JP2011249261A - 非水電解質電池用電極、及び非水電解質電池 - Google Patents

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Abstract

【課題】集電体として機能するアルミニウム多孔体の表面の酸素量が少なく、活物質の利用率を向上させることができる非水電解質電池用電極、及びそれを備える非水電解質電池を提供する。
【解決手段】非水電解質電池用電極は、アルミニウム多孔体に活物質が充填されたものであり、アルミニウム多孔体の表面の酸素量が3.1質量%以下である。また、アルミニウム多孔体が、一方の面から他方の面に向かって厚さ方向に、気孔径の大きい大孔径領域とこれより気孔径の小さい小孔径領域とを有する。このアルミニウム多孔体は、連通孔を有する樹脂体1fの樹脂1表面にアルミニウム層2を形成した後、その樹脂体(アルミニウム層被膜樹脂体3)を溶融塩に浸漬した状態で、アルミニウムの標準電極電位より卑な電位をアルミニウム層2に印加しながらアルミニウムの融点以下の温度に加熱して、樹脂体1f(樹脂1)を熱分解する製造方法により、作製することができる。
【選択図】図1

Description

本発明は、アルミニウム多孔体に活物質が充填された非水電解質電池用電極、及びそれを備える非水電解質電池に関する。
非水電解質電池は、高電圧、高容量、高エネルギー密度であることから、携帯情報端末、電動車両、及び家庭用電力貯蔵装置などに使用することが検討されており、近年、研究開発が活発に行われている。非水電解質電池の代表例としては、リチウム一次電池やリチウムイオン二次電池(以下、単に「リチウム系電池」という)が挙げられる。リチウムイオン二次電池は、正極と負極とが電解質を介して対向するように構成され、その充電又は放電は、正極と負極との間をリチウムイオンが移動することにより行われる。一般的に、正極と負極には、集電体に活物質を含む合剤を担持させたものが使用されている。
例えば正極集電体には、アルミニウムの金属箔や、三次元多孔質構造を有するアルミニウムの多孔質金属体を用いることが知られている。アルミニウムの多孔質金属体としては、アルミニウムを発泡させたアルミニウム発泡体が知られている。例えば、特許文献1には、アルミニウムを溶融させた状態で発泡剤および増粘剤を加えて攪拌することによりアルミニウム発泡体を製造する方法が開示されている。このアルミニウム発泡体は、製造方法の特性上、多数の独立気泡(閉気孔)を含んでいる。
ところで、多孔質金属体としては、連通孔を持ち、気孔率90%以上のニッケル多孔体(例、セルメット(登録商標))が広く知られている。このニッケル多孔体は、発泡ウレタンなどの連通孔を有する発泡樹脂の骨格表面にニッケル層を形成した後、発泡樹脂を熱分解して除去し、さらにニッケルを還元処理することにより製造される。しかし、このニッケル多孔体をリチウム系電池の集電体に用いた場合、ニッケルが腐食する問題がある。例えば、ニッケル多孔体に、遷移金属酸化物を主成分とする正極活物質を含む正極合剤スラリーを充填すると、ニッケル多孔体が強アルカリ性を示す正極合剤スラリーによって腐食する。加えて、電解質として有機電解液を用いた場合は、有機電解液中で集電体のニッケル多孔体の電位が貴になった際に、ニッケル多孔体の耐電解液性が劣る問題もある。一方、多孔質金属体を構成する材料がアルミニウムであれば、リチウム系電池の集電体に使用しても、このような問題は生じない。
そこで、ニッケル多孔体の製造方法を応用したアルミニウム多孔体の製造方法についても研究開発が行われている。例えば、特許文献2には、アルミニウム多孔体の製造方法が開示されている。この製造方法は、「三次元網目状構造を有する発泡樹脂の骨格に、メッキ法もしくは蒸着法などの気相法により、Alの融点以下で共晶合金を形成する金属の皮膜を形成する。その後、この金属皮膜を形成した発泡樹脂にAl粉末と結着剤及び有機溶剤を主成分としたペーストを含浸塗着し、次いで非酸化性雰囲気において550℃以上750℃以下の温度で熱処理をする」ものである。
特開2002‐371327号公報 特開平8‐170126号公報
しかし、従来のアルミニウムの多孔質金属体はいずれも、非水電解質電池用電極の集電体に用いるには適してない問題がある。
上記アルミニウムの多孔質金属体のうちアルミニウム発泡体は、製造方法の特性上、多数の独立した気泡を有するので、発泡による表面積が拡大してもその表面全てを有効に利用することができない。つまり、独立気泡(閉気孔)の内部空間は、活物質を充填することができず、無駄な空間となる。そのため、非水電解質電池用電極の集電体に用いるには、元来適していない。
一方、ニッケル多孔体の製造方法を応用して製造したアルミニウム多孔体は、熱処理工程において、Al粉末が金属皮膜との界面で共晶反応を起こし、Al粉末の焼結が進行する温度まで加熱する必要があるため、冷却されるまでの間にアルミニウム多孔体表面の酸化が進み、表面に酸化皮膜が形成され易い。また一旦酸化すると、融点以下の温度で還元することは困難である。したがって、従来のアルミニウム多孔体は、その表面の酸素量が多く、表面の電気抵抗が高い。そのため、表面の酸素量が多いアルミニウム多孔体を非水電解質電池用電極の集電体に用いた場合、活物質との間の電子伝導が阻害され、電池の放電特性が低下する虞がある。
ところで、アルミニウム多孔体を集電体に用いて非水電解質電池用電極を製造する場合、活物質(電極合剤)の充填量を多くして電池容量の増大を図るために、アルミニウム多孔体を厚く(例、800μm以上)することがある。しかし、アルミニウム多孔体を厚くすると、多孔体に活物質(電極合剤)を充填する際に、多孔体の内部まで活物質が充填されない虞がある。また、電池としたときに、電極の内部まで有機電解液が浸透し難くなり、電極内部におけるリチウムイオンの拡散が不十分となって、活物質の利用率が低下する虞がある。そこで、活物質の充填性を考慮して、アルミニウム多孔体の気孔径を大きくすることが考えられる。しかし、多孔体の気孔径を大きくすると、多孔体の見かけ単位体積あたりの比表面積が減少するため、活物質と多孔体との接触面積が減少し、活物質の利用率が低下する。活物質の利用率が低下すると、放電容量などの電池特性が低下する。
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、その目的の一つは、集電体として機能するアルミニウム多孔体の表面の酸素量が少なく、活物質の利用率を向上させることができる非水電解質電池用電極、及びそれを備える非水電解質電池を提供することにある。
(1)本発明の非水電解質電池用電極は、アルミニウム多孔体に活物質が充填されたものであり、アルミニウム多孔体の表面の酸素量が3.1質量%以下である。また、アルミニウム多孔体が、一方の面から他方の面に向かって厚さ方向に、気孔径の大きい大孔径領域とこれより気孔径の小さい小孔径領域とを有することを特徴とする。
集電体として機能するアルミニウム多孔体の表面には活物質が接触し、電池の充放電時には多孔体と活物質との間で電子の授受が行われるため、多孔体表面の性状は電池の放電特性に影響を及ぼす。上記構成によれば、アルミニウム多孔体の表面の酸素量が3.1質量%以下であり、従来のアルミニウム多孔体に比較して表面の酸素量が少なく、多孔体表面の電気抵抗が低いので、電池の放電特性(特に、高率放電特性)を向上させることができる。ここでいう酸素量とは、アルミニウム多孔体の表面を加速電圧15kVの条件でEDX(エネルギー分散型X線分析)により定量分析した値である。なお、酸素量3.1質量%以下とは、EDXによる検出限界以下である。具体的な分析装置については、後述する。
また、アルミニウム多孔体が、厚さ方向に大孔径領域と小孔径領域とを有する、例えば多層構造であるため、全体として、活物質の充填性の向上と、活物質の利用率の向上との両立を達成することができる。具体的には、大孔径領域では、気孔径が大きいことで、活物質の充填性の他、有機電解液の浸透性が高い。一方、小孔径領域では、気孔径が小さいことで、活物質と多孔体との接触面積が増大し、活物質の利用率が高い。したがって、アルミニウム多孔体を厚くしても、気孔径が一様な一層構造のアルミニウム多孔体に比較して、大孔径領域を有することで、活物質の充填性と有機電解液の浸透性とを確保しつつ、小孔径領域を有することで、活物質の利用率を改善することができる。
さらに、アルミニウム多孔体の表面の酸素量が3.1質量%以下であるので、表面の酸素量が多い従来のアルミニウム多孔体に比較して、多孔体に活物質を充填した後、加圧成形した際に、多孔体に割れが生じ難く、変形が生じ易い。そのため、多孔体の集電性を維持しながら、加圧成形することによって、電極の密度(活物質の充填密度)の向上および多孔体と活物質との密着性の向上を図ることができる。
(2)本発明の非水電解質電池用電極の一形態としては、アルミニウム多孔体の大孔径領域における気孔径が300μm以上600μm以下であることが挙げられる。
上記構成によれば、大孔径領域による活物質の充填性と有機電解液の浸透性とを確保し易い。
(3)本発明の非水電解質電池用電極の一形態としては、アルミニウム多孔体の小孔径領域における気孔径が50μm以上300μm以下であることが挙げられる。
上記構成によれば、小孔径領域による活物質利用率の改善効果が得られ易い。
より好ましくは、大孔径領域における気孔径が300μm以上600μm以下で、かつ、小孔径領域における気孔径が50μm以上300μm以下である。また、大孔径領域における気孔径が400μm以上500μm以下であることが好ましく、小孔径領域における気孔径が100μm以上200μm以下であることが好ましい。なお、ここでいう気孔径とは、平均気孔径であり、気孔径は、顕微鏡観察により測定した値である。
(4)本発明の非水電解質電池用電極の一形態としては、アルミニウム多孔体の小孔径領域の厚さが750μm未満であることが挙げられる。
小孔径領域を厚くし過ぎると、小孔径領域における活物質の充填性と有機電解液の浸透性が悪化する。そこで、小孔径領域の厚さは、例えば750μm未満とすることが挙げられる。また、アルミニウム多孔体全体の厚さは、例えば800μm以上とすることが挙げられる。ただし、ここでいう厚さは、アルミニウム多孔体に活物質を充填した後の値であり、さらにこれを加圧成形した場合でも、加圧成形前の値である。
その他、アルミニウム多孔体の気孔径は、厚さ方向に段階的或いは連続的に変化することが挙げられる。例えば、大孔径領域と小孔径領域との間に、大孔径領域より気孔径が小さく、かつ、小孔径領域より気孔径が大きい中孔径領域を設けてもよい。さらに、三層以上の多層構造とする場合、小孔径領域を挟んでその両側に大孔径領域を設けてもよい。この場合、両面層が大孔径領域となり、中間層が小孔径領域となることから、気孔径が厚さ方向に、大→小→大と変化する。
また、アルミニウム多孔体の気孔率は、例えば80%〜98%の範囲で適宜設定することが挙げられる。多孔体の気孔率を80%以上とすることで、活物質が充填される空間を確保し、98%以下とすることで、多孔体の骨格強度を維持して形状を保持し易い。特に、多孔体の気孔率が90%以上であれば、活物質が充填される空間を十分に確保して、電極密度の向上を図り易い。なお、ここでいう気孔率は、アルミニウム多孔体の質量と見かけの体積を求め、アルミニウム多孔体を構成するアルミニウム金属の比重からアルキメデス法を用いて測定した値である。
(5)本発明の非水電解質電池は、正極と負極、及びこれら両電極の間に介在される電解質を備えるものであり、正極と負極の少なくとも一方が、上記した本発明の非水電解質電池用電極である。そして、この電極のアルミニウム多孔体の大孔径領域側の面が他方の電極に対向するように配置されていることを特徴とする。
上記構成によれば、他方の電極に対向する大孔径領域側から電極内部に有機電解液が浸透し易く、放電特性に優れる非水電解質電池を得ることができる。特に、本発明の非水電解質電池用電極は、アルミニウム多孔体に正極活物質が充填され、電池の正極に用いることが好ましい。ここでいう非水電解質電池とは、一次電池と二次電池の両方を含み、より具体的には、例えばリチウム一次電池やリチウムイオン二次電池といったリチウム系電池が挙げられる。
また、上述したような両面に大孔径領域を有する三層構造の電極の場合、電極両面に他方の電極を対向するようにそれぞれ配置して、電極両側で電池反応を行うことができる。
本発明の非水電解質電池用電極は、集電体として機能するアルミニウム多孔体の表面の酸素量が少なく、アルミニウム多孔体が大孔径領域と小孔径領域とを有するため、電池の放電特性を向上させることができる。また、本発明の非水電解質電池は、上記した本発明の非水電解質電池用電極を備えることで、放電特性に優れる。
アルミニウム多孔体の製造工程を説明する模式図である。(A)は、連通孔を有する樹脂体の一部拡大断面を示す。(B)は、樹脂体を構成する樹脂の表面にアルミニウム層が形成された状態を示す。(C)は、樹脂体を熱分解して、アルミニウム層を残して樹脂を消失させたアルミニウム多孔体を示す。 溶融塩中での樹脂体の熱分解工程を説明する模式図である。
以下、本発明の実施の形態を説明する。なお、本発明は、以下の実施の形態に限定されるものではない。
本発明の非水電解質電池用電極は、表面の酸素量が3.1質量%以下のアルミニウム多孔体に活物質を充填することで製造することができる。本発明の非水電解質電池用電極の製造方法を以下に説明する。
まず、集電体となるアルミニウム多孔体は、例えば、以下の工程を備える製造方法により、作製することができる。
製造方法:連通孔を有する樹脂体の樹脂表面にアルミニウム層を形成した後、その樹脂体を溶融塩に浸漬した状態で、アルミニウムの標準電極電位より卑な電位をアルミニウム層に印加しながらアルミニウムの融点以下の温度に加熱して、樹脂体を熱分解する。
上記アルミニウム多孔体の製造方法について、図1を参照しながら説明する。
(連通孔を有する樹脂体)
図1(A)は、連通孔を有する樹脂体1fの一部拡大断面を示し、樹脂体1fは、樹脂1を骨格として連通孔が形成されている。連通孔を有する樹脂体としては、発泡樹脂の他、樹脂繊維からなる不織布を用いることができる。樹脂体を構成する樹脂としては、アルミニウムの融点以下の加熱温度で熱分解が可能なものであればよく、例えば、ポリウレタン、ポリプロピレン、ポリエチレンなどが挙げられる。また、樹脂体の気孔径は5μm〜500μm程度、気孔率は80%〜98%程度の範囲が好ましく、最終的に得られるアルミニウム多孔体の気孔径と気孔率とは、樹脂体の気孔径と気孔率とに影響を受ける。そこで、作製するアルミニウム多孔体の気孔径と気孔率とに応じて、樹脂体の気孔径と気孔率とを決定する。
特に、発泡ウレタンは、気孔率が高く、気孔径が均一で、気孔の連通性や熱分解性に優れることから、発泡ウレタンを樹脂体に使用することが好ましい。
(樹脂表面へのアルミニウム層の形成)
図1(B)は、連通孔を有する樹脂体の樹脂1表面にアルミニウム層2が形成された状態(アルミニウム層被膜樹脂体3)を示す。アルミニウム層の形成方法としては、例えば、(i)真空蒸着法、スパッタリング法もしくはレーザアブレーション法などに代表される気相法(PVD)、(ii)めっき法、(iii)ペースト塗布法などが挙げられる。
(i)気相法
真空蒸着法では、例えば、原料のアルミニウムに電子ビームを照射してアルミニウムを溶融・蒸発させ、連通孔を有する樹脂体の樹脂表面にアルミニウムを付着させることにより、アルミニウム層を形成することができる。スパッタリング法では、例えば、アルミニウムのターゲットにプラズマ照射してアルミニウムを気化させ、連通孔を有する樹脂体の樹脂表面にアルミニウムを付着させることにより、アルミニウム層を形成することができる。レーザアブレーション法では、例えば、レーザ照射によりアルミニウムを溶融・蒸発させ、連通孔を有する樹脂体の樹脂表面にアルミニウムを付着させることにより、アルミニウム層を形成することができる。
(ii)めっき法
水溶液中でアルミニウムをめっきすることは、実用上ほとんど不可能であるため、溶融塩中でアルミニウムをめっきする溶融塩電解めっき法により、連通孔を有する樹脂体の樹脂表面にアルミニウム層を形成することができる。この場合、予め樹脂表面を導電化処理した後、溶融塩中でアルミニウムをめっきすることが好ましい。
溶融塩電解めっきに用いる溶融塩としては、例えば、塩化リチウム(LiCl)、塩化ナトリウム(NaCl)、塩化カリウム(KCl)、塩化アルミニウム(AlCl3)などの塩を使用することができる。また、2成分以上の塩を混合し、共晶溶融塩としてもよい。共晶溶融塩とした場合、溶融温度を低下させることができる点で有利である。この溶融塩には、アルミニウムイオンが含まれている必要がある。
溶融塩電解めっきでは、例えば、AlCl3‐XCl(X:アルカリ金属)の2成分系あるいは多成分系の塩を使用し、この塩を溶融してめっき液とし、この中に樹脂体を浸漬して電解めっきを行うことにより、樹脂表面にアルミニウムめっきを施す。また、電解めっきの前処理として、予め樹脂表面に導電化処理を施すことが好ましい。導電化処理としては、ニッケルなどの導電性金属を無電解めっきにより樹脂表面にめっきしたり、アルミニウムなどの導電性金属を真空蒸着法又はスパッタリング法により樹脂表面に被膜したり、カーボンなどの導電性粒子を含有する導電性塗料を塗布したりすることが挙げられる。
(iii)ペースト塗布法
ペースト塗布法では、例えば、アルミニウム粉末、結着剤(バインダー)、及び有機溶剤を混合したアルミニウムペーストを用いる。そして、アルミニウムペーストを樹脂表面に塗布した後、加熱することにより、バインダーと有機溶剤とを消失させると共に、アルミニウムペーストを焼結させる。この焼結は、1回で行っても、複数回に分けて行ってもよい。例えば、アルミニウムペーストの塗布後、低温で加熱して有機溶剤を消失させた後、溶融塩に浸漬した状態で加熱することにより、樹脂体の熱分解と同時にアルミニウムペーストの焼結を行うことも可能である。また、この焼結は、非酸化性雰囲気化で行うことが好ましい。
(溶融塩中での樹脂体の熱分解)
図1(C)は、図1(B)に示すアルミニウム層被膜樹脂体3から樹脂1を熱分解して、アルミニウム層を残して樹脂を消失させた状態(アルミニウム多孔体4)を示す。樹脂体(樹脂)の熱分解は、溶融塩に浸漬した状態で、アルミニウム層に卑な電位を印加しながらアルミニウムの融点以下の温度に加熱することにより行う。例えば、図2に示すように、樹脂表面にアルミニウム層を形成した樹脂体(即ち、アルミニウム層被膜樹脂体3)及び対極(正極)5を溶融塩6に浸漬し、アルミニウムの標準電極電位より卑な電位をアルミニウム層に印加する。溶融塩中でアルミニウム層に卑な電位を印加することで、アルミニウム層の酸化を確実に防止することができる。ここで、アルミニウム層に印加する電位は、アルミニウムの標準電極電位より卑で、かつ溶融塩のカチオンの還元電位より貴とする。また、対極には、溶融塩に対し不溶性を示すものであればよく、例えば、白金、チタンなどを用いることができる。
そして、この状態を保ちながら、アルミニウムの融点(660℃)以下で、かつ樹脂体の熱分解温度以上に溶融塩6を加熱することで、アルミニウム層被膜樹脂体3のうち樹脂のみを消失させる。これにより、アルミニウム層を酸化させることなく、樹脂を熱分解することができるので、その結果、表面の酸素量が3.1質量%以下のアルミニウム多孔体を得ることができる。また、樹脂体を熱分解するときの加熱温度は、樹脂体を構成する樹脂の種類に応じて適宜設定すればよく、例えば500℃以上600℃以下とすることが好ましい。
樹脂体の熱分解工程に用いる溶融塩としては、上記した溶融塩電解めっきに用いる溶融塩と同じであってもよく、例えば、塩化リチウム(LiCl)、塩化ナトリウム(NaCl)、塩化カリウム(KCl)、塩化アルミニウム(AlCl3)からなる群から選択される少なくとも1種を含むことが好ましい。溶融塩としては、アルミニウム層の電位が卑となるように、アルカリ金属又はアルカリ土類金属のハロゲン化物の塩を使用することができる。また、溶融塩の溶融温度をアルミニウムの融点以下の温度にするために、2種類以上の塩を混合し、共晶溶融塩としてもよい。特に、アルミニウムは酸化し易く還元処理が難しいことから、樹脂体の熱分解工程においては、共晶溶融塩を使用することが有効である。
その他、上記アルミニウム多孔体の製造方法により作製されたアルミニウム多孔体は、製造方法の特性上、中空糸状であり、この点において、特許文献1に開示されるアルミニウム発泡体と構造が異なる。そして、アルミニウム多孔体は、連通孔を有し、閉気孔を有しない、あるいは有するとしても微少である。また、アルミニウム多孔体は、純アルミニウム(アルミニウムと不可避的不純物からなるもの)で形成する他、添加元素を含有するアルミニウム合金(添加元素と残部がアルミニウムと不可避的不純物からなるもの)で形成してもよい。アルミニウム合金で形成した場合、純アルミニウムに比較して、アルミニウム多孔体の機械的特性を改善することができる。
また、一方の面から他方の面に向かって厚さ方向に、気孔径の大きい大孔径領域とこれより気孔径の小さい小孔径領域とを有するアルミニウム多孔体は、例えば、次のようにして作製することができる。気孔径の異なる樹脂体を用いて、上記アルミニウム多孔体の製造方法により、気孔径の異なるアルミニウム多孔体を作製し、これらの面同士を、例えばスポット溶接などの溶接を用いて接合する。この場合、気孔径の大きいアルミニウム多孔体で形成された部分が大孔径領域となり、気孔径の小さいアルミニウム多孔体で形成された部分が小孔径領域となる。
(アルミニウム多孔体に充填する活物質)
次に、アルミニウム多孔体に充填する活物質としては、リチウムを脱挿入できる材料を使用することができ、このような材料をアルミニウム多孔体に充填することで、リチウムイオン二次電池に適した電極を得ることができる。正極活物質の材料としては、例えば、コバルト酸リチウム(LiCoO2)、ニッケル酸リチウム(LiNiO2)、ニッケルコバルト酸リチウム(LiCo0.3Ni0.7O2)、マンガン酸リチウム(LiMn2O4)、チタン酸リチウム(Li4Ti5O12)、リチウムマンガン酸化合物(LiMyMn2-yO4;M=Cr、Co、Ni)、リチウムリン酸鉄及びその化合物(LiFePO4、LiFe0.5Mn0.5PO4)であるオリビン化合物などの遷移金属酸化物が挙げられる。また、これら材料の中に含まれる遷移金属元素を、別の遷移金属元素に一部置換してもよい。
さらに、他の正極活物質の材料としては、例えば、TiS2、V2S3、FeS、FeS2、LiMSx(MはMo、Ti、Cu、Ni、Feなどの遷移金属元素、又はSb、Sn、Pb)などの硫化物系カルコゲン化物、TiO2、Cr3O8、V2O5、MnO2などの金属酸化物を骨格としたリチウム金属が挙げられる。ここで、上記したチタン酸リチウム(Li4Ti5O12)は、負極活物質として使用することも可能である。
(アルミニウム多孔体への活物質の充填)
活物質の充填は、例えば、浸漬充填法や塗工法などの公知の方法を用いることができる。塗工法としては、例えば、ロール塗工法、アプリケーター塗工法、静電塗工法、粉体塗工法、スプレー塗工法、スプレーコーター塗工法、バーコーター塗工法、ロールコーター塗工法、ディップコーター塗工法、ドクターブレード塗工法、ワイヤーバー塗工法、ナイフコーター塗工法、ブレード塗工法、及びスクリーン印刷法などが挙げられる。
活物質を充填するときは、例えば、必要に応じて導電助剤やバインダーを加え、これに有機溶剤を混合して正極合剤スラリーを作製し、これを上記方法を用いてアルミニウム多孔体に充填する。活物質の充填は、アルミニウム多孔体の酸化を防止するため、不活性ガス雰囲気下で行うことが好ましい。導電助剤としては、例えば、アセチレンブラック(AB)やケッチェンブラック(KB)といったカーボンブラックなどを用いることができ、また、バインダーとしては、例えば、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)やポリテトラフルオロエチレン(PTFE)などを用いることができる。ただし、アルミニウム多孔体に充填する材料のうち活物質の割合は、放電容量を確保する観点から、50質量%以上、より好ましくは70質量%以上とすることが好ましい。
なお、正極合剤スラリーを作製する際に用いる有機溶剤としては、アルミニウム多孔体に充填する材料(即ち、活物質、導電助剤、及びバインダー)に対して悪影響を及ぼさないものであれば、適宜選択することができる。このような有機溶剤としては、例えば、n‐ヘキサン、シクロヘキサン、ヘプタン、トルエン、キシレン、トリメチルベンゼン、ジメチルカーボネート、ジエチルカーボネート、エチルメチルカーボネート、プロピレンカーボネート、エチレンカーボネート、ブチレンカーボネート、ビニレンカーボンート、ビニルエチレンカーボネート、テトラヒドロフラン、1,4‐ジオキサン、1,3‐ジオキソラン、エチレングリコール、N‐メチル‐2‐ピロリドンなどが挙げられる。
以上のようにして製造された非水電解質電池用電極は、表面の酸素量が3.1質量%以下のアルミニウム多孔体に活物質が充填されたものである。また、このアルミニウム多孔体が連通孔を有する一方で閉気孔を有しないので、多孔体が持つ表面全てを活物質との接触に利用することができる。さらに、アルミニウム多孔体が厚さ方向に大孔径領域と小孔径領域とを有することで、全体として、活物質の充填性の向上と、活物質の利用率の向上とを両立させることができる。その他、アルミニウム多孔体に活物質を充填した後、加圧成形することにより、所定の電極密度を達成することができ、かつ、多孔体と活物質との密着性を向上させることができる。
以下、本発明の具体的な実施例を示す。
[試験例1]
(アルミニウム多孔体の作製)
樹脂体として、気孔率:約97%、気孔径:約200μm、厚さ:約500μmのポリウレタンフォーム(発泡ウレタン)と、気孔率:約97%、気孔径:約400μm、厚さ:約500μmのポリウレタンフォーム(発泡ウレタン)とを用意した。
次に、上記各樹脂体について、真空蒸着法により、純アルミニウムを溶融・蒸発させ、樹脂表面にアルミニウム層を形成した。真空蒸着の条件は、真空度を1.0×10-5Pa、被膜対象である樹脂体の温度を室温にて行い、蒸発源と樹脂体との距離を300mmとした。これらの樹脂体の樹脂表面にアルミニウム層を形成した後、樹脂表面にアルミニウム層が形成された各樹脂体(アルミニウム層被膜樹脂体)をSEMにより観察したところ、アルミニウム層の厚さはそれぞれ15μmであった。
上記各アルミニウム層被膜樹脂体をそれぞれ、500℃のLiCl‐KClの共晶溶融塩に浸漬すると共に、その状態で、アルミニウム層がアルミニウムの標準電極電位に対して-1Vの卑な電位となるように、アルミニウム層に負電圧を30分間印加した。このとき、溶融塩中に気泡が発生するのが確認された。これは、ポリウレタンの熱分解によるものと推定される。
次いで、上記工程により得られた各樹脂体が熱分解された後のアルミニウムでできた各骨格(アルミニウム多孔体)をそれぞれ、大気中で室温まで冷却した後、水洗して、表面に付着した溶用塩を除去した。以上により、2種類のアルミニウム多孔体を完成させた。
作製した各アルミニウム多孔体は、一方(気孔径:約200μmの樹脂体を用いた方)が気孔率:97%、気孔径:200μm、厚さ:500μmであり、他方(気孔径:約400μmの樹脂体を用いた方)が気孔率:97%、気孔径:400μm、厚さ:500μmであった。また、各アルミニウム多孔体をSEMにより観察したところ、孔が連通しており、閉気孔が確認されなかった。さらに、各アルミニウム多孔体の表面を15kVの加速電圧でEDXにより定量分析したところ、酸素のピークが観測されなかった。つまり、酸素が検出されなかった。したがって、各アルミニウム多孔体の表面の酸素量は、EDXによる検出限界以下、即ち、3.1質量%以下であった。なお、当分析に用いた装置は、EDAX社製「EDAX Phonenix 型式:HIT22 136‐2.5」である。
さらに、上記各アルミニウム多孔体を用いて、二層構造のアルミニウム多孔体試料1と、三層構造のアルミニウム多孔体試料2とを作製した。具体的には、二層構造のアルミニウム多孔体試料1は、気孔径が200μmの多孔体と気孔径が400μmの多孔体とを、面同士を突き合わせて、スポット溶接により接合して作製した。他方、三層構造のアルミニウム多孔体試料2は、気孔径が200μmの多孔体を1つ、気孔径が400μmの多孔体を2つ用意し、気孔径が200μmの多孔体の両面に気孔径が400μmの多孔体をそれぞれ、面同士を突き合わせて、スポット溶接により接合して作製した。つまり、二層構造のアルミニウム多孔体試料1は、厚さ方向に順に大孔径領域、小孔径領域を有し、もう一方の三層構造のアルミニウム多孔体試料2は、厚さ方向に順に大孔径領域、小孔径領域、大孔径領域を有する。
また比較として、気孔率:約97%、気孔径:約200μmで、厚さが1000μm及び1500μmの2種類の樹脂体を用意し、上記した試験例1のアルミニウム多孔体と同じ製造方法にて、厚さの異なるアルミニウム多孔体試料3及び4を作製した。なお、アルミニウム多孔体試料3及び4はそれぞれ、気孔率及び気孔径が97%及び200μmであり、いずれも表面の酸素量が3.1質量%以下であった。
(非水電解質電池用電極の製造)
上記した各アルミニウム多孔体試料1〜4に活物質を充填して、リチウム系電池用正極を製造した。
平均粒径が10μmのLiCoO2粉末(正極活物質)を用意し、このLiCoO2粉末と、AB(導電助剤)と、PVDF(バインダー)とを質量%で90:5:5の割合で混合した。この混合物にN‐メチル‐2‐ピロリドン(有機溶剤)を滴下して混合し、ペースト状の正極合剤スラリーを作製した。次に、この正極合剤スラリーに各アルミニウム多孔体試料を含浸して、各アルミニウム多孔体試料に正極合剤を充填し、その後、100℃で40分間乾燥させて有機溶剤を除去した。次いで、正極合剤を充填した各アルミニウム多孔体試料を、ロールプレスにより圧縮加圧成形して、各アルミニウム多孔体試料を用いた正極材を完成させた。
最後に、製造した各正極材から直径15mmの試料を打ち抜いた。そして、アルミニウム多孔体試料1〜4を用いた正極材から打ち抜いた試料をそれぞれ正極試料1〜4とした。なお、厚さが1000μmのアルミニウム多孔体試料1及び3は、厚さ500μmまで圧縮し、正極活物質の質量から求められる単位面積あたりの容量密度が10mAh/cm2となるように設計した。また、厚さが1500μmのアルミニウム多孔体試料2及び4は、厚さ750μmまで圧縮し、正極活物質の質量から求められる単位面積あたりの容量密度が15mAh/cm2となるように設計した。
次に、上記した各正極試料(No.1〜4)を用いたリチウム系電池を作製し、各正極試料を評価した。評価用の電池は、次のようにして作製した。
正極試料1及び3の場合は、負極にリチウム(Li)金属箔(直径:15mm、厚さ:500μm)を用い、正極(正極試料)と負極との間にポリプロピレン製のセパレータ(厚さ:25μm)が介在するように積層した。このとき、正極試料1については、アルミニウム多孔体の気孔径が大きい側(大孔径領域側)の面が負極に対向するように配置した。そして、各電極に端子部材を取り付け、これを容器内に入れられた有機電解液中に浸漬することで、評価用の電池を作製した。有機電解液には、エチレンカーボネート(EC)とジエチルカーボネート(DEC)との混合有機溶媒(体積比1:1)にLiPF6を1M(mol/l)の濃度で溶解させたものを使用した。
正極試料2及び4の場合は、負極、セパレータ及び有機電解液に上記した正極試料1及び3の場合と同じものを使用し、負極‐セパレータ‐正極(正極試料)‐セパレータ‐負極の順に積層した。このとき、正極試料2は、アルミニウム多孔体の気孔径が大きい側(大孔径領域側)の面がそれぞれ負極に対向するように配置される。そして、各電極に端子部材を取り付け、これを容器内に入れられた有機電解液中に浸漬することで、評価用の電池を作製した。
各正極試料を用いた評価用の電池について、次のように評価した。評価は、カットオフ電圧:4.2V〜3.0Vで、0.2C及び2Cの各電流密度の条件にて充放電サイクルを行い、そのときの初期放電容量を測定した。そして、測定した初期放電容量から正極活物質の単位質量あたりの放電容量を換算して求めた。各電池の放電容量を表1に示す。
Figure 2011249261
以上のように、アルミニウム多孔体試料1〜4を集電体に用いた正極試料1〜4において、電流密度の小さい低率放電では、放電容量にあまり差が見られなかった。しかし、電流密度の高い高率放電では、アルミニウム多孔体試料1、2を集電体に用いた正極試料1、2の方が、アルミニウム多孔体試料3、4を集電体に用いた正極試料3、4に比較して、放電容量が高く、電池の放電特性を改善できることが分かる。
これには、次の理由が考えられる。(i)アルミニウム多孔体が厚さ方向に大孔径領域と小孔径領域とを有するため、有機電解液の浸透性が高く、活物質の利用率が高い。その他、各正極試料1〜4は、集電体として機能するアルミニウム多孔体表面の酸素量が3.1質量%以下と非常に少ないため、多孔体と活物質との間で電子の授受が速やかに行われる。
本発明の非水電解質電池用電極は、携帯情報端末、電動車両、及び家庭用電力貯蔵装置などに使用される非水電解質電池に好適に利用することができる。
1 樹脂 1f 樹脂体
2 アルミニウム層
3 アルミニウム層被膜樹脂体
4 アルミニウム多孔体
5 対極(正極)
6 溶融塩

Claims (5)

  1. アルミニウム多孔体に活物質が充填された非水電解質電池用電極であって、
    前記アルミニウム多孔体の表面の酸素量が、3.1質量%以下であり、
    前記アルミニウム多孔体は、一方の面から他方の面に向かって厚さ方向に、気孔径の大きい大孔径領域とこれより気孔径の小さい小孔径領域とを有することを特徴とする非水電解質電池用電極。
  2. 前記アルミニウム多孔体の大孔径領域における気孔径が、300μm以上600μm以下であることを特徴とする請求項1に記載の非水電解質電池用電極。
  3. 前記アルミニウム多孔体の小孔径領域における気孔径が、50μm以上300μm以下であることを特徴とする請求項1又は2に記載の非水電解質電池用電極。
  4. 前記アルミニウム多孔体の小孔径領域の厚さが、750μm未満であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載の非水電解質電池用電極。
  5. 正極と負極、及びこれら両電極の間に介在される電解質を備える非水電解質電池であって、
    前記正極と負極の少なくとも一方は、請求項1〜4のいずれか一項に記載の非水電解質電池用電極であり、この電極のアルミニウム多孔体の大孔径領域側の面が他方の電極に対向するように配置されていることを特徴とする非水電解質電池。
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