JP2011244588A - 車両制御システム - Google Patents

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Abstract

【課題】車両制御システムにおいて、回転電機に異常が発生してコイルエンドが過熱される状況が生じ得るときに、回転電機の内部に充填される潤滑冷却用流体が過熱されないようにすることである。
【解決手段】車両制御システム100は、回転電機ユニット40と、インバータ回路を含むPCU14と、制御装置18を含む。回転電機ユニット40は、回転電機と潤滑冷却用流体が充填される筐体と、筐体に接続され潤滑冷却用流体を収容可能な油収容室60と、筐体と油収容室60とを接続する接続部に設けられ、通常は閉状態とされる開閉弁58とを含む。制御装置18は、回転電機を駆動するインバータ回路の1相短絡故障のときに、開閉弁58に開弁信号を出力する。
【選択図】図1

Description

本発明は、車両制御システムに係り、特に回転電機に異常が生じたときの制御を行う車両制御システムに関する。
ハイブリッド車両等のように回転電機を搭載する車両では、回転電機の筐体の内部に潤滑と冷却を行うための潤滑冷却用流体が入っている。この潤滑冷却用流体としては、自動変速機内の潤滑・作動油であるATF(Automatic Transmission Fluid)と呼ばれる油が用いられる。
例えば、特許文献1には、電動ユニットとして、密閉ケースの中にステータと共に納められるロータが、軸部と、軸部と一体連結される側壁部と、側壁部の外縁部で片持ち支持状に軸方向に延びる環状体とを有し、環状体の内面と側壁部とで油溜り部が形成され、また密閉ケースの下部に潤滑油を貯留する貯留部が設けられ、ロータが回転していないときには、油溜り部の下部のところが貯留部の潤滑油に浸漬されている構成が開示されている。ロータが回転すると、貯留部に浸漬されている油溜り部の部分の潤滑油が、環状体の内周面にそって遠心力で回転数に応じた高さまで引き上げられ、油溜り部の全周にわたって潤滑油が充満し、その分だけ貯留部の油面が下がってロータの攪拌損失が減少すると述べられている。
また、特許文献2には、回転電機として、ハウジングの底部の冷却液溜りにレベルゲージを設け、レベルゲージの出力に基いて冷却液循環ポンプの流量を制御し、ロータが冷却液に浸ることがないようにすることが述べられている。
また、特許文献3には、モータ絶縁保護装置として、モータ室の室内圧が設定上限モータ室内圧以上となった場合に、電磁弁を開放してモータ室の内部気体の一部を外部に放出させ、設定上限モータ室内圧未満のときは電磁弁を閉じることが述べられている。これによって、モータ室内を放電が生じない適正な室内圧に調整されると述べられている。
特開2009−261137号公報 特開平5−284691号公報 特開2008−228378号公報
上記のように、回転電機の筐体の内部には、ATFが充填されているが、何かの事故で回転電機に異常が生じ、ATFが冷却のための循環をせず、しかもATFに浸漬しているコイルエンドが過熱すると、そのATFが過熱されて、白煙を生じることがある。
1つの例は、回転電機を駆動する3相インバータ回路のうちの1相が短絡故障し、そのために車両が故障停止扱いとなって、他の牽引手段によって牽引される場合がある。この故障時牽引において、故障車両の駆動輪が路面に接触したまま牽引されると、駆動輪の回転によって回転電機が回転し、回転電機の磁石による逆起電力によってコイルに電流が流れることになる。その電流はインバータ回路に流れることになるが、ここでインバータ回路が1相短絡故障であると、その短絡故障した相のコイルには、他のコイルに流れる電流の約2倍の電流が流れる。このように、通常よりも過大な電流が特定のコイルに流れることにより、回転電機が過熱され、磁石の減磁や、コイルエンドが過熱され、回転電機自体の損傷につながるおそれがあるほか、これによってATFが過熱され、上記のように場合によっては白煙を生じることがある。
牽引作業中とはいえ、仮に白煙が生じると、ユーザに火災発生ではないかと誤認されるおそれがある。上記のような牽引作業中における回転電機のコイルエンドの過熱を抑制するためには、回転電機を大型化し、あるいはコイル巻線を太くし、あるいは電流を流れなくするヒューズや遮断回路を設けること等が考えられる。これらの対応案は、コストが増大し、あるいは、車両搭載容積が増大する。
また、現在のように世界中の多くの地域にハイブリッド車両等の利用が拡大してゆくにつれて、どこで回転電機の故障等が生じるかの予測が困難で、また実際の牽引作業が予め定めた作業マニュアルどおりに、駆動輪を路面に接触させないで行える環境でない場合も考えられる。
また、回転電機の内部を密閉して、仮にATFが過熱されても白煙が外部に漏れないようにすることも考えられるが、特許文献3に述べられるように、回転電機室内を放電が生じない適正な室内圧とするためには、車両の運行走行中において回転電機室内の室内圧を外部環境の外気圧に追従させることが好ましいため、完全な密閉が困難である。
このように、従来技術によれば、回転電機に異常が生じ、コイルエンドが過熱される状況が生じ得るときに、回転電機の内部に充填される潤滑冷却用流体の過熱による白煙を外部に出さないようにすることが困難である。
本発明の目的は、回転電機に異常が生じてコイルエンドが過熱される状況が生じ得るときに、回転電機の内部に充填される潤滑冷却用流体が過熱されないことを可能にする車両制御システムを提供することである。
本発明に係る車両制御システムは、車両に搭載され、内部に潤滑冷却用流体が充填される回転電機と、回転電機の筐体に設けられ、通常は閉状態とされる開閉弁と、回転電機に異常が生じたときに開閉弁を開状態とする開弁信号を出力し、これによって回転電機の内部の潤滑冷却用流体を筐体の外部に移動させる開弁信号出力手段と、を備えることを特徴とする。
また、本発明に係る車両制御システムにおいて、回転電機の筐体に接続され潤滑冷却用流体を収容可能な油収容室を備え、開閉弁は、回転電機の筐体と油収容室とを接続する接続部に設けられることが好ましい。
また、本発明に係る車両制御システムにおいて、開弁信号出力手段は、回転電機を駆動するインバータ回路の1相短絡故障のときに、自動診断機能によって出力される故障信号に同期して開弁信号を出力することが好ましい。
また、本発明に係る車両制御システムにおいて、車両が他の手段によって牽引されるときに操作される牽引状態指示ボタンを有し、開弁信号出力手段は、牽引状態指示ボタンが押されたときに開弁信号を出力することが好ましい。
上記構成により、車両制御システムは、回転電機の筐体に設けられ、通常は閉状態とされる開閉弁を備え、回転電機に異常が生じたときに開閉弁を開状態として、これによって回転電機の内部の潤滑冷却用流体を筐体の外部に移動させる。したがって、仮に回転電機のコイルエンドが過熱される事態が生じても、潤滑冷却用流体が過熱されることが生じない。
また車両制御システムにおいて、回転電機の筐体に接続され潤滑冷却用流体を収容可能な油収容室を備え、開閉弁は、回転電機の筐体と油収容室とを接続する接続部に設けられる。このようにして、回転電機に異常が生じたときには、回転電機の内部の潤滑冷却用流体が油収容室に移動するので、仮に回転電機のコイルエンドが過熱される事態が生じても、潤滑冷却用流体が過熱されることが生じない。
また、車両制御システムにおいて、回転電機を駆動するインバータ回路の1相短絡故障のときに、自動診断機能によって出力される故障信号に同期して、開閉弁の開弁信号が出力される。これによって、これ以後、仮に回転電機のコイルエンドが過熱される事態が生じても、潤滑冷却用流体が過熱されることが生じない。
また、車両制御システムにおいて、車両が他の手段によって牽引されるときに操作される牽引状態指示ボタンを有し、牽引状態指示ボタンが押されたときに開閉弁の開弁信号が出力される。これによって、これ以後、仮に回転電機のコイルエンドが過熱される事態が生じても、潤滑冷却用流体が過熱されることが生じない。
本発明に係る実施の形態において、故障車両が牽引される状況を説明する図である。 回転電機に接続されるインバータ回路に1相短絡故障が生じたときに、特定の相のコイルに過大電流が流れる様子を説明する図である。 図2において、各相コイルに流れる電流を比較して示す図である。 本発明に係る実施の形態において、回転電機に異常が生じたときの各種信号の状態変化を示すタイムチャートである。 本発明に係る実施の形態において、車両制御システムの構成を説明する図である。 本発明に係る実施の形態において、回転電機に異常が生じて、開閉弁が開弁したときの様子を説明する図である。 従来技術において、回転電機に異常が生じてコイルエンドが過熱されたときの状況の様子を説明する図である。 本発明に係る実施の形態において、車両制御システムの他の構成を説明する図である。 図8の構成において、回転電機に異常が生じて、開閉弁が閉弁したときの様子を説明する図である。
以下に図面を用いて本発明に係る実施の形態につき、詳細に説明する。以下では、車両制御システムの制御対象の車両としてハイブリッド車両を説明するが、回転電機を搭載する車両であればよく、例えば、燃料電池を搭載する電気自動車であってもよい。以下では、1台の回転電機について説明するが、車両に搭載される回転電機は複数台であっても構わない。また、以下では、4輪駆動のハイブリッド車両として説明するが、これは車両が牽引されるときに、駆動輪が路面に接触して回転することの説明のためであって、4輪駆動以外の車両であっても勿論構わない。
また、以下では、電源システムとして、蓄電装置、電圧変換器、インバータ回路を含むものとして説明するが、これは主たる構成要素を述べたもので、これ以外の構成要素を含むものとしてもよい。例えば、システムメインリレー、低電圧インバータ回路、低電圧蓄電装置等を含むものとしてもよい。
以下で述べる温度、電圧等は、説明のための例示であり、電源システムの仕様等に応じ、適宜変更が可能である。
以下では、全ての図面において同様の要素には同一の符号を付し、重複する説明を省略する。また、本文中の説明においては、必要に応じそれ以前に述べた符号を用いるものとする。
図1は、車両制御システム100が適用される車両10が故障して、救助車両8によって牽引される状況を説明する図である。ここで、故障した車両10は、4輪駆動型のハイブリッド車両であるが、救助車両8の荷台に載せるには大型であったので、前輪の部分が荷台に載るように固定され、駆動輪12である後輪は路面6に接触した状態で牽引が行われている。したがって、救助車両8が走行するに連れて、車両10の駆動輪12でもある後輪は図示されるように回転することになる。なお、4輪駆動車両以外でも、牽引の状況によっては、駆動輪が路面6に接触することが生じ得る。図1は、牽引の際に駆動輪が路面6に接触する1例として示したものである。
車両10は、駆動源として図示されていないエンジンと回転電機を搭載する。図1では、回転電機を含む回転電機ユニット40と、回転電機に接続されるパワーコントロールユニット(Power Control Unit:PCU)14と、制御装置18が図示されている。回転電機ユニット40は、回転電機と潤滑冷却用流体とを収納する筐体と、筐体に開閉弁58を介して接続され開閉弁58が開弁するときに潤滑冷却用流体を収容可能な油収容室60を有して構成される。
制御装置18は、車両10の全体の動作を制御する機能を有するが、ここでは特に、回転電機に異常が生じたときに、仮に回転電機のコイルエンドが過熱されても、潤滑冷却用流体が過熱されないように制御する機能を有する。具体的には、制御装置18は、開閉弁58に開弁信号を与える開弁処理部を含んで構成される。かかる制御装置18は、車両搭載に適したコンピュータで構成でき、上記機能は、ソフトウェアを実行することで実現できる。
ここで、車両制御システム100の内容を説明する前に、図1の牽引状況が生じた前提としての車両10の故障が、回転電機を駆動するインバータ回路に1相短絡故障であり、そのときに図1のような牽引状況の下で生じる問題を説明する。
図2は、回転電機38と、車両10の駆動輪12と、回転電機38を駆動するための電源回路の関係を示す図である。ここで、電源回路は、蓄電装置16と、電圧変換器22と、インバータ回路24を含んで構成される。電圧変換器22とインバータ回路24は、まとめてインバータ部20と呼ぶことができ、インバータ部20は、図1のPCU14の主要な構成要素である。
回転電機38は、車両に搭載されるモータ・ジェネレータ(M/G)であって、電力が供給されるときはモータとして機能し、制動時には発電機として機能する3相同期型回転電機である。
電源回路の構成要素である蓄電装置16は、充放電可能な高電圧用2次電池である。蓄電装置16としては、例えば、約200Vの端子電圧を有するリチウムイオン組電池、あるいはニッケル水素組電池、またはキャパシタ等を用いることができる。組電池は、単電池または電池セルと呼ばれる端子電圧が1Vから数Vの電池を複数個組み合わせて、上記の所定の端子電圧を得るようにしたものである。
インバータ部20は、高電圧直流電源である蓄電装置16の直流電力を、3相駆動される回転電機38の作動に適した3相駆動信号に変換する機能を有する回路である。インバータ部20は、上記のように、電圧変換器22とインバータ回路24を含んで構成される。
電圧変換器22は、蓄電装置16とインバータ回路24の間に配置され、電圧変換機能を有する回路である。電圧変換器22としては、図2に示されるように、リアクトルと、スイッチング素子等を含んで構成することができる。電圧変換機能としては、蓄電装置16側の電圧をリアクトルのエネルギ蓄積作用を利用して昇圧しインバータ回路24側に供給する昇圧機能と、インバータ回路24側からの電力を蓄電装置16側に降圧して充電電力として供給する降圧機能とを有する。なお、電圧変換器22には、電圧、電流の変動を抑制する平滑コンデンサが含まれる。
インバータ回路24は、回転電機38に接続される回路で、複数のスイッチング素子と逆接続ダイオード等を含んで構成され、3相電力と直流電力との間の電力変換を行う機能を有する。すなわち、インバータ回路24は、回転電機38を発電機として機能させるときは、回転電機38からの3相回生電力を直流電力に変換し、蓄電装置16側に充電電流として供給する交直変換機能を有する。また、回転電機38を電動機として機能させるときは、蓄電装置16側からの直流電力を3相駆動電力に変換し、回転電機38に3相駆動電力として供給する直交変換機能を有する。なお、インバータ回路24には、電圧、電流の変動を抑制する平滑コンデンサが含まれる。
インバータ回路24は、上記のように、直流電力と3相電力との間の変換を行う機能を有するので、3相同期型である回転電機38の3相であるU相、V相、W相に対応し、U相アーム、V相アーム、W相アームと呼ばれる3つのアームを有する。アームとは、2つのスイッチング素子を直列接続し、2つのスイッチング素子のそれぞれにダイオードを逆接続で並列に接続した回路素子である。ここで、各相アームは、回転電機38の各相コイルの一方端にそれぞれ接続され、回転電機38においては、各相コイルの他方端が中立点で相互に接続されるいわゆるY結線が行われる。したがって、電流の流れる方向に±の符号を考えると、各相コイルあるいは各相アームに流れる電流の総和はゼロになる。
インバータ回路24の1相短絡故障とは、この3つのアームのうちで、2つのアームが正常であって、残りの1つのアームが短絡する故障である。図2では、U相アームとV相アームが正常で、W相アームが短絡した様子が示されている。ここで、上記のように、各相アームに流れる電流の総和はゼロであるので、図2の場合、U相アームに流れる電流28とV相アームに流れる電流30とを合わせた大きさで、流れる方向が逆の電流32がW相アームに流れることになる。
インバータ回路24の1相短絡故障のときの実際の電流の一例を図3に示す。図3の横軸は時間、縦軸は各相アームに流れる電流値である。このように、インバータ回路24の1相短絡故障のとき他の相電流に比べ、W相電流IWに集中して大きな電流が流れることが分かる。
このように、インバータ回路24の1相短絡故障が生じると、インバータ回路24はもはや正常な動作ができなくなり、回転電機38に正常な駆動信号を供給できないので、車両10の車両制御システム100は、自動診断機能によって、この故障を示す信号を出力する。そして、この故障信号が出力されると、車両10が運行可能な状態であることを示すREADY信号がオンからオフとされる。これによって、車両10は運行ができなくなるので、車両10は停止する。
その様子を図4に示す。図4は、各種信号の状態変化を示すタイムチャートで、横軸が時間、縦軸には、上段側から下段側に向かって順に、自動診断機能により出力される1相
短絡故障診断信号、READY信号、車両10のイグニッション(IG)信号が示される。最下段は、開閉弁58に対する開弁信号であるが、その内容については後述する。
図4に示されるように、インバータ回路24の1相短絡故障が生じると、それを検出して、時間t1で自動診断機能により1相短絡故障診断信号が正常状態から故障状態に変化する。そして、信号処理の時間遅れの後、時間t2において、READY信号がオンからオフに変化する。なお、車両のIG信号は、他の機器の状態を確認する等の時間をおいた後、時間t3でオンからオフに変化する。
このように、READY信号がオフとされると、車両10は自力走行ができない状態となるので、ユーザは、適当なサービスセンタ等に連絡して、救助車両8を待つ。救助車両8が到着すると、車両10が牽引されてサービスセンタ等に向かうことになる。図1はそのような状態を示す図である。
上記のように、車両10が走行中にインバータ回路24の1相短絡故障が生じると、他の相電流に比べ、1相短絡故障が生じた相電流に集中して大きな電流が流れることが分かる。車両10のREADY信号がオフとなると、インバータ回路24も作動しないので、この大きな電流が流れることが止まる。ところが、図1のように、牽引の際に、駆動輪12が回転すると、回転電機38の磁石の逆起電力によって各相コイルに電流が発生する。その電流は各相アームを流れることになるが、1相短絡故障が生じているので、他の相電流に比べ、1相短絡故障が生じた相電流に集中して大きな電流が流れることになる。
このように、回転電機38の特定の相コイルに集中して大電流が流れると、回転電機38のコイルエンドが過熱される。回転電機38が収納される筐体の内部には循環冷却用流体が充填されているので、コイルエンドが浸漬している循環冷却用流体が過熱する。循環冷却用流体としては、油であるATFが用いられるので、ATFが過熱されて白煙を生じることがある。つまり、故障した車両10を牽引していると、その回転電機ユニット40から白煙が生じ得て、ユーザに火災発生ではないか、と誤認されるおそれがある。
これが、図1のような牽引状況の下で生じる問題であり、本発明が解決すべき課題である。そこで、以下に、車両制御システム100の構成と作用について説明する。
図5は、車両制御システム100において、回転電機ユニット40に関係する部分を示す図である。回転電機ユニット40は、回転電機38と、回転電機38と潤滑冷却用流体50とを収納する筐体52と、筐体52に開閉弁58を介して接続され開閉弁58が開弁するときに潤滑冷却用流体50を収容可能な油収容室60を有して構成される。開閉弁58には、制御装置18の開弁処理部62からの信号線が接続される。
筐体52は、回転電機38の構成要素を収容するケースで、いわゆるモータケースである。ここでは、上部が開口する容器状の形態が示されているが、適当な蓋で上部を覆うものとしてもよい。筐体52の内部の気圧は外部環境の気圧である大気圧と追従することが好ましいので、蓋をする場合でも、外部との気体連通部を設ける必要がある。気体連通部は、穴部であってもよく、図5は、その穴部を上部全体としたものと考えてよい。
回転電機38は、筐体52に回転自在に支持される回転軸42と、回転軸42に取り付けられ回転軸42と共に回転する回転子であるロータ44と、筐体52に取り付けられる固定子であるステータ46とを含んで構成される。ロータ44には永久磁石が設けられ、ステータ46には、各相コイルが巻回される。コイルエンド48は、ステータ46に巻回された各相コイルがステータ46の外側を通る部分で、ステータ46の軸方向の両端にそれぞれ突き出す形状を有する。
回転電機38は、ステータ46に巻回される各相コイルに所定の各相駆動信号がインバータ回路24から供給されると、回転磁界が生じ、その回転磁界とロータ44の永久磁石との協働で、回転軸42に回転駆動力が生じる。このようにして、回転電機38は、インバータ回路24によって駆動されて回転駆動力を回転軸42に出力する。
筐体52の内部に充填される潤滑冷却用流体50は、回転電機38が動作するときの回転軸42の回転摩擦を減少させる潤滑作用と、各相コイルの発熱を冷却する冷却作用を有する流体である。具体的には、かかる潤滑冷却用流体50として、ATFと呼ばれる潤滑作動油を用いることができる。潤滑冷却用流体50は、回転電機38が作動すると、図示されていない循環ポンプ等によって、筐体52の上部に汲み上げられ、そこからステータ46のコイルエンド48、ロータ44に滴下される。
潤滑冷却用流体50は、筐体52に充填されるとき、筐体52の底部に貯留され、その底部におけるステータ46のコイルエンド48を浸漬する程度の油面高さの量とされる。図5は、回転電機38が動作していないときの様子で、ちょうどそのような油面高さに、潤滑冷却用流体50が筐体52の内部に充填されている。油面高さは、回転電機38の仕様に応じて、適宜変更できる。例えば、回転電機38が動作していないときにロータ44の一部に掛かる程度の油面高さとすることで、循環ポンプを用いずに、ロータ44の回転によって潤滑冷却用流体50を掻き揚げるものとすることもできる。
油収容室60は、筐体52に接続され、筐体52の内部に充填されている潤滑冷却用流体50の全体を収容可能な大きさの容器である。具体的には、筐体52の真下に配置される容器である。
開閉弁58は、筐体52と油収容室60とを接続する接続部56に設けられ、電気信号で開閉する弁である。具体的には、筐体52の底部に開口部が設けられ、その開口部と、油収容室60の上部に設けられる接続口とを接続してパイプ状の接続部56が設けられる。そして、接続部56のパイプ状の途中に開閉弁58が設けられる。
開弁処理部62は、制御装置18の一部であって、開閉弁58の開弁処理を実行する機能を有する。具体的には、通常は、開閉弁58を閉状態に維持し、図4で説明した1相短絡故障診断信号が正常状態から故障状態に変化するときに、開閉弁58を開く処理を行う。その様子が図4の開弁信号に示されている。すなわち、開弁信号は、通常は閉状態で、1相短絡故障診断信号が正常状態から故障状態に変化する時間t1において、開状態となる信号である。通常は閉状態であるので、この閉状態から開状態となることを、開弁信号が出力されたと呼ぶことができる。開弁処理部62は、この開弁信号を開閉弁58に供給する機能を有する。
図5は、開弁処理部62が開弁信号を閉状態のままで開閉弁58に供給している状態を示している。したがって、開閉弁58は閉状態で、潤滑冷却用流体50は、筐体52の底部に貯留された状態である。
図6は、インバータ回路24に1相短絡故障が生じたときの様子を示す図である。上記で説明したように、1相短絡故障が生じた時点で開弁信号が開状態とされて、これが開閉弁58に対して出力される。これにより、開閉弁58が開状態となって、筐体52の底部に貯留されていた潤滑冷却用流体50の全部が油収容室60に移動した状態を示す図である。
このように、インバータ回路24に1相短絡故障が生じた時点で、筐体52の底部に貯留されていた潤滑冷却用流体50の全部が油収容室60に移動するので、その後にコイルエンド48が過熱しても、潤滑冷却用流体50が過熱されることはない。すなわち、図1で説明したように、牽引によって駆動輪12が回転し、そのためにコイルエンド48が過熱しても、潤滑冷却用流体50は筐体52の内部にないので、潤滑冷却用流体50が過熱されることがない。なお、図6では、説明のために、コイルエンド48が発熱している様子が示されている。
図7は、開閉弁が設けられない従来技術の構造の回転電機ユニット41の様子を示す図である。この場合には、インバータ回路24に1相短絡故障が生じても、潤滑冷却用流体50はそのまま筐体52の底部に貯留されたままである。そこで、牽引によって駆動輪12が回転し、そのためにコイルエンド48が過熱されると、それによって過熱された潤滑冷却用流体51は気化して白煙53を生じる。この白煙53が、筐体52の上部の開口部から外部に放出され、場合によっては、ユーザが火災発生と誤認するおそれがある。
なお、油収容室60に移動した潤滑冷却用流体50は、サービスセンタ等で故障の修理が行われる際に、適宜、筐体52の内部に戻される。上記で、油収容室60を用いるものとしたが、開閉弁58が開状態となったときに、単に、筐体52の外部に排出するものとしてもよい。その場合には、油収容室60を省略することができる。
また、上記では、1相短絡故障診断信号が正常状態から故障状態に変化する時間t1において開弁信号が閉状態から開状態に変化するものとしたが、READY信号がオフとなる時間t2において開弁信号が閉状態から開状態に変化するものとしてもよい。その他の信号であっても、1相短絡故障診断信号が正常状態から故障状態に変化する時間t1以後で、その故障に関連する信号が出力される場合には、その信号によって開弁信号が閉状態から開状態に変化するものとしてもよい。
また、車両はIGスイッチがオフされるとステアリングハンドルが利かなくなるので、救助車両8が故障車両を牽引するときには、故障車両のIGスイッチをオンし、そのシフト位置をニュートラルにするのが一般的である。電気式シフトを備えた車両ではそのときにニュートラル信号が出力されるので、そのニュートラル信号を用いて開弁信号が閉状態から開状態に変化するものとしてもよい。
また、車両10が他の手段によって牽引されるときに操作される牽引状態指示ボタンを有している場合には、その牽引状態指示ボタンが押されたときに、開弁信号を閉状態から開状態に変化させて、これを開閉弁58に出力するものとしてもよい。
上記では、開閉弁58が電気信号で開閉する弁であるとして説明したが、開閉弁58を機械的に作動する機械式開閉弁としてもよい。図8、図9は、機械式の開閉弁58を用いる場合の構成を説明する図である。ここでは、上記のように、故障車両を牽引するときには、故障車両のIGスイッチをオンし、そのシフトをニュートラルにするのが一般的であることを利用し、シフトのニュートラルに連動して、機械的に開閉弁58を閉状態から開状態にする。
図8において、操作ケーブル78は、適当な強度を有し、引っ張ることで伸縮しない材料で構成され、一方側を引っ張ると、その引張量だけ他方側が移動するケーブル部材である。操作ケーブル78は、一方端74が開閉弁58の機械的に作動する開閉手段に接続され、他方端76が車両10のシフト状態設定機構80に設けられる操作ケーブル他方端接続機構81に接続される。
ここで、シフト状態設定機構80が電気式の場合は、上記で述べたニュートラル信号を用いて閉信号を出力する方法を利用できるので、ここでは、シフト状態設定機構80がシフトレバーの機械的操作によってシフト状態を設定する機構として説明する。操作ケーブル他方端接続機構81は、シフト状態設定機構80において、シフト状態が通常走行状態からニュートラル状態に変化するときに、操作ケーブル78の他方端76を移動させ、これによって操作ケーブル78の一方端74を移動させる機構である。
図8では、シフトレバーが支点を中心に回転するものとして、支点を挟んでシフトレバーの操作部の反対側の端部に操作ケーブル78の他方端76が取り付けられる操作ケーブル他方端接続機構81が示されている。これ以外でも、シフト状態設定機構80がニュートラル状態とされるときに、その変化に応じて操作ケーブルの他方端76を移動させるものであればよい。
図9は、シフト状態設定機構80において、シフト状態が通常走行状態からニュートラル状態に変化したときに、操作ケーブル78が白抜矢印の方向に移動し、開閉弁58が開状態となる様子が示されている。このように、機械式の開閉弁58と操作ケーブル78を用いることで、電気回路を要せず、簡単な機構で、開閉弁58を閉状態と開状態との間の変更を行うことができる。
また、シフト状態設定機構80を用いずに、救助車両8等の他の牽引手段によって牽引されるときに用いられる車両10のフック等の牽引用係止部に、操作ケーブルの他方端を接続するものとしてもよい。この場合には、牽引のときに、車両10のフック等の牽引用係止部に牽引力が懸けられるので、その牽引力によって操作ケーブルの他方端を移動させ、その一方端に接続される開閉弁58の開閉手段を閉状態から開状態に変化させることができる。
本発明に係る車両制御システムは、回転電機を搭載する車両の制御に利用できる。
6 路面、8 救助車両、10 車両、12 駆動輪、14 PCU、16 蓄電装置、18 制御装置、20 インバータ部、22 電圧変換器、24 インバータ回路、28,30,32 電流、38 回転電機、40,41 回転電機ユニット、42 回転軸、44 ロータ、46 ステータ、48 コイルエンド、50,51 潤滑冷却用流体、52 筐体、53 白煙、56 接続部、58 開閉弁、60 油収容室、62 開弁処理部、74 一方端、76 他方端、78 操作ケーブル、80 シフト状態設定機構、81 操作ケーブル他方端接続機構、100,102 車両制御システム。

Claims (4)

  1. 車両に搭載され、内部に潤滑冷却用流体が充填される回転電機と、
    回転電機の筐体に設けられ、通常は閉状態とされる開閉弁と、
    回転電機に異常が生じたときに開閉弁を開状態とする開弁信号を出力し、これによって回転電機の内部の潤滑冷却用流体を筐体の外部に移動させる開弁信号出力手段と、
    を備えることを特徴とする車両制御システム。
  2. 請求項1に記載の車両制御システムにおいて、
    回転電機の筐体に接続され潤滑冷却用流体を収容可能な油収容室を備え、
    開閉弁は、回転電機の筐体と油収容室とを接続する接続部に設けられることを特徴とする車両制御システム。
  3. 請求項1に記載の車両制御システムにおいて、
    開弁信号出力手段は、
    回転電機を駆動するインバータ回路の1相短絡故障のときに、自動診断機能によって出力される故障信号に同期して開弁信号を出力することを特徴とする車両制御システム。
  4. 請求項1に記載の車両制御システムにおいて、
    車両が他の手段によって牽引されるときに操作される牽引状態指示ボタンを有し、
    開弁信号出力手段は、
    牽引状態指示ボタンが押されたときに開弁信号を出力することを特徴とする車両制御システム。
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