JP2011249207A - 二次電池用電極板 - Google Patents
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Abstract
【課題】高い機械的強度及び電解液の移動度が高く、二次電池用セパレータとして利用可能な多孔質膜を有する二次電池用電極を提供する。
【解決手段】電極板上に、フッ素含有ポリマー、変性ポリオレフィンポリマー及び無機酸化物微粒子を含有する多孔質膜が形成された二次電池用電極板であって、該変性ポリオレフィンポリマーが、不飽和カルボキシル基または不飽和アミド基を含有するモノマーでグラフト変性されたポリオレフィンポリマーであることを特徴とする二次電池用電極板。
【選択図】なし
【解決手段】電極板上に、フッ素含有ポリマー、変性ポリオレフィンポリマー及び無機酸化物微粒子を含有する多孔質膜が形成された二次電池用電極板であって、該変性ポリオレフィンポリマーが、不飽和カルボキシル基または不飽和アミド基を含有するモノマーでグラフト変性されたポリオレフィンポリマーであることを特徴とする二次電池用電極板。
【選択図】なし
Description
本発明は二次電池用電極板に関し、特に機械的強度が高く、電解液の移動度が高い、二次電池用セパレータに関するものである。
一般的な電池は、正極と負極の間に表面に、微小な孔を多数有するフィルム状のセパレータが設けられている。セパレータは、両極の物理的な接触防止や、電解液の保持等を目的として設けられているものであり、電池の安全性、安定性を確保する上で重要な部材である。また、長期間の使用が前提となる二次電池においては、とくに重要な部材である。
電池用のセパレータは、主にポリエチレン、ポリプロピレンなどのポリオレフィンを原料とし、延伸加工することにより形成される。これらのセパレータは、100℃程度で熱収縮を起こすことが知られている。電池が衝撃を受けたり、電池内部の異物によってセパレータが破損し、電池の両極が短絡した場合に、短絡部位に大きな熱が発生するが、熱収縮性をもつセパレータだと、短絡範囲がさらに拡大する危険性がある。
また、熱収縮性のセパレータを用いると、過充電により電池に発生する熱や、外部からの熱によってもセパレータが収縮する恐れがあり、その場合も同様の理由で危険性がある。
以上の理由から、熱収縮性の低いセパレータを作製する試みとして、多孔質膜の原料となるスラリー溶液により塗膜を形成し、形成された塗膜をセパレータとして用いることが提案されている。
特許文献1には、フッ素系樹脂結着材を、グラビア印刷などの塗布技術を用いて多孔質膜を形成し、この多孔質膜をセパレータとして用いることが提案されている。
特許文献2及び3には、フッ素系樹脂結着材と無機微粒子からなる多孔質膜スラリーによって形成された多孔質膜を、セパレータをして用いるが提案されている。
特許文献4には、フィラーとアクリロニトリル、アクリレート又はメタクリレートを含む樹脂結着材を用いて、多孔質膜を形成することが提案されている。
また、これらの特許文献に記載の多孔質膜は、活物質の脱落防止や、電池の信頼性向上などを目的として、電極板にこれらの多孔質膜を直接作製することも提案されている。
しかしながら、特許文献1〜4に記載の多孔質膜は、セパレータとしての信頼性が十分ではないため、二次電池のセパレータとして克服すべき課題を有している。
例えば、特許文献1に記載の多孔質膜は、膜の機械的強度が低いため、二次電池内部に異物が混入していた場合や、電池が衝撃を受けた場合に多孔質膜が破断する恐れがある。特許文献2及び3に記載の多孔質膜は、無機微粒子を含有させることにより、膜の機械的強度を向上させているものの、二次電池用のセパレータとしての要求を満たすには至っていない。
特許文献4に記載の多孔質膜は、比較的高い機械的強度を有しているものの、電解液によって膨潤し、機械的強度が低下してしまうため、二次電池用のセパレータとしての要求を満たすには至っていない。
また、これらの多孔質膜も膜厚を大きくすることで、機械的強度を高めることは可能ではある。しかしながら、多孔質膜の膜厚を大きくするとイオン伝導性が小さくなり、二次電池としての要求性能を満たすことができなくなる。
本発明は上記の課題を解決すべくなされたものであり、高い機械的強度及び電解液の移動度が高く、二次電池用セパレータとして利用可能な多孔質膜を有する二次電池用電極の提供を課題とする。
1.電極板上に、フッ素含有ポリマー、変性ポリオレフィンポリマー及び無機酸化物微粒子を含有する多孔質膜が形成された二次電池用電極板であって、該変性ポリオレフィンポリマーが、不飽和カルボキシル基または不飽和アミド基を含有するモノマーでグラフト変性されたポリオレフィンポリマーであることを特徴とする二次電池用電極板。
2.前記多孔質膜が陰極板上に形成されていることを特徴とする前記1に記載の二次電池用電極板。
3.前記無機酸化物微粒子が、アルミナであることを特徴とする前記1または2に記載の二次電池用電極板。
上記の課題に鑑み、発明者が鋭意検討したところ、フッ素含有ポリマー、変性ポリオレフィン樹脂及び無機酸化物微粒子を有する多孔質膜および該多孔質膜が形成された電極板を用いることにより、高い機械的強度及び電解液の移動度が高い二次電池用電極板を得ることができた。
本発明の二次電池用電極板は、電極板上にフッ素含有ポリマー、変性ポリオレフィンポリマー及び無機酸化物微粒子を有する多孔質膜が形成されていることを特徴とする。この多孔質膜がセパレータの役割を果たし、電解液に対する膨潤性が低く、機械強度の高いセパレータとなることができる。このような電極板を用いることで、二次電池、特にリチウムイオン二次電池のような電圧の高い二次電池の安全性を高めることができた。
本発明の二次電池用電極上に形成される多孔質膜は、フッ素含有ポリマー、変性ポリオレフィンポリマー及び無機酸化物微粒子を含有する多孔質膜スラリーを、電極板に塗布することにより形成することができる。
一般的に多孔質体の空隙は樹脂、溶剤、および微粒子からなる混合物が液剤を失うときに樹脂と微粒子の界面が開裂することで形成されるが、そのためには、樹脂と微粒子とが非接着性である必要がある。この点で、フッ素含有樹脂は良好な多孔質体となる。本発明においても例外ではなく、フッ素樹脂と無機酸化物は非接着性である必要がある。ただし、界面が完全に開裂する場合、多孔質自体の強度が弱いという問題がある。本発明においては、変性ポリオレフィンを添加することにより、空隙を保ったまま強度を向上させることができる。この理由はいまだ明らかではないが、変性ポリオレフィンを添加したことによる無機酸化物微粒子の分散性の向上による開裂する界面の増大と、部分的な微粒子とフッ素含有樹脂との接着性の向上のためと考えられる。
以下に、本発明に係る多孔質膜の構成要素及び製造法について詳細に述べるが、本発明に係る多孔質膜は以下の記載に限定されるものではない。
[フッ素含有ポリマー]
本発明に係るフッ素含有ポリマーは、ポリマー中にフッ素を置換基として有し、電解液に対する膨潤の低いポリマーであれば、特に制限はない。
本発明に係るフッ素含有ポリマーは、ポリマー中にフッ素を置換基として有し、電解液に対する膨潤の低いポリマーであれば、特に制限はない。
好ましく用いることできるフッ素含有ポリマーとしては、ポリテトラフルオロエチレン、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)、ポリクロロトリフルオロエチレン、ポリフッ化ビニル、ペルフルオロアルコキシフッ素樹脂、四フッ化エチレン・六フッ化プロピレン共重合体、エチレン・四フッ化エチレン共重合体などがあげられる。中でも、ポリフッ化ビニリデンは電解液に対する膨潤が低く、さらに変性ポリオレフィンポリマー及び無機酸化物微粒子との親和性が高く、良好な成膜性を有しているため、特に好ましく用いることができる。
本発明に係るフッ素含有ポリマーの分子量は特に制限はない。重量平均分子量を10万以上、200万以下のフッ素含有ポリマーを用いると、多孔質膜形成時の成膜性が良好であり、かつ、形成される多孔質膜の機械物性も良好である。用いられるフッ素含有ポリマーのより好ましい重量平均分子量は、20万以上、100万以下である。
多孔質膜中におけるフッ素含有ポリマーの含有量は、無機酸化物微粒子100質量部に対して、10質量部以上、100質量部以下であることが好ましく、より好ましくは30質量部以上、70質量部以下であることが好ましい。
[変性ポリオレフィン]
本発明に係る変性ポリオレフィンは、ポリオレフィンを不飽和カルボン酸、または不飽和アミドによって変性したものである。ポリオレフィンを不飽和カルボン酸、または不飽和アミドによって変性することにより、無機微粒子への高い接着性を示す。また、この変性ポリオレフィンを、フッ素系樹脂、無機微粒子と共に用いて多孔質膜を形成することで、機械的強度が高く、かつイオン伝導性の高い多孔質膜を形成することができた。
本発明に係る変性ポリオレフィンは、ポリオレフィンを不飽和カルボン酸、または不飽和アミドによって変性したものである。ポリオレフィンを不飽和カルボン酸、または不飽和アミドによって変性することにより、無機微粒子への高い接着性を示す。また、この変性ポリオレフィンを、フッ素系樹脂、無機微粒子と共に用いて多孔質膜を形成することで、機械的強度が高く、かつイオン伝導性の高い多孔質膜を形成することができた。
変性ポリオレフィンの原料となるポリオレフィンとしては、オレフィンモノマーを原料とした重合体でも、異なるオレフィンモノマーとの共重合体でも良い。オレフィンモノマーを原料とした重合体としては、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリ(1−ブテン)、ポリ(4−メチル−1−ペンテン)等があげられる。少なくとも1つの原料が、オレフィンモノマーである共重合体としては、エチレン・1−ブテン共重合体、エチレン・1−ヘキセン共重合体、エチレン・1−オクテン共重合体、エチレン・4−メチル−1−ペンテン共重合体などがあげられる。本発明における変性とは、合成されたポリオレフィンポリマーに対して、置換基の導入を行うものである。これにより、安価な汎用樹脂を用いることができ低コストの樹脂の利用が可能となる。さらに、高分子量化が容易であり、好ましい強度を出しやすい。
これらのポリオレフィンを変性するための好ましい変性ポリオレフィンとしては、ポリオレフィン鎖に不飽和カルボン酸、もしくは不飽和アミドを置換した変性ポリオレフィンを用いる。
ポリオレフィンの変性に好ましく用いることのできる不飽和カルボン酸としては、アクリル酸、メタクリル酸、マレイン酸、イタコン酸、シトラコン酸、メサコン酸、無水マレイン酸、無水ハイミック酸、4−メチルシクロヘキセ−4−エン−1,2−ジカルボン酸無水物、α−エチルアクリル酸、フマル酸、テトラヒドロフタル酸、メチルテトラヒドロフタル酸、エンドシス−ビシクロ[2,2,1]ヘプト−5−エン−2,3−ジカルボン酸無水物、1,2,3,4,5,8,9,10−オクタヒドロナフタレン−2,3−ジカルボン無水物、2−オクタ−1,3−ジケトスピロ[4,4]ノン−7−エン、ビシクロ[2,2,1]ヘプト−5−エン−2,3−ジカルボン酸無水物、マレオピマル酸、テトラヒドロフタル酸無水物などを挙げることができる。
ポリオレフィンの変性に用いることのできる不飽和アミドとしては、N−エチルアクリルアミド、N−n−プロピルアクリルアミド、N−イソプロピルアクリルアミド、N−シクロプロピルアクリルアミド、N,N−ジエチルアクリルアミド、N−メチル−N−エチルアクリルアミド、N−メチル−N−n−プロピルアクリルアミド、N−メチル−N−イソプロピルアクリルアミド、N−アクリロイルピペリジン、N−アクリロイルピロリジン、N−アクリロイルモルホリン、N−メトキシプロピルアクリルアミド、N−エトキシプロピルアクリルアミド、N−イソプロポキシプロピルアクリルアミド、N−エトキシエチルアクリルアミド、N−(2,2−ジメトキシエチル)−N−メチルアクリルアミド、N−1−メチル−2−メトキシエチルアクリルアミド、N−1−メトキシメチルプロピルアクリルアミド、N,N−ジ(2−メトキシエチル)アクリルアミド、N−2−メトキシエチル−N−n−プロピルアクリルアミド、N−2−メトキシエチル−N−エチルアクリルアミド、N−メトキシエトキシプロピルアクリルアミド及びこれらの不飽和アミドに対応するメタクリル不飽和アミドを挙げることができる。
本発明において、変性ポリオレフィンの添加量は、無機酸化物微粒子100質量部に対して、1質量部以上、30質量部以下であることが好ましく、より好ましくは5質量部以上、15質量部以下であることが好ましい。
上述したポリオレフィンの変性方法としては、従来公知の種々の方法を採用することができる。
好ましく用いることのできる変性方法としては、溶融したポリオレフィンに不飽和カルボン酸、または不飽和アミドを添加してグラフト反応させる方法、溶媒に溶解させたポリオレフィン溶液に、不飽和カルボン酸、または不飽和アミドを添加してグラフト反応させる方法などがあげられる。変性反応は、60〜350℃の条件下で行うことが好ましい。いずれの場合にも、効率よく反応させるには、ラジカル開始剤の存在下に変性反応を行うことが好ましい。
変性反応時に用いることのできるラジカル開始剤としては、有機ペルオキシドが好ましい。
変性反応に用いることのできる有機ペルオキシドとしては、ベンゾイルペルオキシド、ジクロルベンゾイルペルオキシド、ジクミルペルオキシド、ジ−tert−ブチルペルオキシド、2,5−ジメチル−2,5−ジ(ペルオキシドベンゾエート)ヘキシン−3,1,4−ビス(tert−ブチルペルオキシイソプロピル)ベンゼン、ラウロイルピルオキシド、tert−ブチルペルアセテート、2,5−ジメチル−2,5−ジ(tert−ブチルペルオキシ)ヘキサン、tert−ブチルペルベンゾエート、tert−ブチルペルフェニルアセテート、tert−ブチルペルイソブチレート、tert−ブチルペル−sec−オクトエート、tert−ブチルペルピバレート、クミルペルピバレートおよびtert−ブチルペルジエチルアセテートなどがあげられる。
変性反応時に含有させるラジカル開始剤の使用割合は、変性前のポリオレフィン100質量部に対して、0.001〜1部添加することが好ましい。
[無機酸化物微粒子]
本発明に係る無機酸化物微粒子は、従来公知の無機酸化物微粒子を用いればよく、Li、Na、Mg、Al、Si、K、Ca、Sc、Ti、V、Cr、Mn、Fe、Co、Ni、Cu、Zn、Rb、Sr、Y、Nb、Zr、Mo、Ag、Cd、In、Sn、Sb、Cs、Ba、La、Ta、Hf、W、Ir、Tl、Pb、Bi及び希土類からなる群より選ばれる1種または2種以上の金属酸化物または複酸化物を用いることができる。
本発明に係る無機酸化物微粒子は、従来公知の無機酸化物微粒子を用いればよく、Li、Na、Mg、Al、Si、K、Ca、Sc、Ti、V、Cr、Mn、Fe、Co、Ni、Cu、Zn、Rb、Sr、Y、Nb、Zr、Mo、Ag、Cd、In、Sn、Sb、Cs、Ba、La、Ta、Hf、W、Ir、Tl、Pb、Bi及び希土類からなる群より選ばれる1種または2種以上の金属酸化物または複酸化物を用いることができる。
好ましく用いることのできる金属酸化物としては、酸化チタン、酸化亜鉛、酸化アルミニウム、酸化ジルコニウム、酸化ハフニウム、酸化ニオブ、酸化タンタル、酸化マグネシウム、酸化カルシウム、酸化ストロンチウム、酸化バリウム、酸化インジウム、酸化錫、酸化鉛、酸化スカンジウム、酸化イットリウム、酸化ランタン、酸化セリウム、酸化プラセオジム、酸化ネオジム、酸化サマリウム、酸化ユウロピウム、酸化ガドリニウム、酸化テルビウム、酸化ジスプロシウム、酸化ホルミウム、酸化エルビウム、酸化ツリウム、酸化イッテルビウム、酸化ルテチウムがあげられる。
好ましく用いることのできる複酸化物としては、ニオブ酸リチウム、ニオブ酸カリウム、タンタル酸リチウム、アルミニウム・マグネシウム酸化物(MgAl2O4)等が挙げられる。上述した金属酸化物または複酸化物の中でも、アルカリ、酸に安定である酸化アルミニウム、またはアルミニウムを持つ複酸化物を好ましく用いる事ができる。
本発明に係る無機酸化物微粒子の形状に特に制限はなく、球状でも、平板状でも、針状の粒子であっても好ましく用いることができる。また、無機酸化物微粒子の表面にメソポーラスと呼ばれる直径2nm〜50nm程度の細孔を有する多孔質の無機酸化物微粒子を用いてもよい。本発明に係る無機酸化物微粒子の粒子径は1nm以上、90nm以下が望ましく、より望ましくは10nm以上50nm以下である。本発明に係る無機酸化物微粒子の製造方法には特に制限はなく、プラズマ法、火炎法、湿式法など公知の方法に従って調製された無機酸化物微粒子を用いることができる。
多孔質膜中における無機酸化物微粒子の含有量としては、40質量%以上が好ましく、より好ましくは50質量%以上である。
[多孔質膜スラリーの調製]
本発明の二次電池用電極板は、電極板上にフッ素含有ポリマー、変性ポリオレフィン及び無機酸化物微粒子を有する多孔質膜が形成されていることを特徴とする。この多孔質膜は、フッ素含有ポリマー、変性ポリオレフィン及び無機酸化物微粒子が溶媒中に分散された多孔質膜スラリーを、電極板に塗布し、乾燥することにより形成することができる。
本発明の二次電池用電極板は、電極板上にフッ素含有ポリマー、変性ポリオレフィン及び無機酸化物微粒子を有する多孔質膜が形成されていることを特徴とする。この多孔質膜は、フッ素含有ポリマー、変性ポリオレフィン及び無機酸化物微粒子が溶媒中に分散された多孔質膜スラリーを、電極板に塗布し、乾燥することにより形成することができる。
多孔質膜スラリーの調整方法に特に制限はなく、無機酸化物微粒子の分散液に、フッ素含有ポリマー溶液及び変性ポリオレフィン溶液を混合する方法、無機酸化物微粒子とフッ素含有ポリマー、変性ポリオレフィンを混合し、溶媒中で分散する方法などにより調整することができる。より好ましい多孔質膜スラリーの調整方法としては、無機酸化物微粒子と変性ポリオレフィン溶液の混合溶液を分散させた後、この分散液にフッ素含有ポリマーを添加すると、分散性がより向上するため好ましい。
多孔質膜スラリーを分散させるための装置としては、特に制限はなく、超音波分散機、ビーズミルなどの媒体攪拌ミルが適用可能であり、その中でもビーズミルを適用するのが好ましい。
また、多孔質膜スラリー調整時に用いることのできる溶媒に特に制限はなく、メタノール、エタノール、イソプロピルアルコール、エトキシエタノール、ジメチルフォルムアミド、アセトン、酢酸エチル、テトラヒドロフラン、ベンゼン、トルエン、ヘキサン、キシレン、シクロヘキサン、N−メチル−2−ピロリドン、トリクロロメタン、ジクロロメタンなどを使うことができる。上記の中でも、N−メチル−2−ピロリドンは沸点が高く、臭気が低いため、好ましく用いることができる。
[多孔質膜形成方法]
本発明の二次電池用電極板に係る多孔質膜は、上述した方法で調整された多孔質膜スラリーを塗布し、乾燥することにより形成することができる。この多孔質膜は、電極に塗布することにより形成されるが、電極板中の活物質層を塗布により形成する場合は、本発明の多孔質膜と同時に形成することも可能であり、その場合は活物質層と多孔質膜の密着性が向上するため、より好ましい。ここでいう「同時に形成」とは、活物質層とその真上に位置する多孔質膜を、全く同一のタイミングで塗布することのみを指すものではなく、活物質層が乾固する前、または乾燥工程を経る前までに多孔質膜原料の多孔質膜スラリーを塗布する、いわゆる同時重層塗布を含むものである。本発明の二次電池用電極板に係る多孔質膜は、正電極に設けても、負電極に設けても良い。現在の二次電池は負電極が正電極より大きいのが一般的であるため、負電極に多孔質膜を形成することが好ましい。本発明の二次電池は、両電極に多孔質膜を形成した電極板を用いることが好ましい。
本発明の二次電池用電極板に係る多孔質膜は、上述した方法で調整された多孔質膜スラリーを塗布し、乾燥することにより形成することができる。この多孔質膜は、電極に塗布することにより形成されるが、電極板中の活物質層を塗布により形成する場合は、本発明の多孔質膜と同時に形成することも可能であり、その場合は活物質層と多孔質膜の密着性が向上するため、より好ましい。ここでいう「同時に形成」とは、活物質層とその真上に位置する多孔質膜を、全く同一のタイミングで塗布することのみを指すものではなく、活物質層が乾固する前、または乾燥工程を経る前までに多孔質膜原料の多孔質膜スラリーを塗布する、いわゆる同時重層塗布を含むものである。本発明の二次電池用電極板に係る多孔質膜は、正電極に設けても、負電極に設けても良い。現在の二次電池は負電極が正電極より大きいのが一般的であるため、負電極に多孔質膜を形成することが好ましい。本発明の二次電池は、両電極に多孔質膜を形成した電極板を用いることが好ましい。
本発明に係る多孔質膜スラリーの塗布方法としては、集電体上に均一な塗膜を所望の厚みで塗布出来れば特に制限はない。本発明に用いることのできる塗布方法としては、ディップ塗布法、ブレード塗布法、エアーナイフ塗布法、ワイヤーバー塗布法、グラビア塗布法、リバース塗布法、リバースロール塗布法、エクストルージョン塗布法、スライドビード塗布法、カーテン塗布法、ダイス塗布法等があげられる。上記の中でも、流量の調整、及び塗布を行う支持体(ここでは電極板)の幅方向の膜厚を均一にすることが比較的容易であることから、ダイス塗布法を用いることがより好ましい。また、ダイス塗布法は同時重層塗布に用いた場合、気泡の混入を抑えられることからも、好ましい塗布方法である。
多孔質膜スラリー塗布工程の後に、乾燥工程を設けたり、プレス工程を設けてもよい。乾燥工程としては、特に制限は無く、公知の乾燥方法を用いればよい。プレス工程も特に制限は無く、対向するローラ間を加圧しながら電極板を通過させるロールプレスや、金属板の間に電極板を挟みこみ、上下から油圧ポンプでプレスする方法等により行えばよい。また、プレス時に加熱しながら行っても良い。
[電極板]
本発明に係る電極板について説明する。本発明に係る電極板は、集電体上に正極活物質層を有する正電極、又は集電体上に負極活物質層を有する負電極からなる。本発明の二次電池の形状としては、シート型、角型、シリンダー型などいずれの形にも適用でき、本発明に係る電極板も作製される電池の形状に合わせて最適な形状を選択することができる。
本発明に係る電極板について説明する。本発明に係る電極板は、集電体上に正極活物質層を有する正電極、又は集電体上に負極活物質層を有する負電極からなる。本発明の二次電池の形状としては、シート型、角型、シリンダー型などいずれの形にも適用でき、本発明に係る電極板も作製される電池の形状に合わせて最適な形状を選択することができる。
正極活物質層は正極活物質と電極合剤を含有している。負極活物質層は負極活物質を有し、必要に応じて電極合材をさらに有している。正極活物質層及び負極活物質層は集電体の片面に設けても、両面に設けても良く、好ましくは両面に活物質層を設けた電極を用いることが好ましい。
正極板に対する負極板の大きさの割合に特に制限はない。好ましい正極板の面積は、負極板の面積1に対し、0.9〜1.1が好ましく、0.95〜1.0が特に好ましい。集電体上に形成される正極活物質と負極活物質との含有量比は、化合物種類や合剤処方により異なり、最も性能が良くなるように適宜設定することができる。
また、活物質層が活物質及び電極合材の混合物により形成する場合には、この混合物を塗布し、必要により乾燥、圧縮することにより形成する。活物質と電極合材の混合物の塗布は集電体に塗布することができれば、特に制限はない。本発明において利用可能な塗布方法としては、リバースロール法、ダイレクトロール法、ブレード法、ナイフ法、エクストルージョン法、カーテン法、グラビア法、バー法、ディップ法およびスクイーズ法が挙げられる。その中でも、ブレード法、ナイフ法およびエクストルージョン法が好ましい。
また、塗布速度は、0.1〜100m/分で行われることが好ましい。この際、混合物の溶液物性、乾燥性に合わせて、上記塗布方法を選定することにより、良好な塗布層の表面状態を得ることができる。混合物の塗布は、片面ずつ逐時でも、両面同時に行ってもよい。
さらに、混合物の塗布は、連続でも間欠でもストライプでもよい。活物質層の厚み、長さおよび巾は、電池の形状や大きさにより適宜決められる。好ましい活物質層の厚みは、乾燥後の片面膜厚が1〜2000μmの範囲にあることが好ましい。
塗布により形成された活物質層の乾燥および脱水方法としては特に制限はなく、熱風、真空、赤外線、遠赤外線、電子線および低湿風を、単独あるいは組み合わせた方法を用いることできる。乾燥温度は80〜350℃が好ましく、100〜250℃がより好ましい。また、形成された活物質層は圧着して、密着性及び活物質層の密度を高めることが好ましい。活物質層の圧着方法は、一般に採用されている方法を用いることができるが、特にカレンダープレス法が好ましい。プレス圧は特に限定されないが、20〜300MPaが好ましい。カレンダープレス法のプレス速度としては、0.1〜50m/分が好ましく、プレス時の温度は室温〜200℃が好ましい。
以下に、本発明に係る電極板の構成要素及び製造法について詳細に述べるが、本発明に係る電極板は以下の記載に限定されるものではない。
<集電体>
本発明に係る電極板に用いられる集電体としては、本発明の電極板を用いた二次電池において化学的に安定な電子伝導体であれば特に制限はない。本発明で好ましく用いることのできる正電極用集電体としては、アルミニウム、ステンレス鋼、ニッケル、チタンなどの金属板の他に、アルミニウムやステンレス鋼の表面にカーボン、ニッケル、チタンあるいは銀を含有または被覆させた合金を好ましく用いることができる。その中でも、アルミニウム及びアルミニウム合金がより好ましく用いることができる。
本発明に係る電極板に用いられる集電体としては、本発明の電極板を用いた二次電池において化学的に安定な電子伝導体であれば特に制限はない。本発明で好ましく用いることのできる正電極用集電体としては、アルミニウム、ステンレス鋼、ニッケル、チタンなどの金属板の他に、アルミニウムやステンレス鋼の表面にカーボン、ニッケル、チタンあるいは銀を含有または被覆させた合金を好ましく用いることができる。その中でも、アルミニウム及びアルミニウム合金がより好ましく用いることができる。
負電極用集電体としては、銅、ステンレス鋼、ニッケル、チタンが好ましく、銅及び銅合金がより好ましい。
集電体の形状としては、通常フィルムシート状のものが使用されるが、多孔質体、発泡体、繊維群の成形体なども用いることができる。前記集電体の厚みとしては、特に限定されないが、1〜500μmが好ましい。また、集電体表面は、表面処理により凹凸を付けることも好ましい。
<正極活物質>
本発明に係る電極板に用いられる正極活物質としては、無機系活物質、有機系活物質又は両者の複合体のいずれも用いることができる。無機系活物質、又は無機系活物質と有機系活物質の複合体を用いることで、電池のエネルギー密度が大きくなるため、特に好ましく用いることができる。
本発明に係る電極板に用いられる正極活物質としては、無機系活物質、有機系活物質又は両者の複合体のいずれも用いることができる。無機系活物質、又は無機系活物質と有機系活物質の複合体を用いることで、電池のエネルギー密度が大きくなるため、特に好ましく用いることができる。
本発明で好ましく用いることの出来る無機系活物質としては、金属酸化物、複酸化物、リン酸物、ケイ酸物、ホウ酸物が挙げられる。
本発明において正極活物質として用いることのできる金属酸化物、複酸化物としては、Li0.3MnO2、Li4Mn5O12、V2O5、LiCoO2、LiMn2O4、LiNiO2、LiCo1/3Ni1/3Mn1/3O2、Li1.2(Fe0.5Mn0.5)0.8O2、Li1.2(Fe0.4Mn0.4Ti0.2)0.8O2、Li1+x(Ni0.5Mn0.5)1−xO2、LiNi0.5Mn1.5O4、Li2MnO3、Li0.76Mn0.51Ti0.49O2、LiNi0.8Co0.15Al0.05O2、Fe2O3、が挙げられる。これらの化学式中、xは0〜1の範囲である。
本発明において正極活物質として用いることのできるリン酸物、ケイ酸物、ホウ酸物としては、LiFePO4、LiCoPO4、LiMnPO4、Li2MPO4F(M=Fe,Mn)、LiMn0.875Fe0.125PO4、Li2FeSiO4、Li2−xMSi1−xPxO4(M=Fe,Mn)、LiMBO3(M=Fe,Mn)などがあげられる。なお、これらの化学式中、xは0〜1の範囲である。さらに、FeF3、Li3FeF6、Li2TiF6などの金属フッ化物、Li2FeS2、TiS2、MoS2、FeS等の金属硫化物、及びこれらの化合物とリチウムの複合酸化物も正極活物質として用いることができる。
本発明で好ましく用いることの出来る有機系活物質としては、導電性高分子、硫黄系正極材料、有機ラジカル化合物が挙げられる。
本発明において正極活物質として用いることのできる導電性高分子としては、ポリアセチレン、ポリアニリン、ポリピロール、ポリチオフェン、ポリパラフェニレンが挙げられる。有機ジスルフィド化合物、有機イオウ化合物DMcT(2,5−ジメルカプト−1,3,4−チアジアゾール)、ベンゾキノン化合物PDBM(ポリ2,5−ジヒドロキシ−1,4−ベンゾキノン−3,6−メチレン)、カーボンジスルフィド、活性硫黄等の硫黄系正極材料、有機ラジカル化合物等が用いられる。
また、正極活物質の表面は、無機酸化物によって被覆されていることが電池の寿命を延ばす点で好ましい。無機酸化物を被覆する方法としては、正極活物質の表面にコーティングする方法が好ましく、コーティングする方法としては、ハイブリタイザーなどの表面改質装置を用いてコーティングする方法などが挙げられる。表面被覆に用いることのできる無機酸化物としては、酸化マグネシウム、酸化ケイ素、アルミナ、ジルコニア、酸化チタンの酸化物、チタン酸バリウム、チタン酸カルシウム、チタン酸鉛、γ−LiAlO2、LiTiO3等が挙げられ、特に酸化ケイ素によって被覆することが好ましい。
<負極活物質>
本発明の二次電池用電極板に用いられる負極活物質は、特に制限は無く公知の負極活物質が利用できる。本発明の二次電池に好ましく用いることのできる負極活物質としては、黒鉛やスズ合金と結着剤の混合物、シリコン薄膜、リチウム箔が挙げられる。
本発明の二次電池用電極板に用いられる負極活物質は、特に制限は無く公知の負極活物質が利用できる。本発明の二次電池に好ましく用いることのできる負極活物質としては、黒鉛やスズ合金と結着剤の混合物、シリコン薄膜、リチウム箔が挙げられる。
黒鉛やスズ合金と結着剤の負極活物質は、黒鉛やスズ合金などの粉末とスチレンブタジエンゴムやポリフッ化ビニリデンなどの結着剤と混合したにペーストを乾燥させることにより得ることができる。シリコン薄膜の負極活物質は、集電体上にシリコン薄膜を物理蒸着(スパッタリング法や真空蒸着法など)することにより得ることができる。厚さに特に制限はないが、3〜5μm程度であることが好ましい。リチウム箔の負極活物質は、集電体に厚さ10〜30μmのリチウム箔を貼合させたものを用いることができる。高容量化が可能であり、電極合材を必須としないことから、シリコン系薄膜負極やリチウム金属負極からなる負極活物質を用いることが好ましい。
<電極合剤>
本発明の二次電池用電極板に用いることのできる電極合剤は、導電剤および結着剤を含有している。その他の材料として、フィラー、リチウム塩、非プロトン性有機溶媒等が添加されていても良い。
本発明の二次電池用電極板に用いることのできる電極合剤は、導電剤および結着剤を含有している。その他の材料として、フィラー、リチウム塩、非プロトン性有機溶媒等が添加されていても良い。
本発明で用いることのできる導電剤は、構成された二次電池において、化学変化を起こさない電子伝導性材料であれば、特に制限はない。本発明で好ましく用いることのできる導電剤としては、天然黒鉛、人工黒鉛、カーボンブラック、アセチレンブラック、ケッチェンブラック、炭素繊維や金属粉、金属繊維あるいはポリフェニレン誘導体などから選ばれる1種の導電性材料、または2種以上の混合物があげられる。その中でも、黒鉛とアセチレンブラックの混合物を用いることが特に好ましい。
導電剤の添加量としては、1〜50質量%が好ましく、2〜30質量%がより好ましい。カーボンや黒鉛の場合は、2〜15質量%が特に好ましい。
本発明で用いることのできる結着剤は、構成された二次電池において、化学変化を起こさない材料であれば特に制限はない。このような結着剤としては、多糖類、熱可塑性樹脂およびゴム弾性を有するポリマーなどが挙げられ、その中でも、例えば、でんぷん、カルボキシメチルセルロース、セルロース、ジアセチルセルロース、メチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、アルギン酸ナトリウム、ポリアクリル酸、ポリアクリル酸ナトリウム、ポリビニルフェノール、ポリビニルメチルエーテル、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、ポリアクリロニトリル、ポリアクリルアミド、ポリヒドロキシ(メタ)アクリレート、スチレン−マレイン酸共重合体等の水溶性ポリマー、ポリビニルクロリド、ポリテトラフルオロエチレン、ポリフッ化ビニリデン、テトラフロロエチレン−ヘキサフロロプロピレン共重合体、ビニリデンフロライド−テトラフロロエチレン−ヘキサフロロプロピレン共重合体、ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン−プロピレン−ジエンターポリマー(EPDM)、スルホン化EPDM、ポリビニルアセタール樹脂、メチルメタアクリレート、2−エチルヘキシルアクリレート等の(メタ)アクリル酸エステルを含有する(メタ)アクリル酸エステル共重合体、(メタ)アクリル酸エステル−アクリロニトリル共重合体、ビニルアセテート等のビニルエステルを含有するポリビニルエステル共重合体、スチレン−ブタジエン共重合体、アクリロニトリル−ブタジエン共重合体、ポリブタジエン、ネオプレンゴム、フッ素ゴム、ポリエチレンオキシド、ポリエステルポリウレタン樹脂、ポリエーテルポリウレタン樹脂、ポリカーボネートポリウレタン樹脂、ポリエステル樹脂、フェノール樹脂、エポキシ樹脂等のエマルジョン(ラテックス)あるいはサスペンジョンがあげられる。ポリアクリル酸エステル系のラテックス、カルボキシメチルセルロース、ポリテトラフロロエチレン、ポリフッ化ビニリデンが、より好ましい。
本発明で用いることのできる結着剤は、一種単独または二種以上を混合して用いることができる。結着剤の添加量が少ないと、電極合剤の保持力・凝集力が弱くなる。多すぎると電極体積が増加し、電極単位体積あるいは単位質量あたりの容量が減少する。このような理由で、結着剤の添加量は1〜30質量%が好ましく、2〜10質量%がより好ましい。
本発明で用いることのできるフィラーは、本発明の二次電池において、化学変化を起こさない繊維状材料であれば、何でも用いることができる。通常、ポリプロピレン、ポリエチレンなどのオレフィン系ポリマー、ガラス、炭素などの繊維が用いられる。フィラーの添加量は特に限定されないが、0〜30質量%が好ましい。
[電極の形状及び製造方法]
本発明の二次電池は、正電極、負電極及び電解質を有し、正電極又は負電極の少なくとも一方は本発明の二次電池用電極であることを特徴とする。本発明でいう電解質は、電解質溶媒、イオン液体又はこれらの混合溶媒に、電解質塩が溶解している溶液のことを指す。また、本発明の二次電池の形状としては、シート型、角型、円筒(シリンダー)型などいずれの形にも適用できる。
本発明の二次電池は、正電極、負電極及び電解質を有し、正電極又は負電極の少なくとも一方は本発明の二次電池用電極であることを特徴とする。本発明でいう電解質は、電解質溶媒、イオン液体又はこれらの混合溶媒に、電解質塩が溶解している溶液のことを指す。また、本発明の二次電池の形状としては、シート型、角型、円筒(シリンダー)型などいずれの形にも適用できる。
本発明の二次電池は、少なくとも一方が本発明の方法により作製された多孔質膜を有する電極板と、他方の電極を重ね合わせた後に、作製したい二次電池の形状に合わせて巻回または積層し、外装体内に封入することで二次電池を製造する。電解質は、外装体を封止するまでに注液すればよく、電極板を外装内に挿入した後でも、電極板を重ね合わせる前でも良い。電解質の粘度が低い場合には、電極板を外装内に挿入した後に注液することが好ましく、電解質の粘度が高い場合には、電極板を重ね合わせる前に電解質を塗布することが好ましい。
電極板を積層することにより二次電池を作成する場合は、積層後にアルミラミネートフィルム等で作製した外装体に入れ、両面からダブルロールラミネータ等を用いて加熱ロールで圧着することにより作製することが好ましい。この方法により作製された二次電池は、電極板同士が密着した状態になるため、出力特性及び放熱性に優れた二次電池となるため好ましい。圧着の際の加熱温度としては50℃〜200℃の範囲で圧着することが好ましく、この範囲内にすることで、電極同士の密着性を高め、かつ電解質や多孔質膜が分解しない程度の温度で圧着することができる。
以下に、本発明の二次電池の構成要素について詳細に述べるが、本発明の二次電池は以下の記載に限定されるものではない。
(電解液溶媒)
本発明の二次電池に用いられる電解液溶媒は、電解質塩を溶解し、電解質となりうる溶媒であれば特に制限はない。本発明で好ましく用いることのできる電解質溶液としては、カーボネート化合物、複素環化合物、エーテル化合物、鎖状エーテル類、ニトリル化合物、エステル類、非プロトン極性物質などが挙げられる。
本発明の二次電池に用いられる電解液溶媒は、電解質塩を溶解し、電解質となりうる溶媒であれば特に制限はない。本発明で好ましく用いることのできる電解質溶液としては、カーボネート化合物、複素環化合物、エーテル化合物、鎖状エーテル類、ニトリル化合物、エステル類、非プロトン極性物質などが挙げられる。
本発明で用いることのできるカーボネート化合物としては、エチレンカーボネート、プロピレンカーボネート、ビニレンカーボネート、ジメチルカーボネート、エチルメチルカーボネート、ジエチルカーボネートが挙げられる。
本発明で用いることのできる複素環化合物としては、3−メチル−2−オキサゾリジノンなどが挙げられる。
本発明で用いることのできるエーテル化合物としては、ジオキサン、ジエチルエーテルが挙げられる。
本発明で用いることのできる鎖状エーテル類としては、エチレングリコールジアルキルエーテル、プロピレングリコールジアルキルエーテル、ポリエチレングリコールジアルキルエーテル、ポリプロピレングリコールジアルキルエーテルが挙げられる。
本発明で用いることのできるニトリル化合物としては、アセトニトリル、グルタロジニトリル、メトキシアセトニトリル、プロピオニトリル、ベンゾニトリルが挙げられる。
本発明で用いることのできるエステル類としては、カルボン酸エステル、リン酸エステル、ホスホン酸エステルが挙げられる。
本発明で用いることのできる非プロトン極性物質としては、ジメチルスルフォキシド、スルフォランが挙げられる。また、これらの電解液溶媒は単独で用いても2種以上を併用してもよい。
これらの電解液溶媒でも、エチレンカーボネート、プロピレンカーボネート、3−メチル−2−オキサゾリジノン、アセトニトリル、グルタロジニトリル、メトキシアセトニトリル、プロピオニトリル、ベンゾニトリルが特に好しく用いることができる。
溶媒としては、耐揮発性による耐久性向上の観点から、常圧(1気圧)における沸点が200℃以上のものが好ましく、250℃以上のものがより好ましく、270℃以上のものが更に好ましい。
[二次電池の用途]
本発明の二次電池の用途は、特に限定されない。一例としては、電子機器としては、ノートパソコン、ペン入力パソコン、モバイルパソコン、電子ブックプレーヤー、携帯電話、コードレスフォン子機、ページャー、ハンディーターミナル、携帯ファックス、携帯コピー、携帯プリンター、ヘッドフォンステレオ、ビデオムービー、液晶テレビ、ハンディークリーナー、ポータブルCD、ミニディスク、電気シェーバー、トランシーバー、電子手帳、電卓、メモリーカード、携帯テープレコーダー、ラジオ、バックアップ電源、メモリーカードなどに用いることができる。その他民生用として、自動車、電動車両、モーター、照明器具、玩具、ゲーム機器、ロードコンディショナー、時計、ストロボ、カメラ、医療機器(ペースメーカー、補聴器、肩もみ機など)などが挙げられる。更に、各種軍需用、宇宙用として用いることができる。また、太陽電池と組み合わせることもできる。
本発明の二次電池の用途は、特に限定されない。一例としては、電子機器としては、ノートパソコン、ペン入力パソコン、モバイルパソコン、電子ブックプレーヤー、携帯電話、コードレスフォン子機、ページャー、ハンディーターミナル、携帯ファックス、携帯コピー、携帯プリンター、ヘッドフォンステレオ、ビデオムービー、液晶テレビ、ハンディークリーナー、ポータブルCD、ミニディスク、電気シェーバー、トランシーバー、電子手帳、電卓、メモリーカード、携帯テープレコーダー、ラジオ、バックアップ電源、メモリーカードなどに用いることができる。その他民生用として、自動車、電動車両、モーター、照明器具、玩具、ゲーム機器、ロードコンディショナー、時計、ストロボ、カメラ、医療機器(ペースメーカー、補聴器、肩もみ機など)などが挙げられる。更に、各種軍需用、宇宙用として用いることができる。また、太陽電池と組み合わせることもできる。
以下、本発明を実施例によって具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例によって、何ら限定されるものではない。なお、実施例において「部」あるいは「%」の表示を用いるが、特に断りがない限り「質量部」あるいは「質量%」を表す。
[電極の作製]
以下の方法に従って、正電極及び負電極を作製した。
以下の方法に従って、正電極及び負電極を作製した。
(正電極の作製)
43部のLiMn2O4、2部の鱗片状黒鉛、2部のアセチレンブラック及び3部のPVDF(Solvey社製、重量平均分子量69万)をN−メチルピロリドンと共に混合し、黒色ペーストを得た。このペーストを、厚さ20μmのアルミニウム箔にダイコート法で塗布し、ペーストを乾燥させた後、カレンダープレス機により圧縮成形した。このアルミニウム箔の端部にアルミニウム製のリード板を溶接し、厚さ100μm、幅54mm×長さ49mmの正電極を作製した。作製された正電極は、露点−40℃以下の乾燥空気中で230℃で30分静置することにより、乾燥させた。
43部のLiMn2O4、2部の鱗片状黒鉛、2部のアセチレンブラック及び3部のPVDF(Solvey社製、重量平均分子量69万)をN−メチルピロリドンと共に混合し、黒色ペーストを得た。このペーストを、厚さ20μmのアルミニウム箔にダイコート法で塗布し、ペーストを乾燥させた後、カレンダープレス機により圧縮成形した。このアルミニウム箔の端部にアルミニウム製のリード板を溶接し、厚さ100μm、幅54mm×長さ49mmの正電極を作製した。作製された正電極は、露点−40℃以下の乾燥空気中で230℃で30分静置することにより、乾燥させた。
(負電極の作製)
2000部の人造黒鉛、40%のスチレン−ブタジエン共重合体の変性体を含む水性分散液(日本ゼオン製、BM−400B)75部、30部のカルボキシメチルセルロースを水と共に混合し黒色ペーストを得た。このペーストを、厚さ10μmの銅箔の両面にダイコート法で塗布し、ペーストを乾燥させた後、カレンダープレス機により圧縮成形した。この銅箔の端部に銅製のリード板を溶接し、厚さ100μm、幅60mm×長さ55mmの負電極を作製した。作製された負電極は露点−40℃以下の乾燥空気中で230℃で30分静置することにより、乾燥させた。
2000部の人造黒鉛、40%のスチレン−ブタジエン共重合体の変性体を含む水性分散液(日本ゼオン製、BM−400B)75部、30部のカルボキシメチルセルロースを水と共に混合し黒色ペーストを得た。このペーストを、厚さ10μmの銅箔の両面にダイコート法で塗布し、ペーストを乾燥させた後、カレンダープレス機により圧縮成形した。この銅箔の端部に銅製のリード板を溶接し、厚さ100μm、幅60mm×長さ55mmの負電極を作製した。作製された負電極は露点−40℃以下の乾燥空気中で230℃で30分静置することにより、乾燥させた。
[変性ポリオレフィン溶液の作製]
以下の方法に従って、変性ポリオレフィン溶液1、2及び3を作製した。
以下の方法に従って、変性ポリオレフィン溶液1、2及び3を作製した。
(変性ポリオレフィン溶液1の作製)
オクテンを8モル%含有するエチレン−オクテンランダム共重合体(密度0.875g/cm3)100部に、1部の無水マレイン酸及び1部の有機過酸化物(パーヘキシン25B、日油株式会社製)を加えた混合物を、ラボプラストミルKF−6V(株式会社東洋精機製作所製)を用いて200℃で混練変性を行い、変性ポリオレフィン1を作製した。
オクテンを8モル%含有するエチレン−オクテンランダム共重合体(密度0.875g/cm3)100部に、1部の無水マレイン酸及び1部の有機過酸化物(パーヘキシン25B、日油株式会社製)を加えた混合物を、ラボプラストミルKF−6V(株式会社東洋精機製作所製)を用いて200℃で混練変性を行い、変性ポリオレフィン1を作製した。
窒素置換をした1Lガラス製オートクレープに、20部の変性ポリオレフィン1を、200部のトルエン及び180部の酢酸エチルと共に入れ、120℃に加熱して変性ポリオレフィン1を溶解させ、変性ポリオレフィン溶液1を作製した。
(変性ポリオレフィン溶液2の作製)
変性ポリオレフィン溶液1の作製において、1部の無水マレイン酸を1部のイソプロピルアクリルアミドに変更した以外は同一の方法で、変性ポリオレフィン溶液2を作製した。
変性ポリオレフィン溶液1の作製において、1部の無水マレイン酸を1部のイソプロピルアクリルアミドに変更した以外は同一の方法で、変性ポリオレフィン溶液2を作製した。
(変性ポリオレフィン溶液3の作製)
変性ポリオレフィン溶液1の作製において、1部の無水マレイン酸をメタクリル酸1部に変更した以外は同様の方法で、変性ポリオレフィン溶液3を作製した。
変性ポリオレフィン溶液1の作製において、1部の無水マレイン酸をメタクリル酸1部に変更した以外は同様の方法で、変性ポリオレフィン溶液3を作製した。
[フッ素含有ポリマー溶液1の調製]
20部のPVDF1(Solvey社製、重量平均分子量27万)を80部のN−メチルピロリドンと混合し、85℃で撹拌して溶解させ、フッ素含有ポリマー溶液1を調製した。
20部のPVDF1(Solvey社製、重量平均分子量27万)を80部のN−メチルピロリドンと混合し、85℃で撹拌して溶解させ、フッ素含有ポリマー溶液1を調製した。
[フッ素含有ポリマー溶液2の調製]
20部のPVDF2(Solvey社製、重量平均分子量110万)を80部のN−メチルピロリドンと混合し、85℃で撹拌して溶解させ、フッ素含有ポリマー溶液2を調整した。
20部のPVDF2(Solvey社製、重量平均分子量110万)を80部のN−メチルピロリドンと混合し、85℃で撹拌して溶解させ、フッ素含有ポリマー溶液2を調整した。
[電極板1〜24の作製]
以下の方法に従って、電極板1〜24を作製した。
以下の方法に従って、電極板1〜24を作製した。
(電極板1の作製)
無機酸化物微粒子として100部のアルミナ微粒子(重量平均粒子径13nm)と100部のN−メチルピロリドンを混合し、この溶液をウルトラアペックスミルUAM−015(寿工業株式会社製)を用いて、10m/sのロータ周速で10分間分散した。この分散液に、変性ポリオレフィン溶液1及びフッ素含有ポリマー溶液を、固形分がそれぞれ3部及び67部になるように量り取り、混合し多孔質膜スラリーを得た。上で作製した負電極に、この多孔質膜スラリーを乾燥膜厚が20μmになるように塗布し、60℃で乾燥させ、多孔質膜を有する電極板1を作製した。
無機酸化物微粒子として100部のアルミナ微粒子(重量平均粒子径13nm)と100部のN−メチルピロリドンを混合し、この溶液をウルトラアペックスミルUAM−015(寿工業株式会社製)を用いて、10m/sのロータ周速で10分間分散した。この分散液に、変性ポリオレフィン溶液1及びフッ素含有ポリマー溶液を、固形分がそれぞれ3部及び67部になるように量り取り、混合し多孔質膜スラリーを得た。上で作製した負電極に、この多孔質膜スラリーを乾燥膜厚が20μmになるように塗布し、60℃で乾燥させ、多孔質膜を有する電極板1を作製した。
(電極板2〜21の作製)
電極板1の作製において、多孔質膜スラリーのアルミナ微粒子、変性ポリオレフィン溶液1〜3及びフッ素含有ポリマー溶液1,2の種類及び量を、表1に従って変更した以外は電極板1の作製と同様の方法で、電極板2〜21を作製した。尚、表1において、変性ポリオレフィン及びフッ素含有ポリマーの含有量は、いずれも、固形成分の含有量を指す。
電極板1の作製において、多孔質膜スラリーのアルミナ微粒子、変性ポリオレフィン溶液1〜3及びフッ素含有ポリマー溶液1,2の種類及び量を、表1に従って変更した以外は電極板1の作製と同様の方法で、電極板2〜21を作製した。尚、表1において、変性ポリオレフィン及びフッ素含有ポリマーの含有量は、いずれも、固形成分の含有量を指す。
(電極板22の作製)
100部のアルミナ微粒子(重量平均粒子径13nm)と100部のN−メチルピロリドンを混合し、この溶液をウルトラアペックスミルUAM−015(寿工業株式会社製)を用いて、10m/sのロータ周速で10分間分散した。この分散液に、フッ素含有ポリマー溶液1を固形分が70部になるように量り取り、混合した。上で作製した負電極に、この混合溶液を乾燥膜厚が20μmになるように塗布し、60℃で乾燥させ、電極板22を作製した。
100部のアルミナ微粒子(重量平均粒子径13nm)と100部のN−メチルピロリドンを混合し、この溶液をウルトラアペックスミルUAM−015(寿工業株式会社製)を用いて、10m/sのロータ周速で10分間分散した。この分散液に、フッ素含有ポリマー溶液1を固形分が70部になるように量り取り、混合した。上で作製した負電極に、この混合溶液を乾燥膜厚が20μmになるように塗布し、60℃で乾燥させ、電極板22を作製した。
(電極板23の作製)
電極板22の作製において、フッ素含有ポリマー溶液1の量を固形分が105部になるよう混合した以外は同様の方法で、電極板23を作製した。
電極板22の作製において、フッ素含有ポリマー溶液1の量を固形分が105部になるよう混合した以外は同様の方法で、電極板23を作製した。
(電極板24の作製)
100部のアルミナ微粒子(重量平均粒子径13nm)と100部のN−メチルピロリドンを混合し、この溶液をウルトラアペックスミルUAM−015(寿工業株式会社製)を用いて、10m/sのロータ周速で10分間分散した。この分散液に、BM500B(変性アクリルゴム、日本ゼオン)を固形分が70部になるように量り取り、混合した。上で作製した負電極に、この混合溶液を乾燥膜厚が20μmになるように塗布し、60℃で乾燥させ、電極板24を作製した。
100部のアルミナ微粒子(重量平均粒子径13nm)と100部のN−メチルピロリドンを混合し、この溶液をウルトラアペックスミルUAM−015(寿工業株式会社製)を用いて、10m/sのロータ周速で10分間分散した。この分散液に、BM500B(変性アクリルゴム、日本ゼオン)を固形分が70部になるように量り取り、混合した。上で作製した負電極に、この混合溶液を乾燥膜厚が20μmになるように塗布し、60℃で乾燥させ、電極板24を作製した。
形成した各電極板1〜24の構成を表1にまとめて示す。
[二次電池1〜24の作製]
以下の方法に従って、二次電池1〜24を作製した。二次電池1〜24の作製は、酸素濃度10ppm以下、露点−60℃以下の乾燥空気で満たされたドライボックス中にて行った。
以下の方法に従って、二次電池1〜24を作製した。二次電池1〜24の作製は、酸素濃度10ppm以下、露点−60℃以下の乾燥空気で満たされたドライボックス中にて行った。
(二次電池1の作製)
正電極の正極活物質を含有する面と電極板1の多孔質層を有する面を対向するように重ね合わせ、ポリエチレン(50μm)−アルミニウム箔(80μm)−ポリエチレンテレフタレート(50μm)ラミネートフィルムのポリエチレン層を内側にして3縁を熱融着した外装材に入れた。エチレンカーボネートとジエチルカーボネート(体積比1:1)の混合溶液に、LiPF6が濃度1.0mol/lになるように調整した電解液を注入した後、残る1縁を熱融着し、二次電池1を作製した。
正電極の正極活物質を含有する面と電極板1の多孔質層を有する面を対向するように重ね合わせ、ポリエチレン(50μm)−アルミニウム箔(80μm)−ポリエチレンテレフタレート(50μm)ラミネートフィルムのポリエチレン層を内側にして3縁を熱融着した外装材に入れた。エチレンカーボネートとジエチルカーボネート(体積比1:1)の混合溶液に、LiPF6が濃度1.0mol/lになるように調整した電解液を注入した後、残る1縁を熱融着し、二次電池1を作製した。
(二次電池2〜24の作製)
二次電池1の作製において、電極板1を電極板2〜24に変更した以外は、電極板1の作製と同様の方法で、二次電池2〜24を作製した。
二次電池1の作製において、電極板1を電極板2〜24に変更した以外は、電極板1の作製と同様の方法で、二次電池2〜24を作製した。
[電池のハイレート特性]
組み立てた電池を0.2Cで電池電圧が4.2Vになるまで充電し、0.1Cで電池電圧が3Vになるまで放電した。次いで、同様の充電を行い、1Cで3Vになるまで放電した。0.1C放電時に対する1C放電時の容量割合を百分率で求めた。
組み立てた電池を0.2Cで電池電圧が4.2Vになるまで充電し、0.1Cで電池電圧が3Vになるまで放電した。次いで、同様の充電を行い、1Cで3Vになるまで放電した。0.1C放電時に対する1C放電時の容量割合を百分率で求めた。
(突き刺し強度)
多孔質膜スラリーを20μm厚になるようにPETフィルム上に塗布し、60℃で乾燥後、多孔質膜を剥がした。この多孔質膜をエチレンカーボネート(EC)と、ジエチルカーボネート(DEC)とを体積比1:1の割合で混合し、これに電解質塩としてLiPF6を濃度1.0mol/lで溶解した液中に3時間保存した。
多孔質膜スラリーを20μm厚になるようにPETフィルム上に塗布し、60℃で乾燥後、多孔質膜を剥がした。この多孔質膜をエチレンカーボネート(EC)と、ジエチルカーボネート(DEC)とを体積比1:1の割合で混合し、これに電解質塩としてLiPF6を濃度1.0mol/lで溶解した液中に3時間保存した。
その後、カトーテック(株)製圧縮試験磯KES−G5を用いて突き刺し試験を行った。測定により得られた荷重変位曲線から最大荷重を読みとり、突き刺し強度とした。針は直径1.0mm、先端の曲率半径0.5mmのものを用いて、2cm/秒の速度で行った。
(多孔質膜の剥がれ)
表面の多孔質膜の剥がれ(電極と多孔質膜との剥離による剥がれ以外の多孔質自体の分離による剥がれを含む。)を光学顕微鏡観察より確認した。
表面の多孔質膜の剥がれ(電極と多孔質膜との剥離による剥がれ以外の多孔質自体の分離による剥がれを含む。)を光学顕微鏡観察より確認した。
各電極板1〜24を用いて形成した二次電池1〜24の評価結果を表2に示す。
本発明の多孔質膜は、高い機械的強度を有し、膜剥がれがなく、ハイレート特性の高い二次電池用電極板を得ることができた。
尚、変性していないポリオレフィンとして、ポリエチレンを用いて同様にスラリーを形成したが、無機酸化物微粒子との接着性が悪く、多孔質膜を形成することが出来なかった。
Claims (3)
- 電極板上に、フッ素含有ポリマー、変性ポリオレフィンポリマー及び無機酸化物微粒子を含有する多孔質膜が形成された二次電池用電極板であって、該変性ポリオレフィンポリマーが、不飽和カルボキシル基または不飽和アミド基を含有するモノマーでグラフト変性されたポリオレフィンポリマーであることを特徴とする二次電池用電極板。
- 前記多孔質膜が陰極板上に形成されていることを特徴とする請求項1に記載の二次電池用電極板。
- 前記無機酸化物微粒子が、アルミナであることを特徴とする請求項1または2に記載の二次電池用電極板。
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