JP2011242172A - 酸素検出計、酸素検出機能付き電離真空計及び質量分析計 - Google Patents

酸素検出計、酸素検出機能付き電離真空計及び質量分析計 Download PDF

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Abstract

【課題】 フィラメント表面に多量の酸素が吸着しているような場合に、この酸素を可及的速やかに脱離させるようにした酸素検出計を提供する。
【解決手段】 真空容器Wに装着されてその内部の酸素を検出する本発明の酸素検出計M1は、金属製でその表面が酸化物膜で被覆されたフィラメント1と、グリッド2と、フィラメントに直流電流を流すフィラメント用の可変電源E1とを備える。フィラメントとグリッドとの間のエミッション電流が所定値に保持されるように可変電源によりフィラメントに通電してこのフィラメントを点灯させて熱電子を放出させ、このときフィラメントを流れる電流値から酸素を検出する。また、エミッション電流が所定値となるときのフィラメント電流より大きな電流をこのフィラメントに流し得る通電手段E3、SWfを更に備える。
【選択図】 図1

Description

本発明は、酸素検出計並びに酸素検出機能付き電離真空計及び質量分析計に関する。
例えばスパッタリングや蒸着による成膜処理やエッチング処理を行う真空処理装置においては、プロセス時の圧力だけでなく、各種処理が行われるチャンバ(真空容器)内に残留する気体の成分が膜質等に大きな影響を与える場合がある。このため、真空処理装置に微少な漏洩(リーク)が発生していないか常に注意が払われている。また、このようなリークの有無の確認(所謂、リークテスト)は、真空処理装置のメンテナンス時にチャンバを大気開放した後、生産を再開するときにも行われる。
従来、このような真空容器のリークテストとしては、電離真空計を利用して行う所謂ビルトアップ法によるものや四重極型質量分析計を用いたチャンバ内のガス成分分析(ガス分圧)によるものが知られている(例えば、特許文献1、特許文献2参照)。ここで、ビルトアップ法によるリークテストは真空容器内の状態に依存する。このため、正確な判定が困難である。他方、質量分析計を用いる方法は、真空容器内の圧力が例えば0.1Paより高くなると、真空容器内のガス成分の平均自由工程が短くなって、質量電荷比に対する信号が著しく減少する。このため、真空容器内の状態によってはガス成分の分析によるリークテストを行うことができないという不具合がある。
そこで、本願の発明者らは、上記真空容器において具備されていることが多い電離真空計や四重極型質量分析計を利用し、空気中に多く含まれる酸素を検出することで、簡便な方法にて真空処理装置に生じたリークリストを行うことを提案している(PCT/JP2010/1860号参照のこと)。
即ち、電離真空計や四重極型質量分析計においては、チャンバ内に残留するガス成分をイオン化するために、その構成部品としてグリッドとフィラメントとが備えられている。フィラメントとしては、低い温度で規定のエミッション電流が得られる等の理由から、近年では、イリジウムからなる母材の表面を、メッキ処理により酸化イットリウムで被覆したものが用いられている。ここで、酸素には、電子親和力があるため、母材を被覆する金属酸化物表面から電子を奪って酸素負イオンとして吸着する。フィラメントの酸化物膜に酸素が吸着すると、ポテンシャル障壁が形成されて電子が放出され難くなる。このため、所定のエミッション電流を得るには、フィラメント温度を上昇させる必要があり、これに応じてフィラメントに流す電流も上昇させることとなる。つまり、グリッドとフィラメントとの間のエミッション電流が所定値となるようにフィラメントに流す電流が酸素の量に比例する。この関係を利用して、酸素(または空気)を検出することが可能となる。
然しながら、例えば、フィラメントを大気雰囲気に曝した(真空容器を大気開放した)場合、フィラメントに大気中の酸素が吸着する。これは、フィラメントの母材を被覆する酸化イットリウムの表面が、微結晶が集合し、表面積が大きい多孔質となっており、吸湿性が高く、その上、酸素の吸着力が大きいことに起因しているものと考えられる。このようにフィラメント表面に酸素が吸着した状態で上記方法にてリークテストを行う場合には、その当初から、所定のエミッション電流を得るために必要なフィラメント電流が、その酸素の吸着によって高くなっており、酸素リークによるフィラメント電流の上昇が検知できない虞がある。これを解消するためには、フィラメント表面の酸素を一旦脱離させる必要があるが、エミッション電流を所定値に保持するためにフィラメントに流す電流の範囲では、短時間で脱離しない。
特開2001−33345号公報 特開2008−209181号公報
本発明は、以上の点に鑑み、フィラメント表面に多量の酸素が吸着しているような場合に、この酸素を可及的速やかに脱離させるようにした酸素検出計を提供することを課題とするものである。また、本発明は、効果的に酸素を検知する機能を有する電離真空計及び質量分析計をも提供することをその課題とする。
上記課題を解決するために、本発明は、真空容器に装着されてその内部の酸素を検出する酸素検出計であって、金属製でその表面が酸化物膜で被覆されたフィラメントと、グリッドと、フィラメントに直流電流を流すフィラメント用の電源と、を備え、フィラメントとグリッドとの間のエミッション電流が所定値に保持されるようにフィラメント用の電源によりフィラメントに通電してこのフィラメントを点灯させて熱電子を放出させ、このときフィラメントを流れる電流値から酸素を検出するように構成され、上記エミッション電流が所定値となるときのフィラメント電流より大きな電流をこのフィラメントに流し得る通電手段を更に備えることを特徴とする。
本発明によれば、通電手段を設けた構成を採用したため、例えば大気開放し、真空容器内を再度真空引きした直後に、この真空容器内の酸素を検出するような場合、エミッション電流が所定値となるときのフィラメント電流より大きな電流をこのフィラメントに流すことで、フィラメントに吸着していた酸素を可及的速やかに脱離させることができる。その結果、フィラメントとグリッドとの間のエミッション電流が所定値に保持されるようにフィラメント用の電源によりフィラメントに流す電流が直ちに減少するようになり、効果的に酸素を検知することが可能になる。
本発明において、前記通電手段は、フィラメントに対して上記電流を流す他の直流電源とすればよい。これにより、フィラメント電流より大きな電流をフィラメントに流す構成を実現できる。
他方、前記通電手段は、フィラメント用の電源に設けられたスイッチング手段としてもよい。ここで、フィラメント用の電源は、通常、エミッション電流が所定値に保持するために必要な電流の範囲から余裕を持って設計され、エミッション電流が所定値に保持されるようにフィードバック制御される。このため、フィラメント用の電源に設けたスイッチング素子をオンしてフィラメントに通電する当初は、最大電流でフィラメントに通電され、所定時間経過後(30秒程度)に安定する。そこで、電源内のスイッチング手段を一旦オン、オフすれば、エミッション電流が所定値となるときのフィラメント電流より大きな電流がフィラメントに流れるようになる。このようにフィラメント用の電源に本来的に備えられているスイッチング素子により、フィラメント電流より大きな電流をフィラメントに流す構成を実現できる。その結果、他の電源等の部品が不要になって低コスト化が図れる。
なお、本発明においては、前記金属がイリジウムであり、酸化物膜が酸化イットリウムからなるものである。
また、上記課題を解決するために、本発明の酸素検出機能付き電離真空計は、請求項1〜請求項4のいずれか1項に記載の酸素検出計と、グリッドに対してフィラメントより高い電位を印加するグリッド用の電源と、グリッドとフィラメントとの間の電位差に相当するイオン化電圧でフィラメントから放出された熱電子をグリッド側に引き込み、この熱電子と衝突したグリッド周辺の気体原子、分子から生じた正イオンを捕集するイオンコレクタと、を備え、このイオンコレクタを流れるイオン電流から真空容器内の圧力を測定し得るように構成されたことを特徴とする。
さらに、上記課題を解決するために、本発明の酸素検出機能付き四重極型質量分析計は、請求項1〜請求項4のいずれか1項に記載の酸素検出計と、グリッドに対してフィラメントより高い電位を印加するグリッド用の電源と、4本の円柱状の電極を周方向に所定間隔で配置してなる四重極部と、四重極部に直流電圧を重畳した交流電圧を印加する四重極部用の電源と、相対する電極間に直流電圧と交流電圧とを印加することで四重極部を通過した所定のイオンを捕集するイオン検出部と、を備えてなることを特徴とする。他方、本発明の酸素検出機能付き磁場偏向型質量分析計は、請求項1〜請求項4のいずれか1項に記載の酸素検出計と、グリッドに対してフィラメントより高い電位を印加するグリッド用の電源と、所定のイオンのイオン電流を検出するイオンコレクタと、グリッドとイオン検出部との間に介設されて所定のイオンをその質量数に応じて偏向させる磁場を形成するマグネットと、を備えてなることを特徴とする。
本発明の実施形態の酸素検出計兼用の電離真空計の構成を模式的に示す斜視図。 フィラメント表面のSEM写真。 本発明の実験結果を示すグラフ。本実施形態の記四重極型質量分析計を用いた実験結果を示すグラフ。 フィラメント電流の制御を説明するグラフ。 本発明の実施形態の酸素検出計兼用の四重極型質量分析計の構成を模式的に示す斜視図。 本発明の実施形態の酸素検出計兼用の磁場偏向型質量分析計の構成を模式的に示す斜視図。
以下、図面を参照して、本発明の酸素検出計及び酸素検出機能付き電離真空計について、真空チャンバ等の真空容器Wに装着されてその内部の圧力を検出する、酸素検出計兼用の電離真空計M1を例にその実施形態を説明する。
図1を参照して、電離真空計M1は、イリジウムからなる母材金属の表面をメッキ処理により酸化イットリウムで被覆したフィラメント1と、筒状のグリッド2と、このグリッド2内に挿設されたイオンコレクタ3とを備える。なお、これらの部品が真空容器W内に存するように装着される。フィラメント1の一端は、フィラメントを流れる電流を測定するフィラメント電流用の電流計A1を介してフィラメント用の可変電源E1に電気的に接続されている。
グリッド2は、グリッド用の電源E2の正の出力側に電気的に接続され、グリッド2に対してフィラメント1より高い電位をこのグリッド2に与えるようになっている。電源E2の負の出力側は、アース接地されると共に、フィラメント1とグリッド2との間を流れるエミッション電流Ieを測定するエミッション電流用の電流計A2を介してフィラメント1の他端に電気的に接続されている。また、イオンコレクタ3は、アース接地された電流計A3に電気的に接続され、このイオンコレクタを流れるイオン電流値Iiを測定できるようになっている。
真空容器内の圧力測定時、まず、可変電源E1によりフィラメント1に直流電流を通電してフィラメント1を点灯させ、熱電子を放出させる。そして、電源E2によりグリッド2に所定電位を与えてグリッド2とフィラメント1との間の電位差に相当するイオン化電圧で熱電子をグリッド2側に引き込む。このとき、熱電子がグリッド2に到達してエミッション電流Ieが生じる。また、熱電子と衝突したグリッド2周辺に存するガス成分たる気体原子、分子から正イオンが生じる。この正イオンがイオンコレクタ3にて捕集され、グリッド2とイオンコレクタ3との間にイオン電流Iiが生じ、そのときのイオン電流値を電流計A3にて測定することで真空チャンバ内の全圧が測定される。
また、可変電源E1には比較器4が接続されている。そして、基準信号発生器5から出力される信号を所定のエミッション電流の大きさに設定し、この信号値と、電流計A2で測定した実際に流れているエミッション電流Ieの値とを基準信号発生器5に入力し、両信号値を比較して誤差分を打ち消すように可変電源E1の出力値を変化させ、フィラメント電流Ifの値を制御することで、エミッション電流Ieを所定の値に保持できるようになっている。
他方、上記電離真空計M1にて酸素を検出する場合については、エミッション電流Ieが上記値に一定となるように、可変電源E1からフィラメント1に流す電流が酸素の量に比例する関係を利用して、酸素(または空気)を検出する。なお、具体的な酸素検出方法やこの電離真空計M1を用いたリークテストについては、本願の出願人より出願されたPCT/JP2010/1860号の明細書に記載されていることから、ここでは詳細な説明を省略する。
また、電離真空計M1は、コンピュータ、メモリやシーケンサ等を備えた制御部Cを備え、この制御部Cは、上記電源E1、E2の作動や電流計A1、A2、A3からの出力の処理の他、後述の電源E3及び電源E1内のスイッチング素子の作動を統括制御するようになっている。
ところで、図2に示すように、上記フィラメント1の表面状態をSEM像により確認すると、酸化イットリウムの表面が、微結晶が集合し、表面積が大きい多孔質となっている。このため、吸湿性が高く、その上、酸素の吸着力が大きい。このため、例えば真空容器Wを大気開放することで、フィラメント1が大気雰囲気に曝されたとき、フィラメント1表面に多量の水分や酸素などが吸着する。このよう多量の酸素が吸着した状態では、エミッション電流Ieが所定値に保持するために制御されるフィラメント電流Ifが高いまま保持されることになり、効果的に酸素を検出できない虞がある。そこで、酸素の検知を行うに際しては、フィラメント1の表面から酸素を可及的速やかに脱離させることが必要となる。
本実施形態では、フィラメント1に対して、エミッション電流Ieが所定値となるときのフィラメント電流Ifより大きな電流を流し得る他の直流電源E3を可変電源E1に並列に設ける共に、可変電源E1または直流電源E3からのフィラメント1への通電を切り替えるスイッチング素子6を設けた(図1参照)。そして、例えば、大気開放後やフィラメント電流Ifが高いまま保持されているような場合には、直流電源E3によりフィラメント1に比較的大きな電流を流して、フィラメント1に吸着していた酸素を可及的速やかに脱離させることができる。
以上の効果を確認するために、次のような実験を行った。真空容器Wに上記電離真空計M1を装着し、真空容器Wを一旦高真空(10−5Pa)まで減圧して所定時間保持した後、真空容器Wを大気開放し、上記電離真空計M1のフィラメント1を所定時間大気雰囲気中に曝した。その後、真空容器W内を再度密閉してその内部を真空排気した。真空容器W内の圧力測定時、エミッション電流Ieが1mAに保持されるように設定し、高真空雰囲気下でのフィラメント電流Ifは、約1.55Aであった。
図3は、真空容器Wを大気開放後、再真空排気したときのフィラメント電流Ifの変化を示すグラフであり、線―□―が、本発明を適用して直流電源E3によりフィラメント1に対してエミッション電流Ieが上記値となるときのフィラメント電流Ifより大きな電流(本実験では、2.5A)を流した場合のものである(発明品)。また、線―△―が、エミッション電流Ieが上記値となるようにフィラメント電流Ifを制御した場合のものである(従来品)。
これによれば、従来品の場合、フィラメント電流Ifが大気開放前のものまで下がるのに、約100分必要であることが判る。それに対して、本発明品では、2.5Aの電流を1秒間流すだけで、フィラメント電流Ifが大気開放前のものまで下がることが判る。即ち、フィラメント1に吸着していた酸素を可及的速やかに脱離させることができる。その結果、フィラメント電流Ifを直ちに減少させてリークテストを確実に行うことができる。
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は上記に限定されるものではない。上記実施形態では、酸素検出計兼用の電離真空計M1を例にその実施形態を説明したが、イオンコレクタ等を組み付けず、酸素検出計のみとして構成することもできる。また、上記実施形態では、スイッチング素子6を設けてフィラメント1に電流を流す回路を切り換えるものを例に説明したが、必要に応じて、可変電源E1からフィラメント1に流す電流に重畳して、他の直流電源E3から所定の電流を流すように構成してもよい。
ところで、上記可変電源E1は、エミッション電流を所定値に保持するために必要な電流の範囲から余裕を持って設計され、フィードバック制御される。このため、図4に示すように、可変電源E1に設けたスイッチング素子SWfをオンしてフィラメント1に通電する当初は、最大電流でフィラメント1に通電され、所定時間経過後(30秒程度)に安定する。そこで、このスイッチング素子SWfのオン、オフを一旦切り換えれば、エミッション電流が所定値となるときのフィラメント電流より大きな電流がフィラメント1に流れるようになる。このように、可変電源E1に本来的に備えられているスイッチング素子SWfにより、フィラメント電流より大きな電流をフィラメントに流す構成を実現できる。その結果、他の電源等の部品が不要になって低コスト化が図れる。
また、上記実施形態では、酸素検出計兼用の電離真空計M1を例にその実施形態を説明したが、酸素検出計兼用の質量分析計M2とすることもできる。図5を参照して、上記実施形態と同一の部材または要素には同一の符号を用いて説明すれば、質量分析計M2は四重極型のものであり、フィラメント11及びグリッド12を有してガス成分をイオン化するイオン源10と、このイオン源10の下方に設けられた、4本の柱状電極21を周方向に所定間隔で配置してなる四重極部20と、この四重極部20の相対する電極間に直流電圧と交流電圧とを印加することで四重極部20を通過した所定のイオンを捕集するイオン検出部30を備える。
フィラメント11の一端は、フィラメント11を流れる電流を測定するフィラメント電流用の電流計A1を介してフィラメント用の可変電源E1に電気的に接続されている。グリッド12には、グリッド用の電源E2の正の出力側に電気的に接続され、グリッド12に対してフィラメント11より高い電位をこのグリッド12に与えるようになっている。電源E2の負の出力側は、アース接地されると共に、フィラメント1とグリッド2との間を流れるエミッション電流を測定するエミッション電流用の電流計A2を介してフィラメント1の他端に電気的に接続されている。そして、上記と同様にして、グリッド12周辺に存するガス成分たる気体原子、分子から正イオンを生じさせ、四重極部20へと引き込ませる。四重極部20の4本の電極には、図示省略のDC+RF電源E3によって直流と交流とが重畳した所定電圧が印加され、これにより、四重極部3中をイオン群が通過する時、これらが振動しながら通過し、交流電圧や周波数に応じて、一定のイオンのみが安定振動して通過することで、イオン検出部30と到達する。そして、イオン検出部30にてイオン電流が測定される。これにより、上記実施形態と同様、酸素を検出することに加えて、イオン電流値から試験体内のガス成分が分析(ガス成分の分圧測定)される。
また、本発明は、酸素検出計兼用かつ磁場偏向型質量分析計M3として構成することもできる。図6を参照して、上記実施形態と同一の部材または要素には同一の符号を用いて説明すれば、質量分析計M3は、一方向に長手の管体をその略中央で略L字状に屈曲させてなるセンサ本体100を備え、その一側には、ガス導入口101を介して内部に導入されたガス分子をイオン化するイオン源10が設けられ、その他側にイオン検出部102が設けられている。また、センサ本体100の屈曲された箇所には、イオン源10から一定の加速電圧下で放出された正イオンを質量数に応じて偏向させる磁場を形成しマグネット103が配置されている。マグネット103は、例えば永久磁石から構成されている。
そして、フィラメント11から放出された熱電子がグリッド12に引き込まれ、熱電子と衝突したセンサ本体100内に残留するガス成分から生じた正イオンが、フィラメント11とスリット104との電位差により適切な速度(運動エネルギー)が与えられ、マグネット103側に向けて引き出される。そして、マグネット103にて正イオンが偏向させて、所定の正イオン(例えば、ヘリウムイオン)のみがイオンコレクタ102へと到達する。そして、イオン検出部102にてイオン電流が測定される。これにより、上記実施形態と同様、酸素を検出することに加えて、イオン電流値から試験体内のガス成分が分析(ガス成分の分圧測定)される。
M1…酸素検出機能付き電離真空計、M2、M3…酸素検出機能付き質量分析計、1、11…フィラメント、2、12…グリッド、3…イオンコレクタ、10…イオン源、A1〜A3…電流計、E1〜E3…電源、6、SWf…スイッチング素子。

Claims (7)

  1. 真空容器に装着されてその内部の酸素を検出する酸素検出計であって、
    金属製でその表面が酸化物膜で被覆されたフィラメントと、グリッドと、フィラメントに直流電流を流すフィラメント用の電源と、を備え、フィラメントとグリッドとの間のエミッション電流が所定値に保持されるようにフィラメント用の電源によりフィラメントに通電してこのフィラメントを点灯させて熱電子を放出させ、このときフィラメントを流れる電流値から酸素を検出するように構成され、
    上記エミッション電流が所定値となるときのフィラメント電流より大きな電流をこのフィラメントに流し得る通電手段を更に備えることを特徴とする酸素検出計。
  2. 前記通電手段は、フィラメントに対して上記電流を流す他の直流電源であることを特徴とする請求項1記載の酸素検出計。
  3. 前記通電手段は、フィラメント用の電源に設けられたスイッチング手段であることを特徴とする請求項1記載の酸素検出計。
  4. 前記金属がイリジウムであり、酸化物膜が酸化イットリウムからなることを特徴とする請求項1〜請求項3のいずれか1項に記載の酸素検出計。
  5. 請求項1〜請求項4のいずれか1項に記載の酸素検出計と、グリッドに対してフィラメントより高い電位を印加するグリッド用の電源と、グリッドとフィラメントとの間の電位差に相当するイオン化電圧でフィラメントから放出された熱電子をグリッド側に引き込み、この熱電子と衝突したグリッド周辺の気体原子、分子から生じた正イオンを捕集するイオンコレクタと、を備え、このイオンコレクタを流れるイオン電流から真空容器内の圧力を測定し得るように構成されたことを特徴とする酸素検出機能付き電離真空計。
  6. 請求項1〜請求項4のいずれか1項に記載の酸素検出計と、グリッドに対してフィラメントより高い電位を印加するグリッド用の電源と、4本の円柱状の電極を周方向に所定間隔で配置してなる四重極部と、四重極部に直流電圧を重畳した交流電圧を印加する四重極部用の電源と、相対する電極間に直流電圧と交流電圧とを印加することで四重極部を通過した所定のイオンを捕集するイオン検出部と、を備えてなることを特徴とする酸素検出機能付き四重極型質量分析計。
  7. 請求項1〜請求項4のいずれか1項に記載の酸素検出計と、グリッドに対してフィラメントより高い電位を印加するグリッド用の電源と、所定のイオンのイオン電流を検出するイオン検出部と、グリッドとイオンコレクタとの間に介設されて所定のイオンをその質量数に応じて偏向させる磁場を形成するマグネットと、を備えてなることを特徴とする酸素検出機能付き磁場偏向極型質量分析計。
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