JP2011238687A - 回路装置及び半導体装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】半導体パッケージの接続端子と導体パターンとの接続部位におけるインピーダンスの不整合を低減することが可能な回路装置及び半導体装置を提供する。
【解決手段】光モジュールの発光素子及び受光素子に対して高周波信号を送受信する半導体チップ5のパッド51a及び51bの夫々と、QFN構造を有する半導体パッケージ7の外周部に配列された接続端子71a,72a及び71b,72bとを、ボンディングワイヤ61a,62a及び61b,62bにて各別に接続する。また、特性インピーダンスが25オームのマイクロストリップライン11a及び11bの夫々と、接続端子71a,72a及び71b,72bとを接続する。
【選択図】図3

Description

本発明は、半導体チップに設けられたパッドと、前記半導体チップが収容された半導体パッケージの外周部に配列された複数の接続端子と、前記半導体パッケージが実装された回路基板上の導体パターンに含まれる帯状の導体部分とを配線にて接続する回路装置及び半導体装置に関する。
近年、光通信技術の進展に伴い、光通信モジュール(光トランシーバ)の小型化、省電力化の要請が高まっている。光通信モジュールでは、電気信号を光信号に変換し、光信号を電気信号に変換して光信号を送受信する光モジュール(BOSA:Bi-directional Optical Sub-Assembly )が、ドライバICと共に回路基板上に搭載されている。
光モジュールは、本体部にレンズ、発光素子(レーザダイオード)、受光素子(フォトダイオード)、負荷抵抗、前置増幅器等の部品を含み、本体部の一端からは、発光素子にて光信号に変換されるべき電気信号を入力する光送信部の信号端子が導出し、本体部の中央近傍の側面には、受光素子で受けた光信号が変換された電気信号を出力する光受信部の信号端子が導出している。光送信部及び光受信部夫々の信号端子は、フレキシブル基板上の導体パターンの帯状の導体部分(以下、単に導体パターンという)と回路基板上の導体パターンとを介して各別にドライバICに接続される。
従来、光送信部の信号端子が接続される導体パターンは、50オームの特性インピーダンスを有する50オーム系の伝送線路を構成するように設計されていたが、光モジュールの省電力化を目的として本体部内の負荷抵抗を省略するために、伝送線路が50オーム系から25オーム系に変更されることが多くなっている。一方、伝送線路が25オーム系の場合、50オーム系の場合と比較して、導体パターンの幅を3倍程度に広げなければならず、例えば汎用のFR−4グレードのガラスエポキシ基板では、導体パターンの幅が約0.58mmとなる。
このような幅広の導体パターンを、例えば端子ピッチが0.4mm又は0.5mmにまで狭められた半導体パッケージの一の接続端子に接続する場合、接続端子の幅が0.2mm程度であるため、接続部位におけるインピーダンスの不整合が増大して、発光素子を駆動する高周波の電気信号(以下、高周波信号という)の立上り又は立下りにリンギングが生じて、高周波信号から光信号へのオーバーオールの変換特性が悪化する。また、伝送線路が25オーム系の場合、接続端子及び半導体チップ間に設けられたボンディングワイヤの寄生インダクタンスの影響による高周波信号の位相歪みが、50オーム系の場合より大きくなる。
これに対し、特許文献1では、半導体パッケージのリードフレームに含まれる一の内部リード(端子)と、整合抵抗及び補償キャパシタの並列回路と、レーザダイオードとの間を多重ボンディングワイヤで接続することにより、ボンディングワイヤの寄生インダクタンスの影響を低減する技術が開示されている。
特開平10−145007号公報
しかしながら、特許文献1に開示された技術を用いた場合であっても、上述した半導体パッケージの接続端子(外部端子)と導体パターンとの接続部位におけるインピーダンスの不整合を低減することはできない。
本発明は斯かる事情に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、半導体パッケージの接続端子と導体パターンとの接続部位におけるインピーダンスの不整合を低減することが可能な回路装置及び半導体装置を提供することにある。
本発明に係る回路装置は、半導体チップに設けられたパッドと、前記半導体チップが収容された半導体パッケージの外周部に配列された複数の接続端子と、前記半導体パッケージが実装された回路基板上の導体パターンに含まれており、前記接続端子の中心間距離のN−1からN倍(Nは2以上の整数)までの幅を有する帯状の導体部分とを配線にて接続してある回路装置であって、前記パッドを、隣り合うN個の接続端子に各別に接続するボンディングワイヤを備え、前記N個の接続端子を、前記導体部分に接続してあることを特徴とする。
本発明にあっては、半導体チップに設けられたパッドを、半導体パッケージの隣り合うN個の接続端子にボンディングワイヤで各別に接続すると共に、接続端子の中心間距離のN−1からN倍までの幅を有する導体部分(導体パターン)と、前記N個の接続端子とを接続する。
これにより、半導体チップのパッドと半導体パッケージの接続端子とを接続するボンディングワイヤによる寄生インダクタンスがN個並列に接続されることになり、寄生インダクタンスがインピーダンスの不整合に与える影響が、略1/Nに低減される。
更に、導体パターン及び前記N個の接続端子を、導体パターンの中心線と、N個の接続端子の配列方向に直交する方向の中心線とが一致するように接続した場合は、導体パターンが、必然的にN個の接続端子の全てと接続され、且つN個の接続端子の配列方向の両側方に各隣り合う接続端子に接触することがない(詳細は実施の形態にて説明)。
本発明に係る回路装置は、前記半導体チップは、発光素子及び/又は受光素子を有する光モジュールに電気信号を夫々送信及び/又は受信するパッドを有することを特徴とする。
本発明にあっては、半導体チップが、光モジュールの発光素子(レーザダイオード)及び受光素子(フォトダイオード)の両方又は一方に対して、信号線毎に独立したパッドを介して高周波信号を送受信する。
これにより、半導体パッケージが、BOSA、TOSA(Transmitter Optical Sub-assembly )及びROSA(Receiver Optical Sub-assembly )に対して送受信する高周波信号について、ボンディングワイヤによる寄生インダクタンスの影響が低減される。
本発明に係る回路装置は、前記導体部分は、特性インピーダンスが50オームより小さいマイクロストリップラインであることを特徴とする。
本発明にあっては、マイクロストリップラインの特性インピーダンスが50オームより小さいために、半導体パッケージの接続端子から半導体チップに至る配線の寄生インダクタンスの影響受けて、マイクロストリップラインと半導体パッケージの接続端子とのインピーダンスの不整合が生じ易い場合であっても、1つの高周波信号に対してN本のボンディングワイヤがN個の接続端子を介して並列に接続されることから、寄生インダクタンスが低減されて高周波信号の波形のリンギングが効果的に抑制される。
本発明に係る回路装置は、前記半導体パッケージは、QFN(Quad Flat Non-leaded package )構造を含むリードレス構造を有することを特徴とする。
本発明にあっては、半導体パッケージの構造がQFN構造、BGA(Ball Grid Array )構造等のリードレス構造(アレイ構造を含む)であるため、接続端子そのものによる寄生インダクタンスの影響が最小限に抑えられ、接続端子から半導体チップに至る配線の寄生インダクタンスの影響を低減した効果が大きくなる。
本発明に係る回路装置は、半導体パッケージの外周部に配列された複数の接続端子と、前記半導体パッケージが実装された回路基板上に形成されており、前記接続端子の中心間距離のN−1からN倍(Nは2以上の整数)までの幅を有し、且つ特性インピーダンスが50オームより小さいマイクロストリップラインとを配線にて接続してある回路装置であって、隣り合うN個の接続端子を、前記マイクロストリップラインに接続してあることを特徴とする。
本発明にあっては、半導体パッケージの外周部に配列された接続端子の中心間距離のN−1からN倍までの幅を有する導体パターンからなり、且つ特性インピーダンスが50オームより小さいマイクロストリップラインと、前記N個の接続端子とを接続する。
これにより、特性インピーダンスが50オームの場合と比較してマイクロストリップラインの幅が広がるために、マイクロストリップラインと接続端子との物理的サイズの違いから接続部位におけるインピーダンスの不整合が生じ易い場合であっても、N個の接続端子が1本のマイクロストリップラインに共有されることから、前記不整合が低減される。更に、マイクロストリップライン及び前記N個の接続端子を、マイクロストリップラインの中心線と、N個の接続端子の配列方向に直交する方向の中心線とが一致するように接続した場合は、マイクロストリップラインがN個の接続端子の全てと接続され、且つ、N個の接続端子の配列方向の両側方に各隣り合う接続端子に接触することがない。
本発明に係る半導体装置は、発光素子及び/又は受光素子を有する光モジュールに電気信号を夫々送信及び/又は受信するパッドを有する半導体チップが収容されており、外縁部に配列された複数の接続端子を有する半導体パッケージを備える半導体装置において、前記パッドを、隣り合うN個(Nは2以上の整数)の接続端子に各別に接続するボンディングワイヤを備えることを特徴とする。
本発明にあっては、半導体チップが光モジュールの発光素子及び受光素子の両方又は一方に対して電気信号を夫々送受信するパッドを、半導体パッケージの隣り合うN個の接続端子にボンディングワイヤで各別に接続する。
これにより、半導体パッケージが、BOSA、TOSA及びROSAに対して送受信する高周波信号について、半導体チップのパッドと半導体パッケージの接続端子とを接続するボンディングワイヤによる寄生インダクタンスの影響が略1/Nに低減される。
本発明によれば、半導体チップに設けられたパッドと、半導体パッケージの隣り合うN個の接続端子とを相異なるボンディングワイヤで各別に接続すると共に、N個の接続端子と、接続端子の中心間距離のN−1からN倍までの幅を有する導体パターンとを接続する。
これにより、半導体チップのパッドと半導体パッケージの接続端子とを接続するボンディングワイヤによる寄生インダクタンスがN個並列に接続されることになり、寄生インダクタンスがインピーダンスの不整合に与える影響が、略1/Nに低減される。
従って、半導体パッケージの接続端子と導体パターンとの接続部位におけるインピーダンスの不整合を低減することが可能な回路装置及び半導体装置を提供することが可能となる。
更に、導体パターン及び前記N個の接続端子を、導体パターンの中心線と、N個の接続端子の配列方向に直交する方向の中心線とが一致するように接続した場合は、必然の帰結として、導体パターンが、N個の接続端子の全てと接続され、且つN個の接続端子の配列方向の両側方に各隣り合う接続端子に接触することがなくなる。
本発明の実施の形態に係る光通信モジュールの模式的な部分平面図である。 光通信モジュールの要部回路構成を示す図である。 半導体チップ、接続端子及び導体パターンの接続を模式的に示す説明図である。 半導体パッケージの接続端子と導体パターンとの接続を模式的に示す説明図である。
以下、本発明に係る回路装置及び半導体装置を光通信モジュールに適用した実施の形態について詳述する。
図1は、本発明の実施の形態に係る光通信モジュールの模式的な部分平面図である。図中100は光通信モジュールであり、光通信モジュール100は、レーザダイオードからなる発光素子D1を含む送信部と、フォトダイオードからなる受光素子D2を含む受信部とを有する略円筒状の光モジュール3を備える。光モジュール3は、固着部材30を介して後述する第1回路基板1に固着されている。光モジュール3の中心軸方向の一方に配された送信部は、発光素子D1にて光信号に変換されるべき高周波信号を入力する信号端子31a,31bを導出している。光モジュール3の中心軸方向の他方には、光伝送線である光ファイバ5が取着されている。
光通信モジュール100は、また、高周波信号を生成する半導体装置からなる駆動回路10及び生成された高周波信号が伝播する伝送線路として一対のマイクロストリップライン11a,11bを有する第1回路基板1と、マイクロストリップライン11a,11bから伝播した高周波信号を信号端子31a,31bに伝播させるマイクロストリップライン21a,21bを有するフレキシブルな第2回路基板2と、受光素子D2にて光信号が変換された電気信号が伝播する一対のマイクロストリップライン41a,41bを有するフレキシブルな第3回路基板4とを備える。マイクロストリップライン41a,41bを伝播した電気信号は、第1回路基板1上に配されたマイクロストリップライン13a,13bから駆動回路10に伝播する。
第1回路基板1は、汎用のFR−4グレードのガラスエポキシ基板であり、基板上のマイクロストリップライン11a,11b及び13a,13bは、夫々25オーム及び50オームの特性インピーダンスを有するように形成されている。具体的には、絶縁体基材の厚さが0.11mmで比誘電率が0.42、導体パターンの厚さが43μm、周波数が10GHzとした場合、特性インピーダンスが25オーム及び50オームのときの導体パターンの幅は、夫々0.58mm及び0.19mmとなる。
第2回路基板2及び第3回路基板4は、一の面に接地電位層が形成されたフレキシブル基板であり、各フレキシブル基板の他の面(上面)上に形成されたマイクロストリップライン21a,21b及び41a,41bは、第1回路基板1の上面(部品面)において、夫々マイクロストリップライン11a,11b及び13a,13bに接続端子を介してハンダ付けされている。
上述した構成において、光信号の送信時には、発光素子D1が発光した送信光が、図示しないビームスプリッタを通過して光ファイバ5から送信先へ伝送される。また、光信号の受信時には、光ファイバ5から入射してビームスプリッタにより反射された受信光が、受光素子D2によって受光されて電気信号に変換されるようになっている。
次に、光通信モジュール100の回路構成について説明する。
図2は、光通信モジュール100の要部回路構成を示す図である。マイクロストリップライン11a,11bの入力端の夫々は、ゲート電極に互いに逆位相の差動入力信号が与えられるMOSFETQ1,Q2からなる差動増幅器のドレイン電極に各別に接続されている。MOSFETQ1,Q2のドレイン電極の夫々には、また、一端が回路電源(VDD)に接続された抵抗器R1,R2の他端が各別に接続されている。MOSFETQ1,Q2は、ソース電極が、共通の電流源S1を介して接地電位に接続されている。
マイクロストリップライン11a,11bの夫々は、出力端の近傍において、フェライトビーズからなるコイルL1及びL2の一端と各別に接続されており、コイルL1及びL2の他端は、夫々回路電源及び電流源S2に接続されている。電流源S2は、接地電位に一定の電流を流入させるものである。マイクロストリップライン11a,11bの出力端の夫々は、第2回路基板2上のマイクロストリップライン21a,21bの入力端に接続されている。マイクロストリップライン21a,21bの出力端の夫々は、信号端子31a,31bを介して光モジュール3の発光素子D1のアノード及びカソードに接続されると共に、抵抗器R3及びコンデンサC3の直列回路からなるダンピング回路に接続されている。
尚、図2において第1回路基板1に含まれるもののうち、マイクロストリップライン11a,11bと、コイルL1,L2と、電流源S2とを除いたものが、駆動回路10に含まれている。
上述した構成において、発光素子D1には、コイルL1、マイクロストリップライン21a,21b、コイルL2、及び電流源S2を通じて一定のバイアス電流が流入する。MOSFETQ1,Q2のゲートには、図示しない前段より高周波の差動入力信号が与えられる。本実施の形態では、高周波の周波数が10GHzである。増幅された差動の高周波信号は、MOSFETQ1,Q2のドレインからマイクロストリップライン11a,11b及び21a,21bを伝播して発光素子D1に至り、これを発光させる。この場合、抵抗器R1,R2が、マイクロストリップライン11a,11bの入力端の終端抵抗(バックターミネーション抵抗)であり、その抵抗値はマイクロストリップライン11a,11bの特性インピーダンスと同じ25オームである。
以下では、駆動回路10とマイクロストリップライン11a,11bとの接続を例として説明する。
図3は、半導体チップ、接続端子及び導体パターンの接続を模式的に示す説明図である。第1回路基板1に搭載された駆動回路10は、高周波信号を光モジュール3に送受信する半導体チップ5が収容されたQFN構造の半導体パッケージ7を備える。本実施の形態では、半導体パッケージ7の外周部に配列された接続端子の中心間距離は、0.4mmであり、各接続端子の端子幅は0.2mmである。
半導体チップ5は、高周波信号を送信するパッド51a,51bと、高周波信号を受信するパッド53a,53bとを有している。パッド53a,53b上には、バンプが形成されていてもよい。パッド51aと、接続端子71a及び72aの夫々とは、ボンディングワイヤ61a及び62aによって各別に接続されている。同様に、パッド51bと、接続端子71b及び72bの夫々とは、ボンディングワイヤ61b及び62bによって各別に接続されている。パッド53a及びパッド53bの夫々と、接続端子73a及び接続端子73bとは、ボンディングワイヤ63a及び63bによって各別に接続されている。各接続端子は、半導体パッケージ7の外部に露出する外部接続端子と、ボンディングワイヤがボンディングされる内部接続端子とに分離されていてもよい。
接続端子71a,72a及び71b,72bの夫々には、マイクロストリップライン11a及び11bが各別に接続されている。この場合、マイクロストリップライン11a及び11bの導体パターンの幅が0.58mmであるのに対し、接続端子71a,72aの並び、及び接続端子71b,72bの並びの両端部間の距離が0.6mm(0.1mm+0.4mm+0.1mm=0.6mmより)である。従って、マイクロストリップライン11aは、接続端子71a,72aの並びの両端部から両側方にはみ出ることなく、接続端子71a,72aに接続される。同様に、マイクロストリップライン11bは、接続端子71b,72bの並びの両端部から両側方にはみ出ることなく、接続端子71b,72bに接続される。
接続端子73a及び73bの夫々には、マイクロストリップライン13a及び13bが各別に接続されている。この場合、マイクロストリップライン13a及び13bの導体パターンの幅が0.19mmであるのに対し、接続端子73a及び73bは、端子幅が0.2mmである。従って、マイクロストリップライン13a及び13bの夫々は、接続端子73a及び73bの端子幅に対して両側方にはみ出ることなく、接続端子73a及び73bに各別に接続される。
尚、マイクロストリップライン13a,13bの特性インピーダンスが例えば25オームである場合は、パッド53a及び53bの夫々を、各2個の隣り合う接続端子に相異なるボンディングワイヤを用いて各別に接続してもよい。この場合は、前記各2個の隣り合う接続端子にマイクロストリップライン13a及び13bの夫々を接続することとなる。
このように、半導体チップ5の1個のパッドと、1本のマイクロストリップラインとを2本のボンディングワイヤ及び2個の接続端子を介して接続することにより、ボンディングワイヤによる寄生インダクタンスの影響が略1/2に低減される。半導体チップ5の1個のパッドと、1個の接続端子とを2つ以上のボンディングワイヤで接続した場合は、寄生インダクタンスの影響がより低減されることは言うまでもない。
上記に加えて、QFN構造の半導体パッケージ7が、リードレスチップキャリアの一種であり、リード(接続端子)の下面が、そのままハンダ付け用のランドとして使用されるため、接続端子が有する寄生インダクタンスが極めて小さいものとなる。半導体パッケージ7としては、QFN構造に限定されず、接続端子が下面にアレイ状に配されたBGA等の他のリードレス構造を有するものであってもよい。
以下では、半導体パッケージの接続端子の中心間距離と、接続端子に接続される導体パターンの幅との関係を一般化して説明する。
図4は、半導体パッケージの接続端子と導体パターンとの接続を模式的に示す説明図である。図中7aは半導体パッケージであり、半導体パッケージ7aは、外周部に配列された複数の接続端子を備える。ここでは、接続端子の中心間距離をd(mm)とし、接続端子の端子幅をw(mm)とする。
先ず、dの1から2倍までの幅を有する導体パターンを半導体パッケージ7aの接続端子に接続する場合について説明する。導体パターン14及び15の夫々は、幅がd+α及び2d−β(0<α、β<d)であり、α及びβが限りなく0に近いものとする。ここでは、導体パターン14の中心線と、接続端子74a及び74bの中間点を結ぶ線とが一致するように導体パターン14を形成してある。同様に、導体パターン15の中心線と、接続端子75a及び75bの中間点を結ぶ線とが一致するように導体パターン15を形成してある。
導体パターン14の幅は少なくともdより大きいため、導体パターン14の幅方向の両縁部と、接続端子74a及び74bとが夫々接続される部分の幅は、w/2より大きくなることが容易に見て取れる。つまり、限りなくdに近い幅を有する導体パターン14が、接続端子74a,74bに確実に接続され得ると言える。
一方、導体パターン15の幅は少なくとも2dより小さいため、導体パターン15の幅方向の両端部は、接続端子75a及び75b夫々の中心線から両側方にd/2以上はみ出ないことが容易に見て取れる。つまり、限りなく2dに近い幅を有する導体パターン15の幅方向の両端部が、接続端子75a,75bの並びの両側方に各隣り合う接続端子74b,74cに接触することがないと言える。
接続端子74a,74b及び75a,75bの夫々と、図示しない半導体チップの相異なる1個のパッドとは、ボンディングワイヤで各別に接続されるため、ボンディングワイヤによる寄生インダクタンスの影響が略1/2に低減される。
次に、dの2から3倍までの幅を有する導体パターンを半導体パッケージ7aの接続端子に接続する場合について説明する。導体パターン16及び17の夫々は、幅が2d+α及び3d−β(0<α、β<d)であり、α及びβが限りなく0に近いものとする。ここでは、導体パターン16の中心線と、接続端子76bの中心線とが一致するように導体パターン16を形成してある。同様に、導体パターン17の中心線と、接続端子77bの中心線とが一致するように導体パターン17を形成してある。
導体パターン16の幅は少なくとも2dより大きいため、導体パターン16の幅方向の両縁部と、接続端子76a及び76cとが夫々接続される部分の幅は、w/2より大きくなることが容易に見て取れる。つまり、限りなく2dに近い幅を有する導体パターン16が、接続端子76a,76b,76cに確実に接続され得ると言える。
一方、導体パターン17の幅は少なくとも3dより小さいため、導体パターン17の幅方向の両端部は、接続端子77a及び77c夫々の中心線から両側方にd/2以上はみ出ないことが容易に見て取れる。つまり、限りなく3dに近い幅を有する導体パターン17の幅方向の両端部が、接続端子77aから77cの並びの両側方に各隣り合う接続端子76c,77dに接触することがないと言える。
接続端子76a,76b,76c及び77a,77b,77cの夫々と、図示しない半導体チップの相異なる1個のパッドとは、ボンディングワイヤで各別に接続されるため、ボンディングワイヤによる寄生インダクタンスの影響が略1/3に低減される。
以上の事柄を帰納的に表現すれば、(N−1)dからNd(Nは2以上の整数)までの幅を有する導体パターンを隣り合うN個の接続端子に接続するに際し、導体パターンの中心線と、N個の接続端子の配列方向に直交する方向の中心線とが一致するように接続した場合は、導体パターンが、N個の接続端子の全てと確実に接続され、且つN個の接続端子の配列方向の両側方に各隣り合う接続端子に接触することがないようにできる。この場合、Nが偶数のときは接続対象の接続端子も偶数であり、接続端子の並びの中間点を結ぶ線と、導体パターンの中心線とが一致するように接続すればよい。Nが奇数のときは接続対象の接続端子も奇数であり、接続端子の並びの中央にある接続端子の中心線と、導体パターンの中心線とが一致するように接続すればよい。
更に、半導体チップの1個のパッドと、上記N個の接続端子とをボンディングワイヤで各別に接続することによって、ボンディングワイヤによる寄生インダクタンスが並列的に接続され、その影響が略1/Nに低減される。
以上のように本実施の形態によれば、半導体チップに設けられたパッドを、半導体パッケージの隣り合うN個の接続端子にボンディングワイヤで各別に接続すると共に、接続端子の中心間距離のN−1からN倍までの幅を有する導体パターンと、前記N個の接続端子とを接続する。
これにより、半導体チップのパッドと半導体パッケージの接続端子とを接続するボンディングワイヤによる寄生インダクタンスがN個並列に接続されることになり、寄生インダクタンスがインピーダンスの不整合に与える影響を略1/Nに低減することが可能となる。
更に、導体パターン及び前記N個の接続端子を、導体パターンの中心線と、N個の接続端子の配列方向に直交する方向の中心線とが一致するように接続した場合は、必然の帰結として、導体パターンが、N個の接続端子の全てと接続され、且つN個の接続端子の配列方向の両側方に各隣り合う接続端子に接触することがない。
また、半導体チップが、光モジュールの発光素子及び受光素子の両方又は一方に対して、信号線毎に独立したパッドを介して高周波信号を送受信する。
従って、半導体パッケージが、BOSA、TOSA及びROSAに対して送受信する高周波信号について、ボンディングワイヤによる寄生インダクタンスの影響を低減することが可能となる。
更にまた、第1回路基板上のマイクロストリップラインの特性インピーダンスが50オームより小さい25オームであるために、半導体パッケージの接続端子から半導体チップに至るボンディングワイヤの寄生インダクタンスの影響を受けて、マイクロストリップラインと半導体パッケージの接続端子とのインピーダンスの不整合が生じ易い場合であっても、1つの高周波信号に対してN本のボンディングワイヤが並列に接続されることから、寄生インダクタンスが低減されて高周波信号の波形のリンギングを効果的に抑制することが可能となる。
更にまた、半導体パッケージの構造がQFN構造、BGA構造等のリードレス構造であるため、接続端子そのものによる寄生インダクタンスの影響が最小限に抑えられ、接続端子から半導体チップに至るボンディングワイヤの寄生インダクタンスの影響を低減した効果を有効に引き出すことが可能となる。
更にまた、半導体パッケージと導体パターンとの関係では、半導体パッケージの外周部に配列された接続端子の中心間距離のN−1からN倍までの幅を有する導体パターンからなり、且つ特性インピーダンスが50オームより小さいマイクロストリップラインと、前記N個の接続端子とを接続する。
従って、特性インピーダンスが50オームの場合と比較してマイクロストリップラインの幅が広がるために、マイクロストリップラインと接続端子との物理的サイズの違いが生じて接続部位におけるインピーダンスの不整合が生じ易い場合であっても、N個の接続端子が1本のマイクロストリップラインに共有されることから、前記不整合を低減することが可能となる。
更にまた、半導体パッケージ単体ついては、半導体チップが光モジュールの発光素子及び受光素子の両方又は一方に対して電気信号を夫々送受信するパッドを、半導体パッケージの隣り合うN個の接続端子にボンディングワイヤで各別に接続する。
従って、半導体パッケージが、BOSA、TOSA及びROSAに対して送受信する高周波信号について、半導体チップのパッドと半導体パッケージの接続端子とを接続するボンディングワイヤによる寄生インダクタンスの影響を略1/Nに低減することが可能となる。
今回開示された実施の形態は、全ての点で例示であって、制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上述した意味ではなく、特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味及び範囲内での全ての変更が含まれることが意図される。
100 光通信モジュール(回路装置)
1 第1回路基板(回路基板)
10 駆動回路(半導体装置)
11a、11b マイクロストリップライン(帯状の導体部分)
13a、13b マイクロストリップライン
3 光モジュール
31a、31b 信号端子
5 半導体チップ
51a、51b、53a、53b パッド
61a、62a、61b、62b、63a、63b ボンディングワイヤ
7 半導体パッケージ
71a、72a、71b、72b、73a、73b 接続端子
D1 発光素子
D2 受光素子

Claims (6)

  1. 半導体チップに設けられたパッドと、前記半導体チップが収容された半導体パッケージの外周部に配列された複数の接続端子と、前記半導体パッケージが実装された回路基板上の導体パターンに含まれており、前記接続端子の中心間距離のN−1からN倍(Nは2以上の整数)までの幅を有する帯状の導体部分とを配線にて接続してある回路装置であって、
    前記パッドを、隣り合うN個の接続端子に各別に接続するボンディングワイヤを備え、前記N個の接続端子を、前記導体部分に接続してあることを特徴とする回路装置。
  2. 前記半導体チップは、発光素子及び/又は受光素子を有する光モジュールに電気信号を夫々送信及び/又は受信するパッドを有することを特徴とする請求項1に記載の回路装置。
  3. 前記導体部分は、特性インピーダンスが50オームより小さいマイクロストリップラインであることを特徴とする請求項1又は2に記載の回路装置。
  4. 前記半導体パッケージは、QFN(Quad Flat Non-leaded package )構造を含むリードレス構造を有することを特徴とする請求項1から3の何れか1項に記載の回路装置。
  5. 半導体パッケージの外周部に配列された複数の接続端子と、前記半導体パッケージが実装された回路基板上に形成されており、前記接続端子の中心間距離のN−1からN倍(Nは2以上の整数)までの幅を有し、且つ特性インピーダンスが50オームより小さいマイクロストリップラインとを配線にて接続してある回路装置であって、
    隣り合うN個の接続端子を、前記マイクロストリップラインに接続してあることを特徴とする回路装置。
  6. 発光素子及び/又は受光素子を有する光モジュールに電気信号を夫々送信及び/又は受信するパッドを有する半導体チップが収容されており、外縁部に配列された複数の接続端子を有する半導体パッケージを備える半導体装置において、
    前記パッドを、隣り合うN個(Nは2以上の整数)の接続端子に各別に接続するボンディングワイヤを備えること
    を特徴とする半導体装置。
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