JP2011244232A - マイクロホンアレイ装置及び前記マイクロホンアレイ装置が実行するプログラム - Google Patents
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- H04R3/005—Circuits for transducers, loudspeakers or microphones for combining the signals of two or more microphones
Abstract
【解決手段】複数のマイクロホンから入力される複数の音信号を取得する音取得部と、前記音取得部で取得し、非抑圧方向に配置したマイクロホンから得られる非抑圧音信号と、前記音取得部で取得し、抑圧方向に配置したマイクロホンから得られる抑圧音信号とを比較して、前記非抑圧音信号に含まれる目的音に対する、前記抑圧方向からの非目的音の影響を評価する評価パラメータを求める評価部と、前記評価パラメータに基づいて、前記非目的音の抑圧量を制御する抑圧部を有し、当該抑圧部を制御することで前記マイクロホンの指向性を制御する指向性制御部と、を備えるマイクロホンアレイ装置を提供する。
【選択図】図2
Description
(1)ハードウェア構成
図1は、第1実施形態例に係るマイクロホンアレイ装置のハードウェア構成を示すブロック図の一例である。マイクロホンアレイ装置100は、例えば、CPU(Central Processing Unit)101、ROM(Read Only Memory)102、RAM(Random Access Memory)103、マイクロホンアレイ104及び通信I/F(Inter Face)105を有している。
図2は、第1実施形態例に係るマイクロホンアレイ装置の機能構成を示すブロック図の一例である。図2では、マイクロホンアレイ装置100が有するマイクロホンアレイ104のうち、マイクロホンMIC1及びマイクロホンMIC2を示している。ここでは、マイクロホンMIC1及びマイクロホンMIC2は、指向性マイクロホンであり、直線上に配置されている。
このようなマイクロホンアレイ装置100の各機能部による処理は、CPU101、ROM102、RAM103、マイクロホンアレイ104などが互いに連携することにより実行される。
マイクロホンMIC1は、目的音を含む音を取得し、アナログ信号に変換して第1音受付部111に入力する。第1音受付部111は、AMP(AMPlifier)111a、LPF(Low Pass Filter)111b及びA/D(Analog/Digital)変換器111cを含み、マイクロホンMIC1から入力された目的音を含む音を処理して音信号を生成する。
第2遅延部115及び第2減算部116は、受音方向以外の方向、つまり抑圧方向からの音を取り込むように、マイクロホンMIC1及びマイクロホンMIC2からなるマイクロホンアレイの指向性を制御する。第2遅延部115及び第2減算部116から出力される音信号の指向性の一例が、図2に“逆の指向性”として実線で示されている。これにより、マイクロホンアレイ装置100は、抑圧方向から到来する雑音を含む音を取得する。
このような処理により、第2減算部116から出力される雑音信号N(ti)の指向性は“逆の指向性”に設定される。つまり、目的音源SSを含む受音方向以外の方向からの音が主として取り込まれ、受音方向からの目的音を含む音信号が抑圧される。その結果、第2減算部116からは、抑圧方向からの雑音が強調された雑音信号N(ti)が出力される。この雑音信号N(ti)により雑音の状態を把握可能である。
雑音状態評価部117は、第2減算部116の出力である雑音信号N(ti)に基づいて、雑音の状態を評価する。雑音の状態としては、例えば雑音のレベル及び雑音のレベル変化などが挙げられる。雑音のレベルとは、雑音の大きさを示す指標である。雑音のレベル変化とは、雑音のレベルの時間的変化が大きいか小さいかを示す指標である。雑音のレベル変化が小さい場合、雑音の定常性が強い、つまり、雑音の非定常性が弱い。逆に、雑音のレベル変化が大きい場合、雑音の定常性が弱い、つまり、雑音の非定常性が強い。雑音のレベル及び雑音のレベル変化は、例えば下記式(3)、(4)で表される。
雑音のレベル変化S(ti)=
雑音のレベルL(ti)/時刻tiより前の雑音のレベルの平均値・・・(4)
その他、雑音状態評価部117は、雑音のレベルL(ti)及び雑音のレベル変化S(ti)の両方を変数とする関数として、総合値LS(ti)を求めても良い。
減算調整部118は、雑音の状態に応じて、時間軸上において雑音の抑圧量を調整するためのゲインg(ti)を設定する。ゲインg(ti)の調整により、減算調整部118での入出力比が調整され、第1減算部114が音信号in1(ti)から音信号in2(ti−1)を減算するときの減算量が調整される。結果として、マイクロホンMIC1が取得した音に含まれる雑音の抑圧量が調整される。なお、ゲインg(ti)は0以上1.0以下である。また、ゲインg(ti)は、音信号のサンプリング毎に更新され得る。または、複数サンプル毎に更新することも可能である。
図3は、雑音のレベルL(ti)とゲインg(ti)との関係の一例を示す関係図である。各所定値は閾値である。
例えば、雑音のレベルL(ti)が所定値A1より小さい場合は、減算調整部118は、雑音のレベルL(ti)が小さいと判断し、ゲインg(ti)を0に設定する。
逆に、雑音のレベルL(ti)が所定値A2より大きい場合は、減算調整部118は、雑音のレベルL(ti)が大きいと判断し、ゲインg(ti)を1.0に設定する。
雑音のレベルL(ti)が所定値A1以上であり所定値A2以下の場合は、例えば、下記式(5)に示す一次の加重平均によりゲインg(ti)を設定する。なお、一次の加重平均は、一例であり、相加平均、二次の加重平均、三次の加重平均なども使用可能である。
(b)雑音のレベル変化S(ti)に応じたゲインg(ti)の設定
図4は、雑音のレベル変化S(ti)とゲインg(ti)との関係の一例を示す関係図である。
例えば、雑音のレベル変化S(ti)が所定値B1より小さい場合は、減算調整部118は、雑音のレベル変化が小さく定常性が強いと判断し、ゲインg(ti)を0に設定する。
逆に、雑音のレベル変化S(ti)が所定値B2より大きい場合は、減算調整部118は、雑音のレベル変化が大きく定常性が弱いと判断し、ゲインg(ti)を1.0に設定する。
雑音のレベル変化S(ti)が所定値B1以上であり所定値B2以下の場合は、減算調整部118は、例えば、下記式(6)の一次の加重平均によりゲインg(ti)を設定する。なお、一次の加重平均は、一例であり、相加平均、二次の加重平均、三次の加重平均なども使用可能である。
(c)雑音のレベルL(ti)及び雑音のレベル変化S(ti)に応じたゲインg(ti)の設定
減算調整部118は、雑音のレベルL(ti)又は雑音のレベル変化S(ti)のいずれか一方に基づいてゲインg(ti)を設定しても良いし、雑音のレベルL(ti)及び雑音のレベル変化S(ti)の両方に基づいてゲインg(ti)を設定しても良い。
第1遅延部113及び第1減算部114は、受音方向からの音を主として取り込むように指向性を制御する。その指向性は図2において“正の指向性”として波線で示されている。これにより、マイクロホンアレイは受音方向から到来する目的音を含む音を主として取得する。
音信号in1(ti)−音信号in2(ti−1)×ゲインg(ti)・・(7)
このような処理により、第1減算部114から出力される目的音信号OUT(ti)の指向性は図2の波線に示すように、受音方向からの音を取り込む指向性を示し、抑圧方向からの雑音を含む音信号が抑圧されている。その結果、第1減算部114からは、受音方向からの目的音が強調された目的音信号OUT(ti)が出力される。
以下に、本実施形態例の処理について図5を用いて説明する。図5は、本実施形態例に係るマイクロホンアレイ装置が実行する雑音抑圧処理の流れを示すフローチャートの一例である。
第1実施形態例に係るマイクロホンアレイ装置100では、2つのマイクロホンで取得した各音信号を時間軸上で処理した。第2実施形態例に係るマイクロホンアレイ装置200では、2つのマイクロホンで取得した各音信号を周波数軸上で処理して雑音の状態を取得し、雑音の状態に基づいた同期減算処理により雑音を抑圧する。第2実施形態例に係るマイクロホンアレイ装置200のハードウェア構成は第1実施形態例と同様である。また、以下において、第1実施形態例と同様の構成には、同様の符号番号を付している。
図6は、第2実施形態例に係るマイクロホンアレイ装置の機能構成を示すブロック図の一例である。図6では、マイクロホンアレイ装置200が有するマイクロホンアレイ104のうち、マイクロホンMIC1及びマイクロホンMIC2を示している。ここでは、マイクロホンMIC1及びマイクロホンMIC2は、無指向性マイクロホンである。
範囲設定部121は、例えば、ユーザ入力に基づいて各マイクロホンの受音範囲、切換範囲及び抑圧範囲を初期設定する。マイクロホンアレイ装置200は、ユーザ入力受付部(図示せず)を介してユーザ入力を受け付け、ユーザ入力受付部は受け付けたユーザ入力を範囲設定部121に出力する。
第1音受付部111及び第2音受付部112は第1実施形態例と同様である。第1音受付部111は、マイクロホンMIC1から所定のサンプリング周波数fsで音信号をサンプリングし、時間軸上のデジタル信号として音信号in1(ti)を出力する。同様に、第2音受付部112は、マイクロホンMIC2から所定のサンプリング周波数fsで音信号をサンプリングし、時間軸上のデジタル信号として音信号in2(ti)を出力する。
第1信号変換部122は、時間軸上の音信号in1(ti)を周波数変換し、複素スペクトルIN1(f)を生成する。ここで、fは周波数である。周波数変換としては、例えば、高速フーリエ変換、離散コサイン変換、ウェーブレット変換などを用いることができる。また、サブバンド分割処理のような複数のバンドパスフィルタリング処理なども用いることができる。ここでは、第1信号変換部122は、高速フーリエ変換(FFT:Fast Fourier Transform)を用い、音信号in1(ti)の各信号区間にオーバラップしながら窓関数を乗算する。さらに、第1信号変換部122は、乗算結果を高速フーリエ変換し、周波数軸上の複素スペクトルIN1(f)を生成する。
IN2(f)=W2exp(j(2πfti+φ2(f))) ・・・(9)
fは周波数、W1及びW2は振幅、jは単位虚数、φ1(f)及びφ2(f)は周波数fの関数である遅延位相である。また、tiとは、音信号がマイクロホンに取り込まれた時の時刻であり、tの添え字iは、サンプリング周波数fsで音を取り込んだ時の各音信号のサンプリング番号であり、1以上の整数である。
位相スペクトル差算出部124は、第1信号変換部122及び第2信号変換部123から、それぞれ複素スペクトルIN1(f)及び複素スペクトルIN2(f)を受信する。位相スペクトル差算出部124は、複素スペクトルIN1(f)及び複素スペクトルIN2(f)に基づいて、周波数ごとに位相スペクトル差DIFF(f)を算出する。位相スペクトル差DIFF(f)は、間隔dだけ離れたマイクロホンMIC1とマイクロホンMIC2との間での、周波数fごとの音源方向を示す。
=tan−1((W2/W1)exp(j(φ2(f)−φ1(f)))
図7は、図6のように各範囲が設定された場合における、各周波数と位相スペクトル差DIFF(f)(−π≦DIFF(f)≦π)との関係を示す関係図である。図7の場合、横軸の下側が受音範囲であり、横軸の上側が切換範囲及び抑圧範囲であり、斜線部分が切換範囲である。
雑音状態評価部125は、位相スペクトル差DIFF(f)に基づいて判断された到来音の音源の範囲を、位相スペクトル差算出部124から受信する。雑音状態評価部125は、位相スペクトル差DIFF(f)が図7の抑圧範囲に含まれる場合、つまり周波数fにおいて、抑圧範囲に到来音の音源が含まれる場合、到来音が雑音であるとみなし、その雑音の状態を評価する。このように、雑音状態評価部125は、音源方向が抑圧範囲にある場合に雑音の状態を評価する。そのため、雑音状態評価部125は、例えば、受音範囲を目的音源とする目的音は雑音の状態の評価に用いないため、概ね雑音そのものに基づいて雑音の状態を正確に評価することができる。
(a1)雑音のレベルL(f)の算出
まず、雑音のレベルL(f)の算出方法について説明する。
+(1−β)×|IN1(f)| ・・・(11)
ここで、βは、|IN1(f)|の平均値を求めるための時定数であり、前の分析フレームの加算割合又は合成割合を示す。1分析フレーム前とは、ここでは、高速フーリエ変換における分析窓のシフト、つまり、オーバラップさせる長さ分だけ遡った時を言う。βは0より大きく1.0未満である。
=98−20log10(|IN1(f)|の平均値)・・(12)
さらに、雑音状態評価部125は、雑音のレベルL(f)と、レベル相対値(f)と、の予め設定された関係に基づいて、雑音のレベルL(f)を算出する。
(a2)雑音のレベル変化S(f)の算出
次に、雑音のレベル変化S(f)の算出方法について説明する。
さらに、雑音状態評価部125は、雑音のレベル変化S(f)と、Rate(f)と、の予め設定された関係に基づいて、雑音のレベル変化S(f)を算出する。図9は、雑音のレベル変化S(f)と、Rate(f)と、の関係図の一例である。なお、雑音のレベル変化S(f)は、0≦雑音のレベル変化S(f)≦1.0の範囲で定義され、1.0に近づくほど雑音のレベル変化が大きく定常性が弱いとする。一方、雑音のレベル変化S(f)は、0に近づくほど雑音のレベル変化が小さく定常性が強いとする。雑音状態評価部125は、図9の関係図を参照し、Rate(f)に対応する雑音のレベル変化S(f)を次のように求める。
(Rate(f)−δ1)/(δ2−δ1) ・・・(15)
(a3)総合値LS(f)の算出
また、雑音状態評価部125は、雑音のレベルL(f)及び雑音のレベル変化S(f)の両方を変数とする関数として、総合値LS(f)を算出する。総合値LS(f)は、例えば、雑音のレベルL(f)及び雑音のレベル変化S(f)の一次の加重平均により次式(16)により算出可能である。
ここで、τは、雑音のレベルL(f)及び雑音のレベル変化S(f)が総合値LS(f)に占める割合を決定する値であり、実験から求め得る。また、τは、0≦τ≦1.0の範囲で定義される。
次に、雑音の状態に基づいた、受音範囲、切換範囲及び抑圧範囲の制御方法について説明する。
同期化係数算出部126は、雑音の状態に基づいて設定された受音範囲、切換範囲及び抑圧範囲の情報を範囲設定部121から受信する。同期化係数算出部126は、位相スペクトル差DIFF(f)を位相差スペクトル差算出部124から受信する。同期化係数算出部126は、雑音の状態に基づいた受音範囲、切換範囲及び抑圧範囲と、位相スペクトル差DIFF(f)と、に基づいて、次の(a1)〜(a3)のように同期化係数C(f)を算出する。
(a1)位相スペクトル差DIFF(f)が抑圧範囲にある場合
同期化係数算出部126は、位相スペクトル差DIFF(f)が抑圧範囲にある場合は、次式(17)に基づいて同期化係数C(f)を算出する。
=α×C(f)’+(1−α)×(INI(f)/IN2(f))・・・(17)
ここで、C(f)’は、更新前の同期化係数である。同期化係数C(f)の更新は、例えば1分析フレーム毎に行われる。αは、同期化のための前の分析フレームの遅延位相量の加算割合又は合成割合を示す。αは0より大きく1.0未満である。
同期化係数算出部126は、位相スペクトル差DIFF(f)が受音範囲にある場合は、次式(18)又は(19)に基づいて同期化係数C(f)を算出する。
または,同期化係数C(f)=0 ・・・(19)
fsはサンプリング周波数である。
同期化係数算出部126は、位相スペクトル差DIFF(f)が切換範囲にある場合は、その位置に応じて、上記(a1)及び上記(a2)に基づく同期化係数C(f)の算出結果を例えば加重平均することにより同期化係数C(f)を算出する。
同期化係数算出部126は、上記(a1)〜(a3)に基づいて算出した同期化係数C(f)に、次式(20)に示すようにさらにゲインg(f)を乗算し、ゲインg(f)に依存する同期化係数Cg(f)を算出しても良い。
ここで、ゲインg(f)は、周波数軸上において雑音の抑圧量を調整するためのゲインである。同期化係数算出部126は、ゲインg(f)を雑音の状態に応じて設定する。図14は、雑音の状態を示す総合値LS(f)とゲインg(f)との関係の一例を示す関係図である。同期化係数算出部126は、前記式(16)で算出した総合値LS(f)と図14とに基づいてゲインg(f)を設定する。なお、ゲインg(f)は0以上1.0以下である。後述の減算部128が、ゲインg(f)に依存する同期化係数Cg(f)を用いて処理を行うことで、複素スペクトルIN1(f)からの複素スペクトルIN2(f)の減算量が調整される。結果として、マイクロホンMIC1が取得した音に含まれる雑音の抑圧量が調整される。
同期化部127は、同期化係数算出部126から、同期化係数C(f)又はゲインg(f)に依存する同期化係数Cg(f)を受信する。同期化部127は、雑音の状態に基づいて、同期化係数C(f)又は同期化係数Cg(f)のいずれかを用いて同期化を行う。あるいは、同期化部127は、いずれの同期化係数を用いるかについての初期設定に基づいて、同期化を行っても良い。
なお、ここでは、同期化係数としてCg(f)を用いたが、C(f)を用いても良い。
減算部128は、次式(22)に示すように、複素スペクトルIN1(f)から同期化された複素スペクトルINs2(f)を減算し、出力OUT(f)を得る。
(1−9)信号復元部
信号復元部129は、減算部128からの出力OUT(f)を時間軸上の信号に変換する。信号復元部129での処理は、第1及び第2信号変換部122、123での変換に対して逆変換処理である。ここでは、信号復元部129は、出力OUT(f)を逆高速フーリエ変換(IFFT)する。さらに、信号復元部129は、逆高速フーリエ変換の結果をオーバラップ加算し、マイクロホンMIC1の時間軸上の出力信号を生成する。
以下に、本実施形態例の処理について図15を用いて説明する。図15は、本実施形態例に係るマイクロホンアレイ装置が実行する雑音抑圧処理の流れを示すフローチャートの一例である。
第2実施形態例に係るマイクロホンアレイ装置200では、2つのマイクロホンで取得した各音信号を周波数軸上で処理して雑音の状態を取得し、雑音の状態に基づいた同期減算処理により雑音を抑圧する。
図16は、第3実施形態例に係るマイクロホンアレイ装置の機能構成を示すブロック図の一例である。第3実施形態例に係るマイクロホンアレイ装置300は、図6に示す第2実施形態例に係るマイクロホンアレイ装置200と同様に、第1音受付部111、第2音受付部112、範囲設定部121、第1信号変換部122、第2信号変換部123、位相スペクトル差算出部124、雑音状態評価部125及び信号復元部129を有している。これらの機能部での処理は第2実施形態例と同様である。
雑音抑圧用ゲイン算出部140は、雑音の状態に基づいて設定された受音範囲、切換範囲及び抑圧範囲の情報を範囲設定部121から受信する。また、雑音抑圧用ゲイン算出部140は、位相スペクトル差DIFF(f)を位相差スペクトル差算出部124から受信する。雑音抑圧用ゲイン算出部140は、雑音の状態に基づいた受音範囲、切換範囲及び抑圧範囲と、位相スペクトル差DIFF(f)と、に基づいて、周波数軸上において雑音の抑圧量を調整するためのゲインG(f)を算出する。なお、ゲインG(f)は0以上1.0以下である。
ゲイン乗算部141は、雑音抑圧用ゲイン算出部140からゲインG(f)を取得し、次式(23)に示すように複素スペクトルIN1(f)に乗算してOUT(f)を出力する。
このOUT(f)は、信号復元部129により処理され、マイクロホンMIC1における時間軸上の出力信号として出力される。
以下に、本実施形態例の処理について図18を用いて説明する。図18は、本実施形態例に係るマイクロホンアレイ装置が実行する雑音抑圧処理の流れを示すフローチャートの一例である。
上記第1〜第3実施形態例では、目的音源SSが存在する方向、つまり目的音が到来する受音方向は予め初期設定されており、マイクロホンアレイ装置は、その受音方向を前提として、受音方向及び受音範囲からの目的音の抑圧量を調整する。一方、本実施形態例のマイクロホンアレイ装置400は、目的音源SSの方向を検出し、目的音源SSの方向に基づいて受音方向を設定する。なお、本実施形態例のマイクロホンアレイ装置400は、予め受音方向が初期設定されている場合にも適用可能であり、例えば検出した目的音源SSの方向に基づいて、初期設定された受音方向を変更する。以下に第4実施形態例に係るマイクロホンアレイ装置400について説明する。
図19は、第4実施形態例に係るマイクロホンアレイ装置の機能構成を示すブロック図の一例である。第4実施形態例に係るマイクロホンアレイ装置400は、図6に示す第2実施形態例に係るマイクロホンアレイ装置200と同様の機能構成を一部に含む。第4実施形態例に係るマイクロホンアレイ装置400は、第1音受付部111、第2音受付部112、範囲設定部121、第1信号変換部122、第2信号変換部123、位相スペクトル差算出部124、同期化係数算出部126、同期化部127、減算部128及び信号復元部129などを含む。また、図19のマイクロホンアレイ装置400は、第2実施形態例の雑音状態評価部125に代えて、レベル評価部150を含む。
範囲設定部121は、各マイクロホンの受音範囲、切換範囲及び抑圧範囲を初期設定しない。よって、各マイクロホンは初期設定の段階では無指向性の状態に設定される。
(a)レベル評価
レベル評価部150は、第1信号変換部122及び第2信号変換部123から、それぞれ複素スペクトルIN1(f)及び複素スペクトルIN2(f)を受信する。レベル評価部150は、複素スペクトルIN1(f)及び複素スペクトルIN2(f)に基づいて、マイクロホンMIC1が取得した音信号in1(ti)のレベル1及びマイクロホンMIC2が取得した音信号in2(ti)のレベル2を周波数毎に算出する。各音信号のレベルは、下記式(24)、(25)により算出可能である。
レベル2=Σ|IN2(f)|2 ・・・(25)
(b)目的音源SSの方向の検出
次に、レベル評価部150は、上記各音信号のレベルの大小を評価し、目的音源SSの方向を検出する。例えば、レベル評価部150は、次のような評価に基づいて目的音源SSの方向を検出することができる。
次に、レベル評価部150が検出した目的音源SSの方向に基づいた、受音範囲、切換範囲及び抑圧範囲の制御方法について説明する。
同期化係数算出部126は、レベル評価に基づいて設定された受音範囲、切換範囲及び抑圧範囲の情報を範囲設定部121から受信する。同期化係数算出部126は、位相スペクトル差DIFF(f)を位相差スペクトル差算出部124から受信する。同期化係数算出部126は、レベル評価に基づいて設定された受音範囲、切換範囲及び抑圧範囲と、位相スペクトル差DIFF(f)と、に基づいて同期化係数C(f)を算出する。同期化係数C(f)の算出方法は、第2実施形態例と同様であるので説明を省略する。また、同期化係数算出部126は、上記第2実施形態例と同様に、同期化係数C(f)に式(20)に示すようにさらにゲインg(f)を乗算し、ゲインg(f)に依存する同期化係数Cg(f)を算出しても良い。
以下に、本実施形態例の処理について図22を用いて説明する。図22は、本実施形態例に係るマイクロホンアレイ装置が実行する、レベル比に基づく範囲設定処理の流れを示すフローチャートの一例である。
第4実施形態例は、第2及び第3実施形態例と組み合わせることも可能である。つまり、マイクロホンアレイ装置は、まず第4実施形態例に示すように2つのマイクロホンMIC1及びMIC2において受音した音のレベルの評価結果に基づいて受音範囲、切換範囲及び抑圧範囲を制御する。次に、マイクロホンアレイ装置は、第2実施形態例又は第3実施形態例に示すように、雑音の状態に応じて受音範囲、切換範囲及び抑圧範囲を制御する。
図23は、第2実施形態例と第4実施形態例とを組み合わせた場合の機能構成を示すブロック図の一例である。第2実施形態例の図6の機能構成にさらにレベル評価部150が設けられている。
図25は、第3実施形態例と第4実施形態例とを組み合わせた場合の機能構成を示すブロック図の一例である。第3実施形態例の図16の機能構成にさらにレベル評価部150が設けられている。
上記実施形態例は、以下のような変形例にも適用可能である。
上記第1〜第4実施形態例では、雑音の状態として、雑音のレベル、雑音のレベル変化及びそれらの総合値を用いた。しかし、雑音の状態を表すあらゆる要素を、本願の雑音の状態とすることができる。また、上記第1〜第3実施形態例では、雑音のレベル、雑音のレベル変化及びそれらの総合値を算出する方法の一例を示しただけであり、それらの算出方法は上記の方法に限定されない。
上記第2及び第3実施形態例では、雑音のレベルL(f)及び雑音のレベル変化S(f)の両方を適度に考慮して雑音の抑圧量を調整する。そのために、雑音のレベルL(f)<雑音のレベル変化S(f)、又は、雑音のレベルL(f)>雑音のレベル変化S(f)の継続期間を測定している。そして、その継続期間に応じて、雑音のレベルL(f)又は雑音のレベル変化S(f)が総合値LS(f)に与える影響を調整し、雑音の抑圧量に与える影響を調整している。
また、上記第1〜第4実施形態例では、雑音の状態に基づいて雑音の抑圧量を調整し、目的音の歪みを抑制する方法を開示した。雑音の抑圧量を雑音の状態に基づいて調整する基本概念は、上記の同期減算方式などだけではなく、例えば同期加算方式などあらゆる方法に適用可能である。
上記第1〜第4実施形態例では、複数のマイクロホンを直線上に一次元で配置し、そのうちマイクロホンMIC1、マイクロホンMIC2を用いている。しかし、複数のマイクロホンを例えば、三角形の頂点の位置に配置するなど二次元の関係となるように配置しても良い。このように二次元に配置することで、より複雑により詳細に指向性を制御することができる。
また、上記マイクロホンアレイ装置は、例えば、音声認識装置を有する車載装置又はカーナビゲーション装置、ハンズフリー電話機又は携帯電話機などの機器に組み込み可能である。
また、上記処理は、ROM102に格納されたプログラムを、CPU101の各機能部が実行することによって実現される。しかし、ハードウェアとして実装された信号処理回路が、プログラムに従って上記処理を実行しても良い。
また、前述の方法をコンピュータに実行させるコンピュータプログラム及びそのプログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体は、本発明の範囲に含まれる。ここで、コンピュータ読み取り可能な記録媒体としては、例えば、フレキシブルディスク、ハードディスク、CD−ROM(Compact Disc−Read Only Memory)、MO(Magneto Optical disk)、DVD、DVD−ROM、DVD−RAM(DVD−Random Access Memory)、BD(Blue-ray Disc)、USBメモリ、半導体メモリなどを挙げることができる。前記コンピュータプログラムは、前記記録媒体に記録されたものに限られず、電気通信回線、無線又は有線通信回線、インターネットを代表とするネットワーク等を経由して伝送されるものであってもよい。
(付記1)
複数のマイクロホンから入力される複数の音信号を取得する音取得部と、
前記音取得部で取得し、非抑圧方向に配置したマイクロホンから得られる非抑圧音信号と、前記音取得部で取得し、抑圧方向に配置したマイクロホンから得られる抑圧音信号とを比較して、前記非抑圧音信号に含まれる目的音に対する、前記抑圧方向からの非目的音の影響を評価する評価パラメータを求める評価部と、
前記評価パラメータに基づいて前記非目的音の抑圧量を制御する抑圧部を有し、当該抑圧部を制御することで前記マイクロホンの指向性を制御する指向性制御部と、を備えるマイクロホンアレイ装置。
前記評価部は、前記非抑圧音信号及び前記抑圧音信号に基づいて、前記非目的音のレベル及び前記非目的音のレベル変化を含む前記評価パラメータを求める付記1に記載のマイクロホンアレイ装置。
前記抑圧部は、前記評価パラメータに基づいて、
前記非目的音のレベルが閾値X1より大きい場合、又は、
前記非目的音のレベル変化が閾値Y1より大きい場合には、
前記非目的音の抑圧量を増加させ、
前記非目的音のレベルが閾値X2より小さい場合、又は、
前記非目的音のレベル変化が閾値Y2より小さい場合には、
前記非目的音の抑圧量を減少させる、付記2に記載のマイクロホンアレイ装置。
前記評価部は、前記非抑圧音信号と前記抑圧音信号との差分に基づく信号により、前記評価パラメータを求める、付記1〜3のいずれかに記載のマイクロホンアレイ装置。
前記抑圧部は、
前記非目的音のレベル及び前記非目的音のレベル変化の両方に基づいて前記非目的音の抑圧量を調整する場合、
前記非目的音のレベルが前記非目的音のレベル変化よりも前記抑圧量に与える影響が大きい期間が閾値期間以上継続すると、前記非目的音のレベルが前記抑圧量に与える影響を小さくし、
前記非目的音のレベル変化が前記非目的音のレベルよりも前記抑圧量に与える影響が大きい期間が閾値期間以上継続すると、前記非目的音のレベル変化が前記抑圧量に与える影響を小さくする、請求項2〜4のいずれかに記載のマイクロホンアレイ装置。
前記評価部は、前記非抑圧音信号を遅延させた遅延非抑圧音信号と、前記抑圧音信号と、の差分に基づいて、前記評価パラメータを求める、付記1〜5のいずれかに記載のマイクロホンアレイ装置。
前記抑圧部は、
前記非抑圧音信号から、前記抑圧音信号を遅延させた遅延抑圧音信号を減算する減算量を定義するゲインを、前記評価パラメータに基づいて決定し、
前記遅延抑圧音信号と前記ゲインとの乗算結果を、前記非抑圧音信号から減算する、付記6に記載のマイクロホンアレイ装置。
前記非抑圧方向を含み、前記目的音を受音するための受音範囲と、前記非目的音を受音するための抑圧範囲と、前記受音範囲と前記抑圧範囲との間の切換範囲と、が設定されることで指向性が制御され、
前記抑圧部は、前記評価パラメータに基づいて、
前記非目的音のレベルが閾値X1より大きい場合、又は、
前記非目的音のレベル変化が閾値Y1より大きい場合には、
前記非目的音の抑圧量を増加させるように、前記受音範囲、前記切換範囲及び前記抑圧範囲の少なくとも1の範囲を制御し、
前記非目的音のレベルが閾値X2より小さい場合、又は、
前記非目的音のレベル変化が閾値Y2より小さい場合には、
前記非目的音の抑圧量を減少させるように、前記受音範囲、前記切換範囲及び前記抑圧範囲の少なくとも1の範囲を制御する、付記2〜5のいずれかに記載のマイクロホンアレイ装置。
前記抑圧部は、前記非目的音の抑圧量を増加させる場合には前記抑圧範囲を広げ、前記非目的音の抑圧量を減少させる場合には前記抑圧範囲を狭くする、付記8に記載のマイクロホンアレイ装置。
前記音取得部が受け付けた前記非抑圧音信号及び前記抑圧音信号を、周波数軸上の非抑圧スペクトル信号及び抑圧スペクトル信号に変換する信号変換部と、
前記非抑圧スペクトル信号に対する、前記抑圧スペクトル信号の位相スペクトル差を算出する位相スペクトル差算出部と、
をさらに含み、
前記評価部は、所定の位相スペクトル差と、前記受音範囲、前記抑圧範囲及び前記切換範囲と、が所定の関係にある場合において、前記位相スペクトル差算出部が算出した前記位相スペクトル差が前記抑圧範囲に含まれる場合、前記非抑圧スペクトル信号に基づいて前記評価パラメータを求める、付記8又は9に記載のマイクロホンアレイ装置。
前記抑圧部は、
前記位相スペクトル差算出部が算出した前記位相スペクトル差と、前記評価パラメータに応じて制御された前記受音範囲、前記切換範囲及び前記抑圧範囲と、に基づいて、前記第2スペクトル信号の位相量を示す同期化係数を算出する同期化係数算出部と、
前記同期化係数と前記抑圧スペクトル信号とを乗算する同期化部と、
前記非抑圧スペクトル信号から、前記同期化係数と前記抑圧スペクトル信号との乗算結果を減算する減算部と、
を含む、付記10に記載のマイクロホンアレイ装置。
前記同期化係数算出部は、前記減算部での前記乗算結果の減算量を調整するゲインを前記評価パラメータに基づいて算出し、前記同期化係数に前記ゲインを乗算し、
前記減算部は、前記非抑圧スペクトル信号から、前記ゲインが乗算された同期化係数と前記抑圧スペクトル信号との乗算結果を減算する、付記11に記載のマイクロホンアレイ装置。
前記非目的音のレベルは、前記非目的音の取り得るレベルの最大値に対する、対象となる非目的音のレベルの相対値で表され、
前記非目的音のレベル変化は、所定期間の前記非目的音のレベルの平均値に対する、前記対象となる非目的音のレベルの相対値で表され、
前記評価部は、前記非目的音のレベル及び前記非目的音のレベル変化の両方を変数とする関数に基づいて、前記評価パラメータを求め、
前記非目的音のレベルが前記非目的音のレベル変化よりも大きい期間が所定期間以上継続すると、前記非目的音のレベルが前記関数に与える影響を小さくし、前記非目的音のレベル変化が前記非目的音のレベルよりも大きい期間が所定期間以上継続すると、前記非目的音のレベル変化が前記関数に与える影響を小さくする、付記10に記載のマイクロアレイ装置。
前記抑圧部は、
前記位相スペクトル差算出部が算出した前記位相スペクトル差と、前記評価パラメータに応じて制御された前記受音範囲、前記切換範囲及び前記抑圧範囲と、に基づいて、前記非抑圧スペクトル信号の抑圧量を調整するためのゲインを算出する雑音抑圧用ゲイン算出部と、
前記非抑圧スペクトル信号に前記ゲインを乗算するゲイン乗算部と、
を含む、付記10に記載のマイクロホンアレイ装置。
前記評価部は、前記非抑圧音信号のレベルと前記抑圧音信号のレベルとの大小を評価して前記評価パラメータを求め、
前記指向性制御部は、前記評価パラメータに基づいて、前記受音方向を含み、前記目的音を受音するための受音範囲を制御する、付記1に記載のマイクロホンアレイ装置。
前記指向性制御部は、レベルの大きい音信号を受音したマイクロホン側に前記受音範囲を設定する、付記15に記載のマイクロホンアレイ装置。
前記指向性制御部は、レベルの小さい音信号を受音したマイクロホン側に、前記非目的音を受音するための抑圧範囲を設定する、付記16に記載のマイクロホンアレイ装置。
複数のマイクロホンから入力される複数の音信号を取得し、
非抑圧方向に配置したマイクロホンから得られる非抑圧音信号と、抑圧方向に配置したマイクロホンから得られる抑圧音信号とを比較して、前記非抑圧音信号に含まれる目的音に対する、抑圧方向からの非目的音の影響を評価する評価パラメータを求め、
前記評価パラメータに基づいて、前記非目的音の抑圧量を制御する抑圧し、前記マイクロホンの指向性を制御する処理をコンピュータに実行させる指向性制御プログラム。
100、200、300、400:マイクロホンアレイ装置
101:CPU
102:ROM
103:RAM
104:マイクロホンアレイ
105:通信I/F
111、112:第1音受付部、第2音受付部
111a、112a:AMP
111b、112b:LFP
111c、112c:A/D変換器
113:第1遅延部
114:第1減算部
115:第2遅延部
116:第2減算部
117、125:雑音状態評価部
118:減算調整部
121:範囲設定部
122:第1信号変換部
123:第2信号変換部
124:位相スペクトル差算出部
126:同期化係数算出部
127:同期化部
128:減算部
129:信号復元部
140:雑音抑圧用ゲイン算出部
141:ゲイン乗算部
150:レベル評価部
Claims (8)
- 複数のマイクロホンから入力される複数の音信号を取得する音取得部と、
前記音取得部で取得し、非抑圧方向に配置したマイクロホンから得られる非抑圧音信号と、前記音取得部で取得し、抑圧方向に配置したマイクロホンから得られる抑圧音信号とを比較して、前記非抑圧音信号に含まれる目的音に対する、前記抑圧方向からの非目的音の影響を評価する評価パラメータを求める評価部と、
前記評価パラメータに基づいて、前記非目的音の抑圧量を制御する抑圧部を有し、当該抑圧部を制御することで前記マイクロホンの指向性を制御する指向性制御部と、を備えるマイクロホンアレイ装置。 - 前記評価部は、前記非抑圧音信号及び前記抑圧音信号に基づいて、前記非目的音のレベル及び前記非目的音のレベル変化を含む前記評価パラメータを求める請求項1に記載のマイクロホンアレイ装置。
- 前記抑圧部は、前記評価パラメータに基づいて、
前記非目的音のレベルが閾値X1より大きい場合、又は、
前記非目的音のレベル変化が閾値Y1より大きい場合には、
前記非目的音の抑圧量を増加させ、
前記非目的音のレベルが閾値X2より小さい場合、又は、
前記非目的音のレベル変化が閾値Y2より小さい場合には、
前記非目的音の抑圧量を減少させる、請求項2に記載のマイクロホンアレイ装置。 - 前記抑圧部は、
前記非目的音のレベル及び前記非目的音のレベル変化の両方に基づいて前記抑圧音信号の抑圧量を調整する場合、
前記非目的音のレベルが前記非目的音のレベル変化よりも前記抑圧量に与える影響が大きい期間が閾値期間以上継続すると、前記非目的音のレベルが前記抑圧量に与える影響を小さくし、
前記非目的音のレベル変化が前記非目的音のレベルよりも前記抑圧量に与える影響が大きい期間が閾値期間以上継続すると、前記非目的音のレベル変化が前記抑圧量に与える影響を小さくする、請求項2又は3のいずれかに記載のマイクロホンアレイ装置。 - 前記評価部は、前記非抑圧音信号のレベルと前記抑圧音信号のレベルとの大小を評価して前記評価パラメータを求めし、
前記指向性制御部は、前記評価パラメータに基づいて、目的音源が存在する受音方向を含み、前記目的音源からの目的音を受音するための受音範囲を制御する、請求項1に記載のマイクロホンアレイ装置。 - 前記指向性制御部は、前記複数のマイクロホンのうち、レベルの大きい音信号を受音したマイクロホン側に前記受音範囲を設定する、請求項5に記載のマイクロホンアレイ装置。
- 前記指向性制御部は、前記複数のマイクロホンのうち、レベルの小さい音信号を受音したマイクロホン側に、前記目的音源以外からの非目的音を受音するための抑圧範囲を設定する、請求項6に記載のマイクロホンアレイ装置。
- 複数のマイクロホンから入力される複数の音信号を取得し、
非抑圧方向に配置したマイクロホンから得られる非抑圧音信号と、抑圧方向に配置したマイクロホンから得られる抑圧音信号とを比較して、前記非抑圧音信号に含まれる目的音に対する、抑圧方向からの非目的音の影響を評価する評価パラメータを求め、
前記評価パラメータに基づいて、前記非目的音の抑圧量を制御する抑圧し、前記マイクロホンの指向性を制御する処理をコンピュータに実行させる指向性制御プログラム。
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