JP2011240616A - シームレスベルト - Google Patents
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Abstract
【解決手段】本発明のシームレスベルトは、ポリイミド系樹脂と、導電性フィラーと、フッ素樹脂フィラーとを含み、該導電性フィラーの平均粒径が100nm〜1000nmであり、該フッ素樹脂フィラーの平均粒径が1μm〜10μmである。好ましい実施形態においては、上記導電性フィラーの平均粒径と前記フッ素樹脂フィラーの平均粒径との比(導電性フィラー:フッ素樹脂フィラー)が、1:4〜1:50である。
【選択図】なし
Description
好ましい実施形態においては、上記導電性フィラーの平均粒径と前記フッ素樹脂フィラーの平均粒径との比(導電性フィラー:フッ素樹脂フィラー)が、1:4〜1:50である。
好ましい実施形態においては、本発明のシームレスベルトは、インクジェット用搬送ベルトに用いられる。
本発明のシームレスベルトは、ポリイミド系樹脂を含むことにより、難燃性、機械的特性(例えば、強度、難伸長性)および化学的安定性に優れる。また、これらの特性は外部環境により変動しにくい。
本発明のシームレスベルトは、導電性フィラーを含む。導電性フィラーを含むことにより、シームレスベルトに導電性を付与し得る。また、導電性フィラーの種類、平均粒径および含有量を調整することにより、シームレスベルトの表面抵抗率および体積抵抗率を制御することができる。
本発明のシームレスベルトは、フッ素樹脂フィラーを含む。フッ素樹脂フィラーを含むことにより、シームレスベルトに撥インク性を付与することができる。撥インク性を有することで、インクとシームレスベルト表面との接触角が大きくなり、付着面をより小さくすることができ、乾燥によるインクの固着を抑制することができる。このような作用は、シームレスベルトの清掃性に寄与し得る。
本発明のシームレスベルトの形成方法としては、任意の適切な方法が採用され得る。例えば、
(1)溶媒中に上記導電性フィラーを分散させて、導電性フィラー分散液を調製し、
(2)導電性フィラー分散液に、上記フッ素樹脂フィラーと、上記テトラカルボン酸二無水物またはその誘導体と、上記ジアミン化合物とを溶解させた後、重合反応させてポリアミド酸溶液を調製し、
(3)ポリアミド酸溶液を円筒状に展開させた後、加熱して、閉環イミド化反応を進行させることにより、得ることができる。
工程(1)においては、溶媒中に上記導電性フィラーを分散させて、導電性フィラー分散液を調製する。このように、工程(2)のポリアミド酸溶液の調製の前に、あらかじめ導電性フィラーを分散させておくことにより、導電性フィラーが均一に分散した状態でポリアミド酸溶液の調製を行うことができる。その結果、電気特性のバラツキの小さいシームレスベルトを得ることができる。また、分散の時間および/または強度により、シームレスベルト中の導電性フィラーの平均粒径(平均2次粒子径)を調整することができる。
工程(2)においては、上記導電性フィラー分散液に、上記フッ素樹脂フィラーと、上記テトラカルボン酸二無水物またはその誘導体と、上記ジアミン化合物とを溶解させ、次いで、重合反応させることにより、ポリアミド酸溶液を得る。ポリアミド酸溶液中のポリアミド酸は、略等モルのテトラカルボン酸二無水物またはその誘導体と上記ジアミン化合物とが重合反応して得られる。好ましくは、重合反応は、実質的に無水条件下で行われる。ポリアミド酸が加水分解して低分子化することを防ぐためである。なお、ポリアミド酸溶液としては、1種のポリアミド酸を含むものであってもよく、2種以上のポリアミド酸の混合溶液であってもよい。
工程(3)においては、上記ポリアミド酸溶液を円筒状に展開させた後、加熱して、閉環イミド化反応を進行させる。
本発明のシームレスベルトの表面抵抗率(ρs)は、好ましくは1×106〜1×1013Ω/□であり、さらに好ましくは1×1010Ω/□〜1×1012Ω/□である。このような範囲であれば、紙を搬送する際に、紙の吸着性と剥離性とを両立でき、搬送性に優れるシームレスベルトを得ることができる。また、インク等の汚れが搬送される紙に転写され難く、良好な画像形成に寄与し得るシームレスベルトを得ることができる。
(ポリアミド酸溶液の調製)
2000gのN−メチル−2−ピロリドン(NMP)中に、導電性フィラーとして乾燥したカーボンブラック(テグサジャパン社製、商品名:Printex V)142.3gを添加して、ボールミルで6時間(室温)混合した。このNMP中に、496.9gの3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物(BPDA)と182.5gのp−フェニレンジアミン(PDA)とを溶解させ、同時に、12.3gのフッ素樹脂(PTFE)粉末(平均1次粒子径:1μm)を加え、室温、窒素雰囲気中で6時間攪拌しながら反応させた。なお、得られるポリイミド系樹脂(固形分)100重量部に対して、添加したカーボンブラックは23重量部に相当し、フッ素樹脂粉末は2重量部に相当する。
このようにして、導電性フィラーおよびフッ素樹脂粉末を分散させた、粘度200Pa・sのポリアミド酸溶液を得た。
内径300mm、長さ900mmの円筒状金型(SUS製)の内面に、上記ポリアミド酸溶液をディスペンサーで厚み170μmに塗布した後、金型を1500rpmで10分間回転させて均一な塗膜を形成した。
次に、金型を20rpmで回転させながら、金型の外側より100℃の熱風を30分間あてた。その後、300℃まで2℃/分の昇温速度で昇温し、300℃で15分間保持した後、冷却し、金型からベルトを離型し、厚み75μmのシームレスベルトを得た。
フッ素樹脂フィラーとして、平均1次粒子径が8μmのフッ素樹脂粉末(喜多村社製、商品名「KTL−8」)を用いたこと、および、当該フッ素樹脂粉末をポリイミド系樹脂100重量部に対して3重量部となるように添加したこと以外は、実施例1と同様にして、シームレスベルトを得た。
ボールミルの分散強度を上げたこと、および、フッ素樹脂フィラーとして、平均1次粒子径が6μmのフッ素樹脂粉末を用いたこと以外は、実施例1と同様にして、シームレスベルトを得た。
ボールミルの分散強度を下げたこと、および、フッ素樹脂フィラーとして、平均1次粒子径が4μmのフッ素樹脂粉末を用いたこと以外は、実施例1と同様にして、シームレスベルトを得た。
フッ素樹脂フィラーとして、平均1次粒子径が12μmのフッ素樹脂粉末を用いたこと以外は、実施例2と同様にして、シームレスベルトを得た。
フッ素樹脂粉末を加えなかったこと以外は実施例1と同様にして、半導電性ベルトを得た。
<評価>
1.平均粒径
得られたシームレスベルトの断面をSEMにより観察し、導電性フィラー(カーボンブラック)の粒径を、それぞれ100個測定し、シームレスベルト中の導電性フィラーの平均粒径を算出した。
2.接触角
得られたシームレスベルトの表面に純水を少量滴下して、水滴の両端におけるシームレスベルト表面と水滴との接触角を、自動接触角測定装置OCA20(英弘精機社製)を用いて、測定した。
3.表面抵抗率(ρs)
ハイレスタUP MCP−HT450(三菱油化社製、プローブ:UR)を用いて、25℃、60%RHの条件下、印加電圧500V(10秒後)で測定した。なお、表1に示す値は常用対数値であり、抵抗率の対数が14以上の場合は「over」と示し、抵抗率の対数が7以下の場合は「under」と示した。
4.紙搬送性
得られたシームレスベルトをインクジェットプリンタの紙搬送ベルトとして、ロールに掛け渡して装着し、印刷用紙として普通紙を用いて、室温、湿度50%RHの環境下で6時間、連続印刷し、紙搬送性を評価した。印刷用紙の吸着性および剥離性が良好で、問題なく印刷できる場合を良好とした。一方、印刷用紙の吸着性および剥離性に問題があり、部分的剥離等の不具合が発生する場合を不良とした。
5.撥インク性
インク(エプソン社製、ICBK50)を得られたシームレスベルト上に塗布し、50℃で5分間乾燥させた後、インク付着面を垂直にした際に、乾燥したインクがシームレスベルト上から脱離する場合を良好とした。一方、乾燥したインクがシームレスベルト上に固着した場合を不良とした。
6.清掃性
インク(エプソン社製、ICBK50)を得られたシームレスベルト上に塗布し、クリーニングブレードでシームレスベルト表面のインクを掻き落とす操作を行った後、シームレスベルト上のインク塗布部分に普通紙を供給した際に、普通紙にシームレスベルトからのインクが転写しない場合を良好とした。一方、普通紙にシームレスベルトからのインクが転写する場合を不良とした。
Claims (3)
- ポリイミド系樹脂と、導電性フィラーと、フッ素樹脂フィラーとを含み、
該導電性フィラーの平均粒径が100nm〜1000nmであり、
該フッ素樹脂フィラーの平均粒径が1μm〜10μmである、
シームレスベルト。 - 前記導電性フィラーの平均粒径と前記フッ素樹脂フィラーの平均粒径との比(導電性フィラー:フッ素樹脂フィラー)が、1:4〜1:50である、請求項1に記載のシームレスベルト。
- インクジェット用搬送ベルトに用いられる、請求項1または2に記載のシームレスベルト。
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JP2000356918A (ja) * | 1999-06-15 | 2000-12-26 | Nitto Denko Corp | 電子写真記録装置用エンドレスベルト |
JP2002302287A (ja) * | 2001-03-30 | 2002-10-18 | Kanegafuchi Chem Ind Co Ltd | 媒体搬送ベルト |
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