JP2011242530A - 現像装置、及びそれを備えた画像形成装置、並びに画像形成方法 - Google Patents

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克也 高野
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Abstract

【課題】現像スリーブ両端部からの現像剤漏れを防止するシール部材が、放電生成物(NO)を吸着除去して長期に亘り現像剤漏れを防止することができる現像装置、及びそれを備えた画像形成装置、並びに画像形成方法を提供する。
【解決手段】現像剤漏れ防止シール161,162は、中心部に貫通孔を設けたキャップ形状をしている。現像スリーブ156の両端部に、現像スリーブ156の両端部に突出した現像スリーブ軸157,158を現像剤漏れ防止シール161,162の貫通孔に挿入して、現像スリーブ156の両端部に現像剤漏れ防止シール161,162を取り付ける。現像剤漏れ防止シール161,162の外周面、及び内面には、ゼオライト層を設けている。
【選択図】図4

Description

本発明は、電子写真方式の画像形成に用いられる現像装置、及びそれを備えた画像形成装置、並びに画像形成方法に関し、特に感光体を帯電させる際に発生する窒素酸化物の影響を抑えて現像剤漏れを防止する現像装置、及びそれを備えた画像形成装置、並びに画像形成方法に関する。
従来、電子写真方式を用いた画像形成装置においては、帯電ローラにより感光体を帯電させる帯電装置が用いられている。この帯電装置では、窒素酸化物(NO)などの放電生成物が生成される。具体的には、帯電装置から放出される電子の放電に伴うエネルギーによって、大気中に存在する窒素分子(N)が窒素原子(N)に解離し、それが酸素分子(O)と結合することで窒素酸化物(二酸化窒素:NO)が生成される。さらに、この窒素酸化物が帯電ローラの雰囲気中のHO(水分)と反応して硝酸HNOを生成する。
より具体的には、窒素酸化物NOxが一酸化窒素NOの場合には、
2NO+O→2NO
また、二酸化窒素NOの場合は、
3NO+HO→2HNO+NO、(但し、NOは再び最初の反応に戻る)
といった反応が起こる。
そして、この硝酸HNOが様々の部品に影響を与える。例えば、感光体に付着した場合は、異常画像の原因となる。特に、感光体として有機感光体(OPC)が用いられた場合、上記のような放電生成物によって、白抜けや潜像流れなどの画像欠陥が生じやすい。
このような放電生成物としての硝酸HNOによる印刷品位の低下を防止するために、ゼオライトを用いて硝酸HNOを吸着させる方法が提案されている。
例えば、特許文献1には、現像ローラの弾性層の低硬度化を防止する為、弾性層を形成する弾性体中に、ゼオライトを分散することが記載されている。
また、特許文献2には、画像流れ、筋状欠陥等の放電生成物由来の画像欠陥を防止する為、キャリアの表面にカップリング処理されたゼオライト粒子を乾式付着させ、感光体表面に生成した放電生成物を吸着除去することが記載されている。
ところで、感光体にトナーを供給して静電潜像を形成するための現像装置において、乾式磁気ブラシ現像法が主流になって久しいが、未だに現像スリーブ両端部からの現像剤漏れは解消しきれていないのが現状である。そのため、これを改善する方法として、以下のことが開示されている。
特許文献3には、現像スリーブ両端部に弾性層(ウレタンゴム、クロロプレンゴム)と、磁性層(ステンレス)とを重ね合わせ、現像装置ハウジングと現像スリーブとの間隙に設けて現像剤の漏れを防止する技術が記載されている。
また、特許文献4には、現像ロール両端部にキャップ状の現像剤(トナー)付着防止部材を設け、付着防止部材はトナーの帯電極性と同一であって、キャリアから遊離したトナーを現像ロールへ引き戻すように構成され、延いては現像剤漏れを防止する技術が記載されている。
特開2003−98818号公報 特開2008−304838号公報 特開平8−137258号公報 特開2000−112236号公報
上記特許文献3,4のいずれの技術においても、弾性層や付着防止部材によってある程度現像剤漏れを抑制できるものの、弾性層や付着防止部材が、帯電装置による放電生成物(特に硝酸)による劣化を想定した技術ではない。従って、放電生成物による弾性層や現像剤付着防止部材の劣化によって、十分に現像剤漏れを防止することは難しい。
また、特許文献1,2は、いずれも現像スリーブ両端部の現像剤漏れを防止することは想定されていない。
本発明は、斯かる実情に鑑み、現像スリーブ両端部からの現像剤漏れを防止するシール部材が、放電生成物(NO)を吸着除去して長期に亘り現像剤漏れを防止することができる現像装置、及びそれを備えた画像形成装置、並びに画像形成方法を提供することを目的とする。
本発明は、現像剤を磁力によって表面に担持する現像スリーブを備え、感光体ドラムに現像剤を供給する現像装置であって、前記現像スリーブは、その軸方向両端部に現像剤漏れ防止シールを備え、前記現像剤漏れ防止シールの表面にゼオライト層を設けたことを特徴とするものである。
また、本発明は、前記ゼオライト層は、40μm以上100μm以下であることを特徴とする。
また、本発明は、前記現像スリーブ表面が、溝加工、サンドブラスト加工、溶射加工を施されていることを特徴とする。
また、本発明は、前記現像剤漏れ防止シールが、ウレタンゴム、NBRゴム、ポリエチレンのいずれかの材質であることを特徴とする。
また、本発明は、前記現像装置を備えたことを特徴とする画像形成装置である。
また、本発明は、前記画像形成装置を用いて画像形成を行うことを特徴とする画像形成方法である。
本発明によれば、ゼオライト層を現像剤漏れ防止シールに形成することによりゼオライト層が放電生成物を吸収し、現像剤漏れ防止シールの硝酸による変形、たわみ、軟化、等を抑制して、現像剤漏れ防止シールを長期に亘って保護し、延いては現像スリーブ両端からの現像剤の漏れを防止する。
また、現像剤漏れ防止シールに形成したゼオライト層が、40μm未満であると、NOxの吸着効果はある程度あるものの、現像剤漏れ防止シールと現像スリーブとの摺擦によってゼオライト層が研磨され、長期に渡ってNO吸着効果が得られない。100μm超であると、長期に渡ってNO吸着効果は持続するものの、コストアップとなり、近年の小型化、低コストの画像形成装置には不向きである。従って、現像剤漏れ防止シールに形成したゼオライト層は、40μm以上100μm以下であることが好ましい。
また、前記現像スリーブ表面は、溝加工、サンドブラスト加工、溶射加工が施されていると、現像スリーブ表面に担持する現像剤のスリップを防止し、感光体の静電潜像を忠実に再現可視化できる。
また、前記現像剤漏れ防止シールが、ウレタンゴム、NBRゴム、ポリエチレンのいずれかの材質であると、加工が容易で安価であり、現像スリーブとの摺擦においても耐久性に富む材料である。
本発明の帯電装置が使用される画像形成装置の構成例を示す図である。 画像形成装置の現像装置を含むプロセスカートリッジの詳細断面図である。 プロセスカートリッジの現像装置の斜視図である。 現像剤漏れ防止シールを取り付けた現像スリーブの概略図である。 現像スリーブの一端部と、その部分の現像剤漏れ防止シールの概略図である。 硝酸により変形、たわみ、軟化した現像剤漏れ防止シールの概略図である。 形成画像の両端部の現像剤落ちの例を示す図である。
以下、本発明を実施するための最良の形態について図面を参照して説明する。
図1は、本発明の帯電装置が使用される画像形成装置の構成例を示す図である。
画像形成装置100は、外部から伝達された画像データに応じて、所定のシート(記録用紙)に対して多色及び単色の画像を形成するもので、装置本体110と、自動原稿処理装置120とにより構成されている。装置本体110は、露光ユニット1、現像装置2、感光体ドラム3、クリーナユニット4、帯電器5、中間転写ベルトユニット6、定着ユニット7、給紙カセット81、排紙トレイ91等を有して構成されている。
装置本体110の上部には、原稿が載置される透明ガラスからなる原稿載置台92が設けられ、原稿載置台92の上側には自動原稿処理装置120が取り付けられている。自動原稿処理装置120は、原稿載置台92の上に自動で原稿を搬送する。また原稿処理装置120は矢印M方向に回動自在に構成され、原稿載置台92の上を開放することにより原稿を手置きで置くことができるようになっている。
本画像形成装置において扱われる画像データは、ブラック(K)、シアン(C)、マゼンタ(M)、イエロー(Y)の各色を用いたカラー画像に応じたものである。従って、現像装置2、感光体ドラム3、帯電器5、クリーナユニット4は、各色に応じた4種類の潜像を形成するようにそれぞれ4個ずつ設けられ、それぞれブラック、シアン、マゼンタ、イエローに設定され、これらによって4つの画像ステーションが構成されている。
帯電器5は、感光体ドラム3の表面を所定の電位に均一に帯電させるための帯電手段であり、図1に示すような楔型電極型、ワイヤー型、帯電ローラ型やブラシ型等の帯電器が用いられることもある。
露光ユニット1は、本発明に関わる画像書込み装置に該当するものであり、レーザ出射部及び反射ミラー等を備えたレーザスキャニングユニット(LSU)として構成される。露光ユニット1は、レーザビームを走査するポリゴンミラーと、ポリゴンミラーによって反射されたレーザ光を感光体ドラム3に導くためのレンズやミラー等の光学要素が配置されている。露光ユニット1を構成する光走査装置の構成は、後述して具体的に説明する。また露光ユニット1としては、この他発光素子をアレイ状に並べた例えばELやLED書込みヘッドを用いる手法も採用できる。露光ユニット1は、帯電された感光体ドラム3を入力された画像データに応じて露光することにより、その表面に、画像データに応じた静電潜像を形成する機能を有する。現像装置2はそれぞれの感光体ドラム3上に形成された静電潜像を4色(YMCK)のトナーにより顕像化するものである。またクリーナユニット4は、現像・画像転写後における感光体ドラム3上の表面に残留したトナーを、除去・回収する。
感光体ドラム3の上方に配置されている中間転写ベルトユニット6は、中間転写ベルト61、中間転写ベルト駆動ローラ62、中間転写ベルト従動ローラ63、中間転写ローラ64、及び中間転写ベルトクリーニングユニット65を備えている。上記中間転写ローラ64は、YMCK用の各色に対応して4本設けられている。
中間転写ベルト駆動ローラ62、中間転写ベルト従動ローラ63、及び中間転写ローラ64は、中間転写ベルト61を張架して回転駆動させる。また各中間転写ローラ64は、感光体ドラム3のトナー像を、中間転写ベルト61上に転写するための転写バイアスを与える。
中間転写ベルト61は、各感光体ドラム3に接触するように設けられている、そして、感光体ドラム3に形成された各色のトナー像を中間転写ベルト61に順次的に重ねて転写することによって、中間転写ベルト61上にカラーのトナー像(多色トナー像)を形成する機能を有している。中間転写ベルト61は、例えば厚さ100μm〜150μm程度のフィルムを用いて無端状に形成されている。
感光体ドラム3から中間転写ベルト61へのトナー像の転写は、中間転写ベルト61の裏側に接触している中間転写ローラ64によって行われる。中間転写ローラ64には、トナー像を転写するために高電圧の転写バイアス(トナーの帯電極性(−)とは逆極性(+)の高電圧)が印加されている。中間転写ローラ64は、直径8〜10mmの金属(例えばステンレス)軸をベースとし、その表面が導電性の弾性材(例えばEPDM,発泡ウレタン等)により覆われているローラである。この導電性の弾性材により、中間転写ベルト61に対して均一に高電圧を印加することができる。本実施形態では転写電極としてローラ形状を使用しているが、それ以外にブラシなども用いることが可能である。
上述の様に各感光体ドラム3上で各色相に応じて顕像化された静電像は中間転写ベルト61で積層される。このように、積層された画像情報は中間転写ベルト61の回転によって、後述の用紙と中間転写ベルト61の接触位置に配置される転写ローラ10によって用紙上に転写される。
このとき、中間転写ベルト61と転写ローラ10は所定ニップで圧接されると共に、転写ローラ10にはトナーを用紙に転写させるための電圧が印加される(トナーの帯電極性(−)とは逆極性(+)の高電圧)。さらに、転写ローラ10は上記ニップを定常的に得るために、転写ローラ10もしくは前記中間転写ベルト駆動ローラ62の何れか一方を硬質材料(金属等)とし、他方を弾性ローラ等の軟質材料(弾性ゴムローラ、または発泡性樹脂ローラ等々)が用いられる。
また、上記のように、感光体ドラム3に接触することにより中間転写ベルト61に付着したトナー、もしくは転写ローラ10によって用紙上に転写が行われず中間転写ベルト61上に残存したトナーは、次工程でトナーの混色を発生させる原因となるために、中間転写ベルトクリーニングユニット65によって除去・回収されるように設定されている。中間転写ベルトクリーニングユニット65には、中間転写ベルト61に接触する例えばクリーニング部材としてクリーニングブレードが備えられており、クリーニングブレードが接触する中間転写ベルト61は、裏側から中間転写ベルト従動ローラ63で支持されている。
給紙カセット81は、画像形成に使用するシート(記録用紙)を蓄積しておくためのトレイであり、装置本体110の露光ユニット1の下側に設けられている。また手差し給紙カセット82にも画像形成に使用するシートを置くことができる。また、装置本体110の上方に設けられている排紙トレイ91は、印刷済みのシートをフェイスダウンで集積するためのトレイである。
また装置本体110には、給紙カセット81及び手差し給紙カセット82のシートを転写ローラ10や定着ユニット7を経由させて排紙トレイ91に送るための、略垂直形状の用紙搬送路Sが設けられている。給紙カセット81ないし手差し給紙カセット82から排紙トレイ91までの用紙搬送路Sの近傍には、ピックアップローラ11a,11b、複数の搬送ローラ12a〜12d、レジストローラ13、転写ローラ10、定着ユニット7等が配されている。
搬送ローラ12a〜12dは、シートの搬送を促進・補助するための小型のローラであり、用紙搬送路Sに沿って複数設けられている。またピックアップローラ11aは、給紙カセット81の端部近傍に備えられ、給紙カセット81からシートを1枚ずつピックアップして用紙搬送路Sに供給する。同様にまたピックアップローラ11bは、手差し給紙カセット82の端部近傍に備えられ、手差し給紙カセット82からシートを1枚ずつピックアップして用紙搬送路Sに供給する。
また、レジストローラ13は、用紙搬送路Sを搬送されているシートを一旦保持するものである。そして、感光体ドラム3上のトナー像の先端とシートの先端を合わせるタイミングでシートを転写ローラ10に搬送する機能を有している。
定着ユニット7は、ヒートローラ71及び加圧ローラ72を備えており、ヒートローラ71及び加圧ローラ72は、シートを挟んで回転するようになっている。またヒートローラ71は、図示しない温度検出器からの信号に基づいて制御部によって所定の定着温度となるように設定されており、加圧ローラ72とともにトナーをシートに熱圧着することにより、シートに転写された多色トナー像を溶融・混合・圧接し、シートに対して熱定着させる機能を有している。またヒートローラ71を外部から定着するための外部定着ベルト73が設けられている。
次にシート搬送経路を詳細に説明する。上述のように、画像形成装置には予めシートを収納する給紙カセット81、及び手差し給紙カセット82が設けられている。これら給紙カセット81,82からシートを給紙するために、各々ピックアップローラ11a,11bが配置され、シートを1枚ずつ搬送路Sに導くようになっている。
各給紙カセット81,82から搬送されるシートは用紙搬送路Sの搬送ローラ12aによってレジストローラ13まで搬送され、シートの先端と中間転写ベルト61上の画像情報の先端を整合するタイミングで転写ローラ10に搬送され、シート上に画像情報が書き込まれる。その後、シートは定着ユニット7を通過することによってシート上の未定着トナーが熱で溶融・固着され、その後に配された搬送ローラ12bを経て排紙トレイ91上に排出される。
上記の搬送経路は、シートに対する片面印字要求のときのものであるが、これに対して両面印字要求の時は、上記のように片面印字が終了し定着ユニット7を通過したシートの後端が最終の搬送ローラ12bで把持されたときに、搬送ローラ12bが逆回転することによってシートを搬送ローラ12c,12dに導く。そしてその後レジストローラ13を経てシート裏面に印字が行われた後にシートが排紙トレイ91に排出される。
図2は、本実施例の現像装置を含むプロセスカートリッジの詳細断面図である。図3は、本実施例の現像装置の斜視図である。
図2に示すように、現像装置2、感光体ドラム3、クリーナユニット4、及び帯電器5は一体構成とされて、プロセスカートリッジ150が形成される。プロセスカートリッジ150は画像形成装置100に着脱自在に設けられている。
現像装置2は、現像ローラ151の他に、ドクターブレード(層厚規制ブレード)152、2個の撹拌ローラ153,154を有している。
撹拌ローラ153,154は、現像槽内に配置されている。現像槽内に収容された現像剤中のトナーは、撹拌ローラ153,154の撹拌動作によってキャリアと共に撹拌されることで、摩擦帯電される。
現像ローラ151は、感光体ドラム3との間に現像ギャップ(0.5〜1.5mm程度)を設けて配置され、例えば、複数の周方向位置に断面形状が長方形の棒磁石からなるN極の磁性を有する複数の磁極部材およびS極の磁性を有する複数の磁極部材が離隔して放射状に配設された多極着磁のマグネットローラ155と、このマグネットローラ155に回転自在に外嵌された略円筒形状の現像スリーブ156とを備えている。
現像スリーブ156は、素材として、SUS304(Cr18.0〜20.0重量%,Ni8.0〜10.5重量%)からなる中空管(外径30mm,肉厚1mm,長さ330mm)であり、この中空管の表面に、#150のアランダム粒子を使用してサンドブラスト処理を施して6μm(Rz)の表面粗さとした後に、SUS410をアーク溶射し、平均厚さ30〜100μmの溶射被覆層を形成する。溶射加工された現像スリーブはキャリアによる摺擦磨耗性に優れ、特に高速現像スリーブ用として好適に用いられる。ここで、現像スリーブ部156表面には、現像剤のスリーブ周方向への搬送性をアップさせるために、現像ローラ軸方向に沿った溝加工が施されているのが好ましい。
このように構成された複数の磁極部材による磁界によって、現像スリーブ156の外周に沿ってトナーとキャリアとからなる2成分現像剤を吸着して磁気ブラシが形成される。感光体ドラム3と現像ローラ151の回転により形成された磁気ブラシによって、上述した現像ギャップ部で感光体ドラム3の表面を摺擦して現像が行なわれる。こうして、現像スリーブ表面に担持する現像剤のスリップを防止し、感光体の静電潜像を忠実に再現可視化できる。
現像槽は、感光体ドラム3と対向する部分に、開口部を有している。現像ローラ151は、現像槽の開口部から一部を露出させた状態であって、感光体ドラム3の周面との間所定間隔の現像ギャップが設けられるように、現像槽内に配置されている。現像ギャップは、例えば0.3mm〜1.0mm程度の範囲内の任意の間隔に設定されるが、一般的になるべく小さい方が好ましく、0.3mm〜0.5mmに設定されることが好ましい。
ドクターブレード(層厚規制ブレード)152は、現像槽のうち現像剤の搬送方向92における開口部の上流側の所定位置に、先端部が現像スリーブ156の周面に対向するように取り付けられている。ドクターブレード152は、現像スリーブ156の周面に付着した現像剤の層厚を規制する。
図3に示すように、現像スリーブ156の両端部には、現像剤漏れ防止シール161,162を設けて、現像スリーブ156の両端部からのトナー漏れを防止している。
図4は、現像剤漏れ防止シールを取り付けた現像スリーブの概略図であり、図5は、現像スリーブの一端部と、その部分の現像剤漏れ防止シールの概略図である。
現像剤漏れ防止シール161,162は、中心部に貫通孔を設けたキャップ形状をしている。現像スリーブ156の両端部に、現像スリーブ156の両端部に突出した現像スリーブ軸157,158を現像剤漏れ防止シール161,162の貫通孔に挿入して、現像スリーブ156の両端部に現像剤漏れ防止シール161,162を取り付ける。
現像剤漏れ防止シール161,162は、ウレタンゴム、NBRゴム、ポリエチレンのいずれかの材質で形成することが望ましい。これらは、加工が容易で安価であり、現像スリーブとの摺擦においても耐久性に富む材料である。
現像剤漏れ防止シール161,162の外周面、及び内面には、ゼオライト層を設けている(ゼオライト外周面163、ゼオライト内周面164)。尚、ゼオライト層は外周面だけであってもNO吸着効果は大きい。
ゼオライトの形成は、例えば次のように行う。
(1)アルミナを所望材料(基材)上にスパッタリングで成膜する。
(2)ゼオライト種結晶分散液(スラリー)をアルミナなどの多孔性材料の上にコーティングし、水熱合成などで成長させる。
ゼオライト粉末(例えばZSM-5)を水等の分散媒に分散して得られた種結晶スラリーを、ゼオライト膜を成膜しようとする多孔質基材の表面に塗布する。塗布の方法は特に限定するものではないが、例えば、種結晶スラリー中に多孔質基材を浸漬するディップコート法などが好適である。
ゼオライトの水熱合成は、具体的には、種結晶を付着させた多孔質基材を、少なくとも、構造規定剤、水、及び珪素源を含有するゼオライト合成用原料溶液中に浸漬した状態で加熱処理することにより行う。
現像剤漏れ防止シール161,162の内径はφ31mmであり、肉厚は0.1mm〜1mm程度のものが用いられる。現像スリーブ156の外径はφ30mmであり、現像剤漏れ防止シール161,162とのクリアランスは0.5mmとしている。
現像剤が現像スリーブ両端部に移動する理由は、現像スリーブ156に磁気拘束された現像剤が感光体ドラム3を摺擦すべく現像スリーブ156と伴に回転する。現像剤(特に磁性キャリア)に働く力は、磁気拘束力と、現像バイアスと、回転に伴う遠心力と、感光体ドラム3との鏡像電荷とが主たる力関係になる。特に高速回転する現像スリーブ156の場合には、遠心力と鏡像電荷とで現像剤の磁気ブラシチェーンを伸ばす方向に作用し、且つ現像スリーブ156と感光体ドラム3とのギャップは変わらない為、現像スリーブ156の両端部の伸びた磁気ブラシチェーンの行き場が抑制され、現像スリーブ156の両端部に磁気ブラシチェーンが逃げることになる。その結果、現像スリーブ156の両端部に現像剤が移動し、延いては現像スリーブ端面に磁気ブラシチェーンが発生することになる。この磁気ブラシチェーンが現像スリーブの回転に伴い、現像装置外へ飛散して現像剤漏れや現像剤落ちとなる。上記の現象を防止する為、現像スリーブ156の長短部に現像剤漏れ防止シールが必要になる。
しかし、現像剤漏れ防止シールには、帯電装置から発生する放電生成物(NO)と雰囲気中の水分との反応により生成する硝酸HNOが付着する場合がある。硝酸HNOが現像剤漏れ防止シールに付着すると、変形やたわみ、弾性が弱まる(軟化)こと等が発生し、現像剤の飛散を防止できなくなる。
図6に、硝酸により変形、たわみ、軟化した現像剤漏れ防止シールの概略図を示す。
硝酸HNOによる影響を受けた現像剤漏れ防止シール171では、現像スリーブ156との間で、現像剤漏れ防止ができるクリアランスが充分に維持できず、現像剤漏れや画像両端部に現像剤落ちが発生してしまう。上述したように、ゼオライト層を現像剤漏れ防止シールに形成することによりゼオライト層が放電生成物を吸収し、現像剤漏れ防止シールの硝酸による変形、たわみ、軟化、等を抑制して、現像剤漏れ防止シールを長期に亘って保護し、延いては現像スリーブ両端からの現像剤の漏れを防止することができる。
<現像剤漏れの実験>
画像形成装置として、シャープ製 MX−2301FNを用いて実験した。
ネコサ8.5インチ紙を横通紙として、35℃85%環境下で10万枚連続通紙後の画像を目視判定して評価を行なった。判定は、現像剤漏れ防止シールに形成したゼオライト層の膜厚ごとに、現像スリーブの両端部の現像剤漏れと、形成画像の両端部の現像剤落ちを目視にて行なった。
なお、図7に形成画像の両端部の現像剤落ちの例を示す。画像形成を行なった紙の通紙方向に垂直な幅方向の両端部を見て、漏れ落ちた現像剤をカウントする。
以下の表において、判定結果を示す。また、表における目視判定の評価は次のように記載した。
◎:現像剤漏れなし(画像上にも現像剤落ちなし)
○:現像剤漏れわずかに有り(画像両端部に現像剤落ちわずかに有り 現像剤1〜2個/枚)
△:現像剤漏れあり(画像両端部に現像剤落ち有り 現像剤3〜5個/枚)
×:現像剤漏れ大(画像両端部に現像剤落ち大 現像剤6〜8個/枚)
Figure 2011242530
<実験結果>
ゼオライト層が現像剤漏れ防止シールに形成されていると、帯電装置から発生する放電生成物がゼオライト層に吸収され、放電生成物(硝酸)による変形、たわみ、軟化などが生じ無いため、漏れは抑えられるはずである。
ゼオライト膜厚が50〜100μmでは、現像スリーブの両端部の現像剤漏れ、及び形成画像の両端部の現像剤落ち、のいずれも全く漏れがなかった。ゼオライト膜厚が40μmの場合、現像スリーブの両端部の現像剤漏れ、形成画像の両端部の現像剤落ち、いずれもわずかに漏れがあったが、許容範囲であった。
比較例1のゼオライト膜厚が30μmでは、現像剤漏れがあり、使用に耐えるレベルではないと判断した。当然ながら、比較例3のゼオライト膜厚が0μmでは、現像漏れは大であり、全く使用できるレベルにはない。
一方、比較例2のゼオライト膜厚が150μmでは、現像剤漏れにおいては、全く問題ないが、コストアップとなり、近年の小型化、低コストの画像形成装置には不向きである。
上記実験結果により、現像剤漏れ防止シールにゼオライト層を形成する場合、40μm未満であると、NOxの吸着効果はある程度あるものの、現像剤漏れ防止シールと現像スリーブとの摺擦によってゼオライト層が研磨され、長期に渡ってNO吸着効果が得られない。また、100μm超であると、長期に渡ってNO吸着効果は持続するものの、コストアップとなり、近年の小型化、低コストの画像形成装置には不向きである。従って、現像剤漏れ防止シールに形成したゼオライト層は、40μm以上100μm以下であることが好ましい。
2 現像装置
3 感光体ドラム
4 クリーナユニット
5 帯電器
100 画像形成装置
150 プロセスカートリッジ
151 現像ローラ
152 ドクターブレード
153,154 撹拌ローラ
155 マグネットローラ
156 現像スリーブ
157,158 現像スリーブ軸
161,162 防止シール
163 ゼオライト外周面
164 ゼオライト内周面

Claims (6)

  1. 現像剤を磁力によって表面に担持する現像スリーブを備え、感光体ドラムに現像剤を供給する現像装置であって、
    前記現像スリーブは、その軸方向両端部に現像剤漏れ防止シールを備え、前記現像剤漏れ防止シールの表面にゼオライト層を設けたことを特徴とする現像装置。
  2. 前記ゼオライト層は、40μm以上100μm以下であることを特徴とする請求項1に記載の現像装置。
  3. 前記現像スリーブ表面は、溝加工、サンドブラスト加工、溶射加工が施されていることを特徴とする請求項1又は2に記載の現像装置。
  4. 前記現像剤漏れ防止シールは、ウレタンゴム、NBRゴム、ポリエチレンのいずれかの材質であることを特徴とする請求項1から3のいずれか一項に記載の現像装置。
  5. 請求項1から4のいずれか一項に記載の現像装置を備えたことを特徴とする画像形成装置。
  6. 請求項5に記載の画像形成装置を用いて画像形成を行うことを特徴とする画像形成方法。
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