JP2011240366A - 環状ガスケットの製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】歩留まりが高い環状ガスケットの製造方法を提供する。
【解決手段】製造方法では、打ち抜き工程と、折り重ね工程と、溶接工程と、弾性被膜形成工程とを行う。打ち抜き工程では、金属板に打ち抜き加工を行って、帯状の金属部材2を形成する。折り重ね工程では、帯状金属部材2を複数箇所において折り重ねると共に、帯状金属部材2の両端部4を重ね合わせて平板状かつ環状にする。溶接工程では、帯状金属部材2の折り重ね部3および両端部4を溶接して金属環状体を形成する。弾性被膜形成工程では、金属環状体の両主面に弾性部材からなる被膜を形成する。
【選択図】図5
【解決手段】製造方法では、打ち抜き工程と、折り重ね工程と、溶接工程と、弾性被膜形成工程とを行う。打ち抜き工程では、金属板に打ち抜き加工を行って、帯状の金属部材2を形成する。折り重ね工程では、帯状金属部材2を複数箇所において折り重ねると共に、帯状金属部材2の両端部4を重ね合わせて平板状かつ環状にする。溶接工程では、帯状金属部材2の折り重ね部3および両端部4を溶接して金属環状体を形成する。弾性被膜形成工程では、金属環状体の両主面に弾性部材からなる被膜を形成する。
【選択図】図5
Description
本発明は、金属環状体を有する環状ガスケットの製造方法に関する。
配管と配管との接続部分や、ケースとケースとの接続部分に介設して、該接続部分のシール性を確保するための部品として、金属環状体の表面に弾性被膜を形成した環状ガスケットが従来から知られている(下記特許文献1参照)。
環状ガスケットの製造方法の一例を図14〜図17に示す。この環状ガスケット99の製造方法では、まず図14、図15に示すごとく、金属板90a,90bに各々打ち抜き加工を行って、略L字状の金属分割材91,92を形成する。そして、図16に示すごとく、金属分割材91,92の両端94,95をそれぞれ重ね合わせ、レーザ溶接等により両端94,95を溶接して、2個の金属分割材91,92が一体化した金属環状体93を形成する。
その後、図17に示すごとく、金属環状体93の表面にゴム等の弾性被膜98を形成する。以上の工程を行うことにより、環状ガスケット99を製造する。
その後、図17に示すごとく、金属環状体93の表面にゴム等の弾性被膜98を形成する。以上の工程を行うことにより、環状ガスケット99を製造する。
しかしながら、従来の環状ガスケット99は、図14、図15に示すごとく、金属分割材91,92がL字状であるため、金属板90の両端に端材97ができてしまうという問題がある。また、隣り合う2個の金属分割材91の間および、隣り合う2個の金属部材92の間に隙間があるため、この隙間部分にも多くの端材97’ができてしまう。そのため、金属分割材91,92の歩留まりが低いという問題がある。
本発明は、かかる問題点に鑑みてなされたもので、歩留まりが高い環状ガスケットの製造方法を提供しようとするものである。
本発明は、環状ガスケットの製造方法であって、
金属板に打ち抜き加工を行って、帯状の金属部材を形成する打ち抜き工程と、
上記帯状金属部材を複数箇所において折り重ねると共に、該帯状金属部材の両端部を重ね合わせて平板状かつ環状にする折り重ね工程と、
上記帯状金属部材の折り重ね部および上記両端部を溶接して金属環状体を形成する溶接工程と、
上記金属環状体の両主面に弾性部材からなる被膜を形成する弾性被膜形成工程と、
をこの順に行うことを特徴とする環状ガスケットの製造方法にある(請求項1)。
金属板に打ち抜き加工を行って、帯状の金属部材を形成する打ち抜き工程と、
上記帯状金属部材を複数箇所において折り重ねると共に、該帯状金属部材の両端部を重ね合わせて平板状かつ環状にする折り重ね工程と、
上記帯状金属部材の折り重ね部および上記両端部を溶接して金属環状体を形成する溶接工程と、
上記金属環状体の両主面に弾性部材からなる被膜を形成する弾性被膜形成工程と、
をこの順に行うことを特徴とする環状ガスケットの製造方法にある(請求項1)。
本発明の作用効果について説明する。本発明では、金属板から打ち抜く部材の形状を帯状にした。そして、得られた帯状金属部材に上記折り重ね工程および上記溶接工程を行うことにより、金属環状体を形成するようにした。
このようにすると、金属板から打ち抜く部材の形状が帯状、すなわち略直線状であるため、金属板の辺部に対して平行に上記部材(帯状金属部材)を打ち抜くことができる。また、隣り合う2個の帯状金属部材の隙間を狭くすることができる。これにより、金属板に生じる端材の量を少なくすることができ、金属板からより多くの帯状金属部材を形成することが可能になる。すなわち、材料歩留まりを高くすることができる。
このようにすると、金属板から打ち抜く部材の形状が帯状、すなわち略直線状であるため、金属板の辺部に対して平行に上記部材(帯状金属部材)を打ち抜くことができる。また、隣り合う2個の帯状金属部材の隙間を狭くすることができる。これにより、金属板に生じる端材の量を少なくすることができ、金属板からより多くの帯状金属部材を形成することが可能になる。すなわち、材料歩留まりを高くすることができる。
以上のごとく、本発明によれば、歩留まりが高い環状ガスケットの製造方法を提供することができる。
上述した本発明における好ましい実施の形態につき説明する。
本発明では、上記打ち抜き工程において、上記折り重ね部および上記両端部に凹部を形成し、上記折り重ね工程において、上記凹部を形成した領域同士を互いに重ね合わせることが好ましい(請求項2)。
このようにすると、折り重ね工程を行う前の状態における、上記折り重ね部および上記両端部の厚さを、その他の部分よりも薄くすることができる。そのため、折り重ね工程を行った後の状態において、折り重ね部と両端部の厚さが、他の部分よりも厚くなることを防止できる。すなわち、仮に上記凹部を形成しなかったとすると、折り重ね工程を行った場合、折り重ね部と両端部の厚さが、他の部分の厚さの2倍になってしまう。そのため、シール性を高めるために金属環状体を平坦化する工程、例えば環状ガスケットを厚み方向から加圧して圧縮変形させ、厚みを均一化する加圧工程等を追加する必要が生じる。
本発明では、上記打ち抜き工程において、上記折り重ね部および上記両端部に凹部を形成し、上記折り重ね工程において、上記凹部を形成した領域同士を互いに重ね合わせることが好ましい(請求項2)。
このようにすると、折り重ね工程を行う前の状態における、上記折り重ね部および上記両端部の厚さを、その他の部分よりも薄くすることができる。そのため、折り重ね工程を行った後の状態において、折り重ね部と両端部の厚さが、他の部分よりも厚くなることを防止できる。すなわち、仮に上記凹部を形成しなかったとすると、折り重ね工程を行った場合、折り重ね部と両端部の厚さが、他の部分の厚さの2倍になってしまう。そのため、シール性を高めるために金属環状体を平坦化する工程、例えば環状ガスケットを厚み方向から加圧して圧縮変形させ、厚みを均一化する加圧工程等を追加する必要が生じる。
しかしながら、折り重ね部および両端部に凹部を形成することにより、このような問題を解決することができる。例えば、折り重ね部および両端部の厚さを、その他の部分の半分の厚さにしておく。このようにすると、折り重ね工程を行った後の状態における、折り重ね部と両端部の厚さを、他の部分と殆ど同じにすることができる。これにより、上記加圧工程等を追加する必要がなくなり、環状ガスケットの製造工程を簡素化できる。
なお、凹部は、打ち抜き工程を行う際に帯状金属部材にプレス加工を行うことにより形成することができる。
なお、凹部は、打ち抜き工程を行う際に帯状金属部材にプレス加工を行うことにより形成することができる。
また、上記帯状金属部材の一方の主面に全ての上記凹部を形成することが好ましい(請求項3)。
このようにすると、帯状金属部材の一方の主面にのみ凹部を形成するため、プレス加工を行う際の型の構造を簡素化することができる。
このようにすると、帯状金属部材の一方の主面にのみ凹部を形成するため、プレス加工を行う際の型の構造を簡素化することができる。
また、上記帯状金属部材の一方の主面に少なくとも一つの上記凹部を形成し、他方の主面に他の上記凹部を形成してもよい(請求項4)。
このようにすると、折り重ね工程を容易に行うことが可能になる。すなわち、折り重ね部は、折曲線によって区画された第1部分と第2部分とを備えており、折り重ね工程では、帯状金属部材を作業台等の上に配置した後、折曲線において折り重ね部を折り曲げて、第1部分の上方または下方に第2部分を重ね合わせる作業を、全ての折り重ね部について行う。ここで、第1部分の下方に第2部分を重ね合わせる場合は、一旦、帯状金属部材を持ち上げて、第2部分を第1部分の下側に折り曲げる必要が生じる。帯状金属部材の一方の主面に全ての凹部が形成されていると、少なくとも一箇所の折り重ね部において、第2部分を第1部分の下側に折り曲げる必要が生じる。そのため、作業性が低下する場合がある。
しかしながら、上述のように、帯状金属部材の両主面に凹部を分散形成すると、全ての折り重ね部において、第1部分の上側に第2部分を重ね合わせることが可能になる。そのため、折り重ね工程を容易に行うことができる。
このようにすると、折り重ね工程を容易に行うことが可能になる。すなわち、折り重ね部は、折曲線によって区画された第1部分と第2部分とを備えており、折り重ね工程では、帯状金属部材を作業台等の上に配置した後、折曲線において折り重ね部を折り曲げて、第1部分の上方または下方に第2部分を重ね合わせる作業を、全ての折り重ね部について行う。ここで、第1部分の下方に第2部分を重ね合わせる場合は、一旦、帯状金属部材を持ち上げて、第2部分を第1部分の下側に折り曲げる必要が生じる。帯状金属部材の一方の主面に全ての凹部が形成されていると、少なくとも一箇所の折り重ね部において、第2部分を第1部分の下側に折り曲げる必要が生じる。そのため、作業性が低下する場合がある。
しかしながら、上述のように、帯状金属部材の両主面に凹部を分散形成すると、全ての折り重ね部において、第1部分の上側に第2部分を重ね合わせることが可能になる。そのため、折り重ね工程を容易に行うことができる。
また、上記溶接工程において、上記折り重ね部および上記両端部を超音波溶接することが好ましい(請求項5)。
超音波溶接は、レーザ溶接等と比較して溶接時の温度が低いため、上記溶接工程において超音波溶接を用いると、溶接工程後の、折り重ね部および両端部の歪みを少なくすることができる。溶接工程において金属環状体に歪みが生じると、その歪みを平坦化するために加圧工程等を追加する必要が生じるが、超音波溶接を採用する場合は歪みが少ないため、加圧工程等を追加する必要はない。そのため、環状ガスケットの製造工程を簡素化できる。
超音波溶接は、レーザ溶接等と比較して溶接時の温度が低いため、上記溶接工程において超音波溶接を用いると、溶接工程後の、折り重ね部および両端部の歪みを少なくすることができる。溶接工程において金属環状体に歪みが生じると、その歪みを平坦化するために加圧工程等を追加する必要が生じるが、超音波溶接を採用する場合は歪みが少ないため、加圧工程等を追加する必要はない。そのため、環状ガスケットの製造工程を簡素化できる。
(実施例1)
本発明の実施例にかかる環状ガスケット1の製造方法につき、図1〜図9を用いて説明する。
本例に係る環状ガスケット1の製造方法では、打ち抜き工程(図1〜図3参照)と、折り重ね工程(図4〜図6参照)と、溶接工程と、弾性被膜形成工程(図8参照)とを行う。
本発明の実施例にかかる環状ガスケット1の製造方法につき、図1〜図9を用いて説明する。
本例に係る環状ガスケット1の製造方法では、打ち抜き工程(図1〜図3参照)と、折り重ね工程(図4〜図6参照)と、溶接工程と、弾性被膜形成工程(図8参照)とを行う。
図1〜図3に示すごとく、打ち抜き工程では、金属板10に打ち抜き加工を行って、帯状の金属部材2を形成する。
図4〜図6に示すごとく、折り重ね工程では、帯状金属部材2を複数箇所において折り重ねると共に、帯状金属部材2の両端部4を重ね合わせて平板状かつ環状にする。
溶接工程では、帯状金属部材2の折り重ね部3および両端部4を溶接して金属環状体5を形成する。
図8に示すごとく、弾性被膜形成工程では、金属環状体5の両主面に弾性部材からなる被膜6を形成する。
以下、詳説する。
図4〜図6に示すごとく、折り重ね工程では、帯状金属部材2を複数箇所において折り重ねると共に、帯状金属部材2の両端部4を重ね合わせて平板状かつ環状にする。
溶接工程では、帯状金属部材2の折り重ね部3および両端部4を溶接して金属環状体5を形成する。
図8に示すごとく、弾性被膜形成工程では、金属環状体5の両主面に弾性部材からなる被膜6を形成する。
以下、詳説する。
図1に示すごとく、本例の帯状金属部材2は、互いに平行な2つの長辺2aと、互いに平行な2つの短辺2bとを有する平行四辺形である。金属板10は長方形である。この金属板10の長辺10aに対して帯状金属部材2の長辺2aが平行になるよう、個々の帯状金属部材2を打ち抜き形成している。また、隣り合う2個の帯状金属部材2は長辺aにおいて接触しており、これらの間には隙間がない。
なお、打ち抜き工程では、正方形の金属板10を用いてもよい。
なお、打ち抜き工程では、正方形の金属板10を用いてもよい。
図3に示すごとく、本例では、打ち抜き工程において、折り重ね部3および両端部4に凹部7を形成している。そして、図4〜図6に示すごとく、折り重ね工程において、凹部7を形成した領域同士を互いに重ね合わせている。
また、図3に示すごとく、本例では、帯状金属部材2の一方の主面21に全ての凹部7を形成している。
また、図3に示すごとく、本例では、帯状金属部材2の一方の主面21に全ての凹部7を形成している。
なお、本例では、図3における帯状金属部材2の厚さtを誇張して描いてある。例えば、帯状金属部材2の幅w(図2参照)が1〜10mmであるのに対し、厚さtは0.1mm〜0.2mm程度である。また、帯状金属部材2の材質は、SPCC(冷間圧延鋼)やステンレス、アルミニウム等である。
図2に示すごとく、帯状金属部材2には、3箇所の折り重ね部3a〜3cが形成されている。折り重ね工程では、まず図4、図5に示すごとく、第1折り重ね部3a,第2折り重ね部3bを折り重ねる。その後、図6に示すごとく、第3折り重ね部3cを折り重ねると共に、両端部4a,4bを重ね合わせる。これにより、帯状金属部材2を四角形にする。
また、本例では、溶接工程として超音波溶接を行う。この超音波溶接により、折り重ね部3a〜3cおよび両端部4a,4bを溶接し、金属環状体5(図8参照)を形成する。
図8に示すごとく、弾性被膜形成工程では、金属環状体5の表面に、天然ゴムやEPDM等からなる弾性被膜6を形成する。弾性被膜6は、環状ガスケット1のシール性を確保するための部材である。また、金属環状体5は、環状ガスケット1の剛性を確保するための部材であり、環状ガスケット1の骨格をなす部材である。
図9に示すごとく、本例の環状ガスケット1は、2個のケース11,12の間に介在させて用いる。ケース11,12は、例えば電力変換装置(図示しない)を収納するためのものである。電力変換装置を一方のケース12に収納した後、該ケース12の端面12aに環状ガスケット1を配置し、他方のケース11を被せる。本例では、環状ガスケット1によって、ケース11,12間の防水性を維持している。
本例の作用効果について説明する。本例では、図1に示すごとく、金属板10から打ち抜く部材2の形状を帯状にした。そして、図4〜図6に示すごとく、得られた帯状金属部材2に折り重ね工程および溶接工程を行うことにより、金属環状体5を形成するようにした。
このようにすると、図1に示すごとく、金属板10から打ち抜く部材2の形状が帯状、すなわち略直線状であるため、金属板10の長辺10aに対して平行に部材2(帯状金属部材2)を打ち抜くことができる。また、隣り合う2個の帯状金属部材2の隙間を狭くすることができる。これにより、金属板10に生じる端材の量を少なくすることができる。本例では、金属板10には、帯状金属部材2の両端部4付近に僅かな端材10cが発生するだけである。そのため、金属板10からより多くの帯状金属部材2を得ることができる。すなわち、材料歩留まりを高くすることができる。
このようにすると、図1に示すごとく、金属板10から打ち抜く部材2の形状が帯状、すなわち略直線状であるため、金属板10の長辺10aに対して平行に部材2(帯状金属部材2)を打ち抜くことができる。また、隣り合う2個の帯状金属部材2の隙間を狭くすることができる。これにより、金属板10に生じる端材の量を少なくすることができる。本例では、金属板10には、帯状金属部材2の両端部4付近に僅かな端材10cが発生するだけである。そのため、金属板10からより多くの帯状金属部材2を得ることができる。すなわち、材料歩留まりを高くすることができる。
また、本例では、図3に示すごとく、打ち抜き工程において、折り重ね部3および両端部4に凹部7を形成する。そして、図4〜図6に示すごとく、折り重ね工程において、凹部7を形成した領域同士を互いに重ね合わせる。
このようにすると、折り重ね工程を行う前の状態(図3参照)における、折り重ね部3および両端部4の厚さt’を薄くすることができる。そのため、折り重ね工程を行った後の状態(図7参照)における、折り重ね部3と両端部4の厚さTが、他の部分の厚さtよりも厚くなることを防止できる。すなわち、仮に凹部7を形成しなかったとすると、折り重ね工程を行った場合、折り重ね部3と両端部4の厚さが、他の部分の厚さの2倍になってしまう。そのため、シール性を高めるために金属環状体5を平坦化する工程、例えば加圧工程等を追加する必要が生じる。
このようにすると、折り重ね工程を行う前の状態(図3参照)における、折り重ね部3および両端部4の厚さt’を薄くすることができる。そのため、折り重ね工程を行った後の状態(図7参照)における、折り重ね部3と両端部4の厚さTが、他の部分の厚さtよりも厚くなることを防止できる。すなわち、仮に凹部7を形成しなかったとすると、折り重ね工程を行った場合、折り重ね部3と両端部4の厚さが、他の部分の厚さの2倍になってしまう。そのため、シール性を高めるために金属環状体5を平坦化する工程、例えば加圧工程等を追加する必要が生じる。
しかしながら、折り重ね部3および両端部4に凹部7を形成することにより、このような問題を解決することができる。本例では、図3に示すごとく、折り重ね部3および両端部4の厚さt’を、その他の部分の半分の厚さにしてある。このようにすると、折り重ね工程を行った後の状態(図7参照)における、折り重ね部3と両端部4の厚さTを、他の部分の厚さtと殆ど同じにすることができる。これにより、加圧工程等を追加する必要がなくなり、環状ガスケット1の製造工程を簡素化できる。
また、図3に示すごとく、本例では、帯状金属部材2の一方の主面21に全ての凹部7を形成してある。
このようにすると、帯状金属部材2の一方の主面21にのみ凹部7を形成するため、プレス加工を行う際の型の構造を簡素化することができる。
このようにすると、帯状金属部材2の一方の主面21にのみ凹部7を形成するため、プレス加工を行う際の型の構造を簡素化することができる。
また、本例では、溶接工程において、折り重ね部3および両端部4を超音波溶接している。
超音波溶接は、レーザ溶接等と比較して溶接時の温度が低いため、溶接工程後の、折り重ね部3および両端部4の歪みを少なくすることができる。レーザ溶接を行う場合は、金属環状体5に生じた歪みを平坦化するために加圧工程等を追加する必要が生じるが、超音波溶接を採用する場合は歪みが少ないため、加圧工程等を追加する必要はない。そのため、環状ガスケット1の製造工程を簡素化できる。
超音波溶接は、レーザ溶接等と比較して溶接時の温度が低いため、溶接工程後の、折り重ね部3および両端部4の歪みを少なくすることができる。レーザ溶接を行う場合は、金属環状体5に生じた歪みを平坦化するために加圧工程等を追加する必要が生じるが、超音波溶接を採用する場合は歪みが少ないため、加圧工程等を追加する必要はない。そのため、環状ガスケット1の製造工程を簡素化できる。
以上のごとく、本例によれば、歩留まりが高い環状ガスケットの製造方法を提供することができる。
(実施例2)
本例は、帯状金属部材2の形状を変更した例である。図10、図11に示すごとく、本例では、帯状金属部材2の一方の主面21に凹部7b,7cを形成し、他方の主面22に他の凹部7a,7d,7eを形成している。すなわち、本例では、図11に示すごとく、第1折り重ね部3aと第2折り重ね部3bの凹部7b,7cは一方の主面21に形成されており、両端部4a,4bと第3折り重ね部3cの凹部7a,7d,7eは他方の主面22に形成されている。
本例は、帯状金属部材2の形状を変更した例である。図10、図11に示すごとく、本例では、帯状金属部材2の一方の主面21に凹部7b,7cを形成し、他方の主面22に他の凹部7a,7d,7eを形成している。すなわち、本例では、図11に示すごとく、第1折り重ね部3aと第2折り重ね部3bの凹部7b,7cは一方の主面21に形成されており、両端部4a,4bと第3折り重ね部3cの凹部7a,7d,7eは他方の主面22に形成されている。
折り重ね部3a〜3cは、図10に示すごとく、折曲線30によって区画された第1部分31と第2部分32とを備える。折り重ね工程を行う際には、図11に示すごとく、作業台8の上に帯状金属部材2を配置し、他方の主面22を下側にしておく。そして、図12に示すごとく、第1折り重ね部3aを折曲線30に沿って折り曲げて、第1折り重ね部3aの第1部分31の上側に第2部分32を重ね合わせる。
その後、図13に示すごとく、第2折り重ね部3bを折曲線30に沿って折り曲げて、第2折り重ね部3bの第1部分31の上側に第2部分32を重ね合わせる。これにより、帯状金属部材2の、第2折り重ね部3bから端部4bまでの間の部分が上下逆になり、第3折り重ね部3cの凹部7d(図11参照)が上向きになる。
この後、第3折り重ね部3cを折曲線30に沿って折り曲げて、第3折り重ね部3cの第1部分31の上側に第2部分32を重ね合わせる。また、両端部4a,4bを重ね合わせる。これにより、帯状金属部材2が環状になって、金属環状体5(図6参照)が形成される。
その他、実施例1と同様の構成を備える。
その他、実施例1と同様の構成を備える。
本例の作用効果について説明する。上記構成にすると、折り重ね工程を容易に行うことが可能になる。すなわち、折り重ね工程では、図11に示すごとく、帯状金属部材2を作業台8等の上に配置した後、図12、図13に示すごとく、折曲線30を折り曲げて、第1部分31と第2部分32とを重ね合わせる作業を、第1折り重ね部3a〜第3折り重ね部3cについて順次行う。
上述したように、実施例1の帯状金属部材2では、図3に示すごとく、全ての凹部7が帯状金属部材2の一方の主面21に形成されている。この帯状金属部材2に折り重ね工程を行うと、図5、図6に示すごとく、第3折り重ね部3cにおいて、第2部分32を第1部分31の下側に折り曲げる必要が生じる。この場合、帯状金属部材2を一旦持ち上げて、第2部分32を第1部分31の下側に折り曲げる必要がある。そのため、作業性が低下する場合がある。
しかしながら、本例のように、帯状金属部材2の両主面21,22に凹部7を分散形成すると、全ての折り重ね部3において、第1部分31の上側に第2部分32を重ねることが可能になる。そのため、折り重ね工程を容易に行うことができる。
その他、実施例1と同様の作用効果を備える。
その他、実施例1と同様の作用効果を備える。
1 環状ガスケット
2 帯状金属部材
3 折り重ね部
4 両端部
5 金属環状体
6 弾性被膜
7 凹部
2 帯状金属部材
3 折り重ね部
4 両端部
5 金属環状体
6 弾性被膜
7 凹部
Claims (5)
- 環状ガスケットの製造方法であって、
金属板に打ち抜き加工を行って、帯状の金属部材を形成する打ち抜き工程と、
上記帯状金属部材を複数箇所において折り重ねると共に、該帯状金属部材の両端部を重ね合わせて平板状かつ環状にする折り重ね工程と、
上記帯状金属部材の折り重ね部および上記両端部を溶接して金属環状体を形成する溶接工程と、
上記金属環状体の両主面に弾性部材からなる被膜を形成する弾性被膜形成工程と、
をこの順に行うことを特徴とする環状ガスケットの製造方法。 - 請求項1において、上記打ち抜き工程において、上記折り重ね部および上記両端部に凹部を形成し、上記折り重ね工程において、上記凹部を形成した領域同士を互いに重ね合わせることを特徴とする環状ガスケットの製造方法。
- 請求項2において、上記帯状金属部材の一方の主面に全ての上記凹部を形成することを特徴とする環状ガスケットの製造方法。
- 請求項2において、上記帯状金属部材の一方の主面に少なくとも一つの上記凹部を形成し、他方の主面に他の上記凹部を形成することを特徴とする環状ガスケットの製造方法。
- 請求項1〜請求項4のいずれか1項において、上記溶接工程において、上記折り重ね部および上記両端部を超音波溶接することを特徴とする環状ガスケットの製造方法。
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JP2016163905A (ja) * | 2015-03-06 | 2016-09-08 | 大豊工業株式会社 | ワッシャの製造方法及びワッシャ |
CN108637127A (zh) * | 2018-05-08 | 2018-10-12 | 洛阳鑫光锂电科技有限公司 | 一种立体环状条形板材一次性折弯整平装置 |
CN114517831A (zh) * | 2020-11-19 | 2022-05-20 | 日本电产三协(浙江)有限公司 | 密封结构 |
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2010
- 2010-05-18 JP JP2010114193A patent/JP2011240366A/ja active Pending
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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