以下、添付図面を参照して、本発明を実施するための形態を詳細に説明する。なお、図面の説明において同一の要素には同一の符号を付し、重複する説明を省略する。
図1は、本実施形態の固体撮像装置1の概略構成を示す図である。この図に示される固体撮像装置1は、受光部10,第1行選択部20,第2行選択部30,第3行選択部70,第1読出部40,第2読出部50および制御部60を備える。
受光部10はM×N個の画素部P1,1〜PM,Nを含む。M×N個の画素部P1,1〜PM,Nは、共通の構成を有していて、M行N列に2次元配列されている。各画素部Pm,nは第m行第n列に位置している。ここで、M,Nは2以上の整数であり、mは1以上M以下の各整数であり、nは1以上N以下の各整数である。
各画素部Pm,nは、入射光量に応じた量の電荷を発生するフォトダイオードと、該電荷を蓄積する電荷蓄積部とを有する。各画素部Pm,nは、第1行選択部20または第2行選択部30から制御信号線を介して受け取った各種の制御信号に基づいて、フォトダイオードの接合容量部を放電し、フォトダイオードで発生した電荷を電荷蓄積部に蓄積し、その電荷蓄積部における蓄積電荷量に応じたデータを読出信号線L1nまたは読出信号線L2nへ出力することができる。
第1行選択部20は、受光部10における何れかの第m1行を選択し、その第m1行の各画素部Pm1,nに対して制御信号を出力することで、フォトダイオードの接合容量部を放電させ、フォトダイオードで発生した電荷を電荷蓄積部に蓄積させ、その電荷蓄積部における蓄積電荷量に応じたデータを読出信号線L1nへ出力させる。
第2行選択部30は、受光部10における何れかの第m2行を選択し、その第m2行の各画素部Pm2,nに対して制御信号を出力することで、フォトダイオードの接合容量部を放電させ、フォトダイオードで発生した電荷を電荷蓄積部に蓄積させ、その電荷蓄積部における蓄積電荷量に応じたデータを読出信号線L2nへ出力させる。
第3行選択部70は、受光部10における何れかの第m3行を選択し、その第m3行の各画素部Pm3,nに対して制御信号を出力することで、フォトダイオードの接合容量部を放電させ、フォトダイオードで発生した電荷を電荷蓄積部に蓄積させる。
ここで、m1,m2は1以上M以下であって互いに異なる整数である。m3は1以上M以下の整数である。第1行選択部20および第2行選択部30は、受光部10において互いに異なる行を選択する。第1行選択部20および第2行選択部30それぞれが選択する行の数は任意であるが、データの出力は各行ごとに順次行われる。第3行選択部70が選択する行の数も任意である。
第1読出部40は、N本の読出信号線L11〜L1Nと接続され、第1行選択部20により選択された受光部10における第m1行の各画素部Pm1,nから読出信号線L1nへ出力されたデータを入力して、第m1行の各画素部Pm1,nのフォトダイオードで発生した電荷の量に応じたデータを出力する。
第2読出部50は、N本の読出信号線L21〜L2Nと接続され、第2行選択部30により選択された受光部10における第m2行の各画素部Pm2,nから読出信号線L2nへ出力されたデータを入力して、第m2行の各画素部Pm2,nのフォトダイオードで発生した電荷の量に応じたデータを出力する。
制御部60は、第1行選択部20,第2行選択部30,第3行選択部70,第1読出部40および第2読出部50それぞれの動作を制御することで、固体撮像装置1全体の動作を制御する。制御部60により制御されて、第1行選択部20および第1読出部40と、第2行選択部30および第2読出部50とは、互いに並列的に動作をすることができる。
図2は、本実施形態の固体撮像装置1の第1読出部40および第2読出部50の構成を示す図である。この図では、受光部10においてはM×N個の画素部P1,1〜PM,Nのうち第m行第n列の画素部Pm,nが代表して示され、また、第1読出部40および第2読出部50それぞれにおいては該画素部Pm,nに関連する構成要素が示されている。
第1読出部40は、N個の保持部411〜41N,第1列選択部42および差演算部43を含む。N個の保持部411〜41Nは共通の構成を有している。各保持部41nは、受光部10における第n列のM個の画素部P1,n〜PM,nと読出信号線L1nを介して接続されていて、第1行選択部20により選択された第m1行の画素部Pm1,nから読出信号線L1nへ出力されたデータを入力して、そのデータを保持し、その保持したデータを出力することができる。各保持部41nは、ノイズ成分が重畳された信号成分のデータを入力して保持するとともに、ノイズ成分のみのデータを入力して保持するのが好適である。
N個の保持部411〜41Nは、第1列選択部42から受け取った各種の制御信号に基づいて、同一タイミングでデータをサンプリングして保持し、その保持したデータを順次に出力することができる。差演算部43は、N個の保持部411〜41Nそれぞれから順次に出力されたデータを入力し、ノイズ成分が重畳された信号成分のデータからノイズ成分のみのデータを差し引いて、信号成分に応じたデータを出力する。差演算部43は、信号成分に応じたデータをアナログデータとして出力してもよいし、AD変換機能を有していてデジタルデータを出力してもよい。このようにして、第1読出部40は、第m1行の各画素部Pm1,nのフォトダイオードで発生した電荷の量に応じたデータを出力することができる。
第2読出部50は、N個の保持部511〜51N,第2列選択部52および差演算部53を含む。N個の保持部511〜51Nは共通の構成を有している。各保持部51nは、受光部10における第n列のM個の画素部P1,n〜PM,nと読出信号線L2nを介して接続されていて、第2行選択部20により選択された第m2行の画素部Pm2,nから読出信号線L2nへ出力されたデータを入力して、そのデータを保持し、その保持したデータを出力することができる。各保持部51nは、ノイズ成分が重畳された信号成分のデータを入力して保持するとともに、ノイズ成分のみのデータを入力して保持するのが好適である。
N個の保持部511〜51Nは、第2列選択部52から受け取った各種の制御信号に基づいて、同一タイミングでデータをサンプリングして保持し、その保持したデータを順次に出力することができる。差演算部53は、N個の保持部511〜51Nそれぞれから順次に出力されたデータを入力し、ノイズ成分が重畳された信号成分のデータからノイズ成分のみのデータを差し引いて、信号成分に応じたデータを出力する。差演算部53は、信号成分に応じたデータをアナログデータとして出力してもよいし、AD変換機能を有していてデジタルデータを出力してもよい。このようにして、第2読出部50は、第m2行の各画素部Pm2,nのフォトダイオードで発生した電荷の量に応じたデータを出力することができる。
図3は、本実施形態の固体撮像装置1の画素部Pm,nおよび保持部41nの回路構成を示す図である。この図でも、受光部10においてはM×N個の画素部P1,1〜PM,Nのうち第m行第n列の画素部Pm,nが代表して示され、また、第1読出部40においては該画素部Pm,nに関連する保持部41nが示されている。なお、保持部51nの構成は保持部41nの構成と同様である。
各画素部Pm,nは、APS(Active Pixel Sensor)方式のものであって、フォトダイオードPDおよび6個のMOSトランジスタT1,T2,T3,T41,T42,T5を含む。この図に示されるように、トランジスタT1,トランジスタT2およびフォトダイオードPDは順に直列的に接続されていて、トランジスタT1のドレイン端子に基準電圧が入力され、フォトダイオードPDのアノ−ド端子が接地されている。トランジスタT1とトランジスタT2との接続点は、トランジスタT5を介してトランジスタT3のゲート端子に接続されている。
トランジスタT3のドレイン端子に基準電圧が入力される。トランジスタT3のソース端子は、トランジスタT41,T42それぞれのドレイン端子と接続されている。各画素部Pm,nのトランジスタT41のソース端子は、読出信号線L1nに接続されている。各画素部Pm,nのトランジスタT42のソース端子は、読出信号線L2nに接続されている。読出信号線L1nおよび読出信号線L2nそれぞれには定電流源が接続されている。
各画素部Pm,nの転送用のトランジスタT2のゲート端子は、制御信号線LTmと接続され、第1行選択部20または第2行選択部30から出力されるTrans(m)信号が入力される。各画素部Pm,nのリセット用のトランジスタT1のゲート端子は、制御信号線LRmと接続され、第1行選択部20または第2行選択部30から出力されるReset(m)信号が入力される。各画素部Pm,nのホールド用のトランジスタT5のゲート端子は、制御信号線LHmと接続され、第1行選択部20または第2行選択部30から出力されるHold(m)信号が入力される。
各画素部Pm,nの出力選択用のトランジスタT41のゲート端子は、制御信号線LA1mと接続され、第1行選択部20から出力されるAddress1(m)信号が入力される。各画素部Pm,nの出力選択用のトランジスタT42のゲート端子は、制御信号線LA2mと接続され、第2行選択部30から出力されるAddress2(m)信号が入力される。これらの制御信号(Reset(m)信号,Trans(m)信号,Hold(m)信号,Address1(m)信号,Address2(m)信号)は、第m行のN個の画素部Pm,1〜Pm,Nに対して共通に入力される。
制御信号線LTm,制御信号線LRmおよび制御信号線LHmは、行毎に設けられていて、第m行の各画素部Pm,nにおけるフォトダイオードPDの接合容量部および電荷蓄積部それぞれの放電ならびに電荷蓄積部による電荷蓄積を指示する制御信号(Reset(m)信号,Trans(m)信号,Hold(m)信号)を送る。Reset(m)信号は、第1行選択部20から出力されるReset1(m)信号と、第2行選択部30から出力されるReset2(m)信号と、第3行選択部70から出力されるReset3(m)信号と、の論理和である。Trans(m)信号は、第1行選択部20から出力されるTrans1(m)信号と、第2行選択部30から出力されるTrans2(m)信号と、第3行選択部70から出力されるTrans3(m)信号と、の論理和である。また、Hold(m)信号は、第1行選択部20から出力されるHold1(m)信号と第2行選択部30から出力されるHold2(m)信号との論理和である。
制御信号線LA1mおよび制御信号線LA2mは、行毎に設けられていて、第m行の各画素部Pm,nにおける読出信号線L1nまたは読出信号線L2nへのデータ出力を指示する制御信号(Address1(m)信号,Address2(m)信号)を送る。各制御信号線LA1mは第1行選択部20に接続されている。各制御信号線LA2mは第2行選択部30に接続されている。Address1(m)信号とAddress2(m)信号とは同時にハイレベルとなることはなく、トランジスタT41とトランジスタT42とは同時にオン状態となることはない。
Reset(m)信号,Trans(m)信号およびHold(m)信号がハイレベルであるとき、フォトダイオードPDの接合容量部が放電され、また、トランジスタT3のゲート端子に接続される拡散領域(電荷蓄積部)が放電される。Trans(m)信号がローレベルであるとき、フォトダイオードPDで発生した電荷は接合容量部に蓄積されていく。Reset(m)信号がローレベルであって、Trans(m)信号およびHold(m)信号がハイレベルであると、フォトダイオードPDの接合容量部に蓄積されていた電荷は、トランジスタT3のゲート端子に接続される拡散領域(電荷蓄積部)に転送され蓄積される。
Address1(m)信号がハイレベルであるとき、トランジスタT3のゲート端子に接続される拡散領域(電荷蓄積部)に蓄積されている電荷量に応じたデータ(ノイズ成分が重畳された信号成分のデータ)が、トランジスタT41を経て読出信号線L1nへ出力され、第1読出部40の保持部41nへ入力される。すなわち、トランジスタT41は、電荷蓄積部における蓄積電荷量に応じたデータを読出信号線L1nへ出力するための第1スイッチとして作用する。なお、電荷蓄積部が放電状態にあるときには、ノイズ成分のみのデータがトランジスタT41を経て読出信号線L1nへ出力される。
Address2(m)信号がハイレベルであるとき、トランジスタT3のゲート端子に接続される拡散領域(電荷蓄積部)に蓄積されている電荷量に応じたデータ(ノイズ成分が重畳された信号成分のデータ)が、トランジスタT42を経て読出信号線L2nへ出力され、第2読出部50の保持部51nへ入力される。すなわち、トランジスタT42は、電荷蓄積部における蓄積電荷量に応じたデータを読出信号線L2nへ出力するための第2スイッチとして作用する。なお、電荷蓄積部が放電状態にあるときには、ノイズ成分のみのデータがトランジスタT42を経て読出信号線L2nへ出力される。
各保持部41nは、2つの容量素子C1,C2、および、4つのスイッチSW11,SW12,SW21,SW22を含む。この保持部41nでは、スイッチSW11およびスイッチSW12は、直列的に接続されて読出信号線L1nと配線Hline_s1との間に設けられ、容量素子C1の一端は、スイッチSW11とスイッチSW12との間の接続点に接続され、容量素子C1の他端は接地されている。また、スイッチSW21およびスイッチSW22は、直列的に接続されて読出信号線L1nと配線Hline_n1との間に設けられ、容量素子C2の一端は、スイッチSW21とスイッチSW22との間の接続点に接続され、容量素子C2の他端は接地されている。
この保持部41nでは、スイッチSW11は、第1列選択部42から供給されるset_s1信号のレベルに応じて開閉する。スイッチSW21は、第1列選択部42から供給されるset_n1信号のレベルに応じて開閉する。set_s1信号およびset_n1信号は、N個の保持部411〜41Nに対して共通に入力される。スイッチSW12,SW22は、第1列選択部42から供給されるhshift1(n)信号のレベルに応じて開閉する。
この保持部41nでは、set_n1信号がハイレベルからローレベルに転じてスイッチSW21が開くときに画素部Pm,nから読出信号線L1nへ出力されていたノイズ成分が、それ以降、容量素子C2により電圧値out_n1(n)として保持される。set_s1信号がハイレベルからローレベルに転じてスイッチSW11が開くときに画素部Pm,nから読出信号線L1nへ出力されていたノイズ成分が重畳された信号成分が、それ以降、容量素子C1により電圧値out_s1(n)として保持される。そして、hshift1(n)信号がハイレベルになると、スイッチSW12が閉じて、容量素子C1により保持されていた電圧値out_s1(n)が配線Hline_s1へ出力され、また、スイッチSW22が閉じて、容量素子C2により保持されていた電圧値out_n1(n)が配線Hline_n1へ出力される。これら電圧値out_s1(n)と電圧値out_n1(n)との差が、画素部Pm,nのフォトダイオードPDで発生した電荷の量に応じた電圧値を表す。
図4は、本実施形態の固体撮像装置1の差演算部43の回路構成を示す図である。なお、差演算部53の構成は差演算部43の構成と同様である。この図に示されるように、差演算部43は、アンプA1〜A3、スイッチSW1,SW2、および、抵抗器R1〜R4を含む。アンプA3の反転入力端子は、抵抗器R1を介してバッファアンプA1の出力端子と接続され、抵抗器R3を介して自己の出力端子と接続されている。アンプA3の非反転入力端子は、抵抗器R2を介してバッファアンプA2の出力端子と接続され、抵抗器R4を介して接地電位と接続されている。バッファアンプA1の入力端子は、配線Hline_s1を介してN個の保持部411〜41Nと接続され、スイッチSW1を介して接地電位と接続されている。バッファアンプA2の入力端子は、配線Hline_n1を介してN個の保持部411〜41Nと接続され、スイッチSW2を介して接地電位と接続されている。
差演算部43のスイッチSW1,SW2は、第1列選択部42から供給されるhreset1信号により制御されて開閉動作する。スイッチSW1が閉じることで、バッファアンプA1の入力端子に入力される電圧値がリセットされる。スイッチSW2が閉じることで、バッファアンプA2の入力端子に入力される電圧値がリセットされる。スイッチSW1,SW2が開いているときに、N個の保持部411〜41Nのうちの何れかの保持部41nから配線Hline_s1,Hline_n1へ出力された電圧値out_s1(n),out_n1(n)が、バッファアンプA1,A2の入力端子に入力される。バッファアンプA1,A2それぞれの増幅率を1とし、4個の抵抗器R1〜R4それぞれの抵抗値が互いに等しいとすると、差演算部43の出力端子から出力される電圧値は、配線Hline_s1および配線Hline_n1それぞれを経て入力される電圧値の差を表し、ノイズ成分が除去されたものとなる。
図5は、本実施形態の固体撮像装置1の第1行選択部20,第2行選択部30および第3行選択部70の構成を示す図である。この図に示されるように、第1行選択部20は、第1のシフトレジスタを構成するM個の制御信号生成回路211〜21M,および,第2のシフトレジスタを構成するM個のラッチ回路221〜22Mを含む。第2行選択部30は、第1のシフトレジスタを構成するM個の制御信号生成回路311〜31M,および,第2のシフトレジスタを構成するM個のラッチ回路321〜32Mを含む。また、第3行選択部70は、シフトレジスタを構成するM個のラッチ回路721〜72M、M個の論理積回路731〜73M,および,M個の論理積回路741〜74Mを含む。
第1行選択部20に含まれるM個の制御信号生成回路211〜21Mそれぞれは、共通の構成を有して順に縦続接続されている。すなわち、各制御信号生成回路21mの入力端子Iは前段の制御信号生成回路21m−1の出力端子Oに接続されている(ここでは、mは2以上M以下の各整数)。初段の制御信号生成回路211の入力端子Iは、クロックVCLK1が指示する或るタイミングでハイレベルであって以降はローレベルであるvshift1(0)信号を入力する。各制御信号生成回路21mは、クロックVCLK1に同期して動作し、基本制御信号1を入力して、対応するラッチ回路22mにより保持されるデータrow_sel1_data[m]がハイレベルであるときに、所定のタイミングで、Reset1(m)信号,Trans1(m)信号,Hold1(m)信号およびAddress1(m)信号をハイレベルとして出力する。
M個のラッチ回路221〜22Mそれぞれは、Dフリップフロップであって順に縦続接続されている。すなわち、各ラッチ回路22mの入力端子Dは前段のラッチ回路22m−1の出力端子Qに接続されている(ここでは、mは2以上M以下の各整数)。初段のラッチ回路221の入力端子Dは、Mビットのデータrow_sel1_data[M:1]をシリアルに入力する。各ラッチ回路22mは、クロックrow_sel1_clkに同期して動作することで、データrow_sel1_data[m]を保持することができる。各ラッチ回路22mは、保持しているデータrow_sel1_data[m]を、対応する制御信号生成回路21mへ与える。
第1行選択部20は、vshift1(0)信号,クロックVCLK1,基本制御信号1,Mビットのデータrow_sel1_data[M:1]およびクロックrow_sel1_clkを制御部60から与えられる。
第2行選択部30に含まれるM個の制御信号生成回路311〜31Mそれぞれは、共通の構成を有して順に縦続接続されている。すなわち、各制御信号生成回路31mの入力端子Iは前段の制御信号生成回路31m−1の出力端子Oに接続されている(ここでは、mは2以上M以下の各整数)。初段の制御信号生成回路311の入力端子Iは、クロックVCLK2が指示する或るタイミングでハイレベルであって以降はローレベルであるvshift2(0)信号を入力する。各制御信号生成回路31mは、クロックVCLK2に同期して動作し、基本制御信号2を入力して、対応するラッチ回路32mにより保持されるデータrow_sel2_data[m]がハイレベルであるときに、所定のタイミングで、Reset2(m)信号,Trans2(m)信号,Hold2(m)信号およびAddress2(m)信号をハイレベルとして出力する。
M個のラッチ回路321〜32Mそれぞれは、Dフリップフロップであって順に縦続接続されている。すなわち、各ラッチ回路32mの入力端子Dは前段のラッチ回路32m−1の出力端子Qに接続されている(ここでは、mは2以上M以下の各整数)。初段のラッチ回路321の入力端子Dは、Mビットのデータrow_sel2_data[M:1]をシリアルに入力する。各ラッチ回路32mは、クロックrow_sel2_clkに同期して動作することで、データrow_sel2_data[m]を保持することができる。各ラッチ回路32mは、保持しているデータrow_sel2_data[m]を、対応する制御信号生成回路31mへ与える。
第2行選択部30は、vshift2(0)信号,クロックVCLK2,基本制御信号2,Mビットのデータrow_sel2_data[M:1]およびクロックrow_sel2_clkを制御部60から与えられる。
第3行選択部70に含まれるM個のラッチ回路721〜72Mそれぞれは、Dフリップフロップであって順に縦続接続されている。すなわち、各ラッチ回路72mの入力端子Dは前段のラッチ回路72m−1の出力端子Qに接続されている(ここでは、mは2以上M以下の各整数)。初段のラッチ回路721の入力端子Dは、Mビットのデータrow_sel3_data[M:1]をシリアルに入力する。各ラッチ回路72mは、クロックrow_sel3_clkに同期して動作することで、データrow_sel3_data[m]を保持することができる。
第3行選択部70に含まれる各論理積回路73mは、ラッチ回路72mから出力されるデータrow_sel3_data[m]を入力するとともに、Trans3信号のデータをも入力して、これらの論理積のデータをTrans3(m)として出力する。各論理積回路74mは、ラッチ回路72mから出力されるデータrow_sel3_data[m]を入力するとともに、Reset3信号のデータをも入力して、これらの論理積のデータをReset3(m)として出力する。
第3行選択部70は、Trans3信号,Reset3信号,Mビットのデータrow_sel3_data[M:1]およびクロックrow_sel3_clkを制御部60から与えられる。
第3行選択部70は、M個のラッチ回路721〜72Mのうちの第m3のラッチ回路72m3に保持したデータrow_sel3_data[m3]がハイレベルである場合に、第m3行の各画素部Pm3,nに対して制御信号(Reset3(m3)信号,Trans3(m3)信号)を所定のタイミングでハイレベルとして出力することができる。
図6は、本実施形態の固体撮像装置1の第1行選択部20の制御信号生成回路21mの構成を示す図である。各制御信号生成回路21mは、Dフリップフロップ210、論理反転回路211、論理積回路212〜217、論理和回路218,219および論理積回路221を含む。各制御信号生成回路21mは、図5で説明した基本制御信号1として、All_reset1信号,Reset1信号,Trans1信号,Hold1信号およびAddress1信号を入力する。
各制御信号生成回路21mのDフリップフロップ210は、前段の制御信号生成回路21m−1から出力されるvshift1(m-1)信号を入力して、クロックVCLK1が指示するタイミングで当該データを保持し、その保持したデータを出力する。
各制御信号生成回路21mの論理積回路212は、対応するラッチ回路22mから出力されるデータrow_sel1_data[m]を入力するとともに、Dフリップフロップ210から出力されるデータをも入力して、これらの論理積のデータを出力する。
各制御信号生成回路21mの論理積回路213は、対応するラッチ回路22mから出力されるデータrow_sel1_data[m]が論理反転回路211により論理反転されたデータを入力するとともに、前段の制御信号生成回路21m−1から出力されるvshift1(m-1)信号のデータをも入力して、これらの論理積のデータを出力する。
各制御信号生成回路21mの論理和回路218は、論理積回路212および論理積回路213それぞれのデータを入力して、これらの論理和のデータをvshift1(m)信号として出力する。
各制御信号生成回路21mの論理積回路214は、対応するラッチ回路22mから出力されるデータrow_sel1_data[m]を入力するとともに、Reset1信号のデータをも入力して、これらの論理積のデータをReset1(m)信号として出力する。
各制御信号生成回路21mの論理積回路215は、対応するラッチ回路22mから出力されるデータrow_sel1_data[m]を入力するとともに、Trans1信号のデータをも入力して、これらの論理積のデータをTrans1(m)信号として出力する。
各制御信号生成回路21mの論理積回路221は、対応するラッチ回路22mから出力されるデータrow_sel1_data[m]を入力するとともに、All_reset1信号のデータをも入力して、これらの論理積のデータを出力する。
各制御信号生成回路21mの論理和回路219は、論理積回路221の出力データを入力するとともに、論理積回路212の出力データをも入力して、これらの論理和のデータを出力する。
各制御信号生成回路21mの論理積回路216は、論理和回路219の出力データを入力するとともに、Hold1信号のデータをも入力して、これらの論理積のデータをHold1(m)信号として出力する。
各制御信号生成回路21mの論理積回路217は、Address1信号のデータを入力するとともに、論理積回路212の出力データをも入力して、これらの論理積のデータをAddress1(m)信号として出力する。
図7は、本実施形態の固体撮像装置1の第2行選択部30の制御信号生成回路31mの構成を示す図である。各制御信号生成回路31mは、Dフリップフロップ310、論理反転回路311、論理積回路312〜317、論理和回路318,319および論理積回路321を含む。各制御信号生成回路31mは、図5で説明した基本制御信号2として、All_reset2信号,Reset2信号,Trans2信号,Hold2信号およびAddress2信号を入力する。
各制御信号生成回路31mのDフリップフロップ310は、前段の制御信号生成回路31m−1から出力されるvshift2(m-1)信号を入力して、クロックVCLK2が指示するタイミングで当該データを保持し、その保持したデータを出力する。
各制御信号生成回路31mの論理積回路312は、対応するラッチ回路32mから出力されるデータrow_sel2_data[m]を入力するとともに、Dフリップフロップ310から出力されるデータをも入力して、これらの論理積のデータを出力する。
各制御信号生成回路31mの論理積回路313は、対応するラッチ回路32mから出力されるデータrow_sel2_data[m]が論理反転回路311により論理反転されたデータを入力するとともに、前段の制御信号生成回路31m−1から出力されるvshift2(m-1)信号のデータをも入力して、これらの論理積のデータを出力する。
各制御信号生成回路31mの論理和回路318は、論理積回路312および論理積回路313それぞれのデータを入力して、これらの論理和のデータをvshift2(m)信号として出力する。
各制御信号生成回路31mの論理積回路314は、対応するラッチ回路32mから出力されるデータrow_sel2_data[m]を入力するとともに、Reset2信号のデータをも入力して、これらの論理積のデータをReset2(m)信号として出力する。
各制御信号生成回路31mの論理積回路315は、対応するラッチ回路32mから出力されるデータrow_sel2_data[m]を入力するとともに、Trans2信号のデータをも入力して、これらの論理積のデータをTrans2(m)信号として出力する。
各制御信号生成回路31mの論理積回路321は、対応するラッチ回路32mから出力されるデータrow_sel2_data[m]を入力するとともに、All_reset2信号のデータをも入力して、これらの論理積のデータを出力する。
各制御信号生成回路31mの論理和回路319は、論理積回路321の出力データを入力するとともに、論理積回路312の出力データをも入力して、これらの論理和のデータを出力する。
各制御信号生成回路31mの論理積回路316は、論理和回路319の出力データを入力するとともに、Hold2信号のデータをも入力して、これらの論理積のデータをHold2(m)信号として出力する。
各制御信号生成回路31mの論理積回路317は、Address2信号のデータを入力するとともに、論理積回路312の出力データをも入力して、これらの論理積のデータをAddress2(m)信号として出力する。
第1行選択部20が選択するべき第m1行に対応してデータrow_sel1_data[m1]がハイレベルとされる。第2行選択部30が選択するべき第m2行に対応してデータrow_sel2_data[m2]がハイレベルとされる。また、第3行選択部70が選択するべき第m3行に対応してデータrow_sel3_data[m3]がハイレベルとされる。第1行選択部20が選択する第m1行と第2行選択部30が選択する第m2行とが互いに異なるようにするには、各m値について、データrow_sel1_data[m]およびデータrow_sel2_data[m]は、共にハイレベルであってはならず、少なくとも一方がローレベルであることが必要である。
図6に示される構成を有する第1行選択部20では、M個のラッチ回路221〜22Mのうちの第m1のラッチ回路22m1に保持したデータrow_sel1_data[m1]がハイレベルである(このとき、データrow_sel2_data[m1]は必ずローレベルである)場合に、これに対応する制御信号生成回路21m1は、第m1行の各画素部Pm1,nに対して制御信号(Reset1(m1)信号,Trans1(m1)信号,Hold1(m1)信号)を所定のタイミングでハイレベルとして出力することができ、また、Address1(m1)信号をも所定のタイミングでハイレベルとして出力することができる。
また、第1行選択部20では、M個のラッチ回路221〜22Mのうち保持データrow_sel1_data[m]がローレベルであるラッチ回路に対応する制御信号生成回路は、前段から到達したvshift1信号を直ちに後段へ出力することができる。すなわち、M個のラッチ回路221〜22Mのうち保持データrow_sel1_data[m]がハイレベルであるラッチ回路のみが実質的なシフトレジスタを構成している。したがって、第1行選択部20は、M個のラッチ回路221〜22Mのうち保持データrow_sel1_data[m]がハイレベルであるラッチ回路に対応する行に対して一定時間間隔(クロックVCLK1の周期)で順次に制御信号を出力することができる。
図7に示される構成を有する第2行選択部30では、M個のラッチ回路321〜32Mのうちの第m2のラッチ回路32m2に保持したデータrow_sel2_data[m2]がハイレベルである(このとき、データrow_sel1_data[m2]は必ずローレベルである)場合に、これに対応する制御信号生成回路31m2は、第m2行の各画素部Pm2,nに対して制御信号(Reset2(m2)信号,Trans2(m2)信号,Hold2(m2)信号)を所定のタイミングでハイレベルとして出力することができ、また、Address2(m2)信号をも所定のタイミングでハイレベルとして出力することができる。
また、第2行選択部30では、M個のラッチ回路321〜32Mのうち保持データrow_sel2_data[m]がローレベルであるラッチ回路に対応する制御信号生成回路は、前段から到達したvshift2信号を直ちに後段へ出力することができる。すなわち、M個のラッチ回路321〜32Mのうち保持データrow_sel2_data[m]がハイレベルであるラッチ回路のみが実質的なシフトレジスタを構成している。したがって、第2行選択部30は、M個のラッチ回路321〜32Mのうち保持データrow_sel2_data[m]がハイレベルであるラッチ回路に対応する行に対して一定時間間隔(クロックVCLK2の周期)で順次に制御信号を出力することができる。
以上のように、第1行選択部20は、M個のラッチ回路221〜22Mのうちの第m1のラッチ回路22m1に保持したデータrow_sel1_data[m1]がハイレベルである場合に、第m1行の各画素部Pm1,nに対してReset1(m1)信号,Trans1(m1)信号,Hold1(m1)信号およびAddress1(m1)を所定のタイミングでハイレベルとして出力することができる。第2行選択部30は、M個のラッチ回路321〜32Mのうちの第m2のラッチ回路32m2に保持したデータrow_sel2_data[m2]がハイレベルである場合に、第m2行の各画素部Pm2,nに対してReset2(m2)信号,Trans2(m2)信号,Hold2(m2)信号およびAddress2(m2)信号を所定のタイミングでハイレベルとして出力することができる。また、第3行選択部70は、M個のラッチ回路721〜72Mのうちの第m3のラッチ回路72m3に保持したデータrow_sel3_data[m3]がハイレベルである場合に、第m3行の各画素部Pm3,nに対してReset3(m3)信号およびTrans3(m3)信号を所定のタイミングでハイレベルとして出力することができる。
次に、比較例(図8,図9)と対比して本実施形態の固体撮像装置1の動作の実施例(図8,図10)を説明する。比較例では、第1行選択部および第2行選択部の何れも、受光部10における第m1行および第m2行と異なる何れの第m3行の各画素部Pm3,nに対してもフォトダイオードの接合容量部を放電させることはない。実施例および比較例の何れにおいても、説明の簡便化の為にM=N=8 とする。
図8は、比較例の動作の場合において第1読出し部40および第2読出し部50それぞれによりデータが読み出される受光部10における画素部を説明する図である。比較例においては、或る時刻t以前では、同図(a)に示されるように、受光部10の画素部P5,3および画素部P5,4それぞれの通信データが第1行選択部および第1読出部により読み出され(同図(a)中の領域A)、受光部10の画素部P3,2〜画素部P3,5,画素部P4,2〜画素部P4,5,画素部P6,2〜画素部P6,5および画素部P7,2〜画素部P7,5それぞれの画像データが第2行選択部および第2読出部により読み出される(同図(a)中の領域B)。
そして、比較例においては、その時刻t以降では、同図(b)に示されるように、受光部10の画素部P4,4および画素部P4,5それぞれの通信データが第1行選択部および第1読出部により読み出され(同図(b)中の領域A)、受光部10の画素部P2,3〜画素部P2,6,画素部P3,3〜画素部P3,6,画素部P5,3〜画素部P5,6および画素部P6,3〜画素部P6,6それぞれの画像データが第2行選択部および第2読出部により読み出される(同図(b)中の領域B)。
すなわち、比較例では、或る時刻tを境にして、第1読出部または第2読出部により読み出される受光部10の画素部の領域A,Bは、行方向および列方向それぞれへ1画素分だけシフトする。
図9は、比較例の動作の場合のタイミングチャートである。同図には、上から順に、受光部10における第8行〜第1行それぞれの画素部の動作、第1読出部40の保持部41のデータ入力動作、第1読出部40からのデータ出力動作、第2読出部50の保持部51のデータ入力動作、および、第2読出部50からのデータ出力動作、が示されている。
同図中で、「転1」は、画素部においてトランジスタT2およびトランジスタT5をオン状態とすることで、フォトダイオードPDの接合容量部の電荷をFD領域(トランジスタT3のゲート端子に接続される拡散領域(電荷蓄積部))に転送することを表す。「転2」は、画素部においてトランジスタT41またはトランジスタT42をオン状態とすることで、電荷蓄積部における蓄積電荷量に応じたデータを保持部41または保持部51へ転送することを表す。「初期化」は、画素部においてトランジスタT1およびトランジスタT2をオン状態とすることで、フォトダイオードPDの接合容量部の電荷を放電して初期化することを表す。「蓄積」は、画素部においてトランジスタT1をオフ状態とすることで、フォトダイオードPDで発生した電荷を接合容量部に蓄積することを表す。
この図に示されるように、比較例では、時刻t直後に最初に第1読出部40に読み出される画素部P4,4および画素部P4,5それぞれの通信データは、時刻t直前に最後に長期間に亘って蓄積された電荷の量に相当するものであるから、誤った値となる場合がある。それ故、光信号源からの光信号を正確に受信することができない。
一方、この比較例において、時刻t直後に最初に第2読出部50により読み出される第2行の画素部P2,3〜P2,6それぞれの画像データは、時刻t直前に最後に本来より長い期間に亘って蓄積された電荷の量に相当するものであるから、誤った値となる場合がある。また、時刻t直後に最初に第2読出部50により読み出される第5行の画素部P5,3〜P5,6それぞれの画像データは、時刻t直前に最後に本来より短い期間に亘って蓄積された電荷の量に相当するものであるから、誤った値となる場合がある。しかし、これらのデータは通信データではなく画像データであるので、データが誤っていたとしても支障がない場合があり、或いは、その誤ったデータについては隣接行のデータを用いて補間することができるので大きな問題とはならない。
実施例の動作の場合において第1読出し部40および第2読出し部50それぞれによりデータが読み出される受光部10における画素部は、図8に示されたものと同じである。ただし、実施例では、第3行選択部70により、時刻t以降に第1行選択部および第1読出部によりデータを読み出される受光部10の第4行の各画素部のフォトダイオードPDの接合容量部は、時刻tより第1読出部のデータ読出し周期だけ前の時刻に初期化される。これにより、受光部10の第4行の各画素部のデータは、時刻t直前の初期化時より以降、一定時間間隔で読み出されることになる。
図10は、実施例の動作の場合のタイミングチャートである。同図には、上から順に、受光部10における第8行〜第1行それぞれの画素部の動作、第1読出部40の保持部41のデータ入力動作、第1読出部40からのデータ出力動作、第2読出部50の保持部51のデータ入力動作、および、第2読出部50からのデータ出力動作、が示されている。同図中の「転1」,転2」,「初期化」および「蓄積」それぞれは、図9中のものと同様である。
この図に示されるように、実施例では、時刻t直後に最初に第1読出部40に読み出される画素部P4,4および画素部P4,5それぞれの通信データは、時刻t前に時刻t後と同じ期間に亘って蓄積された電荷の量に相当するものである。それ故、光信号源からの光信号を正確に受信することができる。このように、本実施形態の固体撮像装置1は、光信号源の位置を追尾するような場合であっても、光信号源からの光信号を正確に受信することができる。
一方、この実施例においても、時刻t直後に最初に第2読出部50により読み出される第2行の画素部P2,3〜P2,6それぞれの画像データは、時刻t直前に最後に本来より長い期間に亘って蓄積された電荷の量に相当するものであるから、誤った値となる場合がある。また、時刻t直後に最初に第2読出部50により読み出される第5行の画素部P5,3〜P5,6それぞれの画像データは、時刻t直前に最後に本来より短い期間に亘って蓄積された電荷の量に相当するものであるから、誤った値となる場合がある。しかし、これらのデータは通信データではなく画像データであるので、データが誤っていたとしても支障がない場合があり、或いは、その誤ったデータについては隣接行のデータを用いて補間することができるので大きな問題とはならない。
なお、本実施形態の固体撮像装置1は様々な態様で動作することができる。例えば、第1行選択部20が受光部10における奇数行目を選択し、第2行選択部30が受光部10における偶数行目を選択するようにしてもよい。この場合、第2行選択部30および第2読出部50により読み出された偶数行目の画像データに基づいて光信号源の位置が特定され、その画像中の特定された位置にある何れかの奇数行目の画素部からのデータが通信データとして第1行選択部20および第1読出部40により読み出される。この場合、第3行選択部70は、新たにデータを詠み出すべき第m3行の各画素部のフォトダイオードPDの接合容量部を、読出し開始に先立って初期化する。
また、本実施形態の固体撮像装置1は、図11および図12に示されるような動作をすることも可能である。
図11は、他の実施例の動作の場合において第1読出し部40および第2読出し部50それぞれによりデータが読み出される受光部10における画素部を説明する図である。この実施例では、或る時刻t1以前では、同図(a)に示されるように、受光部10の画素部P5,3および画素部P5,4それぞれの通信データが第1行選択部および第1読出部により読み出され(同図(a)中の領域A)、受光部10の画素部P6,6および画素部P6,7それぞれの通信データが第2行選択部および第2読出部により読み出される(同図(a)中の領域B)。
時刻t1から時刻t2までは、同図(b)に示されるように、受光部10の画素部P4,2および画素部P4,3それぞれの通信データが第1行選択部および第1読出部により読み出され(同図(b)中の領域A)、受光部10の画素部P6,6および画素部P6,7それぞれの通信データが第2行選択部および第2読出部により読み出される(同図(b)中の領域B)。そして、時刻t2以降は、同図(c)に示されるように、受光部10の画素部P4,2および画素部P4,3それぞれの通信データが第1行選択部および第1読出部により読み出され(同図(c)中の領域A)、受光部10の画素部P7,6および画素部P7,7それぞれの通信データが第2行選択部および第2読出部により読み出される(同図(c)中の領域B)。
すなわち、この実施例では、互いに独立に移動し得る2つの光信号源が存在していて、一方の光信号源からの光信号のデータが第1行選択部および第1読出部により読み出され、他方の光信号源からの光信号のデータが第2行選択部および第2読出部により読み出される。
図12は、他の実施例の動作の場合のタイミングチャートである。同図には、上から順に、受光部10における第8行〜第1行それぞれの画素部の動作、第1読出部40の保持部41のデータ入力動作、第1読出部40からのデータ出力動作、第2読出部50の保持部51のデータ入力動作、および、第2読出部50からのデータ出力動作、が示されている。同図中の「転1」,転2」,「初期化」および「蓄積」それぞれは、図9中のものと同様である。この図に示されるように、第1読出部のデータ読出しと第2読出部のデータ読出しとは、周期が互いに同じであるが、位相が相違している。
第1行選択部および第1読出部によりデータを読み出される行は時刻t1を境にして変化するが、時刻t1直後に最初に第1読出部に読み出される画素部P4,2および画素部P4,3それぞれの通信データは、時刻t1前に時刻t1後と同じ期間に亘って蓄積された電荷の量に相当するものである。また、第2行選択部および第2読出部によりデータを読み出される行は時刻t2を境にして変化するが、時刻t2直後に最初に第2読出部に読み出される画素部P7,6および画素部P7,7それぞれの通信データは、時刻t2前に時刻t2後と同じ期間に亘って蓄積された電荷の量に相当するものである。それ故、2つの光信号源それぞれからの光信号を正確に受信することができる。このように、本実施形態の固体撮像装置1は、2つの光信号源それぞれの位置を追尾するような場合であっても、各光信号源からの光信号を正確に受信することができる。