JP2011243806A - 太陽電池 - Google Patents
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Abstract
【課題】裏面電界層とより密着性の高い裏面電極構造を実現する太陽電池を提供する。
【解決手段】シリコン基板2の受光面とは反対側の面である裏面側にシリコン基板2と同じ導電型の拡散領域8が形成され、裏面電極が拡散領域8に接しており、裏面電極は拡散領域8側から第1金属層10、第2金属層11、銀膜5の順に形成され、第2金属層11は、第1金属層10と密着性の良い金属層及び銀層と密着性の良い金属層を含んでいる太陽電池である。
【選択図】図5
【解決手段】シリコン基板2の受光面とは反対側の面である裏面側にシリコン基板2と同じ導電型の拡散領域8が形成され、裏面電極が拡散領域8に接しており、裏面電極は拡散領域8側から第1金属層10、第2金属層11、銀膜5の順に形成され、第2金属層11は、第1金属層10と密着性の良い金属層及び銀層と密着性の良い金属層を含んでいる太陽電池である。
【選択図】図5
Description
本発明は、太陽電池に関する。
太陽光のような光エネルギを電気エネルギに変換する太陽電池は、地球環境問題に対する関心が高まるにつれ、積極的に種々の構造、構成のものが開発されている。その中でも、シリコン結晶系の太陽電池は、その変換効率、製造コストなどの優位性により最も一般的に用いられている。また、現在、量産されている太陽電池の中では受光面に櫛型の集電極を有し、受光面と反対の面である裏面全面に電極を形成した両面電極型の太陽電池が多数を占める。ここで、受光面に形成された電極を受光面電極、裏面に形成された電極を裏面電極とする。両面電極型の太陽電池の中でも、高い光電変換効率を実現するための構造として、シリコン基板と裏面電極との接合部において局所的にp+層を設けたことを特徴とする太陽電池が非特許文献1に、PERL(Passivated Emitter, Rear Locally−diffused)構造として開示されている。図8は、この非特許文献1に記載された構造の太陽電池である。図9は、図8の太陽電池の製造方法の一例を示す製造フロー図である。
図8に示す太陽電池101は、受光面側の凹凸構造を省略して示しているが、まず、凹凸構造を形成する(S101。「S」はステップを表す。以下同様。)。シリコン基板102の受光面に、例えばリンを拡散させることによってn型半導体層103が形成される(S102)。一般的には、シリコン基板102にはp型シリコン基板が用いられる。次に、n型半導体層103の上に受光面パッシベーション膜104と反射防止膜105を形成する(S103、S104)。次に、シリコン基板102の裏面に、例えば、酸化シリコン膜などの裏面パッシベーション膜107を形成し(S105)、その後、部分的に除去してコンタクトホールを形成し、熱処理により裏面パッシベーション膜107をマスクとして部分的に裏面電界層108が形成される(S106)。次に、コンタクトホールを充填し、さらに裏面パッシベーション膜107を覆うようにして裏面電極109が形成される(S107)。次に、受光面パッシベーション膜104と反射防止膜105とを部分的に除去してコンタクトホールを形成し、受光面電極106を形成する(S108)。
非特許文献1に記載の太陽電池は、局所的に設けた裏面電界層108によりLBSF(Local Back Surface Field)効果を得ながら、同時に裏面パッシベーション膜107によりシリコン基板102の裏面表層部シリコン原子の未結合手を終端させ、表面再結合速度を低減することができる。光電変換効率と表面再結合速度は密接に結びついており、上述のように表面再結合速度を低減することにより、光電変換効率を高くすることができる。また、裏面パッシベーション膜として窒化シリコン膜を用いた太陽電池が特許文献1に記載されている。
A. Wang,J. Zhao,and M. A. Green :" 24% efficient silicon solar cells",Appl. Phys. Lett.,vol. 57,pp. 602-604 (1990)
太陽電池においては、製造コスト低減のためにシリコン基板をより薄くする試みがなされている。厚みが薄い100μm程度のシリコン基板を用いた太陽電池の光電変換効率をより高くするには、太陽電池を透過した光である850nm以上の長波長域の光を反射させて再度太陽電池内部に入射させる光閉じ込め技術が必要になる。この透過光を再度太陽電池内部に入射させる効果をBSR(Back Surface Reflector)効果という。
このBSR効果を持たせるため、非特許文献1に開示されている太陽電池の構造では、裏面に光を反射させる材料を用いて裏面反射膜を形成している。なおこの膜は裏面電極にもなる。具体的には、アルミニウム膜を用いている。1000nmの光での反射率は、アルミニウムは約94%であり、金は98%、銀は99%、銅は98.5%である。
そこで、裏面反射膜としてアルミニウム膜の代わりに、より反射率が高い銀膜を使用することが考えられるが、銀膜を用いてもアルミニウム膜以上の太陽電池特性を得られなかった。その原因を検討するために、図8の太陽電池を参考に、裏面電極を蒸着による銀膜としたものをサンプルα、裏面電極を蒸着によるアルミニウム膜としたものをサンプルβとしたサンプルを作製し、太陽電池特性を測定した結果を表3に示す。なお、受光面を反射防止膜のみとし裏面パッシベーション膜を窒化シリコン膜とした。表のJscは短絡電流密度、Vocは開放電圧、FF(Fill Factor)は曲線因子、Effは光電変換効率である。サンプルβの太陽電池特性をリファレンスとし、各値をそれぞれ1.000とした。
表3からわかるように、裏面電極をアルミニウムとしたサンプルβと比較して、裏面電極を銀としたサンプルαでは、FFとEffが大幅に低くなっていることがわかる。これは、シリコン基板に形成された裏面電界層との銀膜の密着性が悪いことに起因すると考えられる。
本発明は、上記の問題に鑑みてなされたものであり、その目的は、反射率の高い材料である銀を用い裏面電界層との密着性を改善することにより電気的接続を改善し、BSR効果を有効にして光電変換効率を向上させる太陽電池を提供することにある。
本発明の太陽電池は、シリコン基板の受光面とは反対側の面である裏面側にシリコン基板と同じ導電型の拡散領域が形成され、裏面電極が拡散領域に接して形成されており、裏面電極は拡散領域側から第1金属層、第2金属層、銀膜の順に形成され、第2金属層は第1金属層と密着性の良い金属層及び銀層と密着性の良い金属層を含んでいることを特徴とする。
ここで、本発明の太陽電池は、第1金属層は、拡散領域の不純物と同じ元素からなる金属層であることがより好ましい。
また、本発明の太陽電池は、第1金属層はアルミニウムであることがより好ましい。
また、本発明の太陽電池は、第1金属層と密着性の良い金属層はチタニウムであり、銀層と密着性の良い金属層はパラジウムであることがより好ましい。
また、本発明の太陽電池は、裏面電極上に保護膜が形成されていることがより好ましい。
また、本発明の太陽電池は、保護膜がパラジウムであることがより好ましい。
また、本発明の太陽電池は、裏面電極と拡散領域とは、シリコン基板に形成されパターニングされた裏面パッシベーション膜を介して接していることがより好ましい。
本発明によれば、より反射率の高い材料である銀を用いつつ、裏面電界層との密着性の良い裏面電極構造を形成することができるので、従来の太陽電池よりもさらに特性に優れた太陽電池を提供することができる。
まず、裏面電極にAg電極を用いるにあたり、表面電界層とAg電極の間の密着性を改善することを目的として、Al層を介した場合について、検討を行った。
図1は、表面電界層とAg電極の間にAl層を介した太陽電池を示す模式的な断面図である。これについて以下説明する。
p型のシリコン基板2の受光面側にn型半導体層3が形成され、受光面には凹凸構造6が形成されている。その受光面側には反射防止膜7が形成され、反射防止膜7を貫通する櫛状の銀電極である受光面電極4がn型半導体層3と電気的に接している。
p型のシリコン基板2の受光面と反対側の面である裏面(以下「シリコン基板の裏面」という。)には、窒化シリコンである裏面パッシベーション膜9がパターニングされて形成され、シリコン基板2の裏面側にはそのパターニングに対応したアルミニウム拡散層で形成された裏面電界層8が局所的に形成されている。パターニングに対応した裏面電界層8は金属層70と接しており、金属層70の上には銀膜5が形成されている。また、裏面パッシベーション膜9の上にも銀膜5が形成されておりBSR効果を有する。ここで、裏面電極は金属層70と銀膜5とからなる。さらに、銀膜5の上には全面に銀膜5の保護膜12であるパラジウム膜が形成されている。この保護膜12により硫化を抑制することができる。
以下に、図1の太陽電池の製造方法を示す。図2は、図1に示す太陽電池の製造方法の一例である製造フロー図である。図2に示す製造フロー図を参照して説明する。基板の大きさが100mm角、厚さが100〜200μm、電気抵抗率が0.5〜50Ωcm、より好ましくは0.5〜10Ωcmのp型シリコン基板を用いる。
まず、凹凸構造形成工程(S1)では、シリコン基板2の両面に、アルカリ液を用いたテクスチャエッチング装置により凹凸構造を形成する。
次に、n型半導体層形成工程(S2)において、拡散材料としてPOCl3を用いチューブ炉で800〜900℃程度の温度で、15〜60分程度の時間、シリコン基板2を熱処理することで、シリコン基板2の露出表面の全面にリンを気相拡散して、n型半導体層3を形成する。また、n型半導体層3の形成は、気相拡散ではなくn型不純物のリンを含む塗布液をシリコン基板2の受光面となる面(以下「シリコン基板の受光面」という。)に塗布して熱処理を行う塗布拡散法を用いても構わない。
次に、反射防止膜形成工程(S3)において、n型半導体層3の受光面側にプラズマCVD法により、ガス種としてシランおよびアンモニアを用いて、膜厚70nm程度の窒化シリコン膜を反射防止膜7として形成する。
次に、裏面パッシベーション膜形成工程(S4)において、反射防止膜7が形成されたシリコン基板2の受光面にエッチング防止のための耐酸性を有する保護テープを貼り、シリコン基板2の受光面と反対側の面である裏面(以下「シリコン基板の裏面」という。)側に形成された凹凸構造およびn型半導体層をエッチング除去するとともに、シリコン基板2の裏面を平坦化する。この際、シリコン基板2の端面に形成された凹凸構造およびn型半導体層も除去される。
その後、希フッ酸などを用いてシリコン基板2の裏面に残ったシリコン酸化物を除去した後、プラズマCVD法によって窒化シリコン膜を平坦化されたシリコン基板2の裏面に裏面パッシベーション膜9として形成する。
次に、裏面電界層形成工程(S5)において、シリコン基板2の裏面に形成された裏面パッシベーション膜9を、フォトリソグラフィ法により、所定の裏面電界層パターンでエッチングし、裏面パッシベーション膜9を貫通するコンタクトホールを形成する。
その後、パターニングされた裏面パッシベーション膜9上に、スクリーン印刷法によってアルミニウム粉末、ガラスフリット、樹脂、有機溶媒等からなるアルミニウムペーストを印刷、乾燥し、700〜800℃にて焼成することにより、コンタクトホールに対応した箇所のシリコン基板2の裏面側にアルミニウムを拡散させてアルミニウム拡散層である裏面電界層8を形成する。アルミニウムはシリコンに対してp型不純物になるので、アルミニウム拡散層である裏面電界層8はp型不純物拡散層になる。裏面電界層8のp型不純物濃度は、p型であるシリコン基板2のp型不純物濃度よりも高い。その後、焼成後のアルミニウムを塩酸にて除去する。
次に、金属層形成工程(S6)において、パターニングされた裏面パッシベーション膜9上に、コンタクトホール領域が空くようにパターンが形成されたマスクを設置する。この時、マスクパターンの空いた領域は、コンタクトホールより少し広い領域となるようにする。このマスクを利用して金属層70を裏面電界層8上に形成する。コンタクトホール内、また、マスクのパターンに沿った裏面パッシベーション9上にも金属層70が形成される。
次に、受光面電極形成工程(S7)において、スクリーン印刷法を用いて、銀粉末、ガラスフリット、樹脂、有機溶媒等からなる銀ペーストを印刷、乾燥し、500〜600℃で焼成して受光面電極4を形成する。尚、受光面電極4は、焼成時に反射防止膜7を突き破って形成されるため、n型半導体層3と電気的に接続する。
次に、銀膜形成工程(S8)において、金属層70上、及び金属層70が形成されていない裏面パッシベーション膜9上に光を反射させる膜である銀膜5を蒸着により形成する。この銀膜は電極にもなる。
次に、保護膜形成工程(S9)において、銀膜5上に硫化を抑制する材料を用いて保護膜12を形成する。具体的にはパラジウムを蒸着により形成する。この場合の保護膜12は電極にもなる。
次に、アニール工程(S10)において、100〜400℃にてアニールを行い、金属膜の接触性をより良くする。
次に、金属層70の検討を行なった。
検討した金属層付近における模式的な断面図を図3に示す。図3(a)は太陽電池を示す模式的な断面図であり、円で示した箇所を拡大した図が図3(b)、(c)、(d)である。図3において、51はアルミニウム拡散層で形成された裏面電界層、52は裏面パッシベーション膜であり窒化シリコン膜とした。図3(b)、(c)、(d)で裏面電極の構造が各々異なっており、図3(d)には、保護膜がない。
図3(b)は、裏面電界層51上にアルミニウム蒸着膜56、銀蒸着膜54を形成した構造である。図3(c)は、裏面電界層51上にペーストアルミニウム焼成膜57、銀蒸着膜54を形成した構造である。図3(b)、(c)共、銀蒸着膜54上に保護膜としてパラジウム膜55を形成した構造とした。また、図3(b)、(c)では、裏面パッシベーション膜52をパターニングしてコンタクトホールを形成した後にアルミニウム蒸着膜56、あるいはペーストアルミニウム焼成膜57をそれぞれ形成しているので、パターニング幅であるコンタクトホール幅より広くなっている。図3(d)はリファレンスとして裏面電界層51と裏面パッシベーション膜52上にアルミニウム蒸着膜53を形成した構造である。
作製した図3(b)の構造の太陽電池をサンプル1、図3(c)の構造の太陽電池をサンプル2、図3(d)の構造の太陽電池をサンプル3とする。表1に太陽電池の特性結果を示す。表のJscは短絡電流密度、Vocは開放電圧、FFは曲線因子、Effは光電変換効率である。リファレンスとしたサンプル3の構造のJsc値、Voc値、FF値、Eff値をそれぞれ1.000とした。また、図4はI−V特性の測定結果である。
表1の結果から、サンプル1、2はFFがリファレンスに比べて低くなっていることがわかり、表1と図4とから、サンプル1、2は直列抵抗が影響していることがわかる。これから、裏面電界層とアルミニウム膜との間よりもアルミニウム膜と銀膜との間の抵抗成分が影響していると考えられ、アルミニウム膜と銀膜との間の密着性が問題ではないかと考え、密着性が良好な金属膜を形成して太陽電池を作製し太陽電池特性を見た。
図5は、本発明の太陽電池を示す模式的な断面図である。太陽電池1は図1に示す金属層の構造が限定されており、他の構造は太陽電池80と同様である。以下、図5に示す金属層の構造のみを説明する。
シリコン基板2の裏面側には、裏面パッシベーション膜9のパターニングに対応した裏面電界層8が局所的にアルミニウム拡散層で形成されている。パターニングに対応した裏面電界層8には第1金属層10が接している。この第1金属層10は裏面電界層8を形成する導電型の不純物元素と同じアルミニウムで形成されており、密着性が良好である。
第1金属層10上には第2金属層11が形成され、第2金属層11上には銀膜5が形成されている。裏面電極は、第1金属層10と第2金属層11と銀膜5とからなる。第2金属層11の第1金属層10側には、第1金属層10と密着性が良好な材料が形成され、第2金属層11の銀膜5側には、銀膜5と密着性が良好な材料が形成されている。これから、第2金属層11は複数の金属層からなる。例えば、具体的には、第2金属層11の第1金属層10側にはチタニウム膜が形成され、第2金属層11の銀膜5側にはパラジウム膜が形成されている。また、第2金属層11上、及び第2金属層11が形成されていない裏面パッシベーション膜9上に銀膜5が形成されておりBSR効果を有する。
さらに、銀膜5上には全面に銀膜5の保護膜12であるパラジウム膜が形成されている。この保護膜12により硫化を抑制することができる。保護膜12をパラジウム膜とした場合は電極としての役割も果たす。
次に、以下に本発明の太陽電池の製造方法を示す。製造フローは図2に示す製造フローのうち、金属層形成工程(S6)で第1金属層であるアルミニウム膜が蒸着で形成され、受光面電極形成工程(S7)と銀膜形成工程(S8)との間に、第2金属層形成工程がある。他は太陽電池80の製造方法と同様である。
金属層形成工程(S6)に対応する第1金属層工程を以下に示す。パターニングされた裏面パッシベーション膜9上に、コンタクトホール領域が空くようにパターンが形成されたマスクを設置する。この時、マスクパターンの空いた領域は、コンタクトホールより少し広い領域となるようする。このマスクを利用して、蒸着法によりアルミニウムを蒸着して裏面電界層8上にアルミニウム膜を形成する。コンタクトホール内、また、マスクパターンに沿った裏面パッシベーション9上にもアルミニウム膜が形成される。
次に、受光面電極形成工程(S7)と銀膜形成工程(S8)との間にある第2金属層形成工程を以下に示す。アルミニウム膜を覆うようにしてチタニウム膜を蒸着により形成する。さらに、チタニウム膜を覆うようにしてパラジウム膜を蒸着により形成する。第1金属層10であるアルミニウム膜上に、チタニウム膜16とパラジウム膜17の複数の金属層である第2金属層11が形成される。
図6は、本発明の太陽電池の他の一例を示す模式的な断面図である。以下に図6の太陽電池18について説明する。太陽電池18は、図5に示す実施例1の太陽電池1とアルミニウム膜の形成が違っており、太陽電池18のアルミニウム膜19はアルミニウムペーストを焼成することにより形成された膜である。他の構造は、太陽電池1と同様である。
以下に本発明の太陽電池18の製造方法を示す。製造フローは実施例1に示す製造フローのうち、裏面電界層形成工程(S5)と、実施例2の第1金属層形成に相当する金属層形成工程(S6)とが1工程で形成される。他は太陽電池1の製造方法と同様である。
1工程で形成される裏面電界層8と第1金属層19との形成工程を以下に示す。パターニングされた裏面パッシベーション膜9上に、コンタクトホール領域が空くようにパターンが形成されたマスクを設置する。この時、マスクパターンの空いた領域は、コンタクトホールより少し広い領域となるようにする。このマスクを利用して、アルミニウムペーストを印刷、乾燥し、700〜800℃にて焼成することにより裏面電界層8とアルミニウム膜19とが形成される。
図7は、比較例とする太陽電池を示す模式的な断面図である。比較例である太陽電池20は、裏面電極21はアルミニウムの蒸着膜により裏面電界層8上、および裏面パッシベーション膜9上に形成されている。また、実施例1である太陽電池1のように保護膜12が形成されていない。他の構造は、太陽電池1と同様である。
また、比較例である太陽電池20の製造方法は、図2に示す製造フローのうち、金属層形成工程(S6)、銀膜形成工程(S8)、保護膜形成工程(S9)がなく、裏面電界層形成工程(S5)と受光面電極形成工程(S7)との間に裏面電極形成工程がある。以下に裏面電極形成工程のみを示す。パターニングされた裏面パッシベーション膜9上に、真空蒸着法等によりアルミニウムを蒸着して裏面電極21を形成する。コンタクトホール内にも裏面電極21となるアルミニウム膜が形成されアルミニウム膜は裏面電界層8と接する。
実施例1、実施例2、比較例の太陽電池特性結果を表2に示す。表のJscは短絡電流密度、Vocは開放電圧、FFは曲線因子、Effは光電変換効率である。比較例の太陽電池特性をリファレンスとし、Jsc値、Voc値、FF値、Eff値をそれぞれ1.000とした。
表2の結果から、裏面電界層と銀膜との間に第1金属層と第2金属層とを形成することにより密着性が良好になり電気的な接続が改善され、FF低下を実施例1では1%、実施例2では3%以内に抑えることができた。これによって、BSR効果が太陽電池特性に反映することが可能となりEffにおいて実施例1で2.2%、実施例2で0.9%の改善が得られた。同時に、裏面パッシベーション膜として窒化シリコン膜が形成されているので、シリコン基板の裏面の表面再結合速度を低減することができる。
よって、より反射率の高い材料である銀を用いつつ、裏面電界層との密着性の良い裏面電極構造を形成することで、BSR効果が有効となり、太陽電池特性を向上させることができる。
本発明に係る太陽電池は、太陽電池全般に広く適用することができる。
1 太陽電池、2 シリコン基板、3 n型半導体層、4 受光面電極、5 銀膜、6 凹凸構造、7 反射防止膜、8 裏面電界層、9 裏面パッシベーション膜、10 第1金属層、11 第2金属層、12 保護膜、16 チタニウム膜、17 パラジウム膜、18 太陽電池、19 アルミニウム膜、20 太陽電池、21 裏面電極、51 裏面電界層、 52 裏面パッシベーション膜、53 アルミニウム蒸着膜、54 銀蒸着膜、55 パラジウム膜、56 アルミニウム蒸着膜、57 ペーストアルミニウム焼成膜、70 金属層、80 太陽電池。
Claims (7)
- シリコン基板の受光面とは反対側の面である裏面側に前記シリコン基板と同じ導電型の拡散領域が形成され、
裏面電極が、前記拡散領域に接して形成されており、
前記裏面電極は、前記拡散領域側から第1金属層、第2金属層、銀膜の順に形成され、
前記第2金属層は、前記第1金属層と密着性の良い金属層及び前記銀層と密着性の良い金属層を含んでいる太陽電池。 - 前記第1金属層は、前記拡散領域の不純物と同じ元素からなる金属層である請求項1に記載の太陽電池。
- 前記第1金属層は、アルミニウムである請求項2に記載の太陽電池。
- 前記第1金属層と密着性の良い金属層はチタニウムであり、
前記銀層と密着性の良い金属層はパラジウムである請求項3に記載の太陽電池。 - 前記裏面電極上に保護膜が形成されている請求項1〜4のいずれかに記載の太陽電池。
- 前記保護膜がパラジウムである請求項5に記載の太陽電池。
- 前記裏面電極と前記拡散領域とは、前記シリコン基板に形成されパターニングされた裏面パッシベーション膜を介して接している請求項1〜6のいずれかに記載の太陽電池。
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