JP2011248130A - 表示装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】メモリ性を有するコレステリック液晶表示装置において、同じ表示を書き換えることなく長時間放置した場合に発生する焼付を低減する。
【解決手段】液晶層22と、液晶層22を挟持する一対の基板12,14と、を有し、液晶層22の基板側界面近傍における液晶分子の状態が、液晶層に印加される電圧によらず固定されている。固定されている液晶分子の状態は、光を反射するような角度を有している。
【選択図】図1

Description

本発明は、表示装置に関する。
近年、電源が無くても表示保持可能で、電気的に書換えが可能な電子ペーパーの技術分野が急速に発展している。電子ペーパーは、電源を切断してもメモリ表示可能な超低消費電力と目にやさしく、疲れない反射型の表示と紙のような可撓性のあるフレキシブルで薄型の表示体の実現を目指している。表示方式としては、例えば帯電粒子を空気中や液体中で移動させる電気泳動方式、二色に色分けした帯電粒子を回転させるツイストボール方式、有機EL方式、液晶層の干渉反射を利用した双安定性のある選択反射型の液晶方式の開発が進められている。
上述の表示方式の中で、液晶方式は「メモリ機能」、「低電力化」、「カラー化」などの面で優位である。液晶方式で用いられる液晶は、例えばコレステリック液晶である。コレステリック液晶を用いたコレステリック液晶方式によれば、電圧を印加することにより、液晶の状態を干渉反射モード(プレーナモード)と透過モード(フォーカルコニックモード)とに切り換えることができる。コステリック液晶方式による表示装置はメモリ性を有しており、上述の2つの安定した状態が電界除去後にも長時間保持されるため、無電源でも画像を保持することができる。
メモリ性を有する表示装置は、同じ表示であれば表示を保持するのに電力を消費しないため低消費電力であるという特徴を有する。しかし、同じ表示を書き換えることなく長時間放置した場合、次の表示に書き換えた時に、前の表示パターンが薄く残像として残る、いわゆる「焼付」が発生する。
例えば、TV受像機やモニターなどに使用される、表示中に常時液晶に電界が印加される液晶表示装置でもいわゆる「焼付」が発生することが知られている。しかし、「焼付」の発生メカニズムは、メモリ性を有する表示装置で無電界で同じ表示を保持した時に発生する「焼付」の発生メカニズムとは、まったく異なると考えられる。表示中に常時液晶に電界を印加する液晶表示装置での焼付は、電界の印加による液晶分子の分極により発生する。そのため、電界印加の1サイクル中に、液晶層に印加する電界の方向を逆転することにより、分極の発生を防止している。これに対して、メモリ性を有する表示装置は、同じ表示を保持するのであれば、電界を印加しないが、その状態を長時間放置すると、「焼付」が発生する。このように、電界の印加により発生する焼付と、無電界状態で発生する焼付という差異があり、発生メカニズムも異なると考えられる。
メモリ性を有する表示装置で、種々の焼付解消方法が提案されている。例えば、表示パネルの温度をセンサで監視し、所定温度以上で所定以上の温度変化を記録した場合に、焼付防止用画面に更新する方法が提案されている。さらに、液晶封入後、所定の温度プログラムでエージングを行うことにより、焼付を生じにくくする方法が提案されている。さらに、書き込み電圧を印加する前に、十分な電圧を印加して、液晶の配向状態を揃える操作を挿入する方法が提案されている。
特開2004−219715号公報 特開2004−240203号公報 特開2002−14325号公報 特開2008−191337号公報 特開2005−202053号公報
しかしながら、焼付防止用画面に更新する方法では、温度センサや画面更新のシーケンスを行うための制御回路が必要となる。また、エージングを行う方法では、エージングにより焼付が低減されるものの、再び書き込みを行って長時間表示すると、再び焼付を生じる。再び焼付を生じた場合、その都度エージングを行うことになり、実用には適さない。十分な電圧を印加して、液晶の配向状態を揃える操作を挿入する方法は、消費電力が増加するだけでなく、電界により十分にリセットできない場合があり、焼付を十分に抑制できない。
発明の一観点によれば、液晶層と、液晶層を挟持する一対の基板と、を有し、液晶層の基板側界面近傍における液晶分子の状態が、液晶層に印加される電圧によらず固定されている表示装置が提供される。
上記の観点によれば、表示装置において、同じ表示を書き換えることなく長時間放置した場合に発生する焼付を低減させることができる。
図1は、実施例1のコレステリック液晶を用いた表示装置(デバイス)の概略図である。 図2は、実施例1のコレステリック液晶を用いた液晶表示パネルの断面図である。 図3は、実施例1の液晶表示パネルの製造方法を示す図である。 図4は、実施例1から3および比較例1から3の液晶パネルの特性測定値を示す。 図5は、セルに電圧を印加したときの光学定数の変化を示す図であり、図5(A)は、オプトマーSS膜を形成したセルに電圧を印加したときの光学定数Δの変化を示す図であり、図5(B)は、オプトマーSS膜が形成されていないセルに電圧を印加したときの光学定数Δの変化を示す図である。
以下、本発明の実施形態について、図面を参照して具体的に説明する。
実施例1について、図1から図5を参照して説明する。
図1は、実施例1のコレステリック液晶を用いた表示装置(デバイス)の概略構成を示す図である。実施例1の表示装置は、コレステリック液晶を用いた液晶表示パネル10と、駆動部40と、走査電極駆動回路42と、データ電極駆動回路44と、を有する。
図1は、表示パネル10を基板に垂直な方向から見た場合を示している。表示パネル10は、複数の平行な走査電極16を形成した上側基板と、複数の平行なデータ電極18を形成した下側基板を対向して配置し、基板間に液晶を充填した構造を有する。複数の走査電極16と複数のデータ電極18は、透明電極で、基板に垂直な方向から見た場合に、直交するように配置され、走査電極16とデータ電極18が交差する領域が画素領域になる。したがって、複数の画素電極はマトリクス状に配置される。
走査電極駆動回路42は、例えばTCP(テープキャリアパッケージ)構造の汎用のSTN用ドライバICなどを搭載し、複数の走査電極16を駆動する。データ電極駆動回路44は、TCP構造の汎用のSTN用ドライバICなどを搭載し、複数のデータ電極18を駆動する。駆動部40は、走査電極駆動回路42およびデータ電極駆動回路44に電源および制御信号を供給する。走査電極駆動回路42は上側基板の端部に、データ電極駆動回路44は下側基板の端部に、それぞれ搭載される。なお、上側基板にデータ電極18を形成し、下側基板に走査電極16を形成する変形例も可能である。また、カラー表示を行う場合には、選択反射波長の中心がそれぞれ青色(約480nm)、緑色(約550nm)および赤色(約630nm)の3枚のパネルを、画素位置を一致させて積層する。以下、1枚のパネルの場合を例として説明するが、積層パネルの場合も同様である。コレステリック液晶を用いた表示装置(デバイス)については、広く知られているので、これ以上の説明は省略する。
図2は、実施例1のコレステリック液晶を用いた液晶表示パネル10の断面図である。図2(A)が全体図を、図2(B)が一部を拡大した図を示す。
図2の(A)に示すように、液晶表示パネル10は、所定の間隔で対向して配置された上側基板12および下側基板14を有する。少なくとも上側基板12は、透明基材で形成されるが、ここでは上側基板12および下側基板14の両方とも透明基材で形成しており、下側基板14の背面に図示していない可視光吸収層が設けられる。可視光吸収層が設けられるので、液晶層22で反射されなかった光が効率よく吸収される。これにより、液晶表示装置は、コントラスト比の高い表示を実現する。
上側基板12の対向する側の表面には、走査電極16が形成され、下側基板14対向する側の表面には、データ電極18が形成される。さらに、図2の(B)に示すように、走査電極16および上側基板12の対向する側の表面には、樹脂膜24が形成され、データ電極18および下側基板14の対向する側の表面には、樹脂膜26が形成される。そして、対向する上側基板12および下側基板14の外周囲に塗布されたシール材20により貼り合わされ、その隙間に液晶が注入され、液晶層22が形成される。この時、液晶層22の厚さ(セルギャップ)を均一に保持するため、樹脂製または無機酸化物製の球状スペーサを表示面の全面に散布したり、柱状スペーサを液晶層22内に複数形成する。液晶層22のセルギャップdは2μm≦d≦8μmの範囲であることが好ましい。セルギャップdがこの範囲より小さいとプレーナ状態での液晶層22の反射率が低くなり、この範囲より大きいと駆動電圧を高くする必要がある。
基板に使用する透明基材としては、ガラス基材および樹脂基材が使用され、例えば、石英ガラス、ソーダガラス、ホウケイ酸ガラス等のガラス基材、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレンナフタレート(PEN)、ポリエーテルサルフォン(PES)、ポリサルフォン(PSF)、および日本ゼオン社製のゼオノアおよびゼオネックス(商品名)、JSR社製のアートン(商品名)などのシクロオレフィン系樹脂類などの樹脂基材が使用される。
透明基材でない下側基板14の場合には、下側基板14は、例えば金属、セラミックなどで形成する。
上側基板12に形成される走査電極16および下側基板14に形成されるデータ電極18は、例えばインジウム錫酸化物(Indium Tin Oxide:ITO)膜で形成される。透明電極膜は、他に、例えばインジウム亜鉛酸化物(Indium Zic Oxide:IZO)、酸化錫等の酸化物系の透明電膜、アルミニュームあるいはシリコン等の金属電極膜、またはアモルファスシリコン等の光導電性膜などで形成してもよい。
走査電極16およびデータ電極18の表面および上側基板12および下側基板14の電極以外の面を被膜する樹脂膜24および26は、熱反応型アクリルを用いて形成する。熱反応型アクリルとしては、例えばJSR社製のオプトマーSS(商品名)や日油社製のノフキュア(商品名)などの、酸/エポキシ架橋構造を有するアクリル樹脂を使用する。酸は、カルボン酸などである。アクリル樹脂は、一部にエポキシ基を有する。被膜を形成する手法としては、スピンコート法やフレキソ印刷法、スリットコート法などの公知の手法を使用すればよい。塗布により膜生成後、加熱することにより、カルボン酸などの酸を含む成分と、エポキシを含む成分が反応して、架橋構造を形成し、溶剤を除去して樹脂膜を形成する。
加熱後の膜厚は、焼付低減硬化の点からは制限はないが、駆動時の電圧降下を小さくするために、例えば300nm以下であることが望ましい。
液晶層22を形成する液晶組成物は、例えばネマティック液晶混合物にカイラル材を10〜40重量%程度添加したコレステリック液晶である。カイラル材の添加率は、ネマティック液晶成分とカイラル材との合計量を100重量%とした時の値である。ネマティック液晶成分とカイラル材との配合比により、反射する光の色や、その他の各種特性が決定される。
ネマティック液晶成分としては、公知のものを用いることができるが、液晶層22の駆動電圧を比較的低くするには、例えば誘電率異方性Δεが20≦Δε≦50であることが望ましい。また、コレステリック液晶の屈折率異方性Δnが、例えば0.18≦Δn≦0.24であることが望ましい。屈折率異方性Δnがこの範囲より小さいと、プレーナ状態での液晶層22の反射率が低くなる。一方、屈折率異方性Δnがこの範囲より大きいと、フォーカルコニック状態での液晶層22の散乱反射が大きくなり、さらに粘度も高くなるため応答速度が低下する。
図3は、実施例1の液晶表示パネル10の製造方法を示す図である。
リソグラフィー法により、上側基板12の上に複数本の透明な帯状の走査電極16を、下側基板14の上に複数の透明な帯状のデータ電極18を、それぞれ形成する。次に、上側基板12および下側基板14の上に、例えばJSR社製の平坦化膜オプトマーSS(商品名)をスピンコートにより塗布し、150℃で1時間ベークを行い、樹脂膜24および26を形成した。下側基板14の上にスペーサビーズ28を散布する。上側基板12の周囲に、UV硬化樹脂によりシール材20を形成する。そして、上側基板12と下側基板14を貼り合わせ、UV照射を行ってシール材20を硬化して基板を固定する。その後、上側基板12と下側基板14の隙間に、注入口(図示せず)からコレステリック液晶を注入し、注入工を封止する。さらに、上側基板12および下側基板14の端部の電極端子部に、ACF(異方性導電フィルム)を介してFPC(Flexible Printed Circuit)を加熱圧着する。このように、液晶表示パネルを製造する。
以上、実施例1のコレステリック液晶を用いた表示装置について説明したが、以下に説明する実施例2および実施例3で、樹脂膜24および26を変えた液晶パネルを製造して、焼付に関する特性比較を行った。また、実施例1から実施例3の液晶パネルの特性を比較するために、比較例1から実施例3で、熱反応型アクリル樹脂による樹脂膜24および26を設けない液晶パネルを製造して、焼付に関する特性比較を行った。
実施例1の液晶パネルの下側基板14に、平坦化膜オプトマーSS(商品名)で樹脂膜26を形成する代わりに、日産化学社製の垂直配向系ポリイミド配向膜SE5300(商品名)を形成し、それ以外は実施例1と同じ液晶パネルを製造した。
実施例1の液晶パネルの下側基板14に、平坦化膜オプトマーSS(商品名)で樹脂膜26を形成する代わりに、日産化学社製の高プレチルトポリイミド配向膜SE5A20を形成し、それ以外は実施例1と同じ液晶パネルを製造した。
[比較例1]
実施例1の液晶パネルでは、上側基板12および下側基板14に、平坦化膜オプトマーSS(商品名)で樹脂膜24および26を形成したが、樹脂膜24および26を形成せず、それ以外は実施例1と同じ液晶パネルを製造した。言い換えれば、樹脂膜24および26の無い液晶パネルを製造した。
[比較例2]
実施例1の液晶パネルの上側基板12および下側基板14に、平坦化膜オプトマーSS(商品名)で樹脂膜24および26を形成する代わりに、日産化学社製の垂直配向系ポリイミド配向膜SE5300(商品名)を形成し、それ以外は実施例1と同じ液晶パネルを製造した。言い換えれば、樹脂膜24および26が無く、代わりに垂直配向系ポリイミド配向膜を形成した液晶パネルを製造した。
[比較例3]
実施例1の液晶パネルの上側基板12および下側基板14に、平坦化膜オプトマーSS(商品名)で樹脂膜24および26を形成する代わりに、例えば日産化学社製の水平配向系ポリイミド配向膜SE5291(商品名)を形成し、それ以外は実施例1と同じ液晶パネルを製造した。言い換えれば、樹脂膜24および26が無く、代わりに水平配向系ポリイミド配向膜を形成した液晶パネルを製造した。
以下に説明する方法で、実施例1から3および比較例1から3の液晶パネルの焼付特性を評価した。
液晶パネルを、表示画面の半分の表示画素をプレーナ状態に、残りの半分の表示画素をフォーカルコニック状態にし、そのまま1週間放置した。
次に、表示画面全体をプレーナ状態に、次いでフォーカルコニック状態とし、ライトボックスを用いて液晶パネルの表示面に照明を当て、例えばアイシステム社製のEyescale3(商品名)を用いて、表示面をそれぞれ撮像した。その画像から、プレーナ状態、フォーカルコニック状態の明度L、およびプレーナ状態において1週間プレーナ状態に放置した領域の明度LLPLと、1週間フォーカルコニック状態に放置した領域の明度LLFCとの差ΔL(=LLPL−LLFC)を焼付量の指標として算出した。
図4は、実施例1から3および比較例1から3の液晶パネルの特性測定値を示す。
図4の測定値から、以下のことが確認できる。
実施例1の液晶パネルでは、ΔLが0.2と小さく、焼付による明度差はほとんど視認できなかった。
実施例2の液晶パネルでは、ΔLが0.9とやや大きくなり、焼付による明度差はわずかに視認できるが、実施例1と比べて高いコントラストが得られる。
実施例3の液晶パネルでは、実施例2に近いコントラストが得られるが、ΔLが4.8になり、焼付による明度差がやや視認できる程度に劣化する。
比較例1の液晶パネルでは、ΔLが11.2になり、焼付による明度差が明確に視認できる。
比較例2の液晶パネルでは、ΔLが1.1と小さいが、プレーナ状態での明度Lが低下するため、好ましくない。
比較例3の液晶パネルでは、ΔLが25.2と大きくなり、焼付による明度差が顕著に視認される。
以上の結果より、対向する基板表面の電極および電極の無い部分を、熱反応型アクリル樹脂で被膜することにより、明度およびコントラストといった表示特性を損なうことなく、焼付量を低減することができ、高品質の表示を実現できることが判明した。アクリル樹脂膜は、対向する2枚の基板に形成しても、2枚の基板の一方に形成しても、焼付量を低減できる。2枚の基板の一方にアクリル樹脂膜を形成する場合には、他方の基板には垂直配向系配向膜を形成することが望ましい。垂直配向系配向膜は、ポリイミド樹脂以外にも、例えばポリアミドイミド樹脂、ポリエーテルイミド樹脂、ポリビニルブチラール樹脂などで形成できる。
ここで、コレステリック液晶を用いた表示装置(デバイス)における焼付のメカニズムについて考察する。前述のように、表示中は常時電界を印加する一般的な液晶表示装置では電界の印加により焼付が発生するのに対して、コレステリック液晶を用いた表示装置では無電界状態で焼付が発生する点で、発生メカニズムはまったく異なると考えられる。
液晶層の基板側界面近傍には、電極表面にアンカリングされ、電界に対して完全に応答できない液晶分子層が存在すると考えられる。また、基板側界面近傍の液晶の配向状態に影響される液晶層が電極面からある距離まで存在すると考えられる。しかしながら、これらの液晶分子は、長時間同じ表示のまま放置された場合には、熱振動など、電気的な力以外の力により、時間をかけてゆっくりとその表示状態の配向に変化していく。これらの電極界面近傍の液晶分子は、次の書き換え時に電圧を印加しても電気的な力では完全に応答しないため、少なからず前の表示状態に影響された配向状態となる。このために、例えば、長時間プレーナ状態であった画素とフォーカルコニック状態であった画素とを同じ状態に書き換えた場合に、両者の配向状態に差が生じる。これは、コレステリック液晶の電圧−反射特性のカーブが、前の状態により少しずれる形で現れると考えられる。同じ電圧を印加しても、前にプレーナ状態であった画素の反射率はわずかに高くなるようにずれ、前にフォーカルコニック状態であった画素の反射率はわずかに低くなるようにずれ、明度差が焼付と認識されると考えられる。
そこで、焼付は、基板側界面近傍の液晶分子の配向状態が電界以外の力で変化することにより生じることから、表示面の全域において、基板側界面近傍の液晶分子の配向状態を一様に規制すれば焼付による明度さが生じにくくなると考えられることに想到した。そして、実施例1から3のように、電極面に熱反応型アクリル樹脂で被膜を形成することにより、基板側界面近傍の液晶分子の応答性を低下させ、配向状態が変わりにくい状態を作り出せることを見出した。配向状態が変わりにくい状態は、例えばエリプソメーターでの光学測定により確認できる。このとき、測定光を電極の、液晶に接する面で反射させることにより、電極に接した領域の液晶層の状態を検出することができる。
図5は、セルに電圧を印加したときの光学定数の変化を示す図であり、図5(A)は、オプトマーSS膜を形成したセルに電圧を印加したときの光学定数Δの変化を示す図、図5(B)は、オプトマーSS膜が形成されていないセルに電圧を印加したときの光学定数Δの変化を示す図である。図5(A)に示すように、オプトマーSS膜を形成した場合、電圧印加時のΔの変化が小さく、電極面付近の液晶の配向状態の変化がほとんど無い。一方、図5(B)に示すように、オプトマーSS膜が形成されていない場合、電圧印加時のΔの変化が大きく、状態が変わることを示している。このように、表示素子がどのような表示状態であっても、液晶層の基板側界面近傍における液晶分子の状態が、前記液晶層に印加される電圧によらず固定されているため、焼付も少なくなる。
図4の測定結果から、熱反応型アクリル樹脂膜は、対向する2つの電極面の両方に形成されていてもよいが、一方の電極面に設けるだけでも効果がある。一方の電極面に設ける場合、観察面に近い側の基板の電極面に形成することが望ましい。
また、図4の測定結果から、熱反応型アクリル樹脂膜を一方の基板の電極面に設ける場合、他方の基板の電極面には垂直配向系の配向膜を形成することが望ましい。熱反応型アクリル樹脂膜を形成すると、焼付は低減されるが、電極界面近傍の液晶分子は一様に配向し、電界を印加しても異なる配向状態になりにくいため、コントラストが低下する場合がある。そのため、他方の基板に垂直配向系の配向膜を形成することにより、焼付を低くおさえながら、コントラストを向上させることができる。
配向膜としては、水平配向系の配向膜もあるが、一方の基板に熱反応型アクリル樹脂膜を設ける場合、他方の基板には垂直配向系の配向膜を設けることが望ましい。
なお、熱反応型アクリル樹脂膜を一方の基板の電極面に設けることにより、電極界面近傍の液晶分子の応答性が小さくなった状態は、全反射型のエリプソメーターなどで電圧印加時の光学係数の変化量が小さくなることから確認できた。
以上、実施形態を説明したが、ここに記載したすべての例や条件は、発明および技術に適用する発明の概念の理解を助ける目的で記載されたものであり、特に記載された例や条件は発明の範囲を制限することを意図するものではなく、明細書のそのような例の構成は発明の利点および欠点を示すものではない。発明の実施形態を詳細に記載したが、各種の変更、置き換え、変形が発明の精神および範囲を逸脱することなく行えることが理解されるべきである。
10 液晶パネル
12 上側基板
14 下側基板
16 走査電極
18 データ電極
20 シール材
22 液晶層
24 26 樹脂層

Claims (5)

  1. 液晶層と、
    前記液晶層を挟持する一対の基板と、を有し、
    前記液晶層の前記基板側界面近傍における液晶分子の状態が、前記液晶層に印加される電圧によらず固定されていることを特徴とする表示装置。
  2. 固定されている前記液晶分子の状態は、光を反射するような角度を有していることを特徴とする請求項1記載の表示装置。
  3. 前記液晶層における前記液晶分子の配向状態は、メモリ性があり、前記液晶層に電界を印加しなくても配向状態が保持されることを特徴とする請求項1または2記載の表示装置。
  4. 前記液晶層は、コレステリック液晶層であることを特徴とする請求項3記載の表示装置。
  5. 前記一対の基板の少なくとも一方は、液晶層との界面に、熱反応型アクリル樹脂層を備えることを特徴とする請求項1から4のいずれかに記載の表示装置。
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