JP2011242679A - 増反射膜を有する反射部材及びその製造方法 - Google Patents

増反射膜を有する反射部材及びその製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】増反射効率が高く、かつ耐アルカリ性に優れ、非平面的な物体表面にも厚さが均一な高反射膜を形成することができる増反射膜を有する反射部材を提供すること。
【解決手段】立体形状をした透明基体表面に、70nm以上の厚みでアルミニウム層を形成した反射部材であって、該アルミニウム層の反射面側に、屈折率が1.54以下で透明であって、炭化水素構造を含みSiO2を主成分とし、厚さが60nmから130nmの低屈折率層と、前記低屈折率層上に設けた、屈折率が2.1以上で透明であって、厚さが40nmから85nmの高屈折率層とを含む増反射層群を設けたことを特徴とする増反射膜を有する反射部材。
【選択図】図1

Description

本発明は、可視光に対する高い反射率を有し、アルカリ性水溶液に対して高い耐性を有する、自動車用ヘッドライトにも使用可能な増反射膜を有する反射部材及びその製造方法に関する。
透明樹脂成形品の表面又は裏面に、アルミニウムを主成分とする反射膜を設けた反射部材は、公知である。透明樹脂成形品の面と反射膜の間には、アンダーコートを形成して両者の結合を強化することが一般に行われている。また、前記アルミニウム主成分の反射膜の表面に、ヘキサメチルジシロキサン(HMDSO)を重合分解した保護膜を形成し、アルカリ水溶液浸漬時におけるアルミニウムの溶出を抑制することも行われている。
従来の反射鏡の製造技術として、反射鏡の基体を成型する基体成型ステップと、前記基体の表面に、光を反射する反射膜を形成する反射膜形成ステップと、前記反射膜の表面に、撥水性のHMDSO重合体の膜を形成する重合膜形成ステップと、前記重合膜の表面を、アルゴンガスのプラズマを用いて親水化する親水化処理ステップと着色膜形成ステップとを備えたことを特徴とする反射鏡製造方法が提案されている。(例えば、特許文献1参照)。
従来の反射鏡として、BMC樹脂などによる基材面にアンダーコート面が形成され、このアンダーコート面上にアルミニウムの薄膜が形成されて反射面とされ、更に反射面上に着色材料による着色層の成膜が行われ、反射面に対しては劣化防止のための保護層が形成されて成る車両用灯具の反射鏡1であり、保護層は反射面上に直接にプラズマ重合により成膜が行われ、しかる後に着色層の成膜が行われる構成とされている車両用灯具の反射鏡とすることで、着色層と保護層とを分離し、それぞれに適性な厚みを与えられる反射鏡が提案されている。(例えば、特許文献2参照)。
アルミニウム反射鏡の増反射としては、アルミニウム層の表面に、低屈折率層(屈折率;1.5以下)と高屈折率層(屈折率;2.0以上)を順に積層する手法が、教示されている。(例えば、非特許文献1参照)。
特開2003−207611号 特開2005−310386号
書籍「光学薄膜」H.A.Macleod著166頁〜170頁 日刊工業新聞社 1989年12月発行)
特許文献1に開示された反射鏡の製造技術においては、HMDSO重合膜をアルゴンガスのプラズマに暴露して親水化処理を行うことによってHMDSO重合膜と他の無機物質膜の接着性を高めることができるが、HMDSO重合膜の膜厚が薄くなるので、光の干渉効果を利用した光学多層膜では所定の干渉が発生し難くなり、反射効率が低くなるおそれがある。
特許文献2に開示された反射鏡の製造技術においては、アルミニウム反射面の表面にHMDSO重合膜を形成し、その表面上に着色膜を形成している。該着色表面鏡ではHMDSO重合膜によりアルカリ水溶液に対する耐久性を付与している。しかし、表面反射鏡としては表面反射率が低くいという問題がある。
非特許文献1に開示されたアルミニウム反射鏡の増反射技術においては、低屈折率の膜であるMgF2と高屈折率の膜であるCeO2を交互に繰り返して2回積層する方法が開示されており、本方法ではアルミニウム膜の反射率を大幅に高める効果はあるが、アルミニウム反射鏡のアルカリ水溶液に対する耐久性は低いという問題がある。
(発明の目的)
本発明は、従来のアルミニウムを主成分とする反射膜を設けた反射部材の特に増反射に関する上述した問題に鑑みてなされたものであって、増反射効率が高いことに加えて、耐アルカリ性に優れ、非平面的な物体表面にも厚さが均一な高反射膜を形成することができる増反射膜を有する反射部材を提供することを目的とする。
第1発明は、立体形状をした透明基体表面に、70nm以上の厚みでアルミニウム層を形成した反射部材であって、
該アルミニウム層の反射面側に、
屈折率が1.54以下で透明であって、炭化水素構造を含みSiO2を主成分とし、厚さが60nmから130nmの低屈折率層と、前記低屈折率層上に設けた、屈折率が2.1以上で透明であって、厚さが40nmから85nmの高屈折率層とを含む増反射層群を設けたことを特徴とする増反射膜を有する反射部材である。
第2発明は、第1発明において、前記立体形状をした透明基体表面に、
前記アルミニウム層を設け、
該アルミニウム層の上に前記増反射層群を少なくとも1群設けたことを特徴とする。
第3発明は、第1発明において、前記立体形状をした透明基体表面に、
前記増反射層群を少なくとも1群設け、
該増反射層群の上に前記アルミニウム層を設けたことを特徴とする。
第4発明は、第3発明において、前記アルミニウム層の上に、炭化水素構造を含みSiO2を主成分とし、厚さが20nmから500nmの保護層を設けたことを特徴とする。
第5発明は、立体形状をした透明基体表面に、70nm以上の厚みでアルミニウム層を形成した反射部材の製造方法であって、
該アルミニウム層の反射面側に、
屈折率が1.54以下で透明であって、炭化水素構造を含みSiO2を主成分とし、厚さが60nmから130nmの低屈折率層と、前記低屈折率層上に設けた、屈折率が2.1以上で透明であって、厚さが40nmから85nmの高屈折率層とを含む増反射層群を設け、
前記炭化水素構造を含みSiO2を主成分とし、厚さが60nmから130nmの低屈折率層を、ヘキサメチルジシロキサンのプラズマ重合反応で形成することを特徴とする増反射膜を有する反射部材の製造方法である。
第6発明は、立体形状をした透明基体表面に、70nm以上の厚みでアルミニウム層を形成した反射部材と、前記アルミニウム層の上に、炭化水素構造を含みSiO2を主成分とし、厚さが20nmから500nmの保護層を設けたことを特徴とする裏面反射部材である。
第7発明は、立体形状をした透明基体表面に、70nm以上の厚みでアルミニウム層を形成した反射部材と、前記アルミニウム層の上に、炭化水素構造を含みSiO2を主成分とし、厚さが20nmから500nmの保護層を設けた裏面反射部材の製造方法であって、
前記炭化水素構造を含みSiO2を主成分とし、厚さが20nmから500nmの保護層を、ヘキサメチルジシロキサンのプラズマ重合反応で形成することを特徴とする裏面反射部材の製造方法である。
本発明の増反射膜を有する反射部材及びその製造方法によれば、増反射効率が高いことに加えて、耐アルカリ性に優れ、非平面的な物体表面にも厚さが均一な高反射膜を形成することができる。
本発明においては、HMDSO重合膜の成膜条件、HMDSO重合膜の屈折率、膜密着性の検討の結果、HMDSO重合膜の屈折率(波長=632.8nm)が、1.54より低くい場合には、プラズマ処理をしなくても、HMDSO重合膜と高屈折率の無機材料と接着性が優れることを見出した。
一方で、HMDSO重合膜の屈折率が、1.45より低い条件では、耐アルカリ性に劣ることも分かった。これらの知見に基づいて、Al膜の耐アルカリ性を高め、かつ高屈折率膜との密着性を高めるためには、HMDSO重合膜の屈折率としては、1.45〜1.54の範囲が好適であることを見出した。また、この屈折率の範囲にあるHMDSO重合膜は、高屈折率材料との交互積層にて光学膜を形成しアルミニウムの反射率を高めるためにも、好適であるも見出した。
さらに、本発明においては、アルミニウム膜の表面のHMDSO重合膜中に炭化水素構造が残っていることが重要である。適量の炭化水素構造が存在することで、アルカリ性水溶液に浸漬した時のアルミニウム膜の溶出を抑制することができるからである。
第1実施形態〜第3実施形態の裏面反射部材の反射率を示すグラフ図である。 第4実施形態及び第5実施形態の裏面反射部材の反射率を示すグラフ図である。 第6実施形態〜第8実施形態の表面反射部材の反射率を示すグラフ図である。 第9実施形態及び第10実施形態の表面反射部材の反射率を示すグラフ図である。 第1比較例〜第3比較例の裏面反射部材の反射率を示すグラフ図である。 第4比較例〜第7比較例の表面反射部材の反射率を示すグラフ図である。 第1実施形態の裏面反射部材におけるHMDSO重合膜の屈折率nと消衰係数kとの関係を示すグラフ図である。 第2比較例の裏面反射部材におけるHMDSO重合膜の屈折率nと消衰係数kとの関係を示すグラフ図である。 第1実施形態と第6比較例のC−H伸縮振動の比較を示すグラフ図である。
(第1実施形態の裏面反射部材)
構成は以下の通りである。
(材料) (厚さ:nm)
樹脂(ポリカーボネート)
TiO2 57
HMDSO重合 100
Al 150
HMDSO重合 90
HMDSOの屈折率(λ:550nm) 1.49
すなわち、ポリカーボネート樹脂でできた立体形状の光学部品の表面に、電子線蒸着装置によりTiO2膜を厚さ57nmで形成する。その後に、真空装置内に、ヘキサメチルジシロキサン(HMDSO)供給しながら、光学部品付近の電極に13.56MHzの高周波電力を給電してプラズマを形成する。次に、TiO2膜の表面上にHMDSO重合膜を厚さ100nmで形成する。
該HMDSO重合膜の表面上に、抵抗加熱蒸着によって、アルミニウム(Al)を主成分とする膜を厚さ150nmで形成する。さらにその表面上に、真空装置内にヘキサメチルジシロキサン(HMDSO)を供給しながら、電極に13.56MHzの高周波電力を給電してプラズマを形成し、アルミニウム膜の表面にHMDSO重合膜を厚さ90nmで形成する。
第1実施形態の裏面反射部材においては、図1の反射率グラフ図にグラフAで示すように、高い反射率を有する。
また、第1実施形態の裏面反射部材を水酸化カリウム水溶液(1重量%)に10分間浸漬して、蒸着膜の耐アルカリ性を調べた。浸漬後の蒸着膜の反射率及び外観は浸漬前と比較して変化は認められず、耐アルカリ性に優れていることを確認した。
さらに、アルカリ浸漬後の蒸着膜にセロテープ(登録商標)を貼って該セロテープ(登録商標)を引っ張ることにより該蒸着膜が剥されることはなかった。蒸着膜は、アルカリ浸漬によっても劣化しない優れた接着性を保持することが確認された。
HMDSO重合膜は、光学的吸収が、消衰係数<3E−3と小さい利点を有する。
第1実施形態の裏面反射部材において、HMDSO重合膜の屈折率nと消衰係数kとの関係を図7に示す。第1実施形態の裏面反射部材において、顕微赤外分光光度計を用いて膜の空気面側の反射率を測定した結果を図9に示す。炭化水素構造に特有のC−H伸縮振動に帰属できるピークが観測された。
(第2実施形態の裏面反射部材)
構成は以下の通りである。
(材料) (厚さ:nm)
樹脂(ポリカーボネート)
Nb2O2 60
HMDSO重合 90
Al 150
HMDSO重合 90
HMDSOの屈折率(λ:550nm) 1.53
第2実施形態の裏面反射部材においては、図1の反射率グラフ図にグラフBで示すように、高い反射率を有する。
また、第2実施形態の裏面反射部材を水酸化カリウム水溶液(1重量%)に10分間浸漬して、蒸着膜の耐アルカリ性を調べた。浸漬後の蒸着膜の反射率及び外観は浸漬前と比較して変化は認められず、耐アルカリ性に優れていることを確認した。
さらに、アルカリ浸漬後の蒸着膜にセロテープ(登録商標)を貼って該セロテープ(登録商標)を引っ張ることにより該蒸着膜が剥されることはなかった。蒸着膜は、アルカリ浸漬によっても劣化しない優れた接着性を保持することが確認された。
HMDSO重合膜は、光学的吸収が、消衰係数<3E−3と小さい利点を有する。
(第3実施形態の裏面反射部材)
構成は以下の通りである。
(材料) (厚さ:nm)
樹脂(ポリカーボネート)
TiO2 57
HMDSO重合 90
TiO2 50
HMDSO重合 85
Al 150
HMDSO重合 90
HMDSOの屈折率(λ:550nm) 1.51
第3実施形態の裏面反射部材においては、図1の反射率グラフ図にグラフCで示すように、高い反射率を有する。
また、第3実施形態の裏面反射部材を水酸化カリウム水溶液(1重量%)に10分間浸漬して、蒸着膜の耐アルカリ性を調べた。浸漬後の蒸着膜の反射率及び外観は浸漬前と比較して変化は認められず、耐アルカリ性に優れていることを確認した。
さらに、アルカリ浸漬後の蒸着膜にセロテープ(登録商標)を貼って該セロテープ(登録商標)を引っ張ることにより該蒸着膜が剥されることはなかった。蒸着膜は、アルカリ浸漬によっても劣化しない優れた接着性を保持することが確認された。
HMDSO重合膜は、光学的吸収が、消衰係数<3E−3と小さい利点を有する。
(第4実施形態の裏面反射部材)
構成は以下の通りである。
(材料) (厚さ:nm)
樹脂(ポリカーボネート)
HMDSO重合 90
TiO2 57
HMDSO重合 65
TiO2 50
HMDSO重合 125
Al 90
HMDSO重合 200
HMDSOの屈折率(λ:550nm) 1.53
第4実施形態の裏面反射部材においては、図2の反射率グラフ図にグラフDで示すように、高い反射率を有する。
また、第4実施形態の裏面反射部材を水酸化カリウム水溶液(1重量%)に10分間浸漬して、蒸着膜の耐アルカリ性を調べた。浸漬後の蒸着膜の反射率及び外観は浸漬前と比較して変化は認められず、耐アルカリ性に優れていることを確認した。
さらに、アルカリ浸漬後の蒸着膜にセロテープ(登録商標)を貼って該セロテープ(登録商標)を引っ張ることにより該蒸着膜が剥されることはなかった。蒸着膜は、アルカリ浸漬によっても劣化しない優れた接着性を保持することが確認された。
HMDSO重合膜は、光学的吸収が、消衰係数<3E−3と小さい利点を有する。
(第5実施形態の裏面反射部材)
構成は以下の通りである。
(材料) (厚さ:nm)
樹脂(ポリカーボネート)
SiOx 90
TiO2 45
HMDSO重合 70
TaO5 60
HMDSO重合 100
Al 90
HMDSO重合 200
HMDSOの屈折率(λ:550nm) 1.51
SiOxは、樹脂(ポリカーボネート)とTiO2層の接着性を高める作用をなす。
第5実施形態の裏面反射部材においては、図2の反射率グラフ図にグラフEで示すように、高い反射率を有する。
また、第5実施形態の裏面反射部材を水酸化カリウム水溶液(1重量%)に10分間浸漬して、蒸着膜の耐アルカリ性を調べた。浸漬後の蒸着膜の反射率及び外観は浸漬前と比較して変化は認められず、耐アルカリ性に優れていることを確認した。
さらに、アルカリ浸漬後の蒸着膜にセロテープ(登録商標)を貼って該セロテープ(登録商標)を引っ張ることにより該蒸着膜が剥されることはなかった。蒸着膜は、アルカリ浸漬によっても劣化しない優れた接着性を保持することが確認された。
HMDSO重合膜は、光学的吸収が、消衰係数<3E−3と小さい利点を有する。
(第6実施形態の表面反射部材)
構成は以下の通りである。
(材料) (厚さ:nm)
TiO2 57
HMDSO重合 90
Al 150
SiOx 100
樹脂(光学部品)
HMDSOの屈折率(λ:550nm) 1.53
SiOxは、樹脂(ポリカーボネート)とTiO2層の接着性を高める作用をなす。
第6実施形態の表面反射部材においては、図3の反射率グラフ図にグラフFで示すように、高い反射率を有する。
また、第6実施形態の表面反射部材を水酸化カリウム水溶液(1重量%)に10分間浸漬して、蒸着膜の耐アルカリ性を調べた。浸漬後の蒸着膜の反射率及び外観は浸漬前と比較して変化は認められず、耐アルカリ性に優れていることを確認した。
さらに、アルカリ浸漬後の蒸着膜にセロテープ(登録商標)を貼って該セロテープ(登録商標)を引っ張ることにより該蒸着膜が剥されることはなかった。蒸着膜は、アルカリ浸漬によっても劣化しない優れた接着性を保持することが確認された。
HMDSO重合膜は、光学的吸収が、消衰係数<3E−3と小さい利点を有する。
(第7実施形態の表面反射部材)
構成は以下の通りである。
(材料) (厚さ:nm)
TiO2 50
HMDSO重合 90
TiO2 57
SiO2 90
Al 150
AlSiOx 100
樹脂(光学部品)
HMDSOの屈折率(λ:550nm) 1.49
SiO2は、Al層とTiO2層の接着性を高める作用をなす。AlSiOxは、樹脂(光学部品)とAl層の接着性を高める作用をなす。
第7実施形態の表面反射部材においては、図3の反射率グラフ図にグラフGで示すように、高い反射率を有する。
また、第7実施形態の表面反射部材を水酸化カリウム水溶液(1重量%)に10分間浸漬して、蒸着膜の耐アルカリ性を調べた。浸漬後の蒸着膜の反射率及び外観は浸漬前と比較して変化は認められず、耐アルカリ性に優れていることを確認した。
さらに、アルカリ浸漬後の蒸着膜にセロテープ(登録商標)を貼って該セロテープ(登録商標)を引っ張ることにより該蒸着膜が剥されることはなかった。蒸着膜は、アルカリ浸漬によっても劣化しない優れた接着性を保持することが確認された。
HMDSO重合膜は、光学的吸収が、消衰係数<3E−3と小さい利点を有する。
(第8実施形態の表面反射部材)
構成は以下の通りである。
(材料) (厚さ:nm)
TiO2 50
HMDSO重合 90
TiO2 57
HMDSO重合 90
Al 150
AlSiOx 100
樹脂(光学部品)
HMDSOの屈折率(λ:550nm) 1.51
AlSiOxは、樹脂(光学部品)とAl層の接着性を高める作用をなす。
第8実施形態の表面反射部材においては、図3の反射率グラフ図にグラフHで示すように、高い反射率を有する。
また、第8実施形態の表面反射部材を水酸化カリウム水溶液(1重量%)に10分間浸漬して、蒸着膜の耐アルカリ性を調べた。浸漬後の蒸着膜の反射率及び外観は浸漬前と比較して変化は認められず、耐アルカリ性に優れていることを確認した。
さらに、アルカリ浸漬後の蒸着膜にセロテープ(登録商標)を貼って該セロテープ(登録商標)を引っ張ることにより該蒸着膜が剥されることはなかった。蒸着膜は、アルカリ浸漬によっても劣化しない優れた接着性を保持することが確認された。
HMDSO重合膜は、光学的吸収が、消衰係数<3E−3と小さい利点を有する。
(第9実施形態の表面反射部材)
構成は以下の通りである。
(材料) (厚さ:nm)
Ta2O5 80
HMDSO重合 125
TiO2 45
SiO2 70
Al 100
AlSiOx 40
樹脂(光学部品)
HMDSOの屈折率(λ:550nm) 1.53
SiO2は、Al層とTiO2層の接着性を高める作用をなす。AlSiOxは、樹脂(光学部品)とAl層の接着性を高める作用をなす。
第9実施形態の表面反射部材においては、図3の反射率グラフ図にグラフIで示すように、高い反射率を有する。
また、第9実施形態の表面反射部材を水酸化カリウム水溶液(1重量%)に10分間浸漬して、蒸着膜の耐アルカリ性を調べた。浸漬後の蒸着膜の反射率及び外観は浸漬前と比較して変化は認められず、耐アルカリ性に優れていることを確認した。
さらに、アルカリ浸漬後の蒸着膜にセロテープ(登録商標)を貼って該セロテープ(登録商標)を引っ張ることにより該蒸着膜が剥されることはなかった。蒸着膜は、アルカリ浸漬によっても劣化しない優れた接着性を保持することが確認された。
HMDSO重合膜は、光学的吸収が、消衰係数<3E−3と小さい利点を有する。
(第10実施形態の表面反射部材)
構成は以下の通りである。
(材料) (厚さ:nm)
Ta2O5 80
SiO2 120
TiO2 45
HMDSO重合 125
Al 120
AlSiOx 40
樹脂(光学部品)
HMDSOの屈折率(λ:550nm) 1.51
AlSiOxは、樹脂(光学部品)とAl層の接着性を高める作用をなす。
第10実施形態の表面反射部材においては、図3の反射率グラフ図にグラフJで示すように、高い反射率を有する。
また、第10実施形態の表面反射部材を水酸化カリウム水溶液(1重量%)に10分間浸漬して、蒸着膜の耐アルカリ性を調べた。浸漬後の蒸着膜の反射率及び外観は浸漬前と比較して変化は認められず、耐アルカリ性に優れていることを確認した。
さらに、アルカリ浸漬後の蒸着膜にセロテープ(登録商標)を貼って該セロテープ(登録商標)を引っ張ることにより該蒸着膜が剥されることはなかった。蒸着膜は、アルカリ浸漬によっても劣化しない優れた接着性を保持することが確認された。
HMDSO重合膜は、光学的吸収が、消衰係数<3E−3と小さい利点を有する。
(第1比較例の裏面反射部材)
構成は以下の通りである。
(材料) (厚さ:nm)
樹脂(ポリカーボネート)
SiOx 90
Al 90
HMDSO重合 200
HMDSOの屈折率(λ:550nm) 1.53
第1比較例の裏面反射部材の反射率は、図5の反射率グラフ図にグラフKで示すように、特に可視領域で低い。第1比較例の裏面反射部材を水酸化カリウム水溶液(1重量%)に10分間浸漬して、蒸着膜の耐アルカリ性を調べた。浸漬後の蒸着膜の反射率及び外観は浸漬前と比較して変化は認められなかった。さらに、アルカリ浸漬後の蒸着膜にセロテープ(登録商標)を貼って該セロテープ(登録商標)を引っ張ることにより該蒸着膜が剥されることはなかった。
(第2比較例の裏面反射部材)
構成は以下の通りである。
(材料) (厚さ:nm)
樹脂(ポリカーボネート)
SiOx 90
TiO2 57
SiO2 65
TiO2 50
SiO2 125
Al 90
HMDSO重合 200
HMDSOの屈折率(λ:550nm) 1.53
第2比較例の裏面反射部材の反射率は、図5の反射率グラフ図にグラフLで示すように、特に可視領域で低い。第1比較例の裏面反射部材を水酸化カリウム水溶液(1重量%)に10分間浸漬して、蒸着膜の耐アルカリ性を調べた。浸漬後、Al膜が薄くなり、光の透過が認められた。
(第3比較例の裏面反射部材)
構成は以下の通りである。
(材料) (厚さ:nm)
樹脂(ポリカーボネート)
SiOx 90
TiO2 30
HMDSO重合 150
TiO2 30
HMDSO重合 150
Al 90
HMDSO重合 200
HMDSOの屈折率(λ:550nm) 1.53
第3比較例の裏面反射部材の反射率は、図5の反射率グラフ図にグラフMで示すように、特に可視領域で低い。第3比較例の裏面反射部材を水酸化カリウム水溶液(1重量%)に10分間浸漬して、蒸着膜の耐アルカリ性を調べた。浸漬後の蒸着膜の反射率及び外観は浸漬前と比較して変化は認められなかった。さらに、アルカリ浸漬後の蒸着膜にセロテープ(登録商標)を貼って該セロテープ(登録商標)を引っ張ることにより該蒸着膜が剥されることはなかった。
(第4比較例の表面反射部材)
構成は以下の通りである。
(材料) (厚さ:nm)
Al 150
SiOx 100
樹脂(光学部品)
第4比較例の表面反射部材の反射率は、図5の反射率グラフ図にグラフNで示すように、特に可視領域で低い。第1比較例の裏面反射部材を水酸化カリウム水溶液(1重量%)に10分間浸漬して、蒸着膜の耐アルカリ性を調べた。該浸漬により、Alの溶出が認められた。
(第5比較例の表面反射部材)
構成は以下の通りである。
(材料) (厚さ:nm)
TiO2 57
SiO2 90
Al 150
SiOx 100
樹脂(光学部品)
第5比較例の表面反射部材の反射率は、図5の反射率グラフ図にグラフOで示すように、特に可視領域で低い。第1比較例の裏面反射部材を水酸化カリウム水溶液(1重量%)に10分間浸漬して、蒸着膜の耐アルカリ性を調べた。該浸漬により、Alが部分的に溶出し、光が部分的に透過するようになった。
(第6比較例の表面反射部材)
構成は以下の通りである。
(材料) (厚さ:nm)
TiO2 57
HMDSO 90
Al 150
SiOx 100
樹脂(光学部品)
HMDSOの屈折率(λ:550nm) 1.56
第6比較例の表面反射部材の反射率は、図5の反射率グラフ図にグラフPで示すように、特に可視領域で低い。第1比較例の裏面反射部材を水酸化カリウム水溶液(1重量%)に10分間浸漬して、蒸着膜の耐アルカリ性を調べた。該浸漬により、Alが溶出し、光が透過するようになった。第6比較例の裏面反射部材において、HMDSO重合膜の屈折率nと消衰係数kとの関係を図8に示す。第6比較例の裏面反射部材において、顕微赤外分光光度計を用いて膜の空気面側の反射率を測定した結果を図9に示す。炭化水素構造に特有のC−H伸縮振動に帰属できるピークが観測された。
(第7比較例の表面反射部材)
構成は以下の通りである。
(材料) (厚さ:nm)
TiO2 20
HMDSO 50
Al 150
SiOx 100
樹脂(光学部品)
HMDSOの屈折率(λ:550nm) 1.53
第7比較例の表面反射部材の反射率は、図5の反射率グラフ図にグラフQで示すように、特に可視領域で低い。第1比較例の裏面反射部材を水酸化カリウム水溶液(1重量%)に10分間浸漬して、蒸着膜の耐アルカリ性を調べた。浸漬後の蒸着膜の反射率及び外観は浸漬前と比較して変化は認められなかった。さらに、アルカリ浸漬後の蒸着膜にセロテープ(登録商標)を貼って該セロテープ(登録商標)を引っ張ることにより該蒸着膜が剥されることはなかった。
赤外線に関する第1実施形態と第6比較例のC−H伸縮振動の比較を、図9に示す。図9において、横軸は波数/cm-1、縦軸は相対反射強度を示す。
A 第1実施形態の裏面反射部材の反射率グラフ
B 第2実施形態の裏面反射部材の反射率グラフ
C 第3実施形態の裏面反射部材の反射率グラフ
D 第4実施形態の裏面反射部材の反射率グラフ
E 第5実施形態の裏面反射部材の反射率グラフ
F 第6実施形態の表面反射部材の反射率グラフ
G 第7実施形態の表面反射部材の反射率グラフ
H 第8実施形態の表面反射部材の反射率グラフ
I 第9実施形態の表面反射部材の反射率グラフ
J 第10実施形態の表面反射部材の反射率グラフ

Claims (7)

  1. 立体形状をした透明基体表面に、70nm以上の厚みでアルミニウム層を形成した反射部材であって、
    該アルミニウム層の反射面側に、
    屈折率が1.54以下で透明であって、炭化水素構造を含みSiO2を主成分とし、厚さが60nmから130nmの低屈折率層と、前記低屈折率層上に設けた、屈折率が2.1以上で透明であって、厚さが40nmから85nmの高屈折率層とを含む増反射層群を設けたことを特徴とする増反射膜を有する反射部材。
  2. 前記立体形状をした透明基体表面に、
    前記アルミニウム層を設け、
    該アルミニウム層の上に前記増反射層群を少なくとも1群設けたことを特徴とする請求項1に記載の増反射膜を有する表面反射部材。
  3. 前記立体形状をした透明基体表面に、
    前記増反射層群を少なくとも1群設け、
    該増反射層群の上に前記アルミニウム層を設けたことを特徴とする請求項1に記載の増反射膜を有する裏面反射部材。
  4. 前記アルミニウム層の上に、炭化水素構造を含みSiO2を主成分とし、厚さが20nmから500nmの保護層を設けたことを特徴とする請求項3に記載の増反射膜を有する裏面反射部材。
  5. 立体形状をした透明基体表面に、70nm以上の厚みでアルミニウム層を形成した反射部材の製造方法であって、
    該アルミニウム層の反射面側に、
    屈折率が1.54以下で透明であって、炭化水素構造を含みSiO2を主成分とし、厚さが60nmから130nmの低屈折率層と、前記低屈折率層上に設けた、屈折率が2.1以上で透明であって、厚さが40nmから85nmの高屈折率層とを含む増反射層群を設け、
    前記炭化水素構造を含みSiO2を主成分とし、厚さが60nmから130nmの低屈折率層を、ヘキサメチルジシロキサンのプラズマ重合反応で形成することを特徴とする増反射膜を有する反射部材の製造方法。
  6. 立体形状をした透明基体表面に、70nm以上の厚みでアルミニウム層を形成した反射部材と、前記アルミニウム層の上に、炭化水素構造を含みSiO2を主成分とし、厚さが20nmから500nmの保護層を設けたことを特徴とする裏面反射部材。
  7. 立体形状をした透明基体表面に、70nm以上の厚みでアルミニウム層を形成した反射部材と、前記アルミニウム層の上に、炭化水素構造を含みSiO2を主成分とし、厚さが20nmから500nmの保護層を設けた裏面反射部材の製造方法であって、
    前記炭化水素構造を含みSiO2を主成分とし、厚さが20nmから500nmの保護層を、ヘキサメチルジシロキサンのプラズマ重合反応で形成することを特徴とする裏面反射部材の製造方法。
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