JP5070993B2 - 音処理装置、位相差補正方法及びコンピュータプログラム - Google Patents

音処理装置、位相差補正方法及びコンピュータプログラム Download PDF

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Description

本発明は、受音した音に基づいて音信号を生成する複数の受音部を備え、該複数の受音部が生成した夫々の音信号を処理する音処理装置、該音処理装置を用いた位相差補正方法、前記音処理装置を実現するためのコンピュータプログラムに関し、特に複数の受音部の個体差に起因する音信号の位相差を補正する音処理装置、位相差補正方法及びコンピュータプログラムに関する。
複数のマイクロホンを用いて音の到来方向の特定等の処理を行う様々な音処理装置が開発及び実用化されている。複数のマイクロホンを用いた音処理装置の例を説明する。図11は、音処理装置の外形を示す斜視図である。図11中1000は、携帯電話を用いた音処理装置であり、音処理装置1000は、直方体状の筐体1001を備えている。筐体1001の正面は、話者が発する音声を受音すべく第1マイクロホン1002が配設されている。また筐体1001の底面には、第2マイクロホン1003が配設されている。
音処理装置1000に対しては、様々な方向から音が到来しており、音処理装置1000は、第1マイクロホン1002及び第2マイクロホン1003に到達した音の時間差に対応する位相差に基づいて、音の到来方向を特定する。そして音処理装置1000は、到来方向に応じて、第1マイクロホン1002にて受音した音の抑圧等の処理を行うことにより所望する指向特性を形成する。
図11に例示した様な音処理装置1000に用いられる複数のマイクロホンには、感度等の特性が一致していることが求められる。図12は、音処理装置1000の指向特性の計測結果を示すレーダーチャートである。図12に示すレーダーチャートは、音の到来方向毎に、音処理装置1000の第1マイクロホン1002が受音した音の抑制後の信号強度(dB)を示している。なお音処理装置1000の筐体1001の第1マイクロホン1002が配設された正面方向から音が到来する状況を0度とし、右側面の方向から到来する状況を90度、背面方向から到来する状況を180度、そして左側面の方向から到来する状況を270度としている。図12において、実線は、第1マイクロホン1002及び第2マイクロホン1003の感度が同じである状態1を示し、破線は、第1マイクロホン1002の方が第2マイクロホン1003より感度が高い状態2を示し、一点鎖線は、第2マイクロホン1003の方が第1マイクロホン1002より感度が高い状態を示している。所望する指向特性が、第1マイクロホン1002及び第2マイクロホン1003の感度が同じである状態1とした場合、第1マイクロホン1002及び第2マイクロホン1003の感度が異なる状態2及び状態3では、側方及び後方の指向特性にバラツキが生じている。
図12に示した様にマイクロホンに個体差がある場合、音処理装置の特性に影響を与えることになる。ところが一般に製造されているマイクロホンでは、一定の規格内で感度差等の個体差が存在する。そこで複数のマイクロホンに対して、等距離となる位置から教師信号を発生させ、各マイクロホンの特性が一致する様に調整する方法が提案されている(例えば特許文献1及び特許文献2参照。)。
特開2002−99297号公報 特開2004−343700号公報
しかしながら特許文献1及び特許文献2に開示されている様な等距離となる位置から発生させた教師信号に基づいて事前に個体差を調整する方法では、音処理装置が備える各マイクロホンの組毎に、即ち音処理装置毎に調整しなければならないため、生産時のコストが増大するという問題がある。また各マイクロホンの経年変化の個体差に対応することができないため、出荷後に各マイクロホンの特性に差異が生じるという問題がある。
本発明は斯かる事情に鑑みてなされたものであり、夫々の音信号に基づくスペクトル比から一の音信号を基準とする他の音信号の補正値を算出し、算出した補正値にて他の音信号の位相を補正することにより、装置の使用時に音信号の補正を行うことができるので、生産コストの増大を抑制し、経年変化にも対応することが可能な音処理装置、該音処理装置を用いた位相差補正方法、前記音処理装置を実現するためのコンピュータプログラムの提供を目的とする。
第1発明に係る音処理装置は、受音した音に基づいて音信号を生成する複数の受音部を備え、該複数の受音部が生成した夫々の音信号を処理する音処理装置において、前記複数の受音部のうちの第1の受音部が受音した第1の音に基づく第1の音信号及び前記複数の受音部のうちの第2の受音部が受音した第2の音に基づく第2の音信号を、夫々周波数軸上の信号に変換する変換部と、該変換部により周波数軸上の信号に変換した第1の音信号に対する第2の音信号のスペクトル比を計算する計算部と、該計算部が計算したスペクトル比に基づき、変換した第1の音信号を基準として、変換した第2の音信号の位相の補正値を算出する算出部と、該算出部が算出した補正値に基づいて、変換した第2の音信号の位相を補正する補正部とを備えることを特徴とする。
第2発明に係る音処理装置は、第1発明において、前記計算部は、周波数軸上の信号に変換した夫々の音信号のパワースペクトル比を計算する様に構成してあることを特徴とする。
第3発明に係る音処理装置は、第2発明において、前記算出部は、下記の式(A)に基づいて補正値を算出する様に構成してあることを特徴とする。
Pcomp(ω)=α・F{S2 (ω)/S1 (ω)}+β …式(A)
但し、ω:角周波数
Pcomp(ω):位相の補正値
1 (ω):第1の音信号のパワースペクトル
2 (ω):第2の音信号のパワースペクトル
α,β:定数
F():関数
第4発明に係る音処理装置は、第2発明において、前記算出部は、下記の式(B)に基づいて補正値を算出する様に構成してあることを特徴とする。
Pcomp(ω)=[α・F{S1 (ω)/S2 (ω)}]・ω+β …式(B)
但し、ω:角周波数
Pcomp(ω):位相の補正値
1 (ω):第1の音信号のパワースペクトル
2 (ω):第2の音信号のパワースペクトル
α,β:定数
F():関数
第5発明に係る音処理装置は、第3発明又は第4発明において、前記関数は、対数関数であり、前記補正部は、変換した第2の音信号の位相に、補正値を加算する様に構成してあることを特徴とする。
第6発明に係る音処理装置は、第1発明において、前記計算部は、周波数軸上の信号に変換した夫々の音信号の振幅スペクトル比を計算する様に構成してあることを特徴とする。
第7発明に係る音処理装置は、第1発明乃至第6発明のいずれかにおいて、前記算出部が算出した補正値の時間変化を平滑化する平滑化部を更に備え、前記補正部は、前記平滑化部が平滑化した補正値に基づいて補正する様に構成してあることを特徴とする。
第8発明に係る位相差補正方法は、受音した音に基づいて音信号を生成する複数の受音部が生成した夫々の音信号の位相差を、コンピュータを用いて補正する位相差補正方法において、前記複数の受音部のうちの第1の受音部が受音した第1の音に基づく第1の音信号及び前記複数の受音部のうちの第2の受音部が受音した第2の音に基づく第2の音信号を、夫々周波数軸上の信号に変換する手順と、該変換部により周波数軸上の信号に変換した第1の音信号に対する第2の音信号のスペクトル比を計算する手順と、該計算部が計算したスペクトル比に基づき、変換した第1の音信号を基準として、変換した第2の音信号の位相の補正値を算出する手順と、該算出部が算出した補正値に基づいて、変換した第2の音信号の位相を補正する手順とを実行することを特徴とする。
第9発明に係るコンピュータプログラムは、コンピュータにロードして、該コンピュータ上で実行される手順を定義してあり、受音した音に基づいて音信号を生成する複数の受音部が生成した夫々の音信号の位相差を、前記コンピュータに補正させるコンピュータプログラムにおいて、コンピュータに、前記複数の受音部のうちの第1の受音部が受音した第1の音に基づく第1の音信号及び前記複数の受音部のうちの第2の受音部が受音した第2の音に基づく第2の音信号を、夫々周波数軸上の信号に変換させる手順と、該変換部により周波数軸上の信号に変換した第1の音信号に対する第2の音信号のスペクトル比を計算させる手順と、該計算部が計算したスペクトル比に基づき、変換した第1の音信号を基準として、変換した第2の音信号の位相の補正値を算出させる手順と、該算出部が算出した補正値に基づいて、変換した第2の音信号の位相を補正させる手順とを実行させることを特徴とする。
本発明では、複数の受音部にて生成された夫々の音信号に基づくスペクトル比から第1の音信号を基準とする第2の音信号の補正値を算出し、算出した補正値にて第2の音信号の位相を補正することにより、使用中の音処理装置にて適宜音信号の補正を行うため、生産時に、受音部の組毎の個体差の調整を行う必要が無いので、生産時のコストの増大を抑制することが可能であり、しかも出荷後、各受音部の経年変化に個体差が生じるとしても、都度音信号の補正を行うことにより、経年変化による特性の差を吸収することが可能である。
本発明の音処理装置、位相差補正方法及びコンピュータプログラムは、マイクロホン等の複数の受音部の夫々にて受音した音に基づく音信号を生成し、生成した複数の音信号を周波数軸上の信号に変換し、変換した音信号のスペクトル比を計算し、計算したスペクトル比に基づき、変換した第1の音信号を基準として変換した第2の音信号の位相の補正値を算出し、算出した補正値に基づいて、変換した他の音信号の位相を補正する。
本発明では、感度が低いマイクロホンの波形は、感度が高いマイクロホンの波形より位相が進むという実験結果に基づき、感度をスペクトルに代替し、スペクトル比に応じて位相差の補正値を算出する。
この構成により、本発明では、使用中の音処理装置にて適宜音信号の補正を行うことが可能となる。このため、生産時に、受音部の組毎の感度差の調整を行う必要が無いので、生産時のコストの増大を抑制することが可能である等、優れた効果を奏する。しかも本発明では、各受音部の経年変化に感度差が生じたとしても、都度音信号の補正を行うことにより、経年変化による特性の差を吸収することが可能である等、優れた効果を奏する。
以下、本発明をその実施の形態を示す図面に基づいて詳述する。
実施の形態1.
図1は、本発明の実施の形態1に係る音処理装置の外形の一例を示す斜視図である。図1中1は、携帯電話等のコンピュータを用いた本発明の音処理装置であり、音処理装置1は、直方体状の筐体10を備えている。筐体10の正面は、話者が発する音声を受音すべくコンデンサマイク等のマイクロホンを用いた第1受音部14aが配設されている。また筐体10の底面には、コンデンサマイク等のマイクロホンを用いた第2受音部14bが配設されている。音処理装置1に対しては、様々な方向から音が到来しており、音処理装置1は、第1受音部14a及び第2受音部14bに到達する時間差に対応する位相差に基づいて、音の到来方向を推定する。そして音処理装置1は、到来方向に応じて、第1受音部14aにて受音した音の抑圧等の処理を行うことにより所望する指向特性を形成する。なお以降の説明において、特に第1受音部14a及び第2受音部14bを区別する必要がない場合、受音部14として説明する。
図2は、本発明の実施の形態1に係る音処理装置1のハードウェアの構成例を示すブロック図である。図2中1は、携帯電話等のコンピュータを用いた本発明の音処理装置であり、音処理装置1は、装置全体を制御するCPU等の制御部11と、本発明のコンピュータプログラム100等のプログラム及び各種設定値等のデータを記録するROM、RAM等の記録部12と、通信インタフェースとなるアンテナ及びその付属機器等の通信部13とを備えている。また音処理装置1は、外部の音を受音してアナログの音信号を生成するマイクロホン等の複数の受音部14,14と、スピーカ等の音出力部15と、音信号の変換処理を行う音変換部16とを備えている。さらに音処理装置1は、英数字及び各種命令等のキー入力による操作を受け付ける操作部17と、各種情報を表示する液晶ディスプレイ等の表示部18とを備えている。なおここでは音処理装置1が、二の受音部14,14を備える形態を説明するが、本発明はこれに限らず、三以上の受音部14,14,…を備えても良い。そして携帯電話等のコンピュータは、本発明のコンピュータプログラム100に含まれる各種手順を制御部11にて実行することで、本発明の音処理装置1として動作する。
図3は、本発明の実施の形態1に係る音処理装置1の機能例を示す機能ブロック図である。本発明の音処理装置1は、第1受音部14a及び第2受音部14bと、アナログ信号である音信号をデジタル信号に変換した際の折り返し誤差(エイリアジング)を防止すべくLPF(Low Pass Filter )として機能するアンチエイリアジングフィルタ160と、アナログ信号である音信号をデジタル信号に変換するA/D変換手段161とを備えている。なお第1受音部14a及び第2受音部14bは、アナログ信号である音信号を増幅する図示しない増幅器を含んでいる。アンチエイリアジングフィルタ160及びA/D変換手段161は、音変換部16にて実現される機能である。なおアンチエイリアジングフィルタ160及びA/D変換手段161は、音変換部16として音処理装置1に内蔵するのではなく、受音部14,14と共に外部の音響取り込みデバイスに実装することも可能である。
さらに本発明の音処理装置1は、音信号から処理の単位となる所定時間長のフレームを生成するフレーム生成手段120と、音信号をFFT(高速フーリエ変換:Fast Fourier Transformation)処理にて周波数軸上の信号に変換するFFT変換手段121と、周波数軸上の信号に変換した夫々の音信号のパワースペクトル比を計算する計算手段122と、スペクトル比に基づき第2受音部14bが受音した音信号の位相の補正値を算出する算出手段123と、第2受音部14bが受音した音信号の位相を補正値に基づいて補正する補正手段124と、第1受音部14aが受音した音の抑圧等の処理を行う音処理手段125とを備えている。フレーム生成手段120、FFT変換手段121、計算手段122、算出手段123、補正手段124及び音処理手段125は、記録部12内の各種コンピュータプログラムを実行することにより実現されるソフトウェアとしての機能を示しているが、各種処理チップ等の専用ハードウェアを用いて実現する様にしても良い。
次に本発明の実施の形態1に係る音処理装置1の理論について説明する。本発明の音処理装置1は、第1受音部14a及び第2受音部14bが受音した音に基づいて、音処理手段125による処理を実行する前処理として、第1受音部14a及び第2受音部14bの感度差等の個体差を吸収すべく位相を補正する処理を実行する。先ず第1受音部14a及び第2受音部14bの感度差が位相に与える影響について説明する。
図4は、マイクロホンの感度差の違いによる音の波形の変化を示すグラフである。図4では、本発明の音処理装置1の受音部14として用いられるマイクロホンが受音した音の波形の時間変化を示すグラフであり、横軸にサンプル値を取り、縦軸に出力する音信号の振幅値をとってその関係を示している。サンプル値とは、96kHz等の周期でサンプリングした音信号のサンプルの順位を示す値である。図4では、感度の異なる同じ種類のマイクロホンを用いてインパルス音を受音した際の収録音(インパルスレスポンス)である。なお図4において、実線は感度が高いマイクロホンに係る変化を示し、破線は感度が低いマイクロホンに係る変化を示している。図4における実線及び破線のピークを比較すると明らかな様に、実線で示した感度が高いマイクロホンによる音信号は、破線で示した感度が低いマイクロホンによる音信号と比べて、波形が上下に大きく振れる。さらに感度が低いマイクロホンによる音信号は、感度が高いマイクロホンによる音信号より、波形全体が早いタイミングで変化している。即ち感度が低いマイクロホンによる音信号は、感度が高いマイクロホンによる音信号より位相が進んでいる。
感度差と位相の進みとの関係について電気系及び機械系の等価回路の関係を用いて説明する。図5は、マイクロホンの等価回路を示す回路図である。図5では、本発明の音処理装置1の受音部14として用いられるコンデンサマイク等のマイクロホンの等価回路を示しており、出力端子に対して静電容量がCであるコンデンサ及び抵抗値がRである抵抗を並列に接続した回路となっている。外部からの音圧変化によりコンデンサマイクが押圧された後の出力電圧値の挙動は、抵抗値Rが働くバネ定数K(=1/C)の減衰振動と等価である。ここで図5に示した等価回路において、下記の式(1)に示すバネ振動の運動方程式が成立するものとする。
Figure 0005070993
上記の式(1)をxについて解いた解が下記の式(2)である。
Figure 0005070993
上記の式(2)は、下記の式(3)に変形することができる。
Figure 0005070993
図6は、運動方程式に基づく出力電圧値の変化を示すグラフである。図6は、式(3)に基づく出力電圧xの時間変化を示すグラフである。なお実線は、R=0.04,ω2 =0.026として抵抗値が小さい場合の出力電圧xの理論値の時間変化を示しており、破線は、R=0.05,ω2=0.026として抵抗値が大きい場合の出力電圧xの理論値の時間変化を示している。式(3)及び図6のグラフより、破線で示した抵抗値Rが大きい場合の出力電圧xの変化は、実線で示した抵抗値Rが小さい場合の出力電圧xの変化と比べて、e-Rt として示す振幅、即ち出力電圧xの最大値が小さく、また波形全体が時間的に早い方向へシフトすることになる。即ち抵抗値Rが大きい場合の出力電圧xは、振幅が大きく位相が進むことになる。出力電圧xの振幅は、マイクロホンの感度に対応すると仮定すると、感度差の異なる複数のマイクロホンを用いた場合、感度が低いマイクロホンによる音信号は、感度が高いマイクロホンによる音信号より位相が進むことになり、図4を用いて示したインパルスレスポンスの実験と一致する。
上述した様にマイクロホンの感度差は音信号に係る振幅で確認することができ、また感度差は位相に影響することから、本発明の音処理装置1は、振幅に対応するパワースペクトルの値に基づいて、位相を補正することにより、受音部14,14の感度差による影響を抑制する。
次に本発明の実施の形態1に係る音処理装置1の処理について説明する。図7は、本発明の実施の形態1に係る音処理装置1の処理例を示すフローチャートである。音処理装置1は、コンピュータプログラム100を実行する制御部11の制御により、複数の受音部14,14が受音した夫々の音に基づいて、夫々アナログ信号である音信号を生成し(S101)、アンチエイリアジングフィルタ160にて濾波し、A/D変換手段161にてデジタル信号に変換する。
音処理装置1は、制御部11の制御に基づくフレーム生成手段120の処理により、デジタル信号に変換した夫々の音信号から処理の単位となる所定時間長のフレームを夫々生成する(S102)。ステップS102では、音響信号を、例えば20ms〜40ms程度の所定時間長の単位でフレーム化する。なお各フレームは、10ms〜20ms程度ずつシフトして処理を進める。
音処理装置1は、制御部11の制御に基づくFFT変換手段121の処理により、フレーム単位の音信号をFFT(高速フーリエ変換:Fast Fourier Transformation)処理にて周波数軸上の信号であるスペクトルに夫々変換する(S103)。ステップS103では、位相スペクトル及び振幅スペクトルに変換する。そして以下の処理では、振幅スペクトルの二乗であるパワースペクトルを用いる。なおここではパワースペクトルを用いた例を示しているが、振幅スペクトルを用いて以下の処理を行う様にしても良い。
音処理装置1は、制御部11の制御に基づく計算手段122の処理により、第1受音部14aが受音した音に基づく音信号のパワースペクトルに対する第2受音部14bが受音した音に基づくパワースペクトルの比を計算する(S104)。ステップS104では、夫々のパワースペクトルの周波数毎の値について、下記の式(4)を用いて比の値を計算する。
2 (ω)/S1 (ω) …式(4)
但し、ω:角周波数
1 (ω):第1受音部14aの音信号に基づくパワースペクトル
2 (ω):第2受音部14bの音信号に基づくパワースペクトル
音処理装置1は、制御部11の制御に基づく算出手段123の処理により、式(4)に示すパワースペクトル比に基づき、第1受音部14aに係る周波数軸上の音信号を基準として、第2受音部14bに係る周波数軸上の音信号の位相の補正値を算出する(S105)。ステップS105では、下記の式(5)を用いて補正値を算出する。
Pcomp(ω)=[α・F{S1 (ω)/S2 (ω)}]・ω+β …式(5)
但し、Pcomp(ω):位相の補正値
α,β:定数
F():関数
式(5)における定数α,βの求め方について説明する。先ず受音部14として用いられる種類(形式)のマイクロホンの中で、最も感度が高いマイクロホン及び最も感度が低いマイクロホンの組み合わせと、感度が同じマイクロホンの組み合わせとの、二種類の組み合わせのマイクロホン組で構成した調整用の装置を準備する。そして夫々のマイクロホン組に対して等距離となる位置から白色雑音を再生し、夫々のマイクロホンの位相差スペクトル(φ2 (ω)−φ1 (ω))を求め、感度が異なるマイクロホン組の位相差スペクトルが、感度が同じ組み合わせのマイクロホン組の位相差スペクトルにフィットするように定数α,βを求める。そして音処理装置1の記録部12に求めた定数α,βを記録しておき、調整に用いたマイクロホンと同じ種類のマイクロホンを用いて受音部14,14を構成することにより、ステップS105の処理が可能となる。また式(5)における関数F()としては、常用対数、自然対数等の対数関数、シグモイド関数等の適宜選択された関数が用いられる。
音処理装置1は、制御部11の制御に基づく補正手段124の処理により、ステップS105にて算出した位相の補正値を、第2受音部14bに係る周波数軸上の音信号の位相に加算して、第2受音部14bに係る音信号の補正を行う(S106)。ステップS106では、下記の式(6)を用いて音信号を補正する。
φ2 ’(ω)=φ2 (ω)+Pcomp(ω) …式(6)
但し、φ2 (ω):第2受音部14bが受音した音に基づく位相スペクトル
φ2 ’(ω):補正後の位相スペクトル
そして音処理装置1は、制御部11の制御に基づく音処理手段125の処理により、第1受音部14aに係る音信号及び第2受音部14bに係る位相を補正した音信号に基づいて、第1受音部14aが受音した音の抑圧等の様々な音響処理を実行する(S107)。
ステップS105にて用いた式(5)は、音処理装置1の形状、音響処理の内容に応じて適宜変更することが可能である。例えば式(5)に代替して、下記の式(7)を用いることができる。
Pcomp(ω)=α・F{S2 (ω)/S1 (ω)}+β …式(7)
式(5)は、通常の操作状態において、図1に示す様に第1受音部14a及び第2受音部14bが上下方向に配置された音処理装置1における位相スペクトルの補正に適しており、また式(7)は、第1受音部14a及び第2受音部14bが左右方向に配置された音処理装置1における位相スペクトルの補正に適している。但し、配置によって適用すべき式を適宜検討することが望ましい。
なお第2受音部14bに係る音信号の位相を補正するのではなく、第1受音部14aに係る音信号の位相を補正する場合、式(5)又は式(7)における関数F内の数式の分母及び分子を入れ替える様にしても良いが、式(6)に替えて下記の式(8)を用い、第1受音部14aに係る音信号の位相を補正する様にしても良い。
φ1 ’(ω)=φ1 (ω)−Pcomp(ω) …式(8)
但し、φ1 (ω):第1受音部14aが受音した音に基づく位相スペクトル
φ1 ’(ω):補正後の位相スペクトル
次に本発明の実施の形態1に係る音処理装置1による感度差の補正結果について説明する。図8は、本発明の実施の形態1に係る音処理装置1による感度差の補正結果の一例を示すレーダーチャートである。図8では、音処理装置1が備える音処理手段125の音響処理として、第1受音部14a及び第2受音部14bが受音した音の位相差に基づいて、音の到来方向を特定し、到来方向に応じて、第1受音部14aにて受音した音の抑圧等の処理を行うことにより形成する指向特性を示している。図8のレーダーチャートに示す指向特性は、音の到来方向毎に、第1受音部14aが受音した音に対する音響処理後の信号強度(dB)を示している。なお音処理装置1の筐体10の第1受音部14aが配設された正面方向から音が到来する状況を0度とし、右側面の方向から到来する状況を90度、背面方向から到来する状況を180度、そして左側面の方向から到来する状況を270度としている。図8(a)は、第1受音部14a及び第2受音部14bの感度差の補正を行っていない場合の指向特性を示しており、実線は、第1受音部14a及び第2受音部14bの感度が同じである状態1を示し、破線は、第1受音部14aの方が第2受音部14bより感度が高い状態2を示し、一点鎖線は、第2受音部14bの方が第1受音部14aより感度が高い状態を示している。図8(b)は、本発明の音処理装置1による感度差の補正を行った場合の指向特性を示しており、実線は、第1受音部14a及び第2受音部14bの感度が同じである状態1を示し、破線は、第1受音部14aの方が第2受音部14bより感度が高い状態2を示し、一点鎖線は、第2受音部14bの方が第1受音部14aより感度が高い状態を示している。
図8(a)では、第1受音部14a及び第2受音部14bの感度が同じである状態1と比べて、第1受音部14a及び第2受音部14bの感度が異なる状態2及び状態3は、側方及び後方の指向特性にバラツキが生じている。これに対し、図8(b)では、状態2及び状態3の感度差による影響が解消され、状態2及び状態3の指向特性が、全方向に渡って状態1と近似している。
前記実施の形態1では、二の受音部を備える音処理装置に係る形態を示したが、本発明はこれに限らず、三以上の受音部を備える音処理装置に適用することも可能である。三以上の受音部を備える音処理装置の場合、一の受音部に係る音信号を基準とし、他の複数の受音部に係る夫々の音信号に対して、パワースペクトル比の計算、位相の補正値の算出及び位相の補正処理を行うことにより、感度差の抑制を行うことが可能である。
実施の形態2.
実施の形態2は、処理負荷の軽減、音質の急激な変化の防止等の観点から、実施の形態1に係る音処理装置を改良した形態である。実施の形態2に係る音処理装置の外形、ハードウェアの構成例は、実施の形態1と同様であるので実施の形態1を参照するものとし、その説明を省略する。なお以降の説明において、実施の形態1と同様の構成要素については、実施の形態1と同様の符号を付して説明する。
図9は、本発明の実施の形態2に係る音処理装置1の機能例を示す機能ブロック図である。本発明の音処理装置1は、第1受音部14a及び第2受音部14bと、アンチエイリアジングフィルタ160と、A/D変換するA/D変換手段161とを備えている。なお第1受音部14a及び第2受音部14bは、アナログ信号である音信号を増幅する図示しない増幅器を含んでいる。
また本発明の音処理装置1は、フレーム生成手段120と、FFT変換手段121と、パワースペクトル比を計算する計算手段122と、位相の補正値を算出する算出手段123と、補正手段124と、音処理手段125とを備え、更に計算手段122によるパワースペクトル比の計算に用いる周波数を選択する周波数選択手段126と、算出手段123が算出した補正値の時間変化を平滑化する平滑化手段127とを備えている。フレーム生成手段120、FFT変換手段121、計算手段122、算出手段123、補正手段124、音処理手段125、周波数選択手段126及び平滑化手段127は、記録部12内の各種コンピュータプログラムを実行することにより実現されるソフトウェアとしての機能を示しているが、各種処理チップ等の専用ハードウェアを用いて実現する様にしても良い。
次に本発明の実施の形態2に係る音処理装置1の処理について説明する。図10は、本発明の実施の形態2に係る音処理装置1の処理例を示すフローチャートである。音処理装置1は、コンピュータプログラム100を実行する制御部11の制御により、複数の受音部14,14が受音した夫々の音に基づいて、夫々アナログ信号である音信号を生成し(S201)、アンチエイリアジングフィルタ160にて濾波し、A/D変換手段161にてデジタル信号に変換する。
音処理装置1は、制御部11の制御に基づくフレーム生成手段120の処理により、デジタル信号に変換した夫々の音信号から処理の単位となる所定時間長のフレームを夫々生成し(S202)、制御部11の制御に基づくFFT変換手段121の処理により、フレーム単位の音信号をFFT処理にて周波数軸上の信号であるスペクトルに夫々変換する(S203)。
音処理装置1は、制御部11の制御に基づく周波数選択手段126の処理により、アンチエイリアジングフィルタ160の影響を受けていない1000〜3000Hz等の周波数帯域内で、周波数毎のSNR(信号対雑音比:Signal to Noise Ratio)が予め設定されている設定値以上である周波数を選択する(S204)。
音処理装置1は、制御部11の制御に基づく計算手段122の処理により、ステップS204にて選択した各周波数についてのパワースペクトル比を計算し(S205)、計算した夫々のパワースペクトル比の平均値を計算し(S206)、制御部11の制御に基づく算出手段123の処理により、パワースペクトル比の平均値に基づき、第1受音部14aに係る周波数軸上の音信号を基準として、第2受音部14bに係る周波数軸上の音信号の位相の補正値を算出する(S207)。ステップS205〜S207の処理は、下記の式(9)又は式(10)として示される。
Figure 0005070993
Figure 0005070993
式(9)及び式(10)に示す位相の補正値は、選択された周波数毎のパワースペクトル比の平均値に基づいて算出された代表値となるため、周波数に対する変化はない。実施の形態2では、選択されたN個の周波数のスペクトルに基づいて補正値を算出するため、処理負荷を軽減することが可能となる。なお以降の処理においては、補正値の時間変化について処理するため、位相の補正値Pcompを時間(フレーム)tの関数とした補正値Pcomp(t)として扱う。
音処理装置1は、制御部11の制御に基づく平滑化手段127の処理により、補正値の時間変化を平滑化する(S208)。ステップS208では、下記の式(11)を用いて平滑化処理を行う。
Pcomp(t)=γ・Pcomp(t−1)+(1−γ)・Pcomp(t) …式(11)
但し、γ:0以上1以下の定数
式(11)に示す様に、ステップS208では、1フレーム前の補正値Pcomp(t−1)を用いて時間変化を平滑化することにより、補正値の急激な変化を防止して違和感のない音を提供することが可能となる。なお定数γは、0.9等の数値が用いられる。また選択された周波数の数Nが予め設定されている5等の所定値未満である場合、定数γを一時的に1として補正値の更新を停止することにより、SNRが低い場合に算出される正確性に欠ける補正値の使用を回避し、信頼性を高めることが可能となる。さらに雑音等による突発的な過補正を防止するため、補正値に上限値及び下限値を設けることが望ましい。なお式(11)を用いるのではなく、シグモイド関数を用いて補正値の時間変化を滑らかにすることも可能である。
音処理装置1は、制御部11の制御に基づく補正手段124の処理により、ステップS208にて算出した位相の補正値を、第2受音部14bに係る周波数軸上の音信号の位相に加算して、第2受音部14bに係る音信号の補正を行う(S209)。ステップS209では、全周波数帯域に渡って一定の補正値による補正が行われる。
そして音処理装置1は、制御部11の制御に基づく音処理手段125の処理により、第1受音部14aに係る音信号及び第2受音部14bに係る位相を補正した音信号に基づいて、第1受音部14aが受音した音の抑圧等の様々な音響処理を実行する(S210)。
前記実施の形態1及び2は、本発明の無限にある実施の形態の一部を例示したに過ぎず、各種ハードウェア及びソフトフェア等の構成は、適宜設定することが可能であり、また例示した基本的な処理以外にも様々な処理を組み合わせることが可能である。
本発明の実施の形態1に係る音処理装置の外形の一例を示す斜視図である。 本発明の実施の形態1に係る音処理装置のハードウェアの構成例を示すブロック図である。 本発明の実施の形態1に係る音処理装置の機能例を示す機能ブロック図である。 マイクロホンの感度差の違いによる音の波形の変化を示すグラフである。 マイクロホンの等価回路を示す回路図である。 運動方程式に基づく出力電圧値の変化を示すグラフである。 本発明の実施の形態1に係る音処理装置の処理例を示すフローチャートである。 本発明の実施の形態1に係る音処理装置による感度差の補正結果の一例を示すレーダーチャートである。 本発明の実施の形態2に係る音処理装置の機能例を示す機能ブロック図である。 本発明の実施の形態2に係る音処理装置の処理例を示すフローチャートである。 音処理装置の外形を示す斜視図である。 音処理装置の指向特性の計測結果を示すレーダーチャートである。
符号の説明
1 音処理装置
11 制御部
12 記録部
120 フレーム生成手段
121 FFT変換手段
122 計算手段
123 算出手段
124 補正手段
125 音処理手段
126 周波数選択手段
127 平滑化手段
14 受音部
14a 第1受音部
14b 第2受音部
16 音変換部
160 アンチエイリアジングフィルタ
161 A/D変換手段
100 コンピュータプログラム

Claims (9)

  1. 受音した音に基づいて音信号を生成する複数の受音部を備え、該複数の受音部が生成した夫々の音信号を処理する音処理装置において、
    前記複数の受音部のうちの第1の受音部が受音した第1の音に基づく第1の音信号及び前記複数の受音部のうちの第2の受音部が受音した第2の音に基づく第2の音信号を、夫々周波数軸上の信号に変換する変換部と、
    該変換部により周波数軸上の信号に変換した第1の音信号に対する第2の音信号のスペクトル比を計算する計算部と、
    該計算部が計算したスペクトル比に基づき、変換した第1の音信号を基準として、変換した第2の音信号の位相の補正値を算出する算出部と、
    該算出部が算出した補正値に基づいて、変換した第2の音信号の位相を補正する補正部と
    を備えることを特徴とする音処理装置。
  2. 前記計算部は、周波数軸上の信号に変換した夫々の音信号のパワースペクトル比を計算する様に構成してあることを特徴とする請求項1に記載の音処理装置。
  3. 前記算出部は、下記の式(A)に基づいて補正値を算出する様に構成してあることを特徴とする請求項2に記載の音処理装置。
    Pcomp(ω)=α・F{S2 (ω)/S1 (ω)}+β …式(A)
    但し、ω:角周波数
    Pcomp(ω):位相の補正値
    1 (ω):第1の音信号のパワースペクトル
    2 (ω):第2の音信号のパワースペクトル
    α,β:定数
    F():関数
  4. 前記算出部は、下記の式(B)に基づいて補正値を算出する様に構成してあることを特徴とする請求項2に記載の音処理装置。
    Pcomp(ω)=[α・F{S1 (ω)/S2 (ω)}]・ω+β …式(B)
    但し、ω:角周波数
    Pcomp(ω):位相の補正値
    1 (ω):第1の音信号のパワースペクトル
    2 (ω):第2の音信号のパワースペクトル
    α,β:定数
    F():関数
  5. 前記関数は、対数関数であり、
    前記補正部は、変換した第2の音信号の位相に、補正値を加算する様に構成してある
    ことを特徴とする請求項3又は請求項4に記載の音処理装置。
  6. 前記計算部は、周波数軸上の信号に変換した夫々の音信号の振幅スペクトル比を計算する様に構成してあることを特徴とする請求項1に記載の音処理装置。
  7. 前記算出部が算出した補正値の時間変化を平滑化する平滑化部を更に備え、
    前記補正部は、前記平滑化部が平滑化した補正値に基づいて補正する様に構成してある
    ことを特徴とする請求項1乃至請求項6のいずれかに記載の音処理装置。
  8. 受音した音に基づいて音信号を生成する複数の受音部が生成した夫々の音信号の位相差を、コンピュータを用いて補正する位相差補正方法において、
    前記複数の受音部のうちの第1の受音部が受音した第1の音に基づく第1の音信号及び前記複数の受音部のうちの第2の受音部が受音した第2の音に基づく第2の音信号を、夫々周波数軸上の信号に変換する手順と、
    該変換部により周波数軸上の信号に変換した第1の音信号に対する第2の音信号のスペクトル比を計算する手順と、
    該計算部が計算したスペクトル比に基づき、変換した第1の音信号を基準として、変換した第2の音信号の位相の補正値を算出する手順と、
    該算出部が算出した補正値に基づいて、変換した第2の音信号の位相を補正する手順と
    を実行することを特徴とする位相差補正方法。
  9. コンピュータにロードして、該コンピュータ上で実行される手順を定義してあり、受音した音に基づいて音信号を生成する複数の受音部が生成した夫々の音信号の位相差を、前記コンピュータに補正させるコンピュータプログラムにおいて、
    コンピュータに、
    前記複数の受音部のうちの第1の受音部が受音した第1の音に基づく第1の音信号及び前記複数の受音部のうちの第2の受音部が受音した第2の音に基づく第2の音信号を、夫々周波数軸上の信号に変換させる手順と、
    該変換部により周波数軸上の信号に変換した第1の音信号に対する第2の音信号のスペクトル比を計算させる手順と、
    該計算部が計算したスペクトル比に基づき、変換した第1の音信号を基準として、変換した第2の音信号の位相の補正値を算出させる手順と、
    該算出部が算出した補正値に基づいて、変換した第2の音信号の位相を補正させる手順と
    を実行させることを特徴とするコンピュータプログラム。
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