JP2011242559A - 現像装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】 第2室の上流側で現像剤の剤面の高さの低下を従来よりも抑制し、現像剤担持体からの現像剤の剥ぎ取り効率を向上させることができる現像装置を提供する。
【解決手段】 現像剤容器2と、現像スリーブ8と、現像剤容器2に区画された現像室3に回転可能に設けられた第1スクリュー5と、現像室3よりも重力方向に設けられ、現像室3と循環路を形成する撹拌室4に回転可能に設けられた第2スクリュー6と、現像スリーブ8の内部に設けられた第1磁極と、第1磁極と同一極性の第2磁極を有するマグネットと、現像スリーブ8に対向して撹拌室4に回転可能に設けられ、撹拌室4の現像剤を撹拌する第3スクリュー7と、を有し、第3スクリュー7は、第1磁極よりも現像スリーブ8の回転方向上流側の位置で現像スリーブ8に最近接し、現像スリーブ8の回転軸線方向で、現像剤担持領域の中心よりも撹拌室4の現像剤搬送方向上流側に配置される。
【選択図】図3

Description

本発明は、電子写真方式あるいは静電記録方式により形成された静電像を現像するための現像装置に関する。
従来、像担持体に対向する現像剤担持体に現像剤を供給する第1スクリューを有する第1撹拌搬送室、及び、第1撹拌搬送室と連通すると共に第2スクリューを有する第2撹拌搬送室を備える現像装置に関する発明として、特許文献1に記載の発明が開示される。
特許文献1に記載の発明では、前述の第1撹拌搬送室が上方に配置され、前述の第2撹拌搬送室が下方に配置され、第1撹拌搬送室及び第2撹拌搬送室を区画する隔壁が設けられる。そして、第1撹拌搬送室及び第2撹拌搬送室の間は、隔壁の長手方向の端部が切れて2つの連通孔で連通されている。第1撹拌搬送室の現像剤搬送方向の下流側及び第2撹拌搬送室の現像剤搬送方向の上流側は連通されて第1連通孔が形成されている。第1撹拌搬送室の現像剤搬送方向の上流側及び第2撹拌搬送室の現像剤搬送方向の下流側は連通されて第2連通孔が形成されている。
また、特許文献1に記載の発明では、第2撹拌搬送室の内部には、第1連通孔及び第2連通孔の間で隔壁よりも小さい範囲で、第3スクリューが配置されている。この第3スクリューは、第2スクリューと逆方向に現像剤を撹拌搬送する機能を有する。第3スクリューが無い場合には、第2撹拌搬送室の内部では、現像剤搬送方向の上流側では現像剤が少なく、現像剤搬送方向の下流側では現像剤が多くなる傾向にある。ところが、第3スクリューが有ることで、第2撹拌搬送室の内部で現像剤の分布が偏った場合でも、特に第2連通孔の側で現像剤の分布が均一化され、濃度ムラが無い良好な画像が得られる。
特開平6−51634号公報
しかしながら、特許文献1に記載の発明では、第1連通孔の側が第2連通孔の側よりも現像剤の剤面の高さが低くなる傾向を更に抑制すべきとの課題が残る。特に、第1連通孔の側で現像剤の剤面が低くなると、現像剤担持体の表面と現像剤の剤面とが接触しない状態になることから、現像剤担持体から現像剤を剥ぎ取る剥ぎ取り効率が低下するという問題が生じ得る。
本発明は、上記実情に鑑み、第2室の現像剤搬送方向上流側で現像剤の剤面の高さの低下を従来よりも抑制し、現像剤担持体からの現像剤の剥ぎ取り効率を向上させることができる現像装置を提供することを課題とする。
上記課題を解決するために、本発明の現像装置は、現像剤を収容する現像容器と、前記現像容器の開口部に回転可能に支持され、現像剤を担持する現像剤担持体と、前記現像容器に区画された第1室に回転可能に設けられた第1搬送部材と、前記第1室よりも重力方向下方に設けられ、前記第1室と循環路を形成する第2室に回転可能に設けられた第2搬送部材と、前記現像剤担持体の内部に設けられた第1磁極と、前記第1磁極に対して前記現像剤担持体の回転方向下流側で隣接し、前記第1磁極と同一極性の第2磁極と、を少なくとも有するマグネットと、前記現像剤担持体に対向するように前記第2室に回転可能に設けられ、前記第2室の現像剤を撹拌する撹拌部材と、を有し、前記撹拌部材は、前記第1磁極よりも前記現像剤担持体の回転方向上流側の位置で前記現像剤担持体に最近接するとともに、前記現像剤担持体の回転軸線方向に関して、少なくとも現像剤担持領域の中点よりも前記第2室の現像剤搬送方向上流側に配置されていることを特徴とする。
本発明によれば、第2室の現像剤搬送方向上流側で現像剤の剤面の高さの低下を従来よりも抑制し、現像剤担持体からの現像剤の剥ぎ取り効率を向上させることができる。
本発明の実施例1に係る現像装置を備える画像形成装置の構成を示す断面図である。 感光体ドラム1及び現像装置の構成を示す断面図である。 図2のL−L線に沿う断面図である。 安息角の測定方法を示す断面図である。 第3スクリューの構成の概略を示す拡大断面図である。 変形例に係る第3スクリューを有する場合の図2のL−L線に沿う断面図である。 現像スリーブの表面と第3スクリューの外周との距離(現像スリーブ及び第3スクリューの間の距離)に対する溢れの効果を示す表である。 現像スリーブ及び磁性板の配置関係の概略を示す側面図等である。 実施例2に係る現像装置の構成を示す断面図である。 実施例4に係る現像装置の構成を示す断面図である。
以下、図面を参照して、この発明を実施するための形態を実施例に基づいて例示的に詳しく説明する。ただし、この実施例に記載されている構成部品の寸法、材質、形状、その相対位置等は、発明が適用される装置の構成や各種条件により適宜変更されるから、特に特定的な記載が無い限りは、発明の範囲をそれらのみに限定する趣旨のものではない。
図1は、本発明の実施例1に係る現像装置10(図2参照)を備える画像形成装置100の構成を示す断面図である。画像形成装置100は、電子写真画像形成プロセスを利用した画像形成装置である。図1に示されるように、画像形成装置100は画像形成装置本体(以下、単に『装置本体』という)100Aを有し、この装置本体100Aの内部には、画像を形成する画像形成部51a〜51dが設けられる。画像形成部51a〜51dは、静電像及び現像剤像を担持可能な『像担持体』である感光体ドラム1a〜1d、『転写装置』である1次転写ローラ105a〜105d等を含む。少なくとも感光体ドラム1については、プロセスカートリッジに含まれ、プロセスカートリッジとして装置本体100Aに組み込まれる構成となっていても良い。各々の画像形成部51a〜51dは、トナーの色が異なる以外は同じ構成である。そこで、前述及び以下において、特に区別を要しない場合は、いずれかの色用に設けられた要素であることを表すために図面に付した添え字のa、b、c、dは省略し、総括的に説明する場合もある。
画像形成装置100は、4個の画像形成部51(51a〜51d)を有する4色フルカラーの電子写真方式の画像形成装置である。画像形成装置100は、中間転写体である中間転写ベルト107の回転方向(矢印J1方向)に沿って上流側から下流側にかけて4個の画像形成部51(51a〜51d)(画像形成ステーション)が配設されている。
各々の画像形成部51は、ドラム形の電子写真感光体ドラム(以下「感光体ドラム1a、1b、1c、1d」という)を備えており、この順に、イエロー、マゼンタ、シアン、ブラックの各色のトナー像を形成する。感光体ドラム1は、それぞれ図1中の反時計回り方向に回転駆動されるようになっている。各々の感光体ドラム1の周囲には、その回転方向に沿って順に、帯電装置102、露光装置103、現像装置10、1次転写ローラ105、ドラムクリーナ106が配設されている。
1次転写ローラ105、2次転写対向ローラ108及びローラ31、32には、中間転写体としての無端状の中間転写ベルト107が掛け渡されている。中間転写ベルト107は、その裏面側から1次転写ローラ105によって押圧されていて、その表面を感光体ドラム1に当接させている。こうして、1次転写ニップT1(1次転写部)が形成される。中間転写ベルト107は、駆動ローラも兼ねる2次転写対向ローラ108の矢印J1の方向の回転に伴って、矢印J2の方向に回転するようになっている。この中間転写ベルト107の回転速度は、前述の各々の感光体ドラム1の回転速度(プロセススピード)とほぼ同じに設定されている。
中間転写ベルト107の表面における2次転写対向ローラ108と対向する位置には、2次転写ローラ109が配設されている。2次転写ローラ109は2次転写対向ローラ108との間に中間転写ベルト107を挟持しており、2次転写ローラ109と中間転写ベルト107との間には、2次転写ニップT2(2次転写部)が形成されている。
画像形成に供される転写材Pは、給送カセット110に積載された状態で収納されている。この転写材Pは、給送ローラ、搬送ローラ、レジストローラ等を有する給搬送装置(いずれも不図示)によって、前述の2次転写ニップT2に供給されるようになっている。転写材Pの搬送方向に沿う2次転写ニップT2の下流側には、定着ローラ112とこれに加圧された加圧ローラ113とを有する定着装置111が配設されており、さらに定着装置111の下流側には、図示しない排出トレイが配設されている。
次に、画像形成装置100が、転写材Pの表面に4色フルカラーのトナー像を形成する動作に関して説明する。まず、感光体ドラム1は所定のプロセススピードで回転駆動され、帯電装置102によって所定の極性及び電位に一様に帯電される。帯電後の感光体ドラム1は、露光装置103によって画像情報に基づく露光が行われ、各色毎の静電像が形成される。
これらの感光体ドラム1の表面の静電像は、現像装置10a〜10dによってイエロー、マゼンタ、シアン、ブラックの各色のトナー像として現像される。これら4色のトナー像は、1次転写ニップT1において、1次転写ローラ105により、中間転写ベルト107の表面に順次に1次転写される。こうして、4色のトナー像が中間転写ベルト107上で重ね合わされる。1次転写時に、中間転写ベルト107に転写されないで感光体ドラム1の表面に残ったトナー(残留トナー)は、ドラムクリーナ106によって除去される。
中間転写ベルト107の表面で重ね合わされた4色のトナー像は、転写材Pに2次転写される。給送カセット110から給搬送装置によって搬送された転写材Pは、レジストローラによって中間転写ベルト107上のトナー像にタイミングを合わせるようにして2次転写ニップT2に供給される。供給された転写材Pには、2次転写ニップT2において、2次転写ローラ109により、中間転写ベルト107上の4色のトナー像が一括で2次転写される。
4色のトナー像が2次転写された転写材Pは定着装置111に搬送される。トナー像は、定着装置111で加熱及び加圧されて転写材Pの表面に定着される。トナー像が定着された後の転写材Pは、図示しない排出トレイ上に排出される。
図2は、感光体ドラム1及び現像装置10(10a)の構成を示す断面図である。なお、実施例1の画像形成装置100の内部に配置される各々の現像装置10(10a〜10d)は同一の構成であるので、その中の1つの現像装置10aについてのみ説明を行うが、その説明は、現像装置10b、10c、10dにも援用されるものとする。
まず、実施例1の現像装置10に用いられるトナー及びキャリアを含む2成分現像剤(以下、現像剤Tという)について説明する。トナーは、結着樹脂、着色剤、そして、必要に応じてその他の添加剤を含む着色樹脂粒子と、コロイダルシリカ微粉末のような外添剤が外添されている着色粒子とを有している。トナーは、負帯電性のポリエステル系樹脂であり、体積平均粒径は4μm以上、10μm以下が好ましい。より好ましくは8μm以下であることが好ましい。
また、キャリアは、例えば表面酸化或は未酸化の鉄、ニッケル、コバルト、マンガン、クロム、希土類などの金属、及びそれらの合金、或は酸化物フェライトなどが好適に使用可能であり、これらの磁性粒子の製造法は特に制限されない。キャリアは、重量平均粒径が20〜60μm、好ましくは30〜50μmであり、抵抗率が10Ωcm以上、好ましくは10Ωcm以上である。本実施例では10Ωcmのものを用いた。
現像容器である現像剤容器2に収容される現像剤Tに含まれるトナーの樹脂のガラス転移温度は、トナーが現像スリーブ8の表面に融着する温度よりも低く設定されている。これは、以下の理由によるものである。図8を参照しつつ後述する現像スリーブ8の端部側に磁性板15a、15bがあると、磁性板15a、15bと現像スリーブ8の間に現像剤Tによる磁気ブラシが立つことで、現像スリーブ8の表面に現像剤Tが局所的に滞留する箇所ができる。現像剤Tが局所的に滞留すると、ほとんど動かない現像剤Tとある程度の高速回転している現像スリーブ8の表面との間に速度差が生じる。このため、現像剤Tと現像スリーブ8の表面との摩擦が大きくなり、その摩擦熱によって現像スリーブ8上の表面処理領域の端部にトナーが融着しやすくなる。表面処理された領域とは、表面粗さRzが他の領域よりも高くなるよう処理された(例えば、凹凸状のブラスト処理やV溝加工等に処理された)領域を指し、通常、この領域にて現像剤Tが現像スリーブ8の表面に担持され、搬送される。
トナーの融着によって表面処理領域の表面粗さが大きくなり、現像剤Tの搬送力が上がるため、局所的に現像スリーブ8の表面上の単位面積当たりの現像剤重量(M/S)が適正値よりも多くなる。現像剤重量が増えることで、第2スクリュー6によって現像スリーブ8上から撹拌室4に回収される現像剤量も増える。その結果、撹拌室4に現像剤を回収して取り込むことができなくなり、取り込み不良による溢れが発生する。したがって、現像剤T中のトナーが現像スリーブ8の表面に融着しないようにするために、トナーの樹脂のガラス転移温度が前述のごとく設定されるのである。
図2に示されるように、現像装置10aは、現像剤Tを収容する現像剤容器2を備える。現像剤容器2の内部は隔壁12で現像室3及び撹拌室4に区画される。現像室3よりも重力方向下方に撹拌室4が配置される。『第1室』である現像室3は、現像剤容器2の内部に区画され、第1搬送部材である第1スクリュー5を回転自在に支持する。『第2室』である撹拌室4は、現像剤容器2の内部に区画され、第2搬送部材である第2スクリュー6を回転自在に支持する。撹拌室4は、現像室3の第1回転軸Xの軸方向の上流側と第1連通孔L1で連通する(図3参照)。また、撹拌室4は、現像室3の第2回転軸Yの軸方向の下流側でと第2連通孔L2で連通する(図3参照)。現像室3及び撹拌室4の内部には、磁性粒子を含む現像剤Tが収容されている。
また、現像剤容器2における現像室3及び撹拌室4以外の領域には、『現像剤担持体』である現像スリーブ8が配置されている。現像スリーブ8は、その内部で回転しないように固定された『磁界発生体』であるマグネットローラ11を有している(図8参照)。現像スリーブ8は、感光体ドラム1に対向し、現像剤容器2の開口部である開口2Lに回転自在に支持され、現像剤容器2の内部の現像剤Tを担持可能なものである。なお、図2中で、現像スリーブ8は、開口2Lの上側縁部2L1及び下側縁部2L2の間に配置されている。
図3は、図2のL−L線に沿う断面図である。図3に示されるように、『第1撹拌搬送手段』である第1スクリュー5は、現像スリーブ8の担持体軸Qの方向と平行な第1回転軸Xを中心に回転して現像剤Tを撹拌しつつ搬送すると共に、現像スリーブ8に現像剤Tを供給する部材である。詳しくは、以下の通りである。第1スクリュー5は、現像室3の内部の底部に現像スリーブ8の軸方向(現像幅方向)に沿ってほぼ平行に配置されている。第1スクリュー5は、強磁性体で構成される第1回転軸Xの周りに非磁性材料で構成されたリブ5aをスパイラル状に設けたスクリュー構造で構成されている。第1スクリュー5は、回転して現像室3の内部の現像剤Tを現像室3の底部にて現像スリーブ8の軸線方向に沿って搬送する。
『第2撹拌搬送手段』である第2スクリュー6は、現像スリーブ8の担持体軸Qの方向と平行な第2回転軸Yを中心に回転して現像剤Tを撹拌しつつ搬送すると共に、現像スリーブ8から現像剤Tを回収する部材である。詳しくは、以下の通りである。第2スクリュー6は、第1スクリュー5と同様に、第2回転軸Yの周りにリブ6aが第1スクリュー5と同方向(現像室3の内部の矢印方向)にスパイラル状に設けられたスクリュー構造で構成されている。撹拌室4の内部の底部に第1スクリュー5とほぼ平行に配設され、第1スクリュー5と逆方向に回転して撹拌室4の内部の現像剤Tを第1スクリュー5と反対方向(撹拌室4の内部の矢印方向)に搬送する。これによって、第2スクリュー6及び第1スクリュー5で現像剤Tは撹拌室4及び現像室3を循環するようになる。
このような第1スクリュー5及び第2スクリュー6の回転によって、現像剤Tが現像室3と撹拌室4との間で循環する。現像装置10aでは、現像室3と撹拌室4とが鉛直方向で上下に配置されており、現像室3から撹拌室4への現像剤Tは第1連通孔L1を通って上から下へ、又、撹拌室4から現像室3への現像剤Tは第2連通孔L2を通って下から上へ動く。特に、撹拌室4から現像室3へは、端部に溜まった現像剤Tの圧力により下から上へと押し上げられるようにして現像剤Tが受け渡される。なお、撹拌部材である第3スクリュー7に関しては、図4及び図5を参照しつつ、後述する。
ここで、図2に戻って、現像装置10aの構成に関して説明する。図2に示されるように、現像剤容器2の感光体ドラム1に近接する部位には開口2Lが設けられている。そして、その開口2Lにアルミニウムや非磁性ステンレス鋼等の材質で、その表面に適度な凹凸を設けて表面粗さRzを高くした表面処理領域を有する現像スリーブ8が感光体ドラム1に対向して配置されている。ここで、表面処理領域を、ガラスビーズやアルミナ粒子を吹き付けて凹凸状の処理を施し、Rz=10〜20umとしたいわゆるブラスト加工領域としたが、これに限定されるものではない。現像剤Tを搬送可能な表面粗さRzとなっていれば、たとえば、V溝加工等でもかまわない。なお、表面粗さRzは表面粗さ測定器SE−3400(株式会社小坂研究所製)で測定した。
現像スリーブ8は、感光体ドラム1が回転する回転方向K1の方向とは逆の回転方向K2の方向に回転する。そして、現像スリーブ8は、現像剤容器2の開口2Lの上端にある規制ブレード9にて周面に担持された現像剤Tが適正な現像剤層厚に規制された後、この現像剤Tを現像領域Aに担持しつつ搬送する。ここでは、規制ブレード9によって、現像スリーブ8の表面の単位面積当りの現像剤Tのコート量を30mg/cmに規制している。なお、規制ブレード9及び現像スリーブ8の間は、間隙を200〜1000μm、好ましくは300〜700μmに設定される。ここでは、規制ブレード9及び現像スリーブ8の間は、500μmに設定した。
現像領域Aにおいては、感光体ドラム1が回転方向K1の方向に回転し、現像スリーブ8が回転方向K2の方向に回転する。現像スリーブ8は、感光体ドラム1と同じ順方向に回転している。現像スリーブ8は、感光体ドラム1に対する1.75倍の周速比で回転している。この周速比に関しては、0〜3.0倍の間で設定され、好ましくは、0.5〜2.0倍の間に設定されれば、何倍でも構わない。移動速度比は、大きくなればなるほど現像効率はアップするが、あまり大きすぎると、トナー飛散、現像剤劣化等の問題点が発生するので、上記の範囲内で設定することが好ましい。
現像スリーブ8の内部には磁界発生手段であるローラ状のマグネットローラ11(図8参照)が固定配置されている。このマグネットローラ11は、感光体ドラム1の現像領域Aに対向する磁極S1を有している。磁極S1が、現像領域Aに形成する現像磁界により現像剤Tの磁気ブラシが形成され、この磁気ブラシが現像領域Aで回転方向K1の方向に回転する感光体ドラム1に接触して静電像をこの現像領域Aで現像する。その際、磁気ブラシに付着しているトナーと、現像スリーブ8の表面に付着しているトナーも、静電像の画像領域に転移して現像する。マグネットローラ11は、磁極S1の他に磁極N1、磁極S2、第2磁極である磁極N2、第1磁極である磁極N3を有しており、このうちN3極とN2極は同一極性で隣り合っており反発磁界が形成されるため、現像剤Tに対してバリアが形成されている。この反発磁極のうちの上流側の磁極N3 は現像剤Tの取り込み極、下流側の磁極N2 は現像剤Tの汲み上げ極である。なお、前述のことから、磁極N2は、磁極N3に対して現像スリーブ8の回転方向下流側で隣接する。
現像剤容器2の内部の現像剤Tは、回転する現像スリーブ8の表面上に磁極N2の作用により汲み上げられ、汲み上げられた現像剤は、現像スリーブ8の回転にともない、磁極S2→磁極N1→磁極S1と搬送される。その現像剤Tは、その途上で、規制ブレード9により層厚が規制されて、現像剤薄層に形成される。現像部に搬送された現像剤Tは、磁極S1 の磁力により穂立ちして感光体ドラム1の表面に接触し、感光体ドラム1上に形成された静電像を現像する。この時、現像効率、つまり、静電像へのトナーの付与率を向上させるために、現像スリーブ8には電源から直流電圧と交流電圧を重畳した現像バイアス電圧が印加される。実施例1では、−500Vの直流電圧と、ピーク・ツウ・ピーク電圧Vppが1800V、周波数fが12kHzの交流電圧とした。しかし、直流電圧値、交流電圧波形はこれに限られるものではない。
一般に、2成分磁気ブラシ現像法においては、交流電圧を印加すると現像効率が増して画像は高品位になるが、逆にかぶりが発生し易くなる。このため、現像スリーブ8に印加する直流電圧と感光体ドラム1の帯電電位(即ち白地部電位)との間に電位差を設けることにより、かぶりを防止する。
現像部を経て現像を終了した現像剤Tは、現像スリーブ8の回転に従って撹拌室4の内部に取り込まれ、磁極N3及び磁極N2による反発磁界で現像スリーブ8の表面から剥離されて、撹拌室4の内部に落下し回収される。
現像スリーブ8は現像スリーブ駆動機構13で駆動され、第1スクリュー5及び第2スクリュー6は搬送スクリュー駆動機構14で駆動される。現像スリーブ駆動機構13及び搬送スクリュー駆動機構14は互いに独立の駆動制御によって制御される。また、第3スクリュー50は、第1スクリュー5及び第2スクリュー6と同じく、搬送スクリュー駆動機構14から駆動される。なお、現像スリーブ駆動機構13及び搬送スクリュー駆動機構14は、モータ、モータに連結されるギア、その他の部材を含む。
ここから、第3スクリュー7の構成及び配置について詳述する。まず、第3スクリュー7の構成及び配置に関わるトナー流動性と溢れの関係について説明し、その後に第3スクリュー7の構成及び配置について説明する。
(トナー流動性と溢れの関係)
一般に、現像剤容器2の内部の滞在時間が長くなると、トナーが第1スクリュー5や第2スクリュー6による撹拌、規制ブレード9を通過するときの規制ブレード9による摺擦を受ける確率が高くなってしまう。印字率が高い場合には、トナーが頻繁に入れ替わるため、個々のトナーが現像剤容器2の内部に留まる平均滞在時間は短くなる。しかしながら、印字率が低い場合には、個々のトナーが現像剤容器2の内部に留まる平均滞在時間が長くなり、規制ブレード9を通過する回数が増える。摺擦を受けたトナーは、前述したトナーの外添剤が剥れたり、トナー表面に埋め込まれたりして、トナー劣化が促進され、流動性が低下することが知られている。
そこで、本発明者らは平均滞在時間と流動性との関係を明らかにするために以下のような実験を行った。即ち、本発明を適用できる画像形成装置100の現像装置10において、現像スリーブ8と第1〜第3スクリュー5、6、7を空回転させて、初期剤と170分空回転剤とを用意し、それぞれの流動性の指標として安息角を測定した。つまり、平均滞在時間の異なる現像剤Tを用意し流動性の違いを測定した。測定結果は、初期剤(即ち、平均滞在時間0分の未耐久剤)の安息角は30度、170分空回転剤(即ち、平均滞在時間170分の耐久剤)の安息角は42度であった。つまり空回転剤の方が第1〜第3スクリュー5、6、7や規制ブレード9の周辺での摺擦を受けて、トナーの劣化によって流動性が低下していることが分かった。
図4は、安息角の測定方法を示す断面図である。ここで、安息角の測定方法は、温度が23℃、湿度が50%の環境で、フルイ300(710μm目開き、線径φ450μm)の上に置かれた現像剤Tが振動により落ち、フルイ300の下にあるロート310(トナー噴出穴φ5mm)を通過する。その後、その下に置かれた測定用テーブル320(φ80mm円形)に現像剤Tが積もり山となる。現像剤Tが積もると角度θが徐々に大きくなり、ある一定以上に積もると現像剤Tはすべり落ちてしまい、角度θは一定の値となる。その時の角度θが安息角となる。
以上のように、トナーが劣化して流動性が低下すると、現像スリーブ8の回転に伴って撹拌室4の内部に回収されるべき現像剤Tが第1スクリュー5や第2スクリュー6によって搬送されにくくなる。第1及び第2スクリュー5、6と現像剤容器2の隙間に留まりやすくなって、現像スリーブ8と撹拌室4の取り込み部分(現像剤容器2の下側縁部2L2(顎部分))から漏れだし、取り込み不良による溢れが生じる。以下、この取り込み不良による溢れについて詳しく説明する。
図2を参照しつつ前述したように、現像剤Tは、固定配置されたマグネットローラ11の磁極N2によって現像スリーブ8上に汲み上げられ、現像スリーブ8の回転とともに磁極S2→磁極N1→磁極S1と搬送される。磁極S1において現像を終了した現像剤Tは、現像スリーブ8の回転に従い撹拌室4の内部に取り込まれ、磁極N3及び磁極N2による反発磁界で現像スリーブ8上から剥離される。現像剤Tは、撹拌室4の内部に落下し、第2スクリュー6によって撹拌されつつ搬送され、回収される。すなわち、反発磁界において磁性体である磁性キャリア(磁性粒子)にはたらく磁気力Fは、徐々に弱くなるため、現像剤Tの重力Gが磁気力Fを上回ったとき、現像剤Tが現像スリーブ8上に拘束されなくなって剥がれ落ちる。
ここで、磁気力Fは、外部磁界(磁束密度)をBとして、以下の式(1)にて表せる。
(数1)
F=(m・▽)B、F=(Fx,Fy,Fz)・・・(1)
この時、磁気力の大きさは、
(数2)
|F|=(Fx+Fy+Fz1/2・・・(2)
また、上記式中の磁性キャリア中の磁気双極子モーメントmは、一般的に外部磁界に比例した磁化を持つので、以下のように表せる。
(数3)
m=|A|B・・・(3)
F=|A|(B・▽)B =−|A|▽B・・・(4)
Fx(x,y,z)=−|A|{B(x,y,z)−B(x+Δx,y,z)}/Δx・・・(4)
Fy(x,y,z)=−|A|{B(x,y,z)−B(x,y+Δy,z)}/Δy・・・(5)
Fz(x,y,z)=−|A|{B(x,y,z)−B(x,y,z+Δz)}/Δz・・・(6)
ただし、|A|は透磁率などを含む関数であり、キャリアが球形の場合は以下のように表せる。
(数4)
|A|=(4π/μ0) ×(μ−1)/(μ−2) ×r・・・(7)
ここで、rはキャリアの半径、μはキャリアの比透磁率、μ0は真空透磁率である。
以上から磁界の強さ|B|(={Bx+By+Bz1/2)・・・(8)に変化がある場合、磁束密度の小さい地点から磁束密度の大きな方向に向かい磁気力が生じることが分かる。逆に磁界の強さ|B|に変化がない方向には磁気力が働かないといえる。
外部磁界の大きさ(磁束密度)|B|は、市販のガウス(テスラ)メータで測定することが可能である。本発明者らはベル社製のガウスメータ モデル640を用いた。ガウスメータによりプローブ先端部における1方向の磁束密度の測定が可能なため、x軸、y軸、z軸の3種類のプローブを用いて3方向の磁束密度(BxとByとBz)を測定し、その結果より磁界の強さを導き出した。このように、磁束密度の測定を繰り返すことにより、磁界の強さの分布を導き、その結果を元に磁気力Fの大きさ及び方向を求めた。測定の際のΔx、Δy、Δzは250μmとして、測定を行った。Δx、Δy、Δzに関しては、小さくすればする程に磁界の分布は正確に把握できるが、測定に時間がかかる問題がある。一方、大きくすると正確な磁界の分布を把握することができない。100〜300μm程度が適当である。
上記測定結果及び上記式を元にキャリアに働く磁気力が求まる。例えば、半径が17.5μm、比透磁率μが12、真比重ρが4.8g/cmの球形と近似したキャリアの場合、真空の透磁率は4π×10−7なため、|A|=2.46×10−6となり、磁界の強さの2乗Bの測定値を元に磁気力が求まる。
Fy=|A|ΔBy/Δy
=(2.5×10−6)/(2.5×10−4)×ΔBy
=10−2×ΔBy(N)
=10−2×(By−By+Δy)(N)・・・(9)
磁界の強さの2乗の差分なので、磁界の強さが大きいほど、また差が大きいほど磁気力は大きくなる。磁界の強さがが小さい場合は差がある程度大きくても磁気力は小さい。これは実際の現象と一致する。
さらに、磁極N3と磁極N2によって形成される反発磁界領域において、キャリアすなわち現像剤Tの受ける磁気力Fyが重力Gよりも小さくなる位置から現像剤Tが剥れ始めるとすると、以下のように表せる。
Fy−G=10−2×ΔBy−9.8×10−3×4π/3×r
=10−2×ΔBy−1.06×10−9<0・・・(10)
上記式より、マグネットローラ11のつくる磁場(磁束密度)によって現像剤Tが剥れ始める位置が計算でき、初期の現像剤Tの実挙動とほぼ一致することが確認できた。
しかしながら、トナーが劣化して凝集度が高くなり、流動性の悪くなった現像剤Tは以下のような挙動を示す。すなわち、流動性が高い場合と同様に、現像剤Tは磁極バリア部(すなわち、現像スリーブ8の磁極N3及び磁極N2の間のエリア)で剥ぎ取られる。しかし、剥ぎ取られた現像剤Tの一部は、流動性が低いために、第2スクリュー6に回収されずに、磁極N3へ再度トラップされる。
その結果、現像スリーブ8上の磁極N3で現像剤Tが滞留しやすくなり、次に現像を終えて磁極N3へ搬送されてくる現像剤Tを堰きとめてしまう。そのために、現像スリーブ8と現像室3の間の取り込み部分(現像剤容器2の開口2Lの下側縁部2L2(顎部分))から現像剤Tが漏れ出して、取り込み不良による溢れが生じる。この取り込み不良による溢れは、現像スリーブ8の回転速度が速いほど、トナーが規制ブレード9を通過する回数が多くなり、劣化が促進されて凝集度が高くなるため、発生しやすくなる。
上記問題を回避するために、第2スクリュー6の位置を変更して、滞留する現像剤Tを低減する方法が考えられる。しかし、第2スクリュー6は現像スリーブ8からの現像剤Tを回収する必要性、及び、第1スクリュー5との上下の位置関係から、その位置は容易に変更できない。ここでは、現像スリーブ8及び第2スクリュー6の最接近位置が、現像スリーブ8の反発極間となるように設定されている。すなわち、取り込み磁極N3から取り込まれた現像剤Tを回収するためには、第2スクリュー6は、磁極N2とN3の間の磁界バリア部近傍に配置されなければならない。
よって、上記滞溜する現像剤量が増えても、第2スクリュー6の位置を変更することなく、撹拌室4の内部に確実に回収して撹拌させつつ搬送させることの可能な構成が必要となる。すなわち、トナーの凝集度が高く流動性が低下しても、常に収容可能な現像剤量を超えないように、現像剤Tを回収できるような構成とすればよい。
(第3スクリューの構成及び配置)
図5は、第3スクリュー7の構成の概略を示す拡大断面図である。前述してきた現像装置10は、縦撹拌の現像装置であり、横撹拌の現像装置に比べて、現像スリーブ8上の磁極にトラップされた現像剤Tが多く滞留するため、取り込み不良による溢れが発生しやすい。なぜなら、前述したように、撹拌室4の内部において現像剤量が多く、現像剤Tが一定以上の高さになっている領域では、撹拌及び搬送される現像剤Tの力で磁極N3にトラップされている現像剤Tを剥ぎ取ってくれる場合がある。よって、現像剤Tの取り込み不良による溢れは、特に撹拌室4の内部の現像剤量が少なくなっている領域で発生しやすいが、縦撹拌の現像装置10では下記理由によって、現像剤量が局所的に極端に少なくなる領域が存在する。よって、局所的な溢れが発生しやすく、横撹拌の現像装置よりも溢れに対する耐性が低い。
ここで、上記縦撹拌の現像装置では、図2に示されるように、撹拌室4から現像室3へ受け渡された現像剤Tの全てが現像室3において軸方向に順調に搬送されて第1スクリュー5の下流端に到達するわけではない。すなわち、途中で現像スリーブ8に供給され、現像領域Aを通過後、撹拌室4に回収される成分が存在する。このため、現像室3の内部の現像剤Tの量は上流端側が多く、撹拌室4内の現像剤Tの量は下流端側が多いという傾向がある。即ち、縦撹拌の現像装置10の内部の現像剤Tの分布は、横撹拌の現像装置に比べて、片寄りが非常に起こりやすい。その結果、撹拌室4の内部の上流側で極端に現像剤Tが少なくなり、現像スリーブ8の端部で局所的に溢れが発生する。
そこで、ここでは、以下のように第3スクリュー7を配置することで、現像剤Tの取り込み不良による溢れを抑制する。すなわち、図2に示されるように、第3スクリュー7を、上記隙間部分に溜まった現像剤Tを撹拌室4の内部に回収し撹拌及び搬送ための補助スクリューとして働かせることのできるよう、現像スリーブ8に近接した位置に配置した。
『撹拌手段』である第3スクリュー7は、撹拌室4の内部に配置され、担持体軸Qと平行な第3回転軸Zを中心に回転して現像剤Tを撹拌する(図8参照)。第3スクリュー7は、第2スクリュー6よりも小さく形成され、現像剤Tを第2スクリュー6とは逆方向に撹拌及び搬送するスパイラル形状で形成される(図5、図3参照)。
第3スクリュー7の現像スリーブ8の回転軸線方向に関する位置について説明する。第3スクリュー7の位置は、現像スリーブ8の回転軸線方向に関して、少なくとも現像スリーブ8の現像剤担持領域の中点よりも現像剤搬送方向上流側と対向する位置に設けられている。
また、第3スクリュー7の現像スリーブ8の周方向に関する位置について説明する。ここで、現像スリーブ8から現像剤Tの剥ぎ取りを開始する磁極N3(現像スリーブ8の法線方向の磁束密度が、現像スリーブ8の周方向でピークとなるピーク位置)と現像スリーブ8の回転中心を結んだ仮想直線Mを想定する。この場合に、現像スリーブ8と第3スクリュー7との最近接位置は、第3回転軸Zに沿う方向から見た場合に、仮想直線Mよりも現像スリーブ8の回転方向K2で上流側に配置される。上記構成により、撹拌室4の現像剤搬送方向上流側は現像剤面が低下しやすいため現像スリーブ8上から現像剤を剥ぎ取る効率が低下してしまうといった問題を抑制することができる。なお、磁極N3は『剥取開始磁極』として機能する。
ここでは、第3スクリュー7を現像スリーブ8の表面から3.00mm離れた位置に配置した。また、第3スクリュー7が現像スリーブ8の回転方向に対して磁極N3よりも下流側、たとえば磁極N2とN3の間の磁界バリア部に配置される場合、現像スリーブ8上の現像剤Tに対して効果的な補助を行うことができなくなる。よって、第3スクリュー7の第3回転軸Zは現像スリーブ8の回転方向に対して磁極N3の上流側にあることが望ましい。ここでは、担持体軸Q及び第3回転軸Zを結んだ仮想直線Nは、担持体軸Q及び磁極N3を結んだ仮想直線Mに対して現像スリーブ8の回転方向K2の上流側に25°の位置に配置されている。
また、ここでは、第3スクリュー7は、軸径4mmの第3回転軸Zに、軸方向に亘ってピッチ20mm、外径10mmのリブ7a(撹拌羽根、即ち、螺旋翼部であるスクリュー羽根)を設けた。また、第3スクリュー7の回転速度は400rpmとし、第3スクリュー7は第2スクリュー6と反対方向に現像剤Tを搬送するように回転させられる。また、現像剤Tの取り込み不良による溢れは前述した理由から、撹拌室4の上流側で発生しやすいため、少なくとも撹拌室4の上流側を含めた領域に、スクリュー羽根を設けて搬送性を持たせる必要がある。ここでは、第3スクリュー7のスラスト全域に搬送性を持たせるべくスクリュー羽根を設けて、スラスト全域において、取り込み不良による溢れを抑制できるようにした。
図5に示されるように、第3スクリュー7を配置することで、現像剤Tの取り込み不良による現像剤Tの溢れを抑制できた。すなわち、第3スクリュー7を、上記隙間部分に溜まった現像剤Tを現像室3の内部に回収し撹拌及び搬送ための補助スクリューとして機能できるよう、現像スリーブ8に近接した位置に配置した。
第2スクリュー6は、矢印dの方向に回転する。このとき、取り込み磁極N3を通過した現像剤Tは、現像スリーブ8上から剥れ落ちて、第2スクリュー6に回収される。しかし、トナーの凝集度が高くなって流動性が低下している場合、磁極N2と磁極N3の間の磁界バリア部から離脱した一部の現像剤Tは、第2スクリュー6に回収されずに磁極N3に再度トラップされる。そのため、現像スリーブ8上の磁極N3に現像剤Tが滞留していき、次に現像を終えて磁極N3へ搬送されてくる現像剤Tを堰きとめてしまう。しかし、第3スクリュー7が矢印eの方向へ回転することで、流動性が低下して磁極N3にトラップされている現像剤Tを回収し、撹拌及び搬送することが可能となる。第3スクリュー7は、撹拌室4の現像剤搬送方向と逆方向となるようにスパイラル形状となっている。こうすることで、撹拌室4内の現像剤面の傾きを均すことができ、撹拌室4内の現像剤面の低下を抑制することができる。第3スクリュー7の回転方向は、図5中では時計回りに回転しているが、リブの向きが現像剤循環方向に対して第2スクリュー6とは逆方向であれば、図5中で反時計周りに回転することになる。
ここで、図3を参照しつつ、第3スクリュー7に関して更に詳述する。本発明より過去の従来では、縦撹拌の現像装置に多く見られる現像剤Tのトナー濃度ムラを低減する目的で、撹拌室4の内部の下流領域すなわち第2連通孔L2の側に第3スクリューを配置することがあった。
スクリューが撹拌室4の下流に設置されない場合、現像剤量が最も多くなる撹拌室4の内部の第2連通孔L2の近傍において、現像スリーブ8近傍まで現像剤Tが堆積してしまう。そうなると、通常では現像領域Aを通過して撹拌室4の側に回収されるべきトナー濃度が低くなった現像剤Tが、現像スリーブ8に連れ回り、隔壁12と現像スリーブ8との隙間から、現像室3に搬送され、再び現像領域Aに搬送される現象が発生する。
その結果、このような連れ回りの生じた領域においては、現像に共された現像剤Tが撹拌室4に回収されておらず、即ち撹拌されていないため、トナー濃度が低下し、画像濃度が低下する。連れ回りは撹拌室4の内部で現像剤量の多くなる現像剤容器2の端部領域において主に発生し、他の領域においては発生しにくいため、現像スリーブ8に不均一なトナー濃度の現像剤Tが供給され、スラスト方向の画像ムラが生じていた。
このような連れ回りによるトナー濃度ムラ現象は、撹拌室4の内部の下流に第2スクリュー6と反対方向に現像剤Tを搬送するように回転する第3スクリュー7を配置することで、撹拌室4の下流における現像剤量を低減できるため、抑制されていた。
ここでは、第3スクリュー7を本実施例で規定した位置に配置し、かつ、撹拌室4の下流を含めたスラスト全域に配置することによって、上記トナー濃度ムラの抑制と取り込み不良による溢れの抑制を両立して行うことが可能となる。
以上のように、第3スクリュー7を現像スリーブ8との距離Dが5.0mm以内、かつ、剥ぎ取り磁極N3よりも上流側に配置する。このことで、現像装置10において撹拌室4の内部の現像剤Tの傾きが大きくなってトナーの凝集度が悪化して現像スリーブ8上の現像剤Tの滞留が発生し易くなっても、以下の効果が得られる。すなわち、現像スリーブ8と撹拌室4の間の取り込み部分(現像剤容器2の下側縁部2L2(顎部分))からの現像剤Tの取り込み不良による溢れが抑制される。また、同時に、現像剤量の片寄りを低減することで、トナー濃度ムラを抑制できた。
図6は、変形例に係る第3スクリュー507を有する図2のL−L線に沿う断面図である。図6に示されるように、第3スクリュー507は、第3回転軸Zと、第1連通孔L1に対向する第3回転軸Zに形成されるリブ107aと、を有する。このように、少なくとも、第1連通孔L1に対向する位置にリブ107aが配置されることで、第1連通孔L1の近傍の現像剤Tが撹拌されて現像剤Tの溢れ現象が抑制される。なお、現像スリーブ8の現像剤担持領域の中点よりも現像剤搬送方向の上流側に配置されれば良い。
図7は、現像スリーブ8の表面と第3スクリュー7の外周との距離(現像スリーブ8及び第3スクリュー7の間の距離D)に対する溢れの効果を示す表である。図7中の距離Dの単位はmmである。ここでは、第3スクリュー7の第3回転軸Zを磁極N3よりも現像スリーブ8の回転方向に対して上流側に20°〜40°の位置に入る範囲で、現像スリーブ8からの距離Dを1.0mm〜10.0mmまで1.0mm毎に変化させた。こうして、トナーの流動性が低下したときの溢れの実力を調べた。なお、このとき、安息角が42°の170分の空回転の現像剤Tを使用した。
図7に示されるように、現像スリーブ8及びスクリューの間の距離Dが6.0mm以上のとき、第3スクリュー7が現像スリーブ8から離れすぎて効果的な搬送を補助することができないため、現像剤Tの取り込み不良による溢れが発生してしまう。また、現像スリーブ8及び第3スクリュー7の間の距離Dが1.0mm以上で5.0mm以下のとき、現像剤Tの取り込み不良による溢れが発生しない。このとき、第3スクリュー7は、流動性が低下して磁極N3にトラップされている現像剤Tに対して、現像スリーブ8から現像剤Tを剥がして撹拌室4の内部に回収して現像剤循環路の現像剤搬送方向に搬送を補助するような役割を果たす。よって、現像スリーブ8及び第3スクリューの間の距離Dは5.0mm以下が望ましい。
なお、現像スリーブ8と第3スクリュー7が近接しすぎると、現像スリーブ8と第3スクリュー7の間で摺擦が発生したり、現像スリーブ8上の現像剤Tが磁極に従って動作するのを阻害したりする虞がある。発明者の実験結果では、現像スリーブ8及び第3スクリュー7の間の距離Dは0.1mm以上が望ましいことが分かった。ただし、ここでは、第3スクリュー7が現像スリーブ8の表面から3.00mm離れた位置に配置された構成とした。
前述のように、第3スクリュー7は現像スリーブ8の回転方向に対して磁極N3の上流側にあることが望ましい。つまり、第3スクリュー7は、第3回転軸Zに沿う方向から見た場合に、マグネットローラ11に形成されて現像スリーブ8から現像剤Tの剥ぎ取りを開始する磁極N3及び第3回転軸Zを結んだ仮想直線Mよりも現像スリーブ8の回転方向K2で上流側に配置される。現像スリーブ8の回転方向K2で上流側は、回転方向上流側と表現しても良い。なお、磁極N3は、『剥取開始磁極』として機能する。ここでは、第3スクリュー7の回転軸Zは、担持体軸Q及び磁極N3を結んだ仮想直線Mに対して現像スリーブ8の回転方向K2の上流側に25°の位置に配置されている。
図8(a)は、現像スリーブ8及び磁性板15a、15bの配置関係の概略を示す側面図である。図8(b)は、図8(a)の現像スリーブ8に対する第3スクリュー7のスラスト方向の配置を示す側面図である。現像剤Tの取り込み不良による溢れは、撹拌室4のスラスト方向の全域で発生する可能性がある。よって、第3スクリュー7では、第3回転軸Zのスラスト方向の全域にリブ7aが設けられて搬送性を持たせた。また、現像スリーブ8のブラスト加工領域を含む領域に第3スクリュー7を配置することで、以下に説明する効果も発生する。
すなわち、現像スリーブ8のスラスト方向の両端近傍からの現像剤Tの漏れを防止し現像有効幅を規制するための磁性部材である磁性板15a、15bが設けられる場合、磁性板15a、15bに対向するブラスト領域部分で融着が発生しやすくなる場合があった。なお、磁性板15a、15bは、現像スリーブ8の外周面に沿って対向する。
即ち、磁性板15a、15bと現像スリーブ8の間に現像剤Tによる磁気ブラシが立つことで、現像スリーブ8上に現像剤Tが局所的に滞留する箇所ができる。すると、現像剤Tと現像スリーブ8の表面との速度差による摩擦熱でブラスト領域の端部にトナーが融着し易くなる。その結果、ブラスト領域の表面粗さが大きくなり、現像剤Tの搬送力が上がるため、局所的に現像スリーブ8の表面上の現像剤量が適正値よりも多くなるため、撹拌室4に現像剤Tを回収して取り込むことができなくなり、溢れが発生する。
ここで、磁性板15a、15bに対して現像スリーブ8のブラスト領域の最近接位置に対向した位置を含むスラスト方向の全域に、第3スクリュー7のスパイラル状のリブ7aを設ける。このことで、撹拌室4の内部の磁性板15a、15bに最近接に対向する位置の現像剤搬送性が良くなり、現像スリーブ8上の単位面積当たりの現像剤重量(以下、M/Sという)が増えても現像剤Tが撹拌室4の内部に溢れることなく回収される。ここでは、ブラスト領域内に磁性板15a、15bが配置される構成となっている。この場合、磁性板15a、15bに対して現像スリーブ8のブラスト領域の最近接位置に対向した位置とは、磁性板15a、15bに対向する位置と同義である。なお、ブラスト領域外に磁性板15a、15bが配置される構成としてもよい。
前述したように、第3スクリュー7が現像スリーブ8との距離Dが5.0mm以内の位置に配置され、かつ、第3回転軸Zが取り込み磁極N3よりも上流側に配置する。このことで、トナーの凝集度が高く流動性が低下して現像スリーブ8上の磁極N3にトラップされた現像剤Tが滞溜し続ける場合でも、現像スリーブ8と撹拌室4の間の取り込み部分(現像剤容器2の下側縁部2L2)からの取り込み不良による溢れが抑制される。また、磁性板15a、15bが配置される構成において、磁性板15a、15b及び現像スリーブ8の間の局所的な現像剤Tの滞留による融着起因の溢れも抑制することができた。
なお、図8(c)は、変形例に係る第3スクリュー507の構成を示している。図8(c)に示されるように、第3スクリュー507は、第3回転軸Zと、第3回転軸Zの端部側にスパイラル状のリブ507aと、を有している。このように、現像スリーブ8の回転軸線方向の端部において、現像スリーブ8の外周面に沿って対向する磁性板15a、15bを有する。また、現像スリーブ8の回転軸線方向に関して、磁性板15a、15bと第3スクリュー507、7の搬送部(羽根部)であるリブ507a、7aが対向している。
図9は、実施例2に係る現像装置210aの構成を示す断面図である。実施例2の構成のうち実施例1の構成と同一の構成及び効果に関しては、同一の符号を用いて説明を適宜省略する。実施例2においても、実施例1と同様の画像形成装置に適用することができるため、画像形成装置の説明は省略する。実施例2の現像装置210aが実施例1の現像装置10aと異なる点は、現像スリーブは、開口2Lに複数個設けられる。このように、実施例2では、現像スリーブ208a、208bが上下に2つ配置された多段磁気ブラシ現像が採用される。なお、現像装置210aは、イエロー用の現像装置であり、図示しないシアン、マゼンタ、ブラック用の現像装置も同様な構成である。これらの現像装置を総称して現像装置210と以下で言う場合もある。
近年、複写機等の画像形成装置における高速化の要求が高まっている。そして、現像スリーブ等の現像剤担持体を2本、又は、それ以上の複数本を使用し、それを互いに隣り合うように周面を近接させて配置する。そして、互いの周面を伝わって連続して現像剤Tが搬送されるようにして、現像時間を延ばし現像能力を上げるいわゆる多段磁気ブラシ現像方法(多段スリーブ方式)が提案されてきている。
図9に示されるように、『現像剤担持体』である『第1現像剤担持体』としての第1現像スリーブ208aの内部には、『磁界発生手段』である『第1磁界発生手段』としての第1マグネットローラ211xが設けられている。第1マグネットローラ211x(図8参照)は、現像磁極である磁極S1の他に磁極N1、磁極S2、磁極N2、磁極N3を有している。このうち磁極N2と磁極N3は現像剤容器2の内部で同極で隣り合っており反発磁界を形成し、現像剤Tに対してバリアが形成されている。更に、第1現像スリーブ208aの下部で、感光体ドラム1の回転方向K1の下流側に、第1現像スリーブ208a及び感光体ドラム1の双方に略対向した領域に、第2現像スリーブ208bが回転方向K3に回転可能に配設されている。この『現像剤担持体』である『第2現像剤担持体』としての第2現像スリーブ208bは、第1現像スリーブ208aと同様に非磁性材料で構成されている。また、第2現像スリーブ208bの内部には『磁界発生手段』である『第2磁界発生手段』としてのローラ状の第2マグネットローラ211yが非回転状態で設置されている。この第2マグネットローラ211yは第2磁極である磁極S3、磁極N4、磁極S4、磁極N5、第1磁極である磁極S5の5極を有している。
現像剤Tの流れは、第1現像スリーブ208aを磁極N2→磁極S2→磁極N1→磁極S1→磁極N3と搬送される。その後に、第1現像スリーブ208a上の現像剤Tは第2現像スリーブ208bへと移動し、第2現像スリーブ208b上を磁極S3→磁極N4→磁極S4→磁極S5→磁極N5と搬送される。ここで、現像剤Tの受渡は略対向した異極同士(磁極N3と磁極S3)で行われる。これは、同極同士の場合は磁力線が形成されないので、安定した受渡が行えないからである。このうち、第2現像スリーブ208bと感光体ドラム1の対向部、つまり第2現像領域A2にて、磁極N4は感光体ドラム1に接触しており、第1現像領域A2を通過後の感光体ドラム1上の静電像に対し、更に2度目の現像を行う。
多段スリーブ方式の現像装置は、実施例1で示したようなシングルスリーブ方式の現像装置に対して、感光体ドラム1の周速度の高速化に伴い現像時間が短くなっても、高い現像効率が可能となる。そのために、多段スリーブ方式の現像装置210は、現像濃度の低下や濃度ムラを発生することなく良好に画像形成ができることを特徴とする。よって、多段スリーブ方式の現像装置210の場合、実施例1で示したようなシングルスリーブ方式の現像装置10よりも高速化されることが前提となる。すなわち、多段スリーブ方式の場合、現像剤容器2の内部でトナーがより劣化して凝集度が高くなり流動性が悪くなるため、現像スリーブ208b上の磁極S5にトラップされた現像剤Tが多く滞留することによる取り込み不良溢れが発生しやすい。
よって、本実施例では、実施例1及び2と同様に、第3スクリュー7を配置することで、現像剤Tの取り込み不良による溢れを抑制できた。すなわち、第3スクリュー7を、隙間部分に溜まった現像剤Tを撹拌室4の内部に回収して撹拌及び搬送ための補助スクリューとして働かせることのできるよう、第2現像スリーブ208bに近接した位置に配置した。ここでは、第3スクリュー7を第2現像スリーブ208bの表面から3.00mm離れた位置に配置される。同時に、ここでは、第3スクリュー7の回転軸Zは、担持体軸Q及び磁極S5を結んだ仮想直線Mに対して現像スリーブ8の回転方向K2の上流側に25°の位置に配置されている。
実施例2では、第3スクリュー7を現像スリーブ208bとの距離Dが5.0mm以内、かつ、取り込み磁極S5よりも上流側に配置する。この構成で、高速化対応の多段スリーブ方式の現像装置の如くトナーの凝集度が高くなって流動性がより低下し易い現像装置でも、現像スリーブ208b上の磁極S5にトラップされた現像剤Tの滞溜による現像剤Tの取り込み不良による溢れを抑制できる。
実施例3の現像装置に関しては、図はない。実施例3の構成のうち実施例1及び2の構成と同一の構成及び効果に関しては、同一の符号を用いて説明を適宜省略する。実施例3においても、実施例1及び2と同様の画像形成装置に適用することができるため、画像形成装置の説明は省略する。実施例3の現像装置が、実施例1及び2の現像装置10、210と異なる点は、現像剤Tはトナー及びキャリアを有し、トナーはワックスを有する点である。すなわち、ワックス成分を含有するトナー粒子を用いることが特徴である。まず、実施例3で用いるトナー粒子について説明する。
実施例3のトナー粒子は、オイルレス定着を達成するためにワックス成分を含有する粉砕トナーを使用している。トナー粒子は、ワックスを1〜20重量%含有するのが好ましい。ワックスが1重量%より少ないと、定着装置111において分離不良が起きる可能性がある。また、20重量%を超えると、単位重量あたりのトナー帯電量を所望量付与しづらくなるという問題が発生する。または、20重量%を超えると、トナーの凝集度が増加してトナーの流動性が悪化して現像剤容器2の内部の現像剤バランスが崩れることによる溢れや現像スリーブ208a、208bのコート不良を起こすという問題が発生する。
従って、実施例3のトナー粒子は、オイルレス定着を達成するためにワックス成分を1〜20重量%含有する粉砕トナーを使用した例に関して述べる。ここでは、バインダ樹脂、ワックス、着色剤、荷電制御剤を混練したのち、粉砕、分級してトナー粒子を得た。なお、生成法はこの手法に限るものではなく、混練冷凍粉砕法等で作製しても構わず、又、他の添加物が入っていても構わない。粉砕トナーは、その他の例えば重合トナーに比べ、比較的安価に作成可能であるが、その作成方法からワックス成分がトナー表層近傍に存在しやすい。そのため、現像スリーブ8、208a、208bにワックスが染み出しやすく、結果として、トナーが劣化してトナーの凝集度が高くなる傾向にある。また、トナーにこのようなトナーを用いると、実施例1及び2で説明したように、現像剤容器2の内部でトナーがより劣化して流動性が悪くなり、トナーの凝集度が高くなる。そのために、現像スリーブ8、208b上の磁極N3,S5にトラップされた現像剤Tが多く滞留することによる取り込み不良溢れが発生しやすい。
よって、実施例3では、実施例1及び2と同様に、第3スクリュー7を配置することで、取り込み不良による溢れを抑制できた。すなわち、第3スクリュー7が現像スリーブ8、208bとの距離Dが5.0mm以内の位置に配置され、かつ、第3回転軸Zが取り込み磁極N3、S5よりも上流側に配置する。このことで、トナーを使用した際にトナーの流動性がより悪化して凝集度が高くなる場合においても、現像スリーブ8、208b上の磁極N3、S5にトラップされた現像剤Tの滞溜による取り込み不良溢れを抑制することができ、より効果を発揮することができた。
図10は、実施例4に係る現像装置410aの構成を示す断面図である。実施例4の構成のうち実施例1〜3の構成と同一の構成及び効果に関しては、同一の符号を用いて説明を適宜省略する。実施例4においても、実施例1〜3と同様の画像形成装置に適用することができるため、画像形成装置の説明は省略する。実施例4の現像装置410aが実施例1〜3の現像装置10aと異なる点は、第3回転軸Z及び担持体軸Qは、同一の駆動機構すなわち現像スリーブ駆動機構413が兼用されて連動させられる。すなわち、第3スクリュー7が現像スリーブ駆動機構413と連動することが特徴である。
近年、複写機等の画像形成装置における高速化の要求が高まっており、現像スリーブ208a、208bの回転速度を大きくすることで、現像効率を上げる方法がある。たとえば、実施例2を示す図9において、現像スリーブ208a、208bの回転速度が速い場合、滞留してしまう現像剤Tを第3スクリュー7が回収し搬送する前に次の現像剤Tが落ちてくることになるため、溢れやすくなる。このため、第3スクリュー7の回転速度を上げて現像剤Tの搬送性をより高くする必要がある。しかしながら、第3スクリュー7が搬送スクリュー駆動機構414と連動する場合には、第1スクリュー205及び第2スクリュー206の搬送性も上がるため、現像剤容器2の内部の現像剤Tの循環バランスが崩れて、溢れやM/Sムラになるおそれがある。軸と軸受け部の摩擦熱が大きくなってトナーの融着が発生しやすくなり、トナー融着塊による画像不良や、現像装置のロックなどの不具合を引き起こす可能性がある。
そこで、実施例4においては、図10に示されるように、第3スクリュー7の駆動を現像スリーブ208a、208bの駆動と連動させるとした。これにより、現像スリーブ208a、208bの回転速度が速くなった場合は、第3スクリュー7の回転駆動も同時に早くなり、現像剤Tの搬送性を上げて滞留する現像剤Tを低減することが可能となった。また、第3スクリュー7に独立の駆動機構を持たせるよりも、簡易で安価な現像装置を提供することができた。
以上より、高速化に対応するために、現像スリーブ208a、208bの回転速度が速くなった場合においても、簡易かつ安価な構成で、現像剤T取り込み不良による溢れを防止することができた。
実施例1〜4の構成によれば、撹拌室4の上流側で現像剤Tの剤面の高さの低下を従来よりも抑制し、現像スリーブ8、408bからの現像剤Tの剥ぎ取り効率を向上させることができる。そして、現像剤容器2の内部で現像剤Tの凝集度が高くなって流動性が低下し、現像スリーブ8、408bのから剥ぎ取られる現像剤Tが第2スクリュー6及び現像スリーブ8、408bの周囲で滞留する現象が抑制される。そして、現像スリーブ8、408b及び撹拌室4の間の現像剤Tの取り込み部分(現像剤容器2の開口2Lの下側縁部2L2)からの現像剤Tの取り込み不良による現像剤Tの溢れ現象が抑制される。
なお、実施例1〜4のような感光体ドラム1の材質、現像剤T、及び、画像形成装置の構成等に限定されなくても良い。すなわち、実施例1〜4の技術思想は、それらと異なる感光体ドラム1、様々な現像剤T、及び、画像形成装置に適用可能であることは言うまでもない。
また、実施例1〜4の構成では、第3スクリュー7は、第3回転軸Zと、第3回転軸Zに形成されたスパイラル状のリブ7a(羽根部)と、を有する構成であったが、この構成に限定されなくても良い。すなわち、リブ7a(羽根部)の形状は任意に変更可能である。例えば、第3スクリュー7は、スパイラル形状のリブ7a、107aの替わりに、現像剤Tを撹拌するパドルで構成されても良い。
1 感光体ドラム(像担持体)
2 現像剤容器
2L 開口
2L1 上側縁部(開口)
2L2 下側縁部(開口)
3 現像室(第1室)
4 撹拌室(第2室)
5 第1スクリュー(第1撹拌搬送手段)
6 第2スクリュー(第2撹拌搬送手段)
7 第3スクリュー(撹拌部材)
8 現像スリーブ(現像剤担持体)
N3、N5 磁極
M、N 仮想直線
T 現像剤
Q 担持体軸
X 第1回転軸
Y 第2回転軸
Z 第3回転軸

Claims (4)

  1. 現像剤を収容する現像容器と、
    前記現像容器の開口部に回転可能に支持され、現像剤を担持する現像剤担持体と、
    前記現像容器に区画された第1室に回転可能に設けられた第1搬送部材と、
    前記第1室よりも重力方向下方に設けられ、前記第1室と循環路を形成する第2室に回転可能に設けられた第2搬送部材と、
    前記現像剤担持体の内部に設けられた第1磁極と、前記第1磁極に対して前記現像剤担持体の回転方向下流側で隣接し、前記第1磁極と同一極性の第2磁極と、を少なくとも有するマグネットと、
    前記現像剤担持体に対向するように前記第2室に回転可能に設けられ、前記第2室の現像剤を撹拌する撹拌部材と、を有し、
    前記撹拌部材は、前記第1磁極よりも前記現像剤担持体の回転方向上流側の位置で前記現像剤担持体に最近接するとともに、前記現像剤担持体の回転軸線方向に関して、少なくとも現像剤担持領域の中点よりも前記第2室の現像剤搬送方向上流側に配置されていることを特徴とする現像装置。
  2. 前記撹拌部材は、回転軸及び前記回転軸の周りに形成された羽根部を有することを特徴とする請求項1記載の現像装置。
  3. 前記現像剤担持体の回転軸線方向の端部において、前記現像剤担持体の外周面に沿って対向する磁性部材を有し、前記現像剤担持体の回転軸線方向に関して、前記磁性部材と前記撹拌部材の前記羽根部が対向していることを特徴とする請求項2記載の現像装置。
  4. 前記撹拌部材は、前記第2搬送部材の搬送方向と逆方向に現像剤を搬送する搬送部を有することを特徴とする請求項1乃至3いずれかに記載の現像装置。
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