷がかかることがないので、表示制御装置114の処理能力に関係なく、多種態様な演出画像を第3図柄表示81に表示させることができる。
なお、S3311の処理によって設定された前回停止図柄判別フラグは、次に行われる変動演出において第3図柄表示装置81に表示すべき第3図柄を特定するために用いられる。即ち、上述したように、変動演出における第3図柄の表示は、1つ前に行われた変動演出の停止図柄に応じて変わるためであり、変動表示データテーブルでは、そのデータテーブルに基づく変動が開始されてから所定時間経過するまでは、1つ前に行われた変動演出の停止図柄からの図柄オフセット情報が記載されている。タスク処理(S2104)では、変動が開始されてから所定時間が経過するまで、S3311の処理によって設定された前回停止図柄判別フラグから、1つ前に行われた変動演出の停止図柄を特定すると共に、その特定した停止図柄に対して表示設定処理により取得された図柄オフセット情報を加算することによって、実際に表示すべき第3図柄を特定する。これにより、1つ前の変動演出における停止図柄から変動演出が開始される。
図49に戻って説明を続ける。S3009の処理において、確定表示フラグがオンであれば(S3009:Yes)、デモ演出の表示態様を設定するためのデモ表示設定処理を実行し(S3011)、本処理を終了する。このデモ表示設定処理の詳細について、図53を参照して説明する。
図53は、デモ表示設定処理を示すフローチャートである。このデモ表示設定処理では、まず、デモ表示フラグがオンであるか否かを判別する(S3401)。そして、デモ表示フラグがオフであれば(S3401:No)、確定表示演出の終了に伴って計時カウンタ233hの値が0以下になったことを意味するので、背面画像判別フラグを読み出して(S3402)、現在設定されている背面種別が時間演出に対応する背面種別であるか否かを判別する(S3403)。S3403の処理において現在設定されているのが時間演出用の背面でないと判別した場合は(S3403:No)、データテーブル格納エリア233bのデモ演出用テーブル格納エリアから、通常演出期間中のデモ表示データテーブルを読み出して、表示データテーブルバッファ233dに設定し(S3404)、次いで、転送データテーブルバッファ233eにNullデータを書き込むことで、その内容をクリアする(S3405)。そして、デモ表示データテーブルの演出時間に対応する時間データを計時カウンタ233hに設定し(S3406)、処理をS3410へと移行する。
一方、S3403の処理において、現在設定されている背面種別が時間演出に対応する背面種別であると判別した場合は(S3403:Yes)、データテーブル格納エリア233bのデモ演出用テーブル格納エリア(図17参照)から、時間演出期間中のデモ表示データテーブルを読み出して、表示データテーブルバッファ233dに設定する(S3407)。なお、上述した通り、時間演出中のデモ演出としては、デモ画像が何ら表示されない態様となり、時間演出用の画像が第3図柄表示装置81の全画面に表示される。よって、パチンコ機10において遊技を行っているか否かに関わらず、全てのパチンコ機10に対して時間演出を明確に表示させることができるので、複数のパチンコ機10によって統一感のある演出を実行することができる。なお、時間演出期間中に表示される画像の妨げとならなければ、デモ画像を表示してもよい。例えば、デモ画像を時間演出中に変動演出が縮小して表示される小表示領域780(図8(a)参照)にのみ表示されるように構成してもよい。これにより、デモ演出によって時間演出の画像が遮蔽されてしまうことを防止(抑制)しつつ、遊技を行う台を探している遊技者に対し、パチンコ機10において遊技が行われていないことを容易に認識させることができる。
S3407の処理が終了すると、次いで、転送データテーブルバッファ233eにNullデータを書き込むことで、その内容をクリアする(S3408)。そして、デモ表示データテーブルの演出時間に対応する時間データを計時カウンタ233hに設定し(S3409)、処理をS3410へと移行する。
S3406、またはS3409の処理が終了した後で実行されるS3410の処理では、ポインタ233fを0に初期化し(S3410)、オン状態でデモ演出中であることを示すデモ表示フラグをオンに設定して(S3411)、本処理を終了してV割込処理に戻る。
これにより、第3図柄の確定表示を開始してから所定時間(例えば、15秒間)が経過しても、次の変動演出開始を示す表示用変動パターンコマンド、または、表示用オープニングコマンドを受信しなかった場合には、自動的に、第3図柄表示装置81にデモ演出が表示されるように、その描画内容を設定することができる。
S3401の処理において、デモ表示フラグがオンであると判別した場合は(S3401:Yes)、確定表示演出が終了した後にデモ演出が行われ、そのデモ演出が終了したことを意味するので、そのまま表示設定処理を終了し、V割込処理に戻る。そして、この場合、次回のV割込処理の中で実行されるポインタ更新処理によって、上述したように、再びデモ演出が開始されるように、各種設定が行われるので、音声ランプ制御装置113より新たな表示用変動パターンコマンドを受信するまでは、デモ演出を繰り返し第3図柄表示装置81に表示させることができる。
なお、V割込処理(図42(b)参照)において簡易画像表示フラグ233cがオンの場合に実行される簡易表示設定処理(S2109)でも、表示設定処理と同様の処理が行われる。ただし、簡易表示設定処理では、電源投入時変動画像による変動演出の演出時間が終了した後、所定時間、表示用停止種別コマンドに基づいて設定された停止図柄に応じた電源投入時変動画像の一方の画像を停止表示させることを規定した表示データテーブルを、表示データテーブルバッファ233dに設定する処理が行われる。
次いで、図54、および図55を参照して、表示制御装置114のMPU231で実行されるV割込処理の一処理である上述の転送設定処理(S2105)の詳細について説明する。まず、図54(a)は、この転送設定処理を示すフローチャートである。
この転送設定処理では、まず、簡易画像表示フラグ233cがオンか否かを判別する(S3501)。そして、簡易画像表示フラグ233cがオンであれば(S3501:Yes)、常駐用ビデオRAM235に常駐すべき全ての画像データがキャラクタROM234から常駐用ビデオRAM235に転送されていないので、常駐画像転送設定処理を実行して(S3502)、転送設定処理を終了し、V割込処理へ戻る。これにより、画像コントローラ237に対して、常駐用ビデオRAM235に常駐すべき画像データをキャラクタROM234から常駐用ビデオRAM235へ転送させるための転送指示が設定される。なお、常駐画像転送設定処理の詳細については、図54(b)を参照して後述する。
一方、S3501の処理の結果、簡易画像表示フラグ233cがオンではない、即ち、オフであれば、(S3501:No)、常駐用ビデオRAM235に常駐すべき全ての画像データがキャラクタROM234から常駐用ビデオRAM235に転送されている。この場合は、通常画像転送設定処理を実行し(S3503)、転送設定処理を終了して、V割込処理へ戻る。これにより、以後のキャラクタROM234からの画像データの転送は、通常用ビデオRAM236に対して行われるように転送指示が設定される。なお、通常画像転送設定処理の詳細については、図55を参照して後述する。
次いで、図54(b)を参照して、表示制御装置114のMPU231で実行される転送設定処理(S2105)の一処理である常駐画像転送設定処理(S3502)について説明する。図54(b)は、この常駐画像転送設定処理(S3502)を示すフローチャートである。
この常駐画像転送設定処理では、まず、画像コントローラ237に対して、未転送の画像データの転送指示をしているか否かを判別し(S3601)、転送指示を送信していれば(S3601:Yes)、更に、その転送指示に基づき画像コントローラ237により行われる画像データの転送処理が終了したか否かを判別する(S3602)。このS3602の処理では、画像コントローラ237に対して画像データの転送指示を行った後、画像コントローラ237から、転送処理の終了を示す転送終了信号を受信した場合に、転送処理が終了したと判断する。そして、S3602の処理により、転送処理が終了していないと判別される場合(S3602:No)、画像コントローラ237において画像の転送処理が継続して行われているので、この常駐画像転送設定処理を終了する。一方、転送処理が終了したと判別される場合(S3602:Yes)、S3603の処理へ移行する。また、S3601の処理の結果、画像コントローラ237に対して、未転送の画像データの転送指示を送信していない場合も(S3601:No)、S3603の処理へ移行する。
S3603の処理では、常駐用ビデオRAM235に常駐すべき全ての常駐対象画像データを転送したか否かを判別し(S3603)、未転送の常駐対象画像データがあれば(S3603:No)、その未転送の常駐対象画像データをキャラクタROM234から常駐用ビデオRAM235へ転送するように、画像コントローラ237に対する転送指示を設定し(S3604)、常駐画像転送設定処理を終了する。
これにより、描画処理において画像コントローラ237に対して送信される描画リストに、未転送の常駐対象画像データに関する転送データ情報が含められることになり、画像コントローラ237は、その描画リストに記載された転送データ情報を基に、常駐対象画像データをキャラクタROM234から常駐用ビデオRAM236へ転送することができる。なお、転送データ情報には、常駐対象画像データが格納されているキャラクタROM234の先頭アドレスと最終アドレス、転送先の情報(この場合は、常駐用ビデオRAM235)、及び転送先(ここで転送される常駐対象画像データを格納すべき常駐用ビデオRAM235に設けられたエリア)の先頭アドレスが含められる。画像コントローラ237は、この転送データ情報に基づいて画像転送処理を実行し、転送処理で指定された画像データをキャラクタROM234から読み出して一旦バッファRAM237aに格納した後、常駐用ビデオRAM236の未使用期間中に、常駐用ビデオRAM236の指定されたアドレスに転送する。そして、転送が完了すると、MPU231に対して、転送終了信号を送信する。
S3603の処理の結果、全ての常駐対象画像データが転送されていれば(S3603:Yes)、簡易画像表示フラグ233cをオフに設定して(S3605)、常駐画像転送設定処理を終了する。これにより、V割込処理(図42(b)参照)において、簡易コマンド判定処理(図42(b)のS2108参照)および簡易表示設定処理(図42(b)のS2109参照)ではなく、コマンド判定処理(図43〜図48参照)、および表示設定処理(図49〜図53参照)が実行されるので、通常時の画像の描画が設定されることになり、第3図柄表示装置81には通常時の画像が表示される。また、以後のキャラクタROM234からの画像データの転送は、通常画像転送設定処理(図55参照)により、通常用ビデオRAM236に対して行われる(図54(a)のS3501:No参照)。
MPU231は、この常駐画像転送設定処理を実行することにより、既にメイン処理の中で転送されている電源投入時主画像および電源投入時変動画像を除く、常駐用ビデオRAM235に常駐すべき全ての常駐対象画像データをキャラクタROM234から常駐用ビデオRAM235に対して転送することができる。そして、MPU231は、常駐用ビデオRAM235に転送された画像データを、電源投入中、上書きすることなく保持され続けるよう制御する。これにより、常駐画像転送設定処理によって常駐用ビデオRAM235に転送された画像データは、電源投入中、常駐用ビデオRAM235に常駐されることになる。
よって、常駐用ビデオRAM235に常駐すべき全ての画像データが常駐用ビデオRAM235に転送された後、表示制御装置114は、この常駐用ビデオRAM235に常駐された画像データを使用しながら、画像コントローラ237にて画像の描画処理を行うことができる。これにより、描画処理に使用する画像データが常駐用ビデオRAM235に常駐されていれば、画像描画時に読み出し速度の遅いNAND型フラッシュメモリ234aで構成されたキャラクタROM234から対応する画像データを読み出す必要がないため、その読み出しにかかる時間を省略でき、画像の描画を即座に行って第3図柄表示装置81に描画した画像を表示することができる。
特に、常駐用ビデオRAM235には、背面画像や、第3図柄、キャラクタ図柄、エラーメッセージといった、頻繁に表示される画像の画像データや、主制御装置110、音声ランプ制御装置113や表示制御装置114などによって表示が決定された後、即座に表示すべき画像の画像データを常駐させるので、キャラクタROM234をNAND型フラッシュメモリ234aで構成しても、遊技者によって任意のタイミングで行われる種々の操作から、第3図柄表示装置81に何らかの画像を表示させるまでの応答性を高く保つことができる。
次いで、図55を参照して、表示制御装置114のMPU231で実行される転送設定処理(S2105)の一処理である通常画像転送設定処理(S3503)について説明する。図55は、この通常画像転送設定処理(S3503)を示すフローチャートである。
この通常画像転送設定処理では、まず、転送データテーブルバッファ233eに設定されている転送データテーブルから、先に実行された表示設定処理(S2103)のポインタ更新処理(S3005)によって更新されたポインタ233fで示されるアドレスに記載された情報を取得する(S3701)。そして、取得した情報が転送データ情報であるか否かを判別し(S3702)、転送データ情報であれば(S3702:Yes)、その転送データ情報から、転送対象画像データが格納されているキャラクタROM234の先頭アドレス(格納元先頭アドレス)と最終アドレス(格納元最終アドレス)、及び、転送先(通常用ビデオRAM236)の先頭アドレスを抽出して、ワークRAM233に設けられた転送データバッファに格納し(S3703)、更に、ワークRAM233に設けられ、オン状態で転送開始すべき画像データが存在することを示す転送開始フラグをオンに設定して(S3704)、S3705の処理へ移行する。
また、S3702の処理において、取得した情報が転送データ情報ではなく、Nullデータであれば(S3702:No)、S3703、およびS3704の処理をスキップして、S3705の処理へ移行する。S3705の処理では、画像コントローラ237に対して、前回行われた画像データの転送が終了した後に、新たに画像データの転送指示を設定したか否かを判別し(S3705)、転送指示を設定していれば(S3705:Yes)、更に、その転送指示に基づき画像コントローラ237により行われる画像データの転送が終了したか否かを判別する(S3706)。
このS3706の処理では、画像コントローラ237に対して画像データの転送指示を設定した後、画像コントローラ237から、転送処理の終了を示す転送終了信号を受信した場合に、転送処理が終了したと判断する。そして、S3706の処理により、転送処理が終了していないと判別される場合(S3706:No)、画像コントローラ237において画像の転送処理が継続して行われているので、この通常画像転送設定処理を終了する。一方、転送処理が終了したと判別される場合(S3706:Yes)、S3707の処理へ移行する。また、S3705の処理の結果、前回の転送処理の終了後に、画像コントローラ237に対して画像データの転送指示を設定していない場合も(S3705:No)、S3707の処理へ移行する。
S3707の処理では、転送開始フラグがオンか否かを判別し(S3707)、転送開始フラグがオンであれば(S3707:Yes)、転送開始すべき画像データが存在しているので、転送開始フラグをオフにし(S3708)、S3703の処理によって転送データバッファに格納した各種情報によって示されるスプライトの画像データを転送対象画像データに設定した上で、S3713の処理へ移行する。一方、転送開始フラグがオンではなく、オフであれば(S3707:No)、次いで、背面画像変更フラグはオンか否かを判別する(S3709)。そして、背面画像変更フラグがオンではなく、オフであれば(S3709:No)、転送開始すべき画像データが存在していないので、そのまま通常画像転送設定処理を終了する。
一方、背面画像変更フラグがオンであれば(S3709:Yes)、背面画像の変更を意味するので、背面画像変更フラグをオフに設定した後(S3710)、背面画像種別毎に設けられた背面画像判別フラグのうち、オン状態にある背面画像判別フラグに対応する背面画像の画像データを特定し、その画像データを転送対象画像データに設定する(S3711)。更に、オン状態にある背面画像判別フラグに対応する背面画像の画像データが格納されているキャラクタROM234の先頭アドレス(格納元先頭アドレス)と最終アドレス(格納元最終アドレス)、及び、転送先(通常用ビデオRAM236)の先頭アドレスを取得し(S3712)、S3713の処理へ移行する。
なお、オン状態にある背面画像判別フラグが背面Aのものである場合、対応する画像データは全て常駐用ビデオRAM235の背面画像エリア235cに常駐されているので、通常用ビデオRAM236に転送すべき画像データが存在しない。よって、S3711の処理では、オン状態にある背面画像判別フラグが背面Aのものであれば、そのまま通常画像転送処理を終了する。
S3713の処理では、転送対象画像データが通常用ビデオRAM236に既に格納されているか否かを判別する(S3713)。このS3713の処理における判別では、格納画像データ判別フラグ233iを参照することによって行われる。即ち、転送対象画像データとされたスプライトに対応する格納状態を格納画像データ判別フラグ233iより読み出して、その格納状態が「オン」であれば、転送対象となったスプライトの画像データが通常用ビデオRAM236に格納されていると判断し、格納状態が「オフ」であれば、転送対象となったスプライトの画像データが通常用ビデオRAM236に格納されていないと判断する。
そして、S3713の処理の結果、転送対象画像データが通常用ビデオRAM236に格納されていれば(S3713:Yes)、キャラクタROM234から通常用ビデオRAM236に対して、その画像データを転送する必要がないので、そのまま通常画像転送設定処理を終了する。これにより、無駄に画像データがキャラクタROM234から通常用ビデオRAM236に対して転送されるのを抑制することができ、表示制御装置114の各部における処理負担の軽減や、バスライン240におけるトラフィックの軽減を図ることができる。
一方、S3713の処理の結果、転送対象画像データが通常用ビデオRAM236に格納されていなければ(S3713:No)、その転送対象画像データの転送指示を設定する(S3714)。これにより、描画処理において画像コントローラ237に対して送信される描画リストに、転送対象画像データの転送データ情報が含められることになり、画像コントローラ237は、その描画リストに記載された転送データ情報を基に、転送対象画像の画像データをキャラクタROM234から通常用ビデオRAM236へ転送することができる。なお、転送データ情報には、転送対象画像の画像データが格納されているキャラクタROM234の先頭アドレスと最終アドレス、転送先の情報(この場合は、通常用ビデオRAM236)、及び転送先(ここで転送される転送対象画像の画像データを格納すべき通常用ビデオRAM236の画像格納エリア236aに設けられたサブエリア)の先頭アドレスが含められる。画像コントローラ237は、この転送データ情報に基づいて画像転送処理を実行し、転送処理で指定された画像データをキャラクタROM234から読み出して、指定されたビデオRAM(ここでは、通常用ビデオRAM236)の指定されたアドレスに転送する。そして、転送が完了すると、MPU231に対して、転送終了信号を送信する。
S3714の処理の後、格納画像データ判別フラグ233iを更新し(S3715)、この通常用転送設定処理を終了する。格納画像データ判別フラグ233iの更新は、上述したように、転送対象画像データとなったスプライトに対応する格納状態を「オン」に設定し、また、その一のスプライトと同じ画像格納エリア236aのサブエリアに格納されることになっているその他のスプライトに対応する格納状態を「オフ」に設定することによって行われる。
このように、この通常用画像転送処理を実行することによって、先に実行されたコマンド判定処理の中で、表示用停止種別コマンドに対応する処理が実行され、その結果、表示用停止種別コマンドによって示される停止種別情報が大当たりの停止種別であると判別された場合は、ファンファーレ演出において使用する画像データを遅滞なくキャラクタROM234から通常用ビデオRAM236に転送させることができる。また、先に実行されたコマンド判定処理の中で背面画像変更コマンドの受信に基づいて背面画像の変更が行われた場合は、その背面画像で用いられる画像データのうち、常駐用ビデオRAM235の背面画像エリア235cに格納されていない画像データを、遅滞なく、キャラクタROM234から通常用ビデオRAM236に転送させることができる。
また、本実施形態では、主制御装置110からのコマンド等に基づき音声ランプ制御装置113から送信されるコマンド(例えば、表示用変動パターンコマンド)等に応じて、表示データテーブルが表示データテーブルバッファ233dに設定されるのに合わせて、その表示データテーブルに対応する転送データテーブルが転送データテーブルバッファ233eに設定される。そして、MPU231は、通常画像転送設定処理を実行することにより、転送データテーブルバッファ233eに設定された転送データテーブルのポインタ233fで示されるエリアに記載されている転送データ情報に従って、画像コントローラ237に対し転送対象画像データの転送指示を設定するので、表示データテーブルバッファ233dに設定された表示データテーブルで用いられるスプライトの画像データを、所望のタイミングで確実にキャラクタROM234から通常用ビデオRAM236へ転送することができる。
ここで、表示データテーブルに従って所定のスプライトの描画が開始されるまでに、その所定のスプライトに対応する画像データが画像格納エリア236aに格納されるように、転送データテーブルでは、転送対象画像データの転送データ情報が所定のアドレスに対して規定されているので、この転送データテーブルに規定された転送データ情報に従って、画像データをキャラクタROM234から画像格納エリア236aに転送することにより、表示データテーブルに従って所定のスプライトを描画する場合に、そのスプライトの描画に必要な常駐用ビデオRAM235に常駐されていない画像データを、必ず画像格納エリア236aに格納させておくことができる。
これにより、読み出し速度の遅いNAND型フラッシュメモリ234aによってキャラクタROM234を構成しても、遅滞なく表示に必要な画像を予めキャラクタROM234から読み出し、通常用ビデオRAM236へ転送しておくことができるので、表示データテーブルで指定された各スプライトの画像を描画しながら、対応する演出を第3図柄表示装置81に表示させることができる。また、転送データテーブルの記載によって、常駐用ビデオRAM235に非常駐の画像データだけを容易に且つ確実にキャラクタROM234から通常用ビデオRAM236へ転送することができる。
また、転送データテーブルでは、スプライトに対応する画像データ毎にキャラクタROM234から通常用ビデオRAM236へ画像データが転送されるように、その転送データ情報を規定する。これにより、その画像データの転送をスプライト毎に管理し、また、制御することができるので、その転送に係る処理を容易に行うことができる。そして、スプライト単位でキャラクタROM234から通常用ビデオRAM236への画像データの転送を制御することにより、その処理を容易にしつつ、詳細に画像データの転送を制御できる。よって、転送にかかる負荷の増大を効率よく抑制することができる。
次いで、図56を参照して、表示制御装置114のMPU231で実行されるV割込処理の一処理である上述の描画処理(S2106)の詳細について説明する。図56は、この描画処理を示すフローチャートである。
描画処理では、タスク処理(S2104)で決定された1フレームを構成する各種スプライトの種別ならびにそれぞれのスプライトの描画に必要なパラメータ(表示位置座標、拡大率、回転角度、半透明値、αブレンディング情報、色情報、フィルタ指定情報)、および転送設定処理(S2105)により設定された転送指示から、図22に示す描画リストを生成する(S3801)。即ち、S3801の処理では、タスク処理(S2104)で決定された1フレームを構成する各種スプライトの種別から、スプライト毎に、そのスプライトの画像データが格納されている格納RAM種別とアドレスとを特定し、その特定された格納RAM種別とアドレスとに対して、タスク処理で決定されたそのスプライトに必要なパラメータを対応付ける。そして、各スプライトを、1フレーム分の画像の中で最も背面側に配置すべきスプライトから前面側に配置すべきスプライト順に並び替えた上で、その並び替え後のスプライト順に、それぞれのスプライトに対する詳細な描画情報(詳細情報)として、スプライトの画像データが格納されている格納RAM種別ならびにアドレスおよびそのスプライトの描画に必要なパラメータを記述することで、描画リストを生成する。また、転送設定処理(S2105)により転送指示が設定された場合は、その描画リストの末尾に、転送データ情報として、転送対象画像データが格納されているキャラクタROM234の先頭アドレス(格納元先頭アドレス)と最終アドレス(格納元最終アドレス)、及び、転送先(通常用ビデオRAM236)の先頭アドレスを追記する。
なお、上述したように、スプライト毎に、そのスプライトの画像データが格納される常駐用ビデオRAM235のエリア、または通常用ビデオRAM236の画像格納エリア236aのサブエリアが固定されているので、MPU231は、スプライト種別に応じて、そのスプライトの画像データが格納されている格納RAM種別とアドレスとを即座に特定し、それらの情報を描画リストの詳細情報に容易に含めることができる。
描画リストを生成すると、その生成した描画リストと、描画対象バッファフラグ233jによって特定される描画対象バッファ情報とを画像コントローラへ送信する(S3802)。ここでは、描画対象バッファフラグ233jが0である場合は、描画対象バッファ情報として第1フレームバッファ236bに描画された画像を展開するよう指示する情報を含め、描画対象バッファフラグ233jが1である場合は、描画対象バッファ情報として第2フレームバッファ236cに描画された画像を展開するよう指示する情報を含める。
画像コントローラ237は、MPU231より受信した描画リストに基づいて、その描画リストの先頭に記述されたスプライトから順に画像を描画し、それを描画対象バッファ情報によって指示されたフレームバッファに上書きによって展開する。これにより、描画リストによって生成された1フレーム分の画像において、最初に描画したスプライトが最も背面側に配置させ、最後に描画したスプライトが最も前面側に配置させることができる。
また、描画リストに転送データ情報が含まれている場合は、その転送データ情報から、転送対象画像データが格納されているキャラクタROM234の先頭アドレス(格納元先頭アドレス)と最終アドレス(格納元最終アドレス)、及び、転送先(通常用ビデオRAM236)の先頭アドレスを抽出し、その格納元先頭アドレスから格納元最終アドレスまでに格納された画像データを順にキャラクタROM234から読み出してバッファRAM237aに一時的に格納した後、通常用ビデオRAM236が未使用状態にあるときを見計らって、バッファRAM237aに格納した画像データを通常用ビデオRAM236の転送先先頭アドレスによって示されるエリアに順次転送する。そして、この通常用ビデオRAM236に格納された画像データは、その後にMPU231より送信される描画リストに基づいて使用され、描画リストに従った画像の描画が行われる。
なお、画像コントローラ237は、描画対象バッファ情報によって指示されたフレームバッファとは異なるフレームバッファから、先に展開された画像の画像情報を読み出して、駆動信号と共にその画像情報を第3図柄表示装置81に送信する。これにより、第3図柄表示装置81に対して、フレームバッファに展開した画像を表示させることができる。また、一方のフレームバッファに描画した画像を展開しながら、一方のフレームバッファから展開した画像を第3図柄表示81に表示させることができ、描画処理と表示処理とを同時並列的に処理することができる。
描画処理は、S3802の処理の後、描画対象バッファフラグ233jを更新する(S3803)。そして、描画処理を終了して、V割込処理に戻る。描画対象バッファフラグ233jの更新は、その値を反転させることにより、即ち、値が「0」であった場合は「1」に、「1」であった場合は「0」に設定することによって行われる。これにより、描画対象バッファは、描画リストが送信される度に、第1フレームバッファ236bと第2フレームバッファ236cとの間で交互に設定される。
ここで、描画リストの送信は、1フレーム分の画像の描画処理および表示処理が完了する20ミリ秒毎に画像コントローラ237から送信されるV割込信号に基づいて、MPU231により実行されるV割込処理(図42(b)参照)の描画処理が実行される度に、行われることになる。これにより、あるタイミングで、1フレーム分の画像を展開するフレームバッファとして第1フレームバッファ236bが指定され、1フレーム分の画像情報が読み出されるフレームバッファとして第2フレームバッファ236cが指定されて、画像の描画処理および表示処理が実行されると、1フレーム分の画像の描画処理が完了する20ミリ秒後に、1フレーム分の画像を展開するフレームバッファとして第2フレームバッファ236cが指定され、1フレーム分の画像情報が読み出されるフレームバッファとして第1フレームバッファ236bが指定される。よって、先に第1フレームバッファ236bに展開された画像の画像情報が読み出されて第3図柄表示装置81に表示させることができると同時に、第2フレームバッファ236cに新たな画像が展開される。
そして、更に次の20ミリ秒後には、1フレーム分の画像を展開するフレームバッファとして第1フレームバッファ236bが指定され、1フレーム分の画像情報が読み出されるフレームバッファとして第2フレームバッファ236cが指定される。よって、先に第2フレームバッファ236cに展開された画像の画像情報が読み出されて第3図柄表示装置81に表示させることができると同時に、第1フレームバッファ236bに新たな画像が展開される。以後、1フレーム分の画像を展開するフレームバッファと、1フレーム分の画像情報が読み出されるフレームバッファとを、20ミリ秒毎に、それぞれ第1フレームバッファ236bおよび第2フレームバッファ236cのいずれかを交互に指定することによって、1フレーム分の画像の描画処理を行いながら、1フレーム分の画像の表示処理を20ミリ秒単位で連続的に行わせることができる。
以上、説明したように、本実施形態のパチンコ機10では、RTC292の時刻情報(計時情報)に基づいて、通常時に実行される演出とは異なる態様の時間演出を第3図柄表示装置81において実行可能に構成されている。この時間演出は、1時間毎に実行され、3分間継続する演出である。1時間のうちの3分間しか実行されないので、時間演出を実行することにより遊技者に対して目新しさを感じさせることができる。よって、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができる。
また、時間演出を決められた間隔(1時間毎)で実行するように構成しているので、遊技者に対して時間演出の実行期間を狙って遊技を行わせたり、時間演出の開始間近で遊技を辞めようとしていた遊技者に対して、次の時間演出が終了するまで遊技を継続し、時間演出を楽しみたいと思わせたりすることができる。よって、パチンコ機10の稼働率を向上させることができる。
この時間演出は、パチンコ機10に対して電源を投入してからの経過時間に基づいて実行されるように構成されている。よって、ホールに設置されている複数のパチンコ機10に対して同じタイミングで電源を投入することにより、時間演出の開始タイミング、および終了タイミングを一致させることができる。よって、各パチンコ機10において実行される表示演出に統一感を持たせることができる。
また、時間演出の開始タイミングでは、遊技者に対して告知画像750(図6(b)参照)が第3図柄表示装置81に表示されるように構成されている。ここで、時間演出は電源投入からの経過時間に応じて実行される。即ち、変動演出等の他の表示演出の状況とは無関係に実行される。よって、通常演出期間と時間演出期間とで、変動演出等の他の表示演出の態様を共通としてしまうと、告知画像750や、時間演出中に表示されるキャラクタ等が第3図柄やデモ画像等で遮蔽されてしまい、遊技者に対して最も見せたい演出の一つである時間演出が遊技者にとって視認困難な状態となってしまう虞がある。
これに対して本実施形態では、変動演出が開始されるまでの残時間を判別し、残時間に応じて、時間演出中に実行される演出の邪魔にならないような態様の変動演出の態様を選択するように構成されている。例えば、時間演出中に変動演出が開始される場合には第3図柄を縮小して第3図柄表示装置81の右下部分に表示させることにより、第3図柄表示装置81の中央部分に表示される犬のキャラクタ740を遮蔽することなく、変動演出を実行することができる(図8(a),(b)参照)。
また、本実施形態では、第3図柄の確定表示中や、デモ演出の実行中に、時間演出の実行期間となった場合に、表示されている第3図柄、またはデモ画像を消去するように構成されている。つまり、主表示領域Dmにおいて、告知画像750(図6(b)参照)を、他の画像に何ら遮蔽されずに表示させることができる。よって、最も遊技者に見せたい演出の一つである時間演出が開始したことを遊技者に対して明確に認識させることができる。
また、単純に時間演出中と通常時とで第3図柄が表示される領域の大きさを切り替える場合に比較して、より自由度の高い表示演出を実行することができる。仮に、通常時は主表示領域Dmの全体に第3図柄の変動表示や確定表示を行い、時間演出期間は小表示領域780で第3図柄の変動表示や確定表示を行うように構成すると、時間演出中は常に小表示領域780に対して第3図柄、またはデモ画像が表示されることとなる。即ち、時間演出中の表示演出に用いることができない領域が生じてしまう。これに対して本実施形態では、小表示領域780も含んだ表示領域に告知画像750を表示させることができるので(図6(b)参照)、より広い表示領域を用いて自由度の高い表示演出を実行することができる。
本実施形態では、時間演出の態様として、犬のキャラクタ740が様々な動作を行う演出が行われるように構成しているが、時間演出の態様は本実施形態の態様に限られるものではない。通常時とは異なる特別な態様で演出が実行されるように構成されていれば、演出内容は任意に定めてもよい。例えば、キャラクタではなく、第3図柄の表示態様を変更してもよいし、通常とは異なる音声演出やランプ演出を実行するように構成してもよい。また、時間演出の実行期間中に大当たりとなることにより、通常時に大当たりとなった場合とは異なる特別な演出が行われるように構成してもよい。通常時とは異なる特別な態様の演出が実行される時間演出期間を設けておくことで、パチンコ機10において実行される演出が単調となってしまうことを抑制することができる。よって、遊技者が演出に飽きてしまうことを抑制することができるので、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができる。また、特別な態様の演出を時間演出期間にのみ実行することで、遊技者に対して時間演出期間に遊技を行わせたいと感じさせることができる。よって、パチンコ機10の稼働率を向上させることができる。
本実施形態では、変動演出を実行する際に、変動開始直後(変動開始後1秒以内)、または変動終了前後1秒以内に、時間演出の開始タイミングとなる場合は、主表示領域Dmの右下に特別図柄の変動演出を縮小表示することにより告知画像750(図6(b)参照)を遊技者が明確に視認できるように構成している。一方、第3図柄の変動期間と、告知画像750(図6(b)参照)の表示期間とが重複すると判断した場合は、変動中の第3図柄を半透明な態様で表示するように構成することで、告知画像750(図6(b)参照)を遊技者が明確に視認できるように構成している。しかしこれを、変動演出の実行期間、および変動終了後の1秒間の停止表示期間が時間演出期間と重複する場合は、一律に主表示領域Dmの右下に特別図柄の変動演出を縮小表示する態様としてもよい。上述した通り、変動中に第3図柄を半透明な態様で表示させる場合、変動停止前後の1秒は第3図柄を通常の態様(図6(a)参照)で主表示領域Dmに表示させるように構成されているため、変動停止前後の1秒に、犬のキャラクタ740が見え難くなってしまう。これに対して、一律に第3図柄を縮小表示するように構成すれば、告知画像750(図6(b)参照)だけでなく、時間演出中に表示される犬のキャラクタ740が第3図柄によって遮蔽されることを防止(抑制)することができる。
本実施形態では、第3図柄の停止表示が1秒以上行われている確定表示状態の場合(つまり、前回の変動終了時に保留球がなく、第1入球口64への新たな入球もない場合)、または、デモ演出中に時間演出の開始タイミングとなった場合は、停止表示されている第3図柄、またはデモ画像を消去することで告知画像750(図6(b)参照)を遊技者が明確に認識できるように構成しているが、これに限られるものではない。例えば、時間演出期間中は、描画処理(図56参照)において描画リスト(図22参照)を生成する際に、確定表示中の第3図柄やデモ画像を、1フレームの画像の中で、背面画像よりも背面側に配置すべきスプライトとして判断するように構成してもよい。これにより、時間演出期間中は、確定表示中の第3図柄や、デモ画像が、その前の階層に配置される背面画像に遮蔽されて見えなくなるので、時間演出中に遊技者に対して最も見せたい演出である犬のキャラクタ740の演出等を遊技者に対して明確に視認させることができる。また、単にスプライトを配置する順番を変更するだけで確定表示中の第3図柄や、デモ画像を見えなくすることができるので、見えにくい態様のデモ画像等を時間演出期間用に別途用意する必要がない。よって、データテーブルの数を削減することができるので、表示制御装置114において、キャラクタROM234やワークRAM233の記憶容量を削減することができる。
本実施形態では、時間演出の開始タイミングとなった場合に確定表示状態の第3図柄を消去するように構成されていたが、第3図柄が消去されることを前もって報知するように構成してもよい。これにより、第3図柄が消去されたとしても、その消去が正常な動作であると認識させることができるので、遊技者が安心して遊技を継続することができる。
本実施形態では、1の変動演出が時間演出の開始タイミングをまたぐか否かに基づいて、選択される変動演出の表示態様を異ならせていたが、保留球が存在し、その保留を消化することにより時間演出の開始タイミングをまたぐと先読みにより判別された場合に、時間演出の前後で演出の態様を変更する用に構成してもよい。即ち、時間演出の開始までの期間を判別し、その期間を1の演出期間に設定して通常の態様で予告演出を行うように構成する(つまり、1又は複数の変動演出の実行期間において、1の演出を設定する)。そして、時間演出の開始タイミング後は、演出開始時に保留されていた残りの変動演出にわたって特別な態様の演出を設定するように構成してもよい。これにより、複数回の変動演出にわたって演出を行うことができ、更に、時間演出の開始前後で演出の態様を変更することができるので、多種多様な演出を実行することができる。よって、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができる。
<第2実施形態>
次に、図57、および図58を参照して、第2実施形態におけるパチンコ機10について説明する。上述した第1実施形態では、第3図柄の停止表示が1秒以上行われている確定表示状態の場合(つまり、前回の変動終了時に保留球がなく、第1入球口64への新たな入球もない場合)に時間演出の開始タイミングとなると、第3図柄の確定表示を消去するように構成されていた。これにより、遊技者に対して最も見せたい画像の一つである、時間演出の開始を告知する表示(告知画像750)が第3図柄の確定表示により遮蔽されて見えにくくなってしまうことを防止(抑制)していた。つまり、告知画像750を遊技者に対して明確に視認させることができるように構成されていた。
また、従来型の遊技機において、液晶表示装置等の表示装置が設けられた遊技機が知られている。この従来型の遊技機では、表示装置において図柄の変動表示が行われ、図柄が予め定められた組み合わせで停止表示されることで、遊技者に有利な大当たり遊技が付与される。また、表示装置には、図柄以外にもキャラクタや風景等の様々な画像が表示される。ここで、従来型の遊技機では、画像を表示させるための優先度が定められており、例えば、大当たりとなるか否かに直接関係する図柄が明確に視認できるように表示され、他の画像は図柄が表示されている表示領域以外の領域に表示される(例えば、特開2003−325886号公報)。
しかしながら、従来の遊技機では、優先度の高い画像が表示されている場合には、他の画像を表示させる表示領域が小さくなってしまうため、他の画像が視認し難くなってしまう場合があった。特に、デモ演出が搭載されている場合には、そのデモ演出が状態に関わらず全画面で表示されてしまうことにより、他の画像が表示されなくなってしまう場合があった。即ち、上記第1実施形態における時間演出等の特殊な演出が設けられていたとしても、従来型の遊技機では時間演出等の遊技者に対して見せたい画像を見せられなくなる虞があった。
これに対して本実施形態では、第3図柄の確定表示を主表示領域Dmの右下部分(小表示領域780)に対して縮小表示させるように構成している。即ち、告知画像750を明瞭に表示させつつ、第3図柄の確定表示も確認可能に構成している。これにより、遊技者が第3図柄の確定表示を時間演出の開始タイミングまで見逃していたとしても、時間演出の開始後に第3図柄の確定表示を確認することができる。また、時間演出の開始タイミングにおいて表示されている画像がデモ画像であった場合は、時間演出の開始に基づいてデモ画像を非表示とすることにより、時間演出をより大きな表示領域で表示させるように構成している。これにより、時間演出の表示タイミングとなった場合に、第3図柄表示装置81に対して表示されている画像の種別(第3図柄の確定表示、またはデモ画像)に応じて、その表示されている画像と、時間演出の表示態様を変更することで、遊技者に対して見せたい演出をより適切に表示させることができる。
この第2実施形態におけるパチンコ機10が第1実施形態におけるパチンコ機10と構成上において相違する点は、表示制御装置114のMPU231により実行される一部処理が第1実施形態におけるパチンコ機10から変更されている点である。その他の構成や、主制御装置110のMPU201によって実行される各種処理、音声ランプ制御装置113のMPU221によって実行される各種処理、表示制御装置114のMPU231によって実行されるその他の処理については、第1実施形態におけるパチンコ機10と同一である。以下、第1実施形態と同一の要素には同一の符号を付し、その図示と説明とを省略する。
まず、図57を参照して、第3図柄の確定表示状態において時間演出の開始タイミングとなった場合における第3図柄表示装置81の表示内容について説明する。図57(a)は、第3図柄の確定表示状態において時間演出が開始される5秒前となった場合の表示内容を示した図である。図57(a)に示す通り、第3図柄が確定表示された状態で時間演出が開始される5秒前となると、第1実施形態と同様に小領域Ds3において「ふれあいタイム5秒前」との文字が表示される。上述した通り、この文字は時間の経過と共に更新され、時間演出の開始タイミングで「0秒」となるように構成されている。
図57(b)は、第3図柄が確定表示されたまま時間演出の開始タイミングになった場合の表示内容を示した図である。図57(b)に示した通り、時間演出の開始タイミングになると、主表示領域Dmに確定表示されていた第3図柄が、主表示領域Dmの右下部分の小表示領域780に縮小表示されると共に、時間演出の開始を告知する表示(告知画像750)が主表示領域Dmに大きく表示される。即ち、告知画像750と第3図柄との両方を確認可能としている。これにより、遊技者が停止表示された第3図柄を時間演出の開始タイミングまで見逃していたとしても、時間演出の開始後に停止図柄を確認することができる。また、第3図柄を縮小表示させることにより、告知画像750が第3図柄で遮蔽されてしまうことを抑制できるので、遊技者に対して告知画像750(図6(b)参照)を明瞭に視認させることができる。
<第2実施形態における表示制御装置の制御処理について>
次に、図58を参照して、第2実施形態における表示制御装置114内のMPU231において実行される背面画像変更コマンド処理2(S2221)について説明する。図58は、この背面画像変更コマンド処理2(S2221)を示すフローチャートである。背面画像変更コマンド処理2(S2221)は、表示制御装置114のMPU231によって実行されるコマンド判定処理(図43参照)において第1実施形態における背面画像変更コマンド処理(図47参照)に代えて実行される処理であり、音声ランプ制御装置114より背面画像変更コマンドを受信した場合に実行される。
この背面画像変更コマンド処理2(図58参照)のうち、S2801〜S2803の各処理では、それぞれ第1実施形態における背面画像変更コマンド処理(図47参照)のS2801〜S2803の各処理と同一の処理が実行される。そして、S2803の処理において、時間演出用の背面画像でないと判別された場合は(S2803:No)、第1実施形態と同様に、そのまま本処理を終了する。一方、時間演出用の背面画像であると判別された場合は(S2803:Yes)、S2811の処理に移行する。
S2811の処理では、デモ表示フラグがオンであるか否かを判別する(S2811)。S2811の処理において、デモ表示フラグがオンであると判別した場合は(S2811:Yes)、デモ演出(図7参照)の表示中に時間演出の開始タイミングとなり、時間演出に対応する背面画像変更コマンドを受信したことを意味する。よって、この場合は、計時カウンタの値に0を設定し(S2812)、表示データテーブルバッファ233dをクリアして(S2813)、本処理を終了する。S2813の処理により表示データテーブルバッファ233dがクリアされると、デモ演出の表示画像が消去されるので、告知画像750を遊技者に対して明確に視認させることができる。また、時間演出に対応する背面画像が設定されている場合には、次回のデモ表示設定処理(図53参照)において、時間演出用のデモ演出が設定される。時間演出中のデモ演出としては、デモ画像が何ら表示されない態様となるので、時間演出用の画像が第3図柄表示装置81の全画面に表示させることができる。よって、確定表示演出中に時間演出の開始タイミングとなるよりも、更に、時間演出を表示させるために用いることができる表示領域を増加させることができる。よって、時間演出において表示させることができる演出の自由度をより高めることができる。
一方、S2811の処理において、デモ表示フラグがオンでない(即ち、オフである)と判別した場合は(S2811:No)、確定表示フラグがオンであるか否かを判別し(S2814)、確定表示フラグがオンでない(即ち、オフである)と判別した場合は(S2814:No)、そのまま本処理を終了する。
一方、S2814の処理において、確定表示フラグがオンであると判別された場合は(S2814:Yes)、第3図柄を縮小して表示させる態様(図57(b)参照)の確定表示データテーブルを、データテーブル格納エリア233bの確定表示演出用テーブル格納エリアから読み出して、表示データテーブルバッファ233dに設定し(S2815)、本処理を終了する。
本処理を行うことにより、時間演出の開始タイミングとなると、主表示領域Dmに確定表示されていた第3図柄が主表示領域Dmの右下部分(小表示領域780)に縮小表示される。これにより、告知画像750を遊技者に対して明確に視認させることができる。また、変動終了から時間演出の開始タイミングまでの期間が短かったとしても、主表示領域Dmの右下部分(小表示領域780)に第3図柄が表示され続けるので、遊技者に対して確実に停止図柄を確認させることができる。
ここで、例えば、時間演出が開始される直前に期待度の高い態様の外れリーチが実行され、遊技者の大当たりに対する期待感が高まったにも関わらず、第3図柄が停止表示されるタイミングを遊技者がやむを得ず見逃してしまう場合がある。係る場合に、第1実施形態のパチンコ機10では、遊技者が停止図柄を確認するよりも前に時間演出の開始タイミングとなると、確定表示されていた第3図柄が消去されるので、遊技者に対して「本当は当たりだったのに時間演出によって当たりがキャンセルされてしまったのではないか」といった不安感を抱かせてしまう虞があった。
これに対して本実施形態では、上述した通り、S2815の処理により、時間演出の開始タイミングとなった場合に確定表示されていた第3図柄を縮小表示するように構成されているので、時間演出の開始後であっても遊技者に対して前回の変動演出における停止図柄を確認させることができる。よって、遊技者が第3図柄を見逃してしまうことを抑制できるので、第3図柄を見逃すことにより遊技者に対して不安感を抱かせてしまうことを防止することができる。
以上、説明したように、第2実施形態のパチンコ機10では、第3図柄の確定表示状態の場合(つまり、前回の変動終了時に保留球がなく、第1入球口64への新たな入球もない場合)に時間演出の開始タイミングとなると、主表示領域Dm全体に確定表示されていた第3図柄が小表示領域780において縮小表示されるように構成されている。よって、告知画像750を遊技者に対して明確に視認させることができると共に、遊技者が第3図柄の確定表示を時間演出が開始するタイミングまで見逃していたとしても、時間演出の開始後に第3図柄の確定表示を確認させることができる。
また、第1実施形態と同様に、本実施形態でも、時間演出中に設定されるデモ演出では、デモ画像が一切表示されない態様となる。即ち、背面画像が何ら遮られることなく全画面に表示される態様に設定される。これにより、第3図柄の確定表示が実行される期間(例えば、15秒間)の間は、前回の変動演出において停止表示された第3図柄を小表示領域780に表示させ続けることができる一方で、デモ演出の期間となった場合は、時間演出をより広い表示領域で実行することができる。即ち、時間演出に比べると表示させる優先度は低いが、遊技者にとって比較的関心度の高い表示内容(前回の特別図柄の抽選結果を示す第3図柄の確定表示)を、時間演出の妨げとならないように表示させることができ、且つ、遊技者にとって比較的関心度の低い表示内容(デモ画像)を非表示とすることにより、時間演出の自由度をより高めることができる。即ち、時間演出の表示タイミングとなった場合に、第3図柄表示装置81に対して表示されている画像の種別(第3図柄の確定表示、またはデモ画像)に応じて、その表示されている画像と、時間演出の表示態様を変更することで、遊技者に対して見せたい演出をより適切に表示させることができる。
本実施形態では、第3図柄の確定表示状態において、時間演出の開始タイミングとなった場合に、第3図柄の確定表示を主表示領域Dmの右下部分(小表示領域780)に縮小表示するよう構成しているが、これに限られるものではない。例えば、演出態様の異なる複数種類の時間演出(例えば、時間演出A、時間演出B)が設けられている場合において、開始される時間演出の種別に応じて、第3図柄を縮小表示する位置を規定してもよい。例えば、時間演出Aが開始される場合は第3図柄を主表示領域Dmの右下部分に縮小表示し、時間演出Bが開始される場合は第3図柄を主制御領域Dmの左下部分に縮小表示するようにしても良い。即ち、各時間演出において、時間演出中に実行される演出に対して最も影響が少ない位置に第3図柄を縮小表示するように構成してもよい。これにより、遊技者に対して各時間演出における演出画像を第3図柄に遮蔽されることなく視認させることができる。
なお、第3図柄の確定表示を縮小表示する位置は、遊技者による枠ボタン228の操作内容によって変化させるように構成しても良い。例えば、第3図柄の確定表示状態において、時間演出の開始タイミングとなった場合に、まずは第3図柄の確定表示が主表示領域Dmの右下部分に縮小表示され、枠ボタン228を押下することでその縮小表示される位置が左下部分に変化する。そして、再度枠ボタン228を押下することで、縮小表示された第3図柄の位置が左下部分から左上部分へと変化し、更に枠ボタン228を押下することで縮小表示された第3図柄の位置が左上部分から右上部分へと変化する。そして、右上部分に第3図柄が縮小表示された状態で、枠ボタン228が操作されることにより、第3図柄が右下部分に戻るように構成してもよい。これにより、各時間演出に応じて第3図柄の確定表示を縮小表示する位置を規定する必要がなく、プログラム容量を削減できると共に、遊技者が好みに応じて第3図柄の確定表示が縮小表示される位置を決めることができる。
また、本実施形態では、第3図柄の確定表示状態において、時間演出の開始タイミングとなった場合に、第3図柄の確定表示を主表示領域Dmの右下部分(小表示領域780)に縮小して表示するよう構成しているが、これに限られず、遊技者が枠ボタン228を押下することに基づいて縮小表示されるように構成してもよい。例えば、第3図柄の確定表示状態において、時間演出の開始タイミングとなった場合に、第3図柄の確定表示が消去されるように構成し、遊技者が枠ボタン228を押下することで、第3図柄の確定表示が主表示領域Dmの右下部分(小表示領域780)に縮小表示されるように構成してもよい。これにより、遊技者が第3図柄の確定表示を確認したい場合にのみ、枠ボタン228を押下することで、その確定表示を確認することができる。また、その他の場合は、第3図柄の確定表示が消去された状態のままとなるので、遊技者に対して時間演出中に実行される演出に集中させることができる。
なお、上記とは逆に、遊技者が枠ボタン228を押下することで、第3図柄の確定表示の縮小表示が消去されるようにしても良い。例えば、第3図柄の確定表示状態において、時間演出の開始タイミングとなった場合に、自動的に、第3図柄の確定表示が主表示領域Dmの右下部分(小表示領域780)に縮小して表示され、遊技者が枠ボタン228を押下することで、その確定表示の縮小表示が消去されるようにしても良い。これにより、遊技者が第3図柄の確定表示を確認した後など、遊技者の任意のタイミングで、第3図柄の確定表示の縮小表示を消去することができる。これにより、遊技者を時間演出中に実行される演出に集中させることができる。
本実施形態では、時間演出中にデモ演出の実行期間となった(第3図柄の確定表示が実行されてから15秒が経過した)場合に、第1実施形態と同様にデモ演出を消去するように構成されていたが、時間演出中に実行されるデモ演出の態様は、これに限られるものではなく、デモ演出によって時間演出の画像が遮蔽されてしまうことを防止できる態様であれば、デモ画像を表示させてもよい。例えば、時間演出中に変動演出が縮小して表示される小表示領域780(図8(a)参照)にのみデモ演出が表示されるように構成してもよい。また、小表示領域780よりも表示面積の小さい表示領域を設け、その表示領域にデモ演出を表示させてもよい。また、例えば、デモ演出自体を行わないように構成し、確定表示を行い続けてもよい。即ち、第3図柄の変動停止時に保留球が存在しない場合は、第1入球口64への新たな入球がない限り、停止図柄が第3図柄表示装置81の右下部分に縮小された態様で表示され続けるように構成してもよい。また、例えば、時間演出期間中は、犬のキャラクタ740の背景にデモ画像を表示させるように構成してもよい。これらにより、時間演出中の演出を明瞭に表示させることができると共に、通常時にデモ演出が表示される領域を時間演出の表示領域として用いることができるので、時間演出の自由度を高めることができる。
更に、時間演出期間においてデモ演出を実行する場合は、確定表示演出と同様に前回の変動演出において停止表示された第3図柄を小表示領域780へと表示させるように構成してもよい。これにより、時間演出中にデモ演出、および確定表示演出を実行する場合は、同一の表示データテーブルを設定すればよいので、表示データテーブルの個数を削減することができる。よって、ワークRAM233、およびキャラクタROM234のデータ容量を削減することができる。
本実施形態では、確定表示演出が設定されてから所定時間(例えば、15秒)が経過した場合に、次の変動演出が開始されるまでデモ演出が実行され続けるように構成されていたが、これに限られるものではない。例えば、デモ演出の実行を開始してから変動演出が開始されないまま所定時間(例えば、30秒)が経過した場合は、確定表示演出に切り替わるように構成してもよい。即ち、変動演出が新たに開始されるまで、確定表示演出とデモ演出とを交互に繰り返すように構成してもよい。具体的には、デモ用の表示データテーブルが設定されている場合において、表示データテーブルバッファ233dから読み出したデータがEND情報であった場合に、表示データテーブルバッファ233dに対して確定表示演出用の表示データテーブルを設定するように構成すればよい。即ち、ポインタ更新処理(図51参照)において、ポインタ233fの示すデータがEND情報であり(図51のS3202参照)、表示データテーブルバッファ233dに設定されている表示データテーブルがデモ演出用の表示データテーブルである場合に(図51のS3203参照)、S3204、およびS3205の処理に代えて、確定表示設定処理(図52参照)のS3301〜S3309の処理と同一の処理を実行すればよい。また、S3303、またはS3306の処理において確定表示データテーブルを選択する場合は、停止図柄判別フラグにより示される前回の停止図柄に対応するデータテーブルをデータテーブル格納エリア233bから選択するように構成すればよい。このように構成することにより、パチンコ機10が長時間空き台の状態だったとしても、定期的に前回の変動演出によって示された第3図柄を確認する機会を与えることができるので、パチンコ機10で遊技を開始しようとする遊技者に対して自分の好みの停止図柄が表示されているパチンコ機10を選択して遊技を開始させることができる。また、上述した通り、本実施形態のパチンコ機10では、確定表示演出中に時間演出期間となる場合は、小表示領域780に対して第3図柄を縮小表示させ、デモ演出中に時間演出期間となる場合は、デモ画像(および第3図柄)を非表示とするように構成されているので、時間演出をより広い表示領域に対して表示させることができる。よって、時間演出の自由度を高めることができる。
また、確定表示演出の表示中に時間演出の開始タイミングとなった場合は、確定表示演出とデモ演出との繰り返し回数に応じて表示態様を変更してもよい。例えば、変動演出の終了後最初に設定された確定表示演出の表示中に時間演出の開始タイミングとなった場合は、第3図柄を縮小して小表示領域780に対して表示させるように構成する。一方で、デモ演出の終了後に設定された確定表示演出の表示中に時間演出の開始タイミングとなった場合は、第3図柄を非表示とする。これにより、変動演出の終了後、所定期間(例えば、15秒)の間は、前回の停止図柄を表示させておくことができるので、時間演出期間であるか否かに関わらず、遊技者に対して前回の停止図柄を確実に確認させることができる。また、デモ演出の終了後に設定される確定表示演出は、第3図柄が表示されない状態(デモ演出)を経て設定される演出であり、変動演出の終了後に設定される確定表示演出に比較して第3図柄を表示させる必要性が薄くなる。よって、この場合には、第3図柄が非表示となるように構成することにより、時間演出の画像をより明確に視認させることができる。
<第3実施形態>
次に、図59から図65を参照して、第3実施形態におけるパチンコ機10について説明する。上述した第2実施形態では、第3図柄の停止表示が1秒以上行われている確定表示状態の場合(つまり、前回の変動終了時に保留球がなく、第1入球口64への新たな入球もない場合)に時間演出の開始タイミングとなると、第3図柄の確定表示を縮小表示するように構成されていた。これにより、遊技者に対して最も見せたい画像の一つである、時間演出の開始を告知する表示(告知画像750)が第3図柄の確定表示により遮蔽されて見えにくくなってしまうことを抑制すると共に、遊技者が時間演出の開始後にも第3図柄の確定表示を確認できるようにしていた。
これに対して本実施形態では、時間演出が開始されるまでの残時間に基づいて、第3図柄の確定表示の態様を設定するように構成している。具体的には、第3図柄の確定表示を設定する15秒間に、時間演出の開始タイミングになると判別した場合は、時間演出の開始タイミングよりも前に第3図柄の確定表示が縮小表示される態様の確定表示データテーブルが設定される。これにより、時間演出の開始タイミングとなるよりも前に、予め第3図柄の確定表示が縮小表示となるよう設定しておくことができるので、時間演出の開始タイミングでは告知画像750を表示させる処理のみを実行すればよい(告知画像750(図6(b)参照)を表示させる処理と第3図柄の確定表示を縮小表示させる処理とを同一タイミングにおいて実行しなくて良い)。よって、時間演出の開始タイミングにおける表示制御装置114の処理負荷を軽減することができる。
この第3実施形態におけるパチンコ機10が第2実施形態におけるパチンコ機10と構成上において相違する点は、表示制御装置114のRAM233に格納されるデータテーブル格納エリア223bのデータが一部異なる点、主制御装置110のMPU201によって実行される一部処理が変更となっている点、音声ランプ制御装置113のMPU221によって実行される一部処理が変更となっている点、表示制御装置114のMPU231によって実行される一部処理が変更となっている点である。その他の構成や、主制御装置110のMPU201によって実行されるその他の処理、音声ランプ制御装置113のMPU221によって実行されるその他の処理、表示制御装置114のMPU231によって実行されるその他の処理については、第2実施形態におけるパチンコ機10と同一である。以下、第2実施形態と同一の要素には同一の符号を付し、その図示と説明とを省略する。
まず、図59を参照して、本実施形態の表示制御装置114のRAM203に格納されるデータテーブル格納エリア223bについて説明する。図59は、本実施形態におけるデータテーブル格納エリア233bに格納されるデータを示した図である。このデータテーブル格納エリア233bは、上記各実施形態と同様に、各演出(変動演出、オープニング演出、ラウンド演出、エンディング演出、確定表示演出、およびデモ演出)に対応するデータテーブルを格納する記憶領域が設けられている。本実施形態におけるデータテーブル格納エリア223bでは、確定表示演出に対応する表示データテーブルを格納するための確定表示演出用テーブル格納エリアの構成が上述した各実施形態から変更されている。そのたの記憶領域については上記各実施形態と同一であるので、その詳細な説明は省略する。
本実施形態の確定表示演出用テーブル格納エリアについて具体的に説明する。本実施形態の確定表示演出用テーブル格納エリアには、通常態様の第3図柄の確定表示(図57(a)参照)を5秒間行った後に縮小態様の確定表示を10秒間行う「5秒間の確定表示演出用表示データテーブル各種」を格納する記憶領域と(図59のS233b7a参照)、通常態様の確定表示(図57(a)参照)を10秒間行った後に縮小態様の確定表示を5秒間行う「10秒間の確定表示演出用表示データテーブル各種」を格納する記憶領域と(図59のS233b7b参照)、通常態様の確定表示(図57(a)参照)を15秒間行う「15秒間の確定表示演出用表示データテーブル各種」を格納する記憶領域と(図59のS233b7c参照)、縮小態様の確定表示を15秒間行う「縮小態様の確定表示演出用表示データテーブル各種」を格納する記憶領域と(図59のS233b7c参照)が設けられている。
処理の詳細は停止表示選択処理(図62参照)、および確定表示設定処理2(図65参照)にて後述するが、時間演出が開始されるまでの残時間に応じて、時間演出の開始までに第3図柄の確定表示が縮小表示される態様(確定表示演出の態様)が選択され、設定される。これにより、時間演出の開始タイミングとなるよりも前に、予め第3図柄の確定表示が縮小表示となるよう設定しておくことができるので、時間演出の開始タイミングでは告知画像750を表示させる処理のみを実行すれば良い(告知画像750(図6(b)参照)を表示させる処理と第3図柄の確定表示を縮小表示させる処理とを同一タイミングにおいて実行しなくて良い)。よって、時間演出の開始タイミングにおける表示制御装置114の処理負荷を軽減することができる。
<第3実施形態における主制御装置の制御処理について>
次に、図60を参照して、第3実施形態における主制御装置110内のMPU201において実行される特別図柄変動処理2(S111)について説明する。図60は、この特別図柄変動処理2(S111)を示すフローチャートである。特別図柄変動処理2(S111)は、主制御装置110のMPU201によって実行されるタイマ割込処理(図23参照)において、上述した各実施形態における特別図柄変動処理(図24参照)に代えて実行される処理である。
この特別図柄変動処理2(S111)のうち、S201〜S215の各処理では、それぞれ上述した各実施形態における特別図柄変動処理(図24参照)のS201〜S215の各処理と同一の処理が実行される。そして、S212の処理において、今回の抽選結果が大当たりでないと判別された場合は(S212:No)、S214の処理に移行する前に、S221〜S223の各処理が実行される。
具体的に、S212の処理において、今回の抽選結果が大当たりでないと判別された場合は(S212:No)、特別図柄保留球数カウンタ203cの値(N)を取得する(S221)。次いで、S221の処理において取得した特別図柄保留球数カウンタ203cの値(N)が0より大きいか否かを判別する(S222)。
S222の処理において、特別図柄保留球数カウンタ203cの値(N)が0より大きくない(即ち、0である)と判別された場合は(S222:No)、停止表示コマンドを設定して(S223)、S214の処理へ移行する。一方、S222の処理において、特別図柄保留球数カウンタ203cの値(N)が0より大きいと判別された場合は(S222:Yes)、S223の処理をスキップしてS214の処理へ移行する。
ここで、S223の処理によって設定される停止表示コマンドは、特別図柄の変動終了時に、抽選結果が大当たりでなく特別図柄の保留球数が0である場合、即ち、第3図柄の確定表示状態となる場合に設定される。この停止表示コマンドは、RAM203に設けられたコマンド送信用のリングバッファに記憶され、メイン処理(図31参照)のS901の処理で、停止表示コマンドが音声ランプ制御装置113に送信される。音声ランプ制御装置113では、停止表示コマンドを受信すると、後述する停止表示選択処理(図62参照)によって、時間演出が開始されるまでの残時間に応じて、時間演出の開始までに第3図柄の確定表示が縮小表示される態様(確定表示演出の態様)を選択し、表示用確定表示コマンドとして表示制御装置114へ送信する。表示制御装置114では、表示用確定表示コマンドを受信すると、コマンドが示す確定表示演出の態様に基づいて、確定表示データテーブルが選択され、表示データテーブルバッファ223dに設定される。これにより、時間演出の開始タイミングとなるよりも前に、予め第3図柄の確定表示が縮小表示となるよう設定しておくことができる。
<第3実施形態における音声ランプ制御装置の制御処理について>
次に、図61、および図62を参照して、第3実施形態における音声ランプ制御装置113内のMPU221において実行される各種処理について説明する。まず、図61は、第3実施形態における音声ランプ制御装置113内のMPU221において実行されるコマンド判定処理(S1312)を示すフローチャートである。このコマンド判定処理(S1312)は、音声ランプ制御装置113内のMPU221により実行されるメイン処理(図35参照)の中で実行され、上述したように、主制御装置110から受信したコマンドを判別する処理である。
このコマンド判定処理(S1312)では、上述した各実施形態におけるコマンド判定処理(図37参照)と同一のS1501〜S1516の処理に加え、S1521およびS1522が実行される。具体的には、S1504の処理において停止種別コマンドを受信していないと判別された場合に(S1504:No)、停止表示コマンドを受信したか否かが判別される(S1521)。
S1521の処理において、停止表示コマンドを受信したと判別された場合は(S1521:Yes)、停止表示選択処理を実行し(S1522)、メイン処理に戻る。この停止表示選択処理(S1522)は、時間演出が開始されるまでの残時間を判定し、第3図柄の確定表示を時間演出の開始タイミングよりも前に縮小表示させるように設定するための処理である。一方、S1521の処理において、停止表示コマンドを受信していないと判別された場合は(S1521:No)、S1507の処理へ移行する。なお、上述したとおり、S1507以降の各処理では、上記各実施形態におけるコマンド判定処理(図37参照)におけるS1507以降の各処理と同一の処理が実行される。
次に、図62を参照して、停止表示選択処理(S1522)の詳細について説明する。図62は、この停止表示選択処理(S1522)を示すフローチャートである。停止表示選択処理(S1522)は、上述したように、コマンド判定処理(図61参照)において停止表示コマンドを受信したと判別された場合に実行される処理であり、時間演出が開始されるまでの残時間に応じて、時間演出の開始までに第3図柄の確定表示が縮小表示される態様(確定表示演出の態様)を選択する処理である。
この停止表示選択処理(S1522)が実行されると、まず、RTC292の計時レジスタ352aから現在時刻に対応する時刻情報を取得し(S3901)、取得した時刻情報と、投入時刻格納エリア223eに格納されている電源投入時刻に対応する時刻情報とから、電源投入後の経過時間(T)を算出する(S3902)。
次いで、算出した経過時間(T)と、時間演出テーブル222bとに基づいて、次に時間演出が開始されるまでの残時間(t)を算出する(S3903)。例えば、経過時間(T)が0時間55分00秒であれば、次の時間演出は60分00秒に開始されるので、残時間(t)は、5分と算出される。
そして、残時間(t)が15秒以上であるか否かを判別し(S3904)、15秒以上であると判別された場合は(S3904:Yes)、15秒の確定表示演出に対応する表示用確定表示コマンドを設定して(S3905)、本処理を終了する。
一方、S3904の処理において、残時間(t)が15秒以上でない(即ち、15秒未満である)と判別された場合は(S3904:No)、残時間(t)が10秒以上であるか否かを判別する(S3906)。S3906の処理において、残時間(t)が10秒以上であると判別された場合は(S3906:Yes)、10秒の確定表示演出(10秒間通常の確定表示演出を行い、10秒〜15秒では第3図柄を縮小した態様の確定表示演出を行う演出)に対応する表示用確定表示コマンドを設定し(S3907)、本処理を終了する。
S3906の処理において、残時間(t)が10秒以上でないと判別された場合は(S3906:No)、次いで、残時間(t)が5秒以上であるか否かを判別する(S3908)。S3908の処理において、残時間(t)が5秒以上であると判別された場合は(S3908:Yes)、5秒の確定表示演出(5秒間通常の確定表示演出を行い、5秒〜15秒では第3図柄を縮小した態様の確定表示演出を行う演出)に対応する表示用確定表示コマンドを設定し(S3909)、本処理を終了する。
一方、S3908の処理において、残時間(t)が5秒以上でないと判別された場合は(S3908:No)、縮小態様の確定表示演出(15秒間第3図柄を縮小して確定表示させる演出)に対応する表示用確定表示コマンドを設定し(S3910)、本処理を終了する。
ここで、S3905,S3907,S3909またはS3910の処理によって設定された表示用確定表示コマンドは、RAM223に設けられたコマンド送信用のリングバッファに記憶され、MPU221により実行されるメイン処理(図35参照)のコマンド出力処理(S1302)の中で、表示制御装置114に向けて送信される。表示制御装置114では、この表示用確定表示コマンドを受信すると、この表示用確定表示コマンドによって示される確定表示演出の態様に基づいて、確定表示演出用表示データテーブルが表示データテーブルバッファ233dへ設定される。これにより、時間演出が開始されるまでの残時間に応じて、時間演出の開始までに第3図柄の確定表示が縮小表示される態様の表示データテーブルを設定することができる。
<第3実施形態における表示制御装置の制御処理について>
次に、図63〜図65を参照して、第3実施形態における表示制御装置114内のMPU231において実行される各種処理について説明する。まず、図63は、第3実施形態における表示制御装置114内のMPU231において実行されるコマンド判定処理(S2102)を示すフローチャートである。このコマンド判定処理(S2102)は、表示制御装置114内のMPU231により実行されるV割込処理(図42(b)参照)の中で実行され、上述したように、音声ランプ制御装置113から受信したコマンドを判別する。
このコマンド判定処理(S2102)のうち、S2201〜S2214およびS2216〜S2218の処理は、上述した各実施形態におけるS2201〜S2214およびS2216〜S2218の処理と同一の処理である。
S2214の処理において、背面画像変更コマンドがあると判別された場合は(S2214:Yes)、背面画像変更コマンド処理3を実行し(S2231)、S2201の処理へ戻る。この背面画像変更コマンド処理3(S2231)の詳細は、図64を参照して後述する。
また、S2214の処理において、背面画像変更コマンドがないと判別された場合は(S2214:No)、表示用確定表示コマンドがあるか否かを判別する(S2232)。S2232の処理において、表示用確定表示コマンドがあると判別された場合は(S2232:Yes)、受信したコマンドから確定表示演出の態様を抽出し(S2233)、S2201の処理へ戻る。一方、S2232の処理において、表示用確定表示コマンドがないと判別された場合は(S2232:No)、S2216の処理へ移行し、上述した各実施形態と同一のS2216以降の処理を行う。S2233の処理において抽出された確定表示演出の態様に基づいて、後述する確定表示設定処理2(図3021)において確定表示データテーブルが選択される。
次に、図64を参照して、背面画像変更コマンド処理3(S2231)の詳細について説明する。図64は、この背面画像変更コマンド処理3(S2231)を示すフローチャートである。背面画像変更コマンド処理3(S2231)は、表示制御装置114のMPU231によって実行されるコマンド判定処理(図64参照)において、音声ランプ制御装置114より背面画像変更コマンドを受信した場合に、上述した第2実施形態における背面画像変更コマンド処理2(図58参照)に代えて実行される処理である。
この背面画像変更コマンド処理3(S2231)のうち、S2801,S2802の各処理では、それぞれ第2実施形態における背面画像変更コマンド処理2(図58参照)のS2801,S2802の各処理と同一の処理が実行される。そして、S2802の処理が終了すると、本処理を終了してコマンド判定処理(図63参照)に戻る。つまり、本実施形態では、第2実施形態の背面画像変更コマンド処理2(図58参照)において実行されるS2803、およびS2811〜2815の各処理が省略される。
本実施形態では、上述した音声ランプ制御装置113から表示用確定表示コマンドを受信することで、後述する確定表示設定処理2(図65参照)によって、時間演出の開始タイミングとなる前に、第3図柄の確定表示が縮小表示となるように設定される。よって、背面画像を時間演出用に変更するタイミングで、デモ表示を消去する処理(図58のS2813参照)や、第3図柄の確定表示を縮小表示に変更する処理(図58のS2815参照)を実行する必要がないので、S2802の処理を終えると本処理を終了するようにしている。これにより、背面画像を時間演出用に変更するタイミングにおいて、表示制御装置114の処理負荷を軽減することができる。
次に、図65を参照して、確定表示設定処理2(S3021)について説明する。図65は確定表示設定処理2(S3021)を示すフローチャートである。この確定表示設定処理2(S3021)は、表示制御装置114のMPU231によって実行される表示設定処理(図49参照)において、計時カウンタが0以下かつ確定表示フラグがオフであると判別された場合に、上述した各実施形態における確定表示設定処理(図52参照)に代えて実行される処理である。
この確定表示設定処理2(S3021)のうち、S3309〜S3311の処理では、上述した各実施形態における確定表示設定処理(図52参照)のS3309〜S3311の処理と同一の処理が実行される。また、この確定表示設定処理2(S3021)では、確定表示設定処理(図52参照)におけるS3301〜S3308の各処理に代えて、S3321〜S3324の各処理が実行される。これらの各処理について詳しく説明する。
確定表示設定処理2(S3021)では、まず、上述したコマンド判定処理(図63参照)におけるS2233の処理において抽出した確定表示演出の態様を取得する(S3321)。そして、取得した確定表示演出の態様に基づいて、データテーブル格納エリア233bの確定表示演出用テーブル格納エリアから、該当する表示データテーブルを選択し、表示データテーブルバッファ233dへ設定する(S3322)。例えば、確定表示コマンドが10秒の確定表示演出(10秒間通常の確定表示演出を行い、10秒〜15秒では第3図柄を縮小した態様の確定表示演出を行う演出)に対応する表示用確定表示コマンドであれば、データテーブル格納エリア233bの「10秒間の確定表示演出用表示データテーブル各種」から、対応する表示データテーブルを読み出して、表示データテーブルバッファ233dに設定する。
次いで、転送データテーブルバッファ233eにNullデータを書き込むことで、その内容をクリアする(S3323)。そして、確定表示データテーブルの演出時間に対応する時間データを計時カウンタ233hに設定し(S3324)、処理をS3309へと移行する。S3309〜S3311の処理では、上述した各実施形態における確定表示設定処理(図52参照)のS3309〜S3311の各処理と同一の処理を実行し、本処理を終了してV割込処理に戻る。
この確定表示設定処理2(S3021)により、表示用確定表示コマンドにより通知された確定表示演出の態様に基づいて、確定表示データテーブルを設定することができる。また、本実施形態では、時間演出が開始されるまでの残時間に基づいて、異なる態様に対応する表示用確定表示コマンドが出力されるように構成されている。これにより、時間演出の開始タイミングとなるよりも前に、予め第3図柄の確定表示が縮小表示となるよう設定しておくことができる。
以上説明した通り、本実施形態におけるパチンコ機10では、第3図柄の確定表示を設定する場合に、時間演出が開始されるまでの残時間を判別し、残時間の値に基づいて異なる態様の確定表示演出を設定するように構成されている。より具体的には、15秒間の確定表示演出において、通常の態様で第3図柄が確定表示される期間と、縮小された態様で第3図柄が確定表示される期間とを設定可能な表示データテーブルを複数種類規定している。そして、時間演出の開始タイミングよりも前に通常の態様で第3図柄が確定表示される期間が終了し、確定表示演出が縮小表示される期間に切り替わるように確定表示データテーブルを選択するように構成している。これにより、時間演出の開始を告知するための告知画像750(図57(b)参照)が表示される前に、確定表示されている第3図柄を縮小表示させることができるので、第3図柄によって告知画像750が遮蔽されてしまうことを抑制することができる。よって、遊技者に対して最も見せたい画像の一つである告知画像750を遊技者に対して明確に視認させることができる。また、本実施形態では、確定表示データテーブルにおいて、第3図柄の表示態様の切り替えタイミングが規定されているので、時間演出が開始されるよりも前に予め第3図柄を縮小表示させておくことができる。よって、告知画像750(図6(b)参照)を表示させる処理と第3図柄の確定表示を縮小表示させる処理とが同一タイミングにおいて実行されることを抑制できるで、時間演出の開始タイミングにおける表示制御装置114の処理負荷を軽減することができる。
本実施形態では、データテーブル格納エリア233bにおいて、通常の態様で第3図柄が確定表示される演出に対応する確定表示データテーブルと、通常の態様で10秒間第3図柄が確定表示された後、第3図柄が縮小された態様で5秒間確定表示を実行する演出に対応する確定表示データテーブルと、通常の態様で5秒間第3図柄が確定表示された後、第3図柄が縮小された態様で10秒間確定表示を実行する演出に対応する確定表示データテーブルと、第3図柄が縮小された態様で確定表示される演出に対応する確定表示データテーブルとが規定されていたが、確定表示データテーブルの種別はこれに限られるものではない。通常の態様で第3図柄が確定表示される期間を増やしてもよい(例えば、3秒、6秒、9秒、12秒、15秒に対応する確定表示データテーブルを設けてもよい)。これにより、第3図柄が縮小表示されてから、時間演出が開始されるまでの期間を最大でも3秒以内とすることができるので、時間演出が開始されないにも関わらず第3図柄が見えにくいという状況を短く限ることができる。また、逆に、確定表示データテーブルの種別を少なくしてもよい。例えば、10秒間通常の態様で第3図柄が確定表示される確定表示演出に対応する確定表示データテーブルを削減してもよい。これによりデータテーブル格納エリア233b、およびキャラクタROM234の記憶容量を削減することができる。
本実施形態では、音声ランプ制御装置113においてRTC292の計時する時刻情報に基づいて時間演出の開始までの残時間を判別しているが、表示制御装置114とRTC292とを電気的に接続し、表示制御装置114において直接残時間を判別できるように構成してもよい。これにより、音声ランプ制御装置113において、時間演出が開始されるまでの残時間を判別し、残時間に応じて異なる表示用確定表示コマンドを設定する処理を省略できるので、音声ランプ制御装置113の処理負荷を軽減することができる。
以上、上記各実施形態に基づき本発明を説明したが、本発明は上記形態に何ら限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲内で種々の変形改良が可能であることは容易に推察できるものである。
例えば、上記各実施形態において、時間演出中に表示される演出は、犬のキャラクタ740が様々なアクションを行う演出のみであったが、これに限られるものではない。時間演出の開始時間に応じて、演出を行うキャラクタを変更する(例えば、犬のキャラクタ740、猫のキャラクタ、猿のキャラクタによる演出を時間演出毎に切り替える)ように構成してもよい。また、時間演出の開始時間や、季節に応じて演出内容を変更するように構成してもよい。例えば、夕方に時間演出が開始される場合は、演出を行うキャラクタの背後に夕焼け空を表示させてもよい。また、冬季に時間演出が開始される場合は、演出を行うキャラクタに防寒着を装着させて表示させると共に、キャラクタの周辺に雪が積もった状態としてもよい。これらにより、時間演出を多様化することができるので、遊技者がパチンコ機10による遊技に飽きてしまうことを抑制することができる。
上記各実施形態では、デモ演出が開始される条件、第3図柄の確定表示から所定期間(例えば、15秒)経過することとしていたが、これに限られるものではない。第3図柄を確定表示状態とする際に、時間演出の開始タイミングを判別し、時間演出の開始タイミングよりも前にデモ演出が開始されるように確定表示状態の設定期間を選択するように構成してもよい。
上記各実施形態では、音声ランプ制御装置113とRTC292とが電気的に接続され、RTC292から取得した情報に基づいて、音声ランプ制御装置113のMPU221により演出期間の種別を判断していたが、これに代えて、主制御装置110とRTC292とを電気的に接続し、RTC292から取得した情報に基づいて、主制御装置110のMPU201により演出期間の種別を判別させるように構成しても良い。この場合において、主制御装置110は、音声ランプ制御装置113へ出力するコマンドに演出期間の種別の情報も含めておけば良い。音声ランプ制御装置113のMPUの代わりに、主制御装置110のMPU201に演出期間の種別を判別させることで、MPU221の処理負荷を軽減することができる。
上記各実施形態では、パチンコ機10の電源が遮断される場合に、RAM223に記憶されていた時刻情報をRTC292の時刻情報格納エリア352bへ記憶させておくことにより電断状態中も時刻情報を保持可能に構成していたが、これに代えて、パチンコ機10が電断状態中であっても記憶された情報を保持することができる記憶手段を、RTC292とは別に設けておいても良い。記憶手段の具体例としては、フラッシュメモリ等が該当する。これにより、RTC292に設けられているレジスタ352の記憶領域を削減することができるので、RTC292の低価格化を図ることができる。
上記各実施形態では、電源投入の際に、RAM消去スイッチ122がオンであるかオフであるかに基づいて、投入時刻格納エリア223eに格納する時刻情報として、RTC292の時刻情報格納エリア352bに格納された時刻情報を格納するか、RTC292の計時する時刻情報を格納するかを判断していたが、これに代えて、複数のパチンコ機10に接続されたホールコンピュータから出力される信号に基づいてRAM223の投入時刻格納エリア223eに格納する時刻情報を判断するように構成しても良い。
具体的には、ホールコンピュータによって、接続された各パチンコ機10の電源がオンであるか否かを判別可能に構成し、各パチンコ機10の電源が全てオフの状態でパチンコ機10に電源が投入されたと判別した場合は(即ち、各パチンコ機10一斉に電源を投入したと判別した場合は)、電源が投入された各パチンコ機10に、電源が一斉投入されたことを示す信号を出力するように構成する。一方で、ホールコンピュータに接続された各パチンコ機10のうち、一のパチンコ機10の電源のみがオフであり、他のパチンコ機10の電源がオンであると判別されている状態で、電源がオフされている一のパチンコ機10へ電源が投入されたと判別した場合は、その電源が投入された一のパチンコ機10に対して、単独で電源が投入されたことを示す信号を出力するように構成する。そして、電源投入の際にホールコンピュータからり出力された信号の種別に応じて、投入時刻格納エリア223eに格納する時刻情報を判断するように構成すれば良い。
上記第1実施形態、および第2実施形態では、時間演出期間であるか否かに基づいて確定表示演出やデモ演出の態様を変更するように構成しているが、演出態様の変更契機は時間演出に限られるものではない。例えば、遊技者の操作により遊技画面とは異なる画面(遊技履歴やスペック等)が第3図柄表示装置81の一部に表示される機能を搭載したパチンコ機10において、異なる画面に切り替わることに基づいて演出態様を変更するように構成してもよい。
また、本発明を上記実施形態とは異なるタイプのパチンコ機等に実施してもよい。例えば、一度大当たりすると、それを含めて複数回(例えば2回、3回)大当たり状態が発生するまで、大当たり期待値が高められるようなパチンコ機(通称、2回権利物、3回権利物と称される)として実施してもよい。また、大当たり図柄が表示された後に、所定の領域に球を入賞させることを必要条件として遊技者に所定の遊技価値を付与する特別遊技を発生させるパチンコ機として実施してもよい。また、Vゾーン等の特別領域を有する入賞装置を有し、その特別領域に球を入賞させることを必要条件として特別遊技状態となるパチンコ機に実施してもよい。更に、スロットマシンやパチンコ機以外にも、アレパチ、雀球、いわゆるパチンコ機とスロットマシンとが融合した遊技機などの各種遊技機として実施するようにしてもよい。
パチンコ機とスロットマシンとが融合した遊技機の具体例としては、複数の図柄からなる図柄列を変動表示した後に図柄を確定表示する表示装置を備えており、球打出用のハンドルを備えていないものが挙げられる。この場合、所定の操作(ボタン操作)に基づく所定量の球の投入の後、例えば操作レバーの操作に起因して図柄の変動が開始され、例えばストップスイッチの操作に起因して、或いは、所定時間経過することにより、図柄の変動が停止され、その停止時の確定図柄がいわゆる大当たり図柄であることを必要条件として遊技者に所定の遊技価値を付与する特別遊技が発生させられ、遊技者には、下部の受皿に多量の球が払い出されるものである。かかる遊技機をスロットマシンに代えて使用すれば、遊技ホールでは球のみを遊技価値として取り扱うことができるため、パチンコ機とスロットマシンとが混在している現在の遊技ホールにおいてみられる、遊技価値たるメダルと球との別個の取扱による設備上の負担や遊技機設置個所の制約といった問題を解消し得る。
なお、上記した各実施形態の一部またはすべてをそれぞれ組み合わせたパチンコ機としてもよい。
以下に、本発明の遊技機に加えて、上述した実施形態に含まれる各種発明の概念を示す。
<特徴A群>(図柄停止状態で島連動演出が開始されることを防止する)
図柄を表示する表示手段と、所定条件の成立に基づいて前記表示手段に識別情報の動的表示を実行させる動的表示手段と、その動的表示手段による動的表示が予め定めた識別情報で終了する場合に遊技者に有利な特典遊技を付与する特典遊技付与手段とを備える遊技機において、特定条件の成立に基づいて前記表示手段において前記識別情報の動的表示とは異なる特定演出を実行する特定演出表示手段と、前記動的表示手段による動的表示の終了後に表示される識別情報を、第1の態様で停止表示する停止表示手段と、その停止表示手段による識別情報の前記第1の態様での停止表示中に前記特定演出表示手段により特定演出が実行される場合、前記第1の態様で停止表示中の識別情報が、その第1の態様より表示領域の小さい第2の態様で表示されるように、前記停止表示中の識別情報の表示態様を切り換える表示態様切換手段とを備えていることを特徴とする遊技機A1。
ここで、パチンコ機等の遊技機において、液晶表示装置等の表示装置が設けられた遊技機が知られている。この従来型の遊技機では、表示装置において図柄の変動表示が行われ、図柄が予め定められた組み合わせで停止表示されることで、遊技者に有利な大当たり遊技が付与される。また、表示装置には、図柄以外にもキャラクタや風景等の様々な画像が表示される。ここで、従来型の遊技機では、画像を表示させるための優先度が定められており、例えば、大当たりとなるか否かに直接関係する図柄が明確に視認できるように表示され、他の画像は図柄が表示されている表示領域以外の領域に表示される(例えば、特開2003−325886号公報)。
しかしながら、従来の遊技機では、優先度の高い画像が表示されている場合には、他の画像を表示させる表示領域が小さくなってしまうため、他の画像が視認し難くなってしまう場合があった。即ち、遊技者に対して視認させるべき画像であるか否かに関わらず、画像が視認し難くなってしまい、好適な表示内容に設定することができない虞があった。
これに対し、遊技機A1によれば、特定条件の成立に基づいて、特定演出表示手段により表示手段に識別情報の動的表示とは異なる特定演出が実行される。動的表示手段による動的表示の終了後に表示される識別情報が、停止表示手段により第1の態様で停止表示される。そして、停止表示手段による識別情報の第1の態様での停止表示中に特定演出表示手段により特定演出が実行される場合、第1の態様で停止表示中の識別情報が、その第1態様より表示領域の小さい第2の態様で表示されるように、停止表示中の識別情報の表示態様が表示態様切替手段によって切り換えられる。
これにより、前回の動的表示の終了時に表示された識別情報を第2の態様で表示させておくことで遊技者が識別情報を確認可能としておきつつ、特定演出をより大きな表示領域で実行することができる。つまり、動的表示手段により識別情報の動的表示が実行されている場合や、その動的表示の終了時に比較して、遊技者が確認する頻度の低い停止表示状態の識別情報の表示領域を削減し、特定演出をより明確に表示させることができる。よって、好適な表示内容に設定することができるという効果がある。
遊技機A1において、前記停止表示手段により識別情報が停止表示されてから一定期間が経過するまで前記動的表示手段により新たな識別情報の動的表示が開始されなかった場合に、前記停止表示された識別情報に替えてその識別情報とは異なる所定画像を表示させる所定画像表示手段と、その所定画像表示手段による前記所定画像の表示中に前記特定演出表示手段により前記特定演出が実行される場合に、前記所定画像の表示態様を、前記第2の態様で表示された前記識別情報より表示領域の小さい表示態様に切り換える所定画像切換手段とを備えていることを特徴とする遊技機A2。
遊技機A2によれば、遊技機A1の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、停止表示手段により識別情報が停止表示されてから一定期間が経過するまで動的表示手段により新たな識別情報の動的表示が開始されなかった場合に、停止表示された識別情報に替えてその識別情報とは異なる所定画像が所定画像表示手段により表示される。また、所定画像表示手段による所定画像の表示中に特定演出表示手段により特定演出が実行される場合に、所定画像の表示態様が所定画像切換手段により、第2の態様で表示された識別情報より表示領域の小さい表示態様に設定される。
これにより、識別情報が停止表示されている場合には、その停止表示された識別情報を遊技者に視認させつつ特定演出を明確に表示させることができる。一方で、所定画像が表示され、識別情報が停止表示されていない場合は、所定画像の表示領域が第2の態様で表示された識別情報よりも小さい態様に設定されるので、より特定演出を視認しやすくすることができる。即ち、表示されている表示画像の種別に応じて、表示画像と特定演出との視認しやすさを変更し、遊技者に対して視認させるべき画像を適切に表示させることができるという効果がある。
遊技機A2において、前記所定画像切換手段は、前記所定画像表示手段による前記所定画像の表示中に前記特定演出表示手段により前記特定演出が実行される場合に、前記所定画像が非表示となるように切り換えるものであることを特徴とする遊技機A3。
遊技機A3によれば、遊技機A2の奏する効果に加え、所定画像表示手段による所定画像の表示中に特定演出表示手段により特定演出が実行される場合に、所定画像切換手段により所定画像が非表示となるように切り換えられる。
これにより、識別情報が停止表示されている場合には、その停止表示された識別情報を遊技者に視認させつつ特定演出を明確に表示させることができる。一方で、所定画像が表示され、識別情報が停止表示されていない場合は、所定画像が非表示となるので、より特定演出を視認しやすくすることができる。即ち、表示されている表示画像の種別に応じて、表示画像と特定演出との視認しやすさを変更し、遊技者に対して視認させるべき画像を適切に表示させることができるという効果がある。
遊技機A1からA3のいずれかにおいて、計時情報を計時する計時手段と、その計時手段が計時する計時情報に基づいて前記特定演出の実行期間であるか否かを判別する期間判別手段とを備え、前記特定演出表示手段は、前記期間判別手段により前記特定演出の実行期間であると判別された場合に前記特定演出を実行するものであることを特徴とする遊技機A4。
遊技機A4によれば、遊技機A1からA3のいずれかが奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、計時手段により計時情報が計時され、その計時手段が計時する計時情報に基づいて、特定演出の実行期間であるか否かが期間判別手段によって判別される。そして、期間判別手段により特定演出の実行期間であると判別された場合に、特定演出表示手段により特定演出が実行される。
これにより、遊技者に対して特定演出の実行期間を計時情報に基づいて認識させることができるので、特定演出の実行期間を狙って遊技を開始させることができる。よって、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができるという効果がある。
遊技機A4において、前記計時手段により計時される計時情報に対応付けて前記特定演出の表示期間が規定された規定情報を記憶する規定情報記憶手段を備え、前記期間判別手段は、前記規定情報記憶手段に記憶された前記規定情報と、前記計時手段により計時される計時情報とに基づいて前記特定演出の実行期間であるか否かを判別するものであることを特徴とする遊技機A5。
遊技機A5によれば、遊技機A4の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、計時手段により計時される計時情報に対応付けて特定演出の表示期間が規定された規定情報が規定情報記憶手段によって記憶されている。ここで、規定情報記憶手段に記憶された規定情報と、計時手段により計時される計時情報とに基づいて、期間判別手段により特定演出の実行期間であるか否かが判別される。
これにより、期間判別手段は、規定情報と計時情報とを比較するという単純な処理を実行するだけで、特定演出の実行期間であるか否かを正確に判別することができる。よって、特定演出の実行期間であるか否かを判別する処理を実行することによる処理負荷を低減することができるという効果があるという効果がある。
遊技機A5において、前記規定情報と、前記計時手段により計時される計時情報とに基づいて、次に前記特定演出の表示期間が開始されるまでの残期間を特定する残期間特定手段を備え、前記表示態様切換手段は、前記残期間特定手段により特定された残期間に基づいて、前記特定演出の表示期間が開始されるよりも前に前記第2の態様に切り換えるものであることを特徴とする遊技機A6。
遊技機A6によれば、遊技機A5の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、規定情報と、計時情報とに基づいて、次に特定演出の表示期間が開始されるまでの残期間が残期間特定手段によって特定される。そして、残期間特定手段により特定された残期間に基づいて、特定演出の表示期間が開始されるよりも前に表示態様切換手段により第2の態様に切り換えられる。
これにより、特定演出の表示タイミングと、第2の態様への切り換えタイミングとをずらすことができるので、特定演出の表示タイミングに処理負荷が増大してしまうことを抑制することができるという効果がある。
遊技機A5又はA6において、前記規定情報には、前記特定演出の実行期間である第1期間と、前記特定演出が実行されない第2期間とが規定されているものであり、前記第1期間は、前記第2期間に比較して短い期間であることを特徴とする遊技機A7。
遊技機A7によれば、遊技機A5又はA6の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、規定情報には、特定演出の実行期間である第1期間と、特定演出が実行されない第2期間とが規定されている。そして、第1期間は、第2期間に比較して短い期間となるように構成されている。
これにより、特定演出の実行期間を短く限ることができるので、特定演出の希少性を高めることができる。よって、遊技者に対して、より特定演出の実行期間に遊技を行いたいと思わせることができるので、遊技機の稼働率を向上させることができるという効果がある。
遊技機A7において、前記規定情報は、前記第1期間と、前記第2期間とが交互に繰り返されるように規定されているものであることを特徴とする遊技機A8。
遊技機A8によれば、遊技機A7の奏する効果に加え、第1期間と第2期間とが交互に繰り返されるように規定情報が規定されているので、長く遊技を続けることにより、特定演出が実行される第1期間において確実に遊技を行うことができる。よって、特定演出中に遊技を行いたいと感じている遊技者に対して、長時間遊技を行わせることができるので、遊技機の稼働率を高めることができるという効果がある。
遊技機A1において、前記停止表示手段により識別情報が停止表示されてから一定期間が経過するまで前記動的表示手段により新たな識別情報の動的表示が開始されなかった場合に、前記停止表示された識別情報に替えてその識別情報とは異なる所定画像を表示させる所定画像表示手段と、その所定画像表示手段による前記所定画像の表示中に前記特定演出表示手段により前記特定演出が実行される場合に、前記所定画像の表示態様を半透明な態様に切り換える透過態様設定手段とを備えることを特徴とする遊技機A9。
遊技機A9によれば、遊技機A1の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、停止表示手段により識別情報が停止表示されてから一定期間が経過するまで動的表示手段により新たな識別情報の動的表示が開始されなかった場合に、停止表示された識別情報に替えてその識別情報とは異なる所定画像が所定画像表示手段により表示される。そして、所定画像表示手段による所定画像の表示中に特定演出表示手段により特定演出が実行される場合に、所定画像の表示態様が透過態様設定手段により半透明な態様に切り換えられる。
これにより、識別情報が停止表示されている場合には、その停止表示された識別情報を遊技者に視認させつつ特定演出を明確に表示させることができる。一方で、所定画像が表示され、識別情報が停止表示されていない場合は、所定画像の表示領域が半透明な態様に切り換えられるので、より特定演出を視認しやすくすることができる。即ち、表示されている表示画像の種別に応じて、表示画像と特定演出との視認しやすさを変更し、遊技者に対して視認させるべき画像を適切に表示させることができるという効果がある。
遊技機A1において、前記停止表示手段により識別情報が停止表示されてから一定期間が経過するまで前記動的表示手段により新たな識別情報の動的表示が開始されなかった場合に、前記停止表示された識別情報に替えてその識別情報とは異なる所定画像を表示させる所定画像表示手段と、その所定画像表示手段による前記所定画像の表示中に前記特定演出表示手段により前記特定演出が実行される場合に、前記所定画像に替えて、その所定画像が表示される前に前記停止表示手段により停止表示されていた識別情報を前記第2の態様で表示させる識別情報表示手段とを備えることを特徴とする遊技機A10。
遊技機A10によれば、遊技機A1の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、停止表示手段により識別情報が停止表示されてから一定期間が経過するまで動的表示手段により新たな識別情報の動的表示が開始されなかった場合に、停止表示された識別情報に替えてその識別情報とは異なる所定画像が所定画像表示手段により表示される。そして、所定画像表示手段による所定画像の表示中に特定演出表示手段により特定演出が実行される場合に、所定画像に替えて、その所定画像が表示される前に停止表示手段により停止表示されていた識別情報が識別情報表示手段によって第2の態様で表示される。
これにより、識別情報の表示中に特定演出が実行される場合も、所定画像の表示中に特定演出が実行される場合も、同一の画像を表示させることができる。即ち、特定演出の実行時に、表示されている画像の種別に応じて表示画像を変更するという処理を行う必要がないので、特定演出が実行される場合の制御をより単純化することができるという効果がある。
遊技機A1において、前記表示態様切換手段は、前記停止表示手段による識別情報の前記第1の態様での停止表示中に前記特定演出表示手段により特定演出が実行される場合、前記第1の態様で停止表示中の識別情報が非表示となるように識別情報の表示態様を切り換えるものであることを特徴とする遊技機A11。
遊技機A11によれば、遊技機A1の奏する効果に加え、停止表示手段による識別情報の第1の態様での停止表示中に特定演出表示手段により特定演出が実行される場合、第1の態様で停止表示中の識別情報が非表示となるように識別情報の表示態様が表示態様切換手段によって切り換えられるので、特定演出をより明確に表示させることができるという効果がある。
10 パチンコ機(遊技機)
81 第3図柄表示装置(表示手段)
292 RTC(計時手段)
S213 特典遊技付与手段
S1404 期間判別手段
S1410 特定演出表示手段
S2205 動的表示手段
S2813 所定画像切換手段
S2815 表示態様切換手段
S3010 停止表示手段
S3404 所定画像表示手段
本発明は、パチンコ機に代表される遊技機に関するものである。
パチンコ機等の遊技機において、液晶表示装置等の表示装置が設けられた遊技機が知られている。この従来型の遊技機では、表示装置において図柄の変動表示が行われ、図柄が予め定められた組み合わせで停止表示されることで、遊技者に有利な大当たり遊技が付与される。また、表示装置には、図柄以外にもキャラクタや風景等の様々な画像が表示される。ここで、従来型の遊技機では、画像を表示させるための優先度が定められており、例えば、大当たりとなるか否かに直接関係する図柄が明確に視認できるように表示され、他の画像は図柄が表示されている表示領域以外の領域に表示される。
特開2003−325886号公報
しかしながら、従来の遊技機では、優先度の高い画像が表示されている場合には、他の画像を表示させる表示領域が小さくなってしまうため、他の画像が視認し難くなってしまう場合があった。即ち、遊技者に対して視認させるべき画像であるか否かに関わらず、画像が視認し難くなってしまい、好適な表示内容に設定することができない虞があった。
本発明は、上記例示した問題点を解決するためになされたものであり、好適な表示内容に設定することができる遊技機を提供することを目的とする。
この目的を達成するために請求項1記載の遊技機は、図柄を表示する表示手段と、所定条件の成立に基づいて前記表示手段に識別情報の動的表示を実行させる動的表示手段と、その動的表示手段による動的表示において予め定めた識別情報が停止表示される場合に遊技者に有利な特典遊技を付与する特典遊技付与手段とを備えており、特定条件の成立に基づいて前記表示手段において前記識別情報の動的表示とは異なる特定演出を実行する特定演出表示手段と、前記動的表示手段による動的表示において前記識別情報を第1の態様で停止表示する停止表示手段と、その停止表示手段による識別情報の前記第1の態様での停止表示中に前記特定演出表示手段により特定演出が実行される場合、前記第1の態様で停止表示中の識別情報が、その第1の態様より表示領域の小さい第2の態様で表示されるように、前記停止表示中の識別情報の表示態様を切り換える表示態様切換手段とを備えている。
請求項2記載の遊技機は、請求項1記載の遊技機において、前記停止表示手段により識別情報が停止表示されてから一定期間が経過するまで前記動的表示手段により新たな識別情報の動的表示が開始されなかった場合に、前記停止表示された識別情報に替えてその識別情報とは異なる所定画像を表示させる所定画像表示手段と、その所定画像表示手段による前記所定画像の表示中に前記特定演出表示手段により前記特定演出が実行される場合に、前記所定画像の表示態様を、少なくとも前記第の態様で表示され前記識別情報より表示領域の小さい表示態様に切り換える所定画像切換手段とを備えている。
請求項3記載の遊技機は、請求項2に記載の遊技機において、前記所定画像切換手段は、前記所定画像表示手段による前記所定画像の表示中に前記特定演出表示手段により前記特定演出が実行される場合に、前記所定画像が非表示となるように切り換えるものである。
請求項4記載の遊技機は、請求項1から3のいずれかに記載の遊技機において、計時情報を計時する計時手段と、その計時手段が計時する計時情報に基づいて前記特定演出の実行期間であるか否かを判別する期間判別手段とを備え、前記特定演出表示手段は、前記期間判別手段により前記特定演出の実行期間であると判別された場合に前記特定演出を実行するものである。
請求項1記載の遊技機によれば、特定条件の成立に基づいて、特定演出表示手段により表示手段に識別情報の動的表示とは異なる特定演出が実行される。動的表示手段による動的表示において表示される識別情報が、停止表示手段により第1の態様で停止表示される。そして、停止表示手段による識別情報の第1の態様での停止表示中に特定演出表示手段により特定演出が実行される場合、第1の態様で停止表示中の識別情報が、その第1態様より表示領域の小さい第2の態様で表示されるように、停止表示中の識別情報の表示態様が表示態様切替手段によって切り換えられる。
これにより、前回の動的表示の終了時に表示された識別情報を第2の態様で表示させておくことで遊技者が識別情報を確認可能としておきつつ、特定演出をより大きな表示領域で実行することができる。つまり、動的表示手段により識別情報の動的表示が実行されている場合や、その動的表示の終了時に比較して、遊技者が確認する頻度の低い停止表示状態の識別情報の表示領域を削減し、特定演出をより明確に表示させることができる。よって、好適な表示内容に設定することができるという効果がある。
請求項2記載の遊技機によれば、請求項1記載の遊技機の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、停止表示手段により識別情報が停止表示されてから一定期間が経過するまで動的表示手段により新たな識別情報の動的表示が開始されなかった場合に、停止表示された識別情報に替えてその識別情報とは異なる所定画像が所定画像表示手段により表示される。また、所定画像表示手段による所定画像の表示中に特定演出表示手段により特定演出が実行される場合に、所定画像の表示態様が所定画像切換手段により、少なくともの態様で表示され識別情報より表示領域の小さい表示態様に設定される。
これにより、識別情報が停止表示されている場合には、その停止表示された識別情報を遊技者に視認させつつ特定演出を明確に表示させることができる。一方で、所定画像が表示され、識別情報が停止表示されていない場合は、所定画像の表示領域が第2の態様で表示された識別情報よりも小さい態様に設定されるので、より特定演出を視認しやすくすることができる。即ち、表示されている表示画像の種別に応じて、表示画像と特定演出との視認しやすさを変更し、遊技者に対して視認させるべき画像を適切に表示させることができるという効果がある。
請求項3記載の遊技機によれば、請求項2に記載の遊技機の奏する効果に加え、所定画像表示手段による所定画像の表示中に特定演出表示手段により特定演出が実行される場合に、所定画像切換手段により所定画像が非表示となるように切り換えられるので、識別情報が停止表示されている場合には、その停止表示された識別情報を遊技者に視認させつつ特定演出を明確に表示させることができる。一方で、所定画像が表示され、識別情報が停止表示されていない場合は、所定画像が非表示となるので、より特定演出を視認しやすくすることができる。即ち、表示されている表示画像の種別に応じて、表示画像と特定演出との視認しやすさを変更し、遊技者に対して視認させるべき画像を適切に表示させることができるという効果がある。
請求項4記載の遊技機によれば、請求項1から3のいずれかに記載の遊技機の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、計時手段により計時情報が計時され、その計時手段が計時する計時情報に基づいて、特定演出の実行期間であるか否かが期間判別手段によって判別される。そして、期間判別手段により特定演出の実行期間であると判別された場合に、特定演出表示手段により特定演出が実行される。
これにより、遊技者に対して特定演出の実行期間を計時情報に基づいて認識させることができるので、特定演出の実行期間を狙って遊技を開始させることができる。よって、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができるという効果がある。
第1実施形態におけるパチンコ機の正面図である。 パチンコ機の遊技盤の正面図である。 パチンコ機の背面図である。 (a)は、表示画面の領域区分設定と有効ライン設定とを模式的に示した図あり、(b)は、実際の表示画面を例示した図である。 (a)は、第3図柄の変動表示中に時間演出が開始される5秒前となった場合の、実際の表示画面を例示した図であり、(b)は、第3図柄の変動表示中に時間演出の開始タイミングとなった場合の、実際の表示画面を例示した図である。 (a)は、第3図柄の確定表示中に時間演出が開始される5秒前となった場合の、実際の表示画面を例示した図であり、(b)は、第3図柄の確定表示中に時間演出の開始タイミングとなった場合の、実際の表示画面を例示した図である。 デモ演出中に時間演出が開始される5秒前にとなった場合の、実際の表示画面を例示した図である。 (a),(b)は、時間演出中における演出の一例を示す模式図である。 (a),(b)は、時間演出中における演出の一例を示す模式図である。 パチンコ機の電気的構成を示すブロック図である。 (a)は、主制御装置内のROMの電気的構成を示すブロック図であり、(b)は、第1当たり種別カウンタC2と特別図柄における大当たり種別との対応関係を模式的に示した模式図であり、(c)は、第2当たり乱数カウンタC4と普通図柄における当たりとの対応関係を模式的に示した模式図である。 各種カウンタの概要を示す図である。 変動パターンテーブルの内容を模式的に示した模式図である。 時間演出テーブルの内容を模式的に示した模式図である。 RTCの電気的構成を示すブロック図である。 表示制御装置の電気的構成を示すブロック図である。 データテーブル格納エリアの内容を模式的に示した模式図である。 (a)は、背面Aを説明する説明図であり、(b)は、背面Bを説明する説明図である。 (a)〜(c)は、背面Cを説明する説明図である。 表示データテーブルの一例を模式的に示した模式図である。 転送データテーブルの一例を模式的に示した模式図である。 描画リストの一例を模式的に示した模式図である。 主制御装置内のMPUにより実行されるタイマ割込処理を示すフローチャートである。 主制御装置内のMPUにより実行される特別図柄変動処理を示すフローチャートである。 主制御装置内のMPUにより実行される特別図柄変動開始処理を示したフローチャートである。 主制御装置内のMPUにより実行される始動入賞処理を示すフローチャートである。 主制御装置内のMPUにより実行される普通図柄変動処理を示すフローチャートである。 主制御装置内のMPUにより実行されるスルーゲート通過処理を示すフローチャートである。 主制御装置内のMPUにより実行されるNMI割込処理を示すフローチャートである。 主制御装置内のMPUにより実行される立ち上げ処理を示すフローチャートである。 主制御装置内のMPUにより実行されるメイン処理を示すフローチャートである。 主制御装置内のMPUにより実行される大当たり制御処理を示すフローチャートである。 音声ランプ制御装置内のMPUにより実行される立ち上げ処理を示したフローチャートである。 音声ランプ制御装置内のMPUにより実行される時間設定処理を示したフローチャートである。 音声ランプ制御装置内のMPUにより実行されるメイン処理を示したフローチャートである。 音声ランプ制御装置内のMPUにより実行される経過時間確認処理を示したフローチャートである。 音声ランプ制御装置内のMPUにより実行されるコマンド判定処理を示したフローチャートである。 音声ランプ制御処置内のMPUにより実行される変動パターン選択処理を示したフローチャートである。 音声ランプ制御装置内のMPUにより実行される変動表示設定処理を示したフローチャートである。 表示制御装置内のMPUにより実行されるメイン処理を示したフローチャートである。 表示制御装置内のMPUにより実行されるブート処理を示すフローチャートである。 (a)は、表示制御装置内のMPUにより実行されるコマンド割込処理を示したフローチャートであり、(b)は、表示制御装置内のMPUにより実行されるV割込処理を示したフローチャートである。 表示制御装置内のMPUにより実行されるコマンド判定処理を示したフローチャートである。 (a)は、表示制御装置内のMPUにより実行される変動パターンコマンド処理を示したフローチャートであり、(b)は、表示制御装置内のMPUにより実行される停止種別コマンド処理を示したフローチャートである。 (a)は、表示制御装置内のMPUにより実行されるオープニングコマンド処理を示したフローチャートであり、(b)は、表示制御装置内のMPUにより実行されるラウンド数コマンド処理を示したフローチャートである。 表示制御装置内のMPUにより実行されるエンディングコマンド処理を示したフローチャートである。 表示制御装置内のMPUにより実行される背面画像変更コマンド処理を示したフローチャートである。 表示制御装置内のMPUにより実行されるエラーコマンド処理を示したフローチャートである。 表示制御装置内のMPUにより実行される表示設定処理を示したフローチャートである。 表示制御装置内のMPUにより実行される警告画像設定処理を示したフローチャートである。 表示制御装置内のMPUにより実行されるポインタ更新処理を示したフローチャートである。 表示制御装置内のMPUにより実行される確定表示設定処理を示したフローチャートである。 表示制御装置内のMPUにより実行されるデモ表示設定処理を示したフローチャートである。 (a)は、表示制御装置内のMPUにより実行される転送設定処理を示したフローチャートであり、(b)は、表示制御装置内のMPUにより実行される常駐画像転送設定処理を示したフローチャートである。 表示制御装置内のMPUにより実行される通常画像転送設定処理を示したフローチャートである。 表示制御装置内のMPUにより実行される描画処理を示したフローチャートである。 (a)は、第2実施形態において第3図柄の確定表示中に時間演出が開始される5秒前となった場合の、実際の表示画面を例示した図であり、(b)は、第2実施形態において第3図柄の確定表示中に時間演出の開始タイミングとなった場合の、実際の表示画面を例示した図である。 第2実施形態における表示制御装置内のMPUにより実行される背面画像変更コマンド処理2を示したフローチャートである。 第3実施形態におけるデータテーブル格納エリアの内容を模式的に示した模式図である。 第3実施形態における主制御装置内のMPUにより実行される特別図柄変動処理2を示すフローチャートである。 第3実施形態における音声ランプ制御装置内のMPUにより実行されるコマンド判定処理を示したフローチャートである。 第3実施形態における音声ランプ制御装置内のMPUにより実行される停止表示選択処理を示したフローチャートである。 第3実施形態における表示制御装置内のMPUにより実行されるコマンド判定処理を示したフローチャートである。 第3実施形態における表示制御装置内のMPUにより実行される背景画像変更コマンド処理3を示したフローチャートである。 第3実施形態における表示制御装置内のMPUにより実行される確定表示設定処理2を示したフローチャートである。
<第1実施形態>
以下、本発明の第1実施形態について、添付図面を参照して説明する。図1は、第1の実施形態におけるパチンコ機10の正面図であり、図2はパチンコ機10の遊技盤13の正面図であり、図3はパチンコ機10の背面図である。
パチンコ機10は、図1に示すように、略矩形状に組み合わせた木枠により外殻が形成される外枠11と、その外枠11と略同一の外形形状に形成され外枠11に対して開閉可能に支持された内枠12とを備えている。外枠11には、内枠12を支持するために正面視(図1参照)左側の上下2カ所に金属製のヒンジ18が取り付けられ、そのヒンジ18が設けられた側を開閉の軸として内枠12が正面手前側へ開閉可能に支持されている。
内枠12には、多数の釘や入賞口63,64等を有する遊技盤13(図2参照)が裏面側から着脱可能に装着される。この遊技盤13の前面を球が流下することにより弾球遊技が行われる。なお、内枠12には、球を遊技盤13の前面領域に発射する球発射ユニット112a(図10参照)やその球発射ユニット112aから発射された球を遊技盤13の前面領域まで誘導する発射レール(図示せず)等が取り付けられている。
内枠12の前面側には、その前面上側を覆う前面枠14と、その下側を覆う下皿ユニット15とが設けられている。前面枠14及び下皿ユニット15を支持するために正面視(図1参照)左側の上下2カ所に金属製のヒンジ19が取り付けられ、そのヒンジ19が設けられた側を開閉の軸として前面枠14及び下皿ユニット15が正面手前側へ開閉可能に支持されている。なお、内枠12の施錠と前面枠14の施錠とは、シリンダ錠20の鍵穴21に専用の鍵を差し込んで所定の操作を行うことでそれぞれ解除される。
前面枠14は、装飾用の樹脂部品や電気部品等を組み付けたものであり、その略中央部には略楕円形状に開口形成された窓部14cが設けられている。前面枠14の裏面側には2枚の板ガラスを有するガラスユニット16が配設され、そのガラスユニット16を介して遊技盤13の前面がパチンコ機10の正面側に視認可能となっている。
前面枠14には、球を貯留する上皿17が前方へ張り出して上面を開放した略箱状に形成されており、この上皿17に賞球や貸出球などが排出される。上皿17の底面は正面視(図1参照)右側に下降傾斜して形成され、その傾斜により上皿17に投入された球が球発射ユニット112aへと案内される。また、上皿17の上面には、枠ボタン228が設けられている。この枠ボタン228は、例えば、後述する第3図柄表示装置81(図2参照)で表示される演出のステージを変更したり、スーパーリーチの演出内容を変更したりする場合などに、遊技者により操作される。
ステージとは、第3図柄表示装置81に表示される各種演出に統一性を持たせた演出モードのことで、本パチンコ機10では「街中ステージ」,「空ステージ」,「島ステージ」の3つのステージが設けられている。そして、後述する第1入球口64への入球(始動入賞)に伴って行われる変動演出やリーチ演出などの各種演出は、それぞれのステージに与えられたテーマに合わせて行われるように設計されている。ステージの変更は、変動演出が行われていない期間や高速変動中に遊技者によって枠ボタン228が操作された場合に行われ、枠ボタン228が操作される度に「街中ステージ」→「空ステージ」→「島ステージ」→「街中ステージ」→・・・の順で繰り返し変更される。また、電源投入後の直後は、初期ステージとして「街中ステージ」が設定される。
一方、第3図柄表示装置81には、ノーマルリーチ演出が開始された場合に、ノーマルリーチからスーパーリーチに発展させるときは、ノーマルリーチ中にスーパーリーチの演出態様の選択画面が表示されるように構成されており、その選択画面が表示されている間に、枠ボタン228が遊技者に操作されると、スーパーリーチ時の演出内容が変更される。
前面枠14には、その周囲(例えばコーナー部分)に各種ランプ等の発光手段が設けられている。これら発光手段は、大当たり時や所定のリーチ時等における遊技状態の変化に応じて、点灯又は点滅することにより発光態様が変更制御され、遊技中の演出効果を高める役割を果たす。窓部14cの周縁には、LED等の発光手段を内蔵した電飾部29〜33が設けられている。パチンコ機10においては、これら電飾部29〜33が大当たりランプ等の演出ランプとして機能し、大当たり時やリーチ演出時等には内蔵するLEDの点灯や点滅によって各電飾部29〜33が点灯または点滅して、大当たり中である旨、或いは大当たり一歩手前のリーチ中である旨が報知される。また、前面枠14の正面視(図1参照)左上部には、LED等の発光手段が内蔵され賞球の払い出し中とエラー発生時とを表示可能な表示ランプ34が設けられている。
また、右側の電飾部32下側には、前面枠14の裏面側を視認できるように裏面側より透明樹脂を取り付けて小窓35が形成され、遊技盤13前面の貼着スペースK1(図2参照)に貼付される証紙等はパチンコ機10の前面から視認可能とされている。また、パチンコ機10においては、より煌びやかさを醸し出すために、電飾部29〜33の周りの領域にクロムメッキを施したABS樹脂製のメッキ部材36が取り付けられている。
窓部14cの下方には、貸球操作部40が配設されている。貸球操作部40には、度数表示部41と、球貸しボタン42と、返却ボタン43とが設けられている。パチンコ機10の側方に配置されるカードユニット(球貸しユニット)(図示せず)に紙幣やカード等を投入した状態で貸球操作部40が操作されると、その操作に応じて球の貸出が行われる。具体的には、度数表示部41はカード等の残額情報が表示される領域であり、内蔵されたLEDが点灯して残額情報として残額が数字で表示される。球貸しボタン42は、カード等(記録媒体)に記録された情報に基づいて貸出球を得るために操作されるものであり、カード等に残額が存在する限りにおいて貸出球が上皿17に供給される。返却ボタン43は、カードユニットに挿入されたカード等の返却を求める際に操作される。なお、カードユニットを介さずに球貸し装置等から上皿17に球が直接貸し出されるパチンコ機、いわゆる現金機では貸球操作部40が不要となるが、この場合には、貸球操作部40の設置部分に飾りシール等を付加して部品構成は共通のものとしても良い。カードユニットを用いたパチンコ機と現金機との共通化を図ることができる。
上皿17の下側に位置する下皿ユニット15には、その中央部に上皿17に貯留しきれなかった球を貯留するための下皿50が上面を開放した略箱状に形成されている。下皿50の右側には、球を遊技盤13の前面へ打ち込むために遊技者によって操作される操作ハンドル51が配設され、かかる操作ハンドル51の内部には球発射ユニット112aの駆動を許可するためのタッチセンサ51aと、押下操作している期間中には球の発射を停止する押しボタン式の打ち止めスイッチ51bと、操作ハンドル51の回動操作量を電気抵抗の変化により検出する可変抵抗器(図示せず)とが内蔵されている。操作ハンドル51が遊技者によって右回りに回転操作されると、タッチセンサ51aがオンされると共に可変抵抗器の抵抗値が操作量に対応して変化し、操作ハンドル51の回動操作量に応じて変化する可変抵抗器の抵抗値に対応した強さで球が発射され、これにより遊技者の操作に対応した飛び量で遊技盤13の前面へ球が打ち込まれる。また、操作ハンドル51が遊技者により操作されていない状態においては、タッチセンサ51aおよび打ち止めスイッチ51bがオフとなっている。
下皿50の正面下方部には、下皿50に貯留された球を下方へ排出する際に操作するための球抜きレバー52が設けられている。この球抜きレバー52は、常時、右方向に付勢されており、その付勢に抗して左方向へスライドさせることにより、下皿50の底面に形成された底面口が開口して、その底面口から球が自然落下して排出される。かかる球抜きレバー52の操作は、通常、下皿50の下方に下皿50から排出された球を受け取る箱(一般に「千両箱」と称される)を置いた状態で行われる。下皿50の右方には、上述したように操作ハンドル51が配設され、下皿50の左方には灰皿53が取り付けられている。
図2に示すように、遊技盤13は、正面視略正方形状に切削加工した木製のベース板60に、球案内用の多数の釘や風車およびレール61,62、一般入賞口63、第1入球口64、可変入賞装置65、可変表示装置ユニット80等を組み付けて構成され、その周縁部が内枠12の裏面側に取り付けられる。一般入賞口63、第1入球口64、可変入賞装置65、可変表示装置ユニット80は、ルータ加工によってベース板60に形成された貫通穴に配設され、遊技盤13の前面側から木ネジ等により固定されている。また、遊技盤13の前面中央部分は、前面枠14の窓部14c(図1参照)を通じて内枠12の前面側から視認することができる。以下に、主に図2を参照して、遊技盤13の構成について説明する。
遊技盤13の前面には、帯状の金属板を略円弧状に屈曲加工して形成した外レール62が植立され、その外レール62の内側位置には外レール62と同様に帯状の金属板で形成した円弧状の内レール61が植立される。この内レール61と外レール62とにより遊技盤13の前面外周が囲まれ、遊技盤13とガラスユニット16(図1参照)とにより前後が囲まれることにより、遊技盤13の前面には、球の挙動により遊技が行われる遊技領域が形成される。遊技領域は、遊技盤13の前面であって2本のレール61,62と円弧部材70とにより区画して形成される略円形状の領域(入賞口等が配設され、発射された球が流下する領域)である。
2本のレール61,62は、球発射ユニット112a(図10参照)から発射された球を遊技盤13上部へ案内するために設けられたものである。内レール61の先端部分(図2の左上部)には戻り球防止部材68が取り付けられ、一旦、遊技盤13の上部へ案内された球が再度球案内通路内に戻ってしまうといった事態が防止される。外レール62の先端部(図2の右上部)には、球の最大飛翔部分に対応する位置に返しゴム69が取り付けられ、所定以上の勢いで発射された球は、返しゴム69に当たって、勢いが減衰されつつ中央部側へ跳ね返される。また、内レール61の右下側の先端部と外レール62の右上側の先端部との間には、レール間を繋ぐ円弧を内面側に設けて形成された樹脂製の円弧部材70がベース板60に打ち込んで固定されている。
本パチンコ機10では、球が第1入球口64へ入球した場合に特別図柄(第1図柄)の抽選が行われ、球が第2入球口67を通過した場合に普通図柄(第2図柄)の抽選が行われる。第1入球口64への入球に対して行われる特別図柄の抽選では、特別図柄の大当たりか否かの当否判定が行われると共に、特別図柄の大当たりと判定された場合にはその大当たり種別の判定も行われる。特別図柄の大当たりになると、パチンコ機10が特別遊技状態へ移行すると共に、通常時には閉鎖されている特定入賞口65aが所定時間(例えば、30秒経過するまで、或いは、球が10個入賞するまで)開放され、その開放が5回(5ラウンド)繰り返される。その結果、その特定入賞口65aに多量の球が入賞するので、通常時より多量の賞球の払い出しが行われる。特別図柄の大当たり種別としては、「大当たりA」、「大当たりB」の2種類が設けられており、特別遊技状態の終了後には大当たり終了後の付加価値として、これらの大当たり種別に応じた遊技上の価値(遊技価値)が遊技者に付与される。
また、特別図柄(第1図柄)の抽選が行われると、第1図柄表示装置37において特別図柄の変動表示が開始されて、所定時間(例えば、8秒〜30秒など)が経過した後に、抽選結果を示す特別図柄が停止表示される。第1図柄表示装置37において変動表示が行われている間に球が第1入球口64へ入球すると、その入球回数は最大4回まで保留され、その保留球数が第1図柄表示装置37により示されると共に、第3図柄表示装置81においても示される。第1図柄表示装置37において変動表示が終了した場合に、第1入球口64についての保留球数が残っていれば、次の特別図柄の抽選が行われると共に、その抽選に応じた変動表示が開始される。なお、パチンコ機10が特別遊技状態へ移行すると開閉される特定入賞口65aは、第1入球口64の直ぐ下に設けられている。よって、特別遊技状態中は、遊技者が特定入賞口65aに入賞させようとして球を打つので、第1入球口64にも球が多く入球する。従って、殆どの場合、パチンコ機10が特別遊技状態に移行している間に、第1入球口64についての保留球数は最大(4回)になる。
一方、第2入球口67における球の通過に対して行われる普通図柄の抽選では、普通図柄の当たりか否かの当否判定が行われる。普通図柄の当たりになると、所定時間(例えば、0.2秒または1秒)だけ第1入球口64に付随する電動役物が開放され、第1入球口64へ球が入球し易い状態になる。つまり、普通図柄の当たりになると、球が第1入球口64へ入球し易くなり、その結果、特別図柄の抽選が行われ易くなる。
また、普通図柄(第2図柄)の抽選が行われると、第2図柄表示装置83において普通図柄の変動表示が開始されて、所定時間(例えば、3秒や30秒など)が経過した後に、抽選結果を示す普通図柄が停止表示される。第2図柄表示装置83において変動表示が行われている間に球が第2入球口67を通過すると、その通過回数は最大4回まで保留され、その保留球数が第1図柄表示装置37により表示されると共に、第2図柄保留ランプ84においても示される。第2図柄表示装置83において変動表示が終了した場合に、第2入球口67についての保留球数が残っていれば、次の普通図柄の抽選が行われると共に、その抽選に応じた変動表示が開始される。
上述したように、特別図柄の大当たり種別としては、「大当たりA」、「大当たりB」の2種類が設けられている。
「大当たりA」、及び「大当たりB」になると、いずれもラウンド数が16ラウンドの特別遊技状態(16R大当たり)となる。更に、「大当たりA」においては、大当たり終了後の付加価値として、その大当たり終了後にパチンコ機10が特別図柄の高確率状態(特別図柄の確変中)へ移行すると共に、普通図柄の当たり確率がアップする。この特別図柄の高確率状態、および普通図柄の当たり確率がアップした状態は、少なくとも次に特別図柄の大当たりとなるまで継続する。一方、「大当たりB」になった場合は、大当たり終了後の付加価値として、大当たり終了後から特別図柄の抽選が100回終了するまでの間、普通図柄の当たり確率がアップする。
ここで、「特別図柄の高確率状態」とは、特別図柄の大当たり確率がアップした状態、いわゆる特別図柄の確率状態(特別図柄の確変中)をいい、換言すれば、特別遊技状態(16R大当たり)へ移行し易い遊技の状態のことである。対して、「特別図柄の高確率状態」でない場合を「特別図柄の低確率状態」といい、これは特別図柄の確変状態よりも大当たり確率が低い状態、即ち、特別図柄の大当たり確率が通常の状態(特別図柄の通常状態)のことを示す。また、「普通図柄の時短状態」(普通図柄の時短中)とは、普通図柄の当たり確率がアップして、第1入球口64へ球が入球し易い遊技の状態のことをいう。対して、「普通図柄の時短状態」でない時を「普通図柄の通常状態」といい、これは普通図柄の当たり確率が通常の状態、即ち、時短中よりも当たり確率が低い状態のことを示す。
以後、特別図柄の大当たり終了後からパチンコ機10が特別図柄の高確率状態になっている期間、即ち、「大当たりA」が終了してから、次に特別図柄の大当たりとなるまでの間のことを、特別図柄の確変期間と称す。また、特別図柄の大当たり終了後からパチンコ機10が普通図柄の時短状態になっている期間のことを、普通図柄の時短期間と称す。
上述したように、本実施形態における特別図柄の大当たりでは、大当たりの種別に関わらず大当たり時のラウンド数を共通とし、大当たりの種別に応じて「特別図柄の高確率状態」となるか否かを異ならせている。これに対して、大当たりの種別に応じてラウンド数を変えても良いし、大当たりの種別の一部のみラウンド数を変えても良い。また、例えば、大当たりの種別に応じて「普通図柄の時短状態」となる期間を変えてもよい。また、「普通図柄の時短状態」となる期間を変える代わりに、第1入球口64に付随する電動役物(図示せず)を開放する時間や、1回の普通図柄の当たりで電動役物を開放する回数を変更するものとしても良い。また、本実施形態では、「大当たりA」が終了してから、次に特別図柄の大当たりとなるまで「特別図柄の高確率状態」となるが、大当たりが終了してから特別図柄の抽選が例えば100回終了するまでの間だけ「特別図柄の高確率状態」となるように構成してもよい。なお、100回はあくまで例示であり、特別図柄の抽選回数は任意に定めてよい。
また、本実施形態では、大当たり種別が「大当たりB」になると、その「大当たりB」終了後から特別図柄の抽選が100回終了するまで普通図柄の時短状態が継続されるが、時短状態の継続期間は任意に定めればよい。例えば、大当たり種別が「大当たりB」になると、その「大当たりB」終了後から特別図柄の抽選が50回終了するまで普通図柄の時短状態が継続されるように構成してもよい。
本パチンコ機10では、電源などの投入等により初期設定が行われると、必ず「特別図柄の低確率状態」に設定される。その後、「大当たりB」になり、「普通図柄の通常状態」から「普通図柄の時短状態」へ移行すると、その状態は、その特別図柄の大当たり終了後から特別図柄の抽選が100回終了するまで継続される。一方、特別図柄の大当たりになった後、100回分の特別図柄の抽選が終了するまでに、新たな特別図柄の大当たりにならないと、「普通図柄の通常状態」に戻る。
そして、「普通図柄の時短状態」が継続されている間に、新たに「大当たりB」になると、「普通図柄の時短状態」はさらに、その新たな「大当たりB」の終了後から、100回分の特別図柄の抽選が終了するまで継続される。例えば、「大当たりB」になって「普通図柄の時短状態」に移行した後、10回目の特別図柄の抽選で「大当たりB」になると、「普通図柄の時短状態」はさらに、その「大当たりB」終了後から特別図柄の抽選が100回行われるまで継続される。
遊技領域の正面視右側上部(図2の右側上部)には、発光手段である複数の発光ダイオード(以下、「LED」と略す。)37aと7セグメント表示器37bとが設けられた第1図柄表示装置37が配設されている。第1図柄表示装置37は、後述する主制御装置110で行われる各制御に応じた表示がなされるものであり、主にパチンコ機10の遊技状態の表示が行われる。複数のLED37aは、第1入球口64への入球(始動入賞)に伴って行われる特別図柄の抽選が実行中であるか否かを点灯状態により示すことによって変動表示を行ったり、変動終了後の停止図柄として、その特別図柄の抽選結果に応じた特別図柄(第1図柄)を点灯状態により示したり、第1入球口64に入球された球のうち変動が未実行である球(保留球)の数である保留球数を点灯状態により示すものである。
この第1図柄表示装置37において特別図柄(第1図柄)の変動表示が行われている間に球が第1入球口64へ入球した場合、その入球回数は最大4回まで保留され、その保留球数は第1図柄表示装置37により示されると共に、第3図柄表示装置81においても示される。なお、本実施形態においては、第1入球口64への入球は、最大4回まで保留されるように構成したが、最大保留回数は4回に限定されるものでなく、3回以下、又は、5回以上の回数(例えば、8回)に設定しても良い。
7セグメント表示器37bは、大当たり中のラウンド数やエラー表示を行うものである。なお、LED37aは、それぞれのLEDの発光色(例えば、赤、緑、青)が異なるよう構成され、その発光色の組み合わせにより、少ないLEDでパチンコ機10の各種遊技状態(特別図柄の高確率状態や、普通図柄の時短中など)を表示することができる。また、LED37aには、変動終了後の停止図柄として特別図柄の抽選結果が大当たりであるか否かが示されるだけでなく、大当たりである場合はその大当たり種別(大当たりA、大当たりB)に応じた特別図柄(第1図柄)が示される。
また、遊技領域には、球が入賞することにより5個から15個の球が賞球として払い出される複数の一般入賞口63が配設されている。また、遊技領域の中央部分には、可変表示装置ユニット80が配設されている。可変表示装置ユニット80には、液晶ディスプレイ(以下単に「表示装置」と略す。)で構成された第3図柄表示装置81と、LEDで構成された第2図柄表示装置83とが設けられている。この可変表示装置ユニット80には、第3図柄表示装置81の外周を囲むようにして、センターフレーム86が配設されている。
第3図柄表示装置81は、第1図柄表示装置37の表示に応じた装飾的な表示を行うものである。例えば、第1入球口64へ球が入球(始動入賞)すると、それをトリガとして、第1図柄表示装置37において特別図柄(第1図柄)の変動表示が実行される。更に、第3図柄表示装置81では、その特別図柄の変動表示に同期して、その特別図柄の変動表示に対応する第3図柄の変動表示が行われる。
第3図柄表示装置81は、8インチサイズの大型の液晶ディスプレイで構成されるものであり、後述する表示制御装置114によって表示内容が制御されることにより、例えば左、中及び右の3つの図柄列が表示される。各図柄列は複数の図柄によって構成され、これらの図柄が図柄列毎に縦スクロールして第3図柄表示装置81の表示画面上にて第3図柄が可変表示されるようになっている。本実施形態では、主制御装置110の制御に伴った遊技状態の表示が第1図柄表示装置37で行われるのに対して、第3図柄表示装置81はその第1図柄表示装置37の表示に応じた装飾的な表示が行われる。なお、表示装置に代えて、例えば、リール等を用いて第3図柄表示装置81を構成するようにしても良い。
ここで、図4〜図9を参照して、第3図柄表示装置81の表示内容について説明する。図4は、第3図柄表示装置81の表示画面を説明するための図面であり、図4(a)は、表示画面の領域区分設定と有効ライン設定とを模式的に示した図であり、図4(b)は、実際の表示画面を例示した図である。
第3図柄は、「0」から「9」の数字を付した10種類の主図柄により構成されている。各主図柄は、木箱よりなる後方図柄の上に「0」から「9」の数字を付して構成され、そのうち奇数番号(1,3,5,7,9)を付した主図柄は、木箱の前面ほぼ一杯に大きな数字が付加されている。これに対し、偶数番号(0,2,4,6,8)を付した主図柄は、木箱の前面ほぼ一杯にかんな、風呂敷、ヘルメット等のキャラクタを模した付属図柄が付加されており、付属図柄の右下側に偶数の数字が緑色で小さく、且つ、付属図柄の前側に表示されるように付加されている。
また、本実施形態のパチンコ機10においては、後述する主制御装置110(図10参照)により行われる特別図柄の抽選結果が大当たりであった場合に、同一の主図柄が揃う変動表示が行われ、その変動表示が終わった後に大当たりが発生するよう構成されている。一方、特別図柄の抽選結果が外れであった場合は、同一の主図柄が揃わない変動表示が行われる。
例えば、特別図柄の抽選結果が「大当たりA」であれば、奇数番号である「1,3,5,7,9」が付加された主図柄が揃う変動表示が行われる。また、「大当たりB」であれば、偶数番号である「0,2,4,6,8」が付加された主図柄が揃う変動表示が行われる。一方、特別図柄の抽選結果が外れであれば、同一番号の主図柄が揃わない変動表示が行われる。
図4(a)に示すように、第3図柄表示装置81の表示画面は、大きくは上下に2分割され、下側の2/3が第3図柄を変動表示する主表示領域Dm、それ以外の上側の1/3が予告演出、キャラクタおよび保留球数などを表示する副表示領域Dsとなっている。
主表示領域Dmは、左・中・右の3つの表示領域Dm1〜Dm3に区分けされており、その3つの表示領域Dm1〜Dm3に、それぞれ3つの図柄列Z1,Z2,Z3が表示される。各図柄列Z1〜Z3には、上述した第3図柄が規定の順序で表示される。即ち、各図柄列Z1〜Z3には、数字の昇順または降順に主図柄が配列され、図柄列Z1〜Z3毎に周期性をもって上から下へとスクロールして変動表示が行われる。特に、左図柄列Z1においては主図柄の数字が降順に現れるように配列され、中図柄列Z2及び右図柄列Z3においては主図柄の数字が昇順に現れるように配列されている。
また、主表示領域Dmには、図柄列Z1〜Z3毎に上・中・下の3段に第3図柄が表示される。この主表示領域Dmの中段部が有効ラインL1として設定されており、毎回の遊技に際して、左図柄列Z1→右図柄列Z3→中図柄列Z2の順に、有効ラインL1上に第3図柄が停止表示される。この停止表示状態は最低1秒間保持される。このように、停止した第3図柄を一定期間(1秒以上)表示させておくことで、遊技者が大当たりに対応する第3図柄の組み合わせであるか否か(特別図柄の抽選結果が大当たりであるか否か)を見落としてしまうことを抑制することができる。また、第3図柄の停止時に有効ラインL1上に大当たり図柄の組合せ(本実施形態では、同一の主図柄の組合せ)が揃えば、大当たりとして大当たり動画(オープニング演出)が表示される。
また、停止表示された第3図柄の組み合わせが外れに対応する組み合わせであって、保留球が存在する場合は、1秒間の停止表示後に、保留球に基づく抽選に対応する変動表示が開始される。なお、複数の保留球が存在する場合は、時間的に最も古い入球に対応する保留球に基づいて抽選が実行される。
一方、保留球が存在しない状態で、特別図柄の外れに対応する組み合わせの第3図柄が1秒間停止表示された場合は、その後も第3図柄が停止表示された状態が継続する。この状態は、所定時間(例えば、15秒)が経過するか、または、第1入球口64に対して新たに球が入球するまで継続する。そして、第3図柄が停止表示されてから所定時間(例えば、15秒)が経過した場合は、遊技が実行されていないことを示すデモ演出(図7参照)が表示される。遊技者が球を所定時間(例えば、15秒)連続して発射させているにも関わらず、第1入球口64への入球が無いという状況は稀であり、第3図柄が停止表示された状態が所定時間(例えば、15秒)継続する場合の多くは、遊技者が遊技を辞めたことで、パチンコ機10による遊技が全く行われていないことに起因する。よって、本実施形態のパチンコ機10では、第3図柄が停止表示されてから所定時間(例えば、15秒)が経過した時点で、遊技者が遊技を行っていないと判断し、デモ演出を開始する。これにより、遊技を開始するためにパチンコ機10を選択しようとしている遊技者が、デモ演出の表示の有無に基づいて遊技が行われているか否かを容易に判断することができる。一方、所定時間(例えば、15秒)が経過する前に第1入球口64に対して新たに球が入球した場合は、その新たな入球に対応する第3図柄の変動表示が実行される。
副表示領域Dsは、主表示領域Dmよりも上方に横長に設けられており、さらに左右方向に3つの小領域Ds1〜Ds3に等区分されている。このうち、小領域Ds1は、第1入球口64に入球された球のうち変動が未実行である球(保留球)の数である保留球数を表示する領域であり、小領域Ds2およびDs3は、予告演出画像を表示する領域である。
実際の表示画面では、図4(b)に示すように、主表示領域Dmに第3図柄の主図柄が合計9個表示される。副表示領域Dsにおいては、右の小領域Ds3に動画が表示され、通常より大当たりへ遷移し易い状態であることが遊技者に示唆される。中央の小領域Ds2では、通常は、所定のキャラクタ710(本実施形態ではハチマキを付けた少年)が所定動作をし、時として所定動作とは別の特別な動作をしたり、別のキャラクタが現出する等して予告演出が行われる。
一方、第3図柄表示装置81(第1図柄表示装置37)にて変動表示が行われている間に球が第1入球口64へ入球した場合、その入球回数は最大4回まで保留され、その保留球数は第1図柄表示装置37により示されると共に、副表示領域Dsの小領域Ds1においても示される。小領域Ds1には、保留球数1球につき1つの保留球数図柄が表示され、その保留球数図柄の表示数に応じて、保留球数が表示される。即ち、小領域Ds1に1つの保留球数図柄が表示されている場合は、保留球数が1球であることを示し、4つの保留球数図柄が表示されている場合は、保留球数が4球であることを示す。また、小領域Ds1に保留球数図柄が表示されていない場合は、保留球数が0球である、即ち、保留球が存在しないことを示す。
なお、本実施形態においては、第1入球口64への入球は、最大4回まで保留されるように構成したが、最大保留球数は4回に限定されるものでなく、3回以下、又は、5回以上の回数(例えば、8回)に設定しても良い。また、小領域Ds1における保留球数図柄の表示に代えて、保留球数を第3図柄表示装置81の一部に数字で、或いは、4つに区画された領域を保留球数分だけ異なる態様(例えば、色や点灯パターン)にして表示するようにしても良い。また、第1図柄表示装置37により保留球数が示されるので、第3図柄表示装置81に保留球数を表示させないものとしてもよい。更に、可変表示装置ユニット80に、保留球数を示す保留ランプを最大保留数分の4つ設け、点灯状態の保留ランプの数に応じて、保留球数を表示するものとしてもよい。
次に、図5〜図9を参照して、本実施形態のパチンコ機10において実行される演出の1つである時間演出について説明する。この時間演出は、パチンコ機10に対して電源が投入されてからの経過時間に応じて実行される演出であり、通常時に実行される演出(図4(b)参照)とは異なる特別な態様の演出が実行される。この時間演出は、1時間毎に実行され、3分間継続する演出である。1時間のうちの3分間しか実行されないので、時間演出を実行することにより遊技者に対して目新しさを感じさせることができる。よって、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができる。
また、時間演出を決められた間隔(1時間毎)で実行するように構成しているので、遊技者に対して時間演出の実行期間を狙って遊技を行わせたり、時間演出の開始間近で遊技を辞めようとしていた遊技者に対して、次の時間演出が終了するまで遊技を継続し、時間演出を楽しみたいと思わせたりすることができる。よって、パチンコ機10の稼働率を向上させることができる。なお、詳細については後述するが、電源が投入されてからの経過時間は、音声ランプ制御装置113に対して電気的に接続されているRTC292(図10参照)の計時する時間情報に基づいて判別される。
図5は、保留球数が3つの状態、且つ、第3図柄の変動表示中に時間演出の開始タイミングとなる場合を示した図である。図5(a)は、時間演出が開始される5秒前における第3図柄表示装置81の表示内容を示した図である。図5(a)に示したように、時間演出が開始される5秒前になると、小領域Ds3において「ふれあいタイム5秒前」との文字が表示される。この「ふれあいタイム」とは、上記した時間演出を意味しており、遊技者が第3図柄表示装置81に表示される犬のキャラクタ740と実際にふれあっているかのような演出が実行されることから「ふれあいタイム」との名称が付けられている。この表示により、時間演出が開始される5秒前であることを遊技者に対して報知することができる。また、この小領域Ds3に表示される文字のうち、秒数の部分は経過時間に応じて内容が変更される。例えば、時間演出が開始される3秒前であれば、「ふれあいタイム3秒前」との文字が小領域Ds3に表示される。
小領域Ds1(図5(a)参照)には、3つの保留球数図柄が表示されている。この保留球数図柄に応じて、遊技者は現在の保留球数が3つであることを容易に認識することができる。更に、図5(a)に示す通り、主表示領域Dmにおいて、変動中の第3図柄は半透明な態様で表示される。即ち、第3図柄の背面に表示される背面画像を遊技者が明瞭に視認可能な態様で表示される。このように、第3図柄の変動演出を半透明な態様で表示するのは、時間演出の開始を告知する表示(告知画像750)の手前側に第3図柄が重ねて表示されることにより、告知画像750が見え難くなってしまうこと(即ち、第3図柄により告知画像750が遮蔽されること)を防止(抑制)するためである。
なお、詳細については後述するが、本実施形態のパチンコ機10では、第3図柄の変動演出の表示態様を、時間演出の開始タイミングに基づいて可変するように構成している。そして、変動中の第3図柄を半透明な態様で表示するのは、告知画像750の表示期間において第3図柄が変動状態となっている場合に限られる。例えば、変動終了後の第3図柄の停止表示期間のみが告知画像750の表示期間と重なってしまうと判断される場合は、主表示領域Dmの右下に第3図柄の変動演出を縮小表示することにより、第3図柄が告知画像750を遮蔽することを抑制するように構成されている。
図5(b)は、時間演出の開始タイミングにおける第3図柄表示装置81の表示内容を示した図である。図5(b)に示す通り、時間演出の開始タイミングとなった場合は、小領域Ds2に、通常時に表示されるキャラクタ710(本実施形態では、ハチマキを付けた少年)とは異なるキャラクタ(本実施形態では、犬のキャラクタ740)が表示される。これにより、遊技者に対して通常とは異なる演出が実行されることを認識させることができる。また、小領域Ds3に表示される文字が、「ふれあいタイム0秒前」との文字に更新されると共に、主表示領域Dmに「ふれあいタイム突入!!」との文字が表示される。これにより、遊技者に対して時間演出の実行期間(ふれあいタイム)となったことを容易に認識させることができる。
更に、主表示領域Dmにおいて、変動中の第3図柄が半透明な態様で表示されるので、時間演出の開始を告知するために表示される「ふれあいタイム突入!!」との文字を遊技者に対して明瞭に視認させることができる。よって、遊技者に対して時間演出の開始をより確実に認識させることができる。
次に、図6を参照して、第3図柄が確定表示された状態において時間演出の開始タイミングとなった場合の表示内容について説明する。なお、確定表示とは、変動演出が終了し、第3図柄の停止表示期間(1秒間)が経過した段階で保留球が存在せず、且つ、第1入球口64への入球もない場合に実行される演出のことである。具体的には、1秒間停止表示された第3図柄をそのまま主表示領域Dmに表示させ続ける表示内容を指す。
図6(a)は、第3図柄が確定表示された状態において時間演出が開始される5秒前となった場合を示した図である。図6(a)に示した通り、第3図柄が確定表示された状態では、主表示領域Dmにおいて第3図柄が静止した状態となる。なお、図6(a)の例では、各図柄列Z1,Z2,Z3の有効ラインL1上にそれぞれ「2」,「5」,「7」の番号が付された第3図柄が停止した場合が図示されている。
図6(a)に示す通り、第3図柄が確定表示された状態では、背面画像の大半が第3図柄によって遮蔽された状態となる。即ち、遊技者にとって背面画像が見え難い状態となる。この状態のまま、主表示領域Dmにおいて告知画像750を表示したとしても、その告知画像750の大半が第3図柄により遮蔽されてしまい、遊技者が時間演出の開始を見落としてしまう虞がある。上述した通り、時間演出は、限られた期間(1時間のうち3分間)にしか表示されない特別な演出であるので、遊技者に対して時間演出を楽しみにパチンコ機10で遊技を行わせることができる。よって、時間演出が開始されたにも関わらず、遊技者が告知画像750に気づかずに遊技を辞めてしまう虞がある。更に、時間演出の開始に気づかずに遊技を辞め、他の遊技者がそのパチンコ機10で遊技を開始した後で、元々遊技を行っていた遊技者が時間演出に気づいた場合は、その元々遊技を行っていた遊技者に対して不満感を抱かせてしまう虞がある。
そこで、本実施形態では、時間演出の開始タイミングとなると、主表示領域Dmに表示されていた第3図柄を消去した上で、時間演出の開始を告知する表示を行う(告知画像750を表示する)ように構成している。これにより、図6(b)に示すように、主表示領域Dmに「ふれあいタイム突入!!」との文字が、何ら遮蔽されることなく表示される。よって、遊技者に対して時間演出の開始タイミングとなったことを確実に認識させることができる。従って、告知画像750に気づかずに遊技者が遊技を辞めてしまうことを抑制できるので、確実に時間演出中の遊技を楽しませることができる。
また、単純に確定表示演出を表示させない(即ち、第3図柄を1秒間停止表示した後で消去する)ように構成すると、前回停止表示された第3図柄を遊技者が見落としてしまう虞がある。停止表示された第3図柄は、特別図柄の抽選結果を示しているので、第3図柄を見落としやすく構成すると、遊技者がパチンコ機10に対して不満感を抱いてしまう虞がある。一般に、遊技者は大当たりとなることを一つの目的としてパチンコ機10による遊技を行うので、大当たりか否かが確認しにくくなると、興が削がれてしまうからである。
そこで、本実施形態のパチンコ機10では、通常時に第3図柄が停止表示されてから1秒以上経過した場合には、第3図柄を所定時間(例えば、15秒)確定表示させるように構成し、確定表示中に告知画像750を表示させる場合に限り、確定表示中の第3図柄を消去するように構成している。つまり、本パチンコ機10における特徴的な演出である時間演出を表示させる場合にのみ、第3図柄に優先して告知画像750を表示させている。これにより、通常時は第3図柄の停止図柄を見落としにくくしつつ、時間演出時には時間演出を明瞭に表示させることができる。
図7は、デモ演出中に時間演出が開始される5秒前となった場合を示した図である。本実施形態のデモ演出では、通常時に小領域Ds2に表示されるハチマキを付けた少年のキャラクタ760が、第3図柄表示装置81全体に表示されると共に、機種名である「パチンコ機10」との文字770が主表示領域Dmの右下部分に表示されるように構成されている。なお、デモ演出中に表示される画像はこれに限られるものではなく、パチンコ機10を開発したメーカー名や、時間演出中に表示されるキャラクタの画像等を表示させてもよい。このデモ演出を実行することにより、パチンコ機10において遊技が行われていないことを容易に見分けることができる。
図7に示した通り、デモ演出中に時間演出の5秒前となると、小領域Ds3に「ふれあいタイム5秒前」との文字が表示720される。この文字720は、時間演出が開始されるまで秒数がカウントダウンされていく。そして、デモ演出のまま時間演出の開始タイミングとなった場合は、第3図柄の確定表示中に時間演出の開始タイミングとなった場合と同様に、小領域Ds2に犬のキャラクタ740が表示され、小領域Ds3に「ふれあいタイム0秒前」との文字720が表示され、更に、主表示領域Dmに「ふれあいタイム突入!!」との文字が表示される(図6(b)参照)。即ち、通常時に実行されていたデモ演出の画像(ハチマキを付けた少年のキャラクタ760や、機種名を表示する文字770)が表示されなくなる。仮に、時間演出の実行期間になったとしても、通常時に表示されるデモ演出の画像を表示させ続けてしまうと、時間演出が開始されたか否かを表示内容から判別することが困難となってしまう。これに対して本実施形態では、時間演出の開始時にデモ演出の画像を消去するので、告知画像750をデモ演出の画像に遮蔽されることなく表示させることができる。よって、時間演出になってから遊技を開始しようとタイミングを見計らっていた遊技者に対して、遊技を開始するタイミングを容易に認識させることができる。
次に、時間演出中において第3図柄表示装置81に表示される表示内容について、図8、および図9を参照して説明を行う。この時間演出は、上述した通り、1時間毎に3分間だけ実行される特別な演出である。この時間演出中は、犬のキャラクタ740が様々な動作を行う演出が実行される。時間演出が開始され、告知画像750(図6(b)参照)の表示期間(5秒間)が終了すると、図8(a)に示す表示態様に切り替えられる。即ち、第3図柄が表示される主表示領域Dmが、第3図柄表示装置81の右下部分の小表示領域780に縮小されて表示され(つまり、変動演出や確定表示演出が小表示領域780に縮小表示され)、その他の領域に犬のキャラクタ740が表示される。また、第3図柄表示装置81の右上部分には、時間演出が終了するまでの残り時間が表示される。ここで、告知画像750(図6(b)参照)の表示が5秒間行われた後で、図8(a)に示す表示態様に切り替わるため、残り時間の表示は、2分55秒〜0分00秒の範囲で更新される。
図8(a)に示した通り、時間演出が開始されると、犬のキャラクタ740が第3図柄表示装置81の中央部分に表示される。この犬のキャラクタ740が行う動作としては、例えば、図8(b)に示すような、犬のキャラクタ740が正面視手前側に近づいて来て遊技者を見つめる演出や、図9(a)に示すような、犬のキャラクタ740が頭を撫でられて喜ぶ演出、図9(b)に示すような、犬のキャラクタ740が寝そべる演出等が時間の経過と共に行われる。
このように、愛くるしい犬のキャラクタ740が様々な動作を行う演出を表示することにより、遊技者に対して癒しの感情や好感等を抱かせることができる。即ち、犬のキャラクタ740をより長く見続けたいと感じさせることができる。よって、時間演出の演出期間である3分間を経過した後も、犬のキャラクタ740の各種動作を再度見たいと思わせることにより、次の時間演出まで遊技を継続させることができる。よって、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができる。また、犬のキャラクタ740が登場する演出を1時間のうちの3分間に限ることにより、遊技者が時間演出に飽きてしまうことを防止(抑制)することができる。よって、遊技者に対して時間演出中の演出をより楽しませることができるので、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができる。
なお、時間演出の態様は、本実施形態の態様に限られるものではなく、通常時とは異なる特別な態様で演出が実行されるように構成されていれば、演出内容は任意に定めてもよい。例えば、キャラクタではなく、第3図柄の表示態様を変更してもよい。また、時間演出として、通常とは異なる音声演出やランプ演出を実行するように構成してもよい。更に、時間演出として、時間演出期間中に大当たりとなることにより、通常時に大当たりとなった場合とは異なる特別な演出が行われるように構成してもよい。
なお、本実施形態では、時間演出中に確定表示演出が第3図柄表示装置81の右下部分の小表示領域780に縮小されて表示されるように構成しているが、これに限られるものではない。例えば、時間演出中は確定表示演出が表示されないように構成してもよい。即ち、変動演出が終了し、第3図柄が1秒間停止表示された後、第3図柄を消去するように構成してもよい。そして、小表示領域780も含めた第3図柄表示装置81の全画面に対して時間演出時の画像を表示させるように構成してもよい。これにより、次に第1入球口64へと球が入球して変動演出が開始されるまで、時間演出の表示領域を拡大することができるので、演出内容の自由度をより高めることができる。よって、遊技者に対して、本実施形態のパチンコ機10における特徴的な演出である時間演出をより楽しませることができる。また、同様の理由から、時間演出中はデモ演出が表示されないように構成してもよい。
図2に戻って、説明を続ける。第2図柄表示装置83は、球が第2入球口67を通過することに伴って行われる普通図柄の抽選が実行中であるか否かを点灯状態により示すことによって変動表示を行ったり、変動終了後の停止図柄として、その普通図柄の抽選結果に応じた普通図柄(第2図柄)を点灯状態により示したりするものである。
より具体的には、第2図柄表示装置83では、球が第2入球口67を通過する毎に、第2図柄としての「○」の図柄と「×」の図柄とを交互に点灯させる変動表示が行われる。パチンコ機10は、第2図柄表示装置83における変動表示が所定図柄(本実施形態においては「○」の図柄)で停止すると、第1入球口64に付随する電動役物が所定時間だけ作動状態となり(開放される)、その結果、第1入球口64に球が入り易い状態となるように構成されている。球が第2入球口67を通過した通過回数は最大4回まで保留され、その保留球数が上述した第1図柄表示装置37により表示されると共に第2図柄保留ランプ84においても点灯表示される。第2図柄保留ランプ84は、最大保留数分の4つ設けられ、第3図柄表示装置81の下方に左右対称に配設されている。
なお、普通図柄(第2図柄)の変動表示は、本実施形態のように、第2図柄表示装置83において複数のランプの点灯と非点灯を切り換えることにより行うものの他、第1図柄表示装置37及び第3図柄表示装置81の一部を使用して行うようにしても良い。同様に、第2図柄保留ランプ84の点灯を第3図柄表示装置81の一部で行うようにしても良い。また、第2入球口67における球の通過は、第1入球口64と同様に、最大保留球数は4回に限定されるものでなく、3回以下、又は、5回以上の回数(例えば、8回)に設定しても良い。また、第1図柄表示装置37により保留球数が示されるので、第2図柄保留ランプ84により点灯表示を行わないものとしても良い。
可変表示装置ユニット80の下方には、球が入球し得る第1入球口64が配設されている。この第1入球口64へ球が入球すると遊技盤13の裏面側に設けられる第1入球口スイッチ(図示せず)がオンとなり、その第1入球口スイッチのオンに起因して主制御装置110で特別図柄の抽選がなされ、その抽選結果に応じた表示が第1図柄表示装置37のLED37aで示される。また、第1入球口64は、球が入球すると5個の球が賞球として払い出される入賞口の1つにもなっている。
第1入球口64の下方には可変入賞装置65が配設されており、その略中央部分に横長矩形状の特定入賞口(大開放口)65aが設けられている。パチンコ機10においては、主制御装置110で行われる特別図柄の抽選が大当たりとなると、所定時間(変動時間)が経過した後に、大当たりの停止図柄となるよう第1図柄表示装置37のLED37aを点灯させると共に、その大当たりに対応した第3図柄の停止図柄を第3図柄表示装置81に表示させて、大当たりの発生が示される。その後、通常時より多量の賞球の払い出しが行われる特別遊技状態(16ラウンドの大当たり)に遊技状態が遷移する。この特別遊技状態として、通常時には閉鎖されている特定入賞口65aが、所定時間(例えば、30秒経過するまで、或いは、球が10個入賞するまで)開放される。
この特定入賞口65aは、所定時間が経過すると閉鎖され、その閉鎖後、再度、その特定入賞口65aが所定時間開放される。この特定入賞口65aの開閉動作は、16回(16ラウンド)繰り返し可能にされている。この開閉動作が行われている状態が、遊技者にとって有利な特別遊技状態の一形態であり、遊技者には、遊技上の価値(遊技価値)の付与として通常時より多量の賞球の払い出しが行われる。
可変入賞装置65は、具体的には、特定入賞口65aを覆う横長矩形状の開閉板と、その開閉板の下辺を軸として前方側に開閉駆動するための大開放口ソレノイド(図示せず)とを備えている。特定入賞口65aは、通常時は、球が入賞できないか又は入賞し難い閉状態になっている。大当たりの際には大開放口ソレノイドを駆動して開閉板を前面下側に傾倒し、球が特定入賞口65aに入賞しやすい開状態を一時的に形成し、その開状態と通常時の閉状態との状態を交互に繰り返すように作動する。
なお、上記した形態に特別遊技状態は限定されるものではない。特定入賞口65aとは別に開閉される大開放口を遊技領域に設け、第1図柄表示装置37において大当たりに対応したLED37aが点灯した場合に、特定入賞口65aが所定時間開放され、その特定入賞口65aの開放中に、球が特定入賞口65a内へ入賞することを契機として特定入賞口65aとは別に設けられた大開放口が所定時間、所定回数開放される遊技状態を特別遊技状態として形成するようにしても良い。
遊技盤13の下側における左右の隅部には、証紙や識別ラベル等を貼着するための貼着スペースK1,K2が設けられ、貼着スペースK1に貼られた証紙等は、前面枠14の小窓35(図1参照)を通じて視認することができる。
更に、遊技盤13には、アウト口66が設けられている。いずれの入賞口63,64,65aにも入球しなかった球はアウト口66を通って図示しない球排出路へと案内される。遊技盤13には、球の落下方向を適宜分散、調整等するために多数の釘が植設されているとともに、風車等の各種部材(役物)が配設されている。
図3に示すように、パチンコ機10の背面側には、制御基板ユニット90,91と、裏パックユニット94とが主に備えられている。制御基板ユニット90は、主基板(主制御装置110)と音声ランプ制御基板(音声ランプ制御装置113)と表示制御基板(表示制御装置114)とが搭載されてユニット化されている。制御基板ユニット91は、払出制御基板(払出制御装置111)と発射制御基板(発射制御装置112)と電源基板(電源装置115)とカードユニット接続基板116とが搭載されてユニット化されている。
裏パックユニット94は、保護カバー部を形成する裏パック92と払出ユニット93とがユニット化されている。また、各制御基板には、各制御を司る1チップマイコンとしてのMPU、各種機器との連絡をとるポート、各種抽選の際に用いられる乱数発生器、時間計数や同期を図る場合などに使用されるクロックパルス発生回路等が、必要に応じて搭載されている。
なお、主制御装置110、音声ランプ制御装置113及び表示制御装置114、払出制御装置111及び発射制御装置112、電源装置115、カードユニット接続基板116は、それぞれ基板ボックス100〜104に収納されている。基板ボックス100〜104は、ボックスベースと該ボックスベースの開口部を覆うボックスカバーとを備えており、そのボックスベースとボックスカバーとが互いに連結されて、各制御装置や各基板が収納される。
また、基板ボックス100(主制御装置110)及び基板ボックス102(払出制御装置111及び発射制御装置112)は、ボックスベースとボックスカバーとを封印ユニット(図示せず)によって開封不能に連結(かしめ構造による連結)している。また、ボックスベースとボックスカバーとの連結部には、ボックスベースとボックスカバーとに亘って封印シール(図示せず)が貼着されている。この封印シールは、脆性な素材で構成されており、基板ボックス100,102を開封するために封印シールを剥がそうとしたり、基板ボックス100,102を無理に開封しようとすると、ボックスベース側とボックスカバー側とに切断される。よって、封印ユニット又は封印シールを確認することで、基板ボックス100,102が開封されたかどうかを知ることができる。
払出ユニット93は、裏パックユニット94の最上部に位置して上方に開口したタンク130と、タンク130の下方に連結され下流側に向けて緩やかに傾斜するタンクレール131と、タンクレール131の下流側に縦向きに連結されるケースレール132と、ケースレール132の最下流部に設けられ、払出モータ216(図6参照)の所定の電気的構成により球の払出を行う払出装置133とを備えている。タンク130には、遊技ホールの島設備から供給される球が逐次補給され、払出装置133により必要個数の球の払い出しが適宜行われる。タンクレール131には、当該タンクレール131に振動を付加するためのバイブレータ134が取り付けられている。
また、払出制御装置111には状態復帰スイッチ120が設けられ、発射制御装置112には可変抵抗器の操作つまみ121が設けられ、電源装置115にはRAM消去スイッチ122が設けられている。状態復帰スイッチ120は、例えば、払出モータ216(図10参照)部の球詰まり等、払出エラーの発生時に球詰まりを解消(正常状態への復帰)するために操作される。操作つまみ121は、発射ソレノイドの発射力を調整するために操作される。RAM消去スイッチ122は、パチンコ機10を初期状態に戻したい場合に電源投入時に操作される。
<第1実施形態における電気的構成について>
次に、図10を参照して、本パチンコ機10の電気的構成について説明する。図10は、パチンコ機10の電気的構成を示すブロック図である。
主制御装置110には、演算装置である1チップマイコンとしてのMPU201が搭載されている。MPU201には、該MPU201により実行される各種の制御プログラムや固定値データを記憶したROM202と、そのROM202内に記憶される制御プログラムの実行に際して各種のデータ等を一時的に記憶するためのメモリであるRAM203と、そのほか、割込回路やタイマ回路、データ送受信回路などの各種回路が内蔵されている。なお、払出制御装置111や音声ランプ制御装置113などのサブ制御装置に対して動作を指示するために、主制御装置110から該サブ制御装置へ各種のコマンドがデータ送受信回路によって送信されるが、かかるコマンドは、主制御装置110からサブ制御装置へ一方向にのみ送信される。
まず、ROM202の内容について、図11を参照して説明する。図11(a)に示すように、主制御装置110のROM202には、上記した固定値データの一部として、第1当たり乱数テーブル202a、第1当たり種別選択テーブル202b、第2当たり乱数テーブル202c、および変動パターン選択テーブル202dが少なくとも記憶されている。
第1当たり乱数テーブル202a(図示せず)は、後述する第1当たり乱数カウンタC1の大当たり判定値が記憶されているデータテーブルである。詳細については、第1当たり乱数カウンタC1の説明と共に後述するが、始動入賞に基づいて取得した第1当たり乱数カウンタC1の値が、第1当たり乱数テーブル202aに規定されているいずれかの判定値と一致した場合に、特別図柄の大当たりであると判別される。
第1当たり種別選択テーブル202b(図11(b))は、大当たり種別を決定するための判定値が記憶されているデータテーブルであり、第1当たり種別カウンタC2の判定値が、各大当たり種別に対応付けて規定されている。具体的には、第1当たり種別カウンタC2の値が「0〜49」の範囲には、大当たりAが対応付けられて規定されている(図11(b)の202b1参照)。また、第1当たり種別カウンタC2の値が「50〜99」の範囲には、大当たりBが対応付けられて規定されている(図11(b)の202b2参照)。本実施形態のパチンコ機10では特別図柄の大当たりと判定された場合に、始動入賞に基づいて取得した第1当たり種別カウンタC2の値と、第1当たり種別選択テーブル202bとが比較され、第1当たり種別カウンタC2の値に対応する大当たり種別が選択される。
第2当たり乱数テーブル202c(図11(c))は、普通図柄の当たり判定値が記憶されているデータテーブルである。具体的には、普通図柄の通常状態において、普通図柄の当たりとなる判定値として、「5〜28」が規定されている(図11(c)の202c1参照)。また、普通図柄の高確率状態において、普通図柄の当たりとなる判定値として、「5〜204」が規定されている(図11(c)の202c2参照)。本実施形態のパチンコ機10では、普通入球口67を球が通過することに基づいて取得される第2当たり乱数カウンタC4の値と、第2当たり乱数テーブル202cとを参照し、普通図柄の当たりであるか否かを判定している。
変動パターン選択テーブル202d(図示なし)は、変動パターンの表示態様を決定するための変動種別カウンタCS1の判定値が表示態様毎にそれぞれ規定されているデータテーブルである。なお、変動パターン選択テーブル202dの詳細については、変動種別カウンタCS1の説明と共に後述する。
主制御装置110では、特別図柄の抽選、普通図柄の抽選、第1図柄表示装置37における表示の設定、第2図柄表示装置83における表示の設定、および、第3図柄表示装置81における表示の設定といったパチンコ機10の主要な処理を実行する。そして、RAM203には、これらの処理を制御するための各種カウンタが設けられている。ここで、図12を参照して、主制御装置110のRAM203内に設けられるカウンタ等について説明する。これらのカウンタ等は、特別図柄の抽選、普通図柄の抽選、第1図柄表示装置37における表示の設定、第2図柄表示装置83における表示の設定、および、第3図柄表示装置81における表示の設定などを行うために、主制御装置110のMPU201で使用される。
特別図柄の抽選や、第1図柄表示装置37および第3図柄表示装置81の表示の設定には、特別図柄の抽選に使用する第1当たり乱数カウンタC1と、特別図柄の大当たり種別を選択するために使用する第1当たり種別カウンタC2と、特別図柄における外れの停止種別を選択するために使用する停止種別選択カウンタC3と、第1当たり乱数カウンタC1の初期値設定に使用する第1初期値乱数カウンタCINI1と、変動パターンの選択に使用する変動種別カウンタCS1とが用いられる。また、普通図柄の抽選には、第2当たり乱数カウンタC4が用いられ、第2当たり乱数カウンタC4の初期値設定には第2初期値乱数カウンタCINI2が用いられる。これら各カウンタは、更新の都度、前回値に1が加算され、最大値に達した後0に戻るループカウンタとなっている。
各カウンタは、例えば、タイマ割込処理(図23参照)の実行間隔である2ミリ秒間隔で更新され、また、一部のカウンタは、メイン処理(図31参照)の中で不定期に更新されて、その更新値がRAM203の所定領域に設定されたカウンタ用バッファに適宜格納される。RAM203には、1つの実行エリアと4つの保留エリア(保留第1〜第4エリア)とからなる特別図柄保留球格納エリア203aが設けられており、これらの各エリアには、第1入球口64への入球タイミングに合わせて、第1当たり乱数カウンタC1、第1当たり種別カウンタC2及び停止種別選択カウンタC3の各値がそれぞれ格納される。また、RAM203には、1つの実行エリアと4つの保留エリア(保留第1〜第4エリア)とからなる普通図柄保留球格納エリア203bが設けられており、これらの各エリアには、球が左右何れかの第2入球口(スルーゲート)67を通過したタイミングに合わせて、第2当たり乱数カウンタC4の値が格納される。
各カウンタについて詳しく説明する。第1当たり乱数カウンタC1は、所定の範囲(例えば、0〜299)内で順に1ずつ加算され、最大値(例えば、0〜299の値を取り得るカウンタの場合は299)に達した後0に戻る構成となっている。特に、第1当たり乱数カウンタC1が1周した場合、その時点の第1初期値乱数カウンタCINI1の値が当該第1当たり乱数カウンタC1の初期値として読み込まれる。
また、第1初期値乱数カウンタCINI1は、第1当たり乱数カウンタC1と同一範囲で更新されるループカウンタとして構成される。即ち、例えば、第1当たり乱数カウンタC1が0〜299の値を取り得るループカウンタである場合には、第1初期値乱数カウンタCINI1もまた、0〜299の範囲のループカウンタである。この第1初期値乱数カウンタCINI1は、タイマ割込処理(図23参照)の実行毎に1回更新されると共に、メイン処理(図31参照)の残余時間内で繰り返し更新される。
第1当たり乱数カウンタC1の値は、例えば定期的に(本実施形態ではタイマ割込処理毎に1回)更新され、球が第1入球口64に入賞したタイミングでRAM203の特別図柄保留球格納エリア203aに格納される。そして、特別図柄の大当たりとなる乱数の値は、主制御装置110のROM202に格納される第1当たり乱数テーブル202a(図示せず)によって設定されており、第1当たり乱数カウンタC1の値が、第1当たり乱数テーブル202aによって設定された大当たりとなる乱数の値と一致する場合に、特別図柄の大当たりと判定する。また、この第1当たり乱数テーブル202aは、特別図柄の低確率時(特別図柄の低確率状態である期間)用と、その低確率時より特別図柄の大当たりとなる確率の高い高確率時(特別図柄の高確率状態である期間)用との2種類に分けられ、それぞれに含まれる大当たりとなる乱数の個数が異なって設定されている。このように、大当たりとなる乱数の個数を異ならせることにより、特別図柄の低確率時と特別図柄の高確率時とで、大当たりとなる確率が変更される。なお、特別図柄の高確率時用の第1当たり乱数テーブル(図示せず)と、特別図柄の低確率時用の第1当たり乱数テーブル(図示せず)とは、主制御装置110のROM202内に設けられている。
第1当たり種別カウンタC2は、特別図柄の大当たりとなった場合に、第1図柄表示装置37の表示態様を決定するものであり、所定の範囲(例えば、0〜99)内で順に1ずつ加算され、最大値(例えば、0〜99の値を取り得るカウンタの場合は99)に達した後0に戻る構成となっている。第1当たり種別カウンタC2の値は、例えば、定期的に(本実施形態ではタイマ割込処理毎に1回)更新され、球が第1入球口64に入賞したタイミングでRAM203の特別図柄保留球格納エリア203aに格納される。
ここで、特別図柄保留球格納エリア203aに格納された第1当たり乱数カウンタC1の値が、特別図柄の大当たりとなる乱数でなければ、即ち、特別図柄の外れとなる乱数であれば、第1図柄表示装置37に表示される停止図柄に対応した表示態様は、特別図柄の外れ時のものとなる。
一方で、特別図柄保留球格納エリア203aに格納された第1当たり乱数カウンタC1の値が、特別図柄の大当たりとなる乱数であれば、第1図柄表示装置37に表示される停止図柄に対応した表示態様は、特別図柄の大当たり時のものとなる。この場合、その大当たり時の具体的な表示態様は、同じ特別図柄保留球格納エリア203aに格納されている第1当たり種別カウンタC2の値が示す表示態様となる。
本実施形態のパチンコ機10における第1当たり乱数カウンタC1は、0〜299の範囲の2バイトのループカウンタとして構成されている。この第1当たり乱数カウンタC1において、特別図柄の低確率時に、特別図柄の大当たりとなる乱数値は1個あり、その乱数値である「7」は、低確率時用の第1当たり乱数テーブル202aに格納されている。このように特別図柄の低確率時には、乱数値の総数が300ある中で、大当たりとなる乱数値の総数が1なので、特別図柄の大当たりとなる確率は、「1/300」となる。
一方で、特別図柄の高確率時に、特別図柄の大当たりとなる乱数値は10個あり、その値である「4,38,64,99,122,151,183,218,249,270」は、高確率時用の第1当たり乱数テーブル202aに格納されている。このように特別図柄の高確率時には、乱数値の総数が300ある中で、大当たりとなる乱数値の総数が10なので、特別図柄の大当たりとなる確率は、「1/30」となる。
なお、本実施形態では、低確率時用の第1当たり乱数テーブルに格納されている大当たりとなる乱数値と、高確率時用の第1当たり乱数テーブルに格納されている大当たりとなる乱数値とで、重複した値とならないように、それぞれの大当たりとなる乱数値を設定している。ここで、大当たりとなる乱数値としてパチンコ機10の状況にかかわらず常に用いられる値が存在すれば、その乱数値が外部より入力されて、不正に大当たりを引き当てられやすくなるおそれがある。これに対して、本実施形態のように、状況に応じて(即ち、パチンコ機10が特別図柄の高確率状態か、特別図柄の低確率状態かに応じて)、大当たりとなる乱数値を変えることで、特別図柄の大当たりとなる乱数値を予測され難くすることができるので、不正に対する抑制を図ることができる。
また、本実施形態のパチンコ機10における第1当たり種別カウンタC2の値は、0〜99の範囲のループカウンタとして構成されている。そして、図11(b)に示すように、この第1当たり種別カウンタC2において、乱数値が「0〜49」であった場合の大当たり種別は、「大当たりA」となる。また、値が「50〜99」であった場合の大当たり種別は、「大当たりB」となる。
このように、本実施形態のパチンコ機10は、第1当たり種別カウンタC2が示す乱数の値によって、3種類の当たり種別(大当たりA、大当たりB)が決定されるように構成されている。なお、第1当たり種別カウンタC2の値(乱数値)から、特別図柄の大当たり種別を決定するための乱数値は、上述下通り、第1当たり種別選択テーブル202b(図11(b)参照)により設定されている。
停止種別選択カウンタC3は、例えば0〜99の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値(つまり99)に達した後0に戻る構成となっている。本実施形態では、停止種別選択カウンタC3によって、第3図柄表示装置81で表示される外れ時の停止種別が選択され、リーチが発生した後、最終停止図柄がリーチ図柄の前後に1つだけずれて停止する「前後外れリーチ」(例えば98,99)と、同じくリーチ発生した後、最終停止図柄がリーチ図柄の前後以外で停止する「前後外れ以外リーチ」(例えば90〜97の範囲)と、リーチ発生しない「完全外れ」(例えば0〜89の範囲)との3つの停止(演出)パターンが選択される。停止種別選択カウンタC3の値は、例えば定期的に(本実施形態ではタイマ割込処理毎に1回)更新され、球が第1入球口64に入賞したタイミングでRAM203の特別図柄保留球格納エリア203aに格納される。
なお、停止種別選択カウンタC3の値(乱数値)から、特別図柄の停止種別を決定するための乱数値は、停止種別選択テーブル(図示せず)により設定されており、このテーブルは、主制御装置110のROM202内に設けられている。また、本実施形態ではこのテーブルを、特別図柄の高確率時用と、特別図柄の低確率時用とに分けており、テーブルに応じて、外れの停止種別ごとに設定される乱数値の範囲を変えている。これは、パチンコ機10が特別図柄の高確率状態であるか、特別図柄の低確率状態であるか等に応じて、停止種別の選択比率を変更するためである。
例えば、高確率状態では、大当たりが発生し易いため必要以上にリーチ演出が選択されないように、「完全外れ」の停止種別に対応した乱数値の範囲が0〜89と広い高確率時用のテーブルが選択され、「完全外れ」が選択され易くなる。このテーブルは、「前後外れリーチ」が98,99と狭くなると共に「前後外れ以外リーチ」も90〜97と狭くなり、「前後外れリーチ」や「前後外れ以外リーチ」が選択され難くなる。また、低確率状態であれば、第1入球口64への球の入球時間を確保するために「完全外れ」の停止種別に対応した乱数値の範囲が0〜79と狭い低確率時用のテーブルが選択され、「完全外れ」が選択され難くなる。
この停止種別選択テーブルは、「前後外れ以外リーチ」の停止種別に対応した乱数値の範囲が80〜97と広くなり、「前後外れ以外リーチ」が選択され易くなっている。よって、低確率状態では、演出時間の長いリーチ表示を多く行うことできるので、第1入球口64への球の入球時間を確保でき、第3図柄表示装置81による変動表示が継続して行われ易くなる。なお、後者のテーブルにおいても、「前後外れリーチ」の停止種別に対応した乱数値の範囲は98,99に設定される。
変動種別カウンタCS1は、例えば0〜198の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値(つまり198)に達した後0に戻る構成となっている。変動種別カウンタCS1によって、いわゆるノーマルリーチ、スーパーリーチ等の大まかな表示態様が決定される。表示態様の決定は、具体的には、図柄変動の変動時間の決定である。変動種別カウンタCS1により決定された変動時間に基づいて、音声ランプ制御装置113や表示制御装置114により第3図柄表示装置81で表示される第3図柄のリーチ種別や細かな図柄変動態様が決定される。変動種別カウンタCS1の値は、後述するメイン処理(図31参照)が1回実行される毎に1回更新され、当該メイン処理内の残余時間内でも繰り返し更新される。なお、変動種別カウンタCS1の値(乱数値)から、図柄変動の変動時間を一つ決定する乱数値を格納した変動パターン選択テーブル202d(図示せず)は、主制御装置110のROM202内に設けられている。
変動パターン選択テーブル202dには、例えば、外れ用の変動パターンとして、変動時間が8秒間の「完全外れ」、変動時間が15秒間の「外れショートリーチ」、変動時間が20秒間の「外れロングリーチ」、変動時間が30秒間の「外れスーパーリーチ」が規定され、大当たりA・大当たりB共用の変動パターンとして、変動時間が15秒間の「当たりショートリーチ」、変動時間が20秒間の「当たりロングリーチ」、変動時間が30秒間の「当たりスーパーリーチ」が規定されている。そして、変動パターンテーブルに規定された各種変動パターンから、予測された抽選結果や、予測された停止種別(大当たりの場合には大当たり種別)に応じて変動パターンが選定される。なお、変動パターンの種別はこれらに限られるものではなく、大当たりと外れとで共用の変動パターンを設けてもよい。これにより、変動パターンの態様から大当たり種別を予測し難くすることができるので、変動パターンの結果についてより興味深く見守らせることができる。よって、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができる。また、遊技者にとって最も有利な大当たりA専用の変動パターンを設けてもよい。これにより、大当たりA専用の変動パターンであると認識した遊技者に対して、第3図柄が停止表示される前に大当たりAであることを認識させることができる。よって、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができる。
第2当たり乱数カウンタC4は、例えば0〜239の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値(つまり239)に達した後0に戻るループカウンタとして構成されている。また、第2当たり乱数カウンタC4が1周した場合、その時点の第2初期値乱数カウンタCINI2の値が当該第2当たり乱数カウンタC4の初期値として読み込まれる。第2当たり乱数カウンタC4の値は、本実施形態ではタイマ割込処理毎に、例えば定期的に更新され、球が左右何れかの第2入球口(スルーゲート)67を通過したことが検知された時に取得され、RAM203の普通図柄保留球格納エリア203bに格納される。
そして、普通図柄の当たりとなる乱数の値は、主制御装置のROM202に格納される第2当たり乱数テーブル202c(図11(c)参照)によって設定されており、第2当たり乱数カウンタC4の値が、第2当たり乱数テーブル202cによって設定された当たりとなる乱数の値と一致する場合に、普通図柄の当たりと判定する。また、この第2当たり乱数テーブル202cは、普通図柄の低確率時(普通図柄の通常状態である期間)用と、その低確率時より普通図柄の当たりとなる確率の高い高確率時(普通図柄の時短状態である期間)用との2種類に分けられ、それぞれに含まれる大当たりとなる乱数の個数が異なって設定されている。このように、当たりとなる乱数の個数を異ならせることにより、普通図柄の低確率時と普通図柄の高確率時とで、当たりとなる確率が変更される。
図11(c)に示すように、普通図柄の低確率時に、普通図柄の当たりとなる乱数値は24個あり、その範囲は「5〜28」となっている。これら乱数値は、低確率時用の第2当たり乱数テーブルに格納されている。このように普通図柄の低確率時には、乱数値の総数が240ある中で、大当たりとなる乱数値の総数が24なので、特別図柄の大当たりとなる確率は、「1/10」となる。
パチンコ機10が普通図柄の低確率時である場合に、球が第2入球口67を通過すると、第2当たり乱数カウンタC4の値が取得されると共に、第2図柄表示装置83において普通図柄の変動表示が30秒間実行される。そして、取得された第2当たり乱数カウンタC4の値が「5〜28」の範囲であれば当選と判定されて、第2図柄表示装置83における変動表示が終了した後に、停止図柄(第2図柄)として「○」の図柄が点灯表示されると共に、第1入球口64が「0.2秒間×1回」だけ開放される。なお、本実施形態では、パチンコ機10が普通図柄の低確率時である場合に、普通図柄の当たりとなったら第1入球口64が「0.2秒間×1回」だけ開放されるが、開放時間や回数は任意に設定すれば良い。例えば、「0.5秒間×2回」開放しても良い。
一方で、普通図柄の高確率時に、普通図柄の大当たりとなる乱数値は200個あり、その範囲は「5〜204」となっている。これらの乱数値は、高確率時用の第2当たり乱数テーブルに格納されている。このように特別図柄の低確率時には、乱数値の総数が240ある中で、大当たりとなる乱数値の総数が200なので、特別図柄の大当たりとなる確率は、「1/1.2」となる。
パチンコ機10が普通図柄の高確率時である場合に、球が第2入球口67を通過すると、第2当たり乱数カウンタC4の値が取得されると共に、第2図柄表示装置83において普通図柄の変動表示が3秒間実行される。そして、取得された第2当たり乱数カウンタC4の値が「5〜204」の範囲であれば当選と判定されて、第2図柄表示装置83における変動表示が終了した後に、停止図柄(第2図柄)として「○」の図柄が点灯表示されると共に、第1入球口64が「1秒間×2回」開放される。このように、普通図柄の高確率時には、普通図柄の低確率時と比較して、変動表示の時間が「30秒→3秒」と非常に短くなり、更に、第1入球口64の解放期間が「0.2秒×1回→1秒間×2回」と非常に長くなるので、第1入球口64へ球が入球し易い状態となる。なお、本実施形態では、パチンコ機10が普通図柄の高確率時である場合に、普通図柄の当たりとなったら第1入球口64が「1秒間×2回」だけ開放されるが、開放時間や回数は任意に設定すれば良い。例えば、「3秒間×3回」開放しても良い。
第2初期値乱数カウンタCINI2は、第2当たり乱数カウンタC4と同一範囲で更新されるループカウンタとして構成され(値=0〜239)、タイマ割込処理(図23参照)毎に1回更新されると共に、メイン処理(図31参照)の残余時間内で繰り返し更新される。
このように、RAM203には種々のカウンタ等が設けられており、主制御装置110では、このカウンタ等の値に応じて大当たり抽選や第1図柄表示装置37および第3図柄表示装置81における表示の設定、第2図柄表示装置83における表示結果の抽選といったパチンコ機10の主要な処理を実行することができる。
図10に戻り、説明を続ける。RAM203は、図12に図示した各種カウンタのほか、MPU201の内部レジスタの内容やMPU201により実行される制御プログラムの戻り先番地などが記憶されるスタックエリアと、各種のフラグおよびカウンタ、I/O等の値が記憶される作業エリア(作業領域)とを有している。
なお、RAM203は、パチンコ機10の電源の遮断後においても電源装置115からバックアップ電圧が供給されてデータを保持(バックアップ)できる構成となっており、RAM203に記憶されるデータは、すべてバックアップされる。
停電などの発生により電源が遮断されると、その電源遮断時(停電発生時を含む。以下同様)のスタックポインタや、各レジスタの値がRAM203に記憶される。一方、電源投入時(停電解消による電源投入を含む。以下同様)には、RAM203に記憶される情報に基づいて、パチンコ機10の状態が電源遮断前の状態に復帰される。RAM203への書き込みはメイン処理(図31参照)によって電源遮断時に実行され、RAM203に書き込まれた各値の復帰は電源投入時の立ち上げ処理(図30参照)において実行される。なお、MPU201のNMI端子(ノンマスカブル割込端子)には、停電等の発生による電源遮断時に、停電監視回路252からの停電信号SG1が入力されるように構成されており、その停電信号SG1がMPU201へ入力されると、停電時処理としてのNMI割込処理(図29参照)が即座に実行される。
また、RAM203は、図10に示すように、特別図柄保留球格納エリア203aと、普通図柄保留球格納エリア203bと、特別図柄保留球数カウンタ203cと、普通図柄保留球数カウンタ203dと、確変フラグ203eと、時短中カウンタ203fとを有している。
特別図柄保留球格納エリア203aは、1つの実行エリアと、4つの保留エリア(保留第1エリア〜保留第4エリア)とを有しており、これらの各エリアには、第1当たり乱数カウンタC1、第1当たり種別カウンタC2、及び停止種別選択カウンタC3の各値がそれぞれ格納される。
より具体的には、球が第1入球口64へ入賞(始動入賞)したタイミングで、各カウンタC1〜C3の各値が取得され、その取得されたデータが、4つの保留エリア(保留第1エリア〜保留第4エリア)の空いているエリアの中で、エリア番号(第1〜第4)の小さいエリアから順番に記憶される。つまり、エリア番号の小さいエリアほど、時間的に古い入賞に対応するデータが記憶され、保留第1エリアには、時間的に最も古い入賞に対応するデータが記憶される。なお、4つの保留エリアの全てにデータが記憶されている場合には、新たに何も記憶されない。
その後、主制御装置110において、特別図柄の抽選が行われる場合には、特別図柄保留球格納エリア203aの保留第1エリアに記憶されている各カウンタC1〜C3の各値が、実行エリアへシフトされ(移動させられ)、その実行エリアに記憶された各カウンタC1〜C3の各値に基づいて、特別図柄の抽選などの判定が行われる。
なお、保留第1エリアから実行エリアへデータをシフトすると、保留第1エリアが空き状態となる。そこで、他の保留エリア(保留第2エリア〜保留第4エリア)に記憶されている入賞のデータを、エリア番号の1小さい保留エリア(保留第1エリア〜保留第3エリア)に詰めるシフト処理が行われる。本実施形態では、特別図柄保留球格納エリア203aにおいて、入賞のデータが記憶されている保留エリア(第2保留エリア〜第4保留エリア)についてのみデータのシフトが行われる。
本パチンコ機10では、球が第1入球口64へ入賞(始動入賞)し、その始動入賞に応じて各カウンタC1〜C3の各値が取得されると直ちに、本来の特別図柄の大当たり抽選とは別に、その取得された各カウンタC1〜C3の各値から、本来の抽選が行われた場合に得られる各種情報が予測(推定)される。このように、本来の特別図柄の抽選が行われる前に、始動入賞に対応するデータ(各カウンタC1〜C3の各値)に基づいて、本来の抽選が行われた場合に得られる各種情報を予測することを、以後、特別図柄の抽選結果を先読みすると記載する。なお、各種情報としては、当否、停止種別、変動パターンなどが該当する。
そして、先読みが終了すると、先読みにより得られた各種情報(当否、停止種別、変動パターン)を含む入賞情報コマンドが音声ランプ制御装置113へ送信される。入賞情報コマンドが音声ランプ制御装置113によって受信されると、音声ランプ制御装置113は、入賞情報コマンドから、当否、停止種別、および変動パターンを抽出し、それらを入賞情報としてRAM233の入賞情報格納エリア223aに格納する。
普通図柄保留球格納エリア203bは、特別図柄保留球格納エリア203aと同様に、1つの実行エリアと、4つの保留エリア(保留第1エリア〜保留第4エリア)とを有している。これらの各エリアには、第2当たり乱数カウンタC4が格納される。
より具体的には、球が左右何れかの第2入球口67を通過したタイミングで、カウンタC4の値が取得され、その取得されたデータが、4つの保留エリア(保留第1エリア〜保留第4エリア)の空いているエリアの中で、エリア番号(第1〜第4)の小さいエリアから順番に記憶される。つまり、特別図柄保留球格納エリア203aと同様に、入賞した順序が保持されつつ、入賞に対応するデータが格納される。なお、4つの保留エリアの全てにデータが記憶されている場合には、新たに何も記憶されない。
その後、主制御装置110において、普通図柄の当たりの抽選が行われる場合には、普通図柄保留球格納エリア203bの保留第1エリアに記憶されているカウンタC4の値が、実行エリアへシフトされ(移動させられ)、その実行エリアに記憶されたカウンタC4の値に基づいて、普通図柄の当たりの抽選などの判定が行われる。
なお、保留第1エリアから実行エリアへデータをシフトすると、保留第1エリアが空き状態となるので、特別図柄保留球格納エリア203aの場合と同様に、他の保留エリアに記憶されている入賞のデータを、エリア番号の1小さい保留エリアに詰めるシフト処理が行われる。また、データのシフトも、入賞のデータが記憶されている保留エリアについてのみ行われる。
特別図柄保留球数カウンタ203cは、第1入球口64への入球(始動入賞)に基づいて第1図柄表示装置37で行われる特別図柄(第1図柄)の変動表示(第3図柄表示装置81で行われる変動表示)の保留球数(待機回数)を最大4回まで計数するカウンタである。この特別図柄保留球数カウンタ203cは、初期値がゼロに設定されており、第1入球口64へ球が入球して変動表示の保留球数が増加する毎に、最大値4まで1加算される(図26のS404参照)。一方、特別図柄保留球数カウンタ203cは、新たに特別図柄の変動表示が実行される毎に、1減算される(図24のS205参照)。
この特別図柄保留球数カウンタ203cの値(特別図柄における変動表示の保留回数N)は、保留球数コマンドによって音声ランプ制御装置113に通知される(図24のS206、図26のS405参照)。保留球数コマンドは、特別図柄保留球数カウンタ203cの値が変更される度に、主制御装置110から音声ランプ制御装置113に対して送信されるコマンドである。
音声ランプ制御装置113は、特別図柄保留球数カウンタ203cの値が変更される度に、主制御装置110より送信される保留球数コマンドによって、主制御装置110に保留された変動表示の保留球数そのものの値を取得することができる。これにより、音声ランプ制御装置113の特別図柄保留球数カウンタ223bによって管理される変動表示の保留球数が、ノイズ等の影響によって、主制御装置110に保留された実際の変動表示の保留球数からずれてしまった場合であっても、次に受信する保留球数コマンドによって、そのずれを修正することができる。
なお、音声ランプ制御装置113は、保留球数コマンドに基づいて保留球数を管理し、保留球数が変化する度に表示制御装置114に対して、保留球数を通知するための表示用保留球数コマンドを送信する。表示制御装置114は、この表示用保留球数コマンドによって通知された保留球数を基に、第3図柄表示装置81の小領域Ds1に保留球数図柄を表示する。
普通図柄保留球数カウンタ203dは、第2入球口67における球の通過に基づいて第2図柄表示装置83で行われる普通図柄(第2図柄)の変動表示の保留球数(待機回数)を最大4回まで計数するカウンタである。この普通図柄保留球数カウンタ203dは、初期値がゼロに設定されており、球が第2入球口67を通過して変動表示の保留球数が増加する毎に、最大値4まで1加算される(図28のS604参照)。一方、普通図柄保留球数カウンタ203dは、新たに普通図柄(第2図柄)の変動表示が実行される毎に、1減算される(図27のS505参照)。
球が左右何れかの第2入球口67を通過した場合に、この普通図柄保留球数カウンタ203dの値(普通図柄における変動表示の保留回数M)が4未満であれば、第2当たり乱数カウンタC4の値が取得され、その取得されたデータが、普通図柄保留球格納エリア203bに記憶される(図28のS605)。一方、球が左右何れかの第2入球口67を通過した場合に、この普通図柄保留球数カウンタ203dの値が4であれば、普通図柄保留球格納エリア203bには新たに何も記憶されない(図28のS603:No)。
確変フラグ203eは、パチンコ機10が特別図柄の確変状態(特別図柄の高確率状態)であるか否かを示すフラグであり、確変フラグ203eの値がオンの状態であれば、パチンコ機10が特別図柄の確変状態であることを示す。一方、確変フラグ203eがオフの状態であれば、パチンコ機10が特別図柄の通常状態(特別図柄の低確率状態)であることを示す。この確変フラグ203eは、初期状態がオフに設定されており、「大当たりA」の終了タイミングとなる度にオンに設定される。一方、確変フラグ203eは、パチンコ機10の電源が遮断されるか、大当たりの開始が設定される度にオフとなる。
MPU201によって特別図柄変動開始処理(図25参照)が実行されると、特別図柄の抽選が行われる。特別図柄変動開始処理では、確変フラグ203eが参照され、その状態がオンであれば、高確率時用の第1当たり乱数テーブルに基づいて、特別図柄の抽選が行われる。一方、確変フラグ203eがオフであれば、低確率時用の第1当たり乱数テーブルに基づいて、特別図柄の抽選が行われる(図25のS303,S304参照)。
時短中カウンタ203fは、パチンコ機10が普通図柄の時短状態であるか否かを示すカウンタであり、時短中カウンタ203fの値が1以上であれば、パチンコ機10が普通図柄の時短状態であることを示し、時短中カウンタ203fの値が0であれば、パチンコ機10が普通図柄の通常状態であることを示す。この時短中カウンタ203fは、初期値がゼロに設定されており、主制御装置110において特別図柄の抽選が行われ、「大当たりB」となる度に、その値に100が設定される。即ち、「大当たりB」になった場合には、時短中カウンタ203fの値が幾つであるかに関わらず、100値が新たに設定される(図32のS1013参照)。その後、時短中カウンタ203fの値が0になるまで、特別図柄の変動演出が終了する毎に1が減算される(図24のS215)。
普通図柄の当たりの抽選が行われる場合には、時短中カウンタ203fの値が参照され、その値が1以上であれば、高確率時用の第2当たり乱数テーブルに基づいて、普通図柄の抽選が行われる一方、時短中カウンタ203fの値が0であれば、低確率時用の第2当たり乱数テーブルに基づいて、普通図柄の抽選が行われる(図22のS510,S511参照)。
主制御装置110のMPU201には、アドレスバス及びデータバスで構成されるバスライン204を介して入出力ポート205が接続されている。入出力ポート205には、払出制御装置111、音声ランプ制御装置113、第1図柄表示装置37、第2図柄表示装置83、第2図柄保留ランプ84、特定入賞口65aの開閉板の下辺を軸として前方側に開閉駆動するための大開放口ソレノイドや電動役物を駆動するためのソレノイドなどからなるソレノイド209が接続され、MPU201は、入出力ポート205を介してこれらに対し各種コマンドや制御信号を送信する。
また、入出力ポート205には、図示しないスイッチ群やセンサ群などからなる各種スイッチ208や、電源装置115に設けられた後述のRAM消去スイッチ回路253が接続され、MPU201は各種スイッチ208から出力される信号や、RAM消去スイッチ回路253より出力されるRAM消去信号SG2に基づいて各種処理を実行する。
払出制御装置111は、払出モータ216を駆動させて賞球や貸出球の払出制御を行うものである。演算装置であるMPU211は、そのMPU211により実行される制御プログラムや固定値データ等を記憶したROM212と、ワークメモリ等として使用されるRAM213とを有している。
払出制御装置111のRAM213は、主制御装置110のRAM203と同様に、MPU211の内部レジスタの内容やMPU211により実行される制御プログラムの戻り先番地などが記憶されるスタックエリアと、各種のフラグおよびカウンタ、I/O等の値が記憶される作業エリア(作業領域)とを有している。RAM213は、パチンコ機10の電源の遮断後においても電源装置115からバックアップ電圧が供給されてデータを保持(バックアップ)できる構成となっており、RAM213に記憶されるデータは、すべてバックアップされる。なお、主制御装置110のMPU201と同様、MPU211のNMI端子にも、停電等の発生による電源遮断時に停電監視回路252から停電信号SG1が入力されるように構成されており、その停電信号SG1がMPU211へ入力されると、停電時処理としてのNMI割込処理(図29参照)が即座に実行される。
払出制御装置111のMPU211には、アドレスバス及びデータバスで構成されるバスライン214を介して入出力ポート215が接続されている。入出力ポート215には、主制御装置110や払出モータ216、発射制御装置112などがそれぞれ接続されている。また、図示はしないが、払出制御装置111には、払い出された賞球を検出するための賞球検出スイッチが接続されている。なお、該賞球検出スイッチは、払出制御装置111に接続されるが、主制御装置110には接続されていない。
発射制御装置112は、主制御装置110により球の発射の指示がなされた場合に、操作ハンドル51の回転操作量に応じた球の打ち出し強さとなるよう球発射ユニット112aを制御するものである。球発射ユニット112aは、図示しない発射ソレノイドおよび電磁石を備えており、その発射ソレノイドおよび電磁石は、所定条件が整っている場合に駆動が許可される。具体的には、遊技者が操作ハンドル51に触れていることをタッチセンサ51aにより検出し、球の発射を停止させるための打ち止めスイッチ51bがオフ(操作されていないこと)を条件に、操作ハンドル51の回動量に対応して発射ソレノイドが励磁され、操作ハンドル51の操作量に応じた強さで球が発射される。
音声ランプ制御装置113は、音声出力装置(図示しないスピーカなど)226における音声の出力、ランプ表示装置(電飾部29〜33、表示ランプ34など)227における点灯および消灯の出力、変動演出(変動表示)や連続予告演出といった表示制御装置114で行われる第3図柄表示装置81の表示態様の設定などを制御するものである。演算装置であるMPU221は、そのMPU221により実行される制御プログラムや固定値データ等を記憶したROM222と、ワークメモリ等として使用されるRAM223とを有している。
音声ランプ制御装置113のMPU221には、アドレスバス及びデータバスで構成されるバスライン224を介して入出力ポート225が接続されている。入出力ポート225には、主制御装置110、表示制御装置114、音声出力装置226、ランプ表示装置227、枠ボタン228、RTC292等がそれぞれ接続されている。
音声ランプ制御装置113は、枠ボタン228からの入力を監視し、遊技者によって枠ボタン228が操作された場合は、第3図柄表示装置81で表示されるステージを変更したり、スーパーリーチ時の演出内容を変更したりするように、音声出力装置226、ランプ表示装置227を制御し、また、表示制御装置114へ指示する。ステージが変更される場合は、変更後のステージに応じた背面画像を第3図柄表示装置81に表示させるべく、変更後のステージに関する情報を含めた背面画像変更コマンドを表示制御装置114へ送信する。ここで、背面画像とは、第3図柄表示装置81に表示させる主要な画像である第3図柄の背面側に表示される画像のことである。
音声ランプ制御装置113は、主制御装置110からのコマンドや、音声ランプ制御装置113に接続された各種装置等の状況に応じてエラーを判定し、そのエラーの種別を含めてエラーコマンドを表示制御装置114へ送信する。表示制御装置114では、受信したエラーコマンドによって示されるエラー種別(例えば、振動エラー)に応じたエラーメッセージ画像を第3図柄表示装置81に遅滞無く表示させる制御が行われる。
音声ランプ制御装置113のROM222には、変動パターンテーブル222aと、時間演出テーブル222bとが少なくとも格納されている。
変動パターンテーブル222aは、主制御装置110から変動パターンコマンドにより通知された大まかな変動演出(変動表示)の態様に基づいて、変動演出(変動表示)の詳細な態様を選択するために参照されるテーブルである。この変動パターンテーブル222aから選択された変動演出の態様に基づいて、表示用変動パターンコマンドが設定される(図39のS1704参照)。
なお、本実施形態のパチンコ機10では、時刻がRTC292により計時(計測)されている。そして、そのRTC292の時刻情報(計時情報)に基づき、一定時間(例えば、1時間)経過毎に第3図柄表示装置81において時間演出を実行するように構成されている。本実施形態の変動パターンテーブル222aでは、時間演出中か否か等の時間に関する条件に応じて異なる態様の変動演出が規定されている。
この変動パターンテーブル222aの詳細について、図13を参照して説明を行う。図13は、変動パターンテーブル222aの規定内容を示す図である。図13に示した通り、変動パターンテーブル222aには、主制御装置110から通知された変動表示の態様(変動種別)毎に、選択可能な変動パターン(変動演出)の詳細な態様が規定されている。また、本実施形態では、時間演出が開始されるまでの残期間tに応じて、選択可能な変動パターンの態様が異なるように構成している。即ち、残時間tの値に対応付けて、告知画像750(図6(b)参照)を遮蔽しないような変動演出の態様が規定されている。
具体的には、例えば、変動パターンコマンドにより通知された変動種別が完全外れであり、且つ、時間演出が開始されるまでの残期間(t)が9秒以上である場合は(即ち、8秒間の完全外れに対応する変動表示が終了し、第3図柄を1秒間停止表示さるまでの間に時間演出が開始されない場合は)、完全外れに対応する通常の態様の変動演出(図4(b)参照)が選択される(図13の222a1参照)。時間演出の開始時期と変動期間とが重複しないので、第3図柄を縮小したり透過させたりする必要がないためである。
また、時間演出が開始されるまでの残期間(t)が2秒以上、且つ、9秒未満であった場合は(即ち、告知画像750が表示される5秒間の期間と、第3図柄が停止表示される1秒間とが重複する場合は)、第3図柄を第3図柄表示装置81の右下部分に縮小表示して変動表示させる態様の変動演出が選択される(図13の222a2参照)。これにより、告知画像750(図6(b)参照)を遮蔽することなく変動演出を表示させることができる。よって、特別図柄の抽選結果を表示させつつ、遊技者に対して時間演出が開始されたことを容易に認識させることができる。
また、時間演出が開始されるまでの残期間(t)が1秒以上、且つ、2秒未満であった場合は(即ち、告知画像750が表示される5秒間の期間が、第3図柄の変動表示期間と重複する場合は)、変動中の第3図柄を半透明な態様で表示させる(図13の222a3参照)。つまり、図5(b)に示した態様で変動表示を実行する。第3図柄を半透明な態様で変動表示させることにより、変動表示中に表示される「ふれあいタイム突入!!」との文字が見えなくなってしまうことを抑制することができる。よって、告知画像750(図6(b)参照)を遊技者に対して明確に認識させることができる。
なお、本実施形態のパチンコ機10では、変動開始後1秒間と、変動停止前1秒間は通常通り(半透明の態様とせずに)に第3図柄を表示させるように構成している。これは、変動開始から変動停止までのすべての期間において第3図柄を半透明としてしまうと、変動表示が開始されたことや、変動表示が終了したことを遊技者が認識できない虞があるためである。よって、本実施形態では、変動が開始されると、第3図柄の変動速度を速くしていき、図柄の変動速度が十分高速となる1秒経過時から第3図柄を半透明の態様としている。また、変動終了前の1秒間に、第3図柄の表示態様を通常の態様(半透明でない態様)に戻すと共に、第3図柄の変動速度を遅くしていく。これにより、変動の開始、および変動の終了を遊技者に対して確実に認識させることができる。また、第3図柄の変動速度が高速となっている間(即ち、第3図柄の視認が困難な期間)に第3図柄を半透明な態様としているので、第3図柄が半透明となったことを遊技者に対して認識され難くすることができる。よって、第3図柄の表示態様が切り替わることにより、遊技者に対して違和感を抱かせてしまうことを抑制することができる。
また、時間演出が開始されるまでの残期間(t)が1秒未満であるか、既に時間演出中である場合は、第3図柄を第3図柄表示装置81の右下部分に縮小表示して変動表示させる態様の変動演出が選択される(図13の222a4参照)。これにより、告知画像750(図6(b)参照)、および時間演出中に表示される犬のキャラクタ740の動作が第3図柄の変動表示によって遮蔽されてしまうことを抑制することができる。
変動種別が外れショートリーチである場合も、変動演出の態様は時間演出が開始されるまでの残時間(t)に応じて選択される。即ち、時間演出が開始されるまでの残期間(t)が16秒以上であり、外れショートリーチに対応する変動表示中に時間演出が開始されない場合は、第3図柄が通常の表示態様で表示される変動演出が選択される(図13の222a5参照)。
また、時間演出が開始されるまでの残期間(t)が2秒以上、且つ、16秒未満であった場合は、告知画像750(図6(b)参照)が表示される5秒間の期間と、第3図柄が停止表示される1秒間とが重複するので、第3図柄を第3図柄表示装置81の右下部分に縮小表示して変動表示させる態様の変動演出が選択される(図13の222a6参照)。
また、時間演出が開始されるまでの残期間(t)が1秒以上、且つ、2秒未満であった場合は(即ち、告知画像750(図6(b)参照)が表示される5秒間の期間が、第3図柄の変動表示期間と重複する場合は)、変動中の第3図柄を半透明な態様で表示させる(図13の222a7参照)。これにより、告知画像750(図6(b)参照)を遊技者に対して明確に認識させることができる(図5(b)参照)。
また、時間演出が開始されるまでの残期間(t)が1秒未満であるか、既に時間演出中である場合は、第3図柄を第3図柄表示装置81の右下部分に縮小表示して変動表示させる態様の変動演出が選択される(図13の222a8参照)。これにより、告知画像750(図6(b)参照)、および時間演出中に表示される犬のキャラクタ740の動作が第3図柄の変動表示によって遮蔽されてしまうことを防止(抑制)することができる。
更に、変動種別が当たりショートリーチである場合に、変動演出の態様として通常の態様が選択されるか、縮小表示される態様が選択されるか、半透明な態様が選択されるかは、外れショートリーチと同一の基準で判断される。即ち、時間演出が開始されるまでの残期間(t)が16秒以上であれば、第3図柄が通常の表示態様で表示される変動演出が選択される(図13の222a9参照)。また、時間演出が開始されるまでの残期間(t)が2秒以上、且つ、16秒未満であった場合は、第3図柄を第3図柄表示装置81の右下部分に縮小表示して変動表示させる態様の変動演出が選択される(図13の222a10参照)。また、時間演出が開始されるまでの残期間(t)が1秒以上、且つ、2秒未満であった場合は、変動中の第3図柄を半透明な態様で表示させる(図13の222a11参照)。また、時間演出が開始されるまでの残期間(t)が1秒未満であるか、既に時間演出中である場合は、第3図柄を第3図柄表示装置81の右下部分に縮小表示して変動表示させる態様の変動演出が選択される(図13の222a12参照)。外れショートリーチと当たりショートリーチとは変動時間が同一であるので、外れショートリーチと同一の基準で変動演出の態様を選択することにより、告知画像750(図6(b)参照)を明瞭に表示させることができる。よって、遊技者が時間演出の開始を見落としてしまうことを抑制することができる。
なお、図示については省略したが、他の変動種別(外れロングリーチ、当たりロングリーチ、外れスーパーリーチ、当たりスーパーリーチ)の場合も、時間演出が開始されるまでの残時間(t)の値毎に異なる変動演出の態様が規定されている。これにより、いずれの変動演出を実行する場合にも、告知画像750(図6(b)参照)の表示を妨げない態様が選択される。よって、遊技者に対して時間演出が開始されたことを容易に気づかせることができる。
図10に戻って説明を続ける。時間演出テーブル222bは、通常演出の実行期間と、時間演出の実行期間とを電源を投入からの経過時間に対応付けて規定したデータテーブルである。本実施形態のパチンコ機10では、RTC292の時刻情報(計時情報)に基づいて、パチンコ機10に対して電源投入を行ってからの経過時間を判別可能に構成されている。この経過時間の値と、時間演出テーブル222bの規定内容とに基づいて、演出態様を通常の演出態様とするか時間演出の態様とするかを判断している。
この演出態様の決定は、音声ランプ制御装置113のMPU221で実行されるメイン処理の経過時間確認処理(図35のS1311参照)の中で行われ、図14に示す時間演出テーブル222bの判定値と、RTC292の時刻情報(計時情報)に基づいて判断される経過時間T(図36のS1402参照)とに応じて演出態様が特定される(図36のS1403参照)。
この時間演出テーブル222bの詳細について、図14を参照して説明する。図14は、ROM222に記憶される時間演出テーブル222bの一例を模式的に示した図である。図14に示すように、時間演出テーブル222bでは、通常演出の実行期間(通常演出期間)であるか、時間演出の実行期間(時間演出期間)であるかが、遊技機に対する電源投入を行った後の経過時間Tの値に対応付けられて規定されている。
図14に示す通り、本実施形態では、電源投入から60分以内の場合は通常演出期間であり(図14の222b1参照)、60分が経過してからの3分間は時間演出期間とされる(図14の222b2参照)。そして、その時間演出期間とされる3分間が経過した後は再び通常演出期間とされ(図14の222b3参照)、その通常演出期間が57分間継続する。そして、以降は3分間の時間演出期間と57分間の通常演出期間とが交互に繰り返される。
このように、電源投入直後の60分間を除き、1時間遊技をしていれば必ず異なる演出期間に切り替わるので、演出期間が切り替わったことにより遊技者に対して目新しさを感じさせることができる。よって、長時間遊技を行っていても同じような演出しか発生せず、遊技者が遊技に飽きてしまうことを抑制することができる。また、3分間の特別演出期間と57分間の通常演出期間とが周期的に繰り返されるので、遊技者は時間演出期間となる時間帯や通常演出期間となる時間帯を容易に把握することができる。よって、各遊技者に対して、自分の趣向に合った演出態様の演出が行われる演出期間を狙って遊技を開始させることができ、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができる。
なお、図14において経過時間Tが180分以降における経過時間Tと演出期間との対応関係を省略して記載しているが、実際には180分以降も、3分間の特別演出期間と57分間の通常演出期間とが交互に繰り返されるように設定される。この時間演出テーブル222bにおける経過時間Tの範囲は最低限ホールの1日の営業時間分だけ設定されていればよく、例えば経過時間Tが1440分(24時間)未満の範囲で経過時間Tと演出期間との対応関係を設定しておいても良いし、数日分の対応関係を設定しておいてもよい。また、演出期間の種類は必ずしも通常演出期間と時間演出期間との2種類に限られるものではなく、実行される演出の態様が互いに異なる3種類以上の演出期間を設けても良い。
更に、本実施形態では経過時間Tの値毎に演出期間の種別を規定したテーブルを規定しているが、必ずしも全てのTの値に対応させたテーブルを用意しておかなくても良い。例えば、通常演出期間となる経過時間Tの値の範囲と、時間演出期間となる経過時間Tの値の範囲とを1種類ずつ規定しておき、経過時間Tの値が規定されている値の範囲外となる際は、規定されている経過時間Tの値の範囲に所定の値を加算するように構成しても良い。具体例としては、例えば、通常演出期間となる経過時間Tの値の範囲を0分00秒〜57分00秒、時間演出期間となる経過時間Tの値の範囲を57分00秒〜60分00秒と規定しておき、経過時間Tの値が60分00秒に達する際に、通常演出期間となる経過時間Tの値の範囲と、特別演出期間となる経過時間Tの値の範囲とにそれぞれ60分00秒を加算し、60分00秒〜120分00秒までの経過時間Tの値の範囲における演出期間の種別を再設定するように制御しても良い。
より詳述すると、時間演出テーブル222bには、通常演出期間となる経過時間Tの値の範囲は0分00秒〜57分00秒であり、時間演出期間となる経過時間Tの値の範囲は57分00秒〜60分00秒であるとの情報のみが規定される。そして、電源投入に基づいて、時間演出テーブル222bに規定された情報がRAM223の所定の領域に複製され、その複製された情報に基づいて演出期間の種別が判別される。そして、経過時間Tが、複製された情報に規定されている経過時間Tの値の最大値である60分00秒に達する場合には、複製された情報に60分00秒を加えて新たな情報に更新する。即ち、通常演出期間となる経過時間Tの値の範囲は60分00秒〜117分00秒であり、特別演出期間となる経過時間Tの値の範囲は117分00秒〜120分00秒であるとの情報に更新される。以降、60分00秒が経過する毎に、複製された情報に60分00秒を加えて新たな情報に更新するように制御し、更新された情報と、経過時間Tとに基づいて演出期間の種別を判別する。
この場合、時間演出テーブル222bのデータ量が少なくなるため、ROM222の容量を削減することができる。よって、ROM222の低価格化を図ることができる。
図10に戻って説明を続ける。音声ランプ制御装置113のRAM223には、入賞情報格納エリア223aと、特別図柄保留球数カウンタ223bと、変動開始フラグ223cと、停止種別選択フラグ223dと、投入時刻格納エリア223eと、時間演出フラグ223fとが少なくとも設けられている。
入賞情報格納エリア223aは、1つの実行エリアと、4つのエリア(第1エリア〜第4エリア)とを有しており、これらの各エリアには、入賞情報がそれぞれ格納される。本パチンコ機10では、主制御装置110において始動入賞となった場合に、その始動入賞に応じて取得された第1当たり乱数カウンタC1、第1当たり種別カウンタC2及び停止種別選択カウンタC3の各値から、その始動入賞に対応する特別図柄の抽選が行われた場合に得られる各種情報(当否、停止種別、変動パターン)が主制御装置110において予測(推定)され、その予測された各種情報が、主制御装置110から音声ランプ制御装置113へ入賞情報コマンドによって通知される。
音声ランプ制御装置113では、入賞情報コマンドが受信されると、その入賞情報コマンドにより通知された各種情報(当否、停止種別、変動パターン)が入賞情報として抽出されて、その入賞情報が、入賞情報格納エリア223aに記憶される。より具体的には、抽出された入賞情報が、4つのエリア(第1エリア〜第4エリア)の空いているエリアの中で、エリア番号(第1〜第4)の小さいエリアから順番に記憶される。つまり、エリア番号の小さいエリアほど、時間的に古い入賞に対応するデータが記憶され、第1エリアには、時間的に最も古い入賞に対応するデータが記憶される。
特別図柄保留球数カウンタ223bは、主制御装置110の特別図柄保留球数カウンタ203cと同様に、第1図柄表示装置37(および第3図柄表示装置81)で行われる変動演出(変動表示)であって、主制御装置110において保留されている変動演出の保留球数(待機回数)を最大4回まで計数するカウンタである。
上述したように、音声ランプ制御装置113は、主制御装置110に直接アクセスして、主制御装置110のRAM203に格納されている特別図柄保留球数カウンタ203cの値を取得することができない。よって、音声ランプ制御装置113では、主制御装置110から送信される保留球数コマンドに基づいて保留球数をカウントし、特別図柄保留球数カウンタ223bにて、その保留球数を管理するようになっている。
具体的には、主制御装置110では、第1入球口64への入球によって変動表示の保留球数が加算された場合、または、主制御装置110において特別図柄における変動表示が実行されて保留球数が減算された場合に、加算後または減算後の特別図柄保留球数カウンタ203cの値を示す保留球数コマンドを、音声ランプ制御装置113へ送信する。
音声ランプ制御装置113は、主制御装置110より送信される保留球数コマンドを受信すると、その保留球数コマンドから、主制御装置110の特別図柄保留球数カウンタ203cの値を取得して、特別図柄保留球数カウンタ223bに格納する(図37のS1508参照)。このように、音声ランプ制御装置113では、主制御装置110より送信される保留球数コマンドに従って、特別図柄保留球数カウンタ223bの値を更新するので、主制御装置110の特別図柄保留球数カウンタ203cと同期させながら、その値を更新することができる。
特別図柄保留球数カウンタ223bの値は、第3図柄表示装置81における保留球数図柄の表示に用いられる。即ち、音声ランプ制御装置113は、保留球数コマンドの受信に応じて、そのコマンドにより示される保留球数を特別図柄保留球数カウンタ223bに格納すると共に、格納後の特別図柄保留球数カウンタ223bの値を表示制御装置114に通知するべく、表示用保留球数コマンドを表示制御装置114に対して送信する。
表示制御装置114では、この表示用保留球数コマンドを受信すると、そのコマンドにより示される保留球数の値、即ち、音声ランプ制御装置113の特別図柄保留球数カウンタ223bの値分の保留球数図柄を第3図柄表示装置81の小領域Ds1に表示するように、画像の描画を制御する。上述したように、特別図柄保留球数カウンタ223bは、主制御装置110の特別図柄保留球数カウンタ203aと同期しながら、その値が変更される。従って、第3図柄表示装置81の小領域Ds1に表示される保留球数図柄の数も、主制御装置110の特別図柄保留球数カウンタ203aの値に同期させながら、変化させることができる。よって、第3図柄表示装置81には、変動表示が保留されている保留球の数を正確に表示させることができる。
変動開始フラグ223cは、主制御装置110から送信される変動パターンコマンドを受信した場合にオンされ(図37のS1502参照)、第3図柄表示装置81における変動表示の設定がなされるときにオフされる(図39のS1702参照)。変動開始フラグ223cがオンになると、受信した変動パターンコマンドから抽出された変動パターンに基づいて、表示用変動パターンコマンドが設定される。
ここで設定された表示用変動パターンコマンドは、RAM223に設けられたコマンド送信用のリングバッファに記憶され、MPU221により実行されるメイン処理(図35参照)のコマンド出力処理(S1302)の中で、表示制御装置114に向けて送信される。表示制御装置114では、この表示用変動パターンコマンドを受信することによって、この表示用変動パターンコマンドによって示される変動パターンで、第3図柄表示装置81において第3図柄の変動表示が行われるように、その変動演出の表示制御が開始される。
停止種別選択フラグ223dは、主制御装置110から送信される停止種別コマンドを受信した場合にオンされ(図37のS1505参照)、第3図柄表示装置81における停止種別の設定がなされるときにオフされる(図39のS1707参照)。停止種別選択フラグ223dがオンになると、受信した停止種別コマンドから抽出された停止種別(大当たりの場合には大当たり種別)を設定する。
投入時刻格納エリア223eは、パチンコ機10の電源投入時刻に対応する情報を格納するための記憶領域であり、パチンコ機10へ電源を投入した際に、RTC292の時刻情報(計時情報)が格納される。具体的には、MPU221により実行される立ち上げ処理(図33参照)の時間設定処理(図33のS1114参照)の中で、RTC292より取得した現在の時刻情報(計時情報)が格納される。格納された計時情報は、MPU221により実行されるメイン処理(図35参照)の経過時間確認処理(図35のS1311参照)の中で、電源投入からの経過時間Tを算出し、通常演出期間であるか時間演出期間であるかを判別するために用いられる(図36のS1404参照)。なお、RAM223に記憶された内容はバックアップされないため、パチンコ機10の電源供給が遮断された電断状態となった場合、投入時刻格納エリア223eに格納された計時情報は消失される。
本実施形態のパチンコ機10では、立ち上げ処理(図33参照)の際にRTC292より取得され、投入時刻格納エリア223eに格納された時刻情報に基づいて演出期間の種別を判断するので、ホールの複数のパチンコ機10において、立ち上げ処理(図33参照)が行われるタイミングを合わせておけば、各パチンコ機10の投入時刻格納エリア223eに時刻情報が格納されるタイミングも合わせることができる。投入時刻格納エリア223eに時刻情報が格納されるタイミングが合っていれば、各パチンコ機10において経過時間確認処理(S1311)の中で算出される経過時間Tも合わせることができるので、その経過時間Tに基づいて通常演出期間から時間演出期間へ切り替えるタイミング及び経過時間Tに基づいて時間演出期間から通常演出期間へ切り替えるタイミングを合わせることができる。これにより、ホールの関係者は、複数のパチンコ機10に対して一斉に電源投入をしておくだけで、各パチンコ機10の演出期間を揃えることができる。よって、一部のパチンコ機10は通常演出期間となり、その他のパチンコ機10は時間演出期間となることで、遊技を行っている遊技者が他のパチンコ機10と異なる演出態様で演出が実行されていることに対して違和感を抱いてしまうことを防止(抑制)することができる。なお、複数のパチンコ機10に対して一斉に電源を投入する方法としては、例えば、複数のパチンコ機10で構成される島を設けておき、島単位で電源を投入することのできる外部電源を設けておけばよい。
また、本実施形態では、RTC292の時刻情報から時刻を判断し、時間帯に応じて演出期間の種別を切り替えるのではなく、立ち上げ処理の際に取得した時刻情報と経過時間確認処理(S1311)の中で取得される時刻情報とから経過時間Tを算出し、その経過時間Tに基づいて演出期間の種別を判断している。これにより、各パチンコ機10のRTC292の時刻情報が、経年劣化等で互いにずれてしまっていたとしても、そのずれた計時情報を演出期間の種別の判断に直接用いるのではなく、経過時間Tという相対的な値に変換して演出期間の種別の判断に用いることができるので、ずれの影響を少なくすることができる。よって、複数のパチンコ機10において、経過時間Tに基づいて通常演出期間から特別演出期間へ切り替えるタイミング及び経過時間Tに基づいて特別演出期間から通常演出期間へ切り替えるタイミングを合わせることができる。従って、各パチンコ機10の演出期間を揃えることができるので、一部のパチンコ機10は通常演出期間となり、その他のパチンコ機10は時間演出期間となることで、遊技を行っている遊技者が他のパチンコ機10と異なる演出態様で演出が実行されていることに対して違和感を抱いてしまうことを抑制することができる。
時間演出フラグ223fは、現在の演出期間が特別演出期間であるか否かを示すフラグである。この時間演出フラグ223fは、MPU221により実行されるメイン処理(図35参照)の経過時間確認処理(図35のS1311参照)の中で、時間演出テーブル222b(図14参照)に基づいて、通常演出期間から時間演出期間へ切り替わると判別される場合にオンされる(図36のS1409参照)。一方、時間演出テーブル222bに基づいて、特別演出期間から時間演出期間へ切り替わると判別される場合にオフされる(図36のS1406参照)。また、時間演出フラグ223fは、パチンコ機10への電源供給が遮断された電断状態となった場合にもオフされる。
時間演出フラグ223fがオンされると、時間演出に対応する背面画像変更コマンドが設定されるので(図36のS1410参照)、その背面画像変更コマンドを受信することに基づいて、時間演出に対応する背面画像が表示される。一方、時間演出フラグ223fがオフされた場合は、通常の背面(背面A)に対応する背面画像変更コマンドが設定されるので、その背面画像変更コマンドを受信することに基づいて、通常演出に対応する背面画像(背面A)が表示される(図36のS1407参照)。
なお、上述した通り、背面画像とは、第3図柄表示装置81に表示させる主要な画像である第3図柄の背面側に表示される画像である。時間演出中に表示される背面画像としては、例えば、図6(b)に示す告知画像750(図6(b)参照)や、図8、および図9に示した犬のキャラクタ740の画像が挙げられる。そして、その時間演出は、表示制御装置114が、時間演出フラグ223fがオフされることに基づいて出力される背面画像変更コマンド(図36のS1407参照)を受信するまで継続する。
なお、ホールにおいて、本実施形態のパチンコ機10を複数並べて(島を構成させて)設置しておけば、島を構成する複数のパチンコ機10によって実行される演出の演出態様を、時間帯に応じて一斉に異なる演出態様に切り替える(島連動する)ことができる。島連動を行うことにより、遊技を行うタイミングに応じて、異なる態様の演出が実行されるので、各遊技者は、自己の嗜好に合った演出態様の演出(通常演出、または、時間演出)が行われるタイミングで遊技を開始することができる。ここで、本実施形態のパチンコ機10では、経過時間に応じて演出期間の種別を切り替えているが、曜日や日付、季節等に応じて島連動を行っても良い。
RAM223は、その他、主制御装置110より受信したコマンドを、そのコマンドに対応した処理が行われるまで一時的に記憶するコマンド記憶領域(図示せず)などを有している。なお、コマンド記憶領域はリングバッファで構成され、FIFO(First In First Out)方式によってデータの読み書きが行われる。音声ランプ処理装置113のコマンド判定処理(図37参照)が実行されると、コマンド記憶領域に記憶された未処理のコマンドのうち、最初に格納されたコマンドが読み出され、コマンド判定処理によって、そのコマンドが解析されて、そのコマンドに応じた処理が行われる。
表示制御装置114は、音声ランプ制御装置113及び第3図柄表示装置81が接続され、音声ランプ制御装置113より受信したコマンドに基づいて、第3図柄表示装置81における第3図柄の変動表示(変動演出)や連続予告演出を制御するものである。この表示制御装置114の詳細については、図16を参照して後述する。
電源装置115は、パチンコ機10の各部に電源を供給するための電源部251と、停電等による電源遮断を監視する停電監視回路252と、RAM消去スイッチ122(図3参照)が設けられたRAM消去スイッチ回路253とを有している。電源部251は、図示しない電源経路を通じて、各制御装置110〜114等に対して各々に必要な動作電圧を供給する装置である。その概要としては、電源部251は、外部より供給される交流24ボルトの電圧を取り込み、各種スイッチ208などの各種スイッチや、ソレノイド209などのソレノイド、モータ等を駆動するための12ボルトの電圧、ロジック用の5ボルトの電圧、RAMバックアップ用のバックアップ電圧などを生成し、これら12ボルトの電圧、5ボルトの電圧及びバックアップ電圧を各制御装置110〜114等に対して必要な電圧を供給する。
停電監視回路252は、停電等の発生による電源遮断時に、主制御装置110のMPU201及び払出制御装置111のMPU211の各NMI端子へ停電信号SG1を出力するための回路である。停電監視回路252は、電源部251から出力される最大電圧である直流安定24ボルトの電圧を監視し、この電圧が22ボルト未満になった場合に停電(電源断、電源遮断)の発生と判断して、停電信号SG1を主制御装置110及び払出制御装置111へ出力する。停電信号SG1の出力によって、主制御装置110及び払出制御装置111は、停電の発生を認識し、NMI割込処理を実行する。なお、電源部251は、直流安定24ボルトの電圧が22ボルト未満になった後においても、NMI割込処理の実行に充分な時間の間、制御系の駆動電圧である5ボルトの電圧の出力を正常値に維持するように構成されている。よって、主制御装置110及び払出制御装置111は、NMI割込処理(図29参照)を正常に実行し完了することができる。
RAM消去スイッチ回路253は、RAM消去スイッチ122(図3参照)が押下された場合に、主制御装置110へ、バックアップデータをクリアさせるためのRAM消去信号SG2を出力するための回路である。主制御装置110は、パチンコ機10の電源投入時に、RAM消去信号SG2を入力した場合に、バックアップデータをクリアすると共に、払出制御装置111においてバックアップデータをクリアさせるための払出初期化コマンドを払出制御装置111に対して送信する。
RTC292は、音声ランプ制御装置113に接続され、現在時刻を計時することができるリアルタイムクロックで構成されている。このRTC292の電気的構成について、図15を参照して説明する。図15は、RTC292の電気的構成を示すブロック図である。RTC292は、入出力ポート350と、装置制御部351と、レジスタ352とを有している。また、RTC292には、RTC用電源353が接続されている。このRTC用電源353は、パチンコ機10の電源とは異なるRTC292専用の電源であり、パチンコ機10の電源が遮断された電断状態でもRTC292に電力を供給することができる。このRTC用電源353としては、例えば、ボタン型電池が用いられる。
RTC292の装置制御部351には、入出力ポート350と、レジスタ352とが接続されている。入出力ポート350は音声ランプ制御装置113と相互通信可能に接続されている。装置制御部351は、レジスタ352を制御して、現在時刻の計時やデータの書き込みなどの各種制御を行う。
レジスタ352は、データを一時的に記憶したり、記憶したデータに対して演算を行ったりすることができる記憶領域である。図15に示した通り、レジスタ352には、計時レジスタ352aと、時刻情報格納エリア352bとが少なくとも設けられている。
計時レジスタ352aは、現在時刻を計時するためのレジスタであり、所定時間毎(例えば、1/4096秒毎)にレジスタ値が更新される。この計時レジスタ352aにおいて計時される計時情報に基づいて、時間演出の実行期間であるか否かが判別される。
時刻情報格納エリア352bは、計時情報を書き込むことができ、記憶された情報を上書きすることができる記憶領域である。具体的には、パチンコ機10の電源が遮断された場合(電源断の発生情報があった場合)に、RAM223の投入時刻格納エリア223eに記憶されている電源投入時に取得された計時情報が書き込まれる。上述した通り、RTC292にはパチンコ機10の電源とは独立したRTC用電源353から電源が供給されているので、電源投入時の計時情報をパチンコ機10の電源が遮断されている間も保持することができる。よって、例えば、複数のパチンコ機10のうちの一部の電源を遊技中に遮断した場合でも、電源復帰時に時刻情報格納エリア352bに記憶された計時情報を投入時刻格納エリア223eに格納することができる。つまり、電源が遮断されていない他のパチンコ機10と同じ計時情報に基づいて時間演出の実行期間であるか否かを判断することができる。よって、電源が遮断されたパチンコ機10と、他のパチンコ機10とで時間演出の実行タイミングがずれてしまうことを抑制することができる。
なお、本実施形態では、電源投入時にRAM消去スイッチ122を押下されたか否かに基づいて、RAM223の投入時刻格納エリア223eに対して、計時レジスタ352aの値(RTC292が計時する現在時刻に対応する計時情報)を記憶するか、時刻情報格納エリア352bに記憶された計時情報を記憶するかを判断するように構成している。即ち、RAM消去スイッチ122が押下された状態で電源が投入された場合は、投入時刻格納エリア223eに対して時刻情報格納エリア352bに記憶された計時情報を記憶するように構成されている。一方、RAM消去スイッチ122が押下されずに電源が投入された場合は、計時レジスタ352aの値(RTC292が計時する現在時刻に対応する計時情報)を投入時刻格納エリア223eに記憶するように構成されている。
これにより、ホールの店員は、ホールの開店時間等に各パチンコ機10のRAM消去スイッチ122を押下せずに一斉に電源投入を行うことにより、各パチンコ機10の把握する電源投入からの経過時間を一致させることができる。よって、各パチンコ機10において、時間演出の実行期間を一致させることができる。一方、ホールの営業時間中に一部のパチンコ機10の電源を遮断する場合(例えば、エラーを解除する場合等)には、再度電源を投入する際に、RAM消去スイッチ122を押下した状態でパチンコ機10の電源を投入することにより、時刻情報格納エリア352bに記憶された計時情報を投入時刻格納エリア223eに格納することができる。よって、電源が遮断されたパチンコ機10と、他のパチンコ機10とで時間演出の実行タイミングがずれてしまうことを抑制することができる。
次に、図16を参照して、表示制御装置114の電気的構成について説明する。図16は、表示制御装置114の電気的構成を示すブロック図である。表示制御装置114は、MPU231と、ワークRAM233と、キャラクタROM234と、常駐用ビデオRAM235と、通常用ビデオRAM236と、画像コントローラ237と、入力ポート238と、出力ポート239と、バスライン240,241とを有している。
入力ポート238の入力側には音声ランプ制御装置113の出力側が接続され、入力ポート238の出力側には、MPU231、ワークRAM233、キャラクタROM234、画像コントローラ237がバスライン240を介して接続されている。画像コントローラ237には、常駐用ビデオRAM235及び通常用ビデオRAM236が接続されると共に、バスライン241を介して出力ポート239が接続されている。また、出力ポート239の出力側には、第3図柄表示装置81が接続されている。
なお、パチンコ機10は、特別図柄の大当たりとなる抽選確率や、1回の特別図柄の大当たりで払い出される賞球数が異なる別機種であっても、第3図柄表示装置81で表示される図柄構成が全く同じ仕様の機種があるので、表示制御装置114は共通部品化されコスト低減が図られている。
以下では、先にMPU231、キャラクタROM234、画像コントローラ237、常駐用ビデオRAM235、通常用ビデオRAM236について説明し、次いで、ワークRAM233について説明する。
まず、MPU231は、主制御装置110の変動パターンコマンドに基づく音声ランプ制御装置113から出力された表示用変動パターンコマンドに基づいて、第3図柄表示装置81の表示内容を制御するものである。MPU231は、命令ポインタ231aを内蔵しており、命令ポインタ231aで示されるアドレスに格納された命令コードを読み出してフェッチし、その命令コードに従って各種処理を実行する。MPU231には、電源投入(停電からの復電を含む。以下、同じ。)直後に、電源装置115からシステムリセットがかけられるようになっており、そのシステムリセットが解除されると、命令ポインタ231aは、MPU231のハードウェアによって自動的に「0000H」に設定される。そして、命令コードがフェッチされる度に、命令ポインタ231aは、その値が1ずつ加算される。また、MPU231が命令ポインタの設定命令を実行した場合は、その設定命令により指示されたポインタの値が命令ポインタ231aにセットされる。
なお、詳細については後述するが、本実施形態において、MPU231によって実行される制御プログラムや、その制御プログラムで使用される各種の固定値データは、従来の遊技機のように専用のプログラムROMを設けて記憶させるのではなく、第3図柄表示装置81に表示させる画像のデータを記憶させるために設けられたキャラクタROM234に記憶させている。
詳細については後述するが、キャラクタROM234は、小面積で大容量化を図ることが可能なNAND型フラッシュメモリ234aによって構成されている。これにより、画像データだけでなく制御プログラム等を十分に記憶させておくことができる。そして、キャラクタROM234に制御プログラム等を記憶させておけば、制御プログラム等を記憶する専用のプログラムROMを設ける必要がない。よって、表示制御装置114における部品点数を削減することができ、製造コストを削減できるほか、部品数増加による故障発生率の増加を抑制することができる。
一方で、NAND型フラッシュメモリは、特にランダムアクセスを行う場合において読み出し速度が遅くなるという問題点がある。例えば、複数のページに連続して並んだデータの読み出しを行う場合において、2ページ目以降のデータは高速読み出しが可能であるが、最初の1ページ目のデータの読み出しには、アドレスが指定されてからデータが出力されるまでに大きな時間を要する。また、連続していないデータを読み出す場合は、そのデータを読み出す度に大きな時間を要する。このように、NAND型フラッシュメモリは、その読み出しに係る速度が遅いため、MPU231が直接キャラクタROM234から制御プログラムを読み出して各種処理を実行するように構成すると、制御プログラムを構成する命令の読み出しに時間がかかる場合が発生し、MPU231として高性能のプロセッサを用いても、表示制御装置114の処理性能を悪化させてしまうおそれがある。
そこで、本実施形態では、MPU231のシステムリセットが解除されると、まず、キャラクタROM234のNAND型フラッシュメモリ234aに記憶されている制御プログラムを、各種データの一時記憶用に設けたワークRAM233に転送して格納する。そして、MPU231はワークRAM233に格納された制御プログラムに従って、各種処理を実行する。ワークRAM233は、後述するようにDRAM(Dynamic RAM)によって構成され、高速でデータの読み書きが行われるので、MPU231は遅滞なく制御プログラムを構成する命令の読み出しを行うことができる。よって、表示制御装置114において高い処理性能を保つことができ、第3図柄表示装置81を用いて、多様化、複雑化させた演出を容易に実行することができる。
キャラクタROM234は、MPU231において実行される制御プログラムや、第3図柄表示装置81に表示される画像のデータを記憶したメモリであり、MPU231とバスライン240を介して接続されている。MPU231は、バスライン240を介してシステムリセット解除後にキャラクタROM234に直接アクセスし、そのキャラクタROM234の後述する第2プログラム記憶エリア234a1に記憶された制御プログラムを、ワークRAM233のプログラム格納エリア233aへ転送する。また、バスライン240には画像コントローラ237も接続されており、画像コントローラ237はキャラクタROM234の後述するキャラクタ記憶エリア234a2に格納された画像データを、画像コントローラ237に接続されている常駐用ビデオRAM235や通常用ビデオRAM236へ転送する。
このキャラクタROM234は、NAND型フラッシュメモリ234a、ROMコントローラ234b、バッファRAM234c、NOR型ROM234dをモジュール化して構成されている。
NAND型フラッシュメモリ234aは、キャラクタROM234におけるメインの記憶部として設けられる不揮発性のメモリであり、MPU231によって実行される制御プログラムの大部分や第3図柄表示装置81を駆動させるための固定値データを記憶する第2プログラム記憶エリア234a1と、第3図柄表示装置81に表示させる画像(キャラクタ等)のデータを格納するキャラクタ記憶エリア234a2とを少なくとも有している。
ここで、NAND型フラッシュメモリは、小さな面積で大きな記憶容量が得られる特徴を有しており、キャラクタROM234を容易に大容量化することができる。これにより、本パチンコ機において、例えば2ギガバイトの容量を持つNAND型フラッシュメモリ234aを用いることにより、第3図柄表示装置81に表示させる画像として、多くの画像をキャラクタ記憶エリア234a2に記憶させることができる。よって、遊技者の興趣をより高めるために、第3図柄表示装置81に表示される画像を多様化、複雑化することができる。
また、NAND型フラッシュメモリ234aは、多くの画像データをキャラクタ記憶エリア234a2に記憶させた状態で、更に、制御プログラムや固定値データも第2プログラム記憶エリア234a1に記憶させることができる。このように、制御プログラムや固定値データを、従来の遊技機のように専用のプログラムROMを設けて記憶させることなく、第3図柄表示装置81に表示させる画像のデータを記憶させるために設けられたキャラクタROM234に記憶させることができるので、表示制御装置114における部品点数を削減することができ、製造コストを削減できるほか、部品数増加による故障発生率の増加を抑制することができる。
ROMコントローラ234bは、キャラクタROM234の動作を制御するためのコントローラであり、例えば、バスライン240を介してMPU231や画像コントローラ237から伝達されたアドレスに基づいて、NAND型フラッシュメモリ234a等から該当するデータを読み出し、バスライン240を介してMPU231又は画像コントローラ237へ出力する。
ここで、NAND型フラッシュメモリ234aは、その性質上、データの書き込み時にエラービット(誤ったデータが書き込まれたビット)が比較的多く発生したり、データを書き込むことができない不良データブロックが発生したりする。そこで、ROMコントローラ234bは、NAND型フラッシュメモリ234aから読み出したデータに対して公知の誤り訂正を施し、また、不良データブロックを避けてNAND型フラッシュメモリ234aへのデータの読み書きが行われるように公知のデータアドレスの変換を実行する。
このROMコントローラ234bにより、エラービットを含むNAND型フラッシュメモリ234aから読み出されたデータに対して誤り訂正が行われるので、キャラクタROM234としてNAND型フラッシュメモリ234aを用いたとしても、誤ったデータに基づいてMPU231が処理を行ったり、画像コントローラ237が各種画像を生成したりすることを抑制することができる。
また、ROMコントローラ234bによってNAND型フラッシュメモリ234aの不良データブロックが解析され、その不良データブロックへのアクセスが回避されるので、MPU231や画像コントローラ237は、個々のNAND型フラッシュメモリ234aで異なる不良データブロックのアドレス位置を考慮することなく、キャラクタROM234へのアクセスを容易に行うことができる。よって、キャラクタROM234にNAND型フラッシュメモリ234aを用いても、キャラクタROM234へのアクセス制御が複雑化することを抑制することができる。
バッファRAM234cは、NAND型フラッシュメモリ234aから読み出したデータを一時的に記憶するバッファとして用いられるメモリである。MPU231や画像コントローラ237からバスライン240を介してキャラクタROM234に割り振られたアドレスが指定されると、ROMコントローラ234bは、その指定されたアドレスに対応するデータを含む1ページ分(例えば、2キロバイト)のデータがバッファRAM234cにセットされているか否かを判断する。そして、セットされていなければ、その指定されたアドレスに対応するデータを含む1ページ分(例えば、2キロバイト)のデータをNAND型フラッシュメモリ234a(またはNOR型ROM234d)より読み出してバッファRAM234cに一旦セットする。そして、ROMコントローラ234bは、公知の誤り訂正処理を施した上で、指定されたアドレスに対応するデータを、バスライン240を介してMPU231や画像コントローラ237に出力する。
このバッファRAM234cは、2バンクで構成されており、1バンク当たりNAND型フラッシュメモリ234aの1ページ分のデータがセットできるようになっている。これにより、ROMコントローラ234bは、例えば、一方のバンクにデータをセットした状態のまま他方のバンクを使用して、NAND型フラッシュメモリ234aのデータを外部に出力したり、MPU231や画像コントローラ237より指定されたアドレスに対応するデータを含む1ページ分のデータをNAND型フラッシュメモリ234aから一方のバンクに転送してセットする処理と、MPU231や画像コントローラ237によって指定されたアドレスに対応するデータを他方のバンクから読み出してMPU231や画像コントローラ237に対して出力する処理とを、並列して処理したりすることができる。よって、キャラクタROM234の読み出しにおける応答性を向上させることができる。
NOR型ROM234dは、キャラクタROM234におけるサブの記憶部として設けられる不揮発性のメモリであり、NAND型フラッシュメモリ234aを補完することを目的にそのNAND型フラッシュメモリ234aよりも極めて小容量(例えば、2キロバイト)に構成されている。このNOR型ROM234dには、キャラクタROM234に記憶される制御プログラムのうち、NAND型フラッシュメモリ234aの第2プログラム記憶エリア234a1に記憶されていないプログラム、具体的には、MPU231においてシステムリセット解除後に最初に実行されるブートプログラムの一部を格納する第1プログラム記憶エリア234d1が少なくとも設けられている。
ブートプログラムは、第3図柄表示装置81に対する各種制御が実行可能となるように表示制御装置114を起動するための制御プログラムであり、システムリセット解除後にMPU231が先ずこのブートプログラムを実行する。これにより、表示制御装置114において各種制御が実行可能に状態とすることができる。第1プログラム記憶エリア234d1は、このブートプログラムのうち、バッファRAM234cの1バンク分(即ち、NAND型フラッシュメモリ234aの1ページ分)の容量の範囲で、システムリセット解除後にMPU231によって最初に処理すべき命令から所定数の命令(例えば、1ページの容量が2キロバイトであれば、1024ワード(1ワード=2バイト)分の命令)を格納する。なお、第1プログラム記憶エリア234d1に格納されるブートプログラムの命令数は、バッファRAM234cの1バンク分の容量以下に収まっていればよく、表示制御装置114の仕様に合わせて適宜設定されるものであってもよい。
MPU231は、システムリセットが解除されると、ハードウェアによって命令ポインタ231aの値を「0000H」に設定すると共に、バスライン240に対して命令ポインタ231aにて示されるアドレス「0000H」を指定するように構成されている。一方、キャラクタROM234のROMコントローラ234bは、バスライン240にアドレス「0000H」が指定されたことを検知すると、NOR型ROM234dの第1プログラム記憶エリア234d1に記憶されたブートプログラムをバッファRAM234cの一方のバンクにセットして、対応するデータ(命令コード)をMPU231へ出力する。
MPU231は、キャラクタROM234から受け取った命令コードをフェッチすると、そのフェッチした命令コードに従って各種処理を実行するとともに、命令ポインタ231aを1だけ加算し、命令ポインタ231aにて示されるアドレスをバスライン240に対して指定する。そして、キャラクタROM234のROMコントローラ234bは、バスライン240によって指定されたアドレスがNOR型ROM234dに記憶されたプログラムを指し示すアドレスである間、先にNOR型ROM234dからバッファRAM234cにセットされたプログラムの中から、対応するアドレスの命令コードをバッファRAM234cより読み出して、MPU231に対して出力する。
ここで、本実施形態において、制御プログラムを全てNAND型フラッシュメモリ234aに格納するのではなく、ブートプログラムのうち、システムリセット解除後にMPU231によって最初に処理すべき命令から所定数の命令をNOR型ROM234dに格納するのは、次の理由による。即ち、NAND型フラッシュメモリ234aは、上述したように、最初の1ページ目のデータの読み出しにおいて、アドレスを指定してからデータが出力されるまでに大きな時間を要する、というNAND型フラッシュメモリ特有の問題がある。
このようなNAND型フラッシュメモリ234aに対して制御プログラムを全て格納すると、システムリセット解除後にMPU231が最初に実行すべき命令コードをフェッチするためにMPU231からバスライン240を介してアドレス「0000H」が指定された場合、キャラクタROM234はアドレス「0000H」に対応するデータ(命令コード)を含む1ページ分のデータをNAND型フラッシュメモリ234aから読み出してバッファRAM234cにセットしなければならい。そして、NAND型フラッシュメモリ234aの性質上、その読み出しからバッファRAM234cへのセットに多大な時間を要することになるので、MPU231は、アドレス「0000H」を指定してからアドレス「0000H」に対応する命令コードを受け取るまでに多くの待ち時間を消費する。よって、MPU231の起動にかかる時間が長くなるので、結果として、表示制御装置114における第3図柄表示装置81の制御が即座に開始されないおそれがあるという問題点が生じる。
これに対し、NOR型ROMは高速にデータを読み出すことが可能なメモリであるので、ブートプログラムのうち、システムリセット解除後にMPU231によって最初に処理すべき命令から所定数の命令をNOR型ROM234dに格納することによって、システムリセット解除後にMPU231からバスライン240を介してアドレス「0000H」が指定されると、キャラクタROM234は即座にNOR型ROM234dの第1プログラム記憶エリア234d1に記憶されたブートプログラムをバッファRAM234cにセットして、対応するデータ(命令コード)をMPU231へ出力することができる。よって、MPU231は、アドレス「0000H」を指定してから短い時間でアドレス「0000H」に対応する命令コードを受け取ることができ、MPU231の起動を短時間で行うことができる。従って、読み出し速度の遅いNAND型フラッシュメモリ234aで構成されたキャラクタROM234に制御プログラムを格納しても、表示制御装置114における第3図柄表示装置81の制御を即座に開始することができる。
ブートプログラムは、NAND型フラッシュメモリ234aの第2プログラム記憶エリア234a1に記憶されている制御プログラム、即ち、NOR型ROM234dの第1プログラム記憶エリア234d1に記憶されているブートプログラムを除く制御プログラムや、その制御プログラムで用いられる固定値データ(例えば、後述する表示データテーブル、転送データテーブルなど)を、所定量(例えば、NAND型フラッシュメモリ234aの1ページ分の容量)ずつワークRAM233のプログラム格納エリア233aやデータテーブル格納エリア233bへ転送するようにプログラミングされている。そして、MPU231は、まず、システムリセット解除後に第1プログラム記憶エリア234d1から読み出したブートプログラムに従って、第2プログラム記憶エリア234a1に記憶されている制御プログラムを、第1プログラム記憶エリア234d1のブートプログラムがセットされているバッファRAM234cのバンクとは異なるバンクを使用しながら、所定量だけプログラム格納エリア233aに転送し、格納する。
ここで、第1プログラム記憶エリア234d1に記憶されているブートプログラムは、上述したように、バッファRAM234cの1バンク分に相当する容量で構成されているので、内部バスのアドレスが「0000H」に指定されたことを受けて第1プログラム記憶エリア234d1のブートプログラムがバッファRAM234cにセットされる場合、そのブートプログラムはバッファRAM234cの一方のバンクにのみセットされる。よって、第1プログラム記憶エリア234d1のブートプログラムに従って、第2プログラム記憶エリア234a1に記憶されている制御プログラムをプログラム格納エリア233aに転送する場合は、バッファRAM234cの一方のバンクにセットされた第1プログラム記憶エリア234d1のブートプログラムを残したまま、他方のバンクを使用してその転送処理を実行することができる。従って、その転送処理後に、第1プログラム記憶エリア234d1のブートプログラムを再度バッファRAM234cにセットし直すといった処理が不要であるので、ブート処理に係る時間を短くすることができる。
第1プログラム記憶エリア234d1に記憶されているブートプログラムは、第2プログラム記憶エリア234a1に記憶されている制御プログラムを所定量だけプログラム格納エリア233aに転送すると、命令ポインタ231aをプログラム格納エリア233a内の第1の所定番地に設定するようにプログラミングされている。これにより、システムリセット解除後、MPU231によって第2プログラム記憶エリア234a1に記憶されている制御プログラムが所定量だけプログラム格納エリア233aに転送されると、命令ポインタ231aがプログラム格納エリア233aの第1の所定番地に設定される。
よって、第2プログラム記憶エリア234a1に記憶されている制御プログラムのうち所定量のプログラムがプログラム格納エリア233aに格納されると、MPU231は、そのプログラム格納エリア233aに格納された制御プログラムを読み出して、各種処理を実行することができる。即ち、MPU231は、第2プログラム記憶エリア234a1を有するNAND型フラッシュメモリ234aから制御プログラムを読み出して命令フェッチするのではなく、プログラム格納エリア233aを有するワークRAM233に転送された制御プログラムを読み出して命令フェッチし、各種処理を実行することになる。後述するように、ワークRAM233はDRAMによって構成されるため、高速に読み出し動作が行われる。よって、制御プログラムの殆どを読み出し速度の遅いNAND型フラッシュメモリ234aに記憶させた場合であっても、MPU231は高速に命令をフェッチし、その命令に対する処理を実行することができる。
ここで、第2プログラム記憶エリア234a1に記憶されている制御プログラムには、第1プログラム記憶エリア234d1に記憶されていない残りのブートプログラムが含まれている。一方、第1プログラム記憶エリア234d1に記憶されているブートプログラムは、ワークRAM233のプログラム格納エリア233aに所定量だけ第2プログラム記憶エリア234a1から転送される制御プログラムの中に、その残りのブートプログラムが含まれるようにプログラミングされていると共に、プログラム格納エリア233aに格納されたその残りのブートプログラムの先頭アドレスを第1の所定番地として命令ポインタ231aを設定するようにプログラミングされている。
これにより、MPU231は、第1プログラム記憶エリア234d1に記憶されているブートプログラムによって、第2プログラム記憶エリア234a1に記憶されている制御プログラムを所定量だけプログラム格納エリア233aに転送した後、その転送した制御プログラムに含まれる残りのブートプログラムを実行する。
この残りのブートプログラムでは、プログラム格納エリア233aに転送されていない残りの制御プログラムやその制御プログラムで用いられる固定値データ(例えば、後述する表示データテーブル、転送データテーブルなど)を全て第2プログラム記憶エリア234a1から所定量ずつプログラム格納エリア233a又はデータテーブル格納エリア233bに転送する処理を実行する。また、ブートプログラムの最後で、命令ポインタ231aをプログラム格納エリア233a内の第2の所定番地に設定する。具体的には、この第2の所定番地として、プログラム格納エリア233aに格納された、ブートプログラムによるブート処理(図40のS1801参照)の終了後に実行される初期設定処理(図40のS1802参照)に対応するプログラムの先頭アドレスを設定する。
MPU231は、この残りのブートプログラムを実行することによって、第2プログラム記憶エリア234a1に記憶されている制御プログラムや固定値データが全てプログラム格納エリア233a又はデータテーブル格納エリア233bに転送される。そして、ブートプログラムがMPU231により最後まで実行されると、命令ポインタ231aが第2の所定番地に設定され、以後、MPU231は、NAND型フラッシュメモリ234aを参照することなく、プログラム格納エリア233aに転送された制御プログラムを用いて各種処理を実行する。
よって、制御プログラムの殆どを読み出し速度の遅いNAND型フラッシュメモリ234aによって構成されるキャラクタROM234に記憶させた場合であっても、システムリセット解除後にその制御プログラムをワークRAM233のプログラム格納エリア233aに転送することで、MPU231は、読み出し速度が高速なDRAMによって構成されるワークRAMから制御プログラムを読み出して各種制御を行うことができる。従って、表示制御装置114において高い処理性能を保つことができ、第3図柄表示装置81を用いて、多様化、複雑化させた演出を容易に実行することができる。
また、上述したように、NOR型ROM234dにブートプログラムを全て格納せずに、システムリセット解除後にMPU231によって最初に処理すべき命令から所定数の命令を格納しておき、残りのブートプログラムについては、NAND型フラッシュメモリ234aの第2プログラム記憶エリア234a1に記憶させても、第2プログラム記憶エリア234a1に記憶されている制御プログラムを確実にプログラム格納エリア233aに転送することができる。よって、キャラクタROM234は、極めて小容量のNOR型ROM234dを追加するだけで、MPU231の起動を短時間で行うことができるようになるので、その短時間化に伴うキャラクタROM234のコスト増加を抑制することができる。
画像コントローラ237は、画像を描画し、その描画した画像を所定のタイミングで第3図柄表示装置81に表示させるデジタル信号プロセッサ(DSP)である。画像コントローラ237は、MPU231から送信される後述の描画リスト(図22参照)に基づき1フレーム分の画像を描画して、後述する第1フレームバッファ236bおよび第2フレームバッファ236cのいずれか一方のフレームバッファに描画した画像を展開すると共に、他方のフレームバッファにおいて先に展開された1フレーム分の画像情報を第3図柄表示装置81へ出力することによって、第3図柄表示装置81に画像を表示させる。画像コントローラ237は、この1フレーム分の画像の描画処理と1フレーム分の画像の表示処理とを、第3図柄表示装置81における1フレーム分の画像表示時間(本実施形態では、20ミリ秒)の中で並列処理する。
画像コントローラ237は、1フレーム分の画像の描画処理が完了する20ミリ秒毎に、MPU231に対して垂直同期割込信号(以下、「V割込信号」と称す)を送信する。MPU231は、このV割込信号を検出する度に、V割込処理(図42(b)参照)を実行し、画像コントローラ237に対して、次の1フレーム分の画像の描画を指示する。この指示により、画像コントローラ237は、次の1フレーム分の画像の描画処理を実行すると共に、先に描画によって展開された画像を第3図柄表示装置81に表示させる処理を実行する。
このように、MPU231は、画像コントローラ237からのV割込信号に伴ってV割込処理を実行し、画像コントローラ237に対して描画指示を行うので、画像コントローラ237は、画像の描画処理および表示処理間隔(20ミリ秒)毎に、画像の描画指示をMPU231より受け取ることができる。よって、画像コントローラ237では、画像の描画処理や表示処理が終了していない段階で、次の画像の描画指示を受け取ることがないので、画像の描画途中で新たな画像の描画を開始したり、表示中の画像情報が格納されているフレームバッファに、新たな描画指示に伴って画像が展開されたりすることを防止することができる。
画像コントローラ237は、また、MPU231からの転送指示や、描画リストに含まれる転送データ情報に基づいて、画像データをキャラクタROM234から常駐用ビデオRAM235や通常用ビデオRAM236に転送する処理も実行する。
なお、画像の描画は、常駐用ビデオRAM235および通常用ビデオRAM236に格納された画像データを用いて行われる。即ち、描画の際に必要となる画像データは、その描画が行われる前に、MPU231からの指示に基づき、キャラクタROM234から常駐用ビデオRAM235または通常用ビデオRAM236へ転送される。
ここで、NAND型フラッシュメモリは、ROMの大容量化を容易にする一方、読み出し速度がその他のROM(マスクROMやEEPROMなど)と比して遅い。これに対し、表示制御装置114では、MPU231が、キャラクタROM234に格納されている画像データのうち一部の画像データを電源投入後に常駐用ビデオRAM235に転送するように、画像コントローラ237に対して指示するよう構成されている。そして、後述するように、常駐用ビデオRAM235に格納された画像データは、上書きされることなく常駐されるように制御される。
これにより、電源が投入されてから常駐用ビデオRAM235に常駐すべき画像データの転送が終了した後は、常駐用ビデオRAM235に常駐された画像データを使用しながら、画像コントローラ237にて画像の描画処理を行うことができる。よって、描画処理に使用する画像データが常駐用ビデオRAM235に常駐されていれば、画像描画時に読み出し速度の遅いNAND型フラッシュメモリ234aで構成されたキャラクタROM234から対応する画像データを読み出す必要がないため、その読み出しにかかる時間を省略でき、画像の描画を即座に行って第3図柄表示装置81に描画した画像を表示することができる。
特に、常駐用ビデオRAM235には、頻繁に表示される画像の画像データや、主制御装置110または表示制御装置114によって表示が決定された後、即座に表示すべき画像の画像データを常駐させるので、キャラクタROM234をNAND型フラッシュメモリ234aで構成しても、第3図柄表示装置81に何らかの画像を表示させるまでの応答性を高く保つことができる。
また、表示制御装置114は、常駐用ビデオRAM235に非常駐の画像データを用いて画像の描画を行う場合は、その描画が行われる前に、キャラクタROM234から通常用ビデオRAM236に対して描画に必要な画像データを転送するように、MPU231が画像コントローラ237に対して指示するよう構成されている。後述するように、通常用ビデオRAM236に転送された画像データは、画像の描画に用いられた後、上書きによって削除される可能性はあるものの、画像描画時には、読み出し速度の遅いNAND型フラッシュメモリ234aで構成されたキャラクタROM234から対応する画像データを読み出す必要がなく、その読み出しにかかる時間を省略できるので、画像の描画を即座に行って第3図柄表示装置81に描画した画像を表示することができる。
また、通常用ビデオRAM236にも画像データを格納することによって、全ての画像データを常駐用ビデオRAM235に常駐させておく必要がないため、大容量の常駐用ビデオRAM235を用意する必要がない。よって、常駐用ビデオRAM235を設けたことによるコスト増大を抑えることができる。
画像コントローラ237は、NAND型フラッシュメモリ234aの1ブロック分の容量である132キロバイトのSRAMによって構成されたバッファRAM237aを有している。
MPU231が、転送指示や描画リストの転送データ情報によって画像コントローラ237に対して行う画像データの転送指示には、転送すべき画像データが格納されているキャラクタROM234の先頭アドレス(格納元先頭アドレス)と最終アドレス(格納元最終アドレス)、転送先の情報(常駐用ビデオRAM235及び通常用ビデオRAM236のいずれに転送するかを示す情報)、及び転送先(常駐用ビデオRAM235又は通常用ビデオRAM236)の先頭アドレスが含まれる。なお、格納元最終アドレスに代えて、転送すべき画像データのデータサイズを含めてもよい。
画像コントローラ237は、この転送指示の各種情報に従って、キャラクタROM234の所定アドレスから1ブロック分のデータを読み出して一旦バッファRAM237aに格納し、常駐用ビデオRAM235または通常用ビデオRAM236の未使用時に、バッファRAM237aに格納された画像データを常駐RAM235または通常用ビデオRAM236に転送する。そして、転送指示により示された格納元先頭アドレスから格納元最終アドレスに格納された画像データが全て転送されるまで、その処理を繰り返し実行する。
これにより、キャラクタROM234から時間をかけて読み出された画像データを一旦そのバッファRAM237aに格納し、その後、その画像データをバッファRAM237aから常駐用ビデオRAM235又は通常用ビデオRAM236へ短時間で転送することができる。よって、キャラクタROM234から画像データが常駐用ビデオRAM235又は通常用ビデオRAM236へ転送される間に、常駐用ビデオRAM235又は通常用ビデオRAM236が、その画像データの転送で長時間占有されるのを防止することができる。従って、画像データの転送により常駐用ビデオRAM235や通常用ビデオRAM236が占有されることで、画像の描画処理にそれらのビデオRAM235,236が使用できず、結果として必要な時間までに画像の描画や、第3図柄表示装置81への表示が間に合わないことを防止することができる。
また、バッファRAM234cから常駐用ビデオRAM235又は通常用ビデオRAM236への画像データへの転送は、画像コントローラ237によって行われるので、常駐用ビデオRAM235及び通常用ビデオRAM236が画像の描画処理や第3図柄表示装置81への表示処理に未使用である期間を容易に判定することができ、処理の単純化を図ることができる。
常駐用ビデオRAM235は、キャラクタROM234より転送された画像データが、電源投入中、上書きされることがなく保持され続けるように用いられ、電源投入時主画像エリア235a、背面画像エリア235c、キャラクタ図柄エリア235e、エラーメッセージ画像エリア235fが設けられているほか、電源投入時変動画像エリア235b、第3図柄エリア235dが少なくとも設けられている。
電源投入時主画像エリア235aは、電源が投入されてから常駐用ビデオRAM235に常駐すべき全ての画像データが格納されるまでの間に第3図柄表示装置81に表示する電源投入時主画像に対応するデータを格納する領域である。また、電源投入時変動画像エリア235bは、第3図柄表示装置81に電源投入時主画像が表示されている間に遊技者によって遊技が開始され、第1入球口64への入球が検出された場合に、主制御装置110において行われた抽選結果を変動演出によって表示する電源投入時変動画像に対応する画像データを格納する領域である。
MPU231は、電源部251から電源供給が開始されたときに、キャラクタROM234から電源投入時主画像および電源投入時変動画像に対応する画像データを電源投入時主画像エリア235aへ転送するように、画像コントローラ237へ転送指示を送信する(図40のS1803,S1804参照)。電源投入時主画像は、電源投入直後において、常駐用ビデオRAM235に対して格納すべき画像データをキャラクタROM234から転送している間に、第3図柄表示装置81にて表示される画像であり、通常遊技中に表示される画像に比べてデータ量が少なく、簡素な画像である。このため、電源投入後に迅速に画像データを転送し、画像を表示させることができる。
電源投入時主画像の表示中に、変動開始の指示コマンドである主制御装置110からの変動パターンコマンドに基づき音声ランプ制御装置113から送信される表示用変動パターンコマンドを受信すると、表示制御装置114は、電源投入時主画像の表示画面上に、画面に向かって右下の位置に「○」図柄の電源投入時変動画像と、「○」図柄と同位置に「×」図柄の電源投入時変動画像とを、変動期間中、交互に繰り返して表示する。そして、主制御装置110からの変動パターンコマンドや停止種別コマンドに基づき音声ランプ制御装置113から送信される表示用変動パターンコマンドおよび表示用停止種別コマンドから、主制御装置110にて行われた抽選の結果を判断し、「特別図柄の大当たり」である場合は「○」図柄を変動演出の停止後に一定期間表示させ、「特別図柄の外れ」である場合は「×」図柄を変動演出の停止後に一定期間表示させる。
MPU231は、常駐用ビデオRAM235に常駐すべき全ての画像データが常駐用ビデオRAM235に対して転送されるまで、画像コントローラ237に対し、電源投入時主画像エリア235aに格納された画像データを用いて電源投入時主画像の描画を行うよう指示する。これにより、残りの常駐すべき画像データが常駐用ビデオRAM235に転送されている間、遊技者やホール関係者は、第3図柄表示装置81に表示された電源投入時主画像を確認することができる。よって、表示制御装置114は、電源投入時主画像を第3図柄表示装置81に表示させている間に、時間をかけて残りの常駐すべき画像データをキャラクタROM234から常駐用ビデオRAM235に転送することができる。また、遊技者等は、電源投入時主画像が第3図柄表示装置81に表示されている間、何らかの処理が行われていることを認識できるので、残りの常駐用ビデオRAM235に常駐すべき画像データが、キャラクタROM234から常駐用ビデオRAM235に転送されるまでの間、動作が停止していないか、といった不安を持つことなく、常駐用ビデオRAM235への画像データの転送が完了するまで待機することができる。
また、製造時の工場等における動作チェックにおいても、電源投入時主画像がすぐに第3図柄表示装置81に表示されることによって、第3図柄表示装置81が電源投入によって問題なく動作が開始されていることをすぐに確認することができ、更に、キャラクタROM234に読み出し速度の遅いNAND型フラッシュメモリ234aを用いることにより動作チェックの効率が悪化することを抑制できる。
また、電源投入時主画像が第3図柄表示装置81に表示されている間に遊技者が遊技を開始し、第1入口球64に入球が検出された場合は、電源投入時変動画像エリア235bに常駐された電源投入時変動画像に対応する画像データを用いて電源投入時変動画像が描画され、「○」図柄と「×」図柄とが交互に第3図柄表示装置81に表示されるように、MPU231から画像コントローラ237に対して指示される。これにより、電源投入時変動画像を用いて簡単な変動演出を行うことができる。よって、遊技者は、電源投入時主画像が第3図柄表示装置81に表示されている間であっても、その簡単な変動演出によって確実に抽選が行われたことを確認することができる。
また、電源投入時主画像が第3図柄表示装置81に表示される段階で、すでに電源投入時変動演出画像に対応する画像データが電源投入時変動画像エリア235bに常駐されているので、電源投入時主画像が第3図柄表示装置81に表示されている間に第1入口球64に入球が検出された場合は、対応する変動演出を第3図柄表示装置81に即座に表示させることができる。
図16に戻って説明を続ける。背面画像エリア235cは、第3図柄表示装置81に表示される背面画像に対応する画像データを格納する領域である。ここで、図18及び図19を参照して、背面画像と、その背面画像のうち、背面画像エリア235cに格納される背面画像の範囲について説明する。図18及び図19は、3種類の背面画像と、各背面画像に対して常駐用ビデオRAM235の背面画像エリア235cに格納される背面画像の範囲を説明する説明図であり、図18(a)は、「街中ステージ」に対応する背面Aに対して、図18(b)は、「空ステージ」に対応する背面Bに対して、図19は、「島ステージ」に対応する背面Cに対してそれぞれ示したものである。
各背面A〜Cのうち、背面A及びBに対応する背面画像は、図18に示すように、いずれも第3図柄表示装置81において表示される表示領域よりも水平方向に長い画像が、キャラクタROM234に用意されている。画像コントローラ237は、その画像を水平方向に左から右へスクロールさせながら背面画像が第3図柄表示装置81に表示されるように、画像の描画をおこなう。
各背面A及びBに用意された画像(以下、「スクロール用画像」と称す。)は、いずれも位置a、および位置cのところで背面画像が連続するように画像が構成されている。そして、位置cから位置dの間の画像および位置aから位置a’の間の画像は、表示領域の水平方向の幅分の画像によって構成されており、位置cから位置dの間にある画像が表示領域として第3図柄表示装置81に表示された後に、位置aから位置a’の間にある画像を表示領域として第3図柄表示装置81に表示させると、第3図柄表示装置81にスムーズなつながりで背面画像がスクロール表示されるようになっている。
遊技者によって枠ボタン228が操作されてステージが「街中ステージ」または「空ステージ」に変更されると、MPU231は、対応する背面画像のまず位置aから位置a’の間を表示領域の初期位置として設定し、その初期位置の画像が第3図柄表示装置81に表示されるように、画像コントローラ237を制御する。そして、時間の経過とともに、表示領域をスクロール用画像に対して左から右に移動させ、順次その表示領域が第3図柄表示装置81に表示されるように画像コントローラ237を制御し、更に、表示領域が位置cから位置dの間の画像に到達した場合、再び表示領域を位置aから位置a’の画像として第3図柄表示装置81に表示されるように画像コントローラ237を制御する。よって、第3図柄表示装置81には、位置a〜位置cの間の画像を、左方向に向かって流れるように、スムーズなつながりで繰り返しスクロールされて表示させることができる。
一方、背面Cにおける背面画像は、図19に示すように、時間の経過とともに、図19の(a)→(b)→(c)→(a)→・・・の順で、第3図柄表示装置81に表示される。具体的には、背面Cは、島にそびえる山の画像と、山のふもとに広がる砂浜の画像と、島を囲む海の画像とが、その表示される位置が固定された状態で第3図柄表示装置81に表示される。一方、山の上に広がる空の画像は、その色調が時間経過とともに変化する。
遊技者による枠ボタン228の操作によりステージが「島ステージ」に変更されると、背面Cの初期背面画像として、図19(a)に示す背面画像が表示される。この図19(a)に示す背面画像では、朝やけを示すオレンジ色の空が表示される。そして、時間の経過とともに空の色調がオレンジ色から徐々に鮮やかな青色に変化して、所定時間経過後、図19(b)に示す背面画像が表示される。図19(b)に示す背面画像では、昼を示す鮮やかな青色の空が表示される。次に、時間の経過とともに空の色調が鮮やかな青色から徐々に黒色に変化して、所定時間経過後、図19(c)に示す背面画像が表示される。図19(c)に示す背面画像では、夜を示す黒色の空が表示される。その後、時間の経過とともに空の色調が黒色から徐々に白みはじめ更にオレンジ色に変化する。そして、所定時間経過後、図19(a)に示す背面画像に戻って、再び図19(a)〜(c)の背面画像が第3図柄表示装置81に表示される。
次いで、各背面画像において、背面画像エリア235cに格納される背面画像の範囲について説明する。初期ステージである街中ステージに対応する背面Aは、図18(a)に示すように、その背面Aの全範囲、即ち、位置aから位置dに対応する画像データが全て常駐用ビデオRAM235の背面画像エリア235cに格納される。通常、初期ステージである街中ステージを表示させたまま、ステージを変更せずに遊技が行われる場合が多いので、多頻度で表示される街中ステージに対応する背面Aの画像データを全て背面画像エリア235cに常駐させておくことで、キャラクタROM234へのデータアクセス回数を減らすことができ、表示制御装置114にかかる負荷を軽減することができる。
一方、空ステージに対応する背面Bは、図18(b)に示すように、その背面の一部領域、即ち、位置aから位置bの間の画像に対応する画像データだけを常駐用ビデオRAM235の背面画像エリア235cに格納する。また、島ステージに対応する背面Cは、図19(a)を含み、図19(b)を除く図19(a)〜(b)の間の背面画像に対応する画像データが、電源投入後の立ち上げ処理の中で常駐用ビデオRAM235の背面画像エリア235cに格納され、常駐される。
ここで、ステージを変更するために遊技者による行われる枠ボタン228の操作は、遊技者の意思に基づき任意のタイミングで行われるものであるので、任意のタイミングで枠ボタン228が操作されても即座に背面画像を変更するためには、全ての背面画像について全範囲の画像データを常駐用ビデオRAM235に常駐させておくことが理想的であるが、そのようにすると常駐用ビデオRAM235として非常に大きな容量のRAMを用いなければならず、コストの増大につながるおそれがある。
これに対し、本パチンコ機10では、ステージが変更された場合に最初に表示される背面画像の初期位置を、位置aから位置a’の範囲または図19(a)〜(b)の範囲に固定し、その初期位置を含む位置aから位置bの間の画像または図19(a)〜(b)の間の画像に対応する画像データを常駐用ビデオRAM235の背面画像エリア235cに格納しておくので、キャラクタROM234を読み出し速度の遅いNAND型フラッシュメモリ234aで構成しても、遊技者による枠ボタン228の操作によって任意のタイミングでステージが変更された場合に、常駐用ビデオRAM235の背面画像エリア235cに常駐されている画像データを用いることによって、即座にその背面Bや背面Cの初期位置を第3図柄表示装置81に表示させることができ、また、時間経過とともにスクロール表示または色調を変化させながら表示させることができる。また、背面Bおよび背面Cについては、一部範囲の画像に対応する画像データだけを格納するので、常駐用ビデオRAM235の記憶容量の増大を抑制でき、コストの増大を抑えることができる。
また、背面Bは、初期位置の画像が表示された後、常駐用ビデオRAM235の背面画像エリア235cに常駐された画像データを用いて位置aから位置bの範囲を左から右に向けてスクロールさせている間に、位置b’から位置dの画像に対応する画像データをキャラクタROM234から通常用RAM236へ転送完了できるように、その位置aから位置bの範囲が設定されている。これにより、位置aから位置bの範囲をスクロールさせる間に位置b’から位置dの画像データを通常用ビデオRAM236へ転送できるので、常駐用ビデオRAM235の背面画像エリア235cに格納された画像データを用いて位置aから位置bの範囲をスクロールさせた後、遅滞なく通常用ビデオRAM236に格納された背面画像に対応する画像データを用いて、位置b’から位置dの範囲をスクロールさせて第3図柄表示装置81に表示させることができる。
同様に、背面Cは、初期位置の画像が表示された後、常駐用ビデオRAM235の背面画像エリア235cに常駐された画像データを用いて図19(a)〜(b)の画像を表示させている間に、図19(b)〜(c)および図19(c)〜(a)に対応する画像の画像データがキャラクタROM234から通常用RAM236へ転送が完了できるように、図19(a)〜(b)の範囲が設定されている。これにより、図19(a)〜(b)の画像を表示させている間に図19(b)〜(c)および図19(c)〜(a)の画像に対応する画像データを通常用ビデオRAM236へ転送できるので、常駐用ビデオRAM235の背面画像エリア235cに常駐された画像データを用いて図19(a)〜(b)の画像を表示させた後、遅滞なく通常用ビデオRAM236に格納された背面画像に対応する画像データを用いて、図19(b)〜(c)および図19(c)〜(a)の画像を時間経過とともに、順次、第3図柄表示装置81に表示させることができる。
なお、背面B及び背面Cにおいて、通常用ビデオRAM236に格納される画像データは、通常用ビデオRAM236の画像格納エリア236a(図16参照)に設けられた背面画像専用のサブエリアに格納される。これにより、背面画像専用のサブエリアに格納された背面画像データが、他の画像データによって上書きされることがないので、背面画像を確実に表示させることができる。
また、背面Bにおいて、常駐用ビデオRAM235の背面画像エリア235cに格納される画像データと、通常用ビデオRAM236に格納される画像データとでは、位置b’から位置bの間の画像に対応する画像データが重複して格納される。そして、MPU231による画像コントローラ237の制御により、常駐用ビデオRAM235の背面画像エリア235cに格納された画像データを用いて位置bまでの画像を第3図柄表示装置81に表示させ、次いで、通常用ビデオRAM236に格納された画像データを用いて位置b’からの画像を第3図柄表示装置81に表示させることで、第3図柄表示装置81にスムーズなつながりで背面画像がスクロール表示されるようになっている。
更に、MPU231は、通常用ビデオRAM236の画像データを用いて、位置cから位置dの間の画像を表示領域として第3図柄表示装置81に表示されるように画像コントローラ237を制御すると、次いで、MPU231は、常駐用ビデオRAM235の背面画像エリア235cの画像データを用いて、位置aから位置a’の間の画像を表示領域として第3図柄表示装置81に表示されるように画像コントローラ237を制御する。これにより、第3図柄表示装置81には、位置a〜位置cの間の画像が、左方向に向かって流れるように、スムーズなつながりで繰り返しスクロールされて表示させることができる。
図16に戻って、説明を続ける。第3図柄エリア235dは、第3図柄表示装置81に表示される変動演出において使用される第3図柄を常駐するためのエリアである。即ち、第3図柄エリア235dには、第3図柄である「0」から「9」の数字を付した上述の10種類の主図柄(図4参照)に対応する画像データが常駐される。これにより、第3図柄表示装置81にて変動演出を行う場合、逐一キャラクタROM234から画像データを読み出す必要がないので、キャラクタROM234にNAND型フラッシュメモリ234aを用いても、第3図柄表示装置81において素早く変動演出を開始することができる。よって、第1入球口64への入球が発生してから、第1図柄表示装置37では変動演出が開始されているにも関わらず、第3図柄表示装置81において変動演出が即座に開始されないような状態が発生するのを抑制することができる。
また、第3図柄エリア235dには、「0」から「9」の数字が付されていない主図柄として、木箱といった後方図柄からなる主図柄や、後方図柄とかんな,風呂敷,ヘルメット等のキャラクタを模した付属図柄とからなる主図柄に対応する画像データも常駐される。これらの画像データは、一の変動演出が停止してから所定時間経過しても、始動入賞に伴う次の変動演出が開始されない場合に、第3図柄表示装置81に表示されるデモ演出に用いられる。これにより、デモ演出が第3図柄表示装置81に表示されると、そのデモ演出において、第3図柄として数字の付されていない主図柄が表示される。よって、遊技者は、数字の付されていない主図柄を第3図柄表示装置81の表示画像から視認することによって、当該パチンコ機10がデモ状態にあることを容易に認識することができる。
キャラクタ図柄エリア235eは、第3図柄表示装置81に表示される各種演出で使用されるキャラクタ図柄に対応する画像データを格納する領域である。本パチンコ機10では、「少年」をはじめとする様々なキャラクタが各種演出にあわせて表示されるようになっており、これらに対応するデータがキャラクタ図柄エリア235eに常駐されることにより、表示制御装置114は、音声ランプ制御装置113より受信したコマンドの内容に基づいてキャラクタ図柄を変更する場合、キャラクタROM234から対応の画像データを新たに読み出すのではなく、常駐用ビデオRAM235のキャラクタ図柄エリア235eに予め常駐されている画像データを読み出すことによって、画像コントローラ237にて所定の画像を描画できるようになっている。これにより、キャラクタROM234から対応の画像データを読み出す必要がないので、キャラクタROM234に読み出し速度の遅いNAND型フラッシュメモリ234aを用いても、キャラクタ図柄を即座に変更することができる。
エラーメッセージ画像エリア235fは、パチンコ機10内にエラーが発生した場合に表示されるエラーメッセージに対応する画像データを格納する領域である。本パチンコ機10では、例えば、遊技盤13の裏面に取り付けられた振動センサ(図示せず)の出力から、音声ランプ制御装置113によって振動を検出すると、音声ランプ制御装置113は振動エラーの発生をエラーコマンドによって表示制御装置114に通知する。また、音声ランプ制御装置113により、その他のエラーの発生が検出された場合にも、音声ランプ制御装置113は、エラーコマンドによって、そのエラーの発生をそのエラー種別と共に表示制御装置114へ通知する。表示制御装置114では、エラーコマンドを受信すると、その受信したエラーに対応するエラーメッセージを第3図柄表示装置81に表示させるように構成されている。
ここで、エラーメッセージは、遊技者の不正防止やエラーに対する遊技者の保護の観点から、エラーの発生とほぼ同時に表示されることが求められる。本パチンコ機10では、エラーメッセージ画像エリア235fに、各種エラーメッセージに対応する画像データが予め常駐されているので、表示制御装置114は、受信したエラーコマンドに基づいて、常駐用ビデオRAM235のエラーメッセージ画像エリア235fに予め常駐されている画像データを読み出すことによって、画像コントローラ237にて各エラーメッセージ画像を即座に描画できるようになっている。これにより、キャラクタROM234から逐次エラーメッセージに対応する画像データを読み出す必要がないので、キャラクタROM234に読み出し速度の遅いNAND型フラッシュメモリ234aを用いても、エラーコマンドを受信してから対応するエラーメッセージを即座に表示させることができる。
通常用ビデオRAM236は、データが随時上書きされ更新されるように用いられるもので、画像格納エリア236a、第1フレームバッファ236b、第2フレームバッファ236cが少なくとも設けられている。
画像格納エリア236aは、第3図柄表示装置81に表示させる画像の描画に必要な画像データのうち、常駐用ビデオRAM235に常駐されていない画像データを格納するためのエリアである。画像格納エリア236aは、複数のサブエリアに分割されており、サブエリア毎に、そのサブエリアに格納される画像データの種別が予め定められている。
MPU231は、常駐用ビデオRAM235に常駐されていない画像データのうち、その後の画像の描画で必要となる画像データを、キャラクタROM234から通常用ビデオRAM236の画像格納エリア236aに設けられたサブエリアのうち、その画像データの種別を格納すべき所定のサブエリアに転送するように、画像コントローラ237に対して指示をする。これにより画像コントローラ237は、MPU231により指示された画像データをキャラクタROM234から読み出し、バッファRAM237aを介して、画像格納エリア236aの指定された所定のサブエリアにその読み出した画像データを転送する。
なお、画像データの転送指示は、MPU231が画像コントローラ237に対して画像の描画を指示する後述の描画リストの中に、転送データ情報を含めることによって行われる。これにより、MPU231は、画像の描画指示と、画像データの転送指示とを、描画リストを画像コントローラ237に送信するだけで行うことができるので、処理負荷を低減することができる。
第1フレームバッファ236bおよび第2フレームバッファ236cは、第3図柄表示装置81に表示すべき画像を展開するためのバッファである。画像コントローラ237は、MPU231からの指示に従って描画した1フレーム分の画像を、第1フレームバッファ236bおよび第2フレームバッファ236cのいずれか一方のフレームバッファに書き込むことによって、そのフレームバッファに1フレーム分の画像を展開すると共に、その一方のフレームバッファに画像を展開している間、他方のフレームバッファから先に展開された1フレーム分の画像情報を読み出し、駆動信号と共に第3図柄表示装置81に対してその画像情報を送信することによって、第3図柄表示装置81に、その1フレーム分の画像を表示させる処理を実行する。
このように、フレームバッファとして、第1フレームバッファ236bおよび第2フレームバッファ236cの2つを設けることによって、画像コントローラ237は、一方のフレームバッファに描画した1フレーム分の画像を展開しながら、同時に、他方のフレームバッファから先に展開された1フレーム分の画像を読み出して、第3図柄表示装置81にその読み出した1フレーム分の画像を表示させることができる。
そして、1フレーム分の画像を展開するフレームバッファと、第3図柄表示装置81に画像を表示させるために1フレーム分の画像情報が読み出されるフレームバッファとは、1フレーム分の画像の描画処理が完了する20ミリ秒毎に、MPU231によって、それぞれ第1フレームバッファ236bおよび第2フレームバッファ236cのいずれかが交互に入れ替えて指定される。
即ち、あるタイミングで、1フレーム分の画像を展開するフレームバッファとして第1フレームバッファ236bが指定され、1フレーム分の画像情報が読み出されるフレームバッファとして第2フレームバッファ236cが指定されて、画像の描画処理および表示処理が実行されると、1フレーム分の画像の描画処理が完了する20ミリ秒後に、1フレーム分の画像を展開するフレームバッファとして第2フレームバッファ236cが指定され、1フレーム分の画像情報が読み出されるフレームバッファとして第1フレームバッファ236bが指定される。これにより、先に第1フレームバッファ236bに展開された画像の画像情報が読み出されて第3図柄表示装置81に表示させることができると同時に、第2フレームバッファ236cに新たな画像が展開される。
そして、更に次の20ミリ秒後には、1フレーム分の画像を展開するフレームバッファとして第1フレームバッファ236bが指定され、1フレーム分の画像情報が読み出されるフレームバッファとして第2フレームバッファ236cが指定される。これにより、先に第2フレームバッファ236cに展開された画像の画像情報が読み出されて第3図柄表示装置81に表示させることができると同時に、第1フレームバッファ236bに新たな画像が展開される。以後、1フレーム分の画像を展開するフレームバッファと、1フレーム分の画像情報が読み出されるフレームバッファとを、20ミリ秒毎に、それぞれ第1フレームバッファ236bおよび第2フレームバッファ236cのいずれかを交互に入れ替えて指定することによって、1フレーム分の画像の描画処理を行いながら、1フレーム分の画像の表示処理を20ミリ秒単位で連続的に行わせることができる。
ワークRAM233は、キャラクタROM234に記憶された制御プログラムや固定値データを格納したり、MPU231による各種制御プログラムの実行時に使用されるワークデータやフラグを一時的に記憶したりするためのメモリであり、DRAMによって構成される。このワークRAM233は、プログラム格納エリア233a、データテーブル格納エリア233b、簡易画像表示フラグ233c、表示データテーブルバッファ233d、転送データテーブルバッファ233e、ポインタ233f、描画リストエリア233g、計時カウンタ233h、格納画像データ判別フラグ233i、描画対象バッファフラグ233jを少なくとも有している。
プログラム格納エリア233aは、MPU231によって実行される制御プログラムを格納するためのエリアである。MPU231は、システムリセットが解除されると、キャラクタROM234から制御プログラムを読み出してワークRAM233へ転送し、このプログラム格納エリア233aに格納する。そして、全ての制御プログラムをプログラム格納エリア233aに格納すると、以後、MPU231はプログラム格納エリア233aに格納された制御プログラムを用いて各種制御を実行する。上述したように、ワークRAM233はDRAMによって構成されるため、高速に読み出し動作が行われる。よって、制御プログラムを読み出し速度の遅いNAND型フラッシュメモリ234aによって構成されるキャラクタROM234に記憶させた場合であっても、表示制御装置114において高い処理性能を保つことができ、第3図柄表示装置81を用いて、多様化、複雑化させた演出を容易に実行することができる。
データテーブル格納エリア233bは、主制御装置110からのコマンドに基づき表示させる一の演出に対し、時間経過に伴い第3図柄表示装置81に表示すべき表示内容を記載した表示データテーブルと、表示データテーブルにより表示される一の演出において使用される画像データのうち常駐用ビデオRAM235に常駐されていない画像データの転送データ情報ならびに転送タイミングを規定した転送データテーブルとが格納される領域である。
これらのデータテーブルは、通常、キャラクタROM234のNAND型フラッシュメモリ234aに設けられた第2プログラム記憶エリア234a1に固定値データの一種として記憶されており、システムリセット解除後にMPU231によって実行されるブートプログラムに従って、これらのデータテーブルがキャラクタROM234からワークRAM233へ転送され、このデータテーブル格納エリア233bに格納される。そして、全てのデータテーブルがデータテーブル格納エリア233bに格納されると、以後、MPU231は、データテーブル格納エリア233bに格納されたデータテーブルを用いて第3図柄表示装置81の表示を制御する。上述したように、ワークRAM233はDRAMによって構成されるため、高速に読み出し動作が行われる。よって、各種データテーブルを読み出し速度の遅いNAND型フラッシュメモリ234aによって構成されるキャラクタROM234に記憶させた場合であっても、表示制御装置114において高い処理性能を保つことができ、第3図柄表示装置81を用いて、多様化、複雑化させた演出を容易に実行することができる。
ここで、各種データテーブルの詳細について説明する。まず、表示データテーブルは、主制御装置110からのコマンドに基づいて第3図柄表示装置81に表示される各演出の演出態様毎に1つずつ用意されるもので、例えば、変動演出、オープニング演出、ラウンド演出、エンディング演出、確定表示演出、デモ演出に対応する表示データテーブルが用意されている。
変動演出は、音声ランプ制御装置113からの表示用変動パターンコマンドを受信した場合に、第3図柄表示装置81おいて開始される演出である。なお、表示用変動パターンコマンドが受信される場合には、変動演出の停止種別を示す表示用停止種別コマンドも受信される。例えば、変動演出が開始された場合に、その変動演出の停止種別が外れであれば、外れを示す停止図柄が最終的に停止表示される一方、その変動演出の停止種別が大当たりA、大当たりBのいずれかであれば、それぞれの大当たり示す停止図柄が最終的に停止表示される。遊技者は、この変動演出における停止図柄を視認することで大当たり種別を認識でき、大当たり種別に応じて付与される遊技価値を容易に判断することができる。
オープニング演出は、これからパチンコ機10が特別遊技状態へ移行して、通常時には閉鎖されている特定入賞口65aが繰り返し開放されることを遊技者に報知するための演出であり、ラウンド演出は、これから開始されるラウンド数を遊技者に報知するための演出である。エンディング演出は、特別遊技状態の終了を遊技者に報知するための演出である。確定表示演出は、変動演出が終了した後で、保留球が存在しない場合(つまり、次の変動演出が開始されない場合)に、終了した変動演出において1秒間停止表示された第3図柄をそのまま停止表示させ続ける演出である。この確定表示演出は、所定時間(例えば、15秒)が経過するか、または、第1入球口64に対して新たに球が入球するまで継続する。確定表示演出を表示することにより、遊技者に対して特別図柄の抽選条件が成立していないことを認識させることができるので、第1入球口64を狙って球を打ち出させることができる。デモ演出は、上述したように、一の変動演出が停止してから所定時間経過しても、始動入賞に伴う次の変動演出が開始されない場合に、第3図柄表示装置81に表示される演出であり、第3図柄が表示されなくなると共に、背面画像が変化する(図7参照)。第3図柄表示装置81にデモ演出が表示されていれば、遊技者やホール関係者が、当該パチンコ機10において遊技が行われていないことを認識することができる。
データテーブル格納エリア233bには、変動演出、オープニング演出、ラウンド演出、エンディング演出、確定表示演出、およびデモ演出に対応する表示データテーブルをそれぞれ格納する。このデータテーブル格納エリア233bの詳細について、図17を参照して説明する。
図17は、データテーブル格納エリア233bに格納されるデータを示した図である。このデータテーブル格納エリア233bには、各演出(変動演出、オープニング演出、ラウンド演出、エンディング演出、確定表示演出、およびデモ演出)に対応するデータテーブルを格納する記憶領域が設けられている。
図17に示す通り、変動演出に対応するデータテーブルを格納する領域(変動演出用テーブル格納エリア)には、通常の態様の各種変動演出に対応する表示データテーブルと(図17の233b1参照)、縮小表示して変動表示させる態様の各種変動演出に対応する表示データテーブルと(図17の233b2参照)、半透明な態様で表示させる態様の各種変動演出に対応する表示データテーブルと(図17の233b3参照)がそれぞれ格納される。上述した通り、音声ランプ制御装置113は、主制御装置110から変動パターンコマンドを受信した場合に、RTC292の計時する計時情報に基づいて時間演出が開始されるまでの残時間(t)を算出する。そして、その残時間(t)に応じて、告知画像750(図6(b)参照)の妨げにならないような変動演出の態様を決定し、決定した変動演出の態様を表示用変動パターンコマンドによって表示制御装置114に対して通知するように構成されている。変動演出用テーブル格納エリアには、この表示用変動パターンコマンドによって通知され得る全ての変動演出の態様に対応する表示データテーブルが格納されている。
また、オープニング演出用テーブル格納エリアには、特別図柄の抽選結果が大当たりであった場合に移行する特別遊技状態(大当たり状態)の開始時に、遊技者に大当たりとなったことを報知するために実行されるオープニング演出に対応する表示データテーブルが格納されるように構成されている(図17の233b4参照)。なお、オープニング演出に対応する表示データテーブルとして、例えば、大当たり種別に応じて異なる表示データテーブルが選択される(即ち、表示データテーブルを複数設けておき、大当たり種別に応じて異なる表示態様のオープニング演出が選択される)ように構成してもよい。これにより、大当たり種別に応じて異なる態様の演出が表示されることにより、演出の多様化を図ることができるので、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができる。また、オープニング演出に対応する表示データテーブルとして、全ての大当たりに共通して用いられるテーブルを1種類のみ設けてもよい。これにより、ワークRAM233や、キャラクタROM234のデータ量を削減することができる。
ラウンド演出用テーブル格納エリアには、大当たりの各ラウンド中に表示されるラウンド演出に対応する表示データテーブルが格納される(図17の233b5参照)。また、エンディング演出用テーブル格納エリアには、大当たりの終了を遊技者に報知するために表示されるエンディング演出に対応する表示データテーブルが格納される(図17の233b6参照)。
確定表示演出用テーブル格納エリアには、第3図柄を通常の態様で表示させる演出に対応する表示データテーブルと(図17の233b7参照)、第3図柄を第3図柄表示装置81の右下部分に縮小して表示する態様の演出に対応する表示データテーブルと(図17の233b8参照)が格納される。確定表示演出を開始するタイミングが時間演出期間中であるか否かに応じて、いずれかの態様の表示データテーブルが選択されて設定される。
デモ演出用テーブル格納エリアには、通常演出期間用のデモ演出に対応する表示データテーブルと(図17の233b9参照)、時間演出期間用のデモ演出に対応する表示データテーブルと(図17の233b10参照)が格納されている。時間演出期間用のデモ演出に対応する表示データテーブルとしては、例えば、デモ画像が何ら規定されていない表示データテーブルが格納されている。即ち、デモ演出中に時間演出の開始タイミングとなった場合や、時間演出中にデモ演出の開始条件が成立した場合は、デモ画像が表示されない(即ち、時間演出用の背面画像がデモ画像に隠れることがない)ので、第3図柄表示装置81の全画面を用いて時間演出を表示させることができる。よって、時間演出の自由度をより高めることができる。
なお、時間演出中に実行されるデモ演出の態様は、これに限られるものではなく、デモ演出によって時間演出の画像が遮蔽されてしまうことを防止できる態様であれば、デモ画像を表示させてもよい。例えば、時間演出中に変動演出が縮小して表示される小表示領域780(図8(a)参照)にのみデモ演出が表示されるように構成してもよい。また、小表示領域780よりも表示面積の小さい表示領域を設け、その表示領域にデモ演出を表示させてもよい。また、例えば、デモ演出自体を行わないように構成し、確定表示を行い続けてもよい。即ち、第3図柄の変動停止時に保留球が存在しない場合は、第1入球口64への新たな入球がない限り、停止図柄が第3図柄表示装置81の右下部分に縮小された態様で表示され続けるように構成してもよい。これにより、時間演出中の演出を明瞭に表示させることができる。よって、複数のパチンコ機10が並べて設置されているホール等において、デモ演出が行われたとしても、時間演出を一斉に表示させることにより統一感のある演出を行うことができる。
このように、データテーブル格納エリア233bには、音声ランプ制御装置113によって実行が指示された各種表示演出の全てに対応する表示データテーブルが格納されるので、表示制御装置114のMPU231は、音声ランプ制御装置113から出力されるコマンドに対応する表示データテーブルをデータテーブル格納エリア233bから選択して設定するだけで、多種多様な表示演出を容易に実行することができる。
次に、図20を参照して、表示データテーブルの詳細について説明する。図20は、表示データテーブルのうち、変動表示データテーブルの一例を模式的に示した模式図である。表示データテーブルは、第3図柄表示装置81において1フレーム分の画像が表示される時間(本実施形態では、20ミリ秒)を1単位として表したアドレスに対応させて、その時間に表示すべき1フレーム分の画像の内容(描画内容)を詳細に規定したものである。
描画内容には、1フレーム分の画像を構成する表示物であるスプライト毎に、そのスプライトの種別を規定すると共に、そのスプライトの種別に応じて、表示位置座標、拡大率、回転角度、半透明値、αブレンディング情報、色情報、フィルタ指定情報といった、スプライトを第3図柄表示装置81に描画させるための描画情報が規定されている。
スプライトの種別は、表示すべきスプライトを特定するための情報である。表示位置座標は、そのスプライトを表示すべき第3図柄表示装置81上の座標を特定するための情報である。拡大率は、そのスプライトに対して予め設定された標準的な表示サイズに対する拡大率を指定するための情報で、その拡大率に従って表示されるスプライトの大きさが特定される。なお、拡大率が100%より大きい場合は、そのスプライトが標準的な大きさよりも拡大されて表示され、拡大率が100%未満の場合は、そのスプライトが標準的な大きさもよりも縮小されて表示される。
回転角度は、スプライトを回転させて表示させる場合の回転角度を特定するための情報である。半透明値は、スプライト全体の透明度を特定するためのものであり、半透明値が高いほど、スプライトの背面側に表示される画像が透けて見えるように画像が表示される。αブレンディング情報は、他のスプライトとの重ね合わせ処理を行う場合に用いられる既知のαブレンディング係数を特定するための情報である。色情報は、表示すべきスプライトの色調を指定するための情報である。そして、フィルタ指定情報は、指定されたスプライトを描画する場合に、そのスプライトに対して施すべき画像フィルタを指定するための情報である。
変動表示データテーブルでは、各アドレスに対応して規定される1フレーム分の描画内容として、1つの背面画像、9個の第3図柄(図柄1,図柄2,・・・)、その画像において光の差し込みなどを表現するエフェクト、少年画像や文字などの各種演出に用いられるキャラクタといった各スプライトに対する描画情報が、アドレス毎に規定されている。なお、エフェクトやキャラクタに関する情報は、そのフレームに表示すべき内容に合わせて、1つ又は複数規定される。
ここで、背面画像は、表示位置は第3図柄表示装置81の画面全体に固定され、拡大率、回転角度、半透明値、αブレンディング情報、色情報およびフィルタ指定情報は、時間経過に対して一定とされるので、変動表示データテーブルでは、背面画像の種別を特定するための情報である背面種別のみが規定されている。この背面種別は、遊技者によって選択されているステージ(「街中ステージ」、「空ステージ」、「島ステージ」のいずれか)に対応する背面A〜Cのいずれかを表示させるか、背面A〜Cとは異なる背面画像(例えば、時間演出に対応する画像)を表示させるかを特定する情報が記載されている。また、背面種別は、背面A〜Cとは異なる背面画像を表示させることを特定する場合、どの背面画像を表示させるかを特定する情報も合わせて記載されている。
MPU231は、この背面種別によって、背面A〜Cのいずれかを表示させることが特定される場合は、背面A〜Cのうち遊技者によって指定されたステージに対応する背面画像を描画対象として特定し、また、そのフレームに対して表示すべき背面画像の範囲を時間経過に合わせて特定する。一方、背面A〜Cとは異なる背面画像を表示させることが特定される場合は、背面種別から表示させるべき背面画像を特定する。
なお、本実施形態では、表示データテーブルにおいて、背面画像の描画内容として背面種別のみを規定する場合について説明するが、これに代えて、背面種別と、その背面種別に対応する背面画像のどの範囲を表示すべきかを示す位置情報とを規定するようにしてもよい。この位置情報は、例えば、初期位置に対応する範囲の背面画像が表示されてからの経過時間を示す情報であってもよい。この場合、MPU231は、そのフレームに対して表示すべき背面画像の範囲を、位置情報により示される初期位置に対応する範囲の背面画像が表示されてからの経過時間に基づいて特定する。
また、位置情報は、この表示データテーブルに基づく画像の描画(もしくは、第3図柄表示装置81の表示)が開始されてからの経過時間を示す情報であってもよい。この場合、MPU231は、そのフレームに対して表示すべき背面画像の範囲を、表示用データベースに基づき画像の描画(もしくは、第3図柄表示装置81の表示)が開始された段階で表示されていた背面画像の位置と、位置情報により示される該画像の描画(もしくは、第3図柄表示装置81の表示)が開始されてからの経過時間とに基づいて特定する。
更に、位置情報は、背面種別に応じて、初期位置に対応する範囲の背面画像が表示されてからの経過時間を示す情報および表示データテーブルに基づく画像の描画(もしくは、第3図柄表示装置81の表示)が開始されてからの経過時間を示す情報のいずれかを示すものであってもよいし、背面種別および位置情報とともに、その位置情報の種別情報(例えば、初期位置に対応する範囲の背面画像が表示されてからの経過時間を示す情報であるか、表示用データベースに基づく画像の描画(もしくは、第3図柄表示装置81の表示)が開始されてからの経過時間を示す情報であるかを示す情報)を、背面画像の描画内容として規定してもよい。その他、位置情報は、経過時間を示す情報ではなく、表示すべき背面画像の範囲が格納されたアドレスを示す情報であってもよい。
第3図柄(図柄1,図柄2,・・・)は、表示すべき第3図柄を特定するための図柄種別情報として、図柄種別オフセット情報が記載されている。このオフセット情報は、各第3図柄に付された数字の差分を表す情報である。第3図柄の種別を直接特定するのではなく、オフセット情報を特定するのは、変動演出における第3図柄の表示は、1つ前に行われた変動演出の停止図柄および今回行われる変動演出の停止図柄に応じて変わるためであり、変動が開始されてから所定時間経過するまでの図柄オフセット情報では、1つ前に行われた変動演出の停止図柄からのオフセット情報を記載する。これにより、1つ前の変動演出における停止図柄から変動演出が開始される。
一方、変動が開始されてから所定時間経過後は、音声ランプ制御装置113を介して主制御装置110より受信した停止種別コマンド(表示用停止種別コマンド)に応じて設定される停止図柄からのオフセット情報を記載する。これにより、変動演出を、主制御装置110より指定された停止種別に応じた停止図柄で停止させることができる。
なお、各第3図柄には固有の数字が付されているので、1つ前の変動演出における変動図柄や、主制御装置110より指定された停止種別に応じた停止図柄を、その第3図柄に付された数字で管理し、また、オフセット情報を、各第3図柄に付された数字の差分で表すことにより、そのオフセット情報から容易に表示すべき第3図柄を特定することができる。
また、図柄オフセット情報において、1つ前に行われた変動演出の停止図柄のオフセット情報から今回行われている変動演出の停止図柄のオフセット情報に切り替えられる所定時間は、第3図柄が高速に変動表示されている時間となるように設定されている。第3図柄が高速に変動表示されている間は、その第3図柄が遊技者に視認不能な状態であるので、その間に、図柄オフセット情報を1つ前に行われた変動演出の停止図柄のオフセット情報から今回行われている変動演出の停止図柄のオフセット情報に切り替えることによって、第3図柄の数字の連続性が途切れても、その数字の連続性の途切れを遊技者に認識させないようにすることができる。
表示データテーブルの先頭アドレスである「0000H」には、データテーブルの開始を示す「Start」情報が記載され、表示データテーブルの最終アドレス(図20の例では、「02F0H」)には、データテーブルの終了を示す「End」情報が記載されている。そして、「Start」情報が記載されたアドレス「0000H」と「End」情報が記載されたアドレスとの間の各アドレスに対して、その表示データテーブルで規定すべき演出態様に対応させた描画内容が記載されている。
MPU231は、主制御装置110からのコマンド等に基づき音声ランプ制御装置113から送信されるコマンド(例えば、表示用変動パターンコマンド)等に応じて、使用する表示データテーブルを選定し、その選定した表示データテーブルをデータテーブル格納エリア233bから読み出して、表示データテーブルバッファ233dに格納すると共に、ポインタ233fを初期化する。そして、1フレーム分の描画処理が完了する度にポインタ233fを1加算し、表示データテーブルバッファ233dに格納された表示データテーブルにおいて、ポインタ233fが示すアドレスに規定された描画内容に基づき、次に描画すべき画像内容を特定して後述する描画リスト(図22参照)を作成する。この描画リストを画像コントローラ237に送信することで、その画像の描画指示を行う。これにより、ポインタ233fの更新に従って、表示データテーブルで規定された順に描画内容が特定されるので、その表示データテーブルで規定された通りの画像が第3図柄表示装置81に表示される。
このように、本パチンコ機10では、表示制御装置114において、主制御装置110からのコマンド等に基づき音声ランプ制御装置113から送信されるコマンド(例えば、表示用変動パターンコマンド)等に応じて、MPU231により実行すべきプログラムを変更するのではなく、表示データテーブルを表示データテーブルバッファ233dに適宜置き換えるという単純な操作だけで、第3図柄表示装置81に表示すべき演出画像を変更することができる。
ここで、従来のパチンコ機のように、第3図柄表示装置81に表示させる演出画像を変更する度にMPU231で実行されるプログラムを起動するように構成した場合、演出画像の多種多様化に伴って複雑かつ膨大化するプログラムの起動や実行の処理に多大な負荷がかかるため、表示制御装置114における処理能力が制限となって、制御可能な演出画像の多様化に限界が生じてしまうおそれがあった。これに対し、本パチンコ機10では、表示データテーブルを表示データテーブルバッファ233dに適宜置き換えるという単純な操作だけで、第3図柄表示装置81に表示すべき演出画像を変更することができるので、表示制御装置114の処理能力に関係なく、多種態様な演出画像を第3図柄表示81に表示させることができる。
また、このように各演出態様に対応して表示データテーブルを用意し、表示すべき演出態様に応じた表示データテーブルを設定して、その設定されたデータテーブルに従い、1フレームずつ描画リストを作成することができるのは、パチンコ機10では、始動入賞に基づいて行われる抽選の結果に基づいて、予め第3図柄表示装置81に表示させる演出が決定されるためである。これに対し、パチンコ機といった遊技機を除くゲーム機などでは、ユーザの操作に基づいてその場その場で表示内容が変わるため、表示内容を予測することができず、よって、上述したような各演出態様に対応する表示データテーブルを持たせることはできない。このように、各演出態様に対応して表示データテーブルを用意し、表示すべき演出態様に応じた表示データテーブルを設定して、その設定されたデータテーブルに従い、1フレームずつ描画リストを作成する構成は、パチンコ機10が、始動入賞に基づいて行われる抽選の結果に基づき予め第3図柄表示装置81に表示させる演出態様を決定する構成であることに基づいて初めて実現できるものである。
次いで、図21を参照して、転送データテーブルの詳細について説明する。図21は、転送データテーブルの一例を模式的に示した模式図である。転送データテーブルは、演出毎に用意された表示データテーブルに対応して用意されるもので、上述したように、表示データテーブルで規定されている演出において使用されるスプライトの画像データのうち、常駐用ビデオRAM235に常駐されていない画像データをキャラクタROM234から通常用ビデオRAM236の画像格納エリア236aに転送するための転送データ情報ならびにその転送タイミングが規定されている。
なお、表示データテーブルに規定された演出において使用されるスプライトの画像データが、全て常駐用ビデオRAM235に格納されていれば、その表示データテーブルに対応する転送データテーブルは用意されていない。これにより、データテーブル格納エリア233bの容量増大を抑制することができる。
転送データテーブルは、表示データテーブルにおいて規定されるアドレスに対応させて、そのアドレスで示される時間に転送を開始すべきスプライトの画像データ(以下、「転送対象画像データ」と称す)の転送データ情報が記載されている(図21のアドレス「0001H」及び「0097H」が該当)。ここで、表示データテーブルに従って所定のスプライトの描画が開始されるまでに、その所定のスプライトに対応する画像データが画像格納エリア236aに格納されるように、その転送対象画像データの転送開始タイミングが設定されており、転送データテーブルでは、その転送開始タイミングに対応するアドレスに対応させて、転送対象画像データの転送データ情報が規定される。
一方、表示データテーブルにおいて規定されるアドレスで示される時間に、転送を開始すべき転送対象画像データが存在しない場合は、そのアドレスに対応して転送を開始すべき転送対象画像データが存在しないことを意味するNullデータが規定される(図21のアドレス「0002H」が該当)。
転送データ情報としては、その転送対象画像データが格納されているキャラクタROM234の先頭アドレス(格納元先頭アドレス)と最終アドレス(格納元最終アドレス)、及び、転送先(通常用ビデオRAM236)の先頭アドレスが含まれる。
なお、転送データテーブルの先頭アドレスである「0000H」には、表示データテーブルと同様に、データテーブルの開始を示す「Start」情報が記載され、転送データテーブルの最終アドレス(図21の例では、「02F0H」)には、データテーブルの終了を示す「End」情報が記載されている。そして、「Start」情報が記載されたアドレス「0000H」と「End」情報が記載されたアドレスとの間の各アドレスに対して、その転送データテーブルで規定すべき転送対象画像データの転送データ情報が記載されている。
MPU231は、主制御装置110からのコマンド等に基づき音声ランプ制御装置113から送信されるコマンド(例えば、表示用変動パターンコマンド)等に応じて、使用する表示データテーブルを選定すると、その表示データテーブルに対応する転送データテーブルが存在する場合は、その転送データテーブルをデータテーブル格納エリア233bから読み出して、後述するワークRAM233の転送データテーブルバッファ233eに格納する。そして、ポインタ233fの更新毎に、表示データテーブルバッファ233dに格納された表示データテーブルから、ポインタ233fが示すアドレスに規定された描画内容を特定して、後述する描画リスト(図22参照)を作成すると共に、転送データテーブルバッファ233eに格納された転送データテーブルから、その時点において転送を開始すべき所定のスプライトの画像データの転送データ情報を取得して、その転送データ情報を作成した描画リストに追加する。
例えば、図21の例では、ポインタ233fが「0001H」や「0097H」となった場合に、MPU231は、転送データテーブルの当該アドレスに規定された転送データ情報を、表示データテーブルに基づいて作成した描画リストに追加して、その追加後の描画リストを画像コントローラ237へ送信する。一方、ポインタ233fが「0002H」である場合、転送データテーブルのアドレス「0002H」には、Nullデータが規定されているので、転送を開始すべき転送対象画像データが存在しないと判断し、生成した描画リストに転送データ情報を追加せずに、描画リストを画像コントローラ237へ送信する。
そして、画像コントローラ237は、MPU231より受信した描画リストに転送データ情報が記載されていた場合、その転送データ情報に従って、転送対象画像データを、キャラクタROM234から画像格納エリア236aの所定のサブエリアに転送する処理を実行する。
ここで、上述したように、表示データテーブルに従って所定のスプライトの描画が開始されるまでに、その所定のスプライトに対応する画像データが画像格納エリア236aに格納されるように、転送データテーブルでは、転送対象画像データの転送データ情報が所定のアドレスに対して規定されているので、この転送データテーブルに規定された転送データ情報に従って、画像データをキャラクタROM234から画像格納エリア236aに転送することにより、表示データテーブルに従って所定のスプライトを描画する場合に、そのスプライトの描画に必要な常駐用ビデオRAM235に常駐されていない画像データを、必ず画像格納エリア236aに格納させておくことができる。そして、その画像格納エリア236aに格納された画像データを用いて、表示データテーブルに基づき、所定のスプライトの描画を行うことができる。
これにより、読み出し速度の遅いNAND型フラッシュメモリ234aによってキャラクタROM234を構成しても、遅滞なく表示に必要な画像を予めキャラクタROM234から読み出し、通常用ビデオRAM236へ転送しておくことができるので、表示データテーブルで指定された各スプライトの画像を描画しながら、対応する演出を第3図柄表示装置81に表示させることができる。また、転送データテーブルの記載によって、常駐用ビデオRAM235に非常駐の画像データだけを容易に且つ確実にキャラクタROM234から通常用ビデオRAM236へ転送することができる。
また、本パチンコ機10では、表示制御装置114において、主制御装置110からのコマンド等に基づき音声ランプ制御装置113から送信されるコマンド(例えば、表示用変動パターンコマンド)等に応じて、表示データテーブルを表示データテーブルバッファ233dに設定するのに合わせて、その表示データテーブルに対応する転送データテーブルが転送データテーブルバッファ233eに設定されるので、その表示データテーブルで用いられるスプライトの画像データを、所望のタイミングで確実にキャラクタROM234から通常用ビデオRAM236へ転送することができる。
また、転送データテーブルでは、スプライトに対応する画像データ毎にキャラクタROM234から通常用ビデオRAM236へ画像データが転送されるように、その転送データ情報を規定する。これにより、その画像データの転送をスプライト毎に管理し、また、制御することができるので、その転送に係る処理を容易に行うことができる。そして、スプライト単位でキャラクタROM234から通常用ビデオRAM236への画像データの転送を制御することにより、その処理を容易にしつつ、詳細に画像データの転送を制御できる。よって、転送にかかる負荷の増大を効率よく抑制することができる。
また、転送データテーブルは、表示データテーブルと同様のデータ構造を有し、表示データテーブルにおいて規定されるアドレスに対応させて、そのアドレスで示される時間に転送を開始すべき転送対象画像データの転送データ情報が規定されているので、表示データテーブルバッファ233dに設定された表示データテーブルに基づいて所定のスプライトの画像データが用いられる前に、確実にその画像データが通常用ビデオRAM236へ格納されるように、転送開始のタイミングを指示することができるので、読み出し速度の遅いNAND型フラッシュメモリ234aによってキャラクタROM234を構成しても、多種多様な演出画像を容易に第3図柄表示装置81に表示させることができる。
簡易画像表示フラグ233cは、第3図柄表示装置81に、上述した電源投入時画像(電源投入時主画像および電源投入時変動画像)を表示するか否かを示すフラグである。この簡易画像表示フラグ233cは、電源投入時主画像および電源投入時変動画像に対応する画像データが常駐用ビデオRAMの電源投入時主画像エリア235a又は電源投入時変動画像エリア235bに転送された後に、MPU231により実行されるメイン処理(図40参照)の中でオンに設定される(図40のS1805参照)。そして、画像転送処理の常駐画像転送処理によって、全ての常駐対象画像データが常駐用ビデオRAM235に格納された段階で、第3図柄表示装置81に電源投入時画像以外の画像を表示させるために、オフに設定される(図54(b)のS3605参照)。
この簡易画像表示フラグ233cは、画像コントローラ237から送信されるV割込信号を検出する毎にMPU231によって実行されるV割込処理の中で参照され(図42(b)のS2101参照)、簡易画像表示フラグ233cがオンである場合は、電源投入時画像が第3図柄表示装置81に表示されるように、簡易コマンド判定処理(図42(b)のS2108参照)および簡易表示設定処理(図42(b)のS2109参照)が実行される。一方、簡易画像表示フラグ233cがオフである場合は、主制御装置110からのコマンド等に基づき音声ランプ制御装置113から送信されるコマンドに応じて、種々の画像が表示されるように、コマンド判定処理(図43〜図48参照)および表示設定処理(図49〜図53参照)が実行される。
また、簡易画像表示フラグ233cは、V割込処理の中でMPU231により実行される転送設定処理の中で参照され(図54(a)のS3501参照)、簡易画像表示フラグ233cがオンである場合は、常駐用ビデオRAM235に格納されていない常駐対象画像データが存在するため、常駐対象画像データをキャラクタROM234から常駐用ビデオRAM235へ転送する常駐画像転送設定処理(図54(b)参照)を実行し、簡易画像表示フラグ233cがオフである場合は、描画処理に必要な画像データをキャラクタROM234から通常用ビデオRAM236へ転送する通常画像転送設定処理(図55参照)を実行する。
表示データテーブルバッファ233dは、主制御装置110からのコマンド等に基づき音声ランプ制御装置113から送信されるコマンド等に応じて第3図柄表示装置81に表示させる演出態様に対応する表示データテーブルを格納するためのバッファである。MPU231は、その音声ランプ制御装置113から送信されるコマンド等に基づいて、第3図柄表示装置81に表示させる演出態様を判断し、その演出態様に対応する表示データテーブルをデータテーブル格納エリア233bから選定して、その選定された表示データテーブルを表示データテーブルバッファ233dに格納する。そして、MPU231は、ポインタ233fを1ずつ加算しながら、表示データテーブルバッファ233dに格納された表示データテーブルにおいてそのポインタ233fで示されるアドレスに規定された描画内容に基づき、1フレーム毎に画像コントローラ237に対する画像描画の指示内容を記載した後述の描画リスト(図22参照)を生成する。これにより、第3図柄表示装置81には、表示データテーブルバッファ233dに格納された表示データテーブルに対応する演出が表示される。
MPU231は、ポインタ233fを1ずつ加算しながら、表示データテーブルバッファ233dに格納された表示データテーブルにおいてそのポインタ233fで示されるアドレスに規定された描画内容に基づき、1フレーム毎に画像コントローラ237に対する画像描画の指示内容を記載した後述の描画リスト(図22参照)を生成する。これにより、第3図柄表示装置81には、表示データテーブルに対応する演出が表示される。
転送データテーブルバッファ233eは、主制御装置110からのコマンド等に基づき音声ランプ制御装置113から送信されるコマンド等に応じて、表示データテーブルバッファ233dに格納された表示データテーブルに対応する転送データテーブルを格納するためのバッファである。MPU231は、表示データテーブルバッファ233dに表示データテーブルを格納するのに合わせて、その表示データテーブルに対応する転送データテーブルをデータテーブル格納エリア233bから選定して、その選定された転送データテーブルを転送データテーブルバッファ233eに格納する。なお、表示データテーブルバッファ233dに格納される表示データテーブルにおいて用いられるスプライトの画像データが全て常駐用ビデオRAM235に格納されている場合は、その表示データテーブルに対応する転送データテーブルが用意されていないので、MPU231は、転送データテーブルバッファ233eに転送対象画像データが存在しないことを意味するNullデータを書き込むことで、その内容をクリアする。
そして、MPU231は、ポインタ233fを1ずつ加算しながら、転送データテーブルバッファ233eに格納された転送データテーブルにおいてそのポインタ233fで示されるアドレスに規定された転送対象画像データの転送データ情報が規定されていれば(即ち、Nullデータが記載されていなければ)、1フレーム毎に生成される画像コントローラ237に対する画像描画の指示内容を記載した後述の描画リスト(図22参照)に、その転送データ情報を追加する。
これにより、画像コントローラ237は、MPU231より受信した描画リストに転送データ情報が記載されていた場合、その転送データ情報に従って、転送対象画像データを、キャラクタROM234から画像格納エリア236aの所定のサブエリアに転送する処理を実行する。ここで、上述したように、表示データテーブルに従って所定のスプライトの描画が開始されるまでに、その所定のスプライトに対応する画像データが画像格納エリア236aに格納されるように、転送データテーブルでは、転送対象画像データの転送データ情報が所定のアドレスに対して規定されている。よって、この転送データテーブルに規定された転送データ情報に従って、画像データをキャラクタROM234から画像格納エリア236aに転送することにより、表示データテーブルに従って所定のスプライトを描画する場合に、そのスプライトの描画に必要な常駐用ビデオRAM235に常駐されていない画像データを、必ず画像格納エリア236aに格納させておくことができる。
これにより、読み出し速度の遅いNAND型フラッシュメモリ234aによってキャラクタROM234を構成しても、遅滞なく表示に必要な画像を予めキャラクタROM234から読み出し、通常用ビデオRAM236へ転送しておくことができるので、表示データテーブルで指定された各スプライトの画像を描画しながら、対応する演出を第3図柄表示装置81に表示させることができる。また、転送データテーブルの記載によって、常駐用ビデオRAM235に非常駐の画像データだけを容易に且つ確実にキャラクタROM234から通常用ビデオRAM236へ転送することができる。
ポインタ233fは、表示データテーブルバッファ233dおよび転送データテーブルバッファ233eの各バッファにそれぞれ格納された表示データテーブルおよび転送データテーブルから、対応する描画内容もしくは転送対象画像データの転送データ情報を取得すべきアドレスを指定するためのものである。MPU231は、表示データテーブルバッファ233dに表示データテーブルが格納されるのに合わせて、ポインタ233fを一旦0に初期化する。そして、画像コントローラ237から1フレーム分の画像の描画処理が完了する20ミリ秒ごとに送信されるV割込信号に基づいてMPU231により実行されるV割込処理の表示設定処理(図42(b)のS2103参照)の中で、ポインタ更新処理(図49のS3005参照)が実行され、ポインタ233fの値が1ずつ加算される。
MPU231は、このようなポインタ233fの更新が行われる毎に、表示データテーブルバッファ233dに格納された表示データテーブルから、ポインタ233fが示すアドレスに規定された描画内容を特定して、後述する描画リスト(図22参照)を作成すると共に、転送データテーブルバッファ233eに格納された転送データテーブルから、その時点において転送を開始すべき所定のスプライトの画像データの転送データ情報を取得して、その転送データ情報を作成した描画リストに追加する。
これにより、表示データテーブルバッファ233dに格納された表示データテーブルに対応する演出が第3図柄表示装置81に表示される。よって、表示データテーブルバッファ233dに格納する表示データテーブルを変更するだけで、容易に第3図柄表示装置81に表示させる演出を変更することができる。従って、表示制御装置341の処理能力に関わらず、多種多様な演出を表示させることができる。
また、転送データテーブルバッファ233eに格納された転送データテーブルが格納されている場合は、その転送データテーブルに基づいて、対応する表示データテーブルによって所定のスプライトの描画が開始されるまでに、そのスプライトの描画で用いられる常駐用ビデオRAM235に常駐されていない画像データを、必ず画像格納エリア236aに格納させておくことができる。これにより、読み出し速度の遅いNAND型フラッシュメモリ234aによってキャラクタROM234を構成しても、遅滞なく表示に必要な画像を予めキャラクタROM234から読み出し、通常用ビデオRAM236へ転送しておくことができるので、表示データテーブルで指定された各スプライトの画像を描画しながら、対応する演出を第3図柄表示装置81に表示させることができる。また、転送データテーブルの記載によって、常駐用ビデオRAM235に非常駐の画像データだけを容易に且つ確実にキャラクタROM234から通常用ビデオRAM236へ転送することができる。
描画リストエリア233gは、表示データテーブルバッファ233dに格納された表示データテーブル、及び、転送データテーブルバッファ233eに格納された転送データテーブルに基づいて生成される、1フレーム分の画像の描画を画像コントローラ237に指示する描画リストを格納するためのエリアである。
ここで、図22を参照して、描画リストの詳細について説明する。図22は、描画リストの内容を模式的に示した模式図である。描画リストは、画像コントローラ237に対して、1フレーム分の画像の描画を指示する指示表であり、図22に示すように、1フレームの画像で使用する背面画像、第3図柄(図柄1,図柄2,・・・)、エフェクト(エフェクト1,エフェクト2,・・・)、キャラクタ(キャラクタ1,キャラクタ2,・・・,保留球数図柄1,保留球数図柄2,・・・,エラー図柄)といったスプライト毎に、そのスプライトの詳細な描画情報(詳細情報)を記述したものである。また、描画リストには、画像コントローラ237に対して所定の画像データをキャラクタROM234から通常用ビデオRAM236へ転送させるための転送データ情報もあわせて記述される。
各スプライトの詳細な描画情報(詳細情報)には、対応するスプライト(表示物)の画像データが格納されているRAM種別(常駐用ビデオRAM235か、通常用ビデオRAM236か)を示す情報と、そのアドレスとが記述されており、画像コントローラ237は、そのRAM種別およびアドレスによって指定されるメモリ領域から、当該スプライトの画像データを取得する。また、その詳細な描画情報(詳細情報)には、表示位置座標、拡大率、回転角度、半透明値、αブレンディング情報、色情報およびフィルタ指定情報が含まれており、画像コントローラ237は、各種ビデオRAMより読み出した当該スプライトの画像データにより生成される標準的な画像に対し、拡大率に応じて拡大縮小処理を施し、回転角度に応じて回転処理を施し、半透明値に応じて半透明化処理を施し、αブレンディング情報に応じて他のスプライトとの合成処理を施し、色情報に応じて色調補正処理を施し、フィルタ指定情報に応じてその情報により指定された方法でフィルタリング処理を施した上で、表示位置座標に示される表示位置に各種処理を施して得られた画像を描画する。そして、描画した画像は、画像コントローラ237によって、描画対象バッファフラグ233jで指定される第1フレームバッファ236b又は第2フレームバッファ236cのいずれかに展開される。
MPU231は、表示データテーブルバッファ233dに格納された表示データテーブルにおいて、ポインタ233fによって示されるアドレスに規定された描画内容と、その他の描画すべき画像の内容(例えば、保留球数図柄を表示する保留画像や、エラーの発生を通知する警告画像など)とに基づき、1フレーム分の画像の描画に用いられる全スプライトに対する詳細な描画情報(詳細情報)を生成すると共に、その詳細情報をスプライト毎に並び替えることによって描画リストを作成する。
ここで、各スプライトの詳細情報のうち、スプライト(表示物)のデータの格納RAM種別とアドレスとは、表示データテーブルに規定されるスプライト種別や、その他の画像の内容から特定されるスプライト種別に応じて生成される。即ち、スプライト毎に、そのスプライトの画像データが格納される常駐用ビデオRAM235のエリア、又は、通常用ビデオRAM236の画像格納エリア236aのサブエリアが固定されているので、MPU231は、スプライト種別に応じて、そのスプライトの画像データが格納されている格納RAM種別とアドレスとを即座に特定し、それらの情報を描画リストの詳細情報に容易に含めることができる。
また、MPU231は、各スプライトの詳細情報のうち、その他の情報(表示位置座標、拡大率、回転角度、半透明値、αブレンディング情報、色情報およびフィルタ指定情報)について、表示データテーブルに規定されるそれらの情報をそのままコピーする。
また、MPU231は、描画リストを生成するにあたり、1フレーム分の画像の中で、最も背面側に配置すべきスプライトから前面側に配置すべきスプライト順に並び替えて、それぞれのスプライトに対する詳細な描画情報(詳細情報)を記述する。即ち、描画リストでは、最初に背面画像に対応する詳細情報が記述され、次いで、第3図柄(図柄1,図柄2,・・・)、エフェクト(エフェクト1,エフェクト2,・・・)、キャラクタ(キャラクタ1,キャラクタ2,・・・,保留球数図柄1,保留球数図柄2,・・・,エラー図柄)の順に、それぞれのスプライトに対応する詳細情報が記述される。
画像コントローラ237では、描画リストに記述された順番に従って、各スプライトの描画処理を実行し、フレームバッファにその描画されたスプライトを上書きによって展開していく。従って、描画リストによって生成した1フレーム分の画像において、最初に描画したスプライトを最も背面側に配置させ、最後に描画したスプライトを最も前面側に配置させることができるのである。
また、MPU231は、転送データテーブルバッファ233eに格納された転送データテーブルにおいて、ポインタ233fによって示されるアドレスに転送データ情報が記載されている場合、その転送データ情報(転送対象画像データが格納されたキャラクタROM234における格納元先頭アドレスおよび格納元最終アドレスと、その転送対象画像データを格納すべき画像格納エリア236aに設けられたサブエリアの格納先先頭アドレス)を、描画リストの最後に追加する。画像コントローラ237は、描画リストにこの転送データ情報が含まれていれば、その転送データ情報に基づいて、キャラクタROM234の所定の領域(格納元先頭アドレスおよび格納元最終アドレスによって示される領域)から画像データを読み出して、通常用ビデオRAM236の画像格納エリア236aに設けられた所定のサブエリア(格納先アドレス)に、転送対象となる画像データを転送する。
計時カウンタ233hは、表示データテーブルバッファ233dに格納された表示データテーブルにより第3図柄表示装置81にて表示される演出の演出時間をカウントするカウンタである。MPU231は、表示データテーブルバッファ233dに一の表示データテーブルを格納するのに合わせて、その表示データテーブルに基づいて表示される演出の演出時間を示す時間データを設定する。この時間データは、演出時間を第3図柄表示装置81における1フレーム分の画像表示時間(本実施形態では、20ミリ秒)で割った値である。
そして、1フレーム分の画像の描画処理および表示処理が完了する20ミリ秒毎に画像コントローラ237から送信されるV割込信号に基づいて、MPU231により実行されるV割込処理(図42(b)参照)の表示設定処理が実行される度に、計時カウンタ233hが1ずつ減算される(図49のS3007参照)。その結果、計時カウンタ233hの値が0以下となった場合、MPU231は、表示データテーブルバッファ233dに格納された表示データテーブルにより表示される演出が終了したことを判断し、演出終了に合わせて行うべき種々の処理を実行する。
格納画像データ判別フラグ233iは、対応する画像データが常駐用ビデオRAM235に常駐されない全てのスプライトに対して、それぞれ、そのスプライトに対応する画像データが通常用ビデオRAM236の画像格納エリア236aに格納されているか否かを表す格納状態を示すフラグである。
この格納画像データ判別フラグ233iは、電源投入時にメイン処理の中でMPU231により実行される初期設定処理(図40のS1802参照)によって生成される。ここで生成される格納画像データ判別フラグ233iは、全てのスプライトに対する格納状態が、画像格納エリア236aに格納されていないことを示す「オフ」に設定される。
そして、格納画像データ判別フラグ233iの更新は、MPU231により実行される通常画像転送設定処理(図55参照)の中で、一のスプライトに対応する転送対象画像データの転送指示を設定した場合に行われる。この更新では、転送指示が設定された一のスプライトに対応する格納状態を、対応する画像データが画像格納エリア236aに格納されていることを示す「オン」に設定する。また、その一のスプライトと同じ画像格納エリア236aのサブエリアに格納されることになっているその他のスプライトの画像データは、一のスプライトの画像データが格納されることによって必ず未格納状態となるので、その他のスプライトに対応する格納状態を「オフ」に設定する。
また、MPU231は、常駐用ビデオRAM235に画像データが常駐されていないスプライトの画像データをキャラクタROM234から通常用ビデオRAM236へ転送する際に、格納画像データ判別フラグ233iを参照し、転送対象のスプライトの画像データが、既に通常用ビデオRAM235の画像格納エリア236aに格納されているか否かを判断する(図55のS3713参照)。そして、転送対象のスプライトに対応する格納状態が「オフ」であり、対応する画像データが画像格納エリア236aに格納されていなければ、その画像データの転送指示を設定し(図55のS3514参照)、画像コントローラ237に対して、その画像データをキャラクタROM234から画像格納エリア236aの所定サブエリアに転送させる。一方、転送対象のスプライトに対応する格納状態が「オン」であれば、既に対応する画像データが画像格納エリア236aに格納されているので、その画像データの転送処理を中止する。これにより、無駄にキャラクタROM234から通常用ビデオRAM236に対して転送されるのを抑制することができ、表示制御装置114の各部における処理負担の軽減や、バスライン240におけるトラフィックの軽減を図ることができる。
描画対象バッファフラグ233jは、2つのフレームバッファ(第1フレームバッファ236bおよび第2フレームバッファ236c)の中から、画像コントローラ237によって描画された画像を展開するフレームバッファ(以下、「描画対象バッファ」と称す)を指定するためのフラグで、描画対象バッファフラグ233jが0である場合は描画対象バッファとして第1フレームバッファ236bを指定し、1である場合は第2フレームバッファ236cを指定する。そして、この指定された描画対象バッファの情報は、描画リストと共に画像コントローラ237に送信される(図56のS3802参照)。
これにより、画像コントローラ237は、描画リストに基づいて描画した画像を、指定された描画対象バッファ上に展開する描画処理を実行する。また、画像コントローラ237は、描画処理と同時並列的に、描画対象バッファとは異なるフレームバッファから先に展開済みの描画画像情報を読み出し、駆動信号と共に第3図柄表示装置81に対して、その画像情報を転送することで、第3図柄表示装置81に画像を表示させる表示処理を実行する。
描画対象バッファフラグ233jは、描画対象バッファ情報が描画リストと共に画像コントローラ237に対して送信されるのに合わせて、更新される。この更新は、描画対象バッファフラグ233jの値を反転させることにより、即ち、その値が「0」であった場合は「1」に、「1」であった場合は「0」に設定することによって行われる。これにより、描画対象バッファは、描画リストが送信される度に、第1フレームバッファ236bと第2フレームバッファ236cとの間で交互に設定される。また、描画リストの送信は、1フレーム分の画像の描画処理および表示処理が完了する20ミリ秒毎に画像コントローラ237から送信されるV割込信号に基づいて、MPU231により実行されるV割込処理(図42(b)参照)の描画処理が実行される度に、行われる(図56のS3802参照)。
即ち、あるタイミングで、1フレーム分の画像を展開するフレームバッファとして第1フレームバッファ236bが指定され、1フレーム分の画像情報が読み出されるフレームバッファとして第2フレームバッファ236cが指定されて、画像の描画処理および表示処理が実行されると、1フレーム分の画像の描画処理が完了する20ミリ秒後に、1フレーム分の画像を展開するフレームバッファとして第2フレームバッファ236cが指定され、1フレーム分の画像情報が読み出されるフレームバッファとして第1フレームバッファ236bが指定される。これにより、先に第1フレームバッファ236bに展開された画像の画像情報が読み出されて第3図柄表示装置81に表示させることができると同時に、第2フレームバッファ236cに新たな画像が展開される。
そして、更に次の20ミリ秒後には、1フレーム分の画像を展開するフレームバッファとして第1フレームバッファ236bが指定され、1フレーム分の画像情報が読み出されるフレームバッファとして第2フレームバッファ236cが指定される。これにより、先に第2フレームバッファ236cに展開された画像の画像情報が読み出されて第3図柄表示装置81に表示させることができると同時に、第1フレームバッファ236bに新たな画像が展開される。以後、1フレーム分の画像を展開するフレームバッファと、1フレーム分の画像情報が読み出されるフレームバッファとを、20ミリ秒毎に、それぞれ第1フレームバッファ236bおよび第2フレームバッファ236cのいずれかを交互に入れ替えて指定することによって、1フレーム分の画像の描画処理を行いながら、1フレーム分の画像の表示処理を20ミリ秒単位で連続的に行わせることができる。
<第1実施形態における主制御装置の制御処理について>
次に、図23から図32のフローチャートを参照して、主制御装置110内のMPU201により実行される各制御処理を説明する。かかるMPU201の処理としては大別して、電源投入に伴い起動される立ち上げ処理と、その立ち上げ処理後に実行されるメイン処理と、定期的に(本実施形態では2m秒間隔で)起動されるタイマ割込処理と、NMI端子への停電信号SG1の入力により起動されるNMI割込処理とがあり、説明の便宜上、はじめにタイマ割込処理とNMI割込処理とを説明し、その後、立ち上げ処理とメイン処理とを説明する。
図23は、主制御装置110内のMPU201により実行されるタイマ割込処理を示すフローチャートである。タイマ割込処理は、例えば2ミリ秒毎に実行される定期処理である。タイマ割込処理では、まず各種入賞スイッチの読み込み処理を実行する(S101)。即ち、主制御装置110に接続されている各種スイッチの状態を読み込むと共に、当該スイッチの状態を判定して検出情報(入賞検知情報)を保存する。
次に、第1初期値乱数カウンタCINI1と第2初期値乱数カウンタCINI2の更新を実行する(S102)。具体的には、第1初期値乱数カウンタCINI1を1加算すると共に、そのカウンタ値が最大値(本実施形態では299)に達した際、0にクリアする。そして、第1初期値乱数カウンタCINI1の更新値を、RAM203の該当するバッファ領域に格納する。同様に、第2初期値乱数カウンタCINI2を1加算すると共に、そのカウンタ値が最大値(本実施形態では239)に達した際、0にクリアし、その第2初期値乱数カウンタCINI2の更新値をRAM203の該当するバッファ領域に格納する。
更に、第1当たり乱数カウンタC1、第1当たり種別カウンタC2、停止種別選択カウンタC3及び第2当たり乱数カウンタC4の更新を実行する(S103)。具体的には、第1当たり乱数カウンタC1、第1当たり種別カウンタC2、停止種別選択カウンタC3及び第2当たり乱数カウンタC4をそれぞれ1加算すると共に、それらのカウンタ値が最大値(本実施形態ではそれぞれ、299,99,99,239)に達した際、それぞれ0にクリアする。そして、各カウンタC1〜C4の更新値を、RAM203の該当するバッファ領域に格納する。
次に、第1図柄表示装置37において表示を行うための処理であると共に、第3図柄表示装置81による第3図柄の変動パターンなどを設定する特別図柄変動処理を実行し(S104)、次いで、第1入球口64への入賞(始動入賞)に伴う始動入賞処理を実行する(S105)。なお、特別図柄変動処理、及び、始動入賞処理の詳細は、図24〜図26を参照して後述する。
始動入賞処理を実行した後は、第2図柄表示装置83において表示を行うための処理である普通図柄変動処理を実行し(S106)、第2入球口67における球の通過に伴うスルーゲート通過処理を実行する(S107)。なお、普通図柄変動処理、及び、スルーゲート通過処理の詳細は、図27および図28を参照して後述する。スルーゲート通過処理を実行した後は、発射制御処理を実行し(S108)、更に、定期的に実行すべきその他の処理を実行して(S109)、タイマ割込処理を終了する。なお、発射制御処理は、遊技者が操作ハンドル51に触れていることをタッチセンサ51aにより検出し、且つ、発射を停止させるための打ち止めスイッチ51bが操作されていないことを条件に、球の発射のオン/オフを決定する処理である。主制御装置110は、球の発射がオンである場合に、発射制御装置112に対して球の発射指示をする。
次に、図24を参照して、主制御装置110内のMPU201により実行される特別図柄変動処理(S104)について説明する。図24は、この特別図柄変動処理(S104)を示すフローチャートである。この特別図柄変動処理(S104)は、タイマ割込処理(図23参照)の中で実行され、第1図柄表示装置37において行う特別図柄(第1図柄)の変動表示や、第3図柄表示装置81において行う第3図柄の変動表示などを制御するための処理である。
この特別図柄変動処理では、まず、今現在が、特別図柄の大当たり中であるか否かを判定する(S201)。特別図柄の大当たり中としては、第1図柄表示装置37及び第3図柄表示装置81において特別図柄の大当たり(特別図柄の大当たり遊技中も含む)を示す表示がなされている最中と、特別図柄の大当たり遊技終了後の所定時間の最中とが含まれる。判定の結果、特別図柄の大当たり中であれば(S201:Yes)、そのまま本処理を終了する。
特別図柄の大当たり中でなければ(S201:No)、第1図柄表示装置37の表示態様が変動中であるか否かを判定し(S202)、第1図柄表示装置37の表示態様が変動中でなければ(S202:No)、特別図柄保留球数カウンタ203cの値(特別図柄における変動表示の保留回数N)を取得する(S203)。次に、特別図柄保留球数カウンタ203cの値(N)が0よりも大きいか否かを判別し(S204)、特別図柄保留球数カウンタ203cの値(N)が0であれば(S204:No)、そのまま本処理を終了する。
一方、特別図柄保留球数カウンタ203cの値(N)が0でなければ(S204:Yes)、特別図柄保留球数カウンタ203cの値(N)を1減算し(S205)、演算により変更された特別図柄保留球数カウンタ203cの値を示す保留球数コマンドを設定する(S206)。ここで設定された保留球数コマンドは、RAM203に設けられたコマンド送信用のリングバッファに記憶され、MPU201により実行される後述のメイン処理(図31参照)の外部出力処理(S901)の中で、音声ランプ制御装置113に向けて送信される。音声ランプ制御装置113は、保留球数コマンドを受信すると、その保留球数コマンドから特別図柄保留球数カウンタ203cの値を抽出し、抽出した値をRAM223の特別図柄保留球数カウンタ223bに格納する。
S206の処理により保留球数コマンドを設定した後は、特別図柄保留球格納エリア203aに格納されたデータをシフトする(S207)。S207の処理では、特別図柄保留球格納エリア203aの保留第1エリア〜保留第4エリアに格納されているデータを、実行エリア側に順にシフトさせる処理を行う。より具体的には、保留第1エリア→実行エリア、保留第2エリア→保留第1エリア、保留第3エリア→保留第2エリア、保留第4エリア→保留第3エリアといった具合に各エリア内のデータをシフトする。データをシフトした後は、第1図柄表示装置37において変動表示を開始するための特別図柄変動開始処理を実行する(S208)。なお、特別図柄変動開始処理については、図25を参照して後述する。
S202の処理において、第1図柄表示装置37の表示態様が変動中であれば(S202:Yes)、第1図柄表示装置37において実行している変動表示の変動時間が経過したか否かを判別する(S209)。第1図柄表示装置37において実行される変動表示の変動時間は、変動種別カウンタCS1により選択された変動パターンに応じて決められており(変動パターンコマンドに応じて決められており)、この変動時間が経過していなければ(S209:No)、第1図柄表示装置37の表示内容を更新して(S210)、本処理を終了する。
一方、S209の処理において、実行している変動表示の変動時間が経過していれば(S209:Yes)、第1図柄表示装置37の停止図柄に対応した表示態様を設定する(S211)。停止図柄の設定は、図25を参照して後述する特別図柄変動開始処理(S208)によって予め行われる。この特別図柄変動開始処理が実行されると、特別図柄保留球格納エリア203aの実行エリアに格納された各種カウンタの値に基づいて、特別図柄の抽選が行われる。より具体的には、第1当たり乱数カウンタC1の値に応じて特別図柄の大当たりか否かが決定されると共に、特別図柄の大当たりである場合には、第1当たり種別カウンタC2の値に応じて大当たりAとなるか、大当たりBとなるかが決定される。
なお、本実施形態では、大当たりAになる場合には、第1図柄表示装置37において青色のLEDを点灯させ、大当たりBになる場合には赤色のLEDを点灯させる。また、外れである場合には赤色のLEDと緑色のLEDとを点灯させる。なお、各LEDの表示は、次の変動表示が開始される場合に点灯が解除されるが、変動の停止後数秒間のみ点灯させるものとしても良い。
S210の処理が終了した後は、第1図柄表示装置37において実行中の変動表示が開始されたときに、特別図柄変動開始処理によって行われた特別図柄の抽選結果(今回の抽選結果)が、特別図柄の大当たりであるかを判定する(S212)。今回の抽選結果が特別図柄の大当たりであれば(S212:Yes)、特別図柄の大当たりの開始を設定し(S213)、本処理を終了する。S213の処理によって、特別図柄の大当たりの開始が設定されると、メイン処理(図31参照)の中で大当たり制御処理(S904)が実行された場合に、S1001:Yesへ分岐して、オープニングコマンドが設定される。その結果、第3図柄表示装置81において、大当たり演出が開始される。加えて、S213の処理では、確変フラグ203eがオフに設定されたり、時短中カウンタ203fの値に0が設定されたりする。大当たり中の状態を、初期状態と同じ状態とするためである。
S212の処理において、今回の抽選結果が特別図柄の外れであれば(S212:No)、時短中カウンタ203fの値が1以上であるかを判定し(S214)、時短中カウンタ203fの値が1以上であれば(S214:Yes)、時短中カウンタ203fの値を1減算して(S215)、本処理を終了する。一方、時短中カウンタ203fの値が0であれば(S214:No)、S215の処理をスキップして、本処理を終了する。
次に、図25を参照して、主制御装置110内のMPU201により実行される特別図柄変動開始処理(S208)について説明する。図25は、特別図柄変動開始処理(S208)を示したフローチャートである。この特別図柄変動開始処理(S208)は、タイマ割込処理(図23参照)の特別図柄変動処理(図24参照)の中で実行される処理であり、特別図柄保留球格納エリア203aの実行エリアに格納された各種カウンタの値に基づいて、「特別図柄の大当たり」、または「特別図柄の外れ」の抽選(当否判定)を行うと共に、第1図柄表示装置37および第3図柄表示装置81で行われる変動演出の演出パターン(変動演出パターン)を決定するための処理である。
特別図柄変動開始処理では、まず、特別図柄保留球格納エリア203aの実行エリアに格納されている第1当たり乱数カウンタC1、第1当たり種別カウンタC2、及び、停止種別選択カウンタC3の各値を取得する(S301)。
次に、RAM203の確変フラグ203eがオンであるかを判定する(S302)。確変フラグ203eは、パチンコ機10が特別図柄の確変状態であるか否かを示すフラグであり、確変フラグ203eがオンであれば、パチンコ機10が特別図柄の確変状態であることを示し、確変フラグ203eがオフであれば、パチンコ機10が特別図柄の通常状態であることを示す。
確変フラグ203eがオンである場合は(S302:Yes)、パチンコ機10が特別図柄の確変状態であるので、S301の処理で取得した第1当たり乱数カウンタC1の値と、高確率時用の第1当たり乱数テーブルとに基づいて、特別図柄の大当たりか否かの抽選結果を取得する(S303)。具体的には、第1当たり乱数カウンタC1の値を、高確率時用の第1当たり乱数テーブルに格納されている10の乱数値と1つ1つ比較する。上述したように、特別図柄の大当たりとなる乱数値としては、「4,38,64,99,122,151,183,218,249,270」の10個が設定されており、第1当たり乱数カウンタC1の値と、これらの当たりとなる乱数値とが一致する場合に、特別図柄の大当たりであると判定する。特別図柄の抽選結果を取得したら、S305の処理へ移行する。
一方、S302の処理において、確変フラグ203eがオフである場合は(S302:No)、パチンコ機10が特別図柄の通常状態であるので、S301の処理で取得した第1当たり乱数カウンタC1の値と、低確率時用の第1当たり乱数テーブルとに基づいて、特別図柄の大当たりか否かの抽選結果を取得する(S304)。具体的には、第1当たり乱数カウンタC1の値を、低確率時用の第1当たり乱数テーブルに格納されている1の乱数値と比較する。特別図柄の大当たりとなる乱数値としては、「7」が設定されており、第1当たり乱数カウンタC1の値と、「7」とが一致する場合に、特別図柄の大当たりであると判定する。特別図柄の抽選結果を取得したら、S305の処理へ移行する。
そして、S303またはS304の処理によって取得した特別図柄の抽選結果が、特別図柄の大当たりであるかを判定し(S305)、特別図柄の大当たりであると判定された場合には(S305:Yes)、S301の処理で取得した第1当たり種別カウンタC2の値に基づいて、大当たり時の表示態様を設定する(S306)。より具体的には、S301の処理で取得した第1当たり種別カウンタC2の値と、第1当たり種別選択テーブルに格納されている乱数値とを比較し、2種類ある特別図柄の大当たり(大当たりA、大当たりB)のうち、大当たり種別が何であるかを判定する。上述したように、第1当たり種別カウンタC2の値が「0〜49」の範囲にあれば、大当たりA(16ラウンド確変大当たり)であると判定し、「50〜99」の範囲にあれば、大当たりB(16ラウンド時短大当たり)であると判定する(図11(b)参照)。
このS306の処理では、判定された大当たり種別(大当たりA、大当たりB)に応じて、第1図柄表示装置37の表示態様(LED37aの点灯状態)が設定される。また、大当たり種別に対応した停止図柄を、第3図柄表示装置81において停止表示させるべく、大当たり種別(大当たりA、大当たりB)が停止種別として設定される。
次に、大当たり時の変動パターンを決定する(S307)。S307の処理で変動パターンが設定されると、第1図柄表示装置37における変動演出の変動時間(表示時間)が設定されると共に、第3図柄表示装置81において大当たり図柄で停止するまでの第3図柄の変動時間が決定される。このとき、RAM203のカウンタ用バッファに格納されている変動種別カウンタCS1の値を確認し、変動種別カウンタCS1の値に基づいてノーマルリーチ、スーパーリーチ等の図柄変動の変動時間を決定する。なお、変動種別カウンタCS1の数値と変動時間との関係は、テーブル等により予め規定されている。
例えば、外れ用の変動パターンとしては、「完全外れ」、「外れショートリーチ」、「外れロングリーチ」、「外れスーパーリーチ」が規定され、大当たりA・大当たりB共用の変動パターンとしては、「当たりショートリーチ」、「当たりロングリーチ」、「当たりスーパーリーチ」各種が規定されている。
S305の処理において、特別図柄の外れであると判定された場合には(S305:No)、外れ時の表示態様を設定する(S308)。S308の処理では、第1図柄表示装置37の表示態様を外れ図柄に対応した表示態様に設定すると共に、特別図柄保留球格納エリア203aの実行エリアに格納されている停止種別選択カウンタC3の値に基づいて、第3図柄表示装置81において表示させる停止種別として、前後外れリーチであるか、前後外れ以外リーチであるか、完全外れであるかを設定する。
ここでは、パチンコ機10が特別図柄の確変状態であれば、S301の処理で取得した停止種別選択カウンタC3の値と、高確率時用の停止種別選択テーブルに格納されている乱数値とを比較して、停止種別を設定する。具体的には、停止種別選択カウンタC3の値が「0〜89」の範囲にあれば、完全外れを設定し、「90〜97」の範囲にあれば前後外れ以外リーチを設定し、「98,99」であれば前後外れリーチを設定する。一方、パチンコ機10が特別図柄の通常状態であれば、停止種別選択カウンタC3の値と、低確率時用の停止種別選択テーブルに格納されている乱数値とを比較して、停止種別を設定する。具体的には、停止種別選択カウンタC3の値が「0〜79」の範囲にあれば、完全外れを設定し、「80〜97」の範囲にあれば前後外れ以外リーチを設定し、「98,99」であれば前後外れリーチを設定する。
次に、外れ時の変動パターンを決定する(S309)。ここでは、第1図柄表示装置37の表示時間が設定されると共に、第3図柄表示装置81において外れ図柄で停止するまでの第3図柄の変動時間が決定される。このとき、S308の処理と同様に、RAM203のカウンタ用バッファに格納されている変動種別カウンタCS1の値を確認し、変動種別カウンタCS1の値に基づいてノーマルリーチ、スーパーリーチ等の図柄変動の変動時間を決定する。
S307の処理またはS39の処理が終わると、次に、S307の処理またはS309の処理で決定した変動パターンを表示制御装置114へ通知するための変動パターンコマンドを設定する(S310)。次いで、S306、またはS308の処理で設定された停止種別を表示制御装置114へ通知するための停止種別コマンドを設定する(S311)。これらの変動パターンコマンドおよび停止種別コマンドは、RAM203に設けられたコマンド送信用のリングバッファに記憶され、メイン処理(図31参照)のS901の処理で、これらのコマンドが音声ランプ制御装置113に送信される。音声ランプ制御装置113は、停止種別コマンドをそのまま表示制御装置114へ送信する。S312の処理が終わると、特別図柄変動処理へ戻る。
次に、図26のフローチャートを参照して、主制御装置110内のMPU201により実行される始動入賞処理(S105)を説明する。図26は、この始動入賞処理(S105)を示すフローチャートである。この始動入賞処理(S105)は、タイマ割込処理(図23参照)の中で実行され、第1入球口64への入賞(始動入賞)の有無を判断し、始動入賞があった場合に、各種乱数カウンタが示す値の保留処理と、その保留された各種乱数カウンタが示す値から、特別図柄における抽選結果の先読みを実行するための処理である。
始動入賞処理が実行されると、まず、球が第1入球口64に入賞(始動入賞)したか否かを判定する(S401)。ここでは、第1入球口64への入球を3回のタイマ割込処理にわたって検出する。そして、球が第1入球口64に入賞したと判別されると(S401:Yes)、特別図柄保留球数カウンタ203cの値(特別図柄における変動表示の保留回数N)を取得する(S402)。そして、特別図柄保留球数カウンタ203cの値(N)が上限値(本実施形態では4)未満であるか否かを判定する(S403)。
そして、第1入球口64への入賞がないか(S401:No)、或いは、第1入球口64への入賞があっても特別図柄保留球数カウンタ203cの値(N)が4未満でなければ(S403:No)、S415の処理へ移行する。一方、第1入球口64への入賞があり(S401:Yes)、且つ、特別図柄保留球数カウンタ203cの値(N)が4未満であれば(S403:Yes)、特別図柄保留球数カウンタ203cの値(N)を1加算する(S404)。そして、演算により変更された特別図柄保留球数カウンタ203cの値を示す保留球数コマンドを設定する(S405)。
ここで設定された保留球数コマンドは、RAM203に設けられたコマンド送信用のリングバッファに記憶され、MPU201により実行される後述のメイン処理(図31参照)の外部出力処理(S901)の中で、音声ランプ制御装置113に向けて送信される。音声ランプ制御装置113は、保留球数コマンドを受信すると、その保留球数コマンドから特別図柄保留球数カウンタ203cの値を抽出し、抽出した値をRAM223の特別図柄保留球数カウンタ223bに格納する。
S405の処理により保留球数コマンドを設定した後は、上述したタイマ割込処理のS103で更新した第1当たり乱数カウンタC1、第1当たり種別カウンタC2及び停止種別選択カウンタC3の各値を、RAM203の特別図柄保留球格納エリア203aの空き保留エリア(保留第1エリア〜保留第4エリア)のうち最初のエリアに格納する(S406)。なお、S406の処理では、特別図柄保留球カウンタ203cの値を参照し、その値が0であれば、保留第1エリアを最初のエリアとする。同様に、その値が1であれば保留第2エリアを、その値が2であれば保留第3エリアを、その値が3であれば保留第4エリアを、それぞれ最初のエリアとする。
次いで、S406の処理で格納された各種カウンタ値に基づいて、特別図柄における抽選の当否(大当たりか否か)と、その停止種別(大当たりの場合には大当たり種別)と、その変動パターンとを予測する(S407)。
S407の処理によって、特別図柄における抽選の当否と、停止種別(大当たりの場合には大当たり種別)と、変動パターンとが予測されたら、次に、予測した抽選の当否と、予測した停止種別と、予測した変動パターンとを含む入賞情報コマンドを設定し(S408)、本処理を終了する。
ここで設定された入賞情報コマンドは、RAM203に設けられたコマンド送信用のリングバッファに記憶され、MPU201により実行される後述のメイン処理(図31参照)の外部出力処理(S901)の中で、音声ランプ制御装置113に向けて送信される。音声ランプ制御装置113は、入賞情報コマンドを受信すると、その入賞情報コマンドから、当否と、停止種別と、変動パターンとを抽出し、それらの情報を入賞情報として入賞情報格納エリア223aに格納する。
次に、図21のフローチャートを参照して、主制御装置110内のMPU201により実行される普通図柄変動処理(S106)について説明する。図27は、この普通図柄変動処理(S107)を示すフローチャートである。この普通図柄変動処理(S106)は、タイマ割込処理(図23参照)の中で実行され、第2図柄表示装置83において行う第2図柄の変動表示や、第1入球口64に付随する電動役物の開放時間などを制御するための処理である。
この普通図柄変動処理では、まず、今現在が、普通図柄(第2図柄)の当たり中であるか否かを判定する(S501)。普通図柄(第2図柄)の当たり中としては、第2図柄表示装置83において当たりを示す表示がなされている最中と、第1入球口64に付随する電動役物の開閉制御がなされている最中とが含まれる。判定の結果、普通図柄(第2図柄)の当たり中であれば(S501:Yes)、そのまま本処理を終了する。
一方、普通図柄(第2図柄)の当たり中でなければ(S501:No)、第2図柄表示装置83の表示態様が変動中であるか否かを判定し(S502)、第2図柄表示装置83の表示態様が変動中でなければ(S502:No)、普通図柄保留球数カウンタ203dの値(普通図柄における変動表示の保留回数M)を取得する(S503)。次に、普通図柄保留球数カウンタ203dの値(M)が0よりも大きいか否かを判別し(S504)、普通図柄保留球数カウンタ203dの値(M)が0であれば(S504:No)、そのまま本処理を終了する。一方、普通図柄保留球数カウンタ203dの値(M)が0でなければ(S504:Yes)、普通図柄保留球数カウンタ203dの値(M)を1減算する(S505)。
次に、普通図柄保留球格納エリア203bに格納されたデータをシフトする(S506)。S506の処理では、普通図柄保留球格納エリア203bの保留第1エリア〜保留第4エリアに格納されているデータを、実行エリア側に順にシフトさせる処理を行う。より具体的には、保留第1エリア→実行エリア、保留第2エリア→保留第1エリア、保留第3エリア→保留第2エリア、保留第4エリア→保留第3エリアといった具合に各エリア内のデータをシフトする。データをシフトした後は、普通図柄保留球格納エリア203bの実行エリアに格納されている第2当たり乱数カウンタC4の値を取得する(S507)。
次に、RAM203の時短中カウンタ203fの値が1以上であるかを判定する(S508)。なお、時短中カウンタ203fは、パチンコ機10が普通図柄の時短状態であるか否かを示すカウンタであり、時短中カウンタ203fの値が1以上であれば、パチンコ機10が普通図柄の時短状態であることを示し、時短中カウンタ203fの値が0であれば、パチンコ機10が普通図柄の通常状態であることを示す。
時短中カウンタ203fの値が1以上である場合は(S508:Yes)、今現在が、特別図柄の大当たり中であるか否かを判定する(S509)。特別図柄の大当たり中としては、第1図柄表示装置37及び第3図柄表示装置81において特別図柄の大当たり(特別図柄の大当たり遊技中も含む)を示す表示がなされている最中と、特別図柄の大当たり遊技終了後の所定時間の最中とが含まれる。判定の結果、特別図柄の大当たり中であれば(S509:Yes)、S511の処理に移行する。本実施形態では、特別図柄の大当たり中は、普通図柄の抽選が当たりとなりにくくなるように構成されている。これは、特別図柄の大当たり中(即ち、特別遊技状態中)は、遊技者が特定入賞口65aに入賞させようとして球を打つので、第1入球口64に付随する電動役物が開放されて、特定入賞口65aに入賞させようとした球が、第1入球口64に入ることをできるだけ抑制するためである。なお、特定入賞口65aは、第1入球口64の直ぐ下に設けられているので、特別図柄の大当たり中に第1入球口64に球が入ることを抑制していても、第1入球口64には球が多く入球する。その結果、殆どの場合、パチンコ機10が特別遊技状態に移行している間に、第1入球口64についての保留球数は最大(4回)になる。
S509の処理において、特別図柄の大当たり中でなければ(S509:No)、パチンコ機10が特別図柄の大当たり中でなくて、パチンコ機10が普通図柄の時短状態であるので、S507の処理で取得した第2当たり乱数カウンタC4の値と、高確率時用の第2当たり乱数テーブルと基づいて、普通図柄の当たりか否かの抽選結果を取得する(S510)。具体的には、第2当たり乱数カウンタC4の値と、高確率時用の第2当たり乱数テーブルに格納されている乱数値と比較する。上述したように、第2当たり種別カウンタC4の値が「5〜204」の範囲にあれば、普通図柄の当たりであると判定し、「0〜4,205〜239」の範囲にあれば、普通図柄の外れであると判定する(図11(c)参照)。
S508の処理において、時短中カウンタ203fの値が0である場合は(S508:No)、S511の処理へ移行する。S511の処理では、パチンコ機10が特別図柄の大当たり中であるか、または、パチンコ機10が普通図柄の通常状態であるので、S507の処理で取得した第2当たり乱数カウンタC4の値と、低確率時用の第2当たり乱数テーブルとに基づいて、普通図柄の当たりか否かの抽選結果を取得する(S511)。具体的には、第2当たり乱数カウンタC4の値と、低確率時用の第2当たり乱数テーブルに格納されている乱数値と比較する。上述したように、第2当たり種別カウンタC4の値が「5〜28」の範囲にあれば、普通図柄の当たりであると判定し、「0〜4,29〜239」の範囲にあれば、普通図柄の外れであると判定する(図11(c)参照)。
次に、S510またはS511の処理によって取得した普通図柄の抽選結果が、普通図柄の当たりであるかを判定し(S512)、普通図柄の当たりであると判定された場合には(S512:Yes)、当たり時の表示態様を設定する(S513)。このS513の処理では、第2図柄表示装置83における変動表示が終了した後に、停止図柄(第2図柄)として「○」の図柄が点灯表示されるように設定する。
そして、時短中カウンタ203fの値が1以上であるかを判定し(S514)、時短中カウンタ203fの値が1以上であれば(S514:Yes)、今現在が、特別図柄の大当たり中であるか否かを判定する(S515)。判定の結果、特別図柄の大当たり中であれば(S515:Yes)、S517の処理に移行する。本実施形態では、特別図柄の大当たり中は、球が第1入球口64に入ることをできるだけ抑制するために、普通図柄の当たりになった場合でも、普通図柄の外れとなった場合と同様に、電動役物の開放回数および開放時間が設定される。
S515の処理において、特別図柄の大当たり中でなければ(S515:No)、パチンコ機10が特別図柄の大当たり中でなくて、パチンコ機10が普通図柄の時短状態であるので、第1入球口64に付随する電動役物の開放期間を1秒間に設定すると共に、その開放回数を2回に設定し(S516)、S519の処理へ移行する。S514の処理において、時短中カウンタ203fの値が0である場合は(S514:No)、S517の処理へ移行する。S517の処理では、パチンコ機10が特別図柄の大当たり中であるか、又は、パチンコ機10が普通図柄の通常状態であるので、第1入球口64に付随する電動役物の開放期間を0.2秒間に設定すると共に、その開放回数を1回に設定し(S517)、S519の処理へ移行する。
S512の処理において、普通図柄の外れであると判定された場合には(S512:No)、外れ時の表示態様を設定する(S518)。このS518の処理では、第2図柄表示装置83における変動表示が終了した後に、停止図柄(第2図柄)として「×」の図柄が点灯表示されるように設定する。外れ時の表示態様の設定が終了したら、S519の処理へ移行する。
S519の処理では、時短中カウンタ203fの値が1以上であるかを判定し(S519)、時短中カウンタ203fの値が1以上であれば(S519:Yes)、第2図柄表示装置83における変動表示の変動時間を3秒間に設定して(S520)、本処理を終了する。一方、時短中カウンタ203fの値が0であれば(S519:No)、第2図柄表示装置83における変動表示の変動時間を30秒間に設定して(S521)、本処理を終了する。このように、特別図柄の大当たり中を除き、普通図柄の高確率時には、普通図柄の低確率時と比較して、変動表示の時間が「30秒→3秒」と非常に短くなり、更に、第1入球口64の解放期間が「0.2秒×1回→1秒間×2回」と非常に長くなるので、第1入球口64へ球が入球し易い状態となる。
S502の処理において、第2図柄表示装置83の表示態様が変動中であれば(S502:Yes)、第2図柄表示装置83において実行している変動表示の変動時間が経過したか否かを判別する(S522)。なお、ここでの変動時間は、第2図柄表示装置83において変動表示が開始される前に、S520の処理またはS521の処理によって予め設定された時間である。
S522の処理において、変動時間が経過していなければ(S522:No)、本処理を終了する。一方、S522の処理において、実行している変動表示の変動時間が経過していれば(S522:Yes)、第2図柄表示装置83の停止表示を設定する(S523)。S523の処理では、普通図柄の抽選が当たりとなって、S513の処理により表示態様が設定されていれば、第2図柄としての「○」図柄が、第2図柄表示装置83において停止表示(点灯表示)されるように設定される。一方、普通図柄の抽選が外れとなって、S518の処理により表示態様が設定されていれば、第2図柄としての「×」図柄が、第2図柄表示装置83において停止表示(点灯表示)されるように設定される。S523の処理により、停止表示が設定されると、次にメイン処理(図31参照)の第2図柄表示更新処理(S907参照)が実行された場合に、第2図柄表示装置83における変動表示が終了し、S513の処理またはS518の処理で設定された表示態様で、停止図柄(第2図柄)が第2図柄表示装置83に停止表示(点灯表示)される。
次に、第2図柄表示装置83において実行中の変動表示が開始されたときに、普通図柄変動処理によって行われた普通図柄の抽選結果(今回の抽選結果)が、普通図柄の当たりであるかを判定する(S524)。今回の抽選結果が普通図柄の当たりであれば(S524:Yes)、第1入球口64に付随する電動役物の開閉制御開始を設定し(S525)、本処理を終了する。S525の処理によって、電動役物の開閉制御開始が設定されると、次にメイン処理(図31参照)の電動役物開閉処理(S905参照)が実行された場合に、電動役物の開閉制御が開始され、S516の処理またはS517の処理で設定された開放時間および開放回数が終了するまで電動役物の開閉制御が継続される。一方、S524の処理において、今回の抽選結果が普通図柄の外れであれば(S524:No)、S525の処理をスキップして、本処理を終了する。
次に、図28のフローチャートを参照して、主制御装置110内のMPU201により実行されるスルーゲート通過処理(S107)を説明する。図28は、このスルーゲート通過処理(S107)を示すフローチャートである。このスルーゲート通過処理(S107)は、タイマ割込処理(図23参照)の中で実行され、第2入球口67における球の通過の有無を判断し、球の通過があった場合に、第2当たり乱数カウンタC4が示す値を取得し保留するための処理である。
スルーゲート通過処理では、まず、球が第2入球口67を通過したか否かを判定する(S601)。ここでは、第2入球口67における球の通過を3回のタイマ割込処理にわたって検出する。そして、球が第2入球口67を通過したと判定されると(S601:Yes)、普通図柄保留球数カウンタ203dの値(普通図柄における変動表示の保留回数M)を取得する(S602)。そして、普通図柄保留球数カウンタ203dの値(M)が上限値(本実施形態では4)未満であるか否かを判定する(S603)。
球が第2入球口67を通過していないか(S601:No)、或いは、球が第2入球口67を通過していても普通図柄保留球数カウンタ203dの値(M)が4未満でなければ(S603:No)、本処理を終了する。一方、球が第2入球口67を通過し(S601:Yes)、且つ、普通図柄保留球数カウンタ203dの値(M)が4未満であれば(S603:Yes)、普通図柄保留球数カウンタ203dの値(M)を1加算する(S604)。そして、上述したタイマ割込処理のS103で更新した第2当たり乱数カウンタC4の値を、RAM203の普通図柄保留球格納エリア203bの空き保留エリア(保留第1エリア〜保留第4エリア)のうち最初のエリアに格納して(S605)、本処理を終了する。なお、S605の処理では、普通図柄保留球カウンタ203dの値を参照し、その値が0であれば、保留第1エリアを最初のエリアとする。同様に、その値が1であれば保留第2エリアを、その値が2であれば保留第3エリアを、その値が3であれば保留第4エリアを、それぞれ最初のエリアとする。
図29は、主制御装置110内のMPU201により実行されるNMI割込処理を示すフローチャートである。NMI割込処理は、停電の発生等によるパチンコ機10の電源遮断時に、主制御装置110のMPU201により実行される処理である。このNMI割込処理により、電源断の発生情報がRAM203に記憶される。即ち、停電の発生等によりパチンコ機10の電源が遮断されると、停電信号SG1が停電監視回路252から主制御装置110内のMPU201のNMI端子に出力される。すると、MPU201は、実行中の制御を中断してNMI割込処理を開始し、電源断の発生情報の設定として、電源断の発生情報をRAM203に記憶し(S701)、NMI割込処理を終了する。
なお、上記のNMI割込処理は、払出発射制御装置111でも同様に実行され、かかるNMI割込処理により、電源断の発生情報がRAM213に記憶される。即ち、停電の発生等によりパチンコ機10の電源が遮断されると、停電信号SG1が停電監視回路252から払出制御装置111内のMPU211のNMI端子に出力され、MPU211は実行中の制御を中断して、NMI割込処理を開始するのである。
次に、図30を参照して、主制御装置110に電源が投入された場合に主制御装置110内のMPU201により実行される立ち上げ処理について説明する。図30は、この立ち上げ処理を示すフローチャートである。この立ち上げ処理は電源投入時のリセットにより起動される。立ち上げ処理では、まず、電源投入に伴う初期設定処理を実行する(S801)。例えば、スタックポインタに予め決められた所定値を設定する。次いで、サブ側の制御装置(音声ランプ制御装置113、払出制御装置111等の周辺制御装置)が動作可能な状態になるのを待つために、ウエイト処理(本実施形態では1秒)を実行する(S802)。そして、RAM203のアクセスを許可する(S803)。
その後は、電源装置115に設けたRAM消去スイッチ122(図3参照)がオンされているか否かを判別し(S804)、オンされていれば(S804:Yes)、処理をS810へ移行する。一方、RAM消去スイッチ122がオンされていなければ(S804:No)、更にRAM203に電源断の発生情報が記憶されているか否かを判別し(S805)、記憶されていなければ(S805:No)、前回の電源遮断時の処理が正常に終了しなかった可能性があるので、この場合も、処理をS810へと移行する。
RAM203に電源断の発生情報が記憶されていれば(S805:Yes)、RAM判定値を算出し(S806)、算出したRAM判定値が正常でなければ(S807:No)、即ち、算出したRAM判定値が電源遮断時に保存したRAM判定値と一致しなければ、バックアップされたデータは破壊されているので、かかる場合にも処理をS810へ移行する。なお、メイン処理(図26参照)のS914の処理で後述する通り、RAM判定値は、例えばRAM203の作業領域アドレスにおけるチェックサム値である。このRAM判定値に代えて、RAM203の所定のエリアに書き込まれたキーワードが正しく保存されているか否かによりバックアップの有効性を判断するようにしても良い。
S810の処理では、サブ側の制御装置(周辺制御装置)となる払出制御装置111を初期化するために払出初期化コマンドを送信する(S810)。払出制御装置111は、この払出初期化コマンドを受信すると、RAM213のスタックエリア以外のエリア(作業領域)をクリアし、初期値を設定して、遊技球の払い出し制御を開始可能な状態となる。主制御装置110は、払出初期化コマンドの送信後は、RAM203の初期化処理(S811,S812)を実行する。
上述したように、本パチンコ機10では、例えばホールの営業開始時など、電源投入時にRAMデータを初期化する場合にはRAM消去スイッチ122を押しながら電源が投入される。従って、立ち上げ処理の実行時にRAM消去スイッチ122が押されていれば、RAMの初期化処理(S811,S812)を実行する。また、電源断の発生情報が設定されていない場合や、RAM判定値(チェックサム値等)によりバックアップの異常が確認された場合も同様に、RAM203の初期化処理(S811,S812)を実行する。RAMの初期化処理(S811,S812)では、RAM203の使用領域を0クリアし(S811)、その後、RAM203の初期値を設定する(S812)。RAM203の初期化処理の実行後は、S813の処理へ移行する。
一方、RAM消去スイッチ122がオンされておらず(S804:No)、電源断の発生情報が記憶されており(S805:Yes)、更にRAM判定値(チェックサム値等)が正常であれば(S807:Yes)、RAM203にバックアップされたデータを保持したまま、電源断の発生情報をクリアする(S808)。次に、サブ側の制御装置(周辺制御装置)を駆動電源遮断時の遊技状態に復帰させるための復電時の払出復帰コマンドを送信し(S809)、S813の処理へ移行する。払出制御装置111は、この払出復帰コマンドを受信すると、RAM213に記憶されたデータを保持したまま、遊技球の払い出し制御を開始可能な状態となる。
S813の処理では、演出許可コマンドを音声ランプ制御装置113へ送信し、音声ランプ制御装置113および表示制御装置114に対して各種演出の実行を許可する。次いで、割込みを許可して(S814)、後述するメイン処理に移行する。
次に、図31を参照して、上記した立ち上げ処理後に主制御装置110内のMPU201により実行されるメイン処理について説明する。図31は、このメイン処理を示すフローチャートである。このメイン処理では遊技の主要な処理が実行される。その概要として、4m秒周期の定期処理としてS901〜S907の各処理が実行され、その残余時間でS910,S911のカウンタ更新処理が実行される構成となっている。
メイン処理においては、まず、タイマ割込処理(図23参照)の実行中に、RAM203に設けられたコマンド送信用のリングバッファに記憶されたコマンド等の出力データをサブ側の各制御装置(周辺制御装置)に送信する外部出力処理を実行する(S901)。具体的には、タイマ割込処理(図23参照)におけるS101のスイッチ読み込み処理で検出した入賞検知情報の有無を判別し、入賞検知情報があれば払出制御装置111に対して獲得球数に対応する賞球コマンドを送信する。また、特別図柄変動処理(図24参照)や始動入賞処理(図26参照)で設定された保留球数コマンドを音声ランプ制御装置113に送信する。また、始動入賞処理(図26参照)で設定された入賞情報コマンドを音声ランプ制御装置113に送信する。更に、この外部出力処理により、第3図柄表示装置81による第3図柄の変動表示に必要な変動パターンコマンド、停止種別コマンド等を音声ランプ制御装置113に送信する。また、大当たり制御処理(図32参照)で設定されたオープニングコマンド、ラウンド数コマンド、エンディングコマンドを音声ランプ制御装置113へ送信する。加えて、球の発射を行う場合には、発射制御装置112へ球発射信号を送信する。
次に、変動種別カウンタCS1の値を更新する(S902)。具体的には、変動種別カウンタCS1を1加算すると共に、そのカウンタ値が最大値(本実施形態では198)に達した際、0にクリアする。そして、変動種別カウンタCS1の更新値を、RAM203の該当するバッファ領域に格納する。
変動種別カウンタCS1の更新が終わると、払出制御装置111より受信した賞球計数信号や払出異常信号を読み込み(S903)、次いで、特別図柄の大当たり状態である場合に、大当たり演出の実行や、可変入賞装置65の特定入賞口(大開放口)65aを開放又は閉鎖するための大当たり制御処理を実行する(S904)。大当たり制御処理では、大当たり状態のラウンド毎に特定入賞口65aを開放し、特定入賞口65aの最大開放時間が経過したか、又は特定入賞口65aに球が規定数入賞したかを判定する。そして、これら何れかの条件が成立すると特定入賞口65aを閉鎖する。この特定入賞口65aの開放と閉鎖とを所定ラウンド数繰り返し実行する。なお、本実施形態では、大当たり制御処理(S904)をメイン処理において実行しているが、タイマ割込処理において実行しても良い。
次に、第1入球口64に付随する電動役物の開閉制御を行う電動役物開閉処理を実行する(S905)。電動役物開閉処理では、普通図柄変動処理(図27参照)のS525の処理によって電動役物の開閉制御開始が設定された場合に、電動役物の開閉制御を開始する。なお、この電動役物の開閉制御は、普通図柄変動処理におけるS516の処理、またはS517の処理で設定された開放時間および開放回数が終了するまで継続される。
次に、第1図柄表示装置37の表示を更新する第1図柄表示更新処理を実行する(S1006)。第1図柄表示更新処理では、特別図柄変動開始処理(図25参照)のS307の処理またはS309の処理によって変動パターンが設定された場合に、その変動パターンに応じた変動表示を、第1図柄表示装置37において開始する。本実施形態では、第1図柄表示装置37のLED37aの内、変動が開始されてから変動時間が経過するまでは、例えば、現在点灯しているLEDが赤であれば、その赤のLEDを消灯すると共に緑のLEDを点灯させ、緑のLEDが点灯していれば、その緑のLEDを消灯すると共に青のLEDを点灯させ、青のLEDが点灯していれば、その青のLEDを消灯すると共に赤のLEDを点灯させる。
なお、メイン処理は4ミリ秒毎に実行されるが、そのメイン処理の実行毎にLEDの点灯色を変更すると、LEDの点灯色の変化を遊技者が確認することができない。そこで、遊技者がLEDの点灯色の変化を確認することができるように、メイン処理が実行される毎にカウンタ(図示せず)を1カウントし、そのカウンタが100に達した場合に、LEDの点灯色の変更を行う。即ち、0.4s毎にLEDの点灯色の変更を行う。なお、カウンタの値は、LEDの点灯色が変更されたら、0にリセットされる。
また、第1図柄表示更新処理では、特別図柄変動開始処理(図25参照)のS307の処理またはS309の処理によって設定された変動パターンに対応する変動時間が終了した場合に、第1図柄表示装置37において実行されている変動表示を終了し、特別図柄変動開始処理(図25参照)のS306の処理またはS308の処理によって設定された表示態様で、停止図柄(第1図柄)を第1図柄表示装置37に停止表示(点灯表示)する。
次に、第2図柄表示装置83の表示を更新する第2図柄表示更新処理を実行する(S907)。第2図柄表示更新処理では、普通図柄変動処理(図27参照)のS520の処理またはS521の処理によって第2図柄の変動時間が設定された場合に、第2図柄表示装置83において変動表示を開始する。これにより、第2図柄表示装置83では、第2図柄としての「○」の図柄と「×」の図柄とを交互に点灯させる変動表示が行われる。また、第2図柄表示更新処理では、普通図柄変動処理(図27参照)のS523の処理によって第2図柄表示装置83の停止表示が設定された場合に、第2図柄表示装置83において実行されている変動表示を終了し、普通図柄変動処理(図27参照)のS513の処理またはS518の処理によって設定された表示態様で、停止図柄(第2図柄)を第2図柄表示装置83に停止表示(点灯表示)する。
その後は、RAM203に電源断の発生情報が記憶されているか否かを判別し(S908)、RAM203に電源断の発生情報が記憶されていなければ(S908:No)、停電監視回路252から停電信号SG1は出力されておらず、電源は遮断されていない。よって、かかる場合には、次のメイン処理の実行タイミングに至ったか否か、即ち今回のメイン処理の開始から所定時間(本実施形態では4m秒)が経過したか否かを判別し(S909)、既に所定時間が経過していれば(S909:Yes)、処理をS901へ移行し、上述したS901以降の各処理を繰り返し実行する。
一方、今回のメイン処理の開始から未だ所定時間が経過していなければ(S909:No)、所定時間に至るまで間、即ち、次のメイン処理の実行タイミングに至るまでの残余時間内において、第1初期値乱数カウンタCINI1、第2初期値乱数カウンタCINI2及び変動種別カウンタCS1の更新を繰り返し実行する(S910,S911)。
まず、第1初期値乱数カウンタCINI1と第2初期値乱数カウンタCINI2との更新を実行する(S910)。具体的には、第1初期値乱数カウンタCINI1と第2初期値乱数カウンタCINI2を1加算すると共に、そのカウンタ値が最大値(本実施形態では299、239)に達した際、0にクリアする。そして、第1初期値乱数カウンタCINI1と第2初期値乱数カウンタCINI2の更新値を、RAM203の該当するバッファ領域にそれぞれ格納する。次に、変動種別カウンタCS1の更新を、S902の処理と同一の方法によって実行する(S911)。
ここで、S901〜S907の各処理の実行時間は遊技の状態に応じて変化するため、次のメイン処理の実行タイミングに至るまでの残余時間は一定でなく変動する。故に、かかる残余時間を使用して第1初期値乱数カウンタCINI1と第2初期値乱数カウンタCINI2の更新を繰り返し実行することにより、第1初期値乱数カウンタCINI1と第2初期値乱数カウンタCINI2(即ち、第1当たり乱数カウンタC1の初期値、第2当たり乱数カウンタC4の初期値)をランダムに更新することができ、同様に変動種別カウンタCS1についてもランダムに更新することができる。
また、S908の処理において、RAM203に電源断の発生情報が記憶されていれば(S908:Yes)、停電の発生または電源のオフにより電源が遮断され、停電監視回路252から停電信号SG1が出力された結果、図29のNMI割込処理が実行されたということなので、S912以降の電源遮断時の処理が実行される。まず、各割込処理の発生を禁止し(S912)、電源が遮断されたことを示す電源断コマンドを他の制御装置(払出制御装置111や音声ランプ制御装置113等の周辺制御装置)に対して送信する(S913)。そして、RAM判定値を算出して、その値を保存し(S914)、RAM203のアクセスを禁止して(S915)、電源が完全に遮断して処理が実行できなくなるまで無限ループを継続する。ここで、RAM判定値は、例えば、RAM203のバックアップされるスタックエリア及び作業エリアにおけるチェックサム値である。
なお、S908の処理は、S901〜S907で行われる遊技の状態変化に対応した一連の処理の終了時、又は、残余時間内に行われるS910とS911の処理の1サイクルの終了時となるタイミングで実行されている。よって、主制御装置110のメイン処理において、各設定が終わったタイミングで電源断の発生情報を確認しているので、電源遮断の状態から復帰する場合には、立ち上げ処理の終了後、処理をS901の処理から開始することができる。即ち、立ち上げ処理において初期化された場合と同様に、処理をS901の処理から開始することができる。よって、電源遮断時の処理において、MPU201が使用している各レジスタの内容をスタックエリアへ退避したり、スタックポインタの値を保存したりしなくても、初期設定の処理(S801)において、スタックポインタが所定値(初期値)に設定されることで、S901の処理から開始することができる。従って、主制御装置110の制御負担を軽減することができると共に、主制御装置110が誤動作したり、暴走したりすることなく正確な制御を行うことができる。
次に、図32のフローチャートを参照して、主制御装置110内のMPU201により実行される大当たり制御処理(S904)を説明する。図32は、この大当たり制御処理(S904)を示すフローチャートである。この大当たり制御処理(S904)は、メイン割込処理(図31参照)の中で実行され、パチンコ機10が特別図柄の大当たり状態である場合に、大当たりに応じた各種演出の実行や、特定入賞口(大開放口)65aを開放又は閉鎖するための処理である。
大当たり制御処理では、まず、特別図柄の大当たりが開始されるかを判定する(S1001)。具体的には、特別図柄変動処理(図24参照)のS213の処理が実行され、特別図柄の大当たりの開始が設定されていれば、特別図柄の大当たりが開始されると判定する。S1001の処理において、特別図柄の大当たりが開始される場合には(S1001:Yes)、オープニングコマンドを設定して(S1002)、本処理を終了する。
ここで設定されたオープニングコマンドは、RAM203に設けられたコマンド送信用のリングバッファに記憶され、MPU201により実行されるメイン処理(図31参照)の外部出力処理(S901)の中で、音声ランプ制御装置113に向けて送信される。音声ランプ制御装置113は、オープニングコマンドを受信すると、表示用オープニングコマンドを表示制御装置114へ送信する。表示制御装置114によって表示用オープニングコマンドが受信されると、第3図柄表示装置81においてオープニング演出が開始される。
一方、S1001の処理において、特別図柄の大当たりが開始されない場合には(S1001:No)、特別図柄の大当たり中であるかを判定する(S1003)。特別図柄の大当たり中としては、第1図柄表示装置37及び第3図柄表示装置81において特別図柄の大当たり(特別図柄の大当たり遊技中も含む)を示す表示がなされている最中と、特別図柄の大当たり遊技終了後の所定時間の最中とが含まれる。S1003の処理において、特別図柄の大当たり中でなければ(S1003:No)、そのまま本処理を終了する。
一方、S1003の処理において、特別図柄の大当たり中であれば(1003:Yes)、新たなラウンドの開始タイミングであるかを判定する(S1004)。新たなラウンドの開始タイミングであれば(S1004:Yes)、特定入賞口(大開放口)65aを開放し(S1005)、新たに開始するラウンド数を示すラウンド数コマンドを設定する(S1006)。ラウンド数コマンドを設定した後は、本処理を終了する。ここで設定されたラウンド数コマンドは、RAM203に設けられたコマンド送信用のリングバッファに記憶され、MPU201により実行されるメイン処理(図31参照)の外部出力処理(S901)の中で、音声ランプ制御装置113に向けて送信される。音声ランプ制御装置113は、ラウンド数コマンドを受信すると、そのラウンド数コマンドからラウンド数を抽出する。そして、抽出したラウンド数に応じた表示用ラウンド数コマンドを表示制御装置114へ送信する。表示制御装置114によって表示用ラウンド数コマンドが受信されると、第3図柄表示装置81において新たなラウンド演出が開始される。
一方、S1004の処理において、新たなラウンドの開始タイミングでなければ(S1004:No)、特定入賞口(大開放口)65aの閉鎖条件が成立したかを判定する(S1007)。具体的には、特定入賞口(大開放口)65aを開放した後に所定時間(例えば、30秒)が経過した場合、または、特定入賞口(大開放口)65aを開放した後に球が所定数(例えば、10個)入賞した場合に、閉鎖条件が成立したと判定する。
S1007の処理において、特定入賞口(大開放口)65aの閉鎖条件が成立した場合には(S1007:Yes)、特定入賞口(大開放口)65aを閉鎖して(S1008)、本処理を終了する。一方、特定入賞口(大開放口)65aの閉鎖条件が成立していない場合には(S1007:No)、エンディング演出の開始タイミングであるかを判定する(S1009)。具体的には、通常時より多量の賞球の払い出しが行われる特別遊技状態(16ラウンド全て)が終了した場合に、エンディング演出の開始タイミングであると判定する。
S1009の処理において、エンディング演出の開始タイミングである場合には(S1009:Yes)、エンディングコマンドを設定し(S1010)、本処理を終了する。ここで設定されたエンディングコマンドは、RAM203に設けられたコマンド送信用のリングバッファに記憶され、MPU201により実行されるメイン処理(図31参照)の外部出力処理(S901)の中で、音声ランプ制御装置113に向けて送信される。音声ランプ制御装置113は、エンディングコマンドを受信すると、RAM223の入賞情報格納エリア223aに格納されている入賞情報に基づいて、エンディング演出の表示態様を選択する。そして、選択したエンディング演出の表示態様に応じた表示用エンディングコマンドを表示制御装置114へ送信する。表示制御装置114によって表示用エンディングコマンドが受信されると、第3図柄表示装置81においてエンディング演出が開始される。
一方、S1009の処理において、エンディングの開始タイミングでない場合には(S1009:No)、次いで、エンディング演出の終了タイミングであるか否かを判別する(S1011)。S1011の処理において、エンディング演出の終了タイミングであると判別した場合は(S1011:Yes)、次いで、今回の大当たりが大当たりAであるか否かを判別し(S1012)、大当たりAであれば(S1012:Yes)、大当たりAの終了後に特別図柄の高確率状態へと移行させるために、確変フラグ203eをオンに設定して(S1014)、処理をS1015へと移行する。
S1012の処理において、今回の大当たりが大当たりAでない(即ち、大当たりBである)と判別した場合は、大当たりBの終了後に普通図柄の時短状態へと移行させるために、時短中カウンタ203fの値に100を設定し(S1013)、処理をS1015へと移行する。S1013、またはS1014の処理後に実行されるS1015の処理では、大当たりの終了を設定して、本処理を終了する。
S1011の処理において、エンディング演出の終了タイミングでないと判別した場合は(S1011:No)、そのまま本処理を終了する。この大当たり制御処理(図32参照)により、大当たりに関する各種設定を行うことができる。
<第1実施形態における音声ランプ制御装置の制御処理について>
次に、図33から図39を参照して、音声ランプ制御装置113内のMPU221により実行される各制御処理を説明する。かかるMPU221の処理としては大別して、電源投入に伴い起動される立ち上げ処理と、その立ち上げ処理後に実行されるメイン処理とがある。
まず、図33を参照して、音声ランプ制御装置113内のMPU221により実行される立ち上げ処理を説明する。図33は、この立ち上げ処理を示したフローチャートである。この立ち上げ処理は電源投入時に起動される。
立ち上げ処理が実行されると、まず、電源投入に伴う初期設定処理を実行する(S1101)。具体的には、スタックポインタに予め決められた所定値を設定する。その後、電源断処理中フラグがオンしているか否かによって、今回の立ち上げ処理が瞬間的な電圧降下(瞬間的な停電、所謂「瞬停」)によって、S1318の電源断処理(図35参照)の実行途中に開始されたものであるか否かが判断される(S1102)。図35を参照して後述する通り、音声ランプ制御装置113は、主制御装置110から電源断コマンドを受信すると(図35のS1314参照)、S1318の電源断処理を実行する。かかる電源断処理の実行前に、電源断処理中フラグがオンされ、該電源断処理の終了後に、電源断処理中フラグはオフされる。よって、S1318の電源断処理が実行途中であるか否かは、電源断処理中フラグの状態によって判断できる。
電源断処理中フラグがオフであれば(S1102:No)、今回の立ち上げ処理は、電源が完全に遮断された後に開始されたか、瞬間的な停電が生じた後であってS1318の電源断処理の実行を完了した後に開始されたか、或いは、ノイズなどによって音声ランプ制御装置113のMPU221にのみリセットがかかって(主制御装置110からの電源断コマンドを受信することなく)開始されたものである。よって、これらの場合には、RAM223のデータが破壊されているか否かを確認する(S1103)。
RAM223のデータ破壊の確認は、次のように行われる。即ち、RAM223の特定の領域には、S1106の処理によって「55AAh」のキーワードとしてのデータが書き込まれている。よって、その特定領域に記憶されるデータをチェックし、該データが「55AAh」であればRAM223のデータ破壊は無く、逆に「55AAh」でなければRAM223のデータ破壊を確認することができる。RAM223のデータ破壊が確認されれば(S1103:Yes)、S1104へ移行して、RAM223の初期化を開始する。一方、RAM223のデータ破壊が確認されなければ(S1103:No)、S1108へ移行する。
なお、今回の立ち上げ処理が、電源が完全に遮断された後に開始された場合には、RAM223の特定領域に「55AAh」のキーワードは記憶されていないので(電源断によってRAM223の記憶は喪失するから)、RAM223のデータ破壊と判断され(S1103:Yes)、S1104へ移行する。一方、今回の立ち上げ処理が、瞬間的な停電が生じた後であってS1318の電源断処理の実行を完了した後に開始されたか、或いは、ノイズなどによって音声ランプ制御装置113のMPU221にのみリセットがかかって開始された場合には、RAM223の特定領域には「55AAh」のキーワードが記憶されているので、RAM223のデータは正常と判断されて(S1103:No)、S1108へ移行する。
電源断処理中フラグがオンであれば(S1102:Yes)、今回の立ち上げ処理は、瞬間的な停電が生じた後であって、S1318の電源断処理の実行途中に、音声ランプ制御装置113のMPU221にリセットがかかって開始されたものである。かかる場合は電源断処理の実行途中なので、RAM223の記憶状態は必ずしも正しくない。よって、かかる場合には制御を継続することはできないので、処理をS1104へ移行して、RAM223の初期化を開始する。
S1104の処理では、RAM223の全範囲の記憶領域をチェックする(S1104)。チェック方法としては、まず、1バイト毎に「0FFh」を書き込み、それを1バイト毎に読み出して「0FFh」であるか否かを確認し、「0FFh」であれば正常と判別する。かかる1バイト毎の書き込み及び確認を、「0FFh」に次いで、「55h」、「0AAh」、「00h」の順に行う。このRAM223の読み書きチェックにより、RAM223のすべての記憶領域が0クリアされる。
RAM223のすべての記憶領域について、読み書きチェックが正常と判別されれば(S1105:Yes)、RAM223の特定領域に「55AAh」のキーワードを書き込んで、RAM破壊チェックデータを設定する(S1106)。この特定領域に書き込まれた「55AAh」のキーワードを確認することにより、RAM223にデータ破壊があるか否かがチェックされる。一方、RAM223のいずれかの記憶領域で読み書きチェックの異常が検出されれば(S1105:No)、RAM223の異常を報知して(S1107)、電源が遮断されるまで無限ループする。RAM223の異常は、表示ランプ34により報知される。なお、音声出力装置226により音声を出力してRAM223の異常報知を行うようにしても良いし、表示制御装置114にエラーコマンドを送信して、第3図柄表示装置81にエラーメッセージを表示させるようにしてもよい。
S1108の処理では、電源断フラグがオンされているか否かを判別する(S1108)。電源断フラグはS1318の電源断処理の実行時にオンされる(図35のS1316参照)。つまり、電源断フラグは、S1318の電源断処理が実行される前にオンされるので、電源断フラグがオンされた状態でS1108の処理に至るのは、今回の立ち上げ処理が、瞬間的な停電が生じた後であってS1318の電源断処理の実行を完了した状態で開始された場合である。従って、かかる場合には(S1108:Yes)、音声ランプ制御装置113の各処理を初期化するためにRAMの作業エリアをクリアし(S1109)、RAM223の初期値を設定した後(S1110)、割込み許可を設定する(S1111)。なお、RAM223の作業エリアとしては、主制御装置110から受信したコマンド等を記憶する領域以外の領域をいう。
次いで、時間演出の実行期間を判別するための計時情報をRAM223の投入時刻格納エリア223eに格納するための時間設定処理を実行して(S1112)、メイン処理へ移行する。
一方、電源断フラグがオフされた状態でS1108の処理に至るのは、今回の立ち上げ処理が、例えば電源が完全に遮断された後に開始されたためにS1104からS1106の処理を経由してS1108の処理へ至ったか、或いは、ノイズなどによって音声ランプ制御装置113のMPU221にのみリセットがかかって(主制御装置110からの電源断コマンドを受信することなく)開始された場合である。よって、かかる場合には(S1108:No)、RAM223の作業領域のクリア処理であるS1109をスキップして、処理をS1110へ移行し、RAM223の初期値を設定した後(S1110)、割込み許可を設定して(S1111)、時間設定処理を実行し(S1112)、メイン処理へ移行する。
なお、S1109のクリア処理をスキップするのは、S1104からS1106の処理を経由してS1108の処理へ至った場合には、S1104の処理によって、既にRAM223のすべての記憶領域はクリアされているし、ノイズなどによって音声ランプ制御装置113のMPU221にのみリセットがかかって、立ち上げ処理が開始された場合には、RAM223の作業領域のデータをクリアせず保存しておくことにより、音声ランプ制御装置113の制御を継続できるからである。
次に、図34を参照して、音声ランプ制御装置113の立ち上げ処理後に音声ランプ制御装置113内のMPU221により実行される時間設定処理(S1114)について説明を行う。この時間設定処理(S1114)は、電源投入を行った時刻に対応する計時情報を記憶するための処理である。本処理により取得された計時情報が、後述する音声ランプ制御装置113のメイン処理の中で行われる経過時間確認処理(図35のS1311参照)において、電源投入からの経過時間を判断するために用いられる。
図34は、この時間設定処理(S1114)を示したフローチャートである。時間設定処理(S1114)が実行されると、まず、RAM消去スイッチ122(図3参照)がオンされているか否かを判別し(S1201)、オンされていれば(S1201:Yes)、RTC292のレジスタ352に設けられた時刻情報格納エリア352bから時刻情報を読み出して(S1202)、処理をS1204に移行する。
一方、S1201の処理において、RAM消去スイッチ122がオンされていない(即ち、オフである)と判別した場合は(S1201:No)、RTC292の計時する計時情報を計時レジスタ352aから読み出して(S1203)、処理をS1204へと移行する。S1204の処理では、S1202の処理、またはS1203の処理で読み出した時刻情報をRAM223の投入時刻格納エリア223eへ格納し(S1205)、本処理を終了する。
このように、立ち上げ処理によって、演出期間の種別を判断するための時刻情報(計時情報)がRAM223の投入時刻格納エリア223eへ格納されるので、ホールの複数のパチンコ機10において、電源を投入する(即ち、立ち上げ処理が行われる)タイミングを合わせておけば、各パチンコ機10の投入時刻格納エリア223eに時刻情報が格納されるタイミングも合わせることができる。投入時刻格納エリア223eに時刻情報が格納されるタイミングが合っていれば、各パチンコ機10において経過時間確認処理(図36参照)の中で算出される経過時間Tも合わせることができるので、その経過時間Tに基づいて通常演出期間から時間演出期間へ切り替えさせるタイミング、及び時間演出期間から通常演出期間へ切り替えさせるタイミングを合わせることができる。これにより、ホールの関係者は、ホールの複数のパチンコ機10に対して一斉に電源投入をしておくだけで、各パチンコ機10の演出期間を揃えることができる。よって、ホールの複数のパチンコ機10において、統一感の有る演出を表示させることができるので、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができる。
また、本実施形態では、RTC292の時刻情報から時刻を判断し、時間帯に応じて演出期間の種別を切り替えるのではなく、立ち上げ処理の際に取得した時刻情報と経過時間確認処理(図36参照)の中で取得される時刻情報とから経過時間Tを算出し、その経過時間Tに基づいて演出期間の種別を判断している。これにより、各パチンコ機10のRTC292の時刻情報が、経年劣化等で互いにずれてしまっていたとしても、その互いにずれた計時情報を演出期間の種別の判断に直接用いるのではなく、経過時間Tという相対的な値に変換して演出期間の種別の判断に用いることができるので、ずれの影響を少なくすることができる。よって、複数のパチンコ機10において、経過時間Tに基づいて通常演出期間から時間演出期間へ切り替えるタイミング、及び時間演出期間から通常演出期間へ切り替えるタイミングを合わせることができる。従って、各パチンコ機10の演出期間を揃えることができるので、一部のパチンコ機10は通常演出期間となり、その他のパチンコ機10は時間演出期間となることで、遊技を行っている遊技者が他のパチンコ機10と異なる演出態様で演出が実行されていることに対して違和感を抱いてしまうことを抑制することができる。
更に、本実施形態のパチンコ機10では、RAM消去スイッチ122がオンされた状態でパチンコ機10の電源が投入された場合に、時刻情報格納エリア352bに記憶された時刻情報がRAMの時刻情報格納エリア223fへ格納される。時刻情報格納エリア352bには、電源遮断時にRAM223の投入時刻格納エリア223eに格納されていた時刻情報が格納されるので(図35のS1317参照)、RAM消去スイッチ122をオンした状態で電源を投入することにより、電源の遮断時に投入時刻格納エリア223eに格納されていた時刻情報をそのまま復帰させることができる。
これにより、例えばパチンコ機10の故障により基板交換が必要になったり、立ち入り検査が行われる等の理由により、営業中に一のパチンコ機10を電断状態とする必要が生じた場合であっても、RAM消去スイッチ122を押下した状態で電源を再度投入するだけで、前回RAM消去スイッチ122を押下せずに電源を投入した際に時刻取得処理によりRAM223の投入時刻格納エリア223eへ格納され、電断状態とする際にRTC292の時刻情報格納エリア352bへ記憶された時刻情報(計時情報)を、再度RAM223の投入時刻格納エリア223eへ格納させることができる。よって、ホールの複数のパチンコ機10に対して、RAM消去スイッチ122を押下せずに一斉に電源を投入しておけば、その後に一のパチンコ機10が電断状態とされた場合であっても、そのパチンコ機10へ電源を再投入する際にRAM消去スイッチ122を押下するだけで、一斉に電源を投入した際の時刻情報(計時情報)を投入時刻格納エリア223eに格納させることができる。よって、電源投入の前後で、同一の時刻情報(計時情報)に基づいて経過時間Tを判別することができる。従って、他の遊技機と同じ経過時間Tに基づいて通常演出期間から時間演出期間へ切り替えさせるタイミング、及び時間演出期間から通常演出期間へ切り替えさせるタイミングを合わせることができるので、電断状態とされたパチンコ機10のみ演出態様を切り替えられるタイミングがずれてしまうことを抑制でき、時間演出期間において統一感のある演出を実行させることができる。
なお、本実施形態のパチンコ機10では、時間設定処理において(図34参照)、RAM消去スイッチ122が押下されていると判別した場合に、RTC292の時刻情報格納エリア352bに記憶された時刻情報を読み出して(S1202参照)、RAM223の投入時刻格納エリア223eへ格納するように制御しているが(S1205参照)、この形態に限られるものではない。例えば、RAM消去スイッチ122とは異なる時刻取得処理で専用に用いられるスイッチ手段を設けておき、時間設定処理(図34参照)において、そのスイッチ手段がオンであった場合にRTC292の時刻情報格納エリア352bに記憶された時刻情報を読み出すように構成しても良い。
これにより、電断状態とされる前にRAM223に記憶されていた情報を保持したまま、RTC292の時刻情報格納エリア352bに記憶された時刻情報をRAM223の投入時刻格納エリア223eへ格納することができる。よって、保留球が残っている状態で電断状態とされた場合や、特別図柄の高確率状態中に電断状態とされた場合であっても、電源の再投入に基づいて、残っていた保留球が消滅してしまったり、特別図柄の高確率状態から低確率状態へ移行してしまったりすることを抑制することができるので、遊技者に不利益が発生することを某誌(抑制)することができる。
また、RAM消去スイッチ122等のスイッチ手段を用いるのではなく、RTC292の計時する時刻が所定の時間帯であった場合に、パチンコ機10に対する電源投入に基づいてRTC292の時刻情報格納エリア352bに記憶された時刻情報を読み出し、RAM223の投入時刻格納エリア223eへ格納するように構成しても良い。また、所定の時間帯以外の時間帯では、パチンコ機10に対する電源投入に基づいて、RTC292の計時する計時情報を計時レジスタ352aから読み出し、RAM223の投入時刻格納エリア223eへ格納するように構成してもよい。この場合において、所定の時間帯としては、例えば10:00〜22:45のようにホールの営業時間を設定しても良い。
このように構成しておけば、所定の時間帯の開始前(10:00よりも前)にパチンコ機10に対して一斉に電源投入を行うだけで、現在時刻に対応する時刻情報(計時情報)を各パチンコ機10の投入時刻格納エリア223eへと格納できるので電源投入を行った各パチンコ機10の把握する経過時間を合わせることができる。よって、時間演出の演出期間を合わせることができる。また、所定の時間帯(ホールの営業期間中)にパチンコ機10の電源を遮断した場合は、再度電源を投入するだけで、一斉に電源投入した際にRAM223の投入時刻格納エリア223eへ格納されていた時刻情報(計時情報)を復帰させることができる。つまり、RAM消去スイッチ122の押下等の特別な操作をせずに、電源が遮断されたパチンコ機10と、電源が遮断されていないパチンコ機10とで時間演出の演出期間を合わせることができる。
よって、ホールの従業員が、営業時間中に電断状態とされたパチンコ機10に対し、ミスによりRAM消去スイッチ122をオンとせずに再度電源を投入してしまうことで、その電源の再投入を行った時刻がRAM233の投入時刻格納エリア223eに格納されてしまい、経過時間Tが電断状態とされなかった他のパチンコ機10とずれてしまうことを防止(抑制)できる(ヒューマンエラーを防止できる)。よって、営業時間中に電断状態とされたパチンコ機10と、電断状態とされなかったパチンコ機10とで、演出期間が切り替えられるタイミングを確実に合わせることができる。また、特別な操作を要しないので、ホールの従業員の手間を軽減することができる。
次に、図35を参照して、音声ランプ制御装置113の立ち上げ処理後に音声ランプ制御装置113内のMPU221により実行されるメイン処理について説明する。図35は、このメイン処理を示したフローチャートである。メイン処理が実行されると、まず、メイン処理が開始されてから、又は、前回のS1301の処理が実行されてから1m秒以上が経過したか否かが判別され(S1301)、1m秒以上経過していなければ(S1301:No)、S1302〜S1311の処理を行わずにS1312の処理へ移行する。S1301の処理で、1m秒経過したか否かを判別するのは、S1302〜S1311が主に表示(演出)に関する処理であり、短い周期(1m秒以内)で編集する必要がないのに対して、S1312のコマンド判定処理や、S1313の変動表示設定処理を短い周期で実行する方が好ましいからである。S1312の処理が短い周期で実行されることにより、主制御装置110から送信されるコマンドの受信洩れを防止でき、S1313の処理が短い周期で実行されることにより、コマンド判定処理によって受信されたコマンドに基づき、変動演出に関する設定を遅滞なく行うことができる。
S1301の処理で1m秒以上経過していれば(S1301:Yes)、まず、S1303〜S1313の処理によって設定された、表示制御装置114に対する各種コマンドを、表示制御装置114に対して送信する(S1302)。次いで、表示ランプ34の点灯態様の設定や後述するS1308の処理で編集されるランプの点灯態様となるよう各ランプの出力を設定し(S1303)、その後電源投入報知処理を実行する(S1304)。電源投入報知処理は、電源が投入された場合に所定の時間(例えば30秒)電源が投入されたことを知らせる報知を行うものであり、その報知は音声出力装置226やランプ表示装置227により行われる。また、第3図柄表示装置81の画面において電源が供給されたことを報知するようコマンドを表示制御装置114に送信するものとしても良い。なお、電源投入時でなければ、電源投入報知処理による報知は行わずにS1305の処理へ移行する。
S1305の処理では客待ち演出処理が実行され、その後、保留個数表示更新処理が実行される(S1306)。客待ち演出処理では、パチンコ機10が遊技者により遊技されない時間が所定時間経過した場合に、第3図柄表示装置81の表示をタイトル画面に切り替える設定などが行われ、その設定がコマンドとして表示制御装置114に送信される。保留個数表示更新処理では、特別図柄保留球数カウンタ223bの値に応じて保留ランプ(図示せず)を点灯させる処理が行われる。
その後、枠ボタン入力監視・演出処理が実行される(S1307)。この枠ボタン入力監視・演出処理では、演出効果を高めるために遊技者に操作される枠ボタン228が押されたか否かの入力を監視し、枠ボタン228の入力が確認された場合に対応した演出を行うよう設定する処理である。この処理では、枠ボタン228の遊技者による操作が検出されると、表示制御装置114に対して枠ボタン228が操作されたことを通知する枠ボタン操作コマンドを設定する。
また、変動演出が未実行の期間や、高速変動期間中に枠ボタン228が押された場合は、ステージを変更する処理を行い、表示制御装置114に対する背面画像変更コマンドを設定する。この背面画像変更コマンドに、変更後のステージに対応する背面画像の種別に関する情報を含めることにより、表示制御装置114において、第3図柄表示装置81に表示される背面画像を、ステージに応じた画像に変更する処理が行われる。また、変動表示開始時に予告キャラが出現した場合に枠ボタン228を押すことで今回の変動による大当たりの期待値を表示したり、リーチ演出中に枠ボタン228を押すことで大当たりへの期待感を持てる演出に変更したり、枠ボタン228を複数のリーチ演出のうち1のリーチ演出を選択するための決定ボタンとしても良い。なお、枠ボタン228が配設されていない場合には、S1307の処理は省略される。
枠ボタン入力監視・演出処理が終わると、ランプ編集処理を実行し(S1308)、その後音編集・出力処理を実行する(S1309)。ランプ編集処理では、第3図柄表示装置81で行われる表示に対応するよう電飾部29〜33の点灯パターンなどが設定される。音編集・出力処理では、第3図柄表示装置81で行われる表示に対応するよう音声出力装置226の出力パターンなどが設定され、その設定に応じて音声出力装置226から音が出力される。
S1309の処理後、液晶演出実行管理処理が実行される(S1310)。液晶演出実行管理処理では、主制御装置110から送信される変動パターンコマンドに基づいて第3図柄表示装置81で行われる変動表示に要する時間と同期した時間が設定される。この液晶演出実行監視処理で設定された時間に基づいてS1308のランプ編集処理が実行される。なお、S1309の音編集・出力処理も第3図柄表示装置81で行われる変動表示に要する時間と同期した時間で実行される。
S1310の処理が終了すると、経過時間確認処理が実行される(S1311)。この経過時間確認処理では、RTC292の時刻情報(計時情報)に基づいて現在の演出期間が判別される。この経過時間確認処理(S1311)の詳細については、図36を参照して後述する。
S1312の処理では、主制御装置110より受信したコマンドに応じた処理を行うコマンド判定処理が実行される(S1312)。このコマンド判定処理の詳細については、図37を参照して後述する。そして、コマンド判定処理の後、変動表示設定処理が実行される(S1313)。変動表示設定処理では、第3図柄表示装置81において変動演出を実行させるために、主制御装置110より受信した変動パターンコマンドに基づいて表示用変動パターンコマンドが生成されて設定される。その結果、そのコマンドが表示制御装置114に送信される。なお、この変動表示設定処理の詳細については、図39を参照して後述する。
S1313の処理が終わると、ワークRAM233に電源断の発生情報が記憶されているか否かを判別する(S1314)。電源断の発生情報は、主制御装置110から電源断コマンドを受信した場合に記憶される。S1314の処理において、電源断の発生情報が記憶されていると判別した場合は(S1314:Yes)、電源断フラグ及び電源断処理中フラグを共にオンして(S1316)、RAM223の投入時刻格納エリア223eに格納されている時刻情報を、RTC292の時刻情報格納エリア352bへ書き込み(S1317)、電源断処理を実行する(S1318)。電源断処理の実行後は、電源断処理中フラグをオフし(S1319)、その後、処理を、無限ループする。電源断処理では、割込処理の発生を禁止すると共に、各出力ポートをオフして、音声出力装置226およびランプ表示装置227からの出力をオフする。また、電源断の発生情報の記憶も消去する。
一方、S1314の処理で電源断の発生情報が記憶されていなければ(S1314:No)、RAM223に記憶されるキーワードに基づき、RAM223が破壊されているか否かが判別され(S1315)、RAM223が破壊されていなければ(S1315:No)、S1301の処理へ戻り、繰り返しメイン処理が実行される。一方、RAM223が破壊されていれば(S1315:Yes)、以降の処理の実行を停止させるために、処理を無限ループする。ここで、RAM破壊と判別されて無限ループするとメイン処理が実行されないので、その後、第3図柄表示装置81による表示が変化しない。よって、遊技者は、異常が発生したことを知ることができるので、ホールの店員などを呼びパチンコ機10の修復などを頼むことができる。また、RAM223が破壊されていると確認された場合に、音声出力装置226やランプ表示装置227によりRAM破壊の報知を行うものとしても良い。
次に、図36を参照して、音声ランプ制御装置113内のMPU221により実行される経過時間確認処理(S1311)について説明する。図36は、この経過時間確認処理(S1311)を示したフローチャートである。この経過時間確認処理(S1311)では、音声ランプ制御装置113内のMPU221により実行されるメイン処理(図35参照)の中で実行され、上述したように、RTC292の時刻情報(計時情報)に基づいて現在の演出期間(通常演出期間であるか、時間演出期間であるか)が判別される。
経過時間確認処理(S1311)では、まず、RTC292の計時レジスタ352aより現在時刻の情報を読み出し(S1401)、読み出した現在時刻と、RAM223の投入時刻格納エリア223eに格納されている時刻情報とに基づいて、電源投入からの経過時間Tを算出する(S1402)。ここで、経過時間Tの算出方法としては、RTC292の計時レジスタ352aより読み出した現在時刻を示す情報から、RAM223の投入時刻格納エリア223eに格納されている時刻情報を減算すればよい。例えば、計時レジスタ352aより読み出した現在時刻の情報がAM10:15を示す情報であり、投入時刻格納エリア223eに格納されている時刻情報がAM9:00を示す情報であった場合、経過時間Tは10:15と9:00との差分を取って、75分と算出される。
そして、算出した経過時間Tと、ROM222の時間演出テーブル222b(図14参照)とに基づいて、現在の演出期間を特定し(S1403)、現在の演出期間が時間演出期間であるか否かを判別する(S1404)。
S1404の処理の結果、時間演出期間でない(即ち、通常演出期間である)と判別された場合には(S1404:No)、時間演出フラグ223fがオンであるか否かを判別する(S1405)。時間演出フラグ223fがオンであった場合は(S1405:Yes)、今回のメイン処理において、時間演出期間から通常演出期間へ切り替わったことを意味するので、時間演出フラグ223fをオフする(S1406)。次に、第3図柄表示装置81に表示される背面画像を通常の背面画像(背面A)に設定するための背面画像変更コマンドを設定し(S1407)、本処理を終了する。また、S1405の処理において、時間演出フラグ223fがオフであった場合は(S1405:No)、そのまま本処理を終了する。
一方、S1404の処理の結果、時間演出期間であると判断された場合は(S1404:Yes)、時間演出フラグ223fがオンであるか否かを判別し(S1408)、時間演出フラグ223fがオンであった場合は(S1408:Yes)、本処理を終了する。また、時間演出フラグ223fがオフであった場合は(S1408:No)、今回のメイン処理において、通常演出期間から時間演出期間へ切り替わったことを意味するので、時間演出フラグ223fをオンにする(S1409)。次に、第3図柄表示装置81に表示される背面画像を時間演出に対応する背面画像に変更するための背面画像変更コマンドを設定して(S1410)、本処理を終了する。
本実施形態のパチンコ機10において、時間演出フラグ223fの切り替えは、演出期間が切り替わる際に行っているが、これに限られるものではない。例えば、背面画像が1枚絵の固定画像のような単純な画像である場合(スクロール等により背面画像が変化しない場合)は、経過時間確認処理の度に時間演出フラグ223fの更新と、表示用背面画像変更コマンドの設定とを行っても良い。
次に、図37を参照して、音声ランプ制御装置113内のMPU221により実行されるコマンド判定処理(S1312)について説明する。図37は、このコマンド判定処理(S1312)を示したフローチャートである。このコマンド判定処理(S1312)は、音声ランプ制御装置113内のMPU221により実行されるメイン処理(図35参照)の中で実行され、上述したように、主制御装置110から受信したコマンドを判定する。
コマンド判定処理では、まず、RAM223に設けられたコマンド記憶領域から、未処理のコマンドのうち主制御装置110より受信した最初のコマンドを読み出し、解析して、主制御装置110より変動パターンコマンドを受信したか否かを判定する(S1501)。変動パターンコマンドを受信した場合には(S1501:Yes)、RAM223に設けられた変動開始フラグ223cをオンし(S1502)、また、受信した変動パターンコマンドから変動パターン種別を抽出するための変動パターン選択処理を実行して(S1503)、メイン処理に戻る。ここで抽出された変動パターン種別は、RAM223に記憶され、後述の変動表示設定処理(図39参照)が実行される場合に参照される。そして、表示制御装置114に対して変動演出の開始とその変動パターン種別を通知する表示用変動パターンコマンドを設定するために用いられる。
一方、変動パターンコマンドを受信していない場合には(S1501:No)、次いで、主制御装置110より停止種別コマンドを受信したか否かを判定する(S1504)。そして、停止種別コマンドを受信した場合には(S1504:Yes)、RAM223の停止種別選択フラグ223dをオンに設定し(S1505)、受信した停止種別コマンドから停止種別を抽出して(S1506)、メイン処理に戻る。ここで抽出された停止種別は、RAM223に記憶され、後述の変動表示設定処理(図39参照)が実行される場合に参照される。そして、表示制御装置114に対して変動演出の停止種別を通知する表示用停止種別コマンドを設定するために用いられる。
一方、停止種別コマンドを受信していない場合には(S1504:No)、次いで、主制御装置110より保留球数コマンドを受信したか否かを判定する(S1507)。そして、保留球数コマンドを受信した場合には(S1507:Yes)、受信した保留球数コマンドに含まれている値、即ち、主制御装置110の特別図柄保留球数カウンタ203cの値(特別図柄における変動表示の保留回数N)を抽出し、これを音声ランプ制御装置113の特別図柄保留球数カウンタ223bに格納する(S1508)。また、S1508の処理では、更新された特別図柄保留球数カウンタ223bの値を表示制御装置114へ通知するための表示用保留球数コマンドを設定する。S1508の処理の終了後は、メイン処理に戻る。
ここで、保留球数コマンドは、球が第1入球口64に入賞(始動入賞)したとき、又は、特別図柄の抽選が行われたときに主制御装置110から送信されるので、始動入賞が検出される毎に、又は、特別図柄の抽選が行われる毎に、S1508の処理によって音声ランプ制御装置113の特別図柄保留球数カウンタ223bの値を主制御装置110の特別図柄保留球数カウンタ203cの値に合わせることができる。よって、ノイズなどの影響により、音声ランプ制御装置113の特別図柄保留球数カウンタ223bの値が主制御装置110の特別図柄保留球数カウンタ203cの値とずれても、始動入賞の検出時や特別図柄の抽選時に、音声ランプ制御装置113の特別図柄保留球数カウンタ223bの値を修正し、主制御装置110の特別図柄保留球数カウンタ203cの値に合わせることができる。なお、S1408の処理が実行されると、更新された特別図柄保留球数カウンタ223bの値を表示制御装置114へ通知するための表示用保留球数コマンドが設定される。これにより、表示制御装置114では、保留球数に応じた保留球数図柄が第3図柄表示装置81に表示される。
S1507の処理において、保留球数コマンドを受信していない場合には(S1507:No)、次いで、主制御装置110よりオープニングコマンドを受信したか否かを判定する(S1509)。そして、オープニングコマンドを受信した場合には(S1509:Yes)、第3図柄表示装置81においてオープニング演出を実行させるための、表示用オープニングコマンドを設定して(S1510)、メイン処理に戻る。ここで設定された表示用オープニングコマンドは、RAM223に設けられたコマンド送信用のリングバッファに記憶され、MPU221により実行されるメイン処理(図35参照)のコマンド出力処理(S1302)の中で、表示制御装置114に向けて送信される。表示制御装置114は、表示用オープニングコマンドを受信すると、第3図柄表示装置81においてオープニング演出を開始する。
一方、S1509の処理において、オープニングコマンドを受信していない場合には(S1509:No)、次いで、主制御装置110よりラウンド数コマンドを受信したか否かを判定する(S1511)。そして、ラウンド数コマンドを受信した場合には(S1511:Yes)、受信したラウンド数コマンドからラウンド数を抽出し(S1512)、その抽出したラウンド数に応じた表示用ラウンド数コマンドを設定して(S1513)、本処理を終了する。ここで設定された表示用ラウンド数コマンドは、RAM223に設けられたコマンド送信用のリングバッファに記憶され、MPU221により実行されるメイン処理(図35参照)のコマンド出力処理(S1302)の中で、表示制御装置114に向けて送信される。表示制御装置114は、表示用ラウンド数コマンドを受信すると、第3図柄表示装置81において新たなラウンド演出を開始する。
一方、S1511の処理において、ラウンド数コマンドを受信していない場合には(S1511:No)、次いで、主制御装置110よりエンディングコマンドを受信したか否かを判定するそして、エンディングコマンドを受信した場合には(S1514:Yes)、表示用エンディングコマンドを設定して(S1516)、本処理を終了する。ここで設定された表示用エンディングコマンドは、RAM223に設けられたコマンド送信用のリングバッファに記憶され、MPU221により実行されるメイン処理(図35参照)のコマンド出力処理(S1302)の中で、表示制御装置114に向けて送信される。表示制御装置114は、表示用エンディングコマンドを受信すると、第3図柄表示装置81においてエンディング演出を開始する。
一方、S1514の処理において、エンディングコマンドを受信していない場合には(S1514:No)、その他のコマンドを受信したか否かを判定し、その受信したコマンドに応じた処理を実行して(S1515)、メイン処理に戻る。例えば、その他のコマンドが、音声ランプ制御装置113で用いるコマンドであればそのコマンドに対応した処理を行い、処理結果をRAM223に記憶し、表示制御装置114で用いるコマンドであればそのコマンドを表示制御装置114に送信するように、コマンドの設定を行う。
本処理により、主制御装置110から出力されるコマンドに基づいて、表示制御装置114に対して各種設定を行うためのコマンドを設定することができる。
次に、図38を参照して、音声ランプ制御装置113内のMPU221により実行される変動パターン選択処理(S1503)について説明する。図38は、変動パターン選択処理(S1503)を示したフローチャートである。この変動パターン選択処理(S1503)は、音声ランプ制御装置113内のMPU221により実行されるコマンド判定処理の中で実行されるもので(図37のS1503参照)、変動パターンコマンドを受信した場合に、変動演出の態様を変動パターンテーブル222aから抽出するための処理である。
この変動パターン選択処理では、まず、RTC292の計時レジスタ352aから現在時刻に対応する時刻情報を取得し(S1601)、取得した時刻情報と、投入時刻格納エリア223eに格納されている電源投入時刻に対応する時刻情報とから、電源投入後の経過時間(T)を算出する(S1602)。
次いで、算出した経過時間(T)と、時間演出テーブル222bとに基づいて、次に時間演出が開始されるまでの残時間(t)を算出する(S1603)。例えば、経過時間(T)が0時間55分00秒であれば、次の時間演出は60分00秒に開始されるので、残時間(t)は、5分と算出される。そして、変動パターンテーブル222aを読み出して(S1604)、主制御装置110から出力された変動パターンコマンドにより通知された変動種別と、S1603の処理により算出した残時間(t)とに基づいて、変動パターンを抽出して(S1605)、本処理を終了する。
この変動パターン選択処理により、次回の時間演出までの残時間(t)を加味して変動パターン(変動表示)の態様を抽出することができるので、告知画像750(図6(b)参照)を遮蔽することなく変動表示を実行することができる。
次に、図39を参照して、音声ランプ制御装置113内のMPU221により実行される変動表示設定処理(S1313)について説明する。図39は、この変動表示設定処理(S1313)を示したフローチャートである。この変動表示設定処理(S1313)は、音声ランプ制御装置113内のMPU221により実行されるメイン処理(図35参照)の中で実行され、第3図柄表示装置81において変動演出を実行させるために、主制御装置110より受信した変動パターンコマンドに基づいて表示用変動パターンコマンドを生成し設定する。
変動表示設定処理では、まず、RAM223に設けられた変動開始フラグ223cがオンか否かを判別する(S1701)。そして、変動開始フラグ223cがオンではない(即ち、オフである)と判別された場合(S1701:No)、主制御装置110より変動パターンコマンドを受信していない状態であるので、S1706の処理へ移行する。一方、変動開始フラグ223cがオンであると判別された場合(S1701:Yes)、変動開始フラグ223cをオフし(S1702)、次いで、変動パターン選択処理(図38参照)において、変動パターンコマンドから抽出した変動演出における変動パターン種別を、RAM223より取得する(S1703)。
そして、取得した変動パターン種別に基づいて、表示制御装置114へ通知するための表示用変動パターンコマンドを生成して、そのコマンドを表示制御装置114へ送信するために設定する(S1704)。表示制御装置114では、この表示用変動パターンコマンドを受信することによって、この表示用変動パターンコマンドによって示される変動パターンで、第3図柄表示装置81において第3図柄の変動表示が行われるように、その変動演出の表示制御が開始される。
次いで、入賞情報格納エリア223aに格納されたデータをシフトする(S1705)。S1705の処理では、入賞情報格納エリア223aの第1エリア〜第4エリアに格納されているデータを、実行エリア側に順にシフトさせる処理を行う。より具体的には、第1エリア→実行エリア、第2エリア→第1エリア、第3エリア→第2エリア、第4エリア→第3エリアといった具合に各エリア内のデータをシフトする。データをシフトした後は、S1706の処理へ移行する。
S1706の処理では、RAM233に設けられた停止種別選択フラグ223dがオンか否かを判別する(S1706)。そして、停止種別選択フラグ223dがオンではない(即ち、オフである)と判別された場合(S1706:No)、主制御装置110より停止種別コマンドを受信していない状態であるので、この変動表示設定処理を終了し、メイン処理に戻る。一方、停止種別選択フラグ223dがオンであると判別された場合(S1706:Yes)、停止種別選択フラグ223dをオフし(S1707)、次いで、コマンド判定処理(図37参照)のS1506の処理において、停止種別コマンドから抽出された変動演出における停止種別を、RAM223より取得する(S1708)。
次に、主制御装置110からの停止種別コマンドによって指示された停止種別に基づいて、表示制御装置114へ通知するための表示用停止種別コマンドを生成して、そのコマンドを表示制御装置114へ送信するために設定して(S1709)、本処理を終了する。表示制御装置114では、この表示用停止種別コマンドを受信することによって、この表示用停止種別コマンドによって示される停止種別に応じた停止図柄が、第3図柄表示装置81で停止表示されるように、変動演出の停止表示が制御される。
<第1実施形態における表示制御装置の制御処理について>
次に、図40から図56を参照して、表示制御装置114のMPU231により実行される各制御について説明する。かかるMPU231の処理としては大別して、電源投入後から繰り返し実行されるメイン処理と、音声ランプ制御装置113よりコマンドを受信した場合に実行されるコマンド割込処理と、画像コントローラ237より1フレーム分の画像の描画処理が完了する20ミリ秒毎に送信されるV割込信号をMPU231が検出した場合に実行されるV割込処理とがある。MPU231は、通常、メイン処理を実行し、コマンドの受信やV割込信号の検出に合わせて、コマンド割込処理やV割込処理を実行する。なお、コマンドの受信とV割込信号の検出とが同時に行われた場合は、コマンド受信処理を優先的に実行する。これにより、音声ランプ制御装置113より受信したコマンドの内容を素早く反映して、V割込処理を実行させることができる。
まず、図40を参照して、表示制御装置114内のMPU231により実行されるメイン処理について説明する。図40は、このメイン処理を示したフローチャートである。メイン処理は、電源投入時の初期化処理を実行するものである。
このメイン処理の起動は、具体的には、以下の流れに従って行われる。電源回路115から表示制御装置114に対して電源が投入され、システムリセットが解除されると、MPU231は、そのハードウェア構成によって、MPU231内に設けられた命令ポインタ231aを「0000H」に設定すると共に、命令ポインタ231aにて示されるアドレス「0000H」をバスライン240に対して指定する。キャラクタROM234のROMコントローラ234bは、バスライン240に指定されたアドレスが「0000H」であることを検知すると、NOR型ROM234dの第1プログラム記憶エリア234d1に記憶されたブートプログラムをバッファRAM234cにセットして、対応するデータ(命令コード)をMPU231へ出力する。そして、MPU231は、キャラクタROM234から受け取った命令コードをフェッチし、そのフェッチした命令に応じた処理の実行を開始することで、メイン処理を起動する。
ここで、仮にシステムリセット解除後にMPU231によって最初に処理されるブートプログラムを全てNAND型フラッシュメモリ234aに記憶させた場合、キャラクタROM234は、バスライン240に指定されたアドレスが「0000H」であることを検知すると、アドレス「0000H」に対応するデータ(命令コード)を含む1ページ分のデータをNAND型フラッシュメモリ234aから読み出してバッファRAM234cにセットしなければならない。そして、NAND型フラッシュメモリ234aの性質上、その読み出しからバッファRAM234cへのセットに多大な時間を要するので、MPU231は、アドレス「0000H」を指定してからアドレス「0000H」に対応する命令コードを受け取るまでに多くの待ち時間を消費することとなる。よって、MPU231の起動にかかる時間が長くなるので、結果として、表示制御装置114における第3図柄表示装置81の制御が即座に開始されないおそれがあるという問題点が生じる。
これに対し、本実施形態のように、ブートプログラムのうち、システムリセット解除後にMPU231によって最初に処理すべき命令から所定数の命令がNOR型ROM234dに格納されることにより、NOR型ROMは高速にデータを読み出すことが可能なメモリであるため、システムリセット解除後にMPU231からバスライン240を介してアドレス「0000H」が指定されると、キャラクタROM234は即座にNOR型ROM234dの第1プログラム記憶エリア234d1に記憶されたブートプログラムをバッファRAM234cにセットして、対応するデータ(命令コード)をMPU231へ出力することができる。よって、MPU231は、アドレス「0000H」を指定してから短い時間でアドレス「0000H」に対応する命令コードを受け取ることができるので、MPU231においてメイン処理の起動を短時間で行うことができる。従って、読み出し速度の遅いNAND型フラッシュメモリ234aで構成されたキャラクタROM234に制御プログラムを格納しても、表示制御装置114における第3図柄表示装置81の制御を即座に開始することができる。
以上のようにしてメイン処理が実行されると、まず、ブートプログラムによって実行されるブート処理を実行し(S1801)、第3図柄表示装置81に対する各種制御が実行可能となるように表示制御装置114を起動する。
ここで、図41を参照して、ブート処理(S1801)について説明する。図41は、表示制御装置114のMPU231において、メイン処理の中で実行されるブート処理(S1801)を示すフローチャートである。
上述したように、本実施形態では、MPU231によって実行される制御プログラムや固定値データは、従来の遊技機のように専用のプログラムROMを設けて記憶させるのではなく、第3図柄表示装置81に表示させる画像のデータを記憶させるために設けられたキャラクタROM234に記憶させている。そしてキャラクタROM234は、小面積で大容量化を図ることが可能なNAND型フラッシュメモリ234aによって構成されているため、画像データだけでなく制御プログラム等を十分に記憶させておくことができる一方、制御プログラム等を記憶する専用のプログラムROMを設ける必要がない。よって、表示制御装置114における部品点数を削減することができ、製造コストを削減できるほか、部品数増加による故障発生率の増加を抑制することができる。
一方、NAND型フラッシュメモリは、特にランダムアクセスを行う場合において読み出し速度が遅いため、MPU231がNAND型フラッシュメモリ234aに格納された制御プログラムや固定値データを直接読み出して処理していては、MPU231として高性能のプロセッサを用いても、表示制御装置114の処理性能を悪化させてしまうおそれがある。そこで、本ブート処理では、NAND型フラッシュメモリ234aの第2プログラム記憶エリア234a1に記憶されている制御プログラム及び固定値データを、DRAMによって構成されるワークRAM233に設けられたプログラム格納エリア233aやデータテーブル格納エリア233bへ転送し格納する処理を実行する。
具体的には、まず、上述のMPU231及びキャラクタROM234のハードウェアによる動作に基づき、システムリセット解除後にNOR型ROM234dの第1プログラム記憶エリア234d1より読み出されバッファRAM234cにセットされたブートプログラムに従って、第2プログラム記憶エリア234a1に記憶されている制御プログラムのうち、所定量だけプログラム格納エリア233aへ転送する(S1901)。ここで転送される所定量の制御プログラムには、第1プログラム記憶エリア234d1に記憶されていない残りのブートプログラムが含まれる。
そして、命令ポインタ231aをプログラム格納エリア233aの第1の所定番地、即ち、プログラム格納エリア233aに格納されたその残りのブートプログラムの先頭アドレスを設定する(S1902)。これにより、MPU231は、S1901の処理によってプログラム格納エリア233aに転送され格納された制御プログラムに含まれる残りのブートプログラムの実行を開始する。
また、S1902の処理により命令ポインタ231aをプログラム格納エリア233aの所定番地に設定することで、MPU231は、そのワークRAM233のプログラム格納エリア233aに格納された制御プログラムを読み出しながら、各種処理を実行することになる。即ち、MPU231は、第2プログラム記憶エリア234a1を有するNAND型フラッシュメモリ234aから制御プログラムを読み出して命令フェッチするのではなく、プログラム格納エリア233aを有するワークRAM233に転送された制御プログラムを読み出して命令フェッチし、各種処理を実行する。上述したように、ワークRAM233はDRAMによって構成されるため、高速に読み出し動作が行われる。よって、制御プログラムを読み出し速度の遅いNAND型フラッシュメモリ234aによって構成されるキャラクタROM234に記憶させた場合であっても、MPU231は高速に命令をフェッチし、その命令に対する処理を実行することができる。
S1902の処理により命令ポインタ231aが設定されると、続いて、その設定された命令ポインタ231aによって実行が開始される残りのブートプログラムに従って、NAND型フラッシュメモリ234aの第2プログラム記憶エリア234a1に記憶されている制御プログラムのうちプログラム格納エリア233aに未転送である残りの制御プログラムと固定値データとを、所定量ずつプログラム格納エリア233a又はデータテーブル格納エリア233bへ転送する(S1903)。具体的には、制御プログラムおよび一部の固定データを、ワークRAM233のプログラム格納エリア233aに格納し、また、固定値データのうち上述の各種データテーブル(表示データテーブル、転送データテーブル)をデータテーブル格納エリア233bに転送する。
そして、ブート処理に必要なその他の処理を実行(S1904)した後、命令ポインタ231aをプログラム格納エリア233aの第2の所定番地、即ち、このブート処理(図40のS1801参照)の終了後に実行すべき初期化処理(図40のS1802参照)に対応するプログラムの先頭アドレスを設定することで(S1905)、ブートプログラムの実行を終え、本ブート処理を終了する。
このように、ブート処理(図40のS1801参照)が実行されることによって、NAND型フラッシュメモリ234aの第2プログラム記憶エリア234a1に記憶されている制御プログラム及び固定値データは、全てDRAMによって構成されたワークRAM233のプログラム格納エリア233a及びデータテーブル格納エリア233bに転送され、格納される。そして、ブート処理の終了時に、命令ポインタ231aが上述の第2の所定番地に設定され、以後、MPU231は、NAND型フラッシュメモリ234aを参照することなく、プログラム格納エリア233aに転送された制御プログラムを用いて各種処理を実行する。
よって、制御プログラムを読み出し速度の遅いNAND型フラッシュメモリ234aによって構成されるキャラクタROM234に記憶させた場合であっても、システムリセット解除後にその制御プログラムや固定値データをワークRAM233のプログラム格納エリア233a及びデータテーブル格納エリア233bに転送することで、MPU231は、読み出し速度が高速なDRAMによって構成されるワークRAMから制御プログラムや固定値データを読み出して各種制御を行うことができるので、表示制御装置114において高い処理性能を保つことができ、補助演出部を用いて、多様化、複雑化させた演出を容易に実行することができる。
一方、NOR型ROM234dにブートプログラムを全て格納せずに、システムリセット解除後にMPU231によって最初に処理すべき命令から所定数の命令を格納しておき、残りのブートプログラムについては、NAND型フラッシュメモリ234aの第2プログラム記憶エリア234a1に記憶させても、第2プログラム記憶エリア234a1に記憶されている制御プログラムを確実にプログラム格納エリア233aに転送することができる。よって、キャラクタROM234は、極めて小容量のNOR型ROM234dを追加するだけで、MPU231の起動を短時間で行うことができるようになるので、その短時間化に伴うキャラクタROM234のコスト増加を抑制することができる。
なお、図41に示すブート処理では、S1901の処理によってプログラム格納エリア233aに転送される所定量の制御プログラムに、第1プログラム記憶エリア234d1に記憶されていない残りのブートプログラムが全て含まれるように構成されているが、必ずしもこれに限られるものではなく、S1901の処理によってプログラム格納エリア233aに転送される所定量の制御プログラムは、S1902の処理に続いて処理すべきブート処理を実行するブートプログラムの一部としてもよい。ここで転送されるブートプログラムは、残りのブートプログラムを全て含む制御プログラムを所定量だけプログラム格納エリア233aに転送し、更に、これによりプログラム格納エリア233aに格納されたブートプログラムの先頭アドレスを命令ポインタ231aに設定する処理を実行するものであってもよい。そして、プログラム格納エリア233aに格納された残り全てのブートプログラムによって、S1903〜S1905の処理を実行するようにしてもよい。
また、S1901の処理によって転送されるブートプログラムは、残りのブートプログラムの一部を更に所定量だけプログラム格納エリア233aに転送し、続いて、これによりプログラム格納エリア233aに格納されたブートプログラムの先頭アドレスを命令ポインタ231aに設定する処理を実行するものであってもよい。また、この処理によってプログラム格納エリア233aに格納された一部のブートプログラムは、更に残りのブートプログラムの一部を所定量だけプログラム格納エリア233aに転送し、続いて、これによりプログラム格納エリア233aに格納されたブートプログラムの先頭アドレスを命令ポインタ231aに設定する処理を実行するものであってもよい。そして、残りのブートプログラムの一部を所定量だけプログラム格納エリア233aに転送し、続いて、これによりプログラム格納エリア233aに格納されたブートプログラムの先頭アドレスを命令ポインタ231aに設定する処理を、S1901及びS1902の処理を含めて複数回繰り返した後、S1903〜S1905の処理を実行するようにしてもよい。
これにより、ブートプログラムのプログラムサイズが大きく、第1プログラム記憶エリア234d1に記憶されていない残りのブートプログラムが一度にプログラム格納エリア233aへ転送できなくても、MPU231はプログラム格納エリア233aに既に格納されたブートプログラムを使用して、所定量ずつプログラム格納エリア233aに転送することができる。
また、本実施形態では、第1プログラム記憶エリア234d1に、ブートプログラムのうち、システムリセット解除時にまずMPU231によって実行されるブートプログラムの一部を記憶させる場合について説明したが、全てのブートプログラムを第1プログラム記憶エリア234d1に記憶させてもよい。この場合、MPU231は、ブート処理を開始すると、S1901、およびS1902の処理を行わずに、S1903〜S1905の処理を実行してもよい。これにより、ブートプログラムをプログラム格納エリア233aへ転送する処理が不要となるので、キャラクタROM234かプログラム格納エリア233aへのプログラムの転送処理回数が減るため、ブート処理の処理時間を減らすことができる。よって、ブート処理後に可能となるMPU231における補助演出部の制御の開始をより早く行うことができる。
ここで、図40の説明に戻る。ブート処理を終了すると、次いで、ワークRAM233のプログラム格納エリア233aに転送され格納された制御プログラムに従って、初期設定処理を実行する(S1802)。具体的には、スタックポインタの値をMPU231内に設定すると共に、MPU231内のレジスタ群や、I/O装置等に対する各種の設定などを行う。また、ワークRAM233、常駐用ビデオRAM235、通常用ビデオRAM236の記憶をクリアする処理などが行われる。更に、ワークRAM233に各種フラグを設け、それぞれのフラグに初期値を設定する。なお、各フラグの初期値として、特に明示した場合を除き、「オフ」又は「0」が設定される。
更に、初期設定処理では、画像コントローラ237の初期設定を行った後、第3図柄表示装置81に特定の色の画像が画面全体に表示されるように、画像コントローラ237に対して、画像の描画および表示処理の実行を指示する。これにより、電源投入直後において、第3図柄表示装置81には、まず、特定の色の画像が画面全体に表示される。ここで、電源投入直後に第3図柄表示装置81の画面全体に表示される画像の色が、パチンコ機の機種に応じて異なる色となるように設定されている。これにより、製造時の工場等における動作チェックにおいて、電源投入直後に、その機種に応じた色の画像が第3図柄表示装置81に表示されるか否かを検査することで、パチンコ機10が正常に起動開始できるか否かを簡易かつ即座に判断することができる。
次いで、電源投入時主画像に対応する画像データを常駐用ビデオRAM235の電源投入時主画像エリア235aへ転送するように、画像コントローラ237に対して転送指示を送信する(S1803)。この転送指示には、電源投入時主画像に対応する画像データが格納されているキャラクタROM234の先頭アドレスおよび最終アドレスと、転送先の情報(ここでは、常駐用ビデオRAM235)と、転送先である電源投入時主画像エリア235aの先頭アドレスとが含まれており、画像コントローラ237は、この転送指示に従って、電源投入時主画像に対応する画像データがキャラクタROM234から常駐用ビデオRAM235の電源投入時主画像エリア235aに転送される。
そして、転送指示により示された画像データの転送が全て完了すると、画像コントローラ237は、MPU231に対して転送終了を示す転送終了信号を送信する。MPU231はこの転送終了信号を受信することにより、転送指示で指定した画像データの転送が終了したことを把握することができる。なお、画像コントローラ237は、転送指示により示された画像データの転送を全て完了した場合、画像コントローラ237の内部に設けられたレジスタまたは内蔵メモリの一部領域に、転送終了を示す転送終了情報を書き込むようにしてもよい。そして、MPU231は随時このレジスタまたは内蔵メモリの一部領域の情報を読み出し、画像コントローラ237による転送終了情報の書き込みを検出することによって、転送指示で指定した画像データの転送が終了したことを把握するようにしてもよい。
電源投入時主画像エリア235aに転送された画像データは、電源が遮断されるまで上書きされないように保持される。S1803の処理により画像コントローラ237に対して送信された転送指示に基づき、電源投入時主画像に対応する画像データの電源投入時主画像エリア235aへの転送が終了すると、次いで、電源投入時変動画像に対応する画像データを常駐用ビデオRAM235の電源投入時変動画像エリア235bへ転送するように、画像コントローラに対して転送指示を送信する(S1804)。この転送指示には、電源投入時変動画像に対応する画像データが格納されているキャラクタROM234の先頭アドレスと、その画像データのデータサイズと、転送先の情報(ここでは、常駐用ビデオRAM235)と、転送先である電源投入時変動画像エリア235bの先頭アドレスとが含まれており、画像コントローラは、この転送指示に従って、電源投入時変動画像に対応する画像データがキャラクタROM234から常駐用ビデオRAM235の電源投入時変動画像エリア235bに転送される。そして、電源投入時変動画像エリア235bに転送された画像データは、電源が遮断されるまで上書きされないように保持される。
S1804の処理により画像コントローラ237に対して送信された転送指示に基づき、電源投入時変動画像に対応する画像データの電源投入時変動画像エリア235bへの転送が終了すると、次いで、簡易画像表示フラグ233cをオンする(S1805)。これにより、簡易画像表示フラグ233cがオンの間は、後述する転送設定処理(図54(a)参照)において、常駐用ビデオRAM235に常駐すべき全ての画像データをキャラクタROM234から常駐用ビデオRAM235へ転送するように画像コントローラ237へ転送を指示する常駐画像転送設定処理が実行される(図54(a)のS3502参照)。
また、簡易画像表示フラグ233cは、この常駐画像転送設定処理による画像コントローラ237への転送指示に基づき、常駐用ビデオRAM235に常駐すべき全ての画像データのキャラクタROM234から常駐用ビデオRAM235への転送が終了するまでの間、オンに維持される。これにより、その間は、V割込処理(図42(b)参照)において、電源投入時画像(電源投入時主画像や電源投入時変動画像)が描画されるように、簡易コマンド判定処理(図42(b)のS2108参照)および簡易表示設定処理(図42(b)のS2109参照)が実行される。
上述したように、本パチンコ機10では、キャラクタROM234にNAND型フラッシュメモリ234aを用いているため、その読み出し速度が遅いことに起因して、常駐用ビデオRAM235に格納すべき全ての画像データが、キャラクタROM234から常駐用ビデオRAM235に転送されるまでに多くの時間を要する。そこで、本メイン処理のように、電源が投入された後、まず先に電源投入時主画像および電源投入時変動画像をキャラクタROM234から常駐用ビデオRAM235へ転送し、電源投入時主画像を第3図柄表示装置81に表示することで、残りの常駐すべき画像データが常駐用ビデオRAM235に転送されている間、遊技者やホール関係者は、第3図柄表示装置81に表示された電源投入時主画像を確認することができる。よって、表示制御装置114は、電源投入時主画像を第3図柄表示装置114に表示させている間に、時間をかけて残りの常駐すべき画像データをキャラクタROM234から常駐用ビデオRAM235に転送することができる。一方、遊技者等は、電源投入時主画像が第3図柄表示装置81に表示されている間、何らかの初期化処理が行われていることを認識できるので、残りの常駐用ビデオRAM235に常駐すべき画像データがキャラクタROM234から常駐用ビデオRAM235に転送されるまでの間、動作が停止していないか、といった不安を持つことなく、初期化が完了するまで待機することができる。
また、製造時の工場等における動作チェックにおいても、電源投入時主画像がすぐに第3図柄表示装置81に表示されることによって、第3図柄表示装置81が電源投入によって問題なく動作が開始されていることをすぐに確認することができ、キャラクタROM234に読み出し速度の遅いNAND型フラッシュメモリ234aを用いることにより動作チェックの効率が悪化することを抑制できる。
また、パチンコ機10の表示制御装置114では、電源投入後に電源投入時主画像とあわせて電源投入時変動画像もキャラクタROM234から常駐用ビデオRAM235へ転送するので、電源投入時主画像が第3図柄表示装置81に表示されている間に遊技者が遊技を開始したことにより、第1入球口64へ入球(始動入賞)があり、変動演出の開始指示が主制御装置110より音声ランプ制御装置113を介してあった場合、即ち、表示用変動パターンコマンドを受信した場合は、電源投入時変動画像をその変動演出期間中に即座に表示させ、簡単な変動演出を行うことができる。よって、遊技者は、電源投入時主画像が第3図柄表示装置81に表示されている間であっても、その簡単な変動演出によって確実に抽選が行われたことを確認することができる。
また、上述したように、残りの常駐すべき画像データがキャラクタROM234から常駐用ビデオRAM235に転送されている間は、第3図柄表示装置81に電源投入時主画像が表示され続けるが、キャラクタROM234は読み出し速度の遅いNAND型フラッシュメモリ234aによって構成されているので、その転送に時間がかかるので、電源投入後、電源投入時主画像が表示され続ける時間も長くなる。しかしながら、本パチンコ機10では、電源投入後に常駐用ビデオRAM235に転送された電源投入時変動画像を用いて簡易的な変動演出を行うことができるので、電源が投入された直後、例えば、停電復帰直後などにおいて、電源投入時主画像が表示されている間であっても、遊技者に安心して遊技を行わせることができる。
S1805の処理の後、割込許可を設定し(S1806)、以後、メイン処理は電源が切断されるまで、無限ループ処理を実行する。これにより、S1806の処理によって割込許可が設定されて以降、コマンドの受信およびV割込信号の検出に従って、コマンド割込処理およびV割込処理を実行する。
次いで、図42(a)を参照して、表示制御装置114のMPU231で実行されるコマンド割込処理について説明する。図42(a)は、そのコマンド割込処理を示すフローチャートである。上述したように、音声ランプ制御装置113からコマンドを受信すると、MPU231によってコマンド割込処理が実行される。
このコマンド割込処理では、受信したコマンドデータを抽出し、ワークRAM233に設けられたコマンドバッファ領域に、その抽出したコマンドデータを順次格納して(S2001)、終了する。このコマンド割込処理によってコマンドバッファ領域に格納された各種コマンドは、後述するV割込処理のコマンド判定処理または簡易コマンド判定処理によって読み出され、そのコマンドに応じた処理が行われる。
次いで、図42(b)を参照して、表示制御装置114のMPU231で実行されるV割込処理について説明する。図42(b)は、そのV割込処理を示すフローチャートである。このV割込処理では、コマンド割込処理によってコマンドバッファ領域に格納されたコマンドに対応する各種処理を実行すると共に、第3図柄表示装置81に表示させる画像を特定した上で、その画像の描画リスト(図22参照)を作成し、その描画リストを画像コントローラ237に送信することで、画像コントローラ237に対し、その画像の描画処理および表示処理の実行を指示するものである。
上述したように、このV割込処理は、画像コントローラ237からのV割込信号が検出されることによって実行が開始される。このV割込信号は、画像コントローラ237において、1フレーム分の画像の描画処理が完了する20ミリ秒毎に生成され、MPU231に対して送信される信号である。よって、このV割込信号に同期させてV割込処理を実行することにより、画像コントローラ237に対して描画指示が、1フレーム分の画像の描画処理が完了する20ミリ秒毎に行われることになる。よって、画像コントローラ237では、画像の描画処理や表示処理が終了していない段階で、次の画像の描画指示を受け取ることがないので、画像の描画途中で新たな画像の描画を開始したり、表示中の画像情報が格納されているフレームバッファに、新たな描画指示に伴って画像が展開されたりすることを防止することができる。
ここでは、まず、V割込処理のフローの概略について説明し、次いで、各処理の詳細について他の図面を参照して説明する。このV割込処理では、図42(b)に示すように、まず、簡易画像表示フラグ233cがオンであるか否かを判別し(S2101)、簡易画像表示フラグ233cがオンではない、即ち、オフであれば(S2101:No)、常駐用ビデオRAM235に常駐すべき全ての画像データの転送が完了していることを意味するので、電源投入時画像ではなく、通常の演出画像を第3図柄表示装置81に表示させるべく、コマンド判定処理(S2102)を実行し、次いで、表示設定処理(S2103)を実行する。
コマンド判定処理(S2102)では、コマンド割込処理によってコマンドバッファ領域に格納された音声ランプ制御装置113からのコマンドの内容を解析し、そのコマンドに応じた処理を実行すると共に、表示用デモコマンドや表示用変動パターンコマンドが格納されていた場合は、デモ表示データテーブル又は変動パターン種別に応じた変動表示データテーブルを表示データテーブルバッファ233dに設定すると共に、設定された表示データテーブルに対応する転送データテーブルを転送データテーブルバッファ233eに設定する。
このコマンド判定処理では、その時点でコマンドバッファ領域に格納されている全てのコマンドを解析して、処理を実行する。これは、コマンド判定処理が、V割込処理の実行される20ミリ秒間隔で行われるため、その20ミリ秒の間に複数のコマンドがコマンドバッファ領域に格納されている可能性が高いためである。特に、主制御装置110において、変動演出の開始が決定された場合、表示用変動パターンコマンドや表示用停止種別コマンドなどが同時にコマンドバッファ領域に格納されている可能性が高い。従って、これらのコマンドを一度に解析して実行することによって、主制御装置110や音声ランプ制御装置113によって選定された変動演出の態様や停止種別を素早く把握し、その態様に応じた演出画像を第3図柄表示装置81に表示させるように、画像の描画を制御することができる。なお、このコマンド判定処理の詳細については、図43〜図48を参照して後述する。
表示設定処理(S2103)では、コマンド判定処理(S2102)などによって表示データテーブルバッファ233dに設定された表示データテーブルの内容に基づき、第3図柄表示装置81において次に表示すべき1フレーム分の画像の内容を具体的に特定する。また、処理の状況などに応じて、第3図柄表示装置81に表示すべき演出態様を決定し、その決定した演出態様に対応する表示データテーブルを表示データテーブルバッファ233dに設定する。なお、この表示設定処理の詳細については、図49〜図53を参照して後述する。
表示設定処理が実行された後、次いで、タスク処理を実行する(S2104)。このタスク処理では、表示設定処理(S2103)もしくは簡易表示設定処理(S2109)によって特定された、第3図柄表示装置81に表示すべき次の1フレーム分の画像の内容に基づき、その画像を構成するスプライト(表示物)の種別を特定すると共に、スプライト毎に、表示座標位置や拡大率、回転角度といった描画に必要な各種パラメータを決定する。
次に、転送設定処理を実行する(S2105)。この転送設定処理では、簡易画像表示フラグ233cがオンである間は、画像コントローラ237に対して、常駐用ビデオRAM235に常駐すべき画像データをキャラクタROM234から常駐用ビデオRAM235の所定エリアへ転送させる転送指示を設定する。また、簡易画像表示フラグ233cがオフである間は、転送データテーブルバッファ233eに設定される転送データテーブルの転送データ情報に基づき、画像コントローラ237に対して、所定の画像データをキャラクタROM234から通常用ビデオRAM236の画像格納エリア236aの所定サブエリアへ転送させる転送指示を設定すると共に、音声ランプ制御装置113から連続予告コマンドや背面画像変更コマンドを受信した場合にも、画像コントローラ237に対して、連続予告演出で使用する連続予告画像の画像データや変更後の背面画像の画像データをキャラクタROM234から通常用ビデオRAM236の画像格納エリア236aの所定サブエリアへ転送させる転送指示を設定する。なお、転送設定処理の詳細については、図54および図55を参照して後述する。
次いで、描画処理を実行する(S2106)。この描画処理では、タスク処理(S2104)で決定された、1フレームを構成する各種スプライトの種別やそれぞれのスプライトの描画に必要なパラメータと、転送設定処理(S2105)により設定された転送指示とから、図22に示す描画リストを生成し、描画対象バッファ情報と共に、その描画リストを画像コントローラ237に対して送信する。これにより、画像コントローラ237では、描画リストに従って、画像の描画処理を実行する。なお、描画処理の詳細については、図56を参照して後述する。
次いで、表示制御装置114に設けられた各種カウンタの更新処理を実行する(S2107)。そして、V割込処理を終了する。S2107の処理によって更新されるカウンタとしては、例えば、停止図柄を決定するための停止図柄カウンタ(図示せず)がある。この停止図柄カウンタの値は、ワークRAM233に格納され、V割込処理が実行される度に、更新処理が行われる。そして、コマンド判定処理において、表示用停止種別コマンドの受信が検出されると、表示用停止種別コマンドにより示される停止種別(大当たりA、大当たりB、前後外れリーチ、前後外れ以外リーチ、完全外れ)に対応する停止種別テーブルと停止種別カウンタとが比較され、第3図柄表示装置81に表示される変動演出後の停止図柄が最終的に設定される。
一方、S2101の処理において、簡易画像表示フラグ233cがオンであると判別されると(S2101:Yes)、常駐用ビデオRAM235に常駐すべき全ての画像データの転送が完了していないことを意味するので、電源投入時画像を第3図柄表示装置81に表示させるべく、簡易コマンド判定処理(S2108)を実行し、次いで、簡易表示設定処理(S2109)を実行して、S2104の処理へ移行する。
次いで、図43〜図48を参照して、表示制御装置114のMPU231で実行されるV割込処理の一処理である上述のコマンド判定処理(S2102)の詳細について説明する。まず、図43は、このコマンド判定処理を示すフローチャートである。
このコマンド判定処理では、図43に示すように、まず、コマンドバッファ領域に未処理の新規コマンドがあるか否かを判別し(S2201)、未処理の新規コマンドがなければ(S2201:No)、コマンド判定処理を終了してV割込処理に戻る。一方、未処理の新規コマンドがあれば(S2201:Yes)、オン状態で新規コマンドを処理したことを表示設定処理(S2103)に通知する新規コマンドフラグをオンに設定し(S2202)、次いで、コマンドバッファ領域に格納されている未処理のコマンドすべてについて、そのコマンドの種別を解析する(S2203)。
そして、未処理のコマンドの中に、まず、表示用変動パターンコマンドがあるか否かを判別し(S2204)、表示用変動パターンコマンドがあれば(S2204:Yes)、変動パターンコマンド処理を実行して(S2205)、S2201の処理へ戻る。
ここで、図44(a)を参照して、変動パターンコマンド処理(S2205)の詳細について説明する。図38(a)は、変動パターンコマンド処理を示すフローチャートである。この変動パターンコマンド処理は、音声ランプ制御装置114より受信した表示用変動パターンコマンドに対応する処理を実行するものである。
変動パターンコマンド処理では、まず、表示用変動パターンコマンドによって示される変動演出パターンに対応した変動表示データテーブルを決定し、その決定した変動表示データテーブルをデータテーブル格納エリア233bの変動演出用テーブル格納エリア(図17参照)から読み出して、表示データテーブルバッファ233dに設定する(S2301)。
ここで、主制御装置110において変動の開始の判断は、必ず数秒以上離れて行われるので、20ミリ秒以内に2以上の表示用変動パターンコマンドを受信することはなく、したがって、コマンド判定処理を実行する場合に、コマンドバッファ領域に2以上の表示用変動パターンコマンドが格納されている場合はあり得ないが、ノイズ等の影響によってコマンドの一部が変化し、別のコマンドが誤って表示用変動パターンコマンドとして解釈されるおそれもあり得る。S2301の処理では、このような場合に備え、2以上の表示用変動パターンコマンドがコマンドバッファ領域に格納されていると判断される場合は、変動時間が最も短い変動パターンに対応する変動表示データテーブルを表示データテーブルバッファ233dに設定する。
仮に、変動時間の長い変動パターンに対応する変動表示データテーブルを表示データテーブルバッファ233dに設定してしまうと、実際には、設定した表示データテーブルよりも短い変動時間を有する変動演出が主制御装置110によって指示されていた場合に、設定された変動表示データテーブルに従った変動演出を第3図柄表示装置81に表示させている最中に主制御装置110から次の表示用変動パターンコマンドを受信することとなり、別の変動表示が急に開始されてしまうので、遊技者に対して違和感を持たせるおそれがあった。
これに対し、本実施形態のように、変動時間が最も短い変動パターンに対応する変動表示データテーブルを表示データテーブルバッファ233dに設定することで、実際には、設定した表示データテーブルよりも長い変動時間を有する変動演出が主制御装置110によって指示されていた場合であっても、後述するように、表示データテーブルバッファ233dに従った変動演出が終了したのち、主制御装置110から次の表示用パターンコマンドを受信するまでの間、デモ演出が表示されるように、表示設定処理によって、第3図柄表示装置81の表示が制御されるので、遊技者は違和感なく第3図柄表示装置81における第3図柄の変動を見続けることができる。
次いで、S2301で設定された表示データテーブルに対応する転送データテーブルを決定してデータテーブル格納エリア233bから読み出し、それを転送データテーブルバッファ233eに設定する(S2302)。そして、各変動パターンに対応する変動表示データテーブル毎に設けられたデータテーブル判別フラグのうち、S2301の処理によって設定された変動表示データテーブルに対応するデータテーブル判別フラグをオンすると共に、その他の変動表示データテーブルに対応するデータテーブル判別フラグをオフに設定する(S2303)。表示設定処理では、S2303の処理によって設定されるデータテーブル判別フラグを参照することによって、表示データテーブルバッファ233dに設定された変動表示データテーブルが、どの変動パターンに対応するものであるかを容易に判断することができる。
次いで、S2301の処理によって表示データテーブルバッファ233dに設定された変動表示データテーブルに対応する変動パターンの変動時間を基に、その変動時間を表す時間データを計時カウンタ233hに設定し(S2304)、ポインタ233fを0に初期化する(S2305)。そして、デモ表示フラグおよび確定表示フラグをいずれもオフに設定して(S2306)、変動パターンコマンド処理を終了し、コマンド判定処理に戻る。
この変動パターンコマンド処理が実行されることにより、表示設定処理では、S2305の処理によって初期化されたポインタ233fを更新しながら、S2301の処理によって表示データテーブルバッファ233dに設定された変動表示データテーブルから、ポインタ233fに示されるアドレスに規定された描画内容を抽出し、第3図柄表示装置81において次に表示すべき1フレーム分の画像の内容を特定すると同時に、S2302の処理によって転送データテーブルバッファ233eに設定された転送データテーブルから、ポインタ233fに示されるアドレスに規定された転送データ情報を抽出し、設定された変動表示データテーブルにおいて必要なスプライトの画像データが、予めキャラクタROM234から通常用ビデオRAM236の画像格納エリア236aに転送されるように、画像コントローラ237を制御する。
また、表示設定処理では、S2304の処理によって時間データが設定された計時カウンタ233hを用いて、変動表示データテーブルで規定された変動演出の時間を計時し、変動表示データテーブルにおける変動演出が終了すると判断された場合、主制御装置110からの表示用停止種別コマンドに応じた停止図柄を第3図柄表示装置81に表示するように、その停止表示の設定を制御する。
ここで、図43の説明に戻る。S2204の処理において、表示用変動パターンコマンドがないと判別されると(S2204:No)、次いで、未処理のコマンドの中に、表示用停止種別コマンドがあるか否かを判別し(S2206)、表示用変動種別コマンドがあれば(S2206:Yes)、停止種別コマンド処理を実行して(S2207)、S2201の処理へ戻る。
ここで、図44(b)を参照して、停止種別コマンド処理(S2207)の詳細について説明する。図44(b)は、停止種別コマンド処理を示すフローチャートである。この停止種別コマンド処理は、音声ランプ制御装置114より受信した表示用変動種別コマンドに対応する処理を実行するものである。
停止種別コマンド処理では、まず、表示用停止種別コマンドによって示される停止種別情報(大当たりA、大当たりB、前後外れリーチ、前後外れ以外リーチ、完全外れのいずれか)に対応する停止種別テーブルを決定し(S2401)、その停止種別テーブルと、V割込処理(図42(b)参照)が実行されるたびに更新される停止種別カウンタの値とを比較して、第3図柄表示装置81に表示される変動演出後の停止図柄を最終的に設定する(S2402)。
そして、停止図柄毎に設けられた停止図柄判別フラグのうち、S2402の処理によって設定された停止図柄に対応する停止図柄判別フラグをオンすると共に、その他の停止図柄に対応する停止図柄判別フラグをオフに設定して(S2403)、本処理を終了する。
ここで、上述したように、変動表示データテーブルでは、そのデータテーブルに基づく変動が開始されてから所定時間経過後において、第3図柄表示装置81に表示すべき第3図柄を特定する種別情報として、S2402の処理によって設定された停止図柄からのオフセット情報(図柄オフセット情報)が記載されている。上述のタスク処理(S2104)では、変動が開始されてから所定時間が経過した後、S2403によって設定された停止図柄判別フラグからS2402の処理によって設定された停止図柄を特定すると共に、その特定した停止図柄に対して表示設定処理により取得された図柄オフセット情報を加算することによって、実際に表示すべき第3図柄を特定する。そして、この特定された第3図柄に対応する画像データが格納されたアドレスを特定する。なお、第3図柄に対応する画像データは、上述したように、常駐用ビデオRAM235の第3図柄エリア235dに格納されている。
なお、主制御装置110において変動の開始の判断は、必ず数秒以上離れて行われるので、20ミリ秒以内に2以上の表示用停止種別コマンドを受信することはなく、したがって、コマンド判定処理を実行する場合に、コマンドバッファ領域に2以上の表示用停止種別コマンドが格納されている場合はあり得ないが、ノイズ等の影響によってコマンドの一部が変化し、別のコマンドが誤って表示用停止種別コマンドとして解釈されるおそれもあり得る。S2401の処理では、このような場合に備え、2以上の表示用停止種別コマンドがコマンドバッファ領域に格納されていると判断される場合は、停止種別が完全外れであると仮定して、停止種別テーブルを決定する。これにより、完全外れに対応する停止図柄がS2402の処理によって設定される。
仮に、「特別図柄の大当たり」に対応する停止図柄が設定されてしまうと、実際には、「特別図柄の外れ」であった場合であっても、第3図柄表示装置81には「特別図柄の大当たり」に対応する停止図柄が表示されることとなり、遊技者にパチンコ機10が「特別図柄の大当たり」となったと勘違いさせてしまい、パチンコ機10の信頼性を低下させるおそれがあった。これに対し、本実施形態のように、完全外れに対応する停止図柄が設定されることで、実際には、「特別図柄の大当たり」であれば、第3図柄表示装置81に完全外れの停止図柄が表示されても、パチンコ機10が「特別図柄の大当たり」になるので、遊技者を喜ばせることができる。
図43に戻り、説明を続ける。S2206の処理において、表示用停止種別コマンドがないと判別されると(S2206:No)、次いで、未処理のコマンドの中に、表示用オープニングコマンドがあるか否かを判別し(S2208)、表示用オープニングコマンドがあれば(S2208:Yes)、オープニングコマンド処理を実行して(S2209)、S2201の処理へ戻る。
ここで、図45(a)を参照して、オープニングコマンド処理(S2209)の詳細について説明する。図45(a)は、オープニングコマンド処理を示すフローチャートである。このオープニングコマンド処理は、音声ランプ制御装置114より受信した表示用オープニングコマンドに対応する処理を実行するものである。
オープニングコマンド処理では、まず、オープニング表示データテーブルをデータテーブル格納エリア233bのオープニング演出用テーブル格納エリア(図17参照)から読み出して、表示データテーブルバッファ233dに設定する(S2501)。次いで、S2501の処理で設定された表示データテーブルに対応する転送データテーブルを決定してデータテーブル格納エリア233bから読み出し、それを転送データテーブルバッファ233eに設定する(S2502)。
そして、S2501の処理によって表示データテーブルバッファ233dに設定されたオープニング表示データテーブルを基に、その演出時間を表す時間データを計時カウンタ233hに設定し(S2503)、ポインタ233fを0に初期化する(S2504)。そして、デモ表示フラグおよび確定表示フラグをいずれもオフに設定して(S2505)、オープニングコマンド処理を終了し、コマンド判定処理に戻る。
このオープニングコマンド処理が実行されることにより、表示設定処理では、S2504の処理によって初期化されたポインタ233fを更新しながら、S2501の処理によって表示データテーブルバッファ233dに設定されたオープニング表示データテーブルから、ポインタ233fに示されるアドレスに規定された描画内容を抽出し、第3図柄表示装置81において次に表示すべき1フレーム分の画像の内容を特定すると同時に、S2502の処理によって転送データテーブルバッファ233eに設定された転送データテーブルから、ポインタ233fに示されるアドレスに規定された転送データ情報を抽出し、設定されたオープニング表示データテーブルにおいて必要なスプライトの画像データが、予めキャラクタROM234から通常用ビデオRAM236の画像格納エリア236aに転送されるように、画像コントローラ237を制御する。
また、このオープニングコマンド処理が実行されると、オープニング転送データテーブルが転送データテーブルバッファ233eに設定される。これにより、第3図柄表示装置81においてオープニング演出が行われている最中に、ラウンド演出およびエンディング演出に必要な画像データをキャラクタROM234から、通常用ビデオRAM236に転送することができる。上述したように、本パチンコ機10では、キャラクタROM234にNAND型フラッシュメモリ234aを用いているため、その読み出し速度が遅いことに起因して、大当たり演出(オープニング演出、ラウンド演出、エンディング演出)に演出に使用する画像データが、キャラクタROM234から通常用ビデオRAM236に転送されるまでに多くの時間を要する。
新たに開始されるラウンド数を示す表示用ラウンド数コマンドは、第3図柄表示装置81におけるオープニング演出が終了したタイミングに合わせて、音声ランプ制御装置113から送信されてくるので、1ラウンド目を示す表示用ラウンド数コマンドを受信してから、ラウンド演出に必要な画像データをキャラクタROM234から通常用ビデオRAM236に転送していては、オープニング演出が終了してからラウンド演出を開始するまでに多くの待ち時間が生じ、遊技者に動作が停止していないかといった不安や、違和感を持たせてしまうおそれがあった。
また、エンディング演出の開始を指示する表示用エンディングコマンドは、第3図柄表示装置81におけるラウンド演出が全て(16ラウンド分)終了したタイミングに合わせて、音声ランプ制御装置113から送信されてくるので、表示用エンディングコマンドを受信してから、エンディング演出に必要な画像データをキャラクタROM234から通常用ビデオRAM236に転送していては、ラウンド演出が終了してからエンディング演出を開始するまでに多くの待ち時間が生じ、遊技者に動作が停止していないかといった不安や、違和感を持たせてしまうおそれがあった。
そこで、本実施形態では、表示用オープニングコマンドを受信した場合に、そこからラウンド演出およびエンディング演出に必要なデータの転送を開始し、第3図柄表示装置81において大当たりの変動表示が終了するまでに、ラウンド演出およびエンディング演出に必要なデータの転送が終了するように制御している。これにより、第3図柄表示装置81においてオープニング演出が終了した場合に、即座に、第3図柄表示装置81においてラウンド演出を開始できると共に、第3図柄表示装置81においてラウンド演出が全て(16ラウンド分)終了した場合に、即座に、第3図柄表示装置81においてエンディング演出を開始できるので、遊技者に動作が停止していないかといった不安や、違和感を持たせてしまうことがない。よって、遊技者を安心させることができる。
なお、上述したように、本実施形態では、表示用停止種別コマンドによって示される停止種別情報が大当たりの停止種別であると判別されたら、そこからオープニング演出において使用する画像データの転送を開始し、第3図柄表示装置81において大当たりとなる変動演出が終了するまでに、オープニング演出において使用する画像データの転送が終了するように制御している。これにより、第3図柄表示装置81において大当たりとなる変動演出が終了した場合に、即座に、第3図柄表示装置81においてオープニング演出を開始できるので、遊技者に動作が停止していないかといった不安や、違和感を持たせてしまうことがない。よって、遊技者を安心させることができる。
図43に戻り、説明を続ける。S2208の処理において、表示用オープニングコマンドがないと判別されると(S2208:No)、次いで、未処理のコマンドの中に、表示用ラウンド数コマンドがあるか否かを判別し(S2210)、表示用ラウンド数コマンドがあれば(S2210:Yes)、ラウンド数コマンド処理を実行して(S2211)、S2201の処理へ戻る。
ここで、図45(b)を参照して、ラウンド数コマンド処理(S2211)の詳細について説明する。図45(b)は、ラウンド数コマンド処理を示すフローチャートである。このラウンド数コマンド処理は、音声ランプ制御装置114より受信した表示用ラウンド数コマンドに対応する処理を実行するものである。
ラウンド数コマンド処理では、まず、表示用ラウンド数コマンドによって示されるラウンド数に対応したラウンド数表示データテーブルを決定し、その決定したラウンド数表示データテーブルをデータテーブル格納エリア233bのラウンド演出用テーブル格納エリア(図17参照)から読み出して、表示データテーブルバッファ233dに設定する(S2601)。次いで、転送データテーブルバッファ233eにNullデータを書き込むことで、その内容をクリアする(S2602)。
そして、S2601の処理によって表示データテーブルバッファ233dに設定されたラウンド数表示データテーブルを基に、その演出時間を表す時間データを計時カウンタ233hに設定し(S2603)、ポインタ233fを0に初期化する(S2604)。そして、デモ表示フラグおよび確定表示フラグをいずれもオフに設定して(S2605)、ラウンド数コマンド処理を終了し、コマンド判定処理に戻る。
ここで、図43の説明に戻る。S2210の処理において、表示用ラウンド数コマンドがないと判別されると(S2210:No)、次いで、未処理のコマンドの中に、表示用エンディングコマンドがあるか否かを判別し(S2212)、表示用エンディングコマンドがあれば(S2212:Yes)、エンディングコマンド処理を実行して(S2213)、S2201の処理へ戻る。
ここで、図46を参照して、エンディングコマンド処理(S2213)の詳細について説明する。図46は、エンディングコマンド処理を示すフローチャートである。このエンディングコマンド処理は、音声ランプ制御装置114より受信した表示用エンディングコマンドに対応する処理を実行するものである。
エンディングコマンド処理では、まず、表示用エンディングコマンドによって示されるエンディング演出の表示態様に対応したエンディング表示データテーブルを決定し、その決定したエンディング表示データテーブルをデータテーブル格納エリア233bのエンディング演出用テーブル格納エリア(図17参照)から読み出して、表示データテーブルバッファ233dに設定する(S2701)。次いで、転送データテーブルバッファ233eにNullデータを書き込むことで、その内容をクリアする(S2702)。そして、S2701の処理によって表示データテーブルバッファ233dに設定されたエンディング表示データテーブルを基に、その演出時間を表す時間データを計時カウンタ233hに設定し(S2703)、ポインタ233fを0に初期化する(S2704)。そして、デモ表示フラグおよび確定表示フラグをいずれもオフに設定して(S2705)、エンディングコマンド処理を終了し、コマンド判定処理に戻る。
このエンディングコマンド処理を実行することにより、特別図柄の大当たりが終了する際にエンディング演出を第3図柄表示装置81に対して表示させることができるので、大当たりが終了したことを遊技者に対して認識させることができる。
ここで、図43の説明に戻る。S2212の処理において、表示用エンディングコマンドがないと判別されると(S2212:No)、次いで、未処理のコマンドの中に、背面画像変更コマンドがあるか否かを判別し(S2214)、背面画像変更コマンドがあれば(S2214:Yes)、背面画像変更コマンド処理を実行して(S2215)、S2201の処理へ戻る。
ここで、図47を参照して、背面画像変更コマンド処理(S2215)の詳細について説明する。図47は、背面画像変更コマンド処理を示すフローチャートである。この背面画像変更コマンド処理は、音声ランプ制御装置114より受信した背面画像変更コマンドに対応する処理を実行するものである。
背面画像変更コマンド処理では、まず、背面画像変更フラグをオンに設定する(S2801)。これにより、通常画像転送設定処理(S3503)において背面画像の変更を判別することができる。そして、背面画像種別(背面A〜C、および時間演出に対応する背面)毎に設けられた背面画像判別フラグのうち、背面画像変更コマンドによって示された背面画像種別に対応する背面画像判別フラグをオンすると共に、その他の背面画像種別に対応する背面画像判別フラグをオフに設定して(S2802)、処理をS2803へと移行する。
通常画像転送設定処理(S3503)では、S2801の処理により設定される背面画像変更フラグがオンされていることを検出すると、S2802の処理によって設定される背面画像判別フラグから、変更後の背面画像種別を特定する。そして、その特定された背面画像種別が背面B、または背面Cである場合は、上述したように、それらの背面画像に対応する画像データの一部が常駐用ビデオRAM235の背面画像エリア235cに常駐されていないので、所定の範囲の背面画像に対応する画像データをキャラクタROM234から通常用ビデオRAM236の画像格納エリア236aの所定のサブエリアに転送するよう、画像コントローラ237に対する転送指示の設定を行う。なお、変更後の背面画像種別が背面Aの場合は、全ての画像データが常駐用ビデオRAM235cに常駐されているので、画像の転送は行わない。
また、タスク処理では、表示データテーブルに規定された背面画像の背面種別によって、背面A〜C、および時間演出に対応する背面のいずれかを表示させることが規定されていた場合、S2802の処理によって設定された背面画像判別フラグから、その時点において表示すべき背面画像種別を特定し、更に、表示すべき背面画像の範囲を時間経過に合わせて特定して、その背面画像の範囲に対応する画像データが格納されているRAM種別(常駐用ビデオRAM235か、通常用ビデオRAM236か)と、そのRAMのアドレスを特定する。
なお、遊技者が枠ボタン228を20ミリ秒以下で連続して操作することはないので、20ミリ秒以内に2以上の背面画像変更コマンドを受信することはなく、したがって、コマンド判定処理を実行する場合に、コマンドバッファ領域に2以上の背面画像変更コマンドが格納される場合はない。しかし、ノイズ等の影響によってコマンドの一部が変化し、別のコマンドが誤って背面画像変更コマンドとして解釈されるおそれもあり得る。S2802の処理では、2以上の背面画像コマンドがコマンドバッファ領域に格納されていると判断される場合、先に受信した背面画像コマンドによって示される背面画像種別に対応する背面画像判別フラグをオンしてもよいし、後に受信した背面画像コマンドによって示される背面画像種別に対応する背面画像判別フラグをオンしてもよい。また、任意の1の背面画像変更コマンドを抽出し、そのコマンドによって示される背面画像種別に対応する背面画像判別フラグをオンしてもよい。この背面画像の変更は、パチンコ機10における遊技価値へ直接影響を与えるものではないので、パチンコ機10の特性や操作性に応じて、適宜設定することが好ましい。
S2802の処理が終了すると、次いで、背面画像変更コマンドにより通知された背面種別が時間演出用の背面であるか否かを判別し(S2803)、時間演出用の背面でなければ(S2803:No)、そのまま本処理を終了する。一方、背面画像変更コマンドにより通知された背面種別が時間演出用の背面であると判別した場合は(S2803:Yes)、次いで、確定表示フラグがオンであるか否かを判別する(S2804)。この確定表示フラグは、第3図柄を確定表示させる確定表示演出(図6(a)参照)の実行中であることを示すフラグであり、後述する確定表示設定処理において第3図柄の確定表示に対応する表示データテーブルを設定した後でオンに設定される(図52のS3310参照)。
S2804の処理において、確定表示フラグがオンでない(即ち、オフである)と判別した場合は(S2804:No)、そのまま本処理を終了する。一方、確定表示フラグがオンであると判別した場合は(S2804:Yes)、第3図柄を確定表示させている状態、またはデモ演出(図7参照)の表示中に時間演出期間となり、時間演出に対応する背面画像変更コマンドを受信したことを意味する。よって、この場合は、計時カウンタの値に0を設定し(S2805)、表示データテーブルバッファをクリアして(S2806)、本処理を終了する。表示データテーブルバッファをクリアすることにより、表示されている第3図柄、またはデモ画像を消去することができる。
ここで、上述した通り、第3図柄が確定表示された状態では、背面画像の大半が第3図柄によって遮蔽された状態となる(図6(a)参照)。また、通常演出期間におけるデモ演出は、第3図柄表示装置81の全体にデモ画像が表示されるので、背面画像が遮蔽される。即ち、どちらの場合でも、遊技者にとって背面画像が見え難い状態となる。この状態のまま、主表示領域Dmにおいて告知画像750(図6(b)参照)を表示させたとしても、その告知画像750の大半が第3図柄により遮蔽されてしまい、遊技者が時間演出の開始を見落としてしまう虞がある。そこで、本実施形態では、時間演出の開始タイミングにおいて、第3図柄が確定表示された状態、またはデモ演出中である場合に、S2805、およびS2806の処理によって第3図柄、またはデモ画像を消去して、背面画像が明瞭に認識できるように制御を行う。これにより、遊技者が告知画像750(図6(b)参照)を確実に確認することができる。
ここで、図43の説明に戻る。S2214の処理において、背面画像変更コマンドがないと判別されると(S2214:No)、次いで、未処理のコマンドの中に、エラーコマンドがあるか否かを判別し(S2216)、エラーコマンドがあれば(S2216:Yes)、エラーコマンド処理を実行して(S2217)、S2201の処理へ戻る。
ここで、図48を参照して、エラーコマンド処理(S2217)の詳細について説明する。図48は、エラーコマンド処理を示すフローチャートである。このエラーコマンド処理は、音声ランプ制御装置114より受信したエラーコマンドに対応する処理を実行するものである。
エラーコマンド処理では、まず、オン状態でエラーが発生していることを示すエラー発生フラグをオンに設定する(S2901)。そして、エラー種別毎に設けられたエラー判別フラグのうち、エラーコマンドによって示されるエラー種別に対応するエラー判別フラグをオンすると共に、その他のエラー判別フラグをオフに設定して(S2902)、エラーコマンド処理を終了し、コマンド判定処理に戻る。
表示設定処理では、S2901の処理によって設定されたエラー発生フラグに基づいて、エラーの発生を検出すると、S2902の処理によって設定されたエラー判別フラグから発生したエラー種別を判断し、そのエラー種別に対応する警告画像を第3図柄表示装置81に表示させるように処理を実行する。
なお、2以上のエラーコマンドがコマンドバッファ領域に格納されていると判断される場合、S2902に処理では、それぞれのエラーコマンドによって示される全てのエラー種別に対応するエラー判別フラグをオンに設定する。これにより、全てのエラー種別に対応する警告画像が第3図柄表示装置81に表示されるので、遊技者やホール関係者が、エラーの発生状況を正しく把握することができる。
ここで、図43の説明に戻る。S2216の処理において、エラーコマンドがないと判別されると(S2216:No)、次いで、その他の未処理のコマンドに対応する処理を実行し(S2218)、S2201の処理へ戻る。
各コマンドの処理が実行された後に再び実行されるS2201の処理では、再度、コマンドバッファ領域に未処理の新規コマンドがあるか否かを判別し、未処理の新規コマンドがあれば(S2201:Yes)、再びS2202〜S2218の処理を実行する。そして、コマンドバッファ領域に未処理の新規コマンドがなくなるまで、S2201〜S2218の処理が繰り返し実行され、S2201の処理で、コマンドバッファ領域に未処理の新規コマンドがないと判別されると、このコマンド判定処理を終了する。
なお、V割込処理(図42(b)参照)において簡易画像表示フラグ233cがオンの場合に実行される簡易コマンド判定処理(S2109)も、コマンド判定処理と同様の処理が行われる。ただし、簡易コマンド判定処理では、コマンドバッファ領域に格納されている未処理のコマンドから、電源投入時画像を表示するのに必要なコマンド、即ち、表示用変動パターンコマンドおよび表示用停止種別コマンドだけを抽出して、それぞれのコマンドに対応する処理である、変動パターンコマンド処理(図44(a)参照)、および停止種別コマンド処理(図44(b)参照)を実行すると共に、その他のコマンドについては、そのコマンドに対応する処理を実行せずに破棄する処理を行う。
ここで、この場合に実行される、変動パターンコマンド処理(図44(a)参照)では、S2301の処理で、電源投入時変動画像の表示に対応した表示データテーブルバッファが表示データテーブルバッファ233dに設定され、また、その場合に必要となる電源投入時主画像および電源投入時変動画像の画像データは常駐用ビデオRAM235の電源投入時主動画像エリア235aおよび電源投入時変動動画像エリア235bに格納されているので、S2302の処理では、転送データテーブルバッファ233bにはNullデータを書き込み、その内容をクリアする処理が行われる。
次いで、図49〜図53を参照して、表示制御装置114のMPU231で実行されるV割込処理の一処理である上述の表示設定処理(S2103)の詳細について説明する。図49は、この表示設定処理を示すフローチャートである。
この表示設定処理では、図49に示すように、新規コマンドフラグがオンであるか否かを判別し(S3001)、新規コマンドフラグがオンではない、即ち、オフであれば(S3001:No)、先に実行されるコマンド判定処理おいて新規コマンドが処理されていないと判断して、S3002〜S3004の処理をスキップし、S3005の処理へ移行する。一方、新規コマンドフラグがオンであれば(S3001:Yes)、先に実行されるコマンド判定処理において新規コマンドが処理されたと判断し、新規コマンドフラグをオフに設定した後(S3002)、S3003〜S3004の処理によって、新規コマンドに対応する処理を実行する。
S3003の処理では、エラー発生フラグがオンであるか否かを判別する(S3003)。そして、エラー発生フラグがオンであれば(S3003:Yes)、警告画像設定処理を実行する(S3004)。
ここで、図50を参照して、警告画像設定処理の詳細について説明する。図50は、警告画像設定処理を示すフローチャートである。この処理は、発生したエラーに対応する警告画像を第3図柄表示装置81に表示させる画像データを展開するための処理で、まず、エラー判別フラグを参照し、オンが設定された全てのエラー判別フラグに対応したエラーの警告画像を第3図柄表示装置81に表示させる警告画像データを展開する(S3101)。
タスク処理では、この展開された警告画像データを元に、その警告画像を構成するスプライト(表示物)の種別を特定すると共に、スプライト毎に、表示座標位置や拡大率、回転角度といった描画に必要な各種パラメータを決定する。
そして、警告画像設定処理では、S3101の処理の後、エラー発生フラグをオフに設定して(S3102)、表示設定処理に戻る。
ここで、図49の説明に戻る。警告画像設定処理(S3004)の後、またはS3003の処理において、エラー発生フラグがオンではない、即ち、オフであると判別されると(S3003:No)、次いで、S3005の処理へ移行する。
S3005では、ポインタ更新処理を実行する(S3005)。ここで、図51を参照して、ポインタ更新処理の詳細について説明する。図51は、ポインタ更新処理を示すフローチャートである。このポインタ更新処理は、表示データテーブルバッファ233dおよび転送データテーブルバッファ233eの各バッファにそれぞれ格納された表示データテーブルおよび転送データテーブルから、対応する描画内容もしくは転送対象画像データの転送データ情報を取得すべきアドレスを指定するポインタ233fの更新を行う処理である。
このポインタ更新処理では、まず、ポインタ233fに1を加算する(S3201)。即ち、ポインタ233fは、原則、V割込処理が実行される度に1だけ加算されるように更新処理が行われる。また、上述したように、各種データテーブルは、アドレス「0000H」には、Start情報が記載されており、それぞれのデータの実体はアドレス「0001H」以降に規定されているところ、表示データテーブルが表示データテーブルバッファ233dに格納されるのに合わせてポインタ233fの値が0に初期化された場合は、このポインタ更新処理によってその値が1に更新されるので、アドレス「0001H」から順に、それぞれのデータテーブルから実体的なデータを読み出すことができる。
S3201の処理によって、ポインタ233fの値を更新した後、次いで、表示データテーブルバッファ233dに設定された表示データテーブルにおいて、その更新後のポインタ233fで示されるアドレスのデータがEnd情報であるか否かを判別する(S3202)。その結果、End情報であれば(S3202:Yes)、表示データテーブルバッファ233dに設定された表示データテーブルにおいて、その実体データが記載されたアドレスを過ぎてポインタ233fが更新されたことを意味する。
そこで、表示データテーブルバッファ233dに格納されている表示データテーブルがデモ表示データテーブルであるか否かを判別して(S3203)、デモ表示データテーブルであれば(S3203:Yes)、表示データテーブルバッファ233dに設定されているデモ表示データテーブルの演出時間に対応する時間データを計時カウンタ233hに設定し(S3204)、ポインタ233fを1に設定して初期化し(S3205)、本処理を終了し、表示設定処理に戻る。これにより、表示設定処理では、デモ表示データテーブルの先頭から順に描画内容を展開することができるので、第3図柄表示装置81には、デモ演出を繰り返し表示させることができる。
一方、S3203の処理において、表示データテーブルバッファ233dに格納されている表示データテーブルがデモ表示データテーブルでないと判別された場合は(S3203:No)、ポインタ233fの値を1だけ減算して(S3206)、本処理を終了し、表示設定処理に戻る。これにより、表示設定処理では、表示データテーブルバッファ233dにデモ表示データテーブル以外の表示データテーブル、例えば、変動表示データテーブルが設定されている場合は、End情報が記載された1つ前のアドレスの描画内容が常に展開されるので、第3図柄表示装置81には、その表示データテーブルで規定される最後の画像を停止させた状態で表示させることができる。一方、S3202の処理において、更新後のポインタ233fで示されるアドレスのデータがEnd情報でなければ(S3202:No)、本処理を終了し、表示設定処理に戻る。
ここで、図49に戻り説明を続ける。ポインタ更新処理の後、表示データテーブルバッファ233dに設定されている表示データテーブルから、ポインタ更新処理によって更新されたポインタ233fで示されるアドレスの描画内容を展開する(S3006)。タスク処理では、先に展開された警告画像などと共に、S3006の処理で展開された描画内容を元に、画像を構成するスプライト(表示物)の種別を特定すると共に、スプライト毎に、表示座標位置や拡大率、回転角度といった描画に必要な各種パラメータを決定する。
次いで、計時カウンタ233hの値を1だけ減算し(S3007)、減算後の計時カウンタ233hの値が0以下であるか否かを判別する(S3008)。そして、計時カウンタ233hの値が1以上である場合は(S3008:No)、そのまま表示設定処理を終了してV割込処理に戻る。一方、計時カウンタ233hの値が0以下である場合は(S3008:Yes)、表示データテーブルバッファ233dに設定されている表示データテーブルに対応する演出の演出時間が経過したことを意味する。このとき、表示データテーブルバッファ233dに変動表示データテーブルが設定されている場合は、その変動表示を終了すると共に停止表示を行うタイミングであるので、確定表示フラグがオンであるか否かを確認する(S3009)。
その結果、確定表示フラグがオフであれば(S3009:No)、まだ確定表示の演出を行っておらず、確定表示の演出を行うタイミングなので、第3図柄の確定表示を設定するための確定表示設定処理を実行して(S3010)、本処理を終了する。
この確定表示設定処理(S3010)の詳細について、図52を参照して説明する。図52は、この確定表示設定処理(S3010)を示すフローチャートである。
確定表示設定処理では、まず、背面画像判別フラグを読み出して(S3301)、現在設定されている背面種別が時間演出に対応する背面であるか否かを判別する(S3302)。そして、時間演出に対応する背面でないと判別した場合は(S3302:No)、通常態様の確定表示データテーブルをデータテーブル格納エリア233bの確定表示演出用テーブル格納エリアから読み出して表示データテーブルバッファ233dに設定し(S3303)、次いで、転送データテーブルバッファ233eにNullデータを書き込むことで、その内容をクリアする(S3304)。そして、確定表示データテーブルの演出時間に対応する時間データを計時カウンタ233hに設定し(S3305)、処理をS3309へと移行する。
一方、S3302の処理において、現在設定されている背面種別が時間演出に対応する背面であると判別した場合は(S3302:Yes)、第3図柄を縮小して表示させる態様(図9(a)参照)の確定表示データテーブルをデータテーブル格納エリア233bの確定表示演出用テーブル格納エリアから読み出して表示データテーブルバッファ233dに設定し(S3306)、次いで、転送データテーブルバッファ233eにNullデータを書き込むことで、その内容をクリアする(S3307)。そして、確定表示データテーブルの演出時間に対応する時間データを計時カウンタ233hに設定し(S3308)、処理をS3309へと移行する。第3図柄を縮小して表示させる態様の確定表示データテーブルを表示データテーブルバッファ233dに対して設定することにより、時間演出中に第3図柄表示装置81に表示される犬のキャラクタ740等の画像(図8、図9参照)が第3図柄により妨げられてしまうことを抑制することができる。
S3309の処理では、ポインタ233fの値を0に初期化する(S3309)。そして、オン状態で確定表示演出中であることを示す確定表示フラグをオンに設定した後(S3310)、停止図柄判別フラグの内容をそのままワークRAM233に設けられた前回停止図柄判別フラグにコピーして(S3311)、V割込処理に戻る。
これにより、表示データテーブルバッファ233dに変動表示データテーブルが設定されている場合などにおいて、その演出の終了に合わせて、変動演出における停止図柄の確定表示演出が第3図柄表示装置81に表示されるように、その描画内容を設定することができる。また、表示データテーブルバッファ233bに設定される表示データテーブルを確定表示データテーブルに変更するだけで、容易に、第3図柄表示装置81に表示させる演出を確定表示演出に変更することができる。そして、従来のように、別のプログラムを起動させることによって表示内容を変更する場合と比較して、プログラムが複雑かつ肥大化することなく、よって、MPU231に多大な負荷がかかることがないので、表示制御装置114の処理能力に関係なく、多種態様な演出画像を第3図柄表示81に表示させることができる。
なお、S3311の処理によって設定された前回停止図柄判別フラグは、次に行われる変動演出において第3図柄表示装置81に表示すべき第3図柄を特定するために用いられる。即ち、上述したように、変動演出における第3図柄の表示は、1つ前に行われた変動演出の停止図柄に応じて変わるためであり、変動表示データテーブルでは、そのデータテーブルに基づく変動が開始されてから所定時間経過するまでは、1つ前に行われた変動演出の停止図柄からの図柄オフセット情報が記載されている。タスク処理(S2104)では、変動が開始されてから所定時間が経過するまで、S3311の処理によって設定された前回停止図柄判別フラグから、1つ前に行われた変動演出の停止図柄を特定すると共に、その特定した停止図柄に対して表示設定処理により取得された図柄オフセット情報を加算することによって、実際に表示すべき第3図柄を特定する。これにより、1つ前の変動演出における停止図柄から変動演出が開始される。
図49に戻って説明を続ける。S3009の処理において、確定表示フラグがオンであれば(S3009:Yes)、デモ演出の表示態様を設定するためのデモ表示設定処理を実行し(S3011)、本処理を終了する。このデモ表示設定処理の詳細について、図53を参照して説明する。
図53は、デモ表示設定処理を示すフローチャートである。このデモ表示設定処理では、まず、デモ表示フラグがオンであるか否かを判別する(S3401)。そして、デモ表示フラグがオフであれば(S3401:No)、確定表示演出の終了に伴って計時カウンタ233hの値が0以下になったことを意味するので、背面画像判別フラグを読み出して(S3402)、現在設定されている背面種別が時間演出に対応する背面種別であるか否かを判別する(S3403)。S3403の処理において現在設定されているのが時間演出用の背面でないと判別した場合は(S3403:No)、データテーブル格納エリア233bのデモ演出用テーブル格納エリアから、通常演出期間中のデモ表示データテーブルを読み出して、表示データテーブルバッファ233dに設定し(S3404)、次いで、転送データテーブルバッファ233eにNullデータを書き込むことで、その内容をクリアする(S3405)。そして、デモ表示データテーブルの演出時間に対応する時間データを計時カウンタ233hに設定し(S3406)、処理をS3410へと移行する。
一方、S3403の処理において、現在設定されている背面種別が時間演出に対応する背面種別であると判別した場合は(S3403:Yes)、データテーブル格納エリア233bのデモ演出用テーブル格納エリア(図17参照)から、時間演出期間中のデモ表示データテーブルを読み出して、表示データテーブルバッファ233dに設定する(S3407)。なお、上述した通り、時間演出中のデモ演出としては、デモ画像が何ら表示されない態様となり、時間演出用の画像が第3図柄表示装置81の全画面に表示される。よって、パチンコ機10において遊技を行っているか否かに関わらず、全てのパチンコ機10に対して時間演出を明確に表示させることができるので、複数のパチンコ機10によって統一感のある演出を実行することができる。なお、時間演出期間中に表示される画像の妨げとならなければ、デモ画像を表示してもよい。例えば、デモ画像を時間演出中に変動演出が縮小して表示される小表示領域780(図8(a)参照)にのみ表示されるように構成してもよい。これにより、デモ演出によって時間演出の画像が遮蔽されてしまうことを防止(抑制)しつつ、遊技を行う台を探している遊技者に対し、パチンコ機10において遊技が行われていないことを容易に認識させることができる。
S3407の処理が終了すると、次いで、転送データテーブルバッファ233eにNullデータを書き込むことで、その内容をクリアする(S3408)。そして、デモ表示データテーブルの演出時間に対応する時間データを計時カウンタ233hに設定し(S3409)、処理をS3410へと移行する。
S3406、またはS3409の処理が終了した後で実行されるS3410の処理では、ポインタ233fを0に初期化し(S3410)、オン状態でデモ演出中であることを示すデモ表示フラグをオンに設定して(S3411)、本処理を終了してV割込処理に戻る。
これにより、第3図柄の確定表示を開始してから所定時間(例えば、15秒間)が経過しても、次の変動演出開始を示す表示用変動パターンコマンド、または、表示用オープニングコマンドを受信しなかった場合には、自動的に、第3図柄表示装置81にデモ演出が表示されるように、その描画内容を設定することができる。
S3401の処理において、デモ表示フラグがオンであると判別した場合は(S3401:Yes)、確定表示演出が終了した後にデモ演出が行われ、そのデモ演出が終了したことを意味するので、そのまま表示設定処理を終了し、V割込処理に戻る。そして、この場合、次回のV割込処理の中で実行されるポインタ更新処理によって、上述したように、再びデモ演出が開始されるように、各種設定が行われるので、音声ランプ制御装置113より新たな表示用変動パターンコマンドを受信するまでは、デモ演出を繰り返し第3図柄表示装置81に表示させることができる。
なお、V割込処理(図42(b)参照)において簡易画像表示フラグ233cがオンの場合に実行される簡易表示設定処理(S2109)でも、表示設定処理と同様の処理が行われる。ただし、簡易表示設定処理では、電源投入時変動画像による変動演出の演出時間が終了した後、所定時間、表示用停止種別コマンドに基づいて設定された停止図柄に応じた電源投入時変動画像の一方の画像を停止表示させることを規定した表示データテーブルを、表示データテーブルバッファ233dに設定する処理が行われる。
次いで、図54、および図55を参照して、表示制御装置114のMPU231で実行されるV割込処理の一処理である上述の転送設定処理(S2105)の詳細について説明する。まず、図54(a)は、この転送設定処理を示すフローチャートである。
この転送設定処理では、まず、簡易画像表示フラグ233cがオンか否かを判別する(S3501)。そして、簡易画像表示フラグ233cがオンであれば(S3501:Yes)、常駐用ビデオRAM235に常駐すべき全ての画像データがキャラクタROM234から常駐用ビデオRAM235に転送されていないので、常駐画像転送設定処理を実行して(S3502)、転送設定処理を終了し、V割込処理へ戻る。これにより、画像コントローラ237に対して、常駐用ビデオRAM235に常駐すべき画像データをキャラクタROM234から常駐用ビデオRAM235へ転送させるための転送指示が設定される。なお、常駐画像転送設定処理の詳細については、図54(b)を参照して後述する。
一方、S3501の処理の結果、簡易画像表示フラグ233cがオンではない、即ち、オフであれば、(S3501:No)、常駐用ビデオRAM235に常駐すべき全ての画像データがキャラクタROM234から常駐用ビデオRAM235に転送されている。この場合は、通常画像転送設定処理を実行し(S3503)、転送設定処理を終了して、V割込処理へ戻る。これにより、以後のキャラクタROM234からの画像データの転送は、通常用ビデオRAM236に対して行われるように転送指示が設定される。なお、通常画像転送設定処理の詳細については、図55を参照して後述する。
次いで、図54(b)を参照して、表示制御装置114のMPU231で実行される転送設定処理(S2105)の一処理である常駐画像転送設定処理(S3502)について説明する。図54(b)は、この常駐画像転送設定処理(S3502)を示すフローチャートである。
この常駐画像転送設定処理では、まず、画像コントローラ237に対して、未転送の画像データの転送指示をしているか否かを判別し(S3601)、転送指示を送信していれば(S3601:Yes)、更に、その転送指示に基づき画像コントローラ237により行われる画像データの転送処理が終了したか否かを判別する(S3602)。このS3602の処理では、画像コントローラ237に対して画像データの転送指示を行った後、画像コントローラ237から、転送処理の終了を示す転送終了信号を受信した場合に、転送処理が終了したと判断する。そして、S3602の処理により、転送処理が終了していないと判別される場合(S3602:No)、画像コントローラ237において画像の転送処理が継続して行われているので、この常駐画像転送設定処理を終了する。一方、転送処理が終了したと判別される場合(S3602:Yes)、S3603の処理へ移行する。また、S3601の処理の結果、画像コントローラ237に対して、未転送の画像データの転送指示を送信していない場合も(S3601:No)、S3603の処理へ移行する。
S3603の処理では、常駐用ビデオRAM235に常駐すべき全ての常駐対象画像データを転送したか否かを判別し(S3603)、未転送の常駐対象画像データがあれば(S3603:No)、その未転送の常駐対象画像データをキャラクタROM234から常駐用ビデオRAM235へ転送するように、画像コントローラ237に対する転送指示を設定し(S3604)、常駐画像転送設定処理を終了する。
これにより、描画処理において画像コントローラ237に対して送信される描画リストに、未転送の常駐対象画像データに関する転送データ情報が含められることになり、画像コントローラ237は、その描画リストに記載された転送データ情報を基に、常駐対象画像データをキャラクタROM234から常駐用ビデオRAM236へ転送することができる。なお、転送データ情報には、常駐対象画像データが格納されているキャラクタROM234の先頭アドレスと最終アドレス、転送先の情報(この場合は、常駐用ビデオRAM235)、及び転送先(ここで転送される常駐対象画像データを格納すべき常駐用ビデオRAM235に設けられたエリア)の先頭アドレスが含められる。画像コントローラ237は、この転送データ情報に基づいて画像転送処理を実行し、転送処理で指定された画像データをキャラクタROM234から読み出して一旦バッファRAM237aに格納した後、常駐用ビデオRAM236の未使用期間中に、常駐用ビデオRAM236の指定されたアドレスに転送する。そして、転送が完了すると、MPU231に対して、転送終了信号を送信する。
S3603の処理の結果、全ての常駐対象画像データが転送されていれば(S3603:Yes)、簡易画像表示フラグ233cをオフに設定して(S3605)、常駐画像転送設定処理を終了する。これにより、V割込処理(図42(b)参照)において、簡易コマンド判定処理(図42(b)のS2108参照)および簡易表示設定処理(図42(b)のS2109参照)ではなく、コマンド判定処理(図43〜図48参照)、および表示設定処理(図49〜図53参照)が実行されるので、通常時の画像の描画が設定されることになり、第3図柄表示装置81には通常時の画像が表示される。また、以後のキャラクタROM234からの画像データの転送は、通常画像転送設定処理(図55参照)により、通常用ビデオRAM236に対して行われる(図54(a)のS3501:No参照)。
MPU231は、この常駐画像転送設定処理を実行することにより、既にメイン処理の中で転送されている電源投入時主画像および電源投入時変動画像を除く、常駐用ビデオRAM235に常駐すべき全ての常駐対象画像データをキャラクタROM234から常駐用ビデオRAM235に対して転送することができる。そして、MPU231は、常駐用ビデオRAM235に転送された画像データを、電源投入中、上書きすることなく保持され続けるよう制御する。これにより、常駐画像転送設定処理によって常駐用ビデオRAM235に転送された画像データは、電源投入中、常駐用ビデオRAM235に常駐されることになる。
よって、常駐用ビデオRAM235に常駐すべき全ての画像データが常駐用ビデオRAM235に転送された後、表示制御装置114は、この常駐用ビデオRAM235に常駐された画像データを使用しながら、画像コントローラ237にて画像の描画処理を行うことができる。これにより、描画処理に使用する画像データが常駐用ビデオRAM235に常駐されていれば、画像描画時に読み出し速度の遅いNAND型フラッシュメモリ234aで構成されたキャラクタROM234から対応する画像データを読み出す必要がないため、その読み出しにかかる時間を省略でき、画像の描画を即座に行って第3図柄表示装置81に描画した画像を表示することができる。
特に、常駐用ビデオRAM235には、背面画像や、第3図柄、キャラクタ図柄、エラーメッセージといった、頻繁に表示される画像の画像データや、主制御装置110、音声ランプ制御装置113や表示制御装置114などによって表示が決定された後、即座に表示すべき画像の画像データを常駐させるので、キャラクタROM234をNAND型フラッシュメモリ234aで構成しても、遊技者によって任意のタイミングで行われる種々の操作から、第3図柄表示装置81に何らかの画像を表示させるまでの応答性を高く保つことができる。
次いで、図55を参照して、表示制御装置114のMPU231で実行される転送設定処理(S2105)の一処理である通常画像転送設定処理(S3503)について説明する。図55は、この通常画像転送設定処理(S3503)を示すフローチャートである。
この通常画像転送設定処理では、まず、転送データテーブルバッファ233eに設定されている転送データテーブルから、先に実行された表示設定処理(S2103)のポインタ更新処理(S3005)によって更新されたポインタ233fで示されるアドレスに記載された情報を取得する(S3701)。そして、取得した情報が転送データ情報であるか否かを判別し(S3702)、転送データ情報であれば(S3702:Yes)、その転送データ情報から、転送対象画像データが格納されているキャラクタROM234の先頭アドレス(格納元先頭アドレス)と最終アドレス(格納元最終アドレス)、及び、転送先(通常用ビデオRAM236)の先頭アドレスを抽出して、ワークRAM233に設けられた転送データバッファに格納し(S3703)、更に、ワークRAM233に設けられ、オン状態で転送開始すべき画像データが存在することを示す転送開始フラグをオンに設定して(S3704)、S3705の処理へ移行する。
また、S3702の処理において、取得した情報が転送データ情報ではなく、Nullデータであれば(S3702:No)、S3703、およびS3704の処理をスキップして、S3705の処理へ移行する。S3705の処理では、画像コントローラ237に対して、前回行われた画像データの転送が終了した後に、新たに画像データの転送指示を設定したか否かを判別し(S3705)、転送指示を設定していれば(S3705:Yes)、更に、その転送指示に基づき画像コントローラ237により行われる画像データの転送が終了したか否かを判別する(S3706)。
このS3706の処理では、画像コントローラ237に対して画像データの転送指示を設定した後、画像コントローラ237から、転送処理の終了を示す転送終了信号を受信した場合に、転送処理が終了したと判断する。そして、S3706の処理により、転送処理が終了していないと判別される場合(S3706:No)、画像コントローラ237において画像の転送処理が継続して行われているので、この通常画像転送設定処理を終了する。一方、転送処理が終了したと判別される場合(S3706:Yes)、S3707の処理へ移行する。また、S3705の処理の結果、前回の転送処理の終了後に、画像コントローラ237に対して画像データの転送指示を設定していない場合も(S3705:No)、S3707の処理へ移行する。
S3707の処理では、転送開始フラグがオンか否かを判別し(S3707)、転送開始フラグがオンであれば(S3707:Yes)、転送開始すべき画像データが存在しているので、転送開始フラグをオフにし(S3708)、S3703の処理によって転送データバッファに格納した各種情報によって示されるスプライトの画像データを転送対象画像データに設定した上で、S3713の処理へ移行する。一方、転送開始フラグがオンではなく、オフであれば(S3707:No)、次いで、背面画像変更フラグはオンか否かを判別する(S3709)。そして、背面画像変更フラグがオンではなく、オフであれば(S3709:No)、転送開始すべき画像データが存在していないので、そのまま通常画像転送設定処理を終了する。
一方、背面画像変更フラグがオンであれば(S3709:Yes)、背面画像の変更を意味するので、背面画像変更フラグをオフに設定した後(S3710)、背面画像種別毎に設けられた背面画像判別フラグのうち、オン状態にある背面画像判別フラグに対応する背面画像の画像データを特定し、その画像データを転送対象画像データに設定する(S3711)。更に、オン状態にある背面画像判別フラグに対応する背面画像の画像データが格納されているキャラクタROM234の先頭アドレス(格納元先頭アドレス)と最終アドレス(格納元最終アドレス)、及び、転送先(通常用ビデオRAM236)の先頭アドレスを取得し(S3712)、S3713の処理へ移行する。
なお、オン状態にある背面画像判別フラグが背面Aのものである場合、対応する画像データは全て常駐用ビデオRAM235の背面画像エリア235cに常駐されているので、通常用ビデオRAM236に転送すべき画像データが存在しない。よって、S3711の処理では、オン状態にある背面画像判別フラグが背面Aのものであれば、そのまま通常画像転送処理を終了する。
S3713の処理では、転送対象画像データが通常用ビデオRAM236に既に格納されているか否かを判別する(S3713)。このS3713の処理における判別では、格納画像データ判別フラグ233iを参照することによって行われる。即ち、転送対象画像データとされたスプライトに対応する格納状態を格納画像データ判別フラグ233iより読み出して、その格納状態が「オン」であれば、転送対象となったスプライトの画像データが通常用ビデオRAM236に格納されていると判断し、格納状態が「オフ」であれば、転送対象となったスプライトの画像データが通常用ビデオRAM236に格納されていないと判断する。
そして、S3713の処理の結果、転送対象画像データが通常用ビデオRAM236に格納されていれば(S3713:Yes)、キャラクタROM234から通常用ビデオRAM236に対して、その画像データを転送する必要がないので、そのまま通常画像転送設定処理を終了する。これにより、無駄に画像データがキャラクタROM234から通常用ビデオRAM236に対して転送されるのを抑制することができ、表示制御装置114の各部における処理負担の軽減や、バスライン240におけるトラフィックの軽減を図ることができる。
一方、S3713の処理の結果、転送対象画像データが通常用ビデオRAM236に格納されていなければ(S3713:No)、その転送対象画像データの転送指示を設定する(S3714)。これにより、描画処理において画像コントローラ237に対して送信される描画リストに、転送対象画像データの転送データ情報が含められることになり、画像コントローラ237は、その描画リストに記載された転送データ情報を基に、転送対象画像の画像データをキャラクタROM234から通常用ビデオRAM236へ転送することができる。なお、転送データ情報には、転送対象画像の画像データが格納されているキャラクタROM234の先頭アドレスと最終アドレス、転送先の情報(この場合は、通常用ビデオRAM236)、及び転送先(ここで転送される転送対象画像の画像データを格納すべき通常用ビデオRAM236の画像格納エリア236aに設けられたサブエリア)の先頭アドレスが含められる。画像コントローラ237は、この転送データ情報に基づいて画像転送処理を実行し、転送処理で指定された画像データをキャラクタROM234から読み出して、指定されたビデオRAM(ここでは、通常用ビデオRAM236)の指定されたアドレスに転送する。そして、転送が完了すると、MPU231に対して、転送終了信号を送信する。
S3714の処理の後、格納画像データ判別フラグ233iを更新し(S3715)、この通常用転送設定処理を終了する。格納画像データ判別フラグ233iの更新は、上述したように、転送対象画像データとなったスプライトに対応する格納状態を「オン」に設定し、また、その一のスプライトと同じ画像格納エリア236aのサブエリアに格納されることになっているその他のスプライトに対応する格納状態を「オフ」に設定することによって行われる。
このように、この通常用画像転送処理を実行することによって、先に実行されたコマンド判定処理の中で、表示用停止種別コマンドに対応する処理が実行され、その結果、表示用停止種別コマンドによって示される停止種別情報が大当たりの停止種別であると判別された場合は、ファンファーレ演出において使用する画像データを遅滞なくキャラクタROM234から通常用ビデオRAM236に転送させることができる。また、先に実行されたコマンド判定処理の中で背面画像変更コマンドの受信に基づいて背面画像の変更が行われた場合は、その背面画像で用いられる画像データのうち、常駐用ビデオRAM235の背面画像エリア235cに格納されていない画像データを、遅滞なく、キャラクタROM234から通常用ビデオRAM236に転送させることができる。
また、本実施形態では、主制御装置110からのコマンド等に基づき音声ランプ制御装置113から送信されるコマンド(例えば、表示用変動パターンコマンド)等に応じて、表示データテーブルが表示データテーブルバッファ233dに設定されるのに合わせて、その表示データテーブルに対応する転送データテーブルが転送データテーブルバッファ233eに設定される。そして、MPU231は、通常画像転送設定処理を実行することにより、転送データテーブルバッファ233eに設定された転送データテーブルのポインタ233fで示されるエリアに記載されている転送データ情報に従って、画像コントローラ237に対し転送対象画像データの転送指示を設定するので、表示データテーブルバッファ233dに設定された表示データテーブルで用いられるスプライトの画像データを、所望のタイミングで確実にキャラクタROM234から通常用ビデオRAM236へ転送することができる。
ここで、表示データテーブルに従って所定のスプライトの描画が開始されるまでに、その所定のスプライトに対応する画像データが画像格納エリア236aに格納されるように、転送データテーブルでは、転送対象画像データの転送データ情報が所定のアドレスに対して規定されているので、この転送データテーブルに規定された転送データ情報に従って、画像データをキャラクタROM234から画像格納エリア236aに転送することにより、表示データテーブルに従って所定のスプライトを描画する場合に、そのスプライトの描画に必要な常駐用ビデオRAM235に常駐されていない画像データを、必ず画像格納エリア236aに格納させておくことができる。
これにより、読み出し速度の遅いNAND型フラッシュメモリ234aによってキャラクタROM234を構成しても、遅滞なく表示に必要な画像を予めキャラクタROM234から読み出し、通常用ビデオRAM236へ転送しておくことができるので、表示データテーブルで指定された各スプライトの画像を描画しながら、対応する演出を第3図柄表示装置81に表示させることができる。また、転送データテーブルの記載によって、常駐用ビデオRAM235に非常駐の画像データだけを容易に且つ確実にキャラクタROM234から通常用ビデオRAM236へ転送することができる。
また、転送データテーブルでは、スプライトに対応する画像データ毎にキャラクタROM234から通常用ビデオRAM236へ画像データが転送されるように、その転送データ情報を規定する。これにより、その画像データの転送をスプライト毎に管理し、また、制御することができるので、その転送に係る処理を容易に行うことができる。そして、スプライト単位でキャラクタROM234から通常用ビデオRAM236への画像データの転送を制御することにより、その処理を容易にしつつ、詳細に画像データの転送を制御できる。よって、転送にかかる負荷の増大を効率よく抑制することができる。
次いで、図56を参照して、表示制御装置114のMPU231で実行されるV割込処理の一処理である上述の描画処理(S2106)の詳細について説明する。図56は、この描画処理を示すフローチャートである。
描画処理では、タスク処理(S2104)で決定された1フレームを構成する各種スプライトの種別ならびにそれぞれのスプライトの描画に必要なパラメータ(表示位置座標、拡大率、回転角度、半透明値、αブレンディング情報、色情報、フィルタ指定情報)、および転送設定処理(S2105)により設定された転送指示から、図22に示す描画リストを生成する(S3801)。即ち、S3801の処理では、タスク処理(S2104)で決定された1フレームを構成する各種スプライトの種別から、スプライト毎に、そのスプライトの画像データが格納されている格納RAM種別とアドレスとを特定し、その特定された格納RAM種別とアドレスとに対して、タスク処理で決定されたそのスプライトに必要なパラメータを対応付ける。そして、各スプライトを、1フレーム分の画像の中で最も背面側に配置すべきスプライトから前面側に配置すべきスプライト順に並び替えた上で、その並び替え後のスプライト順に、それぞれのスプライトに対する詳細な描画情報(詳細情報)として、スプライトの画像データが格納されている格納RAM種別ならびにアドレスおよびそのスプライトの描画に必要なパラメータを記述することで、描画リストを生成する。また、転送設定処理(S2105)により転送指示が設定された場合は、その描画リストの末尾に、転送データ情報として、転送対象画像データが格納されているキャラクタROM234の先頭アドレス(格納元先頭アドレス)と最終アドレス(格納元最終アドレス)、及び、転送先(通常用ビデオRAM236)の先頭アドレスを追記する。
なお、上述したように、スプライト毎に、そのスプライトの画像データが格納される常駐用ビデオRAM235のエリア、または通常用ビデオRAM236の画像格納エリア236aのサブエリアが固定されているので、MPU231は、スプライト種別に応じて、そのスプライトの画像データが格納されている格納RAM種別とアドレスとを即座に特定し、それらの情報を描画リストの詳細情報に容易に含めることができる。
描画リストを生成すると、その生成した描画リストと、描画対象バッファフラグ233jによって特定される描画対象バッファ情報とを画像コントローラへ送信する(S3802)。ここでは、描画対象バッファフラグ233jが0である場合は、描画対象バッファ情報として第1フレームバッファ236bに描画された画像を展開するよう指示する情報を含め、描画対象バッファフラグ233jが1である場合は、描画対象バッファ情報として第2フレームバッファ236cに描画された画像を展開するよう指示する情報を含める。
画像コントローラ237は、MPU231より受信した描画リストに基づいて、その描画リストの先頭に記述されたスプライトから順に画像を描画し、それを描画対象バッファ情報によって指示されたフレームバッファに上書きによって展開する。これにより、描画リストによって生成された1フレーム分の画像において、最初に描画したスプライトが最も背面側に配置させ、最後に描画したスプライトが最も前面側に配置させることができる。
また、描画リストに転送データ情報が含まれている場合は、その転送データ情報から、転送対象画像データが格納されているキャラクタROM234の先頭アドレス(格納元先頭アドレス)と最終アドレス(格納元最終アドレス)、及び、転送先(通常用ビデオRAM236)の先頭アドレスを抽出し、その格納元先頭アドレスから格納元最終アドレスまでに格納された画像データを順にキャラクタROM234から読み出してバッファRAM237aに一時的に格納した後、通常用ビデオRAM236が未使用状態にあるときを見計らって、バッファRAM237aに格納した画像データを通常用ビデオRAM236の転送先先頭アドレスによって示されるエリアに順次転送する。そして、この通常用ビデオRAM236に格納された画像データは、その後にMPU231より送信される描画リストに基づいて使用され、描画リストに従った画像の描画が行われる。
なお、画像コントローラ237は、描画対象バッファ情報によって指示されたフレームバッファとは異なるフレームバッファから、先に展開された画像の画像情報を読み出して、駆動信号と共にその画像情報を第3図柄表示装置81に送信する。これにより、第3図柄表示装置81に対して、フレームバッファに展開した画像を表示させることができる。また、一方のフレームバッファに描画した画像を展開しながら、一方のフレームバッファから展開した画像を第3図柄表示81に表示させることができ、描画処理と表示処理とを同時並列的に処理することができる。
描画処理は、S3802の処理の後、描画対象バッファフラグ233jを更新する(S3803)。そして、描画処理を終了して、V割込処理に戻る。描画対象バッファフラグ233jの更新は、その値を反転させることにより、即ち、値が「0」であった場合は「1」に、「1」であった場合は「0」に設定することによって行われる。これにより、描画対象バッファは、描画リストが送信される度に、第1フレームバッファ236bと第2フレームバッファ236cとの間で交互に設定される。
ここで、描画リストの送信は、1フレーム分の画像の描画処理および表示処理が完了する20ミリ秒毎に画像コントローラ237から送信されるV割込信号に基づいて、MPU231により実行されるV割込処理(図42(b)参照)の描画処理が実行される度に、行われることになる。これにより、あるタイミングで、1フレーム分の画像を展開するフレームバッファとして第1フレームバッファ236bが指定され、1フレーム分の画像情報が読み出されるフレームバッファとして第2フレームバッファ236cが指定されて、画像の描画処理および表示処理が実行されると、1フレーム分の画像の描画処理が完了する20ミリ秒後に、1フレーム分の画像を展開するフレームバッファとして第2フレームバッファ236cが指定され、1フレーム分の画像情報が読み出されるフレームバッファとして第1フレームバッファ236bが指定される。よって、先に第1フレームバッファ236bに展開された画像の画像情報が読み出されて第3図柄表示装置81に表示させることができると同時に、第2フレームバッファ236cに新たな画像が展開される。
そして、更に次の20ミリ秒後には、1フレーム分の画像を展開するフレームバッファとして第1フレームバッファ236bが指定され、1フレーム分の画像情報が読み出されるフレームバッファとして第2フレームバッファ236cが指定される。よって、先に第2フレームバッファ236cに展開された画像の画像情報が読み出されて第3図柄表示装置81に表示させることができると同時に、第1フレームバッファ236bに新たな画像が展開される。以後、1フレーム分の画像を展開するフレームバッファと、1フレーム分の画像情報が読み出されるフレームバッファとを、20ミリ秒毎に、それぞれ第1フレームバッファ236bおよび第2フレームバッファ236cのいずれかを交互に指定することによって、1フレーム分の画像の描画処理を行いながら、1フレーム分の画像の表示処理を20ミリ秒単位で連続的に行わせることができる。
以上、説明したように、本実施形態のパチンコ機10では、RTC292の時刻情報(計時情報)に基づいて、通常時に実行される演出とは異なる態様の時間演出を第3図柄表示装置81において実行可能に構成されている。この時間演出は、1時間毎に実行され、3分間継続する演出である。1時間のうちの3分間しか実行されないので、時間演出を実行することにより遊技者に対して目新しさを感じさせることができる。よって、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができる。
また、時間演出を決められた間隔(1時間毎)で実行するように構成しているので、遊技者に対して時間演出の実行期間を狙って遊技を行わせたり、時間演出の開始間近で遊技を辞めようとしていた遊技者に対して、次の時間演出が終了するまで遊技を継続し、時間演出を楽しみたいと思わせたりすることができる。よって、パチンコ機10の稼働率を向上させることができる。
この時間演出は、パチンコ機10に対して電源を投入してからの経過時間に基づいて実行されるように構成されている。よって、ホールに設置されている複数のパチンコ機10に対して同じタイミングで電源を投入することにより、時間演出の開始タイミング、および終了タイミングを一致させることができる。よって、各パチンコ機10において実行される表示演出に統一感を持たせることができる。
また、時間演出の開始タイミングでは、遊技者に対して告知画像750(図6(b)参照)が第3図柄表示装置81に表示されるように構成されている。ここで、時間演出は電源投入からの経過時間に応じて実行される。即ち、変動演出等の他の表示演出の状況とは無関係に実行される。よって、通常演出期間と時間演出期間とで、変動演出等の他の表示演出の態様を共通としてしまうと、告知画像750や、時間演出中に表示されるキャラクタ等が第3図柄やデモ画像等で遮蔽されてしまい、遊技者に対して最も見せたい演出の一つである時間演出が遊技者にとって視認困難な状態となってしまう虞がある。
これに対して本実施形態では、変動演出が開始されるまでの残時間を判別し、残時間に応じて、時間演出中に実行される演出の邪魔にならないような態様の変動演出の態様を選択するように構成されている。例えば、時間演出中に変動演出が開始される場合には第3図柄を縮小して第3図柄表示装置81の右下部分に表示させることにより、第3図柄表示装置81の中央部分に表示される犬のキャラクタ740を遮蔽することなく、変動演出を実行することができる(図8(a),(b)参照)。
また、本実施形態では、第3図柄の確定表示中や、デモ演出の実行中に、時間演出の実行期間となった場合に、表示されている第3図柄、またはデモ画像を消去するように構成されている。つまり、主表示領域Dmにおいて、告知画像750(図6(b)参照)を、他の画像に何ら遮蔽されずに表示させることができる。よって、最も遊技者に見せたい演出の一つである時間演出が開始したことを遊技者に対して明確に認識させることができる。
また、単純に時間演出中と通常時とで第3図柄が表示される領域の大きさを切り替える場合に比較して、より自由度の高い表示演出を実行することができる。仮に、通常時は主表示領域Dmの全体に第3図柄の変動表示や確定表示を行い、時間演出期間は小表示領域780で第3図柄の変動表示や確定表示を行うように構成すると、時間演出中は常に小表示領域780に対して第3図柄、またはデモ画像が表示されることとなる。即ち、時間演出中の表示演出に用いることができない領域が生じてしまう。これに対して本実施形態では、小表示領域780も含んだ表示領域に告知画像750を表示させることができるので(図6(b)参照)、より広い表示領域を用いて自由度の高い表示演出を実行することができる。
本実施形態では、時間演出の態様として、犬のキャラクタ740が様々な動作を行う演出が行われるように構成しているが、時間演出の態様は本実施形態の態様に限られるものではない。通常時とは異なる特別な態様で演出が実行されるように構成されていれば、演出内容は任意に定めてもよい。例えば、キャラクタではなく、第3図柄の表示態様を変更してもよいし、通常とは異なる音声演出やランプ演出を実行するように構成してもよい。また、時間演出の実行期間中に大当たりとなることにより、通常時に大当たりとなった場合とは異なる特別な演出が行われるように構成してもよい。通常時とは異なる特別な態様の演出が実行される時間演出期間を設けておくことで、パチンコ機10において実行される演出が単調となってしまうことを抑制することができる。よって、遊技者が演出に飽きてしまうことを抑制することができるので、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができる。また、特別な態様の演出を時間演出期間にのみ実行することで、遊技者に対して時間演出期間に遊技を行わせたいと感じさせることができる。よって、パチンコ機10の稼働率を向上させることができる。
本実施形態では、変動演出を実行する際に、変動開始直後(変動開始後1秒以内)、または変動終了前後1秒以内に、時間演出の開始タイミングとなる場合は、主表示領域Dmの右下に特別図柄の変動演出を縮小表示することにより告知画像750(図6(b)参照)を遊技者が明確に視認できるように構成している。一方、第3図柄の変動期間と、告知画像750(図6(b)参照)の表示期間とが重複すると判断した場合は、変動中の第3図柄を半透明な態様で表示するように構成することで、告知画像750(図6(b)参照)を遊技者が明確に視認できるように構成している。しかしこれを、変動演出の実行期間、および変動終了後の1秒間の停止表示期間が時間演出期間と重複する場合は、一律に主表示領域Dmの右下に特別図柄の変動演出を縮小表示する態様としてもよい。上述した通り、変動中に第3図柄を半透明な態様で表示させる場合、変動停止前後の1秒は第3図柄を通常の態様(図6(a)参照)で主表示領域Dmに表示させるように構成されているため、変動停止前後の1秒に、犬のキャラクタ740が見え難くなってしまう。これに対して、一律に第3図柄を縮小表示するように構成すれば、告知画像750(図6(b)参照)だけでなく、時間演出中に表示される犬のキャラクタ740が第3図柄によって遮蔽されることを防止(抑制)することができる。
本実施形態では、第3図柄の停止表示が1秒以上行われている確定表示状態の場合(つまり、前回の変動終了時に保留球がなく、第1入球口64への新たな入球もない場合)、または、デモ演出中に時間演出の開始タイミングとなった場合は、停止表示されている第3図柄、またはデモ画像を消去することで告知画像750(図6(b)参照)を遊技者が明確に認識できるように構成しているが、これに限られるものではない。例えば、時間演出期間中は、描画処理(図56参照)において描画リスト(図22参照)を生成する際に、確定表示中の第3図柄やデモ画像を、1フレームの画像の中で、背面画像よりも背面側に配置すべきスプライトとして判断するように構成してもよい。これにより、時間演出期間中は、確定表示中の第3図柄や、デモ画像が、その前の階層に配置される背面画像に遮蔽されて見えなくなるので、時間演出中に遊技者に対して最も見せたい演出である犬のキャラクタ740の演出等を遊技者に対して明確に視認させることができる。また、単にスプライトを配置する順番を変更するだけで確定表示中の第3図柄や、デモ画像を見えなくすることができるので、見えにくい態様のデモ画像等を時間演出期間用に別途用意する必要がない。よって、データテーブルの数を削減することができるので、表示制御装置114において、キャラクタROM234やワークRAM233の記憶容量を削減することができる。
本実施形態では、時間演出の開始タイミングとなった場合に確定表示状態の第3図柄を消去するように構成されていたが、第3図柄が消去されることを前もって報知するように構成してもよい。これにより、第3図柄が消去されたとしても、その消去が正常な動作であると認識させることができるので、遊技者が安心して遊技を継続することができる。
本実施形態では、1の変動演出が時間演出の開始タイミングをまたぐか否かに基づいて、選択される変動演出の表示態様を異ならせていたが、保留球が存在し、その保留を消化することにより時間演出の開始タイミングをまたぐと先読みにより判別された場合に、時間演出の前後で演出の態様を変更する用に構成してもよい。即ち、時間演出の開始までの期間を判別し、その期間を1の演出期間に設定して通常の態様で予告演出を行うように構成する(つまり、1又は複数の変動演出の実行期間において、1の演出を設定する)。そして、時間演出の開始タイミング後は、演出開始時に保留されていた残りの変動演出にわたって特別な態様の演出を設定するように構成してもよい。これにより、複数回の変動演出にわたって演出を行うことができ、更に、時間演出の開始前後で演出の態様を変更することができるので、多種多様な演出を実行することができる。よって、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができる。
<第2実施形態>
次に、図57、および図58を参照して、第2実施形態におけるパチンコ機10について説明する。上述した第1実施形態では、第3図柄の停止表示が1秒以上行われている確定表示状態の場合(つまり、前回の変動終了時に保留球がなく、第1入球口64への新たな入球もない場合)に時間演出の開始タイミングとなると、第3図柄の確定表示を消去するように構成されていた。これにより、遊技者に対して最も見せたい画像の一つである、時間演出の開始を告知する表示(告知画像750)が第3図柄の確定表示により遮蔽されて見えにくくなってしまうことを防止(抑制)していた。つまり、告知画像750を遊技者に対して明確に視認させることができるように構成されていた。
また、従来型の遊技機において、液晶表示装置等の表示装置が設けられた遊技機が知られている。この従来型の遊技機では、表示装置において図柄の変動表示が行われ、図柄が予め定められた組み合わせで停止表示されることで、遊技者に有利な大当たり遊技が付与される。また、表示装置には、図柄以外にもキャラクタや風景等の様々な画像が表示される。ここで、従来型の遊技機では、画像を表示させるための優先度が定められており、例えば、大当たりとなるか否かに直接関係する図柄が明確に視認できるように表示され、他の画像は図柄が表示されている表示領域以外の領域に表示される(例えば、特開2003−325886号公報)。
しかしながら、従来の遊技機では、優先度の高い画像が表示されている場合には、他の画像を表示させる表示領域が小さくなってしまうため、他の画像が視認し難くなってしまう場合があった。特に、デモ演出が搭載されている場合には、そのデモ演出が状態に関わらず全画面で表示されてしまうことにより、他の画像が表示されなくなってしまう場合があった。即ち、上記第1実施形態における時間演出等の特殊な演出が設けられていたとしても、従来型の遊技機では時間演出等の遊技者に対して見せたい画像を見せられなくなる虞があった。
これに対して本実施形態では、第3図柄の確定表示を主表示領域Dmの右下部分(小表示領域780)に対して縮小表示させるように構成している。即ち、告知画像750を明瞭に表示させつつ、第3図柄の確定表示も確認可能に構成している。これにより、遊技者が第3図柄の確定表示を時間演出の開始タイミングまで見逃していたとしても、時間演出の開始後に第3図柄の確定表示を確認することができる。また、時間演出の開始タイミングにおいて表示されている画像がデモ画像であった場合は、時間演出の開始に基づいてデモ画像を非表示とすることにより、時間演出をより大きな表示領域で表示させるように構成している。これにより、時間演出の表示タイミングとなった場合に、第3図柄表示装置81に対して表示されている画像の種別(第3図柄の確定表示、またはデモ画像)に応じて、その表示されている画像と、時間演出の表示態様を変更することで、遊技者に対して見せたい演出をより適切に表示させることができる。
この第2実施形態におけるパチンコ機10が第1実施形態におけるパチンコ機10と構成上において相違する点は、表示制御装置114のMPU231により実行される一部処理が第1実施形態におけるパチンコ機10から変更されている点である。その他の構成や、主制御装置110のMPU201によって実行される各種処理、音声ランプ制御装置113のMPU221によって実行される各種処理、表示制御装置114のMPU231によって実行されるその他の処理については、第1実施形態におけるパチンコ機10と同一である。以下、第1実施形態と同一の要素には同一の符号を付し、その図示と説明とを省略する。
まず、図57を参照して、第3図柄の確定表示状態において時間演出の開始タイミングとなった場合における第3図柄表示装置81の表示内容について説明する。図57(a)は、第3図柄の確定表示状態において時間演出が開始される5秒前となった場合の表示内容を示した図である。図57(a)に示す通り、第3図柄が確定表示された状態で時間演出が開始される5秒前となると、第1実施形態と同様に小領域Ds3において「ふれあいタイム5秒前」との文字が表示される。上述した通り、この文字は時間の経過と共に更新され、時間演出の開始タイミングで「0秒」となるように構成されている。
図57(b)は、第3図柄が確定表示されたまま時間演出の開始タイミングになった場合の表示内容を示した図である。図57(b)に示した通り、時間演出の開始タイミングになると、主表示領域Dmに確定表示されていた第3図柄が、主表示領域Dmの右下部分の小表示領域780に縮小表示されると共に、時間演出の開始を告知する表示(告知画像750)が主表示領域Dmに大きく表示される。即ち、告知画像750と第3図柄との両方を確認可能としている。これにより、遊技者が停止表示された第3図柄を時間演出の開始タイミングまで見逃していたとしても、時間演出の開始後に停止図柄を確認することができる。また、第3図柄を縮小表示させることにより、告知画像750が第3図柄で遮蔽されてしまうことを抑制できるので、遊技者に対して告知画像750(図6(b)参照)を明瞭に視認させることができる。
<第2実施形態における表示制御装置の制御処理について>
次に、図58を参照して、第2実施形態における表示制御装置114内のMPU231において実行される背面画像変更コマンド処理2(S2221)について説明する。図58は、この背面画像変更コマンド処理2(S2221)を示すフローチャートである。背面画像変更コマンド処理2(S2221)は、表示制御装置114のMPU231によって実行されるコマンド判定処理(図43参照)において第1実施形態における背面画像変更コマンド処理(図47参照)に代えて実行される処理であり、音声ランプ制御装置114より背面画像変更コマンドを受信した場合に実行される。
この背面画像変更コマンド処理2(図58参照)のうち、S2801〜S2803の各処理では、それぞれ第1実施形態における背面画像変更コマンド処理(図47参照)のS2801〜S2803の各処理と同一の処理が実行される。そして、S2803の処理において、時間演出用の背面画像でないと判別された場合は(S2803:No)、第1実施形態と同様に、そのまま本処理を終了する。一方、時間演出用の背面画像であると判別された場合は(S2803:Yes)、S2811の処理に移行する。
S2811の処理では、デモ表示フラグがオンであるか否かを判別する(S2811)。S2811の処理において、デモ表示フラグがオンであると判別した場合は(S2811:Yes)、デモ演出(図7参照)の表示中に時間演出の開始タイミングとなり、時間演出に対応する背面画像変更コマンドを受信したことを意味する。よって、この場合は、計時カウンタの値に0を設定し(S2812)、表示データテーブルバッファ233dをクリアして(S2813)、本処理を終了する。S2813の処理により表示データテーブルバッファ233dがクリアされると、デモ演出の表示画像が消去されるので、告知画像750を遊技者に対して明確に視認させることができる。また、時間演出に対応する背面画像が設定されている場合には、次回のデモ表示設定処理(図53参照)において、時間演出用のデモ演出が設定される。時間演出中のデモ演出としては、デモ画像が何ら表示されない態様となるので、時間演出用の画像が第3図柄表示装置81の全画面に表示させることができる。よって、確定表示演出中に時間演出の開始タイミングとなるよりも、更に、時間演出を表示させるために用いることができる表示領域を増加させることができる。よって、時間演出において表示させることができる演出の自由度をより高めることができる。
一方、S2811の処理において、デモ表示フラグがオンでない(即ち、オフである)と判別した場合は(S2811:No)、確定表示フラグがオンであるか否かを判別し(S2814)、確定表示フラグがオンでない(即ち、オフである)と判別した場合は(S2814:No)、そのまま本処理を終了する。
一方、S2814の処理において、確定表示フラグがオンであると判別された場合は(S2814:Yes)、第3図柄を縮小して表示させる態様(図57(b)参照)の確定表示データテーブルを、データテーブル格納エリア233bの確定表示演出用テーブル格納エリアから読み出して、表示データテーブルバッファ233dに設定し(S2815)、本処理を終了する。
本処理を行うことにより、時間演出の開始タイミングとなると、主表示領域Dmに確定表示されていた第3図柄が主表示領域Dmの右下部分(小表示領域780)に縮小表示される。これにより、告知画像750を遊技者に対して明確に視認させることができる。また、変動終了から時間演出の開始タイミングまでの期間が短かったとしても、主表示領域Dmの右下部分(小表示領域780)に第3図柄が表示され続けるので、遊技者に対して確実に停止図柄を確認させることができる。
ここで、例えば、時間演出が開始される直前に期待度の高い態様の外れリーチが実行され、遊技者の大当たりに対する期待感が高まったにも関わらず、第3図柄が停止表示されるタイミングを遊技者がやむを得ず見逃してしまう場合がある。係る場合に、第1実施形態のパチンコ機10では、遊技者が停止図柄を確認するよりも前に時間演出の開始タイミングとなると、確定表示されていた第3図柄が消去されるので、遊技者に対して「本当は当たりだったのに時間演出によって当たりがキャンセルされてしまったのではないか」といった不安感を抱かせてしまう虞があった。
これに対して本実施形態では、上述した通り、S2815の処理により、時間演出の開始タイミングとなった場合に確定表示されていた第3図柄を縮小表示するように構成されているので、時間演出の開始後であっても遊技者に対して前回の変動演出における停止図柄を確認させることができる。よって、遊技者が第3図柄を見逃してしまうことを抑制できるので、第3図柄を見逃すことにより遊技者に対して不安感を抱かせてしまうことを防止することができる。
以上、説明したように、第2実施形態のパチンコ機10では、第3図柄の確定表示状態の場合(つまり、前回の変動終了時に保留球がなく、第1入球口64への新たな入球もない場合)に時間演出の開始タイミングとなると、主表示領域Dm全体に確定表示されていた第3図柄が小表示領域780において縮小表示されるように構成されている。よって、告知画像750を遊技者に対して明確に視認させることができると共に、遊技者が第3図柄の確定表示を時間演出が開始するタイミングまで見逃していたとしても、時間演出の開始後に第3図柄の確定表示を確認させることができる。
また、第1実施形態と同様に、本実施形態でも、時間演出中に設定されるデモ演出では、デモ画像が一切表示されない態様となる。即ち、背面画像が何ら遮られることなく全画面に表示される態様に設定される。これにより、第3図柄の確定表示が実行される期間(例えば、15秒間)の間は、前回の変動演出において停止表示された第3図柄を小表示領域780に表示させ続けることができる一方で、デモ演出の期間となった場合は、時間演出をより広い表示領域で実行することができる。即ち、時間演出に比べると表示させる優先度は低いが、遊技者にとって比較的関心度の高い表示内容(前回の特別図柄の抽選結果を示す第3図柄の確定表示)を、時間演出の妨げとならないように表示させることができ、且つ、遊技者にとって比較的関心度の低い表示内容(デモ画像)を非表示とすることにより、時間演出の自由度をより高めることができる。即ち、時間演出の表示タイミングとなった場合に、第3図柄表示装置81に対して表示されている画像の種別(第3図柄の確定表示、またはデモ画像)に応じて、その表示されている画像と、時間演出の表示態様を変更することで、遊技者に対して見せたい演出をより適切に表示させることができる。
本実施形態では、第3図柄の確定表示状態において、時間演出の開始タイミングとなった場合に、第3図柄の確定表示を主表示領域Dmの右下部分(小表示領域780)に縮小表示するよう構成しているが、これに限られるものではない。例えば、演出態様の異なる複数種類の時間演出(例えば、時間演出A、時間演出B)が設けられている場合において、開始される時間演出の種別に応じて、第3図柄を縮小表示する位置を規定してもよい。例えば、時間演出Aが開始される場合は第3図柄を主表示領域Dmの右下部分に縮小表示し、時間演出Bが開始される場合は第3図柄を主制御領域Dmの左下部分に縮小表示するようにしても良い。即ち、各時間演出において、時間演出中に実行される演出に対して最も影響が少ない位置に第3図柄を縮小表示するように構成してもよい。これにより、遊技者に対して各時間演出における演出画像を第3図柄に遮蔽されることなく視認させることができる。
なお、第3図柄の確定表示を縮小表示する位置は、遊技者による枠ボタン228の操作内容によって変化させるように構成しても良い。例えば、第3図柄の確定表示状態において、時間演出の開始タイミングとなった場合に、まずは第3図柄の確定表示が主表示領域Dmの右下部分に縮小表示され、枠ボタン228を押下することでその縮小表示される位置が左下部分に変化する。そして、再度枠ボタン228を押下することで、縮小表示された第3図柄の位置が左下部分から左上部分へと変化し、更に枠ボタン228を押下することで縮小表示された第3図柄の位置が左上部分から右上部分へと変化する。そして、右上部分に第3図柄が縮小表示された状態で、枠ボタン228が操作されることにより、第3図柄が右下部分に戻るように構成してもよい。これにより、各時間演出に応じて第3図柄の確定表示を縮小表示する位置を規定する必要がなく、プログラム容量を削減できると共に、遊技者が好みに応じて第3図柄の確定表示が縮小表示される位置を決めることができる。
また、本実施形態では、第3図柄の確定表示状態において、時間演出の開始タイミングとなった場合に、第3図柄の確定表示を主表示領域Dmの右下部分(小表示領域780)に縮小して表示するよう構成しているが、これに限られず、遊技者が枠ボタン228を押下することに基づいて縮小表示されるように構成してもよい。例えば、第3図柄の確定表示状態において、時間演出の開始タイミングとなった場合に、第3図柄の確定表示が消去されるように構成し、遊技者が枠ボタン228を押下することで、第3図柄の確定表示が主表示領域Dmの右下部分(小表示領域780)に縮小表示されるように構成してもよい。これにより、遊技者が第3図柄の確定表示を確認したい場合にのみ、枠ボタン228を押下することで、その確定表示を確認することができる。また、その他の場合は、第3図柄の確定表示が消去された状態のままとなるので、遊技者に対して時間演出中に実行される演出に集中させることができる。
なお、上記とは逆に、遊技者が枠ボタン228を押下することで、第3図柄の確定表示の縮小表示が消去されるようにしても良い。例えば、第3図柄の確定表示状態において、時間演出の開始タイミングとなった場合に、自動的に、第3図柄の確定表示が主表示領域Dmの右下部分(小表示領域780)に縮小して表示され、遊技者が枠ボタン228を押下することで、その確定表示の縮小表示が消去されるようにしても良い。これにより、遊技者が第3図柄の確定表示を確認した後など、遊技者の任意のタイミングで、第3図柄の確定表示の縮小表示を消去することができる。これにより、遊技者を時間演出中に実行される演出に集中させることができる。
本実施形態では、時間演出中にデモ演出の実行期間となった(第3図柄の確定表示が実行されてから15秒が経過した)場合に、第1実施形態と同様にデモ演出を消去するように構成されていたが、時間演出中に実行されるデモ演出の態様は、これに限られるものではなく、デモ演出によって時間演出の画像が遮蔽されてしまうことを防止できる態様であれば、デモ画像を表示させてもよい。例えば、時間演出中に変動演出が縮小して表示される小表示領域780(図8(a)参照)にのみデモ演出が表示されるように構成してもよい。また、小表示領域780よりも表示面積の小さい表示領域を設け、その表示領域にデモ演出を表示させてもよい。また、例えば、デモ演出自体を行わないように構成し、確定表示を行い続けてもよい。即ち、第3図柄の変動停止時に保留球が存在しない場合は、第1入球口64への新たな入球がない限り、停止図柄が第3図柄表示装置81の右下部分に縮小された態様で表示され続けるように構成してもよい。また、例えば、時間演出期間中は、犬のキャラクタ740の背景にデモ画像を表示させるように構成してもよい。これらにより、時間演出中の演出を明瞭に表示させることができると共に、通常時にデモ演出が表示される領域を時間演出の表示領域として用いることができるので、時間演出の自由度を高めることができる。
更に、時間演出期間においてデモ演出を実行する場合は、確定表示演出と同様に前回の変動演出において停止表示された第3図柄を小表示領域780へと表示させるように構成してもよい。これにより、時間演出中にデモ演出、および確定表示演出を実行する場合は、同一の表示データテーブルを設定すればよいので、表示データテーブルの個数を削減することができる。よって、ワークRAM233、およびキャラクタROM234のデータ容量を削減することができる。
本実施形態では、確定表示演出が設定されてから所定時間(例えば、15秒)が経過した場合に、次の変動演出が開始されるまでデモ演出が実行され続けるように構成されていたが、これに限られるものではない。例えば、デモ演出の実行を開始してから変動演出が開始されないまま所定時間(例えば、30秒)が経過した場合は、確定表示演出に切り替わるように構成してもよい。即ち、変動演出が新たに開始されるまで、確定表示演出とデモ演出とを交互に繰り返すように構成してもよい。具体的には、デモ用の表示データテーブルが設定されている場合において、表示データテーブルバッファ233dから読み出したデータがEND情報であった場合に、表示データテーブルバッファ233dに対して確定表示演出用の表示データテーブルを設定するように構成すればよい。即ち、ポインタ更新処理(図51参照)において、ポインタ233fの示すデータがEND情報であり(図51のS3202参照)、表示データテーブルバッファ233dに設定されている表示データテーブルがデモ演出用の表示データテーブルである場合に(図51のS3203参照)、S3204、およびS3205の処理に代えて、確定表示設定処理(図52参照)のS3301〜S3309の処理と同一の処理を実行すればよい。また、S3303、またはS3306の処理において確定表示データテーブルを選択する場合は、停止図柄判別フラグにより示される前回の停止図柄に対応するデータテーブルをデータテーブル格納エリア233bから選択するように構成すればよい。このように構成することにより、パチンコ機10が長時間空き台の状態だったとしても、定期的に前回の変動演出によって示された第3図柄を確認する機会を与えることができるので、パチンコ機10で遊技を開始しようとする遊技者に対して自分の好みの停止図柄が表示されているパチンコ機10を選択して遊技を開始させることができる。また、上述した通り、本実施形態のパチンコ機10では、確定表示演出中に時間演出期間となる場合は、小表示領域780に対して第3図柄を縮小表示させ、デモ演出中に時間演出期間となる場合は、デモ画像(および第3図柄)を非表示とするように構成されているので、時間演出をより広い表示領域に対して表示させることができる。よって、時間演出の自由度を高めることができる。
また、確定表示演出の表示中に時間演出の開始タイミングとなった場合は、確定表示演出とデモ演出との繰り返し回数に応じて表示態様を変更してもよい。例えば、変動演出の終了後最初に設定された確定表示演出の表示中に時間演出の開始タイミングとなった場合は、第3図柄を縮小して小表示領域780に対して表示させるように構成する。一方で、デモ演出の終了後に設定された確定表示演出の表示中に時間演出の開始タイミングとなった場合は、第3図柄を非表示とする。これにより、変動演出の終了後、所定期間(例えば、15秒)の間は、前回の停止図柄を表示させておくことができるので、時間演出期間であるか否かに関わらず、遊技者に対して前回の停止図柄を確実に確認させることができる。また、デモ演出の終了後に設定される確定表示演出は、第3図柄が表示されない状態(デモ演出)を経て設定される演出であり、変動演出の終了後に設定される確定表示演出に比較して第3図柄を表示させる必要性が薄くなる。よって、この場合には、第3図柄が非表示となるように構成することにより、時間演出の画像をより明確に視認させることができる。
<第3実施形態>
次に、図59から図65を参照して、第3実施形態におけるパチンコ機10について説明する。上述した第2実施形態では、第3図柄の停止表示が1秒以上行われている確定表示状態の場合(つまり、前回の変動終了時に保留球がなく、第1入球口64への新たな入球もない場合)に時間演出の開始タイミングとなると、第3図柄の確定表示を縮小表示するように構成されていた。これにより、遊技者に対して最も見せたい画像の一つである、時間演出の開始を告知する表示(告知画像750)が第3図柄の確定表示により遮蔽されて見えにくくなってしまうことを抑制すると共に、遊技者が時間演出の開始後にも第3図柄の確定表示を確認できるようにしていた。
これに対して本実施形態では、時間演出が開始されるまでの残時間に基づいて、第3図柄の確定表示の態様を設定するように構成している。具体的には、第3図柄の確定表示を設定する15秒間に、時間演出の開始タイミングになると判別した場合は、時間演出の開始タイミングよりも前に第3図柄の確定表示が縮小表示される態様の確定表示データテーブルが設定される。これにより、時間演出の開始タイミングとなるよりも前に、予め第3図柄の確定表示が縮小表示となるよう設定しておくことができるので、時間演出の開始タイミングでは告知画像750を表示させる処理のみを実行すればよい(告知画像750(図6(b)参照)を表示させる処理と第3図柄の確定表示を縮小表示させる処理とを同一タイミングにおいて実行しなくて良い)。よって、時間演出の開始タイミングにおける表示制御装置114の処理負荷を軽減することができる。
この第3実施形態におけるパチンコ機10が第2実施形態におけるパチンコ機10と構成上において相違する点は、表示制御装置114のRAM233に格納されるデータテーブル格納エリア223bのデータが一部異なる点、主制御装置110のMPU201によって実行される一部処理が変更となっている点、音声ランプ制御装置113のMPU221によって実行される一部処理が変更となっている点、表示制御装置114のMPU231によって実行される一部処理が変更となっている点である。その他の構成や、主制御装置110のMPU201によって実行されるその他の処理、音声ランプ制御装置113のMPU221によって実行されるその他の処理、表示制御装置114のMPU231によって実行されるその他の処理については、第2実施形態におけるパチンコ機10と同一である。以下、第2実施形態と同一の要素には同一の符号を付し、その図示と説明とを省略する。
まず、図59を参照して、本実施形態の表示制御装置114のRAM203に格納されるデータテーブル格納エリア223bについて説明する。図59は、本実施形態におけるデータテーブル格納エリア233bに格納されるデータを示した図である。このデータテーブル格納エリア233bは、上記各実施形態と同様に、各演出(変動演出、オープニング演出、ラウンド演出、エンディング演出、確定表示演出、およびデモ演出)に対応するデータテーブルを格納する記憶領域が設けられている。本実施形態におけるデータテーブル格納エリア223bでは、確定表示演出に対応する表示データテーブルを格納するための確定表示演出用テーブル格納エリアの構成が上述した各実施形態から変更されている。そのたの記憶領域については上記各実施形態と同一であるので、その詳細な説明は省略する。
本実施形態の確定表示演出用テーブル格納エリアについて具体的に説明する。本実施形態の確定表示演出用テーブル格納エリアには、通常態様の第3図柄の確定表示(図57(a)参照)を5秒間行った後に縮小態様の確定表示を10秒間行う「5秒間の確定表示演出用表示データテーブル各種」を格納する記憶領域と(図59のS233b7a参照)、通常態様の確定表示(図57(a)参照)を10秒間行った後に縮小態様の確定表示を5秒間行う「10秒間の確定表示演出用表示データテーブル各種」を格納する記憶領域と(図59のS233b7b参照)、通常態様の確定表示(図57(a)参照)を15秒間行う「15秒間の確定表示演出用表示データテーブル各種」を格納する記憶領域と(図59のS233b7c参照)、縮小態様の確定表示を15秒間行う「縮小態様の確定表示演出用表示データテーブル各種」を格納する記憶領域と(図59のS233b7c参照)が設けられている。
処理の詳細は停止表示選択処理(図62参照)、および確定表示設定処理2(図65参照)にて後述するが、時間演出が開始されるまでの残時間に応じて、時間演出の開始までに第3図柄の確定表示が縮小表示される態様(確定表示演出の態様)が選択され、設定される。これにより、時間演出の開始タイミングとなるよりも前に、予め第3図柄の確定表示が縮小表示となるよう設定しておくことができるので、時間演出の開始タイミングでは告知画像750を表示させる処理のみを実行すれば良い(告知画像750(図6(b)参照)を表示させる処理と第3図柄の確定表示を縮小表示させる処理とを同一タイミングにおいて実行しなくて良い)。よって、時間演出の開始タイミングにおける表示制御装置114の処理負荷を軽減することができる。
<第3実施形態における主制御装置の制御処理について>
次に、図60を参照して、第3実施形態における主制御装置110内のMPU201において実行される特別図柄変動処理2(S111)について説明する。図60は、この特別図柄変動処理2(S111)を示すフローチャートである。特別図柄変動処理2(S111)は、主制御装置110のMPU201によって実行されるタイマ割込処理(図23参照)において、上述した各実施形態における特別図柄変動処理(図24参照)に代えて実行される処理である。
この特別図柄変動処理2(S111)のうち、S201〜S215の各処理では、それぞれ上述した各実施形態における特別図柄変動処理(図24参照)のS201〜S215の各処理と同一の処理が実行される。そして、S212の処理において、今回の抽選結果が大当たりでないと判別された場合は(S212:No)、S214の処理に移行する前に、S221〜S223の各処理が実行される。
具体的に、S212の処理において、今回の抽選結果が大当たりでないと判別された場合は(S212:No)、特別図柄保留球数カウンタ203cの値(N)を取得する(S221)。次いで、S221の処理において取得した特別図柄保留球数カウンタ203cの値(N)が0より大きいか否かを判別する(S222)。
S222の処理において、特別図柄保留球数カウンタ203cの値(N)が0より大きくない(即ち、0である)と判別された場合は(S222:No)、停止表示コマンドを設定して(S223)、S214の処理へ移行する。一方、S222の処理において、特別図柄保留球数カウンタ203cの値(N)が0より大きいと判別された場合は(S222:Yes)、S223の処理をスキップしてS214の処理へ移行する。
ここで、S223の処理によって設定される停止表示コマンドは、特別図柄の変動終了時に、抽選結果が大当たりでなく特別図柄の保留球数が0である場合、即ち、第3図柄の確定表示状態となる場合に設定される。この停止表示コマンドは、RAM203に設けられたコマンド送信用のリングバッファに記憶され、メイン処理(図31参照)のS901の処理で、停止表示コマンドが音声ランプ制御装置113に送信される。音声ランプ制御装置113では、停止表示コマンドを受信すると、後述する停止表示選択処理(図62参照)によって、時間演出が開始されるまでの残時間に応じて、時間演出の開始までに第3図柄の確定表示が縮小表示される態様(確定表示演出の態様)を選択し、表示用確定表示コマンドとして表示制御装置114へ送信する。表示制御装置114では、表示用確定表示コマンドを受信すると、コマンドが示す確定表示演出の態様に基づいて、確定表示データテーブルが選択され、表示データテーブルバッファ223dに設定される。これにより、時間演出の開始タイミングとなるよりも前に、予め第3図柄の確定表示が縮小表示となるよう設定しておくことができる。
<第3実施形態における音声ランプ制御装置の制御処理について>
次に、図61、および図62を参照して、第3実施形態における音声ランプ制御装置113内のMPU221において実行される各種処理について説明する。まず、図61は、第3実施形態における音声ランプ制御装置113内のMPU221において実行されるコマンド判定処理(S1312)を示すフローチャートである。このコマンド判定処理(S1312)は、音声ランプ制御装置113内のMPU221により実行されるメイン処理(図35参照)の中で実行され、上述したように、主制御装置110から受信したコマンドを判別する処理である。
このコマンド判定処理(S1312)では、上述した各実施形態におけるコマンド判定処理(図37参照)と同一のS1501〜S1516の処理に加え、S1521およびS1522が実行される。具体的には、S1504の処理において停止種別コマンドを受信していないと判別された場合に(S1504:No)、停止表示コマンドを受信したか否かが判別される(S1521)。
S1521の処理において、停止表示コマンドを受信したと判別された場合は(S1521:Yes)、停止表示選択処理を実行し(S1522)、メイン処理に戻る。この停止表示選択処理(S1522)は、時間演出が開始されるまでの残時間を判定し、第3図柄の確定表示を時間演出の開始タイミングよりも前に縮小表示させるように設定するための処理である。一方、S1521の処理において、停止表示コマンドを受信していないと判別された場合は(S1521:No)、S1507の処理へ移行する。なお、上述したとおり、S1507以降の各処理では、上記各実施形態におけるコマンド判定処理(図37参照)におけるS1507以降の各処理と同一の処理が実行される。
次に、図62を参照して、停止表示選択処理(S1522)の詳細について説明する。図62は、この停止表示選択処理(S1522)を示すフローチャートである。停止表示選択処理(S1522)は、上述したように、コマンド判定処理(図61参照)において停止表示コマンドを受信したと判別された場合に実行される処理であり、時間演出が開始されるまでの残時間に応じて、時間演出の開始までに第3図柄の確定表示が縮小表示される態様(確定表示演出の態様)を選択する処理である。
この停止表示選択処理(S1522)が実行されると、まず、RTC292の計時レジスタ352aから現在時刻に対応する時刻情報を取得し(S3901)、取得した時刻情報と、投入時刻格納エリア223eに格納されている電源投入時刻に対応する時刻情報とから、電源投入後の経過時間(T)を算出する(S3902)。
次いで、算出した経過時間(T)と、時間演出テーブル222bとに基づいて、次に時間演出が開始されるまでの残時間(t)を算出する(S3903)。例えば、経過時間(T)が0時間55分00秒であれば、次の時間演出は60分00秒に開始されるので、残時間(t)は、5分と算出される。
そして、残時間(t)が15秒以上であるか否かを判別し(S3904)、15秒以上であると判別された場合は(S3904:Yes)、15秒の確定表示演出に対応する表示用確定表示コマンドを設定して(S3905)、本処理を終了する。
一方、S3904の処理において、残時間(t)が15秒以上でない(即ち、15秒未満である)と判別された場合は(S3904:No)、残時間(t)が10秒以上であるか否かを判別する(S3906)。S3906の処理において、残時間(t)が10秒以上であると判別された場合は(S3906:Yes)、10秒の確定表示演出(10秒間通常の確定表示演出を行い、10秒〜15秒では第3図柄を縮小した態様の確定表示演出を行う演出)に対応する表示用確定表示コマンドを設定し(S3907)、本処理を終了する。
S3906の処理において、残時間(t)が10秒以上でないと判別された場合は(S3906:No)、次いで、残時間(t)が5秒以上であるか否かを判別する(S3908)。S3908の処理において、残時間(t)が5秒以上であると判別された場合は(S3908:Yes)、5秒の確定表示演出(5秒間通常の確定表示演出を行い、5秒〜15秒では第3図柄を縮小した態様の確定表示演出を行う演出)に対応する表示用確定表示コマンドを設定し(S3909)、本処理を終了する。
一方、S3908の処理において、残時間(t)が5秒以上でないと判別された場合は(S3908:No)、縮小態様の確定表示演出(15秒間第3図柄を縮小して確定表示させる演出)に対応する表示用確定表示コマンドを設定し(S3910)、本処理を終了する。
ここで、S3905,S3907,S3909またはS3910の処理によって設定された表示用確定表示コマンドは、RAM223に設けられたコマンド送信用のリングバッファに記憶され、MPU221により実行されるメイン処理(図35参照)のコマンド出力処理(S1302)の中で、表示制御装置114に向けて送信される。表示制御装置114では、この表示用確定表示コマンドを受信すると、この表示用確定表示コマンドによって示される確定表示演出の態様に基づいて、確定表示演出用表示データテーブルが表示データテーブルバッファ233dへ設定される。これにより、時間演出が開始されるまでの残時間に応じて、時間演出の開始までに第3図柄の確定表示が縮小表示される態様の表示データテーブルを設定することができる。
<第3実施形態における表示制御装置の制御処理について>
次に、図63〜図65を参照して、第3実施形態における表示制御装置114内のMPU231において実行される各種処理について説明する。まず、図63は、第3実施形態における表示制御装置114内のMPU231において実行されるコマンド判定処理(S2102)を示すフローチャートである。このコマンド判定処理(S2102)は、表示制御装置114内のMPU231により実行されるV割込処理(図42(b)参照)の中で実行され、上述したように、音声ランプ制御装置113から受信したコマンドを判別する。
このコマンド判定処理(S2102)のうち、S2201〜S2214およびS2216〜S2218の処理は、上述した各実施形態におけるS2201〜S2214およびS2216〜S2218の処理と同一の処理である。
S2214の処理において、背面画像変更コマンドがあると判別された場合は(S2214:Yes)、背面画像変更コマンド処理3を実行し(S2231)、S2201の処理へ戻る。この背面画像変更コマンド処理3(S2231)の詳細は、図64を参照して後述する。
また、S2214の処理において、背面画像変更コマンドがないと判別された場合は(S2214:No)、表示用確定表示コマンドがあるか否かを判別する(S2232)。S2232の処理において、表示用確定表示コマンドがあると判別された場合は(S2232:Yes)、受信したコマンドから確定表示演出の態様を抽出し(S2233)、S2201の処理へ戻る。一方、S2232の処理において、表示用確定表示コマンドがないと判別された場合は(S2232:No)、S2216の処理へ移行し、上述した各実施形態と同一のS2216以降の処理を行う。S2233の処理において抽出された確定表示演出の態様に基づいて、後述する確定表示設定処理2(図3021)において確定表示データテーブルが選択される。
次に、図64を参照して、背面画像変更コマンド処理3(S2231)の詳細について説明する。図64は、この背面画像変更コマンド処理3(S2231)を示すフローチャートである。背面画像変更コマンド処理3(S2231)は、表示制御装置114のMPU231によって実行されるコマンド判定処理(図64参照)において、音声ランプ制御装置114より背面画像変更コマンドを受信した場合に、上述した第2実施形態における背面画像変更コマンド処理2(図58参照)に代えて実行される処理である。
この背面画像変更コマンド処理3(S2231)のうち、S2801,S2802の各処理では、それぞれ第2実施形態における背面画像変更コマンド処理2(図58参照)のS2801,S2802の各処理と同一の処理が実行される。そして、S2802の処理が終了すると、本処理を終了してコマンド判定処理(図63参照)に戻る。つまり、本実施形態では、第2実施形態の背面画像変更コマンド処理2(図58参照)において実行されるS2803、およびS2811〜2815の各処理が省略される。
本実施形態では、上述した音声ランプ制御装置113から表示用確定表示コマンドを受信することで、後述する確定表示設定処理2(図65参照)によって、時間演出の開始タイミングとなる前に、第3図柄の確定表示が縮小表示となるように設定される。よって、背面画像を時間演出用に変更するタイミングで、デモ表示を消去する処理(図58のS2813参照)や、第3図柄の確定表示を縮小表示に変更する処理(図58のS2815参照)を実行する必要がないので、S2802の処理を終えると本処理を終了するようにしている。これにより、背面画像を時間演出用に変更するタイミングにおいて、表示制御装置114の処理負荷を軽減することができる。
次に、図65を参照して、確定表示設定処理2(S3021)について説明する。図65は確定表示設定処理2(S3021)を示すフローチャートである。この確定表示設定処理2(S3021)は、表示制御装置114のMPU231によって実行される表示設定処理(図49参照)において、計時カウンタが0以下かつ確定表示フラグがオフであると判別された場合に、上述した各実施形態における確定表示設定処理(図52参照)に代えて実行される処理である。
この確定表示設定処理2(S3021)のうち、S3309〜S3311の処理では、上述した各実施形態における確定表示設定処理(図52参照)のS3309〜S3311の処理と同一の処理が実行される。また、この確定表示設定処理2(S3021)では、確定表示設定処理(図52参照)におけるS3301〜S3308の各処理に代えて、S3321〜S3324の各処理が実行される。これらの各処理について詳しく説明する。
確定表示設定処理2(S3021)では、まず、上述したコマンド判定処理(図63参照)におけるS2233の処理において抽出した確定表示演出の態様を取得する(S3321)。そして、取得した確定表示演出の態様に基づいて、データテーブル格納エリア233bの確定表示演出用テーブル格納エリアから、該当する表示データテーブルを選択し、表示データテーブルバッファ233dへ設定する(S3322)。例えば、確定表示コマンドが10秒の確定表示演出(10秒間通常の確定表示演出を行い、10秒〜15秒では第3図柄を縮小した態様の確定表示演出を行う演出)に対応する表示用確定表示コマンドであれば、データテーブル格納エリア233bの「10秒間の確定表示演出用表示データテーブル各種」から、対応する表示データテーブルを読み出して、表示データテーブルバッファ233dに設定する。
次いで、転送データテーブルバッファ233eにNullデータを書き込むことで、その内容をクリアする(S3323)。そして、確定表示データテーブルの演出時間に対応する時間データを計時カウンタ233hに設定し(S3324)、処理をS3309へと移行する。S3309〜S3311の処理では、上述した各実施形態における確定表示設定処理(図52参照)のS3309〜S3311の各処理と同一の処理を実行し、本処理を終了してV割込処理に戻る。
この確定表示設定処理2(S3021)により、表示用確定表示コマンドにより通知された確定表示演出の態様に基づいて、確定表示データテーブルを設定することができる。また、本実施形態では、時間演出が開始されるまでの残時間に基づいて、異なる態様に対応する表示用確定表示コマンドが出力されるように構成されている。これにより、時間演出の開始タイミングとなるよりも前に、予め第3図柄の確定表示が縮小表示となるよう設定しておくことができる。
以上説明した通り、本実施形態におけるパチンコ機10では、第3図柄の確定表示を設定する場合に、時間演出が開始されるまでの残時間を判別し、残時間の値に基づいて異なる態様の確定表示演出を設定するように構成されている。より具体的には、15秒間の確定表示演出において、通常の態様で第3図柄が確定表示される期間と、縮小された態様で第3図柄が確定表示される期間とを設定可能な表示データテーブルを複数種類規定している。そして、時間演出の開始タイミングよりも前に通常の態様で第3図柄が確定表示される期間が終了し、確定表示演出が縮小表示される期間に切り替わるように確定表示データテーブルを選択するように構成している。これにより、時間演出の開始を告知するための告知画像750(図57(b)参照)が表示される前に、確定表示されている第3図柄を縮小表示させることができるので、第3図柄によって告知画像750が遮蔽されてしまうことを抑制することができる。よって、遊技者に対して最も見せたい画像の一つである告知画像750を遊技者に対して明確に視認させることができる。また、本実施形態では、確定表示データテーブルにおいて、第3図柄の表示態様の切り替えタイミングが規定されているので、時間演出が開始されるよりも前に予め第3図柄を縮小表示させておくことができる。よって、告知画像750(図6(b)参照)を表示させる処理と第3図柄の確定表示を縮小表示させる処理とが同一タイミングにおいて実行されることを抑制できるで、時間演出の開始タイミングにおける表示制御装置114の処理負荷を軽減することができる。
本実施形態では、データテーブル格納エリア233bにおいて、通常の態様で第3図柄が確定表示される演出に対応する確定表示データテーブルと、通常の態様で10秒間第3図柄が確定表示された後、第3図柄が縮小された態様で5秒間確定表示を実行する演出に対応する確定表示データテーブルと、通常の態様で5秒間第3図柄が確定表示された後、第3図柄が縮小された態様で10秒間確定表示を実行する演出に対応する確定表示データテーブルと、第3図柄が縮小された態様で確定表示される演出に対応する確定表示データテーブルとが規定されていたが、確定表示データテーブルの種別はこれに限られるものではない。通常の態様で第3図柄が確定表示される期間を増やしてもよい(例えば、3秒、6秒、9秒、12秒、15秒に対応する確定表示データテーブルを設けてもよい)。これにより、第3図柄が縮小表示されてから、時間演出が開始されるまでの期間を最大でも3秒以内とすることができるので、時間演出が開始されないにも関わらず第3図柄が見えにくいという状況を短く限ることができる。また、逆に、確定表示データテーブルの種別を少なくしてもよい。例えば、10秒間通常の態様で第3図柄が確定表示される確定表示演出に対応する確定表示データテーブルを削減してもよい。これによりデータテーブル格納エリア233b、およびキャラクタROM234の記憶容量を削減することができる。
本実施形態では、音声ランプ制御装置113においてRTC292の計時する時刻情報に基づいて時間演出の開始までの残時間を判別しているが、表示制御装置114とRTC292とを電気的に接続し、表示制御装置114において直接残時間を判別できるように構成してもよい。これにより、音声ランプ制御装置113において、時間演出が開始されるまでの残時間を判別し、残時間に応じて異なる表示用確定表示コマンドを設定する処理を省略できるので、音声ランプ制御装置113の処理負荷を軽減することができる。
以上、上記各実施形態に基づき本発明を説明したが、本発明は上記形態に何ら限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲内で種々の変形改良が可能であることは容易に推察できるものである。
例えば、上記各実施形態において、時間演出中に表示される演出は、犬のキャラクタ740が様々なアクションを行う演出のみであったが、これに限られるものではない。時間演出の開始時間に応じて、演出を行うキャラクタを変更する(例えば、犬のキャラクタ740、猫のキャラクタ、猿のキャラクタによる演出を時間演出毎に切り替える)ように構成してもよい。また、時間演出の開始時間や、季節に応じて演出内容を変更するように構成してもよい。例えば、夕方に時間演出が開始される場合は、演出を行うキャラクタの背後に夕焼け空を表示させてもよい。また、冬季に時間演出が開始される場合は、演出を行うキャラクタに防寒着を装着させて表示させると共に、キャラクタの周辺に雪が積もった状態としてもよい。これらにより、時間演出を多様化することができるので、遊技者がパチンコ機10による遊技に飽きてしまうことを抑制することができる。
上記各実施形態では、デモ演出が開始される条件、第3図柄の確定表示から所定期間(例えば、15秒)経過することとしていたが、これに限られるものではない。第3図柄を確定表示状態とする際に、時間演出の開始タイミングを判別し、時間演出の開始タイミングよりも前にデモ演出が開始されるように確定表示状態の設定期間を選択するように構成してもよい。
上記各実施形態では、音声ランプ制御装置113とRTC292とが電気的に接続され、RTC292から取得した情報に基づいて、音声ランプ制御装置113のMPU221により演出期間の種別を判断していたが、これに代えて、主制御装置110とRTC292とを電気的に接続し、RTC292から取得した情報に基づいて、主制御装置110のMPU201により演出期間の種別を判別させるように構成しても良い。この場合において、主制御装置110は、音声ランプ制御装置113へ出力するコマンドに演出期間の種別の情報も含めておけば良い。音声ランプ制御装置113のMPUの代わりに、主制御装置110のMPU201に演出期間の種別を判別させることで、MPU221の処理負荷を軽減することができる。
上記各実施形態では、パチンコ機10の電源が遮断される場合に、RAM223に記憶されていた時刻情報をRTC292の時刻情報格納エリア352bへ記憶させておくことにより電断状態中も時刻情報を保持可能に構成していたが、これに代えて、パチンコ機10が電断状態中であっても記憶された情報を保持することができる記憶手段を、RTC292とは別に設けておいても良い。記憶手段の具体例としては、フラッシュメモリ等が該当する。これにより、RTC292に設けられているレジスタ352の記憶領域を削減することができるので、RTC292の低価格化を図ることができる。
上記各実施形態では、電源投入の際に、RAM消去スイッチ122がオンであるかオフであるかに基づいて、投入時刻格納エリア223eに格納する時刻情報として、RTC292の時刻情報格納エリア352bに格納された時刻情報を格納するか、RTC292の計時する時刻情報を格納するかを判断していたが、これに代えて、複数のパチンコ機10に接続されたホールコンピュータから出力される信号に基づいてRAM223の投入時刻格納エリア223eに格納する時刻情報を判断するように構成しても良い。
具体的には、ホールコンピュータによって、接続された各パチンコ機10の電源がオンであるか否かを判別可能に構成し、各パチンコ機10の電源が全てオフの状態でパチンコ機10に電源が投入されたと判別した場合は(即ち、各パチンコ機10一斉に電源を投入したと判別した場合は)、電源が投入された各パチンコ機10に、電源が一斉投入されたことを示す信号を出力するように構成する。一方で、ホールコンピュータに接続された各パチンコ機10のうち、一のパチンコ機10の電源のみがオフであり、他のパチンコ機10の電源がオンであると判別されている状態で、電源がオフされている一のパチンコ機10へ電源が投入されたと判別した場合は、その電源が投入された一のパチンコ機10に対して、単独で電源が投入されたことを示す信号を出力するように構成する。そして、電源投入の際にホールコンピュータからり出力された信号の種別に応じて、投入時刻格納エリア223eに格納する時刻情報を判断するように構成すれば良い。
上記第1実施形態、および第2実施形態では、時間演出期間であるか否かに基づいて確定表示演出やデモ演出の態様を変更するように構成しているが、演出態様の変更契機は時間演出に限られるものではない。例えば、遊技者の操作により遊技画面とは異なる画面(遊技履歴やスペック等)が第3図柄表示装置81の一部に表示される機能を搭載したパチンコ機10において、異なる画面に切り替わることに基づいて演出態様を変更するように構成してもよい。
また、本発明を上記実施形態とは異なるタイプのパチンコ機等に実施してもよい。例えば、一度大当たりすると、それを含めて複数回(例えば2回、3回)大当たり状態が発生するまで、大当たり期待値が高められるようなパチンコ機(通称、2回権利物、3回権利物と称される)として実施してもよい。また、大当たり図柄が表示された後に、所定の領域に球を入賞させることを必要条件として遊技者に所定の遊技価値を付与する特別遊技を発生させるパチンコ機として実施してもよい。また、Vゾーン等の特別領域を有する入賞装置を有し、その特別領域に球を入賞させることを必要条件として特別遊技状態となるパチンコ機に実施してもよい。更に、スロットマシンやパチンコ機以外にも、アレパチ、雀球、いわゆるパチンコ機とスロットマシンとが融合した遊技機などの各種遊技機として実施するようにしてもよい。
パチンコ機とスロットマシンとが融合した遊技機の具体例としては、複数の図柄からなる図柄列を変動表示した後に図柄を確定表示する表示装置を備えており、球打出用のハンドルを備えていないものが挙げられる。この場合、所定の操作(ボタン操作)に基づく所定量の球の投入の後、例えば操作レバーの操作に起因して図柄の変動が開始され、例えばストップスイッチの操作に起因して、或いは、所定時間経過することにより、図柄の変動が停止され、その停止時の確定図柄がいわゆる大当たり図柄であることを必要条件として遊技者に所定の遊技価値を付与する特別遊技が発生させられ、遊技者には、下部の受皿に多量の球が払い出されるものである。かかる遊技機をスロットマシンに代えて使用すれば、遊技ホールでは球のみを遊技価値として取り扱うことができるため、パチンコ機とスロットマシンとが混在している現在の遊技ホールにおいてみられる、遊技価値たるメダルと球との別個の取扱による設備上の負担や遊技機設置個所の制約といった問題を解消し得る。
なお、上記した各実施形態の一部またはすべてをそれぞれ組み合わせたパチンコ機としてもよい。
以下に、本発明の遊技機に加えて、上述した実施形態に含まれる各種発明の概念を示す。
<特徴A群>(図柄停止状態で島連動演出が開始されることを防止する)
図柄を表示する表示手段と、所定条件の成立に基づいて前記表示手段に識別情報の動的表示を実行させる動的表示手段と、その動的表示手段による動的表示が予め定めた識別情報で終了する場合に遊技者に有利な特典遊技を付与する特典遊技付与手段とを備える遊技機において、特定条件の成立に基づいて前記表示手段において前記識別情報の動的表示とは異なる特定演出を実行する特定演出表示手段と、前記動的表示手段による動的表示の終了後に表示される識別情報を、第1の態様で停止表示する停止表示手段と、その停止表示手段による識別情報の前記第1の態様での停止表示中に前記特定演出表示手段により特定演出が実行される場合、前記第1の態様で停止表示中の識別情報が、その第1の態様より表示領域の小さい第2の態様で表示されるように、前記停止表示中の識別情報の表示態様を切り換える表示態様切換手段とを備えていることを特徴とする遊技機A1。
ここで、パチンコ機等の遊技機において、液晶表示装置等の表示装置が設けられた遊技機が知られている。この従来型の遊技機では、表示装置において図柄の変動表示が行われ、図柄が予め定められた組み合わせで停止表示されることで、遊技者に有利な大当たり遊技が付与される。また、表示装置には、図柄以外にもキャラクタや風景等の様々な画像が表示される。ここで、従来型の遊技機では、画像を表示させるための優先度が定められており、例えば、大当たりとなるか否かに直接関係する図柄が明確に視認できるように表示され、他の画像は図柄が表示されている表示領域以外の領域に表示される(例えば、特開2003−325886号公報)。
しかしながら、従来の遊技機では、優先度の高い画像が表示されている場合には、他の画像を表示させる表示領域が小さくなってしまうため、他の画像が視認し難くなってしまう場合があった。即ち、遊技者に対して視認させるべき画像であるか否かに関わらず、画像が視認し難くなってしまい、好適な表示内容に設定することができない虞があった。
これに対し、遊技機A1によれば、特定条件の成立に基づいて、特定演出表示手段により表示手段に識別情報の動的表示とは異なる特定演出が実行される。動的表示手段による動的表示の終了後に表示される識別情報が、停止表示手段により第1の態様で停止表示される。そして、停止表示手段による識別情報の第1の態様での停止表示中に特定演出表示手段により特定演出が実行される場合、第1の態様で停止表示中の識別情報が、その第1態様より表示領域の小さい第2の態様で表示されるように、停止表示中の識別情報の表示態様が表示態様切替手段によって切り換えられる。
これにより、前回の動的表示の終了時に表示された識別情報を第2の態様で表示させておくことで遊技者が識別情報を確認可能としておきつつ、特定演出をより大きな表示領域で実行することができる。つまり、動的表示手段により識別情報の動的表示が実行されている場合や、その動的表示の終了時に比較して、遊技者が確認する頻度の低い停止表示状態の識別情報の表示領域を削減し、特定演出をより明確に表示させることができる。よって、好適な表示内容に設定することができるという効果がある。
遊技機A1において、前記停止表示手段により識別情報が停止表示されてから一定期間が経過するまで前記動的表示手段により新たな識別情報の動的表示が開始されなかった場合に、前記停止表示された識別情報に替えてその識別情報とは異なる所定画像を表示させる所定画像表示手段と、その所定画像表示手段による前記所定画像の表示中に前記特定演出表示手段により前記特定演出が実行される場合に、前記所定画像の表示態様を、前記第2の態様で表示された前記識別情報より表示領域の小さい表示態様に切り換える所定画像切換手段とを備えていることを特徴とする遊技機A2。
遊技機A2によれば、遊技機A1の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、停止表示手段により識別情報が停止表示されてから一定期間が経過するまで動的表示手段により新たな識別情報の動的表示が開始されなかった場合に、停止表示された識別情報に替えてその識別情報とは異なる所定画像が所定画像表示手段により表示される。また、所定画像表示手段による所定画像の表示中に特定演出表示手段により特定演出が実行される場合に、所定画像の表示態様が所定画像切換手段により、第2の態様で表示された識別情報より表示領域の小さい表示態様に設定される。
これにより、識別情報が停止表示されている場合には、その停止表示された識別情報を遊技者に視認させつつ特定演出を明確に表示させることができる。一方で、所定画像が表示され、識別情報が停止表示されていない場合は、所定画像の表示領域が第2の態様で表示された識別情報よりも小さい態様に設定されるので、より特定演出を視認しやすくすることができる。即ち、表示されている表示画像の種別に応じて、表示画像と特定演出との視認しやすさを変更し、遊技者に対して視認させるべき画像を適切に表示させることができるという効果がある。
遊技機A2において、前記所定画像切換手段は、前記所定画像表示手段による前記所定画像の表示中に前記特定演出表示手段により前記特定演出が実行される場合に、前記所定画像が非表示となるように切り換えるものであることを特徴とする遊技機A3。
遊技機A3によれば、遊技機A2の奏する効果に加え、所定画像表示手段による所定画像の表示中に特定演出表示手段により特定演出が実行される場合に、所定画像切換手段により所定画像が非表示となるように切り換えられる。
これにより、識別情報が停止表示されている場合には、その停止表示された識別情報を遊技者に視認させつつ特定演出を明確に表示させることができる。一方で、所定画像が表示され、識別情報が停止表示されていない場合は、所定画像が非表示となるので、より特定演出を視認しやすくすることができる。即ち、表示されている表示画像の種別に応じて、表示画像と特定演出との視認しやすさを変更し、遊技者に対して視認させるべき画像を適切に表示させることができるという効果がある。
遊技機A1からA3のいずれかにおいて、計時情報を計時する計時手段と、その計時手段が計時する計時情報に基づいて前記特定演出の実行期間であるか否かを判別する期間判別手段とを備え、前記特定演出表示手段は、前記期間判別手段により前記特定演出の実行期間であると判別された場合に前記特定演出を実行するものであることを特徴とする遊技機A4。
遊技機A4によれば、遊技機A1からA3のいずれかが奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、計時手段により計時情報が計時され、その計時手段が計時する計時情報に基づいて、特定演出の実行期間であるか否かが期間判別手段によって判別される。そして、期間判別手段により特定演出の実行期間であると判別された場合に、特定演出表示手段により特定演出が実行される。
これにより、遊技者に対して特定演出の実行期間を計時情報に基づいて認識させることができるので、特定演出の実行期間を狙って遊技を開始させることができる。よって、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができるという効果がある。
遊技機A4において、前記計時手段により計時される計時情報に対応付けて前記特定演出の表示期間が規定された規定情報を記憶する規定情報記憶手段を備え、前記期間判別手段は、前記規定情報記憶手段に記憶された前記規定情報と、前記計時手段により計時される計時情報とに基づいて前記特定演出の実行期間であるか否かを判別するものであることを特徴とする遊技機A5。
遊技機A5によれば、遊技機A4の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、計時手段により計時される計時情報に対応付けて特定演出の表示期間が規定された規定情報が規定情報記憶手段によって記憶されている。ここで、規定情報記憶手段に記憶された規定情報と、計時手段により計時される計時情報とに基づいて、期間判別手段により特定演出の実行期間であるか否かが判別される。
これにより、期間判別手段は、規定情報と計時情報とを比較するという単純な処理を実行するだけで、特定演出の実行期間であるか否かを正確に判別することができる。よって、特定演出の実行期間であるか否かを判別する処理を実行することによる処理負荷を低減することができるという効果があるという効果がある。
遊技機A5において、前記規定情報と、前記計時手段により計時される計時情報とに基づいて、次に前記特定演出の表示期間が開始されるまでの残期間を特定する残期間特定手段を備え、前記表示態様切換手段は、前記残期間特定手段により特定された残期間に基づいて、前記特定演出の表示期間が開始されるよりも前に前記第2の態様に切り換えるものであることを特徴とする遊技機A6。
遊技機A6によれば、遊技機A5の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、規定情報と、計時情報とに基づいて、次に特定演出の表示期間が開始されるまでの残期間が残期間特定手段によって特定される。そして、残期間特定手段により特定された残期間に基づいて、特定演出の表示期間が開始されるよりも前に表示態様切換手段により第2の態様に切り換えられる。
これにより、特定演出の表示タイミングと、第2の態様への切り換えタイミングとをずらすことができるので、特定演出の表示タイミングに処理負荷が増大してしまうことを抑制することができるという効果がある。
遊技機A5又はA6において、前記規定情報には、前記特定演出の実行期間である第1期間と、前記特定演出が実行されない第2期間とが規定されているものであり、前記第1期間は、前記第2期間に比較して短い期間であることを特徴とする遊技機A7。
遊技機A7によれば、遊技機A5又はA6の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、規定情報には、特定演出の実行期間である第1期間と、特定演出が実行されない第2期間とが規定されている。そして、第1期間は、第2期間に比較して短い期間となるように構成されている。
これにより、特定演出の実行期間を短く限ることができるので、特定演出の希少性を高めることができる。よって、遊技者に対して、より特定演出の実行期間に遊技を行いたいと思わせることができるので、遊技機の稼働率を向上させることができるという効果がある。
遊技機A7において、前記規定情報は、前記第1期間と、前記第2期間とが交互に繰り返されるように規定されているものであることを特徴とする遊技機A8。
遊技機A8によれば、遊技機A7の奏する効果に加え、第1期間と第2期間とが交互に繰り返されるように規定情報が規定されているので、長く遊技を続けることにより、特定演出が実行される第1期間において確実に遊技を行うことができる。よって、特定演出中に遊技を行いたいと感じている遊技者に対して、長時間遊技を行わせることができるので、遊技機の稼働率を高めることができるという効果がある。
遊技機A1において、前記停止表示手段により識別情報が停止表示されてから一定期間が経過するまで前記動的表示手段により新たな識別情報の動的表示が開始されなかった場合に、前記停止表示された識別情報に替えてその識別情報とは異なる所定画像を表示させる所定画像表示手段と、その所定画像表示手段による前記所定画像の表示中に前記特定演出表示手段により前記特定演出が実行される場合に、前記所定画像の表示態様を半透明な態様に切り換える透過態様設定手段とを備えることを特徴とする遊技機A9。
遊技機A9によれば、遊技機A1の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、停止表示手段により識別情報が停止表示されてから一定期間が経過するまで動的表示手段により新たな識別情報の動的表示が開始されなかった場合に、停止表示された識別情報に替えてその識別情報とは異なる所定画像が所定画像表示手段により表示される。そして、所定画像表示手段による所定画像の表示中に特定演出表示手段により特定演出が実行される場合に、所定画像の表示態様が透過態様設定手段により半透明な態様に切り換えられる。
これにより、識別情報が停止表示されている場合には、その停止表示された識別情報を遊技者に視認させつつ特定演出を明確に表示させることができる。一方で、所定画像が表示され、識別情報が停止表示されていない場合は、所定画像の表示領域が半透明な態様に切り換えられるので、より特定演出を視認しやすくすることができる。即ち、表示されている表示画像の種別に応じて、表示画像と特定演出との視認しやすさを変更し、遊技者に対して視認させるべき画像を適切に表示させることができるという効果がある。
遊技機A1において、前記停止表示手段により識別情報が停止表示されてから一定期間が経過するまで前記動的表示手段により新たな識別情報の動的表示が開始されなかった場合に、前記停止表示された識別情報に替えてその識別情報とは異なる所定画像を表示させる所定画像表示手段と、その所定画像表示手段による前記所定画像の表示中に前記特定演出表示手段により前記特定演出が実行される場合に、前記所定画像に替えて、その所定画像が表示される前に前記停止表示手段により停止表示されていた識別情報を前記第2の態様で表示させる識別情報表示手段とを備えることを特徴とする遊技機A10。
遊技機A10によれば、遊技機A1の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、停止表示手段により識別情報が停止表示されてから一定期間が経過するまで動的表示手段により新たな識別情報の動的表示が開始されなかった場合に、停止表示された識別情報に替えてその識別情報とは異なる所定画像が所定画像表示手段により表示される。そして、所定画像表示手段による所定画像の表示中に特定演出表示手段により特定演出が実行される場合に、所定画像に替えて、その所定画像が表示される前に停止表示手段により停止表示されていた識別情報が識別情報表示手段によって第2の態様で表示される。
これにより、識別情報の表示中に特定演出が実行される場合も、所定画像の表示中に特定演出が実行される場合も、同一の画像を表示させることができる。即ち、特定演出の実行時に、表示されている画像の種別に応じて表示画像を変更するという処理を行う必要がないので、特定演出が実行される場合の制御をより単純化することができるという効果がある。
遊技機A1において、前記表示態様切換手段は、前記停止表示手段による識別情報の前記第1の態様での停止表示中に前記特定演出表示手段により特定演出が実行される場合、前記第1の態様で停止表示中の識別情報が非表示となるように識別情報の表示態様を切り換えるものであることを特徴とする遊技機A11。
遊技機A11によれば、遊技機A1の奏する効果に加え、停止表示手段による識別情報の第1の態様での停止表示中に特定演出表示手段により特定演出が実行される場合、第1の態様で停止表示中の識別情報が非表示となるように識別情報の表示態様が表示態様切換手段によって切り換えられるので、特定演出をより明確に表示させることができるという効果がある。
<その他>
パチンコ機等の遊技機において、液晶表示装置等の表示装置が設けられた遊技機が知られている。この従来型の遊技機では、表示装置において図柄の変動表示が行われ、図柄が予め定められた組み合わせで停止表示されることで、遊技者に有利な大当たり遊技が付与される。また、表示装置には、図柄以外にもキャラクタや風景等の様々な画像が表示される。ここで、従来型の遊技機では、画像を表示させるための優先度が定められており、例えば、大当たりとなるか否かに直接関係する図柄が明確に視認できるように表示され、他の画像は図柄が表示されている表示領域以外の領域に表示される(例えば、特許文献1:特開2003−325886号公報)。
しかしながら、従来の遊技機では、優先度の高い画像が表示されている場合には、他の画像を表示させる表示領域が小さくなってしまうため、他の画像が視認し難くなってしまう場合があった。即ち、遊技者に対して視認させるべき画像であるか否かに関わらず、画像が視認し難くなってしまい、好適な表示内容に設定することができない虞があった。
本技術的思想は、上記例示した問題点を解決するためになされたものであり、好適な表示内容に設定することができる遊技機を提供することを目的とする。
<手段>
この目的を達成するために技術的思想1の遊技機は、図柄を表示する表示手段と、所定条件の成立に基づいて前記表示手段に識別情報の動的表示を実行させる動的表示手段と、その動的表示手段による動的表示が予め定めた識別情報で終了する場合に遊技者に有利な特典遊技を付与する特典遊技付与手段とを備えており、特定条件の成立に基づいて前記表示手段において前記識別情報の動的表示とは異なる特定演出を実行する特定演出表示手段と、前記動的表示手段による動的表示の終了後に表示される識別情報を、第1の態様で停止表示する停止表示手段と、その停止表示手段による識別情報の前記第1の態様での停止表示中に前記特定演出表示手段により特定演出が実行される場合、前記第1の態様で停止表示中の識別情報が、その第1の態様より表示領域の小さい第2の態様で表示されるように、前記停止表示中の識別情報の表示態様を切り換える表示態様切換手段とを備えている。
技術的思想2の遊技機は、技術的思想1記載の遊技機において、前記停止表示手段により識別情報が停止表示されてから一定期間が経過するまで前記動的表示手段により新たな識別情報の動的表示が開始されなかった場合に、前記停止表示された識別情報に替えてその識別情報とは異なる所定画像を表示させる所定画像表示手段と、その所定画像表示手段による前記所定画像の表示中に前記特定演出表示手段により前記特定演出が実行される場合に、前記所定画像の表示態様を、前記第2の態様で表示された前記識別情報より表示領域の小さい表示態様に切り換える所定画像切換手段とを備えている。
技術的思想3の遊技機は、技術的思想2に記載の遊技機において、前記所定画像切換手段は、前記所定画像表示手段による前記所定画像の表示中に前記特定演出表示手段により前記特定演出が実行される場合に、前記所定画像が非表示となるように切り換えるものである。
技術的思想4の遊技機は、技術的思想1から3のいずれかに記載の遊技機において、計時情報を計時する計時手段と、その計時手段が計時する計時情報に基づいて前記特定演出の実行期間であるか否かを判別する期間判別手段とを備え、前記特定演出表示手段は、前記期間判別手段により前記特定演出の実行期間であると判別された場合に前記特定演出を実行するものである。
<効果>
技術的思想1記載の遊技機によれば、特定条件の成立に基づいて、特定演出表示手段により表示手段に識別情報の動的表示とは異なる特定演出が実行される。動的表示手段による動的表示の終了後に表示される識別情報が、停止表示手段により第1の態様で停止表示される。そして、停止表示手段による識別情報の第1の態様での停止表示中に特定演出表示手段により特定演出が実行される場合、第1の態様で停止表示中の識別情報が、その第1態様より表示領域の小さい第2の態様で表示されるように、停止表示中の識別情報の表示態様が表示態様切替手段によって切り換えられる。
これにより、前回の動的表示の終了時に表示された識別情報を第2の態様で表示させておくことで遊技者が識別情報を確認可能としておきつつ、特定演出をより大きな表示領域で実行することができる。つまり、動的表示手段により識別情報の動的表示が実行されている場合や、その動的表示の終了時に比較して、遊技者が確認する頻度の低い停止表示状態の識別情報の表示領域を削減し、特定演出をより明確に表示させることができる。よって、好適な表示内容に設定することができるという効果がある。
技術的思想2記載の遊技機によれば、技術的思想1記載の遊技機の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、停止表示手段により識別情報が停止表示されてから一定期間が経過するまで動的表示手段により新たな識別情報の動的表示が開始されなかった場合に、停止表示された識別情報に替えてその識別情報とは異なる所定画像が所定画像表示手段により表示される。また、所定画像表示手段による所定画像の表示中に特定演出表示手段により特定演出が実行される場合に、所定画像の表示態様が所定画像切換手段により、第2の態様で表示された識別情報より表示領域の小さい表示態様に設定される。
これにより、識別情報が停止表示されている場合には、その停止表示された識別情報を遊技者に視認させつつ特定演出を明確に表示させることができる。一方で、所定画像が表示され、識別情報が停止表示されていない場合は、所定画像の表示領域が第2の態様で表示された識別情報よりも小さい態様に設定されるので、より特定演出を視認しやすくすることができる。即ち、表示されている表示画像の種別に応じて、表示画像と特定演出との視認しやすさを変更し、遊技者に対して視認させるべき画像を適切に表示させることができるという効果がある。
技術的思想3記載の遊技機によれば、技術的思想2に記載の遊技機の奏する効果に加え、所定画像表示手段による所定画像の表示中に特定演出表示手段により特定演出が実行される場合に、所定画像切換手段により所定画像が非表示となるように切り換えられるので、識別情報が停止表示されている場合には、その停止表示された識別情報を遊技者に視認させつつ特定演出を明確に表示させることができる。一方で、所定画像が表示され、識別情報が停止表示されていない場合は、所定画像が非表示となるので、より特定演出を視認しやすくすることができる。即ち、表示されている表示画像の種別に応じて、表示画像と特定演出との視認しやすさを変更し、遊技者に対して視認させるべき画像を適切に表示させることができるという効果がある。
技術的思想4記載の遊技機によれば、技術的思想1から3のいずれかに記載の遊技機の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、計時手段により計時情報が計時され、その計時手段が計時する計時情報に基づいて、特定演出の実行期間であるか否かが期間判別手段によって判別される。そして、期間判別手段により特定演出の実行期間であると判別された場合に、特定演出表示手段により特定演出が実行される。
これにより、遊技者に対して特定演出の実行期間を計時情報に基づいて認識させることができるので、特定演出の実行期間を狙って遊技を開始させることができる。よって、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができるという効果がある。
10 パチンコ機(遊技機)
81 第3図柄表示装置(表示手段)
292 RTC(計時手段)
S213 特典遊技付与手段
S1404 期間判別手段
S1410 特定演出表示手段
S2205 動的表示手段
S2813 所定画像切換手段
S2815 表示態様切換手段
S3010 停止表示手段
S3404 所定画像表示手段

Claims (4)

  1. 図柄を表示する表示手段と、所定条件の成立に基づいて前記表示手段に識別情報の動的表示を実行させる動的表示手段と、その動的表示手段による動的表示が予め定めた識別情報で終了する場合に遊技者に有利な特典遊技を付与する特典遊技付与手段とを備える遊技機において、
    特定条件の成立に基づいて前記表示手段において前記識別情報の動的表示とは異なる特定演出を実行する特定演出表示手段と、
    前記動的表示手段による動的表示の終了後に表示される識別情報を、第1の態様で停止表示する停止表示手段と、
    その停止表示手段による識別情報の前記第1の態様での停止表示中に前記特定演出表示手段により特定演出が実行される場合、前記第1の態様で停止表示中の識別情報が、その第1の態様より表示領域の小さい第2の態様で表示されるように、前記停止表示中の識別情報の表示態様を切り換える表示態様切換手段とを備えていることを特徴とする遊技機。
  2. 前記停止表示手段により識別情報が停止表示されてから一定期間が経過するまで前記動的表示手段により新たな識別情報の動的表示が開始されなかった場合に、前記停止表示された識別情報に替えてその識別情報とは異なる所定画像を表示させる所定画像表示手段と、
    その所定画像表示手段による前記所定画像の表示中に前記特定演出表示手段により前記特定演出が実行される場合に、前記所定画像の表示態様を、前記第2の態様で表示された前記識別情報より表示領域の小さい表示態様に切り換える所定画像切換手段とを備えていることを特徴とする請求項1記載の遊技機。
  3. 前記所定画像切換手段は、前記所定画像表示手段による前記所定画像の表示中に前記特定演出表示手段により前記特定演出が実行される場合に、前記所定画像が非表示となるように切り換えるものであることを特徴とする請求項2に記載の遊技機。
  4. 計時情報を計時する計時手段と、
    その計時手段が計時する計時情報に基づいて前記特定演出の実行期間であるか否かを判別する期間判別手段とを備え、
    前記特定演出表示手段は、前記期間判別手段により前記特定演出の実行期間であると判別された場合に前記特定演出を実行するものであることを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載の遊技機。
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