[第1実施形態]
以下、本発明に係る遊技機用可動演出装置を具現化した第1実施形態について、図面を参照して説明する。なお、図1は、本発明の第1実施形態に係る遊技機用可動演出装置を備えた遊技機を例示する正面図であり、図2は、図1の遊技機において遊技機用可動演出装置を動作させた状態を例示する正面である。まず、図1、図2を参照して遊技機1の構成を概説する。
(遊技機の構成)
図1に示す遊技機1は、いわゆるパチンコ機として構成されており、遊技者側に配される前面枠2に形成された窓部に透明板(ガラス板等)が配置され、遊技者が、透明板を介して後方の遊技領域5aを視認できるように構成されている。また、透明板の後方(奥側)には、遊技盤5が配置され、この遊技盤上にガイドレール3等によって区画された遊技領域(遊技球が流下可能な領域)5aが形成されている。更に、遊技領域5aの中央部には、液晶表示装置11と、後述する遊技機用可動演出装置20とを備えたセンター装飾装置10が配置されており、遊技中に各種演出(例えば図2のような演出)が可能とされている。また、透明板の下方側には、遊技球を受ける遊技球受皿9や遊技球を発射する発射ハンドル8などが設けられている。
(遊技機用可動演出装置の構成)
次に、第1実施形態に係る遊技機用可動演出装置20について詳述する。
図3(A)は、第1実施形態に係る遊技機用可動演出装置を概略的に例示する斜視図であり、図3(B)は、その遊技機用可動演出装置を図3(A)とは異なる角度から見た斜視図である。図4(A)は、第1実施形態に係る遊技機用可動演出装置を概略的に例示する正面図であり、図4(B)は、その遊技機用可動演出装置の背面図である。図5(A)は、第1実施形態に係る遊技機用可動演出装置の平面図であり、図5(B)は、その遊技機用可動演出装置の裏面図である。図6(A)は、第1実施形態に係る遊技機用可動演出装置の左側面図であり、図5(B)は、その遊技機用可動演出装置の右側面図である。図7は、第1実施形態に係る遊技機用可動演出装置の分解斜視図である。図8は、第1実施形態に係る遊技機用可動演出装置における各回転ユニットの分解斜視図である。図9は、第1実施形態に係る遊技機用可動演出装置の各可動体の分解斜視図である。図10(A)は、第1実施形態に係る遊技機用可動演出装置の可動体及び回転ユニットの部分に対して治具を挿し通した状態を概略的に示す斜視図であり、図10(B)は、その側面図である。図11は、各回転ユニットの各確認孔に治具を挿し通した状態を概略的に示す斜視図である。図12(A)は、各可動体の各挿通孔に治具を挿し通した状態を概略的に示す斜視図であり、図12(B)はその側面図である。なお、図10,図11,図12は、説明上、治具201,202,203を挿し通した状態を示しているが、これら治具201,202,203は、組み立て作業や確認作業に用いるものであり、実際の使用時(遊技盤取付時)には、これら治具201,202,203は外されて使用されるようになっている。また、以下の説明では、回転ユニットや可動体の動作を説明する際に、図10,図11,図12を参照して説明することもあるが、回転ユニットや可動体が動作するときには、これら治具201,202,203が外されていることを先に述べておく。
上述したように、本実施形態に係る遊技機用可動演出装置20(以下、可動演出装置20とも言う)は、図1等に示すセンター装飾装置10の一部として構成されており、図示しない制御回路(CPUやメモリ等を備えてなる電子回路)によって電気的に制御されることで、例えば図2のように機械的に動作する構成をなしている。
第1実施形態に係る可動演出装置20は、全体として図3〜図6のような外観をなしている。図4等に示すように、可動演出装置20は、回転駆動する駆動軸22a(図7等)を備えたモータ22と、ケース24に揺動可能に保持される複数の可動体61〜69と、ケース24に回転可能に保持されると共にモータ22によって駆動される複数のカムユニット30,40,50(図4(A),図7等参照)とを備えており、これらカムユニット30,40,50の駆動に応じて各可動体61〜69が変位するようになっている。
まず、ケース24について説明する。
図3〜図6に示すように、ケース24は、遊技機用可動演出装置20の外殻をなしており、後述する各種部品を収容する構成をなしている。このケース24は、図7に示すように、第1ケース体24aと第2ケース体24bとが結合した構成をなしており、第1ケース体24aに形成された第1壁部25と、第2ケース体24bに形成された第2壁部26とによって回転ユニット71,72,73を回転可能に支持する構成をなしている。なお、各回転ユニット71,72,73は、後述する各歯車81,82,83(伝達部材)がそれぞれ各カムユニット30,40,50と一体的に連結してなるものであり、具体的な構成については後述する。
次に、モータ22について説明する。
モータ22は、公知のステッピングモータなどによって構成されるものであり、図3(A)、図4(A)に示すようにケース24に固定(図7の例では保持部材27に保持される形態で第1ケース体24aに固定)されている。このモータ22は、図示しない制御回路からの制御信号を受けて駆動軸22a(図7等)を回転させるように構成されており、この駆動軸22aの回転速度や回転角度は上記制御回路によって制御されるようになっている。更に、図7等に示すように、モータ22の駆動軸22aには歯車87が固定されており、モータ22の駆動に応じてケース24内で歯車87が回転するようになっている。
次に、歯車について説明する。
図3〜図6に示すケース24の内部には、図7、図8に示すように、3つのカムユニット30,40,50と、各カムユニット30,40,50に連結される3つの歯車81,82,83と、モータ22の駆動軸22aに連結される歯車87と、歯車87及び歯車81と連動する中間歯車85と、歯車82及び歯車83と連動する中間歯車86とが設けられている。歯車87、中間歯車85、中間歯車86は、第1ケース体24aの内壁側に固定される保持部材27に回転可能に保持されており、モータ22の回転駆動力が歯車87及び中間歯車85を介して歯車81及び歯車82に伝達され、更に歯車82の回転駆動力が中間歯車86を介して歯車83に伝達されるようになっている(図13も参照)。
歯車81,82,83は、伝達部材の一例に相当するものであり、それぞれが図8に示すねじ部材84,85,86によって各カムユニット30,40,50に一体的に固定されており、モータ22の回転駆動力を受けて中心軸G1,G2,G3(図10、図11、図13)を中心として回転するように構成されている。本実施形態の構成では、単一のモータ22の回転に応じて3つの歯車81,82,83が連動して回転するようになっており、これら各歯車81,82,83に対して各カムユニット30,40,50がそれぞれ一体的に取り付けられることで、3つのカムユニット30,40,50が連動して回転するようになっている。なお、歯車81,82,83及び中間歯車85,86は、例えば歯車87の回転に応じて各歯車81,82,83がほぼ同じ回転速度で回転するように各歯数が設定されている。また、各歯車81,82,83には、それぞれ中心軸G1,G2,G3(図1)の方向に貫通した確認孔81a,82a,83aが形成されている。これら確認孔81a,82a,83aは、確認孔81aから中心軸G1までの距離、確認孔82aから中心軸G2までの距離、確認孔83aから中心軸G3までの距離はいずれも同程度となっている。そして、確認孔81aから中心軸G1までの距離は、後述する各確認孔37a,38a,39aそれぞれから中心軸G1までの各距離と同程度となっており、確認孔82aから中心軸G2までの距離は、各確認孔47a,48a,49aそれぞれから中心軸G2までの各距離と同程度となっている。また、確認孔83aから中心軸G3までの距離は、各確認孔57a,58a,59aそれぞれから中心軸G3までの各距離と同程度となっている。具体的には、確認孔81aは、円板状に構成される歯車81において外周部に形成された各歯の歯底付近に形成され、歯車81を厚さ方向に貫通する構成で設けられている。同様に、確認孔82aは、円板状に構成される歯車82において外周部に形成された各歯の歯底付近に形成され、歯車82を厚さ方向に貫通する構成で設けられている。また、確認孔83aは、円板状に構成される歯車83において外周部に形成された各歯の歯底付近に形成され、歯車83を厚さ方向に貫通する構成で設けられている。
次に、カムユニット30,40,50について説明する。
カムユニット30,40,50は、いずれも複数のカム部材が一体的に連結した構成をなしている。
例えば、カムユニット30は、図7、図8に示すように、円柱状の3つのカム部材31,32,33が中心軸方向に並ぶ形態で一体的に連結された構成をなしており、全体として略円柱状に構成されている。各カム部材31〜33はいずれも、図10、図11に示す中心軸G1を中心として回転可能に構成されると共に、この中心軸G1を中心とする周方向の所定位置に当接作用部34〜36が形成され、且つ中心軸方向の一方寄りに半径方向に張り出す側壁部が形成されている。
このうち、カム部材31は、図8、図11のように、中心軸G1(図11)を中心として円筒状に構成される円筒部31aと、中心軸G1の周囲において周方向の所定位置に配置される当接作用部34と、円筒部31aから半径方向に張り出す側壁部37とを備えている。当接作用部34は、カム部材31が所定の回転位置となっているときに可動体61に当接して作用する部分であり、円筒部31aの半径方向外側に膨出した構成をなしている。具体的には、円筒部31aの周囲を部分的に取り囲む断面円弧状の周壁部34aと、円筒部31aから半径方向に沿って延びる当接壁34bと、円筒部31aから半径方向に沿って延びると共に当接壁34bに対して所定の角度で配置される反対壁34cとを備えている。また、カム部材31において、中心軸G1の方向の一方寄り(歯車81とは反対のカム部材32側)には、中心の円筒部31aから半径方向に張り出す板状の側壁部37が形成されている。この側壁部37は、円板状に構成されると共に板面が中心軸G1とほぼ直交する構成で配置されており、円筒部31aの周囲における当接作用部34が設けられていない領域に板厚方向に貫通する確認孔37aが形成されている。また、周壁部34aは、側壁部37の外周縁部の所定角度範囲において中心軸G1の方向に起立するように形成されており、この周壁部34aの周方向一端側には、側壁部37から中心軸G1の方向に起立するように当接部34bが形成され、周壁部34aの周方向他端側には、側壁部37から中心軸G1の方向に起立するように反対壁34cが形成されている。
また、カム部材32は、中心軸G1を中心として円筒状に構成される円筒部32aと、中心軸G1の周囲において周方向の所定位置に配置される当接作用部35と、円筒部32aから半径方向に張り出す側壁部38とを備えている。当接作用部35は、カム部材32が所定の回転位置となっているときに可動体62に当接して作用する部分であり、円筒部32aの半径方向外側に膨出した構成をなしている。具体的には、円筒部32aの周囲を部分的に取り囲む断面円弧状の周壁部35aと、円筒部32aから半径方向に沿って延びる当接壁35bと、円筒部32aから半径方向に沿って延びると共に当接壁35bに対して所定の角度で配置される反対壁35cとを備えている。また、カム部材32において、中心軸G1の方向の一方寄り(歯車81とは反対のカム部材33側)には、中心の円筒部32aから半径方向に張り出す板状の側壁部38が形成されている。この側壁部38は、円板状に構成されると共に板面が中心軸G1とほぼ直交する構成で配置されており、円筒部32aの周囲における当接作用部35が設けられていない領域に板厚方向に貫通する確認孔38aが形成されている。また、周壁部35aは、側壁部38の外周縁部の所定角度範囲において中心軸G1の方向に起立するように形成されており、この周壁部35aの周方向一端側には、側壁部38から中心軸G1の方向に起立するように当接部35bが形成され、周壁部35aの周方向他端側には、側壁部38から中心軸G1の方向に起立するように反対壁35cが形成されている。
また、カム部材33は、中心軸G1を中心として円筒状に構成される円筒部33aと、中心軸G1の周囲において周方向の所定位置に配置される当接作用部36と、円筒部33aから半径方向に張り出す側壁部39とを備えている。当接作用部36は、カム部材33が所定の回転位置となっているときに可動体63に当接して作用する部分であり、円筒部33aの半径方向外側に膨出した構成をなしている。具体的には、円筒部33aの周囲を部分的に取り囲む断面円弧状の周壁部36aと、円筒部33aから半径方向に沿って延びる当接壁36bと、円筒部33aから半径方向に沿って延びると共に当接壁36bに対して所定の角度で配置される反対壁36cとを備えている。また、カム部材33において、中心軸G1の方向の一方寄り(歯車81とは反対側)には、中心の円筒部33aから半径方向に張り出す板状の側壁部39が形成されている。この側壁部39は、円板状に構成されると共に板面が中心軸G1とほぼ直交する構成で配置されており、円筒部33aの周囲における当接作用部36が設けられていない領域に板厚方向に貫通する確認孔39aが形成されている。また、周壁部36aは、側壁部39の外周縁部の所定角度範囲において中心軸G1の方向に起立するように形成されており、この周壁部36aの周方向一端側には、側壁部39から中心軸G1の方向に起立するように当接部36bが形成され、周壁部36aの周方向他端側には、側壁部39から中心軸G1の方向に起立するように反対壁36cが形成されている。
上記カムユニット30では、隣り合う2つのカム部材が互いに当接する構成で並んでいる。例えば、図7、図11のように、隣り合う2つのカム部材31、32が互いに当接する構成で並んでおり、隣り合う2つのカム部材32、33についても互いに当接する構成で並んでいる。具体的には、隣り合う2つのカム部材31、32において、一方側のカム部材31の側壁部37が板状に構成され、当該一方側のカム部材31の側壁部37における外側の板面に対し、他方側のカム部材32の側壁面(側壁部38とは反対側の側壁面)が当接(押圧)された状態で固定されている。また、隣り合う2つのカム部材32、33において、一方側のカム部材32の側壁部38が板状に構成され、当該一方側のカム部材32の側壁部38における外側の板面に対し、他方側のカム部材33の側壁面(側壁部39とは反対側の側壁面)が当接(押圧)された状態で固定されている。なお、3つのカム部材31,32,33は、ねじ等の締結部材によって互いに連結されるようになっており、図8の例では、カム部材33に形成された軸方向の突出部33cが、カム部材32に形成された図示しない孔内に挿し通され、この突出部33cと、カム部材31の側壁部37とがねじ部材88aによって共締めされることにより、カム部材31,33の間にカム部材32が挟まれた形態でこれらが一体的に固定されるようになっている。
また、カム部材31の円筒部31aにおけるカム部材32側の端部には、当該カム部材32側に突出する3つの突起部31d(図11では1つのみ図示)が形成され、これら突起部31dが、カム部材32の円筒部32aにおけるカム部材31側の端部に形成された3つの窪み32cにそれぞれ嵌り込むようになっている。同様に、カム部材32の円筒部32aにおけるカム部材33側の端部には、当該カム部材33側に突出する3つの突起部(図示略)が形成され、これら突起部が、カム部材33の円筒部33aにおけるカム部材32側の端部に形成された3つの窪み33cに嵌り込むようになっている。なお、このようなカム部材同士の連結構造は、他のカムユニット40,50においても同様である。
このようにして連結されたカムユニット30に対し、更に上記歯車81が固定され、これにより一体的に回転する回転ユニット71が構成される。回転ユニット71の両側には、円筒状の軸受部材94,97が嵌め込まれるようになっており、具体的には、歯車81の中心部に形成された孔部81cに軸受部材94が嵌めこまれ、カム部材33の中心部に形成された孔部(図示略)にも軸受部材97が嵌めこまれるようになっている(図11も参照)。そして、これら軸受部材94,97及び各円筒部31a,32a,33aを貫通する構成で、棒状の軸部材91が挿し込まれるようになっている(図8、図10参照)。
以上のような構造で、カム部材31〜33及び歯車81が連結されているため、カム部材31において、当該カム部材31の側壁部37と、隣り合う歯車81によって挟まれた形態で凹部31bが形成され、初期状態のときに可動体61の被作用部61aを入り込ませて配置できるようになっている(図8、図10参照)。また、カム部材32において、当該カム部材32の側壁部38と、隣り合うカム部材31の側壁部37とによって挟まれた形態で凹部32bが形成され、初期状態のときに可動体62の被作用部62aを入り込ませて配置できるようになっている。同様に、カム部材33において、当該カム部材33の側壁部39と、隣り合うカム部材31の側壁部37とによって挟まれた形態で凹部33bが形成され、初期状態のときに可動体63の被作用部63aを入り込ませて配置できるようになっている。
また、このカムユニット30は、図11等に示すような正規位置で固定されているとき(即ち、各カム部材31,32,33の各確認孔37a,38a,39aが中心軸G1の方向に並んで互いに固定されているとき)、各カム部材31,32,33の当接作用部34,35,36がそれぞれ中心軸G1回りの周方向において他のカム部材の当接作用部とずらされた所定位置に配置され、且つ、当該カムユニット30の回転時に、各カム部材31,32,33の当接作用部34,35,36が各可動体61,62,63それぞれに作用する当接開始タイミングと、他のカム部材の当接作用部が可動体に作用する当接開始タイミングとが異なるように設定されている。
具体的には、当接作用部34の端部をなす当接壁34bが、他のカム部材32,33の各当接作用部35,36の端部をなす各当接壁35b,36bに対して周方向にずらされて配置されており、図3〜図6のような初期状態(待機状態)から回転ユニット71が回転したときの当接作用部34の当接壁34bが可動体61に当接する当接開始タイミングと、他の当接壁35b,36bが可動体62,63にそれぞれ当接する当接開始タイミングとが異なるように設定されている。同様に、当接作用部35の当接壁35bが可動体62に当接する当接開始タイミングと、他の当接壁34b,36bが可動体61,63にそれぞれ当接する当接開始タイミングとが異なるように設定され、更に、当接作用部36の当接壁36bが可動体63に当接する当接開始タイミングと、他の当接壁34b,35bが可動体61,62にそれぞれ当接する当接開始タイミングとが異なるように設定されている。
また、本実施形態では、図10(B)のように、可動体61が、中心軸G1の方向において歯車81の領域とカム部材31の領域とに跨っており(即ち、可動体61は、中心軸G1の方向において、自身に対応するカム部材31の領域だけでなく歯車81の領域側にまで及んでおり)、この可動体61と幅方向(中心軸G1方向)に隣接する可動体62は、当該中心軸G1方向においてカム部材31の領域とカム部材32の領域とに跨っている。更に、この可動体62と幅方向(中心軸G1方向)に隣接する可動体63は、当該中心軸G1方向においてカム部材32の領域とカム部材33の領域とに跨っている。そして、カム部材33の中心軸G1方向の長さ(幅)が、他のカム部材31,32の中心軸G1方向の長さ(幅)よりも小さく構成されており、可動体33における中心軸G1方向一方寄りに形成された被当接部63aが、幅の小さいカム部材33の凹部33b内に収容可能に構成されている。このように構成されているため、当接開始タイミングが一番遅く設定されているカム部材33の内部に被当接部63aが収容される時間が長くなり、先に可動体61,62が動作したとしても、可動体63の被当接部63aが幅の狭い凹部33b内で軸方向の動きを規制される形で、可動体63及びカム部材33が互いに位置決めされているため、カムユニット30の中心軸G1方向の位置が安定的に維持されやすくなる(即ち、カムユニット30が軸方向にずれにくくなる)。
ここで、可動体61〜69について詳述する。
各可動体61〜69は、いずれも長手状に構成されると共に長手方向一方側がケース24に回動可能に支持されており、いずれもケース24から外側に延び出た構成となっている。これら可動体61〜69は、図7、図9、図10に示すように、軸部材101に連結される第1可動部60aと、軸部材111に連結される第2可動部60bと、軸部材121に連結される第3可動部60cとを備えており、これら第1可動部60a、第2可動部60b、第3可動部60cが同一の構成をなしている。従って、具体的構成については第1可動部60aを主として説明し、他の第2可動部60b、第3可動部60cについては第1可動部60aと同一の構成として詳細な説明は省略する。
図7、図10に示すように、第1可動部60aを構成する各可動体61,62,63は、各カム部材31,32,33に対応して設けられており、各カム部材31,32,33の当接作用部34,35,36の当接に応じて変位する構成をなしている。図7、図9に示すように、いずれの可動体61,62,63も一端側に軸部材101が挿し通されることで回転可能状態で連結されており、この軸部材101がケース24の所定位置に固定されることで、各可動体61,62,63がケース24において中心軸G1,G2,G3に沿った回動軸を中心として回動可能に保持されるようになっている(図13、図15、図17参照)。各可動体61,62,63は、ケース24外に延出する側(先端部61b,62b,63b側)とは反対側(即ち基端側)において、軸部材101から所定方向(各先端部61b,62b,63bとは反対側の方向)に突出する形態で各当接作用部34,35,36の当接を受ける被作用部61a,62a,63aが形成されている。各可動体61,62,63は、所定の反対方向(図13では、反時計回り方向)側に規定位置(初期位置)まで回動したときに、各被作用部61a,62a,63aが各ストッパ141,142,143に当接するようになっており、これにより規定位置(初期位置)から前記反対方向に回動する動作が規制されるようになっている。そして、これら各可動体61,62,63は、前記規定位置(初期位置)にある状態で各当接作用部34,35,36によって各被作用部61a,62a,63aが側方に押し出されたときに、それぞれ所定の正方向(図13では、時計回り方向)に回動するようになっている。
また、可動体61,62,63の被当接部61a,62a,63aには、中心軸G1の方向に沿って貫通する確認孔61c,62c,63cがそれぞれ形成されている。一方、上述したように、各可動体61,62,63に作用するカム部材31,32,33の側壁部37,38,39にも、中心軸G1の方向に沿って貫通する確認孔37a,38a,39aがそれぞれ形成されている。そして、各可動体61,62,63が所定の回動位置(具体的には、上述の初期位置)となるときには、可動体61の被当接部61aが側壁部37に対向するように収まると共に被当接部61a及び側壁部37のそれぞれの確認孔61c,37aが中心軸G1の方向に並び、同様に、可動体62の被当接部62aが側壁部38に対向するように収まると共に被当接部62a及び側壁部38のそれぞれの確認孔62c,38aが中心軸G1の方向に並び、更には、可動体63の被当接部63aが側壁部39に対向するように収まると共に被当接部63a及び側壁部39のそれぞれの確認孔63c,39aが中心軸G1の方向に並ぶようになっている。そして、このときには、図10のように、歯車81の確認孔81a、各カム部材31,32,33の各確認孔37a,38a,39a、各可動体61,62,63の各確認孔61c,62c,63cが全て中心軸G1の方向に沿って並ぶようになっている。このように構成されているため、各可動体61,62,63が上記所定回動位置にあり、カムユニット30が所定の回転位置にあるときに、確認孔81a,37a,38a,39a,61c,62c,63cを貫通させるように治具201を通すことができるようになっている(図10参照)。
また、上述のように、各可動体61,62,63は、図10、図11に示す初期位置(図3〜図6も参照)からは、前記正方向(図13では時計回り方向)のみに回動するようになっており、各可動体61,62,63が初期位置から当該正方向に回動したときには、それぞれを初期位置に戻そうとする付勢力が生じるようになっている。具体的には、各可動体61,62,63の長手方向一端側にそれぞればね部材131,132,133が取り付けられており、図10等に示す初期位置のときには、各可動体61,62,63が各ストッパー141,142,143に当接すると共に、ばね部材131,132,133は、各可動体61,62,63を各ストッパー141,142,143側に押し付ける方向にある程度付勢するようになっている。そして、各可動体61,62,63がこの初期位置から前記正方向に回動したときには、各ばね部材131,132,133により、その回動方向とは反対方向へ付勢する付勢力が強まるようになっている。
この構成では、図10に示す初期状態(待機状態)のように、カムユニット30の回転位置が、各可動体61,62,63に対して当接作用部34,35,36が作用しない所定回転位置となっているときには、各可動体61,62,63の各被作用部61a,62a,63aが各カム部材31,32,33の各凹部31b,32b,33b内に収まると共に、各被作用部61a,62a,63aが中心軸G1の方向に並んで揃うようになっている(図10、図12参照)。なお、各凹部31b,32b,33bは、各円筒部31a,32a,33aの周囲において当接作用部34,35,36以外の領域に形成されるものであり、当接壁34b及び反対壁34cを内壁として凹部31bが形成され、当接壁35b及び反対壁35cを内壁として凹部32bが形成され、当接壁36b及び反対壁36cを内壁として凹部33bが形成されている。また、凹部31b,32b,33bの内壁をなす当接壁34b,35b,36bは、周方向において少しずつずれて配置されているため、図10のような初期位置(待機位置)からカムユニット30が回転すると、まず当接作用部34の当接壁34bが可動体61の被作用部61aに当接して図13、図14のように作用し、1番目の可動体61が倒れるよう動作する。カムユニット30が図13、図14の回転位置から更に回転すると、次に当接作用部35の当接壁35bが可動体62の被作用部62aに当接することとなり、これにより図15、図16のように作用し、2番目の可動体62が倒れるように動作する。カムユニット30が図15、図16の回転位置から更に回転すると、当接作用部36の当接壁36bが可動体63の被作用部63aに当接し、これにより図17、図18のように作用して、3番目の可動体63が倒れるように動作する。
また、図11に示すように、カムユニット30において各カム部材31,32,33の反対壁34c,35c,36cは周方向の位置が揃えられ、中心軸G1の方向に沿って反対壁34c,35c,36cが並んで配置されている。従って、カムユニット30が所定回転位置となったときに、各当接作用部34,35,36による作用(当接)が一斉に解除され、このとき、各ばね部材131,132,133の付勢によって各可動体61,62,63が初期位置に戻されることとなる。そして、各可動体61,62,63の各被作用部61a,62a,63aは再び凹部31b,32b,33b内に収容され、図10のように中心軸G1の方向に揃うようになっている。
なお、上記のようなカムユニット30の回転方法はあくまで一例であり、図17,図18のように3つの可動体61,62,63が倒れるまで回動した後に、カムユニット30をそれまでとは反対方向に回転させることで(即ち、カムユニット30が当該反対方向に回動するようにモータ22を反対回転で駆動することにより)、各可動体61,62,63を逆の順序(即ち、可動体63,可動体62,可動体61の順序)で順番に起き上がらせるように初期位置に戻すこともできる。
なお、カムユニット30は、上記のように反対壁34c,35c,36cの周方向の位置が揃えられており、更に、凹部31bの周方向の幅よりも凹部32bの周方向の幅の方が大きく、凹部32bの周方向の幅よりも凹部33bの周方向の幅の方が大きくなっているため、上述したように、カムユニット30の回転に応じて、最も幅の狭い凹部31bに収まっている被作用部61aが最も早く当接壁34bに当接し、その次に幅の狭い凹部32bに収まっている被作用部62aが次に当接壁35bに当接し、これらよりも幅の広い凹部33bに収まっている被作用部63aがその後に当接壁36bに当接することとなる。
次にカムユニット40について説明する。このカムユニット40は、図8、図11に示すように、円柱状の3つのカム部材41,42,43が中心軸G2の方向に並ぶ形態で一体的に連結された構成をなしており、全体として略円柱状に構成されている。各カム部材41,42,43はいずれも、図10、図11に示す中心軸G2を中心として回転可能に構成されると共に、この中心軸G2を中心とする周方向の所定位置に当接作用部が形成され、且つ中心軸方向の一方寄りに半径方向に張り出す側壁部が形成されている。
図8、図11に示すように、カム部材41は、中心軸G2を中心として円筒状に構成される円筒部41aと、中心軸G1の周囲において周方向の所定位置に配置される当接作用部44と、円筒部41aから半径方向に張り出す側壁部47とを備えている。当接作用部44は、カム部材41が所定の回転位置となっているときに可動体64(図10等)に当接して作用する部分であり、円筒部41aの半径方向外側に膨出した構成をなしている。具体的には、円筒部41aの周囲を部分的に取り囲む断面円弧状の周壁部44aと、円筒部41aから半径方向に沿って延びる当接壁44bと、円筒部41aから半径方向に沿って延びると共に当接壁44bに対して所定の角度で配置される反対壁44cとを備えている。また、カム部材41において、中心軸G2の方向の一方寄り(歯車82とは反対のカム部材42側)には、中心の円筒部41aから半径方向に張り出す板状の側壁部47が形成されている。この側壁部47は、円板状に構成されると共に板面が中心軸G2とほぼ直交する構成で配置されており、当接作用部44が設けられていない領域に板厚方向に貫通する確認孔47aが形成されている。また、周壁部44aは、側壁部47の外周縁部の所定角度範囲において中心軸G2の方向に起立するように形成されており、この周壁部44aの周方向一端側には、側壁部47から中心軸G2の方向に起立するように当接部44bが形成され、周壁部44aの周方向他端側には、側壁部47から中心軸G2の方向に起立するように反対壁34cが形成されている。
また、カム部材42は、中心軸G2を中心として円筒状に構成される円筒部42aと、中心軸G2の周囲において周方向の所定位置に配置される当接作用部45と、円筒部42aから半径方向に張り出す側壁部48とを備えている。当接作用部45は、カム部材42が所定の回転位置となっているときに可動体65(図10等)に当接して作用する部分であり、円筒部42aの半径方向外側に膨出した構成をなしている。具体的には、円筒部42aの周囲を部分的に取り囲む断面円弧状の周壁部45aと、円筒部42aから半径方向に沿って延びる当接壁45bと、円筒部42aから半径方向に沿って延びると共に当接壁45bに対して所定の角度で配置される反対壁45cとを備えている。また、カム部材42において、中心軸G2の方向の一方寄り(歯車82とは反対のカム部材43側)には、中心の円筒部42aから半径方向に張り出す板状の側壁部48が形成されている。この側壁部48は、円板状に構成されると共に板面が中心軸G2とほぼ直交する構成で配置されており、当接作用部45が設けられていない領域に板厚方向に貫通する確認孔48aが形成されている。また、周壁部45aは、側壁部48の外周縁部の所定角度範囲において中心軸G2の方向に起立するように形成されており、この周壁部45aの周方向一端側には、側壁部48から中心軸G2の方向に起立するように当接部45bが形成され、周壁部45aの周方向他端側には、側壁部48から中心軸G2の方向に起立するように反対壁35cが形成されている。
また、カム部材43は、中心軸G2を中心として円筒状に構成される円筒部43aと、中心軸G2の周囲において周方向の所定位置に配置される当接作用部46と、円筒部43aから半径方向に張り出す側壁部49とを備えている。当接作用部46は、カム部材43が所定の回転位置となっているときに可動体66(図10等)に当接して作用する部分であり、円筒部43aの半径方向外側に膨出した構成をなしている。具体的には、円筒部43aの周囲を部分的に取り囲む断面円弧状の周壁部46aと、円筒部43aから半径方向に沿って延びる当接壁46bと、円筒部43aから半径方向に沿って延びると共に当接壁46bに対して所定の角度で配置される反対壁46cとを備えている。また、カム部材43において、中心軸G2の方向の一方寄り(歯車82とは反対側)には、中心の円筒部43aから半径方向に張り出す板状の側壁部49が形成されている。この側壁部49は、円板状に構成されると共に板面が中心軸G2とほぼ直交する構成で配置されており、当接作用部46が設けられていない領域に板厚方向に貫通する確認孔49aが形成されている。また、周壁部46aは、側壁部49の外周縁部の所定角度範囲において中心軸G2の方向に起立するように形成されており、この周壁部46aの周方向一端側には、側壁部49から中心軸G2の方向に起立するように当接部46bが形成され、周壁部46aの周方向他端側には、側壁部49から中心軸G2の方向に起立するように反対壁36cが形成されている。
更に、上記カムユニット40では、隣り合う2つのカム部材が互いに当接する構成で並んでいる。例えば、図7、図11のように、隣り合う2つのカム部材41、42が互いに当接する構成で並んでおり、隣り合う2つのカム部材42,43についても互いに当接する構成で並んでいる。具体的には、隣り合う2つのカム部材41、42において、一方側のカム部材41の側壁部47が板状に構成され、当該一方側のカム部材41の側壁部47における外側の板面に対し、他方側のカム部材42の側壁面(側壁部48とは反対側の側壁面)が当接(押圧)された状態で固定されている。また、隣り合う2つのカム部材42,43において、一方側のカム部材42の側壁部48が板状に構成され、当該一方側のカム部材42の側壁部48における外側の板面に対し、他方側のカム部材43の側壁面(側壁部49とは反対側の側壁面)が当接(押圧)された状態で固定されている。なお、3つのカム部材41,42,43は、ねじ等の締結部材によって互いに連結されるようになっており、図8の例では、カム部材43に形成された軸方向の突出部43cが、カム部材42に形成された図示しない孔内に挿し通され、この突出部43cと、カム部材41の側壁部47とがねじ部材88bによって共締めされることにより、カム部材41,43の間にカム部材42が挟まれた形態でこれらが一体的に固定されるようになっている。
このようにして連結されたカムユニット40に対し、更に上記歯車82が固定され、これにより一体的に回転する回転ユニット72が構成されている。回転ユニット72の両側には、円筒状の軸受部材95,98が嵌め込まれるようになっており、具体的には、歯車82の中心部に形成された孔部82cに軸受部材95が嵌めこまれ、カム部材43の中心部に形成された孔部(図示略)に軸受部材98が嵌めこまれるようになっている(図11も参照)。そして、これら軸受部材95,98及び各円筒部41a,42a,43aを貫通する構成で、棒状の軸部材92が挿し込まれるようになっている(図8、図10参照)。
また、このカムユニット40も、図11等に示すような正規位置で固定されているとき(即ち、各カム部材41,42,43の各確認孔47a,48a,49aが中心軸G2の方向に並んで互いに固定されているとき)、各カム部材41,42,43の当接作用部44,45,46がそれぞれ中心軸G2回りの周方向において他のカム部材の当接作用部とずらされた所定位置に配置され、且つ、当該カムユニット40の回転時に、各カム部材41,42,43の当接作用部44,45,46が各可動体64,65,66それぞれに作用する当接開始タイミングと、他のカム部材の当接作用部が可動体に作用する当接開始タイミングとが異なるように設定されている。
具体的には、当接作用部44の端部をなす当接壁44bが、周方向において他のカム部材42,43の各当接作用部45,46の端部をなす各当接壁45b,46bに対して周方向にずらされて配置されており、図3〜図6に示すような初期状態(待機状態)から回転ユニット72が回転したときに当接作用部44の当接壁44bが可動体64(図10等)に当接する当接開始タイミングと、他の当接壁45b,46bが可動体65,66にそれぞれ当接する当接開始タイミングとが異なるように設定されている。同様に、当接作用部45の当接壁45bが可動体65に当接する当接開始タイミングと、他の当接壁44b,46bが可動体64,66にそれぞれ当接する当接開始タイミングとが異なるように設定され、更に、当接作用部46の当接壁46bが可動体66に当接する当接開始タイミングと、他の当接壁44b,45bが可動体64,65にそれぞれ当接する当接開始タイミングとが異なるように設定されている。
先に述べたように、第2可動部60bは上述の第1可動部60aと同様の構成をなしており、図3、図4、図7等に示すように、第1可動部60aと同様にケース24に保持されている。この構成では、図10に示す初期状態(待機状態)のように、カムユニット40の回転位置が、各可動体64,65,66に対して当接作用部44,45,46が作用しない所定回転位置となっているときには、各可動体64,65,66の各被作用部64a,65a,66aが各カム部材41,42,43の各凹部41b,42b,43b内に収まると共に、各被作用部64a,65a,66aが中心軸G2の方向に並んで揃うようになっている(図10、図12参照)。なお、各凹部41b,42b,43bは、各円筒部41a,42a,43aの周囲において当接作用部44,45,46以外の領域に形成されるものであり、当接壁44b及び反対壁44cを内壁として凹部41bが形成され、当接壁45b及び反対壁45cを内壁として凹部42bが形成され、当接壁46b及び反対壁46cを内壁として凹部43bが形成されている。また、凹部41b,42b,43bの内壁をなす当接壁44b,45b,46bは、周方向において少しずつずれて配置されているため、図10のような初期位置(待機位置)からカムユニット40が回転すると、まず当接作用部44の当接壁44bが可動体64の被作用部64aに当接して4番目の可動体64が倒れるよう動作する(可動体61の倒れ方(図13)と同様の動作であるため、図13等を参照)。その回転位置から更に回転すると、次に当接作用部45の当接壁45bが可動体65の被作用部65aに当接することとなり、これにより5番目の可動体65が倒れるように動作する(可動体62の倒れ方(図15)と同様の動作であるため、図15等を参照)。その回転位置から更に回転すると、当接作用部46の当接壁46bが可動体66の被作用部66aに当接し、これにより6番目の可動体66が倒れるように動作する(可動体62の倒れ方(図17)と同様の動作であるため、図17等を参照)。
また、図11に示すように、カムユニット40において各カム部材41,42,43の反対壁44c,45c,46cは周方向の位置が揃えられ、中心軸G2の方向に沿って反対壁44c,45c,46cが並んで配置されている。従って、カムユニット40が所定回転位置となったときに、各当接作用部44,45,46による作用(当接)が一斉に解除され、このとき、可動体64,65,66に設けられた各ばね部材の付勢によって各可動体64,65,66が初期位置に戻されることとなる。そして、各可動体64,65,66の各被作用部64a,65a,66aは再び凹部41b,42b,43b内に収容され、図10のように中心軸G2の方向(中心軸G1とほぼ平行な方向)に揃うようになっている。
また、カムユニット40も、上記のように反対壁44c,45c,46cの周方向の位置が揃えられており、更に、凹部41bの周方向の幅よりも凹部42bの周方向の幅の方が大きく、凹部42bの周方向の幅よりも凹部43bの周方向の幅の方が大きくなっているため、上述したように、カムユニット40の回転に応じて、最も幅の狭い凹部41bに収まっている被作用部64aが最も早く当接壁44bに当接し、その次に幅の狭い凹部42bに収まっている被作用部65aが次に当接壁45bに当接し、これらよりも幅の広い凹部43bに収まっている被作用部66aがその後に当接壁46bに当接することとなる。
また、本実施形態では、カムユニット40の各当接作用部44,45,46による作用(当接)が解除されるタイミング(即ち、可動体64,65,66の各被作用部64a,64b,64cが各凹部41b,42b,43bに入るタイミング)と、上述したカムユニット30の各当接作用部34,35,36による作用(当接)が解除されるタイミング(即ち、可動体61,62,63の各被作用部61a,62a,63aが各凹部31b,32b,33bに入るタイミング)とがほぼ同タイミングとなっている。そして、カム部材33の凹部33bの周方向の幅よりもカム部材41の凹部41bの周方向の幅の方が大きくなっており(即ち、当接壁36bと反対壁36cとのなす角度よりも、当接壁44bと反対壁44cとのなす角度の方が大きくなっており)、当接作用部44の当接壁44bが可動体64に当接する当接開始タイミングが、当接作用部36の当接壁36bが可動体63に当接する当接開始タイミングよりも遅れるようになっているため、図17、図18のように可動体61,62,63が動作した後に、可動体64が初期位置から倒れる動作が開始することとなる。そして、可動体61,62,63の動作(図13〜図18)と同様に、可動体64,65,66が順番に倒れるように動作がなされる。
次にカムユニット50について説明する。このカムユニット50も、図7、図8に示すように、円柱状の3つのカム部材51,52,53が中心軸G3の方向に並ぶ形態で一体的に連結された構成をなしており、全体として略円柱状に構成されている。各カム部材51〜53はいずれも、図10、図11に示す中心軸G3を中心として回転可能に構成されると共に、この中心軸G3を中心とする周方向の所定位置に当接作用部が形成され、且つ中心軸方向の一方寄りに半径方向に張り出す側壁部が形成されている。
図8等に示すように、カム部材51は、中心軸G3を中心として円筒状に構成される円筒部51aと、中心軸G3の周囲において周方向の所定位置に配置される当接作用部54と、円筒部51aから半径方向に張り出す側壁部57とを備えている。当接作用部54は、カム部材51が所定の回転位置となっているときに可動体67(図10等)に当接して作用する部分であり、円筒部51aの半径方向外側に膨出した構成をなしている。具体的には、円筒部51aの周囲を部分的に取り囲む断面円弧状の周壁部54aと、円筒部51aから半径方向に沿って延びる当接壁54bと、円筒部51aから半径方向に沿って延びると共に当接壁54bに対して所定の角度で配置される反対壁54cとを備えている。また、カム部材51において、中心軸G3の方向の一方寄り(歯車83とは反対のカム部材52側)には、中心の円筒部51aから半径方向に張り出す板状の側壁部57が形成されている。この側壁部57は、円板状に構成されると共に板面が中心軸G3とほぼ直交する構成で配置されており、円筒部51aの周囲における当接作用部54が設けられていない領域に板厚方向に貫通する確認孔57aが形成されている。また、周壁部54aは、側壁部57の外周縁部の所定角度範囲において中心軸G3の方向に起立するように形成されており、この周壁部54aの周方向一端側には、側壁部57から中心軸G3の方向に起立するように当接部54bが形成され、周壁部54aの周方向他端側には、側壁部57から中心軸G3の方向に起立するように反対壁54cが形成されている。
また、カム部材52は、中心軸G3を中心として円筒状に構成される円筒部52aと、中心軸G3の周囲において周方向の所定位置に配置される当接作用部55と、円筒部52aから半径方向に張り出す側壁部58とを備えている。当接作用部55は、カム部材52が所定の回転位置となっているときに可動体68(図10等)に当接して作用する部分であり、円筒部52aの半径方向外側に膨出した構成をなしている。具体的には、円筒部52aの周囲を部分的に取り囲む断面円弧状の周壁部55aと、円筒部52aから半径方向に沿って延びる当接壁55bと、円筒部52aから半径方向に沿って延びると共に当接壁55bに対して所定の角度で配置される反対壁55cとを備えている。また、カム部材52において、中心軸G3の方向の一方寄り(歯車83とは反対のカム部材53側)には、中心の円筒部52aから半径方向に張り出す板状の側壁部58が形成されている。この側壁部58は、円板状に構成されると共に板面が中心軸G3とほぼ直交する構成で配置されており、当接作用部55が設けられていない領域に板厚方向に貫通する確認孔58aが形成されている。また、周壁部55aは、側壁部58の外周縁部の所定角度範囲において中心軸G3の方向に起立するように形成されており、この周壁部55aの周方向一端側には、側壁部58から中心軸G3の方向に起立するように当接部55bが形成され、周壁部55aの周方向他端側には、側壁部58から中心軸G3の方向に起立するように反対壁55cが形成されている。
また、カム部材53は、中心軸G3を中心として円筒状に構成される円筒部53aと、中心軸G3の周囲において周方向の所定位置に配置される当接作用部56と、円筒部53aから半径方向に張り出す側壁部59とを備えている。当接作用部56は、カム部材53が所定の回転位置となっているときに可動体69(図10等)に当接して作用する部分であり、円筒部53aの半径方向外側に膨出した構成をなしている。具体的には、円筒部53aの周囲を部分的に取り囲む断面円弧状の周壁部56aと、円筒部53aから半径方向に沿って延びる当接壁56bと、円筒部53aから半径方向に沿って延びると共に当接壁56bに対して所定の角度で配置される反対壁56cとを備えている。また、カム部材53において、中心軸G3の方向の一方寄り(歯車83とは反対側)には、中心の円筒部53aから半径方向に張り出す板状の側壁部59が形成されている。この側壁部59は、円板状に構成されると共に板面が中心軸G3とほぼ直交する構成で配置されており、当接作用部56が設けられていない領域に板厚方向に貫通する確認孔59aが形成されている。
更に、上記カムユニット50では、隣り合う2つのカム部材が互いに当接する構成で並んでいる。例えば、図7、図11のように、隣り合う2つのカム部材51、52が互いに当接する構成で並んでおり、隣り合う2つのカム部材52、53についても互いに当接する構成で並んでいる。具体的には、隣り合う2つのカム部材51、52において、一方側のカム部材51の側壁部57が板状に構成され、当該一方側のカム部材51の側壁部57における外側の板面に対し、他方側のカム部材52の側壁面(側壁部58とは反対側の側壁面)が当接(押圧)された状態で固定されている。また、隣り合う2つのカム部材52、53において、一方側のカム部材52の側壁部58が板状に構成され、当該一方側のカム部材52の側壁部58における外側の板面に対し、他方側のカム部材53の側壁面(側壁部59とは反対側の側壁面)が当接(押圧)された状態で固定されている。なお、3つのカム部材51,52,53は、ねじ等の締結部材によって互いに連結されるようになっており、図8の例では、カム部材53に形成された軸方向の突出部53cが、カム部材52に形成された図示しない孔内に挿し通され、この突出部53cと、カム部材51の側壁部57とがねじ部材88cによって共締めされることにより、カム部材51,53の間にカム部材52が挟まれた形態でこれらが一体的に固定されるようになっている。
このようにして連結されたカムユニット50に対し、更に上記歯車83が固定され、これにより一体的に回転する回転ユニット73が構成されている。回転ユニット73の両側には、円筒状の軸受部材96,99が嵌め込まれるようになっており、具体的には、歯車83の中心部に形成された孔部83cに軸受部材96が嵌めこまれ、カム部材53の中心部に形成された孔部(図示略)に軸受部材99が嵌めこまれるようになっている(図11も参照)。そして、これら軸受部材96,99及び各円筒部51a,52a,53aを貫通する構成で、棒状の軸部材93が挿し込まれるようになっている(図8、図10参照)。
また、このカムユニット50も、図11等に示すような正規位置で固定されているとき(即ち、各カム部材51,52,53の各確認孔57a,58a,59aが中心軸G3の方向に並んで互いに固定されているとき)、各カム部材51,52,53の当接作用部54,55,56がそれぞれ中心軸G3回りの周方向において他のカム部材の当接作用部とずらされた所定位置に配置され、且つ、当該カムユニット50の回転時に、各カム部材51,52,53の当接作用部54,55,56が各可動体67,68,69それぞれに作用する当接開始タイミングと、他のカム部材の当接作用部が可動体に作用する当接開始タイミングとが異なるように設定されている。
具体的には、当接作用部54の端部をなす当接壁54bが、周方向において他のカム部材52,53の各当接作用部55,56の端部をなす各当接壁55b,56bに対して周方向にずらされて配置されており、図3〜図6に示すような初期状態(待機状態)から回転ユニット73が回転したときに当接作用部54の当接壁54bが可動体67(図10等)に当接する当接開始タイミングと、他の当接壁55b,56bが可動体68,69にそれぞれ当接する当接開始タイミングとが異なるように設定されている。同様に、当接作用部55の当接壁55bが可動体68に当接する当接開始タイミングと、他の当接壁54b,56bが可動体67,69にそれぞれ当接する当接開始タイミングとが異なるように設定され、更に、当接作用部56の当接壁56bが可動体69に当接する当接開始タイミングと、他の当接壁54b,55bが可動体67,68にそれぞれ当接する当接開始タイミングとが異なるように設定されている。
先に述べたように、第3可動部60cは上述の第1可動部60a、第2可動部60bと同様の構成をなしており、図3、図4、図7等に示すように、第1可動部60a、第2可動部60bと同様にケース24に保持されている。この構成では、図10に示す初期状態(待機状態)のように、カムユニット50の回転位置が、各可動体67,68,69に対して当接作用部54,55,56が作用しない所定回転位置となっているときには、各可動体67,68,69の各被作用部67a,68a,69aが各カム部材51,52,53の各凹部51b,52b,53b内に収まると共に、各被作用部67a,68a,69aが中心軸G3の方向に並んで揃うようになっている(図10、図12参照)。
なお、図11等に示す各凹部51b,52b,53bは、各円筒部51a,52a,53a(図8等)の周囲において当接作用部54,55,56以外の領域に形成されるものであり、当接壁54b及び反対壁54cを内壁として凹部51bが形成され、当接壁55b及び反対壁55cを内壁として凹部52bが形成され、当接壁56b及び反対壁56cを内壁として凹部53bが形成されている。また、凹部51b,52b,53bの内壁をなす当接壁54b,55b,56bは、周方向において少しずつずれて配置されているため、図10のような初期位置(待機位置)からカムユニット50が回転すると、まず当接作用部54の当接壁54bが可動体67の被作用部67aに当接して7番目の可動体67が倒れるよう動作する(可動体61の倒れ方(図13)と同様の動作であるため、図13等を参照)。その回転位置から更に回転すると、次に当接作用部55の当接壁55bが可動体68の被作用部68aに当接することとなり、これにより8番目の可動体68が倒れるように動作する(可動体62の倒れ方(図15)と同様の動作であるため、図15等を参照)。その回転位置から更に回転すると、当接作用部56の当接壁56bが可動体69の被作用部69aに当接し、これにより9番目の可動体69が倒れるように動作する(可動体62の倒れ方(図17)と同様の動作であるため、図17等を参照)。
また、図11に示すように、カムユニット50において各カム部材51,52,53の反対壁54c,55c,56cは周方向の位置が揃えられ、中心軸G3の方向に沿って反対壁54c,55c,56cが並んで配置されている。従って、カムユニット50が所定回転位置となったときに、各当接作用部54,55,56による作用(当接)が一斉に解除され、このとき、可動体67,68,69に設けられた各ばね部材の付勢によって各可動体67,68,69が初期位置に戻されることとなる。そして、各可動体67,68,69の各被作用部67a,68a,69aは再び凹部51b,52b,53b内に収容され、図10のように中心軸G3の方向(中心軸G1とほぼ平行な方向)に揃うようになっている。
また、カムユニット50も、上記のように反対壁54c,55c,56cの周方向の位置が揃えられており、更に、凹部51bの周方向の幅よりも凹部52bの周方向の幅の方が大きく(即ち、当接壁54bと反対壁54cとのなす角度よりも、当接壁55bと反対壁55cとのなす角度の方が大きく)、凹部52bの周方向の幅よりも凹部53bの周方向の幅の方が大きくなっているため(即ち、当接壁55bと反対壁55cとのなす角度よりも、当接壁56bと反対壁56cとのなす角度の方が大きくなっているため)、上述したように、カムユニット50の回転に応じて、最も幅の狭い凹部51bに収まっている被作用部67aが最も早く当接壁54bに当接し、その次に幅の狭い凹部52bに収まっている被作用部68aが次に当接壁55bに当接し、これらよりも幅の広い凹部53bに収まっている被作用部69aがその後に当接壁56bに当接することとなる。
また、本実施形態では、カムユニット40の各当接作用部54,55,56による作用(当接)が解除されるタイミング(即ち、可動体67,68,69の各被作用部67a,68b,69cが各凹部51b,52b,53bに入るタイミング)が、上述したカムユニット40の各当接作用部44,45,46による作用(当接)が解除されるタイミング(即ち、可動体64,65,66の各被作用部64a,65a,66aが各凹部41b,42b,43bに入るタイミング)とほぼ同タイミングとなっている。そして、カム部材43の凹部43bの周方向の幅よりもカム部材51の凹部51bの周方向の幅の方が大きくなっており(即ち、当接壁46bと反対壁46cとのなす角度よりも、当接壁54bと反対壁54cとのなす角度の方が大きくなっており)、当接作用部54の当接壁54bが可動体67に当接する当接開始タイミングが、当接作用部46の当接壁46bが可動体66に当接する当接開始タイミングよりも遅れるようになっているため、可動体61,62,63が動作してその後に可動体64,65,66が動作した後に、可動体67が初期位置から倒れる動作が開始することとなる。そして、可動体61,62,63の動作(図13〜図18)と同様に、可動体67,68,69が順番に倒れるように動作がなされる。
(組み付け及び位置合わせのための特徴構成)
本発明に係る遊技機用可動演出装置20は、上述したように、各カム部材の側壁部及び伝達部材において、中心軸の方向に貫通した確認孔が形成されているため、カム部材に対して伝達部材が規定の取付位置に配置されたときに、側壁部に形成された確認孔と伝達部材に形成された確認孔とが中心軸の方向に並ぶ位置合わせ状態となり、その位置合わせ状態でカム部材に対して伝達部材が固定されるようになっている。
具体的には、3つのカム部材31,32,33が中心軸G1の方向に並んで一体的に連結されるカムユニット30では、図11のように、各カム部材31,32,33に設けられた側壁部37,38,39にそれぞれ確認孔37a,38a,39aが形成され、それら確認孔37a,38a,39aが中心軸G1の方向に並ぶ状態でこれら3つのカム部材31,32,33が互いに固定されるようになっている。そして、カムユニット30に対して歯車81が所定位置に配置されたときに、各カム部材31,32,33に形成された各確認孔37a,38a,39aと歯車81に形成された確認孔81aとが中心軸G1の方向に並んで位置合わせ状態となり、その位置合わせ状態でカムユニット30に対して歯車81が固定されるようになっている。このように構成される回転ユニット71では、各確認孔37a,38a,39a,81aに治具201を挿し通すことで、回転ユニット71が正しい部品によって構成されているか否かの確認を行うことができ、且つ各カム部材31,32,33及び歯車81の正確な位置合わせを行うことができる。
また、カムユニット30と並列に配置されるカムユニット40も同様であり、図11のように、各カム部材41,42,43に設けられた側壁部47,48,49にそれぞれ確認孔47a,48a,49aが形成され、それら確認孔47a,48a,49aが中心軸G2(中心軸G1とほぼ平行な中心軸)の方向に並ぶ状態でこれら3つのカム部材41,42,43が互いに固定されるようになっている。そして、カムユニット40に対して歯車82が所定位置に配置されたときに、各カム部材41,42,43に形成された各確認孔47a,48a,49aと歯車82に形成された確認孔82aとが中心軸G2の方向に並んで位置合わせ状態となり、その位置合わせ状態でカムユニット40に対して歯車82が固定されるように構成されている。この回転ユニット72でも、各確認孔47a,48a,49a,82aに治具202を挿し通すことで、回転ユニット72が正しい部品によって構成されているか否かの確認を行うことができ、且つ各カム部材41,42,43及び歯車82の正確な位置合わせを行うことができる。
また、カムユニット30,40と並列に配置されるカムユニット50も同様であり、図11のように、各カム部材51,52,53に設けられた側壁部57,58,59にそれぞれ確認孔57a,58a,59aが形成され、それら確認孔57a,58a,59aが中心軸G3(中心軸G1とほぼ平行な中心軸)の方向に並ぶ状態でこれら3つのカム部材51,52,53が互いに固定されるようになっている。そして、カムユニット50に対して歯車83が所定位置に配置されたときに、各カム部材51,52,53に形成された各確認孔57a,58a,59aと歯車83に形成された確認孔83aとが中心軸G3の方向に並んで位置合わせ状態となり、その位置合わせ状態でカムユニット50に対して歯車83が固定されるように構成されている。この回転ユニット73でも、各確認孔57a,58a,59a,83aに治具203を挿し通すことで、回転ユニット73が正しい部品によって構成されているか否かの確認を行うことができ、且つ各カム部材51,52,53及び歯車83の正確な位置合わせを行うことができる。
また、本実施形態に係る遊技機用可動演出装置20は、図3、図4、図7のように、ケース24において、回転ユニット71,72,73の側部と対向する位置に貫通孔25a,25b,25c,26a,26b,26cが形成されており、各回転ユニット71,72,73が所定の回転位置のときに、カム部材及び伝達部材の確認孔と、ケース24の貫通孔とが各中心軸G1,G2,G3の方向に並ぶように構成されている。
ケース24は、回転ユニット71,72,73における各中心軸G1,G2,G3の方向の一方側を支持する第1壁部25と、他方側を支持する第2壁部26とによって構成されており、第1壁部25に貫通孔25a,25b,25cが形成され、第2壁部26に貫通孔26a,26b,26cが形成されている。
具体的には、第1壁部25において回転ユニット71と対向する位置に貫通孔25aが形成され、第2壁部26において、回転ユニット71と対向する位置に貫通孔26aが形成されている。そして、回転ユニット71が、所定の回転位置(図3、図4、図10に示す初期位置(待機位置))のときに、回転ユニット71の各確認孔37a,38a,39a,81aと、第1壁部25及び第2壁部26の貫通孔25a,26aが中心軸G1の方向に並び、図26〜図28のようにこれら確認孔37a,38a,39a,81a及び貫通孔25a,26aを貫通するように治具201を挿し通すことができるように構成されている。
また、第1壁部25において回転ユニット72と対向する位置に貫通孔25bが形成され、第2壁部26において、回転ユニット72と対向する位置に貫通孔26bが形成されている。そして、回転ユニット72が、所定の回転位置(図3、図4、図10に示す初期位置(待機位置))のときに、回転ユニット72の各確認孔47a,48a,49a,82aと、第1壁部25及び第2壁部26の貫通孔25b,26bが中心軸G2の方向に並び、図26〜図28のようにこれら確認孔47a,48a,49a,82a及び貫通孔25b,26bを貫通するように治具202を挿し通すことができるように構成されている。
また、第1壁部25において回転ユニット73と対向する位置に貫通孔25cが形成され、第2壁部26において、回転ユニット73と対向する位置に貫通孔26cが形成されている。そして、回転ユニット73が、所定の回転位置(図3、図4、図10に示す初期位置(待機位置))のときに、回転ユニット73の各確認孔57a,58a,59a,83aと、第1壁部25及び第2壁部26の貫通孔25c,26cが中心軸G3の方向に並び、図26〜図28のようにこれら確認孔57a,58a,59a,83a及び貫通孔25c,26cを貫通するように治具203を挿し通すことができるように構成されている。
次に、図19〜図29を参照して、上記遊技機用可動演出装置20の組み立て方の一例を説明する。なお、以下に示す組み立て方はあくまで一例であり、上述の遊技機用可動演出装置20を構成し得る組み立て方であれば他の方法を用いても良いことは言うまでもない。
まず、図19のように、ケース24の一方をなす第1ケース体24aを用意し、例えば、第1壁部25の板面を水平方向に沿って配置する。そして、図20のように、第1ケース体24aの内壁側に形成された穴部25d,25eに対して、回転ユニット75(図11等)を保持する軸部材91及び第1可動部60a(図7等)を保持する軸部材101をそれぞれ挿入する。また、第1ケース体24aの内壁側に形成された穴部25fに、ばね部材131,132,133(図9等)の一端側を支持する軸部材102を挿入する。本実施形態では、各軸部材91,101,102が各穴部25d,25e,25fと嵌合したときに、第1壁部25の板面に対して各軸部材91,101,102がほぼ直交する方向に延びるようになっている。
図20のように配置した後には、図21のように、軸部材101を1番目の可動体61の一端側に挿し通すように配置し、更に、ばね部材131を可動体61及び軸部材102にそれぞれ取り付ける。このとき、軸部材102を挿通する形態でストッパ141を第1ケース体24aに固定する。ばね部材131は一端部が可動体61の長手方向一端側に取り付けられ、他端部が軸部材102に形成された溝部102aに引っ掛けられる。これにより、ばね部材131の他端部がケース24に固定されることとなり、可動体61の回動に応じて伸び縮みすることとなる。
図21のように配置した後には、可動体61及びばね部材131と同様の方法で、可動体62、ばね部材132、ストッパ142を取り付け、更に、同様の方法で可動体63、ばね部材133、ストッパ143を取り付ける(図22参照)。このとき、ばね部材132は、一端部が可動体62の長手方向一端側に取り付けられ、他端部が軸部材102に形成された溝部102b(図20)に引っ掛けられる。また、ばね部材133も同様であり、一端部が可動体63の長手方向一端側に取り付けられ、他端部が軸部材102に形成された溝部102c(図20)に引っ掛けられる。
図22のように配置した後には、図23のように、回転ユニット71の中心部に軸部材91を挿し通すようにして回転ユニット71を取り付ける。なお、回転ユニット71は予め図8のような各部品が組み付けられて一体化されており、この一体化させる組み付けの際には、図11のように、各確認孔37a,38a,39a,81aに治具201を挿し通して位置合わせしながら各部品を互いに固定することができる。そして、このように一体化された回転ユニット71を図23のように配置することで、回転ユニット71がケース24に回転可能に保持されることとなる。なお、回転ユニット71を取り付ける際には、可動体61,62,63を回動させて被作用部61a,62a,63aが側壁部37,38,39に干渉しないように、側方に退避させた状態で回転ユニット71を軸部材91に挿し通す。そして、このように回転ユニット71を取り付けたあとに可動体61,62,63を初期位置に戻せば、凹部31b,32b,33bに被作用部61a,62a,63aが収容される形で、問題なく可動体61,62,63を初期位置に設定することができる。
このようにして軸部材91,101,102,第1可動部60a,ばね部材131,132,133,回転ユニット71を装着した後には、これと同様の方法で、軸部材92,111,112,第1可動部60b,第1可動部60bにそれぞれ取り付けられる各ばね部材(ばね部材131,132,133と同様のばね部材:図示略),回転ユニット72を取り付ける(図24参照)。また、同様に、軸部材93,121,122,第1可動部60c,第1可動部60bcそれぞれ取り付けられる各ばね部材(ばね部材131,132,133と同様のばね部材:図示略),回転ユニット73を取り付ける(図24参照)。
図24のように配置した後には、図25のように第1ケース体24aに対して第2ケース体24bを固定する。このとき、第2ケース体24bの内側に形成された各穴181〜189(図7参照)に各軸部材91,92,93,101,102,111,112,121,122の端部が挿入されてそれぞれ回転可能に支持される。なお、ストッパ141、142,143は、ストッパ141とストッパ142とが軸方向に並んで互いに嵌合し、ストッパ142とストッパ143とが軸方向に並んで互いに嵌合するようになっており、ストッパ141が、ねじ部材(図示略)によって第1ケース体24aに固定され、ストッパ143が、ねじ部材191によって第2ケース体24bに固定されるようになっている。
図25のように配置した後には、図26のように各治具201,202,203を挿入して各回転ユニット71,72,73の角度を位置合わせする。本実施形態では、貫通孔25a,26aが、回転ユニット71の中心軸G1の方向に並んで配置されているため、回転ユニット71の各確認孔37a,38a,39a,81aがこれら貫通孔25a,26aと並ぶように回転ユニット71の回転角度を調整することにより、治具201を挿し通すことができるようになる。同様に、貫通孔25b,26ab、回転ユニット72の中心軸G2の方向に並んで配置されているため、回転ユニット72の各確認孔47a,48a,49a,82aがこれら貫通孔25b,26bと並ぶように回転ユニット72の回転角度を調整することにより、治具202を挿し通すことができるようになる。また、貫通孔25c,26cが、回転ユニット73の中心軸G3の方向に並んで配置されているため、回転ユニット73の各確認孔57a,58a,59a,83aがこれら貫通孔25c,26cと並ぶように回転ユニット73の回転角度を調整することにより、治具203を挿し通すことができるようになる。
そして、図26のように各治具201,202,203を挿し通した状態で、各歯車81,82,83に対して各中間歯車85,86を噛み合わせるように配置する(図27参照)。この中間歯車85,86は、第1ケース体24aの第1壁部25の内側に形成された各穴部25g,25h(図19等)に各歯車85,86の中心軸部が挿入されることで、第1ケース体24aに対して位置決めされる。また、中間歯車85に対して歯車87を噛み合わせるように配置する。この歯車87は、第1ケース体24aの第1壁部25の内側に形成された各穴部25i(図19等)に中心軸部が挿入されることで、第1ケース体24aに対して位置決めされる。
そして、図27のように各歯車を配置した状態で、図28のように、第1ケース体24aに対して保持部材27を固定する。このように保持部材27を固定することで、各中間歯車85,86の中心軸部85a,86aが保持部材27に形成された図示しない穴部に挿入され、各中間歯車85,86がケース24に回転可能に保持されることとなる。また、歯車87の中心部に駆動軸22a(図7等)を嵌合させると共に、保持部材27に固定する形態でモータ22を取り付ける。そして、挿入していた各治具201,202,203を抜くこととなる。
第1実施形態に係る遊技機用可動演出装置20が完成することとなる(図29参照)。
このように、本実施形態に係る遊技機用可動演出装置20では、冶具201,202,203を挿入することで、カム部材の初期位置の決定を行うことができる。そして、各カムユニット30,40,50における中心軸G1,G2,G3の軸方向に対するカム部材の位置合わせ、及び、中心軸G1,G2,G3が並列に配列するカム部材の位置合わせ(動作のタイミングの設定)を簡単に行うことができる。そして、最後に、第1ケース体24aの外面側に初期位置を検知するフォトセンサ198を固定することにより完成することとなる。なお、このフォトセンサ198は、回転ユニット71の歯車81に形成された突起部197が所定位置となったことを検出するように構成されている。
(第1実施形態の主な効果)
本実施形態に係る遊技機用可動演出装置20は、回転駆動する駆動軸22aを備えたモータ22と、所定の中心軸を中心として回転可能に構成されると共に、中心軸を中心とする周方向の所定位置に当接作用部が形成され、且つ中心軸方向の一方寄りに半径方向に張り出す側壁部が形成されたカム部材と、カム部材に対応して設けられ、カム部材の当接作用部の当接に応じて変位する可動体と、カム部材に一体的に固定され、モータ22の駆動力を受けて中心軸を中心として回転する伝達部材と、を備えている。この構成によれば、モータ22の駆動力をカム部材に伝達し、カム部材の作用によって可動体を変位させ得る構成を簡易に実現できる。
更に、カム部材の側壁部及び伝達部材には、中心軸の方向に貫通した確認孔が形成され、カム部材に対して伝達部材が規定の取付位置に配置されたときに、側壁部に形成された確認孔と伝達部材に形成された確認孔とが中心軸の方向に並ぶ位置合わせ状態となり、その位置合わせ状態でカム部材に対して伝達部材が固定されるようになっている。この構成によれば、組み付け時に確認孔が並んでいるか否かを確認することで、正規の部品が正しい位置に配置されているか否かを把握することができ、誤った部品の組み付け(誤組発生)や誤った位置への組み付けを効果的に防止することができる。また、組み付けの際に、カム部材及び伝達部材の両確認孔を挿し通すように細長の治具を用いることで、カム部材に対して伝達部材を規定の取付位置に容易に位置合わせすることができるため、両部材の組み付け作業を正確且つ効率的に行うことができるようになる。
具体的には、例えば、複数のカム部材31,32,33が中心軸G1の方向に並んで一体的に連結されることで、中心軸G1を中心として回転可能なカムユニット30が形成されている。そして、このカムユニット30の各カム部材31,32,33に対応して可動体61,62,63がそれぞれ設けられている。このようにすることで、一体的なカムユニット30の作用によって複数の可動体61,62,63をそれぞれ所定のタイミングで変位させ得る構成を実現できる。 更に、カム部材31,32,33に設けられた側壁部37,38,39にそれぞれ確認孔37a,38a,39a,が形成され、それら確認孔37a,38a,39a,が中心軸G1の方向に並ぶ状態で複数のカム部材31,32,33が互いに固定される構成となっている。そして、カムユニット30に対して歯車81(伝達部材)が所定位置に配置されたときに、各カム部材31,32,33に形成された各確認孔37a,38a,39a,と歯車81に形成された確認孔81aとが中心軸G1の方向に並んで位置合わせ状態となり、その位置合わせ状態でカムユニット30に対して歯車81が固定されるようになっている。
この構成によれば、複数のカム部材31,32,33を互いに組み付ける際に、各確認孔37a,38a,39aが並んでいるか否かを確認することで、正規のカム部材が正しい位置に配置されているか否かを把握することができ、カムユニット30を構成する際の誤った部品の組み付け(誤組発生)や誤った位置への組み付けを効果的に防止することができる。また、複数のカム部材31,32,33を互いに組み付ける際にも、各カム部材の確認孔37a,38a,39aを挿し通すように細長の治具201を用いることで、カム部材同士を正しい位置に容易に位置合わせすることができるため、複数のカム部材31,32,33の組み付け作業を正確且つ効率的に行うことができるようになる。なお、カムユニット40,50も同様の特徴、効果を有している。
また、本実施形態では、例えばカムユニット30において、隣り合う2つのカム部材31,32或いは隣り合う2つのカム部材32,33が互いに当接する構成で並んでいる。例えば、隣り合う2つのカム部材31,32において、一方側のカム部材31の側壁部37が板状に構成され、当該一方側のカム部材31の側壁部37における側壁面に対し、他方側のカム部材32の側壁部38とは反対側の側壁面が当接(押圧)された状態で固定されている。同様に、隣り合う2つのカム部材32,33において、一方側のカム部材32の側壁部38が板状に構成され、当該一方側のカム部材32の側壁部38における側壁面に対し、他方側のカム部材33の側壁部39とは反対側の側壁面が当接(押圧)された状態で固定されている。
このようにすると、隣り合うカム部材同士を安定的に当接させて一体的なカムユニット30を構成することができる。なお、カムユニット40,50も同様の特徴、効果を有している。
また、上記カムユニット30は、複数のカム部材31,32,33の各確認孔37a,38a,39aが中心軸G1の方向に並んで互いに固定されたとき、各カム部材31,32,33の当接作用部34,35,36が中心軸G1回りの周方向において他のカム部材の当接作用部とずらされた所定位置に配置されるようになっている。そして、カムユニット30の回転時に、各カム部材31,32,33の当接作用部34,35,36が可動体61,62,63にそれぞれ作用する当接開始タイミングと、他のカム部材の当接作用部が可動体に作用する当接開始タイミングとが異なるように設定されている。
このようにすると、一体的なカムユニット30によって複数の可動体61,62,63をそれぞれ異なるタイミングで動作させることができ、可動体61,62,63を時間差で変位させる演出が可能となる。一方、上記のように、各カム部材31,32,33の当接作用部34,35,36を周方向において他のカム部材の当接作用部とずらした所定位置に配置する構成とすると、各カム部材31,32,33の当接作用部34,35,36の位置合わせが難しくなることが懸念されるが、上記構成では、各確認孔37a,38a,39aが中心軸G1の方向に並んで互いに固定されたときに、各カム部材31,32,33の当接作用部34,35,36が所定位置(他のカム部材の当接作用部とずらされた位置)に配置されるようになっているため、各確認孔37a,38a,39aを中心軸G1の方向に並ばせるように調整することで正確な位置合わせを容易に行うことができる。なお、カムユニット40,50も同様の特徴、効果を有している。
また、本実施形態では、並列に配置された複数の歯車81,82,83(伝達部材)がモータ22の回転に応じて連動するように構成され、各歯車81,82,83に対してカム部材がそれぞれ取り付けられている。
このようにすると、複数のカム部材を単一の駆動源によって並列に回転駆動させることができ、各カム部材に対応する可動体をそれぞれ所定のタイミングで動作させ得る構成を簡易に実現できる。更に、各歯車81,82,83に対して各カム部材を並列に組み付ける際に、それぞれの伝達部材において誤った部品の組み付け(誤組発生)や誤った位置への組み付けを効果的に防止することができ、且つ組み付け作業を効率的に行うことができるようになる。
また、本実施形態では、伝達部材とカム部材とが一体化してなる回転ユニット71,72,73を回転可能に支持するケース24を備えている。そして、ケース24において、回転ユニット71,72,73の側部と対向する位置に貫通孔25a,25b,25c,26a,26b,26cが形成され、回転ユニット71,72,73が所定の回転位置のときに、カム部材及び伝達部材の確認孔と、ケースの貫通孔とが中心軸の方向に並ぶように構成されている。
このようにすると、回転ユニット71,72,73をケース24によって安定的に保持することができ、更に、ケース24に対して回転ユニット71,72,73を組み付ける際に、正規の伝達部材及びカム部材が取り付けられているか否かを貫通孔及び確認孔を基準として適切に確認することができる。また、回転ユニットの確認孔とケースの貫通孔とに治具を挿通することで、ケースに対して回転ユニットを容易に位置合わせすることができ、組み付け作業をより効率的に行うことができる。
また、上記ケース24において、回転ユニット71,72,73における中心軸方向の一方側を支持する第1壁部25と、他方側を支持する第2壁部26とが設けられている。そして、第1壁部25及び第2壁部26のそれぞれに貫通孔が形成され、回転ユニット71,72,73が所定の回転位置のときに、カム部材及び伝達部材の確認孔と、第1壁部25及び第2壁部26の貫通孔とが中心軸の方向に並ぶように構成されている。このようにすると回転ユニット71,72,73を第1壁部25及び第2壁部26によって安定的に保持することができると共に、第1壁部25、第2壁部26、伝達部材、カム部材が全て適切な部品によって構成されているか否かを貫通孔及び確認孔を基準として確認することができる。また、回転ユニット71,72,73の確認孔に挿通される治具を、ケース24の両壁部(第1壁部25及び第2壁部26)の貫通孔に挿通することで、ケース24の両側の壁部(第1壁部25及び第2壁部26)に対して回転ユニット71,72,73を容易に位置合わせすることができ、組み付け作業をより効率的に行うことができる。
[他の実施形態]
本発明は上記記述及び図面によって説明した実施形態に限定されるものではなく、例えば次のような実施形態も本発明の技術的範囲に含まれる。
上記実施形態では、各カムユニットに3つのカム部材を設けた構成を例示したが、カム部材の数はこれ以外の数であってもよい。
上記実施形態では、カムユニットを3つ設けた構成を例示したが、カムユニットの数はこれ以外の数であってもよい。